1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:17:41.21 ID:TxHfV3AM0
やべかぶったw
こっちが先だからこっちでw
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:18:02.41 ID:L7xly/UG0
被ったwwwww
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:18:56.98 ID:L7xly/UG0
>>2
危機管理発動ご苦労様です。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:20:49.67 ID:L7xly/UG0
ZOE銀の感想書いて送信しようとしたら、302で焦りまくった件
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:24:37.24 ID:TxHfV3AM0
h
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:30:46.89 ID:L7xly/UG0
保守かしら
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:30:54.63 ID:ES8Mf5hsO
保守!
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:39:56.34 ID:L7xly/UG0
保守かしら
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:40:56.00 ID:73+LD95Z0
_
,'´r==ミ、
,_ _ _ 卯,iリノ)))〉パーン_
/ `."-|l〉l.゚ ー゚ノl/ ヽ
'"'⌒`~"'" ''|!/⊂彡☆))Д´)
>>10 ノ~ ヽ
)__ _(
| 乳酸菌|
|  ̄ ̄ ̄|
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:46:34.83 ID:TxHfV3AM0
かしらーなか!
保守
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:58:59.67 ID:L7xly/UG0
スレッドの保持を開始します。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 01:59:16.43 ID:HmZnOWXN0
何たる不覚ッ!
今のVIPは落ちるまで40分も掛からないのか・・・
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 02:09:14.85 ID:L7xly/UG0
保守かしら(゚∀゚)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 02:19:59.03 ID:L7xly/UG0
ホッシュホッシュ
17 :
オリ:2006/04/06(木) 02:21:58.02 ID:NKkULBN/0
保守ですよ・・・マスター
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 02:39:11.19 ID:L7xly/UG0
_
,'´r==ミ、
,_ _ _ 卯,iリノ)))〉 _ _ _ あげておくわぁ。
/ `."-|l〉l.゚ ー゚ノl/ ヽ
'"'⌒`~"'" ''|!/'i)卯i |ゝ '''"ー"``
ノ~U ̄Uヽ
)__ _(
| 乳酸菌|
|  ̄ ̄ ̄|
19 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 02:39:23.01 ID:KVQjVp5+O
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 02:53:31.61 ID:L7xly/UG0
21 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/06(木) 03:01:38.67 ID:dFwUofgk0
ラスボス方向模索中……
A ノウマン
B 真紅
銀様以外のドールは、出すとしたら、直接は真紅以外出さない予定なんですが。
22 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 03:02:18.02 ID:KVQjVp5+O
いや、ここじゃなくて…絵スレの
>>1000取り合戦で次スレの流れを銀ちゃん祭りにするのを失敗したんだよ
もちろんここも1000いってほしい
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:16:14.28 ID:L7xly/UG0
>>21 前スレ271です。GJですた。ADA可愛いよADA アヒャりかける銀様もいいですねぇ。
ただ、一点だけ気になる描写が(すみません)。
・OFのコクピットは基本的に股間ではないか、と。
Jehutyも例に漏れず。
機械乙女と薔薇乙女の関係の構築にwktk。続きに期待しております。
で、Aだと基本は原作に沿った展開になるんでしょうか。
Bだと真紅次第なのかしら。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:41:45.73 ID:LxmIl/qBO
保守なのー
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:43:20.70 ID:TxHfV3AM0
そういえばNight Talkerのよろず小ネタ掲示板「ジャンクライフ」とい銀様SSがあったな
オリジナルで面白いから見てみるといいぞ
保守
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:45:02.75 ID:Uuo6mw3b0
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:58:21.91 ID:TxHfV3AM0
休み前の保守
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 03:58:54.10 ID:TxHfV3AM0
あらwまた変になった今度こそ休み前の保守www
29 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 04:53:36.50 ID:KVQjVp5+O
保守
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 04:53:57.77 ID:v1ecK06/0
寝てた。保守かしら
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 05:26:30.09 ID:xTFJO8WE0
保守
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 05:47:34.42 ID:qlYld1pc0
コネタ(ローゼン日和)
翠星石「なぁクサ人間?」
太子「く、草人間?!」
翠星石「ちがうですぅ、臭い人間でクサ人間ですぅ」
太子「も、もっとひどいわー!!!」
33 :
◆GinkoRb4Zg :2006/04/06(木) 05:56:52.21 ID:G9mNUwhN0
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 06:12:00.83 ID:qlYld1pc0
コネタ(ローゼン日和) 保守ばっかりじゃ味気ないので、保守がわりのようなもんだと思ってください
水銀燈「ねぇ」
妹子「はいはい、なんですか?」
水銀燈「ヤクルトなぁい?飲みたいんだけどぉ」
妹子「冷蔵庫に入ってますよ」
水銀燈「あら、じゃあのむわよぉ〜」
……
水銀燈「…なんで飛鳥時代に冷蔵庫があるのぉ?」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 06:45:02.32 ID:qlYld1pc0
翠星石「コラー!クサ人間!翠星石を置いてどこにいっていたですかー!」
太子「えー、仕事だよ仕事……い、イタタタタ!!蹴らないで蹴らないで!お土産あるから!」
翠星石「お、おみやげぇ〜♪…ま、まぁ貰って欲しいというなら貰ってやらないこともないですの」
太子「ホラ!舶来の12色フェルトペン!」
翠星石「……はぁ?」
太子「だから12色フェルトペン…」
翠星石「…」
太子「12色…」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 07:05:07.34 ID:GhZawSYw0
h
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 07:16:23.15 ID:GgzLuHH+0
保守
38 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 07:25:03.28 ID:KVQjVp5+O
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 07:48:23.27 ID:RtlxjWGUO
ほしゅ
40 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/06(木) 07:55:13.97 ID:DudLdgZN0
エネルギーラインがジェフティの全身に走り、拘束していた柩ごと浮かび上がっていき、断崖から姿を覗かせた。
刹那、閃光とともに柩が弾け飛び、ここにジェフティは二年間の眠りから完全に覚醒した。
一方、腹部コクピットの中からその一部始終を目にしていた水銀燈は、連続して起こる想定外の事象の数々にほんの一時、
自失状態に陥っていたが、ADAの警告とそれよりも早く知らせた自身の直感に、半ば無意識にジェフティを後退させた。
直後、それまでジェフティがいた場所に、一体の巨人が頭上から、金属の、それでいてどこか有機的な腕を叩きつけた。
奇襲が空振りに終わり、無防備な姿を見せている巨人に、ジェフティは後退の勢いのまま旋回、右腕に装着されたブレードを叩きつけた。
巨人とはいえジェフティよりも二周りほどサイズの小さいその敵は、胸部から両断され、直後に爆砕した。
その巨人、ラプターの末路になど見向きもせず、後方で隙をうかがっていたもう一体のラプターに向かって急加速し、
衝突の寸前に急旋回。刹那の機動に翻弄され、標的を見失ったラプターの後方に回り込んだジェフティは、
一体目と同じ運命を彼に辿らせたのだった。
瞬く間に二体のOFを屠った水銀燈は、その手応えと戦場の空気、そして勝利の余韻に、気分が高揚していくのを抑えられなかった。
何故か、自分にはこの子の動かし方が、手にとるように理解できる。
わずかに疑問に思ったが、すぐにそれは氷解した。
成る程、サイズは違えど、これもまた人形には違いない。ならばそれを支配下に置くことは、自分にとっての十八番である。
水銀燈は確信した。自分はこの子を完璧に御し切れる。
自信を優雅な笑みに変えると、ADAの声に従いスクリーンに向き直り、新たな敵を不敵に見下した。
それは一面の銀世界を埋め尽くす『モスキート』達。先のラプターよりもさらに小型の数だけが武器の羽虫どもだ。
名前の如く雲霞のように押し寄せてくる敵の群れに、水銀燈は生理的な嫌悪感を感じた。
それは高まった戦意とブレンドされ、殺意へと純化されていく。
「雑魚が私の視界に入るんじゃないわよぉ!」
光の雨と連続する小さな爆砕の炎が、カリストの地表を彩る。それはADAが目前の敵の全滅を知らせるまで続くのだった。
ともあれ、今のところは、何の因果で自分がこんな事をせにゃならんのかという疑問に、いい感じにトンでいる銀様が気付くことは無かった。
>>23 指摘どうもっす。自分も腹だったか胸だったか迷ってたんです。やっぱ記憶だけで書くと粗が出てきますね。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 08:06:18.51 ID:qlYld1pc0
乙
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 08:08:43.40 ID:ZM3TxCud0
ボーボボで小ネタ
水銀燈「ねぇ、ヤクルトなぁい?飲みたいんだけどぉ」
首領パッチ「ヤクルトか、よし待ってろ」
…ガチャ…なんだ首領パ…うわちょ、ま、牛刀っておま、
それで何すあ、やめそれ俺のモツぎゃああああああぬ!!!
首領パッチ「…ほれ、獲ってきたぞ」
水銀燈「力の限り遠慮しておくわ」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 08:20:13.70 ID:GhZawSYw0
>40 乙
保守
44 :
23:2006/04/06(木) 08:41:45.03 ID:C1GUG6ED0
>>日和
舶来キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
相変わらずの謎飛鳥時代だなw
>>ANUBIS
銀様ノってキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
アージェイトとかも出てくるのかしら。
>>ボーボボ
ナニ飲ませるつもりなんだw
水銀燈「ねぇ妹子ぉ」
妹子「なんです水銀燈さん」
水銀燈「なんであのアホの部下なのぉ?どう考えても納得いかないんだけどぉ」
妹子「本当になんででしょうね…」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 09:32:17.00 ID:C1GUG6ED0
>>45 ( ^ω^)その路線は充分有りだと思うお
r_‐、_
_, -ー::L._.」‐-、` 、
/‐ '´ ̄ ̄ ̄`¨ヽ:::丶ヽ
/ , , \:::ヽヽ
r./ /|/', /l/ | i::::||
お L| / ',/ l/| !:厶l
/∨ ○ ○ / l下、_〕_
| / / i !__ト、
| ! ┌┐ 'イ / l
丶、._  ̄ ___/ / l
l/!  ̄r::t水ァ::j/ ',
/r――――i::::K ト、 ヽ
ムf」 「ヽ::i、 |\! \ |
__j」 ほしゅ ヽ、|」_ヽ_ ヽ
r┐≧:|_____!::::::::::::::::/
l___!L.-i_i⌒!-」、|\::::::::ヽ _
└‐ '´  ̄ ̄
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 10:22:25.03 ID:ZM3TxCud0
ピヨ彦「そういえば、ハマ…フナムシさんからヤキソバ貰ってくるんだっけ…
なんでジャガーさんもあんなものを…」
ガラッ
ピヨ彦「ハマーさん、いる?」
ハマー「おお、どうか哀れで汚い豚の私にお叱りを…」
水銀燈「何よぉこいつ!!アンデッドなのぉ!?」
ガラッ
ピヨ彦「誰もいないようだ」
49 :
ツキノトウヤ:2006/04/06(木) 10:22:59.05 ID:JeqyuRSn0
保守
ぬおー
51 :
携帯:2006/04/06(木) 10:33:51.63 ID:KvylEQKi0
保
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 11:05:25.98 ID:qlYld1pc0
太子「なぁ妹子…ローゼンメイデンてなんなんだろう」
妹子「知りませんよ、そっちの子に聞けばいいでしょう……じゃなくて仕事はどうしたオッサン!!」
ギューー!!
太子「あぁっ!まぶたがのびる!!たすけて翠星石!!」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 11:24:54.19 ID:EhxMEHtQ0
保守
54 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:39:23.95 ID:FNkQrFOf0
投下します
見づらかったらゴメンナサイ
55 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:40:19.68 ID:FNkQrFOf0
(前回の続きです1話中盤〜)
「ローゼンメイデン?何だそれは?」
ゴウトは目の前に浮いているモノに警戒しつつ、問いかける
水銀燈と名乗ったその人形は、知らないのぉ?と言いそうな顔をしつつ、翼を大きく広げ宙に浮く
ライドウは即座に腰のホルスターから愛用の銃を抜き、水銀燈に突きつける
水銀燈はそんなライドウを見てくすくすと肩を鳴らし笑い出す
「あらあらぁ…?そんなので私を殺そうとしているのかしらぁ?」
馬鹿みたいとつぶやき、ゆっくりとライドウに近づく
その表情には一片の恐怖というものを浮かべておらず、余裕の笑みを浮かべていた
逆にライドウというと、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしている
(cレ;´‐`レ …
「おい、水銀燈とやら、こっちはアンタに質問をしているんだぜ?アンタどうやら格好からして異国のモノらしいが
そっちの方じゃ人の質問に答える礼儀ってのはないのかい?」
クククと今度はゴウトが水銀燈を嘲笑する、ゴウトに一本取られた水銀燈は、笑っているゴウトに苛立ったのか
ゴウトの方を振り向き突き刺すように睨みつけた。しかし、ゴウトは平然とさっきの水銀燈のように余裕の笑みを浮かべる
ライドウも心なしか笑っていた
「くっ…!人間じゃない化け猫に言われたくないわ…!まぁ、いいわよぉ教えてあげる、
ローゼンメイデンとは何かをね」
水銀燈はゴウトとライドウにローゼンメイデンについて説明した。
ローゼンメイデンとは人形師ローゼンの作った意思を持った人形であること、
自分を含めローゼンメイデンは7体いること、そして彼女らは父ローゼンの望む完璧な少女、
『アリス』となるため自らの生命の核といえる『ローザミスティカ』を奪い合う戦い
『アリスゲーム』を行い、他の姉妹を倒し『アリス』となること、そしてそれを有利に進めるためにも
力の媒介である契約者『ミーディアム』を手に入れること…
56 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:40:49.92 ID:FNkQrFOf0
「だから私の人工精霊…簡単に言っちゃうと使い魔の『メイメイ』を使ってあなたを呼び出したのよぉ…
…ねぇ、話聞いてたぁ…?」
(cレ ´Д`レ ? ? ?
「横文字ばかりでよくわからんかったらしい、俺はわかったが」
首をかしげライドウの顔を覗き込む水銀燈、彼はぶつぶつと水銀燈の説明を復唱していて、
水銀燈には気づいていない…ふと、水銀燈は彼のマントの間から胸のホルスターに
12本の『管(くだ)』が収められているのに気づく、一体これはなんだろうと水銀燈はそっとその管に手を…
(cレ Д レ !!
グオッ!!
「きゃっ!?」
水銀燈が管に手を伸ばしていたのを見たライドウは水銀燈の手を払いのける、
急に力を加えられたからか水銀燈は思わずのけぞりバランスを崩しそうになる
「水銀燈、ライドウのその管には触れないほうが懸命だぞ、ライドウにとって大事なものだからな」
こんな管のどこが大切なのだろう?しかも12本というきりのいい数で…
「…ふ、ふん、まぁいいわぁそれより私と契約してちょうだぁい?」
すっと水銀燈は左手をライドウに差し出す
(cレ ´Д`レ ?
ライドウはただ首をかしげ、混乱するだけだった
契約とはなんだ?商売でもするのかとライドウは思った
「契約して私の『ミーディアム』になるのよぉ」
ミーディアム…つまりは力の媒介であるというが
ライドウにはまだまだちんぷんかんぷんのようで首をかしげている
ゴウトはやれやれとライドウを見上げ説明する
57 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:42:03.77 ID:FNkQrFOf0
「つまり電灯にたとえると水銀燈は電球で、お前は電気になれってことだ」
(cレ ゚∀゚レ !!
「そ…そのとおりだけど…いやなたとえ方ねぇ…」
思わず顔が引きつる水銀燈、ゴウトは水銀燈に対して質問をした
「契約してこっちになにか利点はあるのか?」
その問いに水銀燈は含み笑いを浮かべつつ
「えぇ、お互いにとっていいことがおこるのよぉ…?大丈夫ぅ、契約した瞬間死ぬなんてことはないんだしぃ」
ゴウトはしばらく考えたのち「いいだろう、ライドウ、やってみたらどうだ」と言った
いっぽうライドウはそれじゃあよろこんでと言ったような笑みを水銀燈に見せる
「いい顔で笑うじゃないのぉ…それじゃあ早速…」
「ところで契約ったってどうすればいいんだ?」
もう、と水銀燈はゴウトに対して言う
「私の指輪にキスをすればいいのよ、メイメイが言っていたけどこの国では接吻ってやつね」
(cレ ;゚Д゚レ ズガーンッ!!
ライドウはのけぞった、後ずさりをしつつ水銀燈と距離を置く
水銀燈はライドウの様を見てクスクス笑い出す
「あらあらかわいい…wそこまで純情なのかしらぁ?」
ゴウトも水銀燈に次いで笑い出す
「ハハハ、『大正妖都の純情』なんてヘンな称号与えられていたしな」
※マジです
あとずさりするライドウに水銀燈は笑いながら近づく、壁にまで追い詰められたライドウはどんと後頭部を打つ
(cレ ;゚Д゚レ アウアウ
「ずいぶん混乱してるわねぇ?かわいいわぁ…wさぁ、早くキスを」
じりじり近づく水銀燈、ライドウはごくりと唾を飲み、覚悟を決めて…キスをした
58 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:43:38.39 ID:FNkQrFOf0
チュッ
「!?」
何を思ったのか水銀燈の唇に
「………」
「………ポカーン」
ライドウはそっと唇を水銀燈から離す
(cレ *´3`レ フゥ…
どうやらファーストキスだったのだろうか、ライドウはなんかもじもじしている
一方ライドウ以外の者は沈黙に包まれていた
「………」
「…おい、ライドウ?確かにキス…接吻しろとコイツは言ったぞ?」
っ
(cレ*´∀`レ っ
「いや、『えへへ』じゃなくて、接吻するのはコイツの唇じゃなくて、 指 輪 にだぞ?」
59 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:44:00.72 ID:FNkQrFOf0
(cレ ´Д`レ…
ライドウは水銀燈の言ったことを徐々に思い出した…
(cレ ´Д`レ…
(cレ;゚Д゚レ !!
「混乱しすぎだろお前!」
(cレ*´∀`レ … っっ
「…『いやぁ申し訳ない…』じゃあないわよ…」
今までショックのため固まっていた水銀燈がドスの効いた声で喋りだす
どことなく殺気とも感じ取れるオーラのようなものが見える
「ホラァ…改めて契約しなさぁい…」
歯を食いしばりつつ再び指輪をライドウに突き出す水銀燈
よっしゃ!こんどこそ!といった顔で指輪に口づけをした
「どうもありがとぉ…そして…」
(cレ; Д レ !!
ジュウウウと焼印を押されるように左手の薬指が熱くなり、黒い薔薇の指輪が現れてくる
熱さに耐え切れずひざをつき激しく呼吸をするライドウ
指輪が出た瞬間、ライドウは急に頭を押さえ込み、嗚咽を漏らし続け、
首をかきむしり、胸や腹を押さえ、部屋中を転げまわっている。誰が見てもライドウの苦しみ方は異常であった。
「フフフ…力を吸い取られて干物になるがいいわぁ…」
60 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:44:31.45 ID:FNkQrFOf0
「ライドウ!水銀燈貴様!ライドウになにをした!」
ゴウトは水銀燈に飛びかかるが、ひょいと避けられてしまう
「なにって契約したのよぉ?もっとも私は姉妹の中でも特殊でねぇ?ミーディアムの力を大量に吸い取るのよぉ?
まともな生活がほぼできなくなって、一生死ぬまで私の糧となるの!面白いでしょう?」
子供のように笑い出す彼女に対してゴウトは牙を剥く
「テメェ…がらくたにしてやるから覚悟しろよ…」
「まぁ怖いわぁ、子猫ちゃんが怒ってるわぁ?怒ったら血圧上がるわよぉ?乳酸菌摂ってるぅ?」
「うるせぇなポンコツ人形が…覚悟しやがれ」
ポンコツと言われて頭に来たのか、水銀燈の顔からは笑みが消え、
翼を大きく広げゴウトに向かって羽根が機関銃のごとくゴウトを襲う! しかし…
ガッ!
「なにっ!?」
「おわっ!?」
その標的は何者かによって抱えられ、
その者はゴウトを抱えたまま部屋から突進するように出て窓の外から飛び降りる
スタッと猫のように着地したそいつはゴウトの主人のライドウであった
「うおっ!?ライドウ!?お前平気なのか!?」
「そ、そんな!?力を大量に吸われたのよ!なんでピンピンしていられるの!?」
水銀燈が驚愕した顔で窓の外のライドウに問いかける
ライドウはちらりと水銀燈を見て息を切らせながら説明をした
61 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:45:20.39 ID:FNkQrFOf0
(cレ;´д`レ …
ライドウが言うには
たしかに力を吸われて苦しんだが、それは一時的なものでしかも、
よーく考えたらその苦しみは意外としょぼいものだったらしい、持久走で猛ダッシュするくらい
嗚咽や金切り声はそのためのものであろう、他のは…
「ライドウ、お前過敏すぎ」
とのこと
(cレ;´∀`レ =3
「ふ、ふふふ…ふざけないでよ、私の唇を奪った挙句、大量の力を吸われたというのにマラソンで疲れた
ようなものだったですって?アハッ、アハハハハ! …殺すわ」
窓から刃の雨のごとく水銀燈の羽根がライドウとゴウトを襲う、紙一重で第一波をかわすライドウとゴウトだが
休むまもなく第二波が襲いかかる!避けられないと察知したのか腰の刀を抜き、
迫り来る刃と化した羽根を切り払う。しかし羽根の勢いは止まりそうにない
「あらあら?どうしたの?もう少し楽しませなさぁい?」
羽根を飛ばしつつ、逃げるライドウを追う水銀燈、このときばかりライドウは今いるここが裏路地でよかったと思った
もしも大通りへと逃げていたらとてつもない被害が及んだであろう、想像するだけでゾッとする
「おい!水銀燈!ライドウを殺したらお前が不利になるんじゃないか!?」
頭上スレスレで滑空していった羽根を避けつつゴウトは水銀燈に問いかける、しかし水銀燈ははぁ?とした口調で
「不利ぃ?むしろ有利よぉ?どうやらそいつはただの人間じゃなさそうだから
瀕死になったとしてもたくさんの力を吸い取れる、殺したとしてもまだ力は残っていそうだからいい糧になるのよぉ?」
そんなアホなといった顔でライドウは逃げ続ける
だがこの殺気混じった追いかけっこもどうやら終りのようだ
62 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:45:41.54 ID:FNkQrFOf0
「ぐっ…行き止まりか…」
勝利を確信したのか水銀燈は羽根を撃ち続けることをやめ、耳に響く笑い声をあげる
「鬼ごっこはもう終りよぉ…あきらめて死んじゃいなさぁい?」
「かなりキレているな…ライドウ、これは仲"魔"を呼んで戦うしかないな、幸い裏路地だ、思いっきりやれる」
(cレ ´д`レ コクリ
「仲間ぁ?無駄よぉ、助けを呼んだって?アハハハw」
胸のホルスターからライドウは二本の管を取り出しブツブツつぶやく
二本の管の先がスルスルと逆時計回りをしつつ延びていく、緑色に発光しつつ…
「お祈りかしらぁ?全部言い終わる前に終わらせてあげるわ!」
ビュオオオオオ!!!
羽根がライドウに襲い掛かってくるより速くに二本の管から緑色の光が蛍のように飛び出す!
その光は羽根の前に飛んでいった瞬間、二つの光は徐々に何かの形を作り出していく…
「!? なんなの!?これは!?」
「これがライドウの"仲魔"だ!」
獣のような形となった光はやがて銀色の毛並み、金色の瞳、たくましい体つきを持った狼となり、
一方は蒼い襟巻き、蒼い手袋、そしてかわいらしい一言で言うと雪だるまみたいなのになった!
「くっ!こざかしい!」
「アオーン!!」
狼が口から炎を吐き出し飛び掛る羽根たちを焼き尽くし、雪だるまはその炎のとばっちりを受けないよう
「熱いホ〜、いっしょに出したら相性悪いホ〜」
と言いつつライドウの後ろに隠れ、羽根が燃えていく様を見ている
「なんなの!?こいつらは!!」
水銀燈はただただ驚きを隠せないでいた、自分の羽根が得体の知れない狼の吐く炎によって焼かれている
それだけの事実を素直に受け止めないでいた
「人間!あなたはいったい何者なの!?」
「こいつは悪魔召喚士の家系、葛葉家から14代目ライドウを襲名したデビルサマナーだ!」
「次回に続くホ〜」
63 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:46:18.24 ID:FNkQrFOf0
改めて見返してみるとライドウをおバカにしすぎたかもなぁ…
まぁいいか本編でも結構おバカだし
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 11:47:37.91 ID:qlYld1pc0
GJ!
ってジャックフロストwww
65 :
ツキノトウヤ:2006/04/06(木) 11:51:46.45 ID:JeqyuRSn0
>>63 GJ
ところで、ジャックフロストってデビルチルドレンにも出てきたアレ?
66 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 11:53:41.82 ID:FNkQrFOf0
>>65 そうです、メガテンシリーズにおけるドラクエで言うスライム的存在です
ライドウにはライホー君なるライドウの格好をした奴もいるらしいけどクリアしていないので会っていません…
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 11:59:35.84 ID:C1GUG6ED0
>>54-63 ライドウ未プレイですが、面白いですな!
イイキャラしてんなーライドウwww
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 12:03:33.56 ID:ZM3TxCud0
スライムというかピカチュやアグモンじゃね?
69 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 12:04:13.66 ID:FNkQrFOf0
>>67 彼は本編でもおバカですw
例
海を渡るにはどうしよう
>ゴウトに乗る
こんな選択肢がww
操作性はともかくシナリオはなかなかのもんです
70 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 12:06:44.39 ID:FNkQrFOf0
>>68 確かに
ジャックフロストに関しては女子高生のほうが知っている人が多いかもしれないけど
(プリクラのキャラとしても出ている)
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 12:14:18.01 ID:IOe6K/qk0
>>55 乙。読んでますニダが・・・。
もとネタを知らないニダ
72 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 12:19:17.08 ID:FNkQrFOf0
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 12:40:21.92 ID:qlYld1pc0
ほ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 12:58:54.86 ID:IOe6K/qk0
( ^ω^)「フルーツポンチを逆さにするとどうなるかお?」
水銀燈「え、、、」
( ^ω^)「どうしたのかお?もしかして分からないのかお?」
水銀燈「わ、分かるわよ!! チ、チ、チン・・・チンp」
( ^ω^)「逆さにしたらこぼれるに決まってるお。何想像してるんだお?銀は変態だお!」
( ^ω^)「Hになるほど硬くなる物はなんだお?」
水銀燈「ちょ...ちょっと、何考えてるのよ!」
( ^ω^)「....鉛筆だお。一体何を想像してるんだお。」
( ^ω^)「女が濡れて男がさしました。さて何をさしたお?」
水銀燈「ちょ...ちょっと、何考えてるのよ!」
( ^ω^)「傘にきまってるお。一体何を想像してるんだお。」
と保守
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:03:21.38 ID:ZM3TxCud0
SSを書いてたら、ヘンなとこにキーボードがふれて、
もうすこしで終わりそうだったのがただのレスアンカーに変化しました。
Ctrl+Zでも戻らない。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:10:16.28 ID:IOe6K/qk0
では保守を兼ねて世界観ぶち壊し雪風を投下。
原作はこんなじゃありませんので、念のため。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:12:09.04 ID:IOe6K/qk0
>>75がんがれ。
では投下。
『こわれものに中尉』
その日は大規模な作戦もジャムの襲撃も無く、
非番だった零はブッカー少佐の許可を取って、久々に外に出てみる事にした。
つまる所、零は暇だったのである。
零が雪風にも会わずにわざわざ外に出てみようと思ったのには訳があった。
自分の部屋は、二ヶ月前に怪文書と共に自分の所にやって来て以来、
あいも変わらず無愛想な黒衣の人形が陣取っていたし、
そうかと言って基地内にいたのでは、ブッカー少佐の所に同じように押し掛けて来た
騒がしい緑色のやつ(と青いやつ)に何時捕まるともしれなかった。
IDを提示してエレベーターに乗り、三層の対爆、対NBC汚染のドアをぬけ、
エレベーターが止まると、其処は地上だった。
何処に行こうか少し考えた後、結局草の上で昼寝を決め込む事にした零は、
滑走路とは反対側の空き地へと向かった。
フェアリイの草は蒼い。寝転がると柔らかく、菖蒲のような良い香りがした。
空が青い。フィルター越しではない風は心地よかった。
温かい日射しが心地よく、零は何時しかうとうとしていたが、
ふと気配を感じて薄目を開くと、例の緑のやつがちょこんと座ってこちらを覗き込んでいた。
――どうやって此処まできたんだ?エレベーターにはIDが必要なのに。
零は寝ぼけた頭で考えた。
――ああ、ジャックが連れてきたのか。まあいいさ。やかましくしない限りおれには関係ない。
緑のやつはためらうようにちょこちょこ近付いて来たが、もう後少しの所まできた時に
「ひッ」と声を上げて凍り付いた。
怪訝に思った零がその視線の先を見遣ると、
――其処には零の部屋にいる筈の黒尽くめの人形が、妖しい笑みを浮かべて立っていた。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:13:35.24 ID:IOe6K/qk0
が、何やら様子が変である。良く見ると足下はふらついているし、目が変に座っている。
そして彼女は口を開き、
「私が水銀燈先任軍曹である。話し掛けられた時以外は口を聞くな。
口でクソ垂れる前と後にSir.と言え。分かったか、ウジ虫共!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「あの、水銀燈、女なのにSir.ですか・・・・?」
緑いやつが遠慮がちに突っ込んでいる。突っ込む所はそこじゃないだろ、と零は思った。
「・・・上官の話の腰を折るとは良い度胸だ、お嬢様方?覚悟はいいか?」
「おれは中尉だぞ、先任軍曹殿。」
「・・・・・・。」
黒いやつが黙る。
「・・・・・・。」
緑いやつもだまる。
「・・・・・・。」
釣られて零もだまる。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:14:13.44 ID:IOe6K/qk0
「ふざけるな、大声を出せ!タマ落としたか!」
(・・・・・・・誤魔化しやがった。)
「・・・貴様ら、クソを垂れたいのだろう・・・。そろそろケツの穴が弛んでくる頃だ。」
「おれは眠いんだ。用はそれだけか?」
「何だと?貴様何処のクソだ!アカの手先のおフェラ豚め!ぶっ殺されたいか!
