国産のヒトES細胞(胚(はい)性幹細胞)について、文部科学省の専門委員会は23日、
海外への輸出を条件付きで認めた。また、ES細胞の分配機関を、
作成機関とは別に設置することを認める方針を決めた。
同省の「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」の改定案を6月にもまとめ、
総合科学技術会議の諮問を受けた上で改定する。
国内でES細胞の作成・分配を認められているのは、京都大再生医科学研究所だけ。
他の研究機関は、同研究所から分配を受けるか、海外から輸入している。専門委は、
輸入を認めながら輸出は認めない現状がバランスに欠けることや、研究機関の増加で分配業務が増え、
同研究所の負担が大きくなるとの見通しから、見直し必要と判断した。
改定案では、輸出目的は国内同様、基礎研究に限定。
輸出先はES細胞について適切な指針を持つ国の研究機関に限っている。海外の使用機関は規制出来ないため、
輸出元となる分配機関が作った分配計画を文科相が事前に確認する。
ES細胞は、多様な組織に分化する能力を持ち、難病治療への応用が期待されている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20060524k0000m040094000c.html