1 :
名無し草:
前スレが落ちたので立てます。
では、ドゾー↓
2 :
名無し草:2008/05/25(日) 22:30:29
スレ立ててくれてありがとう
乙!
3 :
名無し草:2008/05/26(月) 00:08:22
4 :
名無し草:2008/05/26(月) 01:41:06
5 :
名無し草:2008/05/26(月) 11:43:24
6 :
名無し草:2008/05/26(月) 19:16:47
投下くるまで雑談してるか
前スレでもちょっとでたけどみんなの好きなインタビューどれー?
ちなみに自分はSWITCH。
7 :
名無し草:2008/05/26(月) 20:40:59
テレビだけど娯楽発売時のJCD。
伊澤がいい味だしてる。
8 :
名無し草:2008/05/26(月) 21:28:43
テレビでいいならラジオのミュージックスクエア
肉食べた伊澤にセクハラされる林檎の反撃がおもしろい
9 :
1:2008/05/26(月) 22:15:39
書き忘れてました
あんまり下の方に下がってたら適宜上げて下さい・・・
豚切りスマン
因みに私はロキノンが好き・・・
10 :
名無し草:2008/05/27(火) 02:19:26
>>9 了解です!今度は落とさないように努めましょう
自分もミュージックスクエア好きだなぁ。
最後のコメントのトリを浮が任されて「何でそうゆう事すんの?」「したかったの。」が好きw
11 :
名無し草:2008/05/27(火) 19:39:48
ミュージックスクエアは面白いねw
あの番組で浮雲はやはりSだと確信した。
でも一番は意識調査かなー。
12 :
名無し草:2008/05/27(火) 23:15:17
意識調査は確かによかった!
初めての澤林に続いて、初めて刄林書いてみたんだけど…
投下しても宜しいかな?
13 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:07:31
はい!ぜひ!投下待ってます!
14 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:21:17
宜しいです!
15 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:35:39
刄林投下します…
――――――――――――――――――――――――
今日のリハが終わって、スタジオに5人の声が響く。
「お疲れ様でした〜!」
みんなはこの後それぞれ仕事があるらしく、せかせかと帰る支度をしている。
「としちゃん。」
みんなが帰っていく様子をボーっと見ていたら
彼女に話し掛けられたようで、少し吃驚した。
その間にも彼女は、最後に出口に向かう
わっちを見つけて「ばいばい」と言っていた。
わっちが笑顔で「お二人仲良くね」なんて馬鹿なことを言うので、
林檎ちゃんと僕は「馬鹿!」と言い返した。
わっちを見送り僕の方に向き直った彼女は、「としちゃんはこの後どうする?」と尋ねてきた。
「おいらはまだ練習する。真面目だから。」とふざけて一言付け加えた答えを返すと彼女は微笑んだ。
「じゃあ、私も、練習付き合おうかな。」
16 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:43:31
続き!
―――――――――――――――――――――
僕の叩くドラムのリズムをひとつひとつを確かめるように彼女が歌う。
僕が見惚れてしまった綺麗な横顔が見える。なんという特等席なんだろう。
1曲終えると彼女は笑顔でこう言った。
「やっぱりとしちゃんのドラムは心地好いね。としちゃんが事変のドラムでよかった!」
…彼女の真っ直ぐな褒め言葉に少し照れてしまった。
僕の少しの変化に気付いたようで、
「顔赤いよー」なんて顔を覗いてからかってくる。
17 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:47:05
―――――――――――――――――――――
さっきのからかいに少し腹を立てた僕は、
彼女に少しだけ意地悪をしたくなった。
「ねえ、林檎ちゃん。…おいらも好きだよー」
彼女が照れ屋なのを知って、わざとストレートで攻めてみた。
案の定彼女は頬を少し赤くしている。
「…しってるよ。」
「いや、林檎ちゃんの歌が。」
「……え」
「うそうそ!林檎ちゃんが。」
「…としちゃんの馬鹿!」
今、麗しい笑顔が僕の為だけに咲いている、という事実がただ嬉しい。
練習のあとに2人で飲みに行く約束をした。
今日は夜のビールが、いつもに増して美味そうだ。
18 :
名無し草:2008/05/28(水) 00:50:05
以上です
ちなみに付き合ってる設定ですw
2人はのほほんとした関係であってほしい。
無駄に長くなってしまい申し訳ないです…
19 :
名無し草:2008/05/28(水) 02:51:49
何だこの初々しさは。萌えました!
20 :
名無し草:2008/05/28(水) 12:35:58
GJ!ほのぼの良いね〜
これで思い出したけど、二人が何かの番組で
香水作ってるやりとりもほんわかしてて好き。
「カレーのお汁」のくだりとかw
21 :
名無し草:2008/05/28(水) 18:12:24
林檎ととしちゃんは縁側がよく似合う、気がする。
22 :
名無し草:2008/05/28(水) 18:37:06
顔がほころんでしまう
可愛いおはなしが読めて幸せです!GJ
23 :
名無し草:2008/05/29(木) 00:54:51
>>21 なんか分かる、気がする。
お酒に強い二人だから
夜に縁側でビールと焼酎とか似合いそう。
24 :
名無し草:2008/05/31(土) 19:30:05
刃林いいね
この流れ見てたら浮林派だったけど好きになった
25 :
名無し草:2008/05/31(土) 20:43:47
流れに便乗して、刃林投下してもいいですか?
26 :
名無し草:2008/06/01(日) 00:53:28
27 :
名無し草:2008/06/01(日) 01:36:53
読みたいです!
28 :
名無し草:2008/06/01(日) 10:23:18
ありがとうございます!
刄林投下します。
いつもなら笑って流す彼の一言が、今日は何故か疎ましかった。
「林檎ちゃんは凄いなあ」
としちゃんは、何かにつけてそう言ってくる。理由も他愛のないものだ。わたしがくだらない雑学を挙げただけでも、彼は心底感心した。
その日のわたしは少し苛立っていた。自分という存在がひどく憎たらしくなったのだ。大切な人に迷惑をかけてしまったり、作りたいものが作れなかったり、理由は様々だ。定期的にではないものの、こんな日は時々突然に襲ってくる。
そんな時に彼がこんなことを言うものだから、苛立ちの矛先は彼に向かってしまった。早い話が八つ当たりだ。
「凄いなんて簡単に言わないでよ」
苛立ちを押さえた声でそう呟いた。彼はまだ笑っている。
29 :
名無し草:2008/06/01(日) 10:24:29
その2
「だっておいら頭悪いしさあ、林檎ちゃんは凄い人だし」
「凄いって言わないでって言ったじゃん」
つい語気を荒くしてしまった。こんなのは八つ当たりだと、頭では理性がそう告げるのに、真逆のところで感情が先走る。彼は口をつぐんだ。
「あたしは、凄くなんてないもん。普通だもん。駄目な人間なの。駄目なんだよ」
堰を切ったように言葉が溢れた。それは本心だったからだ。こんな風に、大事な人に当たってしまうようなことは絶対にしたくなかったのに。
ましてや彼にこんな所を見られたくなかった。自分が辛いときでさえ人に謝ってしまうような優しさを持っている彼に、人に当たり散らす自分は愚かしく見えたことだろう。
彼の顏を見ることも出来ず、俯きながら涙を飲み込んだ。
30 :
名無し草:2008/06/01(日) 10:25:46
その3
すると肩を叩かれた。反射的に体を縮めてしまった。けれど痛くはなかった。子供をあやすときのような、優しい手つきだった。
顏を上げるととしちゃんはすまなそうな顏をしていた。眉毛が下がっていて、情けない顏だった。
「ごめん、無神経だった」
思わず、え、と声を漏らしてしまった。だってとしちゃんはなんにも悪くなかった。悪いのは、八つ当たりしたわたしだった。
「でもおいら、林檎ちゃんが駄目な人とかちっとも思ってないよ」
そう言って、やっといつものように目を細めて笑った。
「だから自分のこと駄目とか、簡単に言っちゃ駄目だよ」
としちゃんは、狡い。自分だって、いつも自分は馬鹿だなんて言うくせに。わたしは心の中で悪態を吐きながら黙って頷いた。涙が詰まって言葉が出なかったのだ。
彼はどうしてこんなに簡単に、いつもわたしの心を掬い上げるのだろう。それこそ凄いことだ。
泣きながら謝るわたしを必死でなだめた後、彼は暖かいココアを買ってきた。
一口飲むとお腹の辺りからじんわりと身体中が暖くなっていった。染みていく感覚。としちゃんの優しさは、こんなものに似ていると思った。
31 :
名無し草:2008/06/01(日) 10:28:06
おしまいです。
刄田はものすごい優しいんだろうなあと妄想しました。
読んでくれた方ありがとうございました。
32 :
名無し草:2008/06/03(火) 12:04:59
保守
33 :
名無し草:2008/06/03(火) 19:06:04
ここって、林檎受けならなんでもOK?
34 :
名無し草:2008/06/03(火) 19:48:37
>>33 人それぞれなので一概には言えんが無関係の人が絡むのはあんまり受け付けないと思う
(わたしは雑食なのでベン林も亀林もすきです)
35 :
名無し草:2008/06/04(水) 20:52:14
まあ基本的に事変メンじゃない?と思う
あと遅ればせながら
>>28GJ。なんかとしちゃんほんと優しいな……
36 :
名無し草:2008/06/05(木) 07:15:32
>>28はもしや前スレで浮林をたくさん投下されていた方ですか?
文章のタッチが好きです。
としちゃんはリアルでもこんな風に優しいんだろうなぁ。
37 :
名無し草:2008/06/05(木) 20:53:34
ありがとうございます。
感想頂けて嬉しいです。
>36
月極姫とメトロで投稿してました。好きとか言ってもらえてほんとに嬉しいです…ありがとうございます
38 :
名無し草:2008/06/06(金) 22:42:41
>>37 月極姫とメトロの方ですか!とても好きでした。できたらまた浮林もよろしくお願いします…
39 :
名無し草:2008/06/07(土) 13:50:43
浮林見てみたい
40 :
名無し草:2008/06/08(日) 15:19:11
あるある
41 :
名無し草:2008/06/10(火) 10:22:16
刄林でほんわかしたい
42 :
名無し草:2008/06/10(火) 21:27:10
あの、前スレで浮視点の浮林を書き、林檎視点も書きたいといいつつ
書かなかった人なのですが、今更ながら林檎視点が完成しました。
需要があるなら(駄文ですが)投下しますが・・・。
43 :
名無し草:2008/06/10(火) 22:46:55
お願いします。楽しみですw
44 :
名無し草:2008/06/10(火) 23:58:33
待ってます!
前スレ浮視点も一緒にあると嬉しいですw
45 :
名無し草:2008/06/11(水) 00:27:23
是非投下して下さい!
46 :
名無し草:2008/06/11(水) 01:24:53
47 :
42:2008/06/11(水) 22:42:46
需要、あるみたいなので投下します
スタジオの金属のドアが、ばたん、と大きな音を立てて閉まった。
乱暴に閉められたドアを数秒見詰め、私は溜息を吐いた。重い身体を引き摺りつつも帰る支度を始める。
この頃、浮雲はとても機嫌が悪い。
元々そう賑やかなタイプではないのだけれど、それにしても。
此方から話し掛けないと絶対に話し掛けてこないし、話しても必要最低限ぎりぎりの事しか話さない。
前はそんな事、無かったのに。
帰る時も今日の様に独りでさっさと帰ってしまう。
私にだけ、冷たいのだ。他のメンバーとはそれなりにやっているらしいのに。
特に何か気に触る事をした憶えはないのに。
私は悲しくなり、また溜息を吐いた。本当は、もっと仲良くしたいのに。
もっと、近付きたいのに・・・。
重い気分のままスタジオを出ようとドアに手をかけると、後ろから能天気な一葉の声がした。
「林檎ちゃん、まだ早いしちょっと飲んで帰ろうよ。いい店あるんだ」
「え? ああ、・・・そうねぇ・・・」
暗い気分の時、能天気な一葉といると気分が確かに少し、明るくなる。
呑むのも良いかな、と思いつつドアを開けて外に出ると、ひんやりした、しかし少し濁ったような都会の夜気が身体を包んだ。
「ね、ね、行こうよ」
駅に向かって一葉と歩きながら、しかし私の目は浮雲の後姿を探してしまう。
そして、私の目は河原沿いへの道へと歩いていく背の高い痩せた後姿を捉えた。
行かなくちゃ。
私は思った。
「ごめん、呑むの、また今度にして。用事思い出したから。じゃあね」
早口で言うと、一葉は気圧された様に、うん、じゃあね、と言った。
48 :
名無し草:2008/06/11(水) 22:44:35
続き
――――――――――――――――――――――――――
私は河原沿いの道を走った。くっきりと丸く白い月が、川の流れる音が微かにするだけの辺りを蒼白く染めている。
ヒールがやや高いパンプスは走るのには不向き過ぎたが、それでも必死で走り、浮雲らしい男の数十メートル後ろまで追いついた。
「浮ちゃん!」
男は振り返った。やはり浮雲だ。少し驚いた顔をしている。
立ち止まったままの浮雲に並ぶと、彼は歩き出した。彼と私の関係を表すかのように、二人の間には微妙な距離がある。
当然の如く降って来た沈黙を如何にかしようと、私は仕方無く酔った一葉の話をした。
「・・・それでね、わっちがね、酔っちゃって、本当に大変だったんだから」
しかし、浮雲は終始無言で黙々とやや俯き気味に歩いていた。頷く事すらしていない。
私は泣きたくなり、黙り込んだ。
どうしてこうも浮ちゃんは冷たいんだろう。
「ねえ浮ちゃん、怒ってる?」
私は遂に堪えられなくなり、言った。
「別に」
しかし、浮雲はただぼそっとそういうだけで、何の反応も見せない。
「じゃあどうして何も話してくれないの?浮ちゃん、スタジオでもずっと冷たいし・・・」
足が自然に止まった。不意に泪が込み上げてくる。
浮雲は、数歩進んだ所で立ち止まり、面倒臭そうに振り返って私の顔を見た。
目が合う。
鋭い視線。目を逸らすことが、出来ない。
目の表面に盛り上がった水分が今にも落ちそうになった時、しかし浮雲は目を逸らした。
「別に怒ってないから。じゃあ」
浮雲はそれだけ言うと踵を返してまた歩き出した。
私は慌て腕でて泪を拭い、浮雲を追う。
「待ってよ、浮ちゃん。浮ちゃんはわっちが嫌いなの?私がわっちの話するから怒ってるの?どうして?」
そう言えば最近一葉の話しかしていないのに気付き、もしかしたら、と半ば泣きながら言った。
すたすたと大股で歩く浮雲の腕を、まるで子供の様に掴んで縋りつきながら。
49 :
名無し草:2008/06/11(水) 22:48:04
続き
――――――――――――――――――――――――――
立ち止まった彼は一瞬私を見下ろした後、いきなり腕を強く引いた。当然、倒れかけた私の身体を浮雲はかなりの力で抱き締める。
「きゃあっ!」
私は何が何だかいまいち分からず、ただただ鼓動だけを速くしながらそのままでいた。
「嫌いだよ、わっち。椎名さんがわっちばかり気に掛けるから」
「え・・・?」
言葉の意味が直ぐには理解出来ず、浮雲の顔を見上げる。しかし表情は読み取れない。
顔をやや下から見つめていると、遠くの方を見ていた浮雲は、唐突に私の唇を塞いだ。
「ん!」
何の覚悟もしていなかった為か、やけにそのキスは長く苦しく感じられた。私を抱き締めている痩せた身体が、熱い。
まだよく事情が呑み込めないままで唇を受け止めていると、唇が不意に離れ、
抱き締められた時と同様に乱暴に私の身体は解放された。
「・・・じゃ、」
何時ものクールな顔付きの浮雲はそう言って私に背を向け、また歩き出した。
一連の出来事に驚き、暫く立ち尽くしていた私は慌ててまた浮雲を追いかける。
「待って、待ってよ」
伊澤ばかり気にかけるから、伊澤が嫌いだと彼は言った。
それは、即ち・・・。
「浮ちゃんだけ、ずるいじゃない。唇勝手に奪っといて逃げるなんて」
無言で早足で歩き続ける浮雲の背中に向かって言う。
「私だって淋しかったんだから」
私は正直に言った。
すると、浮雲の足が止まった。
「私だって、私だって、浮ちゃんは何時も話し掛けても最低限の事しか言ってくれないし、仕事の話しかしないし、淋しかった」
頬が紅くなるのをはっきりと感じながら、私は自分の気持ちを言っていた。
今度は浮雲が、やや戸惑った表情を浮かべている。
50 :
名無し草:2008/06/11(水) 22:50:44
続き
――――――――――――――――――――――――――
「後悔してない?」
立ち止まった位置からそのまま、彼は言った。
「え?」
後悔が何をさすのか分からない私は、首をかしげる。
「今、そうやって言ったこと」
大股でこちらへ歩いてきた浮雲はそう言うと答える間を与えずに再び私の唇を塞いだ。
さっきよりもずっと甘いキス。
「椎名さんのこと、好きだよ」
浮雲は唇を離すと、やや俯いて言った。少し、顔が紅い。
私は嬉しくて溢れ出た泪を慌てて手で拭った。
「・・・後悔、してない。私・・・」
自分の気持ちを言ったときよりも、ずっとずっと頬が熱い。
私と浮雲は、どちらからとも無く手を繋いだ。
彼の意外に高い体温が伝わってくる。
つい1時間前とは打って変わって、私は満たされていた。
「ねえ、もしかして、浮ちゃん、わっちに嫉妬してたの?」
ふと、さっきから気になっていた事をいう。
彼はとても、嫉妬する様な人には思えなかったけれど。
「え?」
一瞬照れたような顔をした浮雲は、しかし直ぐに何時もの顔に戻って、「さあね」と一言だけ言った。
やっぱり、少し顔が紅くなっている。
私は可笑しくて、くすっと笑った。嬉しかった。
嫉妬なんて浮雲には似合わない、と思ったのと、でもその似合わない嫉妬を、自分の為に
妬いてくれていると分かったから。
51 :
名無し草:2008/06/11(水) 22:53:46
長くなってしまった・・・。
しかもど下手ですいませんorz
逝って来ます・・・
浮視点が読みたいと仰ってくれる方・・・
そのうち貼ります、すいません
52 :
名無し草:2008/06/11(水) 22:57:15
林檎さん可愛い……
浮雲が羨ましいです!
