ｖ　ｉ　ｐ　可　愛　い　な　5

2ちゃんの板を擬人化して話や画をかけばよかろうなのだ

【まとめサイト】
ttp://www.geocities.jp/story_vip/index.html
ttp://www.geocities.jp/risarisa1218/
http://briefcase.yahoo.co.jp/risarisa1218　（画像のみ）

【過去スレ】
ｖ　ｉ　ｐ　可　愛　い　な　4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/neet4pink/1126628858/　（※まだ機能中）
V I P 可 愛 い な 3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/neet4pink/1122646095/　（3スレ目）
ＶＩＰかわいいよＶＩＰ
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1122362239/　（2スレ目）
ｖｉｐ 可 愛 い な
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1122269304/　（1スレ目）

2

>>1
乙

>>1乙
このシリーズが始まって四ヵ月ちょっと
早いなぁ…

http://urlcutter.com/novels

*理系クラス



ｶﾁｬ…

ロボット「これならどうだ…？」

ｷｭｲｰﾝ…ｷｭﾙｷｭﾙ…

「…ﾅﾃﾞﾅﾃﾞｼﾃｰ」

ロボット「お、少しかわいいかも」

ｷｭﾙｷｭﾙ…ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

「ﾌｧｰ…ﾌﾞﾙｽｺ…ﾌｧｰ…ﾌﾞﾙｽｺ…」

ロボット「…………」

「ﾌｧｰ…ﾌﾞﾙs（ry」

ドコッ！

「ﾓﾙｽｧ」

ｶﾞｯﾁｬｰﾝ！

ロボット「いかん、あまりのキモさについベンチテスト機を叩いてしまった」

ｶﾁｬﾝ

ロボット「基本的な制御はシミュレートが組んでくれたが…」

ｷﾞｨｯ…

ロボット（何度やっても駄目だ。　何故だか本体と性格を司る部分がうまくいかない）

ロボット（これは単純な部品の相性の問題なんだろうか？　完成は間近なのに…）

ｷﾞｯ…

ロボット（眠い…そういえばここ二日寝てない………ZZZ…）



「…ロボットさん」

ロボット（ん、誰？　ここは…屋上…？）

「良い天気ですね」

ロボット（この娘…どこのクラスの…？　それにさっきまで夕方だったのに）

「こうやってお話するのははじめて…」

ロボット（そうだ、これは夢なんだ。　でも…体温を感じる…匂いも…本当に夢なのか？）

「不思議ですか？　なぜ見た事の無い女の子が自分の名前を知っているか」

ロボット（確かに。　こっちはこの娘を知らない…でも僕の名前は知られてる）

サァァァ……

「なぜなら、私いつもはあなたの側に居るから…」

ロボット「君の名前を教えてくれないか？」

「いつか本当にこうなる日が来ると…良いですね…」



ロボット「………」

ｷﾞｨｯ

ロボット（やっぱり夢か。　一時間近く寝てた）

ｶﾞﾀﾝ

ロボット「こんな硬い机で寝たら駄目だな、体が痛い…コーヒーでも入れるか」

ｺﾎﾟｺﾎﾟ…

ロボット（知らない娘だった…）

ｽﾞｽﾞｯ

ロボット（でもあの声は何度か聞いた事がある…）

ｶﾞﾁｬﾝ

物理「まだ居たか。　昨日も姿を見なかったからみんな心配してたぞ」

ロボット「すまない、今日はちゃんと帰るよ」

物理「ならいいんだが。　あと一時間くらいで校舎が施錠される、気をつけてな」

ロボット「ありがとう」

ｶﾞﾁｬﾝ

ロボット「帰ろう」

ｶﾁｯ

ロボット「ん？　ポケットに…これは…」



電気・電子「あ〜…試作の制御チップ」

電気・電子「そう、やたら不安定で使い物にならなくて…結局自動車のCPUにしたんだ。　でも声って…？」



ロボット「あの時の…」

ロボット「コネクターは一緒だな、試しに組んでみるか」

ｶﾁｬ…

ロボット「よし、起動…」

*翌日

ロボット「お人形さん」

お人形「あ、ロボット君」

ロボット「放課後空いてるかな？　例の物、メドが立ったから…」

お人形「うんわかったー。　そっちの教室に持って行けばいいよね」

ロボット「そう」

お人形「できれば女の子のお手伝いが二人くらいほしいよ」

ロボット「？　わかった、声をかけておく」

*放課後・理系クラス

ｶﾞﾁｬﾝ…

お人形「おじゃましま〜す」

ロボット「やあ、待ってたよ」

機械・工学「何するのかな、すごい事が起きるって聞いて飛んで来たんだけど」

電気・電子「姉さん……ロボット、ワタシと姉さんはセット商品じゃないぞ」

ロボット「ラ、ランダムだよ。　たまたまエンカウントしただけだから。　ハハハ…」

お人形「えと、本体はどこに？」

ロボット「奥の部屋だよ。　あとは外身と合わせれば完成する。
接続方法はこの前教えた通り。　マニュアルも置いてあるけど」

お人形「わかったよ。　後はまかせて」

ロボット「大丈…いや、任せた。　よろしく頼むよ」

お人形「うん！」

ｶﾞﾁｬﾝ…

*二時間後

ｶﾞﾁｬﾝ…

ロボット「！！」

電気・電子「終わった。　これは正直すごいな」

お人形「ロボット君入っていいよ」



ロボット「あっ！　あれ？」

お人形「どうかしたの？」

ロボット（これは昨日夢で見た娘だ…間違いない）

機械・工学「本当に人が寝てるみたいだよね」

ロボット「いや…これは誰をモチーフに？」

お人形「うーん…特定の人じゃないんだよ。　生物君に描いてもらったスケッチからイメージを膨らませて…」

電気・電子「強いて言えば女子全体のイメージ像みたいなものか…」

ロボット（偶然にしては出来過ぎてる。　これは一体…）

電気・電子「ちなみに着てるのは姉さんの制服だ。　全然使ってないから」

機械・工学「はっきり言ってボク達よりスタイルいいんだよね…
それにすごいちゃんと作り込んであるし、服着せる時恥ずかしかったよ…///」


お人形「さ、命を入れてあげて」

ロボット「ああ。　まず接続してあるPCを立ち上げて…」

ﾌﾞｩﾝ…ﾋﾟｯ…

【管理者の設定をして下さい】

電気・電子「ここは制作したロボットが名を入れるべきだな」

ロボット「うん、わかってる」

ｶﾀｶﾀ…

ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…

ロボット「これでいけるはず」

一同「…………」

ｶﾁｯ

ｷｭﾙﾙﾙ…

機械・工学「わっ！　なんか血色が良くなってるよ」

ロボット「全身に特殊な液体を循環させてるんだ。　状況によって変化もする」

「………」

電気・電子「目を開けた…」

お人形「おはよう。　それとはじめまして」

「………」

機械・工学「はじめまして！　ボクは機械・工学だよ。　こっちは妹の電気・電子」

電気・電子「はじめまして。　良い目覚めかな」

「………」

ロボット「はじめまして、僕がロボットだ」

「…ロボット……」

ロボット（驚いた…声まで夢の中と同じだ）

「ロボット…私の管理者…ロボット……」

ｷｭｲｰﾝ…ｷｭﾙﾙﾙ…

ぐっ…

ロボット「まだ動けないよ。　充電が終わってないからね」

「………」

機械・工学「また寝ちゃった…」

電気・電子「…改めて、とんでもないモノを作ってしまったな」

お人形「感動しちゃった。　すごい…」

ロボット「ありがと…」

ｶﾞﾀｰﾝ！

電気・電子「大丈夫か！」
機械・工学「保健室に行こ！」

ｶﾞﾁｬﾝ ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ…



「…せっかく…会えたのに……」

ぐぐっ…

以上です…
続きはそのうちに…

>>16乙！！！！！
なんか凄いことに！！

>>16
うはｗｗｗなんか凄い展開になってきたｗｗｗｗ
ｗｋｔｋして待ってます

>>16
乙です
本当いつもありがとう
引き続きｗｋｔｋしときます

たいせつな〜すれっどだと〜

前ｽﾚ埋まりましたな

*保健室

root「過労ですね。　栄養剤を投与しておきました、無理は禁物ですよ」

ロボット「ありがとうございますroot先生」

お人形「今日は帰った方がいいよ」

電気・電子「同感だ」

機械・工学「戸締まりだけしてこう」

ロボット「そうだね」

*理系クラス

ｶﾞﾁｬﾝ

ロボット「………！　居ない！」

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ

機械・工学「さっきまでこのベッドに寝てたのに…」

お人形「どうしよう、あの娘見た目は完璧に人間なんだよ」

電気・電子「ワタシ達がここを空けたのは３０分程だ。　そう遠くには行ってないはず」

ロボット「よし、手分けして探そう！」




「…ロボットを探さないと…」

ｷｭﾙﾙﾙ…

「情報を集める…ロボットの居場所」

『⊂二二二（ ＾ω＾）二⊃ﾌﾞーーﾝ！』

ﾁｷﾁｷｯ…

「データベースからダウンロード…雑談系2クラス所属、VIP…毎時20Kmで移動中…」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

『⊂二二二（ ＾ω＾）二⊃ﾌﾞーーﾝ！！』

「待ってください」

『うはｗｗｗｗ何か用か？』

ﾀｯﾀｯﾀｯ

「ロボットさんを知りませんか？」

『さっき一階で見たｗｗｗｗｗお人形とかと一緒だった希ガスｗｗｗ』

「ありがとうございます」

ﾄﾞﾋｭﾝ！

『ちょｗｗｗｗﾃﾗﾊﾔｽｗｗｗってか誰？』

*中庭

三戦「………」

ﾋｭﾝ…ﾁﾝｯ

三戦「ようやく新手を編み出した。　無明逆流れの弱点はこれで払拭できるはず…」

「すいません」

三戦（！？　全く人の気配を感じなかった）

ﾁｷﾁｷｯ…

（趣味クラス所属、三戦…）

ｽﾀｽﾀ…

三戦「わたしに何か用事か？」

「ロボットさんを知りませんか？」

三戦「ロボット…少し前に理系クラスの方へ歩いていくのを見たな」

「そうですか…」

三戦「探しているなら手伝うぞ」

（二人で探せば見つかる確率が上がる…）

ぺこり。

「よろしくお願いします」

三戦「わかった、一緒に探そう」




電気・電子「一つ言い忘れてた事がある」

ロボット「？」

電気・電子「あの試作のチップはワタシが作ったものではない」

ロボット「じゃあアレは一体？」

電気・電子「分からないんだ。　ジャンクの中から偶然見つけたものだから…」

ロボット「オズ…」

電気・電子「？」

ロボット「彼女の名前だよ。　オズの魔法使いを読んでこのプロジェクトを立ち上げた。　だから、オズ」

お人形「良い名前だね」

機械・工学「早く見つけてあげなくっちゃ！」

ロボット「僕はもう一度クラスの方に戻ってみる」

電気・電子「うん、こっちも見つからなかったら向かおう」




ｽﾀｽﾀ…

三戦「まだクラスには戻っていなかったな」

「………」

三戦（しかし、どこのクラスの生徒なのだ…どうも雰囲気が違う）

「………」

三戦「つかぬ事を聞くが、名前を教えてほしい。　どう呼んだらいいものか」

「名前…」

ｽﾀｽﾀ…

（私の固有名詞…まだ管理者から付けてもらっていない…）

三戦「そう、名前」

「私の名前は…」

ｼﾞｬﾘ…

三戦「いや、それより先に……そこに居るのは誰だ！」

？？？「よく気が付いたものよ」

ｻﾞｯ…

ﾁｷｯﾁｷｯ…

（…データベースに該当データ無し、年齢20代中頃〜後半。　備考…髭がすごい…）

三戦「何者だ、我が校の生徒ではないな」

？？？「此処には来たばかりでな。　どんな場所か一度見ておきたかった」

三戦「何を言っている…？」

ｼﾞﾘｯ…

？？？「剣を持っているな。　受けてみるか」

ｽﾞｯ…

？？？「我が刃…」

ﾁｷｯ！

三戦「名を名乗れ！」

？？？「我が名を知るに足るかは…今から見極めるっ！」

ｻﾞｯ！

三戦（薙刀か？　いや、それよりも大きい）

ズドッ！

三戦「でやっ！」

？？？「むんっ！」

ガァン！

三戦「出来るな…恐らく、わたしよりも上…」

ｷｭﾙｷｭﾙﾙﾙ…

「同校の生徒が襲われている…状況判断…助ける」

？？？「そんなものか！」

三戦「………」

ｽｯ……

？？？「そんな間合いで何ができるというのだ」

ｻﾞｯ…ﾋｭｯ！

？？？「！！」

ズドッ！ ｻﾞｻﾞｯ！

三戦「見たか！」


？？？「これがお前の剣か。　この程度では…」

三戦（"流れ"が効いていない？　馬鹿な）

？？？「我が義の刃、受けてみよ！」

ガキィン！

三戦「うぐっ！」

？？？「敵情視察が目的だったがとんだ見込み違いであったか」

ｻﾞｯ…

「………」

三戦（！　なぜあの娘が鉄パイプを、それにあの構えは…！）

ｷｭﾙ…ｷｭﾙﾙﾙ…

「体勢、角度、速度…コピー完了…」

ｻﾞｯ…

三戦（一朝一夕で使えるものではない！　不十分な"流れ"はそれゆえに…）

ﾋｭｯ！

？？？「うっ！？」

ギィン！

三戦「なっ…出来た？」

？？？「おのれ…っ！」

電気・電子「姉さんあそこ！」

機械・工学「このおっ！」

ぶんっ！

？？？「はっ！！」

ズバッ！

お人形「機械・工学さんの投げた丸太が真っ二つに…」

？？？「人が集まってきたか、この勝負預けた」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

三戦「行ったか…」

「………」

三戦（今放った"流れ"は偶然なのか？　そうでなければ…）

お人形「あぁ、よかった。　オズちゃん無事だよ」

機械・工学「三戦さんも大丈夫？」

三戦「あ、ああ。　助かった、ありがとう」

電気・電子「しかしあれは何者なんだ。　明らかに生徒じゃなかった」

「…………」

機械・工学「あれ？　オズちゃん固まってる？」

電気・電子「きっと電池が切れたんだ」

三戦「オズ？　電池？　話が見えないのだが…」

お人形「ええと…」


ロボット「彼女は人間じゃないんだよ、三戦さん」

お人形「ロボット君…」

三戦「確かに雰囲気が違った。　しかし人間ではないというのか」

ロボット「そう。　中身は機械の体、頭脳もコンピューターの集積体…」

電気・電子「この件はまだ理系クラスだけの機密だ。　実験を禁止されている立場ではできるだけ公にしたくない」

三戦「…委細承知した。　わたしとしてはさっきの男が気になる」

機械・工学「ありがとう三戦さん」

三戦「ロボット…」

ロボット「？」

三戦「彼女はロボットを探していた…大事にしてあげてほしい」

ロボット「ああ、わかっているよ。　さぁ帰ろう」

お人形「重くない？」

ロボット「大丈夫。　一般人と同じくらいの体重だから」

機械・工学「よーし、みんなで帰ろう！」




オズ「…ありがとうロボットさん…」

*学校付近・不明

「探しましたよ…」

？？？「すまぬな」

「義弟さんが言ってましたよ。　"俺も連れてけ"って」

？？？「奴が行けば視察では済まなくなる」

「違いない。　でも本番まで学校に侵入するのはこれきりにして下さい。
防備が固められてしまいます」

？？？「わかっている、だがおもしろい所だ。　あの剣の使い手…出来るな。
ふふふ…（´┏┓｀）」

（大した余裕だ。　先祖が武将だという噂もあながち嘘ではないか…
数日中に機械化部隊も揃う。　決戦は近いぞ）

以上です…
なんか脱線気味ですが…
ロボキャラはぼちぼち使っていきます。

ｗｋｔｋ(´Д｀*)

オズTUEEEEEEEEE

これでひとまずロボットの話は終わりなので、投下ある人はやってっちゃって下さい。

嗚呼！誰かオズﾀﾝのイメージ画像うｐ！

ロボキャラなので髪形とかは自由自在です。
個人的なイメージだと肩くらいまでのストレートかな…

じゃあここで授業中の落書き解放・・・
個人的にオズたんはゆるめのみつあみおさげを想像しとりました
そのうちまた描きなおしてきます
http://g.pic.to/5x8vd

>>40
描いてくれてありがとうありがとう…
三編みでも全然アリです。　他のキャラクターも可愛いですし(*´∀｀)
オズがゆるめっていうのはドンピシャです。
自分もそんな感じで書いていくつもりですよ。

>>50
オズもｖｉｐも三戦も犬猫も姉妹もﾃﾗｶﾜﾕｽ(*´ω`)

保守

ほ

し

ゅ

☆〜

*理系クラス

ロボット「まあ紆余曲折あったけど…新しいクラスメートのオズだ、よろしく」

オズ「固有名称：オズといいます。　みなさんよろしくお願いします」

ぺこり

一同「おおぉ〜…」

物理「長らく授業を休んでたかいがあったなロボット」

土木・建築「でもかわいらしいな、もっとカクカクしたのが来ると思ってたぜ」

オズ「ありがとうございます。　物理さん、土木・建築さん」

物理「ほぅ、名前まで」

シミュレート「生徒のデータは全て入力済みだ」

航空・船舶「でも実験は禁止されてるんだよな…」

電気・電子「一人増えたところで分からない。　教員は案外そういう事にはアバウトだ」

未来技術「この件は当分黙っておくのが賢明だろうな」

農学「だね。　バレないようにみんなでフォローしてあげないと」

オズ「…私も機密事項が露呈しないよう、努力します」

ぺこり

ロボット「あまり外には出歩かない方がいいかな。　ちなみに彼女の活動限界はは三日間。
体の使い方にもよるけどね」

ﾎﾟﾑｯ

オズ「………//」

ｷｭﾙﾙﾙ…

機械・工学「あっ、顔赤くなった〜♪」

材料物性「…照れてるんでしょうか」

オズ「よくわかりません…//」

ロボット「ま、まぁとにかく！　彼女をよろしく頼む」

ざわざわ…

シミュレート「ロボット、ちょっといいか？」

ロボット「ああ」

ｶﾞﾁｬﾝ

シミュレート「かなり人間に近い感じだな。　どんな魔法を使ったのやら…」

ロボット「自分でもまだ信じられない。　実感が沸かないな」

シミュレート「その話はまた今度聞かせてもらおう」

ロボット「で、本題は？」

シミュレート「この前彼女…襲われたそうじゃないか」

ロボット「巻き込まれた、という方が適切だと思う」

シミュレート「そうか。　噂話から聞いたんだけど最近校内で不審者の報告が結構きてるみたいなんだ」

ロボット「またどっかの祭好きが暴れてるとか？」

シミュレート「いや、直接的な被害はこの前の三戦さんだけなんだけど。
どうもウチ以外の人間が関わってるらしい」

ロボット（確かに三戦さんを襲った男は見慣れない人物だったな…）

シミュレート「校内が物騒になってきたから、彼女…オズに自衛用のプログラムを組んでおいた。
彼女自身や生徒が危険にさらされた時点で働くようになってる」

ロボット「彼女が…戦うのか？」

シミュレート「気分の良いものじゃないけどね…」

ロボット「当然だよ。　彼女はそのために生まれてきた訳じゃない」

シミュレート「ああ。　杞憂に終わればなによりだと思う」



オズ「理系全般さんの彼女は文化クラスのオカルトさん…記憶しました」

未来技術「さすが、覚えるのも早い」

理系全般「ちょ…何を教えてるんだよ…///」

機械・工学「気にしない気にしない」

物理「おもしろそうだから他のクラスの事も教えてあげるか」

電気・電子「やれやれ…」



ロボット「何も無ければいいんだけどな…」

以上です…
あぁ体が痛い…

>>48-52初めてリアルタイムで読んだ。
こんな時間にお疲れさん。
つ旦~

>>54 ~旦⊂ありがとう。
そしておやすみ…

>>53
乙＆ＧＪ!!!!
オズかわいいよオズ

またリクでも受付ようかなぁ……

俺としてはちくりが気になるｗｗｗ
あのカラーで惚れたｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

本編氏はもはやおらぬのか…？

>>59
いや、スランプ中。
気長に待ちましょう。

4スレ目うｐしますた
携帯でも話は読めるかと

http://www.geocities.jp/vip_is_cute/


遅ればせながら>>52
オズたんに激しく和みました（*´∀｀）
超GJ！

>>61　更新乙！　携帯でも見られますよ。

http://i.pic.to/69iyf
オズたんとロボット
肩ぐらいまでのストレートってこんな感じなのでしょうか
ロボットは老けさせすぎたかｗ

お人形さんとかが理系クラスにやってきては
髪をいじったり着せ替えさせたりしてる予感・・・（*´∀｀）

>>63
朝起きたらｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!!
オズも可愛いしロボットもいい感じです。
ありがとう！

>>63
ＧＪ！！！！今回またかわいいよ
オズちゃんの着せかえ(*´Д`)

お話リクエスト受けます。
何かあればどうぞ。

火薬の匂いで鼻が痛い
しかし彼はの顔は引きつる様に笑っていた
無邪気な子供の笑顔と、全てを陥れる悪魔の笑顔が合わさったような・・・

花火「・・・誰だ！？」

ギャンブル「Goodevenin'. Mr.Fireworks…」

そこには黒ずくめの男が立っていた
テンガロンハットを深く被り下から覗いても顔はよく見えない

花火「ギャンブルか・・・。どうしたこんな時間に？」

ギャンブル「噂は聞いてるかい？」
ニヤリと口が動く
花火「噂？」
手元の四尺球に目を戻す

ギャンブル「ジャズの話だとこの学校が狙われてるらしい。」

花火「何でまた・・・」

ギャンブル「さあね…。知ったこっちゃ無い。」

・・・だがと付け加える。

ギャンブル「俺にも武器が欲しい。知恵と運は充分…実体のある「　武　器　」だ。
　　　　　　　　自分の身は自分で守りたくてね。あわよくば他人の身も・・・だ。」

火薬をいじる手が止まり。キッとテンガロンハットを見据える。

花火「……他を当たってくれ。俺は花火師だ。銃工じゃない…。」


クックックと肩で笑う声が火薬をいじりだす手を止めた

ギャンブル「That's right.　問題はそこだ。俺が欲しいのは銃じゃない。」

花火「なら何で俺に話を持ちかけて…」
黒い髪が花火の耳元へ近づき舞う火薬さえも動かぬ程小さな声で呟いた



ギャンブル「…早めに頼む。」
おもちゃを与えられた子供のような顔つきで
生贄を手に入れた悪魔のような顔つきで
黒い男はドアを閉めた


花火「なる・・・ほど・・・・・・な・・・。」
四尺球に詰められた火薬が一粒、床に転がった。

ジャズ「で、どうだった？」
慣れた様子でピアノをセッティングしながら男は問う


ギャンブル「まあ良い感じだな。奴ならすぐにでもやってくれるだろ…。」
ウイスキーを一杯、ぐいっと飲み干す

Bar「（話し方も何も変わってねーじゃん・・・）」
ワイン「ん？マスター何か言った？」
Bar「何でもない。何でもない、ただスティービーワンダーって格好良いなって思ってね。」

フュージョン「あれ？いつの間にワインさんBarさんのことマスターって呼ぶようになったの？」

ワイン「…何か立場が昇格しそうに無いからこれで落ち着くことにした。」
ワイングラスに注がれた青いカクテルを一口、口に含んで下を転がす様はソムリエそのものである
彼もまた、このバーの常連。いや、彼らがこのバーであると言える。

Xスポーツ「いやっほーーーーう！！」

ワイン/Bar「店内ではあまり騒ぎませんよう。」

ｶﾞｼｬｰﾝ

X「ちょ、瓶投げんな！」

ｶﾞｼｬｰﾝ ｶｼｬｰﾝ　ｺﾞｼｬ ｶｼｬｰﾝ ｶﾞｼｬｰﾝ
次々と空の酒瓶が壁に追突する

X「もういいもういい、もうそんなに投げなくていいよ。 　　　　　ｶﾞｼｬｰﾝ ｺﾞｼｬ
　　空の瓶もうないんだろ。店ん中汚れちゃうからいいよ。 　　　　　　　ｶｼｬｰﾝ ｷｬｼｬｰﾝ
　　だからそんなに投げるなって。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｺﾞｼｬ ｸﾞｼｬ
　　おい、もういいっていってんのに。謝るからやめれよ。ほら。 　　　　　　　　ｼｬｷｰﾝ
　　なんで投げるんだよ。投げなくていいって。投げるなよ。 　　　　　ﾁｭﾄﾞｰﾝ ﾊﾞﾘﾝ
　　危ねえよ、投げ過ぎだって。投げるなって。やめろよほら。 　　　　ｶﾞｼｬ ｶﾞｼｬ ｶﾞｼｬ ｺﾞｼｬ
　　おい、おい、なんでまだ投げるんだよ。すごいことなってるって。 　　　ｶｼｬ ｺﾞｼｬ ｸﾞｼｬ
　　何投法だそれ。やめろって。死ぬって。 　　　　　　　　　　　　　　　　　ｶｼｬ ｷｼｬ ｸｼｬ ｹｼｬ ｺｼｬ
　　聞いてんのかよ投げるなって。なんで投げるの。やめろよ、やめろって。 ｸｼｮ ｶｼｮ
　　誰が片付けるんだよその瓶を。もういいから。いいからさ。 ｸﾞｼｮ ﾃﾎﾟﾄﾞｰﾝ
　　おい、ほんとに死ぬって。つーか聞いてんの。ねえ。 ﾁｭﾄﾞｰﾝ ﾋｭｰﾝ ｷｰﾝ
　　もうやめて、投げないで。やめてって。投げなくていいって。 ｺﾞﾝ ﾒﾘｯ
　　やめろって。おいやめろよ。やめろ、投げるのやめろ。投げるな。投げるな。　　　ﾋﾟｼｯ ｶﾞｼｬｰﾝ ｸﾞｼｮｯ
　　おまえ何してんだよ。片付けるとか片付けないとかの話じゃなくて何やってんだって。 　　ｶｼｬ
　　おい、ほんとなにしてんだよ、片付けきれないって。汚いって。 　　　　　　　　　ﾁｭﾄﾞｰﾝ ﾄﾞｰﾝ ﾄﾞｰﾝ
　　もうやめろよ。やめろよ。やーめーろーよ。 」　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾃﾎﾟﾄﾞｰﾝ ﾉﾄﾞｰﾝ ｶﾂﾄﾞｰﾝ

Bar「んじゃゴミもあらかた投げつくしたしそこ片付けといてね。」

X「ちょ・・・(´・ω・｀)」
フュージョン「さっ、私も片付け手伝いますから。ね？」
X「俺の救いはフューちゃんだけだよぉ　｡･ﾟ･(ﾉД`*)･ﾟ･｡」

ジャズ「手出したらハーフパイプのところにピアノ線でトラップつけとく。」
ギャンブル「このコインが表なら実行な。」
ワイン「そのコイン確かどっちも表じゃなかったっけ？」
占術「X君の恋はヒュージョンちゃんとは実らないと出てますよん。」
トランプ「これがハートのエースなら奴の恋は叶う！・・・・・あ、無理だなこりゃ。」
Bar「まー、諦めな。」

X「ｳﾞｧｰ　｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡」

今日もここは彼らの憩いの場所である。

ってなわけでバーの日常でした。
Xスポーツいじりやすくておもすれー（＾ω＾　）
戦闘には参加するかもしないかも。
武器が無いもんで知恵が武器・・・ってところかな。
んじゃ本編氏期待理系クラス氏に期待！

>>71
GJ！ギャンブルは何を頼んだのか・・・
それにしてもバーにいる奴らって本当楽しそうだな
>>70でのXの挙動と擬音ﾜﾛｽｗｗｗｗｗｗｗ

>>71超乙！
ギャンブルやジャズがどのように絡んでくるか気になる…
Xは相変わらずだしｗｗｗ

*学食

ｶﾀﾝ

ニュース極東「遅れてすまん」

ビジネスnews＋「いいよ。　で、どうだった？」

ニュース極東「ビジネスの読み通りだ。　中国本土から人員の動きがあった」

ビジネスnews＋「やはりか…陣容は？」




オズ「1F・学食です」

ロボット「お人形さん、本当に大丈夫かな…」

お人形「だからこうやって髪形も変えたんだよ。　三つ編み似合ってるよ♪」

オズ「ありがとうございます」

ぺこり

ロボット「ま、まぁ似合ってるのは同意だ」

お人形「こうして少しづつ校内を教えてあげるんだよ」

ざわ…ざわ…

ロボット「空いた席が無いな…」


三戦「ロボット」

車「ここ空いてるぜー」

車種・メーカー「ああ。　ちょうど三人分」

お人形「ありがとう。　じゃあ座ろ」

三戦「………（こくり）」

ロボット（三戦さんは事情を知っている。　大丈夫…）

車「あれ？　そっちの娘は理系クラスの娘か？」

車種・メーカー「初めて見る気がするナ」

ロボット「そうそう、ウチはあんまり表に出ない人も多いから」

車「そんなもんかぁ」


『⊂二二二（ ＾ω＾）二⊃ブーン』

オズ「あ………」

ロボット（どうした？）

オズ（VIPさんとは一度接触した事があります）

ロボット（まずいな…）

『おいすー＾＾ここは賑やかだなｗｗｗｗ』

車「ピザを頭に乗せながらブーンするなよ」

『気にするなｗｗｗうぇｗｗ』

オズ「………」

『あれｗこの前の人ｗｗｗ』

オズ「違います」

『いや、だってｗｗ』

オズ「人違いです」

『うは…ｗ』
オズ「嫌です」

ロボット（間髪入れずに否定してる…（；〇‐〇））

『（#＾ω＾）ﾋﾞｷﾋﾞｷ』

お人形「ちょっとVIPさ」

ばさっ！

車&車種メーカー「（ﾟ（ ﾟдﾟ）」

オズ「えっ………」

ロボット「スカート……めくり…なんてレトロな…///」

『フハハハｗｗ情報を模造するとこうなるんだおｗｗｗ』

ﾁﾁﾁﾁ…

オズ「…攻撃判定発生…近接戦プログラム」

ｷｭﾙﾙﾙ…ﾁｷｯ…ﾁｷｯ…

お人形「ロボット君、オズちゃんの様子が…」

オズ「正面目標の沈黙まで…」

ｷｭﾙ、ﾁﾁﾁ…

ロボット「ちょっ！　オズ！　ストップ！」

オズ「ロボットさん…」

ｷｭﾙﾙﾙ…

オズ（優先順位変動…
ロボットさんに見られた＞＞＞＞＞＞＞＞＞＞＞【管理者の壁】＞＞＞他の人に見られた）

ｷｭﾙﾙﾙ…ｷｭﾙ…

オズ「////」

ｶﾞﾀｰﾝ！

お人形「オズちゃん！」

ロボット（瞬間的に電圧が上がったんだ、ブレーカーが落ちたんだな…）

お人形「VIPちゃん！　やり過ぎ！」

『まさかぶっ倒れるとは思わなかった、今は反省している』

車種・メーカー「よくわからないが…」

車「いいものが見られたのは確かだな。　チャンピオンシップホワイト…
いや、グランプリホワイトか」

車種・メーカー「おい車…！」


三戦「………＃」

車（ふ、憤怒の表情…！）

ﾊﾟｷｨ！

車「ぶべらっ」

三戦「口は災いの元…＃」

ビジネスnews＋「どっかが騒がしいな…」

ニュース極東「聞いてるか？」

ビジネスnews＋「悪い、続けてくれ」

ニュース極東「VANKの動向はよく分からないが氷客同盟に動きがあった」

ビジネスnews＋「さっき言った人員の移動か」

ニュース極東「そうだ。　100人単位でな。　その中でも危険なのが群雄と呼ばれる武人達…」

ビジネスnews＋「群雄…ね。　なんか芝居がかった呼び名だな」

ニュース極東「簡単に言えば氷客同盟の精鋭、完全な戦闘屋だ。　その複数が日本に渡ったらしい」

ビジネスnews＋「連中のデータはあるか？」

ニュース極東「細かい事は何も…ただ噂では彼らは大昔の武将の血を引いているらしい」

ビジネスnews＋「筋金入りってわけか、厄介だ。　だがそこに付け入る隙があるかもしれない」

ニュース極東「何か思う事があるのか」

ビジネスnews＋「まぁね。　極東、俺と一緒にちょっと調べてほしい」

ニュース極東「わかった」



オズ「………//」

ロボット「毎回おんぶしてるのは気のせいだろうか…」


車「あおああうえあ（あごが外れた）」

三戦「知らぬ…っ＃」

以上です…

寒くてしょうがない…

心は暖かくなりました(´Д｀*)

オズちゃんﾃﾗﾓｴｽｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

>>81
さすがｖｉｐｗｗひでぇｗｗｗｗｗｗ
オズちゃんもかわいいよ（*´∀｀）
乙＆ＧＪ！

ここで待ってるよぉ☆ おっぱい祭り
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/ms/1133406123/
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/ms/1129868667/
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/ms/1134567081/

>>81
(´Д｀*)

ところで紅白でハピマテは流れるのか？

な　なにゆえ？

つ ゲームラボ

今年の特集とかでオタ系を取り扱ったらもしかして・・・（無理だろうな・・・）

人少なさそうだから点呼

ﾉｼ

ﾉｼ

このスレになってから人が減ったような…？

ﾉｼ

一日に五回は見にくるｗｗｗｗｗ
まだまだｖｉｐ萌え

ﾉｼ

ﾉｼ

ﾉｼ
今日は色々あって今頃見に来た

ﾉｼ

ﾉｼ

抗争の話を考えてると三戦分が増えそうな予感…それもかっこよく。

ﾉｼ

ほ

し

ゅ

*生徒昇降口

ｽﾀｽﾀ

軍事「……ん？」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「どうしたんですか先輩」

軍事「聞こえないか？」

ｷｨｨｨｨ…

ｻﾊﾞｹﾞｰ「あれ、空から…」

キィィィィ……ン！

軍事「Ｆ‐15？　こんな低空を！」

ｷｨｨｨｨ…

ｻﾊﾞｹﾞｰ「でもなんだか小さいような…」




模型・プラモ「マッハ0.9突破…すごいな…どんなエンジン積んでるんだよ」

RC「ふふ…ざっとこんなもんだ。　来週は複数機の操縦にチャレンジだな」


電気・電子「そのラジコン…相変わらずいい腕をしてるな」

RC「やあ電気・電子さん、航空・船舶によろしく言っておいてよ。　凄い機体だって」

オズ「………」

模型・プラモ「そっちの娘は？」

電気・電子「我々理系のクラスメイトだ」

RC「そうなんだ。　よろしく」

オズ「よろしくお願いします」

ぺこり

模型・プラモ「このラジコン動かしてみるかい？」

ｷｨｨｨｨ…

電気・電子「そうだな、是非やらせてもらおう」

ﾋﾟｯ…

オズ「わかりました」

RC「ははは、冗談。　これの操縦かなり難易度高いんだよ。　女の子には…」

電気・電子「問題ない。　オズ、いけるな」

オズ「はい、データは入ってます」

RC「わかったよ。　電気・電子さんがそこまで言うなら」

ｶﾁｬ…

ｷｨｨｨｨ…

オズ（電波同調…）

ｷｭﾙﾙﾙ…ﾋﾟﾋﾟｯ…

オズ「…コンタクト」

ヒュボッ！

キィィィィィィィ…ッ！！

模型・プラモ「凄い加速だ…」

RC「アフターバーナー…あんなギミックがあったのか」

オズ「順調に加速中…間もなく最高速」

キイイィィィィィィィ…ッ！！

電気・電子（ラジコンの電波と同調して機体を自在に操っている…大したものだ）

ﾋﾟｯ！

模型・プラモ「マ、マッハ1.3！　ありえない…」

電気・電子「ふふふ、どうだRC」

RC「まだわからんさ！」

キィィィィ……ッ！

電気・電子「もう一機増えた？」

RC「…ようやく渡り合える相手が見つかった…オズさんとやら、ドッグファイトで勝負だ！」

模型・プラモ「あの機体にはペイントボールの機銃が仕込んである。
どっちが多く命中弾を与えたかで決着が着く…」

ｷｭﾙ…ﾁｷｯ！

オズ「データダウンロード完了、敵機確認…SU-27型…GUNを使用」

ｷｨｨｨｨ…ﾋｭﾊﾞｯ！

電気・電子「良い勝負だな。　頑張れオズ」

オズ「はい」

RC「いけっ！」

ﾊﾟﾗﾗﾗﾗｯ！

オズ「…ぎゅーん」

ﾋｭｩｩ…ｷｭﾝｯ！

RC「後ろを取られた？」

模型・プラモ「ちょっ…すでにラジコンの域を超えてる訳だが…」

キィィィィ…ッ！


オズ「………」

RC「これでどうだっ！」

ゴウッ！

電気・電子「機首を上げての急減速…！　これではオズが相手を追い越して逆に背後を取られてしまう」

オズ「プガチョフコブラ……その機動も予測済みです」

ﾋｭﾊﾞｯ！

RC「かわされたっ！？」

オズ「当てます」

ﾊﾟﾗﾗﾗﾗｯ！





模型・プラモ「21対4でオズさんの勝ち」

RC「負けた…Ｏ|￣|＿」

ｷｭﾙ

オズ「そんな事はありません。　RCさんの機動は私の予測数値を何回も超え…」

電気・電子「ﾎﾞｿｯ…それはあんまり慰めになっていないぞ…」

ｷｭﾙﾙ

オズ「私のまぐれ勝ちです」

模型・プラモ「そうだよ。　もっといい機体を作ろう、RCならできるって」

RC「そうだな、もっともっと本物に近づけてやる！」

電気・電子「ああ、楽しみにしてる」

模型・プラモ「単純なやつ…待てよー」

オズ「さようなら」

ぺこり




ｻﾊﾞｹﾞｰ「あれは何なんでしょうか…」

軍事「第三次世界大戦か？」

以上です…
クリスマスに何を書いてるんだろう…

>>109
ＧＪ！
やっぱりオズ最強だなｗｗｗｗ
なんか弱点とか欲しいかも

弱点…ロボットが絡むとダメになる、かな…
たまには他キャラの話も考えないとなぁ。

オズちゃん可愛いよオズちゃん

人が…いない…

ヒント：年末年始

>>113
いや、いるよ、いるんだけどさあ、あの、あれだよあれ、
みんなまとめ読み派だから、話についていけないんだよ、うん
リアルタイム派が、VIPﾃﾗﾓｴｽやオズﾃﾗｶﾜｲｽってひとしきり言ったあとで、

やべー、萌えるぜ！可愛いぜ！って画面の向こうで壊れてンだよ、そうに違いない

頑張って書いても感想少ないとなんか落ち込むよね(・ω・｀)

いるよﾉｼ
いつも話を書いてきてくれる書き手さんたちには最高に感謝してる
できるかぎり感想レスは付けるようにしてるけど、
もれなく全てって訳じゃないのは申し訳ない(´・ω・｀)

ヘタレですがまた何か描いてくる

感想書いてないけど毎回楽しみにしてるお(＾ω＾)
今度からちゃんと感想書くお！

ｵｽﾞﾀｿの弱点:耳

ハピマテ記念保守age

*三戦家

三戦「………」

父「………」

ﾋｭｯ！

三戦「………！」

ﾋﾞｼｨｨ…ﾝ

祖父「無刀取り、見事」

「お見事にございます！」

祖父「本年の稽古はこれで終わりじゃ。　皆、気をつけて帰られよ」




父「三戦はこの一年成長しました」

ｽﾞｽﾞｯ…

祖父「うむ。　この二月で流れ星だけでなくワシらの技まで物にしおった。
ワシの"飛猿横流れ"、おぬしの"國斬（くにきり）"…本当にあの子は出来ておるのう」

父「子は父を乗り越えるとはよく言ったものです。　寂しいものがありますな…」

三戦「この一年よくわたしと戦ってくれた…」

ﾁｷｯ…

三戦「これからも厳しい戦いが続くかもしれない。　しかし、わたしは見捨てないぞ…」

ｼｬｯ…

三戦（わたしが小さい頃土蔵で見つけたこの刀、どこでどうはぐれてやってきたのだろう…
できることなら名前を知りたいものだ）


《仝七：tヾ！／‥ね｜仏［》


三戦「……っ！！」

ｶｼｬ！

三戦「いっ、今のは何だ！？　頭の中に色んなものが…これは…そんな…」




*車家

ﾌﾟﾙﾙﾙ…

車「はいはい」

ｶﾞﾁｬ

車「もしもし車です」

父「車君か」

車「あ、もしかして三戦の…」

父「覚えていてもらえたみたいだな」

車「はい、あの、どうして俺に電話を？」



父「あの子が居なくなった。　ついさっきの事だ。　道場の中を探したが見つからないのだ」

車「三戦が！？」

父「その返事だと、車君の家には行ってないようだな…」

車「俺も探します！」

父「かたじけない。　我々は道場周辺を探している」

車「じゃあ俺は学校の方に行ってみます」

父「…三戦を頼む」

車「はい」


ｷｭﾙﾙ…ﾎﾞｳﾝｯ！

車「一体、どこに行ったんだよ…三戦」

ｳﾞｫｵｵｵ…

*学校・工作室兼ガレージ前

ｻﾞｯ…ｻﾞｯ…

三戦「………」

ｻﾞｯ…ぺたん

三戦「さっき見たものがこの刀の真実なら…わたしは何のために剣を奮っていたのだ…うっ……」



車「なにこんな所でへたり込んでるんだよ」

三戦「車…どうしてここに…」

車「それはこっちのセリフだ。　親父さんが心配してる、分かるだろ」

三戦「……うっ…ぐすっ…」

車「何があったんだ？」

三戦「道場の稽古納めの後…わたしは自分の部屋で刀を見ていた」

車「ああ」

三戦「わたしは見て…いや、見えてしまった」

車「見たって、何を？」

三戦「この刀の辿った歴史…それに虎眼流の辿った歴史…
この刀は血塗られた刀、いわば妖刀…わたしは知らぬ内にそれを振るっていたのだ」

車「………」

三戦「それだけではない…今まで何より気高いと信じていた我が流派も野蛮な血まみれの歴史を背負っていた…」

車「三戦…」

三戦「わたしは見たっ！　門弟同士で殺し合う姿を…まるで今起きた事のようだった……車…
わたしには人斬りの血が流れている。　もうわたしは車と一緒には…」

パァン！

三戦「…っ！」

車「いい加減にしろよ！」

車「たとえ三戦の先祖が過ちを犯してたって…三戦は三戦なんだよっ！」

三戦「………！」

車「人斬りがなんだっていうんだ。　おまえが人を斬った事なんて一度もないじゃないか」

ｶﾁｬ…

車「どんな人にも物にも必ず何か生まれてきた意味があるんだ。
その刀だって今は学校のみんなを守るために三戦が振るってるんだろ」

三戦「……っく…」

車「だから、三戦はいつも通りでいいんだ」

三戦「…ありがとう、車。　いつもわたしは車に元気づけられてばかりだな」

車「いや…俺だってそうだよ」

ぎゅっ…

三戦「車…」

車「…いいのか？」

三戦（こくり）

車「………」




祖父「男女の逢引を覗くとは感心せんの」

父「父上こそ…」

祖父「なんにせよ元の鞘じゃ。　あの子の将来も安泰かのう」

父「父上…っ！」

祖父「そう目くじらを立てるでない。　それよりもあの刀…今ならよう見えよるわ」

父「まさにあれは伝記に残りし妖刀、なんと妖しい輝きを…」



三戦（過去も現在も、すべてを背負ってわたしは戦おう。　この人のためにも…）

以上です…年内に間に合った…
来年もぼちぼち書いていくつもりです。


>>119
ﾅ､ﾅﾝﾀﾞｯﾃｰ!Ω ΩΩ

>>128
GJwwwwww
今年一年ありがとうございました！
来年もwktkして待ってますwwwwww

>>128
乙
ちょｗｗｗｗ車と三戦ｗｗｗｗｗｗ親父が見てるｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

三戦ついでに…
http://l.pic.to/4tbbu
年賀状に書いてたやつを…

〜大晦日の夜〜
違反の潰し方宅に来訪者一名
薬･違法「よ」

違反の潰し方「おう。まってたぜ」

本日、新年を二人で迎える漢鍋大会

違反の潰し方「しかし泣けてくるな、年越しを野郎ふたりっきりですごすのはwww」

薬･違法「言うなよwww虚しくなるだろwww」

ちなみに、うほっではないwww

薬･違法「プライドどうなった？」

違反の潰し方「小川･吉田がはじまったぞ。あ、腕ひしぎ！」

薬･違法「なに！･･･なんだ？ﾚﾌﾘｰｽﾄｯﾌﾟ？」

違反の潰し方「おい、とりあえず部屋に入れよwww」

薬･違法「おう。ほ〜、吉田が1Rでやりやがったwww」

違反の潰し方「足首か･･･曙の方は･･･おお！ﾎﾞﾋﾞｰwww」

薬･違法「年末は見るものが多くて困るwww」

二人は声を出して笑った
ひとしきり笑って、ふと、薬･違法がつぶやいた

薬･違法「･･･ﾁｸﾘはこなかったか」

違反の潰し方「ああ。伝統芸能といっしょに神社･仏閣のとこにいくってさ。人手がたりんらしい」

薬･違法「神社･仏閣はこれからが稼ぎどきだからなwww」

違反の潰し方「あの野郎、ほんっとにかわりやがったよなwww」

薬･違法「おうwwwｸﾘｽﾏｽも連絡つかなかったしなwww
なにしてやがったんだ？今度問い積めてやるwww」

違反の潰し方「うはwwwww後で初詣にいってからかってやるかwww」

薬･違法「いいね〜、いこうぜwww」

薬･違法はﾗｯｷｰｽﾄﾗｲｸに火をつけると持ってきた袋から酒を取り出した

薬･違法「お土産」

違反の潰し方「わるいねw」

いいながらグラスを持ち出す違反の潰し方

薬･違法「お酒･Barがゆずってくれた。
へんな薬は入ってないから安心しろw」

違反の潰し方「おまえが言うと洒落になんねwww
ほれ」

あふれんばかりにグラスにそそぐ

薬･違法「ん。では」

「乾杯！」


違反の潰し方「くぅ〜、いい酒だwww」

薬･違法「あんまり飲みすぎるなよ。初詣にいけなくなるwww」
違反の潰し方「そうだなw」

二人は顔を見会わせると盛大に笑った

今年最後の夜は、静かにふけていった･･･

とりあえず以上です
放置しててすみませんでした
時間があれば初詣編もがんばります


大晦日になにやってんだ、俺wwwwww

>>131
ﾃﾗｶﾜｲｽwwwww
そんな年賀状がほしいwwwwww

>>136
GJ！
男二人あるあるｗｗｗｗな大晦日ｲｲ(･∀･)！！
また期待してます。 乙でした！

>>136
乙
あけでとう

>>128
三戦たんちょっとｶﾜｲｿｽ(´・ω・｀)
シグルイ読んだからなおさら
それと>>131に（*´∀｀）

>>136
これはまた良い大晦日
たしかにあるあるｗｗｗｗｗｗ
ちくりの動向も気になるなー

年の瀬に二人とも超乙です
今年もよろしくお願いします

で、
ちょうど初詣な絵を描いてた訳ですが
http://l.pic.to/1cp39

>>139
カラーGJ！！
ｖｉｐもかわいいが、車と三戦もまたいい感じｗｗｗｗｗ
今年もよろしく

>>139
今年のカラー一発目ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!!
なにげにおみくじがぴょん吉になってるｗｗｗ
今年もよろしく！

ほっほしゅっしゅ

べ、べつに保守なんてしたくないんだからね

長刀さん乙

ニュー速のルーラ祭り圧縮で落ちたと思ってたら不可視になってたのか(ﾉД`)

このスレ残ってて良かった

>>145
そんな祭りあったのか・・・

>>146
うん。無印ヌ速でFOX★が400人に記者キャップ大量発行

さらにFOX★が、記者ならエロスレをニーピンに飛ばせる新機能　ルーラ（逝ってしまえ）を作ったよん♪
と実験開始

ニューススレやヌ速自治スレまで飛ばすアホとキャップ漏れでルーラ＆剥奪祭り

ヌ速のゴミためになったニーピンは圧縮（実は不可視）で荒野に

てな事があったのさ

★

ゅ

う

*文系クラス前

公園スポーツ「ねーX、缶蹴りしようよ」

xsport「用事があるんだ。　帰して下さい（´･ω･｀）」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

考古学「それなら中を取って私を手伝ってくれないか？」

公園スポーツ「あ、考古学さんこんにちは」

考古学「こんにちは公園スポーツ。　こんな晴れた日だ、缶蹴りもしたくなる」

xsport「いやだから俺は…」

考古学「どうせxsportはフュージョン目当てにBarに行くつもりだろう」

xsport「（´ﾟωﾟ｀）！！」

公園スポーツ「そ　う　な　ん　だ　？」

xsport「そんなわけないだろ、HAHAHA…」

考古学「なら手伝ってほしい。　人手が足りないんだ」

公園スポーツ「いいよ。　Xは強制参加」

xsport「…ぜひお供させてください（´；ω；｀）」

考古学「ありがとう。　では中に入ってくれ」

ｶﾞﾀﾝ

公園スポーツ「うわ…すごい…」

xsport「壁が全部本棚になってるんだな…」

考古学「文系クラスというぐらいだからな、どうしても書籍の類で埋まってしまう」

ｽﾀｽﾀ…

外国語「珍しい客だな」

考古学「手伝いを買って出てくれたんだ」

哲学「殺風景な教室だが、ゆっくりしていってくれ」

ｶﾀﾝ

日本史「あれ？　二人ともどうしたの」

xsport「拉致被害者です（´･ω･｀）」

考古学「ああ、日本史はトイレ？」

日本史「ちょっと！　いつもの調子で言わないでよ///」

公園スポーツ「ﾎﾞｿｯ…いつものって？」

日本史「ﾎﾞｿｯ…考古学、可愛いし根は良い娘なんだけど…少し言い方がストレートでね…」

考古学「私抜きで何か相談事か？」

日本史「いや何でも♪　それより早く済ませないと」

xsport「ところで一体何を手伝うんだ？」

公園スポーツ「そう。　それを教えてくれないと…」

考古学「これだ」

ﾄﾞｻｯ、ﾄﾞｻｯ…

xsport「この段ボール箱は？」

考古学「土器に、石器…私とクラスメイトで発掘した物だ。
これの整理を手伝ってほしいんだ」

ｶﾁｬ…

日本史「この辺りはかなり昔から栄えていたんだよ。　古くは"したらば"って名前でね」

考古学「だから様々な時代の物が出土する。　毎年調査しているんだ」

xsport「すげー！」

公園スポーツ「こんなの教科書でしか見た事ない」

ｶﾁｬ

日本史「それじゃ、出土物の仕分けをするから」

考古学「出土物には1〜5まで数字が書いてある。　それを分けてもらいたい」

xsport「わかったよ。　ちゃっちゃと終わらせようぜ」

考古学「頼もしいな。　では取り掛かろう」

ﾎﾟﾝ

日本史「分けたらこれに入れてってね。　扱いは慎重に」

公園スポーツ「りょ〜かい」

*二時間後

考古学「最後だ、これで」

xsport「ふぅ…結局真っ暗になったか…」

日本史「手伝ってくれてありがとう。　考古学さんが無理に誘ったおかげで」

公園スポーツ「ううん、珍しい体験だったよ。　文系クラスってこんな事もしてるんだ、って」

考古学「ああ。　流石に理系ほどの派手さはないが」

日本史「ともかくありがとうね。　二人じゃ遅くなってたと思う」

考古学「謝礼だ」

ちゅっ

xsport「！？」

公園スポーツ「あ゛っ！」

日本史（あちゃー…）

考古学「本来はジュースでも奢りたいところなんだがお金が無い。
ジュース一本分に充当するか分からないが、私のキスで勘弁してほしい」

公園スポーツ「…考古学さん…？」

ズズズズズ……

日本史「あの…公園スポーツさん、考古学は…」

公園スポーツ「（#ﾟーﾟ）ニコニコ…」

日本史（こ、怖い！　しかも笑ってる？）

心理学「笑うという行為は本来攻撃的なもので、獣が牙を剥く行為が原点だと言われている」

日本史「解説してないでなんとかしてよ」

心理学「無理だ」


考古学「ああ、悪かった」

ちゅっ

公園スポーツ「！！？」

日本史（うわぁ…//）

公園スポーツ「いきなり何を…//」

考古学「謝礼は平等に。　同性相手ですまない」

公園スポーツ「（悪気は無いみたいだけど…）やっぱりムカつくっ！」

ｶﾞｯ！

xsport「ちょ！　何で俺がｳﾎﾞｧ」

考古学「ふむ、私のキスでは不足か」

日本史「いや…そういう意味じゃなくて」

以上です…新年一回目、新キャラ作るの難しい…

乙！

>>158
おお、乙です
新キャラが出てくるとわくわくする俺ｶﾞｲﾙ
考古学キス魔ﾜﾛｽｗｗｗｗｗｗｗｗというかまさか素直クールなのか！？

ＧＪ！
キス魔の考古学(*´Д`)

>>160
そのつもりで書きました。
ちょっと違うような気も。

対応キャラとかもそのうち考えないと…

乙&GJ！！
考古学･･･(*´д｀)

いやーん♥
なにこの展開♥
あたいのハートを捉えて離さないわ♥

ちょｗｗｗｗｗｗｗ(´Д｀*)

☆

★

来週末あたりちまちま描き始める予定

この人たちが１５０人超えたらオナニーするって
http://203.131.199.131:8100/fender.m3u


これが掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/2908/1137258928/

今してます

>>168
ｗｋｔｋ

*図書室

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

一般書籍「いらっしゃい…？　そっちの娘は初めて見るな」

ロボット「まあね、表に出ない人も多いから」

一般書籍「この学校ならありえる話だ。　ええと…」

オズ「オズと言います。　よろしくお願いします一般書籍さん」

ぺこり

一般書籍「名前を知っててもらえて光栄だね。　借りたい本があったらいつでも言って」

お人形「あ、これ返すね」

一般書籍「お人形さんに手芸の雑誌はもう要らないと思うんだけどね」

お人形「そんな事ないよ〜。　新しい素材だって出てくるんだから」

ロボット「新しい部品のカタログってある？」

一般書籍「あるよ」

ｷｭﾙﾙ…

オズ「…状況…手持ちぶさたです」

ロボット「なら、図書室を見て回ってみたらどうだ？」

お人形「それがいいよ。　一緒に行こうね」

オズ「わかりました」

ﾄﾃﾄﾃ…

ロボット（彼女の知識自体はデータ入力で簡単に増やす事ができる。
でも自己学習機能もあるから外界からも何か感じ取ってほしいな…）



お人形「ここは趣味関係の本棚だよ。　といっても何十もあるんだけどね」

オズ「すごい…」

車種・メーカー「ん、お二人さん」

お人形「車種・メーカー君何か本を探してるの？」


車種・メーカー「ちょっと整備書をナ。　気象・天文から整備を頼まれたんだ。
…っと、あったあった」

オズ「車種・メーカーさんは最上級整備士（ハイテクマスター）と同等の技能を持っていると聞きました」

車種・メーカー「…よく知ってるナ。　とはいえ初めて見るクルマ、万全を期したいんだヨ」

お人形「さすが仕事人！　頑張ってね」

車種・メーカー「ああ、そうだナ」

ｽﾀｽﾀ…

オズ「…正確には最上級整備士"以上"の技能保持者です」

お人形「すごいなぁ…」

ｽﾀｽﾀ…

オズ「ここはどこですか」

お人形「理系・文系の本棚、たぶん図書室で一番広く場所を取ってるよ」



ﾋﾟｯ！

考古学「心理学、私の背丈ではあの参考書に届かない。　取ってくれると嬉しいのだが」

心理学「…かいつまんで説明すれば面倒臭い」

考古学「取ってほしい…取ってくれ……取れ」

心理学「わかった！　そう反復するな…」

ｶﾞﾀｯ

考古学「そこの青い背表紙の」

心理学「端から端まで青い」

考古学「そこの右斜めの」

ｶﾞﾀﾝ

心理学「できればタイトルを教えてくれ」

考古学「だから…」

ｶﾞﾀｯ

心理学「お、おい引っ張ると…」

バサバサバサッ

考古学「しまった」

心理学「うわっ！」

ガターン！



オズ「2ブロック先から大きな音がしました」

お人形「私も聞こえた」


バサッ

考古学「おお、これが欲しかったんだ。　ん？　心理学はどこだ？」

お人形「うわすごい…本が…考古学さんどうしたの？」

考古学「心理学が本を取ってくれたんだが崩れてしまった。　当の本人は行方不明」

オズ（探索モード…赤外線サーチ…）

ﾁﾁﾁ…ﾋﾟｰ

オズ「見つけました」

お人形「え、どこに？」

オズ「考古学さんの足元に」

ｶﾞｻｯ

考古学「そういえばさっきからフトモモに何か当たっるな」

ﾊﾞｻﾊﾞｻｯ

心理学「………」

考古学「居た。　見つけてくれて感謝する」

オズ「いえ」

お人形「それより心理学君…考古学さんの足の間に……///」

心理学「………///」

オズ「気を失っているみたいです。　ですが、なぜ笑顔なんでしょうか？」

ｶﾞｻｯ

考古学「ふむ、私もまだ捨てた物ではないという事か…」

お人形「とにかく片付けようよっ」

オズ「わかりました」

*10分後

考古学「片付いた。　ありがとう。　私は心理学を保健室へ連れていく」

お人形「お、お大事に…」

ｽﾀｽﾀ…

オズ「約25分経過しています」

お人形「じゃあそろそろ戻ろうかな」

オズ「………」

ｽｯ…

お人形「オズちゃん？」

オズ「ここの本を借りていきたいです」

お人形「（ここは小説の…しかも恋愛物だぁ…）いいと思うよ。　一般書籍君に言いなよ」

オズ「はい、大事に読解します」

お人形「うんっ♪」



ロボット「おーい、戻るぞー」

オズ「はい、大事に…」

以上です…
心理学は対応キャラではなく被害者？です。

>>168
WKTKで待ちますｗ

>>178
GJ！
オズたん可愛いな（*´∀｀）
考古学とかの今後の活躍も期待してます

>>178GJ！
そして心理学GJ！

毎日ν速からバンバンスレが飛んで来るせいで
落ちるんじゃないかと心配だよ(;´Д`)

