未完 小説 書き継ぐ

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1グランドワロス
息子が遺作の未完小説書き継ぐ 年内に完成

15日に二十五回忌を迎える作家、新田次郎さんの遺作で未完の小説を、
二男でお茶の水女子大教授の藤原正彦さん(61)が書き継ぎ、年内に完成させる。
新田さんが最晩年に情熱を傾けた作品が、四半世紀ぶりに完結する見込みとなった。

小説は79年8月から毎日新聞朝刊で連載が始まった「孤愁−−サウダーデ」。
新田さんは80年2月15日、心筋梗塞(こうそく)のため67歳で急逝したが、
書きためてあった原稿を掲載、同年4月8日の第227回が絶筆となった。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050205k0000e040052000c.html
2番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:48:30 ID:QObmamHa
うんこっこ
3番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:49:40 ID:gHGND0zX
4番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:49:54 ID:byRaFP8W
3だったらカフカの「城」のつづきを書き継ぐ
5番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:50:52 ID:1l4JQX6r
月曜だ鬱だ氏脳
6番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:51:12 ID:jd7Q7edG
じゃあおれはカラマゾフの兄弟の続きを書いちゃおうか
7番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:51:43 ID:G4WSgoHn
聖書の続きでも書こうかな
8番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:52:43 ID:ci/AeBCj
般若心境の2番でも作るかな
9番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:53:18 ID:VggaHUiB
10番組の途中ですが名無しです:05/02/07 06:57:45 ID:28JlXMU1
大ピンチの展開で止めるなんてスレストは空気読んでるのか読んでないのか。
11番組の途中ですが名無しです:05/02/07 07:01:34 ID:W0GpyIr2
気づくかな?
12番組の途中ですが名無しです:05/02/07 07:06:40 ID:qIotoF0w
>>2
お前は俺か
13番組の途中ですが名無しです:05/02/07 08:28:13 ID:N6J2O1Rg
どうせならスレタイは「小説書いたのだが Part3」がよかった

スレスト空気嫁というより、前スレをわざわざageて書いたアフォは何なんだよ
14番組の途中ですが名無しです:05/02/07 14:04:56 ID:KR6bOIqU
お、立ったか
毎日楽しみにしてたんだよ
ありがとう>>1
15番組の途中ですが名無しです:05/02/07 14:41:16 ID:DqvZs2zY
浅田次郎に続きを書かせよう

理由は言うまでもないが、名前が似ているから
16番組の途中ですが名無しです:05/02/07 16:35:53 ID:0PyqYRBd
もうすぐスレストされたスレが落ちる
17番組の途中ですが名無しです:05/02/07 17:21:12 ID:feJI6n5V
>888 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:05/02/07 02:14:38 ID:5X/eJOae
>今読み終わった。
>死霊との友情も終りか?

>889 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:05/02/07 02:35:19 ID:GRSDL3Dg
>削除とかスレストって本にする機会を失わせてるね

>890 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:05/02/07 03:16:50 ID:Wzt25aFj
>スレストsugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!

>891 名前:停止しました。。。[停止] 投稿日:停止
>真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


保守ならまだわかるがこんなにageなくてもいいだろ しかもスレスト暴走してたときじゃねぇかよ このうち二人市ね
18番組の途中ですが名無しです:05/02/07 17:26:15 ID:bgOKaJjz
水村美苗が「続明暗」書いてるよ
19番組の途中ですが名無しです:05/02/07 17:33:15 ID:5EplisFv
雪山登山作家です
20番組の途中ですが名無しです:05/02/07 17:56:29 ID:D+RRd6aS
気づくかな 先生
21 ◆/I03giEWww :05/02/07 19:08:20 ID:xwIipUsA
彼は信之助を振り返るとそう言い残し、女の前に現れた。
「政府の敵は必ず排除される。貴様もまた同様だ」
二人の周りを炎の線が円を描くように走り出した。女は彼をどう殺すか考えていた。派手に術を使うか。
それとも首をはね、あの青髪に投げつけてやるか。
「ファイヤーウォール」
炎の線はツツジの言葉に燃え上がった。二人は完全に炎の壁に囲まれた。彼女は壁に歩み寄り、炎に手を触れた。
ニットの袖部分が一瞬で灰になった。指も火傷している。なるほど。
「命の炎ね。あなたのフォースではこんな強力なものはできない。やってくれるじゃない、老いぼれの分際で」
22番組の途中ですが名無しです:05/02/07 19:10:27 ID:t1m1YBT6
スレストはもう本当に頭おかしいですよ、絶対狂ってますよ
先生Come back!!!! ぉーん
23番組の途中ですが名無しです:05/02/07 19:10:45 ID:D+RRd6aS
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
24 ◆/I03giEWww :05/02/07 19:13:16 ID:xwIipUsA
「貴様程度のひよっこではこの壁は破れんぞ。おとなしく死ぬがいい」
ツツジはその場に座り込んだ。覚悟は決めた、あとは若者に未来を託す。彼が政府に入ったのは二十歳であった。
25番組の途中ですが名無しです:05/02/07 19:13:57 ID:8NTyeqTb
先生キタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!
26番組の途中ですが名無しです:05/02/07 19:27:53 ID:0PyqYRBd
よく気づいた
27 ◆/I03giEWww :05/02/07 19:36:10 ID:xwIipUsA
 「君たちにはこれから、国の為に尽くしてもらう。勿論給与はでるぞ、安心しなさい」
その高官は、今年入隊が決まった十人の新人護衛官たちにそう言葉をかけた。今年は優秀なものが多い。だからこそ、しっかり政府の考えを知ってもらいたいのだ。
子は親を見て育つ。
「これから、多くの人間を殺めることになるだろう。時には戦争や国家統一の為に一般のものも犠牲になる。それでも君たちは政府の為に生きてゆけるか」
世は今大事な時期だ。国も十まで統一された。あと一歩なのだ。
「例え民が犠牲になろうと、その先に平和な時代を政府が保証してくれるのなら私は子供でも殺しましょう。大切な人間一人より他人百人の命を優先します」
一番端に立っていた若者が答えた。並びは成績順である。彼はこの中では最下位だ。高官は彼を見ながら言った。
「君、名は」
28 ◆/I03giEWww :05/02/07 19:40:10 ID:xwIipUsA
若者は高官を見据えはっきりと答えた。
「ツツジと申します」
高官は護衛官に付き添われ、部屋の扉に向かった。彼はこちらを向きこう言った。
「もちろん君たちはより多くの人間を救うことが先決だ。だから簡単に命を捨ててはいけない。
その手で君たちはたくさんの人々を救えるからだ」
護衛官は廊下で彼に呟いた。
「大臣、お時間が」
高官は扉に向き直った。彼は今、政府で最も多忙な人間だった。世は戦乱の最中だ。
「しかし、時にはその命を大切な人間の為に犠牲にすることもあろう。それは恥ずべきことではないぞ」
高官はそう言い残し退出した。
29番組の途中ですが名無しです:05/02/07 19:42:24 ID:0PyqYRBd
回想シーンキタ━(゚∀゚)━!
ゲルマンより扱いイイじゃんwww
30 ◆/I03giEWww :05/02/07 19:54:12 ID:xwIipUsA
 「時代は変わりゆくのだ」
ツツジは当時のその高官のことをはっきり覚えている。それ以来、彼と話す機会はなかった。しかし彼のことを一番覚えている。
同期のものはジャイルズを残し皆死んでしまった。皆政府の為に人生を全うしたのだ。
「お前は今の政府に命を捨てるのか」
女は彼を見ながら静かに言った。炎の勢いは衰えない。
「あんな愚かな人間どものために」
ツツジはポケットから懐中時計を取り出した。時は三十年前に止まってしまった。入隊記念に政府から贈られたものだ。
「政府は必ずよみがえる、何度でも。幾多の戦争にも負けず復興してきた民のように」
31 ◆/I03giEWww :05/02/07 20:08:06 ID:xwIipUsA
うフォースは残っていない。どうやら奴が死ぬまで自分の命は待ってくれそうにないな。ツツジは女の後ろに周り込んだ。彼女の両腕を掴んだ。
女はツツジの腕をはずそうとするが無理だった。くそ、老いぼれめ。
「貴様だけはここで殺す」
炎の壁は彼の意思により消えていった。ローレンスは状況を把握した。エクスカリバーを抜き、構えた。
グランドクロスはあと一回しか使えない。
「一条よ、必ず政府を正しい道へ導いてくれ」
信之助は彼に敬礼をした。これは兄から教わったものだった。ローレンスはエクスカリバーを女に向けた。十字を刻む。
32 ◆/I03giEWww :05/02/07 20:10:14 ID:xwIipUsA
大塚愛を見たいので、一旦休憩します。
33番組の途中ですが名無しです:05/02/07 20:13:43 ID:feJI6n5V
志村 脱字脱字
34番組の途中ですが名無しです:05/02/07 20:16:25 ID:t1m1YBT6
このCMみたいなタイミングがたまらない
35番組の途中ですが名無しです:05/02/07 20:17:58 ID:D+RRd6aS
大塚愛に内Pかこのテレビっ子め
36 ◆/I03giEWww :05/02/07 20:52:24 ID:xwIipUsA
「グランドクロス」
しかしその聖剣は男の右手に止められた。ローレンスは正宗を抜き、首を掻っ斬ろうとしたが男は左手の手刀で刃を柄のところで折った。
男はエクスカリバーを奪い取り、ローレンスの腹部を蹴った。ローレンスは後方の壁に叩きつけられた。
「危機一髪だったな、大丈夫か?」
男はエクスカリバーを振り回しながらローレンスに向かって歩み寄っていく。ローレンスは立とうとするが、痛みが大きいせいかできなかった。
「まあね、助かったわ」
女はツツジの右腕を折り腕を離した。振り向きざまに彼の心臓を左手で貫いた。口から血が流れ出る。女はツツジの倒れざまに耳元で呟いた。
「政府は滅びる。もう支配はいらない」
37番組の途中ですが名無しです:05/02/07 20:57:08 ID:tYknb3R7
うおーードラゴンボールの人造人間思い出す
38番組の途中ですが名無しです:05/02/07 21:00:51 ID:0by6lmCM
ツツジィーーー・゚・(つД`)・゚・
ローレンスきばれぃ(#゚Д゚)
39番組の途中ですが名無しです:05/02/07 21:01:51 ID:t1m1YBT6
ローレンスどうした!
40 ◆/I03giEWww :05/02/07 21:03:49 ID:xwIipUsA
ツツジはその場に倒れた。その目は二度と先を見ることはない。男はローレンスの前にしゃがみ込んだ。
「久しぶりだな、ストラウス。しかしお前随分変わったな。無理もないか、もう十年以上経つからな」
ローレンスは額から流れ出る血をぬぐった。自分の血など見るのは何年ぶりだろうか。
「人は変われるのですよ。物とは違う」
確かにそうだ、少なくとも力はだいぶ落ちたな。男はそう思った。
「ところでこんな所に何の用で来たの」
41 ◆/I03giEWww :05/02/07 21:12:41 ID:xwIipUsA
女が手の血をハンカチで拭きながら言った。キエフはこの場からの脱出手段に考えを巡らせていた。もはや自分たちでは収拾がつかない状況になっている。
今、自分の隊はたった二人の人間に全滅の危惧にさらされていた。
「いやな、ちょっと追われていてな。撒くためにここに駆け込んだわけさ。でもどうやらばれたみたいだな」
男は立ち上がり信之助の後方を見た。そこには銀髪の男が立っていた。彼は吸っていたタバコを投げ捨てた。
信之助はそれを拾い、ポケットから貸付用の携帯灰皿を取り出し、中に入れた。彼は環境保全派である。
42番組の途中ですが名無しです:05/02/07 21:22:31 ID:KR6bOIqU
信之助余裕ありすぎだろwwwwwwwww
43 ◆/I03giEWww :05/02/07 21:32:28 ID:xwIipUsA
「ほう、ターゲットを追っていたら、これはまた豪華な面子だな」
銀髪の男は周りを見渡した。追ってきた男の仲間、一条財閥のトップ、ローレン=ストラウス、
三つ星護衛官の七人中でも最強と言われているキエフ=ウェンズデイ、それにあの坊主は。
「ウェストさん、なぜここへ」
キエフは剣を納めると、彼に向かいそう言った。少なくとも状況は良くなった、そう思いながら。
「そこの男に用があってな。お前は何をしている。なぜさっさと退避しなかった」
そうか、こいつは知らないか。治安省の機密主義がこういう状況を招くのだ。実に愚かなことだ。
しかし退避を図ったところでどうなったわけでもないか。
「そこの二人は指名手配中の凶悪犯だ。お前では手に負えん」
男はエクスカリバーを十字に斬りながら銀髪の男に寄っていった。見た目は二十歳後半くらい、白の短髪だった。
格好はハラシブにいそうな若者の感じである。
「凶悪犯とは失礼だな。俺らより凶悪な人間は他にいっぱいいるぜ」
44 ◆/I03giEWww :05/02/07 21:55:42 ID:xwIipUsA
唐突に大爆発が起こった。みな後退した。男は剣を振りながら笑っていた。
「見たか、ストラウス最強のグランドクロスを。はっはははは」
彼はエクスカリバーをローレンスの前に放り投げた。剣は音を立てながら転がった。
「今のお前じゃ俺たちを殺すのは無理だな」
男は女に歩み寄った。銀髪の男はさすがに二人相手はきついな、そう呟いた。
「さっきここに来る途中、ウェストコールの軍隊だか何だかを見たぜ」
面倒なことになるな、女はそう思った。まあストラウスを仕留められなかったのは残念だが仕方ない。それに今の彼は殺す価値もない。
「あとはあなたたちに任せるわ。軍隊だって、大変ね。でもこの面子ならわけないわよね」
女は指をぱちんと鳴らすと男は消えた。女は銀髪に向かってウィンクをした。
「そこの高官はまだ生きてるわ、詳しくは彼に聞くことね。何かいい情報をつかめるといいわね」
女はそう言い残し消えた。彼女の能力はこういう作戦に使われる。銀髪の男は追おうとしたが一人では無理と悟った。
奴らの能力がわからない以上、互角に戦うのは不可能だろう。
45番組の途中ですが名無しです:05/02/07 21:57:15 ID:KR6bOIqU
ところでまとめサイトの更新が無いな
46番組の途中ですが名無しです:05/02/07 21:59:31 ID:iP36ZBOI
ついにローレンスが雑魚キャラに・・・

なんだか今回の話信之助とイラク三馬鹿が被ってしまった
47番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:00:47 ID:KR6bOIqU
>>46
考えすぎだろwwwwwwwwwwwww
48 ◆/I03giEWww :05/02/07 22:05:22 ID:xwIipUsA
「無様だな、ストラウス。今のお前からは覇気が感じられない。まるで別人のようだ」
いや、間違いなく別人だ。こんな男があの凶悪な男のはずがない。キエフがローレンスに近寄った。ローレンスは手をはらうと、自力で立った。
目眩がした。彼は真っ先に信之助の心配をした。信之助は大丈夫だ、そう合図を送った。
「ウェストさん、彼らは一体何なのですか。明らかに政府の予想した戦力指数をオーバーしています。僕らではどうにもこうにもならなかった」
ウェストはタバコに火をつけた。貴重な戦力を一人失った。これは今の政府にはとても甚大な被害だった。俺が早くここに来ていれば。
49番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:13:46 ID:ZtKX4Bdh
スーパーローレンス覚醒まで、イイコに待ってます
50番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:14:26 ID:DUN9gpzf
ゲルマン完全無視wwwwwwwwwwwww
51番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:14:28 ID:KR6bOIqU
正宗折られたってことは備前長船が主力になるのかな
52番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:15:34 ID:feJI6n5V
やはりオークションで探してる刀が鍵だろ
53 ◆/I03giEWww :05/02/07 22:25:45 ID:xwIipUsA
「トロイ=ベネディクト、リヴ=クィンシー。両方ともリディア政府が唯一指名手配している《ハンターナイン》のメンバーだ」
キエフはそれを聞いて表情が凍りついた。話は聞いてはいたが、まさか自分が遭遇することになるとは。彼がこの場に来なければ間違いなく全滅だった。
「しかし彼らがなぜ赤い月と」
ウェストは状況が非常に複雑なことに、整理がつかなかった。副大臣殺害や治安省の道場で発見された事務官の死体がどうつながるのか。
なぜ《赤い月》と《ハンターナイン》が関わっているのか。彼は倒れている次官に近づいた。
54番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:28:18 ID:KR6bOIqU
天の村雲か村正と予想だな
55番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:29:46 ID:LHP/3q/C
村正でるねこれは
56番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:30:02 ID:iP36ZBOI
草薙に1000億G
57番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:37:32 ID:/Gv8n+ZW
ロングソードじゃね?
58 ◆/I03giEWww :05/02/07 22:38:11 ID:xwIipUsA
「おい、起きろ」
彼は次官の顔をひっぱたいた。次官はその場に上半身だけ起き上がった。意識はもうろうとしていたが、彼の顔を認識することはできた。
「君は確か、司法省のレイ=ウェスト。何故ここに・・」
次官は周りを見渡した。はて、ここは。それにこいつらは一体誰だ?見るとキエフ=ウェンズデイもいるではないか。
「おい、あいつは死んだはずでは」
信之助がそう言った。彼は死霊の死の言葉に倒れたはずだった。ローレンスは信之助に近寄った。額からは相変わらず流血している。
「彼の反応を見る限り、何らかの能力で操作されていたのでしょう。先ほど女のほうが指を鳴らしました、あれで術を解いたのでしょう。
彼女なら、彼が死の言葉を聞く前に気絶させることくらい容易いでしょうね」
なぜそんなことをしたのか、ローレンスにはわからなかった。ウェストは煙を吐き出すと次官を問い詰めた。
「知っていることを全て話せ。場合によっては無罪放免になるだろう」
59番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:39:06 ID:GxQfLETD
ついにハンターナインの登場か。

俺はアイスソードを探していると思う。
60番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:40:17 ID:/Gv8n+ZW
マジごめん
VIPの癖でageちゃうんだ…
61番組の途中ですが名無しです。:05/02/07 22:40:55 ID:d4fEPJi7
前スレのまとめ誰か頼む。
多分俺昨日の夜の分見てない
62 ◆/I03giEWww :05/02/07 22:41:40 ID:xwIipUsA
すいません、今日はここまでにします。今夜の内Pがスペシャルなので
終わったあとに書けないと思うので。読んでくださった方、あとスレを建てて
くれた方、感謝します。必ず完結させます。
63番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:48:06 ID:RANzothE
スレストされてたのか
64番組の途中ですが名無しです:05/02/07 22:59:59 ID:7HkFsjqs
みみずんに行けばあるよ
65番組の途中ですが名無しです。:05/02/07 23:20:05 ID:d4fEPJi7
みみずんってここの事?
http://www1.odn.ne.jp/mimizun/
いまいち使い方がわからないので
詳しくお願いします。
66番組の途中ですが名無しです:05/02/07 23:35:28 ID:KR6bOIqU
http://www8.axfc.net/uploader/1/so/dl.cgi?No_0162.zip
取り敢えずここに昨日の分のtxtとdatファイルまとめてうpしたから適当に変換して
67番組の途中ですが名無しです:05/02/08 00:14:26 ID:Q8JSEIeP
68 ◆/I03giEWww :05/02/08 00:38:34 ID:TLNKEs3y
ZONEが解散らしいです。非常にショックです・・・
69番組の途中ですが名無しです:05/02/08 00:38:43 ID:Ghp6iJig
http://venus.aez.jp/uploda/data/dat2/upload13736.txt

前スレから今までの分
ただ纏めただけで章とかで区切ってないや・・・(´・ω・`)ゴメン
70番組の途中ですが名無しです:05/02/08 00:40:30 ID:I61daAUI
>>68
元ネタそれ?
71番組の途中ですが名無しです:05/02/08 00:42:28 ID:Ghp6iJig
>>68
      _人人人人人人人人人人人人人人_
        >    な なんだってー!!    <
        ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
        _,,.-‐-..,,_       _,,..--v--..,_
    /     `''.v'ν Σ´        `、_,.-'""`´""ヽ
    i'   / ̄""''--i 7   | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ          ヽ
.     !ヘ /‐- 、u.   |'     |ノ-、 ' ` `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、   |
    |'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!     iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
.   ,`| u       ..ゝ!     ‖  .j     (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\   (二> /      !  _`-っ  / |  7   ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' /        \ '' /〃.ヽ `''⊃  , 'v>、
 !、\  \. , ̄        γ/| ̄ 〃   \二-‐' //`
72 ◆/I03giEWww :05/02/08 00:51:45 ID:TLNKEs3y
>>69
サンクスです。
自分は白い花が一番名曲だと思います。ソロ活動するかなあ
73番組の途中ですが名無しです:05/02/08 04:56:27 ID:YZ9OADd3
どきどきage
74番組の途中ですが名無しです。:05/02/08 08:06:38 ID:KWRVDJBS
>>66-67>>69
サンクス
75番組の途中ですが名無しです:05/02/08 12:16:22 ID:XNMMqOUP
もはやこの小説が一日の楽しみになってしまった
76番組の途中ですが名無しです:05/02/08 17:12:42 ID:wCH02MzR
ヘイ店長、
77番組の途中ですが名無しです:05/02/08 20:18:37 ID:9jEsyk0k
>>76
なんか、めちゃ懐かしい。
78 ◆/I03giEWww :05/02/08 20:54:37 ID:TLNKEs3y
 四人は二台の車で森林の中を走っていた。科学省は人里離れた森にある。理由は産業スパイなどから技術を守るためである。それがかえって仇となろうとはな。
「どうしてレギーを残してきたんだ。いくらあいつだって護衛官複数を相手するのは厳しいと思うが」
ミラは外の木々を眺めながら奇妙な違和感を覚えた。この森がおかしい。
「足手まといでしょう。襲撃は少数のほうがいい、下手につかまって厄介事になったらいやでしょう」
確かにあの女は俺たちに比べれば遥かに弱い。自分では過信していたようだが。あの海軍崩れなどわけのわからぬ奴と組み、単独行動も多々あった。
組織に必要なのは協調性である。やはり女とは勝手なものだ。
79番組の途中ですが名無しです:05/02/08 20:55:04 ID:x7Rbq0f2
キター
80番組の途中ですが名無しです:05/02/08 20:55:29 ID:q42putBG
格付け見てないのか
81 ◆/I03giEWww :05/02/08 21:15:25 ID:TLNKEs3y
「それに今回の目的は極めて重要です。結成当時のメンバーでやり遂げたい」
赤い月は五年前に結成された。目的はただ一つ、リディア政府の解体。我々はどこにも属さない。他国での破壊活動や暗殺も、全てはこの目的の為にある。
資金やコネクション、情報収集などだ。それが今、目的達成はもう目の前に来ている。
「実にあなたらしい考えだ。我が祖国の悲願を果たすことに他人は不要だ」
この四人は皆、同じ国の出身だった。皆リディアが憎かった。戦争など愚かな行為だと未だにわかっていない。
「おかしい」
ミラは運転手に車を停めさせた。チェスも何となくは感じていた。もうこの森を二時間以上走っていた。車を降り後ろを振り返ると、街が遠くに見えた。
三時間前に食事を取った街だった。幻影か?
82 ◆/I03giEWww :05/02/08 21:31:42 ID:TLNKEs3y
「やっと気付いたか。大口叩く割に間抜けな奴らだな」
車の進行方向に佇んでいる白髪の男が馬鹿にしたように言った。ミラは男をにらみつけた。チェスはこの男を知らなかった。
「むこうは片付いたのか。女はどうした」
ミラは彼にそう質問した。男はこちらに近づきながらチェスを見ていた。チェスは腰の刀をいつでも抜けるように紐を解いた。
「ああ、ストラウスは殺し損ねたがな」
いや、正確には殺さなかったんだが。ミラは、この男どこまで信用できるだろう。そう思った。
「女はやられたよ、敵の護衛官に腕がたつ奴がいてな」
83 ◆/I03giEWww :05/02/08 21:49:51 ID:TLNKEs3y
はなっからわかりきった事だったろう。この男は実に面白い。こういうタイプの人間が堕ちていくところを是非見たいものだ。
「そうか、残念だ。私たちは先を急ぐ。さっさとこのふざけた幻術を解け」
それは人にものを頼む態度じゃないな。せっかくアドバイスをしに来たというのに。
「この先の科学省に用か?なら止めたほうがいい。今は司法大臣が出向いて来ている。お前たちが今、科学省を襲おうとすれば大臣専属の護衛官に全員やられるぞ」
「政府の護衛官などに我々はそうやすやすとやられはしない。さっさとどくがいい」
このミラという男、一見利口そうに見えて、中身は一般人と変わらず愚かだな。資源省は特別警備が手薄だった。
科学省は左閣とはいえ、世界中の技術を研究している。ましてや今は司法大臣と科学大臣が会合を開いている。警備は極めて厳重だろう。仕方ないな。
84番組の途中ですが名無しです:05/02/08 21:51:02 ID:q42putBG
女って生きてるよな?n
85 ◆/I03giEWww :05/02/08 21:56:26 ID:TLNKEs3y
「俺が科学省の機密研究所からアレを取ってきてやる。安心しろ、必ず依頼主の元に届けてやる。
お前たちはアレの場所までは知らないのだろう。わざわざリスクを冒す必要はないだろう」
ミラはこの男を殺していこうかと思ったが、確かに場所は知らない。この男を利用する価値はある。あとは用が済み次第殺せばいい。
「わかった、我々は引き返すとしよう。お前に任せよう」
ミラは車のドアを開けた。チェスは刀の柄から手を離した。
「ただし一つだけ条件がある」
男は幻術を解いた。周りは動きのある現実に戻った。チェスは直感的に刀に手をかけた。
「お前たち全員の死だ」
86 ◆/I03giEWww :05/02/08 21:59:56 ID:TLNKEs3y
今日はここまでにします。かなり眠いので・・
ぷっすまも今日SPなので深夜にも書けそうにないので。
87番組の途中ですが名無しです:05/02/08 22:21:42 ID:Qvs3oH1g

またあしたな
88番組の途中ですが名無しです:05/02/08 22:41:52 ID:x7Rbq0f2
89番組の途中ですが名無しです:05/02/08 23:30:08 ID:Bm97A5oN
あれれ今日は早いな
90番組の途中ですが名無しです:05/02/08 23:48:59 ID:/GJZOJjl
乙カレー。
91 ◆/I03giEWww :05/02/09 00:17:23 ID:ZTfgrnjP
 「つまり今回の首謀者はウェストコール政府というわけだな」
オレは主人公らしく、次官の話をまとめてみた。それは驚くべき結論でもあった。
ウェストはさして驚きもせず、タバコの煙を吐き出した。
「政府が腐っているのはどこの国でも同じだな」
ムドウが嫌気を含み言い放った。ここにはそんな嫌味を言われてかっとなる人間はいない。
「どんな複雑な事も知ってしまえばそれまでだな」
92番組の途中ですが名無しです:05/02/09 00:19:39 ID:kzIgDVHp
フェイントキター!
93 ◆/I03giEWww :05/02/09 00:30:04 ID:ZTfgrnjP
次官の記憶は曖昧であったが話の筋は通っていた。ウェストコール政府から依頼を受けた《赤い月》はリディア政府が持つ何かを奪うため、副大臣を拉致した。
取引でその在り処を聞き出そうとしたがリディア政府は拒否。そしてレギー=クラークソンを残し、他のメンバーは消えた。
「奴らがどこに向かったかだ。肝心なことを聞いていないな、役立たずめ」
ウェストは次官を睨みながら言った。こいつはそんなに偉いのだろうか。次官と言えば政府の高官である、資源省とはいえ。キエフは次官に頭を下げていた。つまり
ウェスト>次官>キエフ
ということになるな。
「ウェストコール政府は何を狙っているかも重要だ。一国の政府が他国、それも最大勢力のリディアに喧嘩を売ってきたのだ。
そのリスクを冒しても手に入れる価値があるもの」
94番組の途中ですが名無しです:05/02/09 00:31:32 ID:IgVvECje
オイオイw
95 ◆/I03giEWww :05/02/09 00:41:37 ID:ZTfgrnjP
オレは何となくわかっていた。今回リディア政府は高官を殺された。これは一歩間違えば戦争になりかねない。
おそらくリディア政府も状況次第では動くだろう。そうなれば買う実に多くの犠牲がでるだろう。そんな危険がわかっていてもウェストコールはそれを実行した。
ムドウの言うとおり、政府はどこの国も堕落しているな。
「濃縮ウラニウムか」
ウェストはそう呟いた。核兵器のエネルギー燃料だ。現在、核武装している国はリディアとノースアイスの二国である。
既に北の国には司法大臣が核武装解除を求め交渉中だが、暗礁に乗り上げていた。
96 ◆/I03giEWww :05/02/09 00:42:50 ID:ZTfgrnjP
×買う実
○確実
97番組の途中ですが名無しです:05/02/09 00:52:55 ID:wByoXzHj
キテタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!
98 ◆/I03giEWww :05/02/09 00:55:23 ID:ZTfgrnjP
「第三の核武装国か。いよいよ世界は破滅に向かい始めたな」
抑止力。いつまでそんな言葉が通用するだろう。リディア政府はその言葉を盾に、世界首脳会談でサウスメリア政府とイーストサン政府の反対を押しのけた。
その時から世界は歩むべき道を踏み外した。一度レールから脱線してしまうと戻るのは難しい。人生と同じ。
「奴らはそれを今、奪おうとしている。それはどこにある」
オレはウェストにそう言うが彼は無視し、衛星電話をかけ始めた。もう時間はない、一時を争う。
「こちらミシガン」
「治安省、ウェル=ダナキャランだ。どうした」
ウェストはキエフを見ながら電話に話し始めた。
99番組の途中ですが名無しです:05/02/09 00:59:04 ID:C1Eo13aG
手歩ドン
100 ◆/I03giEWww :05/02/09 01:09:16 ID:ZTfgrnjP
「キエフ=ウェンズデイが指揮を取る救出チームは任務に失敗した。原因はそちらの戦力指数情報の誤差に因るもの。
死人は二人、これでも運があったほうだ」
キエフは責任を感じている様子だった。引き際は逃すと手遅れになる事が多々ある。
「そうか、残念だ。今省長官に報告が行く。しばらくしたら帰還命令がでるだろう」
「科学省に《赤い月》の者が向かっている。おそらく目的は“濃縮ウラニウム”と思われる」
ウェストのその言葉に電話相手の声が大きくなった。
「それは確かか。今科学省には司法大臣が出向いている、くそ」
「すぐに護衛官を向かわせろ。いいか、半端な戦力は無駄だ。スーパーハンド数人、またはマスターハンドを向かわせろ」
電話の相手はすぐに冷静さを取り戻した感じだった。事務官は常に冷静・客観的でなければいけない。
101番組の途中ですが名無しです:05/02/09 01:09:26 ID:iwxyujdE
北から武器買ってる新之助はどうなるんだ
102 ◆/I03giEWww :05/02/09 01:24:37 ID:ZTfgrnjP
「了解した、君もなるべく早く帰還してくれ。とても人手が足りない」
「健闘を祈る」
衛星電話の電源はそこで切れた。バッテリー切のようだった。ウェストは衛星電話をポケットにしまうと、キエフに向かい合図をした。キエフは衛星電話を取り出し彼に渡した。
「上の判断次第ではリディア政府はウェストコールを攻撃することになるだろう。その可能性は極めて高い」
ここ一週間のうちに緊急閣議が開かれるだろう。首相の判断次第でこの二国は戦争に突入するだろう。もはや和解は難しい。今から科学省でも多大な犠牲がでることが予想できる。
オレは長年政府を見てきた。リディア政府は間違いなく報復行動にでる。
「オレとキエフはここで上の指示を待つ。場合によってはウェストコール政府に攻撃を仕掛ける。お前たちは本国に帰るがいい」
103 ◆/I03giEWww :05/02/09 01:26:56 ID:ZTfgrnjP
すいません、今度こそ今日はここまでにします。
ご愛読感謝します。ではでは
104番組の途中ですが名無しです:05/02/09 01:50:32 ID:PxDr4q0E
乙枯

