プロメテウス

3.12　脚本リーク。

　　　ＰＲＯＭＥＴＨＥＵＳ

　Ａｎ　ｏｒｉｇｉｎａｌ　ｓｃｒｅｅｎｐｌａｙ　ｂｙ　Ｊｏｎ　Ｓｐａｉｈｔｓ　ａｎｄ　Ｄａｍｏｎ　Ｌｉｎｄｅｌｏｆ

　Ｐｒｏｐｅｒｔｙ　ｏｆ　２０ｔｈ　Ｃｅｎｔｕｒｙ　Ｆｏｘ
　
　Ｓｔｅｐｈｅｎ　Ｂｌａｉｒｓｏｎ　Ｃ．Ｅ．Ｏ　

男性の声：最初に神は地球と天国を創った。地球は混沌とし空虚であった。
オープンショット：宇宙空間。雄大な、暗い星雲。星雲に散らばる大小の星ぼし。視野は右へパンし、冥王星サイズの惑星2つ
を通り過ぎ、大きな、ピンクとオレンジに彩られた土星タイプの惑星が見えてくる。更に右へパンすると、もう1つの小惑星、
そして大きな円盤がこの小惑星(ゼウス)に接近していくのが見える。
ゼウス、夜。起伏に富み、多くの火山、原初の風景。猛烈な暴風が荒れ狂っている。怒り狂う風の音。巨大な宇宙船が頭上に
ホバリングしている。空飛ぶ円盤タイプのクラフトは異様な姿で、異性人のデザインによるものである。クラフトの頂点に
取り付けられたU字型のものは向かい合っている。ホバリングするクラフトの動きが止まり、底面のハッチが開くと太い、目の
眩むようなレーザー・ビームが放たれ、強力なビームが岩だらけの表面を貫く。暗転。
キャスト・クレジット。
男性の声：そして神は言った。空の下、水は１ヶ所に集まれ、そして乾いた大地よ現われよと。それはなされた。
ゼウス、夜。岩だらけの原初の大地、山岳地域。右へパンすると、大きな革製のような壷が見え、更に右へパンすると、水の
ような液体の小さな流れが見える。暗転。
プロデューサー・クレジット。
男性の声：そして神の魂は水の上に漂い、言った。光あれ、と。すると光はあった。
ゼウス、昼。今では大気と厚い雲が現われ、巨大な滝と、上空にホバリングする宇宙船が見える。再び暗転。
ライター・クレジット。
男性の声：最初に太陽があった。太陽は『自分が一人ぼっちだと言った。照らし出すものがない…そして人間が生まれた。
ゼウス、昼。そびえ立つ大聖堂。右はパンすると更に奇妙な物が見える。この、屹立するUの字型の2本のアームで真っ直ぐ
立ち、胴体は空に向いている。底の大きな穴から紫色の炎、煙、スパークが噴き出し、頂点からは目も眩む太いビームが射出
される。ビームははるか空の彼方へ。
宇宙空間。目も眩むまばゆいビームは小惑星の厚い雲と大気を貫通し、はるか宇宙の彼方へ。暗転。

ディレクター・クレジット。
カット・トゥ・ブラック。
女性の声：神は自らに似せて人間を創った。男と女を創った。
フェイド・フロム・ブラック。
ベッドルーム、夜。小さな、8歳の黒髪の少女が横たわり、ベッドの縁に座る父親を見上げている。30代後半の父親は、手の聖書を
閉じる。
父親：今夜はここまで。続きは明日だ。寝る時間だよ。
少女：ママは天国に？
父親：勿論だよ。エリザベス、お前が大きくなったら、私についていろいろ悪い話を聞くだろうけど、できる限りの事をお前と
お前の未来の為にしてやった事を忘れないで欲しい。私はもう行かなくちゃならない。しばらく会えそうもないが、私がいない
間は、ミセス・ベイトマンが世話をしてくれるからね。
エリザベス：ダディ、行かないで。
父親：また会えるとも、約束するよ、ベイビー。さよならのキスを。
父と娘はキスをする。女性が入り口に立っている。父親は立ち、女性の方へ歩いていき、うなづく。女性はエリザベスに歩み寄る。
エリザベス：ダディ？
父親：何だい、ベイビー？
エリザベス：私、神様に会えるかな？
父親：いつかはね、エリザベス。いつかは、ね。
父親は部屋を出て行く。エリザベスは窓へ這い寄る。窓の外、家のメイン・ドアが開き、父親が歩いて出て行く。ユニフォームを
着て武装した4人の男が待っている。その1人の声が遠くから聞こえる。
男：Mr.ショー。ウェイランド・コーポレーションの地球HQ爆破の容疑で、貴方を逮捕する。
男2人がMr.ショーを捕らえ、引いていく。エリザベスは女性を通り越して、部屋の外へ突進する。
女性：エリザベス、待ちなさい！

ファーム、昼。エリザベスが家から駆け出し、陽に焼かれた農地へ入っていく。畑が家を取り囲んでいる。家の近くに、大きな
800フィートもある未来的なロボット・ダスターが動いている。空は汚染されている。ショーは4人の男に、車の中へと引かれていく。
車には“ウェイランド・ポリス・フォース。より安全なコミュニティを”と書かれている。女性が家から走り出て、エリザベスを掴み、
背中を抱きしめる。
エリザベス：ダディ、行かないで、プリーズ。プリーズ、ダディ！行っちゃ駄目！
冷凍室。ショーは眠っている。彼女はカプセル内に横たわり、カプセルはライトで明るく黄色に光っている。全裸で、顔には嘆願の
表情が浮かんでいる。顔はしかめられ、緊張している。手が伸びてきて、彼女を揺さぶる。ショーは目覚め、驚き、振るえ、困惑して
周囲を見回す。デビッドが彼女を見下ろしている。ゴーグルが明るい黄色に輝き、ショーの感情を興味深く調べているかのようである。
デビッド：ミス・ショー？
ショー：ここはどこ？
プロメテウスの中ですよ。私はデビッド。船のサイエンス・オフィサーです。
デビッドはカプセルに次いでモニターを見る。ショーのフルボディ・スキャンが映し出されている。デビッドは汗臭い喘ぎ声で
ショーを驚かせ、部屋中央のコントロール・マニュアルへ歩み寄る。コマンドを打ち込むと数秒で残りの13のカプセルが開き、
部屋は黄色い照明で満たされる。呻き声、唸り声、泣き声がいくつもカプセルの中から聞こえてくる。驚いた表情の男や女の全裸の体や
疲れた顔のカット・ショット。だが、クルー・メンバーの1人、メレディス・ヴィッカースは只1人、不機嫌そうではない。不吉な沈黙と
ともに天井を見つめている。
プロメテウス・タイトル・クレジット。
病室の廊下。8人の男が1列に立って話し合っている。廊下の左側は窓になっていて、病室の中が見える。中ではショートミュドーが向かい
あって座っている。ここにい兄の歯デビッドとヴィッカースである。
病室の中。ショーが検査テーブルの縁に座り、ミュドーが彼女を調べている。
ミュドー：初めて？
ショーは頷く。顔は青白く、具合が悪そうである。

ミュドー：何時間かすると空腹感、脱水、関節や手足の脱力感を感じるようになるわ。そして今まで経験した最悪の二日酔いより
もっと気分が悪くなる。ああ、グッド・ニュースよ。あなたの血液は再処理されて、冷えたフェリン溶液と交換されてるわよ。
オー、ところで、私はイモラ・ミュドー。シップのメディカル・オフィサー。急いで地球を出てきたんで、まだ皆知らないの。
ショー：エリザベス・ショーよ。
ミュドー：で、何故この冒険に？
ショー：外にいるホロウェイと同じ、考古学者よ。チベットの廃墟を発掘してたら、ウェイランドが、どこだか生命のない惑星で
廃墟を発見したから発掘してくれと言ってきたの。
ミュドー：このミッションに会社が投資しただけの価値があるといいわね。
ショー：じゃ、ウェイランドに勤めてるのね？
ミュドー：ザッツ・ライト。11年もね。
ショー：ナイスな船だわ。ファンシーね。
ミュドー：でしょ？FTIスピード・テクノロジーに適応した始めての船なのよ。
ショー：高価そうだわ。
ミュドー：からかってんの？ウェイランドは経費と利益の大半を使ってこのマスター・クラスの貨物船を作ったのよ。何百万トン
もの鉱石を集めるために何兆も。

食堂。デビッドはテーブルに着いて静かなトランス状態に入っていたが、白いローブをまとったヴィッカースが入ってくると目を
上げる。デビッドの背後の壁には大きなポスターがあり、プロメテウスの写真、そしてウェイランドが50周年にFTIに適応させた
プロメテウスを打ち上げた事が書いてある。ヴィッカースはテーブルに着き、タバコの箱とライターを置く。彼女は1本抜くと火を
点け、リラックスして背を伸ばす。天井からは細いチューブが延びており、タバコの煙を吸い取っていく。彼女は無表情なデビッド
をじっと見る。
ヴィッカース：無口なのね？
デビッド：訊かれれば答えます、ミス・ヴィッカース。
ヴィッカース：で、貴方は船のサイエンス・オフィサーなのね？
デビッド：ザッツ・ライト。
デビッドは怪我をした手のひらを見る。白い液体が傷口から滴っている。
ヴィッカース：痛む？
デビッド：私は、痛みを感じません。
ヴィッカース：アンドロイドの頭の中はどうなってるのか、私には不思議だわ、いつも。
デビッド：人間の頭の中を覗いたらどんな具合か、私だって不思議ですよ。でも、きっとアンドロイドを驚かせるようなものがある
んでしょう。
コントロール・ルーム。チャンスとラヴェルが白いローブを着てコントロール・シートに着いている。ドアが開き、ジャネックが
入ってくる。チャンスとラヴェルは起立して敬礼する。
ジャネック：ミリタリー・ガイズ。状況は？
チャンス：全て順調です。何の問題もありません。酸素は100％、正しいコースに乗っています。
ジャネック：グッド。まず何か食おう。君達はどうか知らんが、俺は空腹なんだ。

病室の廊下。ショーは目覚めたばかりの乗員を歩いて通り過ぎ、微笑んでいるホロウェイの所で止まる。
ホロウェイ：調子はどうだい？
ショー：悪くはないわ。貴方、気分は？
ホロウェイ：ひどい二日酔いみたいだ。
ショー：一緒に来るオファーを受けて後悔してない？
ホロウェイ：何故俺が？生涯に1度のチャンスだぜ。小さい頃から宇宙へ行って見たいといつも思ってたんだ。
食堂。皆、デビッドから離れて奇妙なゼリー状の物質とコーンブレッドを食べている。ショーはミュドーとホロウェイの隣に座っている。
彼女はヴィッカースに気付く：ヴィッカースはスーツを着て、テーブルから離れた隅に座っている。
ショー：彼女は誰？
ミュドー：メレディス・ヴィッカース。カンパニーの人間で、我々の行動がカンパニーの最大の利益を生むよう計らうために送り込まれた
のよ。船を預かっているのはジャネックだけど、ヴィッカースは瞬き1回で私達の契約を解除できる。
ジャネックは立ち上がり、スチール・カップをスプーンで叩く。皆、おしゃべりを止め、彼を見上げる。
ジャネック：皆、聞いてくれるか、船長だ。このミッションは緊急の物なので、皆の事をよくは知らない。よろしければ私が話の口火を
切ることにする。2042年、ボイジャー3号がこの星系を通過し、2069年に画像がハッブル2号に届いた。写真はゼウスと言う名の小惑星の
もので、ナスカの地上絵のような物が写っていた。ウェイランドが大金をはたいたのも、皆がリトル・トリップ途上にあるのも、この為だ。
クルーを紹介する。俺は船長のジャネック、そこにいるのがファースト・オフィサーのミュドー。どんな医療面の問題にも役立つはずだ。
誰か、夜、ベッドを濡らす奴はいないか。
笑いが起こる。
ジャネック：2人の怠け者のメカニック、レイとジョシュアだ。レンチとダック・テープの天才だ。そこが俺の信頼するパイロット、ラヴェル。
Mクラス貨物船を含む全ての船の飛行経験がある。そして、若きハンサムなナビゲーター、チャンス。ナビゲーターとしてはベストだが、
クリトリスの発見にはトラブルを抱えている。
更に笑いが起こる。

ジャネック：ウェイランドはベスト・オブ・ベストの宇宙科学者を寄越してくれた。Dr.ミルバーンとDr.フィフィールドだ。考古学者の
ミス・ショーとミスター・ホロウェイ。サイエンス・オフィサーのデビッド。完璧だと聞いているし、そう願いたい。そして、ミス・
ヴィッカース。本ミッションにおける彼女の役割を説明したい。我々が銀行家だとしたら、彼女は銀行と言えるだろう。我々が異星人の
廃墟を暴き出す事ができたら、我々は歴史を創ることになる。有名な人間の有名な台詞を朗読したい。この1歩は…
全員：小さな1歩だが、人類にとっては偉大な1歩である。
ジャネックはチャンスとラヴェルに頷いて見せ、出口へ歩いていく。チャンスとラヴェルが急いで後を追う。
ヴィッカースは3人をじっと見ている。
コントロール・ルームの廊下。ジャネックがチャンスとラヴェルを率いて、閉所恐怖症になりそうな狭くて白い廊下を通ってくる。
ジャネックはドアに立ち、手でパネルを押す。ウェイランドと書かれたドアが開く。3人はコントロール・ルームに入る。
コントロール・ルーム。3人は正規の位置に着く。チャンスはナビゲーション・システムに、ラヴェルはパイロット・コントロール・
システムに、そしてジャネックはラヴェルの隣に座って巨大なブラスト・シャッターを真っ直ぐ見る。
ジャネック：チャンス、目的地までどれ位だ？
チャンス：現在、ゼータ・レティクル2星系。ゼウスまで200マイルと思われます。
ジャネック：ラヴェル、シャッターを開けろ。こいつを見たい。
ラヴェル：サー、その咆哮にはまだ太陽があります。
ヴィッカースが3人に気付かれる事なく出入り口に立っている。彼女は歩を進め、ジャネックの背後に立つ。
ヴィッカース：惑星はもう近くなの？
ジャネックは驚いて飛びあがり、ため息をついて頭を振る。

ジャネック：近い。すぐ近くだ。
ヴィッカース：シャッターを開けて。見たいわ。
ジャネック：今は駄目だ。
ヴィッカース：何故？
ジャネック：今は太陽が真正面だからだ。他に何か？
ヴィッカース：ノー。ナッシング。いろいろとチェックしてるの。カンパニーのドルが浪費されないようにね。
ジャネック：ああ、マーム、いいクルーを選んだよ。
ヴィッカース：だといいけど。所定の場所にはいつ？
ジャネック：イエス、マーム。
エンジンの廊下。レイとジョシュアが喋りあいながら廊下をやってくる。時々立ち止まってスイッチを叩く。スチームの音、ガスの
シューシューいう音。
レイ：ヘイ、ジョシュア？
ジョシュア：イヤー、レイ。何だ？
レイ：本当に5年も？
ジョシュア：信じられないか？
レイ：5年の内に40光年。こいつはレコードだぜ。どうやったらこんなに早く？
ジョシュア：FTIさ。
レイ：FTIって？
ジョシュア：光より早いのさ。CERNが反物質を生み出してから、ウェイランドが引き継いで、反物質をエネルギー源用に開発したんだ。
それが船にパワーを与え、重力を生み出している。こう考えてみろ。重力を持つ地球や他の惑星は、重力を生み出すコアを持っている。
この船のコアが反物質ってわけだ。
レイ：よく知ってるな。
ジョシュア：シンプルなディテールを知る事で、大きな画が見えてくるのさ。
レイ：分からないね。分かってるのは、考古学者のあの女に俺のコアをくれてやりたいって事さ。
ジョシュア：期待できないね。彼女はカトリックだよ。

レイ：マジかよ？シット。まだそんな人間がいたんだ。
ジョシュア：イヤー。最近の科学は、聖書の言ってる事全ての正体を暴露してる。
ホロウェイの部屋。ホロウェイはニヤニヤ笑いながら立っている。部屋は綺麗に磨き上げられている。小さな四角い窓があるが、
シャッターで閉じられている。突然金属製のドアが開いてショーが入ってくる。
ショー：部屋が好きなのね？
ホロウェイ：クールだろ？プリティ・クラッシー。周遊みたいだよ。
ショー：広いのね。
ホロウェイ：ルームメイトが必要だよ。ジョブか？
ショーは微笑み、はにかんで頭を下げる。
ショー：貴方、シャワーも浴びてないのね。
ホロウェイ：イヤー、その通りだ。5年もな。
ホロウェイはショーに近づく。
ホロウェイ：エリザベス、地球で話したい事があったんだが、どう言ったらいいか分からなくて…
ショー：言っちゃえば？
ホロウェイ：俺はいつも…
ミュドーが出入り口に現われる。
ミュドー：OK、ガイズ。時間よ。ついて来て。

コントロール・ルーム。チャンス、ラヴェル、ジャネックが位置に着き、ヴィッカースが背後に立っている。ジャネックは一般の
服装をしているが、他はウェイランドのロゴが刻み込まれた、タイトなブルーのスーツを着ている。
ジャネック：OK、ガイズ。真実の瞬間だ。ラヴェル、シャッターを開けろ。
ラヴェルはシャッターを作動させる。大きな、金色のシャッターが垂直に開き、窓が現われる。惑星ゼウスの形と、ゼウスを軌道に
乗せている、大きな惑星が見える。
ジャネック：レディス・アンド・ジェントルメン。惑星ゼウスだ。
フィフィールド：あの雲の組成を見ろよ。
ラヴェル：サー、コンピューターが惑星の状況分析を。
ジャネック：で？
ラヴェル：重力は地球と同等。酸素はありますが濃厚すぎて呼吸には適しません。小さな海があり、拡がりつつあるようです。
雲は硫酸に満ち、地形は原始的です。ヒマラヤみたいに。
ジャネック：OK、下ろしてくれ。ミス・ヴィッカース、すまないがパッセンジャー・ルームへ。
パッセンジャー・ルーム。15席の椅子がある。ショー、ホロウェイ、レイ、ジョシュア、デビッド、ミュドー、ミルバーン、そして
フィフィールドが椅子に固定されている。ヴィッカースが入ってきて席に着く。彼女は自分をストラップで固定する。
宇宙空間。プロメテウスはゼウスに近づくと少しターンし、雲と稲妻の大気へ入っていく。プロメテウスの4つの巨大なエンジンが
強力な蒸気を解き放ち、惑星目掛けて速度を上げる。

宇宙空間。船は惑星の大気に侵入し、すぐに強烈な熱に包まれる。船は今や火球となって惑星に落下していく。
コントロール・ルーム。全ての人間と物品が乱流で揺さぶられている。防護シャッターは真っ赤に輝いている。
パッセンジャー・ルーム。強い乱流に揺さぶられ、全員が目を閉じている。エリザベスはすすり泣き始め、
ホロウェイが手を伸ばして彼女の手を握る。
巨大な船が大気中を疾走していく。依然火に包まれている。減速とともに火は消えて行き、船は明るく輝く。
コントロール・ルーム。突然振動は止み、シャッターは本来の灰色を取り戻す。
ジャネック：シャッターを開けろ。
ラヴェルはボタンを押してシャッターを開ける。雲に覆われた、険しい山々の光景が現われる。250インチのウィンドスクリーンに
エベレストよりも高い山が迫ってくる。
ジャネック：シット！
チャンス：ラヴェル！こいつを動かせ！
ラベル：やってます。
プロメテウス船外。プロメテウスは船首を上げて、あと100ヤードほどを残して山を避け、通り越してスピードを下げ始め、
濃厚な雲の中を疾走していく。航跡を引きながらプロメテウスは惑星表面に向けてスピードを落とし、ヒマラヤのような山々
を目掛けて下りていく。
コントロール・ルーム。
ジャネック：ラヴェル、早すぎるぞ！スローダウン！
ラヴェル：やってます！
ラヴェルは操縦桿を引きながら叫ぶ。
プロメテウス船外。危険なスピードで船はそびえる山々の峡谷の中を飛んでいく。突然、巨大な別の山が行く手を阻み、行き止まりとなる。
コントロール・ルーム。
ジャネック：ラヴェル？
ラベル：分かってます。
ジャネック：ジーザス！
プロメテウス船外。プロメテウスは山の表面に突進していく。山に穴が開いているのが見える。船は穴に突入し、狭い洞窟を疾走していく。
暗闇に小さな光の点が見え、接近するにつれ徐々に大きくなり、船はその中へ入っていく。
船は山々を抜け、今では山は見えず、雲だけがある。船は岩だらけの地表から20.000マイルの高度にあり、ナスカの地上画にそっくりな
奇妙なパターンの、巨大な壁画を見ることができる。

コントロール・ルーム。
ジャネック：近いのか？
ラヴェル：目的地まで1マイル。エンジン、スローダウン、サー。
ジャネック：OK。テイクダウンだ。うまくやってくれ。ゆっくりとな。
プロメテウス船外。プロメテウスはスローダウンし、エンジンの向きを変えて完全に動きを止める。エンジンは垂直に向きを変え、
岩だらけの地表へ下りていく。エンジンが砂嵐を巻き起こす。エンジンから巨大な着陸装置が伸び、船を静かに地表へ着陸させる。
船はナスカのような道の上に直接降りている。エンジンは徐々に静まり、ついに停止する。プロメテウスを取り囲んでいるのは
円錐状に尖った、異様な石である。
コントロール・ルーム。地形を見て、全員無言である。
ジャネック：給料を上げて貰わなくちゃな。
パッセンジャー・ルーム。
ミュドー：着いたわ。みんなOK？
ホロウェイ：時差ボケが少し。
ミュドー：ショー、大丈夫？
ショー：ファイン。
ミルバーン：これが見たかったんだ！
ミルバーンとフィフィールドはストラップを解く。
コントロール・ルーム。ミルバーンとフィフィールドが入ってくる。皆が付いてくる。13人全員が身を寄せ、ウィンドスクリーン
の外を見る。
ミルバーン：これまでのエイリアン・ワールドの中で、1番地球に似ている。
フィフィールド：だからゼウスなんだ。
ショー：あれは何？
ジャネック：何？
ショー：遠いのかしら？
ジャネック：何も見えないぞ。
ラヴエル：山のようだが。
ジャネック：チャンス。モニターに出して、ズームしろ。

チャンスが幾つかコマンドを打ち込むとウィンドスクリーンの前に42インチのモニターが現われる。
プロメテウス船外。小さなハッチが開き、望遠鏡型の機械が起ちあがる。
コントロール・ルーム。大きなモニターに、望遠鏡デバイスの見るものが写し出される。
ジャネック：ズーム・イン。
チャンスがコマンドを打ち込むと、巨大な、そびえ立つドーム型の構造物がモニター上にズームインされる。
ジャネック：只の山じゃないか。
ヴィッカース：天辺にあるのは何？
構造物の頂点にズームインすると、大きな穴が見える。
デビッド：洞窟のようですね。
ミルバーン：あそこまで登るには馬鹿でかいハシゴが要るな。
ジャネック：しばらく中にいたほうがいい。
ヴィッカース：それは駄目よ、船長。調査しなきゃ。そのためにこまで来たのよ。
チャンス：ハシゴは必要ないようだ。
ヴィッカース：何故？
チャンス：見ろ！
構造物の更に接近したイメージが見えてくる。洞窟の入り口から延びる、ジグザグ型の階段のような物が見える。
ヴィッカース：昼間はどれぐらい？
チャンス：難しい質問です。コンピューターには答えられません。
ヴィッカース：何故？この船のテクノロジーなら分かるはず。エイリアン・ワールドでもね。
チャンス：コンピューターは知らないと言ってるんですよ。昼間なんてないという表示なんで。
ヴィッカース：構うもんですか。で、誰が行くの？
デビッド：志願します。
ミルバーン：私も。
フィフィールド：私も入れてくれ。
ショー：私達は不向きみたいね。
ショーはホロウェイを見る。彼は肩をすくめる。
ヴィッカース：私にはやる事がある。ウェイランドとの連絡とかね。

ジャネック：ミュドー、こんな場合、お前が必要だ。じゃ、これで決定だ。チャンス？レイ？ジョシュア？お前達を
ドライバーに任命する。
レイ：何故俺たちが？
ジョシュア：イヤー。
ジャネック：何故かと言うとだな、経験があって、ローバーの運転のトレーニングを積んでるのはお前達だけだからだ。
ヴィッカース：OK、解決ね。1時間以内に出発の準備を。皆、始めましょう。
カーゴ・ベイの廊下。ショー、ミルバーン、フィフィールド、ホロウェイ、ミュドー、レイ、デビッド、ジョシュア、そして
チャンスがクライスラー・スーツを着、ヘルメットを被っている。壁には石棺タイプのカプセルがある。9人はカプセルに入り、
ボタンを押す。カプセルの蓋が閉まる。レイが襟元のボタンを押して話す。
レイ：カーゴ・ベイを下げろ。
ジャネック：下げろ！
プロメテウス船外。船の胴体が開き、カーゴ・ベイが下がって地面にタッチダウンする。
カーゴ・ベイの廊下。9人はカプセルから出て、遠くのドアに向かって廊下を歩いていく。
カーゴ・ベイ。ドアが開き、9人は大きなカーゴ・ベイに入る。2台のAPCタイプのローバーと2台の2シーターのバギーがある。
レイ：誰が誰と、どれに乗る？
チャンス：ローバーに乗ろう。誰が乗る？
デビッド：私が。
ミュドー：私はデビッドと一緒に。ショーとホロウェイも。
レイ：俺はミルバーンとバギーに。ジョシュアはフィフィールドを。
ローバーの中。ショーは後席にミュドーと並んで座っている。向かいにデビッドとホロウェイ。ミュドーとショーの間には
大きなバッグが置かれている。ショーがコックピットを覗くと、チャンスがコントロールに座っている。