リク受け付けます。
何かあればどうぞ。

犬猫、苦手に一票

巡回ついでに☆

>>183
考えてみます。
多分、いつものネタになりますが…

だが、それがいい

☆

★

*

・

*昼休み・屋上

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

犬猫「いい匂い…」

絵本「うん、おいしそう…」

生き物苦手「普通屋上で鍋なんかやるのかよ」

児童書「そんな事言ってるわりにはちゃんと調理してくれたじゃないですか」

旧ｼｬｱ「この私が鍋をやろうというのだよ」

厨房「誰もやらない。　だがそれがいい！」

生き物苦手「やれやれ……」

犬猫「でも残念だったにゃ。　また夜空の見学会できると思ったのに」

児童書「天文・気象さんのクルマが壊れてしまったんです、仕方がないです。」

絵本「また流れ星がみれるといいな…」

厨房「そろそろ煮えたんじゃね？」

生き物苦手「ああ、いい感じだぜ。　取り皿を」

ｶﾁｬｶﾁｬ

犬猫「みんな臨戦体制にゃん♪」

一同「いただきます」

厨房「うおおぉ！　もらった！！」

ﾋｭｯ

旧ｼｬｱ「やらせん！」

ｶﾞｯ！　ｷﾞﾘｷﾞﾘ…

犬猫「そんな慌てなくてもまだ具はあるにゃ」

厨房「やるな」

旧ｼｬｱ「フッ…」

ｷﾞﾘｷﾞﾘ…

絵本「おいしいねお姉ちゃん」

児童書「温まるよ〜」

厨房「鍋は俺が用意したんだぜ！」

旧ｼｬｱ「コンロは私が準備した！」

生き物苦手「箸で鍔迫り合いすんな」

園芸「はぁ…守護霊がね…」

三戦「御先祖様が守ってくれるという事か？」

オカルト「うん。　年代・個人差はあっても必ず見守ってくれてるんだよ」

神社・仏閣「あれ？　理系全般君はどちらへ？」

オカルト「ロボット君とどこかに行っちゃったんだ…」

園芸「たまにはいいんじゃないかな」

オカルト「……うん」

三戦「オカルトの気持ちも分かる、わたしには」

園芸「あぁ、なるほどね」

神社・仏閣「このプリンあげますから元気出してください」

オカルト「ありがとう…はむっ…」

オカルト「そういえば今の守護霊の話だけど…神社・仏閣さんは…"視える"の？」

神社・仏閣「はい、そういう事も仕事の内ですから」

三戦「たとえばわたしは誰がついてるか分かるのか？」

神社・仏閣「見てさしあげましょうか？」

園芸「変なの出てこないよね…」


神社・仏閣「………」

オカルト「……はむっ」


神社・仏閣「…一人のお爺さんが見えます…非常に強い力を持ったお侍さんのようです…」

園芸「やっぱり三戦さんは昔から武士の家系だったんだね」

三戦（この刀が見せてくれた映像にも、そんな事があった）

神社・仏閣「（ちょっと影があったのは気になるけど…）特におかしなところはありませんよ」

三戦「そうか…ありがとう神社・仏閣」

オカルト「…僕安心したよ。　普通は起きないけどもし悪い霊だったら…そのまま取り憑かれていたかもしれないから…」

園芸「あぁ〜、またそういう事言う」

神社・仏閣「大丈夫です。　私がついてますから」

ｶﾁｬ

三戦「………」



児童書「お粗末さまでした」

絵本「おいしかったよ！　またやろうねっ！」

生き物苦手「ははは…少し恥ずかしいよな…」

犬猫「そんな事ないにゃ。　今度はもっとすごい料理にチャレンジ…」

生き物苦手「そういう事言うんなら、お前ももっとうまくなれよ」

犬猫「にゃ…///」


ｷﾞﾘｷﾞﾘ…

厨房「最後の肉だけは渡せねぇ！」

旧ｼｬｱ「厨房め、言うようになった！」

絵本「たべないならたべちゃうよ〜」

ﾋｮｲ

厨房&旧ｼｬｱ「！！？」

ｶﾗｰﾝ…

絵本「おいしぃ♪」

旧ｼｬｱ「これが若さか…」

厨房「今回は引き分けにしておくわｗ」

生き物苦手（ふぅ、今度は何をやるのやら…）

以上です…短いですが。

抗争の時の三戦の立ち振る舞いばっかり浮かんでくる…orz

>>197
ほのぼのしててGJ！！！
屋上で鍋って…それなんｔ(ry

犬猫、苦手の会話もさることながら久しぶりの厨房＆旧シャアがまたいい感じｗｗｗｗｗ
あと、三戦さんの守護霊の活躍に期待ｗｗ

ご無沙汰で来たですが、まだあってよかった〜

>>197
GJ！楽しませていただきましたｗｗｗｗｗ

>>197
乙です！ほのぼの良いなー
抗争の三戦たんに激しく期待

人少ないですね

なら点呼

ﾉｼ

ﾉｼ

ﾉｼ

これっていいの？
http://maimain
.blog45.fc2.com/

ﾉｼ

ﾉｼ

まだけっこう居るじゃないか

ﾉｼ

ﾉｼ
職人さんｶﾞﾝﾊﾞﾚ！！

意外に人居るもんだｗｗｗ
ﾉｼ

私も挙手しとこﾉｼ

ﾉｼ

ﾉｼ

ﾉｼ
☆

ﾉｼ
※

バレンタインが近いから長めの話を考えますが。
また誰かがくっつく予感…

久々に来たけどﾉｼ
職人さんいつも頑張ってくれてありがとう

>>216
バレンタインってなんだっけ？

>218
おいおい、去年活躍したロッテの監督じゃないか

>>219
それかよｗｗｗｗｗ

なんか長いことこのスレ見てる気がしてるが
冬のもりだくさんイベントは初めてなんだよな

移転しやがって〜☆

移転はいいけど、携帯で移転先の表示しにくいなあ

あれ？移転したの？

>>223
うん。PC版のページみたいなカラー表示で、スレタイ検索が出来ないのが不便だ＠au

べっかんこ作戦ってなんだろうと思って
運用板見て来たけど、該当スレ判らなかったよor2

ドコモだと書き込めないってレスはいくつかあった

*趣味クラス

ざわ……ざわ……

車「おっす。　朝からなんか騒がしくないか？」

車種・メーカー「黒板の貼り紙を見なかったのかヨ？」

車「ああ、なんか貼られてるな」



無線「へぇー、ダンスパーティーに料理クラスのフルコース…」

コレクション「こりゃ行くしかないかもわからんね」

車「ん、生徒会主催のパーティーのお知らせ…？」

ダンス「そうですよ。　私も一枚噛まさせてもらっています」

車種・メーカー「日時は2月14日。　まさに神の図ったタイミングだナ」

車「なんか面倒くさそうだ」

三戦「………」


車種・メーカー「相方は真剣みたいだぞ」

車「相方って言うなよ…//」

車種・メーカー「くっくっく、無料なんだから飯を食いに行く感じで行けばいいんだヨ」

車「しょうがないな…」

*武道場

長刀「で、これが回って来たプリント？」

剣道「そんなところだ。　どうする？」

長刀「…興味ないわ」

剣道「そうか？　賑やかで良いと思うんだけどな」

長刀「興味ないったらないの。　練習でもしてくる…」

スタスタ…

剣道「何をムキになってるんだ…」


長刀「バレンタイン、か」

*学食

ざわ……ざわ……

機械・工学「理系君は行くよね。　オカルトさんと予定を合わせなきゃ」

理系全般「ま、まあそうなるだろうね」

物理「前日には料理クラスで手づくりチョコ教室があるのか」

材料物性「手づくりチョコ…お兄ちゃんに…」



哲学「行くべきか行かないべきか、それが問題だ」

心理学「その日…男はチョコの数に笑いチョコの数に泣く。　どういう心理なんだろうなぁ」

考古学「ではチョコはいらないというわけだな」

心理学「いや、貰える物はもらっておく」

考古学「現金だな…」



ラウンジ「そういやもうすぐバレンタインなんだな。　この前年が明けたばっかなのに」

『みんなチョコチョコうるさいなり…』

ラウンジ「ｖｉｐはどうするんだ？」

『行くに決まってるだろｗｗｗｗ食い放題バンザイだｗｗｗｗｗ』

ラウンジ「おまえらしいな…」

『安心しろｗｗラウンコのチョコも用意してやるｗｗｗｗ』

ラウンジ「ほぅ」

『…青と赤どっちがいい…？』

ラウンジ「ちょ、どういう事だ。　何が青くなったり赤くなったり…」

『せっかくだから俺は赤い方を選ぶぜ！　というわけで赤に決定ｗｗｗｗｗ』

ラウンジ「勘弁してくれ。　人間が食べられる物を作ってくれ…」

『大船に乗った気で待てｗｗｗｗ』

ラウンジ（…でもｖｉｐがどんなチョコを作るのか気になるな）

*図書室

一般書籍「お菓子の本は全部貸出中だよ」

犬猫「うにゃ…どうしよう…」

手品・曲芸「犬猫さん、家に本があるから貸してあげようか？」

犬猫「ありがとうにゃ！」



天文・気象「なんか学校全体がざわついてるね」

花火「あぁ、バレンタイン近いからな。　騒いでるのは女子だけだ…」

*漫画・小説クラス

コスプレ「うんしょ…うんしょ…」

ファッション「生地はこれくらいあれば足りるよねー？」

コスプレ「うん、OK」

トテトテ

絵本「コスプレお姉ちゃんなにしてるの？」

コスプレ「えへへー、パーティーの衣装を作るんだよ♪」

ファッション「私はお手伝いってところ。　当日みんなに貸し出すんだ」

絵本「わぁ…お洋服がいっぱい！」

コスプレ「ふふふ…片っ端から強制コス…ふふふ…」

絵本「？」

ファッション「絵本ちゃん見ちゃだめ…あんなふうにならないでね…」

*生徒昇降口

ザザザァッ！ キュッ！

xsport「うしっ！　今日も絶好調……なんか、寂しいな。　公園スポーツも見ないし（´・ω・｀）」

自転車「まあアレだ。　果報は寝て待てってことだな」

xsport「どういう事？」

自転車「まったく鈍いな…」

ガラガラ…

軍事「会長から受けた任務とはいえ…」

xsport「おっ、何を運んでるんだ軍事」

ガチャ…

軍事「例のパーティーで会場に飾る調度品だ」

自転車「会場は体育館だったな」

軍事「これを見てくれ」

xsport「赤絨毯に鎧兜に剣って…どこの洋館だよ」

軍事「これだけじゃないのだが。　誰の趣味かは分からない」

自転車「変に凝ってるんだな…」

*理系クラス

キュル…

オズ「バレンタイン」

ロボット「そうだよ。　毎年2月14日に女性が男性にチョコレートを渡すんだ」

オズ「なぜチョコレートを渡すんですか？」

ロボット「そこまでは知らない…でも、概して好意を寄せる男性に対してチョコを渡すみたいなんだけどね」

キュルル…

オズ（好意…対象を好きだという感情…）

ロボット「オズ？」

オズ「認識しました。　私は充電に入ります」

ロボット「ああ、おやすみ」

*パーティー二日前・屋上

ヒッキー「はぁ…」

車「どうしたんだよ」

ヒッキー「これをな…」

パカッ

車種・メーカー「チョコレートケーキか？」

車「ヒッキーって甘い物好きだったっけ？」

ヒッキー「違うんだ。　ここ一週間ずっとサバゲーが弁当替わりにチョコレートをよこすんだ…」

車「気合入れ杉だろそりゃ…」

ヒッキー「もうチョコはうんざりdブッ！（鼻血）」

車種・メーカー「しっかりしろヨ！　車、ちり紙！」

車「お、おう」

ヒッキー「悪い…」

車種・メーカー（今こんな調子だと当日はすごい事になりそうだナ…）






バレンタイン前半（？）です。
誰かがくっつく予定。
なんかあざといネタとか浮かんでくる…
そしてドコモから書き込めない…

ＧＪ＆乙です！
うはｗｗすごいことになってきてるｗｗｗ
もうｗｋｔｋしてまってますよ

あうだから書き込める

>>229
GJ！！久しぶりに見るキャラとかいてｳﾚｼｽ
本当にこれは凄いことになりそうな予感ｗｗｗｗｗｗｗ
続きｗｋｔｋしてます


iアプリのiMONA通したらDoCoMoでも書き込めるようだ

ktkr

久しぶりに見るといっそうおもすれーｗｗｗｗｗｗｗ
次回も禿期待！！

ｗｋｔｋｗｋｔｋ

☆

ほ

し

ゅ

う

と

*パーティー前日・学食テラス

自衛隊「寒いな…富士の演習場みたいだ」

未来技術「最高気温5℃だ…気象・天文が言ってた」

刃物「何が悲しくて外で飯を食わなきゃいけないんだ…」

剣道「仕方がない。　学食の中の状況が状況だからな」

自衛隊「女子が殺気立ってる。　あの目は戦士の目だ」

刃物「明日みんなは行くのか？」

未来技術「妹から誘われた。　いい加減に兄離れしてほしいよ」

自衛隊「警備で参加する」

刃物「剣道は？」

剣道「あ、あぁ…行く（あれから長刀を一度も見てない…どうしたんだ？）」

*学食

ｻﾊﾞｹﾞｰ「ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…」

無線「ｻﾊﾞｹﾞｰちゃん、あんまり根をつめない方がいいよ。　手づくりってだけでも軍事は喜ぶから」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「そうかもしれませんけど…ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…」

無線（あはは…でもちょっと妬けちゃうかな）

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗｯ

犬猫「ぜんぜん頭に入らないにゃー！」


お菓子「はいはい！　みんな静かに！」

『チョコうめぇｗｗｗｗ』

ファミレス「ちょっとｖｉｐ、それ材料のチョコだから食べちゃだめ！」

お菓子「こほん、チョコと言っても色々あります。　スタンダードなのはトリュフとか生チョコかな」

お菓子「経験のある子ならガトーショコラとかも良いかな」

ざわ……ざわ……

長刀（…チョコなんて作った事ない私にできるのかしら…）

ｻﾊﾞｹﾞｰ「シミュレーションは何回もやったから…ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…兄ちゃんごめんね…ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…」

三戦「いよいよか」

材料物性「…うまくできるといいな…はぁ」

ｷｭﾙ…

オズ「大丈夫です。　材料物性さんならきっとうまくチョコを製作できます」

材料物性「ありがとう…オズさん」

お人形「ﾎﾞｿｯ…ここに居て大丈夫なのオズちゃん？」

ｷｭﾙﾙ…

オズ「（音量ダウン）大丈夫だと判断しました」

機械・工学「オカルトさん、ボク応援するからね」

オカルト「…ありったけの念を込めて作るよ。　僕の気持ちを…」

電気・電子（彼女が言うと別の意味に聞こえてしまう…）


お菓子「じゃあまずチョコレートトリュフの作り方から。　材料のチョコを包丁で均一に刻んでください」

絵本「ざくざく♪」

児童書「気をつけてね」

ｶｶｶｶｶｯ！

犬猫「手品・曲芸さん早いにゃ」

手品・曲芸「そうかな？」

お菓子「うん、上手だよ」

手品・曲芸（これといって渡す相手は居ないけどねっ…）

ざわ……ざわ……

ファミレス「みんなできたみたいだね」

お菓子「はーい！　では生クリームを鍋に入れて火にかけてください」

ｶﾁｯ…ﾎﾞｯ！

公園スポーツ「家庭科でもこんなのやったことないなー…」

ボォォオッ…！

ほのぼの「あ〜、ｖｉｐちゃんのコンロ火柱たってるよ〜」

『うはｗｗｗｗなんか炎の料理人っぽくねｗｗｗｗｗ』

お菓子「あぁ！　駄目駄目、沸騰させちゃ！」


三戦「本によると沸騰直前まで熱したこれを刻んだチョコと混ぜる、とあるな」

長刀「三戦、どう？」

三戦「こういう物は初めてだから不安だ…」

長刀「そうよね…」

三戦「長刀は誰に？」

長刀「まぁ…いつも居るあいつに…」

三戦「………そうか」

長刀「そ、その間は何なわけ？」

お菓子「長刀さん、手を動かしてねー」

長刀「あっ！　はい…///」


日本史「チョコと生クリームを混ぜて、なめらかなクリーム状になったらラム酒を加える…」

考古学「そのまま飲んだ方がおいしそうだが」

日本史「だめだって…」

機械・工学「混ぜたものを絞り袋に入れ…難しい」

電気・電子「ワタシが袋持つから姉さんは流し込んで」

機械・工学「そうだね」

お菓子「次はまな板の上にオーブンシートを敷いて、その上にチョコを絞り出してください。
棒状に、均一な太さになるように」

ファミレス「できたら冷蔵庫で冷やしますよ」

ｷｭﾙﾙ…

オズ「チョコ硬化までの所要時間、およそ15〜30分です」

お人形「一息つけるね」

*体育館

ﾊﾞｻｯ

厨房「イヤッッホォォォオォオウ！！」

ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…

ν速＋「こら！　絨毯の上を転がるんじゃない！」

旧ｼｬｱ「やはり赤は良い…」

軍事「大きいテーブルだ、気をつけて運ぶぞ」

剣道「ああ分かってる」

ν速「ありがたいな。　他の生徒も手伝ってくれている」

政治「今年はどうなる事か…そういえば妹さんは？」

ν速「学食だ。　去年はひどい物を渡されたからな。　青い…」

政治（青い？）


ｼｬｰｯ！

車「こんなもんか？」

車種・メーカー「そうだナ。　次の窓に行くぞ」


世界情勢「みなさん、いい物を持ってきましたよ」

旧ｼｬｱ「これは…」
厨房「チョコレートじゃん！」

世界情勢「ひと足早いですけど皆さんに、どうぞ」

車「さ、三戦はどうだった？」

世界情勢「悪戦苦闘してましたね、心配ですか？」

車「え、あ、いや…まぁ///」

車種・メーカー「くっくっく、墓穴を掘ったナ」

ν速「ありがとう。　みんなで頂くとしよう」

*学食

お菓子「ここでココアパウダーをまぶせば…出来上がり！」

犬猫「にゃっ、できた」

材料物性「私もできました…！　お兄ちゃん食べてくれるかな…」

三戦「首の皮一枚つながったか…」

長刀「むぅ……（溶けて崩れた…）」

ｷｭﾙ…ﾁｷｯ

オズ「予測よりも形が整いませんでした」

お人形「大丈夫だよ！　形なんて二の次二の次」

ほのぼの「ｖｉｐちゃんできた〜？」

『かつてない出来に全米が泣いたｗｗｗｗ』

ほのぼの「わあ〜きれい〜」

公園スポーツ「ホントにｖｉｐが作ったの？　中の人じゃなくて？」

『ねーよｗｗｗｗｗ誰だよ中の人ってｗｗｗ』

ｶﾁｬｯ…

考古学「うむ、まずまずではないか」

日本史「従姉妹には負けられないからね」

絵本「１個たべちゃった。　おいしぃ…」

児童書「残りは明日だよ。　お菓子さん、チョコどうしますか？」

お菓子「冷蔵庫で保管しましょう。　明日が楽しみだね」

*体育館

ν速「さて、舞台は整った。　明日か…」

バレンタイン中盤です。
ちょっと中弛み気味かもしれない。

>>249
レス一番乗りｹﾞﾄｽﾞｻ━━━━⊂(ﾟДﾟ⊂⌒｀つ≡≡≡━━━━!!
待ってました！激しく乙であります(*ﾟДﾟ)ゞ

続きが気になって眠れねえｗ
激しくGJ！！！！！

>>249
GJ！長刀さんかわいいよ、ｖｉｐもかわいいよ
次になにが起こるのかｗｋｔｋしている

貴方に一生童貞を守り通してしまう呪いをかけました。
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1136276378/
助かりたければ上のスレに

ぬるぽ


と書き込む事です。

このスレッド誰が１番人気なんだろうな
やっぱりｖｉｐ？

僕はｖｉｐちゃん

最初からずっとｖｉｐちゃん！

連カキすまんが、ν速氏の妹ってのは萌えるけどどうなのかな？
ｖｉｐはいちおう、性別未設定ってことだったので、なかにはイヤな人もいるかも？

>>257
確かに…初期の頃は男の方がいいって意見もありました。
ﾗｳﾝｼﾞとキスまでしてしまったのですっかり女の方に振ってしまいました。 ごめんなさい。

女でいいんじゃね？

最初は中性的だったけどラウンジとの付き合いで少し女の子っぽくなってきたということでどうよ？

女　　　　　中性　　　　　男
　　　　　　↑ここら辺が個人的にいいわけで

vipなんてカオスだからその時々で良いんじゃね？

読み手の想像で、男でも女でも納得いくのが個人的に良いと思ってる
BLとかの観点も含めると今まではどっちでもおｋだったわけでｗ

そうですね。
明確に女だと分かる表現は無くすようにします。

http://rubyurl.com/3Zg

ほ？

し？

これ解けたらおっぱいうｐします
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1139820938/

http://n.pic.to/5ipk2
http://o.pic.to/1iz6k

20 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2006/02/13(月) 19:03:02.73 ID:YnaWY80xO
こんばんわ
13歳♀です＞＜

*パーティー当日・趣味クラス

ﾊﾝﾄﾞｸﾗﾌﾄ「今日の授業は終わりだな」

手品・曲芸「それではパーティーに参加する人は体育館に向かって下さい」

ざわ……ざわ……

ﾄﾗﾝﾌﾟ「何時から何時までだっけ？」

趣味一般「午後6時から9時だよ」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「あれ？　先輩は？」

無線「軍事なら警備で先に行ったと思うよ」

*体育館入口

冠婚葬祭「こちらの台帳に名前を書いて下さい」

車「…少し緊張するよな」

イベント企画「おっと、腰の物を預かるよ」

三戦「刀はダメなのか？」

冠婚葬祭「申し訳ありませんが警備担当の生徒以外は武器を持ち込めない事になってます」

三戦「しかたない」

ｶﾁｬｯ

イベント企画「確かに。　楽しんできてください」



喪男「本当に行くのかよ毒男！Σ('A`;)　こんな日は部屋の隅でうずくまってた方がまだマシ…」

毒男「俺は疲れた('A`)。　いっその事今年参加して派手に散る方を選ぶ」

喪男「お前だけ逝かせる訳にはいかない…」

毒男「お前も来るか、この血塗られた道を」

喪男「チョコは無くてもディナーくらいは食べてやろうぜ」

毒男「いい覚悟だ。　逝くぞ！」

*30分前・体育館

ｷｭﾙ…

オズ「予定より30分程早く到着しました」

ロボット「うん、待つとしよう」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「おっ、早いなｗ」

軍事「今居るのはパーティーの要員だけかと思っていたが」

ロボット「授業が早く終わったんだ」

ｽﾀｽﾀ…

コスプレ「あっ……」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「何だｗ」

コスプレ「ちょっとそこの三人こっち来て！」

軍事「これから警備の打ち合わせが…」

がしっ！　ｽﾞﾙｽﾞﾙ…

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「ちょｗ俺の体が引きずられるｗ」

ロボット「行ってくるよ…」

オズ「はい、その方が良いと判断します」

*体育館控室

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

コスプレ「はい団体さんご案内〜♪」

軍事（すごい力だ…）

ロボット（逆らわない方が賢明だね…）

ファッション「あはは、まだ30分前だよ」

コスプレ「いいからいいから」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「これは何事だよｗｗピザの仕込みがあるのにｗ」

ファッション「ごめんね。　今のコスプレ、見境無いから」

コスプレ「さっ、これ着て！　さもなくば死」

ざわ…

ロボット（問答無用だ…）

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ（やべぇ目がマジだｗ）

軍事「わかった。　降伏する…」

*体育館

料理「ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞはどこに行ったんだ。　仕事はしっかりする男なんだが」

ソフトドリンク「他のメニューで凌ぐしかないよ」

おすし「なに、ピザだけが全てじゃないって」



電気・電子「もう始まってるみたいだ」

気象・天文「ここ本当に体育館？」

ファミレス「いらっしゃいませ〜♪」

自衛隊「会長から、これといって生徒会から挨拶とか無いから自由にやってくれだと」

児童書「雰囲気いいですね…」

機械・工学「ボクお腹すいたよ」

絵本「おなかペコペコ…」

物理「なら先に腹ごしらえといこう」

未来技術「うん、そうしよう」

材料物性「えへへ…♪」

未来技術「あ、あんまりくっつくなって…//」



ｻﾞｯ

アニメサロン「漫画・小説クラス推参っ！」

エヴァ「声が大きい」

一般書籍「いやはや、賑やかだね」

同人「まぁコミケの方が賑やかだけどね。　また色んなカップリングが見られるし、ふふふふ…」

少年漫画「相変わらず同人さんは黒いオーラ全開だなぁ」


自衛隊「軍事遅いな…」

ｷｭﾙﾙ…

オズ「ロボットさんがこの場を離れて35分…と21秒…22…」

『うはｗｗ体育館がすごい事になってるｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「よくここまで準備したよな…」

『向こうから何か来るｗｗｗｗ』

カッカッカッカッ……

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「諸君私はピザが好きだ、諸君…私はピザが大好きだ…」

『ちょｗｗｗﾋﾟｻﾞ何の真似だｗｗｗｗｗ』

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「トマトソースが好きだ、ホワイトソースが好きだ…//」

ロボット「頑張れ…！」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「ピザハットが好きだ、シカゴピザが好きだ、ピザーラが……もう限界だｗｗ」

軍事「……（；ﾟ_ﾟ）b」

漫画サロン「ピザ少佐！　ピザ少佐じゃないか！」

『新手の羞恥プレイかｗｗｗｗ』

ﾈｯﾄwatch「うわーあの三人にそっくり」

ｶｼｬｰ！　ｶｼｬｰ！

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「撮るなバーローｗ」

ｷｭﾙﾙ…

オズ「ロボットさん、現在室温は15℃です。　その、腹部を暴露した格好は風邪を引く原因になります」

ロボット「僕も好きでこんな腹出しルックになった訳じゃないんだけどね…へっくし！」


ｻﾊﾞｹﾞｰ「先輩！」

軍事「………」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「…先輩？」

軍事「………」

ｷｭｯ…

ｻﾊﾞｹﾞｰ「"コスプレに喋ったらいけないと厳命された"？」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「コスプレに捕まって無理矢理こんな格好にさせられたんだよｗ」

ﾗｳﾝｼﾞ「災難だったな…」

料理「おーい！　早く来てくれ！」

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「やれやれお呼びだｗ」

『んじゃ俺ミックスピザヨロｗｗ』

ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「任せとけｗ」

ｽﾀｽﾀ…

料理「なんでスーツなんだ…？」
ﾊﾟｽﾀ・ﾋﾟｻﾞ「いろいろあったんだよｗ」

ﾌﾟﾙﾙﾙ…ﾌﾟﾙﾙﾙ…

自衛隊「こちら自衛隊」

防犯・詐欺対策〔二人とも揃ったみたいだな〕

軍事（カメラでモニターしてるのか）

防犯・詐欺対策〔いい夜だ。　トラブル無しで行こう〕

自衛隊「了解だ」

軍事（こくり）

ﾋﾟｯ！

ｽﾀｽﾀ…

自衛隊「そのモーゼル使えるのか？」

軍事「………」

自衛隊「"ライフル用のバレルを仕込んであるから問題無い"か。　用意がいいな…」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「後でこっちにも来てくださいよー！」

無線「ｻﾊﾞｹﾞｰちゃん、軍事が戻ってくるまで向こうのテーブルに行こ」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「そうですね」

『俺達も行こうぜﾗｳﾝｺｗｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「ああ、そうだな」



*体育館入口

剣道「遅れてしまったか…」

長刀「………//」

剣道（長刀…あんな所で何してるんだ？）

長刀「………//」

剣道「おーい長刀ーっ！　入らないのかー？」

長刀「あっ…！」

だっ！

剣道「お、おい待てよ！」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

*武道場

長刀「はぁ…はぁ…っ」

剣道「はぁ…はぁ」

長刀「はぁ…なんでついてくるのよ…」

剣道「逃げるからだろ？　どうして…」

長刀「別に…興味がないって言ったでしょ」

剣道「でもさっきの長刀…体育館に入りたがってるように見えた、俺には」

長刀「関係ないわよ…」

剣道「じゃあその包みは？」

長刀「…っ！」

剣道「渡す相手が居るんだろ」

長刀「は、あはは…渡す相手なんか…居ないよ」

剣道「………」

長刀「あんたなら私の性格分かるでしょ？　なんだかんだ言ってキツイ性格してるの。　一応自覚してるのよ」

ｽﾀｽﾀ…

長刀「チョコ、もらってくれる相手も…パーティーで踊る相手も…居ないと思うから」

ｻﾞｯ

剣道「…相手なら居るぞ」

長刀「えっ…」

剣道「今、長刀の目の前に」

長刀「！　何言ってるのよ。　冗談は…//」

剣道「本気だ」

長刀「えっと、ちょっと待って。　本当に本気なの…？」

剣道「…俺は、長刀が好きだ」

長刀「……うっ（ ;_;）」

剣道「長刀！？」

長刀「ごめんね…だって、あんたからそんな…事言われるなんて思ってなかった、からっ…うぐっ…」

剣道「………」

長刀「私も、好きなの…あんたが…だから嬉しくって…ぐすっ…」

剣道「ごめん…気付いてやれなくて」

長刀「ううん、おあいこよ…だからこれを受け取って」

ｶﾞｻｯ

長刀「形は自信ないけど…」

剣道「でも、うまいよ…///」

長刀「嬉しい…///」


剣道「それじゃ会場に行こう。　二人で」

長刀「う、うん…//」

*体育館控室

コスプレ「さ〜観念なさい」

三戦「なんだそのスプレーは…よ、寄るな…」

ｻﾞﾋｭｯ！

三戦（速いっ！）

ﾌﾟｼｭｰ

コスプレ「動いたら余計なところにも着くよ」

三戦「髪を染めるなんて…父上になんと言われる事か…」

美容「大丈夫よ。　水溶性の特殊なやつだから洗えば落ちる」

三戦「もう好きにしてくれ…」

コスプレ「はい、一丁上がり。　美容さん後はお願い」

ファッション（次の獲物を探すんだ…）



毒男「もぐもぐ…」
喪男「おかわり！」

うどん「おまえら他にする事ないのか…」

車「三戦どこだよ…さっきまで一緒だったのに」

車種・メーカー「くっくっく、色々下準備があるんだろ」


『ピザうめぇｗｗｗやっぱピザだなｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「急いで食うとヤケドするぞ」

毒男「よし、次はピザを食べるぞ」

『おいすー＾＾こんな日によく来たなｗｗｗｗ』

喪男「うるせー！」

毒男「追い詰められてこそ、浮かぶ瀬もあるんだよ('A`)」

『ちょうどいいｗチョコやるよｗｗｗｗ』

喪男「マジか！」

ｶﾞｻｯ

『たんと食えｗｗ』

毒男「慌てるな喪男。　これは孔明の罠だ」

喪男「いーや、食う。　俺は食うね！　もぐ………！」


車「どうだ喪男？」

ｶﾞﾀｰﾝ！

喪男「辛ぇ！　ｳﾎﾞｧ！　辛っ！」

毒男「やはりな」

『うはｗｗｗｷﾀｺﾚｗｗ唐辛子入りチョコｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「この前言ってた赤は唐辛子の赤かよ！」

『ﾗｳﾝｺは特別にバーボン入りにしてやったｗｗ感謝しろｗｗｗｗ』

車種・メーカー「水だ。　落ち着いて飲め」

喪男「俺達にまっとうなチョコは無いのか…('A`)」

毒男「向こうで何か飲んでこよう」

喪男「ああ……('A`)」

『ほれｗｗ』

ｶﾞｻｯ

毒男「またか、同じ轍は…」

『ねーよｗｗｗ普通の余り物だｗｗ』

喪男「おおぉ…！」

『当然義理だけどなｗｗｗ』

毒男「今！　俺達は大きな一歩を踏み出した！　イヤッホゥ！」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

