1 :
名無しのオプ :
2007/06/07(木) 07:35:36 ID:Gs5sxjVS
2 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 07:38:21 ID:Gs5sxjVS
・選択肢は一番最初にレスした人のものを採用する。ただし、書き手の意思、あるいは途中参加者の希望により、複数の選択肢の続きを書く場合においては、この限りではない。 ・進行中のシナリオは、最新の筆者が特別の意思を示していない場合は、 (このシナリオは一人で書かせて下さい、等) 誰でも途中から参加し、創作することができる。 ・シナリオを続きから書く場合は、何番のレスからの続きなのか明記する。 ・選択肢を選ぶ際、複数シナリオの選択肢があり選択肢が選択されてない場合、選択者はできるだけアンカーでどのシナリオの選択肢の選択か明記しておく。 ……………………………………………………………………………… ※かまいたちの夜風の文章では、「僕」ではなく「ぼく」の方が 原作に忠実です(強制ではなく推奨) ※ゲームオーバーになったら、直前の選択肢に戻ってやり直しましょう。 ※誰でも参加できます。 別にレベルの高い文章じゃなくても大歓迎です。 また、完結型ショートストーリーも大歓迎です。 どんどん投稿してスレを盛り上げましょう。
3 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 07:52:43 ID:DDUfM9pq
(前スレ「2ちゃんだけのかまいたちの夜 Part5」の
>>433 より)
ぼくは、『新OL三人組』の部屋に集まった全員の顔を順番に見ていった。
まず、真理だ。真理は、冬美ちゃんを抱いて、心細そうな表情をしている。
奥さんを殺された小林さんは、左手の薬指に嵌めた指輪を、じっと見つめている。
現在犯人扱いされている俊夫さんは、苛立たしげに拳を開いたり閉じたりしていた。
俊夫さんの隣にいるみどりさんは、俊夫さんの横顔を見ている。
小林さんと同じく奥さんを殺された香山さんは、隣に座っている夏美さんを心配そうに
見つめていた。
夏美さんは、無言で携帯電話をいじっているが、もちろん、圏外のはずだ。
恋人の啓子ちゃんを亡くした可奈子ちゃんは、犯人を見つけてかたき討ちをしようと、
ぼくと同じく全員の顔を見回している。
美樹本さんは、腕を組んで俯いたまま、身動きしなかった。
本当に、この中に、犯人がいるのだろうか。ぼくだって、みんなを疑いたくはない。
だが、ここまで殺人が続いた以上、もはや外部犯の可能性はないだろう。少なくとも、
今日子さんと春子さんの殺害に関しては、外部犯はありえないはずだ。
単独犯ではなく、共犯だという可能性はあるだろうか? あるだろう。だが、これに
関しては、誰と誰が共犯関係にあってもおかしくない。
そして、大きな謎は、「雪崩を起こした理由」と「田中さんをバラバラにした理由」の
二つだろう。細かい謎は、数え切れないほどある。
そして――ぼくには、ついに、犯人が分かった。大きな謎も、小さな謎も、すべての
パズルのピースが一つになり、ぼくの頭の中に絵を描いた。
ああ、そういうことだったのか、とぼくは思った。
一連の事件の犯人は……
〈名前を入力してください。複数犯だと考える場合は、複数名の名前を入力してください〉
4 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 10:16:35 ID:5hriPuTM
こばやしじろう
5 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 10:50:12 ID:DDUfM9pq
>>3 一連の事件の犯人は、小林さんだ。
小林さんが雪崩を起こした理由は……
Aぼくを殺すためだ。
B真理を殺すためだ。
C美樹本さんを殺すためだ。
D啓子ちゃんを殺すためだ。
E可奈子ちゃんを殺すためだ。
F夏美さんを殺すためだ。
G春子さんを殺すためだ。
H冬美ちゃんを殺すためだ。
Iシュプールの中にいた人全員を生き埋めにするためだ。
J電話線を切断するためだ。
K車を使えなくするためだ。
L死体を隠すためだ。
M警察の介入を防ぐためだ。
N爆弾を爆発させた本当の理由を隠すためだ。
O雪隠し伝説が起こるのを防ぐためだ。
P田中さんの死体を発見させるためだ。
Qジェニーが消えたのを隠すためだ。
R双子の存在を隠蔽するためだ。
6 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 14:05:40 ID:z13fkEAu
Bでお願いします。
7 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 15:00:25 ID:DDUfM9pq
>>5 一連の事件の犯人は、小林さんだ。
小林さんが雪崩を起こした理由は、B真理を殺すためだ。
……おかしい。それでは、辻褄が合わない。小林さんが真理を殺そうと
していたとは考えにくい。
ぼくは、もう一度、よく考え直すことにした。
(
>>3 または
>>5 に戻り、選び直してください。また、選択肢を選ぶ際には、
アンカーでどのレスの選択肢を選んだのか書いてください)
8 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 15:05:53 ID:76DoR/ns
9 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 15:51:04 ID:DDUfM9pq
>>5 一連の事件の犯人は、小林さんだ。 小林さんが雪崩を起こした理由は、L死体を隠すためだ。 小林さんが田中さんをバラバラにした理由は…… A現場に残された血液の量が少ないことを誤魔化すためだ。 B田中さんの身体のパーツが足りないことを誤魔化すためだ。 C田中さんの性別を誤認させるためだ。 D田中さんの素性を誤魔化すためだ。 E田中さんの本名を隠すためだ。 F田中さんが殺された場所を誤認させるためだ。 G田中さんが殺された時刻を誤認させるためだ。 H田中さんが殺された凶器を誤認させるためだ。 I田中さんのダイイングメッセージを隠すためだ。 J田中さんの身体を持ち運びやすくするためだ。 K田中さんの身体的特徴を目立たなくするためだ。 Lある人物のアリバイを成立させなくするためだ。 M田中さんが自殺したことを隠すためだ。 O田中さんが病死したことを隠すためだ。 P田中さんが事故死したことを隠すためだ。 Q田中さんが本当はまだ生きていることを隠すためだ。 R田中さんの胃の内容物を取り出すためだ。 S田中さんの刺青を消すためだ。 T田中さんがコートを身に着けていた本当の理由を隠すためだ。 U田中さんがサングラスを身に着けていた本当の理由を隠すためだ。 V田中さんと小林さんが双子であることを隠すためだ。 W小林さんは、サイコパスだったかったからだ。 X小林さんは、多重人格だったからだ。 Y小林さんは、バラバラにすることにエクスタシーを感じるからだ。 Z田中さんがバラバラにされることを望んだからだ。
10 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 16:07:07 ID:vrYiEKnd
11 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 17:00:08 ID:DDUfM9pq
>>9 Q田中さんが本当はまだ生きていることを隠すためだ。
「みなさん。田中さんは、まだ生きています。全員でシュプールを捜索しましょう」
ぼくがそう提案すると、誰もが理解できないという表情をした。既に、シュプールの中に
不審人物がいないことは調べてあるからだ。だが、ぼくはそれでも強引にシュプールの
中を隈なく調べた。
結局、田中さんは発見されなかった。
ぼくは、小林さんが田中さんが生きていることを隠すために、偽の死体をバラバラに
したのだと思っていた。それならば、田中さんはとっくに逃亡しているはずである。その
ことに気づいたのは、救助隊に救出されてからだった。
小林さんが犯人であるという証拠は何も見つからなかった。
あの事件から十五年が過ぎ、時効も成立し、ついに迷宮入りとなった。
生き埋め編バッドエンド1「迷宮入り」
(
>>3 、
>>5 、
>>9 のいずれかに戻り、選び直してください)
12 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 17:10:15 ID:6vQwUd3p
13 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 17:24:48 ID:DDUfM9pq
>>9 J田中さんの身体を持ち運びやすくするためだ。
そう考えてから、どうして持ち運びやすくする必要があったのだろう、とぼくは
思った。
田中さんが殺された現場が、田中さんの自室であったことは、現場に残された
血飛沫や血痕が示している。
つまり、犯人は、田中さんの部屋から、別の場所に移動するときに持ち運び
やすくしようとしたということになる。
どこへ持ち去るのだ?
まさか……キッチン?
小林さんは、料理人だ。そして、ついに、彼は禁断の食材に手を出してしまった
のだろうか。
だが、どこにも、そんな証拠はない。
昨夜、小林さんが作ってくれた豪華な料理の数々の中に、得体の知れない
肉が混ざっていたことは、ぼくの胸に仕舞っておこう……。
生き埋め編バッドエンド2「料理の食材」
(
>>3 、
>>5 、
>>9 のいずれかに戻り、選び直してください)
14 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 19:44:28 ID:vSNPfNq6
>>165 さん
素朴な疑問なのですが、仮に小林さんが犯人でなかったとして、
>>5 と
>>9 の選択肢が全部選ばれるか、
>>3 で真犯人が選ばれてそっちで話が進むまで
今のような感じで進むのですか?
それとも小林さんが犯人であるからこそ、更に
>>5 や
>>9 の選択肢が出現したのですか?
>>3 からでも選択を可能にしてる意味が、無実の人を犯人扱いしたバッドエンドの補完もしてくれる為だけか、
犯人が小林さん(一人)とは限らないという可能性を残してくれてるのかのどっちかだけでも教えてもらえると、
自分(だけかもしれないけどw)のようにここまでヒントを出されても犯人が全く分からない住人には選びやすいのですが。
15 :
165 :2007/06/07(木) 20:42:12 ID:Nh+cVAqh
>>14 あ……そうなんですか。
いや、「こばやしじろう」と「L死体を隠すため」が、あまりにも早い段階で選ばれたので、
てっきり、ヒントを出しすぎたせいで、みんな真相を見破っていたのだと思い込んでいました。
正直に言うと、あの二つを見たときに、あんなにヒント出すんじゃなかった! って後悔したんですよ。
指摘してくれてありがとうございました。
えーとですね、単独犯だと考えた場合は、小林が犯人で正解です。
ただし、複数犯だったと考えた場合は、まだ数人犯人である余地の残っている人物がいるので、
そちらバージョンのエンディング(解答編)も考えていたんですよ。だから、
>>3 に戻って選んでもいいと
書いたのですが……。
でも、小林の単独犯だと考えるのが一番矛盾が少ないので、これが正解です。
じゃあ、
>>9 の中から選んでください。
もう、ここまで来たら勘で選んでくれていいですよ。
16 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 21:29:55 ID:U6M7X1Bw
17 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 21:50:50 ID:Nh+cVAqh
>>9 T田中さんがコートを身に着けていた本当の理由を隠すためだ。
本当の理由?
そんなものがあるだろうか。田中さんは、アトピー性皮膚炎を隠すために、コートを
着ていたのではなかっただろうか?
ぼくは、もう一度、よく考えることにした。
(
>>9 に戻る)
18 :
名無しのオプ :2007/06/07(木) 22:11:04 ID:vSNPfNq6
ではRでお願いします
19 :
生き埋め編165 :2007/06/07(木) 22:28:01 ID:Nh+cVAqh
>>9 R田中さんの胃の内容物を取り出すためだ。
胃の内容物。いったい、何だと考えることができるだろうか。
ぼくが真っ先に思いついたのは、田中さんが小林さんの弱みを握っており、その証拠となる
テープや、証拠を保管してある金庫の鍵などを飲み込んだという可能性だった。
もしくは、田中さんに毒物を飲ませており、その毒物が検出されないようにしたのかもしれない。
……駄目だ。よく分からない。
ぼくは、もう一度、考え直すことにした。
(
>>9 に戻る)
20 :
名無しのオプ :2007/06/08(金) 07:49:18 ID:TyY8AJE4
Fで
21 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 08:23:38 ID:2mHIkZls
>>9 F田中さんが殺された場所を誤認させるためだ。
……いや。田中さんが殺害された場所は、やはり田中さんの部屋だと思う。
もう一度、よく考えてみよう。
犯人は、小林さんだ。そして、小林さんが雪崩を起こした理由は、死体を隠すためだ。
その死体は、どこにあったものなのか?
外だ。
雪崩を起こすことで、外にある死体を隠したのだ。ドアの外も窓の外も雪で埋もれて
しまえば、どこに死体が隠されているのか知らない限り、わざわざ除雪して死体を探そう
とはしないだろう。
その、外に隠されていた死体は、いったい誰のものだったのか?
それは――田中さんであり、同時に田中さんではない人物だ。まるで禅問答のようだが、
そうとしか言いようがない。
では、小林さんはなぜ、田中さんの身体をバラバラにしたのか? 何のために?
ぼくは、もう一度、よく考えることにした。
(
>>9 に戻る)
22 :
名無しのオプ :2007/06/08(金) 09:58:27 ID:Ona4+BiI
V
23 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 21:17:29 ID:1QLGSBXU
>>9 V田中さんと小林さんが双子であることを隠すためだ。
田中一郎と、小林次郎。
一郎と、次郎。
確かに、名前だけを見れば、双子であってもおかしくないような気もする。だが、さすがに
田中さんと小林さんが双子であったという可能性は低いだろう。
まず、顔が全然違う。二人が一卵性双生児だったのだとしたら、もっと似ているはずだ。
まったく違う人生を歩んでいたとしても、DNAが同じなら、もっと似ているだろう。さらに、
一卵性双生児であることを隠すのならば、身体をバラバラにするのではなく、顔を潰す
方が効率的である。
また、二卵性双生児だったのだとしたら、DNAは普通の兄弟と同じくらいしか似ていない
ので、顔だって全然違うだろう。別に、自分から言い出さなければ兄弟だとは分からない
だろうし、そっくりなのだとしたら、一卵性双生児のときと同じように、バラバラにするのでは
なく、顔を潰すだろう。
……ぼくは、先ほどから、何やら奇抜な可能性ばかり検討しているような気がする。
どれも、非常にもっともらしい。だが、小林さんが田中さんをバラバラにしたのだとしたら、
もっと切実な理由があるはずなのだ。
どんな理由か? もっとも可能性が高い理由は、田中さんをバラバラにすることで、
小林さんが容疑者リストから外れる、というものだろう。
実際、小林さんは、一度は田中さんを殺したのではないかと疑われながら、うまく逃げ
おおせている。
ぼくは、もう一度、よく考えることにした。
(
>>9 に戻る)
24 :
名無しのオプ :2007/06/08(金) 21:26:13 ID:FgE1XjfA
25 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 22:26:24 ID:b3plEAxk
>>9 一連の事件の犯人は、小林さんだ。
小林さんが雪崩を起こした理由は、L死体を隠すためだ。
小林さんが田中さんをバラバラにした理由は、G田中さんが殺された時刻を誤認
させるためだ。
……そうだ。そう考えれば、全ての辻褄が合う。
「皆さん。聞いてください。一連の事件の真犯人が分かりました」
ぼくがそう言うと、真理、小林さん、香山さん、夏美さん、可奈子ちゃん、俊夫さん、
みどりさん、美樹本さんの八人は、一様に驚いた顔をした。何も知らずに眠っている
のは、冬美ちゃんだけだ。
「透。いったい、誰のことを言っているの?」
真理が、怯えたような表情で言った。
「一連の事件の犯人は、小林さんです」
ぼくがそう言い切ると、非常に居心地の悪い沈黙が流れた。
「透くん。きみは、本気で言っているのか?」
小林さんが、険しい表情で言った。
「はい。ぼくは、本気です」
「馬鹿も休み休み言ってくれ! 私には、田中さんが殺されたときに、アリバイがある
んだぞ! 田中さんが五時半過ぎに戻ってきてから、私はずっと、今日子や久保田
くんや篠崎くんと一緒にいた。それから田中さんのバラバラ死体が発見されるまで、
私が一人になったのは、田中さんにルームサービスのピザを届けた十分間だけだ!
それだって、キッチンから田中さんの部屋までを往復するには、全速力で走ったって
三分くらいはかかるだろう。つまり、差し引き七分くらいしか、私には田中さんをバラ
バラにできた時間はないんだ。死体をバラバラにするには、三十分はかかるだろう。
とてもじゃないが、七分やそこらでバラバラにできたはずがない!」
小林さんが怒鳴った。
「アリバイがあるのは、全員同じですよ。田中さんが殺されたと思われていた時間帯
には、美樹本さんを除く全員にアリバイがありました。ところが、今日子さんが殺された
と思われる時間帯には、美樹本さんにもアリバイがありました」
「つまり、透くんの言いたいのは、田中さんが殺された時間帯の小林さんのアリバイは
偽装やったっちゅうことか?」
香山さんが訊いた。
「そうです。小林さんのアリバイは、偽装だったんです」 ぼくはそう言い切った。 「でも、透。どうやったら、たった七分で田中さんをバラバラにすることができるの?」 真理が、困ったような顔で言った。自分の叔父さんが犯人扱いされているのだから、 当然の反応だろう。ぼくだって、こんなことは言いたくない。だが、愛する真理を守る ためにも、事件の真犯人を突き止めなければならないのだ。 「いや。七分間で田中さんをバラバラにすることは、不可能だっただろう」 ぼくが言うと、部屋にいた全員が呆れた表情をした。 「透くん。さっきから、言っていることが滅茶苦茶よ」 みどりさんが言った。 「いえ。ぼくが言いたかったのは、七分間で田中さんをバラバラにすることは不可能だった だろうけど、田中さんの首を切り落とすだけなら、余裕だっただろう、ということです」 「田中さんの首を切り落とすだけ? 確かに、それなら、四分か五分くらいでできそう だけど……田中さんの身体は、バラバラだったぞ?」 俊夫さんも、腑に落ちないという表情で言った。 「違います。ぼくたちが八時過ぎにバラバラ死体を発見したときの時点では、田中さんは まだバラバラではなかったのです」 ぼくが言うと、さらにみんなは混乱した顔をした。 「わけ分からんのやけど……」 夏美さんは、哀れむような表情でぼくを見た。ぼくがおかしくなっていると思っている のだろう。 そのとき、真理が、ハッとした表情をした。 「もしかして……透の言いたいのは、田中さんの部屋でバラバラ死体が発見された八時 過ぎの時点では、そのバラバラ死体のうち、首から上と、首から下では、別人の身体 だったってこと?」 「その通りだ。八時過ぎの時点では、首から上は田中さん本人のものだったが、首から 下は、まったく違う人間の身体だったんだ」 ぼくが言うと、今度は全員が理解したらしく、一様に蒼ざめた。 小林さんは、悔しそうに唇を噛んでいる。
27 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 22:59:17 ID:b3plEAxk
ぼくは、推理を続ける。 「いくらか想像で補っている部分もありますが、小林さんがとった行動は、次のようなもの だったと思います。まず、小林さんは最近、ある男性を殺害していたのです。おそらく、 一昨日から昨日の午前中にかけてくらいの間でしょう。それが発作的なものだったのか、 計画的なものだったのかは分かりませんが、とにかく、昨日の五時過ぎに田中さんがシュ プールに戻ってきたときの時点で、シュプールの近くには、既に死体が一体あったのです。 その死体は、小林さんの手によって、予めバラバラにされていました。小林さんが、その 死体を隠していた場所は、近くの雪の山の中でしょう。かまくらのような穴を掘って、 その中に死体を隠していたのです。こうすれば、天然の冷凍庫のおかげで、死体が腐敗 することもないし、検死されても死亡推定時刻を特定するのは難しくなりますからね。 そして、次に、小林さんは田中さんを殺害することにしました。ただし、普通に殺した のでは自分が疑われてしまいますから、アリバイを偽装することにしました。まず、 昨日の五時過ぎに田中さんがシュプールに戻ってきた後、田中さんは俊夫さんに出迎え られ、自分の部屋に戻りました。ぼくの想像ですが、このとき、田中さんは自分の部屋で 小林さんと待ち合わせていたのではないかと思います。そうすれば、田中さんの行動を 自由に操ることができますからね。部屋に戻った田中さんは、予め小林さんが用意して おいた、自動的に田中さんを殺すことのできる仕掛けによって、命を落としました」 「ちょっと待って」 真理が口を挟んだ。 「何だい?」 「その仕掛けって、いったい何?」 ぼくは、真理の質問に答える。 「例えば、『少し待ち合わせの時間に遅れそうですから、その間ワインを飲んで待って いてください』という手紙とともにワインを置き、そのワインに毒を入れていたのかも しれない。もしくは、バスルームのドアを開けると、上から鈍器や刃物が落ちてくる という仕掛けだったのかもしれない。だが、一番可能性が高いのは、田中さんがアトピー 性皮膚炎であることを利用したことだと思う。田中さんは、朝と晩に痒み止めの薬を 飲んでいたんじゃないかな。その痒み止めの薬を、留守の間に、毒物とすり替えていた のかもしれない」
28 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 23:16:16 ID:b3plEAxk
「とにかく、どうにかして、田中さんを殺していたんだろうな」 俊夫さんが言った。ぼくは頷いた。 「そうでしょうね。田中さんの首を切り落として身体をすり換える時間を少しでも短縮する ために、小林さんがルームサービスのピザを持って田中さんの部屋を訪れた時点で、 田中さんは既に亡くなっていたと考えた方がいいでしょう」 「ということは、あの内線の電話は、偽の電話だったのね」 みどりさんが言った。 「そうですね。先ほど美樹本さんが見せてくれた方法を使えば、いつでも好きなときに 内線電話を鳴らすことができますから、後は一人芝居をして田中さんにルームサービスを 頼まれたようなふりをすればいいだけです」 ぼくは答えた。 「でも、私、俊夫くんが犯人扱いされていたときにも思ったんだけど、キッチンにいた マスターが受話器を元に戻した後、また内線電話が鳴り出すということはないのかしら? だって、空き部屋の受話器は外れたままなんでしょう?」 みどりさんが不思議そうに言った。 「いえ、それはありませんよ。普通の電話でもそうですが、自分だけが受話器を下ろし ても、相手が受話器を元に戻さなければ、回線は繋がったままなのです。つまり、電話が 再び鳴り出すということはありません」 ぼくは答えた。 みどりさんは、納得した表情になった。 ぼくは、推理を続けることにした。 「少し話が前後しますが、小林さんたちが夕食の準備を始めるまでの間に、小林さんは、 それまで隠しておいたバラバラ死体を、掃除用具入れの中に移動させておいたのでは ないかと思います」 「どうしてそう思うの?」 真理が訊いた。 「猫のジェニーが掃除用具入れの中から見つかったからだよ。ジェニーが掃除用具 入れの中に侵入するためには、誰かが掃除用具入れのドアを開けっ放しにして、なお かつ目を離していないといけない。ジェニーは、その間に掃除用具入れの中に侵入 したんだ。目を離した隙というのはもちろん、小林さんが、予め隠しておいたバラバラ 死体を取り出すときだよ」 ぼくはそう言った。
29 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 23:36:49 ID:b3plEAxk
「さて、ここまでで、大体理解してもらえたでしょうが、もう少し分かりやすく説明する ために、小林さんの行動を時系列に解説します。まず、小林さんは、ある男性を殺害して しまいました。分かりにくいので、仮にAさんとします。小林さんは、誰にも知られない ようにAさんをバラバラにし、近くの雪の中に隠していました。次に、小林さんは雪崩を 起こすために、近くの山の斜面に時限爆弾をセットしました。ここまでは、一昨日までの 時点ですべて準備することができたでしょう。次に、今日の午前中にシュプールの部屋を 掃除した際に、小林さんは、田中さんを自動的に殺害するための仕掛けをしました。その 仕掛けというのは、ぼくがさっき言ったように、田中さんの痒み止めの薬を毒物とすり 替えていた可能性が高いです。痒み止めの薬というものは、何時に飲むか指定されること が多いので、その時刻を知っておけば、田中さんが命を落とす時間も簡単に推察できます。 そして、田中さんが確実に自分の部屋で薬を飲むように、その薬を飲まなければならない 時間帯に、田中さんの部屋で、田中さんと待ち合わせておきます。次に、小林さんは、 バラバラにしておいたAさんの死体のうち、首から下の身体だけを、掃除用具入れの中に 隠しておきます。そして、田中さんの部屋の窓の真下に、穴を掘っておきます。この穴 というのは、積もった雪だけに穴を掘ったのではなく、地面まで掘り進めておいたのでは ないかと思います。ちなみに、田中さんの部屋の真下というのは、キッチンの勝手口を 出て一メートルほど進んだ場所です。そして、小林さんはAさんの首を穴の中に入れ、 少しだけ土か雪を被せて、Aさんの首を隠しました。さらに、小林さんは、空き部屋の 受話器を取り上げ、素早くそのフックの上に携帯電話を置きました。この携帯電話は、 もちろんマナーモードにしておいたものです。これで準備完了だと言いたいですが、 まだ田中さんの首を切断するという大仕事が残っているので、鋸とか斧のようなものを 掃除用具入れの中に隠しておいたことでしょう」 ぼくはもう一度、頭の中で整理した。 ここまでで何か忘れていることはないだろうか? そう考え、一つ忘れていたことに気づいた。他にも忘れていることはあるかもしれない が、別に後で付け足してもいい。
30 :
生き埋め編165 :2007/06/08(金) 23:56:03 ID:b3plEAxk
「そうそう。『こんや、かまいたちがあらわれる』という手紙は、夕食の準備を始めるまで に書いておいたと思います。その手紙は、ポケットの中に入れておいたのでしょう。さあ、 これで、準備完了です。ここからは、非常に忙しくなります。田中さんが五時半過ぎに シュプールに戻ってくるからです。このとき、絶対に小林さんは田中さんを出迎えては いけません。先ほど俊夫さんが犯人扱いされたときのように、田中さんがシュプールに 戻ってきたことそのものが偽装なのではないかと疑われる危険性があるからです。いえ、 別に出迎えてもいいような気もしますが、少なくとも、一人で出迎えてはいけません。 小林さんの立場なら、俊夫さんやみどりさんに一言『忙しいから代わりに行ってほしい』 と言えば、解決します。このときは、たまたま俊夫さんが自分から出迎えに行ってくれた ので、助かったことでしょう。この後、田中さんは自分の部屋に戻り、亡くなりました。 そして、六時少し前に、小林さんはシュプールオリジナルのケーキの生地を完成させて、 オーブンの余熱も終わった後で、二階の空き部屋の携帯電話に電話し、内線電話を鳴らし ました。田中さんにルームサービスを頼まれていると想像しながら、一人芝居をします。 近くには俊夫さんもいましたが、キッチンというのは絶えず物音がしているものなので、 別に受話器から漏れる声が聞こえなくても、不審に思われることはないでしょう。そして、 小林さんは、ケーキの生地の代わりに、冷凍のピザを焼き始めます。そこへ、ぼくと 真理がシュプールに戻ってきました。そのとき戻ってきたのは、田中さんではなく、姪と その恋人なのだから、別に自分で出迎えてもいいと判断したのでしょう。玄関に行き、 真理の抱いている冬美ちゃんを見て、小林さんは非常に驚いたことでしょう。小林さんは 『きみたち、大変なことをしてくれたな』と溜め息をつきました。ぼくが『どういう意味 ですか?』と訊くと、小林さんは『その子は私の隠し子なんだよ』と言い出しました。 本心だったのかどうかは分かりませんが、おそらく本気で言ったのでしょう。ところが、 赤ちゃんの名前が冬美だと聞き、自分の子供ではないと言って、キッチンに戻って行き ました。このときのアリバイは、ぼくと真理が証言するので問題ないと考えたのでしょう」
31 :
生き埋め編165 :2007/06/09(土) 00:13:19 ID:XTG1dQiL
ぼくは推理を続ける。 「さて、キッチンに戻った小林さんは、オーブンのピザを取り出して皿に載せ、代わりに ケーキの生地を入れました。俊夫さんに、ケーキを焼き過ぎないように見ていてくれと 頼みます。小林さんはキッチンを出ると、エプロンを外しながら、田中さんの部屋に急ぎ ます。エプロンを外したのは、少しくらいの返り血を浴びても誤魔化せるようにするため です。もちろん、あまりにも大量の返り血を浴びてしまった場合は、田中さんの部屋の バスルームで返り血を洗い流したり、自分の部屋に戻って着替えたりするつもりだったの でしょう。いくらでも用意する時間はあったのですから、そのとき着ていた服と、全く 同じ服を用意しておくくらいのことはやっていたかもしれませんね。とにかく、田中さん の部屋に着いた小林さんは、急いでドアをノックし、返事がないことを確認してから、 ドアを開けます。田中さんが倒れているのを見ると、すぐに掃除用具入れからAさんの 首なしバラバラ死体と、鋸や斧のようなものを取り出し、田中さんの部屋に入れます。 ジェニーが掃除用具入れに入り込んでしまったのは、このときでしょう。小林さんは ドアを閉め、倒れている田中さんの首を切断します。田中さんは既に絶命しているはず なので、返り血はあまり噴き出さなかったことでしょう。いや――もしかすると、まだ 田中さんは生きていたのかもしれませんね。小林さんが飲ませたのは毒物ではなく、 単なる睡眠薬だったのかもしれません。それなら、勢い良く血が噴き出したので、壁や 床に大量の血痕が残ったことでしょうから。田中さんは自分の部屋に戻ったときにコート だけは脱いでクローゼットのハンガーにかけていたので、無理に服を脱がせる必要は ありませんでした。後は、Aさんの首なしバラバラ死体と、田中さんの首をセットに すれば、全裸のバラバラ死体の出来上がりです。そして、小林さんは、田中さんの首なし 死体を、窓から放り投げました。田中さんの首なし死体は、小林さんが掘っておいた穴の 中に落ちます。このとき、キッチンにいた今日子さんや俊夫さんやみどりさんは、何かの 落下音を聞いていたはずですが、まず不審に思うことはなかったでしょう」 ぼくは言った。 「何で不審に思わんのや?」 香山さんが訊いた。
32 :
生き埋め編165 :2007/06/09(土) 00:39:45 ID:XTG1dQiL
「なぜなら、雪のペンションというものは、頻繁に屋根雪が落ちて音を立てるからです。 夕食の準備に追われていた今日子さんや俊夫さんやみどりさんは、また屋根雪が落ちて きたんだな、と思うだけで、わざわざ何が落ちてきたのか見に行こうとはしないでしょう。 ついでに、このとき、手に持っていたピザも窓から穴に投げ捨てたはずです。空き皿は、 ベッドの脇のテーブルの上に置いておきました。バスルームの鏡で返り血を浴びていない ことを確認してから、田中さんの部屋を出ます。そして、そのときに、例の不審な手紙を、 『新OL三人組』の部屋のドアの下の隙間から滑り込ませました。後は、急いで階段を 駆け下り、キッチンに戻ります。偶然にも、この時間ぼくと真理は、冬美ちゃんのために、 粉ミルクと哺乳瓶を探していたので、鉢合わせせずにすみました。もしも、香山夫妻や 『新OL三人組』や、ぼくや真理に走っている姿を見られたときのために、小林さんは 何かもっともらしい言い訳を用意しておいたことでしょう。おそらく、料理に関係した ことなのではないかと思います。そして、キッチンに戻った小林さんは、七時過ぎに 爆弾が爆発し、雪崩が起きるのを待ちます」 小林さん以外の誰もが、厳粛な面持ちでぼくの話しに耳を傾けていた。雪崩に飲み 込まれて亡くなった啓子ちゃんのことを考えているのだろう。 先ほどまで激昂していた小林さんも観念したのか、まるで他人事のように無関心な 表情でぼくの話を聞いている。 啓子ちゃんと愛し合っていた可奈子ちゃんは、怒りの眼差しを、小林さんに向けていた。 可奈子ちゃんが早まった真似をしないといいが、とぼくは不安になった。 だが、それでもぼくは話を続けた。 「そして――とうとう、雪崩が起きました。大量の雪の塊が、シュプールに押し寄せます。 その雪の塊は、キッチンの勝手口を出て一メートルほど進んだ場所にある穴の上に覆い 被さり、田中さんの首なし死体と、Aさんの首を隠してしまいます。どこに穴があるのか 最初から知っていて除雪しない限り、まず、その死体が見つかることはないでしょうね。 小林さんが雪崩を起こした理由は、その死体を隠すためでした。田中さんをバラバラに した理由は、田中さんが殺された時刻を誤認させることで、アリバイを作るためでした」
「そういうことだったのね……。雪崩を起こしたことや、田中さんをバラバラにしたことにも 何か意味があったんじゃないかと言ったのは私だったけど、まさかそんな理由だった とは思わなかったわ」 可奈子ちゃんが言った。彼女は、恋人である啓子ちゃんの仇をとりたいと言っていた。 ぼくの推理が終わったら、何かするつもりかもしれない。 危険すぎる。 ぼくは、小林さんだけではなく、可奈子ちゃんにも気をつけていようと思った。それと、 奥さんを殺されたばかりの香山さんにも注意した方がいい。叔父さんが犯人だったこと に衝撃を受けている真理のことも心配だ。 推理以外にも考えなければならないことがたくさんあって大変だが、仕方がない。 ぼくは言った。 「さて、雪崩が起きた後、小林さんは、食堂で除雪が終わるのを待ちます。生存者が救出 されて、全員が合流した後、誰かが田中さんの姿がないことに気づいてくれるのを待って いました。そのときはぼくが指摘しましたが、誰も言い出してくれなかったら、自分から 言っていたことでしょう。ぼく、小林さん、俊夫さん、美樹本さんの四人は、田中さんの 部屋に行きました。その途中、俊夫さんが、あの雪崩は人為的なものである可能性が高い と推理し、小林さんは内心、非常に狼狽していたでしょう。幸い、俊夫さんの疑惑は、 姿を見せない田中さんに向かっていたので、小林さんは少しだけ安堵したでしょうね。 ところが、田中さんが怪しいということになると、今度は田中さんの部屋に入るのが危険 だということになり、小林さんは焦ったでしょう。小林さんとしては、早い段階でバラバラ 死体を発見してほしかったからです。小林さんは、物置にモップが入っていると言い ました。ところが、その物置に近づくと、中から音がします。中から出てきたのは、猫の ジェニーでした。小林さんは困ったでしょうが、幸い、誰もジェニーが掃除用具入れに 閉じ込められていたことと、田中さんがバラバラにされていたこと――正確には、田中 さんの生首を持つバラバラ死体が発見されたことを関連づけて考えなかったので、小林 さんは安心したでしょう」
「いよいよバラバラ死体が発見され、俊夫さんたちだけに推理を任せていてはいけない、 ぼくはぼくなりに推理をしようと思いました。真っ先に聞いたのが、『田中さんがピザを 注文したのは六時少し前だと言いましたが、ピザを持って行ったのは何時だったんです か?』という質問だったので、小林さんは困った顔をしていましたよね。内心、早くも 真相を見抜かれたのかと思って、狼狽していたんじゃないですか? しかし、ぼくはまだ 小林さんを疑っていたわけではないので、ただ簡単なタイムテーブルを作っただけでした。 そして、真理が救出されるまでの間に単独行動をすることができたので、小林さんは空き 部屋の床に落ちていた携帯電話を回収し、受話器を元に戻すことができました。ぼくは 食堂に全員を集め、美樹本さんが田中さんに成りすましていた可能性を指摘しました。 あの推理は残念ながら外れてしまいましたが、アリバイのない美樹本さんが怪しいという ことになりました。もちろん、空白の十分間を持つ小林さんも疑われましたが、十分では 死体をバラバラにするのは無理だろうという結論になり、小林さんは容疑者リストから 外れました。小林さんの予定通りでした。香山夫妻の部屋と『新OL三人組』の部屋を 行き来していた夏美さんも疑われましたが、タイミングよく可奈子ちゃんが目を覚まして くれたおかげで、夏美さんもアリバイが成立しました。小林さんは、何としてでも、一人 しかアリバイのない美樹本さんに容疑を向けたかったはずです。そうしないと、次に やらなければならないことが、できなくなってしまいますからね。美樹本さんが外部犯の 可能性を指摘し、シュプールの中を捜索して回りました。もちろん、外に埋まっている 田中さんの首なし死体とAさんの生首が発見されることはありませんでした。俊夫さんが 『もう一度、バラバラ死体を詳しく見てみよう』なんて言い出したときは、小林さんは 冷や冷やしていたでしょうね。でも、俊夫さんは生首の肌が荒れていることから、田中 さんがアトピー性皮膚炎だったことを見抜いただけで、その生首と、首なしバラバラ 死体が別人のものであるとは気づきませんでした。首だけでも田中さん本人のものを 使用したのは、そのためだったのでしょうね」
「どういうこと?」 真理が訊いた。 ぼくは説明する。 「きっと、Aさんと田中さんは、全然違う顔立ちだったのではないかと思います。田中 さんはアトピー性皮膚炎で肌こそ荒れていたものの、美男子と言ってもいいような顔立ち でしたし、福耳なので、サングラスやコートで隠れている部分以外にも、特徴的なところ が見えます。首だけでも田中さん本人のものを使用しなければ、他人であることがバレて しまうと考えたのでしょう。そして、小林さんはさりげなくみんなを誘導し、美樹本さん が犯人だと印象づけ、美樹本さんをトイレに閉じ込めてしまいます。これでもう安心だと いうことになり、小林さんの予定通り、みんなが寝静まります。小林さんは、夜中になる のを待って、今日子さんを殺害します。その死体は、自分たちの寝室に隠しておいたの ではないでしょうか。小林さんは談話室に投げ出してあったシャベルを持って、台所の 勝手口のドアを開けます。外の雪はもう凍っているので、崩れてくる心配はなかった でしょう。小林さんは、ぼくが可奈子ちゃんを救出したときと同じように、かまくらの ような横穴を開けて掘り進めて行きます。やがて、自分が地面に穴を掘った場所まで進む と、その穴を掘り返して、田中さんの首なし死体とAさんの生首を取り出します。その 死体を、誰かに目撃されても言い訳できるように毛布などにくるんで、田中さんの部屋 まで担いで持って上がります。田中さんの首なし死体は、この時点では凍っているので、 バラバラにしても血が噴出すことはなかったでしょう。バラバラにした田中さんの身体と、 田中さんの生首をセットにし、すべて田中さんのものであるバラバラ死体を作ります。 そして、Aさんの身体と、Aさんの生首は、田中さんの窓の真下の穴に戻します。これで、 後で警察に調べられても、田中さんの部屋にあったバラバラ死体の身体がすり替わって いたことは露見しなくなります。小林さんは、Aさんのバラバラ死体を元に戻し、雪で 埋め直して、雪崩で埋もれていたのと同じ状態にします。雪が融けて足りなくなって いたら、談話室にある雪を運んで使ったのでしょう。そして、小林さんは自ら今日子さん の遺体の第一発見者のふりをして、みんなを起こしました。次に疑われたのは―― 真理でした」
36 :
生き埋め編165 :2007/06/09(土) 01:57:11 ID:XTG1dQiL
「でも、ぼくには真理が犯人だとは思えなかったので、ぼくは真理の手を引いて、逃げ ました。逃げ込んだ部屋は、可奈子ちゃんが寝かされていた、従業員用の休憩室でした。 可奈子ちゃんは真理を信じてくれ、部屋の外の俊夫さんたちに体当たりしないでと叫び、 ぼくと真理は立てこもることができました。しかし、その結果、ドアの外にいた六人は 単独行動をすることになってしまい、春子さんは殺されてしまいました。ぼくの推理は、 これで終わりです」 ぼくが言うと、緊張が解けたのか、全員が肩の力を抜いた様子だった。 「待て。きみの言っていることは、すべて想像に過ぎない。どこに、そんな証拠がある んだ? 俊夫くんが腹話術で田中さんが生きているように見せかけたのかもしれない じゃないか」 小林さんが、往生際の悪いことを言った。 「証拠ならありますよ。田中さんの部屋の真下に向かって掘り進めて行けば、Aさんの バラバラ死体が発見されるでしょうから」 ぼくは冷静に言った。 小林さんは、非常に悔しそうな顔をした。 「でも、透。叔父さんが『新OL三人組』の部屋に不審な手紙を入れたのはどうして?」 真理が訊いた。 ぼくは、その理由を答えた。 A「可奈子ちゃんを殺すためだ」 B「啓子ちゃんを殺すためだ」 C「夏美さんを殺すためだ」 D「可奈子ちゃんを助けるためだ」 E「啓子ちゃんを助けるためだ」 F「夏美さんを助けるためだ」
37 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 09:41:39 ID:R3Hg8U/J
F
38 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 11:29:03 ID:XbmImMyh
39 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 12:25:01 ID:NfyoobpJ
殺人の動機はこれから語られるのだろうけど、 殺されそうになった可奈子も含めた六人には共通点があったりするのかな?
40 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 13:04:59 ID:L9oIB9gL
物凄く大掛かりだったな・・・。これで推理は終わりなのかな?まだ回収してない伏線は何が残っているだろう・・・ 予想外のトリックだったけど、もう少しヒントがないと自力で真相にたどり着くのは厳しいと思う。見抜いてた人っているのか? 前スレの犯人当て選択肢で小林を選んでいたら今日子と春子は殺されずに済んだのだろうか? また、別バージョンの解答篇を書くと言っていた人は犯人同じだったのだろうか?
41 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 13:25:31 ID:NfyoobpJ
>>40 全部ネタばらしされた後なら、俊夫さんが田中さんの首しか調べなかったのもヒントだったんだろうなと分かるけどね。
その時は「アトピー性皮膚炎なら、当然身体にもその跡があるって事だよなあ」と漠然と思っただけで、
胴体と首が別々だとは疑いもしませんでしたorz
42 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 13:42:31 ID:PjGWndwC
伏線どころか完全に後付サクサクなんだし、予想以上の天然ボケぶりなので、おとなしくしてるのが吉かと。
会話のテンポが悪いのに、不自然に知識列挙して、頭いいと言われたがってるみたいだけどちょっと難しいな。
トリックも最初の段階では別に予想外ではないけど(てかシュプールに人は何十人いてもいいので)最後まで可能性が多すぎて。
あの状態じゃ永続的に全員可能なままだよ。電話と注文と客の件があるから、小林さんが手っ取り早いだけで。チャイムに細工もできるしね。個別の人物の到着シーン描いてないから余計に笑える。
とか言うとまた別の真相とかやりそうだな。
前スレの
>>213 もそうだけど、まぁ、死亡時間も現場もはっきりしない状態で、タイムテーブルとか言い出した時点で「ああ、やっぱりこの人は」って分かりきってたことだけどね。下準備や伏線とかのしっかりした本格派ではないな。
登場人物が色々な事をわざと見逃さない限りそんな犯行無理だろうね。
褒めるべきところは圧倒的な文章量とペース。
>>41 好意的だな。この人、ホント他の人の話、全然読んでないんだなって感じだった。ミステリー自体あまり読んでないのかも。
>>40 香山さんかな?トリックも何もない小林さんじゃ面白くないから(実際は自分が嘘をついてるだけ)。
43 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 15:55:57 ID:LjZTPe2X
>>42 >会話のテンポが悪いのに、不自然に知識列挙して、頭いいと言われたがってるみたいだけどちょっと難しいな。
44 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 17:09:12 ID:L9oIB9gL
>>42 もしかして前スレで推理wとか書いてたやつか?
違ってたとしてもどうでもいいけど。
後付けってか選択肢編書いてたときには生き埋めとか雪隠しとか考えてなかっただろうなってのはみんな分かってるよ。
俺が評価してるのはあそこまでgdgdになってたストーリーを途中で投げ出さずにここまで立て直したってことと荒らしや煽り(お前らのことだ)に負けない根性だな
楽しんでる人もいるんだから煽るのはやめろ。迷惑だ。
そんなに165が嫌いなら読まなきゃいいだろ。そもそもルールにレベルの高い文章じゃなくてもいいと書いてあるし
トリックが後付けならお前の批判だって後付けだよ。永遠に犯人特定できないと思うなら何で
>>3 のときに指摘しなかった?
何?批判すれば頭いいと言われるとでも思ってるの?それはちょっと難しいよw
45 :
推理 :2007/06/09(土) 17:49:06 ID:YJ+r6tfc
違うよ。別にどうでもいいけど。それに、そいつは前スレの
>>228 でしょ。
みんな結構微妙なもの抱えてるな。そもそもこういうのは可能性がいくらあろうが作者が言ったもんが唯一無二なんじゃないの。まぁそれが納得できるかどうかは人それぞれだろうけど。
とりあえずレベルが高くないってのは同意しとくけど。
46 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 18:20:20 ID:L9oIB9gL
>>45 ああ違うんだ。どうでもいいけどね。
>>42 と
>>228 が同一人物なら165の作品に問題があるというよりも
>>42 の人格に問題がある希ガス
だって
>>42 は作品を批判したいんじゃなくて書き手の人格を批判したがってるんだから
本格派じゃないとか言って批判してるつもりなのか?誰が165が本格派だと言った?
首と胴体が別人で、それを利用してアリバイ作るってのは面白いと思う。
美樹本とか夏美とか真理とか俊夫が犯人扱いされてたのはミスリードだし、そのために可能性残してたんだろ。
ていうかまだそんなに沢山可能性残ってるか?
残ってると思うならお前が解決編書いてみればって言いたい
ああもできるこうもできるて言うだけなら簡単だけど小説にするのは難しいと思う。
文章もそんなに悪くないと思うし。雪隠しの透が壊れてくとことか好き
47 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 18:28:21 ID:g3l+Pilz
48 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 18:52:40 ID:PjGWndwC
>>44-
>>45 ごめん。でも、擁護はしっかりした方がいい。
49 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 18:57:25 ID:NfyoobpJ
>>42 と前スレ
>>228 が同一人物か分からないけど、
内容よりも165自体を批判してるっぽいのは確かに気になる。
それにこういう批判をされちゃうと、自分の文章や話作りに自信がない人はどんどん書き込みづらくなる。
というかあくまでも批評するのは他人なのだから、自信がある人の方が少ないだろう。
そりゃ誰だってレベルの高い物を読みたい。
でもそうでない人もあまり気にせず、どんどん書けるのがこういうスレの良さでもあると思うのだけど。
白状すると、前スレの選択肢編で赤ちゃんと小林さんの隠し子の流れを作ったのは自分。
最終的に選んで話に盛り込んだのが165だとしても、
生き埋め編ではほとんど話に絡まないのに出さなくちゃいけなくて余計な制約付けちゃったなと申し訳なくもあり、
雪隠し編で重要人物の一人にしてくれたのが嬉しくありがたくもある。
それともここいら辺でこのスレの方向性を住人同士でちゃんと話し合った方がいいのかな?
「レベルの低い文章なんて誰も読みたくないから、自信のない奴はROMか選択だけしてろ」ってのも正論かもしれないけど、
自分は出来れば仲良く共存したい。
50 :
49 :2007/06/09(土) 19:12:27 ID:NfyoobpJ
上の文章だとちょっと語弊があるかな。 別にレベルの低い文章でも褒めるだけで馴れ合いたいって意味ではないよ。 批判は批判でしっかりしてくれた方がいい。 その方が相手の為にもなるし、その位の覚悟がなきゃ最初から書く資格ないだろうし。 ただ、「所詮こんなものか」みたいな上から目線の批判や、 「もう書き込むのはやめとけ」とも取れるような突き放した表現は控えて欲しいなって。
51 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 19:13:15 ID:g3l+Pilz
てか165の文章がそんなにレベル低いとは思わないけど 確かに選択肢編は論外と言ってもいいくらいひどかったが、生き埋めや雪書くしでは持ち直してる 違う人が書いてるのかと思った
52 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 19:50:06 ID:NfyoobpJ
>>51 165には悪いけど、自分も最初そう思ってしまった>別の人が書いている
おそらく又荒れてしまうのを危惧してだろうけど、ストーリー以外はしばらくノーコメントだったし。
でも選択肢の多さなどでやはり本人だなと。
53 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 20:06:47 ID:L9oIB9gL
俺も選択肢編書いてた人と生き埋めや雪隠し書いてる人は別人だと思った。 俺の推理によると選択肢を書くだけの165と本文のを書くだけの165がいるんだ。 その二人の関係の方が謎だな 本文を書くだけの165が選択肢編を書き直してくれないだろうか・・・
54 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 20:16:59 ID:F1grRV4L
ようやく購入したパソコンでなんとか2ちゃんねるまで辿り着き、ぼくは流れも読まずに新作を投下してみた。 真理はそんなぼくがいる部屋の扉をけたたましく鳴らして入って来た。 モニターに映る真理の視線は完全にぼくを軽蔑している。 「あほ!透ったら、ヒキコモリみたい」 ぼくはモニターから目を離しながら、まだなにか言いたそうな真理に向き合った。 A「ぼくは現実世界よりネットのほうが好きなんだYO」 B「ヒキコモリじゃなくてヒッキーと言うべきだよ」 C「俺様がデブったと言いたいのか!?この腐れマ○コが!」
55 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 21:05:14 ID:pT3kK4/e
B
56 :
名無しのオプ :2007/06/09(土) 22:38:54 ID:LjZTPe2X
57 :
名無しのオプ :2007/06/10(日) 23:46:19 ID:jzvQZUug
『引きこもりと言うより、ヒッキーが正解だね。』 僕がそう言うと、真理は悲しそうな瞳で語り掛けた。 『もうニートの貴方にはウンザリよ・・・サヨナラ。』 そう言い放ち真理は、出て行ってしまった。 このままでは、最愛の人を失うことになる。 いつから僕はこうなってしまったのだろう? 今、深く考えている余裕が無いことに気付いた僕は・・・ A:真理を追い掛けた! B:PCの画面に目を戻した。 C:泣けてきた。
58 :
名無しのオプ :2007/06/11(月) 00:49:48 ID:BiitYHRr
C
59 :
名無しのオプ :2007/06/12(火) 17:53:25 ID:2f2UX6J1
まとめ更新まだ?(´・ω・`)
60 :
名無しのオプ :2007/06/13(水) 00:34:29 ID:iyihG1lX
どこぞのバカがくだらねぇレスしやがるから 物語が止まっちまったじゃねえか! 書き手さん、気にせず続けて下さいよ〜
61 :
名無しのオプ :2007/06/16(土) 00:47:02 ID:8vnWG/wK
ついに、165さんの書き込みが途絶えてから一週間・・・・。
>>42 の馬鹿野郎!!!!!続き楽しみにしてたのに責任取れ!
165さん、戻ってきてください・・・。私は待ってますから。とりあえずageときます。
62 :
復讐篇 :2007/06/16(土) 20:51:10 ID:JGWkMsxH
「ここが三日月館かー。なんだか陰気なふいんきだね」 僕は勝ち誇ったように真理の顔を見た。 「透、ふいんきじゃなくて雰囲気よ」 すかさず真理が返す。僕は恥ずかしさをごまかすため、三日月館を振り返った。 「あ、いや、ほんとは解ってるんだよ? 真理をちょっと試してみただ――」「もう。馬鹿なこと行ってないで、早く入るわよ」真理は、はなから僕なんか相手にしてないかのように、さっさと門をくぐってしまった。 「……ほんとなのに」そうつぶやいて、僕は真理の後を追った。 門をくぐると、目に入ってきたのは巨大な館だった。何十年もの歳月を越えて、そのどこか遺跡めいた箱は、僕の眼前に出現したのだ。 完全に圧倒された。 僕は一歩踏み出すのさえためらってしまった。こんなところに泊まらなければならないのか。僕はとてつもなく不安になった。 真理は、もう中に入ったらしく、この空間には僕しかいない。 ちょろちょろと水の音がする。どうやら噴水がまだ活きているようだ。僕は水面を覗き込んでみた。 真っ白な太陽が、僕の肩越しに顔を出している。 「うん?」その時、僕は何かが水面間際で沈んでいるのに気がついた。最初は水草の類いかとも思ったのだが、どうも違う。 僕はそれを掴み上げた。 花だった。 雫を身に纏ったその黄色い花は、僕を責めるかのように頭を垂れていた。 「弟切草……?」 調度この前やったゲームで、この花が使われていたのだ。確か、花言葉は……。 「復讐」 「え?」僕は声の主を捜した。 いつの間にか、門のアーチ下に誰かがいる。 A美樹本さんだった。 Bみどりさんだった。 C誰か知らない男の人だった。
63 :
名無しのオプ :2007/06/16(土) 21:15:46 ID:p3kxVgXD
新しい書き手さんかな? Cを
64 :
復讐篇 :2007/06/17(日) 01:37:38 ID:dzqn6n5l
そこにいたのは見知らぬ男性だった。 「その花、弟切草だろ?」 俊夫さんと同じくらいの年齢だろうか。その人は、柔和な顔を僕に向けそう言った。 「ええ、そうみたいですね……」突然現れたこの男に、僕はどう対処すればいいか解らなかった。 すると男は僕の気持ちを察したのか、慌てて口を開く。「あ、ごめん。自己紹介がまだだったね。――僕は松平公平、ゲームデザイナーをやってるんだ。きいたことないかな、『弟切草』って。君が持ってるのがその弟切草だったから、つい声をかけちゃったんだけど……」 僕は驚いた。調度、そのゲームのことを考えていたからだ。 「し、知ってます知ってます。というか持ってます!」思わず興奮してしまった。「じゃあ、公平さんも招待されたんですか?」 「うん? ああ、僕は仕事の依頼だよ。次のゲームは、我孫子さんに書いてもらおうと思ってね。恥ずかしい話、『弟切草』の文章は僕が書いたんだけど、彼女に『公平の文章、オジンクサイよ』って言われちゃって……。次はプロに頼もうって会議で決まったんだ」 正直、『オジンクサイ』という言葉自体『オジンクサイ』と思うが、僕は口に出さないでいた。確かに『弟切草』は、くどいオヤジギャグと、とても若い人が書いたとは思えないセンス、カタカナの入り混じった文章、不自然すぎる会話など問題点の多い作品だった。 僕は、 A『弟切草』について熱く語った。 B我孫子武丸の事をきいてみた。 Cこの館の事をきいてみた。
65 :
名無しのオプ :2007/06/17(日) 01:40:15 ID:kYH9KOM7
すごく懐かしいのでAで。
66 :
復讐篇 :2007/06/17(日) 02:22:53 ID:dzqn6n5l
「公平さん!!」僕は彼の両肩に手を置いた。 「な、なに、そんな大声出して……」当然の如く困惑している。が、そんなことはどうでもイイ。 「文章がなんですか、オカシくてもいいじゃないですか! 弟切草は小説にして小説にあらず! あれはあのふいんき、いや雰囲気を楽しむゲームですよ! 主人公がヒロインを救うため、勇猛果敢に超常現象と斗(たたか)う姿、僕は感動しました。涙でコントローラーがドロドロになり、床には染みが出来ました……。しかし、あのゲームはそんなものを犠牲にしても余りあるものを返してくれました。 、あのひとつひとつ魂を込めて打ち込まれたドット、ハードの限界を越えて遥か彼方に飛翔していったゲームのキモであるサウンド、僕はイジュウインさんに見習ってゲームを何本も知人に配りました。 あのミイラは思い出すだけで鳥肌がたちます、あ、ほら、腕見てください。闇に浮かび上がるナオミの三文字は僕のトラウマですよ。 ピンクの栞という、下心をついた見事としか言いようがない要素といい、これほどまでに金太郎アメ的なゲームはゲーム史上でも空前絶後、いや四十六億年の地球の歴史を紐といてみても他にありません。 人類は進化の瞬間を目撃するうぅぅぅううっ!!!」 A公平さんはもうそこにいなかった。 B真理がドン引きしていた。 C我孫子武丸が涙を流していた。
67 :
名無しのオプ :2007/06/17(日) 10:46:03 ID:wKO0P/52
B
前スレで別バージョンの解答篇書きたいと言った389です。 私の考えた犯人は小林さんではありませんでした。 165さんのお話がすべて終わってから書くと言いましたが、 今ひまなので書かせていただきます。 可能性ないとは思いますが、動機とかかぶってたらほんとすみません。 実を言うと、私の考えた真相はトリックも何もありません。犯人が嘘ついてるだけです。 ぜんぜん本格じゃないし、ミステリー小説もあんまり読んでません。 だからレベル低いです。それでもいい方はお読みください。 前スレ401のBを選んで続けさせていただきます。 一部、165さんのお話をコピペしたところがありますが、ご容赦ください。
Bぼくは、このままドアを開けないことにした。 これはきっと罠だ。 このまま様子をみたほうがいいだろう。 ぼくと真理と可奈子ちゃんは、押し黙り、それぞれ外に耳をすませた。 10分ほどすると、俊夫さんのいらだった声がした。 「出てこないぞ。やっぱり嘘だと見破られたか?」 「俊夫くんの演技が大根だからよ」 みどりさんが冷たい声で答えた。 「なんだと、このブス」 「なによ、あんた浮気してるくせに。あの女子大生と…」 「いつの話だ! そんなのもう終わったことだ!」 不穏な空気が流れそうだった。 「透、そろそろ出てみてもいいんじゃないの?」 と真理が言った。 ぼくはうなづいた。 「真理」 ぼくは、彼女の名前を呼んだ。真理は、泣いて赤くなった目でぼくを見た。 「何?」 「ぼくは、きみを愛している。きみを信じている。これから何があろうと、ぼくだけは、きみの 味方だからね」 ぼくは、まっすぐに真理の瞳を見て言った。 「ありがとう。……私も、透のこと愛してるし、透を信じてるからね」 真理は、涙を拭いながら言った。 「私も、真理ちゃんのこと信じてるよ。あなたが啓子を殺した犯人だとは思えないから」 可奈子ちゃんが、真理の肩を叩いた。 「じゃあ……ドアを開けるからね」 ぼくが言うと、二人とも、もう反対しなかった。ぼくは、ドアの鍵穴に詰めたガムを、ペンの 先で、すべて取り除いた。 無言で、ドアを開ける。 とたんに、小林さん、香山さん、春子さん、夏美さん、俊夫さん、みどりさん、美樹本さんが 真理につめよってきたが、暴力を振るうようなことはなかった。 もう、みんなの集団ヒステリーも、だいぶ治まったようだった。
その後、可奈子ちゃんが、真理が犯人だとは思えないとみんなに力説してくれた。 そのおかげで、みんな一旦『新OL三人組』の部屋に集まり、これまでに起こった事件の情報を寄せ合い、 改めて犯人が誰なのかつきとめようという話になった。 そこでぼくは言った。 「まず、最初に起こった田中さん殺害について考えてみましょう。 小林さん、田中さんがシュプールに予約をしたときのことを覚えていますか?」 「予約の電話を受け取ったのは、この近所に住むキヨさんという、 繁盛期だけ手伝ってもらっているおばあさんなんだ。この字はキヨさんのものだから」 小林さんが持ってきた宿帳には、汚い字で田中一郎様、と書いてあった。 「じゃあ、予約のときの様子はわかりませんね。 田中さんがここに着いたのはいつだったんですか?」 小林さんは宿帳をめくってぼくたちの方に見せた。 それによると、田中一郎は、一昨日の十二月二十日の午後六時にシュプールに到着 している。一人で訪れ、三泊の予定だったらしい。 「ここにきてからは、スキーをするでも、観光をするでもなく、 部屋に閉じこもって食事のときくらいしか出てこなかったよ。 声を聞いたのは、ルームサービスの電話のときだけだな」 「そのルームサービスの電話を、もう一度再現してもらえますか?」
「ああ、分かった。まず、内線用の電話が鳴って、私は受話器を取り上げた。そして、田中 さんの声――というか、田中さんの声だと思われていた声が、 『田中です。ルームサービスのサンドイッチをお願いします』 と喋った。私は、 『七時半には夕食ですが、本当によろしいのですか?』 と確認した。すると、田中さんだと思われていた声が、 『ええ、腹がすいているので』 そこで私は、篠崎くんにサンドイッチを作って田中さんに持っていくように言った。 ルームサービスなどの簡単な料理は、篠崎君の担当だからね。 すると篠崎君の顔は青くなった。 ここのサンドイッチは、ハムサンドと卵サンドなんだが、 篠崎君はサンドイッチ用の卵ペーストを切らしていたんだ。 今からゆで卵を作るにしても、ガスレンジはみんなふさがっていて、しばらく 開きそうもない状態だった。 私は電話に戻り、田中さんに言った。 『サンドイッチは20分以上お時間がかかってしまいますが……』 『ええっ、なんでそんなにかかるんだ、おかしいじゃないか』 『申し訳ございません。材料を切らしてしまいまして……』 『他に早くできるものはないのか!』 『ピザですと、10分ほどで焼きあがりますが』 『じゃあ、ピザでいい。急いで持ってこい。ピザは、部屋の前に置いておけ』 と言った。それで、私は、 『分かりました。申し訳ございません』 ともう一度謝って、電話を切った」 小林さんの再現が終わると、みどりさんが言った。 「田中さん、すごく怒ってたわ。私のところまで受話器から怒鳴り声が聞こえたくらいよ。 ルームサービスを持っていくのは、普段は私の役目なんだけど、 田中さんに怒られるのが怖かったから、オーナーに頼んで代わりに行ってもらったのよ」 「どうして卵ペーストを切らしてしまったんですか?」 ぼくはみどりさんにたずねた。
「OLさんたち3人が、三時ごろ、サンドイッチを3人前頼んだのよ。 それで全部使い切ってしまったのだけど、まさか夕食前にサンドイッチの注文が入るとは 思わなかったから、夕食の後にストックを作ればいいやと思ってしまったのよ」 みどりさんがしょんぼりと答えた。 「カナちゃんがサンドイッチ好きやから、おやつに頼んだんや。そら悪いことしたな」 夏美さんが謝った。 「いいえ、夏美さんたちのせいじゃありません。私の不注意なんです」 「しかし、その電話は本当に田中さんからだったのかな?」 美樹本さんが疑問を口にした。 「美樹本さんは、だれかが田中さんに成りすましてかけたと考えてるんですか?」 ぼくは言った。 「田中さんは声を一度もまともに発していないから、その可能性はあると思うよ」 「なんで田中さんは、まともにしゃべらなかったんだろう?」 ぼくも疑問を口にした。 小林さんが答えた。 「ただ単に、シャイだったから、という理由かもしれない。アトピー性皮膚炎で肌が 荒れていることを隠すために、サングラスやコートを身に着けていた人だから、その 可能性は高いだろう」 「え、でも、わたしは田中さんの顔を見たことがありますけど…」 みどりさんが口を挟んだ。 「いつです?」 ぼくは驚いて尋ねた。 「ええと、今日の午後一時の少し前だったかしら。掃除をするために談話室に行ったら、 田中さんがひとりでテレビを見ていたの。コートは着ていたけど、サングラスはかけてなかったわ。 たしかにアトピー性皮膚炎だったけど、私が目の前にいても、特に隠そうとしてなかった。 それからしばらくして、玄関から、帰ってきた香山さんご夫婦とOLさん3人の声がしたの。 それを聞くと田中さん、急にあわだして、逃げるように二階に行ってしまったわ」 「つまり、田中さんは、アトピーを隠すためじゃなく、香山さんとOL3人から身を隠すために あるいはそのうちの1人、あるいは複数人から身を隠すために、サングラスをしていたということか」 小林さんが結論を出した。
そこで、香山さんがあせったように言った。 「せやかて、わしらは田中さんなんて見たことも聞いたこともあらへんで? なんでわしらは避けられたんや?」 春子さん、夏美さん、可奈子ちゃんも、田中さんを知らないし、 避けられた理由もわからないといった。 田中さんについて新たにわかったのはこれだけだった。 雪崩で無差別に殺害された可能性のある啓子ちゃんはひとまずおいておき、 ぼくは今日子さん殺害の詳しい状況を聞くことにした。 今日子さんと同じ部屋で寝ていた小林さんが、できる限り状況を説明してくれた。 「今日子が殺される前、今日子と私は同じ部屋で寝ていた。午前一時少し前に、 私がふと目を覚ますと、隣に寝ているはずの今日子が部屋にいなかった。 私は普段から眠りが浅く、ちょっとした物音ですぐに目が覚めてしまうんだ。 もし、犯人が部屋のドアをノックして今日子を連れ出したんだとしたら、絶対に気づくはずなんだ。 つまり今日子は自分から、物音を立てないようにそっと部屋を出たということになるんだ。 今日子は怖がりでね、忘れ物をしたとかで夜中に部屋の外に出ざるを得ないときは、必ず私を起こして つきあわせるんだ。それなのに、ひとりで部屋を出るなんて普通なら考えられないよ。 きっと何か理由があったんだ。私には言えない理由が」 「犯人が、前もって部屋の鍵のスペアを作っていて、それで物音を立てないように進入して 今日子さんに薬をかがせて拉致したとは考えられませんか?」 ぼくは言った。 「いや、うちの鍵は最新式で、特別な技術を使わないとスペアキーを作れないタイプのものなんだ。 もちろん、寝る前に部屋の鍵がちゃんとかかっているか確認したし、ひとつしかない鍵は金庫に入れたよ」 「今日子さんが部屋を出た理由に、心あたりがあるんですか?」 俊夫さんが言った。 「わからないが、今日子は誰かが犯人だという証拠を何かつかんで、 自首するように勧めに行ったのかもしれない」 「でも、いくら今日子さんが優しい人だとしても、あなたが殺人犯ねと ひとりで指摘しに行くほど、うかつだとは思えませんが…」 可奈子ちゃんが首をかしげた。
――それよりも、私は、雪崩を起こした意味について考えた方がいいような気がします けど。 ぼくは、可奈子ちゃんとの会話を思い出した。 ――それから……田中さんをバラバラにしたことにも、何かそうせざるを得ないような 理由があったような気がします。 そうかな、とぼくは思った。 それだけではない。「こんや、かまいたちがあらわれる」という不審な手紙を『新OL 三人組』の部屋に残す理由にも何か重大なものが隠されていたのだろうか。 今まで何気なく見過ごしていた謎の中にも、犯人がそうせざるを得なかったような 理由、あるいは意味があるのだろうか。 ぼくは、もう一度、最初から考え直すことにした。 そこで、まずぼくがやったことは、もう少し詳細なタイムテーブルの作成だった。 テーブルの上のメモ帳と、ポケットの中に入れっ放しだったペンで、新しくタイム テーブルを作成した。 もちろん、これは、全員が正直に話していると仮定して作ったタイムテーブルだ。 犯人は当然、自分の都合のいいように嘘をついているはずだし、犯人を庇っている 人物がいるかもしれないからだ。 【十二月二十一日正午以降におけるシュプール内のタイムテーブル】 (正午までに、透、真理、美樹本、香山夫妻、『新OL三人組』が出かける) 正午 小林夫妻と俊夫とみどりと田中が昼食をとる。 一時少し前 みどりが談話室で顔を隠していない田中を見かける。 一時頃 香山夫妻と『新OL三人組』がスキーから戻る。 田中、彼らから隠れるように二階に上がる。 二時頃 俊夫、食料品の買い出しに出かける。 ↑同時刻、田中が出かける。
三時頃 『新OL三人組』が、ルームサービスのサンドイッチを頼む。 三時半頃 俊夫、シュプールに戻る。 四時半頃 (透、真理がスキー場で冬美を発見し、保護する) 五時半過ぎ キッチンで、小林夫妻、俊夫、みどりが夕食の準備を始める。 田中がシュプールに到着。俊夫が出迎え、キッチンに戻る。 ↑同時刻、『新OL三人組』が香山夫妻の部屋に行き、夏美だけを 残して、可奈子と啓子は自室に戻る。 六時少し前 小林が、田中から内線でルームサービスを頼まれる。 六時頃 透、真理がシュプールに到着。小林が出迎え、キッチンに戻る。 六時過ぎ 透、真理、地下室で粉ミルクと哺乳瓶を探す。 ↑同時刻、小林が田中の部屋へ行き、キッチンに戻る。 六時半頃 香山夫妻、夏美が二階から下りてくる。 香山、食堂へ行く。 六時半過ぎ 美樹本、シュプールに到着。 可奈子、啓子が不審な手紙を発見し、二階から下りてくる。 七時過ぎ 透、手紙を読み、2ちゃんねるに接続。 雪崩が発生。 美樹本、二階に避難する。 夏美、春子、食堂へ避難する。 透、真理、玄関へ避難する。 啓子、可奈子、生き埋めになる。 啓子、死亡。可奈子を救出し、真理と冬美と田中を除く全員が合流。 八時過ぎ 透、小林、俊夫、美樹本、田中の部屋でバラバラ死体を発見。 ↑同時刻、上記の人物以外は単独行動。 九時頃 玄関にいた真理と冬美が救出される。 九時過ぎ 可奈子を除く全員が食堂に集まる。美樹本が疑われる。 九時半過ぎ 可奈子が現れ、啓子の死体を見て気絶。 十時前 シュプール内を捜索。田中の死体を検証。 十時過ぎ 美樹本を一階トイレに監禁し、全員が解散。
――それよりも、私は、雪崩を起こした意味について考えた方がいいような気がします (以下、深夜とする) 一時少し前 小林が今日子が部屋にいないのに気づき、探しに行く。 一時頃 小林が食堂で今日子の死体を発見。 一時過ぎ 美樹本を解放し、可奈子を除く全員が合流。 一時半頃 真理が疑われ、透と真理が可奈子のいる休憩室に逃げ込む。 一時半過ぎ 可奈子が室外の人たちを説得し、体当たりをやめさせる。 二時過ぎ 透、真理、可奈子を除く全員が、春子の死体が発見されたと嘘をつく。 二時半頃 全員が、新OL三人組の部屋に移動する。 タイムテーブルは、こんなところだろう。誰かが嘘をついているのだから、これ以上 正確なタイムテーブルを作るのは難しいし、あまり意味がないような気がする。 次に、ぼくは、田中さん、今日子さん、春子さんが殺されたと思われる時刻の、各自の アリバイについて考えてみた。冬美ちゃんは無視することとする。 まず、田中さんが殺されたと思われる時間帯に、全くアリバイのなかったのは、美樹本 さんただ一人である。他にもグレーゾーンの人は大勢いるが、殆どアリバイを証明する ことができなかったのは、美樹本さんだけだという意味だ。 次に、今日子さんが殺されたと思われる時間帯にアリバイがなかったのは、ぼく、真理、 小林さん、俊夫さん、みどりさん、香山夫妻、夏美さん、可奈子ちゃんだ。 ぼくは、『新OL三人組』の部屋に集まった全員の顔を順番に見ていった。 まず、真理だ。真理は、冬美ちゃんを抱いて、心細そうな表情をしている。 奥さんを殺された小林さんは、左手の薬指に嵌めた指輪を、じっと見つめている。 俊夫さんは、苛立たしげに拳を開いたり閉じたりしていた。 俊夫さんの隣にいるみどりさんは、俊夫さんの横顔を見ている。 香山さんと春子さんは、隣に座っている夏美さんを心配そうに 見つめている。 夏美さんは、無言で携帯電話をいじっているが、もちろん、圏外のはずだ。 恋人の啓子ちゃんを亡くした可奈子ちゃんは、犯人を見つけてかたき討ちをしようと、 ぼくと同じく全員の顔を見回している。 美樹本さんは、腕を組んで俯いたまま、身動きしなかった。
本当に、この中に、犯人がいるのだろうか。ぼくだって、みんなを疑いたくはない。 だが、ここまで殺人が続いた以上、もはや外部犯の可能性はないだろう。少なくとも、 今日子さんの殺害に関しては、外部犯はありえないはずだ。 そして――ぼくには、何もわからなかった。大きな謎も、小さな謎も、すべての パズルのピースがバラバラになり、ぼくの頭の中でくだけちった。 そこで、可奈子ちゃんが唐突に言った。 「みなさん、透くんは犯人がわかったそうです」 みんな一斉にぼくを見た。 「ちょ…」 ぼくは可奈子ちゃんを止めようとしたが、可奈子ちゃんは早口でしゃべり続けた。 「今、透くんが詳しい殺人の状況を訊いたのは、推理の裏づけを得るためだったんです」 「そうなのか?」 みんな、期待に満ち満ちた目でぼくを見つめている。 「はやく教えてくれ、犯人は誰だ」 だんだん、犯人はまったくわかりませんとは言えない雰囲気になってきた。 「可奈子ちゃん、ぼくは犯人の見当なんて…」 ぼくが小声で言うと、可奈子ちゃんは、 「真理ちゃんの疑いを晴らしたくないんですか!」 「そりゃ、真理を助けたいのはやまやまだけど…」 「それなら、ここでビシッと犯人を当ててください」 ぼくは観念した。こうなったら、自信がなくても推理をするしかない。 一連の事件の犯人は…… 名前を入力してください(単独犯です)
78 :
名無しのオプ :2007/06/18(月) 15:56:19 ID:0g2tJknE
かやま
79 :
165 :2007/06/18(月) 19:55:14 ID:E1Tvby3d
>>389 動機かぶるとか気にしなくていいですよ。続きを書いてくれると言ってくれて嬉しいです。
俺の方は、
>>42 を読んで腸が煮えくり返っている状態なので、まだしばらく完結編
書けそうにありませんから、遠慮なく書いてください。
会ったことすらないのに、どうしてあそこまで人格を否定されなければならないのか、
理由が分からないんですよね。選択肢編はともかく、生き埋め編も雪隠し伝説編も、
一切手抜きせずに全力で書いてたのに馬鹿にされて、怒りで目の前が真っ赤になりました。
俺も前スレで「スレが過疎化する」とか失言しましたけど、あそこまで悪意があって書いた
わけじゃありませんでしたし……。
やっぱりまだ怒りが鎮まってないので、389さんよろしくお願いします。
本当のこと言うと、こういうのがやりたかったんですよ。一人で書くんじゃなくて、みんなで
一つの作品を作り上げるっていうのが。だから、前スレで赤ん坊を発見するという選択肢を
書いてくれた人とか、真剣に推理してくれた人とかのレスは、嬉しかったんです。もちろん、
荒らしや煽りは大嫌いですが。
前にも訊きましたが、389さんは川口オフに参加した人じゃないのかな?