・・・・・答なし?
上出来だ、頭が死ぬほどファックするまでしごいてやる!
ケツの穴でミルクを飲むようになるまでしごき倒す!
だが正直なのは感心だ。気に入った。家に来て妹をファックしていいぞ。」
「ちょ、ちょっと何いってるですか、水銀燈!」
「・・・貴様、何している?さっさと立て! 私に隠れてファックしてみろ。
――ピー――噛み切ってケツの穴に捩じ込んでやる!
緑が真っ赤になって慌てているが黒は全く意に介していないようだ。
もう何が何やら解らない。ブッカー少佐なら、こういう時どうするのだろう、と零は考えた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 13:15:43.21 ID:IOe6K/qk0
「水銀燈、おまえ悪い物でも食ったのか?」
「黙れ、貴様には両生動物の糞を掻き集めた値打しか無いのだ、お嬢さん?
カマ掘るだけ掘って相手のマスカキを手伝うだけの外交儀礼も無い奴め!
お望みなら直に便所に連れてってやる!
ケツの穴を引き締めろ!ダイヤのクソを捻り出せ!さもないとクソ地獄だ!!
早くしろ!朝鮮着く前に戦争が終わっちまうぞ!
先々月をもって貴様は私と契約した。つまり私は貴様の人形である。
貴様のくたばるその日まで何処にいようと貴様は私のマスターだ。
多くの場合、ギャバクラへ向かうかも知れん。浮気は男の性だからな。
だが、肝に命じておけ。それをしたら貴様は死ぬ。死ぬ為に媒体は存在する。
だが絆は永遠である。
つまり我々も ―― 永遠である!!」
何やら好き放題やらかした後、自分自身の名演説に感激したらしい黒いのは、
満足そうに頷くと、そのままの表情でコテンとひっくり返り、すうすう寝息を立てて寝てしまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日
零:つまり、フルメタルジャケットを見ながらブッカー少佐のウィスキーを盗み飲みした。
その挙げ句がこの有り様、と。
銀:う……。
あの人間がヤクルトをウィスキーで割って飲んでるなんて知らなかったんだもの……。
以上、状況終了
81 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 13:23:06.87 ID:FNkQrFOf0
82 :
ツキノトウヤ:2006/04/06(木) 13:49:49.42 ID:JeqyuRSn0
>>77-80 GJ!!w
>つまり我々も ―― 永遠である!!
銀様wwwwwwwww
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 14:32:18.68 ID:DudLdgZN0
保守
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 14:36:48.85 ID:IB6N9v3cO
>>74 バロスwwwwwwwww
ぶっちゃけ今までそういうのが無いのが不思議で仕方なかった。
(^ω^)が水銀燈のマスターだったら乙
85 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 14:36:53.52 ID:FNkQrFOf0
ライドウプレイしていてゴウトの正体がピーだったことにびっくり
保守
保っ守
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 16:02:06.08 ID:IB6N9v3cO
保守かしら
88 :
ツキノトウヤ:2006/04/06(木) 16:23:25.97 ID:JeqyuRSn0
保守
今日はじめてトロイメントのドラマCD聴いたんだけど、
ラプラス・・・・・wwww
エンジュ・・・・ww
あと薔薇水晶に萌え死にそうになったw
真異月譚で近いうちにばらしー出そうかなw
89 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 16:27:14.95 ID:FNkQrFOf0
保守
とあるところでくんくんVSラプラスの魔に挿入歌として「粉雪」が
ナイスタイミングで流されていたのを思い出し吹いたwww
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 16:49:08.43 ID:OeKA2S2j0
至高のマッチョを目指してお父様(ローゼン)に作られた7体の薔薇の男たち、
尿結石、カマりあ、蒋介石、童貞石、真肛、いなりちご、アヌ水晶。
筋肉と粘液のぶつかりあう、むくつけき男達のものがたり。
「ねえ、人間。このままだと貴方、ホられるわ。それが嫌なら誓いなさい。この薔薇の褌に。」
第一話『尿結石v.s.真肛』
そんなネタを考えてはみたけど、想像して気分が悪くなった午後の保守。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 16:55:00.40 ID:IB6N9v3cO
スレ違いのような気がするが症解析にワラタ
ライホーくん保守
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 17:14:47.70 ID:qlYld1pc0
どうでもいいんだけど、しかも既出かもしんないけど
かしらっつーと少女革命ウテナの「かしらかしらご存知かしら」を思い出す
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 17:54:42.18 ID:DudLdgZN0
保守。
95 :
ツキノトウヤ:2006/04/06(木) 18:15:35.18 ID:JeqyuRSn0
保守
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 18:23:52.15 ID:IB6N9v3cO
保守かしら
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 18:39:06.93 ID:GVbEuN64O
保守かすら
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 18:48:12.32 ID:ZM3TxCud0
99 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 19:11:41.49 ID:FNkQrFOf0
保守
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 19:34:04.18 ID:TxHfV3AM0
h
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 19:57:46.72 ID:DudLdgZN0
h
102 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 20:10:48.70 ID:FNkQrFOf0
ho
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:23:35.86 ID:IB6N9v3cO
保守かしら
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:37:19.10 ID:TxHfV3AM0
h
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:41:28.51 ID:kJmU8qO40
はいはい投下投下。雪風雪風。
とても最初から作るのは無理だから、終わりの方でまとめてみた。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:42:44.84 ID:kJmU8qO40
『暁に舞う乙女』
翼下にミサイルをフル武装で搭載した雪風は、暁の出撃を前に、
今はただ、僚機と共に滑走路に羽を休めていた。
その傍らに、零は漆黒の小さな人影と共に座っていた。
二人とも無言だった。
出撃を控えた零は、ブッカー少佐に許可を願い出て、今此処にいるのだった。
許可申請を受けた時、ブッカー少佐は少し驚いた顔をしたが、直ぐに快く許可してくれた。
傍らにたたずむのは特殊戦が誇るブーメラン戦隊の戦闘偵察機群。
与えられた任務を完全に遂行し、目標を破壊する事のみを目的に設計された純粋な戦闘装置。
冷たい夜風に包まれ、冷々たる肌をさらす冷徹な戦闘機械の一部となるには、
今の零は 余りにも人間的になりすぎてしまっていた。
零は自分の変化を自覚しては居た。
ただ、具体的にどう変わったのか、その変化が結局自分にとってよかったのか、
悪かったのか、そんな事までは解らなかった。
ある日、届いた怪文書に気紛れで”巻きます”と答えてみた結果届いた大きなトランクと、
その中からでてきた黒い翼を持つ精巧な人形。
希代の名工、ローゼンの手で作られた、意志を持つ少女、ローゼンメイデンの一体。
零の手で螺子を巻かれ、目覚めた彼女は、水銀燈、と名乗った。
質問に答え、彼女の螺子を巻いた其の瞬間から零の心は変わる運命にあったのかもしれない。
フォス大尉の言葉を借りると、
『足りない者同士が引かれ合って、補いあった結果』らしい。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:42:51.23 ID:tdUvBPD/0
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:43:13.05 ID:kJmU8qO40
自らの過去を懐かしく振り返り、他人との関わりを自然に受け入れている自分に
零は改めて驚いたが、悪い気はしなかった。
今の自分は後悔などしていない。それで十分だ。
『氷のハートはいつか融ける。』
そんな事をいっていた小柄なインディアンを、零はふと思い出した。
玲瓏たる星空の下、居並ぶ冷酷な機械群の中にあって尚、
寄り添うようにして互いの温もりを保とうとする二人は、悲壮で切実で、滑稽ですらあった。
しかし、どれほど願おうとも、時は人の都合で動いてはくれない。
世界の渦を変えるには人は余りにも無力で、ちっぽけすぎた。
秒針は刻々と時を刻み、遂にその時は来てしまった。
「時間だ。もう、行かなければ。」
――ありがとう。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:44:15.40 ID:kJmU8qO40
そう告げると、零は、たたずむ水銀燈の前から
ゆっくりと踵を返し、搭乗機へと歩いていった。
零もうふりかえらなかった。
コックピットに入り、キャノピーを閉じる。
HUDとHMDの作動を確認し、マスターアームをオン。
全武装、安全装置を解除。エンジンを始動し、出力をミリタリーへ。
二基のスーパーフェニックスの轟音が、滑走路に響き渡る。
『こちら指令室。作戦に変更なし。雪風、状況を開始せよ。』
「こちら雪風、深井大尉。了解。状況を開始する。」
雪風が地を蹴り、空を翔る。アフターバーナーが尾を引く。
上昇。ブラッディー・ロードへ。何だか血の涙みたいだな、唐突に零はそう思った。
まだ明け切らないフェアリイの、血まみれの空を雪風は翔る。
夜が明ける。
滑走路を照らし出す朝日を黒翼の人形が見つめていた。
指輪を通して繋がるミーディアムの存在が、一瞬だけ強くなり、そしてふっと消えた。
以上、状況終了。送レ。
110 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 20:53:15.47 ID:FNkQrFOf0
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 20:56:21.88 ID:hNY1LhBK0
GJ!
何かもの悲しいかんじがいい!
関係ないけど水銀とロボコップの話を思いついてきているような
きてないような・・・書いてみようかな?
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 21:03:17.71 ID:GhZawSYw0
>109
よかったす
保守
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 21:19:03.20 ID:IB6N9v3cO
>>105 お、遂に雪風TAKE OFFですか。
帰宅後が楽しみです。
ロボコップにもwktk保守かしら
114 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 21:35:23.48 ID:KVQjVp5+O
保守
115 :
ライ銀作者:2006/04/06(木) 21:36:19.95 ID:FNkQrFOf0
ほ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 21:43:00.32 ID:hNY1LhBK0
ロボコップなかなか苦戦してるのかしら保守
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 21:51:43.51 ID:IB6N9v3cO
保守かしら
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 22:14:42.39 ID:y8Igsj6A0
hosyu
119 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 22:29:11.83 ID:KVQjVp5+O
保守
120 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 22:46:58.64 ID:KVQjVp5+O
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 23:07:13.18 ID:TxHfV3AM0
h
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 23:13:13.74 ID:IB6N9v3cO
保守かしら
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 23:20:42.92 ID:kJmU8qO40
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 23:33:27.69 ID:pbMVg55+0
r_‐、_
_, -ー::L._.」‐-、` 、
/‐ '´ ̄ ̄ ̄`¨ヽ:::丶ヽ
/ , , \:::ヽヽ
r./ /|/', /l/ | i::::||
お L| / ',/ l/| !:厶l
/∨ ○ ○ / l下、_〕_
| / / i !__ト、
| ! ┌┐ 'イ / l
丶、._  ̄ ___/ / l
l/!  ̄r::t水ァ::j/ ',
/r――――i::::K ト、 ヽ
ムf」 「ヽ::i、 |\! \ |
__j」 ほしゅ ヽ、|」_ヽ_ ヽ
r┐≧:|_____!::::::::::::::::/
l___!L.-i_i⌒!-」、|\::::::::ヽ _
└‐ '´  ̄ ̄
125 :
オリ:2006/04/06(木) 23:33:28.94 ID:NKkULBN/0
保守ですよ……マイマスター……堕ちる事無く……何よりです……
>職人さん方
GJ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/06(木) 23:41:32.45 ID:pbMVg55+0
くそうぅ、オレンジの箱引っ張り出してきてANUBISやっちまったよ。
127 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/06(木) 23:54:26.35 ID:KVQjVp5+O
保守
128 :
オリ:2006/04/07(金) 00:03:37.11 ID:OzAEZPTa0
雪風……見つつ……保守ですよ……マイマスター……
Day’s 執筆中……
129 :
オリ:2006/04/07(金) 00:22:41.04 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ……マイマスター……
130 :
86:2006/04/07(金) 00:26:29.64 ID:0xYGmHvRO
執筆しながら保守
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 00:47:18.67 ID:zVhSf5PK0
h
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 00:59:56.06 ID:1K9lt3WF0
O
133 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/07(金) 01:12:39.09 ID:HzkgY59lO
保守
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 01:35:02.47 ID:LtVhlzXQ0
雪風ニ作読了
>>77-80 本棚にあるハートマンDVD久し振りに見たくなったぜw
あと、最初に緑ぃのが何をしようとしてたのかが気になるなぁw
乙であります
>>105-109 こちらは結構原作雰囲気なのかしら。
言葉の選び方がとてもいい感じですねー。
乙であります!
保守かしら(゚∀゚)
保守なみなのねぇ〜ん
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 01:52:53.15 ID:zVhSf5PK0
h
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 01:58:37.23 ID:uMSCoxoc0
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 02:00:22.62 ID:LtVhlzXQ0
>>137 ちょwwwwwwwwwwwwwwwww
情報提供感謝する。
139 :
◆GinkoRb4Zg :2006/04/07(金) 02:05:27.73 ID:qtEgGHyg0
>>137 見TEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!wwwwwwwwww
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 02:08:50.49 ID:LtVhlzXQ0
朝目か。納得したわw
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 02:21:36.78 ID:LtVhlzXQ0
保守かれりん
142 :
オリ:2006/04/07(金) 02:38:57.43 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ……マイマスター……
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 02:57:40.50 ID:LtVhlzXQ0
保守かしら
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 03:14:30.38 ID:BXqrXVv00
今北
ローゼン知らん俺も楽しめるだろうか?
145 :
オリ:2006/04/07(金) 03:21:28.09 ID:OzAEZPTa0
The Fight Day 心の世界。
俺は、今銀様と共に心の世界にいる。
渇きが潤いになる世界。
昔の閑散とした空は、今では、蒼と翠そして綺麗な漆黒の空。
幻想的な空に、地上には、同じく蒼・翠・漆黒の森。
渇いた大地は、青々とした草が生え所々に朽ち果てたモニュメントが
大地から生え、空にただずっと伸びている。その先は見えない。
「へぇ……短期間で此処まで綺麗な世界になるなんてねぇ〜」
と、俺の隣に浮いている銀さまが俺にそう言う。
まぁ確かにと俺は、頷いた。
此処まで俺の心が、変わったのは多分銀様たちのおかげだと考えている。
とりあえず俺は、今立っている場所から歩く。
「どぉこにいくのぅ?」
「俺の心の木を見に」
俺の言葉に銀さまは、そぅ〜と頷いて俺と共に行く。
ちょうど百二十七歩あるいたところで、俺の心の木は見つかった。
曲がりくねり、ヤドリギであろう蔓が木に絡み付いている。
絡み付いていながらも曲がりくねりながらも
心の木は、堂々と伸び大きくそだっている。
「歪な木ねぇ……でも、堂々としているわぁ」
銀様がそう言う。
木は、生え際から曲がりうねってはいるが、途中からは少々のうねりを
生じているが、真っ直ぐに天に向かい生えている。
「寄生してる蔓は……アナタの理性かしら?
心の木の育ちを邪魔している訳じゃないし……」
結構、立派なのね。と、銀さまは言う。
俺は、そうだな。と、頷いた。
146 :
オリ:2006/04/07(金) 03:21:50.55 ID:OzAEZPTa0
自分の心の木ながら、その木を見上げて面白いと俺は思った。
人の心とは無限の可能性を秘めている。
育ち方育て方によりその方向性は、変わり行く。
自分の気の持ち様で総てが変わる。
人は、実に実に実に実に面白い。
「なぁ、銀様」
「なぁに?」
「俺さ、小さい頃親に捨てられたんだ」
銀さまは、そう。と短くつぶやいた。
「親の顔もしらない。孤児施設に拾われて育ったんだ。
家族の愛もしらないし、愛ってモノ自体しらない。
いつか、ラー君に言われた言葉で、渇きが潤いになる世界って言われたんだ。
その時は、酷く荒れた世界だと思った。だけど、納得してた俺がいた。
俺は、世界に絶望して飽きてなんだろ、生きていることに飽きてた。
死ぬんならいつでもよかった。だなんて思ってた。
おかしいだろ? 死ぬまでそう思ってた俺だけどさ。
銀さまたちが来てからかな? 毎日が楽しくてしょうがなかった。
礼を言っても言い足りないって状況。だからさ、銀さま」
俺は、そこで言葉を切る。
「これからもよろしくな?」
この言葉に、銀様は頷いてニッコリと微笑む。
「アナタは、私のだ・ん・な・さ・まよぅ?
嫌っていってもぅ〜よろしくするわよ〜」
と、いつか悪戯で俺に言った言葉をいいながらそう言う銀さま。
俺は、ありがとうと微笑んだ。
147 :
オリ:2006/04/07(金) 03:22:33.31 ID:OzAEZPTa0
今日、ローゼンとアリスが来た。
なにやら、一体の人形を携えてなのだが……
ところどころメタリックなパーツが、見える。
それと、背中に戦闘機チックな翼が見える。
「なぁローゼン。こいつの名前はなんだ?」
俺の言葉を待ってました。と、ばかりにローゼンはニヤリと笑う。
「雪風だ」
「……………戦闘妖精かよ」
「正解だ。いま、実にはまっていてね……アニメ途中に出てくる
妖精をのシルエットをモチーフに、雪風の機体を人間化した。
水銀燈たちの妹になる、アリスも自分に妹ができて嬉しいらしいしな」
と、ローゼンは嬉しそうに薀蓄を語る。
人間化ってお前な……と、熱く語るローゼンを見てそう言う。
まぁそれにしても、さすがローゼンと言うべきか……
雪風は、精妙に出来ておりローゼンメイデン達の様に球体間接ではなく
人間そっくりの関節であり、見えているメタリックなパーツ以外を見れば
人間に間違えてもしょうがないと思った。
「でだ、君に薇を巻いてほしい」
「は?」
「君は、水銀燈・蒼星石・雪華綺晶……そして、エンジュの薔薇水晶と
契約した。そう……合計四体のローゼンメイデンと契約した」
まぁ、正確には三体とエンジュメイデンが一体だけどね? と、ローゼンは
クスリと笑いながらそう言う。
「つまり、君には縁がある。メイデン達とね……ならば、雪風の薇を巻くのも君だ」
「お前が巻けばいいだろうが」
「なに、私が巻いてもいいんだけど……私がここにきた。君に薇を巻いてほしい。
だから、君が薇を巻くと言うのが縁だ」
と、難しいことをいいながら俺に薇巻きを手渡す。
俺は、ため息をつきながら、雪風を見た。
148 :
オリ:2006/04/07(金) 03:22:57.71 ID:OzAEZPTa0
「巻いてあげなさぁい。このコはそれを望んでる。動いて空を飛ぶ事をねぇ」
銀様の言葉を受けて、俺は薇を巻く事にした。
静かな薇を巻く音が、リビングに響く。
それが、実に神聖な儀式の様に思えた。
そして、薇が総て巻き終えると雪風がゆっくりとゆっくりと立ち上がり瞼を開いた。
「…………お父様…………」
「お父さんはそっち。俺は薇巻いただけ」
俺は、ローゼンを指差すと雪風はローゼンの方を振り向く。
「おはよう。雪風。気分はどうだい?」
「問題ありません……活動に障害ありません」
無表情で雪風は、そう告げる雪風。
なんつーか、アレだ……トゥ○ートのセリオっぽいぞ。と、思う俺。
まぁそんな事を思いながら、俺はローゼンと雪風のやり取りを見つつ
銀様の頭をなでたり、いつも胸ポケットに入ってる櫛でその綺麗な髪を
梳いたりしていた。暇そうなアリスも手招きして、銀様と同じく髪を梳いていた。
まぁそんな感じで、俺と雪風のファーストコンタクトだった。
笑わないし、愛想悪いしと思いつつ。昔の俺みてぇと思って苦笑した。
昔の俺。施設時代の俺。
誰にも靡かず、誰にも無愛想で、誰にも笑わない。
誰にも……心を許さなかった。
思い出して気分を悪くした俺がいた。自己嫌悪。
暗く黒い自分。なんだか……嫌だな。
俺は、小さな、小さなため息をついた。
「と、言うわけで雪風頼むよ?」
「は?」
いきなりそんな展開かよ。この馬鹿。
「よろしく……」
「へいへい……」
俺は、感情のこもらない声でそういった雪風の頭をなでた。
149 :
オリ:2006/04/07(金) 03:23:18.99 ID:OzAEZPTa0
再度、心の世界。
俺は、ひとつの存在と対峙していた。
俺そっくりの存在。ただ、違う点があるとすれば……
俺の方には、銀様と雪風が居て、ソイツには居ない。
そして、ソイツはただ黒い。顔も無くただ黒い。
さらに、いうなれば、ソイツは白い口でニヤリと笑っていた。
ソイツが何なのか俺にはわかっていた。
ソイツはそう俺。
言うなれば、俺の暗黒面。
妬み、嫉妬、怒り、狂い、悲しみ、哀しみ。
そして……絶望。
「……対象を敵と認識。正体特定、闇」
わかってる。雪風の言葉に俺はそう心の中でつぶやいた。
「攻撃します」
俺は雪風の言葉に、待て! と、言う前に雪風はソイツに襲い掛かった。
しかし、ソイツは不敵に笑いながら雪風を投げ飛ばした。
「来いよ」
俺はソイツにそう言う。相変わらずソイツは笑う笑う笑う。
「気をつけなさいよぅ? アレはアナタの心。心を強くもちなさぁい」
銀様はそう言うと、ふわりと空を飛び雪風の所へと飛ぶ。
「ふぅ……因果なもんだな。自業自得なんだろーけど?」
相変わらず笑うソイツにそう言う俺。
俺は、一本の剣を想像し右手に握る。
俺の心の世界と言うのなら、これぐらい造作も無い。
この剣は、銀様の剣と同じモノ。
ソイツも同じように剣を手にする。ただ違うのはその剣は黒いだけ。
「さぁ……やるか」
そう言って俺は、剣を構えソイツに駆け寄り横に剣を薙ぐ。
ソイツは、簡単に回避すると同時に上から剣を振り下ろす。
俺は、横に転がり回避する。
150 :
オリ:2006/04/07(金) 03:24:05.00 ID:OzAEZPTa0
剣と剣がぶつかり合い、冷たい金属音が鳴り響く。
上、下、右、右、下、左、上。
俺とソイツのやり取りは、まるで舞踏。
何度も何度も何度も、ぶつかり合い斬りあう。
しかし、終わりは唐突に訪れた。
俺が、渾身の力を込め剣を振り下ろした。
ソイツなら簡単に回避できたであろう剣の一撃は、ソイツが回避する事無く
ソイツを真っ二つに切り裂いた。
ソイツは、相変わらず笑ってはいたが、俺の一撃を甘んじて受けた気がした。
多分、ソイツが納得したんだと思う。今の俺に
今の俺の生き方に納得してくれたんだと思う。
俺は、霧散して消えていくソイツを見ながらその場に胡坐をかいて座った。
そして、ため息をひとつついた。
「おつかれさまぁ〜」
と、銀様が雪風を横に歩いてきてそう言う。
俺は、疲れた。との呟きに、苦笑してみせた。
そして、銀様の横にいた雪風は俺をジッと見ている。
「何故」
雪風はそう呟いた。
「さぁな」
その呟きに俺はそう答える。
俺の心の世界に吹く風が、俺の髪を俺の頬を撫でて行く。
「貴方は、自分を殺し……何故笑える?」
「別に殺した訳じゃない」
俺の言葉に、首を傾げる雪風。その横で銀様は苦笑していた。
「アイツは、今の俺の在り方に納得してくれた。アイツは俺の心に居る」
「……何故笑う? 何故?」
雪風は再度問う。
151 :
オリ:2006/04/07(金) 03:24:44.50 ID:OzAEZPTa0
俺は、雪風の頭にポンッと手を乗せる。
「さぁなぁ……でも、時化た面してたらアイツに悪いだろ?」
「わからない」
「いつかわかるさ。お前には、無限の時間がある。物事を知っていけば笑える様になる」
「……」
俺は、雪風の頭を撫でた後、空を見上げて一度伸びをした後
笑顔を浮かべ、銀さまと雪風を見てこう言った。
「さ、帰ろうか」
「ヤクルト二十本よ〜ぅ?」
「………了解」
「銀様それ飲みすぎよぅ?」
そして、俺達は心の世界から出た。
「ちょっとぉ〜私の料理たべなさいよぅ」
「ヤクルトと卵で作ったダシ巻き卵なんて食べれんぞ銀様」
「あらぁ? おいしいのにぃ」
「熱を加える事は、ヤルクトの中に存在するビフィズス菌を死滅させます。お姉さま」
「え? それじゃぁ意味ないじゃなぁい。おなかにも口にもやさしぃ〜卵焼きじゃなぁわぁ」
「とりあえず、今度栄養学の本でも買ってくるか?」
「お姉さまには、栄養・健康に関する知識が必要。マスターの言葉に同意します」
「え〜〜〜〜〜本読むのいやぁ〜〜〜〜〜〜〜」
そんな銀様を見て笑う俺。チラッと雪風を見れば……
かすかに……そう微かに口元に笑みを浮かべていた。
152 :
オリ:2006/04/07(金) 03:32:27.34 ID:OzAEZPTa0
自分が自分と戦った日……終了。
銀様……出番少ない……
雪風………登場………
>>144 原作を知らなくても……楽しめる……作品は……いっぱいある……
月姫の話や……ライドウ……アヌビス……日和のヤツ……古畑……
AIR……ジョジョ……フルメタルパニック……
GS美神……戦闘妖精雪風……ケロロ軍曹……かまいたち……
アーマード・コア……蟲師……メタルギア……
そして……オリジナル……
ローゼンを知らなくても……楽しめる作品ばかり……
キャラクターの……性格……知ってれば……もっと……楽しめる。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 03:33:46.81 ID:zVhSf5PK0
オリ氏GJ!!
>>149 『そして、ソイツはただ黒い。顔も無くただ黒い。
さらに、いうなれば、ソイツは白い口でニヤリと笑っていた。 』
の部分アンリマユみたいだな
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 03:33:57.34 ID:LtVhlzXQ0
保守かしら
155 :
オリ:2006/04/07(金) 03:37:19.78 ID:OzAEZPTa0
>>146 >死ぬまでそう思ってた俺だけどさ
修正
>そう思いながら死ぬんだろうと思ってた俺だけどさ。
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 03:48:51.03 ID:BXqrXVv00
>>152 わざわざd
とりあえずまとめでジョジョを読んでみたが面白かったよ
157 :
オリ:2006/04/07(金) 03:57:50.94 ID:OzAEZPTa0
158 :
オリ:2006/04/07(金) 03:59:25.71 ID:OzAEZPTa0
159 :
86:2006/04/07(金) 04:03:00.55 ID:3C9PxByw0
#4
あくる朝、水銀燈は演劇部の部室から窓の外を見ていた。彼女は演劇部所属で1年D組の生徒である芹沢茜をミーディアムと
して得たものの、他の姉妹達がどこにいるのかが全く分からず退屈な日々を送っていた。
(はぁ、とりあえず糧を手に入れたけど、他の姉妹達はどこにいるのかしらぁ?このままだと退屈でしかたないわぁ。)
水銀燈がそう思っていると、ふと窓の外に自分が以前何度も見たことがあるようなものが映った。
(あら、あれは…深紅じゃないのぉ。私の近くにいたなんて、偶然ねぇ。それに、なんか隣に深紅にそっくりな人が
いるけど、あれは誰かしらぁ?ひょっとして、深紅の…)
水銀燈の予想は見事に当たっていた。彼女が演劇部の部室から見たそれはまさしく深紅そのもので、深紅の隣にいた
そっくりな人は、彼女のミーディアムであるベッキーだった。よりによってベッキーは、どういうわけか深紅と同じ服を
着ていて、さらには髪型まで深紅と同じにしていたので、なおさらそっくりに見えたのだった。
「全く、家来が主人と同じ格好をするなんて、何を考えているのかしら。」
「何だよー!私だって着たくて着たんじゃないんだぞ!文句ならお姉ちゃんに言えよ!」
「しかたないわね。さあ、早く行くわよ。」
ベッキーが深紅を家に連れて帰った日、ベッキーの姉は、深紅を見るや否や面白がって普通に家族の
一員として深紅に接し始めた。そして、ベッキーに深紅と同じ格好をさせたいと思ったのかこの日ベッ
キーに自分で作ったベッキーサイズの深紅の服を着せて、髪型まで深紅と同じにして登校させたのであった。
普通の人ならそんなこと即座に断るだろうけど、どういうわけかベッキーは姉には逆らえなかったので、しかた
なしに姉の要求を飲んで登校したというわけであった。
160 :
86:2006/04/07(金) 04:04:45.24 ID:3C9PxByw0
(うふふふ…なかなか面白いことになりそうねぇ。)
この光景を見ていた水銀燈は、傍に置いてあったカニパンとヤクルトで朝食を摂った。
当初、ここに住み着くことになって食料の心配が生じるかと思ったが、その心配はなかった。
芹沢をはじめとする演劇部の部員達が、物珍しさもあって、ただでさえ引っ込み思案な水銀燈に
いろいろと世話を焼いてくれて、そのお陰で水銀燈は食料にありつける他、寝る時のために毛布までもらったのだった。
そして、朝食を食べ終えた水銀燈はしばらくラジオを聞いた後、早速行動を開始した。
(さぁて、早速深紅のいるクラスにでも行ってみようかしらぁ。でも、その前に茜のいるクラスも見ておこうかしらぁ。)
そう思うと水銀燈は、芹沢のいる1年D組へ一直線に飛んでいった。彼女は一度、夜学校中を飛び回ったことがあるので、
どの教室がどこにあるかは一応網羅していた。時間は丁度2時間目が始まった頃であった。
そして水銀燈は、1年D組の教室の窓の所に来た。気持ちのいい風が吹いているためか、その教室の窓は全て開いていた。
(いったい茜はどこかしら…)
水銀燈が教室中を見回すと、ロボットの着ぐるみを着た生徒がいた。それはまぎれもなく芹沢に他ならなかった。
(授業中も着てるって言ってたけど、本当なのねぇ……って、あれは誰かしらぁ…。!)
