ケータイとインターネットが一般に普及し始めてはや10余年。通話やメールのみならず、mixiやTwitter、
GREEなどに代表されるソーシャルメディアが急速に社会に浸透し、それと並行して、ケータイ端末や
パソコン以外の各種デジタルデバイスも飛躍的な発展を遂げた。それによって、単に誰もがいつでも
膨大な量の情報を送受信できるようになっただけでなく、人間の思考や行動パターンそのもの、特に
コミュニケーションのあり方が大きく変わってきたといわれる。
そんなデジタルネイティブ世代を、大人たち、中でもメディアは、ケータイやネットと切っても切れない
生活を送る、ニュータイプかモンスターであるかのように思い描きがちだ。その中でも、「ケータイ世代の
性が狂っていく 未成年風俗嬢 プロフで求人」(「AERA」09年9月28日号)、「援助交際、拉致・監禁
犯罪警鐘ルポ 少女が過激に自己紹介 『前略プロフ』の闇」(「FLASH」07年11月27日号)などなど、
出会い系サイトやSNSなどを経由した未成年者の犯罪被害や援助交際といった性の実態は、これまでの論理や
常識では計り難いものととらえられ、時に社会問題として、あるいは好奇の的として大きく取り上げられ
てきた。07年11月に16歳の女子高校生がモバゲータウンを通じて知り合った男に殺害されたとされる事件が、
08年の衆議院「青少年問題に関する特別委員会」で取り上げられ、モバゲータウンも18歳未満のメールの
やり取りを禁止したことなどが象徴的な例だ。
「ケータイでコミュニティサイトなどにアクセスし、女子なら知らない人からのメッセージに安易に応えて
しまう、男子なら暴言を吐いたり相手をあおる行動を取ったりしてしまうなど、危険な使い方をしている
高校生は全体の約5〜6%」と話すのは、若年層のケータイ依存の問題などに詳しい、千葉大学教育学部の
藤川大祐教授だ。同教授によれば、高校生の約4〜5割が、ブログやプロフといった双方向機能のあるサイトを
利用しているものの、実際に性犯罪被害や詐欺などに遭ってしまうのは、交渉力やコミュニケーション力の
不足しているごく一部に限られているという。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101207-00000301-cyzoz-soci