“村上春樹風”に語る洋楽

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1名盤さん
さあ語ってみよう。
2名盤さん:2006/04/24(月) 14:25:55 ID:4Lmvd0dv
「やれやれだ」
僕はため息をついて、アクモンのアルバムを窓から放り投げた。
「まったく、やれやれだ」
3名盤さん:2006/04/24(月) 14:30:10 ID:bsQ6JXcG
「ワタナベ君、あなたどれくらいロックを聴いたのことあるの?」
と直子がふと思いついたように小さな声で聞いた。
「ピンクフロイドだけです」と僕は正直に答えた。
レイコさんが練習をやめてギターをはたと膝の上に落とした。
「あなたもう40歳でしょ?いったいどういうロック厨なのよ、それ?」

直子は何も言わずにその澄んだ目でじっと僕を見ていた。
4名盤さん:2006/04/24(月) 14:35:45 ID:bsQ6JXcG
「お前がシド・バレットを聴いて空しいと感じるなら、それはお前がまともな人間である証拠だし、
それは喜ばしいことだ」と永沢さんは言った。
「シド・バレットで得るものなんて何もない。疲れて、自分が嫌になるだけだ。そりゃ俺だって同じだよ」
「じゃあどうしてあんなに一所懸命シド・バレット聴くんですか?」
「それを説明するのはむずかしいな。ほら、ドストエフスキーが賭博について書いたものがあったろう?
あれと同じだよ。つまりさ、可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。それ、わかるか?」

「やれやれ」


5名盤さん:2006/04/24(月) 15:05:11 ID:gjGv2mE7
OASISってなんて良いんだ
ズートンズ?やれやれ
6名盤さん:2006/04/24(月) 15:16:24 ID:vxjkgOjx
村上春樹ってバカみたいだな
7名盤さん:2006/04/24(月) 15:32:17 ID:t0hWi7JZ
村上龍風もやってくれよ
8名盤さん:2006/04/24(月) 15:35:41 ID:XO4MtGSH
「やれやれ」を連呼する主人公。都合よく現れてセックスさせてくれる女たち。
タナソウみたいないい年こいて若ぶりたいオッサンどものハートを鷲掴み。
9名盤さん:2006/04/24(月) 15:40:16 ID:PvD9Qufz
みんなが思ってるほど「やれやれ」は連呼してない。
都合のよい勝手な解釈はやめよう。
10名盤さん:2006/04/24(月) 15:42:00 ID:w66NmzWd
約30年の時を越え、世界初上映!
4月29日(土)よりシアターNでレイト・ロードショー
「ROOTS,ROCK,REGGAE 〜ルーツ・ロック・レゲエ〜」
孝志がそんなチラシを読んでるのを僕は呆れて見ていた。

「やれやれだ」思わず口からこぼれ出る。
「え?」孝志は顔を上げる。
「ドライ&ヘビーとかルーツの模倣しか知らないのに、なんの知識もなくて大丈夫かと」
「大丈夫だよ。ドキュメンタリーなんだから」と孝志は笑う。

本物はドラヘビよりもっと暗くて重い。ダブなんか全然違う。
何よりも政治的な歴史とメッセージがある。
ただのダンスミュージックじゃないんだぞ。
僕が心配してるのは、歴史の授業が苦手な孝志が混乱するか退屈するのではないかということだ。
「ホント、大丈夫か、やれやれ」
11名盤さん:2006/04/24(月) 15:46:06 ID:XO4MtGSH
「やれやれ」が多いことを指摘されて連呼しなくなっただけの話。
12名盤さん:2006/04/24(月) 15:52:05 ID:PvD9Qufz
Yeah Yeah Yeahsのニックも村上春樹読んでるんだよ。
13名盤さん:2006/04/24(月) 16:04:54 ID:bsQ6JXcG
「キングクリムゾンなんてダニさあ」鼠はそう言っておぞましそうに首を振った。
「奴らになんてなにもできやしない。ミュージシャン面している奴らをみるとね、虫酸が走る」
鼠は虚ろな目でバーの店内を見回した後、カウンターにうつ伏せたまま寝てしまった。
やれやれ、僕はジェイに勘定支払い、大塚愛の「さくらんぼ」を口ずさみながら外にでた。
14名盤さん:2006/04/24(月) 16:17:22 ID:rGNFzFiR
やれやれだぜ
15名盤さん:2006/04/24(月) 16:32:09 ID:BZT1VlnD
いまだにノルウェイの森を聴いたことが無いよ。
16名盤さん:2006/04/24(月) 16:36:40 ID:2c0frf7I
ボブ・ディランってそんなにいいのか
17名盤さん:2006/04/24(月) 16:48:37 ID:20FJCZnH
小説の影響でビーチボーイズを聴き始めました
ダンス〜かな
18名盤さん:2006/04/24(月) 17:13:20 ID:P0edXoW2
ビーチ・ボーイズは
ダンス・ダンス・ダンス
カリフォルニア・ガールズ
クラシックだとロッシーニの泥棒カサギ序曲。
アバド指揮というのが笑える。
海辺のカフカではレディオ・ヘッドのキッドAがでてきたね。
ベートーヴェンのピアノトリオも印象に残っている。
村上春樹の小説はジャズやらロックやら音楽ネタは多い。
やれやれである。
19名盤さん:2006/04/24(月) 17:17:18 ID:RrBtv7Da
ま、どこの板でもそうだけど、この手のスレは大抵春樹叩きに終始するな。
20名盤さん:2006/04/24(月) 17:18:30 ID:CUv4QY1T
定期的に立つなこのやれやれ
21名盤さん:2006/04/24(月) 18:27:25 ID:R9j6uZ0b
「猫を探してるんだ」と汗ばんだ手の平をズボンでこすりながら言い訳するみたいに言った。
「1ケ月ばかり前から家に戻ってこないんだけど、このへんでみかけた人がいるんだよ」
「どんな猫?」
「小柄な雄猫だよ。白黒の柄で、しっぽの先が少し曲がって折れてる」
「名前は?」
「イアン」と僕は答えた。「イアン・カーティス」
「猫にしちゃずいぶん立派な名前ね」
「ジョイ・ディヴィジョンっていうバンドのリーダーの名前なんだ。感じが似てるんで冗談でつけたんだよ」
「どんな風に似てるの?」
「なんとなく似てるんだ。歩き方とか・・どろんとした目つきとかがね」
22名盤さん:2006/04/24(月) 19:35:53 ID:GXz5Civb
君たちはいささか趣味が悪いようだね
23名盤さん:2006/04/24(月) 19:56:19 ID:ObOBjHWi
>>3
24名盤さん:2006/04/24(月) 19:57:27 ID:JjgBKRVA
>>1-23
やれやれ
25ゲロ男 ◆.Eml6ZUBuo :2006/04/24(月) 19:59:47 ID:UiuOj9BX
邦楽板のシカオスレで見たんだけど、なんかの短編にスガ シカオの曲が出てくるらしいね。
「サービス・クーポン」だったかな、、
この前出した音楽エッセイをまとめた本にも日本人で唯一取り上げられてた。



俺はハルキ嫌いなんだけどね。ポルノ小説としての「ノルウェイの森」は結構好きだけど。
26名盤さん:2006/04/24(月) 20:03:05 ID:CUv4QY1T
好むと好まざるにかかわらず、春樹の文章は魅力的だよね
27名盤さん:2006/04/24(月) 20:23:02 ID:e1zAdh/T
文章からなんとなく太宰治似のイケメン文学青年を想像していたんだが
写真見たらブッサイクなオッサンでワロタ
28名盤さん:2006/04/24(月) 20:43:35 ID:P0edXoW2
>>27
僕「やれやれ」
29名盤さん:2006/04/24(月) 20:44:46 ID:P0edXoW2
>>27
僕「やれやれ」
30名盤さん:2006/04/24(月) 20:58:35 ID:/ldMuXOu
ビジネスとしての純文学の成功者
31名盤さん:2006/04/24(月) 21:48:01 ID:iqPTLk38
「ねえ、セックスピストルズとクラッシュならどちらを選ぶ?」
「僕は断然クラッシュだね」
「あなたそれ分かってないわ。ピストルズ→クラッシュ→ピストルズなのよ。一回りするものなのよ。」
「やれやれ」 僕は深いため息をついた。
32名盤さん:2006/04/24(月) 21:52:51 ID:o6985xF1
やれやれやれやれってお前はやれやれ村の住人かっつーの!
33名盤さん:2006/04/24(月) 22:04:31 ID:c78w4wEi
「mewとかkashmirといったデンマーク人バンドも春樹のファンなんだよ、
ねじまき鳥さん。」笹原メイは右の眉をぴくぴくさせながら言った。

34名盤さん:2006/04/24(月) 22:11:11 ID:TRa2jIO9
やみくろ=トム・ヨーク
35名盤さん:2006/04/24(月) 22:21:41 ID:7dSMs6lJ
その日の夜、僕はいつものように音楽を聴く気にはなれなかった。
もちろん、コルトレーンをテーブルにセットし、針を落とせば、サックスの音は鳴り出す。
しかし、きっと、その一連の動作をしたとしても、その「音」はまるで下水道を流れる水のように、僕の耳を左から右へ流れていっただろう。そこにはなんの「意味」も存在しない。
僕はそうなることが鮮明に予想できた。
それほどまでに彼女の言葉は僕の心をゆさぶった。

「やれやれ、つまりはそういうことさ。」

僕は「至上の愛」のレコードを手にした。
36名盤さん:2006/04/24(月) 22:45:38 ID:YvcY0dIe
見事にスルーされてる>>32カワイソスw
37名盤さん:2006/04/24(月) 22:59:14 ID:7dSMs6lJ
「世界の仕組みが知りたいの」
絵里は言った。
しかし、僕は聞こえないふりをした。何故かはわからないけれど、反射的に、そうしてしまった。
「聞いてるの?大事なことなのよ?」
彼女は苦笑いをしながら言った。
僕はまたしても聞こえないふりをした。今度は理由ははっきりした。

そうだ。つまり、僕は、彼女のことが嫌いなんだ。

僕はToolの新譜を買うためにポケットに入れておいた二千円札2枚を彼女の制服の胸ポケットに無理矢理押し込んで、こう言った。

「この金で君の好きなレコードを買うといい。」
38名盤さん:2006/04/24(月) 23:02:11 ID:d1hE1vv6
「ビートルズでのポール・マッカートニーの
最高の曲は一体何だと思う?」
「一般的に言えば、レット・イット・ビー、
イエスタデイ、ヘイ・ジュード辺りだと思う」
「あなたは何が一番なのかしら?」
「ヘルター・スケルター」
「そう、でもあなたは間違っているわ」
「分からないな、一体どこだろう?」
「ヘイ・ジュードはジョン・レノンの曲よ。
ジュードって言うのはレノンの息子の事なのよ」
やれやれ。僕はため息をついて、
ヘッドフォンで「オブラディ・オブラダ」を聴いた。
39イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/24(月) 23:05:33 ID:kGSAdiXz
「ここに来るたびに、本当のスマイルを聴いた気がするの」
「本当のスマイル?」
「うん、ブライアンウィルソンが断念し幻の名作、
何十年ぶりかにようやく陽の目をみたけどあれは発表するべきじゃなっかたと思うの」
彼女は芝生に腰を下ろし、何本もマッチを無駄にしながら煙草に火を点けた。
「ここにいて、太陽が昇り、そして人がやってきて、そして去って、イヤホンに耳を通すと
分かるのよ。本当のスマイルが何なのか。何故?何年もまたされなくてはならなかったのか?」
僕は彼女の話を黙って聞いたままスマイルについて考えてみた。
僕の浮かんでくるスマイルはどうしても、トム・ジョーンズのスマイルだった。
何故か?サラリーマンが行き交う高層ビル群の中で「よくあることさ」を熱唱しているのだ。
とても爽やかな素敵な笑顔で。

40名盤さん:2006/04/24(月) 23:35:12 ID:7dSMs6lJ
レイコさんは「Battery」を弾き終えると、丘の上に植えてある一本の桜の木を指差して、こう言った。
「あの桜が満開になる頃、また二人でピクニックしましょ。」
僕は困ってしまった。でも了解した。せざるを得なかった。
(もちろん直子の件があるからだ)
「うれしい!断られると思ったわ」
レイコさんは急にはしゃぎ出してこう言った。

やれやれ。まったく世話がやけるぜ。
41名盤さん:2006/04/24(月) 23:58:19 ID:cu97G7X6
>>32
ふいたww



疲れてるな・・・
42名盤さん:2006/04/25(火) 00:44:55 ID:FVz363wO
パールジャムって何がいいの?ただうるさいだけじゃないの
43サハラ ◆909frqvypw :2006/04/25(火) 12:00:59 ID:9CUekiX2
>>41
自演乙w
44名盤さん:2006/04/25(火) 12:05:21 ID:bYE2F2co
また( ’ ⊇’)裸眼ちゃん◆njNeTx1WPk スレかと思ったよ
45名盤さん:2006/04/25(火) 12:07:13 ID:AM6+SaUq
『僕らの待ち焦がれた本当のセカンドカミング=再来』
やれやれ、いささかオーバー過ぎないだろうか。
僕は視聴機のヘッドフォンを耳にあて彼らの音楽を聴いてみた。

『これはリヴァイバルなのか?新たな時代の幕開けなのか?』
くだらない、と僕は思った。
ティーン・エイジャーから小銭を巻き上げるためのゴミのような消費音楽。
でもふと哀しい気持ちになった。

タワレコをでたとき雨が降っていた相変わらず静かに均一に降り続いていた。
夜の間に植物の芽を導き出す、柔らかな雨。「非常に、完全に、死んでいる」と僕は自分に向かって言ってみた。

46名盤さん:2006/04/25(火) 13:28:16 ID:sYJhBBkW
コルトレーン、いいなあああああああ 
  n /⌒ヽ
 (ヨ(^ω^ )
  Y    つ  by HARUKI
47名盤さん:2006/04/25(火) 13:37:31 ID:29S8/BNS
春樹だったらタワレコって略すかなぁ?
48イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/25(火) 21:20:53 ID:dXpWckIn
「悪いけど、今ブラーのボーイズ&ガールズを聴いているんです。
あとでかけなおしてくれませんか」
「ブラー?」おんなはあきれた声を出した。
「朝の10時半にブラーを聴いているの?プッ」
「あなたには関係のないことでしょう。何時に何を聴こうが僕の勝手だ」と
僕はむっとして言った。
「そうね、何を聴こうが勝手だわ。でもブラーはないはね。XTCでも聴いて欲しいわね」
「どちらも同じようなものでしょう?何度も電話を掛けてきて、その度にXTCを聴けって言ったて
無駄ですよ。こっちは最近までミスチルを聴いていたんですから」
「知ってるから大丈夫よ」
「知っているって何を?」
「だからチルヲタなんでしょう?だからあなたはブラーもXTCも聴かないで
一生ミスターチルドレンを聴いていればいいわ」
「ねーあなたはいったいー」と言ったところで電話が切れた。
チルヲタの何がいけないんだ?洋楽を聴いていることがそんなに偉いのか?
「やれやれ」僕はやりきれない感情をブラーのCDにぶつけた。
ブラーのCDを手に取ってゴミ箱に捨てた。
49名盤さん:2006/04/25(火) 21:44:17 ID:NUEMs1Xv
春樹のSEX描写は実体験に基づいてるの?それとも空想?
50名盤さん:2006/04/25(火) 22:26:14 ID:5I7dRVDu
全部同じに見えるけどな
51イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/25(火) 23:11:54 ID:dXpWckIn
>>49
実体験と空想の半々じゃないの?
空想だけじゃ書けないだろう。

でも初めてノルウェーの森を読んだ時は全て実話かと思った。
あの作品だけはリアルティがあるね。
52岸田露伴 ◆q/ltcoiWTM :2006/04/25(火) 23:16:11 ID:JBBp0Kbk

