神秘主義的映画のスレ

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>>190
漏れは意識的にどんな映画にも「整合性なり、スムーズさ」を求めているが、
それをロッセリーニは拒否しているんですね。うーむ。

ところで、このスレで話題になってた、ドライヤー「裁かるるジャンヌ」を見ました。
いや、大変面白かったです。
初めは接写に次ぐ接写、素早いカッティングにややうんざりしたものの(ジャンヌの依怙地さにも)、
後半に至り、不条理にも再び自らを「神の娘」と言い張り、火刑に処されるあたりのクライマックスは息を呑みました。
くすぶる煙が猛火になるまでの時間経過、柱に括られたジャンヌを見守る民衆の顔、顔、顔。
柱からくずれ落ちる、火あぶりにされたジャンヌの横顔のシルエット、民衆たちと兵士の戦い、
その間、いつまでも狂ったように飛び交う鳩の群れ…。
ジャンヌという、命を賭けてまで自身の信念を貫き通す女性と、その度々流される涙が象徴する、
”死に逝く人”のリアリティに、何か説明のつかない熱い想いが込み上げますね。
自らの受けた天啓を、最後まで「神の娘」の矜持として守り抜く辺りは確かに神秘的でした。
飛び交う鳩や、尋問される部屋の窓の格子が十字架に見える場面など、散りばめられた神のイメージも、
この作品の聖性を高めているように思えます。
「奇跡」(タイトルにかなり惹かれ気味)も見たい!