文才ないんだから小説書くのと恥かしいセリフ禁止！

ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※

各まとめ入口：http://bnsk.daa.jp/
まとめwikiコラム：http://bnsk.daa.jp/wiki/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0
初心者の方は上記のまとめwikiコラムの他、掲示板を一度ご覧下さい。
小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています

（三行テンプレート）
１：お題をもらう（安価より「↓」を推奨）
２：もらったお題に沿った作品を書いて、完成させる。
３：「投下します」と宣言し、作品投下。メール欄は無記入、名前欄には「もらったお題」を表記する。タイトルは無くても可。

・１レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで（読みやすさの為に50〜60文字推奨）
・書きながらの投下は禁止
・お題をもらっていない作品はたとえ投下されてもまとめサイトには掲載されません

詳細は>>2-3辺りをご覧下さい

まずはお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります

▽投下の際の注意点
・投下宣言は「投下してもいいですか？」ではなく「投下します」。投下宣言が被らない限り、許可はいりません
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・名前欄 に『タイトル（お題：○○）　現在レス数/総レス数』　（例：『ＢＮＳＫ（お題：文才） 1/5』）を書いて下さい
・まとめる際にコピペがしづらいので、メール欄は空にして投下してください。
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてから、完成品をまとめて投下して下さい

▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題：保守」の通常作投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てられる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に

▽その他
・通常作品でもトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます

▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます

▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい（酉は名前欄に#と自由な文字列）
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。

▽締め切り間際の作品投稿について
週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。
それを無管理で放っておくと大変な事になるので、２３時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。
予約締切は23：30で、以降は時間外の扱いになります

▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします（複数選択可）
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります！
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい

▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい

現在、週末品評会96thの投票受付中です。今回の品評会お題は『ルール』でした。
投稿された作品は■まとめ http://yy46.60.kg/bnsk/　-週末品評会96th- にてご覧頂けます。
投票期間は2008/02/05（火）24:00:00までとなっております。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
（投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません）

******************【投票用紙】******************
【投票】：　＜＜タイトル＞＞◆XXXXXXXXXX氏
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
　　　　　　＜＜タイトル＞＞◆YYYYYYYYYY氏
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
気になった作品：＜＜タイトル＞＞◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************

携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。　
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書き途中の方は是非。

No.01 コドモルール ◆ecJGKb18io
No.02 ル・クインセグ ◆pxtUOeh2oI
No.03 神のいない世界で ◆eYCc7/VuC2
No.04 シュガープラント・ルールズ ◆AOGu5v68Us[
No.05 生類憐みの令 ◆ETwWxomLBg
No.06 ルール ◆ibD9/neH06
No.07 家路 ◆Gv599Z9CwU
No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◆/sLDCv4rTY
No.09 三秒ルール ◆Bf9IIj31BY
No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ ◆/sLDCv4rTY
No.11 クロスウォーク ◆p/4uMzQz/M
No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok
No.13 外へ ◆otogi/VR86
No.14 定め ◆7BJkZFw08A
No.15 キミョウな自分ルール ◆ZetubougQo
No.16 歌が聞こえる ◆SQvDZ46yqY
No.17 規則破不 ◆CoNgr1T30M
No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2
No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI
No.21 コルネオのルール ◆LBPyCcG946
No.22 アナザー・ワールド ◆Sound.UlVY
No.23 relatively being ◆wb/kX83B4.
No.24 ウェストファリア ◆/UzWoCdlY.
No.25 なみだ ◆0CH8r0HG.A
No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86
No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE
No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo
No.30 とある妖精と少年のお話 ◆InwGZIAUcs

いちおつ

あとは……任せた……。


筒井の座敷ぼっこ読んだ。しみじみ。

>>1乙乙！
ぜんかん続き
No.18 海とビールと傍観者 1/4 ◇hemq0QmgO2氏
こなれてるね。もっと雰囲気をだすための描写があってもいい気がする。
おしいなあ。もっと長い文章で読みたかったよ。

No.19 取替え子 1/4 ◇VZpO0svMyk氏
幻想文学てこんな感じなんかなーと思った。
とくに言うことはないけど４レス目、早足になってない？もっと間があってもいいと思うよ
うん、面白かった

No.20 知恵の果実と楽園の境界 1/4 ◇rmqyubQICI氏
なんか安っぽい哲学めいてんな。オチがよく理解できんかった。
ごめん、タイプじゃないです

No.21 コルネオのルール 1/5 ◇LBPyCcG946氏
悪くない。が、雰囲気作りにやや欠けるな。
もっと緊張感があってもいいんじゃないか。

No.22 アナザー・ワールド 1/5 ◇Sound.UlVY氏
っで、ていう。ルールというお題のために無理矢理作った話にしか思えない。もしくは『たいくつ』っていうネタのために

No.23 relatively being 1/2 ◇wb/kX83B4氏
＞面倒なことは相対的にイヤだからね。
＞街をほっつき歩いている方が相対的によりよい選択だ。
最初の相対的いらん。
＞相対的に硬く握手した
あ？
いったい何と比較してんだっていうのが多い。すげえ頭悪い文章に見えるよ、これ

No.24 ウェストファリア 1/5 ◇/UzWoCdlY
面白い！！！
いやー、いいね。大好きこういうのｗｗｗｗ
頼む、この物語の長編を読ませてくれｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

No.25 なみだ 4/4 ◇0CH8r0HG.A氏
童話系か。しょっぱなでオチは読めたなあ。んー、悪くはない。
絵本であっても不思議じゃないと思うが、いかんせんアリガチ。
童話ってとこを考えるとそれでいいんかもしれんけど

No.26 アウトローですか？ 1/3 ◇czxS/EpN86氏
ワロタｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

No.27 その汚く美しき青春 1/5 ◇/7C0zzoEsE氏
悪くない。バンバン不条理感が伝わってきたよ。文章もこなれている。ストーリーはどっかでみたようなのだけど

No.28 妖精さんのお仕事 1/4 ◇lDzk49E.e2氏
軽く頭痛がしました。

No.29 この醜くも美しい世界 1/5 ◇Ms.BlueNHo氏
悪くはない。なかなかに良くできてると思う。
ただ、ルール＝鎖ってとこはひねりがない

No.30 とある妖精と少年のお話 5/5 ◇InwGZIAUcs氏
序章、終って感じ。物語は今始まったばかり！　って感じ。
これ、どうなんすかね。世界観もいまいちよくわからんし。西洋？

お題をください

○○は○○しました

******************【投票用紙】******************
【投票】：　No.06 ルール 1/5 ◇ibD9/neH06氏
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
空気の変わり方がなんともｗｗｗ

　　　　　　キミョウな自分ルール」1/4 ◆ZetubougQo氏
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
こういう特異な状況は思いつこうと思ってもなかなかできないんだよね。作者の発想力に
　　　　　　
　　　　　　No.19 取替え子 1/4 ◇VZpO0svMyk氏
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―　
面白い。この想像力と描写力は評価されるべき
　　　　　　
　　　　　　No.24 ウェストファリア 1/5 ◇/UzWoCdlY
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
キュンとした。視点が変わるのも面白いし良くできてる

気になった作品：No.01 コドモルール 1/5 ◇ecJGKb18io 氏
　　　　　　　　クロスウォーク 1/5 ◆p/4uMzQz/M氏
　　　　　　　　No.18 海とビールと傍観者 1/4 ◇hemq0QmgO2氏
　　　　　　　　No.26 アウトローですか？ 1/3 ◇czxS/EpN86氏
　　　　　　　　No.27 その汚く美しき青春 1/5 ◇/7C0zzoEsE氏
　　　　　　　　No.29 この醜くも美しい世界 1/5 ◇Ms.BlueNHo氏
**********************************************

お題ください

>>14
昼食


そして誰か俺にお題下さい

ルノワール

全巻書いてるけど前スレの話やる気なくなるわあ

>>1乙！
それと前スレの>>900レスありがとう。
ちょっと長いけど投下します。

　太平洋、那覇――インドネシア――ハワイを直線で結んだ時に出来る、通称ＨＩＮトライアングルの中心にある四つの人工島。
　十年前に作られたその島々は、国際連合が計画し、推し進めた世界プロジェクトの一環だった。
　世界中に散らばっている、『ある人種』を集め、そこへ隔離する収容所。
　世界には様々な人間が居る。
　身体が強い者、頭が良い者、手先が器用な者、口が上手い者――。
　人の数だけ個性があるこの世の中でも、それは一定の基準内でなければいけない。
　あまりにずば抜けた能力は、苦悩を生み、争いを生む種ともなる。
　その能力を持つのと、それを使いこなすのとは、また違った能力なのだ。
　そこで国際連合は、秩序を乱す元になりかねない人種、いわゆる――天才――を通常社会から切り離す事を決める。
　それは同時に、生まれながら発生する極端な能力差の不公平を是正し、人間の努力量が出来るだけ報われるようにする措置でもあったのだった。

　――僕には彼女が居た。
　天羽香奈という名前の、とても明るくて可愛らしい、大事な彼女だった。
　でも残念な事に香奈は天才だった。
　いや、香奈が天才だった事が残念なわけじゃ無い。
　ただ、世界中の人間が天才を拒絶する風潮にあって、そこへたまたま香奈が天才の定義に当てはまってしまったのだ。
　天才。
　そんな言葉を聞く度に、僕はいつだって困惑する。
　それは目に見えず、触れられず、匂いもしない。ただ、言葉の上でだけ与えられた定義。人間の幻想が生み出した存在だと僕

は思う。
　世の中が言う天才ってヤツは、僕が知っている人間ってヤツと、何ら変わり無い姿をしている。
　香奈は……、僕にとってただの女の子だ。
　今でもその笑顔を緻密に思い出す事が出来る。
　今でも泣いている顔を思い出しては、胸が締め付けられる。
　今でも――、あの時の泣き笑いの表情が、心に焼き付いて消えない。
　政府にＨＩＮ収容所に連れて行かれる直前、香奈は泣き笑いの表情で僕にこう言った。

　――三年もすれば、忘れるよ。

　そう言って香奈は泣きながら笑った。
　三年――。
　君に言われた通り、その時間だけ待ってみた。
　でもそれは無意味だった。
　だから僕はもう一度君に――会いに行く。
　そして君を――救い出す。

「何故だ、何故ＧＤＰが減少に転じる！？　経済が失速する！？　科学成長の度合いが伸び悩む！？
　現政府に対する支持率が下がる！？　私が何か失策を犯したか！？」
「いえ、この現象は今に始まった事ではありませんので、どうかお気になさらずに……。様々な指標が下降し始めたのは、八年

ほど前からの事です」
「気にするなだと！？　私が就任してから一度も耳に良いニュースが入ってきた事が無いのにか！？　そんな状況で気にせずに

いられるか！　原因は一体何なんだ！？」
「世界的に同時に発生している現象です。おそらく人類は倦怠期に入ったのでしょう。時間が解決してくれます」
「……世界的に？　具体的に原因は何なんだ？」
「それは不明としか……」
「不明だと……？」
「はい」
「……アダム・スミスを知っているか」
「アダム・スミス……。ＨＩＮ収容所に五年前から収監中のアナリストの事でしょうか？　社会情勢に対する鋭い分析力が問題となった……」
「そうだ、そのアダム・スミスだ。今すぐＨＩＮ収容所に連絡を取りアダム・スミスに現在の世界情勢を分析させろ。世界的な

成長の停滞についての原因を特定させるんだ」
「いや、しかし……ＨＩＮ収容所は……」
「そんな事は分かってる、だが緊急事態だ！！　貴様にこの現象の説明が出来るのか！？　誰か他に出来るヤツは居るのか！？

　八年もこの異常事態が続いているんだ！！　このままで良いわけは無いだろう！！　原因の特定が先決だ！　わが国の為に、人類の為にも！！　早くしろ！」
「……分かり、ました」

　インターネットのアングラにある如何わしいサイトの一つに、『ノッド』という組織のホームページがある。
　国際連合が推し進めた天才隔離プロジェクトに反発する者同士が五年前に結成した過激派集団だ。
　ノッドの目的は、ＨＩＮ収容所に収容されている人間の解放、保護。
　天才隔離プロジェクトに反対する組織や団体は、世界中のあちこちに散在するが、その中でもノッドは特に大きく、そして一番
過激な主張をする組織だ。
　三年前、僕はノッドの一員となった。
　明日の二十五時、ノッドは大掛かりな作戦行動を開始する。
　コードネーム：momo　作戦重要度：＋Ｓ
　最高ランクのその作戦は、文字通り歴史に残る大きな事件となるだろう。コードネームの『momo』とは、桃太郎に由来する。
　もちろん目標は、ＨＩＮ収容所。
　ノッドの鬼退治の始まりだ。

「……アダム・スミスと連絡が取れました。内線にお繋ぎします」
「良くやった。回せ」
「了解しました」
「……」
「もしもし？」
「やあやあ、ハロー、ワタシ、アダム・スミス。サンキュー！！」
「君がアダム・スミスか？　私は……」
「いや、良い。大体分かるさ。どうせどっかの国の偉いさんだ。大方、社会情勢がおかしな事になってきたってんで、慌てて俺
を呼んだんだろう？」
「そ、そうだ。分かるのか？」
「バカでも分かるさ。ＨＩＮに入れられた狂人と連絡を取れる人間なんてそう多くない。それに俺の専門はアナリストだ。答え

は一つしかないだろ？」
「そうか……。なら話は早い。早速だが、今世界中のあらゆる分野で成長が停滞している。が、原因は全く分からない。それを
君に特定して欲しい。必要と思われるデータはそちらに送るから……」
「なあに、別にデータは必要は無いさ」
「何だと？」
「原因なんて何の情報が無くても考えればすぐ分かる」

　閃光弾が暗い夜空を輝きながら流れた。それを合図に、コードネーム『momo』のミッションがスタートする。
　陽動のノッドの船団が、ＨＩＮ収容所のレーダー範囲内に侵犯する。
　それと同時に、ＨＩＮ収容所は恐竜が咆哮を上げるかのように大きなサイレン音を響かせた。
「潜水しろ！！」
　その声を合図に僕と仲間の数人が海の中に沈む。僕らの任務は一つ。
　ＨＩＮ収容所内にある中央コントロールセンターの占拠、もしくはハッキングによるアクセス権の奪取。
　僕は四つの島の内の一つ、実際に収容所がある第一収容島へ向かう。
　他の仲間は、ＨＩＮ管理島へ。
　本命はそちらで、僕は保険として第一収容島に向かい天才クラッカーのジェームズ・ミカエルに接触する。
　一応、ＨＩＮ収容所に潜り込んだノッドの人間から大体の場所は聞いているが、当のジェームズが協力してくれる保証は無い。
　とりあえず僕はＨＩＮ中央コントロールセンターのクラッキングに必要と思われる機材だけを背負い、水中から第一収容島に
向かった。

「ハッハー！　電話は掛かってくるし、サイレンは鳴るし、今日はパーティーだな！！」
「……何を言ってるんだ？　アダム・スミス。それより、原因が分かるというのは本当か？」
「当然だとも、偉い人。それが分かるぐらいにヤバイから、俺はここに入れられたんだろう？　こんな事も分からなかったら、
今頃は陸の上だ」
「違い無い。それなら、是非とも教えてもらいたいんだが……」
「ああ、良いとも！　簡単な事さ、偉い人。ここがいけないのさ」
「ここ？」
「あぁ、ＨＩＮ収容所だ。天才隔離施設の存在自体が、君たち外の世界の成長停滞に繋がっている」
「……バカな。貴様、そこから出たいからと言って、嘘を吐くと……」
「嘘？　嘘だって！？　ヘイ、偉い人！　あまりバカな事言うもんじゃない！！　良いか、一つハッキリさせておくぞ！？　お
前らは社会情勢のアナリストとしてはどこまでも凡人で、俺は神にも近付く天才だ。そこん所は理解してるだろうな！？」
「……なんだと貴様……」
「良いか、良く考えろ偉い人。ＨＩＮ収容所は一体お前たち陸の人間に何をもたらした？」
「……何？」

「天才を隔離する事で一般人の理不尽さを解消したと思っているのか？　努力の喜びを与えたとでも？　天才への嫉妬を無くし
て素晴らしい世界？」
「……そうだ。その通りだ」
「それが大体において逆効果だったらどうする？」
「……何だと？」
「もし天才を隔離して、凡人の道が閉ざされたとしたら？　努力しようと思えなくなっていたとしたら？　実は嫉妬が原動力に
なっていたとしたら？」
「そんな事が、あるわけ……」
「そうかなぁ、偉い人。君だって昔は子供の時憧れていたヒーローは居るだろう？　しかし、人は凡人に憧れるものか？　それ
に、必死に努力して天才と定義されちゃかなわない。人はどこかで思わず手を抜いてしまうだろう。さらに負の感情は必ずしも
マイナスに働くとは限らない。負の感情を燃やして、伸びる事だってある。少なくとも負の感情があるから、正の感情は引き立
つんだろう、偉い人？」
「理屈だ……、そんなモノ……」
「あぁ、そうかい。それじゃ聞くが成長が停滞し出したのは一体いつ頃だ？　俺の予想じゃ、この収容所が出来たぐらいじゃな
いかと思うんだがね」
「……っ」
「その様子だとやっぱりそうみたいだな！　良いか、偉い人。人間にはバランスが必要なのは認めるよ。俺みたいなのは、凡か
らすれば突出し過ぎてる事もね」
「そうだ、お前らは異端過ぎる……！」
「だがね！　神の見えざる手って言葉を聞いた事があるか？　調節は人間がする必要は無いのさ、偉い人！　全ての人間を平均
化すれば、人間はちょうど真ん中の人間になる。天才が居ようと、凡人が居ようとね！　それを人間がアレコレしようとする必
要は無いのさ！」
「そんな、運任せのようなモノ当てに出来るか！」
「現状を分析すると、恐らくそっちの世界の人間は無気力なヤツが多いだろうね。みんな、心のどこかで頑張ろうと思わない。
理想の人間像も持たず、周りの人間はただ淡々と生きている。そしてそれが正当化されている。だから成長は停滞し、あるいは
減少に転ずる。これが結論だ。俺の話を参考にするなら、偉い人。ＨＩＮ収容所の人間を全て解放しろ。それにこんな制度は―
―長く続かない」
「そうか、君の詭弁は良く分かった。頼った私がバカだった」
「ハッハァ！　まぁ後悔するが良いさ！！」

　ＨＩＮ中央コントロールセンターの制圧に失敗したとの連絡が入った。
　作戦の要であったそれが失敗に終わったとなれば、ノッド全体の士気は大きく下がる。
　後はもう、ジェームズ・ミカエルによるＨＩＮ中央コントロールセンターのクラッキングしか道は無い。
　もしＨＩＮ中央コントロールセンターを制圧出来なければ、この作戦全体が――失敗に終わる。
　ノッドは、ＨＩＮ収容所の警備艦艇と正面切って戦えるほどの戦力を持っていない。
　スポンサーとしてバックに付いているのは、せいぜいが企業までだ。国際連合がバックのＨＩＮ収容所とはそもそも規模が違う。
　偽造カードリーダーを通して、ジェームズ・ミカエルの居る区画に潜入する。
　看守の姿は見当たらない。監視カメラの死角を通りながら、五○一号室に接近する。
　そのドアだけは電子機器の一切使われていない物理的な施錠手段だ。僕は背中のバックからピッキング道具を取り出して、鍵
を開けた。
「ジェームズさん！」
　ドアを開けながら僕は叫んだ。
　金髪の長髪、丸メガネを掛けた二十代後半ぐらいの男があちらを向いて座っていた。僕が入っていくと、天才クラッカー、ジ
ェームズ・ミカエルは驚いた表情でこちらに振り返る。
「誰だ……君は？」
「私は、あなた方を助けに来ました！　脱出の為の船もすぐそこまで来ています！」
「脱出……？」
「はい！　しかし、一つ問題が……」
「問題？」
「はい。実は仲間がＨＩＮの中央コントロールセンターの制圧に失敗してしまって……。予定では中央コントロールセンターの
レーダーを麻痺させて船を島に近付け、武装した仲間が上陸する予定でした」
「しかし、制圧に失敗。仲間の船は近づけず、という所かい？」
「……そうです。でも、ジェームズさんがＨＩＮ中央コントロールセンターにクラッキングしてくれれば、我々の船はここまで
来れます！　この通り機材も……」
　バックから機材を取り出す。
　人一人が持てる分だけ、という事で、少々頼りない装備だったが、それでも恐らくジェームズさんほどの腕があれば楽々コン
トロールセンターに侵入出来るだろう。
　だが、ジェームズさんは首を振った。
「嫌だね。僕はやらないよ」

「なっ……！？　どうしてですか！？」
　驚いて僕は聞き返す。
　だが、ジェームズさんは態度を変えない。
「僕は元々好きでコンピューターに触ってたわけじゃない。ただの雇われだったからね。触らなくても生きていけるならそっち
の方が良いのさ。それにもう外の世界にも興味が無い。僕にとっては案外ここも居心地が良いからね」
「そ、そんなっ！！」
　僕はジェームズさんの顔ををジッと凝視する。
　だが、ジェームズさんは態度を変えなかった。大して気にもしていないように監房の壁にもたれかかっている。
　僕は奥歯をグッと噛み締めて、その場に跪いた。
　硬い床に頭を擦りつけて大声を張り上げる。
「お願いします、ジェームズさん！　僕には助けたい人が居るんです！　僕にとってかけがえの無い大切な相手なんです！！」
「大切な相手……？　フンッ、嫌だね」
「……っ！　ジェームズさん、あなたは天才だ。やれば必ず成功する！　あなたにしか出来無いんです！！　天才の、あなたに
しか！！」
「はは、分かってるじゃないか」
「そ、それじゃあ！？」
　僕は顔を上げる。
　ジェームズさんは薄っすら微笑みながら、肩をすくめた。
「だが、嫌だね」
「え！？」
「君は僕をアテにしているようだけど、対価として僕に何を払ってくれる？　もちろんここじゃお金なんて要らないよ。何か素
晴らしい物をくれるのかい？」
「たい……か」
「そうだよ。世の中ギブ・アンド・テイク。君に何が支払える？」
「……僕は……」
「まぁ、見たところ今の君は何も持って無いみたいだね。ちなみに僕はこんなパソコンや機材は要らないよ。本当なら見たくも
無い」
「僕は……、僕は、一生幸せになります！」
　そう叫ぶと、ジェームズさんは目を点にして動きを止めた。
「は？」

　と、数瞬遅れて返事が返ってくる。
「僕は、誰よりも幸せになって、一生幸福に生きていきます！」
「おいおい、君、何をのぼせてるんだい？　今は……」
「それで！　それで、僕はジェームズさんに、毎年それを報告します！　ジェームズさんがここに留まるのなら、僕が外の世界
の、一人の人間の幸せを一生お伝えしていきます！　それが僕に支払える、約束出来る対価です！」
「はぁ、人間の幸せ……？」
「だからお願いです、ジェームズさん！！　僕を、香奈を助けて下さい！！」
　硬い地面に思いっきり頭を叩き付ける。ジンッと痺れるような痛みが背中を駆け抜けて行った。
　数秒の流れる沈黙。
　そして、沈黙を先に破ったのは、ジェームズさんだった。
「あっはっはっはっはっは！！　何言っているんだい、君は！！　バカバカしい！」
「……っ」
　それでも僕は顔を上げない。
　上から更にジェームズさんの声が降って来た。
「人間の幸せ、ね。なるほど、対価は物とばかりに勝手に思い込んでいたが、サービスか。その発想は無かったな。まぁ別に良
いよ、コントロールセンターにアクセスするぐらい」
「え！？」
　ジェームズさんのあまりの軽い調子に僕は思わず顔を上げた。
「その対価もなかなか悪く無い。君が一生幸せになるなら、それこそ見る価値はあるし、途中で破局するにしても――他人の不
幸は蜜の味ってね」
「え、は、破局なんてしません！」
「分かった分かった。それじゃこれからの君に期待といこう。じゃ、とりあえずコントロールセンターにアクセスすれば良いんだね？」


「た、大変です！！　ＨＩＮ収容所がテロ組織に襲撃された模様です！　テロ組織はコントロールセンターをハッキング、その
後用意していた船を島に着け、収監されていた人間の大多数を乗せて逃走した模様です！！」
「な、なに！？　そうか……、アダム・スミスの様子がおかしかったのはそれでか！」
「どうなさいますか！？　各国の首脳とは回線が繋がっております。今後の方針をお決め下さい！」
「今後の方針……？　今後の方針……か」

「はい。どうか、なさいましたか……？」
「ん、ああ。いや、何でもない。それより一つ聞きたいんだが、君には子供の頃に憧れる人物はいたかね？」
「え？　はぁ、居ましたが……。しかし、その方は天才でしたので、元より住む世界が違いました」
「そうか……」
「それが何か？」
「いや、私も子供の頃から憧れていた人物が居た。それを――今まで忘れていたよ」


「香奈っ！！」
　僕は香奈の姿を発見してそちらへ駆け寄って行く。振り向いた香奈は僕の姿を見つけて驚いたようだった。
「香奈……、会いたかった」
　僕は彼女の肩に手を置いて、心から呟く。
　香奈はしばらく呆然と僕の顔を見ていたが、その内ウルウルと目に涙を潤ませて僕の胸に飛び込んできた。
　僕は香奈を絶対に離さないように、強く強く抱き締める。
　この瞬間を何度夢にまで見た事か。
　そして今、僕の胸の中には、紛れも無く香奈が居た。
「忘れなかったんだね……、私の事。忘れなかったんだね……」
　うわ言のように何度も繰り返す香奈は、狂おしいほどに愛しい存在だった。
「忘れられる、わけ無いじゃないか……」
　ギュッと香奈を抱き締める。
　空は白み始めて、水平線の彼方には白い太陽が顔を出し始めていた。
　髪を優しく揺らす潮風に吹かれながら、僕達はずっと甲板で抱き合っていた。
「……そういえば」
　僕がポツリと呟く。
　香奈が顔を上げた。
「君って、何の天才だったの？　僕知らないんだけど……」
　と、僕が言うと、香奈は「えっ」と小さく声を上げる。
　それから困ったような笑顔を浮かべると、
「私は、その、『私の事を忘れさせる天才』なの。出来るだけ印象を薄くして、記憶に残らないように……」
　と、ちょっと言い難そうに香奈が言う。

「え？　でも僕は……」
「……ううん、じゃあ――私とデートした時の事一回でも覚えてる？」
　悪戯っぽくそんな事を言う香奈。
　それで僕はハッと気が付いた。香奈との思い出は何一つ思い出せない事を。
「そう、みんな私の事は何もかも忘れてしまうの……。私の存在の……全てを」
「で、でも、僕は君の顔までは忘れていなかったよ！？」
　僕がそう言うと、香奈は思案するような顔付きをして、口元に人差し指を当てた。
「……今日って何日？」
「えっと、もう朝日が昇ってるから――六月三日、か」
「あ、やっぱり。私は丸々三年経ったら人に忘れられるの。でも私が連れて行かれたのは六月三日の夕方ぐらいだったでしょ？
　だから、ちょっとだけ私の事を覚えていられたんじゃない？」
「そ、そうなんだ……」
　僕はちょっと申し訳なくなって顔を伏せる。
　それだとつまり、夕方になれば僕は香奈の顔から全て忘れてしまっていたという事だ。こんな僕が、香奈の彼氏を名乗って良
いのだろうか。
　唇を噛んでそんな事を思っていると、香奈にギュッと手を握り締められた。
　見ると香奈は、僕を見て優しく微笑んでいる。
「でも私、とっても嬉しかったよ。三年経っても好きっていう感情を忘れなかった人は居なかったもの。だから、とっても嬉し
かっ……た」
　そう良いながら、香奈は子供のように泣き出した。
　僕はその弱々しい体を抱き締めながら、そっと頭を撫でる。
　僕が香奈にとって相応しいかどうかは分からなくても、今胸の中に居る香奈は紛れも無く僕の大切な人だった。
「おい、追手だ！！　逃げろ！！」
　そんな声がして僕は弾かれたように首を巡らす。
　見ると、確かに水平線上にポツポツと艦隊らしき黒い点が見えた。
　国連の追手だ。
　僕は思わず舌打ちする。
　輸送用の大型タンカーなんかじゃ、すぐに追いつかれて沈まされる――。
「あ、あれ！？　なんだ！？　帰って行くぞ！？」
　僕はその声に突き動かされてもう一度顔を上げた。

　確かに黒い艦隊はユーターンをしているようだ。明らかに追撃の意図が無くなっている。
「大丈夫なの……？」
　香奈が僕の胸の中から不安げに聞いてくる。
　僕はギュッと抱き締めると、その艦隊を見つめながら呟いた。
「大丈夫。何があっても絶対に僕は――君と幸せになるんだ」


＜国連より三○一艦隊へ。ただちに追撃を中止せよ。ＨＩＮ収容所は本日付をもって廃止とする。彼らは自由の身だ。繰り返す――――＞


完

お題くれー↓

ヘアピン
短くな

>>31
承知

>>29
簡素なことしか言えないが、面白かった。

お題下さい

>>34
ヴェルタースオリジナルの憂鬱

>>29
３時ぐらいに感想書くから
きっと書くから！

このレスを見たあなたは確実に交通事故に遭います



逃れる方法はただ一つ
↓このスレに行き
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1201006964/
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1192529642/




デア・リヒター最強



と書き込んでください。書き込まなければ確実に明日交通事故に遭いますよ

>>33
このままスルーされていくもんだと思ってたから、感想嬉しい。
最後まで読んでくれてありがとう！

>>36
ありがとうありがとう……！
で、でも、あんまり無理しないで良いんだからねっ！

>>35
把握しました

>>29
長いよ！　と思ったのに面白かった。
ぶっちゃけこれをプロットにして長編書けばいいのにと思ったほどだ。
設定好きだー。
だが、同時にこれはプロットだなーと言う印象でもったいない。
設定が詰まりすぎてる事、キャラクタがそれぞれ立っていること。
それらが台詞だけに頼ってるから、残念だ。
地の文も併せて書いて欲しいと思うけど、ここでは長さ的に無理だろうな。
文章的な事は何も感想書けなくてすまん。

お題くださいまし↓

恋とマシンガン

お題ください

カキツバタ

俺にもくれ

僕と君だけの世界

把握

前スレっていくつまであった？
寝てる間に落ちちゃったので、だれかdatをうｐしてくれないか？

カキツバタってなんだ？
把握

>>47
http://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_69549.ttf.html
DLkeyはvip

　この峠でこいつと一緒なら、死んでも良い。
　俺にとって、この愛車が生涯の伴侶だとしたら、この峠はまさしくマイホームだ。男ならば、
自分の家で愛する妻と一緒に死ねたのなら最高の人生だ。俺はそう思う。
　きっとこのフェラーリF355だって、俺と同じ事を考えているはずだ。こいつに出会ってから、
もう１０年にもなる。出会った時の事は、今でもはっきりと覚えている。ショーウィンドウ越し
に見た、流れるベルリネッタ。目に突き刺さるような赤と、心を激しく揺さぶるような、リトラ
クタブルヘッドライト。まさに芸術そのものが、そこにはあった。当時の貯金を全部はたいても、
手が届かなかった。まず親に苦心して、それでも駄目で、親しい友人に借りた。挙句の果てには、
消費者金融にまで手を出した。そしてどうにかこいつを買えて、初めてハンドルを握った時、俺
はあろうことか小便漏らしてたんだ。おかげで、いきなりシートを新調する羽目になった。
　この１０年間、思えば本当に色々な事があった。俺は借金を返すためがむしゃらになって働い
て、それから何度も挫折して、努力の甲斐あって出世して、好きだった女と付き合って、そして
呆気なく別れて。いつだって嫌な事があればすぐに、俺はこの峠に、こいつと一緒に来た。
　俺は一歩、アクセルを踏み出した。最後のドライブになるかもしれない。いや、俺は元よりそ
のつもりだ。
　今日、会社をクビになった。理由を簡単に言えば、俺の所属する派閥の上がコケたからだ。責
任は巡りに巡り、俺はあっさりと首を切られた。思えばくだらない理由だ。だが、俺は課長に出
世した時点で非組合員。会社の決定に逆らう力は無い。
　アクセルを踏み込む足が、一段と強くなる。唸るようなエキゾーストノートは、俺の心に同調
している。
　あと２つ、カーブを曲がった先に、ほぼ１８０度のヘアピンカーブがある。俺は死ぬ場所を、
そこに決めた。一度だってアクセル全開であのカーブを曲がった事はない。なぜなら、そんな事
は出来るはずがないからだ。
　夜のとばりを切り裂くように、俺とこいつは走る。エンジンの振動が全身に伝わってくる。で
も今日のはいつもと、少し違う気がする。
　まずは１つ目のカーブがやってきた。クラッチを入れ、軽くブレーキを踏みながら、ガードレ
ールぎりぎりの所を攻める。いつもよりも際どく、究極のやりとりを楽しむ。峠の景色も視界か
らぶっ飛ぶような、エキサイティングなゲームだった。

　そしてすぐに２つ目のカーブがやってきた。１つ目のカーブよりも、もっと危険な領域へ。既
にそれは、俺の限界を超えていた。風を切る音がまるで死神の呻きのように聞こえて、瞑りそう
になる目を必死に見開いた。こいつの体がガードレールに僅かに触れた時。死ぬ。そう思った。
　だが俺は、結局死んでいなかった。そうだ、俺はあのヘアピンカーブで死ぬと決めたんだ。こ
こで死んでどうする。気を取り直して、耳を澄ます。エンジンから聞こえる爆音は、俺にとって
最高の音楽だった。だが今日のそれはどこか悲しげで、いつもの雄叫びのような勇猛さが無い。
「ビビってるのか？」
　気づくと俺は、そう呟いていた。車が声を出す訳がないが、俺には返事が伝わってくる。
「俺もだよ」
　ハンドルを握った小刻みに震える俺の手が、おぼろげに霞んで見える。ようやく俺の死に場所、
待ちに待ったヘアピンカーブが近づいてきた。
　ブレーキペダルを踏むつもりは無い。アクセル全開のまま、あのヘアピンカーブに突っ込んで
やる。もしも曲がれたのなら、それは奇跡だ。
　カーブに入った瞬間、俺はハンドルを左へときった。自分でも驚く位、抜群のタイミングだっ
たと思う。だけれでもブレーキペダルは絶対に踏まない。というより、踏もうとする足を、俺の
滾る意地が必死に押さえ込んだ。死ぬんだ、俺は今日、こいつと、この峠で――。
　その時、突風が吹いた。エンジンの音も掠れるような、物凄い向かい風。それは神風と言える
程の強風だった。そしてその神の風に呼応するように、こいつは叫んだ。これまで一度も体験し
た事も無いような、強烈なダウンフォースが俺を襲う。まるで巨大な何かに踏み潰されそうな、
そんな予感がした。タイヤは地面へと暴力的に押さえつけられ、有り得ないような角度で、こい
つはヘアピンカーブを曲がったんだ。
　手と足の感覚が戻ってきたのは、それから随分走った所だった。あの奇跡から先の事は、ほと
んど記憶にない。まるで天国にいるような、そんな気分だった事はなんとなく覚えている。俺は
ゆっくりとブレーキを踏み、徐行しながら道端で止まった。
　降りてみると、確かにそこにはこいつがいた。新品だったタイヤはほとんど磨り減っている。
　振り返れば、確かにそこには峠があった。いつもと変わらぬ佇まいで、平然と構えている。
　俺にはその２人が、俺に「生きろ」と言っているように見えて仕方なかった。もう１度だけ、
こいつと一緒に、ここからやり直してみよう。そう、思った。

