夏休み真っ只中ですが、今日は全校登校日です。ホームルームの後に、体育館で校長先生の
長い長いお話がありました。みんな貧血でバタバタ倒れて逝きます。最近の子供は軟弱です。
見通しが良くなって、萌宮さんのクラスだけ人がいない事に気が付きました。担任の先生だけが、
一人ぽつんと寂しそうにしておられます。副担任の宇月先生が居られないという事は、
今日がウォーターランドに行く日だったようです。私達は学校のプールが使えないので、
近所の川や、市民プールを借りている状態です。夏休み中だった事が不幸中の幸いでした。
「──黙祷──」
目を瞑ります。すると、すうっと浮き上がるような……(ぱたっ)
はじめてのひんけつは、とてもきもちがよかったです…。
この国には、五稜郭が三つある。函館に一つ。長野に小さいのが一つ。そして新潟に一つ。
前記二つの五稜郭は国の文化財として一般にも公開されているが、新潟のそれは現在、東朝と呼ばれる
組織の拠点となっていた。また、東朝が運営する宗教法人、蒼天教の本願地でもある。
東朝の目的は、皇室の血を引く萌姫(正式には萌夜叉姫)を正統な皇女(の一人)として認知させ、
今は肩書きだけの存在である『東朝』を正式な皇統として復興させる事である。
他の三朝から見れば東朝は意外なほど規模が小さく、私兵団さえ持たない傍流、異端の血統ではあるが、
幹部達は皆が”萌術”の使い手、萌能力者であり、実際に奇跡を行う宗教という、
他とは違ったアプローチで勢力を広げつつあった。
だが現在、東朝は存亡の危機に立たされていた。
数ヶ月前、北朝の萌宮もなこ内親王が「ちゃい」の魔法を発動された。その力は全世界に及び、あらゆる
事象、因果に影響を及ぼした。大抵は良い方向へ進んだが、全てが完全に上手く行くとは限らないものだ。
五稜郭の一角で眠り続けるもえひと殿下には、残念ながら「ちゃい」の影響が確認できなかった。
(もえひと殿下は、現在東朝の一員である菊十字団の面々が奉る”可能性の皇子”である。現在昏睡状態)
萌姫に及ぼされた影響は、その幼き御身に背負わされた巨大な怨念の消失という、素晴らしきものであった。
それは怨念の一部を負担していた幾人もの”係”達によって、感知だけはされている。というのは、
それと同時に萌姫が行方知れずになってしまったのだ。萌姫失くしては東朝の存在意義が失われてしまう。
しかし幹部達の大半は楽観的な反応であった。怨念が消失した今、萌姫が幸せになれればそれでいいと。
五稜郭の敷地内には、小さな武家屋敷が幾つかある。五稜郭本体の維持費を少しでも抑えようと、
東朝の居残り組みは、そこを改装して住居としていた。
「♪六っ甲颪にぃ 颯爽とぉ〜」
自己流にアレンジされた六甲颪を口ずさみながら、元気良く障子に叩きをかけている割烹着姿の女性。
「♪蒼天翔ーけるっ 日輪のぉ〜」
──ビリ。
「ありゃ、またやっちまった」
和紙にツバを付けて誤魔化す。風でも吹かなければバレはしないだろう。
♪ピンポーン
「む。はーい、ちょっと待ってけれー」
何処の方言か小一時間問い詰めたくなるようななまりであった。ばたばたと玄関に向かう。
玄関には誰もいなかった。ただ見慣れぬ紙袋が落ちている。
「なんだべさ?」
紙袋の中には黒い箱と、丁寧な文字が書かれたカードが入っていた。
「なになに──加藤様、お買い上げ有難うございました?」
<都内某所>
(薄闇に包まれた室内には円卓が置かれ、其処には幾つかの人影があった)
「問題は皇統では無い。皇統を用いて自らの利益のみを追求する、君側の奸臣と呼ぶべき者どもだ」
「……我が国の本当の主人、国民が蔑ろにされている現状は……」
「…“菊水”闇にありて人を狩る皇統の守護者。だがその恐怖にうち勝って………」
(口泡を飛ばして現体制を批判する男達)
(多くの者が大声で罵っている最中、只1人の男は口元を弛めたままに、だが一言も
口を開く事無く座っていた)
(そして、男達が北朝と文民政府への罵りに疲れた頃に漸く口を開いた)
では、計画始動に対する最終合意は成されたと判断して宜しいわけでしょうか?
(さして大きな声では無かった。だが、一つの方向性が与えられた議論は急速に収束する)
「私も、そう認識する。既に問題は実施するか否か、その一点のみであろう」
「いや同意は既に形成されているのではないかね?」
「同意する。残るには意志の表示、それだけだ」
(婉曲に、殆ど本能的と良い態度で自身の責任を曖昧にする形で同意していく一同)
(だがそれらの行為の全てを断ち切るように、男は口を開いた)
宜しいのですね?
(動く口元。だが目元は薄明かりを反射した眼鏡によって遮られていた)
(選択を突きつけられた議長と思しき男は、溜息と共に言葉を押し出す)
「ああ、そう判断してくれ。宜しく頼むよ」
ええ。全ては日本国の為に
(言葉は空疎なものの様に、闇へと吸い取られていった)
(歯車がゆっくりと動き出す)
と言う訳で今の北朝と文民政府に代表される体制が崩れる事を希望する皆様、或いは
争乱を望む方々、予算と機材に関しては在る程度ご協力出来ると思いますので勇志ある
場合にはご一報下さい。
>>528 資金的に余裕が無いのでしたら、貴方の所のような宗教法人に対する融資を扱っている
金融機関をご紹介いたしましょうか?
或いは、我々からでも良いのですよ。
ええ。
皇統に対する奉仕は、国民の名誉ある義務ですから。
(意図の見えない微笑。目元は歪んでいない)
余り意図はありませんので、軽くご要望下さい。
側近で200億までは動かせますので。
金利ですか?
気にしないで下さい。
必要ありませんので。
>531
ど、どうして今ウチがビンボーだという事が(笑)
……侮り難し国家公務員(警戒)
>>532 財務省が把握している納税額だけでも、その程度は読みとれますよ?
