2getです。
はい、みんなこっちに集合してくれたかな?
じゃあ、引き続きみんなで楽しく遊びましょうね。
2げっと。
スレ立てご苦労様です。。
あう(笑)
∋oノハヽo∈
= ( ^▽^) <新スレおめでとうございまーす♪
= ( つ=[ \ / ̄ ̄ ̄ ̄\
= 、、 ヽ__)/ \ >=煤@ ⊃^▽^)モキュー♪
〜〜〜〜〜〜〜「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スレ立ておつかれさまですっ!
始まりは極真っ当な、皇太子妃まさこ様のご懐妊による祝賀スレッドでありました。
ですが、何故かお生まれに成ったのは可愛らしいネコ耳と尻尾を持った魔法少女−萌宮もなこ様だったのです。
これは魔法内親王もなこ殿下を筆頭とした皇女を中心に繰り広げられる萌莫迦達の物語であります。
あなたは殿下に萌えるもよし、菊水のエージェントとなって皇統の盾となるもよし、軍人となって戦いの野に出るもよし、
あるいは殿下の御学友として楽しい学校生活を送るもよし。参加者一同あなたの参入を心からお待ちしております。
深夜。
菊水防疫給水部‘特務'研究所、第4ラボラトリ。
複合素体工学研究部門、通称「4研」。
その一室。
導線と細管の森の中で美女が眠る。
「……やっぱり、このままだとここ(4研)の予算削減は時間の問題みたい……」
「そうでしょうね。そのぶんは結果の出てる13研(Zeller)に廻されるでしょう」
「へっ。小娘一人の気紛れのおかげで、部署ごとパァかよ」
「その小娘の為の部署よ」
「ちょっと待って下さい、部署ごと……って?
最悪でもMM(ダブルエム)プロジェクトだけは、こっちでも続けれるんじゃないんですか?」
「Zellerも含めて、猫耳タイプはダブルエムには不適合なの。この子が起きない限り無理」
「高望みだったってこった」
「二兎を追うもの……かしら」
「ああ、そもそもVC(Vampire-Cell)を安定させようってプランからして馬鹿げてたんだ」
「でも実際一度は自律起動してます!」
「それが気紛れなんだよ! 起きるか寝てるかはっきりしてほしいもんだな」
「……非生産的な会話ね。過去はどうあれ、打開策を考える方が先じゃない?」
「起きねえのは精神パタンが問題だってんなら、
人間の脳ミソ丸ごとシグナルに変換してぶち込んじまえよ」
「無茶言わないで」
「精神の波長のブレを一定のベクトルに収束させればどうでしょうか?」
「今までさんざんやってきたじゃねえか」
「そうじゃなくて……医学的工学的に無理だったら、まあ、一種の洗脳、で安定させてしまう……」
「性格の設定、ね。見方を変えれば、Zellerはそれで成功しているわ。
精神に手を加えないということは、イコール猫耳本来が持つ気性を軸にしているとも言えるから」
「こっちは何を軸にすんだ? まさかもなこタンハァハァ……(;´Д`)で統一するわけにもいかねえ」
「やっぱり、正義感とか……いや、使命感……?」
「……」
「……」
「……」
「両方ね」
「“忠誠心”、ってヤツか」
「皇室の楯、殿下の剣……文字通り……菊水、最強の、兵器、……」
「やってみましょう」
『逝きのいいギコ売ります』と張り紙のされたペットショップにて。
菊水隊員(ランク名無し)狩谷 長介は、和んだ顔でケースを覗き込んでいた。
ケースの中には猫の赤ちゃんが四匹、お腹を出して並んで寝ている。
「なー、なー」
狩谷は子猫のお腹をそっと撫でる。子猫は前足で狩谷の手に抱きつくと、
まだ歯の生えていない口で人差し指を咥えた。
ほわ〜ん。
「ああ、可愛いなあ…」
「──へえ、そんなシュミがあったんだ」
振り向くと、白い夏帽子を被った少女が、悪意半分の微笑を浮かべて狩谷を見下ろしていた。
視線が合うと少女は何気なく顔を逸らし、指で髪を掻き揚げる。
「フン、久し振りね」
「……誰だっけ?」
耳も尻尾も隠しているが、猫耳兵士だという事は判った。だが狩谷は、もなこ様と御対面してしまった
ショックで、猫耳識別能力を筆頭に色々と不調になっていた。要するに、腑抜けていた。
「くっ」
少女は不快そうに口元を歪める。
「ロリベドで腹フェチだなんて、このド変態!」
言い捨て少女は身を翻す。黒髪の先端と白いワンピースの裾が、同時に曲線を描いた。
少女が立ち去って暫くして、ようやく狩谷は呟く。
「……いや、だって猫だし……」
「なー」
菊水隊員(ランク名無し)紫村ケンジは、私用でとあるビルを訪れた。
『猛虎応援団本部』と看板を掲げたビルの入り口には、黒服でサングラスという、
カタギの人は決して近付かない身なりと風貌をした男達が立っている。
傍らには『関西○×会傘下△○組』の看板が二つにへし折られ、無造作に捨てられていたりする。
「ちわっす」
「合言葉は?」
「阪神優勝」
「通れ」
紫村が呼び出された部屋には、縦縞のハッピを着た女盛りが独りいて、一升瓶片手に大虎と化していた。
美女で野獣というやつだ。そういえば昨日の阪神×巨人戦は……タイミングを外したかと思いつつ、
紫村は伝説の某応援団長に呼びかける。
「姐さん、ご無沙汰してまっす」
「姐さんゆうな…ヒック…こっちきい。例のモノ、持ってきたんか?」
「はい。これが宮様御近影です」
紫村は菊水のデータベースからプリントアウトした、数枚の写真を差し出した。
「……(閲覧中)……ふーん。元気そうやないか、もなか」
「もなこ、ですよ姐さん」
「もなかは…ヒック…もなかだ………姐さんゆうな!」
繰り出された裏拳を、紫村はひょいと避ける。
「む、生意気な」
「はは、呑みすぎですよ」
酒が入っている事もあるだろうが、同僚の所為でツッコミには慣れている。
姐さんは据わった目付きで、紫村を品定めする。
「アンタ、エエ面構えになったな。どうした?」
紫村は苦笑するしかない。思い当たる事が無くもないが。
「……ちょっと味見したろか?」
菊水隊員(ランク名無し)後藤 緑は独り、馴染みの酒場で呑んでいる。今日は例の酒を試しに来た。
そろそろ熟成している頃だろう。客が他に誰もいないことを確認し、マスターに注文する。
「マスター、アヒャ酒を水割りで」
念の為に水割りにした。マスターは無言で水割りを作り、差し出す。
「さて、これは冒険だな」
甘酒のような白く濁った液体を、後藤は一気に流し込んだ。
「……」
タン! と重力に任せるような勢いで、グラスをカウンターに置く。グラスの中の氷が激しく回転する。
俯いたままの後藤。
「……コウ センパイト、ムジントウ デ サバイバル。ソシテ……」
はっ、と正気に戻る。一瞬記憶が途切れていた。マスターに問いかけても、首を振るだけ。
ただ何とも言えない微妙な味だけが舌に残っている。
「……まあ、悪くは無い」
軽快なエンジン音を響かせながら、横須賀港内を内火艇が進んでいきます。内火艇には(いせ01)と書いてあります。
「休暇だというのにすまないな、いっこ2水。」
私に声を掛けたのはいせ艦長の安達あいこ大佐です。
〜数時間前〜
「おお!そこにいたか、いっこ!さがしたぞい!」
分隊長です。いったいどうしたのでしょう。さっきシャワーを浴びて、これから上陸という時に。
とても嫌な予感です。
「実はなぁ…艦長の従兵が風邪で寝込んでしまってなあ。だれか代わりの者を出さなければならなくなったのじゃ。
頼めるかのう?」
多分、いやだと言っても無駄でしょう。即座にあきらめ、返事をしました。
「はい、頼まれます。」
「そうか、悪いのぅ。じゃあ、艦長室へ行ってくれ。くれぐれも粗相の無いようにたのむぞい。」
〜回想終わり〜
「第2護衛隊群司令部がひりゅうに乗ってるんですよね。」
「ああ、そうだな。今日は第2護衛隊群司令とひりゅうの艦長に挨拶に行く。正直な話、行きたくないのだがな。」
苦い笑いを浮かべながらあいこ大佐は続けます。
「…少し下らない話になるが、聞いてくれるか?」
むう〜。いやだと言っても勝手に話しそうです。おとなしく聞くことにしました。
「はい、艦長。」
陸海空軍の争いが国を滅ぼすと言われて久しいが、我が海軍内部でも実は内紛が絶えないのだ。
原因は艦艇乗組員の充足率の低下にある。このまま推移すればやがて艦艇の運用に支障をきたし、海軍崩壊の
恐れすらあるのだ。そこで、女性兵士の積極的な艦艇乗組、新隊員の艦艇への優先的な配属などの対策をとっ
てきたがそれでも追いつかない。穴をいかに埋めるか、そこで派閥の分裂が起こってしまったというわけだ。
今の最大勢力は元帥率いる建艦派。主に佐世保、呉、舞鶴に支持者が多い。この建艦派の考えはさらに
省人化、システム化を進めた艦艇を建造し、現在の戦力を維持したまま必要な人数を減らしていこう、まあ、
元帥は更に飛躍して最終的には無人化するという考えらしいが、そういう派閥だ。
もう一つは少将率いる人外派。兵隊が足りないなら作ってしまえというこれまた短絡的な発想だ。実は君らが
海軍で臨時勤務しているのはこの派閥の働きによるところが大きい。実際に運用されている人造人間を見て、
参考にしようということらしい。
どちらにも共通していることは「教授」と呼ばれる人物の協力を求めていること、急進派で荒っぽい、この
2つだな。私はどちらの閥も嫌いだ。そうやって閥でいがみ合っている内に海上輸送路は海賊に蝕まれ、挙句の
果てに大R帝国の艦載機まで皇国の空を遊弋させる有様だ。まったく呆れたものだ。
「まあ、私がここで愚痴を言ったとして、海軍が変わるわけでもないのだがな。悪かったな、いっこ2水。
下らない話を聞かせてしまって。」
「いいえ、ちょっと勉強になりました。」
教授の名前をここで聞くとは思いませんでした。それで、艦長のぐちをひととおり聞き終わると、ひりゅうが見えてきました。
「え?あれは…結界?。」
「結界だと?どういうことだ、いっこ2水。」
「ひりゅうには魔術がかけられています…あの結界は魔を遮る結界じゃないです。むしろ魔を呼ぶものです…。」
「私の敬愛する海軍は、ついに魔術にまで手を出したというのか。嘆かわしいことだな。いつか…」
「艦長?」
「ああ、なんでもない。さあ、行こうか。お土産落とさないでくれよ。」
今、あいこ艦長の目に殺気が見えました。この人はこの人で何か考えているようです。くわばらくわばらです。
ひりゅうの運用兵が出てきて、接舷の準備を始めました。空母なんてはじめてなので、ちょっとうきうきします。
(都内某所。十数人の男達が集まっている)
(室内は、立ちこめる紫煙によって薄暗くなっている)
「現時点での情勢、如何になっている?」
(幾つかの議題が提出された後、上座に座っていた男がおもむろに口を開いた)
(質問の対象は下座。全ての工作を取り仕切っている特徴のない男だった)
はい
既に陸に関しましては首都警指揮下として、東北難民から志願者を募って約5万人
から成る重装警察師団2個、及び教導旅団1個の編成が進んでおります
「指揮権に関してはどうか?」
問題はありません
幾つかの譲歩はありましたが、この重装警察部隊に関しましては次期国会にて設立が
予定されている東北復興委員会治安維持部に来るように手配は完了しております
「編成内容は?」
米国の機械化師団を範にした重師団としております
「人員不足に陥っている東北方面隊からすれば、喉から手が出るほどに」
はい。ですが難民からの錬成の為、訓練には時間が掛かる予定で在ること。そして
治安維持任務を目的とした部隊である為、訓練を国防軍に委託せぬ事は通告済みです
(ゆっくりと眼鏡を押し上げる)
「陸上戦力に関しては了解した。それだけ在れば当面は問題あるまい。だが、海上に
関してはどうか?」
残念ながら、航空母艦に関する工作は上手くいっておりません
六九式@白衣&壜底眼鏡「教授」の手が入った双胴型半自律空母「ひりゅう」級の
1番艦が就役しており、2、3番艦の「そうりゅう」及び「うんりゅう」の艤装の進捗
状態も良好です
「四万トンクラス、搭載機数40機の中型空母。しかも霊的、魔術的要素も組み入れた
フネか……目障りだな」
ですが近代艦には無い魔術的要素を導入した結果、「ひりゅう」の建造コストは高騰、
2番艦以降は設計の改訂による簡素化が図られております
「……何かを?」
幾つか資材の搬入に対する工作ですが。建造コストがほんの2割程度を高騰させられた
程度ですが
「それだけで十分だ……」
「では残る問題、「あやなみ」及び「ゆきかぜ」級の建造計画はどうなった? 正直なところ、
あのクラスの量産の方が余程に脅威だが?」
そちらに関しては「ひりゅう」級より余程容易でした
両クラスとも、一隻あたりの単価が2000億を越えておりましたので、その点で革新
政党に対する情報の移譲、および国防軍の非芝村系軍備拡張主義者に対して海軍主流派の
スキャンダル情報を伝達し、この漏洩による主導権確保に成功致しましたので
「それだけで海軍は引き下がったのか? 造船業界からの反応−反発はどうか」
問題はありません
現在、海軍は軸足を海上護衛総隊─岩田提督の提唱した2000t級簡易護衛艦部隊の
整備に移しておりますので、反発は少ないかと
「よいだろう。義挙まで完全に敵対関係を形成しては期間だからな。しかし非芝村派か……
使えるのか?」
些か心配は在りますが、所詮、芝村派への牽制の為の投資と考えれば安いものです
「だが、我々の義挙時に立ち塞がれても問題だぞ! その責任はどうするつもりかね!?」
(ヒステリックに叫ぶ痩身の男。名無し官僚は感情の表れていない視線で発言者を一瞥すると、
上座への首を巡らす)
買収は進んでおります。又、買収工作に従わないものに関しては、菊水に対して擬装情報を
伝える事によって、現時点で問題となりそうな7名の佐官、将官の処理は官僚しておりますが
何か問題でも?
(ゆっくりと延べ上げる名無し官僚。眼鏡が冷たい光を放っていた)
『火星神将』の化身こと火神 将は、東朝の総括責任者であり、彼の主でもある加藤の執務室を訪れた。
だが部屋には加藤の姿は無く、代わりに中性的な容姿をした若者が書類の整理をしていた。
確か加藤の片腕で、野々村という名前のはずだ。
「野々村殿、加藤殿はどちらへ?」
「加藤さんはバイト先に戻られました。ふふ、しばらく仕事に専念するそうです」
何やら思い出し笑いをする野々村だったが、すぐに真面目な顔に戻った。
「私もじきに、また旅に出ますが、それまで加藤さんから貴方の事は頼まれています。何か御用ですか?」
「……実は、これをお返ししようと」
火神は懐から札束の入った袋を取り出す。それは彼自身に付けられた価格だった。
「おや? 自分からクーリングオフされるんですか?」
「ここの経済状況が安定するまで、一時的にお預けします」
「はは、変な式神ですね貴方。その必要はありませんよ。元々今月は色々な事情があって、
経費が嵩む月なんです。確かに貴方の事を含め、予想外の出来事というか出費が幾つかあって、
今月中は多少苦しいでしょうが、それくらいで東朝の屋台骨が揺らぐなんて事にはなりませんから。
その辺りは『お財布係』が上手く遣り繰りするでしょうし」
「そうですか」
「そうなんです。ところで、貴方の仕様について幾つか質問したいんですけれど?」
野々村は執務机の引き出しから、黒い小箱を取り出した。
野々村は小箱の中から、取扱説明書と三枚のカードを取り出す。
「この取扱説明書によると、この三枚一組の札が『火星神将』の御霊が括られている貴方の本体で、
私の目の前に立っているモノは、貴方が操る式紙兵の集合体、で宜しいですか?」
「だいたい合ってます。正確には、上位三符のうち『召喚符』は私を呼び出し、『律令符』は
私を使役し、『御霊符』は私をこの世界に括っています」
「……もし、この『律令符』を使って『御霊符』を破れと命じたら?」
「従います」
「では、旧菊十字団の皆さんを始末してくださいと命じたら?」
「従います」
「では、貴方の創造者を倒せと命じたら?」
「従います」
「では、皇統に危害を加えるよう命じたら?」
「従えません」
野々村は悪戯っぽく眼を光らせた。
「……火神さん、突然ですけど肩を揉んでくれますか?」
「心得ました」
火神は執務机を回り込んで野々村の背後に立ち、肩を揉み始める。
「もう少し強く」
「心得ました」
次に野々村は、椅子に座ったまま身体を横に向けると、膝を組んだ。
「靴、舐めてください」
「お断りします」
間髪入れずに火神は答える。野々村は『律令符』を手に取った。
「靴、舐めてください」
「心得ました」
火神は即座に、『律令符』を持つ野々村の足元に跪く。
「ストップ! よく解りました。酷い事して済みません。……やれやれ、
あのヒトも、また業深いモノを作ったものです」
──コンコン。
「失礼します。野々村さん、葛城さんのソック…スガ……」
「おや小次郎君、どうし……」
火神は野々村の足元に跪き靴を持ったまま、言われたとおり「ストップ」している。
相馬少年は表情を固定したまま、数歩後退る。
「ええっと…あの、小次郎君?」
「ミテナイヨー、ナニモ ミテナイヨー」
──バタン。
「……はは、因果応報ってやつですね」
僕はいつも通りにやって来た、世話係のお姉さんに起こされた。
「ん…あっ…ダメお姉さん、くすぐったいよ」
……本当に擽られているだけだからね。
そろそろプールに行く時間だ。今、G習院のプールは壊れていて、夏休みの間だけ近隣の市民プールや
小中学校のプールを借りている。G習院の生徒達は、指定されたプールなら何処でも自由に出入りできる。
だから僕はそれに乗じて、いろんなプールに紛れ込んでいるのさ。いちおう怪しまれないように、
一回ごとに場所は変えているけれど、意味無いかな?
僕の体の傷は、もうほとんど目立たない。真っ黒になるまで日に焼ければ、きっと全然見えなくなるよ。
そうしたら、ともえお姉ちゃんと(ついでにカンヌキも)一緒に海で遊べる。
「えっと、今日はニホンちゃん達の学校か」
いやホントは学校のプールで泳ぎたいだけなんだけれどね。
第五旅団第一警護隊学舎専任駐留部隊本部にて。
ひなぎく隊員A,B,Cは留守番をさせられていた。
A「……暇だよな」
B「俺達もウォーターランドへ行きたかったな」
C「宮様の学校と生徒達を守るのも任務のうちだ」(シャッ、シャッ)
A「しかし誰もいないじゃないか。今日は部活動もやってないし」
B「学校には先生方のみ。こには俺達と副隊長のみ」
A「おいC、いいかげん制服のデザイン描くの止めたら?」
C「いいや。新学期からは絶対新しい制服にしてみせる」(シャッ、シャッ)
ここはひりゅうの舷門です。
「ほひ〜、ほひ〜ほ〜」
舷門送迎のサイドパイプがなって、ひりゅうの艦長が出てきました。ひょろっとした兄ちゃんです。
「はじめてお目にかかります、安達大佐。ひりゅう艦長の藤倉大佐です。」
「こんにちわ。さて、わかばくん、あれを。」
ごそごそ…紙袋の中から三崎のまぐろ詰め合わせ御贈答用セットを取り出します。
「つまらないものですが、どうぞ。」
「これはこれは、頂きます。士官室の連中も喜ぶでしょう。立ち話もなんですし、どうぞこちらへ。」
ひりゅうの艦長室へと通されます。こぎれいでさっぱりしていて、なんだか藤倉大佐の性格が伺えます。
ソファーの上にちょこん、と小さな女の子っていうかょぅι゛ょが座っています。服もなんだかピンクで
ふりふりで、どこからみても軍属ではなさそうです。足をぶらぶらさせながらシェイクを飲んでいます。
お行儀が悪いです。藤倉大佐がちょっと困った顔でょぅι゛ょに声を掛けました。
「挨拶しようか、まぃはに〜。」
「うん、だり〜ん!あたしあいさつするよ!あたしはひりゅうっていいます!安達大佐、ようこそあたしの中へ!」
「は…?この少女が…ひりゅう?」
安達大佐は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔でそのょぅι゛ょの方を見ています。私は…
まあ、志摩教官と少しの間一緒にいたわけですし、毎日他の艦の船魂たちも見えているので別段驚きませんでした。
ただ、このょぅι゛ょが自然に安達大佐や藤倉大佐とお話しているのが少々不思議ではありますが。
「そこのおねえちゃん!」
私のことらしいです。とてとてとこちらに向かってきます。
「おねえちゃんも…ヒトじゃないね!あたしといっしょだぁ。ともだちともだち、と〜も〜だ〜ち〜!きゃは☆」
なんだか勝手に友達にされちゃいました。志摩教官もそうでしたが、艦というものは電波を捕らえやすいように
できているのでしょうか?それともレーダーから自ら発する電磁波によって壊れていくのでしょうか。
やっとひりゅうを降りた。もう軍艦には乗りたくないものだ。何回吐いたかもう覚えていない。北大西洋クルーズとか
そういうやつだったら大歓迎だけれどもなぁ…。まあそんなことはともかく、猫耳水兵たちの様子を見にいくか。
田「皇宮警察の田中事務官といいます。菊水2等水兵と面会したいのですが。」
水兵「…ちょっと待ってください?ええと、どの菊水2等水兵でしょう?菊水2等水兵は6人いるんですよ。」
ああ、そうか、いけないいけない。まあここは一応リーダーのわかばを呼び出すのが適切だろう。
田「菊水わかば2等水兵をお願いします。」
水「あ…菊水わかばは只今ひりゅうへ行ってますね〜。不在です。」
すれ違いか!ならばみつばか。
田「菊水みつば2等水兵は?」
水「みつばちゃんは…上陸してますね〜。」
なんと…間が悪かったかな…。
水「菊水2等水兵全員に用事があるんですか?今居る菊水2等水兵だけでも呼び出しましょうか。」
田「あ、お願いできますか。」
(ぴ〜!菊水2等水兵、面会人あり舷門。)
出てきたのはふたば、よつば、むつは。作業服じゃなくて水兵服でいるところを見ると、上陸しようとしていたらしい。
ふ「あ、田中さん、おひさしぶりです。どうしましたか?」
田「ちょっと様子を見にきたんだけれど、元気そうでなによりだ。」
よ「なんだぁ〜それだけのことでよびださないでほしいの〜!」
む「全くだな。そうだ、田中、お前これから用事は無いのか?」
田「そうだなぁ、特に無いかな。あとは本部に帰還するだけだけれど?」
む「そうか。だったら少し付き合え。」
ふ「そうですね。これから3人で町に行ってお買い物するつもりだったんですよ。」
田「?!(猫耳兵士の買い物?聞いたことないなあ…。)」
ふ「武山にいるときに由紀子さんたちから色々お買い物のこと教えてもらったんです。これといって必要なものは
なくても、楽しいですよね。」
よ「じゃ、きまりなの!たなかもくるの〜!」
やめてくれよ…女の買い物になんか付き合えるか…しかも相手は猫耳じゃんか…
む「ちなみに断るという選択肢は無い。それに…なかなかおいしいだろう?しちゅえーしょん的に。どうだ?」
たしかに…すれんだーなふたば、ろーりーなよつば、ぼんばーなむつば…悪くは無い…だが!相手は猫耳、猫耳なんだぞ!
どうする田中、どうする?
田「……………よぉし!行くか!」
水兵「両手に花、いや抱えて花?うらやましいなあ。いってらっしゃい、菊水さんたち。」
…俺って、スケベだなあ…。いつか身を滅ぼすね、こりゃ。
あ、>23も俺か…呆けてるなあ。
「この前、難民キャンプで、面白い話を聞きました」
「その人達は、一度は信濃町教団に入ったものの、うちに戻って来た人達です」
「続けて」
「基本的に入信者の大部分は、うちと同じ東北難民です。寄進なんて在り得ない、着の身着のままで
その日の食事にも困る人達も多い」
「しかし信濃町教団は、その貧しい人々を、無制限に受け入れている」
「資金源は不明ですが、この前うちに資金提供の話を持って来た官僚の事、覚えてますか?」
「成る程」
「男達は家族を養う為に、軍事訓練のようなものをしなければならないらしいです」
「その数は大よそですが、一万人を軽く超えているようです」
「今まで気付かれなかったのが不思議だな。余程のブレインがいるんだろう」
「信濃町教団は、戦禍から逃れてきた者達を集め、戦禍を広げるモノに変える、窓口ということか」
「一歩間違えれば、僕たちも同じ事をさせられていたかも」
「……その話には確証が無い。仮に証拠を掴んだからといって、信濃町教団を潰したとして、
難民達が喜ぶとは限らない。残念だが我等には、彼等に十分な衣食住を提供する力が無い」
「確かに、かなり切り詰めてますよね」
「でも、誰も好き好んで戦うはずないでしょ?」
「野々村さんはよく分かりませんが、加藤さんや葛城さんは、萌姫の呪いが解けた以上、
東朝を続ける必要は無いと思われている節があります」
「それでもまだ色々と僕達の面倒を見てくれるだけ、有難いと思うべきでしょう」
「……いずれにしても、萌姫様の存在なくしては、今の僕らでは大した事は出来ません」
「早急に探し出して、姫様の御意思を確認する必要があると思います」
「資金のほうも何とか工面しないと」
「すでに結界の術式は許可を得て対物主体に切り替えています。不審なモノは全て検知できます」
「信濃町教団の監視と、難民キャンプへの注意を促しましょう」
一方その頃、ウォーターパークの萌姫は、流れるプールの11週目を終えて、ようやく水から上がった。
「……」
少しふやけた指先を見ながら、次は何処へ行こうかと、考えている。
「……」
良い匂いがした。萌姫は少しお腹が空いているようだ。深く考えず屋台へ向かって歩いてゆく。
「つぎは、あれであそびます。とつげきなのですー」
「待ってモナー」
目の前をスクール水着の児童が駆けてゆく。だが萌姫の姿は誰にも見えない。
「二人とも、走ると危ないよー」
ぺちっ☆
「きやっ!?」
加也は何かにぶつかって、尻餅をついた。
「かやちゃん! だいじょうぶですか?」
「怪我してないモナ?」
「……うん平気。えへっ、私が転んじゃった」(何か今、べちゃあって…?)
去っていく少女達。うつ伏せに倒れている萌姫。起き上がると、床に人型の水の痕が出来ている。
「……もなこ」
萌姫は、もなこの後を追うように数歩進み、そこで立ち止まり、やっぱり屋台に向かう。
屋台は結構人気があるようで、四〜五人並んでいる。単に年頃で独りの女性客が少ないので、
売り子の少女をナンパしようとしているのかもしれない。
「焼きそば2つ!」
「はい…………お待たせしました、600円になります」
萌姫は列に並ぶという事を知らないし、お金のこともよく判らない。
屋台の横で、ちょこんと正座して、待ってみる。
「フランクフルト1本下さい」
「はーい、150円ね」
「ネエちゃんカキ氷!ブルーハワイで」
「はいはい、100円ですー」
「……」
(少し哀しそうに、売り子のお姉さんを見上げる)
マターリと子供用プールで遊んでいる子供たちの脇、競泳用プールではちょっとしたどよめきが起こっていた。
プールに敷かれた水の道をまるで魚のように走り抜ける姿。水しぶきもまぶしく輝く。
「ふう。」
軽やかに、疲れも見せずにプールから上がる少女に皆の視線が集まっていた。
軽くストレッチをすると、また飛び込む。一部の隙すらない美しいクロールで50mを泳ぎきる。
隣のコースにいた男子までもが目を丸くして、プールの中で呆然としていた。
それほどに少女の泳ぎは速く、優雅だった。
「うん、調子いいね。」
笑顔。無駄のないすらりとした、でも長すぎず短か過ぎない手足。健康的に日焼けした肌。
機能美のみを追求した水着に包まれるとそれは水の妖精のようで。
また、飛び込む。力強い、しかし無駄のないストロークで、50mのショーはあっという間に終わる。
ほう、と溜息をつく観衆。
それをまったく意識しないまま、少女は泳ぎきるとさっさと事務所へと向う。イルカショーの準備のために。
ちなみに、この時少女の50mのタイムは既に日本新を記録していたのだが、それを証明するものはいない。
ただ、その場にいた皆がその少女の泳ぎを目に焼き付けていつまでも消せずにいたという。
>>28 ちりん・・・・。
ふいに鈴の音が聞こえた。
ちゆ「(・・・もしかして昨日聞いたあの鈴の音?)」
思わず周りを見回す。
ちゆ「あっ!」
なにやら“遮蔽”が効いているらしく、時折向こうの景色が透けて見える。
女の子は少し哀しそうにこっちを見上げていた。
ちゆ「こ、こんにちは。」
萌姫「・・・・・・・・・こんにちは。」
小さな声で返す少女。
ちゆ「あなた、ひとり?」
少女は小さく頷いた。ちりん。
やっぱりこの音だ。昨日私を助けてくれたやさしい鈴の音。
思い切って言ってみることにした。
ちゆ「あの、えと、・・・・ありがとう。」
少女は恥ずかしそうににこりと笑った。
その様子を見てちゆも笑った。
ちゆ「(やっぱりこの娘だったんだ。)」
その様子は、
誰もいない空間に向かって話しかけたり笑ったりするちょっと危ない人に見えた。
くうぅ。
萌姫のお腹が鳴った。
恥ずかしそうにうつむく少女。
ちゆ「はい、どうぞ。」
フランクフルトを差し出した。
少女は(いいの?)と言いたげな表情で見上げる。
ちゆ「熱いから気をつけてね。」
少女はフランクフルトを受け取った。
ちゆ「あなた、名前は?」
萌姫「・・・・・萌姫・・・。」
ちゆ「(遮蔽のことや昨日の異次元通路のこと、・・・きっと何か訳があるんだろうな。なにも聞かないでおこう。)」
ちゆ「おいしい?」
こくり。また鈴がちりんと鳴った。
ちゆ「なにかあったら、私に言ってね。」
思わずそう言っていた。まだ会って数分と経っていなかったが、なんとなくそんな気分になっていた。
萌姫「・・・・・。」
萌姫は何も言わなかったが、ただ、恥ずかしそうに微笑んでいた。
洋上を進む駆逐艦。マストには紅い旗。海賊たちの駆逐艦「松風」である。帝国海軍の執拗な
追撃を振り切り、一時太平洋に離脱したのであった。
「さすがに公海上までは日本海軍も出てこられないようですね、お姉さま。」
色白の熊耳少女が萌菜小姐に話し掛ける。
「そうですね。総員に可能な範囲で休養を取るように伝えてください。公海上にいたとしても
いずれ民間船舶に発見されてしまうでしょうから。航海長、ここはお任せしていいかしら。」
「あい!ごゆっくり、姐さん!」
艦橋を降り、士官寝室へ向かう。チャイナドレスを脱ぎ捨て、裸身のままベッドに横たわる。
「……戦いの日は近い、か。」
ぽつりと呟き、深い眠りに落ちる。
「ラブさん、姐さんはお休みで?」
「はい。士官寝室にてお休みですが、火急の用件でなければ私がお聞きします。」
熊耳の少女が答える。彼女の名前はラボーチキン。通称ラブちゃん。R国科学アカデミー謹製の
薄倖アルビノ熊耳少女である。萌菜小姐がその名前を変える前から傍に付き添い、補佐をしている。
この艦の事実上の副長である。
「実は、このまま行くとですね、R国の派米訓練艦隊とすれ違うんですよ。姐さんいないし…。」
「そうですね…小姐は多分…起きてこないでしょう。わかりました。私が敬礼しましょう。」
R国派米訓練艦隊はA国、日本帝国に対し「亜細亜にR国あり!」と示威するために送り込まれた艦隊である。
ハワイを出港し、ウラジオストック帰投までの最後の寄港地、横須賀目指して航海を続けていた。
「(なんですやん。萌菜姐さんの艦じゃあらしませんか。こんなところにいたら目立つんちゃいますか?)」
「(司令官、駆逐艦が敬礼してきましたわ。答礼しますわ。)」
「(はいはい。私も艦橋でますさかい、準備してや。)」
空母「ヴァリヤーグ」艦橋で敬礼する女提督。海賊たちを支援する海軍大将。
その唇に不敵な笑みをたたえ、敬礼を行う松風に対し答礼を行う。
こちらは松風。
「ラブさん、答礼確認しました!」
「了解。大将のお姉さん、最近見かけないと思ったらA国にいらっしゃったんですね。それにしても…
さすが世界に艦たる大R、大仰な艦隊です…。」
「ヴァリヤーグ」の後ろに付き添う大型艦。3連装3基の砲塔が日本帝国の「やまと」やA国の「アイオワ」と
同じ目的で作られた艦だということを如実に物語っている。
「あれは戦艦「イワン雷帝」。かつての名を「ソビエツキー・ソユーズ」かな?あんなのまで連れてきてる。
すごいですね。でも、あれは私たちが日本帝国から簒奪した油で動いているんですよね〜。なんだかな〜。」
「ラブさん、誰に説明してるんですか?」
「ああ、すいません。あはは。答礼が終わったら別れをかけてください。」
太平洋はいずれ起こる戦火の匂いを孕みながらも穏やかで、静かであった。
「何だと、ロスケがアレ(
>>33)を動かしただと?」
「16吋砲戦艦……ウラジオで錆び付いてる筈じゃ無かったのか!?」
「はい。残念ながら幽霊の類じゃ無いそうです。第2潜水隊群からの報告では確かに
4軸艦を確認したとの事です」
「糞、ここ数年は動く事の無かった奴がこの時期にか……しかし、一体連中は何処から
燃料を調達したんだ。ロスケの石油海外輸出量からみて、国内分を流用したか?」
「そんな莫迦な? 国会答弁の内容を確認させているが、産出量の減少から輸出力を
確保する為に国内消費の削減を既に実施しているんだぞ。これ以上やったら国内経済が
滅茶苦茶に成る筈だ」
「数字自体が欺瞞の可能性は?」
「いや、総力研にも確認させているが経済状態から見て、数字の誤差は1%以下だ」
「それだけあれば……」
「太平洋に進出したのはデカブツだけじゃ無い。空母、そして護衛艦艇も込みの大艦隊だ。
その程度の量で賄いきれるものでは無い」
「何処から湧き出したんだ……」
「油の詮索は後だ。問題は、艦隊が動き、その練度は急速に向上していると言う事だ」
「ですな」
プールサイド、白いチェアに横になり、サングラス越しに子供たちの様子を眺める女が一人。
青色の大胆なビキニは男たちの視線を釘付けに…しているはずだった。
ひま…
つか、暇よね。
そういや、今年水着着たのってはじめてかあ…研究室ばっか行ってたからなあ…
むー、だーれも声かけて来ないじゃないのよ。楓。
せーっかく人が一大決心して肩紐なしのビキニなんて着てるってのにさ。
ここの男供ときたらみーんな炉なのかしらね…速水君もだらしなさすぎ…
それでも旅団の兵隊なのかしら?はあーあ。あたしが言うことじゃないわよね。
まー、確かにかわいいんだけどね。ふふふ、着替えの様子なんてあんたたちは知らないんでしょう?
いいのよお…恥ずかしそうに着替えてる姿って…「せんせい、へんじゃないですか?」なんて聞くのよ?…
あー、暇だわ。いいもん。どうせ泳げないし。
…暑いなあ…あたりまえだけど。おなか…すいたな…
立ち上がり、屋台に向って歩き出す。が、彼女が忘れていることがふたつ。
メガネをかけておりません。屋台とチェアの間にはプールがありましたとさ。
ばっしゃーん
ウォーターパーク外観の撮影を終え、再びオーナー室に戻って来た撫子と雄一。
オーナー達と談笑しながら、クーラーと冷たい麦茶で身体の熱を下げる。
「は〜、涼しい」
どうせ下は水着だからと、ボタンを外した胸元に、男達の視線がチラチラと集まっている。
次はパーク内の施設を撮影し、最後にイルカショーの様子を撮る事になっていた。
「撫子さん、そろそろ行きましょう?」
「……あと五分。」
>>35 いえいえ、私の眼の保養にはなってますよ……
「何を言っている?」
心の豊かさに関する独り言ですよ。お気に召しませんでしたか?
「貴様、公務中だぞ!」
やれやれ公安の方々はお堅くていけませんな。まぁ仕事に熱心なのは宜しいですが
兎に角、本日はあなた方の実働訓練みたいなものですので、暢気にやって下さい
ええ、殿下らの映像も倫理問題で言われない範囲なら撮っても構いませんよ
平たく言えば、菊水に注意しなさいって事です
「菊水? 我々は菊水と戦うた…」
現状を認識出来ない様ではいけませんよ。今はまだ、情報を集め、弱点を探る段階です
あなた方が何故、今日投入されたか判りますか?
囮の様なものなのですよ。秘匿行動、事菊水の猫耳兵の眼をかいくぐる事に不慣れな
あなた方が発見され、菊水に対応を強いる事で組織内に潜り込んだ狗……この場合は猫
ですね。猫を駆り出すのが目的なのですよ
ご理解頂けましたか?
余り緊張する必要は無いですよ
まぁ噂の大隊指揮官“少佐”は慎重な性格だそうですから、今回、何事も起きない
可能性の方が大きいですから
ん?
慎重とは少々心外だなあ。私はね、闘争が好きなだけだよ。
ただし、闘争をする相手にもそれ相応の物を求めたいと、こう思っているだけなのだがね。
極上のワインはじっくりと寝かせておく物だよ。熟したところをいただく、これがいいんじゃないかね。
「…おいしいものは最後に食べるほうなんですね。」
…そうともいう。が、君は誰だい?
「すみません、人の電波に紛れ込んでしまいまして。ほら、さっさと軌道修正!」
「ごめんなさーい。うーん、横須賀ってどっちだっけ?」
…(南を指差す)…
「しつれいしましたー」
ゴホン、ともかく。がんばってくれたまえ。彼女たちは私と違っておいしいものはすぐに食べたがる性質なのでね。
「イワン雷帝」って何? 教えてロシアの偉い人
>39さま
モスクワ大公国(現 露西亜)の大公です。父イヴァン3世が自ら称した
ツァ―リ(皇帝)の名を引き継ぎ農奴制を強化して諸侯を押さえギリシャ
正教会の中心をモスクワに移し宗教的権威をも手に入れツァ―リ(皇帝)体制
基礎を築いた有名な専制君主です。
>33
「イワン雷帝」「ソビエツキー・ソユーズ」
*
ttp://warships1.com/RUSbb04_SSoyuz-LD.jpg (初期案)
諸元
『ソビエツキー・ソユーズ』(Sovyetskiy Soyuz)
オルジョニキーゼ工廠で1938年08月28日起工、1940年10月建艦中止 完成率75%
(史実)
『ソビエツキー・ウクライナ』(Sovyetskaya Ukraina)
マルティー南側工廠で1938年11月28日起工、1940年10月建艦中止 1946年解体 完成率49%
(史実)
『ソビエツキー・ベロルシア』(Sovyetskaya Byelorussiya )
海軍402工廠で1939年11月28日起工、1940年10月建艦中止 1949年までに解体
『ソビエツキー・ロシヤ』(Sovyetskaya Rossiya )
不明
--------------------------------------------------------------------------------
排水量
基準排水量:59250トン
満載排水量:65150トン
Standard 59,250 tons
Maximum 65,150 tons
--------------------------------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------------------------------
全長:271m
全幅:38.90m
吃水:10.20m
--------------------------------------------------------------------------------
機関
高圧缶12基
エレクトリック・タービン三基三軸
最高出力:230500shp
最高速力:28ノット
航続能力:不明
--------------------------------------------------------------------------------
装甲
舷側装甲:425.45mm(水線部)
甲板装甲:222.25mm(装甲部)、25mm(装甲部以外)
砲 塔:495.3mm(前盾部)、300mm(側面)
司令塔:424.2mm(側面部)
--------------------------------------------------------------------------------
武装
主砲:40.6cm(50口径)三連装砲×3基
副砲:15.2cm(57口径)連装砲塔×6基
対空武装:100mm(56口径)連装砲×4基
37mm(67口径)四連装機関砲8基
8mm(50口径)機銃8丁
水中魚雷発射管:457mm魚雷2門
--------------------------------------------------------------------------------
航空機:4機
--------------------------------------------------------------------------------
乗員:1664名(通常)、1800名(司令部含)
--------------------------------------------------------------------------------
>41,42
ソースは無かったの?
>>43 未完成艦だしね。仕方がないんじゃないかな?
僕の手持ちの情報にも、ソースで出せるURLは無かったしね、知ってる人、うp
キボンヌって奴だ(w)
ってか、この場合は41にご苦労様と言うべきだろうさ(笑)
五稜郭の夜は長い。
火神に与えられたその日最後の仕事は、五稜郭の周囲に集まった魑魅魍魎の掃除だった。『お掃除係』の
指示を受けながら、悪霊を退散させ、怨霊を浄化し、妖(あやかし)を調伏する。次に五稜郭から
難民キャンプまでを掃く。さすがにお掃除係達は手馴れたもので、全工程は3時間弱で終了する。
御盆に帰って来るのは祖霊だけではないという事だ。未だ目覚めないもえひとの陽神体。
一所に集まった東朝幹部達の高い霊力。東北難民の抱える負の感情。他の怨霊を寄せ付けなかった、
強大な怨念が去った後の霊的空白地帯。狙われるのは至極当然であった。
「…あの、ヒカミさん?」
「はい、何か?」
今回は直ぐに反応する火神。
「あの、熱くないんですか?」
お掃除係の一人が、そう問いかけたのも無理はない。火神の右腕の肘から先は、赤い炎に包まれていた。
この炎で霊を浄化し、妖を焼き切った。その気になれば全身を炎に変えることも出来る。
「はい。私は人と”つくり”が違いますから」
そう言うと火神は、右手の炎を解いてみせる。手も服の袖にも、焦げ痕一つ無い。
「あ、そういえば式神でしたね貴方。しかし助かりました。今月は予想以上に悪霊が多くて、
お掃除係の半数がダウンしましたから。幹部の方達も随分苦労されたようです」
「御盆も過ぎたし、これからまた一年は結界だけで対応できるでしょう」
「もし、あなたが裏・お掃除係になったなら、私達は歓迎しますよ」
「恐縮です」
火神は深々とお辞儀をする。
「それでは私は次の仕事がありますので、これにて」
その日の最後の仕事が終われば、次の日の最初の仕事が始まる。
火神 将は眠らない。萌え尽きない限り、いつまでも動き続ける。
「ここの暮らしには慣れましたか?」
「ええ、気に入りました。ここは誰もが、私のような人在らざるモノにも、ごく普通に接してくれる」
「まあ、もえひとさんは陽神体だし、葛城さんは元国津神ですからね」
「国津神?」
「あまり知られていないんですけどね。葛城山の一言主って分かります?」
「分かりますが……確かに葛城殿は高い霊力をお持ちですが、しかし霊格に措いては間違いなく人だと」
「だから元、国津神です。北朝の萌宮もなこ内親王が発動した「ちゃい」の魔法に乗じて人間に化生
されたんです。随分前から「ちゃい」を予見していたらしく、その為の準備も色々していたみたいですし」
「そうなのですか…」
「だから今は、葛城一子ではなく和子です。呼び間違えると怒られますよ? 言霊に障るらしいですから」
「そうなのですか……」
「もっとも僕には、何故あの人が神の力と命を捨ててまで人間に成りたかったのか、解りかねますけどね」
「……もし叶うならば、私もいつか人に成りたい」
>48
やめとけ、やめとけ、ココの連中はあんたの苦労を無駄にする厨房作家の集まりだ
あんたの軍事知識は軍事板で有意義に使用した方がいい
科学者の倫理、などという言葉が流行った事がある。昔の話だ。
科学者に倫理等無い、と、彼女――菊水防疫給水部特務研究所複合素体工学研究部主任研究員・蔡川詩季(さいかわ・しき)――は、思う。
自らの研究結果が「外界」に与える影響などに興味は無い。「そんなもの」は、研究自体には何の変化ももたらさないからだ。
科学者にとっては「ここ」――研究室の中だけが、唯一の世界。
実験に日々を暮らし、寝食を置いて解析に励み、考察のみが夜夢を見ることを許す。
それらが実を結ぶ、僅かな期間だけ、研究者である彼女に心というものが戻ってくる。
今は夏。彼女はそれを思い出す。
だだしその季節感の復活は、ロマンチシズムやセンチメンタリズムなどとは全く無縁の要因から発生したものであった。
「この子」の皮膚における太陽光に対する反射反応はどうなっているのかしら?
彼女の意識は、視線と共に、「研究結果」である少女に向けられていた。
白い壁と雑多な器具で囲まれた部屋。
その中央に据え付けてあるベッドで、上半身を起こし、もそもそと両手でサンドイッチを食べている少女は、
その外見とは裏腹に、信じられぬほどの能力を有しているのであった。
手元のディスプレイに映る駆動実験報告書が、その確たる証拠である。
詩季は報告書を読み返し、幾度目かも分からぬ感嘆の溜め息をつく。
この研究所の歴史の中でも、これほどの成果は殆ど見られない。
強烈な達成感。そして、次の段階へと進む事への渇望。
数々の感情が入り混じり、彼女の頬は紅潮していった。
ノックの音が彼女を現実へ引き戻す。「しゅに〜ん」という情けない声と共に、彼女の部下が駆け込んでくる。
「やっぱり、3研(第一章128参照)の連中カンカンですよ。この子を無理矢理持ってきて、
連中とは全く逆の方法で起動させちゃったんだから無理もないですけど……」
「放って置いていいわ」
「でも、主任……」
「そう。自分の無能さを棚に上げて逆恨みするなんて、抗議する権利すらないわ」
「……!? 主任!!!」
「なぜ? あの(宇月)亜美ちゃんですら出来なかった事を、彼らだけでやろうなんて」
「暴言ですよ……!」
詩季は止まらない。止められる筈も無い。
少女の覚醒によって自らの理論が正しいと証明された今、彼女の言は真理。
真理を否定する術は、新たな真理を「示す」事のみ。
そしてそれは、現時点では何人にも無理なのだ。
「猫耳や黒猫ならば別。闇から生まれたモノは、存在自体が感情の具現化といってもいい。
けれどこの子は、戦うために造られた。目も、耳も、手も、足も、口も、髪も、すべて、その為の道具。
動物とは違う。生物とは違う。
彼女が在るのは、生きるためでも生殖のためでもない。恒常性維持や適応変化なんて必要ない。
瞬きも、呼吸も、脈拍も、鼓動も、細胞の一つ一つの代謝迄が、相手を殺す為の手段に過ぎない。
純粋な道具。
それを、感情なんていう不安定なパラメータで制御するなんて不可能なの。わかる?」
「……はぁ」
気の抜けた声で部下が受け流す。実験が成功する度に暴走する詩季には慣れているのだ。
「まあいいわ」
詩季は大きく息をつく。
「いいか悪いか、なら、もちろんいいんですけど。意識をアナログからデジタルに変えたことで、
うちの本職のダブルエムプロジェクトの進行も早まりましたから」
部下が言う。詩季は途端に静かになった。彼女はダブルエムに興味がないのだ。
当の少女はと言えば、ただ無表情にサンドイッチを口に運んでいるだけであった。
後日。
だだっ広い倉庫の中に、コンテナが運び込まれる。その周りを白衣の研究員達が囲んでいる。
その中には、蔡川詩季の姿も見られた。
作業服を着た男がコンテナを操作すると、まるで割れていくようにゆっくりとコンテナが開いてゆく。
「おお……!」
歓声があがる。
コンテナから現れたのは、人型をした滑らかな鎧。地上高は2メートル弱。
これが、ダブルエムプロジェクトの中核となる。
白衣の集団の中から一人の男が前に出て、解説する。4研副主任である。
「これが、局地戦用強化装甲服、コードネイムMasquerade。試作機。
従来の猫耳歩兵の持つ速度に火力と装甲を付加する事で、全く新しい兵科を作るために企画された。
今までは費用対効果を理由に実験もさせてもらえなかったが、 小娘が起きたドサクサに予算を申請して作ってみた。
制御システムは、簡単に言やあ、使用者の中枢神経と末端神経を直接駆動系に繋げるんだが、
猫耳じゃあ感情が気まぐれでうまくいかねえ。
その点デジタル思考の小娘なら、コイツを手足の延長線上として扱えるわけだ」
詩季は頭を押さえる。
これは、SFに出て来るようなパワードスーツとは違う。VCの怪力に期待した、タダの鎧だ。
増加する火力も装甲も、デメリットを僅かに補う程度。殆どの戦況では、着ない方が良い位だ。
しかし、装甲服を見つめる研究者達の目は、爛々と輝いているのであった……
溜め息。
「…………非常識」
聞きつけ、拳を握って副主任が叫ぶ。
「馬鹿野郎! 漢のロマンだ!!!」
お昼時。プール奥の特設プールに皆が集まってゆく。
このウォーターランド夏の目玉企画「イルカに乗った少女のショー」だ。
実のところこれだけを目当てに来る客がいるほど、マニアックな(?)人気を誇っている。
まあ、宣伝費用がないから口コミでしか伝わっていないとも言うのだけれど。
曰く、「えらいかわいい女の子がいるらしい」と。まあ、そんなもんである。
子供たちも手に食べ物を持ちつつ一様に観客席へと向う。
一緒にしておいたほうが管理がしやすいので先生としては楽なので。
で、その先生はといえば着ていたパーカーごとずぶぬれで、うなだれていた。
「せんせい、どうしたのですか?」
「聞かないでちょうだい…」
プールに落ちて溺れかけたなんて恥ずかしくて言えるわけもなく。ましてやライフセーバーに
人工呼吸されかけたときに気づいて目の前にいた思いっきり彼をぶん殴ってしまったとか、
その彼が結構格好よかったことだとか、あわててる間に買ったばかりのサングラスをなくしてしまったことだとか…
もなこと加也は最前列に陣取って少女の登場を今か今かと待っている。
観客は親子連れやカップルも多いが、なぜかカメコの姿が目立つのが気になった。
最初はもなこ目当てなのかな…と気になったがどうもそうではない。
カメラはプールの奥に作られた小さなステージに集中していた。
そして、テンションの高いアナウンサーが声を上げる。
いっせいに焚かれるフラッシュの中、ステージ用の水着に着替えたともえが向日葵のような笑顔で登場した。
「あっ」
もなこが思わず声を上げる。
「どうしたの?もなこちゃん。」
「ともえちゃん…なのです…」
一方ともえも最前列のもなこは見えていた。なにせ両目ともに3.0。海育ちのせいで遠くの物はよく見える。
勢いよく飛び出した体が一瞬止まった。
(…ははあ、ゲストってもなこちゃんかあ…やってくれるなあ……)
が、一瞬で頭を切り替える。
「みんなー、元気ー!?今日もボクたちのショーに来てくれてありがとう!楽しんでってね!!」
ぱっと手を上げると、ステージ脇に開いた穴からイルカが4匹、飛び出してくる。
そしてともえの合図でジャンプしてくるりと一回転。一旦潜ってから水面に体を出すと、並んで客席にお辞儀をした。
沸きあがる拍手。それにかぶさるように音楽が流れ出すと、今度はともえが走り出す。
ステージ正面からプールに向って走ると体操選手もさながらの前転を綺麗に決めてのジャンプ。
空中でひねりを加えてから1本の矢の如く水面に吸い込まれていった。
イルカが再び潜り、水面すれすれを走る。そして1匹が潜るとその背びれにともえを乗せてジャンプした。
歓声が上がる。
イルカの背に乗って水面を走るともえ。3匹はその周りを従者の如く付き添い、潜行し、ジャンプし、交差する。
時折、いるかの背から背へと飛び移り、立ったり、逆立ちしたり。
そのたびに客席は大歓声に包まれた。
「すごいねえ…」
「…ともえちゃん、かっこいいのです…うらやましいなあ…」
「すごいモナー…」
>>37 「あーん!もう、あんな方行っちゃうとよく見えないじゃないの!」
ステージは外からだと高台でもないと見えない。
てなわけで見えるところまで彼女は移動を試みている。
んで、プールを見渡せる高台で望遠鏡で監視している一群が目に入ったのは彼らにとっては不幸というべきか。
見つからぬように隠れていたはずなのに、まったく意味を成していないかのように発見されてしまう。
「それ貸して!!」
突然現れた猫耳に驚愕する一同。いつの間に出てきたのか、彼らには気配すら感じることは出来なかった。
しかもこの暑いのに和服割烹着。資料に一切ないタイプの黒猫耳。
彼らの有無を言わさず望遠鏡をひったくると覗き込む。
「うひょおおおおお!見える見える!もなこたーん!もなこたんのせ、な、か(はあと)かーわいい!お?
イルカの女の子もなかなか!(・∀・)イイ!! スゴク(・∀・)イイ!! 」
呆然とする公安たちをまったく意に介さず、寝っ転がり、萌え、(;´Д`)ハァハァ する変態が一匹。
「おい、貴様!」
「(;´Д`)ハァハァ 」
「貴様!聞いているのか!」
「(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ 」
「貴様、我々を愚弄する気か!」
「(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ 」
「貴様あ!!!」
銃を突きつける
「(;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (以下略)」
完全無視、というより相手にさえされていない。
そうして、ショーが終わるまで、楓は銃を突きつけられたまま、望遠鏡をのぞき、萌え狂っていた。
公安たちはなすすべなくそれを見ているほかなく、ショーが終わったあと、
「ありがと、じゃね!」
と、笑顔で望遠鏡を返され、余裕で立ち去られた日には脱力してしまうほかなかったそうで…
なんですか、アレは…あんなの資料にありませんでしたよ?…
やがてショーは佳境に。
シャチが現れ、イルカを追いかける。逃げるイルカ、向かって行ってはやられてしまうイルカ。
そしてピンチ!というところでともえがイルカをかばってシャチの前に立つ。
シャチにはねられて水面へと落ちるともえ。
静まる観客。音楽も止まり、4匹のイルカと1匹のシャチが潜行すると、水面にも静寂が訪れる。
顔を見合わせる子供たち。
と、勢いよく飛び出して来たシャチがくるりとジャンプを決める。
その背中には衣装換えを済ませたともえの姿があった。
大歓声と拍手。音楽がフィナーレへと流れ込むと、イルカとシャチが喜びを表現するかのように
水面を華麗に踊る。シャチの背中で手を振って観客にアピールするともえ。
「すごい!すごい!」
「ともえちゃん、かっこいい!」
もなこも少々興奮しているようだった。
興奮の中、ショーは幕を閉じる。
ステージ上で観客にこたえるともえは、ふと、思いついたようにイルカを呼ぶと、
客席に向かう。え?となる観客席の前、もなこの目の前でイルカは止まる。
「こんにちは!よくきてくれましたね!イルカ君が握手したいってさ。」
もなこの前に立ってイルカを示す。イルカは水面に立ってひれを差し出している。
「え?も、もなこなのですか?」
「そ、こわがらなくてもいいよ。よかったら乗ってみる?」
「も、もなこ、およげないのです……でも、あくしゅは…するのです…」
おずおずと差し出した手にイルカはぽんとひれをのせた。びっくりした顔になるもなこ。
観客の拍手とカメラのフラッシュが一段と増したところで、ともえは「またあとでね。」
と言い残してイルカにまたがり、去っていった。
「すごい!すごいよお、もなこちゃん!」
「イルカさんと握手なんてうらやましいモナー」
興奮する2人をよそに、もなこはちょっとぼうっとしてしまっているようで…
「・・・・・どうぞ。」
カキ氷を手渡す萌姫。
いま、萌姫はたすきで袖をまくった着物の上にエプロンという格好でちゆの手伝いをしていた。
萌姫はフランクフルトのお礼だといって、手伝いをかってでたのだ。
カキ氷製造機はほとんど全自動なうえ、“遮蔽”はいま太陽光線と熱気をさえぎるだけの状態なため、病弱な萌姫ではあったがきちんとこなせていた。
「(なんだかあからさまに客が増えた・・・・。)」
プールサイドで着物+エプロンというものめずらしさだけでなく、やはり萌姫の魅力によるものだろう。
何度も列に並んでいる客もいる。すべてのメニューを制覇するつもりなのだろうか?
「あ、あの、ぶ、ぶるーはわいをください・・・。」
もなこ様のご学友もすこし緊張ぎみに注文している。
「・・・・・どうぞ、150円です・・・。」
「あ、ありがとう。」
パシャ!
突然シャッター音がした。
怪しげな一団がいつの間にかカメラを構えていた。
「(ハァハァ、ともえちゃん撮りにきたけどこの娘もなかなか・・・。)」
萌姫を被写体に選んだらしく、なおも撮り続けている。
パシャ! パシャ! パシャ!
あまりの出来事に萌姫も並んでいた客もぼうぜんとしていた。
困った顔をしてちゆを見上げる萌姫。
「大丈夫、ほっとけばいいの。」
小声で答えるちゆ。戸惑っていたが、それを聞いて接客を再開した。
霊警の訓練のなかには特殊なものもある。直接霊的警護には関係ないが、能力を有効利用したものがあるのだ。
その能力は、念写といった。
後日、彼らが現像した写真には、マッチョな男たちの肢体が映し出されていた。
「(訓練しといてよかった・・・。でもあの映像を映りこませたのは酷だったかな?)」
あの映像とは、去年の水着コンテスト(男子の部)のものだった。
>>22 突如、一台の車が港へ突っ込んでくる。スピード出しすぎてふらふらとしている赤いセルシオ。
安達、藤倉、わかば、ひりゅうの視界に入ったかと思うとあっという間に通り過ぎ、補給用の搬入口
へと走り去る。
ドカン!という激しい音に振り返ると、積み込み待ちのコンテナの一つに車は思いっきり突っ込んで止まっている。
コンテナはへしゃげ、車も追突のショックで大破して。
「…あれは?」
「さあ……無事ですかね?あれは…」
「しんだんじゃな〜い?」
キイ、と扉が開く。と、何事もなかったように車から出てくる女が二人。遠目にも海軍の制服が見て取れた。
2人は悠然と、トランクを開けてスーツケースを取り出してこちらへと歩いてくる。
何か、言い合っている…いや、小さいほうの女が大きいほうの女に一方的に文句を言っているようだ。
「まったく…運転できないなら出来ないっていいなさい。」
「え〜?免許なら持ってるよ?ちょっと失敗しちゃっただけだよぉ。もう、ルリちゃんってば怒りんぼなんだから。」
「あれは、運転できるとは言わないわ。よく死ななかった物だわ……」
大きすぎるスーツケースを引きずっているロングヘアの女性と、ノートパソコンのケースのみ持った少女。
二人とも海軍の制服。襟章は…尉官のものだった。
「あれって……もしかして。」
藤倉艦長の顔色が変わる。海軍に属する物なら一度は聞く、伝説の2人の話。
「…おそらくは……岩田代将…なんということを…」
やがて2人は4人の前に立つと、海軍式の敬礼を決めた。
「星野ルリ中尉、蛯原御幸准尉両名、本部よりの指示により、本日より「ひりゅう」艦隊の指揮下に入ります。」
「よろしくおねがいしまーす。」
笑顔で渡された通達文書を受け取る藤倉の手は心なしか震えていた。
と、後ろで爆音が上がる。見ると、先ほどの車が爆発、炎上してコンテナごと火に包まれていた。
「…ガソリン、もれてたみたいね。」
「あらあらまあまあ……」
言葉にならない4人。爆発で飛ばされてきた中身(ハムの詰め合わせ…)がころころと6人の足元に転がっていた。
余談だが、この時積み込まれようとしていたコンテナ内の食料には後日問題が発覚する帝国ハム製の偽装食肉(ニクコプーン入り)
が含まれていた。もしそのまま積まれていたら……
発生した火災の制圧も終了し、一段落ついて、ここはひりゅうの艦長室。
「ふう〜。いきなり運貨船からセルシオが飛び出てきた時はびっくりしたよ。ハムも燃えちゃったね。
たはは。ええと、おふたりさんは本日付、独立特殊戦隊司令部付き第2護衛隊群司令部臨時勤務を命じられ、
独立特殊戦隊司令部から着隊、と。2群司令部は1群司令部に挨拶しにみんな陸上に行ったから、
あとで挨拶しようか。まあお茶でもどうぞ。ゆっくりしていくといいよ。」
藤倉大佐が慣れた手つきで番茶を淹れる。
「いいなぁ、いろんなタイプの女の人に囲まれて、いま僕はしあわせだなあ〜。」
「藤倉大佐、セクハラです。」
藤倉大佐は背中に星野中尉のひやりとした視線を感じていた。ひやり。
「うわきしたらだめぇ〜!だり〜んはあたしだけのだり〜んなんだから!」
ひりゅうが藤倉大佐の足にはっしとしがみつく。潤んだ目で見上げる。
「初めまして。私は練習艦いせの艦長をやっている安達あいこ大佐です。こちらは菊水わかば2水です。」
「蛯原御幸准尉です。いせっていうと、あのまっ白い「岸壁の守り神」ですね!いっつも岸壁にいるんで、
夜帰ってくるときの目印にしていましたぁ!その節はおせわになりました。」
「(それはギャグで言っているのか?)…あ、ありがとう。」
「さあ、お茶が入りました。はに〜、ちょっと手伝ってくれないかな。長崎のかすてらを配ってほしいんだ。」
「うん、だり〜ん!」
「藤倉大佐のお子さんですか?かわいいですねぇ。」
「まだ僕はそんな年じゃないよ、蛯原准尉。この娘はひりゅう。空母ひりゅうの「意思」なんだ。これから
説明するよ。安達大佐にも説明がまだだったからね。」
番茶とかすてらを配り終え、藤倉大佐も席につく。
「さ、皆さん召し上がってください。はむはむ…。ひりゅうクラスは「真の人艦一体」を目指した全く新しい
艦として計画されて、建造されたんですよ。造船所さんも大乗り気で。ドックの飯は美味かった〜。じゃなくて、
で、「人と艦が一体になるには、艦の声を聞くのが一番じゃないか?」ということで「防衛秘密」のハイテクを
駆使して艦の意思を誰にでも見える形で実体化したんです。それが彼女です。」
「そうです!だからぁ、だり〜んとあたしはいつでもいっしょ!愛の力で結びついたあたしとだり〜んに勝てる
艦なんて存在しないんだから!ね、だり〜ん。ね、ね、ね、ねぇ〜!はい、かすてらあ〜ん(はぁと)」
「そうだね、はに〜。ぱく、はむはむ。」
人のよさそうな兄ちゃん艦長と、艦の意思だというふりふりょぅι゛ょとのやり取りを、4人はただただ呆然と
見詰めることしかできなかった。
61 :
名無し官僚@ぐーたらデンパ:02/09/04 01:43
>>48 どもども、元南朝参加者さん
貴方、海に関して博識そうにお見受けしますんで、一つ、お知恵をお借りしたい
具体的に言えば、16インチ砲艦で18インチ砲艦に勝つ方法(笑)
在る程度の無茶な改造もアリで、何かアイデアないですかねぇ?
政府内反政府組織としては、北朝(文民政府)の保有する海軍力の象徴、やまと級
は脅威なんだよねぇ(笑)
ってかアイデア協力抜きでも、又、参加しません?(笑)
軍事系が少なくて、少し寂しいんですわ(自爆)
>>60 「わあ、仲がよろしいんですねえー。」
手を合わせて本気で感心する蛯原と。
「…ヘンタイか…ったく、どこもかしこも…」
冷酷なまでの視線でもって吐き捨てる星野。
「あ、でも船の管制室って、やっぱりあるんですよね?てことはルリちゃんてあの子の担当ってこと?」
「ぐっ……」
カステラをのどに詰まらせる。まさに正鵠であった。
「大丈夫?はい、お茶。」
安達大佐の差し出したお茶を飲み、見れば目の前は相変わらず。暗澹たる気分であった。
と、ゆっくりお茶を飲んでいた蛯原が口を開く。
「船魂って、初めて見ました。すごいですねえー。これが菊水の霊体具現化システムの成果なんですねー。」
凍る一同。
「……な、今なんて……」
「え?だってこの船、防疫給水部の技術供与を受けて製造された船ですよね?すごいなあ、あすかにもいるのかな?ねえ、ルリちゃん。」
満面の笑顔で。今自分が機密事項を話しているなどとは一切分かっていない様子で。いやそれよりも。
「…なんで知ってるの?…」
「あ、この抹茶カステラ、美味しいですね。今度買おうかな。」
彼女はミスをしない。
それが彼女の、最強たる所以。
自らの身体能力、周囲の状況、敵の能力、それらの情報を元に瞬時に判断し、最も効率良い攻撃を行う。
敵を倒す、という一点において、無駄が全く無い。それが彼女のスタイルである。
体にフィットしたレザー状のボディースーツに身を包んだ彼女の周りには、十人以上の猫耳歩兵が横たわっていた。
体育館ほどの広さのその部屋には、凍った空気が満ちていた。
加えられた打撃は全て一撃。
倒れている猫耳歩兵は、本来愛らしいその顔を蒼褪めさせ、小刻みに震えている。
恐怖。だがしかし、それは圧倒的な戦力差から来るものではない。
自分達を無力化できる必要充分なだけの打撃のみを行った、彼女の冷静さと正確さへの怖れ。
いや、最早冷静さを通り越し、そこには一片の意志も感じ取れなかった。
彼女は全てを観ていた。猫耳歩兵達の動作、一挙手一投足の全てを。
あらゆる方向から襲う爪撃、蹴り、噛み付きを、申し合わせたかのような絶妙さで打ち落とした。
だが、彼女は何も見ていなかった。視線の動きの方向や角度さえ、厳密にプログラムされているかのようだった。
そこに感情は無い。
「よくやったわ、M0-e」
戦場であったその部屋に、声が響いた。
ガラス張りになっている壁の一面の向こうで、4研主任・蔡川詩季が喋っているのが見える。
厚さ40cm以上の防弾ガラスを通して声が聞こえるはずもなく、屋根の隅のスピーカーから声が聞こえている。
上機嫌の詩季は、今回の戦闘実験の結果がいかに素晴らしかったかを力説し始めたが、彼女は聞いていなかった。
興味がない訳でも、理解能力に欠けている訳でも勿論無かった。
彼女を知らぬ者がその様子を見れば、あまりに意識の感じられない両瞳から、放心しているのではないかという印象を受けたであろう。
それは違った。彼女は聴いているのだった。
床に伏す、猫耳歩兵達の発する音を。
もし猫耳達が僅かでも攻撃の意志を見せれば、次の瞬間には容赦も闘志も怒りも迷いも無い一撃が彼(女)らを襲うだろう。
猫耳歩兵達は、彼女が部屋を後にするまで、身動き一つとることはできなかった。
板違いだろてめえら
ショーも終わって、午後のひととき。
競泳用水着で泳ぎまくっているともえ。
(うーん、ガラにもなく動揺しちゃったなあ…反省)
考え事をしていても、その速度はやっぱりとんでもなく。周りを呆然とさせるには充分であった。
ふう、と一息ついているとそのプールサイドにやって来た2人に気づいた。もなこと加也だった。
「あ、さっきはごめんね、突然。」
「ううん、そんなことないのです。いるかさんとあくしゅできてうれしかったのです。」
「あ、あの…すみません、あ、握手してくれませんか?」
「か、かやちゃん…って…」
握手してもらい感激に震える加也。
「あ、あの…」
「うん、ひさしぶりだねえ、もなこちゃん…」
「げんき、だったですか?みんなは…」
「………」
ちょっとだけさみしそうに頭を振る。一瞬、言いようのない空気が流れて。
「あ、あの!この子、泳げないんですよ!…で、よかったら泳ぎ、教えて貰えませんか?」
もなこの頭をぱんぱん叩いて言う加也の顔は真っ赤だった。
「…そうだね!皇女が泳げないなんて恥ずかしいぞ!よおし、あたしがみっちり仕込んであげる!」
寂しそうな顔は吹き飛んで、ちょっといたずらっぽい顔になっていた。そして笑顔。
「え?え?あ、あの、もなこ…そんなおねがいは…」
「いいの!あたしがおしえてあげるってのよ?断るはずないわよね?さ!とっくんよ!」
「…はにゃーん…とっくんはいやなのです……」
引きずられていくもなこの顔は心なしか嬉しそうにも見えた。
が、その後本当に特訓を受けるもなこはちょっと泣きそうな顔になっていた…
「ふえええ…ともえちゃん、きびしいのです…」
「何言ってるの!ハイ、バタ足続ける!」
66 :
弾だけ動員兵:02/09/05 00:37
>>64 激しくワラタ(w
マジで一行スレでは近年まれにみる俺的大ヒットだ。
難民板で板違いとはなんぞや?
