56 :
読後感:
「北の夕鶴2/3の殺人」島田荘司(光文社)
警視庁捜査一課の刑事吉敷竹史はある日突然別れた妻通子から連絡を受ける。
事情がわからぬまま駅に走った吉敷は通子の乗っているはずの電車に駆け寄り手を振る。
その後、通子と思しき女性が車内で死体となって発見される。しかしそれは別人だった。
前妻は一体何に巻き込まれているのか?
未だ胸の内に通子への思慕を燻らせながら吉敷は捜査を開始するが・・・。
通子シリーズ第1作。笠井によればバカミスとしてもすごいらしいので興味津々。
いや確かに凄い。意外な表出も含めてこのバカトリックは感動もんです。
刑事ドラマの態を装っていても島荘は島荘なんだなぁ(あんま読んでないけど)。
普通刑事ものの主人公っていうとフレンチや鬼貫みたいな人想像するけど、
吉敷はモロに天才型探偵だね。勘だけでどんどん先に進んじゃう。
未読だけどモースもそんな感じなんだっけ?
そして作品設定とミスマッチなバカトリック!整合性なんざ屁のカッパなんだね♪
57 :
読後感:04/11/13 21:25:54 ID:H6i00nQp
「羽衣伝説の記憶」島田荘司(光文社)
吉敷竹史はフト通りかかった画廊である彫金作品に目を留める。
「羽衣伝説」と銘打たれたその作品が前妻通子の手によるものだと直感した吉敷は
通子との因縁を強く意識し、彼女に会う決意をする。
つーかなんでまだ離れてんだw 前回縒り戻ったんじゃなかったの?
前登場作からかなり立ってるし最初は続ける気なかったのかな?そんなこと無いか。
今回は「ラブストーリー」と裏表紙にはっきり書いてある通りミステリ風味はほとんどない。
しかし終盤に通子の幼少時代の事件が語られ、吉敷がアームチェア(ベッドかw)ディテクティブ
ぶりを発揮する(やっぱ凡人型じゃないね)。これが結構良い。
以下下衆の勘ぐり。
吉敷が真相を話す前にコトに及んだのは語った後だと拒否られる公算大とみたからでしょうか。
「駄目、駄目」ってそりゃアンタの人生のことですからー 残念!
58 :
読後感:04/11/13 21:29:30 ID:H6i00nQp
「飛鳥のガラスの靴」島田荘司(光文社)
吉敷竹史は通子との音信が不通になり不安になって再び京都へ赴く。しかし店は閉まっており、
通子は入院しているという。病院に電話して漸く話すことができたが、何故か面会を拒否される。
自暴自棄になった吉敷は失意のうちに帰京。映画俳優の失踪事件を担当することになるが・・・。
「通子!」「竹史さん!」今だ!変身!吉敷と通子〜♪(元ネタわかったらえらい)
まだ離れてますw こういう無茶を平気でやるのも島田流奇想トリックの一部でしょうか。
まー入院のわけは「表」見るまでもなくわかるけど。可哀相な吉敷。
思わず行きずりの女によろめくも理性捨てきれず。涙を誘います。
しかし本作の見所は脱力もんの一発バカトリックにあり。バカ度では「北の夕鶴」超えるけど、
感動は絶無。これで「表」見てそうだったら感動したけどw
あと大和田剛太に萌え。いやぁ豪快な奴だ。最近の事件を彷彿とさせたよ。
59 :
読後感:04/11/13 21:30:27 ID:H6i00nQp
「龍臥亭事件 上下」島田荘司(光文社)
突然アパートに訪ねてきた女性の乞いに従って岡山の山奥にやって来た石岡和已。
彼らは龍臥亭と呼ばれる元旅館に宿を求めるが、そこには息もつかせぬ連続殺人が待ち受けていた。
頼みの御手洗は遠くノルウェーの空の下。石岡は独力で事件の解決を強いられる。
果たしてワトスンはホームズになり得るのか?名探偵はもういない・・・
島荘は死んだ。長くてつまらない。しょっぱなの密室トリックはまだ笑える分許せるとしても、
その後のがひど過ぎ。
犯人丸わかりのミスディレクションにも萎え。ありゃ古典の手法ですよ。
第一石岡は推理らしい推理何もしとらんし。風呂場の石も思わせぶりに書いといて放置。
守屋の不祥事が何かも明かされないし、カオナシも里見がミチに反感抱いてる理由も謎のまま。
トドメを指すのが禿人のマンセー解説。
こんなのの愛蔵版なんて出すのも買うのも信じられん。読んだのを激しく後悔した。
60 :
読後感:04/11/13 21:31:30 ID:H6i00nQp
「涙流れるままに 上下」島田荘司(光文社)
吉敷竹史の別れた妻通子は、オナニーをする度に現れる首なし男の幻覚に悩まされていた。
しかし女手一つでの(メル欄)に疲れきった体にとって、オナニーによってもたらされる
ひと時の快感は必要不可欠のものであり、通子は健全なオナニーに耽るため、
自分の過去と真っ向から向き合う決意を固める。
一方吉敷はある冤罪事件に立ち向かおうとしていた。
二人の長く不可解な関係も終にファイナルデスティネーションへと辿り着くのか!?
着きませんからー 残念!
つーか何だよこのラストわ。こんだけ無理矢理引っ張ってきた挙句この様ですか?
これだったらまだ「北の夕鶴」のラストのが「ぽい」じゃんか。
ちゅーか通子よ。「戻りたい」「戻れる」って言い続けて10年経ってるじゃねーか。
戻る気ないだろテメー。
吉敷はその間必死に四面楚歌の中頑張って来たってのに、お前ときたらこの期に及んで
オナニーの心配なんかしちゃうのかよ。ええ加減にしとけよ。
「吉敷と一緒にいた時はなかった」って言ってんだから戻れよ!訳わからん。
大体何だこの実用性の無いエロさ加減は。あとこのクソ主任は何でまだいる?
賭けに負けたはずだろ。さっさと辞任せいや。ミステリ風味も雀の涙。
はぁ〜 思えば「寝取られ 洋画」でググった時に本作の名前が出てきたのが
読むきっかけだったんだよなぁ・・・デイトンのスパイ9部作と似てるかなとも
思えたし(それは強ち間違いではなかったと個人的には思うけど)。
追伸:吉敷ってかっこよかったのか。
潤一の奥さん萌えw
61 :
板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/15 23:37:08 ID:LxyrMzkW
62 :
板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/16 01:12:14 ID:9ru8HHdL
>>58 あー、懐かしいなあ、飛鳥。
日本ミステリ史上、屈指の駄作だよね。
思い出すだけでも笑える。
ある意味、お奨めかも。
東野圭吾 「変身」
ちょっと設定に無理もある気がするけど、
読んだ後は哀しくなった。
64 :
板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/16 09:34:14 ID:AB3zRpFN
我孫子武丸
「0の殺人」う〜ん
龍臥亭幻想を購入し、流れを把握するため龍臥亭事件から涙流れるままにと続けて読破。
以前の吉敷ものは高校の頃に読んだ記憶のみですが。
龍臥亭事件はいい。まだ許す。石岡君よく頑張った。
でも「涙〜」はひどいなあ。何もあそこまで一人の女を残酷に描く必要はないと思った。
初キス、初潮が来た日にされた出来事、近親姦処女喪失、東京での薬物セックスによる離婚強要。
そして吉敷が釧路関係者や弟から聞いた娼婦顔負けの痴態。
感情移入し易い自分は、それらの描写を読む時に怒り、目眩、吐き気諸々でで一時情緒不安定に。
正直、通子があの個展に行ってなければ何事もなかった訳だよなあ…
これでもし通子が吉敷の元を去って、夕鶴事件があるまでの数年が明確に描かれていたら完全に
読むのをやめてたな。と言うか推理じゃなく陵辱小説として読んだか?
やたらに長い性描写を端折ってたら一冊にまとめれたような気もする。
掲載された雑誌が違っていたらもう少しライトになれてたんじゃないのか?
まあ、全体の舞台が現代じゃないのがせめてもの救いかも。
今なら100%ビデオに撮られてるだろうからな。もっと酷いものを吉敷が目の当たりにしてたかも…
結構な量の小説を読んできたが、これほど後を引く作品は自分的にはないな。
おかげで龍臥亭幻想は殆ど頭に入らなかった。当分時間をおいて再読するかな…
66 :
読後感:04/11/16 16:42:53 ID:DdaOxaBb
「異形の白昼」(集英社)
筒井康隆編のホラー・アンソロジー。あまりパッとしない。
が、宇能・笹沢・都筑の3作は良い。
新本格ヲタはウザイんで書き込まないで。
島田荘司『眩暈』
おもしろかった〜。島荘の作品の中では「異邦の騎士」と並んで好きかも。
篠田真由美『未明の家』
内容云々より、登場人物(男)に興味がいってしまいました。
70 :
名無しのオプ :04/11/23 00:33:09 ID:S6nHd34k
飛鳥高「細い赤い糸」読了
ミッシング・リンクに無理がないし、実際にありそうなことを扱っているのに社会派ぶらずミステリに徹していて気に入りました。
謎解きが完了したらすぐに終わってしまうあっさりとした作品を最近読んでなかったせいもありますが
シンプルで分かりやすいです
映像化作品見ておけばよかったorz
71 :
読後感:04/11/23 17:24:25 ID:d3/kxmP0
>>70 >映像化作品見ておけばよかったorz
もしかしてTBSの、かたせ梨乃や森本レオが出てたやつですか?
それだったら再放送で観たけどすごくつまらなかったから
観ないほうが良かったですよ。。
73 :
板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/23 22:55:41 ID:/vx947uI
頼子のために 読了
密閉教室は童貞が書いた最高傑作だと思うけど
これにもまだ童貞臭がキツく漂っていました。
74 :
名無しのオプ :04/11/23 22:57:38 ID:A/myruaO
75 :
板ルール変更議論中@自治スレ:04/11/24 00:11:07 ID:a3ootwz9
>>73 「ふたたび赤い悪夢」「二の悲劇」
も十分臭うよ。
『殺戮にいたる病』我孫子武丸
ブックオフでやっと文庫版を見つけたので買いました。
久しぶりにむさぼるように読みました。完璧なおもしろさ。
鳥飼否宇「太陽と戦慄」
今までの中でも1,2を争うつまらなさだった。
ミステリとして出すなよと思うような出来だった。
畠中恵 「しゃばけ」
宮部みゆきさんの時代物にちょっと似てるかな?
少し物足りない感じもしましたが、素直に軽く読めます。
何となく連作になるのかなって感じがしました。
綾辻行人の『緋色の囁き』
綾辻さんのは速く読めていい。
特に興奮も感動も感心もしなかったけど、厳しい女子校の雰囲気は良かったかな。
それはそうと、読む本がなくなっちゃった…ブクオフ届くの遅いぞ。もう6日目なのに…。
国内と海外の新刊紹介スレッドと『読みました』報告の4つのスレの感想なんかを
まとめてブログにしようと思うんですがやっていいですか?
>>80 著作権の問題だから
苦情がきたら削除でいいんじゃないでしょうか
全員に確認はとれないでしょう
82 :
名無しのオプ :04/12/04 15:45:56 ID:sBAocT3N
恩田陸「MAZE(双葉文庫)」読了。
砂漠の中の不思議な建物(?)にまつわる謎を解き明かしていく話。
素直に何も考えずに読んだ方が楽しめます
この人特有の物語を広げるのはいいけれど、収束するのが下手なところが後半厳しいです
理に落とすのかオカルトのままで終わるのかはっきりせず中途半端な感じ。
83 :
板ルール変更投票は4〜11日@自治スレ:04/12/11 21:11:00 ID:KI+Mw/Fn
気に入った本のお勧めってここでいいのかな?
普段はあんま書き込みしないんだけど今日はどうしても書きたい心境。
『模像殺人事件』(佐々木俊介/東京創元社)。
横溝の中絶作(模造殺人事件)とのタイトルの類似が発売前から気になってはいたんだが
本日新宿ジュンク堂で見つけて渋い装丁に惹かれ購入〜一気読みで今さっき読了。
いやいや、この人イイ!この一作で俺の中で間違い無く素通りできない作家になった。
内容については、ネタバレせずに書くのが非常に難しい。けど、
とりあえず文章がむちゃ巧い&俺のツボで(埴谷雄高や中井英夫の影響が濃厚か)
最近の本格系の作家の中では頭一つ、いや、三つ四つ抜けていると思う。
デビュー作は未読なので元々巧かったのか長いブランクの間に精進したのか定かでないが
とにかく、近頃のヘタレ筆力のミステリに飽き足らない人はぜひ読んでほしいと切に思う。
何と言ったらいいか……読み終わって浮かんだ言葉はなぜか「ストイシズム」。
いや、とにかく、珍しくお勧めしときます、ハイ。
84 :
83:04/12/11 21:14:09 ID:KI+Mw/Fn
あ、ごめん、sage進行スレだったか?
>>83 模造で「ストイシズム」。今、なぜか difference et repetition 読み返してるんで
なんか模造を simulacre とか変換してしまうw
でも、創元社サイト見たけどおもしろそう。ほぼ10年ぶりの長編第2作
みたいですね。明日書店で見てみます^^
86 :
83:04/12/11 21:37:41 ID:KI+Mw/Fn
>>85 うんうん、作中にはまったく出てこないけど、たぶん「シミュラークルとシミュ
レーション」とか意識の中にあった上での作のように俺も感じました。
でも解説の千街タンは全然そのへんには触れてなかったw
87 :
85:04/12/12 01:29:52 ID:yAVyoPJj
>>86 でもボードリヤールじゃマトリックス3部作になってしまうw
ますます楽しみ。読み終わったら報告しますね^^
89 :
85:04/12/13 19:38:51 ID:MB/eVWX9
『模造殺人事件』読了。
確かにおもしろいし、文章はすごく巧い。ただ、最近メ欄を再読した
ばかりなので謎解きは途中でわかってしまった。こちらがすれっからしの
ミステリ読みなのかもしれないけれど、伏線もかなりわかりやすいし。
全体はよくいえば禁欲的、悪くいえばあっさり、という印象。
>>83さんが
「ストイシズム」という言葉が浮かぶのもよくわかる。千街タンの解説も
なるほどね、という感じ。
この文体だとこれは中編だと思います。著者には、これよりも長編、
それこそ『虚無への供物』並みの長編を書いてもらいたいと、
そう思いました。個人的にはのりりん、まーやについで今年のベスト3に
入りますね。のりりんやまーやもそういうところあるけれど、好き嫌いが
はっきり分かれそうな作品です。
90 :
83:04/12/13 20:58:51 ID:FGOvpwip
>>89 模「像」です。
いやいや、見ず知らずの自分なんかのお勧めで、本当に読んでくれたことにまずは感謝です。
そう、確かに淡白ではありますね。特に途中のトリックなんかは隠そうという意識があまりないような。
しかし、あの静的で淡々とした所が自分などは純文学的な香りがしてツボだったのです。
なおかつ、一応(?)サプライズエンディングも用意されていますし。
ともかく「今年のベスト3」とまで言ってもらえて安心しました。
お勧めしといて「ウンコじゃん!」では不可抗力とはいえ非常に申し訳ないので……。
ではまた〜。
91 :
85:04/12/13 21:24:50 ID:MB/eVWX9
>>90 あ、やってしまった(^-^; 模像だ。ってか1回で変換できない。。。
いえ、どういたしまして。
たぶん、
>>83さんとは趣味は合うんじゃないかと思うので
またおすすめの作品などありましたら、教えてください。
92 :
名無しのオプ:04/12/17 18:40:50 ID:Cu7FQOJH
>>83 著者近影がGood Lookingですた(*^v^*
金欠につき購入はしませんでしたがお給料出たら読んでみるかなあ。
93 :
名無しのオプ:04/12/21 15:28:09 ID:KUdUAAHF
西澤保彦「生贄を抱く夜」の表紙が微妙に恥ずかしかったので恥ずかしいついでに
森博嗣「ナバテア」「ZOKU」京極夏彦「ルーガルー」も一緒に購入
いやあ、ライトノベルっておもしろいなあ
94 :
名無しのオプ:04/12/22 01:52:12 ID:VYu9a9Hp
95 :
名無しのオプ :04/12/22 02:16:52 ID:UIrznO/S
>>81が著作権云々なんて話を持ち出してきたから作ってないと思っていたのですが・・・
>>80、経過報告お願い。
96 :
名無しのオプ:04/12/23 23:57:52 ID:ffJDJ2vp
黒武洋 パンドラの火花 まーまー面白かった この人遅筆だからもっとはやく書いて欲しい
97 :
名無しのオプ :04/12/24 02:53:18 ID:OGEL8Y7/
北川歩実「模造人格(幻冬舎文庫)」読了。
これより前に同じく記憶をテーマにした「透明な一日」を読んだのですが、その暗黒版(?)のような感じ。
どの登場人物が次に狂うのか分からなくなっていく様が恐ろしい上にラストもちょっと鬱展開で。
あと、監禁されている描写を書くのが上手いですね
記憶=人格?とは一概に言えなくなってしまう・・・
98 :
名無しのオプ :04/12/25 18:01:43 ID:OGSlSaK7
今邑彩「七人の中にいる(中公文庫)」
ペンションの女主人が過去自分の犯した犯罪を強請っている人を探す話。
常連客の中にいると考えて探ってゆくんだけど、その過程がコージーミステリ調でそういったものが好きな人にはおすすめです。
ギャグっぽく思えるところもあり、軽い感じでさらっと読める
「家族」がサブテーマですが、ちょっとしたおまけのようなものなので。
Fake(五十嵐貴久)読みましたよ
全体としては軽いマンガのような話で、
まぁ色々不満も多いのですが、
ポーカーシーンはヒリヒリとした雰囲気が伝わってきます。
特にオールイン勝負は、熱い!勝負の行方も、なかなか。
このシーンのためだけでも読む価値ありです。
栄光の23get
殊能「樒/榁」まあまあ
これから森博嗣「ZOKU」読みます。
「迷蝶の島」(泡坂妻夫)
昨日初めて覗いた泡坂スレで紹介されていたので読みましたがとても(・∀・)イイ!!
大当たりで大満足です。
でも他のスレでは聞いたことがないので知名度は低いかも…
かくいう僕も昨日初めて知りました。_| ̄|○
もっと読まれてもいい、読んでほしい佳作(名作)だと思います。
泡坂スレで映画「太陽がいっぱい」に似てると言っていた人もいましたが、
僕は折原一の「セーラ号の謎ー漂流者」を思い出しました。
折原氏は影響受けたのかな?
乙一「GOTH」
完全に期待はずれ。
いい大人が読むものじゃなかった。
あぼーん
105 :
読後感:05/01/15 01:03:25 ID:XSAOZxdV
「銅婚式」佐野洋(講談社)
古い。国内モノだから目立つのかも知れないけど。
後プロットも読める。
表題作も趣旨はいいけど…。
上の上の人、メル欄以外でのネタバレは禁止ですよ。
自分は未読でネタバレかどうか判断できないけど。
一言つまらないと書かれるよりも
具体的にどこがつまんないか書かれていたほうが見る人には親切じゃん。
途中「ネタばれ注意」って書いてあんだし、ネタばれされたくない人は
読まなきゃいいのでは?
出た出た
109 :
名無しのオプ:05/01/15 16:12:02 ID:cv9juaCI
まさにループ。
・・・そしてスレ違い。
井上夢人の「メドゥサ、鏡をごらん」読了。
「ミステリじゃない」という書評を念頭に入れてたが、
まさかこんなオチとは夢にも思わなんだorz
(メル欄)に似てると思った
(メル欄)のほうが作品として洗練されてるけど。
104 >名無しのオプ > >05/01/10 23:07:25 ID:H/bquBEU
雫井脩介「犯人に告ぐ」
絶賛されている割には退屈だった。
途中から斜め読みしてしまったくらい。
(以下ネタバレを含むため削除)
112 :
名無しのオプ:05/01/16 00:05:41 ID:5WjXK8hj
佐々木俊介「模像殺人事件」
んまいじゃないか! 皆さんも買えゴルぁ
113 :
名無しのオプ:05/01/16 00:07:46 ID:GoMzsH/7
114 :
名無しのオプ:05/01/16 02:01:33 ID:APKUcGBe
>>112 買ってはないが図書館で借りて読んだ。
何年ぶりとか関係なく、イイものはイイ、ダメなものはダメなんだけど、
ぶっちゃけこれは大傑作でしょ。
つか、何で話題にならないん?
115 :
名無しのオプ:05/01/17 18:00:58 ID:Kdm9Vldr
「模像」いいことはいいが、大傑作とは呼べん気がする。
おれはむしろ愛川晶「七週間の闇」を大傑作として薦める。古いけどあえて
116 :
名無しのオプ:05/01/17 21:49:18 ID:zdfC4KC7
乾くるみ「イニシエーションラブ」読了
気恥ずかしくなるくらいの80年代ラブストーリー
読み終えてみれば単純な叙述トリック
でも,自分の大学時代振り返ってもこんな奴(カップル)いたなぁと思えてくる
ジワジワと女の怖さがしみてきます。
しかしお前らHやりすぎ!(ってこの頃の奴らの興味はソレばっかだったよなぁ シミジミ・・・)
117 :
名無しのオプ:05/01/18 11:22:45 ID:FOQ/JZ47
>>116 その作品、さんざん叙述だ叙述だって紹介されまくってるからさ、
もうそうだってわかっちゃってると、読もうって気持ちにならないんだよな。
男女が逆なのかな、年齢差のことかな、セックス描写多いっていうから、
男女と思っていたのが女女だったのかな、とか、そういうふうにしか思えなくて、
最後のページまで読むのがだるい。
>>117 取り敢えず読み終えたら、感想ドゾー
多島斗志之・作、「CIA桂離宮作戦(徳間文庫)」読了
多島作品の謀略ものは驚かされても最後あっけないな、と感じるものが多いのですが
淡々とした文章の中で素直にやられました。
こういうテーマをもっと書いてくれる人が日本にもっといれば・・・
タイトルに関して冴えないという意見もありますがいろんな意味を込めてこれでいいのではないかと
119 :
名無しのオプ:05/01/18 14:06:44 ID:OVRkfySA
>>117 とりあえずどれも違うし、
そういう次元じゃないから読んでみればいいと思う。
120 :
名無しのオプ:05/01/19 01:50:14 ID:zfZPcCEm
倉知淳「星降り山荘の殺人」読了
「忍者のような〜・無駄のない」「おっさんのような」「猿のような」「彫刻のような〜」「魔法の」
何度も繰り返される表現にウンザリ。
主人公はキチガイとしか思えない
121 :
名無しのオプ:05/01/19 03:09:37 ID:vJzrEwAZ
中身のない批判にもうんざりだがな…
「繭の夏」佐々木俊介 読了。
いや、良かった。俺は「模像」より好きだ。伏線が綺麗に拾われて、悲惨な結末にうまく結びついている。ぜひご一読あれ
122 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/01/19 21:37:59 ID:4GFXkKXa
小林信彦「袋小路の休日」を読む。
ミステリにも縁が深い著者の作品集である。純文学苦手なミスヲタにもお薦め。
収録作品中では、博文館の伝説の編集者を描いた「隅の老人」はミステリファンなら
必読だ。
「根岸映画村」の松竹からATGへ移った不遇な映画監督(うるさ方の会長というのは
城戸四郎だろうが)、「自由業者」のDJ出身の放送作家兼タレントとは、それぞれ
誰がモデルか推理してみるのも一興かと思う。
>121
どういう種類の結末になるかを書くのは、ネタバレじゃないのか?
結末が悲惨だ、というぐらいならネタバレとまではいえんのでは?
無粋な書き方だとは思うけど。
「飛蝗の農場」ドロンフィールド
結末っつーか後日談の意味ワカンネ
自分が頭悪いだけか?
(メル欄)がやけに老けてるって記述、意味あるの?
126 :
名無しのオプ:05/01/29 12:24:39 ID:689hm2GL
「天使の囀り」
途中まではだらだらつまらんかったけれど、最後のほうは背筋ゾクゾクものの展開で面白かった。
落ちもせつなくていい感じ。 あと、どれだけ飢えてても猿は喰わねーぞと思いました。
127 :
名無しのオプ:05/01/29 21:42:46 ID:kqQEGw9U
脚本家の秦健日子の「推理小説」読んだ人いますか?
やっぱダメっすか?
128 :
名無しのオプ:05/01/30 10:38:08 ID:IqnY6B98
浅倉卓弥の四日間の奇蹟読んだ。こーゆー話大好きだけど、超有名作品とほとんど同じでびっくりした。面白かったけどパクリじゃないのかなぁこれ。
129 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/01/30 18:47:03 ID:cs6ZaBnR
隆慶一郎「影武者徳川家康」を読破。広義の歴史ミステリに含まれ得る作品。
現今の時代小説は隆作品と同傾向のものが主流をなしており、
こういった意味では、この傾向の是非は別として、
後世に与えた影響は大きい作品ではある。
内容は、徳川家康の影武者を中心に2ちゃんのレスによく見られるような
妄想モード全開の物語が展開される。
言わば、狙って書いた作者の妄想にどこまで付き合えるかにより、
この作品をどの程度楽しめるかが左右されると言えよう。
「徳川実紀」の記述を素にした解釈が主となっているが、そもそも作者自身が、
実紀の記述の信頼性には疑問を呈しており、この点からして矛盾しているのである。
設定としては、敵役となる徳川秀忠と柳生宗矩を筆頭とした柳生一族がやられっ放し、
間抜け過ぎて物語の緊迫感を殺ぐ結果になっている。
130 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/01/30 18:47:49 ID:cs6ZaBnR
特に秀忠のキャラは真性家康を欺かんとした狡猾な猫かぶりと影武者である二郎三郎に
何度も抜かりを取る単純思考の間抜けぶりには、同一人物とは思えないキャラの破綻ぶり
を感じてしまう。
秀忠と柳生を怜悧な強敵として描き、影武者側との丁丁発止のやり取りを見せた方が、
サスペンスフルな展開になったと思われるのが残念だ。
秀頼保護、秀忠の独裁政治を嫌い公界実現を夢とした二郎三郎が、逆に秀頼討伐へと
傾いてゆく展開も急転過ぎて説得力を欠くものである。
二郎三郎側につく武田忍者の六郎や風魔忍者を超人的に描いている点も感心しない。
(対して柳生一族や伊賀・甲賀忍者はまるで虚仮扱いである)
折角、村山知義が「忍びの者」で呈示した「リアルな忍者群像」が、何十年も後退して
しまった感がある。
キャラとしては、六郎のボディガードを志願する先代小太郎こと爺忍者風斎が、
一世を風靡した忍者アニメ「花のピュンピュン丸」に登場した風魔忍者の頭領フーマン
を想起させる飄逸さなのが面白い。
まあ、所詮、こういう劇画・漫画タッチの面白さが売りであり、それしか無い作品なのである。
131 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/01/30 18:49:03 ID:cs6ZaBnR
自己流の史観を展開しながらも、歴史の大筋は崩さない司馬遼太郎作品、
「歴史に英雄無し」というクールな視点でドキュメンタルに書かれた吉村昭作品等
を好む読書人には不向きであり、眉をひそめさせるものがある。
小池一夫の劇画や横山光輝の伊賀の影丸等が好きな輩、小説だったら山田風太郎作品を
愛読する連中には高い支持を受けるかと思う。
132 :
名無しのオプ:05/01/30 19:04:44 ID:IuPEHLm2
しかし最近の歴史研究で、司馬作品も妄想全開のよくできたファンタジー
だということがだんだんハッキリしてきたからなあ。
よくSFファンの間で言われているのが、映画「2001年宇宙の旅」が
公開された時、「それまでの荒唐無稽なSFと違って綿密な科学考証に
基づいたリアルな映像」などと言われていたのだけれど、2001年を
越えてみると、むしろ「荒唐無稽」と言われていた活劇などに出てきた
技術や発想はすでに現実化しているのに、リアルに見えた2001年に見ら
れるものは今ではトンデモなものでしかなくて実現しようとする人も
いないものばかり、というのがある。
司馬作品も案外講談もの以上にホラばかりだ、と笑われる時代がもうそこ
まできている気がすると同時に、同時代のドキュメントなどを調べていると
一人の人間の蛮勇や英断でことが決まることが意外に多くて驚いている。
あんがいと「影武者」の方が「関ヶ原」(もう相当史実と違うことが明らか
になっている)よりもリアルだったと証明されたりするかもしれない。
山本勘介も結局実在したしなあ。(いつの時代の話だ)
133 :
名無しのオプ:05/01/30 19:15:39 ID:qybnuvhd
氏んでください↑
∩―−、
/ (゚) 、_ `ヽ
/ ( ● (゚) |つ
| /(入__ノ ミ
、 (_/ ノ <そりゃクマったな
\___ ノ゙
/ \
⊂_ノ) ノ\_つ
(_⌒ヽ
ヽ ヘ }
(( ノノ `J ))
雫井脩介「火の粉」
胃の中かき回されるような焦燥感に駆られながら、
一気読みしてしまった。
馬鹿息子と警察の手際の悪さにさらに苛立ちつつ、
まんまと作中の世界へのめり込んでしまいました。
いやー、おもしろかった。
でも読み返したくはないなー、疲れるからw
田中啓文「笑酔亭梅寿謎解噺」
ミステリーとしてはともかく 落語は面白いかも
ほろっときた 大阪のええところが伝わってきました
137 :
名無しのオプ:05/01/31 22:28:23 ID:56w/UGDQ
矢作利彦「THE WRONG GOODBYE」
”オン・ザ・ロックス”はまあ判るとして、”スカッチ”や”レインジローバー”
という表記は如何なものかと・・・
期待値が大きかっただけに、こんなものか・・・という感じでした
138 :
名無しのオプ:05/01/31 22:29:59 ID:56w/UGDQ
矢作利彦(誤)・・・矢作俊彦ですた
139 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/05 20:44:16 ID:PeYuNYXI
文春文庫の松本清張「かげろう絵図」再読。
かって角川文庫収録時には非常に面白く読んだ記憶があったのだが、
その後の歴史・時代小説というジャンルそのものの変遷・発展もあってか、
今読み直してみると、御都合主義の展開ばかりが目立ち、
読者を愚弄しているかの感さえ受ける。
唯一の読み所は戦後の怪事件を想起させる淡路守を巡る謀略とそれに関する推理である。この部分のみを取り上げで短編とすれば傑作足り得たであろう。
新聞小説という点を念頭において見ると、主人公新之助の義姉に対する思慕という
生かされなかった伏線があったように読める部分がある。
(彼が実家を出ている因だと考えられるが、兄夫婦は物語には一切登場しない)
回数制限ゆえに、連載が進む中で捨てられた設定だと考えられる。
140 :
ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/06 16:32:35 ID:Oofw2clu
∩―−、
/ (゚) 、_ `ヽ
/ ( ● (゚) |つ
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、 (_/ ノ <そりゃクマったな
\___ ノ゙
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⊂_ノ) ノ\_つ
(_⌒ヽ
ヽ ヘ }
(( ノノ `J ))
142 :
読後感:05/02/07 00:28:57 ID:WfV+hqkE
「風紋の街」西村寿行(講談社)
罠にはめられ服役した主人公2人組は出所してから復讐しようとするが果たせず、
無人島で淫蕩な日々を送っていた。
しかしそれもダメになり、挙句暴力団から人質救出するはめになってしまう。
大金持ちの婆さんまで巻き込んで一大戦争が勃発していく。
かなり明るい感じの作品。他の西村作品とちょっと毛色が違うんじゃないかな。
だから用途としては物足りない。
つーか助け出してもやってることは結局一緒なわけでw
何で惚れるのかは永遠の謎。
「空白の起点」笹沢左保(講談社)
鮎子は走る電車の窓から、男が崖から転落するのを目撃する。
しかもそれは自身の父親であった。
保険調査員新田は被害者が要注意人物であったことを知る。
果たして自殺か?他殺か?あるいは事故死か?
笹沢氏中期の佳作ということで読みました。
まあ地味ですが、トリックはそれなりに考えられてはあるかなと。
なるほどこういう目に遭えば危険な魅力が出るのかという参考にもなるかもw
143 :
ネタバレスレ議論&投票中@ローカルルールスレ:05/02/07 20:39:05 ID:jPOOspF/
「死亡推定時刻」
けっこう、面白かった。
謎解きが趣味の人には向かない作品だけど。
144 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/11 19:44:25 ID:m1p2sKBz
五味川純平「人間の條件」を読破した。
馬鹿でかい虫眼鏡を携帯して名探偵気取りの奴、
ハイライトを横ぐわえしてハードボイルドを気取っている奴等々
こういった精神が弛緩したミスヲタに突きつけて読ませたいのが本書である。
鉱山を舞台にした第1部と第2部、軍隊を舞台にした第3部と第4部は
板違いかもしれぬが、満州を舞台にした戦闘と逃亡がメーンとなる
第5部と第6部の前半は冒険小説そのものである。
(そもそも主人公梶は気骨がある冒険小説の主人公そのものであると言える)
全部読破して欲しいが、第5部と第6部だけでも読んでみること。
激烈な戦闘シーンに続く地獄巡りを思わせるような逃亡シーンは、一読巻を置かせぬ
ものがある。心して読め!
「雪は無心に舞い続け、降り積り、やがて、人の寝た形の、低い小さな丘を作った」
この最後の一文を読み終えたとき、累積したミステリの文庫本、カッパノノベルス、
講談社ノベルス等々を静かに野辺の送りにしたくなる者も多かろう。
佐々木譲氏
「うたう警官」
読みました
面白かったです
現実の警察も色々お騒がせですが
さすがにここまで腐った体質は無いだろうとは思いますが
なくはないかなとも
いずれにしても 久しぶりにハラハラドキドキの展開でした
エンターテイメントに徹して映画化してもおもしろそう
クラインの壷を読みました。
面白かったけど、もっと続きがあればよかった。
147 :
ルール変更議論中@ローカルルールスレ:05/02/17 12:54:54 ID:H3g9bHER
夜光虫よみますた。
すっげーおもすれー( ^ω^)
感動しますた。105円の価値が十二分にありますた。
148 :
ルール変更議論中@ローカルルールスレ:05/02/18 20:06:44 ID:De8xgBWY
原リョウ
サイコーです。
何時まで寝てんだ、「さらば長き眠り」
149 :
ルール変更議論中@ローカルルールスレ:05/02/18 20:18:42 ID:vuutNHaO
我孫子武丸「殺戮にいたる病」
初我孫子。面白かったー。
でも(メ欄1)と知らずに読んでたらもっとよかったかも。
(メ欄2)のときのような衝撃を味わいたかった、、。
黒川博行氏「左手首」読みました
文庫本読み終わって気がつきました
2回目でした orz
黒崎緑「未熟の獣」読了。
かなり後味悪くて、怖い小説ですた。
寝る前にいっき読みしたら、ひどい悪夢にうなされた・・・
期待以上に良かった、おすすめです
有川 浩 「空の中」
幼なじみの青春ものとSFと航空自衛隊の合体もの。
話がうまく絡み合っていて、読後感も爽やかです。
なかなかお薦め!
マークスの山読みました。
個人的にはだめでした。
面白くなくはないんだけど、警察内部の事情が細かくグダグダとありすぎて
(縄張りみたいな争いやら上下関係やら)のめりこめなかった。
あと物語も拍子抜けという感じでした。
>>154 マークスの山はまだ読めた方でした
リヴィエラを撃て はついていけなかった
原 ォ 愚か者死すべし 読みました
病院の待合室で読んだ週刊誌で大絶賛してたので
どんかものかと購入してみましたが
ふつーうに面白かった(大絶賛するほどかどうかは?)
貴志祐介「天使の囀り」読了。
最初はなかなか集中できなかったけど、
後半グッと引き込まれてしまった。
てか、(メ欄)コワ。
キスシーンでゾッとしたの初めてだ、、、。
誉田哲也『春を嫌いになった理由』
読んだ人いねーかな
>>154 そのうち読む予定。
しかし、読みたい本が多くて追いつかないよ。
京極夏彦『百鬼徒然袋-雨』講談社NOVELS
さすが京極、飽きさせずに最後まで読ませるのはやっぱり凄いなぁ。
何が楽しいって謎が楽しい会話が楽しいシチュエーションが楽しい薀蓄が楽しい、
まさにエンタテインメントのカタマリ。堪えられぬ。
まぁ京極作品にはいつもの事で、謎を解明する論理性はちょっと怪しいわけですが、
それも中禅寺が、前もって何もかもを見透かしているような描写が上手いせいで全然気にならないどころか
「あぁそういうカラクリだったのか」ってカタルシスを得られるくらいに昇華してあるのも流石。
この連作短編集は榎木津が中心人物ということで、
榎さんが余り好きではない俺としては「大丈夫だろうか」と心配しながら読んだのだけれど
いやいや、榎木津を中心に据えたのはスラップスティックがやりたかったんだなぁ、と読んで納得。
塗仏のラストでのスラップスティックはどうも浮き足立ってて失敗している感があったのですが、
また腕を上げやがったな、と感慨頻りで御座います。
160 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/26 15:00:01 ID:T+IGqvk2
都筑道夫「神州魔法陣」を読む。
正直な感想、「つまらん」の一言に尽きる。
この手のものを書かせたら、やはり山田風太郎(以下「ぷうたろう」と略す)
には遠く及ばない。
78年に桃源社より刊行、81年の富士見時代小説文庫収録以来、
再刊されていないのも、「なるほどしかり」とうなずける拙い出来である。
捕物帖仕立ての第一部(八百八町しのび独楽)、
道中記仕立ての第二部(五十三次しのび独楽)に分れており、
捕物帖も旅ものの時代小説も好きな私としては期待したのだが、
偶然性と飛躍に頼り過ぎた展開は、到底、大人の読物足り得ない代物
と化している。長編ということもあって、
著者のヒット作である「なめくじ長屋シリーズ」以上に、
江戸の風物に関する描写は、丁寧に良く書けているだけに残念である。
本書と似たネタ(歴史上の有名人の復活と陰謀)を書き、その後何度も再刊されて、
ロングセラーとなった、ぷうたろうの「おぼろ忍法帖」の刊行が67年。
本書と同じ、生ける屍ネタを描いた「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」が
68年製作、続編である「ゾンビ」の公開が77年である。
本書の刊行が、78年であることを考えると、都筑氏(以下「ミッチー」と略す)は、
ヒット作「おぼろ忍法帖」から基本設定をパクリ、ゾンビ・ブームにも便乗せんとした
のではないであろうか。
脇役で登場する大礒の金五郎のキャラとエピも、木枯し紋次郎に代表される
笹沢左保の股旅もののエピゴーネンとも読み得るのだ。
果してこんな切り貼りのような仕事が許されて良いのだろうか。
青の炎読みますた。
面白かった。
映画は見てないけど、主人公の顔があの芸能人の顔になってしまったのが
少し残念な気がしますた。本の表紙がそれだったのと、CMかなんかで見たせいだと思う。
>>145 自分も「うたう警官」は面白かった。
今年読んだのは「さまよう刃」東野、「生首に聞いてみろ」法月、「犯人に告ぐ」雫井、「グリズリー」笹本、だけど、「うたう警官」が一番面白かったと思う。
せんーさく
飽きずに読めたけど想像以上の展開はなかったかな
少年と人妻のイメージが今一湧かなかった
けど、他の作品も読んでみようと思えた
うたう警官が何処の書店にも売っておりません
諦めてネット購入するかな・・・
普通のハードカバーサイズでいいんですよね?
165 :
変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/04 13:31:12 ID:eRln2+ba
「うたう警官」読了
まぁまぁでした。5点満点の4点てとこ。
このへんのことを書かすならなら東直己の足元にも及ばない。
東も最近ダメだけど
166 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/05 13:51:35 ID:oFrf4iCq
「夜光虫」、と言っても、横溝正史の方を読んだ。
由利麟太郎シリーズの数少ない長編のひとつである。
(と言っても、文庫本250頁程度)
金田一シリーズとは異なり、ハッピー・エンディングが少ないのが特徴の
シリーズだが、本書は珍しくシニカルなハッピー・エンディングとでも評す
べき結末を迎える。
両国の川開き(花火大会)時の捕物、唖の美少女と肩に痣がある美少年の出会い、
池袋にそびえ立つ謎の時計塔を舞台にした争闘、
フリークス集団たる潮吹(ひょっとこ)長屋の住人たちとの大川を舞台にした
水上の追跡等々、活劇色が強く、謎解きの興味は薄い作である。
頭が軽いジュブナイル好きには最適な作かモナー(w、と思う。
今回は、執筆に資するため再読したが、初読時には「真珠郎」「仮面劇場」等の
他の由利先生シリーズ長編と比較して、失望したものである。
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\《 ヽ .゙li ._¨''ーv,,_ .》′ ゙゙ミ| ,r′ }
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〔^ー-v、,,,_,: i゙「 } .,l゙
l! .´゙フ'ーv .,y ] '゙ミ
| ,/゙ .ミ;.´.‐ .] ミ,
| ノ′ ヽ 〔 ミ
} } ′ } {
.| .ミ .と 〔 〕
.{ \,_ _》、 .{ .}
168 :
ドクゴカン:05/03/10 04:05:59 ID:iLvrotoe
「岡本綺堂集」ちくま文庫
前半古くさいと思いながら読んでいたが、
「蟹」でなかなか、「一本足の女」で怖いと感じた。
タイトルからして来るけど中身も良い。
ラストがまたぞっとさせてくれる。
後にも「木曾の旅人」「麻畑の一夜」「月の夜がたり(の一)」
等怖さがあった。
田中貢太郎はもっと怖いのかな?