(微苦笑)
それに私はしがない、何の権限も持たない一介の厚生省所属の公務員ですので、そんなに
警戒しないでください。
世の中には善意と萌とが満ちあふれている…そうではないのですか?
>533
今時は、そんな物言いする者ほど信用ならない、世知辛い世の中です。
どうぞお引取り下さい(ニッコリ)
あ、一応ケータイの番号は聞いておきましょうか?
>>534 では代わりに名刺を置いておきますよ。
何かありましたらご一報下さい。
(慇懃な態度で差し出された名刺)
(其処には名前と厚生省の名、そして一個だけ電話番号が書かれていた)
ええ。
お電話はいつでもお受けしておりますからどの様な些細な事でもどうぞお掛け下さい。
(電話に向けて)
ええ、噂に違わず少しばかり難物のようですね……
いや構いませんよ彼等に対する妨害工作等、現段階では。
それよりも支援をすべきですよ?
信頼に足る皇統が増えると言う事は、翻って北朝に対する牽制にも使えますからね。
では、今から戻ります。
今日は諸事情で各地に散った東朝の幹部達が集まる週、その初日である。大広間は何故か少しだけ
雰囲気が険悪であった。この手の組織には珍しく、幹部達は殆ど全員が若者である。ただ一人だけ、
上座に強面の大男が座っている。冷たい視線は彼に向けられているようだった。
上座と下座の間に、意匠は無いが高級そうな漆塗りの小箱が置いてある。蓋を留める紫色の飾り紐には、
取扱説明書と書かれた紙が挟まっていた。
「で、これが六十九万円もしたという式神セットですか、加藤さん?」
「ろっ、ろくじゅきゅう!? カトちゃん何ばしょっとね!」
「ただでさえ台所事情が厳しいのに」(シクシク)
「やっぱり、このまえ来た厚生省の役人って人の話、考え直した方がいいのでは?」
「さあ、それはどうでしょう? しかし南朝、西朝からの支援が事実上ストップしている今、
70万もの無駄遣いは万死に値しますね」
その若者は非常(非情)に爽やかな笑顔のまま言ってのけた。
「むう……萌姫様の行方は?」
加藤と呼ばれた大男は僅かに冷や汗をかきつつ、話を逸らす。かつては魔人とまで言われた
男だったが、随分と丸くなったものだ。
「そちらこそどうなんですか? あの酒場は人探しには最高の場所でしょう?」
「そんなに心配する事は無いと思います。あの怨念が消失した以上、姫様の霊的加護は
万難を排するはずです。そのうちひょっこり戻ってこられますよ」
「そうですね。星に悪い兆しは出ていませんし。僕たちの萌術で行方を探れないのは、
姫様がそう望んでいるからかもしれません」
「それにしても、こんなあっけない形で目的の半分が達成されてしまうなんて、
僕等のこれまでの苦労は一体なんだったんでしょうね……」
>537続き
「あのですね、貴方達、萌姫様を何歳だと思っているんですか? お隠れになられて
もう二ヶ月なんですよ? はじめての一人旅にしてはグレイト過ぎです」
「萌姫様の一人旅って、なんだか萌えだなあ。今頃だと、精霊流しに混じって小船で流れてたりして」
「ああ、萌えですねそれは」
「あ・ん・た・達はーっ!」(怒っ)
「コホン。怨念が去ったとはいえ、姫が長きに渡り怨霊に苦しめられてきた事実も、肉親を失った過去
までもが消える訳ではない」
加藤の隣で空いたままの、小さな赤い座布団を見詰める東朝の幹部達。
「……姫様の不在を知り、信者達が別の教団に流れ始めています。特に信濃町教団。あそこは一見
まっとうな宗教団体に思えますが、どうにも胡散臭い」
「今更信者達を放っておくことも出来ませんよね? もえひと殿の事もありますし」
「皆様、ありがとうございます」
「そんな、藍前さん顔を御上げ下さい。もえひと殿も菊十字団の方々も、とっくの昔に仲間じゃないですか」
「うぅ。うれしいこと言ってくれるだべさ」
「とにかく、各支部の責任者は、十分注意されて下さいね」
「さて、それはそれとして、加藤さんへの罰ゲームは何にしましょうか?」(ニッコリ)
「……これは、いいものだ」(汗)
「式神だったら御自分で創られるのでは?」
「──なんだ、騒がしいな」
「ああ葛城さ〜ん、加藤さんがヤホークでまた衝動買いを」
「……ほう……これはまた面白い物を手に入れたな」
車の中だよっ。迎えに来てくれたのは社長のおじさん。
ウォーターランドのおじさんはね、昔下関にいたころからでボクたちの支援をしてくれてたんだ。
で、今はこっちでプールの経営してるんだけどボクがこっちにいる間ボクのイルカを預かってくれてるんだ。
「あの子達、元気してる?」
「ええもちろん。ともえちゃんのイルカに粗相はできねえですよ!」
「よかった。今日も楽しみだなあ。」
「イルカショー、好評ですよ。ともえちゃんの勇姿のおかげで客足倍増!今日もよろしくお願いしますよ!」
うーん、その割にはあんまりお客って多くない気がするんだよね。正直。
でも、「もうかってますから、お礼です!」っておこづかいいっぱいくれるんだ。
時たま、桁を間違えて振り込まれるからびっくりするんだけど。ま、いいかなって。へへへ。
「ともえちゃんにはがんばってもらわないとね!」
「うん、ボクがんばるよ。おじさんのためにも、ね。」
「うれしいこと言ってくれるねえ。お、そうそう、今日はお客にゲストがいるんだ。楽しみにしててよ。」
「ふーん…だれだろ、いいや、ついてからのお楽しみ、でしょ?」
「そう。察しがいいねえ。」
「ふっふーん、スルドイでしょ。」
誰だろ?ボクの知ってる人かなあ?うん、なんかいい事ありそうな予感。ちょっとはりきっちゃおうっと。
雲ひとつ無い夜空。煌々と輝く満月の下、風吹き抜ける夏の草原。
月明かりが全てを包む世界にただ一人、少女が佇んでいる。月光に映える萌葱色の着物。
