山口県やベトナムで分離された高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)は、
1996年に中国広東省のガチョウ農場で流行したウイルスと遺伝的に近縁であることが5日までに、
動物衛生研究所(茨城県つくば市)などの遺伝子分析で分かった。
中国のウイルスはGd96と呼ばれ、97年に香港で6人の死者を出したH5N1型ウイルスのもとになり、
その後も中国の輸出鳥肉などから検出が続いていた。
Gd96との関連が分かったことで、今回流行のウイルスも中国に端を発している可能性が強まった。
同研究所は、山口県の鶏から分離したウイルスの遺伝子を、世界各地で検出されたH5N1型ウイルスと比較した。
その結果、8本ある遺伝子のうちウイルスの型を特徴付けるHA遺伝子の塩基配列が、
昨年2月に香港で死者を出したウイルスと97%一致した。
米疾病対策センター(CDC)によると、このウイルスのHA遺伝子はGd96と近縁であることが判明している。
山口のウイルスのHA遺伝子は、ベトナムで現在流行しているウイルスとも97%一致。
山口とベトナムのウイルスは同一ではないが、HA遺伝子はともに「Gd96の系統といえる」という。
Gd96は九六年夏に広東省の農場でガチョウの40%が死ぬ流行があった際、分離された。
香港では九七年以降、毎年のようにGd96由来の遺伝子を持つウイルスが中国産のガチョウやアヒルから見つかっている。
ベトナム北部の市場でも二〇〇一年、ガチョウから同様のウイルスを検出。
日本や台湾で昨年、中国からの輸入アヒル肉などから検出されたH5N1型ウイルスもGd96に近いHA遺伝子だった。
引用
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/influenza/news/0205-186.html http://www.kyodo.co.jp/