カーゴ・ベイ。3台は目の前のドアが開き、このエイリアン・ワールドの雄大な景色が現われるのを待っている。
プロメテウス船外。カーゴ・ベイのドアが一杯に開き、3台のためのタラップとなる。3台は乗り越え、埃を残して平坦な道を
進んでいく。
コントロール・ルーム。ヴィッカースがじっとジャネックを見ている。
ジャネック：私は知りたいんですがね、ミス・ヴィッカース。
ヴィッカース：どういう事？
ジャネック：このミッションに、ウェイランドは何故貴方を？
ヴィッカース：何故そんな事を？
ジャネック：失敗した時に俺たちを監視するため？
ヴィッカース：そういう訳じゃないわ、Mr.ジャネック。
ジャネック：では何故？
ヴィッカース：成功した時のためにいるのよ。
大聖堂の外。この巨大な構造物はドーム型で、異様な形とパターンを持っている。高さは200フィート、3台はその基部に
接近していく。ローバーと2台のバギーは停止し、バギーに乗ったクルーは降りる。ローバーの後部ドアが開き、クルーが
出てくる。9人は構造物の底部に揃って立っている。デビッドがジグザグ型の階段に近づいて見ると、それは本物の階段だと
判明する。
デビッド：原産のものではないな。
プロメテウス、コントロール・ルーム。ジャネック、ラヴェル、そしてヴィッカースが大きなモニターで生中継を見ている。
ヴィッカース：そのまま進んで。
大聖堂の外。デビッドを先頭に、フィフィールド、ミルバーン、ミュドー、ショー、そしてホロウェイがジグザグ階段を
登っていく。
チャンス：俺たちはここで待ってるぜ。
フィフィールドが見下ろして笑う。

フィフィールド：小さな緑色の男が車輪を盗んだら怖いだろ？
大聖堂、洞窟の外。グループは大きな洞窟の入り口に着く。彼らは暗闇の中へと入っていく。クライスラー・スーツのケーブルと
パネルが闇の中で輝き始める。
大聖堂、入り口のトンネル。6人全員が懐中電灯で壁、床、天井をスキャンしている。洞窟は純粋な岩であるが、右側の岩の上には
金属製のパイプがある。ミルバーンは困惑しながら調べている。
ミルバーン：間違ってたら教えて欲しいが、これは金属製のようだ。パイプのようだな。
フィフィールド：進もう。
ショーは地面を見下ろす。地面は金色、そして銀色にきらめく痕跡ででこぼこである。
ホロウェイ：黄色いレンガの道を。
突然ミルバーンが、1面を覆う赤いレーザーに顔を突き合わせて立ち止まる。他の5人も加わり、1面のレーザーを当惑して見つめる。
ホロウェイ：これは？
デビッド：バッグを使おう。
ホロウェイは空のバッグをレーザーの中へ投げ込む。バッグは何事もなく通り抜ける。
デビッド：志願者は？

フィフィールド：ままよ！
フィフィールドは歩いて通り抜け、他端で止まると振り向いて肩をすくめる。皆は一瞬見つめあい、そして歩いて通り抜ける。
輝くバルブが天井に現れ、赤いレーザーが放たれ、クルーをスキャンし、そして消える。
ショー：あれは？
フィフィールド：カモン。もうここまで来たんだ。
コントロール・ルーム。ジャネック、ヴィッカース、そしてラヴェルが中継を見ている。グループはカム・コーダーに記録
している。突然、中継が消える。
ジャネック：ミュドー、チャンス、聞こえるか？どうぞ？
ラヴェル：聞こえないんだ。
ジャネック：一体何故？
ラヴェル：分からない。通信が妨害されてる。
ジャネック：シット！こんな事が！
太陽系儀。暗闇のために詳細は見えない。突然、奇妙なボタンや模様、シンボルのあるメカニカル・パネルに明かりが灯る。
4つの大きな石棺が現れる。石棺は異なる色で照らされている。石棺が開き、輝く緑色の液体が中から流れ出す。
洞窟のトンネル。デビッドは立ち止まり、機械のブレスレットを見、ショックを受けて上を見る。
デビッド：止まって！
全員が歩を止め、彼を見る。
デビッド：酸素がある。呼吸可能だと思う。
全員が自分のデバイスを見る。そして最初にショーが卵形のヘルメットの小さなレバーに手を伸ばす。ホロウェイが手を伸ばして
彼女を止める。
ホロウェイ：ノー。止めろ！

ショー：確信ってものよ、ホロウェイ。トライ・イット！
ショーはレバーを引き、ヘルメットを肩から外して持ち上げる。眼と口は閉じられているが、やがて眼は見開かれ、息を
吸い込む。
ショー：マイ・ゴッド。デビッドは正しかったわ。でも何故？
デビッド：霧かレーザーの防護層があって、酸素を閉じ込めてるんだと思う。
ホロウェイ：OK。もうこれ以上進まないほうがいい。
フィフィールド：どうして？
デビッド：Mr.ホロウェイに賛成です。我々は理解できない何かの中へ入り込んでいる。
フィフィールド：おい、これは人類が地球外生命のサインを発見した始めてのケースだぞ。生命の危険が明らかになったら
引き返そう。
グループは歩き続け、死んだ、金属製のドアに出くわす。ドアの隣には大きなパイプがある。
ショー：ドアのようだわ。
フィフィールド：ノー・シット。開ける方法を。
ミュドーとショーがドアに近づき、隣のパイプを調べるためにひざまづく。デビッドが壁の上に何かあるのに気づき、
パイプを登ってレバーを発見し、それを引く。大きなドアが垂直に開き、酸素と蒸気がどっと流れ出してミュドーと
ショーを飲み込む。フィフィールド、ミルバーン、ミュドー、そしてデビッドが入っていく。ホロウェイはショーを助け、
ドアを抜けて入っていく。
らせん状の洞窟。ミルバーンが大きなバッグを下ろし、暗い部屋の他端まで進んでいく。ホロウェイとショーは周りを
見回し、大きな穴につながる奇妙な模様を調べる。デビッドは彼らを通り越して出入り口を振り返り、そこに描かれた
象形文字やシンボルを調べる。

デビッド：ミス・ショー？どう思いますか？
コントロール・ルーム。ジャネックが座って彼の前のホログラフィック・モニターを見ている。グループのショルダー・
カムからの生中継が写っている。ヴィッカースは彼の背後に立ち、モニターを見ている。グループの声が聞こえる。
ショー：古代のエジプトやシュメールの象形文字に似ているわ。
らせん状の洞窟。細いが丈夫なワイヤーが円錐状の岩に縛り付けられ、残りをフィフィールドが穴の縁まで運んできて、
穴の中へ落とす。穴の傍に立っているミルバーンがフレアを落とす。
ミルバーン：志願者は・
デビッド：私が行きましょう。

ミルバーン：君が？俺たちをいつくしんで？
デビッド：いえ。
デビッドは穴にかがみ込み、下り始める。
寺院の中。デビッドは底に着き、ショーとミュドーが着くのを待っている。3人は広い真っ暗なエリアにいる。ホロウェイが
ワイヤーを下りてくる。デビッドは歩を進める。彼は何かにつまづいて倒れる。ミュドーとショーが駆け寄る。
デビッド：大丈夫。つまづいただけだ。
ショー：オー・マイ・ゴッド！
デビッド：ホワット？
デビッドは振り返って、躓いたものを見つける。
死体。デビッドは立ち上がり、ミュドー、ショーと共に死体を調べる。死体の慎重は少なくとも13フィート、そして頭部は
失われている。
ミュドー：あっちに。
ミュドーは人間のものの6倍もある巨大な頭部に近寄る。その容貌は象のようであり、鼻は胴体の胸にまで繋がっている。
ショー：何が起きたのかしら。
ミュドーとショーはひざまづいて巨人の頭部を調べる。デビッドは振り返り、エリアの更に大きなセクションへと歩いていく。
彼の懐中電灯が、列をなす、高さ3フィートの壷の上にズーム・インする。この壷の墓地をデビッドは歩きぬけていき、行き止まりになるまで
調べていく。懐中電灯に大きなモニュメントが照らし出され、彼は立ち止まる。ショーとミュドーも立ち上がる。3人全員が立ち尽くし、巨大な
モニュメントを見つめている。それは人間の頭部のようであった。ミルバーンとフィフィールドも到着し、このモニュメントを調べる。
フィフィールド：信じられん！
ミルバーン：マイ・ゴッド。見ろ、俺たちを見下ろしているようじゃないか。顔の象形文字を見ろ。
デビッド：ミス・ショー？貴方は考古学者だ。何か言う事は？

ショー：このような物は、生まれて初めて見たわ。
デビッドは壷の1つに近づき、それに触れる。手を離すとねばつく接着剤のような物質が手につく。
デビッド：皮製のようです。
デビッドは壷の天辺を調べ、埃を拭い取る。真ん中に小さなボタンと円形のパターンが見えてくる。
デビッドがボタンを押すと、ボタンは音を立てる。天辺が開き、シューッという音と共にガスが漏れ出る。
白い、シリンダー型の甕がゆっくりと壷から押し出されてくる。デビッドは甕を壷から抜き出す。
フィフィールド：OK、サンプルを。もう戻ろう。
デビッドは白い甕を持ってミルバーンに歩み寄る。ミルバーンとミュドーは大きな異星人の頭部をバッグに入れる。
ミルバーンはバッグを持ち上げ、グループはワイヤーへ戻る。

大聖堂の外。チャンス、レイ、そしてジョシュアが車の傍でグループが階段の底部に着くのを待っている。
チャンス：何か見つかったか？
ミュドー：後で説明する。
チャンス：もう行っていいのか？
ミュドー：皆、乗って。行くわよ。
全員、急いで車に乗る。ミルバーンはバッグを抱いて、バギーの後席に乗り込む。
太陽系儀。奇妙な異星人のコントロール・パネル。様々な色のボタン、異様で奇怪な象形文字。大きく、厚く、青白い手が見えてくる。
非常に長い、3本の指。その1本がボタンに触れる。
ゼウスの雲。厚く、濃厚な灰白色の雲が渦巻き、中には稲妻が見え、雷の音が轟いてくる。
プロメテウス船外。3台の車がプロメテウスへ急ぐ。
コントロール・ルーム。
ジャネック：カーゴ・ベイのタラップを。
ラヴェル：準備はできてます。サー…サー？
ジャネック：どうした？
ラヴェル：大気です。変化してます。
ジャネック：変化だと？
ラヴェル：ルック！
ジャネックは窓の外を見る。目が見開かれる。
ローバーと2台のバギーがタラップに乗る。ミルバーンのバギーが最後にタラップに乗ろうとするが、バッグが落ちる。ミルバーンは
気付かない。
カーゴ・ベイ、夜。ローバーは中で止まり、ターンして開いたドアに顔を向ける。2台のバギーも止まる。全員が降りてくる。レイと
ジョシュアは火炎放射器を握り、歩いていく。ミルバーンがバギーを調べ、周りを見回す。パニックに陥っている。

ミルバーン：どこへ行った？
フィフィールド：何が？
ミルバーン：バッグだよ。
フィフィールド：お前が持ってたろ？
タラップの外、数mにあるバッグをショーが見つける。
ショー：見つけたわ。
プロメテウス船外、昼/夜。ショーはバッグに近づく。彼女はひざまづいて拾い上げる。雷を伴う嵐の音が聞こえ、彼女は動きを止める。
彼女は水平線を見上げ、雄大なスペクタクルを目の当たりにする。空の雲全体が地表に落ちてきて、ツナミのように船に迫ってくる。昼は
あっという間に夜に変わる。ショーはショックを受け、畏怖している。嵐が迫り、彼女はゆっくりと立ち上がる。背景にいる誰も彼女と
嵐に気が付かない。突然、ショーは嵐に打たれ、空中に持ち上げられ、カーゴ・ベイから斜めに吹き飛ばされていく。
カーゴ・ベイ、夜。
ホロウェイ：エリザベス！
凄まじい嵐がカーゴ・ベイに吹き込み、皆を縫いぐるみ人形のように吹き飛ばす。
プロメテウス船外、夜。ローバーはプロメテウスからわずか100mの所に止まっている。隣に、ショーがうつぶせに横たわっている。
食堂、夜。ジャネックが入ってくる。ヴィッカースが1人でテーブルの横に座り、タバコを吸っている。
ジャネック：今日はあやうく誰かを失う所だったよ。
ヴィッカース：でも、失敗だったわね。違う？
ジャネック：貴方は、人類が始めて異星人を発見したのを中継で見ていた。だが、驚きもしなかった。
ヴィッカース：何が言いたいの？
ジャネック：貴方は、俺達が知らない事実を知っている。それは何だ？
ヴィッカース：私も知らないのよ、貴方と同じにね。
ジャネック：本当にか？
ヴィッカース：ええ、そうよ。早くここを去った方がいいわ。

ジャネック：我々が荷造りして、今夜ここを後にしても、異論はないと？
ヴィッカース：私の事を、利益を追求するクソッタレだと、貴方は思ってるわね。でもそれは違う。ここの皆や貴方の事を気に
かけてるのよ、貴方の銅像以上に。ショーの応急処置が済んだら、ここを出ましょう。
ジャネック：イエス、マーム。
病室、夜。ホロウェイがスツールに座り、隣のテーブル日はショーが寝ている。ショーは微笑む。
ショー：まだここに？
ホロウェイ：君が治るまで、行かないよ。
ショー：ちょっとぶつけただけよ。ミュドーは全然大丈夫って。
ホロウェイ：ラッキーだったよ。どこも骨折しなくて。
ショー：ここのベッドは寝心地が良くないわ。
ホロウェイ：カモン。君の部屋へ行こう。
ホロウェイはエリザベスを助けてテーブルから起こす。
ラボ、夜。中央に“ウェイランド”のロゴのある人差し指。デビッドはテーブルの傍に立って指を見つめている。指紋にも小さな
ウェイランドのロゴ。テーブル上には大きなバッグがある。デビッドの前、テーブル上には白い甕が置かれている。デビッドは
引き出しから小さなメスを出し、甕の天辺の縁を丸く切る。切り屑を剥がし取り、左手をそっとねばつく物に満ちた甕に刺し込み、
緑黄色のビーズのような光る物質を引き出す。彼は大きなマイクロウェーブ・マシンに歩み寄りハッチを開ける。奇妙なビーズを
中に入れ、ハッチを閉じる。彼がボタンを押すとブンブンいう音が中から聞こえてくる。デビッドはバッグから大きな異星人の
頭部を取り出し、テーブルの上に置く。

はいはいわろすわろす

　〃∩ ∧＿∧
　⊂⌒(　･ω･)
　　＼_っ⌒/⌒c

エリザベスの部屋、夜。ショーとホロウェイがベッドに座っている。
ホロウェイ：気分は？
ショー：ミュドーの薬のお蔭で。
ホロウェイ：浮かない顔だね？
ショー：地球外生命の存在の証拠を見つけた。私が信じていた事は、全部嘘だったの。
ホロウェイ：オー、イヤー。君が信心深いのを忘れてたよ。
ショー：出る前に、言いたい事があるんでしょ。
ホロウェイ：どうだっていいさ。
ショー：ノー。言って。
ホロウェイ：この仕事は好きじゃない。考古学に関わる事全てが。
ショー：じゃ、なぜここに？
ホロウェイはきまり悪そうに微笑み、ショーはショックを受けて唖然とする。
ショー：私の事、好きよね？
ホロウェイ：イエス。でも君は俺の事を好きじゃない。分かってる。
ショー：でも、私を見て。私は美人じゃない。
ホロウェイ：ノー。そんな事はない。
ショー：イヤー、私は醜いわ。
ホロウェイは優しくショーの髪を掴み、後ろへ傾ける。顔と顔が向き合う。
ホロウェイ：ノー。君は醜くなんかない。
2人は口づけし、ホロウェイが上になってベッドに横たわる。

ショー：ホロウェイ、私、こういう事、した事ないの。
ホロウェイ：大丈夫だよ。
ホロウェイは彼女の足をなで始める。ショーは空気を求めて喘ぎ、彼を押し離そうとする。だが彼は手の動きを止めない。
ショー：ノー、ホロウェイ、待って。プリーズ！
コントロール・ルーム、夜。ジャネックは座って頭を後ろへ傾け、目を閉じている。頭上にはジョニー・キャッシュの音楽
が流れている。ラヴェルは席でコーヒーを飲み、チャンスはモニターを見ながらキーボードを叩いている。
ジャネック：やめてくれないか。頭が痛くなる。何やってるんだ？
チャンスは何も言わず、部屋を急いで出て行く。ジャネックは頭を振り、ため息をつく。ラヴェルはニヤニヤ笑う。
ラヴェル：行くべき時は行くべき、って事なんでしょうよ。
プロメテウス船外、夜。船は何百ものライトに照らされて、闇の中にたたずんでいる。嵐は過ぎ去り、空はオーロラで
染められている。巨大な土星タイプの惑星、そして無数の星ぼし。風の唸る音は異界の叫び声のようである。
エリザベスの部屋、夜。ホロウェイはベッドの横に立ってズボンを履いている。見下ろすとズボンの股の付け根に血が
にじんでいる。彼はベッドの縁に座り、恥じて頭を抱える。ショーは鼻をすすり上げ、目から涙が流れているのが見える。
ホロウェイは立ち上がるとシャツを掴み、ドアへと向かい、部屋を出て行く。
ラボ、夜。チャンスが入ってきてデビッドに近づく。
チャンス：興味深いニュースだ。
デビッド：何だって？
チャンス：コンピューターがおかしな物を発見した。
デビッド：どんな？
チャンス：この惑星の大気は人造なんだ。
デビッド：人造・本当か？

>>1
削除依頼出しておけよ

チャンス：コンピューターがそう言ってる。酸素も、雲も、大気は人造なんだ。俺にも信じられない。
デビッド：この惑星はテラフォームされてる、そう言いたいのか。
チャンス：コンピューターが言ってるのは、そう言う事だよ。
デビッド：面白い。
チャンスは検査テーブル上の巨大なエイリアン・ヘッドを見つめる。
チャンス：これが？
デビッド：イエス。地球外生命体とのファースト・エンカウンターだ。
チャンス：こいつは死んでる。何が起こったんだろうか。
デビッド：おっと、忘れてた。すまない、ミス・ショーとミス・ミュドーを呼んでくれないか。
チャンス：ああ。
シャワールーム、夜。全裸のショーがシャワーの下に立っている。左手を壁についている。水が体を流れ落ち、手は大腿部の
血を拭っている。鼻をすすり上げて泣いている。水は彼女の足の血も、シャワールームの血も洗い流していく。
ラボ、夜。デビッドはスツールに座って、狭いスキャンニング・テーブルに向かっている。ミュドーとショーはテーブルの
両端に立っている。巨大なエイリアン・ヘッドがテーブルにに乗っている。デビッドはスキャナーのボタンを押す。
デビッド：化学物質やウイルスの危険性はない。
ミュドーはスキャナーを作動させ、エイリアン・ヘッドはテーブルの前方へ運ばれていく。ヴィッカースが到着し、デビッドの
傍に立って作業を見ている。ミルバーンが入ってきて部屋の隅に立つ。
ヴィッカース：で、言えることは？
デビッド、ミュドー、ショーは振り返ってヴィッカースを見る。
デビッド：今、データが出ている。有機体です。DNA、組織、血のサインすらない。殆どバイオメカニカルですね。
ヴィッカース：どういう意味？
デビッドはフラストレーションで額をなで、ため息をつく。彼はヴィッカースを見て、無理やり微笑する。
デビッド：ミス・ヴィッカース、気を悪くしないで下さい。科学者達はこれについて今後何十年も調べたり議論を戦わせるでしょう。
これは我々とも、また我々が知っている何物ともかけ離れたものです。しかし、私の率直でプロフェッショナルな意見を、と言うなら、
これはヘルメットだと言いましょう。

Full Trailerが公開される前に書かれたフェイク脚本をなんで翻訳してるの？ｗ
赤いレーザーのくだりとかでもうねｗ

ヴィッカース：これがヘルメットなら、頭は？
デビッド：分かりません。ヘルメットかもしれないと言っただけです。一言で言えば、皆目分からないのです。
ヴィッカース：他には？
デビッド：中身はカラです。ですがコンピューターは、何かの物質の痕跡を発見しました。確認はできませんが、硫酸の痕跡
のようです。
ヴィッカース：グッド・ワーク。逐一私に知らせるように。それはそうと壷の物質は？
デビッド：スキャン中です。何か分かったらすぐに知らせます。
コントロール・ルーム、夜。チャンスは座って風船ガムを膨らませている。突然コンピューターがビープ音を発する。彼はモニターを
見てキーボードを叩く。1連のコードナンバーが現われる。
ジャネック：何事だ？
チャンス：通信を拾いました。
ジャネック：通信だと？ウェイランドから？
チャンス：ジーザス！船長は信じないでしょう。
食堂、夜。ショー、ホロウェイ、ミュドー、フィフィールド、ミルバーン、ヴィッカース、ジャネック、ラヴェル、チャンス、レイ、
そしてジョシュア、全員がテーブルの周りに座り、デビッドが彼らの前に立っている。
ジャネック：OK。誰か状況を説明してくれ。
デビッド：コンピューター・システムが地球外通信を傍受しました。
ショー：この惑星から？
デビッド：ノー。この惑星に向けて、です。
ショー：じゃ、どこから？
デビッド：近くの小惑星からです。チャンスが私に教えてくれてから、すぐにまたもう1つシグナルを傍受しました。
ショー：同じ所から？
デビッド：ノー。これはゼウスからでした。
ヴィッカースはデビッドを見上げ、それから地面に視線を落としてゆっくりとうなづく。
ジャネック：ゼウス、この星から？
デビッド：その通り。
フィフィールド：どんなシグナル？
デビッド：分かりません。ですがコンピューターが翻訳中です。シグナルの発信地は分かりました。チャンス？

チャンス：この近くです。
ヴィッカース：車で行ける？
チャンス：イヤー。
ジャネック：待ってくれ。何であるにせよ、否応なしに行くわけにはいかん。我々には何も分かっていないんだぞ。
ヴィッカース：我々の任務は…
ジャネック：ブル・シット！
ヴィッカース：これは会社の決めた手続きです、船長。
ジャネック：それがどうした。
ヴィッカース：我々は行くのよ。
ショー：我々？
ヴィッカース：今度は私も行くわ。OK、1時間以内に準備を。
ヴィッカースは立ち上がり、歩いて出て行く。ジャネックはため息をつき、彼女を追う。
廊下、夜。
ジャネック：ヘイ、ユー！
フラストレーションでため息をつき、ヴィッカースは振り向いて、怒るジャネックと顔を突きあわせる。
ジャネック：どういう事だ？
ヴィッカース：やめなさい、ジャネック。
ジャネック：聞け、俺はできる男だ。言われた事は必ずやる、だからウェイランドは俺を雇った。俺の判断を信用した。だがあんたは
みんなの命を危険にさらそうとしている。何のためにだ？
ヴィッカース：良く分かるわ。分かるけど、私達にはこのシグナルを調査する責任がある。
ジャネック：ブル・シット。あんたは、俺たちが知らないことを知っている。俺はこれが考古学のミッションだなどと、1秒たりとも信じたことはない！

ヴィッカース：何か突き止めたの？
ジャネック：ウェイランドが、最先端のプロメテウスを調査のために送り出したと、俺が本当に信じるとでも？
ヴィッカース：ユタニ・コーポレーションの事、何か知ってる？船長。
ジャネック：イヤー。世界中に法的強制力を持っている。兵器や自動車の製造会社、天然資源、そして原子力プラント。それが？
ヴィッカース：ユタニは設立20年にも満たないのに、すでにウェイランドに肩を並べる存在。
ジャネック：だから？
ヴィッカース：だから、私達が手ぶらで帰ったら、彼らと合併という事になるかも。80年前にサー・ピーター・ウェイランドが
コーポレーションを立ち上げた時、彼が持っていたビジョンとは、“もっと平和で安全な地球を創ること”だったのよ。もしユタニと
合併する事になれば、会社の遺産は破壊されてしまう。
ジャネック：俺はこの船の船長で、誰の命も危険にさらすつもりはない。ミッションは終了だ！
ヴィッカース：お言葉を返すようだけど、船長、それが貴方の全てよ。ファッキング・シップの船長。貴方の仕事は、このファッカーを
飛ばすこと。部署に戻って次の命令を待ちなさい。ここを預かってるのは私だと言う事を忘れないことね。
怒り、欲求不満状態のジャネックを置いて、ヴィッカースは歩いて去っていく。
ジャネック：こんなクソ仕事！

カーゴ・ベイ、夜。チャンスとミルバーンがカゴの傍に立って火炎放射器を運び出している。2人は1台のローバーへ歩いていく。ショー、ホロ
ウェイ、フィフィールド、ヴィッカース、そしてミュドーが待っている。
ショー：何故火炎放射器を？
ヴィッカース：保証金よ。分かるわね？
ヴィッカースはショーとホロウェイを意地悪そうに睨む。
プロメテウス船外、夜。タラップが開き、ローバーは暗く、風の強い風景へと走り出す。
外の風景、夜。ローバーはでこぼこ道を走りぬけ、奇妙な外見の構造物に接近していく。
ローバー、夜。
ヴィッカース：一体あれは何？
チャンス：何にせよ、我々が目指しているのはあれです。
遺棄された船の外、夜。巨大な“U”字型の構造物。長さは2マイル。アームはドバイ・タワーと同サイズであり、胴体は太く、厚い。ローバーは
2本のアームの間を走りぬけ、止まる。胴体がローバーと向き合い、大きな楕円形の穴が見える。ローバーのドアが開き、6人が車を出る。
ヴィッカース：行きましょう。
ショー：気が進まないわ。
ヴィッカース：いやな仕事を片付けるのよ。
7人は大きな穴へ進んでいく。ショーは立ち止まり、見下ろす。巨大な異星人の体が半ば埋まっている。頭蓋骨に深く丸い穴が開いている。
ショー：もう1体、見つけたわ。
グループは立ち止まってしばらく見つめ、また進み続ける。最初にヴィッカースが穴へ登って入り。ミュドーを手助けする。最後にミルバーン
が登る。
遺棄された船のトンネル、夜。真っ暗な、狭いが高さのある、ぬるぬるした骨のような形のトンネルを彼らは歩いていく。霧状の、赤いレーザーの
壁に出くわす。彼らは通り抜ける。

