兄貴、深夜だというのに元気だな(;´Д`)
もう年なんだから、あまり無理は良くないぞ。
>939
CDTVを観てから寝ようと思ったのに、中々終わってくれないんだ。
今日は朝までやるつもりなのか!?
剛兄貴のテープでも聞きながらもう寝るも〜。
キミも早く寝るが(・∀・) イイ!
なんとなく居ついてしまったが、スレを立てる前に64を消化した方が
いいんじゃないか、と、ふと思った。
小花恋唄キタ━━━━━━煤i゚∀゚)━━━━━━!!!!!
やはり白雉アキラたんはエエとこの若様だったんだな。それが・・・(´Д⊂
アキラたんが可哀相で仕方ない。ヒカルッ!なんとかしてやってくれー!!
その若造=下男は誰なのだろうか??まさか・・・・ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)
天プラ乙〜!
>940
兄貴来てたのか…ネラー丸出しだな(w
だが開き直ってせいじを表に出す。
治療としてはいい感じなんじゃねが?
>941
てんぷら乙!
ヤマネコのチンデレラの行く末を息を呑んで見守ってしまったじゃねーか!
早く迎えに行くからね。待ってるんだよアキラたん!
947 :
塔矢アキラ:04/08/22 12:15
Hello,I am Akira Toya.I am a professonal IGO player.
My hasband /Hikaru Shindo He is pritty. He is my forever lover!!^0^
我愛他 他是我的愛人 じぇんとるめん 生涯のライバル<恋人>!!
どうも〜塔矢アキラです いやぁ〜僕のためにスレッ度を立ててくださって感謝してます。
スレッド新しく立て直さないと駄目ですね?頑歯手下佐為 (がんばってください)。
頑なな歯の手下は佐為(異訳)←逝け
神道光歯僕野旦那デスのーと(爆) 「進藤ヒカルは僕のだんなです」訳
碁瑠阿 怒瑠祖呼羅 碁打津理由歯簡単 遠井未来戸明日緒?具為。
分駆瑠蝦名? 万葉集より。。ウソ。。
安置塔矢萌摺例 打倒塔矢明 腐田摺例 句田葉例 囲碁真似阿!
碁瑠阿 嵐摺例 御免為佐為根 宇夫腑* 九佐為摺例 消絵魯。
緒次郎組 皮下秋歳戸 于漸井 気絵魯 和葉葉歯葉*怪人300面相*
書気似毛住真ン 毛汚和利* 解読要巣瑠
小見家逝田琴有瑠仮名?
よく判らんなあ。
夏休みって感じがするな。
今からちょっとスレ立ててみる。
>941、お借りしますぜ!
┌─────――――┐
│Bar. チチャーイやまねこ│
└─────――――┘
お待たせしました! 開店致します!!
日 凸 ▽ ∇ U.
≡≡≡≡≡≡≡ /|||||"||ヽ コレ ブドウカンニ モッテイコウカ…
U ∩ [] %.. ||(*゚ー゚)| /
_________(つ)Uと)___/ ヽヽヽ.イ,, ワン !!
―――――――――――――┐ ∠,从从, シ /~||
│ / ∪・ェ・∪,,,。,,ノ ||
━┳━ ━┳━ │/ ( u u ), ||
 ̄ ┻  ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ,_______
/ == /|
| ̄ ̄ ̄ ̄| .|
|.アキラ基金|/
 ̄ ̄ ̄ ̄
(38)
湯上がりのアキラを前に、また少しの間時間が止まる。
急に談笑するのを止めて自分のほうを見ている二人に少し訝るような顔をして、
アキラは桜色の頬の辺りを手で撫でた。
「・・・何?何かついてるかい」
「・・・・・・え!?・・・ううんっ、べ、別に何もついてないぜ!?」
はっと我に返ったヒカルが慌てて両手を振り否定した。
だがアキラはそんなヒカルを怪しむようにじろじろと見て、廊下に向け踵を返した。
「鏡を見て来る」
「あっ、何もついてねェって言ってるだろ!?人の言うこと信じろよ!バカ!」
焦って悪態をつくヒカルを無視してすたすた歩いて行ったアキラが、程なく戻った。
少し怒った顔をしている。
「何もついていないじゃないか」
「だからついてねェって最初に言ったろ!」
「ふざけて言っているのかと思ったよ」
「何でだよっ!」
どうでもいいような二人の遣り取りを、社は傍らでぽつんと一人取り残されたように、
だが楽しそうに黙って聞いていた。
そんな社の姿が目に留まったのか、アキラが気を取り直したように促す。
「進藤、キミもお風呂に入って来るといい」
「あ、うん」
頭を掻きながらヒカルがリュックサックの前に座り、ごちゃごちゃに散らかった
私物の中から必要な物を探し始めると、アキラの声がまた険を帯びた。
「・・・進藤。さっき言ったのに、まだ支度をしていないのか?
ボクがお風呂に入っている間、いったいキミは何をしていたんだ!」
「あーもう、うるせェなぁ。オレも色々忙しいの!だいたい風呂に入るのが
ちょっと遅れるくらい、別にいいだろ」
後半声が心持ち小さくなったのは、自分の言い分は少し格好悪いと自覚があったためだ。
アキラが諭すように言った。
「この後キミとボクが打って、三人で検討をしたら、まただいぶ時間がかかるだろう?