ﾗｳﾝｼﾞ「えらい変わり様だ」



オカルト「…理系君…これ、僕の気持ち…///」

理系全般「ありがとう。　お返しは必ずするから///」

機械・工学「あははっ、熱いねー//」

電気・電子「うらやましい…」

材料物性「私も…お兄ちゃん…受け取って下さい///」

未来技術「ありがとう。　よくできてるじゃないか」

材料物性「えへん…」

神社・仏閣「っくしゅん！　寒い…」

園芸「神社・仏閣さん。　どうしてそんな露出度の高い服を…」

神社・仏閣「コスプレさんに捕まったんです…こんな袴ありませんよ…」

犬猫「にゃー♪」
絵本「にゃー♪」

生き物苦手（ネコミミウェイトレス…！　懐かしいな。　しかも増えてるし）

犬猫「苦手君にチョコレートにゃん♪」

生き物苦手「あ、あぁ。　サンキューな//」

絵本「にゃー、っていえばみんな可愛がってくれるってコスプレお姉ちゃんがいってたにゃー♪」

児童書「我が妹ながら癒される…」

*体育館裏手

ｴﾛｹﾞｰ「いよいよ俺達の積年の怨みを晴らす時がきた。　それが今だ！」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「今夜の体育館はさながらコスプレパーティーになりつつあるからな…そこで取るべき道はひとつ」

ｽﾁｬｯ！

ｴﾛｹﾞｰ「盗sもとい闘撮！　これまでは目立ち過ぎたせいで不覚をとったが今回はそうはいかんぞ」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「くくくっ…我々の完璧な変装で会場に潜入してやる」



クラシック「〜♪」


xsport「なんかよくわからんけどクラシックの演奏すげーな…あれバイオリンか？」

公園スポーツ「違うって、チェロだよ」

♭♪〜♪〜♭♪〜♪〜

公園スポーツ「えと、これっ」

ｻｯ

xsport「これって…」

公園スポーツ「全然義理だから。　勘違いしないでよ」

xsport「それにしてはなんかでか…」

ｶﾞｯ！

xsport「いっ！！」

公園スポーツ「素直に受け取る！」

xsport「はい…（´･ω･｀）」

♪〜♪〜……ｺﾄｯ

クラシック「会場の空気が良いと演奏しやすいな」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…

現音「…お兄ちゃんお疲れ様…」

ジャズ「選手交替といこう」

クラシック「宜しく頼む」

パチン！

フュージョン「お兄ちゃん頑張れ〜」

経済学「すごい集客…これが有料だったらどれくらいの経済効果があるか…」

芸術デザイン「会場の装飾もなかなかバランスが取れているね」

ｶﾁｬ…ｶﾁｬ…ｶﾁｬ…

考古学「なんだ？」

三戦「………」

ｶﾁｬ…ｶﾁｬﾝ…

日本史「三戦だ…コスプレさんに捕まったのかな…（;･ー･）」

考古学「ドレスというか、西洋の甲冑みたいな衣装だな」



ｻﾊﾞｹﾞｰ「先輩、これ…もらって下さい…//」

軍事「………」

なでなで

ｻﾊﾞｹﾞｰ「わ……///」

無線「あー、もう憎いなー。　私の義理も受け取ってよ」


ｶﾁｬ…ｶﾁｬ…

車「三戦？」

ｶﾁｬﾝ…！

三戦「と………」

車「と？」

三戦「と、問おう。　貴方が、わたしのマスターか///」




車「は？　一体なにを言っtうわっ！」

ﾈｯﾄwatch「どいてどいて！」

ｶｼｬｰ！ ｶｼｬｰ！

三戦「恥ずかしい！　何なのだこれはっ//」

ぐっ！

同人「三戦さん、私と組まない？　貴女なら世界を狙えるよ！」

ｶﾁｬｯ！

三戦「お断りだ！//」



『趣味クラスﾃﾗﾆｷﾞﾔｶｽｗｗｗおもすれーｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「だな、今日はここに来て良かった」

『禿同ｗｗｗうぇｗｗそうそうｗこれｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「それ大丈夫なんだろうなぁ…？」

『疑うくらいなら食べるが易しだｗｗｗ食えｗｗｗｗ』


ﾗｳﾝｼﾞ「…うまい…！」

『だから言ったじゃんｗｗﾗｳﾝｺは"特別"だってｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「おまえの手づくりなんだよな…ありがとうな///」

『は、はいはいクマクマｗｗ食べたら踊るぞｗｗｗ///』

ﾗｳﾝｼﾞ「ああ、分かったよ」



剣道「………」

長刀「ちょっと、なに惚けてるのよ…」

美容「どう剣道君？　ツインテールにしてみましたー♪」

長刀「なんか…子供っぽくない？」

美容「ないない。　軽くウェーブ当てておいたからバッチリよ。　せっかくの綺麗で長い髪なんだから」

剣道「似合ってると思う//」

長刀「剣道がそう言うならいいけど…じゃあ踊りに行きましょ」

剣道「踊りなんて知らないぞ」

ｽﾀｽﾀ…

長刀「私も。　だけどなんとかなるわよ、楽しまなくちゃ」



ﾊﾟｼｬｯ…ﾊﾟｼｬｯ…

ｴﾛｹﾞｰ（ふふふ、戦果は上々だな）

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ（ダンスに紛れて行くぞ…これなら気付かれまい）

ﾌﾟﾙﾙﾙ…

自衛隊「こちら自衛隊」

防犯・詐欺対策〔怪しい二人組がダンススペースに向かった。　追尾を頼む〕

自衛隊「聞いての通りだ、行くぞ軍事」

軍事（こくり）



ジャズ「良い空気だ。　調子が上がってきた」

〜♪〜♪

『踊りﾑｽﾞｽｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「足を踏むなって」

どんっ

剣道「おっとすまん」

長刀「やっぱり難しいわね」

ダンス「気難しく考えたらだめですよ。　もっとおおざっぱでもいいんです」

『よしｗｗ行くぞﾗｳﾝｺｗｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「ちょ！　引っ張るなーっ！」

〜♪♪

ﾊﾟｼｬｯ…ﾊﾟｼｬｯ…

ｴﾛｹﾞｰ（そろそろ潮時か）

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ（そうだな。　これで最後の一枚…！）

ﾊﾟｼｬｯ…

長刀「え？」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「あ！」

長刀「なにしてるのかしら…あんた達…＃」

ｴﾛｹﾞｰ「まずい、ずらかるぞ！」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「おう！」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…！

長刀「待ちなさーい！」

自衛隊「どうした！？」

剣道「盗撮だ。　二手に別れて逃げた！」

自衛隊「分かった！　軍事は右の奴を頼む」

ﾀｯﾀｯﾀｯ…

防犯・詐欺対策〔連中は東と西の出口に向かって逃走中〕

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「捕まってたまるかよ！」


喪男「ん、毒男…なんか走ってくるぞ」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「どけーっ！」

毒男「あいつは大人の時間クラスの…まさか！」

毒男「…我々のチョコを奪う気だ」

喪男「マジか！」

毒男「弱者が弱者から獲物を奪う、これも自然の節理か…」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「どけって言ってるだろ！」

毒男「取られて…」
喪男「たまるか！」

ズドォォン！

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「ぐわぁっ！」

ﾄﾞｼｬｯ…！

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「く、くそ！」

ｼﾞｬｷｯ！

自衛隊「そこまでだ。　貴様はパーティーの利権を侵害した、こいっ！」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「弁護士を呼べー…！」

ｽﾞﾙｽﾞﾙ…


喪男「せいせいしたぜ('∀`)」

毒男「よし、チョコは死守したな('A`)」

ｷｭﾙﾙﾙﾙ…

オズ「ロボットさん…今日はバレンタインです。　慣例に従ってロボットさんへチョコレートを渡します」

ロボット「オズが作ったの？」

ﾙﾙﾙﾙ……

オズ「見本とは相違点が見られますが味は保証できるものだと判断します」

ロボット「ありがとう。　うれしいよ」

お人形「これって本命チョコ？」

ｷｭﾙ…

オズ「ホンメイ？」

お人形「一番好きな人に渡すチョコの事だよ♪」

ｷｭﾙ…ﾁｷｯ

オズ（一番好きな…つまりこれがホンメイだとすると私は…）

ﾌﾟｼｭｳｩｩ…

ロボット「いや、深く考えなくていいから//」

ロボット（冷却系統に難があるのかな…）

ﾀｯﾀｯﾀｯ…！

剣道「はぁ…カメラ持った怪しい男を見なかったか？」

お人形「知らない…」

オズ（探索モード、出席者リストを検索）

ﾁﾁﾁ…ﾋﾟｰ

オズ「東出口付近に居ました」

剣道「まずいな…逃げられる！」


ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ…

長刀「このままじゃ逃げられちゃう…」


ｶﾁｬ…

三戦「何か騒々しいな」

車種・メーカー「盗撮騒ぎがあったらしい」

長刀「はぁ…はぁ…逃げ足が早い」

三戦「どうしたのだ長刀？」

長刀「あいつ、盗撮犯よ！　はぁ…」

車「変装してる、あいつｴﾛｹﾞｰだ！」

三戦「性懲りもなく…許せぬ。　わたしが捕まえる！」

ｶﾁｬﾝ！

長刀「でも刀が無いんじゃ…」

三戦「車！　何か武器を渡してほしい、棒状なら何でも良い！」

車「えっ！？　武器って…そう簡単に……あった！」

ｶﾁｬｯ！

車「飾りの剣だ！　使え！」

ｼｬｯ…！

三戦「これで十分だ」

ﾁｬｷｯ！ だっ！


ｴﾛｹﾞｰ「げえっ！　三戦！」

三戦「逃がさん！」

ｴﾛｹﾞｰ「くそ…だが外にはクルマが置いてある。　この距離なら…行けるはず！」

ｻﾞｯ…

軍事「………」

ｽﾁｬ…ｽﾞｯ…

軍事（ここの通行料は高くつくぞ）

バスッ！　　ビシッ！

ｴﾛｹﾞｰ「しまった！　デジカメが…」

三戦「虎眼流…」

だんっ！

車「と、飛んだ！」


ヒュン！ カッ！

三戦「飛猿…横流れ…！」

ﾁﾝｯ！

ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ…

ｴﾛｹﾞｰ「お、俺達の戦果がバラバラに…orz」



ｻﾊﾞｹﾞｰ「なんか10mくらい離れてませんでしたか…」

剣道「飛び込んで、さらに半身にして"流れ"の間合を延ばしたんだ」


三戦「詰みだな」

長刀「覚悟はいいわよね…＃」

ｴﾛｹﾞｰ「ひぃっ！」

自衛隊「ほら、キリキリ歩け！」

ｴﾛｹﾞｰ「アイシャルリターン…！」



長刀「はぁ…疲れた。　何やってんだか」

三戦「まったくだ…」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ！

生き物苦手「カッコ良かったぜー！」

機械・工学「三戦さん本物のナイトみたいだったよ！」

考古学「長刀の粘りも大したものだ。　私が男子だったら惚れている」


長刀「あはは…恥ずかしいわね…//」

同人「三戦さん！　やはり私と一緒にデビューするべきよ！」

三戦「だが断るっ！//」

ざわ……ざわ……

ヒュルルルルル……ドーーーン！


花火「まっ、冬に見る花火もオツなもんだろ」

ドーーン……


『ちょｗｗもう終わりかよｗｗせっかくｸｵﾘﾃｨ上がってきたのにｗｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「なら、このまま続けるか？」

ジャズ（ここは空気を読んで…）

♪〜…♪…♭〜…

『（急に音楽がムーディーになった件…ｗｗ）』

ﾗｳﾝｼﾞ（なんで…黙るんだよ…）

『（ジャズの奴空気読み杉だｗｗ空気嫁ｗｗｗｗ）』
♪…♭〜♪…

ﾗｳﾝｼﾞ「………」

『（ちょ、ﾗｳﾝｺ顔近づけんな///ｗｗやめｗｗ）』

ν速「ゴ　ホ　ン　！　！」

ｖｉｐ&ﾗｳﾝｼﾞ「！！」

ジャズ「やれやれ…大人げない…な」

ν速「午後9時を回った。　パーティーは終わりだ」

『ある意味GJ！　でも許さん（#＾ω＾）ｗｗｗ』

ｶﾞｽｯ

ν速「うっ、それが身内に対する礼儀か」

『ﾃﾗｳｻﾞｽｗｗｗこれ持って帰れｗGO　HOMEｗｗｗｗｗ』

ﾊﾞｻｯ

ν速「………」

『それも"特別"だｗｗｗさっさと食って寝れｗｗｗｗ』

ν速「ふん…早く帰れよ」

ｽﾀｽﾀ…

ﾗｳﾝｼﾞ「…んじゃ、帰るか」

『おkｗｗｗｗ帰ろうぜｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「手握っていいか？」

『…好きにしろｗｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「なら好きにする」

ぎゅ

『…なぁﾗｳﾝｺ』

ﾗｳﾝｼﾞ「ん？」

『改めて今年もよろしく…ｗｗ』

ﾗｳﾝｼﾞ「ああ、よろしくな…」



*体育館裏手

ｴﾛｹﾞｰ「降ろせーっ！」

ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「帰るなぁ！」

長刀「反省するまでそのまま吊られてなさい」

剣道「長刀、武道場で二次会始まるぞ」

長刀「ごめんごめん。　じゃ行きましょ♪」

ｽﾀｽﾀ…



ｴﾛｺｽﾌﾟﾚ「寒ぃ！！」

ｴﾛｹﾞｰ「やっぱ更正した方がいいのかな…」




ν速「ぐふっ…今年も青唐辛子か…」

微妙なネタばかりですがバレンタイン編は以上です…

後半になるにつれてごちゃごちゃしてる感じです。
疲れた…

>>303おつおつおつ！がんがった！！！
つ" ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

>>303
超GJ！！！いいよー
三戦の「だが断るっ！」に思わず吹いたｗｗｗｗｗｗｗ
ｖｉｐとﾗｳﾝｺもﾃﾗﾓｴｽ

長編乙！
超GJ！

http://mamman.notlong.com

ほ

他にも誰か書いてくれる人いないかな…

うーん・・・書こうにも俺が書いたらスーパーｖｉｐのときみたいに
まともな話しにならないからなぁｗｗｗｗ

書きたいエピソードがあれば書いてもいいと思います。
そういうスレですし。
なんかここ最近は書いて保守の連続なので…

人多い筈なのに感想少ねえええええええええええええええええええ
書く方も書く気なくす希ガス

>>303
乙ですｗｗｗｗ
毎回楽しませてもらってます☆

書こうにも、既出のキャラに関して、イメージが出来上がっててorz

サイド書きですが、自分の中でキャラが固まってるのはそんなに居ません。
正直まだ書き方を迷ってるキャラも多いです。
多少キャラが変わってても個人的には、色んな人の書く話が見たいかなぁ。

なんか移転してるぅぅうっ

保守

ttp://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1140433486/

ttp://m.pic.to/1tni
ttp://www.vipper.org/vip201821.jpg
ttp://www.vipper.org/vip201823.jpg
ttp://www.vipper.org/vip201824.jpg
ttp://www.vipper.org/vip201825.jpg

13才が懸命にうｐ中です（・∀・）
応援してあげてください！

マイペースで書いていこう…
何かリクエストあればどうぞー。

そろそろ全部まとめて本家VIPに一度乗り出して宣伝する容易でもしなきゃ駄目な時期かな？

ああ、俺もそう思ってたところだ

本編氏はいずこに・・・

http://xrl.us/i7uj

バレンタインの熱も冷めやらぬ、そんな日曜日ある日、ヒッキー邸

慌しく装備を整えるｻﾊﾞｹﾞｰ、それにﾋｯｷｰが目をとめる。

ﾋｯｷｰ「なんだｻﾊﾞｹﾞｰ、今日もどっかでかけんの?」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「うん、今日は夜勤山でフラッグアタック」

ﾋｯｷｰ「最近、土日家に居ないな、お前」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「兄ちゃんこそ、いい天気なんだしどっかでかけなよ?」

ﾋｯｷｰ「･･･！」

ｻﾊﾞｹﾞｰ「あ!･･･ごめん兄ちゃん･･･」

〜♪、ｻﾊﾞｹﾞｰの携帯が鳴る、着信音はPanzerlied

ﾋｯｷｰ(-＿-)｡oO(今日も軍事と、か･･･)

ｻﾊﾞｹﾞｰ「ごめん約束あるから、僕行くね･･･」

ﾋｯｷｰ「ああキニスンナ、行ってこい」

急ぎ、家を出るｻﾊﾞｹﾞｰ、出てすぐのところで話し声が聞こえる、おそらく相手は軍事だろう、ﾋｯｷｰは深いため息をつき、ひとりごちる。

ﾋｯｷｰ「･･･わかってる、ｻﾊﾞｹﾞｰも年頃だし軍事は頼れる奴だ、こうなるのは自然な事」

ﾋｯｷｰ「僕はpinkの奴らとは違う、別に妹にﾊｧﾊｧなんかしない、けど･･･ね･･･」

去年の夏頃、ﾗｳﾝｼﾞとvipの襲撃を思い出す。

ﾋｯｷｰ「あの頃のとは違う、好きな男ができりゃこんなもんだ、仕方ない･･･仕方ない」

同日同時刻、街の牛丼屋にて

店員「いらっしゃいませー」

毒男「並、つゆだくだく」('A`)

喪男「大盛りねぎだくギョクでお願いします」( '∀`)

毒男「で、俺におりいって話があるって何だよ兄弟？」

喪男「じ、実は僕、生まれてからチョコ貰ったことないんだけど」

毒男「バーロー、そんなん言われんでも知ってる」

喪男「でもこの前、vipさんからチョコ貰ったろ？、それで･･･」

毒男('A`)y─~~

喪男「vipさん、よく見ると可愛いし、髪キレイだし、普段馬鹿ばっかしてるけど、ｷﾓﾋﾟｻﾞﾁﾋﾞの俺でも相手してくれるし･･･」

毒男('A`)y-~

喪男「最近すごく意識するようになって、マジレス貰えると嬉しかったりしてさ、だから最初に君に相談･･･」

毒男「　　や　　め　　と　　け　　」

喪男「え･･･」

毒男「だから孔明の罠だといったんだ馬鹿者。相手は全板トーナメント優勝、
校内随一の人気者だ。ｷﾓﾋﾟｻﾞﾁﾋﾞ友達無しのお前との差は歴然、つりあうと思ってるのか」

喪男(;'∀`)

毒男「だいたい最初に俺に相談する時点で終わってる。せめて純恋か恋愛サロンに聞け、おれらで相談して何になる？まずそれに気づけよ」

喪男「でも兄弟、君には校内新聞を賑わせたエルメスさんとのことだってあるし･･･」

毒男「　だ　ま　れ　その件は話題にしない約束だろうが、忘れたんか？」

喪男(;'∀`)

毒男('A`)y─~~

毒男「･･･なあ兄弟、俺たちは石コロの裏のダンゴムシ、日のあたる場所じゃあ生きられないんだ、期待してもどうせ傷つくだけだぞ」

喪男「･･･」

毒男('A`)y-~.｡ｏＯ(言い過ぎたか、しかしエルメスの件を出すとは、コイツ余程vipを･･･)

喪男「･･･頼むよ兄弟、僕には君しか頼れる奴がいないんだ･･･自分がダンゴムシなのはわかってる。ペンギンが空を飛ぶのが不可能なのも知ってるよ。
でも、真剣になれるのはこれが最後だと思うんだ、そうしたら諦めもつくと思うから･･･」

毒男('A`)y-

毒男「･･･わかった。正直、魔法使い予備軍の俺じゃどうしようもないわけだが、一人だけアテがある。そいつを当たってみよう」

翌日の昼休、非常階段の日陰部分。
階下の食堂から聞こえる喧騒をよそに、三人の男子学生が居心地よさそうに集まっていた。

ﾋｯｷｰ「それで、俺がその『アテ』ってことになるわけか？」

毒男「そうだ俺の知り合いで、vipと繋がっててなおかつダンゴムシ精神がわかるのはお前しかいねぇ」

ﾋｯｷｰ「正気か毒男？俺に仲介を頼むなんて、ぶっちゃけありえないだろ？」

喪男(;'∀`).｡oO(そうだ兄弟･･･僕が言うのもなんだが･･･この人選はぶっちゃけありえない！)

毒男('A`)y─~~

ﾋｯｷｰ「そう俺らはダンゴムシだ、この日陰のひんやりした空気が気持ちいいだろ？この場所がお似合いだよ」

階下の喧騒にまぎれてvipの声が響く
(『ちょｗｗｗｗおいﾗｳﾝｺｗｗどのアニメキャラとﾋﾟｻﾞ食いたいｗｗｗ？』)
(ﾗｳﾝｼﾞ「おまえたまにはﾋﾟｻﾞ以外くえよｗ」)
(『うっせｗｗｗﾋﾟｻﾞﾃﾗｳﾏｽｗｗｗﾗｳﾝｺも食えｗｗｗｗ』)
(ﾗｳﾝｼﾞ「もう食えねーよ、盛るなよ。 食えねえよ、盛り過ぎだって。盛るなって。
　よこせよほら。 おい、おい、なんで まだ盛るんだよ。すごいことなってるって。
　何盛りだそれ。やめろって。食えるかって。」）
（『ｵｲｺﾗｗｗｗｗ糞ﾗｳﾝｺｗｗｗ逃げるなｗｗｗｗ⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ﾌﾞｰﾝ 』）
（ｱｳﾄﾛｰ「飯ぐらいおとなしく食えｵﾏｴﾗｗ」）
（旧ｼｬｱ「サボテンの花が咲いている･･･」）

ﾋｯｷｰ「･･･ステージの上に立ちスポット浴びる彼らに、僕らは近づくべきじゃない、住む世界が違い過ぎる」

喪男(;'∀`).｡oO(おいおいおい･･･言い切られちゃってるよ！)

毒男('A`)y-~

ﾋｯｷｰ「毒男、このことはお前が一番よくわかってるんじゃないのか？エルメスで身に染みたろ?他人は信用できない、特に女は、ってな」

毒男「･･･お前のﾋｷｺﾓﾘ生活が終わったきっかけはなんだ？『他人は信用できない』と言い切るお前は誰のおかげでここにいる？」

毒男「vipとﾗｳﾝｼﾞに連れられて学校に戻ってきて、人気者の妹を持つお前は、望むと望まざるとに関らずもう日陰者じゃないんだよ。
　　　俺は見てのとおり、生粋の魔法使い予備軍だ、覚悟もしてる。でも兄弟はな･･･」

喪男(;'∀`)

毒男「･･･俺じゃ無理なんだ、お前にしか頼めない、頼む、力になってくれ」

ﾋｯｷｰ「･･･わかったよ。なあ喪男、まだ諦められないか･･･？」

喪男「ﾋｯｷｰさんに言われた事はわかってます。でも･･･すべて覚悟の上です･･･」

ﾋｯｷｰ「そうか、なら俺でよければ力になる、でも大したことはできないから期待しないでくれよ」

喪男「ありがとうございます！」(*'∀`)

ﾋｯｷｰ(;-＿-).｡ｏＯ(喪男･･･満面の笑みで顔を近づけるのはかんべんしてくれ･･･)



そのうち続く

>>328
GJ！！キャラの使い方上手くて良い感じだな
そしてVIPが出るとにやける俺ｗｗｗｗｗ
続きｗｋｔｋしてます

>>328
新作ｷﾀ(ﾟ∀ﾟ)ｺﾚ!!!　超GJ！
本当にキャラのセリフがうまいと思う。
続き待ってます。　喪男にも期待ｗｗ

喪男・・・やめろそれは孔明の罠だ・・・（´；ω；｀）
でもがんばれ

おもすれーｗｗｗほす

胸高まってまんがな（´･ω･`)
持てないくんの恋はなぜか僕の心を捕えて離さない

そのうち続いた


同日　放課後

『うはｗｗｗ空も飛べるはずｗｗ⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ﾌﾞｰﾝ』

ﾋｯｷｰ「おーい！vip！」

『ﾋｯｷｰおいすー＾＾ｗｗﾃﾗﾋｻｼﾌﾞﾘｽｗｗｗｗ』

ﾋｯｷｰ「ああ、そういや最近つるんでないね、ﾗｳﾝｼﾞは一緒じゃないの？」

『馬鹿ﾗｳﾝｺｼﾗﾈｗｗつか今探してるｗｗそいやﾜﾝﾏﾝｱｰﾐｰの妹ｗｗ元気？』

ﾋｯｷｰ「ｻﾊﾞｹﾞｰなら軍事とよろしくやってる」

『把握したｗｗｼｽｺﾝﾃﾗｷﾓｽｗｗ』

ﾋｯｷｰ「あのな･･･」
(#-＿-)．｡ｏＯ(ﾗｳﾝｼﾞもいないし、このまま押すかな･･･)

『でｗｗあれかｼｽｺﾝｗｗ妹の下着の色でも報告に来たかｗｗ』

ﾋｯｷｰ「最近は下着じゃうろつかない･･･ってちがう馬鹿ｗ」

『うはｗｗｼｽｺﾝﾃﾗｴﾛｽｗｗ』

ﾋｯｷｰ「そうじゃなくて、えーと･･･その･･･き、今日なんか用事あるか？」
(#-＿-).｡oO(毒男め･･･僕にこんなことさせるなよ！)

『俺ｗｗｗｗｴﾌﾞﾘﾃﾞｲがﾌﾘｰﾀﾞﾑ』

ﾋｯｷｰ「英語な意味あるのかよｗあれだ、その･･･ヒマならフリスクパフェでも食いにいかね？オゴるよ」

『おいｗｗｼｽｺﾝﾃﾗｱﾔｼｽｗｗ下心感じまくりんぐｗｗ』

ﾋｯｷｰ「テ、テスト勉強だよ馬鹿！元特進のvip様に教えを請おうと思いましてね」
(*-＿-).｡ｏO(何であいつらの為に恥ずい思いしなきゃいけないんだ･･･！)

『ｼｽｺﾝｷﾞｶﾞﾅｻｹﾅｻｽｗｗﾌﾘｽｸﾊﾟﾌｪ特盛りで手を打とうｗｗ学食行くぞｗｗ』

ﾋｯｷｰ「いや駅前に俺おすすめの店がある、そこにしようぜ」
(*-＿-)．｡ｏＯ(やった･･･！ﾗｳﾝｼﾞのことを考えるなら学校はまずい･･･)

『把握したｗｗさっさといくぞｼｽｺﾝｗｗ⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ﾌﾞｰﾝ』

――――――――――

(*-＿-).｡ｏO(やれやれ、なんとかなった･･･)

(-＿-).｡ｏO(僕は･･･)

(||-＿-).｡ｏO(なんで恥ずかしかったんだ･･･？いま、なんで嬉しいんだ･･･？)

同日　駅前商店街

喪男｜;'∀`).｡ｏＯ(連絡あったしそろそろ来るはずだけど･･･ｷﾀ━━(ﾟ∀ﾟ)━━!!)