FAKEだけど面白いでしょ？

>>37
スタービーストスレの翻訳の方ですか？
こっちも面白いですね

ホロウェイがショーを見て、ヘルメットを脱ぐ。そして酸素の中で息を吸い込む。
ホロウェイ：OK。ヘルメットを取ってもいいぞ。
グループは行き止まりまで来る。が、2本のトンネルが左右に延びている。
ヴィッカース：ミルバーン、ショー、一緒に来て。フィフィールド、貴方は後の皆とあっちへ。
左トンネル、夜。ヴィッカース達3人の背後遥かに他の4人の明かりが見える。ヴィッカースが突然立ち止まり、懐中電灯を向ける。
壁の小さなプラットフォームに大きな2体の異星人の姿。だが明らかに生きてはいない。
ヴィッカース：来て。これを見て。
ミルバーンが近づき、1体を調べ、13フィートの体に触れる。
ミルバーン：内部には何もない。
ショー：デビッドの言った通りだわ。これはスーツなのよ。
ヴィッカース：カモン。先へ進むわ。
彼らは2着のスーツを通り越し、トンネルを歩いていく。ヴィッカースとミルバーンは行き止まりに突き当たる。ショーが追いつき、
懐中電灯を金属製のパネルの上に置く。3人が見ているものは金色の壁、そこには異星人の壁画と象形文字が描かれている。
壁画には、“U”字型の物体が惑星上にあり、2体の巨大な生物が跪いて惑星を見下ろしている様子が描かれている。左側に、
ある種の部屋への入り口がある事にヴィッカースは気付く。
ヴィッカース：何かしら。チェックしましょう。
右トンネル、夜。ミュドーの率いるグループも行き止まりに達する。両側に2つの出入り口がある。
ミュドー：どっち？
フィフィールド：右へ行こう。
遺棄された船、パワールーム、夜。ヴィッカース、ショー、そしてミルバーンが入ってくる。この部屋は大聖堂で見た“寺院”
の小型版であり、高さ2フィートの小型の壷が50個ほど床に並んでいる。そして部屋の後部には巨大な人間の顔のモニュメントが
ある。大聖堂の物とそっくりだが、やや小型である。壷は異なっている。これは金属製で、穴が4つ開いている。その1つにヴィッカース
は近づき、天辺にあるボタンをクリックする。クリック音が発せられ、天辺が開き、6インチ大の輝く金属製の壷が持ち上がってくる。

ヴィッカース：デビッドが発見した物とは違うわ。
ショー：これを持ち出すの？
ヴィッカース：勿論。
ヴィッカースは持ち上げて肩に掛けたバッグへ入れる。中身を失った壷は床の小さな穴の中へ消えていく。
ヴィッカース：ここを出るわよ。
ショー：とうとう。
遺棄された船、病室、夜。ミュドー、フィフィールド、チャンス、そしてホロウェイが、この奇怪で不気味な部屋へ入ってくる。
壁、天井、、床、そしてテーブルさえが動き、裂けているように見える。生きているかのようである。ホロウェイが床の
有機体的タイプのデバイスに近づく。大砲そっくりである。彼はこれを見ようと跪く。ミュドーが素早くヘルメットを被せる。
ミュドー：ヘルメットを。どんな病気があるか分からないのよ。
ヘルメットは装着したが、前面は開いている。ホロウェイが、小さな、ペニスサイズの大砲を押すと、緑黄色の液体が数パイント
噴出し、ホロウェイの顔面に飛び散る。ホロウェイは立ち上がり絶叫する。ヘルメットが閉まって液体は内部に閉じ込められる。
ヘルメットから蒸気が漏れ出て、彼は絶叫を上げながら後方へ倒れる。フィフィールドが駆け寄りヘルメットを外す。ホロウェイ
の顔は焼けただれ、変形している。

左トンネル、夜。3人に叫び声が聞こえ、急いでトンネルを下っていく。ヴィッカースにミルバーンが続く。2人が2着の
スーツを通り過ぎると、1体がプラットフォームから足を踏み出し、ショーに向き合って道をふさぐ。ショーは立ち止まって
叫び声を上げる。2人は振り返り、ミルバーン1人が走って助けに来る。ショーは膝を着き、耳に手を当て、生物の眼を覗き込んで
苦痛に悲鳴を上げている。生物は振り返り、ミルバーンの髪を掴んで持ち上げる。ミルバーンの髪が抜ける。ヴィッカースは
背を向けて走り去っていく。
遺棄された船のトンネル、夜。ヴィッカースは他の4人と出会う。負傷して呻き、すすり泣くホロウェイをミュドーとチャンスが
介抱している。
ヴィッカース：今すぐ出るのよ！
ミュドー：他の2人は？
ヴィッカース：死んだわ。何かに殺されたの。レッツ・ゴー！
5人はトンネルを進んでいく。
遺棄された船の外、夜。グループは追い立てられるようにローバーへ向かう。
遺棄された船、病室、夜。ショーは目覚め、全裸である事に気づく。4本の長いワイヤーが両腕、両足に接続されてX字型に
されている。彼女は暗い部屋を見回し、自分の衣服があるのを見つける。クライスラー・スーツとヘルメットが部屋の隅に
ミルバーンのスーツ、ヘルメットと一緒に置いてある。ミルバーンは意識を失って床に横たわっている。暗闇から巨大な
生物が足を踏み出して姿を現わす。ショーは恐怖ですすり泣き、震え始める。生物は彼女を通り過ぎ、彼女を見下ろすと、
ミルバーンに歩み寄って軽々と持ち上げる。生物はミルバーンを石棺へ運んで行き、中へ入れる。生物は天井を見上げ、
石棺の上部を下ろし、ミルバーンを閉じ込める。手を石棺の上でホバリングさせると石棺は光り、振動し、ジェネレーター
のノイズが高まっていく。

そして生物は振り返り、ショーを見つめる。脅え、すすり泣くショーの所へやって来ると、小さな薄いナイフの
ような物を出し、シるョーの腕を切る。血が滴り落ちる。小さなオーガニック・ブレードが血で覆われると、生物は
オーガニック・テーブルへ向かう。その上には皿の形をしたデバイスが置いてある。生物がその上に血を落とすと、
数秒でデバイスからホログラムが浮き上がり、ショーのDNAのブループリントが写し出される。くぐもった、驚きの
声が発せられ、生物は振り返ってショーに顔を向ける。生物はヘルメットを外すとテーブルの上に置く。そして歩いて
来るとショーをじっと見る。ショーの表情は恐怖で張り詰め、叫び始める。生物の顔と頭部はヒューマノイドであるが、
同時に全く人間に似てはいない。生物は出入り口へ引き返し、ショーを見る。蛇のようなワイヤーが天井と床から現れる。
ショーはこの、知能を持った蛇のようなワイヤーを見てパニックに陥り、生物のほうを見る。生物は動かず、無表情で、
邪悪な目つきで彼女を見ている。突然2本のワイヤーが打ちかかり、頬に突き刺さる。他のワイヤーが脊椎上部と両膝に
刺さり、ショーは痛みと死の恐怖に絶叫する。さらに太くて長いワイヤーが足と右大腿上部を切り裂く。
太い、脈動する、ペニスのような蛇がショーの両足の間にそそり立つ。そして大きな、吼えるような絶叫。

食堂、夜。フィフィールド、チャンス、レイ、ジョシュア、ジャネック、そしてラヴェルがショックを受けてテーブルの
周りに座っている。
フィフィールド：連れ戻さなければ！ここに置き去りにはできない。ミルバーンとは10年の付き合いだ。置いては行けん。
ジャネック：この石ころから、とっくに去るべきだったんだ。
フィフィールド：ヴィッカースだ！奴は信用できん。
レイ：イヤー。俺もだ。
ジャネック：俺にどうしろと？
チャンス：ここを出よう。今すぐにだ！
フィフィールド：彼らを置き去りにはできない！
ジャネック：シャラップ、マン。考えさせてくれ！
病室、夜。ホロウェイが眠るベッドの後ろにミュドーが立っている。顔は青白く、乾いている。髪は劇的に後退している。
デビッドが入ってきて、ミュドーに挨拶する。
デビッド：具合は？
ミュドー：生きてるわ、今の所は。
デビッド：今の所？
ミュドー：あの物質が何だかは知らないけど、あれが彼の遺伝子をいじくり回したんだわ。
デビッド：どういう意味だ？
ミュドー：彼は急速に老化してるの。毎時間ごとに。
デビッド：冷凍できないか？
ミュドー：ノー。今の状態からすると、血液を抜いてフェリン溶液で置換するのは生命の危険を伴うわ。
デビッド：あそこから何か持ち帰ったものは？
ミュドー：ノー。何も見つからず、異星人が襲ってきた、ってヴィッカースが言ってたわ。退却を余儀なくされた、って。
デビッド：ヴィッカースはどこに？
ヴィッカースの部屋、夜。ヴィッカースはゆかでプッシュアップをしている。表情は張り詰め、緊張している。ベッド上
には壷の入ったバッグが置いてある。
コントロール・ルーム、夜。ラヴェルがコーヒーを持って入ってくる。オーバーヘッド・システムを介してジャネックの
声が聞こえてくる。

ジャネック：ラヴェル、急いでパワー・グリッドを作動。早いとこ、この石ころから脱出だ。
ラヴェルのコントロールシステムがビープ音を発し始める。駆け寄るとモニターには船外の生映像が写っており、人影が見える。
プロメテウス船外、夜。カーゴ・ベイのタラップが開く。
カーゴ・ベイ、夜。ジャネック、チャンス、そしてフィフィールドがピストルを持ってタラップに立っている。レイとジョシュアは
火炎放射器を持っている。明るく照らされたクライスラー・スーツが現れ、カーゴ・ベイへ入ってくる。衰弱し傷ついたショーが
よろめき歩いてくる。皆が駆け寄り、助ける。
病室、夜。ショーは包帯を巻かれ、テーブルの上で眠っている。ホロウェイは隣に横たわっている。全員が彼女を取り囲んでいる。
ショーは動き出し、不愉快そうに体を回し、汗まみれで喘いでいる。眼は固く閉じられている。ショーは痙攣し始める。
ジャネック：何が起こった？
ミュドー：何かの発作だわ。
デビッドは体のスキャンを写しているモニターを見ている。胃を取り巻く円形の物が拡がり始める。デビッドは振り返ってショーと
ミュドーを見る。ミュドーはモニターを見、ショックで喘いでいる。
ミュドー：ジーザス！
ショーは突然眼を覚まし、起き上がる。眼は大きく見開かれ、顔は緊張し、ソフト・マットレスの端を握り締めている。そして
血も凍るような叫び声を上げる。ミュドーが彼女を押さえつける。
フィフィールド：彼女に何が？
ミュドー：あれは何？
ミュドーがモニターを指差す。デビッドはモニターを調べ、ミュドーを振り向く。
ショーは苦痛と死の恐怖に叫び声を上げる。腹部が妊娠中のように膨れ上がり、広がる。
ショー：プリーズ！
突然、ショーからくぐもった音がし、下着から血しぶきが上がる。予想外のショックで皆は飛び上がる。
デビッド：彼女を抑えろ！
再び音がし、何かが下着を引き裂く音が聞こえる。下着が引き裂かれて口を開き、ミュドーはショックで叫び声を上げる。ショーは
大きな叫び声を上げている。突然、半ダースもの長く、細いワイヤーがショーの両足の間から飛び出してきて、床へ落ちる。それは
血と粘液にまみれている。
デビッド：胃の中に何かがいたんだ。

訂正：何かがいたんだ→何かがいるんだ

ミュドー：どうやって取り出す？
デビッド：帝王切開はのやり方は知ってるか？
ミュドー：メスを頂戴。
病室の廊下、夜。ジョシュアは床にひざまづいて嘔吐している。レイ、ラヴェル、ジャネック、そしてフィフィールドがやって来る。
皆は不快でショックを受けているようである。ヴィッカースとチャンスが病室から出てくる。ホロウェイは依然意識を失い
テーブルに横たわっている。
病室、夜。ショーの意識は殆ど失われ、しかし大きく喘ぎ、汗まみれである。デビッドとミュドーは両脇に立ち、バイオハザード・
スーツを着ている。ショーの胃が切開され、デビッドは大きな医療用プライヤーを挿入する。
デビッド：捕まえたぞ。
ミュドー：気を付けて。
デビッドは器具を使って生命体を彼女の腹部から抜き出す。
ミュドー：マイ・ゴッド！
デビッドが腹部から生命体を抜き出すとワイヤーはショーの体内へスライドバックし、傷口から現れる。生命体は赤ん坊に
似てはいるが、明らかに人間ではない。大きすぎる頭部には奇妙な模様があり、目は大きくて落ち窪んでいる。体は黒く、べとべとし、
ショーの傷口からワイヤーが繋がっている。
ミュドー：これは何？
デビッド：分からない。
デビッドはもだえる生命体を取り上げてインキュベーターの中へ入れる。そして蓋を閉じる。
ジャネック：ショーは大丈夫か？
ミュドー：ライフ・サポートは安定してるようね。応急手当でよくなると思う。
デビッドとミュドーは見交わしあう。
ミュドー：全く何て所！

ラボ、夜。デビッドがインキュベーター・ボックスを持って到着し、ハッチへ入れて閉じる。次にマイクロウェーブ・タイプの
ハッチへ行き、隣のモニターを見る。検査が終了し、データベースのリポートが出る。
病室、夜。ショーは意識不明である。ホロウェイが目を開け、喘ぎ始める。ミュドーが駆け寄る。
ミュドー：ホロウェイ！
ホロウェイ：エリザベスを助けねば！
ミュドー：ここにいるわ。
ホロウェイ：どこだ？
ホロウェイは血まみれのショーを見て顔をしかめ、ため息をつく。
ミュドー：彼女は大丈夫よ。薬で眠らせてあるの。
ラボ、夜。デビッドが机に着いている。ミュドーとチャンスが入ってくる。車椅子に乗ったホロウェイを押している。
デビッド：Mr.ホロウェイ、よかったですね。
ホロウェイ：死んだ気分だよ。
3人は彼の周りに集まり、憔悴したホロウェイは無理やり笑顔を作る。
ミュドー：大丈夫よ。生涯最悪の二日酔いの最中なの。
ホロウェイ：ガッデム、腹が減った。
ミュドー：何か取ってくるわ。
ホロウェイ：サンクス。君のような体力があればな、デビッド。
デビッド：でも、私は貴方とは違います。
ホロウェイ：オー、イヤー、忘れてたよ。君はロボットだった。
デビッドは微笑む。
デビッド：人造人間という用語をお勧めします。
ホロウェイがデビッドの顔に触れる。デビッドは子供のような表情で見上げる。
ホロウェイ：君はまるで…
デビッド：人間みたい？
ホロウェイ：私がいなくなってから何が起きた？
ショーのヴィジョン。遺棄された船の暗いトンネル。地球が見える。船のトンネルを通っていく。船のパワールーム。また地球が見える。
奇妙な卵。地球が見え、“U”字型のエイリアン・クラフトが近づいていく。東部のモニュメントが振り返って我々を見下ろす。その目が
光り、口が動いて深い、大きな声が響く。
声：エリザベス！

病室、夜。ショーが目覚める。汗びっしょりで喘いでいる。血にまみれた体をテーブルから離し、ドアへと足を引きずっていく。
ラボ、夜。ショーが歩いて入ってくる。3人が見上げる。
ショー：私達、間違ってたわ。ひどく間違ってたんだわ！
彼女は膝をついてくずおれ、床へ倒れる。
プロメテウス船外、夜。すさまじい吼え声を立てる風の中に船がたたずんでいる。
ヴィッカースの部屋、夜。ヴィッカースはデスクに着いてモニターを見ている。画面には“命令を待つ”。
数秒たつと新しいセンテンスが現われる。“メッセージ受理”。ヴィッカースはクリックする。“スペシャル・オーダー937発動”。
フィフィールドが入ってくる。ヴィッカースは即座にモニターを回転させる。
ヴィッカース：何か？
フィフィールド：マーム、ショーが。
ヴィッカース：ショーがどうしたの？
フィフィールド：分からない。デビッドが貴方を連れて来いと。
ヴィッカース：すぐ行くわ。
病室、夜。ショーがテーブルに横たわっている。意識は清明で安定している。皆が回りにあっている。
ミュドー：聞こえる？
ショー：イエス。
ミュドー：この指は何本？
ショー：3本。
ミュドー：グッド。

ジャネック：あそこで何が？
ショー：ミルバーン！
彼女はすすり泣き始める。
ジャネック：ショー、話してくれ。何があった。
ショー：思い出せないわ。覚えてるのは、どこか恐ろしい部屋で目が覚め、私は裸で…
ヴィッカース：続けて。
ショー：私は衣服を見つけて、それを着たの。それから、あれがやって来て…
ミュドー：何が？
ショー：彼が誰かは分からない。
ジャネック：彼？
ショー：彼が私に語りかけてきた…頭の中へ、全てを。船の出口を教えてくれて…
ヴィッカース：船？何の船？
ショー：私達はここを去るように、そして決して戻って来るな、そう彼は言ったわ。でも…その前に盗んだ物を返せ、そうすれば
ミルバーンと、生きる権利を返してやろう、と…
全員が立って見つめあう。
デビッド：言うとおりにしたほうがいいですよ。持ち帰った物は私が集めて返してきます。

ヴィッカース：からかってるの？ミス・ショーを責める気はないわ。ショーは何かひどい目に会って、今は薬で眠っている。
それに持ち帰った物はカンパニーにとって大変な価値があるのよ。
フィフィールド：カンパニーとファックするがいい。ミルバーンはまだあそこに！
ヴィッカース：分かります。でも貴方は大きな状況を見ていない。
ジャネック：デビッド、志願するのか？
デビッド：イエス、サー。
ジャネック：承諾する。
ヴィッカース：そんな命令は出してません。
ジャネック：ミス・ヴィッカース、かまいませんよ！デビッド、どれ位かかる？
プロメテウス船外、夜。船の胴体からカーゴ・ベイが降りてくる。
遺棄された船の外、夜。デビッドは船の胴体部分でローバーを止め、車から降りる。大きなバッグを持って近づいていく。
遺棄された船のトンネル、夜。デビッドは行き止まりに達し、右へ曲がる。
右トンネル、夜。デビッドはもう1つの行き止まりに着く。左へ行けば船の病室への出入り口である。デビッドは右へ曲がり、別の
出入り口へと入っていく。
遺棄された船のトンネル2、夜。このトンネルは急勾配な道に続いている。デビッドは歩いて登っていき、もう1つの行き止まりに
着く。その両側に出入り口がある。デビッドは左へ曲がり、出入り口の中を見る。
チェンバー、夜。この部屋は恐ろしく広く、高さ10フィートの楕円形をしたオーガニックな檻がが床、壁、天井に何百も見える。
遺棄された船のトンネル2、夜。デビッドは2番目の出入り口に近づき、中を見る。

太陽系儀、夜。デビッドは出入り口に立って、この広く巨大なドーム型の部屋を覗き込んでいる。部屋の両サイドには幾つも穴が
開いている。中央には丸いプラットフォームがあり、石棺タイプの棺桶が4つ置いてある。そして巨大なコントロール・パネル。
デビッドは近づき、プラットフォームに乗る。メカニカル・デバイスに近づくと、それに触れる。デバイスはライトアップし、彼は
ボタンに触れる。デビッドの背後、ゼウスのホログラムがプラットフォームの中心に浮かび上がる。ホログラムは、床にある小さな、
輝くバルブから投射されている。デビッドは近づいてバルブを調べる。小さな“U”字型のシンボルが見える。デビッドがホログラム
に触れるとそれは瞬時にシフトし、青いライトが何本も現われ、太陽系儀全体が星系の巨大なホログラフィック・マップを描く。
デビッドは手を使ってホログラムを操作する。彼がホログラフィック・マップを押すとゼウス星系から変化して銀河全体のホログラ
フィック・マップに替わる。ゼウスを含む何ダースもの星系は、その上に小さな“U”字型のシンボルを持ち、赤く輝いている。
デビッドは、ある星系をじっと凝視し、困惑して眉をひそめる。彼が近づいて触れると、8つの惑星を持つ何かに似た星系と中央に
よく似た太陽が見えてくる。我々の星系である事は明らかである。8つの惑星のうち、1つだけが輝き、“U”字型のシンボルが上に
見える。プラットフォーム中央に大きなホログラムが現われ、地球の姿が現われる。
デビッド：地球が！
デビッドは突然振り返る。13フィートの生物が立っている。

カーゴ・ベイ、夜。ジャネック、ラヴェル、チャンス、レイ、ジョシュア、フィフィールド、そしてヴィッカース武器を持って待っている。
ローバーがやって来て停止し、デビッドが降りてくる。
デビッド：ミルバーンは後席です。
フィフィールド：生きてるのか？
デビッド：イエス。元気です。
ジャネック：彼を病室へ。
病室、夜。ミルバーンは検査テーブルの上である。ミュドーとフィフィールドが見ている。デビッドはテーブルに着いてモニターを
見ている。
デビッド：奇妙だ。
ミュドー：何が？
デビッド：血液型が変わっている。
ミュドー：そんな事あり得る？
デビッド：分かりません。遺伝子が変化しているんです。
ショーの部屋、夜。衰弱した様子のショーはぴったりした青い“ウェイランド”スーツを着ている。呻き声をあげて部屋を出て行く。
食堂、夜。ホロウェイは車椅子に座ってテーブルの傍にいる。ショーが入ってきて、彼に近づく。
ショー：ホロウェイ？
ホロウェイ：エリザベス。
ショー：貴方に何が起きたの？
ホロウェイ：何故、俺の外見が？
ショー：マイ・ゴッド。御免なさい、ホロウェイ。あの船で何が起きたの？
ホロウェイ：分からない。だが俺は一刻も早くこの石ころから脱出したい。

遺棄された船のチャンバー、夜。13フィートの生物の背中が見える。多くのオーガニックな檻の1つが下がってくる。
カーゴ・ベイの廊下、夜。レイが、壁の石棺タイプのカプセルに歩み寄る。
レイ：OK。下ろしてくれ。
コントロール・ルーム、夜。デビッド、ジャネック、ラヴェル、チャンス、ミュドー、フィフィールド、ジョシュア、ショー、ホロウェイ、
そしてヴィッカース。全員が室内にいて、デビッドを見ている。
ジャネック：OK、デビッド。最初から始めるんだ。そして俺に言ったとおりに説明してやってくれ。
デビッド：コンピューターと私はこれまで、発見した証拠の全てを翻訳し、照合してきました。コンピューターは象形文字の殆どを翻訳
する事ができ、私は考え合わせて推測する事ができました。
プロメテウス船外、夜。カーゴ・ベイが下がり、地表に着く。
コントロール・ルーム、夜。
デビッド：この生物ですが、
ジャネック：テラフォーマー、そう呼ぶんだな。
デビッド：ライト。テラフォーマー達は何ダースもの、いや銀河の何千もの惑星をテラフォームしたのです。この惑星もその１つです。
最も最近の。
カーゴ・ベイ、夜。レイはカーゴ・ベイにいる。閉じたドアへ向かっていく。
コントロール・ルーム、夜。
デビッド：彼らはテラフォーミングの最中に、この惑星原産の生命体を発見しました。
フィフィールド：待ってくれ、それはあり得ない。ここでは何も生きられない。この惑星は生命に適さない。
デビッド：人間にとっては、イエスです。ですが生命は適応し、進化する道を見つけたのです。テラフォーマー達は何千もの生命体をを
発見し、捕らえて檻に閉じ込めました。彼らはこれらの生命体のDNAを操作し、ついに何かを創り出しました。

デビッド：それは、ある種のハイブリッドの子孫でした。
フィフィールド：どういう意味だ？
デビッド：彼らは自分達のDNAと原産の生命体のDNAを継ぎ合わせて、新種を生み出したのです。知的な新種を作り出すのが彼らの
計画でした。彼らは既に自分達のDNAと銀河中の多くのクリーチャーのDNAを継ぎ合わせて、新種の生物を創りだしてきました。
しかしこのケースはうまく行きませんでした。最悪の結果となったのです。
カーゴ・ベイ、夜。レイはボタンを押し、ドアが開き始める。
コントロール・ルーム、夜。
デビッド：彼らが作り出したのは、新種でなく、兵器でした。惑星全体の人口を消し去ってしまう事のできる、バイオメカニカル
な兵器です。彼らは無数の兵器を生み出しました。テラフォーマーの船が1隻この惑星を出発し、何かの不具合でこの兵器の1体が
逃げ出し、クルーを殺戮し始めました。パイロットは船を近くの小惑星にクラッシュさせ、この惑星の船に警報を送ったのです。
カーゴ・ベイ、夜。レイがタラップの上で外を見ている。オーガニックな檻が見える。彼は近づいていく。
コントロール・ルーム、夜。
デビッド：それで、この惑星は隔離され、見捨てられたのです。
ジャネック：話してやってくれ、最後の部分を。
デビッドは、驚き、疲れているクルーを見る。
デビッド：異星人の船の中で私はある種の太陽系儀を発見しました。あの生物がテラフォームし、進化させた惑星を見ることが
できました。その1つが…地球でした！
ショー：あり得ない！
ヴィッカース：それは確かなの？
デビッド：恐ろしい事ですが、事実です。彼らは、我々が地球からやって来た事も、我々が人類である事も知っています。
もう1つ、まだ話していない事があります。あの船にも何千というバイオメカニカル兵器が載っています。
ショー：夢で見た通りだわ！
デビッド：夢？
ショー：マイ・ゴッド！

