◇◆◇◆有閑倶楽部を妄想で語ろう23◇◆◇◆

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733春の嵐(7):2005/03/29(火) 02:56:48
「ゆゆゆゆ幽霊っ」
「あほ、んなわけねーだろ」
「うっ、後ろに何か…!」
魅録は呆れて笑ったが、悠理はしきりに背後を気にする。が、自分では振り返るこ
とが出来ないほど怖いらしい。仕方なく見てみると、襟に小さな羽虫がとまっていた。
その羽で、首筋を撫でられたのに違いない。
魅録の指にそっとつままれ放られると、それは薄い羽を透かし天井へとのぼって
いった。魅録の胸に齧じりつき、悠理はこれ以上ないほど肩を震わせている。
気の毒に思いながら笑いを押し殺し、宥めるように髪を撫でた。
縺れた冷たい髪が指先に絡まる。
…これまでは、清四郎の役だったんだよな。
だが、彼が昔のように悠理の髪を撫でることはもうない。それを思うと、安堵を上
回る感情が押し寄せてきて、魅録をやるせなくさせた。
きっと、同じことを想っている悠理が可哀想でならなかった。
734春の嵐(8):2005/03/29(火) 02:57:29
「う――っ…」
震えが、小刻みなものに変わっていく。
ブルゾンを掴み、悠理は必死に嗚咽を堪えていた。
「いいんだぜ、泣いても」
そう言うと、悠理はぶんぶんと頭を振った。
声を上げて泣けるのは、清四郎の前でだけなのか。
そっと細い背を包み込み、魅録は自分に言い聞かせるように強く言った。
「これからも、俺はずっとお前のそばにいる。だから、安心していいんだ」
何度も何度も繰り返し、髪を撫でる。どのくらいそうしたのか胸元を掴む手に
しだいに力がこもり、悠理が堰を切ったように泣き声を上げた。
激しい慟哭もろとも、きつく悠理を抱きしめる。
ずっと、泣くこともできずに、長い想いを実らせた二人を祝福した悠理。
何もできず、見ていただけの自分が歯痒かった。どうしてもっと早くこうしてやら
なかったのだろう。
幼い子どものように、自分の腕のなかで泣きじゃくる悠理がただ愛おしい。たとえ
悠理が恋い願う相手が変わらないのだとしても、自分もまた同じだろう。
きっと、未来永劫。
735春の嵐(9):2005/03/29(火) 02:58:07
「…ありがと、魅録」
「いや、落ち着いたか?」
「へへ。ごめん、ぐしょぐしょにしちゃった」
そろそろと顔を上げ悠理は照れたように笑った。
赤く染まった鼻の頭や腫れた瞼が痛々しいが、白い頬に涙の跡はない。
「いいさ、どうせびしょ濡れだったんだ。っと、悪ぃ。せっかく着がえたのにな。 
 風邪ひいちまう」
「だいじょぶだよ、馬鹿だもん。それに、魅録あったかいしさ」
濡れた魅録の胸にふたたび頬を寄せ、悠理がぽつんとつぶやいた。
「ごめんな、悠理」
「…なんで?」
「俺、今日雨になるって知ってたんだ。こんなひどくなると思わなかったけどさ。
 それなのに、晴れだって連れ出した」
「…うん」
もしかしたら悠理も知っていたのかもしれない。驚いた様子も見せず、頷いた。
「ありがと、魅録。…晴れたら戻ろう、みんなのとこへ」
「ああ」
「だからそれまで、もうちょっとだけこうしてて…」
腕の中で、悠理がつぶやいた。穏やかさを取り戻しはじめた呼吸と背に回された
掌の熱を感じ、魅録も瞼を閉じる。
736春の嵐(10):2005/03/29(火) 02:58:49
窓の向こうは雨と風とが狂おしいうなりを上げ、海の轟きが迫っている。
港に繋がれた船は高い波にあおられ、木の葉のように揺れているだろう。
だが、いずれ澄んだ空と太陽の光りを受けて煌めく海が全てになるに違いない。
――――今はただ、待つしかできない。

                              <おわり>
737名無し草:2005/03/29(火) 08:11:58
>春の嵐
魅録は悠理を連れ出してみたものの
まだ悠理の中に清四郎を思う気もちが強く残ってるのを見て
なにも言えなくなっちゃったのかな。
この二人の続き読みたいです。
738名無し草:2005/03/29(火) 11:09:40
>春の嵐
久々のうpありがとうございます。魅×悠ですね!
読んでいて、自分の胸の中にも、何ともいえない気持ちが込み上げてきました。
魅録のもどかしさ(複雑な気持ち)と、悠理の姿が画で見えるようで、
切ないけれど、余韻が心地好いというか……こういう雰囲気、大好きです。
素敵なお話を、ありがとうございました。
739名無し草:2005/03/30(水) 11:26:46
>738
何で久々のうpってわかるの?
740738です:2005/03/30(水) 12:19:21
>738
あ、ゴメンナサイ。何度か書き直してるうちに、文章間違えてました。
「久々の」は、「魅×悠ですね」の前にきます。
(魅×悠は、確か久々だったから)

