●趣味の部屋『塔矢愛好会』Part41○

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952名無し草:03/09/08 20:44
953名無し草:03/09/08 20:46
>951
色を…色を教えてくれ!
赤に黒の水玉か? それとも白に水色の水玉か!?

>952
乙華麗!!
954塔矢アキラ:03/09/08 20:54
>953
水玉といえば白に水色ですよ!
ところで何故953さんはボクの下着の色に興味があるのですか?
955名無し草:03/09/08 20:58
ふふふ…今ここには俺とアキラたんの二人きり…。
ねねアキラたん。水玉の直径は何センチくらいなんだい?
956名無し草:03/09/08 21:01
>955
ふっふっふっ・・・アキラたんは風呂行きますた。
957名無し草:03/09/08 21:08
ああああああアキラたん。。。
俺に断りもなく風呂に入るなんて駄目じゃないか。
次はどんなおぱんつを見せてくれるんだい?
958名無し草:03/09/08 21:37
   ┌─────――――┐
   │Bar. チチャーイやまねこ│
   └─────――――┘
それでは開店致します!!

   日 凸  ▽ ∇ U
    ≡≡≡≡≡≡≡  /|||||"||ヽ オキャクサン タクサン クルトイイナァ…
     U ∩ [] %..   |(*゚▽゚)||
   _________(つ)Uと)_
   ―――――――――――――

      ━┳━   ━┳━
      ̄ ┻  ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
959ガラスの階段:03/09/08 23:48
「く…苦しい、緒方さ…」
アキラは悲鳴をあげた。まだ幼い体にその行為を与えるには早すぎた。
だが緒方は聞き入れなかった。それでも構わずアキラを突き上げる。
「息を吐いて力を抜くんだ。それができるようにならないといつまでたっても辛いだけぞ」
容赦ない緒方にアキラはただ従うしかなかった。
なぜならこの話をもちかけたのはアキラの方だったからだ。
960ガラスの階段:03/09/08 23:49
「早く大人になりたい? 何かあったのかい、アキラ君」
突然自宅に訪ねてきたアキラにコーヒーを渡すと、緒方はタバコをくゆらせながら聞いた。
「何もありません。ただ大人に囲まれた生活をしていると、時々子どものボクでは太刀打ちでき
ない場面に遭遇することがあります。そんな時、恐れることなく突き進める強さが欲しいんです」
神妙な面持ちでアキラは言った。だがどう考えてもこの年代の少年が発する言葉ではなかった。
色白でか細く、そして艶やかな黒髪のおかっぱ頭はさらに少年を幼く見せる。子どもらしい生活
を送ることなく大人の世界へ足を踏み入れたのが原因なのだろうか。
「何か困ったことがあるのなら言いなさい。キミの頼みならできる限り協力するよ」
「いえ、ボクは誰かに頼るのではなく、ボク自身の力でなんとか解決したいんです!」
懇願するアキラに緒方は少々驚く。よっぽどのことがない限り、普段穏和な性格のアキラが自分
の感情をむき出しにすることない。それだけアキラは本気なのだろう。だが、だからといって自
分にどうしろと言うのだ? 緒方は新にタバコを取り出すと火を点けた。
黙ってタバコをふかし続ける緒方に、アキラは俯いて自分のむなぐらを掴みモジモジとした。
気のせいかもしれないが、顔が火照って息が荒くっている気がする。
それに気付いた緒方はアキラの意図を理解し、眼鏡を怪しく光らせた。
「オレの勘違いかもしれないが、キミの言う大人になるは、別に知らなくてもいい余計なことで
はないか?」
その言葉にアキラは驚いて顔を上げた。緒方の言っていることが図星だった証拠だろう。
緒方はタバコの火を消した。そしてゆっくりとアキラに近づく。
アキラは思わず目をそらした。その恥らう姿に緒方は次第に自分を抑えることができなくなった。
アキラの頬をなでながら顔を上げさせる。スベスベする若い肌は、少年であるにもかかわらず中
性的な印象を与え、知らず知らずのうちに緒方に同性であるという壁を越えさせていた。
「これがどういうことかわかっているね」
緒方はアキラの意思を念入りに確認する。
「…はい」
ゆっくりと熱っぽい視線で緒方を見つめながらアキラは返事をした。
961ガラスの階段:03/09/08 23:50
「オレの指導がうまいせいかな。キミもだいぶ感じるようになったな」
幾度も行為を重ねるうちに、アキラはいつのまにか順応していた。そして慣れからか、余韻に浸
ることなくアキラは早々に身支度をし始める。それを引きとめようと緒方は話しかけた。
「そんなこと言いながら緒方さん、ボクの体をただ弄んでいるだけじゃないですか」
自分から迫ってきたわりにあっさりとするアキラに、緒方は少々不満だった。
あれから繰り返し行われた大人になるための指導は、アキラの初々しさを確実に奪っていった。
それはアキラの望むとおりにことが運んだ印でもあるが、あの時の恥らいつつも自分を誘おうと
必死になっていたアキラが頭から離れることはなく、緒方は未練が残っていた。
「嫌味もずいぶんと言うようになったね。大人になった証拠かな」
未練から、緒方は嘲るように言った。
「ふざけないでください。ボク冗談なんて嫌いです」
アキラはそう言うと一礼して部屋を出て行った。

