>>1、いいところに気がついたね。
それは近代社会学の祖であるボードリヤールも指摘していることでね。
もはや現代社会資本主義、それは例えばエンロンが象徴するようなものだが、
そこにおける経済とは、実体を離れたマネーゲーム的、メタ的なファクターによって
支配されていると言っても過言ではないんだ。記号論的なね。
ミクロ消費においても同様のことが言える。
すなわち、生活必要上必要不可欠であるような「モノ」を、消費して、
その効果を得るために購入する、
こういった素朴な図式に我々の消費活動は最早適用できない
ということだ。
自己の拡張せられた欲望を充足するためにただ購入する。
これはいわば仮想消費活動と呼ぶべきものである。
その筆頭として挙げられるのが、フィギュア、漫画、ゲームなどの、
いわば『秋葉系アイテム』である。
何と彼らは購入したグッズ、例えば『リリカル魔法少女なのは1/6サイズフィギュア』
をパッケージから取り出さず、新品同様のままでずっと保持しているというのだ。
あらゆる関係性から切り離された、自己完結的な消費。
消費のための消費。
これは人間の歴史において大変革といってもよい事件である。