終

>>49
�d

>>16
亀レスだが把握

じょ

オダイくれなきゃイヤ！！

最高

>>29
カナちゃんの能力にずこーーｗｗｗ
アダム・スミスのキャラデザインが物凄く秀逸だった
熱いなｗ

通常作品投下します
そうレス数２

　実家をリフォームすると母から連絡があったので、僕は五年ぶりの地へ向かい、無人駅の懐かしさに少し笑いながら、改札を出た。
　冬の太陽が、出不精の僕をさしたので、鞄の中から帽子を取り出して深く被る。そして、記憶を頼りに（すっかり忘れたわけではないが）実家へと歩き始めた。
　実家にはそれなりの思い出があった。二回へ続く急な階段から落っこちて初めて救急車に乗ったし、初めて喧嘩をしたのも僕の部屋だった。
　それから、初めて恋をしたのも実家でのことだ。木の匂いむせた埃が充満していた押し入れを思いだす。
　僕の部屋の押し入れは二段構造になっていて、僕は嫌なことがあるとよくその中に潜り込むことが多かった。
　そのために中に裸電球を入れたりして、長時間の立てこもりも可能だった。
　そして初恋は初めて押し入れに立てこもったときに起きたんだ。
　年は覚えてないが小学生にはなっていた。最初の反抗期を迎えたときのことで、いつもは怒ってもすぐに許してくれた母親が、その日は違った。
　僕は引くに引けなくなって、部屋に駆け込み机の上の懐中電灯をもって押し入れに立てこもったんだ。襖の外で母親が「ずっとそこにいなさい」と強く怒鳴っていて、無性に悔しくなったのを覚えている。
　ひととおり泣いて疲れると、僕はしまってあった布団に寝そべった。手持ちぶさたで、懐中電灯を振り回しながらぼうっとしていた。丸い光が木目の上を滑っているうちに、僕はそれを見つけた。
――お母さんなんかきらいだ。でもほんとうは好きだからここにかいてひみつにします
　小さく丸い字が押し入れを上下に仕切っている板に書かれていた。誰が書いたのだろうかわからないが、僕はこの小さい字に暖かみを感じたんだ。その下にも文は続いていた。
――今日はみぃちゃんとあそんだ。みぃちゃんのいえでもらった花が綺麗だった
――雪っていう字が好きです。雪は雨のヨうだからです。今日また怒られました
　他人の考えていることを考えることの出来なかったその頃の僕にとって、素直なこの文章は衝撃的だった。
　探すとたくさん押し入れに隠れていた。
――今日は先輩にふられた。ふるときまで先輩は優しかった
　これは少し字がしっかりしているけど、震えていた。ほかにも大きく書かれた字や、よほど嬉しかったのか色つきで書かれた字。たくさんの君がいた。僕はその一つ一つを好きになっていた。
　結局その日、僕は台所から漂うカレーの匂いに負けて、母と仲直りをした。

「遅かったじゃない」
　急に声をかけられ、振り向くと母がいた。手には買い物かごがあった。中を覗くと、今日は久しぶりに母のカレーが食べられるみたいだ。
「いや、久しぶりだから色々と見て歩いてたんだ」
「五年ぶりでも背は変わらないわね」
「成長期はとっくのとうに過ぎているんだよ」
　母は心なしか小さく見えた。
「持つよ、それ」
　僕は言いながら買い物かごを受け取る。母が少し驚いた顔をしたので笑ってしまった。
「リフォームって一回壊されるんだよね」
「まあね」
　坂の上に、懐かしい家が見えてきた。
「なあ」
「なに？」
「母さんだろ、僕の部屋を前使っていたの」
「そうだけど、それがどうしたの？」
「いや恥ずかしくなったというか、情けないというか」
　少し、押し入れに立てこもりたくなるような気分だ。

　終

終わりっす。
短いし、お題からちょっとはずれてるけど、批評お願いします。

>>56
おっけー〜〜

感想書いてもレス返ってこないならモチベーションも下がるは
って思ってるのは俺だけ？

試験終わったからお題ください

無理難題

>>64
留年

無理難題と留年把握

保守

今、品評会作品読んでるんだが
これ全部感想付けるのって死ぬほど大変じゃね？
なんかもう読むだけでお腹いっぱいな件
毎回やってる人は尊敬するよホント

>>40
うはｗｗ長文の感想ありがとう！！
確かに自分でもプロットって感じだなーと思うｗｗ
でも設定とか気に入って貰えて良かったよー。
正直、やる気でました。�dクス。
>>57
正直アダム・スミスキモッ！とか言われるかと思ってたｗｗ
褒めてくれてありがとす！！

>>68
参加者数より投票総数は少ない件について
つまり参加しても全部読まなくていいんだぜ？
投げちゃいなよｗ

>>70
でも読まないとどれが上手いか分からないじゃん
魂の篭った良作を読まずに、なし崩しに他の作品に票入れちゃうのはなんか嫌だ
今回俺参加してないから、せめて投票だけでも公正にしたいなーとか
やっとＮＯ．２０まで終わった

あんまり気負うと長続きしないよ

感想書きます。
>>51
視点が回想視点なのか、今起こっている事なのかが分からなかった。
たまにその二つが混じっている感じ？がする。
あと、最後の神風で起きたダウンフォースって言葉が、懐かしかった。
ミニ四駆のトライダガーエックスを思い出した。
それから主人公のヘアピンに対する動機がジェットコースター過ぎて面白かった。
小便とかマジありえんｗｗ
>>60
一時間半で書き上げたにしては綺麗に纏まっていて面白かった。
でもたまに、理解し難い所とかあったかも。
＞そして初恋は初めて押し入れに立てこもったときに起きたんだ。
部分を強調するなら、
＞初めて恋をしたのも実家でのことだ
は削っても良かったかも、とか思ったり。
でも内容は分かったし面白かった。

>>72
そういうもんかなー
どっちにせよ小説の腕磨くには文章読むか書くかしかないでしょ？
そりゃ時間に追われてるなら別だけどさ。
暇な時にこうやって読む分には別に苦痛でもなんでもない
むしろこうでもして技術吸収しないと進歩しない気がする

前スレ>>876
読んだ。よんでﾜﾛﾀ
ほんと面白かった。なにも言わないし、いえない

初めてなのですが、書いてみたいです。
どなたか書きやすいお題ください。

少年

つ風船

承知しました。
二つお題いただいたのですが、一つ一つのお題で二つ話を書くのか、
二つのお題を合わせて一つの話を書くのか
どちらが良いのでしょうか？書き手の自由なのでしょうか？

書きやすい方でいいと思うよー。

自由だよ　投げてもいいし

ていうかよくある質問だな
これもテンプレに追加しておいたほうがいいのか？

どうせ読まれないから意味無いよ

最近、変な煽りっぽいのが増えた気がする。
過疎ってた頃には考えられないなw

誰か前スレのdatうｐして貰えない？
>>49のはもう消えてた……

携帯から失礼
>>73
あざっす
読み直したら誤字とか目立ってこき下ろされたら…っておろおろしてた
一安心です

>>84
http://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_69590.ttf.html

需要とか考えず消してた。
今度は暫く放置しとくので必要な方どぞ。

>>76=79です
ありがとうございます。分かりました。
今日中にアップするよう頑張ります。

>>86
ありがとう

今北…んだがスレタイwww小説書き禁止されちゃったよおいwww

全感時間かかりそうだし投げ出しそうだからさきに投票しておこう。

******************【投票用紙】******************
【投票】：　No.24 ウェストファリア ◆/UzWoCdlY.
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
　　　　　　　　　俺ほんとほのぼのに弱いなぁと改めて実感した。存分に堪能させていただきました。
　　　　　　　　　視点変更も短い話の中でよくできてたと思う。面白かった。そして好きだミシェーーール！！
　　　　　　No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
　　　　　　　　　　　　　　　─感想─
今回一番奇抜な作品。俺ほ（ｒｙ。最初はワクワクしたが尻下がり気味だったのが残念。
　　　　　　　　　しかしなんという怪文体。これは読めない人はとことん読めないだろう。

気になった作品：No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok
　　　　　　　　　　　　　　言いたいことはよく伝わってきたんだが、どうもこれが小説とは思えない。惜しい。
　　　　　　　　　　 No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
　　　　　　　　　　　　　不思議な話だった。文章はものすごく丁寧で綺麗。しかし不思議過ぎてよくわかりませんでした。
　　　　　　　　　　 No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo
　　　　　　　　　　　　　　鎖が見えるという発想は素敵だったが、これも話が尻下がり。最後のはちょっとやっつけすぎ。
**********************************************

って今日月曜じゃんかよ！　あせりすぎた。

>>91
どんまいw

ほー

ほ

******************【投票用紙】******************
【投票】：
No.21 コルネオのルール ◇LBPyCcG946氏
テーマに則りつつ味を出してる。
外国のドラマ的な風情があって好きです。

No.24 ウェストファリア ◇/UzWoCdlY.氏
あったかいお話。上手くテーマを生かした展開になってて、俺的には１位。
主役二人の書き分け方も上手。抵抗なく読めました


気になった作品：
No.11 クロスウォーク ◇p/4uMzQz/M氏
どこか唐突な展開を文章力でカバーできてる感じ。
微笑ましいストーリーの中にも実力が感じられた

No.13 外へ ◇otogi/VR86氏
さんざん物語に引き込んでおいてこう落ちますか普通
読後にしてやられた感があった

No.15 キミョウな自分ルール ◇ZetubougQo氏
笑った。テンポが良くて心地いい。
この作風で続けていって欲しいと思う。

No.29 この醜くも美しい世界 ◇Ms.BlueNHo氏
「ルールの鎖が見える」って設定にものすごく感心した。
ただ、申し訳ないがその後の展開にはがっかりした。可能性は秘めてたと思う
**********************************************

やっと全部読めた。ここからさらに全感してる人ほんとうすげーっす

ｲﾁｵｯﾂ

小説書くの禁止かーｗ

セクロスしたいからお題くれ

恋人繋ぎ

>>98
煩悩

>>99-100
把握

ちょっと質問なんだども、長編板で「連載」という形をとってもいいのだろうか。
ここでお題を貰って、同じ主人公で連載・・・みたいな

******************【投票用紙】******************
【投票】：
No.24 ウェストファリア ◇/UzWoCdlY.
　　　　単純にうまいと感じました。視点移動を多用すると話が崩れてしまう可能性も大きいので、よくこなせたと思う。
　　　　物語の面白さよりそっちに目がいっちゃいましたが、文句なしに一番です。
　　　　　
気になった作品：
No.19 取替え子 ◇VZpO0svMyk
　　　　文章が上手で嫉妬しまくり。ただ描写過多で肝心のお話が見えてきませんでした。

No.29 この醜くも美しい世界 ◇Ms.BlueNHo
　　　　惜しすぎるよ！　この話にこの設定は！　なんというか台本を見ているような感じでした。　　　　　　　　
**********************************************
総評：今回は突出して面白いと思える作品が無かったように感じました。

そしてみなさん感想ありがとうございます。
しかし一言でばっさり切られちゃってるので返す言葉がないという……
まさかそこまで読みにくいとは……ほんとすいません……精進します。

この醜くも美しい世界ってアニメがあったなぁ

ほ

お題：風船　頂いて投下します　総レス数７

お題：風船（>>78）頂いて投下。　総レス数７

トリップてすと

洗濯物を取り込もうと窓を開けると、ベランダに奇妙なものを見つけた。

風船だ。

ハートの形をした赤い風船。見たところ、ガスが半分抜けているようだ。
おそらく、子供がうっかり手を離してしまい、しばらく漂ったのちにここへ漂着したのだろう。

やれやれ。ゴミを増やしてくれた、と思いながら手に取ると、その風船の紐の部分に何かが結ばれているのに気づいた。
ほどいてみると、それはどうやら手紙のようだった。

「はじめまして。突然のお手紙すみません。
　誰かとお話がしたくて、このような方法をとってしまいました。
　そちらの生活はどのような感じですか？
　もしお返事をいただけるなら、この風船に手紙を結んで飛ばしてください。よろしくおねがいします。」

僕は笑ってしまった。きっと年頃の女の子が書いたのだろう。
全体的に丸っこく、決して上手いとは言えなかったが、愛嬌のある字だった。
女の子ってのは、みんなこんなにメルヘンなことを考えるのだろうか。
風船に手紙をつけて飛ばし、どこか知らない場所の、知らない人へと、メッセージを…

僕は面白くなり、近所のドラッグストアで風船用のガスを買ってきた。

「こんにちは。僕は一人暮らしをしている大学３年生の男性です。
　僕でよろしければ喜んで文通させてください。
　恋人もおらず寂しい生活を送っているので、この文通が生活の彩りになればと思います。」

手紙を結び、風船のガスを入れかえると、空へ放った。
絶対に届かないとわかっていても、少しだけワクワクしている自分がいた。
こんなことでワクワクしている自分も、年頃の少女と精神的に変わりないのかもしれないな。
そんなことを思って、なんだか恥ずかしくなりながらその日は眠りについた。

驚いたのは次の日だ。
ベランダに再びあのハート型の風船があったのだ。しかも、手紙の返事まで結ばれていた。

「お返事ありがとうございます。本当にうれしいです。
　これから、よろしくお願いします！
　わたしも一人でさびしい生活なので（笑）、お手紙心からお待ちしてますね！！」

この字体は間違いない。昨日の風船についていた手紙と同一人物だ。

まさか、こんなことがあるのだろうか。
住所も何も記していない風船を飛ばしたのに、それがきちんと相手に送り返され、
さらに相手から再びこちらに届くなんてことが。

僕は昨日風船を飛ばした時のことを考えていた。

考えられる可能性としてはこうだ。
僕が風船を空に放ったのをどこかで見ていて、放たれたと同時に風船を追いかけ、
落ちてきた風船から手紙を回収して、それに対する返事を書き、再び今日ベランダに風船と手紙を置いておく…

いやいや。それは無理だ。
昨日風船を飛ばした時、あたりに人影はなかったし、そもそも風船はすぐに空の彼方へ消えていったのだ。
あれを追いかけて、落ちてきたところを回収するなんて不可能だ。人間業じゃない。

だとしたら、この手紙はなんなんだ。まさか、これが年頃の女の子がよく言う「運命」ってやつなのか？

僕は不思議に思いながらも、もう一度返事を書いてみることにした。
手紙に簡単な自分の生活の近況を記すと、それを再び風船に結んで再び空へ放った。

果たして、返事はくるのだろうか。来てほしいような、来てほしくないような、複雑な心境だった。

さる

その次の日。

前日と同じように、赤い風船はそこにあった。
そしてやはり、そこには返事が結ばれていた。

「自由な生活をされているようで羨ましいです！！
　私もある程度自由な生活はしていますが・・・

　えっと、突然こんな話をするのも気が引けるんですが・・・
　実は私、あまり先が長くないんです。
　だからあなたとこうして会話ができることが嬉しくって（笑）
　神様がくれた奇跡だと思っています。」


奇跡、か。
神様や奇跡とやらの存在は認めたくないが、残念ながらそう思わざるを得ない。

昨日も僕は人が見ていないことを確認した上で風船を放ち、空の彼方へ消えるまでそれを眺めていたのだ。
誰もあの風船の行き先を指定することはできないし、回収することもまず不可能だ。

普通なら、不気味な話なのかもしれない。
だが、不思議にも、僕はこの手紙から全く不気味な感じを受けなかった。

それどころか、僕はだんだんこの手紙の主に親しみを覚え始めていた。
彼女の文章には、全く敵意がなく、心にすっと入ってくるような透明さがあった。

僕は彼女に返事を書くと、風船のガスを入れ替えて空に放った。

satu

次の日も、彼女からの返事は届いていた。次の日も。さらに次の日も。
それからというもの、僕は彼女との文通が日課になった。

彼女は筆まめのようで、必ず次の日には返事が返ってきた。
僕は彼女についてたくさんのことを知った。

彼女は大家族に生まれたということ。
しかし、その後知らない人に引き取られて、間もなく捨てられ一人ぼっちになったということ。
その後はずっと、地に足のつかない不安定な生活をしてきたこと。
彼女の一族はみんな短命で、彼女自身も先が短いということを悟っていること。

僕は、彼女の力になりたかった。
僕は毎回彼女からの手紙が届くと、すぐにありったけの言葉を尽くして応援の手紙を書き、
風船のガスを入れ替えて空へ飛ばした。

そんな心配ばかりしている僕とは対照に、彼女はいつでも健気だった。
「ありがとう。私もあなたとずっとこうして話していたいから、頑張るよ。」

気づけば、僕は顔の見えない彼女に対して、恋心を抱いていた。

ハート型の風船が、僕と彼女を結ぶ唯一の赤い糸だった。

そんなやり取りが１か月ほど続いた頃だろうか。

僕は、だんだんと彼女の文章から元気がなくなってきたのに気付いた。
体調が悪くなっているのだろうか。
僕は心配したが、彼女は大丈夫だと返してくるだけだった。

僕は彼女に、恋心を伝える決心をした。
そしてできることならば彼女に会って、彼女の力になりたかった。

僕は机に向って想いを伝える手紙を書き始めた。
僕はあなたが好きです。あなたの力になりたい。あなたにお会いしたい。

生まれて初めての恋文は、難しかった。
言いたいことは単純なはずなのに、言葉にすると同じところを何度もぐるぐると迷宮のように彷徨った。

結局僕は、そのたった１５行程度の手紙を、寝ずに一晩かけて書きあげた。


と、手紙が書き上がると同時に、ベランダにふわりと、いつもの風船が舞い降りた。

さる

僕は一刻も早くその手紙を彼女に届けたかった。

僕はベランダの風船を回収し、結ばれていた手紙を外すと、
それを読むより先に紐に自分の手紙を結びつけ、しぼんだ風船にガスを入れ始めた。


その瞬間だった。


―――――パンッ


風船が、破裂した。


心臓が止まりそうだった。
彼女との唯一の繋がりであった、この風船。
それが今、手の中で、割れた。

しばらく、動けなかった。
信じられない気分だった。

しばらくして、僕は我に返った。こうしてはいられない。確かに今割れた風船は、彼女とずっとやりとりしていた風船だ。
別の風船にしてしまったら彼女に届かないような気がして、ヨレヨレになっても取り替えなかった風船。
でも、届かないと決まったわけじゃない。別の風船だって彼女に届くかもしれないじゃないか。今すぐ新しいのを買ってきて・・・・

そう思いながら立ち上がると、彼女の手紙が目に入った。
そうだ、そういえばまだ読んでいなかったな。僕は彼女の手紙を開いた。


「愛しのあなたへ。

　おそらくこれが最後の手紙になると思います。
　きっと私は、もう一度膨らむことはできないでしょう。
　
　あの日、私を家の中へいれてくれてありがとう。
　そして私を捨てずに、手紙に返事をくれてありがとう。

　私は、この一か月間、とても幸せで、楽しかった。
　すべてあなたのおかげです。ずっとずっと忘れません。
　本当にありがとう。」


僕は慌てて割れた風船の欠片を探した。

が、一つも見つけることができなかった。風船は、煙のように消えてしまっていた。

茫然と立ち尽くす僕の周りには、いつもより広く感じる部屋があるだけだった。

「完」入れ忘れた。終わりです。

No.01 コドモルール ◆ecJGKb18io
五行目で読むのやめたかった。
語彙が小学六年生のそれじゃない。女史とか使う小学生いないだろ。
キャラの年齢と口調がかみ合わないだけで読む気一気になくなる。話にリアリティがなくなるから。
いっそ三人称にしてしまってもよかったかも知れない。
佐藤には「話しかけてはならない」のがクラスのルールなのに、安藤女史はいじめにだけ反応して、
なんで佐藤をかばうのか。規律に目を配るなら、佐藤に話しかけてクラスに馴染ませる方法をなぜ
取らないのか。安藤女史も結局、佐藤をいじめてるだけじゃん？

No.02 ル・クインセグ ◆pxtUOeh2oI
狼男がいることには驚かずに、狼が喋るのには驚くのか。
この短さでファンタジーやるのは難しい。ファンタジーは説明することが多いから。
イクァとスクエがどういう関係なのか。村長はなんで女の子を売っていたのか。なんでそれが今ま
でばれなかったのか。とかとか。
三人称一元視点だと思うんだけど、最初はオッド視点で、あとからイヴァン視点に変わってるよね。
一人称から三人称に変わるほどの違和感はないけれど、やっぱり視点が変わると違和感を覚える。
気にならない人もいるかもしれないけど、俺は気になった。

No.03 神のいない世界で ◆eYCc7/VuC2
神がなぜ世界を見捨てたのか。このくらいは説明して欲しかった。
酔客が語っている話が本当なら、勇者と魔法は戦っているんだよね。そのあとで愛に目覚めたのか。
それとも愛し合いながらも戦ったのか。よくわからん。
それに魔王が支配してるなら、死者蘇生に必要な道具くらい権力使ってすぐに集められそうだけど。
なんで何十年もかかるんだ。そういえば勇者が死んで何十年かどうかもよく考えればわからなかった。
勇者はいつなんで死んだんだろう。

No.04 シュガープラント・ルールズ ◆AOGu5v68Us
一行目で読むのやめたかった。
改行がめちゃくちゃ。読みにくいことこの上ない。
双子いるとか、彼氏がいるとかが前触れなく出て来すぎ。
もうちょっと匂わすとか、最初のほうで情報だしてくれないと、双子いたんだ。彼氏いたんだ。
って話においていかれる。
あとこの話と世界観にパロディじみたネタはあってない。

No.05 生類憐みの令 ◆ETwWxomLBg
生類憐みの令の解説をしただけで終わった。
なにがしたかったのか全然わからない。面白みもまったくない。
これ以外言うことが思いつかない。

No.06 ルール ◆ibD9/neH06
タオルどうやって冷やしたんだろう。
（以下略）が雰囲気にあっていない。もったいない。
ジョブチェンジのあたりで話の雰囲気がまったくわからなくなった。
物語と語り口はあっているけど、ところどころで違和感がある表現があって混乱する。
これもまた無意味な2ｃｈネタっぽいのがあって萎える。

No.07 家路 ◆Gv599Z9CwU
聞こえないふりするくらいなら、イヤホン取れよ。
と、思ったら取ってた。
正直、話はよくわからない。なんか中二病的な痛々しさを感じるけど、多分、狙ってやったんだろう。
これは多分、雰囲気を楽しみ話なんだろう。

さる

No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◆/sLDCv4rTY
ルビとか言われた時点で読むのやめたかった。
壊れたを毀れたにする必要はあったのか。毀れたのほうがカッコイイからとかじゃないよね。
俺にはちょっとわからないけど。でも雰囲気は出てた。
で、話も俺にはわからない。
なんで村人を殺したのか。子供を愛していたから独占したかったのか。と思ったけど、あとで違うと
書いてあるし、じゃあなんで村人をうとましく思ったんだ？

No.09 三秒ルール ◆Bf9IIj31BY
これはこういうものだろうから。特に言うことはない。
というか言えることはない。
俺が書いた話にも皆、こんな感想だったんだろうな。と思って俺が凹んだ。

No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ ◆/sLDCv4rTY
三行目で読むのやめたかった。
＞七八人で帰ってて
すごい大所帯。
中一にしては幼すぎる。
漢字を開いて中学生のときと大学生のときを差別化したかったんだろうけど、あれだと流石に無理が
あると思う。話も盛り上がるにかける。

No.11 クロスウォーク ◆p/4uMzQz/M
地の文がくどい。
微笑ましい話。他には特に感想はない。
オチはもっと綺麗な終わらせ方があったような気もする。
あえて笑いを取りにいく必要もなかったかもね。

No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok
マラドーナが神の手ゴール決めたのは25のときだったような気がする。
そしてマラドーナのすごいところは同じ試合で伝説の五人抜きをやっているところだよね。
どうでもいいか。ごめんなさい。
ネタ自体は面白いけど、もうちょっとなんとかならなかったのかなあと言った印象。
どうなんとかしたらいいのかは思いつかないけど。

No.13 外へ ◆otogi/VR86
鬼ってのはよかった。時期的にもぴったりだしねだしね。
けど、お礼が言いたいといって会いにいったのに、なんで急に食べ物に見えたんだ？
そこがわからないから、すっきりしない。もったいない。台無し。
オチさえよければって感じ。

No.14 定め ◆7BJkZFw08A
一行目で読むのやめたかった。
またオチが。
予定調和だよね。もうちょっとなんとかならなかったのかな。
伏線も魂が違うから云々みたいなのだけだし、唐突な感じは否めない。

No.15 キミョウな自分ルール ◆ZetubougQo
三行目で読むのやめたかった。
こんなすぐ影響される時点で普通の街ではなかったということだな。
安眠を妨害されてるのに、いくら子供とは言え笑顔一つで許せるのか？
とか色々ツッコミたいところはあるけど、これにそういう突っ込みするのは無粋というものなのかな。
こういう空気が好きな人は好きそう。俺はあんまり好きじゃないけど。

No.16 歌が聞こえる ◆SQvDZ46yqY
事故記録読んでも一人が事故にあったようにしか見えない。
ありさはなんで亜紀の生まれ故郷に意識飛んでるんだ？
意味わからん。

No.17 規則破不 ◆CoNgr1T30M
一行目で読むのやめたかった。
ホモネタにすれば面白いとでも思ったのか。
正直、なにがしたいのかさっぱり。ホモネタがしたかっただけなのか。

No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2
なにがしたかったのか、これもよくわからない。
他の感想見ると、こういうのが青春小説って言うの？
よくわからない。

No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
意味がわからない。
書きたいことも、どういう話なのかも多少はわかるけど、意味はわからない。
失禁はいいよね。とかよくわからん感想しか浮かばない。

No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI
三十分も歩かないといけないところにわざわざ行くなと注意するか？
これもまあ話の筋としてありきたりかな。
子供が手痛い教訓を学びました的な。
よく書けてるとは思うけど、面白みにかける。

No.21 コルネオのルール ◆LBPyCcG946
一行目で読むのやめたかった。
空港の警備が甘すぎでリアリティがない。
話の筋はよかったけど、そこで全部台無し。

No.22 アナザー・ワールド ◆Sound.UlVY
幽白の海藤の禁句思い出した。
まあそれだけだよね。というかそれがやりたかっただけなんでしょ。多分。

さる

No.23 relatively being ◆wb/kX83B4.
一行目で読むのやめたかった。
読んでてイライラする。なにがしたいのかさっぱりわからん。

No.24 ウェストファリア ◆/UzWoCdlY.
優先席って譲る相手ががきたら譲ればいいわけで、譲る相手がいないなら普通座ると思うけど。
視点がコロコロ変わるのは好きじゃない。
女の子可愛いね。まあそんだけ。

No.25 なみだ ◆0CH8r0HG.A
最後の展開が強引だな。
鬼を怖がらなくなるから、追い出しにきたのに泣かせたらOKってなんで？
掟は鬼の村の掟で、人間の村の掟じゃないのに。

No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86
ふくらみかけの裸ってなんだ。爆発するのか？　胸だろ。ふくらみかけの胸。
なんか中途半端なロリコン。いや意味わからんけど。

No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE
＞青信号にも関わらず、速度を緩めずに彼女にぶつかった。
赤信号じゃないの？　いやまあ歩行者がいれば速度緩めるか一時停止するべきだけどさ。
由香さんって呼び方が微妙な距離感を表してるのかな。若干違和感を覚えるけれど。
典弘のDQNぷりはよく出てるんじゃない。テンプレっぽいけど。

No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
ところどころ子供が使いそうもない単語が出てきて萎える。
小さい女の子が頑張っている姿を想像すると一瞬萌えそうになったけど、
標識に話しかけてる女の子は怖いね。キチガイだね。
最後、風紀にうるさくなったってのを使いたいがために中学生にしたんだろうけど、いらないと思う。

さる

No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo
自分の鎖は見えないのか。ものすごく厨二病です。
なんで天使は制服着てるんだ？　それこそ羽生やして降臨でもしたほうがわかりやすいだろうに。

No.30 とある妖精と少年のお話 ◆InwGZIAUcs
最初のほうは期待したけど、どんどんダメな感じに。
リリーナも嫌な妖精だな。利用するだけ利用してあとはポイッか。
よく考えればリリーナは別にライナを愛さなくてもいいんだもんな。

全体の感想みたいななにか。
全部つまらん。つまらないものを全部読むのは苦行。というか拷問。

さすがカオスなれしてるだけあって投下速度はえぇのなｗｗｗ

ほら、もう終わっちゃってるし。乙乙。
この人が真面目に全感するなら、参加しとけばよかった。

あー誤字脱字発見

全感乙

読んでるｗｗｗ最後まで読んでるｗｗｗｗ
乙乙

>>131
俺も思ったｗｗｗ

全感乙
感想が複数行あるww

嘘みたいだろ……最後まで読んでるんだぜ……これ

全巻乙ー

全感乙ー
いつも読むばっかりだけど、こうやって感想もらえるなら書いてみたいな

やべぇ、俺妹様のここまでの感想見たことない……

女未の人気に嫉妬

幸せな話書くから頭が幸せな俺に幸せなお題を優しく下さい

>>141
自己破産

ベテランが語るコツを独断と偏見でまとめてみた。

＊＊＊　ゴ　ッ　ド　カ　オ　ス　語　録　＊＊＊
【ジャンルについて】
・この短さでファンタジーやるのは難しい。ファンタジーは説明することが多いから。
【舞台・設定について】
・リアリティがない。話の筋はよかったけど、そこで全部台無し。
【一人称の文章】
・ところどころ子供が使いそうもない単語が出てきて萎える。
・キャラの年齢と口調がかみ合わないだけで読む気一気になくなる。話にリアリティがなくなるから。
【視点・語り手の切り替え】
・やっぱり視点が変わると違和感を覚える。気にならない人もいるかもしれないけど、俺は気になった。
・視点がコロコロ変わるのは好きじゃない。
【作文作法】
・改行がめちゃくちゃ。読みにくいことこの上ない。
【世界観と内容の整合性】
・あとこの話と世界観にパロディじみたネタはあってない。
【ネタについて】
・ホモネタにすれば面白いとでも思ったのか。
・（既存の踏襲ネタ）というかそれがやりたかっただけなんでしょ。多分。
【安易な２ｃｈフレーズ】
・これもまた無意味な2ｃｈネタっぽいのがあって萎える。
【明確なメッセージの無いもの、余韻、リリカル系】
・意味がわからない。
・なにがしたかったのか、これもよくわからない。
・なにがしたいのかさっぱりわからん。
【気にとめてほしいこと】
・つまらないものを全部読むのは苦行。というか拷問。
【投下前にすべきこと】
・誤字脱字発見

首

君なんて、だいっ嫌い……（嘘）

>>142　>>144
把握した

不覚にも語録に噴いた

ゴッドカオスじじゅうｗｗｗ

>>143
これで俺も辛口批評家！
読んでないのに全感できる！ふしぎ！

ｗ

>>143
確かにファンタジーは難しいかもな。
あと視点切り替えの多用も気になる。
作法は言わずもがな。

俺は全館やる人は凄いと思うし、大体どんな感想でもいいと思う派だけど
どんなものでも楽しもうと思って読まんと苦しいな。
そうじゃないとこの５レスという縛りの中じゃ、見た目の文章力だけを主にしか評価出来ない。
……ような側面があると思った。
まあこんだけ作品があれば確かに俺も辟易とするんですけどおおお
しかし最近は３０オーバーが頻繁にあるな

実際、そこそこの王道ストーリーでも文章力があればヌルッと読ませられるからねぇ…。

>>76です
少し暗めになりましたが、出来たので投下します。
全５レス

　数年振りに戻ってきた故郷は懐かしくもあって、不思議と何処か余所々々しさも感じられた。
　それは錯覚などではない。家には珍しく大人数の知り合いが集まったが、挨拶程度の顔見知りの人、身内、家族、
そして自分自身も含め誰として穏やかな表情をする者はいなかった。
　兄と別れを告げる為だけの窮屈でしかなかった喪服を脱ぎ捨てて、私はそっと家を抜け出した。

　事故死だった。
　以前からよく耳にする飲酒運転による不幸な交通事故。まさか自分の家族が遭うとは思いもしなかった。でも、
これが現実で事実。
　上京している私の元に連絡が入ったのは、その日の夜。初めは悪い冗談かと思った。でも、泣いて震えている母の声や
強張った父の声を続け様に聞かされて、冗談を本当なのだと変換せざるを得なかった。
　急いで私は田舎に帰り総合病院へ向かったが、もう話すことの無い兄と面会したのは日付が変わった頃だった。
　薄暗く四角い部屋に、白い布の兄と、背を丸めている母と、それを支える父と、少し息を切らした私の四人。
　自分たちとこの空間が切り取られ、外の喧騒から放り出された疎外感。世界が知らない世界に変わる独自の時間概念。
　これが、信じられない、ということなのだろうと実感した時だった。

　家の近くに広がる田んぼ道をゆっくりと歩いて、一つ。溜め息を吐く。
　兄と私は二人だけの兄妹で、兄からはからかわれもしたし、並に喧嘩もした。その分、兄は優しく、大学の入学を機に
上京する私に猛反対していた両親を説得してくれたのも兄だった。

　この春、結婚をするのだと聞いていた。
　彼女も紹介してもらって、とても良い人で、私もお義姉さんと呼んでいたのに。新婚で幸せ絶頂のところを
からかってやろうと思っていたのに。
　もうそれは想像上だけで、果たされることの無いものとして流されてしまった。
　何故兄だったのだろう。
　何故兄でなくてはならなかったのだろう。　在り来たりに、神様は不公平だ、と罵る。
　神なんて信じていないけれど、もし居るのだとしたら今こうして空を見上げる私のことも見下ろしているのだろう。
　見上げた空は嫌になるほどにも澄んだ色をしてした。大きな雲も無い。酷く、良好な天気だった。
　片手を上に伸ばして指を広げる。そのまま握った。手の内に何かの感覚は無く、また開いて、そして握る。
　何をしているのだろう、私は。
　神でも引き摺り降ろそうか。降ろして、目の前で罵倒してやるんだ。
　微かに震える奥歯を噛み締めて涙腺が緩むのを抑える。悲しみの涙は既に流し尽くした。
　でも、寂しさの涙は恐らくまだ、流し切ることは出来ていない。
　まだ時間は経っていないのだ。
　目尻が熱くなって、青いだけの視界が滲み出す。


