米政府、中国の労働者人権で制裁せず・労組訴え却下
【ワシントン=吉田透】米最大の労働組合、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)が
中国の労働者の人権が抑圧されているとして経済制裁を発動するよう米政府に提訴していた問題で、
ブッシュ政権は28日、労組の訴えを却下すると発表した。
ゼーリック米通商代表部(USTR)代表は同日の記者会見で、
経済制裁よりも対話を通じて労働基準の向上や人民元制度の変動相場制への
移行などを促していく方が「より実りある成果を期待できる」と強調した。
ケリー議員の支持団体でもあるAFL・CIOは3月半ば、中国が労働者の権利を不当に抑圧して
輸出競争力を高めているとして米通商法301条(不公正貿易慣行国の特定・制裁)に基づいて
経済制裁を科すようにUSTRに提訴していた。
通商法301条は、貿易相手国の不当な労働慣行が競合する米産業界に打撃を与える場合、
制裁を科すことができるとしているが、実際に提訴したのは初めてだった。 (18:56)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040429AT2M2900929042004.html