髪は闇よりも深く黒く。病的なまでに白い白い肌。夢現を彷徨うような瞳。そよ風に髪が揺れ、
結わえられた金色の鈴が、ちりんと澄んだ音を立てる。萌姫である。
少し背が伸びただろうか?髪も長くなった。表情は以前と変わらない。だが今、少しだけ
微笑んだような気もする。
萌姫は草原を歩き始めたが、少しして立ち止まった。ちょこんと座り、ふう…と小さな溜息をつく。
もう疲れたらしい。病弱なのは相変わらずのようだった。
「…りくごう」
呼びかけに応え、何処からともなく冷気を纏った白い犬が現れる。寄り添ってくる犬の顔に触れると、
ふかふかなのに、ひんやり冷たい毛並。萌姫は爪先立ちをして、腹這いになった獣の背へ腰掛けた。
「りくごう、ゆけ」
白い犬はゆっくり起き上がると、月明かりの下、少女を乗せて何処かへと歩き始めた。
彼等もどうやら内側に幾つか問題を抱えているようですね。
(呟きながら盗聴器(
>>537-538)のイヤホンを外す)
「宜しいので?」
構いませんよ。
この世知辛い世の中で人の善意だけを盲信する様な幸せな人間では利用する価値が
ありませんからね。
それよりも問題は東朝のみならず西朝、そして南朝までもが機能不全に陥っている
と言う事でしょうか。
芝村次官を喪った国防軍芝村派も行動力を低下させていますが、それでも英雄である
善行将軍が動けば雷同する輩は続出するでしょうからね。
(眼鏡をゆっくりと押し上げる)
如何にして国防軍を団結させないか……それが問題ですね。
「では………やはり」
いえ、現時点で血生臭い行動には及びませんよ。
手がない訳では在りませんが、それには時間が掛かりそうなだけです。
それに、なまじ速い時点で善行将軍を排除していた場合、残った烏合の衆でも仇討ちを
旗印に団結する危険がありますから。
そうですね。
もう少しばかり善行将軍には東北で血と汗とを流してもらいましょうか。
(素早い動作で懐より財布を抜く)
表の自販機でコーヒーを。
砂糖とクリームは増量で。
「はい」
明かりもつけない深夜の執務室の中、大きく開かれた窓から差し込む、
月明かりを背にした大柄な漢が複数の人形を並べてニヤリと笑った。
「これだけみると怪しい人ですね」
「これだけ見なくても真実だな」
漢が驚いて後ろを見ると妙齢の若者とスーツを着た女性が其処に立っていた。
「…ぅがぁ…」
恐ろしく静かなときが流れる。其れはまるで思春期の少年が母親に
何か見られたくないことを目撃されてしまったときのような間のわるぃい沈黙だった。
「『この世界』でまでおやくそくしなくてもいいんですよ」と若者がにっこり微笑む。
「其れは酷というものだろう。ヒトには持って生まれたサガというものが在る」
二つのシルエットに向かって漢が空しい抵抗を試みる。
「…ぐぅ…こ、これは…最近でてきたばっかりの九重兄妹や楓たん、もえりあたん、菊レンジャー等のオプション下着、洋服フルセットが揃った大幸技巧人形で…」
「税抜き69万」
若者の一言に漢は撃沈した。
撃沈した漢にははお構いなく女性つづける。
「だが実際に面白いモノだ。その値段の示す数字に心当たりは無いだろうか」
「…(>473)霊警の影のトップ。そしてこの世界における『この世界』における
親皇教団成立の実行者で在るあのヒトですか」
「そうだ。厳密にはわれわれと同様に、『旧世界』のかの人物とは別人だろう」
「でしょうね。よりによって貴方が学校の先生になっているなんてはっきり言って悪夢です」
そう言ってのけた若者に女性がまるで他人事かのように頷く。
「そうだな。恐らくは『ちゃい』が発動したことによって遠き太古における『要素』が変質したのだろう。
つまりはここは分岐した『別宇宙』とよぶこともできる。そうで在るのなれば私が現在ヒトとしてここに存在する理由も、存在を示す名が元の『一子』から『和子』に変質しているわけも、かのじょの鈴が銅である事も説明が可能だ」
「あぁ、それで僕たちには『二つの人生の記憶』が在るんですね」
「そう言うことだ。恐らくは『旧世界』は、こことはまた別個の歴史を歩んでいるだろう。其れに伴い『旧世界の記憶(旧設定)』はその約款を失い消えゆき『この世界の記憶(設定)』が有効になる。それはそれで素晴らしき事とも言える」
「で、記憶が変わろうがどうなろうがこのひとはかわらない、っと」
大きな漢が身をすくめてしょんぼりする。
「で…信濃教団だそうですねど…どう思います」
「しらんな。そもそも、かのじょの幸福にとって教団は必要条件ではない。むしろ無いほうが幸福な道も在るだろう。その為に教団をもえひと殿に引き継いでもらったのだ。特に害悪が無いのであれば知る必要も無い」
「…淡白だな、相変わらず」
「でもないでしょう。本当にそうだったらもえひとさんを消失させて其れを口実に教団を解散して後腐れ無くします。僕だったらそうします」
漢が軽く首をすくめ女性が苦笑いをした。
「…で、もえひと殿の残りは今何処に」
「恐らくはかのじょの、すぐそばにいるだろう」
「やっぱりの一人旅って萌ですね」
「あぁ、萌えだな」
「僕的にはやっぱり記憶の無い不思議系少女の一人旅を押しますね」
「…真夏のプールサイドでなぜかバイトの手伝いをしていてエプロン…」
二人が盛り上がっているそばで女性がぼそりと一言を追加する。
「やはり、なぜかプールサイドでバイトの手伝いをしていた萌葱色の着物の上にエプロンをつけた病弱そうな少女が周辺の騒動に巻き込まれてプールに落ち、助けられた後で泣きそうな瞳で周囲をじっと見つめる。萌えだと思うが」
盛り上がっていた二人が突っ伏す。
「あ、あなたってひとは…」
「…外道だな」
涼しい顔で女性が受け流す。
「気のせいだ。さて、心ユクまで楽しんだことだしこの辺りにしよう」