「――空を掴むことは出来ないよ」
「…！」

背後から聞こえた声に驚いて慌てて振り返る。と、そこにいたのは小学校低、中学年程の小さな少年だった。

「……ありがとう」

自然と浮かべられた笑みで彼に礼を言うと、風船の紐に指を掛けた。その時だった。


「――大丈夫。きっと頑張れるよ」

「――え」


　先程とは違う少年の声色に私は弾かれるように彼の瞳を見た。人を諭すように、落ち着きを含めたその声は
よく耳に馴染んでいて、聞きなれた声の調子。似ている、では足りない程の――

「あ」

　意識が逸れていたのか。風船の紐は二人の指をすり抜け、青い空へと向かった。慌てて手を伸ばすも、垂れた糸は
私の指を遊んで届かない場所まで行ってしまった。
　小さくなる橙は後ろの大きな青に溶け入るかように浮かび上がって鮮やかに映えていた。
　そういえば、兄は橙色が好きだったんだっけ。明るくて、太陽みたいで、携帯も橙色が多くて。馬鹿みたいに元気な兄には
よく似合うと思っていた。もうそれを言う兄はいないのだけれど。

「……」

ぼんやりと小さく遠くなる風船を見送って、そこでふと、あの風船は少年がくれたものであったことを思い出した。

「ご、ごめん…！　風船………あれ？」

　謝ろうと急いで視線を戻すが、少年が居た場所には何もなく、誰もおらず。辺りを見回しても伸びる畦道と広がる田んぼだけで。
既に少年が帰路に着いたとしても遮る建物が無いこの場所では姿くらいは見える筈なのだが、どこにも少年の姿は無かった。
　最初から誰も居なかったのように私一人だけが立ち呆けていて、見上げた空は相変わらずに深く透ける程の青さを広げている。
橙の風船もいつの間にか見えなくなっていた。割れてしまったのか、それとも空を歩いていた誰かが持っていったのかもしれない。
　少し惜しい気もするが、その人が喜ぶのならそれはそれで良い気もする。
　私はもう一度、空に手を掲げた。


「――大丈夫。きっと頑張れるよ」

　そして、彼が励ましてくれた言葉を私はもう一度反復する。




終

王道や予定調和、ありきたりな筋をしっかり面白く書けるかだよな。果てしなく遠いよなぁ。

お題ｐｌｚ

3番無くね？
時空の彼方へ行っちゃったか？

お題いただきに参った

>>158
落とし物

>>160
図書室

うはｗｗｗ３落ちたｗｗｗ
すみませんすみません
今すぐ打ち直します

>>160
拾い物

>>158
忘却

>>160
海に張り出した校舎

>>161 >>165
把握

>>162
把握

まとめwikiに語録が項目追加されてるしｗｗｗいつの間にｗｗｗ

なんでお前らは俺をイジメるの？

>>169
どうした？ｗ

よくもボコボコにしてくれたな！！　まぁ今回我ながら酷いなぁと思ったんだけどね

ついつい好きな子をイジメたくなっちゃうアレだよ

反動形成？　今風に言い換えればツンデレだよな、俺ら。

>>169
まぁ、そっちもデレツンなんだからいいジャマイカ

>>76ですが、何故か３番目のみアップしてくれません……

>>174
ついつい好きな子をイジメたくなっちゃうアレだよ

>>174
一番上の行が空白なら書き込まれない。

ふと疑問に思った事が
皆プロットとか書くのか？
あれ、どういう風に書くのかよく分からんのだが……

>>169
乙乙。
ツボを突いた短評だと思った。作風から想像してた印象とわかに信じられないものがあって、
やっぱ力あるんだなぁと感心しながら読んでたら、なにやら無性に語録作ってた。
気に障ったのなら、謝ります。すみません。

ちゃんと「書き込みました」って出るのに！｡･ﾟ･(ノд｀　)･ﾟ･｡ｳﾜｧｧｧﾝ!
どうすれば良いんでしょう…

>>174
最初に空行がある？
あったら、詰めるか、スペースで代用してみ
それ以外はわからん

>>174
第1行目が改行で始まっている場合は
スペースを入れると吉

それでもダメなら避難所へカモン！

>>176
そうなんですか？
ありがとうございます！
もう一回打ってきます。
もう本当にgdgdですみません…

お題下さい

>>183
見えない存在

「お空はすごく高いもん」

にこにこと笑いながらの言葉はすぐに理解出来ず、やがて半端に挙げられたままの自分の手に気付いた。

「あ…、あぁ、そうだよね！　無理だよね…！」

　小さく笑んで早口にそう言うと手を後ろに隠すように下ろした。

「でもね！　お空は高い高ーいけど、お空の中は歩けるんだよ！」

その小さな少年は腕をいっぱいに広げ、空が高い高ーいことを表現するが、次の言葉が引っ掛かる。

「え？」
「はい！」

　首を傾げ、彼の意図が掴めないことを表すが少年は構わず片手を私に突き出した。
　握られた小さな手から、真っ直ぐと上に細い糸が伸びている。それにそって視線を沿わせると行き着いた先には
橙色の風船が括りつけられていた。

「これを持っているとお空を歩けるの」

　飛べないけどね、と最後に付け足した少年にはからかうような雰囲気は全く無く、只単純に風船を渡そうとしてくれていた。
　きっと、自分を気遣ってのことなのだろう。こんな小さな子供に心配される程にも私は酷い顔を――泣きそうな顔を――
していたのかもしれない。

>>184
把握

>>76です…
アドバイスくださった方々、本当にありがとうございました。
もう、恥ずかしすぎて……orz
初めてがこんなんじゃぁ…Orz
すみませんでした…

>>187
長文を投下するようなスレじゃないと出てこないバグだし
ずっと昔からあるわけじゃないのよねぇ、多分

ＰＣケータイに限らず、専ブラも関係ないのか…
こういうのって運営に言ってみて意味あるのかなー

最近、運営が用意した規制みたいだぞ、
さるさんみたいな。

SSの投下を好ましく思ってないんじゃね

ああ、まじで
バグじゃなくて規制なのか

巨大AAを規制したいんじゃね？

１時間ぐらいでサラッと書くから何かおだいちょうだい

サランラップ

テンプレに入れといた方が良いかもな

最初が空行かつ、22行以上の場合は、
書きこめたと表示されてもスレには反映されないって

１時間でサランラップはきついな……

全感乙乙

>>143
分かるけど、なんかこっちも萎える全感だなあ
文章に対して絶望した人みたいだ
そういうものなのか

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 前スレまでの通常作品、過去スレ、過去ログ、全て編集完了致しました。
　　　　　　彡　　　　彡　　　　　　　　 それと、遅れましたが週末品評会第９５回の編集も完了しました。よろしければ。
　　　彡　　ﾌﾞﾜｯ　　　　彡　　　　　　　ttp://bnsk.kirisute-gomen.com/95th/95thindex.html
　　　　へﾍ./ゝ、　　彡
　　　ﾉ＼　 |　/　　　　,' '　　彡　　　　.総作品数：４２３０作品
　　ｿ　　 ＼|/　∧,,∧　　　　　　彡　　総スレ数 ：４１１スレ
　　￣￣￣ ＼(･ω･｀)　彡　　　　　　 .現　在 　 ：４１２スレ目
　　彡　　　　　 ０⊂ 　ヽo　　　　　　　備　考 　 .：>>194
　　　　　彡　　　　 ヽU Uゝ　　彡　　　　　　　　　 その方が良いかも知れません。考えておきますね。

>>197
乙！

>>197
乙

>>197
おつー

>>197
おもちかえりいいいいいいいいいい

　
―１行目、改行だけではダメ！―　　↑のように〔スペース〕を入れて改行しよう。
こんな感じか？　わかりやすさって難しいよね。

>>197
おつかれです。体調崩してないッスか？いつも心配です。

>>196
正直な感想だとオモタけど……

おつかれさまですー

とりあえず投票
******************【投票用紙】******************
【投票】：　No.29 この醜くも美しい世界 ◇Ms.BlueNHo
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
発想の勝利だ、と思った瞬間。
ルールという題材をこれ以上無いほど上手く使っていると思う。
素直に感心した。
　　　　　　No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
　　　　　　　　　　　　　　　─感想─
作品を包むメルヘンな雰囲気は短編ならではって感じ。
ただ、ひらがなが多いのでちょっと読み難い。もっと改行すると良かったかも。
しかし、独特の雰囲気は心地良かった。

気になった作品：No.26 アウトローですか？◇czxS/EpN86
　　　　　　　　　　 No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
　　　　　　　　　　 No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo
　　　　　　　　　　No.15 キミョウな自分ルール ◇ZetubougQo　
**********************************************

まあテンプレに入れたとしてもテンプレ嫁っていうレスは必要だったりするしな。

いつも乙です

>>197
狂おしいほど乙！

No.01 コドモルール ◇ecJGKb18io
ルールという単語が全面に押し出され過ぎていた気がする。
しかし、安定した文章で読み易く、内容もなかなか面白かった。
オチもインパクトは無いが綺麗だった。
No.02 ル・クインセグ ◇pxtUOeh2oI
曖昧な表現が多く、文章からイメージを掴み難い。
文章力が低いようだから、もっと推敲をしっかりすると良いと思う。
あと、オチの約束がどういう約束なのか分からなかった。
No.03 神のいない世界で ◇eYCc7/VuC2
発想は面白いけど……内容は面白く無かった。
男の動機は分かったが、思いの強さみたいなのがイマイチ分からなかったせいかも。
ただ、世界観は独特だった。
No.04 シュガープラント・ルールズ ◇AOGu5v68Us
レトリックというか、表現が大袈裟すぎる気がする。
後、ビンタの音を擬音にだけ頼るのは良くない。
でも文章はわりと安定していたし、まぁそこそこ面白かった。
No.05 生類憐みの令 ◇ETwWxomLBg
起承転結が少し乏しい作品に感じたが、少ない分量なので仕方ないかもしれない。
文章は安定していて、世界観も確立されており、なかなかの佳作だった。
No.06 ルール ◇ibD9/neH06
純文学っぽい雰囲気が出ているが、一文一文が洗練されておらず、読み難い。
しかし、内容が良い意味で酷くて、かなり個人的な感想だが純文学をバカにしているような感

じが堪らなく小気味良い。もっと文章力を上げてこの路線で頑張って欲しい。
No.07 家路 ◇Gv599Z9CwU
お題のルールが薄すぎるような気がする。
でも、雰囲気は凄く良かった。ちょっと儚い青春の感じが出ている気がする。
純粋に、良い物だと思えた。

No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◇/sLDCv4rTY
お題がどこにあるのか理解出来無い。
雰囲気は独特で狂気的な感じにちょっと吐き気がした。
No.09 三秒ルール◇Bf9IIj31BY
こういう短編は文章力がモロに影響してしまうと思う。
別に文章が特別下手では無かったけど、上手いわけでもなかった。
あとは、何ていうか、うん。ほのぼのした。
凄くシンプルで分かりやすくて、これはまぁ、読んでも損はしない佳作。
No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ ◇/sLDCv4rTY
電車の中でどうしていきなり親友の事を思い出したのか疑問に思った。
でも心に迫るものがあった。
それに、ルールの使い方もなかなか上手いな、と思った。
No.11 クロスウォーク ◇p/4uMzQz/M
奈摘が急に「ちょっと黙れ」とか言い出したのが怖かった。
あの性格を統一してくれたら違和感無く楽しめたのに。
とはいえ、女の子の思考による珍しい文体が世界観を作ってて面白かった。
展開のぶっ飛び方も良い感じ。これは良い作品。
No.12 モンスター ◇zsc5U.7zok
ううむ、実験的作品っぽい。独特の雰囲気に引き込まれはするものの面白いとは言い難い。
好き嫌いが激しそうなタイプの作品。
No.13 外へ ◇otogi/VR86
んーなんだか読んでて良く分からない事がチラホラ。
今がどういう状況なのか、主語が何なのか分からない事があった。
No.14 定め◇7BJkZFw08A
何だか絵本のようなお話で、完成度は高いと思う。
良くも悪くも王道なストーリー。

おさーる

この全感配分、……５レス！

No.15 キミョウな自分ルール ◇ZetubougQo＠
これはまた綺麗にまとまった良いお話。
語り口調も特徴的で面白い。
No.16 歌が聞こえる ◇SQvDZ46yqY
えーっと、微妙に文章がおかしい気がする。
あと、ありさが死んだのは分かったけど、4/5で視点が変わりすぎて状況が良く分からない。
5/5を見ても分かったような分からないような。
亜紀の死んだ資料なのかありさが死んだ資料なのか。
No.17 規則破不 ◇CoNgr1T30M
あーっと、展開は面白いけど無理があり過ぎるような。
まぁ好き嫌いが分かれる作品っぽい。
No.18 海とビールと傍観者 ◇hemq0QmgO2＊
ルールは……いとことの関係かな？
でもそれが主題って感じじゃなかった。面白かったけど。
No.19 取替え子 ◇VZpO0svMyk＠
文章量が半端無いので、その分濃密な作品になっていた。
何だか不思議な世界観。読み入ってしまう作品だった。
文章も安定しており、完成度は高いと思う。
No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◇rmqyubQICI＊
展開が少し早いかも。
でも、小ぢんまりと纏まった良作だと思う。
祖父の言葉にも納得させられた。
No.21 コルネオのルール◇LBPyCcG946
話の展開はテンポが良く、そのせいであっさりしすぎていたかも。
ただオチは上手いな、と思った。
文章も違和感無く、スラスラと読む事が出来た。

No.22 アナザー・ワールド◇Sound.UlVY
いきなりの超展開にちょっと引いた。
山場が無くて淡々とした感じが否めない。面白かったけど。
No.23 relatively being◇wb/kX83B4
……お題を勘違いしているのでは、と思わずに居られない。
これはきっとメルヘンだ。
No.24 ウェストファリア ◇/UzWoCdlY
最後の方で怒涛の如く視点がコロコロ変わるのはちょっとついていけない。
面白く無いわけでは無いけど、斬新なアイデアはいまいち無いなぁと思った。
：No.25 なみだ◇0CH8r0HG.A＊
何て良い童話。ベタな展開ですが、逆に最近こういうのは見ないので良かった。
みんな良い人間の作品っていうのも、あって良いと思う。
No.26 アウトローですか？◇czxS/EpN86＠
なんとも挑戦的な作品だと思う。
斬新な文体に、主人公の変態さに、ポップな軽いノリ――。
サクッと読めて、得した気分になれた。
No.27 その汚く美しき青春◇/7C0zzoEsE
あうあう、面白い、面白いけど……ルールあんま関係無い。
でも全体から主人公の荒涼とした寂しさが溢れてる感じだよー。
No.28 妖精さんのお仕事 ◇lDzk49E.e2＠
作品を包むメルヘンな雰囲気は短編ならではって感じ。
ただ、ひらがなが多いのでちょっと読み難い。もっと改行すると良かったかも。
しかし、独特の雰囲気は心地良かった。
No.29 この醜くも美しい世界 ◇Ms.BlueNHo＠
発想の勝利だ、と思った瞬間。
ルールという題材をこれ以上無いほど上手く使っていると思う。
素直に感心した。
No.30 とある妖精と少年のお話 ◇InwGZIAUcs
ちょっと展開が急すぎる。そしてベタ過ぎる。
でもまぁ短編っていうより、長編向けかも。

さる？

>>197
いっつも乙でございます

全感乙乙

>>197
おつかれんこ
俺も投票せねば

全感乙

全巻乙

全感乙です……。俺もテスト終わったから読んでこよう。

>>210
No.11です。文体頑張ってたんですが、変なギャグ入れて台無しだったみたいですね。泣いた。

全感乙ー
>>205
29が２つあるけど投票の方でよいんだよね？

>>222
あうあうミスッた。２９投票の方でお願いしますです。
>>221
そういうのって良くあるよねｗｗ

それにしても全感って初めてやったけど、自分の語彙の少なさに泣けた……。
でも全感乙ってレスが温かくて嬉しかった……・。
俺もその内書く側で参加しよっとー。

******************【投票用紙】******************
【投票】：No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok
　　　　　No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
　　　　　No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
　　　　　自分では絶対に書けないであろうと感じた３つ。
　　　　　今回はこれといって面白い作品が無かったので個性を重視した投票ということで。

気になった作品：No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI
　　　　　　　　　　 No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86
　　　　　　　　　　　　　　 ─感想─
　　　　　　　理由はほぼ同上。もう少しひねりが欲しかった。
**********************************************

ゴッドカオスがつまらんという理由がわかったよ。次回に期待しよう。

軽く流して全感しようとしてるはずなのに全然オワンネ
明日までか〜、最悪でも投票だけはせねば

全感乙

まぁ、最初からつまらないと思って読み始めちゃ、面白いものもつまらなく映りますよね。

ああ、まったくそのとおりだすまん。
また日を改めて感想書こう。

>>227
それは言い訳だろ？　くだらねえ

そういう人に面白いと思ってもらえたら嬉しいよね、本当に

>>229
？の後に空白を入れる当たりお前の文才魂を感じた。
個人的には半角でいいと思うんだけどな

>>231
……ありがと

正直つまらないと思ってみるとつまらなさ30％アップ、面白いと思ってみると面白さ30％アップ

小説に限らず何に対しても結構当てはまるから困る

半角スペースって本文に反映されるんだっけ…？

つまらないのが面白さ30％程度上がったところでつまらないことには変わりないと思うけど

オレ参加してないから読む気にはならないけど、
今回参加してない人が読んでくれたり投票してくれたり
全感したりしてるようで、とても恵まれてる回なんじゃね？

>>234
半角スペース連続だと、個数に応じた間隔がなかなか開かない。
本文に反映されないのはタブ文字かな

つまらないと言われたなら、
相手の読む姿勢なんか関係ないくらい面白いのを次で書けばいいと思うんだ！

　　　rー"￣￣ヽ
　　／ ／"ヽ ヽ ＼
　 // /　　 ヽﾊ　､ヽ
　〃{{ノ　　＼ﾘ||| |
　ﾚ小|●　　● 从|､|
　ヽ|⊃ ､__　⊂⊃|ﾉ|
/⌒L|ﾍ　ヽ_)　 j/⌒ﾘ
＼/ | l＞r､_イｧ/　/|
`/ /| |ヾ|三/{ﾍ＿∧|
ヽ< | | ヾ∨/ヾ 彡"|

正直言うほうだって素人なんだし、難癖つけたがる居酒屋のおっさんくらいに思っとけ。
俺なんてつまらないって言われても、いや絶対に面白いって思ってるし

>>239

そうして、読者の意見から目を背けて向上心を失くすんですねｗｗｗｗ

>>239
お前、かっこいいよw

>>239
その気持ちが無きゃやってられねーよ、小説書くなんて。

>>236
>>234のレスの先頭に、半角スペース1個挿てるんだがな
個数に関係なく、無視されるんじゃなかったか


テスト

確かに投票多い気がするな　お題に寄ってきてくれたのかなー
ああなんだか期待外れさせちゃったみたいで申し訳ない気持ちが

面白いってのは、書店で買える気に入った作家の本のことだろ？
なかなかそんなのは書けないだろー。
素人が即興で書いた作品で、編集も通さないってんだから。
だけど、日頃本を読んでる人に、読んで貰って面白い言われたら
それって最高じゃね？

いや、さすがにこのスレに書店で並んでる本と同じレベルの面白さは期待してないが…
読んでる時にある程度面白いと思ったら面白いって言ってるよ俺は。

春厨の季節ですよ
つまり、規制の季節だよ


斬捨の「もうちょっと待ってね☆」に吹いたｗ

>>243
文中の 半角スペース の話だと思ってた。
文頭だと反映されないみたいだね？

でも、プロと割り切って評価してるだろ

>>248
こっちも勘違いしてた
文中なら、短くなるけど反映はされるのね

　家に帰ると、テレビ、ソファー、テーブル、椅子、食器など、
家の中のありとあらゆるものがラップでグルグル巻きになっていた。
「おい、どうしたんだコレ」私は妻に聞いた。
「どうしてもシイちゃんがきかないの」妻が答えた。
　シイちゃんとは私の娘のことである。
「シイ、どうしたの？」私は部屋の隅で何やらごそごそしている娘に聞いた。
「くさるからラップするの」と言う娘をよく見ると、彼女は懸命に熊のぬいぐるみをラップでくるもうとしていた。
「腐る？」私は妻の方を向いた。
「テレビで、何かそういう番組を見たみたいなの」妻は言った。
「なるほど……。シイ、テレビとかぬいぐるみは腐らないよ」私は言った。
「……」娘は余すところがないよう必死にぬいぐるみをラップで包んでいる。
「ラップを取り上げようとすると怒るの」妻は言った。
「そしたら、まあ、ラップが無くなるまで待つか」私は言った。
「それがね、スーパーの特売日にたくさん買ったからまだまだあるの」妻は言った。
「それは困ったな」このままだと寝ている間に私達までグルグル巻きにされかねない。
「シイ」私は、今度は私の鞄をラップでくるもうとしている娘の方を向いた。
「ぬいぐるみも鞄も、腐らないよ。ラップがもったいないからやめなさい」
「ちがうの」娘は言った。
「腐るのは、食べ物とかそういうものだよ。ほら、ラップをわたして」私は言った。
「イヤー！」娘は叫んだ。
　この反応は、もう、泣く寸前である。
「わかった、わかった」私は声のトーンをおさえて言った。
「でも、ぬいぐるみは腐らないんだよ、腐らないとラップはいらないよ」
「ちがうの」娘は言った。「わたしたちがくさるの」

結局評価に対する不平の声なんて上げてる時点でずれてると思うんだ

了です。

サランラップは商品名で非常に使いにくいから「ラップ」にしましたごめんなさい

南海ホークス

>>251
個人的にこういう展開は大好きだ。
最後の文の投げっぱなし感とか。
ただ、この台詞の後に台詞以外が続くのは読みなれてないせいか違和感を持った。
評価ではなく感想として受け取ってくれ。

　　　　　　　　 ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
　　　　 　 　 (.＿＿_,,,... -ｧァﾌ|　　　　　　　　　　あ…ありのまま 今　起こった事を話すぜ！
　 　 　 　 　 |i i|　 　 }!　}} /／|
　　　　 　 　 |l､{　 　j}　/,,ｨ//｜　　　　　　　『お題通りの小説を書いたと
　　　　　　　 i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ　　　　　　　　思ったらいつのまにかお題と無関係だった』
　　　　　　　 |ﾘ u' }　 ,ﾉ　_,!V,ﾊ |
　　 　 　 ／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ　, ﾀ人　　　　　　　　な…　何を言ってるのか　わからねーと思うが
　　　　 /' 　 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　　おれも何をされたのかわからなかった…
　　　　,ﾞ　 ／ )ヽ iLﾚ 　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　 　 |／_／　 ﾊ !ニ⊇　'／:} 　V:::::ヽ　　　　　　　　頭がどうにかなりそうだった…
　　　 /／ 二二二7'T'' ／u'　__ /:::::::/｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´　'"´ ／::::／-‐ 　＼　　　　催眠術だとか超スピードだとか
　　 / // 　 广¨´ 　/'　　 ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ　　　　そんなチャチなもんじゃあ　断じてねえ
　　ﾉ ' /　 ノ:::::`ー-､___／:::::／/ 　 　 　 ヽ　　}
_／｀丶　/::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::...　　　 　　　ｲ　 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

>>256
よくあることだけど、意識すれば防げるよ。……多分。

全感三分の一終わった

>>255
感想有難う。台詞の後に台詞以外が続くのは自分も嫌い。
今回は簡潔さを意識してこんな感じにしたけども。

お題頂けますか？

>>260
実験

>>260
空の色

えと、実験、空の色って事になるんですか？

だな。ガンバ

うい、ありがとうございます

>>257
ありがとう
それにしても二時間は痛いな……

二時間？

台詞のあとに地の文が続くのを見慣れてない、嫌い……ですって……

読み飛ばされまくってそうだ

お題に沿ったつもりで書いたのに気がつけばお題から外れていて品評会に出せなかったり書き直したりするのもよくあること
ってのは俺だけか？

>>267
二時間も気づかず書いてました
>>269
それなんて俺

　　　　　　　　　　おにぎりワッショイ！！
　　　　　　　＼＼　 おにぎりワッショイ！！　／／
　　　+　　　+　＼＼　おにぎりワッショイ！！／+
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　+
.　　　　　+　　 ／■＼　　／■＼　 ／■＼　　+
　　　　　　　　（　´∀｀∩（´∀｀∩）（　´∀｀）
　　　+　　（(　（つ　　　ノ（つ　　丿（つ　　つ　)）　　+
　　　　　　　　 ヽ　 （　ノ　（　ヽノ　　）　）　）
　　　　　　　　　（＿）し'　し（＿）　 （＿）＿）

最初からお題無視前提で書いてる俺は異端ですかそうですか
お題くれ

ああいやぁごめん。普通に誤爆した

>>272
針

あぶねえ、危うくお題がおにぎりワッショイ！！　になるトコだったぜｗｗ

実験、空の色／(^o^)＼

>>268
台詞のあとに地の文が続くものを書くのが嫌いってだけで
他人の作品では全然気にならないよ。

読み飛ばすかどうかは……アレだが。

ところでみんな、お題もらってから何種類ぐらい話を考える？
大分膨らんできてから、「冷静になって考えればこれ面白くないよね」ってよくならない？

>>274
把握

おにぎりワッショイ

夕方家に帰ると、リビングのテーブルに上におにぎりが置いてあった。
母さんが置いておいてくれたみたいだ、私もおなかがすいていた。気が利くね母さん。
急いで手を洗ってきた、そしてラップをはずしおにぎりを一つつかむ。
うん、悪くない。なかなか体裁もよく育ちのよさそうなおにぎりだ。
とりあえず一かじりしよう。
とそのとき、なにやら声…だろうか音が聞こえた。
ワッショイ…ワッショイ…
よく見るとおにぎりがワッショイと叫んでいる。
いや、もっとよく見ると、叫んでいたのはおにぎりではなくお米の一粒一粒だとわかった。
威勢よく何千何万ものお米が立ち上がっている。
ワッショイ！ワッショイ！
みなぎる力をこめて、流れる汗を輝かせながらお米たちは叫んでいる。

それはもう、いいおにぎりだった。

とりあえず明日、病院に行こう

お題ください

>>282
白い羽
>>281
お大事に。

把握

すまないがもうひとつお題ください

パラドックス

お題が欲しいです。

>>287
サナトリウム

>>287
時限爆弾

品評会に投票するのとか感想書くのって何か条件とかある？通常作品でも。
いつも読ませてもらってばっかりから何か書きたいなって思うんだけど

>>290
無い。
気に入った作品の感想だけ書こうが、無茶苦茶こき下ろしつつそいつに投票しようが自由。
別に、参加してなくても投票してよし。

>>290
何もなし！さあ書くが良い！
…いや、書いてください

投票は、集計しやすいようにテンプレに乗ってればいいと思う
感想はどんとこい

>>291-292
そうなんだ、ありがとう。
でもいつも感想とか投票してる人みたいにうまく文章書けそうにないから
ちょっと気が引けちゃって…「○○が××で面白かったです」だけになっちゃいそうで怖いｗｗ

>>294
そういう感想が好きな人もいっぱいいるから、別にいいんじゃね？

>>295
そっかー、じゃあ次から何か書いてみます。�d

******************【投票用紙】******************
【投票】：とくになし
気になった作品：No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2氏
**********************************************

ひねくれてるのでうまくまとまってるだけの作品なんて興味ねーよ的な最近。
そういうのは本当にいっぱいあって、いい話だなあとか思うんだけど、だから何だよ的な気持ちに負けてしまう。
関心票に入れたやつは、そういう中でビリビリと来たやつ、って抽象的だけど。
いちいち具体的な地名なんかにやられてしまう。
それだけで世界が広がりを持つ。
作者ってたしか多摩川大好きな人だよね？
投票じゃないのは主人公が今一つピンとこなかったというか、
劣等生から色川武大への流れとレヴィ＝ストロースという単語が結びつかなかったからというか
その辺一人称のオレに話者ではなく作者を妙に感じてしまったから。
阿佐田哲也って言わないところとかもなんか、インテリぶりやがって、みたいな。
すいません、ひねくれているので。

問１．
保守vs＿＿＿

空欄に埋まる語を埋めよ。

カ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オ




　　　　　ス

ほしゅね

ほす

お待たせ致しました、投下します

「文化祭の日、私は空の色を変える」
　昼休み、幼馴染の突拍子の無い宣言の所為で俺は頬張っていたやきそばパンを噴出してしまった。
　激しくむせつつ、机の上に散らばったやきそばパンの残骸を拾い、コンビニ袋の中に押し込む。さよなら、俺の栄養。
「まったく、食べ物を粗末にするなと叱られた事がないのか？　白空(しろたか)は」
「誰の所為だと思ってんだよ」
「白空がやきそばパンを噴出すのに私が関係しているとは思えない」
「……」
　明らかにお前の所為だと思うのはどうやら俺だけのようだ、だが今はそんな事はどうでも良い。
「んで？　頭の病院？　それとも心の病院？　どっちを紹介すれば良い、もしかしてどっちもとか言わないよな？」
「はっ何故私が病院に行かねばならないのだ、というかやめるんだ白空、私をそんな可哀想な人を見るような目で見るなぁ！」
「そうだな……今に始まったことじゃないもんな、もう手遅れだよな」
「だからどういう意味だ白空！」
「つーか前から言ってんだろ名前で呼ぶなって！」
「何故？　白空、良い名前じゃないか？　それに不公平と言う事であれば白空も私を名前で呼んでくれて構わないぞ？」
　そう言う事じゃねぇよボケナス！　と怒鳴りそうになるのをぐっと堪え、一度大きく深呼吸をする。
「あのな？　俺達幾ら幼馴染とは言え名前で呼び合ったら勘違いする奴が居るだろ？」
「勘違いって？　そもそも昔は白空だって私の事を名前で呼んでくれたじゃないか。ほれ、呼んでくれ、愛と」
「よべるかっ！」
「じゃあ、昔白空が考えてくれたあーちゃんでも構わないぞ」
「もう良いです……」
　あぁそう言えばこう言う奴なんだ、一度決めた事は何があっても守り通す奴なんだった。
「それで？　もう呼び方の事はいいよ。それよりも俺はどうして空の色を変えるなんて言い出したのか、その理由を知りたいんだけど」
　そう問いかけただけなのに愛は何故か手に持っていた箸を落とし、俺の言った事が信じられないとでも言いたげな顔をした。
　俺は何か変な事を言っただろうか？　言ってないはずだけど……
「なぁ白空、お前本気で言ってるのか？」
「むしろ俺はお前が本気なのか知りたいんだが」
「私は何時だって本気だ、もしかして忘れてしまったのか？」
「何を？　そもそも文化祭は明日だぞ？　まぁお前が空の色を変える事が出来たとして、後二日で出来る事なのか？」
「やってみせるさ。なぁ白空、お前は本当に忘れてしまったのか？　文化祭の日、文化祭以外にもあるだろう？」

　あまりにも真剣な眼差しだったの思わず考え込んでしまった。
　文化祭の日、もしかしてこいつは俺の母さんの命日の事を言ってるのか？
「文化祭の日は母さんの命日だけど……」
　言い終えると同時に愛が嬉しそうに笑う。
「良かった、忘れてないじゃないか」
「忘れる訳無いだろ？」
「もう一つ、コレは文化祭とは関係無いがお前の母さんの命日に関係あるんだが」
「もう一つ？　すまん、これ以上は思い出せない」
「そうか……小学生の頃の話だからな。大丈夫、私は覚えてるから、必ず成し遂げて見せる」
「何を言って……」
「さて、私は行くところがあるんでな、コレにて失礼する」
　そう告げると愛は自分の弁当箱をさっさと鞄にしまい、教室から出て行ってしまった。
　残された俺はただ一人、もそもそと残りのやきそばパンをほうばる事しか出来なかった。

　そして午後の授業は文化祭が明日という事でクラスの出し物の仕上げをする事になった。
　うちのクラスの出し物は喫茶店だ、始めはコスプレ喫茶、その後メイド喫茶、そして何故かノーパン喫茶になり
先生がキレて普通の喫茶店をやる事になった。
　俺が担当していた品決めは既に終わらせてあり、どこかのグループを手伝う事になったのだが突如愛が失踪してしまい、
よりにもよって愛の代わりとして俺がエプロン作成を手伝わされる羽目になった。
　俺は手芸が出来ないと言ってみたのだが、愛が失踪する前に俺は手芸が得意だと言いふらしていたらしい。
そりゃ確かに出来ますけどね？　まさかこの歳になって女子の中に混じって手芸をやる羽目になるとは思いもしなかった。
　後で愛にはきついお仕置きをしないといけない、俺はそう誓うと同時に諦めて女子の輪に混じってエプロン製作を始めた。

　更に災難は続く、放課後になっても愛は戻って来なかった。先生の話によると理化室に閉じこもってなにやら怪しげな事をしてるらしい。
放課後になっても出る様子が無かったので中に入ろうとしたが、つっかえ棒か何かでドアが開かないようになっている為入れなかったそうだ。
ただドア越しに愛がとても大事な実験の最中ですので誰にも邪魔されたくないと言ったらしく、先生も愛の性格を知っているので諦めたとの事。
そして俺が愛と幼馴染を理由に、本来愛がやるはずだった掃除当番を俺がやる事になった。

　そして止めは放課後だ。愛がまだ戻ってこないので結局俺はまた下校時間ギリギリまで手芸をやらされる羽目になる。
「西風(にしかぜ)君って本当に手芸が上手いよね！　良いお嫁さんになれるよ！」
　西風とは俺の苗字だ。つーか俺は男なんだから婿だろ！　律儀にそうツッコミを入れると、
「えー、クラス公認だよ？　愛ちゃんが夫で、西風君が妻」
　性別逆転してんじゃねぇか。しかもクラス公認って……項垂れる俺に俺の悪友が止めを刺してきた。
「ちなみに言い出したのはお前の夫、愛ちゃんね？」
　泣きながらトイレに駆け込んだ俺を誰が責める事が出来様か、変な噂が立てられる以前に率先して立ててやがったのか愛の奴！
もう色々とどうでも良くなった、そんな一日だった。
　結局下校時間になってもクラスに帰ってくる事は無く、携帯で先に帰るとだけメールを送って俺は家に帰った。
言いたい事は山ほどある、けどそういうのはメールで言う気にはなれない。だから明日学校で会ったら説教をする事にした。
　家に帰り婆ちゃんが用意してくれた夕飯を食べてすぐに自室に戻り鞄を机の上に放り投げて俺はベッドの上にダイブした。
今日一日色々ありすぎて何もする気になれない、やってきた眠気に促されるようにして眠った。
　
　愛が母さんの命日の話をしたからだろうか、奇妙な夢を見た。
　小学生の頃の俺と、小学生の頃の愛が公園の砂場に居た。
　小学生の愛が真剣な眼差しではっきりと告げる。
「シロちゃん！　私が魔法でシロちゃんの望む事をしてあげる！　何でも言って！」
　小学生の俺がにごった瞳を小学生の愛に向け、つまらなさそうに吐き捨てる様に言う。
「なら、空の色を変えて見せてよ」
「えうっ」
　小学生の俺が押し付ける無理難題に小学生の愛が泣きそうな顔で悩み始めた。
　思わず苦笑してしまう、そういえばこんなやりとりを昔したな……
「分かった！　空の色を変えれば良いんだね！」
「えっ？」
「大丈夫！　絶対に変えてみせるよ！　魔法はなんだって出来るんだから！」
「いいよそんな事しなくたって、それになんだって出来るんだろ！　じゃあ僕のお母さんを生きかえらせてよ！」
「シロちゃん、私の魔法でもシロちゃんのお母さんを生きかえらせる事は出来ないよ……」
「嘘吐き！　あーちゃんなんて大嫌いだ！！」