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53名盤さん:2006/04/26(水) 01:06:12 ID:bZ0C2YqA
俺もノルウェーの森は春樹の実体験だと思っていた。
この人、能天気な小説書いているわりには
悲惨な青春を送っていたんだなあと同情してた。
54名盤さん:2006/04/26(水) 01:22:32 ID:HSafKazk
>>52
どこにでもあらわれるな。これ
55名盤さん:2006/04/26(水) 01:23:38 ID:rG0bdI7C
出会う女出会う女手当たり次第にセックスしまくる青春のどこが悲惨なのか。
56名盤さん:2006/04/26(水) 01:25:36 ID:x/BJDUNc
実体験はあまり小説に書かないって言ってた気がするけど
その点についてヘミングウェイを批判してたし
57名盤さん:2006/04/26(水) 01:28:18 ID:4Td2JGh7
村上春樹の小説はほとんど読んだけど
ノルウェイの森はあんまり好きじゃない。
個人的にはやっぱり短篇集が好きだなー。
58名盤さん:2006/04/26(水) 01:34:45 ID:HSafKazk
>>57
短編集面白いね。
個人的には「風の歌を聴け」
ってやつがいいね。
ってここ洋楽板だろがーい!
59イルパン ◆4R9GQHre4o :2006/04/26(水) 20:39:52 ID:5jJdsV2E
「ビートルズは?」
「それほど好きじゃないですね」
「じゃああなたいったい何が好きなの?」とレイコさんは目の横のしわを寄せるようにして笑って言った。
「ミスチル以外に?」
「別に好きなわけじゃありませんよ」と僕は少し傷ついて言った。
「怒らないでよ。冗談で言っただけだから。ねぇ本当はどうなの?どんなのが好きなの?」
「好きなロックってないですね。テクノなら聴くけど」
「テクノってどんなの?」
「サイケで幻想的でアンビエントな感じが好きです」
「イーノみたいな感じかしら?」
「そうですね、そうかもしれませんね」と僕は言った。
「ロックって昔から興味もてないんです。なにを聞いても面白くないんです。どうでもよくなっちゃうんです」
「ワタナベ君。若いうちは自分に正直な音楽を聴いた方が良いわ。本当はチルヲタなんでしょう?」
「やれやれ。あなたはどうしても僕をチルヲタにしたいんですね」
「だって昨夜、サインを歌っていたじゃないの?」
「えっ、聴いていたんですか?あ、あれは直子が好きだからいっしょに歌ったんです」と僕は少し動揺して言った。
「あらおかしいわね。直子はミスチル嫌いだし、あなたが熱唱している間私といっしょにいたのよ」
「直子と二人で笑いを堪えるのが大変だったんだから」とレイコさんは意地悪そうな笑みを浮かべて言った。
「そうです。僕はチルヲタです。テクノが好きって言いましたが、本当は聴いた事ありません」
「チルヲタの何がいけないんですか?直子にチルヲタがばれたなんてもうお終いだ」と目に涙を溜めながら言った。
「初めからそういえば良かったのよ。正直に直子に言いなさい」とレイコさんは怒った口調で言った。

僕はミスターチルドレンのCDを井戸に捨てた。検討もつかなぐらい深いの井戸の中に。

60名盤さん:2006/04/26(水) 20:41:55 ID:qam5ghOL
読んでないけどおもんない
61イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/26(水) 20:42:05 ID:5jJdsV2E
トリ間違えた。
62名盤さん:2006/04/26(水) 22:20:39 ID:bAlf4ElV
僕はオン・ザ・ロックを飲みながらサムフォーティーワンのレコードに針を置いた
63名盤さん:2006/04/26(水) 22:22:27 ID:gUZn/42L
いいなあああああああ 
  n /⌒ヽ
 (ヨ(^ω^ )
  Y    つ
64名盤さん:2006/04/26(水) 22:31:47 ID:FjEbgYhy
つまんね
65名盤さん:2006/04/26(水) 22:54:46 ID:LUpxTksW
Year Year Years 何て下らない名前のバンドだ
66名盤さん:2006/04/27(木) 00:59:52 ID:xafLBipL
それ元ネタはトーキングヘッズだっけ?
67名盤さん:2006/04/27(木) 16:44:11 ID:WJuuhGQa
British Sea Powerのボーカルの人も読んでるんだって。
68名盤さん:2006/04/27(木) 17:44:02 ID:CD09V7o9
春樹は工房で卒業だろ
69名盤さん:2006/04/27(木) 18:02:03 ID:uFJl/0fa
厨房だろ
70名盤さん:2006/04/27(木) 18:20:22 ID:TJnU7CE8
ですよね
71名盤さん:2006/04/27(木) 19:47:25 ID:l9KYBkft
やれやれ
72イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/27(木) 22:22:10 ID:+vdU1t0R
「ねえ、アシュ・ラ・テンペル知ってる?」
「もちろん。」
「アシュ・ラ・テンペル聴きたい?」
「今、すぐに?」
「いつかもっと先によ。」
「もちろんアシュ・ラ・テンペル聴きたい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「何を聴きたい?」
「ミスチルのサイン」
彼女はコーヒーで口の中のパンを噛み下してからじっと僕の顔を見た。
「嘘つき!」と彼女は言った。
しかし彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。
73名盤さん:2006/04/28(金) 19:09:49 ID:0qDZkkbM
ミスターチルドレン 何て下らない名前のバンドだ
74名盤さん:2006/04/28(金) 19:18:51 ID:uMZqHUxM
ドラゴンはミスチル大好き
75名盤さん:2006/04/28(金) 20:43:03 ID:fu6wopET
「何を聴いているんだい?」
「おじさんには関係ないでしょ」 
そう言って彼女はポニーテールをなびかせ僕の方に健気な背中をみせた。
そして彼女のうなじには大人びた顔立ちとは正反対に幼さがまだ残っていた。
そう、おそらくまだ13,4歳くらいだろうか?僕も結婚していたらこのくらいの子供がいてもおかしくないと昔の彼女を想いだしたとたん
「おじさん、私が何聴いてたか気になるの?」さっきとは一転しまばゆいばかりに微笑みながら僕に問うた。
「うん、だから聞いたんだ」
「レディヘのkid A。わかんないでしょ?」
「知ってるよ。僕も好きだよ。レディオヘッドはパブロハニーが1番好きだな。」
そう言って僕の陰茎は勃起していた
76名盤さん:2006/04/28(金) 23:53:20 ID:s9tV3lHG
ここでやれやれやれやれ言われてるからそんなに言ってたっけと思ってノルウェイの森開いてみたら
1ページ目でいきなり「やれやれ」言ってて笑った
77イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/29(土) 00:07:02 ID:wbNG6Voj
やれやれ、またXTCか、と僕は思った。
78名盤さん:2006/04/29(土) 00:14:26 ID:qZwrU85u
>>75
ただの変体じゃねーか。
>>76
ワオ!
79名盤さん:2006/04/29(土) 00:21:18 ID:ojNchjgp
三島由紀夫を読んじまったらとてもじゃないが春樹を読み返す気にならなかった
80 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/04/29(土) 00:24:19 ID:iGs3nkfF
      // ̄ ̄ ̄ ̄\ 
      彳丿       lヽ
      入丿ー□-□ーヽミ.
       l : .: (_:.::::._) :.:: :)  
       ( ::..∴.ノ3(∴: ノ   
      ⌒\_____ノ⌒  
81名盤さん:2006/04/29(土) 00:25:45 ID:qZwrU85u
>>78
ワオ!

ワァァァァオオゥゥ!!!
の間違いな
82 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/04/29(土) 00:26:39 ID:iGs3nkfF
    / ̄ ̄ ̄ ̄\   
   (  人_____,,)
    |ミ/  ー◎-◎-)    
   (6     (_ _) )   
   ノ|/ ∴ ノ  3 ノ、   
 /   \_____.ノ  ヽ   
/   ,ィ -っ、        ヽ
|  / 、__ う 人  ・ ,.y  i
|    /        ̄ |  |
 ̄T ̄      x   9  /
   |   ヽ、_  _,ノ 彡イ
   |     (U)    |

83名盤さん:2006/04/29(土) 13:43:46 ID:aJfuCQqe
春樹はマグロ。
84名盤さん:2006/04/29(土) 16:16:33 ID:hCB+7JV5
このスレはメタファーだ
85狂死郎HG ◆Death13UhQ :2006/04/29(土) 17:10:16 ID:2qDK79+G
まあなんだな、直子は処女なのにフェラが上手い、と

それが村上春樹の唯一の読みどころだな
86名盤さん:2006/04/29(土) 20:09:51 ID:wT7JaK1x
誰か村上ショージ風に頼む
87イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/04/29(土) 23:40:01 ID:wbNG6Voj
やれやれ、ネタ探すのめんどくさー
88名盤さん:2006/05/03(水) 01:57:57 ID:M2UyfZcF
やれやれ
89名盤さん:2006/05/03(水) 13:45:22 ID:aLyTX60I
やれやれ
90名盤さん:2006/05/03(水) 14:46:21 ID:Rx5Cud/O
おれおれ
91名盤さん:2006/05/03(水) 15:09:47 ID:uERB4jF5
なんて酷いスレだ
92名盤さん:2006/05/03(水) 15:32:49 ID:wqfqGbKY
Yare Yare Yares
93名盤さん:2006/05/04(木) 01:26:14 ID:AFSkRkL/
やれやれ
94名盤さん:2006/05/04(木) 01:44:47 ID:MJHarXqT
there,there
95名盤さん:2006/05/04(木) 01:52:39 ID:WS6JBZ+K
加納クレタはそう言うと、膝立ちになって、ベッドに腰掛けていた僕の股間に顔を埋めた。
僕のペニスは何の躊躇もなくそそり立ち、そして、数秒で射精した。クレタの口内に。



その瞬間僕は目を覚ました。 何年ぶりの夢精だろうか。



やれやれ



僕はパンツを脱いで洗面所へ行った。
96名盤さん:2006/05/04(木) 03:26:47 ID:H6zBg/ui
スケベ
97名盤さん:2006/05/04(木) 04:05:34 ID:PnA06zUf

「子供の頃はもっと沢山の音楽を聴いていた気がするね。」
 鼠が空を見上げてそう言った。

「殆どはイギリスのロックだったけどね。マッドチェスターってやつさ。
 覚えているかい?」

「マンデーズ?」

「いや、ローゼズさ。マンデーズよりはずっと売れてたな。
 一度、来日公演を観にいったことがあってね、イアン・ブラウンは猿みたいだったな。
 ……あと覚えてるのはライド、ペイル・セインツ、それにを808ステイトを観たことがあるよ。」

「ずいぶん古いね。」

「そう、セカンド・サマー・オブ・ラブの頃さ。レコードショップに入ると『スクリーマデリカ』と『ラヴレス』
 が積まれててね。『ネヴァーマインド』は聴いたことあるかい?」

「うん。」

「いろんなものがなくなっていくね。
 もちろんグランジなんて好きなわけじゃないんだけどね……。」

 僕は肯いた。
98名盤さん:2006/05/04(木) 14:15:25 ID:R8tQD4xI
何気にこのスレが好きな件
99名盤さん:2006/05/04(木) 23:16:07 ID:CjAgTgUN
いま海辺のカフカ読み終わったけど感動したよ。
100名盤さん:2006/05/05(金) 00:04:52 ID:7xGKojJp
下巻の3分の1までは面白かったね。
最後はグダグダだった。
アメリカではえらいうけてるらしいね。
101 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/05/05(金) 00:07:06 ID:2ETEBKWX
  // ̄ ̄ ̄ ̄\ 
      彳丿       lヽ
      入丿ー□-□ーヽミ.
       l : .: (_:.::::._) :.:: :)  
       ( ::..∴.ノ3(∴: ノ   
      ⌒\_____ノ⌒  
102範馬ぱき ◆9tMblDqgQU :2006/05/05(金) 00:12:17 ID:my+zfZ1l
「村上さんの本は読んだことないけどこのスレは大好きだ」





リj ---一、`―--、_ lリ
リヽT辷iフi  f辷jァ ii
ミハ   ノ    ノリ
`Zi  〈_,    ノリ
彡ハ、 、_,ー-、_, f゙:Y
~"戈ヽ `二´ r"::i
103名盤さん:2006/05/05(金) 00:24:40 ID:eMLI6NGh
>>102
やれやれ。
104名盤さん:2006/05/05(金) 00:46:15 ID:3qHt9MxF
われわれ
105名盤さん:2006/05/05(金) 00:47:33 ID:3qHt9MxF
じゃあ村上ファンド的にはどうよ?
106名盤さん:2006/05/05(金) 10:45:13 ID:ljomVQW6
「村上ファンド的に」
僕は短いため息をついた後、そう繰り返した
107名盤さん:2006/05/05(金) 11:18:07 ID:swalHEKw
やれやれ なんてひどいスレなんだ
108イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/06(土) 20:41:43 ID:3vMLx74Q
「ね、ここにいる人たちがみんなマスターベーションしてるわけ?シコシコって?」と緑は
武道館を見上げながら言った。
「たぶんね」
「男の子って女の子のことを考えながらあれやるわけ?」
「まあそうだろうね」と僕は言った。「ギターとかドラムスとかボーンヘッドの頭のことを考えながらマスターベ
ーションする男はまあいないだろうね。まあだいたいは女の子のことを考えてやるんじゃないかな」
「ボーンヘッドの頭?」
「たとえば、だよ」
109福耳の子供:2006/05/06(土) 20:49:14 ID:7sE/yXSC
「キューバ音楽以外はゴミ。さだまさしを聴くと吐き気を催す。」
110名盤さん:2006/05/07(日) 10:14:24 ID:2hq4MK5R
「宇宙の複雑さに比べれば」とノエル・ギャラガーは言っている。
「この我々の住む世界などリアムの脳味噌のようなものだ。」
 そうであってほしい、と僕も願っている。
111名盤さん:2006/05/08(月) 11:52:35 ID:b8imqhjc
「はじめてフェラチオしたのは中学生の時よ」
「ワタナベ君もしてもらいたい?」と直子は言った。
「やれやれ、お願いするよ」
112名無し募集中。。。:2006/05/08(月) 20:08:10 ID:cJHGCI2u
徘徊矢口
113名盤さん:2006/05/09(火) 02:20:01 ID:UgIl+WEY
「そういえば『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』からあとのボン・ジョヴィは殆ど聴いていないね。
 何となく聴く気がなくなっちゃったんだ。もっとハードなものを聴くようになった。
 メタリカ、アイアンメイデン、モトリー・クルー、ラット………。
 ハードな時代になったんっだ。ボン・ジョヴィを聴く時代じゃなくなった。
 でも今でもよく覚えているよ。『夜明けのランナウェイ』とかね。お伽噺だ。でも悪くない。」

「悪くない」と僕は言った。
「でも『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』からあとのボン・ジョヴィも悪くないよ。
 聴く価値はある。
 『キープ・ザ・フェイス』も『ジーズ・デイズ』も『クラッシュ』も
 『ハヴ・ア・ナイス・デイ』も悪くないLPだ。僕は好きだよ。初期のものほどの輝きはない。
 内容もバラバラだ。でもそこにはある確かな意思の力が感じられるんだ。
 何とかみんなで力を合わせて生き残っていこうとする。
 そういう必死な思いが伝わってくるんだ。
 でも確かに時代には合わなかった。君の言うとおりだ。でも悪くない。」

「今度聴いてみるよ。」と彼はいった。
「きっと気に入らないよ。」僕はいった。

 彼はテープをデッキに入れた。「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」が流れた。
「懐かしい。」と彼は言った。
 五反田君はテープにあわせてしばらく小さな音で口笛を吹いていた。
「ねぇ、信じられるかい?これが流行ったのはもう20年も前なんだぜ。」
「まるでつい昨日みたいに思える。」と僕は言った。
「時々君は複雑な冗談を言うね。」と彼は言った。
114名盤さん:2006/05/09(火) 12:47:19 ID:hYkwu/0b
わざわざ文庫本引っ張り出してネタ探してると思うと面白い。
115名盤さん:2006/05/11(木) 01:23:12 ID:TAfkIp4u

「フッキー、グラスをもう一個持ってきてくれないか?」
「いいけど。でも何するんだい?」
「これから二人でイアンのお葬式をするんだよ。」とバーニーは言った。
「淋しくないやつを。」

 バーニーはまずニュー・オーダーの「セレモニー」をとても綺麗に静かに弾き出した。
「このレコードは、イアンから俺たちへのプレゼントみたいなもんだよな。」

「さて、酔っ払っちゃう前に何曲弾けるかな。なぁ、こういうお葬式だと淋しくなくていいだろう?」

バーニーはジョイ・ディヴィジョンに移り、「トランスミッション」を弾き、
「シーズ・ロスト・コントロール」を弾き、「ディス・オーダー」を弾き、
「シャドウ・プレイ」を弾き、「デジタル」を唄いながら弾き、
「ニュー・ドーン・フェイズ」を弾いた。フッキーはマッチ棒を七本並べた。

「七曲」とバーニーは言ってワインをすすり、煙草をふかした。
「イアンはたしかに人生の哀しみとか優しさというものをよく知っていたよね。」

バーニーは一息ついて煙草を消してからまたギターをとって「アトモスフィア」を弾き、
「アトロシティ・エクシビジョン」を弾き、「アイソレーション」を弾き、「コロニー」を弾き、
「ハート・アンド・ソウル」を弾き、「ジ・エターナル」を弾き、「ディケイズ」を弾いた。
116115の続き:2006/05/11(木) 01:27:47 ID:TAfkIp4u

バーニーはワインをすすり、煙草をふかしながら次から次へと曲を弾いていった。
ニュー・オーダーを十曲近く弾き、デビッド・ボウイやヴェルヴェッツの曲を弾き、
イギー・ポップやらニール・ヤングやらクラフトワークやらエレクトロニックやらリヴェンジやら
「スパニッシュ・ハート」やら、「ディス・タイム・アイム・ノット・ロング」やら、
「アウト・オブ・コントロール」やら、もうとにかくありとあらゆる曲を弾いた。

