1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :
2008/03/22(土) 04:59:59.27 ID:lcG06KpB0 ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※
各まとめ入口:
http://bnsk.daa.jp/ まとめwikiコラム:
http://bnsk.daa.jp/wiki/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0 初心者の方は上記のまとめwikiコラムの他、掲示板を一度ご覧下さい。
小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています
(三行テンプレート)
1:お題をもらう(安価より「↓」を推奨)
2:もらったお題に沿った作品を書いて、完成させる。
3:「投下します」と宣言し、作品投下。メール欄は無記入、名前欄には「もらったお題」を表記する。タイトルは無くても可。
・1レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで(読みやすさの為に50〜60文字推奨)
・書きながらの投下は禁止
・お題をもらっていない作品はたとえ投下されてもまとめサイトには掲載されません
詳細は
>>2-3 辺りをご覧下さい
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 05:00:38.60 ID:lcG06KpB0
まずはお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです →人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります ▽投下の際の注意点 ・投下宣言は「投下してもいいですか?」ではなく「投下します」。投下宣言が被らない限り、許可はいりません ・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします ・名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』)を書いて下さい ・まとめる際にコピペがしづらいので、メール欄は空にして投下してください。 ・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてから、完成品をまとめて投下して下さい ▽読み手の方へ ・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい ▽保守について ・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です ・落ちた場合は立てられる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に ▽その他 ・通常作品でもトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 05:01:20.59 ID:lcG06KpB0
▲週末品評会 毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます 作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます ▽作品投稿 ・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します ・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします ・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列) →毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです ・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。 ▽締め切り間際の作品投稿について 週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。 それを無管理で放っておくと大変な事になるので、23時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。 予約締切は23:30で、以降は時間外の扱いになります ▽投票 ・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可) ・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい ・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります! ・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい ▽優勝者特権 ・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます ・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します ・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 05:01:49.78 ID:lcG06KpB0
824 名前: ◆D8MoDpzBRE 投稿日: 2008/03/20(木) 00:00:14.17 ID:ipUOb8OS0 ルーシーがお空でダイヤモンドと一緒に浮かんでいるよ、と歌ったのはビートルズだった。野球のフィールドも ダイヤモンドだし、トランプにもハートと同じ赤で出てくるし、プリンセスプリンセスもダイヤモンドだねと歌った。上 手く言えないけれど、ダイヤモンドは宝物だ。そう言えば、鉄道の運行表もダイヤだ。鉄道ファンにとってはかけ がえのない宝物だから、ダイヤなのだろう(実際にはダイヤグラムの略であり、ダイヤモンドとは何の関係もない。 真実とはかくもつまらないものである)。 というわけで、お題は「ダイヤ」。別にダイヤグラムでも構わない。泳げダイヤキ君とか、そういう無理があるも のに関しては読者が判断してくれるだろう。僕の知ったことではない。 ところで話は変わるけど、最近花粉が凄くて困ります。鼻とかぐじゅぐじゅするし、目とか痒くて大変。今年は 多いよ、とよく会話で耳にするところですけれど、多くなかった年なんてあったでしょうか? そう言えば、黄砂も 大量に降っているみたいで、粉という粉が吹き荒れていますね、日本列島。粉って不思議です。 【第103回週末品評会】 『ダイヤ』 規制事項:5レス以内。 投稿期間:2008/03/22(土) 00:00 〜 2008/03/23(日) 23:30 宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外。 投票期間:2008/03/24(月) 00:00 〜 2008/03/25(火) 24:00
5 :
師走タンハァハァ ◆SiwaSuC2IQ :2008/03/22(土) 05:03:26.50 ID:zo3aXQ+SO
ダメです 認めません
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 05:24:34.82 ID:4btDzKSEO
いちおつ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 06:53:09.22 ID:OY5O7KhwO
おついち まだ一つも投下されとらんッ!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 07:13:35.82 ID:zAp9PchZ0
気付けばもう土曜日か 完成するかな……
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 08:04:59.81 ID:cKD4MZDhO
時間外でいくか……
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 08:34:18.37 ID:0NwG8Em8O
いちおつほしゅ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 09:17:44.63 ID:cKD4MZDhO
保守党
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 09:28:37.79 ID:Ik6O58YVO
ほっしゅ 今だにダイヤに悩まされてる
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 09:44:38.56 ID:cKD4MZDhO
ヒモ男にダイヤの入ってない指輪を渡されて 「二人が幸せなら見えるダイヤだけど見えない? 俺には見えるけど」 って言われた盲心的な女性の話を書こうと思ったけど時間がないからネタ潰し
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 11:00:23.02 ID:28PFaCJk0
んじゃ保守代わりに品評会作品投下します 全5レス
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 11:00:28.18 ID:vTES0nwbO
ほ
16 :
幸福な王子 グリム風カルパッチョ 1/5 ◆zsc5U.7zok :2008/03/22(土) 11:02:51.66 ID:28PFaCJk0
天国にて。幼い天使たちを集めて神様が問いかけます。 「天使たちよ。この世で最も美しいものは何だと思うかね?」 天使たちは、口々に答えます 「ダイヤ!」「金!」「サファイヤ!」 彼らの口からはさまざまな価値のある物の名前が飛び出しました。 しかし、神様はそれらを聞いて大変悲しそうな顔をします 「天使たちよ。それは大きな間違いだ。ダイヤやサファイヤがこの世で最も美しいはずがないのだよ」 そう言うと、天使たちに昔話を語って聞かせるのです。 昔、とある国に欲深くて残酷な王様がいました。王様は、国中からお金をまきあげ、自分に逆らおうとする者は捕まえて 牢屋に入れたり、死刑にしたりしました。 また、気に入った女は力ずくでも自分のものにし、仕事もせずに遊びまわるなど、国民はみな王様を心の底から憎んでい ました。 ある時、その王様に男の子が生まれます。普通ならば、王様は自分の子供に興味なんてありませんでしたが、その王子は なんとも奇妙な姿形をしていたのです。 皮膚と髪が黄金、目はサファイヤ、流れる血は固まるとルビーになり、歯は真珠、全身のいたるところが宝で出来ていました。 「何とも親孝行な息子よ。こいつがいれば、巨万の富を手に入れたに等しいのだから」 王様はそう言って、幼い王子を見ながら笑うのです。 母親は、幼い王子の未来を心配し、なんとかお城の外に逃がそうとしました。こんな所にいたら、その体目当てにいつ殺 されるかわからないのですから。 しかし、王様はそれを許さず、二人を捕らえると母親を殺して王子をお城の一番奥の部屋に閉じ込めてしまったのです。 「ふん、欲張りめ。お前のような愚かな女に王子は渡さぬわ」 王様は、王子の部屋に外から固く鍵をかけ、何人もの人間にその部屋を見張らせました。 王子の世話は、自分の従者の中から一人を選び、彼にさせました。その従者の名をスワロといいます。 スワロは、とても臆病で王様の命令には忠実に従いましたが、根はおとなしく優しい若者でした。 閉じ込められている王子に同情し、様々な本を持ってきてあげたり、外のお話をしてあげたりしました。 窓一つ無い部屋から出ることの出来ない王子にとって、スワロの持ってくる本とお話だけが、外を知るための方法でした。 ある時、王子はスワロに言います。
17 :
幸福な王子 グリム風カルパッチョ 2/5 ◆zsc5U.7zok :2008/03/22(土) 11:03:25.33 ID:28PFaCJk0
「ねぇスワロ。僕は一度でいいから外の世界を見てみたいんだ。どうにかして、ここから出られないだろうか?」 スワロは王子の願いを何とか叶えてあげたいと思いましたが、それでもあの恐ろしい王様に逆らう勇気は持てません。迷 った挙句、王子に答えました。 「すみません王子。私にはそのお願いをきいてさしあげることは出来ません。王様に殺されてしまいますよ」 それを聞いた王子は、ただ悲しそうな顔をして、俯くのでした。 しばらくして、王様が好き勝手をし過ぎたせいで、お城にお金がなくなってしまいました。国民からもすでに取りすぎる くらい取り上げていましたから、これ以上しぼり取ることは出来ません。 「ふむ。こうなったら仕方がない。もともと、そのために飼ってやっていたわけだしな」 王様は、スワロを呼びつけると、王子の体から血を抜いてそれを売り払うように命じました。 スワロは悩みます。 「王様は怖いけれど、あんなに可哀想な王子の体を傷付けて、それを金にかえるなんて……」 考えた挙句、スワロは王子に相談しました。 すると王子は優しくスワロの肩を叩いたのです。 「そうか。父様がそうしろと言ったのなら、仕方がないよ。どうせ、いつかはこうなるのは分っていたんだしね」 王子はスワロに少し寂しそうに微笑みかけると、自分の体から血を抜くように言いました。 「ごめんなさい、王子。いけないことだとは分ってるんです。でも王様には逆らえないんです」 スワロは王子の体から血を抜く間、ずっと涙を流して謝り続けました。 抜いた血が固まって美しいルビーに変わる頃、血を抜かれてぐったりしながら王子はスワロに言いました。 「一つだけお願いがあるんだ。僕の体から出たこの血のルビーを、父様のせいで苦しんでいる民に少しでいいから分けてあ げて欲しい。ほんの少しでも彼らの助けになってあげたいんだ」 王子は、王様の……自分の父親のやっていることを止められないのが悲しい、とスワロの手を握ります。 「これだけのルビーだ。少しくらい分けてあげたからといって、父様は気付かないだろう。そして、この手紙を彼らに渡し て欲しい。僕から民へのメッセージだ。どうだい? 僕の頼みを聞いてくれないか?」 スワロはそれを聞いて、泣きながら頷きました。 「はい、分りました。王子のことも必ず伝えます」 スワロはそのルビーを二つに分けて、片方はお金にして王様に、もう片方は町の皆に届けたのです。 「これは王子から民への贈り物だ。これだけのルビーがあれば、生活に困る者達の何人かも助かるだろう」
18 :
幸福な王子 グリム風カルパッチョ 3/5 ◆zsc5U.7zok :2008/03/22(土) 11:03:58.33 ID:28PFaCJk0
それを受け取った人々は、王子の優しさにとても感謝したのでした。 「王子に『ありがとうございます』とお伝えください」 半分とはいえ、王子の体から出たルビーは大金となりました。王様はそれを受け取ると大変満足そうに笑います。 「はっはっは! 全く役に立つ息子だ。父がほめていたと伝えてやれ!」 王様はその金で、再び好き勝手なこと始めます。 スワロはその愚かな王様の姿に、やりきれないものを感じながら王子の下に帰るのでした。 それからというもの、王様はさらに自分勝手に遊びまわるようになりました。何しろ、お金が無くなれば王子の血や肌を 売ればいいわけですから、その酷さはどんどん増していきました。 勿論、王子はその度に血を抜かれ、時には肌をはがされたり、髪の毛を抜かれたりしたのです。 それはいつもスワロが行いました。王子が苦しそうに声を上げると、スワロの心はきつく締め付けられました。 「じゃあ、スワロ。今回もよろしく頼むよ。出来れば、お城の兵士達にも分けてやって欲しい。彼らもまた、父様に振り回 されているのだから」 王子は自分の一部を奪われるたび、そうしてその一部を民に配るようにスワロに命じました。 スワロの罪悪感は、こうして王子の体を民に届けるときだけは消えてくれる気がしていたのです。王子の優しさに触れた 民の笑顔だけが、スワロの心を慰めてくれるのでした。 そうしているうちに、王様の無駄遣いがとうとう限界を超えてしまいました。王子の血や肌や髪では、払いきれないほど の借金を抱えてしまったのです。 仕方なく、王様はスワロに命じます。 「王子を殺して、体中を切り売りするのだ。目や骨や心臓も売れば、今までとは比べ物にならない金になるだろう」 スワロはそれを聞いて絶望しました。王子を傷付けるだけでも嫌なのに、その上殺すことなんて出来ないと。 スワロは王子の下へ行って事情を説明します。 「王子。王様は貴方を殺して体中を売り払えとおっしゃっています。でも、私にはそんな残酷なことは出来ません。今日に でも、荷物をまとめてこの国を出て行くつもりです」 スワロは膝をついて涙を流しました。 すると、王子はとても怖い顔をして言ったのです。 「ダメだ、スワロ。逃げるなんて許さない。君がいなくなったら僕はどうなるんだい? 多分、すぐさま別の奴にバラバラ にされ、その体は今度こそ民の物にはならず、全て父様の物となるだろう。そんなことが許せるわけがない」
19 :
幸福な王子 グリム風カルパッチョ 4/5 ◆zsc5U.7zok :2008/03/22(土) 11:04:35.83 ID:28PFaCJk0
王子は、スワロの手を掴むと、その手に短剣を握らせました。 「どうしてもと言うのなら、まず君のその手で僕を殺せ。そうでなければ行かせない。君が僕の体の一部を民に分けてやっ ていたことを父様にバラしてもいいんだよ?」 スワロは顔を真っ青にして、王子と短剣を交互に見つめます。優しかった王子の顔は、今では信じられないほど、それは 父である王様によく似た恐ろしいものに見えました。 「僕を殺したら、いつものように民へと分けてやるのを忘れないでくれよ? そうだな……心臓がいいだろう。それを渡し てやってくれ。それが僕から君への最後の願いだ。それをやり遂げたなら、この地獄のような国から出て行けばいい。勿論、 僕の体の一部を旅費に使ってもかまわないよ」 スワロは王子の言葉を聞くと、震える手で短剣を振り上げます。 「うわああああああああああああああああああっ!」 スワロは王子の体から心臓を取り出しました。それは信じられないほど大きく美しいダイヤで出来ていました。スワロは それを抱えると、民の下へと運んだのです。 「これが、今回の王子からの贈り物だ」 広場には、今まで以上に多くの者達が集まっていました。そして、その中心にいるスワロの顔は、下を向き全てに疲れ果 て怯えきっていました。 しばらくして、王子の心臓を受け取った町の人々の中から、どうしたことか次第に悲鳴と泣き声が聞こえ始めました。 「そ、そんな!」 「手紙に書いてあった通りだ!」 「おお、神よ……何故あんなに優しい王子がこのような目に……」 スワロは顔を上げて、これを不思議そうに見つめます。 「な、何故だ? 王子が死んだことは、まだ誰も知らないはずなのに」 何が起こっているのか分からないスワロ。 一体どれくらいの時間が経ったでしょうか。そのうち、民の中から一人の男が進み出ました。 「王子は亡くなられた。あの優しい王子は、最後まで我らのことを思っていてくださったのだ。この上は、手紙にあった通 り、あの残虐な王を打ち倒し王子の願いを果たす時だ!」 その声に、合わせるかのように、町中からオーッという掛け声が上がります。 そして、彼らの目が一斉にスワロの方を見たのです。その目には明らかな怒りが込められていました。 「王の前に、まずお前からだスワロ! 王子の優しさに触れながら、王にこびへつらう弱虫め! 王子は心の底からお前の ことを憎んでいらっしゃったのだ!」
20 :
幸福な王子 グリム風カルパッチョ 5/5 ◆zsc5U.7zok :2008/03/22(土) 11:05:42.17 ID:28PFaCJk0
「い、一体どういうことなんです!? 私は王子のご命令に従っただけです!」 スワロが言うと、民の一人がスワロに何かを投げつけました。 「王子が我々にあてた手紙だ! よく読んで、自分のやってきたことを思い出すがいい」 スワロは言われた通り、恐る恐るその手紙に目を通します。するとそこには、信じられないことが書いてあったのです。 我が親愛なる民よ。私は残虐なる王にこの体をむしられて、貴方達に会うことさえなく死ぬことになるだろう。すまない。 王の行いを止めることの出来ない無力な王子を許して欲しい。 ただ、だからといって私も黙って殺されるようなことはしない。私は王の忠実なる僕であるスワロを騙し、この手紙とい くらかのルビーを貴方達に届けることに成功しているはずだ。それを使って力を蓄え、いつの日か愚かな王を倒して欲しい のだ。勿論、これだけでは不十分だろうから、これから先何度かこうして貴方達に宝石を届けさせる。 だからお願いだ。私の仇をとってくれ。スワロがルビーに塗れた巨大なダイヤを貴方達の元に運んできた時、私はまさに スワロによって殺されていることと思う。勿論王の命令によってだ。 頼む。愛する民よ。愚かなる王とその僕に鉄槌を。 スワロはこの手紙を読んで愕然としました。 「王子は……私を……」 人々が取り囲み怒りを向ける中で、その中心にいる男は静かに空を見上げました。 呆然とする彼にとって、その首にまさに振り下ろされようとしている斧のことなど、最早どうでもよくなっていたのです。 その日、愚かなる王は倒され、国に平穏な時が訪れました。王子の体は荒れ果てた国の復興に使われたのです。王子も心 からそれを望んでいたことでしょう。 民は、国と民を救った王子を称え、国全体が見渡せる広場の中心に王子の像を建てました。 その像は、国に幸せをもたらして欲しいという祈りを込めて、『幸福の王子』と呼ばれたということです。 神様の話が終わると、天使たちは皆悲しそうに泣いていました。 そして、それを見てから神様は懐からある物を取り出します。それは王子の心臓であったダイヤでした。 神様はそれを陽にかざすと、まぶしそうに目を細めます。 ダイヤは、陽の光を吸い込むとそれを世界中に振り注ぐかのように、美しく輝いていました。 オスカー・ワイルドに尊敬と愛をこめて 了
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 11:06:23.99 ID:28PFaCJk0
投下完了
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 11:11:59.93 ID:0MifOl1NO
ほす
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 11:29:09.88 ID:0MifOl1NO
ほす
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 12:08:42.05 ID:fmQGsndx0
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 12:24:13.54 ID:0MifOl1NO
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 12:53:53.18 ID:PhaTglgAP
ほ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 12:55:13.83 ID:VHew56Yt0
あー、間違えてまとめ掲示板に書き込んでしまった すいませんすいません
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:06:20.32 ID:fmQGsndx0
そんな時は運営さんを呼ぶんだ! さあ、ご一緒に! 「うーんえーいさーん!!」 ところで質問だけど、大人でも「あたし」って言う人結構いるよ。 書く場合は、その人の口調に順ずる事が多いかな。 大人でも「あたし」と言わせる事もあれば、小学生でも「私」と言わせることもある。 俺の場合はね。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:09:35.59 ID:VHew56Yt0
>>28 あっちのどっかのスレに書き込んだほうがいいのかな?
ですよねー。
あたし女だけど(笑)
なんとなく「あたし」はスマートじゃないんだよな……
複数キャラ出すと一人称悩むよなw
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:27:55.67 ID:fmQGsndx0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:29:21.78 ID:Kfe2fFto0
リアルでどうかはともかく文字でみると「あたし」ってちょっと自己主張の激しい感じを受ける。 気の強い子とかギャル系の子とか、逆に不思議ちゃんとか。 そんな子には合ってる気がする。 普通の小さな子だったらひらがなの「わたし」を使うと思う、俺なら。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:34:49.79 ID:VHew56Yt0
ぼく、ボク、僕とか、 あと○○君は平気なんだけど、○○クンってのはなんかやきもきする オレだけ?
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 13:39:30.84 ID:QR2S0Anx0
さて、品評会ようのを投下シマフクロウ
36 :
【品評会】ロマン! (1/4) ◆K0pP32gnP6 :2008/03/22(土) 13:52:12.57 ID:QR2S0Anx0
午後八時。 晩飯の食器を軽く水洗いし、食器洗い機にセットして居間に戻る。 智香はコーンチップスの袋を抱え、2人掛けソファの左に座ってクイズ番組をじっと見ている。 「おい、俺が当番のときだけ卵料理作るのやめないか?」 ソファの右側に座りながら言ってやった。 卵料理は下洗いしないと、食器洗い機だけでは流しきれない。 「偶然ぐうぜん。だってそこまで熱心に献立考えてないしー」 智香はテレビから目をそらさず、天然なんだた狙ってんだか分らない珍回答を笑っている。 心の中で溜息をつきつつ、俺はコーンチップスに手を伸ばす。 袋の奥のほうまで手を突っ込んでも、指先にチップは触れない。 不意に、智香は袋をつかんでいた手を緩めた。 「もう空だよー。捨てといてね」 やられた。まあ、いつものことだけど。 もう一度心の中で溜息をついてから、ソファから立ち上がりスチールのごみ箱に袋を押し込む。 ふと、ゴミ箱の上に掛っている猫の写真の月めくりカレンダーが目に入った。 三月二一日に、赤いひし形が付けたれていた。 ソファに戻り、俺もクイズ番組を眺めていた。 ふと思う。 「そういや、最近クイズの賞品で『ロマン輝くなんたら』って聞かないよな」 「んー、確かに。現金が多いかもね。それに……」 それに? 「そっちの方が嬉しいでしょ?」 やはりテレビを見たまま、智香は言った。 まあ確かに、指輪より現金のほうがいいけどさ。 「ていうか、一般人が解答者の番組も減ったよな。なんでだ?」 「別にクイズ王見てても面白くないからじゃない?」 質問に質問返し。
37 :
【品評会】ロマン! (2/4) ◆K0pP32gnP6 :2008/03/22(土) 13:53:45.92 ID:QR2S0Anx0
「そうか? じゃあどんなクイズ番組なら面白いんだ?」 「んー、最近の傾向はバカな解答者の珍回答を笑う、っていうのが多いんじゃない? 性格悪いよね。そういうのが流行る世の中っていやだよ」 いや、さっきお前それで笑ってただろう。 「今『お前もその性格悪い一人だろう』とか思ったでしょ。別にいいけどー」 「ああ、思ったね。謝らないけど。ちなみに俺は硬派なクイズ番組が好きなロマン輝く男だから」 「でもさ、そういうロマン輝くクイズの解答者って、なんか嫌味な感じするよね」 遠まわしに俺が嫌味っぽいと言いたいのか? 別にいいけどさ。 「さて、それじゃあロマン輝く男さんに、第一問」 急にクイズかよ。 「今日は何の日でしょう?」 やはりテレビから目をそらさず、出題する智香。 「カウントダウンの日」 求められている答えはわかるけど、あえてテキトーな答えを言う。 「…………違うよ」 テレビに向けられた目が、すこし潤んだように見えた。瞬間焦って俺は答える。 「に、二周年。俺たちが付き合い始めて!」 「正解ー」 笑顔をテレビに向けて、智香は続ける。 「第二もーん」 と言って、間。某億万長者クイズの司会者並みの間
38 :
【品評会】ロマン! (3/4) ◆K0pP32gnP6 :2008/03/22(土) 13:54:20.42 ID:QR2S0Anx0
不意に、智香の笑顔が真剣な表情に変わる。 「私たちはそろそろ結婚するでしょうか?」 それはクイズというより質問だろう。 急な質問……というか、これはもはや遠回しな逆プロポーズ? いや、むしろ智香はこういうのを男に言わせようとするタイプじゃないのか? 戸惑った俺は、口をパクパクさせた。 智香はテレビではなく、俺の顔をじっと見つめている。 「あ、あれだ。ここで問題です。男女が付き合い始めてから結婚までの平均年数は!?」 このセリフは間違いなく間違い。言ってから思った。 しかし、智香は俺の目をじっと見たまま、 「二年」 短くそう答えた。 ちなみに、正解は二年くらいらしい。 「せ、正解」 「それで、第二問目の答えは?」 真剣な眼差しが痛い。なぜ今日という日に、そっちから先に言ってきてしまうかな。 こうなりゃ。 「お、俺からの第二問!」 智香の真剣な表情に少し怒りが交る。 「ごまかさないでよ」
39 :
【品評会】ロマン! (4/4) ◆K0pP32gnP6 :2008/03/22(土) 13:57:15.14 ID:QR2S0Anx0
「第二問! 浅倉南を世界中の誰よりも愛しているのは……」 「上杉達也」 問題は最後まで聞け。 「上杉達也ですが、おまえを世界で一番愛しているのは?」 できるだけ淡々と、クイズの問題文を読むように言った、が最後の声が裏返った。 「えっと……」 顔が赤いぞ。 再びテレビのほうに向き直ってから智香は答えた。 「う、うちの親、とか? ほら、わたし一人娘だし?」 智香のここまで照れてる姿を俺は初めて見た気がする。 俺は黙って立ち上がり、玄関に向う。 「ごめん! 今の冗談だから!」 なんか勘違いして謝ってきた智香を無視して、俺は玄関に置きっぱなしの仕事用の かばんの中から『賞品』を取り出し、後ろ手に隠して持ちながらソファまで戻る。 「えーと、一問正解の智香さんにはこちら、ロマン輝く俺より、給料二ヶ月相当の、 ダイヤモンドエンゲージリングを差し上げます!」 智香の目の前にリングケースを突き付けて、開ける。 勘で答えた難問クイズが偶然正解してしまった――みたいな表情の智香。 「あ、ありがとう。これは、現金より嬉しい……かも」 「えーとそれで、お前の出した二問目の答えは、今すぐにでも、だ」 少しの間の後、智香は俺の目をじっと見つめ、一言。 「ファイナルアンサー?」 おわり
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 14:20:29.06 ID:fmQGsndx0
氷河が主役の話とか投下されないかなー
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 14:41:23.06 ID:0MifOl1NO
ほす
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 14:57:05.23 ID:fmQGsndx0
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 15:09:06.90 ID:zAp9PchZ0
よっしなんとか目処が立った 今日の夜には投下するぞー保守
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 15:19:01.46 ID:VHew56Yt0
一応、書き始めるが自分でも目処が付かない……
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 15:42:25.13 ID:5h72l4VP0
書き始めただけいいじゃないか……。 俺なんてまったくストーリーが浮かばないよ。 そりゃもちろんいくつかは浮かぶけど、これは面白くない、これはありきたりだと、切り捨ててしまう。 自分が面白いと確信できるものしか書かないと腹を決めてしまうか、駄作だと思いつつ書くべきなのか。 生きるべきか、死ぬべきかそれが問題だ。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 15:56:12.82 ID:lcG06KpB0
!! オスカー・ワイルドネタがかぶるとは…w
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 16:29:58.30 ID:VHew56Yt0
ほ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 16:32:24.66 ID:fmQGsndx0
さて出来た。 後は明日にでも推敲して投下だね。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:04:54.66 ID:Iv2XZAgp0
ほしゅ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:23:18.03 ID:iIOXX4ao0
パートスレッド観測所★2
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1206158866/l50 15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/03/22(土) 13:23:12.32 ID:xZpl1Dy50
■文才ないけど小説
「物書き連合」トップクラスの筆力がある。レベルの高い作品が投下されることもあるが、
初心者お断りな雰囲気があり、軽い気持ちで投下できないとも言われる。
作品の評価もされたりと有用なスレッドとは思えるが、創作板があるのでそっちで
やりましょうね^^
コテ度:★★☆☆☆
馴れ合い度:★★★★☆
Live度:★★★☆☆
ワロタwww
パートスレッド観測スレなのに、 ★2とかついてるのはツッコんじゃダメなんだろうか
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:27:35.05 ID:iIOXX4ao0
109 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/03/22(土) 16:45:50.31 ID:xZpl1Dy50
■パートスレッド観測所
偉そうな
>>1 が、てきとうにパートスレを評価したり叩かれるスレ。
パートスレをオチするという新しい趣向が特徴。過疎スレ
コテ度:★☆☆☆☆
馴れ合い度:★☆☆☆☆
Live度:☆☆☆☆☆
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:43:27.48 ID:VHew56Yt0
物書き連合ってなんだよ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:44:26.20 ID:fmQGsndx0
物を書くことによって世界を変えようとする組織なんじゃないだろうか
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 17:46:23.03 ID:Iv2XZAgp0
初心者お断りっつーか、 テンプレ嫁って感じだな
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:07:05.14 ID:0MifOl1NO
ほす
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:11:47.24 ID:WCHJfoeF0
物書き連合ワラタ でもvipじゃまじで物書き系多いからねw
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:13:24.57 ID:Iv2XZAgp0
最近多いよな、小説系 この前安価でアホな小説書いたぜwww
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:15:37.36 ID:WCHJfoeF0
ブーン小説、ここ、トキワ、未来、新都、むりやり、あとキャラ系もwwww
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:16:42.93 ID:Iv2XZAgp0
未来の小説家がパート化するとは思わなかった なんかBNSKと似てるよね、あそこ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:17:49.03 ID:WCHJfoeF0
うん、あそこもユルくて好きだ 両方に入り浸ってるwwww
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:17:53.43 ID:lcG06KpB0
トキワ荘ってまだある?
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:19:18.87 ID:NV1hpXAz0
定期的に立つよ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:20:34.00 ID:Iv2XZAgp0
俺はココと単発小説スレかなぁ
単発ならではのカオスが好きだwww
>>63 ここ二週間くらい見てないな
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:21:27.09 ID:WCHJfoeF0
トキワってたしか小説をファイルで投下するんだよね だからあんま行ってなかったな
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:22:16.24 ID:lcG06KpB0
そうだったんか ありがとう
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:32:40.92 ID:vTES0nwbO
ほ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:51:46.29 ID:vTES0nwbO
ほ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:53:01.50 ID:BVbE/8woO
初心者お断りはしてない テンプレ読まない奴に厳しいだけ つーかルール守らない奴に厳しいの当たり前だと思うんだよ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 18:55:31.57 ID:NV1hpXAz0
まあ、そんな目くじらたてなくてもいんじゃね? お題なんて後付けでどうにでもなるんだし
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:05:25.23 ID:Iv2XZAgp0
お題よりも、投下時のルールだな。そこは守って欲しい あと煽りもスルーしろと ここは一応vipなんだからwww
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:09:29.33 ID:0MifOl1NO
他人に迷惑を掛けないのなら、基本的に大体おk
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:18:35.61 ID:fmQGsndx0
投下のスタイルが守られてるかどうかでとりあえず読むか読まないかが決まる
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:29:31.16 ID:/z/mvDM50
長く居る癖にしょっちゅうお題書き忘れたり投下ミスったりする俺は何も言えんよ お題ないがしろにしたことも一度じゃねーしな。 ってことでお題くれ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:31:27.25 ID:8JfEl/tM0
>>75 インコース
「テンプレ嫁」だけのレスとかするから初心者お断りだとか思われるんだよ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:38:02.78 ID:/z/mvDM50
駄目だ、インコの暴走族しか思いつかない…… でもまあテンプレ読まなきゃしょうがなくね? というかこの話題定期的にでるNE!
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:40:22.65 ID:Iv2XZAgp0
そして定期的に荒れて過疎るのであった、南無 まぁタダで小説読めるのは得してると思うよ、実際 つーか >「物書き連合」トップクラスの筆力がある。 に俺は含まれているのか不安だww
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:40:46.67 ID:BVbE/8woO
インコースでインコの暴走族とかwww すげぇ発送力 俺ならまっさきにダンスインザダークの菊花賞だわ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:44:25.00 ID:/z/mvDM50
>>78 大丈夫だ。品評会優勝経験があるならきっとその中に入ってる
だから俺はその中に入れない。きっと一生入れない。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:46:16.05 ID:Iv2XZAgp0
>>80 残念だ、関心票一個しかもらった事無い
だから俺もその中に入れない。絶対一生入れない。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 19:47:28.45 ID:NV1hpXAz0
正直、品評会よりも陽の当たらないスレに紹介された方が凄いと思う
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:05:42.45 ID:vTES0nwbO
ほ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:14:34.84 ID:vTES0nwbO
ほ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:24:18.76 ID:TiKpf5Ru0
よしかくぞほらかくぞぜったいかくぞ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:41:21.19 ID:9ADWtL2z0
物書き連合についてkwsk
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:48:00.31 ID:4btDzKSEO
誰か関心票から投票へランクアップさせる方法頼む
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 20:54:53.60 ID:BZqcoOiP0
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:01:10.86 ID:43KhoIUz0
物書き連合ってむりやり小説スレとかそんな感じのアレだろ 品評会作品書けねーぞ くそう
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:03:56.82 ID:VHew56Yt0
物書き連合(ものかきれんごう、Writer Nations)とは、物書き連合憲章の下に 設立されたVIP機構である。 VIPの文才・想像力の発展のために協力することを目的とする。 略称は、物連、英語ではWN。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:04:35.38 ID:cKD4MZDhO
今回はまた少なそうだな カオスが凄そうだけど
92 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 0/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:06:00.61 ID:zAp9PchZ0
カオスは嫌なので 品評会作品投下しちゃいますよー
93 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 1/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:06:19.78 ID:zAp9PchZ0
美しい宝石は人を惑わす魅力があるという。その魔力に取り付かれた人間は愚かな争いを繰り返し、皆、惨めな最期を遂げて いく――そんなありふれた逸話は、宝石の持つ力を端的に表した訓話であり、言い訳であるのだと思う。 「だーから! これはアタシのだって言ってるでしょ!?」 「違うよ! 最初に取ったのお姉ちゃんじゃない! じゃあ最後のはわたしのだよ!」 最も有名で、最も美しい宝石の一つとしてダイヤモンドが挙げられる。高い透明度と屈折率が産み出す光の散乱が、この世に またとない輝きを作り出すのだとか。 「しつこいなあ。アンタは妹なんだからお姉ちゃんの言うことを聞きなさい!」 「お姉ちゃんこそお姉ちゃんなんだから、わたしに譲るのが当然でしょ!?」 この美しい宝石――ダイヤモンドには、それになぞらえた様々な比喩がある。例えば、赤いダイヤといわれる小豆。先物取引 の対象として古くから扱われ、その生産の不安定さから価格の暴落や高騰を招き、人々を大いに惑わせたという。 ウナギの稚魚は白いダイヤなどと呼ばれている。高級魚であるウナギは基本的には卵から養殖することができない。そのため この白い稚魚を採集し、育てるしかないらしい。これらは高値で取引されることからダイヤの名を戴くことになったのだそうだ。 そして、黒いダイヤといえば―― 「ああ――――――――!?」 部屋にステレオの絶叫が響き渡る。ふと、我に返って目の前のテーブルに目をやれば、つい先程まで二人の妹たちによって所 有権の争奪戦が繰り広げられていた褐色の球状体が、跡形もなく消えていた。そして、彼女たちの視線の先のソファーの上では、 我が家の駄犬、ミニチュアダックスのコジマさんがネチャネチャと気持ちの悪い咀嚼音をたてている。 「こらっ! コジマさん! ペッしなさい! ペッ!!」 駆け寄り必死にその口を開けようとするが、逆に手を噛まれ悶絶している姉。一方で椅子に座ったままこの世の終わりのよう なため息を盛大についた妹。……随分と身近に転がっているもんだ。逸話の光景ってやつは。 「あのなあ、お前ら。チョコレートごときで騒いでると戦後の子供みたいだぞ」 大分前に冷めてしまったお茶を一口ずずっと啜る。こんな言葉で場が静まるとは思っていない。思ってはいないが、ここは何 かしら喋らないと兄としての威厳を損なうような気がした。ただそれだけである。 「ごとき!? ごときって言った!?」 「わかってない!! 全然わかってなーい!」 それが突如、感情の矛先をこちらに向けてぎゃあぎゃあと捲くし立てる妹たち。藪蛇だったか、と臍を甘噛みしつつも俺に文 句言ったってチョコは還ってこないのに、とやや冷ややかに応じる。 ――ともあれ、興奮する妹たちを放っておくのはやはり、こっちとしても本意ではない。なんとかなだめて話を聞いてみるこ とにする俺は、案外、人間ができているのかもしれない。 「――つまり、あのチョコは駅前の洋菓子屋さんの一日十箱限定のトリュフであり、開店前から並ばないと手に入らない希少品
94 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 2/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:06:41.03 ID:zAp9PchZ0
で、次はいつ買えるかわからない。だから、犬なんぞにくれてやるのは勿体無い、ていうかもっと食いたい、ということだな」 うんうん、と合わせたように首を縦に振る二人。期待にきらきらと輝くその瞳は、まるで四つのダイヤモンドだ。 確かにすでに社会人である俺にとっては、中高生には決して優しくないであろうこのチョコレートの値段も大した痛手にはな らない。それに、久々に帰ってきた実家で妹たちに何か買ってやる、というのも悪くない考えだ。しかし、これを買うためには 朝早くから並ばなくてはならない、という由々しき問題が――――いや、それ以前に………… 俺の逡巡に気付いたのだろうか。妹たちは不審げな顔をし、やがて表情を曇らせた。期待の眼差しが落胆のそれに変わるのが 見て取れる。 ……女というのはなんて巧妙にできているのだろう。そんな顔をされては男として、一肌脱いでやろう、なんて気を起こさな ければいけないような気がしてくるじゃないか。 「……わかった、わかったよ。一応当てはあるから。でも、あんまり期待するなよ?」 そう口にするや否や、泣いたカラスがなんとやら。そして、ソファーの上で全て見透かしたようなコジマさんが一つ大きな欠 伸をする。やれやれ、男とはなんとお粗末にできていることか。彼女らのダイヤがその実、ジルコンであることを知っていてな お、美しいと思ってしまうのだから。「女は愛嬌」とは「男は度胸」を引き出すための基本理念であるらしい。 それにしても、また足を運ぶことになるなんてな。たかがチョコと言えど“黒いダイヤ”は伊達じゃない、ってことか? 「駅前……『クレーム・ド・ディアマン』、か……」 ホント、宝石は人を惑わせる。 自宅近くの停留所からバスで揺られることおよそ二十分。俺は駅の一つ前の停留所で降車した。三百円を払い、バスを降りる と、見慣れた風景が目に飛び込んでくる。 「たかが数年で変わるはずないよな」 誰にとも無く呟いた言葉に、何故かドキリと胸が鳴る。 ……ここに居ても仕方ない。さっさと済ませて家に帰ろう。 地面に張り付いていた足を引っぺがし、駅の方向とは反対に歩き出す。 目的地の場所はわかる。思い出すまでもない。そう、あそこの薬局の看板の陰には小さな人形が隠れていて、頭を左右に振っ ているんだ。その頭を小突いた先に見えるコーヒー専門店からは、いつも良い香りが漂ってきてフラフラと吸い込まれそうにな ってしまう。その誘惑をなんとか振り切り、潰れて久しい生花店の角を曲がったすぐ先には―― 「…………変わるはず、ないよな」 『creme de diamant』と大きく書かれた、小さな看板。大きめに採られた窓からはカウンターの商品ケースに並ぶ美しいお菓子 がよく見える。記憶の通りの、いや、記憶よりもほんの少し煤けた店の外観。ここから見る限りでは中に人影は見えない。 俺は入り口の扉に『open』が掛かっているのを確認して、一息。そして、さらに一息して、ノブを捻ったのだった。
95 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 3/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:07:04.94 ID:zAp9PchZ0
ドアを開くと、取り付けられていた鐘がガランガランと鳴った。珍しく客は他にいないようだ。店内には静かな音楽が流れ、 白熱電球が優しい光を放っていた。木目の床板と真っ白な壁が、なんとも言えずこの雰囲気にマッチしていて、この空間自体が 一つの作品のようでもある。変わらないな、ホント。 「すいません! 少し待ってください!」 と、カウンターの奥の作業場から元気な声が聞こえてくる。 その声に急に鼓動を速める俺の心臓。落ち着け、俺はただの客だ。いやしかし、コネを頼ってきたんだからある意味ただの客 とも言えないのか? ていうか、今更どんなツラして会えばいいんだ? なんで来ちまったのかなあ…… そんな頭の中の独り相撲の処理に手を焼いていると、やがて奥から白い人影が飛び出してきた。 「いらっしゃい――ま……せ」 白いコック服に身を包んだ、小柄な女性。亜麻茶色の長めの髪を後ろで一つくくりにしたその姿は、記憶の中の彼女よりも少 しばかり大人びて見えた。 「…………ました」 驚きに見開いたその眼をなるべく見ないようにして、俺は辛うじて返事をする。 店員と客。ただそれだけの関係のはずなのに、どうしてこうも息苦しいのか。 しばしの沈黙。二人の間を音楽だけが静かに流れていく時間――それを破ったのは、彼女の方だった。 「……お久しぶり。今日は、お菓子を買いに来てくれたのよね?」 その言葉にようやく金縛りから解けた俺は、かいつまんで頼みを伝えた。……なるべく眼を合わせないようにして。 「うーん……聞いてあげたいのは山々だけどね。予約は受け付けられないの。いくら知り合いでもえこひいきしちゃうと他のお 客様に悪いじゃない?」 “知り合い”という響きにチクリとする胸を無視して考える。ある程度予想はしていた返答だ。信用を考えれば当然とも言え る。わざわざ朝早くから並んでくれる客を差し置いて、というのは当の俺としても悪いような気がしなくもなかった。 それならば仕方がない。何か別のものを買って帰ってお茶を濁すことにしよう。限定のチョコレートじゃなくたって、ここの お菓子は本当に美味しい。文句は言われるかもしれないが、すぐに受け入れてくれることだろう。 「じゃあさ、何か別のもの見繕ってくれな……」 同じように視線をはずしながら話しかけて、止まる。俺の目はある一点を注視したまま動かなくなっていた。 彼女の左手、薬指の白くて綺麗な光。まるでその魔力に取り付かれたように、俺は固まってしまう。 「あ……その、ね。私、結婚するんだ」 その様子に気付いたのか、彼女は少しだけ遠慮がちに言う。 「お菓子の材料をいつも買ってるところの人でね、今年の秋くらいかな」
96 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 4/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:07:26.50 ID:zAp9PchZ0
ようやく石の魔力から解き放たれた俺は、ゆっくりと語る彼女の顔を見る。寂しそうな、嬉しそうな、複雑な表情だった。 ――彼女は元々結婚する気はなかったらしい。今はお菓子作りに力を注ぎたいから、まともな結婚生活を送ることはできない だろう、という理由で。しかし、相手はそれでも構わないと言ったそうだ。いつか余裕ができたときにでも一緒に暮らせたらい い、それまで待つ、と。 「そんなこと言いながらこの指輪プレゼントしてくれるんだもの。参っちゃった」 そう笑いながら、愛しげに左手のダイヤを眺める彼女。だが、その表情を再び曇らせると、今度は呟くように口を開く。 「……でもね、その言葉を聞いた時思ったの。私ってわがままだったなあ、って」 俺を見つめる瞳は、俺と彼女の過去を語っているのだと、告げていた。 「…………そんなことはない、さ。俺が身勝手過ぎただけだよ」 過去の話だ。まだ二人が高校生だった頃の。俺が野球少年だった頃の。馬鹿なガキだった頃の。 いつの間にか心臓は落ち着きを取り戻していた。 「あの頃の私は、待てなかった。自分のやりたいことに打ち込むあなたを最後まで待てなかった。なのに、今は逆。逆なのに待 ってもらってる。……ずるいよね、私」 取るに足らない失敗談なんだ、本当は。六番サード。俺のポジション。甲子園まであと少しを三年繰り返して、結局、一度も 行けず終い。そして大切にしていたはずの恋人にまで愛想をつかされた、なんていうほろ苦い経験。あの頃の俺はグラウンドの ダイヤモンドばかりを必死に守っていて、もう一つのダイヤには気をかけられないガキだったっていうだけ。 「いいんだ。十人に聞けば十人から悪いのは俺、って答えが返ってくるのは自覚してるつもりだから」 そう言って微笑んだつもりだが、上手くできていたかはわからない。ただ、うん、と力なく答えた彼女を見つめていた。 「…………あ! そうだ、なんか他のお菓子いるよね?」 しばらくして、口を開いた彼女は記憶の通りの快活さを取り戻していた。その笑顔にほっとする。そう、この顔が好きだったんだ。 そうだな、適当に頼む、と他人任せな台詞を言う俺に、相変わらずね、なんて微笑むその瞳が、ダイヤの光を宿す。 「あ、そうだ。あのね、ちょっとお願いしていいかな――――」 テーブルの上。俺が開いた箱の中を二人の妹たちが身を乗り出して覗き込む。 「あれー? トリュフじゃないよ? 何コレ?」 「ははあ、さてはどうにもならなかったから別のを買ってきたな? 普通に考えたら無理に決まってるもんね」 「うるさい。わざわざ行って来てやったんだから文句を言うんじゃない」 そこには小さなひし形のチョコレートケーキのようなものがあった。一口サイズのものが、九つ。 「まあいいや、いっただきまーす!」 「あっ! またお姉ちゃん先に食べたー!」
97 :
ダイヤモンド・ガナッシュ 5/5 ◆gNIivMScKg :2008/03/22(土) 21:07:51.54 ID:zAp9PchZ0
なんだかんだで大人しくしていられない妹たちをぼんやりと眺めながら、その一つに手を伸ばす。……うん、うまい。 口入れた瞬間から溶け始めるチョコレートの優しい甘さ。それを味わいながらふと、さっきのことを思い出す。 「――よかったら、さっき私が作ってたやつ、貰ってくれないかな? それなりに自信作なんだけど」 「ああ、別に構わないよ。けど、個数は偶数にしてくれないか? 妹たちの取り合いがうるさくてさ」 「あははっ。わかった、ちゃんと人数分入れとくね」 そう言って奥の部屋に走っていったかと思うと、すぐに小さな箱を持って出てきた。 「これは?」 箱を開いて見せてくれる彼女に訊く。数が奇数なのはあえて問わないが、これはなんというお菓子だろう? チョコレートを 使っているようだが、菓子にとんと疎い俺には、これが何なのかわからなかった。 「これはガナッシュ。んーと、簡単に言えばチョコと生クリームを混ぜたものかな。あのトリュフにも入ってるんだよ」 「へえ、そうなのか。あ、お代は……」 財布を取り出そうとする俺にぶんぶんと手を振って答える。 「いいのいいの! これは別に売り物じゃないから。っていうか受け取れないよ! 感想が聞きたいだけだからさ」 「悪いな、ありがとう。あ、あと大したことじゃないんだけど……」 こちらこそ、と言いつつ、首を傾げてこちらを窺う彼女は笑顔だった。 「ガナッシュってさ、どういう意味?」 「おいしーね、コレ!」 「ちょっと、口に入れながら喋らないでよ!」 相変わらずぎゃあぎゃあと喧しく味わっている妹たち。それでも好評なようなのであえて何も言わない俺。そんな様子をソフ ァーの上からつまらなそうに眺めるコジマさん。 淹れたばかりのコーヒーを一口啜り、無意識に言葉をこぼす。 「『この間抜け!』か……」 あの頃の俺にぴったりの言葉じゃないか。思わず苦笑してしまう。ひょっとすると、俺へのメッセージだったのかも……なん て、そんなことあるわけないか。こんなこと考えてる俺が“間抜け”なのかもな―― 「間抜け!? 間抜けって言った!?」 「誰がよー! お兄ちゃんの方が間抜けじゃないー!」 しまった。また面倒なことに。誤解だ。これは誤解なんだ! お前らに言ったわけじゃないんだ――――! 詰め寄る妹たちに必死に弁解する俺。一つくしゃみをしたコジマさんが「ガナッシュ」と呟いた――――ような気がした。 <了>
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:08:09.30 ID:zAp9PchZ0
以上でした
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:13:07.72 ID:/z/mvDM50
>>87 教則本を買って読んでみるのオススメ
何を書くかは個人の自由だしどうやって書くかも個人の自由だが、小説の書き方は学んどいたほうがいい
クーンツのベストセラー小説の書き方オススメ。
ほほほっしゅ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:33:17.51 ID:VHew56Yt0
そういえば、前に「2週間で書ける小説」みたいな本買ったなー 呼んでみるか。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:33:58.93 ID:cKD4MZDhO
おーい!!