　小学生の俺が砂場の砂を握り締め、小学生の愛にぶつけて砂場から走って何処かへ逃げてしまった。
砂場に一人、小学生の愛が取り残されただただごめんなさいと謝り、そして泣き続けていた。

　そして文化祭当日。
　俺が登校した時には既に愛の下駄箱に靴があった。慌てて教室まで走ると、其処に愛の姿は無く俺の机の上に一枚の紙が伏せて置いてあった。
紙にはただ一言愛の字で『一日目の打ち上げの時、屋上で待ってます』そう書かれていた。
　俺はその紙を丁寧に折りたたみ、制服のズボンの中へと押し込んだ。望むところだ愛、俺もお前に言わなきゃいけない事が出来たしな。
　さて、一日目の打ち上げの時間までが地獄だった。
　愛がまたも失踪したままの所為で、何故か幼馴染という理由から俺が愛の仕事のまでやる羽目になった。
　幸いにも愛は接客ではなく、俺と同じ買出し係りだったので恥ずかしい思いをしなくてすんだのが不幸中の幸いだろう。
だけど昼食を食べる時以外休憩無しの仕打ちはあまりにも酷いと思い抗議したのだが、
「えっ？　だってお前愛ちゃんの妻だろ？　なら夫の不始末は妻が取らないとな」
などと返された。疲れてツッコミを入れる気力も無かったので俺は諦めて買いだしに出かけた。

　そしてようやく文化祭一日目が終了し、打ち上げではしゃぎまくるクラスメイト達に見つからないようにそっと教室を抜け出して屋上に向かった。
二月の半ば、雪の降らない地域だからこそまだマシだが正直寒すぎる。
　コートを着てくれば良かったと後悔しつつ空を見上げる。既に時刻は六時を過ぎ、雲が無い御蔭で満天の星空を拝むことが出来た。
愛はこの星空をどう変えると言うのだろうか？　やっぱり無理なんじゃないか……
「おっ、来たな白空！　待っていたぞ！」
「おう、待たせたな」
「ちょっと待っててくれ」
　愛はそう言うと携帯電話を取り出して誰かと電話を始めた、俺はあまりの寒さにただその場で足踏みをする。
　今からでもコートをとりに行っても遅く無いよなぁ、そう思って踵を返した所で愛の電話が終わった。
「待たせたな、って何処へ行く？」
「いやっ、その寒いのでコートをとりに行きたいのですが……」
「むっ、着てこなかったのか？　馬鹿だな」
　言われて愛を見ると手袋にマフラー、そして暖かそうなダッフルコートを着ていた。防寒対策ばっちりでございますね。
「ちょっと待て、ほら、このマフラーをやろう」
　そう言うと愛は首に巻いていたマフラーを外して俺にかけてくれた。愛の呼吸音が聞こえるほどの距離、心拍数がガンガン上がっていくのが分かる。
「これでよし、っと。あれ？　顔が赤いぞ白空」

「なっなんでもないよっ！」
　声が上ずってしまったが、愛は不思議そうな顔をして首をかしげた。なんだが動揺してる俺が馬鹿みたいだ。
「おっ、そろそろだな空を見ててくれ白空、私の長年の研究成果だ」
　言われて空を見上げる。すると何かが下から上空へと勢いで飛んで行き、やがて見えなくなった瞬間。
　
　空が爆発した。
　打ち上げ花火のような音と共に満天の星空が真っ白に輝いた。
「魔法とは言えない粗末なものだが、実験成功だ」
　あまりの美しさに見とれていると、愛がそう呟いた。視線を真っ白に輝く空から愛に移すと、目があった。
「思い出してくれたか？」
「あぁ、思い出したよ……悪かったな……」
「なに、言い出したのは私だ、謝ることじゃない」
「しかし凄いな、本当に空の色を変えちまいやがった」
「最後は理科部の者達に手伝ってもらったんだがね、私一人じゃ出来なかった」
「今までずっとコレの実験って奴を？」
「あぁ、大変だった。けどやるなら今日しかないと思ったらなんだかやる気が出てな、成功して本当に良かった」
「なんだか愛には助けてもらってばかりだよ」
「あっ、私の名前を……」
　体の向きを愛の方に変え、しっかりと抱きしめる。愛が顔を真っ赤にして暴れだすが絶対に放さない。
「あっ、なっ、いきなりなにを！」
「愛、好きだ……俺と付き合ってくれ」
「なっ、白空……もう少しムードってものをだな？」
　そこで一度愛を放す、するとすぐに愛が離れて大げさに深呼吸を始めた。
　俺はもう一度白く輝く空を見上げ、そして視線を愛に戻して笑顔で告げる。
「こんな最高のシチュエーション他にないと思うぜ？」
「むぅ……私にも心の準備というものがな？」
　まだブツブツと文句を言うので最終手段として無理やり愛の口にキスをした。始めは驚いて手をばたばたと振り回していたが、
諦めたのか俺の首に両腕を回して俺を抱きしめてくれた、俺も愛をきつく抱きしめる。これで昨日と今日の愛の分の労働をちゃらにしてやることにした。

終

>>303
なんか書き方が俺と似てるな〜なんて思いつつ読ませてもらった。
んで、最後まで目を通した上での感想を述べさせてもらうと、正直残念だな〜って思う。
何が残念って、展開の速さ。3レス目までは結構テンポよく読ませてもらったのに、4レス目以降で置いてけぼり。
5レス目に至っては「え？　こいつ愛の事好きだったの？」とびっくりした。
別に主人公が愛の事を好きでも構わない。でもそれを描き始める、解決させるのが唐突過ぎた。
あと、花火(？)の打ち上げ。もっと細かく描写してほしい。折角盛り上がる場面なんだから。
むしろ他の場面を控えめにした方がバランスが取れてると思う。
そんなトコかな。他にも何個か気になるトコはあったが、結局は今言った事で全て解決すると思うんで。
以上。気を悪くさせたなら謝るよ。

>>303
最近読んでないけど、ラノベってこんな感じだったのかなぁって思いました。
オチも期待通りと言うかなんというか。
お母さんの話が最後また出て来るのかなーって期待したんだけど出て来ませんでしたね。
あと主人公の名前が「空の色」だからそれも伏線になってるのかと思いきやそうでもなく。
その辺りは予想とは違ったなと。
あと愛ちゃんの喋り方が何かを意識し過ぎな気がしました（笑）。まる

>>308
感想ありがとうございます
確かにそうですね、四レス目からグダグダになってました。
愛の事が好きになったきっかけの辺りも入れようとしてたのですが、
入れ忘れたんです(´・ω・｀)申し訳ない

>>309
一応ラノベ作家目指して書いてますんでｗ
実は母親の部分もっと詳しく書く予定だったんですけど……
重ね重ね申し訳ないです(´・ω・｀)
愛の喋り方はなんとなくですね

(´・ω・｀)名前そのままにしてた

次にまたお題をもらう時はもっと良いものを読んで貰えるよう
頑張ります！
参考になりました！　本当にありがとうございました！

保す
と言うか限界なんで誰か任せた
お休みなさい

干す

保守

お題くれい↓

過疎に悩む村

出稼ぎに出る若者

>>316,317
承知

保守＋お題ください

ダメだ…新しいお題くれ…

ああすまん、>>319スパゲッティ

>>319
不完全

>>320
９

9とな？
把握した

スパゲッティ＋不完全把握。
遅筆だけどがんばる。

だから誰か保守しろよな！？
俺昨日もこの時間保守したんだぜ？
あれほど人を頼りにするなと(ry

ほっしゅー

いや……うん、言い過ぎたよ、ごめん。
寂しかったんだ……だからあんなこと言っちゃって。
悪かったよ。だから無視しないでくれよ……
お題消化できなくてさ、ちょっとムカついてたんだ……ホントごめん。

俺も今書いてる。まったり書こうぜ。
初参戦なので手探り＆遅筆でいつ終わることやら。　保守。

保守

久々に書きたくなってきた。お題頼む

サタデーナイトフィーバー

我が輩は猫である のラストのフレーズ知ってる人いますか

>>331
把握

>>332
そして我が輩は犬であった

ほっしゅー

文章力って単純に言うとどんなものだろうか

おだいくださいませ

>>337
パフェ

うぃ　どもーアリガトアリガト

お題くれ

>>340
烏龍茶

>>336
亀レスで悪いがそれでもいいなら。
正直わからん。単純に答えが出ないのが文章力って奴だと思う。
人それぞれだよ、文章の特徴ってのは似ているようでどこか違う。
要は指紋みたいなもんだと思う。
文法の使い方が正しいとか、品詞の使い方があってるとか、そういうのは改善できるけどな。
指があって初めて指紋が在る。「指」という文字を使うことが出来る。要は土台だ。
逆に言うと、そういった「基本」が備わって初めて、文章力ってモノについて考えることが出来る。
俺はそう思う。
だから、俺は文章力なんて考えない。
……考えねーよ！
というか、この手の議論は答えなんて出せないよ。
皆思う所があるだろうし、俺の意見も単なる一見解に過ぎないから。
「自分で考えて、自分なりの結論を出す」
それが一番正解に近いんじゃないかな。

>>341
なるほど、分かりやすい説明サンクス

>>341
thx
はあく

>>334
あまりにさりげなくて噴き出したｗ

保守

まだ半分終わらん、全感

全感頑張れほしゅ

リポD飲んだら盛大にゲロ吐いた保守

ついでにお題ください

>>348
過剰摂取

お大事にな。

>>349
ありがとう把握

ほしゅー

ageわすれ

お題くれサランラップ以外

>>353
サクラップ

ハードル上がりすぎｗ
ごめん別の頼む

>>355
レトロ

よし、マジありがと書いてくる

hosyu

ほ

しゅ

授業中暇だからお題くれ、考えるから

>>361
タニシ

>>362
タニシ把握
もういっこ欲しいな

>>363
神秘

>>364
ありがと
把握した

しかしボーイズオンザランしか出てこんww

こんなスレあったのか、知らなかったなぁ、趣味程度でも良いのか？

通常作投下します。一応誰かさるよろしく。

>>366
っていうかそういう人ばっかし
お題をもらって気ままに書くスレ

「じゃあ、明日の朝9時、駅前の喫茶店で」
　携帯電話の通話を切り、僕はベットに寝転がる。携帯電話を枕元に放り投げ、壁掛け時計の
時刻を確認する。携帯の時計を見ないのは僕の癖だ。どうもデジタル時計は好きになれない。
液晶画面に映るドットの数字は、何故か僕を急かしているように感じるのだ。ゆったりと、で
も着実に進むアナログの分針が、僕は好きだ。
　今の時刻は午前3時。今から寝て9時に間に合うか、少しばかり不安だ。僕の部屋から駅前の
喫茶店「9o'clock」までは歩いて15分ほど。最低限の身支度を整えるにしても、8時には起き
なくてはならない。そうすると睡眠時間は5時間ほどか。僕は9時間は寝ないと身体の調子が出
ない人間で、尚且つ最近は目覚まし時計が意味を為さなくなっているときた。
　僕は寝るのをあきらめた。寝坊するくらいなら寝ないほうがましだ。僕はパソコンの電源を
入れる。表示されたデスクトップには、つい最近集めだしたイラストが貼られている。以前は
味気なかった僕のパソコンが、ここ一週間でやたらと華やかになってきた。
　デスク上の書類を整理し、ベットの脇に置いてあった灰皿を持ってきた。確かタバコは買い
置きがあったはずだ。いつもデスクの一番上の引き出しに入れておいたはずだが。
「しまった」
　昨日、最後の一箱を友人にあげていたのを忘れていた。別にタバコ一箱くらい大した出費じ
ゃないが、コンビニに買いに行くのは面倒だ。どうしようか、悩んでいるとふと思い出した。
カバンの中にもう一箱入っていたはずだ。思い出した僕は書類の詰まったカバンを漁った。あ
った、いつも吸っているものとは違うが、無いよりはよっぽどいい。一本咥えてイスに座り、
火を点けた。少し喉に違和感がある。パッケージを見ると、成程、普段吸っているものより若
干重い。9ミリグラムか、普段は7ミリを吸っているのだが。たったこれだけの違いに違和感を
感じるほど、僕は敏感になってしまったのだろうか。少し悲しい。
　それはそうとして、僕はインターネットに接続する。お気に入りのイラストサイトを巡回し
て、動画投稿サイトにアクセスするのが僕の最近のパターンになっている。最近までネットの
回線が弱かったので、ネット掲示板位しか見るべきものが無かった。光の速さというのは本当
に凄い。

>>368
把握、ちょっとwiki覗いてみるか

　僕は、所謂「萌え」な絵にはあまり興味が無い。別に嫌いでもないが、それよりも風景画の
ほうが自分の好みなのだ。それも都会の夜景とか、人の力が及んでいない自然風景に惹かれる。
僕の生まれ育った町はとても田舎で、丁度白川郷のような、町と言うより村のような場所だっ
た。まるで不便な場所だったが、嫌いにはなれなかった。むしろ好きだ。東京に出てきてから
9年ほど経ったが、相変わらず望郷の念は尽きない。
「ああ、これはいいな」
　とあるサイトで見つけたのは、森のせせらぎを絵にしたような、そんなものだった。奥入瀬
という場所を知っているだろうか。僕の故郷の近くなのだが、そんな感じがした。早速画像を
保存しようと右クリックする。エラーが出た。この画像は既にあるらしい。一応確認すると、
確かに同じ画像がイメージフォルダに保存されていた。少し残念だ。折角いいものを見つけた
と思ったのだが。
　接続先を動画サイトに移す。見ようと思ったのは昨日見逃したアニメだ。萌え絵に興味が無
いとはいったが、アニメは好きだ。それでも、ややモノを選ぶ傾向はあるが。
　アニメの不法アップロードが問題になっている。それについては特に何か言うつもりは無い。
ダメならダメで別にいいし、良いと言うならこれまでどおり利用させてもらう。ただ、僕の地
元では民法が何局か映らない。
「……」
　ヘッドフォンを装着してモニターを眺める。毎回欠かさず見てきたアニメだが、作画の崩壊
が酷い。もう見るのをやめようか。ストーリーも読めてしまった。1クールでの作品を9話で切
るのは少しばかりもったいない気がするが、他に好みのアニメを見つけるとしよう。
　料理系の動画を見ていたら腹が減ってきた。タバコを買う必要は無いし、やはり外に買いに
行くのはどうも気が向かない。せっかくペペロンチーノの動画を見たんだ、それを作る事にし
よう。幸い材料は買い置きしてある。自慢じゃないが、調味料とニンニクは切らしたことが無
い。

お題がほしいのれす↓

　深鍋に大目の湯を沸かし、その間にニンニクを刻む。僕はスライスより潰す派なので、手間
が省ける。フライパンにオイルを垂らし、ニンニクと唐辛子を入れる。焦がさないように低温
でじっくり香りと辛味を引き出すのがポイントだ。鍋の湯が沸騰したら塩を入れ、パスタを茹
でる。茹で汁をオイルに混ぜ、乳化させるのも忘れない。これをやらないと油っこくなって不
味くなってしまう。パスタが茹で上がるまで9分。その間僕はひたすらオイルをかき混ぜる。
かき混ぜるほどソースが美味しくなると信じてかき混ぜ続ける。パスタが茹で上がった。素早
く湯を切り、ソースと混ぜ合わせる。塩はいらない。元々薄味が好みだし、パスタに味は付い
ている。
　パスタを皿に移し、再びイスに座る。一口食べて、最近はペペロンチーノしか食べていなか
った事に気付いた。好きだから飽きることは無いが、そろそろ栄養バランスも考えた方がよさ
そうだった。買っておいた野菜ジュースが全く減っていないのだ。その代わり、箱買いしたコ
ーラは残り9缶という有様。一週間前に2箱買っておいたはずなのだが。明日からは気をつける
としよう。僕はコーラのプルタブを空ける。これで残り8缶になってしまった。
　さて、色々と動画を見ていたらもう夜明けだ。時刻は朝の六時。困ったことに、今更眠気が
襲ってきた。シャワーでも浴びて眠気を覚ますとしよう。イスから立ち上がり、僕は風呂場に
向かう。そのとき気付いたが、僕は部屋着に着替えていなかった。きつめのジーンズにしっか
りと締められたベルト。長袖のシャツはご丁寧にしっかりとジーンズの中に入れられている。
しかもジャケットのおまけ付きときた。これでは余計に疲れてしまうな、でも僕はこれからま
た似たような格好で出かけなくてはならないのだ。そう考えると気が滅入ってしまう。
　そんな気持ちも、シャワーを浴びたらどこかに消えてくれた。人は水を浴びると何か要らな
いものも流す機能があるのだろうか。やけに気分が晴れやかだ。下着一枚で部屋に戻り、髪を
乾かす。ドライヤーなんて洒落たものは持ってないので、タオルで乱暴に水気をふき取るだけ
だ。そんなに長い髪の毛をしているわけじゃあない。着替えついでに今日の服を決める。今日
は晴れるようだから、そんなに厚着をしなくても大丈夫だろう。細めのジーンズと白のシャツ、
上にグレーのカーディガンを羽織る。昨日とあまり変わっていない格好だが、まあいいだろう。
今日会う相手とは昨日会っていない。そんな事気付かれるはずもないだろうし。

　壁の時計を見る。時刻は午前8時。まだ部屋を出るのは少し早いが、かといってここでやる
事はもう無い。暇つぶしにコーラの缶を開け、タバコを咥えながら音楽を聴く。最近のお気に
入りは同人物のアレンジCD。素人と思うなかれ、中々いい音を創っている。トラック9あたり
まで聞き終えた頃、時計を見ると30分をまわっていた。そろそろ頃合か。僕は部屋を出て、喫
茶店に向かった。
　駅前は閑散としていた。今日は日曜日だ、こんな朝早くから外に出る人はそんなにいないだ
ろう。朝の散歩には丁度いいかもしれない。普段は人通りの多いこの場所が、とても澄んだ空
気で満ちている。僕は心地よく冷えた空気を肌に感じながら、「9o'clock」に向かう。店が出
来たころは朝9時から夜9時までの営業だったらしいが、いつの間にか24時間営業になっていた。
昼間は喫茶店、夜はバー。二つの顔を持つこの店には、僕も東京に来たばかりの頃からお世話
になっている。
　店に入ると、髭を生やしたマスターが気さくに声をかけてくれる。僕は軽く挨拶をして、奥
のテーブルに腰掛けた。店内は木を基調にしている落ち着いた雰囲気で、この席は僕のお気に
入りだ。入り口からもっとも離れたこの席は近くに窓もなく、程よい暗がりになっている。い
つだったかマスターが照明を取り付けようとしていたが、無理を言ってやめてもらった。ここ
は数少ない、東京で僕が心から落ち着ける場所なのだ。エスプレッソとホットサンドを注文し、
タバコを吸いながら相手を待つ。今日の話とは、恐らく彼女の仕事の話だろう。今回が初めて
ではない。月に一回はこうして彼女の話に付き合っている。無論僕も関係しているので、こう
やって時間をとっている。嫌なことでは無いし、むしろ楽しいことだから。日常にスパイスは
必要不可欠なのだ。
　約束の時間になった。9時きっかりに、彼女は店に入ってきた。彼女は時間を破らない。遅
れもしなければ早すぎもしない。恐らくはラジオDJという、彼女の職業病なのだろう。時間に
追われる仕事というのも大変だなと思う。自分には到底出来そうにない。
「おまたせ」
　彼女は僕の向かいの席に着き、ホットコーヒーとピザトーストを注文する。彼女も朝食をと
っていないのだろう、いつもの事だ。先に僕の注文したエスプレッソとサンドが出てきた。僕
はそれにかぶりつく。どうせ先に勧められるのだ、いちいち許可は取らない。

　彼女と僕が出会ったのは9年前、僕が東京に来たばかりの頃だ。お金がなかった僕は色々なア
ルバイトに従事した。そのなかにラジオ収録のアシスタントというものがあったのだ。そのス
タジオで僕は彼女に出会った。声優を目指していた僕は、彼女のその澄んだ声にとても惹かれ
た。恋に落ちたといってもいい。僕は彼女の声に惚れたのだ。彼女もまた、僕の声に興味を持
った。やや掠れた僕の声を、魅力的だと言ってくれた。その言葉があったから、僕はこうして
声優として生計を立てていけている。
「考えてくれた？　あの話」
　彼女は単刀直入に話を切り出した。それが彼女の流儀だ。話をややこしく伝えたりしない。
こういったところも、僕は好きだった。だから僕もそれに倣い、はっきりと告げる。
「何度も言うけど、断らせてもらうよ。DJなんて、僕には向いてない」
　彼女はいつからだったか、ラジオDJをやらないかと誘ってきている。誘われるたびに僕は断
ってきている。演じるのは得意だが、ありのままの自分を曝け出すのはあまり得意ではない。
僕はトークというものが苦手なのだ。多くの言葉を必要としない彼女が相手だからこそ、なん
とか会話を成立させることが出来るだけなのだ。
「また断られちゃったか。これで9回目ね」
　律儀にも彼女は、僕が断った回数を数えていたらしい。もしかして根に持つほうなのだろう
か。いや、違う。彼女は手帳を開いて何かを書き込んでいる。多忙なDJなのだ、スケジュール
はきちんと書き込んでいるのだろう。おそらく僕と会うことも。僕と会う日を数えれば、それ
が断られた回数になるのだろう。僕は手帳なんてものは持ち歩いていない。あれはだめだ。デ
ジタル時計以上に僕を縛り付ける。
「でも本当に残念。あなた、絶対視聴者にうけるのに。その声、中々いないわよ？」
　自分の声が特徴的なのはわかっている。でも、それは果たして視聴者に受け入れられるのだ
ろうか。僕はそれが不安といえば不安だ。自分で言うのもおかしな話だが、僕はとても中途半
端な声をしている。いっそ極端な声になりたかったが、自分の声は変えられない。声変わりに
希望を託していた時期もあったが、その期待は見事に裏切られた。それでも声優を目指したの
は、コンプレックスの裏返しという奴だろうか。僕が僕を好きになれるように。そう願って、
この仕事を選んだのかもしれない。

「なんでさ。僕の声を聞きたい人なんているのかな」
　まだ自分を好きになりきれない僕は、彼女にこんなことを言ってしまう。本心には違いない
が、いつか本心が変わるようになりたい。自分を好きになれたとき、僕は彼女の依頼を快く承
諾するだろう。
「大丈夫よ。なにより、自分の事を『僕』って呼ぶ女の子なんて、滅多にいないわよ？」
　仕方ないじゃないか。昔は声のコンプレックスが酷かったんだ。少しでも男の子になれるよ
うに努力した結果が、一人称を「僕」にすることだった。確か9歳の頃だっただろうか。声変わ
りは女の子にも来ると信じて疑わなかった。
「僕は自分があまり好きじゃないんだ。もう少し待ってくれないかな？」
　理由になっているかどうかはわからないが、彼女は優しく微笑んだ。おそらく承諾してくれ
たのだろう。「わかったわ」そう言うと彼女はピザトーストを平らげ、伝票を持って会計に向
かった。
「タバコ、吸いすぎないようにね？　喉がつぶれるわよ」
　自分の手元を見ると、灰皿には吸殻がたまっていた。気付けばタバコは残り9本。もう半分も
残っていなかった。彼女は扉の向こうに消えていった。恐らくこの後も仕事があるのだろう。
やはり多忙な人だ。
　僕はというと、エスプレッソは飲み干したものの、ホットサンドが余っていた。水を一口飲
み、ホットサンドにかぶりつく。彼女に言わせればはしたない食べ方だそうだが、むしろ男ら
しい食べ方のほうが性に合っている気がする。そういえば自分の仕草はやたらと男じみている
事に気付いた。もしかしたら男になりきった方がいいのかもしれない。そのほうが自分を好き
になれる気がする。
　会計900円を支払い、喫茶店を後にする。駅前の時計を見ると、時刻は午前10時。そろそろ日
曜日が動き出す時間だ。せっかく駅前に来たのだし、服でも見ながらゆっくり帰るとしよう。
服の好みもシンプルなものが好きだ。ジャケットとか、シャツとか。服装まで男っぽいな、な
んて思いつつも、僕は休日のショッピングを楽しむことにした。

了

ごめん、分母多かった。以上です

殺人鬼

>>372
通勤電車

さて、残りのお題、消化するか……

つーか早速誤字発見……何やってんだ俺。

wiki把握完了　早速お題クレー

射的

>>383
把握した

どうでも良いけど俺射的ってやったこと無いんだよね

「射的」という名の新しい何かを生み出すんだ！
全ては想像、これに尽きる

暇なんでお題ｐｌｚ↓

無題

ちょｗｗｗｗｗ
いきなりレベル高いものを……

>>369
あーなるほどね！前半ひたすら何もなくて「？」だったけど、
そういうことなら理解できる。
前半にもっと喋ってほしかたです。

あとどうして９なのかが腑に落ちなかった。
（意味があるのかもしれないけど、俺には分からなかったですごめんなさい）
不思議感、統一感は出せてますが、話に関係あります？
登場人物も一切９のことには触れないし・・・。
９がもっと目に見える形で話に絡んだら最高でした。
それともこういうものなのかな・・・。

ともあれおいしく読ませていただきました。おつです。
主人公すき。

やっとテスト全部終わったー。長かったー。
記念にお題をもらえると嬉しかったり、喜ばしかったり。↓

火災報知機

ごめん、火災報知器だｔった

>>392　>>393
ありがとー。「火災報知器」把握っす。

わしもお題、くれ

>>395
女王

>>395
ムチ

>>395
高密度

>>396-397
コンボか、把握した

>>390
感想ありがとう。
お題が「9」だったんで、どう話に絡ませるか悩んだ。
悩んだ結果、出来るだけ話に絡ませずに、お題を使おうと思った。
数字のお題って、時間とか単位しか思い浮かばないから、全部絡ませちまえ、みたいな。
その結果がアレ。まぁ、そんなわけだからお題の印象は薄いと思う。
でも、薄いと感じてくれたなら俺の目的は一応達成したってことになる。
言い訳に聞こえるかもしれないな。お題くれた人、その他読んでくれた人、ゴメン。
ともあれ、楽しんでくれたならよかった。改めて感想ありがとう。

ここは携帯だと厳しいスレだな……

>>401
携帯から書いている人いるけども、厳しいかもな

ほ

そろそろ自分の作風というものを安定させようと思う。
それはそうと、スマンお題くれ。前貰ったやつがどうしても書けないんだ……

>>404
恋人ごっこ

>>404
原子力発電

カオス
把握した。

頬を染めた原子力発電所に、火力発電所は軽く口付けた……


という光景を想像したら、間違いなくメルトダウンだな。

>>408
ああ、周りの俺たちまで溶けちまいそうだ

>>408
放射能と一緒に百年語られそうな恋物語だな

>>408
お熱い仲でうらやましいですな

というわけで、恋愛モノは禁止、と。
何書きゃいいんだよｗ

>>412
ｶﾞﾝｶﾞﾚ、お前なら出来るはずさ、たぶん

おｋ、逝ってくる

そろそろウォーミングアップしたいので、お題をくださいな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/〈 ⌒丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　|　　 　 ＼、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,⊥⊥_　 　 　 ＼、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 __,．-=＝二＝=､、　　　 　 r､　|.几＿_〕�凵n　　　＼、
.　　　　 　 　 　 　 x‐x／／／￣ ￣¨ ＝ﾐx>ｭ_ 　 　|l>Ｘ!爿＝≠=.!lヽ,､ 　　 ＼、
　　　　　　　 　 ／�C>∠／／　　　　　 　、 　 ＼.　 |Kｘ.!爿厂ﾐヾ_〕l'くﾂ＼　 　 ＼
　　　　　　　　////三j） ／／／　　 〃　 ﾄ、､＼ ＼.!／ .|.レ　　　| 　　 ＼ ＼
　　　　 　 　 ////‐≪ // / /　／　/,l | |｜V ＼＼ V .才'　　 　 |　 　 　 ＼ ＼
　 　 　 　 rヽ/./⌒ヽ//７/ /／-∠//l | | l　 V.ｌ lヽ ヽ〃|_=＝＝_|　　　　 　 ＼ ＼
　　　 　 〈ﾊ. ∨三三_v´/ ////_L._l ｀l l/l/　,⊥! !V⌒V丁￣￣丁　　　　　　　＼
　　　　　/い　_＞-‐‐+､l,///,〈 衍心// ′ ,L_ ｌ V:三三', |　　　　|
.　　 　 ,八 ／　 　 　 　 Y / l　弋少 ′ 　 伐ｸl/{:三三=:廴＿__ﾉ
　　　 / ／ 　 ヽ　　　　 // 从　　　　　　, └'.ﾊ ∧三三/　＼
.　　 / /　 　 ／l 　 　 ∧'　,从　　　f⌒ｱ　　/l///ﾍ三:/　　　ﾍ 　　　　　　　メルト　溶けてしまいそう
　　/ ∧ /／ 　:ｌ　　　.'　〉xヽﾍ＼ 　 ` '　 イ /// 　｀¨´　　　　∧ 　　　　　　好きだなんて　絶対にいえない…　だけど
.　/ /　,∨　;　; l　　 ,'　/／＼_＼｀`t‐＜-‐.メ､ ＼　　　　＞　　∧ 　　　　　メルト　目も合わせられない
../ /　/　|c ： ：　　　!／⌒ヽ.　￣¨¨Yﾑ＼　　　＼ ＼＿__.Z　　　∧ 　　　　恋に恋なんてしないわ　わたし
,' /　,' 　 |c ： ：　 　 |　 　 　 ∨◇ ,〈　 〉､ﾄ､ 　 　 ＼入　　　　 　 ∧ 　　　だって　君のことが　…好きなの
./　/　　 |c ： ：　 　 |＼　　 　 i＼/　Y　∧　＼　　 /　 ＼　　　　　∧
'　/ 　 ,　|c ： ：　 　 |　 ヽ　　 �@　 　 V　∧　　＼. |　　　 ヽ　　　　　l
　　　 /　|c ： ：　　 /　　/　　 �@　　　 V　∧　<／Y_　　 　 丶. 　 　 |
　　　/　 |　　 　 　/　／{＼　 / 　 　 　 V　∧　　　l　¨V-=．_　　　　j
　　 /　　l.　　　　　／　 ＼￣　　　　　　 V　∧　　ﾊ　　V　 　 ¨ ‐- ヘ、
　　/　　 l＼　　 ／　 　 　 ＼　　　　　 　 V　∧　　ﾊ　　V　 　 '.　　 　 ＼

>>415
化学反応

>>415
古典落語

>>412
大丈夫
ポストロック厨一歩手前としては発電所を舞台にした、
アルバムのジャケットにでもなりそうな殺風景な恋愛を想像してたから

>>415
夜のマスゲーム

なに書きゃいいんだよ……ｗ
把握

>>420
すまなかった、反省している、後悔はしていない

お題「射的」が完成したから投稿してみる、実に初投稿、それに１レス

　さぁ今年も毎年恒例、大射的大会を開催します！　さて、ルールは簡単。
射的と言うからにはただ的を撃って点数を稼いで頂ければ良いのですが……さすがは「大」が付く射的大会、
ただのルールではございませんよ。この科学が発達した機械文明の最中、あえて、あえて皆様にこの野山を駆け巡って実際に的を撃つ！
この素晴らしさを味わって頂きたいがために、わが大会は存在します。さて、それでは御説明致しましょう。
　まずはフィールドです。皆様に大自然がいかに偉大かを知って頂くためだけに、ここ一帯に御座いました難民キャンプを全て取り潰し、
この大平原を作りました！　どうです？　空気が美味しいでしょう？　もう走りたくてウズウズでしょう？
そして肝心の的ですが、皆様、機械を撃って楽しいでしょうか？　丸っこい板のど真ん中を狙って撃つのが楽しいでしょうか？
楽しい訳がありません、やはり生きている物を撃ってこその射撃でしょう？　ご安心下さい、ご用意しました。
ウサギ？　犬？　そんな的で大会なんて皆様に失礼という物です。今回は素晴らしい的をご用意しました。それは人、人間です。
ああいえいえ、正確には奴隷ですね。動物の中でもっとも知恵がある奴隷、さらに体力も申し分無しの雄を厳選しました。
どうです？　これ以上無い素晴らしい的でしょう？　また安全性を考慮し、両腕は切り落としてありますので安心して射的をお楽しみ頂けます。
得点の配分は黄色奴隷が十点、白奴隷が二十点、黒奴隷が五十点です。
さらに皆様がお使いになります銃も、拳銃、散弾銃、各種機関銃、さらにはライフル等様々な種類をご用意しました。
また今回お子様も参加していらっしゃいますので、発射時の反動を軽減した銃もご用意しました。
　さて長々しい説明はこれ位にして、それでは皆様！　射的をお楽しみ下さい！　大射撃大会スタートです！
　「パパぁーあいつ動く速くて当たらないー」
「おやおや、それは困ったね、じゃぁ拳銃じゃなくて機関銃を使ってみたらどうかな？」
「うん……やったあ当たったよ！　二十点だぁ！」
「おやおや、良かったねえ」
「ママ！　黒奴隷が怖いよお」
「アンタ何よ！　こっちは金払ってるのよ！　文句あるの！？」
「申し訳御座いません。コラ！　奴隷の分際で何だ、お客様に失礼だろう！」
「そっち行ったぞお」
「逃がすかあ」
「あの子達、あんなにはしゃいじゃって」
「今日は来て良かったなあ、仕事を休んだかいがあったよ」

終

おまいらの想像力の豊かさには恐れ入るぜ皮肉でもなんでもなく
どうやったらそんな発想が出てくるんだよまったく

>>423
火の鳥にそういう話があったな
それがすぐに頭に浮かんでしまったので、個人的には、もうちょいひねって欲しかった
1レスショートショートとしては書き方は悪くないと思うけれど

それじゃ、お題くれ

チョコレート

軍事機密

>>424
それだ！　なんかすっきりしたわありがとう
お礼にお題やるよ

苺

>>423
そっから奴隷の大革命が起こってどうのこうのなったらもっと小説っぽくなると思う。
起承転結の一部分だけって感じが。もっと広げて欲しかったなと。
この発想力はすごいと思う。

>>423
なんでこの話すぐ終わってしまうん？
うん…それで次は？って思ってしまう
起承転結の起だけのような気が
司会者の説明も参加者の会話も、1レス物としては長すぎる気がする
最後も落ちてないし、結局何が言いたかったのかも分からない
ただ、文の書き方は良いと思うんで、これに続けてもう二、三レス続けるとよくなると思った