「そして粛清の扉を」黒武洋(新潮文庫)
加害者も被害者もDQNすぎて、何の感動もなかった。
メル欄って何か意味があるの?
鮎川哲也「黒いトランク」読了。
今までメル欄の見方を間違えてたorz
171 :
変更投票開始@ローカルルールスレ:05/03/10 22:09:44 ID:A4eyeFzl
佐々木俊介「模像殺人事件」(東京創元社)
2004年12月発刊の、これは掘り出し物です
多少の瑕疵を補って余りある、横溝へのオマージュを滲ませた本格でした
個人的には「生首・・・」より面白かったですよ
172 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/10 22:28:49 ID:LzML7YZV
>>168 「小説」としての出来栄えは、岡本綺堂作品の方がはるかに上だ。
田中作品は、泥臭く、スプラッター色が濃い。
クライヴ・パーカーとか好きなら読んでみれ。
>>171 たしかに傑作だけど、あれ、狭義の本格ではないよね。
デビュー作はクリスティ風味、でも実は彼はカーの大ファンでもあるらしいですね。
いわゆる「新本格」でミステリ開眼した人たちと違って、英米本格黄金期の作品を
通過してきてる人の作品はやっぱ一味違うわ。
174 :
名無しのオプ:05/03/11 02:36:18 ID:5IfRuazX
>>174 え、いや、新本格の影響をガツンと受けて作家になった人たちって意味で。
もちろん、そうやってひと括りにしちゃいけないけどね。
176 :
名無しのオプ:05/03/11 12:14:43 ID:+7H10Qlz
貫井徳郎『迷宮遡行』(新潮文庫)。
もとになった『烙印』は未読。
うーん・・・中途半端というのが第一印象。
このテーマなら、ハードボイルドの文体でよかったのでは。
法月の解説だと、改稿してよくなったといっているが、
疑問だ。つまらなくはないが・・・【6.5点】
177 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/12 11:47:15 ID:ns/ea/O8
佐伯一麦「鉄塔家族」を読む。
日経連載時から小津映画を想起させると評された作品。
ゆえにこの板の住人が最も苦手とする傾向の作だと言い得る。
作者には「ショートサーキット」でデビュー以来、注目はしていたのだが、
文学に対する生来の感性の良さは認めるとしても、若い時の作品には、
高卒と大卒の埋めきれぬ感覚差のようなものがあり、敬遠していた時期も
存在した。
本作にも、中卒の文学好きな喫茶店マスター(しかも舞台は東北である)という
およそ現実ではお目にかかりにくい人物が登場する。
(イメージ的には漫画家の石川淳だが、彼は明大漫研出身)
しかしながら、作家としての年輪を重ねたゆえか、物語全体に不自然さは無く、
かえって書斎派の作家には無い、極力、理に陥ることを排した素直な語りには
独自の爽快感さえ伴うものがある。
この辺が、ハイブラウが多い日経読者には逆にウケた因であろうかと思う。
ミステリとしての読み所は、主人公の過去をはじめとした一見平穏な日常に潜む
謎の解明である。
平成の小津ワールドは、鉄塔がある町の人々の生活をハートウオーミングに描く
だけでは済まない時代になっていたのだ。
178 :
名無しのオプ:05/03/12 12:02:09 ID:h3N3sCT4
>>177 さすがですね。ミス板でその作者の名前を見るとは驚きだな。
読書の量と質がそんじょそこらのひよっことは大違いなんだろうなあ。
179 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/12 12:11:22 ID:ns/ea/O8
>>178 社交辞令はどうでもいいから、簡単に「鉄塔家族」の感想を書いてくれ。
>ミス板でその作者の名前を見るとは驚きだな。
このレスから見ると、君のおなじみの作家かと思う。
180 :
名無しのオプ:05/03/12 12:33:01 ID:QIngNdLI
うるへーはげ
自演乙
183 :
名無しのオプ:05/03/12 12:46:33 ID:7EujCFiy
久しぶりに自演らしい自演を見たな。
184 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/12 14:46:53 ID:0RkmrPmy
>>182-183の逃げに笑った。
>>178は「鉄塔家族」未読と断定する。
結局、あの作品をミステリとして読んだ場合の伏線は、主人公の持病そのものと言える。
医者や精神医学に関する知識がある者にしか読み取れない伏線が成立するか否かは
問題だけどな。
185 :
名無しのオプ:05/03/12 17:25:17 ID:h3N3sCT4
186 :
名無しのオプ:05/03/12 19:40:10 ID:h3N3sCT4
61-23-150-68.rev.home.ne.jp=61-21-178-77.rev.home.ne.jpよ、
もうその辺でやめておけ。これ以上混乱をもたらす要因は作るな。
189 :
名無しのオプ:05/03/12 20:40:21 ID:h3N3sCT4
削リファイスさんの判断はお見事の一言に尽きる。
こういう削除人が見てくれているならこの板もしばらく安泰かな。
190 :
名無しのオプ:05/03/13 09:29:59 ID:eOyebPXi
61-23-150-68.rev.home.ne.jpよ、馬鹿な真似はもうやめておけや。
ここが気に入らないなら自分の掲示板でも作って引きこもってろ。
それすらできないならここに馴染めるように必死に努力せいや。
191 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/03/13 17:57:10 ID:G/cgL3C/
大横溝の「夜歩く」を再読し、改めてその巧みさを実感した次第。
このプロットなら、アンフェアがアンフェア足り得ないのである。
横溝作品の中では二列目の傑作という感があり、知名度は低く、
未読者も多いであろうが、金田一が脇に回っている点を除いては、
怪奇、猟奇、エロ、そして謎解き等、横溝作品の特色が良い意味で
全開した傑作である。
舞台設定も前半が東京の古神邸(館もの)、後半は山陽の古神本家
(地方の山村)を舞台にし、共に物語上の効果を上げている。
この点もまさに一粒で二度おいしいのだ。
こんなに面白い作が、わずかに文庫本300頁強とは驚きだ。
まさにシマソウあたりに突きつけて読ませたい作の見本。
「翼ある闇」読んだ。
う〜ん。文章がかなり不味いような気がするんだけど、気のせいかな?
本格書きたいんだなぁ、ってのは分かったけどそれほどの衝撃は無かっ
たし、ちょっと芝居じみてると思う。
>>192 ファンもそれは重々承知しているんで…orz
あまり関連性を気にしないで高評価作品を読むのなら「鴉(幻冬舎文庫)」
からドゾー
そのまま「夏と冬の奏鳴曲」に行くと多分ネタバレページを見ても
訳が判らなくなると思うので
194 :
名無しのオプ:05/03/13 20:16:32 ID:eOyebPXi
195 :
名無しのオプ:05/03/13 20:20:35 ID:WSCMOR4C
>>191 >まさにシマソウあたりに突きつけて読ませたい作の見本
いいこと言うなあ
馬に同意するのがはやりなのかなあ・・・?
じゃあ私も
>>191 馬が人間の言葉をしゃべるなんてすごい!
197 :
名無しのオプ:05/03/14 11:20:12 ID:RQkVYr6N
永嶋恵美「転落」読了
スカパーかなんかでやってた昨年の「闘うベストテン」で10位あたりに入った本。
内容は書かない方がいいと思うので省くが、まぁおもしろかった。
このミスで雫井や伊坂が上位にランキングされていたが、間違いなくそれらよりはおもしろい。
木内一裕「藁の楯」読了
どう考えてもありえねーって設定で、後味もよろしくないが、
読ませることは読ませる。
ただ、幼女を暴行の上殺害ってあれだけの量刑(7年で仮出所)
で済むわけないと思うのだが。
出所後もう一人を同様の手口で殺害しておいて「死刑にはならないだろう」
とか言ってるし、どうもこの作者の量刑感覚って狂ってるような気がする。
>>198 ってか設定以前にあの本、文章が下手すぎないか?
一応全部読んだがひどいもんだと思ったよ
200 :
名無しのオプ:05/03/17 14:34:58 ID:Yj7ILfE8
背の目読んだ人はいないかね〜?
201 :
名無しのオプ:05/03/17 16:38:28 ID:Q8is6t2t
いるよー。
綾辻も言ってる様に、京極風味が気になるが、まあまあおもしろい。
「祓います」はやりすぎだとおもったが。
ホラーとしては微妙だが、本格テイスト好きな人なら【7点】
>>201 テンキュー
買おうか迷ってるんだよな
「背の目」か「摸像殺人事件」どっちにしようか
203 :
名無しのオプ:05/03/17 16:55:12 ID:Q8is6t2t
「摸像殺人事件」は未読だけど、「繭の夏」はおもしろかったなあ。
クリスティとか今邑彩の系譜ですな。最近読んだのでは、
松尾由美「雨恋」がおもしろかっただな。ぱっと見、恋愛小説なんだが・・
くわしく言うとネタバレだし、くわしく言わないと本格ファンは手を
出さないだろうし・・。いたしかゆし。
別の意味で最も最近面白かったのは「新・本格推理05」(笑)
「模像殺人事件」もけっこう人に説明しづらい小説。
どう言ってもネタバレになりそうなので、
とにかく最後まで読んでみて、としか言えない。
205 :
204:05/03/17 18:30:29 ID:A2agPuYl
ついでに言うと、あっさりネタを見抜かれてしまうか否かっていう、
あのギリギリ感が好き。
レッドヘリングといっていいかどうか、最終章で明かされる真相から
読者の目を逸らすための細工もうまく工夫されてると思う。
>>199 下手なんてもんじゃないよありゃ。なんであんなに改行するのか?
小説を読んだことあんのかって感じ。
設定は個人的にすきなんだけどね。
>>206 確かに今見返したら、ページの一番下までいってるセンテンスがほとんどないのに
驚いた。
公魚先生かよ・・・トホホ
>>203 「背の目」やめて「雨恋」かってみるよ
それと「模像殺人事件」も
210 :
:05/03/19 00:33:24 ID:7RrmmnYQ
「犯人に告ぐ」読了。
面白そうだなあと思いつつスルーしてたけど、やっと読めました。
ロ、ロン毛かよと思ったけど(主人公のおっちゃん)、タレ目という事で桜井さんを無理やりイメージにくっつけて読み進めました(w。
マスコミが舞台なだけあって、彼らの数字に対する拘り、その為に被害者や事件解決への配慮を欠いていること
それを覆い隠す偽善者的な態度がいたるところにあって、情報機関への皮肉をこめた作品になっていました。
けれどもニヒリズムに始終する作品ではないので、嫌らしさは感じず。
面白かったです。最後は不意を突かれてちょろっと泣いちゃいました。
212 :
名無しのオプ:2005/03/22(火) 09:36:29 ID:SRZhAOxZ
「とげ」山本甲士 読了
前作の「かび」は読んでくれてさえいたら各ベストテンの上位にはきただろう作品。
次作では間違いなく化けると期待していたが・・・まぁ平行線か。
得意の平凡な人間が徐々に壊れていく様を描くことを期待していたが、
序盤からエンタメに徹してやや飛ばし気味。
「おもしろかった」という点では今年の現時点でトップかな。
213 :
名無しのオプ:2005/03/22(火) 12:50:07 ID:vQdh261+
「模倣の殺意」読み終えました。気持ち良く騙されました。
中町信て初めて読んだんだけど、
ほとんど全文、改行しまくりなのがちょっと気になりました。
214 :
名無しのオプ:2005/03/23(水) 08:52:51 ID:a5RQpxOD
「硝子のハンマー」貴志祐介 読了
ようやく読めた。
トリックとか、その解説や序盤での他説潰しとか、よくできてると思いました。
軽いタッチでさくさく読めるのもいい。
ただ肝心の殺人の動機が弱すぎる。
最初にトリックありきで、そこに持って行こうとしたら、あれでしょうがなかったか。
215 :
名無しのオプ:2005/03/23(水) 19:01:54 ID:j4Kf+hPd
秦健日子の「推理小説」1時間で読了。1時間も読んでしまったと書くべきか。
とんだ暇つぶしだった。中身スカスカ。文章もほとんどト書き。
軽いセリフでどんどんすすめてる。脚本家が小説書くなら小説をもっと勉強
してほしい。作者は2ちゃんもチェックしてるようだから書いておく。
帯の文芸評論家も聞いてあきれる。とんだ提灯文。笑わせてくれる。
「トリック重視か、社会性重視か、議論に決着をつけたリアルなミステリ」
もう一人の「たちの悪い新人が現れた」これはもう一つの意味が隠されてるね。W
さすがミステリ評論家。
216 :
名無しのオプ:2005/03/23(水) 20:01:37 ID:9lJrNtWi
最近は書評家も叙述トリック流行だからな・・
217 :
名無しのオプ:2005/03/23(水) 20:58:30 ID:k3gJ/lVR
>>214 禿胴。確かにあの動機はないよな。普通なら(メ欄)だろう。
218 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 07:11:34 ID:A2COCggL
「サバイバー・ミッション」小笠原慧 読了
あんまり話題にもなってないが、これはなかなかの掘り出し物。
本来ならこのミスの有力候補だと思うのだが、奥付みたら10月30日発行。
最初から権利放棄かよ?って感じ。もったいな〜
219 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 12:00:34 ID:m4jmWhS1
恩田陸の「三月は深き紅の淵を」
…最後まで読めばスッキリまとまるかと思って読んだけど、なんだかなぁ…。
久しぶりに腹がたった。
220 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 13:38:10 ID:I4jRzYEp
>>219 まだひどい作品が他にもあるので、許してくださいorz
「ドミノ」「象と耳鳴り」はまとまっている方なのでよろしければ…
221 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 13:42:56 ID:KujK4PFc
>>215 禿胴禿胴。
そこそこドラマのヒット策を出した脚本家が、
「今度は小説も書きたいなー」と思って書いてみたって感じだな。
ちゃんとした“物語”を書く力が無いから、エピソードの断片を
放り込んで、フェア・アンフェアの問題なんてのをからめてみて
ミステリっぽくしてみただけ。
222 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 14:54:44 ID:Rzopr5MZ
恩田陸ってなんか中途半端な作品多いんだよな
評判のいい光の帝国読んだが、なんか中途半端な作品の寄せ集めって感じがして
俺には全く合わなかったな。中途半端だと読後にむかむかする
223 :
名無しのオプ:2005/03/24(木) 15:42:24 ID:7l0YxXyo
夜のピクニックは良かったよ。終わり方も含めて。
まぁ全くミステリーではないがな。
224 :
220:2005/03/24(木) 19:04:53 ID:I4jRzYEp
225 :
219:2005/03/24(木) 20:48:23 ID:YLb4CQf+
いやぁ、木曜組曲はまぁまぁ良かったんですけどね。
黒と茶の幻想がおもしろそうなので今度買ってみますよ。
これが面白くなかったら永久に読まないつもりですが…。
226 :
名無しのオプ:2005/03/25(金) 08:48:04 ID:Aj66Ql/c
>>224 のリンク先みたけど、
じゃあ経過がつまらんのはどうすんだ?ってことになる
結末がちゃんとしてない上に、経過もつまらんってのがあるからなぁ
227 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/03/26(土) 14:48:34 ID:KzkO98pW
森まゆみ「彰義隊遺聞」を読む。
地域誌「谷根千」で知られるエッセイストのミステリタッチな歴史書である。
「琥珀のパイプ」等で知られる探偵小説家甲賀三郎の父(元彰義隊隊士)に関するエピ
は非常に興味深いものがある。
自身の郷土とも言い得る上野の山に散った彰義隊隊士の歴史的真実を追う
筆者の姿勢は、まさにクールヘッド・ウオームハート。
史実としては疑わしい都市伝説風の逸話や怪談めいた話も切り捨てずに、
丁寧にそこに秘められた人々の真情を読み取ろうとしている点は好感が持てる。
それゆえか、現実主義者である三田村鳶魚の彰義隊に関する文章に関して
「好きになれない」と記している。
228 :
名無しのオプ:2005/03/26(土) 21:06:19 ID:pze4eAPM
>>220のへりくだりっぷりに、ワラうとともになんとなく同情・・・
229 :
名無しのオプ:2005/03/29(火) 04:29:42 ID:q1MPxpj4
進歩裕一「ボーダーライン」
つまんね、と思いながら読んでたけど、
読み終わったあとでじわじわきた。そういうことよくあるよね?
230 :
名無しのオプ:2005/03/29(火) 17:07:55 ID:1pjjbkfi
「雨恋」よみますた
感情がうまくかけてると思ったね
>>203がいってるとおり恋物語なんだけどミステリ部分もあるってことで
231 :
名無しのオプ:2005/03/30(水) 09:24:04 ID:P8/hR5MS
「真夜中の5分前」本多孝好 読了
あの長さで2冊にする必要全くなし。
作者は否定するかもしれないが、ミステリー要素が全く無いわけではなかった。
というより、もっとミステリ色を強く出した方がよかったんじゃないかな。
それならもっとチープになったという反対意見も出るだろうが。
1冊目と2冊目の序盤までは、本多節でまぁまぁ読ませるのに、以降がグダグダすぎた。
大森と豊崎が某所で批判してたが、タイトルでSFと思った云々は全く的はずれ。
おまいらが勝手に思い込んだだけのアホさ加減を自慢してどうする。
232 :
名無しのオプ:2005/03/30(水) 10:33:51 ID:vthREMHC
有栖川有栖
もう推理作家辞めろよ。
「モロッコ水晶の謎」
読了 最後の題名にもなった話だが
これが有りなら推理小説事態成り立たなくなる。
1000円近く払う価値無し
233 :
名無しのオプ:2005/03/30(水) 18:14:53 ID:vbrRTemn
234 :
名無しのオプ:2005/03/31(木) 00:38:00 ID:dHhWkvP9
>>231 ファンスレでも地雷扱いだし、本スレで直木賞駄目だった時も
「なんであの作品で?」と言われただけはあったでしょうorz
235 :
名無しのオプ:2005/03/31(木) 00:44:19 ID:+3RSOlLs
236 :
名無しのオプ:2005/03/31(木) 07:58:24 ID:GcIRM1p0
大沢在昌「ニッポン泥棒」読了
大沢在昌の他の小説を読んだことがないので、大沢ファンから見ると他の小説に比べてこの「ニッポン泥棒」がどうなのか分からないが、自分は面白かったと思う。
ただタイトルの意味不明。なんで「ニッポン泥棒」なの?ってかんじ。
237 :
名無しのオプ:2005/03/31(木) 15:25:42 ID:9wQCU2l+
綾辻、館シリーズ一気。
ミステリは最近になって読み出した。おもろかった。
暗黒館で青司のイメージが変わったので、もう一度じっくり読み返す予定。
次回作家集計 国内編
13 篠田節子
11 愛川晶/星新一
10 朝山蜻一/戸板康二/村上春樹/蒼井雄/那須正幹/稲見一良
9 佐野洋/島久平/中島らも
8 アウター・ゾーン
7 ケイゾク/地味井平造/鷲尾三郎
5 小林泰三/多岐川恭/土曜ワイド劇場/松尾由美/米沢穂信/和久峻三
4 飛鳥部勝則/岡本綺堂/小峰元/積木鏡介/中西智明/乃南アサ/東川篤哉/山村美紗
3 生島治郎/井上雅彦/大石圭/陳舜臣/中町信/福本伸行/藤田宜永/依井貴裕
世にも奇妙な物語/渡辺啓助
2 紀田順一郎/胡桃沢耕史/小松左京/勝目梓/戸川昌子/永井するみ/中嶋博行
夏樹静子/野沢尚/野村胡堂/花村萬月/藤岡真/光原百合/物集高音/森雅裕
矢野龍王/山沢晴雄/山本禾太郎/勇午〜交渉人〜/吉田修一/大谷羊太郎/楠田匡介
1 阿井渉介/阿刀田高/池上金男/岩井志麻子/打海文三/大倉崇裕
海渡英祐/香山滋/北山猛邦/逆転裁判/黒崎緑/幻想ミッドナイト
小池真理子/桜庭一樹/爺さんと僕の事件簿/雫井脩介/篠田真由美/清水義範
志茂田景樹/草野唯雄/谷崎潤一郎/鳥飼否宇/NERVOUS BREAKDOWN/深谷忠記
福井晴敏/牧逸馬(林不忘)/牧野修/三雲岳人/水谷準/三好徹/村上龍/柳広司
山崎洋子/山本周五郎/渡辺温
次回作家集計 海外編
23 フィリップ・マーゴリン
22 D・M・ディヴァイン
12 リリアン・J・ブラウン
10 ヒッチコック劇場/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー
8 ロイ・ヴィカーズ
6 グレッグ・アイルズ/バロネス・オルツィ/ロバート・L・フィッシュ
ヘンリー・スレッサー/E・C・ベントリー
5 クライブ・カッスラー/ジョン・スラデック/フィリップ・マクドナルド
シャーロット・マクラウド(アリサ・クレイグ)
パトリシア・ハイスミス
4 シオドア・スタージョン
3 ジャネット・イヴァノヴィッチ/ジェイムズ・クラムリー/キャロル・オコンネル
アーロン・エルキンズ/ポール・アルテ/コール夫妻/セバスチャン・ジャプリゾ
2 P・クェンティン/ギリアン・ロバーツ/デニス・レヘイン/パトリシア・カーロン
レン・デイトン/ダニエル・キイス/カーター・ブラウン/エリス・ピーターズ
フラナリー・オコナー/C・デイリー・キング/ダフネ・デュ・モーリア
T・S・ストリブリング/金庸/ジョー・ゴアズ/モーリス・ルヴェル
1 F・ドストエフスキー/ル・キュー/S・A・ドゥーセ/ジョイ・フィールディング
アンソニー・アボット/シェイマス・スミス /ジェームズ・アンダースン
リンダ・ハワード/ジョゼフ・エイミエル/マイケル・バー=ゾウハー
メアリ・ロバーツ・ラインハート/ウィリアム・ゴールドマン
ウィリアム・P・マッギヴァーン/デイヴィッド・イーリイ/ロス・H・スペンサー
オーガスト・ダーレス/ジェイムズ・P・ホーガン/ボアロー&ナルスジャック
アンドリュウ・ガーヴ/ミネット・ウォルターズ/マイケル・ギルバート
ロアルド・ダール/ウィリアム・ブリテン/ロバート・ファン・ヒューリック
ジェラルド・カーシュ/ブリジット・オベール/トレヴェニアン
デイヴィッド・ハンドラー/パトリシア・モイーズ/フレデリック・フォーサイス
イアン・フレミング/ジョセフィン・テイ
誤爆失礼しました。
241 :
名無しのオプ:ミステリー暦165/04/01(金) 16:54:11 ID:+H5igOyD
なんの集計かなぁ
小野不由美「黒祠の島」
トリックは良かったけど、文章がちょっと下手かなぁ…。
島田荘司の後に読んだからそう感じただけかもしれませんが。
242 :
名無しのオプ:ミステリー暦165/04/01(金) 19:32:46 ID:fxMP6HgH
集計人誤爆w
243 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :ミステリー暦165/04/01(金) 21:27:57 ID:6wrUVDCN
森村宗冬「義経伝説と日本人」を読んだ。
義経伝説の成立した背景を、その根底に存する日本人の心情を含めて徹底検証した
歴史ミステリエッセイというべき作である。
著者によれば、木彬光の「ジンギスカンの秘密」が話題になった頃は、既に第六期
義経生存説運動(今のところ最後の生存説運動と言うべきレベルのもの)の時期であり、
国民的なムーブメントには到らず、マニアの間でのみ盛り上がりを見せ終息を迎えた
とのことである。
そう言えば、筆者も木の書を単なるエンタメとして楽しんだ記憶がある。
しかしながら、この板にはいまだに、義経は大陸に渡ってテムジンになったと思って
いる者が多く、暗澹たる思いにさせられることが多いのだが、こういった認識が
低いミスヲタに突きつけて読ませたい書と言えよう。
なお、著者のプロファイルには、63年生 大東文化大学文学部卒とある。
2ちゃんねらーも、人間努力次第で新書の1冊も書けるのだということを心しておけ。
244 :
名無しのオプ:ミステリー暦165/04/01(金) 23:21:14 ID:Hoigzu5D
>241
ちょっと待て。文章力 島荘>>>小野だと?
245 :
名無しのオプ:ミステリー暦165/04/02(土) 01:41:45 ID:WCbJKicW
246 :
名無しのオプ:ミステリー暦165/04/02(土) 12:34:18 ID:fGRX5efv
ちがう?
247 :
名無しのオプ:ミステリー暦165年,2005/04/02(土) 15:04:00 ID:x63nXhDM
ちがう
248 :
名無しのオプ:2005/04/03(日) 04:37:21 ID:IjuUV/SD
「黒祠の島」は確かに読みにくい
俺は途中で投げた。全体的ふいんき暗いし
249 :
名無しのオプ:2005/04/03(日) 04:48:49 ID:gil04IBu
>>248 暗いのはいい。
読みにくいのもまあ我慢した。
でもつまらなんだ・・・・
250 :
名無しのオプ:2005/04/03(日) 09:34:45 ID:My5xfSUA
251 :
名無しのオプ:2005/04/03(日) 15:04:52 ID:QIz2Tubq
まぁ、ミステリとしてどうとかいう部分を抜きに語るなら
たしかに島荘は勢いで読ませてくれる文章ではあるとは思う。
黒祠は、自分もおもろなかった。
252 :
名無しのオプ:2005/04/03(日) 19:14:01 ID:g6Tyl7Jk
前半には勢いがほとんどないと思うが
占星術だってあれじゃあかなりだれる
253 :
名無しのオプ:2005/04/06(水) 14:09:09 ID:28pdY3UV
「九月が永遠に続けば」沼田かほかる 読了
これがホラーサスペンス大賞?
まぁ、リキ入ったんでしょうね。
なんせ現在の状況を表現するのに膨大な字数を使う。
よってページは進んでも物語はちっとも進まない。
息子が失踪するわけだが、理由も結末もつまらんなぁ。
254 :
名無しのオプ:2005/04/06(水) 16:36:50 ID:hlYsSDfJ
255 :
名無しのオプ:2005/04/06(水) 17:12:59 ID:rD841zm9
じゃ、おいらは読者賞の「背の眼」(道尾秀介)を。
ミステリと思わなければ面白い。結構怖いし。
ただ、あーやがいうように本格ミステリしてるとは露ほども思わなかった。
特に一番の謎(メール欄)の解決があれじゃなあ。
まあ、「リング」とか好きな人は割りと合うかも。
256 :
名無しのオプ:2005/04/07(木) 08:45:16 ID:t8QtnrRU
別にメル欄に書き込まんでも成立するだろが
257 :
名無しのオプ:2005/04/07(木) 15:42:44 ID:wydISePY
>>256 知ってたらその謎に萌えられなくなって先々の興味を殺ぐだろ?
ということ。
258 :
名無しのオプ:2005/04/08(金) 03:31:41 ID:5FrFMyH9
加納朋子「ななつのこ」
日常の謎ものを読んだのは久し振りなので和んだ。
ストーリーは先が読みやすくてああやっぱり、という所が多かった。
読み終わってから表紙見直してなるほどと思った。
259 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/09(土) 14:26:57 ID:nhQXfN9H
法月綸太郎「ノーカット版 密閉教室」を読破した。
コンパクトに刈り込まれた短縮バージョンの方が、
謎解きミステリとしては読み易くはあるが、本書を読むと新人であったノリリンが
「何を書きたかったのか」はより明確になる。
高校を舞台にした高校生が主人公のロスマク風ハードボイルド・ミステリ。
パロディ化している部分もあるが、この困難な試みは予想外の成功を収めていると
言い得る。
謎解きミステリとしては「トリック」よりは「ロジック」を楽しむ作であり、
不可能状況の解決の面白さではなく、不可能状況を作り出すに到った必然性の
説得力を評価すべきであろう。
260 :
名無しのオプ:2005/04/10(日) 23:32:21 ID:NsvCjUvc
片理誠「終末の海」読みました
船のトリックはすぐわかってしまいました
手塚治虫の漫画にあったからね
でも内容はまあまあ面白かったかな
261 :
名無しのオプ:2005/04/11(月) 08:43:20 ID:BPw3oiS/
折原一「異人たちの館」
プロットは良いんだろうけど、特に面白みはなかった
262 :
名無しのオプ:2005/04/11(月) 13:43:26 ID:Y5/n/tPJ
「背の目」読了
まったく意外でない犯人に、逆に驚いた。
今時コレはないだろう。
ホラーとしてもミステリとしても中途半端の一言に尽きる。
キャラクタ設定もありきたりだし。
有栖×火村コンビで京極ミステリのパロディを書いてみました、
という感じ。
でも読みやすいのは確か。サクサクッと読み終えることができる。
263 :
名無しのオプ:2005/04/11(月) 15:09:26 ID:LWAMLFTO
要するに腐女子向け、と
264 :
名無しのオプ:2005/04/11(月) 21:52:12 ID:JGa6LYhg
>>203 漏れも「新・本格推理05」読んだよ。マジで無茶苦茶だよなぁ。
でも、あんたの言うように面白かったよ=B
うん。あの最後の作品だろう?
あれは本格推理好きの読者が激怒しそうだけどな。
本格推理板でも、応募したらしき連中が激怒しているのもよいね。
265 :
名無しのオプ:2005/04/12(火) 17:10:07 ID:vhjKnYms
山本甲士「とげ」読了。
「かび」「どろ」本作の順で読んだけど、これが一番一般受けする内容じゃないかな。
前二作はラストで「これってあり・・・?」という感がなくもないが、その点本作は
安心して読める。主人公も一番まともな性格だしw
あと作者は役所勤めしてた人なの?「どろ」もそうだが、
お役所に対する痛烈な皮肉が込められているけど。
まあ、どれを読んでも結構楽しめると思います。
特に奥田英朗の最悪とか邪魔とか好きな人にはお勧めかな。
もう少し注目されてもいい作家だと思う。
266 :
名無しのオプ:2005/04/14(木) 14:41:53 ID:BHlni58m
267 :
読後感:2005/04/14(木) 17:42:04 ID:27NNfQbd
「銅婚式」佐野洋(講談社)
何か似たような話ばっかでつまらんかった。
表題作は口先だけで転がす安易などんでん返し。
268 :
名無しのオプ:2005/04/16(土) 00:07:42 ID:Jne0IU6t
横山秀夫「FACE」読了。
いいねー面白かった。
このシリーズ続編希望。
269 :
読後感:2005/04/17(日) 04:42:37 ID:C77aW0eG
「楠田匡介名作選」河出書房新社
丸ごと脱獄ものは流石に飽きる。
文章も荒いし、後半はトリックもしょぼくなるし。
出来のいいものも中盤まではグイグイ引くが
落ちが呆れるほどいい加減だったりする。
お気に入りを挙げるならば「沼の中の家」と「朱色」
あと「破獄教科書」の終盤前まで
270 :
名無しのオプ:2005/04/17(日) 11:57:02 ID:X0r9wCv9
貫井徳郎 「修羅の終わり」
ぶ厚い本だけどサクッと読めた。
とにかく読ませる読ませる。
公安や政治系の話は大好きです。
レトリックも良いし。一度は読んでみてくださいな。
271 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/17(日) 16:31:32 ID:Wh32hwu6
向田邦子「思い出トランプ」を再読し、あらためて本書がサスペンス・ミステリ集、
なのだと気づいた次第だ。
登場するのは、通常のミステリであれば脇役でしか登場しないような市井の人々だが、
彼らの一見平凡な日常生活に潜む恐怖をさり気なく描いて間断するところがない。
例えば、収録作品中「男眉」における
妹がそっと席を立って出て行った。手洗いに入ったらしい。
こういう呼吸がうまい女である。(中略)
水を流す音が聞えた時、入れ替わりのように夫が立ち上った。これも手洗いらしい。
麻は、「あ、嫌だな」と思った。
上記の引用部分に言い知れぬ恐怖を感じ取れるか否かなのである。
なお、有名な「阿修羅のごとく」は極上のサスペンス長編小説足り得るものだが、
残念ながら向田女史の手によっては小説化されていない。
粗製濫造された新書ミステリに読み呆けるこの板のミスヲタ連中のレべルは、
映画版「阿修羅のごとく」を見て、「深キョウ脱いだ!萌え!」と言ったレベルなの
だろうか。
272 :
名無しのオプ:2005/04/17(日) 16:52:28 ID:AplhVVDf
深キョウって誰?
273 :
:2005/04/17(日) 17:40:16 ID:yjg9W8XU
274 :
名無しのオプ:2005/04/17(日) 18:45:23 ID:Ade2rf7L
『天使の囀り』
『殺戮にいたる病』
『鴉』
読みました。
うめずかずお氏の漫画『復讐鬼人』の読後感です。
後味が悪いのに最高!でしたなり。
275 :
名無しのオプ:2005/04/17(日) 20:13:42 ID:L673YdND
小林泰三「密室・殺人」読了
しょぼい本格って印象が否めない
確かに探偵像にはびっくりしたけど解決部分があれじゃあ・・・
あとXXXXネタがとってつけたようでがっかりだった
276 :
名無しのオプ:2005/04/18(月) 10:13:36 ID:HgNLuMXf
佐々木俊介「繭の夏」
最初うだうだした文章で読むの止めようかと思いつつ読んでたけど、
当時の事件の関係者に話を聞く辺りになってからやっと面白くなってきた。
ひと夏だけの姉弟探偵、青春ミステリって感じですか。
277 :
名無しのオプ:2005/04/18(月) 19:29:43 ID:ot6pFOJ3
「それでも、警官は微笑う」日明恩
いきなり「うほっ」で始まる冒頭。腐女子はこれだから・・・
一応警察小説らしいので、登場人物の殆どが男なのは
まあ許せる。
が、そのキャラクタや人間関係が、とてつもなく気色悪い。
一例を挙げると、
年下の上司(爽やかな二枚目でエリート)が主人公(叩き上げで
外見はかなりマッチョ)のために、毎日お弁当をつくったりするんだよw
(男性作家の描く女性像も、もちろん偏見はある。だが、これは
酷すぎる。)
展開も平板で、いつの間にかありきたりのラストに到着してしまった。
つまらないものを読んでしまった。
所詮、メフィスト賞作品と言ってしまえばそれまでだけど。
一番腹が立つのは、作者は明らかにシリーズ化を狙っているってことだ。
278 :
名無しのオプ:2005/04/18(月) 19:31:00 ID:Oeh5X4NC
>>276 タッチは全然違うと思うけど
「模像殺人事件」とどっちが面白かった?
279 :
276:2005/04/18(月) 20:12:06 ID:qERackaF
模像殺人事件はまだ読んでないので…。
あと、277さんのコメント面白いw
夏樹静子「Wの悲劇」
有名な作品でしたが、今頃になって読みました。
なかなかに面白かったです。
薬師丸ひろ子の映画を観てみたくなりました。
280 :
名無しのオプ:2005/04/18(月) 21:08:03 ID:EKIMERSx
青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」
最初ディティールの書き込みが読みにくくてなかなか乗ってこなかったんですが
作中作の話からぐいぐい引き込まれました。
でも正直よくわかりませんでした。わからないからもう一度読んでみたいという気にはなりました。
何度も読むと面白くなってくるのかも。
281 :
名無しのオプ:2005/04/18(月) 22:23:33 ID:Lc8y+LfE
加藤実秋「インディゴの夜」東京創元社
渋谷のホストクラブが舞台の若者受けしそうなお話でした。
話の内容は甚だ凡庸ですが・・・映像化は簡単そう。
監督:堤幸彦
出演:財前直見、京本雅樹、成宮寛貴
てな具合でTBSがドラマ化しそうですな。
282 :
名無しのオプ:2005/04/23(土) 18:17:39 ID:vGyUkxUW
西澤保彦「殺意の集う夜」
これはまた強引だなぁ…!
ツッコミ所満載だけど、なかなか面白かった。
283 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/23(土) 19:20:17 ID:VUzYkxww
向田邦子著「寺内貫太郎一家」を読む。
「阿修羅のごとく」「冬の運動会」等とは異なり、作者自身の手になるノヴェラである。
30話以上あるドラマであり、小説化されたのはその一部にとどまるのは残念だが、
シャープでクールな感さえある短篇とは異なる、巨漢の石屋寺内貫太郎を中心とした
ハートウオーミングな物語が楽しめる。
ミステリと同様な意表を突く展開は、一読巻を置かせぬものがある。
「殺しが無い本はつまらない」と嘯くミスヲタに突き付けて読ませたいという感がある。
284 :
名無しのオプ:2005/04/23(土) 19:29:50 ID:56Q2nuK5
「ゴッホ殺人事件」読みました。
駄作でした。以上。
285 :
名無しのオプ:2005/04/23(土) 21:35:30 ID:o8oUQbaZ
>>284 今日文庫本買ってきて、後で読み始めようと思っている矢先に見たのが君のレス……orz
286 :
名無しのオプ:2005/04/23(土) 22:17:48 ID:HB+sNouM
>>285 (´・ω・`)/(・ω・`) ナデナデ..
287 :
名無しのオプ:2005/04/23(土) 23:07:09 ID:7VZSNxuu
>>284 まだ花粉症のシーズンのようだし、ゴッホゴッホ…。
_| ̄|○ <ごめん
288 :
284:2005/04/24(日) 10:25:30 ID:/3p87Cx8
>>285 正直すまんかった。。
感想は人それぞれなので、わかりませんにょ。
是非読み終えたあと、感想聞かせてください。
289 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/04/30(土) 15:12:39 ID:PzZWe7UK
ノリリンの初期作を再読してみた。「雪密室」「誰彼」。
この頃のノリリンは、まだ作家として行くべき方向を決めかねていたように見える。
2作共に、巧みなストーリーテリングで一応読ませるが、
「雪密室」は密室テーマという遊び心と親子関係の秘密というロスマク風の重いテーマ
にミスマッチ感が強い作品。
「誰彼」も「ギリシャ棺の秘密」と「キドリントンから来た娘」に触発された作品だと
思うが、どちらつかずの中途半端な作品となっている。
純粋に論理のみの面白さを追及したかったのか、それとも物語展開の面白さを狙ったのか、
この点が不明瞭に見える。
290 :
名無しのオプ:2005/05/01(日) 03:23:19 ID:oU1Nzb4H
291 :
名無しのオプ:2005/05/01(日) 10:43:29 ID:i2s1FfhH
天藤真「大誘拐」傑作。
292 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/01(日) 16:46:54 ID:fEwgJsJF
「最悪」「大誘拐」は前者はハードカヴァー、後者は新書と早い段階で読んでいるが、
面白い作品ではない。共に過大評価されているという感が強い(特に後者)。
293 :
名無しのオプ:2005/05/01(日) 22:05:19 ID:SxR/2xnF
理由を書け、理由を。
理由ないで大した作品で無いと言われてもただの妄言にしか思えん
294 :
名無しのオプ:2005/05/01(日) 23:43:14 ID:2Suh+Prc
>>293 相手にすんな、放っておいてやれ。
ヴァカもそれを望んでいるw
295 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 00:34:11 ID:jyxzSEev
黒い家よみますた。
超おもしろかったでーす。
びっびったってーの。
296 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 01:19:54 ID:/UH3Y5ZX
弥勒の掌、読みました。悪くない
297 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 12:31:34 ID:prHjdOOg
「生首に聞いてみろ」読了。あまり面白くなかった。単なる謎解きの
論理パズルなら、ミステリはたいして興味がない。犯人もあまり魅力がない。
298 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 13:40:54 ID:yh4aQlG6
依井貴裕「肖像画」読了。
他の新本格作家の「論理性」など、ガキの遊びに思えてきた。
これは凄かった。
ただし文章はヘタ。
299 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 14:39:52 ID:LBG9SAbt
>>298 おや、俺もおととい読了したばかりだよ。<( ^^)人(^^ )
論理のすさまじさ、解決の意外性は確かにあるのだが、カタルシスがなかった。
事件の構造が無駄に複雑で、ロジックによる事件の反転現象が足りなかったせいかなあと思った。
それにしても二日酔いになりそうなぐらい酔う論理はクイーン、有栖川、氷川が霞むほどなのは事実だね。
ただし文章はヘタw、というか小説の体なしてない気がする。
300 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 16:20:54 ID:Z00sM7tq
301 :
名無しのオプ:2005/05/02(月) 20:21:45 ID:XoHALksY
>>298 >>299 なんか読みたくなってきたなぁ。
でも依井さんてそんなに下手でしたっけ?
私も「夜想曲」しか読んだことがないんですが、
そんな下手という気はしなかったですけど・・・
つか、氷川こそ下手糞だと思いましたけど。
302 :
名無しのオプ:2005/05/03(火) 00:59:01 ID:YrwMPSZT
>>301 いやー、下手だよ。
でも、それを自覚して書かなくなったのだとしたら
ある意味潔いなって思ってたけど。
303 :
名無しのオプ:2005/05/03(火) 03:50:38 ID:4MpILvx9
十角館の殺人 綾辻行人
トリックよりもニックネームをわざわざ用いた意図に感心させられた。
いやトリックも衝撃的だったけど。
エラリイ(笑)
304 :
名無しのオプ:2005/05/03(火) 23:26:52 ID:Cifi7iV9
俺も「黒い家」読んだ。おもしろくて一気に読んだ。
読みやすいし。
ビデオはどうなのかな?