答えたくなかったら答えなくていいですけど。
80 :
名無しのオプ :2007/06/18(月) 20:19:44 ID:194LtIgx
>>79 もう来てくれないのかと心配してました。
前スレで荒れた時の状況だと、煽った人たちだけでなくそれに反応した人たちもいて、
結果スレが荒れてしまったのを気にしてるのだと思ってたので、今回もそれが原因だと申し訳なく思ってました。
>>42 の真意が分からないので、スルーしきれなかったんですよね。
ただの煽りや荒らしにしてはここのスレやミス板の事も詳しいみたいだし、
165さん以外にはそれほどキツイ物言いしてないし。
最初は◆TmTfkIMkPkさんが怒ってもう続きを書いてくれなかったらどうするんだ、
という怒りで165さんを責めてたのかと思ってたけど、
◆TmTfkIMkPkさん本人がもういいからと許して完結編も書ききってくれたのに、まだ煽ってるし。
こんな状態で続きを書くのも辛いでしょうから、165さんが落ち着くまでゆっくり待ちます。
ただ、煽りだけでなく本気で続きを楽しみにしてる住人もいるって事は知って欲しかったので。
>>73 の18行目は改行ミス、
>>76 の一行目はコピペミスです。
すみません、以後気をつけます…。
>>79 私も165さんのお話は面白いと思います。
だからこそ165さんのお話をもとに、別の解答編を考えたわけです。
荒らしなんか気にせずに、いつでもいいので完結編を書いてください。
楽しみにしてます。
オフ会には参加してないです。田舎に住んでるので。
>>77 かやま
「犯人は、香山さんです」
ぼくは言った。
「なんやて? ふざけんといてくれ、わしは無実や。そもそも動機があらへん」
香山さんはしらばっくれているが、ぼくは追及の手を緩めなかった。
「動機ならあります。田中さんは香山さんたちを避けていました。
きっと田中さんと香山さんは宿敵なんです。それで殺した。
可奈子ちゃんと啓子ちゃんは香山さんの会社で働いていました。
たぶんそこで、知らぬうちに香山さんの脱税の片棒を担がされていたんです。
だからそれに気づく前に、ふたりを雪崩で殺そうとした。
そのとき、自分は雪崩に巻き込まれないよう、食堂に逃げていた。
今日子さんは、昔からの知り合いの香山さんの犯行だと、
ふとしたことから気づき、夜中に自首を勧めにいった。
殺されてしまうとも知らずに…」
「ふざけんといて!」
今度は夏美さんが叫んだ。
「セイちゃんは田中なんて知らへん。脱税もしてへん」
「主人を侮辱して…、証拠はあるんですか!」
春子さんまで顔を真っ赤にして怒っている。
「わしには、ずっと春子と一緒にいたっちゅうアリバイがあるんやで」
それもそうだ…タイムテーブルを見る限り、香山さんに田中さんをバラバラにする時間はない。
推理は完全に行き詰まってしまった。
ぼくはどうしようもなくなり、激怒している香山さんたちに土下座した。
「すみません。証拠もなしに、犯人呼ばわりして…」
香山さんたちの怒りは収まらず、ぼくは夜が明け始め、救助の人たちが来るまでずっと謝り続けた。
ぼくたちが救助されたすぐあとに、ものすごい雪崩が起き、シュプールを襲い、破壊した。
証拠も何もかも雪崩とともに押し流され、犯人はわからないまま事件は迷宮入りした。
生き埋め編389・バッドエンド1 真相は雪の中
>>77 に戻って、入力しなおしてください
83 :
復讐篇 :2007/06/18(月) 21:10:56 ID:UU6t2k6o
>>66 ふと我に還ると、玄関に真理がいるのに気が付いた。その目は、まるで変質者でも見るかのように冷たく、僕を貫いていた。
「透があんまり遅いから来てみれば……。透がそこまで変態だとは思わなかったわ!!」真理は館の中へ消える。扉は甲高く軋みながら、ゆっくりとその身を閉ざしていった。
「……ちょっと待て! 僕はそこまで変態じゃないぞ!!」僕はじだんだを踏んだ。
「それじゃ、先行くよ」公平さんは涼しい顔をして館に入っていった。
また、一人になってしまった。僕は弟切草を握りしめ、強く思った。
Aはやく真理の誤解を解かねば!
B真理に嫌われてしまった……。
C真理はともかく、はやく休みたいや。
84 :
復讐篇作者です :2007/06/18(月) 22:22:26 ID:UU6t2k6o
なんか空気読まずに復讐篇のっけちゃったな。ルール違反でないとはいえ、少し自重した方が良かったかも……。
85 :
名無しのオプ :2007/06/18(月) 22:46:36 ID:8ORTWFgr
いや、無問題。楽しみにしてるんだから続きをぜひ。
新テンプレの細かい配慮いいね。おそらく>165の事考えての事だろうね。今までは重なったときに、どっちの選択肢かはっきりしない場合が結構あったからね。
しかも、前まではみんな反応薄い薄い。三日月島編の作者さんも、推理やネタでよくあぶりだしたもんだよ。
>>77 可奈子
>>83 はAで
86 :
復讐篇 :2007/06/18(月) 23:58:35 ID:UU6t2k6o
こここ、このままじゃ真理の中で僕は変態のままだ! 行かなくちゃ。 慌てて走りだした。が、焦りすぎたらしく、僕は前のめりに倒れてしまった。 「うう……」服は濡れて重くなり、弟切草はボロボロになっている。 僕は泣きたいくらい惨めな気持ちになった。……でも、こんなところで負けるわけにはいかない。雨が降ろうが雪が降ろうが槍が降ろうが、僕は断じて変態ではない! 「とうっ!」 のんびり屋のこの僕のどこにこんな力があったのだろうか、僕は素早く立ち上がると、扉にくらいつき、開け放った。 適当に検討をつけ、ずんずんと館内を進む。一際大きな木製の扉を持つ部屋から、なにやら話し声が聞こえてきた。 ははあ、ここが談話室か。僕は勢いよく扉を引いた。
87 :
復讐篇 :2007/06/19(火) 00:00:10 ID:KoRTDrWv
「あ、透、どうしたの? ビショビショじゃない。……どうせ、庭で転んだんでしょ?」真理は、特に態度を改めわけでもなく、いつもと同じように接してくれた。 良かった。……あれは真理の冗談だったのか。それがわかった途端、僕の体からあらゆる力が抜けていった。 「お、おい透くんどうしたんだ」「ははっ、なんだか知らないが、透くんらしいな」「透! 透!」意識がなくなる瞬間、いろいろな音が耳に入ってきた……。 目が覚めると、見覚えのない風景がそこにあった。薄汚れた天井、煤けた照明、僕はむくりと上半身を起こす。 「あれ、ここは……」そう呟きながら、部屋を見渡した。 なんだか変な間取りだ。まるでバウムクーヘンの中にでもいるみたいだ。調度品はどれも古そうな印象を受ける。 そして、僕は箪笥の上に、ある物を見つけた。 アンティークドール。透き通った深緑の瞳を煌めかせ、その愛らしくも怪しい顔は中空を向いている。栗色のなめらかな髪は紫のドレスにかかり、小さな懐中時計に絡みついている。足を出してちょこんと腰掛けている様は、さながら生き人形である。 さらに異様なことに、この人形は二体あった。 「なんだか、今にも動きそうだな」 僕は、 A片方の人形を手に取ってみた。 B両方の人形を手に取ってみた。 Cほっといて部屋を出ることにした。
88 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 02:12:08 ID:3ngNnt/0
>>87 Bでお願いします
>>79 165さん戻ってきてくれたんだ・・・・(´;ω;`)お帰りなさい!!!急に書き込み途絶えたから心配してたんだよ
389さんバージョンの完結編も楽しみだけど、165さんのオリジナルの完結編が更新されるのも待ってるからね!!!!!
89 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 02:53:33 ID:6EQr5VTU
165さんの雪隠し伝説が死ぬほど気になります! 生き埋めも良いですが雪隠しが個人的に好きで続きが気になります。 金払ってでも読みたい(笑)んで、早く帰ってきてくださいね
>>77 犯人名入力
>>85 可奈子
「犯人は、可奈子ちゃんです」
ぼくが犯人を指摘すると、みんないっせいに驚き信じられないという顔を僕に向けた。
真理はほとんど怒ったような声で、僕に反論した。
「ちょっと待って透。可奈子ちゃんは、雪崩に巻き込まれて死にかけたのよ」
犯人なら、自分で起こした雪崩に埋まるなんてミスはしないわ」
「でも、田中さんをバラバラにできたのは、可奈子ちゃんだけなんだ」
「そんなこと言って、田中さんがいつ殺されたのかもわからないじゃないの」
ぼくの推理を、真理は涙目になりながら必死で否定し続けた。
可奈子ちゃんは真理の無実を信じてくれた。
だから今度は、真理が可奈子ちゃんの無実を信じる番だと思っているのだろう。
しかし、事実は非情だった。
「いえ、田中さんがいつ殺されたか、だいたい検討はついています。
ぼくはタイムテーブルを凝視して続けた。
「偶然、みどりさんがサンドイッチ用の卵ペーストを切らしていたおかげで、
ぼくは田中さんが殺害された時間を、昨日の午後6時以降から死体が
発見されるまでの午後8時過ぎの間と断定することができました」
「午後6時以降…というと、ルームサービスの電話をかけてきたのは、田中さん本人だったのか?」 美樹本さんが言った。 「そうです。ぼくは最初、ルームサービスの電話は偽装かと思っていました。 ですが、田中さんは最初サンドイッチを頼み、時間がかかるというのでピザに変更しています。 もし、犯人が6時以前に殺していたのに、6時に田中さんが生きていたように見せかけたかったなら、 田中さんを殺す前に、サンドイッチを食べさせてから殺したでしょう。 警察の司法解剖で田中さんの胃からサンドイッチが発見されなければ、偽装だとばれてしまうからです。 サンドイッチを食べさせてから殺していたなら、どんなに時間がかかってもサンドイッチがいいと言うでしょうし、 ピザを食べさせてから殺していたとしたら、最初からピザを頼みます。途中で変更なんてしないはずです。 だから、ルームサービスの電話は偽装ではなく、田中さん本人からのものです。 そして、なぜ田中さんが夕食前にルームサービスを頼んだのか、という問題ですが、 ぼくの考えでは、田中さんは午後6時に、自分の部屋で可奈子ちゃんと会う約束をしていたのでは ないでしょうか。だから、可奈子ちゃんの好きなサンドイッチを注文したんです。 しかし20分もかかると言われて、それでは間に合わないとピザに変えたんです」
そこで真理がとんでもないことを言った。 「透、田中さんが殺されたのが昨日の午後6時から8時過ぎの間なら、 私にだって犯行は可能よ。私には、午後7時過ぎから8時過ぎまでのアリバイがないんだから」 ぼくは真理の疑いを晴らそうとがんばっているのに、 真理は可奈子ちゃんが疑われるくらいなら、自分が疑われたほうがましだと思っているらしい。 「真理、ぼくは断定はできないけど、犯行が行われたのは 昨日の午後6時過ぎから6時半過ぎの間だと思ってる。 7時過ぎに雪崩が起きたとき、田中さんはすでに死んでいたと考えるのが自然だ」 「どうしてよ」 「田中さんは雪崩が起きても部屋から出なかった。あれだけ大きな雪崩だよ? 生きていたら、様子を見に出てきたはずだ」 「そんなの、家具に縛りつけられていて身動きが取れなかったのかもしれないし、 睡眠薬で眠らされていたのかもしれないわ」 「真理はずっとぼくと一緒にいたじゃないか。いつ田中さんを家具に縛りつけられたんだ。 それに、雪崩で春子さんや夏美さんも玄関に逃げていたら、 真理は冬美ちゃんとふたりきりになれなかった。ふたりきりになったのは偶然だろう? そんな偶然と前もって睡眠薬を飲ませる用意周到さは、結びつかないと思うよ」
真理は黙りこんでしまった。ぼくは推理を続けた。 「タイムテーブルを見る限り、田中さんが殺害された昨日の6時過ぎから6時過ぎの間、 アリバイがないのは可奈子ちゃんだけなんです。 その時間帯、可奈子ちゃんは啓子ちゃんと一緒に居たと主張していますが、 それを証明できる啓子ちゃんはもうこの世にはいません。 可奈子ちゃんのアリバイは成立していないんです。 啓子ちゃんと一緒にいたというのは嘘で、実際は別行動していたんです。 ぼくの考えでは、可奈子ちゃんは田中と約束しているからと、 午後6時に啓子ちゃんを「新OL三人組」の部屋に残して、田中の部屋に行った。 そこで田中を殺して30分くらいかけてバラバラにした。 そして6時半過ぎに「新OL三人組」の部屋に戻り、変な紙が落ちていたと自作自演し、 啓子ちゃんを談話室に連れて行き、7時頃に爆発するようにセットしておいた 爆弾で雪崩を起こし、啓子ちゃんを殺害した」 そこで、みんなが口々に同じ疑問を呈した。 「でもそれはおかしいんじゃないか? 可奈子ちゃんも雪崩に埋まって死にかけたんだぞ? 犯人なら、安全な場所に逃げているはずじゃないか」 ぼくは言った。 「いえ別におかしくはないです。なぜなら…」 A 可奈子ちゃんは雪崩に埋まっても死なない自信があったからです。 B 可奈子ちゃんは誤って雪崩に埋まってしまったからです。 C 可奈子ちゃんは啓子ちゃんと心中するつもりだったからです。
訂正
>>93 の2行目
×田中さんが殺害された昨日の6時過ぎから6時過ぎの間
○田中さんが殺害されたと思われる、
ルームサービスの電話があった昨日の午後6時少し前から雪崩が起きた7時過ぎの間
他にもあったらすみません。
95 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 11:28:38 ID:8NxDxCc3
A
A 可奈子ちゃんは雪崩に埋まっても死なない自信があったからです。 「可奈子ちゃんは雪崩に埋まっても、救助が来るまで死なないよう、 前々から体を鍛えていたのでしょう。寒くて標高が高いところでトレーニングを積み、 寒さに強く、酸素が薄くても耐えられる体を手に入れていたんです。 連続殺人事件で、途中大怪我を負った人が犯人、というのはよくあることです。 彼らは疑いをそらすために、自分も被害者だと見せかけます。 可奈子ちゃんもその例にならって、わざと雪崩に埋まり、 自分も被害者であるかのように装ったんです」 「うーん、そうなのかな」 ぼくが力説すると、みんな一応納得してくれた。 ぼくはそのまま推理を続けた。 「今日子さんは、可奈子ちゃんが犯人だと見抜き、 夜中に自首を勧めに行って殺されてしまいました」 すると、小林さんが疑いの目でぼくに逆らった。 「だが、真理ちゃんや久保田君や篠崎君や香山さん夫婦といった、 今日子の知り合いならまだわかるが、可奈子ちゃんと今日子は一昨日会ったばかりで、 これまで何の関係もなかったんだ。 それなのに、自首を勧めに行くのは不自然じゃないか?」 もっともな疑問だ。ぼくは答えがわからなかった。 だから可奈子ちゃんに聞こうと、彼女のほうを向いた。 可奈子ちゃんは無表情で、ぼくたちのやりとりを他人事のように眺めている。 そういえば可奈子ちゃんは、自分が犯人だと指摘されているのに、 これまでまったく反論していない。どういうつもりなのだろう。 普通、犯人ならもっと言い訳したりうろたえたり悪あがきしたりするはずだ。 「どうなんだ、可奈子ちゃん」 「どうなんだって、私が犯人よ。3人とも私が殺したのよ。悪かったわね」 可奈子ちゃんは拍子抜けするくらい、すんなり犯行を認めた。
「なぜ、3人もの人間を殺したんだ!」 「田中は、っていっても、本名は南なんだけど、私の腐れ縁の彼氏なの 啓子とつきあいはじめてからも、なかなか別れられなくって。 3角関係に嫌気が差したから、南も啓子も殺した。今日子さんは、 夜中に自首を勧めに来て、うざいから殺した。これでおしまい」 可奈子ちゃんは投げやりに答えた。 これで、意外なほどあっさりと、ぼくらの悪夢の夜は終わった。 可奈子ちゃんは逮捕され、3人を殺害した罪で死刑になった。 警察に話した動機も、ぼくらに語ったものとまったく同じだった。 なんだか釈然としないものは残ったが、 ぼくはやがて事件のことをほとんど思い出さなくなっていった。 生き埋め編389・バッドエンド2 一応、解決はしたけど…
98 :
復讐篇 :2007/06/19(火) 12:54:20 ID:KoRTDrWv
>>87 僕は両方の人形を手に取ってみた。持ち上げると、二体とも足がぶら
んと下がり、かすかに揺れる。
ふいに、何か違和感を感じた。何かがおかしい。
しばらく振ったりひっくり返したりを続けた結果、わかった事がいく
つかある。まず、この二体の人形はほとんど同じ物であるということ。
次に、この二体には決定的に違うものがある。――重さだ。
見た目には全く同じでも、両方持ってみるとわかる。右の人形は、左
の人形に比べて大分重いのだ。もしかしたら倍くらい違うかもしれない。
僕の感じた違和感の正体は、これだったのだ。
「詰め物が違うのかな。……それとも、ダイヤでも隠されてたりして」
確かめようとしたその時、
「透、起きた?」乾いたノックの音と共に、真理の心配そうな声が響い
た。
僕は慌てて人形を元の箪笥の上に戻した。何故だがひどく悪いことを
しているような気になったからだ。人形のことは後で調べよう。今は真
理に元気な顔を見せなくちゃ。
「ああ、すっかり目が覚めたよ」努めて明るく返事をし、ドアノブに手
をかける。
ガチャリ。――鍵がかかっている。
「どうかしたの?」ドア越しに真理が聞いてくる。
「なんでもないよ」僕は内鍵を回した。「開けるよ」と言って、扉を押
しす。
「はい」目の前にぶら下げられたのは、金属プレートのついた鍵だった。
「透の部屋のだから、無くさないようにね」
「あ、うん」力無くそれを受け取ると、真理が言った。
「もうみんな集まってるから、はやく下行きましょ」
湾曲した廊下を、二人で歩く。「透を部屋に抱えてきたのは、美樹本
さんと俊夫さんなんだから、後でお礼言っとくのよ」
全く、真理には頭が上がらない。
99 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 13:54:29 ID:6EQr5VTU
100 :
165 :2007/06/19(火) 14:54:12 ID:ClD8E4nF
あれ?
>>98 は書き込み途中なのでは?
>>90 うーん……。前スレの
>>326 で、美樹本に、
「しかし、部屋を行き来していたときにバラバラにするのは無理だったにしろ、啓子ちゃんが
亡くなり、可奈子ちゃんが目を覚まさないんだから、その二人といたと証言している間の
時間のアリバイが、不完全であることに変わりはない。まあ、亡くなった啓子ちゃんの
アリバイもよく分からないが、自分が起こした雪崩に巻き込まれて死ぬほど馬鹿だとは
思えないから、考えなくてもいいだろう。啓子ちゃんと同じことが、可奈子ちゃんにも言える」
って言わせたの俺なんだよなあ……。
いや、可奈子が犯人でもいいんですけどね。そうなると、レズビアンだって設定にしたのは
やめておけばよかったな、とちょっと後悔です。レズビアンの友人知人がいるので、可奈子が
悪役になってしまうと、気まずいことに……。啓子を死なせてしまっただけでもヤバいのに。
しかも、可奈子も啓子も、バイセクシュアルではなく同性愛者だと断言してましたし……。
101 :
165 :2007/06/19(火) 15:01:32 ID:ClD8E4nF
↑ここまで書いた自分の文章読み直してみると、何か荒らしてるみたいですね。 意図せずに荒らしてしまうことって、やっぱりあるんだな……。いい加減に成長しないと いけませんね。 ROMをやるのは久しぶりなので、その辺の感覚がまだ掴めていないのでしょうね。 本当にごめんなさい。気にせず続けてくださいm(_ _)m
102 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 15:43:33 ID:FHu/PAcT
>>100 −101
リレーである以上、多少辻褄の合わない部分はどうしても出てくるだろうから、
以前書いた人もそれを引き継いだ人もあまり大きな矛盾でない限り気にしない方がいいのでは。
あと、可奈子や啓子がそのレズビアンのご友人をモデルに作ったキャラならともかく、
そうでないのだから別に死んだり犯人だからって誰も「レズビアン=悪」だなんて思わないし、
その方々も別に気を悪くしたりしないのでは?
それを言うなら、選択肢編で小林さんはバーのママの妊娠が分かった時点でお金を渡して連絡を取らなくなった、
ってつもりの設定だったのだけれど、その後産まれた子供の性別と名前を知ってる事になってて、
その後の展開を考えればそっちの方が話を作りやすくていいよなあ、
やはり深く考えずに不用意にストーリー作るもんじゃないよなあと後悔しましたし。
165さんの続きはもちろん楽しみだけど、389さんの話も全く違った切り口で面白いです。
田中さんは実は最初はサンドイッチを頼んでいたという設定変換の仕方とか、被害者の一人を犯人にする発想とか。
103 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 16:08:57 ID:lpL0YoQs
>>100 加奈子と啓子の出会いのエピソードが妙に細かいと思ってたら、そういうことだったのか。
日本が主要先進国の中で最も同性愛者を差別してるってのも一般の人は知らないだろうし。
あのパレードとかもフィクションだと思ってたがまさか本当に渋谷でそんなのあるのか・・
>>100 165さん、タイムテーブルをじっくり見た限り、30分以上ひとりで行動できたのは
可奈子ちゃんしかいなかったので、可奈子ちゃんを犯人にしてしまいました。
私の話の中では、可奈子ちゃんはもともとは異性愛者で、
男(田中=南)にひどい目に合わされ女の人に走ったバイセクシュアルという設定で、
同性愛者だと断言したのは、南と恋人同士だとばれないための嘘だった、ということになっています。
165さんの話の中の可奈子と、私の話の中の可奈子はまったくの別人ということにしておいてください。
可奈子ちゃんを悪役にしてしまったことで、不快になったかたがいたらすみません。
>>93 C 可奈子ちゃんは啓子ちゃんと心中するつもりだったからです。
「心中? 可奈子ちゃんは自殺する気だったっていうのか?」
俊夫さんが驚いたように言った。
「そうです。ぼくは可奈子ちゃんと啓子ちゃんが雪崩に埋まるのを目撃しました。
そのときのことをよく思い出してみると、可奈子ちゃんは啓子ちゃんと
心中しようとしていたと考えられなくもないんです。
可奈子ちゃんと啓子ちゃんが、雪崩の直撃を受ける窓の真正面に立っているときに、
雪崩は発生しました。 雪崩から逃げるとき、啓子ちゃんと可奈子ちゃんは、
窓を背にして走っていました。 何をやっているんだ、とぼくは思いました。
雪崩を避けるためには、後ろに逃げるんじゃなくて、横に逃げなくてはならないからです。
啓子ちゃんと可奈子ちゃんは、手を繋いで逃げていました。
ぼくは『横に逃げろ』と叫びました。ですが、ふたりは雪崩と平行に逃げ続けました。
そして、ふたりは大量の雪の塊の下敷きになってしまったのです」
「それのどこに、可奈子ちゃんが啓子ちゃんと心中した証拠があるんだ?」
俊夫さんが、ぜんぜんわからないという様子で言った。
「ふたりが手をつないで走っていたことです。
可奈子ちゃんと啓子ちゃんは恋人同士ですが、だからといって、
雪崩が起きたという非常事態に、手をつないでいるのは不自然です。
普通なら、何も考えられず、ひたすら逃げると思います。
なのに可奈子ちゃんと啓子ちゃんは手をつないでいた。
可奈子ちゃんは、啓子ちゃんが横に逃げるのをふせぐために、
手をつないだのではないでしょうか?
啓子ちゃんは太っているので、スリムな可奈子より動きが鈍いです。
可奈子ちゃんは啓子ちゃんが雪崩に反応する前に手をつなぎ、
啓子ちゃんをひっぱるようにして雪崩を背にして逃げた。
ぼくが横に逃げろと叫んでも無視した。啓子ちゃんを雪崩に巻き込むために。
そして、自分も死ぬために。そうだろう、可奈子ちゃん」
ぼくは可奈子ちゃんに向かい、言い放った。
「君は田中を殺し、啓子ちゃんと心中するつもりだったんだ!」
可奈子ちゃんはぼくを無視し、ぼんやりと雪崩に埋まって窓枠以外は 真っ白に塗りつぶされた窓を見ている。 「なんとか言えよ」 ぼくはいらだった。 「別に言うことなんてないわ。あなたの言うとおり」 「犯行を認めるんだな?」 「そうよ。私が犯人よ。田中には恨みがあったの。啓子のことは好きだから、 一緒に死んでほしかったの。でも、そんなのどうでもいいわ…。私はね、早く 啓子の後を追いたいのよ。今までタイミングがつかめなくて、死なないでいるだけなの。 今すぐ死んだってかまわないのよ」 可奈子ちゃんは遠くを見ながらつぶやいた。 みな、無言だった。 沈黙を破ったのは小林さんだった。 「しかし、可奈子ちゃんが田中さんを殺したあと、啓子ちゃんと 心中するつもりだったなら、なぜ今日子を殺す必要があったんだ?」 俊夫さんがそれに続いた。 「そうだ。自殺するつもりなら、犯人だとばれてしまったとしても、 今日子さんを殺す必要はないんじゃないか?」 ぼくは言った。 A 「可奈子ちゃんに今日子さんを殺す理由はありませんでした。 ただ、むしゃくしゃしてやったんです。今は反省してるんです」 B 「可奈子ちゃんには、何かはわかりませんが、今日子さんを殺す理由がありました」 C 「可奈子ちゃんは、死後の名誉を守るために今日子さんを殺したんです」
107 :
名無しのオプ :2007/06/19(火) 22:18:23 ID:FHu/PAcT
108 :
復讐篇 :2007/06/19(火) 22:44:00 ID:KoRTDrWv
>>98 それにしてもさっきの双子の人形、『弟切草』に出てきた人形にそっ
くりだったな……。
三日月館は、上から見るとCの形をしている。そのため、廊下および
部屋はすべて曲がっていた。この変わった館のぐるりを、高い壁が覆っ
ている。
そうこうしてる間に、僕らは一階の談話室に到着した。
「久しぶりだね透くん。再会した途端に倒れるとはね、君らしいな」そ
う言って、小林さんが出迎えてくれた。
「ええ、お久しぶりです」倒れたことには触れないで、僕も挨拶をした。
約一年半ぶりに会う小林さんは、ちっとも変わっていなかった。まあ、
子供じゃないんだから、劇的な変化があるはずもない。
その後ろに今日子さんがいた。一通り体の心配をされると、僕は他の
人のところに行った。
どうやら結婚したらしい俊夫さんとみどりさん、OL三人組、香山さ
んと晴子さん夫妻、よりワイルドになった美樹本さん、おや? 公平さ
んがいない……。
突然、壁際に置かれている振り子時計が鳴り出した。
109 :
復讐篇 :2007/06/19(火) 22:45:22 ID:KoRTDrWv
ボーン。 ボーン。 ボーン。 ボーン。 ボーン。 ボーン。……六時か……。 後方で扉が開き、老婆が現れた。お手伝いさんだろうか、僕らを呼び にきたらしい。 「お夕食の支度が整いました。皆様食堂までお越しください」お婆さん は談話室から消えた。 「ふむ、どんな物が出てくるか楽しみだな」小林さんはさっさと食堂に 向かていった。それにつづいて、皆食堂にぞろ歩いていく。 「行かないの、透」真理はわざわざ残ってくれている。 「うーん……」 A「そうだね、食堂に行こうか」 B「いや、公平さんを捜さないと」
>>106 C 「可奈子ちゃんは、死後の名誉を守るために今日子さんを殺したんです」
「可奈子ちゃんはいくら死んだあとのこととはいえ、田中さんや啓子ちゃんの
家族や友人に恨まれ、世間の人から殺人犯と蔑まれるのは嫌だったんです。
だから、可奈子ちゃんが犯人と気づき、自首を勧めに来た今日子さんを殺したんです」
小林さんが悔しそうに言った。
「今日子はどうして、ひとりで自首を勧めに行ってしまったんだ。
ひとこと私に相談してくれれば、こんなことには…。
そもそも、なぜ可奈子ちゃんが犯人と気づいたんだ?」
「それは…わかりません。可奈子ちゃんの口から真実が語られるのを待ちましょう」
その後、可奈子ちゃんはぼくたちの手で警察に突き出された。
鑑識の結果、殺人3件とも可奈子ちゃんによるものと断定された。
ぼくらが知りたかった動機だが、田中さん(本名は南)は、
実は可奈子ちゃんの恋人で、しょっちゅう可奈子ちゃんに暴力をふるっていた。
そのため、可奈子ちゃんは憎しみをつのらせ、ついには殺してしまったらしい。
啓子ちゃんのことは、愛しすぎて、自分だけのものにしたい、
啓子を殺して自分も死にたいと思い殺してしまったらしい。
今日子さん殺害に関しては、可奈子ちゃんは、
刑務所内で啓子ちゃんの後追い自殺をした日まで黙秘を貫いた。
生き埋め編389・バッドエンド3 真相は、可奈子と共に墓の中
111 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 00:33:26 ID:RPK8IeSb
112 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 02:04:48 ID:zYp9qSt1
>>106 B 「可奈子ちゃんには、何かはわかりませんが、今日子さんを殺す理由がありました」
「殺人の状況を見てもらえばわかると思いますが、
可奈子ちゃんは田中さんを、手間をかけてバラバラにしている。
啓子ちゃんは、爆弾を使い雪崩を起こすという、
これまた手間のかかる方法で殺害している。
それに比べ、今日子さんは包丁で一突きしているだけです。
それから判断すると、可奈子ちゃんの当初の計画は、
田中さんを殺して啓子ちゃんと心中するだけでした。
今日子さんを殺すつもりなんてまったくありませんでした。
きっと可奈子ちゃんには、急に今日子さんを
殺さなければならない理由ができたのです。
その理由ですが、可奈子ちゃんはふたりを殺して自殺するつもりだった。
今日子さんに犯人であることを指摘されても、痛くも痒くもなかった。
おそらく今日子さんは、可奈子ちゃんが犯人であることではなく、
何か他のことに気づいてしまったのです。
そしてそれは、可奈子ちゃんが今日子さんを殺してでも口止めしかったったほど、
重大なことだった。今日子さんはそんなこと、夢にも思わなかったでしょうけど…」
「なんやろな、その理由て」 香山さんは腕組みをして、何か考えている様子だった。 「ぼくにはまったくわかりません。なにしろ ぼくは可奈子ちゃんのことをよく知らないのです。みなさんにお願いがあります。 可奈子ちゃんについて、知っていることを話してくださいませんか? 香山さんたち以外にも、可奈子ちゃんを知ってるという人はいますか?」 ぼくがそうたずねると、真理、小林さん、俊夫さん、みどりさん、美樹本さんは首を振った。 5人とも、可奈子ちゃんとは一昨日に初めて会い、 これまで世間話程度しかしたことがないと言った。 誰かが嘘をついているのかもしれないが、ここでそれを追求することは不可能だった。 「わかりました。ではまず、香山さんたちの中で一番可奈子ちゃんと 仲が良かった夏美さんにお願いします。可奈子ちゃんについて 知っていることを話してください。何かわかるかもしれません」 「せやかて、何から話せばええんか…カナちゃんがケイちゃんを 殺したゆうだけで、頭が混乱してもうて…」 夏美さんは大きなショックを受け、がっくりと肩を落としている。 「落ち着いてください。まずは A 「可奈子ちゃんの生い立ちについて話してください」 B 「可奈子ちゃんと田中の関係について話してください」 C 「可奈子ちゃんと啓子ちゃんの関係について話してください」
115 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 10:21:57 ID:iG5F62ga
A
116 :
165 :2007/06/20(水) 11:12:02 ID:bXREyVbr
まさか、2ちゃんねるのミステリー板のかまいたちスレで、同性愛に関する説明を
しなければならないとは、夢にも思っていませんでした。
「男(田中=南)にひどい目に合わされ女の人に走ったバイセクシュアルという設定」
というのが、可奈子が生まれつきバイセクシュアルで、南と付き合ったけどうまく
いかずに別れて啓子と付き合うことになった、という設定ならば、問題ありません。
しかし、元々は異性愛者だったけれど、南に酷い目に合わされて、
「バイセクシュアルになってしまった」
という設定なのだとしたら、性的指向というものを理解していないと言わざるを得ません。
http://www.sukotan.com/douseiai_top.html ↑このページの、第一章から第五章までを読んでほしいと思います。
389さんだけではなく、他の人にも読んでほしいです。
ちょっと長いので、全部は読まなくてもいいです。
http://www.medical-tribune.co.jp/ss/magazine/bn-1.htm ↑こっちは非常に短いので、3分もあれば読めます。
http://www.afpbb.com/article/politics/2236123/1664899 ↑同性と結婚式を挙げたレズビアンに関するニュースです。2分もあれば読めます。
ああ、まさかこんな書き込みをしなければならないなんて……。
何をやってるんだ、俺は……。
安易に可奈子と啓子をレズビアンにしてしまった俺の責任です。
本当にごめんなさい! 許してくれなくてもいいです。
余談ですが、異性愛者の作家の書いた同性愛者像というのは、非常に偏見に満ちた
ものが多いです。特に、ミステリー作家の同性愛に関する描写は差別的なものが多い
ので、手元のミステリーに登場する同性愛者は参考にしない方が無難です。
それと、ウィキペディアなどの、ネット上の百科事典の同性愛に関する説明も誤りや
偏見が多いので、あまり参考になりません。ちょっと考えれば分かると思いますが、
著者が異性愛者だから偏見が入ってるのは当然ですよね。
何でこんなことになっちゃったんだろう……。本当にごめんなさいm(_ _)m
欝だ……死にたくなってきた。
関西弁よくわからないので、使い方が間違っていたらすみません……。
>>114 A 「可奈子ちゃんの生い立ちについて話してください」
夏美さんは深く落ち込んでいたが、しっかりした声で話してくれた。
「生い立ちゆうても、詳しいことは知らへんよ。
うちが初めてカナちゃんにおうたのは、今年の4月やし」
「たしか、『新OL三人組』は、みんな香山さんの会社で働いてたんですよね?」
真理が言った。
「そや。大学を卒業したうちは、4月にセイちゃんの会社に就職して、
新入社員として入ってきたカナちゃんとケイちゃんに出おうた。
うちらは年が近いこともあって、すぐに仲ようなった。
しばらくして、カナちゃんに家族がおらへんことを知ったんや」
「家族がいない?」
「せや。カナちゃんのお母さんは小5のときに、お父さんは高1のときに病気で
死んでしもうたんや。カナちゃんはそれからずっとひとりで暮らしてたんや。
幸い、ご両親がお金をたくさん残してくれはったさかい、
生活に困ることはなかったそうや」「それじゃあ、寂しかっただろうな」
美樹本さんがしみじみと言った。
当の可奈子ちゃんは、魂が抜けたようにぼんやりとしている。
「そうやな。カナちゃんは寂しかった。せやさかい、悪い男にひっかかってしもうたんや」
「悪い男? 可奈子ちゃんは女性同性愛者じゃなかったんですか?」 俊夫さんが驚いた。 「今は女性同性愛者やけど、昔は違うたんや。 カナちゃんと知り会うたとき、カナちゃんはもう啓子ちゃんと恋人同士やったけど、 同時に、高校生のときからつきおうとる彼氏もおったんや」 「それって、ふたまた…」 俊夫さんの言葉を、夏美さんは全力で否定した。 「ちゃうんや。カナちゃんは別れとうてしゃあなかったんやけど、男のほうが カナちゃんを暴力で脅して、別れんて言いはりおったんや」 「その男は誰なんですか?」 「名前は南や。会うたことはあらへん。 一回セイちゃんとうちでヤキ入れたるさかい、 南に会わせえて何度もゆうたんやけど、 カナちゃんは自分たちの問題やからって、拒否したんや カナちゃんは南のせいで、えらいつらい思いばっかりしてたんやけど…」 「もしかして、南が田中さんなんじゃないか?」 美樹本さんはひらめいたという声で言った。 「可奈子ちゃんは、さっき田中に恨みがあったと言ってたじゃないか」 「せやな。田中、いや、南か…がうちらを避けはったのも、 うちらが南にヤキ入れたがってるのを、カナちゃんから聞いてたから、 顔がばれてないとはいえ会いとうなかったんや」 そこでぼくは言った。 A 「そうですね。田中さん=南と見て間違いないでしょう」 B 「いえ、田中さん=南ではない可能性もあります」
119 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 12:27:33 ID:Mj3RsaQX
>116 >元々は異性愛者だったけれど、南に酷い目に合わされて、「バイセクシュアルになってしまった」 という設定なのだとしたら、性的指向というものを理解していないと言わざるを得ません。 あまりテキストばかりを鵜呑みにしないほうがいい。 上記のようなケースはかなりたくさんある。どっちかと言うと女より男のほうが多いが。 性的指向がどうだのと理屈をこねる前に、実際にそういう人に会って話すほうが早い。 その手の思い上がりと不勉強は後々ヒドイ偏見になる恐れがある。現に「異性に暴力を振るわれたからバイになる人なんているわけがない」なんて偏見が既に出来上がっている。 偏見に満ちているのはお前のほうだ。 まぁ、この手のケースの場合、自称バイセクシャルのメンヘラがほとんどではあるが。
120 :
復讐篇 :2007/06/20(水) 12:47:04 ID:m5csBHGU
>>109 なかなか進まないので駆け足でいきます。
と、僕らが公平さんを捜しに行こうとしたら、階段で鉢合わせした。
「もう夕食ですよ、何してたんです?」僕は聞いてみた。
「いや、ちょっと物置にね。……まあいいじゃないか、はやく食堂へ行
こうぜ」あまり言いたくないらしい。
僕は不審に思いながらも、公平さんの後をついていった。
「よかったじゃない。何も起きてなくて」真理はそんなことを口にして
いた。
への字型の食堂には、への字型の食卓が置かれていた。花柄のテーブ
ルクロスが薄ぐらい室内に似つかわしくない。その上には、弟切草が黄
緑色の一輪挿しに入って飾られている。
席はあらかじめ決められていて、それぞれ名前の書かれたカードが置
かれていた。
料理が運ばれてきても、我孫子武丸なる人物はいっこうに現れず、みんな愚痴をこぼしている。
「にしても、我孫子っちゅうんはなにしとんのかいな。これが重要な取
引やったら、即刻破談やな」例えがよくわからない。
「そういえば、写真を撮ろうと思ってさっき物置に行ったんだけどね、
ミイラや甲冑なんかがあって、なかなか興味ぶかかったよ」美樹本さん
は旅する時はどれくらいフィルムを持っていくのだろう。
121 :
復讐篇 :2007/06/20(水) 12:48:52 ID:m5csBHGU
「この料理なんていう名前かしら」 「へぇ、啓子にも知らない料理があったのね」 「なんでも知ってそうだもんね」三人はずっとしゃべっている。 「みどり、その怪我どうしたんだよ?」 「これ? これは、さっき転んじゃって」なんと、僕以外にも転んだ人 間がいたなんて。 公平さんは、弟切草をぼーっと眺めている。 パチン 「うわあ」情けない叫びが出た。 食堂はいきなり真っ暗になった。 かとおもえば、またすぐ電気がついた。 「おわああっ」美樹本さんが椅子から落ちる。どうしたというんだ。 見ると、食卓の上に何かがある。さっきまでは何もなかったというの に。それは写真だった。みたこともない中年の男性の写真だ。写真立て には、長坂秀佳と書かれている
122 :
復讐篇 :2007/06/20(水) 12:49:55 ID:m5csBHGU
誰だろう。 美樹本さんはひどく怯えているように見える。 A美樹本さんに聞いてみた。 Bなんとなく聞いちゃいけない気がした。 Cまわりの様子をうかがった。
123 :
165 :2007/06/20(水) 13:00:21 ID:bXREyVbr
>>119 実際にそういう人たちと会って話をしたことが何度もあるのですが。
あなたこそ、セクシュアルマイノリティと実際に会って話をしたことがあるんですか?
いえ、無人島ででも暮らしていない限り、LGBTに会ったことのない人なんて
いませんけどね。俺の周りにも、今このレスを読んでいる人の周りにも、必ず
同性愛者や両性愛者はいますよ。ただ、外見も性格も異性愛者と変わらないから、
気づかないだけです。
「上記のようなケースはかなりたくさんある」と言いましたが、それは実際に会って
聞いた話なんですか? まさかとは思いますが、ただのテキストじゃありませんよね?
「どっちかと言うと女より男のほうが多い」って、そんなデータがどこにあるんですか?
あなたこそ偏見に満ちているんじゃありませんか?
124 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 13:14:53 ID:KPqx8dcL
>>119 は
>>42 と同一人物なのでは・・・・?
何でか知らないけど165さんを嫌ってるみたいだし相手にしない方がいいと思う。
125 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 15:55:43 ID:YYhPA6SC
>>122 Cで。
どうも165さんは素直すぎるようですね…
自分で成長しなければといいつつも煽る発言に反応してしまう。
自分も書く立場の人だけど、あまり作者個人の感情的なレスは控えたほうがいいです。
煽り発言によって怒ろうがポテンシャルが下がろうが、それを言葉にするのが一番の間違いです。
何回も言われてきてることですが、
文章の否定や作者の否定にしてもある程度予想して覚悟して書くのが作者ですからね…(逆にいえばそこが一番つらいとこなんですが^^;)
言ってやらないと気がすまないというのはスレのルールにも反します。
結局スルーを心がけるという意味で、124さんの言う通り相手にしないが良しです。
126 :
呪篇 :2007/06/20(水) 18:37:26 ID:zYp9qSt1
ぼくは不思議に思った。 すばらしい朝。いき なり殴られて目覚める。 顎が痛い朝。口 が切れた。 それが始まり。 ただ痛がる僕。 ハ゜パは怒ってる。 妹もぼくを睨む。 もうこんな家嫌だ。 私は私だ。 仮に逃げても、 運命は変わらない。 話はここから始まる。 いなくなるんだ。 決意したぼくは、 ハ゜パの居ない島に渡った。 誰もいない島に着く。 しかし、人は居た。 はたして何があるのか。 ヤスリを持つ老女。 たけ馬に乗る男。 いて座が見える。 ラクに生きたい。 あれ? あ!! A ぼくは見てはいけないものを見た B くだらないと全てを諦めた C ぼく僕は謎が解けた D ぼくは夢から目が覚めた。
リロードしていなかったので、
>>116 の165さんの書き込みを読まずに
>>117-118 を書いてしまいました。
しかもその後外出したので、今そのことを知りました。
なんだか165さんを無視して、同性愛に関する誤った知識や偏見が
入った話を続けた格好になってしまい、申し訳ありません。
性的指向というものを理解していないというご指摘は、そのとおりで、
調べもせずに同性愛というものを軽い気持ちで書いてしまいました。
すみません。頭を冷やして出直してきます。
128 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 23:14:56 ID:ByZzOTBK
もう>165はいいよ。そこまで>165の稚拙な作品を読みたい訳じゃない、
>>100 の反論も的外れだし。批判した時点でROMじゃないでしょう。なんで他人の邪魔するの。
自分が設定したとはいえ、犯人自身が言ったことを後から嘘にしたっていいのに(実は男を殺す動機が無いと思わせるためレズと嘘をついたとか)。
ありえないけど、犯人が一人でトリックは嘘をついただけってのが条件なら可奈子一人に絞れるってのはしっかりとした解答だと思う。
なんでリレーしたいって言って、自分の手から離れたものを設定とか言うの?
>>85 は私だけど「推理」ってコテつけてたのも私。
>>42 はもちろん別人だけど本格的観点で言えば生き埋め編は駄作だと思うよ。本人が反論とかずれてる時点でまともな本格作品は無理なのは分かってた。
だから前スレの段階で本気で推理しようなんて思って無かった。で予想通り、矛盾が少ないとか複数答とか言い出したよね。
生き埋め編はひどいけど一番ダメな点は「誰が嘘をついてるか分からないとしておきながら他人からの情報を実質的根拠が無いのに恣意的に取捨選択してる点」だよ。
>>100 で言ってることも結局人に憶測のつもりで言わせたことでしょ。そんなの否定する根拠じゃない。本格なら
>>389 さんのやってることは間違いじゃないよ。ショートミステリーとしてよく出来てる。何が不満なの?放り出して逃げたのは>165貴方自身でしょ。
机上の空論における整合性だけでミステリーとして十分だよ。無理解でも偏見でもいいよ。結局フィクションなんだし。
個人の元々の思想にそれほど大きな影響を与えるわけじゃない。
他方の作品は読むの止めたけど、もし自分が書けないくせに批判しやがってとか思ってるなら、最初から創作向きの性格じゃなかったんだよ。
餌をお預けして、その矛先を誰かに向けさせて、傷つけられた自尊心を取り戻そうとしても、もう無理だよ。>165の能力では>165の欲してるだけの評価は絶対得られない。元々自尊心が能力に見合ってないんでしょ。
だから>165は貴方らしく、私のせいで書きませんって言えばいいんだよ。そして、みんなはお決まりの言葉を並べて私を非難しなよ。
それでもなお>165貴方が歪曲した自尊心など持ち合わせておらず、本当にスレのため、読み手のためにやってるのであれば待ってる人のためにスルーして書くはずだけど。
129 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 23:39:07 ID:KPqx8dcL
ヒント:「批判した時点でROMじゃないでしょう。なんで他人の邪魔するの」という言葉が当てはまる人が誰なのかよく考えてみよう。
130 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 23:44:08 ID:ByZzOTBK
131 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 23:49:30 ID:KPqx8dcL
ヒントその2:「歪曲した自尊心」を持っている人が誰なのかよく考えてみよう。
132 :
名無しのオプ :2007/06/20(水) 23:58:26 ID:ByZzOTBK
私と ID:KPqx8dcLと>165 私は自説を真相前に披露することで、自分が賢いように見せようとした。書き手の意思も尊重せずに。 >165は他人を批判し、また知識を披露して、思考力は乏しいのに賢いように見せようとした。 ID:KPqx8dcLは何も分かってない、反論も擁護もまともにできない可哀想な子。でもしたり顔で俺は分かってるんだぞって態度。 今更、どう煽られてもこちらは別に動じないからもうやめない?
133 :
名無しのオプ :2007/06/21(木) 00:11:40 ID:kE9yNgGO
ヒントその3:「どう煽られてもこちらは別に動じない」とはどういう態度のことなのかよく考えてみよう。
134 :
名無しのオプ :2007/06/21(木) 00:15:39 ID:kC10sRfE
>>133 開き直り。かつ無責任。だから>165はスルーして続き書けばいいんじゃないかな。もういい?
135 :
名無しのオプ :2007/06/21(木) 00:28:55 ID:88IHvNPT
165さんがここまで必死なのは、ここをROMってる同性愛を書くきっかけになったご友人の為でもあるのでしょう。 165さんは正義感が強くて優しい人なのだとは思う。ただ、一旦熱くなると冷静な判断力を失って、 一番大切な事以外には気が回らなくなってしまってる部分もあるような。 それにここはミス板であって、同性愛について語り合ったり議論する場ではない。 差別や偏見をなくす為に頑張る姿勢自体は立派だと思うけど、 関連スレを他の住人に読ませようとまでするのはちょっと違う気も。 プロの作家でも偏見に満ちた物を書く事が多いらしい同性愛者像なのに、 このスレの書き手さん達に完璧な物を求めるのはハードルが高すぎるのでは。 もちろんそれが分かってるからこそ、元はその設定を作った自分が悪い・最初から書かなきゃ良かった、 として389さんをなるべく責めないようにしてるのだろうけど、本当の意味でのフォローになってないような。 それじゃますます389さんは自分が書いたせいで165さんを追い込んでしまったと気にするよ。 それにここがかま夜のスレである以上、165さんが書かなくても同性愛ネタはいずれ誰かが書いたかもしれない。 そしてそれが少しでも偏見に満ちた物であった場合、その都度批判して訂正させるの? それって最初に165さんが望んで始めた物とどんどんズレて行く気がするのだけど。 他人に任せるからこそ、自分が考えてた物と全く違う方向に話が進み、 多少の矛盾や問題点は気にせず楽しもうとは思えないかな? 同性愛の偏見については非常に難しくデリケートな問題で、 ここで簡単に結論が出るとも思えないので、また別として考えて。
136 :
名無しのオプ :2007/06/21(木) 00:28:57 ID:kE9yNgGO
ヒント4:「(煽りを)スルー」できていない人は誰なのかよく考えてみよう。
137 :
名無しのオプ :2007/06/21(木) 01:21:18 ID:IaPMlk8s
ヒントとか話ダラダラ長引かせて終わんないからやめたら?
うざいよ、いつまで165がどーだとか、ていうかID:kE9yNgGOとかどんだけ根暗よ?
このスレが一気につまんなくなったわ。書き手と選択する人と推理したりスレ楽しむ人以外、そもそも書き込みすんなよ。今お前ら全員何を話し合ってんのさ?
全員スルー出来てねーのに何が
>>136 だよ、キチガイが。
138 :
165 :2007/06/21(木) 02:12:15 ID:G/+bKS6d
前スレ
>>440 B「ぼくは、真理が好きだ」
こうして、ぼくたちは晴れて結ばれた。逃亡した香山さんやその共犯者のことも気になるが、ぼくたちにはもう関係のないことだった。
>>36 F「夏美さんを助けるためだ」
夏美さんは意味が分からないと言い張ったが、ぼくは無視した。小林さんは警察に自首し、事件は解決した。
もうこれで全員満足でしょう。後はみんな好きにしてください。さようなら。
スレが荒れてしまって、申し訳なく思ってます。
そして、勝手なことを言って悪いのですが、
これから、生き埋め編389の可奈子と啓子は恋人同士ではなく、
幼馴染の大親友、というふうに、設定を変更させてください。
そうすることによって、165さんが前スレで書かれたストーリーとの間に、大きな矛盾が
生じてしまうわけですが、同性愛というものを書く自信がないので…。
私の力不足で、こんなわがままを言ってすみません。
これからは可奈子と啓子は幼馴染の大親友で、ふたりとも異性愛者、
ということにして書くので、読む方もそのつもりでお読みください。
そしてスレを見たら、誰も
>>118 の選択肢を選んでませんね。
自分で選ぶのはむなしいので、どなたか選んでください。
140 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 09:33:44 ID:x6ctY/TF
Aでお願いします。
141 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 10:00:38 ID:hDR7C6GA
本当にこんなこと言いたくないし、自分が酷いことを言ってるって自覚してるんだけど、あまり選択肢入れずに早く終わらせた方がいいと思うよ
165さんは選択肢編をやめてから、ずっと自分のコメントを我慢してたみたいなんだよね
選択肢編のときに、小説以外のコメントをするとスレが荒れるってことを学んでいたからだと思う
それで生き埋め編と雪隠し伝説編を始めてからの最初のレスが、
>>389 に対するものだったんだよ
>>138 みたいな結果になってしまったのは、本当に残念だ
はっきり言わせてもらうけど、その責任は荒らしたり煽ったり批判したりした奴らにあるよ
マジで死んでほしい
165さんの文章よりレベル低いのなんて、このスレの中にも過去スレにもゴロゴロ転がってるじゃん
それなのに165さんばっかり標的に選んだのは、165さんが素直ですぐに謝る人だったからだろう
悪いのは相手なのに謝るから、相手がますますつけあがるという悪循環だった
前スレの
>>303 で「小林次郎」が選ばれていれば、そのまますぐに完結編になっていたんだろう
それなのに、推理とか、犯人特定できないとか、どーでもいい批判ばっかりしてたから、無理に犯人特定させようとして話が長引いちゃったんだ
どーせゲームのかまいたちだって犯人特定できなかったんだし、別に犯人特定できなくてもいいのに
そうすれば、可奈子や啓子が同性愛者だとかという設定が出ることもなかっただろうし、知識を披露する必要なんかなかっただろう
本当に
>>138 は残念だけど、165さんはこのスレそのものが終わることよりも、せっかく面白くなってきたストーリーを放棄することを選んだんだろう
実際、
>>138 を書いてから24時間以上レスはなかったし、それは成功していたと思う
最後に・・・・このテンプレの「荒らしや煽りは厳禁」というルールは誰も守らないのに、書き手にだけ「現れてもスルー」というルールを守らせようとするのには明らかに問題があるだろ
自分はルール守らないくせに相手にだけ守らせようなんて、どれだけ卑怯なんだ?
>>141 >あまり選択肢入れずに早く終わらせたほうがいいと思うよ
すみません…実はまだ結構続く予定なんです。
私は最後まで書ききりたいんですが…。
143 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 10:34:57 ID:hDR7C6GA
あのね・・・・何か勘違いしてないか?
>>132 が「私は自説を真相前に披露することで、自分が賢いように見せようとした。書き手の意思も尊重せずに。」と認めてたよね
本当にこんなこと言いたくないんだけど、389さんだって同じだよ
まあ、誰だって頭悪いと思われるよりは賢いと思われたいだろうからしょうがないかな
自分だって、他人から賢いと思われたいのは同じだし
チュンソフトのゲームは面白い。 完
145 :
無理やり篇 :2007/06/22(金) 12:38:33 ID:dZCOeeqk
田中さんが密室で死んでいた。 死因と犯人名を入力してくれたら、適当にでっちあげます。 田中さんは_____死で、 殺したのは_____だ!
146 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 13:34:00 ID:Ta9zvkma
腹上 美樹本
147 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 13:45:06 ID:a+dNuefY
>>142 じゃーもう逃げないで最後まで書いてねー?楽しみ。長くても良いし前スレでも書ききるって言ってんだから、批判はスルーして書いて。
>>143 もーやめようぜ?137の言ってる事ももっともだわ
148 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 14:00:33 ID:nZOHUoFz
ごめん、自分も
>>141 =
>>143 が何を言ってるのかよく分からない。
せっかく165さんがこれ以上スレが荒れないようにと断腸の思いで完結編を書ききるのを放棄したのに、
389さんがそれを元にしてる話をいつまでも続けてたら、今度はそっちで荒れるんじゃないかって事?
389さんは165さんの真意をちっとも汲んでないって事?
少なくとも、389さんは自分が賢いと思われたいからこのまま長い話を書きたがってるとは思えない。
165さんの話がこんな結果になってしまった事を残念に思い、責任も感じてるからこそ、
せめて自分だけはちゃんとした形で終わらせようとしてるのでは?
悪いのは煽ったり批判した人たちで、389さんは全然悪くないと思ってるけど。
>>132 と389さんが同じだというのも全く理解出来ないし。
自分もこの結果はすごく残念だし、もし165さんの気が変わってくれるのならぜひ続きを書いて欲しい。
でも本人の意思だからどうしようもないし、もしまたスレが荒れたりしたら一番傷つくのは165さん自身だから強制は出来ない。
本当にどうしてこんな事になっちゃったんだろう・・・。
149 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 16:08:58 ID:RRYHJ/fE
こんなことになったのは、荒らしたり煽ったりする奴がいるからだろう
所詮このスレだって2ちゃんねるの一部なんだし、当然の結果かもね
第一、
>>137 だってスルーできてない上に煽り返してるのは同じじゃん
自分だけ無関係みたいな顔するなってことだろ
389だって前スレで真相が明かされる前に自説の推理を披露してたし
150 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 17:16:36 ID:nZOHUoFz
>>149 自説の推理を披露するだけなら感想とほぼ変わりないのだから、別に荒らしや煽りではないのでは?
その話の書き手さんが、書きづらくなるからやめて欲しいと言えば別だけど。
だから前スレの「推理」さんや
>>389 さんは荒らしてたとは思えない。
「犯人が特定出来ない=今のままじゃ難しくて分からない、もしくは色んな可能性がありすぎるので、もっとヒントください、」
は批判の内に入ってしまうの?
時々出てくる「165さんは知識を披露」の批判も、同性愛者関連の事だけではなく、
トイレの呼び方とかかまいたちとか大岡越前とか雪に生き埋めにされて亡くなる原因とかの話もひっくるめてだと思う。
自分は「よく調べたなーor知ってたなー。もちろん自分が知ってる話もあるけど、知らない部分は豆知識として勉強になるな」
程度にしか思わなかったので、もちろん批判する気はないけど。
151 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 17:54:42 ID:RRYHJ/fE
いや、「推理」は明らかに荒らしだろう
それに、前スレの
>>390 とか困ってそうじゃないか?