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:37:39.34 ID:VHew56Yt0
「この本面白いんですよ。呼んでみます?」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:38:15.48 ID:/z/mvDM50
ヘイカモン!
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:39:12.97 ID:/z/mvDM50
まああれだ、つい最近いぬかみっを全巻一気読みした感想としては、 話が面白ければ多少ラノベ文体でもどうでもよくなるってことだ。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:45:00.12 ID:ABwaxXdq0
∧ ∧ ヽ(・∀ ・)ノ <呼んだー? (( ノ( )ヽ )) < >
久々に書いてみる、句点とかおかしいかもしれないけど、お題くれ。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:45:44.19 ID:VHew56Yt0
呼ぶ本
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:46:32.61 ID:ABwaxXdq0
∧ ∧ ヽ(・∀ ・)ノ <…… (( ノ( )ヽ )) < >
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 21:56:19.33 ID:fmQGsndx0
ほら
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 22:06:01.03 ID:/z/mvDM50
>>109 可哀想だから返事してやる。巣にかえれ、またんき。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 22:15:42.77 ID:9ADWtL2z0
>>101 あれは読みものっていうよりも
課題本って感じじゃないかな
地味に取り組みにくい課題ばかりだと思う
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 22:34:51.87 ID:fmQGsndx0
ほしゅー
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 22:52:23.92 ID:9ADWtL2z0
ダイヤモンド さっぱりアイディア浮かばないぜ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 22:55:32.55 ID:bbAOXoEI0
今回参加すくなそうだなー俺…今回の品評会優勝したらお題…平和にするんだ…
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:11:45.19 ID:xcmHIhmu0
ああ、じゃあ俺はそのお題で平和のスロット話書くぜ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:14:08.20 ID:NV1hpXAz0
じゃあ俺は役満を平和で潰される話を書くぜ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:14:16.13 ID:9ADWtL2z0
じゃぁ、俺はピンフでしか上がらない少女雀師の小説書く
120 :
Fly on, tomorrow ! 0/6 :2008/03/22(土) 23:16:56.77 ID:B44e1seO0
お題:明日になったら本気出す 通常投下。
10月初め、正午過ぎに東京都S区の「聖フロレンティア教会」で事件は起こった。教 会の神父さんが聖堂内で何者かに鈍器で頭頂部を殴りつけられたのだ。事件直後に教会を 訪れた第一発見者の通報で被害者はすぐさま病院に搬送されたが、救命治療の甲斐なく直 ぐに息をひきとったため事件は殺人事件となった。 そのおよそ3時間後、スーツ姿の若い男が息を切らせてビル街を走っていた。 男の名は結城正樹。この事件を担当する検事である。 東京都内は渋滞が酷いため、検事もみな電車と徒歩で移動するのが通常だ。しかし、あ いにくの地下鉄を乗り違えてしまったため正樹は予定の時間に遅れてしまっている。腕時 計の針は15時12分を指していた。12分遅れだ。 「遅いぞ〜」 正樹がようやく教会の正門に駆けこむと頭上から聞き覚えのある声が降ってきた。見あ げると顔見知りの婦警がエントランスの脇の扉に寄りかかっている。 「絵梨!? ――もしかしてまたお前が担当なん?」 驚きの声をあげる正樹。――彼女は警視庁捜査一課の指定警部で氏名は相沢絵里。2人 は高校時代のクラスメートで、たがいに本名を呼び捨てにする間柄だ。 「そうよ。腐れ縁だわね」 たしかに腐れ縁だとしかいいようがなかった。区域と担当が同じだからだとはいえ、2人が同じ事件に配属されるのはこれで3度目だ。 「まあ、とりあえず風も冷たいし屋内に入りましょ。質問は中で聞くから」 そういって扉の内側に滑りこんだ絵梨を追い、正樹も階段を昇る。 果たして内部は礼拝堂になっていた。西側のステンドグラスの窓からは七色に染まった 夕日が淡く射しこんでおり、そのお陰もあるのか聖堂内は薄暗いながらも厳粛な雰囲気が 保たれていた。 入り口からみて真正面こぢんまりとした祭壇があり、中央の通路を挟んで5人掛けの長 椅子が左右に十列ばかり備えつけられている。祭壇の脇には夥しい量の血痕が残されてお り、床にはチョークで幾つかの円が描かれている。そこが犯行現場なのだろう。
「他の捜査員はどうしたん?」 誰もいなかったので聞いてみると「みんな聞き込みに行ってる」という返事が返ってき た。どうやら警察は外部犯と見ているらしい。ともかくも犯行現場を検分することにした 正樹は、祭壇の裏側を見て頓狂な声を上げた。 「なんじゃこれ?」 そこには「あしたになったらほんきだす」と読める血文字が書かれている。 「これ、被害者のダイイングメッセージか?」 「うん」 振りむいた正樹に絵梨は軽く頷く。 「どういう意味なんだ、これ?」 絵梨は肩をすくめて首を振り「さっぱりわからん」という仕草をしてみせた。 正樹は疑念を抱いた。この文章は被害者が死ぬ前に血文字で書き残す意味のある言葉と は思えない。こういう場合には犯人の名前なり特徴なりを書き残すのが正しい犯罪被害者 のありかたではないのか? 「変な言葉でしょ? だいたい殺人事件の被害者に明日はないわよ」 絵梨の発言を不謹慎だとは思ったが正樹も同感だ。――しかし、不思議がってばかりい ても捜査は進まない。ひとしきり現場を検分し終えた正樹は、メモを出して質問タイムに 移ることにした。 「さてと、これから質問を開始するぜ?」 「らじゃ」 対する絵梨は軍人風の挨拶で答える。 特定事件につき警察を指揮する権限がある検察官は、担当警察官にたいして捜査に必 要な質問をすることができる。この場合、正樹は事件について質問でき、絵梨はそれに できるかぎり答える義務を負うわけだ。 「凶器は?」 「十字架」 正樹の最初の質問に、絵梨は簡潔に答えた。 「祭壇の後ろに大きな青銅の十字架が飾られてたんだけど、犯人はそれを引っこ抜いて被 害者の脳天にを思いっきり振りおろしたみたい」
途中で力尽きそうになった場合どうすればいい
その十字架の現物が現在鑑識に回されていることも絵梨はつけ加えた。教会で十字架で 神父を撲殺とは罰当たりな事件である。 「他に遺留品とかはある?」 「救急隊が駆けつけたとき、被害者は小さな天使の像を握り締めてたって」 「その像も鑑識にあんの?」 「ううん。ここにあるわ」 絵梨はそういうと証拠資料を集めた段ボール箱から、丁寧に袋詰めにされた小さな青銅 製の聖像を取りだして渡してくれた。それは豊満な胸に赤い十字架のマークが描かれた女 性の天使像で、その台座には英語でFly on,Cheering Angel(飛べ、心強き天使よ)との言 葉が刻まれていた。 「この像は血文字を書いた後、神父さんが祭壇の一番下の抽斗から出したみたい。それに してもこの像、天使にしちゃバストでかすぎると思わない?」 「事件に関係ねえ話を振るな。――何か盗まれたものとかある?」 絵梨は捜査官としては優秀だが、しばしば話を脱線させるクセがあるのが玉に瑕である。 天使のバストは事件に何の関係もあるまい。 「被害者のお金は盗まれてないけど、祭具がみんななくなってるそうよ」 「祭具?」 「燭台とか食器とかミサに使う道具全般。銀製でそこそこ高価な品だったそうなんだけど、 それが戸棚から綺麗さっぱりなくなってるって修道士の瀧巣さんが驚いてた」 となると強盗の確率が高そうだなと、正樹は内心で呟く。警察が外部犯の犯行と予測し ているのもこれなら頷ける。 「事件当時に教会内に人はいた?」 「2人いたわ」 「ひとりは、いま言った瀧巣さんだよね?」 「うん。もうひとりはシスターの本田さん。この2人は凄く仲が良かったわ」 絵梨の説明によると、犯行が推定される時刻に本田シスターは犯厨房で昼食の準備をし ており、瀧巣さんは書斎で帳簿の整理をしていたそうだ。いずれも救急隊が駆けつけるま で犯行に気付かなかったっと証言したらしい。 「書斎とか厨房ってどこにあるん?」
「1階。裏口から入れるわん」 そういえば建物に入る前に階段を昇った気がする。そうか、今いる聖堂は2階なのか。 「第一発見者は誰?」 「信者の谷田さん。――すっげー美人だった」 「今日は月曜日なのにドア開いてたん?」 「うん。昼間は鍵をかけていないみたい。神の扉は常に開かれているんだってシスターが 言ってた」 なるほど。その開かれた扉が災いしたのだとすれば皮肉な話だ。 「警察に電話したのはその谷田さん?」 「ううん、谷田さんは救急を呼んだだけ。警察には救急から連絡があったわ」 「3人にアリバイはある?」 「アリバイは3人ともない。でも、凶器の十字架はすごく重そうだったから、あれで殴る のは女性や怪我人にはちょっと無理そうな気がする」 「怪我人?」 「瀧巣さんのこと。――数年前に交通事故で足を切断する大怪我を負ったそうよ」 「ふむふむ。――他に何か気付いたことはある?」 「気付いたこと? そういえば本田シスターと瀧巣さんは凄いラブラブだったわ」 「そうなん?」 「うん。そりゃもう物凄いラブラブっぷりだったわ。ひとりづつ別室で話を聞かせていた だきますってあたしが言ったら、本田さんってば『彼と離れたくなーい』とかブリブリ声 でゴネるから大変だったのよ?」 「・・・・・・」 情景を想像して、ちょっと正樹はイラついた。 「でも、本田シスターのほうは積極的なんだけど、瀧巣さんのほうは交通事故で足を切断 してるせいか根暗そうだったな。シスターに抱きつかれたときも迷惑そうにしてたし。― ―やっぱ聖職者のオトコってみんなおカタイ性格なのかな?」 「わからん」 何か話が脱線してきた気がする。
俺は初心者集団がピンフの符計算をするまでをリアルタイムで描くぜ
「でもさ、わたしとしてはオトコはやっぱ積極的なほうがタイプなわけで、やっぱ包容力 っつーか、包み込んでくれるような優しさってのを男性には期待したいわけで」 「それは捜査とは関係ねえだろ」 「でも、その瀧巣さんっていうの? そのひとはどっちかといえば頭は良さそうなんだけ ど冷たそうであたしは好きになれなかったな。――本田シスターはあの男のどこが好きに なったのかしら?」 「もうその話はいいいから!」 このままでは「検察・警察の捜査打ち合わせ」が他愛無い井戸端会議にされてしまう。 危機感を抱いた正樹はかなり強い口調で絵梨に言う。 「でも修道士とシスターの禁断の恋よ? ちょっと興味ない?」 「ねーよ」 女ってのは、どうしてこう他人の恋愛話が好きなんだろうと正樹は呆れた。 「えー。検察のオトコは真面目すぎ。――つまんないぞ」 絵梨の言葉に内心でかなり傷つきつつも、正樹は強制的に話題を転換する。 「――んなことより俺はダイイングメッセージが気になんだけど、絵梨はどう思う?」 「明日になったら本気出すとかいう奴? あれって意味不明よね」 ようやく話題が捜査の話に戻った。正樹は内心でほっと息をつく。 「実は、俺はこれアナグラムなんじゃねーかと睨んでるんだが」 「そうなの?」 アナグラムというのは、ある文章の文字の順序を入れ換えて別の意味にすることをいう。 「ほら、さっきの天使像あるだろ? その台座に刻まれてたFly on, Cheering Angelって 文は、けっこう英語圏では有名なアナグラムなんだよ」 「そうなの?」 「うんうん。文章を入れ換えると、Florence Nightingaleになるんだ」 「あ、あの巨乳天使ってナイチンゲールなのかあ」 絵梨はちょっと感心した。正樹は検察官だけあって結構博識だったりする。 ちなみにフローレンス・ナイチンゲールというのはクリミア戦争で活躍した従軍看護婦 の名前で、その献身的な介護から「クリミアの天使」と呼ばれた人物だ。天使の胸元に刻 まれていたのは赤十字の記章だったのだろう。
「んじゃ、この『あしたになったらほんきだす』って文も、別の意味になるのかな?」 「多分な。――とりあえずやってみようぜ?」 と、いうわけで2人は祭壇にメモ用紙を広げてメッセージを組み変える作業を始めた。 「わかった!『アホになったら禁止出すた』じゃない?」 「何じゃそりゃ? 意味わかんねーよ」 そんなやりとりを繰りかえすこと数分。 「わかった、多分こうじゃないか?」 正解と思しき答えを発見した正樹が声をあげた。 「わかったの?」 「おう」 正樹は手帳のページを破って絵梨に渡す。そこにはひらがなで二行の文が書かれていた。 あしたになったらほんきだす たきすならにほんあしだった 「なるほど」 絵梨は頷いた。 これなら「瀧巣なら二本足だった」と読める。 「絵梨、瀧巣さんは事故で両足を切断してるって言ったよな?」 「うん」 「本当に両足を切断してるかどうか確認した?」 「ううん、てっきり外部犯の強盗事件だとばかり思ったから」 てへへ、と舌を出して誤魔化す絵梨。どうやら確認していないらしい。 「んじゃ、とりあえず瀧巣さんが本当に足を怪我しているか確かめに行こうぜ?」 正樹の提案に、絵梨は警官らしく直立不動のポーズをとって敬礼して応えた。 「了解であります」
その後すぐ瀧巣邸を訪問した2人が取り調べたところによると、予想どおり瀧巣の両足 は健常だった。その後の追及で瀧巣が犯行を自供したため、その動機も直ぐに明らかにな った。 教会の会計を任されていた瀧巣は多額のお金を使いこんでおり、それを神父さんに指摘 されたため口封じに殺害したらしい。戸棚の祭具がなくなっていたのも実は瀧巣自身が売 り払ったからだそうだ。――まったく不届きな話である。 神父さんがわざわざアナグラムで暗号を残したのは、瀧巣や吉田シスターに血文字を消 されるのを怖れたからではないかと正樹は推理している。たまたま信者の谷田さんが第一 発見者になったが、本来なら死体を発見する可能性が一番高いのは瀧巣の恋人の吉田シス ターだったはずだ。――事件当時彼女は厨房で3人の昼食を作っていたのだから。 翌日、瀧田の訴状を書き終えた正樹は軽く溜息をついた。 (明日になったら本気出すっつっても、その明日が来ないんじゃしょうがねーよな) 人間いつかは死ぬ。現に神父さんは殺人に巻きこまれて突如非業の死を遂げた。もしかしたら正樹自身だって、事故や事件で今日死んでしまうかも知れない。 (やっぱ、人生に後悔を残すのは良くねーよな) 正樹は決意した。 できることは今日のうちに、いや今すぐにでもやっておくべきだろう。 「もしもし、絵梨ヒマ? ――ちょっと話があるんだが」 とりあえず正樹は電話をかけた。――伝えるべきことを伝えるために。 (了) --- 追記。 ごめん。5p目が二枚あるのに気付かなくて、投下中に枚数増えた; お題が難しかった。批判はばっちこいだがお手柔らかにお願いします。 文章の未熟さと、アナグラムが現実的じゃないのはもう十二分に自覚しております。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:25:02.27 ID:B44e1seO0
いや、6pで合ってた。 返す返す申し訳ない。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:41:51.17 ID:9ADWtL2z0
>>121 文章は
>>121 自身も未熟だとは思っていないはず
へりくだる必要ないかと
勢いで書いた、反省はしてないという若々しさを感じます
アナグラムの現実味というよりも
どうにかしてアナグラムに持って行くための設定の現実味の方が
俺は苦しさを覚えた
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:45:33.93 ID:VHew56Yt0
>>129 ダイニングメッセージについて。
確かにそんな難しいダイニングメッセージは残せない。
だけど、そこで新犯人が犯人に濡れ衣を着せるために書いたと
いうことにすればいい感じになるさ。
まぁ、今回は使えなさそうだね。
感想thxです。
>>131 「明日になったら本気出す」って題は抽象的過ぎて難しかった。
勢いで書いたけれども反省してます。
文章は前回「語尾が変」とか「文が固い」とか散々言われたもので。
感情表現が下手なので、たぶん恋愛とかを主題にするとボロが出ます。
頑張ります。
>>132 なるほど。その手は全く考えつかなかったです。
参考にします。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:56:20.91 ID:lcG06KpB0
ダイイングじゃね?
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:57:53.55 ID:l1tByxpe0
久々に書こうかな。 10分くらいで軽くまとめて・・・。
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/22(土) 23:58:57.78 ID:VHew56Yt0
>>134 いや、ほらさ、生きている=生活している=リビングと掛けてるんだぜ
という苦しい言い訳を思いついた。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:11:50.45 ID:+4+DNEV00
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:12:43.62 ID:jCdVwe1A0
「たかしへ 今日のおやつはちょっとリアルなカリントウよ 戸棚にあるからじっくり食べなさい」 ダイニングメッセージってこうですか?
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:17:09.18 ID:5ldgo6yP0
>>138 こっ…これを並べ替えると……
早く、たかし君の元へ向かいなさい。
彼の命が危ないぞ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:22:10.62 ID:fG2xb//90
そして伝説が始まった!
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:33:34.07 ID:+4+DNEV00
あらあら
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:34:05.83 ID:d4335k0U0
うふふ
143 :
やおいクール ◆801c0oL326 :2008/03/23(日) 00:39:03.25 ID:9yUSCJtsO
お題くらさい
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:39:53.17 ID:5ldgo6yP0
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:48:32.03 ID:+4+DNEV00
おやおや
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:56:01.91 ID:+4+DNEV00
おやすみなさいませ。
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 00:56:25.39 ID:9yUSCJtsO
148 :
やおいクール ◆801c0oL326 :2008/03/23(日) 00:57:11.36 ID:9yUSCJtsO
酉忘れてたwwwwwwwwwwww
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 01:16:43.12 ID:P8k12mnMO
何で酉つけてるん? 保守
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 01:27:21.32 ID:x7iRoUci0
コテは外したほうがいい
151 :
◆m7XPiAsnu. :2008/03/23(日) 01:30:43.86 ID:ggeu0fhz0
品評会投下します・・・ね?
152 :
【品評会】ガラクタ (1/3) ◆m7XPiAsnu. :2008/03/23(日) 01:38:15.98 ID:ggeu0fhz0
私は人型の機械。名前は付けられていない。 おそらく生活家電に名前が必要無いのと同じ理由。私の名前も不必要。 お茶がほしいと主人の声が聞こえた。ゆっくりと、ブリキの手で持つ。 フルフルと震えながらお茶を主人の元へ持っていく。 主人はお茶を受け取るとにっこりと笑った。私も嬉しい。 他は全て部品交換されて、元から残っているのは古びたブリキの手。 それも長年の稼動でボロボロになっていた。 「手が小刻みに震えてるね」 「えぇ、もうボロボロになってきてますね」 私はブリキの手をゆっくりと握ったり離したりして、動きを確かめる。 手を動かしながら主人の顔を眺めているとベルが鳴った。 主人は私の方を向いて言った。 「押入れへ」 私は押入れのドアをあけて、中に入る。 たまに主人のご友人が来られる。私は押入れから出ない。 「何?お前まだそんなポンコツ使ってんの?」 主人の友人が私を見て、そう笑った事がある。 主人がとても悲しそうな顔をする。私は主人のその顔を見ると、 私もすごく悲しくなる。だから私は人に会わないようにベルがなると 押入れに隠れる。 「もう帰ったよ」 そっと主人が押入れのドアを開けてくれる。 主人の顔を見るとすごく嬉しくなる。
ブリキの手が動かなくなった。 私は何度も命令を送る。だけどブリキの手は全く動かない。 主人はすぐに私を修理屋へ連れて行った。 「買い替えますか、修理しますか?」 私は修理室に運ばれた。私の手は落とされて、 「新しい手が来週に入りますから」 という修理屋の言葉が聞こえた。 「良かったな、最新の手を付けられるよ」 新しい手がきた。ずいぶんと綺麗に動く。 主人のために働いてきた手は今頃ゴミとして廃棄されているだろう。 ダイヤのように綺麗な新しい手。ダイヤの手は思い通りに動く。 自分の姿を鏡で映す。キラキラ光って綺麗な手。 修理屋から返してもらったブリキの手を付けてみる。全く動かない。 主人と手をつないだ時、家事をしている時、全ての記憶が詰まった手が、 ガラクタとして私の手の中にある。よく解らないけど、すごく悲しい。
154 :
【品評会】ガラクタ (3/3) ◆m7XPiAsnu. :2008/03/23(日) 01:40:22.02 ID:ggeu0fhz0
主人に呼ばれた。いかなくてはいけない。 私は主人の部屋へと足を運ぶ。 「ブリキの手を貰える?」 私はそっとブリキの手を外して渡す。 主人は部品箱に私の手を詰め込む。私の体が全てその部品箱に入っていた。 「もう一つ新しいパーツを買ったんだ。ほら、記憶チップと思考ルーチンソフト、 それにCPU。これで君は最新型と同じ性能になれる。 もう押入れに入らなくても大丈夫だよ」 「ありがとうございます、ご主人」 私は主人にそっと頭部を差し出す。 主人が頭部の位置を確かめている。 「そういえば、昨日やらなくてはいけないっていう仕事は終わったんですか?」 「あぁ、終わったよ」 電動ドリルの音が聞こえる。 「小さい頃から、主人はいいかげんなんですから、ちゃんと見直して下さいね」 「あぁ、うるさいな・・・。解ってるよ」 頭部のチップケースが外れる音が聞こえる。 「あの、主人」 「もうちょっとだからちょっと待ってて」 「今までありがとうございました。機械はとても楽しかったです」 カチャリという音が聞こえ・・・・・・ 主人の事をずっと助けてきた気持ちが詰まったメモリは 電流を失ってただのガラクタへ・・・。 End
【品評会】ガラクタ 投下終了です。
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:15:37.74 ID:jCdVwe1A0
ほ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:38:29.80 ID:x2OUDkgp0
保守ついでにお題くれ↓
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:39:01.28 ID:5FF44VXl0
フィンガーチップ
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:40:41.86 ID:x2OUDkgp0
それはいらん
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:47:59.67 ID:jCdVwe1A0
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:48:44.97 ID:HRJUHMJF0
流星雨
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 02:58:38.15 ID:x2OUDkgp0
>>160 魔球:フィンガーボール
投手がボールを放った瞬間、人差し指と中指が一緒に飛んでいく魔球だ。怖くてバッターは手が出せないぞ!
キャッチャーから返球された時、指に付け直すのを忘れないようにね!
どう考えても小説にする自信はない。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 03:58:28.63 ID:HRJUHMJF0
題plz
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 04:03:23.26 ID:OZXkLrlH0
魅力
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 05:03:52.88 ID:BQ61WgvT0
すべきことがないってのはいいなあ というわけでお題暮れ
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 05:12:55.72 ID:fG2xb//90
アマゾン
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 05:46:30.03 ID:BQ61WgvT0
いまさらながら把握保守
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 06:15:47.88 ID:iB3znhUw0
お題くまさい
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 06:27:27.16 ID:fG2xb//90
猜疑心
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 06:28:05.14 ID:7LKchCntO
172 :
お題:アマゾン 0/2 :2008/03/23(日) 06:45:00.25 ID:BQ61WgvT0
通常作できたので投下ー
173 :
お題:アマゾン 1/2 :2008/03/23(日) 06:45:24.92 ID:BQ61WgvT0
――鬱蒼と茂る草木に囲まれ、ここがアマゾンの奥地であることを再確認する。私の名前はトレジャーハンター藤岡弘 文。今回こそは必ず財宝をこの手に収めてみせる―― 「……どう?」 「アマゾンなんだからもっと植物の描写に力を入れてもいいんじゃないかなあ」 「そっか。じゃあ――」 ――見たこともない不気味な蔓が至るところで罠のように私を待ち構えている。視界いっぱいに佇立する無数の木々さ えも、その罠の手に堕ち、道連れが来るのを今か、今かと手をこまねく。今度こそは必ず手に入れるのだ。このアマゾン に隠された秘密の財宝を―― 「植物だけじゃ物足りないよね。もっと、こう、熱帯っぽい雰囲気が欲しいな」 「なるほど。それなら――」 ――私、藤岡弘文は、蔓延る自然の脅威に屈することなく、ついに、このアマゾンへやって来た。目に見えそうなくら いの蒸し暑さが肌着を私の体と一体化させる。だが、私は負けない。露滴る草木を踏み分け、必ず手に入れるのだ―― 「うーん、アマゾンって言ったらアマゾン河だよね」 「わかった。川だな?」 ――目の前に広がる激流を前にして、私はいささか迷った。ここを渡ろうとすればもしかすると流されてしまうかもし れない。最悪の場合、命の危険すらあるだろう。だが、ここで諦めるわけにはいかない! 私、藤岡弘文はトレジャーハ ンターなのだから。宝を前にして尻尾を巻いて逃げ帰るわけにはいかないのだ―― 「どうだろう」 「悪くはないけど、文章が硬いよね。もっとポップな感じでいいんじゃない?」 「ポップねえ――」 ――ごうごうと目の前の河が音を鳴らしている。これって、ちょっとヤバめ? もし、もしだよ? なんかの間違いで 流されちゃったりでもしちゃったら……うう……考えたくない。やめやめ! そんなことあるはずない! 藤岡弘文は一 流のトレジャーハンターなんだから―― 「ここまでポップにしちゃったらいっそ主人公、女の子にしちゃえば?」 「いいね。その方が人気出るかも――」
174 :
お題:アマゾン 2/2 :2008/03/23(日) 06:45:47.96 ID:BQ61WgvT0
――わたしは藤岡弘美。十六歳の女の子☆ それがどういうわけか、こーんなアマゾンの奥地まで来ちゃってます! それは何故でしょう? ふふふ……実はわたくし、トレジャーハンターなのです! というわけで、今回のターゲットは アマゾンの秘法! これからどんな冒険が待っているか、今からワクワクしちゃいます―― 「十六歳といえば青春ど真ん中。ここはやっぱり甘酸っぱい恋愛要素を入れるべきじゃない?」 「おお、さすがによくわかってらっしゃる。では――」 ――アマゾンについて一週間。財宝探しに来たわたしは、もうそんなこと考えられないくらいに別のことで頭がいっぱ いだった。気付けば目で追ってしまう。日に焼けた逞しい姿、それと裏腹なあどけない笑顔。時々見せる優しさがわたし の胸を締め付ける。彼はただの同行者。なのに……なのに、なんでこんなに苦しいの―― 「大分完成に近づいたな。あとは主人公のディティールだ」 「よし、まかせろ――」 ――私は藤岡弘美、十六歳。好きなものは抹茶パフェと白玉ぜんざい☆ ホントはもっと好きなものがあるんだけど、 そんな恥ずかしいこと口にできるわけないじゃない! 今日は彼とアマゾン河のほとりで待ち合わせ。ピンクのブラウス に長めのスカート。お化粧だってバッチリ二時間! もうすぐ受験の私たちにとって、これが最後のチャンスなの。よー し、ちゃんと言うんだ! 今日こそはオトナの魅力で彼のハートを捕まえてみせる―― 「……できたな」 「ああ……完成だ」 「お前はよくやったよ」 「いや、君の指摘がなければここまでは来れなかった……ところで」 「なんだ?」 「これ……何のストーリーだっけ……?」 「さあ……?」 おわり
175 :
お題:アマゾン 3/2 :2008/03/23(日) 06:46:14.10 ID:BQ61WgvT0
以上ー なんかやっちゃったぜ!
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 07:17:37.68 ID:7LKchCntO
>>175 読んだ
東野圭吾の超税金対策殺人事件だかを思い出した
この短さで良いと思うけど
ポップにする部分が急すぎるかな
クッションでフランクバージョン作ったりしてほしかった
アドバイスする人にも説明がほしいところ
つっても付け足せば冗長になるんだろうけど
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 07:36:37.19 ID:BQ61WgvT0
>>176 批評サンキュウ
東野圭吾の読んだことなかったけどいまググってみたら確かにちょっと近いかも
ポップのところで急に砕けすぎたか
勢いで書いたのでそこまで気が回らんかった
会話のところは簡潔に行こうと思ってたので短い会話のみにした
結果的に説明不足だったかもしれないが、あまりキャラクターを持たせるつもりもなかったのよ
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:22:26.92 ID:BQ61WgvT0
あれ? なんか俺のスレストっぷりすごくね?
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:40:54.94 ID:7LKchCntO
じゃあ保守代わりに アドバイザーのキャラが必要って言うより 関係性が欲しい ただのバカ二人の会話みたいだから アドバイザーはライバル作家のスパイとかダメにしていく理由が必要だと思った
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:43:09.11 ID:x2OUDkgp0
でもこれダメになっていくっていうか、むしろこっちの方でいいよね、的な
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:44:36.82 ID:BQ61WgvT0
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:45:20.15 ID:7LKchCntO
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 08:47:20.68 ID:7LKchCntO
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 09:45:50.77 ID:BQ61WgvT0
びっくりするくらい過疎だな
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 09:57:33.61 ID:CZ1/21JoO
それならばお題を俺にくれたまへ
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 10:00:19.92 ID:BQ61WgvT0
偽悪
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 10:02:17.66 ID:CZ1/21JoO
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 10:12:37.88 ID:H7I7yPa90
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 10:57:28.23 ID:Vmi0VSyg0
190 :
すれ違うダイヤと 0/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:05:29.42 ID:H7I7yPa90
品評会作品投下します。 5レスです。
191 :
すれ違うダイヤと 1/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:05:51.04 ID:H7I7yPa90
「ダイヤが欲しい」 テレビ画面の指示に従って板の上でバランスをとっている俺は、ストレートなお願いをぶつけてきた美希をとりあえず無視した。テ レビの中では今にもペンギンが落ちそうになっているのだ。助けなければいけない。 「ダイヤが欲しいって言ってるでしょ」 「ぃたっ」 背中に何かが当たってバランスが崩れ、ペンギンが落ちた。振り向くと、美希がヌンチャクをヌンチャクにして振り回していた。 「確かにそれはヌンチャクだけど、ヌンチャクじゃなくてコントローラーだから」 「ヒロが無視するからでしょー」 口を尖らせて拗ねる美希。仕方なく俺は板から降りて本体の電源を切り、美希とテーブルを挟んで向かいに座る。 「んで、何で突然ダイヤなんだ?」 「女の子がダイヤを欲しがるのは極自然なことだと思うのよ?」 「知るか」 「テレビでスイートテンダイヤって言ってた」 「それは結婚十周年とかの記念だろ」 「ダイヤって燃えるんだよ?」 「燃やしたいのか?」 「よっぽどの高温じゃないと燃えないんだよ?」 「お前が言い出したんだろうが」 彼女の額をぺしんとはたく。 「いいじゃーん。ダイヤちょうだいよー。ダイヤー」 「駄々っ子か。だから何で欲しいのかって聞いてるんだろうが」 「私の誕生日は?」 質問に質問で返してくる美希。ジッとこちらを見つめる様子から、答えないと先に進まないのだと理解する。 「四月十六日」 「誕生石は?」 「ダイヤモンド」 これは彼女と付き合い始めた頃に記憶させられた。……あっ、そういえば。 「今度の日曜は何日で何の日?」 「三月二十三日で俺達が付き合いだした日」 「なんだ、覚えてるじゃない」
192 :
すれ違うダイヤと 2/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:06:11.55 ID:H7I7yPa90
美希が少しだけ瞳を大きくした後で微笑む。 危なかった。寸前で思い出して本当に助かった。これで答えられていなかったら、何を言われたことか。 「当たり前だろ」 平静を装って答える俺。 ……ん? 順番で言うと彼女がしゃべる番なのだが、なぜか何もしゃべらずにこっちをジッと見ている。 「何でわからないのよー!」 しばらく続いた沈黙は、痺れを切らした美希が叫んだことで破られた。 「いや、わかってるから。今度の日曜は付き合いだして一年の記念日。だから記念にダイヤが欲しい、ってことだろ?」 「わかってるんじゃない、バカー!」 あそこまでいってて気づかないような奴はきっと、女と付き合っても上手くいかないだろう。 「確かにわかってはいるが、ダイヤはやれない」 「なんで?」 「金がない。大体、地方から出てきてる貧乏大学生が、そんなダイヤを買うような金を持ってるわけないだろ」 「ダイヤだからって何でもかんでも高いわけじゃないわよ?」 「それでも、気軽に買えるものじゃないだろ?」 「そりゃそうだけど……。でも、お金がないって言ってるくせに、ゲームとかバカみたいに買ってるじゃない!」 美希が指差す先は、テレビの傍に乱雑に置かれたゲーム機本体とゲームの数々。確かにリモコンコントローラで操作するゲーム機は、 板含め周辺機器はほとんど揃えている。食費を削ったりしながら。 「俺だけじゃなくて、お前が遊ぶために買ったのもあるだろ」 「でもでもでもでもでも! せっかくなんだから、何か、ヒロとの記念になる物が欲しいよ……」 最後は声が小さくて聞き取りにくい。俯いてしまって顔は見えないけれど、もしかしたら涙ぐんでいるのかもしれない。 俺は美希と過ごした記念日を思い出す。誕生日にクリスマス。バレンタインデーにホワイトデー。誕生日には手作り雑貨の店で買っ たビーチコーミングのブレスレットを。クリスマスにはブーツを。ホワイトデーにはネックレスを。それぞれ彼女にプレゼントした。 「いやいやいやいや! ちゃんと記念になる物あげてるから!」 俺が慌てて否定すると、美希は小さく舌打ちをした。 「騙されないか」 「お前、恐ろしい奴だな……」 背筋を冷たい汗が伝ったような気がした。 「まあいいや。とにかくそういうわけだから、記念日だってことは忘れないようにね!」 念押しすると彼女は立ち上がって玄関へと向かう。
193 :
すれ違うダイヤと 3/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:06:29.84 ID:H7I7yPa90
「ん、帰るのか?」 「うん。今日はパパとママと三人でご飯食べに行くんだ。じゃあね♪」 名残惜しさの欠片も見せずに美希は出て行った。しばらく閉じられた玄関ドアを見つめていた俺は、長いため息を一つ吐いてから、 ゲーム機の電源を入れた。 ベッドに寝転がり携帯ゲーム機の画面を専用ペンでガシガシしていると、メールの着信を知らせる着メロが鳴った。 ゲーム機を置いて携帯電話を手に取る。受信したメールの送信者は『ヒロナリ』。 『こんばんは。明日は昼間出かけて、夜は家でご飯を食べようかと思うのですがどうでしょう?』 用件だけ、絵文字も無しの愛想のない文面。何故か敬語になるという相変わらずのメール。 絵文字を多用する男はさすがに引くけれど、少しくらいは使って欲しいとも思う。というか、これがホントに彼女に送るメールなの かと疑いたくなる。 『いいよ(ハートマーク)じゃあ、昼過ぎに家に行くね♪』 明日を前に、長々と凝ったメールを返すのは無粋というもの。嬉しい気持ちは明日彼に伝えればいいのだ。 しばらく待つと、『了解。おやすみ』の短い返信。ホントにそっけない。けど、今日に限らず私がメールを送ると必ず返信してくれ て、最後はいつも彼で終わる。これは彼の優しさだろう。 さて、明日に備えてちゃんと寝なくちゃ。私は布団に潜り込んだ。おやすみヒロ。心の中で呟く。 映画を見て、アミューズメントパークで遊んで、雰囲気の良い喫茶店で少し休憩。 私はカフェオレを一口すすってから、彼に尋ねた。 「どうして夜はどっかで食べて帰らないの?」 「せっかくの記念日なんだから、いつものデートとは違ってたまには家で食べるのもいいだろ?」 「たまにはね。けど、なに食べるの? ピザでも取る?」 「それじゃあ、いつもと変わらないだろ。今日は特別に、俺の手料理を披露してやろう」 少し胸を張って得意げな顔のヒロ。私はというと、嬉しさや喜びよりも先に不安が頭をよぎった。 「披露はいいけど、ヒロって料理できるの?」 「愚問だな。一人暮らしを初めてもうすぐ丸二年だぞ。料理の一つや二つ、朝飯前だ」 その口調と顔から、バカにするな、という気持ちが言外に込められているのがわかる。 「じゃあ期待しとく。あっ、そうだ! だったら帰りにスーパーに寄ろうよ!」 つきあって一年だけど、一緒にスーパーには行った事がない。 カートを押してる彼と腕を組んでお野菜とか見て回って。なんだか新婚さんみたいでいいんじゃない?