極めて哲学的で高尚な質問だぞ、それは(笑
ここは一つ、俺様が素晴らしい言葉を贈ってやろう。
目かっぽじって良く見ろよ。
オ マ エ モ ナ ー
>名無し官僚さん
>具体的に言えば、16インチ砲艦で18インチ砲艦に勝つ方法(笑)
在る程度の無茶な改造もアリで、何かアイデアないですかねぇ?
単艦では無理ですね。しかし、二隻か三隻でブツかれば、相手は火力を分散しなければなら
ないですし、火力で圧倒できます。 但し、ロシアの艦砲は「軽い砲弾で遠距離を飛ばす」を信条
にしているので、同じ50口径を採用しているアメリカの戦艦よりも威力に劣ります。なので、超重
量徹甲弾(SHS)を開発するのも手でしょう。
戦艦同士のガチンコ以外なら、ASM積んだ駆逐艦でアウトレンジでネチネチ当てて行けば、
大和はただの的でしかないです。
>政府内反政府組織としては、北朝(文民政府)の保有する海軍力の象徴、やまと級
は脅威なんだよねぇ(笑)
そうですか? 実際はフランス厨房の「ヴィシー・フランス艦隊」や西朝の原潜の敵ではなかったみたいですが
68 :
名無し官僚@ぐーたらデンパ:02/09/06 14:10
>元南朝殿
レスサンクスです
放置プレイ喰らわなくて良かったYO!
>2隻か3隻 >ネチネチ当てれば
旦那、忘れてマス
帝國海軍にはやまとの他に、むさみも居ます………
オマケに、征途(by佐藤大輔)準拠でイージス化してます………
どーしろと、こんな化け物(苦笑)
裏技、眼鏡背広で大規模改装を必要とされる時にぶつけるって手も在りますが、下手
した場合には相手が鬼のように強化されてしまう恐れも在るわけで………
>そうですか?
フラ厨の場合、一応は友好関係築いていたので虐められなかっと思うし……でも、原潜は
う〜〜〜む、やっぱし水上艦は水中艦に叶わないのですかねぇ(遠い目)
やっぱ潜水艦かなぁ……
>名無し官僚さん
>帝國海軍にはやまとの他に、むさみも居ます………
>オマケに、征途(by佐藤大輔)準拠でイージス化してます………
大和、武蔵二隻相手だと、砲力が弱い「イワン雷帝」級四隻ではキツイですねー
ですので、ASMの「大質量徹甲弾高速衝突」で甲板装甲をブチ抜くしかないかとー(爆
ちなみに、幾らイージス化していようと、セル数以上のミサイルは吐き出す事は出来ないので、
飽和攻撃さえ出来れば、勝ち目は有ります。(ただ、大量のASMを用意できるかですが)
良いですか、ほぼ垂直で降ってくる1000m/sの徹甲榴弾をどうやって防いだらいいと思います
か?
その解決策が見付からない限り、69式謹製の「やまと」も現代艦船の敵ではないのです。
70 :
名無し官僚@ぐーたらデンパ:02/09/07 01:18
>元南朝殿
やっぱSAMの飽和攻撃っすかねぇ……
でも、それって美しくないんですよねぇ(熱核自爆)
いや冗談ですが(笑)
でも飽和攻撃を仕掛けるとしてもタイフーン戦隊に編入されている状態のやまと級
では撃沈は困難を通り越してますからねぇ(嘆息)
彼処には六九式教授謹製の「あやなみ」と「ゆきかぜ」、それにFCS-3搭載の「あすか」
が控えてますから………
潜水艦部隊をぶつけるにしても対潜航空護衛艦(嗚呼、政治用語。素直に空母と呼べ:笑)
「末森」が居る以上、片道特攻任務と化す事は免れませんねぇ(笑)
経空攻撃手段が欠落している以外は恐ろしくバランスの取れた戦力だな(爆)
>セル数以上のミサイル
400〜500発もASMを叩き込めば、如何にタイフーン戦隊といえど海の藻屑と
化させる事は不可能では無いですね。
尤も、運搬手段を考えると机上の空論化する恐れも在りますが(自爆)
でもコレくらい突っ込まないと、防空バリアを突破する事は不可能………
オマケに、今のR国でコレだけのASMを運用できる機材を集めようとすると……(鬱
>ほぼ垂直で降ってくる1000m/sの徹甲榴弾
想像も出来ません(笑)
誘導弾関連技術の進歩は凄いですから、やっぱ戦艦の主任務は象徴と上陸支援に
成るんでしょうネェ(笑)
71 :
名無し官僚@ぐーたらデンパ:02/09/07 01:18
と言うか、現実に戦艦と言うプラットフォームを建造/維持する為のコストと、それを
撃沈する為のコストのシーソーバランスを見て、天秤が後者に思いっきり傾いているから
こそ、現在の海軍の装備から戦艦なんて燃える装備が無くなったんでしょうけどねぇ……
>現代艦船の敵ではない
後の問題は、如何にして撃破出来る戦力を掻き集めるか、ですね。
でも、同部隊が日本近海で動いている以上、帝國空軍のエアカヴァーがR国空軍のASM
部隊の接近を防ぐでしょうし、艦艇では……持たないでしょう、それだけの数を(笑)
う〜む、こうなるとティルピッツ方式かなぁ……
>>56と
>>65の間あたり
今日のメイン、イルカショーです。みつばさんがとても真剣に見ています。
イルカが後ろ向きに泳ぎます。
「うみぶたうみぶた!」
イルカがジャンプします。
「うみぶたうみぶたうみぶた!」
イルカが輪をくぐります。
「うみぶた〜!!」
「あらあらこの仔ったらこんなに興奮して…。でもあれはイルカですのよ?確かに漢字で「海豚」ですけど、
「うみぶた」はあんまりですわよ?」
「でも〜ぶたぶたしてておいしそ〜なの。あのおなかのあたりのひかりぐあいが、たまらないのぉ〜!!」
みつばさんの目が…らんらんとしています。なんだか今にもイルカに飛び掛っていきそうな…。
「おなか、おなか、おなかなの〜!うみぶたのひれざけなの〜!」
そうこうしているうちにショーも終盤、観客席の殿下へのサービスを始めました。
「殿下がイルカと握手を…今日も殿下は愛らしいですねって、いせさんなに牛刀を!」
「あの畜生、あたくしよりも先に殿下のお手に触れるなんで許せませんわ!膾にしてくれますわ!」
「な、なますって!ちょっといせさん!御前ですよ!洒落になりませんよ!ニュースですよ!」
ショーが終わると殿下と学校の生徒たちはどこかへ行ってしまわれました。そうすると…
「ああっ!殿下いずこに、あたくしを置いていかないでですわ〜!」
「いせさん!牛刀を持ったままは社会的人道的その他様々なものに引っかかります!」
「真紀子さん、放してくれなくて!ああ!行ってしまわれましたわ………………………ましたわ…。」
「うみぶたうみぶた!」
(田中さんがこの2人を必要以上に殿下に近づけないでくれって私に頼んだ理由がなんとなくわかりました…。)
とりあえず、このままだとみつばさん、本当にイルカを食べちゃいそうです。
「みつばさん、何か屋台で食べませんか?イルカはけっこう堅くて美味しくないですよ?」
「そうなの〜?まきこさんたべたことあるの〜?」
「はい。(ありません。)それに臭いですし。(いや知りません。)あんなものとても食べれたものではありませんよ。
(もしかしたらおいしいかもしれませんごめんなさい。)」
「まきこさんものしりなの!すごいの!」
「私も菊水の端くれですから、当然のことです。(全部嘘ですごめんなさい。)さあ、いきましょう!」
>>57 「…あれは、ちょと酷じゃないか」
と、ちゆの先輩である霊警Aこと阿部が声をかけた。その隣で
「まぁまぁ…ちゃんとサカナギ対策もしているようだし、其処の子のためにしてるんだから勘弁してやりなよ」
と、同僚である霊警Bこと菩提がなだめる。
「まぁ…それはいいとして…あんまり無造作に術は使うなよ」
「はぃ…」
しょんぼりとするちゆに菩提がそっと
「あれで心配してんだよ。でなきゃ、退院してすぐにきたりしないよ」
「おい」
くってかかる阿部を片手で抑えて菩提がちゆと萌姫の二人に水着を渡す。
渡された二人はきょとんとした表情で見上げる。
「まぁ、ここはうちらでやってるから泳いできなよ。
聖別された水には程遠いけど流れる水もあるんだから簡易的な禊にはなるでしょ。自己浄化もお仕事のうちだよ」
そういって菩提は流れるプールの方を指差した。
ふたりがなおも躊躇していると、すでに屋台の店番の位置についた阿部が
「さっさといってこい、ついでにもなこ殿下のことも見てくるんだ。いいなっ」
「は、はぃ!」
目を白黒させながら萌姫をつれてぱたぱたと走っていくちゆを見ながら菩提が苦笑した。
「すなおじゃないね」
「…ほっとけ」
屋台をこなす男達の後ろで熊蝉がなき始める。
不機嫌そうに屋台をこなす阿部がふと視線を変えると其処には先ほどの水着に着替えた二人が見えた。
「なぁ…おまえさ、あの水着…」
「大丈夫、サイズは合ってる。間違いなく萌えはあがってると思う。
後はもなこ殿下に近づいたときの波状効果がたのしみだね」
自信を持って答える相棒に一種運の沈黙のあと阿部がつぶやいた。
「恐ろしいやつだな、おまえ」
相棒は答えずただ熊蝉の泣き声だけが響いていた。
「ひまだな〜。ねぇ。お茶でも入れてよ。」
肩についている階級章はその人物が少将であることを示している。
と、女性少尉が紅茶を淹れて持ってくる。
「ありがとう。君も綺麗だし、お茶は美味いし…でも…う〜ん。やっぱ、人に作られしモノ、ロボメイドとかがさ
とんでもねーまずい茶淹れて持ってきてさ、「ちょっと失敗したかもしれません〜(あせ)」なんていいながら
茶だすわけよ。それを吐き出すのをこらえながら美味そうに飲むんだ。「そんなことない、十分うまいぜ」とか
いいながらさ。いいよな、人造少女。別に機械じゃなくてもいいのさ、最初うまく感情表現できないのが
付きあっていくうちに、「私うまく泣けてますか」とか言っちゃってくれるの。クるよな〜。ねえ、どうよ?」
女性少尉はすでにいなくなっていた。
「…まあ、女には分からんか。まあいいや。稚拙な感情表現しかできない造られた少女が触れあいによって心を持ち
やがて愛に目覚める…萌える、萌えまくる!」
紅茶をかちゃり、と置いて。
「…建艦派の元帥に目をつけられて、今じゃ青森は大湊に飛ばされちゃってるけど、いつか人造少女部隊をこの手で
率いるその時まで!頑張るぞ!大丈夫!あの元帥は老い先短い!俺は若い!どんうぉりー、だ!」
この少将が海軍内において建艦派に次ぐ派閥である人外派のトップかつ、猫耳水兵計画の中心人物だったりするのであった。
「耳カバー!基本!」
子供用プールで遊んでいる子供たち。で、その一角でもなこはバタ足を続ける。
「ふええ…ともえちゃん、きびしいのです…」
両手でプールサイドにつかまって、ばしゃばしゃと水を叩く。
ともえは片手でもなこの体を支えて立っている。
もなこの蹴る足は弱く、ともえが支えを取るとすぐ沈んでしまうほど力がない。
「もっと強く蹴らないと前に進まないよ?」
とはいえ、ちょっと疲れたかな?と、支えを放して開放してあげた。立ち上がり、ぐったりするもなこ。
「はにゃ〜ん…つかれちゃったのです…」
「だらしないなあ、もなこちゃんは。」
プールサイドで加也が笑っている。泳げる加也はさっきからジュース片手に悠然と見物しているのだ。
「うう、かやちゃん、ひどいのです…」
「ま、泳ぎくらいは覚えておいて損はないと思うよ?もなこちゃんは水にはもぐれるんだよね?」
「う、うーん…」
言い渋る。続きは聞くまでもない訳で。見ている加也も笑っている。水の中で目を開けられないのだ。
「こりゃ、まいったねえ…おふろにもぐったりとか、しなかった?」
「…じょかんさんにおこられるのです…おふろであそぶのはだめですって…」
「あ、そか。うーん、じゃあ、これを貸してあげるよ。」
言って、自分が付けていたゴーグルをもなこにつける。
「わ、めのまわりがちょっときゅうくつなのです。」
「うん、じき慣れるから。はい、深呼吸して。息止めて…それ!」
言うなり、もなこの頭をおもいっきり水に押し込んだ。
ざぶん!と音を立てて沈むもなこ。
(瞬間、周りにいた警備の兵士たちに緊張が走ったのだけど当人たちは知る由もない)
いきなり沈められて暴れるもなこ。ぶくぶくと泡が立ち上がる。
「息止めてー。目を開けてごらん?水は目に入らないはずだよ?」
余裕の片手でもなこの小さな頭を抑えたまま、水の中に向かって言う。
「目を開けてごらん?」
と、そこへ少女が2人(
>>74)駆け寄ってきた。ちょっと血相が変わっている。
「見えました!アドミラル・クズネツォフ級空母、ヴァリヤーグです!」
横須賀港務隊の曳船が出て、入港支援を行う。港外に係留されているひりゅうの脇を通り、係留ブイへ。
ヴァリヤーグとイワン雷帝はその巨大さのために岸壁に係留できないため、港外にブイ係留という措置が
採られたのだ。ヴァリヤーグに近づく曳船67号、68号。そよ風がささやく。人には聞こえない声がした。
「うわ、おっきいよおねえちゃん。ひりゅうさんよりもおおきいね。」
「うん、そうだね68ごうちゃん。どんな艦なのかなぁ。R国の艦だから、髪の毛きらきらしてるのかな?」
67号が前部につき、68号が後部につく。曳船もやいを投射し、艦橋の指示に従い曳き始める。
「初めまして、日本の可愛いお嬢さん。私はヴァリヤーグ。出港の時もよろしくね。」
マストに上がる聖アンドリュー旗の周りの空気が揺らめき、普通の人間には見えない少女の姿が浮かび上がる。
ほんのりと紅色を帯びた白い肌、青い目、そして長く伸ばした金髪。「お人形さん」という表現がぴったりな
少女がそこにはいた。
「やっぱりきらきらだあ…。綺麗だね、68号ちゃん。」
ヴァリヤーグを係留し終わると、息つく間もなく次の大型艦、イワン雷帝が入港してくる。
「よろしく頼む。」
イワン雷帝のマストに浮かび上がったのは、演劇の男役を思い起こさせる凛とした女性。やはり金髪であるが、
こちらは短髪である。眼光鋭く、氷の様な視線でこちらを見つめる。
「おねえちゃん、この艦かっこいいよ…68ごうほれちゃいそお…」
「ほんとう、ぽぉってしちゃうね。かっこいい…。」
2隻の曳船はR国艦隊の入港支援でその日は使われっぱなしであった。
「ひどいよぉ〜これじゃ馬車馬だよ〜!いかれちゃうよ〜!」
>>77 ロシアの執念ですな(笑
格好いいには同意しますよ、でもコレ、一体どうやって活躍させろと(核爆)
まぁ、そこら辺はロシアの人次第ですので、私がどうこう考えるモンでもないですな。
どうです
>>78の人、一つ、大量に配備してみませんか?(笑
しかし、この手の地表効果機って奴は波の荒い日本海やら太平洋で十二分に運用出来る
もんなんですかねぇ?
いや帝国海軍が装備している50t級PGも、水中翼型と云う波の影響を受けやすい構造
だった為に、結局、整備計画が途端で中止される事態になりましたんで。
どんなもんでしょか?
>77
そうそう、クズネツォフについて色々回っているときにそのページ見ました。
水平線をそんなのが埋め尽くしながら突っ込んできたら怖いよね。
超巨大地表効果航空戦艦、グラスノスチ・マトリョーシカ接近!(爆)
すいません、鋼鉄の咆哮スレ逝ってきます。どんどん帝国R国問わず変な兵器出す
つもりなんだけどどうでしょ?おっと、続きは掲示板で(笑)
「やってきましたニッポンに〜。えへ。私が浮かれてどうするの?」
「(いやどうするのって大将、わたしに聞かれても困りますよ。)」
太平洋艦隊司令官の大将と、ヴァリヤーグ艦長が話をしている。
「(で、どう、私の日本語。おかしくなかった?)」
「(完璧なんじゃありませんか?っていうか変な訛りが抜けましたな。)」
「(書くのめんどくさいからね。)」
「そうですなあ、あんな出鱈目訛り。」
「あら、艦長も日本語お上手じゃない。えへへ。」
「(まあいずれ、我が国となる土地の言葉ですからな。)」
「(どうかしら?彼らを侮ると、対馬沖海戦の轍を踏むことになるかもしれないわよ。)」
「(ですなあ。「タイフーン」は未だ列島の北にあり、ですからな。)」
「(「タイフーン」、ヤマト級2隻とシステム艦で構成された遊撃艦隊ね。目の上のたんこぶ。)」
「(そのためのイワン・グロズヌイとヴァリヤーグではありませんか。)」
「そうなんだけどね。いまいち不安なのよ。ま、今回は顔見せだし、たっぷりと我が大R海軍の威容を振りまいて
帰りましょう。えへへ。楽しみ。夕食なにが出るのかしら。ヨコスカで食べさせてくれるんでしょ?」
「カレーだと聞いております、司令官!」
「(すばらしい!)」
>>79 来てしまいましたね、R国艦隊。
北陸戦争の生き残りとは言え、戦艦一隻と重装空母一隻を基幹とした堂々たる打撃戦力集団。
その主攻撃手段は航空機ではなく、対艦誘導弾と言う、ある意味でA国機動部隊よりも面倒な
相手ですね……。
我が儘な性格だからですかね?
帝都にタイフーン戦隊の愉快な方々を召還したくなります。
貴方はどう思いますか?
「………」
冗談ですよ。
彼等はまだ、北陸で苦戦して頂かねばなりません。
あの装備と人員の練度は脅威ですから、今のうちに使い潰しておかなければ、決起の
時に邪魔─最大の障害と成り得るでしょうからね。
「……」
………いえ、出来ればR国太平洋艦隊と…いやこれは夢ですね(苦笑)
それよりも貴方には彼等との接触役を果たしてもらいますよ。
いえ名の方は前の奴を使って下さい。
そちらの方が示威効果を望めますから。
コードネーム“う゛ぁしか”、誰が何の目的で接触を図ったのか、彼等にも明示する
必要がありますからね。
目的は、表向きは非公式な補給支援。
言うまでもありませんが艦内、水兵等のR国海軍の状況の観察を宜しくお願いしますよ。
皇国の内患、文民政府を滅ぼした後に残ったのは外患、と言うのは余りにも面白過ぎます
からね。
ええ、意味は分かりますね?
イルカショーも終わり、昼過ぎのマターリとした時間。
やっぱり暇をかこっている宇月
そりゃそうよね。若い子がプールには来ないわよ。海でしょ、海。
来てもカプールとか親子連れ…あーあ…ヒマだわ…
(で、子供達と遊んだりもしているのだが、すぐ疲れてしまうあたり学者さんであったり。)
うるさいわね。余計なお世話よ。だいたい、軍人以外で体育会系のキャラってともえ殿下しかいないでしょう?
そのともえともなこが特訓をしている光景を遠くでながめつつ、やっぱりリクライニングチェアでお休み。
自分でUVケアのクリーム塗って、横になる。
紫外線対策しないとなあ…もう、あんなに若くないし…いいなあ、肌なんかぴちぴちしてるもの…
スタイルはまだまだって感じだけど(いやむしろ、貧…)あの肌つやはいいなあ…
(いやいや、あなたもまだまだ(;´Д`)ハァハァ ですよ…大体、この世界(;´Д`)ハァハァ 対象年齢が低いんですから…)
ナレーションに慰められたくないわよ。あーもーいい、寝る、寝てやる!
(で、サングラスをすると本格的に居眠りモードです。いいんですかね、随行の教師がこれで…)
いいのよ、見回りは兵隊さんたちが勝手にやってくれてるんだから…zzzzzz
いや、そうではなくて…あーあ、寝ちゃった。で、そこでニヤソと笑っているあなたは?
「アンタ邪魔。黙ってて。」
(あぐっ…)
プールサイドに現れた和服姿の女。顔をサングラスと帽子で隠し、宇月に近寄る姿はどう見ても怪しすぎたが、
それゆえに誰も突っ込みを入れられなかった。眠っている宇月のそばに立つと、取り出したのはタオルとサンオイル…
UVクリームをぬぐうと、サンオイルを宇月の肌に滑らせてゆく…
「お・ね・え・ちゃ・ん♪ううん、ぷにぷにのお肌!(・∀・)イイ!! (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ (;´Д`)ハァハァ ……」
全身に塗り終えると、女は風のように立ち去っていった。宇月は何も知らず、眠り続ける…
>>83 貧っていうなあーーーっ!どっかの人と違ってボクはまだ成長期なんだぞっ!
今は、き、機能性を重視してるって、言って欲しいねっ(強がり)
水上「ボソ…おねえちゃん、牛乳毎朝1リットル飲んでるんだよね…効果あるわけないってのに…」
う、うるさあああーーーいっ!!(泣)
〜某所〜
執務室でこっそり牛乳を飲んでいる後姿。はっと振り向く。
「えっ?効果ありませんの!?…ゴ、ゴホン…いえ、な、何でもありませんわ…何でも…」
視線を落とす。平らな胸。
「………(鬱)」
よく言えば質素、質実剛健。
悪く言えば金の掛けていない職務室。
その中央に鎮座する巨大なスチール製の机、其処には山のように書類が積み上げられていた。
画面がゆっくりと、机の端からその主−妙齢と逝って良い小柄な女性の姿を映す。
舐めるように、何やら厭らしい動き。
「ないをしちょっけ?」
(何をしているのですか?)
些か薩摩の訛りが強い言葉。だが、声質自体は恐ろしく澄んでいる。
「コメントちな
>>84んとん……」
(コメントですか、
>>84の発言への……)
少しだけ俯いて考える。
纏う雰囲気が、少しだけアンニュイさを益す。
小首を傾げるように、流し目でカメラを見ながら口を開く。
「よかけ、おなごにとって重要なこっは感度じゃ。大きさじゃなかと……ち、ないを
言わすっとね!」
(良ろしいですか、女性にとって重要な事は感度です。大きさではありません……て、
何を言わせるのですか!)
少し頬を染めた女性の左手が一閃。
画面は、一瞬の銀の煌めきを残して砂嵐となる。
「ああ、今日だったか。」
安達大佐が呟く。視線の先には「イワン雷帝」。艦首にR国旗、艦尾に聖アンドリュー旗を
はためかせ、3連装3基の砲が天を睨む。舳先に据え付けられた黄金の双頭鷲の紋章が陽光に煌く。
「おっきな艦ですね…。R国の戦艦ですか?」
「菊水2水にはまだ艦種識別は難しいかな。そう、あれはR国の戦艦「イワン・グロズヌイ」。
そして後ろにいるのがR国太平洋艦隊旗艦、空母「ヴァリヤーグ」。いわゆる…「敵」だ。
よく見ておくことだ。いずれ奴らと干戈を交えることになるだろう。」
敵という言葉に反応して、わかばの耳がぴくぴく動く。潮風にあおられて髪がなびく。
「さあ、いせに戻るぞ、菊水2水。なんだかこのひりゅうという艦、居心地が悪い。食堂に
内火艇乗員がいるから呼んで来てくれ。」
「はい。」
食堂へ繋がる通路で。
「居心地が悪い…。安達大佐は普通の人間ですもの、当然です。この艦、凄まじい魔力を発して
る…。私もいかれてしまいそうです…。」
なにしてんの?
ようこそ!
もし興味があったら、
>>1から跳べる皇式祭都や過去ログをのぞいて行って下さいね。
バラバラバラバラ…降りてくるヘリコプター。R国海軍のヘリコプターである。
やがてヘリコプターが着陸し、中から海軍大将が降りてくる。それと同時に、軍楽隊が栄誉礼冠譜を
演奏し、儀じょうを行う。絨毯の上を歩き、演壇の脇に彼女がつく。
後ろで縛った長い金髪、碧眼、そして少し赤みを帯びた白い肌。軍服に覆われていても、その均整の
取れた体型を窺い知ることができる。軍の宣伝のために役者に軍服を着せたといったら、誰もが疑わないだろう。
「歓迎いたします、ニーナ・クラギナ太平洋艦隊司令官。」
紹介の後、海軍大将は立ち上がり、帝国、R国の国旗に敬礼すると演壇に登る。
「みなさん、こんにちわ。さきほどご紹介にあがりました、ニーナ・クラギナです。今回は
我がR国派米訓練艦隊のためにこのような歓迎、支援を行っていただき真に感謝に堪えません。
日本帝国と我がR国との間には、これまで数々の悲しい出来事がありました。その全ての犠牲者、
被害者に対し、哀悼の意を捧げます。しかし、それでありながら暖かく我が艦隊を迎えていただき、
両国の新たな関係の礎を築こうとする皆様の温情に深く感謝いたします。ありがとうございます。」
内容はともかく、鈴を転がすような美しい声で語られた日本語に、国防軍将兵はしばし我を忘れる。
演説が終わると黒いVIP車が到着し、クラギナ大将を乗せて走っていった。運転手は在日本R国海軍武官。
「(クラギナ大将、長旅お疲れ様でした。)」
「(本当はヨコスカでカレーだったんだけど、こうなっちゃった。あ〜あ。で、お夕食はなにかしら?)」
「(ギンザに店を用意しております。「一兆」です。)」
「(ギンザ?ヤポンスキーのセイジカっぽいわね。ムネヲ?)」
「(ムネヲではありませんが、我々と接触したい者が設けた席ですな。相手の名前は(ヴァシカ)。)」
「(ご大層なゲンジナですこと。ジャ ヴァシカ イ ジョール?えへ。)」
その部屋は五稜郭のほぼ中心にあった。一輪挿しの花瓶以外には何の調度品も無い畳の間の中央には、
子供が一人、床に就いている。その姿は、猫耳こそ無いものの、南朝の萌宮もなこ内親王と瓜二つであった。
「この子が、もえひと殿ですか?」
火神の問いに藍前は静かに頷くと、眠り続ける少年の傍らに座り、優しくその髪を撫でる。
もえひとは「生まれてくるのは絶対皇女」という膨大な量の妄想の力により因果から弾き出された、
"男の皇子が誕生する可能性"が消滅を免れ、陽神として形を成した存在であった。
陽神とは、簡単に説明すると霊体を実体化させたものである。誰の目にも視え、触れる事も出来るが、
その存在は生身と比べれば非常に不安定なもの。本来なら、このように意識を失えば、陽神体は徐々に拡散し、
やがて消滅する。今は五稜郭から供給される霊力によって、辛うじて形を保っている状態であった。
かつて、もえひとを陽神化し、更には肉体を与えようとした、菊十字団という組織があった。
藍前をはじめ東朝の幾人かは元菊十字団のメンバー、又は関係者であるらしい。
彼女たちがどのような経緯で東朝と行動を共にする事になったのか、火神は知らないし、知る必要も無いものだろう。
藍前は愛しげに、そして哀しげに、もえひとを撫で続ける。
「私はもう、多くを望みません。今はただ、この子が元気になってくれれば、それだけで──」
>>73 真紀子「焼きそば二つと、フランクフルト一本、おねがいします。」
菩提「あ、壬さん、お疲れ様です。」
菩提は答えると、焼きそばを焼き始めた。
菩提「(お、船魂のいせさんだ。うわさどうりの巨乳だな。・・・元気がないようだが。)」
みつば「フランクフルトは全然歯ごたえが無いの〜。」
真紀子「このフランクフルト、荒挽きですよ?」
みつば「もっと“ごりっ”としたのがいいの〜。」
真紀子「・・・・・・・いつもは骨ごと食べてらっしゃったのですか?」
菩提「(よく見ると、巨、標準、貧と揃い踏みだ。こいつはなかなか・・・。)」
真紀子「いせさん、元気出してください。ほら、カキ氷でも頼みますか?」
いせ「・・・・・・・・・もなこ様・・・・・。」
菩提「(猫耳といせさんは呪符で何とか動きを封じて、ハァハァ、問題は壬さんを)」
スパーーーン!!
ふところから出された彼女の得物は、菩提が持つこてを真っ二つに切り裂いた。
真紀子「職務中ですよ。(にっこり)」
菩提「は、はい! し、失礼しました!(無理だ・・・・この人をどうにかしようなんて・・・。)」
ガクガクブルブルしながらも、焼きそばは焼きあがった。
みつば「焼きそば、まずいの〜。」
真紀子「あら、たしかにあまりおいしくないですね。」
阿部「男の料理なんてこんなもんです。」
菩提「さっきまで、新井ちゆっていううちの後輩がやってたんですよ。結構美味しい焼きそば作るんですよ。」
いせ「そういえば、彼女もここに来ているんでしたわね。いまどこですの?」
阿倍「いま、もなこ様の警護に行ってます。あそこです。」
いせ「も、もなこ様? もなこ様ーーーーっ!」
もうすでにいせの姿はそこには無かった。
阿倍「もしかして、余計なこと言ってしまいました・・?」
真紀子「・・・・いえ、いずれはこうなっていたでしょう。遅いか早いかの違いだけです。」
ため息をつきながらいせの後を追いかける真紀子。
みつばもそれについていく。
みつば「いよいよご対面なの。」
パシィ・・・・!!
景気良く響く平手打ちの音。その音の先には、早足でその場を立ち去ろうとしている
女性と、地面に倒れこんだ若い男が一人。
「まったく、失礼しちゃうわ!」
まさに怒り心頭の様子でその場を立ち去る女性を目で追いつつ、男はその緩んだ顔に
豪快についた赤い手形を撫でていた。
「あ、あたたた・・・」
これで何人目だったっけ?『お姉さん写真でもどーだい?』って、そこまでは結構
うまく行くんだけどな。
・・・九重隆史だった。何でココに・・・などと問うのがそもそも愚問なのだろう。
どうせ学校サボって各地の水場を点々としてるに違いない。
「水場ではみんな大胆になるなんて話、嘘だったのかなぁ。」
彼の場合その後の行動に問題があるのだが、気付く訳もない。
「ふぃー。よし!気を取り直してもういっちょ行くかあ!」
スクっと立ち上がると、次なる獲物を求めてキョロキョロし始める。と、またも
運良く目の前を通り過ぎる水着の女性達。
「おねーさーん達ー!写真でもどーだーい!?」
「やだ、なにこの子…(クスクス」
(うし、上場の反応だ・・!やっぱりプールだろ、なあ!)
見渡す限りでは、男3:女7といった所か。ここのプールは女性の割合が随分
多く感じる。
「ちょっと前まで寂れてると思ってたんだが、穴場だったみたいだな。」
珍しく真面目な顔をして歩く彼の頬には、重なるようにして赤い手形がクッキリと
ついている。先程のお姉さん達にでもつけられたのだろう。
「これだけ被写体が多いと、目移りしてしまうってもんですな。」
くそ真面目な顔をして・・・こいつが真面目な顔をしてる時ほど、よからぬ事を考え
ている時なのだろう。
「たとえば、あそこで寝そべっている女性など・・・うん、極Aランクだ。」
考えるよりも早く、隆史はその女性のいる方向へと進む・・・・・・?進んでない。
「な、なんだ?危険な感じがする・・・。」
彼の野生のカンが警鐘を鳴らしている。そんな時には逆らわないようにする、
それが一番だ。
「く〜、惜しいなぁ。ま、いっか。そろそろ飯でも喰いに・・・・」
・・・・・また嫌な予感がする。
「な、ナンデ??平日だし、んな知り合いに出くわすなんてある訳無いしなぁ・・・。
ち、しょうがない。ちょっと泳ぐか。」
>>76 もなこ、ともえちゃんにおよぎをおしえてもらっているのです。
でも、ともえちゃん、ちょっときびしいなあって、おもうのです。
ぷーるさいどで、かやちゃんがわらってみてるのです。
およげるからって…ちょっとずるいとおもうのです。
でもでも、ともえちゃんみたいにきれいにおよげるようになったらいいなあっておもうのです。
けさも、おとうさまやおかあさまに「いつまでも浮輪では笑われますよ。」って…
もなこ、だからがんばってるのです…って、うわあ!
ともえちゃんが、もなこのあたまをおさえてみずのなかにおしこむのです!
みずのなかはめがいたくて、あけていられないのです。
もうとにかく、でたくて、めをつぶってばたばたあばれてたら、ともえちゃんがわらっていうのです。
「もなこちゃーん、ゴーグルしてるの忘れたのかい?」
…ごめんなさい。すっかりわすれてたのです。だって、いきなりおしこむから…
めをあけると、みずのなかはしずかで、きらきらひかってて、なんかきれいなのです。
みんなのあしがみえるのがなんだかおもしろいのです。
めのまえにともえちゃんのあしがあるのです。ながくて、きれいなあしだったから、もなこ、おもわずさわっちゃったのです。
もものあたりを、ちょっと。
「ひゃあっ!」
ともえちゃんのこえがして、てがはずれたのでもなこ、みずがらでたのです。みたら、ともえちゃんがわらってるのです。
「あーびっくりした。ひどいなあ、そーゆーセクハラをもなこちゃんがするとは思わなかったよ。」
かやちゃんもにやにやわらってみてるのです。ああ、なんだか、はずかしいのです…
「さ、続けよっか。しかえしにちょっと厳しくしちゃうぞー。」
「ううう……」
でも、みずにもぐれるようになってからはちょっと、およげるかも…なんておもえるようになったのです。
でも、とっくんはきびしくていやなのです……
もなこちゃん、よく水遊びとかは行くんだけどなぁ。水に慣れてない訳じゃないんだし、
少し練習すれば泳げるようになるよね。
目の前で行われている特訓を見つつ、加也は少し心配そうに、少し楽しみながら、
その様子を眺めている。
「ほら、がんばってー!」
手足をぱたぱたさせながら必死で泳ぐもなこちゃん。聞こえてないか。
ともえさんもまた楽しそうに、もなこちゃんに泳ぎを教えている。なんかイイよね。
お姉さん、っていうよりは、お姉ちゃんって感じ。うん、なんとなくね。
目の端にチラチラと心配そうに見てる人達が見える。そりゃ、皇女様だからねぇ。
でも、今まで泳ぎを教えてなかったのも問題ありだと思うよ?
「もなこちゃ〜ん!あんまり水飲まないようにねー!」
すいー・・・すーい・・・
特に目的もなく、とりあえず泳いでみる。あんまり面白くないなぁ。
「やっぱ刺激がないとなー。おや・・。」
水の中から見上げると、プールサイドを歩くこれまたナイスでグーッドなお姉ちゃんの
後姿が目に飛び込んできた。
「っしゃあ!やっぱ気晴らしにも意味があるってもんだ!」
つすーい・・・・すーい・・・・
流れに逆らわずに、着実に近づいて行く。ここいらで気付くべきだったのかもしれない。
「おーい、お姉さーん!そこの、和服きて・・・る・・・・????」
ナンデ?あれ・・・、和服?
「ん?なに?」
和服着てる人なんて一人しかいない。声をかけた人物がそのまま振り返る・・・。
「あ、あ、あれ・・?宇月先生??」
色は黒いけど、別人にしては顔が似すぎている。でも、なんか違うよな気も。。
>>97 サンオイルも塗り終え、ご満悦。にまにまと笑いながら悠然、プールを歩いていく。
「いーわねえー、プール。つか、スク水!あーんもう、かわいいっ!もって帰りたい!」
クネクネする後姿。生徒にあまり注目されてないからいいようなものの、あまりにも怪しい姿だった。
てか、よくもまあサンオイル塗っているときに気づかれなかったもので・・・
「つか、あたし泳げないのよねえ…つまんないなあ…」
ぶつぶつ。製作者に文句言ってやろうかしらん…自分が泳げないからって…
とか思っているところへ後ろから声をかけられた。
「おーい、お姉さーん!そこの、和服きて・・・る・・・・????」
「ん?なに?」
思わず振り向く。プールには水中用カメラを手に呆然とこちらを眺める男の子が一人。
(うーん、パーツパーツは悪くないんだけど、ちょっと好みじゃないなあ…65点)
一瞬で値踏みしている。
「あ、あ、あれ・・?宇月先生??」
(しまった、おねえちゃん知ってる子か…どうしよ)
男の子はなにやら考え込んでいる様子。うーん、逃げてもいいけど、おもしろくない。
「手に持ってるのなあに?カメラ?」
とりあえず話をそらしてみる。
「手に持ってるのなあに?カメラ?」
「もちろん!・・・えーと・・。」
学校どうした、とかなんとか言われるかと思ったけど・・・まあ良しとしよう。
「こんな所で・・・ゴニョゴニョ」
いかん、墓穴掘る所だった。。
「どうです?一つ写真でも?大丈夫、もうぱんつなんて撮らない・・・ゴフッ・・・!」
・・・己のツッコマレ体質を呪う。いかんいかん。
「どうです?一つ写真でも?大丈夫、もうぱんつなんて撮らない・・・ゴフッ・・・!」
楓の返事は明瞭だった。
「いいわよ。」
「…って、いいの?」
拍子抜けするほどあっさりと。
「うん。パンツ…は知らないけど、別に困ることないし。」
モデルってのもなんか楽しそう、とかコイツは考えていた。
そして、興味本位は暴走する。
「何?何処でとるの?どうやって?チラリはありな訳?」
プールサイドに詰め寄る。隆史の顔まで10cmくらいまで…
ちかいちかい。かおつけすぎだってせんせい。。
・・・なーんて思う訳ないっしょ!
「相変わらず綺麗だなー先生。いつの間にか日に焼けてるけど、そこがまたグー!」
なんかワクワクしてきたぞ。
「先生服着てるからね。まずはそこのプールの前にでも行こっか!」
隆史はプールから上がると、先生(チガウ)と並んで歩き始めた。
「とりあえず、そこの他より広いプールの前で取ってさ、次は建物の脇とかでも。
それより先生チラリまじOKなの?俺は全然構わないってかラッキーってか。。」
学校違うしね。
並んで歩いていると、やはりちょっと気配が違うような気がしてならない。何て言うか
危険な空気を孕んでるというか・・・これが、開放的ってヤツ??
「ん?日焼け?…ああそうねえ、ちょっとね(笑)」
笑って適当に話をあわせる。
2人で移動。
「先生服着てるからね。まずはそこのプールの前にでも行こっか!」
「うん、そうね。ちょっと着付けめんどくさいからさ、このままでイイ?」
いいつつ、ちょっと襟をはだけてみせる。
「こういうのとか…さ(ニヤソ」
隆史の視線が胸元に釘付けになろうとするところでさっと、隠す。
「ね?」
笑う。
まあ、人気のないところにいればいいかな?おねえちゃん?
やばくなりそうならやっちゃえばいいし。証拠隠滅…ね。
並んで歩く2人。微妙な違和感を感じつつ…
パークの撮影もほぼ終了し、撫子と雄一はプールサイドで寛いでいる。
「撫子さんがグズグズしているから、イルカショーの前半、撮り損ねたじゃないですか」
不機嫌そうな雄一。傍らには何時でも使える状態で撮影機材を置いているのは、プロだからだろうか?
「どうせオンエアーで使えるのは、どんなに長くても10分くらいじゃない?」
「だからこそ、ベストなシーンを撮りたいんですよ」
「あーもう、しつこいわね。はいはい、私が悪うございました」
「………」
「それにしても、あんな子供がイルカショーを仕切ってるなんてね」
「だからイイんじゃないですか」
「児童福祉法とかに引っかからないのかしら?」
「きっとオーナーの姪御さんとかなんですよ。今夏休みですし」
「……けれど、あの子どこかで見たような気がするのよね」
「撫子さんもですか? あんな可愛い子、一度見たら普通は忘れないはずなんですけど」
西朝の姫君の情報は意外と少ない。政治的な思惑と配慮が交錯しあい、最近は顔写真さえ
ほとんど表へ現れない。何より「仮にもお姫様がこんな所でイルカショーをしているはず無い」という
先入観が二人の思考を遮蔽していた。
だが次の瞬間、その先入観は崩れ去った。
二人の目の前を、スクール水着の子供たちが通り過ぎた。その中の一人の少女の顔を、
マスメディアに携わる者が知らないはず無かった。
「……もっ、もなこ様!」
「嘘、何でこんな所に!?」
「ちょっと待てよ……思い出しました! イルカショーの子、あれ西朝の萌浜ともえです!」
更に、少し向こうに、若い女性に手を引かれ脱衣所に向かう白い浴衣の少女、萌姫も発見する。
「いったい何が起きてるんだ?」
「……スゴイわ、これは特ダネよっ!」
何処からか取り出したマイク片手に、撫子は水着姿のまま走り出した。
>103続き。
撫子は先ずもなこへ突貫しようとする。が突然立ち止まる。
「……ちょっと待って……」
素早く前後左右を確認する撫子。カメラを担いだ雄一が追いつき、急かす。
「早く行きましょう!」
「……四皇女のうち三人、ううん、もしかしたら南朝のもえみ様もいるかも知れない。それなのに、
どうして何の騒ぎも起きていないの?」
「えっ? まさか、護衛がいるって──いや、当然か。ということは、ひなぎくでしょう」
「ねえ、私がまだ駆け出しだった頃、街で偶然見かけたもなこ様にインタビューしようとした時のこと、
覚えてるわよね? あの時は突然現れた私服の連中に拘束されて、下着の中まで調べられたわ」
「じゃあ、どうします? ひなぎくは第五旅団の命令系統から独立しているそうですから、IGPK隊長さんの
名前を出しても通用しないと思いますよ」
「……カメちゃん、テープまだ余ってる?」
「十分に」
「ええと、私達はあくまでウォーターパークの撮影に来たのよ。撮影の中で、たまたま萌姫が映ったり、
客や従業員にインタビューしたら、その中のにぢつは、もなこ様やともえ姫が混じってたり。いい?」
「了解」
「じゃあ、さり気なく行動開始よっ」
「こういうのとか…さ(ニヤソ」
・・・な、ナヌ!?
見えそうで見えない絶妙な所で、襟を戻されてしまう。
「ね?」
なんか、これは非常に誘惑モードな感じだ。。神様・・・!普段運が悪いのも
今日の日の為だったんですね・・!!
至福の時を予感しつつ、並んで歩く。目的地へと向かうに連れ、大きくなるのは
先程感じた危険な感じ。
「あれ、なんだ・・・?」
そうか、さっきの場所に近付いてるんだ。しかし!ここで引き返しては男じゃない!
やがて見えてくるのは、先程見た極Aランクの女性。ああ、なんであの姿を見て
危険を覚えるのだろうか。
「いや、一度決めたらとことん貫くのが男だ!」
ひとりごと。結構ヤバイ類の。
少々冷汗をたらしつつも近付く。ふと隣を見ると・・・・先生も落ち着かない感じ?
うーん、困った。
こののまま歩いてくとおねえちゃんがいるじゃない。
見つかると、いろいろめんどう…
まだ起きてないわよねえ…つか、この子にいろいろ知られ……
待った。
なーんであたしがこんな事考えなきゃいけないわけ?なっとくいかない。
このまま歩くから問題なのよ。別にいいじゃないさ、写真どーせ映らないし、あたしって。
やーめた。なんかつまんない。この子がもーちょっと美形だったら無理するんだけどな。
歩きながらカメラの調整をしている隆史の頭をちょんとつつく。
(あんたには、みえない)
簡単な暗示。
次の瞬間、隆史には楓の姿は見えなくなっていた。
ちょん。
「ん?」
頭を触られた気がして、見上げる。だが誰もいなかった。というか、そこに居るはずの
人まで。
「あれ、先生?」
居ない。見事なまでに。んな、馬鹿な。。
「おーい!せんせー・・・・・・!!!!」
大声を出しかけたその時、全身に鳥肌が立ちまくった。危険だ・・・!そんな感覚が全身
を支配する。(でむぱ/ホントの先生起こしちゃうしね。)
次の瞬間、隆史はものすごいスピードで走り去ると、近くのプールに潜り込んだ。
「くそー!なんで?どうして?やっぱ神様なんて居るもんかー!!!」ブクブク…
「こ、こうなったら・・・!意地でもフィルム一本は撮って帰らにゃ気がすまん!!」ブクブク…
半泣きで新たな決意を胸に、やがて溢れる涙を水で隠しつつ、僅かに殺気まで溢れさせながら
隆史は泳ぎ去っていった・・・・(それじゃ誰も寄り付かんだろうに・・・・)
>>95 ともえ「しかえしにちょっと厳しくしちゃうぞー。」
もなこ「ううう……」
ともえ「じゃあ、もう一回だーー!」
ざぶんっ
再び水の中に押し込まれるもなこ。
プールに入ろうとしていた二人は、その光景を見て血相を変えて駆け寄った。
ちゆ「もなこ様になにを・・・・!」
しかし、その人物に気づいてきょとんとした顔になった。
ともえ「あ。焼きそばのおねーさんだ・・・どうしたの?」
ぷはー。
水から顔を出すもなこ。
ちゆ「あ、もなこ様、大丈夫ですか?」
もなこ「だいじょうぶってなにがですか? もなこ、ともえちゃんにおよぎをおそわっていたのです。もなこ、はじめてみずのなかでめをあけられたのです!」
ともえ「ゴーグルつきだけどねー。」
もなこ「うぐぅ・・・。」
萌姫がちゆの背後から顔を出した。
萌姫「・・・・・もなこ、泳げないの?」
もなこ「あ・・・・、もえひめちゃん・・・・。」
ともえ「萌姫ちゃん?」
三人とも、なぜか黙ってしまった。しかし、その沈黙はすぐに破られた。
いせ「もなこ様ーーーーーーーーーーーー!!」
「もなこ殿下ぁ〜!お逢いしとうございました〜ぁ!!」
ば っ し ゃ あ ん 。
飛び散る水飛沫。ぷか〜り。
うつぶせで浮かぶいせ。腹を強打したらしい。
「お姉さん、大丈夫?」
「ええ、全然平気ですわ…、御心配なく…?っ!あなた様は?」
「えっ?萌浜…ともえだけど…?」
目がらんらん。
「キャキャキャキャキャキャあああ〜ん!まさか、まさか、あの萌浜殿下であらせられますの!?」
「あのっていわれても…でも、萌浜ともえはそんなにたくさんいないと思うな。」
「あ、あたくし志摩いせっていいますの!帝国海軍で練習艦ですのよ!どうかこれからも宜しく、宜しくですの!」
ShakeHands,ShakeHands.ブンブン。
「う、うん。(もなこちゃん、この人…何者?)」
「あ、あ、あ、まさか萌浜殿下と出会うことができるとは今日はとてもいい日ですわ…ですわ…
あ、新井さんこんにちわですの。」
「は、はい、こんにちわ、いせさん。」
「水着とってもよくお似合いですわよ。あら、そちらは…………あ・あ〜ん!」
プールサイドへジャンプ、ヘッドスライディング。萌姫の手を取る。
「あなたは、あなた様はまさか…」
「………萌姫………。」
「ひ、姫殿下までこのプールにいらっしゃるなんて!は、はぅ、はぅぅうう、はぁはぁ。あたくし、あたくし、もう…」
はなぢだらだら。と、バチコ〜ン!!
ビニールのワニがものすごい勢いでいせの頭に直撃する。
「いせいせ〜!いいかげんにするの!でんかのおんまえで、とんでもない「ふけい」なの!はしゃぎすぎなの!」
「まさか、みつばに、どつかれるとは、思いませんでしたわ…。成長しましたわね…教官、嬉しいですわ…。」
どさっ。はなぢをだらだらと垂らしたまま、いせはプールサイドに臥した。
一同の間に、妙な静寂が訪れた。
>>92 「せっかくの巨、標準、貧の勢ぞろいだったのになぁ…」
そうしずかに呟くと菩提は手元の焼きそばをひっくり返した。
「おまえ本当に煩悩おおいな。ちった、職務に集中できねぇのかよ」
プールでの騒ぎを見つめつつ阿部がちゃかした。
「冗談じゃない。煩悩あってこそ人は大悟への道が開けるんだ。そもそもな…」
久しぶりに始まった菩提の説法を適当に聞き流しながら安部はぼんやりとプールを見つめている。
大騒ぎと惨事(
>>109)の後、水の上に赤いもの染み広がる。
「なぁ…」
「だからだね、うぐーとあぅーが同じじゃないようにメイドとロボ…なに?」
横にいる阿部を見た菩提のほうは向かずに阿部が問い掛ける。
「確かここって、『何か?…』が『御霊』されてた場所だよな」
安部の問いに何をいまさらといった感じで
「そうだよ。そこのプールの位置にあった御社から隣のビルの上の新社にお移りいただいただろ。
この前二人でやったのにもう忘れたの?ボケるには早いよ、安部」
と答えた菩提に妙に静かな口調で阿部が言葉を返す。
「ここで…強い不浄があったら…おこるよな…やっぱり…」
言葉を濁す阿部をあきれたように菩提が見つめる。
首を振って下に視線を落とし再び焼きそばを作り始める。
「ちょっとやそっとじゃ興奮すらしないって。
まぁ、皇女殿下が血に染まるような大惨事(
>>109)にでもならなきゃ大丈夫…だよっと」
そういって焼きそばをひっくり返す。
「いや…なってるんだが。それも三人(
>>109)」
じゅーーーーーーーーーーーー(焼きそばのこげる音♪)
「…はぁ?」
>>109 >>110 …えーと…もなこちゃん、この人、知り合い?
(力なく頷く)
そっか、変わった人多いからね…もなこちゃんの周りって。ヒトノコトイエナイケドネ
って、うわあ、力強いって!握手ってそういうのと違う!頭ぐわんぐわんするうう…
うーん…こーゆーテンションの人、昔どこかで見たような気もするんだけど、覚えてないや…
あ、ワニ……お見事、命中だよ。おじょお…って、猫耳じゃん…
(プールに浮かぶいせ、そして鼻血がどばどばとプールの中へ)
あーあ、血が出てるよ…鼻血って痛くないけどなかなか止まらないんだよね。
うわ、血がこっちまで来るよ。汚れるのはゴメンだからさっさと上がらなきゃ。
「もなこちゃん、とりあえず出よう。」
ふと、見る。姫ちゃんの様子が、ちょっとおかしい。元々元気なほうじゃなかった気がするけど、
さっきよりもっと気分が悪そう…血なんか見たせいかな?
ぞくん
ヤバ…なんか、嫌な感じ……うわあ…まいったぞ…これは……
ある日の大湊要港部。相変わらず少将は人造少女萌えについて副官の少尉に語っている。少尉はうんざり顔だ。
「少尉君、君、転勤希望ある?」
「はっ?突然どうしたんですか、少将?(そりゃあもう今すぐにでも!)」
すんごい緩んだ顔で少将が語る。
「下総はねえ、教育航空集団司令部のあるところで、あの元帥の息のかかっていないって言うか、俺の盟友が
司令をやってるんだな、うん。彼は根っからのロボっ娘萌えでね…無愛想なのがいいんだってさ。」
「話が見えないのですが…。」
「うん。それでね…あの辺土地余っちゃってるし、作っちゃったんだよ、研究施設。4年前に。ひりゅう起工より
遅くなったのはまあ、ご愛嬌としてさ、俺たちの夢の城、とでも言おうかなぁ…。いいだろ?」
(うわ…まじかよ。まさに職権濫用だよこいつら。)
「で、この前、皇宮警察から猫耳水兵に関する資料を、廃艦予定の「たちかぜ」と交換で、まあ、引渡しは三浦鉄鋼
っていう屑鉄業者を通すっていう形にしてあるんだけど、それはおいといて。資料をもらったんだ。どうよ?」
「っていうか…そんな重大な話私みたいな少尉にべらべらと喋っていいんですか?」
「いいのいいの。で、その資料を元に作成した海軍製の人造少女、その量産第1ロットNo.00000001が!
今日ここに、この俺の元に来るんだよ!どうだい!すごいだろう!うらやましいだろう!…ということなのだよ。」
「大体、話が読めました…で、その子を副官にするから、私は用済みってことですね。」
「うん。そう。やっぱり君は利発で美人で巨乳だ。ということで、いままで頑張ってくれた君への御褒美ってことで、
どこでも好きなところに転勤させてあげるよ!」
「利発で、美人で、巨乳(この期に及んでセクハラかゴルァ)…。ありがとうございます。そうですね、是非その下で
働きたい人がいるのですが。」
「誰だい?言ってごらんよ。」
「横須賀の、安達あいこ大佐です。」
「あ〜あ、あいこっちか。俺の同期だよ。ってもハンモックナンバーはあいこっちの方が上だけどねぇ。超カタブツ
なんだよな〜。美人なのに。だから昇進遅いんだよな。わかった、口利いとくよ。」
「ありがとうございます。」
「あいこっちねえ。いまあいこっちの艦に猫耳水兵が乗ってるんだ。その関係であいこっちには次の異動で武山に
行ってもらおうと思ってるんだ。それでなくても、20代にして大佐、空母艦長の秀才、藤倉敏男大佐はじめ
数々の秀才たちを江田島で教官として送り出しているからね、あいこっちは。俺の娘たちをきっちり育ててくれると
思うんだ。だから、君も武山に異動できるようにするよ。」
「ありがとうございます。(やた〜〜〜〜〜!!)」
「それに、あいこっちには元帥の息がかかってないからねぇ…。」
「それでは、失礼します!」
ものすごい勢いで飛び出していく少尉。
「そんなに転勤が嬉しいのか…。俺のこと嫌いだったのかなぁ…。結構ショックだなあ。」
コンコン、ノックの音。
「下総研究所、榊原大尉です。」
「キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「はやひゃはやはやはやく、俺の娘の顔を見せてくれ!一刻も、いや、1ミリ秒も早く!!」
「慌てないで下さい…。そりゃ!」
バサッ!白いシーツが宙を舞う。中から出てきたのは黒髪を肩までのおかっぱにした少女。目は虚ろで、口は半開き。
「…なんか、どしたの?」
「起動から萌えなきゃだめだろっていったのは少将ですが?何か?じゃ、起動します。えい。」
榊原大尉が少女の後頭部をぱしん、と叩く。
「ぃたぃ…。」
「しゃ、しゃべったぁ!!!きた!!きたよ!!」
右を見て、左を見て。少将を見る。
「ごしゅじん、さま?私のご主人様ですね?」
「キキキキキキキキキキキキk!」
「どうです?」
「か、完璧だ…第1ロット第1号機にしてこの完成度…。君、いいよ、すごくいい!!」
「でも…、この娘…動物耳ついてないよ?」
「耳なんて、古いですよ。うりゅ!」
頭に1対の短い角。
「ツ、ツノキターーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「さらにこの角をこうすると…、うりうりうりうり…。」
「あ、はぁ…や、やめて、くださぁっ、はぁ、はぁぁん…。」
頬を紅潮させて悶える少女。
「てめえ!俺の娘になにしやがる!!」
「少将がこうしろっていったんじゃないですかぁ!暴力反対!暴力反対!」
「うん、いい、すごくイイ…。インパラとは…!目の付け所がちがう…。素晴らしいよ。下総研究所マンセー!!」
「まんせーってなに?ご主人様ぁ?」
「いや、可愛いのはわかりますが、制服着せてきたのに…、冥土服に着替えさせるなんて…いや、可愛いけど…。」
頬にバンソーコーを貼った榊原大尉がごちる。
「しかし、人造少女プロジェクト・秘匿名称「新潟ねしねし」のうち、生物(なまもの)のネシコシヒカリは大成功
だね。うん。これからは金物(かなもの)のネシササダンゴの方にシフトしていこうかな。」
「機械少女の方ですね。」
「うん。約束だからねぇ、下総の教育航空集団司令とのさ。やらないと奴、怒り出しちゃうよな、うん。」
「皇宮警察との調整は始まっています。あちらさんでも4研とかいうのがそっち系の研究をしているとか。」
「へえ、次、何と交換しようか。あちらさん箱もの好きだからね…。なんか廃艦さがしとこうかな。うん。」
「ご主人様ぁ…。」
「ん〜〜〜〜〜〜。なんだい?」
「私にぃ…名前付けて下さい…。」
「おお!なんてことだ、すっかり忘れてた!!君の名前は…「える」だ。「萌える」の「える」だ!!」
「しゅ〜て〜き〜です!」
「(しっかし…横須賀の元帥といいこの人といい、この人たち遊んでるよな…絶対。)」
自分で造っておきながら、ちょっと海軍の行く末について不安になってみたりする榊原大尉であった。
保健室からこんにちは。残暑お見舞い申し上げます、更級 美希子です。
本日の学校の行事は終わりましたが、生徒の何人かは振り分けられた隣の学校のプールに
直接向かうという横着をするために、こっそり学校に残っています。
はい、私もその一人ですが、私が学校に残っているのには、別の理由があります。
私はカバンの名から、ビニール袋に入ったハンカチを取り出して見ます。猫の模様が入った、
素敵なハンカチです。これはあの時、キクレンジャーさんのお一人から、お借りしたままになっていた
ものです。お母さんにクリーニングに出して貰ったのですが、先日まで春物と一緒にクリーニング屋さんに
預けられたままになっていたのです。うかつでした。
これから、あの秘密のロッカーへ向かいます。
でも、あそこは暗くて、一人で行くのはちょっと不安です。私が貧血で倒れてなければ、人がいるうちに
行けたのですが……今日、ひなぎくCさんは学校に居られるでしょうか?
「副隊長殿、校内隊員の新制服を申請致します!」
ひなぎく副隊長は、隊員Cの書き上げた発案書とスケッチブックに目を通す。
「却下」
がっくりと肩を落とし、待機室に戻ってくる隊員C。
A「やっぱり無理だったろ?」
C「……」
B「お前に、お客さんが来ているぞ」
応接室に行くと、来客用の大きなソファーの端に、女子生徒が一人、行儀良く座っている。
彼に気付くと立ち上がり、ぺこりとお辞儀する。
「やあ美希子ちゃん、何か用ですか?」
五分ほど待ってもらい、隊員Cは自分のデスクの上を片付け始める。
先程とは打って変わって、鼻歌まじりのCの背中を、隊員AとBは腕組みして見詰めている。
A「Cお前、隊員規律を忘れていないだろうな?」
C「校内規律の第三項か? 特定の生徒と必要以上に仲良くなってはいけないだろ? 変な勘違いするな、
……それに付き合っているのは、あの子のお姉さんとだ」
A「何っ!?」
B「そのお姉さん、年は幾つだ」
C「……年下」
B「お前は、年上が好みじゃなかったのか?」
C「るさい。ストライクゾーンの変更は試合を面白くするんだ」
A「 必 死 だ な 」
B「いや訳わからん」
更級 美希子と隊員Cは、二人並んで体育館へと向かう。隊員Cはさり気なく歩調を落としてはいるが、
それでも美希子は時々小走りになる。
「美希子ちゃんは、今日はプールはいいんですか?」
「はい、プールは四時までですから。それに服の下はもう、水着に着替えてるんです」
子供って無駄に準備するのが好きだなと、隊員Cは微笑みながら体育館の扉を開ける。
「ところでCさん、ユキ姉さんとは、その後どうですか?」
隊員Cは立ち止まった。
「……ふられちゃいました」
壁に手を着き、がっくりと身を屈める。同僚の前では見栄を張ったが、実は隊員Cは見事に振られていた。
「えっ、どうしてですか!?」
「判りません……判らないから振られたんでしょうね、きっと。はは…」
隊員Cは力無く笑みを浮かべた。
ユキ姉さん非道いです。ひなぎくCさんを振るなんて。ちょっと前に、楽しく遠距離恋愛してるって
電話で言っていたのに。……何か理由があるのでしょうか? とにかく今は、ひなぎくCさんを励まします。
「あの、元気出してください。……その、もしCさんが良ければ、いえユキ姉さんには敵いませんけど、
あのその……私が…」
私は何を口走っているのでしょうか? 幸か不幸か、ひなぎくCさんは私の言葉が聞こえていないようでした。
「………まあ、いいか。俺元々年上が好きだし──ん、何か言いましたか?」
「いいえ」
年上ですか……。
「えっと、何処に行くんですか?」
「はい、あそこの用具室です」
体育館の用具室は雑多な物が置かれ、それらが窓を塞いでしまっていて薄暗い。照明も一つしかない。
これは確かに少し気味が悪いと、隊員Cは思った。
更級 美希子は壁に掛かったタルレンジャーのお面をじっと見上げていたが、振り返り、
隊員Cがドアの所に立っていることを確認する。
「そこに居てくださいね」
「ああ、分かってるよ」
彼女はポケットからビニール袋に入ったハンカチを取り出すと、部屋の奥に歩いてゆく。
古びたロッカーの前で立ち止まり、一度深呼吸するような仕草をして、扉を開けた。
しばらく中を見回し、奥の方を探っている。隊員Cは気になって近付き、美希子の頭上から覗き込んだ。
「どうかしたんですか?」
中には掃除道具以外、特に何も無いように見える。
「いえ、なんでもありません」
美希子は何かを諦めたように溜息をつくと、背伸びしてロッカーの上棚にハンカチを置いた。
振り向いて、隊員Cに頭を下げる。
「ありがとうございました。戻りましょう」
二人が立ち去ろうとしたその時、背後でロッカーがガタガタ揺れた。美希子は踵を返し、
ロッカーに駆け寄ると、もう一度扉を開く。そこから飛び出したのは──、
(゚∀゚)アヒャ!
「うわコイツは!」
(゚∀゚)ゴハン!ゴハン!
そう叫びながら、ダイゴ蟲は更級 美希子の制服の中に潜り込む。
「きゃあっ!?」
美希子は身を竦ませる。服の下を(゚∀゚)が高速で移動している。隊員Cは慌ててそれを押さえようとする。
「あっ、そんな、ダメです!」
──きゅ。
「よし捕まえた!」
「あのっ! それは…違います」(赤面)
「…うわわっ!? ごゴメン!!」
(゚∀゚)ラブコメ ラブコメ! ゴチソウサマー!
ダイゴ蟲は二人が固まっている間に逃げ出していった。それと殆ど同時に用具室のドアが開く。
そこに立っているのは苦虫を噛み潰したような表情の隊員AとB。
「まさかと思って追いかけてきてみれば、コレか」
「淫行の現行犯だぞ、なんてうらや…ゲフン、いや愚かな」
「ちょ、ちょっと待った。コレには訳が…」
薄暗い体育用具室、美希子は半泣きで、後ろから密着している隊員Cの両手はそれぞれ危険な位置にある。
……この状態で、言い訳など可能だろうか?
「問答無用、地獄へ逝け!」
ボコボコボコボコ!!
「このロリめ! ベドめ!」
「姉妹丼か? 姉妹丼なのかっ!?」
「脳内補完で満足していればいいようなものを、ひなぎくの恥さらしめ!」
ボコボコボコボコ!!
私が呆気にとられている間に、ひなぎくCさんがボロボロになって行きます。
「あの、違うんです! 誤解です!」
お二人は、私刑の手を止め、すごく同情したような、優しい目で私を見ました。
「脅されていたんだね、可哀想に。もう大丈夫だ」
「コイツは二度とお天道様を拝めないところに送ってやるから、安心しなさい」
「……チガウ…ゴカイ…ゴカイ…デス」
「うるさい黙れ(ゲシッ)コイツの顔は見たくないだろう? もう連れて行くよ」
「すぐに女性隊員を呼ぶから、ここで待っていなさい」
「いえ、ですから違うんです! 私が悪いんです!」
「……錯乱しているようだな……Bお前、催眠術かけてやれ」
「OK」
ぱちん☆
後日、夏休みの学校で虫取り網を持って校内を駆け回る更級 美希子の姿が見られた。
撫子は無駄にウォーターパークの解説を続けながら、徐々に目標へ接近してゆく。
雄一のカメラは撫子を映さず、背後の皇女達を望遠で捉えていた。
「………」
撫子が急にリポートを止めた。
「どうしたんですか撫子さん?」
「……違う。こんなの私のスタイルじゃ無いわ」
「えっ、でも…」
雄一はカメラを下ろした。一般客はともかく、イルカショーの時にはあれだけいたカメラ小僧達が、
皇女達の周囲には一人も居ない。これが何を意味するか、気付かない撫子では無いはずだ。
「マスコミにはマスコミのプライドがあるの、多分。真っ直ぐ行って、取材しましょう。
放り出されたら、またアタックすればいいのよ」
雄一は溜息を吐く。彼女の座右の銘は、きっと『当たって砕けろ』に違いない。いや判っていた事だが。
「…困った人ですね。でもそういう所、嫌いじゃないですけど」
>111
「もなこちゃん。ほら、つかまって。」
ざぷざぷざぷ。水をかき分けつつ近付く。
「えっと、いせさん?いせいせさん?大丈夫かなぁ。」
プールサイドで血溜りの中うずくまるいせを心配そうに見る。
「おいしゃさまにみてもらったほうが、いいのではないですか?」
加也の手を取りゆっくりとプールサイドに近付きながら、もなこ
も心配そうだ。
「もんだいないの。のぼせてちをだしてるだけなのー。」
みつばはそう言って、ビニールのワニでいせの頭をぽかぽか。
「いせいせがとりみだしてしまって、ごめんなさいなの。」
そんなやり取りが行われている中、もう2人の皇女の間で異様な
緊張感が満ちていた。
「ひ、姫ちゃん?」
「………………………………(ジー」
瞬き一つせず、水面に広がって行く血を見つめる萌姫。
「ほ、ほら、水から上がろうよ、ね?」
だが、ともえの言葉が聞こえないかのように、徐々に近付いてくる
血に魅入られたかのように、その場を動かない。
そして次第に高まって行く霊力。この場では霊警の面々、そして
各皇女など霊力を持つ人間にしか感じ取れないであろうその気配。
キン、と張り詰めたそれがあまりに"危険"だと判断するのに、そう
時間はかからなかった。
ある日の元帥の公邸。
「ああ、そうか、うむ。うむ!」
「どこからですか、元帥。」
「大湊からだ!少将の元に下総から人造人間の第1ロットが届いたらしい!」
「そうなんですか…。」
「そうなのだよ!だが、だからといって!どうということはないのだよ!なぜこんなにも私が落ち着いていられるか
聞きたいかね?」
「(別に聞きたくねえ…)はい。聞きたいです。」
「よろしい!ウニバーサル造船舞鶴工場から「そうりゅう」の工事についての情報が入ったのだよ!」
「で、どうだったんですか?」
「ああ、若干遅れているらしい。だが!未だ計画の範囲を飛び出すほどではない!まだまだ順調と言えるレベル!