305 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/04(水) 13:42:27 ID:qtGQn3iO
>>304 「青の炎」も読んでみろ、そして映画化作品も見てみろ。
評価としては、
黒い家(原作)>黒い家(映画)
青の炎(映画)>黒い家(映画)
青の炎(原作)>黒い家(原作)
青の炎(原作)>青の炎(映画)
だな。上記の点、十二分に心しておけ!
306 :
名無しのオプ:2005/05/04(水) 22:17:46 ID:U1OEqmYk
307 :
304:2005/05/05(木) 00:06:24 ID:sK8ye5mr
「青の炎」って二宮和也に松浦亜弥かァ・・・
大丈夫なのか?
まあ原作の方を先に読んでみるよ。
308 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 00:36:51 ID:682KNz2o
309 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 02:15:53 ID:PdL1DjdW
> 黒い家(原作)>黒い家(映画)
> 青の炎(映画)>黒い家(映画)
> 青の炎(原作)>黒い家(原作)
> 青の炎(原作)>青の炎(映画)
ポンチってやっぱり頭悪いなあ、1行で書けば済むのに。
青の炎(原作)>青の炎(映画)>黒い家(原作)>黒い家(映画)
310 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 09:30:40 ID:i38MUo/3
アッタマイイ!!
311 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 10:17:50 ID:P+WAWUY4
貴志作品では「天使」が一番好きです。「青」は映画公開前に読みたかった…。
312 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 10:22:38 ID:i38MUo/3
>>309 いや。
青の炎(原作)>黒い家(原作)>青の炎(映画)>黒い家(映画)
の可能性もある・・・。
思わぬ陥穽だったな。
313 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 10:35:35 ID:LlMHZ9kH
麻耶雄嵩「夏と冬の奏鳴曲」読了。
うわーって感じでした。
正直好みじゃないなあ。
6冊まとめて買ったのは失敗でした・・・
314 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 14:32:35 ID:sRgXUSpg
>>313 終盤のカタストロフィが気に入らなければ合わないということで…
キュビズム云々が駄目という場合は「鴉」「螢」あたりから
読みたければドゾー
幻冬舎から出版されているものは普段の作風を抑え目にしているので
315 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 14:46:22 ID:FmZFnmAK
>>312 そうなんだよね。
>>305には書かれていない組み合わせがある。
あれだけだと黒い家(原作)と青の炎(映画)の関係がはっきりしない。
316 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 15:44:22 ID:PWuMIch8
>>313 そもそもなんで六冊も買ったかを知りたい。
誰かに騙されたのか?
317 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 18:00:13 ID:nRCPBI4Q
虐めか罰ゲームというセンもあるぞ
318 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 23:13:24 ID:J0MxB41a
罰ゲームなら流水の本を(ry
319 :
313:2005/05/05(木) 23:14:20 ID:0q8Ki3/P
>>314 基本的に刊行順に読んでいくことにしてるので「痾」を読み始めてます。
わぴ子とかマジで勘弁してほしいです。
キュビズムの話は面白かったですよ。
絵は昔から習ってたし、今も興味があるので。
どちらかというとトリックがおざなりなところや
読み終わってもすっきりしないというかはっきりしないのが嫌でした。
後味が悪い話は大好きですが。
>>316 そんな感じです。
友達と一緒に古本市場に行って文庫本全品100円均一セールの時に買いました。
なんかやたらと薦めてきたので買ってみました。
というか無理やり買わされたといった方が正しいかもしれません。
以前に読んだまほろ市は結構良かったというのもありますが。
>>317 悪意はないんでしょうが、好みが合わないんですよ。
320 :
名無しのオプ:2005/05/05(木) 23:14:39 ID:73UHDZH3
321 :
読後感:2005/05/06(金) 21:44:35 ID:Z+nEm04u
「黒雨集」田中貢太郎(学研)
どれも古い。もうこれはどうしようもないよね。
敢えて怖がるなら「黒い蝶」かな。
322 :
304:2005/05/08(日) 00:10:09 ID:lnBUonym
ISOLA読んだ。黒い家面白かったのでこの作家全部読んでやろうと思って読み始めたら、
これの映画、映画館で観ていたわw
たしかリング2と一緒にやってたよね。この作家の映画化率って凄いんだね。
>>313 麻耶は全部読んだけど、俺は夏と冬の奏鳴曲が一番好きだなァ・・・
なんか衝撃を受けた作品だった。
323 :
298:2005/05/09(月) 19:37:36 ID:IqHbNx9m
>>299-302 遅レススマソ。依井で盛り上がっていたのですね。
俺はGW中に依井「記念樹」をみつけて読了しました。
「肖像画」ほどではないが、これも論理性はかなりのものでした。
ただ、文章が・・・。
ヒド過ぎます。ストーリーの起伏がないというか、語彙が貧弱というか、
何か、こんな文章を本にして出版しても良いのだろうかと・・・。
324 :
名無しのオプ:2005/05/10(火) 00:00:29 ID:YtphqfjT
わたしも先日夏と冬の奏鳴曲読みました。
……なにこれ?
325 :
名無しのオプ:2005/05/10(火) 01:39:53 ID:VI8rQ8ZB
>>324 それを初読にしたのですか…orz
もし知りたければ麻耶スレの1にある考査ページリンクから詳細を読んでください
興味は薄れていると思いますが
読む機会があれば「鴉」もよろしくお願いします
東亰異聞/小野不由美 読了。
最後、何が起きたのかと思った
幻想歴史ミステリがああなってしまうとは
文庫解説者は以前分かり辛い解説を書いていたので辟易してましたが
珍しくシンプルで (・∀・)イイ!!(ただしネタバレしてます)
326 :
名無しのオプ:2005/05/11(水) 23:48:41 ID:d3b+OnNx
村上龍「半島を出よ」読了
面白かった、と思う・・・たぶん
特定の主人公というのがなくて、ひとつひとつの場面で主人公にあたる人物がいる
話し言葉のところでは「」をほとんど使わずに書かれて、ちょっと変わった文章
北朝鮮がミサイルを撃ってくるより、この本に書かれている事をしてくる方が日本にとっては対応が困難だと思う
下巻の後半ではちょっと泣けそうなところもあるかな
327 :
名無しのオプ:2005/05/12(木) 00:20:52 ID:Uh5hWO2L
328 :
名無しのオプ:2005/05/12(木) 01:44:31 ID:YQg+hSBE
エンタメ
329 :
326:2005/05/12(木) 08:09:38 ID:mpvatXP2
>>327 ・・・ミステリー、ではないかも
でも福井晴敏の小説がミステリーのジャンルに入っているのなら、ミステリー版でもいいかなとかってに判断。
330 :
名無しのオプ:2005/05/12(木) 23:49:42 ID:8/eJfyC1
佐々木譲「うたう警官」読了
評判聞いて読んだが、いまいち。ドラマが薄い感じ。
展開もありきたりでラストもどっかで見た感じ。
2時間ドラマにしてもつまらんかも。
もっと緊迫感が欲しい。警察機構については詳しいし、
知ってる人が書いたという感じはあったが。
331 :
304:2005/05/13(金) 22:17:48 ID:y3j7VD10
「天使の囀り」読んだ。俺的には物足りなかったかな。
パラサイト・イブとかアナザヘブンあたりと同類の話だね。
332 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/14(土) 22:14:10 ID:AKLqWwIN
南木佳士「阿弥陀堂だより」を読む。
芥川賞作家が平成の小津路線を狙った作。映画化もされ好評であったが、
出来は今ひとつである。
展開が綺麗過ぎるのは「小説」としての迫力を欠き、嘘を嘘として見せてしまい、
読者を白けさせてしまうという簡単な事実に作者は無自覚であったのであろうか?
主人公(孝夫)と難病を患っている村役場の職員小百合ちゃん(主人公の大学の後輩
でもある)、妻(美智子)と年下の医師中村(小百合ちゃんの主治医)、
この4人の男女間における「情事」等を描いてこそ、「小説」を通しての「現実」が
見えて来るように思う。
そして、真の主人公と言い得るおうめ婆さんの死を描かずして、この「阿弥陀堂だより」
という小説世界=小宇宙の完結はあり得ないように思えるのだ。
こういった点で、作者の他作品と比較しても、全体的に「逃げ」と「ウケ狙い」を
感じさせる作品と言えよう。
主人公(作家)の出身高校は国立高校、大学は早稲田一文、後に妻(女医)となる同級生
との初デートの場は一橋大学キャンパスとわかる。
作者自身は、現役の外科医かつ作家であり、鬱病を患っている事を告白しているので、
主人公の夫妻(夫は作家、妻は外科医)は作者の分身と言い得る。
333 :
304:2005/05/15(日) 01:00:45 ID:udHUkyiW
「クリムゾンの迷宮」読んだ。最後が・・・・・
334 :
名無しのオプ:2005/05/16(月) 18:39:21 ID:MdLFqcYV
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」を読んだ。
これはアリなのか…?真相に至るまでは面白かったのに。
335 :
301:2005/05/16(月) 19:27:19 ID:H/dkknlQ
>>323 ロジックがどうのこうのより、依井さんの文章が
そこまで下手なのか何処まで酷いのか検証するために
アマゾンで「記念樹」「肖像画」を購入しました。
まだ「肖像画」の半分ぐらいしか読んでないのですが、、、
こりゃホントにメタ糞ですな。
センテンスは破綻してないのですが、ストーリーを盛り上げようとか
キャラクタを掘り下げようとか、そうした作家として当然の努力を
端から一切放棄しているとしか思えません。
分量は大したことないのに、こんなにも読者に忍耐を強いるというのは
一種の才能かもしれません。
このまま読み進めたとして、果たしてその忍従は報われるのでしょうか?
336 :
名無しのオプ:2005/05/16(月) 20:21:50 ID:hYWMsF2c
>>335 耐えてください、ロジックものが好きなら気に入ると思います。
そのどうのこうのの部分が重要なので
2chでは歳時記が結構評価高いようなので、
文章に耐えられればどうにか大丈夫かと
337 :
名無しのオプ:2005/05/16(月) 23:17:15 ID:5B2nhhO/
>>334 あれがアリだと思えないなら、同じトリック使ったのは読めないね
338 :
名無しのオプ:2005/05/17(火) 01:36:07 ID:v0luI1Pq
>>334 っていうかあれがあの作品の売りなのに。
339 :
323:2005/05/17(火) 18:42:50 ID:ACbSdFlu
>>335 ご苦労さまです。
しかし「肖像画」でその評価では、「記念樹」では呆れて笑い出すかも・・・。
340 :
304:2005/05/17(火) 22:58:45 ID:GMLWRKgi
「青の炎」読んだ。一気に読んだ。傑作だ。
面白かった・・・・・というより、せつないな。
この作品もっとメジャーになってもいいと思うけど。映画も知らなかったし(俺だけか?)
タイトルが地味なんだな。
341 :
名無しのオプ:2005/05/18(水) 22:11:40 ID:0hlHN+/r
>>340 十分メジャーだと思うが。映画も原作も著者も。
342 :
304:2005/05/18(水) 23:35:21 ID:OF/vAqrZ
343 :
名無しのオプ:2005/05/19(木) 00:05:12 ID:dO1/92BO
映画結構大々的に宣伝してたしな。
キャストもミーハーだが派手だったし。
344 :
名無しのオプ:2005/05/19(木) 20:09:39 ID:c3vwWlUT
>340
知らなかったのはあなただけじゃない、わたしもだ
345 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/19(木) 23:13:25 ID:U+ehMqmt
原作も「黒い家」ほどには話題にならなかった「青の炎」だが、
映画のミーハーなキャスティングに惑わされて、読まない、見ないというのは損だ。
原作は倒叙ミステリとしても結構読ませるし、ちゃらちゃらした学園ミステリとは
一線を画す作品である。
原作が持つ衝撃度は弱まってはいるものの、映画も結構良いので見てみるべし。
346 :
名無しのオプ:2005/05/20(金) 20:11:23 ID:sua85agf
青い炎…今度読んでみよう。
映画のあのキャストもそうだけど、
漫画のあの人の表紙からして「…ホモ?」
と思ってしまった(読んでないのに)。
347 :
読後感:2005/05/20(金) 21:47:38 ID:n4iq0bxX
「復讐のシナリオ/疑惑の逆追走」大藪春彦(光文社)
悪友に大怪我を負わされ、役者への道を絶たれた主人公。
しかし、そんな彼とは裏腹に悪友は成功し、オスカーを手に。
そして数年後、今は作り手として名を成している主人公の許へ
やってきた悪友は彼に強引に仕事を依頼し、そして共演することになった
妻をも奪ってしまった。遂に主人公の怒りが――。他1編。
あらすじがモロだったんで読んだ。呆気なかったなぁ、復讐。
悟飯じゃないが「こういう悪い奴はもっと苦しめてやらなきゃ」
もう一つのも同印象かな。
348 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/20(金) 23:44:03 ID:AwrUUfAQ
>>347 大藪スレでも話題になったが、後期作品には代作の可能性があるので注意。
良い意味でも悪い意味でも、大藪作品特有の濃い香りが無いのだ。
一番早くは、伊達邦彦シリーズ(諜報員もの)の「マンハッタン核作戦」「日銀ダイヤ作戦」
くらいからという示唆がされている。
349 :
名無しのオプ:2005/05/22(日) 18:54:35 ID:GsDVwB2H
島田さんの「斜め屋敷の犯罪」
・・・あんなことできるのかなあ。。。。。
350 :
名無しのオプ:2005/05/22(日) 19:35:11 ID:ZKcHh8aV
島田に限らずそのあたりの小説は、そういう疑問を持たずに読むものです。
リアリストには向かない・・・
351 :
名無しのオプ:2005/05/22(日) 22:25:15 ID:CRaGXvT3
352 :
読後感:2005/05/22(日) 22:45:40 ID:dCGcfJfP
「配達される女」逢坂剛
刑事二人が主人公の連作短編集。
ヒロインに微妙に萌える(特に表題作w)他は大して見所なし。
解説の池上冬樹は無理からの感あり。
353 :
名無しのオプ:2005/05/24(火) 02:37:41 ID:Bl5ENOi7
やっと肖像画を読み終えたところです。
伏線が殆ど全て回収されているのに感心しました。
まあ、その些細なヒントから蓋然性を積み上げていく過程は
確かに論理的と言えなくもありませんが、真相にいたっても
思わず膝を打ちたくなるような爽快感はありませんでした。
それはやはり小説として楽しめなかったせいじゃないかと
思います。
陰影のない登場人物の描写、緊迫感のない設定、
起伏のない展開では、真相も肝心の意外性が大いに削がれて
しまっている気がしました。
なんか読み終わっても( ´_ゝ`)な顔のままです。
結論 やっぱり依井さんは文章下手だ・・・
354 :
読後感:2005/05/24(火) 16:21:09 ID:1BhXipSe
「砂楼に登りし者たち」獅子宮敏彦(東京創元社)
戦国ミステリーということで期待していたがイマ3。
トリックがショボショボだし、探偵がほぼ無力に等しいのもマイナス。
話もパターン化していて飽きる。
作者は舞台設定だけで満足してしまったのではないか。
解説代わりにキャラ座談会やってんのもイタイ。
一番ましなのは「大和幻争伝」。
355 :
名無しのオプ:2005/05/27(金) 18:25:13 ID:4jKfVbKj
「果てしなき渇き」深町秋生 読了
このミス大賞ダブル受賞作 暗き情念 笑わせるな。別の意味で笑って読んだ。
独り善がりの極致。文章だけ書けていればいいってもんじゃない。
人間がいない。悪趣味でしかない。セリフが酷すぎる。心情がない。
ここまで来ると失笑するしかない。こんなものに賞金出して出版するとは。
356 :
名無しのオプ:2005/05/27(金) 20:27:32 ID:++0Fkf5B
「扉は閉ざされたまま」 石持 浅海
刑事コロンボと古畑を足してオレンジで割ったみたい。
最初に犯人が犯行を犯すシーンから始まり、あとは探偵との応酬が、と言う感じ。
犯人の動機にびつくり。そして探偵の粘着(いろんな意味で)に慄きました。
個人的にはすごく面白かったです。
357 :
名無しのオプ:2005/05/27(金) 20:30:01 ID:++0Fkf5B
358 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/27(金) 22:28:06 ID:xQkz7Ixc
中込重明著「落語の種あかし」(岩波書店)を読む。
「落語」そのものを謎解きの対象とした、凡百なミステリよりもはるかに面白い著作
である。
落語には、シナや本邦の民話、読本等を素材にしているものが多いことは良く知られて
いるが、欧州の小説となると「えっ!」とならざるを得ない。
さらには、「怪談乳房榎」のように素になった故事来歴があったとばかり思っていた話が
実は…という次第。
そして、ピカレスク・ストーリーの傑作「黄金餅」に、因果応報となる後篇が
あったのではという話(速記は未発見)も見落せないものがある。
読み易く面白いが、若くして世を去った研究家の豊富で幅広い読書力をベースにした
力作かつ労作であり、私のような落語という大衆文化に興味を持つ知識人には必須の
読物と言い得る。ただし、大量に刊行されている新書ミステリを読む耽ったうえ、
「なんとも凄まじいまでの美少女探偵の推理、最終章で遂にキタ―!」とか、ブックオフで
絶叫しているドキュソなミスヲタには無縁な一書とは言えようかと思う。
359 :
名無しのオプ:2005/05/27(金) 23:00:35 ID:l0fWl5BD
>>358 なる程。狭義のミステリだけにこだわらなければ、面白い読み物は
結構あるんだね。
360 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 00:02:39 ID:jkh3pEyB
>>358 その本、すごく面白そうですね。
ミステリ以外ほとんど読まないミスオタなので、書斎さんがミステリ以外の
良書を紹介してくれるととても助かります。
その本も読んでみようと思います。
東京ではどこに売ってるんでしょうか? 教えていただければ幸いです。
361 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 00:51:09 ID:lszSRWhK
『死亡推定時刻』朔立木
読みました。
むちゃくちゃ面白かった!
資産家の一人娘が誘拐され、身代金受け渡しの時に犯人を逮捕すべく準備していたのに逮捕出来ず、
二日後に少女が遺体となって発見される。
受け渡しの際の捜査陣の失態を、何とか挽回しようと云う努力の結果、
以外に簡単に犯人と思わしき男が逮捕されるのだが・・・
この作品は、「誘拐殺人事件」の犯人として捕まった男が、実は無実であることから始まる。
冤罪と云うものが、如何にして生み出されるか。
被害者の家族、捜査に係わった警察の人間達、そして犯人と決め付けられた男とその家族の様々な要因
(秘密であったり保身であったり、先入観であったり無知であったり)
が、犯人とされた男を追い詰めていく。
フィクションであるのは判っているのに、そのリアルな筆致に引きずり込まれる。
362 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 11:09:37 ID:wLmyzcTU
>>360 ミステリ「以外」の良書の情報を得たいのなら
例えば文学板を覗いたがよほど早いと思うのだけど
だってここは「ミステリ」の板なんだから
363 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 11:41:23 ID:PwNaNB5E
>>360 東京だろうがどこだろうが、本は大抵本屋で売っているよ。
「書店のどこのコーナーにあるか」という意味だと考えても、それこそ書店によって違うから答えようがないし。
大体2ちゃんに来られるということはネット書店にも行けるだろ?
ミステリーというよりも本を読む人間にしては馬鹿なことを訊くもんだ。
364 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 12:39:31 ID:T49V75PI
∧__∧ ∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ・∀・)/ 先生!
__ ( )< どこからどこまでがジエンですか?
\⊂ノ ̄ ̄ ̄\ \__________
||ヽ|| ||
...|| ̄ ̄ ̄ ̄||
365 :
名無しのオプ:2005/05/28(土) 13:15:12 ID:QSeqIfv7
>>364 AAのずれている人は、みんなジエンです。
366 :
名無しのオプ:2005/05/29(日) 11:13:35 ID:xNDbW4Y1
> 「なんとも凄まじいまでの美少女探偵の推理、最終章で遂にキタ―!」とか、ブックオフで
> 絶叫しているドキュソなミスヲタには無縁な一書とは言えようかと思う。
( ゜Д゜)
367 :
名無しのオプ:2005/05/29(日) 14:08:26 ID:ImXLRDow
>「なんとも凄まじいまでの美少女探偵の推理、最終章で遂にキタ―!」とか、ブックオフで
>絶叫しているドキュソなミスヲタには無縁な一書とは言えようかと思う。
つまり板違いってことだな。
自分で分かってるなら書くなアホ!
368 :
名無しのオプ:2005/05/29(日) 14:17:54 ID:nEcazBVa
文字通り「馬の耳に念仏」
相手するなって…
369 :
名無しのオプ:2005/05/29(日) 18:08:00 ID:i3mPqvxB
鯨統一郎「あすなろの詩」読了
学生たちの青春ミステリなんだけど、
前半が青春小説・後半が推理小説、と断絶しているように感じた。
大すきなクローズドサークルものだったけど、この作品に限ってはフーン
小ネタは面白いんだけどストーリーが致命的に下手
370 :
名無しのオプ:2005/05/31(火) 08:57:34 ID:vp/qkwyU
我孫子武丸「弥勒の掌」 読了
我孫子、久々の長編とミステリーマスターズで期待したが、全然ダメでした。
一言でいうなら「薄っぺらい」
最後はもうバタバタ。
こんなんでまとめられんのかと思ったら、強引な力業しやがった。
しかし、それでも感心してる人もいるようだが・・・・
371 :
名無しのオプ:2005/05/31(火) 09:57:51 ID:pGem50T5
乱歩 『孤島の鬼』
いちさんと八頭身の愛の物語。(・∀・)イイ!
372 :
名無しのオプ:2005/05/31(火) 18:43:26 ID:zZ2fu2zB
>>370 まあ、確かに。
速水三兄弟ものに逆行したような感じだよ。
あの手が好きな人には悪くないのかもしれないけど。
373 :
名無しのオプ:2005/05/31(火) 19:39:40 ID:NKnV93/S
>>370 残り頁を見ながらもう一山あるなと思いながら読んでたら
いきなり終わった。
残りは解説と著者インタビュー(しかもこれが長い)でした。
僕の場合、この「もう終わり?」って感じた食い足りなさ感で
評価を下げてしまった気がします。
目次を見なかったこっちが悪いのかもしらんがそれにしてもなー。
露骨な頁かせぎ+値段上乗せしやがって・・・。
374 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/05/31(火) 21:18:28 ID:yzdFp7+m
>>371 同意する。乱歩流差別モード全開の稀代の作だよな。
今なら生原稿段階でNGかも。
375 :
名無しのオプ:2005/06/01(水) 00:55:43 ID:ojgmwwAC
>>370 バカミスだから薄っぺらいってのはどうだろ。
まぁ中途半端だと思うけどね。短編にしてたら面白かったかもねー
376 :
名無しのオプ:2005/06/01(水) 21:20:03 ID:+kEx6StS
北森鴻「狐闇」
冬狐堂と蓮杖那智のコラボレーションものだけど伝奇小説になりかかってる。
何とかしてほしい・・・
377 :
読後感:2005/06/03(金) 19:50:18 ID:TwAOXPM7
「死神(ザ・デス)」西村寿行(光文社)
息子とともに里帰りしていた真澄は、ガソリンスタンドで若者達に絡まれてしまう。
抵抗した息子は殺され、真澄は拉致され、森の中の小屋で性交奴隷として飼われることになる。
表向きは従順な態度を崩さぬ真澄であったが、その心中には確実に狂気が宿り始めていた。
ヒロインの年齢が30代後半ということで個人的にきてますw
読了後これまでの寿行作品と違うと強く思ったのですが、その理由はヒロイン真澄の
凄まじい執念が全編に亘って書き綴られていることに尽きます。マジでスゴイ。
今までの寿行ヒロインも復讐してたけれども、ここまで徹底して復讐者足りえたのは
この人だけじゃないでしょうか。他は一度は必ず「堕ちて」るもんね。
ただ、食材としては弱いかな。肛門に舌を入れるってのはちょっと・・・。
378 :
読後感:2005/06/03(金) 19:58:14 ID:TwAOXPM7
「ロートレック荘事件」筒井康隆(新潮社)
別荘に集まった男女。女達はみな一人の男を狙っているようであり、男は一人の女しか
見えていないようでもある。そんな中女達の一人が殺された。また一人、また一人・・・。
ミステリ史上初の大トリックが炸裂する問題作。
筒井康隆の長編は初めて読む。が、ギャグみてーな短編だけシコシコ書いとけって感じ。
「設備は一流でもコンピュータがよちよち歩きじゃ話になりませんよ」(ジュラシック・パークより)
普通に終わってりゃまだ良作なのに、終盤延々とページ数までご丁寧に示して説明しているという・・・。
あんたそこまで巧いこと伏線張ってませんからー残念!
「富豪刑事」も詰まんなかったし、「逆二階堂」って感じだね。自分の畑にいろと。
「フェミニズム殺人事件」筒井康隆(集英社)
高級リゾートホテルで起きた連続殺人。うち一人は密室で殺される。
警察も介入し、警戒も十分なはずなのにどうして・・・。
これも誰かに薦められてたので一緒に読んだが、イマイチ。
例によってアイデアはいいんだけど、もっと面白く書けると思うんだよな〜。
しかも裏表紙の梗概読むと皆密室で死んだみたいな誤解を招くけど、
あれは封鎖されたホテル全体を「密室」と表現しているんだよね。
ジャロにチクりたくなる。
あとラストで明かされる「以前の滞在が楽しかった理由」も
事件の動機にまつわる各人の反応と照らし合わせると矛盾しているような気がする。
379 :
読後感:2005/06/03(金) 19:58:46 ID:TwAOXPM7
「人形はこたつで推理する」我孫子武丸(講談社)
若き腹話術師・朝永と彼に思いを寄せる幼稚園の先生睦月(通称おむつ)が、巻き込まれる
事件の数々。そこで鮮やかに謎の糸を解きほぐすのは朝永が操る人形・鞠夫。
ほのかな恋愛を絡ませながらおくる青春ミステリ短編集。
おむつ萌え〜。このあだ名よ。もうイメージ固まった。ちょっと前にあいのりに出てた子。
ヘタレとか言われてた男と結ばれて帰国した子。あのイメージ。
見事なほどコージー調で進んでいくが、トリックもあんまり手抜きがない。
特に2話目の密室ものはいいね。最近話題になった某作品について二階堂が言っていた先駆とは
これだったんだね。見事。
もうプロポーズの言葉は決まったね。
「僕のウンコを包んでください」これ。ウンコってのはもちろん比喩表現であって、自分の嫌な面、悪い面も
含めて受け入れてくれみたいな。先生、頼んますm( )m
「殺しの双曲線」西村京太郎(講談社)
続発する奇妙な強盗事件。犯人は双子で、お互いの間で容疑をぼかしてしまう。
それとほぼ時を同じくして東北の山荘で巻き起こる連続殺人。
謎の招待状に釣られた参加者達が次々と死んでいく。果たしてこの2つの事件につながりはあるのか?
良作だった。初期の西京はすごいということですか?
冒頭に十戒持って来て読者に挑戦するあたり、本格スピリットがこの頃はまだあったんだなぁ。
日露戦争当時の日本軍みたいですね。この後大事なことを忘れてひたすら突っ走るようになると。
積んでる「七人の証人」「名探偵なんか怖くない」も楽しみだ。
380 :
名無しのオプ:2005/06/03(金) 20:05:53 ID:zzeIFBZS
筒井を推理小説として読んでる時点で間違ってるような。
彼が書くのは「○○小説の形態を借りた『何か』」です。
そこを読み違えると彼の作品はひとつも面白くありません。
381 :
名無しのオプ:2005/06/03(金) 22:22:22 ID:ya2ds2N6
谺健二『未明の悪夢』(光文社文庫)
俺自身神戸生まれということもあり興味深く読んだ。
ストーリーもミステリ部分も良かったけど、密室トリックはもう一捻り欲しかったかも。
とはいえ『恋霊館』『赤赤い月照』も読むの楽しみだ。
382 :
名無しのオプ:2005/06/03(金) 22:34:19 ID:uIGRmmIL
>381
『殉霊』も忘れず読んでくれ
383 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/04(土) 13:01:25 ID:Q0NSQJQr
黒井千次「日の砦」を読んだ。
純文学の形態を取ってはいるが、わかる人にはわかるミステリアスな恐怖小説集である。
ネタばれしようにも困難というか不可能に近いものがある。
恐怖の根源を読み取ることが読者各人に委ねられた作品集。
いささか(注 伊佐坂先生ではない)月並みな形容になってしまうが、
どの作も何気ない日常に潜む謎と恐怖を描いて間断するところがない。
本書は、粗製濫造されているこけおどしなホラーに毒されている者には、その「恐怖」に
対する感受性のリトマス試験紙足り得る書と言い得る。
収録作品中では、「祝いの夜」「家の声」を特に推しておく。
心して読め!
384 :
名無しのオプ:2005/06/04(土) 22:26:59 ID:IGLc1eG2
佐々木譲「鷲と虎」(角川文庫)
戦闘機のバトルはもう少しスリル感が欲しいところ
それにしても日本の軍隊の目標無き 作戦のための作戦遂行www
こりゃ戦争に負けるっつうの 中国にも嫌われるわなぁ
385 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 11:40:58 ID:rBchlMN5
「審判」深谷忠記 読了
幼女誘拐殺人犯として有罪判決を受けた柏木。
懲役15年の刑を終えて出所した彼は、意図的に冤罪を着せられたと主張するが・・・
これは拾い物だった。話の途中で説明口調になるのがちょっと難点。
しかし去年の「犯人に告ぐ」の子供だましのような小説が評価されるなら
このミス、ベスト10も期待できるかもしれない。
ただあれは評判にならないと読んでくれない奴らが多いからな。
386 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 15:53:03 ID:sy+uWG9o
>>385 ほう、一読してみるか。
もちっとセールスポイントを挙げてくれると嬉しかったがのぉ。
387 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 21:20:06 ID:y1RUKUwL
山本弘「神は沈黙せず」
2012年、「わたし」こと和久優歌の兄、良輔は失踪した。
〈サールの悪魔〉という言葉を残して・・・・
『この世は神によって造られた巨大なシュミレーションである。』
という兄の説を覆すため、UFO、超能力、フォーティアン現象などの
超常現象をさまざまな角度から検証する優歌。
そして彼女に好意を持つ若き天才小説家・加古沢黎。
彼らが導き出す「神」の正体とは!?
こういうアンビリバボーものが好きなおれにとって久々のヒットでしたw
未来世界が舞台ということもあり、SFものとしても読める。
残念だったのは、結末を急ぎすぎたのか「神」の正体が曖昧になってしまったこと。
まあそれが作者の狙いかもしれんが。
388 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 21:42:40 ID:G8AI85gY
「金雀枝荘の殺人」今邑彩
クローズドサークルものが好きな方はぜひ読んでみてください。
スリルがあって充分楽しめましたよ。
ただ霊には出てきて欲しくなかったかな。(信じてないので)
389 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 21:43:01 ID:4KfU44YS
390 :
名無しのオプ:2005/06/08(水) 23:15:40 ID:oomefs8x
>>385 興味がありつつ放置していたが、そんなに良かったのかー。今度勝ってみよう。
深谷忠記ってトラベルミステリ一杯書いてる人だよね
391 :
名無しのオプ:2005/06/09(木) 07:46:51 ID:/L6pXWg3
>>385 「審判」私も読んだ
最近読んだ中では一番良かった
最後の一行は気に入らないけど
392 :
301:2005/06/09(木) 13:27:19 ID:38q5paXl
「夏、19歳の肖像」島田荘二 新装版
最近手直したらしい。元々は1988年に刊行されたもの。
1988年といえば、私は二十歳のヤングで、主人公とほぼ
同い年だったわけ。書店でこの本を目にしたこともある。
「占星術」や「斜め屋敷」で有名な島荘の新刊。買おうかどうか
烈しく迷った。結局買わなかったんだけど。
「青春ミステリ」という惹句が気に喰わなかったんよ。
当時は「「青春もの」なんてのは、楽しい学生生活を送った奴だけが
読めばいいじゃん」、とか捻くれてたの。誰が読んでやるもんかって
思ったのよ。まあずぅっと友達もいなかったしね。
進学あきらめて、就職したばかりで鬱々悶々としてたし。
今回読んでみようと思ったのは、私も歳とったしね。食わず嫌い直そうかと
思ったわけですよ。
でもね、若い頃の直感て案外当たってる(作品の雰囲気は私の予想より
ずっと暗かったけど)。
ちっとも面白くない。展開にわくわくしない。そもそもミステリじゃない。
田宮虎彦あたりの私小説をもっと気持ち悪くしたような感じだった。
393 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/09(木) 22:39:40 ID:apLRpmPk
>>387はネタばれだろ。
ただし、ミステリ以外のネタばれは、どう判断したら良いのだろうか。
「神は沈黙せず」はSFミステリどころか、ミステリタッチとも言い難く、
SF板プロパーの作品かと思う。山本弘の薀蓄を読ませるため書かれたような本だ。
394 :
名無しのオプ:2005/06/09(木) 22:52:17 ID:GjzYCij8
黒岩涙香 「白髪鬼」
文体が古くて読みにくかったけど、
心に伝わってくるものがあり、感動した。
次は、死美人に挑戦予定。
395 :
名無しのオプ:2005/06/09(木) 23:38:38 ID:t0TX2YBO
イーガンがソウヤーのパクリって吼えてた件はどうなりました?
396 :
名無しのオプ:2005/06/10(金) 19:39:26 ID:apnRvmZI
『モロッコ水晶の謎』有栖川有栖(講談社NOVELS)
表題作。良。犯人の[メール欄]が結構強烈だった。フーダニットな
んだけど、何となくハウダニットやホワイダニットが混じってる感
じが面白かった。
表題作以外。可。先輩作家に笑った。
397 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 11:22:42 ID:19i0uv4k
>>288 なんとか立ち直って「ゴッホ殺人事件」(講談社文庫版)を読んだ。
一言でいえば「冗長」だな。
上巻はやたらダラダラしているように感じたし、下巻も例えば塔馬と由梨子は過去にどうとかいう部分はいらないと思った。
美術史上の謎についても「ああなるほど」くらいの感想しか抱けず、浮世絵三部作には遙かに見劣りがしたし。
それに何より(メール欄)
駄作とまでは言わんが、凡作以下かな。
398 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 13:04:42 ID:hqTY7Os9
ひのメール欄は浮世絵三部作からずっとそうなんだから、別にいいだろ
399 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 13:05:04 ID:hqTY7Os9
「ひの」ってなんだ。「その」ね。
400 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 15:31:10 ID:io2QWsj2
イニシエーション・ラブ 乾くるみ
面白い、こういうやり方もあったか、と感心した。
変化球、大好きです。
退屈な恋愛小説(しかも文章が下手)がダラダラと
続くばかりで、分量は大したことないのに、読み終えるのに
時間がかかってしまった。
でもね、その苦行は報われた、と言ってもいいと思う。
読了後、嗚呼上手く騙されたものだと、嬉しい気分になったもの。
(途中で気づいた人も多いみたいだけど)
確かに二度読みたくなる小説でした、ハイ。
401 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 17:05:51 ID:LHpS0UKb
↑中の人は書斎
402 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 17:38:05 ID:qtAguYrK
>>397 『ゴッホ殺人事件』の冗長さには同意。連載時と比べてどれぐらい手を入れたのか
知らんが・・・【6点】
大山誠一郎『アルファベット・パズラーズ』読了。【7.5点】
シンプルで律儀な伏線に好感。ただし最終話の誘拐ものだが、どこかで
同じような真相の話しを読んだ気が・・? 気のせいかな?
403 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/11(土) 20:23:40 ID:y8P1n3UJ
夏樹静子「白愁のとき」を読む。夏樹静子初のストレート・ノヴェル。
ミスヲタはミステリ作家が書いたこういった普通小説から、
じょじょにまともな読書生活への移行を試みるのがよろしかろう。
アルツハイマー病をテーマとした、今でもある意味タイムリーな作
(単行本刊行は平成4年)ではあるが、ストーリー・テリングと取材力には定評が
ある作者の手になるものとはいえ、このテーマはやはり医者である作家に書いて
欲しかった。
アルツハイマー病に犯された主人公の状況は、作り物の恐怖小説をはるかに上回る
緊迫感があるものだと思うのだが、途中で恋愛小説(というか不倫小説)、
造園のノウハウの薀蓄等に逃げている感が強いのである。
ここはクールに主人公が置かれた苛酷な運命を最後まで描いてこそ、
このテーマを選択した意味があるのではないか。
南木佳士、渡辺淳一、加賀乙彦、医者ではないが吉村昭なら、きっとそこまで描き切った
ことであろう。
死刑問題をテーマのひとつとした「量刑」という作にしても、最終的に作者の主張が
どこにあるのか疑問が残ったが、本書にも同様な不満が存するものである。
404 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 21:08:04 ID:jOAbGJR0
イーガンがソウヤーのパクリって吼えてた件はどうなりました?
405 :
名無しのオプ:2005/06/11(土) 21:13:35 ID:WB9HiTIV
自分が言ったことをたった数秒後には忘れてしまうヤツに聞いても意味が無い
406 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 12:56:36 ID:njdOzrTq
>>404 イーガンて人はたしかSF作家だよね?
ミステリーも書いているとかいうことか?
407 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 13:01:03 ID:arkrIGAo
408 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 13:29:10 ID:9L6WhNgW
書斎はいろんな板で恥さらしてんだね
409 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 18:55:23 ID:jVLYPpRt
>>407-408 板ごとにハンドルネームを使い分けてということなのかな。
しかし、ここはミステリーを読んだ報告を書くスレだから、
そういう話題は程々に止めておくことだね。
『硝子のハンマー』を読了。
トリックは悪くないと思うけど、読者が貴志祐介作品に求めているものとは
微妙に違うという感じがする。こんな感想多いんじゃないかな。
410 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 20:26:04 ID:vedWx2PK
矢作俊作「AJAPAN」ようやく読み終えました
読み終えたことだけで満足感 いや〜疲れた
ん?これミステリか?
411 :
名無しのオプ:2005/06/12(日) 20:34:50 ID:U9xY/SBu
横溝正史『双生児は囁く』読了。
とにかく展開が唐突すぎ。
いやまあせいぜい戦後すぐくらいまでの作品だからしょうがないといえばしょうがないけど、
今まで文庫に収められた作品は、もう少しましだったような…
考えてみれば、そういう作品だからこそ単行本化も遅れたのでしょうね。
412 :
名無しのオプ:2005/06/13(月) 09:01:16 ID:8jkqxTC8
秋月涼介『紅玉の火蜥蜴』を読了。
自己陶酔型の描写がキモく、読んでて気持ち悪くなってしまいました。おえっ。
最後まで読むのがつらいことつらいこと。でも最後まで読みました。
たいした事件でもないのに、大仰な書き方も、ちょっと……ねえ。
とにかく私、ダメです、この作家。
413 :
名無しのオプ:2005/06/13(月) 09:24:36 ID:aXc85kHk
『超・殺人事件 推理作家の苦悩』 東野圭吾
星新一のショートショートのようでした。(;・∀・)
414 :
304:2005/06/13(月) 18:20:11 ID:wYVWo3QT
俺も「むかし僕が死んだ家」を読み終わったところ。
おもしろかったよ。
今度は東野圭吾読破しようかな。
415 :
名無しのオプ:2005/06/15(水) 17:20:20 ID:Psuau/mI
「殺人方程式 切断された死体の問題」綾辻行人
出てきた数式はさっぱりわからなかったけど、
伏線回収及び全体のプロットは非常に秀でていると感じた。
理系の人にはいいかもしれない。
後味の悪さも個人的に◎
416 :
名無しのオプ:2005/06/17(金) 09:04:58 ID:ubu5JCEw
「ユージニア」恩田陸 読了
十七人が毒殺されるという事件があった。
ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件が
年月を経て関係者からの視点で回想され、ある真実が見えてくる。
こう紹介すると良質のミステリのようだが、私には全くおもしろくなかった。
「Q&A」の評判の良さに2匹目のなんとかでも狙ったのかな。
まあ、展開がまどろっこしい。途中からは不快感ばかりが先走って苦痛でさえあった。
煽るような言い方になるが、これは恩田による恩田ファンのためだけに向けた本じゃないの。
内容は全く違うが「夜のピクニック」を本屋大賞に選ぶような人にはおもしろいんでしょう。
417 :
名無しのオプ:2005/06/17(金) 14:22:24 ID:uj3spRMG
>>416 いえ、恩田ファンでも評価は悪いです。
「またこのパターン?」と言われていますから
418 :
名無しのオプ:2005/06/17(金) 22:51:54 ID:9cXGfO99
東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫)。
犯人側の視点のみで誘拐事件を描く。
もうちょっと犯人側と相手側の駆け引きみたいなものが
描写されるとよかったかも。
東野にしてはヒネリが弱いが相変わらずおもしろい。
ラストのアレも短く効果的に決まってました。
【7点】
419 :
名無しのオプ:2005/06/18(土) 00:26:51 ID:1WpbeUiS
>>416 ユージニアが微妙なのは同意だが、「夜のピクニック」を本屋対象に選ぶような人〜の下りは承服しかねるな。
君のレスの内容が不快感を呼び起こしているんだが・・・煽るにしても安すぎる。程度が知れるぞ
420 :
名無しのオプ:2005/06/18(土) 00:43:31 ID:9BYC9wN7
東野
ゲームの名は誘拐
読みやすく2時間位で読了 東野は高校生を描写するのが下手だと思う 白夜行でもそう思ったし 違和感ありまくり 薄っぺらい内容だった
421 :
名無しのオプ:2005/06/18(土) 09:28:31 ID:T/I1scaa
>>419 安すぎて程度が知れる割にはスルーできなかったようですね
痛いところ突かれたという感じでしょうか
「夜のピクニック」が本屋大賞と聞いて私なんかは愕然としましたけどね
でも次の瞬間は納得しましたけどね
「ああ、書店の店員って女性が多いもんな」
422 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/18(土) 21:32:00 ID:KTQ0ky/0
北重人「夏の椿」を読む。
2004年松本清張賞最終候補作とのことだが、受賞にまでは到らなかったのが
納得がゆく出来ではある。
清張先生は時代小説も多く書いており、時代ミステリ長篇には「鬼火の町」のような
面白いものもある。従って、本作がノミネートされたこと自体には違和感は無いのだが、
本作に関しては、「かげろう絵図」「天保図録」等の極端な偶然性に頼って物語を
展開してゆく(これは時代小説に限らない清張長篇ミステリの欠点のひとつである)
という清張時代長篇の悪い面を引き継いでしまっているのが残念である。
さらに、物語の貴重な背景を成す田沼VS一橋の抗争の内実が明確に描かれない等、
清張作品に比較してスケール感を欠くものとなっている。
評価出来るのは、江戸風物が丁寧に描かれていること、主人公を安易なスーパーヒーロー
とせず、そこに山本周五郎的な人間臭ささを出すことに成功していること程度か。
423 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 00:39:58 ID:B2y3lplM
>>421 君にはこの言葉を送ろう
「人それぞれ」
貶すことしかできないのは良くないと思われ。
424 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 01:39:23 ID:qRxSWNQM
斎藤栄『飛鳥十字殺人事件』(双葉文庫)
斎藤栄の代表作。
聖徳太子の死因を巡って、作家が殺される『聖徳太子の謎』が前半(作中作)。
その作中作を書いた作家が殺される後半『完全密室の謎』が後半。
文章もそうだが、非常に淡白な出来で、特に面白いとは思わない。
『聖徳太子の謎』の中にはさらに同名の小説が登場するので
どうせなら3部構成くらいに凝った方がいいのでは。
気になった点をふたつ。
・後半の雪密室トリックに関し、主人公とその友人が
乱歩のトリック分類を挙げてマニアックな会話をするくだりがあるが
「雪密室・室内で男女が刃物で惨殺」という状況なら
『ユダの窓』を挙げる前に、大事な作品があるだろう。
・事件解決に手詰まりな主人公が取った行動が
「寝て夢を見ること」。
(主人公は啓示的な夢を見るノウハウを持っている)
いくら何でも不自然すぎないか。
425 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 19:53:51 ID:LztKsdBL
>>423 その言葉そっくりそのまま返すわww
そんな当たり前のことがわかってないの自分だろ?