>うpありがとうございます。久々の魅×悠ですね

と読んで下さい。誤解を招くようなレス、本当に申し訳ありませんでした。
741738です:2005/03/30(水) 12:21:41
自己レス。アンカー間違ってました。
>738 ではなくて >739 でした。 逝ってきます。
742名無し草:2005/03/30(水) 13:09:15
新連載行きます。
4−5回で終わればいいと思ってますが未定です。

魅×悠×清×野のどろどろスクランブルです。
目標はオカルトじゃない「世/に/も/奇/妙/な/物/語」です。

「正しい街」、今回は4レスいただきます。
743正しい街1:2005/03/30(水) 13:09:58
───なんで自分はここにいるのだろう?

目覚めて最初に彼女を襲ったのは、喩えようもない違和感だった。
目の前に自分を包み込む裸の胸。それは結婚して1年になる夫のもの。
だが、今の今まで自分がいた場所とは違う気がした。

さらりと亜麻色の猫毛を揺らしながら起き上がってみる。
まだ窓の外は薄暗い。
男性もののパジャマだけではひんやりとした空気が肌を刺す。
そこは自分が生まれ育った豪邸とは似ても似つかない、だけれど世間一般には
“高級”と呼ばれるマンションの一室。
最初に目に入ったのは、ベッドの足元のほうに置いてあるAV機器。
夫の趣味でかなりマニアックな品揃えがしてある。
もちろん10年や20年も前までのように大袈裟に大きければよいというものでは
ない。
デジタルが普及し、音質も改善された。
いかなメカマニアの夫でも改造の余地はほとんどないほどに完成されたコンパ
クトな品。

だけど全部デジタルってのもちょっと寂しいよな。
そう苦笑して一つだけ購入してあるのが一台だけ調和を乱している、アナログ
のレコードプレーヤーだった。
アナログで聞きたい曲もあるんだって言ってた。
でも自分はそんな曲は知らなくて、その気持ちは理解できると頷いた友人の
ほうがやっぱりこいつのことを支えてやれる奴だと思って‥‥‥

‥‥‥あの二人が結婚したのは正解だったって胸を撫で下ろしたんだ。
744正しい街(2):2005/03/30(水) 13:10:39
「悠理?起きたのか?何時だ?」
不意に夫に声をかけられて悠理はびくりとした。
そしてぷるぷると頭を振ると、まだ寝転がっている夫のピンクの髪に触れた。
「まだ5時。トイレ行くだけだからまだ寝てろ。」
「あー。」
むにゃむにゃと寝返りすら打たずに、それだけ彼は答えた。
そして彼は腕の中から離れてしまった愛妻の代わりに仰向けのまま枕を抱え
込むと、その枕の下で再度寝息を立て始めた。
相変わらずひどい寝相なんだからな、と悠理は笑んだ。
枕の下で苦しくないのか?
もっとも寝相の悪さにかけては自分も人のことを言えた義理じゃない。
今まで何度、隣に眠る男をベッドから蹴り落としたことか。
普通に考えて体重差があるんだからやすやすと相手を動かすことなどできない
はずなのだが、それでこそ悠理らしい、と男は苦笑いするばかりなのだ。

あ、でも魅録は怒る、か。

ふと頭に浮かんだ考えに悠理はまたも愕然とした。
さっきからなんなんだろう。
そんなことはありえるはずがないのに。
他の男と寝たことなどないはずなのに。

高校生の頃までの仔犬同士のような付き合いを乗り越えて、大学時代に魅録と
付き合い始めた。
そして大学卒業を待って結婚したのだ。
確かに付き合い始めるまで多少の紆余曲折はあった。
だが、結局悠理は魅録を選んだ。彼女をずっと見守っていてくれた魅録を。
745正しい街(3):2005/03/30(水) 13:11:22
台所に立つ。
別にこんな時間から朝食を作ろうというのではない。

そう。友人連中皆が驚いたことに、悠理は魅録と付き合い始めてから家事を
覚えた。いつまでも彼に甘えていたくなかったから。
彼を支えられる人間になりたかったから。
だから、そうして彼女は家事をしていたのだから。
この台所は彼女の城であるはずなのだから。

ほとんど音をさせずに引き出しを開ける。
軽くて音がしない、剣菱ハウスデザイン株式会社の製品。
このシステムキッチンは、家事を覚えた悠理と、その友人たちとでモニターを
してデザインしてもらったのだった。
だから友人たちの部屋の台所も配色などの違いこそあれ、ここと大差はない。