194 :
すれ違うダイヤと 4/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:06:48.67 ID:H7I7yPa90
「当然だろ。買い物もデートの一部なんだから」 私が言い出すことなんかお見通しとばかりに、ニヤリとした笑みを浮かべるヒロ。 見透かされてるのは少し悔しいけど、私の事をちゃんとわかってくれてるんだよね。そんな風に考えると自然と気分は買い物に飛ん でしまう。そうなると私は居ても立ってもいられなくなり、ヒロを連れて喫茶店を飛び出した。 両手に買い物袋を下げたヒロからカギを預かってドアを開ける。私には自分のバッグがあるからと、二つとも持ってくれたのだ。 玄関を入ってすぐに申し訳程度の台所、奥に二つ部屋がある2Kの造り。台所を素通りして二つある内、手前の部屋のテーブルに買 い物袋を置く。彼が買ってきた物を冷蔵庫に入れたり戸棚に入れたりしている間に、私は座布団を敷く。 「さすがに部屋、片付けたんだ?」 この前よりも少しすっきりとした感じのする部屋。その分のしわ寄せが奥の部屋にいっていない事を祈るだけだ。 「いや、別に片付けてないぞ?」 意外な答えが帰ってきた。 「でも、なんか広くなってない? 三日前はもっとごちゃごちゃしてたよ?」 テレビの周りに何も置かれていないし、壁際には……乱雑に雑誌が置かれてる。うん。私の気のせいだったみたい。 「さてと、じゃあ作り始めるか。出来上がるまで、テレビでも見ててくれるか」 腕まくりをして準備に取り掛かるヒロ。うんうん。こういう姿も、別の格好良さが見えていいよね。 結局、私は料理が出来上がるまでヒロの後姿を眺めていた。部屋中探したけど、何故かゲームも見つからなかったしね。 そして待つこと数十分。テーブルの上には、カルボナーラのスパゲッティとオムライス。しかもオムライスはとろとろふわふわ卵! 私が素直に驚いて褒めると、ヒロもまんざらじゃない顔をしていた。 さらには味の方も問題無し。素人が作るものとしては充分に美味しかった。 「ごちそうさまでした」 感謝を込めて頭を下げると、ヒロも「お粗末さまでした」と頭を下げ返す。顔を上げると目が合って、お互い吹き出してしまった。 いまならいいタイミングかも。 私は持ってきていたカバンから、綺麗にラッピングされた箱を取り出す。 「はい。つきあって一周年のプレゼント」 ヒロは、自分がもらえると予想してなかったのか、ポカンとした顔をしている。 「美味しい手料理を作ってくれたお返し、ってわけじゃないけどね。ねえ、開けてみて」 ヒロが丁寧に剥がして包装紙の中から取り出したのはゲームソフトが二本。先日出たばかりのスポーツゲーム詰め合わせと、ヒロが 敬遠していた大乱闘のゲーム。後者は私がやりたいだけだけど。 「後で対戦しようね」
195 :
すれ違うダイヤと 5/5 ◆IPIieSiFsA :2008/03/23(日) 11:07:05.91 ID:H7I7yPa90
「……あー。そう、だな」 何故だか歯切れの悪いヒロの返事。ゲームが気に入らなかったかな? 確か欲しいって言ってたと思うんだけど。 私のそんな考えが顔に出ていたのだろう。ヒロはすぐに笑顔を作ると、ありがとうと言ってくれた。 「それじゃあ、俺からもプレゼントだ。目を閉じて」 え? プレゼント? 私に? デートも全部おごりで、手料理も作ってくれたのに。それだけじゃないの? 疑問に思いながらも言われた通り、居住まいを正して目を閉じる。と、食器やコップを動かす音が聞こえて、彼が私の左手を取った。 左手? 左手ってことはもしかして? 期待に胸が高鳴る。そして、左手の薬指に何か輪っか状の物がグイグイっと嵌められていく。 ん? 何か大きい。っていうか、小指と中指に何か当たるんですけど。 「はい。目を開けて」 言われるまま目を開いて左手を見る。私の薬指は、ヒロが右手の人差し指と親指で作った輪っかで締められていた。 「……何、コレ?」 「俺の名前は?」 「ヒロナリ」 「漢字で書くと?」 「大きくなる也。で大也」 「音読みすると?」 「だいや」 「そう、ダイヤ」 「……言ってて、恥ずかしくない?」 「……恥ずかしい」 少しだけ顔を赤くしたヒロは、私の左手から手を離す。はあ、少しでも期待した私がバカだった。気分を変えようと左手でコップを 掴み、残っていた水を飲む。 「あれ? 美希、それどうしたんだ?」 ヒロがコップを持つ私の手を指差す。 どうしたって、ヒロが握ってたから色でも変わってるんじゃないの? なんて思いつつ左手を見ると、薬指に光を反射してきらめく ダイヤがあった。いつの間にか私の薬指に、銀色で細めの指輪が嵌められていた。 「えっ、なんで? どうして? だって、お金。それにさっき……」 混乱して上手く言葉にできない私にヒロが微笑む。 「スイート『ワン』ダイヤ。これからもよろしくな、美希」
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:09:30.85 ID:H7I7yPa90
はい。セルフまとめ完了。
197 :
Miss ディレクション 0/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:17:06.13 ID:hVTPavQe0
続いて品評会投下します。 5レスです。
198 :
Miss ディレクション 1/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:18:10.84 ID:hVTPavQe0
いくつもの目が私を見つめているのがわかる。 私の一挙手一投足に注目し、ためいきと感嘆の声を上げる観客達。 そう私は女優。今をときめく銀幕スター。一流劇団上がりの演技派女優である……なんてことはまったくなく、 俳優に憧れ三流劇団に入るもそこでも落ちぶれ、たまたま趣味でやっていた手品がちょっとだけ認められた地方周りの三流手品師である。 今日の舞台は山間の古めかしい小学校、そのイチ教室に集められた全校生徒三十五人が今日の観客だった。 机を外に出した教室で放射状に椅子に座った子供たち、彼ら彼女らに囲まれて私は手品をいざと始める。 「そこの赤いスカートがかわいい女の子、好きなトランプのマークと数字を言ってみよう」 いきなり当てられてちょっとビクッとした女の子が、かわいらしく「ハートの三」と言った。 残念、ハートの三は休業中である。私が今、手にしているトランプはデック中、三枚が両面裏のトリックカードに交換してあり、 ハートの三は抜いてあるので使えない。私がどこかのお笑い手品集団ならば『休業中』と言えば笑いをとれるかもしれない。 けれども、私はそこの一門ではないので、どうにかごまかさねばなるまい。何でピンポイントで当てちゃうかなあ、困っちゃうよ。 「よし次は、そこのおかっぱ頭の少年、一から十の中で好きな数を選びなさい」 おかっぱの男の子がおずおずと七を選んだ。 「じゃあ、三と七を足すと何になるかな? 一年生に答えてもらいましょう」 恥ずかしそうに「じゅう」と答えた小さい一年生に褒めつつ、私は手品を始める。ふう、乗り切った、乗り切った。 「では、みんなが選んでくれたハートの十を使いましょう」 私はそう言ってハートの十を取り出すと、さらにデックの下の方を広げて見せ、このデックが普通のトランプの束であることを 示して見せた。本当は上三枚に種があるんだけどね。 「このハートの十に何か描いてください、記号でも名前でも何でも良いよ。後、何か仕掛けが無いか良く見てね」 私は目の前のメガネ少年にカードと黒マジックを手渡した。メガネ少年は戸惑いつつも、くまの絵を描いた。私よりうまいな。 「では、このくまの絵が描かれたハートの十は教卓の上に置いて、こっちのカードを良く切ります」 普通にカットした後に、デックを半分に分けてショットガンシャッフル。子供たちの歓声が上がった。なんて良い子たちなんだろう、 たったこれだけで喜んでくれるなんてお姉さん涙が出そうだよ。でもごめんね、何度切っても一番上の三枚は移動しないようにしてるの、 純粋な子供たちを騙すなんて私は酷い女だよね。まあ喜んでくれてるから良いとしよう、これが仕事だし。 「良く切ったトランプの一番上にさっき取っておいたハートの十を載せます」 そう言ってデックの一番上に表を上にしてハートの十を置いた。くまの顔が笑っている。 「わかりますか? 次にこのカードを裏返します。一番上にあるのはハートの十だと覚えておいてね、お姉さんとの約束だよ」 子供たちの真剣な眼差しがデックに集中した。ふふふ、既にトリックは始まっているとも知らない子供たち、かわいいなあ。 「この一番上のカードを束の真ん中に入れちゃいましょう。そうすると一番上のカードは何になるかな? そこの君、答えて!」 いきなり私に指名された元気そうな少年は、わからず困ってとまどっていた。
199 :
Miss ディレクション 2/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:18:39.82 ID:hVTPavQe0
「忘れちゃったの? お姉さん悲しいなあ。一番上はハートの十でしょ、ほら」 一番上をめくって、くまの描かれたハートの十を出すと、子供たちの驚きの声が教室中に響いた。気持ちいいー。 ただ、喜ぶ子供たちの中で一人表情をこわばらせたまま、こっちを睨みつける少年が見えた、高学年の子だろうか? うけなかったのかな? とりあえずは続けることにしよう。もしかしたらあの目は……。 「もう一回やるから、良く見ててね。上のハートの十を裏返して……」 この段階で両面裏のダブルバックカードと二枚重ねてバレないように裏返す。そうすればデックの上に裏面が見え、 ハートの十だけを裏返したように見えるのだ。ダブルバックカードを知らなきゃわかるはずないよね、これ。 「そして一番上のカードを真ん中へ。じゃあ一番上は何かな?」 「ハートの十!」 子供たちの元気な声が耳に届く。ふふふ……少年少女よ世の中はそんなに甘くないのだよ。 上のカード、つまりハートの十とダブルバック、そしてその下の普通のカードを、一枚だけめくるように見せつつ三枚同時にめくる。 「クラブの五でしたー。ハートの十はさっき真ん中に入れたでしょー」 「えー、さっきと違うー」と声を出し子供たちが騒いだ。かわいい奴らだなあ。今度はそのクラブの五だけを裏返し、 デックの上はクラブの五、ダブルバック、ハートの十の順にする。 「一番上はクラブの五だということは、みんな覚えていますね?」 子供たちに尋ねる。みんな真剣な表情で頷いた。 「そう、でもね、お姉さんは魔法使いなんだ。だからね、魔法を使えば……ちちんぷいぷいのエイ!」 三枚同時にめくる。もちろん上には、 「最初の約束どおり、くまさんマークのハートの十が出るんだなー、これが」 大喝采。拍手に包まれ昇天しそう。手品師冥利につきるわ、ほんと。 「じゃあ、次は私の相棒であるマールに手伝ってもらいましょう。おいでマール」 教室の扉が手伝いの先生に開けられ、私の相棒であるチャウチャウ犬マールが、少し垂れた頬を震わせもふもふと入ってきた。 「ブサイク」「よだれ汚い」「うんこ色だー」 子供たちの評価は最悪である。私は愛してるよマール、ブサイクだけど。 「はーい、みんなひどいこと言わないで、マールは女の子だからね。これからマールのすごいところを見せるよー」 半信半疑な子供たちに指示をだし、中央にマールが通れるだけの道を開けた。 「私が投げた物をマールがそこを通って空中でキャッチします。投げる物はこの小さなウルトラマン人形。何か仕掛けはあるかな?」 目の前のズボンをはいた少女に人形を渡した。さらに周りの子供にも確認させ、返してもらう。 この人形には何の仕掛けもない、この人形にはね。 「何もないわね? じゃあ、また魔法を掛けましょう。みんなもうまくマールがキャッチできるように祈ってね」
200 :
Miss ディレクション 3/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:19:12.25 ID:hVTPavQe0
そういって私は右側の腰辺りに擦りつけるふりをする。実際は隠しポケットの同じ人形とすり替えたんだけどね、仕込み付きの人形と。 「投げるわよー。取ってこいマール!」 勢いよく投げ放たれたウルトラマン。マールも跳び出した。子供たちの視線が人形に集まる。マールがジャンプ。そしてキャッチ! ……することはなく、ウルトラマンは復路も飛んで私の手の中に帰ってきた。ナイスキャッチ、私! 目を丸くさせた子供たちが、「おお」とか「すげー」とか声を出す。マールが重たい体を震わせながら帰還した。 「あれー? 魔法掛け過ぎちゃったかなあ? もう一度、とってこいマール!」 ウルトラマンが飛ぶ。マールが走る。子供が期待を込め見守り。マールがジャンプ! すると同時に私は腰のベルトから人形に伸びた 極細テグスを引いた。もちろんウルトラマンは私の手元へと戻ってくる。かわいそうなマール、あんた輝いてるよ。 戻ってきたウルトラマンを、今度はキャッチせず手元で操る。上下左右にふらふらと飛び続けるウルトラマンを見て、 子供たちのまあるい目が、ゆらゆらきょろきょろウルトラマンを追ってさまよう。あ、マールが戻ってきた。 「マール、ちゃんとキャッチしなきゃダメじゃない」 マールと目を合わせ指示を出す。きっちり笑いをとってくぞ、相棒。 「さっきは魔法を掛け過ぎちゃったみたいだから、ちょっと弱めようか」 そういって再び腰の辺りに擦りつけ、元の仕掛けがない人形とすり替える。 「三度目の正直、行けウルトラマン!」 人形を投げた。ウルトラマンが飛んだ。子供たちが凝視する。マールが跳び出す……ことはなく、 ウルトラマンは後ろの黒板に音をたてて激突した。マールはあくびしていた、私の指示通りに。 「…………以上、マールの活躍でしたー。マール退場!」 のそのそと教室から出て行くマール、子供たちは笑っていた。良くやったよ、マール。あんたが笑わしたんだ。 「では、そのウルトラマン人形は、一番後ろのあなたにあげましょう、大事にしてね」 私の声を聞き人形を拾った女の子、近くの仲間に見せタネを探しているようだ。ははは、それはただの人形なのだよ。 和やかな空気に包まれた手品の合間、先ほどのこちらを凝視していた少年の方を少し観察してみる。 やはり笑っている様子はない。少年の真剣な表情から、私はある確信を得た……彼は私の敵であると。 手品ショーは続く。ワインのボトル――細くなったところにテープを巻き、その下であらかじめ切断されている――を 紙袋に入れ袋の中でがさごそと動かし、ボトルを開けずに中へトランプを入れる手品。 ペットボトルに入った水――実は過冷却されており、衝撃によって凍るようになっている。つまりは科学の力だよ――を一瞬で凍らせる手品。 マトリックスさながらに、体を背面に反らせる――ズボンに角度によって固まる仕込み入り――手品を見せたり(問題は マトリックスもイナバウワーも子供たちには通じなかったことである。私はもうおばちゃん? うう、泣きそう) 腕をまったく動かさず手のひらの筋肉だけを使いコインを浮かせる手品をやったりした(その手品のために練習を重ねた 私の手には、コインの後がくっきりとスジになって固まっており、合コンでの評判は悪い……固い手は嫌いですか?)
201 :
Miss ディレクション 4/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:19:44.33 ID:hVTPavQe0
「じゃあ、今日の最後のマジックをお見せしましょう、タネも仕掛けもないことを示すために新しいトランプを使います」 私は赤いトランプの箱からビニールを外し、デックを取り出した。この瞬間が私は好きだ。 「では、そこの君。前に出て手伝ってください」 他の子供たちとは様子の違うさっきの少年をこちらに呼ぶ。指名された少年は予想外の呼び出しに驚いていたようだ。 「私がトランプを広げて横にずらしていくから、好きなところで一枚選んで取ってね」 「これ、フォースって言うんでしょ?」 やはり、彼は私の敵だった。手品師にとって最大最強の敵、手品の最中にタネを暴こうとする人たちである。 フォースというのは、相手の呼吸に合わせ横にずらすカードの速さを調節することによって、 手品師の思いのままにカードを引かせる技術の一つだ。プロならば百回中百回成功させる基本にして最上のテクニックであり これを封じられるとすっごい困っちゃうものである。ほんと、まじで困るけど、それを顔に出せない。私、三流だけどプロ手品師だから。 「良く知ってるねえ、どこで聞いたの?」 「漫画で読んだ」 最近の漫画は手品のネタばらしまでしやがるのか、コンチクショー。 「じゃあ、こうやって上からパラパラめくるから、好きなところでストップって言って。それなら良い?」 「それもフォースの仲間でしょ。ネットで聞いたことある」 ブルータスお前もか……ダイヤのキングのモデルであるジュリアスシーザーが言った、かの有名な言葉が頭に浮かぶ。 はあ……漫画と来て、ネットもとなるとテレビもやばいんだろうなあ。お姉さん、本気で困っちゃうよ。 だが私は負けるわけにはいかない。私の手品の前で笑っていない者は存在してはいけないのだよ、少年。私のプライドに賭けて。 「良し、じゃあこうしよう。私は教室の外に出てるからその間に好きなカードを選んで。そうすればフォースじゃないでしょ」 少年は少し考えていたようだが、頷いた。 「じゃ、私は外で待ってるから、選んだカードをみんなで覚えたらデックに戻して良く切ってから、私を呼びに来てね」 そう言って、私は教室の外へ出た。扉を閉め終えると中が少し騒がしくなったようだ。これは失敗できないなあ。 そんな私をよそに、廊下ではマールと本日のアシスタントが遊んでいた。アシスタントと言ってもハイレグのピカピカお姉ちゃんではなく、 この学校の頭がピカピカ校長先生だけど。遊んでもらえて良かったね、マール。こっちは大変だよ。 「少し予定が変わってしまったので、手伝って貰っても良いですか? マールも遊んでるところ悪いけど、もう一度よろしくね」 校長先生に頼んだ。柔らかい言葉とは裏腹に、断れない雰囲気を作る。その場の空気を操ることは手品師の基本である。 ごめんね、マール。ごめんね、校長。校長先生の頭の光が少し鈍ったような気もしたけど、特に問題はないでしょう、きっと。 校長先生に指示を出していると、教室内では準備が済んだらしい。私は呼ばれるままに教室へ入ると、 入口から顔を覗かせたアシスタントの校長をひと睨みしてから、子供たちの方を向いた。 「みなさん、カードはちゃんと覚えましたね? これからそのカードを当ててみせます。まずはトランプをマークごとに分けてください」
202 :
Miss ディレクション 5/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:20:19.57 ID:hVTPavQe0
さっきの少年にデックを渡し、トランプを四つの山に分けてもらう。手早いねえ、トランプに慣れてるのかな? 「では、いきます。まずはスペード、は違いますね。この山は捨てちゃいましょう」 手に取ったスペードの山をおもちゃのナイフに変える、子供たちは一瞬驚いたがこちらの仕草を見逃さないよう真剣に見つめている。 とってもやりにくい。続いてハートの山も赤いバラへと変えた。机の上にはナイフとバラと二つの山が残る。 「残りはクラブとダイヤか、どっちかなあ? まずはクラブ……これも違うみたい」 クラブの山を手で覆い蟹の人形へと変えた。子供たちの空気が少し変わったようだ。そんな顔してるとバレちゃうぞ。 「最後はダイヤだね。でも…………これも違う!」 カードの束を放り投げ消し、手の中からダイヤモンドを出す。もちろん偽物だけどね。 子供たちは私がダイヤを出したことには驚いたようだったが、それでも安堵と落胆の複雑な表情を浮かべていた。 「つまり、あなたたちが選んだカードはジョーカーでしょ!」 「ちがーう!」「はずれー!」 「え、違う? おっかしいなあ。ちょっと助けを呼んで良い? マールが入れば当てられるかも」 そんな馬鹿な。あの犬はさっき何もできなかったじゃん。という空気を感じつつ私は続けた。今に見ていろ、マールの力を。 「後ろのドアに注目! マールおいでー」 大きな音を発し勢いよく開けられた後ろのドア。子供たちが一斉に振り向いた。でも、マールが出てこない。 「マールー? どうしたのー? 出てこーい!」 私の呼びかけから数十秒、それでも間をおいてやっとこさのそのそと登場したマール。遅いよ、まあ私の指示通りだけどさ。 「おや、マールの首輪にトランプが挟まってるみたいですな。ちょっとそこのお嬢さん、取ってみてもらえる?」 おそるおそるマールに手を伸ばす女の子。彼女が手に取ったトランプを読み上げると驚嘆と歓喜の声が巻き起こった。大当たり! 「どうよ、お姉さんの魔法は? すごいでしょ」 私はさっきの少年に聞いた。彼は心底驚いたのかぽかーんとした顔をしていたが、私の声を聞くと顔を紅潮させながら言った。 「どうやったの? ねえ、教えて? ぼくは将来、マジシャンになりたいんだ!」 やっぱりか。タネを知りたがる人にはこういったタイプが多い。わからなくもないが、手品師にとっては最大の敵であることには違いない。 が、昨日の敵は今日の友ということで先輩として優しい私は少しアドバイスをしてやろうと思う。タネは教えてあげないけどねえー。 「マジシャンになりたかったら、まずマジックを楽しく見ること! 自分が楽しんだことがないのに、人を楽しませるなんてできないよ」 「でも、タネがわからないとマジックできないでしょ? ぼく、少ししか知らない」 「タネなんて自分なりの何かを見つければ良いんだよ。自分で考えて思いついたらそれが正解! わかった?」 少年は少しとまどいつつも、元気に頷いた。マールが横で元気に吠えた。いたのか、マール。 「では、この子のアンコールにお答えして、さらにショーを続けようと思います! 良いですか、みなさん?」 みんなの活気ある声が響き、私のやる気が高まる。本日のアシスタントが何か言いたげだが、気にしない。みんな、笑顔にしてやるぞー! <了>
203 :
Miss ディレクション 6/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/23(日) 11:21:04.65 ID:hVTPavQe0
いじょうです。ぎっちぎちだ。 セルフまとめいってきます。
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:31:06.59 ID:hVTPavQe0
まとめ終了。 またやっちまった…。 1レス目に数字入れ忘れてすみませんでした。 そのままで結構ですんで、ほんとうにすみません。
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:41:13.40 ID:P8k12mnMO
なんか朝起きたら停電してた 品評会の続き書けねぇ それとお題くれ
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:41:26.72 ID:aYmiExWQ0
何かかけそうなお題をおくれ。
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:42:39.31 ID:hVTPavQe0
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:43:23.97 ID:TqJgL6EL0
じゃあ俺も書けるかわかんないけどお題くれ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:45:56.95 ID:7SwNGJaS0
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:50:08.15 ID:TqJgL6EL0
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 11:54:06.18 ID:aYmiExWQ0
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 12:22:15.18 ID:TqJgL6EL0
無理だよ
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 13:06:04.34 ID:8uvT/GerO
ほ
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 13:31:12.29 ID:lvC8UJL8O
ほ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 13:31:59.41 ID:7SwNGJaS0
下関負けた……
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 13:36:29.42 ID:g77Z9EUxO
寝たら間に合わないけど猛烈な睡魔が…… 品評会で優勝する夢みれるといいな
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 13:57:28.82 ID:Vmi0VSyg0
ほっしゅ〜
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 14:29:19.60 ID:NLYnVj5p0
やっぱりマジックネタがかぶったwww でも書いちゃうもんねー
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 14:44:49.84 ID:yxwjQClO0
くだらないネタで品評会にチャレンジか・・・・ それとも新たに考えるか・・・・・ 迷う
220 :
【品評会】LSDと大麻 0/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:00:41.07 ID:sLjExdlh0
品評会作品投下します
221 :
【品評会】LSDと大麻 1/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:01:17.46 ID:sLjExdlh0
「Lucy in the Sky with Diamonds」 パパの甘い声。 「Lucy in the Sky with Diamonds」 わたしは目を閉じる。 「Lucy in the Sky with Diamonds」 そして、深い眠りにつく。 わたしの子守唄はいつも「Lucy in the Sky with Diamonds」だった。 時々、眠れなくてパパの布団にこっそり入る、今も。 昔々、お母さんの腕の中でも。っていっても、おむつも取れてない頃のことは覚えて ないけど。 お母さんはわたしが一歳の時に死んだ。やっぱり、全然覚えてない。 パパのことはパパって呼ぶけど、お母さんはママって呼べない。 なんだ分からないけど、お母さんは漠然とわたしのお母さんだし、いつまでもパパの 愛するお母さんなのだ。 パパはお母さんのことを「お母さん」か「ソウ」と言った。 「草子って呼ぶとお母さんはいっつもださいからその名前で呼ばないでっていうんだぜ」 ってパパはわたしに話した。 でも、パパは基本的にお母さんのことは話したがらなかった……。 他に知っていることは、ママは言葉ではいい表せないほどかわいくて、優しくて、か っこいいらしい。なんでも言い表してしまうパパの口からそんな言葉が出るなんて信じ られなかった。 こんなわたしのパパはロッカーだ。ロッカーはスーパーウルトラかっこいい職業らしい。 そして銀河系一ロックなバンドを組んでいると豪語している。 最近、パパは「Lucy in the Sky with Diamonds」みたいな曲をレコーディングしてい るとバンドのメンバーで、今日、家に遊びに来た秀吉君が教えてくれた。 秀吉君はパパの一個下なのに、まるで、クラスの男子みたいにうるさい。そんでもっ てメタボリックなお腹をしている。
222 :
【品評会】LSDと大麻 2/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:01:54.20 ID:sLjExdlh0
いつもの秀吉君は面白くて好きだけど、今日の秀吉君はいつもと違う。どうやら、遊 びに来た訳ではなかっららしく、わたしは部屋を追い出されてしまった。 わたしが部屋を追い出されてから十数分が経った。悪いと思いつつ、壁に耳を当て盗 聴する。秀吉君が声を荒げている。 「おい、ロックじゃないぜ。最近のお前。「Lucy in the Sky with Diamonds」みたい な曲ってさ、ヤク中みたいな曲って意味かよ。あのレコーディングした曲もサイケデリ ックってこと? サイケデリックがお前の目指すロックなの? ふざけんなよ」 パパの声は聞こえず、秀吉君がじゃべり続ける。 「なぁ……、あの曲で本当にCD出すのか?」 「あぁ……」これはパパの声だ。だけど、精気が感じられない。 「もっとさ、ゴリゴリした曲だってあるじゃないか?」 「…………」パパは今度は答えない。 次の瞬間、ガシャーン、という何かが壊れた音と「この大麻野郎」という秀吉君の声。 そして、秀吉君の帰りを告げる玄関の扉が開く音。扉が閉まった後は、何も聞こえな い。 わたしは全てを忘れたくてベッドに潜り込む。寝ようとしてもさっきのことが思い出 される。思い出されるというより頭の中で反芻され続ける。 眠れない。まるで、遠足に行く前の日みたいだけど、全然違うじゃないか。 時計を見るといつの間にか二時を回っていた。 ベッドから出て、パパの部屋に向かう。 パパの部屋には泣いているパパが布団に入っていた。わたしはゆっくりとパパの布団 に入る。パパの体の温もりを感じる。こうしてパパの布団に入るのは一年ぶりぐらいだ っけ。 「Picture yourself in a boat on a river」 パパが歌いだす。わたしは隣で目を閉じる。 「――Lucy in the Sky with Diamonds」 そして、深い眠りにつく。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 15:02:03.99 ID:aYmiExWQ0
潜水艦 お題を投下 2スレ
224 :
【品評会】LSDと大麻 3/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:02:34.38 ID:sLjExdlh0
目が覚める。今日もまたいつもと変わらない生活が送れるんじゃないかと心のどこか で思っていた。そんな期待は裏切られる。期待はいつでも裏切られる。 パパがいない。隣にもちろんいなかったし、台所にも立っていなかった。 外に買い物に行ってるんじゃないか。そうだよ、どっかに行ってるんだよ。と、自分 の中で結論付けるも、探しに行く準備をし始める。買い物なら待っていればいいだろ。 ふと、勉強机に目を向ける。勉強しないからあんまり使っていない机の上に一枚の紙 が置いてある。 パパはしばらく家に帰ってきません。 ごめんなさい。 紙の横には何か大事そうなものがいろいろ置いてあった。家の鍵だとか預金通帳、印鑑、 携帯電話……携帯? しばらくってどんぐらいだろ。多分、携帯が置かれてるところをみると早いか遅いかど っちかだろう。やっぱり、買い物に行ったんだろうか。それだったら預金通帳をわたしの 机に置かないだろう。いや――。 ピーンポーン、インターホンが鳴る。誰だろう。 扉を開けると、おばあちゃんが立っていた。わたしは意外な来客に棒立ちしてしまった。 「辛かったでしょう」と話しかけられていた。 辛かった?何が?今は、大変なの。そうだ。今は、大変なんだ。 「大変なんです。パパがいなくなっちゃった」 「うん。そうか。じゃ、おばあちゃんちにおいで」 おばあちゃんには大変さが伝わってないみたいだ。 「だから、パパがこんな置き手紙を残して消えたの。」 そう言って、わたしは置手紙をおばあちゃんに渡す。 「うん。とりあえず、荷物をまとめな」 こうして、わたしは自分の置かれている状況を把握出来ないまま、おばあちゃんちで暮らす ことになった。
225 :
【品評会】LSDと大麻 4/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:03:30.58 ID:sLjExdlh0
――一週間後。 新学期が明日から始まる。おばあちゃんちは歩いて十分ぐらいのところにあるので、 転校という事態は免れた。 この一週間、パパのことで頭がパンクしそうだった。おばあちゃんに聞いてもしっか りとしたことを言ってくれない。でも、罪を償うとか言っていた。罪?何のことだろう。 その疑問を晴らすために自分の家に行くことにした。もしかしたら、パパがいるかも しれないという期待を抱いて。 家が見え始めたところで、塀から家を覗く怪しい人影を発見した。恐る恐る地近づく とその少し横に広いシルエットは秀吉君だと気付く。 「秀吉君?」わたしは声をかける。 「あぁ……、こんにちは」いつもの半分ほどの声で秀吉君は挨拶をした。 「そう、大変なの。パパが消えちゃった。おばあちゃんは罪を償うためにいなくなった って言ってた。とにかく大変なんだよ」わたしはなるべく短く、今、知っている情報を 伝えた。 「……。ごめん。僕のせいだ。僕のせいでパパは自首したんだ」 ジシュ?え?どういうこと? 「あの『草』について話し合った時、僕が言い過ぎた……。」彼は続ける。 「そう? そうって何?」 「あぁ、レコーディングした曲。あの曲、『草』って書いてソウって読むんだ。草っていう のは隠語で――」 草ってお母さんのことだ。パパはお母さんの曲を作ったんだ。 「それ、お母さんの曲だよ」 [終]
226 :
【品評会】LSDと大麻 4/4 ◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:04:13.16 ID:sLjExdlh0
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 15:04:38.39 ID:aYmiExWQ0
>>226 わりこんじゃってごめんよ。
潜水艦投下するお 2すれ
228 :
潜水艦 1/2 :2008/03/23(日) 15:04:59.17 ID:aYmiExWQ0
雲ひとつない青々とした空に、大きな太陽だけが光り輝いている。 空の色と同じように、海もまた真っ青に澄み切っており、風が海面を波立たせ、地平線の かなたへと絶え間ない波々が消えていく。 イルカが海面から心地よさそうに飛び出した、深海で散策するための酸素を補給するためである。 しかし、そのイルカの不機嫌であった、それと言うのもいつも穏やかな仲間たちの歌が響く、 美しい海底の世界へ、人間どもが作り上げた流線型の巨大な物体が二つ侵略してきたのだ。 今まで何度かその存在を見た(超音波のエコーとして)こともあったが、今日ほどうるさくはな かったし、凶暴でもなかった。奇妙な音を立ててのろのろと動くしかできない、できそこないの クジラ程度のものだと思っていた。 しかし、今日はどういうことだか、轟音を立てて海を切り裂きながら進み、自分の倍ほどの長 さの奇妙な物体を、前頭部から放ったと思えば、その小さな物体ははるか先で身も凍るような 衝撃と轟音と共に消失するのだ。 イルカは不愉快であった、体に伝わるその衝撃の余韻も心地悪く、エコーが伝えてくる残片的 な惨状もまた不愉快であったし、何より、巨大な流線型の物体の内部から聞こえてくる、人間ど もの声が不愉快であった。それは全ての生物が理解しえる、恐怖と怒りという原始的な声音であった。 しかしそれでも、イルカはその場所を遠く離れることはなかった。 その知性によるものなのか、このイルカだけが特殊なのか、その小さい脳の中に宿る確かな知
229 :
潜水艦 2/2 :2008/03/23(日) 15:05:20.36 ID:aYmiExWQ0
性によってうっすらと事実を理解していたのだ。これは、戦っているのだろうと。そして、どち らが勝ちのこるのかという、生物が生まれてから繰り返されて続けてきた原始的なゲームの行く 末に興味を覚えたのだ。 海中では魚雷が走り回っている。全長七メートル、重さ三十トンの ADCAP 魚雷の威力は凄ま じい、目標物の真下で爆発すると巨大な真空が生まれる、それによって破壊目標をへし折るのだ。 イルカの小さな頭脳ではそれが何なのかは分かりえなかったが、しかし、自分の身など跡形も なく破壊しえるだろうということは分かっていた。 イルカは爆発によってノイズが走る海流の中に、エコーを飛ばし続け両者の戦いを見守った。 その時、海底から何かが海面へむかって突進してくる。 イルカは、その何かを追って海面へと向かった、そして海面から顔を出して見た。 海面から巨大な棒状の物体が次々と空へと飛び出していく。それは羽の生えたクジラのようであ った。 それは、海面から飛び出すとそのまま、地平線へむかって飛び立っていく。 イルカはその姿を見送ってから、海中に注意を向けたが、エコーに答える物体の姿はなくなっていた。 勝敗は決したのだろう、両者の死によって。 そう納得すると、静寂を取り戻した海の中でイルカはまた歌いだした。 その頃、空の上では射程一万キロの戦術核弾頭ミサイルが、世界の終わりへ向かって突き進んでいた。
230 :
潜水艦 2/2 :2008/03/23(日) 15:05:40.06 ID:aYmiExWQ0
おしまい。r
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 15:07:55.25 ID:aYmiExWQ0
酷評だけおくれやす。
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 15:20:42.89 ID:DEU7zPB+0
品評会5レス投下します
233 :
ダイヤはどこ?(1/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/03/23(日) 15:21:23.85 ID:DEU7zPB+0
スーパーのビニール袋を片手に持ちながら、私は、滲み出る笑みを抑えずにはいられなかった。 ビニール袋を持つ方とは逆の手が持つ袋には、私がヘソクリで買ったダイヤの指輪が入っている。質流れした 品で、初めて見た時からその美しさの虜になってしまい、何ヶ月もかけてお金を貯めていたのだ。 ようやく品物を得られた幸福感と、夫に悟られることなくヘソクリを貯めることが出来たという達成感とで、 私の気分は上々だ。 帰ったら近所の奥様友達に自慢してやろう、とか何とか、そんなことを考えながら歩いていたら、突然後ろの 方から喧しい爆音が聞こえてきた。 音の正体を確かめようと振り向きかけたその時、私の横を、一台の大型バイクが物凄いスピードで駆け抜けて いった。いきなりの出来事に、私は思わず目を閉じて、半歩後ろに下がった。大排気量のエンジンが放つ爆音で 耳が痛くなる。 黒光りする車体が遠く離れていく。それに合わせて、騒音も徐々に住宅街の静けさの中に隠れていった。 「こんな真昼間から、住宅地のど真ん中を……何考えてるのよ、ったく」 私はブツブツと文句を呟きながら、帰路に着いた。 自宅の自分の部屋。鏡台の引出しから取り出したダイヤの指輪を手に持ち、私は静かにそれを見つめていた。 光の加減と入り方が少し違うだけで、明るく輝いたり、虹色の鮮やかな光を見せたりと、刻々とその美しさが変化する。 ダイヤモンドは永遠の輝き、とは良く言ったものだ。 本当に長い間、このダイヤは、この美しい輝きを保ち続けている。 私は、うっとりとした目でダイヤの輝きを眺めていた。 ピンポーン! 突然鳴り響いた玄関の呼び鈴の音に、私は思わず現実の世界に引き戻された。慌てて指輪をケースに入れて立 ち上がり、急いで玄関へと向かった。 お母さんの部屋には、誰もいなかった。 僕は、そのまま部屋の中に入った。いつもは、入っただけで怒られるお母さんの部屋。なんだか、不思議な気分だ。 何か、オモチャになるものはないか、僕は部屋の中を探してみた。 大きな鏡のついた机が気になった。鏡の前には、よく分からない瓶がいっぱい並んでいる。 それらには、特に面白みを感じなかったから、僕は机にある引き出しを開けてみた。 上から三番目の引き出しを開けたとき、小さな箱が出てきた。開けてみると、指輪が入っていた。キラキラと 光るガラスがついていて、僕はそれがとても綺麗に見えた。
234 :
ダイヤはどこ?(2/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/03/23(日) 15:22:11.60 ID:DEU7zPB+0
そして、僕は良い事を思いついた。これを、あすかちゃんに見せてあげよう。 僕は指輪を持って部屋を出て行った。 襖を開けると、そこには誰もいなかった。 俺は、しめしめと薄く笑みを浮かべ、母親の部屋の中へと入っていった。 目的は、金を盗るためだ。俺は、小さな和室を見渡し、財布がありそうな場所を探した。 最初に手をつけたのは、鏡台だった。引き出しを上から順番に開けていく。だが、財布は見当たらなかった。 「ん……?」 変わりに、一つの小箱が目についた。開けてみると、小さな指輪が入っていた。透明な宝石が一つ付いている だけで、どこか味気ない指輪に、俺は見えた。 手にとってよく見てみる。一瞬、ただのガラスかと思ったけれど、よく見るとそれは、ガラスとは違う輝きを 放っていた。もしかして、ダイヤモンドか? 途端に、俺の唇の端がつり上がった。 「お母さーん、お兄ちゃんどこに居るか知らない? って、居ないじゃん……」 お母さんの部屋には、誰もいなかった。おかしいな、さっき買い物から帰ってきたと思ったんだけど。 あたしは部屋を出ようと思った。けど、その前に部屋の中に気になるものが見えた。 お母さんの鏡台の上に、一つの小さな箱が置かれていた。箱は開いており、そこにキラリと輝く何かが見えたのだ。 女の勘というのだろうか。あたしには、それが、女心をくすぐる非常に魅惑的な光に見えたのだ。 あたしは、部屋の中へと入っていった。 そばまで近づいて、ようやくそれが何なのかが分かった。指輪だ。ガラスのような宝石が一つだけついた、 簡素な指輪だった。けど、その宝石が放つ輝きは、間違いなくガラスの比ではなかった。 「きれい……」 あたしは、思わずそれを手に取った。僅かに虹色の輝きを見せている。もしかして、これってダイヤモンド? 悪魔がそそのく声が聞こえた気がした。あたしの指が、まるで誰かに操られているかのように、自分の指に ダイヤの指輪をはめたのだ。 自分の指にはまった指輪を見て、改めてその幻想的な雰囲気に酔いしれる。 もっと、この指輪を堪能していたい。そんな欲望が、あたしの中で生まれていた。
235 :
ダイヤはどこ?(3/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/03/23(日) 15:22:54.49 ID:DEU7zPB+0
あたしは指輪をはめたまま、お母さんの部屋を出ていった。 「たっくーん。どこー? おやつの用意が出来たわよー」 息子の名前を呼びながら、家の中を回ってみるけれど、返事はなかった。 家にはいないのだろうか。だとすると、外に遊びに行ったことになる。仕方ない、オヤツは、ラップをして 冷蔵庫に仕舞って置こう。 私は台所へと向かった。その途中、自分の部屋の前を通ったとき、私は異常に気づいた。 私の部屋が開いていたのだ。私は、普段から戸締りに関してはきちんとしている。当然、自分の部屋も、出る ときは必ず閉めるはずなんだけど……。 少し胸騒ぎがした。私はゆっくりと部屋の中を覗いてみた。すると、引出しがいくつか開けられた鏡台の姿が 視界に入った。 私は慌てて部屋に入った。鏡台に駆け寄り、中身を確かめる。そして、あるものが無くなっていることに気が付いた。 「指輪が……ない!」 「見て、あすかちゃん。これ」 そう言って、たくやくんが見せてくれたのは、指輪だった。宝石が一つ付いていて、キラキラと光っていた。 「わぁー、きれい」 私がそう言うと、たくやくんは笑顔になって、指輪を私に差し出した。私はそれを受け取って、指輪を太陽の 光にかざしてみた。太陽の光を浴びた宝石は、さっきの何倍もキラキラと輝いて、すごく綺麗だった。 「これ、どうしたの?」 私はたくやくんに訊いてみた。すると、たくやくんは少し恥かしそうに顔を赤めて、言ってきた。 「あげる。僕からのプレゼント」 「本当っ? うれしいっ!」 私は思わず大声を上げてしまった。それくらい嬉しかったのだ。さっそく指輪を、自分の指にはめてみる。 けど、指輪は大きすぎて、指にはめてもするりと落っこちてしまった。 「親指につけてみたら?」 たくやくんがそう言ったので、試しに親指にはめていた。確かに、落っこちることはなかったけど……。 「なんかへん」 私は、可笑しくて少し吹き出してしまった。 「本当だね、なんかへんだね」
236 :
ダイヤはどこ?(4/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/03/23(日) 15:23:35.31 ID:DEU7zPB+0
たくやくんも笑い出した。 親指にはめた指輪がなんだか無性に可笑しくて、私達はその後もずっと笑い続けていた。 おかしい。どこを探しても見つからない。一体どこへ行ったのだろうか、私の指輪は。 鏡台の中は全て探した。念のために、部屋の隅々まで調べたのに、ダイヤの指輪はどこにも見当たらなかった。 今や、私の部屋の中はオモチャ箱をひっくり返したかのようにぐちゃぐちゃになっていた。 途方に暮れて、一人部屋の中で呆然としていた時だった。玄関の方から声が聞こえてきた。 「ただいまー。おかーさーん! おやつー!」 息子の拓也が帰ってきたようだ。悪いが、今はそれどころではない。私は玄関にいる息子に聞こえるように、 声を張り上げた。 「おやつは冷蔵庫の中に入ってるから、自分で取って食べなさーい! ちゃんと食べる前に手は洗うのよ!」 はーい、という返事がして、廊下を走る音が聞こえた。足音は洗面所には向かっていなかったが、私はそれど ころではない。 改めて、部屋の中を見回してみる。どこにいったのよ。一体どこに……。 「うわっ、どうしたんだ、こりゃ」 突然、部屋の入り口から声がした。振り向くと、夫がそこに立っていた。今日は仕事が休みだから、ずっと家 でゴロゴロしていたのだ。 「何か探し物か? 手伝おうか?」 私は、指輪を探していることを言おうとして、寸前のところでそれを堪えた。ここで指輪のことを言えば、 当然、どうやってあんな高価な物を購入したのかを問われる。そうなれば、ヘソクリのことがばれるかもしれない。 私は何とか平静を装って、夫に答えた。 「えぇまぁ。けど、大したものじゃないから、心配しないでいいわ」 夫は何か反論をしようとしたけれど、私はそれを無視して扉を無理矢理閉めた。 鍵をかけて、私は指輪探索を再開した。 口元がつりあがる。俺は指輪を手に部屋を出た。と、それと同時に、家のどこからか母親の声が響いてきた。 「たっくーん。どこー? おやつの用意が出来たわよー」 俺は思わず舌打ちをした。あのババアの声は、耳に入っただけで虫唾が走る。 俺は急いで家を出た。原付に乗り、猛スピードで発進する。 行き先は、質屋だ。この指輪がもし本当にダイヤモンドなら、結構な値段になるはず。その金を利用して、
237 :
ダイヤはどこ?(5/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/03/23(日) 15:24:17.44 ID:DEU7zPB+0
大型バイク購入の資金にするのだ。 罪悪感などはない。この指輪がアイツにとって大切なもので、それでアイツが悲しむというのなら、そんな気 分の良いことはない。 俺は、原付をさらに加速させた。 無い無い無い! どこにも無いっ! ちょっと宅配便を受け取りに行った間に、私の大切な指輪が無くなったのだ。 部屋中を探し回るが、どこにも指輪の姿は見えない。まさか、泥棒が入ったのだろうか。けど、他に金目の物 は盗られていない。鏡台の上に置かれていたダイヤの指輪だけが、忽然と姿をくらませたのだ。泥棒の仕業とは思えなかった。 では、一体この短時間にどこにいったのだろうか。 あれは、世界で一つだけの大切な指輪なのに。絶対になくすわけにはいかないのに。 額に溜まった汗が、頬を伝い顎の先に溜まる。それを拭う間も惜しい。 「お、お母さん……」 いきなり、声をかけられた。見ると、入り口に娘の沙希が立っていた。その娘が持つモノに、私はすぐに気がついた。 「指輪っ!」 「ご、ごめんなさい。あんまり綺麗だったから、つい……」 沙希は深々と頭を下げて謝ってきた。娘が指輪を持ち去ったのだとわかり、多少は怒りを感じたが、今はそれ 以上に指輪が見つかったことへの安堵の方が圧倒的に大きかった。 私はようやく汗をぬぐい、娘のもとへと向かった。 指輪を受け取ると、娘は脅えた表情を私に向けてきた。今の自分はそんなに恐く見えるのだろうか。 私は、出来るだけ声音を優しくして、言った。 「この指輪はね、お父さんが、お母さんにくれた最初のプレゼントなのよ」 「……ごめんなさい」 私は、指輪を親指にはめた。昔は丁度いいサイズだったけれど、今では親指は大きくなってしまい、指輪は指 の先っちょにまでしか入らなかった。 娘がきょとんとした表情を見せた。「どうして親指に?」と言いたげな表情だ。 私は笑いながらいった。 「これはね、こうやってつけるものなのよ」 少しして、娘も笑った。 親指にはめた指輪がなんだか無性に可笑しくて、私達はその後もずっと笑い続けていた。 おわり
238 :
◆FXPnH3Ytxs :2008/03/23(日) 15:26:49.31 ID:sLjExdlh0
>>231 どMだろ……jk
酷評?思いつかねぇ。
描写がうまいと思う。
イルカの一人称って新しいし、イルカは頭いいらしいから
斬新でいいと思う。
ミサイルひとつで世界が終わる?
まぁ、核戦争で世界が終わっていくってことがいいたんだろうけど……
全く酷評になってない?
そうですね。
239 :
ダイヤ ◆58wWTUZA1. :2008/03/23(日) 15:38:20.19 ID:JqlDLFAq0
登校
240 :
ダイヤ(1/2) ◆58wWTUZA1. :2008/03/23(日) 15:38:47.19 ID:JqlDLFAq0
なんとか平坦な道なりにふらふらと進むにつれて、 彼は道を道だとは思わなくなった。 何しろ相変わらず世界は原型を留めているし、 それらは私に無関心のようだ。 眼前は濁っている。 ふと動いた瞳は、ピクリともしない枯れた緑だけを映した。 少し遠いところに久しぶりに人間が現れて、 何故かとても体が疼いた。 顔が少し赤みを増して、指先が微かに震え、歩調が少し早くなった。 人間は割と赤い唇を曲げて、とても魅力的なものを差出し、代わりに最も大事なものを攫っていった。 眼前は濁っているが、数歩先には水が溜まっている。 ふとアクセル音が響いて、彼の足はパシャリと水を割った。 当然痛くは無い。ちょっとじっとりとはするが、それでも足は自然に動いた。 途端に私は私なのだと思えて興奮が抑えきれなくなり、千切れんばかりに腕を振り上げ、濡れた足を懸命に振り回し、 無茶苦茶に笑ってみると、それは世界を通り越して再び帰ってきた。
241 :
ダイヤ(2/2) ◆58wWTUZA1. :2008/03/23(日) 15:39:11.77 ID:JqlDLFAq0
彼は世界を蹴破る事に成功して、そうして一面は真っ黒だ。 世界は透明で、彼だけにはその事がはっきりと理解出来ているようだった。 だが、眼前はすっかり濁っている。 向こう側から髪の長い婦人がやって来て、彼にそっと微笑んだ。 テールライトが目を刺して、ネオンが輪郭を投影し、ふと彼は女性の後姿を追う。 わざとらしくフリルをひらひらやって、ウインクする。 女は角を曲がって、ショーケースに目を留め、ブティックに吸い込まれた。 後ろからわんわん泣きながら子供が走ってきて彼にぶつかり、首を傾げてのろのろ歩いていった。 母親が言う。すみませんねぇ。 彼の手はとってをのんびりと掴み、こじんまりとした彩りが飛び込んでくる。 二十歩歩くと更衣室に行き当たって、彼はすっとそこに入ろうとしたが、後ろから手を掴まれる。 子供は必死で無邪気な笑みを浮かべて、取り出した小箱を開いてみせる。 控えめなダイヤを湛えた大き目の指輪が転がり出て、私は一瞬私になった。 女が隣の更衣室から出てきて、彼より冷たい瞳を向け、急ぎ足でブティックを後にした。 子供は泣き崩れ、彼はもう後を追わなかった。 暫くするとわらわらと人がやってきて、彼は、小さな倉庫に押し込まれた。
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:08:18.73 ID:sLjExdlh0
ほ
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:34:38.85 ID:Vmi0VSyg0
ほ
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:36:56.73 ID:l5oPcpIY0
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:44:56.91 ID:l5oPcpIY0
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:47:28.43 ID:sLjExdlh0
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:51:46.01 ID:BQ61WgvT0
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 16:55:37.93 ID:ggeu0fhz0
>>245 確認してないけど東大に受かって馬券をとれました
249 :
【品評会】ダイヤのAが出てこない (0/4) ◆K0pP32gnP6 :2008/03/23(日) 17:09:09.27 ID:NLYnVj5p0
投下準備完了! ネタ被り確認! 特攻投下開始します!!
250 :
◆K0pP32gnP6 :2008/03/23(日) 17:11:25.34 ID:NLYnVj5p0
あれ? もしかして俺今回の品評会もう1つ投下したっけ?