ジャネック：夢って？
ショー：彼は言ったの。盗んだ報いに罰を与える！この兵器を地球へ運んでいくつもりだ、って！
突然、ミルバーンが歩いて入ってくる。ひどく喘ぎ、ドアにすがり付いている。
フィフィールド：ミルバーン！
ミルバーン：何が起こったんだ？
ミュドー：ジーザス。彼を病室に戻して。
ミルバーン：俺は大丈夫だ。近付くな。
ミルバーンの顔は蒼白で腫れ上がり、髪は殆ど失われている。両目は落ち窪んで血走っている。
フィフィールド：大丈夫そうには見えないぞ、マン。
ミルバーン：大丈夫だ。
カーゴ・ベイ、夜。檻は振動し始め、裂け始める。レイはゆっくり後じさりする。突然、檻に大きな穴が穿たれ、タールの
ような黒い物質が何ガロンも流れ出る。何か大きな黒い　ベトベトしたものが檻から逃げ出す。レイはショックと畏怖に
凍り付いている。彼は見上げ、見下ろす。彼が見ているものは我々には見えないが、何かが近付いてくる音が聞こえる。
シューシューという音、ハイエナのような吼え声。レイは即座に背を向けてドアへ走る。この世のものとは思われない
叫び声。レイは突然その場に足を止める。長くて太い、ドラゴンのような尾が足に巻きついている。レイは倒れ、ドアから
引きずられて行く。彼は叫び声を上げる。
コントロール・ルーム、夜。ラヴェルが見ているモニターにはカーゴ・ベイの生映像が写っている。彼は異様な形の黒い
モンスターがレイの傍に立っているのを見つける。
ラヴェル：ガイズ！
カーゴ・ベイ、夜。レイは地面に横たわり、姿の見えないモンスターを見上げている。黒くて長い、毛だらけでぬるぬるした
触覚のようなロッド。灰色の血管が透けて見える。モンスターの頭部がかがみ込んでレイと顔を付き合わせる。頭の後部は
長く、太く、ぬるぬるして毛だらけで、葉巻のような形をしている。

ロッドが胸に突き刺さる。レイは絶叫する。更に7本のロッドが現れ、体中を突き刺す。レイの血液が吸い取られていく。
プロメテウス船外。カーゴ・ベイが地面から持ち上がる。ドアは開いたままである。そして船の胴体に納まる。
カーゴ・ベイの廊下。チャンスとジョシュアがドアの両脇に立っている。2人ともピストルを持っている。ホロウェイは
車椅子から下り、ミュドーに助けられながらステッキを突いて歩いている。ショーが隣に立っている。ヴィッカースと、
表面上は元気そうなミルバーンが火炎放射器を持ってフィフィールド、ジャネック、ラヴェルと並んでいる。
カーゴ・ベイ、夜。ドアが開き、チャンスとジョシュアがピストルを構えてなだれ込む。見渡すが、床の上に血の
染みがあるばかりである。ショー、ミュドー、そしてホロウェイが出入り口に姿を現わす。チャンスがレイを見つける。
レイは繭にされ、天井からぶら下がっている。近付いてみると、顔の中心に大きな穴が開いている。突然叫び声が上がり、
8フィートのモンスターが天井のパイプから飛び降りてくる。モンスターには眼も、鼻も、口すらない。顔は握りこぶし
のようである。8本の長い触角、大きな、ドラゴンのような尾、8本の奇妙な蜘蛛のような足は人間の指のようである。
背中には4本のチューブのようなオーガニックなパイプが付いている。
チャンス：殺せ！
ジョシュアとチャンスが発砲し始める。モンスターは走り去って2台のローバーに隠れる。2人はローバーに駆け寄り、
2手に分かれる。ヴィッカースとミルバーンが火炎放射器を持って入ってくる。ローバーに歩み寄るジョシュアに突然
モンスターが襲い掛かる。8本の触覚が胸に突き刺さり、モンスターへと彼を引きずっていく。握りこぶしのような
モンスターの顔が手のように開く。顔の内部は女性性器のようで、中心に小さな穴がある。

訂正：8本の触覚が胸に突き刺さり→襲い掛かり

突然、穴から、毛だらけでヌルヌルし、黒いホースが現れ、弾丸のように飛び出してジョシュアの顔に襲い掛かる。チャンスが
モンスターの背後から叫び声とともに炎を浴びせる。モンスターはジョシュアの体を捨てるとチャンスに向き直る。ミルバーンが
チャンスを押しのけ、火炎放射器を発射する。モンスターはすぐに炎に飲み込まれ、苦痛に金切り声を上げ、ミルバーンを
押しのけてタラップへダッシュし、縁から転げ落ちる。チャンスがジョシュアに駆け寄り、体をチェックする。
チャンス：シット。すまない、相棒。
ミルバーンがむせ始め、膝を着く。ショーとホロウェイが駆け寄る。ミルバーンは叫び声を上げ始め、ホロウェイに突きかかって
壁へ投げ飛ばす。ついでショーを殴り倒すと振り返ってチャンスに駆け寄ってくる。チャンスを地面に押さえつけ、1ダース以上の
パンチでめった打ちにする。ホロウェイが足を引きずってきてミルバーンを殴りつける。ミルバーンはホロウェイに突きかかって
壁に押さえつける。ミルバーンが口を開くと、変異した舌が現れる。長い舌は茶色で、緑の斑点がある。下顎が裂け、舌が
ホロウェイの口の中へ差し込まれる。ホロウェイは窒息する。ショーがチャンスのピストルに手を伸ばし、ミルバーンを狙って
発射する。ミルバーンは吼え声を上げて後退する。
ショー：逃げて！
ホロウェイは喘ぎながら這いずっていく。ショーは更に数発発射し、右側頭部を吹き飛ばすが、ミルバーンは死なない。彼は
ショーを見て、駆け寄ってくる。ショーはピストルを投げ捨て、ローバーに入ってドアを閉じる。

ローバー、夜。何物かがドアを叩き、ショーはパニックで叫び声を上げる。
カーゴ・ベイ、夜。フィフィールドがローバーの横に立っている。彼はショーを見つける。
フィフィールド：ショー、何事だ？
ミルバーンが車のルーフから現れ、フィフィールドを見下ろす。そしてフィフィールドに飛び掛って地面に押さえつける。
火炎放射器を持ったヴィッカースが到着する。
ヴィッカース：下がって！どくのよ！
ヴィッカースは火炎放射器を向ける。ジャネックが駆け寄る。
ジャネック：ノー！フィフィールドがいる！ヴィッカース、撃つな！
ヴィッカースは発射する。燃え上がる炎の壁がフィフィールドとミルバーンを呑み込む。フィフィールドは絶叫しながら
転げ回り、怪物と化したミルバーンは金切り声を上げてローバーの側面へ駆け寄り、炎から逃れて乗り込もうとする。
そしてローバーの後部へ回り込む。
ローバー、夜。ショーはレバーを引いてローバーをバックさせる。
カーゴ・ベイ、夜。ローバーはバックしてミルバーンに激突し、よじれた体の上を走り抜ける。そしてもう1台のローバーに
ぶつかる。ミルバーンはローバーから這い出てタラップに近付く。火は消えている。焼け焦げ、手足は折れてズタズタに
なっている。それはローバーを振り返る。ローバーが飛び出し、ミルバーンに激突してタラップの外へ投げ出す。ショーは
ローバーから降り、皆に加わる。7人の生存者は部屋の中央に集まる。

ジャネック：仏さんを埋めて、ここを脱出しよう。異議は？
ショー：それはできない。
ジャネック：ホワット？
ショー：デビッドが言っていた兵器を地球へ持っていって全てを殺戮しようとしているのよ。止めなければ。皆で
止めなければ。私達を罰しようとしているのよ。
ジャネック：聞け、止めることはできない。火炎放射器数丁とピストル1ダースぐらいしか、武器はないんだ。
ショー：ではパイロットを殺すのよ。やらなくちゃならない、ジャネック。選択の余地はないわ。誰もが、全てが
危機にさらされている。やらなくては。
ジャネック：OK。殺そう。計画は？
ショー：私は行く。誰か志願者は？
ジャネック：俺が行こう。
ショー：ノー。貴方は船にいなくては。デビッド、一緒に来る？
デビッド：イエス。
ホロウェイ：俺も一緒に行くよ。
ショーはホロウェイを見て、頭を振る。
ショー：貴方は駄目よ、ホロウェイ。衰弱しすぎている。
ホロウェイ：俺は馬鹿じゃない。体は不自由だし、もう死にかけている事は分かってる。どの道、この星を脱出する事は
できない。俺は行く。
ショー：OK。ジャネック、私達を下ろして！
コントロール・ルーム。ラヴェルが1人でいる。
食堂、夜。ヴィッカースはコーヒー・マシンの横に立ってミルクを飲んでいる。
カーゴ・ベイ、夜。ミュドーが手を振っている。ローバーはタラップを下りて行く。

ヴィッカースの部屋、夜。ジャネックがベッド上のバッグに近づく。バッグを開け、中の壷を見つける。そしてラップトップ
タイプのデバイスに近づいてスイッチを入れる。彼は身をかがめて何かを見る。立ち上がった彼の、激怒の表情。
ジャネック：嘘つきの牝犬め！
彼は背を向けて部屋を出て行く。
廊下、夜。ジャネックは襟元のボタンを押す。
ジャネック：ラヴェル、ジャネックだ。銃を持って食堂で会おう。今すぐだ。
食堂、夜。ラヴェルが飛び込んでくる。困惑したヴィッカースに近づく。
ヴィッカース：何かまずい事が？
ラヴェル：船長が、武器を持ってここで会おう、と。
ヴィッカース：何故？
ジャネックの声がラヴェルのスーツから聞こえてくる。
ジャネック：ラヴェル、ヴィッカースを留めておけ。そこから逃がすんじゃない。奴は危険だ！
ラヴェルは困惑して眉をひそめ、視線を上げ、そしてショックで眼が大きく見開かれる。ヴィッカースは何度もナイフで
彼を突き刺す。ラヴェルは苦痛で叫びながら倒れる。傷口から血が噴き出る。ヴィッカースはピストルを掴んで2発撃って
彼を殺害する。ジャネックが部屋に入ってくるが、銃を構える前にヴィッカースが4発中を発射する。彼は倒れ、痛みに
呻く。ヴィッカースは彼を残して出て行く。
ロッカールームの廊下、夜。ぴったりしたウェイランドの青いスーツを着たヴィッカースが廊下を駆け抜けていく。ドアに
着くと上着を脱ぐ。

ロッカールーム、夜。ヴィッカースはクライスラー・スーツに駆け寄る。
遺棄された船、夜明け。ローバーは船の胴体部分で止まる。デビッド、ホロウェイ、そしてショーが降りて船に近づいて
行く。日が昇る。夜明けである。
カーゴ・ベイ、夜明け。ヴィッカースが火炎放射器を持って入ってくる。ミュドーが手を振る。ヴィッカースは大きなバッグを
肩に掛けている。彼女は火炎放射器をミュドーに向ける。
ヴィッカース：残念だわ。
ミュドーは叫び声を上げ、慈悲を請い、手を差し出す。
ミュドー：ヴィッカース、ノー！
ヴィッカースは炎を浴びせ、ミュドーは火に呑み込まれる。膝を着いて倒れ、血も凍るような悲鳴を上げる。
遺棄された船、夜明け。ショーが先頭になって狭いが背の高い廊下を進んでいく。3人は出入り口に到着し、デビッドが入っていく。
カーゴ・ベイの廊下、夜明け。ヴィッカースは石棺タイプのカプセルに入ってボタンを押す。
プロメテウス船外。カーゴ・ベイが下降し、地表に着く。
遺棄された船、コントロール・ルーム、夜明け。大きな楕円形の部屋は寺院のものとそっくりだが、やや小型である。100個以上もの、
小さな壷がある。巨大なテラフォーマーの頭部のモニュメントが部屋の中央にあり、これも寺院にあったものとそっくりだが、かなり
小さい。
ショー：この場所は？前に見たのに似てるけど。
デビッド：これは違います。
ホロウェイ：エネルギー検出の表示が。
デビッドがホロウェイを見る。ホロウェイは手の中のデバイスを見ている。
デビッド：どんなエネルギー？
ホロウェイ：マイ・ゴッド！これは反物質だ！

プロメテウス船外。2台目のローバーが船を出て加速していく。
食堂の廊下、夜明け。ジャネックが血で咳き込みながら這いずっていく。
遺棄された船、コントロール・ルーム、夜明け。デビッドはモニュメントを振り返り、歩いていき、手を触れる。
ショー：デビッド、どうやったら破壊できる？
デビッド：分からない。本当に。
デビッドはショーへと振り向くが、視線は彼女を通り越して、出入り口に立っているホロウェイに向けられる。ショーも
振り向く。ホロウェイは何かを見上げ、恐怖に喘ぎながら数歩後退する。テラフォーマーだ。マスクを外し、スーツも
着ていない。ホロウェイを見下ろすテラフォーマーの顔と頭部は殆ど人間だが、同時に全く人間に似てはいない。眼窩の
奥深くにある大きな楕円形の眼は瞬いてないように見える。鼻はボクサーのそれのようである。青白い顔と毛のない
頭には異様な模様がある。13フィートの異星人はホロウェイの眼をまっすぐ見る。ホロウェイは痛みに喘ぎ、崩れ折れて
耳と眼を塞ぎ、顔をしかめて呻く。
デビッド：やっつけろ！
ショーが部屋の中央に駆け出て、テラフォーマーに火炎放射器を向ける。テラフォーマーはホロウェイの喉を掴んで持ち上げ、
1歩踏み出して眼をショーにロックする。ショーはすぐに武器を下げ、畏怖にかられて生物の眼を見る。
デビッド：ショー、何を待っているんだ！
テラフォーマーはホロウェイを落とし、出入り口にステップバックするが、視線はショーに注がれたままである。ショーは
震え始め、苦痛に呻き始め、眼は堅く閉じられる。そして彼女は叫ぶ！
ショー：ここには神がいる！
テラフォーマーは頭をゆっくり動かす。
ショー：違う！お前は私の神じゃない！ノー！
デビッド：ショー！殺せ！
ショー：神は私の頭の中にいる！
デビッドは周りを見回し、つるはしを見つける。慈悲深いショーの表情。彼女は火炎放射器を持ち上げ、立ち上がろうと
もがいているホロウェイにゆっくりと向ける。その眼はテラフォーマーから離れないが、体と兵器は困惑したホロウェイに
向けられている。彼女は涙を流し始める。
ショー：ノー！お願い、やめて！
テラフォーマーは人を怖気づかせるような微笑を浮かべる。

>>28-37
>37 ：名無シネマさん：2012/03/21(水) 17:45:13.90 ID:mQtjq2YO
>FAKEだけど面白いでしょ？

>>1
元脚本も落としたけど楽しみにしてるから

発表されてるキャストと食い違いが出てるし
公開された予告編と違っている
ファンによる同人作品ならはっきりそういえばいいのに
ネタバレですとか偽っていると誰も見ないよ

FAKEだって言ってるじゃん

今回に関しては確かにフェイクだとは言ってるけど、その前のリークのときは、フェイクとの指摘に反論してたよね。

ホロウェイ：エリザベス？何をするんだ？エリザベス！
ショー：ノー！
ホロウェイは壁へと後じさり、慈悲を請うて手を差し伸べる。ショーは叫び、トリガーを絞る。ホロウェイは炎の壁に呑み
込まれ、血も凍るような叫び声を上げる。
ホロウェイ：エリザベス！
ホロウェイは絶叫し、火に包まれて膝を着く。そして顔から地面に倒れると静かになる。突然デビッドがつるはしを持って
テラフォーマーに突進し、右腕に1撃を加える。テラフォーマーは声を上げず、表情も変えない。ショーのコントロールは解けた。
ショーは膝を着き、自分が強いられた事を嘆き悲しむ。テラフォーマーの傷口から血液が噴き出し、デビッドの右腕が緑黄色の
血液で覆われ、そして腕は溶け始める。テラフォーマーはデビッドの首を掴んで高く持ち上げる。そして地面へ投げ落とし、
右足を上げるとデビッドの胸を踏みにじる。デビッドの口、鼻、耳、そして眼からさえ白い液体が噴出し、声は歪み、まるで
コンピューターのような声である。
デビッド：ショー！逃げろ！
ショーはテラフォーマーをすり抜け廊下へと走っていく。テラフォーマーは振り向いて彼女を追う。
遺棄された船の廊下、夜明け。ショーは全力で走りながらヘルメットを装着する。明かりはスーツからのものと火炎放射器だけである。
立ち止まって振り向くと炎の波を廊下へ浴びせる。そして振り向き、走り続ける。
太陽系儀、夜明け。テラフォーマーはプラットフォームの前に行き、デバイスに触れる。石棺が上がってくる。大きな椅子の真ん中に
巨大な“大砲”タイプのメカニズムが地面から姿を現わす。
遺棄された船、コントロール・ルーム。テラフォーマーの頭部のモニュメントが音を立て始める。壷同士が向き合い始め、突然青い
ビームを発し始める。数秒のうちに全てのビームが接合する。
太陽系儀、夜明け。テラフォーマーは骸骨のようなバイオメカニカル・スーツとヘルメットを装着し、椅子に乗る。マスクの、ホースの
ような鼻が“大砲”のようなメカニズムに接続され、スーツ全体とヘルメットは椅子と接続され、一体化する。テラフォーマーは前の
パネルに触れる。

遺棄された船、コントロール・ルーム、夜明け。モニュメントの眼と口が青く光り、部屋の中央の小さなプラットフォーム
から地球のホログラムが浮かび上がる。破壊されたデビッドが白い血を吐きながら、襟元のボタンに手を伸ばす。
デビッド：エリザベス、奴はカーゴを地球へ運ぶ準備をしている。やるべき事をやるんだ、今。
遺棄された船の外、夜明け。ショーが入り口から飛び降り、走り去りながら襟元のボタンを掴む。
ショー：ジャネック、聞こえる？
プロメテウス、コントロール・ルーム。ジャネックは力なく椅子に這い登って座る。そしてコールに応える。
ジャネック：聞こえる。
ショー：宇宙船よ。宇宙船が飛び立とうとしてる。目的地は地球。私達、間違ってた。ひどく間違ってたのよ。止めなくちゃ。
私達がどうなろうとも。止めなくちゃ。さもないと地球の全てが、誰もが死ぬ事になる。ジャネック、止めるのよ！
ジャネック：分かった。
ジャネックは顔をしかめ、うなづく。
ジャネック：何があろうとも、だ！
彼はラヴェルのコントロールに着き、コマンドを打ち込む。
プロメテウス船外、夜明け。エンジンが蒸気を噴き出し始める。船は地表を離れ、空高く舞い上がっていく。
遺棄された船、夜明け。船は大きなエンジンノイズを上げ始め、そびえる2本のアームは天を向く。ショーは立ち止まって巨大な
エイリアン・クラフトを向く。エイリアン・クラフトは叫び声をあげ、地表から離れて空へと加速していく。
プロメテウスのエンジンが方向を変え、加速して遺棄された船へ正面から突っ込んでいく。
外景、夜明け。ローバーが近づいてきて止まり、ヴィッカースが降りる、ショーに向かって走り出す。ショーの傍で止まり、2人の
女は空を見上げ、畏怖にかられ、ショックを受ける。
ショー：あれはプロメテウス！
疾駆するプロメテウスは、地表から2マイルまで上昇した“U”字型宇宙船めがけて加速する。
コントロール・ルーム。ジャネックはときの声を上げ、船は突進していく。
遺棄された船、夜明け。プロメテウスは遺棄された船に激突し、巨大な爆発が起こる。大規模な爆発にも関わらず、遺棄された
異星人の船を破壊はできなかった。しかし動きは止まり、地表へと墜落を始める。

外景、夜明け。
ヴィッカース：逃げるのよ！
2人は走り始める。プロメテウスの破片が彗星のように周りに落下し始める。巨大な、そびえる遺棄された船は、ドバイ・タワー
のような2本のアームから地表にクラッシュし、回転して胴体部から着地して止まる。2人は衝撃波で地面へ投げ出される。
炎とプラズマが船の穴から噴出し、船は破壊されて猛烈な勢いで地表に倒れる。ショーは破片、煙、そして炎の周りを歩き、
そしてヴィッカースと対峙する。
ヴィッカース：貴方、やったわね。
ショー：生き残ったのは私達だけ？
ヴィッカースはうなづく。
ショー：これからどうするの？
ヴィッカース：ローバーにはダメージはないわ。どこか安全な所を探し出して、休んで、待ちましょう。
ショー：どこへ行って、何を待つつもり？
ヴィッカース：宇宙に発信するコンピューターがあるの。どこかシグナルを受信できる場所を探して、SOSを送りましょう。
2人はローバーへ向かっていく。

ナスカの地上画、夜明け。ローバーが高速で走り抜けていく。が、鋭い岩に乗り上げてタイヤがバーストする。
ヴィッカース：ガッデム！
ショー：止めて！
滝、夜明け。ローバーは雄大な滝の傍で止まる。ヴィッカースはため息をついてショーを見る。
ヴィッカース：ホイールがやられた。見てくるわ。
ヴィッカースは大きなバッグを残してローバーを降りる。ショーバッグを調べ、ジッパーを開ける。
滝、朝。ヴィッカースは外で立ってホイールを調べている。そして膝を着いて見る。
ローバー車内、朝。ショーはラップトップ・コンピューターを引っ張り出してスイッチを入れる。コンピューターがメッセージを受信
している事が分かる。クリックで表示が現われる：“脅威となりうる消耗要員を除去せよ。異星人の標本とテクノロジーを確保せよ。
救助のため正確な位置の返答を”
ショーはラップトップを閉じ、周りを見回す。バッグに鉄のコンテナを見つけ、引き出して開ける。彼女はショックを受け、口を手で覆う。
感情を飲み込み、身を乗り出して再び箱の中を見る。その箱はインキュベーターで、変異した異星人のハイブリッド・ベビーが中でまだ
生きている。ショーの表情は激怒に変わる。火炎放射器の横にあるピストルを掴む。
滝、朝。ショーは車を出て、ヴィッカースに歩み寄る。ショーはヴィッカースの背後数mに立っている。ピストルはヴィッカースに向けられ
ている。
ショー：貴方だったのね。
ヴィッカース：何の事？
ヴィッカースは立ち上がって振り向き、ショーを見る。
ショー：目論見は分かってるわ。標本を地球に持ち帰るつもりなのね。
ヴィッカース：何をしてるか、分かってるの？救助を要請できるのは、私しかいないのよ。銃を置きなさい。
ショー：私のベビーをどうするつもり？
ヴィッカース：貴方のベビー？
ショー：どうするつもり！
ヴィッカース：重要な標本だわ。
ショー：残念だわ、ヴィッカース。

ショーはヴィッカースの胸に3発、銃を発射する。彼女は地面に倒れる。ショーが離れようとすると突然ヴィッカースが襲い掛かり、
ショーを地面へ押さえつける。ショーは驚き、そして銃痕から白い液体が溢れ出るのを見てショックを受ける。ヴィッカースは
ショーの首を絞め始める。ショーはブーツに手を伸ばし、ナイフを引き抜くと刃をヴィッカースの即頭部に突き立てる。
ヴィッカースは横へ転がると痙攣を始める。ショーはローバーへ駆け寄って火炎放射器を掴む。そして振り返るとヴィッカースが
ピストルを持って立ち上がる。ショーは火炎放射器を向けると炎を放つ。ヴィッカースは火に飲み込まれ。後ろへ倒れ、そして
崖から落ちていく。

ショーは武器を捨て、コックピットから箱を取り出す。彼女は箱を開け、テラフォーマー/人間のハイブリッド・ベビーを取り出し
崖の縁へと持っていく。そして、ベビーを手にしたまま崖の縁に座り込む。

ベビーはうごめき、甲高い声で泣き、呻いている。ショーはベビーを強く抱きしめる。そして前後に揺らして、その白いビーズ
のような眼を見下ろす。亜kのジョは泣き、そして同時に微笑んでもいる。

ショーもナレーション：そして神は最後に言った。産めよ、増やせよ、地に満てよ。そして統治せよ。海の魚を、空の鳥を、
地に動き、生きる全ての生き物を統治せよ。

画面は滝から引き、はるか遠くの風景、大気、そして上空の月と巨大な惑星へと移る。

惑星ゼウス。画面はゼウスから引き、巨大な土星タイプの惑星を巡る。そしてもう1つの小惑星へとズームする。生命のない岩の塊りである。

小惑星、夜。原初の大気。見渡す限り、溶岩で覆われている。この風景の中に、全く同じ船が見える。“U”字型で、岩だらけの崖の平地に
止まっている。画面は接近し、大きな穴の1つへと入っていく。

遺棄された船：画面は長くて暗く、骨のような形をし、ぬるぬるする廊下を通っていく。大きな、楕円形の部屋への入り口。

太陽系儀、夜。以前の“U”字型宇宙船と同一の部屋であるが、石棺はない。パイロット・チェアには死んだテラフォーマーがスーツと
ヘルメットを着用して座っている。近寄ると胸には大きな穴が口を開けている。画面はゆっくり引き、プラットフォームを見下ろす。
何かの酸による大きな穴が開いている。

ぞっとするようなシューシューいう音、呼吸する音。見上げると邪悪な生き物の顔が見える。生き物は唸り、口を開ける。その中に
もう1つ小さな顎が見え、口から飛び出して襲い掛かる。

　　 P R O M E T H E U S

おしまいです。ラストシーンは陳腐で頂けませんが、全体としては充分面白く読みました。
FAKEとしては上々じゃないでしょうか。8月になったら、「何でえ、本物よりFAKEのほうが
面白いじゃないか」なんて事もあるかも知れませんね。噂ではXenomorphは今やディズニー
ランドにも出ているそうで、スコットがおかんむりなのもよく分かります。
お付き合い頂いて有難う御座いました。それではさらば。

　　　　　　　／￣￣￣￣＼
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読了　>>1　乙です。
総じて安っぽい気もするけれど、
リドリーのビジュアルと演出入るとこれでも印象はガラリと変わりそう。

エンディングはハンニバルっぽいような…

ほしゅ

ありがとうございます。

　　　　　　　　　　　　PROMETHEUS

エリザベス・ショー：ノオミ・ラパス
レイドン・ホロウェイ：ローガン・マーシャル・グリーン
メレディス・ヴィッカース：シャーリーズ・セロン
デビッド4：マイケル・ファスベンダー
キャプテン・ジャネック：アイドリス・エルバ
ラヴェル：ベネディクト・ウォン
チャンス：エムン・エリオット
アルタ：ケイト・ディッキー
ミルバーン：レイフ・スポール
グラティス：フランク・ケリー
ロバート・ウェイランド：ガイ・ピアース
エゼキエル・ショー：パトリック・ウィルソン
レイチェル・ショー：アイレット・ズラー
ヤング・エリザベス・ショー：ルーシー・ハッチンソン
フィフィールド：ショーン・ハリス
シエナ：タル・ベルコヴィッチ
ボイル：ジェームス・ペイトン
デンブルック：タッペンス・ミドルトン
タイデン：ロバート・ピュー
オデット：リー・セイドー
ウェッブ：サイモン・マクバーニー
ムスタファ：ジャミル・クーリー
Dr.ナカタモ：ベイ・リン
Dr.ガルマー：ショーン・トー