「今、これで何曲だい。」
「四十八」とフッキーは言った。

バーニーは四十九曲目に「ラブ・ウィル・テア・アス・アパート」を弾き、
五十曲めにもう一度「アトモスフィア」を弾いた。

「おまけ」とバーニーは言った。
そして五十一曲目にいつもの「ブルー・マンデイ」を弾いた。

「なぁ、フッキー俺とあれやろうよ。」と弾き終った後でバーニーが小さな声で言った。

「不思議なもんだよな。」とフッキーは言った。
「俺も同じこと考えてたんだよ。」
 フッキーのペニスは、彼がふだん陰嚢の下までぶらさげているベースギターよりも、
 硬くそそり立っていた。
117名盤さん:2006/05/11(木) 16:00:36 ID:oGOd+Yj+
あげあげ
118名盤さん:2006/05/11(木) 16:22:56 ID:VswpD03u
ワッフルワッフル
119名盤さん:2006/05/11(木) 16:37:29 ID:Y3lx7r00
愉快なスレだな。
120名盤さん:2006/05/11(木) 20:36:38 ID:+m211Jd5
「まあ当分オアシスを聴くこともないと思うけど元気でな」と別れ際に永沢さんは言った。
「でも前にいつか言ったように、ずっと先に変なフェスでひょっとお前に会いそうな気がするんだ」
「楽しみにしてますよ」と僕は言った。
「ところであのときとりかえっこしたCDのことだけどな、ブラーの方が良かった」
「同感ですね」と僕は笑って言った。
「でも永沢さん、XTCのこと大事にした方がいいですよ。
 あんな良いソングライターなかなかいないし、あの人達見かけより傷つきやすいから」
「うん、それは知ってるよ」と彼は肯いた。「だから本当を言えばだな、
 XTCのあとをオアシスがひきうけてくれるのがいちばん良いんだよ。
 オアシスとポール・ウェラーならうまくいくと思うし」
「冗談じゃないですよ」と僕は唖然として言った。
「冗談だよ」と永沢さんは言った。
「ま、幸せになれよ。いろいろありそうだけれど、アンディーも相当に頑固だから
 なんとかうまくやれると思うよ。 ひとつ忠告していいかな、俺から」
「いいですよ」
「t.A.T.u.に同情するな」と彼は言った。
「t.A.T.u.に同情するのは下劣な人間のやることだ」
「覚えておきましょう」と僕は言った。
そして我々は握手をして別れた。
彼はZepp Tokyoへ、僕はルミネtheよしもとのぬかるみへと戻っていった。
121名盤さん:2006/05/11(木) 22:31:03 ID:ssNTAfRh
やれやれ 赤と緑の本以外も手にとってくれよ
1222曲目:2006/05/11(木) 22:41:00 ID:+m211Jd5
「ねえワタナベ君、グランジとオルタナの違いをきちんと説明できる?」と突然僕に質問した。
「できると思うよ」と僕は言った。
「ちょっと訊きたいんだけど、そういうのが日常生活の中で何かの役に立ってる?」
「日常生活の中で何かの役に立つということはあまりないね」と僕は言った。
「でも具体的に何かの役に立つというよりは、そういうのは洋楽をより系統的に
 捉えるための訓練になるんだと僕は思っているけれど」
 緑はしばらくそれについて真剣な顔つきで考えこんでいた。
「あなたって偉いのね」と彼女は言った。「私これまでそんなこと思いつきもしなかったわ。
 ソニックユースだのダイナソーJrだのペイヴメントだの、
 そんなもの何の役にも立つもんですかとしか考えなかったわ。
 だからずっと無視してやってきたの、そういうややっこしいの。
 私の趣味は間違っていたのかしら?」
「無視してやってきた?」
「ええそうよ。そういうの、ないものとしてやってきたの。
 私、サウンドガーデン、マッドハニーだって全然わかってないのよ」
123イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/11(木) 23:01:07 ID:VLKmkEot
ノイ?
「どうしてノイなんですか?」と僕は訊ねてみた。
「知るもんか。ともかくノイなんだよ。君は一週間ノイを聴いていりゃいいんだよ」
そんなわけで僕は一週間、ノイだけを聴いて暮らした。

一週間ノイを聴き続けたおかげで、僕の日常はすっかりハンマービートになってしまった。
女と食事をする時も、寝る時も、僕はハンマービートで生活を送らなくてはならなくてしまった。

「あなたって変っているわね。歩き方から喋り方まで一定のリズムなんておかしいわ」と女は言った。
「ノイのせいなんだ」と僕はハンマービート調で言った。
「ノイ?やれやれ、あなたやっぱり変だわ」と女はあきれた声で言った。
「ニューウエイヴ。サイケ。実験的。」と僕は言ってみた。
「案外いけているかもしれないわ」と女はつまらなそうに言った。
124名盤さん:2006/05/11(木) 23:24:49 ID:TogtC6f7
“ドラゴン”風に語る洋楽↓
125名盤さん:2006/05/12(金) 00:50:44 ID:870k5s8m
>>39
面白い
126名盤さん:2006/05/13(土) 00:37:39 ID:GbAf8Bt2
ざわざわ
127名盤さん:2006/05/13(土) 01:01:13 ID:/t/uuE/D
朝の4時にドアーズのLPを大音量で聴いたりすることもやめた。
なにしろ。もう58だものな・・・・・。
128名盤さん:2006/05/13(土) 01:27:06 ID:/l/PBLBI
パンクスだった父のレコード棚に、ヴェルベット・アンダーグラウンドのホワイト・ライト/ホワイト・ヒートという一枚があって、確か中学校の二年か三年だったと思うが、初めてロックを聴いた。
ロックは、私の心を打つわけでも揺すぶるわけでもなく、また内部に染み入ってくるわけでもなかった。
ただ、表面に貼り付いたのである。
スタンプのように、貼り付いたのだ。
129名盤さん:2006/05/13(土) 01:37:29 ID:Kixwtu3L

キースは目の前のテレビをぼんやりと眺める。
ブラウン管ではやしの木から転落した自分のニュースが流れている。

引退の潮時かもしれない、とキースは思う。このバンドで初めてギグをしたのは十七の歳だ。
何百のハイレベルなライブ、何十枚の貴重なアルバム、ライブに訪れた何百万人の観客。
何もかもが、まるではしけに打ち寄せる波のようにやって来ては去っていった。
俺はもう既に十分なだけのライブをこなしたじゃないか。
もちろん七十になろうが八十になろうが他のバンドでなら幾らだってライブに出れるかもしれない。
でも、と彼は思う、このバンドだけは別なんだ。
……六十二歳、引退するには若くない歳だ。
気の利いた人間ならひと財産築いて静かなところで余生を楽しんでいる歳だ。

キースはテレビのスイッチを切り、グラスに注いだミネラルウォーターを一息で半分ばかり飲む。
そして反射的に手の甲で口を拭う。
そして湿った手をジーンズの尻で拭った。

さあ考えろ、とキースは自らに言いきかせる。
逃げてないで考えろよ、六十二歳……。少しは考えてもいい歳だ。
三十一歳のベテランミュージシャンが二人寄った歳だぜ、お前にそれだけの値打ちがあるかい?
ないね、一人分だってない。バンドのドラマーの頭頂部に散りばめられた髪の毛ほどの値打もない。
……よせよ、他人のこと言えたもんかよ、くだらないメタフォルはもう沢山だ。何の役にも立たない。
考えろ、お前は何処かで間違ったんだ。
思い出せよ。……わかるもんか。
130名盤さん:2006/05/13(土) 09:33:44 ID:oS7oReK1
「はじめてフェラチオしたのは中学生の時よ」
「えなり君もしてもらいたい?」とピン子は言った。
「やれやれ、お願いするよ」
131名盤さん:2006/05/13(土) 09:52:31 ID:qyH4oiA/
「ねえ、十八の頃って何を考えてた?」
「レイディオヘッドを聴くこと」
「その他には?」
「それだけ」
電話の向こう側で彼女が笑った。
「ねえ、ふたりでセックスをしてみない?」
僕はしばらく黙っていた。受話器は氷の柱のように冷たくなった。
「悪いけど」と僕は言った。
「あなた、本当はセックスが嫌いなんでしょ?」と突然彼女が言った。
どう答えていいのか僕にはわからなかった。そもそもセックスなんてやったことがないのだ。
「悪いけど」と僕は繰り返した。「今レイディオヘッドを聴いてるとこなんだ」
132名盤さん:2006/05/13(土) 16:28:32 ID:qyH4oiA/
彼女はコーヒーを飲み終えた。
学生時代はメタルバンドを組みたかったの、と彼女は言った。
彼女はクレイドル・オブ・フィルスのファンで、僕にブラックメタルの話をしてくれた。
彼女は『鬼女と野獣』を気に入っていた。僕はブラックメタルは大嫌いだった。
少なくともみんなが言うほど良さがわからない。
「聴いてみる?」との彼女は尋ねたが、僕はそんなものは聴けない、と答えた。
彼女は少しだけ落胆の表情を浮かべ、微笑みながらバンプ・オブ・チキンの話を始めた。
彼女は、僕がバンプ・オブ・チキンを大好きなことを知っていたのだ。

時計が五時を打った時、そろそろ失礼しなくちゃと僕は言った。
「クレイドル・オブ・フィルスを聴けなくてごめんなさい」
「いいの」と彼女は静かに言った。「長いあいだバンプ・オブ・チキンの話を
 してくれてありがとう。とても楽しかったわ」
「僕もです」と僕は言った。「バンプのKは本当に名曲なんですよ」

十年経った今でも、バンプ・オブ・チキンを聴くたびに彼女のことを思い出す。
僕はあの時クレイドル・オブ・フィルスを聴くべきだったんだろうか?
これがこの文章のテーマだ。
僕にはわからない。
歳をとってもわからないことはいっぱいある。
133名盤さん:2006/05/13(土) 23:42:21 ID:9WQoS1+d
「洋楽板にはもうぼくが好きなミュージシャンのスレがほとんどなくなってしまった」
歳をとるとはそういうことだ。
134名盤さん:2006/05/14(日) 04:31:20 ID:wuE+DnoX
 洋楽板は厨房の巣窟だ。
 粘着アンチやあらしのおかげで大半のスレは短命に終わる。
 30スレもいけば伝説になるほどだ。

「たとえ今日どのスレが落ちたとしても俺たちは悲しまない。」
 洋楽板住人の物静かな男はそう言った。
「僕たちはその分だけスレがあるうちに楽しんでおくのさ。
 後で後悔しないようにね。」

「先取りして楽しんでおくってわけだね。」
「君たちの使う言葉はよくわからないな。」と彼は首を振った。

「本当にそううまくいくのかい?」と僕は訊ねてみた。
「そうでもしなければ、」と彼は言った。

「洋楽板は悲しみで埋まってしまう。」
135狂死郎HG ◆Death13UhQ :2006/05/14(日) 12:54:01 ID:AXr5KM8p
良スレ
俺も書きたいけど春樹の本全部売っ払っちまってネタがない('A`)
136名盤さん:2006/05/14(日) 13:33:07 ID:R4uWBFzd
「ジョイ・ディヴィジョンはパンクに知性をもたらした存在なの」
僕は頷いた。
「それはポストパンクを語るうえで重要なことなのよ」
「イアン・カーティスが死んだとき、君は何をしていた?」
「海にいたわ。浜辺でひたすら地平線を見つめていたの。
 永遠のような時間だった。イアンの死のニュースを聞いたのは、その帰りだったわ」
「君は今でも孤独かい?」と僕は聞いた。
「いえ」彼女は遠くを見ながら言った。
「ただ、静かな場所に居たいだけなの」


彼女の死の知らせを聞いたのは、それから2ヶ月後のことだった。
ラジオからはニュー・オーダーの『ブルー・マンデイ』がずっと流れていた。
それは、こんな唄だった。

「一体どんな気持ちになればいいのだろう。
 君の心が冷たくなっていくときに」

時は、余りにも早く流れる。
137名盤さん:2006/05/14(日) 13:59:55 ID:n5IJBxoz
風な文を読むだけで…なのだから 本物は……
俺には合わないわ
138名盤さん:2006/05/14(日) 14:32:01 ID:R4uWBFzd
「レッド・ホット・チリ・ペッパーズにはもう期待しない」
少なくとも僕はそう思う。少なくとも。
139名盤さん:2006/05/14(日) 16:44:59 ID:fCOprDNn
洋楽板住人ってなんとなく春樹っぽい
140名盤さん:2006/05/14(日) 17:32:52 ID:oJ1flcfa
やれやれ
141名盤さん:2006/05/14(日) 17:56:12 ID:N7pVdTlk
春樹読んでいると苛々する。自分は純で世間はゴミみたいな主人公ばかり。
142名盤さん:2006/05/14(日) 18:19:55 ID:P4gBOUFd
永遠の中二病患者だーね
143名盤さん:2006/05/14(日) 18:26:30 ID:GqlgaG8j
無機的でからっぽでニュートラルで中間色でありながら抜け目がない富裕層
144名盤さん:2006/05/14(日) 18:41:01 ID:GqlgaG8j
を忠実に再現。
145名盤さん:2006/05/14(日) 18:48:20 ID:boexwKof
>>66
トーキングヘッズは褒められてたね。
146名盤さん:2006/05/14(日) 19:39:18 ID:R4uWBFzd
春樹は、限り無く純粋で、限り無く海千山千
だからやっかい
147イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/14(日) 20:38:04 ID:sExO5sXA
「やれやれ」と僕は言った。やれやれと言う言葉はだんだん
僕の口ぐせのようになりつつある。
「これで一ヶ月の三分の一が終わり、しかも我々はどこにも辿りついていない」
「そうね」彼女は言った。「洋楽板の住人達はどうしているかしら?」
「あまりぱっとしないね」と僕は言った。
148イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/14(日) 20:53:24 ID:sExO5sXA
「洋楽サロンはどうかしら?」と彼女は言った。
「混沌としているね」
「どういうことかしら?」
「例えるなら、ゼップのヴォーカリストがデュランになってしまったような感じだ」と僕は言った。
「全く意味が分からないわ」と彼女は困惑した顔で言った。
149名盤さん:2006/05/14(日) 22:35:38 ID:+zDVEkx/
おまいら愛してるよ
150名盤さん:2006/05/15(月) 00:19:17 ID:x7bHhH9Z
愛愛愛
151名盤さん:2006/05/15(月) 00:46:39 ID:YYteCvKE
ぼくは・オアシスが・好きだ
152名盤さん:2006/05/15(月) 20:49:08 ID:tW4eSdby
井葉、連絡を乞う
至急!!
  ドルフィン・ホテル406

電話はその日のうちに3本かかってきた。
1本は「井葉とは何を意味するのか?」という一市民からの問い合わせだった。
「昔のバンド仲間です」と僕は答えた。
彼は満足して電話を切った。
もう1本はからかいの電話だった。
「ぶる〜、ぶる〜、あぅえぃぃぃ〜」と電話の相手は言った。「えぃぃぃ〜」
僕は電話を切った。まったく都会というのは奇妙なところだ。
あと1本はおそろしく細い声の女からの電話だった。
「私はみんなに井葉って呼ばれているんです」と彼女は言った。
遠くの電線が風に揺られているような感じの声だった。
「わざわざ電話していただいて申しわけないけれど、僕の探しているのは男なんです」と僕は言った。
「たぶんそうだと思ってました」と彼女は言った。「でもとにかく、
 私も井葉って呼ばれてるんです。だから一応電話した方がいいだろうと思って・・・」
「本当にありがとう」
「いえ、いいんです。その方は見つかりまして?」
「まだです」と僕は言った。「残念ながら」
「私だったら良かったんですけれど・・・。でも結局私じゃないし」
「そうですね。残念です」
彼女は黙っていた。そのあいだ僕は小指の先で耳のうしろを掻いた。
「本当はあなたとお話してみたかったんです」と彼女は言った。
「僕と?」
「よくわからないけど、今朝新聞広告を見てからずっと迷っていたんです。
 あなたに電話していいものかどうか。きっと御迷惑だろうと思ったものだから・・・」
「じゃあ、あなたが井葉と呼ばれているというのも嘘なんですね?」
「そうです」と彼女は言った。「誰も私のことを井葉なんて呼びません。
 みんなは私のことをダーシーって呼びます」
1532曲目:2006/05/15(月) 21:50:23 ID:tW4eSdby
「楽しかった?」とハツミさんが僕に訊いた。
「ニューオーダーのライヴのことがですか?」
「そんな何やかやが」
「べつにとくに楽しくはないです」と僕は言った。「ただ義務的に見に行っているだけです。
 来日のたびにニューオーダー見に行ったってとくに何か新鮮な感動があるわけじゃないです」
「じゃあ何故見に行くの?」
「俺が誘うからだよ」と永沢さんが言った。
「私、ワタナベ君に質問してるのよ」とハツミさんはきっぱりと言った。「どうして見に行くの?」
「ときどきすごくライヴが見たくなるんです」と僕は言った。
「好きなアーティストがいるのなら、そのアーティストのライヴを見に行くわけにはいかないの?」とハツミさんは少し考えてから言った。
「複雑な事情があるんです」
ハツミさんはため息をついた。