とはいえ、どこに何をしまって置くかまでは一致しない。
いくら仲がよい彼女たちとは言ってもそればかりは各自の使いやすさが優先
されている。

悠理が祈る気持ちで開けたそこでは、漆塗りの夫婦箸が黒と朱色の光沢を放っ
ていた。
これは結婚祝いに野梨子と、その実家である白鹿家から贈られたものだった。

ほっと、吐息が悠理の口から洩れた。
そうだよ、な。
746正しい街(4):2005/03/30(水) 13:12:10
バカバカしい考えだと思う。
なんで本当はここにいるべきが自分ではない誰かだと思ってしまったのか。

魅録と結婚してすでに1年。
いまや魅録は母の実家である和貴泉のグループ会社であるネットでの旅行予約
システムを引き継いで、さまざまな事業へも手を伸ばし始めていた。
機械いじりが好きで好きでたまらなかった少年のような魅録がいつ変わった
のか、悠理ははっきりと覚えている。
悠理にとっては思い出すことにまだ痛みを伴わずにいられない、あの日。

でもやっぱりシステム開発とかの事業をさかんにやってるんだから、実業家の
道を選んでも魅録は魅録でしかありえないのだ。
そして友人を大事にして、義に篤い。
そういうところを捨てきれない彼は実業家としては危うさを孕んでいると友人
連中が心配してしまうほどだった。
だがそんな心配は要らない。

それでこそ悠理が愛した彼なのだし。
それでこそ彼を信頼して事業提携しようという者も多いのだし。

表向きは完璧に人付き合いをこなして、実業家として大々的な成功を収めて
いる、時に冷酷なあの男とは、違う。
あいつにくらべたらささやかな業績ではあるけれど、だけど魅録の人脈は堅く
て確かなのだ。

悠理はそこまで考えるとほっこり優しい気分になった。
そして再び緩やかな眠りに落ちて行くために夫の腕の中に帰っていった。

                         つづく
747名無し草:2005/03/30(水) 14:17:18
>春の嵐
魅×悠ステキですー!やさしい魅録に萌えました〜
悠理切ないけど、魅録が側にいてくれれば大丈夫ですね。
続編がぜひぜひ読みたいです。

>正しい街
新連載お待ちしてました!スクランブル四角関係楽しみです。
次回に清&野が出てくるのでしょうか。続き気になってドキドキします。
748名無し草:2005/03/30(水) 14:47:30
>>春の嵐
しっとりとした雰囲気で、読み入ってしまいました。
魅録の優しさが、なんだか切ないです。
この後の二人の行方がとても気になります。

>>正しい街
新連載、嬉しいです。
この先どんな展開が待っているのか、続きをお待ちしてます。
749名無し草:2005/03/30(水) 22:01:19
>正しい街
ぐいぐい引き込まれるような描写ですね。
オカルトはちょっと苦手ですが、そうではないとのことなので、
続きを楽しみにしています。
個人的にドロドロは好きです。特に、この4人のw
もう一組の夫婦の登場は次回でしょうか。お待ちしてます!
750名無し草:2005/03/31(木) 18:10:14
>正しい街
続きを楽しみにしています。
751名無し草:2005/03/31(木) 23:27:12
正しい街、椎名林檎だね。
好きな歌なのでなんかうれしいかも。
悠理の声って椎名林檎っぽいかもしれないなと考えたことある。
752名無し草:2005/04/03(日) 22:28:02
摩天楼の続き読みたいよー
753名無し草:2005/04/04(月) 18:19:09
うん、読みたいね。
754名無し草:2005/04/06(水) 18:02:17
東京はいよいよ桜が咲き始めたね。
桜を見ると有閑倶楽部の卒業‘できなかった’事件を思い出すよw
755名無し草:2005/04/06(水) 21:34:47
今年二十歳になります。
彼らを追い越していく自分が悲しい
756名無し草:2005/04/07(木) 21:47:26
755>
その気持ちわかる。
和子さんも、豊作さんも追い越してしまったよ。
757:2005/04/10(日) 04:44:49
御無沙汰致しております。
http://houka5.com/yuukan/long/l-49-6.htmlの続きです
758檻(154):2005/04/10(日) 04:45:59
窓を開けると、九月の心地良い風が頬を撫でた――。

