( ^ω^)また空を飛ぶ日

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:06 ID:7GjQbuN90
今年も、ひとりで過ごすイヴがやってきた。
ブーンはふと足を止め、行き交う人たちを眺めてみた。
みんな楽しそうにしている。
みんな手をつないでいる。
みんな笑顔で、みんな暖かそうで、
クリスマスのイルミネーションの中、
みんなキラキラ光って見える。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:14 ID:Np79piyl0
      /⌒ヽ、
    ○´⊂ニニ⊃     ブーーーン
⊂二二二( ^ω^)二⊃   
     |    /      
      ( ヽノ
      ノ>ノ 
  三  レレ
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:19 ID:RVceRBi30
>>3甘いな
「2ゲット」と思った時には既に行動を終えている・・・
それが真の2ゲッターだ!!!!!
「これはチャンスだ!」と考えた後に2ゲットしようとしているお前、全然COOLじゃないぜ
俺はこの境地に達するまで約3年掛かったんだ
そんな見っとも無い書き込みを晒すぐらいならROMってることをお勧めするぜ

さて・・・難なく2ゲットを終え、未熟な>>3に説教をくらわせたとこで恒例の一言を

「 2 ゲ ッ ト ォ ォ ォ !!!!!」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:25 ID:7GjQbuN90
自分だけが、どんよりとよどんで見える。
歩く足音が、自分だけみんなとちがう気がする。
こんなときは、また空を飛べたらいいのになと思う。
ただむなしいだけの現実を飛び立って、
高いところから見下ろしたら、
どんなに見たくないものだって綺麗に見えるのかもしれない。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:26 ID:qFmbqwZt0
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:29 ID:BmcbW9JO0