252 :
◆K0pP32gnP6 :2008/03/23(日) 17:12:12.52 ID:NLYnVj5p0
中止! さすがに2個投下は自重しますwww
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:13:35.17 ID:sLjExdlh0
じゃ、時間外投下っていう手もありますよ
誰かお題下さい。暇つぶしにかけたら書いてみる
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:18:31.34 ID:NLYnVj5p0
とりあえず、時間外という方針で
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:23:40.79 ID:l5oPcpIY0
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:25:10.20 ID:7SwNGJaS0
IDと酉変えればバレないよ
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:29:40.78 ID:8uvT/GerO
前回数が多かったのに2作投下してごめんなさい三兄弟 <ゴメンヨー ――(~δ~)(~δ~)(~δ~)― <ニイチャン イタイヨー <ゴメンヨー
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:34:43.61 ID:Otxbx6aw0
tes
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 17:43:22.15 ID:l5oPcpIY0
それでも32だしね。 だいたい、カオスにいくつ投下されるかなんてわからないしw
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 18:03:18.11 ID:d3uFBP90O
保守だッ!
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 18:22:06.80 ID:Vmi0VSyg0
させんッ!
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 18:42:40.87 ID:8uvT/GerO
ほ
264 :
【品評会】空中庭園 ◆Mclain.ggg :2008/03/23(日) 19:02:09.87 ID:b0vwRzZU0
品評会投下します。4レス
265 :
空中庭園 ◆Mclain.ggg :2008/03/23(日) 19:03:02.18 ID:b0vwRzZU0
僕が空中庭園を手に入れたのは思いのほか暖かい春先だった。月給の三分の二が飛んで妻には怒られたけれど、僕はそんなこと気にも留めなかった。 初めて手に入れた僕だけの空中庭園! 直径8メートルくらいの大きさしかないけど、僕が昼寝を する分には充分な広さだし、ささやかながらもきちんとした小屋があるから雨風だってへっちゃらだ。 周りにぐるりと小さな柵だってついてる。もっとも、このタイプを選んだのは友人が口を酸っぱくして 僕に忠告したからだけれど。その友人は壁のない平坦なタイプの空中庭園を持っていて、彼の父親が パーティをしているときに酔っ払い足を滑らせて転落、全治二ヶ月の大怪我をしていたから。 僕はせっせと芝生やトマトや花の世話をした。皮膚病の犬みたいだった芝生は丸刈りの中学生のように 生真面目になったし、ひょろひょろのトマトは青い小さな実をつけた。花だけは虫に食われて花弁に 大きな穴があるけれど、それを除けばまずまずの出来だった。 夏も中ごろの暑い日にやってきたデュークは僕の空中庭園を見て言った。 「なんていうか、久しぶりに見るといいもんだなぁ」 「そうだろう」 「しかしなんだってこんな一昔前のものを買ったんだ」 「ずっと憧れてたんだよ」 そう言うとデュークは小首をかしげ、しばらく考えてから生真面目な顔で答えた。 「憧れを実行できるというのはとてもいいことだ」 僕は笑って庭園の入り口に手をかけた。本当はアーチにバラかラズベリーを這わせたかったんだけど、 バラもラズベリーも寒さに強くて小さな白い花が咲くものがまだ見つかっていなかったので扉の周りには 細い鉄がむき出しのままだった。小屋の中に入ると彼は小さく口笛を吹いた。軽く見渡して窓へと進み、 彼のために運んできた籐のガーデンチェアに腰掛けた。 「悪くない」 「ありがとう」 僕は少しだけ得意げに笑った。悪くないって言うのは彼の最上級の褒め言葉だから。 「珈琲と紅茶どちらに?」 「紅茶を。薄く入れたクイーンマリーに蜂蜜を少しだけ、レモンを添えて」 そう言って足を組む彼を眺めて僕は少し笑った。 「なんだよ」 「いやぁ、別に。相変わらずだなぁと思って」 僕は戸棚から赤いほうろうびきのやかんを取り出してお湯を沸かしにキッチンへと向かった。 キッチンでは妻が大きな鍋に次々と洗ってヘタをとったトマトを放り投げていた。
「なにしてるの?」 「紅茶を入れようと思って」 「そう。そこの棚にクッキーの缶があるよ、チョコチップはわたしの分だから置いておいてね」 「君は何をしてるの?」 「トマトソースの作り置き」 キッチンは蒸気と水の音とトマトが鍋に落ちる音に満ちていた。こういうのを幸せと僕は呼ぶけれど、 きっとデュークに話したら鼻で笑うだろう。 沸騰したやかんとクッキーの缶を持って戻ってみれば、デュークは腰掛けたまま僕の読みかけの本を かぶっていた。僕は少し眉をひそめてティカップを温めた。 「それ、まだ全部読んでないんだ」 「それはよかった、また最初から読めるよ」 僕は大きくため息をついて紅茶を入れた。僕の分はストレートで、彼の分は蜂蜜をティスプーン一杯と 半分、そして輪切りにしたレモンを二、三度沈めて取り出して。 「君が来る度に食事にレモンが出るんだ」 「いいじゃないか、たまにはそういう刺激も必要だ」 デュークは長くなってきた前髪をうっとうしそうにかきあげて紅茶とクッキーを3枚取った。 僕は立ったままクッキーを2枚かじって缶の蓋を閉めた。それから僕達はいろんな話をした。僕はトマト につく虫を払うために植えたミントが思いのほか育ちすぎていることを、そしてデュークは今までに立ち 寄った様々な街のことを。 彼はいつだって気がつけばいなくなっていて、忘れた頃にやってくる。もしかしたらこの街に住んで いるわけではなくて、ここもまた彼が立ち寄り去っていく街なのかもしれない。もしそうだとしても 僕は彼をこの街にとどめることはできない。彼はとても流動的なのだ。僕は彼に紅茶を出すことはできる けど、彼を一箇所にずっと住まわせることはできない。王様の家来や馬にだってできやしない。 彼はそういう種類の人間なのだ。 「月は毎回造られているんだよ。そして周期的に落としてしまう。簡単に言ってしまえば生と死を繰り返している。 そうしないと循環がうまく行かないんだ。もちろん月の形を変える役割の人間だっていた。これがまた変な男だったが そう悪いやつでもない。欠けていくように見せるのが一番大変だそうだ。ピントを合わせるのにはダイヤが一番都合が いいらしいんだが、消耗が激しいからたくさん必要になる。すぐにくすんでしまうから取り替えないといけないんだ」 僕はクッキーをかじり、飲み込んでから妙に真剣な顔をしたデュークに言った。 「君は将来物書きにでもなればいいよ」
267 :
空中庭園 ◆Mclain.ggg :2008/03/23(日) 19:03:53.79 ID:b0vwRzZU0
お前もか、といったふうにデュークは大きくため息をついた。 「まったく、君はもっとこの世界のことを知ろうとは思わないのか?」 「あいにく君みたいにうろうろしてるとご飯が食べられなくなっちゃうからね」 僕には妻もいるし、仕事だってある。それに僕は今のこの生活が気に入っているんだ。デュークはいかにも つまらないといった顔をして立ち上がった。窓を開け放ち煙草をくわえ、ポケットから取り出したマッチを擦る。 通り抜ける風は涼やかで、僕は思わず目を薄めた。 「君が下に行っている間に考えていたんだが」 デュークはとても真面目な顔をしながらクッキーのくずを払い落とした。 「この空中庭園の名前はきまっているのか?」 僕はすこし考えてから言った。 「決まってないよ、昔みたいにどこの家も持っているわけではないからね。あの頃はみんな同じような庭を持ってて、 それが風に流されたりして問題になったからつけるように決められていたけれど、今のところそういうこともなさそうだから」 「じゃあ俺がつけてやろう」 彼はとても人の悪い笑みを浮かべて言った。 「名前をつけてやる。誰よりも立派で誰よりも馬鹿みたいな素晴らしい名前だ」 僕は言った。 「いいよ、どうせ君のことだからろくでもない名前なんだろう」 「失礼だな、立派な名前だって言っただろう。きっと君も喜ぶし君の奥さんだって気に入るよ」 「じゃあ聞いて気に入ったらつけるよ」 僕はクッキーの缶をいじりながら言った。彼はそんな僕を楽しげに眺めながら高々と言った。 「エンゲルハンス島だ。いい名前だろう? さりげなくて小さくてわかりにくい」 「ちょっと待ってくれよ、もっと空中庭園らしい名前があるだろう?」 「エンゲルハンス島のどこが悪いんだ。素晴らしい名前じゃないか、ぴったりだね」 「僕はもっと空中庭園的な名前がいいんだ」 僕が慌てて彼に詰め寄ろうとしたとき、テーブルの上に備え付けられた小さなベルが鳴った。 「ラザニアができたわよ。デュークもよかったら一緒に食べない?」 「ちょうどよかったヒルダ、空中庭園の名前が決まったんだ。エンゲルハンス島だよ」 「ちょっと、勝手に決めないでくれよ。そしてそんなに連呼しないでくれ。本当にそれが名前になってしまうじゃないか」 「あら、いい名前じゃない。エンゲルハンス島。素敵だわ」 「そう思うだろう? 君の旦那は頭が固くて理解してくれないんだよ」
268 :
空中庭園 ◆Mclain.ggg :2008/03/23(日) 19:04:17.80 ID:b0vwRzZU0
「待ってくれ!」 僕がベルに向かって叫んだとき、空中庭園が少しだけ震えた。 「ほら、つけられた方だって喜んでるじゃないか」 デュークは悪い笑みを浮かべ、庭を見渡した。 「早く降りてらっしゃい。冷えても知らないんだから」 ヒルダは少し呆れたように言ってベルが切れた。 「ああもうなんてことなんだ。これは僕の空中庭園なのに」 「いいじゃないか。空中庭園っていう名前の空中庭園にならなくてすんで」 飛び込むように椅子に座ってデュークが笑う。 僕は水風船のようなため息をついて庭の端にある自転車にまたがった。 「なにそれ?」 「これ漕ぐと屋上にもどるようにしたんだ」 「わざわざ漕がないともどれないようにしたのか!」 「ちょっとした冗談をお店で言ってみたんだよ。そしたらこうなった。しかもギア比が悪いらしくてかなり漕がないとダメなんだよね」 デュークは腹を抱えて笑った。 「ラザニアは冷えるな」 「ヒルダには悪いけどね」 「代わりに君がほかほかだ」 こうして僕とデュークは空と雲の上から少しずつ地面に戻っていった。 3時間ぶりに降りた屋上からはチーズとトマトの匂いがした。
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:05:23.18 ID:b0vwRzZU0
SAGEちゃうとか改行ミスとかもうねorz
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:05:26.88 ID:x7iRoUci0
さる
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:09:33.76 ID:x7iRoUci0
意味無かったw
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:10:57.14 ID:8uvT/GerO
>>269 名前欄に 1/4 とか入れてくれるといいなあと思う幼女であった
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:13:18.19 ID:b0vwRzZU0
>>272 !
俺のばか! 氏ね!
なんで肝心な所で書き忘れてんだorz
もうホントすみません
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:33:11.32 ID:k4lHWxIFO
それでも……それでも書けばいいのだー!! お題をください
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:34:38.14 ID:7SwNGJaS0
ナックル
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:35:58.92 ID:ZJpKTIjn0
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 19:45:12.98 ID:8uvT/GerO
ほ
ほ
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:21:47.65 ID:cK/bB/+u0
し
>>238 読んでくれてありがとう、十分励みになります。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 20:45:34.59 ID:8uvT/GerO
ほ
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:06:46.85 ID:l5oPcpIY0
あぶー
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:10:03.91 ID:l5oPcpIY0
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:12:54.76 ID:ClzTzVot0
九時でまだ10作……? カオス前の静けさってやつか……思わずブルっちまう
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:21:43.21 ID:k4lHWxIFO
今回は15作ぐらいなんじゃないの?
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:24:13.68 ID:7LKchCntO
久々に少なイーンダヨー
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:29:32.13 ID:GdwbKgg90
なんか進まない…時間外かな…
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:34:09.68 ID:7LKchCntO
そういやまだミスターフライングマンの二作目が投下されてないな
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:36:37.85 ID:b0vwRzZU0
名前がついてるwwww
291 :
【品評会】どーなつ。 0/4 ◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:39:22.38 ID:8uvT/GerO
品評会作品投下します。 全4レス
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:39:37.13 ID:7LKchCntO
293 :
【品評会】どーなつ。 1/4 ◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:41:37.50 ID:8uvT/GerO
あたしは、はだかで、あの人も、裸だった気がする。ふたりでベッドで、やらしーことして興奮してた、ような気がする。その夢のなかでは。 やらしいことってのは、それぞれのわきを、なめたり、いじったりしあうことだった。 もっとエッチなことをいつもしてるのに、なんで脇だけであんなに興奮してたんだろ。ゆめだから? わからない。わからないけど、あの人の脇と脇毛はとてもエッチなにおいがしてて、とっても興奮したのをおぼえてる。 「やわらかい脇だね」 あの人にみぎの脇をなめられながら、そんなふうにほめられて、とってもうれしかったのを覚えてる。 それで嬉しすぎて、起きてしまったのだ。もったいない。 見ると、ベッドであたしの脇をいじっていたのはただのクツベラで、 夢のなかじゃあの人の脇だった低反発まくらは、あたしのよだれでカバーごとぐちょぐちょに濡れていた。 あたしは場違いなクツベラ(ほんとなぜベッドに?)をぽーんとそこらにほおりなげて、あの人のことをかんがえる。 ダルい朝には好きな人のことを考えるのがいちばんなのだ。 うーん。 うー。 うひ、うひひ。 ん? んー。 んー。 あー。あー。あー。 んーーん……、 ああもう、う、 うがぁー! わっかんない。 どーなんだろう、わかんない。あの人は、だれといっしょにいるのが好きなんだろう? いや、あの人はだれにでも、やあ、って感じでまぶしい笑顔をして、仲良くなる人だから、人といること自体が大好きなんだろう。 あたしが好きになったのもそこだ。でも、いちばん、いちばん好きなのは誰といっしょにいるときなんだろう? 佳奈美(かなみ)さん? 会社の同僚? それともあたし?
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:43:41.22 ID:XFDhTCQf0
295 :
【品評会】どーなつ。 2/4 ◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:43:50.78 ID:8uvT/GerO
どーなんだろう。まあ佳奈美さんには勝ってると思うけど、男友達には負けてるのかな。たのしそうだしなあ、あの人、男友達といるときは。 吉原くんも言ってたなあ、あいつ、オレが立ちションしてるときに、やたらと、ジャマしてくんだぜ、ほんとガキみたいだろ、って、笑いながら。 たのしそう。 吉原くんにあわててくちどめする姿も、たのしそう。 あたしの前じゃあの人は、優しくて、カッコイイ人だけど、そういう面も見てみたい。佳奈美さんよりももっと多くを。 そう思ってからあたしはばんざいのポーズをしてベッドにたおれこんむ。ぼふーん、ってかんじでからだが沈んでいく。 沈んだまま、ちらりとじぶんの脇を見ると、ちょっと脇毛がのびている。夢に出てきたのはそのためか。臭ってみると少しクサイ。 今日は念入りに洗おう。そして剃ろう。 「よおしっ!」 そう呟いてきあいを入れて、ベッドからばっと立ち上がって、おフロをいれにいった。 最初はシャワーにしようかとおもったけど、やっぱり浸かることにした。 まだ朝だけど、休日だし、こんなに疲れが溜まってるのはこのごろシャワーしかしてなかったからかな、と思ったのだ。 おフロの栓をぬいて一週間前にいれた黄ばんだ水を落として、そのまま洗わないままに、あかいポッチがついた蛇口をひねってお湯を出した。 /どば だばどば/ あの人は、女のシュミは悪いけど、それはやっぱりバカを放っておけないほどのヤサシイ性格だからなのだろう。もったいない。ほんとうにもったいない。 おフロにお湯がはいっているあいだにひさぶりに朝ごはんをつくろう、そう思ってあたしはだいどころに戻ってった。
296 :
【品評会】どーなつ 3/4 ◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:46:31.76 ID:8uvT/GerO
なんで久しぶりに作ろうかと思ったかというと、今なんとなく、今日からは朝ごはんをつくっていこうって「決意」をしたからだ。 美容にもわるいし、今日からは朝ごはんを抜くのは止めて、きっちり作ろう。そう決めたのだ。 あの人と結婚を(無理だろうけど)するとしたら、ごはんもあたしがつくらなきゃならないし。んで、つくるとしたらおいしいものをつくってあげたい。 だから練習のつもりで。 あれ? 料理作るのは嫌いだけど、あの人につくってあげるためって思うと、料理も少したのしくなるような気がする。 もしかすると、そんな気持ちでつくるとおいしい物になるのかもしれない。 この朝ごはんもそういう気持ちでつくってみようか。まあ、今つくってるのはラーメンだけどね。出前一丁、のね。 つくらないよりかましさ。 あたしはこう、ぱらぱらとネギをナベのなかにいれる。 ナベのなかではラーメンのめんをつつむおゆがフットウしてて、三分を待つ間、あたしはおでこに蒸気をあてたりしてた。 蒸気があたっているときは熱いのに、すこしでも離すと、すぐに、風邪をひいたときみたいにヒヤっとするのがあたしにはなかなか面白いのだ。 固まっていためんがぼやーんと広がっていく。
297 :
【品評会】どーなつ 4/4 ◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:47:46.18 ID:8uvT/GerO
ちょっとばかしすると、チューリップのかたちをした赤いアラーム(母からもらった物だ)がピピピ、ピピピとうるさく鳴って、アラームを止めてあたしはめんを箸でまぜはじめた。 そして混ぜながらふとおもった。 できるだけ、黄身を割らないようにしよう。とろとろの、を、あげたいから。 もしも、あの人につくってあげるとしたら。 うーん、うへへ。なんだ、料理なかなかたのしいじゃん。 ひーひゃらひっひー♪っ、 ってね。 あ、ちょっと、ちょっとあれ? ああ…黄身がわれちゃってる……。「ひっひー♪っ」のところでかきまぜるのがすこしばかし強すぎたか。 ああ。でてたしなあすこし声。テンション下がる。 あたしはコンロのツマミをカチッとして、ガスのツマミもカチッとして、だいどころにドサッてたおれこむ。 だいどころ(あ、キッチンってほうがカッコイイや)にはキャベツの欠片がおちている。あたしはまるまるおちている。 なあ、なあおい。あんな男好き丸出しのケバい顔の、どこが好きなの? わけわかんない。 佳奈美さんのあのいやらしい腰つき、下品。あんなの、下品。あたしはあんな腰つきはしないし、あんなケバくない。 それなのに。なのに。 あーあ。テンションだだ下がり。脇毛剃んなきゃ。 つくったけどラーメンたべる気しねー。おきる気しねー。カナミ死ねー。しねー。しねー。ラーメン死ねー。ああ、佳奈美さん早く死ねー。 はぁ。佳奈美さんが貰ったのよりも少し大きいダイヤモンドがついた指輪をもってさああの人、 結婚してくれってあたしにプロポーズしてくれないかなー。 んま、無理か。へへ、子供もいるしね、あの人。 /どぼぼ どぼぼぼ/ ああ、あふれちゃってるだろうなあ、おふろ。 <了>
298 :
◆/sLDCv4rTY :2008/03/23(日) 21:48:24.09 ID:8uvT/GerO
以上です。よろしくお願いします
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:49:48.82 ID:VUBZX5Hd0
結局書く時間なかったから 全感に従事しようと思う 紛争ダイアについて書こうかと思ったら 尺が全然足りなかった……
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:53:18.14 ID:sWPoK5yCO
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 21:58:07.83 ID:8uvT/GerO
紛争ダイアってなんだ? と思ってぐぐってみたら、内紛とか闇市とか資金源とか、なんだかむずかしい話なんだね こういうのを書ける人ってすごいなあ おれもこういうの、いちど書いてみたい あといいわすれ。投下てまどってごめんねー
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:00:29.18 ID:8uvT/GerO
>>293 からのタイトルは、すべて「どーなつ。」でした。すいません!
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:00:33.37 ID:l5oPcpIY0
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:08:36.91 ID:8uvT/GerO
>>303 ありがとう! 確認した! あとなんかヤッタァ!
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:09:05.08 ID:b0vwRzZU0
まとめのひとありがとうー
306 :
◆IGEMrmvKLI :2008/03/23(日) 22:09:58.09 ID:hxInNvdW0
品評会投下します
307 :
Who Killed The Radio Star 1/2 ◆IGEMrmvKLI :2008/03/23(日) 22:11:37.50 ID:hxInNvdW0
90年代はラジオの全盛期だった。70年代のラジオ局のアナウンサーの人気番組や80年代のタレント番 組の時代のあとで、世間ではラジオそのものが廃れてしまったかのように懐古すらされないこの時代こそ が、ラジオDJの最も華やかな時代だった。それからあっという間にDJという言葉さえその主たる意味を 変えて今日に至り、ぼくたちはその間に記憶の底にあまりにも多くのものを溜めすぎてしまった。だから ぼくが語ろうとするDJのことをもう誰も覚えてはいないかもしれない。 そのころ家族や街やぼくの周りに在るあらゆるものが寝静まったころに(今やあらゆるものが寝静まる 瞬間などないことを念頭においてほしい)ぼくはラジオのスイッチをそっと入れ、世界で最も繊細な行為 であるチューニングを始めた。ジジジッ、ザー、ジジッ。そしてDJの声がぼくたちに届く。いくらかの ノイズは、DJの声がちゃんと空気中を伝わってぼくに届いている証だ。海のずっと向こうから。 DJが住んでいるところはここよりもずっと南の暖かい島。そこには世界中から色々な人が集まってくる。 観光やビジネスのためだけでなく、何のあてもなく辿り着いたり、穏やかな晩年を過ごすために生まれた 土地を離れたりして。DJもそうした人たちの一人だった。DJはこの街にラジオステーションが無いこと を知っていたから、この街でDJになるためにやってきた。 DJは西の海に面した通りに住んでいて、毎日太陽が水平線に沈みきるのを眺めてから、夜になるときつ くなる潮風から逃れるように街へ繰り出す。女の子をナンパするんだ、毎晩違う女の子を。けれどDJが 女の子と一晩をともにすることは滅多にない。DJには番組があるから、シンデレラのように12時を回る 前にはベッドから跳ね起きて服を着て出かけなければならない。僕を待ってるやつらがいるんだ。DJは捨 て台詞を吐き、ご自慢のジャガーで市街地を抜けて北極星を目指す。繁華街から真北に位置するラジオス テーションは島で一番標高が高い丘の上にあって、そこからは360度水平線を眺めることができる。もっ ともそれは昼間に限られていて、DJが着く頃には街の灯りも疎らになって見えるのは星だけだ。南十字星 の美しさをぼくは未だにDJの話の中でしか知らない。 ある日DJはいつものようにKISS ME DEADLYのカウンターでテキーラをキメて、異国から来た女の 子に話しかけた。50’sのポップスが流れる店内で、煙草の煙に女の子の赤いワンピースが霞んでしまわな いように、彼女を外に連れ出してジャガーで海岸の道をとばした。砂浜に月明りが落ちて海の先端が陸を 打つ音とともに光の中へ消えた。こんな夜中にオープンカーでドライブなんて、私の国では考えられない わ、きっと十分で凍え死んじゃう。北国から来た女の子にDJは答えた。それはぜひ行ってみたいな。こ こにはドライブの他には何も楽しみも無いからね。 DJはことあるごとに島の不満を言っていた。レコードが売っていない、趣味のよい服が買えない、退屈 でなにもすることがないのに事件の一つすら起こらないし、外の情報も入ってこない。まだパソコンなん て核シェルター並みに一般家庭には不必要だった時代の話だ。
308 :
Who Killed The Radio Star 2/2 ◆IGEMrmvKLI :2008/03/23(日) 22:12:13.96 ID:hxInNvdW0
二人は海水浴客のための広い駐車場へ向かった。そこは夜にはドライブインシアターになるんだ。ポッ プコーンとコーラを買って車に戻ってきたDJに女の子が言った。せっかくだけど、私ジャンクフードは 食べない主義なの。DJは答えた。フルコースって言ってくれよ、なんてったって映画ってのはアメリカの 伝統芸能なんだから。二人は寄り添って映画を見た。 ぼくは二人がそこでどんな映画を見たか知らない。DJが教えてくれなかったからだ。それは僕たちの秘 密だからね。とDJは言った。わかるかい? 僕は君たちを信頼しているけど、言えないことだってある。 どれだけたくさんの秘密を共有しているかってことが、関係を強くするんだ。僕は彼女ともっと深い関係 になりたいと思っている。だから僕たちには秘密が必要なんだ。代わりに君たちにはこの曲を送ろう。 タッッタタン、ジャン、タッッタタン――ロネッツの「Be My Baby」はDJの大好きな曲で、そうやって 秘密の代わりに何度聞かされたかわからない。けれどDJと彼女の仲が順調なこともわかったし、飽きる ことはなかった。何度聞いてもまるで初めて聞いたかのように新鮮な輝きのある曲なんてこの世にほとん どないけれど、この曲はそんな数少ない宝石の一つだった。そして宝石の輝きは永遠に失われない。 世紀が終わるより早く、番組は最終回を迎えた。最後にDJは言った。僕はこれから旅に出ようと思う。 番組のためにずっとここから離れることができなかったからね。君たちの住む街へもきっと行くだろう。 だからこれはお別れじゃないんだ。小学生の帰りのホームルームのように明るく言うよ。さようなら。 DJがスタジオの機械の電源を切って外へ出ると、東の空が明るくなり始めていた。丘を下るジャガーの 後ろには大きなトランクが一つ積まれて時折揺れている。DJはCDをセットした。 The night we met, I needed you so And if I had the chance, I’d never let you go. So won’t you say you love me, I’ll make you so proud of me. We’ll make ‘em turn their heads every place we go. DJがアタッシュボードから小箱を取り出してふたを開けると(be my, be my baby)ダイヤモンドの指 輪に朝日がこぼれてきらりと光った(my one and only baby)これから彼女にこれを渡しに行くんだ(be my, be my baby)そして彼女と一緒に彼女の生まれた国へ行こう(my one and only baby) DJは彼女のアパートへ向かって車のスピードをあげた。ラジオの電波のスピードをさっと追い越して走 るDJに、ついていくことができたのは彼の愛する音楽だけだった。 そうやってDJはぼくの憧れの中に消えて、あとには輝きだけが残っている。
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:12:38.87 ID:hxInNvdW0
おしまい
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:35:01.64 ID:x2OUDkgp0
カオスの前の静けさ
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:45:37.19 ID:sLjExdlh0
あれ? 本当に少なくね?
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:46:58.59 ID:hVTPavQe0
現在12作だからカオスで20ちょっとぐらいまで行くかな
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:48:33.27 ID:g77Z9EUxO
末期癌で入院していた老人が、死期の迫ったある日孫に遺言を残した 孫の結婚式を見るのが夢だったが叶いそうもないので、自分が死んだら遺骨からダイヤを作って欲しい。 そして結婚式でそのダイヤを身につけてくれ。 そんな内容だった という話をいまごろ思いついた
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:50:50.03 ID:l5oPcpIY0
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:59:12.41 ID:ewRHQGyS0
初です。お題ください。
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 22:59:57.99 ID:7LKchCntO
ダイヤルQってなかったっけ? あと思いついたのは ・懺悔室にいるなんでも罪を許す男「寛大屋」 ・空からダイヤが何個も降ってきて初めは狂喜乱舞で集めるけど珍しくなくなってただの綺麗な石ころになってしまう話 ・ダイヤの原石を相手にする教師の話
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:00:00.40 ID:sLjExdlh0
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:00:08.65 ID:4jxH2CrE0
やぁ(´・ω・`)
ようこそ、深夜のパーティへ。
かけ込み投下はとても危険だから、おやめ下さいとは言わないけどまず以下の文章を読んで落ち着いて欲しい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
早速だけど、君達に「推敲するまで投下できない」呪いをかけたんだ。
この呪いを解く方法は意外とたくさんある。
【はじめに】投下前には予約をし、運営の指示に従って投下する
【もちろん】投下時、メール欄は空にする
【それから】予約締め切りは23:30
【けいこく】上級者以外は23:29:59.99の予約を狙わない
【おわりに】全てが終わったら、下のスレッドに「今回は平穏無事に終わりましたね」と書き込む
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1206129599/l50 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それじゃあ、健闘を祈るよ。
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:01:04.32 ID:7LKchCntO
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:02:31.98 ID:x2OUDkgp0
今回は平穏無事に終わりましたね
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:03:22.64 ID:l5oPcpIY0
今回は平穏無事に終わりましたね
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:04:39.78 ID:vk+hCLLh0
ありゃ、品評会作品予約とかしなくても大丈夫そう? 投下しようと思うんだけど
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:05:53.87 ID:fG2xb//90
過去形…だと…?
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:06:16.68 ID:8uvT/GerO
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:06:59.77 ID:8uvT/GerO
かな?
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:07:29.45 ID:x2OUDkgp0
つ【はじめに】投下前には予約をし、運営の指示に従って投下する
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:07:37.43 ID:l5oPcpIY0
絶対に予約しないといけませんですのことよ
330 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 0/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:08:04.33 ID:KWyDCDlQO
品評会投下OK?
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:08:52.44 ID:sLjExdlh0
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:08:59.12 ID:7LKchCntO
333 :
品評会:ダイヤレイン ア リング ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:09:09.08 ID:KWyDCDlQO
じゃあ予約
334 :
◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:09:45.68 ID:vk+hCLLh0
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:09:52.30 ID:4jxH2CrE0
◆RlxBNHMmBo氏、どうぞ。 【順番】 予約する方はトリップを表示してくださいね
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:10:10.03 ID:KWyDCDlQO
フライング、フライングうるせぇよ! 推敲不足気にしねぇよ!
337 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 1/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:10:38.15 ID:KWyDCDlQO
――秋山は呆然となった。 会社をクビになった。終身雇用制制度をあてにしていたのが間違いだった。 気がついた時には、病院の裏手の、雑木林に足を踏み込んでいた。 何を考えて、ここへ来たのか、何をしに、ここへ来たのか。 全くそれが分からなかった。 分からなかったが、フラフラと、俯きながら、雑木林に足を踏み込む。 山のふもとの雑木林に、人はいない。私だけか、と苦笑する。 「ここでなら……」と呟き、想像する。 死んでも、誰も気付かないのでは無いか? 止められることもないのではないか? と考えを巡らす。 俯いていたせいか、地面に光る物を見つけた。 拾いあげる。指輪だ。 指輪を、少しの間眺めてみる。随分と年期があった。 「ダイヤの指輪だ」と気付く。 気付いてから、思い出した。 クビになった会社の前に、勤めていた町工場の社長を思い出した。 社長は、今ではもう65歳のはずだ。 ふと、社長に会いたくなった。 死ぬ前に少し会って話すくらい、いいのではないだろうか? そう思った。 死ぬのに準備も必要だろうし、とも考えた。 そうして、雑木林を後にした。
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:11:14.60 ID:HRJUHMJF0
ルーシーは空にいる。フライングでも気にするな。
339 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 2/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:11:31.26 ID:KWyDCDlQO
住宅地の中を、歩いて進む。 目の前から、黒い犬を連れている男が歩いてきた。 「おや、秋山君じゃないか」男が、若々しい笑顔を浮かべた。 その笑顔を見て思い出した。町工場の隣りのアパートに住む、佐々木という男だ。 「ああ、佐々木か」 「秋山君、随分と久しぶりじゃないか。少し老けたか?」 「老けたかもしれないな」と苦笑を浮かべる。 「もしかして、あの町工場に用か?」佐々木がやはり笑顔で聞いてくる。 こいつはいつも笑顔だな、と思い出す。 「まあ、そんなところだな」 「そうか。最近は、市内の方にも工場ができたらしいね」 「……そうなのか?」私の知らないことで、驚いた。 「まあ、そうなんだ。市内に新しい工場が出来てた。けど」 「けど?」 「最近は、朝から晩まで、こっちの工場が動いてる」佐々木が迷惑でたまらない、と言いたげな表情を浮かべた。 「そうか。ありがとう。またいつか飲もう」と言って、「ジャックも元気でな」と犬にも挨拶をする。 そうして、私はまた歩きだす。 歩きながら、社長の話しを思い出していた。 社長の死んだ奥さんの話しを。
340 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 3/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:12:48.73 ID:KWyDCDlQO
――社長と奥さんは、誕生日が同じ月だった。 四月、誕生石はダイヤモンド。 社長は、奥さんの話しをするたびに、言っていた。 「俺が死んだ時に、ダイヤモンドを空から撒くんだよ」 生き生きと、楽しそうに語る。 「俺とアイツの誕生石は、ダイヤモンドだからな」 「来世でまた、一緒にダイヤモンドの月に生まれて、一緒に生きていけるように」 「願いをこめてな」 社長は、いつもそう言っていた。 ――町工場は、騒々しい音を立てながら、働いていた。 中へと、歩を進める。 皆が、流れ作業のように、ダイヤモンドらしき物を運んでは、機械に入れていた。 「山野瀬さん!機械に詰まりました!」若い男が、声をあげた。 「山野瀬」久しぶりに聞いた同期の名が懐かしい。 「おい!誰かこれ直せないのか!?」 「無理っすよ!」「この機械、古すぎてどうすればいいか分かりません!」他の者達の、諦めと疲労のこもった声が聞こえてくる。 「くそぅ! どうにかならんのか!!」同期の叫びが、工場に響いた。 「どうにかなるよ。 山野瀬」と私は、前に進み出る。 「お前は……秋山か?」 「久しぶりだな」と言いながら、私は機械へと近付く。 ダイヤモンドを見た瞬間から、状況は分かっていた。 社長が、危篤なのだと。
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:13:14.75 ID:nCTVrOc80
342 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 4/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:13:41.78 ID:KWyDCDlQO
時間は無い。それはあの状況を見れば分かった。 久しぶりに触る機械に、体が、高揚する。 踊りだしたかのように、手が動き、詰まったダイヤを取り出していく。 「お前が来てくれて、助かったよ」山野瀬が、私に礼を述べてきた。 「気にするな。私だって親父さんには世話になってたんだ」親父さん、と久しぶりに口にした時、安堵のようなものが体を巡った。 山野瀬から聞いた話しによれば、親父さんが、昨日息を引き取ったこと。 親父さんが、最後に言いつけたことが「ダイヤモンドの粉を用意しろ」だったこと。 明日が葬式だということ。 「親父さん、何かあるたびにお前のこと気にかけてたぜ。大手に勤めてやっていけるのか? って」 「やっていけなかったな。ちょうど昨日クビになった」と苦笑した。 そうして、二十分ほど経った時に、山野瀬は用があるという理由で工場を出て行った。 残っていた、ダイヤモンドを機械に入れる。 「秋山さん、名前は聞いてましたよ」と知らない奴に声をかけられた。「この工場にある機械は、全部秋山さんが整備してたんですってね」 「そうかもな」と曖昧に返事をしながら、ポケットの中のダイヤの指輪を取り出して、もう一度見た。 裏に、親父さんの名前とその奥さんの名前が刻まれていた。 「運命か、偶然か」と小さく呟く。 ――秋山は、葬式場までは、徒歩で行っていた。 そのせいか、着いたころには汗だくになっていた。 駐車場に着いた時に、汗を拭くためにポケットからハンカチを取り出した。 秋山は気付いていなかった。 その時に、ダイヤの指輪が転がり落ちていたことを。
343 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 5/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:15:10.47 ID:KWyDCDlQO
――葬式場に、山野瀬の姿は無かった。 今日のために、ヘリの免許を取ったというのは本当だったのか。 山野瀬は、空からダイヤを撒くらしい。 葬式がある程度済んだ頃に、私はやっと気付いた。 ダイヤの指輪が無い? なんてことだ! 私は、いつ落とした? ポケットに、ハンカチが入っていたことを思い出す。 駐車場だ! 私は駆け出した。 駐車場は、一面光る粉に埋もれていた。山野瀬の奴が、うまくやったのだ。 男が二人立っている。 一人が、こちらに気付いたらしかった。 「おい、あんた!」 「なんだ?」私は急いでるんだ! と言ってやりたい衝動を堪える。 「この指輪、もしかしてあの爺さんのか?」 男の手には、ダイヤの指輪があった。 なんで? などと考えてる暇は無かった。 「それは、私がここまで持って来た」 「おかしいと思ってたんだ。死んだ奥さんの病室は、山側だったと聞いたからな」ともう一人が言った。 「こいつは、あんたに返すよ」男が、ダイヤの指輪を小さく振る。「嘘ついてるようには見えないしな」 「ああ、ありがとう」と、小さく、呟くようにして、礼を言う。 「あんたが、こいつを爺さんに渡すのか?」と男が聞いてくる。 「親父さんに、じゃない」私はダイヤの指輪を受け取りながら、次の言葉を言う。「奥さんにだ」 「きっとそれは」「ご名答、だな」と男が、低い声で、ゆっくりと言った。 その言い方が、親父さんの喋り方に酷似していて、私は愉快な気分になった。 愉快になった私は思った。「もう少し頑張ってみよう」と。
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:15:29.83 ID:ablgRZb00
テスト
345 :
品評会:ダイヤレイン ア リング 5/5 ◆RlxBNHMmBo :2008/03/23(日) 23:15:40.33 ID:KWyDCDlQO
終わり。 それじゃあ逃亡します。 さようなら。 フライングアッガイより
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:15:52.07 ID:4jxH2CrE0
お疲れ様でした。 ◆iwRfrgecCQ氏、どうぞ。 【順番】
347 :
品評会:嘘(1/4) ◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:17:40.63 ID:vk+hCLLh0
「マナミさん、貴方との婚約は正式に破棄させていただくことになりました。本当に申し 訳ないと思っています……」 ジュンは静かにそう告げた。マナミは首を横に振り涙を零した。 「どうしてですか!? 私のことが嫌いになったんですか!?」 ジュンはマナミの頬をハンカチで拭った。ジュンも沈痛な面持ちで、 「そんなわけありません! 理由は――貴女も御存知でしょう。結局僕一人ではどうにも できなかった……」 「それでは何故、私と婚約などなさったのですか!? 始めから無理だとわかっていたの でしょ、そんなの残酷すぎます!?」 マナミは半ば半狂乱になってジュンに掴みかかった。ジュンは振りほどこうとはせずそ のまま言葉を続けた。 「僕だってずっと貴女と一緒にいたかった。でも、それでは僕一人の我が侭で多くの人を 不幸にしてしまいます」 貴女はそれでも二人だけで幸せになれますか? マナミは嗚咽を漏らしながら、 「本当に辛いのは貴方だということはわかっています……ですが、私のこの胸に空いた穴 をどう塞いだらいいんですか?」 そう言って掴みかかっている手に力を込めた。 「こんな方法でしか償えない僕をどうか赦して下さい」 ジュンは包みを取り出してテーブルの上に置いた。マナミは包みを開けると、中にはお 札の束がいくつも入っていた。 「お金で解決できるとは思っていません。ですが、これがいまの僕にできる精一杯です」 どうかこれで僕のことは忘れて下さい。マナミは札束を掴んで投げつける仕草で手を震 わせていたが、やがてその手を下ろした。 俯いたまま沈黙していたマナミだが、ようやく重い口を開いてこう言った。 「お相手の方は、いい人なんですか?」 「はい、勿論です。僕のことを気に入ってくれているみたいですし、きっと……上手くい きますよ」 「そう、ですか。実家へはいつお戻りになるんですか?」 「明日の昼には出発する予定です。もうこちらには戻ってはこれないと思いますが……」 再び静寂が訪れた。お互いにもはや何も言えなかったのだろう。
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:17:57.42 ID:xM4ugtDC0
今回も平穏無事に終わるわけがない
349 :
品評会:嘘(2/4) ◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:18:48.69 ID:vk+hCLLh0