投下ありがとうございました!
53 :
名無し草:2008/06/11(水) 23:52:08
照れる浮と素直な林檎に萌えました。
しかし能天気な伊澤に笑ったw
すごく良かったです。
54 :
名無し草:2008/06/12(木) 00:34:39
林檎版の、この浮林が好きだった。
浮)お前のそういう媚びた態度だとか云い回し、娼婦みたいな格好で踊ったりだとかが、
嫌いだ。
林)そんな…面と向かって云わなくたって良いじゃないの!?
ある意味、営業でやっている所だってある訳だし…
浮)俺の前だけでしろよ。
営業だって良いぜ?
55 :
名無し草:2008/06/13(金) 01:48:07
捏造ネプリーグ打上げ書いてた人まだいるのかなー
ギャグ→シリアスの流れが好きだったんだけど
56 :
名無し草:2008/06/14(土) 00:22:40
前スレのURLわかる人、貼ってくれませんか?
57 :
名無し草:2008/06/15(日) 00:43:39
前スレは落ちたんだけど・・・
58 :
名無し草:2008/06/15(日) 02:47:21
畑林読んでみたい
59 :
名無し草:2008/06/16(月) 00:08:12
>>56 前スレは無理だけど前前スレならググれば見れたよ。
前前スレの樋林が好きだった。
樋林読みたいな。
60 :
名無し草:2008/06/16(月) 22:26:57
61 :
名無し草:2008/06/16(月) 22:47:18
62 :
名無し草:2008/06/18(水) 02:34:43
保守
63 :
名無し草:2008/06/19(木) 23:37:07
保守
64 :
名無し草:2008/06/20(金) 02:34:36
幹林好きな人前にいたけど今いないの?
65 :
名無し草:2008/06/20(金) 09:05:42
幹林好きだよー
66 :
名無し草:2008/06/20(金) 18:35:09
そういえばヒイ林も好きだなー
67 :
名無し草:2008/06/20(金) 21:26:03
でもやっぱ浮林かなっ
68 :
56:2008/06/20(金) 23:33:17
>>59-60 わざわざありがとうございます!助かりました
前前スレもググってきます
69 :
名無し草:2008/06/21(土) 21:13:24
澤林がすきでした、やっぱり。
70 :
名無し草:2008/06/22(日) 09:00:11
誰か投下してくれる人いないかなー
71 :
名無し草:2008/06/22(日) 13:38:45
見てる人も少なそうだねー
72 :
名無し草:2008/06/22(日) 17:36:03
ss投下してほ椎名
73 :
名無し草:2008/06/24(火) 21:05:33
職人さん、おねがいします!!
74 :
名無し草:2008/06/25(水) 19:16:36
今ブラックアウトでの浮林妄想中なので、もし形になったら投下してもよろしいでしょうか…
75 :
名無し草:2008/06/25(水) 20:13:43
是非!!
ブラックアウト浮林のイメージに合うよね。
好きな曲なので楽しみに待ってます。
76 :
名無し草:2008/06/26(木) 00:45:04
ブラックアウト楽しみすぐるw
77 :
名無し草:2008/06/26(木) 08:13:34
楽しみができました、今日がんばれそうw
78 :
名無し草:2008/06/26(木) 15:12:37
>>74ですが二回にわけて貼らせて頂きます。文才なくてすいません…
仕事とはいえ、大分遅くなってしまった。もうすぐ山手線は最終を迎えてしまうだろうか。
といっても都会の夜はネオンで落ち着かず、星すらも見えないほどだ。
隣にいる華奢な人。此方をたまに伺っては、目が合う度に頭を掻いている。
「どうする?」
「どうするって?」
「浮ちゃんはすぐ帰るの?」
「そう思ってたけど、止めた」
「だと思った」
アルコールの様な夜の空気に今夜はずっと浸っていたい。
あなただって同じ気持ちの筈…
行き先なんて野暮なこと聞かないから、
「兎に角遠いところまで連れてって。」
79 :
名無し草:2008/06/26(木) 15:13:06
「こんなに遅くていいのか?」
「別に構わないわよ」
「明日も仕事あるんだろ?」
「そんな言葉聞きたくない」
「…じゃあ、今夜は
俺のされるが侭にしておくんだな」
明るいときはそんな台詞吐かない癖に
「わかってる」
あたしたちを変えてしまう夜が何より今は疎ましい。
80 :
名無し草:2008/06/26(木) 15:14:19
やっちまいましたorz
皆様のご期待に添えない点も多々ありましたでしょうがお許し下さい!
失礼しました。
81 :
名無し草:2008/06/27(金) 06:29:44
浮雲のSなふんいきがいいですね。ブラックアウトのイメージともあってます!
82 :
名無し草:2008/06/28(土) 00:30:12
こんな事訊くの憚られるんですけど・・・
皆さんは事変面で18禁的な妄想ってすることありますか?
83 :
名無し草:2008/06/28(土) 09:06:28
前スレとか見てないの?
がんがん出てたよ。
84 :
名無し草:2008/06/28(土) 11:52:13
>78
GJ!曲の大人な雰囲気がすごく出ててどきどきしました。
85 :
名無し草:2008/06/28(土) 12:56:25
>>78 投下ありがとう!
昼とは違う二人、いいね。
浮雲は好きな女にはこうゆう気障な台詞さらっと言ってそう
86 :
名無し草:2008/06/28(土) 15:51:43
>>55さん
お久し振りです、前スレでネプ打上げ書いたものです。感想ありがとうございました!
現在前スレで宣言した澤林の構想を立てつつ、やっぱり浮林を書いてます
浮林はまだオチを考えついていないのですが今夜にはうpできそうなので待ってて下さい!
87 :
名無し草:2008/06/28(土) 16:56:47
88 :
名無し草:2008/06/28(土) 17:02:01
下がり気味なので上げ。
浮林楽しみです。
89 :
名無し草:2008/06/28(土) 17:27:30
あ
90 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:25:55
長いので分けますー
1
「ちょっ、まって、なに!」
言葉がうまく出ない。原因はわたしを酷く強い力で押し倒そうとする彼のせいだ。
急に押し込まれた部屋のフローリングに、履いたままのヒールが食い込んでいるような、妙な感覚。
彼もスニーカーを履いたままの筈だ。綺麗好きな彼が土足で家にわたしを押し込むなんて。
一体なにが起きたのか。
「浮ちゃ「椎名さん」
遂に力を入れ続けていた両脚が限界を告げて、わたしは彼のお気に入りのソファに沈んだ。わたしの右肩を未だ押さえ付ける浮ちゃんの手。なんだか嫌な予感がした。
91 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:28:16
2
「俺ね、椎名さんのこと好きなの」
「え、…ぁ」
「ずっと一緒に居たい訳」
真剣な視線がただまっすぐにわたしの目に突き刺さる。その目はわたしを映しているようで、映してはいなかった。
(浮ちゃん、ねぇ)
「だからさ、貴女と一緒に、」
(一体何をみているの)
ぐ、と握り締められる両手。馬乗りになる彼の重さ。早まる互いの心音。そのすべてがわたしには夢のように感じられた。
(だって、最初にあなたに声をかけたのに)
「椎名、さん」
「浮ちゃんはずるいよね」
92 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:31:05
3
仰向けになっているせいで、目尻から髪に流れていく涙の感覚が気持ち悪い。嗚咽をもらさないように、ゆっくりと呼吸をする。そうして彼への想いを断ち切ろうと、今まで何度もやってきたのに。
「わた、し、浮ちゃんと音楽、やりたかったのに」
「ごめん」
「……わたしはちゃんと、あなたをみてたよ…、っ」
「うん、ごめん」
「い、いまさら、そんなこと言われたって、」
「だって、幹音サン辞めるんでしょ」
「っ、それは関「俺じゃダメ?ギター」
バンドを発足したいって、まず師匠に相談した。そうしたら僕がベースをやるって言ってくれた。それからピアニストとドラマーをスカウトするのを手伝ってくれて、ギタリストの選定はわたしに交渉を任せてくれた。
わたしは二つ返事であなたが了承してくれるって、確信にも近い何かを、ずっと信じていたのに。
93 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:31:53
4
『ごめん、できない』
あなたはそう、言って。
「わたしが…、っどんなに悲しかったかなんて、今更浮ちゃんに知って欲しくもな「だからごめんって言ってる」
今日はずっと彼のペースに飲まれている気がする。けれど見上げた彼の顔は少し赤らんでいた。
「俺の歌を、唄ってよ」
彼はわたしをぎゅうと抱き締めて、そう言った。わたしはなんだかそんな彼がおかしくって、声をあげて笑った。
「……浮ちゃん、わたしもすき」
end
94 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:34:27
以上です。
事変メンの交代時期の捏造浮林でした。支離滅裂すぎてイタタな感じですが皆さんに萌えを提供できれば幸い。
95 :
名無し草:2008/06/28(土) 19:58:38
>>94 今まで読んだ浮林で一番萌えました。GJ!
文章の色っぽさにどきどきしました。
96 :
名無し草:2008/06/29(日) 02:44:30
久々にきたら投下多くて萌えた!
97 :
名無し草:2008/06/29(日) 09:08:48
浮林派が多い中、自分は今刄林を構成中。
需要あるかな?
98 :
名無し草:2008/06/29(日) 10:08:53
刄林好きだよー
99 :
名無し草:2008/06/29(日) 11:36:57
私も好きだよ〜
やっぱり幹林が(ry
自分は樋林が(ry
前書いてた人はやっぱり
もういないんだろうか。
前書いてた方とは違う者ですけど、樋林投下してもよろしいですか?
103じゃないけど樋林待ってた!
投下是非してください!
106 :
103:2008/06/29(日) 22:32:38
>>104 wktkして待ってます
是非投下して下さい!
ダイナマイトの透明人間で樋林です。恋愛要素薄くてごめんなさい。
(嗚呼)
鮮やかな緑が視界の端で揺れた。少し視線を移すと、歌う彼女の後ろ姿が見えた。
(やっぱり綺麗だ)
思えばここから見える彼女は、ほとんどが背を向けた姿だった。けれどまるで命を燃やすようなその声は、背中越しでも十分に届いた。
初めて彼女と舞台に上がったとき、その輝きを知った。綺麗だと、単純にそう思った。それは今も変わらない。
その2
彼女がこちらを向いた。そうか、歌はもう終わったのか。けれど自分は手を止めることなく演奏を続けた。
あと少しで曲が終わる。その時、両手で顔を覆う彼女が見えた。声もなく僅かに震えているのが分かった。
(泣かないでよ椎名さん)
それは初めて見る彼女の泣く姿だった。けれど涙の理由など探るのは意味のないことに思えた。言葉にせずとも伝わるものはあった。彼女の綴った詞と、その歌声だけで。
(もう少しだけ一緒にやりたかったなあ)
それは後悔だったのだろうか。いや、もっと明るい感情のような気がした。それはきっと彼女も同じだろう。
曲が終わりを迎える。彼女はもう一度こちらに背を向けた。表情は見えなくても分かる。彼女はきっと美しく笑う。
力強いその背中を忘れないでおこう。暗闇の中で歓声を聞きながら、密やかにそう思った。
・・・
おしまいです。
ライブ映像見てないと伝わりにくかったかもですorz
お粗末様でした。
>>107 良い!切なくなりました…。
ライブ中の感情を描くなんて新しい!