☆★☆★☆★モテない男性板 壊滅運動☆★☆★☆★

モテない男性
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と書き込んでスレを立ててください
皆でどんどん立てて糞スレまみれにしましょう
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:21:52 ID:7GjQbuN90
路地裏に入り、誰も見ていないのを確かめてから、
こっそり両腕を広げてみた。
昔は、こうやって飛べた。
ブーンは飛ぼうとしてみた。
でも、ジャンプしても、空を見上げても、飛べない。
ただ、子供のころに空を飛んだ感触だけが、
ただわずかによみがえっただけ。
その感触が心の中にぽっと灯ると、余計に今の自分が寂しく感じられた。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:22:17 ID:7GjQbuN90
家に帰ってテレビをつけてみた。
どのチャンネルを回してもクリスマスの話題ばかり。
テレビ東京だけは、ジャパネット高田のCMが流れていたけど、
興味がなかったらブーンはテレビを消した。
自分の部屋にひとりでいると、余計に寂しくなる。
でも街で楽しげな人たちを見ても、余計に寂しくなる。
ブーンは仕方なくコートを羽織ると、アパートの屋上にのぼった。
ここならば誰にも見られないし、誰からも見えない。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:22:39 ID:7GjQbuN90
空には満天の星空。
子供のころにもこんな星空を眺めていた。
ブーンは空を見上げながら、ぽつりとつぶやいてみた。
「また空を飛びたいお……」涙がひとつぶ、目からこぼれ落ちた。
そのとき、遠くの空からベルの音が聞こえてきた。
音はだんだん近づいてくる。
ブーンが空を見回して音の出所を探していると、
彼方から光が近づいてくるのが見えた。
光はブーンのほうに向かってくる。
「さ……サンタクロースだお……!」
そう、ベルの音はサンタクロースのそりの音。
ベルの音が鳴り響くたびに、夜空に金色の光の粉が舞い散って、
この世のものとも思えない美しさ。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:22:58 ID:7GjQbuN90
サンタクロースはブーンのところまで来ると、にっこりと笑いかけた。
「ホー、ホー、ホー。メリー・クリスマス!」
暖かい笑顔。
ブーンは慌てて涙をぬぐった。
「君かね、今願いごとを言ったのは」サンタが言った。
「え……? 願いごと……?」
「空を飛びたいって言ったのは君かね?」
「え? あ……そうですけど、ぼくはもう子供じゃないからサンタさんは見えないはずだお……」
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:23:17 ID:7GjQbuN90
サンタはまたにっこりと笑った。
「君はまだ子供なんだよ。自分でそうじゃないと思っているだけでね」
「ぼくが……?」
「うん。いや、君だけじゃない。みんな子供なんだよ。ただみんな、大人にならなくちゃいけないと思いこんでいるだけさ」
「そ……そうなのかお?」
「生きていれば、いろいろなことを憶えていくだろう? 憶えなくてもいいことまで、いろいろね」
ブーンには、サンタがなにを言っているのか分からなかった。
「空を飛びたいのなら」サンタが続けた。「君はまだ自分が飛べるってことに気づかなくちゃだ」
「ぼくがまだ飛べる……? でも、飛ぼうとしても飛べないんだお……」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:23:33 ID:7GjQbuN90
「君は、自分が飛べるはずがないと思いこんでいるだけなんだ。
 こんなに大人になった自分が飛べるはずなんてないってね」
 サンタはそう言うと、手をさしのべてブーンの頭をなでた。
「さあ、服を脱いでごらん」
「服を……かお……?」
「そう、服さ。子供は身を飾らないもんだ。なぜ身を飾るかっていうと、それは自信がないからなのさ。でも子供は、そんなこと考えない。さあ」
ブーンは服を脱いだ。不思議と、寒くはなかった。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:23:50 ID:7GjQbuN90
「じゃあ、今の気持ちを正直に言ってみるんだ。子供は、カッコなんてつけないからね。
 笑いたければ笑う。泣きたければ泣く。それが人の正しい在りかたなんだ」
ブーンは、しばらく戸惑った。自分の気持ちを正直に口に出す。
言われてみれば当たり前のことなのに、いつの間にか、
すっかりそれは恥ずかしいことだ、大人らしくないことだと思いこんでいる自分に気が付いた。
「ぼくは……さみしいお……」ブーンは小さな声で言った。
「もっと大きな声で言ってごらん」
「ぼくは……さみしいお……」
「ほら、もっと」サンタが微笑む。
その笑顔を見ていると、ブーンに勇気が湧いてきた。
気持ちを口に出すことは恥ずかしいことじゃない。そう思えた。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:24:10 ID:7GjQbuN90
「サンタさん、ぼくは……ぼくはさみしいんだお。すごくさみしいんだお。
 寂しくて寂しくて、ときどき死んでしまいたくなるお……。
 だけど死ぬのは怖いから、どうか生まれてこなかったことにしてくださいって思うんだお……。
 でもホントは、生きたくて……笑いながら生きたくてたまらないんだお……。
 それが自分には無理なような気がして、すごくすごくさみしいんだお……
ブーンの目から、どんどん涙があふれた。
「さみしいお……すごくさみしいお……。消えたいなんてほんとは嘘なんだお……。
 みんなみたいに、幸せになりたいんだお……!!」
サンタはブーンをそっと抱きしめた。
「ほら、子供のころはそうやってぜんぶ正直に口に出して泣いたものだろう?
 今の君は、そのころと同じなんだ。今でも君は、子供のころと同じだけ純粋なんだよ」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:24:36 ID:7GjQbuN90
ブーンの心の底から、暖かな安堵感がこみ上げてきた。
子供のころ、パパとママに挟まれながら眠ったときのような、
柔らかく、丸い安堵感……。
「ほら、腕を広げてごらん」サンタが優しく言った。
ブーンは、おそるおそる腕を広げてみた。
「君は、難しく考えすぎていたから飛べなかったのさ。今の君は子供の君だから、飛べる」
ブーンの体に、空を飛んだときの感触が、またよみがえってきた。
さっきはあんなに遠く寂しく感じたその感触。
でも今は、なんて近くに感じるんだろう。
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:25:05 ID:7GjQbuN90
サンタはまたそりに乗り込むと、トナカイに合図をした。
そりは星の海の中に滑り出してゆく。金色の粉を振りまきながら。
「さあ、君もついておいで」
ブーンはおそるおそる空を見上げた。
体がふわりとすこし浮いた。
ほんのすこしだったが、ブーンにはじゅうぶんだった。
自分はまだ飛べるんだ。その自信が、ブーンの胸の中に解け広がっていった。
飛べる! 飛べる! ぼくはまだ飛べるお……!
「サンタさん、ぼく……ぼく……飛べるんだお……!」
「ホー、ホー、ホー! 当たり前さ! 君はずっと君のままなんだからね!」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:25:19 ID:7GjQbuN90
ブーンは、サンタのそりを追いかけるように、夜空へ舞い上がった。
BoooooooooooooooooooooooooooN!!!
空から眺める景色は素晴らしいものだった。
街のあちこちにクリスマスのイルミネーションがまたたいていた。
楽しそうな音楽が聞こえてくる。
寄り添って歩くカップルたちの姿が小さく見える。
「サンタさん、ありがとう……ありがとうだお……!」
「なあに、お礼なんていいさ。わたしはなにもしていないんだからね」
「でも……でも……」
「いいかい、人は変わらないんだ。変わったような気がするだけさ。変わらなくちゃいけないような気がするだけさ」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:25:36 ID:7GjQbuN90
ブーンは嬉しくなって宙返りした。
自分は、ずっと自分のままだったんだ……。
自分が変わったように思えていたのは、自分の居場所が変わったからだったんだ……。
「ぼくはぼくだお……。ずっと変わらないお……」
ブーンはそうつぶやいてみた。
「ぼくはぼくだお……。これからもずっとずっとぼくだお……!」
サンタは満足げに小さくうなずいた。
「メリー・クリスマス、ブーン! 
 わたしはこれから、他の子供たちにプレゼントを配りに行くとするよ」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:26:16 ID:7GjQbuN90
「サンタさん、本当にありがとうだお……!」ブーンの心の底から、自然とその言葉が浮かんできた。
サンタはにっこり微笑むと「そら」とトナカイに声をかけた。
そりが高く高く舞い上がってゆく。
ブーンは、光が見えなくなるまでずっと見送った。
そりがすっかり見えなくなっても、ブーンはずっと空を見上げていた。
その頬に、冷たいものがふれた。
注意ぶかく見てみると、空からすこしずつ雪が落ちてきはじめていた。
どうやら、ホワイトクリスマスになりそうだ。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:26:34 ID:7GjQbuN90
ブーンは、世界中の人たちがこの雪に気づきますようにと思った。
こんなきれいな雪を見るのは、子供のころ以来初めてのように思った。
ブーンは、強くなりはじめた雪の中、夜空じゅうを飛び回った。
「みんな……みんな……メリー・クリスマス! メリー・クリスマスだお!」
誰にもその声はとどかなったが、ブーンはそれでも幸せだった。
自分はこんなにも暖かい気持ちになれる。
こんなに素晴らしいことはない。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:27:10 ID:7GjQbuN90
BoooooooooooooooooooooooooN!!

