ここ最近ネット上では、東京都の「都青少年健全育成条例改正案」が都議会総務委員会で可決され、成立する見込みであることで持ちきりだ。
漫画やアニメ、ゲームなどでの性描写規制を目的としたこの法案の旗振り役の一人が、石原慎太郎東京都知事だ。
最近は「テレビなんかにも同性愛者が平気で出てくる」と発言し、
あたかも同性愛自体が悪であるかのような物言いだと、反発を呼んでいる。
都の条例改正案は特に強姦や近親相姦などの「倫理的に強い問題がある」アニメ・漫画への規制に力を入れているようだ。
しかし「反倫理的」な作品といえば、石原都知事の過去作品もそれにあてはまる、と言えないだろうか。
たとえば『完全な遊戯』という小説は、精神障害者の女性を集団で強姦し、最後には殺してしまうというストーリーだ。
都の改正案にしたがって考えれば、こういった小説が「青少年」に悪影響を与える可能性は無いのだろうか。
経済学者の池田信夫さんはブログで、
「かつて「太陽族」などの新風俗の元祖となり、「価値の紊乱者」を自称していた石原氏が、エロ漫画の撲滅に熱中する姿は哀れをもよおす。」
と簡潔かつ辛らつに石原都知事を批判している。
ちなみに石原都知事は1995年から芥川賞の選考委員を務めているが、そこでの仕事ぶりにも疑問が呈されることが多い。
革新的な作風の作家・舞城王太郎さんの『ビッチマグネット』についての評には、
「タイトルをみただけでうんざりした」
とあり、まともに読んで評価したのかさえ疑問だ。
http://himo2.jp/3046900