その大きな駅では連日、目的のホームにたどり着けない乗客が続出し、
案内にあたる駅員たちとの押し問答が絶えることがなかった。
「お客様、申し訳ありませんが、このホームは違いますよ」
「本当かい。こっちからそのホームに行けると思ったんだが。
それでは隣のホームへ回ればいいのかな」
「いえお客様、そちらも違います。そもそもこの駅にその路線はありませんので」
「そんなはずはない。この駅で間違いない。隠したりしないで教えてくれよ、お願いだから」
いくら説明しても、なかなか納得してもらえない。
さらに新しい乗客がひっきりなしに後から訪れては案内を求めるため、
駅員たちは困り果てていた。
そこへある日ひとりの少年が現れ、駅長にひとつの助言を与えた。
するとその翌日から、駅員たちを悩ましていた押し問答は嘘のように消えてしまった。
相変わらずホームを捜す乗客はいたものの、駅構内に貼り出された掲示文を見たとたん
誰もが納得し、ひどく落胆しながらもおとなしく帰っていくようになった。
「テロ対策のため、ホグワーツ行き9と3/4番線ホームは閉鎖されました。
再開の時期は未定です。ご理解とご協力をお願いします。キングス・クロス駅長」
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news2/1098197192/500