秋といってもまだほんの入り口なので、風は冷たくは無い。
が、そういってもそれは起きて動き回っている人間の感覚で、眠っている人間にとっては寒く感じるかもしれない。
――この子はどうなんだろう。
小鳩詩織はベットに横たわっている少女――久遠寺小夜子の整った寝顔を見ながら
数秒迷った挙句、そっと窓を閉めた。
ベットの側のパイプ椅子にどっかりと腰を下ろし腕時計に見ると、時刻は十時四十分――式開始二十分前を表している。
十一時には、開始の合図として園内に花火が上がる予定だ。
それまでに小夜子が目を覚ましてくれればいいが。
小夜子の人形のような顔を再び見ながら、詩織は深く溜息を吐いた。
綾香の元へ帰るのが遅れ、行動に不信感を抱かれればそこからほころびが出る――。
そうでなくとも、綾香はこういう奸計には人一倍敏感なのである。
それは他の誰よりも、詩織がよく知っていた。
二度目の深い溜息と共に顔を上げると、小夜子の枕元の花瓶に目がいった。
真っ紅な彼岸花が数本、活けてある。
何もこの花にしなくてもいいのに――詩織は苦笑する。
大方スタッフ連中の誰かが何も知らずに活けたのだろうが、それにしても不謹慎だ。
彼岸花は『彼岸』という言葉がそのまま意味するように、あの世を象徴したあまり縁起のいい花ではない。
花や植物に関しては明るくは無い詩織あたりが知っている位だから、世間では言わずと知れた事実ではないのだろうか。
例えその事実を除いたとしても、この紅く毒々しい色をした花はこの『救護室』という
傷を癒す為の場にはそぐわない。
季節の花にしても、秋桜とか百日紅とか他にいくらでもありそうなものだ――。
そんな事を面々と考えていると、ベットの中の少女が意識が戻ったのか、軽くうめき声を発した。
759檻(155):2005/04/10(日) 04:47:49
長い睫が、二、三度、痙攣する。
お姫様のような小夜子が目覚めるその姿は、まさしく幼い頃
絵本の挿絵で見た『眠り姫』の目覚めのシーンを連想させた。
「気が付いた?」
恐らく自分は今、どぎつい顔をしているのだろう――詩織は自分をそう分析していた。
こういう時に他人に対して、優しくしたりいたわったりという行為が、自分は苦手なのだ。
だが予想に反して小夜子は、恐れるでもなく動揺するでもなく、目だけを左右に動かし
今自分が置かれている状況を、冷静に判断しようとしているようだった。
「伊吹さぁん、彼女、目を覚ましたわ」
詩織は小夜子の落ち着いた様子を見て取ると、自身の背後にある白いカーテンの向こう側に向けてそう叫んだ。
ガタガタと椅子を引く音がしてカーテンが捲れると、ショートカットの白衣を着た女性が無表情で小夜子を見つめている。
『伊吹』と呼ばれたその女性は、格好から見るにこの救護室の主であり、医師であるらしかった。
「二十分程、コーヒーでも飲んでいらっしゃいな。
ここは私が見ておくわ――何かあったら、携帯で呼ぶから」
一見ねぎらいの言葉にも聞こえるが、語気は有無を言わせぬそれであり、要は体のいい人払いだった。
だがそこは心得ているのか、伊吹と呼ばれたその女性は簡単に礼だけを述べ、静かに部屋をあとにした。
そしてそれを待ち構えるかのように、詩織はバタンというドアが閉まる音と同時に、素早く携帯のダイヤルを押し始めた。
「――小鳩よ、救護室の監視カメラをオフにして頂戴。盗聴機能もね。
私の従姉妹が背中に怪我をして運び込まれているの。衣服を脱ぐから――そう。
――許可? 許可なんて要らないわ。私がそうしろと言ってるの、これは命令よ」
一方的に捲し立てて電話を切ると、十秒と経たないうちに部屋中からプツンプツンと
小さな機械音が聞こえてきた。
その音の数から察するに、十といわない数のカメラや盗聴装置が設置されていると思われる。
詩織は念の為部屋の隅々まで見て周り、全て装置が切れている事を確認すると
最後にドアに鍵をかけ、元いたパイプ椅子にどっかり座り込んだ。
760檻(156):2005/04/10(日) 04:49:23
「さてと――」
小夜子は上半身だけをようやく起こし話を聞く体制に入ったが、薬の効き目がまだ切れていないのか
ぼんやりと俯いていた。
「アンタの冒険談を詳しく拝聴したいところだけど――あんまり時間が無いのよ」
詩織は自らのポケットからタバコの箱を出し、小夜子にちらつかせ
小夜子が無言で頷くと、手慣れた仕草でタバコの先に火をつけた――。
「単刀直入に聞くわ――アンタをこういう目に遇わせたの、誰?」
言葉に反応しない小夜子に特にいらつく事も無く、詩織は淡々とタバコをふかしながら先を続けた。
「薬を嗅がされる前なのか後なのか判らないけど、アンタ、何発かくらったんじゃない?
致命傷になりそうに無い場所にキレイに数箇所、痕があるわ。どっちにしても、素人じゃないわね。
喧嘩に相当手慣れてるか、そうじゃなければ武道を底々たしなんでるか――違う?」
そこにきて恐らく意識を取り戻して初めて小夜子は目を大きく見開き、少なからず感情を表した。
「あともう一つ――これはさっきいた伊吹っていう医者の見解なんだけど、アンタを眠らせた薬っていうのは
特殊な薬で、普通の睡眠薬とは効能がかなり異なっているらしいわ。
医療現場ではごく限られた一部の分野の治療でしか使用されないらしいし、一般人はまず使わない
――というより、入手するルートが無いに等しいそうよ」
詩織はまだ半分も吸っていないタバコを、灰皿の中で揉み消した。
平静を装ってはいるが、この尋常ならざる事態にその実、心中穏やかではないらしい。
761檻(157):2005/04/10(日) 04:51:05
「――清四郎さんです」
詩織の動作は、二本目のタバコを箱から取りかけたまま止まった。
小夜子は詩織の顔を見つめ、彼女が意味を把握していないの悟ると、もう一度ゆっくりと説明を始めた。
「朝――九時を少し回った頃、電気管理塔の裏で清四郎さんに遇いました。
話をしている内に口論になって、揉み合いになった後――薬で眠らされました」
「電気管理塔の裏なんかに、何の用だったの?」
「――爆弾を、仕掛けに」
「爆弾」
