実用性はゼロだけど 売れてます!満州朝鮮復刻時刻表
ノスタルジーをかきたてる「満洲朝鮮復刻時刻表」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/images/20091214/dms0912141615005-p1.jpg 今から約70年前、日本統治下にあった旧満洲や朝鮮などの外地の鉄道時刻表が11月下旬、
ひっそりと復刊された。実用度ゼロの時刻表だが、発売と同時に売り切れになる書店が続出。
わずか1週間で増刷が決まり、出版社側も「ここまで売れるとは思わなかった」と目を丸くしている。
渋〜い時刻表の魅力とは?
復刊されたのは『満洲朝鮮復刻時刻表』(新潮社、2940円)。満洲支那汽車時間表(1940年)、
朝鮮列車時刻表(38年)、台湾総督府発行の列車時刻表(36年)、樺太国有鉄道列車時刻表
(35年)の4点セットで、紙質からページ構成まで忠実に当時の時刻表を再現している。
発行元の新潮社は先月20日に初版で5000部を出したが、各書店であっという間に売り切れた
ことから1週間で増刷を決めた。今は「どこの書店にも置いていない」(30代の鉄道ファン)という
状態で、一部のネット書店では4000円を超えるプレミア価格も付いているほどだ。
編集したのは、正確な縮尺の地図に路線図や駅、廃線跡まで書き込み、累計150万部を超える
ベストセラーの『日本鉄道旅行地図帳』を作った同社出版部の田中比呂之さん(52)。
「日本が建設した鉄道なので地図帳シリーズには欠かすことはできないと思い、『満洲・樺太』と
『朝鮮・台湾』編を出したが、地図帳と一緒に時刻表があればもっと楽しめると考え、
時刻表の復刊も計画した。私も長年、鉄道ファンをやっているが、現地の時刻表があるとは
出版を企画するまで知らなかった」と言う。
田中さんは2人の時刻表コレクターに協力を依頼。状態のよかった当時の時刻表を原本にした。
ちなみに、この時刻表は古書市場で希少価値が高く、「満洲支那汽車時間表」だけでも
4万−5万円もするという。田中さんは「値ごろ感を持たせるため、定価は3000円以下にすることが
目標だった」と語る。
外地の時刻表だけに、見慣れない地名や路線が羅列されていて、今となっては使いようもない。
だが、田中さんは「どのくらいの頻度で列車が走っていたとか、その列車に寝台車や食堂車が付く
意味など、想像が膨らむ。広告も当時のままで興味深い。台湾の時刻表は観光案内の表現が
かなりユニーク」という。
実際に「高雄」の観光案内欄を見ると「エテ公の居住する寿山を、自動車で駆け登って峰に立てば
見える、見える。海水浴に華やかな水着が水に戯れ」と時代を感じさせるコピーが載っている。
『鉄馬は走りたい−南北朝鮮分断鉄道に乗る』(草思社)の著者、小牟田哲彦さんは
「巻末の鉄道案内が面白い。貸し毛布やアイロン券といった今の鉄道にはないサービスの案内が
載っている。満洲の鉄道が当時、世界最先端の鉄道だったことを物語る。今回発売された時刻表は
戦時色が強くなる前のもので、外地の鉄道が一番華やかだったころのもの。現地からの引き揚げ者は
もちろん、戦前の事象に余計なフィルターがかかっていない20−30代の若者も興味を持つのでは
ないか」と話している。
ZAKZAK 2009.12.14
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20091214/dms0912141615005-n2.htm ※依頼ありました(依頼スレ122、
>>548)