近いうちに儀装に入り!その勇姿を私の前に見せてくれるだろう!」
「ええと…あと1艦作ってるんですよね。」
「「うんりゅう」!だ!彼女もIPIMU横浜工場にて…こちらも少々遅れながらだが!着々と工事が進んでおる!」
「へえ〜。」
「で、「そうりゅう」はもうすぐ進水するわけですよね。儀装員長っていうか、初代艦長は決まってるんですか?」
「うむ!私の教え子にして、優秀な海軍軍人をつけようと思っておる!現在いせ艦長の安達だ!」
「安達大佐ですか…確かにあの人は優秀で通ってますもんね…厳しいけど。」
「安達はあの憎たらしい少将と同期だが、お互いの仲は芳しくないようなのでな!好都合なのだよ!」
「(っていうか、あんたとも仲がいいようには見えないんだけど…)」
「安達は補給艦やいせなどの大型艦の操艦には定評があるのでな!ところがだ!腹立たしいことは「そうりゅう」に
引き抜く前に少将の「娘。」たちの教育係に配置が内定されていることだが!あの若造め!」
「(しかし安達大佐も元帥とか少将とか変態に好かれて大変だね…くわばらくわばら。)」
ず〜。お茶を啜る音。
「そこで、副官!貴様には一足先に「そうりゅう」で儀装の指揮をとってもらうことにした!」
ぶ〜。お茶を噴く音。
「げぼげぼっ!はぁ!?」
「安達が「娘。」供の教育期間が終わって、「そうりゅう」に赴任するまでの間、貴様が指揮をとるのだよ。安達が
ついたらしっかり補佐をしてくれ。私は貴様の能力を買っておる。期待しているぞ!」
「(買われてたのかよ!)あ、ありがとうございます。」
どかーん!(ドアを開ける音)
A「あらら…ドア壊れた…」
B「ふんふんふーん♪きったよー!」
突然の呼び出しを受け現れたのは、遊撃A&B。未完成品ならばともかく、
彼女らが9研に呼ばれるなど滅多にあるものではなかった。
「おう、いい所に来たなあ!こっちも丁度準備が整った所だよ。」
そんな二人を迎えたのは、随分と年季の入ったように見えるヨレヨレの
白衣を纏い、髪もボサボサ。いかにも…という感じのぷんぷんする人物だった。
A「久しぶりだねー、おっちゃん。」
「おい、おっちゃんはヤメロって言ってるだろ。んなオッサン臭い…」
B「やっぱ、ニンニンだよね!」
「ったくお前らは…。ちったあ私への敬意ってもんをだな…」
この人物の名は忍田 紬(オシダ ツムギ)。30間近の、れっきとした女性である。
B「んで、今日は何の用事?」
「何だ、用事がなきゃ呼んじゃ駄目か?たまにはお前らの憎ったらしい顔でも
見てやろうと思ってだな(ニヤリ」
意地の悪い、それでいて優しげな笑みを浮かべて言い放つ。たまに紬の見せる
この表情を、遊撃Aは結構気に入っていた。
B「ヒドイー!!こんな可愛らしい僕らをつかまえてよく言うよ!ねぇ?」
同意を求めるBを適当にあしらいながら、紬の後ろを見る。
A「検査?ちがう、血液サンプル取りって所だね。」
「おう、まあな。それにしても…進歩しないな、Bは。よく見ろっての。
いつまでもオンブにダッコじゃ後輩に笑われるぞ?」
B「うぐ・・・」
そして、二の句も出ないBを適当にいたぶると、ようやく仕事を始める気に
なったのだろう。Aのほうを向く。
「さってと。ほら、ココ座って腕まくんな。まずはつ・・」
A「紬ちゃん!」
少し焦ったように、少し怒ったように、小さい声ながらも牽制する…A。
「ああ、ごめんよ。…まーだ駄目か、おい。」
A「うん、迷惑かけるね。でもまだ十分じゃないんだ。だから駄目だよ。」
遊撃達に名が無い訳ではない。ちなみにBの名は杏香(キョウカ)という。
…ちっとも顔(というより態度か)に似合ってない。
別に隠している訳ではなく、慣れの問題なのだ。…Aを除いては。
プチ。差し出された小さく細い腕に、注射針を差し込む。そして
手早く採血を終えた所で、Aが口を開いた。
A「もう少し、ね。僕も準備したい事あるし。」
「ふん、不便なもんだな。何時誰に呼ばれるかも分からないときちゃ、
名前を明かす訳にもいかないしな。」
少し困った表情を浮かべ、微笑むA。
「お前が居なくなってから、小声で呼んでやるよ。んでストレス解消してやる。」
「なーに?そんなに僕の事好きなの?」
「ふっ。ばーか。」
B「ねー、ニンニーン!指からびーむとか出せるようになんない?」
突然割って入る遊撃B。しかも言ってる事が無茶苦茶だ。
「…ふぅ。あ〜、3研でも行っていぢくって貰いな!」
B「あそこは嫌!何、ニンニンは無理なの?困っちゃうなー。もしかして、
レベル低いのー?」
ぴき。
「全くコイツは…。このやろ!お前はお尻から血ぃ取ってやる!」
膝の上に寝かせるようにしてBの体を捕まえると、そのまま…
プスリ。
B「に゛ぎゃ〜!ご、ごめんにゃ〜!!!」
Bも相変わらずだ。
A「状況ってものを把握出来ないから、いっつも痛い目に合うんだよ。
よりにもよって、研究ばっかで鈍りまくってる紬ちゃんに捕まるなんて…」
「何か言ったか?」
お尻を抑えながら涙目になっているBを解放しつつ、問い掛ける。
A「何でも無いよー。へへ、また遊びに来るね、おっちゃん!」
>>124 むかしむかし まだこの大地が野で呼ばれ海瀬であったころんはなし…
ここにゃぁ、ちいさな ちいさな村があったとさ
そのちいさなむらさ きれいなおひめさんがひとりきりでおったそうな
おひめさんゆうてもな 村さのむすめっこはだしの てんばもん(訳:お転婆)で
ひとんで海さいってサカナッコつってくるよんなおひめさんだったそうな
村んもんはあきれるやらなんやらもしたっけんけど どっか憎めんかったそんな
あるときお姫さんはうみがらオシロさまを拾ってきたっけな
そん顔ときたら やったらまるごくってめんごくって(訳:丸くて可愛くて)な
村のもんさ すっかり オシロさまさ きにいってもうたんじゃ
朝起きてはおしろさまみぃ
昼になってもオシロさまばっかみぃ
夕になってもなぁんもせんようになってしもうたんじゃて
村さどんどんさびれるんばっかしだった
あるとき 鬼さたおしたっちゅう えんらいお武家さんがきてな
あっとゆうまに オシロさまさ きってしもうたんじゃ
したら 村のもんも おひめさんも すっかりもとにもどったんじゃそうな
村のもんは すっかりお武家さんにかんしゃしたさね
けんどな おひめさんは お武家さんに 「オシラさまがかわいそんだ」っていったんじゃと
お武家さんは したらば ここさおしらさんの墓さこさえて とむらったそうな
それから オシラさまはここん かみさまになったんじゃ
そんで おひめさんと村さもんと ずぅっとそこにくらしたそうな
めでたしめでたし
>>124 >>131 今まで晴渡っていた空にまるで沸いたかのように黒い雨雲が周囲を闇へと誘う
そして意思でもあるかのように風が水辺へと集まっていく
「菩提。再結界はどうしたっ」
昔ばなしは必ずしも真実を語らない
その昔 壇ノ浦へと続く悲恋の物語の一端として若くして命を落とした姫君
そして ながく 祟り神としておそれられた その姫の飼っていた獣の話は
『めでたしめでたし』によって包み隠されていた
叫ぶ阿部の隣で焼きそば専用のヘラを素早く九字に切ったりなから真言を唱える
「ON KIRI KIRI BATTA KIRI SOWA KA」
ぱん という軽い音とともに鉄製のヘラがはじける
「…だめだ…この地はあの御方のテリトリーだ…」
祟り神から 産土神へ
ひざを突く菩提のそばでビーチサイドのラフな姿のまま阿部が呪符を掲げる
「遠き常世に住みしもの 白き心の還るもの 水の上へと変わるもの
汝の真の名を持って 護国守護者へ戻られたし
我 護国代行者の命にてここに祈願す 汝 玉面愛顔水神公」
その本性を隠した国津の族が船魂の霊力の高い地によって実体化しようとしていた
一瞬風がよわまった が、すぐにまた吹き始める
「くっ…きいた…か?」
その時風がぴたりと止み雲の合間からプール上に宗教画の如く一筋の光が差し込んだ
霊獣 『たまちゃん』が現れた
そこには一匹の白いアザラシ(?)がぷっかりと浮かんでいた
「「…………」」
沈黙が場を包んだ
み、みんなっ、早く逃げてっ!
もなこ様っ、萌姫ちゃん、こっちへ・・・!
あなた(ともえ)も早くっ!
あ、みつばさん、いせさんをお願いしますっ!
あれの影響がみんなに及ばないように結界を張らないと・・・・!
>>132 もなこ「・・・・・・かわいいのです。」
ともえ「・・・・・・可愛い。」
萌姫「・・・・・・・・・・・・・・・・(ニコ)。」
加也「・・・・・・・・・・かわいいっ。」
ちゆ「・・・・・・・・か、かわいい・・・。」
真紀子「・・・・・・・・・かわいい。」
みつば「・・・・・・・・美味しそうなの。」
>>133 すこぉしくびをかしげる
「きゅぅぃ?」
かたてでプールのみずをべちべちたたいて て(?)で顔をなでる
「くぅう」
皇女達に駆け寄る撫子と雄一。もはや一人一の顔が判別できる距離まで近づいている。
「撫子さん、何か起きてますよ!」
「そのようね、ラッキーかしら!」
あとは目前の一般客をクリアすれば、障害は何も無い。しかし彼らが護衛の可能性も高い。
「すみません、ちょっと退いてください」
撫子の声に、三人組は道をあける。
((よしっ))
心の中で呟いた二人は、三人組の間を走り抜けた。
──がしっ。
「えっ?」「わっ!?」
一瞬の出来事だった。三人組の間に巧妙に誘導された二人は、両側から腕を掴まれていた。
三人組はやはり一般客を装った護衛、ひなぎくだった。
「ちょちょ、ちょっと!」
そのまま前後逆の状態でズルズルと引き摺られてゆく。
ズルズルズルズル──。
ひなぎくD「許可無く撮影するのはご遠慮下さい」
大和 撫子「民間の施設で横暴です!それにオーナーから許可は取っています。手を離してください!」
ひなぎくE「すまんが、今は立て込んでいるんだ」
T亀雄 雄一「はあ、やっぱりか……あ、カメラは返してくださいね」
ひなぎくF「ああ、パークの外で返すよ」
ズルズルズルズル──。
ひなぎくD「もう少し静かにしてください。ほかのお客さんに迷惑ですよ」
大和 撫子「横暴反対! 横暴反対!」
ひなぎくE「……」(少し幻滅……撫子さん、結構好きなのに)
T亀雄 雄一「……はあ」
ひなぎくF「あんたも苦労するな」
ズルズルズルズル──(略)
二人はウォーターパークから、文字通り放り出された。撫子は勢いあまって、
まだ熱いアスファルトに尻餅をつく。
「いったーい!」
ひなぎくF「乱暴にして悪いが、菊水じゃないだけマシだと思ってくれ」
投げ渡されたカメラを慌てて受け取る雄一。当然テープは抜かれている。
「……一回戦は負けね」
大和撫子は諦めない。入場券もテープもまだまだある。
「もう止めましょうよ。連中が言ってた菊水って、かなり過激な組織ですよ」
「そんな組織、初耳ね。でも関係ないわ……お尻熱い」
立ち上がり、お尻を叩く撫子。
「もう! 乱暴なんだから」
「水着破けてませ──そっその水着は、ローレグっ!」
「えっ何??」
撫子の身に付けている水着は、今年最新のローレグ水着だった。ローレグとは、
ひと昔前に流行ったハイレグとは逆の、お尻が半分出てしまうような縦に短いパンツだ。
最近やっとテレビでローレグGパンが紹介されたばかりであり、かなりの冒険と言えた。
「じっ、実戦で使用されるのを初めて見たッ!!」
「……変な喋り方ね」(今頃気付くなんて、今まで何見てたのやら…)
と思いつつも、満更でもない撫子。
「とても似合っていますよ!」
「そう? 知人が『ローレグ素晴らしい』って連呼してたから買ってみたんだけど。
ちょっと恥ずかしいけれど、こうしてパーカー着ていれば後ろは目立たないし」
「ああ、勿体無い」
「せっかく外に出たんだから、車の機材を使いましょう」
「…………」(ハァハァハァハァ)
「……早く! 再突入するのよ!」
「はいっ! お供しますっっ!」
みつば「いっただっきまーす!」
>138
食べちゃダメ(笑)
『「ネコミミ少女に霊獣食われる!!!」
か?』
本日、ねこみみによってアザラシが食されるという痛ましい事件が起こった
らしいとの話。
本日、午後2時過ぎ
我らが、もなこ様がウォーターパークにて遊戯なされているところ
突如天候が崩れ、一匹のアザラシが出現した。
宮内庁、および第五旅団からの発表によると、このアザラシは特殊天然記念動物
に指定されている『やたちゃんぞく』の一種であるとのことで一時、場にいる
人々の心を和ませた。だが、人々が見守るさなか「いっただっきまぁす☆」
との掛け声とともにネコミミの少女がプールにルパ〜ンダイブ。
かくして、アザラシとネコミミ少女との仁義亡き一本勝負が始まった。
途中アザラシは大技を決めにかかりも悲しいかな手の短さでヒットせず
反撃とばかりに天高く待ったネコミミ少女のサマーソルトキックで痛恨のダメージを受けた。
その後も反撃を試みるが、周囲を和ませるだけで決め手にかけ
試合時間12分36秒 決め手は払い落としにて決着がついた。
その後、「秋のおっさかぁぁなぁ!」と叫ぶ少女は周囲のつっこみを振り切って
アザラシを抱えて遁走。その後の消息は不明とのことである。
とある日の朝。研究所の喫茶室では徹夜明けの研究員たちが眠そうな顔でコーヒーをすすっている。
ドアが開き、白衣の女性が入ってくる。徹夜明けであるのにもかかわらず、それを意にも介していないような表情で。
「もるげん、諸君。」
「……ざい…ます…主任…」
「ふむ、4日くらいか?心配には及ばん、7日くらいなら人間、壊れぬ物だ。」
崩れ落ちる研究員をよそに自分の分のエスプレッソを取ると、椅子にかける。
「おはよう。涼菜クン。」
目の前の白衣姿の男が声をかける。胸のIDプレートについた星印が彼女と同じ主任研究員であることを示している。
「…私のことは水原でよいと何度言わせる?本郷。」
元々鋭い眼つきはメガネによってさらに迫力を増していた。
「すまない。ところで、アレはどうなってる?」
「ふむ、霊素の固着に若干の改良の余地がありそうだ。もうしばらく待ってもらおう。」
「海軍のアレはしっかりしてるようじゃないか?」
「アレとは状況が異なる。元々、「存在」している物を受肉させるのと「存在しない物」を纏わせるというのは
やり方が根本から違うのだ。理解できぬおぬしではあるまい?」
「しかし…」
「ええい、朝からしつこい。コーヒーぐらいゆっくり飲ませろ。後で「試作」をお前の部屋に持っていってやる。」
「あるのか?さっすがすず…水原!ありがとう!」
本郷が興奮して手をつかもうとするのをさっと避ける水原。コーヒー飲むのを邪魔するなと言わんばかりの表情で。
「まあ、理論自体はお前の物だからな。それらしい物なら私でなんとかなるさ。ではな。」
言うと立ち上がり、つかつかと立ち去っていく。
水原涼菜。特務第8研究室主任。専門は「霊体及び非現実物質の3次元固着(実体化)」である。
船魂を実体化させ、可視状態にするシステムは彼女が作成した物である。加えて言えば、物質である
人造少女に感情や思考を与えたり、霊警の防呪服なども彼女の成果であった。
>>141 2時間後。特務第5研究室主任室のドアがノックされ、返事を待たずにドアが開けられた。
「入るぞ。」
「うわああ!!!」
ひっくり返る部屋の主、本郷猛。雑誌や本が宙を舞う。
「うん?取り込み中だったか?鍵もかけずにスるのは無用心以前の問題だぞ?」
「馬鹿言うな!いきなり開けるなといつも言ってるだろうが!せっかくのフィギュアが壊れそうになったじゃないか!」
主任には各一部屋づつ、執務室が支給される。が、彼の部屋はほかの誰よりも特異であった。
棚を埋め尽くす本はすべて変身ヒーロー物。ビデオライブラリーはO映もかくやというラインナップ。ガラスのショーケースには
仮面ラOダーからセーO−ムーンまで所狭しと並ぶ。床にも特撮系雑誌が散らかり、そして、黙っていればスポーツマンタイプの
彼の手にはエスOレイO−の自作フィギュアが握られていた…
「相変わらずの趣味だな。」
「余計なお世話だ。このコレクションの意義を理解して貰えないとは悲しいな。」
「ふむ、君の趣味に付き合う気はないな。常より言っている通り、私は自分の研究の行く末には興味はないのだからな。ほれ。」
言って、手のひら大の大きさの棒を放る。
「それが、試作だ。でぃてぃーるに凝る暇がなかったのでな、適当だ。」
「色気も素っ気もないな…せめて初代のβカプセル(ウルトラマンの事)くらいにはならなかったのか?」
「贅沢を言ってもらっては困る。そういうのは私の専門ではない。」
「まあ、いい。それはこっちでもやれるからな。で、性能としては?」
「3分、定着できる。サイズがちょっと厳しいので、女子向けだ。肉体能力の向上はそこそこだろうな。」
「それだけあれば十分。元々強化はこっちが専門だ。で、改良点とは?」
「ふむ、まあ、君なら問題ないと言いそうな事だ。私は少々納得いかないのだがね。」言うと、本郷に「その事」を告げる。
「いいじゃないか!実にいい!それでこそだよ!早速試験をせねば!ああ、誰に頼めるかなあ?」
「…やっぱり、萌へか。」
狂喜に悶える本郷を後に、水原は部屋を立ち去った。ボソッと一言を残し。
「…その試験、私もちょっと見たひ…」
本郷猛。第5研究所主任。専攻は「肉体強化。潜在能力の発掘」変身ヒーロー萌えの変態である。
尊敬する人は、死神博士…だそうだ。
>140
「しくしく……東西スポに、特ダネすっぱ抜かれちゃった…」
買ったばかりの他紙の紙面を見ながら、撫子はデスクで欝になっている。
「次、頑張りましょうよ」
二人がウォーターパークに突入すること十数回。追って(皇女達を)追われて(ひなぎくに)
剥かれて(撫子が)剥いて(?)手に入れた映像は、主に雄一の撫子コレクションだけだった。
雄一が小まめにテープを取り替えていたおかげで、パークの紹介映像と、皇女達の映像(少し遠目)は
無事だった。なんとか放映の体裁は整うだろう。
「…しくしく」
「えっと、IGPKさんにマスター(放送用テープ)送ってきます」
今はそっとしておこうと、雄一は席を外した。それほど心配してはいない。撫子の立ち直りは早い。
落ち込んでも、いつも次の日には復活しているはずだ。多分。
>143
「えっと、IGPKさんにマスター送ってきます」
そう言い残し、連れの男が立ち去っていく。そして残されたのは落ち込んでいる
らしいお姉さん。これを好機と呼ばずに何と呼ぶというのか。
ややうつむき加減のお姉さん。しかもローレグ。
「素晴らしい…」
菊水とのやり取りをしている時点で既に数十枚の写真は撮り終えているのだが、
やはり真近でのものには及ばない。
それで満足しては男がすたるというものだ!何てったってローレグ!だし。
「おねーえさん!」
「…え?」
背後からの呼び声に、僅かに上半身をひねり振り向く撫子。その僅かな動きにより、
パーカーがほんの数センチ浮いた。…逃すか!
パシャパシャパシャパシャ!
「な、何?」
突然浴びせられたフラッシュに戸惑う撫子をよそに、一瞬にして数枚の写真を撮り
終える隆史。
「うーん、パーカーの僅かな隙間から覗くローレグ水着!最高だ!」
「なっ………!!!」
ようやく今自分が置かれている状況を把握したようだ。
写真を撮り終え満足げな隆史。撫子との距離は一メートル少々。普通ならここで
素早く撤退するのが賢い選択(既に遅いくらい)なのだが、それをさせないのが
ローレグの魔力なのだろうか。。
>145
「なっ………!!!」
カメラ小僧に激写されてしまった撫子。カメラを構えているのは中学生くらいの少年だった。
「………」
落ち込んでいた撫子は、ちょっとムカついた。だが相手は子供だし、趣味と仕事という違いこそあるものの、
マスコミの一員として同様の事をしている自分が文句を言うのは、筋が通らない。
ただ、先輩として一言注意しておく必要はあるだろう。
「坊や、そうゆう写真を撮る時は、相手に断りを入れなきゃマナー違反よ? いきなりフラッシュ
焚くのもダメ。ここは店の中だし、それに小さな子とか、驚いて泣いちゃうわよ?」
撫子の背後で店のマスター(かなりの強面)も睨んでいる(ように見える)
「──あっ・・・スミマセン」
これにはさすがの少年も素直に謝った。カメラからフィルムを取り出すと、それを引き出す事までする。
「えっと、それじゃあ撮っていいですか?」
少年はカメラに新たなフィルムを詰め、改めて訊いてくる。大した性格である。
「……いい度胸ね。気に入ったわ。でもここじゃ迷惑になるから、外に出ましょう」
席を立つ撫子。清算して、二人は店を出る。ここはウォーターパークのすぐ隣のバーだった。
「ヤッター! あっ俺、隆史っていいます」
「そう、私はこういう者よ」
パーカーから名刺を取り出して渡す。
「……ふふっ」
青田刈りでもしているようで、ちょっと笑ってしまう。この少年は自分達の業界に向いているように
感じたが、いくらなんでも気が早すぎるだろうか? 将来何に成るかなど、人の勝手ではある。
「……あら?」
違和感があった……妙に陽が高い。店に居た時間を考えると、もう夕刻のはずだと、撫子は腕時計を確認する。
「……時刻は、もうすぐ6時よね」
「あれ、この時計、狂ってるみたいですね。今、まだ3時っすよ」
隆史が撫子の時計(と胸元を)見ながら、自分の時計を見せる。
「???……まあ、いいわ」
数分後には時差の記憶さえ消えてしまう、謎の現象であった(笑)
「あきのおっさかぁぁなぁ!」
がぶ。ざく。ぐしゅ。ごりごり。
そりゃあもぅ。プールからちょっと離れたところで、R18指定のぐろしーんが繰り広げられている。
がりがり。もくもく。
「けぷ。おなかいっぱいなのぉ〜。」
血だまりのなかには骨一つ残っていない。愛らしいアザラシはこれまた愛らしい猫耳の少女に
平らげられてしまったのだ。もしこの光景をょぅι゛ょが眺めていたとしたら一生のトラウマとなるに
違いないだろう。
(満足かぇ?若いの。)
どこからともなく響く声。耳から聞こえてくるのではない。直接頭に響いてくる。猫耳兵士の直感が
危険を告げる。身の毛が逆立つ。四つん這いになり、臨戦態勢をとる。
(おいおい。そういきりたつな。)
血だまりのなかから骨が現れ、それが肉を纏いやがてアザラシの姿に戻る。これまたιょぅねんが
眺めていたらトラウマになるであろう光景である。
「き、き、きもいの〜〜〜〜〜〜!!!!」
(きもいか。そうか。若いの、お前は妖しの者としてまだまだだな。まあ、私も霊力の高い血に誘われ、
ついうつせみを現して、喰われてしまったのだからまだまだではあるがな。どうだ?私の肉は美味かった
か?)
「…はっきりいっていいの〜?」
(ああ、いってみろ。)
「…びみょ〜…。」
(そうか…ちょっとがっかりだ…。まあいい。お前も霊獣の肉を喰らったのだ。やがて災いが降りかかる
だろう。)
「…まじなの?」
(まじ。どんな災いかは分からんがな。明日にも死ぬかも知れんし。もしかしたら天井から金だらいが
落ちてくるだけで済むかも分からん。まあ、自分の軽率さを呪うんだな。はははははは…。)
その言葉を残し、アザラシは虚空へと消えていった。
「…なんだか、とっても、や・ば・い・のぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
ぱっぱらぱらぱぱぁん♪
二神合体により『みつば』は『ネコミミ兵士』『ネコミミ国津』にクラスチェンジ
みつばは素早さが上がった
みつばは筋力が上がった
みつばは色気が上がった
みつばは賢さが下がった
みつばはモラルが下がった
みつばは神格が上がった
特殊効果『ねこドリフ(自動発動)』を取得した
スタンド『たまちゃん』の波動を会得した
みつばはのろわれた
>>140 全員「・・・・・・・・・・・・。」
ともえ「・・・・じゃ、じゃあ、特訓再開ね。」
もなこ「・・・・は、はいなのです。」
ちゆ「・・・・・お、泳ぎましょう。」
萌姫「・・・・・。(こくり)」
加也「・・・・・あ。いせさ〜ん、大丈夫?」
いせ「もなこさま〜。あざらしはたべものじゃございませんわ〜。」
真紀子「あっちの世界に逝ってしまいましたね・・・。」
安部「(遠隔視して)・・・・・・いいのか? あれ。」
菩提「・・・・俺に聞くな。」
みつば「あたっ! な、なんなの?」
菩提「早速発動してるよ、ねこドリフ。」
ふう、なんか久しぶりの出番だねえ。
ま、我々がヒマと言うのは帝都が平和ってことだからいいことなんだろうね。
「(心にもないことを…)どうぞ。」
おっ、すまないね。えーと、実験の為に菊水を一人貸して欲しい…と。教授のサインじゃないけど?
「研究所からの要請ですね。教授は今、帝都を離れているそうです。」
あ、そうなの。熱田あたりかな?伊勢に用事はないし、武山かもね。今度なにかやるって言ってたし。
えーと、判子…と。何やるの?これ?具体的なことが書いてないのだけど。これじゃまずいでしょう?
「5研で単独戦闘向け霊的装備の新型を実験したいので、女性隊員を一名…生贄でしょうか?」
5ってことは…うーん…人体改造やるところだよ?そんなところにあんまりいいのは出せないし…
そもそも女性隊員って、あんまりいないと思ったけど…うーん…
「リストです。」
ありがと…ふーん……霊的装備…ってことは霊警の方がいいのかな?じゃ、彼女かな…
一応、通達よろしく。拒否してもいいよって、言っておいて。貴重な霊能力者なんだし、無駄に死なせるのは
やっぱり気が進まないからね。
「了解いたしました。」
装備…ねえ…なんで女性じゃないといけないんだろ?どーも5研はよく分からん。主任が変わってからかなあ?…
1研所員「ローレグ素晴らしい。猫耳兵士に最適だ! パンツを加工する必要も無く、開けた穴に尻尾を
通す手間も省ける。実に合理的だ。運動性が平均5%UPするのもいい感じだ! 早速猫耳
下着の総ローライズを提案しよう! そしてゆくゆくは……(もなこ様もローパン)……ハァハァ」
狩谷「……あのー」
1研所員「(びくっ)……菊水に背後に立たれる覚えは無いぞ、何だ?」
狩谷「これは失礼しました。実は、カクガクシカジカで──」
1研所員「それは埒外だよキミ。5研に行きたまえ」
5研主任「そう、これはお約束なのだ。くふふ」
狩谷「あのー」
5研主任「ん、何だねキミは?」
狩谷「はい実は、カクガクシカジカで──」
5研主任「悪いが、今は取り込んでいてね。うん…それは6研で診て貰うのが良いだろう」
6研所員「ええ、確かに元々うちは能力制御の研究してたんですけどね、今はちょっと……
うちの主任なら判るんでしょうけど、主任は先程『台風の目でサドンデスです〜。ぷー』とか
呟きながら、何処かへフラフラと外出されて…。多分、二、三日帰ってきませんよ」
狩谷「そうなんですか…」
6研所員「そうなんです。ん? そういえば10研にそれっぽいブツが置いてあったような…」
「それにしても…研究室、増えたなあ…」
10研所員「はいはい、ありますよ(ガサゴソ)──♪ちゃらららったらー!(謎の効果音)『ぎょきりん〜』
狩谷「………」
10研所員「……コホン。これが地獄先生印の『御鬼輪(偽)』です」
狩谷「おお! それ、譲って頂けませんか?」
10研所員「いいですよ。ええと、これの相場は、金の延べ棒一本か、美少女の手作りランチか、
美少年のソックス一組と交換です」
狩谷「……物々交換なんですか?」
10研所員「はい、そういう決まりです」
8研主任「生憎、教授の”作品”に手を出す度胸も、暇も無いな。という事にしておこう」
狩谷「……はあ」
8研主任「ところで、その空いている右手に『精霊手』というものを宿らせる気は無いかな?」
狩谷「遠慮します」
8研主任「そうか、君なら融合出来ると思うのだが(丁度100人目だし)……検体は嫌か?」
狩谷「はい実は、ガクガクブルブルで……」
12研主任「ええ、それはこの『キチガイナスビ』を適量飲めば、コロリ(?)と治りますよー」
狩谷「……あの、ひょっとして教授の御親戚ですか?」
12研主任「あははー、違いますよ」
コンコン(ノック)
研究者A「しゅに〜ん、報告が……」
蔡川詩季「なによ!!!!!!」
A(こ、こわ……)
蔡川「こっちは何やら仕事が増えて気が立ってんの!用があるならさっさとお言い」
A(お、お言いって……)
「M0-eの『ひなぎく』への仮派遣が実現しそうですね。
とはいっても、M0-e自体は菊水の管轄下ですから、独立して動く事になりそうですが、未定です」
蔡川「あの子はもう放っておいても大丈夫。システム的には安定してるから。
……いまはそれどこじゃないの。あの子が手かかんなくなって暇になった途端に
他研との共同研究予定が山積みよ」
A「最近みんな活き活きしてますしね……そういえば副主任は?」
蔡川「また隣(5研)の本郷君と飲み歩いてるんじゃないの? 」
A「5研は新しいプロジェクトが実験段階に入ったって聞きましたねえ……」
蔡川「まったく、男のロマンだかなんだか知らないけど、本職片付けてから遊びなさいっていうのよ!」
A「この前は『改造人間と戦闘アンドロイドはどちらが燃えか』について激論を交わしながら
ふたりでバイク作ってました」
蔡川「バイク!?」
A「ええ。なんでも『どちらにしろヒーローに必要なのはメカだ』とか」
蔡川「………………巨大ロボ作り出す前にさっさと止めてきなさい。」
結局宇月が目を覚ましたのは3時も過ぎようかというころであった。
タマちゃんの騒ぎの中もずーっと眠り続けていたのだからいい根性である。ってか、仕事しろ。
「ふわああ…よけーなおせわ…と。」
見渡す。まだみんな遊んでいる。もなこと加也がイルカショーの少女と泳ぎの練習をしているのが
目に入った。バタ足もままならなかったのが、いつの間にか前に進めるようになっていた。
手を取り合って喜んでいる姿が実にほほえましい。
「いいなあ。あんなかわいい子に教えてもらえるなんてなあ…あたしも教えて欲しい…でもこの年で…ねえ…」
見回すと、クラス委員の女の子が傍らに立っていた。この子、いつからここにいたんだろうとか考えつつ
「タキちゃん、みんなを集合させて。そろそろ時間だから。」
「はい、先生。」
女の子は立ち去っていく。
帰りのバスの前、もなこはともえと固く握手して再会を誓っていた。
「またねっ。」
「またあそんでください、なのです。」
帰りの運転は一日ダウンしていた速水が担当した。行きの運転手は…念のために後部座席に縛り付けておいた。
さすがにみんな疲れていたのか、あっという間に寝てしまう。宇月は子供たちの顔を見回すとふふ、と笑った。
「かーわいい。」
もなこと加也は隣同士の席で、肩を寄せ合うようにして眠っていた。何か夢を見ているのだろうか、ぶつぶつと寝言を言っている。
「……あぶない…にげて……だめ…」
「…ねこさん………あざらしさん…たべちゃ…いけないのです…」
「?」
宇月はさっぱり訳が分からなかった。が、まああまり気にしないことにした。まさか現実にあったこととは思わず・・・
バスは何事もなく、平和に峠を越えていった。
そこは旧菊水本部の一区画。
通路一面を塞ぐ古めかしい鉄扉は、何故か溶接によって殺され、代わりに妙に可愛らしい、
小さなドアが取り付けられている。ドアのプレートには『愛のなぜなに教室』
『教授』の実験室前で、菊水隊員(ランク名無し)狩谷は立ち尽くしていた。
また此処に来てしまった。出来れば二度と来たくない場所であった。
ここよりはマシかと、猫耳兵士開発の総轄である第1研に行ってみたのだが、そこから盥回しで
ラボ巡りをする羽目になるとは思わなかった。各所員の誰も『教授』の”作品”を弄る気は無く、
かえって他の部分を改造されそうになったりしたが、なんとか五体満足でここまで辿り着いた。
……統計では、この扉を潜った菊水隊員の三人に一人は無事に戻って来ない。
この前も、霊的警護セクションに本配属となった新井隊員が早速酷い目に遭ったらしい。
しかし彼には、どうしても早急に確認しなければいけないことがあった。意を決して、ドアをノックする。
鮮やかな赤いドアは、血の色に見えた。
>157続き。
「あははーっ。お久しぶりですねーっ」
教授はいつものように、微笑んでいた。
「お忙しいところ、済みません」
「あははーっ。最近は分室がポコポコ出来て楽なんですよー。ご用はなんですかーっ?」
「ええ、まあ…以前付けてもらった手がちょっと」
彼は左の袖をまくり、腕を教授に見せた。彼本来の腕と、移植された『左手』の接合部分には、
至近距離でなければ判らない、毛細血管が透けているかのような赤い”継ぎ目”がある。
「……この継ぎ目、移動しているんですよ」
最初はちょうど手首の間接部分が継ぎ目だった。それが今は、肘の近くまで移動している。
「あははーっ。その手を酷使しましたね? それは食べられているのですーっ」
「やっぱり、そんなとこですか。……これ、なんとかなりませんか?」
「六九式としては、どちらでもいいんですけどねーっ(謎爆)なるべく力を使わないか、使っても
すぐに栄養を補充すれば無問題ですーっ」
「猫耳兵士のように、ですか?」
「やり方は、その手が教えてくれますーっ」
「あの、気になってるんですけれど、この手って一体…」
教授は急に沈黙すると、その問いに直ぐには答えずに、後ろ手を組んで窓に近付き、
ジャラッとブラインドを掻き分けた。
夕焼けに赤く照らされた少女の口元が、ニヤリと歪む。
「世の中には、知らないほうが良い事もあるのですよ?」
訓練の実施について
海軍は、次により訓練を実施します。
1 期 間
平成XX年○月△日(m)〜■月→日(d)
2 場 所
太平洋(小笠原沖)
3 訓練統制官
第2護衛艦隊司令 少将 草野 均(くさの ひとし)
4 参加艦艇
軍艦:3隻
支援艦:1隻
5 訓練内容
設定された訓練海面において、訓練を実施する。
期間中は該当海面に於ける船舶の航行を禁止します。付近を航行する船舶も充分注意してください。
・連合艦隊司令部
参謀A「訓練実施の広報を出しました。周辺海域は海上保安庁が監視します。いよいよ海賊拿捕作戦の
開始ですな!」
参謀B「ご苦労。我が海軍を愚弄し、海上流通を寸断した海賊どもに正義の鉄槌を!」
参謀C「でも…本当に大丈夫なんでしょうかね。あの編成で。」
参謀B「あの編成は作戦立案以前に既に決定されていたからな。我々の預かり知らぬところで何かが動いて
いるんだろう。本来なら艦船、航空機総力を結集して、鎧袖一触で片付けてしまいたかったのだが。」
参謀A「とっぴんぱらりのぷう、ですな。」
・田戸台
元帥「これでよし!ひりゅうの初陣のお膳立ては全てできた!あとはよろしく頼むぞ!草野少将!!」
草野「おまかせください、元帥。我がひりゅうの力を持って、見事海賊めをしょっぴいてみせましょう。」
元帥「うむ、うむ、これで実績を示せば、我が建艦派もさらに磐石となるというものだよ!!」
草野「1件だけ、この計画にイレギュラーが迷い込んだのですが。」
元帥「知っておるぞ…菊水の研究所が海上に進出したひりゅうの飛行甲板において実験を行いたい、と申し出て
きたことじゃろう?」
草野「は…。御存知で。」
元帥「ひりゅうに関する事なら全て把握しておる!菊水からは我らも多大な技術提供を受けているゆえ、断る
ことはできん!だが、問題はその研究所が!!人外派と懇意にしている研究所だということだ!!」
草野「…妨害しますか?」
元帥「いや、やめておけ。ここで菊水と揉めてしまっては今までの苦労がすべて水泡に帰してしまうのだよ?
実験が1件成功しようが失敗しようが、海軍内において我が建艦派の優位が動くことはないのだよ!!」
・大湊要港部
少将「研究のスペースを提供したことで、菊水にもメンツが立つし、元帥への嫌がらせにもなるし、一石二鳥
だね。えるたんの妹たちもどんどん完成報告あがってくるし、俺は今、最高に幸せだなあ。」
える「みんなにも、幸せおすそわけぇ〜、ですぅ!」
ちゆ「じゃあね、萌姫ちゃん。」
萌姫「・・・・・・ばいばい・・。」
ちゆ「・・・なにかあったらいつでもおねーさんに言ってね。」
萌姫「・・・ありがとう・・・。・・・りくごう。」
どこからともなく白い犬が現れた。
萌姫はそれに腰掛けた。
萌姫「りくごう、ゆけ。」
白い犬はゆっくりと歩き始める。
萌姫は名残惜しそうに何度か振り向いた。
萌姫が見えなくなったころ、突然声がした。
菩提「“いつでもおねーさんに言ってね。”か。頼もしいセリフだねえ。」
安部「そういうセリフを言えるようになっていたとはな。次の任務、一人でやるか?」
ちゆ「・・・・そ、そんな、勘弁してください〜。」
安部「本気にするな。そんな真似、危なくてさせられるか。」
菩提「それより、撤収作業が残ってる。」
ちゆ「は、はい。」
(でも、ほんとに何かあったとき、私は萌姫ちゃんを助けられるだろうか。)
(手っ取り早く強くなることって、できないかな・・・・。)
・食堂
みつば「ぶんたいちょう〜ただいまかえったの〜。」
分隊長「おお、さんこ、おかえり。しっかり休んできたか?」
みつば「うん。ぷーるいったり、いろいろたのしかったの〜。」
分隊長「そうかそうか…ん?帰ってきたか。艦を放っておいて、どういうつもりじゃ?」
い せ「あら?別に放っておいたわけではありませんわ?」
分隊長「…おまえさん、本当にこの艦の魂だという自覚があるのかね。まったく…。」
い せ「自覚があるから、きちんと出港前に戻ってきたんじゃありませんの。」
ふたば「おかえりなさい、みつば。あ、教官、お久しぶりです。」
みつば「ただいまなの〜。あ、ふたば、そのぬいぐるみはなんなの?」
ふたば「これですか?田中さんがゲームセンターで取ってくれたんです。3000円ぐらいかけて。」
よつば「わたしはこれなの〜。わんぴ〜すかってもらったの〜!にあう?にあう?」
むつば「…帽子だ。ねだってみるものだな。」
みつば「こいつら、おになの…。わかばと、いつははどこいったのん?」
むつば「ああ、わかばは従兵に配置換えになった。従兵の風邪が治るまでの間だがな。いつはは…居住区で
床にぺたんと体育座りで座り込んで、下を向いてうつむきながら指で「の」の字を書き続けている。何か
あったんだろう。かわいそうにな。」
・居住区
いつは「ぶつぶつぶつ…。」
「の」「の」「の」「の」「の」「の」「の」…
・艦長室
わかば「艦長、コーヒーが入りました。」
あいこ「うむ、ありがとう。そこに置いてくれ。」
わかば「あら、なんですか、その手紙。」
あいこ「内示だ。この作戦が終わったら武山に転勤だと。さらにその先は「そうりゅう」の艦長、だそうだ。」
わかば「すごいですねぇ…空母の艦長さんじゃないですか。」
あいこ「ああ、そうだな…ふふ。」
わかば(あ、また含み笑い。あいこ大佐ってちょっと悪役っぽいんですよね〜。)
空母ひりゅう・艦長室
ひりゅう「ねえだり〜ん?いよいよあたしのはじめてのたたかいだね。やさしくしてね?」
ふじくら「ああ、約束するよはに〜。絶対に痛い思いはさせないよ。」
ひりゅう「…ね、ちゅ〜して。」
ふじくら「うん…」
ちゅ〜。
ふじくら(…いいのかな〜。青少年何とか条例に引っかかってるよな〜。でも相手は人間じゃないし。
っていうか年齢の概念があるんだろうか?はたから見たらトンデモねえペド野郎の犯罪者だよな〜。でも…)
ちゅ〜。
ふじくら(…わるくないか。)
空母ひりゅう・司令部
星野「良くないと思います。」
蛯原「え?突然どうしたんですか?」
星野「ひとりごとです…。」
軍艦たかなみ・艦橋
先輩「更級!海図の用意はできたか!」
更級「はい!海図台の横に必要な分は全て出しておきました!」
先輩「ならよし!お前深夜ワッチだろう!寝ていいぞ。っていうか、もう寝ろ!」
更級「はい!おやすみなさい!」
みなさんこん○○わ。更級由希子です。私はいま、軍艦たかなみで航海員として勤務しています。
先輩は厳しいですがみんないい人です。仕事はとっても忙しいです。覚えることもたくさんあります。
右も左もわからないうちに、なんだか実動になってしまいました。お父さん、お母さん、お姉さん、
妹たち、由希子は行ってまいります。かなら〜ずここへ〜かえ〜ってくると〜♪てをふる〜ひとぉ〜に♪
えがおでこたぁ〜え〜♪…ちょっぴり、不安です。
帝国新聞
第二時治安回復作戦終結
大本営ハ作戦該当地域からの匪賊の覆滅と治安回復を
達成、十月一杯を以って作戦の打切りを発表した。
当作戦は東北地方に跋扈し東北西部を事実上支配して
いる匪賊の勢力伸張に歯止めをかけるべく、青森県付近
に集結、攻勢の構えをみせていた賊軍を撃滅、主導権の
回復を目的として今年春より東北方面隊を主力に行われ
ていた。この作戦に対し大本営は、戦果は賊軍死傷者
22,000名 帰順者37,562名、損害は国軍死
傷者4,652名民間人約58,000名、賊軍の作戦
は能力を大きく減衰、また威信を低下させ、これにより
匪賊に対抗する各地の義勇組織が活発化していると発表。
また作戦の打切りの理由として休養と再編としている。さ
らに当作戦で「補給闘争」と称する匪賊軍の略奪行為が
減少し食料不足に陥っておりまもなく訪れる山地の降雪
期を乗り越えることは難しいだろうと指摘した。雪解け
後の攻勢で匪賊を壊滅させることができ、匪賊軍は速や
かに降伏すべしとの談話を発表したが一方では匪賊組織
は統制を維持しており反撃能力を失っていない事を述べ
国民の協力と勝って兜の緒を占めよの精神を忘れぬよう
付け加えた。
まだまだ余談を許さぬ東北の治安状況
そもそも東北を根拠地とする最大の匪賊は昨年の新潟
での戦役に生じたC NK国軍、及び蜂起した我が国の
共匪の敗残兵が山地に潜伏、ゲリラ戦闘を継続したのを
端緒とする。戦力は侮りがたく、帰順者や各種情報によ
るとC、NKの遺棄装備を再生、少数ながら戦車、装甲車
(C製59式戦車、62式軽戦車等、BMP)野戦砲、を所
有。また120ミリ迫撃砲、82ミリ迫撃砲 無反動砲、
機関銃 AK47突撃銃を多数、一部はコピー密造を開始
しているといわれている。
人員は当初は3万前後であったが今は東北の混乱に乗じ
十万程度まで拡大した。近代的火器を所有しているのは
半分(帰順者証言)といわれている。
彼等の破壊活動、補給闘争と称する略奪、はこのところ
増大の一途をたどっていたがこの度の攻勢で歯止めがかか
った。とはいえまだまだ戦力を残しているうえ、背後でC
NK国が支援している可能性が示唆されており「春まで放
置すれば戦力を巻きかえす可能性は捨て切れない」と危惧
する声も大きいが「損害が多いうえに人員不足。再編せざ
るを得ないだろう」(軍事評論家)という現状だ。
「もともと対ゲリラ戦は敵の数倍の兵力を投入し根気良く
続けざるをえないもの。SK国建国期のゲリラ討伐やマラヤ
共産党討伐の戦訓からも明らか。火力が高いが普通科部隊
の編成に厚みのない国軍の編成が仇になっている。マラヤ
共産党討伐時の戦略村構想に習い住民の武装、警察組織の
改変で対応する手があるが現行法との兼ね合いと体制整備
に時間がかかり問題もあり予断は許さない」(上記軍事評
論家)
ニダニダ。チョパーリどもが太平洋でのんきに演習ニダか?
ちゃーんすニダ。イルボンのゲリラにお届物♪〜AK積んで♪〜
PK軽機関銃つんで♪〜 RPGに弾♪〜 ウリナラ産の良質モルヒネ♪〜
(小火器や弾薬はNKからゲリラは得ていた。NK国名物の芥子畑で精製
されたモルヒネは医療用だけでなく麻薬としてNKに代わって委託販売
し東北産の良質米と農地が荒廃しているNK国でも育つ蕎麦等食料と共
に東北ゲリラは代金に当てていた)
今回はチョパーリの船にはつかまるわけにはいかないニダ。
阿倍「ところで、それは何だ?」
菩提「これは、さっき売店で買ってきた水着だ。」
阿倍「そっちにあるのは?」
菩提「新井と萌姫様に貸していた、ウォーターランドのレンタル水着だ。」
阿倍「それで?」
菩提「買ってきた水着をレンタル水着として返却する。」
阿倍「つまり・・・。」
菩提「そう! 使用済みの水着を我が物とする作戦なのさ!」
阿倍「おまえ、そのうち粛清リストに載るぞ。」
蔡川「ヤタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ダブルエムの安定能力測定実験の実験場が確保できたわよー」
A「( ´_ゝ`)フーン」
蔡川「と、いうことなので、あなたが横須賀にあの子と『マリオネット』
>>52を持っていきなさい」
A「ガ━━(゚Д゚;)━━ン!」
蔡川「『マリオネット』には、バランス衝撃速度耐久その他あらゆるセンサが組み込まれてるから、
あなたはぼーっと見てるだけでも勝手に記録が保存されて実験終了。楽でしょ?」
A「っていうか、本当に大丈夫なんでしょうか……海軍でも「あのへん」の評判はアレですよ……?
下総の研究所に同期の友人がいるんですけど、噂がそりゃあも」
蔡川「おだまりなさい。……ま、仮にもあの子は菊水最強の兵器なんだから、最悪でもあなたが死ぬだけですむでしょ」
A「だけでって……」
蔡川「実験と自分の命、どちらが大切なの!」
A(く、狂ってるよ)
蔡川「私と滝君(副主任)も、行きたいのは山々なんだけど……
全研共同プロジェクトで手が離せないから。お願いね」
A「……お願いね、か。遺書でも書いとくか……」
滝「(ふらふら)お、おう、したっぱ」
A「あ、副主任(したっぱ呼ばわりかよ)。おかえりなさい」
滝「(ビシッと親指を立てる)つ、ついに完成したぜ。おれたちのサイク□ン号が…!」
A(さいくろ……? あ、本郷博士(5研主任)と造ってたバイクの事か)
滝「(拳を握り締め)ス×キT125に2リッターエンジン載せてトリプルターボまでつけた、
もはや原型を止めない、まさに兵器ッ!」
A(この職場、辞めようかな……)
>>169 『マリオネット』は『マスカレイド』の誤りです。見逃してください……
草木も眠る丑三つ時。粛々と、しかし確実に艦たちは出港の準備を続ける。誰にも気づかれることの
無い秘密の行動、実戦、海賊討伐。試運転を行うガスタービンの音が唸る。獲物を狙う獣の息吹にも
聞こえるその音が、夜の闇に吸い込まれていく。
「試運転終わり。」
「錨の巻き上げ終わりました!」
「司令、いつでも出れます。」
「うむ、出港用意の時機は艦長、お前に任せる。」
「了解。機関室へ、主機起動!出港用意!」
「前進微速!」
鋼鉄の乙女たちがその縛りを解かれ、戦いの海へと往く。
照明の落とされた夜のウォーターパークに、複数の人影がある。
プールサイドで十人ほどが物騒なシルエットの武器を構え、二つの影を囲んでいる。正確には、
銃口を向けられているのはその片方だけだが。彼はここのオーナーだった。
「あなたが陰ながら西朝を支援している事は知っています。いろいろと教えて頂けませんか?」
向かい合うもう片方、スーツの男の問いかけに、彼は答えない。まさかバイト料として、ともえ殿下本人に
直接手渡ししているなどと、嘘としか思われないような事は言えない。という理由もある。
「私達は、西朝と手を組みたいと思っているのですよ?」
それこそ嘘だろうと、オーナーは心の中で罵声を浴びせる。百歩譲って事実だとしても、傀儡として
都合の良いように利用されるだけに決まっている。……ここで嘘でもいいから首を縦に振れば、
自分は生き延びられるかも知れない。だが彼のプライドがそれを許さない。
「……公安に教える事など無い」
「おや、正体がバレてしまいましたか。仕方ありませんね」
オーナーは笑っていた。こんな場所に引き出された時点で、自分の運命は半分決まったようなものだ。
「折角ですから、最後の御奉公をさせてあげましょう。ここ、保険に入ってますよね」
「何をする気だ…!」
内心、スーツの男は焦っていた。名無し官僚@背広&丸眼鏡に一部隊を任されたものの、何処かのTV局が
乱入し、ひなぎくと大騒ぎをした為に、行動を起こす機会を失ってしまった。部隊を動かした時点で既に
囮としての役目は果たしていたが、彼は何かしらの手柄が欲しかった。自身は気付いていないが、心の何処かに
何もかも見通しているかのような名無し官僚@背広&丸眼鏡に対する対抗心があった。
「こいつ等の破壊力を知りたいんですよ。あなたとここの保険の受け取りは、ともえ姫にしてあげましょう」
「やめろ!! 頼む止めてくれ! ここは私の命なんだ!」
>172
…ちりん……ちりん…ちりん。
鈴の音が聞こえた。恐ろしく微かな音なのに、まるで耳の傍で鳴っているかのようにはっきりと。
「何だ、この音は?」
プールの中から紫色の帯のようなものが何本も飛び出し、二人を囲む影達の身体に巻きついた。
影達の何人かは反射的に帯へ発砲したり、力任せに引き千切ろうとしたが、帯は柔らかく力を受け流し、
決して傷付かない。そのまま影達を水中に引きずり込む。ほんの数秒の出来事だった。月明かりの中でも
判るほど、プールの水は赤く染まっていた。
「貴様、何をした!」
「わ、私は知らない!」
…ちりん。
音に反応し、スーツの男はオーナーに突きつけていた銃を、素早くプールの一角に向ける。
銃口の先の水面に、少女が立っていた。影達の血を吸い上げたかのような赤い衣を纏った、黒髪の童女。
…ちりん。
音は少女の髪に付けられた、金色の鈴から発せられていた。
「まさか……萌夜叉姫?」
少女はスーツの男に焦点の合わない視線を向け、呟く。
「わらわに、心血をささげよ」
パン! パン! パン!
恐怖が男に引き金を引かせた。だが弾丸は、水中から飛び出した数十本の帯が編み上げた
巨大な蛇に受け止められ、落ちてゆく。そして蛇は、唖然としているスーツの男を呑み込んだ。
紫色の胴が、細く絞られる。
蛇は次に、スーツの男と同じ表情で震えているオーナーに鎌首を擡げた。
「とうじゃ、よい」
紫の帯が成していた大蛇は解け、水中に消える。同時に萌姫の足元が浮き上がる。オーナーは気付いた。
萌姫は水面に立っていたのではなく、血と同じ色をした、赤いエイのような生物の上に乗っていた。
「てんくう、ゆけ」
萌姫の飛び去った夜空を見上げながら、オーナーは訳も判らないまま、明日は臨時休業してプールの清掃が
必要だなと、呆然と考えていた。
翌朝、ウォーターパークから少し離れた海岸で、十数人の身元不明の男達が倒れているのが発見された。
男達は大量の血を失い、あるいは全身の骨を砕かれ、身動き一つできずゴミのように転がっていたが、
全員辛うじて生きていた。いわゆる半殺しだったが、それでも運が良いというべきだろうか。
この奇怪な事件が単なる船の難破事件として報道された事は、付け加えておく。
午前7時。
部屋中の10個に及ぶ目覚まし時計の一斉掃射とともに宇月亜美の一日は始まる。
と、言っても本人はベッドからは出ない。目を覚まして朝ごはんの支度を始めるのは楓の役目である。
「…むー…かえでー…おねがーい…」
「はーい、ちょっとまっててね。」
完全に寝ぼけている彼女とは対照的に、楓の寝起きは実にいい。夜行性のクセに寝起きまでいいのだった。
和服に割烹着を着込み、台所に立つ。
10分後、楓が声をかけると、宇月は3度寝に入ろうとする頃であった。
もぞもぞと、ベッドから這い出てくる宇月はパジャマの上だけというあられもない格好。髪もぼさぼさで普段の才媛の欠片もない。
「うー…ひりひりする…」
ぶつぶつ言いながらテーブルに着く。宇月の前にはトーストにミルク、目玉焼き。楓の前にはご飯に味噌汁とめざし。
あまりにも対照的過ぎる食卓。10分でこれだけ用意してのける楓も驚嘆モノであろう。
「いただきまーす」
楓が宇月と同居するようになってからと言うもの、楓は宇月の生活管理者となっていた。
食事に洗濯、掃除まで見事にこなすその姿は殺人狂の化物としての姿しか知らぬものには信じられぬ物であろう。
もちろん、そうさせているのは宇月なのだが、それにしても家政婦としての楓は申し分ない能力を持っていた。
ただ、宇月にとって不満なのは彼女と嗜好がどうしても食い違うことであった。また、楓には偏食も多かった。
「…(ただまあ、朝ごはんさえ食べられなかった頃よりは…ねえ…)」
「おねーちゃんまだひりひりする?」
「うーん…おっかしいなあ……なーんでかなあ…日焼け止めとサンオイル…間違うかなあ…」
ぼけた頭を振りつつ言う。宇月の肌は先日のプールですっかり日に焼けて健康的な小麦色になっていた。
一見すると二人の見分けがつきにくくなってしまっていた。とぼけているが、サンオイルを塗ったのは楓である。
楓はそのことを話してはいない。
朝食を終え、宇月はコーヒーを、楓は緑茶をすすっている。
「研究所からメール着てたよ?」
「…むー、最近…よばれてなかった…けどなあ…」
「アタシ絡みじゃなさそうだけど?」
「…あ、そーなの…うー…あれ?きょーって…学校…?あれ?」
カレンダーを見ようとするが、それはピンがはずれて落ちてしまって見えなかった。
「ん?明日からなはずだよ?」
「……んー…そだっけ…ま、いか。」
ぼけぼけした顔のまま頭をかく。宇月には楓がニヤソと笑っているのに気がつかなかった。
外出の支度。
最近お気に入りのホットパンツなぞで決めて、化粧もばっちりしてから外出。
いかに今から色気も何もない研究所に行くとはいえ、身だしなみはしたいというのが宇月のポリシーである。
まあ、一部の研究者から「色気づいて…」とか言われる一因となってもいるのだけれど。
「いってらっしゃい。」
「いってきまーす。お留守番よろしく!」
靴はヒールを好む宇月。よく転ぶくせにヒールを履くものだから靴代はばかにならない。
ちなみに楓は足袋や草履である。洋装のときはパンプスを履く。動きにくい服を好むくせに靴は活動性を重視しているのだ。
いつもなら、楓はこの後部屋の掃除や買い物をして、昼寝をしたり、マターリ散歩したりしているのだが、
今日は一味違う。楓は部屋にとって返すとあれこれと部屋をあさり、荷物をかばんに詰め込んでルンルン♪という音が
聞こえんばかりの上機嫌で外へ出る。
「ふふふ、ううン♪楽しみ。待っててねー、みんな。」
そう、宇月は気づいていなかったのだ。今日は登校日であることを。
そして楓はそれを意図的に隠していたのだ。自分が学校に行くために………
火神は下座で控えている。上座には、主の居ない小さな座布団。
座布団の右に野々村。
「火神 将、あなたを正式に東朝の一員として迎えます」
左に葛城。黙って頷く。少し離れた位置には藍前が座っている。
「火神殿、おめでとうございます」
火神は静かに頭を垂れた。
「当面の役職は『御庭係』とします。東朝に貢献する働きを期待しています」
「はっ。我が全能力をもってお仕え致します」
かつて東朝の『係』とは、萌姫の怨念の一部を負担する役目を持っていた。今もその名残りで、
全ての役職は、〜係と呼ばれている。
「では早速やってもらいたい仕事があります。行方知れずの萌姫を探し出す事。大役ですよ」
「私が、でありますか?」
「貴方はまだ各方面に面が割れていませんし、能力的にも適任でしょう」
「ですが、何処をどのようにして探せば良いのでしょうか?」
火神の前に小さな足袋が投げ出される。
「……これで探せと?」
「不服か?」
それまで黙していた葛城が問いかける。
「いえ」
火神は素早く懐に足袋を仕舞い込んだ。
「うむ。その足袋に残った香りと霊気を参考にしろ。以前渡した”萌姫セット”にある生写真は、
当てになるかどうかは判らん。かのじょは怨念に囚われている間、身体の成長が止まっていたようだ。
突然大きくなるという事は無いだろうが、それも萌え──コホン。かのじょが出現しそうな場所は、
北朝の萌宮もなこ。南朝の萌之院もえみ及び醍醐旅団長。この三人の所だろう」
「心得ました」
火神は再び、頭を下げた。
「こういうときに限って当直なんだもんなぁ。」
今、菩提は宮城の霊的結界網・中央制御室にいる。
「まあ、今日はこれがあるし!」
昼間ゲットした萌姫の水着持参だった。
「ここにこうして・・・・、ん〜、眺めているだけでもイイ!」
ビー、ビー、ビー・・・。
「おっと、侵入者か?・・・・雑霊の類か、結界レベル・2に上昇っと。」
しばらくして、アラームは消えた。
「今夜も平和だねぇ。」
練習艦いせ@艦橋
艦橋は静かである。話すものもなく、静まり返っている。航海科員が淡々と舵を取り、たかなみを先頭
とした単縦陣の殿にいせをつける。
「司令部が乗っていないと楽なものだな。」
コーヒーを啜りながら、安達大佐が呟く。今回、いせに与えられた役割は情報収集、戦闘でのデータを
逐次連合艦隊司令部に転送する役割である。実際の作戦指揮はひりゅうの第2護衛隊群司令部が行うため、
艦隊指揮艦としての任務は帯びていない。そのため、乗員の編成も普段とあまり変わらない。
「艦長、もう一杯いかがですか?」
「ああ、すまない。菊水2水、他の仕事があれば戻ってかまわないぞ?」
「いえ、ここにいたいんです。ここには戦いの空気が満ちていて、なんだかわくわくするんです。」
「そうか、君たちはもともとそういうふうに造られていたんだったな…。だが、」
すっ、と立ち上がり、ウイングに出る。
「わくわく、とは言わないが、何か高揚した気分になるのは我々も変わらないな。」
練習艦いせ@食堂
ここは食堂。みつばと射撃員が何かやっている。
「ここをこうして…こちょこちょこちょっと。はい、こんな感じだ。さんこちゃん。」
「ねえ、うってもいいの?かいへいだんでいせいせにさわらせてもらったけど、まだうったことないの〜。」
みつばが両手に抱えているのは12.7mm機銃。海賊対策(といっても今回の海賊には何の対策にもなら
ないが)として搭載されているものだ。
「う〜ん。多分撃つのは終わってからじゃないかな?残弾処理。それに多分、うちの艦が戦闘に巻き込まれるって
そうとうやばい状況だよ?」
「そうなの〜?つまんないの〜!」
「まあ、その時はちゃんとさんこちゃんに撃たせてあげるよ。」
弾包に(さんこちゃん予約済み)とマジックで書き込む。
「うん、これでよし。」
「ありがとうなの〜!」
練習艦いせ@居住区
いつはは…ベッドで寝ていた。いわゆる「船酔い」である。
「う〜…あ〜…う〜…あ〜…。」
「そうしていると、結構しおらしくてかわいいぞぃ、ごこ。ほれ、看護長から酔い止めもらってきたから飲んどけ。
そしたら寝てろ。もっとも、この酔い止めがお前さんに効くかどうかはわからんがな。」
「分隊長…ひとつ〜聞いていいか…ですか〜?おま…あなたはなんで〜平気なんだ…?」
「平気?程度の差じゃよ。誰でも船酔いぐらいするわい。要は「馴れ」じゃ。とっとと馴れてしまえ。」
「そうか…。う〜…。あ〜…。」
人々の行き交う新橋駅の地下鉄とJRをつなぐ通路で、彼は店の前にたたずんでいた。
ぼろぼろのジーンズにジャケット、だが不思議と汚れた感じはしない青年が一人目の前にケースを広げ楽器、それもその格好には不似合いなバイオリンを手にたたずんでいた。
帰路を急ぐ人々は彼の存在を気にもせずそのまま立ち去っていく。
ここはしばしば食いつなぐための銭を得るために許可を得ずに芸をする人々がいる、そんな場所だった。
彼は深呼吸を一つした後、無造作に弦を操り旋律を奏ではじめた。そして静かに声を重ねる。
「 あなたはもう忘れたかしら 萌える手拭いマフラーにして
二人で行った同人会場 一緒に出ようねって言ったのに
いつも私が待たされた 小さな体が芯まで冷えて
小さな袋がカタカタ鳴った あなたは私の体を抱いて
冷たいねって言ったのよ 若かったあの頃
何も恐くなかった ただあなたのやさしさが
恐かった…」
立ち止まって聞いていた人達が何人か小銭をケースに入れる。それを横目で目にすると彼は深く礼をした。
「…今日はいまいち萌えないな…帰るか」
ひりゅうの中枢でもあるCCD。赴任して3日とたたず、星野中尉はその能吏ぶりを発揮。
この部屋を我が物としてしまった。「本人」が艦長室で藤倉とべったりしている間に「やること」はやってしまう。
星野中尉の冷然たる判断であった。
で、まあ、やっぱりそれは艦長の知るところとなる。
で、血相を変えた藤倉が星野の席にやってきたのが午後の話。
藤倉「星野君!君は何をしたんだ!」
星野「どうしましたか。」
藤倉「はに〜を泣かせるなんて、信じられない!」
星野「ああ、それですか。やっぱり…」
藤倉「何がやっぱりなんだ!あんなに泣かせて!ああ、かわいそうに、ボクに泣きついてきたんだよ!?
星野って子がひどいことするって!」
オーバーに声を荒げる。放っておくと艦長権限で退艦させかねない勢いだ。周りのクルーはそれをあきれたように眺め、星野
自身は冷然とした顔のままに言葉を受け流していた。そして、冷たく鋭い視線を一つ。
星野「今回の作戦に関してこの艦は何の調整もされておりませんでした。本来、いかに自律式の空母とはいえ、調整も設定見直しも
データの刷り合わせも行わずに艦としての機能を十分に生かせることができるとは思えません。」
藤倉「そんなことははに〜が自分でやってるから君は余計なことをしなくてもいいの!!」
星野「関係ありません。私は自分の責務において艦の調整を行っています。その調整が気に食わなかったからと言って
艦長に泣きついて自分勝手な設定に戻すなんてことは私が許しません。私がもし許しても帝国海軍が納得するとは思えません。」
藤倉「でも!」
星野「艦長。ひりゅうは単体で作戦行動を行うのですか?敵は、我々が思ったとおりの行動してくれますか?何のために中央管制と
オペレーターがいると思っているのですか!?艦なしで、船魂と艦長だけで作戦が成功できるなら我々は即刻退艦しますが。」
ド正論である。藤倉は引き返すよりほかなかった。その後の艦長室で何があったかは余人の知るところではない。
そしてその後も星野とひりゅうの喧嘩にも等しい調整は毎日続くのであった…
>>150 「単独戦闘向け霊的装備の新型、ですか?」
「ああ、だが、拒否してもかまわないそうだ。菊水としてはやはり貴重な戦力を犠牲に・・・。」
「それって、実験が成功したら霊警の装備として採用されるんですか?」
「・・・ああ、実験の結果によっては、正式に採用されるはずだ。」
「や、やります!」
「・・・・ほんとにいいのか?」
「はい! おねがいします!」
「わかった、指定の日時に5研の本郷猛主任を訪ねてくれ。」
「はい!」
「(やけに張り切っているようだが、大丈夫だろうか・・・?)」
ビクッ. ∧ ∧ ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) < うお!なんかすごいところに迷い込んじまったぞゴルァ!
./ つ つ \______________________
〜(_⌒ヽ ドキドキ
)ノ `Jззз
(甲板)
っていうかマジヤバイよ……この艦さあ……っていうか艦長さあ……
ここって一応海軍じゃないの? 規律ってあるんでしょやっぱ? 軍規っていうの?