水銀燈がそこに見たものは、何と自分の妹達である翠星石と蒼星石だったのだ。
(翠星石と蒼星石も、誰かに巻かれたようねぇ。まあ、ここにいるってことは、このクラスの誰かだと思うけど…)
水銀燈がそう思っていると、教壇に立って、黒板に何か書いていた先生と思われる人がいきなり叫んだ。
「くせものじゃーっ!みなの者、であえーっ!」
当然のことだが、先生がいきなりわけの分からないことを言ったので、生徒達は焦っていたようだった。
161 :
86:2006/04/07(金) 04:06:40.06 ID:3C9PxByw0
(あらあら、困った先生ねぇ。いきなりこんな…)
ここまで考えた時、水銀燈の所に何かが飛んできた。突然のことだったので防ぐ間もなく、
それは水銀燈の額に命中した。水銀燈はそれによって錯乱して気を失い、真っ逆さまに落ちていった……。
そして、だいたい2時間くらいたって、水銀燈はようやく意識を取り戻した。
(いったい何だったのよぉ、あれは…)
水銀燈は何かが命中した自分の額に指で触れた。そこには白い粉が少しだけついていた。(これって、チョークの粉よねぇ。ってことは…)
どうやらさっきの先生は、水銀燈の存在に気付いていきなりわけの分からないことを叫び、それから水銀燈めがけてチョークを投げたようであった。
(にしても、見ていたからってこの誇り高きローゼンメイデン第1ドールにこのような仕打ちをするなんて、あんまりだわぁ。)
と、その時だった。
ガサガサ!
(な、何なのよ今度は!)
後ろの方から何やら音がした。水銀燈がそこに行ってみると、そこにはウサギ小屋とニワトリ小屋があった。
しかし、ニワトリ小屋にはニワトリが一匹もおらず、ただニワトリの羽と骨と肉片があちこちに散らばっていただけだった。
(派手な荒らされ方ねぇ。まるで何かが食い荒らしたみたいだわぁ。)
そう思って水銀燈は、今度はウサギ小屋の方に目をやった。すると、そこにはとんでもないものがいた。
何と、1匹のヘビが今にも2匹のウサギに襲い掛かろうとしている所だった。そして、もうすでにヘビに食
べられてしまったのか、ウサギの死骸が1つあった。この様子を見た水銀燈は、即座にウサギ小屋の中に入り、
ヘビの後ろから羽を飛ばしてヘビをその場に取り押さえた。
(全く、誰かしらこんなの野放しにしたのは。あとちょっとでウサちゃんが全部食べられちゃうとこだったじゃないのぉ。)
そう思ってそのヘビを見ていると、授業の終わりのチャイムがなった。時計を見ると、丁度12時半。
(あら、もうこんな時間だわぁ。)
162 :
86:2006/04/07(金) 04:07:29.65 ID:3C9PxByw0
水銀燈は、昼食をとるために、演劇部の部室へと帰っていった。そして、その2、3分後のこと…
「どこ行っちゃったのかしら?私のスネークちゃん。」
「スネークって、ひょっとしてそれがマスターのヘビの名前ですか?」
「ええ、そうよ。」
「そのまんまじゃないですか…」
水銀燈がさっき捕らえたヘビは、南条のペットだった。昨日から行方が分からなくなり、それでもって彼女は蒼星石と一緒にそれを探していた。
「違うわよ。メ〇ルギアにスネークって人がいるでしょ?そこからとったのよ。」
「そうなんですか…」
「そんなことより今は、スネークちゃんを探すのよ。」
「わかりました。って、マスター、あれ!」
「あっ!」
南条と蒼星石が見たものは、ウサギに迫る直前でたくさんの黒い羽に拘束されたスネークの姿だった。
「スネークちゃ〜ん、無事だったのね〜。にしても、誰かしら、捕まえといてくれたのは?」
「間違いない。水銀燈だ。」
「え、水銀燈って、芹沢さんの…」
「はい。そうです。黒い羽が、それを示してます…。」
「そうなの…。じゃあ、蒼星石、彼女に会ったら私にかわってお礼言っといてくれないかしら?」
「わかりました。マスター。」
「それじゃあ、スネークちゃんも見つかったことだし、教室に戻りましょっか。」
「はい。そうしましょう。」
こうして、南条と蒼星石はスネークを連れて教室へと戻ったのだった。
163 :
86:2006/04/07(金) 04:09:00.68 ID:3C9PxByw0
今回はここまでです。なお、#4はまだ続きます。
俺の好きな縦ロールキター
南条ワッショイ南条ワッショイ
なじみのあるヤツは声が脳内再生されて仕方ないな。
165 :
オリ:2006/04/07(金) 05:28:49.74 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ・・・マスター
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 06:26:14.45 ID:UXz5RxB20
h
167 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/07(金) 06:37:02.68 ID:+kbpcgrP0
眼前の敵対者が全て消え去ると、水銀燈はふと我に返ってコクピットのコンソールに罵声を浴びせた。
「……って、何なのよこの状況はぁ!?説明しなさいよぉ、ADAぁ!」
『恐らく、私たちの敵がこの場所を探り当てたのでしょう。この際、貴方に巡り合えたのは幸運でした』
「冗談じゃあ無いわよぉ!!今すぐ下ろしなさぁい!私にこんな事している暇はこれっぽっちも……」
『ここカリストは少なくとも生身のヒトが生存できる環境ではありませんが、よろしいのですか?』
OUCH!そうだった。何か知らんが周囲は見渡す限り氷の山と雪の嵐であるコンチクショウ。
お前は大丈夫なのかという意味をこめてADAが聞き返す。皮肉は込められていないだろう、多分。
如何にドールである水銀燈とはいえ、こんなところでサバイバれる自信は、これっぽっちもありゃあしなかった。
「……カリストって一体何処なのよぉ?」
しばしの沈黙の後、忌々しげにADAに尋ね返す。聞いたことの無い地名である。
外界を確認する限り、そして先程のADAの言葉から、余程の辺境で目覚める事になったようだが、
一体どういう経緯を辿ってこんな所に辿り着いたのか、自分の人口精霊を小一時間ほど問い詰めたい心境ではあった。
『木星が持つ衛星のひとつです』
そんな水銀燈の思いをよそに、ADAはあっさりと答えてくれた。
こんな時ばかり無駄に機械的に、実にあっさりと答えてくれやがった。
「 」
予想の斜め上どころかアクロバティックに間違えた方向に突き進み勢い余って事象の地平へ突っ込んだ現実を理解すると、
水銀燈の魂は鏡も無いのにnのフィールドの向こうのお花畑にゼロシフトした。
…………。
……………………!?
………………………………♪
「――――――――じゃなくてぇ!!!!」
168 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/07(金) 06:37:50.09 ID:+kbpcgrP0
だが流石は我らが水銀燈。割とあっさり世知辛い現実という扉の鍵を蹴破ると、現世へと帰還した。
後で絶対に自分の人口精霊をシメる事を誓うと、重量感を持った溜息をついた。
「でぇ、私はこれからどうすればい…………!?」
ヤケクソ交じりの台詞は中断せざるをえなかった。眼前に新たな敵が出現したからである。
これまでの敵とは明らかに違う、サイズもジェフティと同格の、どこか女性的なフォルムを持つ機体であった。
「あーもう!イライラするわねぇ、さっさと消えなさぁい!!」
罵声と共に放たれた、必殺の意を込めた巨大な光球は、確かに標的を直撃した、が。
「!?」
それが水銀燈のストレスを僅かにでも発散させる役割を果たすことは無かった。
敵OFは自機後部のスカートを変形させ、柩のような形で自機を取り囲むと、強固な防御壁へ変え、光弾を弾いたのだ。
水銀燈は舌打ちし、それでも自制して気持ちを切り替えると、眼前の敵への対処に集中、次手の模索を開始した。
と、その時コクピットに電子音が鳴り響く。何事かと訝しがる水銀燈に、ADAは眼前の敵からの通信であると告げた。
通信を受諾すると、赤毛の若い女がスクリーンの端に映し出された。
『民間人にしてはなかなかやるじゃない、貴方いったい…………!?』
余裕に満ちた台詞はしかし途中で途切れた。
まぁ新鋭機を駆っているとはいえ、降下部隊を単独で、しかも圧倒的な強さで以って蹴散らしたのが、
ゴスロリファッションに身を包んだ人間と見紛うような精巧なアンティックドールだったのだ。
無理もないと水銀燈は判断した。が、相手の反応はもう少し性急だった。
『……っ!!』
即座に通信を切り自機を反転させると、上空へと飛び立っていく。
スピードはさほどでもない。追うかどうか僅かに思案すると、突如、大気が震えた。
レーダーに巨大な質量を確認し、スクリーンに目を移して、水銀燈は息を飲んだ。
169 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/07(金) 06:38:45.04 ID:+kbpcgrP0
それは巨大な戦艦だった。
島ほどの大きさを持つ戦艦が虚空に向かって飛び立っていく。先程のOFもあの戦艦に向かっているようだ。
水銀燈は戦艦を見たことが無い訳ではない。
経緯は忘れたが、nのフィールド内の無数の世界の中で、一度二度くらいはその姿を目にした事があったかもしれない。
だが水銀燈が知っている戦艦は海に浮かぶものであったし、間違っても空を飛んだりなどしないはずだった。
戦艦や飛行機はまだ許容範囲だった。初見ではその巨大さに面食らったのは確かだが、
それでも自分たちローゼンメイデンに比べれば遥かに劣る存在だと自信を持って言う事が出来た。
だがジェフティを始めとするOF、極めて高度な知能に加え感情まで持っている節がある人工知能ADA、そして空を飛ぶ巨大戦艦。
これらを目の当たりにして、水銀燈は徐々に、世界に、時代に取り残されていくような錯覚を覚えた。
と。
――ぞくり。
「――――!!」
感傷は中断された。
気配がある。
懐かしくも忌まわしい旧敵の気配。
「……真紅?そこにいるのぉ?」
視線の先で虚空を行く戦艦。
バーニアを吹かし、機体を浮上させる。
常に反目し、ついぞ分かり合うことは無かった。
出会えば戦うだけの関係だった。
「……っ」
それでも、会いたかった。
この寒すぎる世界で、鏡も無く、語り合う相手が訳分からん人工知能だけだなんて、寂し過ぎたから。
170 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/07(金) 06:48:53.26 ID:+kbpcgrP0
今回ここまでです。
次回ラスボス真紅登場……予定。
雪風は名前すら知らなかったんですけど、見た感じ意外に硬派っぽくて面白そうですね。
ラストシーン風味のもオリ氏のもGJでした。
171 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/07(金) 06:57:29.81 ID:+kbpcgrP0
人口精霊→人工精霊 OTL
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 07:54:10.18 ID:LtVhlzXQ0
出勤
173 :
オリ:2006/04/07(金) 08:20:27.39 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ……マスター……
>86氏
>ANUBIS氏
GJ
……雪風はまった……うふふ……ふふ……
174 :
オリ:2006/04/07(金) 08:46:06.26 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ……マイマスター
175 :
オリ:2006/04/07(金) 09:01:00.93 ID:OzAEZPTa0
保守ですよ……マイマスター……
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 09:17:57.73 ID:if7ExRMIO
保守かしら
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 09:39:58.20 ID:F22KKgqqO
178 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 09:50:02.34 ID:7/743TlY0
そろそろ5話うpできそうです
保守
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 09:55:31.36 ID:eS4IXecwO
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 09:57:27.72 ID:GttUizlU0
>>177 うん、俺もそう思ったwwwww
もともとVIPにたったスレだしな・・・
ただ他の住人の方はどう思うんだろ
>>178 wktk
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 10:17:38.96 ID:PP6CBSovO
スレ数も書き手も結構集まってくれたし、このままでいいと思う。
まとめもそれぞれにあるし、場所や住人の性質に差異のある所同士を無理やりくっつける理由も無いでしょ
と、SS書きでもないヤツが言ってみる
182 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:17:46.97 ID:7/743TlY0
>>180 実は俺以前はそのスレの住人だったんだけど、
今みたいな状態(AAだらけ)になっちゃったから行かなくなったという過去
なんか荒れてるみたいだし
そんなことよりも、続き投下します。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 10:18:13.80 ID:/M8rGHOV0
>>177 うーん・・・別にあっちはあっちでもいい気はする
ただあっちも良作品たくさんなのに見る人少ない気が・・・
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 10:22:35.03 ID:kUeMZfvR0
AAを嫌う理由がわからんが・・・
とにかく続きwktk
185 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:24:48.51 ID:7/743TlY0
刀崎から頼まれた護衛の仕事も終え、報酬金をもらうと、黄理は時南宗玄の元を尋ねた。
久々の護衛の任で肩を負傷したからだ。
(かすり傷とはいえ、相手の武器が火器の場合、流れ弾までは避けきれんか……)
暗殺ならばこんなヘマはしないが、今の黄理は暗殺者ではなく護衛――すなわちボディーガードである。
守るべき対象がいる・いないというだけでも、戦い方を大きく変えなければならないのだ。
しかも、敵は殺さずに生かして捕らえなければならないので、殺ししか知らない黄理には慣れぬ仕事ではあったが、それはそれで新鮮な気がした。
治療中、黄理は宗玄からこのような噂を聞いた。
―――ある混血の一族が七夜の里の襲撃を企てているという噂を………
第5話『襲撃』
「ほう。それはそれは……」
宗玄の話を聞いた黄理は、そう言って薄く笑った。
186 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:25:27.53 ID:7/743TlY0
「黄理よ、笑っとる場合ではないぞ。おぬしも七夜を率いる身なのだ、手を打つなら急いだほうが良いという訳じゃ。
ここまで来ておいて、今更七夜の血を絶やすような馬鹿げたことをすることなかろう?」
「なぁに。そんなもん暗殺から身を引いて組織を抜けた時点で覚悟していた。それが早かったか・遅かったかの違いだろ?」
「―――打つ手はあるのか?」
「さぁな。
――だが、逃げようが何しようが結局は襲われるんだ。それならテメエの庭で迎え撃つさ。それに………久しぶりの狩りだ」
「……暗殺を止めたのにそういうところは一向に変わらんな。」
そう言うと宗玄はフッと笑い、黄理の肩を治療していた手を止め、尋ねてみた。
「――時に黄理よ。おぬし……息子の為に仕事を辞めたのか」
「はっ。馬鹿いうな、止めたのは自分のためだ」
黄理は呆れたような顔をして答えた。
そして、彼は宗玄を横目に次のような言葉を続けた。
「―――志貴が俺とは違う道を歩めるかを見てみたかっただけだ」
「なるほどな……志貴のやつも幸せものだな」
宗玄はそう言いながらうんと頷き、黄理の肩をパンと思いっきり叩いた。
「いってえな! 何しやがる、このヤブ!」
「ふん……この様子なら、もう異常は無いだろうな。終わりだ」
「ああそうかい………じゃあな。縁があったらまた世話になる」
そう言うと黄理は立ち上がり、さっさとその場を後にした。
187 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:26:00.85 ID:7/743TlY0
「……今頃人間らしい感情を持ちよって」
自分以外の者が誰もいなくなった部屋で宗玄は呟いた。
「―――志貴が違う道を歩めるか見てみたかっただけ………か。
たわけめ。それが父性愛だということになぜ気づかんのだ。まぁ……あの馬鹿者が気づくわけないか」
――だが、何もかも全て遅い。
人としての幸福を手に入れられたことこそ、黄理にとっては最大の不幸なのだ。
(―――だが、そんなことはあやつが一番良くわかっていることだろうがな)
宗玄は空を見る。
―――雲ひとつない快晴。季節はもう冬本番だが、予報では当分晴れの日が続き、初春のような暖かさが続くという。
これなら近い日に満月の夜空の下で晩酒ができそうだ。
「今帰った」
夕方前、黄理は屋敷に帰ってきた。
「御館様、お帰りなさいまし」
「ああ」
出迎えた妻に一見すると黄理は当主の間に歩いていった。
188 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:26:49.89 ID:7/743TlY0
「…………」
「あっ。父さん、お帰りなさい」
「もう。遅いわよぉ」
―――当主の間の前で、志貴と水銀燈が正座して待っていた。
「―――なにやってんだ?」
「ちょっとキリに聞きたいことがあってね。ここで待ってたのよぉ」
「朝からか?」
呆れたように聞く黄理に対して、志貴たちは素直に首を縦に振った。
「やれやれ………とりあえず部屋に入りな」
黄理はそう言って当主の間の襖を開け、二人を部屋に招きいれた。
「―――で? 話ってのは?」
「うん。実はね……」
志貴たちは昨日のことを一通り黄理に話した。
―――nのフィールドのこと。
―――そこで青年時代の黄理の姿を見たこと。
―――その黄理の殺人技巧に思わず見とれてしまいそうになったこと。
―――とある部屋に入ろうとしたら、突然その世界が歪みだしたこと。
―――最後に見た、いくつもの不思議な映像のこと。
とにかく話せることは全て話した。
189 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:27:25.08 ID:7/743TlY0
「―――それで……その部屋には何があったのか聞きたくて俺を待っていたのか?」
「うん」
「ええ……なんだか、あの部屋には入ってはいけないって誰かが私たちを強引に止めたようにも私は感じたわぁ」
「教えて父さん。あの部屋には……何があったの?」
「…………」
―――少しばかり部屋が沈黙に支配される。
「―――そんなに聞きたいのか?」
真剣な顔で黄理が二人に尋ねる。
二人も真剣な顔をして、無言でうんと頷いた。
「そうか…………」
緊張という空気が部屋中に充満していく。
「…………………すまん。忘れちまった」
『――はぁ?』
黄理のその一言で緊張の空気に包まれていた空間が一気に吹き飛んだ。
「昔は殺しに関係のないものにはまったく興味なんてなかったからな。そんなもん忘れちまったよ」
ぶっきらぼうに黄理は笑う。
「な……なんだそれ?」
呆れたとばかりに、志貴と水銀燈の着流しが肩のところまでずるりとはだけた。
「聞こうとした私たちがバカだったわ………」
「まあ…そういうこった。忘れちまった以上しょうがねえだろ?」
こいつは傑作だとばかりに黄理は不器用に笑った。
190 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:28:05.01 ID:7/743TlY0
志貴と水銀燈が部屋からいなくなり、部屋にいるのは自分一人だけになったことを確認すると、黄理はゆっくりと口を開き呟いた。
「志貴……水銀燈………少なくともお前らは奴のことを知る必要はねえ……………
いずれ奴と戦うことになるのは……おそらく俺だけだ………………」
―――それから数日、里ではいつもどおりの毎日が続いた。
志貴たちに退魔の訓練をさせたり、志貴と水銀燈が里の子供と遊んだり(その際、林衛が真弓にぶっ飛ばされたり)、
食事中、志摩たちが水銀燈に箸の持ち方を教えたりと、
そんな一日が自動的に再生と巻き戻しをしてくれるビデオのごとく続いていた。
――――――そうしているうちに、ついに夜が訪れた。
その日の夜、黄理は当主の間にいた。
満月の月明かりで僅かに暗闇に光が入っている部屋で、とくにすることがなく黄理は座っていた。
そんな時だった。
191 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:28:49.28 ID:7/743TlY0
「御館様!」
部下の青年が勢い良く当主の間の襖を開けた。
声は少し慌てているようであった。
その声だけで黄理は確信した。
――――ついに来たか、と
「どうした?」
「遠見の者が下界二箇所にて武装集団を発見! 集団は里を目指し包囲陣を展開しているとの報告が……!!」
「―――すぐに里の者たちを屋敷に集めろ。大至急だ」
「はっ!」
青年は一礼した後、目視不可能な速さで部屋を後にした。
「さて………どこの酔狂だ? 自分から命を投げ出すような阿呆は………」
黄理は愉快そうに笑うとすっと立ち上がった。
黄理が屋敷を出たときには、既に屋敷の前には志摩、桜花、雪之をはじめとする七夜の大人たちが集まっていた。
「御館様!」
「――――志摩、大人たちは全員揃っているか?」
「ええ。既に……」
「黄理、敵襲だと聞いたが?」
「ああ。既に聞いているとは思うが、武装集団――おそらく混血の手の者だろう。そいつらが包囲陣を展開してこの里を目指して進んできている。
敵の数は現在調べてもらっている最中だが…………」
「御館様!!」
192 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:29:14.68 ID:7/743TlY0
先ほどの部下の青年が黄理の前に駆け出してきた。
「来たか………で? 敵の数は? どこの混血だ?」
「はっ! 数は少なくとも五十以上。全員火器で武装しているとのこと。そして、その首謀者は……遠野現当主、遠野槙久です!」
「――遠野だと? 間違いないのか?」
「はっ!」
―――遠野
刀崎の宗家で日本有数の混血の一族のひとつ。遥かな昔、元から“鬼”であるものと交わった者の末裔。
表では宗家・分家揃って資産家ゆえに『遠野グループ』という財閥めいた一大グループを成していると聞く。
「しかし、退魔とは折り合いをつけていた遠野が何故七夜を?」
桜花が一族を代表して皆が一番思っているであろう疑問を漏らした。
「なぁに…むこうさんにも事情ってもんがあるんだろうさ。混血ゆえのつまらん事情というものがな」
黄理が愉快そうに笑う。
「しかし……それほどの数の兵をこの里に送りこむとは…………」
「数からして……皆殺しって意気込みだろうな」
雪之と林衛の父で先代当主である七夜信也が口を開いた。
「御館様……組織に救援を要請しますか?」
「ばかいえ。こんな山奥だぞ。それに、この地を管轄している組織はとっくの昔に遠野槙久のやつが買収している。下準備の良い奴だぜ」
「なるほど。助けを求められる状況でも、もとより求めたところで来るものは無しと言う事か…………」
「そういうこった」
193 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:30:50.97 ID:7/743TlY0
「しかし………七夜が退魔を抜け早六年………いつか混血たちからツケを払わされるとは思っていたが、長かったようで短い時間だったね黄理君」
信也が落ち着いた表情で黄理に尋ねた。
「それはもとより覚悟していたことだ。いや、むしろ数日前から今か今かと待ち続けていたが………」
「既に混血の襲撃があることを知っていたのですか兄さんは!?」
「ああ。数日前に刀崎の仕事を終えた後、時南のジジイのところに顔を出したときに聞いた」
「まったく………なんでそのことを早く言わねえんだお前は?」
「さしずめ、子供たちのためを思ってのことだろう。
里中に話が知れ渡ったら子供たちが何と言い出すかわかったものじゃないからね。そうだろう黄理君?」
「―――話はここまでだ。戦える者はすぐに準備をしろ」
信也の問いには答えず黄理は里の者たちに指示を出した。
「御館様。まさか、打って出るおつもりなのですか?」
「当然だ。禍根は芽を出す前に処理しなければ眠りが浅くなるというもんだ。
それに組織の連中が静観をしてくれているなら好都合だろう。何人殺そうが事後処理は向こうがしてくれるんだからな」
「しかし黄理君。敵は混ざりモノじゃなくて普通の武装した傭兵たちだ。暗殺者としては襲撃者の方が上だと思うが?」
「確かに、流れ弾だけは防ぎようがない。ならば俺が先行して主だったものを潰しておく。先代と兄貴たちはおこぼれを潰しておいてくれ」
「ようするに残飯処理か。わかった、引き受けよう」
194 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:31:20.10 ID:7/743TlY0
「御館様」
「どうした?」
「子供たちはどうなさいましょう? ご命令ならば我らが命に代えてでも外へ………」
「やめとけ。里を出た瞬間蜂の巣にされるのがオチだ」
「ですが―――志貴は私たちの子です。それに水銀燈も…………」
「それなら寝かせておいてやれ。もしかしたら、それが最も生き残れる方法かもしれないからな」
そう言うと黄理はその場を後にした。
先行して敵を討つため、黄理は森を駆ける。
敵の進行ルートなど知る必要はない。幼いころより育った庭同然の七夜の森。
その森の木々一本一本の位置すら記憶している彼には、敵が目指している場所さえわかれば後は事足りる。
(しかし、何と莫迦な連中だ。どうせ金をかけるならば、ヘリでも使って上空から奇襲すれば良いものを………)
だが、おかげで久々に自分なりの殺しができる。そのことは連中には感謝したかった。
そう考えるだけで、黄理の口元は歪む。
(久々の狩りだ――存分にやらせてもらう)
(―――しかし、罠と罠で埋め尽くされたこの森で、連中は隠密行動が取れるとでも思っているだろうかのか?)
黄理がそう思考した瞬間……
いくつもの銃声と快音、そして悲鳴が黄理の耳に入った。
「―――――」
すぐさま黄理は音のした方向へ駆ける。
195 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:31:46.59 ID:7/743TlY0
黄理が行くと、そこには敵の死体があちこちに転がっていた。
大半のものが罠でやられている。
大木に押し潰されたもの、串刺しになっているもの、首から上がなくなっているもの等さまざまな死体があった。
中には味方に射殺されているものもあった。
おそらく、罠を『姿の見えぬ敵』と勘違いして錯乱した者が銃を発砲し、それが当たってしまったのだろう。
「―――――」
散り散りになりながら慌てて撤退していく敵の足音と声が聞こえる。
数からしてその人数は十余名。
一分もしないうちに片付けられるなと黄理は思った。
そして、黄理はすぐさま行動を開始した。
ゴギャ!
「―――が」
まずは一人、一番先頭を歩いていた奴の前に目視不可能な速さで回りこみ正面から首を粉砕した。
すぐさま首を粉砕された男はその場に崩れ落ちる。
「てっ……敵襲!!」
そう叫んだ男も次の瞬間には首を粉砕され絶命した。
その男の最後の一声を聞いた者たちは、すぐさま銃を構えようとしたが、それは既に遅かった。
気づいたときには彼らは皆首の骨を粉々に砕かれて死んでいたのだから。
―――おそらく殺された者たちはそれを悪い夢だと思ったであろうが、それは夢でもなんでもなく、れっきとした現実だ。
現実ほど残酷なものはこの世界には存在しないのである。
196 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:32:29.99 ID:7/743TlY0
(―――さて、これでこっちの連中は片付いたな。
あとは……もう一方の連中を狩りに行くか、それとも下に本陣を張っているであろう敵の首謀者、遠野槙久を討つかだが………)
自分の役目を一段落終えると、黄理は次に自分はどうのような行動をしようかと考えた。
――おそらく、もう一方の敵は既に四方に展開して里を目指しているだろう。それをひとつひとつ潰すのはさすがに面倒だ。
それに、むこうには信也、桜花たちがいる以上、まず苦戦するなんてことはないだろう。
それなら首謀者を潰して敵の指揮系統を崩壊させたほうが手っ取り早いと判断し、黄理が前進しようとした瞬間………
「―――――!?」
朱色の靄が黄理の視界に映った。
―――――ふと、目が覚めた。
暗い夜。
寒々とした部屋。
特に眠くなかったので、なんとなく庭へ出た。
庭は広くて、深い深い森が押し寄せてきていて、
黒い木々は大きなカーテンのよう。
197 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:33:03.60 ID:7/743TlY0
まるで開演前の劇場。
遠くでいろんな音がしてる。
―――――幕はまだ開かない。
我慢できずに森に入った。
前に説明したが、黄理の淨眼は『人の思念を靄のように視る』ことができるものだ。
思念は波であり、大抵は濁った透明色をしている。それが朱色だ。
黄理は以前――といっても最近ではなく、志貴が生まれるよりも昔、彼は同じ色の思念を視たことがあった。
朱色の波が流れている方向へ目を向ける。
―――来る
――――間違いなく近づいてくる!
―――――いや………もう、すぐそこにいる!!
198 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:34:20.19 ID:7/743TlY0
黄理の鼓動が大きく脈打つ。
――――――そして、ついにそいつは姿を現した。
「――――――――」
そいつの姿を見た途端、黄理の顔は凍りついた。
――――独眼の年若い青年
銃も武器も何ひとつ持たず、青年はゆっくりと黄理の前に姿を現した。
さらに黄理の鼓動が大きく脈打った。
すぐさま黄理はその場から目視不可能な速さで退避する。
そして青年の周りに仕掛けていた罠を一斉に発動した。
地響きと巨大な崩壊音が森に響き、すぐさまそこは瓦礫の山と化した。
しかし、本来ならそんなことする必要はまったくなかった。
飛来してきた刃物も、突き出された槍も、倒壊していく樹木もそいつには一切傷を与えられない。
そんなことは黄理が一番良くわかっていたのだから…………
199 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:35:04.68 ID:7/743TlY0
「―――七夜黄理か?」
瓦礫の山から傷ひとつなく悠然と現れた青年―――軋間紅摩は黄理に問いた。
森の中はただ、寒い。
ツメタイクウキがからだをつつむ。
アタタカイヒカリは届かない。
木々のヴェールを抜けた後、視界が開けた。
森の広場には、みんな揃って待っていた。
―――広場にやって来たのは水銀燈だった。
「―――水銀燈!?」
水銀燈の姿に最初に気づいた桜花が水銀燈に近づいた。
「なんでこんなところに……いったいどうしたんだ?」
「ん〜? オウカたちこそどうしたのよぉ、こんな夜中に?」
その時、水銀燈の目にあるものが映った。
200 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:35:33.77 ID:7/743TlY0
それは武装した見知らぬ男たちの無残な姿だった。
「……これはいったいどうしたのぉ?」
「遠野の連中だ。あいつらが七夜の里に襲撃を仕掛けてきたんだ。
今、もう一方の敵を黄理が一人で潰しに行ってくれている。まあ黄理のことだ、今頃は敵の本陣に斬りこんでるころだろうな」
「トオノ?」
「日本有数の混血の一族だ。連中退魔には協力的なくせに、どうゆう理由か知らないが俺たちを皆殺しにしようとしてるみてえだ!」
「皆殺し!?」
「ああ」
『皆殺し』という言葉が、水銀燈は信じられなかった。
(――――殺す? 七夜の里の人々を? 一人残らず? 子供たちも? そしてなにより……………シキやキリたちも?)
水銀燈の頭の中を銃で次々と撃ち殺されていく志貴や黄理、七夜の里の人々の姿がよぎった。
―――そんなのは嫌だ!
せっかく自分のいるべき場所が見つかったのに、ソレを奪われるなんて嫌だ!
友達を失うのはイヤだ!
そしてなにより、家族を失うのはイヤダ!!
イヤダ!! イヤダ!! イヤダ!! イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ…………!!