口の中で小さく復唱して、パイプ椅子の背もたれにこめかみを押さえながら、再び深くもたれた。
「『爆破』――それがアンタたちの作戦なのね」
「はい」
詩織は今日の作戦内容が、どんなものであるかを知らされていない。
作戦内容を聞いてどうなるものでもなかったし、美童も深くは話そうとしなかった。
詩織の役目は、小夜子を自分の従姉妹という存在に仕立て
兼六スタッフ内での小夜子の位置の安全を確立するという、それだけの事だった。
「その爆弾はどうしたの?」
「清四郎さんが持ったままで居るのか、処分したのか……どちらにしても、もうあの場には無いと思います」
「『思います』って事は、持ち去った現場を見ている訳じゃないのね。何を根拠にそう思うの?」
「口論のきっかけとなる原因が、爆弾だったからです。彼は、爆破装置の撤去を私に要求しました」
小夜子は花瓶に活けてある彼岸花を一輪手に取り、ゆっくりと茎を回し始めた。
762檻(158):2005/04/10(日) 04:52:49
「彼、どうあっても結婚したいのね」
「いいえ、それは違うと思います」
小夜子は持っていた彼岸花をそっと花瓶に戻し、そのまま詩織と目線を合わせた。
「彼は結婚式から脱出を試みるはず――いいえ、恐らく最初から結婚などするつもりはなかったんです」
「ちょっと待ちなさいよ」
詩織は三本目のタバコを手にしていたが、結局火を点けないまま灰皿の中に押し当てた。
「アンタの意見、矛盾してるわよ。脱出するつもりなら、どうしてアンタたちの手を借りないの?
仮に借りる気が無いにしても、アンタを殴って気絶させるまでの意味がどこにあるのよ」
いささか興奮気味に捲し立てた後、詩織は半ば手癖のように、四本目のタバコを箱から取り出した。
「口論したって言うんなら、何か話したんでしょ、清四郎君と。
言いなさいよ、何話したの」
次第に語気が荒くなり、まるで警察の取調べ尋問のようだと自分でも感じる。
「それは――申し上げられません。野梨子さんのプライベートに関する事柄も含まれていますから」
「ノリコ?……ノリコって、清四郎君の隣に住んでる幼なじみっていう、あの子?」
「はい」
詩織は記憶の糸を辿って、データを抽出する。
脳裏に浮かんだ顔は、目の前の小夜子に勝るとも劣らないほど整った顔立ちの、日本人形を思わせる少女だった。
だが野梨子に関する記憶が甦っても、それは清四郎の支離滅裂な行動とは結びつかない。
これが今流行の韓国ドラマだったりすれば、野梨子に嫉妬させたいが為の
清四郎シナリオによる擬似結婚という線も考えられるが、『菊正宗清四郎』という器は
そんなありきたりな純愛ドラマを繰り広げるには、余りにも大きすぎるように感じられた。
アレはそんな男じゃない――詩織の勘は、そう告げている。
自分の手を全く汚さずに事を進めるか、仮に汚すのならば自分がやったという形跡を片鱗も残さずに処理するはずだ。
彼には、それだけの才覚がある。
763檻(159):2005/04/10(日) 04:54:12
「警視総監の松竹梅時宗さんと、御懇意ですか?」
小夜子の声に、考えに熱中していた詩織は我に返った。
「『御懇意』って程、大層な仲じゃないわね」
実際、結婚式の警備の打ち合わせで何回か会っただけで、会えば思わず顔がほころぶような砕けた間柄ではない。
「松竹梅さんと連絡を取る事は、可能ですか?」
「ええ、今日は警備の関係で彼とはいつでも連絡がつくようになってるわ」
それでは――と前置きをして、小夜子は真剣味を帯びた顔つきで、詩織を見つめた。
「彼に頼んでいただきたい事があるのですが」
「……頼み?」
「はい。先ほどの話に出てきた白鹿野梨子さんを、至急保護して頂きたいのです」
また、『野梨子』だ――。
詩織は軽く頭を抱え、小さく舌打ちをした。
先ほどから出てくる『野梨子』というキーワードは、詩織の頭の中で今回の一件と上手く絡み合わず
少なからずイライラの原因となっている。
「保護、という形をとる意味が判らないわ」
通常、『保護』といえば庇う、助ける、守るなどの意味合いが含まれているが、一体何から野梨子を保護するのかが判らない。
「私の推測がもし当たっていれば――野梨子さんは今日の式中に、死に到る可能性が多分にあります」
「しっ、死ぬっっ!?」
ガタンと大きな音を立てて、パイプ椅子が倒れる。
突拍子も無い言葉が小夜子の口から飛び出した為、詩織は大人気なく動揺してしまった。
「死ぬ――死ぬって、誰かに殺されるっていうの?」
だとすれば、その為の保護なのか。
「他殺……とは、一概に言い切れません」
「じゃあ想いを寄せる清四郎君が結婚してしまうから、当てつけの自殺とでも?」
小夜子は小さく首を振る。
「完全な自殺でもありません。強いて言えば、『限りなく他殺に近い自殺』です」
764檻(160):2005/04/10(日) 04:55:33
「先ほども申し上げましたが、これはあくまで私の推測に過ぎません。
ただ、外れれば過剰な妄想狂の戯言で終わりますが、万が一、推測通りに事が進んでしまったら、後悔という一言では済まされません」
「白鹿さんから事情を聞いて、自殺を思い止まらせるという手は駄目なの?」
自殺をするというならば、それ相応の事情があるだろう。
すんなり解決という訳にはいかないだろうが、第三者の視点から新しい解決策を見出すという方法は取れないだろうか。
「あの方はある意味、清四郎さんの上を行く方だと思います。
恐らく私達が何かを聞き出そうとしても、上手くかわされて終わりになるような気がします」
詩織は野梨子の風貌を、脳の中に再度引きずり出した。
確かに『隙が無い切れ者』の部類に入りそうな人間ではあるだろう。
「この場合、何の拘束力も無い私達より、警察の方に見張っていていただいた方が効果があると思います。
自分の身が公的機関に委ねられれば、野梨子さんも自殺という手段に出難くなると思いますし
他者から危害を加えられる可能性も低くなると思います」
冷静に解決策を提示する小夜子を見ながら、この子もまた、いわゆる『切れ者』タイプなのだろう、と詩織は考えていた。
ただ、この話し方やちょっとした仕草、物事についての考え方から察するに、野梨子というより――。