どうぞ恩田スレにでも行って闘ってきてください
ここは誉めることが前提のスレじゃないですから
426 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 21:43:07 ID:JiEn1vvC
(ノ∀`)
427 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 22:31:09 ID:bcxrsfuE
恩田です。
気分が乗ってきたので歌をうたいます。
♪けんかをやめて〜 二人をとめて〜
♪私のため〜に〜 争〜わない〜で〜
♪も〜う こ〜れ〜以〜上ぉぉぉ〜
428 :
名無しのオプ:2005/06/19(日) 23:29:02 ID:B2y3lplM
褒めない事と煽る事は同義でないことに気付こうな。
429 :
名無しのオプ:2005/06/20(月) 00:16:33 ID:+NckZ0f3
お前ら今まで本読んで何学んできたんだ
幼稚園児みたいなケンカばかりして
430 :
名無しのオプ:2005/06/21(火) 16:42:45 ID:lq6ZkO/l
「ハーメルンに哭く笛」藤木稟
……京極夏彦の二番煎じ?
431 :
名無しのオプ:2005/06/22(水) 00:43:32 ID:q+19rv44
井沢元彦『本廟寺焼亡』
浄土真宗についての解説は分かり易くて面白かったけど。
犯人丸分かりだし、トリックや伏線も稚拙過ぎ。
「猿丸幻視行」や「逆説の日本史」は面白かったんだけどなぁ。
432 :
名無しのオプ:2005/06/22(水) 04:50:49 ID:bhRF6Flo
深谷忠記「審判」
普段読まないタイプ。借りたんでなければ読んでなかったかも。
面白かったんでそう云う意味ではラッキーだった。
一気に読んだけど、いやー何だか怖かった。
433 :
名無しのオプ:2005/06/23(木) 13:11:35 ID:Dqcq12Su
「第三の容疑者」小杉健治 読了
サブタイトルが検事:沢木正夫とあり、シリーズ化になっているらしい。
ストーリーは二つの事件が微妙に絡み合い、考えられてはいるが
いたるところに粗が見える。
ストーリーに触れるのはネタバレに繋がるのでむずかしいが、
まず登場人物が事件に関わるきっかけが弱すぎる。
読み手が展開や登場人物の行動に?と思うことが多く、冷めて読んでしまう。
肝心の事件も最後の一つ前で謎解きしてしまい盛り上がりにも欠けた。
文章の古くささも合わせて平均点を大きく下回る出来だった。
434 :
名無しのオプ:2005/06/24(金) 06:27:26 ID:vHTo0w+x
大倉崇裕/白戸修の事件簿
つまらなくなかった。のだが…全体の印章がたまらなく不愉快だった。
何が合わなかったのやらOTL
この人の創元の奴文庫待ち中なんだけど…そっちも合わんのだろうかOTL
435 :
名無しのオプ:2005/06/24(金) 06:29:01 ID:vHTo0w+x
うわ何て間抜けな変換ミスを。何かもう踏んだり蹴ったりだ…
436 :
名無しのオプ:2005/06/24(金) 12:17:02 ID:jRjVn6gP
*『マリオネットの罠』 赤川次郎
急展開すぎ。そうくるのかよっ!というようなありえない設定。
悪役たち・ヒロイン二人の言動が漫画みたいで笑えますが、傑作。
それにしてもタイトルでネタバレ?
*『どちらかが彼女を殺した』 東野圭吾
被害者に同情できない。
結局一番嫌な奴だったのか『彼女』ではないだろうか。
真犯人はどっちでもいいじゃん、と思った作品。
437 :
名無しのオプ:2005/06/24(金) 13:24:19 ID:2/LwydhO
438 :
名無しのオプ:2005/06/24(金) 18:11:47 ID:jRjVn6gP
439 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/06/25(土) 09:36:38 ID:kZ6DSoV0
水上勉「故郷」を読む。
冒頭、原発銀座とも称される北陸の町の駐在所を若いハーフの娘が訪れる。
彼女はいったい何者なのか?ミステリかと思わすような出だしだが、
アメリカへ移住し成功した老夫婦の故郷に対する真摯な「想い」を描いた
真面目な作である。
筆者は、清張作品と同時期に「海の牙」「霧と影」「死の流域」
そして映画化もされ、著者の代表作となった「飢餓海峡」等の水上ミステリを
読み耽ったものである。
さらには、ミステリ作家には稀有なその「文学性」に惹かれて、「雁の寺」「五番町夕霧桜」
等の純文学、自伝的な要素が強い「フライパンの歌」「車椅子の歌」等まで
読み進めたが、「なんで、この人がミステリなど書くのだろうか?」
これが、当時抱いた正直な感想であった。
後年、著者自身はミステリを書きたくなかった旨を告白している。
この点では、著者は社会派ミステリブームという時代の犠牲者のひとりと言えなくもない。
本作なども、時代が違えば版元の要請により、ミステリ仕立てにさせられていた恐れさえあるのだから。
ただし、若い頃の作とは異なり、作風にやや重量感を欠き、軽く書き過ぎている感を
受けないでもない。相続の件があっさりと流して書かれている点にも、
著者の人間観の転換(悪→善)さえ見る思いがする。
かっては、ここからの修羅場における人間の本性を書く作家だったのだが。
440 :
名無しのオプ:2005/06/25(土) 13:37:19 ID:zSoCEQeN
伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」 読了
読みやすかった。
それだけだった。
441 :
名無しのオプ:2005/06/25(土) 21:40:30 ID:+mtPZWYj
小川勝巳「彼岸の奴隷」
殺戮に至る病を超えるグロさ。
どこが青春の証明のオマージュやねん。
442 :
名無しのオプ:2005/06/29(水) 02:08:31 ID:Cl7er2ww
島田「水晶のピラミッド」
御手洗登場が後半からって…なげぇーぇよ。
でも焦らされるのって…悪くないな
などと変な感慨に耽った一冊でした。
443 :
名無しのオプ:2005/06/30(木) 08:11:45 ID:6sxZPzmL
『哲学者の密室』 笠井潔
ツタンカーメンが
「Merci beaucoup」と言ったり、
サンドイッチをむしゃむしゃしたり、
食べ過ぎじゃないのか、ビーダッシュ♪
愛の哲学。
444 :
名無しのオプ:2005/07/03(日) 00:27:13 ID:GBuPOH16
我孫子さんの「殺伐に至る病」を今さらですが読みました。
ただの異常心理系のホラーかと思ってたらびっくり!
多くの人が読めって言ってるのに納得しました。
445 :
名無しのオプ:2005/07/03(日) 03:08:49 ID:mUjdo9zD
「ロートレック荘事件」筒井 康隆
後味の悪さが物足りない。
「鳴風荘事件」綾辻行人
うほ
「しあわせの書」泡坂妻夫
もう殺人が起きないと物足りない身体になってしまったようだ…
「夏と花火と私の死体」乙一
アイス食べたくなった。
446 :
名無しのオプ:2005/07/03(日) 18:34:58 ID:CWZdabJ9
447 :
444:2005/07/03(日) 23:33:00 ID:GBuPOH16
>>446 ひえー 本気でずっと殺伐だとおもってましたorz
448 :
名無しのオプ:2005/07/04(月) 00:10:48 ID:+O7mK5Fq
>>447 イ`
「アリア系銀河鉄道」読了。
連作だから順番に読んで驚かされるところはいいと思うのだけれど
前半のキリスト教絡み(?)二編で挫折する人が多い気がする。
後の方になると結構小ネタで「やられた!」気分を味わえるのに…
続編の「ゴーレムの檻」が発売されているのに上記作品を絶賛していた
書評サイトで感想が無いのはただ単に知らないから?
449 :
名無しのオプ:2005/07/04(月) 01:27:46 ID:60kGOxaO
>>447 ワラタ。
周囲に「オマエ殺伐読んだ?」とか言ってなかっただろな。
450 :
名無しのオプ:2005/07/04(月) 09:00:07 ID:FfWOFS/g
わたしは僧正をそうせいと呼んでました。。。
451 :
名無しのオプ:2005/07/05(火) 10:06:04 ID:JZ6CNtjF
島田荘司「龍臥亭事件」
こんなに長くする必要があったのか…?
津山三十人殺しの事件は別の本で読んで知ってたので、ちょっと退屈だったかな。
それにしても里美の男の趣味って…。
452 :
名無しのオプ:2005/07/05(火) 12:56:21 ID:HAyhjrOM
吉野屋ってのはな、もっと殺戮としてるべきなんだよ。
453 :
名無しのオプ:2005/07/06(水) 03:07:11 ID:9/qkpTI2
454 :
名無しのオプ:2005/07/06(水) 22:34:06 ID:f1aacU2c
歌野晶午「生存者、一名」
長さもほどほどでさっと読めて面白かった。
5人の男女が無人島にやってきて、そこで連続殺人が起こる。
死者5名、生存者1名。
もう一人の人物とはいったい誰か。
「むー。この手があったか!」という感じでした。
455 :
◆Q12eSHthww :2005/07/07(木) 00:19:45 ID:aRH1KNAz
辻村深月『冷たい校舎の時はとまる』(講談社ノベルス)【7点】
半分馬鹿にして読み始めたけど、高校生たちの過去話もけっこう
読ませる。ミステリー的な箇所も、個人的にはうまく騙されたので
満足。それでもやっぱり冗長という読後感は否定できない。
456 :
名無しのオプ:2005/07/07(木) 01:38:38 ID:BxdGDitV
>>447 てか「ひえー」なんていうやつ久しぶりに見た。
457 :
名無しのオプ:2005/07/07(木) 04:26:10 ID:BoMNkOSp
北森鴻 顔のない男
この人の本、結構好きだっけどコレには正直がっかり。
458 :
名無しのオプ:2005/07/07(木) 18:56:00 ID:OtetAx9I
山村正夫・編「死体消滅」(KKベストブックス?社)
聞いたこともない出版社から出たアンソロジー。「死体の隠し方」テーマの
作品を揃えたもの。
楠田匡介「人肉の詩集」と北洋「失楽園」が入っているのが良かった。
その他は、夢野「人間腸詰」、ダンセイニ「二瓶のソース」、日影「王との
つきあい」といった有名どころなど。
割と最近の、森村誠一「人間解体」、斉藤栄「屍臭の女」、編者の「(題名失念)」
は駄作。読者に阿るエロ作品で全くダメ。
まあ50円でしたから買い物でしたが。
459 :
名無しのオプ:2005/07/11(月) 14:17:51 ID:eB8djJWQ
井上夢人「メデューサ、鏡をごらん」
うーん……。
460 :
名無しのオプ:2005/07/12(火) 01:59:53 ID:r66xoqxr
459 名作との世間の評判だよ
461 :
名無しのオプ:2005/07/12(火) 02:52:24 ID:z6qjSSEU
ホラーとしては、の話(褒めてます)。
462 :
名無しのオプ:2005/07/13(水) 10:35:27 ID:BAd8lGMr
ISOLA読了
これ以前映画を先に見たのだが、内容をスコーンと忘れるくらいつまんなかったから
小説は別物として新鮮に読めた。いいねー面白かったよ。
463 :
名無しのオプ:2005/07/13(水) 17:33:59 ID:cJMHDBpm
藤岡真 「ギブソン」 約320頁
大量のレッド・ヘリングに翻弄されながら
と本書のあらすじ(?)にも書いてあるように
大量の伏線が用意されていて、いくつかは偽の伏線
真の伏線を拾い上げた果ての結末は?そんな作品
「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んだだけだが
伊坂幸太郎にちょっと似てるな、と俺は途中で思った
謎は地味で、解決も特筆する程ではないかな
レッド・ヘリングが好きじゃないらしい俺は並、普通の作品って感じ
100冊程度読んだ毛の生えた初心者には楽しめず
初心者には解決でそれなりに驚けそう
中・上級者はレッド・ヘリングを味わいつくせるのかな?
464 :
名無しのオプ:2005/07/13(水) 23:58:54 ID:Z+EKZSvo
レッド・ヘリングって何?
465 :
名無しのオプ:2005/07/14(木) 00:05:22 ID:LZF4cx/Y
偽の手がかり
466 :
名無しのオプ:2005/07/14(木) 09:57:29 ID:cj4p1mWB
いまさらだけど「ハサミ男」
わたしはメル欄だと思っていたので、すっかり騙された。
あんまり期待してなかったけど、面白かったです。
467 :
名無しのオプ:2005/07/14(木) 17:51:29 ID:hChmr+w6
五十嵐貴久「Fake」
面白いけどちょっと単調かな。
内容的には福本伸行のカイジ沼編+銀金ポーカー編てな感じだが
あそこまでのインパクトはないかも。
あとラストで疑問に思ったのが「メール欄」
他にもあのラストは「現実問題としては」かなり無理がある点が多いような気がする。
垣根涼介あたりの小説読むと(メ欄2相手の商売ということで)その辺気を配っている
のがよくわかるが、この小説ではどうも行き当たりばったりな感じがする。
(垣根よりつまらない、ということではないけどね)
468 :
名無しのオプ:2005/07/15(金) 07:19:45 ID:xMRsfJxU
谺健二 『星の牢獄』 約470頁
初・谺健二作品だったんだが、大変楽しめた、大当たり
トリックは大したもんじゃない、期待しない方がいいだろう
謎解明後のアクションが俺には邪魔だった、あと長過ぎた
悪い点ばかり挙げてるが大変楽しめたんですよ、本格好きにはオススメ
しかしミステリー・リーグって凄いね
これで八冊読んで当りが六冊だよ
469 :
名無しのオプ:2005/07/15(金) 15:00:12 ID:R4Gb8sVG
外れの二冊を教えてくれ
470 :
468:2005/07/15(金) 15:48:40 ID:xMRsfJxU
>>469 ○ 飛鳥部勝則 『誰のための綾織』
△ 倉阪鬼一郎 『冥い天使のための音楽』
○ 乾くるみ . 『イニシエーション・ラブ』
◎ 谺健二 『星の牢獄』
◎ 霧舎巧 『名探偵はもういない』
◎ 西澤保彦 『聯愁殺』
○ 氷川透 『追いし者 追われし者』
△ 芦辺拓 『グラン・ギニョール城』
△は別に読まなくても良かったな、というもの。つまりはハズレ。
参考までに読書傾向というか嗜好。
金田一少年からミステリに入って、好きな作品は『迷路館』『ある閉ざされた雪の山荘で』
去年面白かったのは『硝子のハンマー』
本格って何?って聞かれたら答えられないけど、多分本格好きなんだと思う。
471 :
名無しのオプ:2005/07/16(土) 21:59:22 ID:H2x7VsBK
宮野村子 伝説の里
緑色の犯罪 甲賀四郎
かなり面白かった。
472 :
名無しのオプ:2005/07/16(土) 23:54:03 ID:ADd6hgEK
ハサミ男読了。
なぜこれが評価されているかわからない。トリックはミステリ好き
なら最初の十数ページで看破してもおかしくないほど。
なかなか読ませるようにはなっているが、予定調和に過ぎない。
473 :
名無しのオプ:2005/07/17(日) 00:31:02 ID:N9zL8JgZ
474 :
名無しのオプ:2005/07/17(日) 02:46:23 ID:plzOKyOk
475 :
名無しのオプ:2005/07/17(日) 14:11:12 ID:KcAFPZ+5
東野圭吾「さまよう刃」
読みやすいので一気呵成に読了。
娘が凌辱の果てに殺された父親の行動に感情移入しつつ
読み進めていったが、結末はある程度予想がついていた。
週刊“朝日”の連載だもん、チャールズ・ブロンソンの映画
のようにはいかないよな。
糞餓鬼の悪行非道ぶりを繰りかえし描写して、彼らに一点の弁解
の余地もない・・・・・なら別の結末があってもよかったのでは。
476 :
名無しのオプ:2005/07/17(日) 18:05:45 ID:cZUk6vU3
東野圭吾 『名探偵の掟』 約330頁(文庫)
面白かった、長めの解説も中々良かった
是非何作かに1作かでも本格を書いて欲しい
477 :
名無しのオプ:2005/07/17(日) 22:01:13 ID:V1jl3cX9
泡坂妻夫「しあわせの書」
これは圧巻・・・。
私にとって(メル欄)で感じたおぼろげな違和感が、今思い返せば、作者から与えられたヒントだったとは・・・悔しい。
面白かったので、他の作品も読んでみようと思います。
478 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/18(月) 21:42:13 ID:2jZj7NTg
三木卓「路上」を読んだ。谷崎潤一郎賞受賞作だけあって、
その物語性は確かなものが存する。
本作品集の本質は、鎌倉を舞台に日常生活に潜む「ミステリ」を抉ったもので
あると言い得る。ミステリ板で指導的立場にある者としては、当板の厨房連中にも
幼稚な名探偵ものばかりに耽溺することなく、本書のような大人の読物にも挑戦して
欲しいものである。
独立した短編の主人公が、他の作品にも脇役や点景として登場するのは、
ちょっと阿刀田高「街の観覧車」を想起させる構成ではある。
末尾の収録作「いくたびか繰り返された夜」の本編、
最後の一行「そうか、極楽蜻蛉みたいな子か」という締めの言葉が見事である。
(この言葉に込められた重みは、本書を通読することによりわかる)
小説の構成としては、唯一、鎌倉を表舞台とはしない「高野川を過ぎていく雲」が
逆に「ヒロインの鎌倉」という存在感を際立たせる効果を上げて、強い印象を残す。
479 :
名無しのオプ:2005/07/18(月) 22:58:39 ID:ysj5M21T
筒井康隆 『ロートレック荘事件』 約200頁
前人未到の言語トリックとの事だが、それは当時(1990年)の話か
すれた言語トリックが多すぎる昨今だ、それ程の驚愕は味わえなかった
480 :
名無しのオプ:2005/07/18(月) 22:59:21 ID:a9YJDpdh
魍魎の匣読了しました
枚数に圧倒され敬遠していたんですが
最高に面白かったです。
中学の時に読んだ「孤島の鬼」と似た読後感。
堪能させていただきました
京極先生ありがとう( ・∀・)
481 :
名無しのオプ:2005/07/19(火) 03:17:04 ID:CN3WrT6r
小林泰三 『密室・殺人』 角川書店 約360頁
帯から 新本格推理とホラーを融合させた初の長編
究極の新本格ホラー推理誕生
ホラーの要素はあるけれど融合と言う程に融け合ってはいないように感じられた
しかしホラーに期待してないので無問題
推理ものとしては地味で記憶に残りにくそうな解決ではあるが満足できた
それにしてもやっぱり関係者集めての謎解きは燃えるなぁ
482 :
名無しのオプ:2005/07/19(火) 17:43:08 ID:CN3WrT6r
佐々木俊介 『模像殺人事件』 約240頁
このスレで好評だったので読んでみた作品
書評や解説に目を通してみると、横溝に絡めたのが多いが
ミステリ歴浅くて横溝作品には触れてない俺はよくわからなかった
読み終わってみると
>>89氏のメル欄の作品が思い浮かんだ
タイトルが中身によくマッチしている、大変面白かった
それにしてもやっぱり作中作の問題・疑問点などを挙げていくのは燃えるなぁ
483 :
名無しのオプ:2005/07/20(水) 00:11:17 ID:8PvpLuFQ
>それにしてもやっぱり作中作の問題・疑問点などを挙げていくのは燃えるなぁ
わかる。ごく些細なところを突いて崩していくのって面白いよね。
あと、読み返してみるとプロローグと作中作ではメ欄が違ってるんだよね。
ああいう細かい気配りに触れると「ああ、この人本格わかってるなあ」と嬉しくなる。
484 :
名無しのオプ:2005/07/20(水) 00:14:23 ID:tz9Yb/BG
>>482 俺は89が数ページで思いついたせいか、退屈の一言。
作品が云々ではなく、そういう不運もあるのだなというわけです。
個人的には横溝オマージュは面白かったけど、特に必然性はかんじなかったなあ。
ホントは帯のジャック(変換せんなあ?)で分かっちゃったんだけどねw
485 :
483:2005/07/20(水) 00:25:18 ID:8PvpLuFQ
横レスだけど482に続いて484の気持ちもわかる。
モロ被りだもんね。作品の出来はいいと思うけどね。
タイトルこそ明示してないがメフィストで巽昌章が二作品を比較してたよ。
486 :
名無しのオプ:2005/07/20(水) 00:26:25 ID:YoGez5pr
惹句の「じゃく」は、「ひく」で変換すると出るよ。
487 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/20(水) 21:47:07 ID:yo2l0zom
春日武彦「屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理」を読む。
内容は、屋根裏等に潜む幻の同居人妄想をモティーフとしたものだが、
乱歩ファン、特に「屋根裏の散歩者」が好きな者には必読の書である。
著者は、「屋根裏の散歩者」以外にも「陰獣」、中絶となった「空気男」まで目を
通しているほどの乱歩ファンであり、海外のミステリ(本書でもかなりマイナーな作品に
対する言及が見られる)も好きそうなのは、何気に嬉しいものがある。
本書を読み終えて思うのは、
妄想をはじめとした人間の狂気、これこそ21世紀にも残された最大のミステリ
ではないだろうか、ということ。
そして、プロの精神科医の手になるものだけに、本書を読むと日本でも流行りの
サイコ・ミステリが安っぽいものに見えて来るであろう。
488 :
名無しのオプ:2005/07/20(水) 22:20:35 ID:2D7dVgno
>>485 あの作品が先行してなかったら驚天動地だったろうね。
でも読んじゃったわけで・・・。
惹句の使い方も一考すべしと思う今日この頃。
489 :
名無しのオプ:2005/07/20(水) 23:10:10 ID:hdzWzwVb
孤高の鉄人、書斎さん。いつもながらお見事!!
私淑しています。。。
490 :
名無しのオプ:2005/07/21(木) 19:12:47 ID:F65dcnUe
都筑道夫 『退職刑事 1』 約270頁 創元推理文庫
法月の解説を読みたくて中古で購入した本書
安楽椅子探偵ものだけで構成された短編集
短編は嫌いなんだが、型がしっかりと固定されてるので
安心してスラスラと読め、そして論理論理論理を味わえた
目当ての法月の解説も大変良かった
自分が生まれる前に「名探偵論争」などと
そんな漫画的な事があったなんて驚きでした
あまり数を読んでいないけど、今まで読んだ短編集では最高級の良作
491 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/22(金) 21:05:22 ID:W7ohCyGl
>>490 ミッチー晩年のライフワーク的シリーズだけあって、第1集収録作品の出来は良い。
ただし、巻が進むごとに論理の物語は影を潜め、謎々レベルになって来てしまうのが難。
最後の方になると、設定も安楽椅子探偵の枠を外れ、退職刑事氏が歩き回ってしまった
りする反則(?)も出て来る。
続けて読みたくなる気持ちはわかるが、第1巻のみ読了し、このシリーズに
良い印象を残したまま終わって欲しい気もする。
ただし、第2巻収録の「真冬のビキニ」は読んでおけ。
タイトルを見ればわかるとおり、「なぜ真冬にビキニを…」という謎が、すっきりと
論理的に書かれている快作。ただし、お色気を期待すると失望するぜよ(w
492 :
名無しのオプ:2005/07/22(金) 22:03:36 ID:06d8W8iR
493 :
490:2005/07/23(土) 08:28:05 ID:/WNqUvSE
>>492 あんた誰?
ひょっとして俺を騙っているのか?
494 :
490:2005/07/23(土) 09:02:13 ID:mALA+D8I
ここで流れを読まずに真の490登場
>>493 誰ですか?
いや、誰ってのはどうでもいいや
何で490を騙るの?
ちなみに
>>492≠
>>490です
と言っても
「自分が犯人じゃないのだけは確かだからお前らの中に犯人が居る」
ってのと同じくらい説得力ないけどさ
495 :
名無しのオプ:2005/07/23(土) 09:25:51 ID:V/bS5LgM
ここで
「俺こそが本物の490だ!」
と言い出したらどうなるだろうw
493は判らんが、492は誰かさんの(・∀・)だろうと思う。
496 :
490:2005/07/23(土) 09:57:45 ID:+j3SZ2jo
すみません、自己解決しました。
497 :
490:2005/07/23(土) 12:08:34 ID:vvDG+2JB
お前らいい加減にしないか
498 :
名無しのオプ:2005/07/23(土) 12:44:19 ID:hvcJ7VYL
>>494 いや、確立の高い証拠があるよw
あぁいう表記をする人は滅多にいないw
>>495 実際には>492は“∀”を出すことができないんだよね〜w
499 :
名無しのオプ:2005/07/24(日) 13:26:35 ID:NaBUW6b+
黙れ・・・
500 :
名無しのオプ:2005/07/24(日) 14:56:40 ID:TORQDH4G
「陰毛怪怪殺人事件」
読みました。
作者はさだやす圭と組んで、
「獅子のごとく」って漫画の原作を書いていた大谷昭宏です。
泥くさい横山秀夫が、
西丸與一か「死体は語る」の作者にアイデアをいただいて書いたような作品です。
横山秀夫の「臨場」が面白かったひとはオススメです。
エロはありません。
ただ、このタイトルは何とかならなかったのかなー。
レジに持っていきにくいし、女性は敬遠するだろうし、
第一、思いきりネタバレしてるよ。
501 :
名無しのオプ:2005/07/25(月) 13:53:45 ID:hPheYm9p
東野圭吾の「名探偵の掟」。
こんなの書いちゃって色々と敵をつくったんだろうな
そういう感想しか抱かなかった。
502 :
名無しのオプ:2005/07/25(月) 17:19:25 ID:4VldRwK0
>>500 朝のニュースショーにコメンテーターで出てる大石さんだよ。元大阪読売新聞の記者(黒田組)。
503 :
名無しのオプ:2005/07/25(月) 17:19:51 ID:DqQ/1yLU
芦辺拓 『紅楼夢の殺人』 約400頁
去年の話題作の一つ
2頁に渡る登場人物、入り組んだ家系図
馴染みの無い中国系の名前、風習、会話
作品世界に慣れるまでに時間がかかった
なぜ不可能状況は作り上げられたか?
これに対しての回答が余りにも見事
慣れるまで読み辛かったけど投げ出さなくて良かった
中国という舞台や、巨大な登場人物表・家系図などで
避けてる人は読んでみてはいかがでしょうか?
504 :
名無しのオプ:2005/07/25(月) 22:20:22 ID:jgWEMxRY
今年、「模像殺人事件」の評価が高い佐々木俊介のデビュー作「繭の夏」を読みました。
いやー良いですね。
ちょっと切ないけど、謎解きは見事だし。
一気に読みました。
しかし、寡作だなー。
生活できているのかな?
505 :
名無しのオプ:2005/07/26(火) 02:39:12 ID:VQms99jO
佐々木さんは飲食店にお勤めです。十年に一作ではとても食っていけません。
でも去年の「剣薔薇」の例もあります。十五年ぶりだかに書いて推協賞取っちゃいましたからね。
佐々木さんもいきなりハジける可能性有り。
506 :
504:2005/07/28(木) 00:26:01 ID:lzJ54jQh
>>505 そうでしたか。
ありがとうございます。
507 :
名無しのオプ:2005/07/28(木) 20:24:37 ID:DEVDCqyF
508 :
504:2005/07/28(木) 22:21:15 ID:lzJ54jQh
おー、本人が読んでいるとは。
2作とも大変面白かったです。
今後も応援していきます。
がんばってください。
と、2ちゃんを私物化してしまう。
509 :
304:2005/07/29(金) 00:04:43 ID:sV5ywAzo
佐々木俊介、知らなかった(すまん)
検索してみたけど、面白そうだね
今度読んでみようかな
510 :
名無しのオプ:2005/07/30(土) 00:43:44 ID:nJzA99Y8
511 :
名無しのオプ:2005/07/30(土) 03:54:50 ID:13QuPCL3
模像は年末のベストテン時期にそれなりに話題になるんでないの
ああいう新でない正統な本格物は少ないしさ(昭和初期の香りがしたし)
512 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/07/30(土) 21:57:49 ID:HwYkfdjW
活字が読み易くバージョンアップされた松本清張「黒い福音」を再読してみた。
実話ねた、後味の悪さがピカイチと言い得る作。
推理編として書かれた第二部だけでも、十分にミステリとして読み得るものがある。
見方によっては、第一部はやや冗長な感あり。
物語の締めは作者の所感ではなく、
教会を遠望した描写等であっさり終えた方が、物語全体に対する印象度は
かえって深まったのではないだろうか。
本書に登場する不良外人問題、日本人の外国人コンプレックス等は、形を変えて
現代日本及び日本人の精神面にも、いまだに残存し、さらには
本書に描かれた事件処理の経緯には、拉致問題に相通じるものさえ感じさせるもの
がある。
今でも人気がある清張作品ではあるが、カソリック聖職者の犯罪を描いたものだけに、
今後の映像化は期待出来ないため、
粗製濫造される新書読み狂いなハッピーエンド大好きミスヲタ野郎にも、
この機会に突き付けて読ませたい作である。
心して読め!
513 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 00:24:53 ID:baQqB9eu
書斎さんのカキコにはいつも元気を貰います。一日中ニコニコしてしまいます。
まさに僕の癒し計かな?
514 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 00:29:25 ID:Ds+UQdUf
マジで笑えるよねw
515 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 06:31:44 ID:yPTszbFm
「亡国のイージス」
今更ながら、映画化を前に読み終えました。
感想。まるで劇画だと思いました。
ハリウッドの映画手法も入っている感じがしました。
映画化されるのを念頭に置いて作っているかのようです。
516 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 06:46:56 ID:j5SW598F
>>511 よく知らないんだけど新本格とそれ以前の本格の違いって何?
「模像殺人事件」は新本格ではない?
517 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 09:09:53 ID:UEfdvI6B
>>516 摸造殺人事件は新本格よりいい意味で古臭いというかもっと横溝直系の泥臭さがあるんだよね
518 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 10:42:00 ID:qpSJSbsr
>516
綾辻以降の本格推理を新本格と言うんだよ。作品に違いは無いと思う
519 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 11:52:27 ID:WezpCf5w
模造殺人事件は自分はイマイチだった
横溝直系を狙ってるんだけど筆力が追いつかない感じ
でもまあ最後まで読めた
文章に馴染めないときついかも
520 :
名無しのオプ:2005/07/31(日) 13:08:17 ID:63+1YfHX
確かにあれは万人向けとは言い難いな。
521 :
名無しのオプ:2005/08/01(月) 04:40:43 ID:nGJ+FCz1
『ななつのこ』
読後感がとても爽やかで清々しい作品。
なかでも「白いタンポポ」に感動した。
脇を彩る人物たちが魅力的で、特に真雪ちゃんの描写が素晴らしい。
これは、ちまたの評判以上の名作なんじゃないかな?
ときどき読み返して荒んだ心を洗い流したいと思う。
522 :
名無しのオプ:2005/08/02(火) 23:27:41 ID:DOKLKJL0
523 :
名無しのオプ:2005/08/03(水) 01:16:07 ID:FEzHxXqQ
それはローレライのほうじゃないの?
524 :
読後感:2005/08/04(木) 17:21:10 ID:xAuyNPbs
「島崎警部のアリバイ事件簿」天城一(日本評論社)
パート1はちと苦痛だった。代わり映えしない話ばっかで。
でもパート2に入ると縛りも弱まる分読みやすかった。
お気には「朽木教授の幽霊」と「ヴァンパイア」
525 :
名無しのオプ:2005/08/07(日) 13:44:16 ID:yM5QOnwB
「聖殺人者」新堂冬樹を読んだ。
「悪の華」の続編。
最初に延々と前作の粗筋が書いているが、
前作を読んでいない読者は全く面白くないと思う。
暗黒小説としては、迫力に欠ける。
中途半端。
526 :
ルナマリア:2005/08/14(日) 11:41:44 ID:rb7eT7eL
昨日東野圭吾の手紙を読ませていただきました。これよりおもしろい小説ってあるのかなって思ってしまいました。
527 :
◆CAFE0taAE. :2005/08/14(日) 19:25:38 ID:zLJwT7AD
こんなスレあったんだ。私も参加。
「DZ」小笠原慧 読みました。
場面が次々と変わり、何が起きているのか把握できない序盤と、
それらがどんどん収束していく過程が迫力のあり面白い。
ラストの一行に私は寂しさを感じましたが他の意見の人もいそう。
医療用専門用語が多発するので有る程度書籍を読む人向けか。
528 :
名無しのオプ:2005/08/14(日) 19:30:16 ID:c7bMeBIY
>>526 君あちこちに書いてるな
そんなに感銘を受けたのか
まあいいけど
529 :
名無しのオプ:2005/08/15(月) 01:46:45 ID:tHO3kTd7
「翼ある闇」 麻耶雄嵩
お勧めBEST5に名前が頻繁に挙がってたので読んでみた。
無理やりどんでん返し盛り込んだ話にしてみました・・・って感じの話。
あまりの強引な展開で「ありえね〜、やりすぎだろ」と思いながら読み終えた。
こんな強引じゃ驚かねぇだろ〜。
読まなきゃよかった。
530 :
名無しのオプ:2005/08/15(月) 02:15:22 ID:sKw5h4LM
>>529 次は「夏と冬の奏鳴曲」にトライ!
これは重厚な本格だよ。
「鴉」や「螢」は小説として上手くなってるし、どんでん返しが凄い。
531 :
名無しのオプ:2005/08/15(月) 17:37:13 ID:mSRWmYgD
翼が合わないなら講談社の本を読むより(夏と冬〜、痾、あいにくの雨でなど)先に鴉を読んだほうがいいと思う。
そんなに捻くれてないし本格好きにも受けているから
夏冬はもっと訳わからなくなりそうだし
532 :
名無しのオプ:2005/08/15(月) 19:02:15 ID:3MV4ibPa
麻耶はかなり好みが分かれる
無理して読むこともないよ
533 :
名無しのオプ:2005/08/15(月) 21:47:22 ID:JgKe5QjC
「螢」は名作だと思う。
「夏と冬の奏鳴曲」は評価がひどくわかれる。
534 :
名無しのオプ:2005/08/16(火) 00:30:29 ID:lG+9KOK/
多島斗志之「不思議島」
読み始めからなんか違和感があったんだけど、
最後のほうまで来て昔読んだ事あるのに気づいた。
この分だと80年代後半から90年代前半ぐらいに読んだのは
はじめての気持ちで読めるかも...
535 :
名無しのオプ:2005/08/16(火) 19:18:39 ID:ughwQxh9
>>534 同じAVを二回レンタルしちゃうってのは割と良くあるよw
やっぱりホラ、好きなシュチュエーションってあるじゃない。
536 :
名無しのオプ:2005/08/17(水) 15:39:18 ID:0gMdXub/
「グラスホッパー」伊坂幸太郎 読了
まあ、いい意味での伊坂節でしょう。
三人の殺し屋と巻き込まれる一人がそれぞれ別のシチュエーションがやがて一つの収束に向かう。
伊坂はちょっと苦手の自分もさくっと読めた。
苦手の最たる、作中のあまりにも不自然な会話も今回はかなりマシになっている。
しかしなあ・・・あまりにも都合のいい偶然が多すぎる。
というか、偶然のオンパレードである。
こういうのしか書けないのかなあ。
537 :
名無しのオプ:2005/08/17(水) 16:56:22 ID:cbFb8KJ+
小林信彦「大統領の密使」を読了。
SRの会が昭和46年のミステリ第1位に選んだ秀作。
主人公・今似はホテルから持ち帰った聖書のために「きのうのジョー」
なる殺し屋に追われることに・・・。仲間の放送作家・南洋一らと組んで
反撃を開始するも英国諜報部やらオヨヨ大統領一派も登場し三つ巴、四つ巴
への争いへと・・・。
「HMMを読んでいる、すれっからしの読者に一杯食わせるために書いた」
と作者が述べているように、ミステリ、映画、テレビ等の楽屋落ちの連続ですが、
今となっては古めかしい部分や、当時の世相を知らないと今ひとつ乗り切れないのが残念。
殺し屋「きのうのジョー」は宍戸錠のパロディ、007ジェームス・ボンドの遺児・鈴木ボンド、
南洋一は猛獣狩り大好きなど、そしてミステリ・マニアの中原弓彦などなど。
本筋と関係ないプラクティカル・ジョークの話やテレビ界の裏話などが延々と続き、大丈夫かな、
と思わせつつ、ドタバタ騒ぎが最後にトリッキーな大技をかましているのは流石。
538 :
名無しのオプ:2005/08/17(水) 18:30:06 ID:pFcdJUNL
伊坂幸太郎著「ラッシュライフ」を読みました。
「見事な構成がある。パズルのピースが少しずつ、
でもランダムにはまっていき、気付くと出来上がっている」と
誰か言っていましたので期待して読んだのですが……
「パズルの…出来上がっている」なら、断然、逢坂 剛著
「百舌の叫ぶ夜」でしょう。
これが頭にあったのものでちょっとネェ…でした。
539 :
名無しのオプ:2005/08/17(水) 21:25:40 ID:4ZlDFlqP
伊坂幸太郎は厨房御用達作家だから
540 :
304:2005/08/18(木) 01:07:46 ID:PG6rE7fe
「硝子のハンマー」貴志祐介、読了
後半の彼を中心にしてたら「青の炎」に凄く似た作品になってたね
あの二人でシリーズ化していくのかな?
541 :
名無しのオプ:2005/08/18(木) 03:05:31 ID:bp6gzCn2
天使のナイフ:薬丸 岳 (著)
たった今読了。最愛の妻が殺される。犯人は三人の13歳の少年達。
少年であるがゆえに罰を受けずに社会復帰した少年達が次々と
襲われる。四年前に被害者だった主人公は一転して容疑者となる。
題材が少年犯罪と少年法という、いささか手垢が付いた題材だけに
ともすれば作者の義憤に終始する凡作に陥りがちなところを、この
作者は実にうまくエンターテイメントにまとめあげていた。クライマックス
の部分で「ああ、やっぱり読みどおりか」と思った後もさらに話は二転三転
して驚いた。
いかにも乱歩賞作品といったところか。
542 :
名無しのオプ:2005/08/18(木) 10:52:28 ID:T5m66ViJ
中学生っぽい文章と感想ですね。
微笑ましいです。
543 :
名無しのオプ:2005/08/18(木) 20:54:23 ID:W12DSqbA
殊能将之「鏡の中は日曜日」を読了しました
現在と過去に分かれてそれぞれ展開する構造はわりと好き
どんでん返しにつぐどんでん返しで、楽しく読めました。
同時収録の「樒/榁」もなかなか面白かった
氏の日記でもみられる、皮肉屋さんな一面が文面から見え隠れして
思わず笑ってしまいます
544 :
541:2005/08/20(土) 01:05:05 ID:F9oLPLiY
青い炎:貴志祐介
「天使のナイフ」読了後即読み始めたため、頭の中にその残滓がこびりついたまま
読み終える結果となった。それだけに、あのラストをどう受け止めるべきなのか未だに
迷ってしまう。
倒述ものとして見た場合、硝子のハンマーの後半よりもこちらの方が秀逸。
友人達がラストに見せた愚直な誠実さが、一つの救いとなりつつも切なさを
増幅させる要因へと連なるところは上手い。映画も見よっと。
545 :
名無しのオプ:2005/08/20(土) 07:43:51 ID:uIK5lwCa
倒述ってなんだ?