>>425-426
「分かりました。ではそのように」
敬礼して下がろうとした時、大佐はその背中に声をかけてきた。
「あー、ところで中尉。このチョコレートは本命と受け取っていいのかな？それとも義理？」
私は一度立ち止まり、振り向きもせず一言。
「軍事機密です」


こうか。

だからその過剰な発想力は一体どこからくるのかと小一時間（ｒｙ　ｗ

礼を言うのを忘れてた。�dだぜ。チョコレートが軍事機密な苺のパンツの話な。了解

>>424
>>428
>>429
感想感謝、手塚神に勝つのは不可能な訳で、自分自身の妄想不足ですな
奴隷の大革命のなるとバ○ルロワイ○アルみたいになってしまう気がしてならないから何レスつけても逆転オチはしないと思う
１レスが短すぎるのは自分も分かってる、自分の妄想が突飛すぎるって言い方はアレだが、
自分の文章力がそれに付いて行けていないという情けない限界なのですよ。
起承転結に関してはお題が「起」で司会者が「章転」、参加者会話が「結」のつもりだったが、これも１レスの壁、自分の文章力の壁に阻まれた。
恥ずかしい限りです。ただこんな感じで短編を書く方が個人的に好きって所もあるから、そうとう暇じゃないと長編はﾑﾘﾎﾟ

>>430
ホークアイで再生中

このレスを見たあなたには一週間以内に事故に遭う呪いがかけられました。


呪いを解くためには

http://s.s2ch.net/test/-/game13.2ch.net/handygame/1201941328/

に｢逃げ足厨の方はおかえり下さい^^｣と書き込みをして下さい。
回数が多いほど効果があります。

>>434
脳内でアッー！から一転してニヤニヤに化けたwwwww

>>433
ＢＲは知らんが、革命＝逆転じゃない
革命は失敗してこそだ

>>437
それは面白い意見だ、参考にしよう、でもやっぱり奴隷は立ち上がらない、立ちあがらせない。
すべてが剥奪されてこそ奴隷だし、奴隷革命なんて人間味がない、奴隷解放宣言だってリンカーンという権力者が行った物だしな。
って皆起承転結ってそんなに重視するのか……ヤマ無しオチ無しイミ無しと起承転結無しって違う物だと思うんだけどなあ

都合により半分だけ感想投下します。半分より後の人ごめんなさい。できれば品評会終了後にでも投下します。
偉そうですが、あくまでも感想なのでそこんとこご了承お願いします。
携帯なので酉と敬称略にさせていただきました。さらにNo.08のタイトルの
「こわれた」が変換できなかったので「壊れた」にさせてもらいました。重ね重ねごめんなさい。

No.01　コドモルール
　とてもよくまとまっているし、人物描写も、抑揚のつけ方もうまい。面白かった。
ただ佐藤くんの覚醒がちょっとヒステリックすぎて、いじめの抑止力として説得力に欠けるかな、という印象。
語り口への指摘があったけど、そんなこと言い出したら「神の視点」なんてもっとふざけた話だと思う。

No.02　ル・クインセグ
　とりあえず誤字脱字には気をつけてほしい。それ以外にもところどころ変な文章があるような。
たぶんゆっくり推敲すれば直せる程度のミスなので是非とも慎重に推敲推敲推敲。
五レスだから仕方ないかもしれないけど、設定説明の文章みたいなぎこちない印象を受けた。
誤字脱字のせいもあってか、今一つ安心して物語に入り込めなかった。ごめんなさい。

No.03　神のいない世界で
　魔王がザオリク使った！　それだけ。うーむ、ファンタジーはどうしても説明くさくなってしまう。
文章がかたっくるしいのはもちろん狙ってるんだろうけど、ぎこちないのはいただけない。

No.04　シュガープラント・ルールズ
　消し忘れただけかもしれないけど、「笑って大爆笑」はちょっとまずいと言いたい。
双子の姉弟の、特にユヤタンのキャラが立ってて、よかった。なんつーか、近親相姦がしっくりくる弟だ。
全体的によくまとまってて楽しめた。それだけに文章全体にもっと気を使ってほしかった。

No.05　生類憐みの令
　なんというか物語が平板すぎて、特に感想をつけられない。有名な悪法の話だけど、
発想と説明だけで終わってしまっている。もっと読ませるような何かがほしい。

おさーる

No.06　ルール
　これは文章と内容のギャップを楽しむような作品なんだろうけど（森見登美彦風？）、
肝心の文章がよくない。言葉がやたらとかたっくるしいだけで、描写は退屈だった。
ただ、友人の純愛に説得力はある。もうちょっと積極的に遊んでいれば面白いのに、と思った。

No.07　家路
　よくわからなかったので三回くらい読んだ。「時間」という絶対のルールとそれによって失われる何か、
ってのが主題なのかな？　で、やじーからのメールと（笑）を抜いた返信が意味を成すわけか、なるへそ。
序盤から中盤まで文章にかなり緊張感があっていいんだけど、終盤で少しだれてしまった印象。
　ちなみに最後の歌詞は「Eureka」だよね？　口ずさんで確認しちまったｗｗきめえｗｗｗ
いい曲だしシチュエーションにも合ってるけど、この曲を知らない人はいまいちピンとこないと思う。
ただ一言。いささか独りよがりのきらいはあるけど、個人的にはすごく面白かった。

No.08　壊れた乳母車が並ぶ自転車店
　わざとだろうけど「、」とひらがなが多くて文章が読みづらい。あまり効果的だとも思えない。
象徴（乳母車とか）に対する意味付けを意識しすぎたせいか物語全体がぎこちなく、描写も月並み。
じっくりと見直せばもう少しよくなるんじゃないか、という印象。つまらないわけではないだけに。

No.09　三秒ルール
　短いけど、よくまとまっている。それだけと言えばそれだけかもしれないが、たとえば価値観の対比とかは
他の作品にも見られる特徴で、短い中にもそれがしっかり書かれているからいいんじゃないかと思った。
　あと、一つ聞きたい。
「なぜキミタチはそんなに姉と妹が好きなんだ！」

No.10　いわない/友情/忘れたくはないんだ
「ぼく」の語りが中学一年生にしては幼すぎるような気が……。小学四年生くらいだと思う。
タイトルや文章に粗がある。ただ「シンユー」との関係や「忘れたくない」という気持ちは切実だ。
作品としてはつたないかもしれないけど、テーマに関してはしっかりと書いている。
うーむ、なんかいろんな意味で歯がゆい作品だったｗｗｗｗ

No.11　クロスウォーク
　痴女！　なんというかギャグなのかなんなのか判然としないまま終わってしまったような印象。
ギャグならギャグでもう少し徹底的にやった方がいいと思った。いまいち笑いどころがない。
あととりあえず脱字に注意。他にも変な文章がちらほら。もったいないので注意注意推敲推敲。

No.12　モンスター
　文章（語り口）のテンポがいいし、安定感もある。心おきなく内容に集中できる文章だ。
虚実が入り混じった記述はどれも興味深いが、その全てが「ルールを食らう彼」によってもたらされる、
というのはちょっと……。設定としてはかまわないのだけれど、もう少し細部に凝れたんじゃないかとも思った。
その「出来事」が起こるプロセスこそが面白いのに、全て「こうだからこうなった」と単純に
片付けてしまうのはどうか。よくまとまっているだけに、もう少しディティールへのこだわりがほしかった。

No.13　外へ
　鬼はルールを破ったけど、それもまたルールだった、って話かな？　対比構造がよくできた話だと思った。
話の流れも、文章も落ち着いていて過不足がない。だからこそもう少し味付けがほしかったかな、とも思う。
最後の「がぶり」はどうなんだろう。あえて間抜けな（野生的な）擬音で違和感を持たせることによって
何らかの効果（対比を強調するため？）を狙ってるのはわかるんだけど、個人的にはいらなかった。

No.14　定め
　レスの上限を考えると難易度の高いファンタジーだけど、この作品はとてもよくできている。
ただ、単純な設定と単調な物語とクセのない文章は読みやすいけど、薄味なのも否めない。
もっと積極的に特徴を出してほしいけど、やっぱり五レスじゃ難しいんだろうなと思った。
かわいいイラストがあればこういうすっきりした話もまた違った面白味があるんだろうな、とも思った。
とにかく惜しい。文章にせよ設定にせよ物語にせよ、なにかしら目を引くようなものさえあれば……。

No.15　キミョウな自分ルール
　愛すべき「彼」の話。いくらでもトリックが使えそうな構成なのに、物語は淡々と進んでいく。
どうもリアリティがない。そして語り口に面白味がない。こういう設定の話を面白くするには
やっぱり比喩や描写に頼るしかないと思うんだが、どうか。これでは状況説明の域を出ていない。
オチに関してもひねりが全くなく、どうもサービス精神に欠けるという印象をぬぐえない。

半感想は以上
後の人ホントごめんなさい

感想は後ほど

乙

反感おつ。

お題いだたこう

>>445
水槽の脳

>>445
奇形の魚

>>446
>>447
こりゃ良お題。面白いの書くから俺のＩＤ覚えとけよ！！

>>446
ああー、生臭ぇなぁ。
あ？なんか文句でもあんのか？人にガンたれてんじゃねぇよ。空気止めんぞコラ。

「ママー！　水槽が何かぶつぶつ言ってるよー！」
「しっ！　ダメよ、ジロジロ見ちゃ」

こういうことか。

引き続いて何か書こうね、お題クレー

>>449
すまないがお前は大きな勘違いをしている

>>450
セーラー服を着たぬりかべ

>>452
そんなｗｗｗ
もういっちょクレー

>>453
ルービックキューブ

>>454
えええそんなあああ把握

セーラー服を着たぬりかべと、学ランを着たルービックキューブの純愛物語か。
とても期待している。

>>456
俺に純愛は書けないﾌﾋﾋ

セーラー服を着たぬりかべたんを人体改造でルービックキューブ状に……

>>458
何で俺変形先に言っちゃうんだよバカー

「色がそろえられないなら塗っちゃえばいいじゃない！」
ぬりかべの涙を噛み締めた絶叫が、ルービックキューブの胸に突き刺さる。
「馬鹿言うなよ…」
最早元通りにならないキューブを握り締め、ルービックキューブは背を向けた。
その背中に見え隠れするあきらめ。
「この意気地なしぃぃぃぃぃっ！」


こうだな。

君とは心と心で繋がってるんだな

水槽の脳＝メイトリックスということですか艦長！！

ハンカンオツオツ

>>462
ググりたまえ

感想おっつ

おお
俺のお題と合わさって、すげえ哲学的な感じ

>>464
スワンプマンと一緒で思考実験だかの一種だった気がする。
灰色のジーンや世界五分前起源論とも関連があったような。
脳みそが機械に繋がれて夢見る世界が我々の世界なら、
果たして我々は明確に生きてると言えるのであろうか。
みたいな

スマブラ中の俺にお題くれ

>>468
ももんが

>>467
そうそう、メイトリックスとは同じではない、コンセプトと元が同じなだけだ
それはそうとセーラー服がどうしてもキツイ件

>>468
メテオ

>>468
株式市場

とりあえず把握。選り好みするかも

殺伐とした気分の俺にもお題下さい

どうも最近煮詰まってるな。お題貰ったら湯水の様にアイデアが出てきてたのに。まぁそういう時もあるか

>>474
南京錠

>>476
把握。

転載しますん

312 名前：投票 ◆czxS/EpN86 [] 投稿日：08/02/05 18:44:18 ID:ZKbfBxEU
転載宜しくお願いいたします。
******************【投票用紙】******************
【投票】：無し。
　　　
気になった作品：・その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE氏
　　　　　　　　　ありますよねこういうの。高校時代に似たような理由で
　　　　　　　　　辞めて行った娘の事思い出して、しばし感慨にふけりました。
　　　　　　　　　こういう冒頭の書き出し方、俺もよくやるんですが、あまり評判は
　　　　　　　　　良くないみたいですね。大丈夫です、私は味方です。
　　　　　　　　・歌が聞こえる ◆SQvDZ46yqY氏
　　　　　　　　　こういう終わり方、俺結構好きなんですが…。歪んでますかそうですか。
　　　　　　　　・三秒ルール ◆Bf9IIj31BY氏
　　　　　　　　　おねえたん…ﾊｧﾊｧﾊｧ
　　　　　　　　　完全に私の趣味でございます。深く聞かないで…。
　　　　　　　　・No.06 ルール ◆ibD9/neH06氏
　　　　　　　　　これ読んだらちょっと遠い気持ちになってしまいました……。
　　　　　　　　　これは麻薬…！麻薬だ…！
**********************************************
以上です。今回は投票はなしで。
あと全感下さった方、本当に乙です。精進します。

一回書いてみるか……
↓お題plz

コンセントレイト

混浴銭湯

もちもち

チクタクマン

把握

↓お題ください

男色

>>486
ありがとよ！

>>487
出して何だか腐は勘弁してくれよ？

******************【投票用紙】******************
【投票】：無し。

気になった作品：
No.01 コドモルール ◆ecJGKb18io
「死ねッ！」と「シネっ……」
いや、感想じゃなくて、いってみたかっただけだから気にしないで

No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2
ぼくは大阪だからわかんないけど、この地名のが実在するんだっておもうと、へんなきぶんだね
うーん、いつか使ってみようかな、方言。リズムとか、なんかわかっちゃうことがあるかもしれないし

*************************************************
今、ひらがなと漢字のばらんすが滅茶苦茶になってる。
これだから餓鬼臭えブンショウはやめらんねえ

マイクはテスト中

マイケルテスト中

マジカルテスト中

マイクタイソンテスト中

マイちゃんテスト中

******************【投票用紙】******************
【投票】：No.27 その汚く美しき青春 1/5 ◇/7C0zzoEsE氏
　　　　後味悪い。でも一番物語りに入り込めた

気になった作品：
No.02 ル・クインセグ ◆pxtUOeh2oI 氏
ナイスファンタジー！
No.14 定め 1/5 ◇7BJkZFw08A氏
ナイスファンタジー！
No.24 ウェストファリア 1/5 ◇/UzWoCdlY氏
ナイスファンｔ……ちがった、ナイス金髪少女！
No.29 この醜くも美しい世界 1/5 ◇Ms.BlueNHo氏
ナイス天使！
*************************************************

げへへへへっほしゅ

******************【投票用紙】******************
【投票】：　No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
内容は暗いのだけど、描写などが読みやすかった。
これぐらい書いてみたい。
　　　　　　　　　　　　　　　―感想―
気になった作品：No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI
　　　　　　　　No.22 アナザー・ワールド ◆Sound.UlVY
　　　　　　　　No.24 ウェストファリア 　◆/UzWoCdlY
**********************************************
ここまでくるともう好みだよね……

お題ください

スティンガーミサイル

化学反応で古典落語で、夜はマスゲームするというお題での
アイデアがあまり思いつかない……

俺も投票するか

>>499
把握

>>500
科学者が作った危険な薬品が科学反応をおこし、古典落語の価値観が
夜のマスゲームと同じになってしまった。でおｋ

******************【投票用紙】******************
【投票】：　No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE
　　　　　　　　　　　　　　　
気になった作品：No.06 ルール ◆ibD9/neH06
**********************************************

　投下します
　お題「マキャベリズム」

「運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突きとばす必要がある」（ニッコロ・マキャヴェッリ著「君主論」より）
　この言葉を最初見た時、私はこの言葉の真の意味を理解せず鼻で笑い飛ばしてしまった。
　断っておくが私はマキャベリを侮っているわけでも、嘲笑っているわけでもない。むしろ私は彼を師と仰ぎ、我が生は彼の如くあるべしとさえ思う。
　だが、いや、だからこそというべきか、世界史上最高の政治思想家とさえ思える彼が、運命を女という愚かな存在で表現することが滑稽でならなかったのだ。
　現実はどうであれ、己が運命は女のように感情的にではなく、むしろ男のように理性的にあるべきではあるまいか。
　若輩の私はそう思っていた。今思えばそれは現実を知らぬ者の戯言であったのだが。
　全く以て不愉快だったが目の前の現実は認めねばならない。マキャベリがそうであったように、私はリアリストであるべきだからだ。
　あえて言おう。運命は女のように尻軽で、感情的で、非理論的であると。
　そして愚かしくも女は無知で、無理解で、無頓着であると。

　私の前に運命が立塞がったのはつい数時間前のことだ。今日は土曜日で高校は休みだった。しかし来年に迫ってきている受験に備えて私は予備校に通って
いるのだが、その予備校から帰り道、私の携帯に母からメールが届いた。
「友人の親御様の通夜に行ってきます。晩御飯はテキトーに一人で済ませてね」
　仕方がない。私は夕食のおかずを買うべく近所のスーパーに寄ったのだった。
　総菜売場に向かい、おかずを適当に選ぶ。唐揚かコロッケ、少し迷った末唐揚を買うことにした。野菜？ そんなものは知ったことではない。
　目的を果たした私だったが、あまり来たことのないスーパーマーケット、もの珍しさと暇つぶしも手伝って、私は買い物籠を抱えながらしばらく内部を散策
することにした。そして、私はやたら華やかに装飾されているコーナーにたどり着いた。
「バレンタインデーフェア開催中！ プレゼントは是非手作りチョコレートで！」と書かれている看板が見える。
　そうだった。すっかり忘れていたが来週は二月の三週目、つまりバレンタインデーがある週である。
　だが世の中の恋愛中毒者たちと違って、私はそのような祭りに浮かれる身でもない。せいぜい母親や同級生から義理チョコをもらうだけである。
　だが、だからと言って悲観する必要は全くない。「君主たる者は、冷酷だなどの悪評をなんら気にかけるべきではない」とマキャベリも言っているではな
いか。本来人間とは、理解されなければならない相手に理解されれば良し、とすべきなのであろう。
　むしろこういう類のマスメディアが意図的に工作した商業イベント自体が衆愚の極みとして侮蔑されるべきなのである。だがその愚かなイベントコーナーは
女性中心にそれなりの賑わいを見せていた。
　踊りたい愚か者は踊り続けるが良い。その果てに何を見るのかは知らんがな。ここに留まるのは群がっている人々にも、そして何より私自身に対してもよろ
しくない。そう思って私はコーナーから去ろうとした。だがコーナーの中によく見知った顔を見つけ、足を止めた。幼馴染の文子である。

　さて、ここまで読んでいる諸君は私が差別主義者、特に男尊女卑にとらわれた無知蒙昧という認識をなさっている方がおられるやも知れぬ。
　だがそれは全く以て謝りである。私は女性であっても認めるべき高尚な人間は認めている。その一人が、私の幼馴染して高校の同級生である小幡文子である。
　文子は本を愛し、慎み深く、礼儀を重んじる女である。その人格たるや我が幼馴染ながら良く出来た女であると言わざるを得ない。彼女は将来必ず夫にとっ
て良き妻、そして子にとって賢き母になるに違いない、私はそう確信している。
　話が逸れた。どうやら文子は友人と一緒にチョコレートの材料を買いに来たらしかった。文子と友人の会話の内容が気になった私はチョコレート売場に留ま
ることにした。商品棚を物色する風を装いつつ、耳に神経を集中させる。
「で、加奈子は何が作りたいの？」
　文子が友人の女と話しかけている。どうやら文子は加奈子という子のチョコレート作りに付き合わされているらしかった。文子の料理の腕はなかなかのもので、
友人から当てにされるのも納得というものだ。
「んー、私はチョコレートムースとかがいいかな」
「え、ムース？」
「だって高級そうで愛が篭ってそうじゃん？」
　如何にも低能な女がほざきそうなことだ。そんなことを思いながら、私は気どられぬようにそっと加奈子と呼ばれている友人を観察した。
　少し脱色したのか黄土色の髪に、けばけばしい髪留めを幾つも付けている。所謂「ギャルっぽい」感じで、率直に言えば頭の悪そうなタイプだ。清らかな黒髪を
梳き流し、落ち着いた「大和撫子」を思わせる文子とは好対照である。無論文子が引き立つという意味でだが。
「うーん、でもムースは結構難しいよ？」
「えー？ でもそれが良いよう」
　加奈子とやらは私などには理解しがたい思考回路を持っているようだった。無論私の理解力に非がある訳ではない。
　そんな女など無視すべきだ。物の分らぬ女の戯言など聞く必要などない。私ならばそうやって切り捨てるのだが、文子はクレーム同然の戯言を一生懸命考えている。
全く人が良いというか、文子は実に出来た女なのである。
「えっと……じゃ、じゃあトリュフなんかどうかな？ ブランデーとか使って大人っぽさを出してみるとかはどう？」
「いいね！ それ採用！ で、何を用意すればいいの？」
文子よ、友人は選ぶべきだ。悪貨は良貨まで駆逐するものだぞ。私は大きく溜息をついた。

「そういえばさ、文子はバレンタインデーどうするの？」
「へ？」
　トリュフの作り方を講習中、加奈子とやらが思い出したように文子に言葉を放った。人に教えを乞うている最中に話を中断するとはなんたる馬鹿女か。親の顔
が見てみたい。まぁ見てどうなるものでもないのだが。
「どうするって……何？」
　突然の質問に困惑気味の文子に追い打ちをかけるように加奈子はさらに言葉を続けた。
「だって、この前、田中君に告白されたんでしょう？」
　……。まぁ待て。慌てるな。私は孔明の罠だ。これは落ち着け。落ち着け、私。加奈子とやらの発言だ。真に受ける必要はない。
「うん……まぁそうなんだけど……」
　……。文子が否定をしない、ということは文子が告白されたことは事実であるらしい。だが、よく考えれば、文子ほどの女に目を奪われない男がいることは何ら
不思議ではない。むしろ当然の帰結という奴だ。
　というか田中？ 誰だ、そんな文子に告白してきた身の程知らずは？ だが文子は賢い女だ。そこらの凡夫の戯言など冷静に切り捨てるに違いない。
そうだ。文子。お前は出来る子だ。断ったよな？
「もしかしてまだ答えてないの？」
「……うん」
　……。切り捨てていなかったのか。……いや、文子は賢いと同時に心優しき女だ。その心に付け込むとは、告白してきた田中とやらはなんたる卑劣漢であろうか。
だが文子、そのような男は切り捨てねばならぬ。お前にふさわしいのは、私のような世を憂い、お前を心から思う男であるはずだ。そうだろう？
　そうだ。お前には、お前と最も長く付き合い、お前のことを最も理解している私がふさわしい。それが正論だ。
　だが正論は度々覆される、これもまた正論だ。それは何より歴史が教えてくれているではないか。
　現実を見つめ直す必要がある。憎むべきは田中という馬の骨だが、確かに私にも非がある。私が幼馴染という圧倒的な戦略的有利に胡座をかいて、何も行動して
いなかったのも事実だ。
　孫氏曰く「敵を知りて己を知れば百戦危うからず」というではないか。まず己を知らねばなるまい。
　そうだ。私は文子が好きだ。文子は私のものでなくてはならないのだ。それを邪魔するものがあるならば、全力で排除せねばならない。マキャヴェッリに倣って、
　仮にその田中とやらを塵芥に還したとしても、その未来を掴みとってみせる。その位に気概が必要だ。
　私の燃え滾る気概は神経を通って体を固くしていく。目を燃やし、拳を握り締めるべく一瞬開いた指から、私が持っていた買い物籠が落ちていった。

さ

　スーパーに柔らかいプラスチックの網箱が地面に落ちて、乾いた音と共に地面を弾いた。
　無機質な音がコーナーに響いた後、文子がこちらに顔を向けた。
「あれ？ 久君？」
　しまった。どうやら見つかってしまったようだ。私は心の中で舌打ちしたが、至って平静を装って対応する。
「あはははは、やっぱり文子だったんだ？」
　自称「マダムキラー」の名を冠する作り笑顔を浮かべてみる。どうする。まずは文子の反応を待つのが上策か。友人という不確定要素もいるしな。
「ね、ね、文子、久君って？」
　加奈子（私の中では呼び捨てで十分と判断した）が文子の服を引っ張っている。何か興味津々といった目でこちらを見てきていた。
「あ、えっとね。こちら隣のクラスの長澤久治君。あ、久君、こちらは私と同じクラスの近藤加奈子さんです」
　どうやら加奈子、正式名称近藤加奈子は私と同じ高校に通っているらしかった。ふむ、そういえばどこか見覚えのある気はしていたのだ。まぁ興味は全くないのだが。
「こんにちは。ふむ、いつも文子がお世話になってます、でいいのかな？」
　私は作り笑顔をマックスにして加奈子に頭を下げた。ここは一つ常識人としての片鱗を見せつけてやらねばなるまい。
「いえいえ、こちらこそ文子には世話になりっぱなしで」
　加奈子は人懐っこい笑顔を浮かべて頭を下げた。ふむ、人格はそこまで悪くはないようだ。まぁ品格は最悪かもしれんがな。
「なんで久君がこんな所にいるの？」
　外見上は非常に良好な初対面に安堵したのか、文子は率直な疑問を問いかけてきた。無理もない。私も高校生ながらスーパーに通う趣味はない。
「いやあ、母さんが通夜で出かけちゃってね。夕食の調達に来てたんだよ」
　私は証拠品を提示するかのように、文子の前に持っていた買い物籠を持ちあげた。出来合いの唐揚パックがコロンと籠の中で転がる。
「もしかして……唐揚だけのつもり？」
「そうだが？」
　籠の中身との返答で、文子の眉間に若干皺が寄った。何か文子の機嫌に障ってしまったらしい。私には長年馴染み故にだが、文子の表情の意味が分かる。それに若
干怯んだ私に文子が噛みついた。
「駄目だよ。栄養バランス悪過ぎだよ」
「いや、一日ぐらい構わんだろう？」
　確かに栄養バランスは大事だが、どうせ明日からはまたきっちり食べさせられるに決まっている。だったら今日ぐらい好きな物だけ食べればいいと考えるのが普通
の人間の思考回路だと思うのだが。

　だが文子はそうではないらしい。私の返答に小さい溜息をついて、さらに言葉を返してきた。
「せめて何か野菜を一品ぐらい取った方がいいよ？」
「そうか。じゃあコロッケにしよ。確かあれジャガイモが入ってるよな？」
　読者諸君には説明するが、これは勿論冗談だ。アメリカンジョークで「アメリカ人は日本人より野菜をとっている。ジャガイモだけどな、ＨＡＨＡＨＡＨＡ」という
のを思い出したのだ。だが文子には通じなかったらしい。まぁ正直通じるとも思ってなかったが。
　文子はしばらく呆れ果てた顔でこちらを見ていたが、数秒後、思いついたように口を開いた。
「そんなの体壊すって。そうだ。晩御飯はうちで食べなよ」
「ふむ？」
　それは有り難い話だ。文子かその御母堂様かどちらかは知らぬが、どちらにせよ私の母が作るものよりかはよっぽど美味しい料理が食べられることに間違いない。
　だが、そうするには問題があることを文子はすっかり失念しているようだ。
「それは確かに私にとっては魅力的な提案だが……、そこにいる君のお友達さんはどうするんだ？」
　私は文子の後ろにいる人物に目をやった。そこには相変わらず痛さを感じるほどこちらを凝視してくる加奈子がいる。
「あ……」
　文子が間の抜けた声をあげ、加奈子の方を振り向いた。おそらくは、ここで材料を買ってそれからチョコレートを作る、そんなプランだったのだろう。
　私と文子、二人に見つめられた加奈子は呆けたような顔をしていたが、数秒後急に何かを思いついたかのように慌て出した。
「あ……なるほど……。……あ、ああ！ ごめん文子！ 私用事思い出したわ」
「へ？」
　文子がさらに間の抜けた声をあげる。だがそんな文子に喋らせる暇を与えないかのように、加奈子は笑いながら矢継ぎ早に言葉を続けた。
「いや〜、いかんいかん、すっかり用事あること忘れてたわ、ははははは」
「え、ちょっと、加奈子？」
　呆気にとられている文子の肩をポンポンと叩きつつ、加奈子はさらに言葉を続けた。
「お、いかんいかん、もうこんな時間か。じゃあ私は退散しますね、ごゆっくり〜」
　別れの挨拶なのか、加奈子は満面の笑みを浮かべながら文子に向かって敬礼をすると、その場をダッシュして去って行った。
　文子どころか私も呆気にとられていた。全く以て騒がしい女だ。何故文子があんな女と親しくしているのか、全く以て私には理解しかねる。
　その後、夕食の材料を買うべく、二人でスーパーを回った。私達が大人になれば、こんな未来も有り得るのだろうか。
　いや、掴みとらねばならない。賽は投げられたのだから。そうだ。戦わない者には何も与えられない。
「文子」
　私は意を決して口を開いた。そうだ。言うだけだ。ただ、言うだけだ。

もっかいさる

「何？ 久君？」
　鍋に入れるエレンギを選んでいた文子が振り返った。文子の眼差しが私の唇と舌が重くしていく。気道が締め付けられるようで息苦しい。
「どうしたの？ 久君？」
　口が動かない。そもそも何て言えばいいのだ？ 頭の中の君主論からは、ただ場違いな名言だけが舞い上がっては沈んでいく。
「いや。エレンギは良いが椎茸はやめてくれよ。私は椎茸はダメだからな」
「知ってるよ。でも入れますよ」
　何故だ？ 教えてくれ、マキャヴェッリ。何故お前は答えをくれない？ というか何故私がこのような事態に遭遇せねばならんのだ。全ては神が悪い。私は運命を呪うぞ。
　だが負けてはいられない。運命があの加奈子のように軽薄で愚かであるのならば打ち倒すまでだ。
「文子」
　私は意を決して口を開いた。そうだ。負けるな、私。頑張れ、私。
「何？ 久君？」
　何を言えばいいんだろう？ そうだ、鍋だ。鍋で行こう。
「そういえば文子、鍋に出汁は必須だろう？」
「うん、出汁は昆布を使うよ。後は味の素で誤魔化そうと思ってるけど。出汁がしみた白菜が美味しいのよね」
「そうだ。鍋で例えるならば、私が白菜で君が出汁だとは思わないか？」
「はい？」
　文子が首をかしげている。まぁこれで通じるとは思っていなかったのだから、怯んでいる道理もない。
「つまりだな、我々はお互いのことが分りあえていると思わないか？」
「うん、まぁ、そう思うけど。今のはよく分らなかったけど」
　私が持っている買い物籠にエレンギを三束入れるながら、文子がこちらを見ている。文子の顔の近さに背筋が熱くなる。
　賽はまだ投げられていないのだろうか？ まだ投げない方が良いのではないだろうか？そんな囁きが私を迷わせていく。答えを見失い、それでも精一杯言葉を紡いだ。
「つまりだな、我々がこの関係をこれからも築き続けていくことは非常に有意義だと思うのだ」
「うん。だいたい分かったような、相変わらず良く分らないような気がするけど、これからも仲良くしていこう、ってことでＯＫかな？」
　私は無力だ。肝心なところで逃げた。我ながら情けないが、目の前に広がる運命に流されてしまったようだ。
「要約するとそんなところだ」
　私はそう言って顔を背けた。気がつけば背筋に汗をかいている。体も心も恐ろしく疲弊していた。全くもって恐ろしい限りだ。
「そうだね、これからもよろしく」
　文子は微笑みながら頷いた。その笑顔に蕩けながらも、私の心に作られた靄は、スーパーで買い物をしていても、文子と文子の家族と食事をしても消えることはなかった。

　家に帰っても、心の靄が消えることはなかった。助けを求めて君主論を読み返してみた。無論答えがあるはずもないが、見慣れた名言が何やら落ち着かせてくれる。
「運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突きとばす必要がある」
　全く以て不愉快だったが目の前の現実は認めねばならない。マキャベリがそうであったように、私はリアリストであるべきだし、何より文子を失うわけにはいかないからだと。
　あえて言おう。運命は女のように尻軽で、感情的で、非理論的であり、女は無知で、無理解で、無頓着である。
　そして愚かしくも、私はそんな運命に翻弄されるほど無力であると。
　だが、だからこそ分ったこともある。
　そんな私でも、運命も女も打ちのめし、突き飛ばし、我が前に傅かせなければならないものであると。

　ありがとうございました。長文失礼しました。
何かご意見がありましたらご教示お願いいたします。

>>369
　フィルタの掛かった都会的な生活臭のしない生活の一コマ一コマの雰囲気
を感じながら、不思議なことに頭空っぽにして、最後まで飽きずに読めた。
　多分読みやすい文章と小物の使い方の上手さだろうね。
　そんで、叙述トリックなんだけど、これもまたアンフェア感を全く覚えない不思
議さ。ほんで少し気分が良い。なんでだろうね？
　ま、僕と自分を呼ぶわけを声変わりが女の子に来ると思ってましたってだけ
の強引さを持って、読んだ人を納得させれるとは、書いたあなた自身も、これっ
ぽっちも思ってないだろう。
　というわけで、その理由をこれから書くスキマ的、前フリ的な話として、なかなか
良いと思う。

当たり前に人を選ぶ作品だとは思うけど、好きな話だ。

規制スレに全感が
いまのうちに全感乙といっておこう。全感乙！

転載したほうがいいのかな？

>>369
割とすんなり読めました。
ただ最後の展開が少し強引に感じました。

嫌いではないですけどね。

>>505
読みにくい描写で一レス目で疲れてしまった。
それとちょっと必要ない描写が多かった気がする。


すまん、この程度の感想しか書けない俺を許してくれ

深夜のミッドナイトｗ

　　　　　【お薦め掲示板】
　　VIPPERを自殺に追い込む掲示板　　
http://jbbs.livedoor.jp/music/21081/

↓土下座して謝れば命だけは助けてやるっさｗ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/21081/1202202791/1

>>518
感謝します。もっと精進します。

>>505
文章の固さと内容のギャップが面白かったと思う。
ただ、ちょっと途中がクドイ気がした。もっとすっきりした方が個人的には好き。

規制スレから、全館転載するよ〜
長いから、良ければさるしてくださいな

No.01 コドモルール 1/5 ◇ecJGKb18io

主人公以外の人間が主人公の方が、おもしろかったんじゃないかな。それか、三人称か。
主人公は完全に傍観者の立場で、ほとんど居ても居なくても変わらない存在。
これはこれでいいのかもしれないけど、どうにも印象が薄くて面白味がないような。
＞〜幸い僕は何故かイジメを受けるような立場にはならない〜
と、あるけど、
＞それを破れば、自分の席で俯いている佐藤と同じような立場に追いやられるのだ。
こうも書いてある。
いじめを受けない理由、わかってるよね。主人公。
＞僕はルールを破りたくないのだ。
漫画を隠れて読むことは、ルール違反じゃない？　安藤女史が、注意しないのもおかしいような。