「アンタ、清四郎君に似てるわね」
つい、心の中で思ったことが、口をついて出てしまった――。
「あの子、ここ一週間、綾香の所に住んでたのよ。アタシは綾香の秘書みたいなもんだから
清四郎君とも、行動を共にする機会が結構あってね。今のアンタの意見や話し方聞いてたら、何となく似てるな、って思ったのよ。……あ」
765檻(161):2005/04/10(日) 04:56:59
最後の『あ』は、恐い位厳しい表情で詩織を見ている小夜子を見て、出た言葉だった。
「……っと、悪かったわ。話の腰を折るつもりじゃなかったんだけど。
アンタの意見、的確だと思うわ。アタシはアンタの提案通り、警視総監に連絡して白鹿さんの保護の件、頼んでみる。
アンタは気に掛かるだろうけど、ここで寝てなさい。
さっきも言ったけど、アンタの嗅がされた薬は特殊な物なのよ。目が覚めても三十分もすれば、また強烈な眠気が襲ってくるわ」
また、妙な場所で倒れられても困る。
今からは、詩織自身が右に左に動かなければならない――。今度こそ、フォローは出来ない。
「じゃあ、行くわ。とりあえず、白鹿さんは保護したら警官の護衛付きでここへ連れて来るから。
アタシはその後、式場で清四郎君に付いて彼が妙な行動に出ないよう、側で監視するわ。
アンタは式が終わるまでに、アタシ達が次に取るべき行動を考えておいて。
アンタの仲間の『清四郎奪還組』の四人には、大人しくするようにアタシが直接伝えとくわ。何かあったら、これで連絡なさい」
詩織はそう言って、予備の携帯を小夜子の枕元に置いて立ち上がった。
「詩織さん」
小夜子は詩織が『清四郎に似ている』と言った直後から今まで、険しい表情を崩さないままだった。
「お話したい事が、あります」
話の腰を折った事が、そんなに気に喰わなかったのだろうか、と詩織は訝しがった。
だが野梨子捕獲を『大至急』と言ったのは、他ならぬ小夜子だ。悠長に話などしている場合ではない。
「話なら、式が終わって聞くわ」
「いいえ!」
――締め切ったドアの向こうまで聞こえるような大きな声に、詩織は思わず固まった。
「今が、いいんです。今ここで、詩織さんに聞いて頂かなければいけません」
諦めて、詩織は溜息まじりにパイプ椅子に座り直した。
「そんなに凄い顔つきで話すのなら、さぞかし重要な内容なんでしょうね」
「――そうかもしれません」
詩織の皮肉が効いた言葉にも、小夜子は笑いもしなかった。
766檻(162):2005/04/10(日) 04:58:25
「そんなに重要な事なら、仲の良い友達とかに話したら? そうよ、それこそ白鹿さんとか、剣菱のお嬢様とか――」
「私の事を知り過ぎていたり、情が入りあっている間柄だったりする人間に話すには、この内容は適しません。
――逆に、私の顔も知らないような人に話しても、当然ですが意味はありませんが」
要は、顔見知り程度の人間に聞かせるのが一番適しているという事なのだろうか。
だとしたら、確かに自分は適していると言えなくはない。
「先ほど、詩織さんが言われた事ですが――」
「さっき、ってどの話?」
「私と清四郎さんが似ている、という話です」
「ああ――」
やっぱり、と詩織は内心うんざりした。小夜子は話の腰を折った事に、恐らく未だ腹を立てているのだ。
「だから、悪かったわよ。アンタが真剣に話してたのに、茶々入れたりして」
「――怒っているんじゃありません」
小夜子は再び彼岸花を手に取り、手の中でくるくると回した。
「似ていて、当然なんです。私達は――受け継いだ遺伝子が、同じですから」
紅い彼岸花の花びらが、ひとつ、またひとつ、真っ白いシーツの上に落ちていく。
「私達は、兄妹です」
人は、時として突然衝撃的な出来事に遭遇した場合、脳がそれをストレートに受け入れられない場合がある。
今の詩織が正にそれで、非常に判りやすいはずの一文を、わざわざ曲解して解釈していた。
「それは、アンタが……清四郎君を、兄の様に慕っているって……事、よね?」
「――いいえ」
小夜子はもう、険しい顔はしていない。
ただ、何かを見失った旅人のように、儚く、悲しげな顔をしていた。