546 :
名無しのオプ:2005/08/20(土) 11:30:08 ID:FwyDkbvP
スタンリイ・エリンの「九時から五時までの男」読了
ああ、おもしれえ
なんか読み終わったあとじわじわ体温が下がっていく感じがいい
「七つの大徳」だけオチの意味がわからなかった。なんでいきなりメル欄が出てくるのか?俺が無知なだけか。
次は「闇に踊れ」「鏡よ鏡」を読もうと古本屋巡ってんだがまるで見当たらない
>>545 倒叙で叙述なんだよきっと
547 :
名無しのオプ:2005/08/20(土) 17:08:22 ID:poinnAp8
とりあえずスレタイ100回読め
548 :
546:2005/08/20(土) 17:15:54 ID:FwyDkbvP
549 :
名無しのオプ:2005/08/21(日) 17:17:25 ID:AQIC6ScR
長編には短編ほどの切味はないと断言
550 :
544:2005/08/21(日) 21:16:57 ID:ZWYkTnXP
551 :
名無しのオプ:2005/08/23(火) 16:27:31 ID:bjQRDdxa
「ミステリ・オペラ」 山田正紀 読了
文庫が出るのに間に合ったよw
わるい子ちゃんたちの動機は、不運な人たちのセツジツさに比べていつでも陳腐。
552 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/25(木) 21:40:00 ID:NrRqiBpG
貴志裕介「硝子のハンマー」を読む。
2部構成を取る作品だが、作者の持味が良く出たのは第2部かと思う。
前作「青の炎」が好きな者には、主舞台は六本木のインテリジェントビルとはいえ、
古風な探偵小説の風がある第1部よりも、最初期の大藪春彦作品を想起させるような
ハードボイルド風青春ものの味わいがある第2部の方が嗜好に合うであろう。
ミステリとして全体的に見た場合は不満点は多い。
まず、探偵役である元泥棒の防犯ショップ経営者、ワトスン役を勤める美貌の女性弁護士と、一時代前のアメリカン・ミステリか安手な新本格作品を思わせるあまりに月並みで
現実離れし過ぎたメーンキャラクター設定が頂けないし、丁寧な取材にもとづくトリックの斬新さは十分過ぎるものがあるとはいえ、構成上、フーダニットの面白さは皆無に近い
のも、このボリュームの謎解きミステリとしては不満が残るところである。
前作「青の炎」で倒叙スタイルでメランコリックな青春ミステリを書くことに成功した
作者ゆえ、今回も第2部のみで作品構成した方が良かったように思う。
他作と同様、本作でも防犯、介護、ロボット、法律等、謎解きの興趣に
とどまらない多彩な薀蓄が散りばめられており、私のような読書人の鑑賞に絶え得る
ような工夫がなされているとはいえ、ミステリとして書かれた以上、その興趣が
トリックのみではいささか弱い感がある。
京大経済卒。大手生保勤務のキャリアというミステリ作家では異色の経歴を持つ作者
であり、そのストーリーテリングの才と構成力の良さは認めるものであるゆえ、
一層の精進を期待したい。
なお、本作中には、2ちゃんねるが実名で登場し犯罪に利用される場面が存するが、
これは、最近は「電車男」でとかく美化されがちな2ちゃんねるが、
犯罪及び犯罪者(予備軍を含む)の巣窟であるという実態を示すものとして的確であると言い得る。
553 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 22:03:01 ID:It9uMV8U
「暗黒太陽の浮気娘」 シャーリン・マクラム 再読
本棚から取り出して久しぶりに読んでみました。
やはり、トリックや探偵役の謎解きは蛇足ですね。
作者が本当に描きたかったのは「あの大会」の雰囲気だったのでしょうね。
554 :
553:2005/08/25(木) 22:04:34 ID:It9uMV8U
あ、すみません。
ここは国内編でしたね・・・
誤爆しました、回線切って行ってきます。
555 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 22:42:17 ID:6NBgq2Ks
「もうずっと人大杉」ばっかし
556 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 22:59:21 ID:wvK92CcA
557 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 23:05:57 ID:XoqKXA2r
>>556 私もずっとミステリー板みられなくて、困ってるんです。
専ブラじゃないんで・・・
いつかは見れるようになるんでしょうか?だめなの?
そんな事いわずに、教えてくださいませんか?
スレ違いですみませんが・・・怒る?
558 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 23:18:34 ID:BwXmIpME
専ブラ使えば済む話
559 :
名無しのオプ:2005/08/25(木) 23:34:44 ID:BvpMYN6k
560 :
557:2005/08/26(金) 00:16:01 ID:BnXvS8lX
>>559 レスどうもありがとうございます!
この機に専ブラ導入することに致します。(おおげさか)
スレ汚しすみませんでした。
561 :
名無しのオプ:2005/08/26(金) 16:55:17 ID:ti1bWxtM
北森鴻 『凶笑面』 約320頁 新潮文庫 5編収録・短編集
法月の解説目当てで読んだ
民俗学ミステリという事だが、正直面白かった、アタリ
直球面白いというより、じわじわ面白い
民俗学的謎と現在の事件の謎が無理矢理っぽくでも結びつくのが良いと感じた
そういう意味で『鬼封会』『不帰屋』が面白かった
だけどベストは最初の一文が見事に冴える『邪宗仏』
他の2編もまぁまぁ面白かったし、読めてラッキーでした
562 :
名無しのオプ:2005/08/26(金) 18:36:02 ID:F8SiGIHy
>>552 >なお、本作中には、2ちゃんねるが実名で登場し犯罪に利用される場面が存するが、
>これは、最近は「電車男」でとかく美化されがちな2ちゃんねるが、
>犯罪及び犯罪者(予備軍を含む)の巣窟であるという実態を示すものとして的確であると言い得る。
貴公」のような良心的住人ばかりならいいのですがね。特にニュー速、最悪あたりは酷い。
まさに予備軍とはいい得て妙。
563 :
名無しのオプ:2005/08/26(金) 19:22:21 ID:qMaGwx2X
美唄清斗「由仁葉は或る日」(東京創元社‘94)
“視覚障害の世界を切り開く端正な本格派、鮎川賞佳作は伊達じゃない!”
どうだろうか、視覚障害者の世界から俯瞰した本格ミステリを考察するに当たっての、
この毎度毎度のイタ過ぎるキャッチコピーは。リーダビリティ?黒い?チャーシューメン?
血風?そんな馴れ合い連中を完膚なきまでに打倒する本格ミステリに出会えることの
楽しみと、この作品の評価は全く別のものであろう。
しかしながら貫井×郎の文庫解説における小生の巧緻極まる考察が、勘違いだの提灯記事
だのと言われなき迫害を受けていることもまた確かか。
本作に限って言えば、真犯人の意外性に果敢にトライした点、巧妙に張り巡らされた伏線の
妙など、決して「若書き」などと言えない、そこには「饒舌に語りつつ一切はまた沈黙して
いる」などという訳の分からないイタい評価がなされるのもまた一興、ミステリを読み込んだ
者のみが吟味できる、差別的な美しさがそこにはあるのだ。
付言するならば、叙述の仕方にももう一工夫凝らし、一部の登場人物の描き方に感情移入し
難い面もあるものの、今、この作者からは目が離せない!
564 :
名無しのオプ:2005/08/26(金) 21:50:08 ID:f42tMGbe
↑何コレ、どっから引っ張ってきた文章?
そもそも佳作なんて取ってないし。
565 :
名無しのオプ:2005/08/27(土) 01:09:19 ID:MHNkIQlb
>>563 よく判らん文章だなw
ところで、
>美唄清斗「由仁葉は或る日」(東京創元社‘94)
>今、この作者からは目が離せない!
10年近く前の作品なのだが?w
566 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/29(月) 23:42:22 ID:9lCbhuva
松本清張「二重葉脈」を読む。
文春の全集や中公のセレクションにも収録されていない作品である。
著名な「砂の器」等、清張長編には刑事の丹念な捜査活動を描いた警察小説の味わい
を持つものが多いが、会社倒産・更生事件が絡んだ本作には、特にこのテーストが
濃厚である。丹念な捜査活動による事件解決までのプロセスを読むべきものであり、
謎解きに期待すると、失望する作品ではある。
作品の時代背景は、昭和40年代前半だが、会社破綻時における大企業優遇の基本構造
は、今も変わっていない。
この辺には、さすがに社会派と称された清張氏の着眼点の良さを感じさせるものがある。
刑事たちが、第三者がいない警察関係者だけのシーンでも事件関係者をさん付けで
呼称しているのは、新聞小説だった配慮であろうか。
567 :
名無しのオプ:2005/08/30(火) 02:33:46 ID:W30WAsqo
「ハサミ男」読了。
まあまあ。と言ったところか。
評判ほどじゃないな。折原一の文庫で出ている作品はほとんど読んでいて、まあ当たりはずれはあるにしろ、叙述ものとしてはやっぱりあちらが上かと。
読み終わった時のやられた感はあまり感じなかったし
568 :
名無しのオプ:2005/08/30(火) 10:07:41 ID:7yGYrAtz
「ミミズクとオリーブ」芦原すなお 読了
肩の凝らない安楽椅子探偵ものとして割と楽しめた。
どうでもいいところでケチをつければ、「ずずばな」に出てきたフグ料亭、
管理甘すぎw
どう考えても法令違反じゃないかと思うが
569 :
名無しのオプ:2005/08/30(火) 16:17:11 ID:NJj4lTat
叙述はなんだかんだ言っても評判とか聞いちゃったら正当な評価はできないよ
570 :
567:2005/08/30(火) 18:39:25 ID:tL8oI6DV
>>569 いや、面白いって聞いただけなんだけどw
571 :
名無しのオプ:2005/08/30(火) 19:02:20 ID:5hCrX4VP
叙述って聞いちゃった時点でおもしろみ半減でねえの?
572 :
名無しのオプ:2005/08/30(火) 20:00:09 ID:iDgp42vm
>>571 叙述モノとは知らずただ単に「面白い」と聞いただけ、という意味では?
573 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/08/30(火) 23:07:38 ID:oNjEG87f
なんだかんだ言うても、もっかのところの殊能タンの最高作は「ハサミ男」だと思うのだが・・・
事前にトリックねたばれ気味だったのでは?
574 :
名無しのオプ:2005/08/31(水) 00:16:44 ID:gV6pGXbd
叙述叙述うるさいお(´Д⊂
575 :
名無しのオプ:2005/08/31(水) 05:21:45 ID:Tqt10b0h
叙述叙述叙述叙述叙述叙述序数珠
576 :
名無しのオプ:2005/08/31(水) 07:29:49 ID:CaAxgybc
577 :
567:2005/09/01(木) 04:37:45 ID:niovr30K
>>572 その通り。殊能も初読だし。
スルーされちゃった感のある568さんが書いてる
ミミズクとオリーブシリーズの方がよっぽど好きだw
まあ、ほのぼの系が好きなのもあるけど。
北村薫の円紫、覆面シリーズとか
倉知淳の猫丸シリーズとか
二階堂麗人のボクシリーズとか
我孫子武丸の人形シリーズとか
578 :
名無しのオプ:2005/09/01(木) 21:33:43 ID:cr3uTeoK
飛鳥部勝則の「鏡陥セイ」を読んだ。
自分の人格や品性を疑われると厭なので、他人には勧めないが、面白かった。
個人的には今年のベスト5に入れても良い。
昔のクーンツや乱歩が好きなひとは面白いと感じるかも。
579 :
304:2005/09/01(木) 23:12:12 ID:A4DBHSMD
「繭の夏」佐々木俊介、読了。
面白かったけど、後味が良くないな。(書評にも出てたけど)
犯人や謎のメッセージがストレートすぎる感じがしたよ。
580 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/09/03(土) 10:03:12 ID:jp/1BVc2
北川歩実「猿の証言」を読んだ。
随分と前に購入し積読状態になっていた作だが、今回読んでみて、
今まで読書欲が湧かなかったのも致し方ないという気がした。
クローン、人工授精、キメラ、サル学等、タイムリーというか刊行時を
考慮すれば先鋭的とも言える内容を持った作なのだが、
それなりに興趣をそそるものがあるとはいえ、ミステリにしてはあまりに
膨大なサル学等に関する薀蓄は、作品を無駄に長くし、ストーリーも
冗長に流れてしまう弊を招いている。
また、登場人物も類型的(研究者の女性がことごとく美人というのは、
リアリティを殺ぐ結果となっている)に過ぎるし、過去に渡る人間関係もあまりに
創り過ぎである。
本書のテーマを、地味目な女性研究者あたりをを主人公にして、妙な過去の因縁話を付けずに人間関係を自然に描けば、逆にリアルで凄味があるスリラーに仕上がったのではないだろうか。
ただし、これもあくまで「スリラー」としてであり、そもそも「ミステリ」としての
オーソドックスな謎解きの面白さは薄い作であるとは言える。
全体的に見て、作者の力量・技巧不足を強く感じさせるものがある。
581 :
名無しのオプ:2005/09/03(土) 13:25:02 ID:x5i3MZES
朱川湊人「都市伝説セピア」
ホラー小説には当たりはずれが多いものの、これは当たりだった。
独特の世界観を形成していて、読み応えがあった。さらにどの話もオチが効いている。
某メフィスト賞受賞作とメイントリックが一緒だったのには、ちょっと笑った。影響受けてるなあ、と。
582 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 00:57:21 ID:tRgT9Oor
「星降り山荘の殺人」読みました。 その手があったか!
やられた。2chで評判イイだけのことはある。
真犯人を当てた人はいないんじゃないの?
583 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 01:18:43 ID:mPbiSe8+
>>582 いるみたいだよ。
素直にやられたもん勝ちだと思うけど。
584 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 01:42:10 ID:WxrvzZDs
探偵役が説明を始めるちょっと前に犯人に気づいた。
585 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 08:45:39 ID:jYRuBlfD
本の裏表紙などに、「ミステリ−初心者にも、犯人をあてるカタルシス
を味わってほしいので、フェアプレーに徹し、登場人物をしぼったりして
わかりやすくしました。」 なんて書かれているんだよね。
親切な作者だなぁって思った時点で、やられているんだよね。
586 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 10:26:37 ID:Xc3Xdm1D
587 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 14:35:56 ID:N1V+j/sa
星振り山荘は、叙述トリックに慣れてないころに読むといいかも。
オレもあのころは純粋だった・・・・w
588 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 21:53:05 ID:u1Shcqcu
星降り山荘のどこが叙述トリックなんだ?
589 :
名無しのオプ:2005/09/04(日) 23:51:10 ID:nOednXtA
あーいうのも叙述の一種だろ。
590 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 00:10:29 ID:9kInraQ8
>>588 そう思わせない所が、作者の腕というか作品のミソだろ。
591 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 02:05:14 ID:KP71Pz9Z
叙述トリックって「作者が読者に対して仕掛けるトリック」って認識でいいのかな?
それなら星降りは該当するだろうけど
592 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 02:12:47 ID:KP71Pz9Z
それはそうと真保裕一「奪取」を読んだ。
この作品は斜め読みしないときつかった。
冒頭に「ためしに財布の中からお札を取り出して、夏目漱石と新渡戸稲造を
見比べて〜」などと書いてあるところに時代の流れを感じた。
593 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 05:46:52 ID:K8OWWlia
>>591 それだと作者の仕掛けたミスディレクションがすべて入ってしまわないか。
>>592 もう少し古いと「財布の中の聖徳太子が・・・」という表現になるね。
全盛のころの社会派ミステリなどで。
594 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 14:35:44 ID:wQFDvDAO
595 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 19:14:54 ID:mdpZYW3V
遅レスだし、流れを断ち切ってスマンのだが・・・、
>>563は不具のレビューをオチョクッているのか?
596 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 19:52:51 ID:avTIHkHe
QED 式の密室 読了
薄いだけあって、軽かったw
謎のテーマ(歴史の方)自体は嫌いじゃないけど
597 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 23:40:01 ID:uB0sXxWG
>>594 星振りの場合、あれが叙述トリックじゃないという主張は、
落とし穴の偽装が自然すぎて
たまたま気付かずにまたぎ越してしまった人が「落とし穴なんてなかった」と言っているのに近いと思う。
598 :
名無しのオプ:2005/09/06(火) 01:20:05 ID:a9QQFqZX
もう百回は既出というか倉知本人も言っているが、都筑の「七十五羽の烏」を夜目や。
599 :
名無しのオプ:2005/09/07(水) 05:32:49 ID:z/7WAz8E
ミステリかどうか微妙だが、このミスにもランクインしてた
本田孝好「MISSING」を読了。
最初の1話は良かった。だが、3話目あたりから作者の気持ち悪い文体がでしゃばり始め、
鬱陶しくて仕方がなかった。伊坂幸太郎に憧れでもしたのだろうか、あの口調はやめて欲しい。
っていうか、ほとんどの話の主人公が「僕」の一人称でキャラが同じじゃねーか。
600 :
名無しのオプ:2005/09/07(水) 13:13:19 ID:M2llP6DO
本田じゃなく本多な
伊坂に憧れたって、MISSINGのほうが伊坂がブレイクする前だろ
全く的はずれ
601 :
名無しのオプ:2005/09/07(水) 18:00:20 ID:4akAZq40
伊坂や本多は合わない人が読んでも気持ち悪いだけかもしれないな。
俺は本多は好きだが伊坂は嫌いだ。
この二人って基本的に絶賛されてるよね。伊坂の持ち上げられぶりは凄い
602 :
名無しのオプ:2005/09/08(木) 00:10:46 ID:X2CSghNG
>>586 おれもそこでわかった。
事件が起こる前に犯人がわかった唯一の小説。
逆にそこで気づかなければ最後まで気づかないんだろう。
なぞなぞとかの番組をよく見る人は気づきやすいだろうな。
603 :
304:2005/09/08(木) 00:16:42 ID:lBlAsefd
「模像殺人事件」佐々木俊介、読了。
前作より格段にうまくなってる。
雰囲気がいいね。どんでん返しもナカナカのもの・・・
次作はいつになるんだろw
604 :
名無しのオプ:2005/09/08(木) 05:23:27 ID:KHUJ1qB+
>>601 この板での評判は二人とも悪い気がするのだが・・・・
605 :
名無しのオプ:2005/09/08(木) 08:08:35 ID:vocwe/HX
>>601 この板での評判は知らん。俺が言ったのは書評サイトやblogなどでの評判ね。
606 :
名無しのオプ:2005/09/08(木) 23:22:33 ID:2lbdez5G
最近は、「このミス」の作家を攻めてる。(このミス大賞な)
「ダブルアップ」ハセベバクシンオー、読了。
悪くはない。
こういうの好きな人、多いのでは?
607 :
名無しのオプ:2005/09/10(土) 08:19:39 ID:TouJBeyU
608 :
名無しのオプ:2005/09/10(土) 09:27:30 ID:6i0Celiv
剣持鷹士「あきらめのよい相談者」
意外と面白かった。とぼけたユーモラスな雰囲気がいい。倉知淳と北村薫を足して二で割ったような感じ?
日常の謎が好きな人なんかは合うんじゃないかな
609 :
名無しのオプ:2005/09/10(土) 12:20:10 ID:Cd05BxQi
大倉崇裕の「無法地帯」を読んだ。
めちゃめちゃ面白かった。
一気読みしてしまった。
ヤクザや探偵がみつどもえで宝物探しをする展開はありふれた設定だけど、
探しているのがザリガニラーという怪獣のプラモデルで、
登場人物が真性オタクばかりっていうところが良い。
季刊落語シリーズしか読んだことがなかったので、
北村薫路線の作家かと思っていたけど、こっちの方が良いのでは?
何で評判にならなかったんだろう?
610 :
名無しのオプ:2005/09/10(土) 14:54:54 ID:9TzVt7db
↑同志発見!
611 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/09/11(日) 11:03:15 ID:Jh9bisgH
深沢七郎「楢山節考」(新潮文庫)を読んだ。
一見、板違いのようでいて、そうではない作品集である。
特に冒頭に収録された「月のアペニン山」は、最後に作者が記しているとおり、
サスペンスの練習として書かれたものであり、現代風に形容すればサイコ・ミステリで
ある。文学者の手によれば、文庫本30頁足らずのボリュームでこのような迫真力に
富んだ作となり、しかも習作として書かれてしまう事実を凡百のミステリ作家とこれを
支持するミスヲタは瞠目し、自省すべし。
そもそも表題作となった名作「楢山節考」にしても、あまりにストーリーが人工に膾炙
してしまったが、ラストに到る伏線を配したストーリー展開は、ミステリの手法を
利用したサスペンス溢れる作品なのである。
深沢風青春小説の趣がある「東京のプリンスたち」は、ハードボイルド風にも書けた作
かと思う、さすれば石原慎太郎か。
最後に収録された「白鳥の死」は、深沢氏を評価し、交流が深かった正宗白鳥の死に
関する感興を描いた小品であり、完全な板違い作品である。
612 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 21:20:59 ID:ZzqaxYz9
鬼気迫る論考畏れ入りました・・・
613 :
名無しのオプ:2005/09/12(月) 19:34:32 ID:Z+aTByUw
『すべてのものをひとつの夜が待つ』 篠田真由美
この作者は初読。帯に煽られて購入したが、ミステリに
なってない。序盤がの主人公とその従兄弟の会話がうざい。
中盤、主人公と女、たいして会話もしてないのに、いきなりラブラブに
なるなよ。最後が適当。謎解きも適当。なんじゃこりゃ。
と、読んだあと脱力してしまった。やっぱアーヤからミステリに入ったから、
「館」に特別な思い入れがありすぎるのかな。。。
『女王様と私』 歌野晶午
うん、単純に面白い。「ブードゥ」以降、ノリノリっすね。
でも、ガチガチの本格好きにはお勧めできない。
614 :
名無しのオプ:2005/09/12(月) 21:32:44 ID:S99RKtjj
>>613 「すべてのものを・・・」はクローズドサークル(CC)の悪い見本だよね。
CCはその状況だけである程度のサスペンスを生じさせてしまうので
手抜きしたい作家には都合のいいシチュエーションだということなのですね。
今の読者にはそれを越えたサプライズがないとなかなか評価されないのでは。
615 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 10:39:44 ID:bmudLyvd
>613
サプライズがあれば言うことないけれど、CCならではの緊張感を
丁寧に書き、きちんと論理的になっていればいいんだけれどねぇ。
「すべての〜」は人は結構死ぬけど、トリックは実質一つ。
しかも、良く見るタイプ。
一つしかないのなら、やはりサプライズは欲しい。
複数なら、地味になってしまうけれど、きちんと筋を通すだけで
いいと思うんだけどね。
616 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 10:50:22 ID:bmudLyvd
横溝正史『呪いの塔』
戦前の作品は余り読んでいないけれど、この水準の
本格ミステリを昭和7年に書いたというのは、すごいことだと思う。
途中で犯人当てはできるし、情報不足のところがあるけれど、
良く出来ていると思った。
人物の配置も、動機もとても丁寧に作られていたと感じた。
霧舎巧『名探偵はもういない』
吹雪の山荘、過去の因縁、未来との連結・・・と本格好きにはたまらない
舞台設定。死体の描写が弱く、読者に衝撃を与えないのは、仕方ない。
四月の霧舎学園よりはましだと思うし。
最後に総ての謎がきちんと解かれているのだけど、「証拠」ではなく
「蓋然性」に基づく部分があり、ちょっとそこが気になった。
多少の疑問も残るけれど、基本的に丁寧な本格だと思います。後味もいいしね。
617 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 12:31:19 ID:a834ev6B
氷川透 『人魚とミノタウロス』
面白かった。
早く次の氷川透シリーズを出して欲しい。
618 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 14:12:33 ID:clg6vD6L
歌野晶午「女王様と私」(角川書店‘05)
「『葉桜・・・』『ジェシカ・・・』の曲球が続いた末のビーンボール。
歌野が開いたのは未知への地平か、はたまた禁断の扉か?」
どうだろうか、建設的でない小生の書評なるものは皆様にとって迷惑ではある。
しかし、歌野の新作に対しては、たとえ都下H小金井からDQNの巣窟A崎へ左遷、
もとい栄転した身としても、一筆取らずにはいられなかった。
物語は無職ロリオタのウンザリするような日常から一転、「女王様」なるヒロイン
との出会いを境に一気にスピードアップする。その速さたるや高卒の農業団体職員
には付いてゆけないものがあろう。
その過程で歌野は、一昔前であったなら充分メイン・トリックとなり得たであろう
叙述トリックの幾つかを惜しげもなくバラし、切り捨てて行く。この作業は、
「葉桜」で叙述トリックの一頂点を極めた者としての自負というより、バカみたい
に溜め込んだ蔵書を切り売りしてその日の糧を得るしかない哲人の姿に合い似る
ものがある。
「ロックでなければ何でも良かった」。これは、小生も愛聴するJoy Division、否、
The Pop Groupだったか、いずれにせよ小生しか聴いてないバンドだからどうでも良い、
そのバンドの名言である。歌野が本作を書いた動機もまた「本格ミステリでなければ
何でも良かったのだ」ということだろう。現時点で我々が知りうる「ミステリ」の概念
を、とにかく壊したかった、その先に何が見えるのかは、先ず壊してから考えれば良い、
そこに‘terra incognita’はあるはず、ということだ。だが危険な賭けに打って出た
歌野は、間違った扉を開いてしまったのではなかろうか?作者は登場人物と違って妄想に
逃げることは出来ない、作者の真価が問われるのは次作以降の展開であろう。
619 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 18:29:25 ID:G2pSVM+E
一週間かけてようやく黒死館読み終わった……
本当に犯人はあれでいいんだろうか?
面白かったとかよりもなんか読み終わったという達成感でいっぱいです
620 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 18:52:16 ID:bmudLyvd
船越百恵 『名探偵症候群』
語り手の語り口が面白くてポンポン読めた。前作ではこなれて
いない感じがしたけれど、今作はずいぶんよくなったなぁ、と思った。
ただ、事件そのものは非常にオーソドックス。ミステリというよりも、
火サス。自白に頼らなければ解決しないというのは、いかがな
ものか。また、事件や関係者の構図もどこかで見たことあるのばかり。
主役の2人については、メ欄だしなぁ。
本格ミステリではなく、長編ロマンティック・コメディらしいから、
その辺のことあまり気にしちゃいかんのかな。
621 :
名無しのオプ:2005/09/15(木) 18:55:20 ID:bmudLyvd
あ、>620のメ欄はミス。このレスのメ欄です。
文章繋がらないけれど、目つぶって下さいまし。
622 :
名無しのオプ:2005/09/16(金) 19:20:50 ID:r5dEOcno
佐藤友哉 『エナメルを塗った魂の比重』
全然本格になってないけれど、これはこれで面白い。
ただ、メ欄@になっているのが気になる。
メ欄Aするのは難しい。
「青春エンタメ」と言われるのも納得。
ある種の歪んだ世界観や人間観がそこにはあって、
それらこそが彼の作品の目玉なんだと思う。
そして、それが受け入れられるかどうか、ある種の
踏絵みたいな作品。
私は、結構好き。
623 :
名無しのオプ:2005/09/16(金) 19:26:36 ID:/I5J+buF
ユヤタンは浦賀を崇拝してるからな。
624 :
名無しのオプ:2005/09/18(日) 11:45:30 ID:3RzLxK7O
佐藤友哉 『水没ピアノ』
スゲー読むのに時間かかった。あと100ページくらい削ってください。
20ページくらいメールのやり取りが続いたときはどうしようかと思った。
歪んだ人間の心情吐露が延々と続く小説。
自分は苦しかった。でも、10代のときに読んでいれば、
共感できたかもしれない。
つーか、遺書長げー。
綾辻行人 『最後の記憶』
うーん、結構綺麗に構成されてはいると思うが、
「結局、この作品の売りは何?」という感じだった。
ホラー色は弱く、ミステリ?という感じで、さらに最後の心情描写が
いまいち。もう少し葛藤してくれよ、と思った。
でも、うん、まぁ、毒にも薬にもならないけれど、いいんじゃないでしょうか。
625 :
名無しのオプ:2005/09/18(日) 15:54:38 ID:i7Vg/JmO
>>624 最後の記憶は綾辻作品でも暗黒館と同等の最大級地雷なので、
お気になさらず…
626 :
名無しのオプ:2005/09/18(日) 20:37:05 ID:lOsi1FIx
横溝正史「病院坂の首縊りの家」
75歳のときの作品というのが驚き。「獄門島」の頃と比べても全然見劣りしないじゃない。
最晩年に至っても全盛時と同程度の作品を書き上げてしまうバイタリティに脱帽。
現在、やはり70過ぎた作家の、どう見ても耄碌してるとしか思えない新聞連載を読んでるもんだから、なおさらすごいと思う。
古い作品でスマソ。
627 :
名無しのオプ:2005/09/18(日) 21:07:50 ID:M7s4uz6w
>>626 >横溝正史「病院坂の首縊りの家」
確か映画化されたな。随分前だけど。
628 :
名無しのオプ:2005/09/18(日) 23:22:58 ID:VZ4ySQGB
橘玲「マネーロンダリング」
今日のニュースで100億円の投資詐欺被害の話し。
香港から海外に送金する投資詐欺!
そっくりな設定。読み終わってニュース見たんで
びっくり。
629 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 02:40:29 ID:7Okf2EZ5
630 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 15:25:46 ID:CAPZ6Og6
舞城王太郎 『熊の場所』
収録されている「ピコーン!」が日本推理作家協会賞候補に
なっている。
非常に面白い。考えさせる。ギリギリ、ミステリになっている。
>625
暗黒館は結構好き。少なくとも「ああいう雰囲気」を見せたかったんだな、
というのは分かったから。でも、最後の記憶は・・・2chで最大級地雷と言われていた
のも良く分かります。
それでも僕はついていくよ、あーや。
631 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 19:07:49 ID:QO3hDTJC
乱歩賞に輝いた「天使のナイフ」を読みました。
力作です。あっという間に読み終えました。
632 :
:2005/09/19(月) 19:27:10 ID:1XZ7zslZ
633 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 19:38:56 ID:A3udtTKl
>>632 それはどうかな。
確かに「めぐる因果は糸車」みたいなご都合主義はあるけど
近年の乱歩賞では力作だと思うぞ。
634 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 20:06:08 ID:+bOESoP4
>>633 わしもそう思うぞ。この10年では「13階段」と双璧かな。
ある事件の動機がちょっと???って気もするけどね。
>>632さんは何を根拠に工作員って言ってるの?
たぶんどこでも同じようなこと書いてるんだろうね。
635 :
名無しのオプ:2005/09/19(月) 23:24:44 ID:GxisSkUd
滅びのモノクロームに較べたら雲泥の差ですね。
まあ、較べること自体天使のナイフに失礼だと思いますが
636 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 04:37:10 ID:E5PZbRI/
今日はじめて森博嗣作品読んだ。黒猫の三角。
この人の作風ってこんな感じ?それともこの作品は別種?
すべてがFになるを先にすべきだったのかと考え中。
637 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 12:23:25 ID:U1bU8482
>>636 その通りです。
ただ、すべてが〜読んでも合わなかったら駄目かも
黒猫からのシリーズはキャラクタが極端すぎるのでちょっと…
638 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 12:48:13 ID:zEvftbJR
>>637 『そして二人だけになった』はシリーズじゃないし読んでみて欲しい俺
639 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 17:09:11 ID:IAoUBfI8
中井英夫「虚無への供物」
きっとこれからなんだと自分に言い聞かせ続け、
…そのまま読み終わりました。 ―完―
640 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 17:31:10 ID:ZxXU0UuR
>>639 一昨日ブコフで手に入れて3項目……orz
641 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 17:33:10 ID:tvUkhVt7
虚無への供物好きじゃない人多いね
俺は大好きだけどw
あの雰囲気がたまんねえ
642 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 19:19:50 ID:ikY4ghuy
虚無への供物は、文章が生硬というか拙い感じがするな。
643 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 21:16:01 ID:X1fyZfu+
日本三大奇書のなかで唯一まともに読めるよね<虚無への供物
644 :
名無しのオプ:2005/09/20(火) 21:36:15 ID:1nHjEDcK
北山猛邦 『アリス・ミラー城殺人事件』
ああ、分からなかったけどね俺は、うん。
でも何で真犯人は疑われないのよ?
単に探偵が余程鈍かったというだけか。
645 :
名無しのオプ:2005/09/21(水) 19:29:53 ID:7mVWXOf7
蘇部健一 『動かぬ証拠』
蘇部氏の作品を読むのは「6ドン」以来2冊目。
最終ページのイラストのみによって解決の鍵を示すという
アイディアはいいと思った。倒叙の手法として面白かった。
でも、用いられている事件とその解決がミステリ・パズルでしかなく、
動機や殺害方法、人物造形がありがち過ぎる。文章も退屈で
読んでて緊張感がない。
さらに、トリックの鍵も、どこかでみたことあるものばかり。
イラストを大々的に使った、というその一点のみでしか
評価できない。
中古で購入したからいいけど、定価で買ったら壁に投げてたかもしれん。
646 :
名無しのオプ:2005/09/21(水) 23:48:46 ID:FJIILN8E
>イラストを大々的に使った、というその一点のみでしか
>評価できない。
本人はその評価だけでよかったと思うよ。
それ以外はどうでもよかったんじゃないのかな。
ま、それが推理作家の悪い癖であるのだけど。
とにかく発想だけは面白かったね、だからどうした以上の何ものでもなかったけどw
647 :
名無しのオプ:2005/09/22(木) 20:47:34 ID:T6c/fQz8
6とんはボロクソ言われてたんだから、1点だけでも評価されりゃ
本望だろうに。
648 :
名無しのオプ:2005/09/23(金) 14:12:27 ID:AeQ57rap
横溝正史 『三つ首塔』
表紙の返しに「本格推理とメロドラマの融合」と書いてあった。
確かに、ベタベタのメロドラマだった。なんか、首筋が痒くなった。
でも、全然推理になってない。
金田一いなくてもいいし、序盤できちんと事情聴取すれば
あんなに人が死ななくても済んだと思った。京極にも言えるけど。
傑作群の背後には、忘れられた凡作・駄作が数多くあることを
改めて実感。
同時に、火サスみたいとも感じたけれど、むしろその「火サス」っぽいのを
50年も前に発表したこと、そして、未だに2時間ドラマや昼ドラに
大した進化が見られないのにビックリ。
649 :
名無しのオプ:2005/09/23(金) 17:39:02 ID:kPXfgnGR
『三つ首塔』傑作だと思うけど。
>序盤できちんと事情聴取すればあんなに人が死ななくても済んだ
それじゃあストーリーにならないじゃない。あの緩さがイイんだよ。
あれは本格風味のあるサスペンス/スリラー小説だから。
650 :
名無しのオプ:2005/09/24(土) 15:31:36 ID:3vGT0DNB
>649
とりあえず関係者と思われる人間総てのアリバイと動機を調査する、
というのが警察捜査の重要なファクターだと思うんですよ。
そして、捜査だけでは解決できない「密室」「顔や手足の喪失」
「偽証」などがあるから、探偵の出る余地があるのかな、と・・・。
まぁ、ぶちぶち言いながらも、一気読みしたんだけれど。
651 :
名無しのオプ:2005/09/24(土) 17:53:38 ID:pxRN1CA+
美濃牛、読了。
ハサミ男の方がまだ面白い。
褒められる理由がいまいちわかりません。
まあ、つまらなくはないけど
652 :
651:2005/09/24(土) 23:05:05 ID:dbxJA6UX
大沢在昌「ジョーカー」読了。
ひさしぶりに鮫シリーズ以外でなかなかの作品だと思う。
倉知淳「猫丸先輩の推測」読了。
猫丸シリーズはゆるさ(ぬるさでは無い)が好き。
今回もなかなか。
すごく面白いってわけじゃないんだけど、なんとなく
面白いっていうw
昨日、今日の二日で読んだ三作の中ではジョーカーが好きだ。
ハードボイルド好きだからしょうがないw
まあ、大きなハズレが無くてよかったw
653 :
名無しのオプ:2005/09/25(日) 00:11:38 ID:3lJZwJ1s
wの使い方が変
654 :
名無しのオプ:2005/09/25(日) 00:32:23 ID:fhb5gUCU
あと
>>651の「まだ」の使い方も変だな
普通にハサミ男の方が評判高いし
655 :
名無しのオプ:2005/09/25(日) 03:04:07 ID:WMdSwu+y
>>651的に、ハサミ男は評判ほど面白くは感じられなかった。
ということじゃないの。
656 :
名無しのオプ:2005/09/25(日) 04:12:22 ID:FJBqUndO
松本清張「Dの複合」
回りくどいことしないで、最初からターゲットの首絞めておけば他の殺人が起きなかったのに。
657 :
名無しのオプ:2005/09/25(日) 23:59:23 ID:Jz7SzLoC
658 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/09/26(月) 23:49:31 ID:FASzxWUM
富田常雄「姿三四郎」文庫全3巻を読破した。
青春冒険小説といった風な作であり、冒険小説のジャンルをカバーするこの板にとっては、
守備範囲ぎりぎりといったところか。
柔術(柔道の古形態)の強豪、唐手使いの兄弟、外人ボクサー、外人レスラー、要人暗殺を狙う殺し屋、忍者まがいの間諜、終いには、美女をストーキングするフリークス
(蜘蛛男)とまで対決してゆく主人公姿三四郎、これだけ書くと面白そうなのだが、
吉川栄治の「宮本武蔵」と同様な御都合主義と過剰な求道感に代表される時代錯誤を
実感させるものがある。
物語の舞台は明治開化期とはいえ、内容は時代小説(剣豪もの)そのものであり、
「刀」を「柔道」という技に置換えただけなのが本作の本質ゆえであろう。
まあ、当時の読者にはこれで十分に面白いものであったのであろうが。
本作に影響され、高校時代に使用した青黴が生えた柔道着を持ち出し、
「とおっー」とか奇声を上げながら、アキバやジュクを闊歩せんとするミスヲタが
出ないかが懸念されるところである。
659 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 00:13:38 ID:havcfe/G
なんで姿三四郎をここに書くのだ?
お前のオナニースレじゃないっての。
660 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 00:36:17 ID:9+7SY5SZ
法月綸太郎 『法月綸太郎の功績』 講談社文庫
いやぁ、良かった
とても好きな作家の作品が面白いと、大変幸せ
(生首は悪くはなかったけど、あんまり良くも思わなかったので…)
五編収録、中国蝸牛が二つくらいレベルが落ちるが、他は本当にハイレベル
冒険→新冒険→功績と確実にレベルアップしてるように感じるので次の短編集が楽しみだ
しかし短編は嫌いだ と毛嫌いしてたけど、最近読む短編集はアタリが多いな
661 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 00:41:14 ID:R0ss2Sem
>>659 見る本すべてがミステリーに見えてしまう重症のヲタなんでしょう。
構わないで放置するのが一番ですよ。
662 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 00:50:30 ID:EqdnhQVE
法月は短編の方が好きだな
663 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 00:50:54 ID:3FsBnctW
「楢山節考」、「姿三四郎」ときて次は何かなあw
とだけ書いてスルーしよう
664 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 01:38:02 ID:AWyzkFAX
ってか削除依頼出せばいいじゃん
明らかに板違いなんだし
嫌がらせ目的なのもはっきりだし
まあこの手の荒らしになぜか運営は寛容なんで難しいかもしれないけど orz
665 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 01:42:26 ID:IGr2teZj
今年3月27日に「半年ROMってろ」といわれたものです。
今日でやっと半年たちました。
皆さんお久しぶりです。涙でそうです(;;)
666 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 01:51:33 ID:sO3zL3En
律儀だなー。
復帰早々こんなこと言うのはつらいが、
おまいあんまり2ちゃんに向いてないかもな。
667 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 02:00:22 ID:oYXhn6fJ
>>666 それコピペだよ。この前CG板で見かけた。どこの板がが発祥なのかな?