保守
ブラックアウト浮林かいた者です。
ここってじゃんじゃん投下したら迷惑ですか?
そんなことないと思います。
むしろ投下はたくさんあったほうが嬉しい!
過疎ってるし何時でも投下してください〜
じゃんじゃんして下さい!!
ここもまた落ちたら悲しすぎます。もちろん純粋にたのしみにしてます!
このスレを立てたものですが、
文章を投下する時に前もって言わなくて良いと思います
(内容にもよるけど)
どうでもいいけど、私妄想カタルシス立てたの実は2回目だな
なんかここの人達って優しいよね。褒めてんだよ。
119 :
名無し草:2008/07/05(土) 23:54:57
保守あげ
保守
保守
伊澤はさきちゃんと
誕生日を過ごしたんだろうなーやっぱり
事変でもお祝いやったかな。
ageつつ
保守
保守
保守
保守
保守
過疎ってるので投下。
浮林です。
「わっちと喧嘩した」
荒々しくそう告げられても、事の一部始終を見ていたのだから知ってるよとしか言えなかった。それに真面目すぎるきらいのある彼女は、仕事のこととなると似た者同士の彼とよく衝突する。別に驚くような喧嘩ではない。
「浮ちゃん帰りどこか付き合ってよ」
「別にいいけど」
多分愚痴を聞かされるのだろう。想像はついたが頷いた。それに彼女と二人だけで話す時間など、本当に久しぶりだったのだ。そんな単純な理由を、彼女は知る由もないだろうけど。
2
今日は明らかに飲むペースの早い彼女のために、自分は量を抑えていた。このままでは遅かれ早かれ潰れるだろうとふんだので。案の定夜が更けきった頃になると彼女はすっかり酔いがまわっていた。
「もう一軒行く?」
紅潮した頬を緩ませながら聞いてきた彼女を見て、もう帰した方がいいだろうと考えた。それ以前に、あまり酒に強くない自分がこれ以上付き合うのも危険だと思った。
「今日は終わり。解散」
「あたしまだ平気だよー」
「あんたが良くても俺が駄目なの」
「まだ話し足りないのになあ」
そんな一言で揺らいでしまったのだから、自分も相当酔いがまわっていたのかもしれない。脳の奥が揺れたような目眩。投げやりな気分になる。
しかし心地の良い風が顔を打つとそんな気持ちも少し覚めた。
「じゃあ少し、公園で休もうか」
それで今日は本当に終わりにしよう。理性の隅でそう誓った。
3
公園の夜は街の賑わいとはまるで無関係だ。風が浚う草や木のざわめきで酔いが覚めていく。ただ彼女は酔いが覚めると言うよりも眠気が襲ってきているようだった。ベンチを見つけて座り込む。重そうな瞼を必死に開けようとしている彼女が子供のように見えた。
「…浮ちゃんと喧嘩したことってあんまりないね」
「まあ、わっちよりは少ないよね」
「ずーっと、側にいるのに、ねえ…」
声が徐々に小さくなっていく。力を失った体が倒れ込んでくるのを咄嗟に支えると、微かな寝息が聞こえた。
無防備に眠る彼女に、少し乱暴な気持ちになる。ずっと側にいるから、億劫になるのだ。なくしてしまう時が怖いから。そんなことも知らず彼女は眠る。なにも恐れていない子供のように。
そんな彼女が少し憎たらしい。手を伸ばすだけでその白い肌にも、髪にも、唇にも、簡単に触れられるのだ。ただこれは、触れて満足するような感情じゃない。
「椎名さん」
返事はない。規則的な寝息だけが聞こえる。
「なあ、愛してるよ」
愛なんて簡単に語るものではないけれど。分かって口にしたと言うことは、きっと、そういうことなのだ。
そんな告白も、眠る彼女の意識に届くことはないのだろう。届かないことが分かっていて言うなんて卑怯な手だとは思うけれど、失うのが何よりも怖い自分にはこれしかないのだと思った。
当たり前のように彼女とぶつかり合えるあの男が羨ましいと、ほんの少しだけ嫉妬した。
中途半端ですがおしまいです。
読んでくれた方ありがとうございました。
132 :
名無し草:2008/07/12(土) 15:13:06
>>131 あなたの浮林待ってました!
萌えをありがとう。
初投下です。
畑林 1
「一回休憩にしよう」
暫く続いた冷たい空気に、私の一言が響く。
私と口論をしていた一葉は、何も言わずに頷いてリハ室から出ていった。他のメンバーも各々の楽器を置いて、休憩に入る。
最近、曲のアレンジに関する言い合いが絶えない。久々の野外フェス参加で、メンバーにも気合いが入っている。
ここのところ仕事が立て続けに入っていた私は、疲れもあったのか、口調が荒々しくなる事が多々あった。
「はぁー…。」
小さく溜め息をついて、部屋の隅にあった小さな椅子に腰かける。ペットボトルに入ったお茶を口にするが、なんだか思考は定まらない。
2
「林檎くん。」
はっと顔を上げると、そこには彼が立っていた。
「としちゃん。」
何時もとは違う真摯な顔をしていた彼は、私が名前を口にした瞬間、何時ものくしゃっとした笑顔を私に向けた。
「これ。あげる。」
「え?何??」
彼の手から私の手へと、それは移動した。ぎゅっと握った自分の手を、ゆっくりと開いてみる。
「…? 飴??」
私の手のひらには、飴が一袋。
「うん。そう。林檎飴。」
そう言うと、彼はまた目を細めて笑った。
「…有難う。でも、今リハ中だし、後で食べるね。」
3
「おいら、実は今のリハの間、ずっとこれ口に入れてた(笑)」
無邪気に笑う彼を見て、私の頬も思わず緩む。
「そんなに美味しいの?この林檎飴。」
さっきまでとは違う、柔らかな口調で彼に尋ねる。すると彼は、またくしゃっと笑って一言口にした。
「そりゃあ。もう。おいらのお墨付きですから。(笑)」
彼の笑顔を見て、私は袋を開けて林檎飴を口に放った。
「美味しい。」
でしょー?と言わんばかりに彼は自慢気な顔をしている。そんな彼を見て、私の頬は益々緩む。
4
たった一粒飴を貰っただけで、私は苛立っていた数分前とは、全く異なる笑顔を自然と浮かべていた。
彼は何時もこうだ。
気付くと私の横で、沢山の笑顔を向けてくれる。
そして沢山の笑顔を、与えてくれる。
「としちゃん。」
「んー??」
「…ありがとね。」
私の言葉を耳にして、彼は少し照れ笑いをした。
林檎飴が居なくなった空の袋をポケットに入れて、私は椅子から身体を離し、ゆっくりと立ち上がった。
「リハ、再開しよっか。」
彼の方を向き、そう口にすると、
「うん。頑張ろね。」
彼はそう言って、無邪気な笑顔を私に見せた。
以上です。
リハの風景イメージです。
お粗末様でした…。
>>138 GJ!
畑林は癒されるなぁ。
関係ないけど何気にレス番が伊澤だね。
>>138 癒されました!GJ!
どんどん投下してくれないかなー。
暇潰しに書いたのが完成したので投下しますー
――――――――――――――――――――――
車内には重い沈黙が立ち込めていた。絞った筈のラジオの音が、それでもやけに大きく聴こえる。
私は助手席に座り、さっきからずっと俯いている。
ハンドルを握る浮雲は相変わらず申し訳無さそうな表情。
何時もはそんなこと、絶対にしないのに、今日は必死で私の機嫌を伺っている。
(何でそんな風に弱くなるの・・・いっそ怒ってくれたほうがいいのに)
それがまた私の気には触る。
今日は私の誕生日だった。浮雲に誘われ、ここのところ忙しかったけれど、それでも
無理を言って予定を空け、久し振りのデートをする事になった。
しかし、7時の待ち合わせ時刻に、彼は一時間も遅刻してきた。
それも、メール一通、「少し遅れるからその辺で待ってて」と言う素っ気無いメールを寄越したきり、
何度電話をしてもメールを送っても返事をしなかったのだ。
無論私は腹を立てた。食事中、一言も話さず、目もろくに合わせないほど。
しかし、本当は大分怒りも収束してきて、おどおどする彼らしくない浮雲を見ると
哀れにも不安にも思えてくるが、何か妙な意地の様なものがあって、未だ許せない。
それにしても、これから何処へ行くのだろう。今日の行き先は訊いていない。
訊いたとしても、サプライズ好きで気まぐれな彼が本当の事を言うかどうかは疑問だ。
食事の後はもう一軒呑みに行き、それからホテルなり彼の部屋なりに行くと思っていたけれど、
車はどんどん明るい都心を離れていく。
多かった車も夜が更けるにつれて少しずつ減ってきた。オレンジ色の光を落とす街灯もまばらになってゆく。
少し顔を上げて外を見たものの、何しろ暗い。
気になったが、私は再び俯き、眼を閉じでラジオのDJの陽気な声に意識を集中させた。
「椎名さん、着いたよ」
浮雲が私の顔を覗き込んでいる。
私ははっとして眼を開き、2、3度大きく瞬きをした。眠ってしまったらしい。
時計にちらりと眼をやると、最後にそれを見てから一時間ちょっと経っていて、日付が変わっていた。
「足許、気をつけて」
「ちょっと、此処、何処なの?」
浮雲は珍しく柔和な表情をしていたけれど、何も言わなかった。
車から出ろという無言の催促が感じられて、私は仕方なくドアを開けて外に出た。とたんに冷たい風と潮の匂いが吹きつける。
「海!」
(でも、どうして・・・)
私には彼が晩秋の海にきた理由がわからない。
それでも水へ向かって歩き出したが、靴のヒールが埋まって歩きづらい。すると、浮雲がよろけながら進む私の手を取った。
「憶えてる?この海」
「・・・・・・」
波の音が静かに規則的に響く。無論、憶えていた。
この海は初めてのデートできた海だ。
そのときは夕刻で、沈む夕陽がひどく美しかった事を、私ははっきりと憶えている、
今は丸く大きな、白い月が冷たく辺りを照らしている。
「どうして、ここに・・・?」
砂浜の中ほどに座った浮雲の隣に腰を下ろす。吹いて来る風は冷たく、身体がゆっくりと確実に冷えていく。
「寒いでしょ」
ジャケットが肩に掛けられる。
「・・・浮ちゃんは・・・?寒くないの?」
「俺は大丈夫ですよ、寒いのは平気」
浮雲は明るく言った。
さっきの車内とは少し異質の沈黙が訪れる。
「・・・椎名さん」
「なに?」
浮雲はやけに神妙な顔をしていて、それは余りにも彼に不似合いだったので、噴き出しそうになった私は慌てて顔を逸らした。
「手、貸して」
「手?」
私は未だ顔を逸らしたまま、それでも抑え切れない笑いに肩を揺らしつつ、手を差し出した。
「椎名さんの手、冷たいね」
指に冷たい感触。何事かと思い差し出していた手を見ると、薬指にシルバーのリング。
「え?何、これ」
「誕生日のプレゼント。もう一日遅いけど」
私はリングをまじまじと見た。色取り取りに輝く石の嵌め込まれた全体的に可愛らしいデザイン。
しかし、これには見覚えがあった。確か、何時ぞやのデートの時に見かけて私が何気無くかわいいと言ったものだ。
それを言ったのはもう随分前のデートだった気がするのだが、どうやって入手したのだろう。
「あ!!若しかして・・・これ、探して・・・今日・・・」
浮雲を見ると、上を向き、かすかににやけていた。
「あ・・・ありがとう・・・浮ちゃん・・・」
途端に溢れてきた泪を指で拭いつつ言った。
「良かった、椎名さん、機嫌直った」
「ごめん・・・怒って・・・口きかなくて・・・」
浮雲の大きく細く指の長い手が、俯いて泣き続ける私の前髪をかきあげる。
「泣くなよ」
しかし、泪は止まらない。
「ごめ・・・浮ちゃん・・・」
剥き出しになった額に唇が押し当てられる。
「泣いてる椎名さん見ると襲いたくなる」
伸ばされた腕の中に素直に収まると、彼の温かさのお陰か、その他の理由か、ともかく泪は止まった。
「・・・何言ってんの」
「俺は本気ですよ。日頃強い人がさ、泣いてると・・・」
「ちょっと、ここでは嫌だからね」
不敵に笑った浮雲の、私の背中を包む腕が、不穏な位置に動いていくのは止めないまま、私は形式に半分の本気を込めて
(今が11月の終わりだということを思い出したのだ)言った。
――――――――――――――――――――――――――――――
144 :
名無し草:2008/07/13(日) 12:30:32
長くて、しかも微妙な結末ですいません・・・。
何だかんだ言って、浮雲が一番強い様な気がしますww
以上、実は澤林が一番好きだった者でした。
よかったです!結末のあたりもw
自分も澤林好きです。
個人的な意見ですが、結婚したことで書きにくくなったということではなく、自粛しているだけなら是非書いていただきたいです。あくまでも妄想なんですから。
連続投下、嬉しいな!
ニヤニヤが止まりません
保守
保守
150 :
144:2008/07/17(木) 16:15:50
>>145-147 ありがとうございます
拙い文章ですが褒めて頂けると嬉しいです。
>>145 澤林、いいんでしょうかね?
ちょっと自粛モードなんですが…
書いていいなら(ネタが思いつけば)書きますが…
>>150 浮林凄く良かったです。
私も澤林投下していいと思います。
話が浮かんだ時でいいのでまた投下しださると嬉しいです。
保守
保守
保守
保守
落ちないように書き込みのない日は毎日保守してる者です。
職人さんがいなくても皆でお話とかしませんか?
>>155 いつもありがとう
私はドメスの浮について語る林檎が好き
「ふわふわしてます」とか可愛い
>>155 ありがとうございます。
私は意識調査のアイスキャンディーの話の時の林檎がすき。「こいつらギブ」とか仲が良くないと言えない発言だと思うw
流れ豚切りで申し訳ないんですが
このスレって定期的に投稿される職人の方とかはいらっしゃるんですか?