しかも、165の話が全て終わるまで待つと言ってたのに待たなかったし
でも、少なくとも「知識を披露している」って批判は的外れだよな
プロの作家にだって島田とか貴志とかストーリーに関係ない知識を披露したがる人なんていくらでもいるけど、165のは全部ストーリーを作る上で必要なものだったっぽいし
例えば、
>>285 あたりの雪崩の発生条件の説明なんかは思いっきり説明口調丸出しだったけど、あの雪崩が自然災害ではなく人為的なものである根拠を示すためにはどうしても必要だっただろう
根拠もなく人為的なものだなんて言い張っても誰も納得しないし
啓子と可奈子が恋愛関係にあったって設定にしたのも、可奈子が真犯人に復讐するフラグっぽかったし
むしろ、それだけ真剣に作品に取り組んでいるんだなと思ってた
152 :
テンプレA :2007/06/22(金) 20:05:10 ID:P3zhLVsO
今日仕事帰りに初プレイ。みんなフェニックスとゼブラ触ってるな。フェニックスは結構強い気がする。打撃も出が早いし、必殺技も安定した感じだった。ビッグボディでかいなぁ。 ゼブラ使って1戦目のCPUクロエに負けた;;使いにくい・・・。
ごめん。誤爆った。スルーでよろしく。 ↓
154 :
名無しのオプ :2007/06/22(金) 20:22:47 ID:a+dNuefY
>>153 どんな登場の仕方ですか!?w 三日月島篇感動しましたよー
あ、いや専ブラで書き込み確認無しにして失敗しちゃった。もうIEで見えなくてorz。 実は「このスレを見ている人はこんなスレも見ています」で一時期下段をキン肉マンスレで埋めたのは自分のせいですorz。スレ汚しごめんね。
パート5・・・容量余ってるから新章投入したんすけど 反応ゼロなんで・・・・。 誰も見てないのか レスするほどたいした事ないのか、 どうしようか悩んでます OTL スレ汚し申し訳ございません
157 :
名無しのオプ :2007/06/23(土) 18:46:32 ID:grvrwY0z
選択肢もないのに反応があるわけないだろ… 一応文はみてる。
158 :
名無しのオプ :2007/06/23(土) 19:11:53 ID:SVWe6cHL
>>157 に同意。感想は自分が選択する時か、誰かが選んだ後にしようかなと思ってた。
むしろ選択するか悩んでるのは前スレにも書いてあった
>>126 の呪篇。普通に選んでいいものかどうか。
文章のあちこちにおかしな部分があるので、絶対何かのメッセージが隠れてる気がするのだけど。
でも気になるので選んでみます。
>>126 はAで。
159 :
158 :2007/06/23(土) 19:16:37 ID:SVWe6cHL
選んだ直後に謎が解けてしまったw それでもどれが正解かやはり分からなかったりする。 どう進むか気になるので選択肢はそのままで。
160 :
名無しのオプ :2007/06/23(土) 22:32:40 ID:R+qGJ0/y
>>156 いや……感想がないの、羨ましいんですけど。感想の内容によっては、なけなしのやる気が
なくなってしまいますから。やっぱり、完結するまでは否定的な感想は控えてほしかったな……。
全部終わってからなら、未完で終わることもなかったのに……。
選択肢があれば選びますけど、「続く」とか選択肢とかないと、感想を言いたくても言えません。
>>126 の呪篇は、どうやら空白のスペースで半角を使っているらしくて、残念ながら仕掛けが
うまく作動していないように見えます。専用ブラウザの種類によっては、アンカーにカーソルを
合わせると、どこが空白になっているのか分かると思いますが。全角でスペースキーを押せば
ちゃんと空白が表示されると思います。大きなお世話でしょうが、ちょっと忠告してみました。
面白いアイデアなので、もったいないと思って。不愉快だったらごめんなさい。一番正解に近い
のはBだと思われますが、どれを選んでも内容に合っているので問題ないようにも見えます。
161 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:43:24 ID:KsUz3SmM
(作者注・・・この作品は解決編のみによって構成されてます) 「犯人が分かったかもしれない」 「え?今何て言ったの?」 ぼくのすぐ横に座る真理が聞き返す。 その問いに答えず、頭の中ですばやく情報を整理する。 最後に殺された俊夫さんが、4番目に殺された美樹本さんの車の中を見てつぶやいた一人言。 それを聞いていたのはぼくと真理・・・あとはたしか・・・・。 『うーん。アレがあればこの犯行は内部犯でも説明できるんだが』 俊夫さんはシュプールの従業員にも客にも犯人はいない。そして、残された足跡などの痕跡から外部犯であると思ったんだ。 しかし、その俊夫さんも犯人の凶刃にかかり、もう存在しない。 6人もの人間の命を奪った犯人。それはこの中にいる・・・。 ぼく、真理、小林さん、みどりさん、啓子ちゃん、亜季ちゃん、春子さん。 残された人間は7人だけ。 殺されたのは6人もだ。 田中さん、香山さん、可奈子ちゃん、美樹本さん、今日子さん、俊夫さんだ。 まず第一の事件・・・田中さんが殺された事件だ。 『いやぁ、変な格好で悪いねぇ。これも商売、宣伝のうちさ。最初に変質者ぽくみせると取材がうまくいく。ここではそんな必要ないんだがね』 』 旅行雑誌の記者をしている田中さんは変装していた見た目とは裏腹に気さくだった。 要は取材先で、最初に警戒心を抱かせ、打ち解ければ反動で取材しやすくなるのだそうだ。 『ガイドブックに載ってるようなありきたりの場所なんかウチの雑誌では紹介しないよ。隠れた名所を探すのがいいんだ』 これは食事の時に、田中さん自身が語った言葉だ。サングラスの下の目は意外とかわいらしく、実際の人相も人懐っこい感じだった。
162 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:46:05 ID:KsUz3SmM
その田中さんが部屋で死体となって発見されたのは午後9時を回った所だ。 カメラマンの美樹本さんが元々、知己であった田中さんに頼まれてた写真を渡しに行った時に、部屋から返事が無いので、不審に思ったらしい。小林さんを呼び合鍵を使って部屋を開けた。 部屋には物色された痕跡があった。犯人は何かを探したのだ。 それはきっと動機に関わるもので、また、それが発見されると都合が悪いのだろう。 美樹本さんがシュプールに到着したのは午後8時少し前で、夕食は終わっていたために、今日子さんや小林さんが後から美樹本さんの部屋に夕食の残りを利用した軽食や酒を届けたのだ。 田中さんは小林さんに美樹本さんが来たら、『例の写真を届けて欲しい』と言伝を頼んでいた。 小林さんがお酒を持って、それを美樹本さんに伝え、美樹本さんは食事をして、小休止をした後に田中さんの部屋を訪れた。 ぼく達が田中さんを最後に見たのは、談話室で会話して、部屋で休むと2階に上がって行った時だ。 その時刻は7時半頃。 殺害と物色に必要な時間はどれくらいだろう?旅行かばんを見る限り、おそらく10分も必要ないと思う。 いずれにしろ、談話室でやれ就職がどうだ、景気がどうだと会話をしていたぼくと真理、俊夫さん、香山さん、春子さんには不可能だったのは間違いない。 では、2階にいた人間、そして2階に上がった人間をぼくは思い返す。 2階にいたのは、OL3人組、可奈子ちゃん、啓子ちゃん、亜季ちゃん、そして田中さん、美樹本さんだ。 それから2階に上がったのは、小林さん、今日子さん、みどりさんの従業員ら3人。サービスで飲み物を運んだり、掃除をするために上がった。 小林さんは3回ほど、デザートやお酒、ホットドリンクの入ったポットを持ってあがった。合計は15分くらい2階にいたことになる。 今日子さんは2回、こちらは掃除と美樹本さんに頼まれた軽食を持って上がっている。合計20分ほど。 みどりさんは掃除のために1回だけ上がった。ぼくと真理、香山さんは下にいたので、ぼくたちの部屋合計3部屋とキャンセル客の空き部屋の掃除に30分ほどかかっている。 死体は田中さん自身であり、部屋の暖房はついたまま。窓は内側から完全に閉まっていた。
163 :
名無しのオプ :2007/06/23(土) 22:47:18 ID:SVWe6cHL
>>160 むしろ専用ブラウザのカーソル合わせでないと仕掛けが分からないのは、あえてかと思ってました。
別に仕掛けが分からなくても選択だけは出来ますし。
その辺の真意も書き手さんが出てきてくれないと分かりませんが。
>>160 の内容からすると、あなたも書き手さんの一人なのですね?
やっぱり進行中の感想ってわずらわしいですか?
確かに単なる「続きキター!」とか「次の展開が楽しみ」とかの簡易の感想ではなく、
長文で感想を書いたり分析や推理したりはここ最近の傾向なのですかね?
すいません、長文感想の一人です。基本的に批判はしてないつもりですが。
164 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:47:55 ID:KsUz3SmM
死体発見時、田中さんの部屋は閉まっていたが、シュプールの鍵はプッシュ式で、鍵自体を持っていなくてもかけることはできる。 田中さん本人が、部屋をノックする音で扉を開けたのなら、やはり鍵の所有に関して論じても意味が無いのだ。 死体は田中さん自身であり、部屋の暖房はついたまま。窓は内側から完全に閉まっていた。ナイフで胸を一突き、つまり刺殺だ。 これは以降、他の人間が殺されたのと同じであった。 凶器は、最後に殺された俊夫さんの身体に突き刺された状態で発見された。まるで全ての終わりを告げるかのように・・・。 だけど、俊夫さんが殺されたのは別の動機だと思う。 それはきっと、俊夫さんが真相に近いところにいたからだ・・・。 少なくとも俊夫さんが死んだのはぼくのせいじゃないはずだ。たぶん。 いや絶対。
165 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:49:02 ID:KsUz3SmM
第2の事件・・・次に殺されたのは香山さんだった。 正確には殺されたのが分かったのは・・・だけど。 興味本位で小林さんについて行き、現場を見て後悔したぼく達が軽い検分を終え、現場保存のため殺害現場を閉めた小林さんが、警察に連絡をしようとしたのは午後9時半。ただし、電話はつながらなかった。 田中さんの死体が発見された時に談話室にいた香山さんと春子さんは、美樹本さんが小林さんに『いたずらに騒ぎを大きくしないほうがいい』という 忠告に従い、小林さんは香山さん達に何も知らせなかった。 今にして思えば、その時に、はっきり『殺人事件が起こった。犯人はこのペンションの中にいる可能性がある』と伝えれば、香山さんは死ななかったかも知れない。 だが、手遅れだった。香山さんが殺されたのは、地下室。犯人が誘い込んだのだろう。談話室に人がいるかいないかを確認してすばやく、行動を起こせば可能だったはずだ。 厄介なのは談話室に誰もいなかった事だ。 ぼくと真理と美樹本さんと小林さん、今日子さんは、小林夫妻の部屋で田中さん殺害に関してどうしようかと相談していたのだ。 小林さんの部屋の横にはペンションの裏口があるので、誰かが外に出ようとしても小林さんの部屋の扉の小窓から見えるようになっている。 小林さんの部屋の窓からは、雪が強く降っていたのが見える。 シュプールには地下室を除いて、全ての部屋に窓がある。 談話室に誰がいて、誰が2階から降りてきたのか、あるいは誰かが2階に上がっていたのかは分からなかった。 それも完全に失態だったといえる。 香山さんだけじゃない、シュプールにいる客全員に知らせるべきだったのだ。
166 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:50:13 ID:KsUz3SmM
春子さんの証言によれば、香山さんは部屋に戻った後、談話室に携帯電話を忘れたから取りに戻ったらしい。 そのタイミングが悪かった。犯人は談話室で、香山さんに話しかけ、地下室に呼び込み、殺したのだ。なぜなら香山さんは田中さんが殺されたのを知らない。 知っていたのは、犯人を除くと、小林さんの部屋に集まった5人だけだった。 玄関の人が通過すると小林さんの部屋で音が鳴るブザーが二回ほど鳴ったが、俊夫さんが見回りをしたりすることがあるとのことだった。 裏口の方はチャイムは鳴らないのだが、俊夫さんは玄関から出たり気まぐれだったと言う。 春子さんが香山さんの事を心配して降りてきたのは、20分後だ。なぜ、そんなに遅くなったのかといえば、入浴していたかららしい。 小林さんの部屋を訪ねた春子さんには風呂上りの人妻の魅力があった。などと言うと真理に蹴飛ばされそうだが。 その時には、従業員の俊夫さん、みどりさんはそれぞれの部屋にいたため、協力して香山さんを探すことになった。 既に殺人事件が起こっていたこと知っていたぼく達は心底、不安だったが、春子さんや俊夫さん達は、楽観的だった。 行き違いをなくすように談話室に春子さんと今日子さんを待たせ、香山さんが入ることが不可能な空き部屋と、OL3人組の部屋、田中さんの部屋を除き、調べまわった。結果地下室は一番後回しになった。 いや、外部犯という結論を一度出してしまった以上、結果本当に一番最後の探索になるのは、『外』である。 地下室に入る事は従業員しか無理だという考えは簡単に覆された。なぜなら、鍵は壊れていたから・・・。 地下室で香山さんの死体を発見したのは、小林さんと、美樹本さんだ。ぼく達は談話室で待機していた。 もし、地下室に香山さんがいないのであれば、『外』に探しにいかなければならない。吹雪き始めて寒い外へだ。 だが、それは行う必要が無かった。幸か不幸かではなく、小さな不幸か大きな不幸かの出目の中、大きな不幸が現れたからだ。 死因も田中さんと同じく刺殺、やはり時間はあまり必要なかっただろう。
167 :
解決編 :2007/06/23(土) 22:57:35 ID:KsUz3SmM
殺されたのが分かったのは香山さんの方が早かった。 だけど便宜上第3の事件とした可奈子ちゃん殺害に関しては、タイミングがはっきりしないために、香山さん殺害とどちらが先だったかは分からない。 第3の事件・・・可奈子ちゃんが殺された事件だ。 ぼく達が小林さんの部屋で会議を始めた午後9時半から香山さんの死体が発見される10時半までの間、談話室に今日子さんと春子さんがいたのは10時以降の事になる。 可奈子ちゃんがOL部屋を出たのは、午後9時少し前。 部屋に残る二人に『今廊下で格好いい人見つけちゃった。ちょっとアプローチしちゃおっかな』と告げ出て行ったらしい。 論理的に考えるなら、ゲレンデからの帰宿時、および夕食時に会ったぼくや田中さん、俊夫さん、ましてや小林さんの事ではないだろう。 その格好いい人とやらは。うん、まぁ、たぶん。 可奈子ちゃんが廊下に出た理由は今日子さんから、軽食を受け取るためで、タイミングが美樹本さんが小林さんから酒を受け取った時に・・・ということになる。 ただし、その時、美樹本さんは可奈子ちゃんには気づかず、また、後から部屋がノックされてもいなかったらしい。 つまり部屋を出た直後に襲われた可能性があった。 単純に考えるなら、田中さんを殺した犯人が、部屋から様子を窺って出たものの、運悪く目撃されたのだと考えられる。 可奈子ちゃん自身は、その人物が田中さんを殺しているなんて思ってもいなかっただろうから、何の警戒を抱くこともなかったはずだ。 あっさり世間話でもするつもりで、会話をしたのかも知れない。もちろん、可奈子ちゃん自身に殺される理由があった可能性もある。 だが、部屋から自分の意思で出ており、基本的にいつでも3人一組で行動していたのだから、最初から可奈子ちゃん自身がターゲットだったとは考えにくい。 可奈子ちゃんの死体が発見されたのは、とんでもない所だった。ぼくの・・・部屋だ。 実に厄介な事に、可奈子ちゃんの死体はぼくの部屋のベッドの下に転がされていた。死因も同じ。 そして、ぼくは犯人として疑われる事になった・・・
168 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:01:10 ID:KsUz3SmM
訳ではなかった。 基本的に真理や小林さん達と一緒に行動していたために、ぼくには一切の疑いがもたれることなく、決して喜んでいいことではないのだけど、ほっとしたのも事実だ。 3人目の被害者の発見で談話室にシュプールの全員を集めることにした。 のだが、一人が『こんな所にはいられない。俺は出て行く』と言った。 第4の事件の被害者、美樹本さんだった・・・。 その時、談話室にいたのは、ぼくと真理、小林さん、俊夫さん、今日子さんだった。 みどりさんと春子さんはあまりのショックで青ざめた顔でそれぞれの自室に引き上げて行った。 『外は吹雪いてる。帰ることは無理だと思います』と小林さんが制止した。 『いや、車の中で一晩過ごすさ。殺人犯とは一時たりとも一緒にいたくないんでね』そう言って玄関を出て行った。 『寒いから、暖房がいるな。バッテリーあがらなきゃいいけどな』と俊夫さんが言った。 すぐにエンジンをかける音が聞こえた。音はすぐに静まる。最初のエンジンをかける音は吹雪を貫いたが、通常運転の音は雪にかき消されるのだろう。 OLの二人に可奈子ちゃんの死を知らせないといけないのだが、談話室にいた全員が憔悴しきっており、動く気力も無かった。
169 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:07:03 ID:KsUz3SmM
ブロロロロ ブロロロロ 美樹本さんが出て行った30分後、再びエンジン音がなった。それも、何度も何度もだ。 『何があったの?この音って何?』 と言って、みどりさんが従業員や小林さん達の部屋のある廊下の方から談話室にやってきた。誰かが玄関から外に出て行ったということはない。 『あいつが狂ったんだろうよ』俊夫さんが答えた。 『それにしてはおかしくありませんか?』ぼくは確か、そう尋ねた。 『うむ。少しおかしいな・・・。何か伝えようとしているみたいだ』小林さんも同調して言った。 『ねぇ、もしかして襲われてるって合図じゃないの?』みどりさんが言った。 『・・・嘘、もういや』真理が青ざめた顔をしていた。 2階のOLがその時は二人一緒にいたことは後の証言で分かったが、可奈子ちゃんが戻らないことは不審に思わなかったらしい。 曰く『仲良くなって、よろしくやっているのかも知れない』との事だった。 玄関を出た時、外はかなり真っ暗で、雪は強く降りそそいでいた。 シュプールの周り全体は木の床が外に向かって1m程飛び出し、上げ底になって、木の床の上には足跡が残らない。 屋根が木の床よりも大きくはみ出ているので、飛び出した床に雪はのっても、積もるほどのことにならないようにしてある。 玄関を出た順ははっきりしている。俊夫さんが先陣を切り、小林さん、真理、ぼくの順で後に続いた。 みどりさんと今日子さんも少し遅れてやってきた。 美樹本さんの車は玄関から少し離れた所に止めてあった。20m程だっただろか。 他の人の車は結構近くに止めてあった。 俊夫さんや小林さんが足跡をつけるまでは一人分の足跡しか無かった。 車までは足跡が残っていたが、雪のせいでかなり埋まりかかっていた。 『もしかして美樹本くんは、犯人に襲われていることを知らせるために、エンジンをかけたり切ったりしたんじゃないか?』 『だが、見てのとおり間に合わなかった』 俊夫さんが悔しそうに言った。 美樹本さんもナイフで胸を一突きに殺されていた。車の暖房のせいか、身体は少し温かかった。
170 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:09:31 ID:KsUz3SmM
『うーん。アレがあればこの犯行は内部犯でも説明できるんだが』 『やはり、犯人はシュプールの従業員でも客でもなかったのか?』 『そうですね。助手席側から、足跡が林に向かって伸びてます』 そこから先は行かないほうがいい。 犯人に遭遇するどころか遭難する恐れもあったからだ。 俊夫さんが小林さんに答えた。 その場にいたのは、ぼく、真理、小林さん、今日子さん、俊夫さん、みどりさんだ。 ぼく達が小林さんの部屋で会議をしていた時に、シュプールの外に逃げ出した犯人は美樹本さんに向かって、迷っているからとでもいい、車を開けさせた。 ナイフで美樹本さんを殺し、吹雪の中、林に向かって逃亡した・・・。 それが、その時の答えだった。 そして、それで全てが終わるはずだった。 今日子さんと俊夫さんが殺されるまでは・・・。
171 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:11:23 ID:KsUz3SmM
今日子さんが死んだのは、本当に不意をつかれての出来事だった。 『犯人は逃げたのは間違いない。OLの二人には申し訳ないが、今日は休んで、明日にしよう』 その小林さんの言葉に、疲れ切ったぼく達は首を振るより他無かった。 ここでも凶器はナイフ。今回は綺麗に一突きされた訳ではなかった。 今日子さん自身の部屋の窓際で何度も、何度もグサグサとさされた。 体勢は、首根っこをつかまえてという感じだ。 窓を叩き、おそらく今日子さんは開けてしまったんだろう・・・。 もし見知らぬ他人だったら今日子さんは開けただろうか? 小林さんが入浴中の出来事だ。 ぼくと真理は二人でぼくの部屋にいた。 俊夫さんは既にいなかった。 OLの二人と、春子さんもみどりさんもぼく達と同じく、自分の部屋にいたという。 談話室に誰もいなかったのだから、誰がどこにいたかという事は分かりようが無かった。 風呂から上がった小林さんは、寒さを感じ、窓の方を見た。 そして今日子さんの死体を発見したのだ。 小林さんは大きな悲鳴を上げた。その声に気づき、ぼく達は小林さんの部屋へと向かった。 談話室には、春子さんと啓子ちゃんと亜季ちゃんがいた。 『さっきの何ですか?可奈子は知りませんか?』 そこで細かく事情を説明すると、二人は泣き出したのだ。 春子さんも香山さんの死を思い出したのか、暗く沈んでいた。 談話室に3人を残し、ぼくと真理は小林さんの部屋へと向かった。 既にみどりさんがいた。泣いてる様だった。 小林さんはすすり泣き、真理が何とかなだめようとした。
172 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:12:55 ID:KsUz3SmM
ピンポーン ピンポーン ドアチャイムが鳴った。これは玄関の扉が閉まっていたからだ。 その時は談話室に全員集まっていた。今日子さんの死体を発見してから30分後くらいの出来事だった。 小林さんも、OLの二人も、春子さんも大事な人を失った。 林の中へと逃亡した犯人が、今日子さんを殺しに戻ってきた位だから警戒していた。 だから朝まで外から犯人が入らないよう、また入ってきても何とかしようと武器を持ち、持久戦の様相だった。 ガタガタッ 外の人物は今度はドアを叩きつけた。 『透くん。開けてはダメだ。きっと犯人だ』 小林さんの言葉に、一旦はぼくは頷いた。 ぼく達は冷静な判断力を失っていた。 チャイムを鳴らした人物が、犯人だと思い込んでいた。 俊夫さんがいないことに気づいていなかった。 『いや、ここは一晩おびえて過ごすより、一気呵成に攻め立てましょう』 ぼくは持っていた武器・・・モップを強く握って、扉を一気に開け放った。 ドコドコッ 玄関の外にいた人物に、ぼくはモップを叩き付けた。 その人物は、そのまま仰向けに倒れ、上げ底の階段前に仰向けに倒れた。 ぼくは一気に攻め立てた。 『ちょっ・・・まっ・・・・』 その人物はひたすら止めようとしたが、ぼくは構わず、モップを何度も振り下ろした。
173 :
解決編 :2007/06/23(土) 23:15:42 ID:KsUz3SmM
『ちょっと透!!!!!待って、その人、俊夫さんよ!!!!』 真理がぼくを後ろから羽交い絞めにして、止めた。背中に感じるおっぱいの感触が良かった気がする。 『えっ?』 ぼくは、その人物を見下ろした。 『うぅ・・・・。犯人・・・は・・・』 ガクッ 俊夫さんは、そのまま死んでしまった。凶器のナイフが俊夫さんの背中に突き刺さっていた。 身体の雪の積もり具合から判断するに、今日子さんと同じくらいのタイミングで刺された俊夫さんは一度、ショックで気を失った。 犯人は俊夫さんが死んだと思って、きちんと止めをささなかったんだ。 ナイフが出血を抑えていたために、気がついた俊夫さんは何とか玄関にたどり着き、チャイムを鳴らしたのだ。 そして・・・。 『君のせいじゃないさ、外にいた犯人のせいだよ』 ぼくは小林さんに慰められて、談話室に戻った。 それがついさっきの事だ。 そして、今でも全員犯人は外にいるままだと思っている。 『ところで、犯人はどうやって中に入ってきたのかしら?』 ああ。そうだ。この中に犯人がいない・・・。 なんて事はないんだ。 田中さんが殺される前に、外から誰か別の人物が入ってきたら気づくはずだもの・・・。 事件が起こる前に不自然な侵入者があったなんてこともないんだ。 そのためにブザーがあるんだから。 ああ・・・。犯人はこの中にいる。それも単独犯だ。それが可能であったのは・・・。 そして、ぼくはつぶやくのだった。 「犯人が分かったかも知れない」と・・・。 犯人名入力****
174 :
名無しのオプ :2007/06/24(日) 10:46:01 ID:grlZaw2Y
175 :
解決編 :2007/06/24(日) 15:34:42 ID:kqFlWQ62
「犯人が分かった!!!みどりさん、あなただ!!!」 ぼくはみどりさんを指差して言った。 「どうしたのと透?だってみどりさんはさっき美樹本さんが車のエンジンをかけたりしてた時にここにいたじゃない」 「うん。だけど、他の事件のアリバイは全くないんだ。そこにだけトリックがあったんだ」 「トリック?」 「まず田中さんの事件で殺害が不可能なのはぼくと真理と香山さん夫妻、俊夫さんだ」 「次に香山さん殺しの時だけど、ぼくと真理、美樹本さん、小林さん、今日子さんには不可能だった」 「可奈子は?」 「可奈子ちゃんは、美樹本さんの部屋を尋ねていない。だから、美樹本さんが田中さんの部屋に行く前に殺されたと考えられる」 「うう・・・」 亜季ちゃんがまた泣き出した。 「となると田中さん殺しが不可能だった人間は全員、可奈子ちゃん殺しが不可能だった事になる」 「死体が透の部屋で見つかった事は?」 「みどりさんなら、掃除で入ってる可能だ。理由はおそらく、ぼくに罪を擦り付けるためだ。たまたま見つかったから良かったものの」 あの時、探索で加奈子ちゃんの死体が見つかったのは偶然だった。 「・・・・」 みどりさんは押し黙っている。 「俊夫さんが殺されたのは、さっきの美樹本さんのトリックに気づきそうだったからじゃないだろうか?」 ぼくが止めをさしたことは、とりあえず気にしないでおこう。 「だから、見回りしようかと誘い、裏口から外に出た。今日子さんはもしかしたら裏口へ出て行く二人を見て窓から危険だとか声をかけたんだと思う」 「そこをやられたというのか・・・・」 小林さんが憎悪のこもった目で、みどりさんを見つめる。 みどりさんは黙ったままだ。 「小林さんがいないのに気づいたみどりさんは、今日子さんを窓の外から首を回してつかみ、ナイフを刺した。そして、おそらく他の所へ見回りに行ってた俊夫さんさんを後ろから刺したんだ」 「ひどい・・・・」
176 :
解決編 :2007/06/24(日) 15:37:28 ID:kqFlWQ62
「美樹本さんの車のエンジンは大した問題じゃなかった」 と言っても、疲れて思い出したのは、今さっきのことだ。 「リモコンエンジンスターターと言って、離れたところからエンジンをつけたり切ったりする道具を使ったんだ」 「何?そんな便利な物があったのか?今度買って来よう」 小林さん・・・。 「みんな結構知ってますよ。だけどみどりさんはぼく達がそれを知らないとタカをくくっていた」 「美樹本さんの事件はシュプールにいた全員が不可能だった・・・んじゃなくて、裏口を利用できたみどりさんだけは可能だった」 「みどりさんは美樹本さんと気づかれないよう、玄関で合流し、合体して移動した・・・」 「合体?ガンダムみたいにか?」 おそらく小林さんもロボットを何でもガンダムと言うタイプなのだろう。まぁ、ガンダムも合体するけど。 「足跡が美樹本さんの分しかなかったから、お姫様だっこなり、駅弁スタイルなり、肩車なり、おんぶなり、そんな感じです」 「・・・・」 みどりさんは、何と無く辛そうな顔になった。 「そして、車についたら、即座に美樹本さんを刺し殺した。あとは林に向かって美樹本さんの靴を使い足跡を残して、今度は靴をはかずに美樹本さんの足跡をたどって戻り、裏口から自室へと戻った。時間をおいてエンジンを起動させたって訳だ」 「俊夫さんはアレがないと言ってたわ。それってリモコンエンジンとかの機械の事なんじゃないの?」 「うん。見た限りは無かった。けど、ダッシュボードの下の受け皿のような空間や、小物入れは少し改造するとそういった機械を内側にいれ見えない様にすることができる。俊夫さんも気づくかも知れないと思ったんだ。機械自体は小さいからね」 「吹雪とかで電波が届かないとか?」 「この距離なら、あまり問題ありません」 「そうよ。わたしが犯人よ」 ついにみどりさんが、口を開いた。 「あんな奴ら、死んで当然よ」 みどりさんが、田中さんと香山さんを殺した理由を語った。それはあまりにも凄惨で陰湿な内容だった。 だけど、それはぼくの物語じゃない。みどりさんの物語だ。
177 :
解決編 :2007/06/24(日) 15:38:41 ID:kqFlWQ62
俊夫さん、今日子さん、可奈子ちゃんはやはり事件を目撃したり推測したりしてたことによってだった。 美樹本さんを殺した理由は、『例の写真』という言葉から美樹本さんも同じ仲間だと思ったらしい。 あとから知った事だけど、実際の『例の写真』はただの風景写真だった。 また、みどりさんは美樹本さんに、わたしも狙われてる、怖いから、わたしも車で守ってと頼んだらしい。 スケベな美樹本さんは見返りに何かを要求した。そして、美樹本さんも殺すつもりだったみどりさんは美樹本さんの車のリモコンエンジンスターターを利用し、外部犯に見せかけることにしたのだった。 「結局は男がいけないって事なのよね」 真理が言った。 「いや、男で一括りにしないでよ。ぼくのように誠実な男もいるよ」 シュプールで起きた殺人事件。ぼくの一夜限りの物語はこれで終わりだ。 完
178 :
名無しのオプ :2007/06/24(日) 16:38:11 ID:Grn1g92Q
お疲れ様でした。
探偵というものはこうでないといけないという程、明確に定義づけている訳ではない。 秩序を回復させる者、世界と対峙している者、軌道を指し標す者、悪を討ち滅ぼす者・・・。 私はそれほど傲慢でもない。ただ、目の前に困っている人間がいたら助けたい。 それだけなのだ。私にとっての探偵とは、たかがそれだけのものでいい。 長野でペンションを営む叔父から、連絡を受けたのは昨晩の事だった。 『よかったら、今年の冬にウチに彼氏でも連れて遊びに来ないか?』 というのが、表向きの内容だ。実際には・・・。 『麻薬の取引・・・?』 『ああ知人の警察からの情報なんだが、シュプールで麻薬の取引が行われていたことがあったらしい』 『また、取引が行われるって事なの?』 『ああ有力な筋からの情報らしい。だから、真理に探ってもらいたいんだ。何もなければただ泊まりに来てくれるだけでもいい』 以前、叔父が悩んでいた事や、探し物を当てたりした事があるので、私の探偵としての能力を買ってくれているのだ。 麻薬ともなると、大きな事件である。はっきりと言えば身に余る気もする。 警察に任せたほうがいいとも思う。 どうするべきだろうか? A,引き受ける。 B,断る。
180 :
名無しのオプ :2007/06/25(月) 00:09:27 ID:JdxjGD0/
Bでお願いします
>>179 のB
私は叔父の申し出を断ることにした。
やはり、こういうことは警察に任せたほうがいいに決まっている。
『ごめんなさい。大学の方も忙しいし、やっぱり少し怖いから止めておくわ』
『そうか。じゃぁ、来年のシーズンにでも遊びに来てくれればいい』
叔父は、少し落胆した様子だったが、これが正解だったと思う。
スキーをしにいくのは魅力なんだけど・・。
現実の大きな事件に首を突っ込むのは、ただの女子大生の私には重すぎる。
近所のおばぁさんの飼い猫を探すくらいでちょうどいい。
完
182 :
名無しのオプ :2007/06/25(月) 09:37:54 ID:JdxjGD0/
183 :
名無しのオプ :2007/06/28(木) 18:38:11 ID:WWhAVieI
きたああああああああああああああああああああああああああああああ
前スレ
>>457 からの続きです。
重そうな買い物袋をおろし、一段落ついた真理に小林さんからの電話の話をする。
「で、真理。率直に聞くけど君はシュプールにいきたいかい?」
真理は少し考えた後答えた。
「私もみんなに会えるなら行きたいけど、我孫子って人がどんなヤツかわからないから
用心だけはした方がいいわ」
真理らしい意見だと思った。僕もその意見に賛成して小林さんに返事をいれた。
こうして、僕たちは再びシュプールにいくことになったのだ。
これが、すべての事件の始まりだということも知らずに・・・・・・・。
シュプールに行く日の朝、僕宛に差し出し人不明の手紙が来ていた。
ただそこには、「鹿」という文字の下に「金」と赤い文字で書いてあるだけだった。
知る由もなかったその時は、その文字の意味を・・・・・。
「皆殺し編」
待ちに望んだこの日がやってきた。 私がするべき事は・・・・・・。 A 復讐 B 鎮魂 C 殺人
186 :
名無しのオプ :2007/06/28(木) 23:23:32 ID:mTKOMPiE
私がやるべき事・・・・それは「鎮魂」。 あの子の魂を慰めて鎮める事だ。 あの子の無念・・・私が絶対に晴らすと決めたのだ。 例えその為にまた血が流れようとも・・・・。 A 正岡ルートへ B 美樹本ルートへ C 小林ルートへ
188 :
名無しのオプ :2007/06/29(金) 20:10:32 ID:hEkGgvnK
189 :
名無しのオプ :2007/07/04(水) 20:20:27 ID:haZE0vzw
age
190 :
名無しのオプ :2007/07/07(土) 01:02:20 ID:GrOS2jXc
急に寂れたね……
191 :
名無しのオプ :2007/07/07(土) 06:51:35 ID:wQ8J4ugV
ていうか、あれだけ書き手を尊重しない読み手ばっかりが揃っていれば、そりゃ寂れるだろ
192 :
名無しのオプ :2007/07/07(土) 07:22:41 ID:Tfvndu4t
せっかく今まで構想練って待機してた書き手さんも、 これだけ雰囲気悪くなってたら書き込みづらいよね。 なんでこんなに荒れたのかの原因がはっきりしない以上、 自分が書いてもつまらない事で叩かれそうで嫌だってのもあるかもしれないし。 荒らしてた人たちの目的がこのスレを昔のような雰囲気にしたいって事なら全然思い通りになってないし、 このスレを廃れさせて潰すのが目的なら思う壺で悔しいし。
193 :
名無しのオプ :2007/07/07(土) 11:57:25 ID:GrOS2jXc
まとめも止まっちゃってるしね。
「やめてよ、間違ってるよ・・・・そんなの・・・」 「何、いい子ぶってんだよ・・・。みんな金は欲しいだろ? 一人頭 ん千万だぜ・・・・」 「人を殺してまで・・・そんなお金・・・・受け取れない・・・」 「あんな・・・みんな誰かを犠牲にして生きてるんや 綺麗ごといってたら アカンわ」 「そうだよ・・・こんなチャンス・・二度とお目にかかれないんだぜ」 「あんた、いい子ぶってんじゃないわよ・・・・ほんと・・。 みんなお金が欲しいっつてんの・・・あんたも・・・・殺すわよ・・?」 「私だってこんな事したくはないが・・・・・やはり資金繰りに苦しくてね・・・・」 目が冷める。汗でぐっしょりになる・・・。あの時の忌まわしき記憶が・・・。 横ではまだ真理がすやすや寝ている。もうすこしで、長野の駅につく・・・。 そうあの惨劇の館に・・・・帰るのだ。
195 :
名無しのオプ :2007/07/08(日) 20:23:02 ID:CrF7/yfO
正岡ルート来たー!!
「おお、真理に慎太郎くん・・・久し振りだね!!」 シュプールに着くと早速小林さんが迎えてくれた。元気そうで何よりだ。 「小林さん、お久し振りです・・・」 「まぁ、そんな所でつったてないで部屋に荷物を置いてきなよ」 そこで僕は・・・ A 真理と一緒に二階にあがり荷物を置きに行くことにした。 B 「すいません、その前にトイレ」強烈な尿意に襲われたのだ。 C めんどくさいんで、小林さんにもってくように頼んだ。
197 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 10:05:53 ID:++lSvrNV
Aで
198 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 12:22:27 ID:mh82fqfe
まとめ漸く更新しました 遅くてすみませんorz
199 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 13:21:44 ID:WF8CIXqa
>>198 まとめ更新お疲れ様です!
ありがとうございます!
200 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 21:26:52 ID:3WCla3ZU
前スレ
>>112 の続き
・選択した材料
フルーツジュース、パスタ、光り物の魚
ぼくは、3つの材料を取り出すと、キッチンに立った。
光り物の魚の処理を開始した。
頭を落とし、内蔵を抜く。
鮮やかに三枚におろす。
その光景を見た小林さんが言った。
「ほう、やるじゃないか。
どうやら私の料理にケチを付けたのは、ハッタリではなさそうだな。」
ぼくは小林オーナーを無視した。
次に、フルーツジュースを香り付けに、パスタソースを作る。
柑橘系の香りと、酸味が利いたパスタソースだ。
最後に、パスタを茹で、ソースとカルパッチョ風の魚を混ぜて
完成となった。
「透、凄いじゃない!
手際が良くて見とれちゃった。」
真理が素直に感動している。
「まあね。
ここの三流オーナーに分からせてやらないとね。」
小林さんも作った料理を持ってきた。
「さあ、味比べといこうじゃないか。」
201 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 21:55:04 ID:3WCla3ZU
小林オーナーが作った料理は、 豪華な子牛のソテーだった。 実に美しい盛り付けで、色とりどりの野菜が食欲をそそる。 香りも素晴らしく、一見して明らかにぼくの料理を上回っていた。 このままなら、ぼくは惨敗することになるのは避けられない。 「さすがは小林オーナー! わしが目ェ付けてただけあるわ!」 大阪の社長さんが絶賛する。 「おいしそぉ! 早く食べようよ!!!」 太ったOLがはしゃぐ。 「久しぶりにまともなモンが食えそうだな。」 ちょんまげ野郎が頷く。 試食する前から、ぼくは負けている。 どうすればいいんだ? A. 小林オーナーの料理に汚物を混入する B. この場から逃げる C. 何が何でも自分の料理の方が旨いと言い張る D. 小林オーナーをモップで何度も何度も叩いた
202 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 22:15:17 ID:lGVRSdmT
203 :
名無しのオプ :2007/07/15(日) 23:03:54 ID:7LsXoxWk
Dだっ
204 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/17(火) 05:46:25 ID:niMFiZQx
(前スレ
>>440 の続き)
B「ぼくは、真理が好きだ」
ぼくは、膝枕をしてくれている真理の顔を見上げながら言った。すると、真理は、恐怖と悲しみが
入り混じった、奇妙な表情を浮かべた。ぼくは、その顔を見て、再び心が凍りつくのを感じた。
別に、真理もぼくのことを愛してくれているのではないだろうか、とまで期待していたわけでは
なかった。だが、そこまで露骨な拒絶の表情を浮かべられるとは予想していなかった。
「ごめん」
真理が何か言う前に、ぼくは自分でそう言った。雪の上に手をついて、自分の身体を起こした。
ぼくは、耳に意識を集中させて、吹雪を「消す」のをやめた。冷たい雪がぼくの顔に当たり、涙を
凍らせた。ぼくは、真理を置いて歩き出した。だが、『力』を使っていないぼくの足取りは遅かった。
「透。待って。私――」
懐中電灯を手にした真理が追いかけてきた。
ぼくは、振り向いて、笑顔を浮かべた。笑顔を作ることには慣れていた。ぼくが「かまいたち」で
父をバラバラにし、母が過労死して親戚の家に預けられてからは、ぼくは毎日、自分を守る
ために作り笑いをしていたからだ。
「さっきは、変なことを口走っちゃって、ごめん。目が覚めたばっかりで、意識が朦朧として
いたみたいだね」
ぼくは、誰も信じないであろうことを言ってみた。
「ねえ、透。そうじゃないの。私は……」
真理は、最後まで言うことができなかった。銃声が聞こえたからだ。真理の言葉は、銃声に
遮られた。
誰が銃を撃ったのだろう。まさか、香山さんやその共犯者の仕業だろうか?
吹雪の中で、一対一で戦うならば、例え銃を持った相手にでも勝つ自信があった。雪隠しの
赤ちゃんだったぼくには、それだけの『力』があるからだ。だが、真理を抱えて、共犯者もいる
香山さんを相手に戦うのは難しいと判断した。
ぼくは、真理に、「危険だから早くシュプールに戻ろう」と言おうとした。
だが、ぼくがそう言う前に、真理の持っていた懐中電灯が、闇を切り裂いて踊った。
何が起こったのか分からなかった。真理が倒れたのだと理解するまでに時間がかかった。
「真理!」
ぼくは真理に駆け寄った。真理の身体を抱き起こした。そして、真理の腹部が血に染まって
いることに気付いた。
「嘘だろう?」 口をついて出てきた言葉は、それだった。 目の前の現実を信じることができなかった。真理が撃たれたという事実を受け入れることが できなかった。 ぼくの心は凍てつき、永遠に融けることのない氷に閉ざされている。だけど、そんなぼくでも、 初めて誰かを守りたいと思い始めていたのに。ぼくは真理を守りたかった。ミステリー研究会の 部長として活躍していた真理。ぼくを今回の旅行に誘ってくれた真理。スキー場で「あはっ、 透ったら、雪だるまみたい」と笑っていた真理。 どうして、こんなことになってしまったのだろう。 ぼくの行動は、間違っていたのだろうか? ぼくは、真理を守るために、雪隠し伝説に見せかけて次々と人を殺している犯人を捕まえ たかった。だから、室内履きのままで談話室を飛び出した。 しかし、その結果、真理がぼくを追いかけてきて、犯人に撃たれるという事態を招いてしまった。 憎かった。 自分自身の弱さが、ぼくではなく真理を狙った犯人の卑劣さが、そして雪隠しの赤ちゃんとして 生まれてしまった自分の境遇が、憎かった。 一番憎かったのは、雪隠し伝説そのものだったかもしれない。ぼくは、雪隠しの赤ちゃんになど 生まれたくなかった。普通の人間として生まれ、育て親ではない両親に育てられたかった。そう すれば、父が母に暴力を振るうこともなく、ぼくが父を殺すこともなかったはずだった。 『あなたは――。 そう、とても透明な子供だったから』 『透明?』 『そう。 あなたは、とても透き通るような子供だったのよ』 幼い日の、母との会話が脳裏に甦った。 透明な子供。今になって、ようやく、その意味が理解できた。透明だということは、つまり、 何かに染まりやすいということなのだ。 ぼくは、かつてない激情に心が支配されるのを感じた。 何か得体の知れない存在が、ぼくの身体を乗っ取ろうとしているのを感じた。 ぼくを取り巻く世界が拡散していた。 気がつくと、吹雪がやんでいた。ぼくではないぼくが、周囲を見回した。その際に、目の動きの せいでかまいたちが発生していたが、ぼくは気にしなかった。
自然現象ではない、不自然な吹雪の収まりかただった。 いや、正確に言うと、吹雪は収まってなどいなかった。 それは、龍のように見えた。吹雪のうねりは一箇所に集まり、龍のような形を作り上げていた。 白い龍は、ある一点に集まっていた。ぼくは、真理を抱きかかえながら、その場所に歩いた。 普通に歩くと時間がかかるので『力』を使いながら歩いた。そのせいで、ひどい頭痛がした。 吹雪でできた白い龍が、誰かを銜えていた。 香山さんだ。 龍は、香山さんを銜えて、持ち上げていた。 「助けてくれ!」 香山さんが、そう叫んでいる。その近くには、夏美さんのものだと思われる足や胴体が散乱 していた。 助けてくれ、だって? あの男は、本気で言っているのだろうか? ぼくではないぼくが、笑い声を上げるのを聞いた。咆哮のような笑い声だった。 「お前は、何人もの人間を殺した。彼らだって、助けてくれと叫んだことだろう。お前は、彼らの 命乞いに耳を貸したのか?」 ぼくの口が、ぼくの意思とは無関係に動いて、そう言った。 俊夫さんが冬美ちゃんを人質にとった際に、ぼくが「何を言われているかくらい、赤ちゃん だって、分かるよ」と言ったときと同じような感覚だった。 ぼくではないぼくが、笑い声を上げながら龍を操った。 激しい頭痛がした。頭が割れるようだ。 龍は、香山さんの身体を噛み砕いた。さらに、夏美さんの身体の一部も浮かび上がり、 龍は同様に噛み砕いた。 ……もちろん、あの龍は吹雪でできているのだから、香山さんを噛み砕く力はない。 つまり、ぼくが「かまいたち」を起こして、香山さんを殺しているということなのだ。 そう自覚したとき、唐突に龍は消えた。 そして、香山さんの血肉がシャワーのように降り注ぎ、辺りの雪を融かした。湯気が上がった。 ぼくは、田中さんと、飛行機事故の犠牲者である少女が、飛行機のプロペラに飲み込まれて 死んだときのことを思い出した。 あのとき、ぼくは、田中さんと少女の身体を見分けるには、DNA鑑定でもしなければならない だろうと考えた。 今回も、香山さんと夏美さんの身体を見分けるためには、DNA鑑定が必要だろう。
愛する香山さんと一つになれたのだから、夏美さんは幸せかもしれない。 唐突に、そんな考えが脳裏に浮かんだ。 そして、すぐに、口にすることすら憚られるような罪悪感に襲われた。ぼくは、なんてひどい ことを考えたのだろうと思った。 無意識のうちに、殺人を正当化しようとしたのだから。 ああ、やっぱりぼくは、おかしくなり始めている。いや、おかしかったのは、ずっと前から だった。 いつからだろう? いつから、ぼくは、こんなふうになってしまったのだろう。 村上さんの口から『雪隠し伝説』の話を聞いたときから? 母を守る代わりに、今日子さんを 守らなければならないと考えたときから? 夏彦ちゃんの泣き声が風の音に聞こえ始めたとき から? 俊夫さんが冬美ちゃんのことを「化け物」と呼んだときから? 真理が、春子さんに 「あなたが、あの赤ちゃんを育てることで不幸にしようとしていたのは、あなたの周囲にいる 人間だけではありません。あなたは、あの赤ちゃんのことも、不幸にしようとしていたんです」 と言ったときから? 小林さんの隠し子である亜季ちゃんの存在を知ったときから? 正岡さんの 性格が父に似ていると気付いたときから? 死体の写真を撮る美樹本さんを見たときから? 「かまいたち」で父をバラバラにしたときから? それとも、母を「消し」たときから? ぼくが 生まれたときから? ぼくが親戚の家に引き取られたときから? ……え? 今、ぼくは、何を考えた? 何か、恐ろしいことを考えたような気がした。ぼくは、自分の思考をもう一度思い出そうと した。 死体の写真を撮る美樹本さんを見たときからおかしくなったのだろうか? と、ぼくは考えた。 ここまでは問題ない。問題は、その次だ。 それとも、母を「消し」たときから? そう考えた。 ぼくは、さっき、そう考えた。 立っているだけでも苦しいほどの頭痛に襲われた。このままでは、本当に頭蓋骨が割れて しまうのではないだろうか。 ぼくの足が震え始めた。 まさか、そんなことが――。 ぼくは、とうとう、思い出してしまった。
「これは、かまいたちのせいなの」 母は、父のバラバラ死体を目の当たりにして、そう言った。 ぼくが小学校二年生のときの話だ。 「全部、かまいたちのせいなの。だから、透は悪くないのよ」 母は、あのとき、そう言ってくれた。今にして思えば、母はぼくが雪隠し伝説の赤ちゃんで あることを知っていたのだから、あの言葉はぼくを守るためだけに言ったのだろう。 だが、母が何を言おうと、ぼくの心はからっぽだった。目の前の現実を、脳だけではなく、 身体も拒否していた。 ひどい頭痛がし、ぼくは高熱を出した。 母は、ぼくの身体を運び、布団に寝かせた。 それから、こう言ったのだ。 「透、お願いがあるの」 ぼくは、薄目を開けて母を見ていた。その顔には、果てしない虚無が浮かんでいた。 「私を殺してくれない?」 母は、間違いなく、そう言った。 熱を出して寝込んでいるぼくの顔を見ながら、そう言ったのだ。 ぼくは、何を言われているのかよく分かっていなかった。 そうだった。父に『化け物め!』と言われながら殴られたり蹴られたりしているときも、 ぼくは、父に何をされているのかよく分かっていなかった。あのときと同じような感覚だった。 「ねえ、お願い。私を殺して」 母は、そう言って、ぼくを見ていた。 「殺してよ」 そのときの母の顔は、まるで見知らぬ女のように見えた。 「私を殺して」 母は執拗に繰り返した。だんだん声が高くなる。 「殺しなさい! あの人と同じように、私も殺してよ!」 母の顔は険しくなり、狂気じみた表情になっていった。 ぼくは、何も言わずに母を見ていた。 やがて、母の身体から力が抜けたように見えた。母は、まるで我に返ったような表情で 辺りを見回すと、ぼくの布団を掛け直してから部屋を出て行った。
おそらく、母は、ぼくの目が覚めていることに気付いていなかったのだろう。父に殴られたり 蹴られたりしたときから、ぼくは声を出さなくなっていた。さらに、母はぼくの額に手を当てて、 ぼくが高熱を出していることを知っていた。だから、母はきっと、ぼくが薄目を開けて起きて いることに気付いていなかったのだ。そう思いたい。あの優しかった母が、寝ている小学 二年生の息子に向かって、自殺幇助を依頼するような人間であったとは信じたくなかった。 ぼくは布団の中で、母の最後の言葉の意味を考えていた。 あの人と同じように、私も殺してよ! と母は叫んでいた。 あの人? 「あの人」とは、いったい誰のことなのだろう。常識的に考えれば、その直前に バラバラになった父のことをさしていたのだと思う。だが、本当にそうなのだろうか。母が 父のことを「あの人」などと呼ぶとは考えにくかった。 だが、そんなことはどうでもよかった。 ぼくは目を閉じた。 次の日の朝、ぼくは自宅ではない部屋のベッドで目を覚ました。 ぼくが目を開くと、傍にいた母が歓声を上げた。そこにいた母は、昨夜の母ではなく、 いつもの優しくて美しい母だった。 「ここ、どこ?」 ぼくは、辺りを見回しながら訊いた。部屋の中には、他にもいくつかベッドが並んでいる。 どのベッドにも、子供が寝かされていた。壁も天井も床も白かった。 「ここは病院よ。透の熱が下がらないから心配になって、夜中に救急車を呼んだの」 母はそう言って、ぼくの頭を優しく撫でてくれ、惜しみない笑顔を見せてくれた。テストで百点を 取ったと報告したときに見せてくれる笑顔だった。 まだ少し頭が痛かったが、ぼくは母の笑顔を見て安心した。この瞬間、ぼくは昨日の出来事 すべてを、あれは夢だったのだと脳内で処理した。あれは悪夢だと信じなければ、本当に心が 壊れてしまいそうだったからだ。 「お腹が空いちゃった」 ぼくがそう言うと、母はちょっと待ってねと言って病室を出て行った。 その直後、ぼくの隣のベッドに寝ていた少女が話しかけてきた。 「やっと目が覚めたのね。あなたのお母さん、本当に心配していたのよ。あなたの名前は?」 「ぼくは、透。きみは?」 「私の名前は、北野啓子」 少女はそう言って、にっこりと笑った。
210 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/17(火) 08:07:54 ID:niMFiZQx
「啓子ちゃんって呼んでもいい?」 ぼくは、病室のベッドの上でそう訊いた。 「ええ、いいわよ。私も、透くんって呼んでもいい?」 啓子ちゃんは快活に言った。この頃の啓子ちゃんは、今のように――シュプールで再開した ときのようにぽっちゃりとはしていなかった。むしろ、痩せすぎだと言ってもいいくらいだった。 「きみ、病気なの?」 ぼくは、啓子ちゃんにそう訊いた。 「そうみたい。だけど、まだ何の病気なのか分からないんだって。お母さんが、検査中だって 言ってた。透くんは何の病気なの?」 「ぼくもまだ分からないよ。ただ、頭が少し痛いだけだから」 ぼくがそう答えると、啓子ちゃんは意外そうな表情を見せた。 「頭が少し痛いだけ? そうは思えないけどなあ」 「どういう意味?」 「だって、昨日の夜この病室に運ばれてきたとき、透くん、凄い熱を出していたんだよ。 それにね、私、先生たちが出て行ってから聞いちゃったんだ」 ここで言う「先生」とは医師のことだろう。 「何を聞いたの?」 「透くん、凄く魘されていたんだよ。それで、囈言みたいに、ずっと同じことを呟いていたの」 「何て言ってたの?」 このときのぼくは、深く考えずに訊いた。 「きみ、ずっと謝っていたよ。お父さん、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさいって。何か 悪いことでもしたの? 花瓶を割っちゃったのを黙っているとか」 ぼくは、目の前が、まるで雪のように真っ白になったような気がした。だが、すぐに立ち直った。 「……さあ」 ぼくは首を振った。そこへ、朝食を持った母が戻ってきた。ぼくは、その朝食を見て落胆した。 ぼくが嫌いな食べ物ばかりだったからだ。 やがて、男性の医師がやってきて、ぼくに色々と質問した。医師は、何やら困惑しているような 表情だった。どうやら、まだ、ぼくが熱を出した原因が分からないらしい。 「是非とも、血液検査をさせてもらえないでしょうか」 医師は、真剣な表情で、ぼくと母に頼んだ――。 (続く)
211 :
名無しのオプ :2007/07/17(火) 20:28:59 ID:Rcv3rZsd
お帰りなさい、165さん きっと戻ってきてくれると思ってましたよ☆
212 :
名無しのオプ :2007/07/18(水) 01:49:02 ID:fyVKRdiy
自分は二度と来てもらえないと思ってた。 本当にありがとう、165さん。
213 :
名無しのオプ :2007/07/18(水) 06:35:57 ID:u+VoP+hO
お帰りなさい、
>>165 さん。
話が更に深くなって面白くなって来ましたね。
214 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/18(水) 12:22:32 ID:BHMrXfVF
>>210 「少し、考えさせてもらえないでしょうか」
母はそう言った。
「どうしてですか?」
五十歳前後の男性の医師は、意外そうな表情で訊いた。
「とにかく、少し待ってください。お昼までには、結論を出しますから」
母は頑なに言った。そして、医師がいなくなり、ぼくが朝食を食べ終わるのを待ってから、ぼくを
病室の外に連れ出した。
洗濯物のはためく屋上に連れて行かれた。母は、辺りを見回し、誰もいないことを確認した。
「透。よく聞いて。昨日のことは、誰にも言っちゃ駄目よ」
母はしゃがみ、目線の高さをぼくに合わせてから言った。
「昨日のことって?」
ぼくは不思議に思いながら訊いた。このときのぼくは、既に、昨日父がバラバラになったことや、
母がぼくに「私を殺して」と頼んだことを、すべて夢だと信じ込んでいたからだ。
「お父さんのことよ」
母は、戸惑った様子で言った。
「お父さんが、どうかしたの?」
「まさか……何も覚えていないの?」
「何を?」
ぼくは、母が何を言っているのか理解できなかった。ただ、母があまりにも真剣な表情をして
いるので、少し怖いと思っただけだった。
「透。昨日あったことを、朝から順番に話してくれない?」
「うん……。朝起きて、朝ごはんを食べた。それから、歯を磨いて、顔を洗った。ランドセルを
担いで、学校に行った。学校で、みっちゃんやヨシキくんと遊んだ」
「学校から帰ってからは?」
「家に帰って、ぼくは……」
ぼくは、再び、激しい頭痛に襲われた。
昨日、玄関のドアに手をかけて、ドアに鍵がかかっていたので、財布の中に入れておいた鍵で
開錠したところまでは覚えている。だが、暗い家の中に入り、靴を脱いで、ランドセルを玄関に
投げ出したところで、ぼくの記憶は途絶えていた。
「ぼくは――。覚えてない。たぶん、お昼寝をしちゃったんだと思う」
「そう。お昼寝をしたの」 母はぼくの言葉を繰り返した。その口元に、奇妙な笑みが浮かんだ。 「ねえ、お父さんが、どうかしたの?」 ぼくの質問に、母は数十秒間、無表情に黙り込んでから、こう言った。 「お父さんは、家を出て行っちゃったの」 「え? どこに行ったの? いつ帰ってくるの?」 「さあ。私にも、分からないわ。ただ、もう帰ってこないかもしれない」 そう聞いて、ぼくは衝撃に打ちのめされた。父が家を出て行った。あの、優しくて、テレビに 出ていた、自慢の父が。そう考えてから、その父親像が、何かひどく間違っているような感覚に 襲われた。だが、どこがどう間違っていると指摘することはできなかった。 「やだ。お父さんがいなくなるなんて、嫌だ」 ぼくは、母に抱きついて、泣きながら言った。 「そうね。私も、悲しいわ。だけど、お父さんはもう戻ってこないのよ。これからは、私たち二人で 助け合って生きて行きましょう」 母は、ぼくの頭を優しく撫でながら言った。 そして、ぼくが泣き止むのを待って、母はぼくを病室に戻した。母は、例の医師に話しかけ、 ぼくをしばらく入院させると言った。 その医師は、改めてぼくに自己紹介をした。小児科の先生で、朝永という名前だと名乗った。 「とっても優しくていい先生なんだよ」 隣のベッドに寝ていた啓子ちゃんが、そう保証してくれた。ぼくの目にも、友永先生は、温和な 顔つきで、筋肉質な体つきをした先生で、とても頼りがいがあるように見えた。 ぼくは、診察室に連れて行かれた。当然のように母も付き添ったが、朝永先生はぼくと二人 きりにしてほしいと言った。母はしばらく粘っていたが、やがて、家の用事があるので一旦帰宅 しますと言って、診察室を出て行った。今にして思えば、父のバラバラ死体を処理しに行った のだろう。 二人きりになると、朝永先生は入り口のカーテンを閉めてから、ぼくに上着を脱ぐように指示 した。ぼくは言われた通りにした。ぼくの胸に聴診器を当てながら、友永先生はこう言った。 「きみは、随分と身体のあちこちに痣や傷があるね」 「そうですか?」 「うん……。昨日の夜、きみを診たときにも思ったんだが、これはやっぱり……」 朝永先生は、痛ましいものを見るような表情で、ぼくの身体に触れた。
「ねえ、透くん。きみは、最近、誰かに殴られたり、蹴られたりしたのかな?」 朝永先生は、穏やかな表情でぼくの目を覗き込みながら言った。 ――化け物め! そんな声が耳の奥で聞こえたような気がした。ぼくは、朝永先生から顔を逸らした。 「いいえ」 ぼくが掠れた声で答えると、朝永先生は、そうか、とだけ言った。その声があまりにも沈んで いるのに驚いて、再び朝永先生を見ると、とても悲しそうな表情だった。 「僕ときみだけの秘密だ。お父さんやお母さんや、学校の先生にだって言わないと約束する。 だから、正直に答えてくれないかな?」 「お父さんはいません」 反射的にぼくが答えると、朝永先生は後悔したような表情になった。 「それはすまない。知らなかったんだ」 「いいんです。ぼくも、さっき知ったばかりですから」 「さっき? お父さんは、どうしたの?」 「お父さんは、いなくなっちゃったんだって、お母さんが言ってました」 ぼくの言葉の意味を考えているらしく、朝永先生はしばらく黙り込んでいたが、こう言い直した。 「さっきの話に戻るけど、お母さんにも学校の先生にも言わないと約束するから、僕だけに教えて くれないかな?」 「はい……」 ぼくは頷いた。 「きみは、学校の友達っている?」 「いますよ。みっちゃんとか、ヨシキくんとか」 「誰か嫌いな子はいない? きみに意地悪をしたりするような子は」 「特にいませんけど」 「学校の担任の先生はどんな人?」 「女の先生で、お母さんと同じくらいの年です」 「その先生は、宿題をたくさん出す?」 ぼくは考えた。だが、小学校に入学してからずっと同じ先生が担任だったので、他の教師と 比較することができなかった。そこで、ぼくは「分かりません」と答えた。 「昨日は、宿題を出された?」 「はい。計算ドリルと、漢字ドリルと、本読みの宿題です」 「その先生は、宿題をやってこないと怒る?」
217 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/18(水) 13:30:34 ID:BHMrXfVF
「怒ります」 「どんなふうに怒るの? 廊下に立たされたり、ほっぺたを叩かれたりする?」 「いえ。ただ、顔を真っ赤にして怒鳴り散らすだけです。それと、廊下を雑巾がけさせられます」 「雑巾がけ? 何往復ぐらいさせられるの?」 朝永先生は、そこに興味を示した。 「宿題を忘れたり、忘れ物をしたりすると、一回につき廊下を三往復させられます」 「そうか……」 朝永先生は、しばらく考え込むような表情だったが、質問を再開した。 「好きなテレビ番組はあるかな?」 これは、遠回しに、テレビを観させてもらえる環境にあるのか調べようとしていたのだろう。ぼくは、 アニメのタイトルをいくつか挙げた。朝永先生は、その答えに満足した様子だった。 「きみは、毎日お風呂に入ってる?」 「入ってますよ」 「誰と入ってるの?」 「一人で入っています。ぼくはもう大きいから」 「夜は何時ごろに寝るのかな?」 「九時ぐらいです」 「どこで寝るの? 一人で寝るの?」 「畳の上にお布団を敷いて、お母さんの隣で寝ます」 「お父さんがいたときも、そんなふうに寝ていたの?」 「はい」 「朝は何時に起きるの?」 「六時半です」 「お母さんは、朝ごはんを作ってくれる?」 「はい」 「昨日の朝ごはんが何だったか覚えてる?」 「えーと、コーンフレークです。それに、牛乳をかけて食べました」 「いつもそんな食事なの?」 「はい。朝は」 「夜ごはんは?」 「夜は、肉じゃがとか、カレーライスとか、親子丼とか……」 朝永先生は、これで、食事はきちんと与えられているのだと判断した様子だった。
「お母さんは、どんな人?」 朝永先生は、踏み込んだ質問をした。 「優しいです」 「お母さんは、働いているの?」 「いいえ」 「きみを抱きしめてくれる?」 「はい……。あの、さっきから、どうしてそんなことばかり訊くんですか?」 「いいから、答えて。お父さんがいなくなったのはいつ?」 「昨日の夜です」 ぼくが答えると、朝永先生は驚いた表情になった。 「そんなに最近なのか。お父さんは、お仕事をしていた?」 「いいえ」 ぼくは事実を答えた。父は作家を引退してから、働いていなかったからだ。朝永先生の 目つきが鋭くなったように感じた。 「朝ごはんや夜ごはんは、お父さんと一緒に食べてたの?」 「いいえ」 「お父さんは、きみやお母さんとは別の部屋で寝ているんだよね?」 「はい」 「お父さんは、煙草を吸っていた?」 「いつも煙草を吸ってました」 「お父さんは、お酒が好きだった?」 「はい。いつも酔っ払ってました」 ぼくが答えると、朝永先生は大きく息をついた。もう一度、ぼくの身体の痣をさすった。 「この傷がいつできたのか、本当に分からないのかな?」 「はい。覚えてません」 「そうか……。覚えていないのか」 朝永先生は非常に悲しそうな顔になった。ぼくは、何かまずいことを言ってしまったの だろうかと焦った。ぼくはこの短い時間のあいだに、朝永先生のことを好きになっていた。 だから、朝永先生を悲しませたくなかった。 「今聞いたことは、二人だけの秘密だからね」 朝永先生はそう念を押して、注射器で、ぼくの腕の静脈から採血した。それだけではなく、 傷薬まで出してくれて、ぼくを解放した。