『ﾌﾘｽｸﾊﾟﾌｪｗｗﾃﾗﾀﾉｼﾐｽｗｗ⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ﾌﾞｰﾝ』

喪男｜;'∀`).｡ｏＯ(VIPさん、ﾌﾞｰﾝ姿もかわいいなぁ･･･)

ﾋｯｷｰ「おーい！VIP！！」

『光る風をｗｗ追い越したらｗｗ♪⊂二二二（　＾ω＾）二⊃ ﾌﾞｰﾝ』

喪男｜;'∀`).｡ｏＯ(VIPさん、歌も上手いなぁ･･･)

ﾋｯｷｰ「VIP！ちょっと待てっての！！」

『君に君に♪･･･どうしたｼｽｺﾝｗｗ』

ﾋｯｷｰ「さっきから止まれって言ってる。だいたい一人で行っても店しらないだろ」

『ﾃﾗｽﾏﾅｽｗｗﾌﾘｽｸﾊﾟﾌｪ･･･(´･ω･`)』

喪男｜;'∀`).｡ｏＯ(ショボンな顔もかわいいなぁ･･･)

ﾋｯｷｰ「パフェくらいではしゃぐなよ、今から後輩が合流するからちょっと待って」

『はｗｗ聞いてないよｗｗそれ』

ﾋｯｷｰ「さっき言ったよ、俺と一緒に後輩にも教える約束だろ」

『ｷｵｸﾅｽｗｗいいけどｗｗつかお前ｗｗ俺や妹以外につるむ奴いたのなｗｗ』

ﾋｯｷｰ「うるさいﾌﾘｽｸ中毒ｗ」
(-＿-).｡oO(不思議だな、Vipが言うと不愉快じゃない･･･)

『黙れｼｽｺﾝｗｗでｗｗその奇特な友人どこよｗｗ』

ﾋｯｷｰ「そろそろ来るはず･･･」

喪男｜;'∀`).｡ｏＯ(よし『はは…、いや、少し遅れちゃいました、すみません』と爽やかに登場だ！)

喪男「フヒヒヒヒ！　すいません！」


Σ(ﾟдﾟ(ﾟдﾟ；)

とりあえずここまで、またそのうち続く

リアルタイムキタ！
喪男ｗｗ全然爽やかじゃないｗｗｗｗGJ！

最後吹いたｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

ｋｔｋｒ！
オチGood job！

あれだ、こいつら顔文字が良い味出してるんだなｗｗｗｗｗｗｗ
続き期待ｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

やべｗｗｗｗｗｗｗｗ続きﾃﾗ楽しみｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

書き込めた！！
本編氏の冴えまくったギャグはもう見れないのかな…(´･ω･｀)

久々にﾋｯｷｰ→ｖｉｐ見てやっぱいいなあとｗｗｗｗｗｗ
すごいｗｋｔｋしてます！

俺達は自演をしない　　自演よりむしろ自慰　自慰

今、このスレが熱い〜

http://tv7.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1140794111/l50

お待ちしておりまつ〜

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　 _ 　∩
(　ﾟ∀ﾟ)彡　ほっしゅ!ほっしゅ!
　⊂

ここの1は逮捕？
http://live22x.2ch.net/test/read.cgi/livecx/1141786138/

http://yatuc.com/ud

ほす

ほしゅ！！

http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/neet4vip/1142001492/l50
ＶＩＰＰＥＲはここに集結

ほ

ｹｰﾀｲ鯖ほぼ全滅してる？
どこの板もみれね

サイド書きです…
止まってるみたいなので、またお話考えて頑張ります。

>362
期待してまふヾ(´ω｀*)ﾉ

>>362
あんまり無理すんなよー

http://tinyurl.com/9tgng

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星が十個で何かが起き……ねーよｗｗｗ

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遅ればせながら明けましておめでとう御座います｡｡｡
星が10個貯まったとモールス信号で届いたので、やってきましたです｡｡｡
もう有り得ない位に、お待たせしてて申し訳ない事この上無いです｡｡｡
先週スランプを脱して最終話を書いてる真っ最中


なのですが、まだ序盤を書いてる時点で60ﾚｽです。
なんじゃこりゃって位に長ぁ〜〜いです｡｡｡
本っっっ当にすみません、完成及び公開まで、もう暫くお待ち下さいです｡｡｡

ｗｋｔｋしながら待ってますよー!!
こりゃモチベーション右肩上がりですな、うしし

ほ・・・星が集まったからスレに進展が・・・！？

ｗｋｔｋ側のこちらもテンション上がってきましたｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
気長に待ちますｗｗｗｗｗｗｗ

☆入れた甲斐があった｡･ﾟ･(ﾉд`)･ﾟ･｡

>>377
いつまででもｗｋｔｋしながら待ってますよ。
では無理せず頑張って下さい

http://www.h01.i-friends.st/index.php?in=yumitan2005

また星がいるのか
☆

☆☆

☆☆☆

理系全般「まだ寒いなぁ」

ｽﾀｽﾀ

*文化クラス前

理系全般（最近あんまりオカルトと帰れなかったからたまにはこっちから誘わないと…）

ｶﾞﾀﾝ

宝塚・四季「あら、理系全般君ごきげんよう」

創作文芸「どうしたんですか？」

演劇・役者「稽古で忙しいんだけどな」

理系全般「ごめん、オカルトってもう帰ったかな？」

演劇・役者「そう言われれば…どこだ？」

宝塚・四季「オカルトさんなら調べ物があると言って」

創作文芸「図書室に行きましたよ」

理系全般（…魔術の本でも探してるのかな…？）

*図書室

一般書籍「本当にこれだけ読むんだね？　図書室が開いてるのは19時までだよ」

オカルト「…これだけ読みます」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

理系全般「あ、居た居た…って、なにこの本の山」

オカルト「あ…理系君ちょうど良かった。　この本を運ぶの手伝ってほしいんだ…」

理系全般「いいけど、全部読む気？」

オカルト「うん…これくらいなら僕読めるよ…」

ﾊﾞｻｯ

理系全般「わかった。　付き合ってもいいかな？　何を調べるのか見てみたい」

オカルト「…理系君がそう言うなら…向こうの机に行こう…」

*趣味クラス前

生き物苦手「また明日なー」

花火「ああ、また三尺玉のストック作らにゃなぁ」


車「なあ、ちょっとガレージ借りるぜ」

車種・メーカー「分かった、俺も行くヨ」


三戦「わたしも見に行って、良いか？」

車種・メーカー「くくく、今更何言ってる。　親友の彼女なら大歓迎だ」

ｽﾀｽﾀ…

神社・仏閣「園芸さんに借りた本を返さないと…」

ｽﾀｽﾀ…

三戦「そういう事を言うな…//」

車「いいから行こうぜ…」


ｽﾞｷｯ！

神社・仏閣「……っ！」

ｽﾀｽﾀ…

園芸「あれ！　どうしたの神社・仏閣さん？　どこか痛いの？」

神社・仏閣「いえ、大丈夫です。　この前お借りした本を返しにきました」

園芸「ありがとう。　今度花の種持っていくからね♪」

神社・仏閣「ええ、楽しみにしてますから」

ｽﾀｽﾀ…

神社・仏閣（顔を斬られたような痛み…今のは間違いなく霊瘴。　一瞬感じた恐ろしいほどの怨念は、一体誰が…）


考古学「ああ、居た。　神社・仏閣」

神社・仏閣「は、はい？」

考古学「今度発掘作業をする事になったからお祓いを頼もうと思ったのだ」

神社・仏閣「はぁ」

*図書室

オカルト「………」

ﾊﾟﾗｯﾊﾟﾗｯ

理系全般（もう5冊目だ…読むの速いな）

オカルト「………」

ﾊﾟﾗｯﾊﾟﾗｯ

理系全般（でも眼鏡かけたオカルトも可愛いな…）

ﾊﾟﾀﾝ…

オカルト「…ちょっと休憩…」

理系全般「さっきから読んでるこの本って随分古そうだよね」

オカルト「…うん、この辺りの歴史の本なんだ…探すのに一週間かかったけど…
でももうすぐ分かるよ…」

理系全般「分かるって、何が？」

ｶｯﾁｶｯﾁｶｯﾁ……


オカルト「…シタラバさまのお社の場所が」

理系全般「シタラバさま？　前に神社・仏閣さんが言ってた」

オカルト「うん、どうしても見てみたくて…調べてたんだ…」

理系全般（古くからこの地方で奉られていたという神、か…
そういえば何でも願いを叶える秘宝があるんだっけ）

ﾊﾟﾗｯﾊﾟﾗｯ…

オカルト「………」

ｶﾁｬ…

一般書籍「それはオカルトさんに」

理系全般「図書室は飲食禁止じゃなかったっけ？」

一般書籍「たまには。　ここまで遅く残った生徒は久しぶりだからね」

ﾊﾟﾗｯ…

オカルト「ん……！」

理系全般「分かった？」

オカルト「それが…」

神社・仏閣「この学校の裏手を発掘するんですか？」

考古学「その通りだ。　今までは郊外を中心に調査をしていたんだが…」

日本史「新しい調べで学校の裏手に有力な遺構がある事が分かったんです」

考古学「さすがに今回はお祓いを受けた方がいいと思ってな。　お願いに来た」

神社・仏閣「そういう事なら分かりました。　お受けします」

日本史「ありがとう！　でもまだ日程もメンバーも決まってないんだけどね…」

考古学「発掘のメンバーは校内から募集をかけよう」

神社・仏閣「日取りが決まったらまた教えて下さいね」

日本史「うん、それじゃさよなら神社・仏閣さん」

考古学「この前の衣装は似合っていたぞ」

日本史「余計な事言わなくていいから…」

ｽﾀｽﾀ…

神社・仏閣「…地鎮祭の準備をした方がいいですね」


……ﾔﾒﾛ……


神社・仏閣「………」

……ﾊﾟｷﾝ！



神社・仏閣（さっきのモノとは違うけど、これも根が深い…土地のモノでしょうか。
もしもの時の備えをしておいた方が良さそうですね）

*図書室

一般書籍「校舎の敷地内にお社ね」

オカルト「…やっぱりあったんだよ。　僕…必ず見つけてみせる…シタラバさまを…」

以上です…

というか本編氏が来て気が気じゃないですね。
楽しみに待ってます。

>>394
GJ！！今度は何やらオカルト（人名でなく）な方面ですね
続き期待してます！
そして神社・仏閣に期待（*´∀｀）

>>394
乙ヾ(*´∀｀*)ﾉｷｬｯｷｬ

おっつー
楽しみだお

http://briefurl.com/dfbbujtubjik

オカルトはやっぱいいなあ

本編氏もサイド氏も気長に待ってるですので
むりせずマイペースで書いてください

http://www.h01.i-friends.st/index.php?in=yumitan2005

ｖ

i

ｐ

Q

http://b.pic.to/636gz

相変わらずへにょい絵ですが考古学＆神社・仏閣のつもりです。

シタラバさま、オチは思い付いたけど出だしがなかなか…

>>405
GJ！二人ともかわいい（*´∀｀）
巫女キャラって凄い重要な萌え要素だと思う。
シタラバ様編も期待してますよー


絵も文ももっと投下してくれるひと増えるといいねー
自分は何も書けない＆描けない訳だがorz

http://tinyurl.com/e788v

ｖ

i

ｐ

可

愛

い

よ

v

i

p

今日は3月32日みたいだねｗｗ

可　　　　　　　　これじゃ嘘がつけない

21時頃までに推敲を終えて【最終話・前編】を公開……出来たら……いいなあ……と思ってます。。。
エイプリルフールが中止されたので嘘じゃないです、はい。

ｷﾀｺﾚ！

バッチコーイщ(ﾟДﾟщ)

ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!!!
サイド書きです、待ってます！
シタラバさまは抗争後にしますね。

八割の推敲が完了です。
残り二割、もう暫しお待ちを。
>>422
後編は執筆中ですので、使える様なら、したらば様のエピソードも使わせて頂きたいな、と。
時間軸は抗争勃発前という設定でも良いわけですし。

>>423
分かりました。
では間に挟む形でいきます。
神社・仏閣とかをうまく使えるように…

「なぁ、なんかさ」
『んｗｗ？』
「すっごい久々に会った気、するんだけど」
『俺もｗｗｗ何でだろうなｗｗ殆ど毎日顔合わせてんのにｗｗｗ』
「不思議だな、ｖｉｐ」
『不思議だなぁｗｗｗラウンコｗｗｗ』



【ｖ ｉ ｐ か わ い い な 最終話】

いつも通りの朝だった。
歩道に僅かに残った雪を踏みしめながら、通い慣れた通学路を、二人で。

『さみーよラウンコｗｗｗ―273℃確定だよｗｗｗ』
「いや、それ凍ってるから」
『お前のツッコミの方がさみーよ！！１１１１１１』
「逆ギレ!?今の俺が悪かったのか!?」
『ギルティｗｗｗシュアリーギルティネスｗｗｗｗ』
「朝から有罪判決出すな」

『なｗｗｗ』
「どしたよ」
『絶対零度って言うのに０度じゃないのはなぜどうしてなんだぜｗｗｗ？』
「俺に聞くな。つーか日本語おかしいぞ」
『m9(^Д^)』
「いや、無言で笑うな。指を指すな、嘲笑うな」
『m9(^Д^)m9(^Д^)m9(^Д^)』
「増えた!?」
『馬鹿めｗｗｗ残像だｗｗｗｗ』
「お前はいつ忍の里に弟子入りしたんだ」
『しかも質量のある残像だｗｗｗ』
「Ｆ91に改名しろ」

『m9(^Д^)6m』
「左手は何を指してんだ？」
『チャック…空いてる///ｗｗｗ』
「えっ!?うっそ…ありえね、うわっマジだ！」

いつも通りの日常。
その、筈だったのに。

『とうちゃーくｗｗ』
「到着はいいんだけどな」
『時間がなｗｗ』
「俺の携帯の時刻設定が確かなら……」
『俺の携帯の時刻設定は確かだから……ｗｗｗｗｗ』

「現在の時刻、AM10:47」
『同じくｗｗこれはどう見てもｗｗｗ』
「遅刻……だよなあ……orz」
『家出た時点で10時過ぎてたしなｗｗｗFOX★あたりがまた五月蝿いぞｗｗ』

「とは言っても」
『入らない事にゃ始まらないｗｗ』

珍しく遅刻した二人は、薄く積もった雪を踏みながら、校門を潜る。
「……なぁ」
『言わなくてもわかってるｗｗｗ』
通い慣れた学びやは、いつもとドコかが違っていた。
入る前から漏れ聞こえてくる音と声。
怒号。
誰かが走り回る音。
木材やガラスの破壊音。
何時も騒がしい事この上無い学校だったけれど、何時にもまして騒がしい。

「今日、祭りとか何か有ったか？」
『知らねｗｗｗｗとりあえず入ろうぜｗｗ』
「…だな」
そして二人は正面玄関から、校内へ入る。

立ち入るべきでは、無かったのに。

彼は白昼の悪夢の様に――


「うー……さむ」
悴んだ手を擦りながら、下駄箱から上靴を取り出すラウンジ。
『温暖化推進派に回りそうだｗｗｗ冬なんかイラネｗｗ』
続いてｖｉｐも上履きを取り出す。
耳を澄ます必要も無く、そこかしこから耳に押し入る様に、鮮明に聴こえる喧騒。
「またどっかのクラスが揉めてんのか？」
『これもうｗｗ【どっか】じゃなくて校内全体じゃねｗｗｗ？』
事実、四方八方から物騒な音が、耳が痛くなる様な音量で届いていた。
それが――それが、災いしたのだ。
「おはよう、お二人さん」
背後からの声。
二人がとっさに振り向けば、そこに立っていたのは一人の男。
忘れる筈も無い。整った顔立ち、すらりとした体型、舞い散る雪のように白いスーツ。
「Super……free……」
「陳腐な表現だけど、幽霊でも見たかのような顔だな」
呆然と立ち尽くすラウンジの前で、はは、と笑ってみせるSuperfree。
「てめぇっ!!」
麻痺していたラウンジの思考に、火が点いた。
目の前の男は、自分達を騙し、ｖｉｐを【消そう】とし、友人達を傷つけた。
憎むべき、相手。
殴り掛かったラウンジの右拳は、しかし、Superfreeの指に絡め取られる様に止められた。
「血の気が多いな、まったく」
薄い笑いの仮面を被ったままのSuperfree。
その顔面に、ラウンジの空いた左拳が――――
「確保」
ラウンジの背後、バタバタと何者かが殺到する足音。
拳を止めて振り返った時には、もう遅い。

『ちょっｗｗｗ何だお前…むぐっ！むー！むー！』
何処から沸いて出てきたのか、体格の良い男達があっと言う間にｖｉｐを取り押さえる。
「ターゲット確保完了、移送開始」
「お前ら、何して――――ぐっ!?」
ラウンジが男達を止めようとするも、背部に強烈な衝撃を受け、倒れ込む。
「逃亡以外で俺に後ろを見せるなんて、な。舐めすぎだ」
倒れたラウンジの頭を、冷たい革靴が踏みつける。
刹那、その頭を支点に、もう片方の革靴が、ラウンジの腹へ飛ぶ。
「…がっ!!」
爪先が容赦なく腹筋にめり込んだ。
ラウンジの口の中に広がる、鉄錆の味。
「…がはっ…げほっ………くそっ!!」
力を振り絞り、腕を振り回してSuperfreeの脚を払おうとするラウンジ。
その腕を事も無げにヒョイ、と避け、Superfreeは脚を退かす。
「ま、暫くはそこで休んでいた方が良い。お前は【祭り】の締め括りに必要だからな」
「何の……話だ」
要領を得ぬまま、ラウンジが顔を上げると、そこには悠然と去っていくSuperfreeの姿。

ｖｉｐと男達は、とうに消え失せた後だった。

「う……いっ……てぇ」
抉られた様な痛みを引きずる腹を押さえ、よろりと立ち上がるラウンジ。
腹部を強打された事による、猛烈な吐き気。
泥の様に粘っこく貼り付く鈍痛。
額から流れる脂汗。
だが、そんな事には構っていられなかった。
今はただ、どうにかしてｖｉｐを取り戻さなくては。
普段余り使わないラウンジの頭が、俄に働き始める。
必要なのは、現状の把握。救出の協力を仰ぐ事。
すべきは、情報の収集。誰かと連絡を取る事。
「えっと……携帯は……」
ポケットから、どうにか無事だったらしい携帯電話を取り出す。
暫し、誰に掛けるか迷った末――相手を選び、発信ボタンを押す。
数秒程コール音が続く。
「ラウンジ!?無事だったか！」
聞き慣れた友人の声。
「無事じゃない。ｖｉｐが……スーフリに攫われた！」
「…………っ!?」
電話の向こうから、声にならぬ驚愕が伝わる。
「場所は!?」
「わからない」
「そうじゃなくて！ラウンジ、お前の場所だ！」
「……俺の、場所？」
「ドコの世界に攫った相手の監禁場所を残す奴が居るんだ。スーフリの奴がそんな間抜けなマネするか？」
電話口の向こう。諭すような、それでいて半ば呆れたような声。
「……それも、そうだ、な。俺は玄関に居る。そっちは？」
「生徒会室だ。こっちから迎えに行くから、下手に動かずに待っていろ」
「……わかった、ありがとう。軍事」
「気にするな」

五階、生徒会室。
二十畳余りの室内に、生徒会員と三戦、アウトロー、サバゲー、ラウンジ。
机と敷き布団で作られた、急拵えのベッドの上にラウンジは横たわっていた。
「まず、ラウンジ君達の事情を話して貰おうか」
窓際の椅子に腰掛けていたν速が、神妙な面もちで言う。
「……寝坊した俺は、同じく寝坊したｖｉｐと二人で登校した。
学校に着いたのが10時半過ぎ。玄関でスーフリに襲われて、男達にｖｉｐが浚われた。それで……くそっ……」
シーツを握りしめ、歯を食いしばるラウンジ。
悲痛な沈黙が場に染み渡る。
「そうか。ｖｉｐが……Superfreeに……」
それだけを言い、ν速もまた、苦い表情で沈黙に沈む。
「悪い、会長。俺にスーフリの奴を追い払うだけの力が有ったら……」
「気にすんな。って言い方はアレだけどよ、ラウンジ。俺らでさえスーフリにゃ負けてんだ」
血を吐くように呟くラウンジに、金属バットを片手にアウトローが言う。
「【消した】ならともかく【攫った】なら、奴らが直ぐにｖｉｐへ加害する可能性は低い。重要なのは、今後どうするか、だ」
三戦の、強く、それでいて艶のある透き通った声。

「まず、ラウンジ君への説明も含め、発端と現状の再確認を行う必要がある……世界情勢」
「はい」
ν速が言うなり、PCに向かっていた世界情勢が立ち上がった。
PCとケーブルで連結されたディスプレイを一台、机の上に載せる。
「まず、現状なのですが――――
現在、校内では四つの勢力による未曽有の抗争が発生しています。
１：【生徒会軍】
生徒会側に属する勢力。治安維持軍と言っもこの際問題無いでしょう。
２：【隠しクラス軍】
名前通り、Superfreeなどの隠しクラスの生徒を中核としています。
主戦力は、彼等に掌握された格闘技系の部員です。
３:【最悪＆海外軍】
ｖｉｐさんと同じクラスの最悪、及び他国の学校の生徒であるVANKと氷客連盟が中核です。
主戦力は、海外から渡ってきた数百人の武装グループです。
【ネトゲ開発チーム軍】
先のネットゲーム事件の主犯である、大規模MMO・プログラマー・Downloadが中核です。
また、ブレーンとしてネットゲーム・PC等・ネット関係・理系の四クラスほぼ全員が参画。
主戦力は、スーフリ軍が取り損ねた格闘技系の部員です」

「ちょっと待て」
ベッドから身を起こすラウンジ。
「何でネトゲの奴らが？それに、最悪とスーフリが敵対してるってのは……」
「それについては、本事件の発端についてお話しする必要が有ります」
ディスプレイに映し出される、幾つかのテキストと画像。
世界情勢が手近なボールペンを取り、教鞭代わりにテキストを指す。
「昨日未明、ネットゲームクラスの機材及び、彼等がビジネスの売り物としていたネットゲーム【チャンネル�U】のデータが破損。
破損と言うよりは、壊滅と呼べる被害を被ったようです。
どちらも事故では無く、人為的かつ故意に引き起こされた物、と彼等は見ているようです。
そこで彼等は、言わば憲兵として格闘技系の部員を雇用しました。
――まあ、その時には既に大多数が隠しクラスの手に落ちていたようですが。
それはさて置き、彼等に雇われた部員達は【校舎Ｂ棟】を拠点として【犯人狩り】を開始。
これと前後して、最悪陣営が校内に招き入れた【群雄】と名乗る武装グループが【校舎Ｃ棟】を占拠。
彼等は、我が校の完全制圧を目的としているようです。
同時に、手勢を集めたSuperfreeが【校舎Ｄ棟】を占拠。
生徒会を含めた全勢力に敵対と排除を宣言。
格闘技系部員による軍事政権樹立を目標とし、現体制の打倒を謳っています。
――――そして我々生徒会及び、一般の生徒の殆どが【校舎Ａ棟】に避難。応戦、死守している状態です」

「……学校側は？運営陣が鎮圧するなり、外部に通報するなり、何かするだろ。普通」
「職員室はＣ棟に有ります。完全に占拠され、連絡は取れません。それに、仮に通報しても警察はアテになりませんよ？」
「当てにならない、だって？どういう事だよ」
「それは……」
「言わなくていい――――いずれ、彼にもわかる」
答えようとした世界情勢を、政治が遮る。
「…兎に角、自力での解決が、もっとも望ましいという事です。
ｖｉｐさんが攫われた以上、通報した場合の身の安全が……あっ、ごめんなさい！」
最後の辺りを聞いてうなだれるラウンジに、世界情勢が慌ててフォローを入れる。
「……いや、実際俺の力不足が原因だからな。仕方ないさ」
顔を上げるラウンジ。
「もう少し情報が欲しい。世界情勢さん、続けてくれ」
その声からは、若干ではあるが翳りの様な物が薄らいでいた。
「こほん…それでは、続けますね。
我々は、最早交渉に依る平和的解決は不可能だと判断しています。
よって、兵力が整い次第、全勢力に総攻撃を掛ける事を決定しました」
「いつを予定してるんだ？」
ラウンジの質問に、灰色の腕時計を一瞥してν速+が答える。
「4時間半後といった所だ。今が11時だから……15、16時かそこらだろうな」

「そーいやぁ、聞くの忘れてたんだけどよ。戦況はどんな感じなんだよ？」
バットで自分の肩をトントンと叩きながら、アウトローが問う。
「芳しくは無いな。世界情勢」
「……はい」
政治が言い、世界情勢がキーボードを叩く。
すると、先ほどとは異なるテキストと幾つかグラフが映った。
「各勢力の将兵リスト、及び兵力の比較図です。
自陣営から行きましょうか。敬称を略する事をお断りしておきます。
一部の方には先の部活間抗争でもお話しした、剣道、長刀、弓道、空手の4人。
それと、アウトロー、軍事、サバゲー、三戦、社会クラスの警察、自衛隊の6人で計10人。
兵力は前述の四部員で60人。
次は、隠しクラス軍――――」

Ｄ棟、体育館。
全校集会の際などは壇上に教職員が立つのだが――――今、壇上に立っているのはSuperfreeその人であった。
聴衆は、また彼の兵でもある格闘技系部員達。
総勢で二百を軽く超えるであろう彼等は、マスゲームの如く整然と静寂と直立を守っていた。
懐から一枚の紙片を取り出し、それを片手にSuperfreeはマイクに向かう。
整列のそこかしこから唾を飲む音が聞こえ、冷えた緊張が張り詰める。
三桁の視線に晒されて尚、Superfreeの動作には、一切の緊張が見られない。
平然と、しかし泰然とマイクを手にし、兵達を見据える。
そのたった一の視線に射抜かれ、二百の聴衆は凍りつく。
これぞカリスマ。高いポテンシャルと優れた容姿に加え、超常の力を持つ者の威容。
壇上のカリスマは自身の作り出した空気に、僅かの陶酔を覚えながら唇を開く。
その第一声は。
「我が忠勇なるジオン軍兵士諸く………………………ん？……………」
何処かで聞いた様なフレーズを発するや否や、Superfreeが固まる。
「…………」
沈黙を続ける聴衆。対して、プルプルと肩を震わせるSuperfree。
暫く文面を眺めていたかと思うと、漸く得心したように咳払いを一つ。
「これ……ギレンじゃねーかっ!!?」
自らの台詞が某独裁者と被った事に気付き、愕然とするSuperfree。
「ぷっ」
「くくっ」
「ぶははははは！」
「ギレンかよ！」
無表情の面が割れ、次々と聴衆は笑いの渦に呑まれていく。
「何やってんだ城咲ー！」
「城咲って言うなぁぁぁぁぁぁ!!」
Superfreeの抗議も空しく、兵達の悪ノリは続く。

「でもさっきの演説ってギレンだよな」
「でもスーツだから城咲だよ」
「じゃあ城咲ギレンって呼ぼうぜ」
「それだと木村カエラみたいじゃね？」
「取り敢えずあの台詞言っとこう」
「だな」
「ジーク・ジオン！」
「ジーク・ジオン！」
ジオン国兵士達の喝采が巻き起こる。苦笑しつつ頬を掻くSuperfree。
その様子を壇上のカーテンの陰から見つめる影が、二つ。
「なあ、あの原稿、書いたの誰だ？」
半笑いで問う雑誌編集者。
問うた相手は図抜けた巨漢――歩く絶対防御壁、壁。
「さっき、最悪から送られてきた物だそうだ」
その返答に、雑誌編集者は肩を竦めて苦笑いをしてみせる。
「はあ？敵から来た原稿を演説で丸々使用ってか？スーフリもヤキが回ったのか？」
「あいつは最悪の事となると弱いからな」
一方。
ひとしきりシュプレヒコールを挙げた聴衆が落ち着いた所で、Superfreeが改めてマイクを握る。
「――さて、ジオン国に忠誠を誓った所で本題に入ろうか。
俺が君達に協力を仰いだのは他でも無い。現体制の、生徒会の問題処理能力の脆弱さに起因するものだ。
ネットゲーム事件では、生徒会にラウンジ達が協力を申し出、解決をしたという事になっている様だが――実際は違う」
その一言に、どよめきが走る。
「実際は、ラウンジ達が生徒会とは関係無く解決に導いた。つまり非生徒会役員の活躍による物だ。
さて諸君、ここで君達の日々を回想してほしい。
何が思い浮かぶ？スポーツに汗を流す爽やかな風景か？平穏に包まれた学校生活か？
答えは否。そうだろう？その筈だ。実際に君達の脳裏をよぎったのは何か？当てて見せよう。
争いだ。肉体と精神を傷つけ合う、殺伐とした不毛な争い。
現体制はそれらに対策をしただろうか？しただろう。須く対策を講じただろう。
結果はどうだ？君達の争いは劇的に緩和されただろうか？否、ただ否の一言だ。
その理由は何か？単純だ。日々文章と数字に向き合うだけの彼等は、君達の心を理解出来なかったからだ！」

「でもさっきの演説ってギレンだよな」
「でもスーツだから城咲だよ」
「じゃあ城咲ギレンって呼ぼうぜ」
「それだと木村カエラみたいじゃね？」
「取り敢えずあの台詞言っとこう」
「だな」
「ジーク・ジオン！」
「ジーク・ジオン！」
ジオン国兵士達の喝采が巻き起こる。苦笑しつつ頬を掻くSuperfree。
その様子を壇上のカーテンの陰から見つめる影が、二つ。
「なあ、あの原稿、書いたの誰だ？」
半笑いで問う雑誌編集者。
問うた相手は図抜けた巨漢――歩く絶対防御壁、壁。
「さっき、最悪から送られてきた物だそうだ」
その返答に、雑誌編集者は肩を竦めて苦笑いをしてみせる。
「はあ？敵から来た原稿を演説で丸々使用ってか？スーフリもヤキが回ったのか？」
「あいつは最悪の事となると弱いからな」
一方。
ひとしきりシュプレヒコールを挙げた聴衆が落ち着いた所で、Superfreeが改めてマイクを握る。
「――さて、ジオン国に忠誠を誓った所で本題に入ろうか。
俺が君達に協力を仰いだのは他でも無い。現体制の、生徒会の問題処理能力の脆弱さに起因するものだ。
ネットゲーム事件では、生徒会にラウンジ達が協力を申し出、解決をしたという事になっている様だが――実際は違う」
その一言に、どよめきが走る。
「実際は、ラウンジ達が生徒会とは関係無く解決に導いた。つまり非生徒会役員の活躍による物だ。
さて諸君、ここで君達の日々を回想してほしい。
何が思い浮かぶ？スポーツに汗を流す爽やかな風景か？平穏に包まれた学校生活か？
答えは否。そうだろう？その筈だ。実際に君達の脳裏をよぎったのは何か？当てて見せよう。
争いだ。肉体と精神を傷つけ合う、不毛な争い。
現体制はそれらに対策をしただろうか？しただろう。須く対策を講じただろう。
結果はどうだ？君達の争いは劇的に緩和されただろうか？否、ただ否の一言だ。
その理由は何か？単純だ。日々文章と数字に向き合うだけの彼等は、君達の心を理解出来なかったからだ！」

「君達の争いを、争いが生む苦悩を、苦悩が生む新たな争いを、現体制では止められない。
これは事実だ。厳然たる、歴然たる、はっきりとした事実だ。
我々がこの負の循環から抜け出すのに、忌まわしい負の連鎖を打ち砕く手段は!?
打倒！そう、打倒だ！我々の苦悩の元凶たる現体制を打倒する事だ！
無力な机上の空論を振り回す現体制を打倒し、力ある者達が、君達が新たな秩序を創る！
文民政治の非力さと無能さが露呈され、次いで君達に時代の脚光が当たった！
蛇の道は蛇、君達なら、有力かつ有能な君達なら、この不毛な争いに終止符を打てる！
平和をかき乱す一切を排除して、力ある者達による新しい学校を創り出そうじゃないか!!」
語尾から残響が余す事なく染み渡り、程なく静寂。
静寂に混じる僅かな拍手。
手を打つ音は、強まる雨足の様に少しづつ、少しづつ広がる。
広がって、広がって広がって広がって広がって。
広がりきった音は勢いを増して、小雨から雨へ、雨から豪雨へと肥大していく。
割れんばかりの喝采。スコールの如き拍手を浴び、Superfreeはゆっくりと、力強い足取りへ幕の影へ消えていく。
「……で、本気で平和な学校づくりでも目指すのか？パンフ作りなら協力するぞ？」
雑誌編集者が笑いを噛み殺しながら言う。
「まさか。大儀を胸に、堂々と心置きなく暴れてもらう口実だよ」
「しかし――」
腕を組み、ふん、と鼻を鳴らして壁が言う。
「最悪があんな文章を書くとはな。敵対するというのも、どこまで本気か怪しい物だ」
壁の言葉に、Superfreeはきょとんとした表情を浮かべる。
「壁、お前はシリアスプロブレムな勘違いをしていると思うんだけど」
「何だ？毒手を喰らった覚えは無いぞ」
「あれさあ――――ギレンから先、全部アドリブなんだよな」