いや流石にやばいでしょアレは……
人外美少女萌えらしいけど……まさかM0-eには手ぇ出すってことはないだろー。
M0-eはタイプ的には司令部のあの子(星野中尉)に近いからなー。
まあ、それは置いとくとしても。
俺は俺で、さっさと実験やらないと、帰るに帰れないからね。
まずM0-e起こさなきゃ。
おーい、起きろー……
「おはよーございまーす」
白衣にIDプレートを付け、髪をまとめると、宇月は研究所内部へと進む。
時間の感覚があまりない研究所にあっては挨拶の意味はあまりない。でも、一応しておかないと
実世界から完全に隔離されてしまう。そんな恐怖感からか、研究員たちは挨拶を欠かさない。
「もるげん。久しいな、宇月。」
自分の執務室(13研)に向かう途中の喫煙所に水原が座っていた。
「あ、水原さんおはよーございます。なんでこんな所で吸ってるんですか?部屋あるのに。」
「うむ、フェレットがな、煙を嫌がるんだよ。で、最近はここでだ。」
にま、と水原が笑みを浮かべる。宇月は水原が純粋に笑っているのはペットのフェレットの話をしているときくらいしか
見たことがなかった。愛しているくせに名前を付けていないあたりがなんとも変わっていると思うのだが。
「宇月、例の共同研究の件、そろそろ実用化に向けて動くそうだ。11研が主体だそうだが私もキミも呼ばれている。」
「あ、それでですか。今日の呼び出しは…」
「ま、あの男の趣味もようやく実用化された、ということさ。」
吐き捨てるように言ってタバコを灰皿に落とす。
「仮想空間によるシュミレーション…確かに夢ですからねえ……」
「我々のようなはた迷惑な実験をするものにとっては特に、な。」
そこへ、一人の筋肉質の男が赤いマフラーならぬ白衣をなびかせて走ってくる。
「おう!おはよう、す…水原!…と、おお!宇月じゃないか!久しぶりだな!」
抱きつこうとするのをさっと避ける宇月。ずっと走っていたのだろう、汗びっしょりである。
「おはようございます、本郷さん。何かいいことでもあったんですか?ばかに陽気ですけど。」
「ふん、こいつの趣味、生贄が決まってな。今日テストをやるらしい。」
「…って、ひょっとして、アレですか?」
「ああ、楽しみだ!もうじっとしておれんのだ!時間があったら見に来るといい!それじゃあな!」
走り去って行く本郷の背を2人はあきれたように見送る。
「気の毒ですね、その人。」
「まあ、同情はするが、ちょっと見たいな。興味はある…っと、時間だ。宇月、先の件は11時から11研だ。送れずにな。」
水原も立ち去り、宇月は再び、自室へと向かう。
11研が「4次元ポケット」と呼ばれているのはその性格によるところが多い。
本来、各研究所は各々で独自の技術を持って開発・研究にあたっているが、
新技術を製品化させることを専門に行うのがここであり、ここで軌道に乗せられたものが配備、実装となるのである。
また、ここは次元、時空、時間の研究チームも持ち、仮想空間や別次元との接触なども行っている。
「みなさん、よーうこそ!」
初老の男が円卓の中央で声を上げる。11研主任中松源太。元帝国大学教授であったのだが、かなりの異端であったが
ために学会を追われ、世間的にも戸籍上でも抹殺されて防疫給水部に拾われた男である。
ちなみに発明家であったことでも有名だが、使えない物の方が多かったことでも有名である…
「さて、今日はこちらをごらんいただきたいっ!」
モニターを注視する各研究室主任たち。
そこには一台の機械が置かれていた。機械の周りでは研究員たちが忙しそうに調整や整備をしている。
「ほう、これが…」
「ふーん…」
溜息をこぼす一同。
「これが仮想現実シュミレーター、『ALICE WORLD』(仮名)じゃあっ!コイツを完成させるまでにわしは……(略)」
しばらく中松の自慢話と苦労譚、学会への恨み言が続く。
いつものことなので放って置いて、レジュメに目を落とす宇月。
「…ふーん…よくできてるなあ…ほとんどなんでもありで、現実世界との因果発生率は0って…」
「何を言うか、宇月も随分と手を貸していたではないか。」
隣の水原が小突く。
「ふーん…結局フリーのログイン制にしたんだ。管理が大変だよ…これは。」
忍がつぶやく。
「テストはやったのかな?あれ。」
「これからじゃないですかあ?ZellerとかMo-eなんかのパワーレベルで動くのか、艦隊規模で動かした場合はどうか、これからでしょう。」
「アレで殺された場合の精神的ダメージの測定は終わってるそうですよ?」
「どの程度までやれるかは今後次第だろうね。サンプルがもうちょっといると思う。」
「実験かあ……ネトゲにでもしてみる?」
「あ、いいかも。ちょっとやりたいな、それ。」
力説を続ける中松をよそに、主任たちのどこまで本気かよく分からない会話は続いていた…
小一時間が過ぎ中松の力説が終わるころ、主任たちの会話もある程度の結論を見ていた。
「じゃ、コイツをα版としてネットゲーム配信してみましょ。ユーザーにPKさせまくればサンプルの回収も
やりやすいでしょ。」
「管理はどうする?」
「うん、なんとかなるでしょ。会社一個作って管理だけ担当させれば。」
「ふつーのネトゲと違って鯖故障とかおきないもんね。」
「売れるよー、これは。」
「売り上げで飲みにいけるな。」
「うーん、酒より研究費に追加が欲しい…」
「金はいいから休みが欲しいよ。」
キンコンと鐘が鳴り、主任たちはそれぞれに食堂や自室へ昼食に向かう。宇月は水原と一緒に食堂へと向かった。
「あの中で楓のテスト、やりたいなあ。無制限の火力の中でのサンプルとか取りたいし。」
「ふむ、何も知らない民間人は気の毒だな(笑)」
「ま、そーゆーゲームになるんですから別にいいでしょ。」
「午後は本郷の所のテストだな。ちょっと楽しみだ。」
笑いあう二人。
数週間後、1本のネットゲームが配信された。登録して入金した人間にはソフトと機器が送られ、
それをセットすることによって自身を仮想現実空間に転移できると言う物である。その中では基本的に何でもあり
であり、目的は特に設定されていない。しかし、いつしかそのゲームはこう呼ばれるようになる。
『仮想バトルロワイヤル』と。なにしろPKが推奨されているような世界である。そうなるのは自然であった。
そしてこの世界には管理者の姿もなく、やりたいことをやりたいだけ出来るのだ。無理からぬ流れである。
そして、この世界での死は実際の死でないのである。ユーザーは増え続けていった…
そして、殺伐としてきた世界の中へ「彼ら」はやってくるのである。血なまぐさい香りに誘われるようにして…
艦長の椅子に座る藤倉大佐。膝の上ではひりゅうが眠っている。髪の毛を撫で付けながら。
ふふ…かわいいなあ…めるひぇん。
182の後、草野司令と一緒に今回の作戦について確認を行った。…未だに信じられない。はに〜がただの艦では
ないことは僕も重々承知している。だけれど、だけれどもだ。あれはあまりに思考の範疇を超えている。
まさに超常、異常でできている艦だということを思い知ってしまった。
そして、司令と一緒にもう一度CDCに足を運んだ。星野中尉はまだ作業を続けていた。本当に自分の仕事に忠実、
よくやる人だ。話によると、あの元帥のタイフーン戦隊へのあてつけで彼女たちはいまここにいるということだ。
本当かどうかは知らないが、もしそうだとすると、あそこまで突き詰めた調整をする(それこそはに〜が嫌がる
くらいに)モチベーションはどこからくるのだろう。
…その調整は見事なものだったよ。さすがにやまと級、あすか級、あやなみ級、ゆきかぜ級、そしてすえもり級と
いう全く異質の性質を持つ艦を一元管理運用するだけのことはあるよ。はっきりいって、完敗だよ、はに〜。
「星野中尉、先ほどはすまなかった。はに〜を、いや、ひりゅうの調整、よろしくお願いします。」
「…りょうかい。」
彼女は向こうを向いて作業をしていたから、どんな顔をしていたのか分からなかったよ。
「あ、だり〜ん…おはよう…?どうしたの?にやけてる?」
「いや、なんでもないよ、はに〜。…はに〜にちょっとお願いがあるんだ。」
「なぁに?」
「怒らないで聞いて欲しいんだ。今はに〜は星野中尉に調整を受けているよね?」
「うん…あたしやだ…あれ嫌い…。」
「嫌いなのは僕も知ってる、だけれど、はに〜、ちょっと我慢して調整を受けるんだ。」
「なんで?だり〜ん!?あたし嫌なの!頭の中を引っ掻き回されて…!」
僕は迷わず、彼女を抱きしめ唇を唇で塞ぐ。そして、静かに、ゆっくりと離す。
「はに〜。僕を信じて。これから何が起こっても、僕は艦長として君を守り抜く。だから、今は僕を信じて。」
「だり〜ん(ぽっ)…うん、我慢する…。…だり〜ん、だいすき☆もう一回、ちゅ〜って、して?」
ちゅ〜(はぁと)
草野「で、ここは士官室で、今朝食中な訳だが。」
味噌汁を啜りながら、呆れ顔の第2護衛隊群司令草野均少将。そしてこちらは、菊水からの客人、研究員Aさん。
相田「朝から…やっぱり、ヤバイヨ、ここ…ごちそうさま…。」
>>189 朝食風景…というにはちょっときつい風景の中、相田は味噌汁に手を伸ばす。
と、じゃり。という変な音と味がした。そして舌に残る感じ…
相田「…うん?」
草野「……味噌汁…なんか味を変えたか?」
藤倉「え?…ずずず…ぶっ!!」
思わず噴出す。味噌汁はなぜか、奇天烈な味が底にたまっていた。
少しかき回してみると、みるみる味噌汁が赤く染まってゆく。なぜ……
相田「こ、これって…」
草野「ああ、一味唐辛子だ。好みで入れないこともないが、底のほうに固めておくなんて聞いたこともないな。」
言う草野の顔が苦悶に歪む。辛い物が苦手な藤倉にいたってはのた打ち回っている有様。
そこへ、お茶を載せたお盆を持って蛯原が現れる。士官の制服に水玉のエプロンと言うなんとも変な格好で。
蛯原「お茶をおもちしましたぁ。あ、いかがですか?今日の朝食、私が作ったんですよ?」
満面の笑顔で言いつつ、お茶を置いてゆく。
草野「蝦原君…この味噌汁は……?」
蛯原「あ、それ自信作なんですよ?ホラ、ますたにってラーメン屋さんがあるじゃないですか、あれの真似してみたんですよ?」
相田「(゚Д゚)ハァ?」
蛯原「私、味噌汁でも同じこと出来ないかなって。おいしいでしょう?」
草野「( ゚д゚)ポカーン ……すまない…ちょっと、藤倉君には辛かった…ようだ…」
言いつつ、草野は岩田が日ごろ味わっていた境遇を思い溜息をついた。ああ、彼はこういう事を
日常として受け止めていたのか…と。こんないつ来るとも知れぬアクシデントのような人災を…
ふと、お茶に目を落とす。恐ろしいことに全員のお茶に茶柱が立っていた…
ちなみにこの朝食は全隊員に支給されている。悲鳴が食堂を包むのにそれほど時間はかからなかった。
にもかかわらず、蛯原が責められる事はなかった。着任1日にして、彼女の絶えない笑顔は全隊員の
支持を得るまでになってしまっていたのだから…そして、艦内の志気高揚を知らない間に受け持ってしまうこととなる。
蛯原が巻き起こすトラブルと引き換えにしても求められる一因であった。
(注)ますたにのラーメン…スープの底に唐辛子ベースの調味料が固めてあり、それを溶かしながら食べる事で味の変化を楽しめる…
>>190 ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ <ムフゥ
……ひどいよ……味噌汁に唐辛子はないよ……
でも、水玉エプロンのあの子可愛かったな〜声掛ければ良かったかな〜
なにが自信作だゴルァ!! 味見したんかい!! などと小一時間問い詰めるついでにあんなことやこんなことも聞いちゃってハァハァ(;´Д`)
……などと妄想してる暇はなかったんだった。
>>189 朝食後、草野司令という人(どのくらい偉いのかなんて想像つきません)とお話したが、藤倉艦長も昔はまともな人だったそうだ。
そして、もっとアレな人も海軍には居るらしい。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
……菊水特務研勤めの俺が言えることではないが。
とりあえず甲板は使わせてもらえるとのことだったので(普通は戦闘機があるんじゃなかったっけ?甲板って……)
コンテナごと甲板に来て見ますた。
甲板では、既にM0-eが準備運動を始めている。空手の型やシャドーボクシングのような、突きや蹴りを連続させる運動だ。
スパパーンと綺麗にキメてはいるけれど、あれが最強の兵器だなんて信じらんないな〜。ちっこいし。
軍人さん達にご協力願って搬入したコンテナを開けると、局地戦用強化装甲服『マスカレイド』が入っている。
全高は俺の身長よりちょい高いくらい、中世の騎士の鎧に丸みをつけたような、流線型のフォルムが特徴だ。
特殊な金属に特殊な加工をして使っているらしく(材料屋さんじゃないから分からんのですよ俺)、白銀と青緑の中間のような色をしている。
汗もかかずに跳んだりはねたりしているM0-eに声をかける。
これをM0-eに着せれば、あとは放っておいてもデータが取れる。楽勝楽勝。
あ〜部屋もいいし食事も美味いし(例外もあるけど)、空は綺麗で海も綺麗。極楽だ〜
帰りまでずっとこのまま行きたいものですな。
……でも、この艦……
なんのために出航したんだろう?
っていうかどこ行くんだろう?
何も知らないじゃん俺。
……………………………………………まあいいか。
蔡川(4研主任)「(宇月を遠目に見ながら食事中)
フフフ……亜美ちゃんはA定食\530。私はデリシャススーパースタミナ定食DX\1280!!! 勝ったわ!!!」
滝(同副主任)「(後ろから近付いてきて隣に座る)なにを張り合っているんだ。全部食えるのか、それ。」
蔡川「うるさいわね!これは勝負なのよ!女と女の勝負!!」
滝(それにしては宇月博士はこっちに気付いてすらいないようだが……)
「そうだな、あんたが変人なのは今に始まった事じゃない」
蔡川「あなたにだけは言われたくなかったわ……」
滝「俺は午後に本郷の所(5研)行くから、午前からの実験の引継ぎ頼む」
蔡川「……(ムカムカ)ええ、いいですとも。代わりに、今回の共同開発が終わり次第、休暇をもらいますからね」
滝「したっぱ(相田)が帰ってきたらな」
宇月(13研主任)「覚醒……ですか?」
水原(8研主任)「ああ。実は、“今のこの現実”では決して目覚めぬ“悪意”や“狂気”のようなモノが、仮想現実の世界では稀に顕在化する恐れがある。
2研や10研との共同実験で確かになったことだ。」
宇月「…そのためにゲーム世界が崩壊する危険があるとか?」
水原「いや、仮想現実は一つだけの共有世界ではない。アクセスの度に新たな世界が生まれる。その心配は無い」
宇月「じゃあ、どうして私にそのことを?」
水原「……万が一の場合は、おぬしのZellerが必要になるかも知れんのでな。こと霊力に関しては、蔡川の愛娘では荷が重い」
宇月「そうなんですか……ふうん」
水原(それだけではない……仮想世界とは言え、おぬしに近しい者も“その可能性”を持っているかも知れんのだ……)
モノトーンを基調としたゴスロリ風の服、頭には猫耳を隠すためのカチューシャを着けて。
「ふふふ、ついに、ついに来たわ……うふふふふふふふふふふふふふうふ……」
校門の前で笑みを浮かべる女が一人。簡易型の結界をものともせず進入してきた「化物」
は悠然と、校庭を進む。
「おはようございます!先生!」
「先生、おはよう!かわいい服〜。どこで買ったの?」
「先生おはようございまーす!」
子供たちが駆けてゆく。
「おはよう、みんな。」
笑顔で答える。ちなみに子供たちの顔は既に覚えている。準備は万端なのだ。
服装のセンスに関しては宇月も露出を好むほう(先生としては異端)だったので、ほかの教師に怪しまれることはなく。
生徒もまったく気にしていない。演技は完璧だ。
「ふふふふふふふふふふ、待っててね…今日一日、忘れられない日にしてあげるわよぉ……」
ニヤソ笑いの収まらぬ楓。
子供たち(特に女子たち)にとって忘れられない日が、始まろうとしていた。
幸いにして、この日もなこは公務で休みであった。そのことを楓はまだ知る由もなかった。
忍田(9研主任)「よう、たぬき蕎麦頼むわ。」
オヤジ「230円だ。…たまには栄養のバランスを考えてだな…」
忍田「はいよ。ああ、天かす多目な。」
不満そうな顔のオヤジからサッと蕎麦を受け取ると、座る場所を探して食堂を見渡す。
(お、蔡川がいるな。ちと寄って…おお?あっちにしよ。)
スタスタスタ…
水原「ふむ、騒々しいのが来たな。」
宇月「え?」
忍田「いよーす。……聞こえたぞ、水原ぁー。」
水原「事実だろう?」
どかっ。蕎麦の汁が零れんばかりの勢いで椅子に座る。宇月とは対照的に、彼女は服装等にはとんと無頓着である。が、服装以前の問題だろう。
忍田「聞いたぞ?(フー、フーー)何か…(ズズー)…例のアレ、試作が…(ズズー)」
水原「まあな。それよりも食事を済ませてから話すがいい。」
忍田「…そうか…。(ズー、ズズー」
名無し菊水Aこと狩谷の部屋には、時々猫耳兵士が遊びに来る。
──コンコン。
今回の客は、遊撃猫耳Gだった。
「やあ。足はもう良いのか?」
「とっくの昔に治ってるよー」
狩谷を見上げ、憮然とした表情の遊撃G。今日は余所行きの私服でおめかししている。
「まあ、一応な。俺が怪我させたから」
狩谷は苦笑しながら遊撃Gを招き入れる。彼の部屋は綺麗に整理整頓されている。難を言えば、
少しタバコ臭い事だろうか。壁には猫のイラスト画。棚の額にはモナコ殿下の生写真。出したばかりの
コタツ(猫耳用)の上には、ミカンとティーセットが置かれている。
「今ちょうど紅茶を入れたところだ。ミルクティーでいいかい?」
遊撃Gは行儀良くコタツに入りながら頷く。ここに来る猫耳は大抵の場合、妙に大人しいか、
コタツの中に潜り込んでゴロゴロし始めるかのどちらかだが、彼女は前者のようだった。
「熱さは人肌くらいだね?」
猫耳兵士には猫舌が多い。だが遊撃Gは首を左右に振り、俯いたまま呟いた。
「熱いのがいい……そのほうが、ここに長く居れるからー」(ドキドキ)
「お前、ひょっとして」
狩谷の手が、遊撃Gの小さな肩に掛かる。
「あっ…」(キ、キター!)
「ひょっとして、イジメられてるのか?」
お約束だった。呆け顔の遊撃Gを狩谷は至極真面目に見詰めている。
「ボ、ボクは強いんだよー。ボクをイジメれるのは、えっと遊撃Aとか、遊撃Aとか、遊撃Aとかー。
いやイジメられて無いけどー、特訓つき合わされたしー(ウウー)……ちゅーしたいなっ!」
半分ヤケになって狩谷に飛びつく。狩谷は仕方なさそうに、それでも慣れた手付きで左手の人差し指に切り
傷を付ける。以前は猫耳に手首から吸わせていたが、さすがに最近血が足りなくなってきた……馬鹿である。
「ほら、早くしないと傷口が塞がるぞ」
複雑な表情をする遊撃Gだったが、引き寄せられるように舌を突き出して、狩谷の指先から滴る血を舐め啜る。
「指、噛むなよ?」
「う、うん。ちゅー」(チガウのにー!)
名無し菊水Bこと紫村の部屋にも、時々猫耳兵士が遊びに来る。
──バタン!
「やほー、ムラムラ」
今回の客は、遊撃猫耳Bと数匹の猫耳兵士達だった。
「ムラムラ、ムラムラー!」
「ムラムラ言うな、っ痛痛イタイ!」
勝手に入り込んでくる猫耳兵士達は挨拶代わりに紫村の手足を甘噛みする。彼の部屋は男らしく、
適度に散らかっている。壁にはいつ撮ったのか、シスター・モエリアの等身大パネル写真と、
阪神タイガースの応援団旗。狩谷を見習って、コタツとミカンと山盛りのお菓子を常備している。
早速コタツに潜り込んで興奮気味にじゃれ合う遊撃B達。
「…やれやれ。今ちょうど主題歌が終わったところだ。落ち着け」
すると猫耳達は急に行儀良くコタツに並ぶ。遊撃Bは紫村の膝の上に座った。彼女達の目的は『ドエラモン』
だった。『もなこTV』と並ぶ人気アニメ番組である。もちろん、ここ以外でも鑑賞は出来る。
「ほら、始まるぞ」
ジャイアソ。本名ゴーダ・ターケシ。
『ヤンノカ ゴラァ!』
その豪腕はノービタやスーネオを紙屑のように引き千切り──、
『))))オーレ ハ ジャイアーソ、ガーキダイショウ!!((((』
その咆哮は山河を砕く。
『オマエノ モノハー、モレノモノー。モレノ モノハー、モレノモノー』
更には有象無象の区別無く、捕食融合を繰り返し──、
『ココロ ノ トモヨー!』
ウィルスの如く無限に配下を増やしてゆく。
『カアチャン、チャント ミセバン スルカラサー』
ついには唯一の弱点、カァチャンさえも克服した、この星最強の戦闘生物(アルティメット・ワン)
『ソレガ コノオレ! ジャイアソ サマダァ!!』
『(コソーリ)…ドコデモポアー』
『ヒィイ! カァチャアアン!?』
『イッテヨシ!』
しかし30世紀の超兵器を操るD-eramo/N(ドエラモン)には負けっぱなし。ジャイアソは今回も原子レベルにまで
分解される。だが次回(?)までには恐ろしいまでの再生力で必ず復活する敵役だった。
『ダレ モ イナイ……イマノ ウチ』
D-eramo/Nは、その手の白い重力ナックルを外す。中から、ごく普通の可愛らしい手が出てくる。
D-eramo/Nは、その指で青い猫耳の付け根を掻き始めた。
『フア…(ポリポリ)…ン…アッ』
『…アワワ、ド、ドエラモンニ、フツーノ テ ガ アッタナンテ』
その光景を瓦礫の影から見ていたのは、ジャイアソの一の子分、スーネオだった。お約束で、物音を立てる。
『ハッ!?……スーネオ クン、ミーターネー』
『アワワ、ママー!』♪チャラララッタラー!『ドラゴンコロシー』『ソレ、ドウグジャナイ!! ドウグジャナイヨー!!』『アナタ ヲ ポア シマス』
鉄塊同然の段平で惨殺されるスーネオ。彼もまた次回までにはHONEKAWA財団の科学力で復活するのだった。
名無し菊水Cこと後藤の部屋には、猫耳兵士は来ない。
「悪いか?」
……。
「……八ツ橋、食べるか?」
「いせからの内火艇が付く。桟橋用意。」
内火艇から降りてくるのは猫耳水兵が6体。
わかば「ひりゅうにくるのは2度目です。」
みつば「でっかいの〜!」
いつは「うぇぷ…。」
草野「私が第2護衛隊群司令、草野均少将だ。よろしく。」
藤倉「僕はこの空母の艦長をやっています、藤倉敏男大佐です。」
ひりゅう「あたしはひりゅう☆この艦だよ☆」
みつば「…いせいせのなかま?」
ひりゅう「あなたのお艦はどんな人なの?まあいいか。あとであえるから☆」
草野「君たちには作戦の最終段階で活躍してもらうことになる。それまで、ゆっくり体を休めていてくれたまえ。」
空母ひりゅう@司令部
夜の帳が落ち、やがて星が瞬き始めた頃。
OP「P−3Cが敵艦を発見したようです。GPS座標情報入ります。」
草野「うむ。引き続き哨戒を続けるように指示してくれ。そして、たかなみ、ときつかぜ、いせの3艦にも
座標情報を送るように。」
OP「はっ。」
草野「全艦へ。本作戦の目的を確認する。敵の正体は海賊ではない。敵の正体は偽りの皇統を奉り、我が国に
大きな災禍をもたらした西朝と呼ばれる組織の残党である。彼らは再び海賊行為を働き、我が国と、そして
我らが皇統に対し敵対する意思を見せた。本作戦において、西朝残党艦隊の全ての艦艇を捕縛、無力化し、
我々が帝国の未来を開くのだ!以上、本作戦の目的を確認した。」
練習艦いせ@艦橋
安達「…ふふ。帝国の未来?パンドラの箱の間違いじゃないのか?」
実験の調子はまあまあ。けど、『マスカレイド』を着ると、明らかに行動速度が遅くなってる。
あんまり意味ねえんじゃねえかこの鎧……いくらかかってるんだよ……
でもいい結果出せなくても別に俺の責任じゃないし。発案者は副主任だし。
などと考えつつ、ゆらゆらと揺れる艦の一室で眠りに入ろうとしていたそのとき……
>>202 /\ /\
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/ /。 ヽ_ヽv /: /。ヽ ::::::ヽ
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/ / \: ト--^^^^^┤ 丿 \\\ \\\
ちゆ「ええと、5研5研・・・。」
ちゆ「あ、すいません、5研ってどこにありますか?」
8研研究員「・・・・・5研・・・・・?」
ちゆ「は、はい。」
8研研究員「・・・・・・・・・・・。(考え中)」
ちゆ「・・・・・・・・・・・・。(返事を待っている)」
8研研究員「・・・・・・・・・・・。(考え中)」
ちゆ「・・・・・・・・・・・・。(返事を待っている)」
8研研究員「・・・・・・・・・・・。(熟睡中)」
ちゆ「あの、もしもし? 寝てる・・・。」
なんか変な人ばっかりに会うよう・・・、
さっきは通路をバイクが走ってったし・・・ドライバーの人大丈夫かな・・・?
>>169 ・・・・はやまったかな・・・・?
「……八ツ橋、食べるか?」
なーちゃん「なー」
「猫って八橋食えるのか」
なーちゃん「なー」
「……」
なーちゃん「なー」
「五十音の五行目の一番目は?」
なーちゃん「なー」
がっくりと両手を床に落とした後藤に向かってなーちゃんが首をかしげる
なーちゃん「なー」
「…さみしい」
今日も彼は一人 異次元酒場に向かうのかもしれない
なーちゃん「なー」
草野「これより本海域で起こる事象は驚天動地、海戦に於いて我々が知りえるあらゆる常識の範疇を
超えるものである。しかし諸君らは何が起ころうとも己の技量を信じ、命令を厳守して作戦の遂行に
当たるように!全艦、対空、水上見張りを厳となせ!ひりゅう艦長へ、L武装用意できたら知らせ!」
藤倉「艦長からCDC、L武装用意よし。」
草野「了解、L武装発動!」
藤倉「L武装発動!」
ひりゅうを中心とした上空に、銀色の雲が広がっていく。と同時に
「レーダ、ホワイトアウト!何も写りません!」
L武装の正体、それは電波を喰らうマイクロマシンであった。銀色の雲はレーダの電波を喰いながら
周辺海域へと拡がっていく。銀色の雲の下にある艦の電子の眼はことごとくその機能を奪われ、
いまや互いを測るものは見張り員たちの目だけである。
ひりゅう「あたしの武器はまだまだこんなもんじゃないんだから☆敵のお姉ちゃんたち、楽しませてよ!」
皆さんこんばんわ。更級由希子です。私は今(検閲により削除)海面に来ています。
なんだか艦橋の雰囲気がものすごい殺気だってます。帝国海軍にとってしばらくぶりの実戦だから、
でしょうか。私も正直怖いです。こうして双眼鏡を覗く時も、足ががたがた震えています。
こういう時は、歌でも歌うのが一番です。
海路一萬五千余里♪
万苦を忍び東洋へ♪
寄せ来し敵こそ健気なれ♪
海兵団で教えてもらった古い軍歌です。景気付けにはこういう歌が一番なのです。
………やっぱり…あんまり、景気付けにならなかったです。
あ、あれは…
じっと水平線を見つめます。と、暗闇の先に、棒のようなものが見え…マスト!
「右30度、マストのようなものが見える!」
ブリッジに聞こえるよう叫びます。
ブリッジが、蜂の巣を突付いたようになりました…。
「…更級、お前は梟か?全くいい目をしている!そいつが敵艦だ!絶対に目を離すな!」
…見つけちゃったみたいです。
空母ひりゅう@司令部
OP「敵艦甲・乙は共に40ノット超の高速を発揮しながら逃走中。我々との距離は開くばかりです。」
草野「P−3Cは敵前方に爆雷を投下せよ。敵の足を止めろ。なるべく、当てるな。」
練習艦いせ@CIC
OP「艦長!P−3C爆雷投下開始しました!」
安達「…しっかり記録しておけ。」
軍艦ときつかぜ@CIC
OP「敵艦、僅かながら速力を落としました!」
艦長「よし、引き続き最大戦速で追跡する!」
空母ひりゅう@司令部
草野「草野だ。艦長、敵艦へ向かえ、全速前進だ。」
空母ひりゅう@艦橋
藤倉「艦長了解。いくよ、はに〜。」
ひりゅう「うん、頑張るよ☆だり〜ん!」
爆雷投下はなおも続く。松風と野風が速力を落とすことはなかったが、爆雷回避のために変針を続けているため
徐々にたかなみ、ときつかぜとの距離が縮まっていく。やがて、日が昇り始め、彼と我の姿がはっきりと分かる
ようになってきた。
草野「ときつかぜ、たかなみは、威嚇射撃を行え。可能であるならば、敵艦の推進器を狙え。」
水兵「姐さん!しこたま打ち込まれてますよ!こちらも応射しましょうぜ!」
萌菜「確かに、このままでは「タコ殴り」…。許可します。撃ちなさい。」
お互い確認できる距離での打ち合いである。もはや現代の海戦ではない。戦列艦の時代まで引き戻されたかの
ような空間が展開されている。互いの艦の射撃管制員が狙いをつけ、砲が放たれる、が、お互いに当たらない。
ラブ「…お姉さま、彼、我ともに射撃管制装置もやられてしまっているようです…。このままどちらかに
ラッキーパンチが出るまで打ち合いになるのでしょうか…。」
水兵「ラブさん、大丈夫でさあ!まだまだこっちの方が優速!振り切ってみせますよ!」
萌菜「それにしても…敵空母です。航空機を発艦させるわけでもなく、かといって離脱するわけでもなく
後ろに控えているのはなぜでしょう?どう思います、ラボーチキン。」
熊の耳をぴくぴくさせ、口に手をあてて考えるラブ。
ラブ「日本帝国の空母「ヒリュウ」は今までに確認されていない新型の空母です。昨夜から続いている電波妨害も
恐らくこの空母の仕業でしょう。タカナミ、トキツカゼ、イセにそのような武装が配備されたとの連絡はスパイより
受けていません…。考えたくないことですが、我々の想像もつかない新兵器を搭載しているのかもしれません…。」
水兵「後部から艦橋!敵空母発光!」
萌菜「…どうやら、そのとおりのようですね。総員、対ショック、対閃光防御!」
ひりゅうから金色の光が発生し、あたりを包んでいく。
どすん。
??「あいたた…。え…なんで、なんでぇ〜〜〜〜!!どうしてボクが落っこちるのさ〜〜〜〜〜!!」
艦橋の後ろの方で、しりもちをつく音がした。そして、すっとんきょうな声をあげる少女。短髪で、白い着物を身に
纏い、なにかの巫女のようにも見える。
かちゃり。スリットから拳銃を取り出し構える萌菜小姐。
??「いやだなあ…ボクだよ。ボクはま・つ・か・ぜ。君たちが乗ってるこの艦だよ!」
艦橋の全員の目が点になる。だが、萌菜小姐だけは冷静を保ち、銃口を少女の額にあわせる。
萌菜「あなたがこの艦だという証拠は?」
松風「う〜ん、そうだなぁ…あ!そうだ、みんな聞いて〜!萌菜小姐のとっておきの秘密を教えちゃうよ〜!」
萌菜「!?」
松風「小姐はね〜、寝る時いっつもハダカで寝てるんだ〜!それにね〜寝相がとっても悪くてね〜…いっつもいっつも
ベッドから落っこちて、すんごいかっこうで寝てるんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
萌菜「なぁ!」
真っ赤になる萌菜小姐。どよめく水兵たち。
水兵「姐さん!本当ですか!っていうか、その顔は本当ですね!!」
ラブ「お姉さま、あぁ、ハァハァ(鼻血)」
萌菜「それは、その…」
松風「ね、みんな知らなかったでしょ。他にもね〜僕はこの艦の中のことなら何でも知ってるよ。この艦だからね。信じて
もらえるかな。信じてもらえないなら…もっと萌菜小姐の恥ずかしい話を…わ…」
萌菜「わかったから、もうやめなさい…(ギリギリ←歯軋り)」
ラブ「お姉さまのそんな顔、初めて見ました…(鼻血)」
空母ひりゅう
藤倉「艦長から司令部。霊体具現化システム、順調に作動中。」
草野「うむ。CDCでも付近の霊力場の変化を確認した。敵艦の精神体を具現化することに成功したようだな。続いて、
敵艦に呪いをかける。準備はいいかね?」
藤倉「了解、X式呪術管制機、準備いいか。…準備よし。頼むよ、はに〜。」
ひりゅう「うん、まかせて☆だり〜ん!」
星野「…こんなんじゃ、出番ないわね。」
蛯原「出番なくても、暇でもお給料もらえるんだから、いいじゃないですか。」
軍艦たかなみ
??「あの〜。」
更級「はい?」
??「今、どうなってるんですか?」
更級「ええと…よく分からないですけど、敵艦を水上射撃によって足止めしているところですね…って!」
私の視線の先には、少しぶかぶかのYシャツに、デニム地のスカートを身に纏った大人しそうな女の子が立っています。
広報の体験航海ならいざ知らず、こんな時に一般人がいるはずがありません…って、女の子の足元が透けてるし…。
??「おどろかしてごめんなさい。私はこの艦の意志?です。たかなみって呼んで下さい。なんだかひりゅうから出てる
波動のせいで、みなさんにも姿が見えるようになっちゃったみたいです。」
更級「はぁ…そうなんですか。」
たかなみ「はい。更級さん、いつもご苦労さまです。」
更級「は…ありがとうございます…。」
練習艦いせ
いせ「あらあら。強制実体化がかかっちゃってますわね。艦長さん、はじめまして。いせですの。」
安達「おお、あなたがこのいせの…そうか。」
いせ「あら、あまり驚かないんですのね。」
安達「ひりゅうで、見てきたからな。」
いせ「ああ、なるほど…で、どうなってますの?」
安達「これからひりゅうに制圧隊を突入させる。」
いせ「突入、ですの?」
安達「そうだ。何らかの方法で敵艦を停止させるらしい。…もうこの作戦を海戦と呼んでよいものかわからんな、これは。」
"∧∧ヾ
((((lii゚Д゚))))
ノノノ⊃⊃))
"〜((((_つつ)))
やっべ……
なんかドンドコ鳴ってるんですけど……
死ぬのかなあ俺……
マジで死ぬのかな〜
父ちゃ〜ん姉ちゃ〜ん信次〜ッ空襲じゃ〜〜
防災頭巾は? 竹やりは??
ギャーッ ギギギギギ……
もしかしてあれですか? 生き残ったりしちゃったりなんかしたら、
今流行りの、拉致? ってやつ? されちゃうんでしょうか?
嫌だーッ どうせ俺の命なんて松茸で誤魔化されちゃうんだーッ そんなのやだー
∧ ∧ あれっ?
Σ (゚Д゚ ,) M0-e何してるの? M0-eちゃん? ねえ?
U U ねえってば……
〜| | え?
U゛U 「戦闘ですか?」だって?
そうみたいだね。
……
……
勝手に出撃準備してるんじゃねーーー!!!
空母ひりゅう
藤倉「X式呪術管制機、発射!」
ひりゅう「いっけえぇ〜〜〜〜!!」
ひりゅうから緑色の光線が敵艦に向かって照射される。
駆逐艦松風
水兵「なんだありゃ!!」
緑色の光線がぶち当たる。だが、見た目何も起こらない。
萌菜「光学兵器、ではないようですね…。」
ラブ「なんでしょうか、お姉さま…。」
松風「あぐ…ぐっ!!」
萌菜「!?どうしました!?」
松風「分からない…とても気分が悪いんだ…。」
水兵「CDCから!大変です、姐さん!艦のシステムが次々にダウンしていきます!機関室から、
機関出力急激に低下、停止!!」
萌菜「…。すぐに調査を。復旧に全力を注ぎなさい!」
ラブ「…お姉さま、敵は常識の通用する相手ではなかった、みたいです…。」
空母ひりゅう
OP「敵艦の停止を確認!たかなみ、ときつかぜ敵艦の進路を塞ぎます。」
藤倉「内火艇から、全て準備は完了したとの報告ありました。」
草野「よし、制圧隊出撃せよ!」
制圧隊を乗せた内火艇が波間を進む。さすがに外洋である、波は高い。
わかば、みつば、いつはは1号艇に乗り込み、ふたば、よつば、むつはは2号艇に乗り込んでいる。
他にもたかなみ、ときつかぜから選りすぐった体力自慢さんとか、射撃優秀賞さんとかそういうやつらが
制圧隊として乗り込んでいる。
ぽちゃん!ぽちゃん!こきん!
「機銃だ!銃鎧用意!」
わかばとみつばが鋼鉄製の盾、「銃鎧」を前面に構える。銃鎧は銃弾を弾き返す。だがしかし。
ばきっ!ぼきっ!
何発かは内火艇の船体に当たり、そのFRPの船体を削っていく。
「もうちょっと、もうちょっと…よっし!」機銃の俯角の下に内火艇が入り込んだ。銃弾はなおも降り注ぐ。
わかば「海面から甲板まで、けっこうありますね。はぅ。」
こきん、こきんこきんこきん!
みつば「でも、とべないこともないの。」
わかば「みつばちゃん、私を踏み台にしていって、先に甲板を制圧してください。それからみんなで登りましょう。」
みつば「おっけ〜なの!で、いつはは…。」
わかば「まだ「げ〜」してます…。」
みつば「ばっかやろ〜なの!!」
しゅば!!銃鎧を構えたわかばを踏み台にして、みつばがジャンプする。
水兵「な!ね、猫耳!?」
水兵「ここは海の上だろ!やつら水が弱点じゃ…!」
みつば「ぎじゅつのしんぽなの!」
お祭が、始まった。
昼過ぎ。
第五研のモニタールームではすでに水原、宇月、忍田の3人がそろって座ってコーヒーを飲んでいる。
「間もなくか…その、実験体が来るのは。」
「さっき見たぞ。菊水の隊員にしては少々華奢に見えたな。」
「…まあ、例によって詳細は知らせてないんでしょうね。」
「まあ、当然であらうな。」
「で、その話、本当なんだろうな?猫耳兵すら凌駕すると言うその力ってのは。」
「うむ。霊鳥の力を拝借する仕掛けになっておるのだ。霊力の大幅な増加に伴い、身体能力も飛躍的にアップすると。」
「…理論は本郷さんの物なんですよね?それって…」
「うむ。まあ、実際の仕掛けに使う仕組みは私が担当しておるが、奴も身体能力向上に関しては
プロだ。私は形になるように手助けしただけだな。」
「さて…どんなデザインに仕上げたか…ふふふ、あいつの趣味は想像つくが、楽しみだな。」
「ですね。ふふふ、可愛そうに。」
勝手な話に花を咲かせていると、執務室のドアが開いたのをモニターの一つが映し出した。
おっかなびっくりドアを開け、中に入ってくる一人の少女。
そして、本郷は綺麗に部屋を片付けてその「実験体」を今か今かと待ち受けていたのだった。
「よく来てくれた!ちゆ君!君の来るのを待ってたよ!!」
飛びつくように握手を求められ呆然としているちゆをほっといて本郷はさらに続ける。
「さあ!早速実験をしたい!いいな!?これを持って実験室に入ってくれ!」
渡されたのは鈴のついたピンク色のステッキ。見ようによっては神楽鈴に見えなくもない。
それをもたされると、少女はちょっとした広さのある実験室(身体能力の測定施設)へと送り出されていく。
「あーあ、どうなることやら(笑)」
「あれ、使うだけなんですか?簡単でいいなあ…」
「まあ、奴の趣味自体はどうでもいいが、霊力の相乗効果が予想どうりのレベルを得られるか、知りたいな。」
モニタールームの3人はあいかわらず勝手なことを言っていた。
>>215 :: ∧ ∧::
::(Д゚≡゚Д)::
::(つ と::
:| _ .|〜 ))
:: U :U::
ねえ、お〜い、M0-eちゃんってば……
危ないことはやめようよ、ほら、爆撃も止んだみたいだし、ね…
ほら、だからコンテナなんて漁ってないで……
マスカレイド着るの? 着ちゃうの? やっぱり?
……って、
ん?
コンテナの奥の方に何か……
整備道具だけじゃなくて、何かあるぞ。
布? がかぶせてあるのか? 結構でかいな……
紙切れがはってある。 なになに……
「 こ ん な こ と も あ ろ う か と
by 滝」
……
……副主任。
(そのとき、俺には見えました。親指をぐっと立て笑う、夜空に浮かぶ副主任が。)
『それ』を覆っていた布を剥ぐと、無造作に投げ捨てる。
一部が裂け、首部に纏いついたが、その程度のことには注意を払わない。
覆いの下に在ったのは自動二輪。かなりの大型だ。
M0-eは迷う事無くそれに飛び乗ると、エンジンを始動。
轟音が夜空を、そして誰も居ない甲板を震わす。
何度かアクセルを吹かし、『それ』の持つエネルギィの大きさを確認する。
鋼鉄の鎧の下からでも、その強大さは確かめる事が出来た。
続いて後輪を滑らせターンすると、『敵艦』を目視で確認。
助走距離は充分にあり、『敵艦』との間には内火艇も浮いている。
重量が僅かに足りていないが――
耳を押さえて蹲っている相田の襟首を掴むと、強引に座席後部に乗せる。
「掴まっていて下さい」
手短に言うと、『敵艦』に向かって疾走を開始した。
「死にたくないい い ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ」
相田の悲鳴は、ドップラー効果を実践しつつ消えていった。
>>217 広めの実験場にぽつんとたたされているちゆ。
見上げると、上の方に窓がついていて研究員たちが見下ろしている。
カメラも数台設置されている。扉は2つだけ。もちろん内側からは開かないのだろう。
「…なんか、本格的に実験動物扱い……みたい…」
実験の詳細など一切聞かされずここまで連れて来られてしまった。自分の身に何が起こるかわからないという不安に駆られる。
手に持たされている神楽鈴をぎゅっと握り締めた。
「よぉーーーし!実験だ!ちゆ君!用意はいいかね?」
妙にハイテンションな博士だなあと、思った。用意も何も何やるのかすら分からないのに…
「それではちゆ君!その手の神楽鈴のスイッチを入れたまえ!」
見ると、カラオケのマイクみたいにオンオフのスイッチがある。オンにすると、シャン、と鈴が鳴った。
「そして、振りかざしてこう、叫ぶのだ!『モエモエイリュージョン、ドレスアップ!』と!」
絶句した。恥ずかしすぎる。この人、いったい何考えてるんだろう……
「何してるんだ、早く言うんだ!『モエモエイリュージョン、ドレースアーップ!』だ!」
苦笑いが止まらない。あたし、何してるんだろ……あの博士、大丈夫なのかな?
ともあれ、やらないとこの晒し者状態は終わりそうにないので、あきらめる事にした。しかし、恥ずかしいなぁ、この台詞。
「えーと、もえもえいりゅーじょーん、どれぇーすあーっぷ!……ですか?」
開き直ってやってみる。小さいころになんかこんな遊びをしてたことがあったなあ。某美少女戦士…はは、この年になってまたやるとは…
>>220 一瞬の静寂。と、いきなり手にしていた神楽鈴が鳴り出す。とんでもない波動が鈴から溢れてくる。霊的な光がはっきり見えるほどにそれは強い。
「へ?え?え?きゃああっ?」
強い光に包まれるちゆ。あまりに強い霊波動は彼女の服をすべて吹き飛ばしてしまうほどだ。
そして鈴は勝手に宙に浮かび、何か白い物が飛び出して、何かの形を作る。
「鳩?」
と思う間もなく、鳩のような形をした白い物は飛散し、白い帯となってちゆの体を包んでゆく。
「おおっ!!」
「成功だ!やった!!」
「すごい!」
窓の向こうでは研究員たちの歓声が上がっていた。
強い光の中、自分がどうなってるのか確認すら出来ずにいるうちに、それはすべて終わっていた。
呆然と立ち尽くしているちゆに本郷が声をかける。
「どうかね?ちゆ君、いや、護法天使マジカルシャイニー!!」
「はあ?」
呼ばれてようやく自分のしている格好に気がついた。
胸元が強調された白衣風のレオタードに緋袴…は膝上までしかなくてミニスカートのようになっている。
レオタードの上には薄めの千早。胸元には菊と鳩をかたどったバッチがついていて、髪はツインテールで
檀紙と水引でまとめられている。腰には武器であろうか、矛先鈴がセットされていた。
…簡単に言おう、巫女さん風美少女戦士の格好をさせられていたのである。
「……恥ず……」
赤面してしまうくらい恥ずかしい。足もこんなにばっちり出して、胸元だって…あれ?ちょっと大きくなってる?
「うん、資料によるとちょっとバストサイズが足りないようだったから、こちらで足しておいたよ。」
…すみません、死んでいいですか?ってか、誰ですか、身体測定の結果渡したの……
……(; ´Д`)ハァハァ
>>221 「フォルア!」
頭上で声がして見上げると、白い鳩が頭の上に止まっていた。
「よーうやく出られたぜ。まったく窮屈でかなわねえ…」
しゃべってる…鳩が…考える間もなく、マイクから答えが帰ってきた。
「彼は音羽君だ。今回のプロジェクトの功労者で君のアシスタント兼マスコットだ。君のコスチュームのそのものでもある。」
「おう、行きがかり上こうなっちまったが、せいぜいよろしくな。厄介かけんじゃねえぞ!」
「は…はい…よろしくおねがいします…」
口の悪い白鳩に思わず返事をしてしまう。
宇月「あれ、なんなんですか?」
水原「ああ、護国神社の白鳩でな、音羽という名の霊鳥だ。」
忍田「捕まえて霊力抽出したのか…えげつないことするなぁ…」
水原「ふふふ、いいだろう?」
「マジカルシャイニー!君は変身することによって霊力、身体能力ともに格段のパワーアップをしているはずだ!
それをこれから実験するぞ!株式会社塩塚のみなさーん!!」
本郷の声とともに扉が開かれると、全身黒タイツの一団が「イー!」という声とともに入ってきて、シャイニーを取り囲んだ。
「え?え?何です?何なんです?」
「わからねえ奴だな、フォルア!こいつらと戦えって事だよ!!」
訳が分からないまま、ちゆは自分が何か引き返せない方向に足を踏み入れてしまっているような気がしていた。
〜少し時間を遡って〜
「しくしく……」
シーズンも過ぎた秋のビーチで、撫子は欝になっていた。店仕舞いした海の家の軒先を借りて
休んでいたのだが、何気無くベンチの下に捨てられた東西スポーツの新聞を拾ってしまった。
それは皮肉にも、かつて撫子がスッパ抜かれた、というか撮影に失敗した特ダネの記事だった。
あの時この記事を見た撫子は妙な既視感に戸惑い、たいしてショックを受けなかったが、
今になって見てみると、やはり逃がした魚は大きかったようだ。
『♪モシモシ カメ ヨー カメサン ヨー』
撫子の携帯の着信音が鳴り響く。交代で張り込みしていた雄一からの連絡だった。
『撫子さん!急いで来て下さい!』
それだけ伝えると電話は切れた。撫子は瞬時に気持ちを切り替え、パンパンと軽く頬を叩くと、
砂浜を駆け出した。
>224
〜そして現在〜
灯台の最上階まで、撫子は螺旋階段を一息に駆け上った。
「はあ、はあ……カメちゃん!」
「撫子さん、これ見てください!」
興奮気味の雄一と場所を代わり、撫子は国防軍払い下げの高感度望遠カメラを覗き込む。
「………船が、光っている」
本来ならば、このカメラでも捉えることは出来なかったかもしれない。水平線の果てに見える複数の船、
軍艦が微かに発光していた。ここからの目視でも、不気味に輝く銀色の雲が確認できる。
「何度か銃撃もあったようです。これ、凄い事ですよ」
「……情報通りって訳ね」
数日前、プチTVの撫子の元に、匿名での情報提供があった。信憑性に疑問のある、
アバウトな情報であったが、撫子の勘は特ダネの匂いを嗅ぎ付けていた。
「叔父さん(局長)を説得してヘリを用意した甲斐があったわ」
「……やっぱり、行くんですよね?」
「当然!」
数秒足らずの出来事だったので、それを目視していた者は少なかったし、
例え見ていたとしても理解できた者は殆どいなかった。
詳細はこうである。
ひりゅうの飛行甲板上で、レーシングタイプのバイクが一台、甲冑のような鎧を着たライダーを乗せ、
カタパルトでも使用したかのように加速し、そのまま真っ直ぐ海へとダイブする。
着水するかと思われたが、バイクはバランスを崩すことなく会場の内火艇(2号艇)に降り立つ。
しかしスピードは全く落すことなく、逃げ惑う制圧隊をかきわけて更に加速。
舳先からジャンプしたかと思うと、野風の側面へと突っ込んで行った。
爆発の派手さに比して損害は極軽微ではあったが、ライダーの方は衝突の寸前に
後部に乗っていた男とともに野風甲板に降り立っていた。
だから、野風乗員が初めて目にしたその『兵器』の姿は、
既に気絶していた貧相な男を抱え、首に巻かれた白いマフラーをなびかせながら、
爆発の炎を背に、悠然と歩を進めている、人型ロボットの姿だった。
>226
ずごーーん!!
不意に一際近い位置から爆音と振動が発生した。そして時をほぼ同じくして目前に現れたのは、鎧(機械?)
を身に付けた女の子だった。多少見上げる程のその姿は、それとなく威圧感を感じさせる。
「おい、空から来なかったか?」 「馬鹿、敵だ!」 「ちくしょう、来やがったな!」 「撃て!」
パン! パンパン! パン!パン!
>>220 「ふっ……やるな、本郷!」
本郷主任の後ろでは、身体能力測定の準備をしつつ、滝が不敵な笑みを浮かべている――
と、本人は思っているが、実際は、不敵でもなんでもないニヤケ面である。
「恥かしがるちゆたんハァハァ(;´Д`)……じゃなかった、コスチュームからマスコットキャラまで、
抜かりがないな……。特に変身ヴォイスは高得点だ。流石、我が強敵(とも)!!」
訳がわからない独り言をぶつぶつつぶやいている滝から、5研の研究員たちはそそくさと離れいくが、
そんなことは一向に気付いていない。
実験場には戦闘員が流れ込む。
「だが俺も負けてはおらん。今頃、したっぱに届けたサイク口ン号が
俺の夢を実現させているはずだ……。
ふっふっふ……はっはっは……はーっはっはっは!!」
悪役のような笑い声をあげる滝であった。
>>221 俺は医学が専門だ……そのコネを使えば菊水隊員の身体測定結果を手に入れることなど造作もない!
クックック……
226>>
「うわ!なんだぁ!」
突然飛んできたバイクが内火艇の上にのり、そしてまた飛び出していった。
当然内火艇はバランスを崩す。そして…
ふたば「きゃぁああああああああああ!!」
転覆した。
装備は海に投げ出され、呆然と海に浮かぶ制圧隊員たち。
よつば「また、でばんがけずられたの…。」
むつは「不当な扱いだな…コンチクショウ!!お前ら!泳ぐぞ!目標、敵2番艦!!」
さて、彼ら彼女らはM0-eが制圧を完了する前に野風へとたどり着くことができるのだろうか。
みつば「わかば〜おまたせなの〜。ちゅうぶかんぱんをせいあつしたの。」
わかば「はい、おつかれさまでした、みつばちゃん。それじゃいきますよぉ…えいっ!」
ぶん!勢いをつけて投げ飛ばしたのは、いつは。
くるくるくるくる…べちゃっ!顔面から着地する…。
みつば「いつは〜!いいかげんにするの!いつまでそんなよっぱらってるつもりなの?」
いつは「うるさ…い。私だって好きでこんな…う。」げろげろげろ〜。
みつば「わかば〜。いつはやっぱりだめなの〜。つかいものにならないの〜。」
わかば「盾ぐらいにはなります。それじゃ、他の制圧隊の皆さんを投げるので、受け取ってくださいね〜!」
ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!ぶん!
ぱっ!ぱっ!ぱっ!ぱっ!ぱっ!ぱっ!ぱっ!
制圧隊「制圧隊整列!低い姿勢!これから作戦概要を説明する。いっこ、さんこの猫耳水兵は現在地、中部甲板より
内部に侵入、敵を駆逐し艦橋への進路を開く。ごこは同じくCDCへの進路を開く。進路啓蒙の後、第1隊は艦橋、
第2隊はCDCの制圧に移る。猫耳水兵はこれと合流し、同じく制圧を行う。第3隊は現在地の警戒を行え。
作戦を開始する!」
中部甲板から艦内に入るハッチに爆薬が仕掛けられる。
「爆破!!」どかん!!
ハッチが爆砕され、進路が開く、と同時に、艦内からの火線が乱れ飛ぶ!
ぱぱぱぱぱぱぱぱ!たん!たん!たん!たん!
わかば「銃鎧用意!みつばちゃん、いつはさん、いきますよ!」
みつば「おっけ〜なの!」
いつは「…うむぇ…。」
銃鎧を構え、3体の猫耳水兵が火線の中へ飛び込んでいった。
(パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ)
『プチTV』のロゴが入ったヘリは海上を滑るように飛んでゆく。空は薄暗く、海は深い紺色。
不気味に発光する銀色の雲が複数の船影を淡く照らし出している。
真っ先に目に付くのは、純白の船体を持つ『いせ』そして見たことも無い形式の空母。その他の軍艦が
二隻の不審船を取り囲んでいる。現在国防軍の水兵が不審船に侵入し、制圧を試みているようだ。
「来た!来た!キター!!」
「撫子さん、落ち着いて。リポートの準備しなくちゃ」
「分かってるわよ。ふふふっ」
(ブーーーーーーーーーーーーン!)
撫子達のヘリの脇を水上飛行機が追い越してゆく。紅翼には『MHK』のロゴ。
「……え、なんで?」
「まあ、情報のリークがウチだけとは限りませんし」
「しかし水上飛行機まで持っているとは、さすが天下のMHK」
「なに感心してるのよ運ちゃん! 抜き返すのよ!」
「運ちゃんって…いえ無理ですよ」
「そんなあ…」
「まあまあ、撫子さん。他に他局は居ないみたいだし、十分特ダネですよ」
MHKの飛行機は、あっという間に交戦中の上空へ辿り着いた。ところが突然、その飛行が不安定になる。
「えっ、ど、どうしたの?」
「流れ弾でも食らったのか?」
飛行機は完全にコントロールを失い、そのまま滑空、海上に着水する。
「……ら、ラッキー?」
「という訳じゃなさそうですね。あの雲、どちらの側が使ったのかは知りませんが、何かの兵器のようです」
「おいおい、それじゃあ俺達もMHKの二の舞だぜ……くそっ、無線が使えなくなってる」
「これ以上近づくのは危険ですね……ウチの放送機器のレベルでは、局との通信も無理でしょう」
「……また、また生放送出来ないの?」(半泣き)
「ええと、朝のニュースには間に合うと思います…」(汗)
>>223 塩塚A「イーッ!」
ちゆ「た、戦うって、どうすれば・・・。」
本郷「言っただろう、マジカルシャイニー! 身体能力は格段のパワーアップを遂げていると! 試しに普段の訓練どうりに攻撃してみるのだ!」
塩塚B「イーッイーッ!(ハァハァ・・・ドサクサにオパーイを・・・)」
せまりくる黒タイツ。何か両手が妙な動きをしている。
両手をかいくぐり黒タイツの側面に回った。
ちゆ「ご、ごめんなさいっ!」
謝りながら、両手で掌底を放った。
ドサッ!!
塩塚Bは2メートルほど吹っ飛んで床に転がった。
おそらく女性の体重と力ではこうはいかないだろう。
ちゆ「ほ、ほんとだ。すごい・・・。」
本郷「そう、それが強化レベル1! 君ならば平均的男性の腕力が出せるのだ!」
研究員「肉体強化、予想範囲内の数値が出ています!」
滝「ふっ、レベル1は成功か。だが戦闘員は彼らだけではないぞ・・・くっくっくっ。」
塩塚A「イー・・・。(く、やるな・・・。)」
塩塚C「イーイー!(よし、同時にいくぞ!)」
残り5人は一斉に飛び掛った!
本郷「よし、強化レベル2だ!」
研究員「はい、強化レベルを2に上げます!」
ちゆ「きゃああああ!」
思わず叫び、その場にうずくまるちゆ。しかし黒タイツ達はまるで弾き飛ばされるように吹っ飛んだ。
ちゆ「うそ・・・。」
ちゆは小さな子供に体当たりをされたような衝撃を受けただけだった。
本郷「これがレベル2! 人間の限界レベルの力だ!」
研究員「大丈夫です、全ての数値、予想範囲内です!」
忍田「そして次がレベル3か。」
宇月「猫耳を凌駕する・・・ね。」
>>223 滝「ではここでご登場願おう!猫耳男さーん!」
扉が開いて出てきたのはちゆの身長をはるかに超す2mあまりの大男…に猫耳がついている。
全身は毛に包まれて可愛らしさのかけらもない。猫というより豹とか狼に近く見える。実際、牙が目立ち、爪も鋭い。
水原「なにかね、あれは?」
忍田「ウチの失敗作だ。パワータイプの出来損ないでな、頭があまりに足りんので5研にくれてやったんだが…」
宇月「えらい使われ方してますね…まあ、実験台としては申し分ないんでしょうけど…」
塩塚戦闘員たちが「イー!」という声とともに飛びのいてゆき、代わりに猫耳男がちゆの前に立つ。
猫耳男「ふっふっふ。俺を倒せるかにゃ?」
ちゆ「こ…こわい…(ってか、ちょっとキモイ…)」
本郷「さあ!レベル3の君ならこの猫耳男を倒せるはずだ!ゆけ!マジカルシャイニー!!」
本郷の声がかかる。と、全身にものすごい衝撃が走る。
ちゆ「ああああああああああ!!!!」
まるで自分の体が弾けた様な感覚。霊力が暴走して、動いていないとどうしようもなくなってしまいそうだった。
それを合図にしたように、猫耳男が襲いかかってくる。かわそうと動いたとたん、自分が10mは軽く飛んでいることに気づいた。
ちゆ「うそ……」
自分の体の軽さが尋常じゃない。いや、何か自分の意思さえ無視したように動いている。
猫耳男が繰り出す攻撃はどれも早く、重量があり、受け止めたら絶対に無事じゃすまないレベルの物だった。
普段なら見ることすらかなわぬであろうその攻撃をかわしている自分にちゆは驚きすら感じていた。
音羽「フォルア!逃げてばかりじゃなく攻撃せんかい!武器もあるだろうが!!」
頭上で鳩が怒鳴っている。気づいて腰の矛先鈴を取ると、霊力を吸収したのかたちまち長剣に姿を変えた。
ちゆ「うわ…すごい……」
研究員A「主任…数値が…」
本郷「分かっている。最後までやらせよう」
>>233 本郷「はっはっは!
>>233のリンク先は
>>232だ!諸君、すまない!」
水原「笑って済ますのか、おのれは。」
忍田「逝ってよしとはこいつのことを言うのだな。」
>>221 >ちゆ:…すみません、死んでいいですか?ってか、誰ですか、身体測定の結果渡したの……
菩提「はっくちょっぉい……だれかうわさでもしたのかな?…(ぶるっ)…さむ…」
阿部「…ばちがあたったんじゃないのか…」
菩提「そんなはずはないよ。だって、もっとも正しく萌道をつらぬいてるもの。ばっちりさ」
阿部「何がばっちりなのか知らんが、そのまえに人として正しく生きろよ」
菩提「萌道とは、鬼畜と一重と見つけたり、さ。さぁ、みんなでわたれば怖くないっ」
阿部「…一人で逝ってくれ、頼むから。にしてもあいつ(ちゆ)遅いな。どこで(
>>233)道草食ってんだか」
菩提「あぁ、この前 阿部が協力していた『輪廻萌生』に関係するテスターとか聞いてるけど」
阿部「ふぅん。そういえばしつこく護法童子のデータをとられたな。まぁ、いいか。子供じゃないんだし、そのうち帰ってくるだろ」
菩提「(わざと視線を壁の端に向けてにやりと笑う)一回り大きくなって帰ってくると思うよ、きっと」
阿部「…(きこうかどうかなやんでいる)…そうか…(あきらめたらしい)…」
無残に沈んでゆく内火艇も、制作者の夢を乗せたまま海の藻屑となったバイクも、
最初から無かったかのように無視。見事なまでの恩知らずである。
彼女にしてみれば、眼前の敵をいかに倒すかが全てであって、他のことはどうでもいいのであった。
どうでもいい。もちろん彼女が抱えている研究者も例外ではない。
M0-eは相田を敵にむけて放り投げる。西朝水兵たちは、逃げる暇も撃ち落す暇も与えられず、直撃。
: ∩:.;
/(。Д。)⊃
/ V/V
/ _⊃ ごぇ
∪ \
うしがえるのような声を出したまま相田は動かなくなった。
〜_ __ ∧∧ ガク...
⊂⊂⌒ ⊃(- -)っ
相田の命(?)と引き換えに、水兵たちはパニックに陥る。集団の隙間に道ができる。
(艦船の制圧には――中枢を制圧が最短……)
M0-eはそこを突破。艦内へと繋がるハッチへと走る。巨大な金属を纏っているとはとても思えないほどの俊敏さ。
「う、撃てー!!」
西朝水兵は彼女の後姿へと発砲、しかし装甲服マスカレイドは弾丸のことごとくを弾き返してしまう。
充分に速度を上げてハッチに接近。そのまま肩でブチかまし。
嫌な音を立てひしゃげたハッチごと、艦内へと飛び込んだ。
>>233 キン、キン! キン! カキン!
長く伸びた猫耳男の爪を長剣で弾いてかわす。
十本の爪が絶え間なく襲い掛かるが、一本の長剣が全てを弾き、そらす。
ちゆ「これがレベル3?」
これほどの斬激なのに太刀筋が見える。
猫耳男「ば、ばかにゃ! この攻撃に耐えられるにゃんて!?」
パキィィィン!
ちゆは攻撃の隙をつき、爪を折った。
ちゆ「あ、だいじょうぶですか?!」
猫耳男「ば、馬鹿にすんにゃッ! こんなのダメージのうちに入らないにゃ!」
パキンッ!パキィンッ!
次々と爪を折っていくちゆ。
猫耳男「な、なかなかやるにゃ・・・。だが霊力戦闘はどうかにゃ?」
猫耳男は距離を置くと、両手に力を込めた。
猫耳男「はあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・! “風”!!」
手から放たれた風は突風となってちゆに襲い掛かる。
風の中には霊力で形成された不可視の刃が無数にちりばめられている。
ちゆ「きゃああああ!」
思わず結界をはったが、結界を突き破る刃も現れ始めた。
ちゆ「なんだか力が抜けていくような・・・。」
研究員A「主任・・・もう・・・」
そのとき、音羽が叫んだ。
音羽「力が抜け切る前に倒すんだ! 必殺技だフォルア!」
水兵A「うわ〜ん!!あの金具この前ビカビカに磨いたばっかりなのに!!」
水兵B「艦内で銃なんか撃ってるから、うわ〜ん!配電盤に当てちゃったよ!!」
水兵C「艦内へのダメージ酷いよ!!でも北朝の奴らにこれ以上進ませてなるものか!!うわ〜ん!!」
たん!たん!たん!たん!たん!小銃を連射する西朝水兵たち。
ひゅん!ババババババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!
水兵A「今の…なに?」
みつば「じゅうにぃてんななみりきじゅうですが、なにか?」
水兵A・B・C「う、うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
ズバババババババババババババババババババババババババババババ!!!!
わかば「は〜い、死にたくなかったら、とっとと道を空けて下さいね〜!」
12.7mm機銃による銃撃を受け、ボロボロになっていく通路。やがて猫耳水兵と西朝水兵との距離がゼロになる。
ぎゅっ…襟を掴まれる感触。ぐぃっ、目の前に迫った顔の、頭の上には、猫耳。
水兵B「…猫耳兵士!菊水の!なんてこった…!!」
わかば「艦橋までの通路、教えてくれませんか。」
水兵B「お、教えられるわけがあるか!…って、言ったら。」
わかば「…食べちゃいます。」
水兵B「…。…。…。…。…。(目が本気だ…どうしよう…)」
わかば「生きたまま指先から食われる準備はOKですか?それでは…。」
???「待ちなさい、日本の猫耳。私の部下を放しなさい!」
水兵B「ら、ラブさん!!」
わかばとみつばの視線の先には、自分たちと同じく動物の耳をもつ少女の姿。
ラブ「私はこの艦の副長、ラボーチキンです。もう一度言います、私の部下を放しなさい。」
わかば「副長さんですか、それなら丁度いいです。「これ以上の抵抗は無駄である。すみやかに投降し我々の指揮下に
入られよ」とのメッセージを艦長にお届け願えますか?我々の指揮官、草野均少将からです。」
ラブ「残念ながらそのメッセージ、お伝えすることはできません。逆に我らの指揮官、萌菜小姐から「我々は日本帝国に
敵対するものではなく、今回の措置は真に遺憾であり残念である。本艦から速やかに退去せよ!」とのメッセージを
お伝えします!!」
みつば「こうしょうけつれつ〜なの!」
わかば「最初から交渉になんてなってませんよ、みつばちゃん。」
みつば「それもそうなの〜。」
ラブ「ここから先へは一歩も通しません、速やかに退去してください!」
わかば・みつば「いぃやぁだぁ〜〜〜〜〜〜!!」
ラブ「ならば、仕方ありませんが、実力で排除させていただきます!」
わかば「数の優位って御存知ですか?副長さん。」
みつば「こんなやつぶったおしてとっととさきいくの〜!!」
それぞれにファイティングポーズをとる動物耳の少女たち。
水兵A・B・C「なんか…見た目ファンシーだな…。」
>240
目前で戦闘が始まろうとしている。しかもただの戦いではない、人のレベルを遥かに
超えた、凄まじい激戦になるであろう戦いなのだ!
「俺らはこの戦いに手を出す事は出来ない。そう、手が出せないなら…」
「賭けだ!」 「観戦だ!」 (後方にバリケードを作って、狙撃などを…)
「「ほいキター!!」」 「たー!」 「ター!」 (いや、狙撃準備を…)
うおぉぉお!!ごとごとごととん………がたがたたがた……
唯一まともそうな意見も周りの勢いにかき消され、あっという間に賭けの準備が整う。
この緊急時に、いや緊急時だからこそ萌(燃)える。これぞ海の男!(チガウ
「さーあ!何分でラブさんが敵を撃破するか!じゃんじゃん行くぜ!」
「10分!」 「20分!」 「5分だ!」 「ええい、40分!」 「ラブさんが負けた場…(ゴス」
そして賭け終えた者から順に、ある者は熱の篭った目で、ある者は血走った目で
応援を始めた。
「やったれラブさん!」 「猫のクセに海なんかくんなー!」 「か、かつぶしー!(?)」
各々が手に紙切れを握り好きかってに野次を飛ばす。西朝の水兵しか周りに居ない為、
思いっきり偏った声援だ。
というか、この争いに巻き込まれたら氏んじゃうかも…なーんて事は、誰も考えちゃ
いないのだった。
一体どうしたことだろう。艦内の全ての機能が、原因不明の停止状態に追い込まれている。
そして今、私の腕の中には、自らをこの艦だと名乗った少女が苦しげな息を立てている。
松風「なんだか、とっても変なんだ…身体が、からだ全部が縛られたみたい…怖い。」
水兵「姐さん、各部からの報告が上がってきましたが、依然復旧の見込みなしとのこと…。」
あのひりゅうという艦の装備は一体この艦に何をしたのだ?不可解だ。全くもって不可解だ。
松風「動けないよぉ…苦しいよぉ…。」
萌菜「大丈夫です。あなたもこの艦だというなら、自分の乗組員を信じなさい。彼らはかならず
あなたをその苦しみから解放するでしょう。」
松風「うん…そうだね…。」
萌菜「ええ。あなたの中で暮らし、そして皆あなたを愛してますから。信じなさい。」
気休めだ。そんなことは分かっている。でも言わずにはいられない。
フフ…カドがとれた、か。
R国の大佐だった頃は…やめておくか。今は昔を思い出すべき時ではない。目の前の困難に、打ち勝たねばならぬのだ。
>>237 ちゆ「へ?必殺技?ですか?」
結界の維持に必死になせいで、間抜けな声で聞き返してしまう。
音羽「剣を使うんだよフォルア!それは一応聖剣だぞ?やってみろ!」
ちゆ「は、はいっ!」
考えるよりやってみろ。誰か…先輩だったかに言われたっけ。
聖剣なら、緊縛結界くらいできるかな?と、なんとなく想像してみる。
っていうか、頭がぼうっとしてきてあまり考えてもいられなかった。
残り少ない力を集中させて剣を振るうと、風に切れ目が入って猫耳男まで一直線につながる道が見えた。
ちゆ「えーいっ!」
ともかくつっこんでみる。相変わらず、体が軽い。スピードに関しては猫耳男よりかなり早いみたいだ。
近づきざまに一太刀きりつける。
猫耳男「ぎにゃ!」
力が入りきらなかったせいで傷はあんまりなさそうだけど、ともかくひるんだみたい。とにかく、やってみる!
剣に霊力を集中させてすばやく印を結ぶ。
「不動縛!五法結界!」
すると、猫耳男を取り囲むように地面から星型の光が現れ、立ち上る。
「堅!!」
剣を振るう。イメージどうりなら星型の光が猫耳男の動きを完全に閉じ込める結界になって固定されるはずだった。
が、ちゆが見たのはもっと壮絶な光景だった。
猫耳男「ぎにゃああああ!!!!」
星型の光はそのまま螺旋状に回転して猫耳男を巻き込んでゆく。しかも刃と化した結界の光は猫耳男を
これでもかと切り刻んで上へと巻き上げ、そのまま地面へと叩き付けたのだ。
ちゆ「う、うそ……」
自分自身がしたことにあっけに取られる中、研究員の歓声や音羽の声、猫耳男のうめきなどが他人事のように
響いていた。
>>243 窓の向こうで、大騒ぎしている研究員たちの姿が見えた。
本郷「よくやった、マジカルシャイニー!それこそが必殺技の一つ、『シャイニング・スター・フラッシュ』だ!」
興奮した声が響く。
音羽「フン!まあまあだなフォルア!」
頭上でかわいげのない声がしている。が、正直疲れてて返事をする気力もなかった。
宇月「へーえ、やりますねえ…あの子」
水原「ふむ…ま、霊力に関してはこれからであらうな。」
研究員A「主任!限界時間です!」
本郷「ん?おっと、イカンイカン。よーし、実験終了だ!変身解除!」
と、胸元のバッヂが光って、ちゆは再び光に包まれる。なんだか爽快なくらいの開放感と脱力感が体中に満ちて、
ちゆはゆっくりと、へたり込む。光が収まって、溜息をつき…自分の体を見て…………??