傭兵1、カタケ：レイ・デ・ハーン
傭兵2、ウラジミール：ウラジミール・ファーディク
傭兵3、オルーク：ローリー・イリアム
傭兵4、タプロー：シェーン・スタイン
傭兵5、サーベル：ダニエル・ナプロー
エンジニア：ダーウィン・ショー
年長のエンジニア：マシュー・ロック

太陽系の誕生。我々は遥かな原初の過去を見ている。太陽、数々の惑星、そして地球が全能の神の如き存在の異星人、エンジニアに
よって創りだされる。この途方もない地球外生命体は宇宙の持つ原初のパワーを用いてメカニカルな物もバイオロジカルな物も
意のままに作り出し、操る事ができた。最初の、生命への遺伝子レシピが巨大なエンジニアの宇宙船から地球の大気へと送り込まれる。
宇宙船は星々を覆い隠すほど巨大である。

アフリカ〜生命の揺りかご、2085年。エリザベス・ショーは古代文明と人類の遺跡の復元を専門とする調査機関で考古学者として
勤務し、尊敬される存在であった。彼女はこの分野では革新的な理論で最先端にあった。その理論とは、神の存在には現実的な根拠が
あるに違いなく、あらゆる社会が神話を忠実に生み出してきた点では一致しており、人類の真の始まりは埋蔵され、発見されるのを
待っている、というものであった。だが彼女は色々の点でナイーヴであり、夢想家であった。幼くして両親を失い、英国の宣教師により
彼女の心の奥深くに霊的なものが植え込まれ、彼女は自分が同僚と心を通わせあえない事に気付いた。彼女はウェイランド・コーポ
レーションを代表する冷酷で狡猾なエクゼクティブ、メレディス・ヴィッカースから唐突にアプローチを受ける。ヴィッカースのオファー
は生涯にまたとないチャンスであった。考古学的発掘で彼女の理論を照明するチャンスであり、“神の1部を発見する”チャンスすら可能性
があった。彼女はこの機会に胸を躍らせ、プロジェクトの進められる大陸はどこなのか訊いた。だがヴィッカースは、発掘の場所はアフリカ
ではなく、地球でもないと彼女に告げた。

火星、デルタ-Mコロニー外部。ショーとヴィッカースは発掘現場に到着し，レイドン・ホロウェイの出迎えを受ける。無愛想で人間不信の会社の
傭兵はこの探検のセキュリティ・チームを率いる存在で、遺跡に入るの前にNDAにサインするよう主張して道を阻み、ショーと衝突する。
ショーが発掘現場に入ると、古代、エンジニアによって建造された有史以前の巨大な城の中に自分がいるのを発見する。古代遺跡の中に、高度に
進歩したバイオメカニカルな遺物が発見され、その起源は地球外である事が判明した。この事実はメガ・コングロマリット、ウェイランド・
コーポレーションの関心を引き、ウェイランドは城の発掘に融資して、異星人のバイオテクノロジーを逆工作して利益を得ようと期待を抱く。
加えてエンジニアが人類を含む地球の全生命体のデータベースを持っている事を示唆する証拠も証拠も発見された。ショーは興奮してプロジェクト
に参加し、Dr.ナカトモ、Dr.ガルマーを含む科学者達と研究を始める。ショーは驚くべきホログラムを何とか作動させ、城の秘密を発見する。
ホログラムはスター・チャートのコレクションであり、エンジニアの母星への道を示す物だと考えられた。

ヴィッカースはこの成り行きをコム・スクリーン経由で、半ば水没したマンハッタンにそびえるロバート・ウェイランドの
オフィスへ報告する。ウェイランドはカリスマ的で知能が高く、しかし冷酷なビジネスマンであり、ヴィッカースの説得に
より、発見されたスター・チャートを辿ってエンジニアとのファースト・コンタクトを果たすスペース・ミッションの計画
を立てる。野望を抱くCEOにとっては新しいテクノロジーを手に入れ、オフ・ワールドでの植民地設立競争でリードを保つ
方法に過ぎなかった…しかしヴィッカースはもっと深い何かに駆り立てられているようであった。

冥王星、ウェイランド・コーポレーションの造船所。太陽系の先端でショー、ヴィッカース、ホロウェイは探検の準備をしている。カンパニー
の高度に進歩した最新ISRVでテラフォーミング用に設計されたプロメテウス号が航海に導入された。ヴィッカースはキャプテン・ジャネックと第一
士官ラヴェルの率いるクルーを召集する。ショーとホロウェイのイデオロギーは反目したままである。ショーは楽天主義者でロマンティックであり、
ホロウェイはダーウィン主義者であった。プロメテウス遠征隊が宇宙はるかへの出発準備をしている時、地球ではウェイランドが聴衆にミッションを
発表し、冥王星の造船所を出発する船のフッテージが世界中に放映された。

2090年、深宇宙。目的地の太陽系に達したプロメテウスは速度を落とす。クルーがクライオ・チェンバーから出てくる。エリザベス・
ショー、メレディス・ヴィッカース、レイドン・ホロウェイ、キャプテン・ジャネック、エクゼクティブ・オフィサーのラヴェルの
他、オペレーション・アンドロイドのデビッド4、ナビゲーターのチャンス、チーフ・メカニックのフィフィールド、神学アドバイザーの
グラティス神父である。調査チームの科学者はミルバーン、アルタ、タイデン、オデット、ウェッブ、そしてムスタファ他。
メカニック、テクニカル・オフィサーのチームはシエナ、ボイル、そしてデンブルック他。ホロウェイの傭兵を含むセキュリティ・
ユニットはウラジミール、タプロー、オルーク、カタケ、そしてサーベルである。クルーは冷凍睡眠からの離脱に順応して行く。彼らの
筋肉は5年間使われずにいたため萎縮している。ホロウェイはショーを気の毒に思い、エクササイズ治療を助ける。

クルーはエンジニアの母星へ上陸する準備をする。ショーとホロウェイは、2人がそれほど違わない事に気付く。ホロウェイも
幼児期のトラウマに苦しみ、冷酷な独裁制の植民地に育ち、後にアウター・リム防衛艦隊に入って脱出するが、腐敗した上官の
ために逮捕され、除隊となった。2人は徐々に惹かれあい、ロマンチックな関係が始まる。ショーは両親、父のエゼキエル・ショー
司祭と母、レイチェル・ショーの幻に付きまとわれていた。彼女が幼い頃、アフリカで両親は神への信仰と宇宙の大いなる神秘を
彼女の奥深く植え付け、そして地域の暴動で殺害されたのだった。デビッドは自分がクルーから敬遠され、人造人間ゆえに2級市民
として扱われている事を知る。はるか彼方の植民地で、生みの親である人類に対してロボットが武装して反乱を起こした事があった
のである。ヴィッカースはクルーの事を嗅ぎまわってはキャプテン・ジャネックと衝突する。

プロメテウスはゼータ2レティクル星系に入り、ショーのスター・チャートで“神々の故郷”とされるミステリアスな
惑星の軌道に乗る。下の世界から奇妙な表示が発せられ、何人かのクルーはベッドで奇怪な夢に苦しめられる。着陸
モジュール、マゼランは船を離れ、異星人の世界、荒野の地表に着陸する。ラヴェルとショーは探索チームを率いて
洞窟だらけの人工構造物へ入っていき、これがエンジニアの寺院である事が明らかになる。火星で発見された遺跡に
そっくりで、同じバイオテクノロジーで飾られてはいるが、明らかに新しいものであった。

寺院内部でクルーはアンプル・ルームを発見する。何千もの円柱状の黒い物体で埋め尽くされており、巨大なヒューマノイド
の頭部(後に「神の顔」と呼ばれるようになる)が見下ろしていた。デビッドはこの偶像に見とれ、他の者はかすかな囁き声を
聞く。ショーは他と離れて置かれた、台座の上にあるアンプルに注意を引かれる。ミルバーンは好奇心からアンプルを取ろう
として、自動ディフェンス・システムによって負傷を受ける。ショーとデビッドは何とかこのデバイスを解除する。クルーは
隔離されていた1つを含むアンプルを何個か採取し、マゼランへ戻る。ヴィッカースは畏怖を抱きつつ標本を詳しく調べる。

デビッドはアンプルの内容を検査し、これが銀河内の“ノアの箱舟”の1種であって、宇宙中の無数の種の遺伝子レシピが
含まれている事を発見する。アンプルそれぞれに異なった種のゲノムが含まれており、一方巨大な頭部は子らを見下ろす
“創造主”を再現した物であると判明した。クルー達は奇妙な夢や幻覚に悩まされ続け、デビッドは神の顔と交信すべく、
アンプル・ルームへと禁断の巡礼に赴く。ミルバーンはヒステリックな発作に襲われ、繰り返し“老いた者達がやって来る”
と叫び、マゼランの病室に閉じ込められるが、他のクルーも彼同様“老いた神の帰還”のヴィジョンを経験する。

クルーの幻覚は現実のものとなった。エンジニアの船が惑星の軌道に到着し、プロメテウスのコマンド・モジュールに攻撃を
浴びせ、プロメテウスは深刻なダメージを受けて核エンジンのコアは限界に達し、ジャネックはクルーに軌道モジュールと地表
モジュールを繋ぐつなぎ縄(スペース・エレベーター)を使って脱出するよう命令し、プロメテウスをエンジニアの船へと向ける。
プロメテウスは爆発しジャネックは死亡する。エンジニアの船は吹き飛ばされ、破片がショー、ホロウェイ、ヴィッカースら
探索チームのメンバーに降り注ぐ。船は地表に激突し、マゼランも大きなダメージを受ける。マゼランへ戻ろうとしたショーは
破壊されたエンジニアの船から拡がるエネルギー波に捕らえられる。彼女がマゼランに戻ると船は破壊され乗員は全員死亡
していた。マゼランの残骸はもう1回別のエネルギー波に襲われ、彼女の目の前で船は修復し、クルーは生き返る。ショーは悟る。
異星人の船に乗っているのは、この世界を創った神−生命を生み出す事も時間をコントロールすることもできる神に違いないと。
彼女は未来へ飛んで探検に出た全員が死ぬよう運命付けられているのを見たのだった。

クルーの中にはパニックに陥り、神の故郷で犯した罪の償いに盗んだアンプルを寺院へ戻そうと主張するものもいたが、ヴィッカースは
これを拒否する。クルーの驚いた事に、象のようなクリーチャーがマゼランの外に姿を現わし、船内へ入ってくる。ホロウェイの
セキュリティ・チームが攻撃を始める間際になって、“スペース・ジョッキー”のバイオメカニカル・スーツが開いて、ヒューマノイド
エンジニアが中から現われる。

エンジニアは言葉を発せず、その腕をコンダクターに変形させてデビッドの喉へ挿入し、アンドロイドのポジトロニック・ブレインに
直接データベースを注入してデビッドをインターラプターとする。他のエンジニア達は人類を殺戮するつもりであり、この神の如き人種
は生命の種を撒く存在である一方、言う事を聞かない劣等種にとっては死をもたらす存在にもなりうる事が判明する。更に、彼らは地球へ
戻って、神のテリトリーをこれ以上侵害する前に横行する人類を根絶するつもりである事が分かる。だが、ここにいるのは人間のゲノムを
生み出し、自らのイメージに沿って人間を形作ったエンジニアであり、子供達を守りたいと感じていた。ショーは我を忘れて“神”と
向かい合う。

エンジニアはクルーに語る。彼自身、自分の作品を助ける事で死ぬリスクがあり、年齢は数億歳だが彼らの基準からすれば比較的
若く、年長者に反対する権限がないのだと。しかしエンジニアはクルーに大きな銀色のカプセルを渡し、中には“不老不死の霊薬”
が入っていると話した。デビッドはこの新しいアンプルの内容を検査し、どんなレベルの細胞ダメージをも修復し、新しい細胞の
発生すら導く物質が含まれている事を確認する。これは生命を生み出し、支えるキーであり、若いエンジニアはこの物質が、来たる
べき攻撃に人間が行きぬく助けになる事を願った。エンジニアが船に戻ると年長者は彼の背信に気付いていた。年長者は若い
エンジニアに未知の物質を注射し、人間を助けた異星人はマヒ状態に陥る。そして不運な人類の創造主はアンプルルームへ放り
出される。

神をなだめるために盗んだアンプルを戻す事をヴィッカースは拒否したが、フィフィールドとボイルはこっそりとアンプルを
持ち出す。2人は寺院へ戻るが、エンジニアの胴体から蛇のようなクリーチャーが飛び出し、ボイルの喉へ飛び掛かって
動けなくする。フィフィールドは倒れているボイルを発見し、マゼランから助けを呼ぶが、倒れているボイルの体を破って
蛇が現れ、同様にフィフィールドの体に入り込む。救援隊を率いるショーとラヴェルは無意識の2人を発見し、手負いの
エンジニアの体と共に運んでいく。

マゼランに戻り、サイエンス・クルーはフィフィールドとボイルを調べ、何かが腹の中で育っている事を発見する。クルーは
マゼランに篭って軌道へ戻れるよう修復に努めるが、更に数匹の蛇がエンジニアの体から飛び出して9人のクルーの体内に
侵入する。病室でうつぶせの体が持ち上がり、顔は歪み、眼は黒ずみ、腹部は膨張する。エンジニアが目覚め、クルーに攻撃
を加えた事を謝罪し、繁殖させる事を強いられていた、そしてバイオロジカルな彼の“子供達”が人間を殺戮しようとして
いる事を話す。エンジニアは死亡し、最後の1匹の蛇が顔を破って現れ、ショーの喉に飛び掛かる。

エンジニアの船。彼らは感染した人間の病状を遠くからモニターしている。年長のエンジニアが人間の腹部の感染を
活性化させる。マゼランでは感染した11人の腹部が破裂し、内部から触手が現われ、骨が音を立てて折れ、腱がちぎれ、
皮膚が裂け、巨大なプロトフォームが姿を現わす。エンジニアに遺伝子エンジニアリングで創り出されたウォリアー族の
幼体である。荒れ狂う怪物の群れは船と惑星の生き残りのクルーを攻撃する。ラヴェル、チャンス、ミルバーン、アルタ、
グラティスたちは怪物に虐殺される。そして最後の感染者、ショーは凄まじい苦痛の中、腹部が破裂しそうになり、
ホロウェイの看護を受け、デビッドとヴィッカースはバリケードを築く。ショーの腹部が裂け、バイオメカニカルな悪夢が
姿を現わす。ヒューマノイドの部分とアンドロイドの部分を持つスタービースト、エイリアンの最初の先祖である！

ショーのずたずたになった体は捨て去られ、スタービーストはマゼラン船中を暴れまわり、デビッドとホロウェイはショーが
ロボットであった事を知って唖然とする。デビッドはエンジニアに与えられた“不老不死の霊薬”をショーに与え、ショーは
生命を取り戻す。ヴィッカースは、彼女自身がショーをデザインした事、そしてショーがバイオロジカル・アンドロイドである
新製品“レプリカント”の第1号であることを明かす。ショーの記憶は移植されたものであり、実際には火星で組み立てられ、
1度も地球に行った事などなかったのである。ヴィッカースは進歩したエリザベス・ショー・アンドロイドが自分を助けて
生命創造の究極の秘密を暴き出す事を望んでいたのだった…そして望みは叶えられ、プロメテウス遠征隊はその犠牲になったのである。

全ての生命体に敵対するスタービーストは小さなプロトフォームをも攻撃して殺戮し、ついで人間を追いかけてくる。
デビッドは皆に告げる。エンジニアが彼のメモリーにデータベースをダウンロードしてくれたので、エンジニアの船に
たどり着ければシャトルをプログラムして生存者を地球へ戻す事ができるだろう、と。ショー、デビッド、ヴィッカース、
そしてホロウェイは探検ビークルを出てエンジニアの船を目指す。スタービーストが彼らを襲った時、タイム・ウェーブ
が襲ってビークルは破壊される。ホロウェイは自らを犠牲にしてスタービーストの注意を逸らし、ひどい傷を負って
タイムウェーブに呑み込まれる。デビッドも同様にダメージを受ける。ショーとヴィッカースはデビッドを抱えながら
何とか歩いてエンジニアの船にたどり着く。

彼らは異星人の船に到着し、ハンガー・ベイを目指す。だがエンジニア達は警戒態勢を取ってさまざまなバイオメカニカル・
ディフェンスを作動させる。年長のエンジニアは彼らを罠にかけ、蛇をヴィッカースの喉に投げ入れる。が、コントロール
不能のスタービーストが攻撃してきて、彼らは逃れ出る。ショーとデビッドはハンガー・ベイに到着し、彼は小さなクラフト
をプログラムして座標を地球に合わせる。しかし最後のタイムウェーブが損傷した船から拡がり、デビッドはショーが彼の
種族の将来の希望である事を悟って、必ず生き延びなければならない事を彼女に語る。自分達は無謀な創造主たち〜人間と
“神”のどちらよりもベターでなくてはならない、と。“我々はベストの人類なのだ”と。彼は自らを犠牲にして爆薬に
点火し、スタービーストをタイムウェーブの中へ吹き飛ばし、エンジニアの船をバラバラにする。ショーのクラフトは軌道に
乗り、脱出していく。

幾人かのエンジニアは大爆発を生き延びる。タイムウェーブがエンジニアの船の中に拡がり、ヴィッカースは人間の
皮膚を脱ぎ去ってプロトフォームとなり…更に脱皮して成人のエンジニアとなる。彼女はいまや劣等動物ではなく、
他のエンジニアに受け入れられる。彼女はついには“神性”、生命の究極の秘密を手に入れる。

エンジニア達は船の修理を完成し、惑星を残し、見知らぬ時間と空間に向かって旅立っていく…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい。

初期のフェイクのリファイン版ですね。最後にレプリカントが出てくるあたり、シャレが効いてますよね。
それもヴィッカースでなくショーをアンドロイドに持ってくるとは意外でした。

二つ目はひどいな…
まだ最初の方が予算のあるB級で楽しめそうだ

本物よりこちらのストーリーの方が面白かったです。

>>103
確かに
でもラストはいただけません
どう
エイリアンにつなぐつもり？

ねたばれ
http://ic.pics.livejournal.com/animekuntv/48903071/778789/original.jpg

なんつーかこの交配の結果に形状とか生態の論理性をちっとも感じないんだよな
設定にはあるよ！って言われたとしても、いやデザインと演出で表現しとけよって思う
壺の中身はDNA構成グチャグチャにするだけのものですって全然面白くない

ゾンビと女を混ぜて何故イカになるんだ(怒)

なるもんはなる

近所の家でカバみたいなかーちゃんと山猿みたいなとーちゃんから
ネズミ男みたいな娘が生まれてた


普通だろ

所詮は視聴率次第の謎煽りとその辻褄合わせにあくせくするTV脚本家の仕事ですから

>>107〜109　ポケモンだな

>>105
水筒みたいなものはなんだよ？

ジャー
割りとマジで

ゾンビと女が｢せくす｣した結果、巨大烏賊(顔被り)が産まれた。
‥って事は、巨大烏賊(顔被り)は｢せくす行為｣そのものの『象徴』と解釈してＯＫなのかな？



ようつべにupされてる巨大烏賊は｢万○｣の中から｢珍○｣が出てくるようなヴィジュアルとも見れる

『Ｒ指定』云々も、そんなトコを表現するかしないかだったんじゃないかなぁ。



で､最後の｢プロト･type｣と呼ばれているのは『口の出方』からして女王の原型になってる感じかな。

第二の口じゃなく歯茎がニョイ〜ンって凸ってくるのが激しく醜いな
嘴みたいな口元もなんか鼻の下が長いサル顔みたいだし

エイリアンの第２の口って牙の付いた舌を急速に勃起させて打ち出してるんだよな
４の新生児は大舌でリプリー８号を舐め回してたな

なんだ、エイリアンの前段階の映画か〜

ウィラント社とか、どっかで聞いた事あると思ったがｗ

俺は聞いたことない
>>ウィラント社

ウェイランド社なら知ってる

そもそもこの映画って正式なエイリアンシリーズの系譜なのか？

リドリーの関心が新ユニバース創造にずれたんで途中で外されたみたいよ
エイリアンゼロ→『果てしなき戦い』と融合→スパイツ企画と融合→リンデロフが剪定って流れの
何処で切り離されたのかはまだ判らんけど

そもそもなぜ、今更企画にＧＯサイン出たんだろうな？これ

リドリースコットもよく撮る気になったもんだ

時系列で見ると、｢プロメテウス｣が｢エイリアン０｣にあたるならば｢ＡＶＰシリーズ｣は無かったことになる訳？

でも一応｢エイリアン２(ALIENS)｣以降には繋がれる可能性は残しているのか。

会社的にはAVPだろうがプレデターだろうが繋げたいんだろうし
実際プロメテウスはネットバイラルの中で∀も斯くやって包括設定やってるけど
コミコンで質問受けて皮肉かましてたリドリーは眼中にないだろう
権利者である会社と作家であるリドリーどっちを尊重するかって話になるな

今日先行上映見て来た
個人的には素直に楽しめたよ

素直に楽しむのが上策かも知れんね
豪華で奇抜な作品ではある様だし

　　　 _ 　　∩
　　(　ﾟ∀ﾟ)彡　ラエリアン!ラエリアン!
　　(　 ⊂彡
　 　|　　　|　
　 　し ⌒Ｊ

なんかゴーリキの１３日のスペシャルイベント当選のはがきが届いた

この映画中の人類の進化より剛力の売りだされ方のがよっぽど謎

吹き替え見た人どうだった？

【人類の起源】で検索してはならない！
　　　　　　　　　　　　　　　　⇒　http://ja.rael.org/message

神は宇宙人だった！

なぜチョンカレーが誕生したのかがわかるらしいｗｗｗ

カレー？

これって人類の起源はエイリアンと関係あるってこと？？？
>>105　にかいてあってのが？？？？？？？？
あのモアイみたいのはなんだ？？？

巨石人面モニュメントは人間の発想、表現じゃなく
地図教えに来たエンジニア様のパクリって話

ロボットはなぜ男に感染させたんだろうか？

>>137
興味本位から

【人類の起源】で検索してはならない！
　　　　　　　　　　　　　　　　⇒　http://ja.rael.org/message

エイリアンぽいのは出てきますか？

冒頭のシーンでエンジニアが何か飲んで体が壊れて行くシーンあったけどあれの意味は？

このスレいるか？

最後、エイリアンのスペースジョッキーに繋がらなかったなあ
まだやれるということなのか

続編決定してます

続編でも伏線回収されないまま「世界は謎に満ちている」と納得して終わりだと思う

パンドラよろしく、希望は残された・・・かも知れんね
スッキリした終わり方は期待できないと思うべきかも。
安直に神話にかぶせて来てるしな

謎が謎のまま終わる映画なんて、
ブラインドネスとかハプニングとかミストとかいくらでもあるのに、
プロメテウスから受けるどうしようもない消化不良感は何なんだろう

>>143
エイリアンの星=LV426
プロメテウスの星=LV223

女は子供が産めない身体。だからゾンビと交配して烏賊が産まれたのではなく、ゾンビが女の身体に烏賊を産みつけた。でいい？

本当に発想がラエリアン！！！

>>148
LV426が生物学実験をやるためのプラントを別の星、LV223に設置した。

プロメテウスは【真実】の映画だった！！

「人類の起源を検索してはいけない」　　　　　　　⇒　宇宙ＧＯＧＯ！　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　http://www14.plala.or.jp/tm86/

33年前エイリアンを見て感動した人、感動が長引いてギーガーファンになった人
エイリアン2から始めた人、とりあえずエイリアンファンの人。
長年、ギーガーズエイリアンファンをやってきた自分ですが、
今回ちっと見せ場がなかったような気がします。
たぶん、大河映画シリーズになりそうな感じですが、20分ほど増やして
見せ場がほしかったです。
考えてみると、スピーシーズ、馴染のプレデターとの関連付けも
都合がよくなるように思えます。
それにしても、劇場を出るときはちょっと寂しかったです。

　映画「トップガン」や「クリムゾン・タイド」などの監督を務めたトニー・スコット氏が２０日、死亡したことが分かった。
自殺と見られる。ロイター通信などが伝えた。１９日、米ロサンゼルスの橋から飛び降りたとみられ、死亡が確認された。６８歳だった。

>>154 合掌

スピーシーズとも繋がりあるのか

プロメテウスはキャメロンに対するリドリースコットの嫉妬から生まれた映画なんだよ

嫉妬してたら3Dで映画は作らないのでは

>>157
キューブリックへの嫉妬じゃね？

>>153

同じくです。
なんとなく全体的に巻きがかかったようなストーリー展開なんだけど、
なぜ巻いたのかわからないほど、これという見せ場が…

明らかに次回作をつくるぞっていう終わり方してるので、
そっちに期待します。

>>141
自分はあれが人類の起源、人間の素になったって解釈しました

予備知識ゼロで見に行ったら結構楽しめました
エイリアンは子供の頃見てトラウマでちゃんと見たことなかったけど、見てみようかな

>>161
Blu-rayのレンタルで見直すと画面明るいし、ビックリするぐらい出てないからエイリアン
見直しても良いと思いますよ、監督と役者やらのコメンタリーで見ると和らぐしお勧めします

アイツ横になって寝て待ってるとか可愛かったり、そう言えば猫ネコ猫
言ったなとか懐かしくもあり、リプリー最後は眠る子娘に見えたりします

本編でも、炎は本物なんだとか
リプリーの頬の怪我や鼻血はノータッチかい！
直前に取り乱して、次の場面すっきり綺麗な顔なくせに鼻血とか

ヒッチコックの鳥と繋がったんかい!やら、
あの人の最後には意外とエロ要素突っ込んでたんかいっ！
とか面白いですよ、今からのコメンタリー鑑賞。


コメンタリー鑑賞は常識でしょうって人にはスミマセン
出来ればスルーでお願いします

観に行こうかと思っていたが予告編で壷が並んでんの見て萎えた

>>162
ありがとうございます
レンタルしてみます

と思ってたら今BSでやってるしｗｗｗ
でも最初から見てないのでやっぱり借りてきます！

特別上映会に先々行、先行をやっても首位取れずかっ

洋画はホントに終わりか！？

前評判がウンコだから

>>163
あの壺がエイリアンの卵と連想できなかったのか？
あれでかなりエイリアンに関連しているというヒントを出しているのだがな
エイリアンシリーズそのものを知らない世代では無理もないか

洋画の名作すら見たくなった日本人て段々韓国人に似てきたよな
悲しいわ

>>167
黙れジジイ
お前らとは過去の量が違うんだよ

俺は墓所かと思った＞壷の間

>>168
なんだキムチ野郎か

>>170
何でも韓国に絡めるとはwだっさw

韓国が一番嫌いなのは在日と聞いたことがある
つまり…

>>171
キムチは将軍様の国でも食されますニダ

見てきた。ラストは続編を期待させると言うよりは、
全員死んで終わる後味の悪さをさけるために、無理矢理
舟もう一個だして、敵地へみたいにしただけじゃね？

ノオミおばちゃんは次の長旅、食料とかどうするわけ？
だいたい、死の生物で満ちた死の舟じゃなかったのか。
巨人は乗ってないの？

エイリアンと全く関係ない話だったら最高の映画だった
最初の方はどうなるの？と期待いっぱいだったのに

エイリアンゼロだった
エイリアン1見てないとあんまり楽しめない気がする

>>176
エイリアン1見てたって駄作は駄作
エイリアンのコアなファンが無理矢理にでも肯定的に観れば多少楽しめた気にはなるかも

猿の惑星創世記は見てないけど
ゼロ的な物って制作しない方が良い気がする
ハリウッドもネタ切れで仕方ないちゃあそれまでだが

創世記はよくできてたしX-MENの第一世代も快作だったぞ
単作としてきちんとまとまってて一見さんもシリーズファンも楽しめるものになるならゼロ作りゃいいが
そうじゃないなら作らなくていい

リブートでも素晴らしいのはあるよね
猿惑ジェネは予想外の出来に驚かされたな
監督に才能があるとこういうのが出てくる
XMENもファーストジェネレーションもそうだし、007カジロワも面白かった

ま、プロメテウスも自分的には最高だったけどね
今日また観に行くよ

評価微妙なのを事前に知って見に行ったけど、
リドリー・スコットも老いぼれて才能枯渇したんか、
という感じだったな。

SFグロ・ショック映画としてはそこそこ。
金はかかってるが陳腐さも多大なCG、ヌルいプロット、動機にいまいち感情移入できないキャラクタ、気になったのはそんなと。

正直映像は斬新で綺麗だったが３Ｄにする意味がない映画だった
リドリーもブームに乗っただけだったが次回はやめてほしいわ

これ公式にエイリアン１のまえの話？
それなら観る

プロメテウス謎だらけでワロタ。
人工知能、人間、創造主ってエイリアン１と言うより2001年だよな。
冒頭のエンジニアが罪人だとしたら壮大な復讐劇の序章だ。

続編のタイトルはエンジニアの呪いを断ち切る「ヘラクレス」か？

ここってもしかして重複スレじゃね？

板違いだよな

>>182
かなり3D効果を楽しめたよ。
数々のホログラムだけでも金払った価値はあった

>>187
なんか褒め言葉になってないような

>>188
かなり褒めてるよ。

>>187
はげど

題名と「人類の起源」ワクテカで見たけど

何これ詐欺じゃ
ん゜Д゜）ｱｲﾀｸﾁｶﾞﾌｻｶﾞﾗﾅｲ

二度と映画館には行かん

質問だけど
プレデターが仮の目的でエイリアン創ったんじゃないの?