このスレ見てるやつ何人ぐらいいるんだうな
105番組の途中ですが名無しです:05/02/09 01:58:45 ID:??? BE:3106229-#
おつおつ
106番組の途中ですが名無しです:05/02/09 02:17:36 ID:sGppgHTE
寝る前に来たら続き
キテタ━━(゜∀゜)━━!!
携帯からは見づらいな
107番組の途中ですが名無しです:05/02/09 03:59:58 ID:wByoXzHj
なんか、24みたくなってきたなw
108番組の途中ですが名無しです:05/02/09 06:22:03 ID:NtvYQArF
こっそり
age
109 ◆k5c/V7Fjcg :05/02/09 06:25:40 ID:SbLlJM7l
小説 2ちゃんねる物語

俺の名前は勇気といいます、俺が2chを知ったのは3年前の出来事でした
PCが無償に欲しくなってお年玉でバイオってのを買ったのがキッカケでした
「わ〜いろんなサイトがいっ
110番組の途中ですが名無しです:05/02/09 06:42:07 ID:wqBwKfAu
>>109を見る限り、小説を描くのはさぞ大変なんだろうなぁ
期待してますよ先生
111番組の途中ですが名無しです:05/02/09 14:18:34 ID:3eE01Jqg
 
112番組の途中ですが名無しです:05/02/09 17:39:10 ID:MxSBvwc4
漫画化してくれる猛者はいないか?
113 ◆/I03giEWww :05/02/09 17:49:04 ID:ZTfgrnjP
v速がいつ落ちるかわからないので、今日は早めに始めます。
114番組の途中ですが名無しです:05/02/09 17:57:02 ID:MxSBvwc4
緊迫感増すぅううう
115 ◆/I03giEWww :05/02/09 18:03:30 ID:ZTfgrnjP
オレがいても何の役にも立たない。ローレンスも今の状態では足手まといになりかねない。ムドウもまた同じ。
「潜土艦の艦長には言っておいた。あとは好きにするがいい」
「オレは迎えを呼ぶ。またあんな棺に閉じ込められるのは御免だからな」
オレは衛星電話で将軍を呼びつけた。どうせ暇であろう。
「キエフ、近くに宿を取ってこい。支払いは司法省にまわせ」
キエフはうなずくと美術館跡を出て行った。
「さて、そこの坊主。神真道の人間だな。何の用事でここにいる」

116番組の途中ですが名無しです:05/02/09 18:14:35 ID:/TRf8R4/
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! 
117番組の途中ですが名無しです:05/02/09 18:22:09 ID:vtlJRSop
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
先生頑張って!!
118 ◆/I03giEWww :05/02/09 18:24:53 ID:ZTfgrnjP
神真道と言えば宗教法人の中でもかなり大きな宗派である。神を一つに定めず幅広い信仰を教えている。
表向きはそうなっているがもっぱら闇事を請け負う黒企業である。
そんな所の人間がここにいるとは。目的はおそらく。
「まさか他国にまで布教活動に来たわけではないだろう」
ウェストは今日何本目かわからないタバコに火をつけた。自然環境省の人間はみな禁煙家と聞いている。少しは見習ったらどうだろうか。
「そこの一条信之助を始末しにきた。護衛が予想以上の手練だったんで手をこまねいていたが」
ムドウは杓を鳴らすと、オレに向かい炎を放った。まだフォースが残っているのか。オレは身をかわし、背中の小型粒子閃熱砲を構えた。
当てれば勝てる。可能性はわずか五%と見た。金利もこの位なら助かるんだが。
119 ◆/I03giEWww :05/02/09 18:40:34 ID:ZTfgrnjP
「殺生坊主に北の兵器を持つ社長か。ストラウスよ、時代は変わるものだな」
くそ、政府の人間なら罪のない一般人を助けろ。決まり、こいつも明日肺がんで死ぬとみた。
せいぜい余生をこの外国で過ごすがいい。
「そうです、時代は移りゆくものです」
ローレンスは印を結びオレに向け放った。光の壁がオレを囲んだ。防御壁。
「そこから出てはなりません。私が彼を始末するまでは」
ムドウは複雑な印から死霊を召喚した。獲物は杖から大はさみに変わっていた。
「まだそんな力が残っておるのか」
オレの驚きの事実に対する言葉に、ムドウはにやっとしながら答えた。
「脳ある鷹は爪を隠す。俺のキャパシティはこの程度では底をつかない」
120番組の途中ですが名無しです:05/02/09 18:45:32 ID:??? BE:7245667-#

後で、乱立し始めたりしたらage保守するかも
                                
121 ◆/I03giEWww :05/02/09 18:52:00 ID:ZTfgrnjP
ローレンスは印を結び始めた。ムドウは杓を鳴らし死霊に命を下した。
「俺はあの神父をやる。お前はあの小僧をやれ」
死霊は低く聞き取りづらい声で言った。
『悪いがそれはできない』
そう聞こえた。ムドウは怪訝な表情で死霊を見た。彼には理解できなかったのだろう。
「何をいう。お前は死を司る悪霊だぞ、気でも狂ったか」
『気は元々狂っているさ。だがそれは出来ない。あいつは唯一、おれの携帯で人間のメモリーだ』
ムドウはそう言われ、表情を戻した。その顔には殺気がまじまじと表れていた。
122番組の途中ですが名無しです:05/02/09 18:56:01 ID:gjciWJfs
死神ハゲワロスwwwww
123 ◆/I03giEWww :05/02/09 19:06:08 ID:ZTfgrnjP
「ならいい。俺がやる。お前はあの神父をやれ」
死霊は大はさみをしゃきんと鳴らすとローレンスの背後に移動した。ローレンスは詠唱から浄化術を放った。死霊は瘴気でそれを消し去った。
『おれはこれでも上位の死神でな。その程度の浄化術ではこのリューク様を消すことはできないぞ』
死霊は大はさみでローレンスの腕を狙った。ローレンスは後退し再び術を放つが効果はない。もう既にグランドクロスを二回使っている。
フォースは殆ど残っていないだろう。
「なら貴方にも同じことが言える。その程度ではこの私の命は奪えない」
ローレンスはエクスカリバーを抜いた。何度も言うがグランドクロスはもう使えない。死霊は不気味に微笑みながら異界の呪文の詠唱を始めた。
これからは魔界語を通訳できる人間が重宝されるかもしれんな。あとで新興事業部に提案書を出そう。
124番組の途中ですが名無しです:05/02/09 19:07:56 ID:SrEbvOYf
またリューク出てきたw
125 ◆/I03giEWww :05/02/09 19:17:27 ID:ZTfgrnjP
『ξλψ§^§。^』 
その死神の言葉にローレンスの足元が瘴気に包まれる。目を凝らすと彼の両足を何本ものまがまがしい手が掴んでいた。
『魔界の呪縛だ。今のお前では逃れられまい』
死霊は手の大はさみを鳴らしながらローレンスの前に現れた。刃先はエクスカリバーに止められた。死霊はもう一方の手でローレンスの腕を掴んだ。
手は黒い瘴気に侵食されていく。死霊はローレンスの顔を見ながらにやにや笑っていた。
『先に瘴気に喰われるか、おれのはさみで首をはね飛ばされるか』
126 ◆/I03giEWww :05/02/09 19:27:42 ID:ZTfgrnjP
死霊は大はさみを引くとぶんぶん振り回し始めた。ローレンスはエクスカリバーを平行に構えた。もう侵食は肩まで来ていた。
死霊は大はさみでローレンスの喉元めがけ突いた。
「神滅斬」
聖剣は大はさみごと死霊を切り裂いた。死神は瘴気を従え魔界へ還っていった。ローレンスはエクスカリバーの刃を手でなぞった。
「この剣にはもともと強大なフォースが込められています。私がフォースを使わずともこれ位なら訳ありません」
127 ◆/I03giEWww :05/02/09 19:28:56 ID:ZTfgrnjP
NARUTO見たいので一旦休憩します。
128番組の途中ですが名無しです:05/02/09 19:43:20 ID:6tiALo8q
サッカー見ないのかよw
129番組の途中ですが名無しです:05/02/09 19:51:35 ID:iwxyujdE
age保守とかやめろよ 帰って目に付いて消される
130 ◆/I03giEWww :05/02/09 19:56:24 ID:ZTfgrnjP
やっぱサッカー見ます。ここは国民として。
131番組の途中ですが名無しです:05/02/09 20:13:58 ID:6tiALo8q
どっちのだwwwwwうはwwww
132 ◆/I03giEWww :05/02/09 21:02:26 ID:ZTfgrnjP
ムドウはすぐさま印を結んだ。これはさっきの。
「デッドエンペラー」
魔界の王が再び現世に現れた。瘴気が周りの空気を侵食している。地獄馬は震えるような雄叫びをあげた。死神は《冥王鎌》を一閃した。
ローレンスは回避にまわるが足と腕を切り裂かれ鮮血が飛び散る。ローレンスはエクスカリバーで死神に切りかかるが鎌はエクスカリバーを弾いた。
死神は魔界の言葉で術を詠唱し始めた。その手に黒い炎が宿る。
『黒炎焦』
黒き魔界の炎はローレンスを包み込んだ。ローレンスは詠唱していた防御術を唱えた。黒い炎は勢いを止めない。
死神は《冥王鎌》を構えとどめの体勢に入った。
オレは閃熱砲のトリガーを引いた。しかし死神の鎌に弾かれた。Gウェポンめ。
133番組の途中ですが名無しです:05/02/09 21:11:03 ID:gMha+rx1
久々に出たなGウェポン
134 ◆/I03giEWww :05/02/09 21:20:06 ID:ZTfgrnjP
「やれやれ」
黒い炎はみるみる内に勢いを弱めた。ローレンスはその場に膝をついた。もう戦える様子ではなかった。死神はその首をはねられた。
主を失った魔界の獣は地へと消えた。ムドウは無表情のままウェストを見た。
「お前たちにとっては今ここで死んでもらったほうが好都合なんだろ?なぜ邪魔をする」
ウェストはチキンナイフを手にしたままタバコの煙を吐いた。煙は政府のエンブレムを形作り消えた。
「政府にとっては邪魔な存在になる。できればここで始末したいところだが」
ウェストは戻ってきたキエフにローレンスの手当てを命じた。応急処置くらいならここでもできる。ムドウは杓をウェストに向けた。
「まあ俺にも都合があってな」
ウェストはタバコを投げ捨てた。オレは無論、携帯灰皿に片付けた。自然環境大臣はこいつを死刑に処するべきである。
135番組の途中ですが名無しです:05/02/09 21:28:47 ID:vtlJRSop
∩(・ω・)∩バンジャーイ
136 ◆/I03giEWww :05/02/09 21:41:59 ID:ZTfgrnjP
「お前の腕もここまで落ちているとはな。以前ならフォースなど使わなくてもこの程度の奴、難なくやれたはずだが」
ローレンスはエクスカリバーを地面に置いた。彼はこちらを向き弱々しい声で言った。
「申し訳ないです、信之助様。今の私では力不足でした」
ローレンスは倒れた。オレは歩み寄るが既に意識は無かった。将軍のヘリならマッハで病院に運んでくれるはずだ。
「心配するな、あの程度では死なんさ」
ムドウは杓を構えながらウェストに向かってきた。ウェストはナイフを右手に持ちながら下がった。ムドウのほうが速い。
「ならば貴様もこの場で殺してくれる」
137 ◆/I03giEWww :05/02/09 22:05:00 ID:ZTfgrnjP
杓は弧を描きウェストの足を狙う。機動力を殺ぎにきたか。しかしウェストは難なくかわした。
その表情には余裕すら感じる。それはローレンスに似た感じであった。
「霊撃陣」
ムドウは杓でウェストの足元に陣を描いた。白いオーラがウェストに襲いかかる。
「俺を殺す?ストラウスも仕留められない小物がよく吠えるな」
ウェストはオレのすぐ前にいた。どうしてフォースを使うものはこう見えないのか。
オレはこいつに蹴りを入れてやろうと思ったが当たりそうに無いので諦めた。
「運が悪かったな、坊主。俺とさしではミラクルハンドでも勝てんさ」
ウェストはそう言うと時計を見た。時間を確認するとナイフを構えた。
「ゴーストハンター」
ウェストの体からもう一人ウェストが現れた。これもフォースの力なのか。もはや何でもありだな。しかしその分身はすぐに消えた。
ウェストは横に走り出した。ムドウも間合いを取りながら攻撃のチャンスをうかがう。
138番組の途中ですが名無しです:05/02/09 22:06:05 ID:GBF99eZ/
深夜にまとめて読みにくるだす
139 ◆/I03giEWww :05/02/09 22:15:49 ID:ZTfgrnjP
「何だ、こないのか」
ウェストはナイフをその場で一閃した。ナイフのリーチではかすりもしないと思うが。
しかしムドウの右足から血が噴き出した。ムドウは驚愕の表情をしていた。
「このあとウェストコールの軍隊を相手にしなければならないのでな」
ウェストはナイフをムドウに向かい突き刺した。勿論届かない。
「ぐぁ」
ムドウは吐血した。胸は赤く染まっていた。ウェストはタバコに火をつけた。死ね。
「死ね」
ウェストはナイフを再び一閃した。ムドウの首が見えない刃に掻っ切られた。
大量の出血をしながら事切れた。オレの周りは化け物だらけである。
140番組の途中ですが名無しです:05/02/09 22:18:10 ID:gMha+rx1
ムドウ死んだらリューク様も出なくなっちゃうよ
141番組の途中ですが名無しです:05/02/09 22:18:47 ID:SrEbvOYf
ウェストの能力面白いな
142 ◆/I03giEWww :05/02/09 22:20:28 ID:ZTfgrnjP
ちょい休憩します。
143番組の途中ですが名無しです:05/02/09 22:43:20 ID:DFSCt1Of
あげた方がいいのかな。どう思う?
144 ◆/I03giEWww :05/02/09 22:48:59 ID:ZTfgrnjP
あげます
145番組の途中ですが名無しです:05/02/09 22:59:40 ID:areaIHW3
あげる意味がわからんけどまぁ先生のやることだから
146番組の途中ですが名無しです:05/02/09 23:03:30 ID:VruGeCeO
保守だろ
dat落ちされても困る
147番組の途中ですが名無しです:05/02/09 23:07:48 ID:m0FJiSND
危なかったからね、俺がageようかと思ったよ。
148 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:00:32 ID:ZTfgrnjP
「これで戦力は俺とキエフだけか。しんどいな」
ウェストは外をちらっと見た。軍勢はまだ気配がない。キエフの話ではもう着くはずだ。
「キエフ、まだやれるか。軍隊を二人で片付けるしかない」
「ええ、少しは。あと一回くらいなら大技も使えましょう」
そこに一人の軍人がブーツを鳴らしながら入ってきた。キエフはクリスタルソードを抜いた。
「信之助様、お待たせしました。途中、この国の空軍に遭遇しましてな。全滅させるのに少々時間がかかってしまいまして」
彼にとっては年中戦争のようだ。ウェストはオレを見ながら煙を吐いた。
「お前の知り合いか」
オレはうなずくとローレンスを将軍に担がせヘリに向かうことにした。待てよ。
「将軍、Gランクスで来たのだろう」
149番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:04:33 ID:ptUTXVjL
>>148
sageを消したままですよ、先生。
150 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:11:55 ID:b5EiFY2b
将軍はローレンスを片手で担ぎながら答えた。
「もちろんですとも、本国まで十五分で着きましょう」
「ということはアレは積んであるな」
「ええ、いつでも使えますぞ。まさかもう試すのですか」
ふむ、仮を作るのは面倒だしな。オレはウェストを見ながら一つ、提案を出した。
「どうだ、軍隊はオレが片付けてやろう。その代わり報酬を百倍にしろ。見たところお前は政府でもなかなか幅が利くのだろう、その位訳あるまい」
ウェストはタバコを投げ捨てた。今度はキエフが水を出し消火した。
「残念だが俺は司法省の人間でな。そういう事は財務省に言ってくれ。まあいい、それで今回の貸しはちゃらにしてやる」
くそ、仮消しついでに金をふんだくろうと思ったのに。肺がんナイフめ。仕方ない、あとでこれを武器に財務省に乗り込んでありったけ絞ってやるとしよう。
「よし、将軍。これより重要任務を遂行してもらう」
将軍は片手で敬礼しながらローレンスをヘリに乗せた。
151 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:17:11 ID:b5EiFY2b
「よし、これよりウェストコール軍を殲滅する。作戦名は“財務省”だ」
「わはははは、さすがは信之助様。センスあるネーミングですな」
「そうであろうそうであろう」
ヘリは離陸を開始した。

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152番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:17:43 ID:HxayovyM
「これで戦力は俺と高橋陽一郎だけか。しんどいな」
上島は外をちらっと見た。軍勢はまだ気配がない。殿の話ではもう着くはずだ。
「『ウンコー』まだやれるか。小動物を二人で片付けるしかない」
「ええ、少しは。あと一回くらいなら核も使えましょう」
そこに一人の悪魔超人がブーツを鳴らしながら入ってきた。上島はダチョウソードを抜いた。
「寺門様、お待たせしました。途中、この国の空軍に遭遇しましてな。全話録画するのに少々時間がかかってしまいまして」
彼にとっては上島も寺門も関係無いようだ。高橋はオレを見ながらブレスを吐いた、ダメージ0
「お前はクリーピングコインか」
オレはうなずくとゴリラを将軍に担がせススキノに向かうことにした。待てよ。
「将軍、Gランクスで来たのだろう」
153 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:30:23 ID:b5EiFY2b
 「大佐、報告します。我々とともに派遣されてきた空軍が何者かの手によって全滅しました。生き残ったのは僅か三名です」
馬鹿な、空軍はウェストコールが誇る最高戦力だぞ。最新鋭の戦闘機や兵器を搭載した火空挺で構成される空の支配者がまさか。
「敵の戦力は」
大佐はまず敵側の戦力を把握し作戦を練ることが必要と判じた。陸軍二等兵は戸惑いながら答えた。
「それが・・生き残ったガイル中尉によると敵機は戦闘用ヘリ一機のみだそうです」
「ヘリがたった一機だと!?ばかな」
いくら小隊とはいえ戦闘機・ヘリ二十機からなる空隊だぞ。ありえない。そこにガイル中尉がやってきた。
腕を片方失ったようだ。戦場はそういう所だ、大佐はそう思った。
「ガイル中尉、それはまことか」
ガイル中尉はその質問にただうなずいた。彼はふと空を見上げて目を見開いた。そしてぼそっと呟いた。
「悪魔がきた」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>>152
ちょっとワロスしました。
154番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:36:32 ID:YUhRkWoU
>>152
ワラタ
155番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:37:22 ID:HxayovyM
◆/I03giEWww 、お前

〜〜〜した or 〜〜〜た
「(セリフ)」
〜〜〜した or 〜〜〜た
「(セリフ)」
〜〜〜した or 〜〜〜た
「(セリフ)」


このループじゃん、一般的に優れてるとされる小説読んでみろ

156番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:38:42 ID:ptUTXVjL
だが、それがいい
157 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:46:07 ID:b5EiFY2b
上空から武装した軍兵を発見した。その数ざっと百人か。戦車やパトリオットミサイル砲、装甲バイクまでさまざまな陸兵器が並んでいる。
一体何と戦うつもりできたのだろう。フォースをもつ者は軍隊にとっても脅威なのだろうか。
確かにローレンスやあのウェストクラスならこの位の軍隊なら殲滅できそうだ。怖い世じゃのう。
「目標発見。敵は意外に多いな。まあ丁度いい、試しがいがある。将軍、アレを準備しろ」
「アイアイ・サー」
将軍は赤いスイッチどくろマークが付いたスイッチを押した。三番砲に装填された。
「装填完了。いつでもいけますぞ」
158番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:50:08 ID:Dc35PNiz
ところで何でムドウは信之助を狙ってたんだ?
仕事の関係?
159 ◆/I03giEWww :05/02/10 00:57:44 ID:b5EiFY2b
一発三千億。北の最終兵器《テポノドン》。超小型の核ミサイルである。最新鋭の技術により核反応をコントロールし、縦にエネルギーが分散するようにされている。はずである。
放射汚染も狭範囲になる。はずである。ここは他国、別に構うまい。
「よし、発射しろ」
将軍はトリガーを引いた。ミサイルは三番砲から発射された。このミサイルはGランクスの機動力を持ってして初めて使える兵器だ。ヘリはすぐさま核爆発範囲内から離脱する。
もちろんあの武器商人が嘘をついていて、普通の核爆発が起きればこの一帯は何も残すこと無く消滅するだろう。
しかし普通の核ミサイルを三千億ぽっちで、しかも一般人に売るはずがない。きっと。
160番組の途中ですが名無しです:05/02/10 00:59:22 ID:YUhRkWoU
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
161 ◆/I03giEWww :05/02/10 01:07:01 ID:b5EiFY2b
「神よ、どうか彼らに安らかな死を」
オレはそう呟いた。まあミサイル撃っておいてなんだが。彼らはミサイル迎撃を試みるが無駄なことだった。ミサイルは隊の端のほうに着弾した。
「おお、まさしく悪魔の兵器・・」
そこには巨大な火柱があがった。上は見えない。どこまでも昇っていくようだ。放射線防ゴーグル越にもその凄まじいエネルギーが伝わってきた。
使うべきではなかった。範囲は約半径一キロに収縮されている。爆風でヘリは煽られる。ジェットエンジンを起動し体勢を整えた。
162番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:13:58 ID:rS/SalxI
大爆発だが範囲がせまいのが
好みなんだな、先生はw
163番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:16:24 ID:V5MICAXU
「先生」とかおだてて、超E級テキストを半笑いながらヲッチするスレだって今気が付いた
164 ◆/I03giEWww :05/02/10 01:17:32 ID:b5EiFY2b
「危ないところでした。これはまた凄まじい威力ですな。もうすぐここに両国の政府の調査隊がとんで来ますぞ」
将軍はそういいながらヘリをリディアに向けヘリを飛ばした。海岸が見えてくると海上にはイージス艦や戦闘漁船が数隻、編隊を組み浮かんでいた。
徹底的だな。しかし数は大したことはない。
「あやつらも沈めますか」
オレは海岸にウェストとキエフの影を見つけた。あの化け物二人なら援護は必要ないか。
むしろあのウェストという男にはここで朽ちて欲しいところであるが。
「将軍、あの海岸の銀髪の男をピンポイントでミサイルで狙えるか」
「それはまた難しい注文ですな。出来なくはありませんがあの青髪の青年も巻き込む事になるでしょう」
「そうか、なら仕方ない。このまま本国へ帰るぞ。ローレンスを病院に運ばなくてはならないしな」
すっかり忘れていた。死ぬなよ。オレの護衛がいなくなってしまう。
「了解しました、彼らは実に運がいいですな」
ヘリはリディアに向けウェストコールをあとにした。
165 ◆/I03giEWww :05/02/10 01:18:53 ID:b5EiFY2b
今日はここまでにします。夜遅くまで乙です。
166番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:19:55 ID:7J4lRFpQ
おつ
167番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:27:29 ID:/dKX5DQD
でも少しづつ書きなれたよな
ヘイ店長の頃に比べて
168番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:36:38 ID:rS/SalxI
だれか全員のイメージ画を頼む
むしろ漫画で読みたい
169番組の途中ですが名無しです:05/02/10 01:36:57 ID:HVXSAyN0
初めはなんだよって思ってたけど
なんか毎日チェックしてる
170番組の途中ですが名無しです:05/02/10 02:12:17 ID:JxeHpkr8
小説としては駄作だが、漫画の粗筋としては良作だよな。
素人考えだが、漫画とかゲーム化されたら面白くなりそう。
171番組の途中ですが名無しです:05/02/10 06:58:04 ID:ELmR2OUU
age
172番組の途中ですが名無しです:05/02/10 09:30:46 ID:jxGM/Omu
確かに文章はまだまだだとは思うが、不思議に読ませる力がある
まさかあのヘイ店長から核発射にまでたどり着くとは夢にも思わなかったが
173番組の途中ですが名無しです:05/02/10 09:56:59 ID:ZBTuRggk
確かに荒いけど勢いがあっていい。
小説として見ればこれからかもしれんが
2chのカキコとしては良質だと思って読んでる

個人的には信之助視点のとき、というか一人称での文章好きだな
死霊との友情とか携帯灰皿にタバコ入れるとかオークションの心境とか、
(・∀・)ニヤニヤする
174番組の途中ですが名無しです:05/02/10 17:33:59 ID:UwdB853V
今回は核をめぐる話なのに
信之助が思いっきり核装備してるってのがw
175 ◆/I03giEWww :05/02/10 19:50:10 ID:b5EiFY2b
 海岸の二人は海から小型ボートで続々上陸してくる海兵を見ながら、空をゆくヘリを見送った。
先ほどの大爆発は一体何だったのだろうか。
「どうだ、一発で仕留められるか」
キエフは船の数を目で確認していた。いける。
「ええ、問題ありません。ただ海水に直接触れる必要があります」
ウェストはナイフを持ち、海へ歩き出した。海兵はライフルを構え何か言っている。ウェストは異国の言葉に興味が無かった。
「援護する、さっさとホテルに帰るぞ」
見えない刃は海兵たちを次々と砂丘に沈めた。彼らはウェストに向かい発砲するが傷一つ
与えない。キエフはあとについていく。もう余分な力は残っていない。ここは彼一人でもなんら問題は無い。
176番組の途中ですが名無しです:05/02/10 19:54:02 ID:1rmKBFYy
フォース使いと金持ちしか生きていけないんだな 武術だけで強いやつはいないのか
177 ◆/I03giEWww :05/02/10 20:02:36 ID:b5EiFY2b
「ここの海は汚いなぁ。やっぱりサウスメリアの珊瑚礁が一番美しい」
足を水につけながら彼は手を打ち寄せる波に静かに手を触れた。海水は冷たかった。もう銃声は聞こえない。
「大海嘯」
人工的に生み出された津波は沖の艦隊を一瞬にして飲み込んだ。転覆で済んだ船もあった。
人が救助用浮き輪をつけこちらに向かい泳いでいた。
第二波が無抵抗の者を海の底へと飲み込んだ。第七艦隊全滅の事実はすぐにウェストコール政府に伝えられた。
「今度は空母でも用意しておいてくださいね」
178 ◆/I03giEWww :05/02/10 20:05:52 ID:b5EiFY2b
----------------------------------------------------------------------
179番組の途中ですが名無しです:05/02/10 20:06:29 ID:SZzZ7yqT
スゴ杉
180 ◆/I03giEWww :05/02/10 20:33:09 ID:b5EiFY2b
 「科学者は実に賢い。何もないところから今ある文明を創り出した。小さな原子から大きな星まで。果ては宇宙の向こうを見ようとしている」
男の背後にはクリスタルソードを腰に携えた女がいた。胸には星が五つ輝いている。男は前のグラスを手にした。
中身は科学省名物ランダムケミストリー。
「それが科学者です。彼らは研究に対価を求めない。ただ知りたいだけ、知の探求者」
白髪の老人は政府のスーツの上から白衣を羽織っていた。科学大臣・フェルカ博士。最終学歴・倭神沌大学海洋物理学博士過程卒。
四年前に科学者の最高の栄誉《アイスシュタイン賞》を受賞。彼は政界で一番ロマンチストでもあった。
「私ども文組には理解できぬ世界ですな。我々はいかに要領よく事を済ますか、それに尽きます」
181 ◆/I03giEWww :05/02/10 20:44:28 ID:b5EiFY2b
フェルカ博士は小さく笑いながら飲み物を口にした。ふむ、今日はNAがよく効いている。
「例の物はどうですか。研究の進み具合を知りたくて来たもので」
女は気配を感じていた。誰だろう。
「まだまだかかります。研究とは灰色の部分があってはならないのです。全て白にしなければ提供することはできません」
科学者はやはり頑固だな。その点では賢いという枠では収まらない。個性と言うべきか。
「まあ気長に待っていて下さい。財務省が予算を考えてくれればもうちょっと早く研究が進むのですがね」
財務省の人間はここの人間以上に頑固かも知れんな。あつかう物はまったく違えども。

182 ◆/I03giEWww :05/02/10 21:00:02 ID:b5EiFY2b
「今度掛け合っておきましょう。期待はできませんが」
彼は飲み物に口をつけた。なんだこの味は、科学とは理解し難いものだ。
「そういえば治安省から襲撃の情報が入りましてな。今この科学省は厳重警備が敷かれています。お帰りのさいはお気をつけて。
どうやら四つ星護衛官も来ているようですよ。挨拶にはきてませんが」
ほう、治安省にしては珍しいではないか、そんな手練をよこすとは。本閣のほうは大丈夫なのか。
「護衛官というのもなかなかに忙しいのでしょう。いつ敵の襲来があるかわかりませんから」
おっと、この場には二人の護衛官がいたか。失礼だったな。
183番組の途中ですが名無しです:05/02/10 21:05:51 ID:SZzZ7yqT
誰か、今まで出た飲み物まとめて
184 ◆/I03giEWww :05/02/10 21:27:23 ID:b5EiFY2b
「そう、いつ来るかわからないですからね」
その言葉はこの部屋の誰のものでもなかった。二人の護衛官は剣を同時に抜いた。入り口の扉の前には白髪の男がいた。
この省内で一番ラフな格好だろう。
「何をしに来た、ここには貴様の仲間も首相もいないぞ」
男は振り向かずにそう言った。声だけで誰かわかった。ひどく不快な声に聞こえた。
「襲撃者の情報は入っているだろう。それだ、まあメンバーは少々変更があったがな」
護衛官は両大臣を奥に誘導し、二人は間に入った。科学大臣は緊急回線で応援を呼んだ。彼も白髪の顔は知っていた。
185 ◆/I03giEWww :05/02/10 21:46:02 ID:b5EiFY2b
「提案がある。俺たちはウラニウムという物質を貰いに来たんだ。それの在り処を教えてくれ。そうすればここの人間の命を助けてやる」
科学大臣はどの道ろくな案じゃないな、そう思った。司法大臣はどう出るだろう。まさか狙いがウラニウムとは。
しかもここに来たということは国家機密のウルウラニウムか。
「貴様だけでこの部屋の全員をやれるのか、驚いたな」
司法大臣はそう言うとソファーに座った。至って落ち着いている。
確かにこちらにはミラクルハンドがいる。二対一なら負けはしないだろう。
「今日は久々に集団でお出かけでね」
186 ◆/I03giEWww :05/02/10 21:59:53 ID:b5EiFY2b
白髪に続き女が入ってきた。歳はまだ未成年か、中等部くらいに見える。
その髪はレイ=ウェストより輝く銀色だった。ハラシブで流行っているようなひらひらの黒い服を着ていた。
彼女は今さっきまで司法大臣が腰掛けていたソファーに座った。
「なかなかいい部屋ね。ただなんていうか、さみしい部屋だわ」
司法大臣はお付の護衛官を見た。護衛官はただ黙っている。彼女はクリスタルソードを鞘に納めた。今日は運がない。
187 ◆/I03giEWww :05/02/10 22:01:54 ID:b5EiFY2b
DTDXのため、休憩します。
188番組の途中ですが名無しです:05/02/10 22:18:27 ID:WXARfyy9
このテレビっ子が!
189番組の途中ですが名無しです:05/02/10 22:22:57 ID:CxwGvw5r
たがそれがいい
190番組の途中ですが名無しです:05/02/10 23:20:11 ID:D9bPPiiW
何がすげぇって、この物語に「オリジナリティ」のかけらもねぇってとこ