真っ裸で、あった。………考えてみれば、変身の時服が吹き飛んでいるのだから無理もないのだが。
違う意味で、歓声が上がる窓の向こう。
ちゆ「きゃあああああっ!!!なんで?なんで?いやああああああ!!!!!!」
大慌てで隠そうとするのだが、悲しいかな、窓は全面で自分はどこからでも見られる位置。隠れようも隠しようもなく、あげくカメラは回っていて。
ちゆ「見ないで!見ないでょおおおっ!!」
真っ赤な顔で泣き叫ぶ彼女の元にガウンが届けられたのはそれから3分後のことであった。
忍田「…哀れと言うか、なんと言うか……」
水原「しかし…ぺったんこだなぁ、変身前は」
宇月「……あはは、可愛いじゃないですか。あーゆーの。」
さらに2分後、研究室に帰ってきたちゆを握手でむかえようとした本郷は力いっぱいのグーでぶん殴られたそうである。
本郷「…実験は……成功だった…のに……ガク」
(パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ)
「──以上、現場より大和撫子のリポートでした。引続き、可能な限り状況を追い続けます」
プチTVのヘリは戦闘海域から一定の距離を保っている。海軍に攻撃される可能性は無いだろうが、
不審船から流れ弾が飛んでこないかと、ヘリの面々は気が気ではない。
実際のところ、ヘリの飛んでいる位置は機銃では届かず、その他の兵器は各センサーや連動している
レーダーが停止している為に動かないようだ。哨戒機がこちらを威嚇するように周囲を旋回しているが、
散布された電子兵器の影響を警戒してか近付けないでいる。安全面で考えれば最良の位置だった。
そのかわり撮影には多少、支障があった。雄一の腕とカメラを以ってしても不審船上の戦闘は、
デッキを走る人影と銃の火線がかろうじて判別できる程度でしかない。
「…くそっ、もう少し近付けませんか?」
「近付けないの?」
「駄目だ。これ以上は責任持てない。俺は無責任な事はやらない主義だ」
「そこをなんとか。ね? ね?」
「駄目だ」
撫子は少し頬を膨らませて、ケチと言ってみる。そういう問題ではないが。
雄一は辛うじて識別できる大型バイクや装甲服、甲板に転がっている白衣の人影に首を捻りつつ呟く。
「多分、あの空母は『ひりゅう』ですよ。通称『箱入り娘』と呼ばれてる帝国海軍の秘蔵っ子、いや船です」
「それって凄いの?」
「正確な情報はありませんが、帝国の最新技術が注ぎ込まれているはずです。こんな規模の作戦で
稼動しているということは、偶然でなければ恐らく──」
「新兵器の実践テストを兼ねているとか?」
「不審船のほうは、改造が多くてよく判らないな。この国の船に偽装しているのか……それとも、
その逆の可能性もあるか」
(パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ)
ごそごそ…ラボーチキンがなにか服の下でもぞもぞとやっている。
ラブ「ええと、これがこっちで、あれがあっちで…ああ、ちがうちがう!」
みつば「どじっこぞくせいももってるの、あいつ?」
わかば「そうみたいですね。みつばちゃん、一気にいきますよ。」
みつば「おっけぇ〜なの!!うりゃ!」
ズバババババババババババババババババババババババババババババババババ!!
2挺の12.7mm機銃から吐きだされる銃弾がラボーチキンを襲う。
ラブ「変身中は、攻撃してこないのが、日本の礼儀だときいていたんですけど…。」
わかば・みつば「な!むきず!」
ラボーチキンの制服は、機銃弾の命中によりボロボロになっている。だがその下、青いレオタード?は
全くの無傷。ラボーチキンの身体にも外傷は見られない。
ラブ「かっこよく制服を脱ぎ捨てて、この戦闘服に変身するつもりだったんですよ!」
取りあえず制服の残り端を千切って投げ捨てて、ぽんぽんと膝を払う。こきこきと手首を振る。
アルビノの白い頬が僅かに紅潮している。
ラブ「さて、次はこちらの番です。偉大なるS連科学アカデミアの技術力を思い知らせてあげます!」
わかば「こいつ、ボルシェビキのネコミミスキーです!」
みつば「なんなの?」
わかば「旧S連の科学アカデミアが我が国の技術に触発されて開発していたとかしていなかったとかそんな
眉唾ものの、ミゴーとかオゴポゴとかそういった関口博探検隊チックな奴です!珍獣です!」
みつば「なんかわからんけどすごそうなの〜!!」
ラブ「もう〜〜〜〜〜〜〜!私は、珍獣じゃありません!!」
わかば・みつば「きた!!」
バシュ!!ラボーチキンは自らの背後にある壁(といっても既に機銃弾でボロボロになり、向こうが見えているのだが)
を蹴り、床と平行方向にジャンプ(?)して、一直線に突っ込んでくる。
わかば「あんな床を足場にして!水平ジャンプ??」
ドカッ!わかばの両腕はしっかりとラボーチキンの蹴りをガードしていた、はずだった。
と、次の瞬間、床に倒れこんだまま動かなくなった。
わかば「そんな…きちんと受けた…う…。」
口から流れる血。
みつば「わかば、わかば、しっかりするのぉ!!!」
両腕は無残に折られ、あらぬ方向に曲がっている。蹴りの衝撃は内臓に達し、完全にわかばの戦闘能力を奪い去っていた。
みつば「わかばぁ〜〜〜〜!」
ラブ「安心してください。VC細胞を持っているあなたたちはこれぐらいでは死なないはずです。もう一回言います、
早くこの艦から出て行ってください。お願いします。」
みつば「う゛う゛〜〜〜〜〜〜〜。」
ぴ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
ラブ「へ?」
みつば「サイドパイプ?ほうそうなの?」
艦内に放送が入る。
いつは「こちらCDC制圧班。CDCは我々が制圧した。敵に告ぐ。速やかに投降し武装を解除せよ。
…う゛ぇ。」
ラブ「他にもいたんですか…。私困っちゃいます…。」
更級「艦長、あそこにヘリコプターがいます。ううんと、プチTVです。」
艦長「まいったなあ。MHKの奴らみたいに、放送器材押収の上、横須賀まで拘束、移送しろって、
司令部言ってきてるけどなあ。うちのヘリも出られんのよね。あのわけわか空母のおかげでさ。どう
やって捕まえろって。機銃で撃てないこともないけど、落とすと世論とかアレだしなあ。」
たかなみ「私にいい考えがあります。」
艦長「あ、たかなみさん、いつもお世話になってます。」
たかなみ「いいえ、こちらこそ皆さんのおかげでこうやって海の上を走れるのです。こんなに
嬉しいことはありません。ありがとうございます。」
艦長「こちらも嬉しいです。で、どうするんですか。」
たかなみ「はい。更級さん、小銃を持ってきてください。」
更級「はい。」
すったかたたたたた。
更級「持ってきました。ハァハァ。」
たかなみ「はい。じゃあ、負い紐調整をして、肩に掛けてください。」
かちゃかちゃ。しゅるん。
更級「これでいいですか?」
たかなみ「おっけ〜です(はぁと)それじゃあ艦長ぉ、更級さんちょっとお借りします。」
そういうとたかなみは由希子の両脇から腕を通して、がっちりと捕まえる。
たかなみ「いってきま〜す(はぁと)」
更級「ええっ!ちょちょちょ!!」
2人の少女が、「ふわりっ」と浮かび上がり、プチTVのヘリコプターの方へと向かっていった。
艦長「なんなんだろ…。もう何も信じられない。信じたくない。」
そしてヘリコプターの側面にたかなみと由希子は回りこむ。
たかなみ「さ、更級さん、警告してあげましょう〜。」
更級「…はい。」
構えた銃口で、コンコン、と窓を叩く。
更級「私は帝国海軍軍艦たかなみ勤務、2等水兵更級由希子です。このヘリコプターは現在とても危険な
海域を飛行しています。指示に従い、速やかに我々の保護下に入ってください。」
>248
(パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ)
──コンコン。
ヘリの窓を叩く物音に、撫子とカメラを構えた雄一が振り返ると、空に少女が二人、浮かんでいた。
正確にはYシャツの少女が、小銃を携えた水兵の少女を抱えて飛んでいる。そう、間違いなく飛んでいる。
「……飛行少女?」
思考が一時停止した状態で、辛うじて撫子は呟いた。雄一は無言でカメラを回し続けている。
プロのカメラマンにとって、ファインダー越しの映像は全て『映像』でしかないようだ。
水兵の少女は略式の敬礼をすると、ヘリの窓越しに大声で話し始めた。
(──私は帝国パラパラ艦たかなみパラパラ2等水兵パラパラ子ですパラパラ。このパラコプターは
現在とてもパラパラな海域を飛行していますパラパラ。指示に従いパラパラの保護下に入ってパラパラ──)
……よく聞き取れないが、どうやら指示に従わなければいけないようだ。
「うわっ!! 何だコリャ!?」
気付いたパイロットが仰天して操縦桿を振り回した。ヘリはバランスを崩し左右に揺れ、
凶器と化したプロペラが飛行少女の髪を掠める。水兵少女の両手と顔が、べちゃりと窓に張り付いた。
「わ、悪い。ミスった」
「……取り敢えず、中に入れたほうがよさそう。話しはそれからね」
命綱を付けた撫子はドアを開けると、必死にヘリのスタンドにしがみ付いている二人の少女を後部座席に
引き入れた。人命第一だし、格好のインタビュー相手が現れてくれるとは僥倖だった。彼女もプロである。
雄一は少し涙ぐんでいるYシャツの少女にズームアップ(接近)して、こっそり囁く。
「ひょっとしてあなた、陸海空兵器少女造兵廠製ですか?」
ttp://pink.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1033559682
>247
「おい…どうするよ?まだ一人残ってるぜ?」
「ああー、ラブさん圧勝っぽいんだけどなあ。」
自艦のCDCが制圧されたという中、彼らの心配毎はどうも他にあるようだ。
というより、あるべき緊張感が見事にごっそり抜け落ちているような。。
「おい、今何分経った?」 「まだ2分くらいだ。」
「これじゃ親の総取りか?ちくしょー、あの猫耳さえ…あれ?」
みゅーん……
とある一水兵が見守る中、猫耳兵の頭上の空間に変な黒い穴が…
カコン!!
みつば「いたっ!ま、またなのー…。」
コロコロコロ…床に転がる金色の物体を目で追う。信じられない。
水兵「…………やかんだ。」
怪奇現象に心を奪われている水兵をよそに、その他大勢は次の行動に
移ろうとしていた。
「このままじゃ駄目だ!貴様ら、管制室奪回するぞ!ラブさんに戦闘を
再開してもらうんだ!」
「「おおーーー!!」」
動機はともあれ。
艦内の通路の途中。CDC奪回に向け走り出した水兵たちも、一旦作戦を練る為目的地まで
数十メートルほど手前の位置で立ち止まっていた。そこに偵察へと向かわせた兵士が戻る。
「どうだ、敵兵を確認出来たか?」
「はっ!猫耳が一匹、他に少なくとも4名の兵士を確認しました。」
「捕虜については?」
「全く、不明です。捕虜の存在の有無さえ確認出来ていません。」
報告を受けていた男は暫く考えこむ。
(これでは突入もままならん・・・よもや姐さんが簡単に敵の手に落ちるとは思えんが。)
そんな時、隣からボソリと一言。
「CDC制圧された時点で、どんな反撃が出来るんだろ・・・」
・・・二の句も無い。結局誰一人として解決策を見出せぬまま、もはや完全に立ち尽くす。
「・・・役立たず集団、ですな(泣)」
>249
水兵は、更級由希子と名乗った。
「上官の命により、あなた方の放送機材を押収の上、横須賀まで拘束、移送します」
小銃を持っているあたり、問答無用のようだった。銃口を向けられていないだけましであろうか。
撫子は考える。
「……海軍が不審船を拿捕する勇士を、全国に伝えちゃいけないの?」
「えっ、それは…」
「イメージ的に、最高の宣伝になるはずですよね。それ以上に見られたくない何かがあるんでしょう」
「べ、別にそんな事はありません!」
「まあ、その娘が、その一端かしら?」
Yシャツの飛行少女は、何処から取り出したのか空色の人形を手に持って、話しかけている。
「ヘリ子@プチTVさんて言うんですか。私は、たかなみと申します」
「もきゃ」(お腹を押すと鳴く人形のように見える)
「うふっ、そうですね。びっくりですよね〜」
「…………ま、まあ、面白いネタを見せて貰ったわ」
「うう……(ひょっとして私、判断ミスですか?)」
「さて、それじゃあ私達はどうすれば良いのかしら? このまま横須賀に向かえばいいの?」
意外にも撫子は、あっさりと引き下がる……わけが無かった。
「今は従うけれど、あなた達マスコミを舐めすぎているわ。……覚悟しなさい、私はこの仕事に命を
賭けているんだから。少なくともあなた達と同じくらいはね」
撫子は不敵に微笑んだ。
更級由希子です。ひゃぁ〜。怖いよ〜。これから怖くて花の女子アナ大集合なんてとてもとても見れません。
そういえば、指示に従ってくださいとはいってみたものの、どういう指示を出すのか聞いてません。
と、窓の外でピカピカ光るものが。あれは…ひりゅうからの発光信号です。
ええと「更級2等水兵へ、ヘリコプターをひりゅう甲板に着艦するよう指示せよ。後の処置はこちらで行う。
第2護衛隊群司令部。」…だそうです。とりあえず、手持ちのマグライトで返答します。
ピカピカ、「了解、指示を行う。更級」パカパカ、「行え。第2護衛隊群司令部」
「ええと…それでは、指示を行わせていただきます。これから当機には空母ひりゅう甲板に着艦していただきます。」
パラパラパラパラ…
ひりゅうの艦橋からの管制と、甲板の着艦指示員の指示に従って、ヘリコプターはなんとかひりゅう甲板に
到着しました。甲板には、小銃を構えた兵隊さんと…ああっ!草野少将!ちゃっ!吊れ銃の敬礼を行って…
「更級2等水兵、ごくろうだった。たかなみにはしばらく戻れないが、まあゆっくりしていってくれ。さて…
私は帝国海軍第2護衛隊群司令、草野均少将です。御協力感謝いたします。只今我々は作戦行動中であります。
当海域は非常に危険なため、あなた方を保護させて頂きました。横須賀帰投までの間、責任を持って皆様の
安全を保障いたします。…早速ではありますが。」
ジャッ!!小銃を構えた兵隊さんたちが前に出ます。撫子さんの方には女性の水兵さんがくっつきます。
「申し訳ありませんが、皆様にはボディチェックを行った上、ヘリコプター、放送機材、筆記用具その他記録媒体を
全てこちらで預からせていただきます。帰投の際には返却いたしますので、どうかご協力お願いします。」
草野少将、声は柔らかいですが目がマジです。怖いです。対する撫子さんも…うわ〜!火花が!スパークが!
たかなみ「更級さん、なんだか大変なことになってますね〜。」
おいこら。
こうやって私が日本帝国の猫耳と対峙している間にも、日本帝国の兵士が行う艦内放送が次々と耳に入ってきます。
CDC制圧、機関室制圧、格納庫制圧、居住区制圧。この艦の水兵さんたちはほとんどが白兵戦に関しては素人です。
当然と言えば当然の結果であるともいえます。日本帝国海軍はどうやらこの艦に陸戦隊と軍艦乗員の混成部隊を
送り込んできたようです。プロに素人がかなうはずがありません。そして、菊水の猫耳まで送り込んできました。
この私の目の前にいる猫耳を沈黙させるのは簡単でしょう。その後に日本帝国海軍の水兵たちを沈黙させることも
可能です。ですが、制圧が失敗したと判断した時点で、至近に接近した彼らの軍艦が、原因不明の停止に追い込まれて
いる我が艦を必ず撃沈する…!でしょう。
ど う し た ら い い の で す か ?
その時…私の超高感度イヤーが、敵の猫耳のトランシーバの音を聞きつけました。
「みつば…聞こえるか?いつはだ。むりやり身体を動かしたら、まあまあ船酔いも直ってきた…。まだ少し気持ち
悪いがな。どうやら梃子摺っているみたいだな。…そこはお前たちでなんとかしてくれ。私は前甲板に向かう。」
「まえかんぱん?せいあつずみだけど、どうするの〜?」
「前甲板から艦橋ガラスを粉砕、突入する!」
「おお〜〜!!ぎゃくてんのはっそうなの〜!!」
「だから、そこは頼む。」
「おっけ〜なの!」
なな、何ですって!!お姉さま!!
「なんなの?」
あおれおたーどがまっさおなかおでかいだんをのぼりはじめたの。「おねえさま、いまいきます、どうかごぶじで!」
とかいってるけど、おねえさまってだれなんだろう?とりあえず、あとをおうの。…そのまえに。
「わかば…だいじょうぶなの?」
「みつばちゃん、心配しないで下さい。半日も安静にしていれば治りますから…ぐぶっ!」
「はんにちもかかるの?ちょうやばいの!!」
「行って下さい。わたしは大丈夫ですから。さあ、早く。」
「わ、わかったの…せいあつたいのみんな、わかばをよろしくなの!」
「まかせておけ!この場は我々が必ず制圧する。さんこちゃんは早くあの熊耳を追うんだ!」
「いってくるの!!」
あおれおたーど!まってるがいいの!!みつばがぜったいやっつけるの!!
ヽ(`Д´)ノ ウワァァン
ヽ(`Д´)ノ マツカゼ センキョサレタ!
ヽ(`Д´)ノ ウワァァン モウダメポ!
野風艦内では、松風の状況を知った水兵たちが右往左往している。
しかし、情報は交錯しており、正確な状況は把握出来ていない。
ヽ(`Д´)ノ ウワァァン コッチニモ ヒトガタロボ ガ センニュウシタ!
ヽ(`Д´)ノ バリケードダ! カンキョウヲ マモルンダ!
CDCや艦橋へと続く通路に、瞬く間にバリケードが築かれ始める。
緊急事態ではあったが、その行動は迅速であった。
しかし。
キタ━━━(`Д´)━( `Д)━( `)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
人型ロボット(のように見えるM0-e)は、それらを蹴散らし跳ね飛ばし突き破り、もの凄いスピードで突っ切っていく。
そしてそのままわき目も振らず艦橋へ。
ヽ(`Д´)ノ ウワァァン ナンデ カンキョウマデノ ミチヲ シッテルンダヨゥ
M0-eは、船の構造など全く分からない。
そもそも、この艦を攻撃している理由というのも、「自分が乗っていた船と交戦状態になったから」という単純な理由である。
なので、とりあえず目の前のバリケードを突破する事だけを考えていた。
……当然、バリケードを辿って行けば、築いた側が守りたがっている所に行き着くのだった。
>ど う し た ら い い の で す か ?(
>>254)
「ぐっと らっく!」
不意に窓に向かって指を突き出した菩提を安部が怪訝そうに見る
「…電波の利用は計画的にな」
「きにしない、きにしない。で、これはこぶの手伝ってよ」
菩提が大きなダンボールを部屋の奥に運び込んでいく。阿部が怪訝そうに見る。
「なんだ…それ?」
「マジカルシャイニーのトレカ。本郷さんの協力で作って、あとで紫村が異次元酒場でさばく手はずになってるんだ」
あきれたように見つめる阿部に菩提が熱く語りかける。
「…おまえさ」
「いまなら初回限定。スペシャルイベントカード(
>>244)いり!まさにレア街道まっしぐら!」
「レアかよ…」
めんどくさそうに頭を書いた後 詰め所を後にしようとする阿部に慌てて菩提が声をかける。
「ぉぃ。どこいくんだ」
「パス…」
そのまま部屋を出て行く阿部を見たあと再び菩提はダンボールを運び始めた。
「ふっ。阿部もまだまだだね」
一心不乱に労働に汗かく彼は まさに青春の腐った輝きを放っていたといっても過言ではないだろう。
そしてなぜ過去形なのかを証明する人影が部屋の外から、今まさに この部屋に向かっていようとは神ならぬ身の彼には知るすべもなかった。
ちゆ「あれ?阿部先輩。お帰りですか」
阿部「…きょうはな。ほどほどにしてやれ」
ちゆ「?」
謎の言葉を残して歩き去っていく阿部をちゆは不思議そうに見ていたが、阿部が答えずに立ち去ってしまうとあきらめてそのまま部屋へと向かった。
阿部「Good luck…」
人はこれをもって『因果応報』と呼ぶのかもしれない。
>>244 「きゃあああーーーっ!!」
本部の指揮官執務室に場違いな黄色い悲鳴が響く。
昼食をとりながら先の実験ビデオを見ていた少佐の手が思わず固まるのもむべなるかな…
傍らには甲女史がやや憮然とした(?)表情で控え、食事を見守り、。
扉の入り口近くには防疫給水部の使者が立っていた。
「……ん、まあ、その…何だ。こういう趣味は私も嫌いではないな。否定はせんよ。」
一旦止めていた食事の手を再開させつつ言う。
「教授の趣味でしょうか?」
「うーん、どちらかというと彼女は怪人を作る方に喜びを見出すと思うが。まあ、それでは本当にショッカー
になってしまうから表立ってはやらないのだろうがね…」
「あの…」
不安そうな顔で使者が声をかける。食事を始めて30分以上。ずっと待たされているのだ。
「うん?君は『これ』について私の感想が聞きたいと言うのかね?」
「は、はい。そうでないと主任に…」
「あのねえ…」
言いかける甲を制して口をナプキンでぬぐう。
「少なくとも霊警をゴレンジャーにするつもりはないと、伝えるがいい。…彼女については知らんがね。
気が済んだらさっさと帰ってくれないか。食事中に見るアトラクションにしてはこれは趣味が良過ぎる。」
顔は笑っているが眼が笑っていなかった。使者は慌ててビデオを持って立ち去っていく。
「いいのですか?あんなのに選任で人員を裂いてしまって…」
「一人ですめば安い物さ。それとも甲君もああゆう格好したいかい?君にはどちらかというと女幹部が向きそうだが。」
「代行!!」
「はっは。やっぱり巫女服もいいが食事のときはメイド服に限るな。おかげで今日は食が進まなかったよ。」
「そうですか…十ニ分に食べていらっしゃると思われますが…人間ドックをお勧めしたいほどに…」
代行は一瞬顔を曇らせ、また食事を再開した。甲はそれきり黙って食事が終わるまで控えていた。
>>244 ちゆ「煮て焼いて揚げて炒めて食わずに捨ててやるぅぅ!」
宇月「もう気絶してるってば!」
じたばたじたばた。
気絶した本郷をなおも殴り続けようとするちゆにしがみつく宇月。
宇月「見てないで助けてー。」
水原「配慮の足りなひ本郷が悪ひ。」
ちゆ「もう、お嫁にいけないぃー!」
忍田「まあ、気の毒ではあるが・・・。」
水原「まあ、しかたなひな。あまりつかひたくは無かったが・・・。」
水原は壁に向かって歩き出した。
水原「“こんなこともあらうかと”!」
忍田「あ、それは・・・。」
壁に隠されたスイッチを押した。
研究員は突然表情を失い、動きを止めた。
ちゆ「こ、これは・・・・?」
水原「説明しやう。このスイッチは5研の開発した記憶操作用のものだ。あとで君の裸に関する記憶のみを消しておひてあげやう。記録映像のほうも研究員にはアクセス権限をあたえなひ。」
ちゆは言葉の意味を理解できずにポカンとしていた。
水原「本来、研究員にのみ処置するところだが、今回は本郷にも施しておこう。」
ちゆ「((゜Д゜;; )ガクガクプルプル ・・・・この人達、本気でマッドだ・・・マッドサイエンティストだ・・・。)」
水原「そうそう、これはお礼だ、うけとりたまへ。」
ちゆ「なんですか?」
水原「マジカルシャヒニィの神楽鈴の試作品を改造したものだ。変身もできなひし、レベル2の力までしか出せなひが、役には立つだろう。」
ちゆ「は、はあ。」
水原「まあ、すぐに使うことになると思うが。」
ちゆ「??」
ちゆには見えなかったが、水原にはある研究員のモニターが見えていた。
“to菩提 送信完了”
>253
プチTVの三人と、この艦では仕事の無い更級由希子は、『ひりゅう』の一室に案内された。
もちろん、出入り口の前には小銃を持った水兵が睨みをきかせている。たかなみは「身体が心配です〜」
と、何処かに行ってしまった。彼女はその特殊な能力のせいか、VIP待遇のようだった。
(もちろん撫子達は船魂などまだ識らない。)
休憩室の一つだろうか? 軍艦にしては広い室内には、ボルトで固定されたテーブルと長椅子、電話、
そしてコーヒーメーカーが置かれている。
「MHKの人達も、ここに居るんですか?」
撫子の質問に、見張りの水兵は応えない。直立不動で正面を見詰めている。
「むっ……大変優秀ね」
撫子は雄一の隣に座る。二人して、対面に座ったパイロットの胸ポケットを、しばらく凝視する。
「──もきゃ」
手持ち無沙汰の更級由希子は、コーヒーを淹れ始めた。
「撫子さん、コーヒー飲みますか?」
「頂くわ、ブラックで」「ブラックで」「カフェオレで」「……ブラック」
全員の視線が、見張りに集中する。ちょっとだけ、顔が赤くなっていた。
ど う し た ら い い ん で す か ?
「ふう。さて、どうしようかしら?」
「……撫子さん、やっぱり何も考えてなかったんですね」
「えっ……ハッタリ、だったんですか?」
由希子からコーヒーを受け取りながら、撫子は苦笑する。
「気持ちは嘘じゃないけれど”これ以上”策が無いわね。(ズズ…)……苦い」
「? 伝統ある海軍式コーヒーです。初めての人は砂糖を入れたほうがいいですよ(ズズ…)」
「(ズズ…)いえ、これで良いわ。ところでサラシナさん、あなた自分の船に戻らなくていいの?」
「はい、私も出来れば戻りたいんですが……ああっ!」(ガタッ!)
勢い良く立ち上がる更級由希子。幸いにもテーブルは固定されているので、コーヒーが零れる事は無かった。
「来た時のように、あの娘に運んで貰えば良かったのにね」
「うう……(ひょっとして私、また判断ミスですか?)いいえ、任務は確実に遂行しています…よね?」
少女は少し情けない表情で尋ねてくる。撫子はまた、苦笑する。
「サラシナさん、あなた御家族は?」
「沢山います」
「じゃあ、彼氏は?」
「……今は、いません」
溜息を吐く更級由希子。同時に、撫子も溜息を吐いた。
「…………やっぱりダメ。ゴメンねカメちゃん」
「いえ、いいんですよ」
撫子は席を立ち、電話機に近付いた。当然、見張りの水兵も近付いてくる。
「局に電話架けさせて貰います。これ、衛星電話よね? ヘリが支障なくこの船に着陸出来たという事は、
今なら使えるはずよね? ──ああ見張りさん、彼女の人の人生が掛かっているの。もし私が不味いこと
言ったら、遠慮なく銃殺して良いから」
プルルルルルルルル…。
『もしもし撫子です。局長います?…………ああ叔父…いえ局長、メール届きました? ええ、ヘリから
衛星電話の回線使って送ったやつ。何番まで届いてます?……うん、それでね多分最後のほうに
水兵の女の子が映っていると思うんだけど、その子、私の知り合いなの。でね……うん、ありがとう。
他のは自由に使っていいから。出来れば”海軍、不審船を拿捕か?”みたいな感じで。うん。うん。
夜には帰ります。はい、じゃあ──』
受話器を置いて、もう一度溜息を吐く撫子。このタイミングだと、海軍の命令系統から鑑みて、
ニュース速報を流す前に局に圧力が掛かるかもしれない。ここでの待遇も悪くなるだろう。
「……インターネットって、便利よねえ」
「あ、あの、それって……」
良く判ってない更級由希子に、撫子は残念そうに説明する。
「ええ。局へ繰り返しメールを送信し続けていたの。普通に着陸できたから、もしかしてと思ったら、
ちゃんと届いていたわ……モザイク入りとはいえ、銃を持った横暴な姿でテレビに出たくはないでしょ?」
>256
「何やら騒がしいのう?」
「うむ、そうだのう。なんぞあったかな?」
その頃、周囲の喧騒をよそに、貫から留守をおおせつかった式神二体は、
のんびりと茶を啜っていた―――――
その時であった。バーンという音と共に、
小さな機械人形の少女がそこへ殴りこんできたのは。
「無粋ですなぁ、まったく――――」
「小うるさいご主人様がいなくて、久々にノンビリしてるところを、
騒がしくせんで欲しいですな?そもそも貴公等北朝の方々はですな・・・・・・」
主人のいない平穏を破壊されたのが余程気に障ったのか、
凄まじいまでの勢いで少女に食って掛かった。
最初は人型を辛うじて保っていたが、頭に血が上ったのか、
最後には本来の姿である蛟竜と獅子の姿となってガミガミガミと、
まさにの○太ママの説教のごとく、マシンガンかつシンクロチックな雷を落としていた――――ー
>>263 「他人を訪問する際にはノックぐらいしろと親御さんに言われませんのでしたかな!?」
「手土産の一つも持ってこないようでは知れたことだがのう」
ガミガミうるさい。
などとは思わず、M0-eは馬鹿正直に二人(二匹?)の式神の説教を聞いていた。
ノックなら、したつもりだし(バイクで体当たりだけど)、
お土産も甲板に置いてきた(相田を)んだけどなあ……
屁理屈を思い浮かべる一方、思考回路では闘争意識の優先度が上昇し始める。
融通がきかないM0-eの頭では、常に戦闘に集中し続けなければ、すぐに意識がそれてしまうのだ。
だから、一定時間ごとに自動的に闘争意識が増幅されるようプログラムされている。
「あっ!」
今気づいたように声をあげる。
目の前の二体は既に人の形をとっていない。
人間であれば、急所の位置から各四肢の運動可能範囲、効果的な関節技まで
全てをインプットされているM0-eだったが、人外に対しての知識は殆どない。
どうしよう……
「見れば年端も行かぬ娘ではないか、先が思いやられるのう」
「そうだのう、全く最近の若いおなごと来たら礼儀知らずもいいところで……」
ガミガミうるさい。
闘争意識が上がったおかげで、今度こそそう思った。
とにかく、目の前にある蛟竜の腹目掛け、踏み込みつつ拳を叩き込む。
悲鳴を上げ、体をくねらせながら蛟竜が吹っ飛んだ。
なんだ。
叩けるなら、戦えるではないか。
M0-eは改めてファイティングポーズをとった。
>>259 ちゆが立ち去った後、水原はどこかへ電話をかけている。
宇月「水原さん、よかったんですか?あれで。」
水原「む?なにかな?」
宇月「あの子…ですよ。」
忍田「まー、計画どうりとはいえ、あーゆー事すんのもどーかと思うなぁ…確かに。」
ほかの研究員が固まっている中、本郷がむっくりと起き上がる。
本郷「まあ、これは税金と思ってあきらめてたが…いいパンチだったな。」
水原「配慮が足りんといったのは真実だぞ。乙女の裸を何だとおもっとるのだ。」
電話を終え、戻ってくる水原。表情には一切の変化もない。
水原「予想どうり、代行殿は研究の継続に許可を出されたぞ。喜べ。(
>>258)」
忍田「あらあら、出ちまったかい…」
宇月「…しょーがないですねえ……」
本郷「ふっふっふ!キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! 」
力入りまくりのガッツポーズで吼える本郷。
水原「さて、宇月。さきほども説明したがあれにはな、最初に使った者がイニシャライズできるといふ機能がある。」
宇月「最初にスイッチを入れてしまい、「あの鳩」に主人と認められてしまったら役目を終えるまで解放されない…」
忍田「…詐欺みたいだな。」
本郷「音羽の意志が強いからそうならざるを得んのだ。」
水原「…で、さっき彼女に渡したものは実験に使ったコピーの『本物』だ。こっちから力を調節するといふことは出来ぬが
本人の力量は最大限に発揮できるであらう。使いこなせばレベル3以上の力も出る。無論変身もな。」
宇月「コピーから本物へ戦闘用データを転送できるなんて思いもしないんでしょうね…」
本郷「彼女はこれからだよ!訓練あるのみ!はっはっは!努力と根性!すばらしい響きだ!!」
忍田「少し黙れ、暑苦しい。」
吼える本郷をぴしゃりと叩いた。
>>265 宇月「でも、変身のたんびにあれじゃかわいそうな気もしますね。」
水原「仕方ない。ナノマシンで服が合成できるならとうにやっておるのだが、間に合わぬのであらう?」
宇月「服なんか合成しても…ねえ…それくらいだったら「あの子」をもう一人作ってしまった方が楽ですよ。」
忍田「その方が面白いな。」
さらっと恐ろしい会話を口にしているのだが、その異様さは当人同士では決して分からないだろう…
忍田「まあ、あとはアリスで訓練を受けてもらうか…思いっきり訓練できる場所ってそうはないしな。」
宇月「ですね。その辺は代行に……」
と、ドアを開けて和服に白衣をローブのように着込んだ女が入ってくる。
水原「待ったぞ、琥珀。」
忍田「ん?琥珀?」
女…12研主任七夜琥珀。通称「笑う薬剤師」薬物、細菌、ウィルス。毒から薬までなんでもありのドラッグクイーンである。
その彼女がなぜここに?と思って見ていると、ニコニコした顔のまま口元にハンカチを当て、突如、本郷にスプレーを吹き付ける。
本郷「うわっ!……え?…と、…とと…と………」
ぐらりと視界が暗転し昏倒する本郷。
宇月「琥珀さん!何をするんですか!?」
琥珀「ふふふ、女の子に悪さをする人にはおしおきなのですよ?ね?涼菜ちゃん。」
にっこりと。水原も口の端を上げてニヤソと笑った。
水原「処置はすると、言ったであらう?」
忍田「……まあ、当然といえば当然だな。南無。」
そして。
街中を歩いていると突如、ちゆの神楽鈴が光を帯びた。と、肩に鳩がとまる。
「フォルア!俺を置いて行くんじゃねえよ!」
「え?え?音羽さん?だって、あれは…????」
「なーに寝ぼけたこと言ってんだ!次はもーちっとまともに使いこなせるように訓練しろよ!」
うろたえているちゆを一方的にどなる音羽。
「す、すみません…がんばります……」
で、つい勢いに押されて謝ってしまった。この時、契約が成立してしまったということを知るのは後の話。
この日以後、霊警に「特装遊撃隊」なるものが出来た。隊員はたった一人であったそうである。
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!! 気持ちわるいよ〜〜〜〜〜!! あたまが痛いよー!! え〜んえ〜ん!!」
「おー、よしよし……アメあげるから、な? 泣くな、泣くな(なでなで)」
近所の子供をあやすフツーのオッチャン。そんな光景。
ただし、ここは「野風」の艦橋で、オッチャンは艦長であった。
艦長は、突如現れた「この艦」と名乗る小さな女の子、「のかぜ」に振り回されっぱなしである。
もっとも、艦としての機能がダウンしてしまった野風においては、
「のかぜ」のお守りをしていなくともフツーのオッチャンに過ぎなかったのだが。
甲板から艦橋へと続く通路がことごとく踏破されるのを聞いていながら、何も出来ない。
もはや、艦長はのかぜに負けないくらいの泣き顔になっていた。
そしてそれは他の乗員も同じ。
未知の敵に対して手も足も出ず、敗北を待つばかり。
そんな雰囲気の艦橋に――
――凍りつくような空気を纏った男が、一人、居た。
ダークグレーのスーツに身を包んだ、長身痩躯の男。
胸元にネクタイはしておらず、ワイシャツのボタンを開けている。
口元と顎は無精髭で被われており、こけた頬と鬼気迫る眼差しは、男の本質を語るには充分すぎた。
修羅。
一語で表現すればそれが最も相応しい。
血と硝煙のなかにこそその存在が相応しい、そんな男だった。
うなだれるように椅子に腰掛け、静かに、飛び交う艦内状況の報告と「のかぜ」の泣声を聞いていた。
と、何の前触れもなく立ち上がる。
艦長と「のかぜ」の方へ歩き出す。
「のかぜ」は泣きやみ、不思議そうに男のほうを見る。
艦長は――震えていた。
大陸ではありとあらゆる犯罪に手を染め、海賊としても有能な、恐れを知らぬ艦長だったが、
この男が持つ殺気に対しては、例え様の無い恐怖を感じている。銃を突きつけられる方が余程ましというものだ。
反射的に「のかぜ」をかばう姿勢をとる艦長に対し、男は一言「どけ」。
冷や汗をぬぐう事も出来ずあとずさった艦長には目もくれず、男は懐から紙切れのようなモノを取り出す。
「おじちゃん、それなあに?」
尋ねる「のかぜ」に、一瞬だけ微笑むと、紙切れを「のかぜ」の額に当てる。
「――禁」
短く呟く。
「のかぜ」はきょとんとしたあと、目を丸くし、そして満面の笑みではしゃぎはじめた。
「なおった!なおったよっ!」
艦長は、その不可思議な光景に釘付けであった。
要は、男が魔術のようなものを使い、「のかぜ」にかけられた呪いを払った、ということなのだが、
艦長の思考がそこに至ることは無かった。
男は、艦橋の入り口の扉に視線を走らせ、
「――来るか、忌みの人形よ」
はしゃぐ「のかぜ」の頭を撫でながら、再度短く呟いた。
秋が近付き、少し肌寒くなった五稜郭の朝。庭に植えられた紅葉も紅葉の兆しを見せ始めている。
現在東朝は幹部の大半が五稜郭を留守にしていた。各地の蒼天教教団支部で活動する者、
独力で萌姫の行方を探す者、自由気ままな旅に出た者。今残っているのは一部の幹部と、
藍前を始めとする旧菊十字団の面々だった。火神には『御庭係』として幾つかの役目が与えられたが、
その一つが、手薄となったこの五稜郭を守る事である。
「……好い天気だ」
屋敷の中庭で、火神は空を見上げている。今日は一日、休みを与えられた。現在進行中の
萌姫探索の任の間も、定期的に召喚符で呼び戻してもらえる。彼は疲れ知らずの式神だが
人に近しい感情を持ち、制限付きではあるが自由に自分の意思で行動出来るように造られた。
その感情は、人として扱われる事を心地良く感じている。
「……ここは、好いところだ」
その恩に報いるために、全能力を尽くそうと火神は思う。しかし最優先の任務である萌姫の行方は、
依然として判らない。先ずは五稜郭を基点に萌姫の霊力の残滓を追い始めたのだが、どの痕跡も
途中で忽然と消えてしまう。そろそろ何か別の手掛かりが欲しいところだった。
「……しかし、本日は恐れ多くも休みを与えられた。確実に休まなければ申し訳ない」
火神のいる中庭は萌姫の寝所に面している。ここが一応、御庭係の待機場所となっている。
そして寝所の廊下には、主の寝室を守るように相馬小次郎が控えている。いや実際には、
東朝で最も若い幹部は、少し暇そうに縁側で足をブラブラさせながら、何気なく火神を見ていた。
そこへ山のように洗濯物を抱えた葛之葉と、相方(?)の六条が通りかかる。
相馬は縁側から飛び降りて、行儀良く二人に挨拶する。
「葛之葉さん、六条さん、お疲れ様です。運ぶの手伝いましょうか?」
「いいえ大丈夫。小次郎君もお疲れ様」
「……ひーやん、何してるんだろ?」
葛之葉が呼びかけようとした瞬間、火神の身体が突然ぱっくりと真っ二つに割れた。
「ひゃっ!?」×3
葛之葉と六条は驚きのあまり洗濯籠から手を離してしまった。気付いた相馬は咄嗟に籠を支えようとする。
「うわあ!」(ドサドサドサ──)
二つに割れた火神の断面は重なる式符で、中身は空洞だった。分かれた右半身と左半身は
細胞分裂するかのように、それぞれ二分の一サイズの火神将に成る。
A「うむ、どうやら成功したようだ」
B「……いや、正確に二分割は出来なかったようだな。私の方に御霊符の制御を感じない」
A「ふむ…こっちは逆」
B「それにこの背丈で同じ形というのは、見た目が気持ち悪いな」
A「うん、確かに」
二人の火神は粘土細工のようにお互いの顔付きと体型を整えていく。
A「こっちは、ちょっと符が多すぎる。全部は制御しきれないや。そっちで十枚くらい負担してくれない?」
B「貰おう。減ったぶん色々変えた方が良いな。首はもう少し細いのが萌えらしい。襟釦もちゃんと留めろ」
A「あっ。自分で出来るよう」
「……なんだかドキドキだべさ」
「ああっ、あんな所まで弄って…ハァハァ」
元菊十字団のメンバーは、全員ショタ萌えであるらしい。洗濯物に埋もれていた相馬少年は
なんとなく身の危険を感じ、頭に誰かの靴下を乗せたまま、そろりそろりと逃げ出したが、
二人は目前の光景に魅入っていて気付かない。
A「ま、こんなとこか」
符の制御量の違いか、火神Aは十歳程、火神Bは十五、六歳の姿に成った。そして何故か火神Aは、
そわそわと落ち着きが無い。火神Bは一見すると落ち着いているようだが、二人は暫し沈黙する。
B「……お前が行け」
A「えっ、いいのか?」
B「一つに戻れば記憶は共有できるし、お前のほうが色々と都合が良いだろう……甘えてこい」
A「そ、そう? じゃあ行ってくる」
火神Aは多少慌て気味に軽く助走をつけて跳び上がると、空中で十数羽の白い鳩へ身を変え羽ばたいた。
鳩の群れは五稜郭の上空を一周すると、南西へと飛び去って行った。火神Bは暫くそれを見送っていたが、
葛之葉達に振り返り「御用の際はお呼び下さい」と告げると、同様に鳩の群れと化して庭に散らばった。
本当なら寝床(高級漆塗小箱)の中が最も楽なのだが、今はもう少し、この世界を感じていたかった。
草野「まさか報道にかぎつけられるとは…わが軍の防諜体制は穴だらけ、か。各制圧隊の動向を知らせろ。」
OP「はい。敵1番艦(甲)に侵入した制圧隊は、敵艦の大部分、これにはCDCも含まれます、を制圧。これより艦橋を
制圧するとのこと。やはり皇宮警察の猫耳水兵の威力が大きかった、とのことです。」
草野「また人外派が活気付いてしまうか。まあ、作戦立案は我々ではなく、連合艦隊司令部が行ったのだから仕様がないが。
で、乙の方はどうなった。」
OP「それが…2号内火艇は転覆、これ以上の制圧隊の行動は不可能となりました。各隊員は泳いで、ひりゅう近辺に集合し
彼らの収容が続けられています。なお、猫耳水兵はそのまま泳いで敵艦へと向かったそうです。また、収容した制圧隊員からの
情報を総合すると、2号内火艇は例の「人形」の踏み台にされ、転覆したと断定されました。「人形」は敵艦において戦闘を
行っているらしいことがたかなみ見張り員によって確認されています。なお、2号艇の猫耳水兵は泳いで敵艦を目指している
そうです。」
草野「制圧隊が沈んだか…まずいな。乙の見張りを強化せよ。」
OP「はっ。」
副長「艦長、少し休まれては。目の下が真っ黒です。」
藤倉「今は、戦闘中だよ?艦長が休んで…休んで…ガクッ」
膝から崩れ落ちる藤倉大佐。ぺちょっという情けない音と共に床に倒れる。
副長「いわんこっちゃない…。まだしばらく敵艦に動きはないでしょう。仮眠をとってください。(…ひりゅうさんからも
なにか言ってあげてください。)」
ひりゅう「(うん☆)無理しちゃいやだよ、だり〜ん?ね、あたしが添い寝してあげるから、一緒に寝よ☆」
藤倉「…そだね。確かに、今の状態じゃ指揮はできないや…。副長、士官室で仮眠を取る。状況が変化したらすぐに起こせ。
いいか、どんなに気持ち良さそうに寝てても起こしてくれよ…!!」
副長「はい!(ょぅι゛ょに抱えられて、じゃなきゃもうちょっとさまになるんだけどな。)」
ひりゅう「副長さん、お願いします。」
副長「はい、艦長をお願いします、奥さま。」
ずるずる…藤倉大佐の肩を抱き、ひりゅうは士官室へ向かった。ソファーに藤倉大佐を寝かせると、よほど疲れていたのか、
すぐに深い眠りへと落ちていった。
ひりゅう「ふふふ☆だり〜ん、おつかれさま。…おやすみのちゅ〜を…。」
髪を掻き揚げ、藤倉大佐の唇に彼女自身の唇を近づけたその時、後ろに>261の面々の視線を感じたのだった。
じ〜っ。
ひりゅう「う、うわ、うわわわわわ!!そ、そんなまじまじと見られるとちょっと恥ずかしいかも☆(赤面)」
>>266 30分後の5研実験室…
\ │ /
/ ̄\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─( ゚ ∀ ゚ )< さいたまさいたま!!
\_/ \_________
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∩ ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ ∧ ∧ \( ゚∀゚)< さいたまさいたまさいたま!
さいたま〜〜〜〜! >( ゚∀゚ )/ |本郷 / \__________
________/ |滝 〈 | |
/ /\_」 / /\」
 ̄ / /
 ̄
部屋の外。
水原「ところで、先ほど奴らになにをしていたのだ?」
琥珀「ちょっとした笑気ガスですよー。小一時間おかしくなって後は綺麗サッパリ!」
忍田「なるほどな。データとして残った物以外では記憶から抹消されると、いうわけだ。」
宇月「変な奇声が聞こえますけど…ここ、当分開けない方がいいですね。」
ガチャリ、外から鍵をかけ、4人は立ち去っていった。
>262,273
ずるずる…。
撫子は対面する水兵達の背後に、変なものを見た。ょぅι゛ょが偉そうな制服の男を引き摺っている。
担がれている男は気を失いかけているようだった。ょぅι゛ょが男をソファーに抱え上げる。
見た目と違ってパワフルな子だ。チャイドル系の派手な服装をしているが、何故か場違いな感じはしなかった。
撫子の視線に気付き、更級由希子達も振り返る。
「ふふふ☆だり〜ん、おつかれさま。…おやすみのちゅ〜を…。」
じ〜っ。×5
「(はっ?)──う、うわ、うわわわわわ!!」
オーバーな身振りで驚きを表現するょぅι゛ょ。男を運ぶのに懸命で、撫子達に気が付かなかったようだ。
「そ、そんなまじまじと見られるとちょっと恥ずかしいかも☆」
可愛らしく赤面する彼女に、撫子達を見張っていた水兵が、それがさも当然のように彼女に敬礼する。
「ひりゅう様、艦長は一体?」
「うん。だーりん、ちょっと疲れちゃったみたい」
>275続き。
撫子「ひりゅう様……?」
撫子の頭の中で、男を運ぶょぅι゛ょと、由希子を運んでいたたかなみのイメージが重なる。
撫子「おはようお嬢ちゃん。唐突だけれど、あなた何者?」
由希子「……!(ス、スルドイ)」
ょぅι゛ょ「おはようございます☆お姉さん。お姉さんは、自分が何者か知っているの?」
言葉に詰まる撫子。単純に言い返されたのか、それとも激しく哲学的な事を問われたのか?
ょぅι゛ょ「ふふふ☆お姉さん達は部外者なの。しかも勝手に外部と連絡取ったでしょ」
撫子「どうしてそんな事まで…」
ょぅι゛ょ「この船で、わたしに判らない事は無いの☆」
撫子「……まさか」
由希子「……(不味いです。やっぱりあの子が噂の……撫子さん、機密に接近しています。危険です)」
撫子「むむ……判ったわ! あなたは、この船の──」
ぴっ、とひりゅうに指を突きつける撫子。
由希子「わー! わー! わー! わー!」
撫子「この船の名前を貰ったか、もしくはその逆よっ! きっと設計者の娘さんね!」
コケる由希子。ひりゅうは微笑みながら、水兵に命令する。
「この部外者さん達を、船倉の独房に繋いであげて☆ うるさいから、このお姉さんもね☆」
由希子「どうしてっ!?」
\ │ /
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─( ゚ ∀ ゚ )< ふなだまふなだま!!
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ ∧ ∧ \( ゚∀゚)< ふなだまふなだまふなだま!
ふなだま〜〜〜〜! >( ゚∀゚ )/ | / \__________
________/ | 〈 | |
/ /\_」 / /\」
 ̄ / /
 ̄
「あははーっ。『教授』ちゃんとこ行ったのですか? それは災難でしたねーっ」
明るい笑いの響く和室には和服の少女と、霊警の正装をした新井ちゆが卓袱台を挟んで向かい合っている。
「彼女は、私たち六九式シリーズの中では、最もパラメーターを偏らせてる娘ですからーっ」
「はあ」
緊張した面持ちで霊警隊員、新井ちゆは、ぐぴぴとお茶を流し込んでいる。目の前に居るのは、
かつて菊水の霊的警護セクションの長であった六九式黒二重羽織&黒手甲(長いので以降『黒子』さん)
と呼ばれる霊力強化タイプの人造人間である。もっとも本当にそういう存在なのか、誰も知らない。
ただその霊力は確かに桁外れだった。巧妙に抑えられているが、彼女には視える。
人を超えたキャパシティと霊質。今は殆ど閉じている霊的チャンネルの膨大な量には眩暈さえ覚える。
それらを駆使する技術、知識は推して知るべきだろう。
「私は今、形式的に霊警を隠居して、東朝に協力していますが、ちゆさんには期待しているのですよ?
あなたのお母さんも素晴らしいかたでしたっ!」
「あっ、ありがとうございます。がんばります」
「おやー?」
何かを察知した黒子が一瞥すると、庭に面した障子が音も無く開いた。
「素敵なお庭ですね……あれ?」
まだ昼だというのに、空に赤い星があった。その位置は変わらないのに、どんどん大きくなってゆく。
「………もしかして、い隕石っ!?」
直撃コースだった。
「あははーっ。無問題ですーっ」
隕石が激突する寸前、屋敷の周囲に不可視の結界が展開される。結界に阻まれた火の玉は瞬時に消滅し、
その核だけが縁側に落ちてきた。核は人の形をしていた。
>278
「ははうえーっ!」
唖然としている新井隊員の前を駆け抜け、赤い服、赤い髪、金色の両眼をした少年が『黒子』へダイブした。
両者はそのままの勢いで襖を吹き飛ばし、奥の間へ転がってゆく。
「ははうえ、ははうえっ! ひかみはっ、仕官を果たしましたーーっ!」
泣きじゃくる少年の涙が黒子の作務衣に落ち、しゅう…と湯気を上げる。
「あははーっ。ひーくんは甘えんぼさんですねーっ」
黒子は転がったままの姿勢で、少年の頭を撫でた。
「だって、母上が〜『売れなかったら障子紙ですーっ』って、そこの障子ずぼすぼ破りな…」
障子が未だ破れたままなのを見て、ひかみは暫く硬直し、ずざざっと後ずさる。
「ひいいっ!」
ちゆの背後に逃げ込んで震えるひかみ。
「あははーっ。……冗談ですよ?」(ニヤリ)
「あうあう」(ガクガクブルブル)
「あのぅ」
困惑気味の声に、ひかみはやっと、ちゆの存在に気付く。じっと見詰め合う二人。
「………(クンクン)」
「えっ?」
ひかみは徐に、ちゆの匂いを嗅ぎ始めた。外見とは不似合いな力で少女を畳に押し倒し、
太腿、お腹、胸元、首筋と、いたる所へ犬のように鼻を寄せる。
「あ、あのキミ? あひ、ひゃはははっ!」
「………?(クンクン)………?(クンクン)………???」
「あははーっ。ひーくん意外と大胆なんですねーっ。そんなに便所紙がいいですかーっ?」
「──はっ! し失礼しましたっ!(ガクガクブルブルガクガクブルブル)ははは母上のお客様ですか?
こんにちは。はじめまして。ひかみと申しますー」
ひかみは震えながら三つ指突いて、ちゆに深々と御辞儀した。
>264
「まったく、こんな教育をした親の顔が・・・・・・・ぐわぁぉおおおおおお!?」
ガミガミとマシンガン説教をかましていた阿座火が吹っ飛ばされる。
びたーん、と言う音をたて、壁にぶつかると、
紙の様にペラペラになって床に伸びる。
「むぅ!?女子にしてはなかなかやりますな?面白い、それでは手合わせ願いましょうや!!」
火美猛は凄まじい勢いでファイティングポーズをとる少女に突進した。
「が、頑張るのじゃ〜、火美猛〜」
>>280 目の前に迫る獅子。
いくら高い防御力を誇るマスカレイドを纏っているとは言え、
この突進を真正面から受け止めるのは愚策。
構えを解き、跳躍。馬跳びの要領で獅子の突進を避ける。
「うおおっ!?」
獅子は勢いを殺しきれず、通路の壁に突っ込む。
決して脆くは無いはずの金属製の壁が破壊される様を見つつ、M0-eは構え直す。
戦力は把握。パワーはともかく、小回りは圧倒できるようだ。
四足歩行動物のデータが無くても、これならやれる――
そう思った瞬間。
ドゴゴゴッ!!!
轟音。板片となった側面の壁が、M0-eの体躯を跳ね飛ばす。そのまま逆側の壁面に衝突。
状況を把握するより早く、獅子の前脚で壁へと押さえ付けられる。
壁の外から回り込まれた――
「くっ」
マスカレイドのお陰でダメージは少ないが、それでも喉の奥から空気が漏れる。
「捕まえましたな」
獅子が言う。
しかし、M0-eは既に、その無表情の奥で次の行動を決定している。
ドゴン!!
「なんですと!?」
背中の壁に向かって肘打ち。壁がへこむのを利用し、しゃがむことで獅子の前脚から逃れる。
そのまま背を床へ付け、両足で獅子の腹を蹴りあげる。
脚の拘束を外されバランスを崩していた獅子は、後ろへ倒れる。
起き上がり距離をとったM0-eは、改めて構え。
――どうやら、格闘戦は望ましくないようだ。そして、蛟竜が快復してしまえば2対1。
ならば、倒す事より突破を優先。
この艦を占拠する事で、降伏を促すべきか。
age
プチTVの朝の人気番組『とくダネ?』で、速報映像が流れている。
少女は畳に両手を突いて、身を乗り出すような姿勢でテレビと睨めっこをしている。
テレビには一隻の船が映っていた。薄暗い中、甲板で銃撃の火花が散っている。
(画像は荒く、銀色の雲も映っていない。その発光も、単なる朝日によるものに見える)
パジャマの少年が眠たい目を擦りながら起きてきて、放り出されているヤカンに躓き、
派手な金属音を立てても、少女は気付かない。
「おはよう、ともえお姉ちゃん。今朝はいい天気だね」
「……」
「今日は、ガンガンはやらないの?」
「テレビは明るいところで、離れて見なきゃダメだよ」
「……」
「……」(きゅっ)
「ひゃう!」(べちゃ)
画面とキスするお姉ちゃん。
「……た〜くくん」(ゆらぁり)
ドタバタ、ドタバタ、ガシッ、ドスン。
「ふふふ、拓くんは、いつからそんな悪い子になったのかなー?」
ギリギリギリギリ──、
「イタタタ、ギブギブ! 折れちゃうよう!」(泣)
ともえお姉ちゃんは腕十字を緩めて、急に不安げな声を出した。
「……ねえ拓くん、あれって”まつかぜ”だよね?」
僕は腕十字をかけられたまま、テレビのほうを向く。画面にはお花畑が映っていて、
『しばらくお待ちください』というテロップが流れていた。
プチTVの面々(+1人)は、一つの独房に詰め込まれた。当然独房とは一人用だが、
それでも座る分には窮屈ではない。一人を除いて、膝を並べて壁にもたれ掛かる。
「横暴反対! 横暴反対!」
「それにしても、最近の空母って檻があるのか?」
「知りませんよ。懲罰房くらいはあると思っていましたが」
「船体は最新型、装備は機密だらけで、内装は豪華客船並み。そして船底には監獄もあるときたか。
見た目と違って怖い船だな」
「少なくとも、この船が一番安全な場所ですけどね」
「どうして私まで……シクシク」
「横暴反対! 横暴反対!」
『──どうやら、プチTVさんも捕まっちゃったみたいだね』
隣の独房から話しかけられる。雄一は声に心当たりがあった。
「その声は、MHKの宇佐木さんか」
「知り合いか?」
「僕がMHKに居た頃の同僚です」
「…シクシク」
「ちょっと由希子さん、あなたも手伝いなさい」
『あの頃は楽しかったねえ』
「僕は今のほうが楽しいですよ。苦労もしますけど」
「横暴反対! 横暴反対!」
「お、おーぼーはんたい…」
『あはは。確かに、そのようだねえ』
「はいはい、よ〜し、そこでよし。はい、置いてくれ。うむ。ありがとう。」
制圧隊の人間を数人使って、前甲板に造ったのはシーソー。
「あの…まさかとは思うんですが、飛ぶんですか?いつはさん。」
「ああ。そのまさかだ。しかし、なんでわかばやみつばたちは(ちゃん)なのに私は(さん)でしかも敬語なのだ?」
「いや…なんとなく…。」
銃鎧と小銃を持ち(機銃はさすがに重たいのでやめた。)シーソーに乗る。
「それでは、合図と同時に飛び乗ってくれ。」
「了解!」
安達「ふう…しかしなんだ…乙制圧隊からの情報は全く入ってこないな…。」
いせ「そ〜ですわねえ。」
安達「それにしても…あの空母は本当に常識離れしていると言うか、頭の痛い艦だな。」
いせ「艦長さんはあの艦にのってきたんですわね。どうでしたの?」
安達「ああ。あれはいい艦だ。お前さんよりもな。ただ…。」
いせ「むっ!失礼ですわねえ!!ただ、なんですの!?」
安達「あんな小娘と付き合うぐらいなら、お前さんとこうやっていた方が数倍面白い。」
いせ「こむすめ?ああ〜。確かに性格捻じ曲がってそうですわね、あの艦。」
安達「そうだな。」
副官「艦長、粗茶です。」
安達「うむ。」
安達・いせ(ずずず〜。)
OP「敵2番艦から発光信号!(乙制圧隊から各艦へ、我敵艦に到達せり、行動を開始する。)
どうやら乙制圧隊がようやく到達したようです!」
安達「そうか…いま到達したのか…おかしくないか?だったら、なぜ敵2番艦ですでに戦闘が
始まっているのだ?すぐ調べろ。」
OP「はっ!!」
安達「本当にこの海戦、おかしなことばかりだな。フフフ。」
いせ「…うふふ。」
むつは「うぉらっしゃ〜〜〜!!ついたぞくらぁ!!敵はどこじゃぁ!!」
ようやく泳いで野風まで到達した猫耳水兵偶数チーム。しかし、水兵たちはみなそこかしこでのびている。
むつは「なんだ、これは…ほとんど終わってるじゃないか!!」
よつば「こっちにぃ〜なんかつっこんで、ばくはつしたあとがあるの〜。」
黒く焦げたところを指さす。ちょうどバイクが突っ込んで爆発したところだ。
ふたば「どうやら、私たちの内火艇を踏み台にして、何者かがここに突入、そして制圧行動を行っている…
私たちの活躍を奪っている真っ最中…ってことですね。」
むつは「まずい、それは非常にまずいぞ!我々は実験体、活躍せねばいつあぼ〜んされるかわからない!
ここでいいところを見せないと…最悪、菊水に召還された後、データ取りのため解体なんてのも…!」
よつば「ないとは…いえないの!!」
ふたば「…急ぎましょう。私は艦にマグライトで信号を打ちます。よつばちゃん、いつはさんは武器の準備を。
なにせ、内火艇と一緒に銃鎧も機銃も小銃も爆薬もその他諸々すべて海のもずくになっちゃいましたから…。」
よつば・むつは「それをいうなら「もくず」だろう。なの。」
ふたば「…くすん。」
>>279 ちゆ「は、はい、ご丁寧にどうも・・・。あ、わたし、新井ちゆと申します。」
苦笑いしながら、ひかみに応対した。
ちゆ「あ、あの、わたし、そんなに臭います?」
ひかみ「いえ、そのようなことは・・・。」
黒子「女性に対して失礼ですよーっ!メモ用紙がいいんですかー?」
再びちゆの後ろに隠れ震えるひかみ。
黒子「・・・萌姫様のことですねーっ。」
ちゆ「え?」
ひかみ「さ、流石ははうえ・・・。はい、萌姫様の残り香をかすかに感じました。」
ひかみはちゆの正面に回ってかしこまった。
ひかみ「新井ちゆ殿。ぜひお教え願いたい。萌姫様は何処に居られるのでしょうか?」
ちゆ「・・・・ごめんなさい、今どこにいるかまでは・・・。」
ひかみ「そうですか・・・。」
ひかみは、東朝では萌姫を探していることを、ちゆはこの前のウォーターランドでのことを説明した。
ちゆ「あの、黒子さんの力でどうにかできないですか? ひかみくんも困っているみたいですし・・・。」
黒子「それはだめですーっ。自分の力で任務をこなせなければ仕官を果たしたとはいえないですよ?」
ちゆ「・・・じゃあ私が手助けするのも・・・。」
黒子「もちろん」
音羽「だめに決まってるぞフォルア!!」
黒子のセリフをさえぎり音羽が言った。
ちゆ「わ、びっくりした。いたんですか?」
音羽「こんなガキにチカラ貸してやる義理なんて無いぞフォルア!」
ピク・・。
音羽「シャイニーなら手助けできるとか思ってるだろーがなぁ、中途半端な式神なんかに俺のチカラかさねーぞ!」
ピクピク・・。
音羽「ははうえーなんて甘えてるようなやつが・・・。」
>289
ピクピク・・。
「ははうえーなんて甘えてるようなやつが・・・。」
室内を飛び回りながら喚く鳩の霊獣、音羽。どうやら加護下のちゆにセクハラ紛いの事をした
ひかみに腹を立てているようだった。
「親の躾が成ってないナ!」(NGワード)
ピクッ。
火星神将の依代である三柱符は、それぞれ独立して機能している訳では無いが、その性質上、各々
本能、感情、理性を司っている。そのうち、この”ひかみ”を動かす御霊符が司るは、感情。
「……あのー、何か暑いんですけど?──ていうか熱っ!?」
無言で立ち上がった少年のの赤い髪は逆立ち、熱気でまさに炎のように揺らめいている。
室内は一気に高温のサウナと化した。
「フォルア! 最近のガキはキレ易いナ!」
音羽がちゆの頭にとまり、霊力の膜を作って熱波を阻んだ。睨み合う一人と一羽。気温は更に上がってゆく。
「音羽さん言い過ぎです」
一触即発の危機を感じたちゆは、頭上の音羽を両手で捕まえた。暴れる鳩を胸に抱え込む。
「あはははーっ。ひーくんもそこまでですーっ」
ひかみも黒子に抱き止められる。彼女の仕業であろうが、気温はいつの間にか平常に戻っていた。
部屋にも畳にも先程の熱気の影響は全く見られない。
「母上、止めないで下さい!」
「白黒着けさせろフォルア!」
「あはははーっ。いい加減にしないと、ひーくんを焚き付けにして、音羽さんを焼鳥にしちゃいますよ?」
「……う」
「……クルックルー」
少女達の腕の中で大人しくなる一人と一羽。渋々手と羽先で仲直りの握手をする。
「……(ヤキトリ ガ イイデスカ?)……」
「……(ナメンナ チビガキ!)……」
「しかし、ちゆの扁平胸(NGワード)じゃ、抱かれても役得感薄いけボォ!?」(ぎゅうう)
ちゆに絞られる音羽を見ながら、ひかみは少しだけ勝利を感じていた。
「おーぼーはんたーい!!」
コツコツコツコツ…人の歩いてくる音が聞こえる。心なしか、その足音は弱い。
「…勝手に懲罰房をつかっちゃだめだよ、はに〜。いちおうあの人たちは「お客さん」なんだから…。」
弱弱しい男の声。
「ごめんなさい、だり〜ん…だって、だって、だり〜んが疲れてるのに、あの人たち大きな声でわあわあって
騒ぐから…。かぁ〜っとなっちゃって…それで、それで…。」
「怒ってないよ、はに〜。心配してくれてありがとう。」
独房の前で足音が止まる。
「艦長、こちらです。」
「うん。鍵を開けてくれ。」
かちゃり、がちゃ、がちゃ、がちゃ。ロックが外され、中の人間が外へ出る。
最期に出てきた由希子が、藤倉の方を向く。
「あ…うわわ!あなたはひりゅう艦長!し、失礼致しました!」
慌てて敬礼をする由希子。ゆっくりとそれに答える藤倉大佐。
「いいよいいよ、そんなにしゃっちょこばらなくても…。皆様、先ほどは私のつま…妹が失礼を致しました。
私がこの艦の艦長、藤倉敏男大佐です。皆様には士官室の方へ戻っていただきます。まあ、士官室に戻っても、
何もありませんが…そうだ。ひりゅう、紅茶とお菓子があったよな。」
「(だり〜ん、あたしを呼び捨てにする演技がとってもつらそう…堪えて、堪えて、だり〜ん!)
うん!お兄ちゃんと一緒に買いに行った、おいしい紅茶とクッキーだよ!」
「うん。そうだ、私が紅茶をお淹れいたします。時間つぶしに、お話でもしませんか?」
>291
撫 子|||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ|||「是非!」
由希子|||Φ|(|T|∀|T|)|Φ|||「良かった…」
「えい。っと、これでどうだ」
詰め所 兼 霊的警護機構統合管理第二制御室で松葉杖をそばにおいた菩提が
コンソールを使える片手でべしべしとたたく。その前方には『昆』や『天』等
と言ったさまざまな漢字が空中に立体投影されさまざまな色にきらめいている。
そしてそれらの漢字軍の中央にはその昔流行したルービックキューブのような
立方体が表示されており、片手で印を結んでコンソールをたたくと言う菩提の
動きに合わせるようにくるくると回転していた。
「…あとどれくらいで再調律できる?」
苦戦する菩提の後方で阿部が腕を組みながら問い掛ける。
「早くて2時間。だっと、ぉぃ。なんでそっちが動くかなぁ。くっそぉ、帰ってくるなら帰ってくるで何で
『門』からこないかなぁ。せめて両手印が使えれば違うんだけど」
そう恨めしそうに菩提が視線を送る先には『火 1/2(落下)』との文字がゆらゆらと浮かんでいた。
「まっ、しょうがないな。ここの基礎も奴も作ったのはあの方だ。いわば祖を同じくする兄弟だ。
入る瞬間に結界が緩められたというのは『縁』の式からしても別段不思議じゃない」
「こっちか。ぅわぁ。とーかさ、人事みたいに言ってるけどあれって阿部の白符を元にしてるんだろ。ちっとは何とかしろよ」
「…なるかボケ。陰陽道は科学だ。手元にあるソースで四則演算しても超えられない場合はどうにもならない。そら、海岸の方で溜まってきてるぞ」
「あぁ!ちくちょうめ。これも因果応報なのか。あ…やべ。こりゃ地気が消化し切れんわ。わるい阿部、算出頼む」
阿部が電卓のような物を叩き演算をしながら現状の因果をつなぐ理を読み解いていく。
「…現状、荒川、江戸川水系。および関東近郊の広範囲の水域において水気が通常のポテンシャルをはるかに越える励起状態になっている。原因は…消費霊力の減少。および先ごろ完成した仮想修羅道による霊ラインの変更…だな」
「だめだ。これ以上はあがらないけど、再調律が終わるまでは下がんない。どういう現象が起きる?」
阿部が映像上の数値を見ながらゆっくりと答える。
「数値として中途半端だな。影響はあるが確実とはいえない水準だ。それに他の気も流れているからバランスが悪い。そうだな…水族の者は酔うかもしれないし、通常人は船酔いのような気持ち悪さに襲われる者がぼちぼちでる。一応、あの方(
>>290)には報告しておこう」
阿部がドアを開いた後、胸元から符を一枚とりだし両手で強く拍手を打つ。すると一瞬にして白い鳩が現ればさばさと廊下を飛んで行く。
「いつみても変なわざだよなぁ」
「…ほっとけ。茶化す暇があったらさっさと復旧しろ」
「へいへい。あ、っとそだ。今日って海のほうで何かやってなかったけか」
「…いろいろな。ごまかすな」
「うーー。わかりましたよ。なおしゃいいんでしょ、なおしゃ」
タンタンタンタンタンタン!階段を駆け上がる音。
「お姉さま、どうか御無事で!」
息を切らせて、頬を紅潮させて、焦りの色を顔に滲ませて、艦橋への階段を上るラブ。
「まちやがれなの!あおれおたーど!!」
銃声。普段のラボーチキンであれば難なくかわしたであろう。だが、よほど動揺していたのか、
銃弾はその足に命中した。
「まだ追ってきていたのですか!」
「あたりまえなの!あんなへいたいたちじゃあみつばをとめられないの!!」
みつばが通ってきた通路には、西朝兵士たちが至るところでのびていた。
「今はあなたと戦っている場合じゃないんです。先へ行かせてください!」
いつも冷静で、水兵たちに対して笑みを絶やさないその顔から、余裕というものが消え去っていた。
「いやなの!おまえがかんきょうにもどったら、せいあつできないの!それに…わかばをいためつけた
おれいがまだなの!」
「身の程をわきまえろ!日本の猫耳!彼我の戦闘能力の差も見極められないのか!死にたくなければ、
いますぐ引き返せ!私の目の前から消えろ!!」
豹変。熊の耳に生えている白い毛が逆立ち、青い瞳はいまや怒りの色に染まっている。
「やっとやるきになったの…!おまえなんかぜったいやっつけてやるの!!」
「お前は馬鹿か!自らの愚かさを死んでから後悔するがいい!!」
みつばは考える。
(しょうぶは、いっしゅん、いちどきり、なの!!)