何回も投稿してくれた方はいるけど、定期的ではない気がする
保守
わ、皆さん来て下さってて嬉しいです。
頑張って澤林書き上げますのでもう少しお待ち下さい
162 :
150:2008/07/22(火) 21:36:47
澤林が書けたので投下します。(161さんではないんですが)
――――――――――――――――――
「椎名さん、そろそろ帰ろうよ」
僕は隣で次々とグラスを空けていく林檎に言った。
「は?誘ったのわっちなんだから、責任持って付き合いなさいよ」
僕はそう飲めるほうではない。実際もう大分酔いが回って来ている。
「そろそろ限界なんだけど」
その言葉を聴いているのかいないのか、林檎は再び空になったグラスをカウンターに置き、「御代わり。同じのね」と言った。
「帰ろうよ・・・もう12時過ぎてるし」
「うるさいわねえ。分かったから、じゃあ家に泊めて」
「は?」
仰天して訊き返した僕の顔を、グラスを手に持ったままの林檎はじっと見詰めた。しっかりしている様でも、大分酔いが回っているのか、
白い肌がほんのり赤く染まって大きな瞳が潤んでいる。僕はその色っぽさに思わずどきっとした。
「泊めてって、言ってるの」
「ちょ、椎名さん、酔ってんの?」
「酔ってないわよ。だって家遠いし」
「電車で4駅しか違わないのに」
「いいから泊めて」
これでは埒があかないな、と判断した僕は早くも空になっているグラスを置いた林檎を立たせ、店の外に連れ出した。
「取り敢えず家までタクシーで送るから」
「えー、泊めてよ」
林檎はまだまだ明るい通りに出て、手早くタクシーを捕まえると、勝手に僕の住所を言って乗ってしまった。仕方なく僕はそれに続いて乗る。
「泊めてくれるの?やったぁ」
隣に乗り込む僕を見た林檎は子供のようにはしゃいでいる。思ったよりもずっと酔っているようだ。
が、その様子がまた可愛らしい。
しかし僕は、乗り込んだ時点で泊まらせる決心がまだ付いていなかった。
僕も彼女も酔っている。
酔っている彼女を襲わない自信は無かった。
163 :
150:2008/07/22(火) 21:37:08
続き
――――――――――――――――
どうやって自分を抑制するか考えている内に、タクシーは家についていた。しんとした通りに街灯が冷たい光を落としている。
「あたしが払うから」
林檎は僕の返事も聞かずにタクシーの運転手に料金を差し出していた。僕は先にタクシーを降り、足許を少しふらつかせながら降りようとしている林檎の手を掴んだ。
「・・・ありがと」
無邪気ににこっと微笑んだ林檎は、ひどく美しかった。
まだまだ躁状態でハイテンションの林檎を取り敢えずソファに座らせ、水を一杯飲ませる。
「ん、美味しい。・・・あ、そうだ。ねえわっち、シャワー貸してよ。あとシャツ」
今度こそ僕は一緒に飲んでいた水を噴き出しそうになった。
「ちょ、それは無理だから。明日早く家へ帰って入りなよ。どうせ昼からだし」
必死でかき集めたはずの自制心は今にも崩れそうだ。
「えー、嫌だ。貸してよ」
「駄目だから」
「何でー?」
早くも今度は眠たげな目をしつつ林檎は言った。日頃はしっかりしているのに、酔うと本当にこのひとは子供の様になる。
「駄目なものは駄目だから」
「けちねー、わっちは」
僕はソファに林檎を残してベッドに蒲団をしいた。その間5分ほどだったのだが、戻った時にはもう林檎は軽い寝息を立ててソファに埋まりながら眠っていた。
「全く・・・。椎名さん、蒲団しいたから蒲団で寝て」
「ん・・・」
何とか起こしたものの半寝状態の林檎を半ば引き摺る様にしてベッドに寝かせ、僕はやっと一息ついた。
ベッドには林檎が寝ているので、僕はベッドの横に腰を下ろして見るとも無く林檎の寝顔を見た。綺麗な、穏やかな寝顔だ。
しかし、軽く上下している寝ているため思い切りはだけた胸元を見た僕は、思わず酔いも手伝って顔を至近距離まで近付けた。
雑誌やライブならもっと大胆な衣装だって見たことがあるが、それとこれとは別問題だ。
「椎名さん・・・」
我慢がならず、僕はそっと唇を重ねた。すっかり口紅の落ちてしまった唇は、ふっくらと柔らかい。
本当は暫くそのままにしておきたかったのだが、林檎が微かに顔を動かす素振りを見せたので僕は慌てて顔を離した。
が、唇の感触はやけにしっかりと、残っていた。
164 :
150:2008/07/22(火) 21:37:33
続き
―――――――――――――――――――――
軽い頭痛と共に目を覚ました私は、見覚えの無い部屋に一瞬愕いたが、直ぐに状況を把握した。
枕元に置かれた時計は早朝を指している。
伊澤は床に座り、ベッドに凭れ掛かる様にしてぐっすりと眠っていた。
私の唇は自然と緩んだ。
もし、昨日のキスを覚えている、といったら伊澤はどんな反応をするだろうか。
まさか彼は、私があの時本当は起きていたなんて考えもしていないはずだ。
私はくすりと笑ってそれから伊澤の耳元で、好きよ、と囁いた。
このひとが起きだすまでに朝食を作って、昨日の事をそれと無く訊いてみよう、と私は蒲団を身体から勢い良く捲る。
伊澤がんん、と微かに呻いた。
165 :
150:2008/07/22(火) 21:37:56
以上です。
なんかありがちな話ですいません。よく見たら上の方に似たような浮林があったしww
でも私の文章力(ネタ含む)はこんなもんが限界なんで・・・ご容赦下さい。
私的に林檎はこういう演技が特に上手な気がします。
それで伊澤はころっと騙されそう。
澤林は久し振りなんで難しかったです。
やっぱなんか微エロになってしまうwwありなんですかね?
でも夏休みなのでこれからも頑張りたいとおもいます。指摘・要望あったらどんどん下さい。
>>165 GJです!!
久々の澤林ありがとうございました
GJ!
なんか澤林はほんわかするよね。微エロでも何かほのぼのするw
次も期待しています!
>>165 GJ!小悪魔な林檎が素敵でした。
微エロ全然アリだと思います。
また素敵なSSお願いします!
169 :
165:2008/07/24(木) 14:54:07
評判良かったみたいで嬉しいです。
これからも出来るだけ投下したいと思うので
宜しくお願いします
新しい澤林が書けたので投下します
――――――――――――――――――――
暑いほどの日差しの中、私と伊澤は濃い緑が眩しい公園に来ていた。
「遊びに行こう」と、ついこの間、伊澤から電話が掛かってきたのだ。
私は初め、そんな暑い所に行くのは嫌だと言ったのだけれど、余りに伊澤が行きたがり、終いには機嫌を損ねだすので、
仕方なく付き合う事にした。
初め嫌がったとは言え、行くとなれば話は別で、私は柄にも無く早起きして2人分の弁当を作った。
降り注ぐ陽射しの中で、伊澤は子供の頃に戻った様に遊具で遊んだり走ったりとはしゃいでいる。
そんな彼を、むしろ好いと思っていることは(言うと多分また彼が調子に乗るので)言わないけれど。
昼を過ぎ、益々公園内は眩しく暑くなって来た。
園内を探し回って見つけた静かな木蔭で弁当を食べて
(伊澤は私の食べきれなかった分まで綺麗に食べた)少し休んだ私達は公園内を流れる小川に足を浸した。
意外にも余り水は温まっておらず、ひんやりとしている。
「冷たいねぇ。気持ちいい」
「・・・椎名さん」
私は明らかに何か企んでいる事が見える顔の伊澤を見た。
「な・・・きゃあっ」
伊澤は私に向かって水をほんの少し飛ばした。冷たい飛沫が腕に掛かる。
「ちょっと・・・わっち!」
私達が水の掛け合いを始めるまで、そう長くは掛からなかった。
きらきらと光を反射して輝く水の粒が辺りを引切り無しに飛び交い、何時の間にか私達は子供の様に
はしゃいでいた。
どちらからともなくやめようとした時には、既に2人とも腕や髪や脚や服を十分に湿らせていた。
「そろそろ帰ろっか」
「うん」
続き
―――――――――――――――――――――
私は先に上がって脚を拭っていた伊澤に手を取られ、水から上がろうとした。
しかし、私は端の方に生えていた苔に脚を取られ、右足首を思い切り捻ってしまった。
「痛っ」
私はその場に座り込んだ。
「椎名さん!大丈夫?立てる?」
伊澤が慌てて私の直ぐ横に屈み込む。
「痛い・・・」
私は伊澤の手を借りて何とか立ち上がろうとしてみたが、やはり右脚が痛い。ここから駐車場までは、少し距離がある。
「椎名さん、じゃあ、掴まって」
「え・・・?」
次の瞬間、私は伊澤に負ぶわれていた。
「ちょ・・・大丈夫だから」
私は慌てて降りようとした。が、伊澤は放してくれない。
「痛いんでしょ?歩けないじゃん」
「それはそうだけど・・・」
「大丈夫。こう見えて俺割と体力あるし、椎名さん軽いから」
確かに伊澤は女の中でも結構大柄の私を背負っていても、普通に歩いている。
「ごめん・・・」
私は小さく言った。
「いいよ。こっちこそ、水掛けちゃったの俺だし」
私は伊澤の肩に頭を持たせかけた。思っていたよりもずっと広い肩幅や背中に、私は何故かきまりが悪くなった。
2枚の服の生地を通して、高い体温が伝わってくる。
「ねえわっち、」
「何?」
「・・・・・・また今度来ようね」
本当は好き、と言いたかったけれど、私の素直になれない口はそうとしか言えなかった。
でも、伊澤は多分わかっただろうな、と思う。
なぜなら、私を支えている手の力が心なしか強くなったから。
おしまいですー。
またベタな話でごめんなさい。
そろそろ自分の力に限界を感じつつあるのですが
こんな駄文を読んでくださる方がいれば(いてくれたので)有り難いです。
GJ!
澤林いいね〜。ほのぼのします。
二人は素敵なレストランとかより公園デートが似合うねw
まったり公園デートいいですね!!遊具で遊ぶ伊澤ww
保守
177 :
名無し草:2008/07/29(火) 11:31:02 BE:1122450375-2BP(393)
あげ。
寝る前にあげ
179 :
名無し草:2008/07/31(木) 16:50:12
保守あげ。
保守
みなさんこちらのSSでお気に入りのおはなしとかありますか?
わたしは前スレですがメトロの浮林が好きでした。デート帰りの電車でのおはなしです。
あれはよかったですよね、かなり好きです。
私はわっちと林檎が飲みにいき、酔ったわっちが林檎に迫る話がすきでした。
保守
保守
今更ですがメトロで妄想してみました。
もしかしたら今迄書かれてた方と被ってる部分などあるかも知れませんが
見逃してください・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――
深夜近くになってもまだまだ眠らない東京の街を、僕達は歩いていた。
超高層ビルの切れ目から、真黒い空とやけにくっきりした赤い月が覗いている。
「地下鉄、間に合いそうね。よかった」
時計を見て彼女が言った。ほっとした様な声に、僕はなんだか寂しくなる。繋いでいた筈の手は、何時しか外れていた。
駅の入り口の階段が見えた。
「今日は、楽しかった。ありがとう」
少し淋しそうな綺麗な笑顔を浮かべ、林檎は言った。
「また、何処かへ、行こう」
僕は出来るだけ淋しさを見せないよう、俯きがちに言う。
地下鉄が来るまで、あと3分。
「ええ、必ず」
「じゃあ、そろそろ時間だから」
林檎は階段を降りる為に僕に背を向けた。
「じゃあ、またね。浮ちゃん」
「時間・・・時間なんて、気にするなよ」
最後に一度振り返り、階段を降りようと足を踏み出した彼女の無防備な白い腕を、僕は反射的に掴んでいた。
「え?」
単純に驚いた表情の彼女が、眼を見開いている。
186 :
名無し草:2008/08/08(金) 14:28:37
僕達は、黙ったままさっき歩いた道をひき帰していた。
自分でも、あの時如何して林檎を引き留めたのか分からない。
でも多分、彼女を離したくなかったのだろう。
自分でも気付かない内に、随分と惚れていた様だ。
僕は隣を俯きがちに歩く林檎の手に手を滑り込ませた。
「浮、ちゃん・・・」
ひんやりとした細長い指が、僕の指に絡む。
「引き留めてくれたの、嬉しかったよ」
一気に顔が赤くなったのが分かる。
街が見下ろせる公園に向かった僕達は、ベンチに腰掛けた。
「やっぱり、綺麗ね」
「うん」
出逢った時は、こんなときが来るなんて思っていなかった。
すっかり惚れ込んでしまった女の隣で、手を繋いだまま顔を赤くしているなんて。
照れている僕に気付いているのかいないのか、林檎は唇を緩めている。
「ずっと、このまま、居られたら良いね」
僕の耳元で囁くように林檎は言った。
「うん」
もうきっと、この人と離れることは出来ないだろう。僕は思った。
以上ですー。下手ですいません。ちょっと逝ってきます・・・
187 :
名無し草:2008/08/09(土) 13:14:39
気体あげ
188 :
名無し草:2008/08/10(日) 12:09:30
あげ
保守
メトロであえての澤林書いてたり書いてなかったり
出来次第うpします
メトロで澤林
長いので分割しますー
彼が私の手を取ったのはいつのことだったろう。夕日に照らされる街は酷く紅くて、美しかった。もうすぐ日が暮れる。
「わっち、今日はありがとう」
「、ん」
収録スタジオの休みを利用して私を遊びに誘ってくれた彼は、空いた左手でぽりぽりと頬をかく。
「椎名さん」
「なぁに」
「ほら、月」
「…本当だ」
見上げた空にうっすらと白く浮かび上がっている三日月は、にやりと笑う彼の口にそっくりで、思わず笑ってしまった。
「綺麗」
「そうだねー…」
続き
「――明日は八時集合だからね。遅れないように」
「へいへい」
「…わっち一昨日も遅刻ギリギリだったでしょう」
「すみません」
「……、じゃあ、明日ね」
ほんのりと熱をもった左手を彼の右手から離して、ひらひらと手を振る。振り返す彼がまた可愛くて、笑ってしまいそうになる。いつもより低めのヒールを階段に引っ掛けないように、ゆっくりと地下へ降りていく。
空は端の方から、どんどん深蒼に染まっていた。
「――、椎名さん!」
ぱし、と力強く掴まれた腕に、頬が熱を持つのがわかった。
続き(ラスト)
「…わっち、」
「やっぱだめ。帰らないで」
「、…」
先ほどの勢いとは裏腹に、私を気遣いながらゆっくりと階段を登るわっちの背中に、どうしようもなく、胸が痛む。
(……ありがとう、)
こんな幸せを感じたことなんてなかったよ。こんな情景を想像したことも、
「すきよ、わっち」
また彼の微熱に柔らかく包まれた私の手は、誰にも負けないくらい幸せな手だと思った。
お粗末様でした。張り切り過ぎて完徹です
普段は浮林しか書かないので、初の他カプとなりました。楽しかったです
ところでこのスレの方々閲覧は携帯からですか?(携帯派)
ものすごくよかったです。以前も書かれてた方ですよね?