「―――! 水銀燈!!」
「――っ!?」
桜花が水銀燈の腕をぐいっと引っ張った。
水銀燈と桜花がいた場所に数発の銃弾が飛んできた。
201 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:36:00.52 ID:7/743TlY0
「呆けてんじゃねえ! 狙われるぞ!」
「ご…ごめんなさい」
「――ちっ、連中もう次が来やがったか! 水銀燈、怪我はないな?」
「え…ええ」
「それならお前は隠れてろ。どこか安全なところにな」
「………ねえ。聞いていい?」
「なんだ?」
「キリもオウカたちも、なんで私をここまで…………」
「簡単だな、そんなこと」
へっと笑い、桜花は答える。
「お前は黄理たちに大切に思われてるからな。だからお前は俺たちの子と同じなんだよ。たとえ人間でなくても、不完全な存在でもな」
「………………」
水銀燈は思った。
この地で――七夜の里で目覚めることができて本当によかったと。
彼らに出会えて本当によかったと。
――そして、水銀燈は決意した。
「―――さて。俺も連中を始末しなきゃいけねえ。水銀燈はここにいろ」
「…………いいえ。私も戦うわ」
「水銀燈?」
次の瞬間、水銀燈の背中には黒い翼が展開された。
そして、七夜の人間にも引けを取らない速さで森の中へ飛んでいった。
202 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:37:04.28 ID:7/743TlY0
「――あれは!?」
「…………水銀燈?」
突然自分たちの前をもの凄い速さで飛んでいく水銀燈を見て、七夜の者たちはあっけに取られた。
そして、敵も己が目を疑った。
背中に黒い翼をもった少女が自分たちの方へ凄い速さで飛んでくるのだから。
「な…なんだあれは!?」
「連中には人外のバケモノもいるのか!?」
「とっ…とにかく撃て! 撃ちまくれー!!」
敵の銃があちこちで乱射される。
しかし、それを水銀燈はいとも簡単にかわしていく。
「失礼しちゃうわぁ、誰がバケモノよぉ」
そして、さりげなく敵が言ったことにぶーぶーと不満を漏らしたりする。
水銀燈は敵の後ろに回りこむと翼を広げ、無数の羽根を敵に放った。
羽は一つもはずれることなく、次々と敵の身体に突き刺さった。
「おばかさぁん。私の大事な人たちに……家族に手を出したことを地獄の底で反省さい」
次の瞬間、敵は皆羽から発生した蒼い炎に包まれ、悲鳴すら上げる暇なく消し炭と化した。
「ふぅ……ここにはもう敵はいないようね…………」
水銀燈は周りを見回したが、そこには自分と今自分が殺した連中の焼死体しかなかった。
203 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:37:31.11 ID:7/743TlY0
「す…水銀燈?」
桜花たちがゆっくりと水銀燈のもとにやってきた。
「皆安心して、もうこの付近に敵はいないわぁ」
水銀燈はにっこりと笑ってそう言った。
「そ…そうか。それにしても驚いたぞ」
「確かに。そんな能力もあるんだったら最初から言ってほしかったよ」
信也が苦笑いしながら言った。
「だが、おかげで助かった。ありがとう」
「そ…そんな。いいわよぉお礼なんて………家族なんだからぁ」
照れたのか、水銀燈は頬を赤くしながら答えた。
「違いない」
桜花たちは、はははと声を出して笑った。
「よし。じゃあ後は僕と桜花君を中心に現れた敵を各個撃破していく。水銀燈。君は空から遊撃に出てくれないか?」
「わかったわぁ。じゃあまた後で…………」
水銀燈がそう言って翼を広げようとしたその時であった。
ズドーン!!
「うおっ!?」
「きゃあ!!」
「なんだ!?」
突然、巨大な音と地響きが森中に響いた。
204 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:38:09.79 ID:7/743TlY0
「今のは………?」
「黄理か?」
「そうとうな数の罠を発動させたみたいだな。何かあったのか?」
「―――っ!!」
水銀燈はすぐさま翼を広げ、音のした方へ飛んでいった。
「水銀燈!?」
「私が見てくるわ! だから、そっちはおねがいね!」
「わかった。気をつけろよ!」
「そっちもね!」
(まさかとは思うけど………)
水銀燈の中で何か嫌な予感がした。
自分を負かしたあの黄理が、そう簡単に先ほどのような連中に殺されるようなことはないだろうとは思う。
それなのに……嫌な予感がしてならなかった。
万に一つの可能性というのもある。
それに―――水銀燈は引っかかることがひとつあった。
205 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:38:48.78 ID:7/743TlY0
「―――しかし、なんか引っかかるな」
水銀燈を見送ったところで、信也が呟いた。
「どうしたんです先代?」
「―――現代の科学力では、金さえあれば人を空に飛ばすことくらいたやすい。
それに今回の相手はあの遠野だ。兵士全員を上空に飛ばすためのヘリや飛行機の金ぐらいは軽くあると思うんだが……
それなのに連中は上空からの奇襲ではなく、下から堂々と攻めてきている。
―――もしかして、敵は何か隠しているんじゃないか?」
「何か?」
「そう。たとえば―――七夜すらそれひとつあれば軽く殲滅できる“何か”を連中は隠し持っているとか………」
「…………」
「…………」
「や…やだなぁ。変なこと言わないでくださいよ」
その場にいた青年のひとりが口を開いた。
「あ…ああ、すまない」
―――だが、もし本当にソレが存在していたら………
七夜の者たちの間に不穏な空気が漂った。
――――だが、そのとき信也が言ったことは間違いではなかったと、彼らは近い後に気づくのである。
206 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:39:47.15 ID:7/743TlY0
―――――ふと、目が覚めた。
暗い夜。
まわりには誰もいない。
寒々とした部屋。
一人きりはこわいから、みんなに会いたくて庭へ出ようとした。
―――そんなとき、僕の目の前を光が横切った。
きれいな光だ。
光の色は蛍に似ているように見えるけど、蛍とはまた違う、暖かい色をした光だ。
まるで妖精みたいだと思った。
遠くでいろんな音がしてる。
―――あっ。
さっきの光が森の中に入っていく。
その後を追うように、僕は森に入っていった。
〜第5話・了〜
207 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 10:41:35.06 ID:7/743TlY0
というわけで第5話でした。
(なんか中途半端に終わったようなきもしますが・・・w)
ちなみに、わかっていると思いますが
最後に出てきた光の正体はもちろんアレですww
なんか最近調子がいいんでSSもスムーズに書いてます。
上手くいけば今日中に6話も投下できそうですw
208 :
オリ:2006/04/07(金) 10:48:42.48 ID:OzAEZPTa0
>>207 GJ……
雪風とACに感化され……またDay’s執筆中……
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 10:52:19.83 ID:phQNVyis0
>>207 GJ!
>>208 ワクテカしながら待ってますwwwwww
さてロボコップ書かないと・・・
210 :
ライ銀作者:2006/04/07(金) 10:52:52.29 ID:+KiXVsME0
>>207 GJ!
なんというかホント月姫の世界観はとんでもないなぁw
定期券買いに行っている間にこんなにも作品が投下されているなんてw
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 11:08:35.23 ID:mtEaY5MJ0
>207
GJ
続きがとても気になります
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 11:20:32.73 ID:if7ExRMIO
ごめんな。俺はAA貼るけど。
時々、潤いのようなモノが欲しくなるんよ。
連発で容量圧迫、本末転倒にはならぬよう気にはしてます。
213 :
オリ:2006/04/07(金) 11:45:17.95 ID:OzAEZPTa0
The Machine Battle Day
水銀燈は、モノアイから見える画像とその横にあるレーダーを確認しながら機械兵装を進める。
敵はどこだ? 自分のレーダーには、敵の姿は無いが敵が其処に居るとは知っている。
ここのフィールドの何処かに居ると「知っている」
ブースターを吹かしその緑色の空を飛びまわる水銀燈の機械兵装。
相変わらずレーダーには、敵の姿は映らない。
モノアイからの画像を見ても敵影は確認できない。
ヘッドパーツを、動かし左右上下を瞬時に確認するがやはり敵影は無い。
水銀燈は、自分がローゼンメイデンという人形で在るのにもかかわらずその額には、汗をかいている様に思えた。
渇くはずの無い喉が、渇ききって痛い。唾などないのだが、つい飲む動作をしてしまう。
どこだ? 敵は? 私が倒すべき敵はどこに居る?
焦りだけが募る。こう言う時こそ冷静にならなければと、ため息を一つつき気持ちを落ち着かせる。
それと同時に、コクピット内に騒音に近い電子音が鳴り響く。
レーダーには、自分を中心として右から三つの影が映る。その接近速度は、速くあと14.7秒で直撃する。
水銀燈は、すぐに回避行動に移る。三つの影は、ミサイル。しかもタチの悪いホーミングミサイルだ。
水銀燈は歯をかみ締めて急旋回させ、ブースターを切り機械兵装の重さで自然に落ちていくのを利用して、ホーミングミサイルの撹乱を行う。
落下によるGが、水銀燈を襲うがそれは歯をかみ締めて堪えると同時に、地上すれすれの所でフルブーストし低空飛行を行う。
ホーミングミサイルは、そのまま地面に激突し爆発を起こす。
それと同時に第二波が、水銀燈の機械兵装を襲う。その数七……先ほどの数より2.5倍の数。
水銀燈は、歯をかみ鳴らした。
214 :
オリ:2006/04/07(金) 11:45:55.67 ID:OzAEZPTa0
一度ブースターを切り、地上に着陸しすぐに右にブーストし横滑りさせ、ホーミングミサイルを回避する。
ホーミングミサイルを撃ちはなった敵は、水銀燈の機械兵装のレーダーとモノアイが捕らえていた。
敵は、漆黒色の機械兵装で、右肩には多弾装ミサイルランチャーを装備し、左肩にはレーダー機能拡張する為のパーツが装着してある。
どうりで、私の機械兵装のレーダーに映らないわけだと、水銀燈は一人つぶやいた。
しかし、発見・確認してしまえばこちらも負けない。
左肩に装備してある単発式ミサイルのロックで敵影を捕らえると同時にミサイルを撃ち放つ。
単発式だが、特殊系に所属するミサイルで一発の威力は低いが高いステルス性と追尾性が付いているミサイルだ。
敵は、それに気が付くと緊急回避をし此方の方へブースターを吹かし近づいてくるが……水銀燈は、遅い! と、すでに
ミサイルの発射と同時にフルブーストで、接近していた。
そして、左腕に装着している高出力レーザーブレードで斬りかかった。
しかし、そのレーザーブレードは敵のレーザーブレードにより斬り返される。
チッと、水銀燈は舌打ちする。
すぐさま右手に装備している、ショットガン系で一番威力がある……その代わり射程距離は重火器系列で一番短い……
それのトリガーを引く。馬鹿でかい発砲音と共に敵に当たる。
敵は、よろけるがすぐさま体制を立て直し、二足歩行で最も最速であるタイプにより高速で水銀燈の機械兵装の右へと回り込む。
そして、先ほどのショットガンのお返しとばかりに右手に装備してあったエネルギータイプのマシンガンをぶちかます。
数十発ほど水銀燈の機械兵装は食らってしまうが、ブースターを吹かし空へと飛ぶ。
そして、左肩に装備してあった多弾装ミサイルポッドで敵をロックし撃ち放つ。
ボンッと、一つの発射音と共に一つのミサイルが発射されるが、そのミサイルはさらに爆発し、無数のマイクロミサイルとなり敵に襲い掛かる。
敵影に、数発ほど直撃するが殆どのマイクロミサイルは敵のブースターの横滑りによる回避により無駄におわる。
水銀燈と敵の機械兵装は、高速戦闘により戦い続ける。
215 :
オリ:2006/04/07(金) 11:46:14.65 ID:OzAEZPTa0
敵は、空を高速で移動する水銀燈の機械兵装を見上げると同時にエネルギータイプのマシンガンを無造作に撃つ。撃つ撃つ。
しかし、それは総て回避され、水銀燈の接近を許してしまうが、それが敵の作戦だった。
水銀燈の機械兵装が、接近しショットガンを撃ち放ちその後でレーザーブレードで斬り付ける作戦だったのだろうが……
ショットガンを撃つその瞬間。敵のレーザーブレードが、ショットガンを装備した右腕を斬り飛ばした。
それと同時に、右肩に装備していた単発式ミサイルも吹き飛ぶ。
これで、私の残りの武器は、左腕に装備してあるレーザーブレードと同じく左肩の多弾装ミサイルポッドのみか……と、舌打ちした。
しかし、ただ右腕を斬り飛ばされるだけで黙っている水銀燈ではない……
斬り飛ばされた刹那。水銀燈の機械兵装も敵の左腕を斬り飛ばしていた。
これで、相手も右腕のレーザーブレードと多弾装ミサイルランチャーのみ……戦いはこれからだと、水銀燈はモノアイから見える敵を睨む。
多分敵も、私をモノアイから睨んで……は、居ないだろうが見ている事だろうと敵の事を思った。
すぐさま、水銀燈と敵は距離を取りお互いミサイル戦に移り変わる。
ミサイルの嵐。嵐。嵐。
ミサイルの推進により、白煙が空を地上を埋め尽くす。
緑色の空に描かれるミサイルの絵。地上に咲く爆発の花。
数分後、多弾装ミサイルポッドをモニターしていたウィンドウから弾切れのメッセージが出る。
これで、遠距離戦も終わりね。と、敵のミサイルを回避しながらそう思う。
どうやら、敵も先ほどのミサイルで打ち止めらしく、ミサイルが飛んで来る事は無かった。
そして、二機はフルバーストによる超高速移動により接近戦に移る。
216 :
オリ:2006/04/07(金) 11:46:34.74 ID:OzAEZPTa0
レーザーブレードとレーザーブレードがぶつかり合い、火花を散らす。
空で、地上で火花が無数に散る。フルバーストによりブーストが一時的に切れると
二機は、そのレッグパーツでの高速戦闘へとなる。どちらも二足歩行でで最も移動速度の早いタイプでどちらも速度は同じだった。
こうなれば、もう機械兵装の操作テクニックが勝負になる。
レーザーブレード同士が、ぶつかり合う事数十回。ブーストが回復し、また二機は超高速戦闘へと移る。
そして数分後、装甲値が危険だと電子音を鳴らし知らせる。
それは、相手も同じだ。と、水銀燈は、敵から距離を取りその場で立ち止まる。
それに呼応してか、敵も追撃してくること無くその場に立ち止まった。
そう……この一撃で決めると言う合図。
しばしの間、アレほどまでに喧騒に巻かれた戦場は静かな戦場になった。
水銀燈は、コクピット内に響く危険を知らせる電子音が煩いと考えながら
その手は、操縦桿を力強く握っている。それは、相手も同じ……
そして……両者フルバーストし、超高速でお互いに接近する。
しかし、勝負はあっさりと終わってしまった。
それは、水銀燈が望むような終わり方ではなく……
敵の「ミサイル」によってだった……
接近し、お互いのレーザーブレードがお互いの機体を斬ると思った瞬間。
敵の多弾装ミサイルランチャーが火を噴いた。
そして、回避する間もなくミサイルは水銀燈の機械兵装に直撃した。
くそ、してやられた。と、水銀燈は真っ暗になったコクピット内で、そう愚痴をもらした。
217 :
オリ:2006/04/07(金) 11:47:15.58 ID:OzAEZPTa0
「はい、俺の勝ち」
「ずるわよぅ〜なぁんであそこでミサイルなのよぉ〜」
「策略ですよさ・く・りゃ・く」
水銀燈は、自分のマスターの言葉に語尾にハートでも付いてるんじゃない? と、思いながら苦笑した。
実はこれ、バーチャリアリティーで自分でカスタマイズした機械兵装……通称MS(モビルスーツじゃないぞ?)
で、戦えると言うモノで、今まさに水銀燈とそのマスターが、戦闘していたと言う訳だ。
「ん〜勝利のヤクルトー」
「あぁぁぁ!! 私のぉ!!」
「銀様が賭けた事でしょ? 銀様が勝ったらヤクルトを飲む。負けたら俺が飲む」
「うぐぅ……」
銀さまは、俺がヤクルトを飲む姿を見て悔しそうな顔をしていた。
ふと、目線をソファーの方に移すと、蒼ちゃんがMSのコントローラーとヘルメットを見てやりたそうな顔をしているし
さらにその隣に居た雪風が、もうすでにヘルメットをかぶり対戦者求む状態だった。
俺は、蒼ちゃんの方に近づきヘルメットをかぶせる。コントローラーの使い方はどうせ説明書をじっくり読んでたから分かるだろうと考えた。
そして、セット。
テレビ画面に、二人のMSの状況が見える。どうやら、カスタマイズしている様だ。
218 :
オリ:2006/04/07(金) 11:48:05.90 ID:OzAEZPTa0
ちなみに、つないであるテレビ画面には、二人のカスタマイズが見えるが、二人には見えては居ない。
これもMSが人気になる事を助けているんだと思う。
まぁ凄いのは、そのリアリティーだけどな。実際Gなんて感じないはずなのに感じてるんだし……
本当、ハイテクノロジーだ事と俺はそう思った。
「ヤクールートー!!!」
銀さまが、ちょっと涙目になりながら俺を上目遣いに見ている。
俺は、悪戯を思いつきリビングを一回銀様に気取られない様に見渡す。
リビングには、ソファーに座る蒼ちゃんと雪風。他には誰も居ない。ちなみに、ヘルメットの中から外は見えない。
俺は、いっきにヤクルトを口に含む。
それを見ていた銀様は、絶望したような表情をするが……
すぐに驚きの表情になった。
俺の思いついた悪戯は……口移しでヤクルトを銀様に飲ませること。
「っ?! な?! にゃにょ!?」
ゴクンッとヤクルトを飲み干した銀様は、耳まで真っ赤にしてパニックになる。
俺は、そんな銀様を見て耳元で「俺のファーストキッス」と、多分漫画にしたらハートマーク乱舞間違えなしの口調でそう言った。
銀様は耳まで真っ赤にしながらか細い声で
「馬鹿」
と俺に言った。
219 :
オリ:2006/04/07(金) 11:49:24.67 ID:OzAEZPTa0
The Machine Battle Day ……終了。
戦闘モノは……苦手と……気づく……
220 :
ライ銀作者:2006/04/07(金) 11:50:47.33 ID:+KiXVsME0
>>219 gj! なんかそのゲームやりてぇえww
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 12:12:55.56 ID:mtEaY5MJ0
あっ投稿あるなwww
急いで昼飯買って来て読もう
保守
222 :
オリ:2006/04/07(金) 12:17:01.03 ID:OzAEZPTa0
ANUBIS……
公式みて……
……あ、前作もってるよ……私……と、気が付く……
でもPS2ない……
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 12:20:30.80 ID:RRgT5noW0
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 12:34:24.84 ID:AxJyXKax0
いつの間にか書き手が増えてるな
何はともあれGJ!
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 12:44:27.11 ID:mtEaY5MJ0
>>219 GJ
耳まだ真っ赤の銀様 (*´д`*)ハァハァ
226 :
オリ:2006/04/07(金) 12:54:18.05 ID:OzAEZPTa0
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 13:33:43.45 ID:if7ExRMIO
賑々しくなってきました。
228 :
ライ銀作者:2006/04/07(金) 13:39:27.35 ID:+KiXVsME0
>>226 元気がなさそうなのでライドウからプレゼントがあるようです
(cレ ´∀`レつ【牛黄丹】
ゴウト「効き目はすごいが下の方の効き目まですごくなるぞ」
(cレ ´∀`レ フォーフォーフォー
229 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/07(金) 13:58:38.17 ID:HzkgY59lO
保守
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 14:04:22.89 ID:mtEaY5MJ0
|∀・)・・・・・ ねむい
仕事が・・・・・・・・・zzzzzzzzzzzzzzzzzzz
231 :
◆GinkoRb4Zg :2006/04/07(金) 14:26:43.21 ID:qtEgGHyg0
保守かしら。
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 14:53:02.65 ID:+kbpcgrP0
保守
233 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 14:55:15.98 ID:7/743TlY0
>>231 久々に◆GinkoRb4Zg氏の名を見た気がする!
こんにちは◆GinkoRb4Zgさん!!
保守
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 15:00:09.25 ID:RRgT5noW0
戦闘妖精雪風とローゼンメイデンとエヴァンゲリオン(途中)を
良く炒めたあと、妄想で煮込んだらこんな物が出来ましたよ、みたいな保守。
てか、もはやローゼンメイデンが人形ですらないし。
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 15:01:33.07 ID:RRgT5noW0
【Fake YUKIKAZE】
黒い翼をもつ複座の戦闘機が単機、高高度を超音速で飛行していた。
眼下には何処迄も蒼い海が広がっている。水平線は丸く、雲がまるで綿飴の様だった。
この高度まで上昇すると、昼間でも星が見える。
黒い空と蒼い海のコントラストは美しく、この下で
敵戦闘機械群との血みどろの死闘が繰り広げられているとは信じられない位だった。
突如、警告。
基地への通信装置を起動しようとしていたいた彼は、
脳に直接流れ込んでくるALISの意識に、戦闘機乗りの本能を即座に覚醒させた。
アリス。
――空中情報共有装置の名の下開発された国防軍の切り札、
意識を持つ統括的な航空機搭載戦闘”装置”。
従来の兵器と決定的に違う所は、コンピューターや操縦者と意識を直接リンクできる所、
そして何より人間を素体としている所だった。
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 15:03:23.84 ID:RRgT5noW0
『右前方より不明機2、距離250。IFF応答なし、味方帰投進路に該当無し。
速度0.95、戦闘機動。敵機と判定。殺りますか/殺りませんか』
「了解。交戦する。武装選択中距離ミサイル4、誘導モード、ALIS。
ロックオン出来次第攻撃せよ。」
『モードアリス、アイ、マスター。ロックオン。FOX2。』
”アリス”はそう宣言すると、4発の中距離空対空ミサイルを放った。
ロケットモーターの尾を曳いたミサイルは、たちまちのうちに小さくなる。
レーダー上の敵機がそのミサイルに迎撃ミサイルを放ち、即座に退避行動に移った。
『敵機、ミサイル迎撃ミサイル発射。退避行動へ。』
発射した中距離ミサイルの内、一発は目標の放った迎撃ミサイルに撃墜されたが、
残りの三発は狙い違わず目標に突っ込み、敵機は一瞬の内に爆散した。
『中距離ミサイル、命中3、被撃墜1。目標全機撃墜を確認。マイク、アルファ。』
「了解、ALIS武装誘導モードを解除、受動手段による全周索敵ヘ移行せよ。
これより帰投する。」
『アイ、マスター』
彼は後部座席のナビゲーター、”アリス”に帰投を宣言すると操縦桿を軽く倒す。
黒い翼が、蒼天に鮮やかなベイパーをえがいた。
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 15:05:10.14 ID:RRgT5noW0
『ユキカゼ』
幾多の戦闘を経て、彼はただの一度も撃墜された事がなかった。
ただ、まるで彼の身替わりと成る様に、彼が所属したり、随伴した部隊には、
決まって高い損害がでるのだった。
だが、味方にどれほどの損害がでようと、
――たとえ部隊が壊滅しようとも、――彼は還って来た。
練度は高い。頭もわるくない。危機判断にもミスはない。
撃墜数も群を抜いている。エースにありがちな傲慢さも、独断専行の嫌いもなかった。
普通はそんな味方がいる事は、部隊にとって頼もしい事に違いなかった。
だが、僚機や、他の仲間達は「奴は死神だ」といって恐れ、忌み嫌った。
「奴は何かに魅入られている。見ろよ、あの目を」、と。
飽く迄冷静、何処迄も冷徹――そんな性格も災いしたのかもしれない、
基地内でも仲間達は彼を敬遠し、近付く者は稀だった。
タックネームは”ユキカゼ”。
帝国海軍に所属し、幾多の激戦をへて撃沈される事なく生き延びた駆逐艦の名前。
其の名前は、正に彼の呪われた運命に相応しい物だったのかもしれない。
以上終了。
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 15:37:26.23 ID:+kbpcgrP0
h保守
239 :
◆GinkoRb4Zg :2006/04/07(金) 16:05:28.60 ID:qtEgGHyg0
保守はたまにしてますよッシュ。
ageかsageか…
それが問題だ…
Hosyu
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 16:37:53.56 ID:zVhSf5PK0
h
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 16:38:15.74 ID:if7ExRMIO
ホッシュホッシュ
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 16:39:01.43 ID:mtEaY5MJ0
>235-236
何かおもしろかったす 保守
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 16:48:33.32 ID:eS4IXecwO
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 17:17:17.05 ID:Kvh04tsD0
保守 んでGJ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 17:39:48.68 ID:mtEaY5MJ0
hosyu
247 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 17:47:30.46 ID:7/743TlY0
保守
248 :
ライ銀作者:2006/04/07(金) 17:50:46.69 ID:+KiXVsME0
ライドウで百鬼夜行イベントをしたせいか
肩が謎の肩こりに
でも寝て運動してピルクル飲んだらマシになったw
保守
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 17:51:56.02 ID:+exS66hC0
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 18:10:54.08 ID:mtEaY5MJ0
h
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 18:21:04.16 ID:if7ExRMIO
保守ますか?保守ませんか?
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 18:36:45.00 ID:mtEaY5MJ0
h
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 18:36:48.58 ID:r9zPyW/T0
しません
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 18:51:47.59 ID:mtEaY5MJ0
保守
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 19:12:14.59 ID:mtEaY5MJ0
h
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 19:20:16.09 ID:RRgT5noW0
この頃エア銀さんがいないですね、と保守
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 19:40:58.29 ID:5mobD4ol0
258 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 19:41:16.12 ID:7/743TlY0
>>256 きっと感動のクライマックスを考えてるんだお、と保守
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 19:56:20.97 ID:c8RW09IZ0
h
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 20:12:36.05 ID:3a9mfXso0
先刻帰宅、本日分読了しました。書き手様方、乙であります。
>>167-170 人類の無意識は真紅を選択しましたか。
>それでも、会いたかった。
ここがいいですなぁ。染みるぜ。
>>185-207 今回は一段と大ボリュームですなー。読み応えあり杉w
今後は悲しい出来事が・・・待ってるんでしょうか・・・。
>>213-219 しかしオリ氏はなんでも書けるなー。スゴス
_ ∩
( ゚∀゚)彡 銀ちゃん!銀ちゃん!
⊂彡
>>235-237 アリスと聴くとMSA-0011を思い出す俺センチネル厨
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 20:39:52.34 ID:3a9mfXso0
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 20:58:45.73 ID:3a9mfXso0
保守かしら
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 21:06:05.26 ID:Mqz2lOqC0
ロボコップぅ・・・むづい保守
264 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/07(金) 21:20:29.72 ID:HzkgY59lO
保守
265 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:28:26.57 ID:7/743TlY0
すいませーん。6話投下していいですか?w
266 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:33:27.26 ID:7/743TlY0
白い野原で人と出会った。
冬の寒さで草むらの広場は一面霜だらけで、それを月が照らしているから白く見えた。
そこに白い人が立っていた。
雪のように白い肌をしているから、あまり恐ろしくはなかったのだろう。
ぼんやりとそいつを見上げると、そいつは笑っているようだった。
「――――――」
笑いながらそいつは言った。
うんと頷いて、父親を知らないかと尋ねてみた。
そいつは口元をさらに歪ませ、
「いずれ会えるよ」
と言って、眼鏡ごしに見える細い目をさらに細めて消えていった。
第6話『鬼』
「―――七夜黄理か?」
瓦礫の山から傷ひとつなく悠然と現れた青年―――軋間紅摩は黄理に問いた。
267 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:33:56.17 ID:7/743TlY0
黄理は紅摩を凝視する。
間違いなく紅摩の思念は、あのときよりも鮮烈な朱色を流していた。
―――軋間
鬼と血のみならず肉まで混ざり合わせた者たちの末裔。
鬼の血を濃く保つために近親婚を繰り返し、本家である遠野よりも異形の血が濃いと聞く。
簡単に言えば軋間は七夜の混血バージョンである。
七夜が超能力者同士の交配で力を得たように、軋間も混血同士の交配により力を得たのだ。
そして、その力とはただ『破壊』という能力だけを求めて生まれた結果だ。
―――その結果生まれた最強最悪の存在が、今黄理の目の前にいるのだ。
(――――まさか、紅赤朱を連れてくるとはな―――遠野もとんでもねえことをしてくれるぜ)
―――紅赤朱
その名は古い伝承にのみ載っている。
ヒトならざるものの血を引く者が、その血の力を最大に引き出した状態。
決まって赤い蜃気楼のような靄に包まれ、そうなった者はヒトに戻れなくなる。
一般的に言う『先祖還り』というやつだ。
―――そして、軋間の当主は決まってソレになるという。
268 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:34:27.80 ID:7/743TlY0
「―――――――――」
紅摩が手を構える。
戦いが始まったのだ。
黄理は後ろへ飛ぶ。
先に打って出たのは紅摩だ。
風を切るかのごとき速さで黄理に腕を突き出す。
黄理はその一撃をかわすと、突き出された腕の肘に撥で一撃を加える。
本来ならば、その一撃で紅摩の肘は粉々になり、腕は使い物にならなくなるはずだった。
―――骨を砕くどころか、紅摩の腕には傷ひとつつかなかった。
瞬時に敵の肉体は鋼のごとき強度だと理解し、黄理は距離をとるため再び後ろに飛ぶ。
そこに紅摩は追撃の魔手を出す。
それを黄理は紙一重で回避した。
紅摩の魔手は止まることなく、黄理の背後にあった大木に打ちつけられた。
黄理は再び紅摩から距離をとる。
それと同時に、紅摩の魔手が打ちつけられた大木が倒壊する。
「は――――――?」
ああ、今日は初めてなことばかり起きやがるなと思いながら、黄理は人生で初めて殺し合いの途中で声をあげた。
269 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:35:18.76 ID:7/743TlY0
それも仕方ないことだ。
なぜなら紅摩が倒した大木の幹は軽く一メートルはあった。
普通なら人間の手で簡単に倒れる代物ではない。
だが、紅摩はそれを素手で、しかも手が打ち付けられた衝撃ではなく“握りつぶす”ことで破壊―――つまり圧壊したのだ。
―――黄理は笑う。
これから行われる、彼の人生において最初で最後の殺し合いを思って、口元がつりあがった。
「―――状況は?」
七夜の森の罠の張られていない中腹地点に設けられた本陣で遠野槙久は部下に尋ねた。
「はっ。別働隊は軋間紅摩を残し全滅。先行部隊も壊滅状態ですが、本隊が七夜の主力とまもなく接触、交戦を開始するとのことです」
「――――勝ったな」
部下の報告を聞いた槙久は自身の勝利を確信した。
別に最初から彼には勝算が無かったというわけではない。
というより、逆に必ず勝てるとさえ思っていた。
そう。数十名もの兵をカモフラージュとして奴を―――軋間紅摩を七夜の森の中に送ったのだから。
いくら七夜といえど、奴にかかれば一溜まりも無いだろう。
奴は触れるものすべてを圧壊させる破壊の魔手、銃弾すらも意味を成さない鋼鉄の肉体を持った『鬼』そのものなのだから…………
おそらく別働隊を潰したのは、あの七夜黄理に間違いない。
270 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:36:22.15 ID:7/743TlY0
―――槙久は黄理と一度面識が会った。
おそらく黄理は覚えていないだろうが、槙久にとってはこれ以上ないというくらい脳裏に染み付いた出会いであった。
槙久は若かりし頃、とある混血の一族に仕えていた。
彼は、自身が使えていた一族の当主が、反転しヒトではなくなったため退魔にその一族を売り渡した。
それを買った退魔が送った暗殺者こそ黄理である。
彼は監視役も兼ねて、当主の部屋で黄理が現れるのを待っていた。
しかし、それが間違いであった。
―――黄理はその時、生まれて初めて殺人に酔っていたのだ。
無論。標的である混血の当主だけでなく、そこに居合わせた槙久すら黄理に殺されかけた。
だが、彼は運のいいことに、そんな黄理と出くわしておきながら生き残ることができたのである。
出会うまでは大袈裟だとさえ思っていた『鬼神』と呼ばれる男の恐ろしさを、彼は自身の身をもって知ったのだ。
その恐怖を末代まで残さないためにも、彼は七夜を滅ぼすことを決意したのである。
遠くから樹木が倒壊する音が聞こえてきた。
――――間違いない。軋間紅摩が七夜黄理と接触した。
元より、紅摩を相手にして生きていられる相手などどこにもいない。それがたとえ『鬼神』といわれた殺人鬼であろうと。
271 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:36:57.33 ID:7/743TlY0
「―――七夜黄理さえ潰せば、我々の勝利は目の前だ。全部隊に通信しろ。“十分後に七夜に対し一斉攻撃を仕掛ける”とな」
「はっ!」
部下に命令した槙久の口は、にやりと言わんばかりに釣りあがっていた。
素晴らしい時間だった。
軋間紅摩にはどのような手を使っても傷ひとつ与えることができず、
自身はただ逃げ回るだけしかできない。
勝てる見込みも、生き残れる見込みも限りなく零(ゼロ)に等しい。
だが、黄理には素晴らしい時間であった。
紅摩が黄理に迫る。
それを黄理は紙一重でかわす。
既に紅摩の攻撃を黄理は見切っていた。
紅摩には戦闘技術などというものがなかった。
突風のごとき突進も、あらゆるものを一撃で圧壊する魔手も、どんな凶弾も弾き返す肉体もすべては生まれもって得たものにすぎない。
彼は生まれてから鍛錬と呼べるものは何ひとつしてはいないのだ。
それは単純でありながらも余分ひとつ無い、原始的な『破壊』そのものであった。
272 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:38:55.63 ID:7/743TlY0
「は、はは――――はははは」
黄理の口元がさらに歪む。
もう何十回、何百回になるかわからない攻防。
紅摩の魔手を紙一重でかわし、その隙をついて首の左側面に一ミリのずれもないピンポイント攻撃を加える。
そんな戦いが何度も繰り返し続いた。
――――――それでも紅摩の首は傷ひとつつかなかった。
水銀燈は七夜の森全体を見下ろせる上空まで飛んだ。
先ほど聞こえた音の震源を見つけるために。
おそらく、その近くに黄理がいる。
水銀燈は上空に上がる途中、何度も樹木が倒壊する音を聞いた。
――――まずい、まずい、まずい!
