http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20090405/CK2009040502000096.html (前小屋千絵さん近影)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20090405/images/PK2009040502100021_size0.jpg 昨年十月、常磐大国際被害者学研究所(水戸市)の専任研究員に就任した。四月から新たな
事業に取り組み始めた。内容は、ダメージを受けた被害者が回復していく過程を、数値で計る
ことができるようにするための尺度をつくることだ。
多様な被害状況や回復の程度をチェックリストで得点化することで、心理学の専門知識を
持たない人たちの被害者支援活動も後押しできないかと考えている。今は尺度をつくる材料
として、被害経験のある大学生を対象にした調査結果を分析している最中だ。
現職に就く前に日米で計七年、被害者学とカウンセリングを学んだ。当初から志していたわけ
ではなかったが、常磐大で被害者学の授業を履修したのを機に、この道を歩んでいこうと決めた。
「悩みを抱える一人一人に、自分は何ができるのか」。日本である程度の理論を学び終え
こんな思いが頭をもたげた。「統計調査で見てきた数字の裏にある個々の事例を知りたい」と
カウンセリングが社会に定着している米国への留学を決意。英語に苦労しながら、カリフォルニア州
立大大学院に入学し、三年間で六百時間を超えるカウンセリングの実習を積んだ。
(中略)
<被害者学> 犯罪や事故、自然災害などの被害者や家族らを対象に、被害の身体的、心理的
社会的、経済的影響や、被害からの回復、回復の支援のあり方について研究する学問。常磐大国際
被害者学研究所には教員8人と研究員1人が所属。8月には国内では27年ぶりの国際被害者学
シンポジウムが常磐大を会場に開かれる。