どれくらいの時間が経過したのだろうか。ジュンは立ち上がって、 「それでは僕はそろそろ失礼しますね……最後に、どうかその指輪は処分して下さい。そ れではどうかお元気で」 「ジュン君、あの!?」 ジュンは入口で振り返り一礼した。マナミは小さな声で、 「あの、ジュン君も――どうかお幸せに」 扉が閉まり、階段を下る足音が徐々に小さくなっていく。部屋の中でマナミは小さな声 で泣いた。 足音が完全に聞こえなくなると、マナミは何事もなかったように立ち上がり、 「ツトムさん、もう出てきても大丈夫よ」 もそもそとクローゼットの中から一人の男が出てきた。 「いやー、迫真の演技だったね。マナミさんって女優に向いてるんじゃない?」 「まあね。しかしあの人もバカな人よね、私みたいな女のためにこんなお金まで置いてってさ」 そう言ってマナミはテーブルの上の札束を掴んで指先で弄んだ。 「でもよかったの? あいつってどっかの社長の息子だったんでしょ?」 「会社がいまピンチらしいの。そんな中お見合いの話が持ち上がったんだって。相手は大 手取引会社の会長の孫娘だって言ってたわ。ジュンって結構ハンサムだから気に入られた みたいね」 マナミは引出しから煙草を取り出すと火を点けた。 「別にジュンのことはどうでもいいのよ。だって私にはジュンよりハンサムでお金持ちの 彼がいるんだもの」 二人は笑った。 「ところでさ、その薬指にはめてる婚約指輪ちょっと見せてもらってもいい? 何か気に なっちゃってさ」 「別に構わないわよ、はい。大きなダイヤでしょ、売ったらいくらになるのかしらね」 マナミは指輪を外してツトムに渡した。指輪の値段がいくらになるのか、期待に胸を膨 らませているようだった。しばらくツトムはその指輪を眺めていたが、 「うーん……これってもしかして。マナミさん、油性のペンって持ってません?」 少し真剣な表情でそう言った。
350 :
品評会:嘘(3/4) ◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:19:40.11 ID:vk+hCLLh0
「え、ちょっと待ってね。はい、でもそんなものどうするの? あ、ちょ、ちょっと!?」 ツトムは渡されたペンでダイヤの上に線を引いた。 「やっぱり、マナミさんこれを見て」 「線なんか書いちゃって、これどうするのよ!?」 マナミはツトムの襟首を掴んで睨みつけた。 「ちょ、落ち着いて! 本物のダイヤって油脂を弾く性質があるから油性ペンの跡が残る のは偽物のダイヤ、イミテーションだよこれ」 「嘘、それじゃこれって……」 「うん、大した価値はないよ。売っても二束三文にすらならないだろうね」 「そ、そんなぁ……」 マナミはがっかりした様子でうなだれた。ツトムは少し考えた素振りをしたがやがて、 「もしよければこの指輪、預からせてもらえないかな? 知り合いにこういうイミテーシ ョンを集めてる人がいるんだけど、もしかしたら高値で買い取ってくれるかも」 「でもイミテーションでしょ、どうせ高値で売れないなら貴方にあげるわよ。私はこのお 金で我慢するわ。全く、婚約指輪にイミテーションなんて破談になってよかったわ、ホント」 「ホントに? それじゃさっそくいまから相談しに行ってくるよ。また連絡しますねー!」 「ち、ちょっとこんな時間に? 全く――」 マナミは慌てて飛び出していくツトムをただ呆然と見送るしかなかった。 それにしてもあの女、物の価値もわからない大馬鹿でよかったぜ。 このダイヤがイミテーションなわけがなだろ、無知な女は扱いが楽で助かるよ。 こんな指輪を贈れるような本物をあっさり逃して俺みたいなまがいものを選ぶのだから、 本当に見る目がない女。もっともああいう女がいるから俺としても騙し甲斐があるってものだ。 もうしばらく様子を見てもよかったけど、さっさと売り払ってマナミとはお別れだ、 もう二度と会うこともあるまい。 この大きさだったら五00……いや、もっと高く捌けるかもな。全く楽しみだぜ。
351 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:19:41.08 ID:x7iRoUci0
よやく
352 :
◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:19:56.08 ID:ablgRZb00
規制解けてる! 予約〜
353 :
品評会:嘘(4/4) ◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:20:41.47 ID:vk+hCLLh0
「ジュン。例の男が動き出したみたいですね」 「ああ、あとは手はず通りルートを特定して逮捕するだけだ」 「それにしても、思ったよりあっさり餌に食いつきましたね。ま、本物のダイヤ使ってる のですから当然の結果かもしれませんけど」 「そうだな。ただし、リングに発信機のおまけつきだがね」 「ところで気になっていることがあるんですけど、お聞きしてもよろしいですか?」 「ああ」 「あの女性、マナミに渡したお金はどこから用意したんですか? そんな予算、当然出て いませんよね?」 「単純なことだ。俺の――おい、どうやら男の動きが止まったようだ。行くぞカオル」 「はいはい、とっとと終わらせて祝杯でもあげましょう」 それにしても、ジュンもマナミもツトムも……そして私も見る目がないな。 カオルは小さくそう呟いた――。 了
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:21:15.61 ID:4jxH2CrE0
お疲れ様でした。 ◆QIrxf/4SJM氏、どうぞ。 【順番】 ◆0CH8r0HG.A
355 :
品評会:嘘 ◆iwRfrgecCQ :2008/03/23(日) 23:22:32.57 ID:vk+hCLLh0
おわりです お粗末さまでした……m(_ _)m
356 :
音速の恋人 (1/5) ◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:23:11.78 ID:x7iRoUci0
「僕のお父さんは、人間で唯一、ヴェロシティ・ドラゴンを見たんだ。僕が轢き殺されたその瞬間にね」とラナ少年は言い、目の前の焚き火に枯木を投げ込んだ。 彼の濡れている髪の毛は、炎を反射してきらきらと黒く光っていた。脱いだシャツを左手に持ち替えて前髪をかきあげると、その整った可愛らしい顔をゆがめてくしゃみをした。 ヴェロシティ・ドラゴンを見ることはできない。音よりもあるいは光よりも早く走り抜ける彼らの姿を、人間の動体視力は捉えることが出来ないのだ。砂埃が立ち、遅れてやってくる轟音、加えて残された足跡を見て、人々は音速の地竜を信じ始めた。 少年と背中合わせに座っているのは、リディアという少女である。彼女も同じように服を全部脱いで乾かしながら、控えめなくしゃみをした。 二人のいる小さな洞窟は暖かかった。外を見れば、相変わらず大雨が降り続いている。どうやら、朝までこの洞窟を出ることはできそうにもなかった。幸運にも、洞窟には焚き火に使える枯木がたくさんある。以前にも誰かがこの洞窟で雨宿りをしたのかもしれない。 「本当に、ドラゴンに轢かれたの?」リディアは後ろの少年に対して言った。長い金髪を右側にまとめておろすと、丁寧に絞って水気を切った。頭を振れば、水分を含んだ天然の巻き毛が、綺麗な螺旋を描く。 ヴェロシティ・ドラゴンは心優しい。何も食わず、何も殺さず、ひたすらに地上を走り続けている。数種存在するドラゴンの中で唯一、空を飛ばす、姿すら見せないのだ。 「もちろん。ドラゴンは僕を轢いた瞬間に急ブレーキをしたんだ。そして、砕け散った僕の体をかき集めて、血の涙を落とした。お父さんは腰を抜かしていたんだって」ラナは自慢げに胸を反らせた。「僕には、ヴェロシティ・ドラゴンの血が流れているんだ。それが、僕の秘密」 小さな雨宿りの洞窟で、身動きの取れない二人がしたことといえば、秘密の共有だった。彼らの生きてきた十二年は、それぞれの秘密を持たせるのには十分な長さだった。 「どういうこと? じゃあ、音よりも速く走れるの?」リディアがくしゃみをすると、早熟な胸が揺れた。「いつも、屋根の上で寝てばかりいるのに」 「もちろん。気がつかなかった?」 「今、頑張って信じようとしているところよ」リディアはラナのぬくもりを背中で感じ、頬を赤らめた。彼はいつも授業を抜け出して、昼寝ばかりしている。誰にも見つからずに抜け出せるのは、ドラゴンの血のおかげなのかもしれない。 「僕は誰よりも速く走り、空は飛べないけれど、ドラゴン譲りの魔法だって使うことが出来る。ほら、火をつけたでしょ。でもね、走り続けることは出来ないんだ。靴が破けると、お姉ちゃんが悲しむから」ラナはニヤリとした。「それで、リディアの秘密は?」 「あたしは、」リディア少女が言う。「泥棒の娘よ。パパもママも、泥棒をしているの。私はいつもお留守番をして、尋ねてきた保安官に、昨日は一緒に寝ていたんだって証言するのよ」 「へえ、共犯者じゃないか。すごい」 「そんなことないわ。あなたの秘密のほうがすごい」と少女は言った。「靴底がダイヤモンドでできていたら、ずっと走っていられるんじゃないかしら。そうは思わない?」 「そうかもしれないね」 「あたし、あなたよりもすごい秘密を聞いたことがないわ。だって、ヴェロシティ・ドラゴンに轢かれて、生き返ったなんてね」 ラナは機嫌よく顔をほころばせて、焚き火を見つめた。リディアは秘密を信じてくれる。 「僕、リディアのために走ってもいいよ」 「ありがと」とリディアは言った。「ちゃんと晴れるかなあ」 「晴れるさ。寒くはない?」 「うん、平気よ」 二人の手が重なった。真っ赤になった二つの顔はそれぞれ別の方向を向きながら、ごつごつの岩肌を見つめている。 雨はまだ降り止まない。 結局二人は夜明けまで洞窟の中で過ごすことになった。早めに目を覚ましたリディアが、ラナを起こす。 「ママたち心配しているかしら」 二人はすっかり乾いた服を着て、焚き火に水をかけた。 洞窟を出て森を抜けると、歩きなれた街路に突き当たる。
357 :
音速の恋人 (2/5) ◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:23:33.04 ID:x7iRoUci0
「じゃあ、また学校でね。秘密、絶対に内緒だよ!」リディアは言った。 「うん。誰にも言わないよ。バイバイ!」 ラナは大きく手を振り上げて、リディアの姿が見えなくなると、踵を返した。靴を脱いで中に入った小石を出すと、紐をしっかり結んで履きなおした。 「さて」ラナは大きく伸びをした。「まずは帰ってお姉ちゃんに謝らなくちゃ」 大きく息を吸い込むと、全身に力がみなぎってくる。目は熱くなり、滑らかな最短ルートが光って映る。ラナは辺りに誰もいない事を確認して、地面を蹴った。 家までは三秒とかからなかった。徒歩では十数分かかる距離でも、ヴェロシティ・ドラゴンの力をもってすれば一瞬のものにすぎないのだ。 ラナはポストに手紙が入っていないかどうかを確認して、ドアを開けた。「ただいま」 家の中は静かだった。汲み置いている井戸の水で顔を洗い、歯を磨いた。できるだけ、物音を立てないように廊下を歩く。 「ちょっと、今帰ったの?」 「は、はい!」体を強張らせてラナが振り向く。そこには、おたまを持った手を腰に当てて、ふくれっ面をした姉が立っている。 「もう! 本当にこの子は」彼女はおたまを振り上げた。「だらしがないんだから!」 ラナは殴られる覚悟をして目を瞑った。歯を食いしばって、衝撃に備える。 しかし、ラナを襲ったのはおたまの鋭い衝撃ではなかった。柔らかな温かみが体を包んだのである。 「馬鹿――」姉の声は弱々しく廊下に響いた。「本当に、ウチの家系の男にはロクな人間がいないんだから」 ラナは顔を上げて、彼女の顔を見た。こぼれ落ちそうな涙を一生懸命せき止めているような表情をしている。 「ごめんなさい」ラナが言うと、姉は体を離した。 「さ、ちゃんと学校には行ってもらいますからね! 昨日のスープ、一つも減っていないんだから、責任とってもらうわよ」 その日の朝ごはんは、少しだけ豪華だった。山菜をたっぷりつかったスープに、サンドイッチ。ホットミルクは少しぬるくて、口当たりがちょうどよい。 ラナはリディアのことはふせて、森でキノコ狩りをしていたのだと告げた。姉はもう二度と一人では行かないようにと忠告をしたが、それ以上の追求はしなかった。 ラナは素直に頷く。彼女の言うことはちゃんと聞かなくてはならないのだ。二人暮らしで面倒を見てくれている姉に、心配や迷惑をかけるのは好ましくない。 二人の両親はというと、ドラゴンの魅力に取り付かれて、どこかへ行ってしまった。ドラゴンならここにいるのになあ、とは息子の本音である。 ラナは服を着替えて、家を出た。学校までは、ゆっくりと歩いていけばいい。本気を出して走れば時間はかからないけれど、ぬかるんだ道のせいでせっかく着替えた服を台無しにするのは気が引けたし、走ればその分腹が減る。 ラナは一限の予鈴とともに学校へと踏み入った。階段を上がって、本鈴には間に合うように廊下を歩く。 そこはいつになく騒がしかった。ラナは首をかしげながら、教室の前に立つ。騒音は間違いなく自分の教室から発せられている。 思い切ってドアを開けると、クラスメイトたちの視線がラナに集まり、教室は静かになった。 辺りを見回し、泣いている女の子を目にする。頭の横で二つに結った巻き毛が揺れている。リディアだった。 「どうしたんだい?」ラナは歩み寄り、彼女の肩に手を乗せた。 クラスメイトたちが冷やかすようにして一斉に喚きだした。 彼女は赤い目をしたまま、敵意のある表情をラナに向けて、席を立った。 「ちょっと、リディア!」ラナは歩き去っていく彼女の腕を掴んだ。が、リディアはぎりりとラナを睨み、腕を振り払って教室を出て行った。
358 :
音速の恋人 (3/5) ◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:23:48.33 ID:x7iRoUci0
ラナはわけのわからないまま、黒板に書かれている文字を発見した。『泥棒娘リディアは朝帰り』 途端、彼女が泣き、そして自分に対して敵意を抱く理由を理解する。しかし、それは濡れぎぬなのだ。自分以外に事実を知り、それを黒板に記した人間がいる。 あわてて黒板の文字を消し、騒ぎ立てるクラスメイトたちを眺めた。 それはすぐに目に入った。教室の隅っこに立っている女子三人組が、意地悪そうな笑みを浮かべていたのである。中心にいるのはアンネ・ドハーティ。保安官の娘だ。 ラナはこみ上げる怒りを抑え、アンネに近づいた。「どうしてこんなことをするんだ!」 「な、なによ!」アンネは一歩下がり、その間に取り巻きの二人が立つ。「私がやったなんて証拠はないでしょう!」 「あれは、僕たちだけの秘密だったんだ!」ラナは身を乗りだし、アンネのことをにらみつけた。「きみなんか知るはずもない!」 「ひ、秘密? 本当のことなの?」アンネからはだんだんと血の気が引いていった。「どうして、あんな子なのよ!」 「しっかりして、アンネ」 彼女は取り巻きの二人に支えられて、教室を出て行った。 辺りはさらに騒がしくなっていた。誰も彼もがラナに対してからかいの言葉を投げつけている。が、どれもラナの頭には入らない。 本鈴が鳴って教師が入ってくると、クラスメイトたちは一瞬で大人しくなり、席に着いた。 「ラナ・オーンショー、席に座りなさい」と教師が言う。 ラナはそれを無視して、教室を出た。 リディアの誤解を解くために、ラナは急ぎ足で学校を出た。普通の速さで走るのが非常にじれったい。音速で走る姿を人に見られるわけにはいかないのだ。 ぬかるんだ道が、ラナの速度を奪う。通い慣れたはずの道が、ひどく険しかった。だが、しっかりと残っているリディアの足跡を追って、走り続ける。 「そんなの、関係ない!」ラナはついに、力を使った。 リディアの家にたどり着くと、ドアを叩いて、名前を呼んだ。「リディア、僕だよ! ラナだよ! 開けておくれよ!」 反応は無かった。誰も出てこない。ラナはドアノブをひねり、靴の泥を落としてリディアの家に入った。 廊下を進むと、すすり泣く声が聞こえてくる。「ママ、パパ」 ラナはそっと部屋のドアを開けて、テーブルに突っ伏しているリディアを見た。 静かに寄っていくと、リディアの背中をさすってやった。 「触らないで」と嗚咽交じりにリディアが言う。「二人の秘密だって言ったのに」 「僕は、誰にも秘密を喋ってないよ。本当だ。お姉ちゃんにさえ、リディアのことは言ってないんだ」 「アンネは言ったわ。この、泥棒娘って」 「彼女は、保安官の娘だよ。きっと彼女のお父さんが何かを知っていたんだ」 しばらくリディアは顔を伏せたまますすり泣いていたが、やがてゆっくりと顔を起こした。袖で涙を拭い、ラナを見る。 「本当に誰にも言ってないの?」 「きみと別れてから、お姉ちゃんにしか会ってないし、言ってもない」ラナは真剣な面持ちで頷いた。嘘偽りは無い。
359 :
音速の恋人 (4/5) ◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:24:05.25 ID:x7iRoUci0
二人はしばらく見つめあった。 リディアが申し訳なさそうに口を開く。「ごめんなさい。決め付けたりして」 「信じてくれる?」 「うん」リディアは頷いた。「パパとママはね、今、スティーフェル美術館まで出張しているのよ。二千五百カラットのダイヤモンドがあるの」 「すごい!」 「あたし、二人にお願いして、少しだけ分けてもらうつもりよ。あなたの靴底に、ダイヤモンドをくっつけるの。そうしたら、ずっと走っていられるでしょう?」 「うん!」ラナは少しずつ元気を取り戻していくリディアを見て、強張った肩が緩んでいくのを感じた。 リディアは涙を拭い、乱れた髪の毛を結いなおした。 「そろそろ、学校に戻ろうか」 「ええ」 二人はリディア宅を出た。庭の芝生には、雨が残っていて、あちこちに蛙がいる。 「あ、今日の新聞」とリディアは言って、ポストから新聞を取り出した。 一面に書かれている記事が目に入る『スティーフェル美術館に百二十のトラップが完成。デビルズ・ダイヤ、連日の泥棒対策か』 「ちょっとまって、この記事――」ラナは言った。「トラップが百二十!」 「た、大変! ママたちが狙っている美術館だわ!」 「もしかして、二人はこのことを知らない?」 「どうしよう!」リディアは今にも泣き出しそうな顔で、ラナに飛びついた。「このままじゃあ、パパもママも捕まっちゃう!」 ラナは決意をする。これ以上、リディアは泣かさない。わかった。僕が何とかする」 ラナは目を瞑り、美術館を思い描いた。大きく息を吸うと、大地から力を吸い上げているかのように、力が溢れてくる。 ゆっくりと目を開ければ、美術館までの最短かつ最速の道が光の絨毯となって浮かび上がってきた。 「じゃあ、行ってくる」 ラナは地面を蹴った。視界は色とりどりの雪崩のように流れ、光の道だけが眼前に続いている。一歩一歩それを追って、走り続けた。 美術館は馬車でも二日はかかる距離にある。しかし、ラナに流れるドラゴンの血をもってすれば、それすらも数秒とかからない。 あっという間に美術館の前にたどり着くと、客を装って中に入った。警備員のほかにも、数名の保安官がいる。人員もいくらか補強されたのかもしれない。 パンフレットを確認して、ダイヤの位置を調べた。大広間に、ぽつねんと置かれているらしい。手の届くところまで、客を寄せないようにしているようだった。 百二十のトラップを全てラナが受ければ、リディアの両親はトラップを受けずにすむはずだ。 ラナは、警備にあたっている保安官に尋ねた。「ねえ、トラップってどこにあるの?」 「あっちへ行け! ガキに構っている暇は無い!」 ラナは手当たり次第に美術館の壁を小突いてまわった。怪しい地下室に入って、照明を落としてみると、大きなブザーが鳴った。
360 :
音速の恋人 (5/5) ◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:24:42.53 ID:x7iRoUci0
大きく息を吸って、足に力をこめる。辺りは真っ暗だが、ドラゴンは夜目がきく。 「よし!」思い切り地面を蹴った。美術館の中を音速で駆け回り、ダイヤのフロアを目指していく。 ダイヤを囲っている柵を飛び越えると、数多くの罠が発動した。矢が飛び、床が抜け、ガスが出る。もちろん、人間の作った罠ごときで、ドラゴンのスピードを捕らえられるはずも無かった。 数秒後には、広間の真ん中に置かれたダイヤを囲むようにして、辺りはトラップの残骸で溢れていた。 しばらくはダイヤのまわりをぐるぐると走り回っていた。二千五百カラットは嘘でも誇張でもなさそうだった。真っ暗でも、その輝きは失われていない。 ダイヤを盗んで帰ろうか。そう思って手を伸ばすが、すぐに引っ込める。リディアの両親の仕事がなくなってしまう。 ラナはそのまま美術館を出て、止まらずにリディアの家に戻った。 ドアを開けると、リディアが出迎えてくれる。ラナはどこもかしこも泥まみれになっていた。 「おかえり」 「もうダメ」と言って、ラナはその場に倒れこんだ。「お腹すいたよ」 「靴、破れちゃってる。あたしが繕ってあげるね。でも、その前にサンドイッチがあるから。お腹すいたんでしょ?」 ラナは廊下に倒れたまま、リディアの作ったサンドイッチを食べた。 とても静かな時間がすぎていく。ラナは廊下に寝転んだまま、夕方までリディアと話をした。 しかし、穏やかな時間も壊されるのは一瞬だった。 誰かが、家のドアを叩き始めたのだ。 「あけなさい!」 ラナは大口を開けた。姉の声だ。 二人は顔を見合わせて、呆気にとられている。 やがて勝手にドアを開けて、彼女は家に侵入してきた。 「ラナ、まってくあんたって子は! 学校を休んで、リディアちゃんの家に転がり込むなんて!」と、鬼気迫る姉の怒号が耳を貫く。「しかも、あんた、アンネちゃんの気持ちを台無しにしたそうじゃない!」 「いや、その、」ラナは頭に疑問符を描いた。「アンネ?」 「女の子をフるにしても、断り方ってものがあるでしょう。それに、何なの、その格好は! どろんこの服、ボロボロの靴、どうしてくれるの!」 「ご、ごめんなさい!」あまりの姉の迫力に、ラナは思わず立ち上がった。 「リディア! 逃げるよ!」 ラナは、呆然と立ち尽くしているリディアを抱きあげた。 「ちょっと」リディアは顔を赤らめて、両手をラナの首にまわす。 二人は裏口から飛び出した。 後ろからは、おたまと鍋のふたを持って、鬼のような形相の姉が追いかけてくる。 「とりあえず、言い訳を思いつくまで逃げるんだ!」 やっぱりダイヤを持って来ればよかったなあ、と思うラナ少年だった。
361 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/23(日) 23:24:55.20 ID:x7iRoUci0
以上です
362 :
◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:25:17.44 ID:5rjWN6aq0
よやく
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:25:19.41 ID:4jxH2CrE0
お疲れ様でした。 ◆0CH8r0HG.A氏、どうぞ。 【順番】
364 :
ブリリアントレディ 1/5 ◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:26:36.41 ID:ablgRZb00
「何で言わなかったのよ! この馬鹿! チキン野郎!」 僕の懐からやかましい声が響く。五月蝿くてたまらないから、その元凶をゴミ箱に捨ててやりたいくらいだ。 ……もちろん、そんな度胸もそんなことをする甲斐性も無いのだけど。 「彼女が何を望んでいるかなんて、見れば分かるじゃない! というか、あんたも分っているからこそ、こうやって私を懐の中にずっと入れっぱなしにしてるん でしょ?」 ああ、その通りだよ畜生。だけど、男にはタイミングだとか、色々と大事なことがあるんだっての。 「どうせ心のどっかで、振られたらどうしようとか、結婚後の責任とか、親への挨拶が面倒とか、色々余計なことを考えてたんでしょう? 本当にどうしようも ない愚図ね、あんた」 僕はもう、胸の中から響く小言を無視して左手のタバコに火を点けた。 「あー美味い。やっぱり、赤マルには百円ライターだなぁ」 正直なところ、こんなに不味いタバコは生まれて初めてだ。 大体、これはあくまで僕と彼女……裕子の問題なのだ。それを僕の所有物風情にとやかく言われる筋合いは無いわけで。 「所有物“風情”ってどういう意味よ!」 おっとこれは失言だった。どうやら、思わず口に出してしまっていたらしい。喫茶店の喫煙席。様々な種類のタバコの煙が混ざり合って、僕の鼻を突いている。 裕子が結婚のことをしきりに口に出すようになったのは、一年くらい前のこと。日時は忘れたが、最初の一言は今でも覚えている。 「ねぇ、私達どうしよっか?」 僕のマンションのリビングで、テレビでは金曜ロードショーの『耳をすませば』がやっていて、僕達はすでに事後で、ちょっと小腹が空いたかなと柿の種を開 けた所で、こたつに二人で足を突っ込んで。 彼女の瞳には耳をすませばのラストシーンの朝焼けが鮮やかに映っていた。顔は僕の方へ向けずに、まるで明日の夕飯の相談をするかのように自然に……裕子 は大事なことを大事でないことのように話す天才だ……僕の耳に滑り込ませた。 そうかこれが、と意識することすら許されず、僕は人生の岐路に差し掛かっていることを知らされた。 「どうしようかねぇ」 僕のこの返答は、正直な所驚いてしまって他に言う言葉が思いつかなかったからであるが、裕子にとってそれは自分の望んでいる類の返答ではなかったらしい。 コンマ二秒後(体感)に平手を喰らい、目の中で星が踊った。 それからは、お約束のような展開が待っていた。彼女はことあるごとに結婚の、あるいはそれを連想させる話を振ってきた。確かに、僕らはすでに切り上げす ると三十になるので、一緒になることを真剣に考え始めてもおかしくない。 というよりも、女性にとっては真剣に悩むべきことなのだろう。 僕にとっても彼女はもちろんかけがえの無い存在だ。釣り目の美人顔、そこそこに巨乳、ウエストは太くなく、料理の腕はまぁまぁで、何より頭が良い。会話 が楽しいのである。彼女と付き合い始めるまで、年齢=彼女いない暦だった僕にとっては勿体無い位のイイ女だ。
365 :
ブリリアントレディ 2/5 ◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:27:21.16 ID:ablgRZb00
しかし、当時僕には彼女を受け止める度胸が無かったのである。 だから、僕は自分でルールを決めた。ダイヤの婚約指輪を買って、彼女にプロポーズするのだと。そうすることで、彼女に対して責任を示すのだと。 「はっきり言って、猿の浅知恵って感じよね。じゃなかったら、結婚を引き伸ばす為の時間稼ぎとか」 全くその通りだよ、クソッタレ。 コツコツと金を溜めている間、僕は彼女から振られる結婚の話題をそれとなくかわし続けた。彼女はその度に、少し寂しそうな顔をして僕を殴った。満身の力 を込めて殴った。 そうして給料三ヵ月分の指輪を購入したのが、つい二週間前だ。僕の給料に相応しいささやかな指輪だったが、それは間違いなく僕の裕子への思いの結晶であ り、結婚への決意表明だったのである。 しかし、僕の真摯な思いは、その結晶自身によって打ち砕かれることになる。 「うぁ、パッとしない男ねぇ。いくら私がついているとはいえ、あんたみたいのがプロポーズで良い返事をもらえるのかしら」 指輪……ここでは便宜上彼女のことをダイヤさんと呼ぶこととするが、ダイヤさんは家でそっとケースを開いた僕を見て、開口一番そう言ったのである。 「ゆ、指輪が喋った!?」 と、このように僕が腰を抜かすほど驚いたのは当然の話だ。しかしダイヤさんはそんな僕の驚きをよそに、持ち主である僕に対して好き勝手にダメ出しを始め たのだ。 「ちょっと、貴方そんな格好でデートに行く気? というか、プロポーズする気? 悪いことは言わないから、もう少しマシな格好をしてった方が良いわよ? 百年の恋も冷めるわ」 といったデートのダメ出しから、 「のろま。そんな仕事も満足に片付けられないのに、よくもまぁ結婚しようなんて考えたわね」 「うぇ、不味そう。今時、料理の一つや二つも満足に作れない男がいたのね。天然記念物レベルじゃないの」 といった生活に関するものまで。 最初は喋る指輪に驚いてばかりだった僕にも、一週間もすると免疫が出来る。ダイヤさんの言葉を無視しあるいは反論し……といったことが出来るようになる と、俄然この喋る指輪が鬱陶しく感じ始める。そして、それを鬱陶しく思えば思うほど、裕子にプロポーズをしようという気持ちが薄れていくのだ。 「酷い指輪を買っちまったもんだなぁ」 と頭を掻いたのが、今日のデートの直前だった。 「お見合いすることにしたの」 と、何でもないことのように裕子は言ってきた。その言い方が、あまりにも自然すぎて僕も…… 「ああ、そう」 としか答えられなかった。答えてすぐに、やばいと思ったのだけど、その時にはすでに彼女は僕の言葉を聞いてしまった後で、コメカミに青筋を浮かべそうな くらいに怒っていた。
366 :
ブリリアントレディ 3/5 ◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:28:12.13 ID:ablgRZb00
「この馬鹿! 何てこと言ってるのよ! 謝りなさい、すぐに。というか、今すぐ彼女にプロポーズしなさい!」 僕の懐からダイヤさんが必死に僕に何かを言っていた気がする。 裕子は怒ると笑顔になる癖があった。声の出るような笑い顔ではなく、穏やかな微笑みだ。 僕達は決してどちらかがどちらかを尻に敷いているような関係ではなかったが、それでもこの顔をしている時の彼女に逆らったことは無かった。 「ふーん。浩ちゃんはアタシがお見合いしてもいいんだァ」 良いわけが無かった。だって僕の懐には、ダイヤさんがいたのだ。僕の三ヵ月……こう言うととてもショボく感じてしまうが……僕の思いが込められた指輪が。 僕はそんな気持ちを彼女に伝える為に口を開いた。 「いや、別にそういうわけじゃ……」 「何でそんなに優柔不断な言い方しか出来ないのよおおおおおおおおおおお!」 ダイヤさんに髪の毛と手があったなら、彼女はきっと僕の言葉を聞いた瞬間に凄い勢いで頭をかきむしっていただろう。あるいは僕の首を締め上げていたかも しれない。 何よりも、僕が僕自身にそうしてやりたい心境だった。 「そう。もういいわ。じゃ」 彼女は、残っていた一杯三八〇円のコーヒーを飲み干すと、ベージュのコートを片手に席を立った。 「あ、ちょっと待って!」 僕も慌てて伝票を手に立ち上がろうとした。しかしその瞬間。 ばっしゃん 「最っ低!」 冷たい水と雑言の二段構え。グレーのスーツ(買ったばかり)は氷水でびしょ濡れ、僕の心は言葉で抉られ力無くその場に腰を下ろした。肩を怒らせて店を出て 行く裕子を見つめている僕。そんな僕を見つめながら溜息をつくダイヤさん。 「さて、もう済んでしまったことは仕方が無いわ。あとは貴方がどうするかなのよ」 怒りも大分収まってきたのか、ダイヤさんが多少落ち着いたトーンで僕に言った。 「どうするかって、どうすりゃいいのさ」 濡れた頭をハンカチで擦る。溶けてしまったジェルで少し手がべとつくのがまた腹立たしいというかなんというか。 「要するに、気持ちの確認よ。あんたみたいな度胸も甲斐性も無く空気も読めない馬鹿男が、本気でプロポーズをする気があるかどうか聞きたいの。このままじ ゃ、あのこは本当にお見合いしちゃうわよ?」 それは困る。先延ばしにしてきたとはいえ、僕は彼女と結婚するつもりでこうしてダイヤさんまで買ってきているのだから。 「だけど、気持ちばっかりじゃあどうにもならないだろうが」
367 :
ブリリアントレディ 4/5 ◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:29:08.89 ID:ablgRZb00
頭が痛い。タバコのせいだろうか、彼女の言葉がいつも以上に僕の心に突き刺さって吐きそうだ。 「いつまでそうやって下を向いて不貞腐れてる気なの? 起きてしまったことは仕方ないじゃない! 悩む前に行動しなさいよ、行動!」 うるさい 「大体、好きな女と結婚しようって決めるのに、何故そんなに時間が必要だったのよ? あんた本当に彼女のこと好きなの?」 うるさいうるさいうるさい 「そもそも、お見合いってどういうことよ。自分の彼女がそこまで思いつめてるのにも気付けなかったなんて、本当にあんたあのこの彼氏なの?」 「があああああああああああああああっ! うるせえええええええええええええええええええっ!」 ダメだ、もう耐えられない。何でそこまで言われなきゃならないんだろう。僕は心の底から、胸の中にあるモヤモヤを吐き出すように怒鳴る。 「いい加減にしやがれ、こっちの気持ちも知らねぇで! 好きなの? 好きに決まってるだろうが! 好きだから裕子のために給料の半分を毎月貯めて、それと なく指輪のサイズも聞き出して、きっかり給料三ヶ月分じゃちょっと足りないからってレジで赤っ恥かきながら銀行に不足分を卸しに行ったんだぞ! お見合い ? 冗談じゃない! あいつは僕の女だ。僕と結婚するんだよ! どれだけそう言ってやりたかったか、お前に分かるのかよ! それなのに、こっちは水ぶっ掛 けられて、タバコはあんまり美味く感じなくて、無関係の客に笑われて、懐の中からはクソみたいな指輪が説教してくる。やってられるか馬鹿野郎!」 はぁ、はぁ。あー、すっきりした。 肩で息をする僕を、周りの客は凄い目で見ている。店の外からも何事かとのぞきこんでいる奴らがいるみたいだ。 「……貴方ねぇ。恥ずかしくないわけ? こんな所でそんなことを大声でさ」 暫くして聞こえてきたダイヤさんの声は、何故か笑っているような泣いているような、初めて感じる妙な温かみに溢れている。 「恥ずかしいわけあるか。いい加減、こっちだって溜ってるものがあるんだよ」 僕も思わず少し笑ってしまう。何とも滑稽な自分の姿。これじゃ、この店には二度と来れないな。 「じゃあ、その気持ちを今度こそそこにいる彼女にぶつけてやりなさいよ」 ん? そこにいる彼女? と僕がダイヤさんの言葉を噛み砕いている最中に、僕の目の中によく来ていた星たちが再び踊った。 「公衆の面前で何恥ずかしいこと言ってるか! この馬鹿!」 聞き覚えのある声だ。そして感じ覚えのあるこのコブシ。間違いようがない。 「ゆ、裕子? い、いつから……?」 そこに立っていたのは、顔を真っ赤にして手を撫でている裕子だ。その表情から、僕の絶叫を聞いていたのが分る。 「鞄忘れたのよ……。それに、コーヒー代も置いていかなかったし……」 言われて見ると、確かに対面の席に裕子の黒い鞄が置いてある。 「立った時、振り向いてたわ。多分わざと忘れていったのよ、彼女。戻ってくる為の口実……というよりも、貴方に追っかけてきて欲しかったんでしょ」 ダイヤさん、説明ありがとう。僕は裕子のことがもっと好きになりそうだよ。
368 :
ブリリアントレディ 5/5 ◆0CH8r0HG.A :2008/03/23(日) 23:29:48.17 ID:ablgRZb00
僕は彼女の方を向いて、懐に手を入れる。 「こんな所でなんなんだけど、凄く大事な話があるんだ」 これが多分最初で最後のチャンスだ。それくらいは空気の読めない僕にも分る。回りの客は今や僕達の動向を固唾を呑んで見守っている。金をとってやろうか、 なんてことを考える余裕すら出てきた。 「な、何よ」 裕子は斜め下を見ながら、なお一層その顔を赤くした。ダイヤさんが僕を励ます声が聞こえてくる。 「……僕と結婚してください!」 懐から待ってましたと出てくるダイヤさん。ケースをパカッと開けた途端に広がる沈黙。そして裕子に集まる店中の視線。 裕子は少し涙を流しながら、それでも怒っているのとは全く違う笑顔でそれを受け取とると、少し遅れて口を開く。 「……浩ちゃんって、指輪の趣味悪いよ」 そして僕らは歓声に包まれた。 終わり
369 :
◆VXDElOORQI :2008/03/23(日) 23:30:00.54 ID:7SwNGJaS0
よやく
370 :
◆VXDElOORQI :2008/03/23(日) 23:30:31.08 ID:7SwNGJaS0
キャンセルで
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:30:31.84 ID:ablgRZb00
投下完了です
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:30:58.13 ID:4jxH2CrE0
そんな…… ◆ecJGKb18io氏、どうぞ。 【順番】
373 :
ダイヤの誘惑、水晶の価値(1/5) ◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:31:29.13 ID:5rjWN6aq0
『俺の人生なんてくだらないもんさ。まるで価値がない』 私は運転しながら徳さんの言葉を思い出していた。徳さんでなくとも、この世に生きる誰もが一度は 思ったことがあることだろう。私も例にもれず、その一人だ。 家族のために仕事をして、妻と会話もそこそこに夕食をとり、一人で寝室へ入る。朝はまだ深夜のう ちに起き上がり、会社へと向かう。ストレスが溜まらないわけがなかった。加えてここ数年の仕事は私 の神経を着実にすり減らし、私は仕事に対して、何の楽しみも見出せていなかった。 「眠いっすねえ。朝はゆりちゃんにも会えないし超最悪っすよ」 隣の助手席に座る男が間延びした声を出す。ちらりと横目で彼を見遣ると、豪快な欠伸をかましてい た。その横顔が息子の子供の頃を思い起こさせて、思わず笑みがこぼれた。 「それはチョーサイアクだな」 隣の男の名は斉藤といって研修中の男だった。つい最近ここの系列で働くようになったらしく、顔を 合わせるのは今日が初めてだった。それでなくとも、この仕事で他人と一緒になるのは珍しいことであ ったし、そのお陰か今日の私は幾分か気分が良かった。斉藤も言葉遣いこそ悪いが、少し話すと『イマ ドキ』の気のいい若者だということが分かった。なんでも経理のゆりちゃんに一目惚れしたらしい。 「それにしてもこの仕事は退屈っすね。載せてるもんは派手なのにやることが地味すぎますよ。柊さん はなんでこの仕事始めたんすか?」 「別に理由なんてないさ」 先月で勤続二十五年になった。安っぽい表彰盾と記念品を貰ったが、家のどこかに置いたまま見かけ ていない。どうせなら間近に迫る退職金を増やして貰ったほうが、最近すっかり仲も冷め冷めな妻に対 して大きな顔が出来るというものだ。 「お前は何でこの仕事を始めたんだ? まあ見掛けから想像つかなくもないが」 「酷い言い様っすね。見掛けで判断しちゃ駄目ですよ」 斉藤は長く伸びている金髪を揺らせて笑った。格好でも違えば、ホストか何かだと思うだろう。私は 彼の経歴を知らなかったが、おそらくまともなものではないだろうと推測した。 「見掛けで判断しなきゃ、これだけダイヤが売れるはずもないな」と私は言って自分でも笑った。 そうしてひとしきり笑った後、斉藤は急に真面目な声色を出した。 「そういえば今日運んでるのはダイヤなんすよね」 「ああ。量は少ないがハンドルは重い」
374 :
ダイヤの誘惑、水晶の価値(2/5) ◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:32:00.41 ID:5rjWN6aq0
ここ数年、私はあらゆる種類がある運搬物の中でも取り分け責任の重い『貴重品』の運搬を担当して いた。『貴重品』というのは、それ単体だけで価値のある物、要するに宝石類などだ。それだけに他の 運搬車とは違い、警備システムも厳重に敷かれているし、運転手も厳選されているらしい。噂によると 、突然配属の異動辞令が下ることもあるとのことだ。そのせいか急にシフトに穴があくことも多い。 「ダイヤって凄い高いんすよね」 「そうらしい。俺にはちっとも価値が分からないがな」 「でも柊さんも結婚指輪はダイヤだったんでしょ?」 「そりゃ、まあ」 妻にプロポーズしたときのことを思い出した。透明に輝く指輪を見て、のんびりとした妻が珍しく、 感情も露わに喜んでくれた。当時は「給料の三か月分」という胡散臭いキャッチフレーズが全盛期で、 ダイヤモンドの指輪が流行っていたが、私にはダイヤの価値がさっぱり分からなかったし、今でも私は その価値を疑っている。 「みんな見掛けに騙されるんすよね」ふと、斉藤が呟くように言った。 「ゆりちゃんに一目惚れしたのは誰だって?」 私の言葉を無視して、斉藤がそっぽを向く。そして信号で止まったところで斉藤が口を開いた。 「柊さんはこのまま後ろのダイヤを持ち逃げしようって思ったことはないんすか?」 稚拙な言葉遣いとは裏腹に斉藤の声には妙な不気味さを帯びていた。私が横目で彼の顔を窺うと、ち ょうど対向車線で止まっている車のライトがそれを照らし出していた。斉藤は笑っていた。 「徳さん、って人を知ってるか?」 私の言葉が期待したものとは違ったのか、斉藤はほとんどないような薄い眉を顰めた。 「お前と同じような事を考えてた人さ。定年を目前に控えて、徳さんはとんでもないことをやらかそう とした。徳さんは元々はセキュリティ関連の会社で働いてた人でな。入念に計画を立てて、車両に設 置されているセキュリティを解こうと思ったんだろう。それで、お前が言ったように持ち逃げしよう って考えたらしい」 私は前を向き直して、徳さんが私に計画を話したときの好奇心に満ち溢れた顔を思い起こした。 「それでどうなったんすか?」 「すぐにばれた」 私があっさりそう言うと、斉藤は「へえ」と失望交じりのな声を吐いた。 「定年も近いってことで、会社側が恩情を出してな。警察沙汰にはならなかったが……」 私は片手で首元を切る真似をすると「ジェスチャーが古いっすよ」と斉藤が笑った。
375 :
ダイヤの誘惑、水晶の価値(3/5) ◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:32:45.23 ID:5rjWN6aq0
「とにかく、だ。馬鹿なことは考えないほうがいい。お前みたいな若造がそんなことしたら一発で逮捕だ」 「そんなもんっすかねえ。その徳さんとかいう人が頭悪かったんじゃないすか。年寄なんて大体機械音 痴でしょ。俺ならもっとうまくやれると思うけどなあ」 そうのたまう斉藤を見て、私は彼の頭を軽く小突く振りをして笑った。 「その事件の後、徳さんが俺になんて言ったと思う?」 「知らねっす」斉藤はすっかり興味をなくしたようで、短くそう言った。 「『ここの警備はダイヤモンドよりも固い』 段々と闇に朝が滲んできた。ほぼ真っ暗だった景色も僅かに白み始めて、私はライトをハイビームか ら一段落とした。 「ラジオつけていいっすか?」 斉藤はそう言うと、私の返事を待たないうちにスイッチを入れた。年上の者に対する礼儀がなってな いやつだ、と思ったが、口にはしなかった。それを口にすると、彼の外見にも口を出さなければならない。 彼が適当にチャンネルを合わせると、朝に相応しいのんびりとしたクラッシック音楽が流れ始めた。 しかし彼は気に入らなかったのか、すぐにザッピングをしだして、機械的な、お堅いどこかの局のアナ ウンサーらしき人物がやたらと噛みながら話し出したところでその手を止めた。 「停電ですって」 斉藤の言う通り、大規模な停電が発生しているようだった。私は自分で音量を上げて耳を澄ますと、 かなりの地域で停電になっているらしいことが分かった。珍しいなと思った。 ちょうど信号が赤になり、私はまた音量を上げた。 「あ、この辺もそうみたいっすね」 そのまま走り続けて、目的地まであと一時間と少しというところまで来ていた。この調子だといつも より少し早く納品出来るかもしれない。いつもは忙しない朝食を今日はゆったりと過ごせるかもしれな いと思った。 「なあ、朝飯どうする? コンビニでもいいが、どこかのファーストフードでもいい」 私が言い終わると同時に、斉藤は「あっ!」と素っ頓狂な声をあげた。 「中央区ってセキュリティ会社があるところですよね!?」 「そうだが」 「停電っすよ、停電。今なら気付かれないんじゃないっすか」 斉藤はすっかり興奮した口調で言った。彼の考えてることがすぐに分かった。
376 :
ダイヤの誘惑、水晶の価値(4/5) ◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:33:13.38 ID:5rjWN6aq0
「何を考えてるんだ。無理に決まってるだろう。車のセキュリティも半端じゃないんだぞ。それに徳さ んのことがあってからシステムも強化したらしい。新しい監査体制も取ったと聞いた」 「そんなことないっすよ。俺はこう見えても機械には詳しいんです。このくらいのセキュリティなんて 万引きするよりも簡単に解除出来ますよ。今なら車のGPSだって向こうには伝わらないし」 「馬鹿な」私の言葉を無視して、斉藤は話し続けた。その中には機器の専門用語らしいものもあって、 私にはさっぱり分からなかったが、彼は本気で実行しようとしているようだった。 「ね、やりましょうよ! 今しかないですって」 ふと徳さんの顔を思い出した。物欲、金欲に心を奪われた哀れな老人の顔を。 「大丈夫っすよ。買い取ってくれるとこなら心当たりがあります。指名手配になる前に海外へ逃げちゃ えばいいんすよ。これって千載なんとかのチャンスってやつでしょ!」 「馬鹿なことを言うな」 私がそう言うや否や、斉藤は助手席からこちらに身を乗り出して、無理矢理足をねじ込んだ。そして ――――思いっきりブレーキペダルを踏んだ。 「おい!!」私は前のめりになりながら思わずそう叫んだ。 「聞いてください。これは神様がくれたチャンスなんですって」 私は急停止した車内で、心臓が激しく脈打つのを自覚した。それが急停止によるものなのか、斉藤の いう『チャンス』を目前にしたせいなのかは分からなかった。 「落ち着け、落ち着けよ斉藤」私は半ば自分に言い聞かすような形で言った。 「チャンスだと思わないっすか?」斉藤が真面目な顔付きで言う。 チャンス、とはこういうものなのだろうか。確かにこれは千載一遇のチャンスなのかもしれない。運 んでいるダイヤモンドの百分の一にも満たない給料で働いてきた私にようやく訪れたチャンスなのかも しれない。息子は独立したし、妻は私に愛想を尽かしている。もしかしたらこれは最期の岐路なのでは ないだろうか。 『人生なんてくだらないもんさ』という徳さんの言葉が脳裏に浮かんだ。それから計画を話すときの 子供っぽい顔が思い浮かんだ。 「……本当に出来るのか?」気付いたら私はそう口にしていた。 「出来ます。間違いなく」 この若者の自信はどこから来るのだろう。多くの危うさをはらんでいながらも、私にそれがダイヤモ ンドのように光り輝くものに見えた。 「後は柊さんの決断次第っす」
377 :
ダイヤの誘惑、水晶の価値(5/5) ◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:34:08.76 ID:5rjWN6aq0
―――――――― 家に帰ると、ちょうど妻が夕食を作っているところだった。 「ただいま」私がそう言うと、妻は私に背を向けたまま「おかえりなさい、遅かったのね」と言った。 遅い、といってもまだ外は十分に明るい。仕事のせいで、私も妻もずれてしまっているのだ。 「ちょっとな。それより朝方に停電あったか?」 「いいえ。貴方が出ていってからすぐに起きましたけど、全然そんなことはなかったですよ」 「そうか」私は上着を椅子の背に掛けて、食卓についた。妻の後姿を眺めていると、随分と白髪が増え ていることに気が付いた。 妻は冷蔵庫からビールを取り出し、私の前に缶を一つ置いた。私は立ち上がり、冷蔵庫から缶をもう 一つを取り出して、食卓に置いた。 「お前も飲め」私がそう言うと、妻は「どういう風の吹き回しですか」と少しだけ笑った。 「あと、これも」 私は椅子に掛かった上着のポケットから小さな箱を出した。 「なんです、これ?」 「結婚記念日だからな」 妻が、正気か、とでも言いたげに私の顔を覗きこむ。「いいから開けろよ」私は投げやりに言った。 妻は訝しがりながら箱を開けた。すると、何が可笑しいのかくすくすと笑い始めた。 「ダイヤの指輪だ。ヘソクリで買った」 「本物の? 水晶じゃなくて?」妻はそう言って、とうとう声を上げて笑い始めた。 「……あのときは金がなかったんだ」 私は溜め息をついた。人も物も見掛けによらないらしい。今日で二度もそれを知る羽目になった。二 人分の缶のプルタブを開けて、片方を妻に渡した。 「明日からまた忙しくなるかもしれん。人が幾らか減りそうなんだ。今日が結婚記念日で助かった」 一応、缶と缶を合わせ乾杯の儀式をすると、妻が笑いながら言った。 「結婚記念日は明日なんですけどね」 私は慌てて壁に掛かっているカレンダーを見た。妻の言う通りだった。 やはり、ずれてしまっているのだ。直さなければならないと思った。それでなくとも人は価値を見誤 るのだ。 「来年からは気をつけてくださいね」言って、妻が微笑む。 私はビールをぐいっと飲んで、それから頷いた。 <了>
378 :
◆ecJGKb18io :2008/03/23(日) 23:34:30.01 ID:5rjWN6aq0
おわり
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:34:31.04 ID:4jxH2CrE0
今回は平穏無事に終わっ……たんですが……妙な心残りがあります。
現在、週末品評会103rdの投票受付中です。今回の品評会お題は『ダイヤ』ですよね。
投稿された作品は■まとめ
http://yy46.60.kg/bnsk/ -週末品評会103rd- にてご覧頂けます。
投票期間は2008/03/25(火)24:00:00までとなっております。
感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)
******************【投票用紙】******************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
―感想―
<<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書き途中の方は是非。
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:36:49.02 ID:l5oPcpIY0
>>379 確かにねー。
けれどもお疲れ様。
全部まとめたはず。
確認して何かあったらごめんなさい。
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:37:39.69 ID:x7iRoUci0
お疲れ様です!まだ12時きてない!
