阿部「三橋!俺はおめぇの兄貴だーーーー!!!」

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817抜いたら負けかなと思っている
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非童貞な三橋はどーよ?の続き

「あ、阿部くん……?」
眉間に皺を寄せて、多分オレは不機嫌な顔をしていたんだろう。
はっきりとそれが自覚できるくらいの苛立ちが立ち昇る。
なんというか改めて見せ付けられたというか、……あてつけか?
もちろん三橋にはそんなつもりねえだろうなって思うけど、女の方はどうだかわかんねえ。
今のところは野球と両立みたいだけどな。
そのうち『私と野球どっちが大切なの?』なんて言われたらこいつはどうするんだろう。
仮にもセックスまで致した相手とそう簡単に別れるか? って気もするけど、でも相手は三橋だ。
投球中毒のこいつにかかったらあっさりと女は振られて野球一直線、なんて展開が頭に浮かんできてなんだかおかしくなった。
「あ、あの、ごめんね、オレ着替え遅くて」
オレの表情の変化をどう受け取ったのか、三橋はとんちんかんな謝罪のあとまた着替えを再開した。
くるりと反転して、またあのキスマークがオレの視界に入る。
「なあ、三橋……」
「う、うん」
もそもそとシャツのボタンを止めながら三橋が返事を寄越す。
呼んでみたはいいものの、なにを話そうとしてたんだっけ。
頭が上手く回らなくて、どこかぼんやりとしながら三橋を眺めた。
改めてこう見ると、三橋は確かに女っぽい。
柔軟の時だってすげぇぐんにゃり体を曲げて見せるし、投手だから尻も平らというより少し丸い感じだ。
まあまだ一年だから下半身はそんなに育ってないけど。
春、入学したばかりの頃に比べたらどんくらい筋肉ついたんだろうな、と思って。
別に不審な目で見ていたつもりはなかった。
けど三橋はどうにもそれが気になったらしい。
着替えの手を止めて振り向いてきた三橋とばっちり視線があった。
オレと三橋がこうやって真正面から視線のやり取りをするのは、マウンドとホームにそれぞれ立った時なら頻繁にあることだけど、日常ではそうそうありえない。
大抵先に三橋の方が怯えるようにして視線を反らしてしまう。
なのに今日はなぜか反らしてこない。
その原因が、最近できた彼女にあるような気がして、オレはゆっくりと口を開いた。
「あのさ……ちょっと聞きたいことあんだけど」