何か核になる「設定」が欲しい、これはパクりじゃなくオリジナルセンス見せてほしい
191 ◆/I03giEWww :05/02/10 23:51:45 ID:b5EiFY2b
「ムサシはどうした」
彼女はそこにあった飲み物を飲み、吐き出した。
「さあ。死んだんじゃない」
司法大臣は考えていた。正直、そのウラニウムというものがどれ位重要なものなのかわからなかった。
核弾頭の燃料ということ位は知っているが。
「大臣、ここは条件を呑むことを薦めますが」
女護衛官は戦況を考え告げた。化学物質くらいくれてやれ。
「資源省に続き科学省まで全滅じゃあね」
白髪はそう言うとフェルカ博士に歩み寄った。彼の護衛官は立ちはだかったがフェルカ博士は制した。
192 ◆/I03giEWww :05/02/11 00:01:47 ID:o3nYBSE4
「それは出来ない相談だな。あれはお前らのような賊に渡せるものじゃない」
一人殺すか。白髪は誰がいいか部屋を見渡した。ここはやはり司法大臣か。
「博士、よく考えたほうがいい。彼女一人では彼らを始末するのは不可能。どうやらもう一人いるらしいですからね。
今この省にいる戦力でまともにやれるのは彼女含め僅か三人。相手も三人」
女護衛官はそれは嘘だな、事実は四人だ。それでも厳しいことには変わりはしない。科学大臣が諦めてくれればいいが。
「命の保障をこの部屋ではなく省全体にしろ。なら取引成立だ」
フェルカ博士は司法大臣に迫った。白髪は銀髪の女の横に座った。彼女は先の飲み物を薦めたが彼は断った。
193 ◆/I03giEWww :05/02/11 00:08:48 ID:o3nYBSE4
「それはできません。もしこれが他国に渡ったら大変なことになります」
やはり理系の人間は視野が狭いな。応用力というものがない。それは一流科学者とて例外ではないか。
「ベネディクト、どこに頼まれた」
白髪は少し考える素振りを見せたが別にいいか、どうせ俺には関係ない。
「ウェストコール政府だ。あいつら核ミサイルが欲しいらしいぜ」
馬鹿なやつだ、取引では下手に情報を与えない。それが基本原則である。この状況では大した影響はないが。
「博士、相手が彼らなら厄介ですが一国家なら問題ありますまい。丁度いい口実ができた。このまま潰してしまいましょう」
194番組の途中ですが名無しです:05/02/11 00:35:53 ID:E0s6MyLk
LDのニッポン放送株問題どう思う?後昨日の日朝鮮
>書いてる人
195番組の途中ですが名無しです:05/02/11 01:16:44 ID:RhAfVEQI
作者は寝落ちかな?
無理せずにがんばってくれ。
196番組の途中ですが名無しです:05/02/11 02:23:07 ID:n0EoMeXR
これは戦争を起こすための詭弁と見た
197 ◆/I03giEWww :05/02/11 04:49:40 ID:o3nYBSE4
すいません、寝てしましました。また夜に書きます。
>>194
いまいち問題がわからないのでなんともいえません。専門家に任せます。
しかし僕は堀江びいきなんで、頑張って欲しいかな。丁度いいんじゃないですか、
ライブドアが主体になれば報道も少しはマシになると思うけど。真実の
報道を目指すマスコミの収入源がスポンサーという矛盾を解決してくれるかも
しれないし。
サッカーはあまり興味がないので。早く核を廃棄してくれるといいですね。
198番組の途中ですが名無しです:05/02/11 06:10:48 ID:eNRCyS2k
最後は金じゃないっていう展開にはならなそうだなあ
199番組の途中ですが名無しです:05/02/11 13:19:03 ID:oRp/BhUh
ほげ
200番組の途中ですが名無しです:05/02/11 13:35:28 ID:hhSWcnt1
>女護衛官はそれは嘘だな、事実は四人だ。
なんか文章になってないぞ、と思ったのは俺だけか?
201番組の途中ですが名無しです:05/02/11 17:08:29 ID:IyFYwb37
そろそろageた方がいいのか?かなり下に来てるが。
202番組の途中ですが名無しです:05/02/11 17:32:40 ID:Jeyn0Rc8
保守
203 ◆/I03giEWww :05/02/11 18:34:13 ID:o3nYBSE4
やはり本閣の人間は愚かだ。戦争になれば罪なき民の命が失われるのだぞ。科学の発達はこういう人間にとってはろくなものになりやしない。
「しかし」
銀髪の女は部屋を見渡しブネ草の刺し花に目が止まった。彼女はそれを手に取った。
「仮に断れば我々は全員ここで殺されましょう。彼らも一人か二人は死ぬでしょうが。
そして地下にいる研究者に場所を聞くでしょう。聞き出せればよし。口を割らないのなら殺し次を当たる。これで全員口を割らないとは思えませんな」
冷静に考えればこいつらがウルウラニウムを見つけられない可能性は低い。研究者はみな戦闘はできない。恐怖にも慣れていない。
思えばこいつらは自分たちには大したメリットがない条件を突きつけてきている。ただ手間が省けるだけではないか。
204 ◆/I03giEWww :05/02/11 18:47:50 ID:o3nYBSE4
「戦争になればここの部屋の人間より多くの人間が死ぬのですよ。我々の役目はそんなことではない」
女は手にしていたブネ草を投げた。女護衛官はそれを手で掴み止めた。その手からは血が滴り落ちている。
「仮にも一国の大臣だ、その身に何かあれば貴様とてただでは済まないぞ」
どうだかな、この護衛官は彼女を知らないのか。護衛官とて我々を完全に把握しているわけじゃなさそうだ。
「あら失礼。ちょっとかっとなってしまって、つい」
205 ◆/I03giEWww :05/02/11 19:04:18 ID:o3nYBSE4
かっとなって殺していたらとうに政府は滅びている。面倒にならないうちにさっさと取引に応じて欲しいものだ。女はすぐ感情的になる。
「そこの博士さんは何か勘違いしているようね」
女護衛官は彼女に殺気が現れたのを感じた。いつでもやれる、そんな雰囲気だ。刺し違えてもやるしかない。
「これは選択ではないのよ」
女は女護衛官の横を通り科学大臣に近寄った。女護衛官は動けなかった。くそっ、まだ幼い小娘ではないか。
「答えが一つしかない設問。そして無回答は科学省の全滅」
206番組の途中ですが名無しです:05/02/11 19:12:31 ID:IyFYwb37
キタ(・∀・)━━━!!
今日は早いな。
207 ◆/I03giEWww :05/02/11 19:26:07 ID:o3nYBSE4
科学大臣の護衛官は剣を構え博士の前に立ちはだかった。司法大臣は彼を止めようとしたが次には護衛官の首は遥か後方に転がっていた。
この女の言っていることは正しい。これは対等な取引ではない。資本家と労働者の関係みたいなもの。
「博士、貴方は本当に命は平等だと思っていますか。本当にここの人間の命と一般民衆の命が天秤に掛けられると思っていますか」
馬鹿か、命は平等でなくてはならないのだ。司法省の大臣ともあろう者が何を言うか。
そう思っていても決して表に出してはいかんのだ。少なくとも人がいるところでは。
「どうだ、省内全員の命を保障するのか」
ベネディクトにとってはどうでもいいことだった。命が平等とかそうでないとか。何人殺そうが変わりはしない。
ここの部屋全員だろうが省内全員だろうが。自分以外の命など価値すらない。
「いいだろう、それでいい。さっさと場所を教えろ」
208 ◆/I03giEWww :05/02/11 19:48:32 ID:o3nYBSE4
この男はやはり利口だな、司法省のトップだけはある。本閣の人間でもこいつと首相だけは殺すのは惜しい人間だ。
もっとも首相はそうやすやすとはやれないか、あいつがいる限りは。
「博士、そういう事です。貴方の部下が死ななくて済むのです、願ったり叶ったりでしょう。早くはいてしまいなさい」
問題ない、仮にウェストコールが核を持とうとも我が領土に落ちることはない。そして彼らの核ミサイル発射スイッチは自分たちを滅ぼすピストルの引き金になるのだ。
我が政府の政約は“世界平和”と“世界統一”。それの為なら手段は選ばない。例え多くのものが死のうともその先の世界のためなら。
「第五セクターの4ー54だ。パスは698744」
それを聞くと白髪は姿を消した。銀髪の女はゆっくり部屋の扉に歩いていった。彼女はこちらを向きその冷たい瞳でフェルカ博士を見つめた。
フェルカ博士は寒気を感じた。これが政府の恐れる賞金首《ハンターナイン》。
209番組の途中ですが名無しです:05/02/11 19:50:17 ID:37eTeWMC
この護衛官ってミラクルだっけか?
210 ◆/I03giEWww :05/02/11 20:14:59 ID:o3nYBSE4
「部下の方にはちゃんと言っておいたほうがいいですわよ、抵抗する人は殺してしまいますから。それでは失礼」
フェルカ博士はすぐに省内回線を取った。女護衛官は彼らが行ったことを確認すると唱えておいた術を放棄した。
彼は気の毒だったとしか言えない。彼女はその首を倒れ伏した胴体に戻し自分の上着をかぶせた。
「両大臣ともご無事で何よりです。博士、病むことはありません。これは仕方のないことです。彼は貴方の身を最後まで案じてのことです」
ただ力量が及ばなかっただけ。これで上級護衛官の数は十五人か。政府騰落もそう遠くはなさそうだ。
「大臣殿は民の為に、時に自分の保身を考えなければならないこともあるのです」
それもまた政府崩落の要因にも成り得るが。バランスというものが必要である、それを失わなければいいが。
「ウェストコールか。あの小国がリディアに宣戦布告とは実に愚かしい。この代償はあまりに大きいぞ」

----------------------------------------------------------------------------
笑金のため、一旦休憩します。
211番組の途中ですが名無しです:05/02/11 20:43:10 ID:i58yhZN+
このテレ(ry
212番組の途中ですが名無しです:05/02/11 21:01:27 ID:pQ1cbbtB
だが(ry
213 ◆/I03giEWww :05/02/11 21:17:52 ID:o3nYBSE4
 あなたは蚊が嫌いだろうか。さそり座が、まんてんの星々が輝く空に現れる夏。あの耳障りな音。血を吸うという非現実的な行為。
潰しても誰のものだかわからない赤い液体がその白々い腕を染める。それが集団で襲ってきたらあなたはどうするだろう。
きっと手元にある殺虫剤を見境無く振りまくに違いない。
その時あなたは高々に言うだろう。虫がゴミのようだ。
214番組の途中ですが名無しです:05/02/11 21:23:58 ID:kE7WzGF+
このスレm(ry
215 ◆/I03giEWww :05/02/11 21:33:07 ID:o3nYBSE4
「わははははは。信之助様、ご覧ください。人がゴミのようです!」
その四つの砲は迫り来る幾多もの戦闘機を西リディア洋に沈めていった。
先ほどから何発ものミサイルがこのヘリを破壊しようと向かってきたが、
自動回避システムにより全て範囲外で撃墜されていた。
海上には緊急脱出した空軍パイロットたちが救命イルカ風船に掴まりながら救助無線を発信していた。
Gランクスの連射バルカン砲はそんなもの達を次々と亡き者にしていった。海上はまるで赤潮のようだった。
216 ◆/I03giEWww :05/02/11 21:45:47 ID:o3nYBSE4
「将軍よ、何もそこまで徹底的にせんでもいいのではないか」
「甘い、甘すぎますぞ信之助様。兵士とは自らの命をゴミも同然に思い敵の殲滅に捧ぐのです。それに一条財閥にたてつく者の命など虫けらも同然。
何匹殺してなんら影響ありませんぞ」
むう、この男とても人間とは思えん。オレが政府の人間を墓石と思っているより酷いではないか。だがそれがいい。
「まだ立ち向かってくるか。自分の非力さを認識できない愚かな軍人どもめ。今一度力の差を見せ付けてくれよう」
げ、この装填音は。またしてもオレの総資産がしょうもないところで千億Gも失われてしまう。ウェストコールめ、いと憎し。
217番組の途中ですが名無しです:05/02/11 21:55:38 ID:pQ1cbbtB
ひとが(ry
218 ◆/I03giEWww :05/02/11 22:01:13 ID:o3nYBSE4
「プランクトンの糧となるがいい」
水素ミサイルはそのプランクトンごと海上を焼き払った。炎は全ての戦闘機を消し去りどくろマークを描いた。いらん演出をしおって。
今度の予算会議で将軍の給与の見直しを検討しなくては。今一条財閥が一番危険視しているのは政府でもローレル・ゴードン社でもない。この悪魔のような男だ。
「跡形も無く消えおったわ。あの世で神にでも祈っているがいい」
そんな将軍の活躍もありローレンスは病院ですばやい医療活動を受けることができた。命には心配ないとのことだ。医者は偉大である。
小さいころは医者になりたかったが高等部の頃に医科大学の偏差値と学費をみて諦めた。リディア直下医科大学の殆どは国最高峰の倭神沌大学の下位学部より偏差値は軒並み高かった。
そして私立医科大学の殆どは一般家庭の平均年収より軒並み学費は高かった。
219番組の途中ですが名無しです:05/02/11 22:04:23 ID:p+EtGsaR
そうそう、医学部は金がかかるんだよ
220番組の途中ですが名無しです:05/02/11 22:12:46 ID:pQ1cbbtB
ちょっと作者とダブる?
221 ◆/I03giEWww :05/02/11 22:25:23 ID:o3nYBSE4
「自分の力が至らぬ為に信之助様を危険にさらしてしましました。向ける顔もありません」
ローレンスはベッドに横になりながら天井を見つめそう呟いた。担当医と看護師は部屋から出て行った。病院側に頼んで個室にしてもらったここは特別病棟の一角である。
普段は政府の上位高官やスクリーンスターが使う所だ。金に不可能はない。オレは将軍が見舞いに買ってきたフルーツバスケットからりんごを取り出し、ナイフで皮を剥き始めた。
「気にすることはない。世は広い、お前より強い奴はいるのだ。お前は十分強い」
あのウェストという男も相当のものだ。あんな奴らを相手にしていては精神が参ってしまう。
今日は非常に強さのインフレというものを感じた一日であった。
「これでも食べて早く回復するがいい」
オレは体積が半分以下になったりんごを渡した。ローレンスは笑顔でそれを受け取った。外見より中身が大事である。それを忘れてはいけない。
「有難うございます。信之助様自ら看病して頂けるだけで私は満足です」

222 ◆/I03giEWww :05/02/11 22:45:19 ID:o3nYBSE4
そうであろうそうであろう。オレのスケジュールは起業当時に比べて随分ゆるくなった。忙しいときはサウスメリアの大統領が乗った専用機の離陸を遅らせ、自分の高速船を先に飛ばすほどタイトであった。
そんな今は一使用人の看病の為に時間を割いている。今思えばこの位のゆとりがもっと必要であったのかもしれない。
「しばらくはここで静養するといい。その間はラムズ大佐にオレの護衛を任せる。一条財閥でラムズ大佐はお前の次に強いだろうからな。心配はいらんぞ」
といっても差は歴然だが。オレは当分危険な事からは離れるしかあるまい。久々に経済活動にいそしんでみるか。最近はずっと二木谷に任せきりだったからな。
「どうかお気をつけて。彼には以前、術を教えたことがあります。きっと信之助様をお守りになれるでしょう」
ローレンスはりんごを飲み込むと体を再びベッドに伏せた。窓の外には倭神沌の高層ビル群が遥か遠くに見えた。今そこは戦場に一番近い場所でもあった。
223 ◆/I03giEWww :05/02/11 22:48:08 ID:o3nYBSE4
----------------------------------------------------------------------
ちょっと休憩します。
224番組の途中ですが名無しです:05/02/11 23:03:52 ID:1b2PS4G9
IDがオッサンBSEだ
225 ◆/I03giEWww :05/02/11 23:44:03 ID:o3nYBSE4
「かわいい!イルカは利口やなあ」
国立総合海洋館。そこでは今、イルカショーが行われていた。ゲストには有名ミュージシャンの女の子が来ていた。去年“アメリカンチェリー”や“鰯花火”で大ヒットした歌手である。
つい先日“兵仗苑・輝き六千円”をリリースしたばかりだった。そのプロモーションも兼ねこの倭神沌を訪れていた。この海洋館の後ろには古代建築と近代建築が融合した非常にクラシックな建物があった。
デザイナーがその世界の中心となる役割を表すため太陽をイメージして造ったという。最高水準の警備がその要人を守り、政治活動を円滑に進める。そしてここは今日、世界で一番安全な場所となる。
続々と黒塗りの政府専用車がこの建物に入ってくる。
リディア政府最高機関《本閣院》。
226 ◆/I03giEWww :05/02/12 00:07:00 ID:vMngj0hP
「緊急閣議とはまた久方ぶりですね。二年前のソルト=リバース財務大臣が逝去なされた時以来だ」
レッドスパン経済大臣は閣議室に入室し席に腰掛けるなり、そう言った。
この閣議室は中心に國生石から作られた司弦斎デザインの大きなテーブルが設置されており、それを囲むように五つの椅子が置かれていた。
その椅子は今、全て埋まっている。首相席の後ろの壁にはリディア政府の国旗が掲げられている。
「これで全大臣がそろわれました」
ハウエル首相補佐は見れば明らかなことをわざわざ告げた。場は重苦しい雰囲気であった。
本閣院で行われる閣議はいつもこうである。
「では緊急閣議を始めます」
227番組の途中ですが名無しです:05/02/12 00:46:32 ID:wYzzubKN
>>1は大塚愛が好きなのかw
228 ◆/I03giEWww :05/02/12 00:53:48 ID:vMngj0hP
・フォレスト=義郎=リディア首相(専属秘書・専属護衛官)
・レイル=ジャスタース司法大臣(護衛官《天之御中主神》)
・デラック=レッドスパン経済大臣(護衛官《高御産巣日神》)
・ホールズ=フェリッチオ財務大臣(護衛官《神産巣日神》)
・カッター=カダフィ治安大臣(護衛官《天之常立神》)
・バーン=ハウエル首相補佐
世界政府の中枢の要人が今一同にしていた。今ここにミサイルが落ちようものならそれはリディア国家の終焉を意味する。
もちろん対兵器設備も万全である。数々の衛星レーダーがリディア各地、そして各国からの攻撃を監視している。
それが例え核ミサイルであっても確実に感知し空中で撃破する。
229 ◆/I03giEWww :05/02/12 00:57:03 ID:vMngj0hP
今日はここまでにします。読んでくれた方どうもです。
疲れた〜
230番組の途中ですが名無しです:05/02/12 01:00:22 ID:wYzzubKN
乙カレー
護衛官の読み方が分からん
フリガナ頼む
231 ◆/I03giEWww :05/02/12 01:05:42 ID:vMngj0hP
あめのみなかぬしのかみ
たかむすびのかみ
かみむすびのかみ
あめのとこたちのかみ
です。
232番組の途中ですが名無しです:05/02/12 01:13:52 ID:4vwwyrcE
フォレスト=義郎いいたいだけちゃうんかと
233番組の途中ですが名無しです:05/02/12 01:42:16 ID:XBBFjT4T
>フォレスト=義郎=リディア首相
なんかワラタ
234番組の途中ですが名無しです:05/02/12 03:27:05 ID:AdjBNI4K
>>1は工一
235番組の途中ですが名無しです:05/02/12 07:52:48 ID:Ggt9pqpg
ヽ(・∀・)ノ ヽ(・∀・)ノ ヽ(・∀・)ノ <ヘイ、店長!!
  ノ川レ   ノ川lレ  ノ川レ
236番組の途中ですが名無しです:05/02/12 13:08:29 ID:MkZaXBD6
でも毎日続けてるのはえらいよな
正直こんな長くなるとは予想しなかったぞ
237番組の途中ですが名無しです:05/02/12 21:33:14 ID:1GBcbFBb
今日は休止か?
238番組の途中ですが名無しです:05/02/12 21:36:07 ID:TNQ/RxXj
ヘイ、店長
239番組の途中ですが名無しです:05/02/12 21:37:26 ID:qiVGxu7A
なにこのスレ
丘へ向かったりする?
240 ◆/I03giEWww :05/02/12 21:37:41 ID:vMngj0hP
「もうご存知でしょうが国際テロリスト《赤い月》の襲撃により、我が資源省が大臣他数名を除き全滅。
そして副大臣救出に向かった護衛官ウェンズデイ他数名からなる隊のうち、外部の人間・護衛官が各一人づつ死亡。
敵のうちレギー=クラークソン、リティク=ドーラが死亡。素性は省きますがいずれも手練の殺し屋です。残りのニビ=ビビットは逃亡。
詳細は報告待ちです。そして科学省から国家機密の“ウルウラニウム”が強奪されました。犯人はハンターナインのメンバー三人。いずれも逃亡しました」
財務大臣は顔色を変えながら首相補佐の報告を聞いていた。赤い月のことは聞いてはいたがハンターナインまで絡んでくるとは。
これは国家レベルの危機ではないか。ついに奴らが我が政府の主要機関を襲ってきたのだ。他国にも援助を求めるべきだ。
241 ◆/I03giEWww :05/02/12 21:48:35 ID:vMngj0hP
「そして司法大臣殿の話によれば首謀者はウェストコール政府とのことです。これは我が国への宣戦布告とみてよいでしょう。
目的は第三の核保有国。ウルウラニウムはまだノースアイスでも研究段階のものです。我が国のものも北から研究目的で少量が持ち込まれました。
今回盗まれたのはそれです」
なんと。ついに非核保有国が核武装に動き出したか。これはいずれ訪れることだとは思っていたが。
しかしなぜノースアイスではなくわざわざこのリディアを狙ってきたのだろう。
兵器武装に関してはノースアイスのほうが数段上だが、それ以上に我が国の護衛官は彼らにとって脅威になるはずである。
兵器は他国や自国の開発企業から提供してもらえるがフォース扱者はそうもいかない。戦争で明暗を分けるのは兵器戦とフォース戦の二つである。
彼らに我が国にかなうほどのものが多くいるとは思えないが。
242 ◆/I03giEWww :05/02/12 22:01:36 ID:vMngj0hP
「開発にはそれ相応の期間が必要でしょうから、今回に関してはウルウラニウム搭載の核ミサイルが我がリディアに飛んでくることはないでしょう。
ただし既に既存の核ミサイルを保有している可能性は、ゼロではありません。限りなくゼロに近いでしょうが」
核開発の施設その他実験などは全て衛星レーダーが見張っている。近年ウェストコールにその動きはなかった。自国開発の線はない。
となれば北からの密輸になる。これも監視上かなり厳しい線だがなくはない。
つまり今回はウェストコールが核を保有している前提で考えなければならない。万が一もあってはならない。
「治安省の報告によればつい先ほど、ウェストコールの東南海岸付近で核爆発と思われるエネルギー反応を衛星レーダーが捉えました。
これはごく小規模なもので戦略ミサイルではないと思われます。
おそらく戦闘用の小型核ミサイルでしょう。これは我が国の戦略上に重大な影響を及ぼすほどのものではありません」
243 ◆/I03giEWww :05/02/12 22:04:11 ID:vMngj0hP
エンタのため一旦休憩します。
いつも有難いのですが定期レスは無用です。
244番組の途中ですが名無しです:05/02/12 22:17:30 ID:E28hX9wx
定期レス…ってなんだろうと思ったら
あれかぁ(*´д`*)このー
245番組の途中ですが名無しです:05/02/12 22:37:30 ID:THs+b5F7
こ の テ レ (ry
246番組の途中ですが名無しです:05/02/12 22:59:50 ID:1GBcbFBb
だがそれ(ry
247番組の途中ですが名無しです。:05/02/12 23:00:01 ID:QnIg9zEJ
だ (ry
248 ◆/I03giEWww :05/02/12 23:16:09 ID:vMngj0hP
彼らが戦略ミサイルを隠し持っているとは思えない。これの開発には核実験が最低数十回必要であるし、第一隠す場所がない。
あるとすれば戦闘用の小規模ミサイル。小規模とはいえ着弾しようものならその爆発範囲内の存在物は跡形無く消えてしまうだろう。
それでもリディアの技術ならそれを遥か彼方で撃墜することもできる。戦略ミサイルのようにどこかの海底から飛んでくるわけでもない。これは常軌内の事象だ。
「よって今回の事件に関して重要な点は
1 ウェストコール政府の核保有への真意
2 ハンターナインの関与
3 資源省全滅の理由
の三点でしょうか。1に関しては軍事力拡大により我が国の統一想から逃れるためでしょう。2については理由は不明ですが現時点では最も問題な点です。
既に三名の上級護衛官が殺害されています。今わが政府内でまともに彼らとやりあえるのはこの上級護衛官だけです。
外部からの援助もありますが期待はできないでしょう」
249番組の途中ですが名無しです:05/02/12 23:20:37 ID:wL0+gIQ0
>>246-247
かぶっててワロタ
250 ◆/I03giEWww :05/02/12 23:29:27 ID:vMngj0hP
「私は彼らに会いましたが、我々が仮にウェストコールに戦争を仕掛けるとなっても彼らはこれ以上の関与はないと思われます」
司法大臣は配られた閣議資料に目を通しながら静かに言った。それはある根拠から導かれたことだった。
「彼らは私の問いに素直に答えました。真意はやはりわかりませんが、もしもウェストコールが彼らにウルウラニウムの強奪を依頼していたとしましょう。
それで彼らは何の対価を得るのか。
彼らのことはここにいるあなた方も知っているでしょう、金や名誉で動くような人間はいない。
それに彼らに加担してリディアを潰そうとしているのなら何故今なのか。
今まで彼らは我が政府の主要機関を襲ってきたことはなかった。資源省の件も動いたのは赤い月のほうです。
彼らが我々を本気で潰そうとするのならとっくにこの本閣院を襲っているはずです」
251 ◆/I03giEWww :05/02/12 23:39:05 ID:vMngj0hP
それは単なる憶測ではないか。あくまで彼らが今まで襲ってきたことがないという事実のみを論拠としている。人とは気まぐれな面もある。
戦争が始まればこちらの戦力は分散する。そこを突いて攻めてくる可能性は十分ある。今まで襲ってこなかった理由がはっきりしない以上、それは排他的考えに過ぎない。
そしてこの考えは今この場においては不必要な意見でもあった。
「こちらの戦力は確実に衰退しつつある。彼らの本意がわからない以上、核の件と同様に可能性は排除はできない」
経済大臣が司法大臣をさすように言い放った。司法大臣はここの面子を見て仕方のないことだ、そう思った。
みなここ数年でこの倭神沌に来たものばかりだった。それでも首相の賢明な判断力や治安大臣の冷静かつ覇気がある面はかっているのだがな。
252 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:01:28 ID:aCVNYLvj
「その点に関しては我が治安省での戦略担当委員会で戦力値を十分検討の上に結論を出したい次第です」
戦力値など見ずにも状況は明らかではないか。彼らが全員で攻めてこようものなら政府は間違いなく息の根を止められる。
この事態を黙認したまま今まで何もしてこなかったのは治安省ではないか。いくら賞金をかけようとも、彼らをやれる人間がそもそもいないのだ。
一気に殲滅できる手段は核ミサイル位である。
しかしそれは例えば彼らを海のど真ん中、または宇宙空間に放り出さないことにはどうにも行かない。
陸地ごと吹っ飛ばす訳にもいかないだろう。
つまり現実的には不可能なのである。
「科学省を襲撃したのはハンターナインと言ったな。残りの赤い月の者はどうしたのだ」
ハウエル首相補佐はブラックボードに赤い月のメンバーの写真を張り出した。写真には全てDEADの表記があった。経済大臣はそれを見て驚いた。
彼らは数国が手配していた凶悪犯ではないか、誰がやったのだ。
「ご覧の通り、既に残りの四人も死亡が確認されています。犯行者は不明ですが外部の賞金稼ぎと思われます」
253 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:12:14 ID:ya/VNxiB
治安大臣はそれを心の中で否定した。賞金稼ぎなら治安省に死体なり証明写真を持ってくるはずである。そんな報告は受けていない。事実私も今ここで知ったのだ。
死体発見場所からみて彼らは科学省に向かっていたはずである。しかし科学省にハンターナインの者が来たことから、やったのは彼らと見て間違いない。
となるとウェストコールが依頼したのは赤い月で奴らは単独行動か。しかし奴らがウラニウムを何故欲しがるのか。
それに自分の口からウェストコール政府に頼まれたと言っている。
すると赤い月が単独行動か。彼らなら他国に頼まれてたまたまハンターナインとぶつかったとも考えられる。しかしそれでは副大臣拉致が不自然になる。
最初から科学省を襲えばいいだけのことだ。それに資源省次官がなぜ彼らに寝返ったのかも気になる。
赤い月とウェストコール政府がつながっているのなら次官がそちらの政府内のポストに惹かれ彼らと手を組んだのもわかる。
やはり科学省で彼らが言ったことは嘘ということになる。だがなぜそんな嘘を。
254 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:24:15 ID:ya/VNxiB
彼らはわざわざ人質を取るという危険な賭けに出たのだ。それは赤い月の五人ではまともにぶつかったら勝算がないと踏んだからだ。
それはすなわち赤い月をメインに考えていたということである。それの予備のためにリスクが高すぎる彼らを雇うとは思えない。
いくらリディアに喧嘩を売ってくるウェストコール政府も彼らの怖さは知っているはずだ。何よりハンターナインが雇われるとは思えない。やはり単独か。
「いずれにせよ、我々の注意すべきは核ミサイルとハンターナインであることに変わりはない。
そしてウェストコールを攻撃するという案が今最も有力であることにもまた変わりはない」
首相が初めて口を開いた。それは場の意見をまとめた首相的役割を果たしていた。
255 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:42:16 ID:ya/VNxiB
「経済大臣、この戦争で考えられる経済的損益は」
経済大臣はあらかじめ事務官が出しておいた指数表を手にし、場を見渡しながら意見を述べ始めた。
財務大臣は政府の金の動きが載った紙を見ながら耳を傾けた。
「結論を言えばマイナスでしょう。これは戦時中の経済活動における縮化の例に漏れずと言ったところです。
ただこれによりウェストコール統一が成されればその建築技術や企業間競争の活発化により、長期的に見ればプラスになることも考えられます。
その可能性はこの戦争に十分意味をもたらします」
256 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:44:03 ID:ya/VNxiB
戦争に意味をもたらすか。戦争に意味などあるだろうか。経済にしてもそれは単なる人間の豊かになりたいという欲望ではないのか。
それは多くの命を犠牲にしてまで得るものなのか。自分は首相になってから常に国益を考えてきた。
それは今になって自分に重くのしかかってきている。
「財務大臣、それは巨額の財を投じても十分見返りが得られる試算かね」
財務大臣は財務諸表や予算割当表などを参考にしながら考えていた。戦争とはいいえて突発的なものである。
試算など適正などおいそれと出せるものではない。
「まだ専門家の試算や我が省の会計記録などからの試算は出ていませんが、
統一が実現すればそれは政府の公約にもあるように確かな前進となるでしょう」
257 ◆/I03giEWww :05/02/13 00:45:14 ID:ya/VNxiB
CDTVのた(ry
258番組の途中ですが名無しです:05/02/13 00:46:53 ID:GCnUOjve
259番組の途中ですが名無しです:05/02/13 00:58:31 ID:3Ey6pLLx
260 ◆/I03giEWww :05/02/13 01:41:13 ID:ya/VNxiB
つまりそれは財務大臣としてではなく一高官として言っているわけだな。大臣ともなるとその場をごまかすのもぴか一である。まあよい。
「司法大臣、外交戦略はどうだね」
「イーストサンは圧力をかければなんら問題ありますまい。ノースアイスも核保有国が増えることにはよい顔はしないでしょう。
問題はサウスメリアですがこちらは私が直接大統領にお会いし、話をまとめてきましょう」
多少危険は伴うが仕方ない。サウスメリアは徹底的な平和主義である。核保有のときにも一番反発したのはここである。
「では治安大臣。一番重要な勝算はどうなのだ」
「まず間違いなく我が国の勝利に終わるでしょう。あとはいかに低コストでことを終わらせるかですな。
兵器戦はこちらの試算で最も効率のよい配備をしましょう。あとは護衛官の派遣ですが今ウェストコールに《ミシガン》とウェンズデイがいます。
この二人だけでも十分でしょうが状況次第ではもう何人かも考えます」
261 ◆/I03giEWww :05/02/13 02:05:05 ID:ya/VNxiB
ミシガンは確か休暇中のはずだが。治安大臣め、抜け目の無い奴だ。いつも人のところの人間を使う。
今回はそれがいい方向に転がっただけだ。しかし結果は大事でもある。
「念のため、最西洋にはミラを展開します。単体での移動は危険ですがノースアイスの弾道ミサイルの範囲外なので大丈夫でしょう。
一応護衛艦を二隻つけます」
ミラは五隻ある我がリディアの戦略潜水艦の一つである。
この潜水艦には一発で各国を一瞬で消し飛ばせる核ミサイルが十基搭載されている。
これが今の世界平和の根源にあるのだ。世界の海にはこの悪魔が何隻も潜んでいるのだ。
「よろしい、ミラの戦略展開を許可しよう。もしウェストコールが核を保有しているとなればそれはすなわち死を意味することになるだろう」
262番組の途中ですが名無しです:05/02/13 02:15:13 ID:TxyjhAro
本当に24ぽくなってきたなw
263 ◆/I03giEWww :05/02/13 02:24:37 ID:ya/VNxiB
この場合、統一は叶わなくなるが世界平和の公約は果たせる。しかしこれは最後の手段である。
人質は生きているから価値があるように、それは使わないから価値がある。
「まあほぼ地上戦でかたは付くでしょう。核は打たせませんよ」
治安大臣は首相に絶対的な自信を伝えた。このはっきりした態度と自信が彼をここまで出世させたのだった。
政府とはいえ人間が動かすのだ。
政府にも心はある、ただそれが時に悪い方向に倒れることもある。
「では最終決定を下します。今回の議案に異議がなければ起立願います」
ハウエル首相補佐の言葉に五人の賢人は席から腰を上げた。一人でも拒否すればその議案は総閣院に持ち込まれる。
過去総閣院に議案が持ち込まれたことは一度もない。首相は再び腰をかけるとみな同時に席に着いた。
その周りには五人の護衛官が取り囲んでいた。
264番組の途中ですが名無しです:05/02/13 02:26:46 ID:MfyjgtG2
24ってなに?
265 ◆/I03giEWww :05/02/13 02:27:25 ID:ya/VNxiB
例え大臣に意見を求められても決して答えはしない。
「これは我々政府にとってもリディア民にとっても大義ある戦争になる。
ここは世界平和最後の砦だ。ウェストコールの核保有を許してはならない。必ずや改心させ統一に諭すのだ」