382 :
◆BNSK/DqMrY :2008/03/23(日) 23:38:33.69 ID:xM4ugtDC0
予約
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:38:48.07 ID:7LKchCntO
今回は平穏無事に終わりましたね 運営さんもまとめ人もお疲れ様ー
384 :
◆BNSK/DqMrY :2008/03/23(日) 23:38:56.37 ID:xM4ugtDC0
キャンセル波動拳
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:39:33.95 ID:4jxH2CrE0
◆BNSK/DqMrY氏、責任をもってどうぞ。
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:39:44.50 ID:7SwNGJaS0
俺のはアッパー昇竜拳です
387 :
◆BNSK/DqMrY :2008/03/23(日) 23:41:48.44 ID:x2OUDkgp0
>>382 何してんのwwwww
No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ ◆zsc5U.7zok
No.02 ロマン! ◆K0pP32gnP6
No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◆gNIivMScKg
No.04 ガラクタ ◆m7XPiAsnu.
No.05 すれ違うダイヤと ◆IPIieSiFsA
No.06 Miss ディレクション ◆pxtUOeh2oI
No.07 LSDと大麻 ◆FXPnH3Ytxs
No.08 ダイヤはどこ? ◆Kq/hroLWiA
No.09 ダイヤ ◆58wWTUZA1.
No.10 空中庭園 ◆Mclain.ggg
No.11 どーなつ。 ◆/sLDCv4rTY
No.12 Who Killed The Radio Star ◆IGEMrmvKLI
No.13 ダイヤレイン ア リング ◆RlxBNHMmBo
No.14 嘘 ◆iwRfrgecCQ
No.15 音速の恋人 ◆QIrxf/4SJM
No.16 ブリリアントレディ ◆0CH8r0HG.A
No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 ◆ecJGKb18io
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:42:00.55 ID:g77Z9EUxO
運営諸氏乙
389 :
◆BNSK/DqMrY :2008/03/23(日) 23:42:31.81 ID:xM4ugtDC0
とうかします お題:ダイヤ 「母ちゃんあれ買ってよー」 「わがまま言わないでちょうだい」 「やだいやだい、買ってくれなきゃやだー」 「ね? たっくんお願いだから……」 「ヤダッ! やだやだー! やだいヤダイヤダイヤ」 Fin
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:43:26.27 ID:ablgRZb00
ちょwwww
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:44:27.82 ID:4jxH2CrE0
>>389 お疲れ様でした。
責任を持って編集しておきます。
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:44:48.38 ID:xM4ugtDC0
ついカッとなってやった 反省している もう一度言います 反省している 参加者運営みんな乙
>>389 あまりにひどすぎて真面目に感想つけるのもイヤダイヤ
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:46:43.24 ID:8uvT/GerO
おつかれ お お おつかれ
作品少なそうなんで、無理やりかいてみたんだけど、品評会にするには申し訳ないような 初めて書いた、ノベレ系なんだが、それはそれで、やっぱり作品として作るより、ノベレ的な 味を出すように、文章の遊びでしかないような物語でしかなくて、しかしながら、いっそ出して しまったほうがいいだろう、感想ももらえるしな、とか甘い考えたがわいくるなか、ちょうど投稿 もないこんな時間になってしまっているわけで、神様がお前に投稿しろとチャンスを与えてくだ さったんじゃないかとか、そんな神様にギャンブルのときぐらいの私が、どうすべきだと思いますか?
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:49:01.07 ID:7SwNGJaS0
糞して寝る
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:49:09.87 ID:8uvT/GerO
>>395 > いっそ出してしまったほうがいいだろう
きみは ただしい
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:49:32.84 ID:x7iRoUci0
>>389 その作品を超えるのがbnskerの課題ヤー
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:49:40.07 ID:k4lHWxIFO
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:51:03.14 ID:x2OUDkgp0
ノベレって何?
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:51:14.27 ID:8uvT/GerO
あれ、投下してなかったのかごめん 投下しちゃえ投下しちゃえ
>>396 その糞が作品だというのか!?それとも本当の糞なのか?!たしかに、糞な作品かもしれんが?!
とういことで糞して寝ます。
品評会作品"ピンクダイヤ" 3スレ
一人の少女への愛の為に、二つの王国が争い、多くの血が流された。 川は真っ赤に染まり、海でさえ赤く染まるほどに。 それでも血は流され続けた。 愛という名の元では全てが正義であったのだ。 それゆえに血は止まることなく、争いは繰り返され、山々でさえ赤く燃え上がった。 それを見かねた神々は、少女を宝石の中へ隠してしまった。 二人の国王は怒り狂い、神々を呪った。 しかし、二つの国王はそれでもあきらめなかった、絶対の愛のため、少女がまた現れるまで彼らも眠りについたのだ。 いつしか争いは終わり、少女は隠されたまま、数千年の時が流れた。 「というわけじゃ」 そう言って少女は、俺が入れてやったミルクココアを飲んだ。 「うーむ、不思議な飲み物じゃが、甘くてよいの」 少女は唇についた、ココアの泡を真っ赤な舌でなめるとる。 「なんじゃ、無反応のやつじゃの。それともわしの美しさに言葉をうしなっとるのかの?」 そう言って微笑む少女は、確かに美しかった。 腰まで伸びる桜色の髪に、薄くピンクかかった大きな瞳が爛々と輝いている。小さな顔に鼻筋がすっと通っていて、あどけない 表情は年端もいかない少女のようであったが、ふっくらとした唇だけが、水々しく赤く艶掛かり、淫靡でさえあった。 「困ったもんじゃな、数千年ぶりにわしを開放したのが、口も聞けぬあほうとはな」 あほうと言うわけではない、俺は生まれつき話すということができないのだ。 こんな訳の分からない事になったのも、この生まれつきの障害のためでもあった。 それというのも、俺は二年ほどつきあった彼女にプロポーズのため、婚約指輪を用意したのだ。 いいものを買えるほどお金があるわけでなかった、それで宝石商の知り合いに頼み込み出物を探してもらった。いつくか探して くれたのだが、その中にピンクのダイヤがあった。"ピンクダイヤモンド"それは、ダイヤの中でもトップクラスの石で、俺の稼ぎで は到底買えるようなものではないのだが、そのダイヤは傷があるために安かったのだ。ダイヤの中央に亀裂があって、割れやすい ため屑石として扱われていた。しかし、素人目に見ればそれは美しかった。まるでダイヤの中にもう一つ真っ赤なダイヤが、溶け込 んでいるように見えた。 そうして、そのダイヤにリングをつけもらい、意気揚々と彼女へと渡したまではよかった。
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:52:58.12 ID:xM4ugtDC0
作 め 出 た ん ゃ
てっきり喜んでくれると信じていた、しかし現実は非情であった。 「ごめんなさい、やっぱり私……自信がないの、あなたとこれからずっと一緒にすごせる自信が……」 現実は厳しく非情であった。そんな涙を見せる彼女に何も言えない自分が歯痒く、そして悔しかった。 俺は黙ってうなずき彼女を抱きしめ、口で言えない言葉を伝えるように笑いかけながら、彼女と"別れた"のだ。 そうして、一人暮らしのマンションに帰ってきてた私は、真っ先に指輪を取り出すと、思いっきりテーブルへ投げつけていた。 傷物であったダイヤが小さなきらきらとした破片となって砕けのが見えて悟ったのだ、このダイヤは俺のようなものであったと、 欠陥品の屑物だと。 酒でも飲もうと、部屋の入り口にある冷蔵庫をからビールを取り出し、振り返るとそこには、見たこともないベールの服を着た少女がいたのだ。 「おい、何か飲み物をもて」 まるで夢のような出来事に、思考が麻痺した俺は素直に飲み物を用意したというわけである。 それから少女は馬鹿げた、何ともメルヘンな話を語りだし、俺は頭のおかしい子が迷い込んだろうかとか、それとも夢なんだろうとか、 頭を悩ませつつ上の空で話を聞いたのであった。 「しかし、恩人には違いないからの、一つ願いを叶えてやらねならんが……」 一指し指を下唇に当てて、俺の目を覗き込んできた。 "一つだけ願いを"古びた台詞に、思考が途切れ苦笑してしまう。 少女がニコリと微笑んだ、その笑顔はあどけない少女そのものであった。 「なんじゃ、あほうと言うわけでもないのかの、もしかして口が聞けんのか?」 もしかしたら、本当に願いをかなえてくれるかもしれないと、俺は上下に頭を振って返事する。 「ふむふむ、それは違うということじゃな」 俺はびっくりして左右に頭を振る。 「それは、うーん、ふむ、これは困ったな、願いなど何もないというのか。うーむ」 少女は美しい眉間に小さな皺を寄せると、腕を組みながら唸っている。 俺はなんだか悲しくなって、呆然と少女を見詰めるだけしかできない。頭の中では少女の話を信じてるわけでもないし、少女が本当に俺の願いを 叶えてくれるとも信じてはいない、しかし、それでももしかしたらという心の奥底にある渇望をとめることはできなかったのだ。
「うーぷぷ、あーはははは」 そんな俺の顔を横目で見たと思うと、少女が笑い出した。 「くくく、すまんすまん、口が聞けるようにしてほしいのじゃろう。お前はなかなか面白い顔をするの」 そう言ってお腹を抱えながら、眼に笑い涙を浮かべている少女を見ても、俺は怒るよりも、頭を上下左右に動かして答えるので精一杯だった。 「よしよし、わかったわかった。しかし、口が聞けぬとは、おまえはなかなか幸運な男じゃの」 少女はそのふっくらとした唇を吊り上げて、怪しげな笑みを浮かべた。 そして、俺のうなじに手を回して、しっかりと俺の目をみる。 眼と鼻の先に少女の大きな眼が―― 「おい、こういう時は目を閉じるもんじゃぞ」 そういう少女の頬が少し赤く染まっていたのは、見間違いではないだろう。 「ということがあったんだよ!」 と俺は力説すると、彼女は冷たい視線でこういった。 「ふーん、今まで私のことだましてたんだ? 別れたくないからって、あんたの言う魔法か何だかしらないけど、口が聞けるようになったと?」 「いや、本当に魔法なんだって! だから結婚しよう!」 彼女は大きくため息をつくと、思いっきり俺をひっぱ叩いた。 「馬鹿にしないでよ! 口が聞けないけどいい人だったからつきあってたのに、今更口が聞けるとか魔法だとか、人のことずっと騙しといて、最低!」 それだけ言うと、足早に彼女は去っていった。 思いっきりひっぱたかれた頬の痛みに驚きつつ、彼女の後姿を見送る俺は思った。 ――夢じゃないのか……。
おしまい。r 一時間ほどで書いて、勢いで投稿しちゃったんだぜ
408 :
◆Xenon/nazI :2008/03/23(日) 23:55:01.27 ID:x2OUDkgp0
No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ ◆zsc5U.7zok 何という救いのない話……『本当は残酷なグリム童話』を思い出した。何であの本買ったんだろ。 No.02 ロマン! ◆K0pP32gnP6 ■1レス目8行目 >天然なんだた狙ってんだか分らない珍回答を笑っている。 → なんだか □16行目 >三月二一日に、赤いひし形が付けたれていた。 → 二十一日、付けられていた 王道。結婚って付き合い始めて二年くらいが平均なのか。へー……。 No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◆gNIivMScKg 黒いダイヤといえばオオクワガタですね、わかります! 甘酸っぱい想い出……チョコレートなのにね。 No.04 ガラクタ ◆m7XPiAsnu. ■1レス目10行目 >握ったり離したりして → 握ったり開いたり、かな? No.05 すれ違うダイヤと ◆IPIieSiFsA 女は男に時計の鎖を買うために綺麗な髪を切って売って、男は女に髪飾りを買うために時計を売った話を思い出した。 細かい部分違うかもしれないけど、そんな感じの話。 でもこの物語は似てるようで全然違う。何が言いたいかって言うと男カワイソス。 No.06 Miss ディレクション ◆pxtUOeh2oI ■1レス目15行目 >小さい一年生に褒めつつ、 → 一年生を 中々楽しいマジックショーでした……でもお題の使い方が今一つ。 ダイヤ→トランプ→マジックって流れは良かったんだけど、せっかく『ダイヤ』なんだから、もう一捻り欲しかった。 指摘した部分以外にも助詞の使い方が怪しいところが何箇所かあった気がする。
409 :
◆Xenon/nazI :2008/03/23(日) 23:55:12.12 ID:x2OUDkgp0
No.07 LSDと大麻 ◆FXPnH3Ytxs ■2レス目2行目 >来た訳ではなかっららしく、 → なかったらしく 何か色々とよくわからないお話。お題のダイヤもどこへやら。元曲聞いた事ないからかな、よくわかんないや。 No.08 ダイヤはどこ? ◆Kq/hroLWiA ■2レス目23行目 >悪魔がそそのく声 → そそのかす? そそのく、って聞いた事ない。 一つのダイヤの指輪にまつわる群像劇、っていうのかな。 最初の持ち主→息子(バイクの男?)が持ち出して質屋に→次の持ち主(へそくり女)→たっくんが持ち出してプレゼント→ 現在の持ち主→娘が持ち出す、って流れだと思うけど、あってるかな? 意図しての事だろうけども、時系列がぐちゃぐちゃになりすぎてて読んでて混乱する。 最後まで読めばわかるんだけど、上みたいに書き出さないと頭の中だけでは整理出来ないので、読後感がちょいマイナス。 へそくり女カワイソス。たっくんヒドス。 No.09 ダイヤ ◆58wWTUZA1. ■宣言文 >登校 → 投稿 いやわかってるけど。 ■1レス目1行目 >なんとか平坦な道なりにふらふらと進むにつれて、 → ? ものすごく意味がわからない。もしかしたら意味なんてないのかもしれない。 No.10 空中庭園 ◆Mclain.ggg >僕は少しだけ得意げに笑った。悪くないって言うのは彼の最上級の褒め言葉だから。 この台詞に心惹かれた。いいセンスだ。 一風変わった世界観で、それなりに楽しく読めたんだけど、お題の使われ方が今一つな気がした。 No.11 どーなつ。 ◆/sLDCv4rTY 例によって意味がわからない。 何かしらのセンスを感じるんだけど、それを理解する頭がないようだ。残念。
410 :
◆Xenon/nazI :2008/03/23(日) 23:55:23.50 ID:x2OUDkgp0
No.12 Who Killed The Radio Star ◆IGEMrmvKLI DJは生きているけど、DJとしては死んだのか。人が死ぬ話じゃなくてよかった。 リスナーがDJについて語る二人称、ってのも珍しいね。 No.13 ダイヤレイン ア リング ◆RlxBNHMmBo ■1レス目2行目 >終身雇用制制度 → 終身雇用制度 ■2レス目18行目他 >話し → 話 色々とよくわからなかった。最後の方に出てきた指輪拾った男とか。 No.14 嘘 ◆iwRfrgecCQ ■3レス目25行目 >この大きさだったら五00 → 五百 至るところに嘘が含まれた物語だったんだけど、よくわからない。 No.15 音速の恋人 ◆QIrxf/4SJM ■1レス目12行目 >数種存在するドラゴンの中で唯一、空を飛ばす、 → 飛ばず? よくわからない話を書く筆頭キターと思ったら、今回はそうでもなかった。 理解出来れば面白いんだ、氏の作品は。 No.16 ブリリアントレディ ◆0CH8r0HG.A ■4レス目11行目 >銀行に不足分を卸しに行った → おろしに 改行の位置がおかしい所為で読みにくい。残念。 話は面白かった。ダイヤさんてw No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 ◆ecJGKb18io ドライバーは厳選されるのに、同乗者は厳選されないのか……なんで斉藤乗せたんだこの会社。
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:55:27.29 ID:8uvT/GerO
おつさる
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/23(日) 23:55:44.01 ID:xM4ugtDC0
すまん挟まった 小足確認キャンセルダブルサマソ1000本ノックしてくるわ…
413 :
お題:代案 0/3 :2008/03/23(日) 23:56:17.92 ID:ewRHQGyS0
通常作、できたので投下します
おだい下さい
415 :
お題:代案 1/3 :2008/03/23(日) 23:56:47.22 ID:ewRHQGyS0
独房の暗闇に光がさした。オレは怯えていた。 「大丈夫か?」 現れたのは田沼警部だった。オレの視界は涙で滲んだ。 「はい、大丈夫です」 田沼警部はネクタイを左手で緩め、右手を背広の胸ポケットに入れた。 「しまった。禁煙中だった。おい、佐橋。タバコ持ってるか?」 オレが答える前に田沼警部が続けた。 「冗談だよ。だが今日も昨日と同じだ。これからは冗談は言わん。わかるな?」 オレは震えが止まらなかった。 「わかりました」 「それだけか?」 「はい、わかりました。田沼警部」 「よし」 涙が頬をつたってきた。田沼警部は言った。 「なぜだ」 オレは嗚咽をこらえるのに必死だった。 「なんであんな事をした」 「わかりません」 田沼警部が溜め息混じりに続けた。 「なぜあんな事をしたんだ」 「すいません」 「よし、非常にいい答えだ」 田沼警部は左ポケットからライターを取り出し火を点けた。オレはその場で吐いた。 「なぜあんな事をしたんだ」 「わかりません」 オレは自分の戻した汚物の上で涙を流し震えていた。 警部はライターの火をこちらに近づけた。
416 :
お題:代案 2/3 :2008/03/23(日) 23:57:21.88 ID:ewRHQGyS0
「わたしの助けが必要か?」 「はい」 「はい、だけか?」 「はい、お願いします田沼警部」 「よし。お前は彼の財産が欲しかった、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「欲しくて欲しくてたまらなかった、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「お前は手に入れたかった、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「いや待て、違う。お前は手に入れる計画を立てた、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「そこでお前は彼とお前が親子だと偽造したDNA鑑定書をつくった、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「お前は何を用意したんだ?」 「偽物のDNA鑑定書です」 「そしてそれを使って、彼に生き別れの子供だと信じ込ませ、取り入り養子になる事を考えた。そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「養子になった後彼を殺すと決めた、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「そうしてお前は彼をどうしたんだ?」 「殺しました」 「何を使ったんだ?」 「分かりません。警部」 「お前はこのドライヤーを使って、彼が入浴中に感電死させたんだ。心不全に見せかけて」
417 :
お題:代案 3/3 :2008/03/23(日) 23:58:11.76 ID:ewRHQGyS0
手袋をした警部がオレにドライヤーを渡してきた。オレはそれを受け取った。 「どうやって殺したんだ?」 「わたしはこのドライヤーを使って心不全で亡くなったように工作し彼を殺しました」 「よし。殺した後、自分に財産がくる筈だったが遺言があった、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「誰に相続すると書いてあったんだ?」 「わかりません」 「お前の名前は無く彼の娘、遥に譲る事になっていた、そうだな?」 「遺言状にわたしの名前は無く遥に譲ると書いてありました」 「それを知ったお前は、彼女に怒りを覚え殺そうと考えた、そうだな?」 オレは彼女の屈託のない笑顔を思い出し、もう一度嘔吐した。好きだった。持っていたドライヤーも汚物でベトベトになった。 警部はそれを見て溜め息をつく。すぐさま側にいた部下に代わりのドライヤーをもってこい、と伝えた。 「それはもう必要ない。そこに置け。続けるぞ」 「はい、わかりました。警部」 「彼女を殺して自分が財産を得ようとした、そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「殺す前に犯そうと考えた。そうだな?」 「はい、そうです。警部」 「そして強姦した。どのようにやったんだ?」 「わかりません」 独房の外から「警部」と先ほどの部下がドライヤーを持って帰ってきた。警部はそれをまた私に渡してきた。 「今度は汚すなよ。証拠にならん」 オレは涙を堪えていた。彼女の事を考えるのを必死でやめようとするが、その意に反して頭に浮かぶは彼女の笑顔ばかりだった。 堪えきれなくなり、嗚咽と共に塞き止められていた悲しみが流れた。ドライヤーを持った手が緩み汚物の上に落としてしまった。 田沼警部はそれを見てオレの顔面を蹴った。何度も何度も蹴られた。意識が遠のいていく中で警部と部下の会話が子守唄になった。 「今日はもう終わりだ。お前、ドライヤー握らせとけ。コイツの指紋以外はつけるなよ。自白させても裁判になった途端否認されたんじゃ 面倒くさいからな。保険だ」 「これって・・・冤罪ですよね?」 「馬鹿を言うな。犯人が見つからなかった。だから代案だよ、代案」 ―――だれか、真実を聞いてくれ。
418 :
お題:代案 4/3 :2008/03/23(日) 23:59:28.30 ID:ewRHQGyS0
終わりです。強引な感じですがよろしくお願いします。
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:00:05.25 ID:QJNUVEHo0
全館おつ〜
420 :
◆Xenon/nazI :2008/03/24(月) 00:00:57.28 ID:s5G7Xlde0
さて、投票するか、と思ったらまだ12時になってなかった。 最近フライングが流行ってるみたいだし別に良いかなと思ったけど、まぁもうちょい待とう。 総評的なもの。 オーソドックスに結婚指輪とか婚約指輪とかを使ったものと、そうでないもの。 野球のダイヤモンドとか列車のダイヤとかの話なかったね。意外にも。 前回の全巻でわかりやすい話が好き、とは書いたものの、やっぱそれだけでは武器足り得ないよね。 各々、何かしらの武器を用意して欲しい。 今回はお題の使われ方が今一つの作品が多かった。 お題を巧く料理するのはBNSKならでは。もうちょっとその辺りにも意識を向けて欲しい。 あとよくわからない話も多かった。読んでてぶっちゃけしんどい。 ある程度結末をぼかして読者に想像の余地を持たせるのは良い事だけど、一つの作品として完結してないのは嫌い。 大体そんな感じで、そろそろ日付変わったかな。
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:01:26.18 ID:2A5buk4+0
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:01:30.14 ID:zzyjGOrTO
日付変わる前に全感とか乙 登校吹いたw
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:01:52.49 ID:+pXfeEK10
ああ、sageでかいちまってる。ごめんよ。 X ノベレ O ラノベ だっけw
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:02:04.77 ID:IXxEjLHZ0
全巻おつ〜
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:02:53.18 ID:07lIvlmM0
ノベレっていうのがあると思ってた。
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:03:04.76 ID:8JLNwNvo0
******************【投票用紙】****************** 【投票】:なし 気になった作品:時間外No.01 ダイヤ 1/1 ◇BNSK/DqMrY 時間内なら投票してた **********************************************
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:03:22.73 ID:1/+6jCPh0
全館おつー
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:03:48.70 ID:+pXfeEK10
全館乙〜。 素直な作品って難しいよね、ここで投稿する人間って、何かしら自分の実験要素をいれて書くからw
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:05:08.50 ID:jf0idnWA0
信じられない…… カオスが無いだと? カオスが無いだと!? 二年前後のBNSK品評会の歴史の中、三十回目には既に存在していたカオスが、 あの阿鼻叫喚が無いだと!? カオス常連は、カオス常連はどこに行った!? うわ普通に居る! カオスしてない! あれー!? ……お題くれ
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:05:48.00 ID:+pXfeEK10
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:05:53.27 ID:8JLNwNvo0
駆け込み乗車失敗
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:06:01.84 ID:QJNUVEHo0
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:06:10.83 ID:jf0idnWA0
>>428 好き放題やろうとすると何故か新しいこともしたくなるんだよ
だからヒーロー。だから小学生。だからヘンタイと狂気。
434 :
◆Xenon/nazI :2008/03/24(月) 00:06:23.93 ID:s5G7Xlde0
******************【投票用紙】****************** 【投票】: No.15 音速の恋人 ◆QIrxf/4SJM No.16 ブリリアントレディ ◆0CH8r0HG.A No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◆gNIivMScKg 【気になった作品】: なし ********************************************** いつからそうだったかは忘れたけれど。 自分ルールだった『投票は一作品』を破る。 No.15だけに投票するのは何か癪だし。
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:06:39.29 ID:+pXfeEK10
水と書いてみて思い出したけど、誰かの作品で日本人は水に対する観念が広いとかなんとか。 誰だっけかな、たいした作品ではなかったような気がするんだけど。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:07:04.10 ID:Kv4rfaMl0
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:07:17.97 ID:rGHSDaUS0
お題ください
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:07:39.12 ID:jf0idnWA0
水と平和で松平定信と水野忠邦ですね。わかります。 駆け込み乗車失敗ともどもHAAKU
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:07:59.65 ID:jf0idnWA0
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:09:38.99 ID:rGHSDaUS0
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:10:52.89 ID:/bOijOXcO
ぶっちゃけると、お題くれ↓
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:10:58.03 ID:+pXfeEK10
>>433 そういうはっちゃけるのは幅がひろがるもんだと信じるw
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:11:27.00 ID:d3wpPXhTO
>>409 > No.11 どーなつ。 1/4 ◆/sLDCv4rTY
ですこんにちはありがとうおめでとう
今回は意味不明って言われねーだろうとおもってたので、自分の実力不足をいまめちゃくちゃ痛感してます。うう。
今回、ちゃんとオンナノコできてたんだろうか。票をあきらめたいま、それだけがしんぱいです
全感乙でした
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:11:27.50 ID:vaTcJN+u0
うふん
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:11:44.02 ID:zzyjGOrTO
ずっと気になってたんだけど 〜ですね。わかります。 って何か元ネタあるの?
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:13:57.06 ID:jf0idnWA0
>>442 あんまりやってると幅が狭くなるんだけどな、逆に
「あー、これ類似ネタってほどじゃないけど前やったな」とか
吸血鬼バトルアクションやった後人外ホームコメディやる際に吸血鬼出しにくくなったり
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:14:12.38 ID:bQ5VIrZaO
>>420 野球ネタ考えてたけどね……
ドミンゴのせいでね……
今日も負けたし……
実際書いたらなんかポルノグラフィティの曲みたいになったのは内緒だよ!
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:14:28.54 ID:juG11gvX0
こうですか? わかりません>< の発生じゃないかったけ?
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:15:01.67 ID:+pXfeEK10
>>446 なるほどねー、そう聞くとスティーブンキングが、キャッスルロックを粉砕した気持ちが分かったw
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:15:24.27 ID:IXxEjLHZ0
>>447 どんまいw
流石に二戦連続は萎えるねw
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:16:48.56 ID:8JLNwNvo0
ルーキーに完封勝利されたらねぇ
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:18:30.05 ID:/5vsAxGZ0
>>1 のwikiって完全にラ研ぱくったんだな、復活してよかった乙
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:18:39.33 ID:jf0idnWA0
最近どうも話の筋が面白くないんだよなあ 何書いても面白くならないんだよ あれこれつまんなくね? スレ民の時間奪うほどのもんか? みたいな風に思っちゃって話にならない
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:19:14.97 ID:bQ5VIrZaO
むやみやたらに楽天ファンを傷付けるとひどいめにあうぞ!味方のリリーフ陣が そんな楽天ファンにお題をくださいね!
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:19:57.85 ID:07lIvlmM0
最近、自信はあるのに票が入らないことが多い
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:19:58.08 ID:d3wpPXhTO
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:20:17.05 ID:8JLNwNvo0
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:20:53.39 ID:bQ5VIrZaO
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:20:54.40 ID:jf0idnWA0
>>455 自分が書きたい小説と他人が読みたい小説が乖離することはままある。
ってことで作品どれだい。読ませておくれくれ
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:20:59.04 ID:RdG1tpTD0
>>420 全館乙。
>今回はお題の使われ方が今一つの作品が多かった。
>お題を巧く料理するのはBNSKならでは。もうちょっとその辺りにも意識を向けて欲しい。
>あとよくわからない話も多かった。読んでてぶっちゃけしんどい。
>ある程度結末をぼかして読者に想像の余地を持たせるのは良い事だけど、一つの作品として完結してないのは嫌い
これって俺のことだなぁ
次はわかりやすい作品でがんばる
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:20:59.28 ID:yy4sMrEh0
ID:ewRHQGyS0お茶目すぎwww日付変わる前にwww吹いたww
主人公?のオレの返答が同じで単調なので逆に緊迫感を感じた。でも意図してたの?ってIDかわってるから無理か
>>456 ワロタ
オレにもお題を
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:21:36.69 ID:bQ5VIrZaO
>>457 なんか「炎上」もつきそう「4タコ」とか
把握
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:25:58.60 ID:RdG1tpTD0
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:27:35.05 ID:juG11gvX0
ブルペン|щΘ) …
465 :
(品)ダイヤモンドに恋してる1/2 ◆AyeEO8H47E :2008/03/24(月) 00:29:13.39 ID:BWjR1L400
ええい、ままよ。時間外投下します。
466 :
(品)ダイヤモンドに恋してる1/2 ◆AyeEO8H47E :2008/03/24(月) 00:29:45.85 ID:BWjR1L400
俺の彼女は、ダイヤモンドに恋をしている。たかが石だ、と俺は思う。しかし彼女にとってはそうではない。俺は彼女の彼氏なのだが、 彼女は俺より石のことを大事に思っている。俺の彼氏としての程度が低いのか、それとも彼女のダイヤモンドに対する愛情が異常なのか、 当事者である俺には判断が付きかねた。そこで、俺は日曜に、彼女が一番大事にしているダイヤモンドの指輪を持って、とある宝石商を 訪れた。 「この指輪の値段を鑑定して欲しい」 俺は単刀直入に切り出した。 「かしこまりました」 そう言って初老の宝石商は片眼鏡を左目に器用にはめると、ダイヤの指輪を手にとってしげしげと観察し始めた。 「ふむ。だいたい二百五十万といったところですな」 「そうか。どうもありがとう」 俺は手帳に、二百五十、と書き込むと店を出た。 次に俺は、町を歩く頭の悪そうな女を捕まえて、聞いてみた。 「俺と付き合わない?」 頭の悪そうな女は、俺の顔を見て、三秒で返事をした。 「よろこんで」 三ヵ月後の朝、俺は頭の悪い女にベッドの上で聞いた。 「俺と付き合ってからこの三ヶ月、どうだった?」 「どうって。とっても素敵だったわ」 「素敵。ふむ。どのくらい素敵だった?」 「え……そりゃ夢のように素敵だったわよ」 「もうちょっと具体的に頼む。例えばお金で言うと、どれくらい?」 「何を言っているの。あなたとの思い出を、お金の額なんかには例えられないわ」 彼女は少し怒って言った。そこで、俺は大きなダイヤモンドの指輪を取り出し、彼女に見せた。 「まあ……」 彼女は息を呑む。 「二百五十万するんだ」 この日のために買っておいた物だ。 「そんなに真剣だったなんて。嬉しい、私……私、あなたとなら一生――」 「これあげるから、俺と別れてくんない?」
467 :
(品)ダイヤモンドに恋してる2/2 ◆AyeEO8H47E :2008/03/24(月) 00:30:23.47 ID:BWjR1L400
右の頬がヒリヒリする。頭の悪い女は、ダイヤモンドを受け取らずに、去っていった。しかし、これでわかった。俺は客観的に見て、 二百五十万のダイヤモンドの指輪より価値のある男だ。つまり、俺の彼女は異常なのだ。ダイヤモンドの指輪なんかより、俺をもっと 大事にするべきなのだ。勢いを得た俺は、彼女の家へ向かった。 「こんにちは」 インターホンに話しかける。 「あら、三ヶ月ぶりね。何か用?」 「俺とダイヤモンド、どっちが大事?」 「ダイヤモンドよ」 予想通りの即答。 「じゃあ、なんで俺と付き合ってるの?」 「ダイヤモンドを買ってくれるからよ」 「なら、君はダイヤモンドを買ってくれる男なら誰とでも付き合うって言うのかい?」 「そういうことになるわね」 「そんなのおかしいよ」 「そうかもしれないわね。でも、仕方ないじゃない。好きなものは好きなんだから」 俺は言葉に詰まってしまう。こんなはずではなかった。 「どうしたら俺を見てくれるんだ」 「そうね」 少しの間考えて、彼女は言った。 「あなた自身がダイヤになるしかないんじゃない?」 家に帰ってから俺は考えた。俺はどうやったらダイヤモンドになれるのか。既にダイヤモンドに負けない価値があることはわかった。 俺がダイヤたる為には何が足りないのだろう。俺は考えに考えた。そして、夜が明けようかと言う頃、とうとう結論が出た。 俺に無くて、ダイヤモンドにあるもの。それは硬さだ。世界一の硬さだ。 翌日の朝、俺はインド行きの飛行機に乗り込んだ。以前雑誌で、金属のように体を硬くすることができると言うインド人の話を読んだ ことがあったからだ。この修行に何年かかるかわからない。その間に彼女が、誰か俺の知らない金持ちと結婚するかもしれない。しかし、 そんなことはどうでもよかった。付き合おうが、結婚しようが、彼女にとって、全ての男は、ただの男なのだ。俺にとって、ダイヤがただ のダイヤに過ぎないように。俺は彼女の愛を勝ち取るためなら、何だってやるさ。ただのダイヤにだって、なってやるさ。
468 :
(品)ダイヤモンドに恋してる2/2 ◆AyeEO8H47E :2008/03/24(月) 00:30:46.49 ID:BWjR1L400
おわりです
469 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:38:49.06 ID:IGh70hl90
全感するのでさるよろしく
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:39:06.52 ID:juG11gvX0
猿
471 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:39:10.69 ID:IGh70hl90
フライングNo.01 ダイヤレイン 1/5 ◆RlxBNHMmBo 最初は三人称だったのに、次に一人称に視点が変わったのは何故? 特に理由がないなら統一したほうが良いと思う。 ダイヤを盗む理由がわからない。金を払うなら買えば良いし、 払う金よりも価値あるダイヤが盗めるなら、二人組が仕事上損してることになる。 盗んだシーンが無いのもダメだと思う。そこはいろいろ書くべきところじゃないだろうか。 期限が二日というのも短すぎる、どんだけ優秀な泥棒なんだよってことになる。 粉がわかるほどの灰が作れるほどの量のダイヤが一ヶ所にあるとも思えない。 というかそんな量は日本にあるダイヤ全部集めても無理じゃないか、詳しいことは知らんけど No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ 1/5 ◇zsc5U.7zok パールが口の中なんかになんかあったら爛れて価値がなくなりそう。 結局、人の体から採れたダイヤは最高に美しいという話しなのか? この話しが感動できるような美しい話しには見えなかった。 クーデターを起こすなら、王子が死ぬ前に起こせば良い。 王子が自分の心臓がダイヤだと知っているのもおかしい。 思いついたものを粗方ブチ込んだせいで話しがうまくまとまらず、 発想負けになってしまったという感じがした。 No.02 ロマン! 1/4 ◇K0pP32gnP6 お題が出されたときから、あるだろうなと想像のつくベタな作品だった。 隠すつもりもないだろうけどオチも予想通りだし、 俺がこういう話しが嫌いなため、特に言いたいことはない。 そういう興味がない人を楽しませる力は、この作品には無いということだと思う。
472 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:39:32.08 ID:IGh70hl90
No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ 1/5 ◇gNIivMScKg 主人公の思考が考えすぎでウザイ。赤いダイヤが小豆だとか、白いダイヤがうなぎの稚魚だとか そんなことを知っている、もしくは考える人がそんなにいるとは思えない。 いることはいるだろうが、やはり現実感を欠いていると思う。 作者はいろいろ調べるからわかるだろうけど、それを詰め込むと登場人物が無駄に博識になってしまう。 偶然が続くと読者は冷める。たまたま黒いダイヤと形容されるチョコの取りあいからダイヤを連想して、 たまたま主人公が野球部で内野がダイヤに関連してて、たまたま元の彼女が菓子職人で、そこに買いにいったら、 たまたま彼女が結婚まじかで、たまたまダイヤの指輪をしているなんてやりすぎ。 というか、食い物扱ってる店で働く菓子職人が指輪してるのがおかしい、外せ。 No.04 ガラクタ 1/3 ◇m7XPiAsnu. 名前が無いのは不便じゃないだろうか? 普段からロボとか呼ばれてるなら良いけど、 レンジや洗濯機と違ってこちらから呼びかける物にはやっぱり名前が必要だと思う。 ダイヤあまり関係ないね。お題がルビーだったらルビーのような腕と形容するんだろう。 普通、オンボロと評する場合は外見で判断するんじゃないだろうか? 片手とCPUやチップなんかだけを交換して、オンボロと呼ばれ無くなるというのがわからない。 来客は見ただけで、中身の性能がわかるのか? それともチップ類を変えると見ためにわかるぐらい動きが変わるのだろうか。 No.05 すれ違うダイヤと 1/5 ◇IPIieSiFsA 俺はゲーム好きなんでわかるけど、この描写でゲームに興味ない人でもわかるだろうか? 大学生にダイヤをねだるのはどうかと思う。年齢を上げても良かったんじゃないだろうか。 一年つきあう度にダイヤなんて買ってたら、男は大変でしょう。知らないけど。 途中で視点を変えたのがわかりにくい。男が浮気相手の女を男性名で登録してるのかと思ってしまった。 変えるのならば、三人称で書いたほうが良いと思う。もしくは本当に気を使って分かりやすくすべき。 せめて視点を変えた一行目に、変わりたての一人称を入れて欲しかった。作者はわかるだろうけど、 ゲームをガシガシしてるのを読者は普通にその前の男だと思ってしまう。私は〜と省略しなければわかったかもしれない。 上でも書いたけど、偶然が過ぎると冷める。名前が大也というネタはいらない。もしくは誕生石という理由を外して、 はじめからダイヤを欲しがる理由に名前を使うべきだと思う。人が握っているのと、金属の指輪がはまっていることを勘違いするのも無理がある。 いきなり結婚にとんだ男の感性が理解できん。
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:39:34.68 ID:d3wpPXhTO
おつさる
474 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:39:55.19 ID:IGh70hl90
No.06 Miss ディレクション 2/5 ◇pxtUOeh2oI 俺の。手品の説明で文を使い過ぎた。会話文が手品師のセリフには見えない。 語彙が少なく子供たちの様子が表現しきれていない。 この描写で手品をあまり知らない人にも伝わるだろうか? お題の使い方が薄い。 No.07 LSDと大麻 1/4 ◇FXPnH3Ytxs この主人公はいくつ? 小学生ぐらいだと考えると、年齢に不相応な思考に思える部分がある。 歩いて十分の距離のおばちゃんが「大変だったでしょう」なんてセリフを吐くのはおかしく感じる。 母親のいない父子家庭なんだからもっと見に来い。そして気付け。 僕が一人称のロッカーがこの世にいるのだろうか。ロックな感じがしない。 ダイヤが薄い。子守唄だけなら別になんでも良いじゃん。 No.08 ダイヤはどこ? 1/5 ◇Kq/hroLWiA 2レス目2/3が1レス目1/3のバイクにつながる 1レス目3/3の子供が3レス目と4レス目大部分につながり、その後、数十年経って、 1レス目2/3から2レス目3/3の女につながり、5レス目後半ラストにつながる。 つまりバイク男はただのエキストラで物語の本筋には関わっていないということで良いのだろうか。 で、これで読者にどう感じてほしいの? 一回読んだだけでは確実にわからないし、 こういったわざと読者を混乱させるような話しを書く場合は、最後に誰でもわかるぐらい綺麗にまとめないと、楽しめない。 書いた作者は楽しいかもしれないが、こっちは疲れるだけで楽しくない。発想は良いと思うけど、それだけで一人よがりになっている。 伊坂のラッシュライフを思い出したが、この作品は読者を混乱させることに重点を置き過ぎていて、エンタメ性が欠けているように感じる。 No.09 ダイヤ 1/2 ◇58wWTUZA1. 意味がわからない。意味をわからせようとしないものは俺にとってはゴミでしかない。 誰かこれを理解できる人を探して、その人に感想を貰ってくれ。
475 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:40:19.09 ID:IGh70hl90
No.10 空中庭園 1/4 ◆Mclain.ggg 雰囲気は良かった。雰囲気だけだった。 ダイヤがくすむというのが良くわからない。 空中庭園にはコーヒーも紅茶も蜂蜜もレモンも置いてあるけど、お湯はないのか。 No.11 どーなつ。 1/4 ◆/sLDCv4rTY 普段のより、グロくはないんだけど、脇毛という単語が個人的にダメだった。 話しの内容は悪くないが、少しメリハリが足りない感じ。 ダイヤの使い方も普通な、佳作。 No.12 Who Killed The Radio Star 1/2 ◆IGEMrmvKLI 雰囲気だけな作品。世界も日本とは違うようだし、特に言うことはない。 合う人には合うだろう。俺には微妙。 No.13 ダイヤレイン ア リング 1/4 ◆RlxBNHMmBo 段落をつけるようにすべし、くわしくはコラムを見て。 文章のひとつひとつが短い気がする。“、”の使用頻度もちょっと多い。 文が長いと読みにくくなるが、短すぎてもリズムが悪い。 これはフライング作を読んでない人にはちんぷんかんぷんじゃないだろうか。 つかダイヤ、燃やしたんじゃなくて削ってたのか。 その辺の機械でダイヤを削るの無理じゃないか? 削る方の機械にもダイヤが付いてないいけない気がする。 No.14 嘘 1/4 ◆iwRfrgecCQ 最後の意味が良くわからなかった。 ダイヤに油性ペンとか偽物とすりかえると言った話しは、 どこかで見たことがある。
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:40:26.96 ID:d3wpPXhTO
さる
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:40:30.73 ID:IXxEjLHZ0
さるさる
478 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:40:48.46 ID:IGh70hl90
No.15 音速の恋人 1/5 ◆QIrxf/4SJM 改行しよう。描写はすごいが、話しが稚拙な気がする。 たまたま秘密を話した次の日に、男の子に片思いしている少女が泥棒云々と書いたり、 トラップを報道したりするのもおかしい。予防の為の報道かもしれないが、 一面トップの記事を泥棒夫婦が知らないと考えるのも論理が飛躍してる。 怪しい地下室に入ってというところも、何で入れるのかわからない。 そもそもこんな大騒ぎになってたら、後から泥棒入れないでしょう。子供だから仕方がないということかもしれないけど。 後半のアンネについての部分はいらないと思う。あと、靴にちょっとダイヤを付けただけで壊れないというのもわからない。 それと盗むダイヤは一つの塊みたいだけど、そこから少し分けて貰うってどうするの? 割るの? もし他のダイヤもおまけで盗むということなら、主人公は泥棒夫婦の邪魔をしただけじゃないだろうか。 それと音速を超えるような速さで走ったら、靴は燃えるし、周りは衝撃波で壊れると思う。せまいとこでくるくる回るとか無理そう。 No.16 ブリリアントレディ 1/5 ◆0CH8r0HG.A 改行をもう少し早くして。微妙なタイミングでの改行でかなり読みにくい。 主人公の思考が30代のそれには見えない。どうみても高校生か中学生ぐらい。 指輪が話すのはおもしろいが、はたから見て大声でひとりごと言ってる状態は寒い。 No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 1/5 ◆ecJGKb18io あそこまで盛り上げたら、ここは盗んでもらわないと不完全燃焼気味……。 全体的に悪くはなかったが、設定が甘い気がする。ダイヤの護送車なのに、他人と一緒になるのは珍しいってのはおかしいだろう。 普通は複数人で警備するはず。「ダイヤって凄い高いんすよね」なんて言う奴が、さばく場所知ってるとか言っても説得力がない。 停電になっているのに、信号はついてるとか、コンビニが普通に営業中とか、結局、嘘だったんだろうけど、 普通なら騙せない。そもそもGPSなんて電池で動く機械でも調べられるんじゃないか? 衛星はアメリカのだし、車もバッテリーだろう。 時間外No.00 無題 1/1 ◆BNSK/DqMrY 短い中にぎっしりと詰まった衝撃が今でも頭を揺らしています。 もし時間内に投下されていたら間違いなく優勝されていたでしょう。
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:41:22.21 ID:d3wpPXhTO
さる
480 :
全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/03/24(月) 00:42:24.26 ID:IGh70hl90
時間外No.01 ピンクダイヤ 1/3 ◆ZnBI2EKkq. 二つの国の王はどこいった? この少女が願いを叶えることができるという設定はどこからきた? はじめからあるのなら、争う理由辺りに書いといてほしい。 いくら傷ありでも、テーブルに叩きつけたぐらいでは割れないんじゃないだろうか。 この少女キャラと似たキャラをどっかの漫画で見たことがあるような気がするが思い出せん。 時間外No.02 ダイヤモンドに恋してる1/2 ◆AyeEO8H47E 男がバカ過ぎる。価値なんて人それぞれなんだから、こんな発想をする男が好かれないのも無理ないだろう。 総評:ほとんどの作品がただダイヤを出しただけで、別にルビーでもサファイヤでも良いような作品ばかりだなと思った。 あと、誰が悪いというわけではないが、指輪ネタが多すぎて、読んでて飽きてきた。 時刻表のダイヤとか、純粋な野球の話しとか、もう少し工夫した話が読みたいと思った。 今回はおもしろいと思えるものがない。どれもこれもどこかで見たことがあるベタを抜け出せていない感じがした。 つまり、俺は恋愛物が嫌いです。あといつもより、口調が荒いが、ただ眠いだけなのであまり気にしないでくれ。 ******************【投票用紙】****************** 【投票】:なし 気になった作品:No.08 ダイヤはどこ? 1/5 ◇Kq/hroLWiA氏 ―感想― わかりづらかったけど、一応最後になんとなくちょっとだけ 光が見えた気がしたので関心票。 No.15 音速の恋人 1/5 ◆QIrxf/4SJM氏 ―感想― 描写力と雰囲気に関心票。疑問点がもっと少なければ投票してたかも ********************************************** 前回は良い意味で投票に迷ったけど、今回は悪い意味で迷った。 で、投票は無します。
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:42:33.93 ID:IXxEjLHZ0
切り上げて30代=20代なんだけどにゃー
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:43:57.33 ID:d3wpPXhTO
全感おつー
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:45:09.22 ID:BWjR1L400
全館おつかれさまー
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:46:12.99 ID:IXxEjLHZ0
全巻おつー
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:46:35.47 ID:RdG1tpTD0
全館おつ
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:50:26.57 ID:juG11gvX0
全裸おつー
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 00:55:08.84 ID:QJNUVEHo0
ぜんかんおつ〜
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:08:15.52 ID:NLVbdDPzO
全身タイツ乙
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:11:25.48 ID:dLKrM6GN0
みんな乙
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:29:03.24 ID:juG11gvX0
俺乙
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:32:16.85 ID:vaTcJN+u0
おみくじ
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:50:40.61 ID:U+MRO4sEO
今日は学校卒業式だなぁ。関係無いがお題くれー
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 01:59:20.23 ID:OuS4bWE60
作品数の少なさと全館の早さにワラタ
明日起きたら全部読むことにして寝る
>>492 目覚まし時計
あの……優勝の自信あるんで次のお題発表していいですか? 意気揚々と、希望を抱いて開いたその先に待っているものとは……、 【第104回品評会】 『釣りでした♪』
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 02:23:42.15 ID:s5G7Xlde0
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 03:16:52.24 ID:70H72hbt0
******************【投票用紙】****************** 【投票】: No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◆gNIivMScKg 【気になった作品】: ********************************************** 投票理由: 構成力が卓抜していると思う。 お題を最も上手く活かしてたいたのもこの方。 タイトルも一番センスがあると思う
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 03:36:34.48 ID:8u3XW7yLO
ほっしゅ
499 :
お題:ルビー 0/3 :2008/03/24(月) 03:50:18.01 ID:yy4sMrEh0
できた。投下する。寝落ちしそうだったw
500 :
お題:ルビー 1/3 :2008/03/24(月) 03:51:00.40 ID:yy4sMrEh0
地元の人間にはハイキングコースとして有名な三百メートル程の山がある。 その山頂へ向かって伸びる薄暗い山道を歩く一つの影法師があった。 獣道が人の往来によっていつしか均され、手作りではあるが落ち木を麻縄で括り、等間隔に並べて使った手摺りもある。 秋が過ぎ冬が来ようという季節、枯れ果てた山を目当てに登る者は少ない。 影をよく見れば男が女を背中に負ぶっている。 それに荷物も何一つ持たず、かなり冷え込む早朝にも関わらず薄着で黙々と歩いている。 男が息を切らしながら言った。 「寒くないか」 女は吐く息白くこう答えた。 「うん。全然」 それからまた沈黙。かなり歩いたのだろう、男の足はふら付き始めている。 「座りたい」 背中に?まっている女が独り言のように呟き、ようやく男はそこで腰を下ろした。女は身震いが止まらず、歯をがちがち鳴らしている。 男は何も言わずに自らのジャンパーを脱ぎ女の肩からそれを羽織わせた。女は驚いた様子で男の顔を見る。 「なんでここまでしてくれるの?」 それを聞き、笑った男の歯が白く浮き出て暗闇にぼやけた。 「さあ、わからない。なんでだろう」 「わからないって何?そもそもあなた、誰なのよ?」 女は少し戸惑っている。俯き加減に一人で呟くようにか細い声で続ける。 「あたしは何もお願いしてないのに」 「オレは君を頂上まで連れて行きたいと思ってる者さ」 男は天を見上げた。女もそれにつられて上を向く。 「わあ、キレイ」 瞳に映るのは吸い込まれそうな黒と、星達が煌く無数の白。 それから暫く、二人は眺めていた。心地良い沈黙を破ったのは男のクシャミだった。 「ちょっと、風邪引くよ?汗かいてるんだから冷えたら寒いの当たり前でしょう」 女は男のジャンパーを慌てて返して、手を握った。あまりの冷たさに思わずきゃっ、と声をあげる。 「返してくれてありがとう。さっきまでは温かかったんだけどさ」 そう言って立ち上がり笑った男の歯は震えていた。
501 :
お題:ルビー 2/3 :2008/03/24(月) 03:51:26.74 ID:yy4sMrEh0
また二人だけの夜のハイキングが再開された。 この冷たさの中、男は背中に女は胸に暖かさを感じていた。深々とする森にも声がある事を二人は知った。 土や木々の匂いに命がある事を知った。自分達の吐く息と足音が美しい調べを奏でる事を知った。 それらすべては沈黙のおかげである。 「あたしね、今日ここに来たのは登りたかったからじゃなくて、本当は死にたかったの」 山の中腹あたりまで来た頃だ、女は静かに語り始めた。 「…………」 「あたし足が不自由なの。登山入り口で見たでしょ?車椅子。あなたがイキナリおぶってくれたのにはビックリしたよ」 男は黙って歩み続ける。 「ごめんね」 そう言った女は口篭りかける。 「それだけならいいんだけど、足動かない事より大変なのがあたしの……頭」 男は歩みを止めない。 「今日おかあさんから聞いたんだけど、ある時からあたし記憶を残せないって言われたのよ」 「寒く……ない?」 女は男の心遣いに感謝した。 「うん、大丈夫。あなたは?寒かったら言ってよ。本当に」 「わかった――それで、お母さんから直接聞いたの?その、記憶できない事」 「ううん。直接じゃないよ、偶々お母さん電話で誰かと話してる時に――だからね、そんな事突然言われても全然実感ないし」 男の息遣いは段々と荒々しくなって疲労の色が伺える。 「だって昨日ね、すごい好きな人とケンカして、別れちゃった。本当に、大好きだったのに。それは覚えてて、でも記憶できないなんてさ、ウソみたいでしょ」 「うん」 「でも、考えたらその好きな人の顔も名前も思い出せなくて。あたしもピーンと来た訳。ヤバイなぁって」 男は肩で息をし始めた。 「あれ?おもしろくない?」 「おもしろくはないよ」 「そっか、ゴメン」 「あ、そういう意味じゃなくて。もし、君が本当に記憶を残せないとしても、君である事には変わりないでしょ?だって顔も名前も忘れていても、気持ちは忘れていない」 男は少し鼻声でグスグスいいながら詰まりながらも答えた。 「……ありがと。ねえ、少し休も」
502 :
お題:ルビー 3/3 :2008/03/24(月) 03:52:50.70 ID:yy4sMrEh0
その時、空が大分白みを帯びていた。男は大の字で寝転んだ。 「あ〜、疲れた〜。君少し重いよ」 それを聞くや否や女は寝転んだ男の無防備な腹に拳を振り下ろした。 「あたしは頼んでないっていったでしょ!そっちが勝手にやった事に責任はもてません」 腹を押さえながら男は返した。 「そりゃそうだ、けど自分の体重位は責任持てるでしょ」 先ほどまでの静寂はそこにはもう無かった。代わりに二人はずっと前からの知己であるかの如く賑やかで和やかな空気が漂っていた。 「さあ、後少しだ。行くよ」 二人の活気に森も目覚めたかのように、木々が揺れ爽やかな一陣の風が彼らの背中を頂上まで押した。 「あなたはなんでここに来たの?」 「オレ?オレはどうしても来たかったから」 「何それ。登山家の人?」 「さあ、どうだろう。さあ、もうすぐだ」 男がそう言うと、女は男の肩越しに山の斜面がなくなるのを見た。 「頂上ね」 まだ少し暗いが男の肩越しに見る山頂からの景色は朝靄がかかって幻想的な絵を作り出していた。 「あそこを見て」 男が指さした方向には頂上から見下ろせる平野の先にある山と山を結ぶ線路。 「宝石は好きだろ?」 「うん、好きよ、特に――」 「ルビー、でしょ。紅く輝く」 線路の先の地平線が徐徐に熱を帯びたように紅くなる。女はその光景に釘付けになった。 裾野が明るく輝き始め、朝靄をかき消して宝石が現れた。 「ほら、手をかして」 男にエスコートされた女の手はその宝石に照らされ、破瓜を経験した少女の皮膚のように赤々と紅潮していた。 そうして薬指にその一瞬のルビーを重ねる。女は涙が溢れ止まらなかった。男は女のその姿を見て呟いた。 「君の彼氏は怒ってなんかないよ。それにきっと、別れてないはずさ。君に伝えたいのは愛してるって事しかないと思うよ」 ルビーが女の薬指から消えて、かけらになった。二人の涙というかけらに。 了
503 :
お題:ルビー 4/3 :2008/03/24(月) 03:55:43.48 ID:yy4sMrEh0
訂正 お題:ルビー 1/3 ×背中に?まっている女が独り言のように呟き ○背中に?まっている女が独り言のように呟き よろしく
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 04:20:37.48 ID:ltNthu1h0
>>503 こう見えます。
×背中に?まっている女が独り言のように呟き
○背中に?まっている女が独り言のように呟き
大変申し訳ありませんが、×と○の違いが分かりません。
失われた「?」部分は恐らく「つかまっている」だと思いますが、難しい漢字をご使用でしょうか?