自分でもよくわからないが、その音が聞こえるたびに、水銀燈の中でそんな『いやな予感』が満ちてきた。
273 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:39:21.63 ID:7/743TlY0
その時、またしてもバキバキと樹木が倒壊する音が聞こえた。
「――――!!」
急いで振りかえると、遠くで大木が倒れていくのが見えた。
―――あそこだ!!
あの近くに黄理がいる。そう確信すると、水銀燈はそこへ向かって全速力で滑空した。
―――もう何本目かわからない樹木の倒壊。
それを見て黄理は思った。
―――自分が“殺す”ということを追求した鬼神なら、紅摩は“破壊”を究極とした鬼神だと。
互いに似て非なるもの。
しかし、黄理は紅摩よりも劣っていることぐらいは自分でもわかっている。
『死』を研究しただけの存在では、『死』を究極とする存在には敵うわけがない。
前者である黄理は後者までの高みに届くはずがなかった。
(―――ああそうだ。こいつと対抗できるものが仮にこの世に存在するならば、それはこいつと同じ、“生まれた瞬間から既に壊れている”ものだろう)
274 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:39:45.20 ID:7/743TlY0
―――だが、生まれながらにして『死』を持ち得ないものだからこそ到達できる地平もある。
(――――本当に……お互い損をしたな小僧)
紅摩の魔手をかわし、笑いをかみ殺しながら黄理は思った。
―――そう。本当に損をした。
これほどの高揚感、これほどの恐怖……こんなにも殺しが嫌なものとは知らなかった。
これはただ単純な命の鬩ぎあいだ。
(―――しかし………もし生と言うものを実感出来るのならば、これほどの瞬間はあるまいて!!)
黄理は紅摩に最後の一撃を仕掛けることを決意した。
紅摩の魔手をかわし、黄理は今まで回りこんでいた左側でなく右側に回りこんだ。
275 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:40:07.32 ID:7/743TlY0
「――――!」
その瞬間、無表情であった紅摩の顔に変化が生じた。
紅摩も黄理同様、初めて己の死を予感したのかもしれない。
黄理は今まで左側ばかりを狙っていたので、突然右側に反応するのは多少時間がかかる。
いや。かつて右目を黄理に潰されている紅摩にとって、右は絶対的な死角だった。
黄理が紅摩の首の右側に渾身の一撃を加えんと撥を滑らせる。
そう。左側と一寸のずれなく対象になる一撃を………
あの時―――あの部屋で見た鎖に繋がれた子供。
なぜ自分はあの時あの子供の右目を潰したのか、今ならわかる気がした。
―――そう。あの時、自分は軋間紅摩というバケモノに敵わないと一目で直感し、もしものための勝機を用意しておいたのだ。
遠い未来。この鬼と殺し合うときが来たら、この一撃で全てが決せられるようにと………
バギャ!!
276 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:40:29.03 ID:7/743TlY0
黄理の一撃が紅摩の首の右側に直撃した。
撥は一センチほど紅摩の首にめり込む。
(――――勝った!)
黄理は勝利を確信した。
左側に蓄積された衝撃は、間違いなく今の右側からの衝撃によって貫通し、紅摩の首を粉砕した――――はずだった。
「キ、サマ………」
何故―――紅摩は喋れる?
「―――チッ」
黄理は舌打ちする。
紅摩の魔手が動く。
そして次の瞬間、魔手は黄理の腹部を掴み圧壊―――しなかった。
紅摩の腕と体中に黒い羽が舞い散り、その羽が紅摩を締め付け、動きを一瞬止めたのだ。
「キリ!!」
背後から聞きなれた少女の声がした。
その声に反応するかのごとく、黄理はその場から離脱した。
「―――――」
紅摩が目の前に現れた少女に目を向ける。
277 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:40:51.69 ID:7/743TlY0
背中に黒い翼を持った天使のようにも悪魔のようにも見える少女は紅摩の顔を見た瞬間確信した。
――――この化け物を倒さないと七夜の全滅は免れない!
「水銀燈、何しに来やがった!? こいつは手に負えるような奴じゃねえ!! さっさと逃げろ!!」
「キリが死んだらシキたちになんて言えばいいのよぉ!!」
少女―――水銀燈は黄理の横に立つと、再び紅摩を見る。
既に紅摩は黒い羽を全て引き剥がしていた。
もはや逃げられないと判断した黄理は水銀燈に言った。
「―――水銀燈、よく聞け。奴を傷つけることはまず不可能だ。だが、突破口はある。奴の首を見てみろ。
さっき俺が唯一奴につけることができた傷だ。あと一撃……あと一撃首に攻撃を加えられればもしかしたら………」
「倒せる……?」
「だから手を貸してくれ。一瞬、一瞬でいい。奴に隙を作ってくれ!」
「―――わかったわぁ」
「来るぞ!!」
紅摩の魔手が迫る。
黄理と水銀燈は左右に別れそれをかわす。
「――――」
黄理が再び右に回り込む。
しかし、同じ手は通用しないとばかりに紅摩は直感で攻撃をかわす。
さらに水銀燈が左から黄理を援護しようと羽を飛ばした。
しかし羽は全て弾かれた。
―――だが、紅摩は右側にいた黄理ではなく水銀燈に目を向けた。
目を向けられる場所がそこしかなかったからだ。
278 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:41:17.85 ID:7/743TlY0
水銀燈が紅摩の左側を飛んだのは、紅摩の注意を引こうとしたためだ。
だが、紅摩とて莫迦(ばか)ではない。すぐさま黄理を意識し、黄理の方へ目を向ける。
僅か一瞬。だがその一瞬が黄理に二度目の攻撃の機会を与えた。
(上出来だ!)
黄理は既に撥を一本構えていた。二本も投げる必要は無い。
ありったけの力と殺気を込め、黄理は撥を投げた。
紅摩は今まで痛みというものを知らなかった。
だから自身の首の骨が先ほどの一撃で下手をすれば砕けていただろうということすら知らない。
心臓の音が聞こえる。
首の右側から体中にわけのわからない命令が駆け巡る。
―――それが痛みだということを紅摩は知るわけが無い。
また心音が聞こえる。
まるで夢のようだと思えた。
いや違う。彼はようやく夢から覚めたのだ。
だが――彼はそれすらわからなかった。
279 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:41:38.53 ID:7/743TlY0
七夜黄理が自身めがけて撥を投擲した。
それに気づいた紅摩はすぐさま撥を叩き落とす。
しかし、撥は叩き落とそうが落としまいが結果は同じだ。
撥が当たっても撥を落としても紅摩に待つのは―――――『死』なのだから。
――――――極死
投擲と同時に黄理は上空高く跳躍する。
紅摩が撥を叩き落したが別に関係ない。
撥を投げつけた程度じゃ奴は倒せないことぐらいわかっている。
だから、この殺し合いを終わらせるにはこれしかない。
黄理が突破口を開き、水銀燈が好機を導いた結果をすべて目の前にいる破壊の鬼神に叩きこむ。
黄理の手が紅摩の頭を掴んだ。
――――――七夜
(首をもぎ取ろうとまでは思わん。全体重をかけてでも首の骨を砕く!!)
「キリ!!」
「いけえええええええええええええええええええええええええええええ!!」
殺し合いの中で黄理は思わず声をあげて叫んでいた。
280 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:42:14.30 ID:7/743TlY0
黄理が全体重をかけ、軋間紅摩の首を勢い良く捻った。
ボギャリッ!!
鈍く、黄理自身は過去何度も聞いてきた、あの音が紅摩の首から響き渡った。
黄理は勢い余って地面に転げ落ち、紅摩はその場で大木が倒れたような音をたて勢い良く地面に倒れこんだ。
「…………」
水銀燈はただ呆然と目の前に倒れた二人の鬼神の姿を見ていた。
実感が沸かない―――でも、わかることはひとつ。
『殺し』の鬼神が『破壊』の鬼神を倒したというただそれだけの事実。
「キリ!!」
はっと我に返り、水銀燈は黄理に駆け寄る。
「なんだよ、うるせえな」
むすっと起き上がる黄理。
「勝ったのよぉ! キリの勝ちよぉ!」
水銀燈は子供みたいに泣きじゃくっていた。
「そうか……」
しばらくの間、黄理は静かに地面に倒れている軋間紅摩を眺めていた。
やがて、黄理は紅摩の左目を閉じさせ、落ちていた撥を拾った。
281 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:42:38.21 ID:7/743TlY0
「よし。俺は敵の本陣を潰しに行く。水銀燈は皆のところに戻ってくれ」
「わかったわぁ」
黄理はもう一度紅摩の亡骸を見ると、敵の本陣へと駆け出した。
そして水銀燈も皆のもとへ飛んでいった。
「槙久様、軋間紅摩が戦死したとの報告が!!」
「な…何だと、軋間紅摩が!? 七夜黄理の手でか!?」
もたらされた凶報に槙久は言葉を失った。
(こちらの切り札と言うべき軋間紅摩が―――人の力で殺された!? 馬鹿な!?)
槙久だけではない。周りに就いている部下、兵士達も驚きを隠せない。
当初は軋間紅摩に七夜黄理を討たせた後、残りの兵力をもって七夜の里を包囲し、一斉攻撃にて七夜を殲滅する予定だった。
それが完全に頓挫した。
「本隊から通信、七夜の主力と交戦を開始したとのこと。しかし、地の利敵に著しくあり苦戦中とのことです!!」
「何故だ………精密に計算しつくしたこの計画が………いったいどこで?」
グギリ
「が……」
「―――!?」
突如首の骨を粉砕され部下の一人が死に絶えた。
282 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:42:59.12 ID:7/743TlY0
「て、敵だ!!」
「な、七夜が来た!」
突然の敵の奇襲に本陣は混乱した。
「慌てるな! 落ち着いて各個に応戦し……あ、が!!」
参謀の一人が背後から現れた影に首の骨を粉々にされた。
「うわぁぁぁぁ!」
「ぎゃあ!」
「ひいいいいいいいい!!」
「う…撃て! とにかく撃ちまくれぇ!!」
やがて、混乱した兵士たちがあちこちで銃を乱射、ついにはそれが味方同士の銃撃戦へと発展した。
―――そして銃の音が止むと、そこには遠野槙久しか生き残っている者はいなかった。
やがて槙久の前に一人の殺人鬼が姿を現した。
「な……七夜黄理!?」
「―――お前が遠野槙久か? 紅赤朱まで用意するあたり、結構気合入てたみたいだが……無様なもんだ」
そう言うと、黄理は静かに撥を構えた。
「くっ!!」
すぐさま己の中に眠る混血としての力を解放しようとした槙久だったが、既に遅すぎた。
あの時と同じ場所―――槙久の心臓に黄理は撥を叩き込んだ。
283 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:43:21.81 ID:7/743TlY0
「が……」
「―――あの時は興奮していたからな。確実に殺す事を忘れていたが………俺は同じ過ちは繰り返さん」
「ま…まさか貴様………あの時のことを………?」
次の瞬間には黄理のもう一方の撥が槙久の首を粉砕していた。
「が、あ………し…四季…………秋…葉………」
自身が愛していた子供の名を呟き、遠野槙久は今度こそ本当に絶命した。
その時、槙久の上着のポケットから一枚の写真が落ちた。
「――ん? こりゃあ………」
黄理がそれを拾って見てみるとそれはモノクロ写真だった。そこには四人の子供たちが仲良く映っていた。
自分の子と同じぐらいの少年が一人。少女が一人。その二人よりも一回りほど小さいドレスを着た少女と、女だか男だか見分けがつかない子が一人映っていた。
写真の裏には槙久の文字で『我が愛する家族たち Makihisa・T』と書かれてあった。
「シキか………あいつの子の名か? まさか俺の子と同じ名とは……ふん。運命ってのは残酷で良くできたもんだな…………」
そう言うと黄理は写真を自分の懐にしまい、先ほどまで敵の本陣だった場所を後にした。
284 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:44:04.01 ID:7/743TlY0
青年が一人、七夜の森を歩いていた。
繰り出される罠を軽くかわしながら、彼は森を進んでいた。
その途中、彼は歩みを止めた。
その青年の目線の先には、軋間紅摩の死体があった。
「おやおや……まさかこんなところで生粋の鬼に会えるとは……………ああ、もう死んでましたか。
しかし、腐っても鯛。肉体が滅んでも鬼。使えそうですねコレ…………」
青年はそう言って紅摩の死体を担いで運んでいった。
月は白く。
森は静かに。
光を追って誰もいない闇を歩き続けた。
―――やがて、光の後を追って森を抜けていくと野原に出た。
白い野原だ。
その白い野原で人と出会った。
冬の寒さで草むらの広場は一面霜だらけで、それを月が照らしているから白く見えた。
そこに白い人が立っていた。
雪のように白い肌をしているから、あまり恐ろしくはなかったのだろう。
285 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:44:40.22 ID:7/743TlY0
ぼんやりとそいつを見上げると、そいつは笑っているようだった。
なにか面白いものを見つけたかのように笑っていた。
「君が水銀燈のミーディアムかい?」
笑いながらそいつは言った。
うんと頷いて、父親を知らないかと尋ねてみた。
そいつは口元をさらに歪ませ、
「いずれ会えるよ」
と言って、眼鏡ごしに見える細い目をさらに細めて消えていった。
遠くで声がする。
一人きりは怖いから、もっと森の奥へ行かなくてはいけない。
木々のヴェールの向こうではお祭りめいた騒ぎが繰り返されている。
七夜志貴は、森の奥へと歩いていく。
286 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:45:13.66 ID:7/743TlY0
志貴が森の奥へ来たときにはすべて事は終わっていた。
七夜の大人たちと水銀燈により襲撃者は各個撃破され、最終的に全滅という結果になった。
一方、七夜の方は無傷で済んだものはいなかったが、ほとんどのものが軽症。死者はいなかった。
「―――ん? おい、志貴がいるぞ!」
「なんだって?」
「な…志貴様!!」
「志貴!」
息子の存在に気づいた志摩が志貴を抱きしめる。
「……母さん、一体何があったの?」
「なんでもないわ志貴……でも、ここまで良く無事で………」
志摩は泣いているようだったが、志貴は何故母親が泣いているのかわからなかった。
その後ろで桜花たちが「志貴、親を泣かせちゃいかんぞ〜」などと言って笑っている。
―――わからない
よくわからないけど、志貴は嬉しかった。
なぜなら、さっきまで「もう皆に会えないんじゃないか」とばかり思ってて不安だったからだ。
空を見上げる。
空には一人きりの蒼く輝く丸い月がある。
287 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:45:33.40 ID:7/743TlY0
ああ、気づかなかった。
今夜はこんなにも、
つきが―――きれいだ―――
そうして、安心して疲れきった志貴はそのまま母親に抱かれながら再び眠りについた。
〜第6話・了〜
288 :
ツキノトウヤ:2006/04/07(金) 21:45:58.18 ID:7/743TlY0
まさか1日で2話投稿するほどハイペースに手が進むとは思いませんでしたw
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 21:59:41.52 ID:3a9mfXso0
>>265-288 超乙です!
ドキドキしながら読ませて貰いました。
とりあえずは一段落、なのでしょうか。
あぁ、良かった。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 22:10:32.42 ID:UXz5RxB20
>288
乙
ペース良く読めて面白かったです
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 22:21:17.27 ID:3a9mfXso0
そして保守かしら
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 22:34:04.81 ID:3a9mfXso0
さらに保守かしら
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 22:43:58.91 ID:3a9mfXso0
保守2nd IGNITION
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 22:50:23.06 ID:UXz5RxB20
保守
295 :
オリ:2006/04/07(金) 22:55:10.88 ID:Ej+VgA7Z0
保守ですよ……マイマシター……じゃなくてマスター。
五分しか寝ないのは……だめですね……
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 23:14:26.13 ID:mtdaHeoL0
h
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 23:39:35.78 ID:UXz5RxB20
保守
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 23:53:40.00 ID:v+uUb7If0
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/07(金) 23:54:33.26 ID:do1B8CoU0
>288
乙&GJです。
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 00:12:04.60 ID:U5oM7KKl0
寝る前の保守
301 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/08(土) 00:22:43.52 ID:0s7wS/Y3O
書き手今日もご苦労さん
保守
302 :
オリ:2006/04/08(土) 00:54:46.19 ID:F48gueIw0
さいごの・・・・・・ほしゅ・・・・
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 01:04:46.43 ID:ZwxXHhfP0
h
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 01:17:25.95 ID:ZwxXHhfP0
h
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 01:34:43.58 ID:ZwxXHhfP0
h
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 01:46:31.02 ID:ZwxXHhfP0
h
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 01:52:07.77 ID:1fGp2tCw0
h
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 02:07:04.40 ID:IYQJ/O4/0
補修
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 02:08:30.22 ID:3RIysR0Y0
>>288 GJ。
ああああああ
雪風が雪風で雪風を雪風に雪zああああああああ
雪風分が足りない!雪風質が足りない!ビタミン雪風がたりない!
と意味不明な保守。
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 02:29:01.05 ID:ZwxXHhfP0
h
o
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 02:36:37.18 ID:ZwxXHhfP0
s
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 02:50:28.78 ID:ZwxXHhfP0
y
u
315 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/08(土) 03:11:13.84 ID:0s7wS/Y3O
保守
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 03:28:58.56 ID:ZwxXHhfP0
寝る前の保守
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 04:09:47.52 ID:IYQJ/O4/0
hhh
318 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/08(土) 04:35:32.30 ID:0s7wS/Y3O
保守
保守 ついでにマイナーゲームで書いてみる。何人わかるだろうか…
ロマンシア大陸…ここには風使いとよばれる人間がいた…
「フォボスさーん!お手紙が届いていますよ〜」
大きなリボンをつけた少女に起こされ、少年は手紙の封をあける
「誰からのお手紙ですか?」
「…わからない、これだけしか書いてないんだ」
手紙には まきますか?まきませんか?とだけ書かれている…
「わーぁ…面白そう!まきますって書いておいたらどうでしょう?」
「ん…そうだね。何かあっても対処できるしね」
少年はそういって起き上がり、余白に「まきます」と書き込んだ
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 05:31:39.08 ID:iIEkm2Q90
今更だが、少し紹介をしよう。先ほどの少女はセイラ、魔法使いの少女で風使いとともに世界を救った
そして…少年がフォボス、かつてハーネス帝国の支配を跳ね除けた風使い
「このお手紙どうしましょうか?」
「うーん…そもそもイタズラだとおもうんだけどなぁ…」
そうはいっても世の中の不思議な力を使っている二人だ、そのまま捨てることも出来ずに机の上においておくことになった
パジャマから着替えたフォボスはセイラと一緒に朝食をとることにした…
「オ早ウ、ふぉぼす」
「おはようタローボー」
成人男性ほどの身長をもつロボットのタローボー。彼もまたかつてフォボスと共に戦った仲間だ
食堂にはすでに食事が用意されていた…世界を救ったからといってこの待遇は甘すぎると思うかもしれないが
フォボスは13という若さでここ、風の谷の村長も担っていた、遊びたい盛りの少年が時間を職務に費やす代償というわけだ
軽く話しをしながら朝食を取っていると、タコのような外見の人物、ランプーがトランクを引きずってきた
「ねぇ…フォボス…キミ宛に何か届いていたよ…」
「え…なんだろう…今朝の手紙といい、今日は朝から騒がしいなぁ…」
のこっていた目玉焼きの白身を飲み込むと、フォボスは早速トランクを開けに掛かった
充電を済ませたタローボーと、フォボスより早く食べ終わっていたセイラが後ろから覗き込んでいる
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 05:31:59.45 ID:iIEkm2Q90
カチャ…
トランクの中には人形が入っていた…それも女の子の
顔立ちは整っていて美人だ(人形だから当然だが)。髪の毛は白、服は黒…
「…人形?フォボスさん、こころあたりあります?」
「…わかんない……あ、ネジがある。まいてみよう」
キリキリ…キリキリ…
「ふぅ……うわっ!!」
数回まいた直後に、体中が不自然に…まるでほぐすように動いた後、その人形は目を開けて微笑んだ
「あらぁ…小さい子なのねぇ…あなたがメイメイの手紙に答えてくれたのぉ?」
「手紙…あー!!フォボスさん!今朝の!!」
フォボスも言われて思い出した あの問いは 巻きますか?巻きませんか? だったのだ
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 06:02:37.60 ID:8qOk3/g8O
保守なのだわ
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 06:08:21.56 ID:lMGxzypS0
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 06:40:36.47 ID:U5oM7KKl0
h
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 06:56:13.52 ID:IYQJ/O4/0
h主
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 07:17:37.59 ID:U5oM7KKl0
ほ
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 07:36:11.92 ID:U5oM7KKl0
ほ
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 08:07:03.39 ID:iIEkm2Q90
保守
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 08:16:27.45 ID:U5oM7KKl0
仕事行く前の保守
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 08:40:16.91 ID:Fr8wuTCo0
HOS
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 08:59:24.61 ID:Fr8wuTCo0
HOS
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 09:18:40.21 ID:Fr8wuTCo0
HOS
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 09:40:25.27 ID:czwAHkJg0
HOS
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 09:54:29.40 ID:Fr8wuTCo0
HOS
335 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 09:54:49.81 ID:MyCQ9lns0
保守
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 10:09:54.20 ID:Fr8wuTCo0
HOS
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 10:10:36.10 ID:RGl+JTaI0
保乳
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 10:23:54.34 ID:Fr8wuTCo0
HOS
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 10:28:10.11 ID:3Xtfv64c0
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 10:47:48.99 ID:Fr8wuTCo0
HOS
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:11:23.48 ID:RGl+JTaI0
hosyu
水
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:21:34.19 ID:mFyBjZGo0
銀
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:28:18.72 ID:3RIysR0Y0
中
345 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 11:32:09.26 ID:UWSQC1B80
毒
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:33:31.02 ID:RGl+JTaI0
毒
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:33:49.29 ID:iIEkm2Q90
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:35:27.38 ID:Fr8wuTCo0
メ
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 11:52:43.15 ID:Fr8wuTCo0
チ
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 12:05:59.96 ID:Fr8wuTCo0
ル
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 12:31:42.57 ID:oMqAIxBp0
水
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 12:37:51.94 ID:GHQH85U0O
銀
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 12:39:44.85 ID:RGl+JTaI0
誤
354 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 12:42:08.15 ID:MyCQ9lns0
355 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 13:14:22.07 ID:UWSQC1B80
>>354 gj!
ほかにもリボンつけてみたらいかがかと
言ってみたりする僕はメガテンプレーヤー
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 13:22:22.89 ID:RGl+JTaI0
h
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 13:37:34.82 ID:GHQH85U0O
困った時は保守しなさいってばっちゃが言ってた。
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 13:46:10.16 ID:8qOk3/g8O
私とした事が
いつのまにかすの予測変換から水銀が消えてしまっていた
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 13:52:57.35 ID:P4E2VQLE0
保守
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 13:56:40.07 ID:3RIysR0Y0
<FAF・TVサービスが保守……情報提供はブーメラン飛行戦隊……
この人形は「乳酸菌、とってるぅ?」としか言えません……こちらはFAF・TVサービス……>
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:17:44.24 ID:oMqAIxBp0
ほ
362 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:18:19.20 ID:UWSQC1B80
投下します
一話後半です
363 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:19:02.43 ID:UWSQC1B80
道行く人が路地裏で起こっている光景をみたらどう思うであろう――
たとえ見たとしても頭に浮かぶのは混乱だけであろうが――
刀を持ちマントをひるがえす書生に対し漆黒の羽根を飛ばし続ける空を飛ぶ少女
羽根が書生に突き刺さる寸前に燃え上がり即座に灰になり、突然氷の刃が空を飛ぶ少女をスキを狙い飛んでいく
紙一重でかわす少女、一体何が起こっているか常人では理解はできるわけがない
氷の刃を放つモノと炎を吐き出すモノは普通の人間の目には映りはしない
モノたちは「悪魔」と呼ばれる存在、見える人間もいるだろうが帝都でもわずかにしかいない
「こいつらが悪魔!?悪魔なんてこの世にはいないはずよぉ!」
少女―正しくは人形である水銀燈は雪だるまの放つ氷の刃と、銀色の狼が吐き出す炎を避けつつ叫ぶ
「お前はライドウから力を少し吸い取ったろ?だから見えなかった悪魔が見えるようになったんじゃないか?」
炎で焼き尽くせなかった羽根を猫の手で器用に受け流しつつゴウトは馬鹿にするように言う、
ライドウは刀を構えたまま一歩たりとも動かない、その顔は幾戦の戦いを乗り越えてきた悪魔召喚士の顔をしている。
「(こいつ…!!さっきのようなバカみたいな顔じゃない!!)」
羽根を飛ばすのを一旦やめ、目下の悪魔召喚士にらみつける
364 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:19:38.45 ID:UWSQC1B80
雪だるまと狼はふいに攻撃の手を止める
「っ…!?どういうつもりかしらぁ?」
「ヒーホー!!キミにオイラ達の名前を名乗っていなかったホー!なかなかのツワモノだから名乗ってやるホー!」
「マァ、ツマリオレタチノ勝利ヲ確信シテイルカラコンナコトガデキルワケダガ」
ヒホホと全身を揺らし笑う雪だるま
ゴウトはそんな二匹にやめるよう言おうとしたがライドウが『言わせてあげよう』と言いたげな顔をしたのでやめた
「オイラの名前はジャックフロスト!水もしたたるクールガイだホー!んでこっちがケルベロス」
「アオーン!!」
「……」
水銀燈は体の奥からふつふつと何かが湧き上がってきた
自分はバカにされている、この雪だるまと狼に、そしてたかが人間のくせに悪魔召喚士を名乗っているこの男に
―――許さない
「そう…それで終り?」
「ヒ、ヒホー…他にもなんて言えばいいホ?」
「好キナ食ベモノ」
「なるほ…」
ピュウッと羽根が空を切りジャックフロストの頬をかすめる
「ヒホー…」
「みんなまとめて無残なジャンクにしてあげる!!」
ガァアアァァアァァァァァッ!!!
片方の翼が巨大な黒い龍を形どり、耳を裂くような咆哮を上げ
ライドウたち全てを食らい尽くさんかと襲い掛かってくる!
「スマン、ライドウヤリスギタ」
(cレ;´д`レ …
「だから言ったんだ…」
「後悔するのは後ホー!」
「お前のせいだろうが!」
365 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:20:07.15 ID:UWSQC1B80
ジャックフロストが地に両手を押し付け、ヒホッと一喝すると、
氷の塊が木の板に打った釘のごとく地中から顔を突き出し龍の猛攻をせき止める!
しかしぴしぴしと氷にひびが入っていく、全壊するのは時間の問題である
「アーハッハッハ!! どうするぅ?このまま氷を突き破ってそのまま食いちぎられたい?