--------------------------------------------------------------------------------------------------------
今日はここまでにします。皆さん深夜遅くまでお疲れ様です。
自慢ではありませんが24は一回も観たことはありません。この手の映画は
よくみますが。13デイズとか。
266 ◆/I03giEWww :05/02/13 02:29:37 ID:ya/VNxiB
彼らが政治的活動に介入することはない。
が抜けました。
例え大臣に意見を求められても決して答えはしない。
の前に入ります。
267番組の途中ですが名無しです:05/02/13 02:36:28 ID:GCnUOjve
おちゅ
268番組の途中ですが名無しです:05/02/13 02:48:40 ID:B/WmiSzZ
269番組の途中ですが名無しです:05/02/13 02:58:01 ID:Vup4xscV
O2
270番組の途中ですが名無しです:05/02/13 07:23:09 ID:GXDdenky
|-`).。oO(・・・久々なんでいっぱい未読が溜まってます・・・・・・)
271番組の途中ですが名無しです:05/02/13 11:48:26 ID:O35xbTFj
 
272番組の途中ですが名無しです:05/02/13 13:17:44 ID:ccfljzFb
新田次郎は「殉職」がオススメ。
『アイガー氷壁 気象遭難』に入ってる短編。
273番組の途中ですが名無しです:05/02/13 19:55:48 ID:MtlTR7Re
今晩はでかけて読めない
274番組の途中ですが名無しです:05/02/13 21:27:13 ID:Ne30eXGp
>>273
もしもの時の為に保存しとくから安心汁
275 ◆/I03giEWww :05/02/13 22:10:10 ID:ya/VNxiB
 「ムドウがやられたと」
その老人は飲んでいたお茶を置いた。茶の時間にまたとんだ報告だった。
ムドウはわしが直々に術を教え込んだ弟子だぞ。まさか一条の兄がいたわけではあるまい。護衛官が相当な使い手だったか。
「遺体を確認しました。確かにムドウ幻士でした」
神真道ではその強さや地位により下から妖士・幻士・魔士と呼ばれる。依頼額や暗殺対象により送り込まれる刺客は違う。
一条財閥とはいえ財界の人間だ。フォースがあるわけでもない。ムドウがやれなかったとなればこれは由々しき事態だ。
暗殺失敗は信頼の失墜につながる。
276 ◆/I03giEWww :05/02/13 22:13:09 ID:ya/VNxiB
「ゲンドウを向かわせろ。こうなっては致し方ない」
ゲンドウは現在この神真道では最強の魔士である。魔士は三人しかいない。
緊急時を含め滅多には送らないが今回は仕方ない。なにせあの方の依頼だからな。
しかしなぜあんな小物をわざわざ始末するのだろう。所詮は経済のトップでしかないただの人間ではないか。
それともその兄を恐れているのだろうか。
「これは依頼料を上乗せせんとな」
277番組の途中ですが名無しです:05/02/13 22:49:21 ID:B/WmiSzZ
そろそろTV休憩の予感
278番組の途中ですが名無しです:05/02/13 23:07:16 ID:mskYxkmT
いちいちじらさないでぇ
279番組の途中ですが名無しです:05/02/13 23:09:09 ID:T9S9TJpe
最近力のインフレがすげぇな
280番組の途中ですが名無しです:05/02/13 23:18:19 ID:jT1ta4Gz
だが、それがいい
281 ◆/I03giEWww :05/02/14 00:27:53 ID:269ynlsF
すいません、設定がちょっと複雑になってきたので整理します。
また明日書きます。すいません。
282番組の途中ですが名無しです:05/02/14 00:50:13 ID:nkavz3KI
乙。よければ整理したのも貼ってくれ。
283番組の途中ですが名無しです:05/02/14 02:02:27 ID:Fsk5TzMk
>>282
「設定がちょっと複雑になって(頭がこんがらがって)きたので(考えを)整理します」
だと思うから、文章を整理とか校正するわけじゃない気がする
284番組の途中ですが名無しです:05/02/14 02:38:42 ID:dFBtla0K
何だかんだでもう一ヶ月だもんな。
そりゃあ複雑にもなるわな。
285番組の途中ですが名無しです:05/02/14 03:18:48 ID:bfMlYg+D
◆/I03giEWwwさん、お疲れです。
ここでちょっと提案してもよかとですか?
実はこの御小説の「まとめor文章過去ログサイト」作りたいんです。・・・
削除人が3回ほど急に消しまくったりして読めなくなって・・・。('・ω・`)ショボン

勝手に文章を載せるのはもちろんNGなので、お伺いっす。
校正とかは私がやりますので、お手間とらせませんので、いかがでしょうか。_ _)m
286番組の途中ですが名無しです:05/02/14 03:23:48 ID:paTmiFxo
>>285
なんか業者のにおいがする。
善意を装って金儲けですか?
287番組の途中ですが名無しです:05/02/14 03:25:06 ID:MIsDOaS7
>>285はまとめサイト作りたいの?それとも過去ログが見たいのか?
288番組の途中ですが名無しです:05/02/14 13:10:05 ID:4gaTFCo1
昼休み捕手
業者は帰れ
289番組の途中ですが名無しです:05/02/14 14:49:49 ID:Q+Pgo0TU
>>285
それで出版されたら校正手数料いただきますってか?しょうばいのせんすありますね。
290番組の途中ですが名無しです:05/02/14 15:11:46 ID:GITgl0LF
>285の真意はわからんが
毒男や生活一般などでまとめサイト絡みの書籍化やら規約改正やら
色々もめているこの時期にその言い方はちょっと反感持っちゃうな
ログだけ補完するならもう既にに上の方で抽出テキスト上げてくれてる人もいる訳で。
俺はこれで困ってないし、なんだかなーと思ってしまうな
291番組の途中ですが名無しです:05/02/14 15:13:36 ID:4gaTFCo1
>>1が出版社から直接声をかけられたor>>1自ら作品を売り込んで出版されるぶんには文句言わない

>>1に著作権があるわけだ品

が、怪し毛な業者が仲介して出版、とかは止めといたほうがいいぞ>>1
292番組の途中ですが名無しです:05/02/14 15:40:03 ID:0w4+EFaw
ちょっとまて!
ヘイ店長、出版化ってないだろwwww
293番組の途中ですが名無しです:05/02/14 17:36:01 ID:Fq35Unkh
2chだけで読める方が楽しくて良いじゃん
文章を纏めてうpしてくれる親切な方がいるし

まとめサイトはいらないと思いますよ。>>285さん
294 ◆/I03giEWww :05/02/14 18:09:09 ID:5bdt5YJ1
>>285
自分はどちらでも構いません。必要であれなかれ。
これが出版されると考える程自惚れてはいません。読んでいただける
方が必要とするならあったほうがいいかな。
少しゆっくりしたら執筆始めます。
295番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:12:45 ID:0w4+EFaw

出版化つーか漫画化してほしいな
ローレンス書いてくれた絵師、書いてくれないかな
296番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:17:48 ID:tS8w0J+s
>>294
感動した
と、保守
297番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:17:50 ID:Fq35Unkh
今日は早いのですね
298番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:18:56 ID:VpDmWTPh
印税狙いだろ
299番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:22:31 ID:7AW7dGII
聞かれてもないのに校正するとか言ってるのがうさんくさいんだよな…
ただでさえ敏感になってる時期だし。
300番組の途中ですが名無しです:05/02/14 18:23:54 ID:6lO/dfd5
源氏物語を誰か完成させてくれ
301 ◆/I03giEWww :05/02/14 19:10:30 ID:5bdt5YJ1
既に首相、経済大臣、財務大臣はここ本閣院を去った。ここには今四人の人間しかいない。
司法大臣は首相席に腰掛けた。どの椅子も仕様は同じだった。
「事は複雑を成してきている」
リディア政府は今、迷走を始めていた。世界統一の本来の意味を失い始めている。
確かにここ百年余の統一への動きで平和へは近づいている。だが最後の詰めがここに来て危ぶまれてきている。
既に北は最後のカードを五つの椅子が囲むテーブルに伏せている。
テーブルにはまだ二枚のカードしか伏せられていないがそれも時間の問題だろう。
302番組の途中ですが名無しです。:05/02/14 19:13:03 ID:jkHU7xVq
キター
303 ◆/I03giEWww :05/02/14 19:29:49 ID:5bdt5YJ1
「今回の重要な点はウェストコールの我が国への宣戦行動ではなく、核兵器保有への動きにある。これは核の冬への恐怖の連鎖が始まった事を意味している」
ジャスタースには核戦争への道筋がうっすらと見えていた。それはかつてサウスメリア大統領が危惧していた事態でもあった。
今ある平和とは核無くしては霧と消えてしまうもろいものなのだ。そしてそれは今、抑止力という幻想から離脱し始めている。
「それを断ち切るための戦争であり《イオ計画》であるのだ。それは真の平和への導きとなるだろう」
カッターはそれは結局今の状況の拡張的動向でしかないことを理解しているのだろうか。真の平和とは恐怖なきものではないのか。
恐怖の連鎖はこの核という力がある限り無くなりはしない。火が無くならなければ火事が無くならないように。
304 ◆/I03giEWww :05/02/14 19:40:13 ID:5bdt5YJ1
「例の件は片付いたのか。こちらは裁判所の件を黙認したのだ、これ以上厄介事は御免だ」
話では場に居合わせた財務官僚も犠牲になったということだが。財務省はその件についてはどう考えているのだろう。
まああそこは命より金の勘定に忙しいからな。
「ZONEの件はそちらに任せたであろう。その通りで終わったよ。ネルソン暗殺であの件は全て片付いたのだ。
我が政府の会計監査違法を知るものは外部にはもういない」
だがフォードの幹部を皆殺しにすることはなかったのではないか。事が重大なだけに仕方がないといえばそれまでだが。
大体あの男は余計なことに首を突っ込み過ぎた。命無くしては何の意味ももたぬではないか。
305 ◆/I03giEWww :05/02/14 19:58:38 ID:5bdt5YJ1
「一度崩れたものを元に戻すには多大な労力を要するな。それはどんな事でも変わりはしないか」
やはり治安省に任せるべきではなかった。エディ=フォードは馬鹿な男ではない。
今回の件で政府をゆすってきたわけではないし事情を察すればまた違った結果になったかもしれない。
「科学省で奴らに会ったと言ったな。その時お前と護衛官二人がいて《ヒューロン》も派遣されていたはずだ。
しかも相手は三人だけだったそうじゃないか、何故やらなかった」
カッターは《天之御中主神》を見ながら自分の席に着いた。二人の護衛官は姿勢を崩さずに起立していた。
「あの女がいた。十年前と何ら変わっていなかった、あの忌まわしい瞳も。彼女は《マンデイ》をその場で殺した」
306 ◆/I03giEWww :05/02/14 20:11:40 ID:5bdt5YJ1
あの時《天之御中主神》は動かなかった、動けなかった。彼女は相手の力量を悟れないほど未熟ではない。
正しい判断であった。それは自分でもわかっているはずだろう。
カッターは表情を変えずに自分の護衛官を振り向いた。護衛官は相変わらず微動だにしない。
「やはりあの時全力で叩いておくべきだった。つけは必ずあとでまわってくる。お前の甘さが出た証拠だ、ジャスタース」
「彼女は当時まだ六歳だった。政府はそんな幼い者を殺すほど堕ちてはいない」
カッターはこみ上げる笑いを押し殺しジャスタースの言葉に耳を傾けていた。それは今の状況では後悔への言い訳でしかなかった。
「ナポレオンはその愚考によって自ら破滅に向かった。優秀な軍人は自国の脅威と成り得るものなら例え女子供でも容赦なしにその頭を銃弾で貫く。
お前には今のこの状況を予見できなかった、それは過去への後悔からの逃避でしかない」
307 ◆/I03giEWww :05/02/14 20:24:01 ID:5bdt5YJ1
今この場であの女がいるなら迷わず殺す。それがその時は出来なかった。政治家としては最大の過ちの一つだろう。
その子供の命の為に今日まで多大な人間が犠牲になった。
「もはやその女含めハンターナインは我々の手には負えなくなってきている。他国と協力して戦うしかないのだ、戦争などをしている場合ではない」
兵器の“根”が核ならフォースの“根”は彼らだろう。リディアはこの二つを見ていかなければ平和という理想郷には辿り着けない。
それはどちらも酷く困難な障害であった。今の政府にそれを越えてゆく力があるだろうか。
「戦争への流れは動き始めた。もう止められない、我々人類はそれ相応のものを手にしてしまったのだ」
308 ◆/I03giEWww :05/02/14 20:25:20 ID:5bdt5YJ1
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一旦休憩します。久々に世界丸見えを見ようかと。
309番組の途中ですが名無しです:05/02/14 20:27:00 ID:gXajiCM0
たまには違うツッコミを

丸見えかよ!
310番組の途中ですが名無しです:05/02/14 21:02:21 ID:7Zb+zuId
俺ログ補完というか文章まとめて読めるようなサイトうpしようかと思ったんだが
上のほう見てるとなにやらいらないかな?
過去の分まとめてhtmlで読めるほうが見やすいかなと思ったんですが。
311番組の途中ですが名無しです:05/02/14 21:06:13 ID:A6E73pAV
たまには、それもいい
312番組の途中ですが名無しです:05/02/14 21:17:12 ID:gXajiCM0
http://3c2qdd7c.seesaa.net/の中の人は
もう更新してないのか?
313 ◆/I03giEWww :05/02/14 22:42:11 ID:5bdt5YJ1
「大人二枚に子供一枚、ミューレンまで」
白髪は三枚のチケットを受け取りエレベーターで五階まで上がった。扉が開くと空中技術が随所に使われたプラットホームが一キロに渡り伸びていた。
これは地面に埋め込まれた磁石とホームに埋め込まれた磁石が反発し合う仕組みだ。リニアモーターカーと同じ原理である。未来とはすごいでしょう。
「お主は何に致す」
無精ひげを生やし異国情緒溢れる着物を召した男が侍ドライブを飲みながらベンチに座っていた。隣には銀髪を一つにまとめた女の子がいた。
手にはいちご男爵が握られていた。白髪は自分で自販機からレインボーサイダーを買い男の隣に腰掛けた。あと十分か。
314番組の途中ですが名無しです:05/02/14 22:58:02 ID:MxGHVA5y
>>310
上の方のはいかにも業者臭かったから、皆もイラネな反応だっただけな希ガス

でもまとめてると、また「業者か!?」とか言われる可能性あるから、
サイトの隅の方にでも業者(・∀・)カエレ!な一文入れておくのをオススメする
315 ◆/I03giEWww :05/02/14 22:58:12 ID:5bdt5YJ1
「ムサシ、そのサムライなるスタイルは一向に構わんが上着のダッフルコートはやめとけ。その組み合わせは違和感ありすぎるぞ」
無論まわりにいる他客の注目度は抜群である。彼は色んな国の文化を自分なりにカスタマイズするのが好きだった。
それが時に裏目に出ることも少なくない。
「拙者は和洋折衷が好きなのだ。口出しは無用だ、トロイどの」
「あら、いいじゃない。かわいいわよ」
まあこの二人の服装に関してはもはやなにもコメントがない。一度、今辛口で評判のPIーKOに見てもらったほうがいいと思う。
今度TV局にはがきを送っておいてやろう。
「それよりお前科学省でどこ行ってたんだ。探したんだが」
「何、珍妙なるものを見つけてな。過去の偉人殿と討論が出来るからくりがあってそれで遊んでいたのだ」
316310:05/02/14 23:05:40 ID:7Zb+zuId
>>314
とりあえずつくりは余計なものはなるべく省いて文章を載せるだけというようなものだから
大丈夫かな。土地は売らん!とでも入れておくよ。
ありがとうございます。
317 ◆/I03giEWww :05/02/14 23:10:44 ID:5bdt5YJ1
WBSと内Pのため一旦休憩します。何度もすいません。
318番組の途中ですが名無しです:05/02/14 23:12:10 ID:LNSa9OFA
一番下がってるのから落ちるんじゃなくて
最終レスが一番古いのから落ちる これ事実
319番組の途中ですが名無しです:05/02/14 23:50:32 ID:Vspv73NY
>未来とはすごいでしょう。
舞台、未来だったのか。
320 ◆/I03giEWww :05/02/15 00:23:02 ID:M0SdQ3zz
暇人め。お前は偉人と討論する前にPIーKOと討論してこい。
大方、非村八倒才と和刀の切れ味についてでも討論していたんだろ。
「誰と何を討論してたの」
銀髪の女の子が缶をゴミ箱めがけ投げた。缶はふわふわっと吸い寄せられた。
「非村八倒才どのと和刀の切れ味について討論を」
かん高い汽笛と共にクラシカルなデザインが印象的なエアトレインがホームに入ってきた。
列車は規定線通りに着車すると扉を開けた。
中は三人掛けのシートが向かい合わせになっていた。いわゆるボックス席である。
見渡すと大体が二人か三人で席を占領していた。荷物置きが何の意味もなしていなかった。
「すいません、ここいいですか」
白髪は二人組みの中年風の男にそう言った。席には酒やつまみが散乱していた。その臭いに彼は鼻を抑えた。
321 ◆/I03giEWww :05/02/15 00:35:21 ID:M0SdQ3zz
「ここは満席だ。あちらのサイドシートをご利用ください」
そう言いながら二人の中年男は笑っていた。白髪はその隣のシートの女に声を掛けた。
同じく二人組みのカップルだった。席には満杯に服や雑誌が置かれていた。
「すいません、ちょっと空けてもらっていいですか」
EXILE風の男がタバコをふかしながら白髪を睨みつけた。白髪は嫌煙だった。
「あっちの席あんじゃん」
彼は縦の六人掛けの席を指した。既に五人が座っていた。
「三人なんですよ。ここ六人がけでしょ、あなたたち併せても五人じゃないですか」
男はタバコの煙を白髪に向け吐き出した。
「三人であそこに座ればいいじゃないすか。ほら亀みたいに三段に重なってさ」
男と女はそれで大笑いしていた。ムサシは窓から見える倭神沌の街並みを見ていた。遥か向こうには海が見える。
322 ◆/I03giEWww :05/02/15 00:53:34 ID:M0SdQ3zz
「どうする」
白髪は一気にレインボーサイダーを飲み干した。その空き缶を思いっきり握り潰した。その手からは血が流れ落ちていた。
「私は窓際がいいわ。窓から風景を見たいし」
「フランシーヌどのはいつも窓際ですな。かくゆう拙者もこの無機質な街並みは好きではあるが」
列車は長い停車時間を終え走り出した。車内は賑やかだった。さっきの中年二人組みがまた宴会騒ぎを始めた。
「仕方ない、殺すか」
白髪がそう言い握りつぶした缶を中年男のシートに投げつけた。そこの窓は割れ、破片が飛び散った。
「おいこら、何すんだ!このやろう」
323 ◆/I03giEWww :05/02/15 01:02:50 ID:M0SdQ3zz
中年男がこちらに歩み寄ってきた。片手のウィスキー小瓶を白髪の頭めがけ振り下ろした。
瓶は粉々になり床に散らばった。白髪は男の頭を左手で掴み持ち上げた。
そのままカップルの席の窓を突き破り外に放り投げた。ここは高さ五階である。
彼はそのままもう一人の男もそこの窓から放り投げた。
フランシーヌは呆然としているカップルの前に近づき術の詠唱を始めた。男はナイフを取り出しフランシーヌに切りかかった。
「化け物め」
「чζйο?」
EXILE風の男はその言葉にその場に倒れ伏した。フランシーヌはその死体を同じく窓から放り投げた。
三人は荷物を中年二人組みが座っていたシートに置き女一人が残ったシートに腰掛けた。
女は荷物を素早く片付け立ち上がった。
フランシーヌは彼女のスカートのすそを掴んだ。女はびくっとした。
「あら、どこに行かれるの。駅はまだ先よ」
324 ◆/I03giEWww :05/02/15 01:04:39 ID:M0SdQ3zz
文字化けしてしまった・・・
今日はここまでにします。読んでいただき有難うございます。
325番組の途中ですが名無しです:05/02/15 01:06:10 ID:Qh9coKhy
文字化けだったのかw
また不思議な呪文かと思ったぞ
326番組の途中ですが名無しです:05/02/15 01:12:00 ID:RKJo6PY5
乙。死神来たかと思ったw
327番組の途中ですが名無しです:05/02/15 01:13:13 ID:RyTCPxF2
死神が出てきたのかと思った
328番組の途中ですが名無しです:05/02/15 01:16:48 ID:t+gpEXsg
文字化けした部分って?ところだろうな
死神と同じような呪文唱えるのか
329番組の途中ですが名無しです:05/02/15 02:56:15 ID:BTKg1jan
ままま
330番組の途中ですが名無しです:05/02/15 09:39:44 ID:oZH1UAkr
ほす
331 ◆/I03giEWww :05/02/15 19:20:33 ID:M0SdQ3zz
女は再び席についた。殺される。列車の保安係は何をやっているのだろう、窓が割れれば機関部に警報が行くはず。
「どこまで行かれるの。随分遠くのようね」
フランシーヌは荷物を見ながら彼女の目を見つめていた。彼女は女の向かい側に座っている。
隣の男二人は携帯用のサブマリンゲームを始めた。ミューレンまであと一時間くらいか。
「ダル府です」
女は声を小さくして言った。先までは車内中に聞こえる程の大声を発していたのに。
女は自分の荷物からガムを取り出した。それを口に放り込むと窓の外に視線をやった。
「あらそう。私たちはミューレンまでなの。それよりずっと先ね」
332 ◆/I03giEWww :05/02/15 19:22:41 ID:M0SdQ3zz
×フランシーヌは荷物を見ながら彼女の目を見つめていた。
○フランシーヌは荷物から彼女に目線を移した。
333番組の途中ですが名無しです:05/02/15 19:25:40 ID:yYuUTyhs
今日は早くからキタ(・∀・)━━━!!
334 ◆/I03giEWww :05/02/15 19:45:52 ID:M0SdQ3zz
女は心の中でしまった、そう呟いた。これで次の駅で降りれなくなった。
どうする?ここは地上より遥か上空だ、海の上を通れば窓から外に逃げられる。
この先フェラッツ運河を通過するはず。チャンスはそこだ。
「倭神沌は初めてかしら。海洋館はご覧になった?とても綺麗な魚たちが泳いでいるわよ」
「いえ、時間がなかったもので」
ムサシはベネディクトの大将の潜水艦に標準を合わせた。しかしそれは護衛艦により阻まれてしまう。
ベネディクトは周りの機動潜水艦から潰していった。
「そう、残念だわ。もう二度と機会はないわね」
フランシーヌは窓の外に沈み行く太陽を見ながらそう呟いた。女は内心とても恐怖を感じていた。
府郷への旅行がとんだことになってしまった。
335 ◆/I03giEWww :05/02/15 20:08:46 ID:M0SdQ3zz
『あと三十秒で水の都ユースフルに到着です。ご乗車有難うございました』
エアトレインは予告通り三十秒後きっかりに駅に到着した。下は水面が波を打ちながら街の明かりを反射させていた。
それはとても幻想的な雰囲気を漂わせていた。ムサシはしばし窓の外に目を向けていた。
「あー疲れた。エレベーターが動いてないってのも不便よね」
手に大きな袋を持った黒髪の女がシートに近づいてきた。男二人は目をボードから彼女に上げた。
「これはクインシーどの。久々の顔合わせで」
ムサシはフランシーヌのほうに体を寄せた。彼女は少し不快そうな表情をしたがすぐにユースフルの街並みに目を戻した。
ここは厳しい景観規制が敷かれていて、KYOTO並みに美しい街だった。
それ故に自動車などの使用は禁じられており駅も極力省エネ使用になっていた。
「わたし窓際がいい。フランシーヌちょっとずれてよ」
336 ◆/I03giEWww :05/02/15 20:15:03 ID:M0SdQ3zz
女は一瞬あせったが胸をなでおろした。フランシーヌはクインシーを見た。
「いやよ、私窓際じゃないと死んでしまうの」
くそ、この女。一体こいつら何なんだ、私の彼氏は元ハンドムエタイの選手よ。
この銀髪の女まだ私より一回りも若いじゃない。こいつらただの学生や社会人には見えない。
「私がずれましょう」
女はベネディクトの反対側に席を移動した。通路側なら逃げられるかもしれない。保安係が通りかかれば助けを呼べる。
「あら、悪いわね。このちび女が退かないから悪いのよ」
クインシーはそう言いながらフランシーヌの向かいに座った。
ベネディクトは彼女たちが窓際にこだわる理由がわからなかった。女とは不思議なものだ。
337 ◆/I03giEWww :05/02/15 20:32:45 ID:M0SdQ3zz
「あら、ちびとは失礼ね。訂正なさい」
ムサシは相変わらず大将の一本狙いだった。ベネディクトは殆どの機動艦を潰した。あとは大将と護衛艦だけだった。
ムサシはここでハープーンを仕掛けた。これは命中すれば無条件で九マス内の敵を撃沈できる。
「うるせーな、このちび女」
ベネディクトは警戒はしていたがここで仕掛けてくるとは思っていなかった。
普通は確実に敵船二つ以上を沈めさせられる場面でしか使わない。
アドバンテージを失ってしまうからだ。彼は大将艦と引き換えに護衛艦二艦と機動艦を失った。
しかしこちらにもハープーンはある、勝敗はこれ次第だ。
「もう一度だけ言うわ、訂正なさい。なんなら列車ごとこのフェラッツ海に沈めてあげてもよくてよ」
338 ◆/I03giEWww :05/02/15 20:44:01 ID:M0SdQ3zz
ベネディクトは機動艦二隻で護衛艦を潰しにいった。ムサシの大将艦は完全に孤立した。
彼は残りの機動艦で砂漠の大木となった大将艦を一気に攻め立てた。ムサシは一隻の護衛艦を犠牲にして大将艦の護衛に向かった。
ベネディクトは自らの大将艦でその護衛艦を撃沈した。しかしムサシはそれを狙っていた。
最後の護衛艦を自爆させ機動艦もろとも吹き飛ばした。ムサシの大将艦は彼の包囲網を抜け敵の大将艦に迫った。
そのまま撃沈した。ベネディクトはハープーンを握りしめたまま白旗を掲げた。
「もう一度だけ言ってやる、このくそちび女」
339 ◆/I03giEWww :05/02/15 21:07:51 ID:M0SdQ3zz
フランシーヌは術の詠唱を始めた。同時にその手はいくつもの複雑な印を結んでいた。クインシーはその手刀で彼女の心臓を狙った。
「命は大事にするもんだ、自分のはな」
その手はベネディクトに止められた。ムサシもフランシーヌの印を結ぶ手を止めた。しかし詠唱は続けた。
ムサシの右手がその口を塞ぐより早く球状の黒い物体が現れた。クインシーはとっさにナイフを抜き襲い来るそれの軌道を窓の外へと変えた。
数秒後、外は凄まじい爆発と火炎に包まれた。客車の窓も爆風で全て割れ乗客は驚きわめいている。
フランシーヌはもう一方の手で印を完成させた。ムサシは彼女の首を手刀で狙ったが手で止められる。彼女は術をムサシに向け放った。
彼はフォースを発動し紙一重で避けた。術は反対側の窓から外へ逃れた。それはそこにあった巨大な石橋を破壊した。
「致し方ない」
340 ◆/I03giEWww :05/02/15 21:09:26 ID:M0SdQ3zz
救命病棟のため一旦休憩します。
341番組の途中ですが名無しです:05/02/15 21:21:27 ID:AXjJxTwY
>>341 だがそれがいい。
342番組の途中ですが名無しです:05/02/15 21:21:41 ID:eRdGOEQz
ドラマも好きなのか
343番組の途中ですが名無しです:05/02/15 22:13:20 ID:DEX5uXGF
>>0
もしもし?だれか応答してよ
344番組の途中ですが名無しです:05/02/15 22:39:56 ID:1SFscGVQ
だがそれがいい、いいたいだけちゃうんかと
345番組の途中ですが名無しです:05/02/15 23:05:58 ID:bBx+OxJE
信之助がすっかり出てこなくなったな
3461:05/02/15 23:10:47 ID:Ioh3Xij1
携帯からです。
今日はこのまま落ちそうです。すいません。
347番組の途中ですが名無しです:05/02/16 00:49:37 ID:RdpPoGst
348番組の途中ですが名無しです:05/02/16 02:53:33 ID:jhU8RR8K
ぬ  る  ぽ。
349番組の途中ですが名無しです:05/02/16 03:08:11 ID:pX2pEvQ+
「最近、デブだから眠れない…」三日前、デブがそんなことを言い出した。
「そりゃそうだ、ピザばっか食いやがってデブ女が」と言ったらデブはプギャプギャ笑っていた。
それから今日までデブは全く動かない。とっておきのドロップキックを繰り出してもピクリともしなかった。
デブは三日間ちっとも動いてないようだった。その割にピザは毎日減っていたのだが…。

どうしたものかと考え込みながら大通りを歩いていると、
向こうから茶色いローブを着た老人が歩いてきた。
老人は僕の顔を見るなり、一枚の図面をくれてこの通りに作れと言った。