「あのね、ワタナベ君、どんな事情があるかは知らないけれど、
 そういう種類のことはあなたには向いてないし、
 ふさわしくないと思うんだけれど、どうかしら?」とハツミさんは言った。
彼女はテーブルの上に手を置いて、じっと僕の顔を見ていた。
「そうですね」と僕は言った。「自分でもときどきそう思います」
「じゃあ、どうしてやめないの?」
「ときどき彼らのライヴミュージシャンとしてのスキルの未熟さを再確認したくなるんです」と僕は正直に言った。
「そういう失望感のようなものがないと、ときどきたまらなく退屈になるんです」
「要約するとこういうことだと思うんだ」永沢さんが口をはさんだ。
「ワタナベには好きなアーティストがいるんだけれど
 ある事情があってライヴを見ることができない。
 だからニューオーダーはニューオーダーと割り切って見に行くわけだよ。
 それでかまわないじゃないか。話としてはまともだよ。
 部屋にこもってずっとXTC聴いてるわけにもいかないだろう?」
154名盤さん:2006/05/16(火) 02:24:54 ID:cOrRuq4T
「もしイアンがずっといてくれたら、このバンドはもっとうまく行ってたと思うんだよ。」
 とバーニーは言った。

「イアンは僕等と年は違わなかったけれど、
 それでも既に僕たちジョイ・ディヴィジョンの、いわば要のような存在だったんだ。
 彼がずっと死なないでいてくれたなら、このバンドのみんなも今よりはまともになっていたかもしれない。
 少なくとも僕は今より幾らかは救われていたと思う。

 ねえ、わかるかい?僕はそれ以来ずっとみんなに対して罪悪感を感じつづけてきたんだよ。
 どうしてイアンのかわりに僕が死んでしまわなかったのかって。
 どうせ僕なんてバンドにいたって、ギターテクもないし、歌うこともできないのにってね。
 そしてバンドのベースも、ドラマーも、僕がそう思っていることを感じていながら、
 僕に対して暖かい言葉ひとつかけてはくれなかった。
 それどころか奴等は機会があるごとに、死んだイアンの話をしたんだ。
 彼がどんなにカリスマ性があったか。どれほどみんなに期待されていたか。
 どんなに素晴らしい歌詞を書いて、どんなに素敵な声をもっていたか。

 ねえ、僕もシンガーをやらされたんだよ。
 イアンが死んじゃったあと、シンガーのポジションが残っていたから。
 でも僕は歌うことに興味すら持てなかったんだ。
 僕にはイアンみたいにうまく歌えないだろうってことがわかっていたし、
 僕は自分がイアンよりもあらゆる点で劣ったシンガーだということをいちいち証明したくはなかったんだよ。
 僕はイアンのかわりにはなれないし、そんなものになりたくもないしね。
 でも奴等は僕の言うことなんか聞いてはくれなかった。
 だから僕は未だにマイクを見るのも嫌なんだ。歌詞を覚えるのも嫌なんだ。

 …というわけで僕が音痴なのもギターが上手く弾けないのも、
 すべてはイアンが死んじゃったせいなんだよ。」
155名盤さん:2006/05/16(火) 02:32:45 ID:L0MJnqfZ
>>154
そのセリフ、限りなくリアルなんだけど本当のバーニー発言?w
156名盤さん:2006/05/16(火) 11:44:56 ID:Vt7MMuUb
>>154の元ネタは『ねじまき鳥クロニクル』じゃないかな。

今年もイアンの命日が近づいてきたなぁ。
157名盤さん:2006/05/16(火) 13:33:03 ID:wwQgpyQi
はめはめ
158名盤さん:2006/05/16(火) 17:48:23 ID:y9oU16N1
いくいく
159名盤さん:2006/05/16(火) 20:14:28 ID:d1hIKrrF
「ニューオーダーの話をしよう」と僕は言った。「どうも気にかかるんだ」
二人は肯いた。
「活動期間のわりには、オリジナルアルバムが少ないのはどうしてだろう?」
「いろんなベスト盤を出しすぎたのね、きっと」
「調子に乗っちゃったのよ」
僕は左手にBest OfとInternationalを持ち、右手にSinglesとSubstanceとRetroを持ってしばらく考え込んだ。
「どうすればいいと思う?」
二人は顔を見合わせて首を振った。「もうどうしようもないのよ」
160名盤さん:2006/05/16(火) 21:19:55 ID:d1hIKrrF
「ところであなたのiTunesで管理している洋楽の曲数は?」
「十六万五千」と僕は言った。
「そりゃ少ない」と彼は表情も変えずに言った。
「実に少ない」そしてまた耳を掻いた。
161名盤さん:2006/05/17(水) 00:58:52 ID:Z+lGkzrO

「昔ね、あるところにとても人の良いリアム・ギャラガーがいたんだ。」
 素敵な出だしだった。
 僕は目を閉じて人のよいリアム・ギャラガーを想像してみた。

「リアムはいつも重い金時計を首から下げて、ふうふう言いながら歩き回っていたんだ。
 ところがその時計はやたらに重いうえに壊れて動かなかった。
 そこに兄弟のノエルがやってきてこう言った。
『なあ、リアム、なんでおまえ動かねぇ時計をいつもぶら下げてんだよ?
 重そうだし、役にもたたねぇじゃねえかよ』ってさ。

『そりゃ重いさ』ってリアムが言った。
『でもね、慣れちゃったんだ。時計が重いのにも、動かないのにもね』。」

 医者はそういうと自分のオレンジジュースを飲み、ニコニコしながら僕を見た。
 僕は黙って話の続きを待った。

「ある日、リアム君の誕生日にノエルはきれいなリボンのかかった小さな箱を
 プレゼントした。
 それはキラキラ輝いていて、とても軽く、しかも正確に動く新しい時計だったんだね。
 リアム君はとっても喜んでそれを首にかけ、みんなに見せて回ったのさ。」
 
 そこで話は突然終わった。
「君がリアム、僕がノエル、時計は君のチンコさ。」

 僕は騙されたような気分のまま、仕方なく肯いた。
162名盤さん:2006/05/17(水) 02:28:53 ID:V1fnXBNf
私が適当に選んだMDにはオアシスとかブラーとか、
その手の音楽が入っていた。私はピツァが焼けるまで、
『キャスト・ノー・シャドウ』とか『ディス・イズ・ア・ロウ』とかを
聴きながらひとりでウィスキーを飲んだ。
「ブリット・ポップが好きなの?」と彼女が訊いた。
「そうでもない」と僕は答えた。

リアム・ギャラガーに殴られる数日前のことだった。
163名盤さん:2006/05/17(水) 19:54:28 ID:mjjCP2ke
バーナード・サムナーには優れた点が二つある。
まずダイエットの意識が無いことと、
それからライヴでの振り付けを決めてないことだ。
放って置いても人は太るし、変な踊りをする。
そういうものだ。
164イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/17(水) 22:07:09 ID:HJFdwO1Q
「シドは私の中から去ってしまった」とシド博士は言った。
「どのシドですか?」と僕は訊ねた。
「シドはシドなんだよ」と彼は怒鳴鳴り声をあげた。
「枯葉に様々な枯葉があるように、シドにも様々なシドがいる」と博士は言った。
「シド、、、、それは正しいシドですか?」と僕は言った。
「正しいシドもいれば間違ったシドもいる」と博士は目じりに皺をよせて話した。
「ヴィシャスにバレッ、」と言おうとした瞬間。
「わかった。何も言うな。大抵のシドは間違っているよ」と博士は悲しそうな目で言った。
165名盤さん:2006/05/17(水) 22:26:27 ID:J0ivW5Kq
でもねずみは恋をしないわ。そうでしょ?
166名盤さん:2006/05/17(水) 23:54:38 ID:lRJdB3xG
僕は3568回目のオナニーをし、76798本目のうまい棒を食べた。
167名盤さん:2006/05/18(木) 01:27:55 ID:qScjoUNh
「でも、プリペアードピアノはいいよ、何となくいい、何故だろうな、お前達もそう思わないか?」
「ああ、僕もそう思う、なんとなくいいよ」
「あたしはそうは思わないわ、昔、父からいろいろ聞かされたもの、ジョンケージとかね、ピアノの弦に異物を挟むとか、
ピアノがなんだかかわいそうよ、坊やも言ったけど、さっきのピアノでもね、別に消しゴムを挟むために作られてきたんじゃないと思うのよ」
「僕だって今の仕事をするために生まれてきたんじゃないかも知れないし、あのピアノでも同じだと思うな、何回も何回も聴いてるうちに慣れるのさ」
168名盤さん:2006/05/18(木) 08:50:03 ID:PHgHwADP
「今日はイアン・カーティスの命日なの」
「あれから何年が経つんだい?」
「もうそんなことはどうでもいいの。
ただ確かなのは、彼がここにいないってことだけ」
169名盤さん:2006/05/18(木) 20:37:28 ID:VS8ubTpD
オルガスムスに達した時、僕は我慢しきれず直子さんの顔に顔射した。
「フフフ♪、あなたやるわね」
170名盤さん:2006/05/18(木) 20:56:29 ID:rNjcQfAX
「直子さん、結婚してください」
「いいわよー」

それから二人は末永く幸せに暮らしました。
171名盤さん:2006/05/19(金) 07:20:21 ID:0OBABNli
顔に顔射
172名盤さん:2006/05/19(金) 09:11:32 ID:vjWKwHc8
中に中出し
173名盤さん:2006/05/19(金) 20:17:14 ID:clP4N/4p
バスの入口には二人の乗務員が両脇に立って切符と座席番号をチェックしていた。
僕が切符を渡すと、彼は「21番のクリス・ペプラー」と言った。
「クリス・ペプラー?」
「そう、21番のC席、頭文字ですよ。Aは姉歯、Bはブライアン・バートン・ルイス、
 Cはクリス・ペプラー、Dはデーブ・スペクター」
174名盤さん:2006/05/19(金) 20:51:49 ID:4PIKN+sf
姉歯ワロスw
175名盤さん:2006/05/21(日) 13:45:48 ID:+cuLTUme

「止めても無駄なことは良くわかった」とジェームスはいった。
「しかし俺抜きの再結成は君が考えているよりもずっと大変なものだよ。
 昔のスマパンとは何から何まで違うんだ。
 生きのびるための競争は厳しいし、メリッサにはダーシーの抜けた穴を埋められない。
 一度解散したバンドは二度と人気を戻すことはできない。
 また君はズワンと同じことを繰り返すつもりなのかい?」

「そのことも良く考えたんだ」
「しかし心は変わらないんだね?」
「変わらない」とビリーは言った。

「君のことは忘れないよ。
 再結成の中で昔のスマパンのことも少しづつ思い出していく。
 思い出さなくちゃならないことはたぶんいっぱいあるだろう。
 いろんな人や、いろんな場所や、いろんな光や、いろんな唄をね」

「そろそろ俺は行くよ」とジェームスは言った。
「しかしこの先二度と会えないというのはなんだか妙なものだな。
 最後になんて言えばいいのかがわからない。
 きりの良いことばがどうしても思いつけないんだ」

 ビリーはもう一度帽子を脱いで雪を払い、かぶりなおした。

「幸せになることを祈っているよ」とジェームスはいった。
「君のことは好きだったよ。君がハゲだということを抜きにしてね」
「ありがとう」とビリーはいった。
176名盤さん:2006/05/21(日) 16:36:39 ID:0ANqTY80
ハゲにワロスwwwwwww
177名盤さん:2006/05/21(日) 17:47:01 ID:d1K91nO2
hage
178ヘブン ◆urveGsgVC6 :2006/05/21(日) 17:55:27 ID:l720SHuS
邦楽は聴かないね。スガシカオは聴くけど。
179名盤さん:2006/05/21(日) 18:34:54 ID:de4MmT1d
つまり聴くのか
180名盤さん:2006/05/21(日) 19:27:52 ID:6B1N2zA7
春樹さんは、春樹好きと公言したミュージシャンに対して甘い気がする
181ゲロ男 ◆.Eml6ZUBuo :2006/05/21(日) 19:42:03 ID:Kaf9rc+G
でも、邦楽はスガ シカオ以外全否定してますよ(^^;)
「スガシカオの柔らかなカオス」(『意味がなければスイングはない』収録)参照。
182名盤さん:2006/05/21(日) 19:46:35 ID:oNsMK2DW
>>175
GJ
183イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/21(日) 20:06:30 ID:zURUwa1H
>>181
春樹がKUWATA BANDのTシャツ着ていた写真見たことあるけど、
ファンだから着ていたわけではなかったのかなあ?
184 3/1:2006/05/23(火) 11:14:30 ID:1RZqBF7C

「お元気ですか?
 毎週楽しみにこの番組を聴いています。
 早いもので、この春で入院生活ももう1年目ということになります。
 時の経つのは本当に早いもんです。
 もちろんエア・コンディショナーのきいた病室の窓から僅かに外の景色を眺めている私にとって
 季節の移り変わりなんて何の意味もないのだけれど、それでもひとつの季節が去り、
 新しいものが訪れるということはやはり心の躍るものなのです。

 私は48歳で、この数年間、歌うこともできず、ステージで踊ることさえできず、
 ・・・それどころか児童虐待、整形疑惑、豪邸売却といったゴシップにより誹謗中傷にさらされて過ごしてきました。
 この手紙は私にずっと付き添ってくれているお兄さんに書いてもらっています。
 彼は私を看病するためにミュージシャンをやめました。もちろん私は彼には本当に感謝しています。
 私がこの1年間に病室の中で学んだことは、どんなに惨めなことからでも人は何かを学べるし、
 だからこそ少しずつでも生き続けることができるのだということです。

 私の病気は精神の病気なのだそうです。
 ひどく厄介な病気なのですが、 もちろん回復の可能性はあります。
 3%ばかりだけど・・・。
 これはお医者様(素敵な人です)が教えてくれた同じような病気の回復例の数字です。
 彼の説によると、この数字は次に出すアルバムのセールスが『スリラー』を上回るよりは簡単だけど、
 『デンジャラス』を上回るよりは少しむずかしい程度のものなのだそうです。
1853/2:2006/05/23(火) 11:18:17 ID:1RZqBF7C
 時々、もし駄目だったらと思うととても怖い。
 叫び出したくなるくらい怖いんです。
 一生こんな風にハムスターみたいに病室に閉じ込められたまま外の景色を眺め、
 レコーディングもできず、世界中をツアーしてライブで歌うことも踊ることもできず、
 誰にも愛されることもなく、何十年もかけてここで年老いて、
 そしてひっそりと死んでいくのかと思うと我慢できないほど悲しいのです。

 夜中の3時頃に目が覚めると、時々自分の顔面が少しずつ崩れていく音が聞こえるような気がします。
 そして実際そのとおりなのかもしれません。
 嫌な話はもうやめます。そしてお兄さんが一日に何百回となく私に言いきかせてくれるように、
 良いことだけを考えるよう努力してみます。それから夜はきちんと寝るようにします。
 嫌なことは大抵真夜中に思いつくからです。

 病室の窓からはネバーランド牧場が見えます。毎朝私はべッドから起き上ってネバーランド牧場まで歩き、
 牧場の草の香りを胸いっぱいに吸いこめたら・・・と想像します。
 もし、たった一度でもいいから そうすることができたとしたら、
 世の中が何故こんな風に成り立っているのかわかるかもしれない。
 そんな気がします。
 そしてほんの少しでもそれが理解できたとしたら、
 病室のなかで一生を終えたとしても耐えることができるかもしれない。

 さよなら。お元気で」
1863/3:2006/05/23(火) 11:22:35 ID:1RZqBF7C

名前は書いてない。
僕がこの手紙を受けとったのは昨日の3時過ぎだった。
僕は局の喫茶店でコーヒーを飲みながらこれを読んで、
夕方仕事が終るとネバーランド牧場まで歩き、街の方を眺めてみたんだ。
君の病室からネバーランド牧場が見えるんなら、 ネバーランド牧場から君の病室も見える筈だものね。

街の方には実にたくさんの灯りが見えた。
もちろんどの灯りが君の病室のものかはわからない。
あるものは貧しい家の灯りだし、 あるものは大きな屋敷の灯りだ。あるものはホテルのだし、
学校のもあれば、会社のもある。
実にいろんな人がそれぞれに生きてたんだ、と僕は思った。
そんな風に感じたのは初めてだった。
そう思うとね、急に涙が出てきた。泣いたのは本当に久し振りだった。
でもね、いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。
僕の言いたいのはこういうことなんだ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。
    