・・・社が昼間の移動で疲れているだろうから、今日は早仕舞いしたいんだ」
「やしろ」の三文字が心なしか大事に発音された気がして、心のどこかがチクリと痛んだ。
(39)
「気ィ遣ぉて貰わんでも、オレなら全然平気やで?」
「今回は前の合宿とは事情が違うし、初日から遅くまで頑張る必要はないだろう。
その代わり明日からは早起きして、朝昼晩とみっちり研究する。そのほうが効率がいい。
大体のスケジュールはボクが立てたから、後でキミたちにも見て貰う」
「うォッ、もうそこまで考えとったんかーい!今日の塔矢はやけにやさしーわァと
思とったけど、やっぱ塔矢は塔矢や」
「・・・どういう意味だい。ボクはいつもその時の状況の中で、一番効率がいい方法を
考えてるだけなんだけど?」
「分かっとるで、分かっとるで、それは。・・・はは〜。塔矢先生」
「・・・・・・。ボクをからかっているのかい?」
「・・・いや・・・そ、そんな正座してマジメに改まられるとこっちもなァ・・・。・・・・・・。
・・・えろうすんまへん」
二人の会話を背中で聞きながら、ヒカルは無言で替えの下着やTシャツその他を
引っ張り出して立ち上がった。
「塔矢」
遮るようにぶっきらぼうに言い放つと会話が止まった。
「え?何だい進藤」
どうして、他の人間とそんな風に楽しそうに過ごす権利がある。
アキラは社がいるこの同じ家で、自分とあんな約束を交わすような間柄なのに。
嫉妬が滲み出ないよう表情を作ってから振り返り、アキラの目を見てヒカルは訊いた。
「さっき約束したモノ、置いといてくれた」
和やかな光を湛えていたアキラの目が、強張るように大きく見開かれた。
その反応を見ると追い討ちをかけたくなって、ヒカルは無表情な声で畳みかけた。
「置いてあんの、置いてねェの。どっちだよ」
「・・・・・・置いてあるよ。脱衣籠の所に・・・」
「へェ、そうか!有難く使わせて貰うぜ。じゃ、風呂入って来る。少し長くなるかもな」
「約束の物て?」
部屋を出る時、何も知らないで軽く訊く社に、アキラが珍しくしどろもどろになって
話題を変えようとしているのが聞こえた。
フンッと一つ荒い鼻息をついて、ヒカルはどかどか廊下を歩いて行った。
ヒカルが戻ってきたら、アキラと社が最中だった、
なんていうありがちなネタはカンベンな。
>956
俺はそれでもいい!
ありがちなネタっておまいは言うけど、俺は読んだことないからな〜。
>955の考えてるように書いてくれ! 続き待ってる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……………………
. r'⌒`Y⌒ヽ
. |. | |
,ゝ ' .ノ ハァハァ
/ ヽ. ウサギチャン オチャドゾ!!
| ・ ・ l
,,ゝ、 × ノ. /||"||||ヽ
〃 , ``'''''''''" `ヽ (O゚*)||||
◯ソゞ .ゝ◯ ⊂ o )
と ⌒)⌒) 旦~ (_(_つ
 ̄ ̄  ̄
ども!!
アキラたん、中の人に気をつけるんだよ
うoこ喰らえ チoチo うわっはっはっはっはっはっはっはっははーーー
生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ生ゑ キモイ字だなゑって。
・・・・・・・・知るか・・・・・・・・んなこと 知るか!!!!!
ジョイフル 人間ライフ!?^0^^0^^0^^0^^0^^0^^0^^0^^0^^0^
誰か僕とスカトロしませんか?巣華吐露・・・・・汰悪流 夜魯死苦!囲碁真似阿
(103)
陰陽師「賀茂明」の誇りにかけて、最後まで耐え抜くつもりだった。
だが社の筆が模様を広げていくにつれ、体内のクチナハに落ち着きがなくなってきた。
聖なる模様に包囲されて苦しいのだろう。
激しく身を痙攣させ、疼きを生む淫液をしとどに分泌しながらくねくねと蠢く。
四肢の動きを封じられたまま、燃えるように疼く内壁を滑らかな淫液の助けを借りて
絶え間なく擦り続けられるもどかしさに、明は己という存在が魂ごと蕩かされて、
人の形を留めぬ蜜にでもなってしまうような気がした。
膚の表面では、冷たく濡れた何ものかがジワリジワリと熱を煽るように這っている。
それが何のためのものであったか、ともすれば忘れてしまいそうになった。
蛇を祓うための儀式の最中であるということを忘れて、
体の内外を蛇に犯されているような感覚に襲われた。
・・・誇りも忍耐も、遣る瀬ない快楽に麻痺して意味を失っていく。
クチナハの淫液は今や、後穴の内壁から吸収され、己が全身にその毒を
回らせてしまったのではないかと明には思えた。
そう思わねば自分で自分が受け入れられないほど、
粟立つような快楽と目も眩むような歓喜とが全身を支配していた。
――クチナハの毒がめぐって血液の中から己を犯し、
甘い痺れと共に汗となって膚を透かし滲み出ていく。
毒はやがて脳髄に達し、己が思考までをも甘い熱の彼方へと攫って行ってしまう。
そうして「賀茂明」は蜜となって溶け去り、後にはただ一匹の蛇が残る。