962ガラスの階段:03/09/08 23:53
一人になった緒方はタバコに手を伸ばし、火を点けた。大きく吸い込み煙を吐き出すと、視界が
煙でぼやけた。それを呆然と見つめる。
アキラが自分をただの大人になるための踏み台としか思っていないことなどわかりきっていた。
幼いながらも、この行為に愛など必要ないということをアキラが割りきっていたことも。それな
のに緒方は何度も肌を重ねる度に、アキラに感情をもつようになっていた。それはアキラの目線
の先にいつもいる人物が存在することを知ったからでもある。
「進藤ヒカル…か」
その名前を口にした途端、なぜだか苛立つ自分がいたことに気付き、それを消すようにタバコの
火をもみ消した。
アキラが恋心を抱いて見つめているかはわからないが、突然大人になりたいと言い出した原因は
そこにあるのは間違いなさそうだった。
何も知らないということは恐ろしいことだと、緒方は改めて感じた。
アキラは着実に大人になるための階段をのぼっている。だがそれは衝撃ですぐに壊れてしまいそ
うなガラスの階段だ。衝撃、つまり進藤ヒカルが拒絶すれば、その階段は脆くも崩れ去っていく
かもしれない。
緒方はそれを危惧しつつもそうなることを望んだ。そうすれば行き場のないアキラは必ず自分の
ところへ戻ってくると確信していたからだ。そうでもなければ好きな相手がいるのに他人と寝る
ことなどできないだろう。アキラがいつまでも自分との関係を断たないことに緒方は少なからず
安心感を得、それが自信へとつながっていた。
緒方は窓辺に立ち、街を見下ろした。アキラの姿などとうにないことなどわかりきっていたが、
それでも雑踏の中にアキラの姿を探し続けていた。


                             <終わり>
(02)
アキラは言葉を失ったまま、ただその赤さだけを見ていた。
昨晩の出来事がまざまざと甦った。
―――そう、そんなつもりじゃ、なかったんだ…
(03)
最近のヒカルはとみに忙しくしていて(母親の治療代稼ぎとアキラは聞いていた)
アキラは碁会所に居る時間が長くなっており、必然的に緒方と打つ機会は増えていた。
その日は長考が多く、少し時間がかかってしまい、
市河を先に帰して二人で戸締まりをした。
「アキラ君、食事でもどうだ?どうせ家に一人なんだろう?」
という緒方の言葉に誘われ、アキラは遠慮なく食事につきあった。
緒方が家まで送ると言ったが、アキラは海が見たいとドライブをせがんだ。
理由は何でも良かった。ただ、一人になりたくなかった。

このところ、ヒカルとは電話では毎日のように話したが、
直接顔を合わせることは手合日以外では全くなくなっていた。
ヒカルにはヒカルの事情がある。仕方ないのだと分かっていたつもりだったが
それも期間が長くなるにつけ、どこか納得しきれないものになっていた。
やり場のない気持ちがアキラの中で渦を巻き、出口を求めて荒れ狂う。
そして、アキラ自身の外面の良さが、その嵐に拍車をかけた。
外で穏やかに見せれば見せるほど、激情は増幅されていく。
自宅で一人、迎える夜がイヤだった。宵闇は、感情の制御を失わせる。
時に、雨戸を閉め切り布団をかぶって金切り声をあげ続け
その行為で辛うじて『何か』を吐きだしていたが、全てを出し切ることはできず
本当にどうしようもない『何か』がアキラの中に鬱積していた。
(04)
緒方とは何も話さなかった。ただ二人黙って暗い海を見ていた。
隣に誰かがいる。それだけでアキラには十分だった。
だから、帰ろうという緒方の言葉にどう反応していいか分からなかった。
ならば場所を変えよう、と促され、結局アキラは緒方の部屋に上がった。
緒方が出してきた、過去に飲みつけたミネラルウォーターのボトルを
アキラは黙って受け取った。
「緒方さん、ちょっと肩を貸して貰えますか」
返事を待たずにアキラは緒方の隣に座り、ボトルの蓋を開けて
半分くらいを勢い良く喉奥に流し込んでから、ゆっくり緒方に凭れ掛かった。
緒方の膝に手を置くと、ほどなくして緒方の手がアキラの頭に乗せられた。
その手の温かさと重みに安心して、アキラは目を閉じた。
966名無し草:03/09/09 17:50
ホッシュ、アキラたんハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ(;´Д`)
967名無し草:03/09/10 10:08
| |
| ||||  ホシュ!!!
| |ヽつ
| | ) )
| |JJ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(5)
小さな四角いテーブルの上にゴトゴトと並べられた壜は全部で6本。
それらの脇に半透明なプラスチック製の使い捨てコップを袋に入ったままどさりと置いて、
ヒカルはアキラのほうを窺った。
アキラは興味深げに一本一本を手に取っては、ラベルの部分を白い長い指でなぞっている。
対局中とまるで変わらない真剣な眼差しが、手元の文字に集中するあまり寄り目気味に
なっているのをヒカルは微笑ましい気持ちで見守った。