「ですね。あぁ、人形遊びはほどほどにしないとつかまりますからね」
二人が去った後にはとどめを刺された漢が残されていた
「ふーん、どう思いまス?参謀長」
「そんなに人材が欠乏しているのか、といったところですか。」
某戦隊司令室。久しぶりの登場なのでちょっと緊張した面持ちで通達書を見つめる男が2人。
「いやはや、こちらが東北で牽制なんていう事をやってる間に帝都はこのありさま…やれやれ。」
「別に司令がいたからといってどうなるとも思えませんが。」
「…まあ、そうなんですけどネエ〜…」
本部からの通達には「現在横須賀に向っているひりゅうは補給後、懸案の海賊討伐に向う予定である。
補給の一環として貴戦隊には、オペレーターの人員供与を希望するものである。なお〜…」とある。
「つまり、ひりゅうは兵力不足で、前線である我々からオペレーターを徴発しないと海賊退治にもいけない、と?」
「笑止デスネ。同時に我々の状況について正鵠をついてもいますがネ。」
「今のところ陸戦部隊以外出番ありませんしね。ひまそうなのがばれたんでしょうか?」
薄く笑う2人。まあ、確かに暇だったのだけれど(爆)
「日本海なんですし、我々が行くっていう手もあるとは思わないんですね。」
「まあ、我々はR国への備えですし?芝村派でもありますし?彼らのメンツってのもありますしね?」
「ひりゅう…あの元帥ですか。」
溜息をつく参謀長。
「半自律型空母…どうなんでしょうね…船魂って、私はみた事ないですが。」
「萌え…らしいですヨ?あすかにもいるんでしょうかねエ…」
「たぶん、ドイツハーフで「あんたバカア?」とか言うんだと思いますよ。」
「違いないですネ。」
「で、どうされます?」
「半命令ですからネエ…逆らうのは得策じゃないでショ。我々の立場も危ういですから。出すしかないかナと。」
「…嫌ですけどね…で、人選は?」
「星野君に行って貰います。」
「……司令も意地悪ですね…」
2人の顔が意地悪な、いたずらを企んでいるような笑みに変わる。
「情報は得ておくにこした事がありまセンから…あと、もう一人。彼女も。」
「!!……ひりゅうの艦長に心底同情しますよ……」
「何を言うんデスか。これであの船は沈まないことが約束されるんデスヨ?これ以上の人選はないでしょう!」
「……悪魔…ですな。」
それは、異次元酒場からの帰り道のことだった。
烏龍茶を飲みながらマスターと話をするのが最近のちゆの日課になっていた。
「明日はプールの警備か〜。」
などとつぶやきながら異次元の通路を歩いている。
ふと、立ち止まって辺りを見回す。
「・・・・こんなに長かったっけ?」
いつもは数分とかからず宿舎に着くはずだったが、やけに時間がかかっている。
おもわず霊視を試みる、するといつもは一本道のはずの通路が網の目状になっているのが視えた。
「こ、これは本格的にやばいのでは・・・。」
冷や汗がにじむ。
(戻ったほうがいいのかな? それとも下手に動かないほうが・・・。)
ちりん・・・・・・・ちりん・・・・・・・。
しばらくの間思案していると、ふいに鈴の音が聞こえてきた。
「鈴・・・? ・・・誰かいるの・・・?」
思わず振り向くが、霊視でも何も視えない。だが、悪意のようなものは感じられない。
意を決してその方角へ歩き始めた。
ちりん・・・ちりん・・・・。
音がだんだん大きくなっていく。
網の目状だった通路は次第に数本の絡みあう通路になり、そして一本の道になった。
そしてその先には異次元と通常の次元との境目、すなわち出口。
まだどこに出るかはわからないが、ここよりはましだとばかりに踏み出した。
「こ、ここは・・・。宿舎?」
ちゆは霊警の宿舎へと戻ってきた。
(あの鈴の音は・・・・。)
疑問は残りつつも、どうやら助けられたらしいと自分を納得させた。
その鈴の音はか細くはあったが、あまりにもやさしい音色を奏でていたから。
「志摩さんは海軍少尉さんだったんですね。私の妹も海軍にいるんですよ。この前海兵団を出て横須賀のたかなみ
という艦に配属されたといってました。」
「さらしな?さらしなって…もしかしてゆきにゃん?」
「あら、みつばさんは由希子を御存知ですか?」
「うん。かいへいだんではおせわになったの。たかなみにのりくみなの?じゃあこんどあえるかもしれないの〜。」
「ウフフ。楽しみが一つ増えましたわね、みつば。」
車は進む。ところどころガードレールが凹んでいる。
「事故でもあったのかしら?この辺りは走り屋が多いので有名なんです。困った人たちですね。」
「あらあら、あそこなんか、ガードレールがなくなってるじゃありませんの。本当、陸の上は物騒ですわね。」
「陸の上だなんて面白い言い方ですね、志摩少尉。艦での生活が長いんですか?」
「(びくっ)ホホホ…いせで結構ですのよ。ええ、陸の上より海の上にいることのほうがおおいですわね。」
それからしばらく走るとようやくウォーターランドが見えてきた。
「(殿下の)ミジュギ・ミジュギ・ミジュギですわ〜♪るらるら〜♪」
「そうそう、レンタル水着の種類も国内最大らしいですよ。楽しみですね。」
「みじゅぎ・みじゅぎ・みじゅぎなの〜♪」
「じゃあ私も、こほん。みっずぎ・みっずぎ・みっずぎですよ〜♪」
「「るらるら〜♪」」
「うーん、ひさしぶりの陸ねえ。」
「この前の武山以来ですからそうでもないでしょう?」
「ん?そうでしたっけ、忘れちゃってた。中尉は頭いいなぁ。」
「あなたが忘れっぽすぎるのだと…」
「あはは、そうね。」
某港。2人の女性仕官が制服のまま談笑している。
1人は背が低く、物静かな少女の面持ち。
1人は常に笑っているような明るい女性。
2人ともに制服を着ていなければ海軍属の人間は絶対に見えなかったであろう。