編集時は「掴」という字にしておこうと思いますが、いかがでしょう。
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 04:26:41.65 ID:2A5buk4+0
同じく、両方「?」に見える テスト 掴まる ?まる
506 :
全感想 ◆IGEMrmvKLI :2008/03/24(月) 04:30:10.76 ID:NgmvmWf60
No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ ◆zsc5U.7zok スワロがかわいそうでした。ぱっと見ワロスなだけでなく、彼は死ぬべきでない人だと思うし、そ のために王子もいい人にはなりきれていないので、「かみさま」によって絶対的な善とされているの が疑問でした。 No.02 ロマン! ◆K0pP32gnP6 時間外の運営さんの作品とほとんど変わらないと思うのです。ただ台詞をつなげてるだけですし。 だったら運営さんの方が断然に簡潔でおもしろいと思いました。一発ネタを延ばす意味がわからな い。 No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◆gNIivMScKg 一レス目で語り手の主体が明らかにされていないらへんが一番面白かったです。主観入りまくりの 地の文に誰のものかわからない台詞が入ってくる。会話の主との関係性がわかり「俺」が出て凡庸 になったと思います。 No.04 ガラクタ ◆m7XPiAsnu. 「修理屋から返してもらったブリキの手を付けてみる。」ここで能動的に動く主体として主人公が書 かれた瞬間が一番面白かった。作品の最大の転換点をスルーして否定するように終わるのが残念で した。 No.05 すれ違うダイヤと ◆IPIieSiFsA 最初の部分が彼氏の一人称であったことが最後まで何も意味をなさないなら不必要だったと思うし、 やりたいんならクライマックスのネタバレを彼氏の視点でやるとかして、構成の整合性がほしかっ た。 No.06 Miss ディレクション ◆pxtUOeh2oI いろいろな要素を平等に書いています。平坦な語りですね。丁寧な平坦さは意図しなければできま せんが、平坦から面白さを生みだすことは難しいです。もっと語りの強弱を付けてみてはどうでし ょうか。
507 :
全感想 ◆IGEMrmvKLI :2008/03/24(月) 04:30:42.20 ID:NgmvmWf60
No.07 LSDと大麻 ◆FXPnH3Ytxs 秀吉くんのネーミングセンスが好きです。少し名前負けしている気もしないではないですが。お母 さんやお父さんとお母さんの関係についてもう少し描写が欲しかったように思います。 No.08 ダイヤはどこ? ◆Kq/hroLWiA 読み終わって、実は三つの別々の異なる話が書かれていたのではないかと思ったけれど読み直して いないのでよくはわからない、読み直さなかったのは、それを確認したところでだから何だ? と 思ったからです。 No.09 ダイヤ ◆58wWTUZA1. 一人称と三人称が混ざっているのはわざとなのだろう。それによって不安定な状況がよく表されて いる。もしかしたら、別々に読み解けばそれ以上にわかることがあるかもしれないけどそれをしな いのは、もう一度読むほどに豊かな想像力を伴っているとは思わなかったからだ。もう少し突飛で いいように思われた。 No.10 空中庭園 ◆Mclain.ggg いつの時代のどこの場所なのかがさっぱりわからない舞台が、効果的に働いているとは思えません でした。抽象的な背景の中で、これまた扱われ方が抽象的な「空中庭園」で、なんだかよくわから なかったです。 No.11 どーなつ。 ◆/sLDCv4rTY ひらがな加減が謎でしょうがなかった。どうしてそこはひらがななのにそこは漢字なの? みたい な。いっそのこと全部ひらがなでもっと意味不明にしちゃえよとか思いつつ、結構楽しめました。 No.12 Who Killed The Radio Star ◆IGEMrmvKLI 自分のですね。読み返して、よし誤字脱字はないぞ、と思ったのもつかの間、タイトルに?を入れ るのを忘れて疑問系なのかなんなのかわからないといった始末。
508 :
全感想 ◆IGEMrmvKLI :2008/03/24(月) 04:31:16.13 ID:NgmvmWf60
No.13 ダイヤレイン ア リング ◆RlxBNHMmBo 誕生石話は他にもあったけど、「誕生石ならルビーなの」と頭の中で再生されまくりました。そのせ いで話に入っていけなかったかもしれませんが、冷めた語り口には独特のものを感じました。 No.14 嘘 ◆iwRfrgecCQ 「貴方」のようなわざわざ漢字にする意味もないのにしているような表記と、カタカナで表される 登場人物の名前が混在していることに違和感を感じました。不思議な感じといえばよいけれど印象 は悪い感じ。 No.15 音速の恋人 ◆QIrxf/4SJM 想像力のベクトルが突っ走っていちいちぐさぐさとくるのに、肝心の物語がおざなりのような。雰 囲気系の最高峰を見た感触があるのだけど、やっぱり雰囲気だけという結論に達してしまう。 No.16 ブリリアントレディ ◆0CH8r0HG.A リアリズムを重んじた描写をされているだけに、リアルな物事として受け止めることはできるのだ けど、ものすごくつまらない日常を切り取られたようで、何の感慨もわきませんでした。 No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 ◆ecJGKb18io 徳さんが気になってしかたない。徳さんが消化不良です。そう思うくらいに徳さんというここには 出てこない人物が魅力的だったと思います。しかしながらほとんど徳さんの物語なので徳さんで締 めてほしかったです。 総評 もう少し物語をどのように語るかについて、意識的になってもいいのではないかと思われる作品が 多くあったように感じます。特にありきたりの話を書くんだったらオリジナリティ的な意味でその へん大事だと思いました。
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 04:32:11.56 ID:yy4sMrEh0
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 04:33:32.30 ID:yy4sMrEh0
全巻おつ〜
511 :
◆IGEMrmvKLI :2008/03/24(月) 04:33:45.75 ID:NgmvmWf60
******************【投票用紙】****************** 【投票】: なし 【気になった作品】: No.11 どーなつ。 ◆/sLDCv4rTY氏 ********************************************** 総評を繰り返しはしませんが、やはり意識的に書かれているものは読んでいてスマートに思えます。
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 04:36:45.17 ID:2A5buk4+0
全館乙! 旧字体の方は反映されないんだねぇ
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 05:18:23.74 ID:8u3XW7yLO
ほっしゅ
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 05:22:58.99 ID:QJNUVEHo0
全館らっしゅに便乗!
515 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/24(月) 05:24:20.93 ID:QJNUVEHo0
あげ足なんざ猿にも取れる!ってことであげ足には捻りをいれてみることに。 感想って、素直に褒めるのが一番難しいよね。 No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ 1/5 ◇zsc5U.7zok氏 一発目からコレはハードル上げてくるなあw やっぱどんでん返しがあると身を乗り出して読んじゃうね。おもしろいw しかしなんていうか、これは個人的なものなんだけれど >「うわああああああああああああああああああっ!」 これはよくないような。完全に浮いてると思う。語り口とも合わせて。 いつだったから文章で叫ぶの禁止みたいな縛りつけてた人がいたけれど、 あれは本当に練習になるからいいと思うなあ。関係ない話でごめんなさい。 最後の最後の一文。好きなもののために好きな小説を書く。それが一番w No.02 ロマン! 1/4 ◇K0pP32gnP6氏 これは腹立たしいwけしからん、とも言うw ちなみに俺が一番好きなクイズ番組は、むしまるQ サクッと読めるのはいいのだけれど、最初のほうが少し分かりにくいかなあといった感じ 二レス目に行くのに3回くらい一レス目を読んだ。 しかし、ニヤニヤ系の話はよく出てくるから、印象に残りにくいってのはあるとおもう。 1レス余裕もあるし、もっと作りこんでみてもよかったのでは!? No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ 1/5 ◇gNIivMScKg氏 ダッシュなげえ!って数えたらちゃんと偶数個。これはやられたw 1レス目でリア王!?って思ったのは何故だろうw冒頭が美しいからかw なんにしても、雰囲気作りがすごくいい。 もうなんかチョコレートはほろ苦いのが正しいっていうか、その通りなのかもしれない。 けれども、どうやら俺のような中二病患者は甘ったるくなくてはならないみたいです。
516 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/24(月) 05:24:51.90 ID:QJNUVEHo0
No.04 ガラクタ 1/3 ◇m7XPiAsnu.氏 小説に面白さなんて別にいらんも〜んって感じだと自分は思っているわけですが、 これはあまりにも単調すぎるかなあ、と感じた。 山とかオチなんていらんも〜んとは思っているんですが 殺ッたッッ!!!って感じは必要だと思ってます。難しい言葉でなんかあるじゃん、カタルシス? 漠然とガラクタになっちゃったーじゃなくて、ガラクタになったぜ!みたいな感じで終わってほしかった ごめん、うまく言葉にできないw No.05 すれ違うダイヤと 1/5 ◇IPIieSiFsA氏 だああ、だから頬の筋肉を酷使させないでくれw にしても婚約指輪は安易だなあと思う。 安易にお題を消化するってことは、その分内容で勝負するってことだから、厳しくなると思う(何がっていわれても困るけどw これは見事に平凡で終わってしまっている感じ。それ以上は狙っていないのだろうし、いいんだけれどw 視点を変える必要あったかなと考えても疑問符。ハナからミキちゃんでよかったんじゃないか、とも思う。 まあ、なんにしても最後に尽きるw最後の二段構えは、にやけたしいいなあw No.06 Miss ディレクション 1/5 ◇pxtUOeh2oI氏 言いたいことは大体No4と同じなんだけれど、 殺ッたッッ!っていうよりは、やってやったわ〜って感じなのでちょっと気に食わない。 文章がすごく女々しいけれど、よくあっていていいと思うw まあ、手品って現物みて楽しむものだし、小説にすること自体がカナリ無謀なのかもしれない。 No.07 LSDと大麻 1/4 ◇FXPnH3Ytxs氏 こういうの嫌いじゃないんだw やめてーって思いながら読んでいって、最後に少しだけホッとできるやつ。 しかも、なんか最後に深みを出して終わるってのがいい感じになってる。 これはこれで、完成度はかなり高いんじゃないかなあ。 LSDをタイトルに出さなきゃいけないのはわかるんだけど(たくさん連呼しているんだから、出さないってもアリか?) 大麻はあまりにもストレートすぎるようなw シンプルイズベストって言葉もよく聞くんだけどなあ。
517 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/24(月) 05:25:40.56 ID:QJNUVEHo0
No.08 ダイヤはどこ? 1/5 ◇Kq/hroLWiA氏 これは読んでいて楽しいwスイスイ読める。そしてサクサク読み返す。 脳ミソ的には、????????おうおうおうおうって感じで、 こういうのをアハ効果っていうんだろうwちがったりして・・・ とりあえず、要望があるとすれば、 章ごとに記号振るとかしてほしかったかなw というかこれを5レスでよくもやるきになったもんだ。 No.09 ダイヤ 1/2 ◇58wWTUZA1.氏 タイトルはちゃんと考えてほしい。タイトルで切ろうかと思う人間だってここにいるんだからw 内容はまあ、言えることはなにもないです。読解力はなんて、俺には無い! でも、こういう文章を書いていれば、情景描写とかすごく上達できるし(たぶん)、BNSKを体現していると思う。 書いていて楽しければ読み手なんて知らんも〜んってスタンスは大好きです。 No.10 空中庭園 1/4 ◇Mclain.ggg氏 最初は空中庭園ってなんだ!って思うのだけれど、 文字通りかよ!ってなるのが余りにも早すぎる印象で もうちょっとwktkさせてくれてもいいんじゃないwとみせかけて最後きたーww ボウタイとかステッキとかフリルとかカフスとかケープとかって言葉が出てきそうな雰囲気は大好きです。 あと、チーズね。これは大事。あれ、お題は? まあいいや・・・好物だし。最後の一行が効いてるw No.11 どーなつ。 1/4 ◇/sLDCv4rTY氏 どーなつ屋(バイト)の俺に宣戦布告ですね!どーなつてるの、なんちゃって。 話はまんまなんだけれど、一体何の効果を狙ってこんな平仮名大ファンみたいな文体で書いているのだろうかw メンヘラっぷりが120%搾り出されているがw とりあえず冒頭のベロがベラになるところはすげえと思った。 栓をしてないから風呂にお湯はたまらないってことかなあ。
518 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/24(月) 05:26:13.37 ID:QJNUVEHo0
No.12 Who Killed The Radio Star 1/2 ◇IGEMrmvKLI氏 ラジオかあ、俺は中学時代、ミューパラを聞いてたなあ。 と言うのは置いといて、この作品を読みながら思い浮かべたのは、 どピンクの服をどデカいピアスの女と、深い青色の風景かなあ。 夜景にしてはちょっとまぶしいといった感じ。ビール片手に公園に突っ込むジャガーを思い浮かべたw うん、素敵な雰囲気だ。でも、それだけなのが虚しい。 No.13 ダイヤレイン ア リング 1/5 ◇RlxBNHMmBo氏 アイディアはとてもいい。指輪を出しといて、それでも一癖ある。 でも、それが存分に発揮できていないのが惜しいなあと思う。 せっかくタイトルにもなっているのに、必要性が薄いなあと感じてしまったから残念。 No.14 嘘 1/4 ◇iwRfrgecCQ氏 この作品の全ては4レス目の一行目に込められているんだろうなw また指輪かよって思いながらぐうたら読んでると、おお!ってなったところは計算なのだろうかw なるほど、こういうお題の使い方もあるなあ(油断大的な意味で)と感心させられた。 No.15 音速の恋人 1/5 ◇QIrxf/4SJM氏 みっ!みっ!(Beep! Beep! No.16 ブリリアントレディ 1/5 ◇0CH8r0HG.A氏 叫んだらだめだよ〜というのは一番上で言ったので割愛。 ベタだあまりにもベタ。なぜなら、いつぞやの品評会で同じような作品を見たような覚えがあるからだ。 誰でも三秒で思いつくダイヤの指輪ってのを、喋らせるってのはおもしろかった。 でも、それでもベタなんだ。お決まりのパターンで、それに見事に嵌められてニヤニヤさせられてしまうw それがベタ(王道?)の力なのか!? そういうのは作品的にアリだとは思うけれど、オリジナリティが無い!とか言われて一蹴されてしまうかもしれない。
519 :
◆QIrxf/4SJM :2008/03/24(月) 05:26:39.65 ID:QJNUVEHo0
No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 1/5 ◇ecJGKb18io氏 読んだ後の安心感がとてもいいな。うん、それでいいって声に出してしまう。 途中の、どーすんのあんた!って展開は次を読ませるし、徳さんは味があっていい感じ。 ハッピーでとてもいい話なんだけれど、パンチがあまり効いていないから いたって平凡な印象を抱いて終わってしまう。もっと、盗みを踏み込んでみてもよかったかもしれない。 けれども、終わり方はこれで万事OKかとw 時間外No.01 ダイヤ 1/1 ◇BNSK/DqMrY スレタイを読めない人ですね。酉を覚えました。次は狙い撃ちです。 ******************【投票用紙】****************** 【投票】: No.10 空中庭園 ◆Mclain.ggg氏 ラブ&チーズ。 気になった作品: No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ ◆zsc5U.7zok氏 No.08 ダイヤはどこ? ◆Kq/hroLWiA氏 No.12 Who Killed The Radio Star ◆IGEMrmvKLI氏 ********************************************** 総評的なもの:もう、指輪は、勘弁、して、くれ。ぴっぴかちゅう
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 05:30:31.02 ID:QJNUVEHo0
って時間外まだあるのかいw それはまた気が向いたらしますねw
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 06:47:21.49 ID:O3hOI6J2O
全感多いな、投下すれば良かった
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 08:01:13.76 ID:2A5buk4+0
ふぉ
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 08:01:39.01 ID:s5G7Xlde0
全巻増える ↓ 投下数増える ↓ 作品多くて読むのマンドクセ ↓ 全巻減る ↓ 投下数減る ↓ 作品少なくて読むの楽だから全巻するか ↓ 全巻増える ↓ 無限ループって怖くね?
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 08:40:11.78 ID:d3wpPXhTO
そんなことより老後が恐い おあとがよろしいようで
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 08:53:18.54 ID:RdG1tpTD0
>>524 は何を意味してるのかわからない
うまいこと言ってるの?
饅頭怖い?
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 09:14:28.46 ID:RdG1tpTD0
>>517 全館乙です。
No.07の作者です。
初めて褒められました。
タイトルについては考えました。
一回読んで、タイトル思い出したら、わかるぐらいのほうが
いいのかなと思ったんですけどね。
しかし、この題名でもよくわからないって人が多いんで
LSDと歌の関係とかいろいろ説明を省くべきじゃなか
ったかな。いや、省いたわけじゃないんだけど。
「grass」で文章の頭文字になれば良かったかなとか思ったり、
他に使えそうな薬物があったんだろうか?とか
「LSDとTIM」っていうのとか考えたんですけどね。
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 09:50:24.33 ID:8u3XW7yLO
ほっしゅ
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:04:52.03 ID:tsuA1M/E0
オーダイヲオクレ
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:07:32.44 ID:RdG1tpTD0
夢と魔法の国
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:08:02.77 ID:hVwGDttNO
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:22:26.37 ID:tsuA1M/E0
>>529 おいwww 一番かけなさそうなお題をよくもw
書いてみます
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:47:45.11 ID:oTFPsMnj0
お題くれ
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 10:56:14.49 ID:OuS4bWE60
アメリカザリガニ
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:00:11.59 ID:oTFPsMnj0
はあくした
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:29:20.42 ID:OuS4bWE60
はあくした
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:42:51.48 ID:8u3XW7yLO
保守だよ!
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:49:41.48 ID:nEKsN2Jz0
全感乙です No.14の作者です 酷評どうもありがとうございました ……と言うか意味不明な作品を投下して申し訳ありませんでした 次回以降投下するときはもう少しましな作品になるよう努力します そんなわけで練習がてらお題もらえると嬉しいです↓
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:51:07.38 ID:5BoKwzwL0
バビロニア
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 11:56:33.51 ID:nEKsN2Jz0
>>539 バビロニアか……全く自信がないけど把握しました
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 12:35:00.88 ID:L9BW6cmZO
ほ
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 13:08:13.31 ID:bQ5VIrZaO
ほ
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 13:39:48.78 ID:L9BW6cmZO
ほ
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 14:32:57.66 ID:jN9TDYXn0
を叩かれる
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 14:32:59.56 ID:fJvM4s6F0
お題くれ
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 14:33:23.33 ID:jN9TDYXn0
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 14:35:30.48 ID:fJvM4s6F0
了承
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 14:58:49.36 ID:IXxEjLHZ0
出かけるほ
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:12:00.64 ID:L9BW6cmZO
救済に全感投下したんで暇な方、保守代わりにでも転載よろ
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:28:24.86 ID:OuS4bWE60
んじゃあゆっくり転載
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:28:51.90 ID:OuS4bWE60
145 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:30:37 ID:/og7r/pa お題はダイヤ。 すっげぇ難しいお題だと思ったのは果たして俺だけなんだろうか? 発表された瞬間は『面白そう!』と興奮したんだけどね。やっぱりそう簡単にはいかないらしい。 数も少ないし全巻をやってみることにした。結構きついことも書いてるんで、その辺は流すなり受け止めるなり勝手に選んでほしい。 以下感想。 No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ ◇zsc5U.7zok 自分の作品。 今回は重い上にそこそこのインパクトのある話を書こうとした。んで、こうなったw まぁ内容はどうでもいい。オスカー・ワイルドに敬意を表します。 そういえば、オスカー・ワイルドでネタ被ったって言ってた人いたよね? 果たしてその方は書いたのだろうか? もし、書くのを諦めたのだとしたら謝っておく。 まぁ、こういうネタ系の小説は早い者勝ちってことで一つ。 No.02 ロマン! ◇K0pP32gnP6 導入部分が少し分り辛いな。二人掛けソファーを右と左で分けるってのは少しやり過ぎじゃないだろうか? んで読んでいったけど、描写部分と会話部分で濃さに差がある気がする。 会話は部分はほとんど描写が描かれずに、それと完全に分かれてしまった地の文で説明がされている。 これは正直かなり読みづらくなると思う。狙っているのかは分らないけどね。 んでその地の文が、最初にあげたように無駄に描写が細かい。 確かに、ここまで詳しく描写すべき物語もあるだろう。ただ、これはその類の話ではないと思うな。 物語は……甘いw なんて甘ったるい話なんだろうw 嫌いじゃないよ。 ただ、少し展開が唐突かな。クイズからいきなりロマンって言葉が出てきて、んでベタ甘展開へ。 もう少し、繋ぎ方が良ければもっと面白かったんじゃないかと思う。
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:29:27.99 ID:OuS4bWE60
146 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:31:26 ID:/og7r/pa No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ ◇gNIivMScKg ありふれた逸話ってのは違和感がある。逸話ってのはそもそもあまり世に知られていない話のことだろう? ありふれていたら逸話じゃないと思うんだ。細かいけど気になったから指摘しておく。 んで、読んでいくうちに思ったんだけど、ちょっと堅すぎじゃないかな。文体、漢字選び、単語選びなどなど。 例えば、藪蛇はヤブヘビの方がいいんじゃね?とかね 物語はホームドラマかと思いきや、過去の切ない恋愛に触れてみたりするんだけれど、なんか文体が堅くて入り込めなかった。 ただ、オチは良いね。この終わり方は切なさだけを狙ったような安易な物ではなく、読後の爽快感を得られる。 これも書き方によって、もっとずっとクオリティは高くなったと思う。 No.04 ガラクタ ◇m7XPiAsnu うわ、暗い。いや、ごめんね。俺も暗いの書いてるから人のことは言えないのだけども。 確かにメッセージ性は伝わってくる。何となくだけど、こういうことが書きたいのかな? と想像できる。 ただ、悲しいかな、この作品には物語性は皆無だと思うんだな。 よく、このスレで使われている感想を俺もこの作品に使ってみたい。 「詩みたいだね」 ただね。俺はこの作品が凄く好きだよ。何とも言えない余韻が心地良かった。 No.05 すれ違うダイヤと ◇IPIieSiFsA 俺、Wiiやったことないんだよなw だからイマイチ想像つかんけど頑張ろう。 描写が軽いってのはこの話に言っていいかどうかは分からんけれど、それでも状況をもう少し詳しく知りたいかも。 あとは、視点切り替えかな。これはかなり気になった。正直な話、これなら最初の男視点はいらないってくらいだ。勿論個人的には……だけど。 まぁ内容はベタベタのアマアマだよw 俺は好きだからいいんだけどね。 オチの前、指で輪っか作ってのくだりとかにやけ死にしそうになったw ただなぁ……。うーん。オチはこれで良いのかなぁ。まぁこれ以外無いんだろうけど、ちょっと微妙。 直前まで忘れてたとはいえ、身の回りの物を売り払って指輪を買われても、嬉しさよりむしろ罪悪感に近い後ろめたさが残ると思う。 というか、物を売ってまでプレゼントを買うって、正直重いかもw
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:30:14.95 ID:OuS4bWE60
147 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:32:21 ID:/og7r/pa No.06 Miss ディレクション ◇pxtUOeh2oI 困って戸惑うって何か違和感があるかな。どっちかだけでいいと思う。それともわざとか? んで、読んでまず思ったこと。お題どこw? いや、トランプネタはあると思ったけど、結構豪快にシカトしてないかいw? 文章の書き方は、なんか見たことがあるんだよなぁ。別酉にもこの書き方の人がいるんだけど、流行ってるのかな。 描写は丁寧で良かったと思う。 物語は……うーん、微妙。微笑ましさを感じる一歩か二歩手前って感じ。描写に注意が行き過ぎてってわけじゃないとは思うけど。 手品やって終わっちゃってるんだよね。何か足りない。惜しいって感想。 No.07 LSDと大麻 ◇FXPnH3Ytxs うーんと……いや、分かるんだけども分んないというか。 何だろう? この作品のどこに面白さを見出せば良かったんだろうと思った。 叙述トリックならこの題名はあまりにストレートだしなぁ。 そもそも面白い物を書こうとしてるかどうかさえ疑問だ。いや、別に面白く書こうなんて考えている必要は無いと思うのだけどね。 ただ、俺はこの作品を読んで興味を持てなかった。好きなのは雰囲気くらいだろうか。 もし、ただ雰囲気だけを描こうとしていたのなら成功だとは思う。 別に貶しているわけじゃないけど、気に障ったらゴメンね。読み解けてないのかもしれないけど、これくらいしか言えないや。 そういえばお題は? No.08 ダイヤはどこ? ◇Kq/hroLWiA あー、単語選択が微妙。統一されてない感じだ。まぁこういうのって読む側の感性と書く側の慣れなんだろうけどね。 単語にバラつきがあるせいで、文章が所々でぶった切られてる。 その上、これって群像劇だろう? 視点がコロコロ変わる上に、文章が読みづらかったら話に入れない。 だから途中から読むのが面倒臭かったw ゴメンね。 この短さで群像劇は結構無理があるんじゃないかな…と。
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:30:49.16 ID:OuS4bWE60
148 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:33:29 ID:/og7r/pa No.09 ダイヤ ◇58wWTUZA1. ぐあ……疲れる。これは詩じゃないの? って言いたいのだけど、実はこれと凄くよく似た文章を知ってるんだよね。 レーモン・クノーの文体練習に出てくるんだ、こういうの。 それ自体はほとんどジョークみたいなものなんだけど、これはどうなのかな。 ってか、あんまり読み解こうって気になれないw 面倒な上に間違ってたらイヤだしなw 本人はこういうものを書きたくて、んで書いてそこで満足出来ているのだろう。それならそれでいいと思う。 まぁこんなとこで。 No.10 空中庭園 ◇Mclain.ggg むー。これもなぁ。世界観と雰囲気はいいんだけども。 結局、何が言いたいのかがよく分んない。この物語はこれで完結なのだろうか? 読みやすいっちゃ読みやすいんだけど、それ以外にあんまり気になるところを見出せないんだよね。 んで、お題はどこよw No.11 どーなつ。 ◇/sLDCv4rTY 面白いんだけど、「脇」の意味が分からなかった。いつもと違って読み解こうって気も起きなかったし。 多分、話自体が分りやすくて、夢のくだりが浮いちゃったんだと思う。 いや、俺も自分でイマイチ適当言ってる気がしてるんだけどねw で、結局最終的には分らないって結論に落ち着いてしまうんだけども。 氏が時々、分らないって言われて凹む的なコメントしていることがあるけれど、それは本当なのだろうか? いや、多分本当ではないのだろうとか思いつつ、いつもとは一風違う話を読めて結構満足であったり。
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:31:34.40 ID:OuS4bWE60
149 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:34:34 ID:/og7r/pa No.12 Who Killed The Radio Star ◇IGEMrmvKLI 分かんねぇw まず俺は音楽は苦手だから、仮に有名ミュージシャンの名曲に関する物であっても理解は出来ない。 というか、それは知識を読者に強要することであると思っている。 次に、俺は英語が苦手だから、英文を書かれても、それがどんなに簡単だとしても読む気は起こらない。 そして、それを踏まえると俺はこれを半分も読めない。 だから全く楽しくない。 買っていないゲームの話題で、自分の友達が盛り上がっているのにその輪の中に加われない感じ。 No.13 ダイヤレイン ア リング ◇RlxBNHMmBo ぐぁ、だめだ。文体が肌に合わない、ってかそもそもルールを守ってない。 見た目で読む気が無くなってくる。 頑張って読んだけど、イマイチ楽しくない。 ゴメン、ここまで。 No.14 嘘 ◇iwRfrgecCQ 半ば半狂乱はどうなの? 重複表現を狙ってるのだろうか。文体練習読んでから、ミスをミスと思えなくなったんだよな…。 あんなもん読むんじゃなかったw んで内容だけど……うがぁ、つまらない。 ダイヤが油を弾く云々の所とか、ダイヤを調べてそのまま使った感じが否めない。 んでそういうのが見えてきちゃうと、もう話全体が出来の悪いミステリっぽく感じられてしまう。 そもそもミステリが好きじゃない自分としては、これはって唸らされるレベルでないと必然的につまらないって結論になってしまうんだよね。 酷評ゴメンね。
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:32:10.32 ID:OuS4bWE60
150 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:35:50 ID:/og7r/pa No.15 音速の恋人 ◇QIrxf/4SJM 他の方が感想で言っていた。描写や文章は凄い、しかし話が稚拙だと。 しかし、それは少し違うと思うんだな。この人の場合、その描写と文章の凄さが話の内容への期待へとつながってしまうのだと思う。 さて、毎度思うけど、貴方の文章は鬼ですねw 普通の人なら面白いという感想が到達点というか、最高の評価。 だけど、貴方の場合、面白い+技術の高さでかなりの高さの下駄を履いているようなものなんだよね。 まぁ、それは貴方の武器なのだろうけども、卑怯という感想しか持てませんw お題がちょっと薄いかなってくらい。 話はファンタジー。面白かった。設定も良いね。ああ、なんか褒めすぎるのも癪だな。 こんくらいでいいや。文才自重しろ。そういや、ダルマの話まだー? No.16 ブリリアントレディ ◇0CH8r0HG.A なんか、貴方の作品はいつも◇QIrxf/4SJM氏のすぐ傍にある気がするw 間の悪さなのか偶然か、それとも意図的に挑戦してるのか。 まぁそんなわけないよねw もしかしてアッ(ry さて、何よりもまず言っておきたい。指輪に主人公の内面的意思のような含みを持たせたことは間違いだったと思う。 この話にそんなものはいらない。むしろ、指輪のキャラを殺す原因になってしまうと思う。 話は面白かった。良いニヤニヤ具合だった。オチも爽快。 No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 ◇ecJGKb18io 可もなく不可もなくって印象。よく言えば安定感のある、悪く言えば特徴の無い。 こういう作品が一番感想書きづらいなとか言ってみたり。 あんまり細かく突っ込むのは好きじゃないんだよね。 とりあえず、主人公の心情の変化が唐突かな。いきなり犯罪に心が流れるから、え? ってなった。 こんな会社はいやだなというのが最も強く思ったこと。 それ以外は特にありません。
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:32:52.93 ID:OuS4bWE60
151 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:37:02 ID:/og7r/pa 時間外1 ワロタwww 時間外No.02 ピンクダイヤ ◆ZnBI2EKkq. なんとも馬鹿馬鹿しいw しかし、これって別にダイヤでなくてもいいのでは…… まぁ今回そういうの多いよね。 仰々しい前振り→本編→馬鹿馬鹿しいオチは王道パターン。まぁそうなるわなって感じ。 ただなぁ……うーん勿体無い。 それぞれのキャラがあんまり活かされてないと思った。そのせいかは知らんけど物語も尻切れトンボ。 もう少し練れば面白くなる要素はあったと思う。 時間外No.03 ダイヤモンドに恋してる◆AyeEO8H47E なんつうカス男w いや、別の面で言えば一途なのかw そして馬鹿馬鹿しいオチ。うん、いいんじゃね? 面白いかどうかは微妙なラインだけどね。 これも話に対してキャラが全く無いから、魅力が無い。 まぁ初読みでクスリとさせて、それで満足って作品ぽいからそれでいいのかもしれなけどね。
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:33:39.33 ID:OuS4bWE60
152 名前: ◆zsc5U.7zok :08/03/24 14:37:56 ID:/og7r/pa 総感的なもの ニヤニヤと詩モドキがやたら多かった気がする。前者は好きだが後者は嫌い。だって、詩モドキって詩ですらないんだぜ? 本人がいくら小説ですと言い張った所で、結局『分らない』の一言で片付けられてしまいそうな作品が結構あった。 まぁプロじゃないんだから好きに書けばいいとは思うけどね。 やっぱり、しっかりとした軸のあるストーリーが好みだから、どうにも抽象的なのは敬遠したくなるね。 まぁ、面白いのなら何でもいいってのが真理なんだろうけど。 ただ、本人が「〜を書いて何が悪い!」ってのたまうような作品に限ってつまらないというのもまた真実。 お題の難しさもあって面白かったのは3つか4つくらい。総数の関係もあるけど、ちょっと物足りなかった。 個人的な感想をつらつらと書いているので気に食わなかったらスルーよろ。 投票は後で。んじゃこの辺で。
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:40:01.97 ID:L9BW6cmZO
転載d
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 15:59:19.02 ID:d3wpPXhTO
全感オツオツ 転載オツ
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 16:37:28.04 ID:d3wpPXhTO
ほ
お題クレヨン><
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:11:35.73 ID:RdG1tpTD0
解剖学的嗅ぎ煙草入れ
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:12:43.14 ID:d3wpPXhTO
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:19:39.08 ID:buCYO1b9O
マーサとしろくま
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:20:06.90 ID:o2d+W3dU0
お題くれ↓
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:20:34.57 ID:RdG1tpTD0
バラン
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:21:00.09 ID:o2d+W3dU0
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:22:00.65 ID:buCYO1b9O
お題おくれ
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:32:42.33 ID:d3wpPXhTO
愚
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 17:58:50.79 ID:d3wpPXhTO
おほほ
572 :
お題:バラン 1/2 :2008/03/24(月) 18:06:41.37 ID:o2d+W3dU0
はなさかじいさんなんていう昔話がある。細かい部分は覚えちゃいないが、 どこかに住む良心的な爺さんが、死んだ飼い犬の灰を撒いたら、桜が咲いたとか なんかそういう話だ。そしてこの話の最初のほうで、ある特徴的な擬音が登場する。 犬がここ掘れワンワンだかニャンニャンだか言って指し示した場所を、爺さんが掘ると お宝が出てくるのだ。『ザックザック』と。このザックザックという表現が、僕は 正直言って気に入らないんだよ。なんだよザックザックって。何の音だよ。 不幸なことには、僕は『ざっくばらんな性格だね』と言われることがある。『ざっく』ばらんだとさ。 よしてほしいね。どうしても僕の性格を言い表したいなら『ばらん』と呼んでほしい。 『ザック』を省いてね。いい考えだろう。そもそも『ざっくばらんだ』っていう評価自体、 僕にふさわしくないんだ。そんなささいな擬音を気に入らなくてイライラしちゃうくらい、 僕は神経質でケチな男なんだよ。自分ではそうだと確信している。でもそういったことを 親愛なるスズキ君に話したとき、彼は鼻で笑ったね。僕はすこし腹が立ったよ。
573 :
お題:バラン 2/2 :2008/03/24(月) 18:07:19.26 ID:o2d+W3dU0
「それで、バラン君」 スズキ君は口元は笑いを堪えているのか変な感じになっていたが、目は完全に笑っていた。 声色もなんだかおかしそうだったしね。 「よせってば、言った通り僕は、ザックでもバランでもないんだから」 「いいや、バラン君は自分で自分をよく理解できてないよ。それで君は」 言い返す暇も与えずスズキ君は続ける。 「一昨日からずっとそんなことを考えてたのか?」 一昨日。そのキーワードに思わず怯みそうになるが、僕は言葉を搾り出す。 「そんなまさか。他にもいろいろ考え事はしてたよ。次のビデオ返却日には新しく何を借りようか、とかね」 「他には?」 「次の日曜の予定のこととか、火曜か水曜には服を買いに行こうとか」 「考えたことの中に、彼女にどうやって謝ろうか、ってのはなかったのか」 スズキ君の一言に僕は打ちのめされたね。彼に目を合わせることも出来なくなって、俯いてしまった。 彼が言ったことはもちろん考えたさ。ただ結論がでなかっただけ。『ざっくばらん』よりは『ばらん』の方が良い、 っていうふうには上手いこと片付けられなかったんだ。 僕が言葉に出さずとも、スズキ君はなんとなく分かってくれたようだ。彼は次に予定があると言っていたから、 ぼちぼち僕の家から引き上げる準備をしながら、こう言った。 「ざっくだとかばらんだとか考える前に、彼女の誕生日くらい覚えといたほうがいいぜ」 ああ、まさしくその通りなんだよな。 彼女に言われた『あなたってざっくばらんな人ね』って言葉はいつまで経っても頭にこびり付いてるっていうのにさ。
574 :
お題:バラン 2/2 :2008/03/24(月) 18:08:19.95 ID:o2d+W3dU0
品評会逃したけど久しぶりに一般で投下。 批評待ってます。
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 18:26:46.94 ID:o2d+W3dU0
ほ
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 18:56:22.10 ID:o2d+W3dU0
ほー
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:01:48.93 ID:OuS4bWE60
******************【投票用紙】****************** 【投票】:なし 気になった作品:No.08 ダイヤはどこ? ◆Kq/hroLWiA氏 ―感想― こういうのも叙述トリックっていうのかな。とにかく、あれ? と思わされて読み返すってのは個人的には楽しい。 時系列が頭の中で理解できたとき、ああ、なるほどってなるのとかね。 ただ、誰かも言ってたけど、ダイヤを盗んだバイクのたっくん……はまあいいとして 子供のたっくんが酷すぎるのでいい話でまとめるには苦しい気がした。 気になった作品:No.15 音速の恋人 ◆QIrxf/4SJM氏 ―感想― 難しく考えることなく自然に物語に入り込めるのはさすが。 でも音速だからといって全ての罠を壊しつくすのは無理があるような気がするし リディアの両親の話もやや投げっぱなし、他にもちらほら腑に落ちないところが。 全部が納得できてれば投票してたかなあ。 **********************************************
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:21:13.97 ID:d3wpPXhTO
ほ
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:42:04.77 ID:d3wpPXhTO
ほ
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:48:29.30 ID:5gRJeUpZ0
保守
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:57:03.06 ID:DHrCbS+QO
一票も入らない予感w プロット無しの急増だとやはりダメなのか……。 誰かお題下され
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 19:58:41.34 ID:o2d+W3dU0
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:11:55.82 ID:d3wpPXhTO
ほ
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:13:27.17 ID:OuS4bWE60
プロットって作んなきゃダメってことないよな 行き当たりばったりの方が面白い展開になったりすることもあるし あった方が上手くまとまる可能性が高いけど 良し悪しなところもあるんじゃないかなあ
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:18:44.11 ID:jf0idnWA0
こういったところでの掌編の場合、プロットないしは脳内プロットが無いと、 まとまりが無くなり起承転結がなくなりメリハリがなくなり面白さが無くなり読む気がまるで無くなる。
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:27:01.99 ID:OuS4bWE60
レス数が決まってる品評会とかは最初にある程度決めとかないと 制限までに収集がつかなくなることは多いな、俺は ただ通常作品については適当に一文書いて思い浮かんだ文章をさらに書いて そこからさらに思い浮かんだストーリーを書く、ってことはままある これも物語を思い浮かべた時点で脳内プロットと呼べるのかもしれんが
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:28:54.61 ID:jf0idnWA0
というか一切プロットを持たずに書ける奴が居たらそいつは天才だろう 多分指になんか憑いてる
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:29:34.00 ID:jKIrbkFv0
プロットはお題をもらった瞬間こういう話にしよう、これなら面白そうだってのが即効でてくるんだが 起承転結の転の所でどうやったら、違和感なく結に繋げるかを考えて止まってしまう。 「違和感がない繋がり」これが俺の課題
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:32:12.30 ID:vaTcJN+u0
ぶっちゃけおまいら文才ありすぎ。作家になっちゃえよ
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:38:55.54 ID:yy4sMrEh0
オレは基本を守る、かな。思いついた事は書く。で、プロットできる。 その時にボツになったアイディアや構成も、紙に残っていれば後に使えるかもしれないからね。 お題ください
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:39:59.71 ID:DHrCbS+QO
>589 実は単発のページ埋めをしている作家が三人ほどいるわけだが。
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 20:41:40.42 ID:wG5fsssD0
正直短編というよりショートショート程度の長さだし、起と結だけでもいいんじゃねーかなと思ってたりする
そういう話書けたこと無いけど。
>>590 塩
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:00:17.34 ID:jf0idnWA0
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:01:40.38 ID:s5G7Xlde0
>>577 ダイヤを盗んだバイク男はたっくんではないと思うのだけれどもw
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:20:24.43 ID:vaTcJN+u0
欝
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:28:41.26 ID:FyuahwS2O
病
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:34:01.45 ID:RdG1tpTD0
俺は関心票も入らないだろうなぁ 来週はわかりやすくておもしろいものを書くようにしよう 練習のためにお題くれ
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:37:38.10 ID:FyuahwS2O
毒虫
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:39:11.38 ID:RdG1tpTD0
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:41:01.38 ID:vaTcJN+u0
時間が止まればいいのに
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:43:55.34 ID:jf0idnWA0
止まったぜ
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 21:58:38.47 ID:2A5buk4+0
ほ
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:06:40.41 ID:3NxCPPFx0
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_ -''":::::::::::::`''> お題ちょうだいよお題!!! < ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______ |::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 ::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| `! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | ,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / ,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:08:12.97 ID:RdG1tpTD0
OMG
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:14:04.80 ID:LakKCbwz0
お題ちょうだい
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:17:58.45 ID:jf0idnWA0
ゆっくり
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:19:25.96 ID:LakKCbwz0
承知した
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:21:05.07 ID:OuS4bWE60
>>594 > 口元がつりあがる。俺は指輪を手に部屋を出た。と、それと同時に、家のどこからか母親の声が響いてきた。
>「たっくーん。どこー? おやつの用意が出来たわよー」
でバイク男はたっくんと判断したんだけど 過保護な母親を嫌う息子かな、と
他の兄弟を呼ぶ声と解釈できなくもないけどさ
作者に聞くのが一番早いな
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:29:12.06 ID:PSwsHLpL0
お題下さい
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:30:11.38 ID:lTud3zm70
輪廻転生
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:31:20.12 ID:lTud3zm70
お題ください
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:31:47.78 ID:I/XKQxfZ0
お題おーくれっ!