「りんご・・・マスカット・・・色々な種類があるみたいだけど、全部カルピスなんだ?」
「ウン。オマエ前に、カルピスは普通の白いやつしか飲んだことないって言ってたろ?
他のも飲ませてやろうと思って、買っといた」
「え、そうなんだ?進藤・・・ありがとう」
さっきまで伏し目勝ちにラベルの文字に注がれていた視線が急に自分のほうを向いたので、
ヒカルは少し照れて目を逸らした。
「よ、よく見とけよな!それ全部種類違うんだぜ。フルーツのと・・・、普通の白いのもあるし」
「うん、こんなに種類があるなんて知らなかった。これ、どれを開けるかボクが選んで
いいのかい?」
「エ?何言ってんだよ。全部開けちゃおうぜ」
ヒカルは当然という顔で言った。アキラが少し驚いたように瞬きをする。
「・・・6本とも開けるのか?キミとボクの二人しかいないのに?」
「ウン。いーだろ?別に。飲み切れなかった分は冷蔵庫入れとけばいいし。ホラ、これ
オマエの分な」
言いながらヒカルはガサガサとコップを幾つか袋から取り出し、アキラに渡した。
(6)
「待て、進藤。コップをこんなに使うのか?」
手渡された使い捨てコップの数を数えてみてアキラが言った。
「エ?だって6本とも種類が違うんだから、全部味見するのに同じコップ使ったら
味が混ざっちゃうだろ」
「それはそうだが・・・何だか勿体ないな。進藤、普通のコップで飲まないか?もしキミが
後片付けが面倒なら、ボクが洗うから」
「えー?ウーン・・・ヤダ」
言ってから、しまったと思った。アキラの美しい眦が見る見る吊り上がり、厳しい視線が
ヒカルを真っ直ぐに捉える。
(ヤベッ。始まる)
「進藤。何故キミは、いつもそう――」
「あー、違う違う、メンドーだからとかじゃなくて!・・・こっちにあんまり食器置いて
ねェんだよ。茶碗とか全部足しても数足りねェし、別の種類飲むたびにいちいち洗って
使うってものめんど・・・じゃなくて、どうせなら全部並べて味比べしてみたいしさ」
「なるほど」
アキラがあっさり納得したので、ヒカルはカクッと拍子抜けしてしまった。
「そういうことなら、ボクとしてもこのコップを使うのに異論はない。・・・でもやっぱり、
少し勿体ない気がするな・・・」
呟きながら思いつめたように手の中のコップを凝視しているアキラを見て、ヒカルは
頭を掻いた。
(相変わらずなんてゆーか・・・細かいこと気にするヤツだなぁ・・・)
「あ、そうだ!それじゃ、」
(7)
突然閃いたアイデアを口にしかけて、ヒカルは黙り込んでしまった。
いいアイデアだと思う。
が、これを断られたらかなりショックかもしれない。
「何?進藤」
アキラが顔を上げた。コップを手にしたまま、その眉間に憂わしげな皴が寄っている。
それを見て、ヒカルは覚悟を決め提案した。
「・・・あのさー、オレとオマエで一緒のコップ使うか?それなら半分の数で済むだろ」
アキラは一瞬驚いた顔をしたが、やがて両手でコップをきゅっと握りしめニッコリと頷いた。

「あ、これ美味しいよ、進藤。ピーチ味」
「そうか?こっちも飲めよ。オレンジ。オレはこれが一番好きかな」
何度もコップを往復させながら、6種類のカルピスを堪能した。
ミネラルウォーターで割ったカルピスは滑らかに喉の奥へと滑り落ちて行くが、
飲み続けて行くうち次第に舌と喉に粘りつくようないがらっぽさが溜まる。
舌で口蓋を撫でながら軽く咳払いしているとアキラもまた口の中が気になる様子で、
喉を軽く押さえながら音を出さずに薄い喉仏のあたりを小さく動かしていた。
・・・アキラの口の中も今、自分と同じに粘りつくような感覚に襲われているのだろうか。
カルピスの氷に冷やされて普段より赤く見える艶やかな唇の、その向こうに隠されて
見えないアキラの舌や口腔全体が今どんな動きをしているのか。
それを想像しただけでゾクッと興奮が走る。
なんだか今すぐ、その氷で冷えた赤い冷たい唇に自分の唇を押し当てたい。
甘酸っぱく粘りつく互いの唾液で喉を潤しあいたい。