  僕は・夜景が・好きだ。
  
あと10年も経って、この番組やぼくのかけたレコードや、
そして僕のことをまだ覚えていてくれたら、僕のいま言ったことも思い出してくれ。
彼のリクエストをかける。マイケル・ジャクソンの「I Just Can't Stop Loving You」
この曲が終ったらあと1時間50分、またいつもみたいな犬の漫才師に戻る。
ご清聴ありがとう。
187名盤さん:2006/05/23(火) 19:06:44 ID:281bHHs8
あげあげ
188名盤さん:2006/05/23(火) 19:25:04 ID:ykA9JcD9
>>184-186
GJ! まんまだけどw
189名盤さん:2006/05/23(火) 19:58:33 ID:w0BUi0VX
「私ね、この前ハーフタイムショーの時、カメラの前で裸になっちゃったの。
 全部脱いでじっくり見せてあげたの。ヨガみたいにやって。
 はい、これオッパイよ、これ、オマ◯コよって」とジャネットは言った。
190名盤さん:2006/05/24(水) 02:28:32 ID:QwpExH0J
久しぶりに会った羊男は、少し恥ずかしそうにしていた。
「あんたに渡さなくっちゃならない物があるんだ。これなんだけど」
羊男の黒い手には、ヘッドフォーンのついた白い小さな物体が握られていた。
「これは?」僕はこんな物は見たことがなかった。
「あんたこれを知らないのかい。
 あんたはいつも大切なことを見のがしているんだね」
羊男の言うとうり、僕はいつも大切なことを見のがしている。
「これはiPodとゆうんだ。この中に15000曲入るんだよ。
 ダウンロードしておいたから、すぐにでも聴けるよ」
この小さな物体の中に15000もの曲が録音されているらしい。
やれやれ。世界はどこまで進歩しつづけるのだろう。
15000のドラムセット 15000のベースギター
15000のリードギター 僕には想像することさえ出来そうもない。
「ちょっと聴いてほしいんだ」
羊男は僕の耳にヘッドフォーンを装着し、
どこかにある再生スィッチを操作した。
入っているのは全曲 フリオ イグレシアスだった。
15000人の フリオ イグレシアス。やれやれ。
191名盤さん:2006/05/24(水) 16:05:19 ID:4xqgluAi
やれやれ、またレッチリかと僕は思った。
192名盤さん:2006/05/24(水) 21:38:20 ID:B6IKNRYL
「レッチリは空耳アワーの為のバンドなんじゃないかと思うの」
彼女にそう言われた時、僕は返す言葉が見つからなかった。
その言葉は実に的を得ていた。2006年のフジロックの後だった。
193ろばーつ ◆UF6BgnNep. :2006/05/24(水) 21:51:18 ID:UISiNqHl
>>148
デュランって誰ですか?????
194名盤さん:2006/05/24(水) 21:59:21 ID:9PrFxXeh
デュランデュラン
195名盤さん:2006/05/24(水) 22:03:36 ID:CNj5+mQM
あー春樹風むかつくw
名にこのお洒落な絶望感のある文w
196ゲロ男 ◆.Eml6ZUBuo :2006/05/24(水) 22:06:20 ID:JJi2nGci
>>183
最近の邦楽では、ってことなんじゃないすかねえ。
わからないですけど。
亀ですいませんm(_ _)m
197イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/24(水) 23:05:49 ID:ii+7EjlE
>>193(ストーン・ロバーツ)

デュラン・デュラン。
198イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/24(水) 23:15:25 ID:ii+7EjlE
>>石とロバ

デュランとは
1980年代ボクシング中量級黄金期を支えたパナマ出身のプロボクサーです。
199名盤さん:2006/05/24(水) 23:37:27 ID:ZbhP4q0G
「ソニック・ユースはコンフュージョン・イズ・セックスしか聴かないかな」
とぼくはカヒミに言った。
「それこそが彼らのあるべき姿であるし、あれ以外彼らの演れる音楽はないんだ。
それなのにダーティみたいなアルバムも作るなんてぼくには信じられないね。
滑稽すぎるし、不愉快だ。カートの歌声に嫉妬していかれちゃったんじゃないかと当時は思ったね。」
「別に彼らの音楽が嫌いなわけではないし、実際好きなんだけどね。」ぼくはそう付け加えた。

「悲しいわね、そういう考え方。彼らの一番好きなアルバムがそれじゃ仕方がないけど。
あら…そこにあるアルバムは何?
ベル&セバスチャンのザ・ライフ・パースート…あなたこういうのも聴くのね。
まるで中島みゆきの寒水魚以前と後の区別がつかない、にわかみゆきファンみたいよ。
それこそ矛盾しているし、残酷だわ。あなたって躁鬱なの?」
カヒミはぼくの瞳を斜め越しに捉えてそう言い放った。
彼女の瞳には嘲笑と侮蔑に似た輝きが宿っていたかもしれない。

「そうかもしれないな」
それがぼくの答える事のできる精一杯の返事だった。
200名盤さん:2006/05/25(木) 07:41:58 ID:bpeaZB/m
「あんたに聴いて欲しい物があるんだ」
羊男は恥ずかしそうに、僕に1枚のレコードをさしだした。
「めずらしいね。君がレコードを持ってくるなんて」
それはボブディランの古いレコードだった。ジャケットには
暖炉の前でくつろぐ赤いドレスを着た女と、若いディランが
写っている。だがディランはくつろいではいない。その目は
傲慢ともみてとれる輝きで、カメラをとらえている。
その目は自信にみちあふれ、いっさいの迷いも、うかがわせない。
進むか 留まるか その目は常に決断をつきつける。
古いレコードだ。だがディランの真の行進はここから始まった。
「えらく懐かしいね」僕はレコードを手にとり、羊男に尋ねた。
「どうしてまたこんなものを」
羊男は本当に恥ずかしそうにつぶやいた。「好きなんだ」
「何故かはわからない。好きなんだ。ただそれだけさ」
そうゆうものかもしれない。
 

201名盤さん:2006/05/25(木) 11:18:54 ID:MbkiH98K
村上パールジャムのファンなんだよな。意外なことに
202名盤さん:2006/05/25(木) 12:46:02 ID:+jYMQ/YM
REMも好きって言っていたね。
203名盤さん:2006/05/25(木) 13:46:37 ID:/WnUkfq6
みーはーなんだな
204名盤さん:2006/05/25(木) 14:28:08 ID:KIbpBhTP
次に僕たちのやったことはフリートーキングだった。
「イングヴェイについて何でもいいからしゃべってごらん。」
僕はギターを弾く振りをして手をブンブン振った。
「思いつくことなら何だっていいさ。」
「早弾きのギタリストです。」
「ヴァイだってそうだよ。」「ずっとクラシカル。」
「それから?」
「凄くわがままで、気が向くとボーカルをクビにする。」
「何を食べる?」「ステーキ。」
「モスバーガーは?」「モスバーガーも。」
そんな具合だ。

205名盤さん:2006/05/25(木) 23:38:55 ID:4Dd2jVHr
「今の高校生って『ラヴレス』なんてぜんぜん聴かないのよ。
 この前タワレコで調査したの。あなたはどんなバンドが好きなの?」
「ドリーム・シンジケート」
「ドリーム・シンジケートはそんなたいしたバンドじゃないわ。時代遅れだし」
「そうかもしれない」と私は言った。
「でも好きなんだ。スリー・オクロックやレイン・パレードも良いけど。」
「新しいバンドは聴かないの?」
「ギャラクシー500ならときどき聴くね」
「ギャラクシー500を新しいバンドだなんていう人今どきあまりいないわよ」
と彼女はワインのグラスを傾けながら言った。
「でも面白いよ。『トゥデイ』なんて3回も聴いた。あれはたいしたアルバムじゃないけど
 聴かせる。逆よりずっと良い」
206名盤さん:2006/05/26(金) 17:44:33 ID:gcGpAfEe
モリッシーがパンティー・ストッキングをぐるぐると丸めるように脱いでいるところで
曲はザ・ザの『スウィート・バード・オブ・トゥルース』にかわった。
マーは目を閉じて両脚をテーブルの上に乗せ、勃起したペニスを触っていた。
「何もかも昔に起ったことみたいだ」マーは目を閉じたまま言った。
「もちろんよ」とモリッシーは言った。そしてマーのペニスを握り、少しずつ上下に動かし始めた。
「どうして分かる?」
「知ってるからよ」とモリッシーは言った。そしてマーの裸の胸に唇をつけた。
マーは目を閉じたまま、彼の唇と肌の感触に身をまかせた。

野獣のように激しいマンチェスターの夜が、蘇ろうとしていた。
207名盤さん:2006/05/27(土) 03:37:45 ID:mpuRl06q

僕が初めてマーの家を訪れた時、彼は薄暗い部屋のテーブルの上で
モリッシーとの不気味な行為にふけっている最中だった。

「モリッシーの優れた点は、」とマーは僕に言った。
「昼間のパートナーと夜のパートナーが一体化していることだ。」

散らかった広い部屋には『ハンド・イン・グローヴ』のハーモニカの調べが響き
モリッシーはすでに忘我の境地をさまよっていた。
208名盤さん:2006/05/29(月) 23:09:45 ID:XOzE48uR
やあ。ひさしぶりだね。元気かい?
今日は ザ バンド の話しをしようと思うんだ。
知ってるかな。大昔のロックバンドだよ。
世の中にサイケデリックサウンドが氾濫していた頃、この5人組は、
ブルース フォーク カントリー 初期のロックンロール等、
彼等が子供の頃ラジオで聴いていた音楽をベースにした、
とても泥臭い音楽で現われたんだ。そのデビューは当時、とても
衝撃的で彼等の登場の後、スワンプロック レイドバックサウンド
といったムーブメントがおこったんだ。
バンドは6枚のスタジオアルバムと1枚のライヴアルバム(どれも
はずれなし)の後、解散イベント ラストワルツへと到ってしまう。
これはリーダーの ロビー ロバートソン の提唱でおこなわれた
大イベントで、大勢のロックスターがバンドの解散を惜しんで
ゲスト出演している。
209名盤さん:2006/05/29(月) 23:19:57 ID:XOzE48uR
ラストワルツはロビーの、巨大化したロックビジネスの犠牲者
(ジミやジャニスのように)になりたくないとゆう危惧で開催
されたんだが、本当の犠牲になったのは、リードヴォーカルの
リチャード マニュエルなんだ。
リチャードはロビー抜きで再結成されたバンドのツアーで
日本公演をした後、つづくツアー先のフロリダのホテルで
首をつったんだ。
好意的に迎えられた日本の後、あまりに小さな会場ばかり
つづくツアーに、自分達の音楽が貶められるとかんじての
自殺だったらしい。
210名盤さん:2006/05/29(月) 23:29:07 ID:XOzE48uR
一度、リチャードの歌声を聴いて欲しい。
レイチャールズばりのシャウト、繊細なファルセット。
圧倒的な才能と、その才能をもったいないことに
ドラッグや酒で、無為に浪費してしまった悲劇を
ぜひ確かめて欲しい。
ドラッグと酒が大好きで、内気でシャイなリチャード。
どのミュージシャンもうらやんだ天才の哀しみを
211名盤さん:2006/05/30(火) 23:41:33 ID:OZoLnw27
212イルパン ◆vqXpCmPCxM :2006/05/30(火) 23:55:26 ID:ooYGreth
「お兄さんはどういう音楽が好きなんですか?」と渡辺昇が訊いた。
「ノイとか大好きだよ」と僕はやけで言った。
「他にはカンとかディーヴォとか好きだよ」
「どれも聴いた事がないなあ」と彼は言った。
「やはり今かかっているXTCみたいな感じの音楽なんですかね?」
「だいたい似ているね」と僕は笑顔で言った。
2132/1:2006/06/04(日) 10:30:22 ID:Di6WgbKh

僕が時折時間潰しに読んでいる雑誌を、
鼠はいつもまるで蝿が蝿叩きを眺めるように物珍しそうにのぞきこんだ。

「何故ロック雑誌なんか読む?」
「昔の記事が好きなんだ。特に当時のジャーナリスト達の提灯記事なんかが。」

「何故『ミュージックライフ』なんか読む?」

僕は鯵の最後の一切をビールと一緒に飲み込んでから皿を片付け、
傍らに置いた読みかけの『ミュージックライフ』を手にとってパラパラと
ページを繰った。
「『ミュージックライフ』がもう廃刊した雑誌だからさ。」

「最近のロック雑誌とかは読まない?」
「最近のロック雑誌になんてなんの価値もないよ。」

「何故?」
「廃刊した雑誌に対しては、たいていのことが許せそうな気がするんだな。」
2142/2:2006/06/04(日) 10:35:30 ID:Di6WgbKh

僕がジェイズ・バーに入った時、鼠はカウンターに肘をついて顔をしかめながら、
積み上げた年代もののロック雑誌を読んでいた。

「面白いかい?」

鼠は雑誌から顔を上げて首を振った。
「でもね、ずいぶんロック雑誌を読んだよ。このあいだあんたと話してからさ。
『僕の体は無数の小さな虫の塊からできている…ニュニュニュニュニュ、ニュー・オーダー』
 知ってるかい?」

「いや。」

ロッキンオン86年12月号さ。こんなのもあった。
「『猪木は勝てた、ポールも勝てる…「東京ドーム」猪木と「フラワーズ・イン・ザ・ダート」
 ポール・マッカートニー』」

「何の雑誌だい、それは?」
「忘れたね。どういう意味だと思う?」

「さあね。」

鼠は困ったように首を振った。
「不思議だね。俺にはどうもわからないよ。」
鼠はそう言った。
215名盤さん:2006/06/04(日) 17:49:25 ID:mIEGN9Qk
和田義彦氏≒アルベルト・スギ氏はどうよ?
216名盤さん:2006/06/04(日) 18:18:12 ID:2wWD8MJi
>>169
「オルガスムス?」
「さまぁ〜ず大竹が使った言葉よ。リチャードホールは見ないの?」
217名盤さん:2006/06/04(日) 18:55:19 ID:+qposXtV
5行前後程度のネタは面白いなあ
218名盤さん :2006/06/04(日) 18:57:10 ID:20cuD5M5
やれやれ。
219名盤さん:2006/06/04(日) 19:10:28 ID:jmbAcyoR
顔をしかめる
220名盤さん:2006/06/04(日) 21:23:15 ID:SwKyosiG
参ったな
221名盤さん:2006/06/04(日) 23:21:56 ID:EhAdL3uP
僕たちはオレンジジュースを飲み、オレンジジュースを聴いた。
2222/1:2006/06/05(月) 00:36:42 ID:eyvzF1/B

 電話を切ったあとで、僕はモリッシーについて少し考えてみた。
 無口でシャイでナルシスティックな男。
 心に何種類もの傷を抱え、子供のような振る舞いをする男。
 英国王室やセレブを憎み、いつもマスコミを挑発し、それでも基本的にはポップ・ミュージックを愛している男。
 取っ付きにくいところがあって、時々ワケのわからない事を言うけれど、
 でも基本的には心を打つ詩を生み出す男。
 あらゆる意味でエキセントリックな男。

 僕らは彼の自宅をいきなり訪ねたあの日から、コンビを組んで長い間二人でうまくやってきた。
 僕らはもともと親しい友人ではなかったのだけれど、割に気が合うところがあった。
 毎日顔を合わせていて、口論もあまりしたことがなかった。
 僕は育ちのいい穏やかな人間だったし、彼は口論は好まなかった。
 多少の差こそあれ、互いに敬意を払って一緒に仕事を続けてきた。

 でも結局のところ我々はいちばん良い時期に別れたのだ。
 僕が急にバンドを抜けてからも彼は僕抜きでうまくやっていたし、
 正直に言って僕がいなくなってからの方がうまくやっていた。
 レコードのセールスも順調に伸びていた。
 精神的にも、一人になってからの方がずっと安定していた。
2232/2:2006/06/05(月) 00:39:39 ID:eyvzF1/B

 たぶん、僕の方に問題があったんだろうと思う。
 だから僕がいなくなってからの方が ずっとのびのびと振る舞えるのだ。
 暴君的な歌詞や発言で世間を煽り、記者やインタビュアーにウィットに富んだ冗談を言い、
 下らないとは思いながらステージではロックスターを気取る。

『ザ・スミスは死んで完璧になっただなんて、冗談じゃない。
 ………ポップ・ミュージックの最良の瞬間っていうのは、僕が思うにとても儚いものだよ』
 彼は言っていた。確かにそうだったのかもしれない。

 あの男は一人になって良かったんだ、と僕は思った。あらゆる意味で。
 要するにモリッシーは僕がいなくなることによって、年齢相応に振る舞えるようになったのだ。
 年齢相応、と僕は思った。
 それから「年齢相応」と口に出して言ってみた。
 口に出してみると、それは何だか他人事のように思えた。