「横須賀まで電車で…2時間…遠い…」
「うん?あたし、実家からヘリ呼んだんだけど…乗りません?」
「ヘリぃ?わざわざそんなの呼んだの?」
「だって、切符の買い方分からないから。」
あきれる少女。あぜあきれられているのか、女は分かっていない様子で笑っている。
「もうちょっとしたら来るから。一緒に行きましょ。」
「ええ……」
「そうそう、横浜におしゃれなカフェができたんですって。ちょっと寄っていきましょうよ。」
「………」
少女は「これは任務だと…」と言い返そうとしたが、バラバラバラという音を立ててヘリがやって来たのでやめた。
これから2人は横須賀に向う。ひりゅうの補充乗務員として。
少女の名を星野ルリ中尉、女の名は蛯原御幸准尉。ともにタイフーン戦隊の火種と恐れられた女傑(?)であった。
試験/情報管制艦「ウチの司令ってホンットに馬鹿よね!(
>>545)何て、言っちゃって」
汎用護衛艦「そう。良かったわね」
試験/情報管制艦「ったく、アタシは純国産だってぇの……
まぁ美少女ってキャッチフレーズはアタシにピッタリだけどね」
汎用護衛艦「そう。良かったわね」
試験/情報管制艦「ああもう、何で碇一佐はアタシではなく、幼なじみっていうあの女を選んだのかしら!」
汎用護衛艦「そう。良かったわね………やっぱり萌よりも生身だったのね」
試験/情報管制艦「そう、あったまに来ることに、その女って、名前がアタシと同じ明日香って言うのよ。こんな事許せる!?」
汎用護衛艦「そう。良かったわね」
試験/情報管制艦「こっちはまだ二十歳にもならない美少女だってぇのに! 左遷させた善行が悪いのよ!!」
汎用護衛艦「でも艦齢15歳を越えた艦って高齢って言えるわ。そう、お婆さん……婆さん用済み(クスクス)」
試験/情報管制艦「……喧嘩を売ってるってぇのアンタ?」
汎用護衛艦「ええ。今頃気付いたの?」
試験/情報管制艦「ムッキー!!(怒)」
「うわぁ、又、本艦と綾波とのNCWシステムが異常です! コンピューターが今度は綾波に敵性判断下してます!?」
「馬鹿野郎、何でそんな結果が出る。貴様、何をした!」
「只の、情報リンクを開いただけです(涙)」
「航海長! 綾波から電信。綾波、突如としてFCS起動、本艦に主砲の照準がされたと言う事です。
回避を要請が出てます!!!」
「何で本艦と綾波の相性は此処まで悪いんだぁーー!!!」
タイフーン戦隊の誇る試験/情報管制艦あすかと新型汎用護衛艦綾波。
その相性は極端に悪かった。
星野中尉が絶妙な調整を行わなかった日には、確実に交戦寸前の事態へと陥っていた。
今日も今日とて調整官らの悲鳴が鳴り響く。
「星野くーん速く帰って来ておくれぇ(涙)」
酷い言われようデスネェ♪
私は心から、ひりゅうと第2護衛艦隊の方々の事を思って星野中尉と蛯原君を派遣した
のデスよ?
海上護衛総隊として、連合護衛艦隊に対する含む所なんて在る筈が無いじゃ無いデスカ。
同じ帝國海軍なのにぃ♪
参謀長「司令、口とは裏腹に顔が笑ってますよ?」
イイ!
イイ!!
凄くイイ!!!
手を叩く。
はあい、みんな静かにねー。
今日は一日こちらでお世話になります。
みんなごあいさつしてね。
「よろしくおねがいします。」
はい。
じゃあ、これから着替えて、お昼まで自由時間です。
お昼は地図のここね、ここに集合してみんなで食べます。
午後は3時まで。いるかのショーとかもあるから見に行ってみるのもいいかもね。
先生はここにいるから何かあったらすぐ連絡して。
速水さんも巡回しているからね。
あと、泳ぎを教えてほしい人はこちらにインストラクターの先生とか、
イルカショーのお姉さんとかいるそうだから教えてもらうといいわ。
はい、じゃあみんな怪我とかには気をつけてね。
お昼には必ず集合するのよ。
じゃ、解散。
相変わらず。パクリの殿堂だな(藁
五稜郭の朝は早い。
男に与えられた最初の仕事は、五稜郭の一角に新築されたカテドラルの掃除だった。『お掃除係』の
指導を受けながら、床にモップをかけ、台を拭き、窓を磨く。次にカテドラルから正門までの通路を掃く。
さすがにお掃除係達は手馴れたもので、全工程は30分強で終了する。
男が最初に『新人教育係』から教えられた事の一つだが、東朝の役職は全て”係”とその補佐の”お手伝い”
で構成されているらしい。彼は今のところ『お手伝い見習い』と言ったところだろうか。
因みに一番偉いのは『お財布係』で、次に並んで『蒼天教主係』『戦羅統括係』 ete…と続くそうだ。
「…あの、ヒカミさん?」
「………………はい、何か?」
本来の名前は呼び難いので、火神 将(ひかみ しょう)という名前を付けられた事を一瞬、忘れていた。
「あの、暑くないんですか?」
お掃除係の一人が、そう問いかけたのも無理はない。まだ日の出前とはいえ、夏真っ只中に
赤いロングーコートを着ているのだ。髪も赤いが、こちらは涼しげな短髪である。
「はい。吾…私は人と”つくり”が違いますから」
そう言うと火神は、右手の”まやかし”を解いてみせる。手も服の袖も、丸ごと数枚の呪符に変わった。
「あ、ああ。そういえば式神でしたね貴方。しかし……とてもそうとは思えない」
「かたじけない」
深々とお辞儀をする。
「私は次の仕事がありますので、これにて」
そのまま炊事場へと向かう火神。炊事場では朝食の用意が始まっている。
>553続き
今日の食事当番は、東朝一の元気っ娘として親しまれている葛之葉であった。式神である火神に対しても
唯一、初日から全く物怖じなく話しかけてきた女性である。
「葛之葉殿、お早う御座います」
「おっはー! あっ、ひーやん、ちょうど良いとこに来たにゃあ! 火ぃ貸してけれ?」