「私、蕎麦アレルギーなんだって」 病室に戻ると、隣のベッドに寝ている啓子ちゃんがそう言った。何の病気なのか判明したので、 ぼくに教えてくれたのだろう。啓子ちゃんのベッドの近くには、二人の子供がいた。 「ふうん。そうなんだ。ぼくの方はまだ分からないみたい。ところで、その子たちはお見舞い?」 「うん。私は、渡瀬可奈子。よろしくね」 可奈子ちゃんは、そう言って、ぼくに自己紹介をしてくれた。ぼくも自己紹介をした。 ところが、もう一人の子は、恥ずかしがっているのか可奈子ちゃんの後ろに隠れていた。 「きみは?」 ぼくが訊くと、ようやく、その子は今にも消え入りそうな声で言った。 「マコト……」 「そっか。マコトくん、こっちにおいでよ」 ぼくはそう言って手招きをしたが、マコトくんはやはり、可奈子ちゃんの後ろに隠れたまま だった。だが、ぼくはだんだんマコトくんが隠れていても気にならなくなり、そのままの状態で 三人とお喋りをして過ごした。 可奈子ちゃんとマコトくんは頻繁に啓子ちゃんのお見舞いに来たので、ぼくたち四人はとても 仲良くなった。 やがてぼくが退院する日が来たとき、啓子ちゃんたちは手紙を書くと言ってくれた。もちろん、 これは子供の他愛もない口約束である。その後、三人に手紙と呼ぶことのできるものをもらった のは、年賀状だけだったが、ぼくの方も別に期待していなかったので、別に裏切られたとは 思わなかった。子供というのは、そういうものだ。 結局、ぼくは、退院するときにも、頭痛や発熱の正体が何だったのか教えてもらえなかった。 退院後、ぼくは、母に、小さなアパートに連れて行かれた。 「前のおうちに帰らないの?」 ぼくは、呆然としながら訊いた。 「ええ。前のおうちは、二人で住むには大きすぎるから」 正直に言うと、ぼくは前の家に帰りたかった。だが、母は頑としてぼくを前の家に行かせよう とはしなかった。前の家に行くと、ぼくの記憶が蘇るかもしれないと考えていたのかもしれない。 また、父が亡くなったことを公にできないせいで、生命保険の保険金を七年間は受け取ることが できなかった。そのせいで、暮らし向きはさらに貧しくなっていった。家を売ってアパートに 移り住み、母も働き始めたものの、それでも生活は楽ではなかった。
ぼくは、ずっと、父のせいだと思っていた。父がぼくと母を捨てたせいで、母は苦労している のだと思っていた。母は生まれつき身体が弱かったので、働くのは本当に辛そうだった。だが、 それでも母は本当に頑張っていたと思う。 だが、そんな母をさらに追い詰めたのも、ぼくだったのだ。 もうすぐ小学六年生に進級するときだった。春休みが近かったこともあり、その日は午前中で 授業が終わった。ぼくはそのことを知らなかったので、母にも知らせていなかった。ぼくが早く 帰宅することを母が知っていたら、あんなことにはならなかっただろう。 母はその時間働いているはずだったので、ぼくはアパートの鍵を開けて、ドアを開けた。誰も いないと思っていたので、「ただいま」とも言わなかった。ぼくは、もともと大人しい子供だった ので、足音も立てずに部屋の中に入った。 そして、男に組み敷かれ、喘ぎ声を上げる母を目撃した。小学生五年生のぼくの目には、男が 母をいじめているように見えた。 ぼくの姿に気付き、母は飛び起きた。全裸だった。 そして、男もぼくの方を見た。その男は、朝永先生だった。朝永先生は筋肉質な身体をすべて 曝していた。硬く大きくなった性器がぼくの方を向いた。ぼくはそのとき既に精通を経験していた が、そのことと、朝永先生を結び付けて考えることはできなかった。 「何を……しているんですか?」 ぼくは、震える声で、朝永先生にそう訊いた。 朝永先生は、何かを早口に言っていた。母も、朝永先生を弁護しているようなことを言って いるように見えた。だが、ぼくには二人の言葉は聞こえていなかった。 朝永先生は、ぼくのお母さんをいじめていた。ぼくは、そう思った。 ぼくの優しくて美しいお母さんを――。ぼくだけのお母さんを――。 ひどい頭痛がした。ぼくを取り巻いていた世界が、ぐにゃりと歪んだような気がした。頭が 割れるように痛かった。激しい怒りが、ぼくを突き動かしていた。 よくも、お母さんを――。 ぼくの目が動いた。その動きに合わせて、風が吹いた。朝永先生の腕が切り落とされた。 数年前に、ぼくの傷口を診察していた腕が。ぼくは目を瞑った。再び風が吹いた。再び目を 開けると、朝永先生の胸に刀傷ができているのが見えた。鮮血が噴き出している。
母は悲鳴を上げている様子だったが、ぼくには何も聞こえなかった。ぼくの心がからっぽに なったとき、朝永先生は、父と同じようにバラバラになっていた。 そのとき、ぼくは一時的に、父が死んだときのことを思い出していた。 「また、やったのね」 朝永先生の血を浴びた母は、その血を拭うこともせずにぼくを見た。 父のときとは違い、母は「全部、かまいたちのせいなの。だから、透は悪くないのよ」とは 言ってくれなかった。 「これで三回目だわ」 母は、独り言のように呟いた。 三回目。何が三回目なのだろう。ぼくが、誰かをバラバラにしたのが? ぼくは、父がバラバラになった日の記憶が、閃光のように蘇るのを感じた。 あの日――。暗い家の中に入り、靴を脱いで、ランドセルを玄関に投げ出したぼくは、母が 見知らぬ男と抱き合っているのを目撃したのだ。ちょうど、玄関で男を見送るところであり、 別れのキスをしていたのだろう。怒り狂ったぼくは、その男をバラバラにした。そこへ、酒に 酔った父が帰って来た。ぼくがその男を殺したことを知り、父は『化け物め!』と叫びながら、 ぼくを殴ったり蹴ったりした。 『化け物め! 俺の人生を返せ! この化け物め! 俺の幸福を返せ!』 父の叫び声が、脳裏に蘇った。 だが、そんなぼくを現実に引き戻したのは、母の叫び声だった。 「いい加減にしてよ」 母は、疲れた表情でぼくを見た。 「私に何の恨みがあるの? 私は幸せになっちゃいけないの? やっと、朝永先生と再婚して、 もう働かなくても済むと思ったのに……」 母は、泣きながら頭を抱えた。 「もう嫌。死にたい。ねえ、透。私を殺してよ。あの人と同じように、私も殺してよ」 やっと分かった。「あの人」というのは、母の不倫相手のことだったのだ。 「もう、消えてしまいたい……」 母はそう言って立ち上がり、ぼくを見下ろした。 まるで泣きながら笑っているような、凄まじい表情だった。 「全部、あんたのせいだわ。あんたさえいなければ――。透はいいわよね。どうせ、明日に なれば忘れてるんでしょう? 後始末は全部私に押し付けて、みんな忘れてるんでしょう?」 母は、夢遊病患者のような足取りで、血を洗い流すために浴室へと消えた。
母の言った通り、ぼくは次の日にはすべてを忘れていた。 こうして、朝永先生と再婚することができなかった母は、再び働き出し、過労死した。 小学六年生の、吹雪の朝だった。目を覚ますと、隣に寝ていた母が冷たくなっていたのだ。 ぼくは、母の願いを思い出した。 ――もう、消えてしまいたい。 母は、よくそう言っていた。 その願いを叶えてあげようと思った。ぼくは立ち上がり、窓を開けた。吹雪が部屋の中に吹き 込んできた。ぼくは母の胸に手をついて心臓マッサージを始めた。母の心臓が動き、音を立てた。 ぼくは耳に意識を集中させて、その心臓の鼓動を聞き分けて、母を『雪隠し』した。 ぼくは、銃で撃たれた真理の身体を抱きかかえながら、取り戻した記憶の罪深さに苦しんでいた。 実際にその記憶について考えていたのは、吹雪でできた白い龍が消えてから、数十秒間のこと だったのだろう。だが、ぼくには数十年のように長く感じられた。 真理をこのままにしておくわけにはいかない。 ぼくは、彼女の呻き声を聞いて、我に返った。 急いでシュプールに戻り、真理の手当てをしなければならない。 本当は、『力』を使うのは嫌だった。この呪われた『力』を使いたくなかった。だが、普通に 吹雪の中を歩いていると、ひどく時間がかかることは明白だったので、ぼくは耳に意識を集中 させて、吹雪を「消し」て、シュプールへ走った。 真理を助けたら、死のうと思った。 一連の事件の元凶は、ぼくなのだ。ぼくが、みんなを不幸にしているのだ。ぼくがいなければ、 こんなことにはならなかったはずだと思った。 ぼくは、割れた窓から、談話室の中に飛び込んだ。小林さん、今日子さん、啓子ちゃん、可奈子 ちゃん、美樹本さん、村上さん、正岡さんの七人は、ぼくと真理を見て、とても驚いていた。 「真理の手当てをお願いします」 ぼくは真理をソファに寝かせた。今日子さんがキッチンに消え、すぐに救急箱を持って戻って きた。母の面影のある今日子さんを見て、ぼくは深い悲しみを感じた。 「いったい、何があったの?」 可奈子ちゃんが訊いた。 シュプールに残っていた人たちにしてみれば、当然の疑問だろう。 だが、ぼくはどう答えるべきか考え込んでしまった。
「その前に、ぼくが出て行ってから、何があったのか教えてもらえませんか」 ぼくは、時間稼ぎをするためにそう訊いた。その間も、今日子さんと小林さんが、真理の 手当てをしている。どうやら弾は貫通していたらしい。 「ええと、透くんが急に室内履きのままシュプールを飛び出していったから、真理ちゃんが、 透くんが遭難してしまうかもしれないと心配して、靴を履いて、懐中電灯を持って、玄関から 出て行ったんだ。もちろん、私たちも止めたんだが、彼女は言うことを聞かなかった」 村上さんが答えた。 「それだけですか? その後、みなさんは何をしていましたか?」 「彼女一人では危険だから、私たちも追いかけた。だが、途中で見失い、はぐれてしまった」 村上さんは申し訳なさそうに言った。 「真理を追いかけたのは誰々でしたか?」 「私と小林くんと今日子さんだ」 「三人はずっと一緒でしたか?」 「いや。別々に捜した方が効率的だと思い、別れて透くんと真理ちゃんを捜した。吹雪が 激しくなったから引き返したんだが。途中で」 「その間、他の人は何をしていたんですか?」 ぼくは、啓子ちゃんと可奈子ちゃんの方を見ながら言った。啓子ちゃんが答える。 「私と可奈子は、夏美の首が窓から割って飛び込んできたことに驚いて、部屋に戻ったわ」 「啓子ちゃんと可奈子ちゃんは、ずっと一緒にいたの?」 「うん」 「美樹本さんは何をしていたんですか?」 「俺は、自分の部屋でカメラの整備をしていた」 「こんなときに?」 「俺はカメラマンだぞ。カメラの手入れをして何が悪い」 美樹本さんは、完全に開き直っていた。要するに、ぼくや真理のために危険を冒したく なかったので、逃げていただけだろう。 「正岡さんは? ぼくや真理を捜しに来なくて、何をやっていたんですか?」 「いや……その、ぼくは足を怪我しているから、捜索に行けなかったんだ。きみだって知って いるだろう。本当は行きたかったんだけど、しょうがなかったんだ」 正岡さんが、いつもの「いや」という口癖を言った。 ぼくは、全員の顔を見回して、こう言った。 「つまり、アリバイと言えるようなものがあった人は、一人もいないわけですね?」
224 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/18(水) 16:03:58 ID:BHMrXfVF
可奈子ちゃんと啓子ちゃんだけはずっと一緒にいたと証言しているが、二人は幼馴染なの だから、もしも犯人なのだとしたら、共謀している可能性が高い。 「アリバイ? 透くんは、まさか、真理ちゃんを撃った犯人がこの中にいると考えているのか?」 村上さんが、目の端をひくつかせながら言った。 ぼくは答えなかったが、そのことが、疑いの眼差しを向けているという証拠になっていた。 香山さんと夏美さんの血肉が散乱していた場所を思い出したが、あの近くには銃は落ちて いなかった。つまり、真理を撃ったのは、彼の共犯者だということになる。 もしかすると、この中に、ぼくを背後から殴った共犯者がいるのかもしれない。 「ねえ、透くん。あなたがシュプールを出て行ってから、何があったのか教えて」 今日子さんが、とりなすような口調で言った。 「分かりました。まず、ぼくは、夏美さんの腕や生首が談話室の中に飛び込んできたのは、 雪隠し伝説などではなく、人間の仕業だと判断しました。人間の仕業なのだとしたら、犯人は 近くに潜んでいるはずです。だから、その犯人を捜すために外に飛び出したわけです。そして、 ぼくは犯人が誰なのか知りました。香山さんでした」 ぼくがその名前を言うと、談話室の中にいた全員が、衝撃を受けた表情になった。 ぼくは、その一人一人の顔を見回し、この中に嘘をついている人がいるのではないかと 探ったが、分からなかった。 「ところが、その直後にぼくは背後から誰かに殴られ、倒れました。真理が、ぼくを起こして くれましたが、そのときにはもう、香山さんと共犯者はいなくなっていました」 ここまで言ったところで、ぼくは話を続けるべきかどうか迷った。 今までは誤魔化しながら話を進めていたが、もう、ぼくが雪隠しの赤ちゃんだったことを 隠しながら話をするのは難しい。 どうしようか。正直に、ぼくが雪隠しの赤ちゃんだったことを話そうか。それとも、微妙に話を 変えて話した方がいいだろうか。 「それで、どうなったの?」 今日子さんが、訝しげな表情で訊いた。 これ以上時間稼ぎをするのは不自然すぎるだろう。 Aぼくは、起こった出来事をありのままに、正直に話すことにした。 Bぼくは、雪隠しの赤ちゃんだったことを隠して、話すことにした。
225 :
名無しのオプ :2007/07/18(水) 17:59:28 ID:R0Ht4vs/
あえてのB
226 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/21(土) 10:11:56 ID:Wb9QGh3J
>>224 Bぼくは、雪隠しの赤ちゃんだったことを隠して、話すことにした。
やはり、言いたくない。ぼくが雪隠しの赤ちゃんであることを知ったら、みんな、俊夫さんや
父のように、ぼくのことを化け物扱いするだろう。もう、あんな嫌な思いはしたくなかった。
今日子さんや啓子ちゃんや可奈子ちゃんが怯え、小林さんや美樹本さんは敵意をむき出しに
し、村上さんや正岡さんは呆然としているというシーンが、簡単に想像できてしまった。いや、
それだけではない。今は寝ているが、いずれ真理の目が覚めたときにも、叔父である小林さんや
今日子さんの口から、ぼくが雪隠しの赤ちゃんであることは真理に伝わってしまうだろう。そんな
ことにはなってほしくなかった。
「その後……香山さんの共犯者が、真理を撃ちました。しかし、周囲に共犯者の姿は見当たり
ませんでした。どこか、よほど遠い場所から撃ったのでしょう」
「透くん、ちょっと待ってくれないか。そのとき、辺りは吹雪いていたんだろう? それなのに、
共犯者はどうやって真理ちゃんに狙いをつけんたんだ?」
そう言ったのは、美樹本さんだった。
「そんなこと、ぼくに分かるわけないでしょう。ぼくと真理は大声で話していたから、その会話を
聞きつけて撃ったんじゃないんですか」
ぼくは、わざと怒ったような口調で言った。真理との会話の内容を訊かれたくなかったからだ。
「香山さんはどうなったの?」
今日子さんが訊いた。
「香山さんは……亡くなりました」
ぼくが言うと、今日子さんは息を呑んだ。
「どうして?」
「それは……今夜が『かまいたちの夜』だからです。突然、かまいたちが発生して、香山さんは
バラバラになってしまったんです」
ぼくは、そう言って誤魔化した。
「ちょっと待ってくれないか。香山さん、夏美さん、篠崎くん、春子さん、久保田くんの五人が
『雪隠し』で消えていたと思われていたのは、香山さんとその共犯者の捏造だったんだろう?」
そう訊いたのは、小林さんだった。
ぼくは頷いた。
「つまり、これまで、本当は雪隠し伝説なんか起こっていなかった。それなのに、香山さんは
雪隠し伝説のかまいたちで死んだと言うのか? 何かおかしくないか?」
小林さんの疑問はもっともだった。
「確かに、透くんの言っていることは、何だかおかしいわね」 可奈子ちゃんが、正岡さんの後ろに隠れながら言った。 「え? みんな、待ってください。確かに、夏美さんを『雪隠し』に見せかけて殺したのは、 香山さんだったのだと思います。だけど、みどりさん、春子さん、俊夫さんの三人に関して は、本当に『雪隠し』で消えていたのかもしれないじゃないですか」 ぼくは、そう言い繕った。 だが、誰もぼくの言葉に頷く人はいなかった。 それどころか、誰もぼくと目を合わせようとしない。 暫くの間、割れた窓ガラスから吹雪が侵入する音以外は、何も聞こえなかった。 みんな、どうしてしまったのだろう。何だか様子が変だ。 重苦しい沈黙を破ったのは、美樹本さんだった。 「透くん。きみは、今、自分が置かれている状況を分かっていないみたいだな」 「どういう意味ですか?」 美樹本さんの不吉な口調に、ぼくは戸惑った。 「よく考えてみてくれないか? 香山さんが犯人だったと主張しているのは、きみだけだ。 そして、その香山さんも死んだのだと言い、さらに香山さんの共犯者が、この中にいるかも しれないと主張しているのも、きみだけだ。さらに、きみを追いかけていった真理ちゃんは、 何者かに撃たれてしまった。これじゃあ、透くんを疑わない方がどうかしているよ。俺は、 こう考えている。透くんは、香山さんと協力し、雪隠し伝説を捏造しようとした。香山さんは 自分から姿を消したんだろう。そして、夏美ちゃん、みどりちゃん、春子さん、俊夫くんを 攫って、殺した。その後、香山さんは夏美さんの腕や生首を談話室の中に放り投げた。 それが、香山さんと落ち合うという合図だったのではないかと思う。その合図を受けて、 きみは談話室を飛び出した。そして、香山さんとこれからの計画について話し合っていた。 ところが、そこへ真理ちゃんが来てしまったので、香山さんが真理ちゃんを撃った。恋人を 撃たれたことに激昂したきみは、勢い余って香山さんを殺してしまったのではないかと」 その言葉に、ぼくは慄然とした。 「ぼくは、透くんに協力したのは、香山さんではなく部外者が協力したのではないかと思う けど、それ以外は大体美樹本さんと同じようなことを考えているよ」 正岡さんが、厳しい表情で言った。
言われてみると、確かにその通りだ。 確かに、ぼくは、疑われても仕方のない状況に追い込まれている。どうして、こんな簡単な ことに気付かなかったのだろう。……それは、ぼくが母を『雪隠し』したり、朝永先生や母の不倫 相手をかまいたちで殺したりしたという記憶に、ぼくの心が囚われていたからだ。さらに、自分が 雪隠しの赤ちゃんであることを隠しながら、真理を撃った犯人を捕まえようと焦っていたせいだ。 ぼくは、自分で自分の首を絞めてしまった。だが、今さら、雪隠しの赤ちゃんとして生まれたと いうことを告白するつもりはなかった。みんな、ぼくを疑い、殺気立っている。どうすればいい? どうすれば、この危機から脱出することができるのだろう。 い っ そ 、 全 員 殺 し て し ま え ば い い 。 唐突に、頭の中にそんな恐ろしい考えが浮かんだ。そうだ。ぼくは、既に人殺しなのだから。 ぼくは母の不倫相手を殺した。ぼくは父を殺した。ぼくは朝永先生を殺した。そして、ぼくは 母を「消し」た。ぼくは既に、殺人と死体遺棄を行っている。もちろん、法的な罪に問われる ことはないが、罪は罪だろう? ……黙れ。 ぼくは、頭の中の声に、そう命令した。 ようやく、ぼくの頭の中に住み着いている声の正体が分かったような気がした。 俊夫さんが冬美ちゃんのことを『化け物』と呼んでいたとき、ぼくは、無意識に、『ぼくは化け物 じゃない!』と考えた。それだけではない。その後、 「何を考えているのかくらい、赤ちゃんだって、分かるよ」 と俊夫さんに言ったときも、ぼくの口は、ぼくのものではないように動いてそう言っていた。 ぼくに向かって『化け物め!』と叫びながら、ぼくを殴ったり蹴ったりした父に対して、『化け物 は、お前の方だ!』と考えたのも、本当はぼくではなかったのだ。 白い龍が出現したときも、ぼくではない存在が、ぼくの身体を乗っ取ろうとしているのを感じて いた。香山さんに 「お前は、何人もの人間を殺した。彼らだって、助けてくれと叫んだことだろう。お前は、彼らの 命乞いに耳を貸したのか?」 と言ったときも、ぼくの口は、ぼくとは無関係に動いていた。 もしかすると、ぼくの中には、もう一人のぼくがいるのかもしれない。
(続く)
230 :
生き埋め編165 :2007/07/25(水) 19:49:01 ID:0lVWOGCt
>>36 F「夏美さんを助けるためだ」
ぼくがそう答えると、真理は唖然とした表情になった。
「透、いったい何を言ってるの? 叔父さんが、夏美さんを助けるために、例の怪文書を
この『新OL三人組』の部屋にいれた? いったいどういうこと?」
「よく考えてみてくれないかな? 加奈子ちゃんの話によると、あの手紙は椅子の脚の下に
挟まってしまっていたせいで、発見が遅れたんだそうだ。ということは、もし、あの手紙が
椅子の下に挟まっていなかったら、どうなっていたと思う?」
ぼくの言葉に、真理は考え込むような表情になった。
「それは……叔父さんが手紙をドアの下の隙間から『新OL三人組』の部屋の中に入れた
ときの時点では、三人とも部屋の中にいたんだから、きっと、可奈子ちゃん、啓子ちゃん、
夏美さんの三人のうちの誰かが、すぐに手紙を発見していたでしょうね」
真理は、タイムテーブルを覗き込みながら言った。
「その通り。すると、可奈子ちゃんと啓子ちゃんが二階から降りてきたときのように、
三人は談話室に来ただろう。そして――おそらく夏美さんは、小林さんに会いに行った
のではないかと思う」
「何でやねん」
夏美さんが、相手をするのも馬鹿らしいという口調で言った。
「それは――小林さんと夏美さんは、愛人関係にあったからです!」
ぼくは大声で言った。
小林さんや夏美さんを含む部屋の中にいた全員が、驚きの声を上げた。
「そうだったのです。小林さんが起こした、この恐るべき連続殺人事件は、すべて夏美
さんのために行われていたのです。田中さんや、田中さんと入れ替わっていたAさんは、
そのことで小林さんを強請っていたのではないでしょうか。さらに、小林さんは、夏美
さんと再婚するのに今日子さんが邪魔だったので殺しました。それどころか、香山さんの
遺産まで手に入れようと、春子さんまで殺してしまいました。ぼくが、小林さんが犯人だと
指摘しなければ、きっと香山さんも殺されていたことでしょう」
べらべらと喋り続けるぼくの口を塞いだのは、夏美さんの鉄拳だった。
ぼくは吹っ飛び、床に転がった。
「ええ加減にせい! 妄想を事実のように語るな!」
夏美さんは、怒り狂った表情で、鼻血を啜り上げるぼくを見下ろした。
231 :
生き埋め編165 :2007/07/25(水) 20:04:16 ID:0lVWOGCt
「透……。夏美さんの言う通りよ。いくら何でも、無理があるわ」 真理が、呆れたような表情で、ぼくにティッシュを差し出した。ぼくはティッシュを 受け取り、鼻に詰めた。 小林さんを犯人だと指摘したときはこれで上手くいったのだが、どうやら調子に乗り 過ぎていたらしい。 「えーと、小林さん、間違ってましたか?」 ぼくはそう訊いたが、小林さんは答えようとしない。よく見ると、まるで笑いをこらえて いるような表情だった。ここまで犯人に馬鹿にされる探偵役というのは、非常に珍しい ような気がしたが、ぼくはそのことについて深く考えるのはやめた。 あくまでも、小林さんは自分から理由を語るつもりはないらしい。他の人たちも頼りに ならないし、ぼくが自分の力で真相を暴かなければならない。 ぼくは、もう一度よく考えてみることにした。 確かに、誰かを助けるために「こんや、かまいたちがあらわれる」という謎の手紙を 『新OL三人組』の部屋に入れたのはおかしいように思う。 やはり、三人のうちの誰かを殺そうとしたというのが、一番妥当な考えだろう。 実際、可奈子ちゃんと啓子ちゃんは、あの手紙を発見して談話室にやって来て、 その結果、雪崩に飲み込まれて生き埋めになったのだから。 ぼくは、気を取り直して言った。 「さっきの推理は、ちょっとした余興です。小林さんがあの手紙を『新OL三人組』の 部屋に入れた本当の理由は……」 ぼくは、そこで一旦言葉を切ってから、言った。 A「可奈子ちゃんを殺すためです」 B「啓子ちゃんを殺すためです」 C「夏美さんを殺すためです」 D「三人全員を殺すためです」
232 :
名無しのオプ :2007/07/25(水) 20:47:55 ID:cAW7HkBn
! Dでお願いします
233 :
名無しのオプ :2007/07/25(水) 21:02:08 ID:mykuYRT5
おおおっ! 生き埋め編まで読ませてくれるなんて!マジ感謝します。 この感じで再びスレも活性化していけばいいなあ。
234 :
名無しのオプ :2007/07/27(金) 02:00:19 ID:iVxjHHxe
まじ嬉しい!165さん頑張って下さい!ありがとう!
235 :
雪隠し伝説編165 :2007/07/27(金) 23:07:24 ID:wx/e2yy9
>>231 D「三人全員を殺すためです」
ぼくがそう言うと、
「それはないんじゃないかしら」
と、真理が即座に否定した。
「どうして?」
「だって、可奈子ちゃんも夏美さんも、まだ生きてるじゃない。あの雪崩で殺し損ねたの
だとしても、二人を殺すチャンスはいくらでもあったのに、二人はまだ生きてるでしょ?」
「これから殺すところだったんじゃ……」
「その可能性は低いと思うわ。透は、なぜ春子さんが殺されるのがあんなに遅くなった
のか、分からない? たぶん、春子さんは香山さんとずっと一緒にいたから、叔父さんは
なかなか春子さんを殺せなかったんだと思う。可奈子ちゃんは、気絶しているときは殆ど
一人で寝ていて、とても無防備だった。夏美さんは、可奈子ちゃんも啓子ちゃんもいなか
ったから、この部屋の中で、一人で寝ていた。だけど、可奈子ちゃんも夏美さんも無事
でしょ?」
真理の目は輝いていた。どうやら、推理をすることに生きがいを見出し始めたらしい。
これは非常にまずい展開なのではないだろうか、とぼくは直感した。
このままストーリーが進むと、皆に褒めちぎられて調子に乗った真理は、探偵事務所を
開こうなどと言い出すような気がした。そして、ぼくはその探偵事務所で、真理の助手と
して、安い給料でこき使われるのだ。いや、それはそれで幸福かもしれないが、真理の
従兄の叔父の嫁の妹の姪の夫の従姉だとか、従弟の甥の嫁の叔母の夫の従兄の弟だ
とかいう刑事がたまに仕事を持ってきてくれる以外は、依頼のない毎日が続くような気が
した。さらに、「地の文を読まないで!」とか何とか訳の分からないことを言われながら、
真理にいじめられるのではないだろうか。駄目だ。そんなことになっては困る。
真理が話を続ける前に、ぼくは急いで言った。
「小林さんが『新OL三人組』の部屋に手紙を入れた理由は――」
A「可奈子ちゃんを殺すためです」
B「啓子ちゃんを殺すためです」
C「夏美さんを殺すためです」
236 :
165 :2007/07/27(金) 23:11:17 ID:wx/e2yy9
訂正。
>>235 名前欄
×雪隠し伝説編165
○生き埋め編165
専用ブラウザを使っているせいで間違えてしまいましたorz
237 :
名無しのオプ :2007/07/27(金) 23:21:14 ID:nnZ0ecZm
>>235 そろそろ真相に近づける?Bでお願いします。
238 :
生き埋め編165 :2007/07/27(金) 23:50:59 ID:wx/e2yy9
>>235 B「啓子ちゃんを殺すためです」
ぼくがそう言うと、真理が肘でぼくの脇腹を押した。結構痛かった。
「ちょっと。私が言おうと思ったのに」
真理は不満げに言った。
「あの文面には何か意味があるの? 『こんや、かまいたちがあらわれる』だなんて……。
それとも、啓子を怖がらせて談話室に降りていくように仕向けることだけが目的で、文面は
何でも良かったのかしら?」
可奈子ちゃんが疑問を投げかけた。
「その答えは、美樹本さんが握っていると思います」
ぼくの言葉に、全員が美樹本さんに注目した。
「えっ? 俺が?」
美樹本さんは、かなり驚いた様子で言った。
「ええ。美樹本さんは、雪崩が起きる直前に、冬美ちゃんを見て、ぼくに言いましたよね?
『そうか、きみはかまいたち伝説を知らないのか』って。あのときは、二階から可奈子
ちゃんと啓子ちゃんが降りてきたせいで聞きそびれてしまいましたが、『かまいたち伝説』
って、いったい何なんですか?」
「くだらない伝説だよ」
美樹本さんは、困ったような表情で言った。
「いいから、言ってみてください」
ぼくが催促すると、美樹本さんは渋々話し始めた。
「この地方に伝わっている伝説さ。吹雪の日に、女の子の赤ちゃんの捨て子が現れる。
実は、その赤ちゃんは雪女の子供で、雪女は赤ちゃんを誘拐されたのだと勘違いして、
赤ちゃんを拾った人間を『かまいたち』で攻撃するという話だ。俺は以前、仕事でこの
地方に来たときに、地元の人から聞いたんだ。大方、小林さんは、その伝説を利用して、
田中がバラバラにされていた本当の理由を隠そうとしたんだろう」
「つまり、アリバイを作るために田中さんをバラバラにしたことを、カモフラージュしようと
したということですか」
「実際、俺は馬鹿にされるのが嫌で黙っていたけど、今日子さんや俊夫君やみどり君
だって、知っていたはずだ」
美樹本さんがそう言うと、俊夫さんやみどりさんは気まずそうに顔を逸らした。
「文面の意味はそれで分かったけど、私には、啓子と小林さんに接点があったとは、どう しても思えないんだけど……」 可奈子ちゃんはそう言いながら、ベッドの下からスキーのストックを取り出した。夏美 さんは知っていたのだろうかと思って夏美さんを見ると、ちょうど彼女もストックを取り 出すところだった。確かにここは『新OL三人組』の部屋だが、まさか、そんなものを 隠していたとは思わなかった。 護身用のつもりなのだろうか? それとも、小林さんに連続殺人の動機を聞いたら、 啓子ちゃんの仇を討とうとしているのだろうか? そもそも、どうして可奈子ちゃんは、ベッドの下にストックなど隠していたのだろう。 いや、二人の様子を見る限りでは、どうやらストックを隠していたのは夏美さんの方 らしい。夏美さんは事件が起こった後は一人でこの部屋で寝ていたのだから、身を守る ために、手の届くところに武器を隠しておいたのだろう。それを、ぼくの気付かないうちに、 夏美さんは可奈子ちゃんに伝えたのだろう。 「確かに、小林くんに啓子ちゃんを殺す理由があったとは思えんなあ。小林くんはここで ペンションを経営してるし、啓子ちゃんは、わしの会社の東京支店に勤めてたわけやし。 二人は、昨日――やなかった、日付が変わったから……一昨日の十二月二十日が、 初対面やったはずや」 香山さんは、考え込むような表情で言った。 「可奈子ちゃん、これまでに啓子ちゃんが長野に来たことはなかった?」 真理が訊いた。 「いえ。私と出会う前のことまでは分からないけど、少なくとも去年のパレードで啓子と 出会ってからは、啓子は一度も長野に来たことはないわ」 可奈子ちゃんは断言した。可奈子ちゃんと啓子ちゃんの関係を考えれば、その証言は 信用してもいいだろう。 「じゃあ、一昨日出会ってから、何か啓子ちゃんを殺さざるを得ないような出来事があった のかな?」 ぼくはそう言ったが、何も思いつかなかった。 「ちょい待ち。こう考えればいいんとちゃうか? ケイちゃんが長野に来たことがなかった んなら、小林さんが東京に行ったときに知り合っていたのかもしれへん」 夏美さんがそう言った。 「俊夫さん、みどりさん。何か知りませんか?」 ぼくはそう言って、二人の方を見た。
「そう言われてもなあ。俺たちだって、一年中シュプールで働いてるわけじゃないし……」 俊夫さんは困ったような表情で言った。 「そうよ。俊夫はまだ一応大学生だし、私はフリーターだし……」 みどりさんは、申し訳なさそうな表情で言った。 「ねえ、待って。宿帳を見れば、何か分かるかも」 真理はそう言って、美樹本さんの持っていた宿帳を指差した。その宿帳は、先ほど、 俊夫さんが犯人扱いされていたときに見せられたものだ。確か、あのときは、田中さん の予約を宿帳に記入したのが今日子さんだったということが問題になっていたのだ。 美樹本さんは、宿帳を開いた。美樹本さんの近くに座っていた香山さんと夏美さんも、 宿帳を覗き込む。ぼくや真理の座っていた位置からでは、宿帳の中身を見ることはでき なかったので、最初に宿帳を確認するのは三人に任せた。三人は、次々とページを 捲っていく。やがて、美樹本さんはあるページで手を止めた。 「おい、これ、おかしいんじゃないか?」 美樹本さんが、怪訝そうな声で言った。 「どこがおかしいん?」 夏美さんは不思議そうに言った。 「もしかして、この日のことか?」 香山さんはそう言って、ページの一部を指差した。 「あっ! 確かに変や」 夏美さんは、何かに気付いた様子で言った。 「いったい、何が変なんですか?」 ぼくは待ちきれずに訊いた。 「お盆の時期にペンションを休業しとるんや。これが普通の会社やったら何もおかしい ことあらへんけど、ペンション経営者にしてみれば、お盆の時期はかき入れ時やで? こんなときに休むなんて、経営者失格やわ」 香山さんは、社長らしい厳しい意見を述べた。 「でも、それだけじゃ何とも……」 真理は困ったような表情を浮かべた。 「それだけじゃないんや。何と、お盆の数日前に、山田太郎という男がこのペンションに 泊まってたんや」 夏美さんはそう言って、溜め息をついた。
山田太郎! 田中一郎に劣らず、偽名くさい名前である。いや、それだけではない。 ぼくは、小林さんの口からその名前を聞いたことがあった。 田中さんのバラバラ死体――正確には田中さんの生首とAさんの首なしバラバラ死体が セットになったもの――を検証していたときの、ぼくと小林さんの会話が、脳裏に蘇った。 『つまり、田中さんがコートやサングラスを身に着けていても、不自然じゃなかった ってことですか?』 『うん。この死体が田中一郎本人である可能性が高くなったということだね』 『でも、田中一郎なんて、偽名でしょう?』 『私の友人には、山田太郎という名前の人もいるよ』 ぼくは、蒼ざめている小林さんを見た。 「小林さん。山田太郎って、誰なんですか?」 ぼくはそう訊いたが、小林さんは悔しそうに下唇を噛みながら俯くばかりで、答えよう とはしなかった。 「ねえ、夏美。お盆の時期って言ったけど、正確には何日から何日なの?」 可奈子ちゃんが訊いた。 「ええと……今年の八月十一日の土曜日から、八月十六日の木曜日までの六日間や」 夏美さんが答えると、可奈子ちゃんは意外そうな表情になった。 「八月十一日? それって、確か、今年のパレードがあった日だわ」 ――『東京レズビアン&ゲイパレード』っていうやつです。今年……2007年からは、 『東京プライドパレード』に名称が変更になりましたけどね。 ぼくは、従業員用の休憩室で聞いた可奈子ちゃんの言葉を思い出した。そう言えば、 可奈子ちゃんや啓子ちゃんは、2007年の今年もパレードに参加していたのだろうか。 誰かが、ぼくの肩に手を置いた。振り返ると、真理が驚愕と恐怖の入り混じった奇妙な 表情で、ぼくを見ていた。 「八月十一日……。それって、私たちが渋谷で轢き逃げを目撃した日じゃない?」 真理は、震える声でそう言った。 「あ、確かそうだった」 ぼくは、そう指摘されて、ようやく気付いた。
(前スレ
>>271 参照)
ぼくは昔、目の前でダンプカーが自転車に乗った少年を撥ねるのを目撃したことがあった。
そのときぼくが立っていた位置からは、交差点を右折しようとした自転車が、ダンプカーの
目の前に飛び出すのが、手を取るように分かった。だが、少年はそのことに気付かないらしい。
ダンプカーがハンドルを切ると同時にブレーキを踏んだが、間に合わなかった。
少年の身体は、一瞬にして、ただの肉塊に変わった。ぼくは、何もできずに立ち尽くしていた。
ぼくは、昨日、啓子ちゃんと可奈子ちゃんが雪崩に飲み込まれるときにも、その轢き逃げの
ことを思い出していた。まさか、こんな短い時間のあいだに、二度もあの嫌な出来事を思い
出すことになるとは思わなかった。
今年の八月十一日、ぼくと真理は新宿で行われたオフ会に参加していた。2ちゃんねるの
ミステリー板のオフ会である。そもそも、ぼくと真理が知り合ったのは、大学のミステリー
研究会という弱小サークルだった。このことからも分かるだろうが、ぼくと真理はミステリーが
好きで、サークルだけでは飽き足らず、オフ会にも参加していたのだ。
もっとも、真理は、2ちゃんねるは荒らしが多いので好きではないと言って参加を渋っていた
のだが、ぼくは真理と会う口実が欲しくて、無理に誘ったのだった。
あの轢き逃げを目撃したのは、オフ会が終わり、新宿から渋谷に移動して食事をし、そろそろ
帰ろうと言っていたときだったのだ。その日、渋谷でパレードが行われていたことなど、ぼくも
真理も知らなかった。今にして思えば、ぼくたちが新宿から渋谷に移動したときには、パレードは
もう終わっていたのだろう。
ダンプカーは、少年を撥ねたことにも気付かない様子で、走り去っていった。
ぼくは携帯電話で救急車を呼んだが、手遅れだった。その日のうちに、ぼくたちは警察の事情
聴取に応じた。
真理に言われるまでそのことに気付かなかったとは、迂闊だった。
「もしかして、小林さんは、あの轢き逃げをしたダンプカーに乗っていたんですか?」
ぼくがそう訊くと、小林さんは顔を上げた。その顔に浮かんでいたのは、無表情に近い微笑
だった。
「きみたちには驚いたよ。まさか、憶測だけで真相に辿り着くなんて思わなかった」
243 :
生き埋め編165 :2007/07/28(土) 01:20:40 ID:SUq7GQwv
「じゃあ……啓子と出会ったのも、その日だったの?」 可奈子ちゃんは、信じられないという表情で小林さんを見ていた。心なしか、ストックを 握る手に力がこもっているように見えた。 「そうだよ」 小林さんは表情を変えずに答えたが、もう観念している様子だった。 いよいよ、一連の事件の真相が明らかになろうとしている。 Aぼくは、黙って小林さんの話に耳を傾けた。 Bぼくは、真相を聞く前に、小林さんをロープで拘束することにした。 Cぼくは、真相を聞く前に、可奈子ちゃんをロープで拘束することにした。
244 :
名無しのオプ :2007/07/28(土) 09:52:41 ID:yC/D9ocD
Aで
245 :
165 :2007/07/30(月) 08:43:55 ID:FFkl6zN3
今、携帯電話から書き込んでいます。 実は、アクセス規制に巻き込まれてしまいました。 ミステリー板だけじゃなくて全鯖で書き込めません。 まったく身に覚えがないのでアクセス情報規制板というところに行って調べたら、俺と似たホスト名の奴が荒らしをやってたらしいです。 荒らしの被害に遭うのはこれで何度目だろう……orz 規制解除要望スレに行ったら、俺と同じく、荒らしと似たホスト名の被害者が大勢いました。 被害者の一人がプロバイダーに連絡してくれたのですが、まだ荒らした奴を特定できてないらしいです。 とにかく、そんなわけでしばらく生き埋め編と雪隠し伝説編は更新できません。 携帯で続きを書くことも考えましたが、試しにPCで書いたものを携帯で打ち直したら、とんでもない時間がかかったので諦めました。 下手すると2ヶ月以上更新できない可能性があるので、お知らせしました。 本当に申し訳ありませんm(_ _)m
246 :
名無しのオプ :2007/07/30(月) 12:40:10 ID:LlFrxvz8
>>245 どちらも佳境に入ってきて更に盛り上がってきた所なのに、非常に残念です。
でも、荒らしのせいじゃどうしようもありませんよね。
ここでの書き込みに限らず何かと不便でしょうから、早く規制が解けるといいですね。
自分は携帯から2ちゃんをやった事がなくて詳しい事は分からないのですが、
PCで書いた物をメールで携帯に送り、それをコピーして貼り付けるというのはやはり大変な手間なのでしょうか?
分割や改行もありますしね・・・。鬼のような意見ですみません。
247 :
名無しのオプ :2007/07/31(火) 05:04:30 ID:B0MSFMG9
テキストとここのURLのデータを持ってネット喫茶とかで送信てのは? と、提案するのは別に急かしてるんじゃないです。 間があくとモチベーション下降しちゃう人っているみたいなんで それが心配なだけです。 自分としては何ヶ月でも待ってます。 その間に内容の練り直しするってのもアリでしょうし。
248 :
名無しのオプ :2007/07/31(火) 07:03:30 ID:gJr1ElML
色々な理由で書き込みを自粛してた他の書き手さんが、 これを機に書き込んでくれればスレも活性化するし、 書き手さん同士でモチベーション上げられていいと思うのだけど。
249 :
名無しのオプ :2007/07/31(火) 17:08:02 ID:dg9udcOA
そうだよね。 165氏の再登場も大歓迎だけど、新規スタートの話や 途中になってる他の作品の続きだって同じように待ち望んでいます。 まとめサイトさんのおかげで、 最後の投下から期間があいていてもすんなり読めますしね。
250 :
名無しのオプ :2007/08/10(金) 03:45:07 ID:iPQ8RCbI
ほしゅ
251 :
名無しのオプ :2007/08/13(月) 03:04:50 ID:nTGSRhP0
ぼくが真理とスキーを終えシュプールへと帰ると、そこは何故か雀荘と化していた。 「ロンロンロンーーー!!高っかいでぇ、これは。倍満や!16000もらいまっせ。」 帰ってきたぼくらを香山さんの大声が迎えてくれた。悔しそうに歯を食いしばり香山さんを睨みつける俊夫さんの姿も見える 「こ、これは一体!?ここ本当にシュプール?」 昼間とあまりに違う光景に周りを見回し驚くぼくに真理は当然といった風で 「何言ってるの?シュプールは昼間はただのペンションだけど夜には全国から名の知れた雀士の集まる雀荘になるのよ? 透、まさかそんなことも知らずにシュプールに来たの?」 そんな事いわれてもシュプールをただのペンションだと思っていたぼくには寝耳に水だ。 だいたい真理からはスキーに行こうと誘われてきたのだ。知らないのは当然だろう。 「そんな…真理が誘ってくれた時スキーに行こうって言ってたじゃないか。 だいたい真理麻雀知らないだろ?」 「はっはっは、透くん。真理は関東では敵無しの一流の代打ちだよ? 裏社会のものにドラ爆の真理といえば知らぬものはいないさ。」 突然現れた小林さんの言葉に驚くぼくに小林さんは 「どうだい透くん、君も大学生なら麻雀くらい打てるんだろう? 君さえよければ記念に打ってみないかい? 実は今日は伝説の雀士『かまいたち』を招いていたんだがいまだに来ていなくてね 面子が足りないんだよ、頼むこの通りだ。大丈夫!レートはマグロ漁船に乗れば払えるぐらい安いから。」 小林さんの言葉にぼくは A「いいですよ、ただし賭けるものは命にしませんか?」 B「そ、そんな…勝てるわけ無いじゃないですか!!やりませんよ」 C「ぼくがその『かまいたち』ですよ。お待たせしました。」と大法螺を吹いた
252 :
名無しのオプ :2007/08/13(月) 05:51:32 ID:qsfNjQxr
>>251 新作キター!
やっぱりここはCでお願いします。
253 :
名無しのオプ :2007/08/13(月) 21:12:45 ID:999MImCB
コテトリ無いから勝手に続けちゃっていいんじゃね?
C「ぼくがその『かまいたち』ですよ。お待たせしました。」と大法螺を吹いた 「な、なんですってーーー!!透があの『かまいたち』だっていうの!?」 真理の驚いた声が響き渡り室内に小さなどよめきが起こった。 「あの『かまいたち』の正体があんなガキやったいうんか…信じられへん話やな」 「いや、僕もヤツの正体が若い男だという噂を聞いた事がありますよ。あながち嘘じゃないのかも…」 「これからじっくり試せばいいじゃない。夜は長いんだから」 今更嘘でしたなんて言えない雰囲気だぞ、これは… あせるぼくを尻目に小林さんが勝手に話を進めている。 「透くん、君があの『かまいたち』だったなんてね。それなら話は早い。 今夜はその実力をとくと拝見させていただくよ。 皆さん、お待たせしました!『かまいたち』が到着されましたので早速始めたいと思います!!」 そ う し て 長 い 夜 が 始 ま っ た … ※面子を選択してください
255 :
名無しのオプ :2007/08/13(月) 22:42:28 ID:999MImCB
魚屋
256 :
名無しのオプ :2007/08/14(火) 00:02:58 ID:Mab6uV3/
うああ。 透、真理、俊夫、春子が見たかった・・・・・
257 :
名無しのオプ :2007/08/14(火) 12:40:57 ID:GF+JLai7
〆られたニワトリ
258 :
名無しのオプ :2007/08/14(火) 18:30:10 ID:xLXSq+3n
259 :
名無しのオプ :2007/08/14(火) 23:38:10 ID:7ofzCCPM
失格とは思わないけど、見てないシナリオがあるのはもったいないな。 かま1をもっとやりこんでみてくれ。 ちなみに×3に収録されてる1じゃ見られないよ。
260 :
名無しのオプ :2007/08/14(火) 23:45:54 ID:xLXSq+3n
>>259 いや、1も2も全部のしおりを出してるはず。
×3以外は最近やってないので、単に忘れてるだけみたい。
・・・やっぱりファン失格だな、すまん。
261 :
名無しのオプ :2007/08/15(水) 00:02:00 ID:cWtjPTse
じゃあシェフの麗子さんはすぐに思い出しても、 ミナコちゃんは忘れたっていうんだな? かまいたちというよりオカマファン失格だッッッ!!
262 :
名無しのオプ :2007/08/15(水) 00:11:58 ID:ydNYsYPV
じゃあ ・魚屋 ・ニワトリ ・麗子 ・ミナコ だな
263 :
名無しのオプ :2007/08/15(水) 00:34:38 ID:cWtjPTse
伝説の雀士『かまいたち』省かれてるwww てか、ニワトリが麻雀てwww
ピンクで選ぶ選択肢で
>>260 に選ばれない選択肢があったと言うわけか。
全部見てるって事は印象が薄かっただけかもね。でも話はともかくある意味インパクトはでかい気がする。今日子さんとかorz・・・。
265 :
名無しのオプ :2007/08/15(水) 20:04:07 ID:WtlndDhb
家ゲの総合スレと勘違い
266 :
名無しのオプ :2007/08/15(水) 21:42:45 ID:cWtjPTse
気付くの遅っ!
267 :
名無しのオプ :2007/08/18(土) 22:08:48 ID:7nWttaJB
>>201 の続き
A. 小林オーナーの料理に汚物を混入する
ぼくは、卑怯な手段に出る他なかった。
「ちょっと、トイレ。」
ぼくは立ち上がると、駆け足でトイレに向かった。
…フリをした。
ぼくは裏口から外に出ると、生ゴミが置かれている場所に行った。
生ゴミをビニール袋に詰めると、それをポケットにしまい、
何食わぬ顔で皆の元へ戻った。
そして、叫んだ。
「火事だ!
二階の窓から煙が出てるぞ!!!」
「何だと!」
小林オーナーが絶叫した。
「皆さん、申し訳ないが、手分けして二階を調べてくれないか!」
「分かった!」
小林オーナーをはじめ、皆慌てて二階へと走っていった。
…ひひっ、今のうちだ。
ぼくは、ポケットの中の汚物をミキサーにかけ、液状にした上で
小林オーナーの料理に混入した。
268 :
名無しのオプ :2007/08/18(土) 22:16:55 ID:7nWttaJB
そうした上で、ぼくは二階の自室に向かった。 そして、小型のヒーターの前に雑巾を置き、それをライターを 使って燃やした。 ヒーターで乾かそうとした雑巾が、燃えたということにするのだ。 雑巾がいい感じに燃え尽き、燃えカスをヒーターの前に配置すると、 ぼくは廊下に出て叫んだ。 「皆さん!すいません! 原因はぼくでした!」 …それから十分後、ぼくは厳重注意を受けた。 そして、勝負は再開されたのだった。 「まずは透くんのパスタだ。」 小皿に少しずつ分け、全員にパスタを配る。 「さあ、食べて下さい、ぼくの芸術作品を。」 皆が口を付ける。 「おっ!旨いじゃないか。」 俊夫さんが感嘆の声を上げる。 「柑橘系の風味と、酸味が絶妙やな!」 香山さんも絶賛する。 「小皿じゃ少なぁい!」 啓子ちゃんは早くもおかわりを要望する。
269 :
名無しのオプ :2007/08/18(土) 22:21:47 ID:7nWttaJB
「どうです?皆さん。」 ぼくは得意げに皆を見回す。 「かなりハイレベルな一品ですね。 プロ顔負けですよ。」 春子さんが言った。 皆もその言葉に頷く。 しかし、小林オーナーだけは不敵な笑みを浮かべている。 ぼくの料理を完全に見下していた。 ぼくにしても、普通にいけば、小林オーナーの料理の方が 上なのは分かっていた。 …普通にいけばね、ひひっ。 「続いて、小林オーナーの料理、子牛のソテーだな。」 先程と同じように、小皿に取り分ける。 「さあ、召し上がって下さい!」 小林オーナーは、目を輝かせながら言った。 皆がソテーを口に運ぶ。
270 :
名無しのオプ :2007/08/19(日) 00:40:25 ID:7RVdOxAZ
wktk
271 :
名無しのオプ :2007/08/19(日) 04:02:33 ID:NBziDxQs
「ひひっ」が癖になる味だなww
272 :
名無しのオプ :2007/08/19(日) 23:41:36 ID:+uHopjXe
>>269 の続き
「うわっ、くせえ!!!」
突如、俊夫さんがソテーを吐き出した。
「何よこれ、汚物臭がするわ!」
可奈子ちゃんが激怒している。
全員がソテーを投げ出した。
黙々と食べ続けている啓子ちゃんの存在はあえて無視した。
「オーナー!
これは一体どういうことですか!?
こんなブタの餌以下のモノを食べさせるなんて!」
みどりさんが小林オーナーに食ってかかる。
「ば、馬鹿な…!
私の料理は完璧なはずだ!!!」
小林オーナーは青ざめながら、自分の作った子牛のソテーを
口に運んだ。
「うげえっ!」
小林オーナーは嘔吐した。
ひひっ、それはそうだろう。
何しろ、腐敗した汚物ジュース入りソテーなのだ。
吐き出さない方がどうかしている。
273 :
名無しのオプ :2007/08/19(日) 23:47:08 ID:+uHopjXe
「どうやら、勝負はぼくの勝ちのようですね、オーナー。」 ぼくはニヤけながら、小林オーナーの前に立ちはだかった。 「こんなはずはない! やり直しだ!やり直しを要求する!」 「見苦しいですよ、勝負とは一回きりの真剣勝負を指すものです。 真剣勝負に敗れた者は、死ぬんです。 死んだ者にやり直しはきかないでしょう?」 ぼくは冷たく言い放った。 …その時だった。 「うぶっ、げへっごぼぼぉ!」 春子さんが一人、異常な反応を見せていた。 「一体どうしたんや!春子!!!」 香山さんが春子さんの背中をさする。 「えぶっおごっぶふっ…!」 春子さんは吐血し、その場に倒れこんだ。 「きゃあーーーっ!」 談話室に絶叫が響き渡る。 殺しだ。 この勝負に乗じて、殺しが起きたのである。
274 :
名無しのオプ :2007/08/20(月) 09:44:38 ID:ZdAlLyAL
wktk
275 :
名無しのオプ :2007/08/20(月) 10:00:44 ID:QKWFOVH1
汚物と毒物を一緒に食べて死んだ春子さんが可哀想すぎるw
276 :
名無しのオプ :2007/08/20(月) 14:40:26 ID:TF/E6HRr
なんかいきなりサスペンス 啓子のその後がしりたい
277 :
名無しのオプ :2007/08/21(火) 06:39:26 ID:SuJPLGXk
>>276 あの反応を見る限り、普通に完食して終わりの気がするから怖いw
啓子が悪い物食べて腹壊す図ってどうしても想像出来ないし。
278 :
名無しのオプ :2007/08/24(金) 09:57:15 ID:72d1pnkf
それどころかおかわりすら要求しそうで怖いw
279 :
名無しのオプ :2007/08/24(金) 15:03:32 ID:FsT3NdDY
>>276-278 の流れで、昔の学年誌の漫画で、
・妹に惚れた男とその男がいけ好かないので交際反対の兄が、妹を賭けて料理対決
・理由は忘れたが、兄に惚れてる女が兄に負けて欲しくて調味料の中身をぐちゃぐちゃに
・当然審査員は全員兄の料理にダメ出し、負け濃厚
・ブラコンなので兄に勝って欲しい妹が自分も審査すると言い出す
・極度の味オンチの為兄の方のがおいしいと言い、結局兄の勝利
というのを思い出した。
280 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:15:31 ID:tgg96pnt
>>273 の続き
小林オーナーや俊夫さんが、応急処置をしたが、
春子さんはそのまま逝った。
「これは本物の殺人だ…。
一刻も早く、警察に知らせなければならない。」
そう言うと、小林オーナーは電話をして、警察に連絡した。
電話を終え、受話器を置くと、小林オーナーは溜息をついて言った。
「…今は猛吹雪で、警察が来れるのは、天候次第ということだ。」
「そんなぁ!
殺人鬼がいる場所で過ごせっていうの!?」
可奈子ちゃんが抗議する。
「そうよそうよ!
啓子もそう思うでしょ?」
亜希子ちゃんが啓子ちゃんに同意を求める。
啓子ちゃんは他人の分のソテーを食べているので、
話題には興味を示さないようだった。
「おい!
今の春子さんの姿を見なかったのか!?
死ぬぞ!!!」
俊夫さんが啓子ちゃんを止めにかかった。
「うるさいわね!」
啓子ちゃんは激怒しながら、俊夫さんを突き飛ばした。
「うぐわっ!」
よろめいた俊夫さんは、階段の隅に足の小指をぶつけた。
「アッ…ツフゥゥ!」
悶絶する俊夫さんを尻目に、周りの人間も止めに入った。
281 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:22:49 ID:tgg96pnt
啓子ちゃんは猛然と抵抗を続ける。 手に負えない状態だった。 仕方ない…、ぼくは壁に立て掛けてあったモップを手に取った。 すぐに、啓子ちゃんを何度も何度も叩いた。 啓子ちゃんはすぐに動かなくなった。 「きゃぁーーーッ!」 可奈子ちゃんと亜希ちゃんが絶叫する。 「うるさいな。 死なない程度にしといたから大丈夫ですよ。 あのままでは、本当に毒ソテーで死んでましたよ。 ぼくに感謝して欲しいですね。」 ぼくは血塗れのモップを投げ捨てると、椅子に座った。 「…さて、春子さんは死にました。 状況から見て、他殺であることはほぼ間違いないでしょう。 まず、明らかにしたいのは死亡原因ですね。」 ぼくは冷静に言った。 「原因だって? 原因はオーナーが作ったソテーじゃないのか?」 美樹本さんが不思議そうに聞き返した。
282 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:29:12 ID:tgg96pnt
「そうとは言い切れませんよ。 例えば、小林オーナーのソテーを食べる以前に、 遅効性の毒物を摂取していたとすればどうですか?」 「なるほど…、たまたまオーナーのソテーを食べている時に、 毒物が効き始めたってことか。」 美樹本さんは何度も頷きながら言った。 「それなら…、透くんのパスタに毒が入っていたかもしれない訳か。」 俊夫さんが言った。 ふざけるなこの野郎。 ぼくはすぐに反論した。 「それはないですよ。 ぼくが料理を作る一部始終は、真理たちが見てます。 毒物を入れるなんてことは、出来る訳がないんですよ。」 「そうね…、透は別におかしなことはしてなかったと思うわ。 真理が援護してくれる。 「と、なると…。」 皆が小林オーナーを見た。
283 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:34:29 ID:tgg96pnt
「ちょっと待ってくれ! 何故私が春子さんを殺さなきゃならないんだ!!! 状況証拠だけで適当なことを言うと許さんぞ!」 小林オーナーは絶叫した。 「俺も、オーナーを疑うことには賛成できないね。」 俊夫さんが腕組みをしながら言った。 「まず、動機がない。 次に、春子さんが本当に毒物で死んだのかも分からないし、 仮に毒物であったとしても、透くんの料理に含まれていたのか、 オーナーの料理に含まれていたのか、 あるいは、もっと別の場所で毒物を摂取したのか、 何も分かってないのさ。」 先程、ぼくを疑ったカス野郎が偉そうに言うのは腹が立つ。 しかし、言っていることはもっともだった。
284 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:39:23 ID:tgg96pnt
「警察が来るまで待っていたら、何をされるか分かったもんじゃない。 皆で手分けして、捜査をしようじゃないか。」 美樹本さんが言った。 「ちょっと待て。 警察が来るまで、現場の状況を保存するべきだ。」 俊夫さんがすぐに食って掛かる。 モップで叩いた。 「さあ、捜査しましょう。」 ぼくは捜査開始の音頭をとった。 A. 春子さんの部屋を捜査しよう。 B. キッチンを調べ、毒物がないか確認するんだ。 C. やはり、小林オーナーが一番怪しい。オーナー部屋を調べる。 D. ひひっ、俺がやったのさ。
285 :
名無しのオプ :2007/08/25(土) 23:55:29 ID:qFOPLyNR
続きキター!! Bでお願いします。
286 :
名無しのオプ :2007/08/26(日) 07:09:07 ID:hdKLz6i9
なんでもモップで解決するのはこのスレの伝統かw
287 :
名無しのオプ :2007/08/26(日) 09:25:04 ID:fLZBQvxG
モップ職人が何人もいるって事かw
288 :
名無しのオプ :2007/08/27(月) 00:30:04 ID:i5hlGfzD
>>284 の続き
B. キッチンを調べ、毒物がないか確認するんだ。
「まだ、キッチンに何らかの手がかりがあるかもしれません。
キッチンを調べましょう。」
ぼくたち全員は、キッチンへ向かった。
冷蔵庫、ゴミ箱、流し、床、棚…、キッチンのあらゆる場所を
入念に調べ上げたが、何も発見することは出来なかった。
「香山さん、春子さんの夕食前の様子はどうでしたか?
変なものを食べていたとか、そういうことはありませんでしたか?」
「…いや、そんなことはなかったはずや。
自販機で買うたお茶を飲んでたくらいや。」
香山さんは意外に冷静に答える。
「そうだ、ボヤ騒ぎがあったじゃないか。
あの時、全員が二階に移動して、一階には誰も居ない状態になった。
…が、実際には誰かが居て、オーナーのソテーに毒を入れたんじゃないのか?」
俊夫さんが意見を述べた。
ひひっ、しかし、それはあり得なかった。
何故なら、一階にはぼくが居て、小林オーナーのソテーに
汚物を混入していたのだから。
289 :
名無しのオプ :2007/08/27(月) 00:40:01 ID:i5hlGfzD
「そうだとしても、あの時は相当焦っていたから、 誰が居て、誰が居なかったか、なんて分かりはしないぞ。」 美樹本さんが中々良いことを言う。 「ちなみに、透くん、小林オーナーが料理中に 毒物を混入した可能性はない。 全員が料理をしている所を目撃してる。」 美樹本さんが立て続けに良いことを言う。 「じゃあ、誰がやったっていうんだ?」 俊夫さんがイライラしたように言った。 「まず、大事なのは、春子さんの死因なんですよ。 これが分からないことには話にならない。」 ぼくは先程言ったことをもう一度言った。 「…香山さんよ。 香山さんが一番怪しいわ!!!」 突如、モップでメッタ打ちにした啓子ちゃんが起き上がって絶叫した。 「何やて!」 香山さんは当然怒った。 「だってそうでしょう!? 料理を作った透さんも小林さんも犯行の機会がない、 だったら、夫婦で四六時中ずっと一緒に居た香山さんが 容疑者筆頭よ、恥を知れ!!!」 言うことが過激になり始め、言葉遣いがブレ始めている。 ぼくはにわかに恐怖を感じた。
290 :
名無しのオプ :2007/08/27(月) 13:20:40 ID:9gsvrr1T
「恥を知れ!!!」に噴いたwww
291 :
名無しのオプ :2007/09/04(火) 21:28:16 ID:v3ClDQj5
ほほほす
292 :
名無しのオプ :2007/09/08(土) 23:25:40 ID:9JzeraHF
保守
293 :
名無しのオプ :2007/09/15(土) 23:16:21 ID:dSMALi6A
かまいたち
294 :
名無しのオプ :2007/09/16(日) 00:01:07 ID:Kc+gbEXB
>>289 の続き
「啓子ちゃん!
ちょっと言い過ぎじゃないのか?」
正義感の強いフリーター・俊夫さんが抗議した。
「うるさいわね!ニートが!!!」
「ふざけんな!フリーターだ!」
俊夫さんは啓子ちゃんに掴みかかった。
その時だった。
「もうやめて!」
今日子さんが泣き崩れた。
「もういいじゃない…、誰が犯人かなんて警察に任せておけばいいのよ。
これ以上争ったって何にもならないわ!」
今日子さんが涙ながらに訴える。
しかし、ぼくは今日子さんの意見には反対だった。
警察はいつ来れるか分からない。
犯人の目的も分からない。
もしかしたら、犯人はキチガイで、皆殺しを狙っているかもしれないじゃないか。
「今日子さん、そんなことを言っていたら、
第二、第三の殺人を食い止められませんよ。
ぼくの予想では、この殺人劇はまだ終わらない。」
295 :
名無しのオプ :2007/09/16(日) 00:11:03 ID:Kc+gbEXB
「まだ終わらない、やて? まさか、お前がやったんか!?」 「そうじゃありませんよ。 ただ、何となく、そんな気がしただけです。」 「もうどうでもいいわ! 警察が来るまで待ってりゃいいのよ! 啓子、亜季、部屋に戻りましょ! 馬鹿馬鹿しい!!!」 可奈子ちゃん、亜季ちゃん、啓子ちゃんの三人は、 そのまま二階の自室へ行ってしまった。 「…そうだな、このまま犯人を見つけ出すなんて 俺たちには不可能だ。 俺も部屋に戻るよ。」 俊夫さん、みどりさんも部屋に行ってしまう。 「しょうがない。 透くん、ここは皆に合わせて、部屋に戻ってくれないか。 やはり、警察に任せた方がいい。」 小林オーナーが促す。 「…分かりました。 ただ、皆さん、気を付けて下さい。」 その場の全員が頷くと、各自、部屋に戻っていった。
296 :
名無しのオプ :2007/09/16(日) 00:23:13 ID:Kc+gbEXB
…5分後、ぼくは自室のベッドの上で考え事をしていた。 状況を整理するのだ。 真理とスキーをして帰ってきた後、食堂に行き、夕食の席に付く。 そこで、ぼくが小林オーナーの料理にケチを付け、料理勝負となる。 ぼくをはじめ、その場の全員がキッチンに行き、勝負の行方を見守った。 双方の料理が完成し、小林オーナーの料理の出来の良さに 危機感を覚えたぼくは、悪事を思い付く。 まず、トイレに行くフリをする。 トイレには行かず、裏口から生ゴミを回収する。 次に、二階の窓から煙が出ていると騒ぎを起こし、 全員を二階へ誘導する。 ただ一人、一階に残ったぼくは、その隙に小林オーナーの料理に 生ゴミジュースを混入した。 そして、騒ぎが収まった後、試食。 ぼくの料理の試食では何も起きなかったが、 小林オーナーの料理の時に、春子さんが死亡。 これが、これまでの流れだ。 ぼくはふと、あることが非常に気になった。 A. ぼくが汚物ジュースを混入している際、一階に居たのは 本当にぼくだけだったのか? B. 啓子ちゃんのイカレ具合は尋常ではない。 C. 毒物は、春子さんを狙って混入されたのか、それとも、 無差別なのか? D. 小林オーナーは被害者ヅラをしているが、 毒物を入れたのはオーナー自身なのではないか? E. やはり、隣に座っていた香山さんがやったのではないだろうか? F. メリー・クリスマス!
297 :
名無しのオプ :2007/09/16(日) 00:31:24 ID:sIe7xwOC
F
298 :
名無しのオプ :2007/09/16(日) 08:19:03 ID:6tgyluph
続き、お待ちしてました!!
透は読者から見たら単なるアブナイ人なのに、
本人はいたって真面目に推理してるギャップがいい。
そして
>>296 の選択肢の流れと、
>>297 のコンボに吹いたw
299 :
名無しのオプ :2007/09/17(月) 00:30:40 ID:VQbUI6RH
>>296 の続き
F. メリー・クリスマス!
そうだった。
今日は、12月24日。
クリスマス・イヴだ。
そして、時刻は22:00。
クリスマスはもうすぐそこだ。
ぼくは、カバンの中からクラッカーを取り出した。
祝うのだ。
祝うしかないのだ。
大量のクラッカーを抱えたぼくは、部屋から勢い良く飛び出した。
廊下は静まり返っている。
イヴだというのに、皆はすでに寝てしまったのか?
そんなはずはない。
ぼくはまず、真理の部屋をノックした。
「真理!真理!
起きてるんだろ!?