自分も携帯からです。
文才ありすぎ!!
違うメトロを読めてにやにやしちゃいましたww
私は携帯からだったりパソコンからだったりです。
>>194 ありがとうございます
現スレ90だったり前スレではランプや捏造ネプ打ち上げ浮林書いたりしてます
>>195 わたしもにやにやして書いたので萌えて頂けて光栄ですー
>>196 あなたの文はどこかしっとり色っぽいのでわかります!これからも執筆おねがいします。
浮林です。
----------------
暑い夏の日。俺たちはスタジオで音合わせをしていた。
スタジオには冷房が効いているものの、もう既に喉は渇ききっていた。
どうやら全員同じ様だ。そういえばあの人がいない。
「椎名さんどこ行ったんすか」
「林檎ちゃんならさっき何も言わず出て行っちゃったけど」
誰にも何も言わず出て行ったらしい。何がしたいんだ。
「ただいまー!」
扉が開いたかと思えば、ビニール袋を提げたあの人が元気良く帰ってきた。 キャラに合わない。
「みんなお疲れ様!冷たいコーヒーは如何ですか?」 「「「おおー!」」」
みんな夏にやられてしまったんだろう。俺はそうはいかないからな。
「はい、師匠」 「やっぱり林檎ちゃんは気が利くねー、ありがとう」
「はい、としちゃん」 「わーい!丁度喉渇いてたんだ、ありがとう」
「はい、わっち」 「ちょ、林檎ちゃん投げないでよ!」
伊澤の缶コーヒーがスタジオの隅に転がる。皆が微笑した。俺は愛想笑いだけした。
「…はい、浮ちゃん」
他のメンバーよりも気のせいか投げやりな気がする渡し方。
それにちょっとカチンときた俺は「どーも」 と一言だけ言ってさっさとコーヒーを開けた。
案の定あの人はこのコーヒーくらい冷たい目で見てきたが、構わず飲み干してギターをいじった。
199 :
名無し草:2008/08/12(火) 15:20:12
今までの浮林とは違う感じでwktk
続きまってます
私もまた懲りずに浮林かいてますが需要あるんだろうか
ちなみに私は141や公園澤林や何やらを書いた
文才の無いやつです
需要あるなら頑張りますー
198です。
すいません、構想がまとまってないのでまたの機会に…
>>199 公園澤林好きでした!
また投下してください
>>200 気長に待ってますノシ
ツンデレ浮雲に期待w
docomo規制解禁!やっと書きこめた!
>>200さん続き待ってます。
203 :
名無し草:2008/08/14(木) 22:08:50
保守あげ
保守
205 :
名無し募集中。。。:2008/08/16(土) 21:01:38
僕はテレビから嫌がらせを受けているという妄想をしています。
あなた方は僕に僕の妄想を現実だと証明させる事ができますか?
僕にできないって言うのだったら僕に証明させようとは思ってい
ないでしょう。もし強制的に証明させようとするのならとても
残酷ないじめです。
206 :
名無し募集中。。。:2008/08/16(土) 21:11:30
あなた方が僕に証明させなかったら感謝
しますのでどうかよろしくお願いします。
207 :
名無し募集中。。。:2008/08/16(土) 21:35:51
あなた方は僕に妄想だって言っているので
証明させるはずがないですね。失礼な事を
言って大変、申し訳ありませんでした。
えっと、スレチ?
夜中に読んだから凄ぇ怖かったじゃねーか!
保守
EZOの写真のカオスっぷりが笑えました。とくに浮雲ww
同じくw
アレ見るとここでのSSとのギャップに笑えるw
保守
保守あげ
214 :
200:2008/08/25(月) 15:43:10
続きです。
--------------------
あの人は今日一日怪訝な顔をしていた。俺の所為かもしれないが、そんなことは俺には全く関係ない。
皆が帰ってから、そんなことを考えながらスタジオで一人ギターをかき鳴らしていた。
♪ここへ来てさあ早く 夜に
あの人からメールが来た。まんざらでもないが、返信が面倒くさい。
本文:浮ちゃん、嫌い
何と率直で単刀直入な文だろう。件名も書いてない。
別に林檎一人に嫌われたくらいどうもしない。およそ予想もついていた。
なのにどうして、携帯を持つ手が震えるんだ?そしてじんわりと携帯が見えなくなる。
ムカついて携帯を物のないところに投げた。
何故あいつ如きに頬を濡らされねばならないのだ。
気がつくと俺はスタジオを閉めギターも片付け、夜道を黙々と歩き出していた。
乱暴にドアをノックしてあいつを呼び出す。来たくて来たんじゃない、足が言うことを聞かなかった。
「はいはい…って浮ちゃん」
俺は「お邪魔します」だけ言うと、林檎の手を引いて部屋に上がった。
続きwktk
216 :
200:2008/08/28(木) 18:48:14
>214の続きです。
若干林檎は抵抗していたが、所詮は女。腕力で敵うわけがない。
俺はとりあえず落ち着かせる為にベッドに座らせた。
「何なのよこんな時間に」
「何なんだよ今日のメールは」
「だって浮ちゃんが…う、きちゃんが」
面倒なことに泣き出した。泣き止んでもらわないとこちらが悪人になる気がしたので軽く背をさすると、林檎は俺の背に手を回して抱きついてきた。
「ちょ、椎名さん」
「浮ちゃん…って何でそんな…っに冷たいっ…の?」
「冷たくないよ」
「冷たいじゃん…昼間…っとか」
ああ、あれか。そんなことで腹を立てられるなんて心外だ。
「みんなっ…はちゃんと」
「もういい。ありがとう」
とか何とか言って俺も林檎の背に腕を回し力を入れる。
「ごめん…なさい」
「…本当はそんな優しいのにね」
「煩いな」
冗談で軽くキスすると彼女はうまく微笑んでみせた。
「泊まる?」
「そうする…って言っても寝させないし寝ないけど」
「え?…ちょっ、やめっ」
その夜はよく覚えてない。ただ次の日何故か「おはよう」と微笑んで言えたことが幸せだ。
217 :
200:2008/08/28(木) 18:49:49
あわわわ変な文章になった、駄文すいません…てか終わり方ひどい;
感想頂けたらひゃっほうします。
>>217 微エロ萌えました!
やっぱ浮林が一番好きだ〜
>>217 よかったです!文の中林檎さんがやけにかわいくて萌えまくりです
>>271 ものすごく萌えたw
萌えたので、書いて投稿するか迷ってたのをうpします
―――――――――――――
携帯電話が鳴っている。
わたしは作業の手を止め、携帯を開いた。
時間は夜12時をすこし回っている。そろそろ寝ようと思っていたころだ。
液晶画面には、「浮雲」の文字。
「はい、もしもし?」
「椎名さん?明日、6時にXX駅ね。浴衣、着てきてよ」
「え?なに?」
「いいから、6時に浴衣でXX駅。じゃあ」
「ちょ、浮ちゃ・・・」
どこに行くのか、何の用なのか、わたしが訊く前に電話は切れてしまった。
じつに浮雲らしい電話だ。
なんとなく、デートに誘われている、ということは分かったけれど、全くその他は見当がつかない。
「浴衣・・・?わたし、浴衣なんて、持ってたかしら」
それでもいそいそと箪笥の中を漁ってしまうわたしは、きっと彼に惚れ込んでいるのだろう。
幸い、奥のほうに黒地に赤系の花が描かれた、わりと華やかな浴衣が入っていた。
数年前に何かで一度着たきり、しばらく着ていないものだ。
「よし、これ着ていこう」
わたしは浴衣と紅い帯をクローゼットの前に吊るし、明日何があるのかな、と、かすかに胸をときめかせつつ
眠りに就いた。
続き
――――――――――――――――――
駅に着くと、もう6時をすこし過ぎていた。夕暮れ時の駅はひとが多い。
「ああ、やばい、浮ちゃん、怒ってるかも」
幾ら和装が好きだとはいえ、浴衣に下駄では思うように動けない。
精一杯の急ぎ足で歩き、指定された場所に向かう。
すると、柱に凭れる様にして浮雲が立っていた。
なんと、彼も浴衣を着ている。
紺の無地の浴衣に、白や茶色の縞の入った黒い帯。
その浴衣は、長身の彼にとても似合っていた。思わずどきっとしてしまう。
「あ、椎名さん」
「浮ちゃん!浴衣じゃん。すごいね」
「椎名さんも、浴衣、着てきたんだ」
「うん、まあ、ね」
「椎名さんも、似合ってるよ、綺麗じゃん」
彼の言葉に、頬がぱあっとほてる。
「ねえ、どこに行くの?」
「ま、着いてきてよ」
「?うん」
浮雲はわたしの手を取り、人混みの中を颯爽と歩きはじめた。
「ねえ浮ちゃん、まだ、歩くの?」
「あとちょっとだから」
浮雲は繁華街の方を離れ、川沿いに歩いていく。
わたしはといえば、下駄の鼻緒に肌が擦れて痛いのを堪えるのに必死だった。
だいぶ夜の帳がおりてきて、辺りは薄闇から本当の闇に変わろうとしている。幾つか星も出ていた。
「あとどのぐらい?」
「5分ちょっと、かな・・・足、痛い?」
「・・・うん、ちょっと」
その時だった。いきなり大きなドンッと言う音。
そして、頭上で大きく煌いて開く花火。
「わあ・・・花火だ・・・綺麗・・・」
「行こう」
浮雲は立ち止ったわたしの手を再び取り、さっきよりもゆっくりのスピードで歩きはじめた。
「着いたよ。それに座って」
「え?ここ?」
そこは何の変哲も無い公園、というか草原だった。遠くに水面が見え、ベンチが2つ置いてある。
「うん」
浮雲が頷くので、わたしは大人しくベンチに座った。
直ぐ隣に浮雲が座る。
「あの辺見てて」
彼の長い指が真正面の水面を指す。
すると、目の前でいきなり大きな花火が開いた。
金色や赤や緑に輝き、すうっと尾を曳いて消えていく。そして雷にも似たような大きな音と震動。
「わ・・・すごい・・・」
「綺麗だろ、人、居ないし、静かだし」
「うん・・・あ、このために、連れて来てくれたの?」
「まあ、ね」
これで最後!
――――――――――――――――
わたしたちは寄り添ったまま、暫く無言で花火を見詰め続けた。
「椎名さ・・・・・・だよ」
「え?何?」
浮雲が何かいったが、轟音に掻き消されて肝心なところが何も聴こえない。
「やっぱ何でもない」
「何それ」
わたしは笑い、また前に顔を戻した。どちらからともなく、また指をからめる。
でも、今度は花火をみるふりをして、わたしは次々に彩られる浮雲の横顔を眺めた。
いかにも男、という感じのする、整っていて鋭利な横顔。
彼の横顔をこんなにじっくり眺められるなんて、そうそう無いことだ。
「ねえ浮ちゃん・・・」
「なに?」
「好きよ」
色のついた光越しでも、彼の顔が紅くなっているのがわかる。
「・・・来年も、また、一緒に、こよう」
浮雲はつないだ手に力を込めながら小さな声で言った。
「うん」
わたしもまた、彼に負けないぐらい手に力を入れて、力いっぱい頷いた。
224 :
223:2008/08/31(日) 16:13:19
やっちまいましたorz
でも浮雲は浴衣が似合いそうな気がする。
そろそろ季節も終わりだな・・・
>>224 素敵でした!!夏も終わってしまったんですね(´д`)
保守
保守
叩かれるの覚悟でききますが、ここの皆さんはBL的な妄想はしますか?
あと夢小説?というんですか、読み手の名前を変換するような形式の文章は読んだり書いたりしてますか?
BLは全く興味無し
夢小説はどういう物か分からないから何とも言えない。
読み手入れ替えとは??
>>228 自分は何でもいけるよー
>>229 読み手の名前を専用ツールみたいなのに入力→変換することによって小説内の人物の名前が自分の名前になる、ってことかな
説明下手でごめん
久々に来てみたら沢山投下されてて嬉しい!どれも萌えました〜刃林派だったけど浮林派になりそう
>>228 自分はBLは興味ないやーでも夢小説?てのは少し気になる
保守
保守
保守
235 :
名無し草:2008/09/10(水) 07:34:27
あげ
BLも夢もサイト探せば見つかるからな〜
ここでは林檎とだれかというカップリングが読めるのがうれしいです。
え〜事変でそんなサイトあるんだ。意外!
このスレ来てこう言うのも変だけどw
結構ありますよ。多分そういうところの作家さんが、ここにも出入りされていると思いますし。
240 :
196:2008/09/11(木) 20:30:46
禁句かと思って黙ってましたが夢サイトやってます
でも浮林が一番すきです
ほしゅ
保守
保守
彼らは祝日も働いてるのだろか
保守
どうなのかな?わかんないね。
保守
保守
いま刄林書いてます
もう少し…!
お待ちしてます
楽しみ〜
ずっとROMってます。
皆さん素敵すぎてときめきます…刃林楽しみにしてます〜
保守
wktk
(・ω・)
保守
こんにちは。
前前スレとかそのあたりで(曖昧;)樋林エロ投下したり酔った伊澤が林檎に迫る話を書いたりしてた者です。
最近事変から離れてたのですが、久々にここを覗いてみたら素敵なお話が沢山投下されていて
久々に何か書きたいなー、と思いました。
個人的にBJCにハマっているのでベン林とか書いてみようかと思ってるのですが
需要は果たしてあるのでしょうか('A`;)
余談ですが私も夢サイトやってます
現在凍結中ですがorz
事変では夢もNCPもBLもアリだと思ってます。
でも男メン×林檎が一番好きです…
覚えていますよ!どの文もすごく良かったです。
ベン林、私は好きです。是非投下してください
>>255さん
覚えてます!
私も男メン×林檎が好きです。ベン林待ってます!
保守
ほしゅ
保守
ほしゅ
保守
一か月もお待たせしてしまい申し訳…!
長いので分割します
刄林1
限界、だった。
「……としちゃん?」
おいらの下にいる林檎ちゃんは驚いた顔をしてる。思わず馬乗りになってしまったけれど、そんな顔をみたら決心が揺らぐ。ぐらぐら。
「林檎ちゃん」
名前を呼んでみた。ソファが音を立てて軋んだ。ついでにおいらの心も。
「としちゃんどうしたの?」
「ねぇ林檎ちゃんはさ」
「?」
「おいらをなんだと思ってる?」
何故か饒舌になるおいら。頭はこんなに混乱しているのに。ああ、原因は何だったっけ?林檎ちゃんが笑うから?何で?何に?