言いつつ、八重歯の少女はチラリと太ももを見せたりする。[火神MP+5](MP=萌えポイント)
「……葛之葉殿、昨日も説明したとおり、そのような事なされなくても小さな火なら起こせますから」
指先から火種を弾き出し、竈に撃ち込む。火神の身体を構成する呪符には『萌え』を『燃え』に変換する
言霊回路が組み込まれている。(1MP=茶碗一杯分の御飯が炊けるカロリー)
「さんきゅー!」
「それにしても、今時釜で炊飯されるとは雅ですな」
「にゃはは…節約でガス、止められちった……」
気まずい空気が流れる。火神はいきなり土下座した。
「も、申し訳ありませぬ! 私が愚かにも自らに高値を付けたばかりにっ!」
「ひーやんは悪く無いにゃあ。悪いのは加藤のアホだべさ」
「……あの、葛之葉殿。つかぬ事をお伺いしますが、御出身はどちらで?」
>551より1時間ほど遅れてウォーターパークに到着。
「カメちゃんって、運転も亀なのね」
「安全第一です。それにこのワゴンに積んでいる機材って、全部でン千万もするんですよ?」
大和 撫子は駐車場を見回す。駐車スペースの約半分は埋まっているようだ。
「なんだ、結構お客いるみたいじゃない。繁盛してるって程じゃないけれど」
「微妙な車の数ですね」
「とりあえずこの辺撮ってから、オーナーに挨拶しにいきましょう」
おじさんの部屋だよっ。
「おつかれさま。ショーは昼からだからそれまでゆっくりしてていいですよ。」
「そう?でもちょっとあの子達の様子も見に行きたいし、ちょっと遊んでおきたいし。」
せっかく、プールに来てるのに泳がないでおく手はないよね。
「そうかい、じゃあ、着替えとか…」
「いいよ、用意してきたもん。ご飯もプールサイドのお店で食べるから。」
「用意がいいねえ…で、食事もいいのかい?ともえちゃん。言っちゃなんだけど…」
「え?ボクは好きだけどな、あそこの焼そばって。」
そう、なんかキャンプで作ったみたいな。こう、外で食べることに意義があるって主張してるような。
コッペパンなんかが一緒に売られているあたりがボク好み。焼きたてを挟んで焼そばパン!これが(・∀・)イイ!!
「そうおっしゃるんでしたらいいんですけど…」
「じゃ、12時くらいには控え室に入るからねっ。」
水着を手に部屋を飛び出したとき、テレビカメラを抱えた人とすれ違った。
テレビ取材か何かかな?イルカショーも映ったりして。うーん、イルカに乗った美少女…あは、スカウト来るかも。
「まずいなあ、その気はないんだけど。」
イカン、顔が笑ってる。これじゃ怪しい人だよ。
まいいや。さ、泳ごう!
「うがあああああああああああああああああ」
公道を駆け抜ける一陣の風。
見えるものにはそれが割烹着を来た和服の女であることに脅威を覚えたであろう。
汗ひとつかかず、常人にはありえないスピードで走る。
「もなこたーーーーん、待っててネエええええええ」
バスの残した匂いをたどり、延々と走る。
車を追い越し、バイクをかわし、歩行者を跳ね飛ばし。
嬉々たる表情を浮かべた暴走が続く。
途中、
>>547を追い抜く。
「うをりゃあああああああああああああああああああ」
「……い、今のは?何だったんでしょう…」
「さあ…陸の事はよくわかりませんわ…ホホホ…(汗)」
「…うう、なんか嫌な物見た気がするのにゃ…」
>556
「今の子、凄く可愛かったですね」
「そうね……(何処かで見たような?)」
「水着持ってたけれど、ここで泳ぐのかな……(何処かで見たような?)」
亀雄は未練がましく少女の後ろ姿を目で追い続ける。
「(むっ)へー、そーゆーシュミがあったんだ」
「いや、あのですね、被写体に対するプロ目というか(汗)」
「ふーん、別ニイイケド(冷たい目)」
「はい、三本で450円でーす。」
何をやっているのかというと、屋台で売り子をやってます。
学校のあの件のこともあり、あまりあからさまな警備をしないことになりました。
他の方もマスコットキャラクターの着ぐるみ、プールの監視員、お客としてそれとなくもなこ様やご学友を警護しています。
「熱いから気をつけてねー。」
売り子をやりながらっていうのも結構大変です。
おっと、もなこ様たちに動きがあるようです。報告しなければ。
「こちら、フランクフルトB、もなこ様ほかご学友二名はウォータースライダーへ、八名が流れるプール、そのほかはここに残る模様です。」
「おばちゃん!! フランクフルト2本!!」
「お、おばっ・・・・はい、二本で300円でーす。(泣)」
フランクフルトに式神降ろしたろか。
(電話中)
殿下がウォーターパークにですか?
確か彼処の所長は西朝のシンパとして検査をしていた筈ですね………いえ、その可能性は
低いでしょう。
『………』
………そうですね、貴方の意見を採りましょう。
但しハウンドは駄目です。
錬成途上ですし、何よりこの手の任務には向いていませんから。
それより公安から来ている特殊情報収集班がありますので、それを一個、貴方に預けます。
但し発砲その他は呉々も謹んで下さい。
ええ。
殿下の御前に関してのみです─それ以上の判断は現場の指揮官に一任します。
私の期待を裏切らないで下さいよ?
『……』
そのように。
では、宜しく。
(受話器を戻しそれから別室、在る人物を待たせている部屋へと行く)
失礼しました。
多少緊急時でしたので、ご無礼をお許し願いたい日村首都警長官殿。
(人懐っこさすらも感じさせる笑み。だが目だけは別物のように鋭く細められていた)
>>559 今日の水着は競泳用!体にジャストフィットだよ。ガシガシ泳ぐぞっ!
おっ、出てる出てる。屋台、いいよね。
朝ごはんまだだったし、ちょっと食べてから泳ごうかなっと。
ん?いつもと売り子さん違うなあ・・・なんか若いし、バイトかな?
