【研究】大気中の電子数から北朝鮮のミサイル『テポドン』弾道等を分析:北海道大学の研究者、米国地球物理学会で発表[12/17]

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1はるさめ前線φ ★
大気中の電子数から『テポドン』弾道等を分析:北大の研究者

アラスカ州フォート・グリーリーのミサイル防衛施設に配備されている弾道ミサイル迎撃機。
有事の際は地上から発射される。写真:アラスカ州軍事・退役軍人局
http://img1.wiredvision.jp/news/200912/2009121721-1.jpg

サンフランシスコ発――北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のミサイル実験プログラムは、
時々は足踏みもしているようだが、着実に長足の進歩を続けており、ますます大きく強力な
飛翔物を建造できるようになっている――こんな研究結果が、今月15日(米国時間)、
米国地球物理学会の秋季大会で発表された。

今年4月、北朝鮮は弾道ミサイル『テポドン2号』を発射した。人工衛星を巡回軌道に乗せる
との名目であり、北朝鮮政府はそれが成功したと主張しているものの、そうした形跡は見られない。

北海道大学の日置(へき)幸介教授(測地学)は、日本国内にある1000以上のGPS受信機を用いて、
このロケットの弾道を算出することに成功した。その際に着目したのは、このロケットの排気ガスと、
電離層に含まれる荷電酸素イオンの相互作用だ。ミサイルが上昇して日本を飛び越える際には、
地球大気の最上層にある電離層に「穴」が空くのだ。

この研究結果は、打ち上げが失敗だったとする結論に異を唱えるものではないが、
大部分が謎に包まれている北朝鮮のミサイル計画について、いくつか興味深いデータを提供している。
たとえば日置教授によると、北朝鮮のミサイルは、11年前に発射された『テポドン1号』に比べると
――このミサイルも、今回同様のGPSセンサーの緊密なネットワークによって記録されていた――
格段に進歩しているそうだ。

これら2つのミサイルが電離層に空けた穴から考えると、テポドン2号の排気ガスには、
1号に比べて8倍もの水分子が含まれているという。

「これはおそらく、テポドンシリーズの推進力の向上を反映したものだろう」と、
日置教授は研究発表の要旨(PDFファイル)に書いている。

この研究を可能にしたのは、電離層内の電子の減少を感知できるほどの、GPSセンサーの
精度の高さだ。ロケットの排気ガスによってもたらされる水分子は、電離層内の酸素イオンによって
プラスに帯電する。これらの水分子はその後自由電子と結びつくため、周辺の総電子数を
減らすことになる。これこそが日置教授の計測した「穴」であり、これが大きければ大きいほど、
より多くの水分子がもたらされた、すなわち、それだけロケットが大きかったということになる。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のGeoff Forden氏(専門はミサイル追跡と兵器システム)は、
弾道ミサイルを追跡するこの手法を「実に興味深く」、おそらく前例のないものだと評した。
とは言え、政府による人工衛星データの分析よりも優れているというわけではないという。

Forden氏自身もこの飛翔体の軌道を分析しているが、これはミサイルの飛行機雲を直接観察した
衛星写真に依拠したものだ。

北朝鮮のミサイルはそもそも宇宙空間を目指していないと考えられている1つの重要な根拠が、
Forden氏の分析だ。テポドン2の航跡は水平に近く、衛星の打ち上げというより兵器であると
考えたほうが矛盾がない。

参考:AGU Poster. “Determination of the Trajectory of Ballistic Missiles Using a Dense GPS Array”
by K. Heki; M. Ozeki.

Alexis Madrigal [日本語版:ガリレオ-江藤千夏]
WIRED VISION 2009年12月17日
http://wiredvision.jp/news/200912/2009121721.html

※依頼ありました(依頼スレ122、>>672
2ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:16:35 ID:5Q7yD72L
水平に近く、かー。
落とす事を前提の弾道軌道って意味だね。
3Ta152 H-0 ◆Tank/Ja2RQ :2009/12/18(金) 07:19:15 ID:91U0Kw7M BE:560617294-2BP(1617)
れんほーが名指しで仕分けるかもな。
この研究者。
4ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:21:06 ID:5Q7yD72L
>>3
自分の股間に命中するなら許容するかもよ?w
5Ta152 H-0 ◆Tank/Ja2RQ :2009/12/18(金) 07:21:48 ID:91U0Kw7M BE:124582324-2BP(1617)
>>4
確かに更年期障害で欲求不満っぽいんだけど。
6ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:24:23 ID:5Q7yD72L
>>5
ところで、このGPSセンサーというのはいったいどう言う代物なんでしょうね?