「……な……アド……リブ？」
「最悪も粋な事をしてくれるもんだ。危うく連邦軍との最終決戦に臨む所だった。流石の俺でもア・バオア・クーは抜かれるだろうな……」
唖然とする壁を後目に、ナチスドイツとジオン軍の相似性について呟き始めるSuperfree。
と、Superfreeの側に垂れた幕が独りでに捲れ上がる。
奇怪な事に、その幕は人型の凹みを残したまま、末端を宙に垂れ下げていた。
「スーフリ。生徒会の奴ら、兵力が整い次第総攻撃だと。あと3〜4時間後の予定らしい」
「ほう、まあそんなもんだろうな。さて、その間にどれだけ駒を揃えられる？」
「俺は野蛮な事はしないからわからんが……これだけ居たら今すぐやっても十分なんじゃないか」
雑誌編集者が言うと、Superfreeはにんまりと笑う。
「こっちはな。しかし、向こうがまだだ。
望ましいのは互角の闘い。来るべきは全滅の未来だ。依頼人は荒廃か壊滅の未来がお望みらしいが、ね。
俺は永遠の今で十分なんだが……それは望むだけ無駄か」
「気取り屋だな」
皮肉混じりに笑う雑誌編集者に、自嘲の笑みで答えるSuperfree。
「気違い帽子屋よりはマシだろ」
「お喋りな点はそっくりだ」
「私は実に哀れなお喋りです、か。昼飯はバタつきパンにするかな」
「アワレな消しゴムの間違いだろ？」
「けれど俺は擦り減らない」
「減らない消しゴム。不思議の国になら有るかもな」
「この学校、十分に不思議で不条理だと思うんだけどな」
笑い合う二人の横で、幕がぱさりと下りる。
「演説ごっこも良いが、こっちの駒は把握してるんだろうな」
虚空から発せられる声。
「ん？ああ。戦闘要員は俺と壁とインビジブル、お前と……妹さんは？」
残念そうに声のトーンを落とし、インビジブルが答える。
「ネトゲ側に。プログラマーに引き抜かれた」
「それじゃ、あと二人を入れて五人か。……あいつら、何してるんだ？」
「少し遊んでから来る、とさ」

その獣はコキュートスの冷たさを帯び――


「こちら1群。6群がバリケード突破したとの事。C棟3階より、5、6群と共にD棟へ侵攻を開始」
《了解、くれぐれも慎重に頼む》
VANK、氷客連盟に率いられて来日した大勢の武装グループ。
彼等は小隊毎に色とりどりの衣装に身を包み、5人を一セットとした群で行動。
つまり、先程の会話は1・5・6群の計15人により共同侵攻を開始するという事だ。
なお、資金不足の背景により、5群に1つしかトランシーバーは支給されていない。
「日帝の奴らめ、思い知らせてやるぜ」
「焦るな。冷静に、確実に潰していけ」
肩を怒らせながら歩く、この群のリーダーらしき男が2人。
背後には8人の兵隊達。
彼等が歩いているのは、バリケードによって封鎖されていたC〜D棟間の長い長い渡り廊下。
「おい、6群はどうした？」
「先に突入したらしい」
「気が早いな。それにしても……」
「妙、だな」
妙と言うのは、彼等が進む渡り廊下について。
交通の要所で有るにも関わらず、一切の兵が配備されていない。
仮に先行した群が排除していったとしても、やはりおかしい。
何せ、戦闘の痕跡が無いのだ。
長い渡り廊下に転がっているのは、破壊されたバリケードの残骸のみ。
「奴ら、どういう積もりなんだ」
「引き返すか？」
その言葉に、先頭の二人が足を止める。同時に後続の兵達も停止。
まるで本物の軍隊を思わせる動作。よく訓練されているのだ。
「……好機と見るべきだろう」
一人が進み出し、次いで片方も。当然後続も進行を再開。

廊下を渡り終えるかと思われた所で、異変は起きた。
「……寒く、ないか？」
「屋内だと言うのになんだ、この寒気は」
雪の降り積もる外。その外より屋内が寒い。いや、寒くなり始めていた。
全員がキョロキョロと周囲を見渡す。
室温を低下させる物は無いか？
隙間は無い。窓は閉め切られているし、壁に穴が空いたりもしていない。
窓から見える外は、別段、吹雪いている様にも見えない。
冷暖房は？無い。
――――では、何が原因で？
「キングサーモン、キングサーモンはいかがですくぁー？」
突然の声に、全員の視線が前方、則ちＤ棟側へ集中する。
「冷凍キングサーモン、おいしいよぉー」
「……何だ、あれ」
「日本はああいうのが流行ってるのか？」
ああいうの、とは、彼等の前方からやって来る一体の――
「熊？」
「それもホッキョクグマだ！」
顔と、僅かにはみ出た髪から見るに、白熊の着ぐるみを着た少女、であった。
その手に持っていたのは、
「……鮭ぇっ!?」
「それもキングサーモンだ!!」
背には巨大な金属製タンクを背負っている。
タンク、熊、鮭、女の子。まるで意味がわからない。
混乱する一同を余所に、白熊の少女はぺったんぺったんと近づいてくる。
「アラスカ産だよー、生でかじっても美味しいよぉー」
口上を述べながら、ぺったん。
「名無しの漁師の一本釣りだよおー」
ぺったん。

「焼いても生でも美味しいよー」
ぺったん。
ぺったん。
ぺったん。
ぺったん。
ぺったん。
――――ぴたり。
一団の目前で、少女は足を止めた。
近距離で見てみると、着ぐるみの頭部を入れてもその身長は140cmにも満たないように見える。
要するにちっちゃいのだ。
「敵か？」
「さあ？……おい、誰か日本語出来る奴」
「あ、俺出来ますよ」
一団の中から一人、少女に向かって歩み出る男。
「あー……君、この学校の生徒？」
「鮭、買わない？」
「違うなら早く出た方が良い。ここは危ないから……」
「鮭買わないの？美味しいよぉー」
会話不成立。
暫く躊躇った後、彼は懐から財布を出した。
「お嬢ちゃん、その鮭、何円？」
「￥525000(税込み)だよ」
「たっ……たけっ！高けえよ！」
「ぶっちゃけスーパーで買ってきた奴だよ」
「ボッてんじゃねえか！」
一連の会話を全く理解出来ず、首を捻る9人。
「おい。その子は何て言ってるんだ？」
横合いから入る仲間に、男は苦笑してみせる。
「使用言語は日本語なんですが日本語が通じません。この子、アホの子です」

「そんな孩子(子供)に構ってる暇は無い。行くぞ」
「え、あ、はい……」
再び行進を始めた仲間達に、遅れまいと男も走り出す。
その時。
「………!!」
少女の脇を抜けた時、男が感じたのは冷気だった。
寒気、などといった生易しい物では無い。
これに比べたら吹雪でさえもぬるま湯のシャワーと感じるような。
痛み、痛感とイコールで結ばれる程の冷感、異常に冷えた空気。
とっさに振り向いた男が見たものは、タンクを振りかぶる少女の姿。
冷たく、透明な液体が男を、そして一団の背を襲う。
「冷てっ!?」
「な、何だぁっ!?」
すわガソリンか、と思いリーダーの二人が匂いを嗅ぐ。
「水？」
無色透明、無味無臭。液体の正体は、どうやら水であったらしい。
「このガキ、何しやがっ――」
突然水をブッ掛けられられ、濡れ鼠と化した一人が少女に掴み掛かる。
「うるせえよ、屑」
ドスの利いた、背筋を凍らせるような声。
始め、その声が何処から聞こえてきたのか、誰にもわからなかった。
ややあって、全員が声の出所を把握する。
それは、白熊の少女。
「黙って鮭買えば良かったんだよ、三国人共が。誰の胸ぐら掴んでんだ？あぁっ!?」
青白い光が、一閃。
恐ろしい硬さに凍らされたキングサーモンが、一転、凶器と化す。
胸ぐらを掴んでいた男は顔面を跳ね上げられ、血を吹き出しながら、バネ仕掛けの人形の様に垂直に飛んだ。
天井に激突して、その体がどしゃりと床に落ちる。
少女の見た目からは想像も出来ぬ、常軌を逸した腎力であった。

「精神年齢幼児期の劣等人種が……」
呆気に取られる9人の前で、少女が着ぐるみの手を外す。
蝋人形を思わせる、触れば溶け消えてしまいそうな白い手が、外気に曝される。
「……こいつは敵だ！」
「行けっ！行けええっ！」
リーダーの号令に従い、両群の男達が一斉に凶器を振り上げて走り出す。
「ふん、白痴共め」
少女は彼等を冷ややかな目で見つめたまましゃがみ込み――――床の水たまりに、手を突いた。
ぴしり。
ぱしり。
ぴき、ぺきぺきぴきぺき、かきり。
少女の手元から、ぶち撒けられた水へ。
水を被った男達の足元へ。
足元から水の染みた靴へ。
靴から濡れそぼった衣服へ。
次々と凍結の波が伝播していく。
「靴が、凍って」
「ちょっ……！おい！」
「馬鹿！止まれ…っ、うわああぁぁぁっ!?」
凍りついた靴に足を取られ、或いは凍結した床に滑り、先頭集団が転倒。
後は言わずもがな、氷上の人間ドミノ倒し。
泣きっ面に蜂。悪い事は続くもので、倒れた彼等の衣服と床が接合して凍りつく。
それ則ち。
「クソッ動けねえっ!!」
「だっ、誰か、起こしてくれ」
「髪がっ！髪が取れねえ！……痛えよ！外してくれえ！」
彼らは、銀盤に止められた標本さながらで。
少女はその様子を満足気に眺めると――
「はふっ」
満足そうに一息。

「誰に向かって孩子だなんて言ってる？簡単な中国語ならわかるんだぞ。ガキだ？お嬢ちゃんだ？」
キングサーモンを引きずりながら、地獄の鬼顔負けの殺気を放ち、倒れた男達へ歩む。
「良い事を教えてやろう」
目一杯背筋を使い、キングサーモンを振り被る。
「ちょっ……おい……」
「逃げろ！早く！」
「逃げろったって、動けないのにどうやって……」
彼等とて馬鹿では無い。修羅場を潜ってきた歴戦の猛者達だ。
だからこそ、少女が何をしようとしているのか。自分達がどうなるかをわかってしまう。
「これでもな」
少女の目がぎらりと光り、限界まで張り詰めた背筋が軋む。
「あ、あぁ……」
「誰かっ！誰か助けっ！」
その時――男達には、少女が本物の北極熊に見えた。
地を蹴って、少女は駆け出す。
「俺は16歳と2ヶ月の男だあぁぁぁっ!!」
吠えながら、少女もとい少年は白銀色の竜巻と化す。
「えぇぇーーっ!?」
哀れな事に最初に犠牲になったのは、唯一日本語を解する彼。
転がっていた所へ、キングサーモンの腹が彼の腹を直撃。
掬い上げるように打ち上げられた後、地面と平行に吹き飛ばされる。
催し物は人間ドミノから人間ボウリングへ。
吹き飛ばされた彼が、後ろに倒れていた仲間を直撃。
尚も勢いは止まらない。
仲間を巻き込んで雪だるま式に膨れ上がったボールは、最後尾まで転がり、
「ブルスコォッ!!」
「ファーッ!?」
最後尾、彼等にとっては先頭に居たリーダー二人へ直撃。
壁に激突し、弾力性のあるモノが押し潰される厭な音を立てて、漸くヒトダルマは停止した。

「悪かったな高校生で！」
当て損ねたピンを、少年は片っ端からなぎ倒す。
「悪かったなぁチビで！」
「わ、訳がわから――ぐえぁっ!!」
「ファッキンジャッ」
「ファッキンジャップぐらいわかるよ馬鹿野郎！」
最後の一本が吹っ飛び、壁に激突してずり落ちるのを見届けると、少年はキングサーモンを放り出した。
凍った床をくるくる回りながら、鱗を煌めかせるキングサーモン。
倒れた男達、凍った床、投げ出されたキングサーモンとタンク、着ぐるみ少女もとい少年。
「メードインチャイナ共め。あれ、コリアも居るんだったか？」
より一層のカオスを醸し出す空間で、ポケットから煙草を取り出し、点火。
「ふー……」
白魚の指に挟まれているのは、今となっては生産中止のアイスブルー。
「……これから成長するんだよ。糞ったれが」
メンソールの香りを含んだ紫煙を吐き出し、苛立ちを全面に押し出した表情で。
一服を終えると、キングサーモンを拾い上げ、少年はＤ棟に帰っていく。
――――背には【1-K:アラスカ】という名札が縫い込まれていた。

彼女は銀幕に踊る幻影の様で――


「ああクソッ!!あいつら何人居やがるんだ！」
Ｃ棟三階。
猛然と廊下を走る一人の男子生徒。違反の潰し方であった。
たまたまＤ棟に居たために、なし崩し的に隠しクラス側へ。
Ｄ棟を拠点とする彼が、何故にＣ棟に居るのか。
何故に全力疾走を続けて居るのか。
答えは簡単。敗走中。
演説を抜け出し、手柄を立てんと僅かな仲間を引き連れて、いざ攻め入らんや敵の中枢。
結果は彼の現状が示す通り。
見つかるや否や恐ろしい数の【群雄】達が現れて、矢も盾もたまらず、という訳だった。
日本男子として玉砕特攻の精神を見せようかとも思ったが、やはりそこは現代っ子。
「逃げるが勝ちって言うしな！」
そもそも、武道の心得も無い彼では、一対一でも勝ち目は薄い。
逃げる、逃げる逃げる逃げる。
鬼気を孕んだ地鳴りの様な足音を背で聞きながら、危機から脱せんと走り続ける。
出鱈目に角を曲がり、階段を上がり、また別の階段を下りる。
これだけ動き回れば普通は撒けそうなものだが、どこの教室、廊下を見ても敵が居るのだ。
Ｃ棟が占拠されたと言うより、Ｃ棟がそっくり丸ごと敵になったと考えてもいい。
「だー！どうしろってんだよ！」
自業自得であるのだが、それはこの際仕方が無い。
角、階段、廊下、角、階段、廊下………。
そろそろ足が限界に近づいてくる。無理も無い。陸上部じゃあるまいし。
次の角で止まろうか、いや止まる、止まらないと死ぬ。
角を曲がり、酸欠でちらついた視界に映ったのは――

廊下の向こうから歩いてくる、一人の女。
自分達の学校のそれとは色違いの制服。
両手に、清廉な光を帯びた絹の手袋。
右手で小さな本を開いて持ち、左手にはストローの刺さったミルクティーの紙パック。
右耳にはフィルム、左耳には音符を象ったピアスをそれぞれ付けていた。

「国も王様も持たない癖に」

玲瓏たる声色で、女生徒は本に視線を向けて言う。

「おまけに一向勇敢でも無い癖に」

言う、と言うより唱えるような口調で。
その美しい声に惹かれ、違法の潰し方は思わず立ち止まる。
対照的に女生徒は歩みを止めず、彼の方へつかつかと。

「戦死がしたくなりました」

唱える度に、鈴の音の如き言葉が宙空を伝う。

「でも、死神は僕を奪ってはくれませんでした」

そこで彼は、女生徒がいつの間にか目前まで迫っていた事に気付く。
だが、疲労も手伝ってか、どうにも出来ない。
何より――――女生徒の雰囲気に、完全に呑まれていた。

「で、貴方は戦死をしたい人なのでしょうか？」

パタンと本を閉じ、女生徒はそれをポケットへ。
「……いや」
「よろしい。なら、僕の後ろに下がりなさい。向かいあってるから進みなさい、かな？」
首を傾げてみせる女生徒。
言われるがまま、毒男は彼女の背後へ。
そうこうしている間にも、角の向こうから迫ってくる足音。
「な、なあ。どうするんだよ、あいつら」
「君は黙って座っていなさい」
ぴしゃりと言い切り、女生徒は手袋を脱ぐ。
両手で、前面の空間をかき混ぜる様に、何かを貼り付ける様に動かす。
その仕草はパントマイムを思わせた。

「な……え……え？何だぁ？」
到底理解しがたい光景であった。
彼女が触れた空間に、半透明のピースが幾つも現れる。
呆然と見ている内に次々とピースが増えていき、パズルの様に組み合わさり、色が着く。
果たして完成した絵は――
「よし【防火扉.wav】貼付完了。と」
そう、現れたのは道を閉ざす巨大な防火扉。
「え……わっ……わっけわかんねえ……」
顔を引きつらせて言う違反の潰し方に、女生徒は振り向いて軽く笑む。
「わかって為になる事とならない事が有ります。あなたにとって今のは後者」
「……あ、はい……」
完全に理解の範疇を越えた現象を目の当たりにし、半ば放心。
「君は違反の潰し方、で合ってる？」
無言で、こくん、と頷く。
「あぁ良かった。リストで見覚えあるなあと思ってたんだけど」
女生徒は、胸元の空間を、つい、となぞる。
「僕、君の事あんまり鮮明に記憶してないから。画質が粗いでしょ」
指先から出る少量のピース。
何処かぼやけた違反の潰し方の顔が、小さな画像として宙に作られる。
「うん、はい」
壊れた人形のようにカクカクと首を振る。思考停止に陥っていた。
「それじゃ自己紹介。制服から見ての通り僕は他校の、それも姉妹校の生徒です」
「……姉妹校？そんなん、聞いた事ないな」
「あちゃ、まだまだ知名度低いのかな。２ちゃんねるＸ学園から来ました【音楽・動画】です。よろしくね」

「あ、あぁ。よろしく……何で、俺の名前を？」
「君。スーフリ達が馬鹿だと思ってない？全員の顔写真付きリストくらい、中心メンバーには渡されてるんだよ？」
ほら、と言うなり、音楽・動画の手から拡散して宙に収束するピース。
「僕は全部、動画形式で記憶してるけど、ね」
現れたのはポスター大の動画。
次々と自陣営の顔写真、名前が映っては消え、映っては消える。
「さ、そろそろＤ棟に戻ろっか。……立てる？」
動画を構成していたピースが解け、色を失い、空気に融けて消えていく。
「なんとか。休ませてもらったし……」
膝に手を突き、疲れた体を無理やり起こす。
実際はもうちょっと休みたい、と違反の潰し方は考えていたが、流石に面子を考えた。
「良かった。【まだ休みてえよ】なんて言われたら、幻覚見せまくって精神崩壊させてやろうかと思ってたよ」
違反の潰し方は思う。自分の判断は正しかった、と。

格闘技系部員達が配置に着く為に出ていった後の、Ｄ棟体育館。
未だ壇上に残るSuperfree、壁、雑誌編集者の三名。
「あいつら、遅いにも程があるぞ」
苦い顔で言う壁。
と、体育館入り口の大きな戸が開け放たれた。
「遅れてごめんよぉー」
血の付いたキングサーモンを片手に、ぺたぺたと入ってくるアラスカ。
「時間にルーズなのは感心出来ないな」
「文句は中韓の両政府様で領収書切ってくださーい」
呆れた口調で言うSuperfreeに、アラスカは飄々と返す。
「時間を蔑ろにする奴は時間に嫌われるんだぞ？だからお前は成長しな――」
Superfreeの顔面すれすれを、ミサイルの様な何かが飛んだ。
銀色に光るそれはSuperfreeの頬を掠め、壁に突き刺さる。
キングサーモンだった。
「何か言ったか、オイ」
据わった目で睨みつけてくるアラスカに、両手を上げるSuperfree。
「いやあ久しぶりに会ったら成長したなと。あ、背伸びた？」
「嫌味か。嫌味と取っていいんだな。ノーザンライトボムいくか？」
「めめめ滅相もありません陛下！………冗談は止め。アラスカ、音楽・動画は？」
「さあ？」
肩を竦めて見せるアラスカ。
「僕は先程から居るのですが」
と、その背後の空間が歪む。
繭の様に全身を包んでいたピースが分解され、唐突に現れる音楽・動画。
「視覚に訴えて存在を主張したいなら、風景との同化から脱却すべきだと思うんだ。俺は」
「少しは驚いて下さいよ」
冷静に返す雑誌編集者に、頬を膨らませる音楽・動画。

「知ってるのに驚きはしないだろう」
「リアクション無しかぁ。誠に遺憾ながら、それじゃ僕のモチベーションが……」
ふう、と溜め息を着く音楽・動画。
それを見て、Superfreeは唐突に尻餅を突き、震えだした。
「おっ……音楽・動画!!……いつからそこにぃぃっ……!?」
「ジャーンジャーンジャーン♪げぇっ、音楽・動画！俺達さえも欺くなんて、恐ろしい子！」
それに合わせ、同じく尻餅を突いて目を剥く雑誌編集者。
音楽・動画はそんな二人を冷めた目で見つめ、また溜め息。
「わざとらしいよ」
「……」
「……」
沈黙する二人。
「何、ジャーン♪って。口で効果音？小学生のデュクシじゃあるまいし。冷める。百年の恋も冷める。一目惚れなら瞬間冷凍だよ」
「よし、冷凍って事は俺の出番だな」
手袋を脱ぎ出すアラスカ。
「君はいい。下手な事されたら物理的にも寒くなる」
制止する音楽・動画。
「…………」
「…………」
やるせない顔で沈黙を続ける二人。
「君等までテンション下げてどうするの!?」
「…………はい」
「…………はい」
すっくと立ち上がるSuperfreeと雑誌編集者。
「で、僕とアラスカに何の用？直接呼びつける必要も無かっただろうに」
「そうだな。メールで良かっただろ。何でだスーフリ」
ムスッとした顔のアラスカと音楽・動画に対し、一転真面目な顔つきに戻るSuperfree。
その様子は百面相かミル・マスカラスか。
「一応、再確認の為さ。依頼の内容と、祭の主旨は……」

「あのさあ」
突如、何処からか聞こえてきた声に、音楽・動画以外の全員が身を強ばらせた。
「コント中悪いんだけど」
声の主が、音楽・動画の背後から姿を現す。
――首から、下だけ。
「うーわ……」
「出たああっ！」
「スーフリ、あの首無しを消せ！消すんだ！」
「俺はあんなの触りたくないっ！」
服装は男子制服のそれであった。
左手には【palimpsest】と刻印されたシルバーのブレス。
怪奇・首無し男出現。
「ようやく驚いたね？」
ふふ、と動画・音楽が微笑む。
「【体育館.3g2】添付解除」
ピースがバラバラと解け、水面から浮かび上がる様に、首無し男の顔が現れる。
その顔は――違反の潰し方。これで首の上下を併せて全身が出現。
それを見て、パニックに陥っていた場がぴたりと静まった。
「ふふふ、やはり彼の存在には気付かなかった。二段構えだよ！明智君！」
溜飲が下がったのか、実に上機嫌な様子の音楽・動画。
壇上の三人は顔が引きつり、アラスカに至っては体育館の隅で涙目になって震えていた。

「おーいっ！」
首無し男のインパクトに仰天していたSuperfreeが、はっと我を取り戻す。
「君は……違反の潰し方か。どうした？」
「昼飯食ってきていい？」
「どうぞ。しかし食堂はＡ棟だ。無事に辿り着ける保証は無いぞ？」
最後の辺りで嫌な笑みをしてみせるSuperfree。
「音楽・動画さん」
「はい」
「付いてきてくんね？」
「はい？」
「昼飯奢るから」
「どうして僕が？」
「俺一人であんなデンジャーゾーン渡れないし」
「ミルクティーとブルーベリータルト、それに夕食も付けるなら考えるよ」
「多い」
「雑兵の君が僕を使おうって言うんだから、当然だよ」
「つーかあんた夜まで居る気か？」
「多分ね。早く終われば帰るけど。で、どうなさいますかぁ〜？」
悪代官さながらの笑みで言う動画・音楽。
違法の潰し方はポケットから財布を取り出し、中身を覗く。
途端に、その顔から血の気が引く。
「マジかよ……」
どうやら中身に余裕が無いようだった。
「スロットサロンと鬼浜打って負けた時か？いや、市況の二人に乗せられた大豆相場でやっちまった時か？」
一人考え込む違法の潰し方。金欠の原因として思い当たる節が、幾つも有るようだ。

「僕は構わないよ？」
あくまでもニコニコと、しかし眼は笑っていない。
「自販のパンで我慢するも、端金を惜しんで襤褸切れとなるも、君の自由」
「外で飯食ってくる自由は？」
あわよくば逃亡を、と違反の潰し方は考える。
「逃亡兵は銃殺か軍法会議に掛けられて罰せられるのが相場だけど？」
あっさりと看破され、違反の潰し方は再び財布に視線を落とす。
「――わかった。いいだろう。ちゃんと案内してくれんだろうな？」
眉間に寄った皺が、それが苦渋の決断であった事を示していた。
「交渉成立。僕は貴方のベアトリーチェになりましょう」
手袋を脱ぎ、差し出される手。それに応じる手。
たかが昼飯を奢るか否かで、がっちりと握手を交わし合う二人。
「成立した所で悪いんだが――」
壇上から響くSuperfreeの声。
「道中がインフェルノだから正しくはヴェルギリウスじゃないか？」
「行き先がパラダイソだからベアトリーチェで正しいんだよ、Superfree」
Superfreeの指摘に動画・音楽は澄まし顔で返す。
「そういうものか」
「そういうものだね――――さて、違法の潰し方君」
「へっ？ああ、食堂か」
「惜しい。どのぐらい惜しいか説明する時間も惜しい」
「どっちが惜しいんだよ」
「君と話す時間の方が惜しい。これから大事なお話が有るみたいだから、それが終わる迄、君は廊下で待ってて」
「へーい」
体育館を出ていく違法の潰し方の背を見ながら、Superfreeは一人ごちる。
「こっちの駒はそろったが――――黒の女王の軍勢はどうかな？」

「隠しクラス軍の兵力の質は私達と変わりません。何しろ同じ格闘技系の部員ですから。しかし量は凡そ五倍の300人。
中核メンバーはご存知の通り、Superfreeと壁、インビシブル。一年生のアラスカ。
また、未確認ながら姉妹校の生徒、音楽・動画をＤ棟で見たという目撃証言もあります。彼女も何かしらの能力が有る、と見るべきでしょう。
将に限って言えば……この勢力が間違いなく最強です」
喋り終えた世界情勢が、手元に有ったお茶のペットボトルを取り、喉を潤す。
「アラスカとは何者だ？初めて聞いたんだが」
三戦の問い。座っていたν速+が、机に乗せてあった紙を取って答える。
「最近存在が確認された隠しクラス生徒だ。今まで一切の情報が無かった事から、転校生か新入生だろう」
「んな事は聞いてねーんだよ。俺らが聞きてーのは、どんな能力持ってんのかって事だ」
ぶっきらぼうに口を挟むアウトロー。
と、軍事が怪訝な顔をして腕を組む。
「……先輩？」
横に座るサバゲーの声も届いてはいない。
あらぬ方向を見つめ、考え込む様な表情の軍事。
「サバゲー。邪推かも知れないが、シベリアとの関連は考えられないか？」
「名前が……ですか？」
「そうだ。シベリアとアラスカ、何かあってもおかしくない」
「言われてみれば、確かに」
二人の会話を耳にして、世界情勢がそちらに視線を移す。
「流石軍事さん、いい所に気が付きますね。ですが……」
世界情勢が言葉を濁す。
「ですが、何だ」
「シベリア君は、Ｄ棟での目撃証言を最後に、連絡が取れません。
彼だけで無く、多くの非戦闘生徒達が各棟に取り残されたままです」

「迂闊には動けない、か」
渋い顔をする三戦。
「それが……そうでも無いんですよ」
何故か苦笑いの世界情勢。何処か笑いを堪えて居るように見えなくもない。
「そうでも無い？」
きょとん、とするラウンジ。世界情勢は躊躇うように逡巡した後――携帯を取り出す。
「ちょっと皆さん、寄ってもらえますか」
生徒会の面々を除く、ラウンジ達一同が世界情勢の元へ。
「驚かないでくださいね？」
念を押し、携帯を何やら弄った後、液晶をラウンジ達に向ける。
画面に映ったのは、教室を映したらしい映像。
室内の中央で、ゆるゆると回るカメラと視点。
と、そこに無表情で椅子に座る女性徒の姿が。
「……オカルトさんだ」
ラウンジの呟き通り、それはオカルトその人の姿であった。
更に視点は廻る。
次いで映るのは、退屈そうに寝転がって漫画を読む複数の生徒。
「ハハ……おいおい、漫画・小説等クラスの奴らじゃねえか」
アウトローが苦笑い。
更に回る。
専門雑誌を片手にメロンパンを食べている男子生徒。
「車の奴、何をやっているのだ」
三戦のコメカミに走る、幾筋もの血管。
結局、映像に映っていたのは気ままに過ごす学友達。
「Ｃ棟から送られて来た物です。御覧の通り、彼等は極めて良い扱いを受けています」
余りのインパクトに、暫し茫然とするラウンジ達。

世界情勢は続ける。
「Ｂ・Ｄ棟からも似たような映像が届いています。
各勢力から届いた声明に記載された条約に拠れば――――取り残された生徒達は抗争が終わる迄、監禁するものの、人質とする意図は無い。
との事です。原文に差異はありますが、どの勢力もこれは記載してありました。
処遇としては、監視及び通信機器の没収。また各棟間の移動と校外への外出を規制。
後は昼寝しようが遊んでようが自由、みたいですね」
「なんじゃそりゃ」
呆れた風のラウンジ。だが、世界情勢は至って真剣な面もちだ。
「彼等も私達と同じ未成年、言ってみれば大人になりかけの子供です。清濁併せ呑み、悪と自覚して悪を行っているわけでは有りません。
人質を楯に意を通す様な真似をしてしまえば――――」
「大義が汚れる。志気に関わるわけだ」軍事が台詞を先取る。
「だが」
そこへ言葉を添えるはν速。
「ｖｉｐに限っては別だ。あいつを攫った理由がわからん。
どの勢力も、機密保持、或いは同調による戦力の増加を期待、または情報の聴取の為に非戦闘員を拘留しているのだろう。
だがｖｉｐは、たまたまその場に居合わせたからでは無く、明らかな待ち伏せを受けて拉致された。
その目的がわからん内は、隠しクラスに対して迂闊に動く事は出来ん」

「それについては目下調査中ですが……何も掴めていないのが現状です」
世界情勢が携帯をパタンと閉じてポケットへ。
「でもなあ……」
怪訝な顔でラウンジが首を捻る。
「うちの学校を目の敵にしてる海外の奴らが、人質を大事に扱うってのが……」
「その疑問に関しては、前述した理由に加え、Ｃ棟を根城にする彼等について説明する必要がありますね」