788 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2005/09/25(日) 15:55:46 ID:7AgDlYv0
今年の3月24日に「お前は半年ロムってろ」って言われたものですが
今日でようやく半年になりました。
おひさしぶりです。涙がでそうです。
789 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2005/09/25(日) 15:59:56 ID:hUCjZNbC
>>788 お前はあと半年ロムってろ
790 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2005/09/25(日) 16:59:28 ID:siPnaAHM
カワイソスwwww
668 :
666:2005/09/27(火) 02:08:20 ID:sO3zL3En
釣られたのかorz
669 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 10:24:04 ID:gty0rcNo
暗黒館の殺人、やっと読了しました。
この板のあーやのスレで、散々けなされていました。
おもしろくない、才能が枯れている、ふゆみのヒモ、毛髪とともに才能も失われつつある……
「買うな」というスレを信じて、本屋で手にとっては、買ったら後悔するぞ!と、元に戻しておいたものでした。
あれから、一年、図書館でノベルズ版に出会い、迷いつつも、借りました。
おもしろかったじゃないかーーー
何が、ハゲだよ!! 確かに薄いけど。本の厚さに反比例しているけどさ。
あーやらしい重厚感のある物語だったぞ。
確かに、都合よいところもあるし、ネタの確信にもきわどいものがあるけど、アレだけにすごい作品に纏め上げるなんてすごいの一言。
十角で始まる館シリーズ全体の色味が、ここにきてガラリと変わったようなシリーズ全体としても、深みが加わったように思う。
ゴシック、本格、幻想…を交えたミステリで、「薔薇の名前」とかさ、メフィスト賞の作品とかあるけどさ、圧倒的にこっちのほうが、上だね。
…と、あーやのスレで文句を言おうと思ったのですが、なかったので、ここに吐き出します。
分厚いですが、勇気を持って、手に取りましょう!
京極夏彦よりは、さくさく読めます。(京極もおもしろいけど)
670 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 12:16:14 ID:zwby5on7
>あーやのスレで文句を言おうと思ったのですが、なかったので
二つもあるじゃん。
671 :
名無しのオプ:2005/09/27(火) 12:47:37 ID:+8AcyzAD
さよならバースディ
ミステリーというよりはヒューマンドラマな感じだったけど、素直におもしろくて、感動できました。
672 :
名無しのオプ:2005/09/28(水) 13:18:49 ID:oNuX055c
「うなぎ鬼」高田 侑 読了
帯には暗黒ミステリーと書いてあるが、これはホラーでいいのかなあ。
なにに焦点を当てて、どんな話を書きたかったのかわけわからん。
ネタバレにつながるので書けないが、主人公がDQNなだけやん。
もう少しまとまってから書けば?という感じでした。
673 :
名無しのオプ:2005/09/28(水) 19:24:03 ID:Lhbiesil
北川歩実 「金のゆりかご」 読了
北川作品はこれが初読
言い尽くされてそうだが、どんでん返し多すぎてわけわかめ
後味の悪さ(冷笑的な所)は好みだったので、他の作品も読んでみます
慣れれば分かるようになる…だらうか
674 :
名無しのオプ:2005/09/28(水) 20:33:21 ID:yPq9YwMc
短編集(もう一人の私、虚ろな感覚)もあるので読んでみては。
冷笑的な部分だと「猿の証言」「模造人格」あたり
読後感の良いものだと「透明な一日」
ロウソクのために一シリングを(ジョセフィン・テイ)読了
笑いをはさみつつ、人物造形が細かくて好きなんだけど
手掛かりの表れ方が偶然すぎて(´・ω・`)
もっと文学(またはサスペンス)よりの作品から入ってゆけばよかった
675 :
名無しのオプ:2005/09/28(水) 20:35:15 ID:yPq9YwMc
スレ違いなことをやってしまったorz
ちなみに向こうのスレの722ではありません
676 :
名無しのオプ:2005/09/28(水) 20:59:23 ID:Lhbiesil
677 :
名無しのオプ:2005/09/29(木) 00:11:01 ID:L/r8I8MZ
篠田節子「ゴサインタン -神の座-」 読了
やっぱり篠田節子はいい。
骨太で壮大で奥が深い。特にこの本はそんな篠田節がフルスロットルです。
女運に見放たされた旧家の大地主の息子がネパール人をお嫁さんにもらった
ことから巻き起こる大騒動が息もつかせぬテンポで描かれ、分厚い本であるにも
かかわらず一気に読めました。
678 :
名無しのオプ:2005/09/29(木) 00:19:13 ID:rQbgNqiB
ゴサインタン(*´Д`)ハァハァ
679 :
名無しのオプ:2005/09/30(金) 17:18:14 ID:uLPkeTIy
歌野晶午 『ガラス張りの誘拐』
1990年と、今から15年も前の小説だけど、
この時期から今の歌野っぽさが見え隠れしている
ように思った。
構成も連作中篇となっていて、しかも時間軸が
夢野久作の「瓶詰め」みたい(目次)。
表紙には新本格ミステリーって書いてあるけど、
そう思って読むと肩透かしくらう。
でも、あまり長くないし、十分満足の出来でした。
680 :
名無しのオプ:2005/09/30(金) 17:19:24 ID:uLPkeTIy
歌野晶午 『安達が原の鬼密室』
これは2000年の作品。冒頭に館の平面図があって、
否応なく私の心はたかぶった。そして、満足した。
後から考えれば、この手のトリックって結構ありそうだし、
シチュエーションとしては映画でもよく見る。
でも、それをここまで極端な形でミステリに組み込んだのはすごい。
歌野氏にとって冒険だったのでは?
あと、作品間の書き分けがうまい。横溝っぽい雰囲気が
よく出てると思った。
さらに、「館という名の楽園で」でもそうだったけど、館を建てた理由付けが
それなりにきちんとしてて、物語として綺麗にまとまっていた。
681 :
名無しのオプ:2005/09/30(金) 18:20:26 ID:OLTy3SBE
>>679 「ガラス張りの誘拐」、かなりトリッキーだし、
「新本格」って呼んでも別に違和感ないけどな、折れ的には。
どのへんが気に入らんかった?
まあ、「新本格」って言葉から感じるイメージってのは人それぞれなんだろうけどさ。
682 :
1/2:2005/09/30(金) 19:01:19 ID:uLPkeTIy
>681
「新」本格かどうかは、単に時期的な問題だと思う。
ポイントは「本格」という言葉の内容で、私は
「物理的または論理的に制約された状況において発生した
事件を、一般常識と作中の証拠で論理的に解決される
過程を楽しむ物語形式」と思ってます。
でも、「ガラス張り」は社会問題を物語の中核に据えていること、
そして、最後はメ欄で解決されることから、本格とはいえないでしょう。
殆ど読んだことないけれど、社会派の人たちが書きそうな内容。
あと、私の問題として、昨日読んだ、というのがあります。
書かれた当時には時代をかなり先取っていただろうけれど、
2005年現在では常態化しており、インパクトは薄れています。
683 :
2/2:2005/09/30(金) 19:02:51 ID:uLPkeTIy
でも、面白くないというわけじゃないんです。十分楽しめたんです。
「ROMMY」「ブードゥ」「葉桜」「始まり終わり」で見られる幾つかの
特徴がが見えており、歌野氏の模索が始まりつつあるのを感じます。
全体を通して一貫したものが見られ、あの時間軸のとり方は納得できるし、
リーダビリティも高い。脇役は若干記号的だけれど、主役の造形も
安心して読めました。
ただ、表紙の「新本格ミステリー」というのは作品内容を無視した宣伝文句
としか思えませんでした。
久々のレスにうれしくて、書きすぎてしまった・・・。
684 :
名無しのオプ:2005/10/01(土) 02:05:17 ID:qq2WbEI8
半落ち
話題になってたのは知ってたので、評論とか読まずに文庫落ちを待ってました。
なぜ・・・なのかって言う謎に魅力を感じられなかったので、
最初の刑事の章は苦痛でしたが、それ以降は結構すんなり読めました。
#なんでそんなこと知りたがるの?っていう感じ。
結局何も解決せず、悪い方向に行っただけ?
明かされた謎も、自分には何のカタルシスは感じられませんでした。
終わり方が中途半端かな。
期待しないで読んでたのが良かったと思います。
685 :
名無しのオプ:2005/10/01(土) 02:41:13 ID:dEB12KKn
横山は短編作家であって長編になるとダレる
686 :
名無しのオプ:2005/10/01(土) 05:05:03 ID:dOCDkv8P
半落ちも連作だと思って読めばよい。
687 :
名無しのオプ:2005/10/01(土) 05:33:54 ID:Om4ht2HR
林泰広 『The unseen 見えない精霊』
自分が参考にしてるサイトで高い評価を受けていて
読みたいなと思ってたのを読んだ。
嘘を100%見抜ける、憑依、催眠術など
ミステリ的にはあってはいけないんじゃないの?
というような設定が出てきて、都合よすぎるだろw
と思いながらも、出来上がっていく強力な不可能状況に
心奪われまくりで読み進めていった。
二度挟まれる「読者への質問状」も嬉しい限り。
終わってみれば大満足の作品。
688 :
名無しのオプ:2005/10/02(日) 03:44:35 ID:s70tbuB5
689 :
名無しのオプ:2005/10/03(月) 08:03:35 ID:WBZugDnt
横溝正史 『悪霊島』
まずなにより、70歳を越えてこのような大長編を
書いたという事実がすごい。しかも、連載。
御大と呼ぶ人がいるのもよく分かります。
ただ、死体が出てこない。連載開始から半年以上たって
ようやく殺人事件。横溝だけでなく連載読んでた人も
大変だったろうと思う。
そして横溝節全開。過去の因縁、妾、徴兵、視覚的な死体・・・。
横溝正史ここにあり。
明かされる過去話、メ欄の物凄さ。ここまで壮絶な光景は初めて。
いやー、マジですごいっす。
よく分からないのが、この物語の語り手は誰か? ということ。
死体発見時に「筆致は抑えなければ・・・」とか「食欲を減退させないように・・・」
とか書いているけど、一体、誰が語り部なのか、不思議に思った。
690 :
名無しのオプ:2005/10/03(月) 08:40:47 ID:G+1Vw+D1
>>689 金田一耕助探偵譚は、金田一から資料提供を受けて横溝が小説の体に
したものなので、語り手は横溝。また、前述のような体裁をとってい
るため、「この語り手はどこにいるのか?」という部分で曖昧なとこ
ろがあっても、まあOKかと(笑)
691 :
名無しのオプ:2005/10/03(月) 08:43:28 ID:G+1Vw+D1
あら、変な改行になっちゃった、失礼。
692 :
名無しのオプ:2005/10/04(火) 07:31:57 ID:EuNBJLiQ
>690
どうもありがとう。確かに、八つ墓村や獄門島あたりで
探偵作家たる「私」は、探偵金田一が「物語にまとめてみたら」
といわれてました。
病院坂でも金田一から膨大な資料を借りて、それを
ダイジェストでお届けする、とありました。
プロローグに書いてあったことをすっかり見逃していたとは
お恥ずかしいかぎり。
693 :
名無しのオプ:2005/10/04(火) 11:14:27 ID:EuNBJLiQ
島田荘司 『眩暈』
教授との会話で投げ出した本の再読。
やっぱり、序盤で挫けそうになった。でも、その後、
物語は加速度を増し一気に読み終えた。満足した。
論理が詰まってない、というか「そりゃ無理だ」の連発。
それでも、最後に一気に謎解きしてくれるならよかったけど、
中盤から小出しにされたせいか、ラストが物足りなく感じた。
また、物語に関係ない環境問題、科学や研究の話、日本人論など
ストーリーの進行を妨げているように思える。世界観の構築としての
衒学なら、まぁ、いいんだけど、あそこまで書いて実は無関係というのは
いかがなものか。
ありゃ、よく見ると、何一つ肯定的な意見がない。結構面白かった
はずなんだけど・・・。
694 :
名無しのオプ:2005/10/04(火) 20:27:19 ID:kF4FrReD
殊能将之 『鏡の中は日曜日』
過去に起こった「一度解決した」殺人事件を再調査するお話。
「今」の名探偵が「過去」の名探偵の手記をもとに準えるように行動したため「今」の名探偵が既視感を体験するが、
構成が上手く、読み手も同じ様な既視感を感じる共時性が楽しい。
メイントリックを隠すためのサブトリックが多く、その辺は好き嫌いが分かれるかもしれない。
でもラストで起こる二転三転のどんでん返しはやっぱり興奮する。
サブトリックでカムフラージュされたメイントリックに見事に騙されますた。
超大作ではないと思うけど綺麗に纏まった話。
京極の次に読んだせいだが相当サクっと読めました。
695 :
名無しのオプ:2005/10/05(水) 00:22:41 ID:uakdiI8+
696 :
名無しのオプ:2005/10/05(水) 23:07:03 ID:NAG4ao/b
貴志祐介 黒い家
犯人強すぎ、怖すぎw
697 :
名無しのオプ:2005/10/06(木) 06:45:00 ID:7KWc39xa
天藤真 「大誘拐」
こんなスケールのでかい話だとは思わなかった(;・∀・)
698 :
名無しのオプ:2005/10/06(木) 09:49:43 ID:L5HVE67q
有栖川有栖 『朱色の研究』
本格らしさもあったし、あっさりとミスディレクション?に
引っかかってしまった。
でも、なんか薄い。多分人があまり死なないからだと
思うけれど。
699 :
名無しのオプ:2005/10/07(金) 08:49:28 ID:dZ9JQTl6
岩崎正吾 『探偵の秋あるいは猥の悲劇』
この作家は初めて。「Yの悲劇」は10年前に読んだきりだから、
内容もかなり忘れてしまっている。
だからかもしれないが、あまり面白くなかった。誰が探偵かはっきりせず、
読み手の視点をふらつかせてしまう。トリックもお粗末。
劇的ではなかったけれど、地に付いた死体と殺人だった。
ちゃんと首もついてるし、密室でもない。けど、日常で
見そうな殺人死体。
また、動機は結構よかった。というか、まんまメ欄@じゃん、
と思ったけれど。
あとは、メ欄A.。1990年初頭には少なかったと思われる
この趣向を使っていたとは、全く気付かなかった。
構成の美しさ、重厚さや余韻がないけれど、展開が軽く
スラスラ読める。
700 :
名無しのオプ:2005/10/07(金) 23:39:35 ID:IWySYrD5
扉は閉ざされたまま 石持浅海
倒叙モノ。
探偵が頭が悪いというか、視野が狭いのが致命的だと思う。
いろいろな可能性が思いつくような状況の中で1つのことだけを主張し続ける。
(それがタマタマ事実なわけだが)
自分の持論=結論って言い切るところはキバヤシ並。
犯行の動機については賛否があるかな。俺はダメだった。
でも、驚くというか、面白いという人も結構いると思う。
偶然、半落ちのあとに読んだけれどまだ半落ちの方が良いかな。
701 :
名無しのオプ:2005/10/07(金) 23:52:35 ID:jnfwgG9k
>>687 触発されて読んでみた。
結論としては中々良かった。
初期の新本格というような感じの作品。(あるいは推理クイズを小説に書き起こしたような)
シンプルなトリックで不可能を演出するのが良い。
702 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 06:09:01 ID:aAiucEAg
泡坂妻夫 『亜愛一郎の狼狽』
いやー、すげー短編集だ。動機が異常だけど論理的。
表現もうまい。キャラも立ってる。
こんなにすごい作家をスルーしてた自分って・・・・・・orz。
703 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 09:30:34 ID:aAiucEAg
泡坂妻夫 『亜愛一郎の転倒』
>702から続けて読んだんだが、これもよかった。
個人的には「藁の猫」が好き。こういう動機、考えつかないよ・・・。
「すずこの装い」の淑子の「おっかけ」ぶりもよかった。
単なる事件記録ではなく、人物が生き生きと描かれ、
また、作品中のモチーフも統一するなど、非常に
端正な印象を受けた。
ところが最後になって、田中芳樹の解説にやられた。
例の文章が目に入った段階で本を閉じたけど、
記憶に焼きついてしまった・・・。あーあ。
704 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 09:51:42 ID:hUKo0B0b
705 :
687:2005/10/09(日) 11:26:27 ID:SYbrtxjG
>>701 俺のレスは読まれてないんじゃないかと思ってたので
読んでてくれる人が居て良かった、しかも楽しめたようで良かった
>>702-703を見て、『見えない精霊』の推薦者で
大変楽しめた依井の推薦者でもあり
よく名を見かける泡坂妻夫を読んでみようと決意しました
706 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 20:55:22 ID:xFBLUNXI
>703
気の毒に…ほんとにガイエ罪深すぎ。
これに懲りずに「逃亡」も読んでね。
>705
703の轍を踏むなよ。「転倒」の解説は地雷だ。
707 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 21:47:51 ID:YGSfOVZh
もしかして亜愛一郎の正体をバラシてるの?
708 :
名無しのオプ:2005/10/09(日) 21:55:13 ID:pbQ6kNEV
そう。野暮の極み。
709 :
名無しのオプ:2005/10/10(月) 00:45:03 ID:QnsYy7hV
俺は宰太郎にばらされたけどな
710 :
名無しのオプ:2005/10/10(月) 02:00:33 ID:Zwui2cgR
「月光ゲーム」の副題が「Yの悲劇'88」だからなあ。
時代考証が必要なくらい前だ。
711 :
名無しのオプ:2005/10/10(月) 03:15:43 ID:hDXqqMvO
一歳のころだものなあ
712 :
名無しのオプ:2005/10/10(月) 07:43:34 ID:2ET3Nz19
Yの悲劇読まなくても楽しめるの?
713 :
名無しのオプ:2005/10/10(月) 08:36:00 ID:OV0K3qtj
>>710 え?88年やったら割と最近やん。
と思った私は・・・
714 :
名無しのオプ:2005/10/11(火) 01:59:10 ID:QQDF1PmJ
715 :
名無しのオプ:2005/10/11(火) 02:05:02 ID:O53PD4U3
オサーンだとでも言うのかー
・・・・・・orz
716 :
名無しのオプ:2005/10/11(火) 02:41:50 ID:7Z+yz/yD
>>712 全く問題ないが、
普通にYの悲劇は面白いし色んな意味で必読なので読んでおいたら?
717 :
名無しのオプ:2005/10/11(火) 17:27:36 ID:d8IO1hO3
泡坂妻夫 『11枚のとらんぷ』
非常によくできた本格ミステリでした。何気ない伏線が
丹念に張られていて、最後にそれを綺麗に整理している。
人物が書けているから、読んでいる最中は伏線を伏線と
感じることもなく、物語の一部として読め、見事にだまされた。
(こういうのを「人物が書けている」というのかなぁ、などとも思った。
記号的に登場人物を配置する「十角館」や「ギロチン城」などの
割り切りも好きなんだけどね。)
最初のショウから解決編、さらには動機にまで奇術づくしという
趣向も過度に衒学的になりすぎず、見事。
718 :
名無しのオプ:2005/10/11(火) 20:30:36 ID:qF/1lCyB
真保裕一「発火点」
一種の教養小説かな?
この板住人よりもミステリ嫌いに受けそうだが。
719 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 17:53:21 ID:GL+Oj3eR
幾瀬勝彬「幻の魚殺人事件」(春陽堂文庫‘77年)
「B級のレッテルでは収まらない玉石混交の玉手箱!
溢れるC調、春陽堂テイストをお手にどうぞ!」
既に左遷済みであるにも拘らず「左遷されたら」などと恰も仮定のように話すやり口は、
新宿・東京間を移動するのに山手線に乗ってしまう間抜けぶりを晒し、あげく居眠りと
いう不注意で盗難に遭うことを「東京の治安悪化」のせいにして、高卒田舎者としての
己を恬として恥じない三重県人と同様であろう。是非、出世魚を見習って欲しいもので
ある。
閑話休題。
今回の読了本は、出世魚ならぬ「幻の魚殺人事件」という、春陽堂文庫が誇るB級ミス
テリの怪作である。
春陽堂文庫では比較的入手困難の部類に入るのであろう、実は初読なのだが、ミステリ
古本者としての小生の見栄だけのため、いつものとおり「再読」と言っておこう。
表題作、植物の開花写真に絡むアリバイ工作からしてB級テイスト全開なのだ、その
勢いは、続く「オパールの女」「死の時計」の妙な捻り具合で常識の斜め上を行き、
「夏風邪をひく女」の、長編「北まくら殺人事件」に登場する名探偵の大学教授の怪
推理に至って一気にレッドゾーンへと突入。
しかし、ここで終わらないのが幾瀬流、後半の諸編では見違えるようなリーダビリティ
を回復し、W稲田のお荷物学部を貫井×郎さんとほぼ同時期に卒業した小生の琴線に
触れる雄編ぞろい。
先ずは「撃墜作戦」。自動車ディーラー業界を舞台に、詐欺事件で始まって産業スパイ
物で着地する力作。「密封された寝室」は、ジャーナリストのステレオタイプな描き方
に、小生の書評に通じるところあり苦笑。だが、J・D・カーの著名な「ドアに室内
から目張りされた密室」トリックにカーとは違う回答を示したところに著者の巧者ぶり
が伺われる。集中のベストは「孤独な詭計」であろう。鮎川哲也のアンソロジーにも
採られた名品。「×××の側でアリバイ工作を行うが○○○○に遭う」という、鮎川の
某短編にも通じる出来栄え。
最後に繰り返そう、幾瀬勝彬は「推理実験室」だけではないのだ!ザクザクとした玉石の
手触りに酔わない手はない!
720 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 18:02:45 ID:OEjHgxI7
酔わない手はない! まで読んだ
721 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 19:04:05 ID:vz0RpoSE
読了かよ!
722 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 19:43:03 ID:o9Iz63bk
719
三重県人って誰?
723 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 20:42:46 ID:Okvs5PyS
週刊文春で「交換殺人に向かない夜」が結構評価されてたけど読んだ人居ますか。
724 :
名無しのオプ:2005/10/13(木) 23:23:52 ID:doJAhrpT
朱川湊人「白い部屋で月の歌を」を、
今更ですが、読みました。
解説先読んじゃって荒俣氏にネタバレ喰らったものの(未読の人は解説読まないでください)、
後半意外な展開で驚いた(前半は退屈だった)。
この人の文章は情緒豊かですね。なんか。
ってかミステリ?じゃないかも。
725 :
名無しのオプ:2005/10/14(金) 00:21:42 ID:GT4cwdEO
>>723 七割くらい読み進んだところです。
退屈な夜勤の合間に読んでます。
今週末には読み終わるでしょう。
726 :
名無しのオプ:2005/10/14(金) 00:31:46 ID:FwnSTXuG
>>723 ネット書評サイトではどこでも絶賛。凄い人気ですよ。
俺はシリーズ物なんで手が出せないけど・・・
727 :
名無しのオプ:2005/10/16(日) 00:29:56 ID:6J8ErJuA
>>701 感想全く一緒。
リン氏の他の作品はどうなのかな?
728 :
名無しのオプ:2005/10/16(日) 12:46:21 ID:XVDB6yTY
斜め屋敷の犯罪
いやはや、こんなの絶対分かりませんわw
729 :
名無しのオプ:2005/10/16(日) 22:41:00 ID:So0tgY8+
>>701 林泰広 『The unseen 見えない精霊』【7点】
自分も読んでみた。ネタとしてはおもしろいのに、ちょっと文章で損してる。
不可能状況を読者に理解させるためにはああいうクドい書き方が必要なんだろうけど、
飛行船の間取りとか図示すればもう少し分かりやすくできるのに。
一発ネタという点では同期の3人より破壊力(バカっぽさ)は高い。
730 :
687:2005/10/17(月) 00:02:05 ID:+cZDJVoY
>>729 確かに俺も図が欲しいと思ったなぁ
部屋1→部屋2→部屋3→部屋1
矢印の方にしか進めない
基本的にはこれだけの事なんだが
理解するのに時間がかかった俺
731 :
英知 恵:2005/10/17(月) 00:29:36 ID:ZtsyFKiI
西澤「七回死んだ男」
まだ読み終えてないんですけど、遺留分を無視した遺言の扱いにうんざり。
最初の説明(3章)だけじゃなくて再度ページを割いて(4章)相続者問題説明が登場してきた・・・
大企業の権利をめぐっての状況でこういう欠陥を動機にしないでください orz
国内物には時々あるんですけど作者が英米の推理小説ばかり読んでるから?
( 向こうでは全財産を好き勝手に処分することができたらしい )
面白いと薦められたので読み続けたいのですが・・・
こんなどうでもいいことでと思いつつも、うんざり。
732 :
名無しのオプ:2005/10/17(月) 08:14:47 ID:1PNmNIm8
>>731 どーでも良すぎるw
それが気になったらミステリの25%は読めないんじゃ?
可哀想ですね
733 :
名無しのオプ:2005/10/17(月) 09:11:28 ID:39BrsMBr
禿胴
731はミステリ読まんほうがいいな(どうしてもって言うなら佐野洋を薦める)。
734 :
731:2005/10/17(月) 14:10:23 ID:ZtsyFKiI
西澤「七回死んだ男」
その後、読み終えました。
うん。これはお薦めされた通り素晴らしい。
設定が非常に単純でわかりやすい上に、
謎や疑問点がキチンと説明されるのが良いです。
わかりやすくて読みやすくて面白い良作。
735 :
名無しのオプ:2005/10/17(月) 15:19:16 ID:wLTH5oUG
泡坂妻夫 『乱れからくり』
推理作家協会賞をとった作品。趣向だけでなく、犯罪も
全編からくり仕立てで統一しており、非常に綺麗な
作品だと思った。
動機についてはちょっと薄く、唐突な感を受けたけれど、
殺害方法、意外な犯人、それらを繋ぐ論理、そして論理を
成立させるための伏線の配置、ミスディレクションなどなど
感心することしきり。
あー、面白かった。
736 :
名無しのオプ:2005/10/20(木) 05:20:03 ID:JijVkv80
倉知淳 『猫丸先輩の空論』
悪くはなかったけれど、全編「そうかもしれないし、
そうじゃないかもしれない」というので占められている。
人を描くのはうまいと思うし、提示される謎も、興味深いもの
ばかり。でも、解決の蓋然性が低いため、ライトノベルにしか
思えない。
737 :
名無しのオプ:2005/10/20(木) 21:05:50 ID:xBgr6gJQ
西澤保彦のタカチ&タックシリーズとかぶるよね<猫丸先輩シリーズ
738 :
読後感:2005/10/20(木) 23:39:24 ID:fODJXU7f
「松本泰探偵小説選T」論創社
薦められて読んでみた。
英国が舞台の話が多いけど、ちゃんと留学してるので
雅也みたく鼻にはつかない。
しかし謎の所在や解決の筋道などが曖昧な話が多く、
当時黄金期であった欧米との差を如実に感じてしまう。
だがその中でも
謎と大雑把ながら明確な推理が提示されている「緑衣の女」
先の見えない展開でぐいぐい引っ張り印象的な読後感の残る「日陰の街」
不可能状況が最後で底抜けになる「不思議な盗難」
などは印象に残ったかな。
739 :
名無しのオプ:2005/10/21(金) 02:01:09 ID:Al2LJE6g
藤岡真 『ゲッベルスの贈り物』 文庫
高い評価を受けているようだが、それほど楽しめなかった
あとがき、解説、あらすじを最初に読んだのがいけなかった
しかし後半でメル欄がやたら大きくなっていくのはまるで漫画のようで楽しめた
『ギブソン』もあんまりだったし、自分とは相性がよくないらしい
しかしそれでも『六色金神殺人事件』への期待は高まっていっているんだよな
740 :
名無しのオプ:2005/10/21(金) 17:54:01 ID:DuQOlR1l
飛鳥部勝則 『砂漠の薔薇』
この作者は初めて。ミステリとしての骨格は、
取り立ててどうこうというものではなかった。
動機には感心したけれど、よく見れば事件自体もトリックもありきたり。
でも、この作品に満ちている雰囲気は素晴らしい。
異常な人間が織り成す静謐な空気が見事に描かれていた。
こういう、音もなくリズムも社会からずれた異空間は好き。
>737
「日常の謎」を扱うシリーズだと、どうしてもこんな感じに
なってしまうのかも。北村薫の「覆面作家」もそうだったし。
日常の謎レベルだと、必死になって犯人を突き止める必要が
薄いから、面白い仮説を提示するだけで終わっちゃうのだろうね。
741 :
名無しのオプ:2005/10/22(土) 00:38:36 ID:JKbuBDHV
>>731 あんた前も似たようなクレームつけてなかった?
何かコンプレックスでもあるの?法学部に入りたかったとか
742 :
名無しのオプ:2005/10/23(日) 00:45:53 ID:bJxZvsH0
天野頌子「警視庁幽霊係」
自分は肌に合ったが、ミステリというよりライトノベル
かもしれない
743 :
名無しのオプ:2005/10/23(日) 21:32:18 ID:RkKMTgfv
飛鳥部勝則 『バベル消滅』
やっとこの作者の作品の楽しみ方が分かってきたかも。
文体や雰囲気が好きなせいか、文章に浸りながらよんでいると
あえなく伏線に引っかかる。
「どこかに仕掛けがあるんだろうな」と疑いながら読めば、
結構簡単に見破れると思うんだけどね。
目欄@は面白かった。目欄Aや、逆転させた目欄Bを
思い出してしまった。
744 :
名無しのオプ:2005/10/23(日) 21:48:58 ID:RkKMTgfv
東野圭吾 『仮面山荘殺人事件』
うーん、あんまり面白くなかった。
文章や展開、設定が上手いからサクサク読めたけど、
最初の事件の解決に対する既視感が強い。
どこかで見たことある。
また、折角「一点からの監視」を使うのだったら、それを活かして
欲しかった。また、密室の処理にも疑問。
例の状況設定については、唐突な感じがした。
読み直しが必要だろうけど、伏線が殆ど張られていない
気がする。
多分、この作者は自分には合わないんだろう、と思った。
745 :
名無しのオプ:2005/10/23(日) 22:08:43 ID:zOXPZUGr
>>744 言いたい事は色々あるが
>伏線が殆ど張られていない
断じて違うとだけは言っておく。
746 :
名無しのオプ:2005/10/24(月) 17:39:29 ID:vnRGOiQN
本岡類「白い森の幽霊殺人」(角川書店‘85)
「溢れる着想、奇抜なトリックの構築美。
『新本格』登場以前の本格ミステリの佳作がここにもまた」
1985年発表といえば、綾辻行人の登場する2年前であり、島田、泡坂、連城など一部の
例外を除けば、当時は本格ミステリ冬の時代であり、小生もまた、冴えない青春時代を
過ごした挙句、裏口入学で名を馳せたW大の某学部にお情けで引っかかった冬の時代で
あった。「イニシエーション・ラブ」の書評では「共感する」などと書いているが、あの
作品のようなことは一度たりとて無かった、あれは見栄です済みません。
さて物語は、冬の信州のスキー場を舞台に展開する。ナイタースキーの幽霊騒ぎを発端に
した連続殺人なのだが、それぞれに工夫が凝らされており、何の工夫もなく馬齢を重ねる
小生のサイトとは大違いである。
特に凄いのが第一の殺人。死体の両足が切断されていたのは何故か?を巡る推理の過程と、
その真相は見事なものであり、綾辻の某作品における「死体を首なしにしたのは何故か?」
など、本作のエピゴーネンに過ぎないこと、小生のサイトのエピゴーネンぶりと良い勝負
である。
更に、第二、第三の殺人にも大技、小技のトリックが散りばめられており、さり気なく描写
されたフク賤、もとい、伏線と共に、意外な真犯人の指摘へと収束するラストへと奉仕する
のである。
欠点といえば、探偵役の推理に、詰めが甘く粗い部分が見受けられるのと、1980年代の風俗
的な描写のイタさなのだが、それは時代上の制約と考えたいところであり、当時の阪神、
ロッテ同様に低迷して、女性とスキーに行くなど出来もしなかった小生の僻みでもあるので、
小生の書評における毎度毎度のイタいキャッチコピーと共に、是非とも放念された上で、広く
読まれたい作品といえよう。
747 :
名無しのオプ:2005/10/24(月) 19:11:06 ID:QpSMUo9d
高梨耕一郎「横浜鎮魂曲殺人慕情」(幻冬舎文庫)
中華街が舞台っぽかったのでついふらふらと手が…
(それだけで買うのも我ながらどうかと思うが)
内容だけならそこそこ楽しめたんだが…
文章がなあ。説明文を箇条書にした感じと云うか。
いやそう云う文章書く人が他にいないとは云わないけど、
どうにも読み難かった。情緒が無いと云うか。何か偉そうだけど。
シリーズ物にしたいみたいだけど(いやもうなってるのかな)、
自分には(脇はまだしも)主人公に余り魅力感じなかったし、
ま、この一冊だけでいいやって感じ。
…浅見は嫌いじゃないんだがなー。
748 :
名無しのオプ:2005/10/24(月) 21:23:35 ID:8MqEZ/Jz
連城三紀彦 『戻り川心中』
あちこちのスレで薦められている短編集。
この作家は初めてだけど、雰囲気を作るのが
すごい上手い。文章うまいし、描写も綺麗。
「藤の香」で語り手に何を見ているのかと尋ねられ
「いのち」と答えるシーンや、「桔梗の宿」での鈴絵との
会話、特にめがねのところなど、なんだか分からんが
しっとりとした気持ちになった。
事件もその解決も一風変わっている。
目欄にヒトひねり加えるなど、動機も印象的。
>745
うーん、描写に違和感を感じたけれど、「例の状況」を
納得させるだけの証拠って、あったかな・・・・・・。
も一度読み返してみます。
749 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 01:02:16 ID:/OspUVDh
天野頌子「警視庁幽霊係」(ノンノベル)
"頌"の字がすぐ出て来なくてちょっと苛ついたw
まあそれはともかく、うん、自分にも面白かった。でも確かにラノベだねこれは。
二冊目出たら買うかどうかまではちょっとアレだけど、なかなか好きです。
表紙の坂田絵もとぼけた雰囲気が良い感じ。
でもこれ、コミカルミステリーと銘打っちゃう程コミカルではないような。
もっとふざけた内容かと思ってたんだけどw
まあ面白かったし良いか。
750 :
イラストに騙された名無しさん:2005/10/25(火) 10:45:42 ID:ugtcePbv
失礼いたしました
751 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 11:52:39 ID:RWWtlxVo
麻耶雄嵩の夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)を読んだ
なんだこれ・・・意味不明だし気持ち悪い
しばらく鬱になりそう
某所の解説には再読すると色々分かるとか書いてあったけど
あまりの気分の悪さに再読する気力もない。精神破壊本だ
752 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 12:41:39 ID:bkgpTsIk
>>745 744は章の頭にあんだけ堂々と書いてあるのに気付かないらしい。
かわいそうにな。
753 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 13:23:48 ID:A62/ZdbU
>748
連城って文章うまいか?
一見上手そうだけど
実際は余分な装飾が多過ぎる駄文だよ
読みにくいし
754 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 13:40:09 ID:a1/a1JY0
今更かもしれませんが、『翼ある闇』(麻耶雄嵩)読みました。
洋館(城)の大金持ち大家族もので、設定は好きなタイプですが、人物の印象が薄かった。
あと密室のトリックで…う〜ん、それはないだろうと思いました。
まあ科学的根拠が、あるらしいので仕様がない。
全体的には面白かった。歴史も絡んでて。
755 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 15:23:56 ID:1Ua/7jus
>>753 連城はかなり文章うまいだろ
まぁ初期短編は読みづらいけれども
756 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 15:51:15 ID:ciTiaMa/
>>754 >まあ科学的根拠が、あるらしいので仕様がない。
・・・まさか。
757 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 16:21:00 ID:A62/ZdbU
>755
漏れの上手いと君の上手いが違うようだ
漏れが上手いと思う作家はミステリだと岡島二人とか
758 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 19:02:58 ID:xHpVAR/M
岡嶋二人は読みやすいという感じかな
759 :
名無しのオプ:2005/10/25(火) 19:04:37 ID:TbmzzGpF
>>752 多分なんとなく貶したかっただけなんだろ
760 :
名無しのオプ:2005/10/26(水) 23:59:35 ID:d7v2/jZc
今頃すべてがFになる読んだ 話は面白かったが文章が難しいわけでもないのにひどく読みにくかった
761 :
名無しのオプ:2005/10/27(木) 00:17:34 ID:68sJGaq4
肌に合わなかったんじゃない?森の文章は癖あるし
762 :
名無しのオプ:2005/10/27(木) 14:20:39 ID:z+3sQULy
筒井康隆 『ロートレック荘事件』
これはフェアとしかいいようがないなぁ。
ネットの書評とかだと、ボロクソ言う人もいうけれど、
虚偽の記述をしているわけじゃないし。
でも、釈然としないものが残る。
うまくいえないけれど。
土屋隆夫 『影の告発』
なんというか、誠実な推理小説だった。
驚愕だとか熱狂からは遠いけれど、捜査の過程や
なぜここに注目したのかなどが、しっかり書かれていて
隙がないという印象。
トリックは・・・子供の頃読んだことある。
原典はこの作品だったんだ・・・。
思えば40年前の小説なんだよなぁ。
763 :
名無しのオプ:2005/10/28(金) 00:35:39 ID:Gx2qd3d2
天野頌子「警視庁幽霊係」読了
お人よしの主人公に可愛い幽霊のコンビ。と聞いて
あろひろしの「優&魅衣」を連想したわたしはオサーンです。
文章にクセがないのでスラスラ読めて、これはこれで
好いんじゃないでしょうか。登場人物にも厭味がないし。
もう少し謎解きに重点を置いて欲しいですが・・・
これくらいのバランス感覚がちょうどいいような気もします。
764 :
名無しのオプ:2005/10/28(金) 17:10:01 ID:/HIPkY9U
西村京太郎 『殺しの双曲線』
あちこちで薦められてたんだけれど、これは面白かった。
西村京太郎は十津川警部で鉄道物ばかり書いていると思ったから、
少し意外だった。
でも、これって結局証拠不十分だよなぁ。
心を痛めて自白したとしても、物的証拠は存在しないんだから。
765 :
名無しのオプ:2005/10/28(金) 17:13:03 ID:ut4Tm0ao
蒼社廉三「戦艦金剛」
「宝石」誌の昭和38年8月号で読了。
太平洋戦争のさなか、ガダルカナル沖を航海する戦艦・金剛。船内では、反戦ビラが撒かれるなど、
スパイ疑惑が持ち上がる。そんな中、海戦が終わった直後の砲塔内で、嫌われ者の須貝という兵隊の
射殺死体が発見される。彼に恨みを持つ将兵3名に容疑がかかるが、事件当時、現場の砲塔は密室
状態であった。探偵役となった松尾大尉は隠密裏に捜査を続け、帰港した呉で須貝の遺族を訪ねるが、
事件の謎は解けない。船内に潜む反戦グループの仕業なのか?謎を残したまま、金剛は最後の戦いへ
と出航するが・・・。
200枚とのことで、中篇の分量。戦時中の緊迫したストーリーが雰囲気を盛り上げます。砲塔のメカニ
ズムによる機械的ながらも、割と単純な密室トリックですが、伏線もそれなりに効いていました。佳作。
766 :
名無しのオプ:2005/10/28(金) 23:39:11 ID:SqtoZS4K
ホントのいまさらだがハサミ男読んだ。さすが評価が高いだけあって面白かったが最後の方やや分かり辛いのと結局一番だいじな謎がメル欄1なとこがどうかと思った。
767 :
名無しのオプ:2005/10/29(土) 17:18:18 ID:aupTEnKQ
書斎魔神、消えたね。
読書量を誇りたかったのかもしれないが、ミステリー板に関係なさそうな小説まで、
毎回毎回、偉そうに長文で感想を書いてきて(古い作品が多いし)。
他人のレスに対しても、尊大な態度で答えていたので、不快な存在だった。
本はよく読んでいるのかもしれないが、もう少し人間関係を勉強してほしいと思った。
768 :
名無しのオプ:2005/10/29(土) 17:27:56 ID:FtaPUNCb
>>767 あれだけ書いても博識を感じさせないのは
一種の才能でもあるw
769 :
名無しのオプ:2005/10/29(土) 17:34:26 ID:M0YgLYS+
いらんこと書とまた沸くぞ
他スレにゃまだ粘着してる
770 :
読後感:2005/11/02(水) 17:46:49 ID:hELOXgw6
「幻のテン・カウント」講談社
鮎哲選のアンソロジー。主にプロパーではない作家を集めたもの。
読んでいると偶然とか変装とかやはり時代の差を感じてしまう
箇所もあったが、「黄色の輪」で一気に吹っ飛んだ。
ラスト手前の「ある密室の設定」も同様に良くできた作品であった。
本書を読む直接の動機であった「Fタンク殺人事件」は
それなりのアリバイ崩しものではあったけれど、
上記2作には及ばなかった。
なお飛鳥・島・天城は既読のため除外。
771 :
イラストに騙された名無しさん:2005/11/03(木) 12:27:35 ID:CyvkJWfI
羊は読んだ
772 :
名無しのオプ:2005/11/04(金) 01:18:08 ID:5lfQ9bS3
芦辺拓『探偵宣言』読みました
この作家は初めてなのですが、文章のしつこさに閉口。
でも最近の作品になるにつれて、徐々に読みやすくなっていってる。
次は殺人喜劇の13人でも読んでみるかな
773 :
名無しのオプ:2005/11/04(金) 03:13:29 ID:lFd5eOO+
デビュー作にさかのぼってどーする。
774 :
名無しのオプ:2005/11/04(金) 21:45:14 ID:iPu8Dbh4
芦辺拓 『和時計の館の殺人』
この作者は初めて。道具立ては魅力的だし、
それを用いたトリックというか錯誤も面白かった。
でも、もっとすっきりさせることもできたと思う。
例えば最後のあの扮装はいらない。過剰に意識しているのは
分かるし、遊び心ともいえるだろうけれど・・・。
775 :
名無しのオプ:2005/11/04(金) 23:26:54 ID:JytT9G2E
殺人喜劇の13人ってデビュー作なんだ……○| ̄|_
乃南アサ「花盗人」読みました。
サスペンスタッチの短編がいっぱいで、読みやすい。
表題作はあまりインパクトなかったかな。
裏の内容解説にも載ってる一文は秀逸だと感心したけれども。
776 :
名無しのオプ:2005/11/05(土) 00:16:31 ID:LG54JzI8
芦辺は最近のだと「グランギニョール」と「紅楼夢の殺人」を読んどけばいいと思う
特に後者。登場人物覚えんのが大変だと思うけど、それさえ乗り切れれば面白い
多分この作者の最高傑作也
777 :
名無しのオプ:2005/11/05(土) 00:36:32 ID:hKLGyq9G
紅楼夢の殺人ですね、ありがとうございます。
明日さっそく探してきます
778 :
名無しのオプ:2005/11/05(土) 08:32:20 ID:OBycaK0t
779 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/05(土) 14:38:06 ID:ZRMd+xTI
新田次郎「アラスカ物語」を読んだ。
筆者は、かって読書会の席上にて新田氏を「山の上の松本清張」と称し、
多くの賛同を得たことがあるが、本書はミステリタッチの作品も多い山岳小説とは
異なり、エスキモー社会に生きた実在の日本人フランク安田を主人公にした
ドキュメンタルな冒険小説風の伝記小説である。
ブリザード、オーロラ等に関する自然描写には、山岳小説で磨かれた確かな筆致を
感じさせるものがある。
物語的には、客観的な資料を離れ、ややフランク安田の内面に入り過ぎ、
創り過ぎた部分が目立つのが難か。
個人的には、この題材は、客観的でクールな筆致で知られる吉村昭氏に書いて
欲しかったところだ。
このスレには、相変わらず、美少女名探偵や謎の黒マントの怪人の登場に喜んでいる
ような柔な連中が多いようだが、この極寒の地に生きたひとりのタフな日本人の姿から
何かを学び取って欲しいものである。
心して読め!