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:32:06.60 ID:AHsEbLEU0
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:35:48.39 ID:3NxCPPFx0
もひとつお題ください!!!!
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:36:49.90 ID:3NxCPPFx0
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:38:58.33 ID:I/XKQxfZ0
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:40:13.63 ID:bQ5VIrZaO
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:47:16.51 ID:3NxCPPFx0
おだいはあく!!
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:52:31.86 ID:lTud3zm70
把握しましたw
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:58:55.44 ID:sXq3yl/k0
うし、俺にもお題オクレ兄さん!
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 22:59:45.97 ID:Fn5kJv2K0
お題を――下さい!
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:00:33.65 ID:jf0idnWA0
ラッシュ
624 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/24(月) 23:01:36.09 ID:943FUvmZ0
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:02:57.86 ID:sXq3yl/k0
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:04:57.93 ID:2A5buk4+0
627 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/24(月) 23:05:25.71 ID:943FUvmZ0
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:16:56.37 ID:lTud3zm70
投下します
629 :
双子 :2008/03/24(月) 23:18:06.38 ID:lTud3zm70
「どうしたの?」 双子の弟は僕に尋ねた。 「考えごとをしていたのさ。」 弟はとても不思議そうに僕を見つめた。 それは僕にとって、この上なく辛いものだった。 弟が次に何と言うのか、僕は容易に想像することができた。 「そろそろ行かなきゃ。またくるね。」 僕は腕時計を眺めながら、弟と目を合わせることもなく、そう告げた。 僕は逃げたのだ。そうではないと自分に言い聞かせながら、僕は必死で逃げた。 弟が尋ねてくるであろう質問に対して、僕はどう答えていいかわからなかった。 僕は弟に嘘をつきたくなかった。 彼は僕だ。 逆に言えば、僕は弟なのだ。 だから回答を避けた。 自分に嘘をつくのは忍びなかった。 僕と弟は表と裏のような関係で結ばれていた。 僕が表で弟が裏なのか、僕が裏で弟が表なのかは分からない。 でも、もし僕が裏だったとしても、僕は弟を裏にしただろう。 裏の裏は表。 だから、僕は弟から逃げた。 次までに答えを出しておけばいいと思った。 もちろん、次なんて無い。 終
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:21:44.46 ID:sDOqtEok0
お題くれ
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:23:18.47 ID:jDnoODbb0
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:23:56.72 ID:FyuahwS2O
携帯からお題くれー↓
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:24:08.61 ID:sDOqtEok0
そんなお題にはナットクできないのでいやです
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:25:05.13 ID:FyuahwS2O
635 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:26:42.24 ID:Sv94mZqf0
今回は感想とも言い難いものなので鬱陶しいという方は読み飛ばして。 No.01 幸福な王子 グリム風カルパッチョ 5/5 ◇zsc5U.7zok 本当に美しいものは何なのか、という問いを物語形式で。幼い天使たちは一体どこで 泣いたのか、神様は何を美しいと思っているのか。王子が美しいのか、スワロが美しい のか、はたまた民衆が美しいのか。美徳と行動は必ずも伴わない。均一な形のダイヤと は違って、心というのはとてもバランスが悪い。見方や向きを変えれば美しくも汚くも 見えたりする。そういう意味で決して王子が美しいとは思わなかった。守るべきものと 守らなければならないとは違う。王子には守らなければならないものがない。良くも悪 くも輝いていたのは王様なんじゃなかろうか。 No.02 ロマン! 1/4 ◇K0pP32gnP6 マラソンのゴール直前の100メートルをブラウン管を通して見たような。新聞のラテ 欄には「本日結婚」と大きく見出しがある。タイムスケジュール通りに始まり、予定通 りに終わりを迎える。これはタイトルの「ロマン!」という言葉に凝縮されるものだと 思う。まさにロマン! だけれど道端に落ちている卵のような石に躓いただけで終わる こともある。ダイヤモンドの効力は二年以上持つのだろうか。 No.03 ダイヤモンド・ガナッシュ 1/5 ◇gNIivMScKg 黒いダイヤはゴキブリさんだろjk。とある高名な監督は「試合の八割は投手で決ま る」と言う。愛情がないな、と思う。他の八人で残りの二割を振り分けて、そのうち、 キャッチャー、セカンド、ショートのセンターライン、それからクリーンナップを考え ると六番サードの「俺」に当たる分はいくらになるのだろう。限りなくゼロに近いが、 それでも1カラット分はあるのではないか。この作品はその1カラットの輝きがなければ 本当にしょうもない話だと思う。だけどちゃんとその分の輝きはあった。物書きは監督、 エースを磨こう。八割とまではいかないけど、少なくとも半分は本筋による。それでい て他の八人がちょっとずつ輝けばいい作品になりそうかと。
636 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:27:15.94 ID:Sv94mZqf0
No.04 ガラクタ 1/3 ◇m7XPiAsnu. 物を大切に。小さい頃から洗脳するように言われてきたにも関わらず、今に至るまで 浸透しきっていないどころか、全く身から剥がれ落ちてしまっている。こういう生き物 だから、と達観するのも悪くはないけれど少しは抗いたいと思う。価値の迷走で被害を 受けるのは果たしてブリキの私なのか、人なのか。短いスパンで見れば前者かもしれな い。長いスパンで見れば後者なのかもしれない。ハンス・ヨナスの未来倫理、責任の所 在に通じるものがある。「私」の最期の言葉で気付かない人間は馬鹿だ。 No.05 すれ違うダイヤと 1/5 ◇IPIieSiFsA 美希ちゃんはきっといい子だ。しかし女性というのはなんでダイヤモンドにこだわる のだろう。間違いなく洗脳。バレンタインデーのチョコ同様、業界の洗脳だ。それが悪 いとは思わないけど、どこかずれているような。パスタとオムライスと同じで。プレゼ ントを上手い具合に使っているような気がする。個人的にはもうちょっと台詞を減らし てスマートにしたほうがいいと思ったけど、正直これはなんともいえない。この二人が 価値を見失っていないのかどうかはまた別の話かもしれない。 No.06 Miss ディレクション 5/5 ◇pxtUOeh2oI 手品師にとって大事なのはタネでもトリックでもなく、己の技術だと誰かが言ってい た。トリックを懇切丁寧に描写する、というのは面倒臭く且つ大変難しい作業。その中 できちんと描写した貴方は物書き師。タネで勝負するんじゃなく、己の技術で勝負した。 タネなんてないのかもしれない。しかしそれは見せ掛けのもので、きっとタネがある。 多分、自分を含め他の人が書こうとしてもこうはいかないだろうから。陽があって対極 に陰というものがあるのならば、これはきっと陽。今回は本質的に陰の作品が多いよう に感じるからいっそう輝いた。どちらがいいというわけではなくてきっとその中間が一 番心地良いのだろうとも思った。
637 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:27:50.90 ID:Sv94mZqf0
No.07 LSDと大麻 1/4 ◇FXPnH3Ytxs 連結部分が不鮮明。パパはソウを愛していて、でも草も愛していて、秀吉君はちょっ と勘違いをして、でも全くの勘違いではなくて、わたしはソウを知らないようでいて、 でも知っていた。英語弱いのと音楽に疎いのとで見落としがきっとあるに違いない。 ワケアリの固有名詞は凄くリアリティと匂いを感じさせてこともあるけれど、分からな い場合は一層遠くに離してしまうもの。この作品がそうだとは思わないけど。やっぱり パパはあんまり賢くないのか。 No.08 ダイヤはどこ? 5/5 ◇Kq/hroLWiA ジグソーパズルが好き。最近のはパズルの裏地にA-2とかの番号がふられているのも あるけど、やっぱりそんなのないほうが楽しめる。この手法は自分もやってみたいと思 ったことがあるが断念した。5レスという制限がある以上、これはやっぱり難しい。ま してや展開だけに止まらずそこに意味と意図を持たせようとすると多分不可能。こうい うもののミソは時間。同じ場所同じ空間にもうひとつの余白を作ることが出来る。電車 のダイヤじゃないけど、余白を余白にしないようにきっちり作らないといけない。でも ちょっとやりすぎただけだ。加減が大事。 No.09 ダイヤ 1/2 ◇58wWTUZA1. ルールからはみ出すのは構わない。それでも片足、片手だけが限度だと思う。読ませ たいと思うのならば。視点、代名詞。少なくともこれだけは分かるようにしなければ ならない。遊び心はあっていいと思う。
638 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:28:07.78 ID:Sv94mZqf0
No.10 空中庭園 4/4 ◇Mclain.ggg ゲームの取り扱い説明書を思い出した。このゲームはこういう世界で、悪い魔王によ ってこういう状況に陥っています。あなたは剣を取り弓を取り、魔王を倒してください。 この作品にはそれが必要だ。もしそういうものじゃないんだとしても、分からない。た だ分からないのと面白さというのは必ずしも乖離するものではない。これが厄介。 No.11 どーなつ。 1/4 ◇/sLDCv4rTY 特徴があるせいか、貴方の作品を見る場合は横の比較でなく縦の比較で見るくせがつ いてしまった。横でも総裁評価をしているつもりはないけれど。 ブルドックが可愛い。ビューラーでささがけ。竹刀で野球。 No.12 Who Killed The Radio Star 1/2 ◇IGEMrmvKLI ギチギチの割りに凄く読みやすかった。2レスというのもちょうど良かった。これが 好きな人は凄く好きになるのだろう。小説をどう捉えるか、の答えが読み手の数だけ あるから。 No.13 ダイヤレイン ア リング 1/5 ◇RlxBNHMmBo 早回しで揺れる。その分、感情移入出来る場面が薄いままいってしまい、終わって しまった。綱渡りのようなか細い線で繋がるのは悪くないんだけど、なんだろう。 リズムが悪いのかな。
639 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:28:36.12 ID:Sv94mZqf0
No.14 嘘 1/4 ◇iwRfrgecCQ 二重仕掛けというのかな。裏切りの裏切りという意味ではなくて。でもちょっと不 恰好すぎるのかも。アイディアをというよりは構成が上手く使われていない感じ。 見る目がない。この一言に尽きる。確かに見る目がないんだ。 No.15 音速の恋人 1/5 ◇QIrxf/4SJM 言葉遣いがいいね。すらすらと読めた。所々に突飛なポイントがあるのに、そのど れもに頼らずにやり切るというのは凄い。面白かった。 No.16 ブリリアントレディ 5/5 ◇0CH8r0HG.A 喋るダイヤなんてものが居たら、きっとロクな奴じゃない。高飛車で人の事を見下し てて、そのくせ相手をしないと怒り狂ってきかなそうだ。確かに「趣味が悪い」。 三角関係にならないことを祈るばかり。 No.17 ダイヤの誘惑、水晶の価値 1/5 ◇ecJGKb18io 最期の一文が抜けてた。誤字も。後は加減がまたもや弱かったか。 しかしやりたいことはやれたから満足。自作。
640 :
◆ecJGKb18io :2008/03/24(月) 23:29:29.43 ID:Sv94mZqf0
******************【投票用紙】****************** 【投票】: No.04 ガラクタ 1/3 ◇m7XPiAsnu. 魅せ方が巧い No.15 音速の恋人 1/5 ◇QIrxf/4SJM 書き方が巧い 【気になった作品】: No.06 Miss ディレクション 5/5 ◇pxtUOeh2oI 人物が魅力的 ********************************************** 総評 あっさりとしたものが多かったのかな。よく分からない回。 でも所々に、これは良い!って思う部分が多くあって、感心したりした。 肉食いたい肉食いたい言ってた子供が魚の旨さに気付いたような、 そんなモノがあった印象。ちょっと違うけど、エンタメって感じ。 時間が許せば時間外の感想もやりたいけど分からない。ごめん
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:29:29.45 ID:2A5buk4+0
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:30:22.04 ID:HR+3p2SH0
>>572 気になったところ
・場面の切り替わりがどうなってるのかわかり辛い
・情報の出し方が突然
場面の切り替わりは時系列が把握し辛いという点です
1レス目と2レス目で時間差はあるの?
二つ目は、いきなり彼女がでてきて
ザックバランと「僕」に言ったのは「彼女」
布石になっているようで全くつながりがない
彼女に謝るという主軸を最後まで隠していたけど
それで引っ張れるほど大きな出来事かな?
別の構成で見せた方が良かったんじゃないかなと思う
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:31:28.45 ID:FyuahwS2O
>>641 ありがとう
ちょっと落ち込んだ気持ちが楽になったよ
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:32:06.98 ID:jDnoODbb0
お題をください
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:36:42.03 ID:HR+3p2SH0
>>629 理由を描いて欲しい、投げっ放しジャーマンな文章
含みを持たせてなんとなく書いているという印象を受けた
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:37:07.53 ID:HR+3p2SH0
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:38:26.62 ID:jDnoODbb0
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:44:21.04 ID:HR+3p2SH0
お題を下さい 過疎って悲しくないですか?
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/24(月) 23:47:37.45 ID:eSt+f5hE0
>>648 神童
>>642 レスありがとうございます
1レス目と2レス目の間に時間差みたいなものはありません
1レス目の内容をスズキ君に話したということです。確かにその辺が分かりづらかったかorz
彼女の登場が唐突なのは確かですね…
1レス目では彼女と喧嘩してイライラして、
そんなつまらないことを考えている主人公を描いたつもりでした。
この話では自分ではちょっと別の構成が思いつきませんorz
新たにお題をください↓
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:01:42.91 ID:CJWnugpm0
投下します。
・・・が、ちょっと支離滅裂だなぁ、これ。
>>649 広場で
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:03:08.24 ID:AwJTiU3eO
>>634 >>633 じゃないけど書いたから投下するよー
あと初なんで色々とお手柔らかに?
お題「納豆」↓
彼が病院の待合室で、呼び出しを待っていると、隣に初老の男が座り込んだ。無遠慮に、 安い無骨な作りのソファを軋ませ、その男は足を組んだ。さらにはその男、ポマードの匂い がきつく、彼は思わず鼻をつまみ、眉根を寄せた。 (はて! どうしてこうも、人だかりの中で無神経になれるものかね、いい年をして) 休日ということで、病院内は人でごった返している。このような衆人環視の中で、他人に私的な 一場面を見せるなどと言うことは、彼にとって、到底考えられないことだった。 さらにはその男、何やら服をまさぐっているが、どうも右手にライターを持っている。ということは、 恥知らずにも、院内でタバコを吸うつもりでいるらしい。彼はもう、我慢ならなかった。 「ねぇ、あなた、かのようなラッシュ時に、自分本位だというのはひどく悲しいと思いませんか」 彼の皮肉げな語調にも関わらず、声をかけられた男は、まるで朝の挨拶でもかけられたかの
>>651 ごめん、かぶったみたいで
ように、ただ微笑んでみせた。彼はひどく腹がたった。なのでまた、口を開きかけたが、ふいに
男が、はっと真顔になり、どうやら何か思索を始めたらしいと、見て取った。
はてさて、鈍感なりに皮肉を受け取り、さぞかし愁眉か――そう思われたが、男が次に顔を
挙げたときには、まるで違う、何か一種独特の馴れ馴れしさすら浮かべ、彼に喋りかけた。
「ラッシュ、ラッシュと言われて何を思い浮かべる。俺は犬だ。名犬ラッシュをご存じかい」
「率直に言うと僕は知らない。けど、名前は知っているよ」
呆気に取られ、つい、素直に彼は答えた。
「それはご存じなのか、ご存じではないのか」
男が憤然と詰め寄った。これではまるで立場が逆だが、様々な疑問は、吃驚と好奇心とに
取って代わられたらしい。渋面どころか、むしろへつらうように彼は、言葉を探す。
「いやつまり、知ってはいるが、それは名前で・・・・・・うむ、知りません、名犬ラッシュは」 「実はね、これは名犬ラッシーと言ってね、ラッシュってのは間違いなのさ」 「しかしそれでも、僕はラッシーの方も」 「そんなことはいいんだよ! ラッシーでもラッシュでもナッツでもさ」 憮然と返し、男は右手のライターをしまう。ここにきて彼は、やっと自分の態度がおかしい ことに気がついたらしく、今度はもはや敵意を剥き出しにして男へ食って掛か・・・・・・ろうと したものだが、やはりかなしかし、男が口火を切った。 「名犬ナッツはね」 「ラッシーですよ」 出鼻を挫かれたものの、彼はこれだけ言ってのけた。
「失礼、ラッシーはね、飼い主と引き離されたが、家を抜け出し、少年のもとへ駆けだしていく のさ、なんて感動的なんだろう。だがね、ラッシーは売られた犬なんだぜ、君。困窮していた とは言え、ラッシーは売られた犬なのさ」 「それが何か」 「この中にも、何かを売ってきた人間がいるかもしれない」 「それが何か?」 彼は、当初の感情をもう忘れていた。この男、なるほど高慢ちきではあるが、なかなかの雄弁 さで、心地よい声をしている。なので、話を聞いているだけでも、何か安らぐところがあったのだ。 「わからないかなぁ、つまり、こんなラッシュの中にもさ、お涙頂戴の人情劇が転がってるかも しれないんだぜ、もっと目を凝らせよ。俺なんか見てるなよ」
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:07:17.06 ID:qfreF1Mi0
目欄は空にするといいよ
「いや、それは、その、どういう意味で?」 当惑し、若干身を引きながら、彼は口走った。なにやら”どうも嫌な予感がする”と感じたのだ。 「いやねぇ、君、作家志望だろう! ・・・・・・ほら、図星顔だ! 目でわかるんだよ俺は、いや、 同士よ、だってね君、あんな風に人間を観察してちゃぁ、まるわかりだぜ、なぁ」 傍目にも明らかに、彼はうろたえた。 「その・・・・・・僕は・・・・・・別に、あなたが、ライターを持っていたから」 「そこさ! 普通、そんな風にね、隣にいる奴のライターが注視できるかい! それにね、会話で もわかったもんさ! 君は、あれほどの対応をされていながら、俺の話を食い入るように聴いた。 これがまさに、作家志望って人種なんだな! 好奇心で生きるんだ。わかるんだよ、なぜって俺も ね君――」
658 :
お題ラッシュ 6/6 :2008/03/25(火) 00:08:17.49 ID:fVmN/KNF0
>>656 あまりにも長いので、目障りかなと、申し訳ない
「うるさいぞ! 僕は、決して作家志望なんかじゃない!」
彼が突如として、憤怒の叫びをあげた。男は当然、度肝を抜いて、あやうくソファから落ちそうに
なったし、待合室の人間はびくりと痙攣して、全員彼を瞠目した。
「よくもそんな・・・・・・衆目の中で、あーだこーだと言えるもんですね、えぇ、作家志望ってやつは!
なぜ見ていたかって、そりゃあんたが傍若無人だからだよ! 白痴め!」
最後に、つばを吐く動作をすると、彼は韋駄天そこから逃げ出した。残された男は、わけがわから
ぬと茫然自失であったが、ふいに、「やぁ、天啓だ、ネタが降りてきた!」と叫び(これでまた、待合室
の人間が二度目の痙攣を起こした)脱兎の如く逃げ出した。
(ちくしょうめ、だから、作家志望ってやつは、あぁ、作家志望ってやつは! とんでもない人種だ!
最低だ、屑だ、肥溜めだ! くそう、結局、腱鞘炎は診てもらえなかったなぁ、嗚呼!)
彼は家まで走りに走り、息切れの中、今日の一幕は”使えるかも”しれないと、考えていた。
これで終わりです。
659 :
お題:油 0/2 :2008/03/25(火) 00:10:54.33 ID:i13zfvvt0
では投下します
660 :
お題:油 1/2 :2008/03/25(火) 00:11:38.00 ID:i13zfvvt0
香織は急いでいた。きっとそれはセットしていた目覚ましが鳴らずに、寝坊をしてしまったからだ。 髪もろくたらセットせずに、ぐちゃぐちゃなままで、スーツも整えないで、よれよれなままで会社に向かった。玄関に出るときに足に何かがぶつかったが、それは多分妹の綾子が私への北海道土産として持ってきた熊の置物だったと思うので、気にとめなかった。 今日は疲れたな、と誰も聞いていない独り言を呟きながら香織は家に帰った。家に帰ったときに異変に気がついた。鍵が掛かってないのだ。しかし香織は急いでいて忘れたんだ、と思い、家に入った。そこで見たものに香織は驚愕した。そこにはなんと男の死体があった。 警察の調べによると、足元に油が広がっていたところから、「空き巣に入り、油で滑って頭を打って死んだ」ということだった。そんな馬鹿な、と香織は思ったが、朝ぶつかったのが油だったのならば、なんとなくだけれど、納得できた。
661 :
お題:油 2/2 :2008/03/25(火) 00:12:53.16 ID:i13zfvvt0
私は学校が終わると、家には寄らずに真っ直ぐお姉ちゃんの家に行った。聴きたかったCDを借りるためだ。姉からは合鍵をもらっていたので、姉がいなくても家に入ることは容易かった。 姉の部屋でCDを物色してると玄関で物音がした。しまった、鍵をかけ忘れた。ドアの横の壁から頭だけを出して玄関を見ると、30才ほどの男が立っていた。空き巣だ!と直感で感じた。 私はひどい焦燥感に襲われた。どうしたらいいかわからなくなった。どうしようどうしようお姉ちゃんに怒られる。 そんなことを考えているうちに、足音はだんだんと近づいてきた。男が玄関と部屋をつなぐドア付近にきたところで、私はとっさに近くにあった熊の置物で男の頭を強く叩いた。男はそのまま倒れてしまった。 私はひとまず安心したが、だんだんと、とんでもないことをしてしまったんじゃないか、という焦りを感じた。どうしようどうしようお姉ちゃんに怒られる。そう考えているうち、ひらめいた。
662 :
お題:油 2/2 :2008/03/25(火) 00:13:37.47 ID:i13zfvvt0
終わります。
663 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:14:18.87 ID:AwJTiU3eO
納豆の粘ついた匂いは生臭い。何処までも付いてくるような気がする。 まるで、身体の芯に染み付いてしまったような。 今日は納豆の雨が降った。 全く神様も気まぐれだ。何を考えて納豆を落としたのだろう。 白い糸が幾千の空を引き裂いて落ちてくる様は、その滑稽な事実に反してとても魅力的だった。 「大変ですね」 避難したとある軒下で、女性が話しかけてきた。 「そうですね」 苦笑い。 神様の御意志など知る由もない。ましてや、人の心なんか。 後ろ手にドアを閉めた。漸くの帰宅に、溜め息を一つ。 これから大変だ。 なにしろ、身体中に絡み付いた糸を処理しなくちゃならない。 身体に染み込んだ生臭い匂いに辟易しながら、まず服を脱ぐ事にする。 ふと、肩に引っ付いていた納豆に気付いた。指を伸ばし、摘む。 ぬるっとした感触は気持悪く、予想通り不味かった。 やはり、外になんか出るもんじゃない。 そうした経緯を経て、今僕は小説を書いている。 向かい合ったパソコンに、新しく文字が浮かんだ。 >大変だね soudane。 おしまい
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:18:01.72 ID:SWnOyXcu0
疾風怒濤の通常作品投下!!
>>649 神童把握
ただ、貧乏で天才ピアニストが
将来的に聴覚失ってしまうようなストーリーしか思いつかない
劇場で号泣したのは恥ずかしい思い出
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:21:57.71 ID:fVmN/KNF0
>>623 のラッシュというのはつまり・・・この投稿ラッシュを暗示していたのさ!!!
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:26:12.29 ID:h6g9kYOz0
>>658 三点リーダ使ってくれ
>>660 地の分に方言使わないでくれ
>>663 行頭一字下げしてくれ
眠いので内容については他の人からどうぞー
おやすみー
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:27:51.85 ID:zWoOlg5F0
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:32:36.73 ID:cFEWv8eu0
お題ください
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:34:26.41 ID:AwJTiU3eO
>>666 携帯からだから字数減るの嫌だし
絶対ルールならもう投下しないわ
わがままでスマンヌ
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:34:55.36 ID:Mgod/TRm0
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:40:18.48 ID:zWoOlg5F0
時数減るのがいやってイミフ 絶対ルールなんてものは存在しないけどさ
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:40:55.70 ID:zWoOlg5F0
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:41:02.64 ID:fVmN/KNF0
>>666 俺のATOK・・・
三点リーダだと思ってたら、ただの半角黒点でした。
どう見ても(ry
>>667 分数・・・ってなんぞや。すまん、浅学なもんで。
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:42:16.84 ID:qtqH93m70
>>673 レス数のことだと思うよ。6/1になってる。
まあ、一字下げてないと見にくいのは見にくいよね。
675 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:43:46.89 ID:1BvDGto60
テーマ。降格。 投下します。
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:44:08.72 ID:fVmN/KNF0
>>674 把握しました。実は4回目の投稿で気づいて、どうしようかと冷や汗かいたよorz
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/25(火) 00:44:20.46 ID:zWoOlg5F0
>>660 話が急展開すぎる。
一人称と三人称がころころ変わってる。
678 :
”降格” 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:46:04.38 ID:1BvDGto60
―――一体、俺が何をしたというのだ? 解りきった事だ。 何もしなかった、それじゃあ、この結果も仕方のないコトだ。 少なからず、俺にも希望があるとするならば――― ―――その希望。たとえ何をしてでも手に入れてみせる―――
679 :
”降格”2/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:48:02.97 ID:1BvDGto60
「あ〜君、うん? ああ! そこの君!!」 偉そうに椅子に座った、まるで蛙をような容貌をもつ彼、磯野國男(いそのくにお)社長が誰かを呼んでいる。 彼の性格、性質からして、部下の名前を覚えず、アレだとかコレだとかで指示をするのは皆が知っている事実だ。 しかし、皆も理解はしているが、彼の性格を許容している訳ではない。 当然だ。人を顎で使う人間の下で喜んで働けるほど、人の心は強くない。 今だって、先刻から社長が呼んでいた新人が、呼ばれていた事に気がつかず、彼に大目玉を食らっている。 「……ありゃりゃ」 係長というポストに入って一月経ったが、未だに大きな仕事がなく、漫然と日々を過ごしている俺にとって、その光景はある種面白かった。 なんと言っても、暇なのだ。退屈なのだ。 社会人十二年目。そろそろ何か大きな仕事に出会っても良い頃だと思うが。 ……と、言っても我が社は正直大きな会社ではないのだ、いつ世間の波に攫われて消えてなくなるやも知れない。 そんな会社にウン億円の契約がかかった取引なんてある筈もなく、俺こと五日市祐介(いつかいちゆうすけ)は 無難に書類の処理などの危なげない仕事を毎日して、家に帰って独り酒の日々を送っていた。
680 :
”降格”3/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:48:40.92 ID:1BvDGto60
―――その日も、無難な仕事を片付けていた。 特に他にする事もなかったから、呆と窓の外の、希望のない世界を眺めていた。 ―――すると、何かに呼ばれた声がした。 「おい! そこの! そこの!!」 ……どうやら、俺が呼ばれていたらしい。 急いで社長の席まで駆け寄ると――― 「おそいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」 ―――と、ウシガエルのような、うめき声のような低い声で怒鳴られた。 「……申し訳ありません」 「まあ、いい。もう関係がないコトだからな」 ? 意味深なことを言う。 関係ない? 「え〜。それで、ご用件は―――」 本当なら、こんなコト聞かなきゃ良かったのかもしれない。 だって――― 「―――うん。君、明日から来なくて良いから、というより、自主退社という形でお願い」 本当に、なにかが、崩れた、そんな、気がした
681 :
”降格”4/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:49:13.66 ID:1BvDGto60
その日から、俺は俺で無くなった。 今年で三十四歳の俺に新しい職場を見つけるのは難しい。 このご時世、三流大学出で三十を過ぎた男を雇ってくれるところなんてそうそうあるものではない。 そうしているうちに、生活はどんどんと右肩下がりになっていった。 俺が、何をしたというのだ。 ミスだってしていない。 ミスをする仕事も与えられなかった。 「―――ああ。そうなのか―――」 もとより、俺には期待の目を向けられていなかったのだ。 可笑しい。 全く可笑しい。 思い起こせばそうだ。 係長といっても名前だけ、年功序列を解りやすくしただけで、やらされるのは下っ端の仕事だけ。 これでは、リストラされるのも時間の問題だったという訳か。 こうして、徐々に地獄は出来上がっていった。
682 :
”降格”5/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:49:59.22 ID:1BvDGto60
俺の鼓膜に残るのは、人の優しい声なんかじゃなくて、銀玉がぶつかり合い、落ちて行くだけの、下らない博打の音だった。 無数の釘に踊らされ、堕ちて行く。 「ふふ、まるで俺みたいだ……」 たまに放出される銀玉。しかし、それが利益になる筈もなく、只、只、その銀玉は減って行った。 ―――噂によると、俺がつとめていた会社は、株式上場するらしい。 無理もない。俺がリストラさせられてから既に二年。あの会社が生き残ったという事はそういう事なのだろう。 「―――――――――」 ドンドンとやかましいドアを叩く音。 おそらく、否。確認するまでもなく、借金の取り立てなのだろう。 今は音一つ立てないまでに居留守が上手くなってしまった。今まで 何一つとして取り柄がなかった俺の、たった一つの特技と言えよう。 ふと、あの蛙の風貌をした社長の顔が思い浮かんだ。 ―――そして、一つの念が浮かんだ。 ―――憎い、と。
683 :
”降格”6/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:50:30.93 ID:1BvDGto60
社長の家ならば、場所は知っていた。 しかし、俺が知っていた建物はなかった。 なぜならば、そこには余りにも大きすぎる、屋敷がそこにあったからである。 そこに住んでいる人間は解りきったコトだ、社長は嘗て住み慣れたアットホームな我が家を取り壊し、この屋敷を建てたのだ。 ―――これでは社長に近づく事すらできないと思うのは早計だ。 しかし、俺は知っている。社長は昔から奥さんと娘を旅行に行かせ、その期間、不倫を楽しむ、という悪癖を知っていた。 その時、証拠を残したくないという理由から、社長はたった一人で彼女の元へ向かう。 ―――本当に、今の俺は頭が冴えている。 こんなこと、今まで一度もなかったのに―――
684 :
”降格”7/7 笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2008/03/25(火) 00:51:04.58 ID:1BvDGto60
「―――」 声を殺して待つ。 ―――社長(やつ)が出てきた時、俺はとにかく走った。 そして、持っていた包丁を社長(やつ)に突き刺した。 鮮血が舞う。 その場は阿鼻叫喚に包まれた。 関わりたくない、と決め込んだ近所はとにかく閑静なモノだ。 しかし、ヤツにはそんなものはなく、只助かりたいという、実に人間らしい這いずり回り方をしている。 ―――それに蹴りを加える。 ―――もう虫の息のその躯に馬乗りになり、包丁を何度も何度も突き立てる。 「■■■■■―――!!!」 もう、自分がなにを言っているのかさえ解らない。 ただ、もう、終わりという事を悟った。 その夜は、本当に月が綺麗だった。 その夜は、本当に血が綺麗だった。 〜了〜
「ここで何しとるか?」 空き巣のゴンタは、不意に頭上で声をかけられたので目を覚ました。 「そうか、俺は眠ったのか」 正午過ぎ、ゴンタは空き巣に入った。 滝川家は名高く知られた資産家であったが、いまやその面影はない。 母屋には人の出入りがないのだろうか、扉は植物のつるが絡まって開かなかった。 裏に回ると、ガラス戸から畳の部屋が見えた。 置いてあるものといえば仏壇とタンスだけで、とても資産家とは思えない。 戸に触れると、がらりと開いた。 畳の香ばしい匂いが肌に触れた。 現金や通帳が入っているのは、大抵仏壇かタンスだった。 だからゴンタはこの部屋を調べたらすぐに家を出ようと思っていた。 「なんで、ここで眠ってる?誰の許可を得た?」 ゴンタはまだ身を起こさない。首だけ声の方向に動かすと、老人が立っていた。 さっき仏壇で見た白黒写真の男の妻だろう。彼女はいまは未亡人となり、 彼女が一人で暮らすこの豪邸も生気を失ったというわけだ。 「俺は、空き巣だ」 居直り強盗にもなり切れていないだらしない格好で、ゴンタは言った。 「そんなら、金でも盗んでさっさと出て行け」 未亡人はゴンタを睨みつけた。 威勢こそ無いが、それが本心から出た言葉であるのは、寝起きで頭の働かないゴンタにも解することができた。 未亡人にとってこの邸宅は死んだ夫との思い出が詰まった神聖な場所なのだろう。 近年都市開発が進んだことで、この地域の土地の値段はうなぎのぼりだのに、 売りに出さないのは、そのためだろうか。 見れば未亡人の身なりは、とても金をもつ人間のそれとは思えない。 「俺はその人を、知ってる」 「あ…に?」 未亡人は驚きの声を漏らした。口は半開きである。
「だから俺は空き巣に入った家で眠ってしまったのだ」 「なにを…知ってるだ?」 ゴンタには師匠がいた。無論、空き巣のではない。 大学校に通っていた頃、近所に四百メートルトラックがある陸上競技場があった。 通学路ではフェンス越しに走る男の姿を見かけた。 それは益田という四十の男で、ゴンタは十八だった。 陸上部に所属していたゴンタは、その陸上競技場で練習をすることがあった。 益田は陸上部でも噂の人物だったので、自然、声をかける展開になった。 益田は四十でありながら百メートルを十一秒フラットで走り抜ける強靭な足を持っていた。 ゴンタはそれから、益田を師匠と呼び、毎朝一緒にトラックを走った。 ゴンタが大学二年生のときに一度だけ、益田の家に招かれたことがある。 六畳のこじんまりした部屋で一人暮らしをしていた彼は、 一升瓶を持ってゴンタと向かい合った。 「俺はもう、走れない」 益田は神妙な顔付きで、酒を注いだ。 「そりゃあ。もう競う年齢じゃあないでしょうから」 「まあ、そうだな」 益田は、日本酒が並々と注がれたコップをゆっくりと差し出した。 益田はそのコップからしばらく手を離さず、じっと見つめていた。 「俺ぁ、結婚するんだ」 不意にそう言い放った益田の顔には、もの悲しい満足感があった。 当時のゴンタは、純粋に陸上から身を引くという現実からくる感情だと思った。
「結婚相手はどうやら、あんただったみたいだな」 ようやく起き上がり、あぐらを掻いて未亡人の方に向き直ったゴンタは、笑顔で言った。 「わしは、益田はんをよう知らん。益田はんが死ぬまで、益田はんと呼んだんや」 益田は、ある資産家の女に婿入りしたのだ。 ゴンタが部屋で聞いた話では政略結婚ということだったが、益田はまんざらでもない顔だった。 「益田はんは病気の話を?」 「いや、俺には話してくれなかった。突然、競技場に来なくなった。 友人から益田さんのことを聞いたのは、それから一年後だった」 「わしと益田はんは長い時間を共有しとらん。結婚してすぐ、入院しなさった 益田はんのことは、昔から知っとった。運動場で走っとるときから知っとった」 益田の話題に対する興味とは裏腹に、未亡人の顔は哀愁に満ちていた。 「そういえば」 ゴンタはふと思い出した。 「益田さんが競技場に、俺宛の手紙を渡してたんだ。 俺は友達からそれを受け取ったが、手紙には競技場に行ってくれと書いてあった。 そのときはもうキャンパスが違ってたし、就職活動で忙しかったから結局…」 「益田はんの…?」 未亡人の声の調子があがり、目が少し輝いた。 「俺は空き巣なんだけどな…。いいよ、俺が見てきてやる。」
689 :
606お題『ゆっくり』4/4 :2008/03/25(火) 00:53:48.72 ID:ALO5+SEp0
競技場は、ゴンタの自宅から電車で二十分で行ける距離にあった。 まだ残っているという保証はなかったが、久しぶりにあの通学路を歩きたかった。 「ああ、やっぱり…」 競技場があった場所にはショッピングモールができていた。 当時の姿は跡形もなく、時間の経過の速さを思い知らされた。 そのまま大学へ続く道を歩いていると、ショッピングモールと住宅街との境目の、 大きな道があった。ゴンタはその道に吸い込まれるように入って行った。 益田。 入ってすぐ、表札にその文字はあった。 インターホンを押すと、中年の女性が出てきた。 「どちらさまで?」 「あの…突然すみません。…益田朝治さんのご実家でしょうか?」 女性は驚いた様子もなく、ただ意外な訪問者という顔でゴンタを眺めた。 「はあ…。朝治はわたしの兄…ですが…。」 「知っています。私は佐崎ゴンタという者です。朝治さんから、何か、聞いていないでしょうか?」 彼女が事情を知らないことは百も承知だが、思いがけず辿り着いた益田の情報に、ゴンタはかじりついた。 「…直接ではないですが…。競技場がなくなるとき、オーナーさんにいただいたものがあります。」 「それは…」 「靴と手紙です。…ただ、いまは、…残ってないんです…」 深いため息が出た。あの手紙を読んだとき、友達にでも頼んでおくべきだった。 益田の遺書を、もっと重要なものとして捉えておくべきだった。 無情なほどに速い時間の流れ。気付けばゴンタは当時の益田と同じ四十になっていた。 「でも、手紙はあなた宛じゃなくて、婚約者宛でしたよ。すぐに渡すべきだったんですがねえ…。思い出させてしまっても…。」 「え?」 「あ、いえ。なんでもないんです。ごめんなさいね、お探しのものは家には置いてないんです。」 礼を言って、ゴンタはあの未亡人に手紙を書いた。 益田はしっかり、あなたのことを思っていた、と。 そしてゴンタは、ゆっくりと歩き始めた。 了
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :
2008/03/25(火) 01:16:30.66 ID:lV7JRjXX0 ほ