今日は何の日か知ってるよね?」
…返事がない。
おかしい。
ぼくは意を決して、ドアノブに手をかけた。
ドアはあっさりと開いた。
中には…、誰もいなかった。
300 :
名無しのオプ :2007/09/17(月) 00:38:02 ID:VQbUI6RH
真理は一体どこに行ってしまったんだ? ぼくは、部屋を入念に見回したが、とくにおかしな所は見当たらない。 しょうがない、真理とイヴを楽しむのは諦めよう。 ならば、OLたちと盛り上がるまでさ。 ぼくは、OL三人組の部屋をノックした。 …ここも返事がない。 ドアノブに手をかけると、先程と同じようにドアが開いた。 中には誰もいない。 …何だ? 何が起きているんだ? ぼくは、一階へ降りた。 すると、談話室のテーブルの真ん中に、巨大なケーキが置かれていた。 クリスマス・ケーキなのだろうか? ぼくは、テーブルに近寄ると、ケーキを見つめた。 豪華なチョコレート・ケーキだ。 ロウソクが何本も刺さっており、チョコで出来た板に、 メリー・クリスマスと書かれている。 確かに、クリスマス・ケーキのようだった。 小林オーナーが作ったのだろうか…。 それにしても…、旨そうだな…。 ぼくは、思わずケーキに手を伸ばした。 その時、背後に気配を感じた。 誰だ…? A. 真理だ。 B. 大食い啓子ちゃんだ。 C. 小林オーナーだ。 D. 誰もいやしない。 E. ぼくは構わずケーキを食べた。
302 :
名無しのオプ :2007/09/18(火) 02:50:44 ID:RXDvBNKe
Dに吹いたwww
303 :
名無しのオプ :2007/09/18(火) 13:35:42 ID:Cuyin4Gv
一発ゲームオーバーかと思ったらwww
304 :
名無しのオプ :2007/09/18(火) 23:59:42 ID:qosDI7Bo
おまけにケーキを発見するまで、 「そして誰もいなくなった」オチかと思ってドキドキしながら読んでた。 そして今後もホラーオチになるのかギャグオチになるのか全く予想つかない所も更にgood。
305 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 00:20:39 ID:SU4JUPPZ
>>300 の続き
E. ぼくは構わずケーキを食べた。
ぼくは、素手でケーキを鷲掴みにした。
そして、貪り食った。
夢中で食った。
半分くらい食べ終わった時、後ろから声がした。
「なんてことをしてくれたんだ!」
小林オーナーが絶叫した。
「なんてことを…って、誰かに食べて欲しいから作って置いておいたんでしょう?」
「そうじゃない!
…透くん!
君は真理から、今日が何の日か聞いていないのか!?」
「何の日…?
クリスマス・イヴでしょう?
知ってますよ、それくらい。」
「違う!!!
今日は、クリスマス・イブなんかよりずっと大事な日なんだ!」
「何ですか、それは?」
「…かまいたちの夜だ。」
306 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 00:28:25 ID:SU4JUPPZ
「かまいたちの夜?」 「そうだ、かまいたちの夜だ。」 「ぎゃっはっはっはっは!」 ぼくは腹の底から爆笑した。 先程の料理勝負に敗れた小林オーナーが発狂したと思ったのだ。 「何がおかしいんだ! 今に恐ろしいことが起きるぞ!!!」 「いい加減にして下さい、オーナー。 お腹一杯だし、真理はいないし、ぼくはもう寝ます。」 「待て! かまいたちへの捧げモノであるケーキが滅失した以上、 死人が出るぞ!!!」 「何を言ってるんですか? もう死人が出てるでしょう? 春子さんが死んだのを、もう忘れたんですか?」 「アレとは別だ! …ちくしょう、もう時間がない! かまいたちがく…おおおおお!」 突如、電気が消え、小林オーナーが宙に浮いた。 そして、床に叩き付けられた。 「ぐえっ!」 うめき声をあげる。 暗闇の向こうを見ると、巨大化した猫がいた。 あれは…ジェニーだ。
307 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 00:32:24 ID:SU4JUPPZ
その体長は、5メートルはある。 暗闇の中、目が妖しく輝く。 「許してくれ! ケーキは用意していたんだ! だが、ここにいる透くんが食ってしまったんだ!!!」 訳が分からない。 巨大化ジェニーとケーキに何の関係があるのか? とりあえず、ぼくは…、 A. 裏口にあるスノーモービルへ直行した。 B. ジェニーとの対話を試みる。 C. 地下室に誘い込み、閉じ込める。
308 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 07:51:18 ID:ARW6U/DW
Bで。
309 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 07:51:49 ID:ARW6U/DW
310 :
名無しのオプ :2007/09/19(水) 15:34:41 ID:Gj1DaeEl
すげえ展開だwwww
311 :
名無しのオプ :2007/09/23(日) 00:43:52 ID:vzPTxMao
>>307 の続き
B. ジェニーとの対話を試みる。
ぼくはジェニーの前に仁王立ちした。
「ジェニー、君の目的は一体何だ?
ぼくに出来ることなら、力を貸そうじゃないか。」
「馬鹿なことはやめろ!
そいつに話が通じる訳がない!!!」
後ろで小林オーナーが喚いている。
モップで叩くとすぐに静かになった。
「さあ、ジェニー。
何か言ったらどうなんだい!?」
「ニャー。」
ダメだった。
相手は猫なのだ。
ジェニーは巨大な尻尾を振り回し、ぼくに攻撃を仕掛けてきた。
「あぶない!」
その時、ぼくは横に吹っ飛んだ。
誰かがぼくを突き飛ばしてくれたおかげで、
尻尾の直撃を免れたようだ。
「大丈夫か?透くん。」
美樹本さんだった。
「美樹本さん!」
「やはり、噂は本当だったようだな!」
美樹本さんはジェニーと対峙しながら言った。
「噂…噂とは何ですか?」
「今は話している暇がない!
逃げるぞ、透くん!」
312 :
名無しのオプ :2007/09/23(日) 01:01:07 ID:vzPTxMao
美樹本さんは、懐から生のサンマを取り出すと、 玄関付近に放り投げた。 ジェニーはそれにすぐに反応した。 玄関の方に走っていった。 玄関前まで行くと、猛烈な勢いでサンマを食べる。 「今だ!」 美樹本さんはジェニーに渾身の体当たりをかました。 ジェニーは吹っ飛び、玄関の扉をぶち破って外に出た。 「今の内に、二階へ行くぞ!」 ぼくは美樹本さんの後に付いて、二階へ走った。 1分後、ぼくと美樹本さんは、二階の自室へ逃げ込んでいた。 「美樹本さん…、アレは一体何なんですか?」 「あれは…、マッド・サイエンティスト小林の犠牲になった 動物の中の一匹だろう。 小林は、元々、有名な某大学に属する科学者だった。 実に優秀な科学者だったらしい。 優れた論文をいくつも発表し、“ネイチャー”にも何度も 取り上げられているほどだ。 しかし、いつの間にか、常軌を逸した研究に傾倒し始めたようだ。 それは、生き物を巨大化させる技法の開発だ。 大学側は、倫理を逸脱した小林を追放処分にした。 それ以来、小林の話題は表ではまず聞くことはなかった。 しかし、つい最近、この辺りの山奥で、異常に巨大な生物の 目撃証言が相次いでいた。 そこで、フリーカメラマンでライターの俺は、 ここまで来て取材をしていたって訳だ。 オーナーを見た瞬間、ピンと来たよ。 数年前、雑誌の写真で見た科学者・小林に間違いないってね。」
313 :
名無しのオプ :2007/09/23(日) 01:07:05 ID:vzPTxMao
「なるほど…、そうなると、巨大生物はジェニーだけではなく、 他にも大量にいそうですね。 …それにしても、真理や可奈子ちゃん達はどこへ行ったんですか?」 「俺が、いち早く危険を知らせて、今は地下の乾燥室へ避難している。 全員無事なはずだ。」 「そうですか、ほっとしました。 それで、これからどうするんですか?」 「外は猛吹雪だし、警察はまだ来れない。 小林を捕まえて、何とかするしかない。 俺はこれから、一階へ降りて小林を捕まえてくる。」 何ということだ…、さっきモップで叩いた時に、 小林オーナーを拘束しておくべきだったか…、 いや、ジェニーがいたのだ。 そんなヒマはなかった。 それよりも、ぼくは…、 A. 美樹本さんに付いていく。 B. 二階を確保する。 C. 真理の無事を確認していない。 ぼくは地下室へ行くことにした。 D. ぼくはふと、田中さんの部屋が気になった。 E. 清原
314 :
名無しのオプ :2007/09/23(日) 01:11:16 ID:ftdQQ2WC
E
315 :
名無しのオプ :2007/09/23(日) 01:36:39 ID:0n5zdZhr
なんかすごいデジャヴw
316 :
名無しのオプ :2007/09/24(月) 00:13:00 ID:neMHA4i5
はらいてえwwwwwwwwwwwww
317 :
名無しのオプ :2007/09/24(月) 19:40:01 ID:NN2W7sBx
こんな状況でもネタ選択をする住人に感動w
318 :
名無しのオプ :2007/09/24(月) 23:51:41 ID:+ZW3JRXv
>>313 の続き
E. 清原
そうだった。
清原。
不可解なことが立て続けに起きて、
ぼくは最も大切なことを忘れていた。
それこそが、清原。
ぼくは、そのまま歩いて一階へ降りた。
「おい!透くん!
一体何をやっているんだ!
ジェニーに襲われるぞ!!!」
「いいんです、美樹本さん。
あなたはあなたの目標を達して下さい。
ぼくにはとても大切なことがあるんです。」
ぼくは後ろで何やら喚き散らしている美樹本さんを無視して、
談話室に行った。
談話室には、パソコンが一台置かれている。
そのパソコンでウェブにアクセスし、一刻も早く清原の最新情報を
得なければならない。
ぼくは、辺りがあまりにも暗いので、手持ちの携帯電話のディスプレイの
明かりを頼りにパソコンへ向かった。
程なくパソコンの前に到達したぼくは、早速電源を入れる。
ハードディスクが音を立て、パソコンが起動を始めた。
ようし、いいぞ。
それでこそキヨさんだ。
319 :
名無しのオプ :2007/09/25(火) 00:02:04 ID:OgifbkSC
OSが立ち上がった。
ぼくは、ブラウザをダブルクリックした。
ホームページに設定してある、ヤフーのトップページが開いた。
ええい、こんなものはどうでもいい。
ぼくは、急いでスポーツ速報サイトに移動した。
ワード検索、“清原”。
出てきた、出てきた!
ぼくは、この瞬間が大好きだった。
清原の最新情報を見る瞬間、正に至高の時である。
見出しがある。
“清原予言!中田翔はオリックスに来る!!!”
ぼくは興奮を隠しきれないまま、そこをクリックしようとした。
その時だ。
後ろから、気配がした。
ジェニーではない。
間違いなく、人である。
それも、ぼくのよく知っている人だ。
ぼくはゆっくりと振り返った。
そこにいたのは…、真理だった。
「また、なのね…。また、清原。
あなたはいつだってそう。
わたしの身が危ないという時に、わたしの状態を確認しにも来ないで、清原。
そんなに清原が大事なら、清原と結婚すればいいじゃない!!!」
ぼくの胸に強烈な衝撃が走った。
胸の辺りを見ると、真っ赤に染まっている。
スキーのストックが胸に突き刺さっていた。
真理だ。真理がやったのだ。
ぼくは、倒れこみつつ、清原の最新情報を見ながら死んだ。
終(コンテニュー
>>313 or
>>296 )
320 :
名無しのオプ :2007/09/25(火) 00:22:19 ID:mGcveoye
さすがに清原じゃバッドかw
では
>>313 のCで。
321 :
名無しのオプ :2007/09/25(火) 20:02:12 ID:MNj3cLmj
透馬鹿野郎wwwww
322 :
生き埋め編165 :2007/09/30(日) 10:46:48 ID:Ptl1k6sV
Aぼくは、黙って小林さんの話に耳を傾けた。 「だが、透くんの推理には、一つ決定的に間違っている部分がある」 小林さんは、不敵な笑みを見せた。……いや。もう「さん」付けするのはやめよう。 「どこが違うんですか?」 ぼくは、小林に訊いた。 「北野啓子の殺害に関する推理だよ。まさか、本当に私があんな紙切れ一枚で啓子を殺せる と考えていたと思っているのか? 私は、もっと周到な計画を立てていた。きみたちは、疑問に 思わなかったのか? 雪崩が発生したとき、なぜ渡瀬可奈子と北野啓子が手を繋いで走って いたのか」 ぼくは、小林が何を言いたいのか分からなかった。 「それは……二人が恋人同士だったからでしょう?」 みどりさんが、戸惑った表情で確認した。 「残念ながら、そうじゃない。あのとき、二人はまともに歩くこともできない状態だったからだ」 「お前が言いたいのは、二人に薬物を飲ませていた、ということか?」 美樹本さんが厳しい表情で訊いた。 「そうだ。『新OL三人組』の部屋のポットに、睡眠薬を混入しておいたんだ。だから、あのとき 二人は、起きているだけでも辛かったはずだ。当の二人は、慣れないスキーで疲れていると 思っていただけだったのかもしれないがな。香山夏美は、香山夫妻の部屋とこの部屋を行き 来していたから、睡眠薬を飲んだ量が少なく、あまり影響はなかったんだろう。だが、食い 意地の張った北野啓子は、当然他の二人よりも多くの水分を必要とする。その結果、雪崩が 発生したあの時間には、睡眠薬が効いてきて啓子はふらふらになっていたんだろう。だから、 可奈子が啓子の手を引いて、啓子を逃がそうとしてやらなければならなかったんだ。しかし、 雪崩が発生した後は、可奈子も睡眠薬のせいで眠ったんだ。可奈子があんなに何度も気絶 したのはおかしいと思わなかったか? あれは気絶ではなく、睡眠薬の力に負けていたんだ」 小林は、へらへらと笑っていた。 「よくも――」 可奈子ちゃんが、顔を真っ赤にし、ストックを持った手を引いた。いけない。今度こそ、本気で 小林を殺すつもりだ。 Aぼくは、咄嗟に、可奈子ちゃんを突き飛ばした。 Bぼくは、咄嗟に、冬美ちゃんを可奈子ちゃんに投げつけた。 Cぼくは、咄嗟に、小林を突き飛ばした。
323 :
名無しのオプ :2007/09/30(日) 11:27:10 ID:0fNB1tWN
>>322 規制解除オメ。そしてお帰りなさい。
外道と言われても、ここは何か深い意味があると信じてBを。
324 :
名無しのオプ :2007/10/01(月) 03:14:41 ID:sAtuxggv
165さんお帰りなさい でも、さすがにBはバッ(ry
325 :
名無しのオプ :2007/10/06(土) 02:11:56 ID:80gVa6Go
>>322 待ってましたよ。ようやく続きが読めて嬉しいです。
326 :
名無しのオプ :2007/10/07(日) 23:15:54 ID:11dsV9Rd
>>313 の続き
C. 真理の無事を確認していない。
ぼくは地下室へ行くことにした。
ぼくは大急ぎで一階へ降り、地下室へと向かった。
後ろで美樹本さんが何か言っているが、無視した。
地下室の前に行くと、ドアノブに手をかける。
しかし、鍵が掛かっていて開けることはできない。
「真理!いるんだろ!?
ぼくだ!透だ!早く開けてくれ!」
ぼくはドアを力一杯叩きながら絶叫した。
それでも返事はない。
…しょうがない。
ぼくは、ドアに思いっきり体当たりをした。
物凄い音を立てて、ドアが吹っ飛んだ。
ぼくは地下室へ入っていった。
中は真っ暗だ。
談話室でさえ、停電中で真っ暗だった。
まして、地下室ともなればまったく何も見えない状態だった。
ぼくはスキー場で万引きしたライターで辺りを照らした。
細い通路に地下へ降りる階段が伸びている。
今にも何か出てきそうな雰囲気だ。
327 :
名無しのオプ :2007/10/07(日) 23:20:58 ID:MdE+XJNx
ちょww万引きwww
328 :
名無しのオプ :2007/10/07(日) 23:42:42 ID:11dsV9Rd
階段を降り切ると、道が左右に分かれている。 どっちに行こうか? A. 水の滴る音がする右の通路へ行く。 B. うっすらと明かりが見える左の通路へ行く。 C. 急に美樹本さんが心配になった。 二階へ戻ろう。
329 :
名無しのオプ :2007/10/08(月) 01:35:02 ID:2yJDz5W2
この透は捕まった方がいいwww A
330 :
名無しのオプ :2007/10/08(月) 22:57:04 ID:JaIs7PU2
ああああ! B(きっとbad)の道の先に何があるのか知りたかった!!!
331 :
生き埋め編165 :2007/10/11(木) 02:18:37 ID:TGt2ZphY
>>322 Bぼくは、咄嗟に、冬美ちゃんを可奈子ちゃんに投げつけた。
冬美ちゃんは可奈子ちゃんの顔に当たった。
「きゃあっ」
可奈子ちゃんは叫び、ストックを取り落とした。これで、可奈子ちゃんが小林を刺し
殺すという事態は避けられた。
しかし、冬美ちゃんは――。
「いやあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ」
ぼくに冬美ちゃんを奪われた真理が、断末魔のような悲鳴を上げた。
真理は、ぼくを突き飛ばし、冬美ちゃんのところに走った。ぼくは立ち上がることが
できそうになかったので、冬美ちゃんのところまで這った。
真理の背中越しに、冬美ちゃんを見た。
一瞬、ぼくは、冬美ちゃんはお辞儀をしているのかと思った。何て礼儀正しい赤ちゃん
なのだろう。ゼロ歳でこれだけ丁寧なお辞儀ができるのならば、将来が楽しみだ。冬美
ちゃんは、これから、どんな人生を送るのだろう。両親は見つかるのだろうか。何なら、
ぼくと真理が里親になってあげてもいい。それで真理と結婚できるのなら、冬美ちゃんを
養子にしてもかまわない。ぼくは、大きくなった冬美ちゃんの姿を想像する。小学校に
入学して、友達はできるだろうか。両親が若すぎるということで、血が繋がっていない
のではないだろうかと疑われるかもしれない。だけど、ぼくはこう思っている。血の
繋がりなんて、実はそんなに重要じゃないんだ。毎日、世界中で、実の母親が、実の
父親が、自分の子どもを虐待して殺すというニュースが流れている。もちろん、継母や
養母や継父や養父が、子どもを殺すというニュースも流れているけど。それはつまり、
どういうことなのだろうか。あれ? おかしい。何だか、考えがまとまらない。ええと、
だから、ぼくが言いたいのは……そうだ。血の繋がりなんて重要じゃないということ
だった。愛を持って育てれば、血が繋がっていようといまいと、関係ない。ぼくは真理と
一緒に、冬美ちゃんを育てていく。冬美ちゃんは大きくなって、恋をするだろうか。
たとえ冬美ちゃんが男性も女性も恋愛対象としないAセクシュアルだったとしても、
ぼくは世間の無理解な親のように、結婚しろなどとは言わない。本当に子どもを愛して
いるのならば、愛のない結婚をしろなどとは言わないはずだ。……そうだ。ぼくは、
同性愛者に偽装結婚を勧める異性愛者の気持ちがよく分からない。愛のない結婚なんか に意味はない。本当に相手を愛しているのならば、相手が異性だろうと同性だろうと、その 愛は尊重されるべきだと思う。だけど、世間には無理解な人もいる。自分の価値観が、 宇宙で一番正しいと思い込んで、異性愛を強要しようとする差別主義者もいる。きっと、 可奈子ちゃんや啓子ちゃんも、誰にも言えない苦労をしてきたんだろう。ああ、だけど 啓子ちゃんは死んでしまったんだっけ。でも、可奈子ちゃんは生きている。それに誰も 殺していない。ぼくが、可奈子ちゃんに冬美ちゃんを投げつけて、小林を殺すのを阻止 したのだから。 「ひどい……」 真理は、そう呟き、宝物を持ち上げるような仕草で冬美ちゃんを抱いた。 お辞儀をしていた冬美ちゃんの首が、だらりと後ろに垂れ下がった。 おかしい。何かがおかしい。うん? なぜ、冬美ちゃんの手の甲がこちら側を向いて いるのだろう。いや、違う。身体が回転しているんじゃない。 冬美ちゃんの首は、180度回転していた。 随分と柔らかいなあ。これは、ますます将来が楽しみだぞ。これだけ身体が柔らか ければ、バレリーナや体操選手になれるかもしれない。 「どうして?」 真理が、目に涙を溜め、絶望をたたえた表情でぼくを見た。 「何が?」 ぼくは、戸惑いながら訊き返した。 「どうして、冬美ちゃんを殺したの?」 殺した? ぼくが? 冬美ちゃんを? そう言えば、冬美ちゃんの耳から赤いものが垂れている。この赤い液体は、いったい 何なのだろう。 ――次の瞬間、ようやく、ぼくは自分がしでかしてしまったことを認識した。 「あ……冬美ちゃん。違う。違うんだ。ぼくは、冬美ちゃんを殺すつもりなんかなかった のに」 「でも、殺したじゃないの。透は、私が抱いていた冬美ちゃんを奪って、可奈子ちゃんに 投げつけた」 真理は、虚ろな目でぼくを見た。
「違うんだ! ぼくはただ、可奈子ちゃんを止めようとしただけなんだ。可奈子ちゃんを 止めるには、彼女の顔に何かを投げるのがいいと思った。だから、ぼくは咄嗟に――。 一瞬のことで、考える暇なんてなかった」 ぼくの言い訳を聞いて、真理は唇の両端を上げた。それは微笑に似ていたが、絶対に 微笑ではありえない表情だった。 「可奈子ちゃんの顔に何かを投げるのなら、その何かは枕とか鞄でもよかったでしょう? どうして冬美ちゃんでなければいけなかったの?」 その通りだったので、ぼくは反論する気もなくなった。 ぼくは、これからどうすればいいのだろう。ぼくは、人殺しになってしまった。殺意の ない殺人を犯してしまった。 周囲が騒がしい。 そりゃ騒がしいだろう。当然だ。ぼくが冬美ちゃんを殺したのだから。バスケットボールの ように冬美ちゃんを投げて、床に落として、殺したのだから。 だが、どうやら違うようだった。 美樹本さんや夏美さんや俊夫さんやみどりさんが、口々に何かを叫んでいるが、ぼくと 真理と冬美ちゃんは、その中心にはいない。 美樹本さんたちのざわめきの中心となっているのは、小林と香山さんだった。 小林と香山さんは、折り重なるようにして死んでいた。 小林の首には、ワイヤーのようなものが食い込んでいる。小林の顔は紫色に変色し、 失禁していた。 一方、香山さんの薄っぺらい胸から、棒が生えていた。包丁の柄に似ている棒だ。 否応なく耳に入ってくる美樹本さんたちの話を総合すると、次のようになるらしい。 ぼくと真理と可奈子ちゃんが、冬美ちゃんが死んだことに気を取られている間に、 香山さんが小林に襲いかかったのだそうだ。 確かに、考えてみれば当然の話だ。香山さんは、小林に自分の奥さんを殺されたの だから、復讐しようとしても不思議ではない。香山さんは、可奈子ちゃんを囮にして、 小林の首にワイヤーを巻きつけ、強く引っ張ったらしい。だが、小林も黙ってはいな かった。料理人としての最後のプライドなのか何なのか知らないが、小林は隠し持って いた包丁で、香山さんの胸を刺した。しかし、それでも香山さんは即死せず、小林の 首を絞め続けた。その結果、二人は相打ちになったらしい。
思いがけない事態の連続に、ぼくは頭の中が真っ白になっていた。 ぼくが、一連の事件の犯人は小林だという推理を披露し終わってから、まだ十分くらい しか経っていないのに、三人も死んでしまった。 なぜ、こんなことになってしまったのだろう。 誰にも死んでほしくないのに、どうして連続殺人を食い止めることができないのだろう。 爆発音が聞こえたのは、ぼくが小林と香山さんの様子を見に行こうと立ち上がったとき だった。雪崩が発生する直前の爆発音に似ていたが、今度はもっと近くで爆発したような 気がした。床が揺れ、ぼくは立っていることができず、その場に蹲った。 「……今の爆発は、何だったんだろう」 頭を抱えていた俊夫さんが立ち上がり、独り言のような口調で言った。 「さあ。一階の方で、何かが爆発したみたいだった気がするけど……」 みどりさんが答えたが、自信はなさそうだった。 馬鹿みたいな格好で固まっているぼく、首の骨が折れた冬美ちゃんを抱いている真理、 狂ったように辺りを見回している美樹本さん、香山さんの死体に縋りついて泣いている 夏美さん、疲れた表情でベッドに座っている可奈子ちゃん、さりげなくストックを拾い 上げている俊夫さん、誰も信じられないという表情のみどりさん――生き残っている 七人は、同時に、ある臭いに気付いた。 「何か……焦げ臭いんとちゃう?」 夏美さんが、恐る恐る訊いた。 全員の視線が、廊下側のドアに集まった。 ドアの隙間から煙が漏れているように感じるのは、ぼくの目の錯覚だろうか。むしろ、 目の錯覚であってほしい。 「もしかして、さっきの爆発で火事になったのか?」 美樹本さんが訊いたが、誰も頷かなかった。 「でも、どうして爆発が起きたのかしら?」 みどりさんの呟きを聞いて、ぼくはある可能性に思い当たった。 雪崩を起こした爆弾を仕掛けたのは、小林だった。それならば、先ほどの爆発も小林の 仕業なのではないだろうか? ぼくは、思い切って小林の死体に近付いた。
ぼくは、小林の上半身の服を脱がせた。そこから現れたのは、スパイ映画などで見た 記憶がある機械だった。その機械からコードが延び、小林の左胸のところで固定されて いた。また、機械はしっかりと小林の身体に密着しており、無理に引き剥がすのは難し そうだった。 「何、これ」 みどりさんは、気味が悪そうな表情で小林の死体を見下ろした。 「これは、爆弾のリモコンのような装置なのではないかと思います。スパイ映画なんかに よく登場するんですけど、この機械を無理やり身体から引き剥がそうとすると、仕掛けて おいた爆弾が爆発してしまいます。また、小林が死んでしまっても、爆弾は爆発するの です」 「どうして?」 「見てください。機械の一部分が左胸に接着しているでしょう? この部分で心臓の鼓動を 聞き分け、心臓の鼓動が一定時間途絶えたら、遠隔地にある爆弾が爆発する仕掛けに なっていたのだと思います。きっと、小林の最後の切り札だったんでしょうね。これを取引の 材料にして、逃亡するつもりだったのだと思います」 こんな状況だというのに、冷静に推理をしてしまう自分が恐ろしかった。 実を言うと、ぼくは昔から名探偵に憧れていた。シャーロック・ホームズを読んで自分も 虫眼鏡を持ち歩いてみたり、ミス・マープルを読んで友達とお茶会を開いたりした。そんな 少年時代だった。 あのとき憧れていた名探偵とは、ほど遠いなあ。 自分の置かれた立場を考えて、涙が溢れてきた。 田中さん、啓子ちゃん、今日子さん、春子さん、冬美ちゃん、小林、香山さん――。もう 七人も死んでしまった。……おっと、田中さんと胴体が入れ替わっていたAさん(仮名)を 忘れるところだった。 つまり、合計八人! もう八人も死んでしまった。金田一耕介よりはマシかもしれないが、それでも夥しい数の 死者が出てしまったことに変わりはない。 生き残っているのは、たった七人だけだ。しかし、その七人も、こうやって煙に巻かれて 死んでいく……。いや、諦めちゃ駄目だ! まだ、何か生き残る方法が残されているかも しれないじゃないか。みんなで生き残るんだ! 「俊夫さん、消火器はどこですか?」 ぼくは、従業員である俊夫さんに尋ねた。
336 :
生き埋め編165 :2007/10/11(木) 04:12:44 ID:RTX9JYyY
「消火器なら、廊下の突き当たりにあるけど……」 俊夫さんの言葉で、ぼくは隙間から煙の漏れるドアを見た。 素早くドアを開け、消火器を手にして、火災現場で消火する。果たして、そんなことが できるだろうか。消火活動が終わる前に、煙を吸い込んで一酸化炭素中毒になってしまう ような気がする。 他に生き残る方法はないのだろうか。 せめて、雪崩のせいで生き埋めになっていなければ、窓から飛び降りることもできたの だが。雪崩さえ起きていなければ、下は雪だし、飛び降りても死ぬことはなかっただろう。 そこまで考えて、ぼくは窓に注目した。 窓の外は、雪で埋まっている。 だが、別に何百メートルも雪が覆い被さっているわけではない。 ぼくは、近くの窓を開けた。冷気のせいで鳥肌が立ったが、窒息死するよりはいい。 ぼくは素手で雪を掘り始めた。すると、ぼくの意図を察したらしく、美樹本さん、俊夫 さん、みどりさん、可奈子ちゃんの四人も、ぼくを手伝ってくれた。ただし、真理は冬美 ちゃんを抱いて呆然と座り込んでいたが。夏美さんも、香山さんの死体を抱き締めながら 泣いている。 手が凍傷になってしまいそうだったが、それでもぼくたちは無我夢中で雪を掘った。 その間にも、煙が部屋の中に充満していくのが分かる。 ……本当に、間に合うのだろうか。こんな悠長なことをしていて、いいのだろうか。 ふと、そんな疑問が浮かんだ。 どうすればいい。どうすれば、みんなで生き残ることができるのだろう。 Aぼくは、消火器を取りに行くことにした。 Bぼくは、窓の外の雪を掘り続けることにした。
337 :
名無しのオプ :2007/10/11(木) 10:17:52 ID:9MDJVmOU
Bで頼みます
338 :
名無しのオプ :2007/10/11(木) 15:49:53 ID:NSpktLr5
ごめんなさい、やっぱり冬美ちゃんは死んでしまいましたか。 こういう選択肢は常識で考えないと駄目ですね。 実は最初に冬美ちゃんを登場させたのは自分なのですが、 その自分が結果的に冬美ちゃんの存在を消滅させてしまったとは皮肉なものです。 そしてこんな選択肢を選んだにも関わらず、すぐにBADにせず続きを書いてくれてありがとう。
339 :
名無しのオプ :2007/10/11(木) 17:54:09 ID:1exE/6x/
>すぐにBADにせず続きを書いてくれて 甘いな。このスレはいつだってモップの罠が待ち受けているんだぜ。 例えばほら俺の後ろにもモップを振り上げた男の姿g
340 :
名無しのオプ :2007/10/11(木) 22:09:11 ID:rBjXQIHr
無駄に長くね? もうちょいまとめてテンポよくできると思うが
341 :
名無しのオプ :2007/10/12(金) 01:51:09 ID:wNhSNm47
342 :
名無しのオプ :2007/10/12(金) 04:45:07 ID:7n0I0kwf
>>340 読者によって様々だとは思いますが、
自分は無駄に感じるところは無かったです。
特に、
>>331 >>332 の、改行無しでずっと続く辺りが、
言いようの無い薄気味悪さを感じて良かったです。
こういう感じがこの作者さん独特の味だと思うので。
>>336 Bぼくは、窓の外の雪を掘り続けることにした。
雪を掘り続けていると、背後で誰かが咳き込む音が聞こえた。真理だった。
ぼくは一旦、雪を掘る作業を中断すると、首の骨が折れた冬美ちゃんを抱いている真理
のところへ行った。
「真理、扉の近くにいちゃ駄目だ。煙を吸い込んじゃうぞ」
ぼくはそう言って真理の手を引っ張ったが、真理は立ち上がろうとしなかった。真理を
説得している時間はなかったので、ぼくは強引に真理の手を引っ張って扉から遠ざけた。
作業を続けていた俊夫さん、みどりさん、可奈子ちゃん、美樹本さんのところに行くと、
大人二人が入ることができる程度の横穴ができていた。
「そろそろ、上に向かって掘りましょう」
ぼくがそう提案した。
「じゃあ、俺が穴の中に入って掘る」
そう言って、俊夫さんが窓の枠に足をかけて穴の中に入った。
「みどりも来い」
俊夫さんが、みどりさんに手を差し伸べる。
「二人も入ると、逆に邪魔なんじゃありませんか?」
ぼくはそう尋ねたが、俊夫さんは手を引っ込めようとはしなかった。みどりさんは迷って
いる様子だったが、俊夫さんの手を掴んだ。
掘ったばかりの空間に、俊夫さんとみどりさんが納まった。
そして――俊夫さんは、突然、窓を閉めた。
「俊夫さん、何をやっているんですか?」
俊夫さんは、ぼくの質問に答えなかった。このときになって、ようやく、ぼくは俊夫さん
の思惑に気付いた。俊夫さんとみどりさんは、自分たち二人だけで助かろうとしている
のだ。ぼくと真理と美樹本さんと可奈子ちゃんと夏美さんを犠牲にして。
「どけ」
という美樹本さんの声がした。ぼくは素直に退いた。
「ここを開けろ!」
美樹本さんが窓を開けようと力を込め始めた。外から鍵をかけることはできないので、
美樹本さんの力に負けて、少しずつ窓が開いていく。
「やめろ! 窓を開けるんじゃない!」
俊夫さんが叫んだ。
「俊夫さん。みんなで協力して横穴を掘ったのに、どうして自分たちだけが助かろうと するんですか?」 ぼくはそう尋ねた。俊夫さんが喚く。 「うるさいうるさい! どうせ、上に向かって穴を掘ったって無駄だ。地上……じゃない 雪上に辿り着くまでに、煙に巻かれて死ぬのがオチさ。こうやって窓を閉めて外にいた 方が確実なんだ。俺は、みどりを助けたい。みどりだけでも助けるためには、こうする しかないんだ」 「だったら、あなたも外に出たら?」 静かな声が聞こえた。可奈子ちゃんだった。 「どういう意味だ!」 俊夫さんが怒鳴った。可奈子ちゃんは冷静に答える。 「みどりさんを助けたいんでしょう? それなら、俊夫さんもこちら側に残った方が、 みどりさんが生き残る確率は高くなりますよ。そんな小さな横穴に二人も入っていたら すぐに酸素がなくなってしまうのは目に見えているでしょう?」 俊夫さんは、可奈子ちゃんの質問に答えなかった。 そうこうするうちに、窓の隙間が大きくなっていく。遅ればせながら、ぼくも美樹本 さんに加勢することにした。 「やっぱり、思った通りね。あなたは、自分が助かりたいだけなのよ。そして、その責任 をみどりさんに押し付けようとしている。何て卑怯なのかしら」 それが、可奈子ちゃんの最期の言葉になった。 可奈子ちゃんは、不思議そうな表情で、包丁の刺さっている自分の胸元を見下ろした。 俊夫さんは、可奈子ちゃんの左胸に刺さった包丁を抜いた。鮮血が迸り、俊夫さんと みどりさんは真っ赤になった。可奈子ちゃんは、噴水のように血を噴き出しながら倒れた。 「カナちゃん!」 夏美さんが、可奈子ちゃんに駆け寄った。可奈子ちゃんはしばらくの間、激しく痙攣して いたが、やがて動かなくなった。 ぼくは、香山さんと小林の死体を見た。二人の上には、毛布が被さっていた。その毛布を 引っ張ると、毛布は血だらけになっていた。どうやら、俊夫さんは、事前に香山さんの胸に 刺さっていた包丁を抜いて隠し持っていたらしい。ベッドの上の毛布を被せてから抜いた ので、香山さんの返り血を浴びずに済んだのだろう。
345 :
生き埋め編165 :2007/10/12(金) 22:10:49 ID:xHRYUteo
可奈子ちゃんが殺されたことに驚いたらしく、美樹本さんは窓から手を放してしまった。 次の瞬間、勢いよく窓が閉まった。 俊夫さんとみどりさんの勝ち誇った声が聞こえたような気がした。 「もう嫌や……。セイちゃんも春子さんもカナちゃんもケイちゃんも死んで、うち、一人 ぼっちになってしもた。こんなん嫌や! うちも死にたい……」 夏美さんは、いつになく弱々しい表情で泣いていた。親しい人が四人も亡くなり、一番 辛いのは夏美さんなのかもしれない。 「一人ぼっちなんかじゃありません。ぼくも真理も美樹本さんもいます」 ぼくはそう言ったが、我ながら虚しい慰め方だな、と思った。 みんなで生き残る? ぼくは、正気でそんなことを考えていたのだろうか。誰かが、 自分だけが生き残ろうと裏切るのではないかと予想するべきだった。 「それより、これからどうするの? もう窓から脱出するのは無理なんでしょう?」 真理が、他人事のように無関心な口調で尋ねた。相変わらず、冬美ちゃんの死体を抱き 締めている。 「ちくしょう! まさか、土壇場でこんなことになるなんて……」 美樹本さんは、床に落ちていたストックを蹴飛ばした。このストックはおそらく、香山さんが 小林に殺されたときに夏美さんが取り落としたものだろう。 そのとき、ぼくは、まだ生き残る方法があることに気付いた。 A俊夫さんとみどりさんを殺そう。 B別の部屋に移動しよう。
346 :
名無しのオプ :2007/10/13(土) 01:01:44 ID:LtgiGfFx
おぉ!続きがきてる! Bでお願いします。
347 :
名無しのオプ :2007/10/13(土) 23:11:00 ID:i2XFnFj2
>>328 の続き
A. 水の滴る音がする右の通路へ行く。
ぼくは、足音を立てないようにしながら、慎重に右の通路へ入っていった。
奥に進むにつれて、湿気が強くなるようだった。
しかも、やたら暑い。
湿気と暑さで、不快感が増幅されていくのが分かった。
「長いな…。」
もう大分歩いたのに、通路はどこまで伸びていた。
そして、相変わらず暑い。
服が汗でグチャグチャになっている。
不快だ。
不快過ぎる。
しかし、ぼくはそれでも辛抱強く歩き続けた。
「長いな…。」
あれから大分あるいたのに、通路はどこまでも伸びていた。
そして、相変わらず暑い。
服が汗を吸収しきれなくなっていた。
不快だ。
不快過ぎる。
しかし、ぼくはそれでも辛抱強く歩き続けようと思った。
ここで、一つ問題が起きた。
それは、喉が猛烈に渇いたということだ。
これだけ膨大な量の汗をかけば、当然のことだった。
このままでは、脱水症状であの世逝きだ。
348 :
名無しのオプ :2007/10/13(土) 23:19:22 ID:i2XFnFj2
引き返そうにも、もうとてつもない距離を歩いた。 戻る途中で死ぬかもしれない。 ぼくはミスをしたのか…。 しょうがない、一か八か、このまま先に進むのだ。 ぼくは意を決して、先に進むことにした。 限界が迫っている。 そろそろ何かあって欲しい。 ぼくは祈るような気持ちで歩き続けた。 「あ!」 ぼくは思わず声を上げた。 目の前に扉が現れたのだ。 急いで扉の前に行き、ノブに手をかける。 幸いなことに、鍵は掛かっておらず、扉は素直に開いた。 中に入ると、コンクリートの箱のような部屋だった。 壁も、床も、天井も全てがコンクリートで構成されているのだ。 そして、その部屋には沢山の檻が設置されていた。 「何だこれは…?」 ぼくは檻の中を覗き込んだ。 檻には、体長三メートルはあるチワワがいた。 「うわっ!」 驚いたぼくは思わず檻から離れた。 まただ。 また巨大生物である。 「小林の奴、本当に狂っている…。」
349 :
名無しのオプ :2007/10/13(土) 23:25:25 ID:i2XFnFj2
他の檻を見ても、ことごとく巨大生物が収容されていた。 レッサーパンダ、ゴリラ、キツネ、コアラ…、 とにかく、色々な種類の巨大動物がいた。 どれもこれも異常に大きい。 マッドサイエンティストの実験台にされたに違いなかった。 これだけ実験のサンプルがいるとなると、次は人間を巨大化されるつもりだろう。 そうなる前に、小林を拘束しなければならない。 美樹本さんの方針は間違っていない。 ただちに引き返して加勢したいところだが、このまま水分を取らずに 引き換えしたら、途中で野垂れ死にすることは避けられない。 とにかく、水分を探すのだ。 ぼくは、部屋の奥へと足を運んだ。 部屋の一番奥に、三本のビンを発見した。 どれも透明な液体が入っている。 五百ミリリットルは入りそうなビンだ。 …これを口にするしかない。 どれにしようか…? A. 右のビン B. 真ん中のビン C. 左のビン
350 :
名無しのオプ :2007/10/14(日) 01:15:04 ID:BK5US+An
Cの左のビン。
351 :
名無しのオプ :2007/10/15(月) 18:14:21 ID:CblVf2d/
D 全部混ぜちゃえ! があったら絶対それ選んだなw
352 :
名無しのオプ :2007/10/15(月) 18:54:13 ID:cK6KsTMe
この透なら、選んだビンの液体に変な色やにおいがついてても構わず飲みそうだw
353 :
名無しのオプ :2007/10/15(月) 23:48:25 ID:bNAazZYI
おまえら E 飲まない っていう発想はゼロかよwww
354 :
名無しのオプ :2007/10/15(月) 23:51:55 ID:NCQdBW8l
ぼくの名前は透。矢島透だ。 澄んだ空。この朝の清清しさはなんとも言えないぐらい気持ちが良い。 今日は快晴だ。 ぼくはキラキラと輝く、山から顔を出したばかりの太陽に満足すると、早々と家を出た。 「いってきまーす」 この道のりにも慣れたものだ。中学校に入って約8ヶ月。 その間、この道を毎日のように往復してきた。 ――慣れた足取りで、ぼくはすぐに学校についた。 ここは林中。林中学校だ。 林中は、中学校であると同時に、馬鹿げた生徒の溜まり場であると有名な場所でもあった。 そして、今日もその溜まり場にまた問題児が現れる…。 彼の名は「金光谷 信明」自称イケメンのバリバリボーイだ。 だが実際は告ってはフられ、告ってはフられ、失恋三昧な彼。とてもイケメンとは思えない。 今朝も彼は普通に登校してきた。 「よう。矢島。朝はえーな」 「あ、おはよう。金光谷くん。朝練は?」 「…フられてばっかで部活なんて出来んかよ」 金光谷くんはヤケになって、わざと音を立てながらイスに座った。正直迷惑だ。うるさいし。 だが、ぼくは怖かったので、何も言えずにオロオロとしているしかなかった。 「おい、矢島。お前今好きな人いんの?」 …?金光谷くんからぼくに質問してくるなんて珍しいな。何て答えよう? A:「一応、居るよ」そういえばぼくは同じクラスの真理が好きだったなあ。 B:「いやいや、居ないさ」こういう事は知られたくないので真理の事が気になってはいたが嘘を付いた。 C:「実は真理が好きなんだ」ぼくはぶっちゃけた。
355 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 00:59:34 ID:NCTmGfFp
C
356 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 02:32:50 ID:yTNNLDb2
C:「実は真理が好きなんだ」ぼくはぶっちゃけた。 「実は真理が好きなんだ」 ぼくはちょっと顔を赤くしながら言った。 「……」 が、金光谷くんの反応がない。 「あれ?」 ぼくは金光谷くんの顔を覗き込んだ。 …机に顔を伏せ寝ている。 人に聞いておきながら寝るとは大した奴だ。 ちなみに、真理という人は同級生の女の子である。 スタイルも良く頭脳明晰、所謂ぼくたちのマドンナというやつだ。 ふう…授業だるいな…。 ――休み時間がやってきた。 「おう矢島。ジュース買って来い!」 また変なヤツに絡まれてしまった…。隣のクラスのジョベンだ。 こいつは嫌な奴である。すぐ殴りすぐ指図する。俺の中では最低なやつだ。 うーん…どうしよう。 A:「買ってきます」僕は敬語のような言い方で言った。 B:「買ってくるわ!」僕は友達のような言い方で言った。 C:「それぐらい自分で買って来いよ」僕はムカッとしたので反抗した。
357 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 03:10:35 ID:uguyQeM1
358 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 03:26:55 ID:yTNNLDb2
C:「それぐらい自分で買って来いよ」僕はムカッとしたので反抗した。 「それぐらい自分で買って来いよ」 一度…一度だけぼくはこいつの指図する傲慢な態度に苛々して、反抗した事があった。 その時ときたらもう…こっ酷く殴られたっけ。 同じ事を繰り返さないのがぼくのモットーだったのだが、つい口が滑ってしまった。 「何おまえ。マジぶっ飛ばすよ?」 …ヤバイ。 ど、どうしよう? ぼくは… A:大人しくジュースを買って来る事にした。 B:近くの教室に居るはずの水野先生に助けを求めた。 C:「……逃げろ!」全速力で逃げた。
359 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 04:44:55 ID:60At9aWt
矢島透と真理ってキャラが出て来る以外には かまいたちの夜とかけ離れた世界が続いてるんだけど、 この後で何か事件が起きたりするの? 真理の体操着が無くなって犯人探しをするとか 真理宛のラブレターを見つけて差出人をモップで殴るとか。 選択肢は他の人に任せます。
360 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 12:34:56 ID:yTNNLDb2
透が中学生の頃の世界を綴っているね 中学の頃から美樹本とか出すわけにはいかんだろw
361 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 13:08:37 ID:k/Sqm58T
そんなのかまいたちでやる意味あるの?
362 :
359 :2007/10/16(火) 16:43:12 ID:ybj3Mnue
ローカルルールが細かいのって大嫌いなので、余りうるさい事は言いたくないんですが、
三回選択肢が出て来てもさほど新展開が無く、
かま1、かま2、かま×3の過去話という設定にも見えず、
オリジナルキャラ(水野先生)が更に増えそうなので質問してみたんです。
>>1 に「オリジナルも歓迎」ってあるけど、今回のはさすがに規格外な気がして。
一応このスレは「かまいたちの夜のパロディ」って前提があって
更にここはミステリー板なんで、それなりの設定とか謎解き展開は期待したいのです。
だから
>>359 みたいな例えを出したのです。
逆に言うと、このまま超オリジナルで行くのなら、パラレルワールドって事で
中学生の透の前に教師の美樹本や後輩の三人娘が出て来たりしても
個人的には面白そうだし読みたいと思います。
ただそれは板違いではあるんですけど……。
363 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 17:14:05 ID:yTNNLDb2
じゃあやめます。 失礼しました。
364 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 19:42:46 ID:MRjZKm/C
誰かが後を引き取ったりしてな
365 :
名無しのオプ :2007/10/16(火) 20:36:33 ID:yTNNLDb2
366 :
名無しのオプ :2007/10/17(水) 04:55:33 ID:hdqjzQ5p
>>365 それ
>>1 のまとめサイトにリンクしてあるじゃん。
未読かと思ってぬか喜びしちゃったぞ。
367 :
名無しのオプ :2007/10/18(木) 23:52:48 ID:QDeOjamG
C:「実は真理が好きなんだ」ぼくはぶっちゃけた。 「実は真理が好きなんだ」 ぼくはぶっちゃけた。 「はあ?!マジで?なにそれありえねーし!」 金光谷くんだけでなく、クラス中の男子がぼくに呆れ顔を向ける。 みんなこっそり聞いてたのかよ! ちなみに、真理という人は同級生の女の子である。 スタイルも良く頭脳明晰、所謂ぼくたちのマドンナというやつだ。 その時いきなり黒い影がぼくを襲って来た。 「てめ、ありえねー!!てめ、ありえねー!!」 隣のクラスのジョベンだ。 身長190cm体重230キロという中学1年にあるまじき体格のうえ、全身が毛むくじゃらの彼は、恐ろしい形相でぼくの首を絞める。 「うぐ…く、くるしい…」 駄目だ。ぼくはこのまま死ぬのか。 短かった人生が走馬灯のように駆け巡る。 と思うと、急に身体が楽になった。 ぼくの横に、ジョベンがどさりと倒れ込む。 「矢島くん!大丈夫?」 真理だ! 憧れの真理が、ぼくを助けてくれたのだ!
368 :
名無しのオプ :2007/10/18(木) 23:54:11 ID:QDeOjamG
いや、真理だけではなかった。 クラス中の女子が協力してジョベンを押さえつけ、ぼくに同情の眼差しを向けてくれている! 「ど、どうし…げほっげほっ」 喉が痛くて上手く喋れない。 それでもどうにか起き上がると、真理が心配そうにぼくの顔を覗き込んだ。 こんな時なのに、ドキッとしてしまう。 「立てる?」 背中に手を回してくれた! 優しい感触に涙が出そうになる。 「これって夢じゃないだろうか?」 しまった。 とても小声だったが、口に出して言ってしまった。 それを聞いた真理がニコリと微笑み、言った。 A:「大丈夫よ。女子はみんな矢島くんの味方なの」 B:「そんなにわたしが好き?」 C:「皆はずっと「ジョベン」って名前が気に入らなかったのよ」 D:「大正解!これは夢でーす!」 自分は始めた人じゃないけど、なんとなく書いてみました。 中学生の設定が面白いと思って。 誰が続きを書いてもいいです。 止めた方がいい、っていうならやめます。
369 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 00:47:07 ID:Himtn74U
ふっ、わかっているさ これは伏線なんだろう? というわけだ D
370 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 05:41:50 ID:/oKPCY2n
「全身が毛むくじゃらの彼」って所で、ジョベンの正体はかまいたちで、 その彼に襲われたから透もかまいたち化、真理を含めた女子たちは それを知ってるから透に同情した〜って流れかと思った。
371 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 08:40:03 ID:Gj4oRstr
そのネタで370自身が続けて書くってのもアリかと思うが。
372 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 10:20:42 ID:YEn2i7Q8
何て言えばいいのかな・・・・・・・
かまいたちとは全然関係ない小説は別のスレでやれって感じなんだよね
登場人物の設定とか舞台装置を全部無視してるのはパロディとは呼ばない
しかも、ここがミステリー板だということを忘れてるみたいだし
創作文芸板↓に行けばオリジナルの小説を書くスレはいくらでもあるからこっちに行けば?
http://love6.2ch.net/bun/ それと、本当にこんなこと言いたくないんだけど、
>>354-358 と
>>367-368 の文体があまりにも酷似しているのに
「自分は始めた人じゃないけど」なんて言われても信じられないし・・・・・
この空気読めない感じもそっくりだしね
373 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 12:25:30 ID:NDttFntg
自分(
>>367 )は
>>359 (
>>362 )です。さらに
>>371 も自分です。
IDがコロコロ変わるのはPCのせいです。紛らわしくてすみません。
自分の書き込みのせいで、せっかくの
>>354 さんの投下の邪魔を
してしまったように感じたので(どう見てもそうだと思います)、
フォローのつもりで続けてみました。
そうやって続けてれば
>>354 さんが参加したりして?という期待もありました。
>>354 さんのニュアンスに似せつつ、自分なりにかまいたち風にしたつもりでしたが、
正直「これじゃ自分が助言した事の意味がないかもorz」とも思ってました。
ただ、
>>369 さんのフォローがあったので「それで行こう」とも思ってました。
現在、わりと玄人はだしの作品が二本続いているので、
ちょっとライトな物が隙間を埋めててもいいかな?と思ったのですが、
やっぱマズかったでしょうか?
374 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 12:34:45 ID:NDttFntg
ちなみにネタバレすると、三日くらい待って次に続ける人が居なかったら、
元の話と
>>370 さんにヒントを得て
金光谷信明くんとジョベンくんと水野先生の三人がかまいたちで…って
設定にしようと思ってました。
さっさとそういう内容にすれば良かったですね。すいません!
375 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 13:52:00 ID:9sa3RqI5
あまりにも痛々しいから、もうやめれ これは親切で言ってるんだぞ
376 :
373 :2007/10/19(金) 19:19:53 ID:yvGqIYCI
>>354 さん
本当にすいませんでした。
このスレで中学生設定、目から鱗でwktkさせてもらいました。
ありがとう。
>>375 はい。やめます。
住人のみなさん、お騒がせして本当にすいませんでした。
377 :
354 :2007/10/19(金) 21:13:06 ID:n/fXKjPI
いえ、まさか続きを書いてくれる人がいるだなんて思っても見ませんでした。 ネタバレすると… このあと透と真理たちは修学旅行にいって、そこで先生が一人殺されるという殺人事件が起きる。 そして外は猛吹雪で帰るに帰れないという非常時になり(1のように)、透は周りを疑い始める。 真理を狙う金光谷(=俊夫のような役柄)との恋の争いや同じ部屋の誰かが犯人かもしれないという緊迫した空気や青春を書いてみようと思いました。 ちなみに水野先生(=美樹本のような役柄にするつもりでした)やジョベンなどは自分が中学生の頃に実際いた人の名前ですw ですがお気に召さなかったようですね、失礼しました。 自分はROMに徹した方がいいみたいです。 たまにこっそり参加するかもしれませんが、よろしくお願いします。
378 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 21:49:16 ID:vCW6gY42
だからそれのどこがかまいたちの夜なんだと何回言えば(ry
379 :
名無しのオプ :2007/10/19(金) 23:48:02 ID:xhWIo1Gg
ここで空気を読まずに三人目の俺が続けたらすげぇ叩かれるんだろうなあw
380 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 00:49:55 ID:lgAdUP1X
誰かが続けてもこのまま終わっても、
>>377 が読めない事にがっかりしたわたしの気持ちは変わらない。
381 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 01:58:57 ID:VyRiLXns
test
382 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 02:33:50 ID:VyRiLXns
過疎ってるみたいなので頑張ってみる。 かまいたちの夜2が終わったあとの架空のストーリーです。 チュンチュン。 部屋の外から小鳥のさえずりが聞こえる。 「もう朝か…」 ぼくは目をこすりながらベッドから起き上がった。 そしていつものように洗面所で顔を洗い、寝巻きから私服に着替えると、朝ごはんを食べずに家を出た。 悲劇が悲劇を生んだあの事件から三ヶ月…。 ぼくは長かった夏休みも終わり、普段の大学生活に戻っていた。 あの時は真夏だったが、今じゃすっかり肌寒くなり長袖が手離せない季節だ。 あの事件以来ぼくは勉強にも身が入らず、ずっと無気力のままだった。 未だに全てが信じられず、時々あれは夢だったんだと疑いたくなる。 悲劇の連鎖によって失ったものが多すぎる。 それに……小林さんと今日子さんを亡くした真理のことが物凄く心配だ。 真理のことだから一人暮らし自体は問題なさそうだが…今一体どうしてるのだろう。 ぼくはそれだけが気になり、他のことなんてとても頭に入らない日々が続いていた。 あ、まずい。 のんびり歩きすぎて大学に遅刻しそうだ。 急がないと間に合いそうにないが… A:猛スピードで走る。 B:タクシーに乗る。 C:間に合いそうにないので家に帰る。
383 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 07:04:38 ID:EvX0TyPG
自分は、まったくかま夜に関係ない話はどうなの?と思いつつも読みたい派だったので、
残念といえば残念だった。やはり別の板にスレ立てた方がいいような気がするけど、
需要がないと過疎って落ちるだけだし、難しいね。
では気を改めて
>>382 を選択。
バッド、もしくは別ルートになりそうなCでお願いします。
384 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 11:32:25 ID:VyRiLXns
C:間に合いそうにないので家に帰る。 このままではとても間に合いそうにない。 それに…今日はなんだか体の調子も悪く大学に行く気分になれない。 ぼくはやる事もないが、ひとまず家に帰ることにした。 「あ…新聞取り忘れた」 重い足取りで家の前につくと、ぼくは自分の家のポストに挟まっていた新聞を手にとった。 パタ。 紙切れが新聞の間から落ちる。 …! いや、これは紙切れなんかではない。 手紙だ。 どこかかわいらしい封筒だったのでおそらく差出人は女性だろう。 ぼくに手紙を送ってくる人なんて珍しいなと思いつつ、差出人を確認する。 …小林…真理!? なんと手紙は真理からのものだったのだ。 真理を心配していただけに、ぼくは手紙の中身が気になって仕方なかったので、その場で封を開けた。
385 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 11:33:14 ID:VyRiLXns
『拝啓 寒い季節になってきましたが、体調の方は崩してませんか。 透に手紙を書くのなんて、何年ぶりだろう。 こっちはすっかり雪が積もっちゃって、あまり外に出られない日が続きます。 透…何度か私宛に電話をくれたみたいだけど、出れなくてごめんね。 透からの電話っていうのは分かってたんだけど、ここで透に頼っちゃったら、私自身がもう立ち直れない気がして…。 自分の力で頑張っていかないと、これから先もずっと透に迷惑をかけてしまう事になりそうだったから…私は電話に出れなかった。 でもおかげさまでなんとか最近は立ち直ってきて、大学のほうも復帰することができました。 私のことならもう大丈夫だからね。 あ、それより本題なんだけど…来週から冬休み入るよね? もし透の都合さえあえば、久々に二人でスキーしようかななんて思ったんだけど…どう? 世間では、シュプールは今休業中ってことになってるから、違うところに泊まる必要があるけれど…。 もし来てくれるようなら、電話ください。 透からの電話…待ってます。 真理 』 …真理。 ぼくは正直少しほっとした。 彼女の心配ばかりしていて、不安で押しつぶされそうな胸が撫で下ろされた感じだ。 ぼくは手紙を読み終わると、丁寧に便箋を封筒の中へと戻した。 それよりスキーの件だ。 確かに来週から冬休みに入るけど…どうしよう。 特に用事があるわけでもないが… A:行くしかない。 B:とりあえず電話で真理と話してみる。 C:スキーは下手なので行かない。
386 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 19:28:07 ID:qfhnSEiJ
>>385 違うところに泊まるってのが気になるな。
素直にAでお願いします。
387 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 20:21:30 ID:k0sS2SbB
>>386 確かに。
真理はシュプールで暮らしてるのだろうから、
個人的に透を誘うだけなら部屋はたくさん空いてるのだし、
そのまま泊まってもらえばいいだけだしね。
いくら別の部屋でも、同じ屋根の下に二人きりはさすがに抵抗があるのか、
その「違う所」に透を泊めたい事情があるのか。
その場合は真理も当然そっちに泊まるのかな?
真理だけシュプールで、スキー以外は完全別行動ってのも不自然だし空しすぎるし。
透一人ってのも、それはそれで何が起こるか分からないドキドキ感があるけど。
少し斬新な展開なので、色々想像出来てワクワクします。
388 :
名無しのオプ :2007/10/20(土) 21:22:30 ID:VyRiLXns
A:行くしかない。 特に用事もないのだから、当然行くべきだろう。 ぼくは早速家に入ると、真理に電話をかけた。 プルル…プルル…ガシャ 「もしもし、透?」 「…すごいね。なんで名乗ってもないのにぼくだって分かったんだ」 「なんとなくよ。透から電話がかかってくるような予感がしてずっと電話の前にいたの」 「なるほど、大した予感だな。それより真理…スキーのことなんだけど…」 「…行く気になってくれた?」 「うん、行くよ。あんまりスキーに自信はないけど…ちょうど真理のことも心配だったしさ」 「…そっか。ありがとう。また透の雪だるま姿が見れるだなんて嬉しいわ」 「勘弁してくれよ。それにしても真理とスキーだなんて久々だね」 「本当ね。あ、私前よりスキー上手くなってるから、見惚れちゃダメよ?」 「ぼくだって…あれからひそかに練習したんだぞ」 「あら、そうなの。それは見ものね」 「今に見てろよ…。あ、真理、質問があるんだけど…」 「何?」 A:「今回はそ、そ、その二人きりで…?」 B:「シュプールがダメならどこに泊まるんだい?」
389 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 00:12:39 ID:jwYnZhS1
B
390 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 02:39:50 ID:5Hvi5oxQ
>>349 の続き
C. 左のビン
ぼくは、左のビンを手に取ると、フタを開けて一気に流し込んだ。
………、旨いじゃないか!
中に入っていたのは、新鮮なミネラル・ウォーターだった。
“シュプール”周辺に、湧き水でもあるのだろうか。
とにかく、生き返った。
ぼくは、部屋を後にした。
急いで談話室に戻ると、絶叫が響いてきた。
「うおおおおお!」
美樹本さんだ。
美樹本さんが、大怪獣ジェニーと死闘を繰り広げていた。
「美樹本さん!無事でしたか!」
「おお、透くんか!
良い所に来てくれた。
早い所加勢してくれ!」
「分かりました!」
ぼくは、壁に立てかけてあったモップを手に取ると、ジェニーに対峙した。
「ゴロゴロ…。」
ジェニーの形相が一層険しくなる。
次の瞬間、ジェニーがぼくに飛び掛ってきた。
ぼくは、素早くジェニーの体当たりをかわすと、後ろに回り込んだ。
巨大化した分、ジェニーは鈍くなっていたのだ。
モップでジェニーを叩いた。
何度も何度も叩いた。
ジェニーは死んだ。
「大丈夫ですか、美樹本さん。」
よろめきながら、美樹本さんが歩いてきた。
「ああ、やるもんだな、透くん。」
391 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 02:45:44 ID:5Hvi5oxQ
「ところで…、小林はどこへ行ったんですか?」 「奴はどこかへ逃げたようだ。 …しかし、外は猛吹雪。 逃げ場はないはずだ。 手分けして探そうじゃないか。」 「はい。 …しかし、一つ心配なことがあるんです。」 「なんだい?」 「真理たちがいないんですよ。 地下室へ行ってきたんですが、妙な部屋が一つあっただけで、 真理たちは発見できませんでした。」 「うーん、では、地下室を出て、どこかへ隠れたんじゃないか?」 「そうですね…、小林と同じく、外へ出れるとは思えませんし。」 とはいえ、真理の安否が気になる。 どうしようか? A. 真理を探すのが最優先だ。 ぼくは美樹本さんと別れて真理を探そうと思った。 B. 小林を探すのが最優先だ。 ぼくは美樹本さんと共に、小林を探そうと思った。
392 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 08:02:12 ID:+Bou5JXx
>>388 の続き
B:「シュプールがダメならどこに泊まるんだい?」
ぼくはそれが気がかりで仕方なかった。
そもそも真理はシュプールに住んでいるんじゃないのか?