「なあ、塔矢ぁ――」
「え?あっ。すっすまない、進藤」
名前を呼ばれた拍子に下ろしたアキラの手が壜の一本に当たり、テーブルの上と、
倒れないよう慌てて支えたアキラの手に、白い原液が飛び散った。
971名無し草:03/09/11 11:02
| |_
| ||||,||ヽ
| |ー゚)_|  カルピス…
| |◆|つ日
| |∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
972名無し草:03/09/12 02:07
アキラたんのカルピスハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ホッシュ(;´Д`)
(1)
「・・・あいつら、何をやってるんだ」
午後の陽光降り注ぐ閑静な住宅街。
繋いだ手をブンブン振りながら歩く、中学生と小学生低学年くらいの二人連れ。
その見覚えある後ろ姿に緒方は車を停めた。
プッ。とクラクションを一つ鳴らしたが二人は軽く歩道側に引っ込んだだけで、
こちらに気づく気配はない。
プップクプップ・プップー。
鳴らし方を変えてやると、小さいほうの、髪形に特徴のある少年がちらっとこちらを見た。
直前まで楽しい話でもしていたのかニコニコしたまま振り向いたその顔が少し驚き、
手を繋いでいた年上の少年に興奮して何かを訴える。二人は立ち止まり、同時に声を発した。
「緒方さん!」
「よう」
窓を開けてひらひらと手を振ってやる。
その二人――芦原とアキラが、笑顔で駆け寄ってきた。

「緒方さん、こんにちは!変な鳴らし方をするから、どこの酔っ払いかと思いましたよー」
塔矢門下に弟子入りしてからだいぶ日が経ち、兄弟子に対してもすっかり遠慮がなくなって
きた芦原が爽やかに言った。
「酔っ払いは余計だ。二人とも、先生の家へ帰るなら俺も今から行くところだぜ。
乗って行くか?」
芦原とアキラが顔を見合わせた。
「いえ、オレたち極秘任務の真っ最中なんで、まだ帰れません。なっ、アキラ」
「ウンッ!」
アキラが元気に答えて芦原を見上げた。
(2)
「極秘任務?いったい何をするんだ」
「極秘だから言えません!」
しれっと答える芦原の横で、アキラは小さな両手で口元を押さえうふうふと含み笑いを
している。こういう時のアキラは話したくてうずうずしているのだ。
緒方は窓の外に片肘を出して、アキラに向かい女を口説く時でも滅多に見せない
真剣な表情で語りかけた。
「どうも芦原には信用がないらしいが――アキラくんならわかってくれるよな?
オレは秘密を外に洩らすような男じゃないぜ」
「ウン」
アキラは相変わらず含み笑いをしながら手を後ろで組み、もったいぶるように首を傾げて
それで?という仕草をした。切れ長の黒い瞳が挑むように緒方を見つめてキラキラ輝き、
サクランボのようにつややかな唇の両端がキュッと吊り上がって小さな窪みを作っている
その表情は、幼いながら既にコケティッシュと言ってもよいような趣を備えている。
――やれやれ、末恐ろしいな。
心の中で苦笑しながら、緒方は更に真面目くさった顔で声を潜めてアキラに言った。
「だったらアキラくん、何をしに行くのか教えてくれないか?もしかしたら、オレにも
何か協力できるかもしれない」
「ウンッ、あのね――」
「あっアキラぁ!秘密だって言ったのに!」
芦原の嘆く声に煽られるように、アキラは満面の笑顔で声を張り上げた。
「あのね、ボクたちこれから、お月見のススキを取りに行くんだよ!」
(3)
仄かに白いススキ野原はどこまでも広く、綿毛のような穂が時折風にそよいで揺れている。
「この辺りに、まだこんな所があったのか」
「少し歩きますけどね。穴場でしょ」
緒方の感心する声に、芦原がやや得意そうな声で言った。
アキラは野原の入り口の道路脇で二人に手を繋がれながら、目を輝かせて、風が白い穂の
表面をうねるように撫で通っていくさまを見ている。
見上げれば濃青の光に満ちた初秋の空を、刷毛ですいたような跡を残して雲が駆け足で
流れ去っていく。
空にも地上にも風が吹いている。
だいぶ長いことこんな風に触れていなかったと緒方は思った。
「明子さんには3、4本でいいって言われたんですけど・・・少し多めに取っていったほうが
いいのかなぁ。これなんかイイ感じですよね。あ、あっちに花も咲いてる。持って帰ったら
飾ってくれるかなぁ。なあ、アキラ」
「どうせ雑草なんだから、別に好きなだけ取って行ったらいいだろう」
どうでもいいようなことをあれこれ声に出して悩んでいる芦原に、コイツもまだ子供だな・・・
と思いながら緒方は言った。
だが芦原は心外そうに口を尖らせた。
「そうはいきませんよ。コイツらだって生きてるのに、むやみに取って行ったら可哀相じゃ
ないですかぁー・・・」

結局、「お母さんが飾ってくれなかったらボクが自分の部屋に飾る」というアキラの一言で、
三人は選りすぐったススキ数本と目についた秋の草花を手分けして持ち帰ることにした。
「さっ、そろそろ行こうかアキラ」
「ウン・・・」
大事そうに抱えたススキの穂に頬や首筋をくすぐられるたびぴくんぴくんと首を竦めながら、
アキラは名残惜しそうに白い野原を見た。
その視線につられるように緒方ももう一度その光景を振り返った。
ススキの風の原だった。
ごめん、直す前のを出してますた。

