今月4日、宋永吉(ソン・ヨンギル)仁川市長の部屋を、ある外国企業家が訪問した。
米国シーザーズ・エンターテインメント社のスティーブン・タイト社長(国際開発担当)が永宗島(ヨンジョンド)に
外国人専用カジノをつくる問題について議論するために訪ねてきた。
米国など7カ国で53カ所のカジノリゾートを運営するシーザーズ(Caesars)は、
中国系資本のリッポー・グループ(Lippo Group)と組んで1月末、永宗島にカジノ事業のための事前審査を申請した状態だ。
だが韓国文化体育観光部の審査が始まると、国内外メディアで「特恵説」または
「食い逃げ説」などが論議されるなど尋常でない雰囲気が感知されるや否や、急きょ宋市長にSOSを要請したのだ。
2年近く永宗島へのカジノ投資誘致に尽力している宋市長は、すぐに青瓦台(チョンワデ、大統領府)に電話をかけた。
彼はモ・チョルミン教育文化首席に「永宗島のシーザーズ・プロジェクトが挫折すれば、
韓国の若者のための5500件の働き口が飛んで行く」として助けを要請した。
宋市長は2010年7月の就任直後から米国・日本・ロシア・中東などに投資誘致の出張を重ねた。
世界的なカジノ業界の大物とも躊躇なく肩を組んだ。投資家らと少しでも親しくなろうとアラビア語からロシア語まで外国語の勉強もした。
宋市長は「仁川にカジノを誘致することこそ、“実事求是”(事実に基づいて真理や真相を探求すること)の姿勢ではないのか」として
「280万の仁川市民の家事を切り盛りする行政家として、お金を引き込んで働き口を作るのは当然の任務」と話した。
これまで生きてきた経歴に照らしてみれば、カジノ誘致を決心するまでに心の葛藤がなかったかという質問に対する返事だ。
それと共に、永宗島こそカジノ・リゾートとしての競争力を備えたところという説明も欠かさなかった。
実際、日本のあるカジノ企業が昨年北京で市場調査をした結果、回答者の65%が「永宗島にカジノがあれば、マカオより仁川に行く」と答えた。
障害だったカジノ事業に対する規制も昨年9月から緩和された。経済自由区域内の外国人専用カジノ事業の場合
“外貨直接投資(FDI)5000万ドル”などの要件を備えれば事前審査を通じて本許可以前に事業推進権限を付与する内容だった。
これに伴い、シーザーズとリッポー合弁会社であるLOCZと、日本のユニバーサルエンターテインメントなど2つが事前審査を申請した。
ユニバーサルエンターテインメントは4兆5000億ウォン(約3956億円)を、
LOCZは8万9000平方メートルに2兆2470億ウォン(約1975億円)を段階的に投資するという計画だ。仁川経済自由区域庁は、
これらの事業が完了すれば5万人の直接雇用効果と年間3兆ウォン(約2600億円)以上の観光収入を得られると見ている。
だが、すべてのことが宋市長の思い通り順調に行っているわけではない。既存カジノ業界による阻止の動きで異常気流があらわれたのだ。
既存業界は「初めは外国人専用カジノとして設立すると言うが、
いつかは韓国人の出入りも許容するようにしてほしいと強く要求してくることが明らかだが、許可を出してはいけない」という立場だ。
韓国カジノ協会は最近、韓国文化体育観光部に外国企業の投資に反対する内容の意見書を提出した。
最近ではイ・ジョンチョル仁川経済自由区域庁長が米国訪問時にカジノ投資企業から数百万ウォンのホテル代を提供されたという
陰湿なうわさまで広がってイ庁長が領収書を提示して説明する騒動まで起きた。
許可権を持つ韓国文化部は、カジノ産業拡大に対する国民感情と既存業界の立場などを考慮しないわけにはいかない立場にある。
文化部のチョン・ヒョンオク事務官は「事前審査制を再検討して補完しなければならないという意見が部内から出ているのは事実」
としながら「関連規定と世論を考慮して、公正かつ厳格に審査するだろう」と話した。
こうしたことが重なって文化部の審査は遅れている。宋市長はなおさら気が焦る。
彼は「中央政府にお金をくれというものでもないし、外国資本を持ってきて働き口を作ろうとすることなのに、ことが簡単に進まなくて残念だ」と話した。
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