「私――久遠寺小夜子と菊正宗清四郎は、血の繋がった兄妹なんです」

気の遠くなるような台詞を聞いた後、詩織は遠くで花火が上がる音を聞いた。
午前十一時――式開始の合図の花火だった。
767:2005/04/10(日) 05:00:19
本日は以上です。
再開早々、倶楽部内メンバーが一人も出ずに申し訳ありませんでした。
読んでいただき、ありがとうございました。
768名無し草:2005/04/10(日) 12:25:28
>檻
やたっ!復帰おめでとう!
そして急展開ですね(笑
いつも楽しみに読んでいたので連載再開がうれしいです。
檻さんの意表をつくストーリーにはハラハラドキドキです。
次回を楽しみにしてます。
769名無し草:2005/04/10(日) 13:26:28
檻>>この先の展開が楽しみ。次回をお待ちしています。

家では影の薄い豊作さんですが、
何かのきっかけで、清四郎が惚れこんでしまうくらい「実は切れ者」だった
と、いう様な話が読んでみたいと思う昨今・・・
770名無し草:2005/04/10(日) 15:36:22
檻 作者様 復活大感謝です。
この日を心待ちにしてました。
私も引き込まれて読んでいたんで
続きを読むことができてとても幸せです。
771名無し草:2005/04/10(日) 17:16:25
>檻
お待ちしておりました!!今すごく嬉しいです。
予想もしなかった展開にぐっと引き込まれました。
有閑メンバーたちは今どうなっているのでしょうか。面白いです。
続きもお待ちしてます!
新しく連載を始めさせてください。
中学生時代の魅録、悠理、清四郎を中心に
危ない感じのお話です。

中編です。
微かな鳥のさえずりと共に公園に朝がやってくると
路上に転がった俺―松竹梅魅録―の上に満開の桜の花が出現した。

風に吹かれて花びらが一枚、二枚と俺の上に落ちてくる。
きれいだな。
体を起こそうとして、俺は腹の痛みに呻いた。
そのまま又寝転がる。
声を出した拍子に殴られてきっと痣になってるはずの頬も痛んだ。
明るくなった空を見て、ため息をつく。
殴られたり蹴られたりした傷の痛みもあるが、
それ以上に殴ったり蹴ったりしたおかげで俺の体は
クタクタで起き上がれないほどだった。

また花びらが降ってきた。
眠くて俺は目を閉じた。
すると近くで小さな声がする。

「死んでるの?」

目を開けると誰かが俺の顔をのぞき込んでいた。
影になってよく見えなかったが、知らない顔のようだった。
無視して目を閉じようとすると、そいつは腹が立つことに
痛む頬を指先でぐいと押しやがった。