それなら何故わざわざ場所を変えて泊まる必要があるのだろう。
「こっちについてから教えるわよ」
「今教えてくれてもいいじゃないか」
「…近くの、ホテルに泊まる予定」
「ホ…ホテル?!正気かい真理。ホテルに男女二人が泊まるっていうのが一体どういうことか分かって…」
「何勘違いしてるのよ。別々の部屋に決まってるでしょ」
「あー…そう。ところでなんでシュプールじゃなくてホテルなんかに泊まるんだい?」
「…思い出しちゃうから」
「え?」
「シュプールにずっと居ると、叔父さんや叔母さんのこと思い出しちゃうの」
「あ…そうだったね」
「だから透とスキーして、シュプールじゃないところに泊まって、パッとそういうの全部忘れようかなって」
「…なるほど。分かったよ、真理。とりあえず来週はそっちに向かうね。積もる話はそっちについてからにしよう」
「うん。じゃあ、来週会いましょ。待ってるわ」
「またね」
393 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 08:03:04 ID:+Bou5JXx
ガチャリ。 ぼくはそっと電話を切った。 正直な所…真理の声に予想以上に元気がなくて心配が増したというのが本音である。 無理もない。 育ての親のような人たちを同時に二人も亡くしたんだ…。 ショックの大きさは本人じゃないと分からないが、計り知れないものだろう。 今彼女を支えてあげられるのは…きっとぼくだけに違いない! そう自分に言い聞かせ、ぼくは張り切って早速荷造りを始めた。 煙草も吸わないのに携帯用灰皿など訳のわからないものをどんどんとリュックに詰め込んでいく。 何故か着替えも10日分ぐらい詰め込んで、あれもこれもと入れていったらリュックはすぐにパンパンになってしまった。 と…部屋を物色しているうちにホコリを被ったスーファミのゲームカセットがタンスの上にあることに気づいた。 『かまいたちの夜』…か。 内容はミステリーやホラーといった表現が妥当なんだろうけど、ぼくにとっては様々な因縁が詰まった呪われたゲームでしかない。 そういえば…このゲームの中だと、犯人は誰だっけな? A:美樹本さん B:みどりさん C:俊夫さん D:今日子さん E:小林さん F:ぼく G:真理 H:香山さん I:春子さん J:忘れた
394 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 09:18:07 ID:x3/nqOF0
F
395 :
名無しのオプ :2007/10/21(日) 17:55:48 ID:4U06F8i8
美樹本「遅くなりました〜美樹本でーす!ニャオ〜〜!」
396 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 16:03:59 ID:IwLAjJJy
かそ
397 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 18:04:07 ID:hY8ECjma
F:ぼく 犯人はぼく…だっけ? このゲームをやり込んだわけではないので記憶は曖昧だが、確かぼくだった気がする。 でも待てよ…確か本編でぼくは何回か殺されていたような気もする。 うーん…はっきりと思い出せない! 少し気になったし実際やってみるか。 ぼくは埃を被ったスーファミを手早く用意し、かまいたちの夜をセットして電源を入れた。 案の定…最初は接触不良でつかない。 一度カセットを抜き、カセットの接続部分にフーフーと息を吹きかけ、もう一度電源を入れた。 …よし、今度はついたぞ! ぼくは早速のめり込むようにかまいたちの夜をプレイし始めた。 あれ? なんだ? 名前を入れる場面で突然画面が真っ黒になった。 どのボタンを押しても反応しない。 古いゲームだしバグったのか? その後何度もかまいたちの夜を起動させようとしたが、もう一度もつく事はなかった。
398 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 18:06:09 ID:hY8ECjma
「おかしいなあ」 ぼくは不満げに愚痴をこぼすと、途中だった北海道へいくための準備を再開しようとした時だった…。 …ふと、後ろに気配を感じた。 これはやばい。 やばい何かを感じる。 ぼくの体は硬直し、徐々に変な汗が体中からふき出してくる。 振り向くに振り向けない。 なんなんだ…後ろに誰かいるのか? ぼくは… A:勇気を出して振り向いた。 B:動かずにじっとしていた。 C:「ぼくが悪かったです…」 とりあえず謝っといた。
399 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 18:58:35 ID:glLgmaCd
400 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 22:09:17 ID:hY8ECjma
A:勇気を出して振り向いた。 「…誰だ!!」 ぼくは勢いよく後ろを振り向いた。 …周りを見回しても、誰もいない。 気のせいだったか。 そもそもこの部屋にぼく以外の人間がいるはずがない。 だが逆に、この部屋の妙な静けさが気になる。 いつもと何かが違うのだ。 何かが…いるような…そんな気がしてならない。 「おい、誰かいるなら出て来い!」 ぼくは内心びびりまくりながらも強気な声で言った。 当然返事は返ってこない。 もうすっかり冬だというのに汗が顎から滴り落ちる。 「隠れても無駄だぞ。誰かがいるのは分かって――」 ガツン! その時ぼくの脳天に得体の知れない衝撃が走り、ぼくはスーファミの上に前のめりになって倒れこんだ。
401 :
名無しのオプ :2007/10/24(水) 22:13:20 ID:hY8ECjma
――――――…… 「いてて…」 どれぐらい気絶していたのだろうか。 ぼくは頭を抱えながら起き上がった。 生きてた…。 頭に衝撃が走った瞬間、ぼくは死を覚悟していた。 おそらく何かで殴られたのだろう。 それで生きていたという事は運がいい。 ふとぼくは壁にかかっているカレンダーを見た。 …! なんだって? もう真理との約束の日じゃないか! ぼくは殴られたことなんてパッと忘れ、まとまってもない荷物を手にとると急いで家を出た。 幸いな事にまだ朝方だったし、この時間ならまだ十分間に合いそうだ。 ぼくは走りに走りまくった。 そしてどうにか時間通り新幹線に乗り…青森についてからはフェリーに乗り…無事北海道に着くことができた。 さて…ここは函館だ。 とりあえず何をしよう? A:すぐ真理の所へ向かう。 B:函館といえば蟹だろ。 C:あ、やべ、家に忘れ物した。
402 :
名無しのオプ :2007/10/25(木) 04:09:41 ID:6uBPkyrU
>>396 数日くらいで過疎とか言うなよ。
>>401 なぜイカではなくカニなのかとツッコミをいれながら
Bで。
403 :
名無しのオプ :2007/10/25(木) 05:16:29 ID:4/TMCpm/
誰がなぜ殴ったのかが非常に気になるのだが。 単に神(書き手)の力が働いて日にちを強制的に進める為なのか、 今後の展開の伏線になるのか。
404 :
名無しのオプ :2007/10/25(木) 23:06:41 ID:qJDv8xDU
405 :
名無しのオプ :2007/10/29(月) 20:04:17 ID:QWpi0kOL
保守
406 :
名無しのオプ :2007/11/05(月) 05:21:20 ID:dqJboROL
ここって、いきなり投下が増えたかと思うと、いきなり停滞するよな こういう事があるから、「来るもの拒まず」でいるべきだと思うのだが
407 :
名無しのオプ :2007/11/05(月) 09:14:12 ID:aO7eQp0Q
>>406 自分もそう思う。仮に投下された物がつまらなければスルーすればいいだけの話で。
一人がつまらないからって、他の住人も全員そう思うとは限らないのだし。
少なくとも自分は「こんな話イラネ」と思ったのはないなあ。
408 :
名無しのオプ :2007/11/05(月) 17:15:08 ID:clpNXL3F
今は大歓迎されている165氏だって、登場したばかりの頃はひどい扱い受けてたもんな 165氏の生き埋めと雪書くしみたいに、最初は微妙でも後で大化けする可能性はある だけど、どの選択肢を選んでもストーリーが変化しないとかオリキャラが多すぎるというのは、何か勘違いしてると思う
409 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 06:43:26 ID:yXvJGRV8
あくまでも自分は、って事だけど・・・ >オリキャラが多すぎる あまり気にならない。 あなかま2の大賞作品には「田中」ってオリキャラが重要人物で出てるし、 (かま1の「田中」とは関連性がまっっったく無い人物) 他にも「その他キャラ」でオリジナルの人物が出る。 逆にお馴染みのキャラは余り登場しない。 舞台も三日月島の外に移って、大学とか透の自宅がメインになってる。 季節さえも変わる。(後日談という事ではなく、普通に月日が経過する) それでも審査員は絶賛してたよね。 ていうか、そこを評価してる人もいた。「その手があったか!」とか言って。 本家スタッフでソレだし、あの作品はファンの評価もかなり高くて、 「わらべ唄篇じゃなく、これがメインシナリオなら良かったのに」という褒め方をする人までいる。 「あれってかまいたちじゃねーじゃん(殆どオリジナルだろ)」という否定派はとても少ない。 このスレの住人にも、あの大賞作品を認める人は多いと思う。 だからもう、なんでもアリだと思ってる。 「メンバーの前世」等のトンデモ設定でも良い。推理の楽しみさえあれば。 ただ個人的には、名前が同じとか、特徴が同じくらいのサービスは欲しい。 >どの選択肢を選んでもストーリーが変化しない これは正直困る。もっと言うとガッカリする。 設定や事件に介入している「つもり」にさせるのがこのスレの面白さ。 設定を説明する段階で選択肢が入ってると変に期待してしまって、 ストーリーに変化が無いと「ちょwこれじゃどれ選んでも同じww」となる。
410 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 08:45:59 ID:tnRQGXlS
読んでないからよく分からないが、それは作品の出来がよいからだろう オリキャラだってきちんと描写して魅力的に仕上げれば既存キャラとタメを張れる 逆言えばつまらないオリキャラは親しんだ既存キャラの中で浮いた存在になる
411 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 16:58:26 ID:yXvJGRV8
「出来が良い」のなら、このスレでも何でもアリって事? その判断は誰が、どの段階でするんだ?
412 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 18:57:35 ID:BADtkX9Q
>>411 やっぱりその辺は住人の話し合いじゃない?
その為にテンプレって物もあるのだし。
そして、スレの状態により意見が変わる事もあるだろうし。
例えば、どんどん投下されてる時はROMの方にも欲が出て色々不満も出やすいが、
いざ過疎ると何でもいいから投下してくれ、みたいな。
まあこれは読み手側の勝手な都合だけど。
413 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 21:50:31 ID:XkW9s+JW
とりあえず、過疎化対策としてageてみる
414 :
名無しのオプ :2007/11/06(火) 23:19:32 ID:yXvJGRV8
ただのやりとりならテンプレに関する話し合いもいいだろうが、 こういう創作投下系のスレじゃ、それ始めると書き手が引くな。 ちなみに今回自分が意見を出してる理由は、 過疎ってて何でもいいから読みたくなったから、ではなく、 過疎ってるから投下を待ちつつ発言してみるか、という事であって、 基本的には、スレが過疎でも賑わっていても、 投下したい人はどんな話でも投下すれば良いと思っている。 ただ、しつこく言うけど、トンデモ設定でも謎解きはさせて欲しい。
415 :
名無しのオプ :2007/11/07(水) 06:27:50 ID:0edq96KU
>>414 >基本的には、スレが過疎でも賑わっていても、
>投下したい人はどんな話でも投下すれば良いと思っている。
同意。
ただ、謎解きも必ず入れるとなると、それはそれでハードル高いような。
まあ殺人などの事件が起きれば犯人と動機は必要な訳だから、
必然的に謎解き要素は出てくると思うが。
自分は特に謎解きがない、既存キャラのサイドストーリーなどでも充分だけど。
416 :
名無しのオプ :2007/11/07(水) 15:31:16 ID:P0ug6gao
俺はオチもヒネリもなく、ただひたすらモップで何度も何度も叩くだけの不条理な展開も大好きだ
417 :
名無しのオプ :2007/11/07(水) 19:25:39 ID:jLDryEv/
暗闇の中でぼくは目を覚ました。
手元には、目覚める前まで掴んでいたらしい棒がある。
目を凝らしてみるとどうやらモップのようだ。
それにしてもここはどこなんだ?
どこからか風の唸るような音が聞こえる。
そうか。
思い出したぞ。
ここは・・・
A:真理の叔父さんが経営するペンションだ
B:ゲレンデの麓にあるレストハウスだ
C:謎の地下室だ
誰でも続きを書いていいリレーです。
>>1 にあるように、選択肢だけ選ぶのもいいし、
選んだ選択肢の先まで書き進めるのも自由です。
419 :
名無しのオプ :2007/11/08(木) 21:37:19 ID:3quG+s02
D:そんなことはどうでもいい。ぼくはモップさえあれば満足なんだ
420 :
名無しのオプ :2007/11/09(金) 08:48:18 ID:sveGsGyz
E:実はおまいら続ける気ねーだろw
421 :
名無しのオプ :2007/11/09(金) 11:02:53 ID:8fmVVZ8v
>>408 165さんの作品が大化けしたってのは
叩かれてもスレの空気が悪くなっても
くじけずに投下を続けてくれたから言える事だよね。
それほどに165さんはあの作品を書きたかったんだろう。
それだけの意欲や、非難にめげない精神を求められるってのは、
オリキャラがどうとか謎解き云々よりもよっぽどハードルの高い条件だと思うよ。
少なくとも自分は、
>>419 >>420 を見て
>>418 の続きをうpする気が失せた。
422 :
名無しのオプ :2007/11/09(金) 17:00:50 ID:kAO+gIO1
>>418 =
>>421 ?
別人ならともかく、同じ人ならあまりそういう事を書かない方がいいかも。
>>420 は判断が難しいけど、
>>419 は悪意がある訳ではなく、
そういう系統の選択肢もあった方が面白いからってだけだと思いたい。
ちなみに、自分は
>>419 でバッドのストーリーを書いて
再び
>>418 の選択に戻るようにするつもりだったのだけど、
ありきたりすぎる内容しか思いつかなかったので
投下しようか悩んでたら
>>420-421 の流れになってしまった。
423 :
名無しのオプ :2007/11/09(金) 19:55:22 ID:/4J6y10a
>>422 そういう事書かない方がいいっていうけど、
>>421 も
>>422 も「結局は続けない」って意味で同じレスじゃん。
見てる方は「あ〜あ…結局またこの流れか…」って思うんじゃないの?
「こういうアイデアがある」とか「書いていい?」って雑談をレスするのは、
それをキチンと文章化して投下するのとは違うんだよ。
ちょっと勇気がいるんだ。叩かれるかも?って不安だけじゃなくてさ。
特にこういう流れの中では。
>>421 の言うハードルってやつだよ。
実際
>>422 自身も、
>>422 のレス入れるくらいなら
>>420-421 を無視して続けられたのに二の足踏んじゃっただろ?
自分は
>>419 は、「どうでもいい」「モップさえあれば」で
後に続ける事も無く「選択肢だけ」って
>>418 に対して随分とストレートな嫌味だなと感じたけどね。
この流れだからそう感じた。普段なら気にしないと思う。
424 :
名無しのオプ :2007/11/09(金) 19:59:35 ID:kAO+gIO1
>>423 確かにそういう面もあったね。
今の流れを無視して投下しても良かったのだけど、
それでまともに続けてくれる住人が果たしているのかという不安もあったし。
リレーならまだしも、自分一人でラストまで書く自信なんてもちろんないし。
>>228 もう一人のぼく。
それは、ぼくのもう一つの人格という意味ではない。現在、解離性同一性障害というのは、
医学的には、幼児期に虐待などの強い心的外傷から逃れようとした結果、解離により個人の
同一性が損なわれる疾患として捉えられている。
確かに、ぼくは幼い頃、父に虐待されていた。
しかし、これは解離性同一性障害ではないと思う。
もう一人のぼくというのは、もう一つの人格という意味ではなく、もっと実体を伴った存在
だと思うのだ。
雪隠し伝説。
一連の事件の中心となっている雪隠し伝説とは、いったい何なのか?
村上さんの説明を簡単にまとめると、次のようになる。
この地方では、吹雪の日に男女一組の孤児たちが現れることがある。そして、その二人の
赤ちゃんは五年間、周囲の人間から奪い取った幸福を自分の育て親に与える。幸福を奪い
取られた人間は、『雪隠し』に遭って消失してしまったり、かまいたちにより傷つけられたり、
事故に遭ったり、仕事で失敗したり、家庭に問題が起きたりする。つまりは不幸になるのだ。
そして、ぼくは、雪隠し伝説の赤ちゃんだった。
二十年前にスキー場の駐車場で発見され、それ以来五年間は養父母に幸福を与え続けた。
しかし、ぼくに纏わる雪隠し伝説には、決定的に欠けている存在がある。
それは、もう一人の雪隠し伝説の赤ちゃんだ。
雪隠し伝説というのは、『男女一組の』赤ちゃんが現れなければ成立しない。
実際、今回の雪隠し伝説でも、冬美ちゃんという女の子の赤ちゃんと、夏彦ちゃんという
男の子の赤ちゃんが登場している。
では、二十年前に起こった、ぼくの雪隠し伝説の女の子の赤ちゃんは、誰だったのだろう?
彼女こそが『もう一人のぼく』なのではないだろうか。
さらに、もう一人のぼく――『彼女』は、今夜ぼくに接触していたのではないだろうか?
もっとはっきり言えば、シュプールの関係者の中に『彼女』がいる(いた)ような気がする。
現在シュプールにいる女性は、真理、今日子さん、可奈子ちゃん、啓子ちゃん、冬美ちゃん、
そして飛行機事故の四人の生存者のうち、まだ目を覚ましていないお婆さんの六人だけだ。
また、もういなくなってしまったが、夏美さん、春子さん、みどりさんの三人を加えてもいい。
426 :
雪隠し伝説編165 :2007/11/10(土) 03:53:16 ID:a8yVks+3
しかし、年齢を考慮すると、この九人のうち、冬美ちゃん、お婆さん、今日子さん、春子さん の四人は除外されるだろう。 村上さんの説明によると、雪隠し伝説で吹雪の日に現れる孤児の年齢は、まだ生後間もない 乳幼児から一歳近い赤ちゃんまで様々なのだそうだ。だから、ある程度年齢に幅があるのは 間違いないが、冬美ちゃんが二十年前に産まれていたとは思えないし、お婆さん、今日子さん、 春子さんの三人が、二十年前の時点で赤ちゃんだったとも考えにくい。 残るは、真理、啓子ちゃん、可奈子ちゃん、みどりさん、夏美さんの五人だけだ。 この五人の中にも、二十年前に赤ちゃんだったとは考えにくい人も混じっているが、しかし 公称している年齢が実年齢だとは限らない。 ぼくにしたって、正確な誕生日は分からないので、戸籍の上では、養父母と養子縁組をした 日が誕生日だということになっている。 つまり、もう一人のぼくである『彼女』も、自分の正確な年齢は分からないだろう。 では、この五人のうち誰が『彼女』なのか? 論理的に考えても無意味なので、ここは雪隠し 伝説の赤ちゃんだった自分の直感を信じるしかない。 ぼくは、『彼女』であるのは、 A真理だと思った。 B啓子ちゃんだと思った。 C可奈子ちゃんだと思った。 Dみどりさんだと思った。 E夏美さんだと思った。
427 :
名無しのオプ :2007/11/10(土) 04:13:50 ID:0dcpMU34
ぎゃははははは。 ( ̄∩ ̄)Уー・~~~~ めっちゃ暇やのぅ。
428 :
名無しのオプ :2007/11/10(土) 05:43:54 ID:Lwg/hH37
>>426 真理かなあ?とも思うけど、
自分の直感は夏美さんだと言っているので(根拠ゼロだけど)
E夏美さんだと思った。
429 :
名無しのオプ :2007/11/10(土) 08:38:12 ID:zNhk77xU
>>428 自分はまず、透と同じ所に入院した事がある啓子ちゃんが怪しいと思い、
彼女がその赤ちゃんだと分かるような伏線が他にもないかと過去ログ探したけど、
残念ながらなかったので、他の人の選択に任せる事にしました。
夏美さんだとどういう展開になるか楽しみです。
430 :
名無しのオプ :2007/11/10(土) 09:35:17 ID:j8QzyIMs
111日ぶりの雪隠し編キター(´∀`*)ノ
>>429 やっぱり啓子は怪しいよね
でも、ストーリー的にはヒロインの真理が赤ちゃんの方がハッピーエンドにしやすそう
透が告白した後、思わせぶりな台詞もあったし
>>428 夏美は死亡確定してるから、どういう方向に話が転がるのか全く想像つかないなあ
続き楽しみ!
>>426 E夏美さんだと思った。
その直感に、ぼくは我ながら戸惑った。
夏美さんが……もう一人の雪隠し伝説の赤ちゃん? しかし、夏美さんはもう死んでいる。
これはいったい、どういうことなのだろうか。先ほどからぼくの心を乗っ取ろうとする悪魔の
囁きは、死者のものだということになるのだろうか。
「――透くん。黙ってないで、何か言ったらどうだ?」
正岡さんが、ぼくを睨みつけながら言った。その後ろに隠れるようにして、可奈子ちゃんが
ぼくを見ていた。啓子ちゃんは、可奈子ちゃんから少し離れた場所に立っていたが、ぼくと
目を合わせようとはしなかった。可奈子ちゃんと啓子ちゃんはぼくの幼馴染みなのだが、それ
でもぼくを信用することができないらしい。彼女たちですらこんな状態なのだから、まだ知り
合ったばかりの小林さんや美樹本さんや正岡さんに信頼してもらうのは難しそうだ。
何か言わなければならない。
だが、何を言えばいいのだろう?
香山さんを殺したのはぼくではないと言えばいいのか? しかし、それは事実に反している。
例えあのとき、ぼくの身体を支配していたのが『もう一人のぼく』だったとしても、ぼくが
香山さんを殺したという事実は少しも動かないのだ。
このままでは、ぼくの身に危険が及ぶかもしれない。いや、むしろ、ぼくよりも皆の方が
危険なのかもしれないが。
香山さんと一緒に白い龍に飲み込まれた夏美さんのことを考える。夏美さんは本当に死んだ
のだろうか? あれは、夏美さんに似た別人だったのではないだろうか?
せめて、夏美さんが雪隠し伝説の赤ちゃんだったのかどうか、調べる方法はないのだろうか。
それだけでも知りたい。
そのとき、ぼくはとても単純なことに思い至った。どうして、こんな簡単なことに気付か
なかったのだろう。
もしも夏美さんが雪隠し伝説の赤ちゃんだったならば、香山さんと夏美さんは血が繋がって
いないということになる。逆に言えば、香山さんと夏美さんの血縁関係が証明されれば、夏美
さんは『彼女』ではないということになる。
――香山誠一。そして、香山夏美。人間の皮を被ったあいつらのせいで、私はこんなふうに
なってしまった。
ふと、春子さんの言葉が脳裏に蘇った。
春子さんは、香山さんと夏美さんを恨んでいた。 香山親子の荷物を探れば、夏美さんが雪隠し伝説の赤ちゃんであるという決定的な証拠が見つ かるのではないだろうか。しかし、ぼくは今、皆から疑われている。単独行動をするのは難しい だろう。何とかして、都合のいい方向に話を持っていかなければならない。 ぼくは、小林さん、今日子さん、美樹本さん、可奈子ちゃん、啓子ちゃん、正岡さん、村上 さんの七人の顔を順番に見てから、こう言った。 「一つ提案があります。香山さんの部屋に残されている荷物を調べてみませんか? もしかする と、香山さんが犯人であるという証拠が見つかるかもしれません。少なくとも、香山さんが犯人 だということが証明されれば、少しはぼくの話に信憑性が増すでしょう?」 「しかし、透くんが言ったように、香山さんが自分で姿を消したのだとしたら、自分が不利に なるようなものを残していくとは思えないんだが」 美樹本さんが渋い顔で反論した。ぼくも、美樹本さんの指摘はもっともだと思う。しかし、 今のぼくの目的は、自分の身の潔白を証明することではなく、夏美さんが雪隠しの赤ちゃん だったのかどうかを調べることにあるのだ。 「でも、香山さんの荷物を調べてみる価値はあると思います。例えば、指紋が物的証拠になる ことは小学生でも知っているのに、いまだに殺人現場に指紋を残していく犯人というのは枚挙に いとまがないですよね? そんなふうに、荷物を調べられるはずがないと高を括っている可能性 はあります」 ぼくそう主張した。 美樹本さんは疑り深い目つきでぼくの顔を見ていたが、やがて、ゆっくりと首を横に振った。 「香山さんの荷物を調べたいなら、調べればいい。ただし、きみが一人で調べたら、証拠を捏造 する可能性がある。誰か他の人と一緒に調べるんだな」 「じゃあ、美樹本さんがついてきてください」 ぼくが言うと、美樹本さんは口元に皮肉な笑みを浮かべた。 「冗談じゃない。どうして俺がそんな危険を冒さなければいけないんだ」 美樹本さんが、飛行機事故の遭難者の救助よりも写真撮影を優先していたことを思い出す。 人選を誤ったようだ。 「誰か、ぼくと一緒に香山さんの荷物を調べてくれる人はいませんか?」 ぼくは、皆の顔を見回しながら尋ねた。
最初に目を逸らしたのは、正岡さんだった。この人は口先ばかりの人なので、ぼくも最初から 期待していなかった。しかし、可奈子ちゃんと啓子ちゃんまでもがぼくを見ないようにしたのは、 さすがにショックだった。 残るは、小林夫妻と村上さんだけだった。 真理がいたら……とぼくは思った。真理が無事だったら、きっと、小林夫妻を説得してくれた だろう。 ぼくは、ソファーに寝かされている真理を見た。苦しそうな表情だ。 真理を助けるためにも、ぼくは早くこの事件を解決しなければならない。 たとえ、真理がぼくを愛してくれなくても、ぼくは真理を守りたい。 「――私、透くんと一緒に香山さんの荷物を調べてみます」 静かな声が聞こえ、ぼくは顔をあげた。 今日子さんが、優しい表情でぼくを見ていた。母に似た表情で。ああ、やっぱり、今日子 さんは母に似ている。優しかった頃の母に。ぼくが『雪隠し』した母に。 「今日子、何を言っているんだ」 小林さんが、怒ったような表情で今日子さんを睨んだ。 「あなた、お願い。行かせて。だって、透くんは真理ちゃんのボーイフレンドなのよ? この 事件に関係しているとは思えないわ」 今日子さんの説明は少しも論理的ではなかったが、ぼくは嬉しかった。 誰かに信用される。 信頼される。 その温かさを、ぼくは思い出した。ぼくの心は凍てつき、永遠に融けることのない氷に閉ざ されている。しかしそれでも、真理や今日子さんと接しているときだけは、母の温もりを思い 出すことができる。 母は、不幸な人だった。ぼくが不幸にしたのだ。だから、ぼくに辛く当たることもあったけど、 本当はとても優しくて温かい人だった。 「それなら、私も行こう」 小林さんはそう言ったが、今日子さんは首を横に振った。 「駄目よ。あなたは談話室に残って、冬美ちゃんと夏彦ちゃんの面倒を看ていて。私たちは もう、夏彦ちゃんの親になったんだから」 今日子さんの言葉を聞いて、そうか、とぼくは思った。美樹本さんと正岡さんと春子さんが 夏彦ちゃんの取り合いをしていたとき、ぼくは「育て親に相応しいのは、小林夫妻です」と 言った。今日子さんは、おそらく、あのときの恩を返そうとしてくれているのだろう。
「しかし、透くんと二人きりになるというのは……」 小林さんは渋った。 「それなら、私も一緒に行こう」 そう立候補してくれたのは、村上さんだった。小林さんは、今日子さんと村上さんの顔を 交互に見ていたが、やがてふてくされたように目を逸らした。 「好きにしろ。これを持っていくといい」 小林さんが、マスターキーを差し出した。 「ありがとう、あなた」 今日子さんはマスターキーを受け取ると、ぼくに向き直った。 「さあ、早く行きましょう。時間がもったいないわ」 今日子さんに促され、ぼくは階段を昇った。その途中、一度だけ振り返り、ソファーに 寝かされている真理を見やって、自分を奮い立たせた。 香山夫妻の部屋の前に到着すると、今日子さんがマスターキーで開錠した。 「そう言えば、いつ部屋の鍵をかけたんですか?」 ぼくはそう尋ねた。春子さんが『雪隠し』に遭ったときには鍵をかけていなかったはずだ。 「そうか。透くんは知らなかったんだったな。俊夫くんが冬美ちゃんの首筋に果物ナイフを つきつけていたときに、きみは気絶しただろう? そのとき、空き部屋の鍵をかけて回った んだよ」 村上さんが答えてくれた。 「そうだったんですか。……じゃあ、ドアを開けますよ」 ぼくはそう言い、香山夫妻の部屋のドアノブを捻り、開けた。 部屋の中に入ると、少し異臭がしたような気がした。ベッドの下の手首が発する臭いの ような気がする。しかし、それは思い込みだろう。あの手首は凍っていた。この部屋の暖房は 切ってあるし、あれからまだそんなに時間が経っていないのだから、融けているはずがない。 ぼくは、ベッドの下を見ないように注意しながら、クローゼットを開けた。 その途端、ぼくは違和感を覚えた。二人分の荷物にしては、量が少ない。 トランクを開ける。中に入っていたのは、化粧品や女物の服ばかりだった。 「なるほど。透くんの言い分も、美樹本さんの言い分も、どちらも正しかったようだな。香山 さんの荷物がなくなっている」 村上さんがそう言った。香山さんが犯人である証拠が残されているかもしれない、という ぼくの主張と、香山さんが犯人なら自分に不利な証拠を残していくはずがない、という美樹本 さんの主張は、どちらも正しかったのだ。
ぼくは、一応、春子さんの荷物を調べてみた。しかし、香山さんと夏美さんの血が繋がって いるという証拠、あるいは血が繋がっていないという証拠は、何も見つからなかった。考えて みれば、香山さんたちが戸籍謄本や戸籍抄本を持ち歩いていたとも思えないので、簡単に香山 親子の血縁関係を調べるのは難しいかも知れない。 しかし、春子さんの健康保険証を発見したぼくは、ある可能性を思いついた。 「今日子さんと村上さんは、香山さんたちの血液型を知っていますか?」 ぼくはそう尋ねた。 もしも、親子ではあり得ない血液型の組み合わせだったならば、夏美さんは香山さんの養子 だったということになる。 「藪から棒に、どうしたんだね」 村上さんが戸惑ったように言った。 「いいから、答えてください。香山さんと夏美さんの血液型を知っていますか?」 ぼくはもう一度繰り返した。 「そんなことを言われても、私は香山さんにも夏美さんにも会ったことがないから、知っている はずがないだろう?」 村上さんは、今日子さんを見やった。 「私も知りません」 今日子さんは首を横に振った。 結局、香山夫妻の部屋を調べても、大した収穫はなかった。次は、いよいよ問題の夏美さんの 部屋を調べたいところだ。しかし、夏美さんの部屋は『新OL三人組』の部屋なので、可奈子 ちゃんや啓子ちゃんが鍵をかけているだろう。今日子さんの持つマスターキーがあれば開錠する ことはできるだろが、怪しまれるのは間違いない。せっかく、の二人はぼくを信用してくれている のだから、怪しまれる真似は慎みたいところだ。 「談話室に戻ろうか」 村上さんが言った。 駄目だ。まだ談話室に戻るわけにはいかない。 「真理の部屋に行って、着替えを取ってきましょう。血だらけになったから、着替えた方がいい と思うんです」 とにかく時間を稼ごうと思い、ぼくは急いで言った。 皮肉なことに、「真理のボーイフレンド」としては極めて自然な言葉だったので、今日子さんも 村上さんも、ぼくに同情するような視線を向けた。
436 :
雪隠し伝説編165 :2007/11/12(月) 06:40:01 ID:LEdJELOK
今日子さんがマスターキーで鍵を開け、ぼくたち三人は、真理の部屋に入った。 『新OL三人組』の部屋に入る口実を考えながら、とりあえず、ぼくは本当に真理の着替えを 探すことにした。 今日子さんと村上さんの視線を感じながら、床に膝をつき、真理の旅行鞄を開ける。幸い、 それほど荷物を荒らすこともなく、手ごろな服が見つかった。その服を鞄から出す。そのとき、 服に引っかかっていたプラスチックのケースが鞄から零れ落ち、床にぶつかって蓋が開いた。 ぼくは、何気なくケースを拾い上げた。そして、ケースを持った状態で、手が止まった。 ケースの中には、注射器が入っていた。 何の注射器なのだろう。なぜ、真理が注射器を持ち歩いているのだろう。最近の女子大生と いうのは、注射器を持ち歩くのが流行なのだろうか? まさか。そんなはずがない。真理と 注射器という組み合わせが、ぼくには理解できない。もしかして、真理は、何かの病気だった のだろうか? 今日子さんに聞いてみよう、とぼくは思った。立ち上がろうとする。 そのときだった。 床に膝をついていたぼくの顔に、ハンカチが押し当てられた。息を吸ってはいけないという ことに気付いたときには、既に遅かった。薬品の臭いが、鼻をついた。 ぼくを取り巻く世界が、ぐにゃりと歪んだような気がした。気が遠くなる。 きっと、クロロホルムか、それに類するような薬品を嗅がされたのだろう。 誰に? 誰にそんなものを嗅がされたのか? 決まっている。この部屋の中にいるのは、 ぼく以外には今日子さんと村上さんだけだ。この二人のどちらかが、ぼくを眠らせようとして いるのだ。 何の、ために? 分か、らな、い。もう、何も、考、え、ら、れ、な、い――。 (下記の選択肢は、ザッピングです。主人公が変わります) A 矢島透 → 小林今日子 B 矢島透 → 村上つとむ
437 :
名無しのオプ :2007/11/12(月) 09:25:33 ID:NMLL4dkO
ついにザッピングまで来ましたか。wktkが止まりません。
>>436 どちらも捨てがたいですが、Aでお願いします。
>>436 A 矢島透 → 小林今日子
私――小林今日子――は、矢島透の顔から手を離した。
透の身体は、支えを失った人形のように床にくずれおちた。どうやら、薬は上手く効いて
くれたらしい。正直に言うと、実際に使ってみるまで、雪隠しの赤ちゃんだった透にも薬が
効くのかどうか、判断がつかなかった。これは賭けだった。そして、私は賭けに勝ったのだ。
透は、今は眠っている。
しかし、床に倒れたときに怪我をしたかもしれない。特に、透の持っていた注射器の入った
ケースが身体に当たっていないか心配だった。
ごめんね、透。
薬の染み込んだハンカチを拾い上げ、ポケットに仕舞いながら、私は心の中で透に謝った。
本当にごめんなさい。だけど、こうするしかないのよ。透と真理ちゃんを救うためには、
これが最善の方法なの。
「今日子、お前は何をやっているんだ」
村上つとむが、驚いた顔で私を見ていた。
透を眠らせることは、村上には相談していなかった。これは私の独断でやったことだ。
「つとむ、静かにしてよ。大声を出したら、談話室にいる人たちに気付かれるかもしれない」
私は唇に人差し指を当てて、村上を制した。
「しかし、どうしてこんなことを?」
村上はまだ、状況を飲み込むことができていない様子だった。
「それは、透が雪隠し伝説の赤ちゃんだったからよ。さっき、私は透と真理ちゃんを追いかけて
いって、見ちゃったの。透が『力』を使っているところを。透は、吹雪を無効化したり、吹雪で
できた白い龍を出現させて香山さんを倒したりした」
「透くんが、雪隠しの赤ちゃん? なるほど。それで、台所で二人きりになったときに『雪隠し
の赤ちゃんって成長するとどうなるんですか?』なんて尋ねてきたのか。しかし、透くんが
雪隠しの赤ちゃんだったということはともかく、どうして眠らせたんだ?」
「それは――」
私は一旦言葉を切ると、村上の顔を真正面から見つめて、答えた。
「透は、私とあなたの息子だからよ」
439 :
雪隠し伝説編165 :2007/11/13(火) 12:24:34 ID:eRUwSz7Q
十二月二十一日。 その日を、私と村上と田中一郎は、『実験』を行う日と決めていた。この日のために、何ヶ月も 前から準備を進めてあった。 『実験』の内容は、人為的に雪隠し伝説を発生させることができるかどうか調べる、というもの だった。まず、女の子の赤ちゃんと男の子の赤ちゃんを用意し、吹雪の日に、私が住んでいる シュプールで二人の赤ちゃんを引き合わせる。その結果、雪隠し伝説が発生すれば、私たちの 研究は格段に前進するはずだった。 私と村上と田中の三人の目的は、雪隠し伝説の全貌を明らかにすることだった。 話は昨日の十二月二十日に溯る。 シュプールで昼食をとった私は、手早く洗濯し、客室のベッドメイクを済ませた。 「今日子。そろそろ買い出しに行ってくれないか」 午後二時過ぎになると、夫の小林次郎が私にそう頼んできた。私は料理をすることはできない が、食材の見極めの方法だけは夫に徹底的に叩き込まれていたので、いつも食料品の買い出し を任されていた。その間、夫は料理の仕込みをしたり、休憩をとったりする。 「分かった。何を買ってくればいいの?」 私が尋ねると、夫は買物リストを私に手渡した。ざっとリストに目を通すと、いつものように生鮮 食品の名前が並んでいた。 私は、透と真理ちゃんに貸した車の合鍵を夫に内緒で持ち出すと、シュプールを出た。私は 車に乗ると、いつも買物をしている町ではなく、スキー場に車を走らせた。 携帯電話の電波が届く範囲に到着すると、私は迷わずに携帯電話を取り出し、着信履歴から 田中一郎に電話をした。もちろん、田中一郎というのは偽名だったが、携帯電話にはその名前で 登録してあった。 「赤ちゃんたちは手に入った?」 電話が繋がると、私はそう尋ねた。運転中の電話は危険だということは分かっていたが、この 実験で一番重要な二人の赤ちゃんの様子を一刻も早く知りたかったのだ。 「大丈夫だ。今、スキー場で二人にミルクをやっているところだ」 田中の答えを聞き、私は安心した。その安心が、一瞬の油断を生んだのかもしれない。 道の先に通行人がいることに気付くのが遅れた。 A私は、咄嗟にブレーキを踏んだ。 B私は、咄嗟にハンドルを切った。
440 :
名無しのオプ :2007/11/13(火) 19:19:00 ID:HYGnBZoC
441 :
名無しのオプ :2007/11/18(日) 01:05:06 ID:F6MesWZ2
>>391 の続き
A. 真理を探すのが最優先だ。
ぼくは美樹本さんと別れて真理を探そうと思った。
「美樹本さん、すいません。
ぼくは真理がどうしても気になるんです。
真理を探してきます。」
「…そうか、しょうがいないな。
俺は俺で小林を探すとするよ。
…気を付けてな。」
そういうと、美樹本さんは暗闇へ消えていった。
…さて、真理はどこに行ったのだろうか?
ぼくはまず、裏口へ向かった。
意外に、外にいるのではないかと思ったからだ。
裏口の前に行くと、裏口の戸が半開きになっているのが見えた。
ぼくは慎重に近寄った。
…!
ドアノブに血が付いている…。
ドアを足で押し開けると、外を覗いてみる。
相変わらずの悪天候だった。
この状態では、真理が外にいるとは考えにくい。
しかし、このドアノブの血は気になる。
どうしようか?
A. ぼくは吹雪の世界へ飛び込んだ。
B. 寒いのは嫌だった。ぼくはスタッフルームを探すことにした。
C. やっぱり美樹本さんと行動しよう。
442 :
名無しのオプ :2007/11/18(日) 06:45:12 ID:YSWrpSCm
>>441 不安だけど、どうしても気になるのでAで。
443 :
名無しのオプ :2007/11/26(月) 04:59:32 ID:ftuNLlNy
保守るぞ
444 :
名無しのオプ :2007/12/02(日) 00:40:20 ID:FBgt/zBK
>>441 の続き
A. ぼくは吹雪の世界へ飛び込んだ。
ぼくはドアを開け、猛吹雪で極寒の暗黒世界へと足を踏み出した。
夜の闇と、猛吹雪でほとんど何も見えない。
ペンションの壁伝いに少しずつ進んでいく。
少しすると、車庫に着いた。
大型の4WDの車が止めてある。
ぼくは急いで車庫の中へ入った。
車庫の中では、吹雪が遮断され、かなり楽になった。
車の中を覗き込む。
すると、中に人影が見えた。
…真理だ!
真理が車の中にいる。
ぼくはドアを叩いて、真理を呼んだ。
「真理!真理!ぼくだ!透だよ!」
中にいる真理がこちらを見た。
最初は驚いたような表情をしていたが、ぼくだと分かると、
すぐに表情を緩ませた。
車のドアが開き、真理が出てきた。
445 :
名無しのオプ :2007/12/02(日) 00:47:41 ID:FBgt/zBK
「透! 良かった、無事だったのね。」 「ああ、それより、今まで何をしていたんだい?」 「美樹本さんに、部屋に居るのは危険だって言われたから、 地下室へ避難していたんだけど、急に地下室が真っ暗になって…。 無我夢中で一階に行ったら、巨大な猫が…。 怖くなって外に出て、車の中に隠れてたのよ…。 可奈子さんたちとははぐれてしまったわ。」 「そうだったのか…。 ところで、いつまでもこんな所に居たら凍死してしまうよ。 巨大猫のジェニーはもう死んだ。 とりあえず、ペンション内に戻ろう。」 ペンション内に戻ったぼくと真理は、まず、何をするべきか考えた。 A. 真理の無事を確認した。 ここは美樹本さんを探し出し、加勢するべきだ。 B. 美樹本さんとは別に、自分達で小林を捕まえるのだ。 C. OL3人組を探すのが先決だ。 D. 先程の4WDで逃げるしかない。 ぼくは、4WDのキーを捜すことにした。
446 :
名無しのオプ :2007/12/02(日) 00:51:02 ID:CTXHSN4O
D
447 :
165 :2007/12/08(土) 01:05:45 ID:nWkYGwa/
ついさっきまで気付かなかったのですが、
>>215 に「友永」という名前が二回も登場しています。
これは、「朝永」の誤変換です。すみませんでした。
448 :
生き埋め編165 :2007/12/08(土) 01:25:01 ID:nWkYGwa/
>>345 B別の部屋に移動しよう。
ぼくはそう決断した。俊夫さんとみどりさんが脱出ルートを塞いでしまった以上、このまま
この部屋に残っていても、いずれ一酸化炭素中毒になってしまうだろう。それに、香山さん、
可奈子ちゃん、小林の三人の死体が転がっているこの部屋に長居していると、気が狂って
しまいそうだった。
「真理、美樹本さん、夏美さん、聞いてください。別の部屋に移動しましょう」
ぼくがそう言うと、「そうだな」と美樹本さんは頷いた。
「冬美ちゃんを連れて行ってもいい?」
真理にそう尋ねられ、ぼくは返答に窮した。本当なら、少しでも身軽にならなければなら
ないのだと思う。本当なら、冬美ちゃんの死体は置いていくべきだ。だが、真理の気持ちを
考えて、ぼくはこう言った。
「もちろんだよ」
「冬美ちゃんはともかく、あの人らはどうするん?」
夏美さんがそう尋ねた。俊夫さんとみどりさんのことを言っているのだろう。
「置いていくしかないでしょうね」
「うちは、カナちゃんを殺したあいつらを許せへん」
夏美さんは、怒りに満ちた表情で、俊夫さんとみどりさんが立て篭もっている窓を睨み
つけた。
「可奈子ちゃんの仇をとりたいんですか? でも、その必要はありませんよ。放っておいた
って、俊夫さんとみどりさんは、そのうち窒息死するか凍死するでしょうから」
ぼくがそう言うと、真理は悲しそうな表情でぼくを見た。
なぜ、真理はこんな顔でぼくを見るのだろう。ぼくは、何かおかしいことを言ったのだろう
か? 自分の言った台詞を思い返してみるが、よく分からなかった。
「それで、どの部屋に移動するんだ?」
何事もなかったかのように、美樹本さんが話を進めた。悠長に話し合っている時間は
残されていない。どの部屋に移動するのか、急いで決めなければならない。
ぼくは、こう答えた。
A「地下室へ移動しましょう」
B「厨房へ移動しましょう」
C「小林夫妻の部屋へ移動しましょう」
449 :
名無しのオプ :2007/12/08(土) 06:08:55 ID:C6+TG1og
>>439 A私は、咄嗟にブレーキを踏んだ。
もちろん、この車は既にスノータイヤを履き替えてあった。だが、古い型の車だったので、
ABSではなかった。
私は、右足の裏に嫌な感触を覚えた。
急ブレーキの場合や、路面が濡れていたり鉄板が敷いてあったりしてタイヤとの路面との
間の摩擦係数が充分に大きくない場合には、ブレーキディスクないしはブレーキドラムと
ブレーキシューの間の摩擦力が路面とタイヤの間の最大静止摩擦力よりも大きくなることが
ある。つまり、タイヤがロックして路面の上をスリップしてしまうのだ。
ブレーキを踏んだにもかかわらず、車は停まらなかった。
「逃げて!」
私は叫んだ。その叫びが聞こえたわけではないだろうが、道の先にいた男が振り返り、
私の運転する車の方を見た。
次の瞬間、車は男を撥ねた。男の身体が数メートル先に吹っ飛んだ。
だが、それでも車は停まらない。
ハンドルも効かなくなっている。
路面の上を滑る右側のタイヤが、倒れた男の腹部に当たる。運転席からは死角になり、
男がどうなったのかは見えない。だが、右側のバックミラーを見ると、赤黒いものが飛び
散っていた。
「今日子、どうした?」
田中の声が聞こえた。こんな状態にあるにもかかわらず、私はまだ携帯電話を耳に当て
続けていたらしい。
私が田中に返事をしようとしたとき、カーブを曲がることができなかった車が、除雪で道の
端に積み上げられた雪の壁にぶつかった。
ようやく、車が停まった。だが、それでも私は暫くの間、呆然としてハンドルと携帯電話から
手を離すことができなかった。
いま起こったことは、現実なのだろうか? 本当に、私は男を撥ねたのだろうか?
田中の不審げな声を聞き流しながら、私は自問自答していた。
私は、ゆっくりとシートベルトを外した。自分の身体を見下ろす。少なくとも、私自身は怪我
していない。車が当たったのが除雪されたばかりの雪の壁だったことと、速度が落ちていた
のが幸いした。
私はドアを開け、車から降りた。
驚いたことに、男はまだ生きていた。 男の下半身は、車の下敷きになっている。タイヤと路面によって腹を切り裂かれたせいで 雪の積もった道の上には男の内臓や汚物が散乱していた。さらに、道の上を滑るときに 削られてしまったらしく、左側の耳がなくなり、そこからも血が噴き出していた。 だが、それでも、男はまだ生きていた。 口をぱくぱくと動かしている。男は何か言っているつもりなのだろうが、私の耳には届か なかった。聞きたくなかったので、それは幸いだった。 「大丈夫ですか?」 私はそう尋ねながら、我ながら何て間抜けな質問をしているのだろうと思った。 男が死んでいないのが不思議なくらいの事故だった。 事故。 これは事故だ。私のせいじゃない。 そう思いたかった。だが、実際には、携帯電話の使用とスピードの出しすぎという二重の 過失があった。 私のせいだ。私が、この男を瀕死の状態に追い込んだ。 男は、恨みがましい目つきで私を見ていた。男にはその権利がある。私を憎む権利が。 救急車を呼ばなければならない。そんなことは百も承知だった。しかし、いま救急車を 呼んだらどうなる? 雪隠し伝説の研究ができなくなる。さらに、新しい『雪隠し様』の代替わりにも立ち会う ことができなくなってしまう。 駄目だ。救急車を呼ぶわけにはいかない。 私は、保留にしてあった携帯電話を元に戻し、田中にこう言った。 「どうしよう……。私、男を撥ねちゃった」 「撥ねた?」 「事故だったの。男が急に車の前に飛び出してきて……。急ブレーキを踏んだんだけど、 間に合わなくて」 私は、できる限り弱々しい口調でそう言った。さりげなく自分のせいではないと主張する ことも忘れなかった。 「死んだのか?」 田中が、真剣な口調で尋ねた。 「……ええ、死んだわ。即死だったみたい」 私は、苦しげに荒い息をしている男を見下ろしながら答えた。
「警察や消防には知らせたのか?」 田中が、苛立ちを抑えきれない口調で訊いた。 「いいえ、まだ」 「絶対に通報するな」 田中が命令口調で言った。田中よりも私の方が年齢は上だが、『かまいたち』での階級は 田中の方が高い。私の階級はまだ『雹』なのだが、田中はもう『吹雪』だった。今回の実験 グループの中でも、私ではなく田中がリーダーということになっていた。この前まではその ことを密かに不満に思っていたのだが、今は有難かった。 私が何か問題を起こせば、それはリーダーである田中の責任にもなるからだ。 田中の性格を考えれば、絶対に『かまいたち』の幹部には報告したがらないだろう。つまり、 田中は、この事故を隠蔽するのに協力せざるを得ないということだ。 「分かった」 私は素直に頷いた。 「事故を目撃した人物はいるか?」 田中にそう訊かれ、私は辺りを見回した。もともと交通量の少ない道だということもあり、 私と男以外の人間は、少なくとも目の届く範囲にはいなかった。 「今からそっちへ向かう。ホテルにいる村上には俺の方から連絡しておく」 「ありがとう」 「俺たちが着くまでに、できるだけ事故が目立たないようにしておけ」 「はい」 私はそう答え、通話を切った。 これから、先ほどの自分の言葉を、事実にしてしまわなければならない。 『男は即死だった』 それが事実でなければならないのだ。 車の後ろに回り、トランクを開けた。そこに、除雪用のシャベルが入っていた。車が雪で 立ち往生してしまわないように、いつも入れっぱなしになっていたシャベルだった。 私はシャベルを持ち、男のところに戻った。 シャベルを振り上げ、一旦その状態で止め、男の頭に狙いを定める。 「お願い、やめて……」 男がそう言った。事故以来、男が初めてまともに口にした言葉だった。 そして、それが男の遺言になった。
それから、私は座席のカバーを剥ぎ取り、男の上半身に被せた。 さらに、道に散乱する男の内臓を、血や体液に染まった雪ごとシャベルで掬い上げ、道の端の 一箇所に集めた。 これだけでも、随分と印象が変わったはずだ。雪の壁にぶつかってしまった車も、ただ道の 脇に停めてあるだけに見えないこともない。 ちょうどその作業が終わったとき、携帯電話が振動した。村上つとむからだった。 「大変なことになったみたいだな」 村上が溜め息混じりに言った。 「ええ、ごめんなさい」 「今日子が悪いわけじゃない」 村上はそう慰めてくれた。だが、本当は私が悪いのだ。 「つとむ、ありがとう」 「いいんだ。それで、事故が起きたのは、シュプールからスキー場に向かう途中なんだろう?」 「そうよ」 私は、詳しい場所を説明した。 「それなら、あと五分ほどで着くだろう。田中も一緒だ」 村上の言葉を聞き、私は安堵した。いつまでも一人でいるのは嫌だったからだ。 それに、村上が近くにいてくれれば心強い。彼は、私のことをよく知っている。私と村上は、 『かまいたち』に入団するよりもずっと前――二十年ほど前には、恋人同士だったこともある のだから。 私は通話を終えると、田中と村上が到着するまでの間に男の身許を調べておくことにした。 車の下に手を入れ、男のズボンのポケットを探ると、財布が出てきた。免許証も入っている。 氏名 美 樹 本 洋 介 昭和51年 3月19日生 本籍 東京都千代田区千代田1 運転免許証には、そう記載されていた。その下の顔写真を見るが、間違いなく私が殺した男の 顔と一致していた。東京都千代田区千代田1番というのは、皇居の住所なので、まさかここに 住んでいるわけではないだろう。日本では、本籍は現住所と無関係に国内ならどこでもよいと されている。皇居の住所は、本籍として人気の高い住所の一つである。 私は、生年月日や本籍や顔写真よりも、「美樹本洋介」という氏名が気になった。 つい最近、どこかでこの名前を見たことがあったような気がしたのだ。
美樹本洋介。 もう一度、頭の中でその名前を繰り返してみる。やはり、聞き覚えがある名前のような気が する。しかし、私はこの男の顔には見覚えがない。これはどういうことなのだろう。この男は 有名人だったのだろうか? ラジオや新聞などで名前だけを知っていたのだとしたら、この 不可解な状況にも一応は説明がつく。 そんなことを考えながら、私はさらに財布の中を漁った。現金は十数万円入っている。 銀行のカードを見つけたが、そちらの名前も「ミキモト ヨウスケ」になっていた。そして、 私は美樹本の名刺を発見した。 カメラマン。 普通、名刺の職業を記載する場所には、カメラマンと書かれていた。しかし、私にはカメラ マンの知り合いなどいない。 ……待てよ? カメラマン? そう言えば、一週間ほど前に小林次郎がこんなことを言って いなかっただろうか? 『カメラマンだという予約客に、撮影場所としてお薦めの場所はないかと訊かれたよ。今日子 は、どこか知らないか?』 『ごめんなさい、思いつかないわ。何ていうお客様なの?』 『美樹本洋介という人だ』 『分かったわ。もしもいい場所を思いついたら、美樹本さんに教えるわね』 『そうしてくれ』 次郎との会話を思い出し、私は背筋に冷たいものを感じた。 私が殺した美樹本洋介という男は、シュプールの予約客だったのか! 携帯電話で、スケジュールを確認する。私は客の名前を覚えるのが苦手なので、携帯には 予約客の名前は日付と一緒に入力しておくことにしているのだ。こうしておくと、後で度忘れ したときに便利なのである。 12月20日 18時 美樹本洋介 スケジュール帳にはそう打ち込まれていた。 間違いない。 この男は、今日シュプールに到着予定だった客なのだ、と私は思った。
やがて、田中と村上の乗った車がやって来た。 村上がシュプールの車に乗り込み、車をバックさせた。見るも無残な美樹本洋介の死体が露わ になった。死体の下の雪は融けていた。 「村上と今日子で協力して、こいつの服を脱がせて、死体をこのトランクの中に入れろ」 田中がそう言って、私に大きな旅行鞄を手渡した。きっと、これは田中か村上の私物が入れて あったトランクなのだろう。 「あなたは?」 私が尋ねると、田中は辺りを見回しながらこう答えた。 「俺は、こいつの車を捜しに行く」 「美樹本の車?」 そう尋ねてから、なるほどと思った。 確かに、よく考えて見れば、こんな何もない場所を手ぶらで歩いているはずがない。美樹本は、 この近くに車を停めていたはずだ。その車も処分しておかなければ、警察がシュプールを含む この付近一帯を隈なく捜索することになるだろう。すると、この場所で事故があったことも早晩 明らかにされてしまうだろう。 「この死体は、美樹本という名前なのか?」 田中は質問に質問で答えた。 「ええ。聞き覚えがあるの?」 「いや、ない」 田中はそう答え、『かまいたち』の所有している車に乗り込み、シュプールのある方角へ車を 走らせて行った。 残された私と村上は、美樹本の死体をトランクの中に仕舞いこんでいく。身体が真っ二つに なっているので、比較的楽だったと思う。もちろん、私が一箇所に集めた内臓も一緒にトランク に入れた。 「今日の予定は、中止になっちゃうのね」 私は申し訳なく思いながら村上に話しかけた。 「仕方ないさ。それに、別に声明を出すのは明日でも構わない」 村上がそう言った。 今日は、スキー場の駐車場に停めてある矢島透と小林真理が乗っていったシュプール所有 の車の中に「あした、かまいたちがあらわれる」と書いたメモを残しておく予定だったのだ。だが、 こうなった以上、それは後回しにするべきだろう。メモの文は「こんや、かまいたちがあらわれる」 にでも変更すれば問題ないのだし。
456 :
雪隠し伝説編165 :2007/12/12(水) 19:48:49 ID:kVoOIbWL
私と村上は、車に付着した血液もきれいに拭い取った。もちろん、この程度では血液反応を 消すことなどできないが、肉眼で見る限りでは血が付着していたとは分からない状態になった。 それから十分ほど経ってから、田中が戻ってきた。 「美樹本の車は見つかったか?」 村上が尋ねると、田中は首を横に振った。 「いや、なかった。……おかしい。そんなはずがないんだ。俺と村上が事故現場に向かう途中 でも注意して道を見ていたんだが、どこにも車は停まっていなかった」 「じゃあ、まさかこの男は歩いてここまで来たとでも?」 村上が困ったように言った。 「それはないだろう。つまり、こういうことなんじゃないだろうか。この男は、誰かにここまで 車に乗せてきてもらった」 田中が浮かない表情で答えた。 誰かに。 誰に乗せてきてもらったのか? そもそも、美樹本はこの道で何をしていたのだろう? 「それより、今日子。お前はいつものように小林に買物を頼まれていたんじゃないのか?」 突然、村上が話題を変えた。 「そうだった。忘れてたわ」 「あまり遅くなると、怪しまれる。事故の処理は俺たちに任せて、今日子は買物を済ませて来い」 田中がそう言った。 「でも、車がこんな状態だし……」 窓ガラスは割れていないが、車の前部は凹んでしまっている。ナンバープレートも皺だらけに なっていた。 「帰りに木にぶつけたとでも言え」 田中はそう命令した。私よりも自分の方が『かまいたち』での階級は高いことを誇示するかの ように。 私は気が進まなかったが、結局言われた通りにするしかなかった。
私は買物を済ませ、シュプールに帰宅した。 小林次郎は、思っていたよりは車を破損させたことを怒らなかった。助かったが、逆に気味が 悪いような気もした。 次郎、俊夫くん、みどりちゃんたちが、夕食を作り始めた。三人とも、なぜか私には料理を させてくれない。いったい私の作る料理のどこがいけないのか、いつも理解に苦しむ。私には とても美味しく感じられるのだが、なぜか私の作った料理を食べた人は、次郎に胃薬はあり ませんかと尋ねたり、トイレに駆け込んだりするのである。 やがて、香山夫妻、その娘の夏美ちゃん、その友人の啓子ちゃんと可奈子ちゃんが到着した。 オーナーである次郎と一緒に、私も出迎え、部屋に案内した。 五人が部屋で寛ぎ始めると、今度は透くんと真理ちゃんが帰って来た。スキーが苦手な透くん は、随分と真理ちゃんに絞られたらしい。 「――なあ、今日子」 透くんと真理ちゃんが談話室でお喋りを始めるのを横目に、次郎が低い声で話しかけてきた。 「何?」 「美樹本さんから電話がなかったか?」 その名前を聞いて、私は顔が引き攣るのを感じた。私は何も知らないんだ、と必死に自分に 言い聞かせる。 「いいえ、なかったけど。美樹本さんがどうかしたの?」 「六時に到着予定となっていたのに、まだ着いていないんだ。どうしたのかな」 談話室の鳩時計に目をやると、針は午後六時半を指していた。 「さあ、知らないわ」 私がそう答えたとき、電話が鳴った。次郎が受話器を取り上げる。 「はい、シュプールです。――あ、美樹本様ですか」 次郎がそう応対する。 私は、夢でも見ているような気がした。 次郎は、いったい誰と会話しているのだろう。美樹本洋介のはずがない。美樹本は、私が 殺したのだから。 そのとき、私はある可能性に思い至った。電話の主は、美樹本洋介ではなく、同じ苗字を 持つ家族なのではないだろうか。それならば説明がつく。 そう思いながら、私はさり気なく夫が持つ受話器に耳を近付け、会話を盗み聞きした。 『そうです、美樹本洋介です』 電話の相手は、間違いなくそう言った。
458 :
雪隠し伝説編165 :2007/12/12(水) 23:03:24 ID:kVoOIbWL
「どうなさったんですか?」 何も知らない次郎は、平然と尋ねた。 『実は、渋滞に巻き込まれてしまいまして、到着が大幅に遅れてしまいそうなんです』 美樹本と名乗る男は、そう答えた。 私は、こう思った。 Aこの電話の男と、私が殺した男は、同姓同名の別人だなのだろう。 Bこの電話の男は、美樹本洋介に成りすましているのだ。 Cきっと、あの事故は私の妄想だったのだろう。 Dあの事故は『かまいたち』が私を試すために仕組んだことだ。
459 :
名無しのオプ :2007/12/13(木) 08:23:04 ID:Wd5CG0b0
Dで
460 :
名無しのオプ :2007/12/13(木) 08:27:55 ID:jw4cGuQA
461 :
名無しのオプ :2007/12/13(木) 08:44:30 ID:cKJJTtb3
選択肢が出てくる前の時点で、美樹本の正体は田中か村上が計画を滞りなく進める為に、 組織から派遣させた人物だと思い込んでしまった自分は負け組w いや、Bを選べばその可能性もあったのか?
462 :
名無しのオプ :2007/12/15(土) 01:35:10 ID:9XMUl1VF
何かかまいたちっぽくないね
463 :
名無しのオプ :2007/12/15(土) 07:43:16 ID:mAyBeRNs
464 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 00:56:11 ID:4+TIdu9N
D. 先程の4WDで逃げるしかない。 ぼくは、4WDのキーを捜すことにした。 「真理、ここはもう駄目だ! さっさと逃げるんだ! 裏手にオーナーの4WDがあっただろ? あれで逃げよう!」 「でも…、鍵はささってなかったわよ。」 「しょうがない、それを探すんだ。 まずはオーナーの部屋に行こう!」 ぼくと真理は小走りにオーナールームへ向かった。 オーナールームのドアの前に立ったぼくは、ドノアブに手を掛けた。 …? 何か違和感を感じる。 ドアの向こうに誰か居る。 誰かが、オーナールームにいるのだ。 ぼくは小声で言った。 「真理、中に誰か居るようだ。 恐らく、中に居るヤツはまだぼくたちの存在に気付いていない。 そこで、ぼくは先手を打つ。 真理はここに隠れているんだ。いいね?」 「…分かった。」 ぼくはモップを構えると、ドアを一気に押し開けた。
465 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 00:58:52 ID:7/IYCLV1
466 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 01:09:23 ID:4+TIdu9N
オーナールームはデスクの電気スタンドの電気の明かりだけが 点いており、それが部屋全体をうっすらと照らしていた。 そして、デスク付近に人が居た。 ぼくは問答無用でそいつをモップで何度も何度も叩いた。 「やめなさい!」 モップでの襲撃にあったそいつは、血塗れで怒鳴った。 ぼくは攻撃をやめて、相手の顔を良く見た。 …みどりさんだった。 「みどりさんでしたか! すいません! ところでこんな場所で何をしていたんですか?」 「人にこれだけの重症を負わせておいて、すいませんの一言だけ?」 ぼくは止めを刺した。 面倒臭かったのだ。 みどりは放置した。 鍵を探さなくてはいけない。 手当たり次第に探したが、何も見付けられなかった。 ぼくはオーナールームを後にした。
467 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 01:22:04 ID:4+TIdu9N
「どうだった?」 部屋を出るなり、真理が駆け寄ってきた。 「ああ、何もなかったし、誰もいなかったよ。 次は俊夫さんたちのスタッフルームを探そう。」 スタッフルームの前に来た。 スタッフルームには明かりが点いているようだった。 今は、シュプール全体が停電しているはずなのに…。 ぼくは、先程と同じように、モップを構えつつ部屋に入った。 中には、俊夫さんと美樹本さんがいた。 「美樹本さん!俊夫さん! こんな所に居たんですか!?」 「透くんか。 今、僕は俊夫くんと作戦会議をしていたところだ。」 美樹本さんは、腕組みをしながた言った。 「作戦会議…ですか?」 「そうだ。 小林の居所を突き止めた。 しかし、ヤツは巨大生物を武器に、地下に立て篭もっている。 何とかして、巨大生物を無力化しなくてはいけない。」 なるほど…、ところでぼくは何をしにここへ来たんだっけ? A. 美樹本さんたちに協力して、諸悪の根源である小林を捕まえるのだ。 B. 4WDで逃げるのさ。 C. ぼくは前から気に入らなかった俊夫をモップで叩いた。
468 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 01:29:05 ID:nzLixtaM
469 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 06:49:43 ID:O+c4f1L4
>>466 >「やめなさい!」
>モップでの襲撃にあったそいつは、血塗れで怒鳴った。
>「人にこれだけの重症を負わせておいて、すいませんの一言だけ?」
>ぼくは止めを刺した。
>面倒臭かったのだ。
この流れにワロタ
みどりさん、全然重症に思えないw
470 :
名無しのオプ :2007/12/16(日) 13:29:06 ID:Deal3roL
透外道w
471 :
名無しのオプ :2007/12/19(水) 23:29:07 ID:BQTkF/B3
>>467 の続き
B. 4WDで逃げるのさ。
そうだった。
ぼくと真理は、この悪夢の館から一刻も早く退散しなくてはならない。
「透くん、何か良い手はないかな?」
美樹本さんが真剣な眼差しを向けながら聞いてくる。
今すぐに逃げ出したい、などとはとても言える雰囲気ではない。
「そ、そうですね、巨大生物と言っても、単に動物が巨大化しただけですから、
食べ物に弱いんじゃないですか?
ただでさえ食べ物で釣れそうなところ、さらに、巨大化で
食欲も増大しているはずですよ。」
ぼくは適当に言ってみた。
しかし、美樹本さんと俊夫さんの反応は予想外のものだった。
「なるほど!
やるじゃないか、透くん!
さっそく、キッチンに行こうじゃないか。
ありったけの食い物をビニール袋に詰めるんだ!」
やっかいなことになった。
断ることも出来ず、仕方なくキッチンへ付いて行くことになった。
472 :
名無しのオプ :2007/12/19(水) 23:35:53 ID:BQTkF/B3
キッチンへ行く途中、真理が小声で話しかけてきた。 「どうするのよ、透。 4WDの鍵を探すんじゃなかったの?」 「だって、しょうがないじゃないか。 この雰囲気で断ったら、モップで何度も何度も叩かれるのが オチってもんだよ。」 真理は不服そうな顔をしたが、それきり黙ってしまった。 キッチンへ付いた。 懐中電灯で冷蔵庫を照らす。 扉を開けると、ぼくたちは手分けして食材をビニール袋に詰め込んだ。 「ようし、これだけあれば何とかなる。 あとは、念のため、キッチンの包丁も武器として持っていくか。」 美樹本さんは、キッチンにあった巨大な肉切り包丁を腰に装着した。 「それで、小林オーナーはどこに?」 「オーナールームのベッドに下に、隠し部屋へと繋がる地下通路がある。 そこから先が、小林の研究室だ。」 「さっさと行こうぜ。」 俊夫さんが先頭に立ち、ぼくたちはオーナールームへ向かった。
473 :
名無しのオプ :2007/12/19(水) 23:40:51 ID:BQTkF/B3
オーナールームに到着し、周りを見渡す。 …! 「おい…、俊夫くんがいないぞ…!」 美樹本さんが震える声で言った。 停電中の暗闇で、途中ではぐれてしまったのか? 「どうするの、透?」 A. 「俊夫さんを探すのが先決だ。」 B. 「小林オーナーが優先だ。」 C. ぼくは美樹本さんを無視して、4WDの鍵を探した。
474 :
名無しのオプ :2007/12/20(木) 00:08:38 ID:JQpomMXv
Bで
475 :
名無しのオプ :2007/12/23(日) 20:59:13 ID:Twlr1PVi
>この雰囲気で断ったら、モップで何度も何度も叩かれるのがオチってもんだよ。 それこそ我々が待ち望んでいる展開だというのにw
476 :
名無しのオプ :2007/12/25(火) 11:18:43 ID:Ji/UE1C1
かまいたちの夜2妄想偏におけるシュプールの出来事を読みたいな。 あれは透辛いよな・・・。 だからって(メール欄)は駄目だが。 逆にあのエンディングの後透どうなったんだろって興味もある。
477 :
名無しのオプ :2007/12/26(水) 17:25:29 ID:B05KUMwJ
>>476 さんが書いてください。
楽しみに待ってます。
478 :
名無しのオプ :2007/12/30(日) 21:21:15 ID:HItPsKJw
いや無理w
ほしゅ
480 :
名無しのオプ :2008/01/02(水) 04:09:20 ID:SFtt9Y8h
ようやく覚えたボーゲンでなんとか麓のレストハウスまでたどり着き、ぼくは一息ついていた。 真理はそんなぼくの目の前で、雪をけたてて鮮やかに止まった。 ゴーグルが粉雪まみれになって、何も見えない。 「あは、透ったら、雪だるまみたい」 真理の笑い声が聞える。 ぼくはゴーグルをはずしながら、からだに ついた雪を払い落とした。 A「どうせぼくは滑るより転がるほうが似合ってますよ」 B「あけましておめでとう」
481 :
名無しのオプ :2008/01/02(水) 16:07:31 ID:v3pxK9QN
482 :
名無しのオプ :2008/01/02(水) 16:11:09 ID:uM4arIpt
真理はポカンとした目を僕に向けた。 「透、何言ってるの? まだクリスマスも終わってないじゃない」
483 :
名無しのオプ :2008/01/03(木) 22:22:44 ID:t8BDWvVm
ぼくは反射的に自分のデジタル時計を見たが、どうみても1月だ。 壊れてしまったのだろうか。
484 :
名無しのオプ :2008/01/04(金) 02:49:03 ID:SV6N//o2
「真理、きみは、今日は何月何日だと思っているんだい?」 ぼくは不安に思いながら尋ねた。 「え?2008年の12月20日に決まってるじゃない」 ぼくは愕然とした。 ぼくの認識の中では、今日は2008年の1月4日だったからだ。 どういうことなのだろう。 Aタイムスリップに違いない。 B記憶喪失に違いない。
485 :
名無しのオプ :2008/01/04(金) 07:40:02 ID:B4Gei8Q2
486 :
名無しのオプ :2008/01/09(水) 01:34:30 ID:uLc0IFi8
捕手
487 :
名無しのオプ :2008/01/09(水) 01:45:42 ID:F6WpPbHP
,-、:':ヽ _ ,.:‐、:^ヽ ,.:'::::::::::::::::) ,.:'´:::::::ヽ ,':::::::::::::::::', (::::::::::::::::::::) ,!::::::::::::::::::i ,.!:::::::::::::::::::::'、 . (;:::::::::::::::::::::'、 i:::::::::::::::::::::', ヽ- 、::::::::::r -:' ,.'::::::::::::::::::::::::i、 _,':-':::::::::::::'-.、 ,...::'´:::::::::::`::‐:.、 . ,'::::::::::::::::::::::::::::::'、 ,:':::::::::::::::::::::::::::::::`:.、 !:::::::::::::::::::::::::::::::::', . !::::::::::::::::::::::::::::::_':、. ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ,'::::::::::::::::::::::::::::::i ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ,'::::::_::::::::::::::::::;::::::', !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::', !::::::',.,':::::::::::::::i'::::::,' !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::i';::::::::', . '、::::::::::::::::::::::::::::;:' i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;! !::::::::::::::::::::::::::::','、::::::'、 'i:::::::::::::::::::::::::;' `;::::::::::::::::::::::::::::::::::::';!::::',. !::::::::::::::::::::::::::::::i ',::::::;! !::::::::::::::::::::::::! ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::_:;::' ':;::::::::::::::::::::::::::::i !:::::'、 i:::::::::::::::::::::::;! !:::::::::::::::::::::::::::::::::::i i::::::::::::::::::::::::::::i. i::::;' 、!