 マーは目の前のテレビをぼんやりと眺める。
 ブラウン管ではモリッシーがインタビュアーの質問に答えていた。
「知りたきゃ教えるけど、再結成のオファーは500万ドルだったよ。
 やらないよ、金じゃないんだ。
 スミスを再結成するなら、自分の金玉を食ったほうがマシだ。」
224名盤さん:2006/06/08(木) 00:59:32 ID:F9uoiKZa
ageるんだよ、と羊男が言った。
アゲルンダヨ、と思考がこだました。
ageるんだよ、と僕は口に出して復唱してみた。
そして書き込みのボタンをクリックした。
225名盤さん:2006/06/10(土) 17:06:46 ID:UnvUgM1Z

 デーモン・アルバーンはグラスに半分ばかりビールを飲み、ため息をついてそれをテーブルに戻した。
「ねぇ、ビリー、人間はみんな腐っていく。そうだろう?」
「そうだね。」

「腐り方にはいろんなやり方がある。」デーモンは無意識に頭髪に手をあてる。
「そうかもしれない。」

 ビリー・コーガンは黙っていた。デーモンも黙った。
 彼はテーブルの上のマッチを取り、ゆっくりと軸に火を燃え移らせてから煙草に火をつけた。
「問題は、」とビリーが言った。「あんた自身が変ろうとしていることだ。そうだね?」
「実にね。」

おそろしく静かな何秒かが流れた。十秒ばかりだろう。ビリーが口を開いた。
「人間ってのはね、驚くほど不器用にできてる。あんたが考えてるよりずっとね。」
デーモンは瓶に残っていたビールをグラスに空け、一息で飲み干した。「深刻なんだ。」
 ビリーは何度か肯いた。

「ハゲかけてる。」
「そんな気がしてたよ」ビリーはそう言うと、しゃべり疲れたように微笑んだ。
デーモンはゆっくり立ち上がり、煙草とライターをポケットにつっこんだ。時計は既に一時をまわっていた。
「おやすみ」とビリーは言った。
「おやすみ」とデーモンが言った。「ねえ、マイク・パットンが言ったよ。ゆっくり歩け、そしてたっぷり尿を飲めってね。」
デーモンはビリーに向かって微笑み、ドアを開け、階段を上る。街灯が人影のない通りを明るく照らし出している。

デーモンはガードレールに腰を下ろし、空を見上げる。そして、いったいどれだけの尿を飲めば足りるのか、と思う。
226名盤さん:2006/06/11(日) 02:26:15 ID:4ge6NZZf
hage
227名盤さん:2006/06/11(日) 02:29:27 ID:dH9wIMj8
ワロス
228名盤さん:2006/06/11(日) 02:32:03 ID:w6owPjo4
 
229名盤さん:2006/06/12(月) 03:02:28 ID:fwVOdRRI
hage
230 ◆BVBwMwaFoc :2006/06/12(月) 03:16:39 ID:hyC4o6lU
「君と同じだよ。ウンコしようとしてるんだ!」
231名盤さん:2006/06/12(月) 21:44:20 ID:D/UL+/4C

『ハゲの歌を聴け』
232名盤さん:2006/06/14(水) 09:08:27 ID:t3oajC3W
禿禿
233名盤さん:2006/06/14(水) 09:17:36 ID:h6tvvExn
ユミヨシさん、ABBAだ
234名盤さん:2006/06/18(日) 06:35:14 ID:MLSydhz1
ほしゅ
235名盤さん:2006/06/18(日) 06:59:41 ID:vN/39V4I
やっぱり春樹風スレは面白いわ
236名盤さん:2006/06/18(日) 21:46:20 ID:Vjj7dHUw
タワーレコードに入ると年頃の女の子たちが
フランツ・フェルディナントやアークティックモンキーズやらのCDを取りながら
曲のなんたるかを言い合っていた。

そんな光景に目を奪われながら、友人に話かけると
「僕が知ってるのはビートルズやストーンズ、それにキンクスやフーだね。」と彼は言った。
アニマルズだけが忘れ去られようとしていた。

僕はそんな2000年代にいたのだ。


237名盤さん:2006/06/20(火) 02:14:03 ID:r5+G+/Pn

ある新聞記者がインタビューの中でB'zの松本にこう訊ねた。
「あなたのバンドはツェッペリンやエアロスミスなどの洋楽に非常に似た曲がありますが。
これはパクリではないですか?」
松本はこう言った。
「君は宇宙空間で僕等の曲がどんな風に聴こえるのかを知っているのかい?」
「いや、」と新聞記者は答えた。「でも、誰もそんなの聴いたことありませんよ。」
「誰も聴いたこともない曲を書いて、いったい何の意味がある?」


僕は時々他人の曲をパクる。
最後に曲をパクったのは先月のことだ。
曲をパクるのはひどく簡単なことだ。
パクリと裏金は現代のJポップ界にはびこる二つの巨大な罪だと言えるかもしれない。
実際僕たちはよく曲をパクり、しょっちゅう裏金をバラ撒く。
しかし、もし僕たちが毎年レコードをリリースし続け、しかもまともに作曲したとしたら
、パクリの醍醐味など失くなってしまうのかもしれない。
238名盤さん:2006/06/24(土) 18:34:19 ID:zjSTnkdc
やれやれ
239FM極道 ◆urd/lZNWWA :2006/06/24(土) 20:50:07 ID:iJc9rH12
小説
より
ここのを
読むのも
楽しいな
240名盤さん:2006/06/24(土) 23:35:12 ID:6V9YKnis
うわぁ…ここにもFM居るのかよ
241名盤さん:2006/06/25(日) 15:07:09 ID:vIX3l67D

いい年をして無職の僕は、今日もたいしてやることがなく
音楽を聴きながらあてもなくドライブをしていた。

何も考えなかった。僕はただ音楽に耳を澄ませていた。
ダニエル・パウターとファットボーイ・スリムがかかった。
それからアナウンサーがここで懐かしい曲を一曲、と言った。
ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」だった。

それは哀しい曲だった。「ハロー、ハロー」とカートが歌っていた。
「どのくらい酷い?」。その唄を聴いていて、僕は本当に哀しくなった。
涙が出そうなほどだった。ときどきそういうことがある。
何かがちょっとした加減で、僕の心の一番柔らかな部分に触れるのだ。
僕は途中でラジオを消して、サービス・エリアに車を停め、レストランに入って
野菜のサンドイッチとコーヒーを注文した。
洗面所に入って涙のあとのついた顔を洗い、サンドイッチをひときれだけ食べ、
コーヒーを2杯飲んだ。

カートは天国でどうしているだろう、と僕は思った。
口にくわえたレミントンの銃口は冷たかっただろうな、と僕は思った。
カートは死んでロックの神様の仲間入りをしたんだ。でもそれがなんになる?
こうなる運命だったんだよ。カートも僕も。

僕は一時間、そのレストランで野菜サンドイッチの盛られた皿を
ぼんやりと見つめていた。
ちょうど一時間後に菫色の制服を着たウェイトレスがやってきて、
その皿を下げていいか、と遠慮がちに僕に聞いた。僕は肯いた。

さて、と僕は思った。
社会に戻るべき時だった。
242名盤さん:2006/06/25(日) 23:20:25 ID:0rDf0lcE
>241
全米が泣いた。
243名盤さん:2006/06/25(日) 23:27:20 ID:9lJbrn5b
>>241
最高傑作
244名盤さん:2006/06/26(月) 00:04:59 ID:ZRpxyXDb
やれやれ、僕は思った。
またリバイバルか。
245名盤さん:2006/06/26(月) 12:35:57 ID:jzIEO0iO
>241
禿しくイイ!、と僕は思った。
246名盤さん:2006/06/26(月) 12:37:56 ID:v4MEhzIb
「やれやれ」って僕以外の人も言うんだな
247名盤さん:2006/06/26(月) 12:46:29 ID:aVDDwkcT
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーー!!!
「やれやれだぜ」
248名盤さん:2006/06/27(火) 14:34:51 ID:CTW758Hw
ちょっとは落ち着いたら?と僕は電話越しの彼に言った。
249ヘブン ◆cOok1beAx. :2006/06/28(水) 17:54:31 ID:XZdUUdHE
これは現実じゃない。ぼくはここにいない。
250名盤さん:2006/07/02(日) 05:06:01 ID:zbvM78tx

 モービーはジューク・ボックスに小銭を入れて何曲かを選び、カウンターに戻って
 ビールを飲んだ。
 10分ばかりして、ビリー・コーガンがモービーの前にやってきた。
「ねぇ、デーモンはあんたに何も言わなかった?」
「うん。」

「変だね。」
「そう?」

 ビリー・コーガンは手にしたグラスを何度も磨きながら考え込んだ。
「きっと、あんたに相談したがっているはずだよ。」
「何故しない?」
「しずらいのさ。馬鹿にされそうな気がしてね。」
「馬鹿になんかしないよ。」
「そんな風に見えるのさ。昔からそんな気がしたよ。優しい子なのにね、
 あんたにはなんていうか、どっかに悟り切ったような部分があるよ。
 ……別に悪く言ってるんじゃない。」
「わかってるよ。」

「ただね、俺はあんたより昔から売れてるし、その分だけいろんな嫌な目に
 あってる。だから、これはなんていうか……。」
「老婆心。」
「そう。」

 モービーは笑ってビールを飲んだ。
「デーモンには僕の方から言い出してみるよ。」
「うん、それがいいよ。」
 ビリーは煙草を消して仕事に戻った。モービーは席を立って洗面所に入り、
 手を洗うついでに鏡に顔を写してみた。
 蛍光灯の光に照らし出された彼の頭はつやつやと輝いていた。
 そしてうんざりした気分でもう一本ビールを飲んだ。
251名盤さん:2006/07/02(日) 08:45:36 ID:5gSC5yrh
ワロタwwwwwwwwww
252名盤さん:2006/07/02(日) 09:25:07 ID:dgyyebHG
>>247
飛呂彦の動と春樹の静はよく似ている。
253名盤さん:2006/07/02(日) 10:25:14 ID:L6EVhFVJ
私は、著者の写真で読む本を決めます。村上の写真を見・・そして・・即刻ゴミ箱に叩きつけました。
254名盤さん:2006/07/02(日) 10:35:43 ID:LMwYAXJt
村上さんはあの顔であんな文章を書くからすごいの。
255FM極道 ◆urd/lZNWWA :2006/07/02(日) 11:16:10 ID:0dK8wE0A
>>250
はげねたね
2562/1:2006/07/02(日) 12:11:41 ID:lOHFlwmZ

 夕方になって日が翳り始める頃、モービーとデーモン・アルバーンはプールを出て、
 オービタルのテクノ・ミュージックの流れるホテルの小さなバーに入り、
 冷たいビールを飲んだ。
 広い窓からは港の灯りがくっきりと見えた。

「なんか悩んでるんだって?」
 モービーは思い切ってそう訊いてみた。

 デーモンは手の甲で口についた泡を拭い、考え込むように天井を眺めた。
「はっきり言ってね、そのことについちゃあんたには何も言わないつもりだったんだ。
 馬鹿馬鹿しいことだからね。」
「でも一度は相談しようとしただろう?」
「そうだね。しかし一晩考えて止めた。
 世の中にはどうしようもないこともあるんだってね。」

「例えば?」
「例えば………ハゲさ。
 ある日突然髪が薄くなったことに気付く。
 誰が慰めてくれたって抜け毛が止まるわけじゃない。そうするとね、
 自分の毛髪に対してひどく腹が立ち始める。そしてその次に自分の毛髪に対して
 悩む必要のない奴らに対して無性に腹が立ち始めるんだ。

 わかるかい?」
2572/2:2006/07/02(日) 12:16:18 ID:lOHFlwmZ

「すごくわかる。」とモービーは言った。

「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。
 故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん遺伝の問題もある。
 生まれつき毛の量の多いのもいりゃ少ないのもいる。
 毛の太いのもいりゃ細いのもいる。
 だけどね、ハゲないやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。
 ハゲてないやつはいつかハゲるんじゃないかビクついてるし、
 ハゲてるやつは陰で笑われてるんじゃないかと心配してる。
 みんな同じさ。
 だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。
 振りをするだけでいい。そうだろ?
 強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」

「ひとつ質問していいか?」
 モービーは肯いた。
「あんたは本当にそう信じてる?」
「ああ」
 デーモン・アルバーンはしばらく黙りこんで、ビールグラスをじっと眺めていた。
「嘘だと言ってくれないか?」
 デーモンは真剣にそう言った。

 モービーは車でデーモンを家まで送り届けてから、
 一人でビリー・コーガンのところに立ち寄った。
「話せたかい?」
「話せたよ。」
「そりゃ、良かった。」

 ビリーはそう言って、モービーの前に『プロピア』のパンフレットを置いた。
258名盤さん:2006/07/03(月) 01:02:16 ID:JZHVCgVO
発表後三十年を経ていない音楽家の作品は原則して聴こうとはしなかった。
そういう作品しか俺は信用しない、と永沢は言った。
「現代音楽を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けてないものを読んで
貴重な時間を無駄に費やしたくないんだ。人生は短い」
「永沢さんはどんな作品が好きなんですか?」と僕は訊ねてみた。
「オアシス、レディヘ、ニルヴァーナ」と彼は即座に答えた。
「あんたは嘘つきだよ」と僕は心の中であきれた。
259名盤さん:2006/07/04(火) 12:05:55 ID:a8apa0Lx
>>258
> 時の洗礼を受けてないものを読んで
直してないぞ
260名盤さん:2006/07/07(金) 23:59:41 ID:co9fWZ4F
やれやれ
261FM極道 ◆urd/lZNWWA :2006/07/08(土) 00:03:42 ID:gr0YvENX
>>257
つぼなんだよな…

遠回しに言ってるって考えるとたまらない
262名盤さん:2006/07/08(土) 02:55:26 ID:W3XB5HSC
アホか・・・・・
263名盤さん:2006/07/08(土) 09:30:18 ID:OBuXDf/+
もしも僕らの言葉がニルヴァーナであったなら
264名盤さん:2006/07/08(土) 13:59:17 ID:NCPLgtjC
だれか“芥川龍之介風”に語って見て下さい(・ω・`)
2652/1:2006/07/09(日) 04:51:53 ID:2uBOWVYW

 モービーはデーモン・アルバーンとマセラッティに乗ってシェーキーズに向かった。

 週末だったのでシェーキーズは混んでいて、うるさかった。
 バンド・スタンドがあってREMのコピーバンドが『シャイニー・ハッピー・ピープル』
 を演奏し、ピッツァの焼ける香ばしい匂いが店内に漂っていた。
 デーモンとモービーはピッツアを注文し、生ビールを買って一番奥のテーブルに座った。
 彼らは何杯かビールを飲み、それから焼きあがった熱いピッツァを齧った。 

 ピッツァを食べたあとでも、彼らはしばらく何も言わず空っぽのステージを
 じっと眺めていた。
 音楽が消えると、人々の話し声が奇妙な硬質さを帯びたように感じられた。
 それは漠然とした硬質さだった。それは、波のように僕の意識を打っていた。
 ゆっくりとやってきて意識を打ち、そしてまた引いていった。
 モービーはしばらくその波の音に耳を澄ませていた。
 モービーの意識は彼自身から離れてひどく遠くにあった。
 遠い波が遠い意識を打っていた。

「いつから植毛してるの?」とモービーはデーモンに訊いてみた。
 訊こうと思って訊いたわけではない。
 それはふと口をついて出てしまったのだ。

 デーモンはずっと遠くにある何かを見るような視線でモービーの顔を見た。
 唇が少し開いて、その間から白い綺麗な歯が見えた。
 長い間、デーモンはモービーの顔をじっと見ていた。
 それからデーモン・アルバーンは微笑んだ。とても静かな微笑だった。
「僕は植毛をしているのか?」とデーモンは言葉をゆっくりと区切るようにして言った。

「冗談だよ」とモービーも微笑んで言った。
「ただ何となくそう言ってみただけだよ。ちょっと言ってみたかったんだ」
2663/2:2006/07/09(日) 05:04:25 ID:2uBOWVYW

 デーモンは視線をテーブルの上に落として、自分の手を見ていた。
「いや、冗談なんかじゃないよ。それはとても大事なことなんだ。きちんと考えなくちゃ
 ならないことだ。僕は植毛したのか?真剣に考えなくちゃならない」

 モ−ビーはデーモンの顔を見た。くちもとは微笑んでいたが、目は真剣だった。
 デーモンはビールをひとくち飲み、グラスをテーブルに置いて、頬杖をついた。

「僕にも確信が持てないんだ。こういう言い方って、馬鹿馬鹿しいと思うだろう?
 でも本当なんだよ。確信が持てない。僕の髪型は不自然なような気がするんだ。
 髪の毛が薄くなってきたんで植毛した。そういう気がする。どうしてだろう?
 どうして僕の髪は不自然に生えているんだろう?僕はこう見えても昔はアイドルだったのにね。