「消えろ!!分子破壊キック!!」
シュッ!!ズガン!!
超高速でラッタルから飛び、その反動と、落下の力を利用しての蹴りが、見事に炸裂した。床に。
敷き詰められていたビニタイルが粉砕され、その下の鋼板までもが捲れ、キックの衝撃を物語っている。
「なんだと!!」
「あたらなければ、どうということはない、なの!!」
(わかばをげきちんしたすいへいじゃんぷ、いまのきっく、どっちもうごきがちょくせんてき、なの!!
たしかにいりょくはすさまじいの、でも、かわせないことはないの!!)
☆もちろん、普通の人間にはかわせる速さではありません。真似しないでね。☆
みつばはその小さな身体を活かし、なんとキックが飛んでくる瞬間に、ラッタルの隙間から、裏側に回り込み、
キックをかわしたのだった。
「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃなの!!」
ラッタルの後ろから12.7mmの火線がラボーチキンを襲う。
「いたい!いたたたたたたた!!」
ぺちぺちぺちぺち!という音をさせながら、顔に当たり、そして床に転がる12.7mm機銃弾。
S連科学アカデミア謹製の、「銃弾をはじき返すけれどもぷにぷに感を損なわない人工皮膚」の効果は抜群に
現れているようである。降り注ぐ銃弾。目をあけていることができない。銃弾を避けようと、後ろに下がるも、
先ほどのキックで捲れあがった鋼板につまづき、転ぶ。
その機をみつばは見逃さなかった。
「ちぇすとなの〜〜〜〜〜!!」
「きゃんっ!!そんな!!」
ラブの上に乗っかり、マウントポジションをとったみつば。嫌な微笑を浮かべながら
「さっきはひがのせんりょくさがどうとかいってさんざんばかにしてくれたの…わかばのぶんもあわせて、たっぷり
おしおきしてあげるの!!えへっ(はぁと」
「いやぁ…お姉さま、助けて…。」
297 :
別な意味でのキャットファイト:02/11/09 22:30
「とりあえず〜…なの!」
ふぅ〜。耳に息を吹きかける。
「いや、は、はふ〜ぅ…」
「もういっかいなの!これはわかばのぶんなの!」
続いて、ふぅ〜。
「もうやめて…耳、耳はダメ…あ、あふ〜ぅ…。」
悶えるラボーチキン。S連科学アカデミア謹製の超高感度イヤーはやはり超高感度であり(検閲)弱点だったのだ!
「ひとさしゆびで…ここのうぶげのところを…なの!」
「あ、あ、い、いやあ、いやああああ…。は、はぅ、ん!」
「そうなの…じゃあ、やめるの…。ん?なんなの?そのうるんだひとみは?ん?」
「ハァ、ハァ…ン。ふぅ〜…うう〜…。」
「いやだったんじゃないの?どうなのん?まさか…もっとしてほしいの?」
その時であった。みつばの頭の上に黒雲が沸き、猫どりふ発動。
ゴツン!!
金ダライが勢いよく落下する。
「ごべっなの!!」
「チャンス!きゃあああああ!!」
みつばを突き飛ばし、どこかあらぬ方向に走っていくラボーチキン。
「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!よごされた〜〜〜〜!!おねえさま〜〜〜〜〜〜!!」
「…いいところだったのに…なの。がくっ。」
突き飛ばされ、壁に激突し、崩れ落ちるみつば。
(やりすぎだっちゅ〜ねん。)
という霊獣たまちゃんの声がその耳にはこだましていた。
ひかみと音羽は、庭で遊んでいる。
「食らえフォルア!」
「いただきます!」
黒子とちゆはパリパリと煎餅を齧りながら、それを見ている。
「それにしても、大きなお子さんですね」
落ち着いた雰囲気に誤魔化されがちだが、黒子の歳はちゆとそれほど変わらないように見える。
あくまでも外見は、であるが。
「あはははーっ。ちょっと霊視してみるのですーっ」
言われたとおり、ちゆは音羽と豆を突付いている少年を霊視してみる。
通常の視界に重なって、もう一つの世界が顕れる。音羽は神々しい光を放つ鳥型と化した。
逆にひかみの姿は薄れ、式符を纏った赤い人型が見えた。
「……ひかみ君は、式神なんですか?」
「そです。ひーくんは『教授』ちゃん風にゆうと、私の"作品"なんですよーっ。三体の雑魚もんすたーを
生贄にっ、星界より火星神将を召喚してっ、六式一級種限定と七式二級非限定の契約を結んでっ──」
勢い良く"作品"の解説を始める黒子。この辺は『教授』と変わらない。
「……はあ」
「──手に入れた分け御霊を再構築してっ、丙種四類の拘束と乙種四類の制限を掛けてっ──」
「影分身っ!(適当)」
(バサバサバサバサ!)
ひかみが十数羽の鳩と化して音羽を取り囲む。
「なんの、眷属召喚だフォルア!」
対抗して音羽が数十羽の鳩を呼び寄せる。結果として庭一面が鳩に覆われた。
(バサバサバサバサ! バサバサバサバサ! バサバサバサバサ!)
>298続き。
「──あはははーっ。そこ一寸うるさいですー。でゅわ!」
黒子が奇声とともに鳩の群れへ霊気の球を撃ち込んだ。
(バサバサバサバサ! バサバサバサバサ! バサバサバサバサ! バサバサバサバサ!)
鳩は一斉に飛び去り、庭には尻餅を突いたひかみと、文字通り豆鉄砲を食らったような音羽が残った。
「この六九式の"解説"を邪魔すると、死ねますよ?」
「し、失礼しましたっ!」
ガクガクブルブルと庭で土下座するひかみだったが、ふと気付く。
「?……一枚多い」
左耳の辺りから、式符を一枚引き抜く。
「これは──母上、父上からのお手紙です!」
「あはははーっ。そゆう表現はダメなのですーっ」
「……母上と呼んではダメですか?」(涙目)
「そうでなくてですねーっ、"父上"と"母上"を同時に使うと誤解されるのですーっ。きゃあ」(はぁと)
言いつつ黒子は式符を受け取り、先ず呪スキャンを施してから情報を吸い出す。
「ふむふむ、霊警からのお手紙ですかーっ」
「……霊警?」
「えっ、何かあったんですか?」
「あはははーっ。これは激しくガイシュツなのですーっ。そして趣旨違いなのですーっ。せっかく霊警から
隠居してあげたのにーっ、こんな事で私を頼ってくるなんて、オシメの取れない困ったちゃん達ですねーっ」
単なる形式的な報告なのだろうが、黒子は厳しい言葉とは裏腹に嬉しそうだった。実は結構
寂しがり屋なのである。立ち上がり、その場で術式を展開し始めた。
「折角だから、少し手伝ってあげますーっ。でも、どうなっても知りませんよーーっ?」
>299続き。
『風は飄々と啼きー』
詩なのか呪なのか、歌いながら舞いながら、ピアノを弾くような滑らかな指使いで霊的チャンネルを
操作する黒子。それを尊敬の眼差しで見上げているひかみの肩を、ちゆが突ついた。
「ねえ、君のお父さんて霊警の人ですか?」
「はい。僕は一時期、霊警に居ました」
火神は今の形に構築されるまで、子犬の姿を与えられて霊警で飼われていた。
『易水は凍えー』
「どんな人ですか?」
「いい人ですよ。自分の押入れの中に僕の部屋を作ってくれて。それに忙しい合間を縫って、
大抵は夜だけれど首輪を付けて外に連れてってくれるし。ただ僕の身体(毛並み)を撫でながら
恥ずかしい言葉を囁く(萌え話の独り言)のはやめて欲しかったな……」
懐かしそうなひかみ。
『勇士は逝きてー』
「くっ首輪っ!? 撫で……」
ちゆは耳まで赤くなっていたが、やがて額に青筋立てて、握った拳を震わせる。
「誰なんですかっ、そのケダモノは!」
「? 阿部と言いう人ですけど」
『未だ還らぬー』
あげ
>301
ひりゅう「あげ…そうだ、あげだよ、お兄ちゃん!!」
藤倉大佐「ん…あ、そうか、あげだ。いけないいけない。忘れていたよ。皆さん、
やっぱり紅茶じゃなくて、番茶にしましょう。」
由希子「へ?」
撫子「別にかまいませんけれど、どうして?」
藤倉大佐「…ぴ〜ん、と来たんですよ。今日は紅茶じゃなくって、番茶だって。
(そういや、新潟揚げがあったんだっけ…クッキー高いし、こっちにしよう、うん。)」
ひりゅう「お兄ちゃん、やっぱり日本人は日本茶だよね〜☆」
藤倉大佐「うん、そうだそうだ。で、皆さん、どんなお話をしましょうか?」
>>300 菩提「!? 強制割込みか?」
安部「このコードは・・・・あの方だ。」
コンソールには触れてもいないのに勝手に立体投影された漢字が高速に踊った。
菩提「手伝ってくれるっつーのか?」
安部「らしいな・・・励起状態が収まっていく。」
菩提「なんだよこのスピード・・・。どうやればこんな速度が出るかなあ。」
安部「うわ、速いはずだよ。霊ラインを直接操作してるよ、因果計算、むちゃくちゃ難しいんだぜ。」
あらゆる異常が通常の状態へと戻っていく。
しかし、あまりの高速ゆえか、立体投影にノイズが混じり始めた。
安部「やばいな、処理が追いつかなくなり始めてる。」
菩提「黒子っちのアクセス、切断できないのか?」
安部「そんなことしたら行き場を失ったデータの影響が怖いぞ。」
菩提「・・・・でもすでに処理が追いついてないんだろ?」
安部「・・・・・てことは、下手すると、もう・・・。」
>>299 黒子の呪文に答えるかのようにどこからともなく詠唱が聞こえてくる…
呪文のようにそれは空間を越えて広がってゆく…
Veni numenn, nunc in navem incarinam, Deus clemens
adiusves ut virum parum desque debili virtutem amplioribus in aquis
in his fluctibus immensis!
Vente, cunula carinam, aqua, navem agitato, opem ferto remiganti, levamentum gubernanti
amplioribus in aquis, ubipontus est apertus!
Transit ! temporis momemtum,interest haud longa mora iam supremus deus Uko, ipse dominus auraum,
flatus iussit, ut afflarent saevos nentos ut saevirent
surgunt flatus ad aflandum, turbines ad saeviendum.
Zephyrus flat violenter, caurus ventus vehementer, auster gravius anhelat, foede stridet subsolanus,
eurus mugit malo more, acer aquilo conspirat.
Aqua, filium vetato, unda, natum prohiveto, ahto, pelagus placato, aque,Velamo, catervas, ne liquores super latus, intra costas conspergantur !
surge, vente, caelum usque, pete nubila suprema ! lintem ligneam ne vertas, pupim pineam ne mergas!
>302
この船と同じ名を持つ少女の手を引く藤倉大佐の後を、ぞろぞろ付いて行く撫子達+由希子。
「話し、ですか?」
なんだか妙な展開になってきたと困惑する撫子。この男は自分から情報を提供しようとしているのか、
それとも世間話でもしてお茶を濁そうとしているのか……それとも単なるフェミニスト?
「あの、いま不審船と交戦中なんですよね? 艦長であるあなたが、こんな事してていいんですか?」
「ええ、その為に副艦長がいるのですから。休める時に休まないと、人は機械ではありませんから。
それに現在、不審船の制圧はほぼ終了しつつあります」
「うん。一部まだ抵抗している所があるけれど、時間の問題だよ☆お兄ちゃん」
「不思議なんですけど、その子はどうして、そんなことが判るんですか?」
「ええ、まあそれは……あうっ」
藤倉大佐の身体が突然フラ〜とよろめき、撫子のほうに倒れかかる。
──むにゅ。
さすがに支えきれずに尻餅を突く撫子。
「だーりん! 大丈夫!?」
「こ、これは大変失礼しました」
藤倉大佐は直ぐに立ち上がると、赤面しながら手を差し出し、撫子を引き起こす。
「いえ。なんと言うか、よくある事ですから。最近特に……」
撫子も少しだけ赤面しながら、ここまで疲れているのなら休むのは当然だと納得する。
そしてこの件は、また有耶無耶になってしまうのだった。
『……ところで、私達はこのままなんですか?』
『……そうですか、このままなんですか』
『……贔屓反対、と連呼するべきでしょうか?』
『……撫子さん、ウチに来てくれないかな』
>300より。
「あはははーっ。謎は全て解けましたーっ。強力かつ巧妙に遮蔽していますがっ、
この六九式は誤魔化せません。龍脈は風より生じ水に還るのが理。どれ程膨大な気でも、
自然が受け止め切れないはずないのですーっ。そしてこれは自然の事象を越えていますーっ。
つまり何かが水気を堰き止めているのですーっ」
黒子は状況を二人と一羽に説明する。
「とゆう訳で霊警の出番ですーっ、行って来るのですーっ」
「えっ、わたしがですか?」
「ここから干渉したら、色々不都合が起きるのですーっ。実際ただスキャンしただけなのに、何者かの
激しい動きが感じられますーっ。たぶん霊警本部では事象が収まったように偽のデータが送られている
はずですーっ。私はそっちを何とかしますから、直接現場に行って問題を解決するのですーっ。
事件は会議室ではなくて現場で起きているのですーっ」
「お待ちください母上、僕が参ります。何が有るか判らないのなら、赴くのは僕が適任です」
「あっ待って──」
ちゆの静止を待たず、ひかみは鳩の群れと化し、飛び出していった。
>>303 「たく…手加減ものをしらないのか。あのミズ・ブラックは…」
ぼやく阿部に菩提が慌てて目を見ける。
「おい!その呼び方は危ないって!」
「こぉいうときぐらい いわせろ。ぜってぇあの人は『あははー。どうなっても知りませんよーーっ』とかいって楽しんでんだ。まったくいい年して…」
ガン☆
その場にうずくまる阿部と転がる金タライを見て菩提は戦慄した。そして絶対禁句は言わないで生きていこうと心に決めていた。
「ん?(
>>304)。なんだろう。ずいぶんと古い術だけど」
涙をこらえつつ阿部がのっそりと起き上がってつぶやく。
「…あのなぁ。ソサエティ(協会)出身の俺やおまえがそんなこと言ってたら笑われるぞ…」
白い目で見つめる阿部を尻目に菩提が
「はっはっはっ。忘却とはすばらしいねぇ」
盛大に威張った。
片手で頭を抑えながら安部が言葉を続ける。
「祭神の位置にあるZephyrus はギリシャ神話の西風神。少し後のEurusは東風神。
ともにティターン神族の星の神アストライオスと暁の女神アウロア(Aurora)の間に生まれた風の神だ。
通常かの神話においてはゼウスが風雷を収めるといわれているがZephyrusだけは別格扱いにされている。
そもそも親神であるアウロア自体が太陽神ソルと月の女神ルナの姉妹とされていることもあり
神話としての系統が違うとするのが一般的だ。もう少し後にあるAQUILOは同じく北風の神である
ボレアス(Boreas)のローマ神話での呼び方だ。今回の属性としては風を主体とした探知、もしくは伝達を目的として組まれているといえるな」
「ほぉ、よく勉強してるねぇ。そんな暇なこと」
「…おまえもしろよ…さりげなくけなしてるし…」
さらに淡白に見つめる阿部に菩提が視線をそらすようにコンソールを指差す。
「で、だ。そんなこととは関係なくどうする、これ」
『あははーーっ。T−NETシステムだうんなのですよぉ。
セーフモードで起動後再起動してくださいねぇーーーーっ』
第二制御室にのどかなシステムアラーム音(?)が響き渡る。
「…確かにそのほうが早い…それは確かなんだが…」
「いいのかなぁ」
その問いに答えるつっこみ不在(もしくは不足)の中 事態は急速に展開してゆく。
『あははーーーーっ』
響き渡るアラーム音とともに。
「…まったくあの…」
ガン☆
「阿部、もう少し大人になろうね」
「…おまえにだけはいわれたくない…」
>281-282
「勝負もつけずに逃げる気ですかな?そうは問屋がおろしませんぞ!」
壁に打ち付けられた火美猛はすぐさま立ち上がり、部屋を出て行く。
このせまい艦内、そうそう移動できるものではない。
主人にこのことが知れれば、何をされるかわかったものではない。
それに遅れじと、紙の様になった阿座火もふわふわと浮きながら後を追う。
奇妙な鬼ごっこが野風艦内を舞台に始まった。
>304
ワケわからん事するな
>307
音羽「負けるかフォルア! 集まりやがれ!」
叫ぶと音羽の眷属が再び集まってきた。
音羽「眷属合体じゃフォルア!」
鳩たちは一箇所に集まりだし、大きなひとつの塊となったかと思うと、巨大な一羽の鳩に姿を変えた。
音羽「ちゆ! 乗れ!」
ちゆ「え? は、はい!」
ちゆが背に乗ると鳩はその巨大な翼を広げた。
黒子「ひー君をよろしくお願いしますーっ! カッとなるとなにするかわかりませんからー!」
羽ばたきが突風となって吹き抜ける中、それをものとせず、黒子の放った呪符がちゆの手元に飛んで来た。
黒子「おそらく相手は土の属性の技を使うはずですー、その呪符には木の属性の力を込めましたーっ!」
ちゆ「あ、ありがとうございます!」
音羽「行くぞフォルア!」
鳩の羽ばたきは勢いを増して鳩は飛び立った。
こういう誰も付いていけないようなネタを何の説明もなしにやる自己中がいるから……
軍事板で荒れた原因の一つだろ? 過去の教訓がちっとも生かされてないじゃないか。
>313は>304へ対してのレスだ。
何気に69式と大隊指揮官は復活してるんじゃないのか?
もしそうだとするならば、とことん問い詰めるぞ?
>315
アンタも落ち着け。
>315
便乗して的外れなこと言わないでくれ
>315様 >316(313)様 >317(311)様
<ご指摘内容に対する返答 1>
本スレへの書き込み、およびご指摘ありがとうございます。
旧軍事版においては葛城、萌姫など萌え厨房の名を欲しいままにした(?)境です。
それとお久しぶりでございます、とも言うべきでしょうね。
正直、難民版に移って以降の慶祝にはROMのかたは殆どいないのではないか
とすら思うことがありましたので、まずは見ていただいておりましたことに関してお礼申し上げます。
さて、ご指摘の主要素でありますマイナーネタについてですが旧スレの折にも、
たびたびご指摘いただいたにもかかわらず何度も繰り返してきた事項であります。
そも、メジャーマイナーの区分は非常に難しく、昨日も近所の小学生と激論を交わし
たときに、彼らにとっては北朝鮮よりもミッキーマウスやイチゴ味の歯磨きの方が
メジャーであり、月姫などというものはマイナー以外の何者でもないという事実を
思い知らされ叩きのめされてきました。
考えますに、ネタを加工することと創作という物自体が一部、矛盾を含むものであり、
かつ、自己の知識が果たして一般的に広く知られている物なのか、作成者が即断することは
なかなかに容易ではなく自己の経験と周囲の反応を持って対応するしかないのではないか、と愚考します。
<ご指摘内容に対する返答 2>
また、軍事版での経験、とおっしゃられていましたが既存の参加者の多数が難民板以降の住人であり、
現状どのような物語を構成するのか、どのように世界を見せて行くのか自体試行錯誤の状態です。
だからちょっとのことは見逃せ、などと言った無粋なことは言いません。
舞台は見ている者もともに作る、ともいいます。何卒、この意を御一考のうえ、
願わくば『魔法内親王伝』を楽しんでいただけますようお願いいたします。
さて、最後の返答ですが、いったい何を問い詰めたいのか私にはトンと見当がつきません。
何故に69式のメイドスカートはヒラヒラなのか とか萌之院殿下のハイヒールのサイズとかでしたら問い詰めたいですね、是非。
ですが、個人を対象にした誹謗中傷、もしくは客観的にそれに類する事でしたら、せっかくの書き込みに申し訳ないのですがご遠慮願います。
どうしても書き込まないと人格が崩壊するとまで追い込まれておいででしたら、暇人境でよろしければお付き合いいたしましょう。ただし、ここでは迷惑です。
総合掲示板
ttp://jbbs.shitaraba.com/sports/1776/keishuku.html にて名指しください。
それでは皆様のご多幸をお祈りいたします。
あげちゃえ
>319
総合掲示板にカキコすると、IP抜かれて脅されるぞ。気をつけろ
以前どこかでネタが判らなくても、ちゃんと読めるのなら構わないと言った者だけど。
さすがに(>304)が一般常識の範疇外なのは瞭然だと思う。
このスレの参加者の誰も理解できなかったみたいだし。
中立の立場で発言させて頂きます。
過去の教訓云々については、全く仰るとおりですが、人間誰にでもミスはあるとご理解ください。
正直(>304)のレスは私も訳が判りませんでした。詠唱は、風の名前には気付きましたが、解釈に自信が無く、
また、どういった類のものなのか(応答、敵対、連鎖反応なのか)も判別できず困り果てて、
すぐさま総合掲示板でフォローを求めましたが、不安が的中してしまったようで残念です。
水上さん(ひよこ饅頭事件/笑)の時にも思ったのですが、ROMの方々にはせめてオチが着くまで
お待ち頂きたかったです。もしかしたら凄く面白いオチが有るのかもしれませんから。
そして下記の”るーる”の追加を提案します。
*参加者の方は、判り難いネタは前以て総合掲示板等で補足・解説する。
*ROMの方は、判らないネタを知りたい場合は総合掲示板で質問する。
今回は、嵐の詠唱は見事に場を荒らしたというオチで…(苦笑)
鳩の群れは一体となり、全身から小さな翼を飛び出した姿で更に加速するひかみ。
「母上に褒めてもらうぞ」
そういう動機だった。
「ご褒美に、今晩は一緒に寝てくれるかなー」
ひかみは照れ隠しするように、ぐるんぐるんと空に螺旋を描く。現場の位置は把握できる。
水気のより強いほうだ。
「──それにしても、すごい量の水気だ」
自ら発した火気で身を包み、水気から身を護る。やはり水は苦手だった。
「こういう場合、どういう原因が考えられるんだろ……? う〜ん」
完全体でない為か、ひかみは思考がまとまらない。例えば人の住む場所は火行の力が強い。
現代の大都市なら圧倒的とも言える。黒子に習った木火土金水の『五行相生・相剋』に当てはめるなら──、
『金剋木』金(金属。今回は人の使う貨幣等の象徴)は木(エネルギー)を支配している。
『水生木』水は木に吸われる。
『木剋土』木が土より養分を奪う。
『木生火』木を燃やし火が強まる。(エネルギーの消費)
結果として火気は強まり土気は痩せ、土気を相生するはずの水気も衰える。
しかし人間も自然の一部である以上、それは五行の理の範疇である。
だがこの水気の高まりは、水域とはいえ尋常ではなかった。五行が崩れる場合がないこともないが、
本来なら自然が具現化した存在である精霊、国津神が、もっと前段階で調和を保つはずである。
「この辺りの水域は、玉面愛顔水神公(国津神たまちゃん)が守護しているはずなんだけど…」
>319
旧慶祝参加者はこのスレにカキコしないで下さい。
艦内を物凄い勢いで逃げまくるM0-e 。
元々の身体能力に加え、陸上選手にすら不可能と思われる完璧なライン取りで角を曲がる彼女は、
コンピュータ回路に走る一ツの電子を思わせた。
とはいえ、内部構造を把握しきっていない上に二匹がかりで追われているため、どうしても振り切ることができない。
「みつけましたぞ!」
「観念するんですな!」
すぐに見つかってしまう。何度目かの回れ右。
走り出しながら彼女は考えた。
こうして走っている間に、通った通路を元に、彼女の頭には三次元的なマッピングがなされている。
艦橋の位置も、外見の情報と照らし合わせることで、おおよその見当はついている。
いつまでも逃げられるわけはないし、かといって今からあの二匹を相手にするには時間がかかりすぎる。
(なんといっても追っ手が妙に必死なのだ。そういった相手との戦闘はできれば避けたい。)
今度こそ完璧に振り切り、艦橋を押さえねば……
「向こうの角を曲がりましたぞ!」
阿座火が言うと、火美猛はその手前の角を曲がる。挟み撃ちにするためだ。
二匹は、いい加減ヘバリかけながらも、確信を持って敵を追い詰めた――
はずだったのだが。
がしゃあああん!!!
「ぐわあ!」
跳びかかった相手は、彼らの体重を支えきれずバラバラに砕け散り、二匹は正面から衝突してしまう。
「う、う、……なんですかな、これは?」
確かに存在したはずの「敵」は、その「中身」を失って、鎧の様な装甲服だけが床に転がっていた。
「か、変わり身の術ですな!?」
当然、彼らの頭上の通風孔の格子が外れていたのは言うまでもない。
艦橋の扉は、今、破られようとしている。
仮にも艦船内部の扉を……「それ」が何であれ、「単独の」戦力が破壊できるものだろうか?
しかし扉は低く、高く、断末魔の悲鳴を上げるだけ。
その形が失われていくにつれ、隔壁としての機能も損なわれてゆく。
一体どのような力があればこんなことが可能なのか?
バケモノ――
そんな言葉が思い浮かぶ。
そう、扉の向こうに居るのは、バケモノだ。
そこまで分かっていながら、館長をはじめ船員達は降伏しようとしなかった。
なぜか? 単純なことだった。
扉のこちら側にも、バケモノが居るからだ。
目には目を、歯には歯を。バケモノ同士ならば、どうにかなるかもしれない。
通じないかもしれない言葉をかけるよりかは、「それ」の放つ殺気の方が幾分効きそうなものだ…。
「おじちゃん、おなまえはなんていうの?」
のかぜが無邪気に話しかける。その、内側のバケモノに対して。
男は、のかぜの頭を撫でるのを止め、立ち上がり、今にも倒れ落ちる扉を見ながら――
――短く呟く。
「ソウキ。……………オニを、ホウムると書く」
無残にも扉は破られ、外側のバケモノが姿を見せた。
想像していたのは人間離れした醜悪な容姿、現れたのは可憐な少女。
いや、外見に騙されてはいけない。その無垢な面の下に悪魔の力を、狂気を、隠すものは、存在する。
船員たちは、松風のアルビノ熊耳少女を知っているし、かの悪名高き北朝の猫耳部隊も知っている。
少女は、扉を破壊するのに使ったのであろう、持っていた籠手のような防具を放り投げると、艦橋内を見渡す。
降伏するでもなく、戦闘するでもなく、ただ様子を伺うように彼女を見ている船員たち。
沈黙の数秒が過ぎ、そして一人の男が口を開いた。
「所属を言え、階級もだ」
短い呟きだったが、艦の機能が停止した静かな艦橋では、存外に大きく響いた。
男は、葬鬼……と名乗った。悪い冗談だ。
その男の風貌は、鬼退治をする英雄などには見えない。幽鬼のよう、と言った方が近いのだから。
誰何された少女は、ソウキと目を合わせる。艦内でただ一人スーツ姿のソウキは、強く彼女の注意を引いたようだ。
彼女は何も言わず、表情もなくただ見ているだけ。
ソウキが再び口を開く。
「誰なんだ。 いや、何なんだ、貴様は」
そして、彼女へ近づいていく。背を僅かに丸め――しかし長身のためか眼光の鋭さゆえか、
獲物を狙う猛禽類に例えこそすれ、卑屈さや自己を押し篭める気配を見ることはできない。
「機械仕掛けか……いや、ツクリモノの命か? 貴様を創ったのは誰だ。民間か?
“あの女官”に繋がるモノが貴様のような紛い物を造る筈が……いや“力を純化させる”筈が無い」
少女について何かに気づいたのか、呟きつつ歩く。
船員達は、その理解できない呟きを聞きながら、もはや自分たちの介入できない空間が目の前に生まれたことを知った。
「答えろ。選べ。鬼として亡ぼされるか。人の形をした命として生きるか。
おれが亡ぼすのは鬼だけだ」
少女が動いた。
言葉に反応したのでは無かった。
ただ、射程距離に、少女の間合いに、男が入ったのだった。
攻撃力、つまり「攻撃部位(拳や脚)によって産み出される衝撃力」は、
加速された身体部位(上肢や下肢)が持つ運動量が、瞬間のうちに目標に与えられることで発生する。
逆に言えば、拳や脚を、肘や膝などの他の部位によって加速させなければ攻撃は出来ない。
つまり、突き、蹴りに限らずとも、人体が行う攻撃行動というものは、全身の各部分が連動することで成されるのだ。
そして、それを突き詰めれば、効果的な攻撃の姿が見える。
目暗ましの効果だけを狙った軽いジャブ等ならば、ハンドスピード、すなわち肩・肘・手首の関節のみを
動かすことで生まれた速度と、拳の質量だけでも、十分な効果を期待できる。
しかし、パンチで敵を、特に人体を破壊しようとするならば、それだけでは不十分である。
余程の体重差が無い限り、文字通りの「腕力」だけでは人体を破壊することは適わない。
足裏で身体を地面に固定し、足首で、膝で、股関節で、胴体を加速させ、腰で、そして肩・肘・手首で、
加速した質量全てを拳を通して目標に与える。いわゆる正拳突き、ストレートと呼ばれるパンチ。
この動作により、ジャブの例に比べ、拳に乗る質量・拳自体の速度は、共に急増するのである。
M0-eが行ったのは、このストレートパンチだった。
身長差があるため、M0-e の右拳はソウキの鳩尾を狙う。
基本どおり、教科書どおりの、そして、最も効果的に衝撃力を生む動作。
それが、人間を遥かに超越した筋力と、正確さと、アンドロイド特有の体重によって行われた。
人体を破壊するという目的の元に、完璧に組み上げられた動き。
まさに最強の兵器による攻撃行動であった。
取り囲む船員たちの目には、M0-eがいつの間にかパンチを出し、しかもそれを途中で止めて、
中途半端に腕を伸ばしたまま、ソウキに向かって倒れこんだように見えた。
糸の切れた操り人形のように、がくりとソウキにもたれかかる。
最も状況を理解できなかったのは、船員たちよりも、M0-e本人だった。
全身の運動を律していたはずの脳(小脳)に、激しくエラーが伝えられる。
体の一部が動かない。即座に分析。
右肘、そして右膝。
原因不明の機能停止。曲がらない。伸ばすことも出来ない。そして、ダメージも無い。
肉眼で観察する。
その二つの関節には、長方形をした紙切れのようなものが張り付いていた。
ソウキは、M0-eの髪を掴み、自分の体から引き剥がす。
「道具として消えるか……」
そのまま頭を床に叩き付けた。
人体が行う攻撃行動というものは、全身の各部分が連動することで成される。
どれ程の威力を秘めた攻撃でも、それを支える部分が急停止すれば、
加速はなされず、運動量が発生するまでも無く、消えうせる。
M0-eは考える。自分の関節を固定したのは、目の前の男であることに間違いないだろう。
しかし、その方法が分からない。物理的なダメージでもなく、ただ動かない。
頭を叩き付けられ、思考にノイズが走ったが、直後には回復している。
動かないのなら、それなりの戦い方をするまで。
自由のきく左腕で床を押すと、左脚を床すれすれに水平に滑らせ、男の脚を払った。
男は予想していたのか、脚を浮かせて蹴りの衝撃を軽減し、受身を取りながら倒れこむと、
すぐさま立ち上がって距離をとった。
しかし、右手足が使えないとはいえ、M0-eの身体能力は人間を軽く超えている。
片足で跳ね、距離を詰めると、バックステップをする男の両目めがけて左手指を突き出した。
少女の放つ目突きは、人間の反射神経では避けられない。
当然、防御することも出来ない。
しかし、攻撃の軌道が予想できていれば、その軌道上に――
――符を“置いておく”のは、左程難しくない。
少女の左手は空中に舞っていた符に触れた瞬間、その勢いを失い、少女はバランスを崩し再び倒れた。
少女の前に、同じく空中を舞っていた残り2枚の符がひらりと落ちる。
ソウキは、予め後退すると同時に、目・喉・心臓の三箇所を守るよう、符を放っておいたのだった。
禁呪、と呼ばれる魔術。符を触媒にして、目標の威や能を禁じる術。
鳥を禁ずれば飛ぶことを禁じ、炎を禁ずるならば燃えることを禁ずる。
そしてバケモノを禁じることは――その存在を禁ずること。
最初の二枚は関節の動きを殺し、今の三枚は速度を殺した。
次の一枚は、ただ殺す。
「おねえちゃん!」
のかぜの悲鳴が響く。
艦長に腕を引かれ、駆け出すことは出来なかったものの、
それはM0-eの身を案じた声だった。
初めて現れた、二人の戦いに介入する存在に、一瞬ソウキの気が逸れた。
一瞬。
M0-eにとってはそれで充分。
左手足で跳ね飛ぶ様に立ち上がり、ソウキに接近。
ソウキはスーツの懐から符を取り出すと、M0-eへ向け放つ。
人差し指と中指に挟まれた符は、弾かれる様に飛び、紙とは思えない速度を生む。
M0-eは冷静にそれを捕捉している。
この紙の札によって関節が固められていたのは明白。ならば防ぐだけ。
肘を禁じられた右腕を、肩から先を振り、符を叩く。符は腕に纏い付く。
先程までとは違い、今度は内部から腕が破裂。まるで“細胞の”一つ一つが弾ける様に。
血と肉片が霧を作り、爆風が生まれ、しかしM0-eの動きは止まらず。
紅い飛沫を突き破って、ソウキの胸に掌を当てた。
不完全な姿勢から放たれた、不完全な掌底。
しかし、体重全てを質量としたその掌底は、体当たりの効果を生む。
艦橋ガラスまで吹き飛ばされたソウキは、背中を打ち付けられ、バウンド。
床面に伏しながら、血の塊を吐きながら、それでも、怨嗟を込めた両瞳でM0-eを睨み、そして気絶した。
M0-eは、その白い肌と白いボディスーツとを、自らの血と肉で染めながら、立っていた。
のかぜは、艦長の腕に遮られ、その光景を見ることは無かった。
そして、艦長は、全てが片付いた艦橋の、静寂の中で、降伏を決断した。
>>288 (((⊂⌒~⊃。Д。)⊃))) ピクピク
お、おうい。そこのお嬢ちゃんたちぃ。
た、た、た、たす、けて……
ま、待って、置いてかないで……
…………がくっ。
……⊂⌒~⊃.Д.)⊃
4研相田・再起不能(リタイヤ)
(ウソ)
>324より。
「たまちゃーん! たまちゃーん!」
現状を解決するにはこの地の国津神の力を借りるのが最良案だと、心当たりの水辺で玉面愛顔水神公を探す
ひかみ。まさか今年の夏に何処かの猫娘に喰われてしまっているとは露知らず。
「う〜ん。たまちゃんは川から川へ跳躍する癖があるから、見つけようがないな──ん?」
代わりに、あからさまに不審なモノを発見する。河口の中央付近に、一軒家よりも大きな一枚岩が
突き立っていた。岩は川の流れを大きく遮り、ザアザアと白い──いや、汚れた灰色の波を立てている。
何者かによって人払いの結界が張られているようだが、人ではない、生物でさえない
ひかみには通じなかったようだ。だが岩からは特に何の気も感じとれない。
「あれは…」
岩に近寄る。途端に強烈な土気に突き当たった。どうやら異なる二種類の結界が組み合わされているようだ。
ひかみは岩の周囲を一周して、注意深く観察する。岩にはそれを取り巻くように、一匹の龍が刻まれていた。
それは土を象徴する聖獣、黄龍だった。黄龍を刻むことで、岩はより強力な土行の力を得ているのだろう。
「これが水気を遮っているのか…」
じーっ。
約束どおり撫子達には番茶とお菓子が出された。
「……なんだか調子狂うわ」
「はい、何か?」
自らお茶を淹れながら、にこやかに微笑む藤倉大佐。”いいひと”の代名詞のような笑みだった。
「いえ、別に…」
先程から世話話に織り交ぜて、かなり鋭い質問をしているつもりなのだが、するりとかわされてしまう。
(人畜無害な顔している癖に)
もっとも、ただの優男が空母の艦長を任されるはずも無いと、お茶を啜りながら撫子は考える。
じーっ。
「ところで、私のほうからも質問があるのですが。今回の不審船との交戦は、私達にとっては演習中の
偶然の出来事なんです。そして色々と事情がありまして、現段階でのマスメディアへの情報公開も
規制されています。なのにあなた達は戦闘開始からほとんど間を置かずに現れた」
「それは…匿名の情報提供があったんです。日にちはアバウトなものでしたが」
「ふむ、それは興味深い」
じーっ。
「……」
何故か、撫子は先程からょぅι゛ょに睨まれている。特に胸を。
「お嬢ちゃん、どうかしたの?」
「べーつーにー」(ぷいっ)
何故か撫子は嫌われてしまったようだ。
「ひりゅう、お客様に失礼ですよ」
ひりゅうを優しく嗜める藤倉大佐。
「だって、だ…お兄ちゃんがー」(ぷくっ)
(でもでも〜、呼び捨てされるのもイイかも〜☆)
藤倉大佐が膨れたょぅι゛ょを部屋の隅に連れてゆく。
ゴニョゴニョ。
(そろそろ機嫌を直してください。あれは、はにーの秘密を守るために仕方なく…)
(だーりん、本当はきょにゅう好きなんでしょ?)
(撫子さんは普通サイズでしたよ。確かに良い形の……)
(むむむ〜っ!)
(いえいえ、私は胸のサイズではなく、はにーが好きなんです。本当です)
(じゃあ、ちゅーして。今☆)
(そ、それは…)
振り返る藤倉大佐。当然の如く、全員が二人を見ている。
「くっ、仕方ありません」
藤倉大佐は幾つもの何かを失う覚悟を決め、ょぅι゛ょの小さな両肩を掴む。
「──あっ!」
土壇場でひりゅうが声を漏らした。とても残念そうに呟く。
(だーりん、のかぜの制圧完了しちゃった…)
「いち、にぃのぉ!」
「さぁん!!」
制圧隊が勢いよくシーソーに飛び乗ると、いつはがものすごい勢いで跳ね飛ばされる。そして、上空で一回転。ひらり。
銃鎧を下に構え、突入の体勢をとる。
ガシャァン!!
艦橋ガラスを割り、突入決行。
艦橋を見渡すと、操舵員や航海員などが拳銃をこちらに向けている。ぱん、ぱん、ぱん。ちゅいん、ちゅいん、ちゅいん。
拳銃の弾は銃鎧が弾き返してくれる。第一、元は猫耳遊撃兵である自分が幾らか拳銃の弾を喰らったところで、大した
ダメージではない。そう考えて、いつはは銃鎧を投げ捨て、そして、
「私は帝国海軍練習艦いせ所属、2等水兵菊水いつはだ。我々の指揮官である、第2護衛隊群司令草野均少将からの降服
勧告を告げにきた。直ちに武装を解除し、降服せよ。諸君らに抵抗の術はない。だそうだ。」
「このぉ!猫のくせに!ねこのくせに!!」
ぱんぱんぱん!!びすびすびす!!胸に拳銃の弾が突き刺さる。が、ぽろり、ぽろり、ぽろり。その傷はすぐに再生され、
銃弾が身体から抜け落ちていく。
「やるのか。おもしろい。存分にやれ。安心しろ、殺しはしない。命令だからな。」
「ひぃっ!!」
「やめなさい。見苦しいですよ。」
膝に巫女服の少女を抱いた、チャイナドレスの女性が兵士をたしなめるように話す。
「姐さん…。」
「水兵たちの安全は、保障されるのですか?」
「条約に基づき、適切な処置をとる、とのことだ。」
「けっこう。ウイングに出ます。水兵、この子をよろしく。」
「姐さん!」
ウイングから、旗甲板に出る。そして、2枚の旗を用意する。
ひりゅう見張り「あ…あれは…!!敵艦(甲)のマストに、白旗と日章旗です!」
艦橋のドアを開け、ラボーチキンが駆け込んでくる。
「お、お姉さま!ああ、おねえさまぁ…。」
旗甲板にたたずむ小姐と、揚旗線に掲げられた2枚の旗を見て、泣き崩れるラボーチキン。その後に、みつばが艦橋に
駆け込んでくる。
「あ、いつはなの!…あ、しろはたとひのまるなの〜。」
「うむ。終わりだな。さて、と。」
いつはがウイングの探照燈を操作して、ひりゅうに発光信号を送る。
(甲制圧隊から第2護衛隊群司令部。敵艦甲の制圧を完了した。指示送れ。)
プ〜!テレトーク(艦内インターホン)の呼び出し音が鳴る。
優男ではあるが、疲れてはいるが、呼び出しの音が聞こえた瞬間に、眼は軍人の目に戻っていた。
(艦長、至急艦橋に戻られたい。)
藤倉大佐「ううむ。もう少しお話をしていたかったのですが…どうやら動きがあったようです。
警備兵、報道の方々を丁重に食堂までお連れしろ。従兵、テレトーク、艦橋へ(艦長了解、直ちに向かう)。
…ひりゅうも、皆さんと食堂へ。」
ひりゅう「え゛?」
ぱちぱち。明らかに不自然なまばたきをする。モールス信号「ツイテクルト、アヤシマレル。アトデコイ。」
ひりゅう「あ…うん。わかったよ☆お兄ちゃん!」
藤倉大佐「頼んだぞ。警護兵。それでは、また後でお会いしましょう。」
草野「そうか、やったか。(ご苦労だった、引き続き当該艦の警戒を続けよ。)と打ってくれ。」
OP「はい。」
草野「あと、艦長にヘリコプター発艦準備をさせるように言ってくれ。」
OP「了解いたしました。制圧隊にもヘリコプター着艦準備するよう信号を打ちます。」
草野「うむ。ふふふ、ははははははは!!」
(帝国海軍久しぶりの勝利を、この手で演出できるとはな!!嬉しいことこのうえない!!)
「報道に発表するシナリオはアルファでいいだろう。MHKとプチTVに準備させろ。」
OP「はい。本当に、全てが筋書き通りに行きすぎて、怖いくらいですな。」
制圧隊長「…了解。後部制圧隊は、捕虜の中から飛行科要員を集めてヘリコプター着艦準備に
掛かってくれ。あと暫くしたら電波妨害も消えるそうだ。他の制圧隊はそれぞれの場所にて
捕虜の武装解除に当たれ。」
萌菜小姐「どうなさるおつもりで?」
制圧隊長「御安心を。必要以上の危害を加えるつもりはありません。今後、あなたたちには
条約に基づく捕虜として、我々の命令に従っていただきます。あなたが指揮官のようですが、
階級、姓名を教えていただけないでしょうか?」
萌菜小姐「階級?フフ。海賊に階級などありません。みな家族ですから。名前はとうに捨てました。」
>337
「何でしょう、あの結界は? 中が見えない・・・。」
「人払いの結界だナ!」
音羽とちゆは少し遅れて現場にたどり着いた。
地上に降り立ち、結界の中に入ろうとしたが、電気のような衝撃が全身を襲った。
かまわず進む音羽。ちゆもついてゆく。
「・・・この結界、結構きつい・・・。」
川辺で岩を調べるひかみに声をかけた。
「ひかみくん、もしかしてこれが・・・。」
「はい、この岩が水気を遮っています。しかも黄龍が刻まれています。」
「黄龍・・・そういえばすごい土気・・。」
結界から受ける衝撃に気づかなかったが、むせ返るような土気が岩から発せられている。
「そうだ。黒子さんからこれもらったんだ。」
木の属性の呪符を取り出した。
「これ使って岩を壊せます?」
「はい、任せてください。」
ちゆに近づき呪符を受け取ろうとした瞬間、突然結界が消えた。
「・・・え?」
「・・・・・だれだ!」
結界を消したと思しき人物へ問いかける。
「まだ実験は終わってないんだ。邪魔しないでよ。」
その人物は、姿を現した。
>337
とある家の縁側。退役猫耳兵士タマは、ご主人様の膝枕で幸せそうに眠っている。
「たまちゃーん! たまちゃーん!」
塀の向こうで、そんな声がした。
「はっ…はいにゃー!」
タマはヨダレを垂らしたまま、がばっと起き上がる。
「ご主人サマー、今いくにゃー!」
「あっ、こらタマ」
寝ぼけ眼で声のほうに真っ直ぐ駆け出し、塀に衝突する。
☆☆☆ゴチ〜ン☆☆☆
「きゅう」
「やれやれ。大丈夫かい?」
>345
((あははーっ。ちゆさん、ひーくん、聞えますかーっ。今回の黒幕はっ、風水テロ結社『両儀社』ですーっ。
自然保護団体『緑豆』から派生・離反したっ、過激な組織ですーっ。そこの術者は風水士とゆうよりはっ、
五行士に近いのでっ、気をつけるのですよーっ))
「ただいまー。」
今日もまた何事もなく、退屈で平和な一日だった。最近は日が落ちるのも早く、18時前だというのに
もう外は暗い。隆史はそのまま居間に向かうが、どうも誰も居ないようだ。
「母さん、出かけてるのかな。」
鞄を背に担ぎつつ、飲み物を漁りに台所へ向かう。…と、途中見慣れない大型の機械が目に付いた。(>187)
「お、何だこりゃ。」
決して機械に弱い訳ではないのだが、一見何をする為の機械なのか検討も付かない。
そして機械の傍には一本のソフトが置いてあった。
「これは………そうか、最近流行ってる物騒なゲームだ。……マテ、これ母さんが買ったのか?(汗」
頭の上に大きくハテナを浮かべて考える。ちょっと想像が付かないが、恐らくそうなのだろう。
そうして一瞬、この機械に対しての興味が……
−−選択肢−−
面白そうだ、試してみよう!
>べつにー。興味ナシ。
だが、隆史は元々こういったものには興味が無い。
「まあ、いいか。俺には関係ないもんね。」
もはや機械には見向きもせず、台所から飲み物と煎餅を一枚確保すると、隆史は自室へと向かった。
部屋に入る前に、唐突にある考えが浮かぶ。そしてそれは、自然と彼の口から漏れたのだった。
「───なんか俺最近、影薄くないか?」
@デムパ@
隆史君、ごめんなさい(爆)
>348
机に向かって真面目に勉強をしている隆史。およそ3時間程
経過した後、ふと彼の脳裏に先ほど見た機械の姿が浮かんだ。
「あれって、殺し合いゲームだよな。ようするに。」
クラスの人間も何人か買ったという話を聞いた。確かに楽しい
のだろう。ゲームとは思えないほどリアルで、たとえ怪我を
しても仮想空間での話なのだから。
「…ん?仮想空間、か。。」
突然跳ねるようにして机を離れると、携帯を取り出して電話を
かけ始めた。
「九重だ。なあ、あのゲームだけどさ……」
そして30分後。
「おう、悪いなつきあわせて。」
「別に構わないよ。でもどうする?俺と九重が戦うのか?」
隆史は、クラスの友人(名無し)を無理矢理ALICE WORLDに
引きずり込んだのだった。
「いーや。お前知ってるだろ?俺はそういう趣味は無い。」
「じゃあ何するのさ?」
心底分からないという顔で隆史を見る友人(名無し)。
「このゲームって、俺たちのイメージで出来てるんだろ?だから
死なないし傷もつかない。」
「そうだろうね。でも建物とかはプログラムじゃないかな。」
「それはどうでも良いんだ。お前、俺はいつもの姿に見えるか?」
「ああ、当たり前じゃんか。」
「いいか、じゃあちょっと待ってろよ。」
そう言うと、隆史は自分の足元をじーっと見つめる……
パッ、と。一瞬にして彼のジーパンは紺から赤に変わった。
「うわ!何したんだよ九重!」
「ふ。よーするにだ。ここはイメージの世界なんだよ。まあ俺も
実際試してみるまで自信は無かったんだけどな。」
己の企みが成功した事に対し、満足げな表情を浮かべる隆史。
そして更にその企みは続く。
「いいか、ここじゃ自分の想像力次第で、まあ少なくとも自分
自身くらいは変えられるって事だ。つー事はだな、こんな事も
出来るんじゃないかと…」
今度は目を閉じ、少し集中している様子だ。何が始まるのか、
興味津々で見守る友人を前に、隆史の体に変化が現れ始める。
ムキ…
「……は?」
ムキ…ムキムキ…
とんでもないスピードで、彼の首、肩、腕、胴体、足と、一回り
も二回りも肥大してゆく。
「どうだぁ!!マッスール・ボディ!!!」
顔は変わらず、体だけ筋肉隆々の姿に。。そしてポージング。
ムキ。
「ぶっ……ぶはははは!!!!!や、止めろって……!!!」
そして笑顔。
ニカ。(キラーン
「ば、ばか、うはは!!!ま、まって…(ゼイゼイ)ひーー!!」
──15分後。笑い疲れてイヤに消耗している友人(名無し)と、
元の姿に戻った隆史が向き合っている。
「ま、とりあえずこれだけ試して見たかっただけだ。悪いな、
つき合わせて。」
「まったくだよ、死ぬかと思った。。。」
燃え尽きている友人(名無し)。
「さて、そろそろ終わるか。」
言葉にして初めて疑問に思う。
「そういえば、このゲームどうやって終わるんだ?死んだら終わり
とか言ってたけど、死ななきゃ出れないのか?」
呆れる友人(名無し)。
「説明書見ろよ。帰りたきゃログオフすりゃ良いんだ。『終了』とか、
なんかそんな事を念じればオシマイさ。」
「ふーん。」
「逆に死んじまった奴は正式にログオフ出来てないからな。意識は
強制で戻されるんだけど、体は暫くALICEに残ったままなんだよ。
まあ何でもいい話だけどな。」
「オッケ。んじゃ帰るか。また今度な!」
「おう。」
パラパラパラパラパラ…
マイクによる管制と、手信号による指示により、松風に着艦するヘリコプター。
「ほう…こいつがカモフ、か。2重反転ローターなど、いい仕事をしている。」
松風艦載のヘリコプターをまじまじと眺めながら、ぶつぶつ呟く草野少将。そして、ヘリコプターの
傍らに立つ西朝水兵に話し掛ける。
「君が整備しているのかね。」
「はい。」
必要最小限のことしか答えない。
「そうか…いいものを見せてもらった。君にはこれをあげよう。」
ポケットから取り出したのは、赤い帽子を被った人形。
「す〜ぱ〜均くんだ。通常の均くん人形の3倍の価値がある。とっておきたまえ。」
ぽか〜んとする西朝水兵。おなじくぽか〜んとしている帝国水兵。
「さあ、制圧隊長、準備はできているね?士官室へ案内してもらおうか。」
ひりゅう@艦橋
藤倉「あとは艦内整備をして…回航要員の直前ブリーフィングは?ああ、もう始めた。ならよし。で、
報道への対応は食堂で行え。うん。プロジェクターを用意して。」
そこへひりゅうが警備兵を伴って上ってくる。うまくごまかしてきたようだ。
ひりゅう「仕事しているだり〜ん、カコイイ!ホレナオシタ☆」
ひりゅう@食堂
OP「かくかくしかじかで…昨今我が国近海を脅かし、海運と経済に多大なる脅威をもたらした海賊は
我々帝国海軍の手により拿捕、そしてこれから横須賀に連行されることになりました。」
撫子(じと〜〜〜〜〜〜っ。)
OP(なんか、やな視線感じるなあ…。)
そして、会見を行っているその食堂には、揚げ物と、あずきの匂いが漂っていた。
給養員「お姉ちゃん、なんだかあんた、たかなみからきたらしいじゃねえか。どうやって来たんだよ?」
由希子「…超常現象です…。」
給養員「そうか…最近多いもんなア。まあ、もうすぐ飯もできるから、な、元気出せや。」
由希子「はい。ちなみに…夕食のメニューはなんですか?」
給養員「鳥のから揚げひりゅう風、それと… ぜ ん ざ い ( 餅 入 り ) だ。」
由希子「重っ!!」
給養員「司令が祝日食出せっていうからよ。ま、食っていけや。海兵団で腹も鍛えてきたんだろ?」
由希子「…いただきます。」
いせ@艦橋
安達「戦闘終了。CICは電波状況回復しだい漸次連合艦隊司令部に戦闘報告を転送せよ。忙しくなるぞ。」
いせ「なんだか、とってもひさしぶりにあたくしの電算機が動いているような気がしますわぁ〜。」
安達「お前もこれから忙しくなる。この作戦が終わったらもっと忙しくなる…もしかして、知らないのか?」
いせ「なんですの?」
安達「ずっと艦にいなかったらしいからなあ…この作戦が終わったら、練習艦いせは改装工事に入る。その後、
我が国2番目の共同交戦能力指揮艦となる予定だ。」
いせ「なんですって?」
安達「練習艦任務は元々欺瞞だからな。本来の艦種に戻るだけだ。もっと喜んだらどうだ?お前も晴れて
帝国海軍の「軍艦」になるわけだ。艦首に御紋章がつくぞ。嬉しいだろう。ちなみに、その後がもっと
面白いのだが、聞きたいか?」
いせ「ま、まだあるんですの?いいですわ、聞きますわよ?」
安達「改装終了後、軍艦いせ、第5戦隊、軍艦しもきた、戦艦ながと、補給艦ときわで第1任務艦隊を編成する。
そして秋田の第1遊撃戦隊と交代、第1遊撃戦隊所属の各艦は補給、修理、休養に入る。」
いせ「あ、あ、あきたぁ!?東北の、まだアカのゲリラがいっぱいいっぱいいるところじゃありませんの!!
とっても危ないところじゃありませんの?もしもミサイルなんか喰らったら、あたくしの珠のお肌に傷がつくじゃ
ありませんこと?っていうか、ですわよ?軍艦籍に入るってことは、あたくしも色気もそっけもない軍艦色に
塗りたくられてしまうってことじゃありませんの??そ ん な の い や で す わ !!」
安達「いや、私はこの作戦が終わったら武山に異動だからな。知ったことか。」
いせ「む、むき〜〜〜〜〜!!」
野風@飛行甲板
むつは「結局…」
ふたば「なんにもできませんでしたね…。」
よつば「くやしいの〜〜〜〜!!」
自分たちのやった仕事といえば、M0-eとその技官を、ひりゅうのヘリコプターに乗せて送り返したぐらいで、
本来の任務である制圧に関しては全くなにもできなかった。
むつは「くそ!!ふぁっ○!!ぶちころすぞコノヤロ〜〜!!」
ふたば「むつはさん、そんなに怒らないで。きっとこの先いいことありますよ。」
よつば「ほんとぉに、そうだったらいいの〜〜…はぁ。」
ここは士官室。卓の上座に座るは草野司令。そして、そのブレーンである第2護衛隊群司令部の幕僚たち。
卓の下座に座るは、萌菜小姐。そして、野風艦長、ラボーチキンがその次に続く。
草野「さて。単刀直入に言おう。君たちには我が国近海における海賊行為の嫌疑が掛けられている。いや、それは本日の
警告を無視した逃亡により「疑いようのない事実」となってしまった。この点は理解してもらいたい。」
萌菜「で。」
草野「我々は取り調べのため、このまま君たちを横須賀まで連行する。君たちの身分は、連合艦隊司令部からの指示により、
条約における捕虜と同等に扱うこととなる。」
萌菜「それから。」
草野(なんだ?まるで私が詰問されているようではないか…?)
それもそのはずである。かつてS連…現在はR国と呼ばれる国において粛清部隊の長として名を馳せた女大佐…今は海賊どもの
女頭目だが…と、順当に出世コースを歩み、定年退職を間近に控えたこの老少将とでは、くぐってきた死線の数が違う。現に、
気圧されているのは草野少将の方である。
草野「…それでは、以後この艦の指揮は第2護衛隊群司令部が執る。警衛、お部屋にお連れしろ。」
萌菜「どうぞ、ご随意に。ラボーチキン、いきますよ。」
ラブ「…はい、お姉さま。」
水兵「小姐〜〜!!一体おれらどうなっちまうんですか??」
萌菜「うろたえてはいけません。まあ、麦茶でも飲みながら考えましょう。」
西朝の将兵は雑多に居住区に押し込められている。日本海軍にほとんどの部屋が取られてしまったからだ。
ああ悲しいかな敗残の兵。
萌菜「ずるずるずる…暖かいのもまたおいしいですね。さて。いるんでしょう、出てきなさい。松風、野風!」
松風「はぁい!小姐。」
野風「やっほ〜!みんな暗いねえ。もっと明るくいこうよう!」
ゆらり、宙にうかびあがる少女。もう一人、こちらはもう少し幼いか。
水兵「うわ、丸見えだ。(宙に浮いているので。)」
萌菜「水兵たちも、集まりなさい。」
もともとぎゅうぎゅうであるところに、さらに水兵、将官たちが密集する。
ラブ「…耳を触ったら、殺しますよ。」
萌菜「ごにょごにょごにょ(各員、艦内異常についての報告を。)」
水兵「ごにょ(まずですね)ごにょごにょごにょごにょ(例の空母の攻撃を受けたあと、全システムが落ちたんですよ。)」
ラブ「ごにょごにょ(そのあたりは艦橋でも、CDCでも確認しています。)」
水兵「ごにょ、ごにょ(システムだけじゃありません。エンジンから何から全部ですよ。)」
水兵「ごにょ(あの光線、ありゃあ、なんなんでしょうかね、姐さん?)」
おっさん「ごにょごにょごにょっ!(野風を出る前、医務室で手当て中のソウキに聞いた。あれは「呪い」らしい。)」
一同「な、なんだってぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
警衛「なんだ!大きな声を出すな!(ジャキッ!)」
萌菜「ふふ。ごめんなさい。」
ラブ「ごにょ(続けてください、野風艦長。)」
松風「ごにょごにょごにょごにょ(かくかくしかじかまるまるうしうし…)」
萌菜「ごにょ(なるほど…)ごにょごにょごにょごにょ(状況を整理します。第1段階でこの海域の
霊的ボルテージを高める…ここで松風、艦の精神が見えるようになった。)]
ラブ「ごにょ、ごにょにょにょ(そして、第2段階、霊的ボルテージが高まったところで、我が艦に
「呪い」を照射…非科学的です!)」
水兵(ラブさんは超科学の申し子だからなあ、そういうの許せないんだろうな…。)
萌菜「ごにょっごにょ(ラボーチキン。否定するのは勝手です、しかし、事実は受け入れなければなりません。
現に、我が艦はあの空母に機能を奪われ、停止させられたのです。)」
ラブ「ごにょ…(申し訳ありません…お姉さま。)」
∧
⊂/ /⊃
lヽlヽ/
⊂(゚Д゚ )⊃
あう。
どうしよ。
なんつーか。
助かったのは良いけれど。
ヘリの中猫耳ちゃんたちがすげー怖かったし。
>>356 おれは何もしてないよ!ほんとだよ!
食われるかと思ったけどね。でもこっちには最強の兵器がいるんだーい!
怖くなんか無いんだぞ実は!やーいやーい。
でもM0-eはなんか片腕もげてた。マジカヨ
マスカレイドも途中ではずしちゃっててあれだし、壊れかけてたし。
データ残ってんのかな。残ってなかったら死ぬな。殺されるな。主任に。どうしよ〜
でも、軍の人たちを差し置いて一艦制圧しちゃった割には、
特におとがめなしだなあ。なんでだろうなあ。
うん、きっとM0-eのあまりの強さにみんな驚いちゃったんダネ!
そうに違いない。そうしておこう。考えたくない……
これからどうなるのかな〜
>345
年齢はひかみよりもすこし下くらいだろうか。しかし土色の未塗装フィギュアのような姿をしていた。
ちゆ「つ、土の人型・・・?」
ひかみ「いつからそこに・・・」
???「ずっと前から居たよ。君たちには見えなかっただろうけど。」
>347((あははーっ。ちゆさん、ひーくん、聞えますかーっ。今回の黒幕はっ、風水テロ結社『両儀社』ですーっ。
自然保護団体『緑豆』から派生・離反したっ、過激な組織ですーっ。そこの術者は風水士とゆうよりはっ、
五行士に近いのでっ、気をつけるのですよーっ))
ちゆ「両儀社・・・って、粛清リスト常連の?」
ひかみ「五行士!?」
???「あ、ばれちゃったか。まあしょうがない、ついでだから名乗っておこうかな。マスターの最高傑作のひとつ、ツチクレだよ。」
ひかみ「これはおまえらの仕業か?!」
ツチクレ「そうだよ、さっき言ったとおり実験中なんだ。そうそう、邪魔者は消してもいいって言われてるからね。」
そういうと、右手を巨大な刃に形成した。
ツチクレ「じゃあ、まずそっちからね。」
ちゆ「え、うそ!?」
ちゆに向かって走り出すツチクレ。
ツチクレ「塵は塵に、灰は灰に!」
ひかみ「させるか!」
ゴオオオォ!!
巨大な火球をツチクレに放った。
ツチクレ「式神でしょ、君。割と基本だと思うけどな。」
ちゆ「ひかみくん! 火生土!」
ひかみ「・・・・チッ。」
火は燃えることで灰(土)を残す。ひかみの攻撃はツチクレに力を与えてしまった。
ツチクレ「僕の番だよ、・・・こんな攻撃はどうかな?」
ツチクレのいる地点を支点として長方形の巨大な岩の板が持ち上がった。そのまま二人を押しつぶそうと倒れこんでくる。
ちゆ「きゃあああああ!」
ダッシュでその場を走るちゆ。
ツチクレ「逃げ切れるかな?」
ひかみ「間に合わない!!」
岩の板は大きな地響きを立てて倒れこんだ。
>361
ツチクレ「ちょっと拍子抜けだったかな。式神のほうは生きているだろうけど。」
瓦礫がガラガラと音を立てて、ひかみが姿を現す。
ひかみ「よくもちゆさんを・・・。」
ツチクレ「・・・人間なんて少し残してあとは土に還ったほうがいいよね?」
ひかみ「貴様・・・・!!」
ツチクレ「もちろん、君もだよ。」
ツチクレは左手も刃に変えた。
ツチクレ「もしかしたら人間になりたいとか思ってない? 人間はいずれ土に還るんだからさ、いまここで土に還ってもいいんじゃない?。」
走り出すツチクレ。同じくひかみも。
ギンッ!!
右の刃を左手でガードする。属性攻撃では力を与えてしまう。霊力を集中させ、刃の当たる部位を硬質化する。
ツチクレにしても同じだ。特別、火属性に強いわけではない。純粋な霊力の勝負となる。
ツチクレの斬撃を硬質化と身のこなしでかわす。
ツチクレ「なかなかやるね。でもこれはどう?」
ひかみ「なっ?!」
とつぜん足元の地面が陥没し、ひかみは仰向けに倒れた。
ツチクレ「終わりだね。」
刃が振り下ろされる前にひかみは六十六羽の鳩に姿を変えた。刃は地面にあたった。
ツチクレ「そんな手があったんだ。・・・埒があかないなあ。」
少し離れたところで人間の体に戻るひかみ。
ひかみ(・・・どうすればこいつを倒せる・・?)
ひりゅう@CDC
星野「戦闘状態を終了します。お疲れ様でした。これより艦の状況回復及び消耗の確認、
周辺情報収集を再開してください。報告の転送はその後で結構です。まだ、状況は終了しておりませんから。」
大声でなく、声高でもないが、落ち着いて響く声がCDC内に流れる。
と、一斉に今や手足と化したOPたちが作業を開始する。
星野「…戦闘中はやることがなかったですから…」
同@食堂(
>>354)
蛯原「きゃああっ!」
どんがらがっちゃん。
海兵A「あーあー、大丈夫かい?」
海兵B「怪我無い?」
蛯原「やっちゃいましたぁ。ごめんなさい。」
海兵A「いいってことよ、ささ、ここは俺たちに任せな。」
蛯原「ありがとうございます。じゃあ…失礼しま…」
かつうっ
どてーっ!ごらがらどちゃん、ぶつっ…
OP「…かくかくしか…?ん?…あれ?マイクが入らない?」
蛯原「ごめんなさーい(泣)」
帝都某所
>>284 水上「おねえちゃん、ごはんできたよ…って、あれ…いない…」
テレビは付いたまま。さっきまで花畑が映っていたプチTVは今は「藁っていいとも」が始まっている。
水上「…まさか、松風の所…?」
タモソ「(TVの中)…んなこたーない。」
よく見ると書き置きが一枚、無造作に放ってあった。
「ちょっと頭冷やしてくる」
同刻、某スポーツクラブにて
「…なんだったんだ?あの子…」
「わからん…しかし…」
「ウソよ!何かの間違いよ!計りなおしてよ!!ありえないわ!」
国体選手選考会を兼ねた記録会場でちょっとした事件が起こった。所属クラブもない、飛び入りの、しかも
競泳水着どころかスク水の少女が並み居る記録保持者、強化選手を驚愕させるタイムを叩き出してしまったのだ。
「ちょっと泳がせて。」と言ってスタートの合図とともに飛び込んだ彼女は周囲が感嘆するほどの流麗なフォームで泳ぎ、
100mをぶっちぎりで泳ぎきるとそのまま1kmほどぶっ通しで泳ぎ続け、そして気が済んだかのように立ち去っていった。
「…しかし、あれは間違いなく国体記録を超えてたぞ…」
「誰だ?あ、あの子を探せ!ウチのクラブにスカウトするんだ!」
狂乱している会場の事など知る由もなく、少女…ともえは溜息のままクラブを後にしようとしていた。
「はあ…やっぱだめだ…気が晴れないや…」
その時、ともえの耳に何かがうっすらと聞こえた気がした。東北から西南。海の方へ何か…が流れている?
「…?……え?これって……?」
>362
河口の岸辺で対峙するひかみとツチクレ。
(・・・どうすればこいつを倒せる・・?)
「何を考えているのかな?」
「くっ!」
幼い口調とは裏腹に強烈なツチクレの斬撃を再度硬質化で受け止めるひかみ。相性が悪すぎる。土気に満ちた
刃でさえなければ一々受け止めなくても、仮初めの存在であるこの身はたいした痛手を受けないはずだった。
もしくは完全体の火神であれば五行の理を超えた圧倒的な火力でツチクレを焼き尽くせるはずだった。
地の利までこれほど相手に有利でさえなければ。
(・・・この水気と土気、不快すぎる・・・やっぱり先ずは、あの一枚岩が邪魔だ)
ひかみは土壇場で、ちゆから黒子の木行の符を受け取っていたが、これはあの一枚岩を破壊する為に
必要だった。だが五行の関係は絶対ではない。木気の本性は『直曲』地中を伸びる根は石に突き当たっても
その場で方向を変え伸び続ける。あの一枚岩には傷らしい傷は見当たらなかった。
「だったら、傷を付ければいい」
「ん? させないよ」
飛翔するひかみに対して何らかの術を使おうとするツチクレ。
(バサバサッ!)