264 :
名無し草:2008/10/24(金) 22:57:50
刄林2
「おいらも男だよ」
「としちゃ、」
「今このまま林檎ちゃんを襲ったって、おかしくない」
ギシリ。
「だから笑わないで。おいら止まらなくなる」
「…笑っちゃ駄目なの?」
「だめ。」
「どうして?」
林檎ちゃんは落ち着いた声で、おいらに尋ねる。…おいらもしかして恥ずかしい人かなぁ。
「――ご、めん」
「何が?わたしは怒ってないよ。でもとしちゃんが何を言いたいのかはわからない」
「…、」
刄林3
のろのろと林檎ちゃんの上から退く。そのまま離れようとしたおいらの右腕を、林檎ちゃんがしなやかな指先で掴む。大口を叩いたくせにびくりと萎縮した肩に心の中で自嘲した。
どうしよう、どうしよう。
「ふふ、」
「……ぇ、あ…」
「ごめんね、わたしが浮ちゃんとかわっちのこと話すから、…嫉妬したの?嫉妬してくれたの?」
おいらの腕から手が離れた。林檎ちゃんはくすくすと半笑いのままおいらに話しかける。
「としちゃん、いっつもわたしに興味がないみたいな…、いや、信じてなかったわけじゃないのよ?だから……としちゃんもそうやって思ってくれてたことが、凄く嬉しい」
「林檎ちゃん…」
「わたしたち、お互いに距離を置き過ぎてたみたいね。ごめんなさい。わたしが臆病だったから」
「違うよ!林檎ちゃんは…!」
「としちゃん、好きよ」
刄林4
「!」
「へらへらしてるように見えて、本当は誰よりも人を思いやるとことか、ドラム叩いたら人が変わっちゃうとことか、些細なことで笑いが止まらなくなるとことか、いまこうやって、」
すらりとした腕がまたおいらに伸びる。首筋に彼女の指先が添えられた。
「わたしを真っ直ぐみてくれるとこも、ぜんぶぜんぶ大好き」
…おいらは何も言えなかったけど、取り敢えず林檎ちゃんと林檎ちゃんのこの気持ちを放してはいけないと思ったので、
「…わ!としちゃん?」
レコーディングが始まるまで、あと十五分。一番乗りであろう亀田さんが来るのは、あと十分後。
それまでの間、腕の中の彼女の心音を、じっくり味わうことにした。
end
お粗末様でした。
初めての刄林でした。彼の心理描写が難しくてだらだらと引き延ばしてしまいました。
お待ちして居た方がいらっしゃいましたらごめんなさい。
また懲りずに投下しようと思いmry
お読みいただいた方ありがとうございました!
>>267 久々の投下乙です!
萌えました〜やっぱり刄林はほんわかしますね。
>>267さん
待ってました!
何か二人ともかわいくて素敵なお話でした。
>>267 とてもよかったです!次回作も待ってます
刄林は「見つめる」ていう言葉、何か合うね。
スパトリで悪戯っ子ぽく笑顔で見つめあう刄林が好き。
ジャスキャンの丸サディで林檎の背中を見つめるとしちゃんが好き。
保守
保守
274 :
名無し草:2008/11/07(金) 23:54:21
保守
275 :
名無し草:2008/11/09(日) 11:30:48
保守
276 :
名無し草:2008/11/15(土) 15:17:53
保守
保守
林檎博行けないけど楽しみ
やっと澤林が出来たので投下してみる。期待は禁物。
――――――――――――――――――――――
店から出ると、暖冬だといわれる今時には珍しい位に冷え込んでいた外は、もっと冷えていた。
冷たい風が吹き、街路樹から落ちた乾いた葉がからからと転がっていく。
「うわ、寒いね」
私に続いて店から出て来た伊澤はコートの前をそう言って手で合わせる。
「折角温まったのにね」
私は答えた。
適度な酒と温かい食事で温まった筈の身体が、駅までの長い道程でどんどん冷えていくのが分かった。
元々冷え性の私の指先は、気付くと人とは思えないほど冷たくなっている。
伊澤と他愛無い会話―――さっき食べた鍋の中身とか、今日のスタジオでのちょっとした出来事についての感想とか―――を交わしながら、
私は彼に気取られないようにそっと手を擦り合わせたりポケットに収めたりして何とか手を温めようと試みた。
気取られないようにしたのは、現場を伊澤に見られると、彼が心配するからだった。
無用な心配はさせたくなかった。彼は私にとって大切な人だから。
「・・・・・・なんだよね」
会話が途切れた。暫く沈黙が続く。
寒くても煌々と輝いているネオンや、街のいたる所を彩る豪奢なイルミネーションが眩しい。
「・・・椎名さん」
そのとき、伊澤が唐突に言った。
「なに?」
「手」
「手?」
「貸して」
前を向いたまま立ち止まって、彼は言った。手を差し出している。
私は大人しく彼に近いほうの手をポケットから出して彼の手の上に置いた。
続き。
―――――――――――――――――――――――
「冷たいじゃん」
私の手を握り締めた伊澤は言った。温かい手だ。
「・・・うん」
「何でもっと早く言ってくれなかったの?ずっと、冷たかったんでしょ」
私の手を強く握ったまま歩き出しながら、伊澤は少し怒ったように言う。
「わっちが・・・心配すると思ったから」
乾いた掌の温かさと意外な大きさに負けて、私は小さな声で答えた。
「心配させてよ」
「え?」
私は俯けていた顔を上げて伊澤の顔を見たけれど、彼はそれには答えずに、私の手を握ったままの手をコートのポケットに入れた。
「温かい・・・」
私は思わず零した。
「俺さぁ、」
寒々しく街灯が青白く照っている道の真ん中で伊澤はまた立ち止まり、真直ぐに私を見下ろした。
「・・・椎名さんのこと好きだよ」
「え・・・」
突然の言葉に私は一瞬ぽかんとして、それからかっと冷えていた筈の頬が熱くなるのを感じた。
「だからさ、一杯心配とかさせてよ」
真直ぐな伊澤の視線。何時もはふざけてばかりで、あんなに頼りないのに。
「・・・うん・・・」
私はこくりと一度頷いた。頬も、あんなに冷たかった指も、熱い。
ポケットの中で、伊澤の手が動いた。私の手を包むように握っていたのに、指先を絡めた繋ぎ方になった。
私は伊澤の顔を反射的に見た。彼は照れた様にくしゃっと笑うと、また歩き出した。
さっきまで冷たかったはずの全身が、今はもう隅々まで温まっていた。
―――――――――――――――――――――おわり―――
280 :
名無し草:2008/11/23(日) 11:14:58
久し振りに澤林を書こうと思い立ち、時期を反映して冬っぽいのを書こうとしたんですが
文才の都合上微妙なものしかかけませんでした。すいません。
でも一人でも萌えて下さる方がいれば凄く嬉しいです。
跳んで喜びます。
>>280 ごちそうさまでした
私の住んでいるところはもう雪も積もったので、冬ネタ凄く萌えました
さり気なく恋人繋ぎ、素敵ですね
次も楽しみにしています
何だか最近盛り上がらないですね
そんな中亀林を試行錯誤して居ります
もうすこしお待ちを
保守
ほしゅ
保守
はひふへほしゅ
ほす
ほ
今はネタがないだけで、事変の活動が再開すればこのスレもにぎわうのだろうか。はたまた結婚騒動などの理由より、作家さんが冷めてしまったのだろうか。
どうなのでしょう。でもずっと投下を心待ちにしてます。
読み専の方もこういうのどうですか〜とか提案して下さると書き手も参考になります。
冷めたわけではないんでしょうが、年の瀬で忙しいせいもあるんじゃないでしょうかね。
下書きフォルダには落ちのない小ネタが溜って居るよ…。
その小ネタだけでも是非投下してほ椎名
みんな、少しでもネタを共有して萌えを分かち合おうぜ!
チラ裏スマソ
何回も見ているのに、昨日のスパとりをまた見てしまった。
何回見てもわっちの吹矢の下りはすばらしい。
一番読みたいカプは?
理由も添えてお願いします
私は浮林が読みたいです。理由は、浮の冷たい感じとそのギャップがたまらないからです!!
(´ρ`)
>>294 自分もこの前また見た
コンビネーションが秀逸すぎるww
>>295 浮林かな
なんともいえない雰囲気が好きだ
299 :
名無し草:2009/01/08(木) 12:54:17
それなんだけ
最後の保守。
お世話になりました
え〜いかないで
切ない
待って あと少しだけ
ほ
しゅ
守
保守
ほ
浮雲
古いものは美しいと彼は云う。時の経過ほど尊いものはないと。旧型のデザインや色褪せたものたちに美しさを見出だす。
そんな彼の価値観はわたしのそれとはもちろん同じではないが、彼らしい、とは心底思う。彼は尊ぶものを弁えている。その節度のある態度をわたしは尊敬しているし、好んでいる。
しかしわたしたちは恋人なんて甘やかな関係などではない。そして、旧知の間柄ではあるが、良い友人と呼ぶほど生易しいものでもない気がする。ある日それを彼に告げてみると、彼は唇を卑屈に歪めて笑った。
「確かにそうかも」
そうしてサイドミラーに目をやった。今日の運転はとても緩やかだ。
「椎名さんは特別だ」
「付き合いが長いから?」
古いものは特別なんでしょう。口にはしなかったが、少し皮肉な物言いの裏にはそんな意味があった。
わたしたちの間で今まで積み重ねてきた時間の中に、彼は美しさを見つけるのだろうか。そうでないと人を愛せやしないのか。それはわたしなりの意地の悪い質問だった。
その2
信号に止められて、車はゆっくりと速度を落とした。いやぁ、と小さく漏らした彼の声が、エンジン音に紛れて消えた。
「面白いんだよね、椎名さんといると」
「なにそれ」
「なんか、色んな面があるから」
相変わらず具体性に欠ける理由に肩の力が抜けた。彼の言う『色んな面』とやらが性格を指すのか、もしくは仕事のことを指しているのか、気にはなったがそこまで踏み込んで聞く気はあまり起きなかった。
それでも信号に塞き止められた時間を埋めようと、わたしは別の話題を探した。が、先に話を紡いだのは彼の方だった。
「だから終わりまで、傍で見てたいんだよね」
わたしは予期せぬ返答に言葉を失ってしまった。終わりという言葉が示す先がどちらを向いているのかは分からない。人としてか、それとも歌い手としてのわたしか。
だがどちらにせよ、彼は終わりを見たいという。その言葉の中にひとつ、曖昧な好意を感じた。それはとても緩やかな幸福だ。
「なんかプロポーズみたい」
「結婚しようか」
「やぁよ」
車が再び動き出す。窓の外を流れていく景色を見つめながら、わたしは小さく笑った。
お粗末様でした。
最近過疎ってて寂しかったので…
1年近く前に書いたものにちょこちょこ手を加えました。
結婚騒動やらありましたが、
恋愛ものじゃないものでも読みたいので
他の方の作品楽しみに待ってます。
わかりづらいおはなしですみませんでした。
>>311 凄く好きです。この二人のやりとり。
浮雲の偏屈な感じとか、思わず皮肉を言っちゃう林檎とか。
すごく久しぶりにきてみたら、
>>311さん!ありがとう!
すごく綺麗な描写ですね。読んでいてドキドキしました。
>>311 2人のキャラがよく出てて素敵でした。
投下有り難うございます!