かつて己であった、愛欲の蛇が残る。
そんな想像が水泡のように明の頭に浮かんでは消えた。
――人の身が感じることの出来る快楽に限界はあるのだろうか。
もしも限界を超えてしまったなら、行き着く果てに待つものは死なのだろうか。
明はそれまで十数年間生きてきた中で、これほど死を意識した時はなかった。
傷病によってではなく、対立する術者の呪によるのでもなく、
ただクチナハの快楽によって己はここで死ぬのかもしれないと思った。
(104)
崩れ漂う意識の中に、何処からかまたあの声が降って来た。
シュー・・・シュー・・・という息遣いが一際乱れて忙しなく響くのは、
「彼」もまた追い詰められている証なのであろう。
声は云った。
――苦しい。苦しい。
――助けてくれ、賀茂殿。我らは上手くやって行けると思うたに。
――何故に、私をこのように苦しめるのじゃ。
からからになった喉で明は叫んだ。
否、後から光に聞いた話によるとその時明は熱に浮かされたようになっていて、
何一つまとまった言葉は発さなかったそうだから、思念の声で叫んだと云うのが
正しいかもしれない。
「・・・っふざけるな・・・っ!おまえこそ何の権利があってボクの体に入り込んだ!」
――私が貴方を狙うたは、我が主に命ぜられただけのこと。
――されど私を魅了したは貴方自身の資質。
――もし貴方が今少し不味い精の持ち主であったなら、私はもう疾うの昔に、
――貴方の内部から臓物を喰らい尽くして、主の許へ帰っていただろう。
声を振り絞る。
「おまえの餌の好みなんて、ボクは知らない・・・!」
――知らずとも関係がある。
――まこと美味なる精は、身も心も快楽に捧げられた状態でなければ得られない。
――貴方の精は私の舌に、蜜のように甘い・・・それは貴方が私の与える快楽に、
――身も心も蕩かされているということ・・・
「・・・・・・!!・・・抜かせッ・・・!」
――貴方自身がそれを一番よく分かっておいでのはず・・・ああ、力が抜けていく。
――これで貴方の中から出て行かねばならぬのか。
――残念だ。しかしこればかりは申しておかねばなりますまい。
――貴方は私がこれまで出会った人間の中で最上の人。
――貴方が私に魅入られたのではなく、私が貴方に魅入られたのです。・・・
(105)
「ヨッシャァ、出て来たで!!そっちや、近衛!!」
「でっ、出て来たけど・・・!コイツどうすりゃいいんだ!?社!!」
混濁状態にある明の後門周辺にまで念入りに模様を描いてから、
社は光と緒方に明の脚を広げさせたまま正面に立ち、
フッと息を吐いてから印を組んで呪言を唱え始めた。
すると忽ち明の下半身がビクッビクビクッと陸に揚げられた魚のように激しく痙攣し、
赤い唇から尾を引くような長い甘い声が洩れたかと思うと、
大きく広げられた脚の間、奥まった後門から、
巨大な蛇がズルリズルリッとその長い身を苦しげにヒクつかせながら這い出て来た。
初めて目にするその巨きさと、影のように実体なく透けて見える異様な形状に、
光も緒方も共に目を瞠り息を呑む。
式の小鳥も興奮して天井近くまで舞い上がり、ピーッピーッと鳴き騒いだ。
「――何だこりゃ、どうすりゃいい!!斬っていいのか!?」
喘ぐようにズルズルと出口へ這い進むそれに向かって、腰の物に手をかけた光を、
「ちょォ待ち!!」と社が制した。
「こいつは普通の剣じゃ斬れん。これ使い!」
放って寄越されたのは黒っぽく古ぼけた一振りの小刀だった。
一見するとその辺に転がっていそうなありふれた作りなのに、
手にするとそこからじんわり熱が伝わって、生命力が流れ込んで来るように感じる。
魅せられたように光が鞘から抜くと、
古錆びた外観に似合わず太陽のように白く鍛え抜かれた刃が現れて、
ぎらぎらと燃えるような光を部屋の中に放った。
「お師匠様から持たされた御神刀や。蛇の弱点は頭や!それで頭を斬り落として、
一気にとどめ刺したれ近衛!」
「分かったっ!よォし、これで頭を――!」
鞘を捨て、太陽のように白く輝く小刀を構えて狙いを定めた光に制止の声が飛んだ。
「・・・って・・・、待ってくれ、近衛!」
「え・・・っ!?」
(106)
戸惑って光が振り向くと、結界の中で緒方にしっかりと抱きかかえられた明が
半ば失神しかけのような虚ろな目をして、うわ言のように口を動かしている。
「何や、賀茂!早よせな逃げられてまう。今言わなアカンことかいな!」
社が耳を近づけてやると明は消え入るような調子で云った。
「・・・出来れ・・・ばその妖しを・・・・・・殺さないで欲しい・・・何とか・・・
生け捕りにすることは、・・・出来ないだろうか・・・?」
「あぁ!?何甘っちょろいことゆーとんのや、この人は!!
さんざアンタを苦しめた妖しやで!?それを助けろて!?」
「・・・き、キミの力で出来ないなら・・・仕方ないからいいけど・・・」
そう囁いて明がふっと微笑んでみせると、社は口を強く前に尖らせて云い返した。
「・・・・・・で、出来ないなんてことあらへんっ!!――しゃあない近衛、合わせ技や!