No.02 ル・クインセグ 1/5 ◇pxtUOeh2oI

ん？　ルール＝約束でおｋ？　あ、村の掟の方かな。
というか、その村の掟だけど、主人公の妹以前にも生贄は捧げられていて、当然、その生贄にも家族がいたはずだから、
こんな掟は嘘っぱちなんだって、すぐにわかりそうなものだけど。
普通、自分の家族が生贄になったら、何としてでも止めようと思うだろうし、それが無理でも
最後くらい見に行こうとするはずだよ。たとえ、禁止されていてもね。
だから、主人公の段階で、村の掟が茶番だったとわかるのは、どうにも不自然に思えてしまう。
話自体は、何が何やら。こうもたくさん設定が出てきて、とんとん拍子で進んでいくと、
もう、何も考えないで読んでいくしかなかった。

No.03 神のいない世界で 1/2 ◇eYCc7/VuC2

んんん？
勇者を殺したのは、魔王じゃないのかな？
でも、きっと魔王なんだよな。だったら、自分で殺しといて、約束破ったとか言うのはおかしいような。
まぁでも、なんだか完全な敵対関係というよりかは、ライバルみたいな感じだから、いいのかな。
ん、いいのかな？

No.04 シュガープラント・ルールズ 1/5 ◇AOGu5v68Us

なんなんだか。さっぱりわからなかった。
もう、すごくまどろっこしくて、読んでるこっちがもやもやした。
展開も唐突で、何でそんな方向に行っちゃったのかわからなかった。
それに、結局戻ってこないしね。弟と〜って話じゃなくて、自分でルールを〜って話のはずなのに。
悩み→解決→よかったね！　って感じになればスカッとしたんだろうけどなぁ。

No.05 生類憐みの令 1/3 ◇ETwWxomLBg

う〜ん。
歴史物って、難しいと思うんだ。
言葉は悪いけど、これくらいの物語なら、誰でも作れると思うんだよ。
教科書を読んだだけで、これくらいの物語は想像できる。何にも捻りもないし、
伝えられているとおりの生類哀れみの令を、そのまま書いただけ、なんだよね。
歴史物を書くなら、どこかにこだわりがあって欲しいかなぁ。
小さなこだわりでも、引き立つと思うんだ。

No.06 ルール 1/5 ◇ibD9/neH06

なんで寝てるんだ。
＞目が覚めると〜
今までの夢だったのかよ、と。そんな夢見るわけねーと思ったら、もう駄目だ。リアリティが消し飛んだ。
だってこれ、夢だったとして、この主人公は夢の中で記憶の発掘とかし出しちゃってるわけでしょ？
そんな馬鹿な。やっぱり、納得できない。
ん？　なんか、ここまで書いて、途中まで回想だったけど、いつのまにか寝ちゃったってことなのか、
と思えてきた。ん、あれ？　どうなんだろ。

No.07 家路 1/4 ◇Gv599Z9CwU

なんだかなぁ。
時間は過ぎていく。
それが覆らないなら、それは、どこまでも行ける、とか、ブレーキはかけない、とか
そういう終着点になると思う。となると、なんだかなぁ、なんだよな。
ルールに、これを選んだ時点で、もう話が終わってるような。
ん〜

No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 1/4 ◇/sLDCv4rTY

設定に無理ありすぎじゃね？
人口十七人の村とか、誰も乗らないのに自転車屋さんとか、
年金制度はあるのに、養子縁組については適当とか。
小学校を出ていないじいちゃんとか。
もう、そういう話にするための設定なんだよね全部。
例えば、空飛ばせたいから人間に羽つけてみました、って感じだよこれ。
俺の固い頭には、受けいれられない話だ。

>>521
感謝します。
文章を固く、長くしようとすると、クドくなってしまう悪癖が出てしまいました
反省

No.09 三秒ルール 1/2 ◇Bf9IIj31BY

咥え箸をするような姉に、文句なんて言われたくないです。
最後らへん、ちょっと萌えかけたけど、やっぱり行儀悪いです。妹なら許すけど。

No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ 1/4 ◇/sLDCv4rTY

なんだか、いらいらした。
なんで、この主人公はこうなんだろう。謝りたいなら、謝ればいいのに。
ほんと、ただそれしか思わなかった。

No.11 クロスウォーク 1/5 ◇p/4uMzQz/M

う〜ん。嫌いじゃないけど、やっぱり子供視点のこういう話って、
教訓的になっちゃって、どうにもわざとらしく感じられてしまうような。
主人公もゆうちゃんも、どっちも典型に収まっているから、少しオリジナリティを
出してみてもよかったかもしれない。

No.12 モンスター 1/5 ◇zsc5U.7zok

うん、おもしろい発想。文章もすらすら読めて、よかったと思う。
でも、釈然としない。それは、俺がひねくれてるからｗ
プロ野球に関しては、突っ込みの余地があるね。
マラドーナは、確かにルールが食われたような奇跡。
でも、９．１１を怪物の糞だと言うのは、どうか。
あれは、個人がどうとかそういう問題じゃないと思うし、
９．１１があって、それで終わったわけじゃないからね。
最後のは、おもしろいね。いやだけどな、糞はｗ

No.13 外へ 1/5 ◇otogi/VR86

ええ、そんなオチありか。そのまま終わっちゃ駄目だったの？
ん〜あ〜、うん。これでいいのかもなぁ。鬼の青年の一人称も、おもしろいかも。
あ〜でもそれは難しいか。
なんか感想らしい感想言えなくてごめん。でも、よかったと思う。

No.14 定め 1/5 ◇7BJkZFw08A

例えば、主人公のことが好きな妖精が出てきたりしたら、おもしろかったかもなぁ。
人間になって初めて、欲望が芽生えたってあるけど、んなことはないよね。人間になりたかったわけだし。
ん〜、やっぱり妖精たちの間にも愛はあったはずだよね。じゃなきゃ引き止めないもん。うん。
悲しいんだと思う。題材として、確かに悲しい。でも、グッとくるまではいかなかったかなぁ。

No.15 キミョウな自分ルール 1/4 ◇ZetubougQo

なんだか会話文が一貫していないから、その度に、つまずいた感じ。
こういう形式を取っているんだから、この男は、読者と会話をしているかのように、
話を進めなくちゃいけないはず、だよね？
そう考えると、なんか、ずれてるんだよなぁ。
２レス目の冒頭辺り、朝を返して！　とかいっているところとか、どう相槌を打っていけばいいのかわからないし、
３レス目の、なんということだ！　のとこなんかは、実際に、その場面の映像を見せられているみたい。
こういうところに、ちょっとした違和感を抱えながら読んだから、どうもすっきりしなかったかなぁ。

No.16 歌が聞こえる 1/5 ◇SQvDZ46yqY

わかんない。
ありさのことも亜紀のことも、あの声のことも、最後の資料も、この話を誰が何のために書いたのかも。
もう全部わかんない。
ごめん

No.17 規則破不 1/4 ◇CoNgr1T30M

なんだこりゃ。
呆気に取られたぜ……。これで、いいのか？

No.18 海とビールと傍観者 1/4 ◇hemq0QmgO2

泉のことが全然わからない。
なんなんだか、全然わからない。ふわふわふわふわしてる感じ。
何がしたいんだろう。
暴力沙汰を起こすような人間が馴れ馴れしい真田には何故か好意的だったり
愛せるはずがないとか言いつつ、いとこの子が好きだったり、逃げ出すように東京に行ったくせに
ちゃっかり連絡先を教えていたり。そう、捻くれてた割には、勉強して東京の大学に行ってるしさ。
何なんだ、この人。意味がわからん。

No.19 取替え子 1/4 ◇VZpO0svMyk

あーもー。わかんない。この話もわかんない。
全部読んだけど、結局なんだったのかわかんない。
ってことで、みんなの感想を見て、あぁそうだったのかと少し納得。
あ、それとは関係ないけど、もっと読点使おうぜ。
音読したら、息が続かなかった

No.20 知恵の果実と楽園の境界 1/4 ◇rmqyubQICI

よかった。これは、わかりやすくて、読みやすい。
森で迷った心細さと、親を見つけた安心感。うまく出せていたと思う。
なんだか、すごく懐かしい感じがした。
恐怖心が芽生える前に、もっと高揚感とか開放感みたいなものがあれば
さらに引き立ったんじゃないかなぁと思う。

No.21 コルネオのルール 1/5 ◇LBPyCcG946

ん。麻薬を運び出す仕事とか、どう考えても下っ端がやる仕事のような気がするんだけどな。
というか、これ主人公がちくればコルネオも捕まるんじゃ……

No.22 アナザー・ワールド 1/5 ◇Sound.UlVY

なんか、オチに期待しすぎたかもしれん。
というか、もうこれは、この先どうなるんだろうって期待して読む話だと思うんだよ。
そこで、この終わり方。う〜ん。いいんだろうけど、期待した分、あっさりだったかなぁ。

No.23 relatively being 1/2 ◇wb/kX83B4.

よくわかんないから適当に言うけど、
何があって、この主人公っぽい人は、こんな感じになっちゃったの？
何か理由があるならいいけど、何もないならただの頭のおかしな人だよ。
だって、普通の人は、何の理由もなしに語りだしたりしないから。

No.24 ウェストファリア 1/5 ◇/UzWoCdlY.

ミシェルは、どこから来て、どこに行くんだろうなぁ。
全然関係ないけど、そこが気になった。なんか旅行って感じでもなさそうだし。
２８０円。小児料金じゃありえない値段。でも、ここがいい。何か勝手に色々想像しちゃう。
って、なんか関係ないとこばっか見てるな俺。
話はおもしろかったけど、少しお題が弱いような気もしないでもないような。
視点の移動も、最後らへんはちょっと大変だった。でもいいや、ミシェルかわいいし。

No.25 なみだ 1/4 ◇0CH8r0HG.A

ん？　掟、変わってね？　泣かせればいいんじゃないのか。
というか、
人間を泣かすことができない鬼がいると、人間が鬼を怖がらなくなってしまうと思うなら、
村から出て行け！　より、村から出るな！　って感じになるのが、普通のような気がする。

No.26 アウトローですか？ 1/3 ◇czxS/EpN86

むせたｗｗｗふいたんじゃなくて、むせたぜｗｗ
間違いない。アウトローだなｗ
うん、こういうおばかな話も悪くないなって思った。
カメラ、壊れててよかったよね。警察にばあちゃんの盗撮写真なんか見られた日にはね。
もう、すでに終わってるけどｗ

No.27 その汚く美しき青春 1/5 ◇/7C0zzoEsE

う〜ん。難しいな。想像するのがほんとに難しい。
無いとは言い切れない話だし、由香さんみたいな人もいないこともないのかもしれない。
だけど、やっぱり現実味がないから、どうも乗り切れなかったような。んん。
由香さんの退学と、思い出からの退学。なんかうまいことにまとめてるようだけど
学校を退学したところで、忘れることなんてできないだろうね。というか、できないだろう。
テーマがテーマだけに、後味はよくないよなぁ。
というか、よく書こうと思ったね。俺なら、こういう話は避けるだろうな。

No.28 妖精さんのお仕事 1/4 ◇lDzk49E.e2

ん〜、設定に無理があるとまでは言わないけど、標識だって常識だって人間が作ったものだからなぁ。
そこに神様がいて、悩んでると言われてもなぁ。神様が放り出しても、標識と常識が消えるわけでもないし。
そんなこと考えてたからか、いまいち楽しめなかったかなぁ。

No.29 この醜くも美しい世界 1/5 ◇Ms.BlueNHo

なんだっけな。こんな感じの漫画を見たんだよな。なんだったっけな。まぁいいや。
なんか、これはまだ物語の始まりでしかないような気がする。
かといって、この先面白くなりそうかと言ったら、そうでもないんだよなぁ。
う〜ん。発想はいいと思うんだけどね。だけど、そりゃあこういう設定なら、こういう話になるだろうよ、と。
なんか、綺麗に収まりすぎた印象。

No.30 とある妖精と少年のお話 1/5 ◇InwGZIAUcs

これも、まだ物語の始まりのような。あらすじをかいつまんだような感じだなぁ。
森から離れすぎたら駄目、とか、禁忌のこととか、後から設定を出すのはどうなんだろう。
禁忌のほうはともかく、森から離れすぎたら駄目、ってことは、簡単に先に出せた気がするんだけどな。
こういうのがあると、この先どんな問題が起こったとしても、後出しの設定で解決できちゃうから
読む側としては、腑に落ちないかなぁ。一人称なら、まだ納得できるにしても。

以上、おかしなこといってたらごめんなさい

さ

>>505
まきゃべりずむかぶれの思春期の主人公が振り回されるさまが読んでいておもしろいです。
ただの名言好き＋難しい言葉こねくりまわし野郎だったら好きになれなかったけど、
どっか抜けててコケてる感じがするのでそこまできらいじゃない。
「起こること」と「文体・語り」のギャップが激しいのも効果的だとぽもうんです。

まきゃべりなんて知らないから、名言に関しては「そのまま」受け止めるしかないけど、
それでも問題無い感じです。逆にまきゃべりに精通してる人の意見も聞いてみたいｗｗｗ

悪い点としては、
見づらい。導入部がややこしい。
主人公の印象そのままに、もっとすっきりさせる書き方があるような気がしました。
以上です。偉そうにごめんなさい。

さる喰らっちゃったよ
あと一レス残ってるからだれか転載してくれない？

ところで規制ってどれぐらいでとけるのかしら？

324 ：文才無しさん ：08/02/05 20:20:18 ID:xDtx2LC7
ついでに投票も。
******************【投票用紙】******************
【投票】
No.12 モンスター 1/5 ◇zsc5U.7zok氏
No.20 知恵の果実と楽園の境界 1/4 ◇rmqyubQICI氏
No.24 ウェストファリア 1/5 ◇/UzWoCdlY.氏

気になった作品
No.06 ルール 1/5 ◇ibD9/neH06氏
No.13 外へ 1/5 ◇otogi/VR86氏
No.26 アウトローですか？ 1/3 ◇czxS/EpN86氏
No.27 その汚く美しき青春 1/5 ◇/7C0zzoEsE氏
**********************************************

これで終わりか？

坊ちゃん、お題をくれたら飴をあげる

>>537
ありがとう〜

>>538

つあめ

>>535
時間帯によると思うけど、20〜30分くらいだったかと

>>538
懐中時計

HAAKU。

>>541
そんなもんか……
ﾄﾝ

>>534
感謝です。導入部の作りこみが仇になってしまいましたか。
反省です。

マキャベリズムはあくまで個人的解釈ですが、「手段の為に目的を選ばないこと」だったと思います

>>505
たしかに１レス目のマキャベリ云々で挫けそうになる。
物語はまったく動かないのにくわえて抽象的でだらだらとした一人語りだからね。
たぶんこう言う語りが好きな人もいると思うから早々と読み手をふるいにかける効果はあるかも。

『私は孔明の罠だ。』こういうのはもっと沢山つかっていいんじゃないのかな。
端から馬鹿な主人公の空回りが面白い話だろうし
（今ここまでしか読んでないけど、冒頭の一人語りの回顧、ここまで読んだ展開からそう思ってる）
こういう決まり文句の面白さと話の方向があうかと。

って、いま告白考えてる場面読んでるんだけど、なかなかこの告白展開のドキドキ感は良いなｗ
脇役加奈子の使い方と、文子の反応も良くて、ひょっとして成功しちゃうのかな、いやむしろ
成功してもらいたいとすら思えてくる。

あ…曖昧にしたまま終わらせやがったｗｗｗ
脳内では勇ましくて強がりで滑稽な男の気持ちが良く感じられたので良かったよ。
〆の部分なんか特にね。後半からずいぶん面白く読めた。

マキャヴェリは、そんな意味で本を書いてたわけじゃないのにね…。
それこそ、思想自体がマキャベリズムの産物ですよ。

ほ

>>546
ありがとうございます。ありがとうございます。
導入部にもっと気を使うようにします。

>>547
　マキャヴェリの思想の本質は真摯なほどのリアリストであれ、ということだと思うのです。
　浅い理解しかできなかった為、今回みたいなマキャヴェリズムを誤解されかねない書き方を
してしまったのは反省したいと思います。

>>549
ああ、違う違う。
貴方を批判してるわけじゃないよ。
マキャヴェリの名を冠しているのに、思想の方は歪められてしまっているって事が言いたかった。
目的のためなら手段を選ばなくてもいい…ってのはマキャヴェリの本意では無かったのにってさ。
悲しいことだよね。

ツインテールを回りくどい表現で表現するとどうなるかな？

>>551
ウルトラマンの怪獣頭

>>551
グドンに捕食される生物

側頭部両髪結び、に違いない。

>>550
マキャヴェリは悲しむよりも鼻で笑いそうな気もします。なんとなくですが。

>>551
ペンギンの羽のように垂れ下ったツンデレのお約束。

お前らはｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ


うん、ＫＹな俺が悪かった。スマン

お題「コンセントレイト」「混浴銭湯」「もちもち」「チクタクマン」
から、「混浴銭湯」を選びました
投下します

　番台に立つ人間は女の方が良いと言うおふくろの台詞には、男はエロいからという文句がついて回る。
　だから我が家が経営する銭湯の番台には、いつもおふくろが立っている。親父が立っている姿は二、三度ほどしか見たことが無い。
　俺もその言い分には概ね賛成で、それと言うのも、番台からは女湯も男湯も丸見えだからだ。
　これでエロいことを考えるなと言うほうが無理な話だ。
　男に生まれたのならば、そこに一度は立ってみたいと思うのは、性である。
「番頭さん、はいお金」
「ありがとうございます」
　体が丈夫なおふくろが風邪をひくのは珍しいことだ。
　だからこそ、俺はこの数少ない機会を堪能しなければいけない。
　俺は今、番台に立っている。

　どんな家庭にも風呂場がある現代において、銭湯は衰退の一途を辿っている。ましてや、うちは混浴である。
　幸いにも貧乏苦学生が大量に住まうこの地域では、たとえ混浴でも来てくれるお客さんは少なくない。
　だが、混浴である。
　訪れるお客さんはやはり男性が大半で、女性は数えるほどしか見ない。
　しっかりとタオルで隠しているとは言え、わざわざ裸身に近い姿を他人に晒す女性なんて、そうそういない。
　混浴が嬉しいかと訊けば、俺は男友達に意外な言葉を返されたことがある。
『もし混浴じゃなかったら、覗けば全裸。混浴だから、逆に見れない』
　感心はしたが、とても誉められるものではない。覗かれる身になって考えれば当然のことだ。
　だが混浴だからと言って、覗きが必ずしも無いわけではない。
　浴場では隠れている女性の体も、脱衣所では無防備なのだ。
　浴場側のドアから脱衣所を覗こうとする輩もおり、俺はそれを発見するたびに脱衣所を通り抜け、制裁を加えなければならない。
　女性達には感謝されるが、通り抜ける際に彼女らの裸身が見えてしまうため、正直罪の意識もある。
　エロいことも、考えてしまう。
「こら、交代だよ」
「あっ、おふくろ」
　マスクをして、ちゃんちゃんこを羽織ったおふくろが、いつの間にかやってきていた。
　俺は番台から下り、おふくろと交代する。
「もう遅いから、あんたも早く風呂に入りなさい」
「はいはい」
　おふくろに言われたとおり、俺は脱衣所に向かおうとする。しかしおふくろは俺の肩を掴み、その足を止めさせる。
「なに？」
「あんたは銭湯じゃなくて、家の風呂」
「別にいーじゃん。広いほうがいいし……」
「女のあんたでも、ダメなものはダメ」
「わかったよぉ……」
　番台に立つ人間は女の方が良いと言うおふくろの台詞には、男はエロいからという文句がついて回る。
　おふくろにとっては、俺のようなエロいレズビアンも、男に分類されるようだ。

了

何…だと…？

やられた…

>>559
うまい。
でも
男に生まれたのならば、そこに一度は立ってみたいと思うのは、性である。
ここが気になってしまう。
でも、うまい。

>>　男に生まれたのならば、そこに一度は立ってみたいと思うのは、性である。

これ矛盾してないか・・うん、してないな
見事にやられたから何癖つけたかっただけなんだ

>>559
……俺女。俺女！
俺女！

>>559
右フックと見せかけてローキックくらった気分だよ……
素直にほめるぜｗ

>>559
またやられたｗｗｗｗ
今日２度目ｗｗｗ

銭湯だ、混浴だ、覗きだ、というのが、
もっと順序よく整頓されて書かれると良かった？と思う。
でも描写は素朴だし詳細だしで満足。ミスリードもＧＪ
"俺"すき。
おふくろもすき。

とまあ頭の悪い絶叫をした後でなんなんだが、ここで一つ語らせてくれ。
小説を書くことにおける、お前らの目標って、なんだ？　
俺はな、まあ格好いい正義の味方、描いてみたいよ。うん。
深いテーマで読者を感動させることもしたい。
でも、一番したいのはな。
ここに投下して、お前らが、俺の作品の登場人物の名前を挙げて

○○は俺の嫁

そう言ってくれるような登場人物を生み出したいんだ。
お前らは、どうだ？

>>559
強引さで笑い話だから許せるんだよなｗｗｗ
読み返せばわかるが
>　男に生まれたのならば、そこに一度は立ってみたいと思うのは、性である。
これはかなり汚い書き方。シリアス物ならアンフェアな読後感で胸くそ悪くなってただろうｗ
混浴の銭湯ってのも、なかなか良い発想。おもわず注意させられてしまう。
話の短さ、勢いとオチが良く合ってたよ

>>563-564
読み直すとその一文は確かに……orz


>>567
なるほど、順序ですか。
精進します！



品評、感想ありがとうございました

まさか俺のだしたお題がｗｗｗｗｗｗｗ

全感投下します。
ほんとに短い感想なのでさるはいらないかも。

>>568
そうだな……あんまり考えてなかったけど

「俺、あいつの作品嫌いなんだけど……」
一息おいて
「読んじゃうんだよな〜」

って言われるようになりたいかな

No.01 コドモルール ◆ecJGKb18io
　　　　話に整合性がなかったように思う。
　　　　あいまいな所感のままオチまで行ってしまった。
No.02 ル・クインセグ ◆pxtUOeh2oI
　　　　ファンタジーはちょっと難しいわな。
　　　　というかこのお題である必要性が感じられなかったというか。
No.03 神のいない世界で ◆eYCc7/VuC2
　　　　なぜ勇者が死んだのか気になってしまった。
　　　　話はうまくまとまっていたと思う。
No.04 シュガープラント・ルールズ ◆AOGu5v68Us[
　　　　青臭すぎる。読むのを拒んでしまったのは俺の問題だな。すまん。
No.05 生類憐みの令 ◆ETwWxomLBg
　　　　話はまとまっていたが、起承転結どこにいった。
No.06 ルール ◆ibD9/neH06
　　　　面白かった。しかし途中の常識云々の描写はくどかったと思う。
No.07 家路 ◆Gv599Z9CwU
　　　　軽快な文章は好みだが、これもわざわざこのお題で書かなくてもいいよなあと。
No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◆/sLDCv4rTY
　　　　このルビを必要としたタイトルに何か伏線があるのかと期待して読み進んでいってしまった。
　　　　結果よくわからず。
No.09 三秒ルール ◆Bf9IIj31BY
　　　　姉ちゃんかわいいなあ。癒された。
No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ ◆/sLDCv4rTY
　　　　主人公が何をしたいのかわからなかった。
No.11 クロスウォーク ◆p/4uMzQz/M
　　　　こういう独白はかわいくて好きだ。このスレじゃ珍しいしね。
　　　　でも面白いとは言いがたい。もっとひねりが欲しかった。

No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok
　　　　うーん、言いたいことはわかるんだけど、これは小説か？
　　　　いや、起承転結のない話はだれてしまう俺が悪いんだろうけども。
No.13 外へ ◆otogi/VR86
　　　　面白かった。こういう読ませる展開と文章書きたいぜ。
　　　　でもこんな最後いやあああああ
No.14 定め ◆7BJkZFw08A
　　　　うまく設定されていて、読みやすい話だった。
　　　　王道も王道。
No.15 キミョウな自分ルール ◆ZetubougQo
　　　　面白かったけどうまくいきすぎだろと。
　　　　その分まとまりがあって良いとも言える。
No.16 歌が聞こえる ◆SQvDZ46yqY
　　　　おおっとこれも青臭すぎるぞ。
　　　　お題こじつけすぎだ。
No.17 規則破不 ◆CoNgr1T30M
　　　　ごめん。オチでほんとしらけた。
No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2
　　　　主人公のDQNっぷりが鼻についてダメだった。
No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
　　　　なんとも不思議な作品。
　　　　文章はうまいと唸ったけど無駄な描写が多くて話には入り込めなかった。
No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI
　　　　十歳でこんなことを思うのかなあと現実的に考えてしまった。
　　　　話は良かった。
No.21 コルネオのルール ◆LBPyCcG946
　　　　そんな簡単な警備ではないよ。
　　　　テンポある文章はよかったが、そこがどうも気になってしまった。

No.22 アナザー・ワールド ◆Sound.UlVY
　　　　超展開の割にはこれといった山がなかった。
No.23 relatively being ◆wb/kX83B4.
　　　　よくわからなかった。ごめん。
No.24 ウェストファリア ◆/UzWoCdlY.
　　　　ようじょはいつもぼくのこころをうばっていきます。
　　　　最後の怒涛の視点変更はもう少しまとめられなかったのかな。
No.25 なみだ ◆0CH8r0HG.A
　　　　童話っていいよねえ。これは好き。
No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86
　　　　アホだｗｗｗｗ声に出して笑わせてもらった。
No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE
　　　　これもこのお題じゃなくてもいいんじゃないかと。
　　　　死を安易に使うことは好きじゃない。
No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
　　　　なるほどと唸った。しかしこの幼女は突飛すぎるぜ。
　　　　構成はすばらしい。
No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo
　　　　完全に話が設定に負けている。惜しいなあ。
No.30 とある妖精と少年のお話 ◆InwGZIAUcs
　　　　おおこれは捻りのある王道！
　　　　と最初期待しましたが王道はやはり王道ですな。

以上です。ほんと参考にもならない感想ですが。

>>573
全館乙。
いや、俺も今までの全館を見てわかったんだ、今回の作品には山場がなかった。
火薬は沢山詰め込んだのに、導火線が湿気てたんだよな。
つまり、落ちが弱かったんだ。

もう一度言おう、全館乙

全感乙〜

>>559
やられたｗｗｗｗ
ｇｊですｗ

ぜんかんおつ

全感乙ー。

まぁ、自分の書いたキャラクターは皆俺の嫁だがね

******************【投票用紙】******************
【投票】：なし

気になった作品：
No.06 ルール ◆ibD9/neH06
No.13 外へ ◆otogi/VR86
No.15 キミョウな自分ルール ◆ZetubougQo
No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk
No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
**********************************************

ポチッとな
******************【投票用紙】******************

【投票】：ワケあって無しで。

【関心】：No.13 外へ ◆otogi/VR86
　　　　　　　　がぶりは蛇足気味。
　　　　　No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86
　　　　　　　　理性が、アホくさ、と言い、感情が、だがそれがいい、と言う。
　　　　　　　　今日は感情の勝ち。
　　　　　No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE氏
　　　　　　　　主人公の青さに。
**********************************************
ワケっていうか。
今回は最後まで読んでないのがいくつかあるので、投票はしないでおくです。
なんか読めんかった。

>>580
それに関しては俺も同意だ。
けれど言ってみて欲しい時もあるんだ。
そして言ってやるんだ。うちの子はやれん、と。

嗚呼 全感の人全感乙

******************【投票用紙】******************
【投票】：なし

気になった作品：No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2
**********************************************
今回微妙すぎるね当然自分含め。
関心も、正直なんとなくでやった感じ。

どうしたんだおまいら、、疲れてるのかい。
俺は何一つ読んじゃいないが。

スランプというかネタ切れにつき過去の品評会あさってるんだが……
やべぇな。優勝常連はマジですごい。
音楽聴きながらっていう状況でもろくなっているとはいえ、涙腺決壊させられるとは思わなかった。
畜生、文才ある奴がいつまでも……っ！

>>585
んな微妙なら、無理に入れる必要ないんだぜw？

ちぃ、ここんとこ感想返レス勝率悪いな。
もっと玉見極めなきゃいかんぜ。不調だぜｗｗｗ

自分なんて全感したいのに毎週倒産間際の会社で飼い殺しだぜ？

もりもりお題くれ

>>585
気に障ったならすまん、扱き下ろすつもりは全く無い。
個人的に参加してたら投票くらいは義務のつもりだったんだ。

荒らせ
http://pr.cgiboy.com/10465527

感想返レスの勝率とか考えている人もいるのかと内心驚いた。

やだ・・・この子自分に謝ってる・・・

関心票でも、投票のうちじゃね、と思う今日この頃

今日初めて来て品評会読んでたんだけど、しんどくて途中でやめてしまった。
全館の方々、おつでしべる。
半官だと公平性に欠けるから、引っ込みます。

>>591
ふわふわ

>>592
いや、そうじゃなくて、無理に入れるよりは無投票の方が良くね？ってことなんだが。
適当に投票するよりは、真剣に無投票の方が良いと思うぜ？
まぁ、別に好きにすりゃいいとは思うけどさ。

参加したなら投票は義務に限りなく近い推奨だろうよ
まぁ仮にも物書きをたしなんでるなら、言葉を意識して投げろってのもあるわな。
帰ってくる反応を受け止めなきゃならん責任が、生じる場面ってのがある。

>>595
あ、ホントだミスってるｗ

>>598
まぁ考え方の違いかなぁ。変な話題ごめん

>>597
把握しました

>>596
俺に言ってる？
違いないけど重さが比じゃないからさあ

******************【投票用紙】******************
【投票】：No.20 知恵の果実と楽園の境界 4/4 ◇rmqyubQICI
　　　　　　　　 こういう取り扱いの難しいテーマにして、
　　　　　　　　ストイックにまとめてるところが好み。

**********************************************

しかし、このスレ……VIPの中で異質な雰囲気を醸し出しているよね。
ということで、お題くれよん↓

>>604
四六判

>>604
青筋

龍

>>604
隣人

>>604
綿

外出中なので簡易投票。運営さん申し訳ない。

【投票】
：面白かったものもあったのだけれど、考えた末なしで。

【関心】
：No.25、No.27の両作品に。

>>605-609
少し見ていない間にこんなにお題をありがとう。
どれだけ入れられるか分からんが、頑張って色々と組み入れてみる。

全感達成数2/30
投票だけは日付変わるまでにして全感はゆっくりやろう……

ほ

も

ホモと。
さあ、雑談の時間だ。

お前ら、いい加減賞に応募する原稿に取り掛かれ

携帯からですが投票します。

参加者のくせに気分は読者様（笑）なので偉そうです。
今回はなんとなく「つまらない」品評会だと言われているみたいですが、個人的には結構面白かった。
まあこんなどうでもいい感想は置いといて投票。

【投票】No.07　家路◆Gv599Z9CwU氏
　それほどうまいわけではないし、痛々しいかもしれないけど、たぶん一番楽しく読めた。
ぜひこの密度で本格的な「物語」を書いてほしい、という期待も込めて投票。

　　　　No.19　取替え子◆VZp00svMyk氏
　タイトルは大江健三郎の同名小説から、なのかな？　違うかも。
いまいち実態をつかませない、幻術みたいな話だ。しかし野暮な説明文が極力はぶかれた文章は魅力的だし、
否が応でも読み手に「考えること」を促してくれる楽しさがある。とても魅力的な作品だと思った。
今回の品評会に限らず、長さ的にこういう作品は珍しい。なので投票。

気になった作品:No.01　コドモルール◆ecJGKb18io氏
　　　　　　　 No.21　コルネオのルール◆LBPyCpG946氏

はいはいまんこまんこ

雑談お題がホモなのか……

いや、好きに語ろうぜ。
せっかくだから、このスレで好きな人でもあげてみるか？
荒れる元になると思うけど。それでもいいなら語ろうぜ。

みんな大好き運営さん
次の話題はなにがいいか

好きな性感帯かな

全然関係ないけどキノたん大好き

猫娘しか興味ない

不定期に参加する身としては
好きな作品はあっても好きな作家はないな

実は俺、投票したことあんまりないけど2Lで始まる人とQIで始まる人好きなんだ
安定してる。文体もある程度までは参考になるしな。

つい最近このスレを見つけた俺に過去のお勧め教えてください

>>627
いちごミルク

品評会の過去の優勝作は全体的にお勧め
特にあげるなら落下の回は秀逸

>>627
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1192113212/l50
よかったらこちらをドーゾ

>>628
いちごミルクはいいよな。

>>630
2票なのが納得いかないくらい完成度が高かった。
bnskの中で一番好きな作品かもしれん。

お題があれば、なんだって書けるッ！！

>>628,629,630
ありがとうございます
ちょっと読んできます

じゃあお前らが一番好きな俺の作品の話でもどうだい

>>634
よし、酉はなんだ？＾＾

このスレで好きな人……人、かぁ。
そりゃいわずもがな、豚とも猫ともつかないAA張って報告ばかりしてる人だな。
人間離れしてるだろ。何かの化身かもしれん。真面目に。

>>634
なにか上手いこと切り返せよｗｗｗ

寝る前にお題下さい

>>638
風俗嬢

>>636
ああ、それには同意だ。
もうあの人が人間とは思えない。
本当にあのＡＡのまんまの姿形をしているんじゃないか？
んで、必死に日本語を勉強してるわけだ。

にゃーん。

まあ俺の嫁だからな

残り時間５分ぐらいか。
参加者数２９名、投票数21
参加者以外の酉を３つ確認。
相変わらずおまえらはｗｗｗ

>>631
うん。
なにか語りたくなるっつーか。
純粋なエンタメかと言われると違うような気もする。
青春小説……でもないか。青年小説？

>>642
いやあ偉いもんでしょ。
初の人とかもいると思えば。

******************【投票用紙】******************
【投票】：No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◆/sLDCv4rTY
　　　　　　　　　　　意味不明だけどおもしろい
気になった作品：No.06 ルール ◆ibD9/neH06
　　　　　　　　　　　　雰囲気
                No.30 とある妖精と少年のお話 ◆InwGZIAUcs
　　　　　　　　　　　中盤が退屈
**********************************************
「すげーおもしろい」ってのはなかったけど、それがふつうです。

>>639把握
お休み

******************【投票用紙】******************
投票：全作品をちゃんと読めてないのでなし

気になった作品：No.26 No.27
**********************************************
時間ギリギリなので簡易式です。すいません。関心票のふたつは本来なら投票してたと思います

俺は機動編集に萌えなんて感情は抱かないけど、その能力に魅せられた

【集計中】
　　o＿__∧,,∧＿__o
⌒.||三 (´・ω・) 三||Y⌒Y⌒　　　(´・ω・｀)　ちょっと待ってね☆　(´・ω・｀)
l￣||三.（　つと）.三||￣l￣￣
~ ^||＼　ゝＯ-Ｏ 　　＼￣^"
｀"　 || ￣￣￣￣￣ ||,,
　 　 ｀'''　　　　　　　"'''