図面にあったのは普通の扇風機のようだった。
扇風機なら作らずとも家にあったが、あの老人の目は真剣だったので作ってみることにした。
夕食後直ちに作り始めて、完成したのは夜中の二時過ぎだった。完成したのはやっぱり扇風機だった。
騙されたのかな…そう思い始めた所へちょうどデブが水を飲みに床を這ってきた。
僕はデブを呼ぶと、できたての扇風機をデブの背中に取り付けスイッチを入れた。
デブは天井をぶち破り夜空に向かって飛んでいった。僕は笑った。
350番組の途中ですが名無しです:05/02/16 12:54:26 ID:XelJXGZn
「ローレンスよ保守するのだ」
「はい信之助様」
そう言うと、ローレンスはエクスカリバーでバッテンを作った。
「グ ラ ン ド ワ ロ ス」
351番組の途中ですが名無しです:05/02/16 16:11:49 ID:GCh93oiu
ローレンスと信之介のホモ同人はいつ出ますか?
352番組の途中ですが名無しです:05/02/16 17:21:19 ID:yqqDryYB
旅行の帰りのバスの中で、読んでなかった分を全部読んだ。
横に引っ付いてくる彼女さえいなければ……いい感じのコが多い旅であった。人生とはそういうものだ。
353番組の途中ですが名無しです:05/02/16 19:17:53 ID:dEnbMB3c
ほっしゅ
354番組の途中ですが名無しです。:05/02/16 20:58:11 ID:PFUXh4i0
21時に閉鎖なのか?
355番組の途中ですが名無しです:05/02/16 21:01:58 ID:cDfKA9+E
閉鎖してないね
356番組の途中ですが名無しです:05/02/16 21:10:05 ID:Mvfei6y4
ホスホス、ていうか本当に書き込んでいれば一番下までいっても落ちないの?
357番組の途中ですが名無しです:05/02/16 21:12:13 ID:hgASl7sX
容量と最終書き込み時間
圧縮設定値は過去ログ倉庫に
358 ◆/I03giEWww :05/02/16 21:42:15 ID:mIntIUGt
ムサシは和泉守藤原兼重を抜いた。ベネディクトはそれを見るやフォースで自分とクインシーをガードした。
フランシーヌの注意は目の前の彼女にいっていた。鮮やかな刀さばきはフランシーヌの首筋を今度こそ捕えた。
彼女は気を失い顔を伏せた。フォースのない女は既に首がなかった。ムサシは鞘に刀を納めた。車内は大騒ぎになっていた。
「ち、これだから集団行動は嫌なんだよな」
ベネディクトは女の頭と胴体部分を海に投げ捨てた。ふと下を見ると巡回中の治安警察の小型船がいた。
彼はそれを指で指すと窓に手をかけそのまま飛び降りた。クインシーも続いた。
ムサシは皆の荷物とフランシーヌを抱えると窓の前に立った。
「貴様。持ち物全てを置き武器をこちらに渡せ。そのまま床に伏せろ」
359番組の途中ですが名無しです:05/02/16 21:49:21 ID:cDfKA9+E
キター
360 ◆/I03giEWww :05/02/16 22:02:32 ID:mIntIUGt
警報をききつけた保安係二人が彼にそう声をかけた。両保安員ともLRの制服に携帯サーベルという身なりだった。
ムサシは最初の要求だけ聞くことにした。荷物を今座っていたシートに置き再び窓のほうを向いた。
「それもだ、早くしろ」
保安員は酷く横行な態度であった。他の客に被害が及んだのだから当然か。ただもう少し物腰をやわらかくできないものか。
「これは大事なものでね。置いてはいけない」
保安員はサーベルを抜いた。しかし既にムサシは海の上だった。
保安員は目を疑ったが別に珍しいことでもないか、そう納得し荷物を押収した。
「ばかやろう、あれにはウルウラニウムが入っているんだぞ」
ベネディクトはフランシーヌを船内のベッドに寝かし甲板に出てきたムサシを怒鳴りつけた。
甲板の端には治安警察官の死体が三つあった。
「そうであったか。これは不覚であった」
361 ◆/I03giEWww :05/02/16 22:12:24 ID:mIntIUGt
だいたいあの女はほっといても死にはしないだろ。自分で帰ってくる、しかし荷物には足がないんだよ。
何のための遠征だよ、ったく。
「クインシー、そこの治安警察官に化けて取ってこい」
彼女は携帯ライトを手に持ちながら死体を全て海に捨てた。暗いから問題ないだろう。
「無理ね、生きている人間しかできないの」
彼女の能力の一つに他人の姿をコピーするというのがある。
発動条件は厳しいが声や指紋、服装まで完璧に真似できる。
その人間のフォース能力もコピーできるが威力はだいぶ落ちる。
そしてそのコピーした能力はその姿を放棄しても使うことができる。
ハンターナインでは一番多彩な戦闘が出来るだろう。
362番組の途中ですが名無しです:05/02/16 22:22:01 ID:eYukpgnl
H×Hの旅団団長みたいなもんか
363 ◆/I03giEWww :05/02/16 22:34:55 ID:mIntIUGt
「くそ、面倒だな」
ベネディクトは船の縁に足をかけそのままジャンプした。彼の手はエアトレインの最後尾の車両の開いていた窓にかかった。
列車はスピードを落とすことなく進行していた。運行ダイヤは非常にタイトだった。
「荷物は先頭車両か」
今回の作戦はうまく事が運んでくれた。俺たちの今回の目的はウルウラニウムの奪取。
そして世界政府にそれを悟られないようにすること。奴らは今ウルウラニウムはウェストコール政府が持っていると思っている。
確かにウェストコールは赤い月にあるものの強奪を依頼したがそれはウラニウムではない。そして俺たちはそれを利用した。
364 ◆/I03giEWww :05/02/16 22:42:18 ID:mIntIUGt
今回クインシーがコピーした人間は五人。
資源省女事務官・薬品販売のセールスマン・治安省の元ゴッドハンドの事務官・盗賊ニビ=ビビット・ウェストコール政府高官。
資源省に女事務官の姿で潜入し次官をテンプテーションで操作。同時に赤い月に協力し資源省を壊滅、副大臣を拉致。
次に治安省で事務官に成りすまし外部の人間の採用試験を行う。ここでストラウスを確認するが特に問題は無い。
そして治安省に潜入し情報操作を行う。ここでスーパーハンドで今後厄介な存在になるであろうキエフ=ウェンズデイに派遣を指令。
できればあの場で始末しておきたかった。あのマスターハンドは誤算だった。まさか副大臣救出にマスターが動くとは思わなかった。
フランシーヌを連れていくべきだったか。
365 ◆/I03giEWww :05/02/16 22:43:32 ID:mIntIUGt
ちょっと休憩します。
366 ◆/I03giEWww :05/02/16 23:28:06 ID:mIntIUGt
「すいませんが切符を拝見します」
ベネディクトは車掌の首を片手でへし折った。付近のシートにいた客が悲鳴を上げる。
中には治安警察に通報するものもいた。
ベネディクトは車内中に聞こえるように大声を張り上げた。
「騒ぐと殺すぞ」
その後クインシーはウェストコール政府に侵入し軍備事務次官に成りすました。
俺ら三人は科学省を襲撃、司法大臣が訪省していたのは驚いたが三人なら問題ないと判断した。
あの時レイルが言ったように戦闘に入ればこちらも多少は被害を受けただろう。あくまで今回の目的はウラニウム。
奴らにはウェストコールの仕業を匂わせこれでウェストコール対リディアの構図ができた。
世界政府も国家機密が奪われたとなれば本気で潰しにかかるだろう。小国を消すことなどちょろいものだ。
367 ◆/I03giEWww :05/02/16 23:44:00 ID:mIntIUGt
「ここか」
自動扉を開けるなりサーベルを構えた保安員がかかってきた。ベネディクトは自動扉を閉めた。
何やら衝突音がするとその扉を蹴り飛ばした。中に入ると保安員はのびていた。蹴りで首の骨を折った。
もう一人出てきたが死体を見るなり機関室に逃げていった。周りを見渡すと自分たちの荷物が放り投げるように地面に置かれていた。
彼は中身を確認した。自分のバッグにはチタニウムケースに入れられたウルウラニウムがあった。
隣の風呂敷を広げると中には潰れたおむすびに侍Xの単行本があった。
「ムサシのか」
続いてロマンス・タバサのバッグを開けると女物の香水やプリクラ帳が出てきた。
プリクラ帳にはクインシーとフランシーヌが写ったものやクインシーと見知らぬ男とのツーショットのものなどがあった。
「見かけによらないな」
368 ◆/I03giEWww :05/02/16 23:56:02 ID:mIntIUGt
一応最後に残った小さなポーチを見てみた。プレートには《MEX・MORA》と刻まれている。
中にはマツイ飴や衛星電話が入っていた。衛星電話には人気コメディアンの《室町ムラサキ》のストラップが付いていた。
彼は全ての荷物を持つと舌打ちをした。
「しまった。どう戻ろう」

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369 ◆/I03giEWww :05/02/17 00:12:49 ID:QSSy09kZ
「率直にいって君はフォース戦闘においてはゴミ以下じゃ」
深緑のVネックセーターに青のストライプシャツ、クラッシュジーンズという奇抜なスタイルをした六十過ぎのじいさんはオレのいきさつを聞くなりそう言った。
正直この格好もここ倭神沌ではゴミ以下だと思うが。
「この格好が気になるか?これは今ハラシブで流行っているものを取り入れた若者スタイルだ。オシャレじゃろ」
「ああ、とても似合っていると思う」
部屋には計器がたくさん付いた機械や光速注意と書かれた実験器具が置かれていた。
本棚にはアイスシュタインの相対性光速不変間理論についての本がところせましと並んでいた。
オレは二〜三冊めくってみたが魔界大全集の死神の生活を読んでいるのと同じ感覚だった。
370 ◆/I03giEWww :05/02/17 00:30:57 ID:QSSy09kZ
「そこでじゃ」
じいさんはなにやら自慢げに小さな機器を取り出した。見た感じタイムブースターと何ら変わらない。
ただ違うのは金文字でsuperと刻まれていることだった。
「お前に以前渡したタイムブースターの強化版、スーパータイムブースターじゃ。
タイムブースターがフォースをある程度持つものには効果がなかったのに対し、これは光速の実に二倍で行動できる。
タイムブースターなぞ比ではない。フォースを持つものに効果が無かったのはフォース扱者がタイムブースター使用者と同程度に速く動けるからじゃ。
ハンターナインのトゥエル=オーシャンやリディア首相の専属護衛官は光速に近い速さで動けるとの噂だ。
まあそんなわけはないと思うが。とにかくこれは五国全ての技術を凝縮した神の発明だ。
どうだ、欲しいであろう?これとお前の財力・兵器があれば政府の護衛官なんぞ目ではないと思うぞ」
371 ◆/I03giEWww :05/02/17 00:33:14 ID:QSSy09kZ
今日はここまでにします。展開が遅くて申し訳ないです。
深夜まで読んで下さった方どうもです。
372番組の途中ですが名無しです:05/02/17 00:38:41 ID:5aV8NdH8
乙。
373番組の途中ですが名無しです:05/02/17 00:47:59 ID:JYiTVNed
やっぱ信之助は金なのかw
374番組の途中ですが名無しです:05/02/17 02:21:03 ID:HF62srN2
一番最初の頃から呼んでるけれど、最近は他の漫画を意識しすぎててつまらなくなっちゃたなぁ。
375番組の途中ですが名無しです:05/02/17 02:33:47 ID:cw5ZnL+d
だがそk(ry
376番組の途中ですが名無しです:05/02/17 07:40:26 ID:A4eiCmDz
むしろ(ry
377 ◆/I03giEWww :05/02/17 19:15:42 ID:QSSy09kZ
そうだといいんだが。オレは科学+金=最強と信じている。信念は曲げてはいけないのだ。
必ずやフォースとかいう化け物に打ち勝ってやるたい。
「して幾らだ」
じいさんは考える仕草をしながらぽんと手を叩き、企業大図鑑四季報リディア編を取り出した。
あ行をめくりあるページをまじまじと見ていた。そして電卓をぱちぱちたたいた。
数字欄には見たこともないような数字が表示されていた。
「こんなもんじゃな。ちと安いかの」
じいさんは更に三をかけた。数字は、見たこともないような数字×3になった。
これはもはや交渉とかそういう問題でもあるまい。
「高い。0を四つ取れ」
オレは電卓の数字から0を四つ消去した。こっそりもう一個。
378 ◆/I03giEWww :05/02/17 19:27:12 ID:QSSy09kZ
「何を言うか、お前の推定総資産を元に算出した結果じゃ。びた一文まけんぞ」
じいさんは0を五つ追加した。値段を相手の資産から試算するなど悪徳もいいところだ。
会社四季報の使い道を根本的に間違っている。最もこの四季報から予測できる総資産は実際の三割くらいだろう。
会社からの収入だけではない。ばかめ。
「こんなにあるか、馬鹿者め。貴様はいつから資産演算を使えるようになったんだ。
半分だ、それでも一生遊べるくらいの額だぞ。いやもう一人生いけるぞ」
使い切る前に死ぬだろうがな。このじいさんのことだから文字通り墓まで持っていきそうだな。
そうしたら墓を暴いて回収してやる。仏はソプテレ河にでも流してやるか。
379番組の途中ですが名無しです:05/02/17 19:30:08 ID:SwXpCWXA
最近はやいな。
380番組の途中ですが名無しです:05/02/17 19:33:54 ID:KEfhYrk5
信之助は相変わらずだな(w
381 ◆/I03giEWww :05/02/17 19:41:26 ID:QSSy09kZ
「わしは一日十億使うのじゃ、とても足りんわ。
まあ仕方ないのう、残りはお前の遺産から頂くとしよう」
いつまで生きる気だ、このじじい。
「よし、使用に関しての注意点じゃ。
一.使用時間単位は三秒以内にする
二.連続使用は避ける
三.タイムブースターとの併用は避ける
四.使う前に必ずわしに感謝する
こんなところじゃな」
じいさんは何だかよくわからないデザインの椅子に腰掛けた。
置いてあった飲みかけの海水三昧を一口飲みすぐに噴出した。
382 ◆/I03giEWww :05/02/17 19:52:01 ID:QSSy09kZ
「まず一じゃがこれ以上に設定すると非常に危険じゃ。お前は仮にも光の速度を超えるのじゃ、色々問題があっての。
まあ限界設定の三秒でも百八十万キロ移動できる、デートや株主総会に遅れる心配はないぞ。次に二じゃがおまえ自身の体にも相当な負担がかかる。
ばらばらになりたくなかったら三日に一回程度にすることだ。
そして三じゃがこれも物理学的に非常に危険じゃ、アイスシュタインによれば光速を超えると時間の流れが歪む。
詳しくは省くがこの速度にさらにタイムブースターを上乗せするとわしもどうなるかわからんでな。まあ冒険はよすことだ。最後に四じゃが・・・」
オレは説明を全て聞き終わると博士の手からスーパータイムブースターを奪い取りそそくさと帰り支度を始めた。
じいさんは海水三昧を一気に飲み干し一気に吐き出した。最近の飲み物は色んな飲み方があるのだな。
383 ◆/I03giEWww :05/02/17 19:53:16 ID:QSSy09kZ
今日は調子がいいのでどんどん書きたいのですが
うたばんが始まってしまうので一旦休憩します。
384番組の途中ですが名無しです:05/02/17 19:53:38 ID:KEfhYrk5
k(ry
385番組の途中ですが名無しです:05/02/17 19:58:17 ID:SwXpCWXA


ていうか、>今日は調子がいい って、今もライブで書いてるのか?
386番組の途中ですが名無しです:05/02/17 19:58:19 ID:Tvy8vcBo
(ry
387 ◆/I03giEWww :05/02/17 20:58:22 ID:QSSy09kZ
「して今からどうするのじゃ、政府の情報は大して得られなかったのじゃろ。
また依頼でも受けるのか?結果は変わらんじゃろうが」
オレは小切手に提示額を書くと指紋サインをし渡した。じいさんはそれを実験器具のカルシファイヤーで燃した。
「支払いは現金じゃ。州伊洲に隠し口座がある。税金対策じゃ」
ちゃっかりしたじじいだ。さて、迎えはもう来ただろうか。オレはふとあの護衛官の言葉を思い出した。
「ジャイルズという人物を知っているか」
自分の口座番号を封書デスクに書き込み渡してきた。口座名義はシュプリームジーニアスとなっていた。
オレはそれをポケットにしまった。
「財務省の省長官じゃな。わしも一度会ったことはあるがなかなかの人格者だったのう。
政府の人間にしては珍しいネオコンじゃ」
388 ◆/I03giEWww :05/02/17 21:02:58 ID:QSSy09kZ
財務省か。ここ倭神沌からはちょっと離れている、ヘリを使うか。しかしここ一帯の上空を飛ぶのは危険だなあ。
治安省に見つかり次第撃墜されてしまう。あのだあほめ。
「首相官邸は今もここにあるのか」
首相官邸は首相が替わるごとに位置を変える。何の意味があるかは知らないが。
保安上の問題だとか単なる好みだとか。
「うむ、場所は五年前と変わらん。今も本閣院のすぐ裏じゃ。しかし何の用で行くのだ?
いくらお前でもあの一辺は門前払いじゃぞ」
衛星電話が鳴った。メール機能での到着の合図だった。
「ちょっと兄に会いに行こうと思ってな」
389 ◆/I03giEWww :05/02/17 21:06:30 ID:QSSy09kZ
----------------------------------------------------------------
富豪刑事観たい・・・
390番組の途中ですが名無しです:05/02/17 21:09:48 ID:Tvy8vcBo
>あのだあほめ
あのどあほめ でおk?
391 ◆/I03giEWww :05/02/17 21:43:11 ID:QSSy09kZ
キエフはクリスタルソードを腰に差した。この制服も支給されてから一年が経った。
思えば護衛官養成学校の頃に比べ随分と楽になったものだ、うるさい司教もいない、忌々しい人間関係も減った。
それでも学生時代は楽しかった。友人と宇宙博物館や海洋博物館、ノースアイスの兵器博物館にも行った。
あれ、博物館ばかりだな。どうりで女の子との交流がなかったわけだ。社交性がないのかな。
「ぼやぼやするな。今から戦闘に入るのだぞ、緊張感を持て」
彼は公用の剣を持ってはいなかった。あれ一応制服として着用しなくちゃまずいんだけどな。
それ以前に制服を着ていなかった。むしろこの人の制服姿を見たことない気が。
「そういうウェストさんは緊張しているように見えませんが」
392 ◆/I03giEWww :05/02/17 22:01:39 ID:QSSy09kZ
二人はホテルをチェックアウトするとタクシーを呼んだ。キエフは運転手に行き先を告げると窓を開けた。
彼は空気の入れ替えが好きだった。
「窓は閉めたほうがいいですよ。それ防弾仕様になっているんです。この辺は盗賊やテロリストなどが多いものでね。
この前も売上金目的の強盗に遭いましてね。
お客さんがフォース使えたんで助かりましたけど」
さすがに頭を銃弾で打ち抜かれるのは困るので仕方なく窓を閉めた。ウェストはにやにやしながら彼を見た。この人笑うんだ。
「そんなに銃弾が怖いのか。こいつは驚いたな」
運転手は換気装置のスイッチを入れた。この業界は固定客がつかなければ生き残りは厳しい。
より多くの顧客を得るために各社は必死だった。車もどんどん豪華な設備を搭載していく。
リディアの最大手の企業では最近、急ぎの客に答えるためにバーニング社のロケットエンジンを導入したらしい。
もはや治安警察も速度違反を取り締まるのは困難になってきた。
393 ◆/I03giEWww :05/02/17 22:11:33 ID:QSSy09kZ
すいません、急用が入ってしまったのでおちます。
にしても地震凄かったなあ
394番組の途中ですが名無しです:05/02/17 23:47:05 ID:2vkVRR8P
>>393


やっぱ信之介パート好きだなぁ。
話の構成上難しいのかもしれないが、初期の頃の出番の多さをちょっぴり期待。
ついに兄も登場しそうだし増えそうかな……?

つーか力のインフレもすごいが、他には無い要素として財力のインフレがすごい。
信之助総資産いくらあるんだw
395番組の途中ですが名無しです:05/02/18 00:05:11 ID:aNfZY+Gf
乙。今日は調子良かったね。
396番組の途中ですが名無しです:05/02/18 06:51:19 ID:rVqtpDPF
∩゚∀゚∩age
397番組の途中ですが名無しです:05/02/18 19:55:07 ID:i7LmBOu8
保守
398 ◆/I03giEWww :05/02/18 20:19:55 ID:oT3wb6NR
「フォースを常時まとっているのは疲れるんですよ。
ウェストさん位になればそれも解消されるんでしょうけど、僕なんかではまだまだしんどくて」
実はウェストも今フォースは使っていなかった。気配を感じたら発動すればいい。
フォースは無尽蔵ではない。電気や酸素と同じで必ず消費される。
そしてそれは前のものと違い買うことができない。フォースを回復させられるのは時間のみである。
「あなた方もフォース使えるんですか、これは安心だなあ。
最近の賊もどんどん強くなってしまって。もう警察なんかじゃ手に負えませんよ」
399 ◆/I03giEWww :05/02/18 20:29:04 ID:oT3wb6NR
リディアでもそれは深刻な問題になりつつある。
今でこそ政府は特別指名手配をあの九人にのみしているが、それに匹敵するフォース扱者は他にもいる。
治安警察では無論、護衛官でも相手を見極めなければ無駄死にに終わる。
そのため政府は上級護衛官の採用や育成に熱を入れているがなかなか事はうまくいかない。
フォースには努力だけでは届かない領域があるのだ。
「この人、相当強いですよ。ある団体のトップクラスのフォース使いですから。僕は彼の部下なんですよ」
ウェストはタバコに火をつけた。これだから密室は嫌なんだよなあ。
「それは凄いですね。前乗せたお客さんもかなりの手練でしたよ。
賊が四人襲って来たんですが瞬くようにのしちゃいましたからね。
自分には文字通り目にも映りませんでしたよ」
400 ◆/I03giEWww :05/02/18 20:40:37 ID:oT3wb6NR
確かに普通の人ではフォースの速さにはついていけない。しかし目に映りもしないとは大げさだな。
世界最速の男ロード=ランナーですらTV中継には辛うじて映っていた。
動体視力がいいプロアスリートなら表情くらいは捉えられる。
「ほう、そんな手練が一体何の用だったのかな」
彼は煙を吐きながら呟いた。後部座席の上に設置してある換気機能装置が作動し始めた。
煙はそこにどんどん引き寄せられていく。
「人を探していたようでしたよ。なんでも昔の友人だとか。
その方も相当なフォース扱者だと言ってましたね。名前はなんていったかな」
401 ◆/I03giEWww :05/02/18 21:06:40 ID:oT3wb6NR
人探しにわざわざこんな僻地まで来るなんて、よっぽど会いたかったんだろうな。
僕にはそんな人は一人もいない。そしてこれからもずっといないだろう。
「TV局にでも頼んだらいいだろう。個人ではこの世界中を探すのは限界がある」
「結構訳ありな感じでしたよ。彼はレノンと名乗っていましたがとてもリディア系には見えませんでした。
おそらくサウスメリア系じゃないかな。もう何年も前のことだからうろ覚えですけど」
レノンやレイル、レイなどはリディア特有の発音である。つまりその男はあからさまな偽名だったということか。
別にタクシー運転手に本名を名乗ることはない。ただその逆もまた然りだが。
「ところでそんなフォース使いの方がそろって外套双館にどういう用事で?
あそこはウェストコール政府の外交専門の官僚がいる国家機関ですよ。
この国の政治家や他国の高官でもなかなか入れないような最高レベルの機関です。見学なら門前払い、行くだけ無駄ですよ」
402番組の途中ですが名無しです:05/02/18 21:26:01 ID:QX2B3YS4
Mステみてなかったのか
403 ◆/I03giEWww :05/02/18 21:31:30 ID:oT3wb6NR
タクシー運転手というものは得てして、客の目的や素性に興味を持つ。
会話目的なのか興味本位なのかはわからないがそれはこの国でも同じことか。
行き先を告げるときに外套双館の近くの民間機関を告げるべきだった。
「我々はある国の政府の者でね。今回は非常に重要な案件で来国したのだ。
我々に何かあれば君もただでは済まない。だから安全運転で頼むぞ」
ウェストは二本目のタバコを吸おうとしてもう箱は空だという事に気付いた。キエフは吸わなかったな、くそ。
「そういう事は秘密が基本じゃないですか。もし彼が・・」
今リディアと対立状態のこの国で下手に政府の人間をほのめかすのは危険だと思うけどな。運転手は笑いながらそれを否定した。

Mステ見てますよ。見ながら書いてます。アスタリスクいいですね
404 ◆/I03giEWww :05/02/18 21:42:40 ID:oT3wb6NR
「別にまずいことはないだろう。仮に彼が賊や反政府組織の人間だったらここで始末すればいい。
フォースを持っているものなら相手の実力くらい把握するのは簡単だろう」
運転手から特別なものを特に感じない。ただ達人レベルになるとそれを隠すことも容易だろう。
しかしそんな人間がタクシー運転手に甘んじているとは思えない。よって最悪の事態になることはないだろう。
「あなたにも家族がいるだろう。早くこの国を出たほうがいい。ここはもうすぐ戦場になる」
また余計なことを。この人絶対に高官には出世できないな。特に機密主義の治安省なんかは絶対に拒否られるだろうな。
実力ある人間にとって一番出世しやすいのは治安省である。マスターハンドクラスなら退役後、次官の席くらいは用意されるであろう。
しかしこの人の独特の性格は政府にはとても向かないな。
「知っています、政府がリディアにちょっかい出したって仲間から聞きました。これでもタクシーネットワークは広い耳を持っているんですよ」
405番組の途中ですが名無しです:05/02/18 21:46:51 ID:NB4Sz/ss
いかにもDQNな男が「鼻くそついてるんで安くならん?」と交渉しとった。
406 ◆/I03giEWww :05/02/18 21:59:37 ID:oT3wb6NR
タクシーは何もない耕地を抜けウェストコールの首都《東西京》に入った。
ここからは道も整備されており不快な衝撃も減るだろう。東西京はとても高度な文明を感じさせる街並みだった。
高層ビル群は倭神沌とまでは行かないがそれに近いものを観ることができる。しかしこの街にはどこか圧力的なものを感じ得ない。
「なら何故亡命しないのですか。戦争になれば確実にこの国は敗戦します。そんな無意味な戦争の為に命を落とす必要ないのですよ」
「それでも祖国ですから。ここは唯一の故郷なんですよ。
例え大国リディアが相手でも自分はここから離れるわけには行かない、自分の生まれ育った国の最後くらい見送りたいじゃないですか」
タクシーはハイウェイに入った。ここから一気に政治活動の中枢・儀殷に向かう。ハイウェイは思いのほかすいていた。
これならウェストさんがニコチン切れでいらいらする前に到着できそうだな。
407 ◆/I03giEWww :05/02/18 22:15:53 ID:oT3wb6NR
「それはいいが娘や息子や奥さんは国外に逃がすことだな。戦争になればリディアは容赦しない」
運転手はこの客人がリディア政府の人間と気付いた。それはこれから自分の国を滅ぼそうとしている大国に一矢報いる絶好の機会でもあった。
自分にフォースはない。例えあってもこの人たちにはかなわないだろう。しかし今自分は最高の武器を持っている。
これを少し操作すればこのタクシーもろとも、ビル四階の高さのハイウェイからコンクリートの地面に叩きつけることもできる。
いかにフォース扱者が化け物とはいえ助かりはしないだろう。
「もちろん自分の考えを家族には無理強いしません。安全なサウスメリアにでも渡航してもらいます。
これは自分の最後のわがままですよ」
車は一番端に車線変更した。キエフが窓から下を覗くと沢山の人々が闊歩するメインストリートが通っていた。
ブランドの路面店や高級レストラン、映画館などが並んでいる。
408 ◆/I03giEWww :05/02/18 22:31:22 ID:oT3wb6NR
「このハイウェイはとても高いところを走っているのだな。もしここから落ちればひとたまりもないだろう」
そうだ、いかにあのハンターナインやミラクルハンドとはいえどひとたび運に見放されればたった一人の凡人に幕を引かれることもあるのだ。
運転手はそんな思いを秘めながら車を走らせた。
「最も、我々くらいの人間になると、落ちる瞬間にこの車の天井を突き破って脱出することなど容易だが。
地面との衝突の瞬間にフォースでガードすることもできる」
車はスピードを緩めた。看板に“儀殷ICまであと一キロ”と表示があった。
眼下には目的地の外套双館や国議会館などが静賛にに佇んでいた。今ここは国内で最も厳重な街であろう。
「もうすぐ着きます。降りる準備をしてください」
409 ◆/I03giEWww :05/02/18 22:41:57 ID:oT3wb6NR
タクシーはメーターを更に回しながらハイウェイを抜けようとしていた。この旅はひどく長く感じた。
それだけ重大なことを抱えているということだろうか。自分は世界政府に入ってからまだ一年しか経っていない。
戦争など子供のころに少し経験しただけだ。それでもリディアは大国ゆえ被害は殆どなかった。
それが今敵国となろう中枢地にいた。ここからはいつ殺されてもおかしくはない。自らの力だけがものをいうのだ。
「もしこの戦争が重大な大義を持つなら、この戦争によって世界が平穏に導かれるのであれば、自分はリディアを支持します。
彼らのためには協力を惜しみません。それでも」
儀殷への出口には検問が敷かれていた。警察の人間や軍隊車両も見える。
キエフは万が一の為にフォースをまとう程度に発動した。ここはもう安全ではない。
「自分はこの国を捨てることはできません」
410 ◆/I03giEWww :05/02/18 23:00:42 ID:oT3wb6NR
タクシーは突如スピードを上げた。検問所にいる警察官は停車の合図を出しているが、スピードを緩める気配はない。
警察官は下がり軍隊の人間がライフルを構えこちらを向いた。
「誰が核兵器なんて造り出したんですかね。あれさえなければこの国も迷走を始めることはなかったのに」
彼らは一斉に発砲を始めた。襲撃防止用の防弾ガラスは検問所常備程度のライフルの弾をはじき返した。
彼らはぎりぎりまで粘ったが退散を始めた。
タクシーは検問所のゲートを破壊し強行突破した。後ろから再びきた発砲が右後輪を捕らえた。
タクシーはバランスを崩しハイウェイを抜けた所で石柱に衝突した。車体はとっさにキエフがフォースでガードし原型をとどめた。
運転手は額から流血していた。まだ病院に運べば助かる。
「早くお逃げなさい。彼らはリディアの人間を見つけ次第始末する気です。自分のリディア出身のタクシー仲間も殺されました。
もうこの国を救えるのはあなたがたリディアしかいません」
411 ◆/I03giEWww :05/02/18 23:07:34 ID:oT3wb6NR
後ろからは先の軍隊が迫っていた。数は大したことはない。二人ともダメージはない、これなら全員を始末し彼を病院に連れてゆける。
今ウェストコールは彼のような人間を亡くしてはいけない。
「キエフ、さっさと逃げるぞ。大きな騒ぎになっては厄介だ」
ウェストは扉を蹴り開け外に出た。キエフも剣でロックを破壊し儀殷の地を踏んだ。
そこはコンクリートが敷き詰められた無機質な感触だった。
「彼を病院へ搬送します。ここに残したら彼らに捕まってしまいます」
「そんな時間はない。奴らを片付けてもすぐに援軍が来る。我々の任務は軍隊の殲滅ではない。
無駄にフォースを浪費するな、この先どんな敵が出てくるかわからないのだ」
キエフはクリスタルソードを抜いたまま前の座席をこじ開けた。運転手の意識は朦朧としていた。
いけない、早くしないと手遅れになる。
「それでも彼を見捨てるわけにはいきません」
412 ◆/I03giEWww :05/02/18 23:15:11 ID:oT3wb6NR
ウェストはチキンナイフを抜いた。彼のフォースが一段と増した。軍隊はもうそこまで迫っている。
「上官命令だ。早急にこの場を放棄し撤退を図れ。それが出来ないのなら今ここでお前を始末し単独で任務を遂行する。
下手に捕まり敵に情報を喋られては困るからな。いいか、もう一度言うぞ、今すぐ撤収だ」
キエフは運転手をその場にかがませ剣を構えた。彼もフォースを一段と増した。
ウェストは表情を変えない。タバコ切れからくるいらいらはとうに消えていた。
「愚かな。それがお前の判断か。なら仕方ない」
413 ◆/I03giEWww :05/02/18 23:16:30 ID:oT3wb6NR
ちょっと休憩します。書き続けなもので。
414番組の途中ですが名無しです:05/02/18 23:17:29 ID:CujWf2zj
チキンナイフて逃げると攻撃力が上がるあれ?
415番組の途中ですが名無しです:05/02/18 23:19:34 ID:LVkocGMU
じゃあキエフが持ってるのはブレイブブレイドか
416番組の途中ですが名無しです:05/02/18 23:21:03 ID:qjglKcvH
「八甲田山死の彷徨」の続編きぼん
417番組の途中ですが名無しです:05/02/19 01:17:40 ID:3K03Io7q
今日はもう終り?
4181:05/02/19 03:00:29 ID:mIuONu3X
携帯からです。
また寝てしまった・・・また今日の夜書きます。
419番組の途中ですが名無しです:05/02/19 06:46:05 ID:nImJ+Lx2
おつおつ
420 ◆/I03giEWww :05/02/19 17:54:58 ID:O//IEEK6
ウェストはもう一人の自分を生み出した。ウォータースパーダの攻撃範囲は広い、長距離・中距離では不利だな。接近戦で行くか。
「おやめください。私はこの国を救いたいが為にあなた方をここに連れてきたのです。もういいでしょう、早く外套双館へ・・」
彼は今にも息絶えそうだった。キエフは少し冷静になった。運転手は見た感じ三十過ぎの端正な男だった。
これが人生経験の差だろうか。彼はそばにあったガラスの破片を手にした。もう人が争うのはごめんだ。
「いつか恐怖なき真の平和に導いてください」