お師匠様にも認められたオレ様の力、こいつに見せたるわ!!」
「えっ!?そりゃいいけど、オレはどうしたらいいんだよ!?」
社は懐からバラリと御符の束を放り投げ、空に舞った一枚を人差し指と中指で
迷わず捕まえながら云った。
「ええか近衛・・・まずオマエが蛇の体をその御神刀で床に留めつけるんや。
そしたら後はオレがやるさかい、頼むで!はいっ!」
「コイツの体ごと刀で床に貫けばいいんだな!?よしっ――!」
(107)
気合一閃、光が渾身の力で振り下ろした御神刀が大蛇の身を貫いて床に突き立った。
耳を劈くような恐ろしい叫び声が響き渡り、床を破る勢いで大蛇がのたうつ。
だが真っ直ぐに突き立てられた御神刀はびくとも動かず、ますます白く強く輝く。
するとその白い刀身に陰の力を吸い取られるように、影の如く実体のなかった
クチナハの身が、次第に普通の蛇と変わらぬほどはっきりとして来た。
「・・・何かハッキリして来たぞコイツ!!これでいいのかっ!?」
光が振り向くと社は一つ大きく頷きながら、既にぶつぶつと呪を唱え印を結んでいた。
「・・・・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・はぁぁぁぁあっ!!!」
他の者には聞き取れない言葉を唱えて社が御神刀の柄に御符をぴたりと貼り付けると、
落雷のような轟音と共に一瞬部屋が真昼のように輝き――
後には、黒く艶やかな身と酸漿のような赤い目をした小さい美しい蛇が、
じたばたと暴れながら床の上に小刀で縫いつけられていた。
アキラたんハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)どうなるアキラたんハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ホッシュ
チンコピョンとアキラたん(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァホッシュ
(20)
自室に帰ると、一日分の病棟訪問を終えて戻っていた第一号が
「あっ博士、お帰りなさい!」と笑顔を向けた。
第一号は例のゴージャスベッドの上で正座しながら何か雑誌を読んでいた。
「第一号・・・」
K島の忠告が頭の中をまわっていたが自分が第一号を不安にさせるような態度を
取るわけにはいかない。
彼は微笑んで第一号の隣に腰掛けながらそのおかっぱ頭に手を載せ、
「何を読んでいるのかな?」と覗き込んだ。
そして目の玉が3mくらい飛び出そうになった。
それは先刻彼がK島の来訪を知り慌ててベッド下に隠した、A誌だったのだ。
「博士、見て見て!ボクがいつもお風呂上がりに裸でいるとお行儀が悪いって
言われますけど、このざっしには裸の大人の人がたくさん出ています!」
仲間を見つけたよ!とでも言うように得意気に、第一号はモミジのお手手で
いかがわしい写真満載のページをパラパラとめくってみせる。
「それにほら!このページに、ボクが載ってるんです!このしゃしんを撮った人、
ボクのこと可愛いって思ったのかなぁ・・・!」
問題の黒隠し写真を指差して第一号はウトーリと嬉しそうに身悶えた。
動物好きのアキラ号たちのためにラボでは一般のニュース誌や囲碁雑誌、
児童向け雑誌の他にペット誌も毎月数冊入れている。第一号も常日頃それらの
「我が家のペット自慢」「街で見つけた可愛いわんこ・にゃんこ」といった
写真コーナーを見ては「可愛いねぇ、可愛いねぇ」とメロメロになっていた。
だから自分の写真が裸の大人の写真に混じってA誌に載っていることも、
ただどこかの誰かが自分を可愛いと思ってくれたからと解して
無邪気に喜んでいるのだ。大人たちの汚れた思惑など全く知らずに――
彼は思わずしゃくり上げて、笑顔の第一号をヒシと抱き締めた。
(21)
「ムギュ・・・博士?」
第一号は不思議そうに彼の顔を見上げた。
「博士、泣いているんですか?どこか具合がお悪いんですか?」
第一号の澄んだお目目が心配そうに彼の目を覗き込む。彼は首を振った。
「いや大丈夫だ。この写真はとっても可愛く撮れているな、第一号」
それは正直な感想だった。どのような意図の下に撮影されたものであれ、
写真の中で笑顔で跳ねる第一号はやはり世界中の何よりも愛らしかった。
彼に誉められると第一号はパァァァ・・・と顔を輝かせて照れ臭そうにもじもじした。
「博士、これ何ていうざっしですか?明日他の子たちや患者さんにも
見せてあげていいですか?」
それは自分の写真が雑誌に載ったのを他のアキラ号にじまんしたいという
子供らしい欲求から出た望みだったろう。
だがこの写真をこの上人目に触れさせることは出来ない――彼は静かに首を振った。
「いや、それは駄目だ第一号。今日この雑誌を読んだことも誰にも言わないように」
「エ・・・どうして?」
見る見る眉を下げてシュンとなる第一号の小さな肩に両手を載せて彼は言った。
「この雑誌は――そう、この雑誌はウソの雑誌なんだよ、第一号」
「うそのざっし・・・?」
「おまえと私の関係について勘違いした人がウソの記事を書いてしまったんだ。
だからさっき私とK島のおじさんとで話し合って、今度から本当じゃないことは