488 :
名無しのオプ :2008/01/09(水) 22:11:36 ID:9vosWI5J
一番左の人って、ストックで突き刺してくる人だったけ?
489 :
名無しのオプ :2008/01/14(月) 09:08:57 ID:4VHusAV5
保守党
490 :
名無しのオプ :2008/01/17(木) 02:22:15 ID:aDDH1Iq5
あれだけたくさんいた書き手さんはどこに消えたんですか
491 :
名無しのオプ :2008/01/17(木) 03:28:30 ID:whlyvhkb
ちょうど書き手さん方の執筆ペースがカブッているだけと信じてる 何ヵ月でも気長に待ちます
492 :
名無しのオプ :2008/01/18(金) 02:48:55 ID:WZNavc72
自分も何ヶ月でも待ってるよ。
493 :
名無しのオプ :2008/01/20(日) 07:36:56 ID:uuZBQauY
自分も何ヶ月でも待ちます。 一気に来た時の感動もデカイし。
494 :
名無しのオプ :2008/01/22(火) 10:22:46 ID:ESMKVYex
あげ保守ここは守り続ける
495 :
名無しのオプ :2008/01/26(土) 02:46:27 ID:p2HRGep5
保守
496 :
名無しのオプ :2008/01/28(月) 22:44:01 ID:o3oJAQ8x
気長に保守
497 :
名無しのオプ :2008/01/28(月) 23:39:07 ID:OWwqZrfQ
今気付いたが、実は前スレまだ落ちてないんだなw
498 :
名無しのオプ :2008/01/29(火) 06:55:32 ID:Mh+dN9/3
こんや ひさしぶりに つづきを かく
499 :
名無しのオプ :2008/01/29(火) 17:14:40 ID:J8YwA9Eb
>>498 例えネタでもwktkしてる自分がいる。
書き手さん達も、あまりの過疎っぷりに投下するタイミングをうかがってるだけかもしれないし。
来る時は一気に来るしなあ。このスレのこういう所が好きなのだけど。
>>497 専ブラにブクマしてるんで知ってたよ。
前スレ465の偉そうなレスが不愉快で何度書き込みしそうになった事か。
でもたった一度のレスで、せっかくスルーしてる住人達の気遣いが
一瞬でパアになると思うと出来なかった。
465の言い様を信じて、放置してたらすぐに落ちるんだろうとも思ったし。
だけど結局半年経っても落ちないじゃねーかよ。
しかもその下にまだ30スレもある。
なんだったんだあの465は。
締めくくりにスレ汚ししやがってうえに、板に負荷かけてんの自分じゃねーか。
501 :
名無しのオプ :2008/01/30(水) 05:43:32 ID:Jy5H88gc
502 :
名無しのオプ :2008/01/30(水) 08:04:31 ID:joWz60Fi
503 :
名無しのオプ :2008/01/31(木) 23:11:00 ID:icAmr61G
>>473 の続き
B. 「小林オーナーが優先だ。」
「俊夫さんは、ぼくが途中でモップで何度も何度も叩きました。
それよりも、急いで小林オーナーを捕まえないと!」
ぼくは力強く、そして、爽やかに言った。
「そ、そうだな!」
美樹本さんも納得してくれたようだ。
ぼく、真理、美樹本さんの3人は、オーナールームの扉を開けた。
部屋にはベッドが二つある。
「こっちのベッドの下に、通路がある。
手伝ってくれ。」
ぼくと美樹本さんは、ベッドを移動させた。
なるほど、その部分の床は、若干色が違っている。
フタをずらし、中へ入る。
504 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 01:06:23 ID:DuJlXTRR
>>503 来たー!!
一気に投下しないジラしプレイもこれまたw
続きをゆっくりと待ってます。
505 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 04:47:24 ID:ApiMNVba
>>503 爽やかになんちゅうこといってのけるんだこの透は…
506 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 10:55:40 ID:aEV1syn9
納得すんなよミッキーwww
507 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 20:48:49 ID:8/TpzZn6
中の通路は、ぼくの予想に反し、広くて明るかった。 丁寧に整備されているという印象だ。 5分ほど歩くと、右側の壁にスイッチがあるのを発見した。 「このスイッチ…、一体何でしょうね…?」 「透、押してみなさいよ。」 「何言ってるんだよ、罠かもしれないじゃないか。」 そんなやり取りをしている隙に、美樹本さんが無表情でスイッチを押した。 「美樹本さん!何てことしてくれるんですか!」 「大丈夫だよ。俺の勘は鋭い。これは隠し通路へのスイッチだ。」 美樹本さんがスイッチを押してから10秒くらいたった後、 スイッチのあった壁が横にスライドし、中から巨大生物が出てきた。 体長4メートルクラスの、ビッグ・ドッグだ。 巨大化ジェニーとは危険度のレベルが違う。 あの牙で噛まれたら即死だろう。 「きゃぁーーーッ!」 真理が絶叫する。 この糞馬鹿野郎・美樹本のせいで、全滅の危機だ。 どうする…? A. 美樹本さんを突き飛ばして、その隙に逃げる。 B. 持ってきた食糧を壁穴の中に投げ込み、すかさず壁を閉め直す。 C. 『イマジン』を熱唱し、世界平和を訴える。 D. 真理の体術に期待する。
508 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 22:00:52 ID:ElTSI+bk
Aでお願いします。
509 :
名無しのオプ :2008/02/01(金) 22:55:08 ID:+yVHQUpC
うん。ここはAだ。
510 :
名無しのオプ :2008/02/03(日) 13:01:03 ID:j89GnqM1
511 :
名無しのオプ :2008/02/03(日) 18:15:45 ID:qJH3f7F1
512 :
名無しのオプ :2008/02/03(日) 18:35:50 ID:j89GnqM1
>>511 いや、別に「同化してる」と「どうかしてる」をかけた訳じゃ
513 :
名無しのオプ :2008/02/04(月) 09:09:44 ID:foh5Oc/6
_, ,_ パーン ( ‘д‘) ⊂彡☆))Д´)
514 :
名無しのオプ :2008/02/04(月) 13:51:03 ID:RP+KLesJ
お前ら大好きだwww
515 :
名無しのオプ :2008/02/04(月) 17:24:40 ID:1HK0D1+K
「ここはどこだ?」 ぼくは真っ暗な部屋に閉じ込められていた。 真理が1つの書き置きを残して、一週間前に行方不明になった事を思い出す。 「今時、秘密結社は実在しないはずだ。空想上の存在にすぎないはずだ」 何やら怪しげな会話が聞こえてきた。ぼくは話の内容を聴き漏らさないように耳を傾ける。 「例の人体実験は成功したのか?」 男性らしき声が聞こえる。彼は科学者だろう。 しかし、彼の言動から見て、よからぬ事を考えているのは容易に想像できる。 さて、どうする? A話を最後まで聞く B部屋から脱出する方法を考える 誰でも続きを書いても構いません。 選択肢だけ選ぶのも、選んだ選択肢で先まで書き進めるのも自由です。
516 :
名無しのオプ :2008/02/04(月) 18:19:29 ID:1HK0D1+K
書き手が一人でも増える事を祈って執筆させて頂きました。今後ともよろしくお願いします。
517 :
名無しのオプ :2008/02/05(火) 06:00:12 ID:faBqBNd0
>>515 新作キター!
とりあえず選択のみのAでお願いします。
518 :
名無しのオプ :2008/02/05(火) 17:03:04 ID:HRG3mq6A
「チーフ、実験は順調に進んでいます。だが薬の副作用により、『彼女』は非常に危険な状態です」 今度は女性らしき声が聞こえてきた。どうやら科学者は女性からチーフと呼ばれているようだ。 真理が行方不明になった事件と、被験者らしき『彼女』と何らかの関係があるのではないか? すると、どこからか白髪を生やした老紳士がぼくの前に立っていた。 「あなたは、誰なんですか?」 「君が矢島透君だね?どうやらボスが君に見せたい物があるそうだ」 彼は大変穏やかな口調でぼくに話し掛けてきた。だが、彼の瞳は怪しい光を帯びているようにも見える。 「見せたい物?まさか、チーフと名乗る男が言っていた『彼女』の事ですか?」 「よくご存知だね。君に1つだけヒントを与えよう。『彼女』は君にとって親しい人物だ」 嫌な予感がした。もしや『彼女』とは・・・ A「真理だ」 B「春子さんだ」 C「みどりさんだ」 D「夏美さんだ」 ちなみに先の展開を考えるのは誰でも構いませんが、選択肢だけ選ばれた場合はできる限り自分で書いていこうと思います。
519 :
名無しのオプ :2008/02/06(水) 01:02:34 ID:LuFW6Ns1
A
520 :
名無しのオプ :2008/02/07(木) 22:07:16 ID:sSDBnhPW
>>518 A「真理だ」
ぼくは確信した。彼らこそ真理を誘拐し、怪しげな薬品の実験台として扱っている連中だと。
「何を恐れている?『彼女』いや、小林真理に再会したいと思わないのかね?」
「あなた達は何を企んでいる?真理は、真理はどこにいる!?」
「いずれ分かる。だがそれを知ったとしても、君一人ではどうにもならんよ」
抑え切れない怒りを胸に、ぼくは彼に施設の地下室に案内された。
厳重に封印されている地下室の扉は返り血が染み付いており、見る者に威圧感を与えるには十分すぎる程だった。
「我孫子さん、彼を『彼女』の元に連れて行くのは危険です!」
隣の部屋からチーフと呼ばれた男が、老紳士に警告を促すために現われる。
「その名前で呼ぶのはやめたまえ。オールドマンと呼んでもらおうか」
我孫子。その老紳士の名前には聞き覚えがあった。
521 :
名無しのオプ :2008/02/09(土) 20:06:54 ID:zDpwV9RH
>>507 の続き
A. 美樹本さんを突き飛ばして、その隙に逃げる。
「…真理、ぼくが合図したら、出口の方へ全力で引き返すんだ。」
「美樹本さんを裏切るのね?」
「そうさ。
これ以上、ここにいたら巨大生物に食われてしまうよ。
後は、自衛隊にでも任せればいいんだ。」
ぼくは小声で真理に指示すると、美樹本さんに全力でタックルした。
「今だ!」
ぼくの声を聞いた真理は、全力で出口方面へ走り出した。
一方、ぼくのタックルを受けた美樹本さんは、ビッグ・ドッグの方へ
突進するように突っ込んでいった。
ビッグ・ドッグは美樹本さんにじゃれついた。
「ぎゃぁぁぁ…!」
恐るべき腕力で美樹本さんにじゃれついたので、
美樹本さんの全身が砕け散ったようだ。
それを見届けると、ぼくも真理を追って逃げた。
522 :
名無しのオプ :2008/02/09(土) 20:12:14 ID:zDpwV9RH
走りに走り、ようやく出口へ辿り着いた。 すると、出口の前で、真理が立ち止まっているのが見えた。 「おーい、真理! 何やってるんだい?」 ぼくが駆け寄ると、真理の前に、ぼくがモップでメッタ打ちにした 俊夫さんがいた。 「と、俊夫さん…! 生きていたんですね? 良かった…、とても良かった!」 ぼくは無表情で言った。 「透くん、先程は凄いことをしてくれたもんだね。 だが、俺はこの程度では死にはしないのさ。」 さあ、美樹本さんの元へ戻るんだ。 小林オーナーを野放しにはできない。」 「ちょっと待って下さい。 美樹本さんは巨大犬に全身を砕かれて死んだはずです。 戻っても無駄でしょう。 それに、この面子で小林オーナーに挑むのは無謀ですよ。 警察か自衛隊を呼んだ方が良い。」
523 :
名無しのオプ :2008/02/09(土) 20:16:33 ID:zDpwV9RH
「警察や自衛隊は呼べない。 外は猛吹雪、いつ来れるか分からないんだぜ? その隙に、小林オーナーが逃げたらどうするんだ? あと、美樹本さんは死んでなんかいないぜ。 戻ってみれば分かる。 さっさと、引き返すんだ。」 俊夫さんはやけに強気だった。 A. ここは素直に戻る。 B. 俊夫ごときが…! ぼくは俊夫をモップで何度も何度も叩いた。
524 :
名無しのオプ :2008/02/09(土) 20:48:11 ID:DWVImAkj
どこまで性格悪いんだこの透は!もっとやれ。 選択肢は別の人にお任せします。
525 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 01:34:45 ID:DmoFb738
>>523 B爆笑したんですが気になるのでAでお願いします
526 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 06:53:07 ID:/OfpOorq
いくらモップで叩いても俊夫は死なないとみた。美樹本も俊夫もゾンビかよw とりあえず、俊夫の言うとおり生きてるはずの美樹本が、 全身の骨が折れて軟体動物状態になったまま動いてるのか、 今までの事はなかったかのようにピンピンしてるのかが気になるw
527 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 21:42:39 ID:KlENQHvw
>>523 の続き
A. ここは素直に戻る。
ぼくは俊夫さんに素直に従った。
と、いうのも、俊夫さんの右手を見ると、小型の拳銃を持っていたからだ。
ここで逆らったら射殺される可能性がある。
再び“事故現場”へ戻ると、ビッグ・ドッグが横たわっていた。
グッタリしている。
一目見て、死んでいるのが分かった。
「これは…一体…。」
「だから言っただろ?
美樹本さんさ。美樹本さんが巨大犬を仕留めたのさ。」
「しかし、ぼくは確かに見ましたよ。
美樹本さんが全身を砕かれるシーンを。」
「砕かれてなんかいないのさ。
美樹本さんも俺も、独自の軟体術を使えるんでね。」
ビッグ・ドッグの死体の影から美樹本さんが顔を出した。
「やあ、透くん。
酷いことをしてくれたもんだね。
ま、大事には至らなかったので、今回は若気の至りということで
許してあげようじゃないか。
さあ、小林オーナーの元へ急ごうか。」
変態だ。
小林オーナーだけでなく、こいつらもイカレてやがる。
528 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 21:50:35 ID:KlENQHvw
数分歩くと、ぼくたち四人はついに小林オーナーの研究所へ到達した。 「いよいよだな。 透くん、真理ちゃん、俊夫くん、 小林オーナーと対峙するに当たって、一つだけ注意して欲しいことがある。 それは、ヤツを殺してはならないということだ。 必ず、必ず生け捕りにするんだ。」 「そりゃ、殺したら殺人犯ですからね。 言われなくたって殺しませんよ。 …でも、何故です? 何故生け捕りが絶対に必要なんですか?」 「それは知らない方が良い。」 美樹本さんは鋭い目付きで、警告するように言った。 「ようし、開けるぞ。」 美樹本さんは、研究所の扉をハッキングしてこじ開けた。 中へ入ると、広い空間の中央にある椅子に、小林オーナーが まるで帝王のように踏ん反り返っていた。 芝居掛かった拍手をしながら、口を開いた。 「やあ、勇敢な諸君。 よくここまで生きて辿り着けたものだ。 まったくもっ。」 ぼくは小林オーナーをモップで何度も何度も叩いた。 まだ話途中だったが、芝居臭い態度を見かねたのだ。
529 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 21:53:28 ID:KlENQHvw
「透くん! それ以上やると、逝ってしまうぞ! やめるんだ!」 背後から、美樹本さんの怒号が飛んできた。 A. うるさいんじゃボケェ。 ぼくは叩きまくった。 B. 美樹本さんの真意を探る為、言う通りにした。 C. ぼくは美樹本さんも叩いた。 D. このタイミングで、俊夫をモップで叩くのが筋だった。
530 :
名無しのオプ :2008/02/10(日) 22:05:59 ID:D2pvhy0M
Bでお願いします
531 :
名無しのオプ :2008/02/11(月) 00:38:59 ID:x8NTGEIP
やばい。
真相究明が殴打衝動に凌駕されつつある。
これじゃ透と書き手の思う壷だ。
>>530 が冷静で良かった。
532 :
名無しのオプ :2008/02/11(月) 20:45:50 ID:eGgghsCR
>小林オーナーだけでなく、こいつらもイカレてやがる。 お前が言うなwwwww
533 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 00:05:09 ID:2FTBUT7b
>>529 の続き
B. 美樹本さんの真意を探る為、言う通りにした。
「すみません、冷静じゃありませんでした。」
美樹本さんの声を聞いたぼくは、すぐさま攻撃をやめた。
瀕死の小林オーナーの前に美樹本さんが立ちはだかる。
「さて、と。
小林オーナー、巨大生物の研究内容の全てが記された
ディスクを渡してもらおうか。」
「アレはお前なんぞに扱いきれるもんじゃない。
やめておけ。」
「死にたいのか?」
美樹本さんは、懐から拳銃を取り出し、小林オーナーに向けた。
「ふひひ、私を殺してみろ。
それこそディスクの場所が永久に分からなくなるぞ。」
「そう来ると思ったよ。
しょうがないから、こいつを使わせてもらう。」
美樹本さんは、拳銃を仕舞うと、今度は注射器を取り出した。
「そ、それは…!」
余裕をかましていた小林オーナーが青ざめる。
「自白剤だ。
かなり強力なヤツでね、自白した後は廃人になってしまうのさ。」
美樹本さんは、この時、目がイッていた。
534 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 00:11:49 ID:+sPfs46A
「美樹本さん! ちょっと待ってくれ!!!」 突然、俊夫さんが大声を出した。 「…何だ。」 「いくらなんでも、それを使うのはやり過ぎだ!」 アルバイト応募の際の履歴書に、必ず“正義感が強い”と記す 俊夫さんの本領発揮だ。 「状況が分かっているのか? 早くしないと、警察が来てしまうだろうが。」 「ふざけやがって!」 俊夫さんはいきなり美樹本さんに飛び掛った。 もみ合いになる。 この状況でぼくは…、 A. 小林オーナーの研究を横取りしたくなった。 B. 隙を突いて逃げ出す。 C. 清原
535 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 00:23:14 ID:X7cFpDfE
Cで頼みますwwww BAD回避だと信じたい
536 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 00:24:59 ID:T0Aw82Dx
CCCCCCCCC
537 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 14:59:42 ID:VjEkNiSK
清原キタwww
538 :
名無しのオプ :2008/02/12(火) 22:03:56 ID:0bXwutbE
本当にこの人モップと清原好きだなw
539 :
名無しのオプ :2008/02/13(水) 20:51:10 ID:DVlbpiZL
>>534 の続き
C. 清原
近頃のキヨさん。
大注目のルーキー・中田翔や、阪神へ移籍した新井への
コメントなど、相変わらずぼくを楽しませてくれている。
カブレラ入団、ヒザの状態、引退危機、大幅減俸、2軍スタート…、
もはや、キヨさんは風前の灯火だ。
コメントだけではなく、実戦でも楽しませて欲しいものだ。
そもそも、楽天の山崎武のように…、
「透、何をブツブツ言っているの?」
しまった、今はキヨさんのことを考えている場合じゃなかった。
…おや?
ふと視線を研究施設の奥にやると、デスクの上に、フタをしてある
フラスコがあるのが見えた。
ぼくは、吸い寄せられるようにそこへ行った。
フラスコを手に取る。
「あっ、それはダメだ!やめろ!!!」
小林オーナーが絶叫した。
ぼくはお構い無しに、フラスコを投げ付けた。
フラスコは、俊夫さんに命中した。
540 :
名無しのオプ :2008/02/13(水) 21:01:03 ID:DVlbpiZL
俊夫さんに当たったフラスコは、粉々に砕け散った。 「うぎゃっ!」 俊夫さんが妙な声を出す。 「透くん、何てことをするんだ! 今のフラスコには、清原ウィルスが入っていたんだぞ!」 「清原…ウィルスですか?」 「キ○タマ付いとんのか!泥水!オウギサンの為に!」 突然、俊夫さんが発狂した。 「ボケッ!ボケェーーーッ!」 「もはや、手遅れだ。 このウィルスは、清原のセリフを言い続けて死ぬんだ…。」 「しょうがないですね…。」 ぼくは俊夫さんをモップで何度も何度も叩いた。 死んだ。 供養だった。 死体は隅にどけておいた。 とても邪魔だったからだ。 「ふざけるのはそこまでにしてもらおうか。」 美樹本さんがイライラしたように言った。 「透くん、小林オーナーを押さえ付けてくれ。 さっさと自白剤を注射して、ディスクを手に入れたいんでね。」 A. 言う通りにするフリをして、隙を窺う。 B. 俊夫さんを美樹本さんに投げ付けた。 C. ぼくは意を決して美樹本さんに飛び掛った。
541 :
名無しのオプ :2008/02/14(木) 00:13:06 ID:zN34GvE5
>>540 Aでお願いします
とりあえずオーナーが非常に気になります^^
542 :
名無しのオプ :2008/02/14(木) 14:46:20 ID:HzHxfVog
モップで供養www
543 :
名無しのオプ :2008/02/16(土) 17:35:17 ID:O8q7+AEm
しかもその後とても邪魔だったから死体は隅にどけておくとw
544 :
名無しのオプ :2008/02/16(土) 22:14:41 ID:YvXhMJYU
>>540 の続き
A. 言う通りにするフリをして、隙を窺う。
「分かりました。」
ぼくは美樹本さんに従い、小林オーナーを羽交い絞めにした。
「…透くん、話を聞いてくれ。」
小林オーナーが囁く。
「何ですか。」
「美樹本の奴は、私の研究を奪い、悪用しようとしているんだ。」
「小林オーナー、あなたのやっていることも悪事と言えるんじゃないですか?」
たった今、俊夫をモップで殺ったぼくが、偉そうに言ってみた。
「違うね。
私の巨大化技術は、やがてくるであろう人類の食糧自給問題への
切り札となり得るのだ。
世界の平和と安定に寄与する、崇高な研究なのだよ。」
ぼくはこの時、小林オーナーをモップで何度も何度も叩きたくなったが、
グッとこらえた。
「…あなたの言っていることを信頼しましょう。
少なくとも、美樹本よりは安全そうだ。
…で、どうするんですか?
相手は銃を所持している、いや、銃だけじゃない。
何をしでかすか分からないですよ。
巨大犬も軽々と始末してますしね。」
545 :
名無しのオプ :2008/02/16(土) 22:24:57 ID:YvXhMJYU
「奴が自白剤を注射しようと近付いてきたら、 これを奴の口にねじ込むんだ。」 小林オーナーはポケットからカプセルを取り出すと、 後手にぼくに渡した。 「さて、小林オーナー。覚悟してもらおうか。」 美樹本が近付いてくる。 ぼくは、慎重にチャンスを窺う。 「さようなら、小林オーナー。」 美樹本が接近して、口を開いた瞬間、ぼくは美樹本の口に カプセルを投げ込んだ。 カプセルは、一瞬にして美樹本の喉の奥に達し、 美樹本は飲み込まざるを得なくなった。 「透…! 貴様、何をしたんだ!!!」 小林オーナーが立ち上がった。 先程までとは打って変わり、余裕の笑みを浮かべている。 「ふひひ、それは猛毒のテトラドトキシンを凝縮したカプセル錠さ。 即効性だからな、あと1分でお前は死ぬよ。」 「ふざけやがって!」 美樹本は拳銃を取り出した。 ぼくたちを道連れにする気だ! A. ぼくはそこら中の試験管やフラスコを投げまくった。 B. 小林オーナーを突き飛ばす。 C. ぼくはノーマークの真理に全てを託した。 D. 浅田真央
546 :
名無しのオプ :2008/02/16(土) 23:41:16 ID:C3dwZQBy
ちょwww清原の次は浅田かよwww 試しにDでヨロ。
547 :
名無しのオプ :2008/02/24(日) 16:08:42 ID:jC5Rlcgu
保守
548 :
名無しのオプ :2008/02/27(水) 13:03:07 ID:j7eE74NS
ほす
549 :
名無しのオプ :2008/03/04(火) 22:54:37 ID:/01ZfiFO
ほしゅ!
550 :
名無しのオプ :2008/03/05(水) 14:30:16 ID:Hg3cjuqL
一週間くらいでsage保守しても単なるスレ汚し
551 :
名無しのオプ :2008/03/05(水) 14:43:30 ID:tLzrelOI
八ヶ月放置されても落ちない事は前スレが証明してるしな あんまり保守が続くといかにも過疎スレって感じがして侘しくなるぜ
552 :
名無しのオプ :2008/03/06(木) 01:26:13 ID:NM8MdBix
落ちないって事くらいわかってるだろ ただ何か寂しいし 待ってる人間もはいます!っていうアピールだと思ってる
553 :
名無しのオプ :2008/03/13(木) 02:02:02 ID:Y5dStl7f
もうこのスレの住人が消えてから一週間になる……。 ぼくは彼らの安否だけでも知りたいと思い A ここはageしかないだろう。早速キーボードに入力を始めた。 B 「みなさん、モニターの前に居ないんですか?」 ぼくは不安を押し隠して、カキコしてみた。 C とにかくレスが返ってくるよう、釣りネタや面白い話題を考える事にした。 D ……待てよ。これはこのスレを乗っ取るチャンスなのでは? ぼくは以前から計画していたAA連貼りを実行に移した。
554 :
名無しのオプ :2008/03/13(木) 02:35:44 ID:6JE4pmRo
Dだけはやめてくれ
555 :
名無しのオプ :2008/03/13(木) 17:51:05 ID:WAxLLUvV
556 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 00:27:39 ID:yktCd1Au
C とにかくレスが返ってくるよう、釣りネタや面白い話題を考える事にした。 決めた。Cだ。 少なくとも2人以上がこのスレを見ている事が分かった。 ぼくは>553ではない別のぼくなわけだが、この際細かい事は気にしない事にした。 さて、釣りか面白い話題だ。 釣りは…やめておこう。 別に釣り行為にたいしてマナー云々を言うつもりはない。単にぼくの釣りスキルが低いだけなのだ。 以前VIPスレで自作自演がバレ ぼくはイヤな思い出を振り切り、面白い話題を考えることにした。 面白い話題。 面白い話題。 オモシロイワダイ。 ダメだ。 全然思いつかない。 そもそも面白い話題なんてものは考えて浮かぶものではない。普段から面白い人なら考えるのではなく感じる事で面白い話題を提供できる。 それはつまりぼくが面白くない人間であるという結r 段々腹が立ってきた。 もういいや。 何もかも面倒くさくなってパソコンの電源を落とそうとしたその時だった。 『ご主人さま、メールが届きました』 メーラーがなにかを受け取ったようだ。 A:こんな時間に非常識な奴だ。ぼくは用件も見ずに削除した。 B:真理だ!真理からのラブコールに違いない! C:電源を落とさずエロ画像集めに精を出すことにした。 D:桑田
557 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 01:20:25 ID:8seTlDhD
B 続くと信じてw
558 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 01:47:30 ID:yktCd1Au
B:真理だ!真理からのラブコールに違いない! ぼくは携帯を取り出してメールをチェックした。 こんな時間にこっそりメールを出すなんて、まったく真理にも困ったもんだ。いくらぼくが魅力的すぎるからって、なにも照れることはないのに。まぁそんなところが可愛い…あれ? なにもない。 受信メールは空っぽだ。 どういうことだ? 仮に真理からのメールでないとしても、何かしらメールは残っているはず。 そうだ。 考えてみればあれはパソコンのメーラーの着信音じゃないか。以前あのメイドさんボイスを携帯の着信に使っていて真理から 「キモイwww氏ねwww」 とか言われた事もあったっけ。 …くそ、またイヤな思い出してしまったじゃないか。 今日は厄日か、全く。 それもこれも、こんな時間に紛らわしいメールを送ってきた奴が悪いのだ。 ぼくはムカムカしながらOEを開いた。 でも真理からのメールだったら許してあげてもいいかな…などと思っていたが、差出人は見た事もない奴だ。 なんだ、やっぱり真理じゃないのか。誰だよ、kamaitatiって。ふざけやがって。件名も白紙じゃないか。半角か全角スペースを打ったな。まったくバカにしている。 そのままメールを削除してやろうと思ったが、うっかりマウス操作をミスして開いてしまった。 やばい。ウィルスとかだったらどうしよう。添付はなかったから大丈夫だと思うが…。 そして全画面に開いてしまったメールの中には一行だけ こんや 12じ だれかが しぬ と書いてあった。
559 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 01:49:21 ID:yktCd1Au
…。 今夜、12時、誰かが、死ぬ? なんだ。 なんなんだ、これは。 いたずらか? いたずらなのか? 勿論だ。それ以外のなんだっていうんだ? 悪質ないたずらだ。そうに決まってる。 こんや 12じ だれかが しぬ …。 いたずらだ。そうに決まっている。だってそれ以外考えられないだろう?そうだとも。そうだ透、冷静になれ。他愛の無い、ちょっと悪質ないたずらだ。 こんや 12じ だれかが しぬ そうは思っても、僕は画面から目を背ける事が出来なかった。 メールを閉じることも。 目の前の、たった一行の文章が、金縛りのようにぼくの動きを封じている。 ぼくは… A:やっぱり、いたずらだ。そう思い込むにした。 B:念のため警察に言ったほうがいいと思った。 C:12時を待たずに自分が死んでみることにした。
560 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 04:40:28 ID:E+m5g+W1
>>559 作中時間がいつなのか気になるな。
23時過ぎでも0時回ってても、「こんな時間にメール?」はおかしくないし。
という事でCで。
561 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 15:57:17 ID:yktCd1Au
C:12時を待たずに自分が死んでみることにした。 そうだ。 何も悩むことなんかない。 かまいたちの言う事は絶対だ。 だいたいこのスレのタイトルを100回見直してみるといい。かまいたちって書いてるじゃないか。 かまいたちとついてさえいれば何が起こっても許されるんだ。 かまいたちが、誰が死ぬと言ったら誰か死ななければいけないのだ。これは世の中の摂理だ。定説だ。絶対法則だ。 そうに違いない。 だが残念ながら現在のところ登場人物はぼく一人だ。真理はまだ回想シーンでしか登場してない。台詞も「きめぇwww」だけ。 ならば誰が死ぬのか? そう、ぼくしかいない。 ふと、部屋の隅にあるモップが目に入った。 ああ、これは魔法のモップだ。 今まで数多くの住人の心を和ませてきた、魔法のモップだ。 ぼくはモップを手に取ると自分の頭めがけt A:ご愛読ありがとうございました。引き続きかまいたちスレをお楽しみください。 B:「こんな終わり方でいいのか!?」ぼくは選択肢を選び直した。
562 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 16:35:47 ID:8seTlDhD
B
563 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 16:53:43 ID:yktCd1Au
B:「こんな終わり方でいいのか!?」ぼくは選択肢を選び直した。
弱った。
どうやらスレ住人はぼくを解放してはくれないらしい。
地雷選択肢を選んでくれた
>>560 に密かに感謝していたというのに。
どうやらぼくはここの住人を甘く見ていたようだ。
こうなってしまうとウソでもなんでも書き進めるしかない。住人から「お前はつまらん、もうやめろ」と言われるその日まで。
さて気を取り直して…ええと、なんの話だっけ?
A:「本編に戻れアホ」
B:「お前はつまらん、もうやめろ」
C:「清原」
564 :
名無しのオプ :2008/03/14(金) 18:24:51 ID:YkC5uQm9
びry いやAで
565 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 01:06:26 ID:8pZVXQOU
A:「本編に戻れアホ」 住人に怒られたような気がするので現実逃避をやめることにした。 しかし、これはどうしたらいいんだろう? 警察に言うにしても、こんなことを相手にしてくれるだろうか? 下手すればぼくのほうがいたずら者扱いで怒られかねない。 それに、大学もほとんど行かずニート寸前で毎日炉画像ばかり漁っている身としてはあまり警察に関わりたくないというのもある。 じゃあ残る選択肢は…やはりいたずらとして忘れてしまうことだけだ。 それが一番現実的だ。 だいたい、これで人が本当に死んだとしても、ぼくに何か責任があるだろうか? …ない、はずだ。多分。 とにかく、ぼくはもう寝てしまうことにした。 電源を落とし、布団にもぐりこみ、寝る前にはじめる美少女メイドの妄想を浮かべて寝てしまえばいい。いつもと同じように。いつもと同じように…。 こんや 12じ だれかが しぬ この一文がぼくの頭の中に焼きつき、結局眠れたのはそれから2時間ほど過ぎてからだった。
566 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 01:11:16 ID:8pZVXQOU
朝06:00。 眠りについたのが午後4時過ぎだったと思うから2時間しか眠れなかった。 昨日のあれは結局なんだったのだろうか。 ぼくは… A:もう一度パソコンを立ち上げてメールを見てみよう。 B:気分転換に大学に行くことにしよう。 C:だるい。二度寝しよう。 D:モップ
567 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 04:45:05 ID:qylZ4gay
>>566 たまには外に出なさい、という事でBを。
568 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 05:12:49 ID:ynN/SCa0
モップも清原も加齢にヌルーされていてバロス
569 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 20:31:25 ID:0Mceve0N
ここであえてポロリ選択肢を入れようぜw
570 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 21:03:34 ID:8pZVXQOU
B:気分転換に大学に行くことにしよう。 こんなぼくでもたまには、本当にたまには大学に行くこともある。 普段ならこんな気分の時はVIPを除いて適当に煽りあいをしながら1日を過ごすのだが、今日は大学に行くことにした。 面倒くさいんで行きたくないのだが、住人が望むなら仕方ない。 そうだ、大学には真理がいるじゃないか。 ゼミもサークルも全く違うから会える確立は少ないが、それでも0じゃない。 そう思うと、少しづつ大学に行く気が出てきた。 よし、学校へ行こう! …本当のところ、あの不気味なメールから物理的に離れたかった、というのもある。 久しぶりのキャンパスライフは実に不愉快だった。 校門では守衛に不審人物扱いされて学生証の提示を求められるし、講師からは「お前誰?」とか言われるし、女生徒からは汚物を見るような目つきで見られた。 …そういえばここしばらく風呂入ってなかったっけ。だがそれがどうしたというんだ。 風呂に入らなかったからって死んだ奴はいない。たかが一週間くらいでガタガタ言うなんて、なんて現代社会は心が狭いんだ。そんなことでは実社会に出た時にやっていけない。 まぁ、授業中はぐっすり眠れて疲れも取れたのでよしとするか。 そんなことを思いながら帰り支度をしていると、後ろから足音が近づいてきた。香水の匂いがすることから女性だろう。どうやらぼくに用があるらしい。 彼女は… A:真理に違いない。 B:キヨさんに違いない。 C:オカマで有名な田中さんに違いない。 D:犯人だ!殺してやる! E:ポロリ
571 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 21:40:38 ID:cIBO49XS
この流れとしてはやはりEのポロリでしょうw そして、他の職人さん達はどうしてるのか気になった。 忙しい等の事情があるのだろうから更新は無理しなくてもいいけど、 まだこのスレにいるのか位は知りたい。
572 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 22:54:22 ID:8pZVXQOU
E:ポロリ ポロリ。 なんて甘美な響きだろう。 それは、例えていうならオパーイがポロリと飛び出した時のような音。 ぼくはさっそく女性のオパーイをポロリしようと思って振り返った。 「透君、ダメよ、服なんか着てちゃ」 彼女は全裸だった。 あれ? よく見るとみんな全裸だ。 先生も、他の生徒も、道ゆく人もみんな全裸だ。 「ほら、早く脱がないと逮捕されちゃうわよ」 そうか、ここは日本でも唯一のヌーディストな街だった。服を着ていると犯罪になるんだ。どうして今まで忘れてたんだろう。 ぼくはさっそく服を脱ぎ、最後のパンツに手をかけたその瞬間− ぽ ろ り ぼくの大事なムスコがパンツの中にころがっていた。 ムスコ亡きぼくの股間はまるで修正済みのエロマンガのようにツルツルだった。 そうか。 ぽろりって、ティムポがチャックの中からこぼれたときの音にもくぁwせdrftgyふじこ A:ご愛読ありがとうございました。引き続きry B:ネタ切れなんでそろそろ勘弁してください。 C:「だが断る」 ぼくはあくまで続きを書く運命にあるようだ。
573 :
名無しのオプ :2008/03/15(土) 23:08:40 ID:Cw6n2HRH
>>545 の続き
D. 浅田真央
ぼくは、思い出した。
世界のスケーター・真央浅田を。
あのトリプルアクセル、ビールマンスピン…。
憧れない訳はなかった。
最近では、年齢相応の表現力も身に付いてきた。
ぼくは踊りだしていた。
夢のように踊った。
ルッツ、サルコウ、フリップ、アクセル、色んなジャンプを魅せたかった、
現実と虚構、その別は美しい氷の盤の前に溶けていった。
ぼくはどにかく踊った。
視界の隅に、うっすらともがき苦しむ美樹本さんの姿が見えた。
その姿は、浅田真央の“くるみ割り人形”のリズムに乗っているようにも見える。
祝福されているのだ。
そう思った。
「透、どうしちゃったの!?」
真理が絶叫した。
彼女には、ぼくが発狂したように見えたに違いなかった。
分かってはいるが、ぼくはこのミッドナイト・グルーヴを止める訳にはいかなかった。
締めはトリプルアクセルや!
ぼくはそう思い、踏み切ろうとした。
ジャンプ技では、これが特に大事なのだ。ポイントにも影響する。
その時、ぼくは直角に倒れ込んだ。
頭を強打し、即死だった。
美樹本さんの死体に、
足を引っ掛けちゃったふひひひ…!
終(透、発狂END)
574 :
名無しのオプ :2008/03/16(日) 07:10:26 ID:HtIuqlqp
575 :
名無しのオプ :2008/03/16(日) 10:10:38 ID:PQUn6OBD
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1176608182/238 C 判断力を欠いていたためでしょう」
「…判断力を欠いていたって、つまり、訳も分からず割っちゃったってこと?」
「全く訳も分からずか、それとも根拠はあったけど判断を誤ったのか判らないけどね。正しい判断ができる状態じゃ無かったと思う」
「人を殺して、バラバラにしちゃったから? 興奮して?」
真理が問い詰めるように疑問をぶつけてくる。
「ううん、それはあるだろうけど」
「他に理由があるの?」
「ああ、それは
A ミネストローネのせいだろう」
B アイスのせいだろう」
C モップのせいだろう」
577 :
名無しのオプ :2008/03/16(日) 19:16:26 ID:sWF/FEj0
釘の人もキターCで
578 :
名無しのオプ :2008/03/16(日) 20:30:27 ID:oNSmhBmw
今更だけど
>>573 の、
>締めはトリプルアクセルや!
なぜかここだけ香山さんになっててワロタw
>>576 C モップのせいだろう」
「そう、あのモップには悪魔的な魅力が漲ってギラギラしています。
おかしいよね、ただのモップなのに。
でも犯人は、あのモップを手にしているうちに胸が苦しくなって、もう何かせずにはいられない気分に」
僕の喉を激しい衝撃が襲った。
「!!?」
声が出せなくなるピンポイントアタックだった。
目を遣ると、目を血走らせた可奈子ちゃんの手が、スキーストックを介してぼくの喉と繋がっているのが判った。
だって、モップなんだよ…?
終
580 :
名無しのオプ :2008/03/17(月) 08:59:02 ID:/6b4IcKh
581 :
名無しのオプ :2008/03/17(月) 18:24:21 ID:HgEBGoJL
C:「だが断る」 ぼくはあくまで続きを書く運命にあるようだ。 なんということだ。 思い切ってネタ切れを告白したというのに、なんて情け容赦の無い住人達だろう。中の人も泣いてるぞ。 スレが過疎状態ならともかく、釘の人もジェニー巨大化の人も復帰したというのに。これではぼく一人が思いつきとあてずっぽうで書いてることが丸分かりじゃないか。誤字も多いし。 これは、そう、例えて言うなら大物レスラーが怪我で長期欠場している時に突然ブレイクした新人レスラーが大物の復帰に戦々恐々とする感覚に似ている。 そういえば馬場に鶴田にエディにクリス・ベノワと偉大なレスラーがたくさん死んでしまった。 今年はメタボ全開な佐山あたり危ないと思うのだが 「ちょっと透、透ってば!」 ぼくの現実逃避を破ったのは後ろから近づいてきた女性、つまり真理だった。 「あ、ああ、ごめん。ちょっと考え事を…」 ゼミも違うのに真理に会えた。 いや、これは真理がぼくに会いに来てくれたと考えるべきか? そう考えるとさっきまでの陰鬱な気分も吹っ飛んでしまうから不思議だ。 しかし、ぼくにそんなバラ色の気持ちをプレゼントしてくれた真理はうかない顔をしている。 ぼくは… A:「どうしたの?顔色が悪いよ?」 ここはチャンスだ。ぼくは紳士ぶってみた。 B:「どうしたの?顔が悪いよ?」 ぼくは致命的なミスを犯してしまった。 C:「大丈夫。犯人なら分かってる」 犯人は美樹本さんに決まっているからだ。 D:ハルク・ホーガン
582 :
名無しのオプ :2008/03/17(月) 22:04:19 ID:wrGPlaOf
CCC
583 :
名無しのオプ :2008/03/18(火) 02:08:58 ID:fYUQS/9t
>>581 一行目にアンカーを入れてどこからの続きなのかを教えてください。
同時に何本もアップされている今みたいな状況だと混乱してしまうので。
よろしくお願いします。
それと、今まで無かった感じで面白いwので期待してます。
ヘタレ透の今後がすごく気になってます。がんばれー!
>581の続き C:「大丈夫。犯人なら分かってる」 犯人は美樹本さんに決まっているからだ。 ぼくは自信満々に言った。 なんせここはかまいたちのスレなのだ。真理が何を悩んでいるのかは知らないが、悪い事は全部美樹本さんか田中さんか、工作員小林か真理のママン(幽霊)の仕業に決まっているのだ。 「えぇ!?」 真理はぼくの言葉に眼を丸くしていた。 「本当に!?本当に犯人が分かったの!?」 真理は信じられないといった感じだ。無理もない。 だがぼくは卑しくも本編の主人公なのだ。伊達に数十回もバッドエンドを経験してはいない。 「で、誰なの?誰があんな悪質なメールを…それに、どうして私がいたずらメールで困ってるって分かったの?」 メール? メールだって? こんや 12じ だれかが しぬ まさか、いや、まさか。 「真理、そのメールっの内容って…」 「ええ、今夜12時、誰かが死ぬ、って…。私、もう気持ち悪くて…」 なんという事だ。 あのメールは真理のところにも届いていたのだ。 ぼくは… A:こんな偶然はありえない。理由はないがぼくは確信した。 B:偶然だ。ぼくは不気味さを押し隠してそう思い込むことにした。 C:猪木
585 :
名無しのオプ :2008/03/18(火) 07:58:46 ID:tRoJsvXa
かまいたちのメール編 >584のつづき A:こんな偶然はありえない。理由はないがぼくは確信した。 なんだろう、このイヤな予感は。 ちょっと考えてみよう。 ぼくと真理にあのメールが届いた。 ぼくと真理の共通点はなんだ? 同じ大学の人間というだけ。残念ながらそれだけだ。 ぼくとしてはもっと親しく接近したいのだが、現実はなかなかそうもいかない。 そうとも。だいたいうら若き男女が突然なんの脈絡もなくペンションにスキーに出かけたりとか都合のいいことがあってたまるものか。ただでさえぼくは滅多に外出しないキモヲタの引きこもりのニート寸前野郎だ。 もし二人でペンションに行くなんて事があるとしたら、それはやっぱりお互いがそれなりに 「…というわけなの。…透、ちゃんと聞いてた?」 どうやら真理はメールが来た経緯を話してくれてたらしいがぼくは全然聞いてなかった。 ぼくは… A:「ううん」 ウソはよくない。 B:「全然」 人間正直が一番だ。 C:「ちっとも」 怒った真理も可愛いなあ。 D:「そんなことよりプロレス観にいこうぜ!」 ぼくは「からけ」とかいうものが大嫌いだ。
587 :
名無しのオプ :2008/03/18(火) 08:59:21 ID:GQL1CUS2
A難しいがこれしかない
588 :
名無しのオプ :2008/03/18(火) 14:33:37 ID:tRoJsvXa
「からけ」って何かと思ったら、この透はKYって自負してるのかw
>586のつづき A:「ううん」 ウソはよくない。 「もう!ちゃんと聞いてよ!」 やっぱり怒られた。正直に言ったのに。リンカーンの嘘つきめ。いやワシントンだったかな?とにかくアメ公は嘘つきってことで。 「昨日、BARでみんなと遊んでて、解散した時だったわ。あの気持ちの悪いメールが来たのは…」 ここで真理が言うBARというのはインターネット上の遊び場、BARギコのことだ。2ちゃんねるのキャラクターとなって、キャラクターの移動と会話が出来る、いわば簡単なネットゲームみたいなものだ。 実は真理は重度の2ちゃんねらーで、今ではν速VIPでスレ立てを許されている程の有名コテだ。最初はぼくが2ちゃんねる関係の書籍を紹介しただけだったのだが、彼女はあっという間にぼくを追い抜いてしまった。 …待てよ? そうだ。 ぼくと真理にはもう一つ、いや、二つの共通点がある。 「私がBARに来たのは透がログアウトした後だけど…」 ぼくも昨日はあのBARで遊んでいた。あのBARには人が多く集まるし、下手なネトゲより面白い。そうか、昨日は真理も来ていたのか。もっと粘っていればよかった。 とにかく、ぼくと真理の共通点。 それは、二人とも2ちゃんねらー(それも重度の)であり、かつBARギコの常連組だということだ。 だが、それはお互いしか知らないこと。見ず知らずの他人が知ってるようなことじゃない。 そうすると… A:他のコテ達にもメールが来てるんじゃないか? B:ぼくがメールを出した。そう言って真理を安心させることにした。 C:やっぱり犯人は美樹本さんしかいない。 D:人類はもうおしまいだ。
590 :
名無しのオプ :2008/03/19(水) 00:35:18 ID:0DZMweYk
A なかなか面白くなってきたかもw
591 :
名無しのオプ :2008/03/19(水) 02:33:45 ID:vcsH7Fr5
自分もAを選びたいと思ってた。 脇道に逸らしたい気もなくはないが、なんか早く本筋の先を知りたくて。
>589のつづき A:他のコテ達にもメールが来てるんじゃないか? ちょっと考えてみた。 BARギコには数多くのコテが集まっている。 彼らはほぼ例外なく2ちゃんねらーだ。中にはご丁寧にトリップまでつけてる奴もいる(と言ってもトリップ機能なんて無いのでコピペして貼り付けてるだけだが)。 もしあの界隈に出没するコテに"だけ"メールが届いているとしたら、メールの送り主はBARギコのサーバ管理者、あるいはそこに不正にアクセスできる人間ではないのだろうか? アクセスしてきたルートを割り出せば、最終アクセスポイントやプロバイダまで割り出す事が…。 ああ、いや、ダメだ。 プロバイダまで分かったからって、それで相手のメールアドレスが分かるわけではない。そこまで調べようとしたらプロバイダに侵入しなければいけなくなる。 プロバイダのセキュリティは基本的に強固だ。そんじょそこらのクラッカーが入れるものではない。少なくとも、ぼくのように2ちゃんで拾い集めたツールを使うだけのなんちゃってクラッカーでは無理だ。田代砲撃つのとは訳が違う。 もし仮に、そんなスーパーハカーが送り主だったとしたら、それこそぼくらでは正体を見破ることは出来ない。 とにかく、コテ達に話を聞いてみよう。 2ちゃんねるの中は広い。彼らの中にはスーパーハカーとリアルで知り合いの者もいるかもしれない。 それに、本当にただのいたずらである可能性もある。 ぼくと真理は今晩BARギコで待ち合わせることにした。
>592のつづき 午後十時。 ぼくは「とーる」で、真理は「マリ」というコテでBARギコに訪れていた。 さすがにこの時間ともなると人が多い。 ぼくはただの空気コテでしかないが、真理はBARでもかなりの有名人だ。 ここでは他にも有名なコテ達がたくさんいる。 自称、BARのオーナー「小林」さん。料理板でもかなり有名なコテで、実際に料理店だかなんだかを経営しているらしい。 大阪弁が特徴の「社長」さん。経済板で有名なKYなおっちゃん。どうも本当に関西で会社を経営しているらしい。 スポーツ大好きの「とっしー」さん。小林さんに誘われてここに来たらしい。スポーツ板での有名コテで、特にスキーの話題には目がない。 他にも有名な人達はいるが、ぼくが面識のあるのはこの人達くらいだ。 ぼくは… A:「小林」さんに話しかけてみた。 B:「社長」さんに大阪弁で話しかけてみた。 C:「とっしー」さんにスキーの話題をもちかけてみた。 D:まずはこの三人がメールのことを話題にしないか様子を見ることにした。
594 :
名無しのオプ :2008/03/19(水) 19:56:01 ID:u92WlFa3
>>593 wktk
Dでお願いします!
面白い事になってきた〜
>593のつづき D:まずはこの三人がメールのことを話題にしないか様子を見ることにした。 ぼくはちょっと遠巻きにして三人を眺めてみた。 「参りましたよ、今日も女房が料理を…」 「君の奥さんの料理、ほんまにひどいらしいなw」 「俺も食った事ありますけど、あれはもう凶器ですwww」 三人は楽しそうに会話している。例のメールの話題が出る気配はない。 やはりメールが届いたのは僕達二人だけなのだろうか? それとも三人にも届いてるが気にしていないのか? その時、ぼくは壁際にいる不審なギコに気づいた。 BARの利用者は皆ギコの姿で表示され、その横にマンガのような吹き出しでメッセージが表示される仕組みになっている。 そのギコの吹き出しは 「…」 とだけ表示され、じっとして動かない。
>595のつづき 普通壁際にいてじっとしているギコは「あfk」などのメッセージが入っている事が多い。 「あfk」とは、別に「アフォか」のタイプミスではない。 Away From Keyboardの略で、キーボードから離れる、つまり現在入力による応対ができないけどログインはしている、というチャット用語だ。本来はAFKと略されるが、日本語環境ではわざと「あfk」と打つ人も多い。 しかし、そのギコ、「田中」なる人物は「あfk」と表示することなく、ただ「…」と三点リーダを表示している。 これだけなら別に珍しいことでもない。 ただ、彼は近くに誰かが寄ってくると、すすすっと逃げてしまうのだ。そしてまた適当な壁際にはりついてじっとしている。 まるで誰かに近寄られるのを恐れているかのように。 そして、その視線の先は常に画面の中央、つまり有名コテ三人と真理に向けられている。 と言っても、真理と三人は常に画面の中央にいるので、必ずしもその真理達を見ているとは限らない。 しかし、ぼくはどうもこの田中なる人物が不審に思えてしかたなかった。 自分でも理由は分からない。ただ、直感がそう告げているのだ。こいつは怪しい、と。 ぼくは… A:田中に近づいてみることにした。 B:「あなたヤクザですか?」 田中に近づき、こう言ってみた。 C:田中を無視し、三人に話しかけた。 D:真理に話しかけてみた。 E:「こんや 12じ だれかが しぬ」 まどっろこしい事はやめだ。例の文章をコピペしてメッセージにはりつけてみた。
597 :
名無しのオプ :2008/03/19(水) 22:50:41 ID:s7/AzoQy
>>596 どれも捨てがたいが、Eでお願いします。
>596のつづき E:「こんや 12じ だれかが しぬ」 まどっろこしい事はやめだ。例の文章をコピペしてメッセージにはりつけてみた。 こうなりゃ賭けに出てやる。 ぼくは例のメールを開き、あの一行をコピペしてはりつけようとした。 こんや 12じ だれかが しぬ …あれ? 既にこの一行が画面に表示されている。 それは、田中の吹き出しの中のメッセージだった。 ざ わ っ 一瞬、BARが静まり返った…ような気がした。 勿論、ざわっという音が耳に聞こえたわけじゃない。 ただ、BARでの会話が一瞬止まった、ような気がする。 今まで会話していた多くのギコ達の会話も止まった。 移動する者もいない。 ただ、田中が書き込んだあの一行にBARのみんなが注目している。ぼくにはそう思えた。 誰も、何も言わない、動かない。 BARがどのくらいそうして静止していたのかは分からない。 が、誰かがなんらかのアクションを起こすよりも先に、田中というギコは消えてしまった。ログアウトしたのだろう。 ぼくは… A:真理に話しかけてみた。 B:小林さん達三人に話しかけてみた。 C:凍りついたように動けなかった。 D:もうイヤだ。ぼくは電源を切り、全てを忘れて布団にもぐりこんだ。
599 :
名無しのオプ :2008/03/19(水) 23:34:11 ID:gmktE2Dc
A
>598のつづき A:真理に話しかけてみた。 ぼくは真理に話しかけようとして彼女に近づいたが、それより先に社長が発言した。 「なんや、あいつにもあのメール来とったんかいな」 あのメール? 「社長さん、あのメールって…」 ぼくは社長に話しかけてみた。 「ん?ああ、とーる君かいな。いやな、昨日気持ちの悪いメールが届いてな」 「それって、さっきの田中って人の言った…」 「そうそう、それやがな。今夜12時に誰かが死ぬっちゅうてな、ホンマ気っ色悪いわ」 「社長さんのところにもきてたんですか…」 小林さんが会話に入ってきた。 「オーナーもですか?俺もなんですよ。全く趣味の悪い…」 とっしーさんもだ。ちなみに彼は小林さんのことをオーナーと呼ぶ。 「実は、私ととーるにも…」 「なんや!BARのアイドル、マリちゃんにもかいな!」
>600のつづき 結局、このBARにいる主要なコテにはみんなメールが届いていたことが分かった。ぼくとは面識の無い人にも。 芸スポ、ビジネス、食文化全般で有名な「三人組」の「かな」さん、「あき」さん、「パンダ」さん。 時々料理板に顔を出す和み系コテ「キョーコ」さん。 鬼女板のご意見番「おはる」さん。 極東板や特亜板の常連で、特に北朝鮮問題に詳しく、とっしーさんともリアルで知り合いらしい「しっぽ」さん。 この6人と、小林さんら3人、そしてぼくと真理を含めて11人にメールが来ていた事が分かった。 ぼくは… A:「取りあえず12時まで待ってみませんか?」 と提案してみた。 B:「管理人に通報してみませんか?」 やはりここは権力者に頼るのが一番だ。 C:「警察に…」 いや待て、どうせなら国家権力だ。 D:「実はぼくはひろゆきだったのです」 スレ住人が地雷選択肢を選ばないと思って調子に乗ってみた。
602 :
名無しのオプ :2008/03/20(木) 22:40:53 ID:QFrfrMtb
コンテニュー、
>>545 の続き
C. ぼくはノーマークの真理に全てを託した。
美樹本の視線は、ぼくと小林オーナーだけに向けられている。
真理は完全にノーマークだった。
ぼくだけでなく、真理もそのことに気付いているようだ。
「道連れだ!」
美樹本が引き金を引こうとした瞬間、美樹本の手から銃が飛んだ。
真理が、華麗な空中回し蹴りを放ち、美樹本の手に直撃したのだ。
優雅な白鳥の舞のようだった。
「今だ!」
ぼくと小林オーナーは、美樹本に飛び掛り、あっという間に拘束した。
数秒後、美樹本は泡を吹いて死んだ。
猛毒・テトラドトキシンが効いたのだ。
「いやあ、真理。
本当に助かったよ。
しかし、実に見事な回し蹴りだったね。
一体どこで覚えたんだい?」
「大学の護身術サークルで覚えたのよ。
それより…。」
そうだった。
美樹本は逝ったが、まだ、凶悪なマッドサイエンティスト・小林が残っている。
A. 「小林オーナーを拘束して、警察に突き出そう。」
B. 「小林オーナーと結託し、世界征服するんだ。」
603 :
名無しのオプ :2008/03/21(金) 00:13:00 ID:pjAW//Tl
>602B>601D
604 :
名無しのオプ :2008/03/21(金) 01:38:43 ID:wSdNY4Ru
地雷wwwww
605 :
名無しのオプ :2008/03/21(金) 15:48:53 ID:YL7aULGC
予想通りの展開すぎるw
>601のつづき D:「実はぼくはひろゆきだったのです」 スレ住人が地雷選択肢を選ばないと思って調子に乗ってみた。 ちょwwwおまwwwwwww ようやく盛り上がってきたというのに、どうして住人はこういう時に限って空気を読むのか。 しかし住人の意思で進むこのスレでは仕方ない。 ぼくはメッセージを打ち込み、どきどきしながらみんなの反応を待った。 「え?」 真理がぼくのメッセージに気づいた。 「透、なに言ってるの?」 うはwwwこのアマ、本名で呼びやがったwww ほかの人の反応は…。 「ところで、このメールなんですが…」 「わしが思うにやな…」 「そもそも誰がなんの目的で…」 ヌルーですか。そうですか。 ぼくは… A:「取りあえず12時まで待ってみませんか?」 と提案してみた。 B:「管理人に通報してみませんか?」 やはりここは権力者に頼るのが一番だ。 C:「警察に…」 いや待て、どうせなら国家権力だ。 D:「俺は七面鳥だー!」 こうなりゃヤケだ。みんなが注目するまで続けてやる!
607 :
名無しのオプ :2008/03/21(金) 21:54:29 ID:ICmz/HYR
>>602 の続き
B. 「小林オーナーと結託し、世界征服するんだ。」
「そうね…、それが一番よ。」
真理も同意してくれた。
「小林さん、ぼくたちで帝国を築きましょう。
悪の超大国・USAを打倒し、世界に新たな秩序をもたらすことが出来るのは、
ぼくたちだけです。
神に近付く…、いや、神に、なれるんです。」
「よく言ってくれた、透くん!
私は初めて君の瞳を見た時、凡人とは違う冷たくも美しい血を感じた。
今こそ神聖な帝国を築き、残虐非道な十字軍に鉄槌を下す時だ!」
「うおおおおお!」
その後、ぼくと真理と、小林オーナーは逮捕された。
テロ行為実行未遂の容疑である。
刑務所の中で、ぼくは、まだ見ぬ神の国を見続けていた…。
終
608 :
名無しのオプ :2008/03/22(土) 09:03:11 ID:w0Kejefl
>602A>606A
609 :
名無しのオプ :2008/03/23(日) 00:25:30 ID:rj/+ykOQ
606でDにならない流れを見て かま1やった時に食堂のシーンで 透の冗談をなんとなくスルーしてしまったのを思い出したw
610 :
名無しのオプ :2008/03/23(日) 02:24:54 ID:K7YVBC0I
しかし>609よ、確実にバットが待っているぞ?
>606のつづき A:「取りあえず12時まで待ってみませんか?」 「なんや?とーる君はあんなメール本気にしとるんかw」 社長さんが笑いながら(多分本当に画面の向こうで笑ってると思う)答えた。 「そういう訳じゃ…でも、なんとなく気になりませんか?」 「なんや、気にしぃやなあ。確かに気色悪い思う気持ちは分かるけどな。経営なんてやっとったらあんな嫌がらせや悪戯、日常茶飯事やで?いちいち気にしとったらなんもでけへん」 なるほど。確かに社長という立場からするとそうかもしれない。 「あー、でもでも、これってなんか怪談みたいでワクワクしない?」 三人組の一人、かなさんが会話に入ってきた。 「あ、分かる分かるwなんか起こんないかなーって期待?」 マリもかなさんの会話に乗り出した。 「不謹慎ですが…ちょっと面白そうではありますね」 と、おはるさん。 「じゃあ、待ってみますか?本当に12:00きっちりにニュースでも流れたら大当たりってことで」 女性(ネカマかもしれないが)が騒ぎ出したとあって、とっしーさんが仕切りだした。 結局、11人で12:00まで待ってみることにした。 「やぁみなさん、今日は御そろいで!」 そこに愛想の良さそうなギコ…カメラ板の常連「みっきー」さんがログインしてきた。 ごくは… A:「みっきーさんにもメールが来ましたか?」 取りあえず聞いてみた。 B:「ヌード!ヌードを見せて下さい!」 今日こそ彼の撮ったヌード写真を見せてもらおう。 C:「お前が犯人だー!」 自信を持って断言した。
612 :
名無しのオプ :2008/03/24(月) 21:10:03 ID:ALeccQm8
>611の補足 気にしぃ…関西弁。小さなことでもすぐ気にする人のこと。
613 :
名無しのオプ :2008/03/24(月) 22:21:45 ID:n3OS+puo
>611のつづき B:「ヌード!ヌードを見せて下さい!」 今日こそ彼の撮ったヌード写真を見せてもらおう。 「いいのかい?俺はノンケでもry」 「いいんです、ぼくみっきーさんみたいな人ry」 「気に入ったよ君の体…そしてジュニアもな…」 「ちょwww透、なにしてんのwwwww」 A:ご愛読ありry B:そんなわけで公園のトイレにやってきたのだ C:冗談は置いといて本編に戻ろう。 D:ボブ・サップ
615 :
名無しのオプ :2008/03/25(火) 07:09:18 ID:zmaoqi3B
A
616 :
名無しのオプ :2008/03/25(火) 08:20:35 ID:EzVYQIpw
Aはないだろ。せっかく盛り上がってきたんだからB
617 :
名無しのオプ :2008/03/25(火) 10:57:53 ID:/1ywWk37
これだれかいいやつだけ編集してゲームにしてくれないか?
618 :
名無しのオプ :2008/03/25(火) 14:04:56 ID:zmaoqi3B
まとめサイトで生き埋め編を読んだ後で
>>614 を読むと腹が立つ
どうしても続けたいならバッドにせずに本題に戻ればいいと思う
619 :
名無しのオプ :2008/03/26(水) 01:50:48 ID:Anek0a65
Aを選んだからといって終わってしまうとは限らない。
・・・・・と、思いたい。
>>618 そこまで気に入らないのならスルーすれば良いのでは?
それに、本題(本筋?)に戻ってもこういう冗談が続く
展開になるかも知れないよ?
自分はシリアスもギャグも大歓迎なので全く気にならないし、
ついに全員集合したので、これから先が気になっている。
書き手さんには負担にならない範囲で頑張って欲しいです。
620 :
名無しのオプ :2008/03/26(水) 02:19:14 ID:Ko4Ok48h
うん。というかこの書き手さんに限らず、バッドエンドになった時は他の選択肢から選びなおせるのだから、 ここで終わっても問題ない気が。 ただちょっと気になるのが、この書き手さんが所々で「書き続けるのが辛い・大変」オーラを出してる所。 元々、他の誰かが始めた話をスレを盛り上げるのと他の書き手さんが再会しやすいようにとりあえず繋げたってのもあったと思うので、 もし続けるのが辛いなら、早めに「完」にするなり他の書き手さんにバトンタッチをお願いするなりしてもいいと思う。 自分も、せっかくここまで続いて面白くもあるので、続けられる限り続けて欲しいけど。
621 :
名無しのオプ :2008/03/26(水) 17:25:53 ID:Na8jGl2B
ついにモップ職人以外のギャグ担当が現れたか!と喜んでいるんだが。 なんていうレスは逆に負担になってしまうのかな。 ほどほどにがんばれw
622 :
名無しのオプ :2008/03/26(水) 23:36:50 ID:+lk50DOl
モップが出て来る=全て同じ職人 なのかね モップはもはやこのスレの名物みたいなもんだから 面白がって使ってる人もいるような気がする
623 :
名無しのオプ :2008/03/27(木) 18:19:57 ID:Lu7pMxAK
違う職人さんのような気もするけど、面白ければ何でもいいや。 元祖モップ職人さんが、「ちょwwwおまwwwwそれパクりw」という不満さえ持ってなければ。
624 :
名無しのオプ :2008/03/27(木) 19:03:25 ID:Wd37bvGm
清原なんかもなw
625 :
名無しのオプ :2008/03/30(日) 01:10:32 ID:ySvvAm6w
>>602 の続き
B. 「小林オーナーと結託し、世界征服するんだ。」
「ええ!?