だがツチクレに鳩の一群が特攻し、術を妨害する。それは音羽の眷族達だった。岩に押しつぶされる瞬間、
ひかみは合体を解いた音羽から眷族の一部を受け取り、体内に隠していた。そしてツチクレの攻撃を
回避するため、鳩の群れに身を変えたのと同時に眷属たちを逃がしていたのだ。
鳩達はツチクレに攻撃を続けている。だからひかみは音羽と、そしてちゆの無事を信じている。
「どうせなら粉々にしてやる!」
この姿では本来の半分の力も出せないが、今は黒子とちゆの萌えで満ちているから(MP50)
かなり強力な術が使えるはずだ。だが、ただ単なる炎では岩は壊せないし、この濃い水気の中では威力が
半減してしまうだろう。出来る限り収束した炎を放たなければいけない。しかも妨害の可能性を考えれば、
複数または連続の炎が望ましい。
「よし、あれだ。ええと──め・ら・ぞ・お・ま」
ひかみは握った拳の指を一本ずつ開いてゆく。一体何処でそんな知識仕入れたのかは兎も角、
イメージ通り順次伸ばした指先に炎が点る。
>365続き。
「重閃射!」(MP-5×5)
ひかみの右手から白熱した五つの火炎弾が放たれる。だがツチクレも鳩を追い払い、同時に術を発現していた。
「地架轍!」
岩との間を遮るように、水面から数本の石柱が突き出した。石柱は火炎弾を一つずつ受け止め、砕け散る。
「おっと、計算ミスだね」
ツチクレは舌打ちして呟く。火炎弾は五つ。対抗してツチクレが発現させた石柱は四つ。差し引き残り一つの
火炎弾が目標に命中した。爆炎に圧され一枚岩の表面、刻まれた黄龍の首を切るように僅かな亀裂が走る。
「くそっ、やっぱり半端な強度じゃない。だけど十分だ!」
「……よくも要石を傷付けてくれたね」
ひかみは一枚岩に突っ込みつつ、黒子の呪符を構えた。
「森貫穿っ!」
「──旋凍樹」
呪符から木の根の姿をした木気が発現しようとした瞬間、巻きつく冷気がひかみの右腕ごと呪符を封じ込む。
パキン、と肘から折れる右手。火気と制御を失い、只の札に戻り、水面に落ちた。
「ははは、コワレちゃったね」
「……貴様ぁ!!」
ひかみ逆上し、ツチクレに突撃する。残る左手を剣に変えた。速度と熱で鋼鉄さえも焼き切る炎の刃。
「火鋼閃!」(MP-2)
「おっと、それは怖いかも」
言いつつも、ツチクレは全く炎の刃を躱さなかった。両断され転がるツチクレ。文字通りただの土塊になった。
「……やった、のか?」
>366続き。
「……やった、のか?」
立ち尽くすひかみの背後で、不意にツチクレの声がする。
「”地転写”って言うんだ。そしてこれが”磁導砂”」
振り返るひかみの身体を砂の檻が包み込んだ。
「君、まだ生まれて間もないだろ? 付け焼刃の五行術で僕に敵う訳ないよ」
「くっ」
砂は燃やせない。ひかみは完全に動きを封じられた。
「第一、僕らのような存在が人間みたいに五行術に頼るなんてね。まあ、付き合ってあげた
僕も僕だけれど。そんなに人間が好きなの?」
水の中から出現したツチクレは、同時に場に満ち満ちた大量の水気を吸収していた。
「最後にこのツチクレが、五行術の『悪い』お手本を見せてあげるよ──千水貫」
水面からまさに千本近い無数の水の針が発射される。ひかみは力の限りの炎を発して水を蒸発させるが、
水の針は途切れる事無く打ち出され続けた。ついには数本が火気の防御を貫き、ひかみの符に直接穴を穿つ。
「うああああ!!」
「ははは、いつまで持つかな?」
ツチクレは無邪気に、無表情に笑った。
>>367 「ははは、いつまで持つかな?」
「…結構持つと思うぞ。おまえへたれだし」
「だれだっ」
ツチクレが視線を向けた方向にいつのまにかハーレーに腰をかけた一人の男がいた。
「先輩!」
「父上っ」
時として垂涎の的となるその乗り物だが平安時代の正装を身にまとった男を見たらそんな乗り方は
嫌だという人が多発するに違いなかった。
阿部は急激に冷たくなった(
>>300)ことには全く気が付かずに言葉を続ける。
「…何を遊んでるんだ?」
「「遊んでません!」」
二人同時の突っ込みに少しだけ眉を寄せた阿部がツチクレを見やって納得した。
「…喧嘩は手早く背後で金属バットだといったろうが」
「案外聞いていたより外道ですね」
あきれたように呟くツチクレに
「…お前さんのマスターのおかげでな。帰ったら昔の後輩がよろしくって言ってたと伝えといてくれ」
阿部が投げたように言をぶつける。
「さぁ、何のことだか。それにあなたたしか皇女の召喚獣にまけたんだったね。そんな奴が僕に勝てるとおもってるのかな」
「…魔法にかてるやつなんかいねぇよ。それにお前を払うのは俺じゃなくてこいつ等だ」
ちゆと火神に阿部は視線を向けた。
「ははは、何を言い出すと思えば。火属性の式神に日本の術師がこの僕をたおせるわけないじゃないか。
火生土も知らないなんて基礎ができてないんじゃないの?」
笑うツチクレに対して阿部は深くため息をついた。
「…あのな。相乗と反侮(どちらもひとつの属性が圧倒的優位にたつこと)が強く起こった後にはどうなる?それにお前、土属の式じゃねぇし」
「なにを言うかと思えば…はったりはやめてほしいね」
「…人間に寄せすぎなんだよ、お前は。それにな、『日本で日本語を使ってる奴には日本の術が効く』んだよ」
「ははは、そんなうそ誰が信じるか」
「…信じる信じないはお前の自由だがな。ま、がんばれ」
やおら立ち上がり、胸元のホックを外しはじめる小姐。
ぷち、ぷち。
水兵「(姐さん、な、なにやってるんですか!)」
チャイナの胸元があらわになる。そして、その谷間に手を突っ込む小姐。
ラブ「お、おねえさまぁ(はなぢ)」
萌菜「ん、しょ。」
谷間から取り出されたのは、古びた剣。
ぷちぷち。ふたたびチャイナ服の胸元を閉じる。
水兵「(おぱ…あ、閉じちゃった。)え?ええ?その剣って、姐さん?!」
萌菜「そう…これが、安徳帝の御代からわが萌浜朝に伝わる「草薙剣」だそうです。
殿下もとても大切にされていました。だから肌身離さず持っていたのです。」
水兵「(肌身離さずって、そういう意味じゃないだろう…姐さんもちょっとズレてるよな…。)」
萌菜「松風、野風の姿が皆にも見えているということは、付近の霊的ボルテージは依然高い状態に
あるのでしょう。ならば、この神宝を触媒として、何らかのアクションを起こせるかもしれません。
…萌浜殿下からの預かり物、まさかこんな時に使うとは思いもしませんでした。」
ラブ「アクション、ですか?」
萌菜「そう。アクション。日本帝国の空母が、松風、野風に呪いをかけたように私たちもまた付近の
霊力ボルテージを消費して、なにかできるかもしれないと思うのです。とはいえ…私は貫やソウキのように
呪術に長けているわけではありません。完全に素人考え、なにも起こらない確率の方が高いでしょうね。
でも、なにもやらないよりはましです。松風!」
松風「は、はぃ!!びっくりしたあ。なに?」
萌菜「なんだか巫女っぽい服を着ているし、艦の精神体という超常の存在であるあなたが適任でしょう。おやりなさい。」
ラブ(お姉さま、なんだか、なげやりです…。)
松風「え、え?」
萌菜「本当はソウキにでもやらせればよいのですが、彼は重症、そして野風への移動手段、連絡手段がない以上、
やっぱりあなたが適任でしょう。」
くるりと松風が周囲を見渡す。むさくるしい水兵たち、S連超科学の結晶・ラボーチキン、小姐、おっさん、そして
ょぅι゛ょ・野風。確かに、こいつらよりは外見だけでも巫女っぽい格好をしている自分のほうがなんとかなりそうな
気がしてきた。
松風「…わかった。やってみるよ。でも、なんにも起こらなくても、うらみっこなしだよ?」
「う゛〜〜〜ん。どうしよう。なんかないかな。あ、そうだ。
もなこ殿下とか、魔法少女っぽく…こうだ!」
片足立ち、両手を広げて、くるりと回る。
「ぺる〜たんぺっとん、ぱらりらぽん!」
そして、剣を正面に構える。
「どこか遠くへ、ぼくたちを逃がして!」
キラリと切っ先が輝いた。ように見えた。だが、何も起こらない。
「やっぱ、だめか。小姐、だめみたい。」
その次の瞬間、小さな小さな声が聞こえた。
水の動く轟音と共に、足元がゆらり、と浮かび上がる感触がした。
空間を越えてやってきた言霊304>>が、松風の中の一点(このモニターでは感知できないが、神宝草薙剣)を中心として、
魔方陣を描く。(魔法陣というのは比喩であり、実際はなにかよく分からない幾何学図形である。)魔方陣は高まった霊力
(これはひりゅう搭載の4型結界発生装置によるものである。この結界発生装置を用いて、付近の霊力ボルテージをある程度
操ることができる。やはり、日本海軍の最大秘密兵器である。)を吸収しながら拡大し、限界まで膨れ上がり、爆発した。
OP「超常現象感知モニターに異常反応!ホワイトアウトしました!何かきます!」
藤倉大佐「回航要員は大体集結済み…と。さて、そろそろ内火艇を用意させて…?どうした?」
OP「CDCから艦長!超常現象感知モニターに異常反応!」
藤倉大佐「なんだって!?」
ひりゅう「だり〜ん…やばいよ…なにか、くるよ!!」
OP「艦長、外を見てください!!」
藤倉大佐「へ?うわ、なんだあれ!!」
敵艦の向こうに、恐ろしく巨大な波が見えた。
藤倉大佐「総員、なにかにつかまれ!!」
ざっぱぁ〜〜〜ん!!
藤倉大佐「…?」
ひりゅう「あれ?」
飛行甲板に、制圧隊や、ヘリコプターが打ち上げられている。そして、草野少将が
ポカーンとしているのが見えた。
OP「艦長!大変です!」
藤倉大佐「どうした!被害が出たか!?」
OP「いえ…。本艦、いせ、ときつかぜ、たかなみ全艦とも無事のようです。ですが…。」
藤倉大佐「無事なら一安心か…なんだったんだ…今の波は。ん?ですが、どうしたんだ?」
OP「敵艦、消滅しました。跡形もなく、消え去ってしまいました…。」
藤倉大佐「ハァ?」
OP「周囲の状況から、自沈による爆発などとは考えられません。どうやら、敵も超常兵器を使用した模様です…。」
藤倉大佐「…世の中、不思議が多いねえ…。この数ヶ月で僕の価値観は崩壊しっぱなしだ。」
>368
瓦礫の中で顔だけをだしていたが、安部の出現に思わず声をあげたちゆ。
音羽「声を出すなフォルア!!」
ちゆ「あ、しまった・・・。」
音羽「あの瞬間シャイニーに変身できたのはほめてやるがな・・・。」
ちゆ「・・・。」
音羽「死んだふりして瓦礫の中でチャンスを伺うって作戦はどうなった?!」
ちゆ「あうう・・・。」
音羽「罰としてあれやれフォルア!」
ちゆ「あれやるんですか? 恥ずかしいんですけど・・・。」
音羽「やかましい!! さっさとやれ!!」
ちゆ「八百万の神に誓ってあなたを倒す!! 護法天使マジカルシャイニー!! 天に代わって・・調伏よ!!」
ツチクレ「・・・・( ´,_ゝ`)プッ」
ちゆ「あうあう・・。」
東北 奥羽山脈近傍某所 赤色ゲリラ幹部の会合の音声記録(後に文字に起こした物)
公安調査庁諜報記録分類番号ナー1−K375847の一部
より
幹部甲 「帝都の”友人”から情報が寄せられました。
(以下甲) 忌々しい帝國主義者の艦隊が秋田港に入港します」
(参加者達のざわめき)
幹部乙 「で、規模は?」
(以下乙)
甲 *注1「GF(聯合艦隊)旗艦の戦艦ながと以下数隻、
で揚陸艦を伴っているのは確かだ。が”ながと”
以外の艦種艦名は明らかではないが”はたかぜ”型
護衛艦2乃至3とみられる。揚陸艦はおおすみ型
であるとおもわれる」
(ざわめき、困惑の声、勝手な発言。「畜生”ながと”か!」
「我々の脇腹をつく腹か?」等などこれ以上は聞き取れない)
丙 「同志、揚陸艦を伴っていると言うことは上陸部隊を積載してい
る可能性があるのではないか?君の見積もりはどの程度かね?」
甲 「正直断言できません。おおすみ級が(慶祝世界において)ワ
スプ級に匹敵する能力を持ちあわせている以上最悪、海軍の
保有する聯合陸戦師団から抽出された一個聯隊戦闘団全力を
揚陸してくるとみています。おそらく膠着している青森戦線」
の好転を目的に脇腹をつくつもりでしょう。最終的には
奥羽山脈を根城とする我々を北から青森九師団、東から6師団
南から東部方面隊、そして今回の聯合陸戦師団の全力がそろう
の待って四方から蛸殴りという腹とおもわれます。」
続き
乙 「で、どうするつもりかね?いくら東北方面隊が消耗、膠着してい
るとはいえ前線から兵力を引き抜けば敵の攻勢の呼び水にもなり
かねん。すぐ引き抜けるのは後方に拘置している正規2個大隊
(赤色ゲリラの場合合計約千名)ぐらいだろう?頭数じゃ敵と
変らんが火力じゃかなわん。せめて3倍なければ成功せんだろう?」
甲 「三沢、大湊の制圧計画は放棄。戦線の縮小を提唱します。我々に多大
な損害を与えてきた三沢の航空隊と大湊の艦船の排除し、また我々の
海軍、空軍の拠点にするためのこの作戦も日帝軍の反撃を招く結果と
なりました。この後におよんでは最早攻めきるのは無理です。降雪期
まで現戦線を維持、奥羽山脈まで戦線を下げます。さすがに降雪期の
奥羽山脈まで追撃は重装備の多い帝國主義者には無理でしょう。春ま
では、せいぜいいやがらせの攻撃しか出来ないでしょう。
そして肝心の秋田に上がる陸戦隊ですが戦線の縮小後、余剰兵力が出
来るまで遅滞させます。手始めに増強中隊で浸透奇襲し港湾施設、補給物資
をたたいて出鼻を挫き、その後は予備隊に一撃離脱の奇襲を反復をさせる
ことで1ヶ月稼いでみせます。」
つづき
丙 「稼いだ時間で冬季に持ちこみ、引き抜いた兵力で叩き潰すわけだな?」
甲 「その通りです。この冬、我々は何が何でも秋田へ上がる陸戦隊を日本海
に叩き落し秋田、山形を完全に手中に収めねばなりません、補給の観点
からも大陸と連絡するための港湾を得る必要があります。食料の問題か
らも庄内平野が欲しい!これらの為は今回計画されている襲撃が必要
なのです。ぜひ裁可をいただきたい!今は秋田の確保は断念し港湾機能
の低下を狙うことしかできないこともお許しいただきたい。」
丁 (非常に荒い声で)
「成算はあるのか?一個増強中隊では無駄に戦力をすり減らすことになる
のではないのか?そのようなことは偉大なる革命の指導者への・・・。」
甲 (割り込んで発言)「お任せください。我々の同志は少なくないのです。」
<以下略>
以下 添付された文章
”友人”の報告が我々が意図的に混ぜた欺瞞情報(注)の通りであることから菊水による内通者
調査の正しさが証明された。背後関係の調査へ移れ。また工作担当者の任意において監視対象者
の身柄を補足、菊水へ引き渡せ。
注 第一任務郡所属の艦艇に「たちかぜ」型は存在しない。
>>371 (肋骨が折れ、内臓を負傷しているため、激しい衝撃によって激痛が走る)
ぐうっ…素人どもが……“あれほどの力”を…軽々しく使うとは……
目的が逃走などと……
やっと“あの女官”に繋がる線を掴んだというのに……!
だが…これで…仕切りなおしか……
(脂汗を流しながら気を失う)
(その後、水平たちが平静を取り戻した野風艦内からは、彼の姿は消えていたという)
>368
ひかみ「何言ってるか分かんないよ父上! 僕バカだから! だって脳みそ(?)三分の一だもん!」
ツチクレ「・・・・」
>374
ツチクレ「・・・・( ´,_ゝ`)プッ」
ひかみ「か…カッコイイ!」(MP+10)
ツチクレ「・・・・君の趣味、最低だね」
ひかみ「うるさい。よくも父上の前で恥をかかせてくれたな!!」
ドンッ!!!
ひかみは自爆(MP-20)して、自らを捕えていた砂の檻とツチクレを吹き飛ばした。かなり”痛い”ので
絶対使いたくなかったが、ちゆが隙を突けなくなった以上、このままでは人質か、そうでなくとも
攻撃の盾にされてしまう可能性があった。
酷く痛んだ符は鳩にも変われず、辛うじて集まり人型に戻った。符が減った分、ツチクレと同じくらいの
身長に成るひかみ。
「あ…う…」
「……滅茶苦茶だね」
ひかみの自爆に巻き込まれ原型を留めぬほど砕けたツチクレだったが、土埃が収まる頃には場の水気、
土気を吸収し、直ぐに人型を取り戻していた。ただその造詣は僅かに崩れている。
「ひかみ君、大丈夫?」
変身したちゆと音羽が、ひかみの前に立つ。
「はい。僕は式神ですから、全然痛くありません」
阿部はそれを見て頷くと、ひかみに数枚の白符を投げ、ハーレーのアクセルを回す。
「それじゃあ、ま、頑張れ」(ブロロロ…)
「えっ嘘、先輩!?」
「……言うだけ言って逃げちゃうだなんて、無責任な奴だね」
「父上は大人だから、子供のケンカに手を出さないだけだ」
ひかみは白符を自分用に書き換えながら、ちゆの隣に並んだ。(残りMP13)
>374 380
>「父上は大人だから、子供のケンカに手を出さないだけだ」
ツチクレは軽く石をけって足元を見てからおもむろに口を開いた。
「大人ねぇ…( ´,_ゝ`)プッ」
わざとらしく吹く出したツチクレにひかみがくってかかる。
「くそっ。お前!」
いきり立つひかみを見て子供だねぇとでもいいたそうな雰囲気でツチクレがつづける。
「まっ。せっかくだから先に動いていいよ。せいぜい頑張ってみるといいさ」
ツチクレはそういうと小学校で言う休めの姿勢をとった。
>「まっ。せっかくだから先に動いていいよ。せいぜい頑張ってみるといいさ」
「坤炎打っ」(MP-1)
ひかみは足元の石を拾うと振りかぶって投げつける。
投げる瞬間石は火をまといツチクレをおそった。
ツチクレは後ろに回していたてを一本前に出し無造作に受けとめた。
「学習能力ないの?君…あぁ、そうかオツムがたりないんだったね、ごめんごめん」
「くそぉ。そんなにホントのこと言うな!」
ツチクレは再び沈黙するとちゆの方を見た。
「そっちはこないの?」
21日夕、三笠宮家の三男の高円宮憲仁殿下(47)がカナダ大使館内にて
カナダ大使とスカッシュをしていて倒れられ、午後10時52分逝去されました。
殿下の薨去に際し、心からの哀悼の念を捧げます。。
もなこ「スポーツマンでかっこいいおじさんだったのです。とっても、かなしいのです。」
ご冥福をお祈りいたします。
>>195 「はあい、みんなおはよう!」
陽気な挨拶。
「おはようございまーす!」
元気な挨拶が返る教室。教壇には満面の笑みを浮かべた…楓がいる。
2人の入れ替わりに気づいてる者はいない。
「さあて……みんな元気してる?」
よだれがこぼれそうなのを懸命に我慢しつつ見渡す。ああ、ここがもなこタンの教室!で、あの席が…って、あれ?
その席には誰も座ってはいなかった。
「もなこちゃんは…?」
「あれ?今日は公務で休むって言ってませんでした?先生。」
不思議そうな顔で近衛が答える。
ガ━━━━━━━━━━━━(゚Д゚;)━━━━━━━━━━━━ン!
「(…さ、さいあく…なんてことかしら…こ、このあたしが……そんな単純な……)」
崩れ落ちそうになる体を支え、無理やり笑顔を作って持ち直す。不思議そうに見つめる生徒たちを後に、
楓はHRを締めて廊下へと出た。
くっ……これじゃあ意味がないじゃない……せっかくようじょの楽園、小学校に来たって言うのに…っ!
このまま帰る…っ?それこそ愚問…っ!でも授業なんてできないし……どうする……っ!
ふらふらと歩いてゆく楓。ショックが大きかったせいでめまいがする。実際、結界で囲われ浄化された
この学校の空気は化物の楓の体にはかなり毒でもあった。
授業前の廊下はにぎやかで、生徒たちが楽しげな笑い声を上げながら楓のそばを駆け抜けてゆく。
「こーら、廊下を走っちゃだめだぞー」
何の気なく注意する。と、振り返り「ごめんなさい、先生。」と言った少女の顔が目に止まった。
6年生の少女。スカートのすそがひらりと揺れて。そして廊下の掲示板。「こころとからだの相談室」保健室だより…
こ、これよ…っ、これ…キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
目がギラリと光を帯びる。「大丈夫ですか?」と近寄った少女は楓の目を見た瞬間に意識が消えてゆくのを感じた。
少女、更級美希子はかくて化物の虜に。少女たちの宴はこうして幕を開ける。
>382
音羽「見えるか? フォルア!」
シャイニー「はい。核に3枚、体に約60枚の呪符。40枚ほどが地面に散らばっています。」
音羽「ヤツは土気の五行を使うふりして自分の体を動かしていただけだったんだナ・・。まず狙うは・・・。」
シャイニー「五行水気符!」
ひかみの弱点、水の五行術を封じるための判断だ。
キクヒメを携えて走り出すシャイニー。
シャイニー「やあああああっ!」
ツチクレ「なかなか勇ましいね。」
刃を構えるツチクレ。
頭を狙って振り下ろされるキクヒメを刃で弾くはずだった。
しかしキクヒメは途中で軌道を変えた。そこからツチクレを真横から水平に切り裂いた。
キクヒメは心臓の位置にまで達した。
ツチクレ「へえ、見えるんだ。でもね、あくまでそれは念のためって言ってマスターが入れてくれたものなんだよ。」
シャイニー「でも、まずは一枚・・・!」
ツチクレ「まあ、見えてるんなら隠す必要もないか。」
地面に散らばった呪符が鋭いトゲとなって襲い掛かる。
シャイニー「えいっえいっ!」
ガギンッゴギンッ!!
シャイニー「数が多い・・・!」
ツチクレ「見えててもそんなもんだよ!・・・もういいや、だいたい君の実力もわかったし、終わらせてもらうよ。」
ひかみ「させるか! 倍駆!」
高速移動しツチクレに迫るひかみ。トゲをたたき折りながらシャイニーが叫んだ。
シャイニー「ひかみくん! 木の呪符を! いまなら使える!」
水兵「帝国海軍軍艦、すべてロストしました。消えてなくなってしまいましたぜ、姐さん。」
萌菜「…海の色が違う。風の匂いも違う。CDC、直ちに緯度、経度を確認しなさい。」
………………………………………………………………
水兵「姐さん!どうやら俺らは今樺太沖にいるようですぜ!ワープってやつですか?すげえ!!ラリホ〜!」
既に船魂・松風の姿は消えうせている。何が起こったのか、全く理解できない。だが、とにかく助かった。
それからしばらくして、水兵たちの復旧作業のかいあって艦の状態も(いくらか制圧隊との戦闘によって
破壊された箇所はあるが)通常状態に回復した。
ラブ「…お姉さま、私、頭が痛いです。こんな海戦があっていいのでしょうか。超常兵器に、艦の意識体。
そして草薙剣の奇跡…もうわけがわかりません…。」
萌菜「…萌えの支配するこの世界では、なにが起こってもおかしくはないのです。」
ラブ「……。」
萌菜「CDCへ。再度緯度・経度を確認、報告せよ。本艦はこれより欺瞞航路を取り、ウラジオストックへ向かいます。
R国のクラギナ大将は気に食わない女ですが、日本の貫があてにならない以上、今は彼女のところに身を寄せる
しかないでしょう…。やれやれ、ですね。」
ラブ「日本では工作が進んでいるんでしょうか…?」
夕日を受けて、松風・野風は進む。やがてその姿は夜の闇に紛れて見えなくなった。
星野「…以上が、CDCでモニターした情報を時系列ごとに配列したものです。」
草野「ありがとう、星野君。1432時、敵艦のいきなりの消滅……まるで魔法のようだ、な。」
藤倉「魔法ですか…。」
ひりゅう「まほ〜ん…。」
うなだれる指揮官たち。重々しい空気が士官室にたちこめる。
星野「(ボソッ)烏合の衆…。」
藤倉「司令、目的を果たせなかった以上、この海域にいる必要はないと考えます。帰投しましょう…。」
空気が暗くなり、なんだか青筋エフェクトまで入っているようだ。
どか〜ん!!
と、ドアが開け放たれる。
蛯原「おまたせしました〜〜!!祝日食のぜんざいでぇ〜〜す!!」
星野「…クウキヨメヨ。(ボソッ)」
草野「ボッシュート…。ウツダシノウ。」
夕日を受けて、ひりゅうは進む。その姿は夜の闇の中にあってなお、禍々しく巨大であった。
>>386 「ひかみくん! 木の呪符を! いまなら使える!」
ひかみが衣装の一部をちぎり軽く振ると瞬時に姿を変え複雑な文言と星を意匠した一枚の符に姿を変えた。
「いざなみ いざなぎ よみをつるもの
たけき くにつの さききたり
皇国 危急の 戦火にて
津なる 末座の 我 願い奉る
血は地に還るを 願うなり
地は木に 集うを願うなり
この世の理 見せたまえ
天孫神 地尊神 在るようにあれ!
急々如律令!」
手元の符が消えうせ、沈黙が空間を包む。
「…………………………」
「………………………………」
「……くっ……は、はははは……失敗したようだね。君みたいな式が他力本願の術なんかつかえ……っ?!」
ツチクレの足元の雑草が見る見るまに伸びツチクレを拘束していく。
シャイニー「な、なに?」
音羽「ちゃんと足元をみるんだ! フォルア!」
シャイニーが目を凝らしてツチクレを見ると長さ三寸ほどの小さな人のような物がツチクレを中心に和を作
って踊っていた。
「フェ、フェアリーリング!そんな、ばかなっ!?」
心の中で小さな同胞に感謝をささげながらひかみはシャイニーにむかって叫んだ。
「シャイニー!昇華を!」
書き手が違うと、こんなにデタラメになるのか。
>>390 出来れば詳しく伺いたく思います。
埋め立ても兼ねて第一スレに書き込んで頂けませんでしょうか。お願いいたします。
>>385 保健室…
「失礼します。」
「あら、美希子ちゃん。どうしたの?気分でも悪くなった?貧血気味なんだから無理しちゃ駄目よ。」
「いえ…」
「あ、宇月先生、つきそいですか?ありがとうございます。この子アレが始まったばかりですからね、
最近貧血気味なんですよ…ほーら、座って。もう、大丈夫なんて言ってこんな青い顔してたら…」
「大丈夫、ですから…」
「またそんなこと言って。この間みたいに倒れたらどうするの?ねえ、宇月先生…宇月…先生?」
------------------------------------------------------
「はい、ありがとね。じゃ、次はこれをよろしく。」
メモを渡すと美希子は「はい…」と虚ろな返事をして保健室を去ってゆく。
「うーん、白衣着るとますますおねえちゃんみたい。」
くるっと一回転して着心地を確かめる楓。
そうしていると、ノックの音がして少女が一人入ってきた。
「失礼します。あれ?宇月先生、どうしたんですか?」
「あ、うん。校医の先生が具合悪くなっちゃったらしくってね。今日一日代理なのよ。一応資格あったから。」
「ふーん…」
「それよりなあに?どうしたの?おなかでも痛くなった?先生に見せて御覧なさい…」
10分後…5,6年生のクラス放送が読み上げられた。
「……本日の体育は男女別に行いますので、男子は校庭に集合してください……」
次の日の午前中、ひりゅうの飛行甲板では艦載ヘリコプター、SH−60Kの発着艦訓練が行われていた。
…報道陣へのデモンストレーションである。昨日までの海賊船事案は実は訓練であり、海賊船役の
艦は訓練を終え母港に帰投したなどと(もうとっくにばれているであろう)苦しい言い訳をしつつ、
目で楽しませてなんとかごまかそうと無駄な努力をしている最中なのである。
ひりゅう「…つまんないね、だり〜ん。」
藤倉大佐「そんなこといっちゃだめだよ、はに〜。」
艦橋において訓練の様子を聞き、指示を出す藤倉大佐。
藤倉大佐「次は人員輸送か…たかなみに1人、いせに3人…いや、3体返すのか。2回で済むかな。」
ガチャリ、と艦橋後部のドアが開く。
OP「艦長、MHKとプチTVの方々をお連れ致しました。」
藤倉大佐「こんにちわ。ようこそ、我がひりゅうの艦橋へ。先ほどは飛行甲板にて発着艦訓練をご覧になったと
思いますが、今度はここから、我が海鷲の勇姿をご覧になって下さい。」
と、まあ、お決まりの挨拶をする。
ひりゅう「お、お兄ちゃぁ〜ん…。」
ひりゅうが藤倉大佐の後ろに隠れる。それを見て、誰かが
「艦長、いくら妹さんだからって、艦橋にこんな小さい子を連れてくるのはちょっとどうかと…。」
藤倉大佐「…う゛うん…。あはは。なにぶん人見知りの激しい子で、私から離れるとすぐに癇癪を起こして手が
付けられないのです。もうちょっと、大人になって欲しいのですが…ははっ…ぁぃっっっっ…」
笑顔が引きつる。
ひりゅう(だり〜ん!いいすぎだよ!おとなって…やっぱり…むねが…そっちのが…むぅ〜〜!!)
大佐の手を思いっきり抓りながら、撫子に鋭い視線を向けるひりゅうであった。
394>>
藤倉大佐「次は人員輸送か…たかなみに1人、いせに3人…いや、3体返すのか。2回で済むかな。」
むつは「いせに3体?6体じゃなくて?…ついに存在まで抹消されたのか、私ら…。」
ふたば「もうだめぽ…。」
よつば「くにさけえってたなぼさていれすっぺか…なの…。」
>389
「シャイニー!昇華を!」
「はいっ!」
キクヒメを構えたシャイニーの霊力が、視覚できるほどに迸る。大技を使う気だ。
「くっ!」
ツチクレは慌てて草の拘束を振りほどこうとしたが、術どころか土気も水気も全て木気に吸収され、
身動きする事さえままならない。だがツチクレは、それでもまだ余裕を装っていた。
「……いつの間に回収したのかは知らないけれど、僕に木行の符を使って良かったのかな? それで要石を
壊すつもりだったんじゃないの? あの要石を強引に壊したら、この場の水気はどうなるんだろうね?」
「えっ!」
ちゆは驚いて技の発動を一時停止する。
「もっとも、あと一時間もすれば爆発しちゃうんだけどね。”自然には”凄く無害な爆弾になる予想だけれど」
だがひかみは、余裕をもって応えた。
「母上の符は、まだ使ってないし、回収もしてないよ」
左手から鳩を飛ばし、水面に落ちている黒子の木行符を回収する。
「……じゃあこの符は──そうかあの時!」
「うん。父上がくれた白符の中に、一枚だけ混じっていた。様式が違うから、長い詠唱が必要だったけれどね」
「はは、そういう事か。余裕見せすぎたね」
@電波@
フェアリーリングは言い方が違うだけで、日本にも類似するものはあります。天狗(鬼、河童)の土俵とか。
でも「○、○○の土俵!そんな、ばかなっ!?」じゃ、かっこ悪いですよね(笑)
……他に何か質問ありますか? それとも別の事を指しておられたのでしょうか?
>394
じーっ。
「……(うう、また視線が)」
またひりゅうに睨まれている撫子。どういった類の視線なのか判らない。怒っているような、羨ましそうな。
艦橋は少しゴタついているようだった。どうやら彼女がこの場に居ることで、少し揉めているようだ。
撫子は、少し気を利かせてみる事にした。
「よろしければ、私がお嬢ちゃんの相手をしましょうか? こんなところじゃ退屈でしょう?」
ねっ? と、ひりゅうにウインクするが、ぷいっと顔を背けられてしまった。
「ちょ、ちょっと撫子さん」
苦笑する撫子に、横から亀雄が囁きかける。
ゴニョゴニョ…。
(撫子さん、子供苦手でしょう? 大丈夫ですか?)
(大丈夫よ。それにあの子には何か秘密がありそうよ。何とか聞き出してみるわ)
「ほーら、お嬢ちゃん、あっちでお姉さんと遊びましょう。飴もあるわよ」
何処に隠していたのか、撫子は渦巻きキャンディを取り出すと、ひりゅうを手招きする。
チームを組んで任務遂行中の名無し菊水隊員A、B、C(狩谷、紫村、後藤)の元に
10研の所員が訪れたのは、冷たい霧雨の降る夜のことだった。
近くのファミレスに入り、四人は熱いコーヒーを注文する。
狩谷「データ提供、ですか?」
10研「ええ。ウチが開発したバーチャルシュミレーター『ALICE-WORLD』はご存知ですよね?」
紫村「はいはい。ネトゲとして一般にまで発売されて、なんでも凄い人気だとか」
10研「あのゲームは全てがリアルに作られています。現実世界とほぼ完全に同じ事が出来るんです。
違うのはゲームの舞台と、あくまでシュミレートだという事だけですが、その…」
少し言葉を濁し、10研所員は続ける。
10研「実はですね、最近一部のプレーヤーがかなり悪質な事をしているんですよ」
三人には大体の予想がついた。何処にでもある話しだ。
10研「勝者は敗者に何をしてもいい、みたいな暗黙の了解が出来てしまっているみたいで、
更にはそれ目的で戦闘をやる連中まで現れる始末でして」
後藤「あんた等は作るだけ作って、後の細かいサポートは考えていなかったって事か?」
10研「……批判は甘んじて受けます。これでも会社まで作って管理はしているんですが、やはりノウハウが
無くて、トラブルは後を絶ちません。うちの所長の意向は、あくまでもリアリティですし……
苦肉の策として、比較的安全な設定の『不思議の国』を第一の世界とし、転送ゲートを通じて
上級者向けのアンリミテッドな反転世界『鏡の国』へ接続するという方法を考えました」
狩谷「……???」
窓の外、霧雨は降り続いている。
後藤「何処かのネトゲでも似たような事があったな」
10研「はい、そこを参考にしました」
後藤「だが、その所為でアレはすっかり”ぬるく”なってしまったな」
狩谷「……???」
紫村「そうか? 俺は面白いと思うけれど。ただ人多すぎで家建てられなくってさ。空き地見つけても、
ギリギリ入らないんだよなこれが。せめて小石くらい動かせればなあ」
狩谷「……ゴメン。ヨクワカラン…」
後藤「後で説明するから」
紫村「で、それでも問題が起きてるんでしょ?」
10研「……落ち着いて聞いてくださいね。このゲームの筐体は会員登録しないと入手できないのですが、
何故か小学生の女の子がログインしてしまったんです。多分、家族の誰かが購入したもので、
偶々ログインのパスを知ってしまい、興味半分で試してしまったんでしょう。何も知らない
その子は運悪く、親切なプレイヤーを装った男に騙されて、転送ゲートを潜ってしまったようです。
……ゲートの向こうでは悪意に満ちた数人の男達が待ち伏せしていました」
後藤「酷い話だが、それが俺達と何の関係があるんだ?」
10研「本当はこんな時にこんな事を教えるべきではないのでしょうが、今回のあなた方の粛清目標は、
その悪質なプレーヤー達です」
狩谷「……ちょっと待て。という事は──」
10研「ええ……その子は、もなこ様の御学友の御一人でした」
狩谷の左手がコーヒーカップをゆっくりと、粉微塵に砕いた。もう少しで自分の右手も握り潰す所だった。
10研所員は震え上がり、慌ててまくしたてる。
「だ、だから話は最後まで聞いてくださいっ。ギリギリその子は無事ですっ。どうやら潜在的に特殊な能力を
秘めていたらしくて、追い詰められたショックでその能力が発現して、男達を返り討ちにしたんですよ。
その際のデータはこちらから強制介入して切り離し、フィールドバックもしませんでしたから、
現実世界のその子本人にはゲートを潜ってからの記憶自体が有りません」
「……そうか。それは良かった」
「あなた達には全てお話したほうが都合が良いと思ったので……すっかり長話しになってしまいましたが、
つまり初心者が安心してプレイ出来、かつリアリティも損なわせない為に、ストレス無く24時間働き続ける
疑似プレイヤーが必要なんですよ。それで菊水内の幾人かからデータの提供をお願いしているんです。
あなた達のデータは多少手を加えて、ルールの隙間を突くような悪意ある行為を取り締まるガード役兼、
模擬戦闘用のNPC(ノンプレイングキャラクター)兼、体験版キャラクターとして使用するつもりです。
もちろん報酬も出します。お約束で現物支給なんですが──」
10研所員は持参していた紙袋をゴソゴソと掻き回すが、狩谷は既に立ち上がっていた。
「そんなのは後だ。この任務が完了したら、必ずデータとやらは提供する──行くぞ!」
「おい待てって。何もそんなに急がなくても──ったくアイツは」
義憤に駆られ霧雨の中に駆け出した狩谷。その後を追う紫村。残った後藤。
「一つ聞きたいんだが、切り離したと言ったな? ゲームの中に残されたその子のデータは?」
「……判りません。他のプレイヤーに倒されロストしたか、今も仮想世界を彷徨っているのか……」
10研所員は一度言葉を切り、コーヒーを飲み干た。彼はALICEの運営には余り深く関わっていないが、
時々主催者側のイベント要員としてゲームに借り出される事があった。その際プレーヤー達の間に流れている
幾つかの噂を耳にする事がある。例えばALICEには第三の世界があるとか『不思議の国』に出現する
人外モンスターの中には本物が居るとか(これについては本当だと知っているが)
「……これは、あくまでもプレーヤー達の間での噂なんですが、最近ALICEに女王が誕生したとか……
まさかとは思いますが……」
@ALICE-WORLD補足@
システムは常に改良、修正のパッチプログラムが当てられており、この補足は現時点でのものです。
@第一の世界『不思議の国』@
プレイヤーの意思または敗北によって直ぐにログアウトできる仮想世界。ゲーム色が濃い。
またイメージする事によって敵味方問わずキャラクターへのある程度の干渉が可能(自己強化や魔術等)
@第二の世界『鏡の国』@
ミラーワールド(笑)あくまでもリアリティ追求。現実世界に戻るには転送ゲート『鏡』を潜るか、
死亡するしかない。死亡しても死体は一定時間残る。一般向けへの安全策として、時間制限プログラム
”ゲームは一回(not一日)一時間”と、ガードプログラム”仮面の騎士”というパッチが追加された。
>396
(なんだろう・・・この人(?)の余裕・・・?)
黒子さんの呪符が未使用だということがわかってもツチクレの余裕ある態度は変わらなかった。
もう一度霊視してみたがやはり2枚の核の呪符と体を構成する約60枚、地面に散らばった何枚かが見えるだけだった。
(まさか・・・。)
もう一度目を凝らしてよく見てみる。
(・・そうゆうことだったんだ!!)
キクヒメをしまうと右腕に霊力をこめた。
シャイニー「はああああああっ!!」
駆け出すシャイニー。
シャイニー「理は存在を辞さず!」
ツチクレ「技を変えるの? 無駄だと思うけど。」
かまわずシャイニーは続ける。大きく右手を振りかぶった。
シャイニー「昇華術第拾五式!!」
ズシャッッ!!
右手はツチクレの胴体を貫いた。その手にはツチクレを構成する呪符。
ツチクレ「ふふ、それで?」
呪符は徐々に黒ずんでいった。しかし、ツチクレの体はなんともない。
シャイニー「やっぱり!!」
ツチクレ「!!?」
ツチクレの態度に初めて動揺があらわれた。
>402
シャイニー「哀れなり土の御子、其の運命は太過たる力の不及!」
右腕を引き抜き、別の技を発動させる。
シャイニー「昇華術第弐拾四式!!」
ツチクレ「やめろッッッ!!」
草の拘束がツチクレを動かさない。
シャイニー「シャイニングフィンガーーーー!!!」
左手で右手を支えながら地面に向かって技を放った。
ドゴォンンッ!!
ツチクレ「うわああああああっ!!」
崩れてゆくツチクレ。
地面に散らばった呪符のなかに丁寧な遮蔽をされたものが混ざっていたのだ。
ツチクレの体の中にあったのは偽装された呪符。それを確認し、改めて遮蔽された呪符を攻撃したのだ。
シャイニー「・・・・・完・全・調・伏!」
シャイニー「必殺技の名前とか決め台詞とか、恥ずかしいんですけど・・・。」
音羽「必ず言えフォルア。」
藤倉大佐「せっかく誘ってもらったんだし、いってきたらどうだい。ひりゅう。」
ひりゅう(キッ!<鋭い視線)
藤倉大佐「(うっ…なんかまずいこと言ったかな…?)」
そこへ、こつこつ、と歩み寄る副長。しゃがんで、ひりゅうになにか耳打ちする。
副長(奥様、焦ってはいけません。敵を知り、己を知れば百戦危うからず。奥様はまだ兵隊以外の「女性」と
お話したことはないはずです。外の「女性」とお話になることは、奥様の「女」を磨くいい機会だと考えます。
乗ってみるのが得策かと…。)
ひりゅう(…そ、そう?)
副長(ええ。大丈夫ですよ。たとえ何があったとしても、艦長の奥様に対する気持ちは変わりませんよ。
私が保証します。ここはひとまず、行ってきて下さい。)
ひりゅう(うん、わかったよ☆ありがと、ふっきぃ。)
副長(副長だから、ふっきぃって呼ぶのはやめて下さい、奥様。)
副長が立ち上がり、藤倉大佐にも耳打ちする。
副長(艦長、どうやらひりゅうはあの女子アナに焼餅を焼いているようです。)
藤倉大佐(やきもち?そんな…僕ははに〜に信用されてないのかな…。)
副長(そんなことはないでしょう。男も女も、独占欲が強くて、自分の伴侶が誰かに取られてしまわないかと
常に不安なのです。ああ、おめでたい。たまには毎日見せ付けられるこちらの身にもなって下さい…。)
藤倉大佐(…すまんね……。)
ぐ〜の手を口の前にもってきて、首を45°に傾けた「ぶりっこ」ぽ〜ずを取って、
ひりゅう「ありがとう☆お姉さん。あたしロリポップ大好き☆」
満面の(作り)笑顔で。
ひりゅう「お姉さん、あっちで一緒にお話しましょ?」
と、撫子の手をとって、艦橋の外へ出て行った。
艦橋の外、階段を上って艦橋の一番上、飛行甲板が見渡せる「トップ」に上がる。
飛行甲板の向こうには群青の海。そして、前方に航跡を残して走るときつかぜ、さらにその向こうにはたかなみ。
後ろを振り返るといせが見える。いわゆる単縦陣、縦一文字の隊形だ。顔に当たる風が心地よい。
ひりゅう「ここなら誰にも邪魔されないよ☆たくさん、お話しましょ?お姉さん。」
xx日、スウェーデンより皇太子夫妻が来日。
xx日、スウェーデンより皇太子夫妻が来日される。今回の来日は現在来日公演を行っている
世界的テナーで皇太子嫡男カール王子の音楽教師を兼任しているエリック・スヴェンスキー氏の公演に
合わせる形となっている。
本日、迎賓館にて歓迎式典が行われる。
また、この歓迎式典では萌宮もなこ皇女が始めて公務として出席をする予定となっている。
------------------------------------------------------------------------------
>>406 某掲示板某板アサピースレにて…
753 名前:名無しさんお腹いっぱい 本日の投稿:09/xx/xx 09:47
敬語もまともに使えんのか、お前らは!
Λ_Λ \\
(# ・∀・) | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < > __Λ∩
_/し' //. V@∀@ >/ <もなこ皇女が始めて公務として出席をする予定…
(_フ彡 /
>403
シャイニー「・・・・・完・全・調・伏!」
少し恥ずかしそうに、それでも凛とポーズを決めるシャイニー。
ひかみ「かっこいいなあ…」(MP+5)
それに比べて自分は…と、ひかみは視線を落とす。不完全体とはいえ──いやたとえ完全体でも
今の自分ではツチクレに勝てなかっただろう。足元の土砂の中に半分埋もれている、ツチクレの呪符を
拾い上げる。これの創造者の正体も気になった。ツチクレの様式は自分と驚くほど似ていた。
これを作ったのは一体何者だろうか? 自分は黒子のオリジナルと言ってもいい、かなり変則的な式神だ。
技術的なものも含め、他の人物が何のヒントも無く作り出せるものだろうか……?
シャイニー「ひかみ君! 要石! 要石!」
気が付けば要石は鳴動し、空には暗雲が立ち込め始めていた。ツチクレの言葉の真偽はともかく、
確かに爆発しそうな雰囲気ではあった。
ひかみ「──あっ、はい」
木行の呪符を構えるひかみ。木気の本性は『直曲』それは空を引き裂くカタチも表している。
それは木に落ち火を生じるモノ。正義の象徴であり、道士が扱える唯一にして最強の破壊の力。
『九紘電射!』
暗雲より発生した一条の稲妻が要石を打つ。一瞬の静寂。木気は要石から水気と土気を吸収し、
数十倍の雷の束となって、要石を内側から砕きながら轟音とともに天に散らばってゆく。
「うわ、凄い」
ちゆは少し雷が怖いのか、ひかみの首に腕を巻きつけて後ずさる。胸が頭に当たっていたり。
「………」(MP+5)
雷が止んだ後には、雲ひとつない青空が広がっていた。要石の残骸は水中に没し、もう跡形も見えない。
「これで五行は循環し、正常な状態に戻るはずです……さあ、帰りましょう」
心の中のもやもやしたものを払拭して、ひかみは笑って見せる。
>404
ょぅι゛ょ「ひりゅう」に案内されてブリッジの外にやってきた撫子。横では空母『ひりゅう』の
対空レーダーが回っている。
「いい眺めね」
撫子は青い海に浮かぶ純白の船『いせ』を見ながら、少し冷たい風に揺れる前髪を無意識に撫でつける。
その背後で、ひりゅうはこっそりと、撫子から貰った渦巻きアメを海に投げ捨てた。
「お姉ちゃん、アメおいしかったよ☆」
「そう? まだ沢山あるのよ」
色違いのものを出され、ひりゅうは流石に困惑気味だった。今度は渋々と舐め始める。
「ほら、こっちにいらっしゃい」
手摺へ向かってジーパンを穿いた両足を投げ出すようにして、トップデッキに座る撫子。
やや強引にひりゅうを膝の上に抱きかかえる。
「………」(さて、何から聞こうかしら)
「………」(ううう。いつかねしねししてやるんだから)
「ねえ、お嬢ちゃん。お姉さん不思議なんだけれど、お嬢ちゃんはどうして
この船の周りで起こっている事が判るのかしら?」
きょうははもなこ、がっこうをおやすみしてあさからちょっとおめかしなのです。
「このリボン、へんじゃないですか?」
「大丈夫ですよ、宮様。よくお似合いです。」
「うー、なんか気になるのです…」
すうぇーでんから、カールくんとそのおとうさまとおかあさまがいらっしゃるので
もなこもおむかえすることになったのです。カールくんはもなこの1つとしうえで、
もなこがしょうがっこうにはいるまえにあったことがあるのです。ちょっとたのしみなのです。
…べつに、カールくんのことがきになるとか、そういうんじゃ、ないのです。
もなこ、「ごこうむ」するのはじめてなのです。いつもはおとうさまもおかあさまもごこうむされてるの
をみてうらやましいなあとか、かっこういいなあとかおもっていたのですけど、こうしてしたくしていると
なんか、きんちょうするのです。テレビとか、そういうのとはまたちがったどきどきなのです。
「皇太子殿下に失礼のない様にね」
なんておかあさまがいうものだから、もなこ、なにかへんなこといっちゃわないか、しんぱいなのです。
「ううう…やっぱり、このドレス、なんかへんなのです…」
「じゃ、こっちにして見ましょうか?」
「………ごめんなさい、なのです。もなこ、わるいこです…こまらせるようなこと…いってばかりで…」
「いいんですよ。不安なんですよね。おめかしが終わったらお茶にしましょう。大丈夫。宮様は充分かわいいですよ。」
ううう…でもやっぱりきんちょうするのです…カールくんにわらわれたら、いやなのです。
それよりも、おとうさまやおかあさまにはずかしいおもいをさせちゃいけないのです。もなこはこくみんの
だいひょうとしてあいさつをしなくちゃいけないのだから、きちんとしていないといけないのです。だから…
「…おけしょう、したほうがよくないのですか?」
「宮様…宮様のお肌に化粧は似合いません。このぴちぴちのお肌に塗る化粧品なんてありませんよ。」
…あ、なんかもなこわるいこといったみたいです……ちはやさん、おこっちゃったみたいです…うううう…
>408
ころころころ・・・。
石が転がっている。しかし、ここは下り道ではない。
女性がその石を拾い上げる。
ホテリ「あんなこと言ってた割にはあっさりやられちゃってんじゃないの。」
石にしゃべりかける女性。石からはツチクレの声が聞こえた。
ツチクレ「だ、だって・・・。」
ホテリ「“だって”じゃないの、マスターがせっかく水気符まで入れてくれたっていうのに。」
ツチクレ「・・・・・・。」
ホテリ「とにかく、実験データは失ってないよね。」
ツチクレ「・・・うん。」
ホテリ「じゃあ、いったん帰るよ。・・・マスター、召還をお願いします。」
召還の呪文が二人の心に届くと、二人は瞬時に両義社の本拠地へと移動していた。
>411
ホテリ「じゃあ、いったん帰るよ。・・・マスター、召還をお願いします。」
二人の姿が瞬時に掻き消える。飛行術(隠形遁行)の一種であろう。
「……やれやれ。この分じゃあ、あの二人の戦いは、まだまだ続きそうだな」
人知れずそれを見つめていた影が呟いた。
「まあ、コイツの出番が必要なかったぶん、今回は及第点か」
ネクストバッターサークル(隠形結界)の中で満足気に頷く、木製のバットを持ったユニフォーム姿の男。
「いや金属バットでなくて良かった。やっぱりプロは木製だな」
金属バットだったなら、木気を引き寄せて感電していたかもしれない。
男は何気にバットを一度スイングすると肩に乗せ、密かに場を立ち去る。
その身を包む巨○軍ユニフォームの背中には『Abe・10』のゼッケンが刺繍されていた。
パーティ は せんとう に しょうりした。
ツチクレのフダ を てにいれた。
かなめいしのカケラ を てにいれた。
0えん の おかね と 1000ポイントの けいけんち を てにいれた。
ひかみ は レベルアップした。
かしこさ が 1あがった。
もえ が 1あがった。
こうしつか を おぼえた。
こうそくいどう を おぼえた。
きんぞくバット を おぼえた。
409>>
「ねぇ?お姉さんはおばあちゃんの昔ばなしとか、メルヘンとか好き?信じてるほう?
今でもサンタさんはいるって信じてる?」
全然関係のない話。
「世界の海の男たちはね、フネには魂が宿っていて、その魂が自分たちを守っているって、
そう信じているの。で、この艦の魂が…あたし☆」
一瞬の静寂。
「なんてね。お姉ちゃん、まさか本気にした?あたしもこの艦のことよく知らないし、
考えすぎだよ☆あたしとお兄ちゃんの艦の名前が同じなんて、きっと素敵な偶然だよ☆」
そう言って、ロリポップをペロン、と舐める。
>414
「そうね。私の名前も大和で、撫子だし」
少し嫌そうに眉を顰めて、撫子は呟いた。過去にちょっとしたトラウマがあり、自分の名前に
コンプレックスを持っているのだ。
「そういう偶然も、あるかもしれないわね。──でもね、私はあの不審船と同じ名前の
”まつかぜ”って娘にも会ったの。それも偶然かしら?」
彼女に会わなかったら、ひりゅうの言葉を信じていただろう。だが会ってしまった。
「その娘はね、空を飛んでいたの。あなたは飛べる?」
抱きしめたょぅι゛ょの身体が緊張するのが伝わってくる。確かめるのは簡単だ。ここから落とせばいい。
だが勿論そんな事できるはずもなく、一瞬でもそんな事を考えてしまった自分のマスコミ根性に嫌気が差す。
「もしかしたら、あそこの船にも”いせ”って娘が居るかも、なんてね。嘘、冗談よ。本当に素敵な偶然ね」
ひりゅうは撫子のほうに向き直って、口から渦巻きアメを引き抜いた。
「……お姉ちゃんて強敵」
「そう?」
首を傾げて微笑する撫子。何故か、はにかんでしまうひりゅう。下げた視線の先に、撫子の胸があった。
「……ねえお姉ちゃん、どうしたら胸は大きくなるの?」
「えっ?」
ひりゅうは徐に撫子の片乳を掴んだ。
「あっコラっ」
「ねえ、どうして?(これがこれがこれがこれが〜)」
「ひゃ…ダメよ…そんな……あ、ああっ!?(やだ私、ょぅι゛ょにねしねしされてる)」
>415
艦橋へと続くデッキ階段の死角から、プチテレビとMHKのビデオカメラが並んで
ょぅι゛ょと戯れる撫子の姿を記録している。
藤倉大佐「……あの、まだまだ『ひりゅう』の勇士を撮影して頂きたく…」
亀雄「………」(ジーッ)
宇佐木「………」(ジーッ)
藤倉大佐「……ええっと、この艦の秘密を喋っちゃおうかな〜なんて…」
亀雄「………」(ジーッ)
宇佐木「………」(ジーッ)
MHKアナ「通訳すると〜『そんなもんよりこの映像のほうが100倍レアだボケ』みたいな〜」
藤倉大佐「……シクシク」
>415思いっきり修正です(泣)
>414
「そうね。私の名前も大和で、撫子だし」
少し嫌そうに眉を顰めて、撫子は呟いた。過去にちょっとしたトラウマがあり、自分の名前に
コンプレックスを持っているのだ。
「そういう偶然も、あるかもしれないわね。──でもね、私は…ほらあそこの船『たかなみ』と
同じ名前の娘にも会ったの。それも偶然かしら?」
彼女に会わなかったら、ひりゅうの言葉を信じていただろう。だが会ってしまった。
「その娘はね、空を飛んでいたの。あなたは飛べる?」
抱きしめたょぅι゛ょの身体が緊張するのが伝わってくる。確かめるのは簡単だ。ここから落とせばいい。
だが勿論そんな事できるはずもなく、一瞬でもそんな事を考えてしまった自分のマスコミ根性に嫌気が差す。
「もしかしたら、あそこの船にも”いせ”って娘が居るかも、なんてね。嘘、冗談よ。本当に素敵な偶然ね」
ひりゅうは撫子のほうに向き直って、口から渦巻きアメを引き抜いた。
「……お姉ちゃんて強敵」
「そう?」
首を傾げて微笑する撫子。何故か、はにかんでしまうひりゅう。下げた視線の先に、撫子の胸があった。
「……ねえお姉ちゃん、どうしたら胸は大きくなるの?」
ひりゅうは徐に撫子の片乳を掴んだ。
「あっコラっ」
「ねえ、どうして?(これがこれがこれがこれが〜)」
「んっ…ダメよ…そんな……あ、ああっ!?(やだ私、ょぅι゛ょにねしねしされてる)」
160 名前: 境 投稿日: 2002/11/28(木) 18:34
師走の喧騒が聞こえてくる今日この頃、みんな好き放題萌えていますか?(笑
さて、今日はちょいと書きこまなければいけないことがあり、おしらせとさせてもらいます。
いやね、単に慶祝にたいする無期限休暇をとることにしました。葛城のときと今回で二回目です。
理由は、以前から分かってはいたのですが12月以降、個人的環境の激変によって確認、書き込みが困難になってしまうのです。
もうすぐクリスマスだし、お正月等イベントがわんさかある中で悔しいと言うのは正直在るんですが背に腹は変えられません。
娯楽として、みんなとの交流場所としてたのしんできましたからね(笑
と、いうわけでいろんな意味で余裕ができたら、また遊びましょう。
きがむいたら全然別キャラで書き込んでるかもしれませんよ。
霊警Aこと阿部 清明(きよあき) 霊警Bこと菩提 善司(ぜんじ)はフリーキャラとして開放します。
つーか、はじめのバトルで返答を求められなければ再参加はしなかったでしょうね。そんなもんです(笑
きになっていた皇式サイトも無事に移行できたみたいですしトラブルシュートも大丈夫のようですしね。
アラシに対する流しは……まぁ、がんばれ(笑
最後にひとつ余計なことを…
慶祝は娯楽です。それは参加者の、見る人の、そしてNETにいる人のと解釈は人によって違うでしょう。
どんな娯楽をしたいですか?どんな娯楽に見せたいですか?どんな娯楽だと思いますか?
答えはありませんが一度考えてみてください。考えた分だけ実りは在るでしょう。
私からのヒントは「皇女が現存する今、なぜ魔法内親王伝でなければいけないのか」…です。
それでは…
『皆に 萌えの 幸の在らんことを』
多重キャラがまた一人、消え去ったな(藁
皇女と69式を散々IRCで陰ながら罵倒した馬鹿がやっと消え去ってくれるか
こんな事いちいちコピペする馬鹿もとっとと消えてくれないだろうか
いや、いつまでもこんな駄スレを続けている奴もそろそろ消えてくれないだろうか
冬の花火というものも風情がありオツなものである。今時の夏の花火大会はゲーム上のようなイベントと化し、
一地方の花火に近隣のカップルどもが大量に押し寄せ大混雑する。ゴミは撒き散らされ、違法駐車で渋滞し、
挙句の果てに人の波に潰され死亡事故まで出る始末。風情も半減である……悲しい事である。
我輩は妹様と湯船に浸かりながら、浴室の窓から寒空に咲く華を眺めている。僥倖にもこの家は、
花火見物には最良の位置にあるのだ。
だが何より、妹様の裸体は素晴らしい。特に腰の香りは最高である(ハァハァ)
つくづく、我輩の下半身が役立たずなのが悔やまれる……悲しい事である。
今度、教授に再手術して貰おうかと、我輩は真剣に悩んでいる。
「たーまやー」
「はーい! 御主人サマー」
「あら、違うよ。花火の掛け声なんだよ」
「え〜?」
「江戸時代の『鍵屋』と『玉屋』という、花火屋を応援する掛け声だけが今も残ってるのさ」
「ふーん。じゃあじゃあ、あのキタナイ花火は?」
「……あぼーん、かねえ?」
>>418多重
>>419IRC
申し訳ありませんが、裏事情がわからないので何とも言えません。
よろしければ説明していただけませんでしょうか。例によって第一章で。
>>420コピペ
コピペも煽りも2ちゃんの華ということで。(ゴマカシ
>>421 難民板ですからそれは言いっこなしですよ。
>>423 毎度付き合う必要は無いかと思います。
とまあこれだけが言いたい訳なのですが、良い機会なので少々余計な事も言わせて下さい。
裏を知っていそうで実は解っていないような、中途半端な雰囲気。どちらにせよ
>>418-421の人
(達?)に教えてもらう事など何も無いでしょう。もし私の立場で質問するとしたら
Q1.これは貴方の喜びですか?
Q2.この行動に、実は目的があったりしますか?
といった所でしょうか。現参加者方の場合、荒らしの矛先がそちらに移ってしまう為出来ない
質問ですが。この質問の意味を理解でき、且つ本音が語れる人ならば実があるやもしれません。
期待は限りなく薄いですが。
ただの荒らしであれば理解どころか無意味な質問になるでしょうね。
ちなみに私の名前は伏せますが、過去槍玉に挙がったあの人達ではないので、あしからず。
こんな注意書きが必要なほど、ここには質の悪い人が居そうですからね。
まあ信じるも信じないもご自由に。
万が一意見等あるならば、第一スレへどうぞ。他では完全に沈黙します。
返す価値の無い書き込みに対しては、言うまでも無いでしょう。
以上。乱入の非礼は詫びます。
>423
裏事情の説明など必要無いと思います。
そんな事をしても余計な疑心暗鬼を生むだけで、私達には何の役もありませんから。
>422
せっかく上手くまとめて頂いたのに、また蒸し返してしまって申し訳ありません。
>417
(むにむにむに…)
重い…
「肩…痛くならないの?」
(むにむにむに…)
柔らかい…
「ねえ…なにが入ってるの?」
(むにむにむに…)
温かい…
「…あったかい☆」
(むにむにむに…)
だり〜んは、こういうのが好きなの?
「…男の子ってみんなこういうのが好きなのかな…?」
(むにむにむに…)
>426
(むにむにむに…)
撫子「ふっ、ふうっ(ガマン、ガマン)あっ、あのね、お姉さあんっん他にも聞きたいことが──」
ひりゅう「あれ、ここだけ硬い?」
(きゅうっ)
撫子「ひゃああ!?」
ひりゅう「うふふ☆おもしろい」
(むにむにむにむにむにむに…)
撫子「……(ぷち)…………ふふふ。こんなイケナイ事する子はオシオキよっ!!」
撫子はひりゅうを膝の上でうつ伏せにすると、そのスカートを捲り上げる。上気した頬が非常に色っぽい。
ひりゅう「ええっ?」
流石にお子様パンツは剥かなかったが、そのぶん撫子は容赦なくょぅι゛ょのお尻を平手打ちする。
ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!
ひりゅう「いたい☆いたい〜!」
撫子「ゴメンなさいするまで続けるわよっ!」
ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!
今日も今日とて。異次元酒場にいつもの三人組がやってくる。
後藤「……例のやつを」
店のマスターは頷き、カウンターにお通しを置くと奥に引っ込んだ。
後藤「……しかし安心したぞ」
狩谷「何がだ?」
後藤「お前、最近腑抜けていたからな。引き金を引けるかどうか心配だった」
紫村「まあ、無理やり殿下に対面させちまった俺らにも責任あるけどな」
狩谷「……仕事は仕事だ」
お通しを摘む狩谷。現れたマスターが三つのグラスと、ビニール袋に入った布を無言で差し出す。
狩谷「あっ、これ俺の(ハンカチ)。何処にあったんですか?」
マスターはやはり無言で、出入り口を一瞥する。
後藤「扉の前に落ちていたそうだ」
狩谷「そういえば、あの子に貸したんだっけ。今頃どうしてるかな?」
紫村「ん、縞パンちゃんか?」
後藤「そういう覚え方をするな」
狩谷「この酒、変わってるな」
後藤「例のアヒャ酒だ」
狩谷「………」
紫村「………」
>428続き。
後藤「心配するな。俺が毒見はやった。美味いぞ」
後藤は自分の分を飲んで見せる。何度か試してみたが実はこの酒、内なる萌えを開放するという
変な効果があるのは最初の一回だけのようだった。
「そうか、じゃあ」
二人は安心して、一気に飲み干した。後藤とマスターは、それをじっと観察する。
タンッ! とグラスがカウンターに落ちた。狩谷は突然立ち上がり、カッと目を見開いて絶叫する。
狩谷「耳!尻尾!耳!尻尾!肉球!猫猫!!…も、モナーー!!!」
そこで白目を剥いて気絶した。
紫村「な、なんだ!?」
後藤「……自制心の強い奴はこうなるのか」
紫村「おいおい、一体どういう事だ?」
後藤「お前はなんとも無いようだな……なるほど、お前は自然体なんだな」
紫村「?」
こうして異次元酒場のメニューに、デンジャーな一品が追加された。
>>427 ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚Д゚) < なかなかマニアックなプレーですな
(つ[[(0]) \____
| |
∪∪
藤倉・亀雄・宇佐木・MHKアナ「あんただれだ( ´Д`)( ´Д`)( ´Д`)( ´Д`)」
.'⌒⌒丶
′从 从) ∧ ∧
ヽゝ゚ ‐゚ν ( ゚Д゚) ., ,・
━━つ━つ━━∞∞∞==(つ[[(0])=========
/ ゝ | |スシャ
(_) _) ∪∪
M0-e↑
「ああっ…はに〜が!はに〜が…なんてうらやましい…僕もペシペシしたい…いや、
むしろされたい…。」
阿「しかし、これからどうするかのう?」
火「主人に知れたら、わしら折檻かのう?」
阿「・・・・・・・・逃げるか?」
火「出切ればとっくにしてるがのう・・・・・・・」
∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(゚Д゚ ) < さて次は、プチテレビにスクープを取られて焦っている
. 目 <V> )__ | 方向転換したアサピー氏による偏向番組です。
/<┴> ̄ ̄ /| \___________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| ∧_∧
|_____⊂(; ´Д`)つ < I, IT'S!
| こんばんわ、皇室プログラムへようこそ。
| 今夜のテーマはもちろん萌宮もなこ様。
| 他の皇族の方々も登場しますよ!
\______ ___________
∨
∧_∧ 。 o (プチテレビ ニハ マケラレナイ カラナ・・・)
(‐@∀@)
∧_∧ .( 朝 ) ∧ ∧
( ・∀・) _,..-‐'~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`‐-.、_ (゚Д゚ )
( _,..-‐'~ ~`‐-.、_ )
THE _,..-‐'~| ̄ ̄ ̄ ̄|~`‐-.、_ ~-_
KOUSHITSU  ̄~-_
PROGRAMME
| 美しい日本の山河! 誇らしい日本の文化と伝統!
| 日本の経済力と技術力! 日本人の英知と道徳!
| 日本サイコー! 皇室ダイスキ! アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャハヒャヒャh
\______ _______________
∨
∧_∧
(@∀@) アヒャ
∧_∧ .( 朝 ) ∧ ∧
( ・∀・) _,..-‐'~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`‐-.、_ (゚Д゚;) ・・・ナレナイ コト スルカラ・・・
( _,..-‐'~ ~`‐-.、_ )
_-~ _,..-‐'~| ̄ ̄ ̄ ̄|~`‐-.、_ ~-_
_-~  ̄~-_
| ♪パジャマの中にアメリカ国債〜 .|
| ♪冷蔵庫に〜和食がいっぱい〜 |
\____ _________/
∨
∧_∧
バッ ( @∀)
( <朝> つ
∧_∧ 彡 / /〉 〉 ∧ ∧
( ;・∀・) _,..-‐'~ ̄(__) _) ̄~`‐-.、 (Д゚|||) ・・・・・・
( _,..-‐'~ ~`‐-.、_ )
_-~ _,..-‐'~| ̄ ̄ ̄ ̄|~`‐-.、_ ~-_
_-~  ̄~-_
| ♪日本ほどステキな国はない〜 .|
| ♪陛下のためなら何でもできる〜 |
\_____ ________/
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∧_∧
∩∀@ )
ヽ <朝> ⊃
( ( (
_,..-‐'~ ̄(_(__) ̄ ̄~`‐-.、
\\イチ ニ イチ ニ 日本 万歳 天皇陛下 万歳 イチ ニ イチ ニ//
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
(*゚ー゚) (*゚ー゚) (*゚ー゚) (*゚ー゚) (*゚ー゚) (*゚ー゚) (*゚ー゚)
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〜| 0 〜| 0 〜| 0 〜| 0 〜| 0 〜| 0 〜| 0
し'´ し'´ し'´ し'´ し'´ し'´ し'´
| ♪だって日本は八紘一宇〜 |
| ♪世界は天皇陛下のモノであるぅ〜 |
\______ _________/
ァ ァ ∨ ァ ァ
☆ パ ∧_∧ ァ
★::.. ;;;.. * ∩(@∀@)∩ + ..:::★
ヽ <朝> / 。 + :::
☆:::.. / / l l .::☆
+ _,..-‐'~ ̄(_)(__) ̄ ̄~`‐-.、 ★
\\ ♪ ニッポン ヨイクニ キヨイクニ ♪ //
♪ \\ セカイデ イチバン エライクニ! ♪ // ♪
♪ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧∧ ♪
∧ ∧(゚ヮ゚*)∧ ∧(゚ヮ゚*)∧ ∧(゚ヮ゚*)∧ ∧(゚ヮ゚*)∧ ∧(゚ヮ゚*)∧ ∧(゚ヮ゚*) ♪
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(゚ヮ゚*)| U(゚ヮ゚*)| U(゚ヮ゚*)| U(゚ヮ゚*)| U(゚ヮ゚*)| U(゚ヮ゚*)| U
| U.| | | U | || U. | || U. | || U. | || U. | |〜♪
♪ | | U U. | | U U | | U U | | U U | | U U | | U U ♪
U U U U U U U U U U U U
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ / 元ネタは「空飛ぶモンティ・パイソン」第29話
(゚ー゚*) < 「マネー・プログラム」でした。
.目 V> ) \ それでは引き続き
/<┴> ̄ ̄ /| \ 「魔法内親王伝もなこ」をお楽しみください。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | \___________
アリガト
∧ ∧ ∧_∧
(*゚ー゚) ∬ (´∀` )
.目 V> )旦 ⊂ )
/<┴> ̄ ̄ /| | | |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | (_(_)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ / ……
(゚ー゚*) <
.目 V> ) \________
/<┴> ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
∧ ∧ ワァァァァ!!!