冒頭のエンジニア?が死んだのって証拠隠滅?

アンドロイドが毒盛ったのってエンジニア側に操作されたの?
墓場（エイリアンの巣?）同じ創られたもの（人間にアンドロイド）としてスイッチ式に

>>191
プレデターは拾った卵を成人式に使ってるだけ。発祥は今まで謎だった。
エイリアンは宿主の遺伝特徴を取り込んで進化する性質があって、プロメテウスで出てきたのはほぼスッピンの状態。

開幕のアレは、エンジニアのバラバラ死体が原始スープになって生命誕生とも取れる。
ああやって不毛惑星に生命の素を撒いていたんだろう。
兵器として拡張される前のエイリアンは、その為の素材だったのかもね。

アンドロ君はシャチョー命。シャチョーは娘にも内緒で色々やらせてた。
そもそも会社側は今回の惑星について色々知っていたっぽい。それは壷やエンジニア宇宙船の艦橋に対するアンドロ君の反応で見て取れる。
初代エイリアンで、ノストロモ号は「偶々コースを外れた先で」「偶々救命信号をキャッチした」筈なのに、
マザーコンピュータヤアンドロイドにエイリアン回収命令が最優先プリセットされていた事情と同じじゃないかと。

あんな風に遺伝子バラまいて、自然の反応に任せて人類になって、DNA一致とかありえんな。
むしろ人類の祖先が、自分たちのDNAを元にガチムチたちを作った、の方がまだ分かる。

>>192
詳しい解説有難う

ところでエイリアンてシリーズってプレ2で終わり?
プロ（続編）は例外として

誰だよ3Dより2Dが良いとレスしたのは
IMAX3Dの方が断然良かったけどな

結局プロメテウス三回観てしまった
続編が楽しみだ

プロメテウス三回

って凄いな

宇宙戦争とB級糞映画好きな俺には面白かった

やはり続編ありきなんだよな。。
エイリアンシリーズ見てない俺にはイマイチ理解出来んかった。

>>196
俺は四回目観に行くつもりだが

続編でフェイスハガーが子宮（マ○コ）にとりつく絵がみたい
奴隷戦士マヤ（コミック版）にあった気がする
あと
うろつき童子みたいに触手が女に絡みつく絵も見たい

糞作品とは言わないが１回見れば十分かな。

あとでレンタルも見ることもない気がする。

2回見ました。
ＢＤも買いますよ。
面白さは人それぞれですから。

>>191
頭悪すぎだろ

２Ｄを大画面で観たいなら新宿ミラノ座だ
日劇と同様「アベンジャーズ」の客入り不調で「プロメテウス」に切り替わった
ミラノ１の上映は今週の木曜日まで

3D吹き替え版みた
ヒロインの声へたくそだと思ったら剛力彩芽なのな
台無しだろ
あとシャリーズセロンの無駄使い
演技いらねー

続編以降で｢ヴィッカーズ、死んでませんでした〜｣って有りそう

エイリアン序章を期待して見たら、実はミッション・トゥ・マーズのバッドエンド・バージョンだった件

最後のオチはこじつけやｗ

何を言ってるんだお´｀？

お腹がすいたらヴィッカーズ

ペラッペラのヴィッカーズとかやだよ

ポンッと元に戻って「あーびっくりした」

地上波の放送では、剛力 彩芽ぢゃない声優を起用して吹き替えして欲しい。

>>212
放送する時点で剛力が旬を過ぎてれば変更になるだろうね。

ヒヨコ戦艦◆JwKmRx0RHUはこんな人
http://logsoku.com/thread/kohada.2ch.net/charaneta2/1342701909/4-5

☆レスはこちらへどうぞ
ひよひよ掲示板（テスト）
http://jbbs.livedoor.jp/internet/13012/
【規制で】ヒヨコ戦艦◆JwKmRx0RHU【発狂w】
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1343225876/
ここで触ってはいけません

◆JwKmRx0RHUを2ch専用ブラウザのNG機能を使用してNGワードに登録しておきましょう
専用ブラウザによっては連載NG機能とかいうものがついているのでそれを利用すると
明らかなキチガイに触っているキチガイもまとめて見えなくできるので大変便利です

>>213
でもまた新人女優だろうな、おもいっきり下手くその

>>214ID:lAe3a9/C（複数回線）は、母親が在日朝鮮人の売春婦で、父親が身障手当の不正受給してる在日朝鮮人だし、

本人は中卒（高校中退）って　≪　負け犬な在日朝鮮人の自演ゴミ虫　≫　だから触らん方がいいぞ（証拠は下記）。


証拠１
http://unkar.org/r/charaneta2/1323446516/179
179 ：eatkyo122153.adsl.ppp.infoweb.ne.jp：2011/12/11(日) 01:56:12.35 0　←　adsl回線パソコンから末尾「0」
親父が聴覚障碍を持ってるよ。

証拠２
http://unkar.org/r/comic/1334232270#l973
> 974 ID:+oyCUeMF0　←　adsl回線パソコンから末尾「0」、　回線のつなぎ直しでIDを変えるられる（多人数を装える）
> 975 ID:BUJ5MEQ1i　←　iPhoneから末尾「i」
> 976 ID:6QifUNL7P　←　p2.2ch.netから末尾「P」

昨今の映画（特にアメコミ系）に有りがちな　≪　予定調和　≫　が全く見られない。
これぞ Science Fiction ！！　って醍醐味の映画だったなコレ＾＾

op冒頭での滝付近で服毒自殺するエイリアンのシークエンスは何か意味あったの？

冒頭で溶けた異星人のDNAは、ミッシングリンクを意味するのか？
それともあのDNAから原生生物とかが発生したとの意味か？
後者の意味なら全く同じDNAに進化するってのは無理が有る気がする･･･
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF

間髪いれず回答来てビビッたｗそれともたまたまかｗ

全てはマーケティングが悪い。開腹手術や、大王イカや、エイリアンをクローズアップした宣伝にしていたら、期待とのGAPも少なくすんだはず。
マーケティング担当者は、詐欺罪適用されてもおかしくないレベル。

続編では何事も無かったかのように登場するヴィッカーズ
ヴィッカーズ「私はたぶん三番目だと思う」

ブレラン2に出てくるらしいよ

3D見たいけど4枚組みBDって邪魔だな

エンジニアの挙手挙動がかっこいい。
筋肉モリモリなのと背筋が伸びてるからかな？

ＢＤも剛力のままって発表されたね

買う予定だけど売れたら「剛力さんのおかげ」とか
勘違いしそうでやだな

よーつべで見たけどシャーリーズ・セロンは確かに無駄遣いw
あとデビッドが主役だな。愛されてる
あとイカを取り出す場面、あんなホチキスもどきで手術して即走れるまで回復なんて・・・
そんな時代が来るのかな？

続編はリドリーが健全な内に作ってほしい！
でないと消化不良すぎる

つべかす

次回作のタイトルは、やっぱりギリシャ神話絡みになるのかな？

ラストシーンにエンジニアから出てきたプロトタイプが『ティフォン』となるのか、エリザベスが何かしでかして『パンドラ』と化すのか‥‥

>>227
この作品そのものは
彼が健全じゃなくたった証だと思う

　
映画『プロメテウス』声優にタレント剛力彩芽を起用して強い批判の声 / ファン「メーカーは正気なのでしょうか？」

2012/11/6 15:11
http://megalodon.jp/2012-1109-1322-05/netallica.yahoo.co.jp/news/20121106-00000312-rocket

ファンたちから「声優変更の声」が大きくなれば、
ブルーレイ版でプロ声優が主人公の声を担当した「別バージョン」が販売されるかもしれない？
今後も、『プロメテウス』の声優問題に対して注目していきたい。

エクスペンダブルズのC・ノリスも剛力であるべき

関係ないレスを書き込み、失礼します。
>>231のここを荒らしている男こと、ヒヨコ戦艦の肉声を
採取しましたので、公開いたしております。
もしよろしければお楽しみください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19302704
https://www.youtube.com/watch?v=yT1v1ZzJiCE&feature=g-upl

感想は迷惑にならぬようこちらにお願いします。
あの男がついに発狂した！！！
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1351336933/
【いよいよ】ヒヨコ戦艦【オシマイ？】
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1348546814/

『 プロメテウス 』
http://www.amazon.co.jp/dp/B009NPC70O
販売元: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

FOXカスタマーサービス
[email protected]

Webお問い合わせフォーム　：　20世紀フォックス ホーム エンターテイメント　テクニカル・サポート
http://video.foxjapan.com/support/index.html
＞　技術的不具合に関するお問合せを受け付けております。
＞　その他のご質問に関しては対応しておりませんので、ご了承ください。
↑
受け付けてないので無視します。との内容だが、
「意見や要望」を送信することで剛力続投が「売上げ」に影響すると理解させることは可能。
だから、主役声優の変更を希望するユーザーは、積極的に訴えかけて欲しい。
WEB送信フォームの他に、下記の所在地へのハガキや手紙による訴えかけは更に有効だろう。

20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン株式会社
〒１０６−００３２
所在地　　東京都　港区　六本木３丁目１６−３３
電話番号　０３−３２２４−６３５０

　




もう３度目と４度目の呼び出しでは「恐怖のあまり失禁」して録音を忘れた>>233　　m9(^Д^)9m　ﾌﾟｷﾞｬｰ!x2（ｹﾞﾗｹﾞﾗ



　

なんかゴウリキさんがかわいそうになってきた・

剛力彩芽　：　プロメテウス

堀北真希　：　ドラえもん　のび太と緑の巨人伝

どっちの女優も好きなんだが、声優としては駄目だったなぁ･･･

　




「　怖いでちゅ！！　怖いでちゅ！！　ヒヨコが外で張ってて怖くて店から出られないでちゅ！！！（ｸﾞｼｮ泣　」　　by　>>233





http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1351992587/755n-
http://logsoku.com/thread/kohada.2ch.net/charaneta2/1351992587/755n-
俺は、だます為に相手の都合のいい空手形切っただけ。

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1351449637/832n-
http://logsoku.com/thread/uni.2ch.net/entrance2/1351449637/832n-
約束守らなかったことは事実。

馬鹿映画として及第点だな
映画としては駄作だが

ALIEN:Engineers

written by John Spaihts

フェイド・イン

地球−昼間(12.000B.C)
眼下でゆっくりと広大な世界が回っている。
どよめき。影が大地をおおって行く。景色が通り過ぎていく。川のデルタ。森、氾濫原。
手付かずのナチュラルな世界。文明の痕跡はない。
影は山々へ、そして氷河へと滑っていく。海と白いビーチを横切り、低い平地を越え、火山のふもとで
影は止まる。

影の中から3人の人影が歩み出てくる。彼らは人間のようで、しかし人間ではない。皮膚は雪のように白く、顔立ちは
クラシカルで憂いに満ちている。ロダンの「考える人」がイスから立ち上がったようである。滑らかな頭部には耳は
なく、毛髪もない。輝く眼球は全体が黒い。
荒涼たる大地に、彼らの身長は推し量れない。彼らはエンジニアである。2人は奇妙なデザインの黒いローブを
まとっている。3人目は全裸である。ローブをまとったエンジニアの1人が黒い箱を開ける。中には黒い、べとつく材料
でできた塊りがある。全裸のエンジニアは黒い塊りを厳かにゆっくり取り出す。塊りは低く音を立て、泡立って虹色の
球体となる。彼は煮え立つ塊りを口へと運ぶ−洗礼のように。

黒い物体から黒いスカラベが湧き出し、彼の唇に群がる。輝く甲虫はさえずり、そして噛み付く。虫の群れの下で
唇は溶けていく。歯。黒い血。分解していく骨。虫たちは貪り食っている。
フラッシュ・オン
顕微鏡像：細胞が破裂し、蛋白鎖がほどける。DNA螺旋がほぐれて行く。スカラベは遺伝子材料を腹一杯に満たす。
エンジニアは両腕を広げる。十字架の形に立ち、頭部は殆ど無くなっている。スカラベは彼の肩に、胸に群がる。
虫たちが臀部に達した時、彼は横へ崩れ折れ、倒れ、飲み込まれていく。。切り倒された木のように。
2人のエンジニアはその様を見守っている。その背後には、巨大なシップが空に浮かんでいる。突風に吹かれたかの
ように、何百万ものスカラベはあらゆる方向へ散っていく。羽に生きたDNAを乗せて。犠牲者が倒れた所には何も
残っていない。

森。原始の荒野。はるか遠くに火山。原始人の女が高台に立ち、驚きに目を見開いている：はるか彼方、巨大な
黒いシップが平野の上に浮かんでいる。黒いスカラベが彼女の首の後ろにとまり、深く刺す。DNAが血液に注ぎ
込まれる。
フラッシュ・オン
顕微鏡レベルの侵略。細胞は貫かれ融合する。DNAの鎖が対になり、つがい合う。
彼女の瞳孔はショックで開き、呼吸は激しくなる。彼女は首の後ろを叩く。そして手を見る。手のひらには
スカラベが横たわっている。見るうち、スカラベは砕けて埃となり、風に吹かれ消えていく。

星ぼしの浮かぶ暗闇に光る塵が漂っている。掘削機が視野に入ってくる。ロボット・アームを備えた屈強な乗り物である。
明るいフラッドライトが闇を制圧する。ガラスドームのコックピット内には美しい女性が座っている。ジョセリン・ワッツ
博士、32歳。若い、多分野の学者であり、フィールド・ワークに通じた科学者である。コックピットはうだるような暑さで、
彼女の着ているのはショーツ、ブーツ、Tシャツのみだがそれでも手足は汗で光っている。ワッツはコントロール装置を
操っている。掘削機は岩だらけの表面へ下りていく。沈泥が渦巻く。ここは宇宙でなく、深海なのだ。掘削機のスラスター
はカバーに覆われたプロペラである。「星ぼし」はフラッドライトに照らされて光るプランクトンである。

ワッツは掘削機を高くそびえる崖の壁へ向けていく。彼女の下には深い海溝が大きく口を開けている。その深さは
闇に消えて分からない。

ワッツ：測量サイトBへ移動中…オブジェクト4に接近…大きな楕円。

彼女は地表貫通レーダーシステムのスクリーンを見ている。明るいシグナルが帰ってくる。眼前の崖に何かが隠れて
いるのだ。何か巨大なものが。

ワッツ：見つけたわ。

ワッツは掘削アームを崖に食い込ませる。沈泥や丸石が海溝へと落ちていく。彼女はウォーター・キャノンを用い
ゆるい沈泥や小石を吹き飛ばす。崖の表面が崩れ、地滑りが起こる。ワッツは後退し、スラスターを操作して乱流を
回避する。泥の雲が晴れてくる。

フラッドライトのビームの中にオベリスクが姿を現わす。輪郭は年を経て劣化している。高さは軽く30フィート。
ワッツはオベリスクを凝視して唖然としている。

ワッツ：マーティン、ここへ。

2台目の掘削機が闇から姿を現わす。マーティン・ホロウェイ教授、48歳。天才的夢想家、考古学者。髪は黒く細身で
開拓者の体つき。作業ズボンとTシャツを身につけ、顎には無精ひげ。彼はフラッドライトをオベリスクに向ける。

ホロウェイ：見ろよ。

ワッツはオベリスクの前へと降りていく。アームでオベリスクをグリップしてアンカリングとする。

ワッツ：これを見てほしいわ。

ホロウェイ：今行く。

ホロウェイは掘削機を巧妙に操作してワッツの掘削機と船尾のハッチウェイで合体させる。

ワッツの背後で水しぶきと共にハッチが開く。ホロウェイが上って来て体をコックピットに押し込む。ぎゅうぎゅう
詰めである。彼は密着した彼女の体に気が行ってしまうが、彼女の目はガラスの外の謎の文字に見入っている。
ワッツ：ここにも同じものが。
ホロウェイ：何を見たんだ？

ワッツ：天体暦…スターマップ。(指を指し)区域、傾き、方位…それに…
ホロウェイ：時代が分かれば…
ワッツ：これを引き上げられないかしら？
ホロウェイ：(頭を振り)何百トンもある。

地中海。青い海に調査船が停泊している。輝く太陽。彼方に別荘の点在する海岸線が見える。水平線を圧する
火山の頂…プロローグに見た火山である。船上、クレーンがホロウェイとワッツの掘削機を海からデッキへと
持ち上げる。天幕の下、オベリスク表面のプリントがデッキに置かれる。長さは15フィート。ワッツとホロウェイは
異星人のテキストに赤いマーカーをつけ、分析し、翻訳し、推定を進めていく。2人は日焼けし、健康で、風が
髪を梳かしている。彼方に地中海の海岸が見え、牧歌的な作業環境である。だが2人は作業に没入している。

デッキ、夜。2人はまだライトに照らされた作業場にいる。オベリスクのプリントはマーキングと書き込みで
一杯である。ホロウェイはテーブルに、ワッツはプリントに座っている。ホロウェイが見上げる。
ホロウェイ：分かったぞ。
ワッツ：私もよ。2回チェックしたわ。
ホロウェイ：君が先だ。
ワッツがスレートを持ち上げる。ディスプレイに星の座標、スターマップの詳細が映っている。ホロウェイも
自分のスレートを上げる。両方はぴっあｔり一致した。2人は電気に打たれたようになる。
ワッツ：で、どうするの？
ホロウェイ：ここへ行くのさ。

5本のスポークを持ったホイールのような、きらめく宇宙ステーションが、ゆっくりと壮大に回転している。
何千マイルも下には大西洋が横たわっている。白い金属の上に黒い文字。「WEYLAND’S　WHEEL」丸みを帯びた
シャトルクラフトがステーションに近づいていく。プライベート・ジェットほどのスペースクラフトである。
ホロウェイとワッツが加速チェアに座っている。乗員は2人きり。スペーストラベルが初めてのワッツはウィンドウ
外の壮大な地球を見て涙を流している。ホロウェイは無重力下でペンを使って遊んでいる。
ワッツ：まず何を？あなたが天候、私が遺伝子を？
ホロウェイ：まずは考古学だ。先祖の話を聞こう。
ワッツ：彼、真剣なのかしら？
ホロウェイ：プライベート・シャトルを寄越すほどだ。大真面目さ。
ワッツ：ウェイランドはシャトルを使ってピザを届ける事だってできるのね。マーティン、このミーティングが他の
ような結果になったあｒ、私達は…
ホロウェイ：他とは違うさ。
ワッツ：何故分かるのよ？
ホロウェイは空中のペンを摘まみ上げてウィンドウを指す。そこには笑う口のような三日月が光っている。
ホロウェイ：天国が我々の事業に微笑んでるぜ。

シャトルはホイールの中心にぴったりドッキングする。
スポークのエレベーターは無重力で、ホロウェイとワッツは重量を失って浮いている。ワッツはホロウェイの
襟を掴んで、2人はキスをする。エレベーターはスポークに沿ってリムへと移動していく。
豪華なロビー。優雅な照明。

イームズ風の、ウッドとクロームの家具。未来における過去のヴィジョン。リムでは、ホイールの回転によって
重力が生じている。エレベーターのドアが開き、ワッツとホロウェイが出てくる。ホロウェイは肩に金属製の
フォリオを掛けている。壁は全て窓になっている。片側にはゆっくり回転する地球が、反対側には星ぼしが
回っている。アンドロイドのデビッドが立って彼らを待っている。巧妙に作り上げられているが、本物の人間と
間違える者はいまい。
デビッド：ホロウェイ教授、ワッツ博士、私はデビッドです。
ワッツ：ハロー、デビッド。
デビッド：Mr・ウェイランドがお待ちかねです。
彼はロビーを大またで横切っていく。ワッツとホロウェイは視線を交わし、後を追う。

展示ホール。デビッドは惑星、小惑星、月の模型を通り過ぎて先へ進んでいく。データや符号のホログラフが
渦を巻く。
デビッド：これらは全て、ウェイランド・インダストリーが採掘権を有する惑星です。
ホールの末尾には巨大な火星儀が置かれている。広範囲な表面活動がマーキングで示されている。
デビッド：そして火星。ウェイランドの王冠です。
ホロウェイ：どうなんです？テラフォーミングは。
ワッツ：かんばしくないと聞きましたが。効果がないと。
デビッド：かってない偉大なエンジニアリング・プロジェクトです。避けられない挑戦なのです。Mr・ウェイランド
の決意は断固たるものです。

ウェイランドのオフィス。マホガニーのデスクの後ろにピーター・ウェイランドが座っている。彼はウオーレン・
バフェットのようなタイプだ。賢人、常識家、苦労人。70歳にも、170歳にも見える。彼の後ろにディレクターの
リンダ・ヴィッカースが立っている。高価なビジネス・スーツを着た、45歳のスリムな女性。抜け目が無く、用心深い。
デビッドは壁に向かって立っている。ワッツとホロウェイはウェイランドの前のチェアに腰を下ろす。ホロウェイは
金属製のフォリオを抱えている。
ウェイランド：ホロウェイ教授、ミス・ワッツ。
ワッツ：ワッツ博士です。
ウェイランド：これは失礼。ピーター・ウェイランドです。彼はワッツが物珍しそうにデビッドを眺めているのに気付き、
微笑む。
ウェイランド：ああ、このデビッドはプロトタイプ、80シリーズです。さしあたってのタイプですが、うまく働くようなら
増産します。(微笑は消える)ご用件は？
ホロウェイは驚いた様子でウェイランドを見る。

ホロウェイ：趣意書を送りましたが…
ウェイランド：一から頼みましょう。
ホロウェイは唾を飲み込み、フォリオをウェイランドのデスク上に置く。
ホロウェイ：私は考古学者でして。
彼は小さなリモートにタッチする。ホログラフが現れる。フォリオは３Dイメージャーだ。若き日の
ホロウェイの写真。エジプト、中国、ペルー、ギリシアでの発掘。
ホロウェイ：調査をするうち、説明の不可能なパターンに気付きました。1,100年毎に農業や道具、
テクノロジー、発明に突然の進化が見られるのです。何か大躍進の原因があるのです。11世紀毎に。
このパターンは大昔から続いています。何十万年も以前から。こいつを解明しなくてはなりません。
ウェイランドは頷く。ホロウェイはワッツを見て、続ける。
ホロウェイ：ワッツ博士は私の教え子です。
ワッツは自分のリモートに触れる。ホログラフが科学図表に代わる。実験室にいる、若く美しいワッツの
写真。

ワッツ：私は人類のDNAの歴史的変化を分析してきました。そして同じパターンを見出しました。11世紀毎に、
人類のゲノムに新しい情報のパルスが見られるのです、世界中で。これは進化ではあり得ません。何かが我々を
変化させてきたのです。我々の種のDNAを。
ホロウェイ：人類は誰かの訪問を受けてきたのです…どこか、他からの存在の訪問を。
ウェイランドの背後ではヴィッカースが軽蔑の表情を隠しきれないでいる。
ヴィッカース：異星人だと言うのね。
皆、ヴィッカースの存在を忘れていた。
ウェイランド：リディア・ヴィッカース。作戦のディレクターだ。私の右腕も同然の存在だよ。
ホロウェイ：彼らが我々を文明へと導き、高めてくれたのです。幾度も幾度も。私はエンジニアと呼んでいます。
ワッツ：貴方が探しているものを知れば、素晴らしいことにすべて辻褄が合うんです。

