尹昶重(ユン・チャンジュン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官主演の、総天然色低質映画が1週間上映中だ。
米国で朴槿恵(パク・クネ)大統領がどんな韓服を着たのかも忘れてしまった。
海外ロケをしたプロモーションビデオのように、上級英語の微妙な語感差も引き立って見える。
このような映画がシリーズで出てくれば、あえてTOEICを勉強する必要もない気がする。
私たち韓国社会は、この映画がどう展開するのかをすぐに察する。似たようなあらすじの国産映画があまりにも多かったからだ。
尹氏は「私はそのような人間でない」「性的な意図はなかった」と言った。私たちの社会は正反対に認識する。
「そんな人は知らない→金の行き来はなかった→意図や代価性はなかった」
という積み重ね式の手法を駆使しながら刑務所に行った政治家たちを数多く見てきた。
李南基(イ・ナムギ)青瓦台広報首席の「思い出せない」という表現も、強制帰国を意味する婉曲した反語法と違わない。
これまでも「思い出せない」と言って持ちこたえた人物をうんざりするほど覚えている。
今はもう、青瓦台が国民を心配するより国民が青瓦台を心配するというおかしな構図になりつつある。
尹氏は青瓦台に食い下がって人の足を引っ張る作戦を展開し、
青瓦台は「ノーパンだった」という“19禁”陳述書まで流して生き埋めにする勢いだ。
このような無秩序な身内を見守る観客の心はハラハラする。いつどこで第2、第3の尹昶重が飛び出してくるのではないかと胸がドキドキする。
尹氏を20年以上見守ってきたマスコミは、彼を「いつか事故を起こす人物」と指摘していた。
単に予想よりはやく、それも事故のスケールがあまりにも大きかったということに驚くだけだ。
尹珍淑(ユン・ジンスク)海洋水産部長官の人事聴聞会騒動のことだ。
周囲が「任命すると困る」とわめいたが、実際、青瓦台関係者の口から出た話は意外なものだった。
「率直に言って、尹長官の顔に好感が持てないために余計に悪く言われたのではないかと感じる。
趙允旋(チョ・ユンソン)女性家族部長官ぐらい美しければここまで無念なほどに痛手を被っただろうか」と反問した。
青瓦台の認識レベルが情けなく困惑させられる。もしかしたら大統領の気分を害するかと思って
尹氏スキャンダルを25時間ぐずぐず遅らせた報告も当然のことかもしれない。
広報首席が突拍子もなく大統領に謝る場面も、そちら側では自然なことなのだろうと思える。
朴大統領は、李明博(イ・ミョンバク)前大統領から学ぶべきことを学ばなければならないだろう。
李明博の青瓦台は外部との意思疎通が問題だったが内部疎通は無難なほうだった。
朴大統領は忠実な直球スタイルだ。周囲が何と言っても耳をそばだてて聞くこともせず、自分1人で要人に固執した。
その結果、手帳に書かれた7人の総理と長・次官候補が落馬し、“1号人事”の尹氏はどん詰まりドラマを撮っている。
そろそろ朴大統領が変わる番ではないかと思う。直球にだけ執着すれば打たれるのが常だ。時々変化球も必要なのだ。
私たち韓国社会は、尹氏の低質な映画を見守りつつ朴大統領の“能力を見分ける能力”を疑っている。最高統治者には致命的な傷だ。
イ・チョルホ論説委員
http://japanese.joins.com/article/682/171682.html?servcode=100§code=120 http://japanese.joins.com/article/683/171683.html?servcode=100§code=120