「勝海舟と幕末長崎」展11月3日から 長崎歴文博で日本初公開資料も
長崎市立山一丁目、長崎歴史文化博物館の開館二周年と、日蘭修好百五十周年を記念した
展覧会「勝海舟と幕末長崎」(同館など主催、長崎新聞社など共催)が十一月三日から
十二月九日まで同館で開かれる。
江戸時代末期、欧米諸国に開国を迫られた幕府は、長崎に近代技術の教育機関を設立。
海軍伝習所をはじめ、医学伝習所、長崎鎔鉄(ようてつ)所などがあり、ここで学んだ
人々は幕末から明治にかけて活躍。中でも、勝海舟は開国派の幕臣、さらには坂本龍馬の
師としても知られる。
同展は三章構成、国内外から集めた約二百三十点を展示する。一章では、ペリー来航前、
開国勧告の国書を携え長崎を訪れたオランダ人、コープス来航に焦点を当てる。二章は
海軍伝習所の創設、咸臨丸での太平洋横断など、勝海舟にちなんだ日本初公開の多数の
資料とともに紹介。特に勝海舟のやしゃご、勝芳邦氏所有の印章コレクション二十一点や
すずり箱など愛用品は注目すべき展示品。海をイメージした波の絵の中央に「舟」の
文字が刻まれたり、飾りの部分に動物や鎖をあしらったものなど、造形的な美しさが
ある。三章では、近代化の波に乗り長崎に相次いで創設された医学伝習所や長崎鎔鉄所
関連の資料を並べる。
同館研究員の安高啓明さんは「学術的な水準を保った展覧会。勝海舟の人間性もうかがえる
のではないか」と話していた。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20071028/10.shtml