ディスプレイの像が明滅する。新たなサイトを発掘する、フィールドのワッツとホロウェイ。彼らが
発見したものはエジプト、中国、カンボジア、そしてペルーの石の円柱の文字。さまざまなパターンの
線、カーブ、点。
ホロウェイ：これはエンジニアが記したものです。我々は全ての大陸で見つけました。そして昨年、
ロゼッタ・ストーンを発見したのです。
ディスプレイには水中のオベリスクが映し出されている。
ワッツ：これはある星の位置を表す式です。
ウェイランド：どこの星なのかね？
ホロウェイ：今は言えません。しかし我々が行きたいと思っている星が、それなんです。
ウェイランド：私に、星間探検に出資しろと言ってるのか！
ホロウェイ：科学の大変革に一役買うチャンスです…
ウェイランド：よしてくれ、教授。そこら中の大学や政府機関から却下されてきたんだろう。君の
直観に大金を賭ける者などいるものか。
ホロウェイはしょげ込み、ワッツは縮み上がっている。
ウェイランド：私以外に、な。(歯を見せて笑う）君たちの学術調査は読んだよ。

ホロウェイ：読めるはずがない。我々の学術捜査は…
ウェイランド：管理サーバー上でクァンタム・エンコードされてると言うんだろ？イヤー。我々にはA.I部門があるのは
知ってる筈だ。興味深い。(デスクに体を乗り出し)お望みの星も、私には分かっている。
科学者たちはウェイランドを見つめる。
ワッツ：ハッタリだわ。
ウェイランド：ゼータ2レティクル。
ウェイランドはショックに打たれた2人の顔を満足げにじっと見ている。
ウェイランド：私がリッチになったのは何故か分かるかね？私は自分に問うんだよ。神は何に時間を費やしたかと。
ワッツは疑わしそうに笑う。
ウェイランド：私にとってバイオテクノロジーは素晴らしいものだ。融合パワー。重力システムのおかげで最近は
体調が良くてね。

ウェイランドはチェアを窓へ向けて回転させる。外には地球が輝いている。
ウェイランド：神が最初にやったことは？
ワッツ：天国と地球を造りました。
ウェイランドは彼女に指を突きつける。
ウェイランド：その事さ。大事なものを忘れているぞ。地球の事を。デビッド。
デビッド：大昔から、地球の気候は温室と氷河時代を行き来してきました。生命の爆発、そして絶滅。しかし
2万年前にその反復は止まりました。完新世の時代が−これまでにない平穏な時期が−やって来たのです。
文明が生まれ始めたのは、この時だけです。
ホロウェイとワッツは考えを改めてデビッドを見ている。
ホロウェイ：その通りだ。
ワッツ：その変化とエンジニアの来訪は一致します。我々を変えたのではなく、我々の世界を変えたのです。
ウェイランド：その事だよ。地球を工作したのだ。神業だ。

ウェイランドはチェアをデスクに戻し、引き出しの中をかき回す。
ウェイランド：部下に君たちの仕事をチェックさせた。確かだと聞いている。
彼は厚い契約書を引っ張り出し、ホロウェイの前に放り出す。
ウェイランド：探検隊を提供しよう。船とクルー、物資、サポート。ただし1つ条件がある。
ホロウェイは宝くじを確かめるかのように慎重に契約書を拾い上げる。
ホロウェイ：どういう意味です？
ウェイランド：発見し、サイトをコントロールするのは君だ。だが発見したいかなるテクノロジーも、全ては
私のものだ。
ホロウェイは契約書のページをぱらぱらめくって見る。
ウェイランド：デビッドを同行させよう。私の目と耳だ。それに、ヴィッカース…お前も行くんだ。
ヴィッカースはショックを受けてウェイランドをじっと見つめる。

白い景色。きらめく白いクリスタル。積み重なるダイアモンド。視野が広がる。更に複雑な構造。揺らめく白い宝石。
雪のように滑らかである。
深宇宙。暗い無限の空間に星が散らばっている。太陽ははるか彼方である。がっしりした調査船が宇宙を進んでいる。
長旅で疲れてはいるが、つくりは頑丈である。ウェイランド・インダストリーのロゴを持ち、外殻にはマゼランの名が
描かれている。

船の神経中枢、コントロール・ルーム。6台のコントロール・ステーションは空席で、静寂が支配している。
インテリア・ライトは薄いブルーである。ブリッジのバルクヘッド前面全体が窓になっている：壁から壁へ、
床から天井まで。そこにデビッドが立っている。彼は全く平静な表情で宇宙を長い間見つめている。そして
振り向いて去っていく。巨大なシャッターが窓を覆っていく。
デビッドは船中央部の長い廊下を歩いていく。船は静かで、青い照明は薄暗く、彼は1人ぼっちである。
ハイパースリープ・コンパートメント。プレキシガラス製の棺が両側に6台ずつ置かれた長いスチール製の部屋。
スリープ・フリーザーである。霜に縁取られた人影。眠っている彼らを調べながら、デビッドがコンパートメント
を歩いていく。

ワークルーム。デビッドがディスプレイ・テーブルに着いて、腕を振って表面に映る入り組んだ文献を交替させていく。
彼の目は人間には不可能なスピードで仕事に集中している。
白い光景。クリスタルラインの水平線。雪原のｙぷな滑らかなカーブ。形が明らかになってくる。女性の体。ワッツの体。
プレキシガラスのフリーザーの中、ワッツは下着姿で眠っている。皮膚を覆う霜。氷に彫刻されたビーナス。フリーザーの
外、顔がガラスに押し付けられる。

ホロウェイとワッツの2台を除き、全てのフリーザーが開いている。青いカバーオールを着た3人の男がしゃがんで
ワッツのフリーザーを覗き込んでいる。3人は30歳で落ち着きのない、痩せたダウンズ、40歳でラブラドールのように
親切なスティルウェル、そして26歳だが倍の年齢のように暗いカマロフ。
ダウンズ：見ろよ。
カマロフがワッツのフリーザーを開ける。体が動き始める。眠っている妖精のようだ。
カマロフ：遅いお目覚めだ。
ワッツは目を覚まし、3人の男の姿に気づく。彼女は混乱して体を縮みこませる。
ホロウェイ：出て行け！
ホロウェイの声が響き渡り、乗組員は飛び退る。ホロウェイが隣のフリーザーから起き上がり、這い出る。
スティルウェル：見てただけだよ。
ホロウェイ：ちょっと時間をくれないか？

乗組員達は出て行く。スティルウェルはおどおどと、ダウンズとカマロフは不機嫌そうに。ホロウェイはワッツに
寄り添う。
ワッツ：具合が悪くて。御免なさい。
ホロウェイ：心配いらないよ。
彼女が立ち上がるのを助ける。

食堂。ホロウェイとワッツがテーブルに着いている。少々気分が悪そうである。2人は一般人の服装で暖かいものを
着ているが寒そうに見える。マグカップのコーヒーを抱え、スナック・バーを齧っている。
ワッツ：耳鳴りがするの。
ホロウェイ：2年半も眠ってたんだ。良くなるさ。
ワッツ：前のあなたみたいにね。
2人の士官が入ってくる。記章の着いた青いカバーオールを着ている。黒髪のがっしりした45歳のグラッセ、そして
剛毛のヒゲをはやしたハゲ頭のブリック、50歳。2人はワッツとホロウェイを見る。
ブリック：大丈夫か？
ワッツ：ええ、ありがとう…
グラッセ：船長が会いたいと。

そしてチョンカレーが永遠の自演をする。

マゼラン、船長の個室。45歳のジャネック船長がデスクに掛けている。荒いヒゲとパワフルな体格で一見暴れん坊風、
捕鯨船の船長のようである。ホロウェイとワッツは船長の前のスチール製ベンチに腰掛ける。船長は座って命令書を
入念に調べている。ウェイランド・インダストリーのロゴ入りのプラスチック・パケットが開く。中にはすかし模様の
入った書類がある。
ジャネック：ゼータ2レティクルは百年前に調査済みだが。
ワッツ：無人プローブです。ぞんざいな調査だわ。
ジャネック：地球には似ていない。
ワッツ：ノー。
ジャネック：で、何を探すんだ？
ホロウェイ：エンジニアの存在の証明。
ワッツ：ホロウェイ教授の理論が確認されれば全てが変わります。
ジャネックはだるそうに顔を手でこする。

ジャネック：チケットはあんた達のものだ。お望みの所へ行くさ。
ホロウェイ：船長、クルーは1週間も前に起きている。我々も時間が欲しかった。なぜ遅らせた？
ジャネック：訓練のためにはベターさ。人が採掘のために出船する理由は1つ、パーセンテージだ。
金鉱山や住める惑星を見つければ一生食えるんだ。(苦く笑って)だがこの契約書にはパーセンテージ
は書かれていない。報奨金もない。3倍払うってだけだ。奴らはハッピーじゃあない。
ホロウェイ：あんたもアンハッピーだと？
ジャネック：ハッピーだった事なんか一度もないさ。

彼は立ち上がって壁のパネルに手のひらを押し付ける。金庫が開く。そしてガンベルトと大きな銃を取り出す。命令書を
金庫に放り込み、銃を上に置くと金庫をロックする。
科学者の船室。ホロウェイとワッツはは自分たちの船室を手に入れた。シンプルだが広く、ツインベッドが置かれ、窓には
星ぼしが見える。2人はベッドへダッフルバッグを落とす。ホロウェイは部屋の配置を見て顔をしかめる。ベッドをロック
している磁石をリリースし、ベッドをスライドさせる。

2人は仕事のスペースをセットアップする−セントラル・ディスプレイ・テーブル、そして壁には大きなディスプレイ。
映し出されるのはエンジニアのアルファベット、古代の芸術、気候、そして遺伝子データ。デビッドが入り口に現れる。
ワッツ：デビッド。いつ会えるかと思ってたわ。
デビッド：データベースは大丈夫だと思いますが。私がセットアップしましたので。
ワッツ：大丈夫だと思うわ。
デビッドはきびすを返すが出口でためらう。
デビッド：言っておかなければ。あなた方が眠っている間に、私はリサーチの全てを学びました。
ホロウェイとワッツはアンドロイドを見る。
ワッツ：2年半、私たちの仕事を学んだと。
デビッド：大したものです。
ホロウェイ：では全てを見たんだな。よろしい、どう思うかね？
デビッドは部屋中にディスプレイされた文献をちらっと見る。

デビッド：あなた方の仮説は…大胆ですね。気候のデータは申し分ない。完新世時代は、工作されたものです。
ワッツ博士、あなたの遺伝子研究も、同様に決定的なものです。文明の変化の脈動は照明が困難ですが、論拠は
充分です。私は「エンジニア」の存在を信じます。

休憩室。スチール製のベンチとテーブルがデッキにボルト留めされている。ウェイランド・インダストリーの技師
2人が座っている。アンドリュー・チャンス、50歳。がっちりしたコンピューター・エンジニア。親切で、ごま塩のヒゲ
を生やしている。モナ・ラヴェル、45歳、気難しく、手足のひょろ長い不器量な女性。神はきつく後ろへ束ねられている。
物理学者、化学者。2人は黒いウェイランド・インダストリーのジャケットを着、知性と能力を放っている。プロである。
デビッドはホロウェイとワッツを率いて休憩室を通っていく。ホロウェイが技師を見つけ、挨拶をしに行く。
ホロウェイ：ウェイランド・インダストリーズ！Mr・チャンス、Ms・ラヴェル。ワッツ博士を覚えてますか？
ワッツと技師は挨拶を交わす。

ホロウェイ：渡した資料について、技術面でいくつか…
チャンス：仕事はやり遂げるよ。
ラヴェル：仕事があれば。
ホロウェイは目をぱちくりする。チャンスが説明する。
チャンス：あなたが何かを見つけないと仕事はないんだよ。
ホロウェイとワッツは冷静なデビッドを追ってスチールの廊下を下り、ヴィッカースの船室へ向かう。
ヴィッカースのスイート。都会のロフトのような、オープン・プランの船室である。ワッツとホロウェイはデビッドに
付いて中へ入る。ヴィッカースが立ち上がる。壁は工業用スチールだが、床は豪華なカーペットが敷かれ、贅沢な家具が。
キングサイズのベッド、マホガニーのデスク、そしてダイニング・テーブル。きらめく機械類のおかげで彼女は外へ出る
必要がない−プライベート・ハイパースリープ・フリーザー、オートキッチン、それに医療ポッド。

またチョンカレーが永遠の自演をする。

ワッツ：ポーリングの医療ポッド？地球にも10台しかないものだわ。
ヴィッカース：生活水準では妥協しないとウェイランドさんに言ったの。彼は聞いてくれたわ。
ホロウェイ：私は積荷を削減しなきゃならなかった。4番カーゴ・ベイがあった場所だな？
ヴィッカース：何か御用、教授？
ホロウェイは持参したスレートを示す。
ホロウェイ：星系の外周に達しようとしてます。調査のプロトコルを知りたいのでは？我々は…

ヴィッカース：ノー。私はウェイランド・インダストリーの次期CEOになるの。あなた達が来て、ウェイランドさんに
納得させ…で、私がここにいる。勝ち目はなかったの。言われればどこへでも行くわ。でも、協力するふりをしろ
なんて言わないでね。
ワッツ：でも、帰った時には…

ヴィッカース：5年、後手に回る事になるわね。何も分からないでしょうし。
ホロウェイ：歴史的な発見になるかも知れないんですよ。
ヴィッカースは子供に対するような目でホロウェイを見る。
ホロウェイ：我々のしている事を信じてないんだな。
ヴィッカース：ウェイランドさんは信じてるわ。もう沢山。
ヴィッカースは彼らをドアまで連れて行く。会見は終了である。
ヴィッカース：コミュニケーション不足ね。クルーに話してもいいのよ。
ワッツ：彼らは知らないの？志願したのに。
ヴィッカース：知らずに志願したの。機密の使命で支払いは3倍。

カーゴ・ベイ。クルーのグラッセ、ブリック、スティルウェル、ダウンズ、そしてカマロフ即席のレクチャー・
ホールにいる。その前にホロウェイとワッツが、部屋の後ろにジャネックがいる。
ダウンズ：異星人。
グラッセ：ふざけてるのか？
ホロウェイ：私は、我々の全ての神話はエンジニアのメモリーなのだと考えている。

ホロウェイ：太陽の神、ホルス。天国から火を持ち出したプロメテウス。火の柱、煙の柱。エンジニアは神なのだ。
カマロフは神への冒涜を感じ、硬くなる。
カマロフ：神は神さ。
スティルウェル：カマロフ、まあ聞こうぜ。で、俺たちはそいつらに会いに？
ワッツ：たぶん誰にも会わないわ。ラジオやレーザーのシグナルを出す、星間トラベルをするような人種を期待
してるんでしょう？フュージョン・トラベルや重力ドライブは明らかな痕跡を残すものだけど、ゼータ2レティクル
は静かなものよ。それにエンジニアは行方不明なの。パターン通り、彼らは17世紀前に地球を訪れた筈。そして
6世紀前にも。でもその兆候が残ってない。12.000年経って…彼らは来なくなったのよ。
ブリック：何故？
ホロウェイ：そうだ。何故？
ジャネック：“神よ、神よ、なぜ私たちを見捨てたもう？”
彼らは振り返る。ジャネックはホロウェイに歯を見せて笑う。
ジャネック：その答えが聞きたくて何光年も？
ホロウェイ：それだけじゃない。疑問は沢山ある。

マゼランはゼータ2レティクル星系の外周に達する。遠くに太陽のような星が見え、その周りを回る惑星が見える。
ブリッジの巨大な窓の外にゼータ2レティクルの星が光っている。ダウンズ、グラッセ、ブリックがコンソールに
着き、窓の前を歩いている。ホロウェイとワッツが入ってきて、その光景に口をあけて見入っている。それを見て
ジャネックが歯をむいて笑う。
ジャネック：ゼータ2レティクルへようこそ。目を開けるとしようか。
マゼランがその眼を開く。2本の巨大な望遠鏡が船体から現れる。虹彩が開き、巨大なレンズが露わになる。
アンテナが展開し、羽のように大きく開いていき、きらめく。真空からかすかな情報を選び出す。
ジャネック：オーバーレイ。
ヘッドアップ・ディスプレイが現れ、ガラス面に重なる。太陽にはゼータ2レティクルとラベルが打たれ、
マーカーが惑星を指し示し、その楕円軌道をトレースする。惑星が拡大され、カラフルな天体となる。アルファ、
ベータ、ガンマ…

ダウンズ：惑星は7つ。2つは熱い岩。2つはガス巨星。3つは雪の塊り。地球に似た星は1つもない。
ワッツはホロウェイに笑いかける。目が輝いている。
ワッツ：この星系最初の人類ね。
ヴィッカースがデビッドとやって来る。
ジャネック：ディレクター。来て頂いて有難う。
ヴィッカース：何か見落としは？
ジャネック：ウオームアップ中です。(ホロウェイに)教授？お望みは？
ホロウェイ：EMRスキャン、30ヘルツから300ギガヘルツ。月と惑星をすべて分光器で。ホット・スポット
と光源に赤外線スキャンを。
ジャネック：やる事を分かってるね。やるんだ。

2連の望遠鏡が回転し、ズームする。アンテナが曲がり、フォーカスを当てる。太陽にもっとも近い惑星に
望遠鏡がズームインする。マゼランのセンサーが惑星アルファの皮をを玉ねぎのように剥いでいく。ディスプレイが
川の流れのようなデータで溢れる。化学組成、磁場、月の軌道、地形データ。スキャンは次の惑星へ、そしてまた
次の惑星へと動いていく。
グラッセ：ラジオ・チャットなし。誰も話をしてない。
ブリック：レーザー、メーザー、ともにネガティブ。
ヘッドアップ・ディスプレイ上で最後の惑星のデータ流が完了する。ガス巨星の月が照らし出される。
グラッセ：生物学的マーカー、検出なし。人工光源なし。産業や農業の痕跡なし。この星系は死んでいる。
いつも通りだ。

ダウンズ：貧弱なもんさ。重元素もわずかだ。
ブリック：ヒット！月だ。LV‐426。
ディスプレイの中心にイプシロンが現れる。多くの月を持つガス巨星である。その内の大きな月の周りに
データが明滅する。LV‐426だ。
ブリック：質量は地球の85％。大気は窒素、メタン、硫酸。かすかに金属の反応。
ホロウェイ：他には？
センサーは星系最後の月の走査を終える。
ジャネック：これが全てだ。
ホロウェイ：そこへ。
ジャネック：ダウンズ。聞いたな。
ダウンズ：アイ、船長。軌道まで18時間。
マゼランは巨大なアンテナと望遠鏡を収納する。エンジンが点火し、船はガス巨星イプシロンと謎の
月へと向かっていく。

通路。ホロウェイ、ワッツがデビッドと並んで歩いている。
ホロウェイ：デビッド、ショーは楽しかったかい？
デビッド：楽しめたかどうかは分かりません。有益でした。
ホロウェイ：そうかそうか。(からかうように)俺はもっと説得力のあるヒューマノイド・ロボットを見た
ことがある。
ワッツはホロウェイがからかうのを見て微笑む。デビッドの口調の愛想のいいトーンは変わらない。
デビッド：私のデザインは説得力を持たせるためになされたものではありません。人間をシミュレートするのは
大変な仕事です。私のデザイナーは知能を最大限発揮できるよう設計したんです。
ワッツ：何故人間に似せたの？車輪のある箱でなく？
デビッド：あなた方に似せてあれば、あなた方向けにデザインされたスペースや道具を使えます。でも、能力は
私のほうが上です。あなた方には聞こえない周波数が聞こえますし、あなた方には見えない波長の光を見る事が
できます。より早く動けますし、より強いパワーを持っています。
科学者たちは驚いてデビッドを見つめる。
ワッツ：スーパーマンのつもりなの。
デビッド：ノー。
彼はぞっとするような視線を向ける。
デビッド：私は「マン」などではない。

2人は船室のベッドに寝ている。ワッツの頭はホロウェイの胸の上にある。
ワッツ：彼らが本当にいたら？エンジニアが。いるかもしれない。私たちを待っていたら？そしたら？
彼は笑う。
ホロウェイ：夢が実現するのさ。

マゼランはLV-426の軌道に達する。LV-426は雲に覆われた、灰色の惑星である。その背後に母星の毒々しいガス巨星、
イプシロンがぼうっと浮かんでいる。赤と金色の帯に覆われ、その半球は闇に包まれている。マゼランは軌道へダイブ
していく。ノーズは下へ向き、ロケットが持続的に火を噴く。望遠鏡、センサー、アンテナが外殻から再び伸びだす。
全員がブリッジにいる。ジャネックと部下はコントロール・ステーションに着いている。ホロウェイとワッツは上甲板に
立っている。ヴィッカースとデビッド、ラヴェルとチャンス。
窓一杯にLV-426が映っている。霧のかかった灰色のオーブ。雲の下の地面は見えない。散在する稲妻の光。
ホロウェイ：パッシブ・システム、スタート。我々は招かれざる客だ。静かに。
ジャネックはグラスとブリックに頷く。彼らは装置を調べ始める。
ブリック：大量の電磁波。そこら中。稲妻でスキャンが効かない。
ホロウェイ：アクティブ・システムに。マッピング・レーダーを。

ハウジングから大砲のようなレーダー・エミッターが伸び、強烈なエネルギー・ブラストを放つ。帰った波が
ディスプレイ上で惑星面のデータを描く。
ジャネック：さて、我々はドアベルを鳴らしたわけだ、もし誰かが聞いてるとしたら、だが。
カマロフの手がひどく震え、十字を切る。
ホロウェイ：何が見える？
ブリック：極の氷河だ。メタンが凍ってる。寒いぞ。
ディスプレイが光で満ち溢れる。月表面がスイープされ、地形データの波が送られて来たのだ。

グラッセ：地形データが。ヘイ！ハード・スポットだ。レーダーが透過しない。明るい反射。こいつは金属だ。
ブリッジの全員が興奮に包まれる。
マゼランは灰色の月の周りをスイープしていく。エミッターが唸り、アンテナと望遠鏡は大きく開かれている。
LV426の背景はガス巨星イプシロンで埋め尽くされている。マゼランは人工衛星を発射する。金属の小片は
月の極回りの軌道へ飛び込んでいく。

ブリッジ。月の表面に24のハード・スポットが輝いている。不規則な配列でLV-426を取り巻いている。
ホロウェイ：自然のものではない。
ミルバーン：似たようなものは時々あるぞ。金属鉱床、火山の噴出物。
グラッセ：あそこにでかいのが。
マップに新しいシグナルが現われる。群を抜いて明るく光っている。
ホロウェイ：相変わらず静かなのか？
ブリック：コミュニケーション・シグナルなし。生命徴候なし。
ホロウェイ：雲の下へ行こう。

調査船は灰色の雲に揉まれながら降りていく。望遠鏡とアンテナは収納されている。大気が切り裂かれ、外殻が
蒸気を吹き出す。船の周りで稲妻が光り、鳴り響く。
ブリッジでは全員がチェアに固定されている。1人ジャネックだけが支柱を握って立っている。着陸エンジンが
吠える。外殻を風が流れる。霧がブリッジの窓を叩き視界を遮る。ワッツが手を伸ばしホロウェイの手を握る。
マゼランは雲の覆いを突破し、澄んだ大気の中へ出る。船の下にぞっとするような光景が露わになる。広い谷、
薄い地面、不毛の険しい山々。尖った岩。水はなく、風に吹きさらされている。マゼランの立てる轟音が
谷や不毛の岩の尾根に轟き渡る。

ジャネックが舵を取り、ヘリコプターのように谷へと降ろしていく。天性のパイロットである。
グラッセ：サイト7だ。
彼らはエベレストよりも高い山の頂上に達する。目の前に乾いた不毛の平地が広がっている。荒野に尖った岩が
散らばっている…異星人のモニュメント・ヴァレーだ。
ダウンズ：何もない。
ホロウェイが小さな山を指さす。奇妙に整った形だ。
ホロウェイ：見ろ。
ジャネックは巧みにマゼランを横へ向けていく。マゼランは山の周りを回り、ノーズを内側へ向ける。彼らの
下で山は回る。表面はフラットで、エッジはクリーンだ。しかしひびが入り、年経て、石炭のように光っている。
ホロウェイ：記録してるな？
グラッセが敏感に頷く。

ヴィッカースはピラミッドの頂に困惑しながら見入っている。信じられず動揺している。ワッツがデータの
リードアウトをスキャンする。
ワッツ：タングステン、タンタル、アルミニウム。これはテクノロジーよ。
ホロウェイ：次を見よう。
2番目のものは最初よりさらに古く、巨大な峡谷の斜面に立っている。縁を地滑りが覆っている。
ちっぽけなマゼランが峡谷の壁の間を降りていく。

ホロウェイとワッツが構造物を見つめている。ショックから回復し科学者として考えている。
ワッツ：同じだわ。外気にさらされていない。
ミルバーン：岩盤層のためかも知れない。炭素結晶かも。
ホロウェイ：でかい奴を見よう。
ジャネックは１人でブリッジにいる。雲が視界を遮っている。
ブリック：メジャーサイトに接近中。
船は澄んだ空気の中へと降りていく。素晴らしいパノラマが彼らの眼前に姿を現わす。何百メートルものクレーターが
溝で繋がっている。岩に刻まれたクロップサークルのようなパターンである。中央のクレーターの中ほどに巨大な、
他よりも大きな尖った頂きがある。マゼランは旋回する。畏敬の念を起こさせるほど神秘的で巨大である。ホロウェイは
有頂天で見つめている。ワッツは頷き、目を輝かせている。クルーはまだ懐疑的であるが、好奇心をそそられつつある。
彼らは頭を振り、視線を交わしあう。