ブーンは嬉しくて嬉しくて、なにかに感謝したくてたまらなくなった。
そっと心の中でつぶやいてみる。

「どう見てもクリスマスです。
 本当にありがとうございました」



END
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:34:21 ID:zB/+dqkFO
どうみても良作です
ありがとうございました
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:40:02 ID:7GjQbuN90
せっかく書いたからおまいら嫁。

http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1135383666/l50
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:40:18 ID:7GjQbuN90
誤爆した
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:51:57 ID:7GjQbuN90
          ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         (´∀`;)  < 保守ってもいいかな
         (    )   \
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|   \______________
    / ∧ ∧    //ヽ
   /   (  ,,)___//  ┌─────―――――――――――――――――
  ノ∞ ̄./   ⊃  ∽   < せっかく書いたんだからいいだろ。せめてsageとくか。
 (__/(___/\_∝__ノ └─────―――――――――――――――――
     /
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:52:36 ID:bttTSZduO
いい話だ
ほんのり泣けたしな
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:04:49 ID:aaTsnBYG0
保守
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:10:12 ID:I/5CrgoI0
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:10:31 ID:0ZMbq8up0
ブイブ・・
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:13:33 ID:SOdZFyZbO
ああ、好きだ。こういう話、すごい好きだ。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:17:14 ID:7GjQbuN90
>>26
>>30
サンキューベルマッチョ。
今年はvipにお世話になったからな。
おまいらと絡んだことがあるか分からないけど、楽しかったよ。
ありがとう。
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:25:05 ID:+CsBq8T70
タイトル「VIPのクリスマス」はどう?
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:25:38 ID:+CsBq8T70
どう思う?
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:26:06 ID:7GjQbuN90
あんま内容と合ってないかも。
サブタイトル的につける分にはありと見たヤスコ。
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:29:32 ID:F/hkSKrV0
いいじゃねーか。
もうちょい短くてもいいかな。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:30:24 ID:7GjQbuN90
>>35
サンクス。
俺もそう思ったんだけど、眠くて読みかえさないままダダっと送信しちゃった。
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:34:38 ID:RLnX+Kg+O
発見
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:38:54 ID:+CsBq8T70
>>32
誤爆すまそ
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:45:05 ID:7GjQbuN90
>>38
誤爆だったんかwwwwwwwww
道理で変だと。

ちょい出かけるので、気に入ってくれた人はたまに保守ってくれると嬉しい。
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:57:51 ID:7GjQbuN90
着替え終わった。
出かける前にラスト保守。
ageるけどジャマだったらごめんな。

んじゃ!
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:28:08 ID:wpC3j90n0
やべえ。こういうの好きだお。

ほっしゅほっしゅ
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:52:23 ID:WXvxrYCy0
記念真紀子
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:57:59 ID:RLnX+Kg+O
干し
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 12:24:24 ID:wpC3j90n0
捕手
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 13:08:18 ID:wpC3j90n0
ほしゅ
46以下、 ◆CfM5rS1nHI
      /⌒ヽ、
    ○´⊂ニニ⊃     ブーーーン
⊂二二二( ^ω^)二⊃   
     |    /      
      ( ヽノ
      ノ>ノ 
  三  レレ