∩(*゚Д。)
ヽ ⊂ ∬
.目 | 旦
/<┴> ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
>>434-438 ∧_∧
( ;´┏`) ヴァー・・・
( ) モンティ・パイソンに興味ない&知らないヒトには
| | | まるっきり意味不明のネタ・・・・・・
(__)_) 正直、スマンカッタ。
べちゃ
.'⌒⌒丶ミ
′从 从) ()() ∧_∧
ヽゝ゚ ‐゚ν (ク)( ´┏`)
( ̄ ̄(○つゝ ( )
| | | | | |
(_(_) (__)_)
.'⌒⌒丶
′从 从) ∧_∧
ヽゝ゚ ‐゚ν (´┓`; )
( ̄ ̄(○つゝ ( )
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(_(_) ()() (__)_)
>>393 白いシーツに包まれている二人。
髪をそっと撫でる。高潮し、汗にぬれた肌もそのままに少女が眠っていた。
満足そうに笑みを浮かべてベッドを出る。
「ごちそうさま。しばらく眠っててね。起きたらすっきりしてるから。」
隣のベッドでは別の理由で眠っている女が一人いるが、そちらには声をかけない。
服を着なおして、白衣を纏う。ちょっと匂いが残ってるから香水も忘れずに。
「ううン、やっぱり若い子の肌って(・∀・)イイ!! 」
部屋の入り口には美希子が立って待っている。
「先生…準備が出来ましたので…お願いします……」
「はい、よくできました。じゃ、行こっか。あ、それとあと一人、用意しておかないといけないわね…」
美希子の頭を撫でてやりながら、楓は笑う。
撫でられる美希子の顔は喜ぶ猫のようにも見えた……
5分後、校庭へ向かう男子の一人が姿を消す。腹痛のためと、保健委員が説明した。
そして、教室の扉は開かれる。
「はあい、みんな起ー立。今日は特別授業ですので、あたしが先生です。よろしくねっ。」
>410
あら、落ち込んだお顔も可愛らしい……なんて言ってる場合じゃないわね。
「宮様。折角の機会です、楽しまなければ勿体無いですよ?」
「え…もったいない、のですか?」
「はい。悪い事ばかり考えてると、その悪いことを招いてしまいがちです。今日苺のタルトを買いに行ったの
ですが、外見上どう見ても苺が入っているようには見えないのです。不安に駆られながら急いでお勝手に
行ってタルトを切ってみたら…………あ、全く関係のない話ですね。」
「…いちご、はいってなかったのですか?」
「そうなんです!失礼しちゃいますよね、私は苺のタルトをちゃんと注文したのに。あのお店は問題あり
です、腕は悪くないのですがミスが多くて。具を乗せ忘れたなんて、信じられません。」
「ほんとうです、しんじられないのです。」
「あんまり悔しいので、苺のタルトを作っちゃいました。そうそう、お茶の時に出しましょうか?」
「はい、なんだかとてもたべたくなったのです!」
よかった、うまくいったみたい。思い悩むより、笑顔の宮様のほうが魅力的だもの。
「さ、どのドレスにするか決めてしまいましょう。」
「はい、なのです!」
あと1時間しかありませんが…
本日はリアル宮様、「敬宮愛子殿下」のお誕生日であります。
満一歳おめでとうございます。
もなこ「おめでとうなのです?ありがとうなのです?…うーん…どっちがいいのかよくわからないのです…はうう」
おめでとうございます。
おめでとー!
ああ、ちょっと遅れた……。
おめでとうございます。
おめでとうございますた
>408
ひかみ「さあ、かえりましょう」
シャイニー「うん、かえりましょ。音羽さん、眷属の皆さん呼び出せます?」
音羽「だいぶ疲れたゾ。ちょっと無理かもしれないナ!」
シャイニー「ええ!? 無理ってそんな・・・。結構な距離ありますよ。」
音羽「しょうがねえな、力使い果たすかもしれないがやってみるぞフォルア!」
音羽「おめーら、来やがれ!!」
ばさばさばさばさばさ。
集まった鳩たちはひとつの固まりとなり、大きな鳩の姿へと変えた。
音羽「も、もう、限界だフォルア・・・。」
シャイニー「だいじょうぶですか音羽さ・・・。」
変身が解けた。
ちゆ「・・・・・きゃあああああっ!?」
ひかみ「・・・・・・ちちちちゆゆさんいいったいいなに・・・あうう(顔を真っ赤にしてそのまま仰向けにぶっ倒れる)」
ちゆ「ああっ、ひかみくん大丈夫?!」
おもわず駆け寄って抱き上げる。逆効果。
ひかみ「じ直め目の前うああああああ(ガク)」
ちなみにMP+100。
結局様子を見に来た安部に着替えを借りて事なきを得たのだった。
ちゆ「あの、下着のサイズまでぴったりなんですけど。」
安部「菩提が用意したんだ。」
ちゆ「・・・・そうなんですか・・・・。」
>>440 「今日の授業は、『こどものつくりかた』です。」
騒然となる教室。顔を赤くする者、(゚Д゚)ハァ?な顔をする者、それぞれの反応を愉しむように見る楓。
「さあて、どうやって子供を作るのか、知ってる人いるかな?手を上げてみて。」
それでも数人は手を上げた。後の者は恥ずかしくて上げないのか、まったく知らないか。
(ま、最近の子は進んでるしね)
「はーい、じゃあ、実際どうやってるのか知ってる人はいるかな?」
説明させられるのが嫌なのか、説明できないのか、誰も手を上げない。
「よおし。今日はね、そこんところを先生が教えてあげます。」
言うと、教壇を降りて生徒たちに歩み寄る。きわめて自然に一人を立たせると、目を見つめる。
「………」
目が光ったかのように見えた瞬間、その少女は体を楓に預けるように倒れこんだ。
「はーい、注目。彼女で、これから実践するからよーく見ておくように。いい?」
「はーい」
机は寄せられ、楓と少女を取り囲むように生徒たちが立っている。
明らかにどこかがおかしくなっている。しかし、それを指摘できる者はもういない。
ゆっくりと、剥かれてゆく少女の顔はなぜか恍惚として楓の『指導』を受け入れていった。
「ここをね、こうすると…ほら、こーんなに…ね?ここも…ここも……こーんなところも…」
真剣に見入っている者。うっとりとした顔で見ている者。目を逸らす者はなぜかいなかった。
そして、教室の隅に立っていた美希子が男子を一人、連れて入ってきた。
男子は目隠しをされ、意識が朦朧としているのか足元がふらふらしていた。
「さ、キモチヨクなる方法の次は今度は『オトコノコ』を見てみよう…ね。」
合図とともに剥かれる男子。抵抗は出来ないのか、まったくない。女子から妙な歓声が上がった。
「さ…本格的に…イクわよ?…」
>>448 男子がうつろな目のままに楓の下に歩いてくる。楓は舌なめずりをしてそれを迎え…
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自 主 規 制
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チャイムが鳴り、授業が終わる。
「はーい、起立。礼。じゃ、またねーっ。」
満面の笑みで教室を去る楓。
教室は何事もなかったかのように平穏だった。
ごく一部、数人においては虚脱感や疲労を感じる者がいたそうである。
また、男子の一人は極度の疲労のため、早退したという。
不思議なことにこの日、授業で何をやったのか明確に答えられる者は皆無であった。
しかし、性に関する知識が実践的なレベルで身についていることを数年後彼女たちは知ることになる。
楓「さ、次のクラス行ってみようっ!」
美希子「はい…先生……」
その頃のひなぎく詰所…
「宮様がいないと警備も張り合いがないなあ…」
「まったくだ。平和なもんだょ、実際。」
「なあ…霊波計が変なんだが。ほら、ちょっと反応してる。」
「馬鹿言うな。宮様がいないのに霊体が寄せられるなんて事はないぞ。基本的に残留魔力とかじゃ下等霊の
餌にはならないんだ。宮様がいれば話は別だが…例の(゚∀゚)アヒャの生き残りじゃないのか?」
「そうか…また(゚∀゚)アヒャホイホイでも仕掛けておくか……」
知らないということは幸せなことである。
>427の晩…。
「…艦長権限って、便利だなあ。」
手に持っているのはビデオテープ。昼間のテープを「検閲のため」未編集のままビデオに落として
もらったものである。まあその辺は、カメラマンたちも分かっていたようで…。ぎぶあんどていく
という奴である。最も、藤倉大佐がなにをぎぶしたのかはまた別な話になるが。
「さて…と。」テープをデッキに突っ込む。
がちゃ、うぃ〜ん。
(ふっ、ふうっ、あっ、あのね、お姉さあんっん他にも聞きたいことが──)
(あれ、ここだけ硬い?)
(ひゃああ!?)
(うふふ☆おもしろい)
(゚ヮ゚)「いいなぁ…。にゅうは浪漫だよなあ…にゅうの中には浪漫が詰まってる、だから温かくて
重いんだ…誰が言ってたんだっけ…ふう…。」
(ふふふ。こんなイケナイ事する子はオシオキよっ!!)
(ええっ?)
(ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!)
(いたい☆いたい〜!)
(ゴメンなさいするまで続けるわよっ!)
(ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!ペン!)
(゚ヮ゚*)「ああ、お仕置されてるのも可愛いなあ、はに〜。いいなぁ…。僕もやってみたい…。」
「そう☆じゃあ、やってあげる!」
(゚Д゚;)「…いつからいたの?はに〜…」
「さ い し ょ っ か ら ☆ さ、いくよ、だり〜ん!☆」
「ギャァアアアアアア…!!脛はやめて!脛は!はに〜!これ違う、おしおき違う!みぎゃあああああ!」
でもひりゅうは少しだけ安心したのでした。だって、自分のおしおきシーンを見ているだり〜んの頬には、
撫子のシーンを見ていたときにはなかった"*"があったのですから…。
┌─────────┐
│ .|
│ エロスレ警報! │
│ .|
└―――──――――┘
ヽ(;´Д`)ノハァハァ
( へ)
く
A「相変わらず、俺達が留守番か…」
B「まあ、Cを私刑しちまったらな。しかも誤解だったし」
A「菊水の研究所送りになっちまったし。処罰の取り消し要請出した時、実験台に乗っていたらしいな」
B「ああ、恐怖で壊れかけていたが。その辺の記憶は操作しといた」
A「催眠術って便利だな」
B「そうでもない。あんまり掛けすぎると、記憶に矛盾が生じて精神が破綻する恐れがある」
A「……退院するの来週末だったっけ? もう一回くらい見舞いにいってやるか」
B「そういえばあの子、美希子ちゃんは毎週アイツの見舞いに行っているそうだな。あの子も健気だよな」
A「イイナ…」
プルル…プルル…。
A「はい、ひなぎく学駐。──あ、どうも。……そうですか。了解しました」
B「何だって?」
A「霊警から。制御室の復旧、今日一杯かかるって。守護結界自体は働いてるから大丈夫らしいが」
B「あそこもよく落ちるな。噂では皇女の霊力暴走も感知出来るキャパシティがあるのに、処理能力は
ふぁみこん並みだとか」
A「いや、その日はなんか色々同時多発したらしいから」
B「そっち方面の護りを菊水に頼りっきりというのは、情けない話だな。この検知器だけじゃ頼り無い」
A「仕方ないさ。さて、見回り行くか?」
B「? 今日は宮様居られないからCシフトだろ?」
A「いいじゃないか。極論言っちまえば、俺達は最悪宮様さえ御無事なら、学校や他の生徒達がどうなろうと
構わないんだろうが、長年やってるとな(苦笑)」
B「…うむ。これから宮様と共に帝国の未来を支えていく子供達だ。今日くらいはあの子達の為にやるか」
A「あ、宇月先生、こんにちは」
楓「はーい、こんにちわ」
A「最近不審者とか多いですから、先生も御注意ください」
楓「はーい、それぢゃ」
A「……(宇月先生、今日は珍しく可愛い服着てるな。妙に色っぽいし。役得役得)」
>447
黒子は屋敷の縁側へ出ると、額に手を翳して空を仰ぐ。羽ばたく大きな翼の影が彼女の姿を明滅させる。
巻き起こる風に乱される髪を抑えながら、黒子は呼びかけた。
「どうやら無事終わったよですねーっ」
庭に舞い降りた音羽は合体を解き、鳩の一群へとバラける。ぐったりしたひかみを抱きかかえた
ちゆが慌てて黒子に駆け寄った。
「黒子さん、ひかみ君が!」
「…あう…ぷちが…ぷよ…」
ひかみは何故か機能停止寸前で、何やら雑音を発している。肌に所々カラーコピーの張り合わせのような
境目が現れていなければ、本当に人間が朦朧とうわ言を発しているかのように見える。
「あはははーっ。ひーくんボロボロですねーっ。この症状はMPのオーバフローが原因ですーっ。
符が激しく傷ついて、言霊回路に不具合が生じているよですねーっ」
「治るんですか?」
「直りますよ?」
「じゃあ、すぐにお願いします!」
「あはははーっ。それじゃあ事の仔細は後で訊きますーっ。とにかく今日は二人共お疲れ様でしたーっ」
「オレには労いの言葉も無しかフォルァ…」
眷属の鳩達はそれほどでもないが、音羽は大量の霊力を消耗しグロッキーになっているようだった。
「あはははーっ。ハトはこれでも食ってろですーっ」
黒子は用意していた大袋の中身を、ざっぱざっぱと庭に撒く。
「おっ、なんば(トウモロコシ)か。気が利くなフォルァ!」
音羽と鳩達は早速餌を啄ばみ始めた。
「ちゆさんも大分お疲れのよですねーっ。御飯と御風呂の用意してるので、ゆっくりするのですーっ」
>>449 >>453 6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、楓が最後の教室から出て来た。
実に満足した顔。浮き上がりそうなほどの足取りで廊下を進む。
残された教室の中は高潮した顔でぐったりとしている女子たちがいっぱい…
帰ってきた男子がドアを開けたとき、それらはすべて彼女たちの深層へと仕舞い込まれる事になる。
後ろには催眠状態のまま、ふらふらと付いてくる美希子。
「ふふ、ご苦労様。一日中催眠状態ってのはちょっとつらかったかもね。」
美希子の体を抱き寄せ、瞳を覗き込む。疲労の色が濃いようだ。
「これは、サービスよ。」
ぐったりと体を預ける美希子に唇からちょっとエネルギーを送り込む。
…と、急速に脱力した美希子はその場にへたり込んでしまった。それをそのままお姫様抱っこで抱き上げる。
美希子は夕暮れに保健室で目覚める。妙な疲労感と快感が体に残っていた…
「さて、と。HRか…うーん、さすがに帰らないとおねえちゃん怒るしなぁ…」
と、目の前に加也の姿があった。手を振り、駆け寄ってくる。
加也「あ、先生!もーう、どこ行ってたの?さっさとHRやりましょ、ね?」
手を取り、引っ張るように歩き出す加也。楓は…ギンギンになっていた…
(あー、いいわぁ…加也ちゃんの手…やわやわ…もなこタンもこの手を繋いでるのね……すべすべでちっちゃい…)
目が蕩けて、口元が緩んで…加也が今、振り返るようなことがあればそこにはとんでもなく欲情した楓の顔を
目の当たりにすることになったであろう…
((・∀・)イイ!! スゴク、(・∀・)イイ!! あーダメ…逝きそう…ダメよあたし…この子はダメ…あ、あは、あはははヒャヒャヒャ…)
「こんにちは。」
「ああ、いつもすまない。こちらだ。」
和服に白衣を羽織っている女を先導して初老の男が部屋の奥へと進む。
薄暗い部屋に計器のランプの赤や青、緑が不気味に影を照らし出す。
最深部の無菌室。その扉を開いて2人は部屋に入った。大型のコンピューターが一面に設置されている。
「あら、割に元気そうじゃないですか。」
「うむ。今の所はな。」
そこには安楽椅子のようなベッドが据え付けられ、そこで一人の少女が眠っていた。
いや、少女といっていいのだろうか。その体からは無数のコードが生え、頭にはヘッドセットが
埋め込まれるように取り付けられ、計器音が絶えず鳴り続け。モニターがいくつもいくつもセットされ。
「じゃ、早速いきますね。」
女は手馴れたようにいくつか薬瓶を取り出すと注射器をずらりと揃える。
それらはすべて、『彼女』の為に用意された物。普通の人間に使用するには致死量を越えた薬物たち。
女は嬉々としてそれらを『少女』の腕に注射してゆく。『少女』は身じろぎすらせずにそれら受け入れた。
「また『領域』を増やしたからな。末端を安定させるにはこれからも定期的な『メンテ』は必要だ。」
「今の薬に耐性付くことも考慮しないといけませんねえ…」
眠っている少女。見ている夢はあるものには悪夢を、あるものには幸せな夢を。望んだ夢を見させる。
人の夢に干渉する夢…少し違う。彼女の夢に『人々がやってくるのだ』。彼女は夢を提供する『存在』
世界を創造し、世界を維持し、世界を構築し、世界を運営する。彼女はそのためにここにいる。
不確定要素を内包する人間の脳を応用して作られたヒューマンコンピューター「Alice」。アリス・ワールドのすべてを掌握する女神。Mo-eの…妹。
「ともかく、こいつに自我を持たせてはならん。神が『意思』を持って世界に干渉してはならんのだからな。」
語る。彼が目の当たりにした『魔法』は世界の『歴史』にすら干渉した。あれを、自分の手で再現したい。彼の望みであった。
「女神様ですか…これが…」
解放されることなく、管理され続ける女神…女はそのときだけ僅かにその笑顔を曇らせた。
『少女』は眠り続ける。体中からコードを伸ばし、夢を見続けている。その中で踊る踊り子たちのために。
そして、魔法に魅せられた男が魔法の再現を望む限り……
>455
手を引かれるままに、後ろについて来る宇月先生。…なんか、手が汗ばんでる気がする。
「今までどこ行ってんですか?みんな大喜……コホン、とにかくうるさくって大変だったんだから。」
「………」
無言。
「先生?」
「あ、ははヒャ、え、ちょっと急に職員会議が、その、入っちゃったのよ。」
心なしか、繋いだ手をニギニギされてるような気がする。
「ふーん。ね、先生?」
くるっ、と。一瞬先生の顔を見上げる。………………笑ってる、ような、よく分からない表情。
表情は良く分からないけど、顔は赤くて、目がウルウルしてる。
「せ、先生?もしかして熱あるんじゃないの?」
「あ………あー。。」
目をそらす先生。でもやっぱり顔が赤くて、手が汗ばんでいる。
「大丈夫?ねえ、体悪いなら帰ったほうがいいと思うよ?」
完全に向き直って、先生の顔を覗き込んだ。
(うーん、なんかプルプルしてる気がする。やっぱりどこか悪いんじゃないかなぁ。)
蔡川「うふふふふ……」
新人1(な、何だあの人……なにか見ながら笑ってるぞ)
新人2(こ、怖いよ〜)
蔡川「ふふふ……相変わらず天才ねえ、イズミヤマ博士は……ふふふ
これで人体工学方面の研究がまた進むわ〜」
新人1(ろ、論文読みながら笑ってる……)
新人2(恐ろしい……)
蔡川「そこの二人!(ビシィ)言いたいことがあるならさっさとお言い!」
新人1(見つかっちまった……)
新人2「あの、俺たち新入りなんで、講義をお願いしたいんですが……」
蔡川「あ〜……滝君という、ここの副主任がいるから、彼に頼みなさい。」
新人1「あの人ですか?」
滝「アヒャ( ゚∀゚ )ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
新人1「……」
新人2「……」
蔡川「……仕方ないわね、わかったわ。専門外だけど、私が教えます。
(ここまで戻らないなんて……琥珀ちゃん、投薬量ミスったのかしら)」
-‐- 、 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. , '/´ |ヘ ヽ || VC(吸血鬼細胞)
i./,ノノ )ノ))〉 /
! l (││ |l / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ノ lゝ" lフ/ハ / < それでは、V-cellについての講義をします。
/ ./ Lヽiヽ( /《f.〕 \_____
'´/ // ヘ|` 〉' /
^ー ' //\-、_」l lト-' ||_____E[]ヨ___
.ノノ ヽ ( 〉 ! .| _________
/ l__ 」 ヽ、 \
/ ! | i、 │ ここ4研では、VCは分析や解明ではなくて
i |_ _「、 、l | 応用のみをやっています。
ノ | ! | i . | ですから、性質や利用法だけ軽く説明しますね。
く_ イ ! "l ノ | まず、VC内ではどの動物細胞とも違う、
\__│ | レ | 三つの特殊な生化学的反応が起こっています。
. / /l .! |
/ / .| | | 1、古典経路
. / / | | | 2、第二経路
〈` _i L_」 、 . | 3、ヘルシング経路
、_i. └--‐ ' |
| VCが体内に入るところから
| 順を追って説明していきますね。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 体内に入ったVCは、特有の逆転写酵素(V1酵素)の働きで
| 瞬く間に検体細胞の汚染をはじめ、増殖してゆきます。
| 汚染細胞は吸血鬼細胞と似た性質の、「食屍鬼細胞」と呼ばれるものになります。
\__ _________________
━━━∨━━━━━━━━━━
,__ 逆転写酵素でDNAを書き換える→ ghoul cell
iii■∧ /
━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧==========
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| いきなりかわいくなった気がする……
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 同意を求めるなよ、俺はまだ死にたくない
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| これは、古典経路の働きです。 古典経路は、中世ヨーロッパで既に発見されていました。
| 簡単に言うと、グールあるいは娘吸血鬼を作る働きですね。
| また、この働きで大脳新皮質が汚染されると、
| 吸血欲求や暴力に対する欲求も出てきます。
\__ _________________
━━━∨━━━━━━━━━━
,__ 「娘」は子(第二世代)の意味です
iii■∧ /
━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧==========
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ゾンビっていうかTウィルスにも似ているな
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| いわゆる「吸血鬼化」が起こるわけですね
\________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 被検体が処女や童貞の場合、食屍鬼細胞は限りなく吸血鬼細胞に近くなりますが、
| 非処女非童貞の場合は、醜く崩れやすいものになります。
| さっきあなたが言ったゾンビのようなものになります。これがグールですね
\__ _________________
━━━∨━━━━━━━━━━
,__ バイオハザードレベル5
iii■∧ /
━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
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| 伝承の通りか……
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| (処女はともかくなぜ童貞が特別なんだろう)
\________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 2はとばして3、ヘルシング経路。ヘルシング博士はご存知ですね。
| アムステルダム大学の名誉教授をなされた大先生です。
| 先生は、VCには物理や化学では説明のつかない不思議な力が
| あることを発見されました。超能力、魔力といったものです。
\__ _________________
━━━∨━━━━━━━━━━
,__ ヴァン・ヘルシング (1832〜1903)
iii■∧ /
━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 随分昔からわかってたんだな
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 狼や蝙蝠に変身するのはこれですか
\________________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 現在ではこれは、魔術や呪術、巫力、五行道術と同じような、
| 細胞を触媒とした一種の霊的テクニックであると推測されています。
| 萌宮もなこ殿下のような魔法とは違うわけですね。
| この力の代償として、吸血鬼は日光や十字架や大蒜などに弱いのです。
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,__ 技術に過ぎない
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━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
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| 宮様と同じ能力でたまるか!
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オカルトな力にはオカルトな弱点があるんですね
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヘルシング経路はVCでは発生しますがGC(食屍鬼細胞)では発生しません。
| グールは雑魚、ヴァンパイアは強敵、の由来はここから来ています。
| この能力については2,8,10,11研が詳しく研究しています。うちでは扱いません。
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━━━∨━━━━━━━━━━
,__ オカルトには頼らない
iii■∧ /
━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧==========
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| 便利そうな能力だが……
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| メリットを捨てることでデメリットも排したわけですか
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/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 最後に第二経路。うちではこれを主に研究します。
| 端的に言えば、「力持ちになる能力」。
| 「鬼」とよばれるバケモノが持つ、超常的な怪力の元になる反応です。
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,__ 吸血鬼は血を吸う鬼
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━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
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| 吸血鬼が最も恐ろしいバケモノである理由だな
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| 化学的に説明可能な力だったのか……
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| 昆虫の筋肉は、非常に効率よく物理的な力を生み出します。
| 例えばアリは自重の何倍もの重さの餌を咥えて運べます。
| 似たような感じで、元の動物細胞を変質させVCあるいはGCにすることで、
|単純な筋力を普通の動物に比べ大幅に増幅させるのです。
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,__ 力こそすべて
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━ (*゚ー゚) / ━━━━━ ∧∧━━ ∧∧
| つ ∇ (゚Д゚;) (゚Д゚;)
| |┌─┐ /⊂ ヽ /⊂ ヽ
〜| ||□| √ ̄ (___ノ〜 √ ̄ (___ノ〜
∪∪ | | || ━┳┛ || ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ====∧==========
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ノミの身長が人間位なら東京タワーを跳び越せるらしい……
\____ ∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| (詳しい反応系が聞きたいなあ)
\________________
-‐- 、 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. , '/´ |ヘ ヽ || M0-eプロジェクト
i./,ノノ )ノ))〉 /
! l (││ |l / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ノ lゝ" lフ/ハ / < この第二経路とサイバネティクスとの融合がM0-eです
/ ./ Lヽiヽ( /《f.〕 \_____
'´/ // ヘ|` 〉' /
^ー ' //\-、_」l lト-' ||_____E[]ヨ___
.ノノ ヽ ( 〉 ! .| _________
/ l__ 」 ヽ、 \
/ ! | i、 │ 吸血鬼から特殊な力と特殊な弱点を除き、
i |_ _「、 、l | その馬鹿力だけを取り出して、
ノ | ! | i . | 生物学と人工知能学、その他最先端技術を
く_ イ ! "l ノ | これでもかと詰め込んで無理やり動かしたのが
\__│ | レ | あなたたちに世話してもらうM0-eというわけなんです。
. / /l .! |
/ / .| | | 以上、質問がなければさっそく働いてもらうわね。
. / / | | | っていうか雑用。
〈` _i L_」 、 . |
、_i. └--‐ ' |
|
☆電波☆
雰囲気が伝われば有難き幸せ。
わからない人ごめんなさい。
わかる人突っ込みは勘弁してください。
必ずしも決定の設定ではないです。
でもとりあえずM0-Eはこれで逝きます。
>>457 (゚∀゚)アヒャと(゚д゚)ウマーといろんなものが吼えまくる場内。
「ゴルアー!」「ウヲーーーー!」「コロセー!」「ヤッチマエー!」「デストローイ!」
議長「緊急事態だ!第一回脳内サミットを開催する!」
急進派「議長!即刻議論を打ち切りにしてもらいたい!今は一刻を争う!」
脳左派「控えなさい!今は会議中です!さあ、どっちから逝くのですか?吸う?それとも?」
過激派「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!押し倒せ!連れ去れ!エリア53へ!」
保守「うん、押し倒すのもいいね。しかし、ここは人目につくから屋上あたりはどうだい?」
革新「生ぬるい!そんなだからチャンスを逃すのだ!千歳一遇の好機だぞ!」
軍部「皇国の命運この一線にあり!進撃あるのみだ!」
商工会「まあまあ、ここはこの子を餌にしてもなこたんを…おっと。言い過ぎましたかな?」
官僚「まったく、ここは(;´Д`)ハァハァ しかないでしょうに。先の見えていない人たちはこれだから…」
右派「もなこたん(;´Д`)ハァハァ 」
原理派「ょぅι゛ょ萌えこそすべて!萌道貫くべし!!」
学会「ょぅι゛ょの体…ああ、あの体の中はどうなっているんだろう…(;´Д`)ハァハァ 」
通信員「視床下部より伝令!見つめられます!上目づかいです!!」
評論家「おお、これは破壊力満点ですな(;´Д`)ハァハァ 」
検事「これはもう、襲って(はあと)と言っているに等しいと思いませんか!?陪審の皆さん!」
弁護士「意義あり!!前提条件を間違っています!加也タソは亜美先生だと思っているだけです!」
裁判官「もう少し慎重な議論を願いたい物ですな」
ギャラリー「甘いぞ!引っ込め裁判長!!もう結論は出てるだろうが!!」
??「もちつけ!ここで暴走したら終わりだぞ!分かっているのか!!」
(゚∀゚)「アーっヒャッひゃっつひゃあひゃひゃひゃひゃはははあああああははは」
OP「ダメです!持ちこたえられません!!」
議長「あーっひゃっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!もうダメだああああああああ!!」
崩壊する会議場。(゚∀゚)アヒャが舞い、踊り、走り、叫び、狂い、狂い、狂い…
がしっと。唐突に加也を抱きしめる楓。見えていないが耳は立ち、尻尾が張って。口元には牙が伸び。
全身から妖気が立ち上って抑えることも出来ず、顔は完全に(゚∀゚)……
>>454 食事を済ませたちゆは、お風呂に向かった。
ざっぷ〜ん。
「ぷはっ。」
大浴場にとびこみ、顔を出す。
「ひさしぶりだな〜、こんな大きいお風呂。」
ライオンの口から出るお湯がシシオドシに落ち、規則正しく音を鳴らす。
ギリシャ彫刻と思いきやよくみるとやけに濃い顔のマッチョマンがポージングした彫刻が壁際に並ぶ。
壁画に描かれた絵は戦艦やまとが変形した巨大ロボットが富士山をバックにリンボーダンス・・・。
「誰の趣味だ誰の・・・。」
がらがらがら。
黒子が素っ裸で入ってきた。
「ご一緒させてくださいーっ。」
「あ、ひかみくんは・・・。」
「もうだいじょうぶですーっ、安静にしていればじきに回復しますーっ。」
「よかった・・・。」
「ところでー、こんなものを用意してんですがーっ。」
黒子は、いったん脱衣所に戻ると空母の模型にお猪口と徳利が乗ったものを持ってきた。
それを風呂に浮かべるとお酒を注ぎ始めた。
「どーぞーっ!」
「私、飲めないんですけど・・・。」
「かたいこといいっこなしですよー? ささ、ぐいっとーっ!」
「そ、それじゃあ一杯だけ・・・。」
>>470 ガチャン!!音を立ててひなぎく詰所の霊波計が壊れた。
「あーあ、壊れたよ。ついに。」
「これでようやく新しいの入れてもらえるなあ…まったくあの守銭奴、ケチなんだから…」
「しっかし、いきなりだな。振り切れてボン!か。まるでショートしたみたいな壊れ方だな」
「ウチのテレビがこんな壊れ方したよ。煙吹くんだぜ…テレビって…」
「どうしたの?いきなり……先生?」
加也の声はもはや聞こえていない。肌の匂いを愉しむように嗅ぎながらその首元に口を寄せてゆく。
----------------------ちりん----------------------------------------------
----------------------------と、鈴の音が------------------した-----------------
突如、ぴたりと動きを止める楓。
「どしたの?先生?」
顔を覗き込む加也。が、楓は呆然と座り込んだまま。耳も、尻尾も、牙もすべて納まっていた。
しばらくそうしていたか、ようやく目を動かす楓。
「あ、ご、ごめん。ぼーっとしてた。ちょっと気分悪かったから……うん、ごめんね。」
「もーう、風邪なら無理しなくてもいいんだからね。」
「ううん、大丈夫…さ、行こっか。HR済ませちゃお。」
立ち上がり、2人は教室へと歩いていった。
(あ……危なかったぁ……完全にキレてたわ…今回ばかりはおねえちゃんの制御システムに感謝ね…
ここで襲っちゃったらどうなってたか…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル ……)
制御システム『鈴』は強力な鎮静作用を持つ。それは楓の首にセットされ、特定条件下において発動、
楓の活動を完全に停止させることが出来るのである。
なんていうか、みんな自分のネタ消化するので手一杯で、
せっかく振られた祭りネタもあっさり潰れてしまうのね……。
どうでもいいけどね。
なんだかめちゃくちゃな航海を終えて、ようやく艦は東京湾に帰ってきた。だが、兵たちの
顔は、上陸できる喜びでどこか朗らかである。
(浦賀水道航路に入る。航海保安配置に付け。)
わかば「各部かんきょう。艦橋電話ついた。感度どうか?」
(前部良好…?)
(中部良好…あれ?)
(後部良好…いつもと声が…違う。)
わかば「はい。菊水わかば2水です。」
ここでいう電話とは、「もしもし?」の電話ではない。艦の各部(前・中・後・機関室・
CIC等)と連絡を取るために配備されている通信系のインカムのことである。「電話」と
いう呼び方は古い時代にそう呼んでいたのがそのまま残ったものである。
わかば「各部航海保安配置よし。」
艦は進む。制限速度は12ノット。ちなみに以前ひりゅうは制限以上の速度を出し、
海上保安庁に捕まり、罰金を払っている。
(前部艦橋ぉ。第2海堡が見える。…前部第2海堡通過。)
わかば「前部第2海堡通過しました。」
通信士「艦長、まもなく、錨地まで5マイルとなります。」
安達大佐「了解。錨地まで、5マイル。」
(錨地まで、5マイル。)
…
(前部艦橋、まもなくブイかわす…ブイかわした。)
(後部艦橋、まもなくブイかわす…ブイかわした。)
艦は浦賀水道航路を出て、いよいよ横須賀港へとさしかかる。
(浦賀水道航路を出た。航海保安、用具収め。別れ。入港準備。右横付け用意。)
みつば「じゅんびはおっけ〜なの〜!」
わかば「各部入港準備よし。」
通信士「各部入港準備よろしい、艦長。」
安達大佐「了解。喇叭用意。」
わかば「CICから、只今最狭部通過。」
安達大佐「入港用意!!」
パパパパ・パパパパ・パパパパパッパ・パッパパ〜ン!!
( 入 港 用 意 ! ! )
左舷ウイングに艦長や入港作業指揮官などが出る。実際に艦橋の外に出なければ入港時の状況の
把握ができないからである。
安達大佐「前後部、曳船もやい取れ!」
わかば「前部、後部、曳船もやい取れ〜!」
帝国海軍では通常入港する際は舳先を必ず港の外へと向ける(出船の精神という。この説明は
またの機会に行おう。)当然港に入ってくる時は港の内側に舳先が向いているから、180度
回頭しなければならない。そこで、曳船(タグボート)の登場となるわけである。ちなみに、
バウスラスターを装備している艦艇は自力で回ってみたりとかする。
で、回頭終わり。徐々に岸壁に近づいていく。岸壁には、もやい取り作業員が待っている。
わかば「各部、サンドレッド用意。」
指揮官「各部へ、サンドレッド送れ!」
わかば「各部、サンドレッド送れ〜〜!」
もやいというのは船と岸壁とを繋ぎとめておく、係留ワイヤーのことである。数千トン、数万
トンの艦を固定するワイヤーであるから、当然太く重い。それをいきなり岸壁に投げることは
できないため、細い索に徐々に太い索を継ぎ足して、最後にもやいを送ることになる。
その細い索の端っこについているのがサンドレッド。平たく言うと砂袋である。大体が乗員の
お手製である。
みつば「いくの〜〜〜〜!うりゃあなの!!」
ひゅんひゅんひゅん…ぶん!! … すぱあん!!
作業員が着地したサンドレッドを拾い、一生懸命走って索をたぐり寄せ、もやいをボラード
(港にある、足をかけたくなるアレ)に引っ掛ける。それを見て、安達大佐は曳船もやい離せ
を下令する。あとはもやいを引っ張って前後の位置を調整し、艦を岸壁に固定するだけである。
最も、この前後の位置の調整が難しいのであるが。
(作業にかかっているもののほか別れ。艦内閉鎖用具収め。)
そして、艦と岸壁、陸上とを繋ぐ「掛け橋」桟橋を掛けて、もやい索を止め切ったら接岸作業は
完了である。
わかば「各部艦橋ぉ〜。作業にかかっているもののほか別れ。各部電話ひけ。」
(前部電話ひく〜。)
(了解、中部電話ひく。)
(後部電話ひく。ハァハァ。)
わかば「各部電話ひきました。艦橋電話ひきます。」
安達大佐「うむ。ご苦労だった。早く部屋へ戻って、上陸用意だな。」
わかば「はい…。本当に疲れました…。」
安達大佐「気にするな。最初からできれば苦労しない。耳はいいのだろう?」
わかば「ええ。普通の人よりは。」
安達大佐「大丈夫だ。すぐに聞けるようになる。フフフ。」
わかば「…。(フフフ…。ほんと、悪い人みたいな笑い方する人です…。)」
帰港準備で忙しい艦橋をよそに、一人データの集計を続ける星野。
松風逃走時のデータを中心に別HDへ転送していた。
モニターには艦の配置と動きが時系列で表示されている。
星野「(これに…この不確定力場のデータを…)」
データを転送する。センサーの一つが感知した未確認の波形は、松風を中心に一気に広がった後、
収束して南から松風を包み込む(押し流す)と、消えた。
手元のお茶をすすってさらに検索をする。
星野「(…この波形が松風を消したとすれば方向は…北…東北?)」
そして、データの転送を終えると、ひりゅうから作成したデータを削除していく。
その頭に刻み込まれたデータを反芻しながらお汁粉に手を伸ばす。
星野「(あの波形…松風を完全に包むときにひりゅうに接触してる…本来あれは攻撃目的で使用されるものだったとしたら?
そして、それがひりゅうに接触してるということは…この船に何らかの異常があってもおかしくなかった…ってこと…)」
机の上には蛯原が乗艦したとき皆に配った手作りのお守りが置いてある。
星野は目を細め、薄く笑う。
「(……不沈伝説…か……なるほど………)」
嘆息し、お汁粉を啜った。なるほど、運なんてどこで作用してるか分からない物だ……
「……あ…甘すぎ……さ、砂糖どれだけ入れたのよ……?」
その苦情を聞くものはどこにも、いなかった。
>473
祭りの御輿を担ぐには、余りにも担ぎ手が少ないのが原因かと。
実生活潰して書き込んでいる人達に感謝。
撫子「──!!」
鼓膜をつんざく大音量に、撫子は思わず受話器を遠ざけ、人差し指で耳を塞いだ。
窓の外に見えるひりゅうの滑走路には、プチTVのヘリとMHKの赤い飛行艇が固定され、
場違いな景観を作り出している。軟禁状態で、もう何日経っただろうか。プチTVとMHKの面々は
許可された範囲での撮影を行って、検閲されたそれを放送局に送るという毎日を過ごしていた。
撫子「……はいはい、わかってますから。約束破ったのは謝ります。とにかく今日送った分の
編集と放映準備、お願いします……はい、多分もうすぐ帰れます。だから心配しないで」
受話器を置いてため息をつく撫子。
雄一「局長、お冠のようですね」
撫子「……叔父さん、さすがにトサカにきているみたいね。早く帰らないと、例の飛行少女の映像を使って
軍と取引きするとか無茶言うんだから」
宇佐木「ああ、例の船魂とかいう娘か。……さすがに放送に使えるとは思えないねえ。ウチの関連会社の
オカルト雑誌で特集は組めるだろうけど」
雄一「ああ、『ぬー』ですね。それ頂き。うちも『らぴた』でやりましょうよ撫子さん。こっちには
例の映像もありますし、大きめの目隠し入れれば大丈夫……スミマセン」
撫子の表情に気付いて肩を竦める雄一。本当に自分の信念には忠実な人だが、雄一はそれが心配でもあった。
生き馬の目を抜くこの業界では、その堅物なところを嫌う人間もいるだろうから。
撫子「これ以上得るものは無いみたいだし、さっさと開放してくれないものかしら」
サバサバと言い切る撫子。ょぅι゛ょひりゅうと仲良くなれなかったのは、少し心残りだったが。
MHKアナ「まあまあ。やっと横須賀に着いたみたいだから〜、何らかの進展があるんじゃないんですか〜?」
ひかみは居間で休んでいる。ダメージは黒子の手によって直ぐに回復した。その方法は一枚符を抜き取り、
新しい符を組み込むという作業の繰り返しだった。自爆によって全ての符が傷付いた為、全取替えとなった。
「母上に体中弄られちゃった……(MP+30)」
人間の真似をして、瞬きする必要の無い眼を閉じてみる。暗闇を切り抜いたように、ちゆの白い裸体が
輪郭だけ浮かび上がる。慌てて目を開くひかみ。
「……僕、コワレちゃった……」
「あはははーっ。ひー君、調子はどうですか?」
「(びくっ)は、はいっ。もう大丈夫です」
「私はっ、ちゆさんと御風呂に入ってますからーっ。も少ししたら火の番して下さいーっ」
黒子は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「それとも一緒に入りますか?」
「母上の意地悪……」
ひかみは完全に水に弱いわけではない。お茶くらいなら飲めるし、短い時間なら水中に潜る事も出来る。
でも苦手なものは苦手だった。というか、黒子とちゆと一緒に入ったりしら、多分熱暴走して茹で殺して
しまうだろう。
「あはははーっ。覗いちゃダメですよーっ」(>471へ)
「………」
数分間思い悩んだ挙句、ひかみはフラフラと庭へ出た。音羽の眷属の鳩達は、まだ数匹残っていて、
ポッポッ、と首を振り振り歩きながら餌を突付いている。ひかみはボイラーの様子を見て自身の炎を注ぎ、
その場にぺたんと正座する。思考が熱で溶けている。揺れる視界の端に湯気の漏れる格子窓が見えた。
目敏く音羽が飛んできて、近くの枝に止まった。
「覗くなよフォルア! ……声を聞くだけだ」
「……うん」
両者の間に(一時的な)友情が発生した瞬間だった。
例によってその巨大さから岸壁に横付できないひりゅうは、港内に錨を下ろした。
そして、その士官室では、艦長・藤倉大佐が「お客さんたち」に対して最後の挨拶をしていた。
「軍艦ですのでなにぶん窮屈なところもあったかもしれませんが、皆さんお疲れ様でした。
本艦は横須賀港に錨を下ろし、数日の後には母港佐世保に向けて再び出港します。なお、皆さんは
明日の午後、岸壁まで内火艇で移動してもらい、その後海軍車両によって帝都の各放送局本社まで
お送りします。この件については各社了承済みです。また、各社の航空機は海軍航空隊が検査後、
責任を持って各社に返納いたします。相田さんは…まだ調整中ですので、もうしばらく艦内にいて
もらうことになります。さて。みなさまとこのままお別れするのも名残惜しいので、この後ささやかな
夕食会をここ士官室で行おうと思っています。本来なら第2護衛隊群司令の草野が挨拶するはずであった
のですが、過労により休息をとっているため、私が代わりに挨拶をつとめさせていただきました。
それでは、また後ほど。楽しい夕食会になれば幸いです。」
(だり〜ん…長台詞ごくろうさま☆カコイイ!)
「いちおう座席表作ったけど…やっぱり立食のほうがいいかなぁ。そうしよう。さて、士官室の椅子を
片付けて…テーブルクロスを出してきて……。そうだ、星野君と蛯原君ともお別れだなあ。(※2人は
この後しばらく横須賀鎮守府に臨時勤務となることに決定していた。タイフーン戦隊が横須賀に帰投する
際に合流する手筈になっている。)あんまり話をしなかったけど…。うん。あの娘たちも呼んでこよう。
人は多いほうがいいよね、はに〜?」
つくづく、お茶汲みやパーティの準備など、細かいことが大好きな藤倉大佐であった。
「ああそうだ。横須賀の人たちとあんまりお話する機会もないだろうから、たかなみとかいせからも人
呼んじゃおう。そうしよう、そうしよう。でも…場所足りないかな…。あ、飛行甲板があるじゃないか!」
「だり〜ん?なんだかとっても楽しそう☆あたしも手伝うよ☆」
「うん。料理のほうはたぁ〜くさん給養の人たちに作ってもらってるから、会場の準備をしよう。」
「2人の共同作業だね☆」
まあ結局は、艦内のいろんなところから、艦長がタダ酒を振舞うという条件で作業員を出してもらって、
会場設営を行ったのであるが。まあそんなこんなのうちに、飛行甲板に特設ステージができ、テーブルが
並べられ、ひりゅうは空母から屋形船に早変わりしたのであった。
>483
藤倉大佐が去った後、プチTVとMHK両局の面々はミーティングを開始した。
撫子「夕食会?」
Mアナ「最後の晩餐ですか〜」
ヘリ運「縁起でもない」
雄一「報道がどれだけ忙しいか、知らないわけじゃないでしょうにね」
宇佐木「いやこれはチャンスだね。その隙にこの船の秘密を暴こうよ」
Mアナ「例の〜、立ち入り禁止の区域ですね〜」
撫子「…無理よ。きっとあの子が気付くわ」
宇佐木「ああ、そうか。じゃウチは撤収だな。交渉して、とっとと帰らせてもらうよ。もう幾つ仕事に
穴開けてしまった事か。私はともかく、彼女なんか後輩に一つ番組取られてしまったし」
Mアナ「そうなんです〜(泣)……フフフ、イジメテヤル(ボソ)」
雄一「撫子さん、うちはどうします? 撫子さんは持ち番組少ないですし(抓り)いうう!
……ニュース以外の番組(突貫!隣りの昼ごはん等)は貯め撮りがありますけど、
特集番組の司会補助の話もきてますし、やっぱり撤収しますか?」
撫子「う〜ん」
撫子は珍しく迷った。何故ならお腹が空いていたから。プロとしては帰るべきだ。残る適当な理由を探すが、
思いつかない。──と、かなり苦しい”こじつけ”が閃いた。帰りたくない理由の5%くらいは占めている。
(因みに、お腹が空いた70%、局長のカミナリ先送り20%)
撫子「……あっ、そうだ。私まだ、あの子から”ごめんなさい”って聞いてないわ」
結局残ったのはプチTVの三人。正装という事で渡された白い水兵服に身を包み、案内されたのは
ひりゅうの飛行甲板だった。
ヘリ運「……」
雄一「………」
撫子「………これの何処が”ささやかな夕食会”だっていうの?」
その光景に、三人は呆然と立ち尽くす。一体何十人いるのだろうか?
ひりゅう飛行甲板は今や見事な宴会場と化していた。
やったー! 夕食会だご馳走だ!
割と悪りぃことばっかやってたような気がするけど、すごいもてなしだ。
ありがたく楽しませてもらおっと。
ほれM0-e、君も行くんだ。君はいちおう機密なはずだけどどうせいまさらだしね。
あ、迎えの人来た。
どこでやるんですか?え、甲板?
あそこむちゃくちゃ広いじゃないんですか
って……
貴族の晩餐会ですか。社交界ですか。いや違うな。
不審船撃退記念パーティ!!??
>>471>>481 じぃっと見つめる視線に黒子が気づく。
「いやーんっ、そんなに見つめないでくださいーっ。」
「あっ、ご、ごめんなさい・・・・。」
「私の顔に何かついてますかーっ。」
「いえ、そうじゃなくて・・・・・・大きいなあ、と・・・・・・・。」
「大きいー? 何がですかーっ?」
「・・・・・・その・・・・・・ムネガ・・・。」
黒子はあらためて見比べてみた。黒子のそれは巨とゆうほどではない。しかしそれでもかなりの差があった。
「そんなこと気にすることはないですよーっ。それにそういうのが好きな殿方も最近は多いですよーっ。」
「あんまり慰めになってないような・・・。」
「なら大きくすればいいんですーっ。こうゆう状況ではありがちですよーっ(ニヤリ)」
黒子の手がニギニギと怪しげな動きをはじめる。
「もしかしたら、揉めば大きくなるってやつですか・・・・?」
「みたところ、ねしねししてくれる殿方もいないようですしねーっ。」
「あ、あの、・・・黒子さん・・・?」
よくみたら、すでに10本以上の徳利が空になって転がっていた。
「あ、ちょっと、そんな・・・・っ。」
その後、再びオーバーフローでぶっ倒れたひかみが発見されたとゆふ。
「ただいまー、楓ーごはーん。」
「はーい、今出来るから待っててねー。」
結局、宇月が帰宅したのは8時過ぎ。楓は余裕で家に戻っていた。
「うわ、どうしたの?こんなにいっぱい。」
「えへへー、ちょーっとね。」
テーブルの上にはこれでもかと並べられた料理たち。ごきげんな顔の楓。
「ま、いーや。とりあえずビールちょーだい。」
「1本だけだよー。」
「うるっさいわねー、あたしは疲れてるのよ。」
平和な夕食風景……であった。
翌日。
学校に出勤した宇月は昨日が出勤日であったことに気づく。が、なぜか彼女は出勤したことになっていた。
そして、5,6年生の女子たちの数名が何故か宇月に視線を送っていることに気づくことになる。
やがてそれはバレンタインデーにてどういう意図での視線であったのかが判明するのだが、現時点で理解は出来なかった。
そして、アリスのとある町で。
それは、赤い花火だった。
彼女にとってはどこでも良かったのだ。
『鈴』によって強引に押し込められた衝動を暴発されることに出来る場所。ログインしてすぐ近く。一番近い町が標的となる。
駆け込んだ彼女がしたことはシンプルそのものである。「殺して」「喰らう」「蹂躙して」「壊す」
一陣の風とともに駆け抜けたその後には一面の赤い花畑。悲鳴と嬌声と怒号の混声合唱。コンダクターはひたすらに笑っていた。
「ぐあひゃヒャヒャああああひゃはあああああああああああああひゃひゃひゃああああっっっっっ!!!!!」
哂いながら。よくここまで我慢できたなあと自分に感心もしていた。しかし。
「足りない…こんなんじゃ足りないわ………くひひひひっ、ひひっ、ひ……」
口元から血を滴らせ、歪んだ口元のまま彼女は獲物を求めて彷徨う。そして、いつしか鏡の向こう側へと歩み去っていった。
>481,>487
「………」(MP+5…+10…+5…+5…+5…+10…+5…+5…+5…+10…+15…+15…+5…+5…+5…+5…+15……)
状況が開始されてから、ひかみは完全に固まった。しゅうしゅうと頭から湯気を上げながら、
じっと聞き耳を立てている。どうやら大量のMPが性格にまで影響を与え始めているようだ。
「……ホホウ、湯気でよく見えんが、黒子はいいモンもってるようだなナ!」
気が付くと音羽は、いつの間にか一つ高い枝に移っていた。
「ああっ、ずるいぞトリ!」
ひかみは小石を拾って音羽に投げつける。だが石の弾道はへろへろで、しかも届く前に燃え尽きてしまう。
「鳥だから無問題だフォルァ! ちゆの守護がオレの役目だフォルァ! 文句あるかフォルァ!」
そして音羽は愉快そうに実況を続ける。
「黒子の肌は艶めかしい陶器の白だフォルァ! ちゆは、今はほんのり桜色だフォルァ!」
音羽の誇張気味の実況と浴室から漏れる声に、ひかみはとち狂って浴室の窓柵に飛びつこうとする。
何度もジャンプするが届かない。自分が飛べる事や、鳩になればいい事も忘れてしまっている。
「黒子がちゆを後ろから抱いて、おおっと手がフォルァ! ちゆの手がそれに弱々しく抗っているぞフォルァ!」
「あうあ…あうあうあうああう!」(七転八倒)
「コワレちゃう! コワレちゃうよ!」
ひかみは庭石に何度も頭を打ち付けだした。火花が散って石が焼け、砕けてゆく。
「今度は黒子が触らせようとしているぞフォルァ! ちゆが恥ずかしそうに手を伸ばして、──罠だフォルァ!
押し倒されたゾ! 黒子はいつもの馬鹿笑いで、ちゆが怯えて後退るが、壁際に追い詰め──」
「うああああああああ!!」
ひかみは最後の手段とばかりに、獅子脅しの水盆に頭を突っ込んだ。水はあっという間に蒸発した。
そのままビクビク痙攣して機能停止寸前のひかみ。獅子脅しの水が落ちるたびに、白い蒸気が吹き上がる。
「フォルァ! もうダウンか」
ひかみの傍らに降りる音羽。熱くて近寄れないので足元のトウモロコシを蹴り飛ばすと、ポンッと弾けた。
「お、これはいいぞフォルァ!」
音羽は眷属に命じてトウモロコシの大袋を運ばせ、残っていた中身全部を空から注いだ。ひかみに触れると
トウモロコシはポンポンと軽快な音を立ててポップコーンに変わり庭に飛び散ってゆく。
「イケルぞフォルァ! ……ちゆは?」
クライマックス、いやピンチだったのを思い出し、器用にポップコーンを抱えて元の枝まで飛び上がる音羽。
浴室の床、目を回してタイルの上に倒れていたのは、なんと黒子。頭に大きなタンコブが出来ている。
「……逆転かよフォルァ!」
ちゆは凶器の洗面器を握り締めたまま、荒い息でへたり込んでいた。どうやら辛うじて無事のようだった。
「酔ってたとはいえ、まさか黒子を倒すとは、流石オレが見込んだ娘だフォルァ!!」
>490
ちゆは浴室で倒れた(倒した)黒子を介抱し、そして今度は何故か庭で倒れていたひかみを発見、回収し、
介抱している。と言っても式神の介抱の仕方は習っていないので、取り敢えず頭に濡れタオルを乗せてみた。
「……それにしても、本当に人間そっくり」
顔を近づけて、ひかみの肌を間近で観察する。髪の色は少し派手だが、霊視しなければ完全に人間に見える。
「あはははーっ。まさか湯当りしてしまうとは、この六九式まだまだ精進が足りませんねーっ」
浴衣の帯を緩めに締めながら、黒子が居間に入ってきた。
「(びくっ)あ、ご気分どうですか?(汗」
「まだ頭がズキズキしますーっ。少し飲みすぎたよですーっ」
「あはは…」
黒子は何も覚えていないようなので、ちゆはそう誤魔化していた。
「さて、ひー君が持ち帰ったこのアイテムですが」
黒子はちゃぶ台の上の石の欠片と呪符を示す。
「主に石のほうですが、判明した事はこの紙に書き記しておきましたーっ。あとは霊警にお任せしますーっ」
「えっ、任せるって…」
「ひー君といっしょですーっ。これは霊警のお仕事ですーっ。でも私も無関係ではないよーなのでっ、
困った時は力を貸しますよーっ」
「……はい、判りました」
「あはははーっ。でわ、そろそろ日も暮れるよですーっ。帰るならひー君に送らせますーっ。
それともお泊りしますか? 一人暮らしなのでっ、お布団は一つしかありませんがーっ」
「え゛っ…(汗」
タカタカタカタカタ…
安達大佐と猫耳水兵たちを乗せて、内火艇は港内をひりゅうへと進む。
みつば「で、なんでいるのぉ?」
いせ「あら?きづいてましたの?」
わかば「当然です…あたたた。」
いつは「わかば、まだ傷が完全に治癒していないようだな。無理はするな。」
と、ひりゅうへ近づくと、急にいせが実体化した。
いせ「あらあら…強制実体化おんですの…なんだかいやですわねぇ。」
安達大佐「お、なんだ。お前もついてきていたのか。」
いせ「ええ。あたくしお祭が大好きですの。それに、ひりゅうさんにも一回お会いしておきたくて。
こんなイカした空母なんですから、きっと面白い娘なんでしょう?」
安達大佐「さあ、な。」
??「なでしこさ〜ん!」
と呼びかける声。
由希子「こんばんわ。撫子さん。更級2水です。その節はどうも。」
右手で敬礼をして。左手にはオードブルの乗っかったお盆。
由希子「で…。どうして白いセーラーなんか着てるんですか?まるで
ttp://www.kss-inc.co.jp/anime/ raimuiro/みたいですよ?」
見ると由希子は水兵冬服(紺色)を着て、頭には(軍艦たかなみ)のペンネントのついた正帽を被っている。
…季節の移ろいは早いものだ。
由希子「でも、カッコいいですねえ。皆さん。本職の私よりも似合ってるかも…。あ、これどうぞ。前菜です。
でも食べ過ぎないで下さいね。料理はまだまだたくさん用意してあるらしいですから。」
??「じゃあ、遠慮なく頂きます。」
と、どこからともなく手がのびて…
ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく!!
由希子「ああっ〜〜!!全部なくなった!!まだ他にも配りに行かなきゃいけないのに…はっ!」
たかなみ「どうも、皆さん、その節はどうも。軍艦たかなみ勤務、2等水兵浦賀たかなみです。由希子ちゃんとは
まぶい仲で肉体関係です。これからもどうぞよろしくお願いします。」
由希子「……た、たかなみ、さん?(汗」
そこには、水兵冬服に身を包み、頭に(軍艦たかなみ)の正帽を被ったたかなみが立っていた。
たかなみ「由紀子ちゃん、こんなんじゃ全然たりないよぉ。」
由希子「……(思考停止)」
>493
(ピッ)
ヘリ運「やはりここは横須賀海軍カレーだな」
撫子「あの肉じゃが美味しそう…」
雄一「……海軍て、可愛い子多いんですね」
(ピッ)
>由希子「どうして白いセーラーなんか着てるんですか?」
撫子「えっ?……」
周りを窺うと、他の水兵達も皆冬服を着ている……。
撫子「……イヤガラセ……はっ! これは罠!?」
由希子「はい?」
撫子「あああ…きっと「白いのはプチTVだ」とか、内部伝達されて、陰で
笑われてるんだわ! 水兵のフリして内部事情をゲットしようと思ったから、
こんなハズカシイ格好受け入れたのに…(泣」
(ピッ)
>493,495
(ピッ)
>たかなみ「由希子ちゃんとはまぶい仲で肉体関係です」
由希子「……(思考停止)」
撫子「……そうだったのね……判ってる、何も言わなくていいわ(涙」
妙に優しい表情で由希子の肩を叩く撫子。
由希子「ち、違いますっ! 私達そんな関係じゃありません!」
たかなみ「そんな、私…由希子さんに嫌われていたなんて…(泣」
由希子「そうじゃなくて! たかなみさんは好きですけど、えっと…意味が違うんです!」
ヘリ運「両刀か…(汗」
撫子「今度お姉さんが、いい男紹介してあげるから(同情」
由希子「ああもう! 私は普通に男が好きなんですーっ!!」
(ピッ)
撫子「……カメちゃん、さっきから何してるの?」
雄一「頼まれて、パーティ風景を撮影しているんです。でももうテープ無いんで、
必要なさそうなところは省略してるんです」
藤倉『テステス…本日は晴天でした』
由希子「あっ、藤倉大佐がスピーチするみたいです」
藤倉『あー、本日は──』
(ピッ)
「やれやれ、昨日は酷い目にあった」
菊水隊員、狩谷は頭痛の残る頭を押さえながら、閑静な住宅街を独り歩いている。
「後藤も土産物くらい自分で渡せばいいのに。それにしても何だこの『新潟ねしねし』って。食えるのか?」
ショートカットして公園を通り抜けると、一軒だけ離れた場所に家がある。
……物騒な物音に気付く。
狩谷は気配を消して家の裏に回った。庭では国防軍の兵士達が少年に殴る蹴るの暴行を加えていた。
「水上君…くそっ」
狩谷は湧き上がる殺意にも似た怒りを抑え、消音銃を抜いた。弾倉に麻酔弾が入っている事を確認し、
兵士達の死角から忍び寄りつつ、次々と狙撃する。
(プシュ! プシュ!)
最後の一人、少年の頭を踏みにじっていた男が振り向くより早く、左手でその首を掴み、命令する。
「──喰らえ」
人外の左手に精気を奪われた男は瞬時に気絶した。白髪となり、肌からも生気が失われている。
「(少し吸い過ぎたか)……水上君、大丈夫か?」
抱え起こすと、少年は焦点の合わない瞳で狩谷を見上げた。嬉しそうに何かを言おうとして、
そこで狩谷だという事に気付き、苦笑する。
「…………なんだ、菊水Aさんか」
「どうしてこんな事に…」
狩谷は傷たらけの水上を抱え上げ家の中に入ると、座布団を枕にして畳の上に寝かせる。
少年と、ついでに兵士達のために救急車を呼ぶ。
「……あいつらが、ともえ姉ちゃん部屋にカメラを仕掛けようとしていたんだ」
朦朧と呟くと水上は咳き込み、血を吐いた。狩谷の想像以上に少年は傷付いていた。
「水上君! 水上君っ!…………一か八か」
狩谷は水上のシャツを強引に開き、露になった鳩尾に左手を宛がう。まだ試した事は無かったが、
この手は精気を吸い取るだけではなく、与える事も出来ると聞いている。
「与えろ…頼む」
>496
宛がった掌が熱を帯び、反対に全身が軽い脱力感に襲われる。どうやら上手くいっているようだ。
狩谷は少年の意識を保たせる為に話しかけ続ける。
「水上君、君は教授の所で色々訓練を受けているんだろ? それに賢い君なら、
こんな目に遭わなくても連中を上手く処理できたはずだ」
「……待っていたんだ。ほら、ピンチの時にはヒーローが来てくれるから。”あの人”は格好付けだから。
きっと感動的な再会とか、危機一髪のシーンじゃないと現れないんだ……」
「何を言っているんだ水上君? しっかりしろ!」
「あはは…やっぱり僕なんかのピンチじゃ、助けに来てくれないんだなあ…」
「……」
現在、国防軍(陸軍)兵士の大半は泥沼と化しつつある東北の戦いに従事している。かつて西朝の姫君ともえ
の身辺は、反乱を起こした旧西朝の残党が接触してこないか、軍部公安(一応菊水も)共にマークされていた。
だが半年を過ぎた今も、そして何度も接触の機会があったにも関わらず、未だ何も起きない。
結果としてここは軽視され監視も緩んでいたが、同時に先程のような不良軍人の掃き溜めと化しつつあった。
西朝の残党はそれを狙っているのだろうか? もしそうだとしたら考えたのは余程の切れ者のようだが、
例えそうだったとしても、一発殴ってやらなければ気が済まない。
「ぐっ…!」
「菊水Aさん、手が…」
左手が彼の意思に反して変形し始めていた。袖ボタンが弾け布地が裂けてゆく。見えない大蛇に
呑み込まれているかのように、痺れと圧迫感がゆっくりと腕を昇ってくる。心臓まで侵食されたら戻れない。
教授はそう言っていた。だが人の命には変えられない。更に力を注ぎ込む。
「…大丈夫だ」
顔を顰めながらも、狩谷は笑ってみせた。
>497
「…大丈夫だ」
ダダダッ!──ゴンッ☆!!
脳天を強打され、狩谷は間抜けな笑顔のまま少年の上に倒れた。驚いた水上が顔を上げると、血相を変えた
ともえが、帰宅直後のブレザー姿のままフライパンを握り締め、荒い息を吐いていた。
「拓君、大丈夫!」
見ると狩谷の腕の侵食は、肩の少し前で止まっていた。異形化も徐々に解けてゆく。
「……お姉ちゃん、誤解だけれど、ある意味ナイスだよ」
少しして到着した救急車で運ばれたのは、国防軍の兵士達と狩谷だった。
由希子「そうじゃないのに…そうじゃないのに…うう…うわ〜ん!!」(だっ!!)
たかなみ「ああっ!由希子ちゃん!でも、本当のことじゃないですかぁ〜」
泣きながらどこへともなく掛けていく2人。その2人を眺めながら、ょぅι゛ょが呟く。
ひりゅう「たかなみのあほ…なんであたしのうえに来てるのよ〜?だいたいあいつのせいであの"にくまん
女"に正体ばれかけてるのよね〜。むむむ。…でもま、仕方ないか。ここでことを荒立てるのもなんだし〜☆」
つくつく歩く。
ひりゅう「どこ行こうかなあ。だり〜んはなんだかおはなし始めるみたいだし〜☆しょくじしてもしょうが
ないし〜☆いろんなひととお話するといいよ、って、だり〜んは言ってたけど…。」
きょろきょろしていると、ふと、一組の男女が目に付く。男のほうには見覚えがある。ああ、そうだ。
いつも士官室で一緒に食事をしていた「お客さん」だ。確か名前は、あいだ、だったかな。
女のほうはきちんとした格好をしているが、腕には包帯が巻かれ、痛々しい。
ひりゅう「あれも(かぷ〜る)なのかな?他のかぷ〜るのお話を聞くのも2人の愛を深める勉強よね☆」
つくつくつく。(サザ○さんの○ラちゃんが歩く時に出るような音だとお考え下さい)
ひりゅう「あいださん☆こんばんわ☆ひりゅうです☆航海中はとてもお世話になりました…?なんかちがう…
ううんと…あ、お世話しました☆」
ぺこり、と頭を下げる。
ひりゅう「お2人はとてもお似合いですね☆きゃは☆」
「…でした。終わります。それでは引き続き、ご歓談ください。」
スピーチも終わったし、なにか食べようかな。ああ、そういえばひさしぶりに一人になったような気がする。
たまにはいいなあ、こういうのも。
よつば「ころっけころっけころっけ〜!」
がつがつ、ばくばく。
ふたば「あらあら、よつばさんたら。そんなにがっつくと、咽ますよ。」
むつば「しかしまあ、どこからこんなに人を集めてきたんだ?人が多すぎる。」
ふたば「あちらにぺきんだっくがきたようですね。奪取します!!」
むつば「…あいつもはしゃぎすぎだ…。」
「うん…今日の料理はなかなか…やはりひりゅうに名うての給養員を集めたというのは本当らしいな。」
「たしかに、美味しいですね。大佐。」
わかばは安達大佐と一緒にいた。というより、連れてこられた。
「たまにはこういうふうに兵の鋭気を養うことも必要だろう。ふふ…遠慮するな。どんどん食べろ。
しかし藤倉大佐はどこへ行ったんだ。全く。最後に挨拶をしておこうと思っていたのにな。」
「さっきスピーチをしてから、そそくさとどこかに行ってしまったみたいですね。」
「ふふ…。まあ、あのこまっしゃくれたのとずっと一緒にいたのでは、疲れてしまうからな。ちょっと
隠れたくなったんだろうな。」
「ひりゅうさんですか?と、いうよりも、こまっしゃくれたってどういう意味ですか?」
「…失礼。小生意気な、っていう意味だ。なにぶん私も「おばさん」なのでな。ふふふふふふふ!」
「……あ、大佐、ドリンクバーです。お酒もあるみたいですけど、なにかお持ちしましょうか?」
「いや、自分で取りに行く。一緒に行くか。」
とことことこ…。
ドリンクバーを物色し、何を飲もうか選ぶ。その視界に2人の少女?が入った。
「…星野中尉と蛯原准尉か。こんばんわ。いせ艦長の安達だ。会うのは2回目だな。しかし君たちも1遊隊から
きたばかりなのに、また転勤とは大変だな。まあ、私もすぐに転勤だから、人のことは言えぬのだがな。」
烏龍茶をコップにつぎ、ぐいと飲む。