【昆中】

　 　 　<Y7
　　　　 | |　　　/i　 iヽ
　　　 ,-| |-､　（（＿_））
　 V.(　´・ω) (・ω・｀) ／⌒ヽ
(　´・ω)　Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀　) _ 　_　 _　 _
｜　Ｕ(　　´・) (・｀_　_) とと　｀´)｀´)｀´)｀´)｀)
　u-ｕ'∈∋　) ( ヾ Yｿ 　`ｕ-ｕ-ｕ-ｕ-ｕ-ｕ'´
　　　　(〓)u' 　｀ｕＶu

もうスクリプトにしか思えない

　　　【裏投票中】

　　　　　　　／|￣￣￣∧,,∧
　　　　　 ／|￣￣￣|..（ω・｀ ）
　　　　／|￣￣￣|....|φ　∪ ）　　　　　　　 ∧,,∧
　　　　|￣￣￣|....|／　｀u-ｕ´　　　　　　　（ 　　　）
　　　　|＿＿＿|／ ∧,,∧　　　　　　　　　 （ ｏ　∪
　　　　|| 　　　|| 　(´・ω・)　∧,,∧　　　 　 ｀ｕ-ｕ´
　　　　　　　　　　（ つﾛと） (´・ω・)
　　　　　　　　　　 ｀ｕ-ｕ´　（∪　　つﾛ＿＿＿__
　　　　　　 　 　　　　　　　　｀ｕ-ｕ／　=　=　 ／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣￣￣|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 投票箱　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|＿＿＿＿|／

【授業中】
　　　　　　　　∧,,∧ 　　　　　　　　　　　　　∧,,∧
　　　　　　　 （´・ω・） 　　　　　　　　　　　（´・ω・）
　　　　　　　[（っ⌒/⌒o_ 　　　　　　　　　[（っ⌒/⌒o_
　　　　　　　|＼⌒''⌒∧,,∧　　　　　　　　|＼⌒''⌒∧,,∧ ...zzZZ
　　　　　　　||　||￣ （´・ω・）　 　 　 　 　 ||　||￣ （´-ω-）
　 　 　 　 　 　 ||　 [（っ⌒/⌒o_　 　 　 　　　||　 [（っ⌒/⌒o_
　　　　　　　　　　　|＼⌒''⌒∧,,∧　　　　　　　　|＼⌒''⌒∧,,∧
　　　　　　　　　　　||　||￣ （´・ω・）　 　 　 　 　 ||　||￣ （´・ω・）
　　　　　 　 　 　 　 　 ||　 [（っ⌒/⌒o_　　　　 　 　 ||　 [（っ⌒/⌒o_
　　　　　　　　　　　　　　　|＼⌒''⌒　　＼　　 　 　 　 　 |＼⌒''⌒ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　||　||￣￣￣￣||　　　　　　　　||　||￣￣￣￣||
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ||　 　 　 　 ||　　 　 　 　 　 　 ||　 　 　 　 ||

まとめサイトに集計がのっとる

まとめ掲示板だった

　　　【ハイチュウ】

　　　　　 ＿＿＿_　　 ＿＿＿_
　　　　　|　　　|□|　　|□|　　　|
　　　　　｀￣￣￣　 　 ￣￣￣´
　　　 ＿＿＿　　　　 　 　　＿＿＿
　　　|[]|　　　|　　　　 　 　 |　　 　|[]|
　　　 ￣￣￣　　　 　　　　 ￣￣￣
　　 　　　＿＿＿_ 　　　＿＿＿_
　　　 　 |□|　　　|　　　|　　　|□|
　　　　　｀￣￣￣ 　 　　￣￣￣´

やほーい間に合ったー
本当にすいませんじゃ済みませんね

−　 ３　No.01 コドモルール ◆ecJGKb18io氏
　−　 １　No.02 ル・クインセグ ◆pxtUOeh2oI氏
　−　−　No.03 神のいない世界で ◆eYCc7/VuC2氏
　−　−　No.04 シュガープラント・ルールズ ◆AOGu5v68Us氏
　−　−　No.05 生類憐みの令 ◆ETwWxomLBg氏
　 １　 ５　No.06 ルール ◆ibD9/neH06氏
　 １　−　No.07 家路 ◆Gv599Z9CwU氏
　 １　 １　No.08 毀れた乳母車が並ぶ自転車店 ◆/sLDCv4rTY氏
　−　 １　No.09 三秒ルール ◆Bf9IIj31BY氏
　−　−　No.10 いわない/友情/忘れたくはないんだ ◆/sLDCv4rTY氏
　−　 ２　No.11 クロスウォーク ◆p/4uMzQz/M氏
　 ２　 ２　No.12 モンスター ◆zsc5U.7zok氏
　−　 ４　No.13 外へ ◆otogi/VR86氏
　−　 １　No.14 定め ◆7BJkZFw08A氏
　 １　 ３　No.15 キミョウな自分ルール ◆ZetubougQo氏
　−　 １　No.16 歌が聞こえる ◆SQvDZ46yqY氏
　−　−　No.17 規則破不 ◆CoNgr1T30M氏
　 １　 ３　No.18 海とビールと傍観者 ◆hemq0QmgO2氏
　 ３　 ５　No.19 取替え子 ◆VZpO0svMyk氏
　 ３　 ２　No.20 知恵の果実と楽園の境界 ◆rmqyubQICI氏
　 １　 １　No.21 コルネオのルール ◆LBPyCcG946氏
　−　 １　No.22 アナザー・ワールド ◆Sound.UlVY氏
　−　 １　No.23 relatively being ◆wb/kX83B4.氏
　 ５　 ３　No.24 ウェストファリア ◆/UzWoCdlY.氏
　−　 １　No.25 なみだ ◆0CH8r0HG.A氏
　−　 ６　No.26 アウトローですか？ ◆czxS/EpN86氏
　 ３　 ６　No.27 その汚く美しき青春 ◆/7C0zzoEsE氏
　 ３　 ３　No.28 妖精さんのお仕事 ◆lDzk49E.e2氏
　 １　 ５　No.29 この醜くも美しい世界 ◆Ms.BlueNHo氏
　−　 １　No.30 とある妖精と少年のお話 ◆InwGZIAUcs氏

◆/UzWoCdlY.氏 おめでとぅー

あ、最初ズレた。まぁいいか。
No.24『ウェストファリア』を書いた◆/UzWoCdlY.氏が優勝です。
……今週は大丈夫だよね、間違ってないよね？

◆/UzWoCdlY.氏はお題発表の時期を報告願います。

◆/UzWoCdlY.氏おめぇぇぇぇぇえええええええ！！！

◆/UzWoCdlY.氏おめでとう

おめ！

◆/UzWoCdlY.氏おっめぇー！！

いやあおめでたい！

◆/UzWoCdlY.氏おめでとー

◆/UzWoCdlY.氏おっけーーーー！

◆/UzWoCdlY.氏おめー

おめ

◆/UzWoCdlY.氏おめｗｗｗ
M-Houseに逝ってくる……

◆/UzWoCdlY.おめー

◆/UzWoCdlY.氏おめ

そしてこの空気の中お題求む

◆/UzWoCdlY.さんおめでとう！

>>671
唐突

◆/UzWoCdlY.おめ

>>671
ハッピーターンの粉

◆/UzWoCdlY.おめでとう

初心者質問
こんな質問をして馬鹿と言われるのは覚悟の上だが教えてほしい
>>1-3も何回か読んだんだが、週末品評会に出されるお題は予め誰かが書くと決まっているのか？
週末品評会というものがイマイチよく分からないんだ……

>>676
よく見ろ　最後あたりに書いてある

>>676

>>3
>▽優勝者特権
>・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
>・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
>・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい

>>676
投下の形式にさえ気をつければ自由参加

お題はまだか……早くしないと俺は……闇に……

>>680
光

>>681
いや、その、品評会のね…
ごめんね？

>>682
すまん

>>676だけど、じゃあつまり出されたお題に何人も参加するんだな
例えば一つのお題に3人が書いてしまったりすることもあるんだね

>>673
>>674
把握

>>684
今回は30人参加してるぞｗ
一度、まとめサイト見てきたら

何を書いても、自分の文章が嘘っぽく見えてしまう。
しかし今は書くしかない。
私にお題をください。
↓

テルミン

>>687
真実

ｵﾀﾞｲﾏﾀﾞｰ？

把握。
でもテルミンとか初めて聴いたから今回はやめて、真実だけで行かせて貰います。

テルミンって手を翳して音域を操作する楽器だっけ

◆/UzWoCdlY.
さんおめでとー

>>692
YES

ヒマだから俺にもお題くれ

>>694
火星人

よし、お題くれ
いや、ください。

>>696
戸成人

お題くださいー
↓

人参

>>697
はあく
もう1,2個ください

時計

◆/UzWoCdlY.さんおめでとう！

>>700
海嘯

>>684
半月ROMれ

>>701 >>702
把握はしたんだが戸成人ってなんだ？
ググっても出なかったが？

>>699
了解しました、
すいませんもう一つもらえますか？

いくらなんでもテンプレながすぎるだろｊｋ

>>705
にら

>>704
ごめん。土星人って書きたかったんだ

>>705

ポテトチップス

人参、韮、ポテトチップス……
カ　オ　ス

あれ？ なんか優勝してる……

お題plz

そのトリップどこで売ってますか？

>>711
スレタイ読んでどっかいっちゃえｗｗｗ

>>708
おっけいはあく

　　　【審議中】
　　　　　　 　 ∧,,∧　∧,,∧
　　　 ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・｀)∧,,∧
　　　( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・｀ )
　　 　ｌ　Ｕ ｌ (　　´・) (・｀　　)ｌ と　ﾉ
　　　 .ｕ-ｕ　(　　　l). (l　　　) u-ｕ'
　　　　 　 　 `ｕ-ｕ' 　 `ｕ-u'

>>711
おまｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

そんな気はした

なんでそうやって名乗るのかが分からん
目立ちたいの？

　　　【審議中】

　　　　　　|￣￣|
　　　　　　|∧∧| 　　　　　（(　)　）　　（(　)　）　（(⌒　）
　　　＿＿(；ﾟДﾟ)＿__　　　 （(　)　）　（(　⌒　）（(　)　）
　　　|　⊂l>>***l⊃ | 　　　 ノ火.,､　　ノ人., ､ノ人.,､
　　　￣￣|.|.　 .||￣￣ 　　　γﾉ）::）　γﾉ）::）γﾉ）::）
　　　　　　|.|=.=.|| 　　　　　　ゝ人ﾉ　 ゝ火ﾉ　 ゝ人ﾉ
　　　　　　|∪∪|　　　　　　　　||∧,,∧ ||∧,,∧ || 　ﾎﾞｫｵ
　　　　　　|　 　 |　　　　　　∧,,(´・ω・) (・ω・｀).∧,,∧
　　　　　　|　 　 | 　　　　　(　´・ω)　Ｕ) ( つとﾉ(ω・｀ )
　　　　　 ~~~~~~~~ 　　　　｜　Ｕ (　　´・) (・｀　　)　とﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　ｕ-ｕ （　　　 ) (　　　ﾉu-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'.　`ｕ-u'

>>719
肩の力を抜くんだ！　
最初は痛いかもしれんがだんだんｎ――

>>720
燃やしてしまえい！！

>>720
はやく点火しちゃおうぜ

おｋ

　　　【審議結果】

. 　 　 　 　 |￣￣|
　. ∫∫ 　 |∧∧|
　＜⌒＞ 　(ﾟДﾟ )＿__　　　　　　　　　（(　⌒　）
　　　| |￣⊂l>>***l⊃ | 　　　　　　　　　（(　)　）
　　　| ￣￣||.　 .||￣￣　 　 　 　　 　 　　 ( ::)
　　　|ﾀﾍﾞﾙ?|=.=.||　　　　　　　　　　　　　　)　;:）　∫ ∫
　　..(　　´・)∪∪|　　　　 　 ∧,,∧　∫∫　（;;,　从＜⌒＞　∧,,∧
　　 （　 　　). 　　|　　　 ∧,,(´・ω・)＜⌒＞(　;;从 　 ｀゛＼ (・ω・｀)
　　　`ｕ-ｕ'.|　 　.| 　　 (　´・ω)　Ｕ)／´゛　∧,,∧从　　 　 と　と ﾉ
　　　　　　~~~~~~~~　　｜　Ｕ (　　´・)　　 (・｀　　)ヘヘ　　 　u-ｕ
　　　　　　　　　　　　　　ｕ-ｕ （ 　 　 ) 　　(　　　ﾉ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `ｕ-ｕ' 　 　 `ｕ-u'
おめっとさん

sageる人の小説は面白いから好きだけどさ、そういうアピールがうざい
酉変えるのか変えないのかはっきりしてほしいわ

>>725の優しさに乾杯

ブンサ芋か…

お題ｐｌｚ

>>728
んな芋があるなら、八百屋一軒分買い占めるわw

>>729が無視されてて吹いた

お題　調味量

>>729
芋

投下します
お題「二十八歳の女の子」

　カリカリカリ……カリカリカリ……。
　放課後の学校の図書室はいつものように人が溢れていた。人が多いが、賑やかでも、騒がしくもない、実に不思議な空間。尤も、そのおれもその空間の一部なわけだが。
　カリカリカリ……カリカリカリ……。
　おれは志望校の過去問を解いていた。問題集を見て、答えをノートを書きこんでいく。
　シャーペンは白いノートの上を走っている。細い黒炭の欠片が線を描き、その線が集まって答えを成していく。その答えが是か非かは今のおれには分らない。尤も、問題
集の巻末についている模範解答を見れば話は別だろうが。
　カリカリカリ……カリカリカリ……。
　左手は問題集をめくり、右手はシャーペンを走らせる。勉強は肉体的には、いや精神的にもルーチンワークそのものだ。伊達に勉めて強いると書かせるだけのことはある。
　カリカリカリ……カリカリカリ……。
だが、何故こんなにも勉強しなければならないのだろう？ 何の為？ 自分が辿りたい未来があるから？ 本当に？ 志望校に受かりさえすれば本当に何でも叶う？
カリカリカリ……カリカリ。
　滑稽だな。おれは心の中で自分自身を嗤った。考えても仕方がないことは分りきっているからだった。
　手を止めて窓の外を見る。カーテンを閉めていない窓から差し込む西日がやけに眩しい。
どうやら集中力が切れてしまったようだ。飲み物でも買って来よう。そう思って席を立った。
　高校三年の一月下旬となれば、センター試験も終わり、受験も泣いても笑っても後一ヶ月弱である。迫りくるプレッシャーに追いつめられる中、正直心にあまり余裕はなか
った。
　だが、それでもこの学校にいられるのも後僅かかと思うと、この胸に確かな寂寥感を感じてしまう。
（この学校にいられるのも後少しか……）
　そう思うと、見慣れたはずの教室や廊下が急に大切に思えてくるから不思議である。
　西日に染まる白い壁。陰に沈む深緑の黒板。自分を囲んでいた“当たり前”が一斉に無くなる日はゆっくりとだが、確かに近づいてきているのだ。
（もうすぐ卒業なんだな……）
　この学校での思い出を心の中で一つずつ紡いでいく。紡いでいく度に、自分の抱えている想いを噛みしめていく。その不毛さと、その切なさを。
　ドンガラガッシャシャーン！
　通り過ぎた教室から聞こえてきた騒音に、おれが浸っていた感慨が吹っ飛んだ。
「大丈夫ですか？」
　教室のドアを開けると、そこには床に大きく散乱したプリントと、泣きそうな顔をして倒れている日本史教師・高瀬遥香（28）がいた。

「どうしたの？ ちび先生？」
　おれは高瀬先生・通称ちび先生に声をかけた。顔を赤くさせた先生は少しの沈黙の後、呟く言うように答えた。
「……ちび先生って言うな」
　どうやらちび先生に元気なようだ。そう思っておれは少し安心した。

　高瀬遥香先生は、おれのクラスの日本史担当である。背の低さと年齢よりか随分幼、いや若い見た目の為「ちび先生」と生徒に慕わる先生である。
　先ほど先生の恥ずかしい姿を目撃してしまったおれは、先生の仕事に付き合わされる羽目になってしまったのだった。
「すみません。手伝ってもらっちゃって」
「いえいえ、ちょうど勉強の息抜きをしてたところですから」
　先生と一緒に山積みになったプリントを運びながら、少しばかり会話を楽しんだ。
　どうやらちび先生は、明日全校生徒に配るプリントを運んでいる最中だったらしい。それで無理してプリントを一度に持ちすぎた挙句、バランスを崩して転倒、というわけだ。
　全くちび先生は相変わらずだな、と思えてならない。正直言って、愉快だ。
「何を笑っているんですか？ 原田君」
「いえ、何でもないです」
　どうやら顔が笑っていたらしい。でも仕方がない。これも全てちび先生が悪いのだから。
「そういえばセンター試験も終わりましたね。どうでした？ 試験の結果は？」
「そうですね。志望校は安全圏ですし、まぁ上出来と言ったところでしょう」
　因みに事実だ。喜ばしいことに、おれのセンター試験の結果は非常に良好だった。
「そうなんですか。良かったです。因みに日本史は？」
「先生のおかげで上出来です」
　これも事実だ。センター試験で日本史は特によく出来ていたし、それが先生のおかげであることは紛れもない事実だった。
「そうですか。それは良いことです」

「はい」
　口から出たおれの答えは、自分が思った以上に素っ気なかった。
　そう、全てが上手くいっている。そしてそれはとても良いことだ。良いことなんだが。
「でも、正直少し寂しいですよ」
　自然と口から言葉が零れていた。
「もうすぐこの学校とお別れですからね」
　愚痴っぽいな、と我ながら思った。だが、それが素直な気持ちであった。
「ふふっ、仕方がありませんよ。原田君は十分この学校で学んだんですから」
　先生が笑いながら答えた。おれに言い含めるように、ゆっくりと優しい声を奏でている。ちび先生が、とても先生らしく見えた。
　眩しすぎるぐらい感じられる安心感と共に、少しだけ反抗心がおれの中に影を落としている。
「先生は、おれがいなくなったら寂しい？」
　心の陰りが言葉となって、おれから飛び出していった。
「そりゃあ寂しいですよ。何だかんだで三年間面倒見てきたわけですし」
　先生はまた笑いながら答えてくれた。相変わらずゆっくりと先生の言葉は流れていく。
「でも、それでもいつまでも一緒にいられるわけじゃないでしょう？ 原田君は私たちから学んだことを活かして生きていってくれるだろうし、私は原田君たちから学んだことを教えて
いくわけですよ」
　先生はを見てくる。とても正しくて、とても温かい言葉だ。だがおれの影はまだ疼いていた。止まるはずはないのだ。分っているはずなのに。
「だから学校ってすごく良いと思わない？」
「そうですね」
　おれは心の疼きを止めることを諦めて、先生に笑顔で答えた。そう、今はこれでいい。今までずっとこうして来たように、今はこれでいいんだ。
　だが、おそらく叶わないであろう想いを、果たして一ヶ月後のおれはどうするんだろう。答えは見えなかった。
　おれと先生があるく廊下は夕焼けに染められ、輝いていた。この時間がいつまでも続けばいい。そうすれば何も悩む必要などないのに。
　朱に輝く廊下は、まだまだ伸び続けていた。だがその色は、少しずつ暗くなっていた。

で、お題はいつだｗｗｗｗｗ

>>726
そんなにカリカリしないでいいじゃないｗ
ブンスカーだもの

ありがとうございました。何かご意見がありましたらご教示お願いいたします。

>>738
狙ってカリカリを使ったな！

>>740
ちょｗｗｗちがｗｗｗぐうぜｗｗｗｗうぇうぇうぇｗｗ

でだ、お題発表は何時だねワトソン君？

>>738
偶然って怖いですわｗ

なんで他人が返答してくれるんだ
親切なスレだな

>>739
＞寂寥感を感じる。
かさなっとる。危機感を感じるくらいならまだいいけど。

最後らへんに出てくる淡い恋心が唐突に感じた。
こういう締めかたをするのならば、うっすらとでも伏線を出しておいたほうがいい。
まあ後の表記は意図的なものだと思うけど、人によって好き嫌いあるかもわからんね。
しかし綺麗に纏まってるほうじゃないかな。雰囲気は出てる。
ただ物語としては薄いよね。ＳＳとしては物足りない感じ。豆腐みたいなもんだ。
魅せ方としては面白いと思ったよ。いちいち書かないけど。ＳＳということを意識してみよう

お題を考えてるのか、寝てるのか。それが問題だ

>>745
感謝します。話の練込が足りないです。
反省します。
アドバイス感謝します。

簡単なお小遣いサイト情報

http://www11.axfc.net/uploader/20/so/He_69951.zip.html

pass get

>>746
優勝者は携帯からの書き込みだったところを見ると立て込んでいるのかと。
飲み会中とかセクロス真っ最中とか

>>749
セクロスの直前に、2ch見てるってどんだけこのスレ愛してるんだよwww

>>749
> セクロス真っ最中とか
もしそうだったらみんなであいつに甲羅の上で干上がって死ぬ呪いをかけてやろう

>>734
『高瀬遥香先生は、おれのクラスの日本史担当である。〜正直言って、愉快だ。』
ここの仕切直しの説明で気がそがれた。序が情景描写入れながら
丁寧にゆっくり立ち上がって、二人の会話に気持ちが入って
きたところだったんでね。ここはできりゃ会話に織り込んで欲しかったねぇ。
『「先生は、おれがいなくなったら寂しい？」』ちょっと唐突かな。
もうちょっとこの台詞に到るまでの気持ち、その仄めかしなりが欲しいな。

読みながら書いてきたけどあれだ、展開が急すぐるということになるね。
心境と絡ませた情景描写の文章がよかった。
背伸びしてない感じで、読んでて落ち着いた。

>>751
もしこ○すなら、不要になる文才は俺が貰って帰りますね。

>>749
世の中は不公平にできてるよなぁ

お題とか御代とか小台とか下さい

>>755
小田井

>>755
自己顕示欲

>>752
感想ありがとうございます。
もっと読んでいる人の流れを意識して書くようにしたいです。
反省。

>>755
次の品評会のお題ﾏﾀﾞｰ??

ありがっとん

>>759
ちょｗｗ俺に言われてもｗｗｗｗ

>>734
情景描写に、もうすぐ卒業のさびしいぃ感じが出てて良いですね。
ちび先生かわいいです。

少し文法がおかしい？という点があったので、よく見なおしてほしいです。
あと倒置や擬人が散乱している印象がありました。
使うところでびしっと使ったらもっとよく締まるかもと思います。
それと、せりふって難しいですよね。

最後のシーンすきです。朱に輝く廊下、陰るって、なんか素敵ですね。

酉なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです。嘘です。ごめんなさいです。
感想くれた方、投票してくれた方ありがとうなのです。時間がなくて投票できなくて本当に申し訳ないのです。
わけあって立て込んでいたのです。何していたかは滾る想像力で各自補完してほしいのです。品評会のお題は水曜日の24時過ぎぐらいに出せたら嬉しいのです。

選評コメントから求めている物と、
作り出す物に開きがあるような、
それでいてしっかり票集めちゃう人キタｗｗｗ

あ、忘れてた。オメっていうの。優勝オメ！

優勝おめでとうございます

>>762
感想ありがとうございます。もっと言葉に気をつけていきたいです。

おーめおめ

優勝おめデート
睡眠導入にお題ください

>>768
眠気覚まし

>>768
マッサージ椅子

>>769
ありがとう。おやすみなさい

>>770
こっちも把握

今来た。
◆/UzWoCdlY.氏優勝オメ！

が

お

ー

>>739
話は凄く良かった。
主人公に対してこのろｒ嫌なんでもない
ただ描写が少し足りないなぁと思いました！
以上！


ところでお題をもらったのに色々あってまだ書いてないんだけど
何時までに書けば良いの？

投下します

普通電車の吊り革に手をかけて、僕は外を眺めていた。
太陽はすっかり傾き、反対側はすっかり暗くなっている。
秋を感じさせる日の早さは僕を感傷に浸らせていた。
だが、同時に今朝方の出来事が頭に引っかかる。正直帰宅するのが億劫だった。
今日は朝一番で会議が予定されていた。
いつもより一時間早く目覚めたのだが、普段どおりの朝食が用意されていた。
そんなことは気にも留めず、そそくさとスーツを着て食卓に腰を下ろした。
妻は僕の正面に座っていた。どうやら僕の分しか朝食を用意してないようだった。
彼女のパジャマはよれていて、髪の毛はかなりはねている。
そんな彼女はまだ半開きのトロンとした目で、立て肘をつきながら、僕の方を見つめていた。
「大変ねぇ、４時間も寝てないでしょう？」
昨日は残業で遅くなっていた。そんな僕を妻は気遣ってくれている。
僕はご飯茶碗片手に彼女の言葉を聞いた。
あまり寝てないせいか、彼女の言葉は他人事のように聞こえ、僕を微妙に苛立たせた。
時計を確認し、彼女には生返事を返しつつ朝食をかきこんだ。
それから、玄関で靴箱から革靴を取り出し履いていると、後ろから妻の声が聞こえた。
「お願いがあるんだけど……」
こういう時、新婚夫婦ならキスでもするのかもしれないが、
子供も小学生になり、それなりの年を経た僕らにはキスなんて恥ずかしくて出来るわけも無い。
僕は急いでいた所為もあり、苛立ちをにじませた言葉を返していた。
「帰りに買い物を頼まれてくれない？」
彼女はなんと、お使いを頼んできたのだ。
今思えば、たいしたことも無い普通の頼みだったのだが、
僕は苛立ちからか、激しい言葉で拒否してしまった。
その言葉に彼女も反応し、ちょっとした口論になってしまう。
夫婦喧嘩は犬も食わないとはよく言ったものだ。
こんなつまらないことで口論になるなんて思いもしなかった。
かれこれ数分言い争いを続け、最後に彼女が言った。
「急いでるんならさっさと行きなさいよ！」
僕を睨みつける眼からは怒りが溢れていた。僕は最後まで悪態をつきながらそそくさと出て行った。

ガタガタとゆれる夕刻の普通電車の中で今朝のことを思い出す。
はぁ……
自然とため息が出る。きまりが悪くてしょうがない。
そんなあてのない悩みを続けているうちに最寄り駅についてしまった。
改札を通り過ぎ外をみるとすっかり陽は沈み、夜の闇があたりを覆っていた。
夜の闇は同時に虫たちの饗宴の始まりでもあった。
道を歩いていると、数多くの虫たちの鳴き声が聞こえてくる。
気分が晴れている時に聞いたらどんなに気持ちのよいものだろうか。
そんな思索にふけっていると、どこからともなく虫の声ではない音が聞こえてきた。
聞き覚えのあるフレーズだった。焼き芋屋さんだ。
同時に淡い思い出も頭によみがえってきた。妻との初めてのデートの時だ。
公園のベンチで緊張しながらも話していた時、その声は聞こえてきたのだった。
いーしやーきいもー。
よくある焼き芋屋さんの掛け声だった。
ちょうどおなかも減った頃合いだったので、彼女を待たせ、焼き芋を二つ買ってきた。
もともと焼き芋が好きだったので、その魅力について語り、
彼女にすすめると、彼女はちょっと嫌そうな雰囲気をみせた。
その表情は衝撃だった。僕は必要以上に落ち込んだ。
彼女に惚れていたからこそ、こんなことで嫌われたと思ってしまったのだ。
後日、落ち込んだ僕を心配してくれたのか、彼女が教えてくれたが、
彼女はその時、ダイエット中で、焼き芋で太ることが心配だったそうだ。
「私、ダイエット中じゃなければ焼き芋大好きだよ」
彼女が満面の笑みでそう言うと、僕はさらに彼女の虜になってしまった。
……焼き芋屋さんのメロディーはそんなことを思い出させる。
僕は思わず駆け寄り、あの時と同じ焼き芋を二つ買った。
あつあつの袋は、かじかんだ僕の手を温まらせてくれる。
妙な懐かしさと期待感が胸に到来していた。

そうしていると、あっという間に家についてしまった。
扉を開けお帰りというがただいまの声は聞こえない。彼女は寝てしまったのだろうか。
僕の心はまだまだ高まったままだった。そして、リビングのドアを開ける。
彼女はソファに座り、くつろいでいる。子供は寝てしまったようだった。
一気に僕の気持ちは冷めてしまった。そんなものだよな。
年を経た夫婦が持つ妙な諦念が僕を落ち込ませた。
僕はネクタイを緩めながら今朝のことを謝った。彼女は黙っていた。
そして、焼き芋のことを言おうとした時、テーブルの上の袋に目が行った。
思わず、あっ、と声をだしてしまった。
「今朝は……私も悪かったよ。ゴメン。これでっていう訳じゃないけど焼き芋買ってきたよ
好きでしょ？　あなた。よかったら食べて」
彼女は照れくさそうに言う。僕は思わず顔がほころぶ。
「ありがとう、実は僕も焼き芋買ってきたんだ。僕たち本当に似たもの夫婦だね」
僕は思わずそう言った。彼女は何それ、と軽く笑う。
新婚時代に戻ったような、だけど妙に気恥ずかしいような僕たちだった。

了

>>781
読みやすい描写でした、なかなか面白かったんですけど
最後の夫婦の会話がちょっと薄いと感じました。

>>777
お題を一週間消化できていない俺がいる。
だから、安心していい。

>>779
冒頭でいきなり回想に飛んでしまったのでちょっとびっくりしました。
その回想の部分だけ、なぜかちょっと把握しづらかったです。
あとせりふってやっぱり難しいですよね。

でもそれはそれとして、あとは読みやすいし話も分かりやすいし、
きしょうてんけつもきちっとしてるし、おもしろい！

＞あつあつの袋は、かじかんだ僕の手を温まらせてくれる。
ここ良いですね。やきいもは「あつあつ」という表現がぴったり。
（手を「温めてくれる」のほうがすっきりしてるかも？）

やきいも屋さんすきです。

オダイ暮れ、二三個クレ

>>786
前線

>>786
欲求不満

>>787-788
羽悪

>>784
なんとｗｗｗｗ
大変だな、頑張ってくれ！

投下します

「柊、お皿出してくれるか？」
「ポテチ食い終わってからにしてください」
「分かった、柊の分は俺が食べる事にするよ」
「お皿ですね！　すぐに出します！」
　居間でポテチを齧りながらのんびりとテレビを見ていた柊が慌てた様子で台所においてある棚から皿を出してくれる。
　俺はと言えばフライパンの中の炒め物を焦がさないために忙しなく菜箸でかき混ぜていた。
「それにしても、兄貴は料理が出来たんですね、意外ですよ？」
「とは言っても簡単な炒め物くらいだけどな、本格的なものとなるとさっぱりだ」
「料理のできる男はモテますよ！　私が保証します！」
　と皿を並べ終わった柊が自信満々に言ってくれた。素直に嬉しかったのでお礼を言う。
「ありがとう柊、でも煽てたからってつまみ食いは無しだけどな」
　と死角ゆっくりとフライパンに近づく柊の右手をはたき落とす。
「っち、ばれましたか」
「食欲魔人め、もうすぐ出来るから我慢しなさい！」
「はーい」
　と返事するなり柊は楽しそうに居間へと戻った。
　今日両親は結婚記念日と言う事で温泉に泊り掛けで出かけている。五十を過ぎたと言うのに新婚並みに仲が良い。
　まぁ悪い事じゃないから別に構わないのだが、悩みと言えば目の前でいちゃいちゃされることだ。ムカつく以前に目に毒だ。
両親がいちゃつく姿を見て嬉しい奴なんてあまり居ないと思う。
　などと思ってるうちに料理が完成した、今日の夕飯は牛肉と人参と韮を塩胡椒で軽く味付けした炒め物だ。本当はニンニクも入れたかったんだが……
残念ながら買い忘れてしまった。それはさて置き、俺には一つの目標があった。
　実は柊は食欲魔人と呼ばれるものの、唯一人参が嫌いで、今まで食べた事がない。俺の目標はその柊に人参を食べてもらうことだ。
だからこそ料理だって覚えた、母ほど美味しく作れないがまずくはないはずだ。
　俺は期待半分不安半分を胸に、食卓に夕飯を並べた。
　柊の正面、何時もの定位置に座りつつ、リモコンでテレビの電源を消した。我が家は食事時のテレビは禁止になっているからだ。
「さて、いただきます」
「いただきます、所で兄貴」
「なんだ？　柊」
「何故人参が入っている」
「お前さっきつまみ食いしようとした時に気づかなかったのか？」

「気づいてたよ？　私が言っているのは、なぜ私の皿に人参が！？　嫌いなの分かってるでしょ！」
　柊が憤怒の形相で俺に問いかけてくる、だがそんなの俺には関係ない。いや結構びびってるけど。
　食べ物の怨みは何時だって怖いのだ。だが此処で負ける訳にはいかない、俺のプライドのためにも、そしてなにより人参のためにも。
食べ物は大切に、だ。
「柊……なんでお前は人参が嫌いなんだ？」
「色」
「色？」
「だってありえないじゃない！　食べ物でオレンジとか！　怪しさ抜群だよ！」
　あまりの幼稚な理由に思わず怒鳴ってしまう。
「馬鹿野朗！　そんな事言ったら茄子だってありえねぇ色だぞ！　なんだ紫って！　俺は小学校の頃まで毒が入ってると思ってたぞ！」
「兄貴だって苦手なものがあるんじゃないか！」
「小学生の頃までの話だって！　ちゃんと克服したよ！　茄子上手い！　茄子ラブ！」
「くっ……とにかく私は人参だけは絶対に食べないからな！」
　そう宣言するなり柊が食卓に箸を置いた、食欲魔人の柊が飯時に箸を置くという事は何があっても食べないという意思表示だ。
母は此処で何時も挫折している。だが俺には奥の手があった。でもコレだけは使いたくなかった……
　何故ならソレを使えば俺の腕がまだ未熟だと言っている様なもの、しかし俺はやらねばならない。柊のためにも、人参のためにも！
　俺は硬く決意し、ゆっくりと冷蔵庫を指差した。柊が不思議そうな顔をして視線をたどる。
「お前が何時も食後のデザートとして楽しみにしているものがあるな？」
「まっ、まさか兄貴！」
　柊の顔が真っ青になる、言い出したからにはもう止まれない！
「そうだ、お前が人参を食わないなら俺はお前のアイスを食うぞ！」
「ひっ、卑怯だ！　最低だ！」
「ははは！　なんとでも言うが良いさ！　お前が人参を食わない限り、俺はお前のアイスを食べ続けるぞ！　目の前で！　お前を椅子にしばりつけて！」
　本気で泣きそうな顔をする柊に心が締め付けられるようだ。しかし、これでも柊が人参を食べてくれないなら俺は諦めるつもりだ。
それに脅しでアイスを食べるとは言ったものの、実際食べる気は無い。柊が泣く顔を見たくないからだ。
　ただ単にキレた柊が怖いとも言うが。
「分かったよ、兄貴……せっかく兄貴が作ってくれたんだし、無駄にしちゃいけないよね」
　柊がそう言って一度食卓に置いた箸を手に取り、奮えながらも人参を一切れつまみ、口に入れてくれた。
　ついに……ついにやったぞ！　俺は感動のあまり握っていた箸をへし折るがまったく気にならない。