うーん、あの芸術的な味に仕上がってるのかな?ここの焼そばに関しちゃちょっとうるさいよ?あたしは。
「焼きそばくっださいいなっ!あとパンもね!」
ウォーターパークの流れるプールを、浮き輪に乗って萌夜叉姫が流れている。
何らかの力が作用しているのか、その姿に誰も気付かない。身に付けているのは銀の鈴と、
沐浴用の木綿の浴衣のみ。白い浴衣は水に濡れて、少し透けていた。
萌姫は時々足を動かして方向を変えるだけで、あとは流れに任せ漂っている。
「……」
「……」
「……」
「……」
ニヤーと、ぎこちない笑みを浮かべる。どうやら御機嫌のようだった。
ぶくぶく・ぷふぁ〜っ!ぶくぶく・ぷふぁ〜っ!ぶくぶく…
「水の中では息を鼻で吐いて、顔を上げるときに口から一気に肺の中の空気を吐き出すんですのよ。
全ての空気を吐き出せば自然と空気は肺の中に入っていきますわ。これ息継ぎの極意。よろしくて、みつば。」
ぶくぶく・ぶふぁ〜っ!げほげほげほ!
「ば、ばながいだいの〜。みずがばいったの〜。」
「ウフフ。まあゆっくりとやることですわ。それに飽きたら流れるプールでもいきましょうか。」
「いせさん、みつばさん、ここにいたのですね。ちょっと探しましたよ。」
淡いピンクのビキニを着て、脇にビニールのバナナ、頭にメンパとシュノーケルをつけた真紀子が
立っていた。
「水泳の練習も結構ですけれど、ここはレジャー施設です。もっと楽しく行きましょう!」
「まあ確かに、水泳の練習は基地でもできますものね。そうですわね♪流れるプール、スライダー、
波の出るプール、いい響きですわ〜♪」
ぶくぶく・ぷふぁ〜っ!ぶくぶく・ぶくぶく・ぶくぶく……ぷか〜ぁ
「!? みつば?あらあらこの仔ったら溺れてるじゃありませんのぉ。」
「笑い事じゃありませんよ、いせさん!早く、人工呼吸をぉ…(ぽっ)」
気道確保!すぅ〜…ふぅ〜…、すぅ〜…ふぅ〜…
「ウゥ…それなり容姿の人がやると絵になるものですわね…百合の香りですわ♪」
「もう!からかわないで下さい!」
げぼげぼっ!水を吐き出し、みつばが意識を取り戻す。
「おはなばたけがみえたの…。おねえさんが「まだこっちへ来るのは駄目」っていってたの…。」
「ちょっと無理しすぎましたわね、みつば。ゆっくりとやることですわっていいましたのに。ウフフ。
あっちに休憩所がありますわ。少し休みますわよ♪」
「そうするの〜。ちょっとつかれたの〜。」
「それにしても、殿下はどこにいらっしゃるのかしら?ミジュギの殿下…エヘヘヘ。」
「…いせさん、私なにか飲み物でも買ってきますね。休憩所で待っててください。」
「ええ、あたくしはお任せしますわ。みつばは?」
「やっぱぎゅ〜にゅ〜でしょ…ガクッ。」
「あらあら…よいしょっと。じゃあ真紀子さん、お願いいたしますわ。」
みつばを抱きかかえていせは休憩所へ。真紀子はジュースの屋台へ。
「へぇ、今日は屋台なんですね。いつもの装備はどうしました?」
「装備?あんた何者…!?あっ、壬さん!こいつは失礼しました!」
「敬礼は省略でよろしい。かえって怪しいですからね。今日は一般客に紛れて、どんな連中が
いるか分かりません。引き続き警戒を続けてください。」
「はっ!」
「で、オレンジと牛乳とそれからそれからメロンソーダ、お願いします☆」
「へぃ!喜んで!」
>>561 かなりかわいい少女がやってきた。
「焼きそばくっださいなっ!あとパンもね!」
健康的に焼けた肌がよく似合う、いかにも元気って感じの少女です。
思わず見とれてしまいました。
「あ・・はい! 焼きそばですね! ちょっとまっててねー。」
ふふふ・・・。わたし、焼きそばにはちょっと自信があるんです。
くるくるくる・・・ぱし!
こてを器用に回して持つと、焼きそばを炒め始めました。
「おねーさん、初めて見るけど、今日から?」
「ううん、今日だけなの。」
「そっかー」
少女はすこしだけ残念そうにうつむいた。
「(!! ここの屋台の焼きそばってそんなに美味しいの? ま、負けられない!
)」
思わず手に力が入る。
「(出来た!)はい、焼きそばとパンで400円ね。」
「はい、400円!・・・・・・いっただっきまーす!」
>>565 おっ、なかなかの手つき!ちょっと期待しちゃうぞ。
うん、この匂い、いいね。
ソースのこげる匂い。オタフクもいいけどやっぱり焼そばならコーミソースだよ。
具には豚バラとキャベツ。奇をてらわないシンプルな作り。いいね。
出来立てをパンに挟んで、紅しょうが。
ちゃんと汁気を切ってから乗せるのが玄人ってもんよ。
で、青のりもいきたいところだけどこれから泳ぐ人間が歯に青のりつけてるのはまずいからガマン。
で、軽くラップでくるんで蒸すこと1分!これでパンが柔らかくなって、ソースが染み込むんだ…
うう、よだれ…
おし、1分!
うーん…至福の香り…「いっただっきまーす!」
ぱく。
うん、キャベツもいい感じ。麺も及第点。なかなかやるね。
豚肉がちょっと焼きすぎって気もするけどカリカリもまたよし。
「うん、おいしい。おねーさん、イケてるねえ。」
おねえさんの顔がぱっと輝いた。
「もうちょっと修行すればいい屋台持ちになれるね。」
「あは、そうかな?」
「うん、今日だけってのは惜しいなあ。ま、しょうがないか。」
「ごめんねー。」
「おいしかったからまた来るよ。じゃね!」
食べ終わるのってあっという間。よーし、おなかも膨らんだし、泳ぐぞーっ!