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421 ◆/I03giEWww :05/02/19 18:14:47 ID:O//IEEK6
 首相官邸。本閣院の前の通りを進み十字路を左折すればその厳かな雰囲気の建物は姿を現す。
周りは数十人のゴッドハンドと軍隊により厳重な警備が敷かれている。本閣院、核戦略総合指令センターと共に国家安全レベルSに指定されている。
治安省や司法省はランクAに位置している。国内でのランクSはこの三つに核研究施設がある某所の四つだけである。
ここにはゴッドハンドとは別にプレイスキーパーと呼ばれるフォース扱者がいる。彼らは皆スーパーハンド以上の実力を持つ。
政府の重要任務に動く護衛官とは違い彼らはその施設の守衛に徹する。その施設の最高責任者の許可無くしては決して持ち場を離れられない。
例え治安大臣とはいえ施設最高責任者と首相の二人の承諾なくして彼らを動かすことはできない。
原則的に治安省は人事に関しても全ての権限を持つがランクSの施設に関してはおいそれと介入できない。権力は常に分散される。
422 ◆/I03giEWww :05/02/19 18:33:08 ID:O//IEEK6
「例え一条財閥のトップとはいえここを通すわけにはいきません。そうそうにお立ち去りください」
首相官邸領内への入り口を守るゴッドハンドによりオレとラムズ大佐は門前払いの危機に立たされていた。
やはりここでは財界の力も効果ないようだ。だがオレの実力は財界へのコネクションと莫大な資産だけではない。
財界と政界がどこかで必ずつながっているようにコネクションは常に色々なところに伸ばしてある。金とはなんでも引き寄せる。
「構わん、通せ。私が許可しよう」
歳は二十五歳。オレより四つ上だ。彼は政府の制服ではなく私服であった。全身にまとったトラッド系の服装に鮮やかな黒髪が似合っていた。
門番の護衛官は彼に敬礼をした。彼も敬礼でそれに応える。何故かラムズ大佐も敬礼をする。軍人とは礼儀正しいものだな。
423番組の途中ですが名無しです:05/02/19 18:42:30 ID:IJ40PWM8
のんきだなw
424 ◆/I03giEWww :05/02/19 18:51:01 ID:O//IEEK6
「これは一条殿。しかし良いのですか、今ここ首相官邸では首相とその家族の方が休養中です。もし彼らが賊や他国のスパイだったら」
失礼な奴だな、このオレのどこが賊だと言うのだ。モクタクやギョクキヒロシとまでは行かないが相当なイケメンだぞ。
こんな気品溢れる高貴な人間を賊だのスパイだの。しかしオレはラムズ大佐を横目で見てそれを撤回した。
彼と一緒にいればあの凶悪な海賊でさえ色褪せてしまう。
「そこの一条信之助は私の兄弟だ。もし何かあれば私が責任を取ろう」
「一条殿の親族でしたか。まさか弟さんがあの一条財閥のトップだったとは」
一条という名前は結構珍しいと思うが。先入観で判断しないところを見るとさすがはここを守る護衛官だけはある。恰幅したぞい。
「首相に失礼のないように」
別に首相に用事があって来たわけではないんだがね。オレは政治に関してはあまり関心はない。
それでも首相とのコネクションは非常に魅力的だがオレはそんなに小さなにんげんではない。
隙あらば自ら首相になり国を変えてみせよう。
425番組の途中ですが名無しです:05/02/19 19:08:37 ID:ESU9AQ/g
兄貴キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
426 ◆/I03giEWww :05/02/19 19:09:06 ID:O//IEEK6
「ここは例えイーストサン大使でも司法省の許可が無ければ入れない。そんな事はお前でもわかっているだろう」
三人はつかつか広い廊下を歩いていた。高価そうな壷や絵画、武器が並んでいる。
これは税金で買っているのだろうか。だとしたらこれほど無駄な施設もあるまい。
「こうして中に入れているではないか。何も問題はない」
各部屋の前には制服を着た護衛官が一人づつ立っている。部屋には気配はない。
これは税金で賄われているのだろうか。だとしたらこれほど無駄な施設もあるまい。
「それは私がいたからでそうでなければ無駄足もいいところだったな」
窓から外をみると巨大な池がありそこには大きなデスマグロが何匹も遊泳していた。一匹五百万Gは下らないだろう。
これは税金で買っているのだろうか。だとしたらこれほど無駄な施設もあるまい。
427 ◆/I03giEWww :05/02/19 19:11:12 ID:O//IEEK6
ちょっとだけバク天見ます。
428番組の途中ですが名無しです:05/02/19 19:37:42 ID:AdjlCo7B
he was my brother
429 ◆/I03giEWww :05/02/19 20:12:53 ID:O//IEEK6
「物事は結果が大事でその過程はさほど重要ではない。と昔言っていたではないか」
その部屋はおよそ三十畳ほどの広さでケレベーロン社製のソファーが二つあった。
壁には歴代首相の写真や他国の偉人の写真がかけられていた。何人かの顔は知っている。
「おや、これはラムズ大佐ではないか。元リディア軍の人間とは聞いてはいたが、そこまで貢献したのか」
写真の一つに彼のものがあった。その若々しい姿は相当前の写真と判断できる。その写真は海軍の制服を召していた。
確か将軍と一緒で空軍と聞いていたが。
「彼は元リディア海軍の幕僚長だよ。最初は空軍の戦略担当だったけどその明晰を買って政府は我が国最強の海軍の総指揮を任せたんだ。
彼は統一戦争の英雄なんだよ」
430 ◆/I03giEWww :05/02/19 20:35:14 ID:O//IEEK6
兄は政府に入ってからまだ間もない。なぜそんな歴史を知っているのだろうか。大学には行ってないはずだが。
ラムズ大佐は特に表情を変えずに佇んでいる。偉大な軍人ほど自分の功績をあまり語らないと言う。
「今となっては老兵ですよ。軍人の功績はそれ本人のものではなく共に戦った仲間との共有の名誉なのです。
この写真は私にとってはただの傲慢でしかない」
431 ◆/I03giEWww :05/02/19 20:37:18 ID:O//IEEK6
大佐は写真を取り外し机の上に伏せた。歴代首相と並ぶということはとても名誉なことだが彼にも思うところがあるのだろう。
個人の価値観はそれぞれだろう。兄はソファーに腰を掛けTVの電源を入れた。画面では今売り出し中のアイドル、フラフ=ダフィーが新曲を披露していた。
彼はアイドルマニアでもあった。オレはアイドルなんぞに興味はない。そんなものを見ている暇があったら株価でも眺めたほうがよほど楽しいけどな。
兄弟とは対照的になることが多い。実家の兄の部屋にはクリスティーヌ=アキレスやボヨンセ、ボーイング娘々などのポスターやCDがところせましと並んでいる。
一方オレの部屋は各国の兵器の部品や模型、軍事カタログやワールドカードCompanyの一ケタ台の株式証明書などで賑やかになっている。
432 ◆/I03giEWww :05/02/19 20:50:29 ID:O//IEEK6
「今日は休暇なのか?やけに暇そうだな。それに制服も着ていないし。そんな格好でここをふらついていていいのか」
周りを見渡すがめぼしいつまむものは見当たらない。冷蔵庫を発見しあけるがドラゴンマウンテンの奇跡水しかなかった。
しけた所だな。
「重要な会議や他国の政治家などと謁見する時は必要だがここでは理由がなければ原則自由でな。優雅だろう」
仕方ないのでその水のキャップを外しポケットから取り出したリアルホンコンの素を入れた。味は悪くない。
兄はそれを信じ難いという目で見ていた。これは非常に個性的な味を出す。素人にはおすすめできない。
433 ◆/I03giEWww :05/02/19 21:00:38 ID:O//IEEK6
「で何の用だ。今から見たい映画が放送されるんだ。ストアにお菓子と飲料を買いに行かなければならない」
オレは大佐に外すように言うと彼はそそくさと出て行った。ローレンスであっても同じことだっただろう。
兄はどこからともなくコーヒーメーカーを出しコーヒーを作り始めた。兄の入れるコーヒーは格別不味かった。
「政府は何のために兵器を購入している。しかも軍隊設備の強化目的ではない、政府のキャッシュフロー書を見たが治安省の予算を改ざんした跡が見られる。
各軍隊の維持費用や最新技術の導入コストを差し引いても不透明な流れが多すぎる。専門家も既に気付いているだろう。何を隠しているのだ」
434 ◆/I03giEWww :05/02/19 21:15:15 ID:O//IEEK6
コーヒーメーカーはごぽごぽ音をたて少量ずつカップに琥珀色をした液体を貯めていった。
それは丁度時計の秒針と同じリズムを刻んでいた。
「どうだろうな。上が何を考えているかはいつも霧の中だ」
知っている。兄は政府の動きを全て把握しているはずだ。彼は昔から交渉や討論が苦手だった。
それは、それらに必要な嘘やはったりをつくのが不得意だったからだ。
「今も兄貴は嘘をつくのが下手だな。よくそれで政府の人間をやっていられる」
何でもいい、何か喋れ。もうだらだら探っているわけにはいかないんだ。
今一番情報を得やすいのは他ならぬ彼しかいない。一番首相に近いこの男しか。
435 ◆/I03giEWww :05/02/19 21:33:30 ID:O//IEEK6
「仮にそれが他国への全面戦争の準備であったとしよう。それを止めるのか?それは母国への裏切りになるぞ」
角砂糖は一個。ミルクはなし。それが一条家のコーヒースタイルだ。兄はそれを今でも忠実に守っていた。
変なところで変化のない人間である。
「オレが恐れているのは統一のための和平戦争でも、防衛のための自衛戦争でもない」
TV画面にはローレル・ゴードン社のCMが流れていた。
そこには“わが社は戦争を支持するものではありません。願わくば全人類の安全と保障のために”とあった。
オレには車で居酒屋に向かいながら“私は飲酒運転はしません”と言っているように聞こえる。
「核をバックボーンにした侵略戦争だ」
436 ◆/I03giEWww :05/02/19 21:35:19 ID:O//IEEK6
ZONEにあったあの巨大な潜水艦。それは核ミサイルを搭載するための戦略潜水艦。そしてそれは核軍備の拡張を目的とした行為。
それは間違いなくこの世界のバランスを崩す。リディアはフォースに関しては五国中最高レベルである。兵器技術もかなり高度だ。
その大国がむやみに動かないのはノースアイスの最高の軍備やサウスメリアの最高の防衛技術にある。
今世界は核の抑止力と三国のにらみ合いにてその運命を握られている。
437 ◆/I03giEWww :05/02/19 21:36:22 ID:O//IEEK6
風呂&エンタのため一旦休憩します。
438番組の途中ですが名無しです:05/02/19 21:43:38 ID:KYi68LPK
439番組の途中ですが名無しです:05/02/19 21:45:55 ID:RHNwJIWH
d(ry
440 ◆/I03giEWww :05/02/19 22:54:32 ID:O//IEEK6
「戦争に性質などない。例え核を使おうともそれは国が判断した理性的行動だ。
そしていずれ秩序を乱すような国を攻めるのは不法行為にはならない」
オレは確証が欲しかった。この推論はほぼ間違いないだろう。
しかし推論だけで政府に矛を向けるほど愚かではない。そして今ここに確かな確信を得た。
それでもまだこれは論拠の無い推論の域を抜け出せない。
「戦論者は自分の行為を濁すのが得意だな。いかなる理由があれ必要以上の被害を出す大量破壊兵器は人間が持つものではない。
それはさしあたり悪魔の所有物だろう」
科学者の偉業は必ず世に反映される。それはどんな形であっても名誉なことなのだろうか。
核を生み出した科学者はもう世にいない。彼はどんな想いでこの世界を見下ろしているだろう。
441 ◆/I03giEWww :05/02/19 23:11:33 ID:O//IEEK6
「もう存在するものは仕方がない。我々は常に先を見ている、過去の罪は未来で償おう。
理想は必ず現実となり光がこの冷たい時代を照らすだろう。お前はそれを待っていればいいんだ」
TVからは映画が流れ出した。主演A=シュワシュワネッガー《コマンダー》。
ストーリーはありがちだが彼の映画は多くの支持を得ていた。政治もレールを走りながら保守政策を打ち出せば自然と支持される。
マイノリティはいつの世も淘汰される。しかしそれは当然のことでもあった。
「オレはもう待たない。何年この政府を見てきたことか。世界政府にとって時間は人々の記憶を風化させる隠れ蓑でしかない。
待つことは革新的な行為とは対照的な事象でしかない。国を変えるのは兵器でも時間でもない」
442 ◆/I03giEWww :05/02/19 23:39:53 ID:O//IEEK6
シュワシュワネッガーはスクリーンでも現実でもヒーローだ。映画の中では役柄ヒーローを演じる。
しかし現実では戦争にいった兵士や凶悪犯を仕留めた護衛官のように功績的には英雄とはいえない。それでも人々は彼をヒーローとする。
そして政治家は常に白い目で見られる。政策の善悪とはあまり関係ないようだ。
「そうか。お前と私はもう別の道を歩みだした。それは今ではなくあの時、既に決まっていたことだったのかもな」
彼はローレンスを知っている。もちろんそのとき以来、兄とローレンスは会っていない。
ローレンスは自ら兄ではなくオレを選んだと言った。それはオレと目指すものが同じだったという事だろうか。
「お前が財界に入った理由はその理想のためと言ったな。それは今も変わらないのか?目前のものに心を奪われてはいないのか」
オレは政府に入っても国を変えることは出来ないと判断した。それは兄を見て正しい判断だったと思った。
443 ◆/I03giEWww :05/02/19 23:53:41 ID:O//IEEK6
「金は自分の願いを叶えてくれる最高の手段だ。ただ金はそれ単体では何の価値も持たない。
それは何かの代価として初めて意味を持つ。
オレが医者の夢を捨てて財界で旗を揚げたのは学費を払えないのでも偏差値が届かなかったのでもない。
莫大な財産もそのための手段でしかない」
「お前の昔からの口癖はローレル・ゴードンを買収することだと言っていたな。それはなぜだ」
兵器開発会社ローレル・ゴードン。リディアの軍事設備の殆どはここの物である。
まだ世を理解してなった高等部のオレはそこさえ買収すれば戦争は無くせると考えていた。
勿論そうはいかないし、ローレル・ゴードンの買収すら未だ果たせていない。
「今はもう関係ないだろう。もう話すことが無くなった、オレは帰るぞ」
444 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:08:39 ID:fJ9Vq9fQ
ペットボトルの中身を飲み干すとそれをゴミ箱に投げた。かすりもせずに床に転がった。狙ったものは必ずとらえるのがオレの信条だ。
「今のお前はただの成り上がりの一企業の人間だ。好きなだけしたいことをし理想に向かうがいい。
しかしお前の前には必ず私が障害として現れる。それを乗り越えてゆくお前の姿が私には浮かんでこないな。今のお前には力がない」
「オレは決して勝算のない勝負はしない。明らかに自分がかなわないと思ったらオレは尻尾をまいて逃げる。
安心しろ、あなたを減滅させる様なことはしない」
扉を開けるとラムズ大佐が小さな女の子の相手をしていた。そこには兄のようにラフな格好をした紳士がいた。
オレはTVでその顔を何度も見たことがある。廊下に出ると扉を閉めた。そして彼に一礼した。彼は握手を求めてきた。
「お初にお目にかかります、一条信之助です。兄の慶一郎が世話になっています」
445 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:20:21 ID:fJ9Vq9fQ
そう言いながら右手を差し出しそれに応えた。その手はひどく冷たかった。
しかしその不思議なものは手を通じて伝わってきた。
「彼には私こそ世話になっているよ。いいお兄さんをお持ちだ。
そしてその弟さんも立派な人間だと聞いている、それは確かに合っている」
彼はまだ三歳にも満たなそうな女の子を抱き上げた。それはまさしく父親の姿だった。
大佐はにこやかに女の子に手を振っている。それはまさしく死者を手招く悪魔の姿だった。
「さくら、お母さんのところへ行ってなさい。ん?大丈夫、お父さんもすぐ行くよ。約束だ」
二人は指切りしながら笑っていた。ふと小等部のころを思い出した。その頃はよく母親に怒られた。
父はそれとは対照的にとても優しかった。
446 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:30:55 ID:fJ9Vq9fQ
「今私は一人だ。そこの彼なら入政から軍隊経験もない私を殺すのは簡単だ。願ってもないチャンスだと思うが、信之助君」
ラムズ大佐は元軍人にして一条財閥内ではローレンスに次ぐフォース扱者だ。
彼の言うとおりだった、こんな機会は二度とない。もちろんポケットにはタイムブースターもある。
事故死に見せかけ殺害するのも容易い。
「それでは意味が無いのですよ。私のような人間では」
彼はそんな事はわかりきっていたような感じだった。この会話は後ろにも聞こえているはず。
そこからはフォースを感じない。オレは大佐を引き連れ来た道を戻り始めた。
「それに今のあなたは一家族の父親に過ぎない」
447 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:41:47 ID:fJ9Vq9fQ
 -----------------------------------------------------------------------


「彼には君に似たものを感じる。血は争えないな」
慶一郎は映画を見ていたが彼が入ってくるなり身なりを整えTVを消した。予期していないことだった。
「そうでしょうか。私には似ても似つかぬと考えていますが」
彼は慶一郎の本心かどうかわからないその言葉に少し表情を和ませた。
もう慶一郎とは四年の付き合いになる。彼の考えや思想は何となくわかる。
「できれば兄弟同士の争いなど見たくはないな」
慶一郎は転がっていたペットボトルをゴミ箱に捨てた。
男は冷蔵庫を開けあるはずのドラゴンマウンテンの奇跡水を探したが見つけられなかった。はて。
448 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:52:55 ID:fJ9Vq9fQ
「私は個人の私情を挟むほど愚かではありませんよ。正しいと思えば弟といえ容赦しません」
それは悲しい事だ、人はそこまで非情になる必要などないというのに。血をわけた兄弟ではないか。
国民あっての国だ、国民の幸せが国にとって最高の喜びではないか。
「きっと君の弟さんはそれは望んでいないだろう。それは君もわかっていると思う。何も政府が全てじゃない、無理はしないように」
男はそう言うと退室した。外では子供の声が聞こえる。慶一郎はすっかり冷めてしまったコーヒーに口をつけた。
TVをつけ直すと映画はスタッフロールが流れていた。この映画一度もラストを見たことをないな。
「立派になったものだな、信之助」
449 ◆/I03giEWww :05/02/20 00:54:06 ID:fJ9Vq9fQ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日はここまでにします。飽きずに読んでいただいて感謝です。
450番組の途中ですが名無しです:05/02/20 01:07:02 ID:0sxQteW2
451番組の途中ですが名無しです:05/02/20 01:12:07 ID:ewD1/Dqg

今日も楽しかったぞ
452番組の途中ですが名無しです:05/02/20 01:12:18 ID:zqrhIMIw
あとで読むけどオツ
453番組の途中ですが名無しです:05/02/20 01:24:02 ID:8DGInDsA
コマンドーワラタ
454番組の途中ですが名無しです:05/02/20 02:57:33 ID:Eybvc6wI
>隙あらば自ら首相になり国を変えてみせよう。
>オレは政府に入っても国を変えることは出来ないと判断した。
せんせー、矛盾発見です
ライブで書いてるから仕方ないんだろうけどね
455番組の途中ですが名無しです:05/02/20 11:47:30 ID:OqCSkabK
go
456番組の途中ですが名無しです:05/02/20 14:42:15 ID:toNgA1TW
 
457番組の途中ですが名無しです:05/02/20 14:47:38 ID:LWtqBScm

オレはようやく登り始めたばかりだからな

このはてしなく遠い 男 坂 をよ・・・・・



                     未完
458番組の途中ですが名無しです:05/02/20 20:20:54 ID:iEJPwbgf
保守
459 ◆/I03giEWww :05/02/20 21:51:39 ID:fJ9Vq9fQ
 「それが口実ですか。まるで街中のチンピラの言いがかりですな」
ウェストコール外交官トバイは彼から目をそらした。この男にもはや和平の気は無いのだろう。
こうなれば人質にして有利な停戦交渉を行うほかないか。
「口実も何も事実でしょう。既にこちらは多大な犠牲を払っている。それ相応の条件だと思いますよ。
よくお考えなさい、小国を叩くのは忍びない」
交渉の席は二つだった。一対一の議に二国の先行きが掛かっている。
それはどちらにとっても和平の道が最も賢明な判断となる事だった。
「我々も軍隊をやられている。聞くところによると小型核ミサイルが使用されたとか。
これは国際核制限協定に反すると思いますが」
司法省や治安省からそのような話は聞いていないが。ブラフか?
しかしこの重要な交渉の席でそんな愚かなことはしないだろう。
460 ◆/I03giEWww :05/02/20 22:10:53 ID:fJ9Vq9fQ
「我々は資源省副大臣の遺体が発見された時点で交戦状態に入ったと判断しています。
それがトマホークであれ核であれ、正当な戦闘行為となりうると思いますが」
いずれにせよ小型核の使用はこの状況では大した問題ではない。彼はミラが自分たちの外洋に展開されていることに気付いているだろうか。
衛星レーダーでは発見できまい、既にこの交渉に主たる意味はない。
「それはあなた方が判断することではない。我々は五国会議の招集を求める。そこで今回の一連の事について真明を追求したい」
トバイは公の場での事実究明を考えていた。お互いどこまで信用していいものか決めかねていた。
どこまでが事実なのか。どこまでが戦略的ブラフなのか。
「そんな時間はもう無いんですよ、私がここに来た理由は一つ。和平に応じるか否か。
前述の通り後者であれば停戦協定破棄とみなしこの国はその歴史に幕を降ろすでしょう」
461 ◆/I03giEWww :05/02/20 22:27:36 ID:fJ9Vq9fQ
和平を結んでもそれは大した違いはなかった。リディアはいずれにせよこの国を支配下に置くつもりだ。
和平条件からそんな事は明白だった。こんな暴挙を世界が許すだろうか。
「それはおかしい。貴国のウラニウムに関しての関与は実際なかった。どんな論拠からそのような結論が出されたのか」
この男は自分の立場をわかっていない。大国がこんな小国を攻めるのに理由がいるとでも思っているのか。
この席では対等な二国だが世界という視点からすればそれは偶像となる。
「確かにウラニウムの行方は判明しませんが赤い月の襲撃は事実です。
そして我が国の重要な国家機関が全滅したこともまた事実です。我が国が下手に出ているうちが花ですよ」
「我々が赤い月とつながっているという証拠はない。それは彼らが単独で行ったことだ。
これについてもウェストコール政府は一切の関与は認めない」
リディア大使は時計を見た。タイムリミットだ、残念ながらこの国は最後までその愚行に恥を感じることはなかったようだ。
「お互いにとって残念な答えだ。あなた方の意思は私が伝えましょう」
462 ◆/I03giEWww :05/02/20 22:43:04 ID:fJ9Vq9fQ
トバイは自分の後ろにいる二人の兵士に彼の拘束を命じた。二人の兵士はそれを不正な命と感じたが外交官には政治的権限がある。
それはこの国の判断ということになる。
「全てあなた方の思い通りになるとは思わないで頂きたい。リディアにはいずれ裁きが下るでしょう」
大使護衛官はクリスタルソードを抜き身構えた。二人の兵士はフォースを発動した。大使は護衛官に不動を命じた。
それは部屋にいた四人が予期していないことだった。護衛官は剣を納めた。
「私はこの席においてリディアの全権を任されている。私への愚行は既に戦争行為になります」
大使はイーストサン製のソファーに腰を掛けたまま外交官を見据えた。兵士は彼を挟むようにして起立を求めた。
彼はそれに応じない。護衛官はどうしたものか判断しかねた。
463番組の途中ですが名無しです:05/02/20 22:43:55 ID:56K/yqea
464 ◆/I03giEWww :05/02/20 22:55:27 ID:fJ9Vq9fQ
「実に下らない交渉席だ。そうは思わないかね、ウェスト君」
二人の兵士はとっさにガードにまわったがそれぞれ首と心臓を見えない刃によって貫かれた。
その鮮血が床の高貴なデザインが施されたペルシア調の絨毯を染めた。トバイはすぐに緊急回線を回した。
部屋の扉がこちら側に開くと銀髪の男が血に染まったナイフを手にしていた。大使は外交官の慌てぶりが愉快だった。
それはまさに二国間の戦争を縮小したような状況だった。
「すぐに外套双館に兵士を集めろ、敵襲だ。そうだ、四平長クラスもだ」
銀髪の男は中に入ってくるなりナイフの血をふき取りながら外交官を凝視した。
こんな男が交渉の席についていたのか、小国らしいな。
465 ◆/I03giEWww :05/02/20 23:00:25 ID:fJ9Vq9fQ
ちょっと休憩します。
466番組の途中ですが名無しです:05/02/20 23:02:48 ID:56K/yqea
助けて!
うちの犬が毛虫食べちゃった!!
467 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:01:18 ID:5L8IInan
「首相直命によりお迎えにあがりました、アラン大使」
この場に駆けつけた数人の兵士がウェストとアラン大使を囲んだ。ウェストは先ほどストアで購入したタバコに火をつけた。
「二人と聞いていたが」
「もう一人は急用が入りましてね。私一人では不満ですか」
それこそ下らない質問だ、ここはノースアイスのように危険な国ではない。首相もそれをわかっていられる。
だからこそ彼を安心して送り出したのだ、今リディアは貴重な人材を失うわけにはいかない。
「他のものはどうした」
この外套双館には百あまりの兵士が常駐しているはずだ、あまりに少なすぎる。まさかもう奴にやられたのか。
「これを水道に流しておいた。ここの兵士はろくにミネラルウォーターも与えられていないのだろう」
アランは透明のカプセルを手にしていた。くそ、水銀か。あの量なら十分致死量に達する。はなからここを潰す気だったのか。
468 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:14:44 ID:5L8IInan
「最初から和平の気はなかったな、この悪魔め」
和平の気はなかった?それはそちらではないのか。
ウェストはナイフを手にしたまま煙を吐き出し綺麗な円を描いた。今日は運がいい日だな。
「今何人もの兵士が苦しんでいるだろう。あれは即死性の水銀ではない、息絶えるまで数時間は掛かる。
この国にはこの稀旨性水銀の解毒剤はあるまい」
そう言いながらアランは上着からもう一つのカプセルを取り出した。中には水色の液体が入っていた。
「これはもう必要ないな」
彼はそれを床に落とした。薄い表面ガラスは絨毯への落下衝撃で粉々になった。そこに青い染みができた。
「あなたは和平拒否の代償にまずはここの兵士の命を失った。これからもっと多大な代償を支払ってもらいますよ」
469 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:22:29 ID:5L8IInan
この男の言うとおり、アラン大使は最初から和平に応じるつもりは無かった。既に本閣院でその応えは出ている。
サウスメリアや他国が口出しできないうちに攻める気だった。
ウェストは床の染みを見た。どうみてもここの兵士全員分の量はない。
「もうウェストコールはこの交渉以前に滅んでいるんですよ」
外交官は兵士に命令を下した。やれやれ、俺は多人数を相手にするのは苦手なんだが。
彼はタバコをくわえたまま大使護衛の任を遂行した。