 ―――― 僕はどこかのクリニックで髪の毛を植えた。この頭に。
 でもそれが事実だという確信が持てない。本当に起こったという確信がもてない。
 気がするっていうだけなんだ。証明できない。それについて僕はずっと考えてきた。
 でも駄目なんだ。わからない。肝心なことが空白の中に呑み込まれている。
 何か具体的な証拠がないかと考えてみる。たとえば領収書。

 クリニックで支払いを済ませたあと僕は領収書を受け取ったはずだ。
 それがみつかれば、現実だってわかる。でもそれも駄目だ。
 ばらばらになった記憶を辿ってみる。僕はどこかのクリニックで治療を受けた。
 そして支払いを済ませ領収書を受け取った。領収書はどこかに捨てた。
 そういう気がする。でも細かいところが思い出せない。証拠がないんだ。
 だいいち、僕はどこのクリニックへ行ったのだろう?ただ都内としか覚えてないんだ。
 それは夢みたいにきれぎれなんだ。
2673/3:2006/07/09(日) 05:05:46 ID:2uBOWVYW
 記憶はあるよ。でもそれは本当の記憶なんだろうか?
 あるいは、それはあとから僕が状況にあわせて適当にこしらえたものなんだろうか?
 僕はどうかしていると思う。グレアムと別れてから、その傾向はますますひどくなってきた。
 疲れている。そして絶望している。絶望的に絶望している。」
 そう言ってデーモンは頭をかきむしった。

「君は疲れているんだよ」とモービーは言った。
 君に以前よりもっと近づけたような気がする、とモービーは思った。

 頭をかきむしった勢いでデーモンの頭髪は少しずれてしまっていた。
268名盤さん:2006/07/14(金) 07:41:40 ID:AMJKix8b
hage
269名盤さん:2006/07/15(土) 14:29:39 ID:ric7sten
僕は目の前に肉の塊があることに気が付いた。
だいぶ疲れた顔には深いシワが刻まれていた。誰かが「新作は?」と肉の塊
に話しかける。 目の前の肉の塊は僕にケヴィンシールズを連想させた。
270名盤さん:2006/07/15(土) 16:45:21 ID:xenTIdb9
僕は洋楽についての多くをSundaysに学んだ。殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことにSundays自身は全ての意味で不毛なバンドであった。
聴けばわかる。歌詞はわかり辛く、アレンジは単調であり、歌声は稚拙だった。
しかしそれにもかかわらず、彼らは音楽を武器として戦うことができる数少ないバンドの一つでもあった。
デビューから10年、彼らはその不毛な戦いを続けそして死んだ。
1997年9月22日、static&scilenceというアルバムをリリースして
彼らは音楽界から忽然と姿を消したのだ。
彼らが活動していたことと同様、隠遁したこともたいした話題にはならなかった。
271名盤さん:2006/07/17(月) 22:06:47 ID:Mao5ILXD
hage
272名盤さん:2006/07/17(月) 22:15:33 ID:y0Qby02j
「やれやれ」
273名盤さん:2006/07/18(火) 01:24:35 ID:7ENBg0U4
春樹は嫌いじゃないんだが、なんか嬉しそうに音楽のネタを小説の中に出してくるところが不愉快。
274名盤さん:2006/07/18(火) 01:38:16 ID:hBBH85rW
ノルウェイの森のラストのセックスの前の
ビートルズについての台詞、唐突だったのに加えてリンゴも入れてやれよ!て思ったな
275名盤さん:2006/07/18(火) 01:50:08 ID:Z4N8NVK+

『天使のささやき』のCDはまだ僕のCDラックの片隅にある。
夏になるたびに僕はそれをひっぱり出して何度も聴く。
そしてあの頃のことを思い出しながらビールを飲む。

ラッシュ、ハウス・オブ・ラブ、ブラーなんかのCDはブックオフで処分したけれど
サンデイズやペイルセインツは売ることが出来なかった。
ザ・ラーズとノースサイドのCDは引越しに紛れて失くしてしまった。
ハッピーマンデーズは久しぶりにフジロックにやって来る。


 素敵な女の子がみんな、
 ハリエットみたいならね……。
276名盤さん:2006/07/22(土) 10:14:29 ID:qOo7JiYf
やれやれ、またレッチリかと、僕は思った。
277名盤さん:2006/07/23(日) 10:10:00 ID:/ZvtIv9Q
hage
278FM極道 ◆urd/lZNWWA :2006/07/23(日) 10:26:56 ID:GmnEZNhw
tiharu
279名盤さん:2006/07/23(日) 13:13:48 ID:JX16A0NP
このスレおもしれえ
2802/1:2006/07/24(月) 02:16:13 ID:XpoK6oHr

 ノックの音がした。
 僕がミニコンポにCDを入れた後玄関にでてみると、そこにはボノ(廃品回収業者にして
 エコロジスト)が立っていた。
 もう夕方の六時半だったので、ボノは「こんばんは」と言った。

「こんばんは」と僕もよくわけがわからないまま言った。
「えーと、でも廃品回収をお願いした覚えは ないんだけどね」
「ええ、それはわかってます。今日はちょいとお願いがあってうかがったような次第なんです。
 実はお宅にご不用のCDがあるってうかがったもんで、もしよろしければトム・ヨークの新譜
 と交換していただければと・・・・・・・まあ、そう思いまして」
  、、 、、、、、、
 トム・ヨークの新譜と僕はびっくりして頭の中で復唱したが、その驚きを顔には出さなかった。

「あるよ」と僕は何気なさそうに言った。「見てみる?」
「ええ、そりゃもう見せていただければ」

 僕はボノを連れてCDラックの前に行き、U2のCDを何枚か取り出して見せた。
 そして「ほら、これとかこれとか」と言ってやった。
 僕だって少しくらいはユーモアのセンスがある。ボノほどではないけれども。
2812/2:2006/07/24(月) 02:20:36 ID:XpoK6oHr

しかしボノは笑わなかった。

彼は『 魂の叫び(Rattle & Hum)』や『アクトン・ベイビー』を真剣な顔つきで品定めしていた。
『ズーロッパ』、『ポップ』をチェックし、『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』の状態を調べていた。
「こりゃ旦那、逸品ですよ」と彼はため息をついていった。
「すごい。87年リリース の『ヨシュア・トゥリー 』ですよ。旦那もずいぶんこれでいい思いなすったでしょう?」
「うん、まあね」と僕は誇らしげに言った。
ちょっと暑苦しく感じる時もあるけど、よく聴くことは聴いた。

ボノがそれらをトム・ヨークの新譜と交換してはくれまいかというので、「いいよ」と僕は答えた。
ボノは外に出て家の前に駐車してあったライトエースの助手席からトム・ヨークの新譜をだし、
それを僕に手渡すと、かわりにU2のアルバムを数枚抱えて持っていった。

「いつもすみませんね」とボノは言って運転席から手を振った。僕も手を振った。
それから僕は部屋に戻り、ミニコンポでレッチリの新譜を聴いた。

ボノがおいていったCDは、ジャケットが『The Eraser』で中身のCDは『How To Dismantle An Atomic Bomb』
だったけれども。
282名盤さん:2006/07/27(木) 03:07:49 ID:cbHJuq7S
 私は店を出てタクシーを拾った。
 汚れたなりをしていたので停まってくれるタクシーにめぐりあうまで結構時間がかかった。
 タクシーの運転手は髪の長い若い男で、助手席に置いた大きなステレオ式のラジオ・カセット
 でジョイ・ディヴィジョンの音楽を流していた。
 私は大声で行き先を告げると、背もたれに深く身を沈めた。
「俺、若くてロック聴きそうな客しか乗せないんだ。
 そういう客なら別に汚れてたって構わないんだ。これ聴いてんのだけが楽しみだからさ。
 ジョイ・ディヴィジョン好き?」と運転手がバックミラーに向かって話し掛けてきた。
「わりとね」と私は適当に言った。

「会社はさ、こういうのかけちゃいけないっていうんだ。ラジオで歌謡番組流してろってさ。
 でも冗談じゃないよな、そんなの。
 オレンジレンジだとか大塚愛なんて下らなくって聴いてらんないよ。
 ジョイ・ディヴィジョンが最高だね。一日聴いてても飽きないね。
 初期のニュー・オーダーもいいけどさ。お客さんはニュー・オーダーどう?
「悪くない」と私は言った。

 ジョイ・ディヴィジョンのテープが終わると運転手はブートレッグのライヴを聴かせてくれた。
 ダッシュボードにはぎっしりとテープがつまっていた。
「でもさ、、あと十年か十五年したらさ、世の中のタクシーの多くがロック流しながら走ってると
 思わない?そうなるといいと思わない?」
「そうなるといいね」と私は言った。

 私は運転手が運転そっちのけで『シーズ・ロスト・コントロール』を歌いながら、イアンの
『死んだハエダンス』を踊っているのを後ろからぼんやりと眺めていた。


 そんなわけで、タクシーが景気よく公園の垣根を突き破り、つつじの植込みを踏み倒し、石柱に
 思い切りぶつかった時、運転手は軽い発作状態で叫んでいた。「ロスト・コントロール・アゲーーーン」
 
 私はいつものセリフを口にした。「やれやれ」
283名盤さん:2006/07/27(木) 13:08:37 ID:72gIUlJO
>>282
まざってるぞw
284名盤さん:2006/07/27(木) 13:46:30 ID:59oqNK2W
以上、世界の終わりとハードボイルド・ワンダー・ランドの一節でした。
285名盤さん:2006/07/27(木) 14:27:10 ID:68shoAjI
「ブックオフなんて・みんな・糞くらえさ。」
鼠はカウンターに両手をついたままの僕に向かって憂鬱そうにそうどなった。
鼠がブックオフの悪口を言うのは今に始まったことではないし、
また実際にひどく憎んでもいた。
鼠にしたところで相当なブックオフヘビーユーザーだったのだけれど、
僕がそれを指摘する度に鼠は決まって、「俺のせいじゃないさ。」と言った。
286名盤さん:2006/07/30(日) 10:07:22 ID:nMRGRd9W
僕は『ドルフィン・ホテル』の暗闇の中で一人立ちすくんでいた。
僕は息を止めて待った。しばらく沈黙があった。
どれくらいの時間かはわからない。五秒かもしれないし、一分かもしれない。
     、、、
それからその音が聞こえた。
たぷたぷという誇張された音。肉ずれの音だ。
何かが床から立ち上がる。そして足音。
それはこちらに向かってゆっくりとやってくる。
スリッパをひきずるようなずり、ずりという音。
          、、、、、、、、、
何かがやってくる。何か人間でないもの、と彼女は言った。
彼女の言うとおりだった。それは人間の足音ではなかった。
何か別なものなのだ。

僕は逃げなかった。汗が背中をつたって流れていくのが感じられた。
でもその足音が近づくにつれて、奇妙なことに僕の中の恐怖は逆に少しずつ薄らいでいった。
これは邪悪なものではない。僕はそれをはっきり感じることができた。
何も怖がることはない。大丈夫。
僕はドアのノブをしっかりと握りしめ、目を閉じ、息を止めていた。
大丈夫。怖くない。
僕は暗闇の中で巨大な心音を聞く。それは僕自身の心音だ。
僕自身の心音の中に僕が包まれ含まれている。

足音が止まった。
287286の続き:2006/07/30(日) 10:10:13 ID:nMRGRd9W
それは僕のすぐそばにいた。そして僕を見ていた、
僕は目をとじていた。
繋がっている、と僕は思った。
僕はあらゆる場所に繋がっていた。
ナイルの岸辺や、キキや、いるかホテルや、古いロックンロールや何もかもに。
かちかちと時を刻む爆弾。古い光。古い歌。古い声。
         、、
「待ってたよ」とそれは言った。
「でも、これで最後なんだ。今度こそバンドを解散させようと思う」

それが誰なのか目を開けなくてもわかった。
ロバート・スミスだった。
288 ◆KU.G539/RM :2006/08/01(火) 22:56:46 ID:2Lzc5Fqq
やれやれ、またレッチリか、と僕は思った。
289名盤さん:2006/08/01(火) 23:26:32 ID:a32mRp1i
メタフォニカルにね
290名盤さん:2006/08/01(火) 23:27:32 ID:SbqA0+XO
>>289
以上海辺のカフカでした。
291名盤さん:2006/08/05(土) 19:14:03 ID:x9O2A/cl
「ageるんだよ。」と羊男は言った。
「このスレがある限り、age続けるんだ。」
292名盤さん:2006/08/05(土) 19:25:42 ID:bY1mRP4e
ゴーイントゥアゴッゴ♪
293名盤さん:2006/08/06(日) 05:49:30 ID:PM9vdWat
「ブックオフなんて・みんな・糞くらえさ。」
清水國明はカウンターに両手をついたままの僕に向かって憂鬱そうにそうどなった。
清水國明がブックオフの悪口を言うのは今に始まったことではないし、
また実際にひどく憎んでもいた。
清水國明にしたところで相当なブックオフヘビーユーザーだったのだけれど、
僕がそれを指摘する度に清水國明は決まって、「俺のせいじゃないさ。」と言った。
294名盤さん:2006/08/06(日) 16:27:42 ID:25uOHaWm
誰かプライマルスクリームを語ってくれないか。
295T-N:2006/08/06(日) 17:03:20 ID:762jxm83
君は、K-Aだろ。僕の思ったとおりだ。
296>>294:2006/08/06(日) 18:58:56 ID:XXig6GID

「君らの音楽に一貫性がないのはなぜなの?」と僕はボビー・ギレスピーに訊ねた。
「自分のやりたいようにやってるだけさ。」とボビーはそっけなく答えた。
「流行りものに手を出してるだけだ、なんて言われてるけど…。」
「いや、そういうわけじゃないんだ。
 俺はただ素晴らしい音楽をつくりたいだけなんだ。」とボビーは答えた。
「素晴らしい音楽って?例えば?」と僕は続けざまに質問した。
「プライマル・スクリームの音というのがあるんだ。
 それは本当にフリー・スタイルで熱狂的なエネルギーに満ち溢れた音楽なんだよ。
 それをまだ俺たちは探求し続けているってわけさ…。」

 ボビーは真剣に(冗談ではなく)俺が音楽を続けるのは天の啓示を受けるためなんだ、と言った。
 ボビーが答えたその言葉は僕を混乱させた…… 。

 僕は天の啓示とはどんなものなのかと訊ねてみた。
「それが分かれば苦労しないよ。」とボビーは言ったが、少し後でこう付け加えた。
「でもそれは天使の羽根みたいに空から降りてくるんだ。」

 僕は天使の羽根がボビーの頭の上に降りてくる光景を想像してみたが、遠くから見るとそれは
 まるでコカインの粉末のように見えた。
297名盤さん:2006/08/07(月) 15:31:13 ID:gDftRqZN
‘やりたいことをやってるだけさ、やりたいことなんてつねに変わるんだよ!そうだろ?’
ボビーは投げやりにそう言うとビールを一気に飲み干し沈黙した。
それ以来彼には会っていない。
今でも時々彼の言葉を思い出す。
‘StayFree StayCool!’
298名盤さん:2006/08/07(月) 21:57:58 ID:734Et2c8
 僕がまだ年若く、いまよりももっと傷つきやすい心を持っていた時分に、
父がある忠告を与えてくれたけれど、爾来ぼくは、その忠告を、心の中で
くりかえし反芻してきた。
「SAM41を批判したいような気持が起きた場合にはだな」と、父は言うのである。
「この世の中の人がみんなおまえと同じように恵まれているわけではないということを、
ちょっと思いだしてみるのだ」
299名盤さん:2006/08/07(月) 22:00:29 ID:RWUzUZyd
10へ 事実だがアブリルやマドンナやブリトニーみたいなの聞いて良いとは思えない。
 
300名盤さん:2006/08/07(月) 22:02:51 ID:g9wKCJsP
SAM41て
301298:2006/08/07(月) 22:26:23 ID:734Et2c8
まじでまちがえた!すみません!












でも、どっちでもいいと思うんです。
302名盤さん:2006/08/07(月) 22:29:22 ID:ZUjf2EyM
あ、あの、
わたせせいぞう、と
むらかみはるき、を
一緒にしないでください!!