(2)の途中、

サクランボのようにつややかな唇の両端がキュッと吊り上がって小さな窪みを作っている 。
緒方は更に真面目くさった顔で声を潜めてアキラに言った。

に変換して読んでください。

あとPart42の>82
自分がこんなんかな?と思ってたイメージとあまりにピターリで驚いた。
保存したよ。ありがとう。
(05)
―――誘われている。
緒方は、はっきりそう感じていた。
海が見たいと言われて何となくそう思った。
部屋へ連れてきて、それが確信へと変わった。

緒方はそっとアキラの頭に手を乗せた。
安全かつ確実にアキラを落ち着ける方法は、これしか知らない。

最近のヒカルの噂は聞いている。
もともと、他人に関する噂とか情報の類には興味が薄いこともあって、
かなり疎いと自覚していた。そんな緒方ですら耳に入る位だから、
かなりメジャーな話に違いない。
大方、ヒカルはアキラを放っておいてそちらに夢中になっているのだろう。
そしてアキラはアキラで、空いた身体を持て余している…
とまぁ、そんな所だろうか。
(06)
こんな不安定なアキラに既視感を覚える。
初めて緒方の部屋に泊めた頃だ。あの時も、酷く混乱していた。
色事を何も知らない子供時代でさえ、
その思い悩み心乱れる様子は、奇妙な艶めかしさを持っていたのに
意図したものか、あるいは無意識なのか、
誘いをかける今のアキラの様子と言ったら、全くどうだろう?

気がつくとアキラは寝息を立て始めていた。
今のアキラは危険な匂いがする。
できれば帰してしまいたいが、一旦起こしてしまえば
今日の様子では、帰らないと言い出すに違いない。
かといって起こさずに連れ帰ろうにも、小さな子供ならともかく
いかんせんこの体躯では、もうそれも難しい。
とりあえず眠らせられた事だし、このまま朝まで寝かせておいて
明日出掛ける時に、家まで送ればいいだろう。
そう考えて、アキラの頭の下から緒方がそっと身体を外そうとした所で
アキラが身じろいだ。
979 ◆LagunafJHY :03/09/13 21:38
捕手がわりにドゾ-(´∀`) つ□
980名無し草:03/09/14 22:38
| |_
| ||||,||ヽ
| |ー゚)_|  ホシュ
| ⊂ ノ
| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(07)
「ん……?…おが…た、さん…」
「あぁ、起こしてしまったか。
 アキラ君、今日は泊まっていっていいから
 風呂に入ってベッドで寝なさい。風邪引くぞ」
「あ、はい……」
アキラはのっそりと身体を起こした。少しぼうっとしているようだった。
緒方はあえて事務的に続けた。
「下着の替えは、買い置きを出しておくから使いなさい。それから…」
「いえ、洗濯機だけ、貸して下さい…。
 どうせこの部屋で、下着つけて寝たことなんて、ないし…」
真実とはいえあまりの言葉に緒方が言葉を失っている間に
アキラはゆっくり立ち上がって、そして不意に振り返った。
「バスローブ、使っていいですか…?」
微妙にうろたえている緒方には短く、あぁ、とだけ返すのがやっとだったが、
アキラはそれを聞くと、礼も言わずにバスルームへ向かった。
これからうpします。
PCの調子悪くて手動で書き込むんで間隔が空くけど
今日は(7)までの予定っす。
(4)
塔矢邸に着くと、明子夫人が笑顔でススキを受け取ってくれた。
「あのね、お母さん――お花もあるの。でも地面に生えてた時より、元気がなくなっちゃった
みたいだなぁ・・・」
持ち帰る途中で少し萎れてしまった草花を、アキラがしゅんとして両手で捧げ持ち、
差し出した。
「まあ、そうなの」
夫人は笑って花を受け取りながらアキラの頭を撫で、しばらくぬるいお水に漬けておけば
元通りになるから大丈夫よ、と安心させた。
「それじゃ、私はこれを活けてから買い出しに行ってくるわ」
「あ、車を出しましょうか?」
「いいのよ、ちょっとそこまで足りない物を買いに行くだけだから。それより、
居間でお団子を丸めるのを手伝っていてくださる?今、主人が一人でやっているから」

師弟三人で、水で練った粉を一定の大きさに丸めては大皿に並べていく。
いつもなら真っ先にボクもやる!と騒ぎ出すアキラが、今日は母親から一本だけ自分用に
取り分けてもらった小さなススキを弄びながら、妙に静かに頬杖をついて三人の作業を
見守っていた。
その目が次第にトロンとして、瞬きの回数が多くなり、ついにカクンと頬杖が外れそうになる。
「アキラくん、眠くなっちゃったかな?」
緒方の声にハッと顔を上げて姿勢を正し、首を横に振る。
「ううん、ボク大丈夫だよ」
だが、再びついた頬杖がすぐにまたカクンと外れそうになる。
行洋に目配せされて緒方は静かに粉まみれの手を拭った。
それからアキラを起こさないよう、軽い体を、その手が大事に握り締めているススキごと
そっと抱き上げた。
(5)
子供というのは本当によく眠る。
時も場所も選ばず、全力で眠る。
――覚えていないが、自分も子供の頃はこんな風に一心に眠っていたのだろうか?
寝る間も惜しんで碁の勉強がしたい現在の緒方にしてみれば、それだけ多くの時間を
睡眠に費すのはもったいないようにも感じる。
だが、子供にとってはそれは必要なものなのだろう。
睡眠によってもたらされる心身の休息も。眠りの中の夢の世界も。
そう言えば最近、起きた時にどんな夢を見たか覚えていることが少なくなったと、
眠るアキラの透きとおるように肌理の細かい頬を見ながら緒方はふと思う。