------------------------------------------------------------------------

470 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:32:19 ID:5L8IInan
 オレの乗った車はタイヤをやられ制御不能のまま街灯に突っ込んだ。
くそ、倭神沌にこのロール・スイス初期型で来たのが間違いだった。
修理にいくらかかることやら。オレとラムズ大佐は両ドアから外へ出た。財務省まではまだまだかかる。
「大丈夫か、チャールズ」
運転席のドアを開けるとチャールズはエンジンを切った。引火防止のためだ。
彼は特に外傷もなく自分の足で外へ出てきた。
「申し訳ないです、お怪我はございませんか。
私の運転が未熟なばかりに信之助様を危険な目に遭わせてしまいました」
「気にするな、お前のせいではない。襲撃は予想できた、くそ、ローレンスがいないときに限って」
471 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:46:49 ID:5L8IInan
随分とまたごつそうな男がこちらに歩み寄ってきた。歳は三十後半から四十位。
ムドウよりさらに一回り大きく感じる。その格好は以前、オレを暗殺しにきたムドウのような僧服だった。
違いはムドウの茶色に対しこの男のは黒であった。右肩部分に仏、左肩に滅と金色の文字で書かれていた。
「一条信之助、貴様の暗殺の任このゲンドウが受けた。見たところまだ成人間もないと印象受けるが悪く思うな」
ゲンドウは背中の杖だか杓だかを手にし構えた。その男が発するフォースはそれを感じ得ないオレにも伝わってくる。
ラムズ大佐もフォースを発動しオレの前に仁王立ちになった。オレはスーパータイムブースターをスタンバイに切り替えた。
凄まじいプレッシャーを感じる、ムドウよりだ。
「この魏骨杖の糧としてくれよう」
472 ◆/I03giEWww :05/02/21 00:48:33 ID:5L8IInan
今日はここまでにします。小さな矛盾や設定ミスはスルーして下さい。
そのうち大きな設定ミスしそうだな・・・・
今日もご愛読感謝です。
473番組の途中ですが名無しです:05/02/21 00:55:24 ID:oOJgWHHu
仏滅乙
474番組の途中ですが名無しです:05/02/21 00:56:11 ID:S/B45INO
乙ー。もしやスレイヤーズファンか?
475 ◆/I03giEWww :05/02/21 01:10:37 ID:5L8IInan
好きですよ。ゲンドウの武器名からそう思ったのかな。モデルは
あれです。
476番組の途中ですが名無しです:05/02/21 15:26:42 ID:Z4i266fR
ほす
477 ◆/I03giEWww :05/02/21 20:33:11 ID:5L8IInan
大佐は海王槍を地に走らせた。オレが使ってもまったく価値を持たないので貸したのだ、彼なら使いこなせると思うよ。
しかし今回はまた強そうな奴が出てきた、大佐一人では厳しいと感じる。
「大佐、オレが援護する。チャンスがあれば一気に決めてくれ」
「了解しました、自ら申し訳ないです」
ゲンドウは印を結び始めた。奴も召喚士か?先に呼ばれたら面倒なので妨害させてもらうぜ。
ポケットからリモコンを取り出しアンテナを伸ばした。
「死ね」
オレのスイッチオンに地面が爆破で応えた。ゲンドウは印結を中断し爆破の衝撃に踏ん張った。
車が衝突した時に既に地面に地雷を仕掛けておいたのだ、直撃すれば即、死だ。
478番組の途中ですが名無しです:05/02/21 20:40:12 ID:NxzDhSjN
やはり新之助はいつみてもワロスwwww
479 ◆/I03giEWww :05/02/21 20:58:56 ID:5L8IInan
「いいか。仕掛けた地雷には二つ、超強力な劇地雷が含まれている。それの爆破圏に奴が入ったらこの遠隔リモコンで起動する。
お前はなるべく距離を取りながら戦え。直撃なら大型戦車を粉々にできる代物だ、奴ならそれは回避するだろうが体勢は確実に崩すだろう。
そこを仕留めろ」
オレはラムズ大佐にそう囁くと念のためにけん制用にファイヤービュートを抜いた。奴の狙いはオレだ、隙を見てこちらにくる可能性はある。
地雷源は全て把握しているが奴がそこに足を踏み入れなければ空振りに終わる。チャンスは常に一回だけだと思え。
「こんな線香花火ではわしの体はおろかフォースの壁すら破れんぞ、大人しく天に召されるがいい」
ゲンドウは魏骨杖を回しながら問答無用で突っ込んでくる。大佐は海王槍で杖の攻撃を受ける。
弾くと同時にその反動を利用し大きく後退した。彼が海王槍を地が裂けるように振るうと水の衝撃波がカッターのようにゲンドウの足元を襲った。
480 ◆/I03giEWww :05/02/21 21:23:46 ID:5L8IInan
「仏滅封殺陣」
水圧の刃はその奇怪な術にかき消された。いや、印結や詠唱の様子がなかったところから奴自身の能力か。
攻撃無効の能力を前動作無しで行えるのは非常に厄介だな。今のようなけん制がまったく意味を成さない。
となれば接近戦でしか致命的な一撃を与えられないわけだがそれはそれで困る。大佐ごと吹っ飛ばすわけにはいかない。
「いかに強力な術や能力を持ってしてもこの封殺のゲンドウの異名を持つ絶対防御は突破できん。くらえ、嵩禅破命極」
魏骨杖が骨を鳴らすような音を発しながら大きく振るわれた。それに合わせて大佐は海王槍で虚空を斬った。なんだなんだ。
「ほう、この嵩禅破命極を見破るとはなかなかの扱者とみた。
大抵の奴は何が起きているかわからない内にその命を死神に奪われるのだが。このようにな」
オレは凶悪な威圧感を感じとっさに車の陰に隠れた。ゲンドウが再び魏骨杖を一閃させると不気味な音が頭上を通り過ぎた。
車には何の跡傷もない。衝撃波の類ではないのか?
481 ◆/I03giEWww :05/02/21 21:35:29 ID:5L8IInan
「信之助様、お気をつけ下さい。その見えない衝撃波は生物の命のみを消滅させます。おそらくは魔界の能力、それも中位死神と同等の技か」
前にムドウが呼び出した死神だか死霊だかが使った魔界の術みたいなものか。これはまた意味不明に非科学的な能力だな。
大体見えないものを避ける自体ほぼ不可能なんだが。ラムズ大佐それが見えている様子だったな、やはりフォースを持っていれば目視できるのか。
ああ、フォースが欲しい。
「ムドウは召喚によりその魔界の力を得ていたがわしは自らそれを操れる。それは即ち印結のタイムロスがないことを意味する」
先のは召喚術ではなかったのか?どんな術を使うかわからない以上、さっさと決めねばどんどん勝率は下がる。多少危険は冒すしかないか。
482 ◆/I03giEWww :05/02/21 21:57:50 ID:5L8IInan
「大佐、今お前の足元には大量の地雷が埋まっている。そこにいる限り奴はせめてこられない。その場所から遠距離攻撃だ」
海王槍が無数の水圧の衝撃を発生させる。しかしそれも先と同様ゲンドウの仏滅封殺陣に封殺されてしまう。
「そんな水鉄砲や花火でわしをやれると思うなよ、地雷ごと消し飛ばしてやろう」
ゲンドウはいきり立って杖をかざし高く舞い上がった。
「大きく下がれ、起動する」
オレがそう叫ぶとラムズ大佐は受身の体勢から後退に切り替えた。ゲンドウは構わずフォースを開放した。
「嵩禅送天命殺」
魏骨杖が地を叩いたところを中心に地面が腐食した。同時に衝撃が円を描くように広がるがこちらはそう大したことはない。
先の技と同様生物にしか影響のない技だろう。しかし今のはえらく広範囲なものだ。
オレは奴の位置を確認すると起爆スイッチを押した。
「今度のは天空花火だ」
483 ◆/I03giEWww :05/02/21 22:10:49 ID:5L8IInan
地面が火柱を上げ吹き飛んだ。ゲンドウは反射的に身をねじると同時にフォースの壁を再起動した様子だったがあの至近距離で完全に回避は不可能。
彼は右腕を失うと共に顔や足にも高温による火傷を負った。
「高威力地雷か、わしとしたことが。まさかこんな姑息な手にダメージを負うとは不覚をとった。やはりムドウがやられるだけあって油断ならんな」
確かムドウを倒したのはあの銀髪男だった気がするが。ゲンドウはオレたちと距離を取るため大きく後退し地雷原からは完全に離脱した。
残るチャンスは一回。これは外せんな。
「直接は危険とみた、長距離戦でいかせてもらう」
彼は印を再度結び始めた。ここからでは地雷の爆風は届かない。
ラムズ大佐はそれを察知し水の刃を放つと同時に攻め込んだ。今なら接近戦で仕留められる。
「仏滅封殺陣」
484 ◆/I03giEWww :05/02/21 22:32:33 ID:5L8IInan
かき消された刃のすぐ後ろから大佐が強力な斬撃を繰り出した。ゲンドウは身を寸前でかわす。
片腕を失った彼は印を結んでいるため、杖で応戦できない。大佐は印結しながら一気に攻める。
「ダウンバースト」
強力な下降気圧がゲンドウを地面に張り付ける。科学系の術で気象類の高度な術である。
さすがは元海軍、気象知識はなかなかのものである。
これで奴は動けない。海王槍はその喉元を狙い突いた。
「杖を封じなかったこと悔やむがいい」
大佐の動きが鈍った。その左腹を魏骨杖が血を滴らせながら後ろから貫いていた。大佐は得物を手放しその場にかがみこんだ。
心臓は避けたため致命傷にはならなかったようだが放っておけば危険だ。ゲンドウは彼から離れると完成させた術を解き放った。
485 ◆/I03giEWww :05/02/21 22:54:44 ID:5L8IInan
放っておけば危険だ。ゲンドウは彼から離れると完成させた術を解き放った。
「魔忌瘴界陣」
図太い声に応えここ一帯が濃い瘴気に覆われた。頭がくらくらしてきた。瘴気は普通の人間が吸い続けると死に至る。
それにラムズ大佐もオレほどではないにしろ今の体では相当こたえるはずだ。このままでは奴が手を出さなくてもゲームオーバーになってしまう。
「こうなればファイヤービュートで接近戦しかないか」
タイムブースターを起動した。一瞬でゲンドウの前に近づいた。油断していたか、オレの鞭を避けきれず体のバランスを崩した。
フォースの壁に阻まれダメージは与えられない。オレは小型粒子砲をスタンバイした。起動まで五秒。
「貴様にはフォースがないと聞いていたが。その動きただの人間ではできまい」
奴はオレの動きを捉えていた。さすがにこやつほどになると完全には出し抜けないか。ゲンドウは魏骨杖を一閃させた。
「嵩禅破命極」
486番組の途中ですが名無しです:05/02/21 23:02:38 ID:jku17ouU
おい、日テレみれ ほりえもんでとるぞ
487番組の途中ですが名無しです:05/02/21 23:06:20 ID:fQc9FiXK
そろそろ内Pだな
488 ◆/I03giEWww :05/02/21 23:16:05 ID:5L8IInan
フォースの流れがかすかに見える。その骸骨を模したような不気味な衝撃を難なくかわす。これが正体か。
ふと見ると小型粒子砲のランプがスタンバイから発射可能に変わった。
「くたばれ」
オレは狙いを定めトリガーを引いた。光の帯がフォース壁を破りゲンドウの右足の一部を消滅させた。
くそ、外したか。タイムブースターの効果が切れる前に離脱した。瘴気圏はかなり広範囲に渡っている。
オレは再度小型粒子砲の起動準備を開始した。起動まで二十秒。
「フォースを持っているとなればやはり危険。厄介な術を使う前に仕留める」
ゲンドウは魏骨杖を高くかざし舞い上がった。嵩禅送天命殺か。これはチャンスだ、
先の嵩禅破命極を連発されればフォースのないオレには避けきれない。
奴がタイムブースターの効果をフォースと勘違いしてくれて助かった。
この技もくらえば死亡確定だがカウンターを狙える。オレはその場から急いで離れた。
489 ◆/I03giEWww :05/02/21 23:18:44 ID:5L8IInan
「無駄だ、逃がしはせん」
奴は空中で更に勢いをつけ舞い上がった。俗に言う二段ジャンプである。
フォース使いにはもはや力学など関係ない。小型粒子砲の再発射まで十秒、間に合わない。諦め小型粒子砲を捨てた。
「諦めたか!一企業の社長ふぜいがよくここまで戦った。くらえ、嵩禅送天命殺」

ご察知の通り内Pのため一旦休憩します。堀江さんはいつも切れ気味ですね。
WBSでも変な専門家にいらいらしていた様子だったし。大変なんですね。
490番組の途中ですが名無しです:05/02/21 23:23:08 ID:ChHdM3LL
491番組の途中ですが名無しです:05/02/21 23:24:13 ID:NxzDhSjN
 
492番組の途中ですが名無しです:05/02/22 00:05:03 ID:cu7BqzxF
爆撃きてるね
493 ◆/I03giEWww :05/02/22 00:19:45 ID:CH30KDbc
残念、例え死神に取り憑かれてもオレは死にはしない。絶対に遺産は残さないと決めている。起爆スイッチオン!
「さらにスーパータイムブースター起動」
遥か遠くに巨大な火柱が見える。間違いなく奴の足元で起爆させた、跡形なく消し飛んだであろう。
横で倒れているラムズ大佐が上半身を起こした。
「フォースが完全に断ちました、お見事です、信之助様」
体が重い、これが時間に逆らった反動か。もう財務省はすぐそこだった。
「Time is Moneyとはよく言ったものだ」

----------------------------------------------------------------------------

494 ◆/I03giEWww :05/02/22 00:21:35 ID:CH30KDbc
きりがいいので今日はここまでにします。
ご愛読いつもどうもです。
495番組の途中ですが名無しです:05/02/22 00:24:33 ID:0awjWTDV
496番組の途中ですが名無しです:05/02/22 00:26:01 ID:kkuyGWYE

信之助が強くなってるな
497 ◆/I03giEWww :05/02/22 00:30:57 ID:CH30KDbc
堀江社長の動画見ました。すごい大騒ぎになってきた・・
498番組の途中ですが名無しです:05/02/22 00:37:00 ID:kkuyGWYE
すまん。ageてしまいました
堀江どうなってんの?
携帯なんで分からん
499番組の途中ですが名無しです:05/02/22 05:04:41 ID:SnE0bmJh
(´∀`∩)↑age↑
500番組の途中ですが名無しです:05/02/22 13:43:55 ID:BUO+UHh8
いかん
信之助と掘りえもんのイメージがだぶってきた
501番組の途中ですが名無しです:05/02/22 15:58:21 ID:UhY9ORVD
サクシャが贔屓にしてるからな。でもあの半笑いは嫌い。
逆に余裕ないみたいに見える
502 ◆/I03giEWww :05/02/22 19:20:06 ID:CH30KDbc
その病院には多くの患者がいた。ウェストコールの治安は既にその安全性に疑問があった。
リディアとの決裂のニュースは殆どの国民に伝わり混乱を招いていた。
これに乗じて犯罪の増加、権力者の権乱、亡命者の処理などその状況は悪化の一途を辿り、この国はもう末期であった。
「あれ、まだ生きている」
上半身を起こすとその光景に現実味を覚えた。ここは大衆用の病室の丁度中心だった。
担当医が入ってきて彼に声をかけた。後ろには看護師が付き添っている。
「どうだね、気分は。どこまで君の記憶があるかわからないが」
その青年は自分の格好を見て自分が患者であることを知った。
彼は一連の出来事が鮮明に頭に浮かんできた。ふと周りを見渡した。
「もう一人運ばれてきませんでしたか」
503 ◆/I03giEWww :05/02/22 19:34:45 ID:CH30KDbc
看護師が彼の手を取り電子機器を装着した。医師は機器のモニターを見ながらカルテに医学用語を記した。
彼にはそれが読めなかった。
「君の知り合いだったのかね。彼は運ばれてまもなく死亡した。
既に致命傷を負っていてここの医療設備では手の施しようがなくてな」
戦争下の状況において、医療現場は必然的に全てに関して不足となる。今この国では国民の健康すら保障されない。
この医師ももう他国に移ったほうが利口であろう。
「それは残念だ。上に立つ人間はこの国を含めどうかしている」
医師は看護師に他の患者の定期診断を行う準備を指示し、椅子に腰掛けた。青年はこれからの進退について考えを巡らせていた。
「衣服や持ち物は君がここに運び込まれたときに急いで隠した。
この国は今とても危険だ、あの格好で外に出れば色んな人間が襲い掛かってくるだろう。
もう歩ける程度には回復しているが君本来の仕事に戻れるほどではない。早く母国に帰るといい。
私は以前リディアで医療活動を行っていた。あの国の戦士は立派であった」
504 ◆/I03giEWww :05/02/22 19:39:28 ID:CH30KDbc
そうかな、それは買いかぶりではないだろうか。本当に立派な人間などいないのではないか、
そう思ってしまうほど世界の動きは忌みじみてきた。もうなんだか疲れた、早く家に帰り暖かいものを飲みたい。
「そうします。僕にはこの国の空気は馴染まないようです」

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505番組の途中ですが名無しです:05/02/22 19:51:37 ID:Hq/uoVQR
お、、キテター
506 ◆/I03giEWww :05/02/22 20:40:34 ID:CH30KDbc
 財務省。リディア主要都市《倭神沌》・《KYOTO》・《パリス》に並ぶ大都市《ポートガス》に経済省と共に立地し、
この街がリディアの資本の流れを全て掌握している。
三つの都市の中で一番企業の本社が多いと共に多くの教育機関がある。
《倭神沌大学》と双璧をなす《ポートガス大学》の本キャンパスもここに位置する。
ここから財界や政界などに多くのエリートが輩出される。かく言うオレも起業当時はこの街を拠点にしていた。
倭神沌が政治の中心ならポートガスは経済の中心である。
「兄の一条慶一郎の紹介で訪れた一条信之助という者だ。ジャイルズ省長官にお会いしたい」
507 ◆/I03giEWww :05/02/22 20:48:36 ID:CH30KDbc
受付のお姉さんはその美しい手で回線を手にした。この娘なら結婚も考える。どこでもそうだが受付に美人を置かない組織は馬鹿である。
「兄の一条慶一郎の紹介で訪れた一条信之助という者だ。ジャイルズ省長官にお会いしたい、との事ですが」
彼女はオレの言葉を一字一句違わず受話器に話した。受話器を置くと待合室に通された。
数分もせずにスーツをまとった男が入ってきた。たぶん事務官だろう。
「今先ほど一条慶一郎に確認したところ、そんな男は知らないとの事ですが」
「実の弟を忘れるとは何とも冷たい兄だな。彼はいるのだろう、会わせろ」
事務官はオレの横行な態度にどう対応したらいいか困惑している様子だった。
治安省と違いここの警備はそれほど厳重には見えない。この事務官もそんなに顔色はよろしくない。
ラムズ大佐がいれば多少政府に顔が利きそうなものだがローレンスと共に病室である。周りの人がどんどん不幸になっていくなあ。
508 ◆/I03giEWww :05/02/22 20:49:38 ID:CH30KDbc
ちょっと落ちます。
509番組の途中ですが名無しです:05/02/22 20:52:24 ID:u3d3/N7K
ほいー
510番組の途中ですが名無しです:05/02/22 21:32:36 ID:5A1gkUb2
お金持ちの家に生まれたかったのね。>>1
511番組の途中ですが名無しです:05/02/22 21:34:30 ID:7htKMr8y
病院に運ばれてるの誰?
512 ◆/I03giEWww :05/02/22 22:13:18 ID:CH30KDbc
「あなたもここに尋ね人がいるなら知っているだろうが、事務総長以上の高官にはおいそれと一般人を会わす訳にはいかないのだ。去りなさい」
なぜ首相に会えて省長官に会えんのだ。実に適当な規則だな、しかし今どうしても会わなくてはならない。よし、秘策を使うか。
「お前の年間報酬はいくらだ?見たところ入政三年とみた。事務官の給与はなだらかにしか上がらない。
加えて役職手当以外に大幅に額面があがる要素はない。以上の点から四百G前後と推測される」
オレは完璧な推理を披露すると小切手にサインをし彼にこっそり渡した。その事務官は表情をさらに困惑させそれを手にした。若いのう。
「オレはお前が例え明日から省長官に出世して一生働いた額を、微塵にも感じない位稼いでいる。
その小切手の限度額は一億Gになっている。好きな額を書くがいい」
これは一条財閥の交渉や契約の席で用いられる常套手段である。普段は限度額十億Gのものを使うがこの若造ならこれで十分である。
長いものには巻かれろ、政府の人間ならそれを熟知している。
513 ◆/I03giEWww :05/02/22 22:14:25 ID:CH30KDbc
しまった、四百万Gだった。霞ヶ関の皆様すいません。
514 ◆/I03giEWww :05/02/22 22:27:46 ID:CH30KDbc
「フォースと武器の有無の確認をする。省長官は忙しい、あまり引き止めないように」
彼はそそくさと省長官室に誘導した。彼が扉を開けると高官の証である《さざん花》のブローチを付けた老人が机の前で書類を読んでいた。
ツツジが紹介するだけあってオレの三倍は生きているような歳で、いつ死んでもおかしくない様子だった。
「客人です。彼は一条慶一郎の弟、信之助というものです。省長官殿にお会いしたいとの事でお連れしました」
そう言うと事務官はさっさと退室した。省長官は書類を置くと来客用の席に移動し椅子に腰を掛けた。
オレはソファーに腰を落とし彼に軽く会釈した。
「一条信之助という者です。ツツジ氏の紹介で訪ねさせて頂いた」
ところで何を聞けばいいんだ?政府の人間が一般人にそうぺらぺらと喋るとか思えんしな。
515 ◆/I03giEWww :05/02/22 23:08:03 ID:CH30KDbc
ぷっすまのため少し休憩します。
516番組の途中ですが名無しです:05/02/22 23:32:22 ID:v26HpSnm
>>515
質問いい?
何歳ですか?
517番組の途中ですが名無しです:05/02/22 23:40:28 ID:cAjAk43J
>>516
年齢不詳なのがいいんじゃないかバカモノーヽ(`Д´)ノ
何となく分かるが。
518番組の途中ですが名無しです:05/02/22 23:41:01 ID:rCljscQM
>>516
こういうのは謎の小説家という設定がいいんじゃないか、と勝手に思ってる。
519 ◆/I03giEWww :05/02/22 23:57:22 ID:CH30KDbc
「彼のことは既に聞いていると思う。残念な結果になってすまなかった」
オレはおろか、ローレンスすら状況を収拾できなかった。そしてそれは今二国の衝突という形で災いを招いている。
「奴は昔からそういう男だった。もう仲間は皆いなくなってしまった」
彼の机の上には白黒の写真が飾ってあった。そこには若き頃の彼らの姿が時をとめ残っていた。
オレは一番端の若者に何となくツツジの面影を感じた。
「既に計画は完成している。じきにこの国は暗黒の時代に突入するだろう。
時代は来るところまで来た、科学の進化はいよいよ人類の想像の範囲を超える」
計画とはおそらく例の財務の暗黒部分のことだろう。このじいさん知っているのか?
「その計画とは何なのだ。あのZONEの地下のものと関係あるのか」
「君がどこまで知っているかは知らんが政府は確かに度の過ぎた軍備拡張を行った。
君の言うものもそれだろう。しかしそれは既に他国も認知している。黙認のことだ」

年齢はご想像の通りかと思います。まだまだ若いと思いますよ。
520番組の途中ですが名無しです:05/02/22 23:57:59 ID:Wkh5Wulm
あと二分
521 ◆/I03giEWww :05/02/23 00:15:55 ID:My1zytBK
では他の四国はそれを知りながら何も反発しなかったのか。
それは何を意味する?それは五国均衡の崩壊につながるのではないのか。
「なぜ他国がそういう態度をとっていたか。この世界は五国がにらみ合っているように思えるが実際はそうではない。
核のないイーストサンは既にこのゲームから除外されておる」
何?
「それはつまり・・・」
「サウスメリアは既に核開発を終えた。戦略潜水艦二隻、長距離弾道ミサイル搭載爆撃機一機が既に確認されている。
ウェストコールの研究も末期に入った。時間の問題だ」
これが事実ならイーストサン没落は勿論のこと、今回の戦争の結果次第では・・。
「もはや通常兵器に価値はない。その死の大がまさえあればいつでも首を取れる。
もちろん核拡張には目を光らせているが全てを把握することは不可能、今回の結果がそれだ。本格的に恐怖の連鎖が始まった」
522 ◆/I03giEWww :05/02/23 00:17:45 ID:My1zytBK
すいません、今日はここまでにします。読んで下さったかた感謝です。
523番組の途中ですが名無しです:05/02/23 00:20:58 ID:bhE6+LXa
おつー
おやすみ
524番組の途中ですが名無しです:05/02/23 00:22:45 ID:qCZEpnVP
おつー、ていうか病院に運ばれたのは誰?あと死んだのは。
教えて詳しい人。
525番組の途中ですが名無しです:05/02/23 00:24:27 ID:qzaKc5XJ
おつ

死んだのは多分運転手だろ
で、入院してるのはキエフ
526番組の途中ですが名無しです:05/02/23 06:49:31 ID:UU2nwynx
|Д´)ノ
527番組の途中ですが名無しです:05/02/23 18:38:04 ID:VuP8CiAm
ほす
528 ◆/I03giEWww :05/02/23 19:11:47 ID:My1zytBK
もはや面倒を通り越していた。いっそ一度この世界は消えてしまったほうがいい気がする。
技術が完成されてしまった以上、いくら廃棄をしてもいずれまた核兵器は製造されてしまう。それを防ぐ方法は一つしかない。
「我々リディア政府はこの状況の打開策を考えた。それが今回のイオ計画だ」
「イオ計画?どうせろくでもない事であろう」
既に多数の犠牲者を出している時点で政策としては大きく失敗している。
これが世間に知れればリディアの根源が揺らぐだろう。しかしそれはそれで困る事態となる。
「君は一体それを聞いてどうするつもりなんだ。他国のスパイの可能性もある以上、内容は言えんな」
529番組の途中ですが名無しです:05/02/23 19:52:06 ID:ttIGB+gc
最近普通過ぎてリアクションに困る
530 ◆/I03giEWww :05/02/23 20:01:47 ID:My1zytBK
勿論オレの素性は受付での個人コードチェックで政府側には知れている。最もそんなもので正体がばれるスパイなどそうそういないが。
「ツツジがどういういきさつで私を紹介したかは知らないが、私は君を信用できない。
もうこの政府内にすら信頼できるものはいなくなってしまった。例え君がそれを知ったところで既に個人レベルの問題ではない」

----------------------------------------------------------------------------

531 ◆/I03giEWww :05/02/23 20:36:29 ID:My1zytBK
 ベネディクトとその男はいつものバーでおちあった。店内に客はいない。この店は何故かこの二人がひいきにするようになってから寂れこんだ。
マスターはそれを最初、憂いていたが今ではそんな気は微塵もなかった。
「マッドミルク」
「マルカデス」
マスターはいつもの注文を聞き手馴れた様子でカクテルをカウンターに置いた。ベネディクトはその白さが嫌いだった。
乳製品などまずくて口にできない。
「ようやくリディアは動き始めた。他国のけん制がある中戦争をおっぱじめやがった。これは面倒なことになってきたぜ」
複雑になるほど物事は思うようにいかなくなる。なぜわざわざこんなまわりくどい方法をとるのか。
ウェストコールを潰すのにどれだけ手間と時間をかけているのか。
532 ◆/I03giEWww :05/02/23 21:19:13 ID:My1zytBK
「西はこの戦争で終幕だ。同時にリディアへの反発が多方向から上がり反リディアが強まる。流れは渦を巻いて滞っている」
これで実質三強。リディアは西を吸収するがあの国には決定的になるアドバンテージは存在しない。
大国のリディア、兵器のノースアイス、堅牢のサウスメリア。皆それぞれ核という奥の手を持ち様子を伺っているがそれももうすぐ終わる。
「しかし西が既に核を開発しているとは知らなかったな。早めに攻めて正解だった、ますます面倒になるところだった」
「西にはもともと大した技術はない。核兵器ですら北の数年前の代物程度だろう。西がリディアにそれを打ち込んでも最悪の事態はない。
どうせなら一発くらい試してみて欲しいものだが」
533 ◆/I03giEWww :05/02/23 21:35:23 ID:My1zytBK
ベネディクトは飲み物に口をつけながら彼を見た。こいつのような男に核ミサイルの発射コードや軍隊の総指揮権を与えてはならない。
やはり政府の人材選びは民間の比ではないくらい慎重にならねばな。かっとしてやったでは済まない。
「東はもはや警戒には値しないだろう。スパイを送り込んでいるが目立った動きはない。それにリディアには東を攻めるメリットがない。
あそこは文学や歴史的建造物などといったものが目立つが今の情勢においてさしたる価値を持たない。
わざわざ戦力を割いて取りにいくような国ではないな」
国の価値を何に見出すというのだろうか。政治家の世界を見る目がいかに腐っているかがうかがえる。
今すぐにでも首を落としてやりたい。
「それで次はどうする。リディアの戦力は多少殺がれたとはいえまだまだ厳しいぞ。主力はまるまる残っている」
534 ◆/I03giEWww :05/02/23 21:50:15 ID:My1zytBK
特にマスターハンド以上のゴッドハンドが厄介だ。
この前の任務でその内の一人が追ってきたがあそこでクインシーに合流できなければ危なかった。
こちらが総力を挙げても勝算は未知数だ。リディアのフォース扱者は場数を踏んだ者が多い。
多少の差など経験ですぐに埋まってしまうのがフォース戦だ。
「ここでリディアと潰しあってはお互い死神を呼び寄せるだけだ。次は南を攻める」
徹底的な平和主義。それゆえの核武装だったのかもしれないが結果戦闘を招くだけのよびものとなってしまった。
「南か。今度はどんなまわりくどい方法で攻めるんだ。兵器戦はともかくフォース戦では無駄な策略はいい結果にならないぜ」
ウェストコールには大したフォース使いが存在しなかった。
西で最高の手練と言われていたミスター・STでさえ俺を目の前にびびり過ぎていた。
あの国は他の国と対等に渡り合えるものがなかった。苦肉の核開発も俺たちに目を付けられ破滅に向かう結末となった。
535 ◆/I03giEWww :05/02/23 22:04:46 ID:My1zytBK
「今度は政府内に工作員を送り込んだり他の組織を利用したりはしない。直接大統領その他政府トップを殲滅する。
お前たちなら可能だろう」
そうこなくては。南は守衛力に関してはかなりのものを持つ。それは兵器戦・フォース戦両方に及ぶ。
リディアとやる前のいい準備になるだろう。
「全員集まり次第、総攻撃をかけろ。今やリディアや北にそれを止める理由もメリットもない。
これは世界戦争へのプロローグだ」
男はそう熱く語りながら二杯目の酒を飲み干した。かなり酔いがまわっている様子だった。
政治家とは意外に飲まれやすいのだな。酒にも周りにも。
「それはいいが戦力を集中させるのに一番怖いのはやはり大量破壊兵器だ。
いくら俺らでも核ミサイルはお手上げだ」
536 ◆/I03giEWww :05/02/23 22:16:04 ID:My1zytBK
「その点は安心しろ、南に核は落ちない。それはお前でも十分わかることだろう。
我々も今君たちを失うわけにはいかない」
それが後になって後悔の念に変わるぜ。今はせいぜい思い通りに世界を動かしていると思うがいいさ。
「召集・準備には時間がかかる。南が慌しくなったらそれが開始の合図だ。
詳しくは言わないが失敗はまずない、お前たちも安心してレーダーだけ眺めているといい」
二人は席を立つとテーブルに一枚の小切手を置いた。額面に記載はなかった。
「世話になったな、マスター。これで今日限りの縁だ」
マスターはそれを手にするとポケットにしまい込んだ。これだけで一年分は稼げる。
もう彼らは来ないらしいがもう十分稼がせてもらった。余生はサウスメリアで過ごすことにしよう。
二人は店を出るとその寒さに驚いた。季節の移り変わりとは早いものだ。
537 ◆/I03giEWww :05/02/23 22:31:41 ID:My1zytBK
「交渉は済んだ。これから本格的に動き出す、全員を集める」
ベネディクトがそう言った先にはフランシーヌとムサシが闇に紛れていた。
男は初めてベネディクト以外のメンバーに会った。まさか女までいるとは。
「全員集まるとは思えないな。拙者もできる限り精を尽くすが」
フランシーヌは男には聞き取れない発音で詠唱を始めた。ベネディクトは男に別れを告げるとムサシの運転してきた車に乗り込んだ。
ムサシも乗車しエンジンを再点火させた。
「綺麗なお店なのにもったいないわね」
フランシーヌの手が弧を描くと男が今いた店がきれいに消えた。跡形一つない。
「今度は魔界で常連さんがつくといいわね」
フランシーヌが後部座席に乗り込むと車は闇へと消えた。男は味方のうちに始末したい、そう思いながら自分の車に乗り込んだ。
538 ◆/I03giEWww :05/02/23 22:33:11 ID:My1zytBK
食事のため一旦休憩します。また地震があった、怖いなあ・・・・
539番組の途中ですが名無しです:05/02/23 22:35:02 ID:AWXh8+9Y
540番組の途中ですが名無しです:05/02/23 22:45:49 ID:KXrIcU7t
フランシーヌのネーミングセンスにテラワロスwwwwwwwwwwwwww
>>1はうすた好きか?
541番組の途中ですが名無しです:05/02/23 22:48:01 ID:AWXh8+9Y
シェーラはいつになったらまた出てくるんだ?
542番組の途中ですが名無しです:05/02/23 23:00:59 ID:qVBU0Ss9
1 忘れてた
2 もうすぐ登場予定
3 登場するけどすでに死んだ設定
4 今となっては弱すぎて出す機会が無い
543番組の途中ですが名無しです:05/02/23 23:03:27 ID:qQi5eB5n
赤い月の女がシェーラじゃないかと深読みしていた時期が俺にもありました
544 ◆/I03giEWww :05/02/23 23:23:42 ID:My1zytBK
 青年は病院を出て空港に向かう途中、その街の閑散とした様子に心が揺れた。どれくらい時が経てば報われるのだろう。
どこまで世界は代価を支払い続けるのだろう。
「おい、そこの青髪。荷物を全て置いていきな」
見るとまだ中等部から高等部くらいの少年がナイフを持ち進路を塞いでいた。
青年は自分のマネーカードと財布、携帯用の食料をそばのカフェテラスのテーブルに置いた。
カフェに客はいなかった。店員でさえ外からでは目視できない。
「それもだ。さっさとしろ、命あるうちに従え」
少年は赤いバンダナを腕に巻いていた。その声や表情にはまだ幼さが残っている。青年は少年を見つめた。
「これは僕の大事なものなんだ。金品価値はない、そこの物だけで十分だと思うよ」
「いいから置いていけ。必要かどうかは俺が決めることだ」