それとも四肢を落とされて動けないまま死ぬまで私に力を供給させられたいぃ?」
水銀燈の顔はどうやってこの玩具で遊ぼうと考えている子供のような顔をしつつ笑い出す
「念には念を入れっていうしねぇ…フフフ…」
ガオッ!! ギィンッ!!
「ヒホホー!!!?」
もう片方の翼も龍に変え、氷の塊に対して追撃を加える!
ゴウトは万事休すだとつぶやいた
「どうするんだ、ライドウ!!このままじゃやられてしまう!おまけに行き止まりで逃げ場がない上に
裏路地といっても居住区だ!避けたらあの龍の攻撃で被害を受けてしまう!どうする!」
「ゴメンホ〜、もう瞳を閉じてキミを歌うしかないホー…そ〜れし〜かで〜きない〜♪」
ジャックフロストに関してはヘンな歌を歌っている
しかしライドウの顔はまだ諦めてはいなかった
(cレ ´Д`レ …っ、…!
「ナニ!?大丈夫ナノカライドウ!?」
(cレ ´Д`レ !!
「本気かホー!?」
「一か八か賭けるしかないか!行け!ライドウ!」
氷が大きな音をたて壊れる、二匹の龍は氷の粒を顔に受け少しひるむ
「さようならぁ…… !?」
366 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:20:44.47 ID:UWSQC1B80
水銀燈は目を疑う、ライドウがこちらに向かって無謀にも走り出してきたのだ!
突拍子もない行動に驚くが悪あがきだろうと思い、龍をライドウに向かって繰り出す水銀燈!
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
双龍が頭をあげライドウへ食らいつく!!
――紅い一線が二匹の龍の首に走る
ドサッと龍の首が落ち、元の羽根に形を変える
「!?なんですって!?」
「…やったな、ライドウ!」
食らいつかれたはずのライドウは平然と刀についた羽を付着した血を払うかのよう刀を一振りした
刀は紅の炎を発していた――葛葉家に伝わる悪魔との合体技の一つ『焔魔撃斬』。
悪魔の放つ炎と葛葉家が作り出した特殊な刀が二つになったときに現れる紅蓮の刀。
その炎の勢いは計り知れない、これで斬られた悪魔は即座に燃え尽きるくらいである。
「くっ、だけどそれだけじゃ…ひっ!?」
シュゴオオオオオオオ!!!!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアアアァアアア!!!!」
龍から元に戻った水銀燈の翼は即座に燃え上がり、翼を通し水銀燈の体が燃え上がった
ドサリと宙から叩き落され、なおも炎は燃え続ける…
ブスブスと衣服が少しずつ灰になっていき、水銀燈はなおも叫び声を上げる
ただそのときとった行動はおかしなもので、なぜか腹を押さえているという点であった
367 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:21:25.47 ID:UWSQC1B80
(cレ;´-`レ …
「なんだか可愛そうだホー…」
「やらなければこっちがやられていたんだ… ん?」
「ひっ、ひぃぃぃ!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
衣服がほとんど燃え尽き、水銀燈の体があらわになる
人形だと言ったのが信じられるようなおかしな関節、そして不自然なものが全員の目に映る
―――腹がない
「なんだありゃ…」
「ウウム…」
見ているこっちが痛々しいような可愛そうな気がしてくる
「お父様…なぜ…なぜ…」
(cレ;´д`レ … ッ!
「おい!ライドウ!!」
ライドウは自分の衣服を脱ぎだし、水銀燈に近寄る炎を消そうとしている
少しずつであるが炎の勢いは少しずつ消えていく
ギリギリで水銀燈の体は崩れ落ちなかった
「あなた…何を…?」
(cレ ;´-`レ …
「何のつもりぃ…?」
水銀燈はそう呟き、くたりと意識を失った
368 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:21:47.07 ID:UWSQC1B80
「ん…うん…?」
やすっぽい天井が目に映る
自分は気がついたらベットに寝かせつけられていた
(cレ ´∀`レ …
「きゃっ!?あなた…え?『気がついた?大丈夫かい』ですって?まぁ…一応…」
よくよく見るとここはこの男の部屋だ、自分は連れ込まれたのだろうか
男…ライドウは学生服ではなく着流しを着ていた
「あなた自分の服わぁ…?え?『キミが着ている』って?」
自分はいつも見る自分のドレスではなくライドウの学生服のワイシャツを着ていた
上着のほうはおそらく炎を消すときにすすけてしまったんだろう
部屋の隅を見ると全体的にピンク色の装飾をして、ベールをかぶった女が自分の服を繕っていた
気配からして悪魔だろう
「どんなかんじだパールバティ?」
「結構ボロボロだけど、大丈夫、直る直る」
パールバティと言われた悪魔からトコトコとこっちへ近づくゴウトと呼ばれた猫
ふふんと鼻をならし笑う
「ご機嫌いかがかな?お嬢さんってか?」
「どうして私を助けたの…?私はあなたを殺そうとしたのよ!」
(cレ ´д`レ …
ライドウは水銀燈の両肩に手を添え、じっと目を見つめる
「ちょ、ちょっと…え?『殺すつもりはもとからない、それになんだかキミは心のソコから悪人ってわけじゃない』
だからって…」
(cレ ´∀`レ …
「『それにキミのお父さんのためにも、死ぬのはよくないよ』…か…」
水銀燈はうつむき肩をヒクヒクと揺らす、ぽろぽろと目から雫がこぼれだす
「あなたって本当に… おばかさぁん…」
(cレ ´ー`レ …
「『よく言われるよ』だってよ、やれやれ、一件落着ってやつか」
369 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:22:27.89 ID:UWSQC1B80
翌日
「へぇ〜、これ本当に人形か?」
鳴海は椅子に座りながら水銀燈をまじまじと見つめる
(cレ ´∀`レ コクッ
「よくできてんなぁ〜ってか悪魔ってホントすごいな、服も直せんのか」
鳴海は一応悪魔が見える男だった
なんでかはわからないがたまたまそうらしい
「服くらい器用だったら誰でも直せるわよぉ」
ありがとねぇ、とライドウに向かって(正しくは管)礼を言う
(cレ*´∀`レ っっ
「べ、別にあなたに礼を言ったわけではないわよぉ…本当にそうだからねぇ!」
「はいはい、おあついおあつい、んで、これからどうすんの?」
まったくと息を漏らし鳴海とライドウを交互に見る
「ふぅ…どうしようかしらぁ…」
(cレ ´∀`レ ! …
ライドウは提案をした
「ここにいて自分を手伝ってほしいって?」
水銀燈は思わぬ提案に驚く
(cレ ´д`レ …
ライドウは愚痴を言った
「『ただでさえ苦労しているのに鳴海は働かないし、大変なんだ、だから手伝ってくれたら助かる』ですってぇ?うーん…」
「ライドウ、お前失礼なこと言わなかったか?今?」
370 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:23:37.55 ID:UWSQC1B80
じっとライドウを見る水銀燈、すこしばかり顔が紅く染まっていく
なにごとかと顔を覗き込もうとするライドウに、翼でビンタする
(cレ;´д(♯レ モルスァ
「覗き込まないの! まぁそれはともかく…べ、別にいいわよぉ、なにかと面白そうだし、退屈しなくてすみそうだからぁ」
(cレ*´∀`レ …
「だからなんでそんな顔をするのよぉ!!」
「いやー若いっていいねぇ」
ただでさえ給料の安い、仕事は少ない、しかし結構いい仕事はする
帝都筑土町にある鳴海探偵事務所、そこに新たな住人が増えた
その名は水銀燈、誇り高きローゼンメイデン第一ドール。
第一話 悪魔召喚士と薔薇乙女 完
第一話終わった〜…このペースでやっていけるかしら〜…
371 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:24:08.63 ID:UWSQC1B80
薔薇乙女出現報告書 筆記者 鳴海
早朝からライドウに電話「まきますか?まきませんか?」
なる質問にライドウ、まきますと答える。
その後ライドウのもとに、謎のトランクが届く。
トランクの中には薔薇乙女(ローゼンメイデンだそうだ)第一ドール、水銀燈がおり
ライドウがゼンマイをまくことにより覚醒。薔薇乙女の説明をし、
ライドウと媒介(ミーディアムとか言うらしい)の契約を結ぼうとするも
アクシデントが起こる。しかしそのアクシデントの後正しい手順にて契約完了。
力を吸われてもちょっとしかダメージを負っていないライドウに水銀燈逆上。
筑土路地裏にて交戦。仲魔を使うも仲魔のせいでさらに相手は逆上。
やられそうになるライドウだが、機転をきかせ逆転。
その後水銀燈を説得し、肉体的、精神的にも相手を打破。
ライドウの薦めでいやがっているのか喜んでいるのかわからん態度で、
ここで働くと言い出した。なんだかまた厄介なのが増えた…。
※特記事項:アクシデントにてライドウ、水銀燈、ともにファーストキス体験
※特記事項:水銀燈を当社専属探偵として雇用。
※特記事項:水銀燈の給料どうしよう、油でいいかな?
以上です んではー
372 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 14:24:44.69 ID:UWSQC1B80
うおっ!おまけって入れ忘れた…
上のはおまけです〜…
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:32:02.74 ID:iIEkm2Q90
GJ
給料は つ【ヤクルト】
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:36:53.39 ID:RGl+JTaI0
GJ
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:49:50.62 ID:GHQH85U0O
JUM、保守をしておきなさい。
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:55:02.32 ID:3RIysR0Y0
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 14:57:57.17 ID:P4E2VQLE0
>371
GJ
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 15:07:54.21 ID:+DptIlSbO
このスレ、自由に書いて書き込んでいいのか?
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 15:26:30.58 ID:iIEkm2Q90
>>378 かぶりがないかだけチェックして書いたらいいんじゃね?
380 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 15:28:15.37 ID:MyCQ9lns0
>>371 特記事項の2つめと3つめにワロスwww
381 :
◆AIR///SG4Q :2006/04/08(土) 15:42:53.12 ID:kDmi0H/i0
保守かしらー
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 15:56:50.14 ID:GHQH85U0O
>>378 出来れば
>>1のまとめサイトに行って
古畑だけでも読んで頂ければ、幸いかとー。
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 16:12:38.47 ID:RGl+JTaI0
オナカスイタ┌| ∵|┘ハニャァー
384 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:28:00.11 ID:MyCQ9lns0
続き投下します
385 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:28:52.44 ID:MyCQ9lns0
襲撃者を撃退して半時、黄理が無事屋敷に帰ってきた。
「御館様お帰りなさいまし」
「ああ……」
いつもどおりの不器用な笑顔で黄理は志摩に一見した。
「――それで、こちらの被害のほうは?」
「はい。相手が相手ゆえ無傷で済んだ者はおりませんが、ほとんどの者が軽傷です。子供たちに関しては全員無傷です」
「そうか――ところで、志貴はどうした? 兄貴が言うには何も知らずに一人で森に入って来たと聞いたが?」
「志貴も無傷です。今はもう眠っております」
「――しかし、あれほどの騒ぎの中、よく一人で森を歩けるな。気が抜けているのか、でかい器の持ち主なのか………」
「きっと後者ですよ。あの子は私たちの子なのですから」
「違いねえ―――志摩。朝から当分はいろいろと忙しくなりそうだぞ」
「ええ。わかっております」
386 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:29:42.15 ID:MyCQ9lns0
黄理は当主の間に入ると、今宵はもう寝ることにした。
しばらく里の周りが騒がしくなるだろうと思いながら、彼はまどろみに落ちていった。
第7話『外界』
黄理の思ったとおり朝から里中が騒がしかった。
まず子供たちが大人たちに襲撃の話が本当かどうか聞こうとあちこちを走り回っていた。
さらに、午後からこの地を管轄していた組織の者たちが事後処理に訪れた。
里にやって来た組織の使いの者の話だと、どうやら遠野の七夜襲撃の報は、既に日本中の退魔、混血の耳に届いているらしい。
耳だけはしっかりしている連中だと黄理は思った。
「―――紅赤朱の死体だけ発見されなかった?」
「はい。森中を探したらしいのですが、軋間紅摩に関しては死体どころか、逃げた痕跡すら発見されなかったと………」
「当たり前だ。奴は間違いなく俺が殺した。きっと、もう灰になったんだろうさ」
387 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:30:02.70 ID:MyCQ9lns0
混血は普通の人間とは違い、死ぬと死体は腐乱せず、そのまま灰になるものが多い。
だから、軋間紅摩も既に灰になったのだろうと黄理は思うことにした。
(もし、あれで生きていたら、それこそ化け物だ―――――)
黄理はそう思いながら当主の間を出た。
「――――ん?」
廊下を歩いていた黄理の目の前に光の球体があらわれた。
光はふよふよと何事も無いように飛んでいる。
最初、黄理は蛍かと思ったが、今は冬だ。しかもまだ昼。蛍が光っているのはおかしい。
(――なんだこりゃ?)
「あっ、メイメイそんなところにいたのぉ?」
後ろから水銀燈がそんなことを言いながら志貴と一緒にやってきた。
すると光は水銀燈の言葉に反応したように彼女のもとに飛んでいく。
「水銀燈。そいつはなんだ?」
「私の人口精霊のメイメイ。薔薇乙女は皆、それぞれひとつずつ自身と対になる人口精霊を持っているのぉ。
襲撃の後、屋敷に帰ってきてから姿が見えないと思ったら………勝手に鞄の外に出てたのねぇ」
まあ、ここに来てから一度も外に出さなかった私が悪いってこともあるけど、と言葉を付け足す水銀燈。
「でもシキが不思議な光を見たって言ってくれて助かったわぁ。やっぱりメイメイだったし……きっと私を探してたんだわぁ」
「ふぅん、これが………改めて見るとやっぱり不思議だなぁ」
志貴は改めて、夜に見た光―――メイメイを見る。
388 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:30:53.85 ID:MyCQ9lns0
メイメイが二、三回チカチカと光った。
「なんか光ってるぞ?」
「メイメイが“はじめまして”って言ってるのよ」
「ああ……」
納得してメイメイに一見する黄理。
それに対して志貴は
「こっ…こちらこそはじめまして! 七夜志貴ですっ!」
などと、はじめて見る不思議な存在に戸惑いながら頭を下げた。
そんな志貴の様子を見た黄理と水銀燈はあまりのおかしさにけらけらと笑った。
遠野による七夜襲撃の報は退魔、混血双方に大きな衝撃を与えた。
しかも襲撃は失敗、遠野は首謀者である遠野槙久を含めて全滅という事実に驚きを隠せなかった。
その後、遠野に縁のある者による再襲撃があるかと思われたが、それは起こらなかった。
理由は簡単である。
退魔の中には遠野のような表部隊でも強大な力を持つ一族を厄介者と思う輩がいる。
そのような者たちが、そんな遠野の当主を正当防衛とはいえ討ってくれた七夜に対して一斉に協力的な態勢を取ったためである。
389 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:31:13.28 ID:MyCQ9lns0
中でも浅神、巫淨、両儀の三家が特に七夜を強く支援した。
この三家は七夜と同じく、古くから続く退魔の血筋である。
これらの一族も七夜同様、普通の人間を超越したチカラをもつゆえに混血からは『厄介者』とされている。
そんな者たちの協力を得、さらに力をつけた七夜を襲撃しようなどという愚行をやらかす者は結局いなかったというわけである。
その一方で、遠野の方はというと、突然の当主の死に大きな混乱を見せていた。
やがて混乱が多少納まったところで、分家である久我峰、刀崎、有間の三家が後見人になるという条件のもと、槙久の長男でまだ六歳である遠野四季が当主に座った。
これにより、遠野と七夜の戦いは一端の終焉を迎え。それ以降は事実上冷戦状態となり、数年後の未来まで両者のにらみ合いが続いていくわけである。
―――が、その話をするのはもうしばらく先の話だ。
遠野の襲撃から二週間が過ぎたある日。
黄理がとある退魔の一族から急な連絡を受け、里の外へ出ることになった。
なんでも退魔四家の今後の存続にも関わる可能性がある話とのことだ。
390 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:31:36.27 ID:MyCQ9lns0
ちなみに『退魔四家』とは、先ほど言った浅神、巫淨、両儀、七夜の四つの血族のことを言う。
「―――しかし御館様。志貴様を外に連れ出すのはまだ早いのではないでしょうか?」
部下の青年―――七夜真樹が黄理に問うた。
「いや。近いうちに志貴には里の外の世界を見せてやろうとは前から思っていた。
それに、これについては志摩も賛同しているし、水銀燈も同行するとのことだ。心配はいらん」
そう。黄理は今回の件のついでに志貴に里の外の世界を見せておこうと思っていたのだ。
七夜の里で子供が初めて外の世界へ出るのはだいたい十歳くらいだ。
それをまだ六歳の志貴に行わせるということに真樹は少し不安があったのだ。
「それに―――俺は志貴が俺と違う道を歩めるかどうかをこの目で見てみたいと前から思っていた。
だからこそ、俺は志貴に俺の持つ技法のすべてを託すことにした。志貴には天賦の才がある。いずれ七夜としても人間としても俺を超えていくだろう。
だから俺は今回志貴にそのきっかけを与えてやることにしたんだ」
「―――そういうことならば、私も賛同いたします」
真樹は笑って一礼した。
「志貴。準備はできているか?」
余所行きの服装―――つまり上着とズボン姿の黄理が志貴の部屋に入ってきた。
「うん。僕も水銀燈ちゃんも準備できてるよ」
部屋にはこれまた上着とズボン姿の志貴と、志摩に直してもらったドレスを着た水銀燈がいた。
「ほう。さすが志摩だな『迷獄沙門』で斬られた痕がまったく残ってねえ」
「ええ。シマは凄いわぁ」
黄理たちは水銀燈のドレスを見る。
以前、黄理の『迷獄沙門』を受けたのが嘘なくらいドレスは綺麗に直っていた。
391 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:31:59.46 ID:MyCQ9lns0
「だが水銀燈。お前その格好だと外は目立つんじゃないか?」
「それなら大丈夫よぉ、森の外に出たら鞄の中に入っているからぁ」
「ああ、なるほど。確かに、それなら目的地までの運賃がかからなくて済む」
「父さん。電車にも乗るの?」
「ああ。ここから軽く数時間はかかるな」
「――じゃあ志摩、明日には戻る。留守を頼むぞ」
「はい。御館様も志貴も水銀燈も道中気をつけて」
「ああ。行ってくる」
「行ってきます」
「行ってくるわぁ」
そう言って三人は里を下りて、麓の町にある駅に向かった。
「それでキリ。いったい何処にいくのぉ?」
「両儀の屋敷だ」
「リョウギ?」
「七夜と並ぶ退魔の一族だね。でもなんで急に?」
「わからん。詳しい話は着いてから話すとのことだが……どうせくだらんことだろう。さしずめ刀崎みたいに護衛でもしてほしいんじゃねえか?」
「ふうん……あ。そろそろ私鞄に入るわねぇ」
「ああ。出ていい時になったらまた呼ぶ」
「わかったわぁ」
そう言って水銀燈は志貴の持っていた彼女の鞄に入った。
「七夜の里にはないものばかりだね外って………」
町に下りた瞬間、志貴は驚かずにはいられなかった。
392 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:32:23.63 ID:MyCQ9lns0
あらゆる場所がコンクリートで固められ、木で造られた家は数えるほどしかなく、家には電気や水道が通っており、空気も里よりはるかに不味い。
自然の中で育ってきた志貴にはまさに別世界であった。
「よくこんなところで生活できるなぁ……」
「まぁ、向こうも志貴たちの生活を見れば同じこと言うでしょうねぇ」
鞄の中から水銀燈のそんな声がした。
町をしばらく歩くと駅が見えてきた。
駅に着いたら志貴は慣れぬ手つきで二人分の切符を購入し(黄理がやってみろと言ったので)、3人はホームに向かう。
しばらく待っていると電車がきた。
乗車券が指定席だったので、電車に乗ると三人は指定された部屋に向かい席に座る。
部屋は数人用の個室だが、今は志貴と黄理そして水銀燈しかいない。
「よし。水銀燈出てきていいぞ」
黄理がそう言うと、志貴が鞄を開け、中から水銀燈が出てきた。
「う〜ん……やっと出れたわぁ〜」
「このまま半時ほど乗るが、この列車は途中二、三度駅で停車する。水銀燈には悪いが、その度に鞄に入ってくれ。
もしかしたらこの部屋に別の客が来ることもあるから、その時も頼むぞ」
「わかってるわぁ。それまでは外の景色を満喫していいんでしょぉ?」
そう言って水銀燈は窓から景色を眺めた。
それから電車は数十分走り続けた。
代わる代わるの景色を見るのは、志貴と水銀燈には楽しいことだった。
393 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:32:50.74 ID:MyCQ9lns0
やがて列車は別の駅で停車した。
水銀燈は一度鞄に戻る。
さらに列車がその駅を出発してしばらくすると黄理が水銀燈に人が入ってくると言った。
「もう。こんな時にぃ……」
ぶつぶつと文句を言いながら水銀燈は再び鞄の中に入った。
その女性客は失礼と言って志貴と黄理の向かい側の席に座った。
女性はワイシャツに細いズボン。オレンジ色の上着を羽織り、眼鏡を着用していた。
志貴は眼鏡をかけた人を見るのはこれで二度目だった。
一度目は遠野が七夜を襲撃したあの夜、志貴は白い草原で眼鏡をかけた不思議な青年に出会った。
そのことを志貴は黄理には話していない。
青年の姿からして、おそらく敵ではないと志貴は思っていたからだ。
だが、青年の言った一言を志貴は忘れていない。
『君が水銀燈のミーディアムかい?』
あの日のことを思い出しながら女性を見ていると、女性と目が合った。
女性はにこりと笑うと志貴に話しかけてきた。
395 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:33:17.69 ID:MyCQ9lns0
「お父さんと旅行?」
「い…いえ。父さんの仕事についてきてるんです」
「ああ、そんな硬くならなくていいわ。もっと気を楽にして」
「志貴は遠くに出るのが初めてなんです」
黄理が横から女性に言った。
「そう……シキ君ね」
「は…はい。七夜志貴です」
「だから気を楽にしていいって。私は蒼崎橙子。よろしくねシキ君」
女性――蒼崎橙子はそう言うとまたにこりと笑った。
396 :
ツキノトウヤ:2006/04/08(土) 16:36:13.72 ID:MyCQ9lns0
今回はここまでです。
蒼崎橙子の登場は真異月譚を書き始めた当初から考えていました。w
彼女がこれから物語にどう絡むかお楽しみにw
ではまた
ちなみに本作には笛糸のキャラは登場しないと思われ・・・・
月姫と空の境界だけだと思います
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 16:44:44.38 ID:L1gWWj/E0
>>396 乙GJ
魔眼が発動して無いのに先生と会うとは・・・
先の展開が楽しみだw
398 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 16:45:03.67 ID:UWSQC1B80
GJ!
先生がwww
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 17:26:56.68 ID:L1gWWj/E0
400 :
オリ:2006/04/08(土) 17:28:21.50 ID:1lbgkTkO0
>ライ銀氏
>ツキノトウヤ氏
GJ
いまのいままで・・・・ねてたので・・・・過去ログよんで・・・こな・・・いと
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 17:46:33.89 ID:8qOk3/g8O
保守なのねん
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 17:48:57.59 ID:o7uBl5WkO
>>396 乙
らっきょのキャラも出てきたかwww
ますます目が話せなくなってきた
>>397-398 橙子は先生じゃない。先生は青子だ。
橙子は空の境界っていう月姫の外伝みたいな小説のキャラで青子の姉。あと人形師。
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 17:58:45.09 ID:L1gWWj/E0
蒼崎と聞いて先生が浮かんで橙子まで見てなかった
橙子は人形が壊れるとまた新しい人形が
動くって言う人だっけ?
404 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 18:04:01.84 ID:UWSQC1B80
うぎゃっ、自分も蒼の部分で判断してた…
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:06:27.27 ID:GHQH85U0O
ホヒュ
最近投下が多くて嬉しい限りだ保守
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:29:24.10 ID:L1gWWj/E0
マクロスで書こうかな〜と思ったら
全然覚えてなくて書けない保守
408 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 18:30:37.48 ID:UWSQC1B80
マクロス渋スwww
あえて柿崎関連で柿崎が水銀燈のミーディアムとかww
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:35:50.12 ID:L1gWWj/E0
>>408 エキセドル「デカルチャー!!人形が動いたー」
410 :
オリ:2006/04/08(土) 18:43:53.02 ID:1lbgkTkO0
エキセドル参謀「プロトデビルン?!」
・・・マクロスセブンじゃんこれ・・・
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:50:14.67 ID:L1gWWj/E0
アスカ「レイ!!V-MAX発動」
水銀灯「乳酸菌とってる〜」
アスカ「誰だお前」
脳髄がとろけて来たw
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:53:22.90 ID:lfWqA5Lz0
あえて柿崎w保守
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 18:58:42.96 ID:3RIysR0Y0
メグの名字も柿崎じゃなかったっけ、と保守
414 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 19:12:41.94 ID:UWSQC1B80
だから短命なのか…
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:14:24.65 ID:L1gWWj/E0
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:15:19.69 ID:D/oXV9s50
俺はマクロスシリーズは7しか見てないけどな
スパロボで気力上げるとき使ったな
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:20:21.90 ID:o7uBl5WkO
愛・おぼえていますかを歌うミンメイと銀様を妄想した
418 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 19:23:47.30 ID:UWSQC1B80
なんだろうその神展開
妄想するだけですばらしいや
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:30:28.42 ID:3RIysR0Y0
>まとめサイトの管理人さまへ。
いつもご苦労様です。下にあるのは単なる保守変わりの妄想で、文の練習です。
前後との関係も糞もないのでのせていただかなくて結構です。
構想がまとまれば、其の時はまた改めて一つの物語りとしてまとめるかもしれませんが。
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:31:18.65 ID:3RIysR0Y0
『敵撃墜8、生存4。残存兵力は二手に別れて離脱。味方被撃墜3、被弾小破1。
被撃墜機、生存者なし。味方部隊TAB-22へ帰投進路。』
アリスが告げてくる。飽く迄無感動に。
この短時間で梅岡機、白崎機、山本機が殺られた。
アリスの統合作戦指揮装置は、其の様子を克明に記録している。
脱出した乗員は皆無。彼等は愛機と共にこの空で散った。
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:32:39.10 ID:3RIysR0Y0
戦場に感情はいらない。感傷に浸り、兵器に成り切る事が出来ない奴は殺される。
そんな事は解りきっている。
其の意味ではアリスの行動は正解であり、感情などもとめる方が滑稽だった。
敵機は撃退したとはいえ、此処は絶対的な航空優勢を確保していないエリアだ。
何時また新手が現われないとも限らない。
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:32:57.60 ID:3RIysR0Y0
しかし「もしもこれが真紅だったら」と淳は想像してしまう。
彼女ならば感情を押し殺して勤めて冷静に振る舞い、
そしてたぶん、任務終了後、死んでいった者達の為に人知れず涙をながすだろう。
アリスの声はそうしたものを一切感じさせない無機的なものだった。
真紅の姿をとってはいるが、こいつは一体何だ?
こうして自分の頭の中に入り込んでくる意識は誰のものなのだ?
真紅の屍体が歪み、其の中から湧いて出た金属光沢を持つ蟲が、体をくねらせながら
自分の脳髄に入り込んでくる光景を想像して、淳は思わず身震いした。
こいつは真紅ではない。 真紅の皮を被った別の”何か”だ。
そうだった。真紅はもういないのだ。彼女は死んだ。
僕のせいだ。僕が殺した……。
意識接続回路にノイズが走り、アリスとの接続が乱れた。
『マスター、シンクログラフに異常。大丈夫ですか?』
アリスの声が耳鳴りのように響く。
現実感が無く、淳はまるで夢の中にいるような錯覚を覚えた。
「何でも無い。大丈夫。大丈夫だ。大丈夫……。」
淳は込み上げてくる吐き気をおさえつけ、自分に言い聞かせるように何度も呟いた。
寒い。
肉体が自分の物では無いような感覚がおこって、それがふっと消えた。
「任務終了、帰投する。」
夕日に照らされた空は、血に濡れたように真っ赤だった。
では失礼。
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:46:21.71 ID:lfWqA5Lz0
424 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 19:49:08.56 ID:UWSQC1B80
gj!!
425 :
オリ:2006/04/08(土) 19:50:24.26 ID:1lbgkTkO0
gj
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 19:57:42.41 ID:L1gWWj/E0
>>422 GJ
水銀灯「私の彼は〜パイロ〜ット」
脳汁が垂れ流しになってるwww
427 :
86:2006/04/08(土) 20:08:43.73 ID:lwd3sJsvO
保守
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:12:47.01 ID:xNJdplXP0
GJ!
さて前ロボコップ描くと言ってた者ですが
書いてて思ったんですが水銀燈とかドールズって英語しゃべれるのか
なんて事に気づいてしまったんですが・・・
しゃべれるのかなあ・・・
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:14:40.21 ID:gAX1A/Rd0
>>428 ドイツで作られたはずなのに日本語喋ってる。
430 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 20:15:06.44 ID:UWSQC1B80
>>428 きっと喋れると思いますよ、JUMとも会った瞬間話をしていたしw
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:39:43.84 ID:lfWqA5Lz0
>>428 火星だろうが飛鳥時代だろうが喋ってるから問題ないのではないか?
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:44:51.60 ID:xNJdplXP0
>>429-430 正直言うとどんなハイテクな技術で(ry
よし続き書くかwwwwwwwww
てことは英語だとお馬鹿さんってかんじの言い方は愚かだからFoolish・・・
さんをつけてMr.・・・
だから本当にお馬鹿さんは「really・・・Mr.Foolish」になるのかなwwwwwww
日本語で書くけどさwwwww
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:47:46.58 ID:L1gWWj/E0
ドイツ語だと「Wirklich Dummkopf 」
ドイツ語は分からないよgoogle先生
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 20:58:21.85 ID:3RIysR0Y0
How silly you are,Shinku.
かなあ。
ひどい間抜けのことをan old sausageともいうみたいですね。
中文だと「おばかさぁん」は「笨蛋」らすいです。
435 :
ロボコップ描いてる人:2006/04/08(土) 21:15:47.48 ID:6v/W3OiNO
>>433-434 すげえ…てか他国言についてのレッスンになってるw
少しアンケート…
ロボコップの映画版の1どれくらい見た人います?