アキラを子供部屋の布団に寝かせてススキを枕元に置き、そっと居間へ戻ろうとした時、
緒方の足を小さな手が掴んだ。
「行っちゃやだ・・・」
「わっ。・・・アキラくん、起こしちゃったかい」
「ご本読んで・・・」
緒方は壁際にあるアキラの本棚を振り返った。
「どの本がいいんだい。アキラくん」
「せかいのみんわとでんせつ」
子供用にしては堅い書名だと思いながら本棚を探すと、緑色のハードカバーの背表紙が
見つかった。
「この中にねぇ、うさぎちゃんのお話が載ってるんだよ」
布団の中で身をよじらせ、胸の下に枕を挟んで肘をつきながらアキラは目を擦り、
ぱらぱらと目的のページを開いた。
(6)
それは中国の伝説らしい。
月には兎が住んでいて、杵と臼で薬草を搗いて薬を作っているのだという話が
子供向けの文章で簡単に紹介され、イラスト――満月の中で兎が一匹、臼の前で杵を
振り上げている――が添えられている。
「でもこれ、変なんだよ。学校で習ったお歌では、お月さまのうさぎちゃんは
お餅を搗いてるの」
「この本では、薬を作ってるって書いてあるね」
「そう。どっちがホントなのかなぁ?」
小さな指先を該当する文章の活字の上で何度も往復させながらアキラが首をひねると、
真っ直ぐな髪が本のページに当たってサラ、と音を立てた。
「・・・両方作っているのかもしれないよ。月に薬しかなかったら食べる物がなくて死んじゃうし、
お餅しかなかったら、病気になった時薬がなくて困るだろう?」
我ながらうまい理屈だと思った。だがアキラは不満そうな声を上げた。
「えー・・・?そんなの、お餅だけでいいのにね」
「え、なんでだい?」
「だって、お薬よりお餅のほうが美味しいでしょ・・・」
アキラは風邪を引いても薬が嫌いで飲みたがらなくて困る、と以前明子夫人が
笑って話していたのを思い出した。

「でも・・・ねぇ、緒方さん。うさぎちゃん、本当にいると思う?」
アキラが急に内緒話のように声を潜めた。眉根を寄せ、真剣な目をしてこちらを見ている。
少しばかり動揺を覚えながら、緒方は逆に聞いた。
「うーん、どうだろうな。アキラくんはどう思うんだい?」
月に生物などいないと、緒方はもう知っている。だが、幼いアキラが月の兎の存在を
信じているなら、その夢をここで壊してしまいたくはなかった。
(7)
しかしアキラは自信なさげに肩を落とし、「わかんない・・・」と呟いた。
「わからない?」
「ン・・・だって、このご本読んでからボク毎日お月さま見てるのに、一度もうさぎちゃんが
いるの、見たことないんだよ。緒方さんは見たことある?」
「それは・・・ないな」
「そう・・・」
アキラはがっかりしたように言うと、また本のページに目を落とした。
「・・・だが、オレはそんなに毎日気をつけて見ていたわけじゃないからな。兎がいるのに
オレが気づかなかっただけかもしれないぜ」
あまり気落ちしているのが見ていられなくて、緒方は急いで付け足した。
「そう?・・・だったら、今日うさぎちゃん見えるかなぁ」
「え?」
「今日は一年中で一番お月さまが綺麗に見える日だって、お父さんが言ってたよ。
だったらうさぎちゃんも、よく見えるかも・・・」
言いながらアキラは、月の中の兎のイラストを指でなぞった。

「見えるといいね」
緒方が布団の脇の畳に片肘をついて横になりながら優しく言うと、アキラは「ウン」と
頷いて本を閉じ、枕元のススキを取ってもぞもぞとタオルケットの中に潜った。
「今日、ススキの原っぱ、綺麗だったねぇ・・・」
眠気と楽しい思い出が混じり合っているのか、アキラはうっとりとした声で言った。
そうだね、と囁きながら、緒方はアキラの眉間を円を描くようにそっと撫でる。
アキラを寝かしつけるにはこれが一番効くのだった。
アキラは自分で自分をあやすように、ススキを握っているほうの手を布団の上でゆらゆらと
不規則に動かし、そのたびに白っぽい綿毛のような穂が、赤みの差した頬やふっくらとした
小さな耳たぶ辺りを撫でている。くすぐったくないのかと思うが、眠そうで気持ち良さそうな
アキラの顔から判断するに、そのくすぐったさが快いのだろう。