780 :
名無しのオプ:2005/11/05(土) 19:13:18 ID:5C4WzozR
>>777 「紅楼夢の殺人」は傑作だよ。リアルでは惜しくも大賞を逃がしたけど、ファンが企画した
ネット投票版の本格ミステリ大賞では、これがトップだったはず。
781 :
名無しのオプ:2005/11/09(水) 20:55:40 ID:Caoysfh4
鯨統一郎「ふたりのシンデレラ」読みました
初めから終わりまでセクロスの描写ばっかりで閉口。しかも生温い。
オチは有名なアレと同じだし中だるみしまくりの展開、
でもちっちゃい伏線を、ちゃんと回収しているのは良かったかと。
孤島の惨劇、って帯に書いてたからクローズドサークルかと思ったのになあ。
782 :
304:2005/11/11(金) 21:49:15 ID:nk16KdBT
「生ける屍の死」山口雅也
ドタバタすぎてオレには合わなかった・・・
100ページくらい経ってやっと事件が起きるし、長いよ!
783 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/12(土) 14:07:19 ID:Bhhv6SKX
尾崎紅葉「多情多恨」を読んだ。
「金色夜叉」で知られ、文豪の中では通俗的なイメージが強い紅葉だが、
粗製濫造されたミステリが何百冊束になってもかなわない「人間を描いて間断するところがない作」であると言い得る。
本作をミステリとして語ることは困難なものがあるが、主人公の鷲見柳之助は大学教師
というインテリでありながら、依頼心が強く、馴れ合いが好きな甘えん坊、
まさに2ちゃんねらーそのものであり、この辺は、諸君は共感を持って
読み進められるのではないだろうか。
しかし、この柳之助という人物、亡妻への思慕断ち難いものがありながら、
生前の妻からはさほどに想われていなかったり、寄宿している友人宅で夜中に寂しく
なって、友人の妻の寝床に忍んでいったり(セクシャルな意味はないのだ)と、
間抜けでドキョソそのものな行動ぶりには笑える。
「これは学歴以外は、漏れそのものだ!」と心痛な思いに到るスレ住人も多いのではないかな。座して読め!
784 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 16:16:00 ID:rsTA5JDl
書斎の紹介はためになるなあ。
785 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 18:46:25 ID:uAryJP6E
同意。書斎はさんは一流のエンターテイナーだよ
786 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 19:10:14 ID:UyloF/j2
・・・
787 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 19:24:37 ID:THhnXQRp
はやくぼくもしょさいさんのようになりたいです
788 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 20:01:36 ID:W5yVJ5Lt
>>783 ドキュソの間違いでは?単なるタイブミスなんだろうけどさ。
789 :
名無しのオプ:2005/11/12(土) 21:46:27 ID:z1v8TJrD
書斎に好意的なレスつける人は何故かみんなアゲるんだね
ああ不思議だ
790 :
:2005/11/12(土) 21:47:04 ID:SQvkGe97
791 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 07:06:50 ID:g4o3t5yo
792 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 09:40:04 ID:1xnN990l
>>789 上げてはいけないというルールはないだろう。そもそも何も書かなければ上がる以上、上げるのが標準的な仕様であり、そのことについて批判される謂れはないと思うが如何?
793 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 11:48:27 ID:TP35kNF8
ん?
>>789は別にageている人間を批判しているわけではないと思うが?
あれが批判と思えるということは、何か思い当たる節でもあるのかな?
794 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:15:16 ID:T5bHrv/d
つーかもう放置しようや。
>>793も何が起きているかわかっているんだろ?
相手にしても仕方ないよ。
795 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 12:32:43 ID:TP35kNF8
>>794 これは失礼、ちと熱くなってしまいました。
796 :
名無しのオプ:2005/11/13(日) 15:33:25 ID:8h/cjgFO
北村薫 『夜の蝉』
100頁ほどの短編(中篇?)が三つ集まった本書。
表題作より二つ目に配置された『六月の花嫁』が面白かった。
所々に挟まれる余りミステリ要素としては貢献しないエピソードもよい。
『空飛ぶ馬』が未読なので遡って読んでみて
良かったならこのシリーズは読んで行こうと思う。
法月綸太郎 編 『法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー』
ここに書いてもいいものか迷った。
というのも収録された作品の半分以上が国内ものではないから。
何冊か国内のミステリを読んできて何度かは目にするものの
全容が掴めない本格ミステリという概念。本格ミステリって何なのか?
それはやっぱり本書を読んでもわからなかった。
下記辺りが面白かった。特に脱出経路はよかった。(けどこれもミステリ?と思った)
動機(ロナルド・A・ノックス) 白い殉教者(西村京太郎)
誰がベイカーを殺したか?(エドマンド・クリスピン&ジェフリー・ブッシュ)
ひとりじゃ死ねない(中西智明) 脱出経路(レジナルド・ヒル)
797 :
読後感:2005/11/14(月) 12:47:42 ID:rC2js+HL
「北帰行殺人事件」西村京太郎(光文社)
突然辞意を表明して故郷に帰って行った部下。釈然としないまま
空港まで見送りに行った十津川だったが、彼の姿はなかった。
同じ日、青森行き夜行列車の中で男が殺された。死体は裸で
肌に口紅で「死ね」と書かれていたという。捜査を進めるうち、
十津川は元部下に動機があることを発見するが…。
こんなもん定価で買う人の気が知れない。いっぱいいるんだろうけど。
しかも天下の鮎哲に解説なんぞ書かせやがって。案の定無理からな
弁護しとったぞ!かわいそうに。
あからさまなミスリードに申し訳程度のアリバイトリック。
キオスクでちゃちゃっと買って車内で読んで網袋の中に忘れて帰る
にはうってつけなのかもな。
798 :
名無しのオプ:2005/11/14(月) 17:42:00 ID:un3E+ZEH
>死体は裸で肌に口紅で「死ね」と書かれていたという。
waros
799 :
名無しのオプ:2005/11/14(月) 18:56:58 ID:gSIKiP+r
800 :
304:2005/11/14(月) 20:21:35 ID:CzS5z06L
「殉教カテリナ車輪」飛鳥部勝則
面白くていっき読み。生ける屍読んだ後だからよけい感じたのかな。
当分この作家で楽しめそうだ。
ネット検索したら、この人何か問題起こしてたんだねw
そう言えばニュー速にもスレ立ってたような・・・
801 :
名無しのオプ:2005/11/14(月) 21:11:39 ID:EqPGOa+T
歌野晶午 『生存者、一名』
中篇。正直面白かった。
絶海の孤島に取り残された男女。
一人一人と殺されていく中、最後に生き残るのは
生存者、一名とは誰なのか?
孤島に取り残される理由みたいなのは
何かありがちと言えばありがちで新鮮味はない。
犯人当てもあるが、メインは生存者は誰か?と言う点。
中篇でそんなに長くもないので
ハズレてもダメージが小さいしオススメです。
802 :
読後感:2005/11/15(火) 00:28:13 ID:G+bvrUgy
「交換殺人には向かない夜」東川篤哉(光文社)
浮気調査のために従業員として潜入した探偵とその知り合いの女性。
意中の相手の誘いに乗り旅行に出かけた探偵の弟子。
吹雪の町で殺人事件の捜査を続ける刑事達。
一見無関係に思える3つの物語。その影には「交換殺人」の4文字が!?
本格読んだって感じかな。面白かったよ。やられた。
普通は真っ先に疑いそうなものなのにしっかり
楔を打ち込まれていたんだよなぁ。伏線も多かったし。
フェアとは言い難い部分もあるけど。
しかし80年代のギャグ漫画から抜け出て来たような
さくらのキャラクターは活字の上では逆に新鮮だね。
全体的にベタなコメディタッチなのも割りと好き。
ただそのせい(?)で機械的に思えてしまう箇所もある。
(メル欄)なんて有り得ないだろう。
803 :
名無しのオプ:2005/11/15(火) 00:50:01 ID:aYQqrZW+
>>801 あーそれ面白いよな。
最後、生存者がそうくるとは思わずニヤリとした記憶がある。
祥伝社の小編〜中編の文庫って幾つかよんだが、やっつけ仕事みたいなのばっか。
今のところ良かったのは歌野氏のこれだけだった。
804 :
名無しのオプ:2005/11/15(火) 01:11:02 ID:Q51jkuUR
805 :
名無しのオプ:2005/11/15(火) 08:54:25 ID:gDY2eI4t
土屋隆夫 「赤い組曲」
この作家さんの作品は、本当に面白いね。
事件自体は、リアリティを追求した結果、地味に
なっている感じがするし、意外な犯人は少ないけれど、
きちっとかかれている。
トリックも面白い。これって目欄1だよね。
それとも単なる目欄2かなぁ。
読み込み浅いせいだと思うけど、前者だとうれしい。
ただ、探偵役がいるなら、物語は容疑者が失言する
中盤で終わるんだけどね。
806 :
名無しのオプ:2005/11/15(火) 09:05:56 ID:gDY2eI4t
土屋隆夫 『天国は遠すぎる』
本格だけど、社会派。ボタンの錯誤など、
妙に懐かしい。
アリバイは苦手なんだけれど、こういうのなら
面白く読める。
また、刑事の奥さんがかわいらしい。
本編とは殆ど関係ないんだけど。
土屋隆夫 『危険な童話』
これはすごい。ここまで用意周到な計画を巡らすとは
ただただ、感激。犯人、尊敬します。特にすごいと思った
のは目欄1。麻耶ゆたかあたりが使いそうな感じがした。
あと、構成も面白い。倒叙じゃないけれど、それっぽい
感じがした。影の告発も含めた中で、一番好きな作品。
807 :
名無しのオプ:2005/11/16(水) 16:57:04 ID:jEQhjtSV
秦健日子 『推理小説』
このスレでは
>>215-221辺りでちょっと名前が出てる本
序盤の場面転換が多すぎ、あと作内で出てくる小説の同箇所を
何度か読まされるのも苦痛だった。
だけど最後の最後の方で突然作者の独白(だと思う)が差し挟まれた所はシビれた
という事で俺はそれなりに楽しめた、しかし帯を見て期待したほどではなかった
あんまりミステリ読んでない人にいいんじゃないだろうか?
以下は帯より
【推薦文】
あまりの面白さに仕事を忘れて読みふけった。
この小説を映像化するなら、俺は「絶対に出してくれ」と言う。----阿部 寛氏(俳優)
ミステリ好きの心をくすぐる仕掛けの数々……。
読者は限りなく挑発され、翻弄される。タチのわるい新人が現われた。----新保博久氏(ミステリ評論家)
トリック重視か、社会性重視か。
この議論に決着をつけたリアルなミステリ。ジャンルの可能性を切り開いた快作だ。----末國善己氏(文芸評論家)
【あらすじ】
42歳の会社員と17歳の高校生、大手出版社の編集者…全く面識のない人々が相次いで惨殺された。
事件をつなぐのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた本の栞のみ。
そんな中、警察と主要出版社に『推理小説・上巻』という原稿が届く。
書かれていたのは犯人しか知ることの出来ない事件の詳細と殺人の予告、
そして「事件を防ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」という前代未聞の要求…
ミステリの既成概念を破壊し、リアリティの迷宮へと誘う超問題作。
あらすじは凄い面白そうじゃない?
808 :
名無しのオプ:2005/11/16(水) 23:25:43 ID:zSnElwUm
やばい・・・作中作マニアは俺はすぐ手に取っちゃいそうだ
809 :
803:2005/11/16(水) 23:49:41 ID:IQ8GtdpI
>>804 どうもです。その作品は未読でした。今度読んでみますね。
810 :
名無しのオプ:2005/11/17(木) 01:49:10 ID:hsKDfF6/
あと、「まほろ市の殺人 秋」も麻耶雄嵩が苦手じゃなかったらどうぞ。
811 :
名無しのオプ:2005/11/17(木) 21:06:26 ID:El1tc//T
麻耶雄嵩 『神様ゲーム』
子供向けのミステリーランドのはずなんだが…後味悪い
しかし『痾』が好きな人間としてはよかった
余談だが子供が相手なら密室の所で
見取り図書いてくれればいいのになぁ、と思った
812 :
名無しのオプ:2005/11/17(木) 21:38:59 ID:kLWzIiaG
>>811 ミステリーランドって子供にトラウマを与えかねない小説を書いてくれって要請されてるらしいよん
813 :
名無しのオプ:2005/11/17(木) 23:37:14 ID:tsiX4Ljp
「神様ゲーム」は良かったね。しかし、最後のあれ、
犯人はやっぱりメル欄と乳繰りあってた、てことなのか…?
814 :
名無しのオプ:2005/11/17(木) 23:42:53 ID:kLWzIiaG
>>813 麻耶の早稲田での公演によるとそれが公式回答みたいよん
815 :
名無しのオプ:2005/11/18(金) 22:54:54 ID:I+87Ehao
「隠蔽捜査」今野敏 ☆☆☆☆
主人公の造形が逸品。
「天使のナイフ」薬丸岳 ☆☆
できすぎたような話で白けてしまった。
816 :
読後感:2005/11/18(金) 23:05:33 ID:NA4n7DMT
「真夜中の密室」山前譲編(飛天出版)
密室もののアンソロジー。
一番は「呪われた密室」(山村美紗)かな。真っ向からの試みに拍手。
「夏の密室殺人事件」よか上。「燃えた花嫁」も読まなきゃな。
次点は「動く密室」(中町信)。これは初めて見る密室だった。
見破りやすいかも知れないけど、綺麗にまとまってはいると思う。
あとは犯人特定の手掛りが簡潔にして見事な「影の男」(高木彬光)や
地味ながらも完成度が高い「渋柿事件」(島田一男)が印象に残った。
高木は「妖婦の宿」や「影なき女」も読まねば。
「妖塔記」(鮎川哲也)は前振りが長い割に小粒な感じが否めず。
817 :
名無しのオプ:2005/11/20(日) 04:55:13 ID:1bFtvqyD
米澤穂信 『犬はどこだ』
この作者の作品は初めて読んだ。
珍しく登場人物に感情移入できたのも大きいだろうけど
いやー本当に面白かった。
面白すぎて、あんまり語る事がない。
二つの話が徐々にクロスしていく展開ってのも
そんなに珍しいものでもないし、主人公も結構普通の人間だし…
だけどこんなにも面白い、何だろう?
最後の着地のさせかたも素晴らしい。
久しぶりに手放しで褒めちぎれる作品。オススメ。
818 :
名無しのオプ:2005/11/20(日) 17:28:06 ID:JGsjNGaD
谺 健二「赫い月照」
「未明の悪夢」「恋霊館事件」に続く神戸(震災)小説です。
前2作は震災小説という感じであり、トリックは大した事なかったけど、
「赫い月照」は阪神大震災に加えて酒鬼薔薇事件もモチーフにし
久々に読んだ超力作本格推理小説と言う感じです。
血飛沫零が出てきたときは、ナンじゃこりゃ?って感じだったけど
最後は本当に怖くなりました。
詰め込みすぎで纏め切れていない感じはしますが、それを差し引いても
傑作だと思います。
しかし長い!つかれました。
819 :
吾輩は名無しである:2005/11/20(日) 22:59:30 ID:wU0L899/
まとめる
820 :
304:2005/11/20(日) 23:31:00 ID:AmDWjEDY
「死体を買う男」歌野晶午
面白かった。乱歩ファンならもっと楽しめたんだろうな。
島荘テイストが感じられました。
歌野読破しようと読み始めてるんだけど、家シリーズで挫折しそうになったw
「ガラス張りの誘拐」でやっと面白くなったから続けて読んだらヒットだった。
821 :
名無しのオプ:2005/11/21(月) 11:00:57 ID:/71db5wM
まだ、読んでない方に
http://orz.matrix.jp/ 2004年09月12日 20時10分30秒
2ちゃんねる・オカルト板に今日もまたひとつのスレッドが立てられた・・・。
「本当に危ないところを見つけてしまった・・・」
1 :GOGO :04/09/12 20:10:30 ID:hS7H5ala
私は岡山に住んでる 22歳の不真面目なOLなんですが
昨日、友達6人と飲みまくった挙句肝試しに行きました。
が、もう大体のスポットは行った事があったので飽きてしまい
カーセックスの名所に行って見ようという事になりました。
そのスポットには何度も行った事があるんですが、今回始めてあんな建物を発見しました。
しかも・・・
入るんじゅなかった。
6人の内一人は行方不明です。本当に
それはオカルト板で起こったまさにオカルトな出来事の始まりだった。
GOGO=HINAが語るは真実か、それとも・・・。
822 :
名無しのオプ:2005/11/21(月) 15:23:26 ID:NFNeo5g9
歌野晶午 『そして名探偵は生まれた』
作品集。他の2編は既に発表されているため、表題作だけ感想を。
「そして名探偵が生まれた」
うーん、こうきたか・・・。今の歌野氏ならば、この素材はこう書くだろう
という作品。なんか、何を書いてもネタバレになってしまいそうだが
作中の映画までもがミステリを指向しており、密度が物凄く濃い。
トリックについては、ごにょごにょ・・・。でも、でも、本格ミステリと
しては、読んだ後の充足感は強かった。
名探偵、ワトソン役、建造物、密室、人物配置まで、徹底して
既視感の強いコードに拘っていると感じる。
「名探偵とは生き方である」云々というのは、どこかで見たような感じがするが・・・。
823 :
名無しのオプ:2005/11/22(火) 00:04:15 ID:8eCaGZ14
824 :
名無しのオプ:2005/11/22(火) 11:14:55 ID:oCjDe1pX
825 :
読後感:2005/11/22(火) 22:35:35 ID:c2xEVhJl
「模倣の殺意」中町信(東京創元社)
売れない推理作家が自室で謎の死を遂げた。その死を独自に調査する
ルポライターの男と出版社の女。そして死んだ男に浮かび上がる
盗作の疑惑。何かがおかしい…。貴方はこのトリックを見破れるか?!
いやぁ楽しめたよ。ん十年前にもこんな作品があったんだね!
正直中盤で大体は気付いたけどもう一捻り入ってて感心した。
ただ審査員には受けなかったようで。まあ清張とかだろ?ペッ
でも仁木悦子は好意的だったとか。良いおばちゃんですね。
××者嘘つかない。
それにしても増々「慟哭」が糞に思えてくるな。
あんなの選んだ連中も買った連中も馬鹿ばっか。
こんな優れた先達を差し置いて良くあんなもん書けたよ。
826 :
名無しのオプ:2005/11/23(水) 21:34:53 ID:PxSzPFqa
>>822 あれって俺は「名探偵の掟」へのオマージュとして読んだけど。
どうだろうか?
827 :
名無しのオプ:2005/11/23(水) 23:30:57 ID:VsnSSDMW
藤木 凛 『夢魔の棲まう処』よみました。!!てか、あれミステリーかよ!!
828 :
読後感:2005/11/24(木) 04:34:46 ID:tgHZVK0J
「13の密室」渡辺剣次編(双葉社)
密室もののアンソロジー。
既読の「蜘蛛」(甲賀三郎)「犯罪の場」(飛鳥高)
「不思議の国の犯罪」(天城一)「赤い密室」(鮎川哲也)
「完全犯罪」(加田伶太郎)は除いた上でベストを挙げれば
1、「影なき女」(高木彬光)
2、「密室の裏切り」(佐野洋)
3、「完全犯罪」(小栗虫太郎)
となる。1は噂通り凝ったプロットだった。ただ懸賞小説としては
良問とは言い難いと思う。2も良く作り込まれている。自分の中で
佐野洋の評価が少し上がった。あの失言は見事。3は最早SF。
チェスタトンぽいか?それとも麻耶?とにかく強烈な印象だったので。
829 :
名無しのオプ:2005/11/25(金) 04:56:58 ID:1OHwFPLn
米澤穂信 『クドリャフカの順番』
『犬はどこだ』へ続きこの作者は2作目。
シリーズ物の3作目らしく、そのせいか最初登場人物に慣れずに戸惑った。
(まぁ、これは自分が悪いので仕方ないか。)
文化祭の雰囲気、わらしべ長者、キャラ性、軽快な文章で面白く読みすすめた。
だがミステリとしてはどうだろうなぁ。
最後の謎解きはちょっとひねくれてて面白かったし
大小無数の伏線も悪くないけど、最終的にあんまりさっぱりしなかった。
文化祭の雰囲気は◎でした。
830 :
名無しのオプ:2005/11/25(金) 12:22:08 ID:5VWp7mub
「グッドバイ 叔父殺人事件」 折原一
まあその、なんというか、折原一だからな・・・
同工異曲というか、ア○の一つ覚えというか。
作者は、こんなものが受けていると本気で思っているんだろうか?
折原の正気を疑ってしまう。
しかも今回はかなりレベルが低い。ひっかかる読者なんているのかな?
それと、この人は人物を書く気がホンットに欠片ほどもないんだねえ。
キャラ萌えに走るよりは潔くて好い、思っていた時期もあったけど、
それでももう少し何とかならないものか?
>>829 おれ、文化祭ってエロゲーでしか参加したことないってことを
思い出した・・・
831 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/11/27(日) 15:31:58 ID:efkZ7Sxo
「ハーバード・ケネディスクールでは、何をどう教えているか」(英治出版)を読んだ。
ロー・スクール、ビジネス・スクールに比較して、日本では馴染みが薄い政治・行政学
大学院(公共政策大学院という把握でもよい。政治家・高級官僚等の養成校)の
コース概要が卒業生(OB)により簡潔に紹介されている良書である。
ミステリのねたとして見て面白いのは、マリー・ジョー・ベネ教授「戦略的行政経営」
の講義紹介に出て来る、NYにおける犯罪対策である、ジュリアーニ市長の就任により、
NYの犯罪発生件数は1年間で10%減少という結果になったわけだが、
本書でも簡単に紹介されているが、これに到るNY市警内の確執は凄まじいものがあったようだ。これを材にとれば、一編の警察小説として十分に読み応えがあるものに仕上がる
やに思う。
下流社会の住人である2ちゃんねらーにとって、本書をケネディ・スクールあるいは、
MPAのガイドブックとして読むことは誤り以外の何物でもないことは心しておけ。
余談ながら、ユーザーからの逮捕者続出、管理者が被告となった裁判の確定判決全敗等
により、今や2ちゃんねるは反社会的BBSとして認識されてしまっている。
かっては、議論と講義を中心としたネット上における自由大学院の実現
例えば、ミステリ板から著名な作家、評論家等の誕生の可能性もあったわけである。
結果としては、それは大量に奇妙なヲタを輩出するのみの結果をもって終わることになる
のであった。
「輩出」ではなく「排出」あるいは「排泄」ですね。
奇妙なヲタの林さん。
833 :
名無しのオプ:2005/11/27(日) 16:44:33 ID:MaSCYEWY
書斎魔神はスルーで
834 :
名無しのオプ:2005/11/28(月) 13:43:34 ID:KQp2QJgf
三雲岳斗 『旧宮殿にて』
レオナルド・ダ・ヴィンチを探偵に据えた短編集。
60頁程のが5つ収録されている。うち安楽椅子探偵なのが2つ。
ロジックと箱の設定が素晴らしい「二つの鍵」が大変よかった。
(個人的には箱の設定だけで垂涎もの)
それには劣るが「忘れられた右腕」もよく、粒ぞろいの短編集。
難点と言えば、レギュラーが3人居て、毎度毎度その3人の説明や
レオナルドの部屋の似たような描写が挟まれるのは鬱陶しかったです。
連載時はともかく、短編集にまとめるならもう少し何とかしてほしかった。
同作者の『聖遺の天使』『海底密室』『M.G.H. 楽園の鏡像』
どれも面白かったので更にミステリに進出してきてほしいですなぁ。
835 :
名無しのオプ:2005/11/29(火) 16:52:45 ID:oQo9c+xw
北山猛邦 『ギロチン城』殺人事件
面白かった。
人形、スクウェア、生体認証、記号のような名前、閉ざされた城
と色んな要素を注ぎ込んでるのに、図解入りまくりで230頁。
何この手軽さ、短い長編好きには嬉しい限りだ。
酷い動機だが、それを納得させるための刷り込みがよかった。
現実味のない世界観に拒否反応起こさないなら短いしおすすめ。
探偵が物凄く偉そうで、笑える。
836 :
名無しのオプ:2005/11/29(火) 17:48:30 ID:F0r6oFnC
この板で挙げられてる面白そうなのを数冊読んだのですが、
結構な割合で、本ならではのトリックが遣われていて
初めは面白く感じていたのだが、さすがに数冊続くとゲンナリしてきちゃった。
837 :
読後感:2005/11/29(火) 19:08:53 ID:DZ5BqJ87
「天啓の殺意」中町信(東京創元社)
伸び悩んでいる推理作家から持ち込まれた企画。それは彼が
犯人当て小説の問題編を書き、そして彼が指名した作家が
解答編を書くというものだった。しかし問題編を書き上げた直後
彼は旅行先で謎の失踪を遂げる。更に、この小説は半年前
本当にあった事件を題材にしていたのだ。編集者明日子は
彼の真意を探ろうとするが――
中町マンセー!
二転三転(*1)見事にやられまくった。アタシファンになりそうだわ。
伏線も堂々とでかい顔して示されてる。巧い! 模倣より上だな。
早すぎた作家って感じだったのかなーでも
生きてる内に評価されてよかったね(*^_^*)
しかし二つほど疑問が。
まず、324ページ最後の「反応」 の理由が不鮮明。
それから335ページ中央の「行為の理由」。これは明らかにおかしい。
こんなことしなくてもメリット・デメリットは変わらないはず。
(*1)テレ朝の刑事ドラマの初回SP等に使うべき表現ではありません。
838 :
読後感:2005/11/29(火) 19:23:05 ID:DZ5BqJ87
「殺意のトリック」鮎川哲也編(双葉社)
マイナー・余技作家のアンソロジー。なかなか楽しめる一冊。
トップは「新納の棺」(宮原龍雄)。
肉付けの段階で爪の甘さが出ているが、アイデアはかなり秀逸。
日下さん名作選編んでくれないかな〜。
次点は「六人の容疑者」(黒輪土風)。
容疑者を一人一人帰納的に検証していくフーダニットの
基本スタイルはやはり読んでて気持がいい。
あと「白魔」(鷲尾三郎)は馬鹿トリックだが主役二人の
キャラが気に入った。名作選読むかな〜。
839 :
名無しのオプ:2005/12/01(木) 03:37:54 ID:4LYtWy+n
辻真先 『アリスの国の殺人』
各作家のナンバー1を決めよう! Part 11
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1119880962/l50 で辻真先のナンバー1とされた作品(と言っても2票だけど)
現実世界と夢の世界で事件が起きるお話。
ミステリとしては特に何も思わなかった。
しかし夢の世界のハチャメチャぶりと現実世界の漫画の話が面白かった。
それと言葉遊び、文章の配置の仕方や太文字の特殊効果が興味深い。
また最後の方の主人公の書かれ方は凄いよかった。
ところで俺が読んだのは、現実世界はニ段組の小さな文字
夢世界は一段組の大きな文字で構成されている。
なので頁をめくるスピードが一定でない。
これを上手く利用して、スピードを作者側で調整する事で
深みが出るような本を読んでみたいなぁ、と思った。
あんまり長くないし、結構おすすめ。
特殊効果だけでも見る価値はある希ガス。
いつもにも増して酷い感想だけど、そんな感じです。おわり。
840 :
名無しのオプ:2005/12/01(木) 17:28:25 ID:pZhbAy04
辻真先ってそんなにマイナーだったのか。
仮題〜じゃないとは意外だね
841 :
名無しのオプ:2005/12/02(金) 15:50:55 ID:izwEoiRk
古典文学だが・・・。
「今昔物語集」(本朝世俗の部)
先ずは「小屋寺の鐘が盗まれる話」
摂津国の小屋寺で行き倒れになった旅の老人。寺に置いているうちに死んで
しまうが、やがて彼の身寄りだという連中がやって来て、鐘撞き堂で葬式を
始める・・・。
×××の振りをするテクニックや、仏教のタブーを利用した心理的トリック、
××に××の代わりに××を隠して盗み出し、更には××と見せかけて××を
××してまんまと逃亡という、信じられないほどトリックが満載の傑作。伏線
らしきものもあるし、立派な本格ミステリだと思う。
「橘季通が女房の屋敷から逃げる話」
橘季通が恋仲となった女房の屋敷に行ったところ、その屋敷の侍たちの恨みを
買い、屋敷の周囲を囲まれてしまう。彼は或る策略を用いて脱出するのだが・・・。
ドイルの某短編で使われたトリックが出てくるのには驚きました(ポオにも
出てくるね)。日本の方が800年も早いじゃないか、って海外の古典にも出て
くるのかも知れないが。
その他には、絶世の美女が盗賊団の首魁だったという話や、例の「藪の中」
の原典、産女の話などが面白いところ。まあミステリというよりホラーに
近い話が多いですが。
842 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/03(土) 14:27:22 ID:tHjcUff6
奥野修司「ナツコ 沖縄密貿易の女王」を読んだ。
予想外の面白さであった。こういった地味な逸品とでも称すべき作品は、
一般書籍板でスルーされることも多いゆえ、「冒険」と「ミステリ」の要素に
着目して、あえてこの板で紹介してみた。
戦後まもなくの沖縄で活躍した美貌でストイックな密貿易の女王、
文字どおり指1本で海の荒くれ男たちを動かし、警察の目を逃れ、東シナ海を駆け巡る。
こう書くと、アホな2ちゃんねらーならずとも「萌え!」であり、
まるで冒険小説か新東宝の映画のような話だが、丹念な事実確認調査に基づく
ノンフィクションである。
殆どと言ってよいくらい文献が残されていないナツコゆえ、その足跡を辿る過程
はミステリの謎解きそのものの興趣に富み、ナツコを中心に中国人の豪商、占領軍等
多彩な登場人物が絡む沖縄密貿易の様相は、下手な冒険小説をはるかに凌駕するスリル
に溢れている。
ただし、あえて不満点を記すとすれば、最近の読者の嗜好に合わせるためか、
泣きの要素(入院中のナツコと2人の娘の別れ、支配人的人物との男女としての交流等)
に筆を割き過ぎていると思われることである。
その生涯を見るに、ひたすたクールにストイックに生きた感が強い密貿易の
女王ナツコゆえ、あっさり目に締め括って欲しかったところである。
終章の長女の述懐は、書き過ぎというが感ある。
843 :
読後感:2005/12/03(土) 17:39:32 ID:uZtBjFyJ
「幽剣抄」菊地秀行(角川書店)
江戸時代が舞台の怪談短編集。5つの短編と4つの掌編からなる。
トップは前評判通り「茂助に関わる談合」。これは秀逸な一編である。
綺堂に迫るとの評も頷けるものがあるやに思う。
次となると迷うのだが、絶妙なユーモアが漂う「影女房」か。
ホラーの手法として「外的な変化が内的な変化を併発させる」
というのがあるが、本書もそれを用いた話が3編ほど見受けられる。
これは正気で考えるとご都合主義の極地であるのだが、何故か
成立して(許せて)しまうから不思議だ。むしろ効果的ですらある。
844 :
名無しのオプ:2005/12/03(土) 18:45:16 ID:wQn8Q65j
書斎さんの論考はユリイカあたりに掲載されても遜色ないレベル。
読後感はチラシの裏レベル!!
845 :
名無しのオプ:2005/12/03(土) 18:54:53 ID:xqT+dA87
自分で自分のことベタ誉めするレス書いたりするのって、恥ずかしくなったり鬱になったりしないのかねぇ。
ねぇ書斎魔神さん。
846 :
名無しのオプ:2005/12/03(土) 22:21:51 ID:7wIbbVBd
>>842 ナツコ、私も読みました。
彼女の死の原因になった頭の腫瘍の描写が怖くなかったですか?
あの部分はフィクションだと思いたい
847 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/04(日) 20:21:02 ID:163ofllo
>>846 怖いのは、「頭の腫瘍の手術跡(白い骨まで見えている)」じゃないかい?
確かに、娘たちにも見せたくなかっただろうが、この部分はまぎれもない
ノンフィクションだと思う。
しかし、逮捕されても警察官を子分扱いのナツコ、カッコ良すぎだ。
いわゆるカリスマ性がある女性だったのであろう。
848 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/04(日) 20:23:29 ID:163ofllo
土屋隆夫「物狂い」を読んだ。
昨年(2004年)春に刊行された大ヴェテラン作家の新作だが、
年末の年間ベスト・ミステリのセレクションからは完全スルーされてしまった作である。
確かに欠点は多い。
(1) 列車を利用したトリックは悪くはないが、短編に使用する程度のものに過ぎない。
(2) 叙述にアンフェアと理解されても仕方ない部分がある(「小説ふうに描写」という逃げ口上は書かれているが)
(3) 犯人の心理は不自然な感を拭いきれない。1度はともかく2度もトライアルの危険
を犯す必要があったのか?
また、他の登場人物(女性、刑事等)の心理にも不可解な部分が多い。
しかしながら、いささか時代錯誤的な部分(登場人物の喫煙に端的に見られる)もあれど、
清涼な信州を舞台にしたローカル色豊かな怪談絡みの謎解きミステリとして、
J・DのB、C級作品とか好きな向きには、結構楽しめるものとなっているのではないか。
作者に関して「もう生きていてくれればいい」といった侮辱的なレスも見受けられたが、
そいういうほどには悪くもない出来かと思う。
849 :
名無しのオプ:2005/12/05(月) 00:50:55 ID:6guBpIvE
夢野久作の
『ドグラ・マグラ』読み終えました。
これを読んだ者は精神に異常をきたすなどの触れ込みがあり、かなりドキドキで読みましたが、内容は思ってたよりも非常に深いもので一回読んだだけではとても全部は理解出来ませんでした。
これを機に、『虚無への供物』『黒死館殺人事件』も読んでみたいと思います(`・ω・´)
850 :
名無しのオプ:2005/12/05(月) 02:02:33 ID:nC19rd2+
黒田研二 + 二階堂黎人 『千年岳の殺人鬼』
楽しみにしてたんだけど、読んでみたらがっくり。
未来を綴った手帳。雪という安直なクローズドサークル。
と個人的に好みな道具立てなんだけど、最終的にはがっくり。
しかし東京での殺人鬼の部分は不要だったのではないか?
851 :
名無しのオプ:2005/12/05(月) 17:04:15 ID:vCYGgQ+F
山田正紀『マヂック・オペラ』早川書房
昭和10年代の帝都を舞台に、2・26事件にひそむ陰謀と芸者殺人をからめた検閲図書館3部作の第2弾。
荒唐無稽。
つまり、一般読者は?だが、山田正紀ファンは文句なしに楽しめる。
前作以上に「ことさらに作り物じみた」話を、乱歩の長編活劇を意識しながら展開。
初期作品からおなじみの、オフビートな敵役の登場もうれしい。
悪趣味でグロテスクなフィクションでしか語り得ない真実って、まさにSFの手法ですよね。ワイドスクリーンバロックとか。
不満は、粋筋のお姐サン方に、もっと活躍していただきたかった。
852 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 14:56:33 ID:+REu2x6a
>>849 書斎さんの深い読み込みに比べたら全然分っていないと言い切れる。夢久は読後感ごときの幼稚な荒し厨に理解できる作家ではないだろ。書斎さんのレスを読み返して恥じろ!
853 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:16:10 ID:X6EDvifI
書斎が「ドグラ・マグラ」を読んでいないことは、周知の事実ですが、何か?
854 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:23:18 ID:+REu2x6a
853は夢久を読んだのか?読んだなら代表作をあげよ。書斎さんのレスからコピペしてもすぐに罪は反映するぞ。
855 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:32:14 ID:+REu2x6a
853は逃亡の模様。
856 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:35:38 ID:X6EDvifI
全作品を読んでるよ。代表作は「ドグラ・マグラ」だろうね。
好きな短編は「死後の恋」と「鉄槌」と「白菊」だね。書斎は一つも読んでいないだろうね。
857 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:51:56 ID:+REu2x6a
856はドグラ・マグラは夢久の代名詞だと知らないのか。信じられない。代名詞と代表作を区別できない発狂状には言葉も無い。
858 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:53:07 ID:ZFfzn8xu
859 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 15:56:32 ID:3oSaxpHv
書斎の自作自演に付き合うなよ
860 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 16:16:45 ID:X6EDvifI
>856はドグラ・マグラは夢久の代名詞だと知らないのか。
初耳だね。発狂コテの自演レスは、意表をついた内容ばかりで飽きないなw
861 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 16:20:19 ID:TrISagne
┌─────────┐
│ 基地外警報!!! |
│ 基地外警報!! |
└―――──――――┘
ヽ(´ー`)ノ
( へ)
く
862 :
読後感:2005/12/06(火) 18:11:46 ID:TEdXregz
「扉は閉ざされたまま」石持浅海(祥伝社)
サークルの同窓会で久しぶりに顔を合わせた7人の男女。
和気あいあいとした雰囲気が流れるなか、伏見は
殺人の意思を固めつつあった。
―事前に練った計画通りにことを運べば
決して失敗をすることはない―
そして計画は実行に移され、伏見の苦闘が始まった。
石持っちんは「月の扉」以来。トリックには感心したものの、
座間味くんがちょいウザ&石嶺の造形が安易に思えて敬遠してた。
しかしこれは評価高いらしいんで読んでみたの。受けた印象は
「静かな本格」。倒叙形式で淡々と進んでいく犯人と探偵
(+その他の人達)との心理闘争。探偵が暗示されたときは
「またこれかよ」と昨今ありがちな探偵像に少しうんざりした
けれども、その後読み進めるに連れましに思えてくるような処理は
してあったと感じる。動機の点で言えば、つながりが明かされた時点で見当はつくだろうね。
初めての読者はまさかそれはあるまいと消してしまうかもしれないが、
石持っちんの世界観ではありなのだろう。 扉を開けないで話が進んでいくという趣向自体は少し面白かった。
少し古畑ぽいと思ったな。
最後に犯人が迫られる選択はコロンボで観たぞと思ってたら
本スレでも指摘されていた。選んだのは違う方だけど。
いずれにしろパクりとか言う程のものではないかと。
863 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 19:35:27 ID:+7d35+Eo
すぐ前のレスに反応しない読後感は、さてはドグラ・マグラを知らない未読者だな。夢久スレで書斎さんの講議を受けて反省せよ!
864 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 19:45:09 ID:zDNDKIZW
「荒らしはスルー」の原則に忠実な読後感さんエライ
865 :
名無しのオプ:2005/12/06(火) 21:24:41 ID:obY9pZRK
乃南アサ「団欒」読みました。
家族関係をテーマにした短編集。短編集でテーマが決まっているものって、
たいてい読んでいくうちに飽きるものだけれど、これは割りと飽きずに読めた。
「ルール」は世にも奇妙な物語あたりで実写してもらえると面白いんじゃないか。
ついでに言うなら、裏表紙の作品説明文が秀逸だった。
866 :
名無しのオプ:2005/12/07(水) 11:09:22 ID:GlKmznHM
愛川晶 『化身』
第5回鮎川哲也賞受賞作。デビュー作。
最初に作者の受賞の言葉がある。
そこでプロットに自信があるように
書いてあるだけあってプロットはよい。
しかし逆に言えばそれだけか?