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:16:15.16 ID:lfWqA5Lz0
保守なのですよ
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:16:58.16 ID:L1gWWj/E0
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:17:14.27 ID:lfWqA5Lz0
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:27:05.02 ID:6v/W3OiNO
じゃあやっぱり最初のシーン書き直さなきゃ…
いきなりロボコップでできてるのはおかしいしorz
440 :
オリ:2006/04/08(土) 21:34:24.21 ID:1lbgkTkO0
・・・・リリアンの・・・・かきとちゅうで・・・・パソが・・・・・
・・・・データきえた・・・・・・・・・・・・・・
Day’s かいてくる・・・・・・
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:35:59.40 ID:lfWqA5Lz0
>>440 ・゚・(つД`)・゚・ が、がんがって下さい。
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:36:47.50 ID:L1gWWj/E0
JOJO第六部で考えてたらカオスな事になったwwww
443 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 21:38:50.31 ID:UWSQC1B80
>>442 銀様に祝福しろと要求するアナスイとか、
薔薇水晶と戦って油断させるためにパンティをあげちゃおうとするエルメェスが想像できたんですが(ry
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:46:15.43 ID:wF3m+yNq0
h
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:46:45.33 ID:L1gWWj/E0
>>443 今度は五部で考えてみた・・・
頑張れば行けるかもしれないw
446 :
ライ銀作者:2006/04/08(土) 21:47:25.16 ID:UWSQC1B80
>>445 がんばってください!
今度はアバ茶ネタが思い浮かんだ…
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 21:51:29.22 ID:BSjaRjq40
第五部の死に続けフィーバーな生活を送って何か悟っちゃったボスが水銀燈に出会って――
という短編なら思い浮かびかけてまとめられなかった記憶がある。
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 22:06:02.39 ID:L1gWWj/E0
ジョルノのスタンドで手に変えられちゃう銀様が浮かんだ・・・
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 22:06:15.53 ID:lfWqA5Lz0
保守よぉ
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 22:26:26.43 ID:lfWqA5Lz0
保守なのよぉ!
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 22:41:52.93 ID:ZwxXHhfP0
h
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 22:53:37.74 ID:PrgSJPYX0
SIRENネタで書いてみようか・・・問題はローゼンに関してはwikiで見た程度の知識しかないが
雛苺「はれるでしょーーーーーー!」
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:09:39.88 ID:lfWqA5Lz0
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:12:24.68 ID:TN6jxXr+O
火星物語ネタがまとめにあったので飛んできましたよ
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:20:03.33 ID:L1gWWj/E0
水銀灯「オルファンさ〜ん、私の大切なマスターを(ry」
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:29:24.06 ID:o7uBl5WkO
>>456 ブレンパワードかww
銀様「真紅死ねよやー!」
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:29:26.41 ID:PrgSJPYX0
やべえ、書いてみたがSIRENのネタバレになる上に
微妙に水銀のキャラがわからない
基本的に悪役テイストで制約した奴から全エネルギーを奪おうとする
敵対するものには全力行使、お父様に執着している、でいいんだよな?
459 :
オリ:2006/04/08(土) 23:31:00.46 ID:1lbgkTkO0
The Snow Wind Day
第九ドール雪風は、いま非常に困った状況に居た。
どう困っているのかと言うと
「………猫」
そう、猫だ。自分の姉である真紅と翠星石が、敵だと言ってはばからない存在。
その猫が、何故か無数居る。
そして、私の肩や頭、足元でのんびりしているのだ……
動きたくても動けない……非常に困る……
多分、マスターがコレを見たなら「猫風」と、わけのわからない愛称をつけられそうだ……
彼は、少し変わった愛称をつける癖がある……
水銀燈なら銀様。蒼星石なら蒼ちゃん。翠星石ならすぃーちゃん。雛苺はひな。
金糸雀はかなりー、真紅なら赤いの(愛称? と疑問に思う)、雪華綺晶にはきらきー
薔薇水晶にはばらしー、ラプラスの魔はラー君……
並べてみたが、結構マトを得ているのもある……
まぁ、思い返しては見たが愛称で呼ばれるのはなんとなく嫌なので現時点の問題解決を考える。
とりあえず頭の上でのんびりしている猫を抱き上げる。
……しまった、腕が塞がれた。くっ……あぁ、また別の猫が頭の上に……
現状の問題解決不可能……心なしか更に猫が集まっている様子……
本当にどうしようと、心の中で思う雪風だった。
小一時間が経過した頃だろうか? ふと、誰かに見られている気がしたのでそちらに視線を移すと
そこにいたのは、我が姉である水銀燈。
なぜか、物陰から私を見て私の手元の存在を見てちょっとニヤケテイル。
やばい、アレはほかの人に言いふらす時の顔だ。
そして、水銀燈は、自分の後ろの方になにやら大声で声をかけている。
やばいやばいやばい! 実にまずい状況だ! この現状を打破できる作戦はないのか?!
460 :
オリ:2006/04/08(土) 23:31:40.64 ID:1lbgkTkO0
そして、現れたのはやはりマスター。
しかもその手には、デジタルカメラを所持している。
オーケー……後で絶対殴ってやるからなマスター。と、心の中で一人つぶやく。
マスターは、嬉々として私の姿をデジカメで撮影しながら近づいてくる。
「よぅ。どーこ行ったのかと思ったら猫だらけだな? 雪風」
「……マスター。早急にそのデジタルカメラの記録消去を求む。更には、この状況の打破を願う」
私の言葉に、はいはい。と、苦笑しながらマスターはデジタルカメラを水銀燈に渡す。
今度は水銀燈お姉さまが、私を撮影する始末……この恨み晴らさずべきおく物か……
マスターはとりあえず、私の頭と肩にのっかかっていた猫に、「雪風が疲れたからすまんな」と声をかけながらおろしていく。
地に降り立った猫たちは、私にペコッと頭を下げた後どこかに歩いていった。
私の周囲でのんびりしていた猫たちも同じようにペコッと頭を下げて歩いていく。
「ほれ、お前の腕の中の猫もおろしてやれ」
「了解」
そういわれて私は、最後の猫を下ろした。
「それにしてもブータニアスが、懐くなんて珍しいな」
どうやら私がおろした最後の猫の名前はブータニアスと言うらしい。
ブータニアスは、私をじっと見ていた。つられて私もブータニアスをじっと見る。
【また、会おうぞ。作られし乙女よ】
え? と、私はブータニアスを凝視した。その後マスターの方を見る。
突然見られてマスターは、驚いたと言う感じだった。
ブータニアスは、私にペコッと頭を下げた後その場から去っていく。
大変不可思議な事と遭遇……猫が会話するのは可能か?
「ほれ、帰るぞ雪風」
「……了解」
そして、私とマスターと水銀燈お姉さまは自宅へと帰還した。
461 :
オリ:2006/04/08(土) 23:32:11.06 ID:1lbgkTkO0
「雪風〜お前これから雪猫な!」
「ゆきねこぉ〜良いわねぇ〜それぇ」
「………マスター………」
「ん? なんだ? うれしすぎて涙がで……ちょ?! おま!? その手に持ってるゴルディオンハンマーっぽいのなんだ?!」
「………お父様からいただいた………超ど級死にはしないが死ぬほど痛いかも? ハンマー……」
「銀様たすけ……わーぉ。もうすでに空かよ?!」
「……マスターを撃墜します……」
「ローゼンの馬鹿やろー!!!!!」
462 :
オリ:2006/04/08(土) 23:33:16.69 ID:1lbgkTkO0
The Snow Wind Day 終了
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:33:49.10 ID:o7uBl5WkO
ブレンなら最後はバロンになっためぐと最終決戦でもいいかも・・・
めぐ「水銀燈・・・・」
銀様「なんで・・なんで貴方がバロンなのよ・・・」
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:33:29.67 ID:1PA10TO90
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:37:45.50 ID:Z8zR28Ex0
>>458 今からでもyoutubeあたりで確認したほうがいいよ。
正直ここはSS叩く人とかいないから気軽に投下できるだろうけど変な違和感が出る可能性大だろうから。
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:40:37.82 ID:PrgSJPYX0
>>465 そうだな・・・原作すら知らないもんが書いたSSは原作にとっても失礼なことだしな
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:45:05.40 ID:lfWqA5Lz0
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:48:12.97 ID:PrgSJPYX0
つかSIRENじゃあわかってくれる人少ないよなあ
オーフェンとかサイレントヒルとか乙一のGOTHとかでもできそうだが
どんなのがウケるのかねえ
保守ついでに放送局繋がりで有名どころの鋼で書いてみようかと思っている俺ガイル
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:52:36.28 ID:lfWqA5Lz0
週末だから早めの保守かしら
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:56:18.19 ID:PrgSJPYX0
とりあえず一話目をチラリと見てみた
雛苺にサッカーボールキックを入れてみたくなった
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/08(土) 23:58:04.98 ID:lfWqA5Lz0
二話じゃね?
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:00:01.10 ID:hN+xcxJE0
>>472 ベッドの下に隠れてて聴力範囲外の声で喋ってた
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:02:15.63 ID:KeICRHNc0
先輩!それは続編のような!
Rozen Maiden
Rozen Maiden traumend >多分こっちの一話では?
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:02:19.20 ID:BW045Esw0
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:04:01.20 ID:hN+xcxJE0
>>474 ホントだ!
何の説明もなしにキャラクター勢ぞろいしててあれ?っと思ったがなんか赤いのと青いのが気になった
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:07:26.91 ID:KeICRHNc0
>>476 Rozen Maiden >こっちからでヨロ
Rozen Maiden traumend
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:10:13.90 ID:hN+xcxJE0
1を大体のノリで見たぜ
ジュンは現代版のび太くんだな!?
479 :
オリ:2006/04/09(日) 00:15:29.89 ID:gzPqeov/0
あぁ。オリ氏がメイヴちゃんを見つけてしまわれたwww
481 :
オリ:2006/04/09(日) 00:27:32.47 ID:gzPqeov/0
・・・・(メイヴちゃんプロモ画像みて爆笑中
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:29:19.30 ID:hN+xcxJE0
なんだか知らんが紅茶が飲みたくなるアニメでしたっと
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:40:31.37 ID:SZU10+x20
h
484 :
オリ:2006/04/09(日) 00:52:56.70 ID:gzPqeov/0
485 :
オリ:2006/04/09(日) 00:53:19.21 ID:gzPqeov/0
>487
(捏造
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 00:58:51.24 ID:zelf/452O
ついにこの日がきた・・・
おやすみ
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 01:18:21.02 ID:zelf/452O
ちょ、保守保守
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 01:23:17.40 ID:KeICRHNc0
(´-`).。oO(・・・この日?・・・何だろう・・・)
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 01:35:29.22 ID:jvMeFMPl0
ho
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 01:51:45.13 ID:KeICRHNc0
保守かしら
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 02:06:17.54 ID:KeICRHNc0
hosyukasira
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 02:14:57.85 ID:20BpJ5Ni0
h
寝る前保守
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 02:43:34.44 ID:SZU10+x20
h
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 02:56:34.48 ID:SZU10+x20
お休みの保守
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 03:20:00.03 ID:HkLhHZDo0
n
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 03:34:11.40 ID:HkLhHZDo0
ぎ
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 03:57:37.39 ID:mbSJ8cKP0
ん
499 :
畳 ◆SUIgInToHY :2006/04/09(日) 04:23:49.30 ID:4xWl+cvUO
さ
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 04:54:58.61 ID:20BpJ5Ni0
が
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 05:48:41.17 ID:20BpJ5Ni0
h
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 05:54:37.81 ID:HkLhHZDo0
し
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 06:11:29.99 ID:HkLhHZDo0
た
保守
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 06:35:33.66 ID:HkLhHZDo0
ぎんさがhした
506 :
86:2006/04/09(日) 06:45:42.50 ID:Z2+4OkS+0
その日は食堂のシェフが事情でいなくて食堂は営業しておらず、普段学食の人も
止むなく弁当を持ってきていたり、購買部でパンを買っていたりしていた。そして
ベッキーと真紅は、ベッキーの姉が作ってくれたB.L.Tサンドを持参していた。
一応ここで確認しておくと、B.L.TサンドとはB(ベーコン)、L(レタス)、
T(トマト)のサンドイッチのことである。そして、二人は昼休み、各々の場所で
それを開けた。しかし、中に入っていたのは………B(ベーコン)、L(レタス)、
T(トマト)サンドではなく、B(ブロッコリー)、L(レモン)、T(ターキー
(しかも血抜きが十分なっていない生のやつが丸ごと)サンドだった。もちろんこ
んなのが食べられるわけがない。ベッキーは唖然としてその場に固まってしまった。
しばらくして、宮本研究室にいた真紅が弁当箱を抱えてベッキーのいる職員室に入ってきた。
「お、宮本先生の妹さんが来ましたよ。」
「だから、こいつは妹なんかじゃないって…」
そして、真紅はベッキーの前まで来ると、弁当箱をベッキーにつきつけて言った。
「ちょっと、ベッキー!これはいったいどういうことかしら?!」
「知るかよ!そんなの。」
「あら、レディに対してその態度は何なのかしら。」
「だからー、文句があるならお姉ちゃんに言えって言ってるだろ!!」
「全く、しかたないわね。」
507 :
86:2006/04/09(日) 06:47:37.29 ID:Z2+4OkS+0
そして、真紅は弁当箱を抱えたまま職員室を後にした。たしかにベッキーの
言う通り、今回のことの責任はベッキーの姉にある。しかし、ベッキーの姉に
は真紅でも逆らえない何かがあるので、真紅がベッキーにあたったところで何か
なるわけではなかった。どうであるにせよ、ベッキーと真紅はその日の昼食に困ってしまった。
真紅はこっそり弁当箱の中身を捨てて、せめて紅茶でも飲もうと宮本研究室へ、とぼとぼと歩い
ていた。と、その時、後ろから誰かがやってきた。
「あっ、真紅。なんか元気なさそうだけど、どうしたの?」
「あら、蒼星石じゃない。私は別に何ともないわよ。」
真紅はそう言ったが、蒼星石は真紅がさりげなくお腹を抱えている様子を見て言った。
「ひょっとして、お腹すいてるの?」
「え、別に私は…」
「もしよければ、僕がなんか買ってきてあげようか?」
「別にいいと言っているのだわ!」
そう言って、真紅は蒼星石の前から歩き去った。たしかに真紅がこんなことで世話を
焼かれたくないという気持ちは分かるが、それでも蒼星石はお腹をすかせた真紅に何か食べさせてあげたいと思っていた。
すると、蒼星石の目の前に一人の男子生徒が現われて、蒼星石に話しかけてきた。
「よぉ、蒼星石。どうかしたのか?」
「あ、修さん。」
彼の名は桃瀬修。1年A組の生徒で、どういうわけか蒼星石と仲が良かった。
そして、蒼星石は修に真紅がお腹をすかせていることを話した。
「そういうことか。じゃあ、ちょっと待ってろ。」
「え、一体何を。」
そして修は、教室から一つの弁当箱を持って出てきた。
「ほら、これやるから真紅に食べさせてあげな。」
「これって、もしかして修さんが…」
「まあ、そうだな。弁当を作ることなんて、一人分も二人分も同じようなものだしな。」
「で、これ本当にもらっちゃっていいんですか?」
「いいんだよ。あと、お前もほしかったら、いつでも俺に頼んでいいぜ。」
こうして修は、蒼星石にに弁当箱を手渡して去っていった。
508 :
86:2006/04/09(日) 06:48:49.76 ID:Z2+4OkS+0
その頃、宮本研究室では真紅が一人さびしく紅茶を飲みながら
(何であの時、私は蒼星石の誘いを断ったのかしら…。断らずに乗っとけば良かったわ…。)
という具合にさっきのことを後悔していた。すると、研究室のドアが開き、蒼星石が手に何かを抱えて入ってきた。
「あら、今度は何かしら?」
「なんか修さんからこんなのもらったんだけど、いる?」
蒼星石の手に抱えてられていたのは一つの弁当箱だった。さっき蒼星石に誘われて、断ったことを後悔していた真紅は即座に答えた。
「ええ、いただくわ。」
そして真紅は、蒼星石から差し出された修の弁当を残さずきれいに食べた。
「どうだった?これ。」
「そうね、なかなか美味しかったわ。そしてなによりも作った人の心がこもってる感じがするわ。」
「そうか。よかったね。」
蒼星石は、こんな形であっても真紅にお腹いっぱい食べさせてあげたことを嬉しく思っていた。
「ところで、このお弁当を作ったのは誰かしら?」
「ああ、これ?A組の修さんだよ。」
「……。当分学食は営業しなさそうだし、しばらく彼にお弁当を頼んでもいいかしら?」
真紅が意外なことを言ったので、蒼星石は少しびっくりしたが、
「わかった。修さんに言っておくよ。」
と言って真紅の頼みを聞くことにした。そして、蒼星石からそのことを聞いた修は、真紅の頼みを快く受け入れた。
その頃、ベッキーはC組に行って生徒達から弁当のお裾分けをもらって飢えをしのいでいた。そして、ベッキーも
また修の弁当のことを小耳にはさみ、彼女も明日からしばらくの間、修に弁当を作ってもらうことにした。その後、
修に弁当を作ってもらうことになったベッキーと真紅がどうなったのかは、また別の話…。
509 :
86:2006/04/09(日) 06:50:31.70 ID:Z2+4OkS+0
昼休みが終わり、5時間目、1年C組の授業はベッキーの数学だった。授業というものは、
真面目に聞いている人もいれば、かたや寝たり、他のことをして暇つぶしする人もいる。そして、
その日姫子は漫画を読んで暇つぶしをしていた。しかし…
「あっ、姫子!お前また漫画読んでるな?!」
「げっ!」
たちまちベッキーに見つかってしまい、姫子はその場で漫画を没収された。
そしてベッキーはその漫画を教卓の上に置こうとしたが、真紅がその漫画を見て言った。
「ベッキー、その漫画をこっちによこして頂戴。」
「馬鹿言うな!今は授業中だぞ!」
こう言っても真紅は、言うことを聞くわけがなかった。
「その漫画をこっちによこして頂戴。早く!」
これ以上言っても駄目だとベッキーは思ったので、もうほっとくことにした。が、次の瞬間、
真紅が自分の結んだ髪を鞭のように振ってベッキーの顔面を打った。
「いてっ!」
真紅に打たれたはずみでベッキーは、手に持っていた姫子の漫画を落としてしまった。
そして真紅は、落ちてきた漫画をキャッチして読み始めた。その漫画の表紙には、『くんくん探偵』と書いてあった。
「真紅ー、その漫画返してよー。」
「嫌よ。あなたの物は私の物。私の物は私の物よ。」
「おい、お前、その言葉どこで覚えたんだよ。」
なんだかんだいって、真紅はクラスのみんなから結構ちやほやされていた。
「どこでもいいじゃないの、くるみ。」
「あのなあ…」
「ところで真紅、お前って、くんくん探偵好きなんだな。」
「ええ、好きよ。この世で彼ほどすぐれた探偵はいないもの…」
玲にくんくん探偵のことについて聞かれた真紅は、まってましたと言わん
ばかりにくんくん探偵について熱く(?)語り始めたのだった。そして、
ベッキーはその光景に大いに困ってしまった。
510 :
86:2006/04/09(日) 06:52:04.58 ID:Z2+4OkS+0
「おい、雛苺。どういうことだよ、これ?」
ベッキーはこの光景について、そばにいた雛苺に聞いた。
「真紅はねー、くんくんが大好きなのー。それで、くんくんについて話し始めたら止まらないのー。」
「そうか…(誰か、今すぐ止めてくれ)。」
姫子は真紅のくんくん談義の輪に加わっていたが、それ以前に漫画を取り上げられた時のために、机の上に
PSPを出していた。そして、姫子は談義の合間に電源を切ってあるそれをちらりと見た。すると…
「マホ?!」
それには異変が起きていた。なんと、画面が餅のように膨らんでいたのだ。姫子はそれを不思議に思って手にとってみた。と、次の瞬間…
「マホーン!」
膨らんだ画面が弾けて無数の黒い羽が飛び出した!驚いた拍子にそのPSPを放り投げてしまった。
「どうした、姫子!」
「あれは…」
床に落ちてもなお黒い羽が飛び出し続けるそのPSPを見て、真紅はくんくん探偵談義をやめ、真剣な表情になった。
「どうやら、あの子が来たみたいね。ベッキー、下がってて。」
「あの子って…」
真紅はついさっきまで黒い羽が飛び出していたPSPの前に来て立ち止まった。そして、そのPSPからいきなり
手が出てきてはつっかえて引っ込み、足が出てきてはつっかえて引っ込みが何回か続いて、しまいには銀髪で黒い
服を着て、背中に黒い羽の生えた人形が出てきた。
511 :
86:2006/04/09(日) 06:53:35.88 ID:Z2+4OkS+0
「なかなか狭い出口ねぇ、ここは。」
(わざわざこんなところから出てくるからだろ。)
その人形は、真紅の姿を見ると親しげに真紅に言った。
「それにしても、いったい何時間ぶりかしらねぇ、真紅。」
「水銀燈、あなたも目覚めていたのね。」
いきなり別の人形が現われたので、ベッキーは戸惑っていた。
「水…、なんだって?」
「あら、真紅後ろのそっくりさんのあなたは誰かしら?」
「彼女はレベッカ宮本。通称はベッキーで、私のミーディアムよ。」
「やっぱりそうなのねぇ。とりあえず、ベッキーに言っておくわぁ。私は、」
「彼女はローゼンメイデン第1ドール、水銀燈よ。」
「ちょっと真紅ぅ、他人の自己紹介を邪魔しないでくれなぁい?それにベッキー、
ミーディアムだからって真紅と同じ格好をするなんて、ほんとにお馬鹿さぁん…」
「五月蝿い!私だってしたくてしてるわけじゃないんだよ!」
「じゃあやめちゃいなさいよぉ。お馬鹿さんねぇ。」
「ガキだからって、馬鹿にするなー!」
「うふふふ…、怒った顔は真紅と違ってなかなか可愛いのねぇ。」
「なんだよー!先生だぞー!天才だぞー!」
「先生でも天才でも、可愛いおちびちゃんだということには変わりないわぁ。
それに、そんなに怒っちゃ駄目よぉ。血圧上がっちゃうからぁ。乳酸菌摂ってるぅ?」
「うるさい。さっさと消えろ、クリントウ。」
「あら、失礼ねぇ。私はクリントンでもクリキントンでもないわよぉ。」
「じゃあ、何なんだよお前は。」
「水銀燈よぉ。分かったかしら、ポッキーちゃん?」
「私だって、ポッキーなんかじゃ…、ふえっ…」
ここまで言うと、ベッキーは束ねられたカーテンの所へ行きそこに顔をつけてに泣き出してしまった。
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 06:54:19.55 ID:HkLhHZDo0
GJ!
513 :
86:2006/04/09(日) 06:55:09.19 ID:Z2+4OkS+0
「うふふふ…。泣いてる顔もなかなか可愛いのねぇ。」
「うぅ…うるさい…うぅ…馬鹿に…ひっく…するな…ひっく…」
水銀燈は、ベッキーをさんざんなじっては楽しんでいるようだった。
「あーあ、ベッキー泣いちゃったよ。」
「それにしても、あいつ何しに来たんだろう?」
「さあ?でも、ベッキーに会いに来たことは確実なんじゃない?」
そのとき、水銀燈の後ろから肩を叩く者がいた。それは、薔薇水晶だった。
「あら、薔薇水晶じゃなぁい。どうしてここにいるのかしら?」
薔薇水晶は、手に何か抱えていた。それは、ヤクルトが6本に、ビスコが3袋だった。
「これ…、いる…?」
「乳酸菌づくしじゃないのぉ。ありがたくいただくわぁ。」
水銀燈は、何で薔薇水晶がここにいるのかということなど気に留めず、薔薇水晶が差し出したそれらを全てとった。
そして、早速ヤクルトを飲み始めた。その頃、クラスの後ろの方では…
「おい一条、何だよこれ?」
「これは、軍用の調理器具です。調理器具なので本来はこんな
ことには使わないのですが、今は宮本先生が困っているので特別です。」
そう言って一条さんは、そのキャノン砲にしか見えない軍用の調理器具で
水銀燈に照準を合わせて撃った。もちろんヤクルトとビスコに夢中だった
水銀燈がすぐに気付くわけがなく、水銀燈はたちまち光線の直撃を食らってしまった。
「きゃああああああああ!」
「全く、単純な子ね。乳酸菌ではめられるなんて。」
「おい一条、やりすぎじゃないのかこれ?」
「大丈夫です。調理器具ですから、死ぬことなありません。」
こうして水銀燈は一条さんによって、一応倒された。
514 :
86:2006/04/09(日) 06:57:38.62 ID:Z2+4OkS+0
「しかたないわぁ。今日はこのくらいにしといてあげるわぁ。」
そう言って、一条さんの調理器具で黒焦げになった水銀燈は、去っていこうとした。
「待ちなさい!水銀燈。あなたのミーディアムは一体誰なの?」
「……。ヒントだけ言っておくわぁ。D組の演劇部の子よぉ。」
そう言って、水銀燈は去っていった。
「D組の演劇部…芹沢さんのことか…?」
「そうとしか考えられないだろ。」
「芹沢さんのことかーーーーーっ!」
「はいはい、そのネタはもういいぞ姫子。」
「それしても、あの子もミーディアムを得ていたとはね。」
「まずい、ことなのか?」
「逆よ。かえって都合のいいことなのだわ。ミーディアムを
通じて彼女を説得させることができるかもしれないから。」
「説得って…」
「彼女はベッキーのことをなじっても、攻撃はしてこなかったでしょう?」
「ああ、そういえばそうだったな。」
「これは、彼女がアリスゲームを望んでいないというなによりの証拠よ。と、いう
わけで、そういう彼女を説得して、私達に協力してもらうには、ミーディアムの協力が
必要不可欠だと思うの。だからベッキー、その芹沢って子と私を今日の放課後に会わせて頂戴。」
「わかったよ。それじゃ、落ち着いたことだし、授業を再開するぞ。」
この様子の一部始終を、5時間目の体育の授業を免除されている翠星石と、蒼星石が見ていたが、
蒼星石は一条さんの調理器具を見てこう思った。
(それ、なんて最終兵器だろう…)
そして、その調理器具は後日、本来の用途に導入されたわけだが、それもまた別の話…。
515 :
86:2006/04/09(日) 06:59:57.64 ID:Z2+4OkS+0
今回はここまでです。
だけど、#4はまだ続きます。
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 07:20:47.76 ID:tvwhPRe10
GJ!
保守
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 07:21:08.66 ID:yFTugjYqO
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 07:36:28.43 ID:20BpJ5Ni0
乙
保守
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 07:56:26.61 ID:20BpJ5Ni0
hosyu
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 08:10:20.92 ID:el/tabXY0
保守
( ´D`)ノ< あざやかに銀様とねげろ♪
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 08:28:52.76 ID:20BpJ5Ni0
h
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 08:41:43.55 ID:20BpJ5Ni0
h
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 09:00:03.16 ID:20BpJ5Ni0
hosyu
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 09:30:42.33 ID:Bon/vWVU0
ほ
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 10:01:10.09 ID:OheP72600
>>469 書けたら投下してみてくれ
ちょっと読みたいかも
おはようの保守
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 10:30:51.33 ID:WvzYI4at0
小ネタ
銀「あなたが私をまいt」
M「ホッホウ!」
ポコッ 100
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 10:34:18.41 ID:XZOEs0tW0
クリボーかよw
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 10:45:12.85 ID:SZU10+x20
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:09:10.16 ID:el/tabXY0
保守
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:32:10.14 ID:WvzYI4at0
小ネタ2
銀「あなたが私をまいt」
阿「いいのか ホイホイとまかれちまって」
アッ──!!
