エドワード・D・ホック

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477書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
勝ち誇ったように愚論を書き殴っている>>465,>>470が痛々しい。
本邦の作家(横溝御大、大乱歩等)の場合にも該当することだが、
まずはテクスト自体の読解が第1なのであって、
作者の言は何ら理論的な根拠とは足り得ないという簡単な事実がなぜ理解出来ないのか。
作者は作品について一番好き勝手を言えるスタンスにあるという点を忘れてはならない。
ただし、自伝における言はアガサの「トリック」である可能性にも言及しておこう。

「クィン氏の事件簿」に関する読解を総括しておく。
第1話において、メーンの謎解きをクィンにさせ、その名探偵ぶりを示しておく。
以後、最終話前までのエピでは、常にクインの影をミステリアスに示しながら、
サタ爺に謎解きを行わせる。そして最終話中の2人の会話により、サタ爺の探偵能力は
クインの影響力によるものであったこと、
すなわち、サタ爺はクインの傀儡(探偵の名にはふさわしくない)に過ぎず、
物語の実質的な探偵はクインであったことが明確化される。
これが本作の基本構造であり、ゆえに、クインを探偵と判断した版元(創元・早川)は
作品の趣旨を正確に理解したものとして妥当と言い得るし、
サタ爺をクリスティの創作した探偵と見るメジャーな論考が皆無なのも当然である。
専攻のクリスティ・スレの連中も巻き込みたいゆえ、以後はリンク先で。
心して来い!

アガサ・クリスティ・スレ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1215186971/l50


過去ログに論考もあるが、ノンキャラ作品集「夜はわが友」もかなり楽しめた。
ホックがシリーズキャラに頼らない真の短編の名手だと実感、
いつの日かノンキャラの短編を、もっと集成して欲しいものである。