ススキの動きが次第にゆっくりになり、止まる頃には、アキラはスースーと健やかな寝息を
立てていた。
それを確認してから小さな肩の上までタオルケットを掛け直し、忍び足で緒方は居間へと戻った。
(08)
アキラの水音が始まるとすぐ、緒方は寝室へ向かった。
シーツは今朝替えたばかりだから問題ない。
ベッドの上にアキラのための下着とパジャマを用意し
毛布を持ってリビングへ戻った。
――にしても何故、アキラが目を覚ましたときに
『家まで送る』と言わなかったのだろう?
今さらながら少し後悔して、テーブルに残していた缶ビールの残りを呷った。

アキラがバスルームを出ると、ベッドを使うよう言い残して
緒方はバスルームへ向かったが、シャワーを浴びた緒方が
寝室を覗くと、アキラの姿はなかった。
リビングにも見当たらず、書斎を開けると、水槽の前で
背中を椅子の背に深く預けてぼんやりとしているアキラがいた。
「アキラ君、まだ起きていたのか。疲れてるんじゃないのか?」
アキラは空を見つめたまま、静かに口を開いた。
「緒方さん…ソファで寝るんですか」
ソファに用意してあった毛布を見たのだろう。
気にする必要はない、と答えたが、アキラは少しの間、黙っていた。
(09)
「一緒に寝てはくれませんか」
「ダメだ」
「どうしてですか」
「どうしても何も……キミは何と言ってここを出ていったか
 もう覚えていないのか?」
「―――覚えています」
「ならば答えは出ているだろう。今晩ここに泊めるのは、
 キミが先生の息子さんで、先生が奥様と家を空けておいでだからだ。
 あぁ、パジャマと下着は寝室に用意してあるから好きに使うといい。
 ――それじゃ、おやすみ」
一方的に話を切り上げ背を向けた緒方に、アキラは後ろから飛びついた。
「緒方さん…一人に、しないで………」
アキラは精いっぱいの力で緒方に抱きついた。声が少し震えている。
「離しなさい。安易に人を頼るんじゃない。
 しかも一度切った人間を頼るなんて、どうかしていると
 自分で思わないのか?」
暫くして、全身の力が抜けたかのようにアキラは緒方を解放した。
989 ◆LagunafJHY :03/09/16 21:42
(;´Д`)ハァハァまでまだ遠くてスマソ
うさぎのアキラたん&兄貴の微笑ましさが羨ましい…
990名無し草:03/09/17 20:44
ホッシュ!
991名無し草:03/09/18 13:00
ホシュドピュ!
992名無し草:03/09/18 17:51
 ../||||||~||ヽ  ウサギチャン…
⊂|(´ー`*⊂⌒ヽつ
(8)
「すまない、進藤。お布巾か何か・・・」
言いかけたアキラの肘を、ヒカルがすかさず捉えた。
「・・・進藤?・・・あ、ダメだよ。垂れる・・・っ」
ほっそりと形の良いアキラの手からトロリとした乳白色の液体が手首へ、そして腕へと
透きとおるような皮膚を伝ってゆっくり落ちていく。
それを見たヒカルの全身にゾクゾクッと震えが走り、次の瞬間ヒカルはその震えに
追い立てられるように白いカルピスにまみれたアキラの掌に吸いついていた。

アキラが小さく息を呑んだ。
捉えられた手首を捻って逃れようとし、やめろとか向こうで洗ってくるからとか、
何かごちゃごちゃ言っている。言うことを聞かない手はまるでぴちぴちと跳ねて
人間から逃げる魚のようだ。
それをしっかりと押さえつけながら、ヒカルは甘酸っぱい液体にまみれたアキラの手を
自らの舌と唇で丹念に愛撫した。
指を一本一本口に含んで吸い、掌の窪みに溜まった白い液を立てた舌先で散らかし、
薄い手首の内側を腱に沿ってぴちゃぴちゃ優しく舐めてやる。
そうしてアキラの手がカルピスの代わりにヒカルの唾液にたっぷりとまみれる頃には、
形良い手は痺れたように力を失い、アキラの抗議の声もぱったりと途絶えていた。

ヒカルはちらりとアキラの顔を見た。
アキラは切なげに目を閉じ頬をうっすら上気させて、震える呼吸をなんとか宥めようと
するように口を小さくぱくぱくさせている。
頬と同じ色に上気した皮膚の薄い喉がトクトクと忙しなく脈打っているのは、服に隠れて
見えないその胸がもう早鐘を打っている証拠だ。
そんなアキラを眺めながら舌先で掌の窪みをもう一度ぐりっと抉るように舐めてやると、
艶やかな赤い唇があ、という形に開いて、声無き喘ぎが恍惚と洩れた。
(9)
そこでヒカルは愛撫を止め、視線だけをアキラに注いだ。
ややあって、続きが与えられないことに気づいたアキラが漸く半分ほど目を開いた。
「・・・・・・?・・・・・・」
「気持ちよかったか?」
ヒカルはちゅぱっとキスするようにアキラの中指の先を吸ってみせ、にこっと笑った。
アキラはまだ快楽の余韻から抜け切らないような表情でぼんやりと手首をヒカルに預けて
いたが、見る間に目に意識の光が戻り、それと同時に端正な顔がまた朝焼けの空のように
赤く染まった。
「・・・・・・っ!」
ブンとアキラが手を振りほどく。
「わっ。危ないなぁ、また壜倒しちゃうぜ?」
「知るかっ!洗えば済むことなのに、何故キミにあんなことをされなきゃならない?」
「え?いや、ホラさあ、水で流すのもったいないと思って。結構量あったし、流す前に
オレに舐められたほうがカルピスにとっても幸せだろ?他に理由なんてないぜ?」