「なあ。死んでるのかって」

俺は顔をしかめて起き上がると、威嚇の意味も込めて凄んでみせた。

「・・・るせえな。誰だよ、おまえ」
そいつは俺をのぞき込んだ姿勢で道にしゃがみこんでいた。
膝を抱えてニヤニヤと笑っている。
汚いトレーナーにジーンズを着ていたが女の子だ。
眠いのを起こされたのと傷をつつかれた痛みで俺は胸糞悪かった。
そいつを睨みつけたが、向こうは怖がる気配もない。
こんなことを言った。

「すごかったな。喧嘩。一人で何人も相手にして。強いんだな、おまえ」

昨夜のことだった。
ツレが高校生にからまれたのを助けようとして、はからずも俺は夜の公園で
大立ち回りを演じたのだった。
だがどうやら俺が孤軍奮闘している間にツレは逃げてしまったらしい。
友だちがいの無い奴だ。

「・・見てたのか。すごかねえよ。負けてんじゃねえか」

ん? ひょっとしてこいつは昨夜からここにいるのか?

「おい。おまえ帰らなくていいのか」
「あっ」

急に女の子は立ち上がるとピョイピョイピョイと飛ぶように歩き出した。
ぽかんとその後ろ姿を眺めてるとふいにふり向いたそいつは
再びタッタッタと戻ってきて俺に囁いた。

「またな」

そして再び走り出すとあっという間に公園から姿を消した。
俺は煙に巻かれた気分で呟いた。

「なんだ、あれ・・・」
ガードレールを飛び越えると剣菱悠理は公園の入り口に横付けされた
ロールスロイスの窓を叩いた。
すぐに中から運転手が出てくると、丁寧に車のドアを開ける。
悠理は車の中に飛び込むと、腕組みしたままウトウトしていた男の首に抱きつき
キスをした。
その男―いや、男の子と言った方がいいだろうか―菊正宗清四郎はうっすらと
瞳を開けると「やあ、悠理」と呟く。
「玩具は見つかりましたか」

再び目を閉じると、窓にもたれて眠りにつこうとする清四郎の頬を悠理はピタピタと叩いた。
「起きろよ、清四郎」
「寝かせてくれよ。一晩中、悠理につきあわされて眠くて眠くて・・・」
「起きろってば」
押し問答の後、悠理はむりやり彼をシートの上に押し倒しその上に跨ると
嫌がる彼の唇に自分の唇を強く押しつけた。
「痛いよ、悠理」

悠理は運転手にうちへ帰るよう告げた。
清四郎が悠理の下から小さく呟く。
「その前に僕の家に寄ってくださいよ」
「だーめ。清四郎はあたいんちに来るの」
「・・・学校は? いつもの時間に家を出ないと野梨子が怒る」
「怒らせとけばいいじゃん。清四郎、絶対帰さないもん」
体を起こした清四郎をしがみつくようにして悠理は抱きしめた。
ゆっくりと走り出した車の窓にヨロヨロと公園から出てきたピンク色の頭がちらっと映った。
悠理は薄茶色の瞳を細めて、桃色の髪を見送った。
彼女の服の下から少年の手が潜り込んだ。
「君はいつも強引なんだから」
悠理は照準を清四郎の顔に戻すと唇の端を上げた。
困ったような少年の前髪をかき上げると、
彼の唇に舌を差し入れた。

頬と腹を押さえながらヨロヨロと歩く少年―松竹梅魅録の横を、黒いロールスロイスが
ゆっくりと通り過ぎて行った。


まちがえました。 >>774 は1ではなく2です。
778名無し草:2005/04/13(水) 20:02:56
>Target
新連載!魅×悠×で危ない話!
しかもターゲットにされちゃったらしい魅録!?
あり得ない感じの清×悠のかけあいも、めちゃくちゃツボです。
(中学時代なのに、こんなにいちゃついちゃっていいんでしょうか?)
車中の二人は恋人同士なんでしょうか。そこに魅録が絡んじゃうんですか。
ドキドキしながら、続きをお待ちしています。
779名無し草:2005/04/13(水) 20:38:58
>Target
わ〜、新連載嬉しいです!!何だか、不思議な感じのお話でドキドキしちゃいます。
魅録×悠理×清四郎とは、またまたそそるCPです〜。
そして、悠理が奔放な感じでかっこいいです!
これから、魅録はどんな風に関わっていくのでしょうか。
悠理と清四郎は一体どんな関係なのか、など疑問がいっぱいです。
続きお待ちしております。
780名無し草:2005/04/13(水) 22:07:45
>Target
新連載嬉しいな。
読みやすくて一気に読めました。
清四郎と悠理は、裏では秘密の関係(魅録だけが知ってしまった)なのでしょうか?
それとも皆の前でもラブラブ?(ありえないかw)
今後が凄〜く楽しみです。
がんばってくださいね!




781名無し草:2005/04/13(水) 23:26:05
最近単行本が出てないですけど、どうなってるのかな?
782名無し草
単行本が出ないのは新作が発表されてない為