>>540
ノグチ・ゴー・ヒデキ
545 ◆/I03giEWww :05/02/23 23:32:16 ID:My1zytBK
「いいから置いていけ。必要かどうかは俺が決めることだ」
少年はナイフで切りつけてきた。青年はそれを素早く身かわし少年の手からナイフを奪った。
少年はテーブルのものを手にすると彼から離れ口笛を鳴らした。さらに三人の子供が出てきた。中には少女も混じっていた。
金髪の少年はピストルを手にしており青年に銃口を向けた。これが法治国家の姿なのか。
「てめー調子に乗るんじゃねーぞ。さっさとそのバッグを置いて失せな。その頭ぶち抜くぞ」
青年は構わず空港への道を進み始めた。金髪の少年はトリガーを引いた。少女がそれを止めようとしたが二発目が発砲された。
「君たちの国をこんな風にしてしまって済まない」
546 ◆/I03giEWww :05/02/23 23:41:24 ID:My1zytBK
金髪の少年は表情を驚きに変えながらもさらに発砲をしたが先の二発と同じく見えざる壁に阻まれ、彼には届かなかった。
後から出てきた帽子を被った少年は詠唱を始めた。青年の意識が一瞬そちらに逸れた隙を突いて最初の少年がバッグを奪った。
青年はバッグから少し出ていた剣の柄を握り奪われ際にそれを引き抜いた。
「おい、これってリディアの護衛官の制服じゃないか!まずいぞ、ゴッドハンドだ」
少年はバッグの中身を見て早々、声を震わせながら皆に聞こえるように言った。
金髪の少年はピストルの銃口を地面に向けた。その表情は恐怖におののいていた。
547 ◆/I03giEWww :05/02/23 23:53:23 ID:My1zytBK
「大炎」
帽子の少年が術を放った。青年はそれを剣でなぎ払うが手に少し火傷を負った。帽子の少年はにやっと笑いながら印を結び始めた。
青年は手の火傷を見ながら表情を変えずに剣を構えた。
「その制服に星がついているだろう。いくつだ」
帽子の少年が印結を継続しながらそう言った。確かに制服にはいい素材で造られた星が胸の部分に輝いていた。
「三つだ」
帽子の少年は印を完成させ術を解き放った。印結時間はまだそれほど早くはない。
「極炎」
凄まじい業火が青年を包み込んだ。彼は剣に水をまとわせ迫り来る炎を一散させた。少年とはいえかなり強力な術を使うな。
青年を守るフォースの壁も既に消えていた。
548 ◆/I03giEWww :05/02/24 00:09:08 ID:dgnjgbBG
「なるほど、上級護衛官か。これはまた大物がかかったぞ。奴は今殆どフォースが残っていない。
二度とない機会だぞ、これで俺たちの名もリディアまで轟く。ローラ、次で仕留めるぞ」
帽子の少年は両手で印を結び始めた。少女は戸惑いながらもその両手で同じく複雑な印結を始めた。
まずい、今の状態でこれは防げない。逃げるか?
しかし術の射程範囲内から離脱できる可能性は限りなくゼロに近い、一か八か飛び込むか。
いかに強力な術とはいえ彼らでは発動まで時間を要する。
この間合いなら発動前に手を刎ねとばせる。命を奪うわけにはいかないが手の一つはしょうがない、でなければ自分が命を落とす。
「動くな」
金髪の少年が放った弾丸が青年の太ももを貫いた。激痛が走りその場に膝をついた。
傷口から出る血がきれいに舗装された功利石の道に落ちる。
もうフォースが底をついたことに感づいたか。二人はその強力な術を完成させた。
「国の仇とらせてもらう。大極雷!」
549番組の途中ですが名無しです:05/02/24 00:11:49 ID:jE9Rnfk4
あーキエフ死亡
550 ◆/I03giEWww :05/02/24 00:20:53 ID:dgnjgbBG
自然系の術でも最高峰の威力を持つ雷類の最上級術・大極雷。帽子の少年と少女が連係で放ったその高い威力を帯びた稲妻が青年を直撃した。
もうその命も風前の灯となっていた。まさか異国の地で果てることになろうとは入政当時は思いもしなかったな。
「しぶとい奴だ、まだ息がありやがる。弱っているとはいえさすがはゴッドハンドだ、まともにやりあえば勝負にならないだろうぜ」
帽子の少年は地に伏した青年を見下ろしながら呟いた。そこに集まった四人の腕には赤いバンダナが巻かれていた。
そこには“西国義団”と黒い文字で書かれていた。金髪の少年はピストルを青年の頭に狙いをつけた。
「あばよ、リディアの英雄さん」
551 ◆/I03giEWww :05/02/24 00:24:40 ID:dgnjgbBG
今日はここまでにします。読んでくれたかたいつもながら感謝です。
飽きずに最後まで読んで下さるとありがたいです。後悔はさせないと思います。
シャーマンキングの終わらせ方みたいにはならないと思うので・・
552番組の途中ですが名無しです:05/02/24 00:27:30 ID:aw3xRWS8
>>551
乙であります。
しかし今回いいとこで終わりすぎです!
続きが気になるじゃないか(*´Д`)
553番組の途中ですが名無しです:05/02/24 00:27:39 ID:2oWF+76g
おつー
たのしみにしてるw
554番組の途中ですが名無しです:05/02/24 00:38:29 ID:uoYAume3
入院してたのキエフだったのか
555番組の途中ですが名無しです:05/02/24 02:34:14 ID:FZWXa8Ng
あげ
556番組の途中ですが名無しです:05/02/24 17:05:42 ID:mRLkYRLb
ヽ(`Д´)ノボッキアゲない
557 ◆/I03giEWww :05/02/24 19:40:07 ID:dgnjgbBG
その手を少女が止めた。金髪の少年は彼女を睨みつけピストルを再び青年の頭部に狙いをつけた。
青年は薄れゆく意識の中で思い出した、この少女には会ったことがある。
それは遠い昔でもなくつい最近のような気がした。
「どうした、ローラ。この青髪は俺たちの国をめちゃくちゃにしたリディア帝国の政府の人間だぞ。
こんな奴の命など何の価値もない」
他国の人間はそのやり口や国政の思想からリディアを帝国と皮肉を込めて表現する場合がある。
この四人の人間にとっては帝国そのものだった。
少女はそのピストルを少年の手から取り上げた。
「なら私がやる。政府の者、悪く思うな」
やけに大人びた口調だな。それにこの声、聞き覚えがある。しかしもうどうでもいい事だった。
558 ◆/I03giEWww :05/02/24 19:51:50 ID:dgnjgbBG
「珍しいな、お前から殺すなんて。やっとこの西国義団に馴染んできたな。やらなければこっちがやられる。それがこの世界の掟ってことだ」
少女は先の少年と同じようにピストルの狙いをつけた。一発背中に、さらに一発撃ち込んだ。青年はもう動く気配はない。
少女は金髪の少年にピストルを返した。
それを受け取った右手が一瞬に地面に落ちた。彼は悲鳴と共に膝を落とした。帽子の少年は詠唱と共に印結を始めた。
少女は手と共に転がったピストルを遠くに蹴り飛ばした。その先には一台の車が止まっていた。
「やらなければやられる。よくわかっているじゃないか、この国の子供はたいそうなリアリストだな」
559 ◆/I03giEWww :05/02/24 20:02:17 ID:dgnjgbBG
帽子の少年はその光景に腰を抜かしている少年を尻目に、冷静に状況を分析した。もうこの青髪は死んだ。
となればこれをやったのは今目の前にいる銀髪の男しかいない。
しかし彼が手にしているのは刃渡りせいぜい二十センチのナイフ、この距離では到底モレルの手には届かない。
どんな能力だ、こいつが使ったフォースは。真空刃か?
それにしては手意外にはモレルに傷はない。切り口は実際の刃物でやられた風だった。これはうかうかしていられない。
「大炎」
少年はそう考えを巡らせながら詠唱していた術を放った。続けざまに終結した術を連撃した。
「極炎」
560 ◆/I03giEWww :05/02/24 20:05:04 ID:dgnjgbBG
うたばんのため休憩します。
561番組の途中ですが名無しです:05/02/24 20:13:46 ID:vmQo5xWL
うたばん〜
562番組の途中ですが名無しです:05/02/24 20:36:48 ID:A+AI7V1q
序盤のことを考えると、極炎はギガディン並の扱いだったのにいつの間にかメラ並に…
563 ◆/I03giEWww :05/02/24 21:06:53 ID:dgnjgbBG
ウェストは予想だにしなかった強力な術に少し驚いた。第一撃は特にダメージはなかったが次の炎は防ぎきれずに服を少し焦がした。
これはフェンローランの特注シャツなんだがな。帽子の少年はいける、そう確信した。彼が何者かわからないがそう危険視すべきフォース扱者ではない。
確かに能力は不明だがそこまで破壊力のあるものではない、おそらくはスパイや密偵用の暗殺術だろう。防御力は大したことはない、次で確実にやれる。
「ローラ、今度はあの銀髪だ。印を結べ」
帽子の少年は印結を開始した。ウェストはその結びにこれまた驚かせた。連係とはいえ中々のものだ。これはタバコを吸う間もないな。
少女はその服の下からピストルを取り出した。それは今や敵ではなく西国義団を狙っていた。少年たちは戸惑いの表情を見せた。
それは予想もしなかった裏切りへの不安感を表していた。
564 ◆/I03giEWww :05/02/24 21:28:19 ID:dgnjgbBG
「あるいは連係ではなく単独でそれを扱えたならいい線いっただろう。ご苦労だった、レスティ」
治安省内偵室情報担当事務官レスティ=フェレル。今年度事務官として治安省に入省、その外見と女性らしからぬ冷静な判断力を買われ内偵室事務官に昇格。
彼女は大学を出ていない為、政府内最年少の十七歳での事務官となった。彼女の父親は経済省の事務総長である、コネ採用は今も変わらずだ。
ウェストは地に伏した青年に目を向けた。もうフォースは感じない。
「やったのか」
「急所は外した。まだ死んではいないだろうけど時間の問題ね。どうして彼がこんなところをふらついていたの」
あの時は殺すつもりでやったんだがな。俺としたことが、相手の生死を確認せずに去ったことがこういう形で影響しようとは。
レスティは深く探っても仕方ないと判断し彼から視線を外した。帽子の少年が印を途中から変え単独で完成させた。しまった、今車には。
565 ◆/I03giEWww :05/02/24 21:36:18 ID:dgnjgbBG
食事アンドDTDXのため少々中断します。23:00位に再開します。
うたばんはいつからお笑い番組になったんだろう。
566番組の途中ですが名無しです:05/02/24 22:35:08 ID:uaN+ceUZ
>>565

うたばんで曲が殆ど流れないってもうあほかt
567 ◆/I03giEWww :05/02/24 22:59:10 ID:dgnjgbBG
「極雷」
青年を襲った電撃ほどではないにしろそれを受ければフォースのない人間など即死してしまう。ウェストは本来の任務、大使の護衛をその油断から一瞬頭から消去していた。
車は強力な電撃に襲われガラスやテールランプが飛び散った。
「お前たちリディア政府の人間だな?ばかめ、そこの車に乗っていたお偉いさんはあの通り・・」
「あの通り何だって?」
アラン大使は少年相手に勝ち誇ったような口調で囁いた。車はもう走れそうにないが彼と運転手は無傷だった。両人ともフォースはない、勿論レスティにも。
「このキザ野郎、お前は本当に頭悪いな。お前の仕事はこの貧弱大使のお守りであって治安省の手伝いじゃねえんだよ。そこの女も味方撃ってんじゃねえよ。
大使も自分の身も守れねえならこんなところに来るんじゃねえよ。
そこのがきも相手の力量も悟れず調子に乗ってんじゃねえよ。そこの青髪も、ってそいつは既にくたばってるか。とにかくここにいる奴は揃いも揃って頭が悪いな」
そこには政府の制服を着用した坊主に近い短髪をした長身の男がいた。その胸には星が四つ輝いている。帽子の少年はもう駄目だ、そう悟った。
568 ◆/I03giEWww :05/02/24 23:17:14 ID:dgnjgbBG
「その筆頭が貴様だろう。言葉に教養を微塵も感じんな、もう一度大学に通ったらどうだ」
ウェストはタバコに火をつける余裕ができるやいなや真空ライターでその先に着火した。レスティは彼が護衛官ということは一目でわかったが会うのは初めてだった。
彼女はウェストの事が好きではなかったがこの男にはそれ以上の嫌悪感を覚えた。ゴッドハンドにはまともな人間はいないのか、
前会った護衛官ももうろく寸前のじじいでもう定年退職近い骨と皮だった。それでも一度みた彼の戦いぶりはさすがという他なかった。
生み出される炎の鳥は今でも印象に残っている。
569 ◆/I03giEWww :05/02/24 23:32:59 ID:dgnjgbBG
「何だ、こいつら西国義団か。こんながきを使うとはよっぽど人手が足りないんだな。
しかしちょうどよかった、おいそこの金髪。レンチ=ガボールはどこにいる。」
レンチ=ガボール。ハンターナインの一人でその賞金額二千億G。既に何人もの政治家、ゴッドハンド、他国の要人などを殺害している。
そんな大物がこの子供たちとどういう関係あるのか。
「興味深いな。レスティ、詳しく教えろ。安心しろ、上には言わんさ。うちとお前たちの省は犬猿の中だからな」
レスティはピストルを構えたままだった。少年とはいえ何をするかわからない。護衛官は基本的に、任務中はその役目に徹する。
ウェストはアラン大使の護衛中だし、あの坊主も助けに来た様子には見えない。自分の身は自分で守るとこの一年で叩き込まれた。
570 ◆/I03giEWww :05/02/24 23:50:36 ID:dgnjgbBG
「私の任務はリディアに宣戦布告直後、突如勢力を拡大した西国義団の内部調査。
それは司法省にも通達済みだろうが。そしてその西国義団のトップ、義団頭取が」
「ハンターナインの一角だったってことだ。お前のその小さな脳でも理解できただろう」
坊主の男は腰に三本さした得物を揺らしながらこちらに寄ってきた。ウェストはできれば彼に、半径五メートル以内に入って欲しくなかった。
「貴様の少ない言葉のボキャブラリーにしては上出来だ」
西国義団。赤い月と同じくその思想をバックボーンに活動する非公団体で、義団頭取を筆頭にフォース扱者、軍隊経験者、
そしてリディアに恨みを持つ純西国思想者が集う半テロリスト集団である。
その勢力は戦線においてリディアを脅かすに十分な存在となっていた。治安省は事態を深刻視しスパイとして彼女を送り込んだ。
そしてその黒幕がガボールと判明し彼を派遣してきた。
571 ◆/I03giEWww :05/02/25 00:06:58 ID:lF+sr3Vu
「既にリディア政府はウェストコール政府を危険視するに値しないと判断した。あとは軍隊を送り込めばこの国はそれで終わりだろう。
しかし上が今恐れているのはどこから集めたのかわからない程強力なフォース扱者が集う西国義団。治安省はそれの駆除を宣戦前から計画していた」
「その駆除計画の答えがこのテムジン様の派遣ってことだ。だからお前はさっさと大使を連れて帰りな。ついでにそこのスパイ女と青髪もな」
カシワギ=テムジン。作戦名《スペリオル》。五人のマスターハンドの中でも最強と呼ばれ、
その性格の問題点は指摘されているが動ける護衛官では最高位の実力を兼ね備える政府の切り札である。
攻撃の面なら上の四人にも引けをとらない。それが故の暴言や横行な態度に対する政府の酌量措置だった。
572 ◆/I03giEWww :05/02/25 00:23:42 ID:lF+sr3Vu
「政府もついに頭に焼きが回ったか。いくら貴様が無敵に近いとはいえハンターナイン相手にたった一人での登場とは。
まあ貴様に対する上の過大評価はいつものことだがな」
レスティはウェストやテムジンがどれ位の実力なのかは知らないが、
確かにハンターナインの始末にゴッドハンド一人とはいくら何でもなめきっているようにしか思えない。
「誰が一人といった?さすが頭悪すぎなだけあるな。政府はもう一人ゴッドハンドをよこした。そこの青髪と同じ位の奴をな。
俺はそんな足手まといなどいらんと言ったんだがな」
「ならそいつに大使を本国まで送らせろ。俺が行く」
テムジンは青髪の体を起こすとウェストに引き渡した。ウェストはタバコを投げ捨て両手で青年の体を持った。
レスティはタバコの吸殻に発砲し火を完全に消した。
「今のお前に来られてもそいつ以上に足手まといになるだけだ。ぐだぐだ言わずにさっさと消えな」
573番組の途中ですが名無しです:05/02/25 00:39:24 ID:usLtpCo0
キエフが治療を受けて、最強に強まって帰ってきそうな悪寒
574 ◆/I03giEWww :05/02/25 00:39:52 ID:lF+sr3Vu
既にウェストのフォースはだいぶ浪費されていた。それの原因は外套双館での戦いではない事は自身が一番わかっていた。
手にしたその青年には生気はなく体は重たかった。
「それにレンチは既に他のメンバーと縁を切っている。治安大臣もそれを論拠ある信憑性のある情報として捉え俺を派遣した。
一対一なら勝負にすらならねえよ。さてそこのがきども、話が逸れたがてめえらのボスはどこにいる。死にたくなかったらとっとと吐いちまいな。
そうすりゃそこのキザ男のように手を落としたりはしねえよ」
テムジンは脅しとも取れる言葉を吐き捨てるように言った。ウェストはレスティに車に乗るように指示し自分も車に向かい歩き始めた。
「遺体で帰国するような恥はさらすなよ。今の政府は貴様のような口足らずでも失うわけにはいかない」
運転手が代わりに呼んだハイヤーは五人の客を乗せると空港への路についた。少年たちはもはや戦意を失っていた。
フォースを持つ帽子の少年には彼の威嚇するフォースをその身で感じていた。
575 ◆/I03giEWww :05/02/25 00:54:35 ID:lF+sr3Vu
「そんな、レンチさんがハンターナインだなんて・・」
少年たちはあまりの状況の展開に心が乱れていた。ハンターナインという言葉がこの男からも出てきたがここウェストコールにもその名前くらいは届いている。
彼らは世界中で猛威を振るう国際的犯罪集団だ。確かに義団頭取は相当のフォース扱者だ、俺の術も彼から教わった。彼は家族を強盗に奪われた自分たちにとても優しくしてくれた。
必ずリディアを滅ぼし西国を復活させると言っていた。
「ふん、お前なんかに言うものか。例えお前がレンチさんと戦っても勝てやしない。レンチさんはこの国で最強のフォースの使い手なんだ」
それは合っている。レンチ=ガボールは今ここ西では一番強いだろう。おっと今は違ったな。テムジンは三本の鞘とは別に差していたクリスタルソードを抜いた。
いつもは邪魔だと思っていたがこんなところで役に立つとは。
いくら手加減してもこの三本を使ったら殺してしまう。情報を得るまではそれはできない。まったく面倒な任務だ、居場所くらい突きとめておいて欲しいものだ。
576 ◆/I03giEWww :05/02/25 01:07:58 ID:lF+sr3Vu
「ならここで全員くたばっておくか。お前たちは西国義団でも最下層の赤組だろ?お前が例えさっきの術を百発撃とうが俺様には勝てんなあ、
なにせ数合わせだからな。でもそれもお前たちの頭の悪さでは理解できないか。よし、俺の強さをほんの少しだけ見せてやろう」
テムジンはその剣をひゅっと一閃させた。金髪の少年の失った右手からさらに上が吹っ飛んだ。その少年と腰を抜かしていた少年の悲鳴が閑散とした町通りにこだました。
帽子の少年がそちらに目をやるとさらに金髪の少年の体が真っ二つになり大量の血液が臓物と共に地面に這うように落ちた。それをみて一人の少年は気を失った。
帽子の少年もその光景には吐き気を覚えた。化け物だ・・。
「あれ、間違って殺しちまった。ここ二、三ヶ月戦闘任務から離れてたからなあ。フォースの二ヶ月繰越ってやつだな」
577 ◆/I03giEWww :05/02/25 01:24:42 ID:lF+sr3Vu
駄目だ、こいつにはレンチさんでも勝てない。間違いなくその力は常識外のものだ。
フォースに無駄を感じない、そしてその心にはあの青髪のような酌量的なものがない。くそ、帝国奴め。
「次はお前だぞ。なあ頼むから教えてくれよ。もうこんなつまらねえ国にいたくないんだよ。
お前も死にたくないだろう、さっさと吐いちまえよ」
いや、レンチさんが負けるわけない。なにせあのハンターナインだぞ、今に彼がリディアの護衛官を全員殺して西国を復興させてくれる。
俺はそのために西国義団に入ったんだ。それを見届けるまでは死ねない。
「本拠地が西国最北端の町スキジックにある。そこにいると思うよ。さっさと言って殺されてくるがいいさ」
578 ◆/I03giEWww :05/02/25 01:26:25 ID:lF+sr3Vu
最北端か、これまた面倒だなあ。どうせなら首都の魏殷とかにしろよな。
相方ともはぐれて随分経つしな、ああ困った困った。
「そうか、助かったぜ。お前は利口だな」
テムジンはクリスタルソードを一閃させた。その無機質な地面に二つの首が転がった。
彼は剣を鞘に納めるとその帽子をかぶった頭を蹴り飛ばした。見事に店のドアを破り中の虫網に入った。
テムジンは心の中でジダーンと叫んだ。
「戦場ではガキだろうが女だろうが敵だ。生かす理由なんざこれっぽっちもない。
まあ頭の悪い奴らには理解できないか」
579 ◆/I03giEWww :05/02/25 01:28:21 ID:lF+sr3Vu
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今日はここまでにします。夜遅くまでお付き合い頂き感謝です。
ジパングみて寝るかな。
580番組の途中ですが名無しです:05/02/25 01:29:25 ID:DzuRTv0W

なんか今日はグロかった
581番組の途中ですが名無しです:05/02/25 01:38:01 ID:28LKqTcZ
乙。
582番組の途中ですが名無しです:05/02/25 06:08:03 ID:wFp6xxIV
ohayo
583番組の途中ですが名無しです:05/02/25 10:14:39 ID:l5QpfsZU
あたりまえだけど後へいくほど力のインフレですねローレンスが懐かしい・・・
ウェストって星いくつでしたっけ?
ついでにキエフ死んでほしくない。
584番組の途中ですが名無しです:05/02/25 10:41:42 ID:0+QOF0ED
>>583
インフレは最強マスターハンド出てきたからそろそろストップか?
キエフはそうだなぁ。俺も結構好きだし。
信之助の次・・・の将軍の次の死神リューク様の次くらいに
585番組の途中ですが名無しです:05/02/25 13:17:42 ID:eWqZYv2Y
ローレンスは復活するだろ
なんか前ふりあったような(昔は〜
586番組の途中ですが名無しです:05/02/25 20:29:43 ID:Zt8FjgQa
ほしゅっと
587番組の途中ですが名無しです:05/02/25 20:47:56 ID:euiejIkZ
快刀乱麻はかなり大きなパーティを組んで2年くらい着てました
vvv紗奈は薙刀持ちなので薙刀作ったり、それぞれの家紋が入った旗作ったり楽しかったなぁ。
588番組の途中ですが名無しです:05/02/25 22:35:07 ID:QaQJfB+m
まだかなまだかなー
589番組の途中ですが名無しです:05/02/25 22:38:39 ID:mQWQDSbq
今日は来ないのか?
590 ◆/I03giEWww :05/02/25 23:16:30 ID:lF+sr3Vu
 その部屋は非常に広くそれを象徴するように、八十インチスクリーンの有機液晶TVが設置されていた。
老人は通信販売で買ったもこもこソファーに身を委ねながら《ベーン・スプレ魔士》を鑑賞していた。
これは魔士という不思議な力を持った男の孤独な戦いを描いた大ヒット作である。魔士という称号はここから取ったものだった。老人はこの映画がたいそう気に入っていた。
特にエンディングの名台詞“悪の組織はいつか死ぬ”は彼の人生感銘集ベストIに入っていた。
「失礼します。重要報告のためご休暇中のところ申し訳ありません」
老人は始まったばかりの映画を止め、もこもこソファーに掛けたまま入室してきた坊主の男のほうを向いた。休暇ぐらいゆっくりしたいもんじゃが。
591番組の途中ですが名無しです:05/02/25 23:16:45 ID:QaQJfB+m
キター
592 ◆/I03giEWww :05/02/25 23:39:20 ID:lF+sr3Vu
「ゲンドウ魔士の死亡が検分役のジュドによって確認されました。暗殺はまたもや失敗です」
我が神真道最強の“魔士”の称号をもってしても不可能だというのか。一条信之助にはフォースはない。
やはり今回もその護衛の仕業というわけか。前回といい今回の暗殺失敗はなるべくしてなったと、ふむ。
「いかがなされますか。残る二人の魔士を差し向けるのが最良の手段かと思いますが」
593 ◆/I03giEWww :05/02/25 23:41:54 ID:lF+sr3Vu
ゲンドウができないことを幻士や妖士に任せるわけにはいかんのう。かといってその二人を送り込んでも確実に暗殺できる可能性は五分というところだろうか。
依頼人が一般の始末屋ではなく裏稼業のプロであるここに来た理由をようやく感じ始めた。これは神真道の威信にかけて今度こそ成功させねば。
この業界は仕事の完任率がものをいうところである。中でも暗殺成功率百%を誇る暗殺専門集団《黒瘴》の暗殺者は次元が違う。
一度共同で仕事をしたことがあるが我々の出る幕はなかった。数々のフォース扱者を次々と消していく様は魔界の鬼のごとくであった。
当時はまだ妖士だったムドウはその彼らの力に圧倒された感であった。この世界は金より強さがものをいう、依頼が無くなればおしまいである。
594 ◆/I03giEWww :05/02/25 23:44:44 ID:lF+sr3Vu
「この神真道の最高戦力を持ってして一条信之助の暗殺を必ず成功させる。
残る二人の魔士“レンドウ”と“コドウ”を召集しろ。もう失敗はできん」

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595 ◆/I03giEWww :05/02/25 23:59:43 ID:lF+sr3Vu
 「退院おめでとうございます。でもまだ無理はいけませんよ、あなたの負った傷はまだ完治には至っていません。
当分はなるべくフォースの使用は避けてください」
担当医が外来一般受付の前でにこやかにそう告げた。受付には次々と名前を呼ばれた人々が集まっていく。今の動乱の時代、けが人やトラブルが絶えない。
昔より医療従事者や法曹の社会的地位はより高くなった。この二者の違いは彼らの現状に対する倫理観である。
“早く平和がこの世界に訪れ戦争などで傷つく人がいなくなるといいですね”という医者に対し、“争いあるところに法律家あり。今はいい時代ですよ”という弁護士もいる。
あくまで個人それぞれだが何となくこういう傾向が見られる気がする。それはオレの偏見かも知れないが。
596 ◆/I03giEWww :05/02/26 00:09:05 ID:1pWw8ZHB
「わかりました。なるべくフォースを使わず、ですね」
担当医はわかっていないな、そんな表情をしながらオレたちを見送った。倭神沌病院を出ると外は快晴だった。
放射冷却現象なるもので非常に冷え込みが厳しかった。ちなみに今リディアは真冬である。低気圧が差し掛かれば雪もちらつくだろう。
オレとローレンスは倭神沌大学の学生が目立つキャンバス通りを散歩がてら歩んでいた。
学生たちは今日から冬の長期休暇に入ったようで皆その表情はるんるんだった。オレは大学生活なるものを体験したことはない。
この学生たちがどきどきの大学生活一年目を送っているとき、オレはどきどきの株式総会を行っていた。
597310:05/02/26 00:12:32 ID:EOkw0hxG
お久しぶりです。まとめサイトを一応作ってみました。
ビルダーのためお粗末なつくりですが・・・。

http://www.geocities.jp/hey2chsyo/index.html

という感じなのですがいかがなものでしょうか?
598 ◆/I03giEWww :05/02/26 00:27:25 ID:1pWw8ZHB
「彼らがこの世界の未来を背負っていくのですね。今はまだ明確な目標を持たない方が大半でしょうがその先を見るビジョンは薄らかに浮かんでいるはずです」
中には入学当初から世界政府への入政を目指して勉学に打ち込むもの、財界を希望しコネクション作りに奔走するもの、大好きな文学を学び学者を目指すもの、
科学者になり偉大な人物として歴史に名を残そうとするもの、それぞれの志はそれぞれの胸に宿りこの広大なキャンパスから広大な世界中へと散っていく。
ここ倭真沌大学の門をくぐったものは他の学生に比べ理想を実現できる者がほんの少しだけ多いかもしれない。
「そうだな。そんな志高き若者のためにも道をあけておいてやりたいな」
「信之助様もまだまだお若いですよ。貴方もまた、そんな若者の一人です」
そうかな、個人的には体はまだそうでも心が老いてしまった気が。長い経済活動で学生たちが持つ純粋さというものと疎遠になってしまったしな。
最もそれは後悔していない、この世界で早くにそんな甘いものを捨ててしまえたことは感謝している。

599 ◆/I03giEWww :05/02/26 00:28:51 ID:1pWw8ZHB
>>597
それぞれに題がついていってカッコいいです。非常に感謝です。
神、いわゆるゴッドですね。
600310:05/02/26 00:35:36 ID:EOkw0hxG
>>599
お褒めの言葉ありがとうございます。
題といってもまぁどこら辺か大まかに分けただけで。
とりあえず頑張ってわかりやすくするつもりです。
自分はまとめるだけなのでどうぞ頑張ってください。
601 ◆/I03giEWww :05/02/26 00:43:21 ID:1pWw8ZHB
「元気そうで何よりだ。まあ先の医者も言っていたがあまり無理は禁物だぞ、オレの命は勿論大事だがお前に死なれても困るからな」
「そのお気持ちはありがたいです。ですが私は信之助様の護衛の役です、自分の命より貴方の命を優先します。
私も元聖職者ですが今はそうではありません。命とは平等ではないのです」
論理的にはそうだがオレは一国の大統領でもなければ何人もの命を救える医者やゴッドハンドではない。
利潤のためにひたすらに金を動かす営利企業の人間である。ローレンスもただオレに雇われているだけに過ぎない。オレとローレンスのつながりはそう深いものではなかった。
一番身近な彼でさえだ。笑い声を上げながら道を左右に走り回る学生たちにありオレにはないもの、それは金では決して買うことはできないものだと世間は言う。
602 ◆/I03giEWww :05/02/26 00:58:28 ID:1pWw8ZHB
「お前がどう考えようがオレは気にしない。好きにするがいい」
他人の思想は個人の自由。干渉はご法度である。天才とは常に理解されず世から浮きだった存在になるものだ。
オレは少なくとも経営に関してはそこらの人間とは一線を画す。しかし自身でそう思うことが身近な人たちとの間に壁を作ってしまうのかもしれない。
もう少し角が取れるといいんだが。
「そうさせてもらいますよ」
ローレンスが横にいるのが少し懐かしく感じた。それはどこか遠い昔、兄がそばにいた時を思い出させた。
これからリディアは長い冬を向かえる。

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603 ◆/I03giEWww :05/02/26 01:00:19 ID:1pWw8ZHB
今日はここまでにします。気長に待っていただいた方、読んでいただいた方
どうもです。310氏にも感謝します、これからもお願いします。
604番組の途中ですが名無しです:05/02/26 01:01:24 ID:bWVlzbPE
605番組の途中ですが名無しです:05/02/26 01:06:21 ID:vfjOkao6
おーいす。おつ
606番組の途中ですが名無しです:05/02/26 01:13:12 ID:yaO78ok2
モツカレー
607番組の途中ですが名無しです:05/02/26 01:33:23 ID:AVZQZ5YK
シリアスな局面になってきたから無理そうだけど、
だからこそあえて周りの空気を一切無視する信之助のボケが見たいと言ってみる
608番組の途中ですが名無しです
あげ