えー、ここで訂正を。
前回【氷客同盟】と書きましたが、正しくは【氷客連盟】です。申し訳無い。

女王は生来の悪意に蝕まれ――


日が真上に昇ろうかという時刻。
太陽は穏やかに降る綿雪の隙間から、強い日差しを地に降ろしていた。
日光という物は、一般的に清浄、繁栄などのプラスのイメージを帯びている。
歓迎されこそすれ、忌み嫌われる事は余り無い。
だが、ことこの部屋に限っては、日は拒絶されていた。
「ふーん」
窓際のカーテンの隙間から入る僅かな光が、机とその上に置かれたチェス盤を照らす。
照明が消された薄暗い教室内には、机を挟んで遊戯に興じる二つの影。
黒サイドの駒を操るは、駒と同色のふんわりとした外套に身を包む一人の少女。
最悪、であった。
「あはは。ビショップf2。チェックメイト」
ビショップが置かれた斜め先、e1に白のキング。h4に控えるは黒のクイーン。
白陣営は黒のビショップを倒しても後が続かない。
すなわち、白の敗北。始まって僅か2分の決着。カップ麺さえ作れない。
「あはっ、弱すぎ。流石の私も四手で勝てるとは思わなかったよ？」
最悪は白のキングをひょいっ、と摘み上げ、手の中で転がす。
圧倒的な勝利の笑みを湛えて弧を描く口元に、嘲りを含んで細まった目。
その視線の先、白の駒を使っていた一人の男。
「ワタシはこの手のゲームは嫌いでね」
日本語であったが、何処かイントネーションが違う。
寒色系の民族衣装を着込み、首元には【lion】とローマ字の刺繍。
背にも、勇ましい獅子を象ったそれが施されている。
「たかが一度の攻撃で倒される駒……脆弱だ。私が駒なら、一撃でくたばる様な無様は晒さない」
無表情に言い切り、駒を片付け、盤と共に机の中へ仕舞う。
全体的に研ぎ澄まされた刃の様な印象を与える容貌。また、纏う雰囲気も抜き身のそれと同じ。
近寄り難い、と言うよりは近寄っただけで切り裂かれそうな空気を放っている。
「あは、それ言っちゃ駄目だって。って……もう辞めちゃうの？」
「飽いた。ワタシはチェスをしに日本へ来たのではない」

「あはは、スーフリ達も、こんな具合に楽に落とせたら苦労しないんだけど」
最悪は白のキングを机に置き、細い人差し指でコロコロと転がす。
「スーフリはチェス強かったんだけどなぁ」
ゲームクラスのチェス程じゃないけど、と最悪は付け加え、続ける。
「あは、これは実戦の話なんだけど……氷客なら、スーフリに勝てるのかな？」
机上の王から男へ、最悪が視線をちらり。男は至って無表情のまま。
「自信の程を聞きたかったのになぁ――――あれ？」
再びキングを弄って遊ぼうとするも、机から駒が消えている。
「人外達が、また人外達の王が相手であろうと」
男の声に視線を上げれば、男の右手に何時の間にか握られた白のキング。
「ワタシ達、そしてワタシ――氷客連盟に、敗北など無い」
ピン、と親指で弾かれて真上の宙を舞う駒。
天井スレスレまで飛び、落ちてくるそれは、氷客連盟の立てた人差し指で止まる。
「あは、雑技団出身？」
茶化す最悪を無視し、氷客連盟は駒を静かに机に置く。
「握り潰すくらいのデモンストレーションはやるかと思ったのに」
再び駒を弄び始めた最悪が言う。
「出来るが？しかし、それはお前の持ってきた物だろう」
存外、律儀な性格のようだ。
「ふぅん。相変わらず生真面目だね」
「ふざけるのは性に合わん」

「あはは、真面目で結構。駒は有能で忠実かつ誠実が一番だよ」
「本人を前に駒呼ばわりか」
「怒った？」
「もう慣れた」
「流石」
「しかし訊きたい事が有る」
「なぁに？」
「スーフリ……Superfreeと言ったか。そいつはどうだったんだ？」
最悪の手が止まり、白のキングは転がって――床に落ちた。
数秒程の沈黙を置き、最悪が口を開く。
「何についての【どう】なのかな？」
「聞けば聞くほどワタシとは正反対らしいが」
「上っ面はね」
「上っ面？」
「世間向きの態度は、って事。言い換えれば外面かな」
「じゃあ、内面は――」
言いかけた氷客連盟に向かい、最悪は手の平で制止のジェスチャーを作る。
「……なんだ」
怪訝な顔つきの氷客連盟。最悪は無言で机の下を指す。
「あは、話の最中悪いんだけどさ、駒拾ってよ」
「自分で拾えばいいだろう」
憮然とした顔を作る氷客連盟。
憮然、とは言えど、その感情を顕しているのは、僅かに寄った眉間の皺だけだ。
「立ち上がれない事情が有るの」
「それも駒の仕事か？」
「かもね？」
ふう、と仕方なさそうに溜め息をついて、落ちた駒を拾い上げる。
だが――渡しはしない。
「ちょうだい？」
「だが断る。目の前で小物を弄られるのは不快だ」
「視界に入れなきゃいいのに。眼を閉じればそこは闇だよ」
「閉じていられなかった人間に言われたくは無いがな」

嘲る様な言い方をする氷客連盟に対し、最悪は薄く笑う。
「あは。確かに私は気に入らないモノは無視出来ないタチだからね」
「日本の諺にも有るだろう。木を隠すなら森の中だ」
それを聞いて、最悪はカーテンの隙間から見える外に視線を映す。
ゆっくりとしたペースで街に降る雪。
無論校庭も例外では無く、校舎全体を外界から隠すように植えられた木々にも、氷花が咲いていた。
ぼんやりと校庭を眺め始めた最悪を見て、氷客連盟は不思議そうな顔をしてみせる。
それにも委細構わず、最悪の視線は校舎前の道路へ。
行き交う車と人。今日は平日なので、比率としては明らかに前者が多い。
この現代で、平日に徒歩という移動手段を取る者は余りいないからだ。
まして今は昼間。街の中心部ならともかく、ここらへんを歩く者は老人かニートくらいだろう。
気温の上昇で積雪がベタ雪になり、歩道・車道のそこかしこに水溜まりが出来ている。
幼児を連れた老婆の脇を、ワゴン車が走る。
追い越し様に水が跳ね飛ばされ、大人の膝丈ほどは有るだろう波が二人へ掛かる。
気にせずに遠ざかっていくワゴン車。
泣き出したのか両目に手をやる子供。
老婆はすかさず足元の雪を握り、雪玉を拵える。
遠ざかっていくワゴン車。
雪玉を握り、高く左足を上げる老婆。
遠ざかっていくワゴン車。
雪玉を放る老婆。
遠ざかっていくワゴン車。
プロメテウスの矢の如き勢いで、飛んでいく雪玉。
遠ざかっていくワゴン車――――のサイドミラーを吹き飛ばす雪玉。
突然の出来事にハンドル操作を誤ったのか、ワゴン車はスピン。
視線を戻すと、何事も無かった様に去っていく老婆と幼児。
今日も外界は平和だった。

ふい、と窓から顔を逸らし、最悪は正面の氷客連盟に顔を向ける。
その眼差しは真剣そのもので、表情はいつになく張り詰めていた。
「氷客、一つ言ってもいいかな」
「ワタシは一向に構わん」
少し考えたんだけど、と前置きをして、最悪は一つ咳払い。
「氷客の言いたかった事は――人の振り見て我が振り直せ、だと思う」
「そうか。訂正する。人の振り見て我が振り直せ」
あくまでも真顔で答え、静謐が部屋を満たす。
ややあって氷客連盟が自身の手首を見やれば、レトロなつくりの腕時計が示すは11時を少し回ったあたり。
「そろそろ昼餉の時間だ。失礼する」
音も無く立ち上がる氷客連盟。その腰には、左右それぞれに鞘に収まった青龍刀が計二振り。
「あは、やっぱり中華料理だったりするの？」
茶化す最悪。氷客連盟の肩がぴく、と揺れる。
「馬鹿か貴様は？ワタシの昼は、幕の内弁当と味噌カツと蚊の目玉のスープに決まっている！」
「いや、知らないから。初めて聞いたから。それに最後の中華だから」
何故か半ギレの氷客連盟に対し、半笑いの最悪。
そのまま氷客連盟は戸の方へ音も無く歩いて――不意に足を止め、振り返る。
「最壞(チョイワイ＝最悪)」
「あは。私、お昼は一人で食べるよ？」
氷客連盟は軽く首を振り、最悪の膝元に目をやる。
「猫は蝙蝠を食べるのか？」

最悪は自身の膝元を見て少しの間黙った後、返す。
「あはは。多分食べないだろうね。弄んで殺してポイだよ。きっと」
「そうか」
「どうしたの？急に」
「あれは基本的に温厚な生き物だが――――舐めて掛かると、世渡り上手な蝙蝠の復讐に遭うかもしれんぞ？」
含み笑い思えないだろう。
「ねえダイナ、お前は蝙蝠を食べるのかな？」
ダイナは答えず、最悪の手に二度三度頬摺りをして、膝を降りた。
「そっか、お前もお昼の時間だよね」
言いながら、最悪は手元のバッグを漁る。バッグの色もまた、黒。
程なくして白い手が取り出したのは、氷客は。少しはスーフリを見習って……
違うか。スーフリが見習えば良いのかな。ねえ、どう思う？ダイナ」
毛玉が動く。否、それは丸くなった黒猫であった。
黒猫は面倒そうに首を擡げ、最悪の顔を見上げて。
「ニャア」
と一言。
「あは。ニャアじゃわからないよダイナ」
ダイナと呼ばれた黒猫の頭を、最悪がゆっくりと撫でる。
壊れ物を扱うような、優しい撫で方だった。
忽ちダイナはゴロゴロと喉を鳴らす。
その様子を見つめる最悪の表情は、有り体に言うと弛緩していた。
――緩みまくっていた。
彼女を知る者が見たら、同一人物とは思えないだろう。
「ねえダイナ、お前は蝙蝠を食べるのかな？」
ダイナは答えず、最悪の手に二度三度頬摺りをして、膝を降りた。
「そっか、お前もお昼の時間だよね」
言いながら、最悪は手元のバッグを漁る。バッグの色もまた、黒。
程なくして白い手が取り出したのは、猫缶とドライフードの袋。
それを手に最悪が教室の隅へ。
そこには水の入った小皿と、空のそれが二つと、猫用簡易トイレ。
「ダイナー、ご飯だよー」
皿に二つが開けられるなり、ダイナは皿へまっしぐら。

猫まっしぐらを地でいくダイナを緩みきった表情で見つめる最悪。
静まり返った室内に、咀嚼音が続く。
「私が憎まずにいられるのはお前だけだよ。ダイナ」
食事を続けるダイナを見ていたが、やがて最悪も戸口に向かう。
と、思い出した様に振り返り、足早に自分の座っていた椅子へ。
外套を脱ぎ、座布団のように敷く。
そこへ、舌なめずりをしながらダイナがとてとてとやって来た。
食事は終わったらしい。
しなやかな動作で椅子に飛び乗り、外套に寝転がったダイナは毛繕いを始める。
最悪はしゃがみ込むと、ダイナに顔を寄せて言う。
「ダイナ、御馳走様は？」
またもダイナはニャアと一鳴き。
「あはは、よくできました。えらいねえダイナは。お前は世界一の猫だね。じゃあアレいくよ。ダイナミック・シェアード・オブジェクト？」
ダイナは何も答えない。
「んー……犬猫ちゃんにも言われたけど、やっぱり名前長すぎたかなあ。ま、いずれ覚えるよね？お前は天才なんだから」
完全に――――猫馬鹿である。

毛繕いのついでとばかり、ダイナの舌が最悪の頬へ。
ヤスリの様な舌がざりざりと。
「あはっ！くすぐったいよダイナ！」
暫くの間そうしていたが、名残惜しそうにグリーンの瞳を一瞥した後――――最悪は立ち上がる。
「ダイナ、ママは大事な用事が有るからね。ママが迎えに来るまで大人しくしてるんだよ？」
聞いているのかいないのか。毛繕いは続く。
バッグを片手に、最悪は戸口へ。
が、またも立ち止まる。
「オモチャが無いと暇だよね？」
バッグの中から取り出すのは、十センチ四方のガラスケース。
納まっている小さなナニカを取り出し、最悪は床に放り投げる。
その動作を十回ほど。
放り出されたナニカは床に着地するなり、チョロチョロと室内をうろつき出す。
それは――言わずと知れた実験動物の代名詞、モルモット。
「いい子でお留守番してるんだよ？」
にこやかな、しかし狂気を孕んだ笑みで言い、虐殺劇を後目に最悪は教室を出た。

「やっぱり脱がない方が良かったかな？」
暖房の利いた教室に比べ、廊下は幾分か寒かった。
「お疲れ様です！」
「お疲れ様です！」
廊下に控えていた両国の兵達が、流暢な日本語で威勢よく最悪に挨拶を掛ける。
「あは、君達こそご苦労様。重ね重ね言うけど、この部屋には許可無く人を入れないでね？」
この部屋、のあたりで最悪が自分の居た教室を指指す。
「承知しております。昼食はチェリーパイとトーストと七面鳥の丸焼き、で宜しかったですか？」
「うん」
髭面の見張りが問うと、最悪は小さく首を縦に。
「準備が出来ておりますので、四階へどうぞ」
まるでVIP待遇だ。だが、これには勿論理由が有る。
この学校と浅からぬ因縁を抱える彼等にとって、今回の争乱は雪辱を果たす千載一遇の好機。
それを彼等に齎したのが、最悪。
つまり、彼等にとっては単なる内通者以上の、幸運の女神とも言える存在なのだから。

ちなみに、最悪が居たのはＣ棟五階。この棟の最上階である。
昼食の用意された四階に向かうべく、護衛を伴って最悪は階段を下りていく。
十数段ほど下りれば踊り場。そこからクルリと振り向いて、また十数段を下る。
廊下に出て右手側。他の兵達も昼食を摂っているのか、廊下にはえもいわれぬ香りが漂い、喧騒が響く。
この時ばかりは鍛えられた彼等とて、年相応に振る舞うのだろう。
「奥から二番目の教室です」
最悪に並んで歩く護衛が言う。
「ありがと。君は食べないの？」
「警備の仕事がありますから。兵達は両国共に交代で休憩と警備に当たりますので」
至極当たり前の話だった。全員が飯を食っていては防備ががら空きになってしまう。
彼は、今昼食を摂っている連中が事を終えてから、の側に当たるのだろう。
「あはは、つくづく大変だね」
「我々の恥は氷客様の恥になりますから。失態など晒せません」
口振りから、彼は【群雄】のメンバーらしい。あの頭にしてこの手足あり、という事か。
「ねえ」
目的の教室まで後数歩の所で、最悪が足を止める。
「何でしょうか？」
それに倣い、護衛もまた止まる。
「猫は蝙蝠を食べるのかな？どっちつかずの温厚な蝙蝠は猫に復讐するのかな？
するとしたら相手はどちら？スノードロップ？それともキティ？もしかすると両方かな？」
謎掛けじみた物言いに、言われた護衛は沈黙する。
「あはは、ごめんね。私も答えは期待してないよ。私もまだ答えはわからないんだし」
意図を汲みかねたのか押し黙る護衛に最悪は、微笑み掛けて先に教室へ歩き出す。
「最壞様、私が考えるに」
立ち止まったまま護衛は言う。最悪は歩き続ける。
「食われた蝙蝠は復讐出来ません。死んでいますので。また、食われなかった蝙蝠は復讐しません。道理が無いので」
「…………」
最悪は答えない。
背を向けたまま、護衛に手を振って――――教室に入った。
それを見届けると、護衛は首を捻りつつ持ち場へ帰って行った。

獅子は殺意の牙を隠し、愚者は愚かさ故の蛮勇を振るい――


一方、最悪の入った教室の隣の隣では。
「日本の奴らも手強いな」
「生意気なんだよ、パクり大国の癖に」
「そうそう。奴らは何でも我が国からパクってるからな」
「キムチよこせ」
「早々に謝罪と賠償を請求すべきだ」
「キムチよこせってば」
「日本くんだりまで制裁に来てやった費用もな」
「ああ！全部食いやがって！」
「ざまーみろ…………喉が、喉がっ！」
「水持ってこーい！」
韓国料理の載せられた机を囲む、大勢の若者達。
彼等の間で飛び交うハングル語、その内容は日本叩き。
彼等は、最悪に招き入れられた海外勢の韓国側に属する者達であった。
服装は、民族服で固めた中国勢のそれに比べて、至ってカジュアルな物。
黒髪と太い眉毛、何処か一昔前の日本人の容姿を想起させるそれ。
そんな彼等からやや距離を置き、一人で机を三つも使って昼食を取る男。
異様にエラの張った顔、細い目におかっぱ頭。
「気に入らないニダ」
男が呟くと、先ほどまでの賑わいとは打って変わって、室内が水を打った様に静まり返る。
「で、ですよね。VANKさん」
若者達の一人が恐る恐る言うと、VANKと呼ばれた男は、彼をジロリと睨みつける。
「ウリが何を指して気に入らないと言ったか、理解した上で同意しているニダか？」
「ええと、その、日本人のパクりに対して……」
若者が語尾を濁したのを見て、VANKは手元のコップを取り――
「わかってないなら同意するなニダ!!」
投げつけた。
若者が避ける間も無く、コップはその顔面に直撃。
中に入った水とガラスが飛び散り、若者は頭を押さえてうずくまる。

「ぐ……す、すいません……」
頭を切ったのか、若者は血を流しながらも謝る。
それに対し、VANKは傲然と見下しながら怒鳴る。
「この豚！謝る暇が有ったらさっさと片付けるニダ！」
余りにも酷い言い種だったが、若者は反抗する様子も見せない。
「はい」
とだけ言って、掃除用具の入ったロッカーに向かう。
「ウリが気に入らないと言ったのは、捕虜の待遇についてニダ！」
「で、ですよね」
「その通り！」
「そうだそうだ！」
同調して叫ぶ若者達。その様子を満足げに眺めると、VANKは鼻を鳴らして続ける。
「何が悲しくて奴らをウロウロさせてやらなきゃならないニダ！
捕虜は捕虜らしく、狭い部屋で黴びたパンと泥水でも貪ってれば良いニダ！
男は強制労働所に行かせて、女はウリのハーレム誕生に一役買わせるべきニダ！」
何処ぞのガキ大将を彷彿とさせる暴論をブチ上げると、VANKが机を蹴り飛ばす。
宙を舞う皿と料理。
一方、机は壁に激突して窓へ跳ね返る。当然、窓ガラスは割れてしまう。
これも当然だが、重力に従って皿と料理は床にブチ撒けられた。
「ああムシャクシャするニダ。……おい、お前」
先程命じられて床とコップの破片を片付けていた若者に、VANKは高圧的な口調で言う。
「は、はい！」
「寒いから窓をテープか何かで塞ぐニダ。床の皿と料理を片付けるニダ」
「……どっちを先にやれば？」
「どっちもニダ!!」
高笑いするVANK。滅茶苦茶な命令だった。

困り果てる若者に対し、VANKはずかずかと近づいていく。
「劣等民族ならともかく、我が国の国民なら同時にそれくらいこなしてみせるニダ」
「すいません超マジ本気絶対ガン無理です」
思わず本音を口にした若者。
「ふざけるなニダッ!!」
VANKは高々と後ろに足を振り上げ、若者の腹に一撃。
余りの威力に若者の体は一瞬宙に浮き、潰れたカエルの様に、床に伸びた。
若者は白目を剥いて口から泡と胃の中身を吐き、四肢を痙攣させている。
どう見ても気絶していた。
「失神する奴は日本人ニダ。お前ら！こいつと床を片付けて、窓を塞ぐニダ！」
鶴の一言。若者達は一斉に立ち上がって命ぜられた作業に就く。
哀れな事に、彼等が食事を始めてから10分と経っていない。だが、彼等は不満をおくびにも出さずに黙々と作業を続ける。
VANKの逆鱗に触れてしまえば、明日、どころか今この場で我が身が蹴られるのだ。
と、そこへ。
「失礼」
戸が開き、現れたのは氷客同盟。
「何の用ニダ？まだ交代には早い筈ニダ」
来客にも構わず、VANKは手近な椅子にどっかりと腰を下ろす。
「巡回していたら、捕虜がどうこうと言っているのが聞こえたものでな」
ハングル語で無表情に言う氷客同盟に、VANKは頬を痙攣させてがなり立てる。
「聞いてたなら話は早いニダ！捕虜の扱いはどういう事ニダ!?」
「どう、とは？」
涼しい顔の氷客同盟。対照的に、VANKは噴火せんばかりに顔を赤くして続ける。
「捕虜は豚箱かシャワー室か電気椅子かギロチンがお約束ニダ!!あんな自由にさせてどうするニダ!!」

「ワタシとて、日本人に好意が有って【ああ】しているわけでは無い。
しかし、非戦の者に非道な仕打ちをしては日本軍と変わりない。
非道に非道で返すのは、道に外れて非ざる道を行く者、外道への一歩だ。捕虜への手出しは許さん」
淡々と述べる氷客同盟。
VANKはゆっくりと立ち上がり、氷客同盟の前に立つ。
二人の間に、俄かに殺気が立ち込める。
「それに、お前達はどうか知らないが、ワタシ達は抗日活動の為に来日した訳では無い。
メンバーの戦闘技術向上の為にこの争乱を実地訓練とすべく、来た。それだけだ」
それを聞き、VANKの足がピクリと動く。
応じて、氷客連盟の指が腰に提げた青竜刀の柄に触れる。
「お、おい。ヤバくないか」
「誰か止めろよ」
一触即発の空気を感じ取り、若者がざわつき出すも、止めに入る者はいない。
否、圧倒的な殺気の渦中に入れない。
「……下らんな」
氷客連盟が呟いた途端、殺気が和らいだ。
指を柄から離し、流れる様に振り向いて、戸口から出て行こうとする。
「逃げるニダ？」
嫌らしい笑みを浮かべるVANK。
その言葉に反応したのか、氷客連盟は立ち止まり、首だけを振り返らせた。
「…………ッ!!」
その眼を見て、VANK以外の全員が総毛立った。
殺気や殺意、という物が霧のような物に具現化出来るとするならば。
それを極限まで凝縮し、冷やして固め、丸く精錬して義眼とした様な。
殺気の塊と言い換えても過言では無い、そう思えてしまう様な眼だった。
「得物の特性上、ワタシは喧嘩が苦手でね。必ず喧嘩では済まなくなってしまう。ここで戦力を殺ぐのは――不都合だ」

氷客連盟は微笑む様に目を細めて、首を体と同方向へ。
「不満が有るなら、終わった後に聞こう」
ひどく低い声で主張を譲る気が無い事を宣言すると、その背は廊下に消える。
遅れて閉まる戸。閉めていくのを忘れていた様だ。
若者達は刃情沙汰が回避出来た事に、ほっと一息。
と思いきや。
VANKの肩が震えている事に気付いてしまう。
肩から下、拳は自身を握り潰さんばかりに締められている。
また癇癪を起こすのか、と若者達の胸中を不安がよぎる。
だが、振り向いたVANKの表情は、良くも悪くも彼等の不安を裏切る物だった。
それは笑み。
されど示す感情が歓喜では無い事を、炯眼と、その下に剥き出された犬歯が語っている。
「お前ら、我が軍の全員に通達ニダ。極秘事項ニダ」
直ちに若者達がメモや携帯電話を取り出す。
「日本を叩き潰した後――――標的は奴らニダ」

「中核メンバーは最悪、氷客連盟、VANKの三人です。
主戦力は海外から来日した武装グループ。その人数は両国合わせて凡そ600人。
将は少ないですが、兵の数は全勢力中でもダントツです。
が――その大半を占める韓国勢の全員が兵役前の未成年で構成されている為、
一人当たりの強さは、他勢力が主力とする格闘技系の部員には及びません」
世界情勢の言葉の細隙に、アウトローが入る。
「んじゃあ、大半はそこらの平和なニーチャンか、良くてチンピラレベルか」
言って、胸ポケットから煙草を出すアウトロー。
「学校では辞めて下さいっ！」
世界情勢の一喝を受け、すごすごと煙草はポケットへ帰還。
「韓国は数だけか。中国は？」
尋ねたのは軍事。世界情勢はアウトローが舌打ちしたのを横目で見つつ、答える。
「はい。中国勢は【群雄】と名乗る100人程の武装グループです。つまり比率は中韓で1:5。
元はと言えば、彼等は強い反日感情を持つ学生でした。
数年前に氷客連盟が彼等をまとめ上げ、徹底的な訓練の元に鍛え上げた様です。
結果、彼等は単なる学生の政治結社というだけで無く、ある種の戦闘集団と化しました。その戦闘能力は当校の格闘技系部員と、同等かと」
「へえ……少数精鋭っつーわけだ」
アウトローがにやりと笑い、指の骨を鳴らす。

そこに疑問を投げるはラウンジ。
「……で、さっきの人質の扱いと何の関係が？」
「それはですね、先程お話しした氷客連盟。彼の意向でそうしている様です」
ディスプレイに、氷客連盟の画像が幾つか映る。
ある写真は、訓練に励むメンバーを監督している様な姿。
またある写真は、大勢の倒れた男達の中に、血塗れで一人立つ姿。
画面の隅には【提供.ネットwatch＆極東ニュース】とある。
「どうも彼は、純粋な戦闘集団を作ろうとしている節が有り、それは彼の言動・伝聞の端々から伺えました。
ストイックに戦闘技術の向上を求めるクールな男、私が調査の過程で受けた印象です」
「手合わせ願いたいものだな。強いのか？」
訊いたのは三戦。似た様な性格を持つ者として興味が有るようだ。
車に関しての心配は、先の映像のせいか、思考を占めるパイが減少してしまったらしい。
「……彼に関しては、情報も多いですが謎も多く、詳しい活動や戦法の記述は、余りに少ないのが現状です。
曰わく、幾つもの偽名を持ち、様々な団体を渡り歩く男。
曰わく、【冷たい炎】【獅子】と異名を持つ。また自身もそう名乗っているとか。
反日色の強いその手の学生の間では、半ば生きたカリスマと化した存在です。
彼の名前を出すだけで、向こうの学校間抗争の形勢が動いたとも。
これらが全て本当で、しかも彼の強さに根ざしたものと仮定すれば――――その強さは、隠しクラス並みか」
「下手をすればそれ以上、か」
三戦が言葉を次ぐ。その指が、無意識に柄へ触れていた。

「ええ……そうなりますね」
世界情勢が言った後、政治が頭を垂れて深い溜め息を吐いた。
「隠しクラスだけでも厄介だと言うのに……鎮圧に動く筈の運営陣は連絡が取れんし……その上そんな怪物か…………」
陰鬱な口調。言い終えて、がっくりと机に居眠りの様な姿勢でへばり付いた。
政治のぼやきに引きずられてか、室内に重苦しいムードが漂い始める。
後数時間で決戦だと言うのに、現状を確認すればする程、敵の脅威ばかりが実感される。
本来ならば、誰かが楽天的な発言で無理矢理にでも空気を変える物だが、誰も口を利かない。
ラウンジ達やν速は尚更の事だった。
こういう時に、雰囲気を壊したり、状況をひっくり返してしまう様な奇抜な発想をする者――――ｖｉｐを思い出してしまったからだ。
会議が、空気が鬱滞する。
「――考えようによってはさ」
しかし、滞った場に風を入れたのは、ラウンジだった。
「みんな敵対してるわけだろ？だったら、敵が強いってのはマイナスだけじゃないんじゃないか？」
雰囲気は無言の内に、鬱滞から鬱勃とした物へ緩やかに流れる。
「それは確かに、な」
呼応するように実況Headlineが、机から自身のノートPCを出して言う。
「全勢力が朝の内に拠点を確保して以来、今の所は散発的な戦闘の報告しか来ていないが――確実に、奴らは潰し合ってる」
PCを起動させ、何やら操作した後、全員にその画面を向ける実況Headline。
「現時点の戦闘報告をhtml化して、ログをまとめた物だ。幾つか他勢力の戦闘を抜粋するぞ」
それらが全て頭に入っているのか、滔々と実況Headlineは語る。

「08:34。C棟二階でネトゲ側の格闘技部員、以下ネトゲ側と称する――25名が韓国勢13名と衝突。
08:43。D棟四階で隠しクラス側の格闘技部員、以下隠しクラス側と称する――30名と群雄20名が衝突。
08:52。C棟三階でSuperfreeと韓国側20名が衝突。韓国側20名は全滅した模様。
09:10。BC棟間の一階渡り廊下にて、ネトゲ側40名と韓国勢32名が衝突。韓国勢は敗走。
09:27。DB間の3階渡り廊下にて、ネトゲ側23名が隠しクラス側16名を奇襲。そこに韓国勢60名余りが乱入。
ネトゲ側が、次いで隠しクラス側の両軍が撤退。
09:43。D棟二階にて壁と群雄5名、韓国勢35名の計10名が衝突。中韓40名の混成部隊は全滅。
この辺で海外勢と隠しクラス側が、それぞれの拠点となる棟を確保。以降、戦闘は散発的な小競り合いと呼べるレベルになる。
また、各勢力が守りを固めた為、負傷による戦闘の続行不能者は極端に減少。
10:20。A棟三階にて自勢力の空手部員6名と隠しクラス側の6名が衝突、その最中にネトゲ側8名の奇襲が入り乱戦となる。
10:36。D棟一階にて、隠しクラス側3名と韓国勢5名が衝突。
……まあ、ざっと挙げただけでこれだ。ラウンジの言った事も、あながち間違っちゃいない」
怒涛の勢いで列挙した実況Headline。全く疲れた様子を見せないのは、やはり本分と言った所か。
気分転換の為か、ν速+が伸びをしながら、合いの手を入れる。
「マーフィーの法則では無いが、危惧の実現は警戒すべきだ。しかし――起こり得る事は起こるというのは、何も悪い未来ばかりでは無い。
全勢力が我々を真っ先に潰しに来る可能性も無くは無い。しかしその逆、他勢力が潰し合って漁夫の利も有り得る」

