書き手相談と芸人予約は見ないようにしてる椰子だっているんだぜ
椰子って何?
今時、椰子って
容量平気かな…
>>694-696の続き。共通点は「コンビ名がカタカナ」ってだけの3人組。
葉裏の間から覗く空の一点が、おかしいくらいに輝いている。
今立も山根も空を見上げていないからわからないが、1人視線を上げていた片桐にはそれがわかった。
(なんであそこだけ、あんな水晶のように光っているのだろう)
そう思った瞬間、片桐の視界は途切れた。
背中に衝撃と、冷たい草の感触。
「片桐!?」
「片桐さん!」
霞む視界の中、今立と山根の叫び声を片桐は聞く。
突然体に力が入らなくなった。先ほどまで普通に話も出来ていたのに、彼の心臓は急に弱ってしまった。
彼の耳の奥に内臓が腐るような音が聞こえだす。体中が断末魔の悲鳴を上げている。
「ごめん…俺、もうだめそう」
焦点の合わない目は少しずつ濁っていく。
「馬鹿野郎!そんなこと言うな!!」
今立の、鼻のつまった叫びが響く。彼は泣いているのだろうか。今の片桐の目ではわからない。
脂汗が片桐の額ににじむ。段々息が浅く、早くなっていく。
「なあ…約束は守ってよ。俺が死んだら…海に…海に投げ込んでくれよ…」
視界はぼやけたり、一瞬鮮明になったりと、吐き気を催すくらいにゆれる。
2人の約束を知らない山根の、ひそめられた眉にも片桐は気づかない。
「わかったよ…わかってるよ…」
今立は強く拳を握る。そうしないと、涙で声が出なくなってしまうような気がしていた。
苦しみを吐き出すように、片桐は細い息を吐き出す。
「なあ、どうしよう…」
にじむ空を見つめて、片桐はつぶやく。
「俺…太朗に会いたい」
片桐の言葉に、今立も山根も声を失った。
「太朗に会いたいよ…もっとご飯食べさせたいよ…入園式に行って
…運動会はビデオ持って応援…授業参観もしたかった…」
片桐の胸が跳ね、少量の血が口から吐き出される。
「片桐さんもう喋らない方が…」
「いじめられたら、なにがあっても味方になってやる!」
山根の言葉をさえぎり、どす黒い血を口元につけたまま片桐は続ける。
「彼女が出来たら大いに邪魔をしてやる、結婚式では泣いちゃうかもしれない
…初孫は女の子が良いな…俺、絶対溺愛する」
来るはずもない未来を見て、片桐は父親の顔で微笑む。あまりの辛さに今立は思わず目を背ける。が、
(ここで目を伏せたら、俺は片桐から逃げることになる!)
今立はしっかりと目を開いた。涙をいっぱいにためた目は赤く、情けなかった。
が、今立は気づかなかったし気にも留めなかった。
「ああ、嫁さんどうしてるかな…泣いてるかな、家出るときまで喧嘩してたんだよ…最低だ、俺
…わかってたら、ガンダムも諦めるって嫁さんに言えたのに…諦めないけど」
「どっちだよ」
矛盾に満ちた片桐の言葉に、今立は笑う。笑うと水っ洟が彼の顔を汚した。
「せめて最後に、ありがとうって、好きだよって、愛してるよって言えればよかった…」
片桐の視界がゆがむ。それは体の衰弱によるものなのか、彼の目をぬらす涙によるものなのか、判断はつかない。
ほとんど残っていない生命を燃やし、語る片桐の姿は壮絶であった。
ろうそくが燃え尽きる寸前の一瞬の炎のような、片桐に、山根は圧倒されていた。
(これが死か、これが生きると言うことか)
今、片桐の脳内で、妻との思い出が短い映画のようによみがえっている。
一目で恋に落ちた衝撃、初デートの緊張、2人で手をつないで歩いた銀杏並木、
祝福に包まれた結婚式、そして生まれた最愛の息子、太朗。
芸人として、俳優として、生きる彼を厳しく優しく支えてくれた愛しい妻。
3人で暮らした幸せな日々を思い出すと、片桐は涙が止まらない。
「やだよ…俺、まだまだ皆で暮らしたいよ…銀婚式も金婚式も上げてないのに…」
嗚咽で片桐の胸が痙攣する。その痙攣は弱った臓器に響き、彼は激しい痛みにうめき声をもらす。
どうしてあんなに幸せな日常を、だらだらと生きてしまったのか。
何気ない日々が、今の片桐にはまるで宝石のように光り輝くものに思えた。
彼は今、全てを失おうとしている。家族を、そして親友を。
「賢太郎…」
10年以上もの月日を共に過ごした相方の名が片桐の口をつく。
「俺…賢太郎のおかげで役者になれた…」
お笑いの道に片桐を誘ったのは、紛れもなく小林だった。
『モテるよ』という言葉に誘われて軽い気持ちで始めたことが、今は天職になっている。
彫刻も続けることが出来、本まで出すことが出来た。
もしあの時小林が片桐に声をかけていなかったなら、今の片桐はない。
片桐にとってのヒーローは小林なのだ。
草に横たわっている片桐の頬を、一筋の涙が走る。彼の声は細く、震えていた。
「ずっと、感謝してたけど…あんまり言えてなかった…どうしよう…」
「通じてますよ!」
また涙をこぼす片桐に、山根は必死に呼びかける。
「絶対伝わってますって!だって、付き合いの浅い俺でも片桐さんが考えてることなんとなくわかりますから!