ほ
初めて投稿させていただきます。
流れに便乗して浮林。
1
「怖いの」
夜がマイナスの感情を呼ぶらしい。
闇に対して不安がり、苦悩する彼女を何度か見ていた。
「浮ちゃん」
外には低く浮かぶ月。
伸ばされた白い手と、潤んだ瞳と。
月光に照らされて、殊更彼女の肌は白く映えた。
「怖いの。居て。お願い…ずっと、此処に居て」
最近の彼女にしては珍しく虚勢を張らず、弱々しい言葉。
伸ばされた手を握ると、熱はみるみる帯びていった。
夜泣きしなくなった、とは言っても。
2
「椎名さん、あっち向いて寝て」
「うん…」
彼女は寝返りを打ち、向こうを向く。
その背中を一定のリズムでトン、トン叩いてやる。
「浮ちゃん、ありがと…何だか安心する…」
スー、スーと規則正しい穏やかな呼吸。
安心するのはこちらの方だ。
「何か歌おうか?」
「浮ちゃんの子守歌ね」
「何がいい? 何だって歌ってやるよ。何なら口リヅムだって」
小さく彼女が笑う。
「じゃあ、メトロ」
「分かった」
此処で僕が彼女の身体を抱き寄せたら、少しは埋まるのだろうか。
だけど、僕は歌う。
不安でいろとは言わない。
だけどもう少し、このままで。
age
>>317 不安がっちゃうところとか可愛いし、浮の口リヅムにくすっときました。素敵です。
ありがとうございます。
1日間に合わなかったけど、時期ネタで書いてみた。期待は禁物。
―――――――――――――――――――――――――――
久し振りのオフの日だ。
私はずっとやりたいと思っていたちょっとした片付けを済ますと、リビングのソファにどさっと腰を下ろし、何気無くテレビをつけた。
時刻は昼時。
丁度、ワイドショーをやっていた。芸能関連のニュースの後、アナウンサーが云った。
「では、続いては特別企画。後一週間に迫ったバレンタイン。今年は手作りに挑戦してみませんか、ということで・・・」
私は閉じていた瞼を開いた。
彼のことが真っ先に思い浮かんだ。
そのまま画面をぼんやりと眺めていると、何時の間にか其の話題は終わっていた。
「手作り・・・」
私は急に思い立ち、近所の本屋に駆け込んだ。チョコレートのレシピブックのコーナーが作られていて、
私はその中から適当に一冊―――「ショコラティエの教える失敗しないチョコレートレシピ」―――を手に取り、レジで代金を払った。
急いで家に帰り、真新しいそれを開く。
「うわぁ・・・美味しそう・・・」
数十種類のチョコレートが奇麗なカラー写真とレシピと共に載っている。
何をあげたら、彼は一番喜んでくれるのだろう。
そんな事を考えつつ、ページを繰った。
散々悩んだ挙句、一番オーソドックスなパヴェ・オ・ショコラにした。
私は材料を確かめ、忘れないように、と冷蔵庫に貼っておいた。
バレンタイン前日、私は買い込んだ材料をキッチンに並べ、チョコレートの作成を開始した。
チョコレートを作るのは初めてで、私は些か心配だったが、親切なレシピのお蔭で何とか形にはなった。
作っている最中、彼の喜ぶ顔を思い浮かべ、私は何度頬を赤らめただろう。甘い匂いの立ち込めるキッチンで、完成したチョコレートを、一つ口に入れる。
「あ、美味しい・・・」
口の中で、甘いチョコレートが蕩ける。
「よし、出来た」
私は完成品を四苦八苦しつつ箱に詰め、包装を掛けた。
掛けているところで、急に不安になってきた。彼はちゃんと美味しいと思うのだろうか。そもそも、食べてくれるのだろうか。
それを拭いきれないまま、私は包みを冷蔵庫に入れた。
続き
―――――――――――――――――――――――
翌朝、普段より早く起き、メイクを可愛らしくしてみたり、服装をあれこれどうにかしてみたりしていると、
あっという間にそろそろ出なくてはいけない時刻になった。
私は冷蔵庫から紅い不織布と黒いリボンで包装された包みを取り出して、そっと鞄に入れると家を出た。
スタジオに着くと、一番だと思っていたのに、彼はもう来ていた。
チューニングをしていた彼が、顔を上げる。
入った瞬間に眼が合い、私は思わず顔を赤らめて俯いた。
そんな私を、彼は手を止めて不審そうに見た。
「どしたの?椎名さん」
「え・・・、別に」
そそくさとスタジオに入り、鞄を置いた。
今が一番、渡すのにいいタイミングなのは解かっていた。でも、中々勇気が出ない。
勇気が出せないで、しかも彼とは何と無く朝の流れでぎくしゃくしたままで、他のメンバーが到着して作業が始まってしまった。
私は焦っていて、気も漫ろ、余り作業に集中できず、細かなミスを繰り返していた。
長い作業が終わり、今日は解散になった。
「お疲れ様」
「お疲れー」
私は彼と二人切りになるため、他のメンバーが出るのをひたすら待った。そして、出ようとする彼を、逡巡の後、やっとの事でドア手前で引きとめた。
「ねぇ、浮ちゃん・・・、ちょっと」
「何?」
ドアノブを掴んだまま、彼は振り返った。
若干めんどくさそうにも見える、眼鏡越しの彼特有の真直ぐな目線に、私はたじろいだ。
が、勇気を搾り出し、私は恐る恐る包みを差し出した。
「・・・これ・・・あげる・・・チョコレート、作った、の」
彼は、意外そうな表情を浮かべ、それから徐に私の手から包みを取った。
「ありがと」
彼はドアノブから手を離し、ドアに背を凭せ掛け、その場でリボンを解き始めた。
私は動悸をさせつつ其の様子を見守る。
彼が箱の蓋を開けた。余り表情が変わらないので、私は不安病を再発させ、爪が手に食い込むほど手を握り締めた。
続き
――――――――――――――――――――――――
「ねぇ椎名さん」
彼が不意に言った。何処かしら楽しげな表情。
「な、何?」
「これ、椎名さんが直接、食べさせてよ」
「え・・・」
余りにも意外な言葉に、私は硬直した。困惑したまま、止まっていると、彼の細いけれどしっかりした手が私の手首を強く掴んだ。
「ほら、早く」
私は躊躇いがちに、痛いほどの力で掴まれたままの手で箱から一つチョコレートを掴むと、そっと彼の口許まで運んだ。
指先が震えている。
彼の唇に、私の爪が触れ、彼の口にチョコレートが入った。
次の瞬間、唇が触れ合っていた。
ココアの甘い味と匂いが、私の脳髄ごと融かした。
長いキス。
やっと唇を離した時、私は苦しいほどだった。
「美味しかった」
浮雲が不敵に笑う。
「チョコより、椎名さんのほうが甘い」
私の鈍く痛む手首を解放しつつ、浮雲は言った。
「美味し、かった・・・?」
私は訊いた。
「勿論。・・・でも今」
「?」
浮雲がまた、にやっと笑ったので、私は首をかしげる。
「椎名さんのほうが食べたい」
「馬鹿」
笑った拍子にまた唇を塞がれた。私は言葉と裏腹に、つい身を任せてしまう。
私と彼のバレンタインは、まだまだ終わりそうに無い。
オチが超ベタですいません。
文才無いのでこれが限界でした。
無駄に長いのも勘弁して下さい。
本当は
>>311さんみたいな短いけどかなりの萌え度な文を提供したいですが
無理でした。
でも、感想・意見等戴けたら喜びます。
>>311 素敵です!萌えを有り難う御座います。凄く光景が想像出来ました。
また良かったら書いてください
>>323 前も書いてくださった方ですか?
すごいよかったです!しおらしい林檎さんが可愛くてたまりません。
>>323 バレンタイン!
凄く乙女な椎名さん。可愛いです。ありがとうございました。
>>323 甘々で素敵です!
林檎さん可愛い…
ごちそうさまでした。
327 :
名無し草:2009/02/23(月) 13:06:20
ほ
保守
330 :
名無し草:2009/03/06(金) 13:13:29
保守
ほしゅ
三角関係
「おまえたち泊まりに来い」
保守
ニューシングル保守
保守
吾輩は浮雲である。名前はまだない(?)。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。なんでも
薄暗いじめじめしたライブハウスでペケペケ鳴らしていた
ことだけは記憶している。
漱石w
ペケペケw
保守
341 :
名無し草:2009/03/29(日) 17:37:20
保守
保守
事変が動いてくれないとネタが…
ううん
保守
あり富
保守
落ちのない小ネタでよかったら、いくつかうpしましょうか保守
ぜひお願いします。投下待ってます保守
1
「としちゃん?新曲のサビのとこのリズムって――、…」
ドラムセットのチェアに腰掛け、スティックを持ったまま器用に船を漕ぐとしちゃんを見て、苛々していた気持ちが少しだけ和らいだ。
結構大きな音を立ててドアを開けたのに、としちゃんの耳には届かなかったのか、一向に彼が起きる気配はない。
ドラムセットの横にある、身体を包み込むようなデザインの椅子に(この間ホームセンターで一目惚れして買ったものだ)静かに腰を降ろした。
「……、」
新しい譜面を眺めつつも、気がつけば目線はどうしても右側に寄せてしまう自分がいた。
2
夢を見ていた。林檎ちゃんが、黄昏泣きを唄ってる。
おいらははっと目を開けて林檎ちゃんを捜すのだけど、彼女の声だけが部屋には響いている。
「林檎ちゃん?」
「眠って仕舞えば直」
「…林檎ちゃん」
「還り往こうや」
「林檎ちゃん、!」
@@@
短くてすみませんorz
刄と林はプラトニックな関係だと、良い
(↑刄林小ネタです。完結していません)
良い!何かこの後、気になっちゃいますね。
こういう短いのも好きです。
ありがとうございます。
353 :
名無し草:2009/04/18(土) 22:27:48
ヨカハマ⊂(´ロ`)⊃ヨコハマ
保守
メトロ浮林
その1
「はいこれ」
そう言って彼が差し出したのは、見慣れた字体が連なる一枚の紙切れだった。
「なあにこれ」
「歌詞」
そういえば次の打ち合わせに持ってくると彼が言っていたのを思い出して、わたしはその紙に目を通した。どこか彼の手癖を感じさせる言葉のひとつひとつに、安堵にも似た心地よさを感じつつも、ある違和感を覚えた。
「…浮ちゃん」
「なに?」
「これ、長くない?」
一曲の歌詞にしては長すぎるのだ。見慣れた彼の文字はどう見ても軽く四番は綴られていた。
「ああ、それ好きなとこ歌っていいよ」
いつものことながら人を脱力させるような返答に、がっくりと肩の力が抜けた。
「なにそれ。大体よくこんなに書いてきたね」
「俺の楽しいデートの思い出たちですから」
自慢げに笑うその表情を見て、反射的に顔が歪んだ。
「あ、怒ってる」
「怒ってないよ」
「そんな妬かないでよ」
「妬いてないよばか。いいよもう、好きなとこ選ぶから」
露骨に表情を変えてしまった自分に後悔した。が、それ以上にからかいの種を見つけて喜ぶ彼の笑顔に腹がたった。まるで子供みたいだ。こんな些細なことでからかう彼も、それに反応してしまうわたしも。
その2
以前彼が聞かせてくれた旋律を頭の中で巡らせながら歌詞を追う。楽しいデートの思い出、なんて聞いてあまり良い気はしなかったが、それでもこの曲は好きだった。
初めて聞いたときに感じたあの心地よさを、まだ忘れていなかったからだろう。やけにくせになる、何度でも聞いていたくなる感覚。
彼の存在が頭をよぎる。
「歌ってみる?」
不意に声をかけられ、わたしは我に帰った。
「あ、うん」
「俺弾くから」
そう言ってギターを取り出して、シンプルな旋律を奏で始めた。わたしもそれに合わせて歌詞を追う。
実を言えば好きなところと言われてわたしは迷った。どの言葉からも滲む彼らしさに優劣をつけるのが躊躇われたのだ。それでもやけに頭に残る一節を歌いたくなって、口ずさむ程度の声量でわたしは歌った。
(ああそうか)
口にしてみて、わたしはようやくあの一節が頭に残るわけを知った。
『もうどうにも離れられない』
(おんなじなんだ)
『そう思うだろう』
(わたしにとっての浮ちゃんと)
人を振り回しては笑うあの男に、わたしはいつも腹をたてている。それでも不思議と離れたいと思ったことはなかった。ぶつぶつ文句を言いつつも、そんなやり取りの中に居心地の良さを感じているのも自覚している。
腹をたてては感じるのは、胸を焦がすときのしあわせな痛みだ。その感情に名前を付けるのは簡単だが、それはなんだか野暮な気がした。
気づかれぬよう、そっと彼の横顔を盗み見る。甘い痛みが過る。彼がわたしを見るときも、同じ気持ちであればいいと密やかに願った。
お粗末様でした
むだに長くておちがなくてごめんなさい。
ムジカの娯楽全曲レビューから妄想させていただきました。
あのインタビューは良いです。未読の方は是非。
読んでくださった方ありがとうございます。
>>357 ありがとうございます。
あのインタビュー読みました。良いですねー!!
浮雲の意地悪な感じがたまらないですね。良いです!
ありがとうございました。
すっごくいい!!!
自分は今までに見たネタの中で今回のが1番好きです。
また是非に!
保守
保守
保守
保守
保守
あり富
二人ぼっち時間
保守あげ
保守age
最近さみしいですね。
事変うごいてないからな
そうですね。林檎名義でアルバムも出るし。DVDも出すみたいですね。
各々サポで忙しそうだし
保守
保守
ほしゅ
ほしゅ
東京事変が今年中に動かなかったら卒業するよ保守
今年中には活動するはず保守
ペトPE'Zのイベント参加が決まったね保守
林檎見に行くかな保守
見に行くと思うな保守
誰かSSのネタ下さい
保守
自転車に夢中な浮
金魚すくいする刄
久し振りに会う亀
保守
保守
>>381を見て浮×自転車を想像した私は燃料切れ保守
人の少ないうちに久し振りの投下してみる
――――――――――――――――――――――
僕と彼女を乗せた旧式の車は、夜の街を走っている。
眩い光に満ちた眠らない街は、もう真夜中をも越えようとしているのに、
多くの車で混み合っている。
しかも、ここからは見得ない、ずっと前の方で事故でもあったのか、全く車が進まない。
「ねぇ、椎名さ・・・」
助手席を目の端で捉えながら云った僕の言葉は尻すぼみになる。
彼女は、心持ち頭を運転席の方にかしげて、眠っていた。
長めの前髪がはらりと頬にかかって、くっきり影をつくっている。
何色ものネオンとテールランプに、透き通るような美しい顔が彩られていて―――。
相変わらず動かない車。二人きりの、車内。
誘惑に、負ける。
僕はハンドルから片手を離して、彼女の唇に唇を重ねた。
柔らかい感触を一瞬だけ味わって、慌てて離れる。
彼女は目を開く素振りもなく、微かに穏やかに寝息をたてているだけ。
前方の車が、やっとゆっくりと動き出す。
「なあ、愛してるよ、椎名さん」
僕はそんな言葉を呟くと、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
―――――――――――――――――――
ベタ&駄文すまん・・・orz
過疎ってるなぁ・・・
でも一人でも萌えてくれる人が居れば幸い。
うわぁ。久しぶりの投下!ありがとうございます!
もえさせてもらいました!
>>383 その発想はなかったわw
自分は林が暇!ってなったときに浮がずっと自転車いじりしてて拗ねる→慰めるとベタなネタを想像してました
>>384 投下乙です!にまにまさせていただきました。惜しげなく才能を発揮してこのスレに下さい
>>384 しっかり萌えました!ありがとうございます
>>387 > 自分は林が暇!ってなったときに浮がずっと自転車いじりしてて拗ねる→慰めるとベタなネタを想像してました
その話もぜひ!
浮林を今月中に投下したいな保守
期待保守
わくわく保守
わくわく
\トキハナーツ!/
(・´ω`・)
予告したのに来れなくてサーセンorz保守
楽しみに待ってます保守
714に落ちてたので記念保守
保守
新型インフル気をつけてね保守
保守
弟が発熱orz保守
弟が新型でした保守
このスレ何人いる?
一人一挙手求む保守
ノシ
ノシ
ロム専ですが
ノシ
はい
ノシ
そういえばサイトもなくなってきたね。
ノシ
随分と燃料投下がないからなあ
801も夢ですらも見かけないような…
ノシ
禁句かもだけど細々とサイトやってます・・・
ノ
随分前に夢サイトやってたけど一月しかもたなかったw
今年中に動いてくれるかな…
このスレ管理人率が何気なく高いと見た
CDJ出演発表されたよ
昔にもサイトが禁句か禁句じゃないかって話が出たね。
師匠スレに東京事変と書かれた譜面が!新曲かねえ
413 :
名無し草:2009/10/03(土) 08:56:46
(´ρ`)
見に行く人レポ頼むね
(としちゃんの誕生日をガチでスルーしちまいました…)
浮誕生日おめ!
保守
417!!
事変新曲?
12月だね
シングル、アルバム、ツアーと来ればここも活気づく筈…!