位置情報をGPSで取得するのはいいとして、どうやってこの航跡を検知しているんでしょう。
何をどうやって検出してるんでしょうねえ?
7しまじろう ◆J1duyyyKD6 :2009/12/18(金) 07:27:24 ID:WYIsB0/h
おはようございます。

>>6
横から失礼。
GPS衛星からの電波が電離層を通過する時に減速する割合を計測しているのかもしれません。
8Ta152 H-0 ◆Tank/Ja2RQ :2009/12/18(金) 07:28:54 ID:91U0Kw7M BE:280308863-2BP(1617)
>>6
GPSから発信される電波の電波伝播経路の特性つーか遅延から逆算したものだと思う。
なんかの形式のGPS受信機を使ったもので、専用のセンサじゃないんじゃないかな?
9ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:34:59 ID:5Q7yD72L
>>7-8
GPSと水の分子吸収帯は大分違う周波数なんで、GPS電波そのもので航跡って判らないものなんじゃあないかなー。
そもそも能動的に検知するならともかく、受動的にだと電波源も必要だし、不可解そのものなのです。
10しまじろう ◆J1duyyyKD6 :2009/12/18(金) 07:37:56 ID:WYIsB0/h
>>9
「電離層に穴が開く」ということなので、その部分を通過する時は、電波の速度が変化するかも。
11ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:39:08 ID:5Q7yD72L
>>10
ああ、それならよくわかるのです。
しかし、そうすると、今度は地面側に本当に大量のGPSセンサーを撒かないとw
どんだけ撒いたのかなー。
12Ta152 H-0 ◆Tank/Ja2RQ :2009/12/18(金) 07:40:50 ID:91U0Kw7M BE:436036447-2BP(1617)
>>10
つまり、GPSの通信遅延でミサイルの航跡(電離層の穴)を割り出して、その航跡の状態を他のセンサではかった結果ってことでしょうかね。
水の分子量うんぬんの話は。
13Ta152 H-0 ◆Tank/Ja2RQ :2009/12/18(金) 07:43:33 ID:91U0Kw7M BE:560617294-2BP(1617)
>>11
1000基以上って書いてあるけど、実数は分からんね。
14ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:45:35 ID:5Q7yD72L
>>12
電離層の変化した割合と水分子の量の変化 と言うなんらかの関係式があるんでしょう。
GPSの電波から電離層の変化とその量を検出できれば、軌道とその部分の電離層の変化率が出せると。
15ぬこめ〜わく ◆NUKOOSsJck :2009/12/18(金) 07:48:15 ID:5Q7yD72L
>>13
GPSの衛星は静止軌道ではないので移動する=走査している と言う事だからそこそこの量でいいのかもw

ざっと見積もって、1個辺り2万円もあればセンサー作れるし、5000万くらいの予算でいけるかなww
16しまじろう ◆J1duyyyKD6 :2009/12/18(金) 07:49:31 ID:WYIsB0/h
(´-ω-`)ウーム…やっぱりレンホウに仕分けされそうな悪寒が…
17<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2009/12/18(金) 15:01:14 ID:mGYCjI36
1000ヶ所ということは国土地理院の電子基準点のデータを使ったのでしょう。
18( ̄^ ̄*ゞ ZZR400 ◆KlMustanG. :2009/12/18(金) 19:57:42 ID:Ok+w3GD7
以前 1万円程度の市販(Rate:1Hz/誤差5m?) GPSロガーで他の機器から出る電磁波の影響を調べたことがある
14衛星が範囲に入って内11衛星から有効なビーコン電波が観測できた。

国土地理院の観測地点(約1000箇所と仮定して)で同時に観測を行い解析するなら、
仮に有効信号が10衛星でも上空1万方位(衛星は移動しているので一万点固定では無い)の常時観測が可能になるね。
しかもこの場合なら設置位置は固定なので地上誤差も発生しないし、
衛星軌道も前もって判明しているから精度は高い。

検証用サンプリングレート 20 Hz (1秒間に20回観測できる)な機器だってあるから
即応性こそ無いものの日本国土上空は余裕でカバーできると思う。
19<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2009/12/18(金) 20:08:56 ID:wnMow8YY
東亜+の事情通によると、北朝鮮は「もうすぐ」崩壊するそうだから問題なし。
20<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2009/12/19(土) 10:20:06 ID:g4p6k02I
センサー大国日本に敵うものはない。
21<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん
>>9
プラズマ中で光の速度が変わるのと
同じ理屈だと思うよ。

電荷密度に依存するから
ある空間中の電子密度が変化すれば
位相遅れとして検出できる。

位置の固定されてる地上局から
衛星軌道までの距離を計算すれば
予め到達時刻も分かってるので
差分はすぐに求まると思う。

問題はミサイルの経路が
衛星と地上局の間に存在するかだけど
1000機もあれば余裕なのかな?