小林さんがわからないわけないじゃないですか!」
「そうだよ!お前は感情を表に出しすぎだから、賢太郎にばれないわけないって!!」
褒めてるのか貶しているのかよくわからない励ましを、片桐は複雑な気持ちで受け取った。
「要するに…単純って…ことじゃん…」
肺の機能が段々弱まり、浅い息を何度も何度も繰り返しながら、彼は自分の最期がいよいよ近づいたことを悟る。
もはや彼の目はほとんど何も見えていなかった。
それでも彼は言葉を発することをやめようとしない。
「西田さん『泥棒役者』出れなくてごめんなさい、『Love30』も出れなくてごめんなさい、
『あ、うん』でれなくてごめんなさい、UDONの試写会行けなくてごめんなさい!」
言い残したことを全て吐き出すように、片桐はもつれる舌を懸命に動かす。
言い足りなく死んでいくことだけは避けようとするかのように。
また涙が片桐の目から流れ、草に落ちる。
「もっと賢太郎の舞台に…立ちたかった…ごめんね…もう、出れない…今まで…ありが…と」
森林で深呼吸をするかのように、片桐は大きく息を吸い込む。
そして、嗚咽を漏らさないように必死にこらえる2人に向かい、
「ほ…んとに、ありがと…」
と言って、笑った。
風船の空気が抜けるように、片桐は息を吐き出す。
そして、もう二度と呼吸することはなかった。
「………っ」
今立は草の中に顔をうずめて泣いた。
山根は全く動くことが出来なかった。壊れた蛇口のように、涙だけは止まらなかった。
【ラーメンズ 片桐仁 死亡】
【エレキコミック 今立進
所持品:スタンガン
第一行動方針:片桐の治療
基本行動方針:仲間を集めて協力する
最終行動方針:ゲームの終了
現在位置:森】
【アンガールズ 山根良顕
所持品:救急セット
第一行動方針:片桐の治療
基本行動方針:怪我をした人を助ける
最終行動方針:死は覚悟している
現在位置:森】
【8/16 05:30頃】
【投下番号:153】
中田と麒麟の話書いてる人、文章書くの上手いね
次スレどうする?まだ早い?
980位で平気じゃない?
容量はどうなの?
自分、携帯からワカンネ
つか次もここに立てんの?
独立する話どーなったの?
>>955-958 乙!ぎゃー片桐死んだ!!
相変わらず三人の特徴をよくとらえていて面白いよーでも死んだー
>>955ー958
乙です!
朝から泣いてしまった…
片桐ー!。・.゚(ノд`)゚.・。
泣いたとか言ってる奴、正気?
もう次スレ立てる?立てるなら行ってくるけど
まだいいんじゃね?
容量が残り少ないから立てた方が良くないか?
ヨロ
容量どのくらいあるの?
また、この板に立てるの?
>955-958
めちゃくちゃ泣けたorz
この板でいいんじゃないか?
どっちつかうの?
先に立ってるが間違いがあるほうと、立った時間は遅いけど正確なほう。
どっちでもいいけど
正確な方がいい。sage進行が抜けてるけど
禿同
>>979が本スレでFA?
自分も正確なほうがいい
うん
じゃあ、こっちはとりあえず埋めますか
梅田花月
次も期待埋め
次スレも期待梅
うめ
書き手さん達みんな乙梅!
ちょっとスランプ気味に梅。
梅…
竹…
松…
996なら大竹優勝
松本人志のすべらない話
松竹B1角座
書き手頑張れ〜!梅
梅田花月
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。