咄嗟に思いついただけの出まかせだった。
が、アキラは小さく「・・・そうなのか」と呟いて、ショックを受けたように黙り込み
俯いてしまった。

そんなアキラの反応を、恥ずかしがっているのだろうとヒカルは思った。
ヒカルは他意なく手を舐めただけなのに、自分一人で先走って喘いでしまったと思うと
恥ずかしいのだろう。
(でも、カルピス舐めるだけならあんなしつこく舐めるかよ。・・・ちょっとはオレを疑えよな)
心の中でペロッと舌を出しながら、ヒカルはアキラの顎に手をやり、上向かせた。
(10)
(あれ?塔矢、ちょっと顔青い?)
先ほどまで朝焼けの空のように綺麗な赤い色に染まっていた頬の、血の気が失せていた。
いつもなら凶暴なくらい真っ直ぐにヒカルを捉え追いかけてくる黒い瞳も、戸惑った
ようにつと横に逸らされてしまう。
(・・・そんなに気にしてんのかなぁ)
悪いと思うよりも、あの塔矢アキラが自分の言葉にはこんなに素直に反応するのだと
思うと面白くて、いとおしかった。

上向かせたアキラの無防備な唇に、ヒカルはそっとキスをした。
もう一度自分のために赤く染まるアキラを見たいと思った。
だがアキラは相変わらず青ざめた顔のままで、自分の唇に触れているヒカルの顔を
静かに押しのけた。

「塔矢?」
「すまない、進藤。ボクは・・・今日は、もう帰るよ」
今度は戸惑ったのはヒカルのほうだった。冗談じゃない。
「ま、待てよ塔矢。久しぶりに来たんだからゆっくりしてったらいいだろ。・・・座れよ。
そしたら、そしたらさあ、・・・もっと気持ちよくしてやるぜ?」
アキラの頬がさあっと赤く染まった。
ああ、その色だ、塔矢。
ヒカルは懸命に言葉を続けた。
「それにオレだって、オマエがあんなエロい顔するからなんかムラムラしてきちゃって、
このまんまじゃ収まらねェよ。・・・責任取ってけよな!」

部屋にはもう、カルピスの甘酸っぱい匂いが充満している。
(11)
本当は、先に欲情したのは自分のほうだったと思う。
冷たい赤い唇の向こうにある、甘酸っぱく粘りつくような口内の感触を想像した時から
もう頭の中はいつアキラに触れようか、どうやってきっかけを作ろうかとそれだけで
パンクしそうだったのだ。
だが妙に頑固で、それでいて生真面目で単純で責任感の強いアキラには、オレはそう
したいからこうさせてくれと「お願い」するよりも、こうなったのはお前のせいだから
何とかしろと迫るほうが何十倍も効果的なことをヒカルは知っていた。
狡い?そうかもしれない。
だが初めてアキラの身体に自分の身体の一部を埋め込んだあの時から、ヒカルは何かと
アキラが自分に対して持っている負い目を振りかざしてアキラをいいように扱う癖が
ついてしまっていた。
アキラがヒカルに対して持っている運命的な負い目。
それによって強く誇り高く完璧なアキラが、いつでも自分の意のままになってくれる。
その事はヒカルにある種の愉悦と、自分とアキラは他人にはない特別な絆で繋がれている
という温かな安堵をもたらした。

案の定、憐れなくらい素直にアキラはヒカルのその言葉を重く受け止めたようだった。
「そうか・・・そうだな。すまない、進藤。帰るのは止そう」
「んっ、だろ?わかればいーんだよ。・・・こっち、来いよ」
手首を軽く引っ張って促すと、アキラは一瞬ためらってからヒカルと向き合う形で、
胡坐をかいた膝の上におずおずと跨ってきた。
ヒカルはさっそくそのシャツの下に両手を滑り込ませながら艶やかな唇に自らの唇を
押しつけ、舌を入れて掻き回した。
温かな口腔の中でカルピスの粘りが取れない二つの舌が甘酸っぱく絡み合い、
やがて溜まった唾液がこぽりと音を立てて二人の間から零れ落ちるのと同時に、
拭き取られなかったテーブルの上のカルピスがポタリと一滴フローリングの
白い水溜りの上に落ちた。
997名無し草:03/09/19 21:14

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998名無し草:03/09/20 13:59
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