「ま……、喧嘩やる前から凹んでてもしょーがねえわな」
アウトローが不敵に言う。気分の切り替えをいち早く済ませたらしい。
喧嘩慣れしている分、肝が太いのだろう。
「遅かれ早かれ、奴らとは決着をつける積もりだった。敵についての情報がある分、前回よりはマシかもしれん」
三戦も事態をポジティブに見る事にしたようだ。
「それより、世界情勢。時間が惜しい、続きを――」
「……あれ？」
軍事が言い掛けた所で、ノートPCの画面を見つめていたサバゲーの口から、声が漏れる。
「どうした？」
軍事が問い掛けに答える事無く、サバゲーはノートPCに歩み寄っていく。
そのまま画面を凝視する事、凡そ1分。
「サバゲー？……どうした？」
二度目の問いにも答えない。ただじっと画面を見つめたままのサバゲーが、実況Headlineに尋ねる。
「Headline先輩。これ、ちょっと借りていいですか？」
「ああ、別にいいけど」
「すいません」
小さくお辞儀をして、ノートPCを慎重に抱え、サバゲーが元の席――軍事の隣に戻って来た。
「先輩、これ見て下さい」
【これ】と指したのは、先ほど実況Headlineが一部を暗唱した戦闘の記録。
ゆっくりと画面を下へスクロールさせながら、サバゲーが軍事に問い返す。
「何か、妙な事に気付きませんか？」
「妙な事……」
顎に手をやり、難しい顔をしながら軍事は画面を見つめる。
「Headline先輩」
手持ち無沙汰に外を眺めていた実況Headlineが、サバゲーへ視線を戻す。
「どうした？」
「このログにある【衝突】っていうのは、互いに意図せず遭遇して戦いになった、又はその逆と考えていいですか？」
サバゲーの言葉に、実況Headlineは少しの間考え込み、頷いた。
「……ああ。報告に拠ると、そうだな。どちらも意図せずバッタリ会って、または互いに目星を付けて真っ正面から、だ」

「何だこれは？……有り得んぞ…………」
慴然とした表情で、目を見開いて軍事が呟く。
「隠しクラスの奴らか？一人で30〜40人ブッ潰すなんて普通じゃ……」
「違う」
アウトローの言葉を寸断、否定する軍事。
「こいつら、どう考えてもおかしいぞ」
「ですよね？」
画面を覗き込み、頷き合う二人。
二人を除いた室内の全員が、不思議そうな目でその様子を窺う。
「……あ、す、すみません」
集中する視線に顔を赤らめ、サバゲーが一礼。
その横で、顔をしかめて画面を見つめていた軍事が顔を上げる。
「アウトロー、三戦、ちょっと見てくれ」
アウトローが面倒くさそうな表情で、三戦は特に感情を出さずに、二人が席を立って軍事とサバゲーの元へ。
「ネトゲ側の連中が関わった戦闘記録だけ、注目してくれ」
サバゲーがしたように画面を見せて、軍事が画面を少しずつスクロールさせていく。
しげしげと画面を見つめていた三戦が、突然、何かに気付いたように細い眉を動かした。
それに遅れる事数秒、アウトローが苦笑しながら呟く。
「こりゃ何のトリックだ、おい」

「驚いてるとこ悪いんだけど……俺らは何がなんだか」
ノートPCの画面に見入る四人に、話の輪から外れていたラウンジが声を掛けた。
三戦がラウンジを横目で見つつ、謎掛けする様な物言いで言う。
「ラウンジ、さっき実況Headlineが言っていた戦闘記録の内、ネトゲ側に属する者達が出てきたのだけを思い出してみろ」
言われたラウンジは目を閉じ、つい先ほどの記憶を遡る。
靄の掛かった脳内で、会話の記録を探す事2分余り。
「………………アッー!」
黙り込んでいたラウンジが、天啓を受けた様に立ち上がった。
「気付いたか」
「違う、忘れてる。思い出せない」
あっけらかんと、脳内探索の収穫が皆無であった事を明かすラウンジ。
この差し迫った状況で、阿呆が無為に時間を費やした。
軍事はラウンジの脳天に一発BB弾でも撃ち込んでやろうかと思うも、ぎりぎりの所で思い留まる。
「もういい、お前もこっちに来い」
半分呆れ顔で軍事が言い、気まずい顔のラウンジがそろそろと画面の前へ。
「いいか、ネトゲ側と他勢力の戦闘記録を見てみろ」
言われるままに淡々と流れていく画面を見るラウンジ。ややあって、首を捻る。
「…………こいつら、奇襲か、自分達より相手が少ない時しか戦ってない、よな？」
自信なさげに言うラウンジ。その言にν速達はざわめき出し、四人は無言で合わせた様に頷く。

「質が同等ならば少数より多数が強い。正面から突撃より、奇襲の方が好ましい。それは当然の事だが……」
「毎度毎度それが出来りゃあ、苦労はしねーよな」
軍事が言い、アウトローが結ぶ。

「そしてネトゲ軍の兵達は、全員がその望ましい戦法を【毎度毎度】成功させている。異常、ではないか？」
三戦の、懐擬を露わにした口調。
擬を抱くのも当然だ。
四勢力計1000人を超える人間が、一つの巨大建築物の中で争っている混沌とした現状。
優れた諜報能力や隠密性、強運を持つ者ならまだしも、一つの派閥丸ごとが実現可能な業では無い。
「世界情勢先輩、ネトゲ軍の人数はどの程度なんですか？」
「約150人程度ですね。隠しクラスに大半が取られた後ですから、単純な兵数では3位になります」
サバゲーの問いに即答する世界情勢。情勢の把握能力と記憶は十八番、なのだろう。
サバゲーは自身の考えを確かめる様に頷き、続ける。
「大所帯の海外勢ならまだしも、常に大軍を組んで数の優位を取るなんて事は、出来ない筈なんです」
「偶々って事は……ねえよな」
サバゲーとは逆に、アウトローがすぐさま意見を撤回する。
「更に、だ。確かに奴らは強い。何せ全員が格闘技を学んでいるんだからな。しかし、奇襲の得手不得手とは別の話だ」
軍事が言うと、サバゲーが再度頷きつつ、言う。
「何かしらのカラクリがある、私はそう思います」

「超能力とかじゃね？」
「千里眼か？隠しクラスならともかく、奴らに限ってその手は考えづらい」
「文字通り、カラクリがあるんだろうな」
「監視カメラとかじゃないんですか？前に兄ちゃんが言ってましたけど」
「全校内の動向を把握する程の量を、か？いつ設置したんだ、そんな物」
あれやこれやと議論を交わし合う四人。
またも輪に入れず、彼等の横で黙りこくるラウンジ。
何分、ラウンジにとっては戦略だの計略だのと言ったものは、領分の外だ。
喧嘩も余り得意な方では無い上、そもそもの気質が争い事に不向きだという事もある。
這般の理由もあって、ラウンジは沈黙していたわけだが、別に只ぼんやりとしていたわけでは無い。
ネトゲ軍の謎についての、一連の会話。
それ等を聞いて、何かが記憶に引っかかったのだ。
引っかかった物の正体はわからないが、引っかかった以上は、記憶を探れば何かが出て来る筈だ。
そう考えて、ラウンジは脳内探索に再度出発。
ネトゲ開発チーム。大規模MMO、プログラマー、ダウソ。
奇襲、敵より多い数で戦う、動向を把握、超能力では無い、千里眼。
千里眼。全てを見渡す目。
そんな目があれば、そんな目を持つ者が軍勢を率いていたならば。常に有利な戦闘が出来る。
それが超能力で無いとすると。不可能を可能にする力。力。力。
ネトゲクラス、PC等クラス、ネット関連クラス、理系クラス。
不可能を可能にする力、常人の彼等が持つ力…………。
「あ」
ラウンジの脳裏をあの日の、あの秋の日の出来事が掠めた。
「……アレだ!!」

室内の視線が、一斉にラウンジへ向けて湊合する。
「アレ、って何ですか？先輩」
サバゲーが訊く。
当然だ。ラウンジが何について【アレ】と言ったかなど、本人以外にわかるわけも無い。
「ほら、あれだよ！あれ！」
目を煌然とさせてラウンジが言うも、アレがあれに変わっただけ。結局指示語のままだ。
ラウンジを除いた全員の頭に浮かぶは、ごく当たり前にクエスチョンマーク。
「ほら……えっと……去年の秋！報道部が新聞に載せてたあれ！」
相変わらず曖昧模糊とした表現だった。……しかし。
「なるほど」
ν速の片眉が僅かに上がる。あれ、の正体に検討がついたようだ。
「ラウンジ君が言いたいのは、去年の秋に公開され、年始から施行されたID制の事か」
「そう、それそれそれ！」
ν速が言い、ラウンジは指示語をそれに変えた。ν速+と政治が得心した様に「あぁ」と漏らす。
ID制。
それは理系、PC等、ネット関連の3クラスが合同でシステム開発を行い、実現に漕ぎ着けた制度。
去年の秋に報道部が新聞に記事を載せ、まもなくして運営陣、次いで生徒会が実施に同意。
秋の終わり頃には校舎内に装置の設置作業が始まり、年末に施工が完了。
冬休み明けの年始から、施行が始まり、現在に至る。
「確かに、あのシステムなら校内の人間の位置を把握出来るな。先の戦績を叩き出すのも、あながち不可能ではない」
三戦はラウンジとν速の言葉を反芻する様に言うも、語尾に「しかし」と付け加えた。
「どうやって我々や他勢力の位置を掴んでいるのだ？」

誰も答える者は居ない。しかし、三戦は続ける。
「ID制、記事で見たが治安維持を目的とした物だそうだな。生徒が校内の何処に居るかわかる、という。
では、如何にして位置を把握し、個々の判別をしているのだ？」
「どうやっても何も、ID制って言うからには、装置でIDを感知して位置と個人を特定するんだろう」
軽く笑いを混ぜ、さも当然の事の様に政治が言う。
「では、そのIDとは何だ？」
この問いに、政治は答える事も当然ながら笑う事も出来なかった。
三戦が問うているのは、IDの意味では無いし、それは政治もわかっている。
何にIDを含んでいるのか、という事。
「そういえばよ」
思い出した様に、唐突にアウトローが口を開く。
「IDっていやあ、映画やゲームじゃあIDカードって出て来るけどよ。俺ら、そんなもん貰った覚えねーんだよな」
その言葉に、全員がはっとした。
「確かに、何も渡された覚えは無い」
「じゃあ、IDって……」
どうやら、誰もIDに該当する物に覚えが無いらしい。
「指紋や網膜認証なんじゃないですか？」
私の携帯も、と言って世界情勢は自分の携帯を出して見せる。指紋でロックの解除を行うタイプだ。
全員がそれに納得しかけたのも束の間、それに反論するはν速+。
「指紋でも網膜でもいいとしよう。だが私の記憶では、それらを認識する装置を校内で見た覚えは――無いぞ」

「チップ」
ぽつり、とラウンジが呟く。
「チップ？」
聞き返すν速に、ラウンジは宙へ視線をやりながら答える。
「去年、プログラマーからシステムの話を聞いた時、あいつIDチップを使うって言ってた」
「成る程、チップか…………待て」
納得し掛けたν速だが、今度はそこに疑問が沸く。
蛇足だが、ν速の台詞に、会長ってノリツッコミの才能ないなあ、と世界情勢は思った。
「チップだと？じゃあ何処にチップが有るんだ」
ν速は制服の上着を脱ぎ、ポケットの中、背中、裏地等を場の全員に見せる。
ラウンジや軍事達も同じ様に制服を改めるも、やはり不審な物は見つからなかったようだ。
「体に埋め込まれてるとかじゃねーよな？」
「オカルト先輩辺りが好きそうな話ですね。ナノマシンはどうですか？予防接種の時に注射されたかも」
アウトローとサバゲーが苦笑混じりに言う。
二人がミステリーサークルやエリア55についての閑話をし始めた所で、ν速がわざとらしく咳をしてみせる。
「……とにかく、千里眼の正体が判明した所で、逃れる術が見つからなければ意味は無い。それは後で調べよう。
時間にも余裕が無い。世界情勢、最後のネトゲ軍について頼む」

Ｂ棟、四階。
四十畳を軽く越えるその室内には、無数のパソコンや通信機器が所狭しと置かれていた。
大量の機械が有るという事は、須くそれを操作する人員も存在する。
「こちら司令部、Ｃ棟三階より敵部隊が浸行中！迎撃態勢を！」
「Ｄ棟二階が手薄になった。第8班は偵察部隊として先行、及び9班は8班の位置にて待機、10班は9班突入の際にバックアップを」
「13班はバリケードの補修、14班は作業中の警戒に当たれ」
室内の各々がディスプレイを見つめながら、迅速かつ精細な支持をマイク付きヘッドフォンに流す。
その受話口から、《了解》《遂行完了、次の指示を》《敵部隊と遭遇、攻撃開始》
などといった返答が返る度、また彼らはディスプレイに全神経を集中して、次の指示を下す。
無数のキーボードの上を数多の指が踊り、タイプライターの様に、禁酒法が終焉を迎えた時代にそう呼ばれた機関銃の様に、無機質な音を奏でる。
半ば機械的に、最早ルーチンワークとして、胡桃を割り続ける人形さながらに、彼らはこれを早朝から繰り返し続けていた。
さて、そのディスプレイに映し出されている物はと言えば、かの名優がちょび髭を外した【殺人狂時代】でも無ければ、【日曜洋画劇場:コマンドー】でも無いのは当たり前。
エメラルドグリーンのワイヤーフレームに依って構成された、三次元立体の校舎見取り図。
その中を縦横無尽に蠢き回る、四色に色分けされた無数の点。
これこそが彼らの【神の目】であり、彼らの兵に【天の使い】の如き不可思議かつ不条理な諜報能力を与えている淵源である。

「あー……しんど」
ディスプレイから目を逸らし、瞼を指で揉む生徒。PC等クラスのUNIXだ。
Ｂ棟に陣を構え、他勢力と戦闘を始めて、もうかれこれ４時間以上。
その間、UNIXは率先して指揮及び情報管理に心を砕いてきた。
その理由は幾つか有る。まずは、自分達の機材・作品が破壊された事への怒り。
それだけならメンバー全員に共通した事だが、それに加え、UNIX自身の有能さも挙げられる。
数年前、この学校が経営危機に陥った事があった。その際に財政の負荷、つまり経費の削減を徹底して学校を救ったのが、このUNIX。
一生徒が学校の危機を救ったというこの出来事は、最早校内外問わず伝説化している。
だが、そんなスーパー学生でもやはり人間。疲れは当然溜まるのだ。
「目が……痛い……」
呻きを混ぜた欠伸を漏らす。
ヘッドフォンを外し、首を捻る。ごきり、と鈍い音が体内に響く。
首を鳴らしつつ、室内を見渡す。
相も変わらずネットゲーム、PC等、ネット関連の三クラスほぼ全員がディスプレイに貼り付いている。
指示を出す声、タイピングの音。機械を使っているのか、使われているのか。
「わーかーほりっく……」
些かげんなりした様子で呟いて、席を立つ。
気分転換に室内をうろうろと歩く。はた迷惑な気分転換だが、それを咎める者は居ない。
正確に言うならば、誰も彼も自分の作業に手一杯で、背後を誰が歩こうが気にする余裕も無いのだ。
「んっ？」
室内をさまよっていた、UNIXの足と視線が止まる。
視線を辿って行き着く先はパソコンに向かう一人の生徒、その後ろ姿。
画面に映っているのは８×８の白黒マスで構成された盤。
それを視認するが早いか、UNIXは件の生徒に忍び寄る。
忍び寄られている本人は、全く気付いている様子は無い。
そろりそろりと接近し、サボり屋を誅せんと、手をデコピンの形へ。
標的は未だ察知した様子を見せない。徐々に徐々に、その後頭部へUNIXの魔手が迫る。

「脳・震・盪？」
くつくつと低く笑って、件の生徒は椅子回転させて振り向く。プログラマーだった。
「いやいや、そんな威力無いから。つーかサボんな」
手を引っ込め、UNIXも笑う。突然振り向かれた驚きに、その手は僅かに湿っていた。
「俺だって随分頑張ってるよ。少しくらい休んでも良いだろ？」
UNIXの返答を待たずに、プログラマーは再び回転して画面に向かう。
「そういう問題じゃ……」
ない、と言いかけたUNIXが、画面を見て口を閉ざした。
白黒のマス――それに乗った二色の駒、その色に興味が向いたからだ。
「チェスは、普通白黒だったと思うんだけど」
駒の色は、普通の白黒では無く、深い青と毒々しい紫に分かたれていた。
「青は俺」
と言って、プログラマーが握ったマウスを動かす。青のポーンがe2からe3に。
まだ始めたばかりなのか、両軍共に隊列は殆ど乱れていない。
「駒の色を選べるタイプでね」
紫のポーンがc7からc6に。
「青が好き？」
何となしにUNIXが訊くと、プログラマーは小さく首を振った。
「いや、単なるゲン担ぎだよ」
「青とチェスに関係なんか……ああ、ディープブルー？」
暫しの間を置き、青のビショップがf1からc4へ。
「正解。最強クラスの人間を打ち負かした深淵の蒼。俺達としては人間より機械に肖るべき、じゃないかな？」

しかし参ったよ、と言ってプログラマーは苦笑しながら続ける。
「校内対戦が出来る様に最近俺が作ったフリーソフトなんだけど、相手が強いのなんの」
「へえ。誰？」
途端、プログラマーの顔から笑いが失せた。
代替された表情は、無。
冷たさよりも底の知れなさ、無である虚より腹に何かを隠した有、そんな物を感じさせる独特の無表情だった。
その顔のまま、プログラマーは画面の隅を指す。
UNIXはプログラマーの肩に顔を乗せるように、画面を横から覗き込んだ。
そこに有ったのは、プレイヤー名の欄が上下に二つ。
「BLUE:programmer。お前だな。相手は……PURPLE:aubergine？誰だ？」
プログラマーは僅かに首をUNIXに向け、無言で顔を見つめた。
「ん？」
プログラマーの目がUNIXの顔全体を監視するように、向けられ続ける。
「どうした」
思わずUNIXが尋ねるが、プログラマーは瞳を僅かに動かして応えるのみ。
そこでUNIXは気付く。
これは――この目は、物を見る目つきだ。人では無く、モノを見る目つき。
PCの画面が暗転した時、その画面はモノクロの鏡と成る。
その時に僅かに映る、物を、無生物を見ている時の目。
この目は正にそれだった。
「…………本当に知らないらしい」
プログラマーが言うと、それが合図であったかの様に、目と表情が常態に戻る。
「aubergine(オーベルジーヌ)。日本語では」

その先を言いかけた瞬間、その言葉はけたたましい笑いに因って遮られた。
「はははは！はぁーっはっはっはっ！見ろ弟よ！ゴミが人の様だ！」
画面を見て哄笑しているのは、大規模MMO。
「逆だよ姉さん！ていうか落ち着いてよ！」
「いいぞベイベー！抵抗する奴は取り押さえろ！抵抗しない奴も取り押さえろ！私のデータをブチ壊した奴を探し出せ！」
マイクに向かって気炎を上げる大規模MMO。その隣では小規模MMOが暴走中の姉を諌めようとするも、暖簾に腕押し糠に釘。
「いやはや、凄まじいね。彼女があんな激情家だとは」
大規模MMOを見て、軽く笑うプログラマー。
「朝からずっとあの調子だからな。一旦キレて落ち着いたと思ったら、何の前触れも無くまたドカン！だ」
そう、今回の騒動で最も怒りを覚えていたのは、プログラマーでも無くUNIXでも無く、大規模MMOだった。
ビジネスの商品と機材、加えて自分のキャラデータまで破壊され、彼女は怒り狂った。
怒って狂ったのか狂って怒ったのか、もはや卵と鶏のどちらが先かもわからない程の、凄まじい怒りっぷりであった。
「焼き払え！引き千切れ！首を、そう首を跳ねてしまえ！」
無論周囲も彼女をクールダウンさせようとしたが、結果はUNIXの言った通り。
落ち着きを取り戻したかと思いきや、何かの拍子に今朝の惨劇を思い出し、キレてしまう。
そんなわけで、今や彼女を止めようとする者は弟くらいしか居ない。
眼前のモニターとヘッドフォンをこれ幸いに、見ざる聞かざるの徹底スルー。
結果的に全員が意識を作業に向けるので、そういう意味では彼女はメンバーの集中力向上に一役買っていた。

「下手人は打ち首獄門に処せ！お前達は平成のアインザッツグルッペンだ！サーチ＆キャッチ＆デストロイ＆デスペナルティ！リリースはするな！はははははっ！」
ローズ・タンデルの唇を歪め、尚も狂態を演ずる大規模MMO。
そんな彼女にちらりと視線を向け、プログラマーは笑いを堪える様な表情をした。
「く、くくっ。……アインザッツグルッペンとはまた……古いな」
噛み殺し切れていない笑いを漏らしながら言う。
「せめてランドウォーリアと言って欲しいもんだけどな」
そこへ、横合いから声が掛かった。
二人が見れば、疲労の蒼色を顔に差したDownloadが、椅子に座ったまま、コーヒーカップを片手に皮肉めいた笑いを見せていた。
「ランドウォーリア計画は平成だろう。二重表現になるぞ？」
「いいんだよ、俺ら文系じゃねーし。…………人狩りなら前者だけど、戦法としちゃあ、俺らのやってんのは後者だ」
揚げ足を取るプログラマーに、Downloadは冷めたコーヒーを啜りながら軽口を返す。
「サイバー部隊か。歩兵ばかりで火力に少し不安が有る辺りは、俺達も同じだよな」
自嘲気味な調子でUNIXが言うと、Downloadはコーヒーをぐい、と飲み干して、
「……ふう。それももう少しの辛抱だ。理系クラスのアレが調整を終えりゃ、不安は消える」
不敵な笑みで答えた。

ブリキ人形は【私】と【Ｋ】の夢を見るか――？


Ｂ棟五階。学問・理系クラス専用工学実験室。
通常の教室五部屋分の面積、更にその室内に散らばった資材や工具のせいか、実験室と言うよりはガレージの様相を呈している。
「調子は？」
パイプ椅子に座っている、白衣を着込んだ生徒――ロボットが、目の前の女性徒に話し掛ける。
「コンディションオールグリーン。戦闘用各種プログラム及び演算システム、異常無しです」
滔々と読み上げる様に答えた女性徒は、オズ。
とうに整備が終わり、二人は部屋の隅で動作チェックを行っていた。
オズ。ロボットが作り上げた人型機械。
そのスペックは既存の人型機械をあらゆる点において上回る物。
そんなオズを作り出したロボットもまた、徒者では無いのは然り。
ところで、有能かつ犀利な造物主と超高性能被造物の関係にある二人が、何故に部屋の隅なんぞに居るのか。
「姉さん！早く鉄骨持ってきて！」
「えと、これかな？……よいしょっ」
「機械・工学！天井に当たってる！当たってるって！」
「シュミレート、測位システムの動作チェックは？」
「とっくに終わったよ！それより情報システム、プログラマー達とダウソ達が作った……ほら、何だっけ」
「【歩兵及び機甲部隊兼用情報統合型データベース】、だったかな？あれとのリンクならもう出来てるよ」
「んな長いの良く覚えてるね……」
二人が隅に追いやられている理由は、面積の大部分を他のクラスメート達が使っている為。

電子・電気やシュミレート達が、慌ただしく動き回る。
彼ら彼女らを忙殺の渦中に叩き込んでいる原因は、室内の中央、ブルーシートで覆われた謎の空間に在る。
「追加装甲はまだ付けなくていいの？」
「今付けたら、部屋から出せなくなっちゃうから」
「土木！スパナは？」
「ちょっ、ばかやろ！溶接中だからこっちみんな！」
工事現場を思わせる騒音が内壁を、鼓膜を打つ。
ロボットは片耳を手で塞ぎつつ、傍らのオズを見やって、言う。
「すまないな、オズ」
苦渋を滲ませた表情のロボットに、オズは問いを返す。
「すまない、とは？」
「本当は、オズに戦闘なんかに関わって欲しく無かった。
でも――」
「気に病む事はありませんよ」
ロボットとは対照的に、合成音声で在るにも関わらず、何処か明るさを感じさせる調子でオズが言った。
「……え？」
「私は機械、それはロボットさんも御存知の通り、ですよね？」
「うん、いや、まあ、そうだけど」
二の句に困るロボットに、オズは微笑みながら続ける。
「人なら、四肢の何処かが欠損してしまえばそれは不可逆的な損傷となります。
ですが、私は機械です。メモリ等の記憶や思考を司る部位……ヒトで言うなら脳に重篤なダメージを負わない限り、私は大丈夫ですから」
事実。
オズの言は紛れも無い事実である。人は四肢や内蔵を失えば、基本的には人工物で補う事となる。
しかしそれは、例え外見や機能の上では以前と同じであったとしても、実質的には純度100％のヒトでは無い。
幾分かの機械が混ざった、人工物を付随されたヒトなのだ。
その点、オズは違う。元々が全て機械――純度100％の人工物の塊であるが故に、欠損部位を機械で補った所でやはり機械は機械のまま。
これは必然的に肉体を対象とした愛着の希薄。喪失感の喪失に繋がる。
何しろ代え、替え、換えが利くのだ。
代替が完全な同一パーツ、という訳にはいかない為、多少の違和感は出て来るのかも知れないが、ヒトに比べれば遥かに損傷時の可逆性は高いだろう。
しかし――
「そういう問題じゃないんだ、オズ」

「申し訳ありません、金銭的及び労力的な負担を考慮に入れていませんでした」
淡々と言うオズに、しかし、ロボットは首を振る。
「そういう問題じゃないんだ」
「では、私の構成パーツに何か希少な物でも」
「違う！そういう事じゃないっ!!」
ロボットの怒声に、一転、室内が音を失った。
「……お兄ちゃん、どうしたの？」
カーテン状に吊り下げられたシートの影から、材料物性が顔を出す。
不安げな面もちで問う妹に、ロボットは笑顔を繕い、手を振ってみせた。
「ごめんごめん、気にしなくていいからな。みんなにも、そう伝えてくれ」
釈然としない様子で材料物性は二人を見つめていたが、背後から、
「ロボット君、どうかしたの？」
と機械・工学に声を掛けられて、
「大丈夫だよ。ただオズちゃんと相談してただけみたい」
と返し、シートの奥へ引っ込んだ。
僅かの間を置き、モーターの重低音から金属を打つ高音まで、鈍色の騒音が再び部屋に満ちる。
「オズ、君にはまだわからないかも知れないが、人は大事なモノ……それが生物であれ無生物であれ、取り返しの付く付かないに関わらず、
大事なモノが傷つくと悲しくなる。人間とは、そういう物なんだ」
真剣な顔で、幼い子供に説く様にロボットが言う。
「……私には、わかりかねます」
「そうか」
力無く、肩を落とすロボット。
そして思う。
如何にハード・ソフトの両面に於いて高性能とは言えど、機械では人の心理を理解する事は出来ないのだろうか。
全ては性能の不足、いや、行動原理や思考原理に欠陥が有るのか。
つまりそれは、様々な面で自分の力不足が――――
「ロボットさん」
自問自答の自虐的結論が、ロボットの頭に出かかったその時、オズの声にふと我に帰る。
「お気持ちは嬉しいです。愛着といった心情は未だ実感出来ませんが、私はロボットさん、それにクラスの方々が悲しむ顔を見たくありません。
そして、私はロボットさん達を守りたいです。しかしロボットさんは私が傷つくと悲しい。これらを矛盾させない為に――私は傷つく事無く戦います」

オズの出した結論は【それが出来るなら苦労しないんですけどねぇ】と万人が思うであろう、何とも微妙な物だった。
「非常に困難である事は自覚しています。ですが、私は機械。ロボットさん達の知力が生み出した結晶。
私はその象徴として、如何なる困難も乗り越えます。いえ、乗り越えてみせます」
字面は自信たっぷりに、されど傲慢さの欠片も見せず、ただ真剣に、かつ真摯にオズは宣った。
その言葉に、ロボットは少なからぬ驚きを感じ、沈黙する。
オズは――この子は、これほど強い意志表示をしてみせる娘だっただろうか。
そして、ロボットは結論を修正する。
つい同年代の容姿をしている為に錯覚してしまいがちだが、考えてみれば、オズはまだ実質一歳にも満たない。
人の心が理解出来ないのは、性能が足りなかったからでは無い。
ただ単に、経験が足りなかったからだ。
この子はまだまだ成長する。様々な経験を積み、学習し、反復し、やがては人の精神を――心を、手に入れるのかもしれない。
だからこそ。
「……オズ」
「はい」
ロボットの手が、ゆっくりとオズの髪に触れた。人工の髪は、絹糸の様に滑らかに指を通す。
「ロ、ロロロロボットさん？」
有り得ない勢いで動揺して頬を赤らめるオズに、ロボットは緩やかな調子で頭を撫でながら、言った。
「約束してくれ」
「なっななんでしょうかっっ？」
ヴェールノアールの瞳をキョロキョロと動かし、ぎこちなく問うオズ。
ロボットは優しい目――愛娘を見る父親の目をして返す。
「やむを得ない時しか戦闘しない事。俺達だけじゃなく、自分も守る事。無事に……なるべくなら無傷で、今日を終える事。わかった？」
オズは薄紅色の唇で小さな孤を作り、柔らかな笑顔を作ると、
「了解しました、ロボットさん」
言って、小さく頷いた。

「ふー…、疲れたあ。お兄ちゃん、そろそろお昼にしよー」
げっそりした顔と、ややふらついた足取りで、材料物性がビニールシートから歩み出て来た。
「まだ11時半だぞ？それに作業は……」
「もうだいたい終わったよ……。ああ〜お腹減った」
工具に混じって床に置かれたバックから、材料物性が弁当箱をいそいそと取り出す。
気が付くと、あれだけやかましかった作業音も止んでいた。
「夕方には間に合いそうなのか？」
ロボットが問うと、材料物性は早くも弁当に手を付けながら答える。
「む、はふんふぁいほむらほほほふ」
「飲み込んでから喋れ」
「……んぐ。多分大丈夫そうだと思うよ。インちゃんの報告がほんとなら、生徒会が攻撃始めるのは夕方でしょ？」
材料物性が言った途端、その背後から床をダン、と踏み鳴らす音。
「インちゃんって何！私にはちゃんとインビジブル2って名前が有るんだけど!?」
声は材料物性の背後から聞こえているのだが、それを発する人物は何処にも見当たらない。
「ほへんへインふぁん」
「だから飲み込んでから喋ってよっ！しかもまたインちゃんって言ってない!?」
ハムスター並みに弁当で膨らませた頬で材料物性が言うと、その背後で怒っている様な声。
「ああ、インビジブル２さん居たんだ」
あっけらかんと言うロボット。
「どうせ私は透明だから存在感薄いよ、それは認めるよ。……全くこの兄妹は……」
若干の呆れを露わにした――――声ばかりで姿は無い。それもその筈。
「ねえインちゃん」
「インちゃん言うな」
「インちゃんのお兄さんは何してるの？」
「……兄貴なら、どうせスーフリ先輩とよからぬ企みでもしてるんじゃないの。さっき生徒会室の前で会ったし」
そう、彼女はインビジブルの妹。