書かないでくださいってこの雑誌を作っている人にお願いすることにしたんだ。
その代わり、私もおまえもこの雑誌のことは他の人に話しちゃいけない。
・・・わかっておくれ」
「むー・・・」
第一号はしばらく未練たっぷりにA誌の記事と彼の顔を見返していたが、
自分がぐずっても彼の真面目な表情が揺らがないのを見ると渋々頷いた。
「わかりました。ボク、このざっしのことは誰にもいいません」
「そうか。明日のおやつは私の分のプリンも食べていいからな」
彼はホッと表情を和らげて第一号のおかっぱ頭を撫でた。
シュンとしていた第一号も二人分のプリンと聞くと笑顔を取り戻した。
(22)
「博士、ここには何て書いてあるんですか?秘密にするから教えてください!」
機嫌の直った第一号が件の記事を指し、彼の耳に口をつけてコショコショ囁いた。
第一号は今7歳児くらいの外見だが実際この世に誕生してからの年数はもっと短いし、
他に憶えなければならないこともたくさんあるため、
文字はまだひらがなとカタカナしか読めない。
今回はそれが幸いしたわけだが、二人きりの部屋の中でまで
小声になることはないのに――苦笑しながら言葉を選んで彼は告げた。
「ここにはね、第一号。おまえと私が・・・恋人同士だと書いてあるんだよ」
「こいびとどうし?」
第一号は?マークを飛ばして首を傾げた。
「こいびとって?」
「恋人というのは――そうだな、他の誰より一番好きで、大切な人という意味だ」
第一号の周りにますます大量の?マークが飛ぶ。
「ボク、博士のことが誰より一番好きです!なのに博士とボクはこいびとじゃないって
いうことは・・・博士はボクのこと好きじゃないんですか・・・?」
見る見るネコ目を潤ませる第一号のおかっぱ頭を慌てて抱き寄せ彼は言った。
「そうじゃない!もちろん私だっておまえが誰より一番、大好きでで大切さ。
だがおまえはまだ小さいから――」
「小さいから?・・・小さいと、博士のこいびとにはなれないんですか?」
「ああ。恋人と言うにはやっぱり15〜6歳、最低でも13くらいはないとな・・・
あ、しかしおまえはそんなことを気にする必要はないんだぞ、第一号。
おまえが私にとってとても大切な存在であることに変わりはないのだから」
「むー・・・」
その日寝る時間まで第一号はずっと眉間に皺を寄せて何か考え込んでいたが、
子供なだけあってベッドに入るとすぐ眠ってしまった。
その愛らしい寝顔を見守りながら彼はK島の言葉を何度も反芻するのだった。
「親離れ、子離れ・・・か」
だが第一号はまだこんなに小さいのだ。いつか離れねればならない時が来るとしても
まだもうしばらくは一緒に寄り添って過ごしても許されるのではないか――
自分に言い訳をしながら彼もまた第一号の吐息を感じる距離で目を閉じ眠りに就いた。
.. .... .. .:.:.:..: .:.:.:. . ... :. .:.:.:.: .: .... .:.:.:..... .. .... .. .. . ... :. .:.:.:.: .: .... ゞヾ ゞ;ゞ ゞヾ ゞ;ゞ
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||三三三三三三三三|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ||三(つ目と)三O目O)三三|| ノ;;ii:::i
ヾ((; ⌒((⌒ ⌒ヾ⌒;; ))((⌒;:(⌒ i/((⌒ v⌒ii(⌒;;))(⌒;;⌒)) ;;((⌒V⌒;;⌒));; ,ノ(~))ii;
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/|||||"||ヽ
||(*゚ー゚)| ◎
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|::::::/=-ノ::::||ヽ_
/::::/ ∧ ヽ::||::::::::::ゝ
/::::/_/ ヽ__)||::::::/
「少年時代」
夏が過ぎ めぐる旅 誰のおちんぽにさまよう
おぱんつに残された 私の穴ーるはハメ模様
夢が醒め 夜の中 疼く熱が穴を閉じて
キュンとしたままで
穴はつまり おちんぽの逝く先
夏祭り 良いにほへ 胸の高なりにあわせて
八月は穴ハメ日 私の穴ーるはハメ模様
An an……
目が醒めて 夢精のあと 長い棒が夜にのびて
桜色の穴へ
穴はつまり おちんぽの逝く先
夏が過ぎ めぐる旅 誰のおちんぽにさまよう
八月は穴ハメ日 私の穴ーるはハメ模様
糞まにあ
(36)
――これくらいか・・・
掌に当たる湯が心地よい温度に温まり始めると、森下はそれをシャワーに切り替え
アキラの体に当てた。だが次の瞬間「アッ・・・!!」と細い声が浴室に響き、
アキラが我が身を庇うように四肢を縮こまらせた。
「どうしたっ?」
慌ててシャワーを遠ざける。アキラはしばらく手脚を固く縮こまらせた格好のまま
瞼を閉じていたが、やがて目を開けると自分の体を見遣り、
シャワーの湯が当たった辺りの皮膚を労わるようにそっと押さえた。