とりあえず競泳用プールから制覇だっ!
速水の手記。八月某日
私は今日この日を一生涯忘れないであろう。
ひなぎくに転属して幾月。念願の日が来たのである。
バスでは不覚を取ってしまったが、なんの、これから。
そして、その瞬間は来た。
黄色のスイムキャップ。紺色のスクール水着。胸元にはつくしんぼうのおしるし。
白くてぷにぷにして、つやつやな肌。可愛らしいという表現以外では言い尽くせない手足。
ビート板を手にして、おずおずと、少し恥ずかしそうにして。
長い髪をアップにまとめてキャップに押し込み、胸元の「2ねん ここのえ」という名札も可愛い
ご学友の加也様に連れられるようにして太陽輝くプールサイドへと登場されたのだ。
ああ、血が上るのは決して太陽に中てられたせいではない。まぶしすぎます。宮様。
太陽よりも。直視してると血が…血が…
ああ、これから「およぎをおしえてほしいのです」とか言われるのか俺?
も、もしかしたら「おにいちゃんってよんでもいいですか?」なんてことに?
ああ、だめだ。考えただけでクラクラする…(;´Д`)ハァハァ
「わー、このおにーちゃん鼻血出して気絶してるー」
「きっとのぼせたのよ。誰か呼んであげま…あ、あ、そうですか。よろしく。」
………
「刺激が強すぎたか…」
「無理もないよ。俺だって水着コンテストのときは…」
「ま、新入りにはなあ…少し休ませたら後方勤務だな。こりゃ。」
「しかし、スク水は(・∀・)イイ!! なあ…」
「だなあ……」
不覚千万(核自爆)
いつものデスク。退屈そうに朝食を取っている。ジャガイモのゆでたのを主食にサーモンソティー。
菊水@甲がノックをして入室。そちらを見もせずに食事を続ける。
「お食事中失礼いたします。」
「朝にパンっていうのはどうも脳に活力がいきわたらない気がするものだね。」
「はあ。」
「だからといってご飯に味噌汁っていうのもどうかなと思うが。別に朝からステーキって言うのも悪くないんだ。」
「報告を…してよろしいのでしょうか?」
「いいよ。私が勝手に食べてるだけだから。どうせ私を喜ばせてくれるような報告はないんだろう?」
「…それは発言としてはかなりどうかと思うのですが…」
数十秒の後。一瞬ナイフとフォークを止める。が、また食べだす。
「ふうん……死に体と思っていた連中が生きていた…か。」
「いかがいたしましょう。既に出動の準備はできておりますが。」
「キミがそんなに好戦的だとは思わなかったな。まあ、待とうよ。せっかくの機会なんだから。」
「ですが、放置するのは危険だと思われます。」
「ふふ、愉快じゃないかね。彼らは自ら死地へとの道を踏み出したのだよ?我々が進んできた血の道を。
その覚悟もない連中が大半であろうに。楽しみだな。どんな軍団を組織するのかな。どれぐらい動員するのかな。
ああ、愉快だ。実に愉快だ。」
「………」
「とはいってもあまりやりすぎてもらうのは好ましくないな。とりあえず後顧の憂いくらいは絶っておく。準備ってのは
しておくものだ。有事なんてのはいつあるか分からないから有事と言うんだしね。」
「では、手配をしておきます。」
「よろしく。ああ、そうだ。今日、もなこ殿下はプールにお出かけだそうな。キミも暇だったら行っていいよ。」
「暇ではないんですが…失礼します。」
甲退出。食事も終了。葉巻を取り出して、自分で火をつける。その表情に明らかにひどく歪んだ笑みを浮かべて。
大和 撫子はパークのオーナーと型通りの挨拶を済ませ、型通りのコメントをとる。
ごく普通のインタビューだった。あまり奇抜なアプローチは、今回は必要ないだろう。
雄一「じゃあ先ずは、天気の良いうちにパークの外観から撮影しましょう」
撫子「了解。ちゃっちゃっと行きましょう!」
プールの外壁、コンクリートの壁の上に有刺鉄線が張ってある。
で、その壁の上。有刺鉄線の隙間からのぞく目が2つ。
足をコンクリの壁に打ち付けて固定し、足場を確保している。
「あーん、もなこたん(・∀・)イイ!! スク水は紺に限るわ!うらやますいい!!(;´Д`)ハァハァ 」
濃紺の和服に割烹着という暑くないのかよ!とツッコミを受けそうな姿。
目が爛々と輝き、口からはよだれをこぼし、腰を振っているあられもない姿。
「あーもう!なんであたしはプールに入れないのかしら?なっとくいかないわあ…」
えーと、あなたが化け物だからですが…
「あ、そっちに行かないでよ。遠くなっちゃうじゃないのー。もう!移動しなきゃ。ベストポジションを維持しないとね♪」
非常に愉しそうに壁を降りてスキップしながら次のポイントへ向う。
「うーん、プールサイドだったらいいのかなあ?でも見つかるとおねえちゃんに怒られるしなあ…」
そしてポイントを変えるたび、壁に凹みが増えてゆく……
水兵服を着た猫耳が3体、サイダーを飲んでなにやらごちている。
わかば「私たち全然出番ありませんね、姉妹。」
ふたば「もう誰も覚えてないかも…。どうしたらいいのでしょう、姉妹。」
よつば「…かたわればっかりかわいがられてるの〜!むっか〜なの!」
>570
パークの外周を一周しながら、見栄えのいい撮影箇所を探す二人。
雄一「……この辺の壁、なんだかボコボコですね」(妙に不自然な傷だけど)
撫子「こんな目立つ傷を補修しないなんて、本当に経営難のようね」(なんだか真新しいけれど)
雄一「あっ?」
撫子「何?」
雄一「いえ、何でもありません」(一瞬、黒い影が目の端に映ったような……)
>>566 よかった・・・。
喜んでもらえたようです。
でも、顔見知りの人が来たら緊張して失敗してしまうかも・・・。
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⊂(###)つ /| コソーリ・ウメタテ
しUUJ //,' |
(゚∀゚ ) //,'丿
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