内閣改造前に悩む首相、「女性も人材難」の声
27日に初めての内閣改造を行う安倍首相は、人心一新で政権浮揚を目指すが、幅広い選択肢を困難
にする壁は多い。新閣僚は「政治とカネ」の問題で厳しい追及を受けるのは必至で、今回は入閣に
及び腰の議員も多い。また、続投が見込まれていた小池防衛相が自ら留任しない考えを表明し、
女性議員も人材難が指摘されている。
内閣改造に向け、自民党は入閣候補者の政治資金の状況を調べる一方、内閣官房でも、過去の
スキャンダルの有無を調べるなど、「身体検査」を進めている。
しかし、「政治とカネ」については、「3年間の保存義務がある経常経費支出の領収書がないなど、
細かくチェックすれば、不備や問題点はキリがない。閣僚適格者は少ないのが実情だ」(党関係者)
という。
今回、閣僚候補として名前が挙がる中堅議員の事務所では、「選挙対策費」支出の一部で領収書が
ないことが判明。その議員は「やましいことは一切ないが、もし入閣を命じられたら、首相に
『それでもいいですか』と事情を説明するしかない」と打ち明ける。
25日には、閣内残留説も根強くあった菅総務相の事務所費問題が新たに報道された。首相の
新人事は、最終段階でも「政治とカネ」に悩まされそうだ。
一方、女性閣僚の人選も難しい。女性は2000年7月に発足した第2次森内閣以降、複数起用が続く。
史上最多は01年4月の第1次小泉内閣の5人だ。しかし、自民党内で「入閣適齢期」とされる当選
5、6回で、閣僚経験のない女性衆院議員は、すでにゼロ。公明党、参院自民党の閣僚候補は男性
ばかりだ。。
その一方で、民間出身の大田経済財政相は留任説が出ている。首相は24日の記者懇談で大田氏の
功績に触れた。ただ、政府内には「大田氏は先輩の竹中平蔵氏と比べ、発信力が弱い」との指摘もある。
また、党内では当選6、7回でも入閣経験のない男性議員が多く、「女性は優遇されすぎだ」との
やっかみも多い。首相は党内融和にも配慮せざるを得ない。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070826ia01.htm