明日の正午が待ち切れなくて浮林掘り出してきました…投下させてください
浮林
「浮ちゃーん、」
室内に椎名さんの声が響いた。
俺はそれを無視して、ギターを弾き続ける。怒ってるわけじゃない。でもちゃんとした理由がある。
「浮ちゃん!」
無意識に言葉を紡ごうとする口を閉じて、更に激しくギターを弾いてみる。すると些か苛立った音を立てながら、椎名さんが俺に近付く。……、さん、に、いち。
「もう、浮ちゃんってば!」
「聞こえてるよ」
「…じゃあすぐ返事して下さい」
俺の手を緩く掴んだ椎名さんが、俯いてそう言う。…またよからぬことを考えているんだろう。どんどん眉間の皺が深くなる。
浮林つづき
「椎名さん、」
「わたし、――…ううん、何でもない。ご飯出来たから」
(あぁ)
違うのに。そんな顔をさせたいわけじゃない。
ラグにギターを放って、俺の右手から離れたばかりの椎名さんの手を掴む。彼女ははっとして表情を繕った。
「な、なに?」
「椎名さん」
「浮ちゃ…、」
「――その、何といいますか」
「…」
浮林つづき
(もっと名前を呼んで欲しかっただけなんです、なんて)
頭をかきながら立ち上がり、彼女の肩を抱く。
いろんな感情で椎名さんの表情はころころ変わっているだろう。リビングからふんわりとビーフシチューのにおいが香ってきた。
「…とりあえずご飯食べたいです」
「?うん、」
照れずにすべてを言えるのは、もう少し先になりそうだ。
end
お互いに余裕がない浮林って、いいよね…と思いつつ
皆さんの妄想の足しになれば幸いです
GJ!
いやー二人ともかわいい!かまってちゃんか、浮雲w
ほんわかしました
もっと掘り起こしなさい!
GJ!
萌えたよ・・・やっぱ浮林いいな
萌えました!やっぱいいなぁ。
429 :
名無し草:2009/10/29(木) 14:10:25
保守あげ
みんな、シングル予約した?
した!
シングルは勿論だし、露出も楽しみだなあ
Mステとか僕音に期待
僕音の丸サディが好きすぎる…
浮がえろいです
新曲のPV、突っ込みどころがありすぎる
更に澤林が書き辛くなりますw彼はギャグ要員なのか
花束本気なげww仲いいからこそ出来ることだと思うことにする
「振り向けよゴルァ(゚Д゚#)!」とか喧嘩ップルとか考えると良い気がする!
髪触る林檎可愛いな
花束渡されて「自由にやっていいよ」って言われて投げ付けたんならもうずっと澤林しか書かない
仲良いからできるんだよね?w>花束投げ
浮雲との距離間もいい感じだな
浮雲生足!生足!とテンションがあがったのは自分だけでいいです。
ライブ行けたらいいなあ。
だめだ、何回見てもニヤニヤしてしまう。
詳しい曲解説がMステなどでされる前に自分であたためたPV撮影風景うpしにきます、よし
待ってますノシ
「椎名さん上がりまーす」
「お疲れさまでしたー!」
「お疲れさま」
「お疲れです!」
パチパチと拍手が起こり、PVの撮影を終えた林檎ちゃんがセットから出て来る。隅の方で各々時間を潰していたメンバーが立ち上がり、撮影スタジオを出た。
廊下を歩く途中すれ違うスタッフたちに会釈しながら、iPodのイヤホンをくるくると片付けていると、背後から誰かの気配。
振り向く前に、近付いたその人がおいらの耳元へ口を寄せた。
「っわぁあ!」
「ふふ、」
「…なしたの?」
はたりん、つづき
打ち上げの話で盛り上がっていた前の三人のうち、後ろを歩いていた浮雲くんが足を止めて振り返った。息を吹き掛けられて右耳を押さえたままのおいらと、未だくすくすと笑っている林檎ちゃん。
(ああ、顔が赤くなってませんように!)
「何でもないわよ。ね、としちゃん」
「…あ、うん……」
「?そう」
浮雲くんは首を傾げてそう言うと、師匠とわっちの会話に戻ってしまった。
どきどきが止まらない心臓に掌を当てながら、横を歩く林檎ちゃんを睨む。林檎ちゃんは笑いながら、ごめんごめん、と繰り返している。
はたりん、つづき
「だって、なんか可愛いんだもの」
「…さっきもだし」
「あれ、確定みたいよ。監督さん凄い気に入ってた」
「…」
さっき、というのは、合わせて撮影した部分で林檎ちゃんがおいらの髪を触ったシーン。
台本にも出ていなかった(わっちのは出てたのに)アドリブのそれを、監督は酷く気に入ったらしい。シーンが終わったあと、林檎ちゃんへにこやかに親指を立てる監督を見た。そのときも気が気じゃなかったけれど。
「怒ってる?」
「…、怒ってない、よ」
「ごめんってば」
よしよし、と頭を撫でられながら、もう二度とおかしな髪型にするまいと誓った。
(ちょっと嬉しかったのは秘密、だけれど)
end
かけるよりはたすな二人でしたー。
もっとイチャイチャさせればよかったです。
消化不良ですが妄想の足しになれば!
GJです!やっぱりハタ林はほんわかするなあ
GJ!!ほんわかほんわか。
キュンとした!
アドリブだったら良すぎだな…
出先で画質の荒いワンセグで見たんだけど、浮雲三つ編みだった…?
うん
最初目を疑ったよw似合ってた
451 :
名無し草:2009/12/01(火) 20:54:01
保守あげ
林檎と鈴木砂羽って雰囲気似てるよね
浮雲の好きな女優だっけ?>鈴木砂羽
ペトのインサイダーが浮林ソングにしか聞こえない
うん、好きな女性のタイプは?
って質問に鈴木砂羽さんって答えてた
土曜はCDTV、日曜は情熱大陸だよ
CDTV喋るよね。楽しみ
師匠は事変エピに触れたりしないかなー
>>453 インサイダーで浮林、良いな!
浮雲の歌詞は色々想像させられるなあ
ないものねだりの歌詞についてのコメント?見て、相手林檎だって考えてみたらぐっときた
川□∀□) 今夜の味はどうだい?
>>485 67: 2008/01/16 04:52:02 ??? [sage]
「昔深い関係だった異性が結婚する事になってあー素敵な人だったなーとかいうことがありませんか?」
みたいな事をペトライブで花魁歌う前に浮が言ってたらしい。…(以下略)
花魁スレからコピペ。
このあとでそれはないものねだりだって訂正されてたよ
>>459 アリガト!
これコメントでいろいろ妄想しちゃうわな。
林檎はヴォーカル(コーラス)もできる人とバンドをやりたいと常々思ってて、二期になってからはバービーボーイズのコピーやらトリプルヴォーカルの某都民とかできて本当に楽しいんだろうなあと思うよ
一期厨批判をしてるわけじゃないけど、二期もようやく認められて来たのかなとすごく嬉しいです
誤爆しましたすみません
林檎
('A`)絶対かわいいだろうなと思ったんです
('A`)もう林檎さんを絶対楽しませてやろうって
浮林好きとしてはそのまま浮雲に花束投げてたらと色々考えた
自分は全くイメージ出来んww
伊澤に投げ付けるのがしっくりし過ぎw
「ただ近くに置くだけでいいですよ」って監督には言われてて、でも林檎が
ああこんなに好きだっていうのに、この男は!とアドリブで浮雲にぶん投げてたらとry
川#□_□){おい裕美子後で覚えてろよ)
保守
クリスマス小話間に合うかな…!保守!
>>472 クリスマスおわってものせて下さいね!保守
474 :
名無し草:2010/01/07(木) 16:12:48
あけおめ保守
みんな生きてるか…?
生きてます!
深夜のテンションで書き上げた浮林投下して良いだろうか…?
ちなみに
>>468をネタにさせて頂いた
>>475 468です、とても気になります!
投下楽しみです^^
反応を待っていたら答えて下さったので投下しまっす
新曲のPVは5人の映像がめまぐるしく入れ代わり立ち代わるため、撮影はカット数が多くて長時間にわたって行われていた。
撮影もそろそろ終わりが近付いて、一番出番の多い私を(立場上当然の事なのに)慮って監督が皆に休憩時間を下さった。
ご好意に甘えて椅子に座り、温かいコーヒーを飲みながらチョコレートを食べる。
「(幸せ…)」
思わず微笑みが漏れそうになるくらい、私はリラックスしていた。
そこに聞こえた談笑。
何となくそちらに目を向けると、メンバーの男たちがムーンウォークの練習をしている。
師匠ったら、やっぱりちょっと苦手みたい。
としちゃんはすっかり上手にこなしている。練習の成果かしら。
わっち…意外に出来るあたりがむかつく。
…浮ちゃん。
彼は当初からいとも簡単に、へらへらと笑いながら平然とやってのけていた。
何でもそうやって涼しい顔でしてしまうのだ。
ほんのちょっと悔しさを覚えながら、私は遠巻きに彼らの観察を続ける事にする。
そこで、耳に入った言葉。
「そういえば浮ちゃんこの前女の子に声掛けられたよね」
伊澤が笑いながら言った。
「わっちと二人で刄田さんを待ってて、あんまり暇でムーンウォーク練習してたら急に「ムービー録らせてください」って」
「浮ちゃん満更でもない顔してたじゃーん」
「そりゃあねえ、ははっ」
笑う浮雲とメンバーたち。
何処かで「気に食わない」と思っている自分がいた。
何が気に食わない?
分からなくて苛々する。
コーヒーを一口。冷めていて不味い。
苦々しい思いのまま、撮影は再開した。
漸く残り数カットとなり、次は私と浮雲のシーン。
用意された花束には赤い花が嫌味なほど綺麗に咲いていた。
これをギターを弾いている「やつ」に花束を差し出す事になっている。
撮影開始。流れる音楽。
私は真っ赤な花束を持って浮雲のもとへ歩み寄る。
すると涼しげにギターを弾く姿が何故か急に憎たらしく思えてきた。
込み上げる怒り。手には花束。
「(ああこの男は!)」
ふと我に還ると辺りは沈黙している。
「(やっちまった…)」
固まる浮雲。
散らばる鮮やかな赤。一部は浮雲の髪に刺さっている。
笑うメンバー。
監督は笑顔で「オーケー」と仰った。
これは結果オーライ、というのかしら。
「ちょっとあれ…ひどくない?」
スタジオを出て、駐車場へ歩いていた私に追い付いた浮雲は頭を掻きながら苦笑する。
「だって何か…むかついたんだもん」
私は申し訳無さと未だ残る苛付きを隠したくてぶーたれた。
吹き付ける夜風に身体が震えた。
「俺、ムカつく事したっけ?」
早足で歩く私に、広い歩幅ですんなり着いてくる。
「知るかそんなの」
話をするのも嫌で、私はぷい、と顔を背けた。
「いや、椎名さんが知らなかったら何でムカつくんだってば」
肩に手を置かれる。
無神経な言葉に私の怒りのボルテージが右に振り切った。
「うるさい!
……私なんかほっといて別の女の子んとこ行けばいいでしょ」
手を払いのけて睨みつけると、浮雲は目を丸くさせた。
彼の足が止まる。つられて私も歩みを止める。
「何、椎名さんもしかしてさっきの話聞こえて…、」
私を指差してぽかんとする浮雲。それが更に私の怒りに油を注ぐ。
「ああそうさ妬いてるさ!」
最早何をしたいのか、自分でもよく分からなくなってきた。
というより、私の苛々の理由が漸く自明の物となった事に気付いた。
私は妬いていた…つまり私は。ああ、そうか。
「開き直られても困るんだけど」
「…浮ちゃんが悪いんだもん」
自覚を持つと恥ずかしくなって、私は俯いた。私はあれくらいの事で嫉妬なぞしていたのか。
「あーはいはいさーせん」
不意に、明け方の気温に冷えた身体が他人の体温に包まれた。
「…ッ、」
頬をくすぐる髪。
「これでいい?」
はは、と浮雲は笑った。
「…馬鹿」
こんな奴を好きになってしまったのに、私はやっぱり悔しくなった。
けれど同じくらい幸せ…なんて絶対に言ってやらない。
(了)
お粗末様でした
文章が長くなる癖をどうにかしたい
468さんありがとうございました
482 :
468:2010/01/10(日) 16:44:45
>>481 素敵な浮林投下乙です!
にやにやが止まりません
なんだかんだ林が大好きな浮と素直になれない林、可愛いですねえ
長いのは481さんの愛だと思いますこちらこそどうもありがとうございました
皆さんまだネタは少ないですが、各々の燃えを投下してお互いに消化し合いませんか!
保守
昔サイトに上げたブツかもしれないが携帯の底から出てきたから投下させて下さい
上の方の話題に関連してる、かも!
浮→林の超小ネタ
姿勢良くソファに腰掛け、静かに聴き入っていた彼女はふわりと微笑んだ。
「この曲は、私がタイトル付けてあげる。
…花魁、ね」
彼女は曲を聴いて、花魁に憧れ想う男の歌だと、純粋に思ったのだろうか。
それとも俺の気持ちに気付き、気付いた上でそう言っているのだろうか。
どちらにしてもこの曲にぴったりだ、と思った。
\(^o^)/
あああ職人さんいつもありがとうございますw
ロキノンのインタビュー林檎が「伊澤さん」って読んでる部分があって違和感を感じた。
保守
ムジカの浮林写真家宝にする
>>487 あれよかったよねwギタマガの林檎からのコメントもなかなかだよ
>>488 うんうん。ギタマガも秀逸だった
刄田は浮雲になにか恨みでもあるのかと笑ってしまったw
アルバム楽しみ!その前にMステかな
380:名無しステーション:2010/02/19(金) 20:49:30.58 ID:pnVbRSgG
浮雲「反省してまーす」
>>442 遅レスだけど萌えた!
もしかして某サイト様の方かな?そだとしたらSSと絵あわせておいしいです(^q^)
492 :
442:2010/02/20(土) 12:30:17
>>490 思わずキャラメルフラペチーノ噴き出した
今更だけど
>>477GJです
そういえばみなさんは結構サイト持ってたりする?
一時期離脱して帰ってきたらランキングとかも消えてて、仲間がいなくて淋しいんだが(´・ω・`)
そこの管理人さんが出入りなさってるのかはわからないけど、イラストサイトならぼちぼちあるよね。
しかも世辞抜きでうまいのね。
モバイル向けサイトは男メンの夢とか、ごく少数だけどBLもあるか。
林受サイトは見たことないなあ。
Switchインタブ、真っ暗な森の中のくだりにドキドキしてしまった…
>>496さんありがとう
やっぱりそんなもんなのか…
496さんがいうイラストサイトかどうかはわからないけど、すごく好きで通ってるサイトさんはある
じゃあ私はもともとマイノリティだったのか/(^o^)\
>>498 紅一点バンドだしもっと普及しててもいいような気がしないでもないね
もちろん水面下でやるべきジャンルなんだけども
ハタハタの「俺は師匠の優しさに生かされているの」がなんか素敵だ
JCD
なんだあの澤林…
メラメラしてしまった
807:03/01(月) 02:02 ??? [sage]
MJで浮雲の頭に乗っていたものはなんですか?
808:03/01(月) 02:05 ??? [sage]
アンテナです
809:03/01(月) 02:05 ??? [sage]
毛糸
810:03/01(月) 03:09 ??? [sage]
十割そば