「あれ？」
「どっ、どうした？　やっぱり美味しくないか？」
「いや、その……すごく、美味しいです」
「そうか！　良かった！」
「にっ、人参が美味しいんじゃないんだからっ！　兄貴の味付けが良いだけなんだからね！」
　柊が頬を赤く染めて訳の分からないことをまくし立てるがまったく気にならない。そして其処からが早かった。
　一度人参が美味しいと分かった柊はすさまじい勢いで夕飯を平らげ、両手を合わせてごちそうさまと言った。
　食い終わるまでに僅か五分だ。
「凄く美味しかった！　でも私はやっぱり人参が嫌いだな」
「そうか……まぁ食べてくれたからそれでいいよ」
「でもっ」
「でも？」
「兄貴が、作ってくれるなら人参食べてもいい、かな？」
「柊……」
　感極まって思わず泣きそうになる。柊が顔を赤くしてお風呂に入ってくると言って慌しく居間から出て行った。
　俺は達成感を胸に、自分もさっさと食べようとして箸をへし折ったのを思い出して苦笑する。まぁ父のを借りれば済む話だ。
　さて、残る問題は……あれだけ偉そうなことを言ったけど、俺人参食えないんだよね。

終

>>792
ちょｗｗｗオチｗｗｗ
あのオチで、話全体の意義が分からなくなりました。
なんで目標が人参食べさすことなのかが気になる。
でもたぶんこれは、難しいこと考えずに読んで面白ければ問題ないタイプのアレですね。

ということでおもしろかったです。ほのぼのしてていいなあー
漫才ちっくな掛け合いが楽しいですね。
"俺"も柊もすきです。

>>794
所々気になる点はあるが、この内容で突っ込むのは野暮だ。
素直にオチでクソワロタww
良いんじゃない？こういうの大好きだよw
余談だが、「すごく、美味しいです」が「すごく、大きいです」に見えてくぁｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ；

アッー！

投下します。

　辺りは暗い。
　そっと開いたまぶたの隙間からは、無地の天井がちらりと見える。あからさまに他人行儀な天井で、にこりともしない。
他に何かの手がかりを得ようにも、不思議なことに、視界に移るのはその名も知らぬ天井のみだ。
　ややあって、初めて自分がひどくこんがらがった状況に居るということに気がついた。俺は見知らぬ部屋のベッドに、
とても窮屈な姿勢で寝かされている。起き上がることはもちろん、寝返りを打つことすら難しい。何を焦っているのか、
急に心臓がとく、とく、と速く鳴り始めた。まずい、呼吸をきちんと──呼吸？
　呼吸がままならないことに気がついたのはその直後だ。俺の口元に、テレビか映画でしか見たことのない、酸素マスクがひっついている。
口の周りは、麻痺しているのか一切の感覚がない。ただ性懲りもない違和感だけが押し付けられている。口元だけではない。体中に、
たくさんの無機質なチューブが巻きついて、俺に得体の知れない何かを与え続けている。
　──そうか、分かったぞ、俺は今、なぜか、病院に居るんだ。ようやく納得する。嫌がる自分を、理性で強引に納得させた。
早いところそれを認めておかなければ、さらに混乱した事態を招きそうだった。
　しかし俺には、今こうして病院の一室に縛り付けられている理由が思い当たらない。時限性の持病はひとつも無かったし、
昨日までは大学の授業にも健康的に出席していた。どこかで事故に遭った記憶も──今のところは──無い。毎日、少々狭苦しいアパートで、
瑠璃と一緒にささやかな共同生活を送っていたはずなんだ。
　瑠璃？　ようやく大事な一ピースを探り当てた気がする。これは、今の俺にとって鍵となる重要なピースだ。暗闇の中での直感は当てになる。
「瑠璃」というピースからひとつひとつ、掘り起こしていこう。

　瑠璃は一歳年下の彼女で、一緒に暮らし始めて三ヶ月になる。その前には、一年間の交際があった。知り合ったのは大学のサークルだ。
最初に話しかけたのは俺で、その理由は至極単純、「カワイイから」だった。
　二ヶ月経つ頃には、いつの間にか俺と瑠璃は相当に深いところまで知り合う仲になっていた。もともとは外貌に惹かれたのかもしれないが、
その頃になると俺は瑠璃の新たな魅力をいくつも見つけていた。機転の利く頭や、並々ならぬ料理の腕。しかし何より俺を惹きつけたのは、
陳腐な言い方ではあるが、天性の優しさだった。
　逆に、瑠璃が俺のどこを認めてくれたのかは、正直言うと思い当たらない。男として不甲斐ないので、「俺なんかのどこに惚れたの？」とは訊けない。
俺は堂々としてそこに立っていればいいのだと、何度も自分に言い聞かせた。「瑠璃、好きだ」とそう言って、心から顔を綻ばせる彼女を、
ただ抱きしめてやればいいのだ。

　付き合って一年経った五月に、大学の近くの喫茶店で、俺は同棲を切り出すことにした。瑠璃はよく俺の家に泊まりに来ていたし、
何日も滞在することもあった。だから説得に時間がかかるとは思わなかったが、二人で暮らせば生活も楽になるし、などと現実的なメリットも
いくつか捻出しておいた。
　簡単に食事を注文をしてから、瑠璃と話を始めた。ぽつぽつと、少し回りくどい語りになってしまったが、伝えるべきことは伝わったはずだ。

彼女はお冷やにすら手をつけず、俺の話を真剣に聞いてくれた。余すところなく話を終え、俺が一息ついたところで、ようやく二人同時にのどを潤した。
混んでいるせいか、注文の品はまだ来ない。ちらりと時計に目をやる。遅いな、と思った矢先、瑠璃がぽつりと口を開いた。
「……私、洋のことすごく好き」
　そこでいったん間を取る。
「だから、一緒に暮らしたいとも思う。……でも……なんて言えば良いのか分からないけど……まだ、難しいんじゃないかな……もしかしたら」
　瑠璃は言葉を濁した。驚いた。その状況について、どこから手をつけたらいいか分からなくなって、焦った。心臓が少し速くなった。
まさか、瑠璃は俺のことをそこまで想っていない？
「そうかな？　俺は……いや、俺は、ここ最近でけっこう細かくシミュレーションしてみたけど、深刻な問題は見当たらなかったし、
難しいってことは……無いと思うけど」
　もつれながら、話を返す。しかし切れ味が鈍っているのは瞭然だった。
「……その、一緒に住むことって、もっと自然なものなんじゃないかな……？」
　瑠璃が言う。俺は返す言葉を完全に失った。それでも何か言わなくてはならない。
「でも……」
「お待たせしました。ミートソースの方」
　唐突に、ウェイターが俺たちの会話を割った。何事も知らぬ風な手つきで、俺の目の前にスパゲッティミートソースを置き、
瑠璃の前には和風きのこパスタを置く。彼女は不自然なほど呆気にとられてミートソースを見つめていたが、ウェイターが去ってしばらくすると、
水を一杯飲んでさらりと、同棲を承諾した。
「そうだね。洋が大丈夫って言うんだから、大丈夫なのかも。やってみなくちゃ始まらないよ」
　何とも言えない余韻の残る話し合いだったが、結果的には成功だ。内心ほっとした。大好きなスパゲッティミートソースが、妙に塩辛く感じられた。

　そんな話し合いから始まった二人の共同生活だったが、船出してみれば、いともたやすく順風満帆の海路に乗った。昼も夜も、
俺は瑠璃とのやりとりを心から楽しんだ。何から何まで一致したわけじゃないけど、そのほうがトータルで楽しい。学部が違うから昼間は会えないけど、
一日中べったりより適度な間を置いて触れあったほうが、嬉しい。俺と瑠璃は、飾らない素朴な関係をこつこつと築いていったのだった。

　その飾らない二人の関係は、さてどうなったのか？　それから三ヶ月後の現在、記憶はこの病室へ向かう半ばでぱったりと途絶えている。
温かい回想から、急ぐような呼吸音だけが響く病室に一足飛びに引き戻され、俺は震えた。説明のできない孤独に怯えた。瑠璃、瑠璃は、瑠璃はどこに居るんだ？
　内側から悲惨な何かが込み上げてくるのが分かった。嘔吐のときのそれに似ているが、少し違う。全身に戦慄が走り、
汗がじわりと体表と衣服の隙間を埋め尽くしていく。瑠璃、瑠璃！　頭がぎらぎらに混乱し、両足の指が何かにすがりたい一心で暴れる。
ああもうこの際、瑠璃でなくてもいい、誰か来てくれ！　暗い虚空に俺の意識がこだましてはかき消える。助けてくれ！

　目を覚ました時よりも、病室全体が不機嫌になっている気がする。無地の天井はいら立って俺を圧迫し、チューブのそれぞれは
きつく絡みつくようだ。弾力のあるはずのベッドはさながら固いコンクリートでできた──そうだな、棺桶か。ふざけた比喩だが、
真っ先に思い浮かんだものは仕方がない。そして体中の麻痺した痛覚が、それでも「痛い」とのたうちまわっている。
　同様に麻痺した記憶をもう一度叩き起こす。昨日、何があったんだ？　何でもいい、どんなことでもいいから思い出せ！　俺は何時に起きた？　
何を食べた？　授業はあったか？　瑠璃は何をしていた？　何か面白いことはあったか？　逆に、何かつらいことはあったか──何か、「ひどく」つらいことは、あったか？
　見つけてはならない道を見つけた気がした。混沌とした現状から真相を引きずり出すための緒が、目の前にぶら下がっている。後戻りできないと予感しつつも、俺はもう一度その言葉をなぞった。
（──ひ、ど、く、つ、ら、い、こ、と）
　心の中で呟き終わるやいなや、俺の内側から込み上げてくる悲惨なものの正体が明らかになった。それは記憶の断片だ。
必死にこらえていたのだ。正体が分かってしまうと、それはのど元ではなく、俺の両眼に向かって、容赦なく一気にせり上がってくる。
ぜー、はあ、と誰かの呼吸音が聞こえる──ああ、俺のか。「ひどくつらい」記憶は、俺の両眼からマグマとなってだらだらとこぼれ始め、俺をぐちゃぐちゃに溶かし始める。

「洋？　おかえり」
「あれ、今日メシ作っててくれたの？　わ、味噌汁うまそう」
「けっこう作っちゃった。今まで一人で作ってたから、まだ加減わかんなくていっぱいになっちゃう」
　そう言って瑠璃は笑う。つられて俺も笑う。
「でも、珍しいね。俺が遅いときはいつも買うか外食かなのに」
「たまには良いと思って。わりと自信あるよ、今日は」
「お？　そんなこと言うと、期待するからな」
　そう言って、俺の意識はだらしなくにやける。
　重たい私服を着替え、顔を洗う。鏡に向かって、にかっと笑顔を作ってみる。歯並びが良い。一日を終えた後にしては、疲れも無いすがすがしい顔だ。
「さあて、瑠璃の手料理、瑠璃の手料理……」
　そう言って俺は、洗面所を離れた。

　その後だ。その後の記憶が一切ない。いや、思い出せば思い出せる気もするが、敢えて近づきたくない。かろうじて、
「料理に口をつけた」ことまでは思い出せる。だが、そこまでだ。味がおかしいとか、瑠璃の張り付いたような笑顔だとか、
とにかくそれ以上はとても近寄れない。正視し難い記憶だ。巨大な光源が俺を妨げている。近づけない。
涙はあふれ続けている。呼吸は、ぜー、はあ、といっそう荒い。

　がたり。
　病室のドアが開いた。瑠璃！？　いや、違う、見知らぬ看護師だ。しかし向こうは俺についてよく知っている様子で、
顔を覗き込んでは驚きの表情を浮かべる。「大丈夫ですからね」と一言、急いだ様子で俺の視界から消え失せた。
　いったい何が大丈夫なのか。ぜー、はあ。看護師のお姉さんよ、俺はどう大丈夫なんだい。ぜー、はあ、ぜー。涙が止まらない。
マグマとなって俺をぐつぐつと蝕んでゆく。ぜー、はあ。熱い、溶けそうだ。ぜー、はあ。そうだ、そういえば俺がこうなって何日経つのかも
分からないじゃないか。てっきりつい昨日のことかと、ぜー、はあ、思っていたが場合によっては、ぜー、何日も、いや何ヶ月も
前のことだったかもしれないじゃないか。ぜー、はあ。瑠璃、瑠璃！　お前は、ぜー、はあ、俺を、ぜー、どうしたかったんだ。一緒に暮らそうと
話し合った五月に、喫茶店で食べたミートソースが脳裏をよぎる。ぜー、はあ。瑠璃？　俺は今、病院でおびただしい本数の透明なスパゲッティに絡まっている。
これからお前の味付けで、見事にどろどろな熱いソースになるところだよ。ぜー、はあ、ぜー、はあ。
　あまりの熱さに、思わず目を閉じる。病室の真っ白な、よそよそしい天井が目に浮かぶああ、あれは、幾度も幾度もスパゲッティミートソースを
乗せられて、そろそろうんざりしている「皿」なんだ。瑠璃との思い出がまぶたの裏を駆け巡るが、そのどれも、ただ気の利かないスパイスとなるだけだった。

　俺の最後の意識が、そろそろ休みたいと言う。その前にひとつ良いか、と俺は意識に語りかける。意識は、なら少しだけ、と俺を促す。
　ぜー、はあ。俺が「スパゲッティミートソース」、病室が真っ白な「皿」、そして、瑠璃が──「コック」なら、果たしてだ、
いったいこの料理は「誰」に供給されるのだろうな？
　ぜー、ぜー、はあ。
　誰のものとも知れない呼吸音がのどの奥を通り抜けた瞬間、俺はまぶたの奥で静かに眠りについた。料理自身が、誰に食べられるかを
気にするなんて馬鹿げている。そんなことは「コック」だけが気にしていれば良いのだ。料理自身はただ不完全なものとして、
誰かに供給されれば良い。料理の役割が完全なものになるのは、その誰かに食べられる時だ。
　ぜー、はあ、ぜー、はあ。

（了）

わ、改行が下手でちょっとだらしないですね。
読んでいただけると嬉しいです、感想、批評などよろしくお願いします。

>>799
途中まで何で？何で？と続きが気になって楽しめたんですが、
落ちが良く判らなくてその分落胆
あと、「ぜー、はあ」の使い方が上手い
緊迫感をよく現していていいですね

>>804
説明しすぎることを恐れていたら、言葉足らずになってしまったようで・・・バランスが難しい。
というか、オチが判然としないというか、どういう風に決着がついたのかこれじゃ分からないですね。
「スパゲッティ症候群」から、「人間を見立てで料理」という発想に至ったので、そこを推し過ぎて
ストーリーがおろそかになってしまったかもしれません。
次はオチを曖昧に誤魔化さないようもっと考えます。

「ぜー、はあ」の演出褒めていただいて嬉しいです。
読みにくくなっていなければと思っていました。

感想、批評ありがとうございました！

ほっしゅー

通常作品投下します。
お題・恋人ごっこ、原子力発電

　僕は一人、海沿いの原子力発電所に来ていた。見上げると、筒のような大きな建造物から蒸気
が出ている。この蒸気は空に上り、やがては雲になるのだろうか。科学というものに疎い僕は、
あの白い蒸気にこれ以上想いを馳せることはできない。ましてやここから大量の電力が日々生み
出されているなんて。無知というものは、恐ろしく自分の想像を狭めてしまうものなのだ。カモ
メが蒸気に群れている。害は無いらしい。自然と人工が異様に並び立つこの場所で、あの鳥だけ
はそんなものを気にせずに日々を送っているのだ。
　僕はこの場所までバイクで来ていた。学生時代から一緒に過ごしてきたコイツは、僕の恋人の
ような存在になっていた。好きなときに好きなだけ相手をしてもらえる。都合の良い存在だが、
そういうモノは必要だと思う。殆どが自分の思い通りにならない世の中で、僕とコイツの関係だ
けが僕の思い通りになる。
　何故こんな場所に来たのか。今日は休日で、空が晴れていたから。たぶんそんなところだ。自
由が許されるなら自由に生きる。なんでわざわざ自らを縛る生き方をするだろうか。バイクに腰
掛けて海を眺める。小瓶でも流れ着かないだろうか。そんなことから始まる物語があってもいい。
浜辺に転がっているのは小枝と空き缶ばかりで、どうやらここは僕に新しい物語を連れてきては
くれない。人の手の届かないどこかで、僕は新しい物語を見つけるのだろう。そう思う。
　自販機を見つけた。潮風に晒されていて、塗装の剥げた場所が錆付いている。あの大きい発電
所は、建造されて十年経った今でもその綺麗な姿を変えていないというのに。僕は小銭を入れ、
コーラを買った。炭酸の心地よい刺激が喉を通り抜けた。満足した。それが悲しい。なんだかん
だ言いながらも、結局僕は人のいる、人工の生活に慣れてしまって、それを心地よいと感じてし
まうのだ。思えばコイツも所詮は人の造ったもの。そんなものを恋人だとほざいている時点で、
僕はこの世界から抜け出せないのだ。
　自販機の横にあったゴミ箱に空き缶を投げ入れる。外れてしまった。放っておこうか。誰も見
ていないし、人の目は発電所と海岸に釘付けだろうし。僕自身、今この瞬間まで、ゴミ箱の周り
に散らばっていた空き缶に気付かなかったのだ。汚いな、いけないことだな。そんな考えは偽善
だろうか。誰だって考えるだろう。他の人もやっているし、と。それが心の割合をどの位占めて
いるかは知らない。でも、人それぞれだが確実に潜む心の闇。その具現があのゴミ箱と、変わり
果てた海岸線なのだ。

　僕は空き缶を拾う。僕は何をしにこんな所に来たのだろう。潮風が肌を撫でて心地よいこの場
所で、僕は他の空き缶も拾う。コーラ缶、ビール缶、コーヒー缶。錆付いて何かわからないモノ
もあった。一体どれだけの時間、ここは放置されていたのだろう。錆付き、掃除もされず、それ
でもこの自販機はここに立ち続ける。もしかしたら感傷なのかもしれない。この哀れな機械に、
僕は哀れみに似た感情を抱いているのだろう。
「ありがとう」
　声が聞こえた。僕の後ろに少女が立っていた。麦藁帽子に白いワンピース。古い映画に出てき
そうな格好だ。墨のように黒く長い髪を潮風に遊ばせながら、彼女は僕の後ろに立っていた。微
笑んでいる。彼女は僕を見て優しく微笑んでいた。嬉しそうに。滑稽だとかそういう笑いではな
く、純粋に僕に感謝しているようだった。
「ありがとう」
　もう一度彼女は言った。相変わらずの笑顔で。僕はというと、ただ彼女を見つめるばかりで、
何か気の利いた言葉をかければいいのに黙ったままだった。さらさらと草木が風に揺れる音がす
る。夏の風景を切り取ったような美しい写真。僕はそんな事を考えていた。発電所のうるさい稼
動音はいつの間にか耳に届かなくなっていた。
「この子、ずっと一人ぼっちなの」
　彼女は自販機を見つめてそう言った。帽子を風に飛ばされないように押さえながら、澄んだ美
しい声でそう言った。優しく、慈しむようなその声は、全てを包み込む母性を感じさせた。僕は
彼女に語りかける。だが、彼女に僕の声は届いていないようだった。少女は話し続ける。
「ここに独りっきりでずっと立ってたの。あの大きい建物が出来るずっと前から、独りっきり」
　彼女の見つめる先にはあの発電所があった。不思議なことに、先程までの蒸気が跡形もなく消
えていた。発電所にも休憩というものがあるのだろうか。僕はそんなことしか考えられなかった。
彼女に言っていることは、決して難しいことではないはずなのに。僕は彼女の言っていることが
良く考えられなかったのだ。風のように僕の身体を吹き抜けるだけ。この身体では、彼女の言葉
は受け止め切れない。
「嬉しがってる」
　彼女はそう言うと、僕に近付いてきた。軽やかにステップを踏みながら、踊るように。
「私に触れてくれて。ありがとうって言ってる」

　一際強い風が吹いた。僕は思わず目を閉じ、腕で顔を覆った。
　目を開けると、少女はもうそこにはいなかった。相変わらず発電所は低い唸り声を上げ、白い
蒸気を空に上らせている。辺りに人の気配は無く、風が優しく吹き抜けるだけ。草木の揺れる音
は、あの轟音にかき消されてしまって、耳を澄ませても聞こえてはこない。
　彼女は、きっと風だったのだ。この場所を昔から見守ってきた母のような存在。何十年、何百
年という歳月を、草木を揺らし、人の肌を撫でながら、ゆったりと過ごしてきたのだ。あの自販
機も、原子力発電所も、空を往くカモメも、皆彼女の子供なのだ。
　僕はバイクのエンジンをかける。彼女の言葉を思い出す。コイツも、僕に触れられて嬉しいの
だろうか。僕には機械の心はわからない。そんなものがあるのかも知らない。彼女はこのバイク
を見て何を思うだろうか。嬉しそうだと思うだろうか。もう一度話をしたい。
　発電所を後にする。潮風がわるかったのだろうか、些か調子が悪そうだ。帰ったら一応メンテ
ナンスをしなくては。なんだかんだ言いながらも、結局僕はコイツが好きなのだ。苦楽を共にし
た友であり恋人。色々なことがあるこの世の中で、それだけが僕の信じる絆。いつかはコイツと
も別れるときがやってくるだろう。それまででいい、せめてその時まで、僕の恋人であり続けて
ほしい。ふと優しい風が頬を撫でる。
「お幸せに、ね」
　彼女の声が聞こえた気がした。

了

お題くれ

>>811
取り外し

はあーく

おだいください。

>>814
どんぶり

どんぶり承知！

ほしゅ

またほしゅ

……さらにほしゅ

保守寝

ほしゅ

お題下さい

アパート

>>822
把握

ほーしゅ

>>808
誰も感想を書かないので書く。

一人称の書き方が上手だなぁ。うらやましい。
僕はこの手の文章を書く小説を普段読まないから、新鮮に感じた。いいと思う。
最初のほうの文章で気になっていたところも、最後まで読むとなるほどなと思える。そんな書き方がよかった。
ストーリーは、このくらいの長さの小説では使い古されたものかも。

気になる点をいくつか。

＞僕は彼女に語りかける。だが、彼女に僕の声は届いていないようだった。

なにを語りかけたのかがわからないし、なにを語りかけようとしたのかもわからない。伏線にもなってないようだし、意味不明。

＞彼女の見つめる先にはあの発電所があった。不思議なことに、先程までの蒸気が跡形もなく消
えていた。発電所にも休憩というものがあるのだろうか。僕はそんなことしか考えられなかった。
彼女に言っていることは、決して難しいことではないはずなのに。僕は彼女の言っていることが
良く考えられなかったのだ。風のように僕の身体を吹き抜けるだけ。この身体では、彼女の言葉
は受け止め切れない。

この部分が唐突だと思った。この後の展開のためなんだろうけど、無理やりな感が否めない。


感想を書くのが得意じゃないので、こんな感じですみません。

>>825
感想ありがとう。
いわれたとおり、まぁ平凡な話だった。
こんな感じの話、どっかで読んだなぁ、なんて思いつつ書いてたんで。それは重々承知してる。

えー、まず最初の指摘の点。
一応伏線のつもりだった。「僕」がバイクの気持ちを知りたいって事に関する伏線。
文章入れる場所ミスった、これはゴメン、推敲不足。
自分で納得してただけ、ホントごめん。意味不明なのは当たり前。

んで、次の指摘の点。
え、何この唐突感。自分もびっくり。たぶん書いていたときは、
「ん？　突然蒸気が消えるなんて神秘じゃね？　よし、いただきｗ」
とかなんとか考えてたんだと思う。バカ。もっと前置きを入れるべきだった。

感想ありがとう。
誰からも貰えなくて寂しくて、それでも期待して保守してたのはここだけの話。

最初の方の、海の情景が思い浮かぶようなゆったりとした感じも好きだなぁ。
……携帯からでこんなことしか書けないけど許してくれｗ

海のていうか浜辺か

>>827
ども。何というか、力を抜ける気分になってくれれば幸いだよ。
それを意識して書いたつもりだったから。

お題plz

６０色色鉛筆

俺にもください↓

TNT爆弾

把握�d

投下しまーす。
お題は南京錠です。レス数８個。長くてサーセン。

　――これは魔法の日記帳だよ。
　――マホウ？
　――そう、魔法。

　私は魔法の南京錠である。
　日記帳に付いている。
　こうして主の秘密を日夜守り続けるのが役目だ。
　ちなみに、私が魔法の南京錠なのであって、日記帳はただの紙である。
　そこの所は絶対に譲れない所であるのに、私を作りあげた張本人に語弊があった為に私の主は勘違いしている。
　ただの紙を魔法の日記、魔法の日記と呼ぶ。
　私としては、それを聞いて憤懣やるかたない思いで一杯なのだが、かといって主は別に悪く無い。怒りをぶつけるとした
ら、あのインチキ魔法使いの方だろう。
　あんな男とはもう絶交である。
　幸いにも、私の主となったのは十歳そこらの純朴そうな少年で、私の事を非常に大事に扱ってくれるので非常に満足している。
　そうすると私としても、しっかり働いてみようと思う気になる。鍵の開け閉めも出来るだけスムーズに行くように神経を使う気になる。
　主は元気の良い少年で、早くに帰って来る事もあれば、六時ぐらいになる時もある。帰るのが遅い時は私は決まって心配
で、紙に書かれた日記を読み返して気を紛らわす事にしている。
○月十二日　晴れ。
　今日は、ママに、これをかってもらった。
　まほうの日記だって、おじさんが言っていた。
　自分の日記をよまれるのははずかしいからこれにして良かった。
　ママにもパパにもよまられるのははずかしい。
○月十三日　晴れとくもり。
　今日は、友や君とあそんで、すごく楽しかった。
　と中で自てん車にのって、可奈ちゃんがやってきた。
　ぼくはドキドキして、あまりしゃべられなかったけれど、可奈ちゃんはぼくに一杯はなしかけてくれた。すごくうれしかった。
　友や君と、仲が良さそうで、うらやましかった。
　ぼくももっとちゃんとしゃべりたかった。
○月十四日　晴快。

　今日は、学校で、可奈ちゃんと一杯しゃべった。
　さい初はすごくきんちょうしたけど、その内だんだんしゃべられるようになった。
　可奈ちゃんは、わらうとすごくかわいいと思った。
　なんだか、心が、ポカポカした。明日もしゃべらりたい。
　――――ふむ、どうやら私の主は、可奈ちゃんという女の子に恋をしているようである。
　もちろん、優秀で忠実な魔法の南京錠の私としては、主の恋を心の底から応援している。必要であれば、恋愛のノウハウ
を手取り足取り教えてやりたいと思っているほどだ。
　しかし、悲しいかな私は所詮南京錠で、人の言葉を発するように作られてはいない。
　もしあのインチキ魔法使いが私を声が出るように作っていたとしたら、主の恋はきっと実ったに違い無いであろうが、あの男
の気の利かぬせいで私はアドバイスも出来ずただ祈るしか出来無い。こうなれば主には辛いだろうが、一人の実力で頑
張ってもらう他無い。
　私はただ見守るだけである。
　ふいに、バタッとドアの開く音がして、主が入ってきた。
　主は自分の部屋に戻ってくると、まず変わった形の黒い鞄を地面に放り投げて私に近付いてくる。
　私はヤレヤレとため息を吐きながら、微笑ましく主を見た。主は黒い鞄と違って私の事は丁寧に扱う。まぁ私は魔法の南
京錠なのだから当然と言えば当然である。あんなへんてこな形をした黒い鞄のような扱いをされるわけが無い。
　主はどうやら機嫌が良いようだ。ニコニコとして鍵を私に差し込む。上機嫌過ぎて興奮しているのか、少し乱暴である。
痛い。しかし、それも主の愛嬌の一つだ。私は喜んで鍵を開ける。

　それから三日ほどが過ぎた。
　主は相変わらず紙に日記を書き続けている。
○月十六日　晴れとくもりと晴れ。
　今日は、一杯可奈ちゃんとしゃべられた。
　じゅぎょうのとき、きょうかしょが無いとき、可奈ちゃんがつくえをくっつけて、見せてくれた。すごくうれしかった。
　かえりみち、スキップをしていると、山田君のおばさんに見られた。
　はずかしかった。
○月十七日　くもりと雨。
　今日も、可奈ちゃんとしゃべられた。
　きのうよりはしゃべって無いけど、そうじの時間はけっこうしゃべった。

　その時山田君に、きのうスキップしてたことを言われて、すごくはずかしかったけど、可奈ちゃんはいっぱいわらってく
れたので、やっぱりうれしかった。
○月十八日　くもり
　今日は、友や君と東君とあそんだ。東君の家でみんなでゲームをした。
　でもその時、友や君と東君が、僕に可奈ちゃんが好きなのかきいてきた。
　僕ははずかしかったから、うそをついた。
　友や君も東君も何度もきいてきたけど、僕はちがうと言いつづけた。
　それで二人はやっときくのを止めてくれた。
　――――ふむ、なんとも私の主は微笑ましい限りである。
　ついつい頬が緩んでしまうのを感じて必死に押し留める。まぁ南京錠の表情の変化が分かる人間がそう居るとは思えなか
ったが、しかし、私が魔法の南京錠である限りあまり人に気付かれてはいけない。
　理由は良く分からないが、あのインチキ男が言っていたので、マズイ事になるのだろう。
　私は面倒事が好きなわけでは無いので、出来るだけそれを避けて通りたいだけである。
　賢い人間ほどそういう傾向にあると聞く。
　私がもし人間であるなら、きっと偉大な賢人になれたに違い無い。いつもそう思うのだが、あいにく私は南京生まれの錠
前育ちなので、このまま南京錠として一生を過ごすのだろう。
「ただいまー……」
　主の声である。
　しかし、なんだかいつもより元気が無い。
　ドタドタと階段の音がしたかと思うと、部屋のドアが開く。いつもはなかなか部屋に戻って来ないのに今日は珍しい。
　主は鞄を放り投げると、そのままベッドに倒れ込んで泣きはじめた。

　――――昨日の主は、二時間ほど泣くとぐっすりと眠り込んだ。
　外はポツポツと雨が降っている。
　暗い天気はそれだけで気が滅入る。嫌な事があったとなればなおさらだ。
　今主は学校に行っているが、元気にやっているだろうか。
　心配である。
　昨日泣きながら綴った主の日記は、確かに辛いものだった。
○月十九日
　友や君と東君はひどい。本当にひどい。さいあくだ。心がいたい。心がくるしい。

　今日、学校に行くと、可奈ちゃんが落ち込んでいるように見えた。
　ぼくは心配になって、可奈ちゃんにしゃべりかけた。
　でも可奈ちゃんは、そっぽを向いた。
　ぼくは何が何だか分からなくて、もう一どしゃべりかけた。
　すると、いきなり花川さんがやってきて、ぼくをにらんだ。
　ぼくは何が何だか分からなくて、ぼーっと立っていた。
　すると可奈ちゃんが、「徹君、わたしのこときらいなの？」ときいてきた。
　ぼくはいきなりのことでわからなくて、何もしゃべられなかった。
　そうしたら、可奈ちゃんは「きらいなんだ！」って叫んできょうしつを出て行った。
　ぼくは何が何だか分からなくて、ぼーっと立っていた。
　ぼくは何が何だか分からなかったけど、心がすごくいたくて、泣きそうだった。でもぼくはがまんして席にすわった。
　すると、友や君と東君がわらいながらやってきた。
　友や君が「きらいって言っといてやったぞ」としゃべった。
　僕は何が何だか分からなくて、何もしゃべられなかった。
　でも泣いたり、落ち込んだりしてると思われたくなかったから、とりあえずわらった。
　でも、じゅぎょう中ずっと心がいたくて、泣きそうだった。ぼくは可奈ちゃんをきらいなんてしゃべってないのに。友や
君と東君がすごくいやで、くやしくて、頭がもえそうだった。
　可奈ちゃんはとなりにすわっていたけど、ぼくはしゃべられなかった。
　可奈ちゃんはずっとうつむいていた。
　――――私はこれを読んだ時、あまりの事に言葉も出せなかった。
　本当に、この友やと東というガキんちょは、一度懲らしめてやらなければならない、と私は体を紙に叩きつけながら激しく
糾弾したい。
　この主が好きな可奈ちゃんという女の子も、こんなガキんちょ達の話を真に受けるなど愚の骨頂である。それにこの花川
という女の子もいきなり出て来て……嗚呼、もう挙げだしたらキリが無い。
　こんなに辛い思いをしている主は、本当に報われない。出来るなら私が優しく慰めてやりたいが、こんな南京錠の身では
それもかなわない。私ほど寛容な南京錠に慰められれば主も少しは気が軽くなろうに、つくづく可哀想な境遇である。

　――――あれから一週間が経った。
　しかし、主は紙に日記を一つ書き込んだだけで、それ以来私に触れようともしない。

○月二十日　大雨。
　今日のほうかご、可奈ちゃんを呼び出した。
　ぼくは色々あやまろうと思って、それから本当は可奈ちゃんのことが好きだとしゃべろうと思った。
　でも、可奈ちゃんと二人きりになると、ぼくはうまくしゃべられなかった。
　可奈ちゃんはほとんどしゃべらないままかえってしまった。
　なんでぼくはこんなんなんだろう。
　すごくくやしくて、ぼくは学校で一人でいつまでも泣いていた。
　ここにならいっぱい可奈ちゃんの好きなこととかかけるのに、なんでしゃべられないんだろう。
　もうきっと可奈ちゃんにきらわれた。
　ぼくの心はギュッとなっていたい。くるしい。くるしい。くるしい。くるしい。
　ぼくは可奈ちゃんが好きだ。でも可奈ちゃんのわらいかおをもうぼくは見られない。
　心がくるしい。
　僕は可奈ちゃんが好きなのに。
　この日記を可奈ちゃんがよんでくれたら良いのに。
　パパにもママにもよまれたく無いけど、可奈ちゃんにだけよんでほしい。
　でも可奈ちゃんはぼくのことをもうきらいだから、きっとよんでくれない。
　心がいたい。すごくいたい。くるしい。かなしい。だれかたすけて。
　――こんな痛切な日記を最後に、主は私に触れなくなった。
　私は、そんな主を責めるつもりは無い。いや、むしろ主が立ち直ってくれるならば、私はこのまま捨てられても良いとす
ら思っている。
　最近の主の様子は、あまりに見るに忍びない。その主の背中を見ていると、思わず溜め息を漏らしてしまいそうになる。
部屋ではいつも一時間は泣いていた。
　外はシトシトと嫌な雨が降っている。
　そろそろ主の帰ってくる時刻のはずである。
　私は紙に薄っすら積もったホコリを数えながら、主の帰りを待っている。
　と、その時、ふいに家中に大きな電話の音が鳴り響いた。
　すぐに主のママさんが電話に出たようだ。もしもし、という細い声が主の部屋にまで聞こえてくる。
　かと思うと、いきなり雷と間違うほどのママさんの大絶叫が響いた。
「徹が車に！？　それで徹は！？　徹は大丈夫なんですか！！」
　ママさんは錯乱気味に叫んでいた。