戸籍うんぬんは興味を惹かれず、( ´_ゝ`)ふーん だし
密室もまぁそんなもんだろうって感じだ。
インド神話も邪魔臭く、タイトルもピンと来ない。
何となくだけど読んでる時に、東野圭吾の「分身」を思い出した。
867 :
名無しのオプ:2005/12/07(水) 20:52:40 ID:N+tyjEfw
柴田よしき「猫は聖夜に推理する」読みました。
猫探偵・正太郎が活躍するシリーズの短編集。
ミステリミステリしてるつもりの番外編は、かなりやっつけ感があってちょっと失望。
6篇収録されていて、ミステリとそれ以外が半分ずつという構成でした。
作者は女性の心情を書くのがうまい。自身も女性だからか。
ついで。解説が☆や♪の乱舞でとても痛かったです。
868 :
名無しのオプ:2005/12/09(金) 00:18:53 ID:242UibTx
東川篤哉「館島」読みました。
初めのほうだけ少し読んで、ノリが軽すぎてついてゆけず。
「館」「島」この二つのキーワードにつられた自分が馬鹿でした
トリックとか館の構造とかは割といいセンいってるのに、
メインキャラの会話が痛すぎる。読むに耐えない。
めったに買わないハードカバーが壁本か……
869 :
名無しのオプ:2005/12/09(金) 21:01:45 ID:AnrT2r7g
今更ながら、高村薫のレディジョーカー。
すごい作品読んじゃったなこりゃ…
870 :
名無しのオプ:2005/12/09(金) 22:44:39 ID:6FYvFIlI
貫井徳郎「失踪症候群」読みました
表現、構成、どちらにおいても地味という印象だが、
そのぶん堅実な作品だった
現代版・必殺仕事人のよう。
ミステリというかサスペンスというか…ハードボイルド?
続編もあるようなので読んでみたい。
解説で続編のネタバレまでしちゃうのはやめてほしい
871 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/10(土) 19:35:48 ID:qpAkvARm
>>851 無事文庫化記念ということで、俺は「ミステリ・オペラ」を読んだ。
前回紹介した土屋隆夫の「物狂い」とは対照的に、第55回日本推理作家協会賞、
第2回本格ミステリ大賞、2001年このミス1位等、各賞を総なめにした大作である。
しかし、今読むと無駄に長く粗が目立つ逝ってよし状態の作という感が強い。
世紀末から新世紀にかけて、昭和という時代への挽歌(まさにミステリによるオペラ
という形を取る)として書かれ、その時に読んでこその作品だったのであろう。
ダイイングメッセージ、密室ネタ、消失ネタ、空中浮遊ネタ等、過去と現在をまたがり
ミステリが連続するものの、個々のトリックに見るべきものはなく、御都合主義と偶然性に頼ったものばかりであり、特にメーンなネタと言える空中浮遊ネタのトリックのアホ
らしさは噴飯ものである。かろうじて、列車消失トリックのみが、短編できちんと書けば
それなりに読めるものになったと思える程度か。
検閲図書館(と言うても実は・・なのだが)という、藤子不二雄Aの漫画に出て来る
ような面白いメーンテーマも十分に生きておらず、やはりミステリという枠内で南京事件といういまだに論争が絶えない歴史的事件を描き込むのは無理があったようである。
これでは、構想5年・執筆3年という鳴り物入りや作品中で登場人物が大言壮語する
「…この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、
また事実であるんだぜ…」という言葉がむなしく聞ゆるのみである。
「善知鳥良一」=「うとうりょういち」、「黙忌一郎」=「もだしきいちろう」等
の無駄に凝った登場人物のネーミングも、作者の趣味の押し付けはいい加減にしろと
言いたい。読後、私は正紀の口絵写真に向かって言うた、「心して書け!」と。
872 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 19:42:45 ID:lD1EPX1r
たしかにミステリオペラはつまらんな
873 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 19:48:48 ID:Kt4z8Yap
それ以上に書斎(ry
874 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 19:52:05 ID:xZ4vjOw0
>>871 だからってこういうネーミングもどうかと思うがねw
> 143 名前:ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 投稿日:2005/08/10(水) 22:02:22
> マイク・ブラウン 俺は銀河の流れ者 9点
> 元お尋ね者のギャラクシー・ジョーは大宇宙を流離う一匹狼だ。
> 彼の味方は、恋人でもある美人アンドロイドのミルキー・ウエイン、
> ジョーに命を救われたことがある犬の顔をしたドッグ星人アイケーンの
> 2人(1台と1匹か??)のみだ。
> 地球には存在しない新鉱物ラッパーをめぐる宇宙海賊センズリアンとの
> 争奪戦が、今、始まる。
> 鬼才マイク・ブラウンが書き下ろした渾身のSF大作だ。
875 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 21:23:48 ID:0EfJHEal
> 無事文庫化記念ということで、俺は「ミステリ・オペラ」を読んだ。
文庫化されたのは三ヶ月前。今頃読み終わったのか?
> 2001年このミス1位
1位は「模倣犯」だ。
> 作品中で登場人物が大言壮語する
> 「…この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、
あーあ、文庫版の表4から引き写したのがモロバレ。
間違いなく読んでないな、こいつ。
> 読後、私は正紀の口絵写真に向かって言うた、「心して書け!」と。
もし文庫版に対しての行動なら阿呆と言わざるをえない。
何十年前の山田氏に説教してるんだお前はw
※ せめて親本の著者近影に差し替えろよH書房……
876 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 21:36:08 ID:afSrcqEY
877 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 21:51:00 ID:QbXrEgk+
>>871 お前の書き込みのアホらしさも噴飯ものである。
878 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/10(土) 22:54:22 ID:S1JV/93e
>> 作品中で登場人物が大言壮語する
>> 「…この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、
>あーあ、文庫版の表4から引き写したのがモロバレ。
>間違いなく読んでないな、こいつ。
コテハン叩き目的(=荒らし)のレスとして読んでも出来は悪いな。
前提と結論に飛躍があり過ぎで、そこに論理のかけらも見ることが出来ないのは、
ミステリファンとしては悲しいところである。
そもそも、「ミステリ・オペラ」という作品を読んで、
>「…この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、
本編中に繰り返し登場するこの文言に言及しない論考はあり得ないと言うてもよい。
いまだに太平洋戦争中で最大の歴史ミステリであり、デリケートな問題も含む事件だが、
それだけに真っ向から書いて欲しかったものである。
幻想に逃げた時点で駄目ぽか。
879 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 22:57:21 ID:QbXrEgk+
880 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 23:04:31 ID:afSrcqEY
そして肝心かなめの間違いの指摘はスルー。
IDも変わっているし。
この程度の言い訳しかできないならコピペしなけりゃいいのになw
881 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 23:17:08 ID:jA1tV1hw
> そもそも、「ミステリ・オペラ」という作品を読んで、
> >「…この世には探偵小説でしか語れない真実というものがあるのも、
> 本編中に繰り返し登場するこの文言に言及しない論考はあり得ないと言うてもよい。
これがコピペ厨肛門君の、読んでいるという言い訳らしいですね。
言い訳になっていないことに気付いていないのかな?
882 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 23:27:56 ID:m6p5PpKV
883 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 23:29:55 ID:afSrcqEY
884 :
名無しのオプ:2005/12/10(土) 23:30:26 ID:afSrcqEY
あげちまった・・・スマソ
885 :
名無しのオプ:2005/12/11(日) 15:03:41 ID:y2T6Fbjw
最悪板のレスなら叩きがあって当然なのに、
わざわざコピペして文句つけている人っていったい・・・
自分がしでかした間違いの指摘を完全に無視するのなら、
最初からその部分をコピペしなければいいのにまったく・・・
886 :
名無しのオプ:2005/12/11(日) 21:51:44 ID:23S4Y9h+
久坂部羊「廃用身」読了。
Next
垣根涼介「ワイルド・ソウル」。
887 :
名無しのオプ:2005/12/13(火) 22:08:54 ID:Hrc+vx4G
垣根涼介「ワイルド・ソウル」読了。
Next
池澤夏樹「マシアス・ギリの失脚」。
888 :
名無しのオプ:2005/12/14(水) 09:06:42 ID:ntG6vQdp
感想くらい書いたら?
889 :
名無しのオプ:2005/12/14(水) 17:31:10 ID:kG1FP/c9
泡坂妻夫 『11枚のとらんぷ』
派手なようで思ったより地味だったんだけど、
後半の謎解きでの膨大な伏線の回収は大いに燃えた。
作中作もよい出来。良作。オススメ。
890 :
名無しのオプ:2005/12/14(水) 18:09:49 ID:GX8kbEnW
>>889 登場人物覚えるのにちょっと苦労するけどな
まあ月光ゲームほどではないがw
891 :
名無しのオプ:2005/12/14(水) 19:12:42 ID:XsmFALtt
>>889 「11枚のトランプ」、今は亡き幻影城刊のアンカットフランス装
(ペーパーナイフで切りながら読むやつ)で読んだせいか、
ヒジョーに印象が強い。
今思うと、そのまま開かずにとっておけばよかったんだけどさw
感想じゃなくてすまん。
892 :
名無しのオプ:2005/12/14(水) 19:22:48 ID:kG1FP/c9
893 :
読後感:2005/12/14(水) 20:13:16 ID:zALf7M0m
「春期限定苺タルト事件」米澤穂信(東京創元社)
小市民を目指す二人の中学男女が出くわすささやかな事件の数々。
安楽椅子的な要素を含むラノベ本格。
ラノベに偏見はないはずなんだよね。厨房の頃はスレイヤーズや
爆れつやゴクドー読んでたし。ただインポケや文春で久美沙織が
回答してるのみると何かムカつくから芽吹いて来てるのかも。
閑話休題。ベストは「おいしいココアの作り方」かな。正に論理の
アクロバット! 次点は「FOR YOUR EYES ONLY」「狐狼の心」が同率。
ミステリーとしての出来は抜群で同じラノベでもこないだ読んだ
「たんてーさん」とはうんケーの差。だが話的には向こうのが上。
男はともかく女の方から小市民足らんとしている感じが
伝わってこない。ついでに言えば「狐狼」における彼女の行動も
運が良かっただけで軽率なのは間違いない。その辺雑かな。
続編も読みたいとは思わない。
894 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/17(土) 17:05:26 ID:8LoV/sfr
鷹木ガナンシア敦「都市伝説的中華人民驚話国」(新宿書房)を読んだ。
非常に面白い本だが、こういったマイナー志向の著作は、一般書籍板等でも
話題になりにくく、内容的にミステリ、ホラーなネタ満載ゆえ、
あえて当板で取り上げてみた。
「人民解放軍、雪男を射殺!!」「祖父は宇宙人だった」「魚眼人誕生!!」
「魔女狩りの村」「香港の『花子』さん」等々、本書で紹介されたエピの極一部
のタイトルのみを列挙しても、そのトンデモぶりが覗えることかと思う。
(しかも、これは現代も現代、全て世紀末から新世紀初頭にかけての話なのである)
著者は、香港の大学を出ていることもあって、熱い中華びいきかと思いきや、
文中で見る限りでは、共産党政権にはシビアな姿勢、中国という国そのものに対しても、
いまだに中世的な部分を多く残し、人権感覚には問題有りと、かなりクールな姿勢
を取っている点で、かえってその情報にも信頼が置ける感がある。
版元は、かって今に到る都市伝説ブームの端緒となったアメリカ都市伝説研究の
基本書「消えるヒッハイカー」「ドーベルマンに何があったの?」を刊行しており、
遂に、ベールに包まれていた中国版の登場とも言い得る。
895 :
名無しのオプ:2005/12/17(土) 18:43:02 ID:IjAU0RQK
>あえて当板で取り上げてみた。
いまさら何言ってるの?
896 :
名無しのオプ:2005/12/17(土) 19:23:42 ID:Lgi5Nxm5
897 :
名無しのオプ:2005/12/17(土) 20:16:16 ID:1L44qYM1
898 :
304:2005/12/17(土) 23:02:14 ID:oPonZuc3
「半落ち」横山秀夫
まったく泣けなかったんだけど・・・どうなんでしょ?
理由も思ってた通りだった。(アレ読んでるとピンと来るね)
映画の方は感動するのか?
まあ読みやすかったし面白かったけどね。
899 :
名無しのオプ:2005/12/18(日) 18:03:01 ID:prvdiQBh
鳥飼否宇『中空』(角川文庫)【6点】
横溝正史賞優秀作。近年精力的に本格畑を耕す氏のデビュー作。
鹿児島の竹林で荘子の思想を奉じる山村で発生する事件。
村人たちの正体にはちょっと膝を打ったが、あとはトリックも
デジャブあり。村の人物の書き分けも難ありで、町のバーの
メンバーは必要なのか? 探偵とワトソンの関係も説明が不充分で
シリーズの途中の一作品みたいだ。構成にも芸がない。
900 :
名無しのオプ:2005/12/18(日) 22:57:41 ID:VWpBOpRi
麻耶雄嵩「蛍」読みました。
作者は人間の書き分けがうまくないので、
登場人物だけでも把握しようと思いメモしつつ読んでみた
それが吉と出て、例のトリックに気づくことができた
* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ 私の推理はめったに当たらないので嬉しい
まやはいつのまに文章うまくなったんだ。
901 :
名無しのオプ:2005/12/19(月) 10:02:35 ID:pLmTarTd
推理して読むって面白いか?
俺はむしろおぼろげに考えてた推理があたるとがっかりするんだけど。
だから極力推理なんてしない。
902 :
名無しのオプ:2005/12/19(月) 17:40:39 ID:DVHqk1kQ
どうせ当たらないだろうと思って、適当に推理して
「お、これなかなか面白いな。このネタ使って短編でも書こうかな」って
のが思いついたとき、それが解答だとすげーがっかりする。
903 :
名無しのオプ:2005/12/19(月) 19:24:06 ID:W5Fi9E/p
島田荘司『摩天楼の怪人』(東京創元社)【8点】
若き日の御手洗が、大女優の残した謎にいどむ。
怪しいファントム・嵐の夜の瞬間移動・時計の針による頚部切断・
ヒエログリフの暗号・謎のガラス爆発事件など、ワクワクする道具立て
満載。解決に割り切れない疑問も残るが、相変わらずの豪腕ぶりに満足。
お値段がちょいと高めでマイナス0・5ポイント。
904 :
名無しのオプ:2005/12/19(月) 20:59:19 ID:goVYOMJZ
>>902 森博嗣が綾辻の時計館を読んだ時そんな感じだったとか
905 :
読後感:2005/12/20(火) 19:49:55 ID:TK6woAml
「犬はどこだ」米澤穂信(東京創元社)
アトピーのせいで銀行を辞め調査事務所を開設した紺屋は
当初犬探しを主な業務にする予定だったが意に反して
舞い込んだ依頼は人捜しと古文書の解読だった。押し掛け所員の
半田とともに調査を開始するが、二つの調査は思わぬつながりをみせる。
読みやすい。いちごタルトよりしつこくない感じ。翻訳物に
慣れてるせいか、細かい描写をうざく感じちゃうのよね。
後半に入るまでは別に読まなくてもよかったかなと思っていたが、
真相が明かされるに至りそれまでのどこかのほほんとした雰囲気が
一転不気味になっていくのをみて少し評価を改めた。
Jの世界観というかね。それでもこのミス9位というのはおかしい。
あと3つばかり気になったことが。
1、自分語りのうち恋人との別れだけが中盤に語られている点
2、半田があの名前を聞き流している点
3、犯人が、標的が半田と同じ入手方法を取る可能性を
無視している点
この人はもう当分読まないな。
906 :
名無しのオプ:2005/12/20(火) 23:54:45 ID:WEuQFpHq
>>905 誉めてるんだかけなしてるんだかよくわからんな
907 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 06:47:57 ID:Da2mfsYp
>>905 自分は読みやすさのせいであの順位に留まったのだと思う
重厚な文体で書かれていたなら冒険小説系の投票者にもっと受けたはず
米澤穂信にそんな文体求めていないけどね
908 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 20:18:12 ID:76D+eGg2
>>905 2は、俺も少し気にはなったな。
あまりにもご都合主義的じゃないかと。
909 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 20:45:30 ID:QkrU4mC2
910 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 22:02:18 ID:U4L/aq8/
911 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 22:15:39 ID:Jzi/QV8u
912 :
名無しのオプ:2005/12/21(水) 23:40:19 ID:lRTcrqlH
913 :
名無しのオプ:2005/12/22(木) 00:51:50 ID:XEge3vQ1
わかったよ。オレも読んでみるよ。
914 :
名無しのオプ:2005/12/24(土) 00:02:20 ID:P0YyjlQx
藤原伊織「シリウスの道」を読んでみた。
結論から言うと面白かった。
面白かったのは確かだが、これをミステリっていうかね?
読後感としては逢坂剛の「あでやかな落日」とほとんど一緒といってよく、
両方とも業界内幕もののディテールで読ませるが、これはいわゆる「企業小説」
「ビジネス小説」のくくりで捉えるべき小説だと思う。
それを帯で堂々と「話題沸騰の長編ミステリー」などと謳えるのはやっぱり
ミステリーとした方が世間では通りがいいんだろうか、などと思ってしまう。
915 :
名無しのオプ:2005/12/24(土) 00:12:28 ID:UgFxSqoT
藤原伊織「シリウスの道」
自分はダメだった。全然ダメ。
ミステリ?っていうのもそうだけど、冒頭から著者の『業界に精通してます』的な文章が堪えられなかった。
916 :
名無しのオプ:2005/12/24(土) 01:36:44 ID:VUezbVWb
まあもうじき死ぬから勘弁してやって
917 :
名無しのオプ:2005/12/24(土) 21:50:21 ID:/VW7iOcS
>>915 実際精通してるからな。
俺は非常に楽しめた。ミステリとしては全く評価できんが、代理店の事は良く書けてて面白いね。
別に作者が病床にいるから、ということ関係なく良い本だと思うよ。
918 :
名無しのオプ:2005/12/25(日) 23:03:25 ID:0NObnzEk
小笠原慧「手のひらの蝶」角川書店
おもしろかったな〜。
万人ウケするかは分からないけど凄く好きだ。
医療がらみの専門用語が並んだとこは斜め読みになってしまったが、
おもしろかった。
919 :
名無しのオプ:2005/12/26(月) 00:08:11 ID:ZXmB/HMU
雫井脩介 「火の粉」 幻冬舎文庫
元裁判官梶尾勲の隣家に、梶尾が無罪判決を下した男が引っ越してきて、
その後不可解な事件が起こるという話。
貴志祐介の「黒い家」に通じる怖さがあるが、緊迫感は今一つ。
ラストのまとめ方は貫井徳郎の「殺人症候群」に似てる気もした。
920 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/29(木) 20:55:12 ID:rZkyKqBj
村上征勝「シェークスピアは誰ですか? 計量文献学の世界」を読んだ。
少し前に出版された本だが、文献の分析から作者の正体へと迫ってゆく過程は、
まさにミステリそこのけの面白さである。
怪人21面相の脅迫状に関する内田康夫の推理なども紹介されているが、
メーンをなすのは、著名な文学作品の分析であり、
有名なシェークスピアの正体、「源氏物語」の作者は紫式部だけの手になるものか?等
単語の長さ、言葉の使用率等文章の数量的な分析が科学的なものであることを実感
させる書である。
本書を読むと、2ちゃんねるで匿名のレスを巡って妄想を撒き散らしている輩は、
まさに典型的なアホに見えて来る。(いわゆる2ちゃんねらーレベル、2ちゃんねらー風情
というやつか)
筆者のプロファイルは、
68年 北海道大学工学部卒
73年 スタンフォード大学大学院統計学科修士課程修了
74年 北海道大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学
統計数理研究所教授、総合研究大学院大学教授等を経て、
現在、同志社大学教授。統計数理研究所名誉教授。工学博士。
著書 「真贋の科学―計量文献学入門」
「文化を計る―文化計量学序説」等
これだけのキャリアがあってこそ、はじめて、文献の分析について語り得るのである。
上記の点、心しておけ!
921 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 21:12:03 ID:rn6PvB6p
と、低学歴でキャリアのない奴がほざいておりますw
922 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 21:12:54 ID:uTNrRKie
>>920のような中身のない文章を長々と書き込む馬鹿こそ、
典型的なアホに見えて来る。
923 :
名無しのオプ :2005/12/29(木) 21:50:57 ID:OjR6RKAL
宮部みゆき「蒲生邸事件」
を読んだのだが・・・これってミステリ?
読み終えてなお時間旅行者という言葉に
しっくりこないのだけど・・・
924 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 21:56:36 ID:bxjXJGlm
何でいちいち突っ込むんだ?
華麗にスルーしろよなー
925 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 23:12:33 ID:rjKcWpz6
>>923 どこかでミステリと書いてあったのでしょうか?
宮部みゆきはミステリを期待して読むと外します
926 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 23:21:50 ID:C/OECw+5
>920
>これだけのキャリアがあってこそ、はじめて、文献の分析について語り得るのである。
じゃあお前自身が語れないじゃん。
バカ?w
927 :
名無しのオプ:2005/12/29(木) 23:30:19 ID:TVCYyb9u
なんで今さら書斎の相手するヤツがいるんだ
928 :
名無しのオプ:2005/12/30(金) 00:01:44 ID:lV1ZWyDt
自作自演ぽ
929 :
名無しのオプ:2005/12/30(金) 02:25:54 ID:GEtqEozs
>>925 密林で極上の宮部ミステリーとあったが・・・
そうか、宮部と頭に付いているミステリはミステリじゃないんだな。
930 :
名無しのオプ:2005/12/30(金) 06:37:39 ID:yyvOjVBR
蒲生邸事件は自分はまあまあ面白かったけどな。
宮部作品では模倣犯、火車の次くらい。
レベル7、魔術はささやく、龍は眠る、理由よりは良かった。
931 :
:2005/12/30(金) 14:19:55 ID:esotHBC6
>>929 宮部がミステリじゃないなら
恩駄はどうなる
932 :
名無しのオプ:2005/12/30(金) 14:30:09 ID:BrNAWRAd
恩田はミステリじゃないだろう
933 :
名無しのオプ:2005/12/30(金) 23:46:37 ID:mZDxudYz
「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」CNOVELS 誉田哲也著
帯見たら次がもう決まってるみたいだから、
単にシリーズ物だと解釈して手に取ってみたんだが…
続き物かよ!
(いやその言葉で済ますのは語弊もありそうだが)
結構面白く読めたことは読めたし、
多分次も買うと思うけどさあ…
普通に?読み切りだと思って買ったから何となく割り切れん(苦笑
934 :
書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2005/12/31(土) 17:03:35 ID:WqC21Sui
楡周平「再生巨流」を読んだ。
書評等では、今年前半に少しだけ話題になったが、城山三郎ブーム時や
高杉良作品がベストセラーランキング上位にあった時など、経済・企業小説が
売れ筋だった時代であれば、もっと話題になったかもしれない作品である。
内容的には、大手運輸会社のやり手の管理職(営業・部長)による
業界そのものを一変させるほどの通販の新規事業立ち上げの過程を描いた冒険小説的
興趣に富むものであり、ここには、中高年リーマンを主人公にした場合に
ありがちな諦観めいたもの、酒場の愚痴めいたものは皆無である。
経済・企業小説と言うても、会社組織やその中に生きる人間群像を描いたものという
よりは、タフな主人公が新規事業立ち上げの前に立ち塞がる内外の難関をいかにクリア
してゆくかという点が最大の読ませどころであり、準主役的ではあるが、
野球選手あがりのセールスドライバー、その妻のK大生(環境情報学部)、
(この2人は、コミックモーニング的キャラで現実性を欠き感心しないものがある)
唯一の部下であるリストラ候補の30代社員、社長を初めとした会社幹部たちも全て
手駒あるいは乗り越えるべき障害に過ぎないように見える。
本書のような作品を読むと、男の生き様を描いた現代の冒険小説(都市を舞台にした
冒険小説とも言えるハードボイルド・ミステリも含めて)は、最早、経済・企業小説という形でしかリアリティを持って成立し得ないという気がする。
注意せねばならないのは、本書中で主人公が創業者でもある社主の自宅に新規事業実現の
ための直訴に及び成功するシーンがあるが、これも劇画的・漫画的過ぎて白ける面もある。
アホな2ちゃんねらーは、くれぐれも本気にしないことである(w
935 :
名無しのオプ:2005/12/31(土) 17:12:04 ID:KNMGmAUl
あ、そう。
936 :
名無しのオプ:2006/01/03(火) 12:53:21 ID:p+w1IIBz
アホな2ちゃんねらーとか言ってるのに何故2chに書くの?
自分のblogとか作ればいいと思うのだが・・・
937 :
名無しのオプ:2006/01/04(水) 00:19:48 ID:3VMSleP+
938 :
名無しのオプ:2006/01/04(水) 21:27:15 ID:12yunMAb
>>936 足りない頭絞って毎日一生懸命「論考」とやらを書き込んでも、誰も褒めてくれないどころか
バカにされてるという現状を、自分の駄文を評価しない2ちゃんねらーがアホだってことにして
誤魔化しているのです。
939 :
名無しのオプ:2006/01/06(金) 17:17:18 ID:raIpwZRv
光原百合『十八の夏』読了。【8点】
花をモチーフとした短篇集。
表題作は日本推理作家協会賞短篇賞受賞。
日常の謎を明確に押し出すのではなく、あくまで小説として読ませ、
その中で伏線を張ってミステリとして成功させている。
『最後の約束』や、光原氏の解説・エッセイなどに見られる氏特有の
腐女子的ミーハー気質もあまり気にならない。
940 :
名無しのオプ:2006/01/07(土) 08:58:11 ID:wtnURIaE
「島崎警部のアリバイ事件簿」 天城一
「密室犯罪学教程」はあまり好みではなかったので、あまり期待を持たずに読んだが、
これは意外に面白かった。
登場人物が全作ほとんど類型的で、動機なども毎回ワンパターン。
それでも読ませる。
時刻表トリックなど無味乾燥な代物という先入観があったが、当時のダイヤグラムの不備など
よくできたパズルを解いていくような興趣がある。
一つ疑問点があったので知ってる人がいたら教えて。
58ページに「アンフェタミンを自白剤として使う」というくだりがあるのだが、アンフェタミンてシャブのことだよね。
こんなものが自白剤として使えるのか?つうかそこまで使ったら死ぬぞ普通w
また別のページでは警察が自白剤を使ったりしているところもある。
いくら何でもこれは無理だろう。
なんとも当時の時代背景が偲ばれるとでもいえようか。
941 :
名無しのオプ:2006/01/07(土) 09:10:23 ID:nq12SSvH
942 :
名無しのオプ:2006/01/07(土) 20:00:31 ID:b6Q6jO0K
東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』読了。【8点】
著名脚本家によってある山荘に召集された劇団メンバーたち。
次々と姿を消していく登場人物。オーディションの続きか、
あるいは本当に殺人事件が起こっているのか?
ありがちなシチュエーションながら、必然性のある(メール)によって
真相を効果的に演出する。
コンパクトな佳品。よくブッコフで100円で見かけるので、ぜひご一読を。
リアルタイム(1992年)で読んだ人はもっと楽しめただろうなあ。
943 :
名無しのオプ:2006/01/08(日) 15:47:57 ID:CaJkSIBk
高橋克彦『星の塔』読了。【7点】
短篇集の感想3連投。
東北の民話をうまく取り込みながら、現代を舞台としたホラー小説に
仕上げる手腕は上手い。ホラーというよりも怪談めいた短篇も。
お得意の(メール欄)を出しやがったのでマイナス0.5点。
944 :
名無しのオプ:2006/01/08(日) 16:32:07 ID:CaJkSIBk
島田荘司『最後のディナー』読了。【5点】
なんというか、石岡ファンのための近況小説。
ミステリーの要素はあまりないが、「大根奇たん」は
ある意味盲点を衝かれた。小説は上手いのでそこそこ読めるが、
里美はもういらない。
945 :
:2006/01/08(日) 17:44:17 ID:3VSXMUaf
946 :
名無しのオプ:2006/01/09(月) 00:23:15 ID:ruFWzsBx
森博嗣 『探偵伯爵と僕』
ミステリーランド。面白かった。
ミステリとしては別に何とも思わかったけれどね、面白かった。
しかし、これを読んだ子供がミステリに食指を伸ばすのかは疑問。
ミステリーランドって名前はどうなんだろうね?
(ミステリじゃない人も書いてるしさぁ)
947 :
名無しのオプ:2006/01/09(月) 18:04:50 ID:eXqNLqAi
>>945 そうだったのか・・(´・ω・`) カイダーン
二階堂黎人編『新・本格推理01』(光文社文庫)読了。【7点】
おなじみの新人公募形式の本格推理短篇集。
東篤哉や加賀美雅之(別名義)のアマ時代の作品も収録。
前編者鮎川御大と違い、ストライクゾーンの狭い編者のせいで
やや低調な本シリーズだが、本巻収録の「時刻表のロンド」にはわろた。
あと、「東京不思議DAY」の(メール)にはくだらなさすぎw
948 :
名無しのオプ:2006/01/11(水) 19:46:35 ID:ZvEcwZmE
蘇部健一 「六トン2」
バカミス。というかただのバカだろう。
何でこんなものが商業作品として流通してしまうのか理解に苦しむ。
六トンよりさらにレベル下がってるし。
でも最後の「きみがくれたメロディ」で泣いてしまった。。。
蘇部っていい人なのかもしれないと思ってしまった。不覚。
949 :
名無しのオプ:2006/01/11(水) 22:32:24 ID:Zu4exqF2
大沢在昌『砂の狩人』読了。
読めば読むほど期待を裏切ってくれる内容でした。
もちろん、悪い意味で。
950 :
名無しのオプ:2006/01/13(金) 23:18:57 ID:VzRIysp7
倉知淳『星降り山荘の殺人』読了
やられた。
読み終わると、なるほど確かに。
951 :
名無しのオプ:2006/01/14(土) 16:03:26 ID:UjkDK6uh
二階堂黎人編『新・本格推理02』(光文社文庫)読了。【6点】
おなじみの新人公募形式の本格推理短篇集第二弾。
東篤哉や加賀美雅之(別名義)のアマ時代の作品も収録。
うーむ、妙に堅苦しい作品が多かった。編者の意見に従いすぎなのかな。
無視すると採用してもらえないからねえ。
密かに「恐怖時代の一事件」の作者に期待。
952 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 08:57:26 ID:MBngQv3k
石持浅海「扉は閉ざされたまま」読了
感想箇条書き
1.犯人の動機 そんなんで人殺すなや。相変わらず自分勝手で高潔な理由での自己満足的犯行
2.登場人物 月9のトレンディドラマか?読んでる途中恥ずかしくなってくる。
3.探偵役の女 なんか いけすかん あの場であそこまでしつこくこだわったらせっかくの同窓会ぶち壊しだべ?(実際 ぶち壊しだけど)
4.結末 で,結局 犯行は隠蔽されたの? 容疑者Xとは逆の結末で・・・
5.結局 こんなトリック思いつきました。で,こんな設定で登場人物を動かしてみました。という感じ。
まずトリックありきで,物語が弱い。パズラー好きにはいいかも知れんが,物語を読みたい派の俺には合わなかった。
953 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 13:28:06 ID:xSHAzlZP
>>952 そもそもあれしきの工作だけで、誰も事件性を疑わないと確信している主人公は
かなりイタイと思う。
954 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 15:17:55 ID:mYek5UZM
二階堂黎人編『新・本格推理03』(光文社文庫)読了。【8点】
おなじみの新人公募形式の本格推理短篇集第三弾。
大山誠一郎のアマ時代の作品も収録。
小貫風樹なる新人の三作収録が目をひく。
とくに「とむらい鉄道」は上手い!
青木知己「Y駅発深夜バス」も島荘の短編みたいでよかった。
青山・園田は常連枠? 正直つじつまあわせに退屈だった。
955 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 15:26:48 ID:ISn3QTPK
>>952 オレも「扉は〜」は合わなかった。
というより、優佳って女にムカついてしょうがなかった。
東野もそうだけど、本格系の作家って、
性格の悪い女をヒロインに据える傾向があるよな。
956 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 20:12:23 ID:Q/1RYC0p
優佳が性格悪いのはわざとだよ、名探偵(役)だもん(コロンボだって性格悪いでしょw)
問題は主人公が抵抗する気がまるでなく、情けないこと
957 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 20:26:26 ID:gdZ8IZqR
コロンボの性格の悪さは見ててニヤニヤ出来るんだけど
優佳の場合はひたすら腹立つw
958 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 21:09:36 ID:AJTUmGMb
井上夢人「クリスマスの4人」
途中でまさかこれがトリックということはないだろうなぁ
と思っていたらその通り
ある意味禁じ手
959 :
名無しのオプ:2006/01/15(日) 22:38:37 ID:a11u8kVi
鯨統一郎 「庖丁人 轟桃次郎」をよみました
邪馬台国〜、九つの〜などと同じパターンで短編の連作なのですがオチが読めるとか、後味がわるいなどの批評はあるようですが個人的には面白かったです
960 :
名無しのオプ:2006/01/16(月) 09:18:32 ID:IMNYNkcW
「隠蔽捜査」今野敏 読了
警察のキャリアを描いた内幕モノだが、去年「このミス」で上位にきた、
横山の「震度0」よりはこちらのほうが出来がいいように思えた。
むこうが登場人物のキャラ設定が平坦で、盛り上がりに欠けるのに対し
こちらはそれぞれキャラが立っていて、話しが盛り上がるころには
読者が登場人物を背景まで把握でき、感情移入できる。
現場と事務方、キャリア同士の確執に加え家族に起こる事件も盛り込まれ、
300ページと読みやすい長さに、落としどころもスッキリと決まった良作であった。
961 :
名無しのオプ:2006/01/16(月) 22:46:40 ID:DTDvI6D2
東野圭吾『悪意』読了。
包丁投げに笑ってしまった。
やるなよ、学校で。
962 :
名無しのオプ:2006/01/17(火) 11:22:45 ID:yK8/LVZV
「九月が永遠に続けば」沼田まほかる
ホラーサスペンスと帯で煽ってたけど、全くホラーでも
サスペンスでもなかった。
取材や調査しないで、自分の知ってることだけで書いた話って印象。
悪い意味でリアリティなし…
40過ぎの主婦が20代自動車教習所教官といとも簡単にセックルとか、
不自然な喋り&思考の高校生男女とか、
文体に俺チャンorアタシ素敵臭(白い蘭のような耳w)が漂ってるとか、
ヒロインの息子の担任が無意味にホモとか、
その他いろいろ不満。
何よりも全体の雰囲気が悪い。
コンクリート事件の被害者を彷彿とさせる登場人物に
悲惨な結末を迎えさせてるのが最悪。
性犯罪で心神耗弱状態の患者と中出し婚してる異常な
院長がいる精神病院もワロス。
家族が文春あたりに駆け込んだら終わりじゃんw
963 :
名無しのオプ:2006/01/17(火) 12:12:36 ID:/py6VrYx
>>962 それ俺もあんまり面白く感じなかったな。
ただタイトルは良いね。
964 :
名無しのオプ:2006/01/17(火) 22:58:01 ID:E/sojfJh
そのタイトルに惹かれて読んだくちだよオレは。
年齢にそぐわずオサレなタイトルをつけるよね。
965 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 07:10:08 ID:uTX+lnSZ
素人でもタイトル付けのセンスだけはいい奴はいるからな
966 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 13:30:14 ID:4fWyKmz6
山川方夫「親しい友人たち」(講談社文庫)
名作中の名作「待っている女」と「夏の葬列」は説明不要。鋭い切れ味と、
その後に残る余韻は日本のショート・ショート中、随一だと思う。なお前者
は、「ドッペルゲンガー」テーマのホラーとしても読めるかも。
「蒐集」は、チラッと覗くグロテスクさが印象に残る、所謂「奇妙な味」の
作品。「博士の目」「恐怖の正体」も同様だが出来は良くない。
「はやい秋」と「非情な男」は知る人ぞ知る「叙述トリック」作品。前者は
××錯誤、後者は○○錯誤のトリック。但し出来栄えは凡庸。
「メリイ・クリスマス」は佳作だが、ミステリとは言い難い。残りの「ジャン
の新盆」「赤い手帖」「愛の終わり」と「菊」は、良さが分かりませんでした。
その他、表題の連作以外のショート・ショートでは、「十三年」と「お守り」が
有名だが、これらは星新一風のオチに拘って、著者の作風が伝わってこないと
思う。「予感」「箱の中のあなた」も同様。
むしろ、余り知られていない「トンボの死」「新年の挨拶」の方が、「奇妙な味」
系の作品として優れていると思う。
いずれにせよ、全体としてはレベルの高い作品集。復刊すべし。
967 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 13:33:41 ID:0OL5laBo
「砂漠の薔薇」新堂なんだっけな?無間地獄の人。
まんまヤマダミツコ容疑者ネタで、内容も週刊誌にかかれてた
お受験ママ心理&合格必勝情報がどうたらの記事と一緒。
犯行手口とか犯行後の行動がほとんどヤマダ容疑者。
少しは独自性を出さないと、クレームがきそうだw
俺は親に不満もないし、母親じゃないからかもしれんが、
殺害動機も微妙っていうか、感情移入できない。
所帯臭いっていうのかな。
犯人に限らず、きんもー☆で頭悪いおばさん達の話だった。
968 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 20:28:50 ID:1H/ifrSX
>>966 ミステリ板で山川方夫なんて名前を見かけるとは思わなんだ。
この人ってこんな小説も書いてるのか。
興味がわいたんで、図書館で探してみるよ。
教えてくれてありがd。
969 :
名無しのオプ:2006/01/19(木) 20:51:08 ID:OURjs/lt
というか、その短篇集は「ヒッチコック・マガジン」に連載されたショート・ショートを集めたものだぞ。
970 :
名無しのオプ:2006/01/20(金) 02:38:59 ID:peJMywJg
「星降り山荘の殺人」 倉知淳
評判がいいので読んでみた。
なるほど、水準以上の作品であるのは認める。
もう少し「雪の山荘」らしい緊迫感があればよかったのに、
とは思うが。
それでも、後半探偵役の披露するロジック葉見事で
読み応えがあった。
ただ、私は「ある事情」から早々に真犯人がわかってしまったので
、あまり楽しめなかった。だってメ蘭なんだものw
ただ、犯人当てというだけなら、結構当てた人が多かったのでは?
という気もする。引っかかる描写が多かったし。
実は二年前に一度買って読みかけたのだが旅行先で紛失して
しまったので、今回二冊目でやっと読了できた。二冊とも定価で購入したオレは負け組みか?
971 :
名無しのオプ:2006/01/20(金) 06:30:39 ID:+O+RGIYe
「九杯目には早すぎる」 蒼井上鷹
小説推理新人賞を「キリング・タイム」で受賞した著者のデビュー作。
同作のほか、去年の酔狂賞短編部門の候補作になった
「大松鮨の奇妙な客」も収録されている。
内容は短編が5本とその間にショートショートが4本。
熱燗、芋焼酎、モスコミュール、ギネス、バーボンなどなど
いずれも酒と酒場にまつわる話。
初めて読む作家だったので正直期待してなかったのだが、面白かった。
どの作品もキレがすごい。
短編はどれも中盤までは普通の展開をするのだけど、
いきなり背負い投げられ、怒涛の展開からキレのあるラストに着地する。
お気に入りは「タン・バタン!」。ラストが最高。
ショートショートはあっさりしてて、短編の息抜きにちょうどよかった。
表題作には思わず噴き出した。
個人的には次が気になる作家です。
972 :
名無しのオプ:2006/01/20(金) 09:19:26 ID:T3cdsz51
ニヤニヤ
973 :
名無しのオプ:2006/01/21(土) 02:03:56 ID:8GMoW8sl
綾辻行人『迷路館の殺人』読了。
作中作は自分に合わないようだ。
ラストの小さな仕掛けが一番面白かった。
974 :
名無しのオプ:2006/01/21(土) 10:20:07 ID:VCekb0NA
オレは作中作大好きだけだけどなー。
でも迷路館はあんまり面白くなかったけどね。
975 :
名無しのオプ:2006/01/21(土) 14:34:35 ID:sNtEXlAL
迷路館大好きですよ。
たぶんラストの小さな仕掛けが
一番の見せ場なんだと思う。
最初に喰らったメル欄がこの作品だったのは
大変良かった、と巡り合わせに感謝してます。
976 :
名無しのオプ:2006/01/24(火) 15:48:51 ID:4inOBI6m
人形館の殺人
囁きシリーズと同じパターン…
この作者の本読むのは4冊目だけど、どれも登場人物に魅力がなく
つまらなくも面白くもない内容。
977 :
名無しのオプ:2006/01/24(火) 15:51:22 ID:4inOBI6m
華の下にて 内田康夫
犯人に○○促がす探偵は引いてしまう
978 :
名無しのオプ:2006/01/24(火) 16:36:03 ID:sR735JnB
さんざんガイシュツだろうが
「容疑者xの献身」東野圭吾
読んでいる最中に直木賞受賞のニュースを知ったけど
受賞して当たり前と、読了前に納得してしまった
久々にミステリーで泣いた・・・
979 :
名無しのオプ:2006/01/24(火) 21:07:01 ID:NsQEdlB6
ウロボロスの偽書 竹本健治
おもしろくないわけじゃないけど、読み進むにつれて
ついていけなくなった…
メタなんとかっつの?
980 :
猫の手:2006/01/25(水) 02:34:01 ID:OtrAwGjS
みなさんのお力を貸してください!
日本のミステリー小説で
女性が印象的に殺されるシーンがある本を教えて下さい!
981 :
猫の手:
みなさんのお力を貸してください!
日本のミステリー小説で
女性が印象的に殺されるシーンがある本を教えて下さい!