「すみません、森下先生・・・ボク、熱いのって駄目なんです。
もう少し温度を下げていただけますか?」
湯舟の中から申し訳なさそうに上目遣いで見上げて来る。
風呂の蒸気のせいでいつもより潤んで見える、猫に似た黒目勝ちの瞳。
ライバルの息子のこの瞳は今まで何度も目にして来たはずなのに、
今初めて媚を感じた。
だが、馬鹿な、彼がどうして自分に媚びる必要があるというのだ。
「・・・熱かったか。すまねェな、オレは自分が熱いのが好きなもんだから・・・」
森下は熱い湯にサッと入ってサッと出るのが好きだった。
ぬるい湯に長時間浸かっていると体がふやけて風邪を引いてしまうような気がする。
少しはぬるめの温度に設定したつもりだったが、やはり自分の感覚では
他の人間にとっては熱過ぎるのか――
反省しながら森下は湯の温度をもう少し下げて、今度はアキラに掌を出させ触れさせた。
だがその飛沫が指先にちょっと飛んだだけでアキラはまたビクリと手を引っ込めてしまう。
「ァッ・・・!ま、まだ熱いです・・・すみません、もう少し・・・」
「ん、これでもか?さっきより大分ぬるいぞ、もっとよく触ってみろ」
「ふゥッ・・・!・・・だ、駄目です、やっぱり・・・」
アキラは湯が触れた手指を冷やすように耳朶に当てた。
その仕草が森下に、食事の時の遣り取りを思い出させる。
(37)
「そう言やぁ――メシの時言ってたな。熱いのは駄目だって」
アキラが湯呑みが熱いと言って、お茶を零した時の会話である。
「行洋んちでは、料理や風呂はぬるめなのか?」
長い付き合いの中で、生涯のライバルと食事を共にしたり温泉に入ったりしたことは
何度もある。その時の記憶を辿りながら森下は訊いた。
だがアキラは首を微かに横に振った。
「いえ、我が家は普通だと思います。・・・ボクだけ熱いのが苦手で、
門下の人たちと温泉に行くことがあっても一人だけ中々お湯に入れなくて・・・
皮膚が薄くて敏感なんだろうって、ある人が言ってました」
「そ、そうか」
アキラの言葉に何故かたじろいだ。
確かに熱さに弱いというのは、皮膚の敏感さを示す一つの要素ではあるのだろう。
どんな熱い湯も心地よい刺激くらいにしか感じない自分の分厚い掌などとは違う、
まだ育ち切らない少年の、繊細で感じやすい柔肌・・・
――おい、何を考えてやがる。
妖しい雑念が込み上げそうになって森下は一人頭を振った。
――オレはただ、早くコイツの体を流してやればいいんだ。
自棄のように水の量を多くして微温湯のようになったシャワーを掌に当ててやると、
アキラは漸く緊張を解き、「あ、この温度で結構です」と微笑んだ。
「・・・んッ・・・先生、少しくすぐったい・・・」
「・・・仕方ねェだろ。水の量減らしたらオマエが熱いってェんだから」
「そうですね・・・が、我慢します・・・ン・・・ッ」
冷水と温水の量を調節して水温を調節するタイプのシャワーは、
温度をぬるくすればするほど水流が強くなる。
細かく目の揃った穴から勢いよく噴き出す微温湯に膚を撫でられるたび
アキラはピクピク反応して身を捩った。
白い泡がするすると追いやられて行く下から、求めていた滑らかな膚が現れる。
覆う側から水を小さな珠に変え弾いていく、十代の張りつめた膚。
薄い胸の両側でふっくらと小さな盛り上がりを見せていた桜色の乳首は、
シャワーの刺激のためかじわじわと固く縮こまり始めた。
(38)
「・・・んせい・・・森下先生」
「あ?」
乳首の変化につい見入っていたところで名を呼ばれ、森下は焦って顔を上げた。
アキラは気持ち良さそうに――否、そう見えるのは気のせいで、
本当は具合が悪いせいなのだろう。目を閉じて薄く唇を開いている。
その唇はしっとりと濡れている。
「・・・どうした」
「お湯で流すだけじゃ・・・石鹸がよく落ちなくて気持ちが悪いです。
先生の手で、洗い流していただけませんか・・・?」
アキラが目を開いた。黒い瞳に射すくめられた。
森下は浴槽の中で作業していた手を止め、思わず顔を後ろに引いた。
「・・・・・・駄目だ」
やっとのことで絞り出した声は、我ながら驚くほどドスが利いていた。
その声に僅かに怯んだ様子を見せながらも、アキラが柔らかな声で囁いてくる。
「どうしてですか?」
狭い閉じた浴室に、魔法の気配が漂い始める。逃げ場はない。闘うしかない。
「よく流したいなら、自分で流しゃいいじゃねェか」
「でも、気分が悪くって・・・本当はこうして座っているのも辛いくらいなんです・・・」
「だからって、オレぁそこまでする義理はねェ」
「そうですか。・・・ボクの体に触るのは、お嫌なんですね」
「おい、そんなことを言ってるわけじゃねェだろう」
そんな言い方をされては、森下とて気詰まりである。
だがアキラは眉間にきゅっと力を込め、硬い声で言った。
「いえ、図々しいお願いをしてしまってスミマセンでした。
ボク、小さい頃は毎日お父さんとお風呂に入って髪も洗って貰っていたし、
体も流して貰っていたんです。今日は森下先生に親切にしていただいたので
何だか先生がお父さんみたいに思えて、つい甘えてしまったんですけど・・・
先生とボクは全くの他人同士だっていうこと、忘れていました。
