◆ほのぼの逃避行 ICO(イコ) stg13◆

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>>202に続いて、漏れも妄想ネタ思いついたんで貼ります。
長いので覚悟せよ。
ゆんゆん送信するゼ〜!!!

イコ後日譚

お城を無事に抜け出したイコは、自分の生まれた村に帰ろうと思いました。角も折
れて無くなってしまいましたので、他の村の人たちと同じよう生きてもきっと構わ
ないに違いありません。また、ヨルダも、もう帰るところがありませんでしたの
で、イコの村に来て暮らすことにしました。村の人たちと話し合って、森のはずれ
の小屋に、二人で暮らすことになりました。イコとヨルダは、森のはずれのその小
屋で、姉弟のように仲良く、平穏な日々をおくりました。

二人で毎日平和に暮らしていると、あのお城での出来事が、まるで夢の中でのこと
のように思えるときもありました。ヨルダは、少し夢みがちな普通の少女のように
見えましたし、イコも、もうこれからずっと、いけにえのことを考えずに生きてゆ
くことができるのです。二人の幸せな日々を邪魔するものはまったく何も無いよう
でした。

つづく
224ゆんゆん送信中:01/12/20 01:14
でも、二人には、ただ一つだけ気がかりなことがありました。その気がかりなこと
とは、ヨルダが毎晩みる悪夢のことでした。ヨルダがイコに話してくれたことによ
ると(ヨルダはこのときには、もうずいぶんイコ達の言葉をおぼえていたので、夢の
内容を教えてくれることができたのです、) 夢の中でヨルダは、まだあの城の中に
居て、大広間の冷たい玉座に座り、陰鬱な城の中で影たちだけを相手にいつ終わる
とも知れない孤独な時間を過ごしているのだと言います。ヨルダは毎晩のように、
その悪夢にうなされて目を覚ましました。また、そうこうするうちに、悪夢からく
る暗い気持ちのせいで、ヨルダはついには病気になってしまいました。

イコは最初のうちは、そんな病気はヨルダの気持ちだけの問題だと思っていました
ので、今までのことは忘れて元気を出すように、ヨルダをはげましていましたが、
そのうちに、もしかするとお城の不思議なちからのせいで、ヨルダが苦しめられて
いるのではないかと思うようになりました。もちろんイコは、あの城は崩れてし
まってもうないのだとヨルダに聞かされていましたが、ひょっとすると何か手がか
りがあるかもしれないと思い、一人で城跡に行ってみることにしました。

つづく
225ゆんゆん:01/12/20 01:15
イコは次の日、朝早くに家を出て、城跡の様子を見たらその日のうちに帰ってくる
つもりでした。ところが城に行く途中の道は思った以上に歩きにくく、森を出て、
海に突き出た断崖についたころには、すっかり夕方になってしまっていました。イ
コは、海にそってお城のあった辺りを探してみましたが、ヨルダに聞いた通り、お
城はあとかたもなくなっていました。

結局なにも見つけられず、イコなんだか肩透かしをくらったような気がしました
が、とにかくもうこれから帰ることもできませんので、橋詰のあとの辺りで夜を明
かすことにしました。今夜は幸い満月の月夜でしたので、暗闇を恐れることもなく
夜を過ごすことが出来ました。いつの間にかイコは、うとうとと眠り込んでしまい
ました。

つづく
226送信ゆんゆん光と光:01/12/20 01:16
夜中に、誰かに呼ばれたような気がして、イコはふと目を覚ましました。満月はも
うずいぶん高くなっていて、夜中にもかかわらず辺りの様子をはっきりと見ること
が出来ました。声は海の方、つまり以前はお城があった方から聞こえたような気が
しましたので、イコは海のほうに様子を見にいきました。すると、とても不思議な
ことに、昼間には影も形もなかったお城が、煌々と降り注ぐ月光に照らされて、今
ははっきりと見ることができました。イコは夜になって急にあらわれたお城を不思
議に思い、また恐ろしくも感じましたが、ヨルダを苦しめるちからの源がきっと関
わっているに違いないと思いましたので、城まで行ってみることにしました。

イコのいた橋詰からお城までは、まっすぐに橋がかかっていましたので、イコは正
門まで簡単に行くことができました。そして、前に来たときはあれほど苦労して開
けた正門が、今はイコを迎えるかのように大きく開かれていました。

つづく