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:34:40.43 ID:h8TFQDbc0
ウホッ
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:36:39.97 ID:yFTugjYqO
保守
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:42:48.71 ID:OheP72600
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 11:48:56.71 ID:9VsLf2NF0
536 :
かま夜:2006/04/09(日) 11:57:27.61 ID:zelf/452O
ねかふぇ来たけど串規制で書き込めんがな保守
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 12:03:55.42 ID:h8TFQDbc0
うはwイ`www
真
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 12:41:26.96 ID:edGPZHDhO
保守かしら
540 :
かま夜:2006/04/09(日) 12:41:32.34 ID:zelf/452O
紅
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 13:02:51.34 ID:SZU10+x20
h
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 13:16:44.87 ID:XZOEs0tW0
ほ
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 13:57:50.31 ID:LeUCzlA30
ほ
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 14:21:44.60 ID:edGPZHDhO
保守かしら
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 14:41:38.05 ID:ivt0SZus0
V I P 再 生 化 計 画
VIP、名前だけの楽園。
飛ばされた糞スレ達。
立て続けられる無規制。
形骸化していく理念。
ニー速ピンク。シベリア超速報。天国。ロビー。メルマガ。
別れた板はもう戻らない。
今じゃ、レス数を伸ばしたいだけの安価スレ、partスレ、実況スレ。
糞スレならまだいい、レスが多いだけの駄スレ。
人が多いだけのラウンジならまだいい。
人は減り続けている。
看板の塗装は剥げた。
忘れられた、りんご。
そこが、天国@2ch掲示板
必要な事を、思い出せ、天国で。
http://ex13.2ch.net/heaven4vip/index.html まずは、糞スレの一つでも立ててやってさ。
(このコピペに思うところがある奴は、コピペ汁)
546 :
◆AIR///SG4Q :2006/04/09(日) 15:14:55.01 ID:BL8P9kTt0
保守かしらー
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 15:24:15.04 ID:20BpJ5Ni0
h
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 15:46:58.43 ID:zelf/452O
ほ
549 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/09(日) 16:01:41.97 ID:J1hEKknp0
水銀燈は先の敵OFが入っていった戦艦の射出口から内部へと侵入した。
そのまましばらく直進し、OFのサイズに合わせた巨大な扉を開けると、広大な空間に出た。
はじめに水銀燈が抱いたイメージは神殿だった。
それ自体が発光しているような不思議な素材の壁面。鈍い青緑の光が薄暗い広間をぼんやりと照らし出しだし、
静かに鳴り響くエンジンだかなにやらの稼動音が祈りだか呪詛だかのように聴こえてくる。
嫌な予感がする。
少しでも弱気になると必ずろくでもない追い討ちがやって来るのは、水銀燈が持つ忌々しいジンクスだった。
何本かの柱に支えられた本道をいっそ堂々としてゆったり進む。と。
遥か前方に見える扉が開き、一体のOFが出現した。先程一瞬だけ相対したものとは違う。
女性的なフォルムを持つのは同じだが、先のOFよりも流線的で、軽量そうであった。
しかし発する殺気は並ではない。
威圧感こそまったく感じないのに、ただ殺すという意思だけが、不気味に伝わってくる。まるで亡霊だ。
直感的に、先の相手よりも格上であることを悟り、水銀燈はジェフティを身構えさせる。と――
「――え」
その一撃を回避出来たのは幸運によるものが大きかった。
ただ、姉妹随一の生への渇望が無意識に、相手の、高速と表現することすら馬鹿らしい突進を回避していた。
静止状態から加速無しのトップスピードによる突撃。
数多くの敵を葬り去ってきたであろう、ほぼ必殺と呼んでいい奇襲を避けられると、敵OFはゆっくりと、ジェフティに向きなおる。
『……ジェフティ……』
鈴を転がすような可憐な声からは何の感情も感じ取ることは出来ないのに、
何故この相手からこうも殺気だけが伝わってくるのか、水銀燈はあまり理解したくなかった。
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 16:02:17.72 ID:edGPZHDhO
保守かしら
551 :
ANUBIS zone of the rozenmaiden:2006/04/09(日) 16:03:07.42 ID:J1hEKknp0
ただこれだけは言える。
「狂っているわねぇ……」
苦々しげに嘆息する。相手を理解できてしまったような気がした。
ああそうか。多分、こんな事しかやる事が無いのだろう。
何のことは無い、自分と同じだ。
生まれてからの、アリスゲームに関わる事以外の記憶を掘り出そうとして、水銀燈は苦笑した。清々しいほどに何も無い。
真紅ら他の姉妹から見た自分もあんな感じだったのだろうか。だとしたら――
「そりゃあ、ジャンクと呼ばれるわねぇ」
先程と同じように突進してくる敵を、記憶したタイミングで避ける。不意打ちだからこその奇襲。種の割れた手品に驚いてやる義理は無い。
急加速による反動か一瞬の無防備状態に陥った相手にエネルギー弾を叩き込む。――効果無し。
ADAの助言により、質量攻撃が有効であると知る。水銀燈は、無造作に道を支える柱をブチ折って、無造作に右手に下げる。
敵は変わらずに突撃を繰り返す。同じように避けながらちょっとだけ前言を撤回する。自分はあそこまで馬鹿じゃなかった。と思う。
全力で投擲した即席の投槍は、狙い違わず敵OFの胴体部をブチ抜き、勢いを殺さず壁面に激突し、しっかと縫い止めた。
紫電を撒き散らす以外微動だにしない機体を見やり、別れの言葉を口にする。
「さようなら、おばかさぁん」
これでいい。憐憫交じりの嘲笑こそが、この水銀燈には相応しい。
最後に敗者を一瞥し、優雅に機体を翻す。
と――
『貴方が、その機体をここまで運んできてくれたのかしら?』
懐かしい声と共に漆黒の機体が、冷酷に。傲慢に。そして――優雅に水銀燈を見下ろしていた。
気取ってんじゃねぇという天からのツッコミだろうかと、水銀燈の妙に弱気な部分が、無意識に自問していた。
ローゼンメイデン第五ドール真紅。妹。宿敵。紅茶狂い。人形の趣味最悪。ええと他には――
……数百年ぶりの再会を果たしながら――
水銀燈は、あの娘はもういないのだと確信した。
552 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:16:41.92 ID:tRpoWrbe0
gj!
そして2話目いきます
553 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:17:33.44 ID:tRpoWrbe0
ここは筑土町、帝都の中でも比較的平凡な町。
銀座町のように栄えているわけでもないし、深川町のように下町ってわけでもない。
しかし帝都の中でも類をみない非凡がこの町にはある。
ビルチング『銀楼閣』でオカルト関連の探偵業を営む『鳴海探偵社』。
この探偵社の一部の住人が非凡のほとんどを占めていた。
第二話
水銀燈と麻雀と初事件
「うおっ!うおおおおおお!もうすぐだああああ!もうすぐでマッチ棒タワーが完成だあああああ!」
朝から奇怪な声が聞こえ、水銀燈は目をこすりつつトランクから起き出す。
声の主はマッチ棒のみで鉄塔のようなものを作るのに夢中になっている。
こっちが腹立つくらいに楽しそうだったので怒鳴りつけた。
「ちょっとぉ!朝から大きな声出さないでよぉ!」
マッチタワーを作っている全身葉っぱだらけで、
首にしめ縄をつけた人を模したモノは水銀燈に振り返り、さらに大きな声で叫ぶ。
「なんだああああぁぁぁぁ!邪魔をするなぁぁぁぁぁ!!それともうぉまえはあれか!つんでれか!
かまってほしいのかああああああ!」
意味のわからない単語が出てきて水銀燈はあきれ返る、
この葉っぱ人間もどうやら自分のミーディアムが使役する「悪魔」のようだ。
ミーディアム…葛葉ライドウはは表向きは探偵見習いだが、
真の顔は帝都守護の命を受けた悪魔召喚士であった。
自分が確認した悪魔は雪だるまみたいなジャックフロスト、銀色の狼ケルベロス、
帝都なまりのないおっとりとしたパールバティぐらいで、この葉っぱ人間は今日初めて出会ったのだ。
554 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:18:07.01 ID:tRpoWrbe0
「できたぁああああ!俺天才ぃぃぃいl!!!でもほとんどおおおおお!
ジェバンニが一晩でやってくれました。ジェバンニって誰だぁぁぁぁぁ!!」
「だからうるさいって言っているでしょ!」
ジェバンニとは誰か本当にこっちが聞きたいくらいだ、
水銀燈はそう思いつつ葉っぱ人間に怒鳴り返す
「なんだとおおおおおぉ! ってえええ!ふうううああああゆうううううう!うぉまえはだれだあああああ!
満月のお姫様かあああああ!?吸血鬼かあああ!歩くなのかあああああ!歩くってだれだあああああ!」
「私は水銀燈!誇り高きローゼンメイデン第一ドール!そしてあなたはなんなの!」
「うぉまえかあああああ!新人ってやつはああああああ!うぉれはヒトコトヌシだああああああ!
そうかああああ!!うぉまえが新人かぁぁぁぁぁ!!口うるさいやつだあああああ!!」
「あなたには言われたくない!」
朝から奇怪な口喧嘩がはじまる、なんだなんだとゴウトがあくびを我慢しつつ二人のところへ寄ってくる
「ヒトコトヌシ、お前また勝手にライドウの管から出たな?しょうがないやつだ…」
やれやれと、ヒトコトヌシを見た後、水銀燈にゴウトは説明する。
「水銀燈、こいつはヒトコトヌシってやつでな、このとおりおかしなやつなんだ」
「うぉかしいだとおおおおおおお!うぉれははくしきだああああああ!
遠い未来に萌えブームがくるうううう!木星のお告げがおれにしゃうとおおおおおお!!」
「ほんっと…おかしいやつね…」
あきれてマッチ棒タワーを眺める水銀燈、よくよくみると細かくてなかなか立派だ。
言動はこんなだが結構器用なんだろう、どんなアレでも芸の一つは持っているものだ。
「アレってなんだああああああああ!おれはアレなんてものじゃないいいいいいい!!
みんなみんな腹を切って死ぬべきであるぅぅぅうぅ!またきちイエスぅぅぅぅ!!」
555 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:18:50.33 ID:tRpoWrbe0
廊下からドスドスドスと一歩一歩踏みしめる音が聞こえる、足音の主はライドウの部屋の戸を思い切り開ける
足音の主、鳴海はぼさぼさの頭に、縦じまの寝巻き、トロンとした目つき(元からかもしれないが)といったいでたちだ
「お前らうっさい!!目が覚めちまったじゃないかよ!」
「ぐっどもうにんぐうううううううううう!!鳴海ぃぃぃぃ!」
「あらあら…寝起きでもその髪型は変わらないのねぇ…」
む〜…と深く考えたあと鳴海はこんな状況でもぐっすり眠っている部屋の主人に向かって怒鳴りつける
「ライドウ!!またヒトコトヌシが出てきちゃってるんだぞ!起きろよ!」
(cレ -∀-レ Zzzz…
「すごい根性よねぇ…って電話のベルの音では起きるのにねぇ…」
「うぉれの声はベルよりハイれべるうううううううう!しかああし!ライドウはなれたあああああああ!
むしろ子守唄となったろうううううう!!ざーんーこーくーなー!あくまーのこーもりぃぃぃい!」
あー、もう、と鳴海はあきれかえる、しかし、その顔はなにか思いついたのかニヤニヤとしている
誰がどう見てもライドウになにかをするな、といった顔だ。
ちょっと待ってろと部屋から出て、また戻ってきたときには手にわさびの入ったうつわを持ってやってきた
「は、はーどおおおおお…」
「それはやりすぎじゃないのぉ?鳴海ぃ?」
「くらえ!ライドウ!ナハハハハ!」
人差し指いっぱいのわさびをライドウの鼻へとそそぎこむ鳴海
556 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:19:30.67 ID:tRpoWrbe0
(cレ -∀-レ ZZ…ムグッ
(cレ -д-レ …
(cレll| ゚Д゚レ !!
ベットから飛び起き、あしがもたれて転び、フゴフゴと鼻に指をつっこみわさびをかきだそうとし、
逆に奥まで入っていきもっとひどいことになるライドウ、バンッと部屋から飛び出し、廊下を走り続ける
ジャアアアと水が流れる音が聞こえる
「いやはや、これくらいじゃないと起きないとはまだまだだなライドウ!」
「鳴海の阿呆め…あとでライドウが怒っても知らないぞ…」
鳴海にはゴウトの言葉は聞こえないみたいなのでゴウトは堂々とつぶやく
「ほんっと…おばかさんたちぃ…」
時計の針が10時をまわった
しかし仕事の依頼が来る気配はいっそうない。
それが鳴海探偵社の日課みたいなものになりつつある。
特殊な事件でないと依頼が来ないというのはこういうときに苦労するもんである。
「仕事の依頼がほんっとないわねぇ…」
「ライドウライドウ、機嫌なおせよ〜」
(cレ♯´д`レ
まだヒリヒリする鼻をおさえつつライドウはぷいっとそっぽを向く
いやはや強情だなぁと鳴海、自業自得と水銀燈。
557 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:20:25.63 ID:tRpoWrbe0
そうだ、とまたもや閃く鳴海、冷蔵庫から手のひらに収まりそうなくらいの大きさの容器に、
肌色の液体が入った飲み物をライドウに差し出した。
(cレ ´д`レ ?
「おー?初めてみるか?」
「なぁに?それ?」
水銀燈もみたことのないその飲み物をまじまじと見る
「これはな、代田 稔っていう京都大学教授がL・カゼイ・シロタ株っていうのを見つけて、
飲み物にしたらいけるなぁと思って会社を興して作った飲み物なんだ
体に良くて乳酸菌たっぷりで、おまけにうまくて安いっつーフレーズでな、『ヤクルト』っていうんだってさ」
へーと、感心するライドウと水銀燈。
「(よしwwくらいついたw)ほら、俺は昨日金王屋からもらったもう一本があるから水銀燈と半分にして飲めよ」
ヽ(cレ*´∀`レノシ
「気前がいいわねぇ、鳴海ぃ」
すっかりライドウの機嫌は直っている、新しいもの好きだからであろうか
とりあえずライドウはヤクルトの封をあけ、コップにヤクルトを半分入れ、半分残った容器は水銀燈の分とした
グイッと飲み干すライドウ、水銀燈はちょっとずつ飲んでいった
(cレ*゚∀゚レ=3 プハー
「おいしいじゃないのぉ!鳴海!今度からたくさんかってきなさぁい!」
へいへいと空返事をしつつ変わった机に、椅子を四つを用意する鳴海
その机の上にジャラジャラと四角いものを流し込む
「なにやってるのぉ?」
「麻雀の用意だよ、ヒマだからさ〜、ライドウと悪魔たちとやるんだよ」
だが、この麻雀からとんでもないことが起こるなんて鳴海はこのときは思ってはいなかったのであった
558 :
ライ銀作者:2006/04/09(日) 16:21:14.21 ID:tRpoWrbe0
以上です、補足するとヒトコトヌシのセリフにはパロネタが何個かあるので
時間があったら探してみるのもよいのかと
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 16:45:30.51 ID:OxxgnVPbO
新シャアに種で書いてるのがあった気がする
560 :
かま夜(携帯からまったり送信中):2006/04/09(日) 16:48:57.75 ID:zelf/452O
紅茶を頼みに談話室へ降りると、先ほどの三人に加えて、三人組の若い女の子達が腰掛けていた。
真ん中の、カナちゃんと呼ばれていたやせた髪の長い子が、左手に持った赤ペンで雑誌に印をつけている。
お目当てのイタメシ屋か何かなのだろうか。
その右側にいるのは、ケイコと呼ばれていた、ぽっちゃり・・・というよりはデブ寄りの女の子だ。
「うはwwwそれはねーよwww」
などと叫び、一人だけテンションが高い。
反対の左側にいるの大きな眼鏡をしている子は、アキと呼ばれていた。
「カナは来年から大殺界だから、もっと仲間の信頼を大切にしないと地獄に落ちるわよ」
・・・この三人組の話はちゃんと噛み合っているのだろうか。
「どの子が好みなの?」
いきなり耳元で真理の冷たい声がした。
「真、真理!いつの間に。・・・そんなつもりで見てたんじゃないよ」
ぼくが言い訳をしようとした時、壁にかけられた鳩時計が七時を告げた。
反射的に自分の腕時計を見たが、その数字は18:55を示していた。
最近合わせていなかったので、いつの間にか遅れてしまっていたようだ。
舌打ちが聞こえたのでそちらを見ると、香山さんが自分の時計を合わせている。
「あ、僕も!」
そう言って美樹本さんも時計を懐から取り出した。
二人とも、ぼくの安物とは違ってずいぶんと高そうな時計だ。
鳩が鳴き止むのを待っていたかのように、小林さんが談話室に入ってきた。
「食事の用意ができましたよ。どうぞ食堂へ」
不覚にもぼくのお腹が、ぐぅ・・・と悲鳴をあげた。
昼間のハードな運動のせいか、もうお腹がぺこぺこだったことに気づいた。
ぼくはルパンダイブで食堂に飛び込みたい衝動を押さえながら、クールに食堂に向かった。
561 :
かま夜:2006/04/09(日) 17:06:36.18 ID:zelf/452O
食堂のテーブルには談話室にいた面子に加えて、白い服に身をつつんだ人が座った。
アルバイトのみどりさんと、小林さんの奥さんの今日子さんが料理を運ぶ間に、小林さんが簡単に自分達も含めて全員の名前を紹介しはじめる。
「・・・・・・それから、こっちの三人は渡瀬可奈子さん、北野啓子さん、河村亜希さん。東京からいらっしゃいました」
三人は恥ずかしそうにしながら、誰にともなく頭を下げる。
「そちらのナウい男性は、田中一郎さんとおっしゃいます」
みんなが自然と、白い服を着た人の方を見た。
・・・ナウい?あれがナウいかどうかはとりあえず置いておくとして、その男は食堂でも白いスーツをきっちりと着こみ、白い手袋もはめていた。
そして何よりも特徴的なのは彼の頭、白い布袋のようなものをすっぽりと被り、目の部分だけぽっかりと穴があいている。
その姿は、某国のテロリスト集団を彷彿とさせる異様さを放っていた。
男は小林さんに紹介されてもまったく反応しなかったので、ぼくは一瞬この人ではないのかもとも思ったが、それは考えられない事だった。
もう他に紹介されるべき人は残っていなかったからだ。
一瞬重たい沈黙が流れたが、すぐに小林さんは明るい声で言った。
「では、ごゆっくり」
562 :
かま夜(ちょっと休憩):2006/04/09(日) 17:26:24.40 ID:zelf/452O
料理はどれも満足のいくものばかりで、あちこちから溜め息に近い声が聞こえる。
最近では雑誌などにも紹介されて、これ目当てに来る人も多いらしい。
ふと田中さんの方を見やると、首の隙間から器用にスプーンを口に運んでいた。
・・・食事のときくらい脱げばいいのに。
「あ〜あ。ナイター行きたかったなあ」
真理が信じられないことを言いう。
「天気予報聞いてる限りじゃ、明日も滑れなさそうよ」
エプロン姿のみどりさんが横から口を挟む。
アルバイトの篠崎みどりさんは年齢不詳だ。
たぶん二十代なのだと思うが、時々高校生に見える時もあるし、おばさんに見えることもある。
顔も髪もすっかり雪焼けして、まるでサーファーのようだ。
「予報じゃ近年に無い大雪になるかもしれないって言ってるよ」
今度は、もう一人のアルバイト、久保田俊夫さんがやってきた。
俊夫さんはフリーターらしい。
スキー好きが高じて、ここのバイトを続けているのだという。
身長は180センチを軽く越えていて、いかにもスポーツ万能といった体つきをしている。
「ここに閉じ込められて飢え死に、なんて事ないでしょうね」
ぼくが尋ねると、俊夫さんは手を振って笑った。
「それは大丈夫。街から離れてるから、食料だけはいつも十分用意してるんだ。
缶詰なんかも合わせれば三週間は腹一杯食わせられるよ」
三週間も閉じ込められるなんて、ぞっとしない考えだった。
・・・いや、真理と一緒ならそれも悪くないかもしれない。
「三週間ってのは大げさだけど、明日滑るのは無理だろうね。
まあ学校は休みなんだし、一日二日滞在が伸びたって構わないんだろ?」
563 :
携帯:2006/04/09(日) 17:39:11.27 ID:cYNloPrn0
保守
wktkしつつ保守
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 18:17:47.26 ID:edGPZHDhO
保守かしら
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 18:18:53.84 ID:el/tabXY0
保守
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 18:40:07.61 ID:edGPZHDhO
保守かしら
568 :
かま夜:2006/04/09(日) 18:44:40.11 ID:zelf/452O
「叔父さん次第だけど・・・事情が事情なんだから、余分に泊めてくれるかもしれないわね。ねえ、透はいいんでしょ?」
「ああ、もちろん」
ここで何日か過ごす間に、なにかいい事が起こるかもしれないし・・・ヌヘヘへ。
「紅茶、どうぞ」
食事も終わりかけた頃、今日子さんが紅茶を運んできてくれた。
これもまたとても美味しいもので、心も体も芯から暖まっていく。
こうしているだけで、今日一日の疲れが吹き飛んでいくようだ・・・。
今日はずいぶんと色々なことがあったから・・・・・・あ!
空腹も満たしてほっとしたところで、一つ重大なことを忘れていることに気づいた。
「そうだ、ねえ真理ちゃん」
みどりさんが思い出したように言う。
「実はね、わたし達、春になったらぁ、結婚するのよ!」
「わたし達・・・って」
「あはは・・・」
俊夫さんが恥ずかしそうに笑いだした。
なんとなくそんな気はしていたが、やっぱり二人はそういう仲だったのか。
「わあ、おめでてうございます!」
「おめでとうございます」
「式には真理ちゃんも呼ぶから絶対来てね。透くんも一緒に」
「はい!」
みどりさんも真理もとても幸せそうな顔をしていた。
それよりも・・・紅茶、どーしよ・・・。
腕時計を見ると、19:40を過ぎていた。
・・・絶対怒ってるな、うん。
食後は小林さんの提案で、みんなで談話室に集まって雑談でも交えながら過ごそうということになった。
田中さんだけは、あからさまに迷惑そうな素振りで断り、そそくさと二階へ引き上げて行った。
ぼくも真紅への上手い言い訳を考えてから部屋に戻ることにして、とりあえず談話室へと足をはこんだ。
569 :
かま夜:2006/04/09(日) 19:03:42.18 ID:zelf/452O
ぼくが談話室に着いた時には、何の話で盛り上がっているのか、既に騒がしい声がしていた。
「キャー、お人形さんみたい!」
「この子誰の子ー?」
「うはwwwテラカワユスwww」
「触れるな」
ソファーの上に乗っかった大きなニンジンが、近寄ったケイコちゃんを弾き飛ばしていた。
どすんという音と共に、ケイコちゃんがフローリングの床に落下して言った。
「ちょwwwヒドスwww」
ケイコちゃんは相変わらず無駄にテンションの高い子だ。
騒々しいニンジン達を無視して、ぼくも別のソファーに腰掛け、どう言い訳をしようかと考え始めた。
怪盗紅茶キッドが現われて、事件を解決するのに手間取ってしまった、の線でいくのが無難が・・・・・・う〜む。
「ちょっと、透」
ソファーの上のニンジンが、冷たい殺気を放ちながらぼくの名前を呼んだ。
「・・・ハイ、ナンデショウカ真紅サマ・・・」
ぼくは努めて冷静に言った・・・つもりだ。
ニンジンが感情を押し殺した低い声で言い返してくる。
「覚悟は、できてるのかしら?」
「・・・は・・・はひ・・・」
570 :
かま夜:2006/04/09(日) 19:06:55.14 ID:zelf/452O
まとまった時間がなくなってきたので今日はこの辺にしときます
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:26:44.64 ID:zelf/452O
ほ
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:30:55.19 ID:sPK6cB2O0
>>570 GJ!
さて俺もロボコップのプロローグ書き終わったのはいいが・・
なんかな・・・クオルティーが低い・・・貼っちゃっていいのかな・・・?
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:33:41.21 ID:Nh8bybBO0
銀「いくわよ薔薇水晶」
薔薇「アバヨ水銀燈、あの世でヤクルトでもすすってな」
ゴバガシャー
574 :
オリ:2006/04/09(日) 19:38:04.71 ID:gzPqeov/0
>>ANUBIS氏
>>ライ銀氏
>>かま夜氏
GJ
>>572 投下……ゴー……
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:41:00.05 ID:qsNotMrJ0
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:46:19.72 ID:sPK6cB2O0
・・・―― どうしてこうなってしまったのだろう?
薄れゆく景色の中で彼はそう思った
「そっと運んで!」
・・・目に映るのは白い天井・・・そして医者達・・・
「ようし、そっと降ろせ!」
体に激痛が走る・・・・しかし声も出す事もできない事に彼は気づく
「血圧低下!」
「しっかり気道確保はしてあるのか?」
「ようし!君はそっちを頼む!」
体に次々と何かが刺されていくのがわかる・・・
―― 何で俺はこんなところに・・・
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:47:14.22 ID:sPK6cB2O0
「心音はどうだ?」
「モニターから目を離すなよ!」
「血圧どんどん低下!」
『ねえ聞いてほしい事があるの!』
『パパ!あれできる!?」
目の前に息子と妻の顔がうかぶ・・・・
「心音が聞こえなくなったぞ!」
「血圧低下!」
『貴方が私の新しいマスター?』
次に浮かんだのは黒い服に身を包んだ銀の髪の少女だった
『貴方・・・本当にお馬鹿さんねぇ・・・・』
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:47:47.52 ID:mNe7MFC2O
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:49:16.34 ID:sPK6cB2O0
「心臓停止!」
「脈拍なし!」
―― 死ぬっていうのはこうゆう事を言うんだろうな・・・本当に今までの事が見える・・・・
「ようし電気ショックをやるぞ!」
「まずは400からだ!」
「用意できました先生!」
「よしいくぞ!」
バシュン!
男の体が一瞬跳ね上がる
『アリスゲーム?』
『そう・・・私達姉妹は戦わなければいけない運命なのよ』
「反応ありません!」
「何をしている!?もう一回やってみるんだ!」
「はい!」
バシュン!
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:49:49.37 ID:sPK6cB2O0
『パパ!勝手に水銀燈が僕の牛乳を!』
『だぁって・・・この変ヤクルトとかないんだものぉ』
『ヤクルトって何だ?』
「心音なし!」
「エビネフィリンを注射する!」
「ようし!やるんだ!」
バシュン!
『・・・へ〜え貴方転勤になったの?』
『そうだけど?お前もついてくるのか?』
『え〜!!水銀燈行っちゃうの!?』
「反応なし!」
「くそ!」
「いまだ危険な状態です!」
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:50:20.06 ID:sPK6cB2O0
『水銀燈・・・行かないでぇ・・・』
『大丈夫よぉ・・・私もたまに戻ってくるからぁ・・・・』
『あなた・・・行ってらっしゃい・・・』
「もう一回やるんだ!」
バシュン!
『俺の事を悪党だと思っているんだろう?』
『お前達は人間のカスだ。』
『うわっクズだってよ!』
『・・・いいだろう。少し遊んでやれ」
「もう一回だ!これで駄目なら・・・おしまいだ」
「はい!先生!」
「よし!行け!」
バシュン!
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:50:54.84 ID:sPK6cB2O0
『あぁあぁぁぁぁぁぁ!・・・・あ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
『あはははははは!苦しいかい?お巡りさん?』
『さーて遊びは終わりだ。あばよ。』
「心音なし!」
「やはり・・・駄目か。」
―― ・・・・・・俺の・・・・大事な・・・・・家族・・・・・。
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 19:51:45.12 ID:sPK6cB2O0
「ようし・・・やるだけの事はやった・・・死亡時刻は?」
「六時十五分です・・・」
―― ・・・ごめん・・・・・・・な・・・・・・・・・・・・
――――――――――――――――『RboCopMaiden』――――――――――――――――
ここまでです・・・
いや訳わかんないとかは(ry
プロローグだし・・・・ねwww
585 :
オリ:2006/04/09(日) 19:56:47.47 ID:gzPqeov/0
586 :
オリ:2006/04/09(日) 19:58:01.57 ID:gzPqeov/0
保守ネタ。inギャラリー・フェイク
ギャラリー・フェイク。
美術品を取り扱う美術専門の販売店であり、その美術に関しての幅は広い。
西洋から東洋、天津はてには先住民族の美を集めそれらを販売している。
また、フェイクと名がついているとおり、贋作も多い。
ギャラリー・フェイクは、裏の美術とのつながりもあり……
真っ当な商品……この場合、贋作ではなく真作の入手場所……もあるにはあるが
結構、裏から入手したものも多いのだ。
そんなギャラリー・フェイクを運営するのは藤田玲司である。
彼は、元メトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)であり
クール&ハードボイルド。金のために美術品を販売し、先ほども言った美術界の裏世界に通じている。
人呼んで【芸術に魂を売った男】である。
さて、そんな藤田のモトにひとつのトランクがあった。
正確には、藤田のアシスタント兼秘書兼恋人? のサラ・ハリファが持ってきたモノなのだが……
「……なぁ、サラ。これどこから見つけてきた?」
「んと……ゴミステーションに捨てられてたのを拾ってきたのよ。見た感じ古びれててどこも損傷ないし……
こう……なんだろう……何か感じるモノがあって拾ってきたの」
「ふーむ……俺は、美術商となって長いけど……見たこと無い品物だな……
しかし、こんな良いモンを捨てるヤツの神経が知れんな……サラ、中身みたのか?」
サラの言葉に、そう言う藤田。サラは、中身は見てないと言うと藤田は、白い手袋を手にはめ
古びれたトランクを丁寧に開けてゆく。
「ほぅ」
「わぁ……綺麗なお人形さんネー」
「こりゃすごい……ここまで精妙な人形があったとは……やっぱり美術の世界は広いな」
と、藤田がマジマジとその人形を見る。
587 :
オリ:2006/04/09(日) 19:58:24.65 ID:gzPqeov/0
その人形は、長い銀色の長髪に深紫のゴシックロリータファッション。透き通る様な白色の肌。
そして、今にも動き出しそうなぐらいにリアルであると、藤田は商売柄冷静にそう見ている。
ふと、人形の手に握られているモノを見つけ良く見てみる。
どうやら、薇巻きでこの人形を動かす為のモノだなと、藤田はその人形の指を一本一本丁寧に
薇巻きから外していき、その薇巻きを手に取る。
「うわぁ……すごい細工してあるネー。薔薇? かな?」
「多分そうだろう……しっかし、作者はどこのだれだ? こんな精妙な人形を作るなんて有名になってもいいんだが……」
ふと、薇巻きの片隅。ほんの小さな隅っこに小さく小さくRozenと彫られている事に気がつく。
Rozen……ローゼン、聞いた事の無い名前だった。ここ最近出てきた人形師か? と首をひねるが……
このトランクの古さや薇巻きに施された細工の仕方に、くすんだ色から見て相当昔だと考える。
技術が進んだ今では、それらはどうにでも見せれるが……この人形やトランクが刻んできた歴史が見える気がして
嘘ではないと見抜く藤田。
「ねね! 藤田! ここに薇巻く穴あるよ!」
考え込んでいた藤田に、サラから声がかけられる。
「な、なにやってるんだ?! サラ!?」
貴重な人形を、さも普通に抱き上げてその人形の背中を自分に見せているサラにあわてた様に声をかける藤田。
こんな人形が、あと何体いるかわからない。もしかしたらコレ一体だけかもしれないという事もあり
自分は、かなり慎重に調べていたのにこのサラと来たら……と、藤田はため息をひとつついた。
「とりあえず、薇巻いてみようよ! 藤田!」
「はいはい……巻くぞ」
そういって藤田は、薇巻きを穴に差込みゆっくりゆっくりと巻いていく。
薇を巻き終えてしばらくその人形を観察する。
すると、その人形はまぶたを開きその背にある黒い翼をバサリと一度動かすとフワリと中に浮いた。
588 :
オリ:2006/04/09(日) 19:58:46.07 ID:gzPqeov/0
「藤田藤田! 浮いたヨ!!!」
「あ、あぁ……」
と、驚く二人を余所にその動く人形は二人をじっと見た後
「アナタ達が私の薇をまいたのぅ? 私は、ローゼンメイデン第一ドール……水銀燈」
水銀燈が、言葉を話したことにより藤田・サラの二人はさらに驚く。
「さぁ……どちらでもいいわぁ……私と契約しましょう?」
つづかない。
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/04/09(日) 20:22:47.91 ID:20BpJ5Ni0
お出かけ前の保守
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>588 GJ!
でもつづかないのかw
残念wwwwww