本気なの、透?」
真理は本気で驚いている。
無理もない。
しかし、ぼくは本気だった。
小林オーナーのあの技術があれば、世界をモノに出来るはずなのだ。
「当たり前じゃないか、真理。
何を躊躇う必要があるっていうんだい?
考えてみてよ。
このまま、普通に大学を卒業して、普通の会社に勤めて、普通に年をとって…。
想像するだけで寒気がするほどつまらない。
でも、この目の前にあるテクノロジーはぼくたちを神へと仕立て上げてくれるのさ。
さあ、真理も一緒に夢を描こうじゃないか。」
ぼくは恍惚となりながら言った。
「…そうね、透の言う通りだわ。
一度きりの人生ですもの。
やりましょう!」
真理の賛同を得たぼくは、小林オーナーの拘束を解いた。
「…分かってくれたようだね、透くん、真理。」
626 :
名無しのオプ :2008/03/30(日) 01:20:07 ID:ySvvAm6w
「警察が来る前に、この施設の研究成果をバックアップし、 施設自体を完全に消し去らなければならない。 バックアップしなければならないデータは膨大だ。 3人で手分けして、すぐに作業に取り掛かるんだ。 天候はいつ回復するか分からない。 ヤツらが来る前に、何としても作業をコンプリートするのだ。」 小林オーナーの音頭で、ぼくたちはすぐさまバックアップ作業に入った。 面倒になってきた。 ぼくは、こういう疲れるのがとても嫌いだった。 イライラしてきた。 ぼくは、こういう細かいのがとても嫌いだった。 イライラが限界を突破した。 ぼくは小林オーナーをモップで何度も何度も叩いた。 「何をしてるの!透!」 真理が叫んだ時には、小林オーナーは逝っていた。 「しょうがないじゃないか、イライラを鎮めるには、これが一番なんだよ?」 「それもそうね…、もう、疲れたし、帰りましょうか。」 「そうだね。」 ぼくと真理は、“シュプール”の外に出た。 外に出た時には、空は青く晴れ渡っていた。 雲一つない、夢のような朝だった。 ぼくと真理は、1台のスノーモービルに跨ると、そのまま自宅に戻った。 終
627 :
名無しのオプ :2008/03/30(日) 02:50:55 ID:gywSUNbt
>>602 のBルートが2回あるのは、別の書き手さんが書いてくれたのかな?
上で既に選んであるけど、Aをお願いします。
628 :
名無しのオプ :2008/04/02(水) 16:19:19 ID:u1Y9E8MG
あげますよ
629 :
名無しのオプ :2008/04/05(土) 22:52:27 ID:WONXl/YO
>>602 の続き
A. 「小林オーナーを拘束して、警察に突き出そう。」
やはり、悪を許す訳にはいかない。
ぼくはそう思った。
俊夫をモップでメッタ打ちにした自分は棚に上げるのだ。
それが悪を許さない、正義というものだった。
「真理、小林オーナーをそこの柱に縛り付けておいてくれ。
ぼくは、この悪の研究のバックアップを取る。
裁判の際の証拠に使えるはずだからね。」
「分かったわ。」
真理は、床に落ちていたロープを取ると、小林オーナーに近付いた。
「キャーーー!」
突如、真理が絶叫した。
小林オーナーはいつの間に拘束を解き、自由に動けるようになっていた。
真理の喉元に刃物を付き立てた。
人質のつもりらしい。
「さあ、透くん。
大人しくしてもらおうか。
真理があの世に逝ってしまうよ?」
「あなたは馬鹿ですか、小林オーナー。
ぼくにそんな程度の低い脅しが通用するとでも?」
ぼくはモップを手に取ると、躊躇わずに小林オーナーに向かって歩いた。
「ふざけやがって!」
逆上した小林オーナーは、刃物を振り上げた。
その瞬間、小林オーナーの身体が縦に回転した。
片手で真理を抱えるようになった為、真理が小林オーナーに一本背負いをかけたのだ。
630 :
名無しのオプ :2008/04/05(土) 23:00:46 ID:WONXl/YO
投げ飛ばされた小林オーナーは、デスクに叩きつけられ、気絶した。 「凄いね、さすが真理だ。」 ぼくは拍手で真理を出迎えた。 「まあね。 うちの大学の護身術サークルは全国でもトップレベルなのよ。」 「さて、さっさと作業を終えて帰ろうか。」 数週間後、小林オーナーは裁判にかけられ 異例のスピード判決が下り、公衆の面前で下半身を晒す刑に処された。 春の陽気を感じつつ、ぼくは笑いを堪えるのに精一杯だった。 完
631 :
名無しのオプ :2008/04/05(土) 23:31:04 ID:uvzL8FHE
完!!
632 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 08:21:58 ID:tIncg2LG
おお!!すっきり完で終わったの久々!? お疲れ様でした。
633 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 21:50:17 ID:wn50YPOJ
お疲れ様です! また気が向いたら投下してやって下さい〜 皆はモップを待ってます…
634 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 23:42:08 ID:Xj8PVXF3
「ねえ、今度の冬休みに、一緒にスキーに行かない?」 ある日、大学の授業が終わった後の教室で、真理が切り出した。 「いや、行きたくないね。」 ぼくは即答した。 何故か。 それは、すでに予定が入っていたからである。 「本当に行かないの? 楽しいよ、スキーは。」 「行かないったら、行かないんだ。 ぼくにはやるべきことがあるんだ。」 「…そう、しょうがないわね。」 真理は寂しそうな調子でその場を去っていった。 「さて、と。」 ぼくは、教科書やノートを素早く鞄に仕舞い込むと、足早に教室を後にした。 そう、ぼくにはやるべきことがあるのだ。
635 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 23:47:49 ID:Xj8PVXF3
どこにも寄らずに自宅に着いた。 荷物を放り投げると、デスクに設置してある、専用回線に接続されたPCを立ち上げる。 案の定、仕事のメールが入っていた。 “テロリスト ジョウリク マジカ。 キンキュウハイビ ニ ツカレタシ。” 文章は、それだけだった。 しかし、事前に打ち合わせを終えているので、十分だった。 押入れの戸を開ける。 暗証キーを入力し、金庫を開ける。 中から、軍用の拳銃や小銃などを取り出し、バッグに詰め込む。 戦闘だ。 戦闘が始まるかもしれなかった。 日本をテロリストから守るのだ。 スキーになど行っている場合ではない。 ぼくは、PCを落とすと、再び自宅を出た。
636 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 23:54:44 ID:Xj8PVXF3
駅前でタクシーを拾う。 行き先は、N県の雪山である。 組織の情報によれば、その場所に、テロリストが姿を現す可能性が極めて高いらしい。 目的は不明である。 タクシーの中では、仮眠を取ることにした。 この先、錬れなくなるかもしれないからだ。 ぼくは、緊迫した空気とは裏腹に、すぐに眠りに落ちた。 携帯電話のアラームがうるさい。 どうやら時間のようだ。 眠りから覚め、外の景色を見ると、12月の銀世界が広がっていた。 「お客さん、着きましたよ。」 「ああ、ありがとう。」 ぼくは、やたらに高いタクシー代を支払うと、素早く降りた。 外に出ると、想像以上に寒い。 この場所で戦闘になれば、過酷な状況になるのは目に見えている。 ぼくは、気を引き締めて目的地へと歩き出した。
637 :
名無しのオプ :2008/04/06(日) 23:59:30 ID:Xj8PVXF3
少し歩くと、送迎の車が待っていた。 黒塗りの、要人護送用の防弾仕様車だ。 車に近寄り、身分証明書を提示すると、車の後部のドアが開かれた。 乗り込むと、髭面の大男の運転手が話し掛けてきた。 「やあ、君が今度のミッションの主役か。 意外に華奢なようだが、大丈夫なのかね。」 挑発的な態度だった。 「…よろしく。」 ぼくはそれ以外何も言わなかった。 「愛想のない奴だな。 まあいい、俺は美樹本だ。 今度のミッションで、君のサポートを務めるように命令されている。」 そう言うと、車を急発進させた。
638 :
名無しのオプ :2008/04/07(月) 00:04:44 ID:E578f8Tb
車に乗っていた時間は、せいぜい15分といったところだったが、 目的地に到着した時には、天候が激変し、辺りは猛吹雪になっていた。 「こりゃあ、やっかいだな…。」 美樹本は顔をしかめる。 「よし、車から降りてくれ。 ここから、真っ直ぐに歩けば数分でペンション・“シュプール”に着く。 この車で乗り付ける訳にはいかないからな。 先に行っててくれ。」 ぼくは頷くと、車から降りて歩き出した。 正面に、明かりが見えてきた。 あれが、“シュプール”なのだろう。 玄関に着くと、扉を静かに開ける。 扉を開けると、取り付けられていた鐘が音を立てる。 何か、ほっとする音だった。 「いらっしゃいませ。 ご予約のお客様で?」 入るなり、感じの良い男が話し掛けてきた。 ペンションのオーナーだろうか。 「…ええ、予約を入れておいたヤジマです。」
639 :
名無しのオプ :2008/04/07(月) 00:09:23 ID:E578f8Tb
「ヤジマ様…、ああ、確かにご予約を頂いておりますね。 さあ、荷物をお運びいたしましょうか?」 「…いいえ、荷物は自分で部屋に持って行きます。 ルームキーを下さい。」 「ルームキーですね、はい、どうぞ。」 ぼくはルームキーを受け取ると、二階の自室へと向かった。 部屋に入る。 中には、ベッドが二つあり、クローゼットとバスルームがあった。 部屋の中央に電気スタンドがあり、それが部屋全体を琥珀色に照らしていた。 荷物を仕舞い、着替える。 「ふーっ。」 これで一息つける。 これから、何をしようか…。 A. 一階へ行き、オーナーと談笑してくる。 B. ペンション全体の構造を頭に叩き込みたい。 C. 清原
640 :
名無しのオプ :2008/04/07(月) 07:19:25 ID:IerLFftz
新ストーリーきた。Aで
641 :
名無しのオプ :2008/04/07(月) 13:08:01 ID:J5yjK4qR
初っ端から清原www
642 :
名無しのオプ :2008/04/07(月) 13:53:02 ID:/6WMvRL7
643 :
名無しのオプ :2008/04/08(火) 01:30:07 ID:vc56qc4Q
>640だが、さすがにいきなりネタに走るには惜しい始まりだったためスルーした
644 :
名無しのオプ :2008/04/09(水) 23:46:16 ID:Cep2tS0o
>>639 の続き
A. 一階へ行き、オーナーと談笑してくる。
ぼくは、先程の感じの良いオーナーと話をしてみることにした。
一階へ降りると、何か良い香りがしてきた。
ソファの前のテーブルに、ティーカップが置かれている。
「ああ、ヤジマさん。
一緒に紅茶でもいかがですか?」
後ろから、オーナーが話しかけてくる。
「…ええ、頂きます。」
ぼくは、ソファに腰掛けると、紅茶を飲んだ。
「ペンションを始めてから、どのくらい経つんですか?」
「そうですね、もう十年以上になります。
脱サラをして、借金をして始めたんですけど、中々儲からなくてね。
自由になるお金はほとんどないんですけど、仕事が楽しいですから。」
「へえ…。」
実を言うと、ぼくには自由になるお金は大量にある。
最近でも、とあるミッションを成功に導き、1000万ドルの報酬を貰ったばかりだ。
645 :
名無しのオプ :2008/04/09(水) 23:53:33 ID:Cep2tS0o
「このペンションのウリは何ですか?」 「それは何と言っても料理ですね。 自慢するようですが、私はコンクールで最優秀賞を受賞したことがあるんです。 いらっしゃるお客さまも、料理がお目当てだったりすることが多いのです。 この辺りの山奥では、優良な山菜やキノコなどが沢山取れるので、 それを使わせてもらっています。 山奥と言えば…、最近、山奥で妙な音が聞こえてくるんですよねえ。」 「妙な音?」 「ええ、何か爆竹が破裂するような音がね、時々するんですよ。」 まさか…、テロリストがすでに上陸済みなのだろうか? と、なると、作戦自体を変更しないとまずいことになる。 裏をかかれるかもしれない。 ぼくが真剣に考えていると、聞き慣れた声がした。 「…透、透じゃない!」
646 :
名無しのオプ :2008/04/09(水) 23:59:36 ID:Cep2tS0o
声のした方を見ると、そこには真理がいた。 大学の同級生で、日頃から親しくしている友人だ。 「やあ、真理じゃないか。」 「一体、どうしたの。 スキーには行きたくないって言ってたじゃない。」 「ぼくがここに来たのは、スキーが目当てな訳じゃないよ。 写真が趣味でね。 雪山の写真に興味があったのさ。」 ぼくは、咄嗟に嘘を付いた。 確かに、軍用のカメラを持ってきてはいるが、趣味の為じゃない。 「ふーん、まあ、いいわ。 こちら、ここのオーナーの小林次郎さん。 私の叔父なの。」 「ああ、ご挨拶が遅れてしまいましたね、小林です。 よろしく。」 ぼくはこの挨拶に対して…、 A. 「よろしく。」 極めて無難な対応をした。 B. 「このペンションは素晴らしいですね!」 ぼくは、褒め殺し作戦に出た。 C. 「ところで、モップはありますか?」 ぼくは、大事な何かを思い出した。
647 :
名無しのオプ :2008/04/10(木) 00:16:43 ID:uK9QnQMq
B おもしろそうw
648 :
名無しのオプ :2008/04/10(木) 00:39:40 ID:pxjzSHP+
ああっ!モップまでヌルーされたwwwww
649 :
名無しのオプ :2008/04/11(金) 22:38:05 ID:TFbuoJDP
>>646 の続き
B. 「このペンションは素晴らしいですね!」
ぼくは、褒め殺し作戦に出た。
「なんと言っても、まず、内装。
白を基調とした配色が絶妙ですよ。
何というか、気分が明るくなる。
それに、オーナー。
あなたの人柄も素敵ですよ。
何ていうか、ほっとする。
それに、それに…。」
ぼくは褒めちぎった。
力の限り、褒めちぎった。
「ははは…、そんなに言ってもらえて嬉しいな。
宿代をまけたくなるなあ。」
「もう!透ったら、恥ずかしいなあ。」
真理が抗議する。
「いいじゃないか、全部本当のことなんだから。」
「何やら、楽しそうやなあ。」
不意に、誰かが声をかけてきた。
650 :
名無しのオプ :2008/04/11(金) 22:45:31 ID:TFbuoJDP
声のした方を見ると、太った中年の男と、美しい中年の女性が立っていた。 「ああ、香山さん。 紹介しますよ、彼は香山さんといってね。 大阪で金融業を営んでいるんですよ。」 「金融業は楽しいで。 最近も、グレーゾーン金利を利用して、しこたま搾り取ったんや。 もう使えん手やけどな。」 香山さんが爆笑しながら言う。 周りが引きまくっているのを察し、小林オーナーは紹介を続けた。 「隣に居るのが、奥さんの春子さん。」 「よろしく。」 何か、不釣合いな感じのする夫妻だった。 金か。 ぼくがそんなことを考えていると、正面玄関のドアが開かれた。 …サポート役美樹本だった。 「いやあ、外は凄い吹雪ですよ! 参った参った!!!」 大声で喋りながら、記帳を済ませると、こちらへ来た。 「やあ、皆さん。 僕は美樹本。美樹本洋介。 そこにいるヤジマ君とは、知り合いなんだ。 よろしくな。」
651 :
名無しのオプ :2008/04/11(金) 22:51:45 ID:TFbuoJDP
その後、20分ほど、ぼく、真理、小林オーナー、美樹本、香山夫妻の6人で 紅茶を飲みながら、他愛もない雑談をした。 「さて、そろそろ部屋に戻るかな。 小林さん、夕食の時間はいつ頃かな?」 美樹本が立ち上がりながら言う。 「そうですね、19:00頃になったら、食堂へお越し下さい。」 「分かりました。」 そう言うと、美樹本は二階へ消えた。 現在の時刻は、18:00。 夕食まで、まだ1時間もある。 ぼくは、時間潰しの方法を考えた。 A. 自室に戻り、銃火器の手入れをする。 B. 真理とゲームでもする。 C. 美樹本と打ち合わせをする。 D. 俊夫をモップで何度も何度も叩いた。
652 :
名無しのオプ :2008/04/11(金) 22:59:48 ID:V3MeAP20
>651 まだだ…まだモップの時じゃない… Cでお願いします!
653 :
名無しのオプ :2008/04/11(金) 23:14:30 ID:r5VtHhAb
というか、俊夫はまだ登場してないしw
654 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 09:42:40 ID:iBC1e9ql
毎回地雷を埋め込む作者に感動だが、踏んだ瞬間終わりそうで踏めないのも真実 俺以外の住人の葛藤がひしひし伝わるわ
655 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:32:28 ID:GQBhwfHM
>>651 の続き
C. 美樹本と打ち合わせをする。
指令書は持っているが、サポート役の美樹本とミッション内容の確認をしておくべきだ。
そう思ったぼくは、2階の美樹本の部屋へ向かった。
部屋の前に着くと、軽くノックをする。
「美樹本さん、ぼくです。ヤジマです。
入りますよ。」
「ああ、入ってくれ。」
声を掛けると中から返事がした。
中に入ると、美樹本が椅子に座り、ノートパソコンを見つめながらタバコをふかしている。
「一体何のようだ?」
「ミッション内容の確認を、と思いましてね。」
「確認…か。
何かおかしなことでも起きたのか?」
「いえ、そういう訳ではありませんが。
ただ、先程、小林オーナーに話を聞いたところ、最近、この辺りで爆竹が破裂したような音を
よく聞くようになったとか…。
テロリストがすでに上陸済みだったとしたら、プランの変更が必要でしょう?」
「確かにそうだがな、単に“爆竹が破裂したような音”というだけではな。」
「まあ、ぼくもそう思います。
ですから、そういう情報がある、ということで頭の隅にでも留めて置いて下さいよ。」
「分かった。」
それだけ話すと、ぼくは美樹本の部屋を後にした。
656 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:39:08 ID:GQBhwfHM
廊下に出て、腕時計を見ると、時刻は18:15。 まだまだ時間がある。 「どうしようかなあ…。」 ぼくは、手持ち無沙汰な状態で1階へ降りた。 …そうだ、キッチンにでも行ってみるか。 オーナー自慢の料理の腕前でも見てこようじゃないか。 キッチンへ向かう。 すると、途中のトイレの前で、人が立っているのが目に入った。 「どう?」 「ダメだ。何かが詰まっているのかもしれない。」 どうやら、トイレに何かが起きたようだ。 「どうしたんですか?」 「あら、お客さん? トイレの水が上手く流れないんですよ。」 「お客さん、原因、分かります?」 長身の男と、20代と思われる女がぼくを見る。 「ちょっと見てみますよ。」 ぼくは、トイレの便器を覗き込む。
657 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:39:53 ID:iBC1e9ql
支援
658 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:43:48 ID:GQBhwfHM
試しに水を流してみる。 …確かに、水の流れが今一つだ。 トイレ用の器具を取り出し、突っ込んでみるが効果がない。 次に、トイレの上部のカバーを取り外してみる。 すると、中にビニール袋に包まれた何かがあるのが見えた。 黒光りしている。 「何だ、こりゃ?」 ぼくはそれを引っ張り出す。 やたら重い。 袋を開ける。 「これは…!」 中には、オートマチックの拳銃が入っていた。 誰かが、この場所に拳銃を隠したのだ。 一瞬、美樹本である可能性を考えたが、そんなことをする必要もないだろうし、 すぐにあり得ないと悟った。 やはり、テロリストがすでに上陸しているのか? しかも、このペンションに…?
659 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:47:45 ID:GQBhwfHM
「何それ? …もしかして、ピストル?」 後ろの女が驚いたように言う。 …ここで警察など呼ばれると、ミッションに障る。 ぼくは、咄嗟に誤魔化すことにした。 「オモチャですよ。 …これ、前から欲しかったモデルガンだ。 貰っちゃっていいですか?」 「…別にいいですけど。 何しろ、これでトイレの不調の原因が分かった。 ありがとうございます。」 長身の男が頭を下げる。 「ああ、ご挨拶が遅れました。 俺はこのペンションでバイトをしている久保田俊夫です。 で、隣に居るのが篠崎みどり。 よろしく。」 「よろしく。」 ぼくはそれだけ返すと、拳銃を持って部屋に戻った。 備え付けの金庫に拳銃を隠す。
660 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 22:58:36 ID:GQBhwfHM
再び、美樹本の部屋に行く。 たった今あったことを話すと、美樹本は表情を曇らせた。 「うーむ、ヤジマ君の言う通り、すでにテロリストが上陸している可能性が濃厚になったな。」 「本部にプラン変更を打診しましょうか?」 「…もう少しだけ様子を見よう。」 「分かりました。」 「テロリストは、こちらの存在を知らないはずだが、油断はしない方がいい。 銃は常に持っておいた方がいいな。」 「そうですね…。」 その後、美樹本と話をしている内に、19:00になった。 ぼくは、美樹本と分かれて、別々に食堂へ行くことにした。 食堂へ着くと、真理が手前の席に座っていた。 「やあ、真理。 隣、良いかな?」 「いいわよ。」 真理の隣に腰掛けると、手を拭く。 すぐに料理が運ばれてきた。 どれもこれも、自慢するだけある高品質なものだった。 料理を堪能しながら、ふと食堂の奥を見ると、不審な人物が居ることに気付いた。 その人物の印象を一言で表すと…、 A. ジェームズ・ボンド。 B. 会社の重役。 C. 農民。 D. 清原 E. 清原 F. 清原
661 :
名無しのオプ :2008/04/12(土) 23:23:35 ID:7doHGmdj
>>660 ここでキヨさんを選ばなかったら男じゃない。
という事でEの清原で。
662 :
名無しのオプ :2008/04/13(日) 01:41:54 ID:wIwd5wvu
ついに地雷を踏みやがったwwwww
663 :
名無しのオプ :2008/04/13(日) 17:52:54 ID:dLQ1/d+E
自分としては、DEFで違いがあるのかどうかが気になる。 書き手さんの気合の入れようから、絶対3パターン(以上)あると踏んでるが。
664 :
名無しのオプ :2008/04/13(日) 22:56:15 ID:6Lavf6A0
>>660 の続き
E. 清原
ああ、そうだ。
あそこに座っている人は、清原に似ているんだ。
ぼく咄嗟にそう思った。
…いや、待てよ。
似ているというより、本人なんじゃないのか?
そう思い始めると、ぼくは堪らずに席を立った。
「ちょっと、透!
どこへ行くのよ。」
真理が声をかけてくるが、ぼくは無視した。
清原似の人物の前に行くと、ぼくは言った。
「あなた、キヨさんでしょう?」
「そうや。」
「やっぱり!
サイン下さい、サイン!!!」
ぼくは興奮気味に迫った。
「ええけど…。」
そう言うと、キヨさんはぼくのシャツにサインをしてくれた。
「やったぁぁぁ!!!」
ぼくはまるで少年のようにはしゃいだ。
今日は人生最高の日だ。
665 :
名無しのオプ :2008/04/13(日) 23:05:25 ID:6Lavf6A0
「兄ちゃん、随分と野球が好きそうやないか。 …少し、自主トレに付き合うか?」 「いいんですか!?」 ぼくはミッションを放棄し、キヨさんとの合同自主トレに移行した。 食堂の中心でバットを鬼のように振り続ける。 「ヤジマさん! やめて下さい! 他のお客さまに迷惑になりますよ!」 小林オーナーが抗議する。 ぼくはそれを無視して、スイングに没頭した。 「おい! やめろって言ったのが聞こえないのか!!!」 先程、トイレの前にいた俊夫さんだ。 ぼくはそれを無視して、スイングに没頭した。 痺れを切らした小林オーナーと俊夫さんは、ぼくに飛びかかった。
666 :
名無しのオプ :2008/04/13(日) 23:15:24 ID:6Lavf6A0
ぼくはバットを放り投げると、素早くモップに持ち替え、
二人を何度も何度も叩いた。
死んだ。
「キャアーーーーッ!」
食堂に、誰のものか女性の絶叫が響き渡る。
ふと、美樹本が目に入った。
きっと、本部にミッションの失敗を通達しているに違いなかった。
夢のようなキヨさんとの合同自主トレは果てることなく続いた。
終 【人生最高の日】 ( コンテニュー
>>660 )
667 :
名無しのオプ :2008/04/14(月) 00:32:28 ID:xhTiMWxX
わざわざモップに持ちかえたwww流石wwww
>>660 Bでお願いします
668 :
名無しのオプ :2008/04/14(月) 13:08:56 ID:toxviFbu
DとFの清原も見てみたかったwww
669 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 00:24:52 ID:NWZSVC50
>>660 の続き
B. 会社の重役。
ぼくはそう感じた。
年齢はまだ30代といったところだが、雰囲気がある。
「真理、あの人、ベンチャー企業の社長とかかな?」
「そうね…、確かにお金持ちそうな感じね。」
ぼくと真理がそんな話をしていると、香山さんが話し掛けてきた。
「あいつはな、近年、画期的なソフトを開発して
一躍大会社のトップになった田中一郎っちゅうモンや。
爆発的に跳ね上がった株価を利用して、資金を捻出し、
様々な分野に進出しとる。
わしの本業の金融の方にも出て来おって、ホンマ腹立つ男や。
…まさか、こんな所で会うとはなあ。」
香山さんは田中を睨みながら言う。
すると、その視線に気付いたのか、田中がこちらにやって来た。
「やあ、大阪の香山さんじゃないですか。」
「何や、何か用か?」
「そう冷たくしないで下さいよ。
ところで、そろそろ、米国低所得者向け住宅融資関連の
証券化商品等は売却した方が良いですよ。
お宅の会社、大量に保有してるって話じゃないですか。」
「何言っとる。
アレはまだまだ値上がりするで。
簡単に手放せるかいな。アホくさ。」
「そうですかね、そもそも信用というものは…。」
二人は、ぼくたちの存在を無視して、激論を戦わせ始めた。
頭が痛い。
ぼくと真理は、食堂を抜け出し、談話室へ避難した。
670 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 00:34:10 ID:NWZSVC50
談話室へ着くと、ソファに座る。 「いや、参ったね。 こんな所まで来て、仕事の話に熱中できるなんて、大したもんだよ。」 ぼくはウンザリした調子で言った。 「まあまあ、食後のコーヒーでも飲んでリラックスして下さい。」 中年の女性が、そう言って、ぼくと真理の目の前にコーヒーを置いた。 「叔母さん! 透、紹介するわ。 オーナーの奥さんの今日子さんよ。」 「よろしくね、透くん。」 「よろしく。」 ぼくがコーヒーに手を付けたその時だった。 急にペンション全体が暗闇に包まれた。 …停電だろうか? 「皆さん、すみません! どうか落ち着いて下さい、ただの停電です。 ただ今、電力を復旧いたしますので、その場で待機していて下さい。」 小林オーナーが大声で周知する。 この状況でぼくは…、 A. 小林オーナーの手助けをする。 B. テロリストを警戒するべきだ。 ぼくは、胸元にしまってある拳銃を握り締めた。 C. ドサクサに紛れて、俊夫にコーヒーをぶっかけた。
671 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 00:37:24 ID:m89gnLGW
C おもしろくなってきたwww
672 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 02:38:47 ID:ABCMgxbI
もはや地雷踏むのが基本にwwww
673 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 14:47:48 ID:kgykickS
俊夫に何の恨みがwww
674 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 22:49:14 ID:NWZSVC50
>>670 の続き
C. ドサクサに紛れて、俊夫にコーヒーをぶっかけた。
あ、なんかムカつくわ、こいつ。
ぼくは、俊夫を見てそう思った。
丁度、右手にはコーヒーカップが握れている。
中には、今日子さんが淹れてくれた煮えたぎる灼熱のコーヒーが
溢れんばかりに踊っている。
俊夫にかけた。
「あちちちち!」
死んだ。
まさか、死ぬとは思わなかった。
でも、死んだ。
もうしょうがないし。
その時、電気が復旧した。
談話室の中心に倒れている俊夫が晒された。
「死んでる…!
誰だ!こんな酷いことをしたのは!!!」
ぼくは、生まれてからこれほど大きな声を出したことはない、
というほどの絶叫で抗議した。
「もうしょうがないやないか。
片付けとき。」
香山さんの号令で、俊夫を片付けておいた。
それは、吹雪の夜の出来事だった。
終 【サラマンダーコーヒー】 ( コンテニュー
>>670 )
675 :
名無しのオプ :2008/04/15(火) 23:12:56 ID:U6yWP4/Y
A
676 :
名無しのオプ :2008/04/16(水) 00:02:10 ID:/3N0ZGrJ
モップ以上の破壊力wwwww
677 :
名無しのオプ :2008/04/16(水) 15:48:15 ID:k9eiquzG
さすが今日子さんwww
678 :
名無しのオプ :2008/04/16(水) 15:57:38 ID:0j3yrrX/
「もうしょうがないやないか。 片付けとき。」 香山www
679 :
名無しのオプ :2008/04/16(水) 19:26:57 ID:4XAIWdBc
>あ、なんかムカつくわ、こいつ。 てめえwwwww
680 :
名無しのオプ :2008/04/17(木) 00:44:37 ID:4QxHQtQp
>>670 の続き
A. 小林オーナーの手助けをする。
ぼくは、常時携帯の小型のハンドライトを点けると、
小林オーナーの元へ向かった。
「大丈夫ですか?
手伝いますよ。」
「ああ、ヤジマさん。
ありがとうございます。
配電盤は地下室にあるので、助かります。」
ぼくと小林オーナーは、真っ暗な地下室へ入っていった。
ハンドライトがなければ、全く何も見えない状態と言ってよかった。
地下室には、ワインの棚が並んでいた。
小林オーナーは、奥に進むと配電盤の前に立った。
「…うーん、おかしいな。」
「何がおかしいんですか?」
「ここの部分がオフになってるんだが、これは、例えば、
使用電力オーバーで自動的に落ちたりするものじゃないんだ。」
「と、いうことは、誰かがわざと停電を発生させたってことですか。」
「そうなりますね。」
681 :
名無しのオプ :2008/04/17(木) 01:07:53 ID:4QxHQtQp
やはり、テロリストが潜り込んでいるに違いない。 しかし、一体何の為に停電を引き起こしたのだろうか? 「何しろ、ここを元に戻してやれば…。」 小林オーナーが配電盤を操作すると、辺りは明かりに包まれた。 「これでもう大丈夫です。 ヤジマさん、この件に関しては、普通の停電だったということにしておいて下さい。 皆さんに言うと、不安になるでしょうから。」 「分かりました。」 ぼくたちは、疑問を持ちつつも、足早に談話室へ戻った。 談話室へ戻ると、人だかりができていた。 「真理、一体何があったんだい?」 「それがね、東京から来た女格闘家3人組の部屋の前に、 脅迫するような文章が書かれた紙切れが落ちていたらしいのよ。」 「…女格闘家3人組?」 「まだ、プロデビューはしてないらしいけど、アマチュアの世界では かなり強くて有名らしいよ。」 「ふーん…、すいません、その紙切れ、見せてもらっていいですか?」 「ええ…、どうぞ。」 その紙切れにはこう書かれていた。 A. 「こんや 12じ だれかが しぬ。」 B. 「政府へ警告する。48時間以内に送金を完了せよ。」 C. 「大学6年生(笑)」
682 :
名無しのオプ :2008/04/17(木) 03:44:09 ID:eF2Tv48l
やはりCかな
683 :
名無しのオプ :2008/04/17(木) 13:04:40 ID:44UzYQco
コラwww
684 :
名無しのオプ :2008/04/21(月) 02:26:38 ID:GN5fSnPb
捕手古田
685 :
名無しのオプ :2008/04/21(月) 17:33:44 ID:TK09vZYa
流れ切るだけならしなくていいよ
686 :
名無しのオプ :2008/04/24(木) 22:50:47 ID:bBB65MAM
>>681 の続き
C. 「大学6年生(笑)」
「何や、これ?」
香山さんが、その紙を拾い上げた。
「…大学6年やて?
ほんまにそんな奴おるんかいな?
特に、私学やったら犯罪者級やで。
親にいくら払わす気やねん。
アホバカ蛆糞やで。」
香山さんは信じられないくらいボロクソに言った。
死んだ。
突然、俊夫さんが香山さんをモップで何度も何度も叩いたのだ。
「俊夫くん!
何てことをしてるんだ!!!」
小林オーナーが絶叫しつつ、俊夫さんを羽交い絞めにする。
今日子さんが金切り声を上げる。
ショックを受けた春子さんが倒れて、コーヒーカップが割れる。
鳩時計が鳴る。
修羅場だ。
とても楽しい。
ぼくは、ドサクサに紛れて美樹本を突き飛ばした。
バランスを崩した美樹本は、もみ合いになっている小林オーナーと俊夫さんに
凄まじい勢いで衝突した。
窓ガラスに突っ込んだ3人は、大出血した。
赤い噴水だ。
「キャーーーーーッ!」
誰のものとも知れない恐怖の絶叫。
「逝ったーーーーーーー!!!」
テレビでは、キヨさんがサヨナラホームランを打ったシーンが流れている。
ぼくは思い切り喜んだ。
687 :
名無しのオプ :2008/04/24(木) 22:59:15 ID:bBB65MAM
その時、シュプールに落雷が直撃した。
あっという間に辺りは火の海だ。
実に美しい。
ビューティフル・ファイアーや!
ぼくはキヨさんのフォームを真似ながらスイングを繰り返しつつ、
恍惚となっていった。
「早く火を消すんだ…!」
大出血の小林オーナーは瀕死になりつつも、自らの城を守ろうと必死だ。
それはそうだろう、脱サラをして、やっと手に入れた夢だ。
突然、小林オーナーは、地下からスノーモービル用のガソリンを持ってきて、
タップリと撒き散らした。
爆炎がまるで龍のように舞う。
「あなた!
何やってるのよ!!!」
今日子さんが今までとは180度印象の違う怒号を上げる。
「だから!
火を、火を消すんだよ!!!」
もうダメだった。
間違いなく発狂している。
俊夫さんはまだ死んでおらず、モップを振り回しながら
酒を浴びるように飲んでいる。
田中さんはすでに焼死。
二階部分が炎の影響で崩れた。
終わりだな…、このペンション。
ぼくはそろそろ潮時だと感じた。
スノーモービルで家に帰った。
眠いので寝ることにした。
終 【カオス】 ( コンテニュー
>>685 )
688 :
名無しのオプ :2008/04/24(木) 23:00:20 ID:bBB65MAM
689 :
名無しのオプ :2008/04/24(木) 23:54:34 ID:c+lFWVLc
>>681 どっちが本筋ルートか分からないけど、気になるのでBにさせてください。
こんな状況でもしぶとく生き残る透、すごすぎw
690 :
名無しのオプ :2008/04/25(金) 03:17:43 ID:6hEiRzZ6
やはり一発バットですかいwwwww こんなところにもキヨさんwwwwwww
691 :
名無しのオプ :2008/04/25(金) 22:01:08 ID:xcIuKtrL
>>681 の続き
B. 「政府へ警告する。48時間以内に送金を完了せよ。」
「…何だ、こりゃ?」
小林オーナーが紙切れを見ながら呟いた。
ぼくは、咄嗟に美樹本の顔を見る。
かなり驚いている様子だ。
言うまでもなく、これはテロリストの仕業である。
これで、このペンション内にテロリストが潜んでいることは、
ほぼ確定となった。
しかも、相手は、こちらの存在をすでに把握している。
だからこそ、このような手段に訴えたに違いなかった。
「中々おもろいことするやないか。
こういう悪戯、嫌いやないで。」
香山さんが笑いながら言う。
「俺は、俺は許せない!!!」
俊夫さんが、正義感を丸出しにしながら言う。
「まあまあ、皆さん。
こんな悪戯は無視して、談話室でトランプでもしましょう。」
小林オーナーが紙切れを握り潰しながら言う。
「そうですね、それが良いですよ。」
春子さんが頷きながら同意する。
「透もトランプするんでしょ?」
真理が聞いてくる。
「いや、ぼくは美樹本さんに話しがあるから、先に行ってて。」
692 :
名無しのオプ :2008/04/25(金) 22:15:32 ID:xcIuKtrL
数分後、ぼくと美樹本さんは、静まり返った食堂にいた。 「…どうやら、テロリストがこのペンションにいるのは間違いないようだな。」 「そうですね。 隠れる場所なんてないですし、普通の宿泊客のフリをしていると思われますね。」 「現状では、疑わしい者はいないようだが…。 どうやって炙り出す?」 「向こうはこちらの存在を把握している。 こちらはテロリストが誰なのか分からない。 今の所、相手が圧倒的に有利です。 下手に動かない方が良いでしょう。 美樹本さんは、組織に現状報告をして下さい。」 「分かった。」 ぼくは、話を終えると、そのまま談話室へ向かった。 談話室では、皆がトランプで盛り上がっている。 どうやらポーカーをやっているようだ。 「真理、調子はどうだい?」 「聞いてよ、私、さっきから勝ちっぱなしなのよ。 凄いでしょ?」 A. 「凄いね。」 賭けごとに弱いぼくは、素直に感心した。 B. 「ぼくの方が強いよ。」 ぼくは、ポーカーに参戦した。 C. ぼくは、トランプを真理から取り上げると、 手裏剣のように俊夫に投げ付けた。
正義感を丸出し、
が
正露丸を丸出し
に見えた
>>692 Cで
694 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 00:04:25 ID:XXlgrL40
しまった、またやっちゃった…orz
695 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 13:13:47 ID:hpJHTDQ6
釘の人発見
696 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 14:15:08 ID:iGHXRbPw
697 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 22:22:19 ID:nS8BLNBM
>>692 の続き
C. ぼくは、トランプを真理から取り上げると、
手裏剣のように俊夫に投げ付けた。
ぼくは、真理から素早くトランプを取り上げた。
「あっ、何するのよ!!!」
真理が抗議するが、ぼくは無視した。
トランプを水平に構えると、右手で摺るようにトランプを投げる。
組織に教えてもらった殺人術の一種だ。
トランプはたまたま俊夫に当たった。
俊夫の額にトランプが刺さる。
「アウッ!」
死んだ。
トランプが脳に達したのだ。
It reaches brain...Ah...
ぼくは感慨に耽りながらその死体を見つめた。
「キャーーーッ!」
まただ。
また誰かが騒ぐ。
「うるさいんじゃボケェ!
死んだら死んだで埋めれば済むやろ!!!」
香山さんだ。
香山さんがキレたのだった。
しかし、言っていることは正しいのではないだろうか?
「しかし…、外は寒いし、埋めるのは大変だろ…。」
美樹本さんが正しいことを言う。
「全く迷惑だな!」
「そうや!
あの生意気なベンチャー企業社長の部屋に入れて来い!」
「それはいいですね!」
698 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 22:28:14 ID:nS8BLNBM
善は急げ。
ぼくと香山さんは協力して、2階の田中さんの部屋へ俊夫を運んだ。
ドアを破壊すると、田中さんの部屋に侵入した。
「君達!
一体何のつもりだ!!!」
田中さんが、猛然と抗議する。
おかまいなしに、俊夫を配置した。
「手の角度はこっちの方が美しいんやないか?」
「そうですね、アートは細やかな拘りが大事です。」
美を体現する為、拘って配置した。
満足した。
喚き散らす田中さんを置いて、1階に戻り、皆でトランプを楽しんだ。
翌日はとても綺麗に晴れた。
真理とスキーをしたりして、大学生活へと戻っていった。
終 【美の巨匠】 ( コンテニュー
>>692 )
699 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 22:30:55 ID:iGHXRbPw
善は急げってwwwwwwwww
>>692 Bで頼みます
700 :
名無しのオプ :2008/04/26(土) 22:38:26 ID:hpJHTDQ6
地雷選択肢が確実にバットになりしかも話が続く書き手さんに感謝 こうなると最初の頃の地雷選択肢の結果も知りたいと思うのは贅沢でしょうか?
701 :
名無しのオプ :2008/04/27(日) 07:27:55 ID:B0a34mbQ
自分はやっぱり清原別バージョンがw
702 :
名無しのオプ :2008/04/27(日) 15:46:07 ID:8rBRqAmt
ぼくはペンションシュプールに遊びに来ていた。 彼女?の真理に誘われたのだ。 スキーを終え、談話室でくつろいでいると、 泊り客が次々と集まってきた。 まるで何かに導かれるように全員が勢ぞろいしていた。 すると、突然視界が白くなり、何も見えなくなった。 みんなが咳き込んでいる声だけ聞こえた。 そしてぼくも意識がなくなり……。 目が覚めるとそこはただ広い空間だった。 ぼくたちは並んで地面に座らされていた。 座っていたのはおなじみの泊り客だったので、ぼくは一安心するも、 周りを見渡すと僕らに銃を向けている兵士の姿があった。 一体これはどういうことなんだろう? 真理、真理は? ぼくとはかなり離れた所に座っていたが、無事のようで安心する。 他の泊り客も次々と目が覚めたようで、ざわめきだした。 「何これ〜。お腹すいた」 と言うのはもちろん啓子ちゃん。 「何やこれ、どうなっとんのや!」 「おい、お前ら一体どういうつもりだ!」 香山さんや俊夫さんもいきり立った。 「おまえら静かにしろー」 突然前方から声がした。みんないっせいにそっちを見る。 その男は金七先生というドラマに出てきた先生に似ていた。 「今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」 バトルロワイアル編
「えーっ!」 OL三人は叫び出す。 「ふざけんな。どういうつもりだ!」 そう言って前の男に掴みかかったのは美樹本さんだったが、 周りの兵士によっておさえられる。 「はーい。では説明します。みんな、お手元の地図を見てください」 そう言われて足元に地図があるのに初めて気が付いた。 「やってられるかふざけんな」 今度は俊夫さんだ。 パンと耳に痛い音がして一瞬静まり返った。 俊夫さんの足元に銃声が響いた。 「きゃーっ!」 「もうやだ私帰りたい」 亜希ちゃんが泣き出した。 「今度は当てますよ」 撃ったのは前にいる男だった。男は小銃を服のポケットにしまった。 「いい加減にして下さい! 私たちを元のペンションに戻してください」 そう言って立ち上がったのはもちろん真理だ。 ぼくは真理の勇気ある行動に感動したが、同時に危険だと思った。 さっきのように撃たれるかもしれない。 現に次は当てると男は言ってたじゃないか。 ぼくは、 A.「真理やめろ!」と言って制した。 B.僕も撃たれると思って何も言えなかった。 C.「そうだ。真理の言う通りだ!」と言って立ち上がった。
704 :
名無しのオプ :2008/04/27(日) 16:39:49 ID:ErN/1XvR
>>703 の続き
ぼくは、
A.「真理やめろ!」と言って制した。
「何です? あなたたちは撃たれたいんですか?」
「そんな……」
「真理」
ぼくは目で座るように合図した。
真理は大人しく座った。ぼくはほっと息をつく。
「今度こそ次はないですよ。じゃあ説明に戻ります。
最後に生き残れるのは一人だけ。
みんなは最後の一人になるまで殺し合いをしてもらいます。
ルールはそれだけ。簡単でしょ?」
「すみません、ちょっといいですか?」
一番前に座っている男が突然挙手した。
「あの、私はただのゲーム脚本家でして、その」
男はぼくたちの知らない奴だった。
こんな人ペンションの客にいただろうか?
談話室で見た記憶がないが、その時間部屋にいたのだろうか。
サラリーマン風のスーツを着ているが、
ここからじゃ後姿しか見えない。
「君は先生の話を聞いていたかな?」
「私はペンションシュプールに取材に来ただけでして。
できれば見逃していただきたいのですが」
突然男の首が吹っ飛んだ。
突然の出来事でみんな事態を飲み込むのに時間がかかっていた。
「まあ見ての通り、首輪は爆発します。
だから逃げようなんて思わないように」
ぼくはあっけに取られた。
人の死がいきなりすぎて頭がついていけないのだ。
「もういや。やめて」 OLたちや、春子さん、みどりさんまで女子たちが恐怖におののいていた。 真理はぎゅっと唇をかんでいるようだった。 男性陣はとっさに反応できないようだった。 「じゃあ、1番我孫子武丸君が死んだので、2番から順にこの袋を取って 外に出て行ってください。一人ずつですよ。 相談しようなんて思わないでください。 何かあったら後ろの兵士が撃ちますからね。 あ、それから一つ言い忘れました」 男は一旦言葉を区切って言った。みんな何も発しない。 「禁止エリアがあります。この建物はみんなが出て行ったと同時に 入れなくなります。それから、何時間かごとに禁止エリアを発表します。 禁止エリアは島内で放送しますので、手元の地図で確認して下さい。 では2番、香山誠一」 香山さんはバッグをひったくって外へ消えた。 「3番、香山春子」 春子さんは不安そうに周りを見回しながら出て行く。 「4番、河村亜希」 亜希ちゃんは泣きそうだったが、必死にこらえて言うとおりにしていた。 次々と名前が呼ばれていく。真理は最初の方だったので、 ぼくは無事落ち合えるか不安だった。ぼくが真理を殺すなんてできるわけない。 他の人はわからないけど、真理だけは信用できる。 ぼくの名前が呼ばれたのは最後から二番目だった。 ブービー賞。ディドゥン(効果音)
「矢島透」 ぼくは最後に残った可奈子ちゃんの方をちらっと見てから立ち上がった。 残った袋は人数分二つあった。 ぼくは、 A.右の袋を取った。 B.左の袋を取った。
708 :
名無しのオプ :2008/04/27(日) 20:02:54 ID:16p1QIPA
>>707 の続き
B.左の袋を取った。
ぼくは外に出ると、辺りを見回したが誰もいなかった。
ぼくは近くの茂みに隠れとりあえず様子をうかがうことにした。
そうだ。袋の中身を確認してみよう。
袋の中には、何日か分の食料と、水、そして
「なんじゃこりゃ」
携帯折りたたみモップと説明が書いてある。
これで敵を殴るのか。心もとないが一応武器だ。
そういえば真理は誰と行動しているのだろう。
小林さんや今日子さんと順番が近かったから、一緒にいるのかもしれない。
地図を確認する。どうやらぼくたちがいるのは三日月の形をした島のようだ。
ABCDと四つのエリアに分かれている。
説明では徐々に禁止エリアが増えると言っていた。
ぼくは、
A.すぐに真理を探そうと思った。
B.可奈子ちゃんが出てくるのを待って声をかけようと思った。
C.誰とも組まずに皆殺しだ!
710 :
名無しのオプ :2008/04/27(日) 22:11:21 ID:bcD712c9
C
>>709 の続き
C.誰とも組まずに皆殺しだ!
ぼくは後から出てくる可奈子ちゃんを待った。
可奈子ちゃんは茂みに隠れるぼくに気付いていない。
チャンスは今だ。ぼくは可奈子ちゃんの後ろから頭にモップを振り下ろした。
ぶきゃ。嫌な音を立てて可奈子ちゃんは崩れ落ちる。
ぼくは死んでいるか不安だったので、更に止めをさすべくモップで何度も何度も叩いた。
さすがにもう死んだだろうと思ってバッグを奪ってそこを去る。
他の奴に見られたら警戒される恐れがある。
ぼくは急いでその場を離れた。
真理を殺すのは最後だ。
最初に会ったら情が移って殺し損ねるかもしれない。
お楽しみは後に取っておくのだ。
ぼくは少しずつ隠れられる場所に移動しながら進んだ。
すると目の前に小林さん夫婦が歩いてくるのが見えた。
真理は一緒じゃない。しめた。
そういえば可奈子ちゃんの武器は何だったんだろう。やけに重いけど。
袋を確認するとA5の紙500枚の束が出てきた。なんじゃこりゃ。
はずれだな。こっちを選ばなくて良かった。
だが、待てよ。こんなに重いのだから、鈍器として使えるかもしれない。
ぼくは小林さん夫婦の後ろに忍び寄り、二人が人目を気にしてしゃがんだ所に
上から紙を投げ落とした。
ゴンと嫌な音が鳴る。だが、やはりまだ安心できない。
ぼくはモップで何度も何度もry
ふう。やっと小林さん夫婦も死んだか。さあて、次の獲物はどこだ?
ぼくはその後から真理が歩いてくるのを確認した。 駄目だ。真理は最後だ。今はまだ殺せない。 いや、ちょっと待て。むしろ協力する振りをして、 一緒に殺しまわった方が早く済むんじゃないか。 真理と一緒に忌々しい禁止エリアが出てくる前に終わらせてしまおう。 そして最後に真理を料理するのだ。 ごくっ。ぼくは唾を飲み込んだ。 妄想でにやけている場合じゃない。早く真理に話しかけないと。 他の人が来たらやっかいだ。 ぼくは真理の前に姿を現した。 「透? 嘘。本当に透?」 真理はぼくに抱きついてきた。真理はこれっぽっちもぼくを疑っていない。 むしろシュプールにいた時より積極的だ。 よく危機的状況の男女は結ばれるという話を聞くが、あながち嘘でもないらしい。 ぼくは少し惜しいと思ったが、いかんせん最後に殺す相手だ。 情が移ってはまずい。ここは心配していた風な演技だ。 「真理、何もなかった? 大丈夫?」 「私、怖くて」 真理はそう言って話し出した。 開始早々真理の事を待っていた小林さん夫婦に攻撃されたと言う。 「私こんなものの使い方わからなかったから、必死で逃げたの。そしたら」 真理が見せたのは銃だった。ラッキー! これで後の始末が楽になる。 ぼくは笑みを押し隠して真理に答えた。 「小林さん夫婦にぼくも会ったけど、その」 ぼくが殺しましたとは言えない。ここは誰かに罪を擦り付けるべきだろう。 「俊夫さんと争っている所を見かけて、ぼくは何も動けなくて」 ぼくは小林さん夫婦の死体の場所に真理を案内した。 真理は一瞬おびえ、そしてぼくの胸で泣き出した。
ぼくは真理を必死でなだめた。 「仕方ないよ。真理は何も悪くない。ぼくだって何もできなかった」 真理は少し落ち着いたようだった。 「その銃を貸してくれないか、君を守るために必要なんだ」 「ええ。でも……」 真理はなるべく殺さないでねと言いたかったんだろう。ぼくは優しくうなずいた。 次にぼくたちが会ったのは、 香山さん夫婦と俊夫さん、みどりさんが争っている所だった。 四人まとめてとは好都合だ。 ぼくたちは隠れて四人の様子をうかがっていたが、 次第に雲行きが怪しくなってきた。 誰かが銃を構えた。香山さんだ。 「あんたらは信用できないと言うてるんや」 「待ってください香山さん」 「あなた、そんな銃を向けるなんて」 「春子、お前は黙れや」 ぼくはチャンスだと思った。できればこの隙に全員やってしまいたい。 だが、ぼくの隣には真理がいる。そうだ。いい事を思いついた。 「みなさん。やめてください」 ぼくは銃を構えながらみんなの前に姿を現した。 「透」 真理は何か言いたげだったが、気付かれないようにしゃがんでろとうながした。 「こんな所で争って何になるんです? それより、 みんなで脱出する方法でも考えませんか?」 口からでまかせだった。これでぼくに敵意がないとわかってくれ……なかった。 「じゃあかしい。そんな事言って皆殺しにするつもりやろ」 当たりだ。さすが香山さん。ぼくは別の意味で感心した。 「あなた、やめて!」 香山さんが銃に手をかけた。仕方ない。 ぼくはめちゃくちゃに銃を乱射した。 「やめろーーーーーーーーっ!」
ぼくはみんなを止めるためという振りをした。 香山さんの弾が俊夫さんに当たったようだった。 俊夫さんは崩れ落ちる。みどりさんがそれを支え、香山さん夫婦を睨む。 くそっ。ぼくがやるつもりだったのに。まあいい。好都合だ。 ぼくは香山さんに銃を向けた。 「どうして」 ぼくは手を震わせながら香山さんを撃った。もちろん演技で狙いは正確だ。 みどりさんと春子さんは愛する人が死んだのを見て、 目の前の人物に敵意をぶつけた。つまり相打ちだった。 ぼくはモップで何度も叩きたいのを我慢した。真理がいる。 ぼくの思惑通り四人が死んだのだからよしとしよう。 真理はもう何も信じられないと悲しみに沈んでいた。 ぼくは真理の方に手を寄せる。 後はOL二人組と美樹本さん、田中だけだ。 OL二人組は意外とすぐ見つかった。 真理が二人を説得すると言ったので、ぼくは隠れて様子をうかがった。 だが、予想に反して二人は真理に同時に向かってきた。 金属バットとナイフを持っていた。これは真理が危険だ。 ぼくは銃を二発ぶっぱなす。あっけなくOL二人組は死んだ。 真理はもううつろになっていた。 「透、こんなとこ早く抜け出して帰りたい」 ぼくは何度も真理を慰めた。さあ、後二人だ。 美樹本さんと田中さんは小屋の中にいるようだった。 真理は動こうとしなかったので、外で待ってるように告げ、ぼくだけ中に入った。 二人を殺すところを見られなくて済む。好都合だ。 ぼくは不意をついてあっさり二人を殺し、真理には二人が同士討ちをしたと告げた。
真理は見るからにやつれていた。
ぼくはこんな状態の真理を殺すのは簡単だったが、
もう少しこの状態を楽しんでもいいだろうと思い始めていた。
だが、まだ生き残ってる人間がいるなんて知らなかった。
ぼくたちは突然後ろから銃を向けられた。
振り向いたぼくが見たのは、最初に殺したはずの可奈子ちゃんだった。
可奈子ちゃんは銃なんか持ってなかったはずだが、どこで手に入れたのだろう。
だが、これはまずい。真理にぼくがやったとばらされてしまう。
だが、結果は予想外の出来事だった。
「矢島透。あんたよくも!」
バタン。倒れたのは真理だった。真理はぼくを庇ったのだ。
そんな。まさかそんな……。
真理はびくともしない。せめてぼくが殺してあげようと思ったのに。
ぼくは怒りで目が血走っていた。真理の仇だ。
ぼくは可奈子ちゃんをじわじわなぶり殺しにする事にした。
そのためにはモップだ。モップで叩き続けるんだ。
ぼくは無事バトルロワイアルで優勝した。
一人生き残った人間は、今後の生活全てが保障されるらしい。
ぼくは食うのに一生困らなくなり、ぼくはニートになった。
だが、ぼくはあのゲームで何かをなくした気がしていた。
真理という最愛の彼女をなくしたのはぼく自身のせい。
ぼくの死ぬまでの一生はつまらない平凡な人生だった。
終【平凡な人生】( コンテニュー
>>709 )
716 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 00:05:03 ID:1EAQPGW7
まさかバッドでこんなに長く書いてくれるとは。
>>709 Bでお願いします。
717 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 00:13:34 ID:kf5bmXBP
新たな作者氏、非常に気合が入ってますな。
718 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 00:28:45 ID:kf5bmXBP
>>692 の続き
B. 「ぼくの方が強いよ。」
ぼくは、ポーカーに参戦した。
ぼくは真理の横に腰掛けると、配られたカードを見る。
…おっ、いきなりツイてる。
スリーカードが狙えるぞ。
ぼくは、ウキウキしながら不要なカードを切った。
…鮮やかに3カードが揃った。
ぼくは自身を持って、カードをテーブルに叩き付けた。
「スリーカードや!」
「残念。
私はフルハウスよ、ふふっ。」
ぼくは真理にあっさりと敗北した。
これで真理は怒涛の10連勝らしい。
…おかしいな、ポーカーは基本的に運の要素が大きいはずだ。
それなのに、こうも勝ち続けられるものなのか?
ぼくは、真理の八百長を疑った。
服のポケットにカードを忍ばせているとか、トランプをきる際にイカサマをしているとか…。
しかし、いくら考えても分からない。
とてもイライラしてきた。
「真理、もう一度だ!」
「何度でもどうぞ。」
…その後、真理の連勝は15まで伸びた。
くそっ、ふざけやがって!
真理のヤツ、絶対に何かしているに違いない。
ぼくは勝負事は正々堂々とやるべきだと、常に思っている。
相手を欺いて勝つことに何の意味があるっていうんだ。
まして、今回は金を賭けている訳じゃない。
ちくしょう!
畜生!俊夫の野郎、許せねぇ!!!
719 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 00:38:00 ID:kf5bmXBP
ぼくは怒りに任せて、ソファを持ち上げ、俊夫に投げ付けた。 「うぎゃあ!」 死んだ。 しかし、これはしょうがない。 ぼくをイライラさせるのがいけないんだ。 「キャーーーッ!」 例によって、周りの宿泊客が絶叫する。 「何やっとんねん、兄ちゃん!!!」 香山さんが怒鳴りつけてきた。 「何です? 何か文句でもあるのですか?」 「あるわ、わるわ! 今日はキヨさんの復帰戦やで! 兄ちゃんがそんなモン投げよるから、テレビが壊れてしもた!」 ぼくは驚いてテレビのあった方を見た。 確かに、テレビ画面が破損している。 ぼくだ。 ぼくが、キヨさんの復帰戦という、神に祝福されるべき行事を見れなくしたのだ。 「ぼ、ぼくは…。 ぼくは何ていうことをしてしまったんだ!!!」 深い絶望が全身を焦がす。 「…ワンセグ。 ケータイのワンセグがあるわ!」 女性格闘家3人組の一人、可奈子ちゃんが、携帯電話を取り出しながら言う。 「アホか! そんな小さな画面で見てどないすんねん! 大体、ここでは電波がよう届かんわ! 死に晒せこのブッサイクが!!!」 香山さんは怒りで我を忘れている。 言葉遣いが尋常じゃない。 「何よ! このメタボハゲ!!!」
720 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 00:42:03 ID:kf5bmXBP
「何やと!!!」
可奈子ちゃんが火に油を注いだ。
もうどうにもならないだろう。
談話室では、モップ・ファイトが繰り広げられている。
ぼくと真理は、そっと裏口から出ると、スノーモービルで駅に向かった。
帰りの電車で、イカメシ弁当を食べながら、楽しいひと時を過ごした。
翌日、新聞を見ると、N県のペンションで何やら事件があったらしい。
だが、平穏を生きるぼくと真理には何の関係もないことだった。
終 【 八百長クイーン 】 ( コンテニュー
>>692 )
B.可奈子ちゃんが出てくるのを待って声をかけようと思った。 念のため携帯モップを手にする。 この携帯モップ、ジャンプ傘のようにボタンを押すとピュっと飛び出るのだ。 かなり便利だが、所詮モップだ。もっと銃とかが当たれば良かったのに。 残り物に福はないようだった。 ぼくはもう一つの袋の中身がかなり気になっていた。 可奈子ちゃんの袋が当たりだったらかなりぼくは危険な事になる。 可奈子ちゃんはきょろきょろと辺りを見回しながら歩いてきた。 ぼくはどうやって説得しようかと考えた。 「ぼくは敵じゃない」と言っても信じてもらえないだろう。 真理でもいれば良かったんだが。女同士の方が信用され易いはずだ。 ぼくはみんなにこのゲームを抜け出す相談をするつもりだった。 こんなゲーム誰もきっと乗らないだろう。そう信じたい。 まずは最初の一人を信用させなきゃ何も始まらない。 ぼくは意を決して可奈子ちゃんの前に姿を現した。 「きゃあ。近寄らないで」 可奈子ちゃんはめちゃめちゃに袋を振り回した。 「待って、ぼくは君に手を出すつもりはない。ほら、この通り」 ぼくは両手を挙げて降参の合図をした。 可奈子ちゃんは一瞬緊張を解いたが、すぐにまた袋を振り回した。 「嘘。そうやって油断させる気でしょ」 「そんな事ない。ぼくはみんなで生き残る方法を探したいんだ」 「駄目。信用できない。私を殺さないって証明してよ」 証明ってどうやってすればいいんだ? ぼくは、 A.そんな事できるわけない。諦めた。 B.「じゃあ、亜希ちゃんと啓子ちゃんが見つかるまで一緒にいよう。 みんなで相談して決めていいから」と言った。 C.ジャック・バウアー
723 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 06:22:46 ID:PCmspNlP
724 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 06:25:29 ID:1EAQPGW7
どちらも盛り上がってて嬉しいです。これを機に、別の新作&未完の続きも来てくれると更に。
片方は一つしか選択肢が残ってないので、まとめて選ばせていただきます。
>>692 透が俊夫に異常な恨みを感じてる理由は中盤以降で明らかになるのでしょうか?w
Aでお願いします。
>>721 やっぱりこれもバッドになるの!?のCでお願いします。
C.ジャック・バウアー そのとき、突然携帯が鳴った。あれ、ぼく携帯なんか持ってたっけ? 「CTUジャックバウアー。何! 三日月島でテロリスト発生だと! ただちに応援に駆けつける。それまで全捜査官は現場で待機だ」 一方的に電話が切れた。 しばらくすると、一台のヘリコプターが頭上に現れた。 中から出てきたのは……。 あ、キーファだ!ぼくは密かにキーファ・サザーランドのファンだったので、 大喜びした。サインをもらおう。 「すみません。サイン……」 「飲酒運転で捕まってからファンにサインはしない事にしたのだ」 何故かジャックの吹き替え版の日本語をしゃべるキーファ。 「それより、敵はスーツケース核爆弾を抱えているようだ。 みな建物から離れ外で待機しろ」 そう言ってぼくたちが最初に出てきた建物の中に入っていった。 すると、大きな爆発音ととともに建物が光に包まれた。 まさかジャック失敗したのか? ぼくは次第に意識が遠くなり、放射能の拡散した島は壊滅的になった。 後には何も残らず、しばらく島周辺は立ち入り禁止区域になったらしい。 バッドエンド 【 核爆発 】 引き続きBも書かせていただきます。
726 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 13:04:51 ID:1Rp+gPIr
>>725 自分の方が後だから、本来無効なのに書いてくれたのですね。
ありがとうございます!
>>721 の続き
B.「じゃあ、亜希ちゃんと啓子ちゃんが見つかるまで一緒にいよう。
みんなで相談して決めていいから」と言った。
「まだ信用したわけじゃないけど、わかった」
可奈子ちゃんは、まだぼくを警戒しているも少しずつ表情が緩んできた。
ぼくたちは突然襲われることを警戒し、隠れる場所を探す事にした。
いつまでも茂みにいるわけにはいかない。
それに、いつ禁止エリアが発表されるかわからない。
今ぼくたちがいる場所にいられなくなったら、移動しなければならなくなるのだ。
ぼくはもう一度地図を見た。BCの区域はすぐに禁止にはならないはずだ。
そうなると島が分断されて行き来ができなくなる。
このゲームの趣旨はわからないが、ぼくたちに殺し合いをさせたい以上
分断させては意味がなくなる。
ちなみに現在いる所は最初の建物近くのBエリアだったが、
あまり出発地点の近くにいても敵から狙われる可能性が高い。
ぼくたちが警戒しながら歩くと、近くに小さな小屋があった。
この中に隠れるのはどうだろう?
だが、既に先客がいたら?
もし、その人たちがゲームに乗っていたら
ろくに武器も持ってないぼくたちは終わりだ。
そういえば可奈子ちゃんの武器は何だったんだろう? ぼくは聞いてみた。 「可奈子ちゃん、袋には何が入っていたの?」 「え、わかんない。まだ確認してない」 そうか。ぼくがすぐに声をかけたので、袋の中身を確認する暇がないのは当然か。 とりあえずぼくたちは小屋の中から見えない裏手に回り、 可奈子ちゃんの袋の中身を確かめた。 中には食料、水のペットボトル2本と、ヌンチャクが入っていた。 ヌンチャク? あれ、A4の紙が入っていた記憶があるんだけど気のせいか。 とりあえず武器になりそうなので持っておくか。 だが、モップはどうする? ぼくは、 A.可奈子ちゃんにモップを渡した。 B.可奈子ちゃんにヌンチャクを渡した。 C.ぼくが全部独り占めした。 D.CTUに連絡する。
729 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 13:51:12 ID:yrGE2ZAs
Cはバットかなあ?でも気になるのでCで
730 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 16:25:52 ID:y0MnW3o0
現在、485kbだ。 そろそろ次スレに移るか、それとも全部使い切っちゃうか議論した方がよくね?
次スレまで待機
732 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 21:39:26 ID:yrGE2ZAs
次スレたてたほうが確実だろうね。
733 :
名無しのオプ :2008/04/28(月) 21:51:14 ID:6U9g1eqV
734 :
名無しのオプ :2008/04/29(火) 01:48:27 ID:p+APQ4Ml
次スレ行って誰か選択肢を選んでほしい。俺は連続で選ばせてもらっているので次の人に任せます
735 :
名無しのオプ :2008/04/29(火) 16:35:29 ID:XZnos6zE
血液型を選んで下さい A・B型 B・AB型 C・A型 D・B型
736 :
名無しのオプ :2008/04/29(火) 20:27:47 ID:xz6miO8G
E・血が流れてません
737 :
名無しのオプ :2008/04/30(水) 22:04:57 ID:KMwUQxR6
正解! ―10ポイント
738 :
名無しのオプ :2008/05/01(木) 00:04:22 ID:yxHRHw2j
O型がないのは何か意味が?
739 :
名無しのオプ :2008/05/01(木) 08:33:58 ID:GeHgTae0
このスレ残すの?埋めるの?
740 :
名無しのオプ :
2008/05/01(木) 09:01:35 ID:eWXASxM5 放置でいいんじゃね?