どっちも大嫌いだけど。。
303名盤さん:2006/08/08(火) 15:58:12 ID:rarxt8LV
と特攻隊が申しております
304名盤さん:2006/08/08(火) 16:06:56 ID:Y4akMOzo
村上ショージ
305 ◆KU.G539/RM :2006/08/11(金) 01:04:48 ID:PU1uCukK
やれやれ、あげなくてはと、僕は思った。
3062/1:2006/08/12(土) 14:29:57 ID:cm6dNwNG

 長い間デーモン・アルバーンは同じ格好をしたままぴくりとも動かなかった。
 モービーは手を伸ばしてそっとデーモンの腕に触れた。
「大丈夫だよ、君が悪いんじゃない」とモービーは言った。
「ハゲなんてたいしたことじゃない。公正に見れば君はとてもよくやっている。
 気にしなくていい」
 涙が一筋デーモンの頬をつたってひざの上に落ちた。

「いったい僕はどうすればいいんだろう?」と少しあとでデーモンは言った。
「スキンヘッドにすればいい。ハゲに負けて隠そうとしちゃだめだ。
 ハゲと闘うんだ。」とモービーは言った。
「ミュージシャンには外見よりも大事なものがある、それが音楽だよ。
 時間が経てばいろんなことがわかるよ。
 残るべきものは残るし、残らないものは残らない。
 時間が多くの部分を解決してくれる。時間が解決できないことを君が解決するんだ。
 僕の言うことは難しすぎる?」
「少し」とデーモンは言って、微かに微笑んだ。

「確かに難しいな」とモービーも笑って認めた。
「具体的に噛み砕いて言うとこういうことになる。
 人というものはあっけなくハゲてしまうものだ。
 人の毛髪というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。
 だからミュージシャンは外見に頼らず音楽に接するべきなんだ。
 真摯に、できることなら誠実に。
 そういう努力をしているミュージシャンをハゲたからといって馬鹿にしたり、
 ジョークのネタにするような人間を僕は好まない。個人的に」
3072/2:2006/08/12(土) 14:38:21 ID:pLLvWe0C

 デーモンはドアにもたれかかるようにしてしばらくモービーの顔を見ていた。

「でもいきなりスキンヘッドにするのは恥ずかしく思えるけれど」とデーモンは言った。
「恥ずかしくて勇気がいることだよ」とモービーは言った。
「でもやってみる価値はある。マイケル・スタイプみたいな唄の下手なオカマのハゲでも
 ロックスターになれたんだ。努力がすべてだ」

 デーモンは少し笑って、そして肯いた。
「でもどうしてそんなにマイケル・スタイプを目のかたきにするんだい?」とデーモンは言った。

「よく間違われるんだよ。マイケル・スタイプに…」とモービーは悲しそうに言った。
308 ◆KU.G539/RM :2006/08/12(土) 22:50:46 ID:+R1/gHPN
ワロスwwww
309名盤さん:2006/08/15(火) 02:44:29 ID:IFMNY8IV
hage
310名盤さん:2006/08/16(水) 11:22:59 ID:a9x9XTz4

「スキンヘッドにすることにしたよ。」とデーモン・アルバーンはビリーに言った。
 夕方の六時、開いたばかりの店だった。
 デーモンはビリー・コーガンに借りた爪切りで指の爪を灰皿に落としながらそう言った。

「仏教徒にでもなろうっていうのかい?」
「いや。頭を丸めて、気分を変えて、新しいことをはじめるつもりなんだ。」
 ビリーはしばらく何も言わずに、自分の指先を見ていた。それから少し肩をすぼめた。
「新しいバンドをはじめるってことなのかい?」
「うん。とりあえずポール・シムノンに声をかけてるんだ。」
 デーモンは左手の爪を切り終えると何度も指を眺めた。

「いまの髪型じゃだめなのかい?」
「だめさ。」とデーモンは言った。「ビールが欲しいな。」
「俺が奢るよ。」
「有難く受ける。」
 デーモンは氷で冷やされたグラスにビールをゆっくり注ぎ、一口で半分ばかり飲んだ。
「何故スキンヘッドにするのかって訊かないのかい。」
「わかるような気はするからね。」
 デーモンは笑ってから舌打ちした。

 デーモンはビールを一口飲んでから、右の手の爪を切り始めた。
「ずいぶん考えたんだ。どんな髪型にしても結局は同じじゃないかともね。
 でも、やはり俺はスキンヘッドにするよ。同じでもいい。」

「ブラーとゴリラズはどうするんだい?」
「もちろんそっちも続けるさ。いつかはね。別に解散するわけじゃないんだもの。」
 デーモンは小皿の落花生のしわだらけの殻を音を立てて割り、灰皿に捨てた。
311310の続き:2006/08/16(水) 11:26:58 ID:a9x9XTz4

「その新しいバンドはいつからはじめるんだい。」
「明日にはまず頭を丸めるつもりさ。もう美容院を予約してあるんだ。」
「ずいぶん急な話だね。」
「うん……、あんたにもいろいろと世話になった。」
「ま、いろいろとあったからね。」
「でも過ぎてしまえばみんな夢みたいだ。」

 デーモンはビールの残りをグラスに空け、ゆっくりと飲んだ。
「もう一本飲むかい?」
 デーモンは首を振った。
「いや、いい。これが最後の一本てつもりで飲んだんだ。ここで飲むビールのさ。」
「もう来ないのかい?」
「そのつもりだよ。恥ずかしいからさ。」
 ビリーは笑った。「またいつか会おう。」

「今度会った時には見分けがつかないかもしれないぜ。」
「つながった眉毛でわかるさ。」

 デーモンはきれいになった両手の指をもう一度ゆっくりと眺め、残った落花生をポケットに
 つっこみ、紙ナプキンで口を拭ってから席を立った。
312名盤さん:2006/08/18(金) 18:10:44 ID:GNrrK2S2
”我々”ってよく使うよね。この人。やれやれ、とかけてるとか。んなはずない。
313名盤さん:2006/08/19(土) 01:57:49 ID:FK3QNohx
面白いよ、中々
314名盤さん:2006/08/20(日) 11:39:18 ID:uLy5x4fd

 書斎ではリアム・ギャラガ―が革張りの回転椅子の上で、同じ姿勢のままナカタさんを待っていた。
「あのハゲどものヅラは、みんな俺が奪ったんだ」とリアム・ギャラガーは言った。
 そしてウィスキーのグラスを手にとってひとくち飲んだ。「コレクションしている」

「リアム・ギャラガーさん、やはりあなたが何人もハゲを捕まえて、いじめている人なのですね」
「そう。そのとおり。俺が有名なハゲ殺しのリアム・ギャラガーだ」
 リアム・ギャラガーはそう言ってくすくすと笑った。

「いいかい、俺がこうしてハゲどもをいじめるのは、ただの楽しみのためじゃない。
 楽しみだけのためにたくさんのハゲをいじめるほど、俺は心を病んじゃいねえよ。
 というか、おれはそれほど暇人じゃねえしな。
 俺がハゲをいじめるのは、その魂を集めるためだ。
 その集めたハゲの魂を使ってとくべつな笛を作るんだ。
 そしてその笛を吹いて、もっと大きい魂を集める。そのもっと大きな魂を集めて、
 もっと大きい笛を作る。最後にはおそらく宇宙的に大きな笛ができあがるはずだ。
 しかしまず最初はハゲだ。ハゲの魂を集めなくてはならない。それが出発点だ。
 かくかように、ものごとにはすべからく順番というものがある。
 順番をきちんと正確に守るというのは、つまりは敬意の発露なんだ。魂を相手にするというのは
 そういうことだからな。パイナップルやメロンなんぞを扱うのとはわけが違う。そうだろ?」

「はい」とナカタさんは返事をしたが、実のところさっぱりわけがわからなかった。
 笛?それは縦笛なのだろうか、横笛なのだろうか。そしてどんな音がするのだろう。
 だいいちハゲの魂というものはどのようなものなのだろう。
 それはナカタさんの理解力をはるかに超えた問題だった。
 彼にわかるのは、自分はなんとしてでも行方不明のデーモン・アルバーンさんをみつけ、
 ビリー・コーガンさんのところに連れて帰らなくてはならないということだけだった。
315314の続き:2006/08/20(日) 11:42:51 ID:uLy5x4fd

 リアム・ギャラガーはナカタさんに向かって片目をつぶった。
「ハゲどもはかわいそうだとは思うよ。俺だって血も涙もないサディストじゃないんだ。
 しかし、これは仕方のないことなんだよ。
 仕事は仕事だ。使命は使命だ。五人のハゲを順番に始末していって最後に
 デーモン・アルバーンを始末する。
 まだ少し時間があるから、おまえはそれまでに心を決めればいいよ。
 俺がハゲどもを始末するか、あるいはおまえが俺を始末するか、どっちかだ」

 ぐったりとしたボーンヘッドを連れてくるとリアム・ギャラガーは、
 目を細めてボーンヘッドの頭をしばらくの間やさしく撫でていた。

 ナカタさんは椅子の中に深く座り込んだ。そして目を閉じた。
 両手で頭を抱え込んだ。

 ボーンヘッドの悲鳴が聞こえ、ブレッド・アンダーソンの悲鳴が聞こえ、
 トム・ヨークの悲鳴が聞こえ、クリス・マーティンの悲鳴が聞こえた。
 その間もずっとリアム・ギャラガーは『ロックンロールスター』を口笛で吹きつづけていた。

 ナカタさんは何も言わなかった。頭の中で何かが動きつづけている。
 耳の中で『ロックンロールスター』のメロディが鳴り響いてる。

「ナカタさん、ナカタさん」とリアム・ギャラガーが明るい声で言った。
「それはいけないね。だって、今からがいよいよ本番なんだぜ。
 これまではただの前座だ。ただの調子付けだ。しっかり目を開けてよく見なくっちゃ。
 なにしろお楽しみはこれからなんだ。俺だっていろいろ考えて、趣向を凝らしてやってんだから
 そのへんはわかってくれなくちゃ」
 彼は『ロックンロールスター』を吹きながら最後のハゲを出してきた。
316名盤さん:2006/08/20(日) 17:49:34 ID:Pd81Nst9
↑ヤバウケ ファンがみつけませんように・・・

ボノははげてたっけ。
317315の続き :2006/08/20(日) 21:08:07 ID:CDLhu3A7

 ナカタさんは椅子に沈み込んだまま、目を開けてそのハゲを見た。
 そのハゲはデーモン・アルバーンさんだった。
「紹介する必要もないだろうが、いちおう念のために礼儀としてやっておこう」
 とリアム・ギャラガーは言った。

「えー、こちらはハゲのデーモン・アルバーンさんだ。こちらはナカタさんだ。
 お互いによろしくお見知り置きを」 リアム・ギャラガーはナカタさんに挨拶し
 それから、ぐったりしているデーモン・アルバーンに挨拶した。
「まずは人並みにご挨拶。しかし挨拶が終われば、さっそく別れが始まる。
 ハロー・グッドバイ。―――花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」
 リアム・ギャラガーはそう言って、指先でデーモン・アルバーンのつるつるの頭を愛撫した。
 いかにも愛しそうな、優しい愛撫だった。

「止めるなら今だよ、ナカタさん。止めるなら今だ。時間は過ぎ去っていくし、
 リアム・ギャラガーは躊躇をしない。高名なハゲ殺しのリアム・ギャラガーの辞書には
 『躊躇』という文字はないんだ」
 リアム・ギャラガーは、ナカタさんが目を開けているのを確認してから見せつけるように
 デーモン・アルバーンの頭を舐めた。
「つるつるで、なめらかで、まるでゆでたてのむき卵のようだ」とリアム・ギャラガーは言った。
「一度この感触を覚えるとね、やみつきになる。忘れられない。
 とくにこのハゲ部分のつるつる感が何ともいえないんだ」
318317の続き :2006/08/20(日) 21:11:09 ID:CDLhu3A7

「お願いです。リアム・ギャラガーさん。
 ナカタにはもうこれ以上は耐えられそうにありません」
「リアム・ギャラガーさん」とナカタさんは腹の底から絞り出すような声で言った。
「お願いです。こんなことはもうよしてください。
 これ以上続けば、ナカタはおかしくなってしまいそうです。
 ナカタはナカタでないような気がするのです」
 リアム・ギャラガーは不快感のあまり失神したデーモン・アルバーンを机の上に寝かせ、
 例によってゆっくりと、その頭を撫でまわした。

「あんたはもうあんたじゃない」と彼は静かな声で言った。
 その言葉を舌の上でじっくり味わった。
「それはとても大事なことだよ、ナカタさん。あんたがあんたでなくなるということはね」
 リアム・ギャラガーはくすくすと笑った。

「あんたがあんたではなくなる。それだよナカタさん。素敵だぜ。
 なんといっても、それが大事なことなんだ。
 『なんだろうと自分がえらんだものに、俺は思いのままになれる!』、
 これもまた『ホワットエヴァー』の歌詞だな」

 ナカタさんは無言で椅子から立ち上がった。
319名盤さん:2006/08/21(月) 00:04:02 ID:XNpzF4HK
ハゲの歌を聴け
320名盤さん:2006/08/21(月) 11:26:53 ID:8k/tK1LU
よし、もうすこして完結だ!
ID:CD〜さん、楽しみにナカタさんの偉業を見せてもらうよw
321名盤さん:2006/08/21(月) 13:44:01 ID:7UnndE6Q
以上海辺のカフカでした。
322318の続き:2006/08/21(月) 20:57:27 ID:19WOwZ6I
 ナカタさんは無言で椅子から立ち上がった。

 誰にも、ナカタさん自身にさえ、その行動を止めることはできなかった。
 彼は大きな足取りで前に進みリアム・ギャラガーにつかみかかった。

「そうだ、それでいい」とリアム・ギャラガーは叫んだ。
「躊躇なく俺を殴った。お見事だ」
 殴られながらリアム・ギャラガーは笑っていた。
 ははははははは、と彼は笑っていた。
 おかしくておかしくてもう我慢できないという高笑いだった。



 気がついたとき、リアム・ギャラガーはナカタさんの足もと
 に倒れて失神していた。
 子どもが寒い夜に身を丸めるようなかっこうで。
 左手は頭のあたりを押さえ、 
 右手は何かを探し求めるかのようにまっすぐ前に伸ばされている。
 板張りの床の上にリアム・ギャラガーの髪のかたまりがおちていた。
 そのヅラは倒れるときに脱げ落ちて、部屋の隅のほうに転がっていた。

 リアム・ギャラガーの後頭部の髪は薄く、地肌がのぞいていた。
 ヅラがなくなってしまうと、彼はずっと老けて弱々しく見えた。
323322の続き:2006/08/21(月) 21:04:07 ID:19WOwZ6I

 長いあいだナカタさんはリアム・ギャラガーのそばに身動きひとつせずに
 立っていた。
 部屋の中ではすべてが静止していた。
 それから彼は気を取り直し、 
 机の上に横たわったデーモン・アルバーンを抱きかかえた。
 ハゲの頭は唾だらけになっていたが、怪我はないようだ。
 デーモン・アルバーンは何かを言いたげに、ナカタさんの顔を
 じっと見上げていた。
 しかし薬のせいで口をきくことはできない。

 それからナカタさんは床に転がっているボーンヘッドを見つけ抱き上げた。
 写真でしか見たことのないハゲだったが、
 ずっと前から知っているハゲに再会したような自然な懐かしさがあった。
「ボーンヘッドちゃん」とナカタさんは言った。

 ナカタさんは他のハゲの無事を確かめるとソファに腰を下ろした。
「家に帰ろう」とナカタさんはハゲたちに言った。

 頭が重くかすんでいる。
 ナカタさんは大きく息をついて、目を閉じた。
 意識が薄れ、そのまま無明の暗闇の中に沈み込んでいった。
324名盤さん:2006/08/22(火) 20:47:22 ID:+kqVUtrg
刺さなかったんだ・・ナカタさんやさしい。

ちなみに今日、ハードボイルド読み終わった。
325名盤さん:2006/08/23(水) 01:24:08 ID:MVqqt0bb
hageeeeeeeeeeeeeeee!
326名盤さん:2006/08/23(水) 13:09:25 ID:sUcwpuSq
>>314
>「あのハゲどものヅラは、みんな俺が奪ったんだ」とリアム・ギャラガーは言った。

バロスwww
327名盤さん:2006/08/23(水) 14:58:05 ID:X5k/Onwe
>>320
そんなに面白くないと思うんだ
328名盤さん:2006/08/23(水) 16:37:28 ID:GQLaIDcP
全然面白くなかった。
329名盤さん:2006/08/23(水) 16:39:26 ID:UJ6fTmLD
なんか自演臭いな・・・
330名盤さん:2006/08/23(水) 16:41:23 ID:eS3h9OAo
やれやれだぜ
331名盤さん:2006/08/23(水) 18:45:40 ID:3TgIie2s
>>327-330
               +   + +     +   +
                ∧_∧  ∧_∧ ∧_∧  +
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               oノ∧つ⊂) ∧つ⊂) ∧つ⊂)    +            +
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 し'     (_つ  ̄(_)) ̄ (.)) ̄ ̄ ̄ ̄ (_)) ̄(.)) ̄    し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄ ̄(_)) ̄(_))

332名盤さん:2006/08/23(水) 23:06:00 ID:tmAZQEKW
316-320-324
で、自演じゃない。
ボブディラン、聞いたこと無いけど、聞きたくなった(ハードボイルドのラスト読んで)
333名盤さん
hage