・・・すみません。ボクは具合が良くなるまで待って、自分で流して出ますから、
先生はもうお戻りになってください・・・」
(39)
そんなことをしょんぼりと、伏し目勝ちの目の縁を濡らして言われるのだから堪らない。
目の前の少年が殊勝な顔をして、親子ほども年の違う自分を操ろうとしていることを
森下は本能的に確信した。
家に帰りたくないと言って、自分に一晩付き合わせる。
具合が悪いと言って風呂に呼びつけ、体を洗わせる。
――その本当の目的が何であるかは、自分にはまだ読み切れないけれども。
これがもし他の相手だったら、たとえば一夜を共に過ごすためホテルに伴って来た
女だったら、森下は相手の言うとおり冷たく踵を返して浴室を後にしていたことだろう。
世の中には好意を抱く相手に振り回されて喜ぶ男もいるが、
森下はそうしたタイプの人間ではなかった。
己に好意を寄せる男を翻弄して喜ぶような女を見ると、
逆に思い切り突き放してやりたくなる。
オレはお前如きの自由に出来る男ではないのだと誇示してやりたくなる。
だがこの少年に対しては何故かそうした意地のようなものが頭を擡げなかった。
媚を秘めた眼差しも、しょんぼりと気落ちした風を装って自分を操ろうとする不遜さも、
それは不快さを呼び起こすものではなく、むしろ何故そんなことを
彼はしなければならないのかという好奇心を誘った。
平たく言えば森下はアキラに興味が湧いたのだった。
名人の息子。
碁界期待の若手棋士。
眉目秀麗、品行方正、聞くところによれば通う中学は全国で有数の進学校で、
その中でも彼はトップレベルの成績を維持しているという。
何一つ不足などない人生だろうに。
順風満帆の未来が彼の前途には開けているというのに。
なのに何故彼は今夜あの薄汚れた街角に立ち、
そして自分などに身柄を預けているのか――
目の前の少年が隠し持っている秘密を、自分の前ですっかり広げて見せて欲しい。
尊敬する父親にも見せない秘密を、自分の前でだけ素裸にして明かして欲しい。
そういう欲求が、繰り返す日常に鈍った森下の心を新鮮な疼きで揺さぶったのだった。
柳楽優弥の明たん見たぞ。猫目と色っぽさと人を寄せ付けない
高貴なところが似てるかもなハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)
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(23)
翌朝はいつものように、先に目を覚ました第一号に笑顔で揺り起こされた。
「博士っ、おはようございます!」
「ああ、おはよう」
寝ぼけ眼をこすって微笑み返しながら彼はふと、第一号の大きなネコ目に
前髪がかかりそうになっているのに気がついた。
「おや、第一号。髪が伸びて目にかかりそうだね」
「えっ、そうですか?この間みんなと一緒に切ってもらったばかりなのに・・・」
第一号は両手の人差し指と中指をハサミのような形にすると前髪を挟んで引っ張り、
自分の目で確かめようとした。
アキラ号たちの美しいおかっぱを守るため、ラボでは月に二度床屋さんを呼び
アキラ号たちの散髪とヘアトリートメントを行っていた。
彼らは数多の志願者の中から厳しい選抜試験を勝ち抜き、かの少年が幼少期から通う
御用達床屋の店主から特訓を受けた選ばれし者たちである。
通常なら次の散髪日までに前髪が目にかかることなどあり得ないのだが――
「もしかしたらこの間おまえを担当してくれた床屋さんは、いつもより長めに
切ったのかもしれないな。おまえの髪があんまり綺麗だから切るのが勿体ないと
思ったんじゃないか?」
「えー、そうですか・・・?」
彼の言葉に、第一号は満面の笑顔で小さな体をクネらせ照れた。
そんな第一号を目を細めて眺めながら、彼はまだ事の大きさに気づいていなかった。
(24)
半月経ち、一月が経つ頃、彼もやっと第一号の身に
異変が起こっているのに気がついた。
第一号は成長しているのだ。
普通、成長促進ホルモンが分泌されている状態のアキラ号は
1〜2ヶ月につき人間の子供で言う1歳分くらいのスピードで成長していくが、
第一号の成長速度はそれより更に速いようだった。
髪が伸び、背もぐんぐん伸びていく。急激な成長のために成長痛が起こり、
毎晩痛がって泣く第一号を彼は夜中まであやして寝かしつけてやらねばならなかった。
日々変わって行く自分の体に第一号自身の戸惑いも大きく、
お気に入りの小さなクマの着ぐるみ型パジャマがきつくて着られなくなった時は
「ごめんね、着てあげられなくなってもずうっとおともだちだからね」
とその着ぐるみを抱き締めてしくしく泣いた。
どうして急にこんなことに――?
彼は頭を抱えた。これまでの研究によれば、培養液から出した後アキラ号の体内で
成長促進ホルモンが分泌されるのはアキラ号自身がもっとおきーくなりたいと
強く願った時だけである。
第一号は大きくなりたかったのだろうか?もしそうだとしたら原因は?
これまでラボの規則を外れて13歳以上の体に成長を遂げたアキラ号たちに
おきーくなりたいと願わせた原因はいずれも、患者さんとの恋愛関係だった。
第一号もまた、誰かに恋しているのだろうか?
どこにも行かないで一生自分の側にいると約束してくれた第一号。
この子と一生親子のように幸せに暮らす未来を夢見ていたのに――
第一号と接する、自分以外のあらゆる人間が信用出来なくなった。
誰も彼もが自分から第一号を奪い去って行こうとしているように思えた。
第一号に相手は誰だと問いつめようにも、はっきりと他の男の名を答えられたら
そこで全てが終わってしまうような気がして怖くて訊けない。
いや、こちらが訊かずとも第一号のほうから好きな人が出来たと打ち明けられる
可能性だってあるのだ。
(25)
見えない心の内を恐れて、彼は無意識に第一号を避けるようになった。
逃げても問題を先送りにすることにしかならないと分かっていても、
第一号から好きな人が出来たと告げられる瞬間を少しでも先に延ばしたかった。
「えっ、博士今日は別のお部屋で寝るんですか?ボクも一緒に行きます!」
いそいそと枕を抱え上げてベッドから降りようとする第一号のおかっぱに
そっと手を当てる。
「いや、おまえはここで寝なさい。それに今日だけじゃない。
これからは毎晩別々の部屋で寝るんだよ」
「・・・え?どうして・・・?」
「おまえもおきーくなって来たし、そろそろ一人で眠れるようになってもいい頃だ、うん。
それにこのゴージャスベッドはS澤さんがおまえのためにプレゼントしてくれた物だから、
いつまでも私が寝かせてもらうわけにもいかない」
「ボクが大きくなって来たから・・・?そうしたらもう博士と一緒に寝ちゃ
いけないんですか?ボクが、一人で勝手に大きくなってしまったから・・・?」
澄んだネコ目の縁にみるみる涙が溜まり始める。
それを慌てて拭ってやりながら彼は言った。
「おまえの体が大きくなってもならなくても、そろそろ寝室は離したほうがいいと
考えていた所だったんだよ。親離れ子離れの時期だと、K島さんにも言われたから」
「親離れ、子離れ?・・・博士はもうボクと離れたいの・・・っ?」
ボロッと一粒、大粒の涙が第一号の目から零れ落ちた。
ぞんなわげあるがぁ!!と叫んで小骨も折れよと抱き締めたかったが、堪えた。
情にほだされて甘やかしているばかりでは第一号の為にならない。
もし第一号が他の男のもとに引き取られて行くのだとすれば、
それから先は自分と寝ることも風呂に入ることも出来なくなるのだ。
自分がいない環境に早く慣れさせておいたほうがいい。
(26)
それに何より彼自身が、第一号とベッドを共にすることに苦しみを感じ始めていた。
蕾が花開いていくように、日ごと夜ごと美しく成長していく第一号。
その成長を一番感じるのは第一号を寝かしつけ、その寝顔を見守るひとときだった。
風にも当てず育てた第一号が自分ではない誰かのためにこんなにも美しく生い立ち、
やがて自分ではない誰かの隣でこんな風に愛らしい寝顔を見せることになるのか――
そんな風に考えると彼は頭が爆発して、今にも第一号に襲いかかり
体中にチュッチュして自分だけのものにしてしまいたい衝動に駆られるのだった。
自分を父親のように信頼している第一号に、そんな仕打ちをするわけにはいかない。
彼は涙に濡れた第一号の頬を優しく拭いてやりながらあれこれと宥めすかして、
逃げるように思い出のゴージャスベッドを後にした。
風呂に一緒に入ることもやめ、昼間二人で過ごす時間も少しずつ減らしていった。
それは第一号を自分のいない環境に慣れさせると同時に
自分が第一号のいない環境に慣れておくためのトレーニングでもあった。
「博士、最近第一号たんを構ってあげないんですね。第一号たん寂しそうにしてますよ」
「なぁに、すぐに慣れるさ!ハッハッハのハー」
内心の苦悩をひた隠しにして余裕を装っていた彼のもとに、
ある日一人の青年が面会を求めて来た。
(27)
応接間に入って来た青年を一目見た瞬間「負けた」と思った。
かなりのイケメンであった。しかも相当鍛えたマッチョな肉体を持っていることが
スーツの上からでも肩や胸の厚みではっきりとわかった。年は二十代の半ばほどだろうか。
たじたじとなっている彼に礼儀正しく挨拶をして青年は自己紹介を始めた。
それによると青年はK原診療所に勤務する若き医師であり、彼と同じく病を克服して、
生涯をおかっぱ病医療に捧げる決意を持つに至ったと言う。
自身について語る彼の態度は大変に爽やかで熱意に満ちていた。
謙虚だがアピールすべき点はしっかりアピールし、真面目だが語り口には時折
適度なユーモアが交じる。どんな企業の人事部もこんな青年が面接に訪れたなら
即採用を決めるだろうと彼は思った。
「診療所とくりにっくには色々な医師が集められていますけど、
僕の専門は臨床心理のほうでして。普段は患者さん相手の仕事ですが、
アキラ号の中に何か悩みのある子がいたらカウンセリングを受け付けているんです。
それで近頃は、第一号たんからも話を聞く機会が良くありました」
青年はそこで言葉を切り、誠実そうな真っ直ぐな目で彼の反応を窺った。
「何が言いたいのかね?用件があるなら早く言ってくれ」
苛々した語気で彼が促すと青年は少し驚いた顔をしたが、すぐがばっと頭を下げて来た。
「じゃあ言います。・・・博士!!どうか第一号たんを僕にくださいっ!!」
彼は目を閉じ――ソファの背にどさりと凭れかかった。
/|||||"||ヽ ヾ \ ナガシソウメン イカガデスカ?
||(*゚▽゚)つ=∬ \
( つ∪ |\ヾ .\
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|巛巛|
アキラたん、ゆうべは流しそうめん美味かったよ。
今日のおゆうはんは何かな?(*´Д`*)ハァハァ