ブリックス：ラジオ発信なし。熱源なし。死んだように冷たい。
ホロウェイ：誰もいない。
ワッツは古びた頂きを見上げる。表面は浸食されている。
中央のクレーターから4本の水路が外側へ伸び、いくつかは更に小さなクレーターに繋がっている。
1本のクレーターが細くなり、地表へと消えている。マゼランはこの水路の端に着陸する-中央の
クレーターから半キロ離れている。

乗組員たちは窓の外を見ている。ピラミッドの頂きの広くまっすぐな水路。
ホロウェイ：オーライ。行こう。
ジャネックが計器を一瞥する。
ジャネック：日没まで6時間だ。待ったほうがいいかも。
ワッツが信じられないという目つきで彼を見る。
ワッツ：窓の外に見えるのに、明日まで待てと？

探検チームがエアロックから飛び出す。カーゴ・ローバーに乗っている。先頭のローバーを運転するのはホロウェイで、
横にワッツが乗っている。後席にはスティルウェル、カマロフ、そしてダウンズ。デビッドが2番目のローバーを操り、
ミルバーン、フィフィールド、チャンス、そしてラヴェルが乗っている。
ワッツ：ここの空気を吸うと死ぬわよ。タンクの量に気を付けて、シーリングにも。病原体テストは問題なし。
ホロウェイ：ゆっくり行く事。一緒にいるように。何も触るな。見かけよりもろいかも知れないし-見かけより危険かも
知れない。我々には理解できないテクノロジーが働いているかも知れないんだ。
クルーは不安げな視線を交わす。
中央のクレーターに向かうほどに溝は深くなっていく。

彼らは切り立った水路を横切る。水路の堤防上の石の高い岬、その影を彼らは通っていく。岬の側面には巨大な
スフィンクスのような顔が刻まれているが、彼らには見えない。浸食が激しく人工的なものかはっきりしない。
クレーターのフロアは広大な、囲まれた平地である。中央に巨大なピラミッド型のマウントがぼうっと姿を見せている。
ローバーはクレーターに入り、ピラミッドの周りを回る。

ピラミッドの南面には多くのブレードを持つアイリス・ドアがあり、その高さは軽く50フィートある。ピラミッドと同じく
玄武岩でできているように見える。クルーは畏怖に釘付けとなっている。
ホロウェイ：自然の構築物とは考えられない。(歯を見せて笑う)異星人文明の明らかな証拠だ。この日、2172年12月31日。
我々の名は歴史に刻まれるだろう。
ワッツはアイリス・ドアを見る。一番下のブレードが壊れ、瓦礫となってドアの根元に転がっている。暗い、ナイフのような
隙間が内部へと続いている。
ワッツ：ドアは開いてるわ。

ジャネックとヴィッカースはメイン・ホログラフィック・ディスプレイで探検の進捗を見ている。クルーの声がコム・
リンクに響く。ピラミッドの巨大なアイリス・ドアを2人は驚嘆の表情で見つめている。
ジャネック：サノバビッチ。奴らのいってた通りだ。
彼は窓の外のピラミッドの頂上を見つめる。ヴィッカースはきびすを返し、そっとブリッジを出て行き、自室へ急ぐ。
彼女は宿舎を大股で歩いていく。壁に2つの小さなドアがある。彼女は最初のドアを開け。豪華なバスルームに足を
踏み入れる。

錠剤をタンブラーの水で喉に流し込み、船室に戻ると2番目のドアを開ける。スチール製のパネルに囲まれた小部屋である。
換気と動力の深いハム音。ここには多くのテクノロジーが詰まっている。ドア横のコンソールに向かうと列を成すスイッチを
入れる。ハム音が増す。隠されたメカニズムが息を吹き返す。

クルーはアイリス・ドアを内側へ押し、ホロウェイとワッツが先導して歩いて入っていく。懐中電灯の光が闇をカットする。
ローバーが後に続く。独立サスを持つ6輪のシャシーが瓦礫の上を進んでいく。ヤギのように確かな足取りだ。暗く、大きな
洞窟。弱い日の光が差し込んでいる。クルーは暗闇の中を進んでいく。カーゴ・ローバーのヘッドライトが光る。彼らは
暗い空虚な大聖堂の空間を移動していく。デビッドはうっとりと周囲を見回し、視線は壁を見渡している。
ホロウェイ：ジョスリン。こっちへ。
彼の声は切迫して震えている。ライトを岩へ向ける。黒い表面にシンボルが彫られている。点、線、円弧。
ホロウェイ：エンジニアの書いたものだ。完全に繋がっている。
デビッド：おめでとうございます、ホロウェイ教授。
ワッツがライトを向けて記録に遺す。クルーは闇の中へ進んでいく。デビッドは居残って解読している。

ピラミッド内部はまるで迷宮である。鉄道トンネルほどもある回廊が交差し、分岐している。探検隊は更に深部へと進む。
数人はマップ・ユニットを持っており、そのホログラフィック・ディスプレイに進路の3次元マップが映し出される。
ホロウェイが先頭を進んでいく。ローバーのモーターが唸る。デビッドが後を追う。彼の目は何もない壁を見渡している−
何かがそこにあるかのように。彼は手を伸ばす。クモの巣を掴もうとするかのように。奇妙なノイズが回廊に響き渡る。
彼らは凍りつく。ホロウェイがライトを向ける。あの音が再び。悪魔のような声がこの世のものとは思えない言葉を発して
いる。

ワッツがホロウェイを見る。彼の目は前方の暗闇に向けられている。彼は前へ進む。皆も後に続く。彼らの前に幽霊が
現れる。青白く光る15フィートの巨人、落ち窪んだ目、グロテスクな鼻。巨人は彼らに向かって大股で進んでくる。
声が響き渡る。大混乱。ワッツは無意識に後ずさりする。退かないホロウェイを見て手を伸ばす。
ワッツ：マーチン、マーチン！
だがホロウェイは微動だにしない。うっとりと幽霊を見ている。他の皆は四散する−デビッドを除いて。彼は壁の傍に
じっと立っている。幽霊はホロウェイに向かってくる。クリーチャーは彼を通り抜けると、静電気の雑音とともに消える。
静寂。ワッツはホロウェイの所へ戻る。スティルウェイとダウンズはデッキに縮こまっている。ミルバーンとフィフィールド
は通路を退却している。
フィフィールド：クライスト。クライスト！
ラヴェル：現実のものじゃない。
ミルバーン：俺たち全員が見たんだぞ。
デビッドは手を伸ばし、同じジェスチャーを空中に繰り返している。

あの音が再び回廊を下ってくる。一瞬の後、幽霊が角を回って再び現れる。クルーは動かない。巨大な幽霊は彼らに迫り、
パチパチいう音と共に消える。
ホロウェイ：記録してるな？
フィフィールド：これまでだ。もうやめだ。
ホロウェイ：フィフィールド。しっかりするんだ。
フィフィールド：俺の仕事は鉱山採掘だ。ボーキサイトの塊りを見つけたというんなら俺はあんたの部下だ。だが
こいつは話が違う。
ミルバーン：俺がこいつに付き添うよ。2人組だ。
ホロウェイ：(うんざりして)そりゃいい。
彼はカーゴ・ローバーから重いローリング・ケースを引き出す。

ホロウェイ：ドローンを配置しよう。落としていくんだ。
フィフィールド：俺たちにローバーを。
ホロウェイ：1マイルもない。歩いていけるだろう。
むつりしてミルバーンはローリング・ケースを取る。フィフィールドとミルバーンが暗闇の中を戻っていくのを皆が見守る。
パーティを率いるホロウェイとワッツは緊密にシールされた大きなドアに行き着く。デザインや大きさからして重要なもの
である事は明らかだ。ホロウェイはマップを見る。
ホロウェイ：これがピラミッドのコアに続いているんだ。
ワッツ：ジャッキで開ける？カットする？
ホロウェイ：なるべくダメージを少なく。
ラベルが壁の上でセンサーを振る。
ラヴェル：動力が。壁の中に電流が流れている。
チャンスがドアのフレームを調べ始める。
チャンス：ハッキングできると思う。仕掛けがあるはずだが…
デビッドは、彼らが大事なものを見落としているという様子で見ている。彼は大きな石版の横の壁を指差す。
デビッド：ローバーを止めて。ここへ。

マゼランの中でジャネックが窓の傍に立って遠くのピラミッドの長い水路を見おろしてている。船のイメージング・
システムがデータを流している。探検隊が進むにつれ、立体像のマップが伸びていく。ピラミッド下の迷路が明らかに
なっていく。人工衛星からの情報が入り、LV-426の球体が地形と天候のデータで一杯に飾られていく。
ヴィッカースがジャネックの横に姿を現わす。
ジャネック：ディレクター。興味が？
ヴィッカース：私の作戦じゃないのよ。違う？

訂正：これは私の作戦よ。違う？

多数の通路が集中する交差点。ミルバーンとフィフィールドがとぼとぼ歩いている。プローブのケースを引いている。
あらゆる方向へトンネルが延びている。
フィフィールド：どう思う？
ミルバーン：グランド・セントラル・ステーション。
彼らはケースを開ける。カメラ・プローブが転がり出る。ソフトボール大の球体で、レンズとセンサーが付いている。
プローブが目覚め、小さな明かりが灯る。多数のプローブは通路全部を探索するべく散っていく。ブンブン音を立てて
壁の間を、支柱の間を戻っていく。
フィフィールド：チェックを。マップをくれ。
ミルバーン：お前がユニットを持ってるんだろう。
フィフィールド：持ってないのか？
2人は見つめあう。
ミルバーン：マジかよ？
うんざりして彼は来た道をとぼとぼと戻っていく。
ミルバーン：来いよ。

デビッドはカーゴ・ローバーの上に立っている。ドア横の壁高くに穴を開け、内部のメカニズムをプローブで探っている。
デビッド：3ステート・スイッチのようです。
深い音が古代の壁の中に響く。変化は起こらない。
デビッド：ちょっと待って下さい…
彼は装置を動かす。ボーン！巨大なドアは上がり始める。

ピラミッド中央の広大な空間。ホロウェイが懐中電灯で探索しながら入っていく。ワッツが急いで後を追う。他のクルーと
ローバーも付いていく。中央に巨大な、奇怪で複雑な構造物が立っている。機械である。周りを取り巻く床には裂け目が口を
開けており、その深さは闇に消えて分からない。彼らは目を上げる。何百フィートも上方にピラミッドの頂点が見える。
そのあたりから光が棒状に差し込んでいる。

ラヴェル：こいつだな。さて。
デビッド：イエス、イエス。
アンドロイドは周囲の謎の構造の意味を読み取ろうとしているようである。ホロウェイはローバーからドローンのケースを
引き出す。2ダースの球形ドローンが転がり出て目を覚まし、暗闇へと四散していく。彼らは敏捷にカーブを描き、裂け目を
巡る。ワッツは大気センサーを見て驚く。
ワッツ：マーチン。ここの空気は呼吸できるわよ。
太陽が移動し、中央空間が輝き、棒状の光が中央にやってくる。ピラミッドが呼吸するかのような、巨大なため息のような音。
ワッツの手袋の上に大きな水滴が落ちる。驚いて彼女は見上げる。バイザーにも水滴が落ちてくる。ピラミッド内部に雨が
降っている。裂け目に水が流れ、壁に密生するコケを浸す。
ホロウェイは少年のように歯を見せて笑い、ワッツを見る。
ホロウェイ：驚異だ！
棒状の光は動いていく。空間は暗くなる。雨は降り始め同様、突然止む。探検隊は謎の機械類を通ってメイン・パスを行く。
影の中に驚異があった。黒い装置の中のセルが色の付いた驚くような埋蔵物を見せている。半透明の雪花石膏の縦溝。純金の
ハニカム。水晶のマトリックス。
ワッツは歩きながら装置でスキャンしていく。
ワッツ：強い力場。ここに巨大なパワーソースが。

彼らは床に開いた大きな穴に行き着く。奇妙な斜道が下へと続いている。道はノコギリの歯状となっている。困惑。
これは階段ではない。エスカレーターでもない。可動部分はなく、レールや軌道もない。
ホロウェイ：下に空間がある。大きな空間が。
彼らが見ているとプローブがブンブン飛んで来て斜道を弾みながら降りていく。ワッツが笑う。
ワッツ：どういう仕掛けなの？
彼女は歩いて降りはじめる。背後にホロウェイ。スティルウェル、ダウンズ、そしてカマロフがいやいや後に続く。
だがデビッドは洞窟のような空間を見渡している−中央のクリスタルに執着して。彼はラヴェルとチャンスを手招きし、
歩み去る。ラヴェルとチャンスはびっくりして視線を交わし、自信なさそうにデビッドについて行く。

ホロウェイ、ワッツ、それにクルーは斜道の底に着く。息遣いが荒い。カーゴ・ローバーが後に付いている。彼らは振り返って
見る。誰もいない。
ホロウェイ：ラヴェル。チャンス。どこへ行った？デビッド！どこだ？(憤然としてワッツに)あいつらが来ない！
しかしワッツはアーチ道をすかし見て釘付けになっている。
ワッツ：見て。
彼女は進んでいく。ホロウェイが続く。

通路はバンド・シェルほどもある、凹みのある場所で中断している。凹み中の中にはバイオメカニカルな装置がある。
ピラミッドと同じ材質であり、巨人が内部にフィットするようデザインされているようだ。ホロウェイとワッツは、
黒い機械類にライトを当てながら歩いていく。足音がこだまする。
ワッツ：サイズを見た？さっきの幽霊の…
ホロウェイ：幽霊なんかじゃない。みんなはどこだ？
ワッツはスーツのコム・コントロールを聞いている。
ワッツ：彼らはチャンネル3よ。話しているのが聞こえる。大丈夫よ。
ホロウェイ：一緒にいなくちゃ駄目だ。

ミルバーンとフィフィールドは迷子になっている。
ミルバーン：ここは違う場所だな。
フィフィールド：同じ場所だろ！あの気味の悪いもの、さっきも見たぞ。
彼は構造物の1部を指差す。
ミルバーン：ノー、違う。別だよ…まあ…ファック！(コムを叩く)ミルバーンからマゼランへ。どうぞ。
空電の音。

ホロウェイとワッツは角を曲がり、突然立ち止まる。カマロフ、スティルウェル、ダウンズが駆け寄る。
化学者たちは凍りつく。彼らの前に巨人の死体が横たわっている。エンジニアである。身長は15フィート。体型は
人間に似ている。たる型の胸。大きな隆起物が体と融合し、何かの装置なのか肉体の1部なのか判じがたい。頭部は
切断されている。目は頭蓋骨と融合したゴーグルで覆われているように見える。切断された象のような鼻は、かっては
臀部の隆起物と繋がっていたようだ。巨人は死の苦しみのまま凍りついて横たわっている。その顎は大きく開かれ、
声なく叫んでいる。死体はひどく損壊している。骨に達する切り傷。探検隊は声なく集まる。
カマロフ：神よ。
ワッツ：マーチン。マーチン。
ホロウェイ：分かってる。見ろ。
彼はライトを上げる。巨人の死体の向こうには地獄の光景があった。
何ダースものエンジニアの死体が積み重なっている。苦痛に身をよじったまま、逃げようとして殺されたのだ。古代の
大虐殺。

探検隊のカメラに捉えられた巨人たちの死体の3D像を見て、ジャネックとヴィッカースは驚きの余り口も利けないでいる。
クルーは頭部を失った巨人を取り囲み、畏怖の余り沈黙している。ホロウェイが近づく。
ホロウェイ：その頃、地には巨人があった。これは神の子たちが人間の娘たちにやって来て生ませたものであり、彼らは勇士と
なった…創世記6章4節。
手袋をした手をうやうやしく肋骨に置く。
ダウンズ：(パニック状態で)何も触るなと言ったじゃないか！何も触るなと！
ホロウェイ：安らかに。
チャンス：奴らの大きいこと！
ホロウェイ：どの古代神話でも、空からの来訪者は巨人だった。
ワッツが死体に触れる。石の様に硬い。骨化しているのだ。古い、恐ろしい傷跡をなぞる。
ワッツ：殺されたんだわ。全員が。
ダウンズは立って死んだ巨人を見つめている。カマロフ同様震えている。

ダウンズ：こんな所にいるべきじゃない。
ホロウェイ：カモン。死体は無害だ。(コミュニケーターを調節し)デビッド。チャンス。ラヴェル。見つけたぞ。
空電の音。
ワッツ：交信は駄目だわ。
マゼランが放った人工衛星は月の大気のはるか上を飛んでいる。昼と夜の境界線を横切る。雲の下、稲妻を伴う嵐が
ウェーブのように進んでいく。
マゼランの船外、風が大地をどよもす。ジャネックは視線を天体ホログラフに移す。
ジャネック：全員に告ぐ。船へ戻れ。強烈な嵐がやってくる。繰り返す。全員に告ぐ。

地下墓地。シグナルが入ってくる。ワッツとホロウェイは顔を見合わせる。
ジャネック：(空電混じりで)嵐が…船へ戻れ…
ホロウェイ：(コムに)何か見つけたところだ！帰るわけにいかん。
マゼランではジャネックがコミュニケーターに向かって叫んでいる。
ジャネック：ホロウェイ！珪素を含んだ200kmの風と、スーツをフライにしちまうほどの静電気だぞ！戻るんだ、今！
中央クレーターをホロウェイはローバーを飛ばしてピラミッドを離れる。ワッツは後席に座り、カーゴデッキの、
タープにくるまれた大きな荷物に気を払っている。スティルウェル、ダウンズ、カマロフが横にみにめにしがみついて
いる。ワッツが振り向く。巨大な嵐が彼らを追ってくる。埃の波が稲妻と共に迫る。強風が大地を叩き、稲妻が
ピラミッドとクレーターの壁に襲い掛かる。マゼランに近づくともう1台のローバーがエアロックのリフトに乗っている
のが見える。デビッド、ラヴェル、そしてチャンスが乗っている。

ホロウェイはスピードを上げてリフトに飛び込む。ローバーは滑ってあわや反対側の壁に当たりそうになる。ワッツが
飛び降りる。嵐の壁が追いついてくる。唸る風がリフトを襲う。埃が充満する。視界はゼロになる。
ワッツ：荷下ろしを手伝って！
彼女はタープを引っ張る。タープは途中で裂け、風をはらんで強く張る。勢いでワッツは嵐の中へ投げ込まれてしまう。
ワッツはどうする事もできず飛ばされていく。風の中の木の葉のように。そして金属の支柱に激突する。彼女は
しがみつく。耳が鳴っている。ヘッドセットには空電しか聞こえない。
ホロウェイはショック状態でワッツが消えた場所を見つめている。
ホロウェイ：ジョスリン！
デビッドが素早く反応し、鎖を握り、スーツにラッチして壁のアンカーポイントにロックする。そして嵐の中へダイブする。
デビッドは風に身を任せる。地面を滑りながら軌道をコントロールし、ワッツが留まっている支柱に轟音を立てて当たる。
まるで金属でできているように。ワッツは驚いて彼を見つめる。デビッドは彼女のスーツを自分のスーツにロックする。
そしてウィンチを作動させる。ハリケーンの中、2人は引かれていく。

ホロウェイ達はデビッドとワッツをリフトへ引き入れる。ホロウェイとワッツは抱き合う。
エアロックの中、探検隊はスペース・スーツを脱ぐ。ワッツはヘルメットを外す。視線がデビッドの目を捉える。そして
口だけでサンキューを言う。彼はかすかに頷くと船内へと消える。クルーは視線を交わす。
ホロウェイ：1日目。
ダウンズ：教授、あんたが言ったとおりだった。あんた達2人が。
チャンス：タープの中身は？何を持ち帰ったんだ？ホロウェイのチームは視線を交わしあうと爆笑する。
ワッツ：見る必要はないわ。
スティルウェル：畜生！ヘルメットが2つ足らないぞ！
彼は指を指す。ミルバーンとフィフィールドのロッカーは閉まっている。ヘルメットのラックは空っぽである。笑いが
止まる。
カマロフ：あいつら、中にいないぞ！
彼らはお互い見つめあう。外では風が叫んでいる。

夜明け。ブリッジでジャネックがコミュニケ−ターに向かって話している。
ジャネック：この風速と静電気が収まるまでは救助に行けない。嵐が去るまで待っててくれ。食糧はあるか？
フィフィールド：空気と…(空電)水と食糧は…(空電)スーツが…

地下のフィフィールドとミルバーンは暗い通路で途方にくれて立っている。フィフィールドはスーツの股の部分をずりあげる。
ジャネック：便の袋は？
フィフィールド：イヤー、パイプは大丈夫だ。
ミルバーン：全く嫌になるな。
ジャネック：次からはマップを忘れない事だ。頭を低くしてろ。朝には行けると思う。
空電のバースト。フィフィールドの声は聞こえない。
ジャネック：マゼラン、アウト。

夜。食堂に行方不明者2人を除く全員が集まっている。ジャネックがアコーディオンを演奏している。古風な音楽。
皆、体を揺らしたり踊ったりしている。ホロウェイは両手にシャンパンのボトルを持ち、左右のスチール・カップに
注ぐ。
ホロウェイ：友よ。我々がなした事は人類最大の偉業だ。異文明とのコンタクト。今日この日、人類は成熟段階に
達したのだ。この月で。(グラスを掲げ)歴史に。
彼らはカップを掲げ、飲む。

クルーは感動している。だがジャネックは歪んだ笑みを浮かべ、もう一度祝杯を上げる。
ジャネック：ミルバーンとフィフィールドに。異星人の遺跡で頭がおかしくなり、迷子になり、スーツのまま眠る最初の
人類に。

暗く広大な迷路。ミルバーンとフィフィールドは闇の中、懐中電灯で道を模索している。外では嵐が吼え声を上げている。
ミルバーン：何を探してるんだ？
フィフィールド：(壁を手探りし)どこか、攻撃を受けない場所を探してるんだ。
ミルバーン：攻撃って、誰がだよ？

ヴィッカースのスイート。ホログラフィの端末にいるヴィッカース。傍にデビッドが立っている。手がシグナル・プレートに
置かれると端末には3Dイメージが浮かび上がる。ピラミッドのコア・チャンバー。デビッドの視力ははるかに人間を上回って
いる。可視光線と同様に熱や電磁エネルギーが見えるようだ。測定されたリードアウトが重なる。ピラミッド内部の構造物は
複雑なエネルギー・パターンで囲まれている。理解不能のテクノロジーである。
デビッド：ピラミッドのコアです。
ヴィッカースは顔をこわばらせて見入る。眼には強欲が浮かんでいる。
ヴィッカース：プロトコル2を。
デビッド：分かりました。

実験室。ガラスの向こうにハイテク装置。手袋とスモックを着けたワッツとホロウェイがダムウェイターを開ける。
エンジニアの頭部が現われる。象のようである。水蒸気が上がる。リードアウトが光る：殺菌処理終了。
2人はそれをスチールのテーブルに載せる。頭蓋骨をスキャナーが通過する。ディスプレイに画像が結ばれ回転する。
X線と超音波。ホロウェイはX線像に身を乗り出す。
ワッツ：マーチン、見て。
彼女は超音波プローブで頭部をトレースする。振動で顔の縁の合わせ目が開く。彼女は指先を合わせ目の中へ差し込む。
そしてプローブを使って、死んだエンジニアのマスクをこじ開ける。露わになった顔貌は人間のものである−その大きさを
別とすれば。肌は白く、耳も頭髪もない。萎びてはいるがギリシャの彫像のように美しい。眼は閉じられている。その顔
には苦痛の表情が浮かんでいる。ワッツは驚いてプローブを落とす。
ワッツ：私達にそっくりだわ。
ホロウェイ：我々が彼らに似てるのさ。創世記1章27節：そして神は自らに似せて人間を作った。
ヴィッカースとデビッドは実験室の窓の外で神の頭部を見ている。ヴィッカースは震えているように見える。デビッドは
魅了されている。

ワッツはぞっとして鼻を覆う。ひどい悪臭だ。エンジニアの頭部は崩壊し始めている。筋肉は流れ、皮膚は
剥がれていく。加速する崩壊。
ホロウェイ：崩れていくぞ。
ワッツ：ホルムアルデヒド！
彼らは大急ぎで棚と貯蔵室を漁りまわる。ワッツが透明なプラスチックのドラム缶を発見し、中身を投げ出す。
ホロウェイは棚から防腐剤の5ガロンジャグを引っ張り出す。デビッドは窓越しに見て面白がっている。
デビッド：結局は死ぬわけか。
2人は嘔吐しながら腐敗した頭部をドラム缶に入れる。腐敗物で指は滑る。そしてその上にホルムアルデヒドを
注ぎ込む。頭部を沈めると2人は悪そして豆腐のような白い筋肉の塊りが剥がれる。高貴な顔が崩れていく。
ワッツとホロウェイは荒い息の下、それを見ている。ヴィッカースが窓の外でインターコムを叩く。

ヴィッカース：死体も結構だけど、ピラミッド内部の装置のほうが興味深いわね。コア・チャンバーの。
どう思う？
ワッツは信じられないといった様子でヴィッカースを見る。
ワッツ：誰に分かるものですか…
ホロウェイ：私には分かる。
静寂。ホロウェイはヴィッカースをうんざりして見つめる。この会話が来るのを知っていたように。彼はワッツを見る。
ホロウェイ：考えるんだ。見た物を。知った事を。
ワッツは挑戦に応じ、立ったまま考えている。
ワッツ：月の赤道に散らばる24のピラミッド。大量のパワーの供給。壁に開いた穴。大気の変化。そしてブリーダー・
タンク…(彼女は遂に理解する)ピラミッドはテラフォーミング・マシーンなのね！
ホロウェイは歯を見せて笑う。はちきれんばかりの笑み。そのセオリーは完璧だ。ヴィッカースはこわばる。手が握り
しめられる。
ホロウェイ：地球の古代文化がピラミッドを立てたのも、その為だ。神を真似たんだ。12.000年前、空からやって来た
存在がピラミッドを建て、そして世界をトランスフォームしたんだ。彼らはここでもそれをやったのだ…彼らの文明が
衰える前に。
ワッツはタンクの中の頭部を見つめている。切断された首を。
ワッツ：衰えたんじゃない。全滅されたのよ。

ミルバーンとフィフィールドが新しいチャンバーにいる。壁に向かって前かがみになっている。ミルバーンがヘッド
ランプで内部をスイープする。
ミルバーン：あれを見ろ！
ムカデだ。長さは3フィート、親指ほどの太さ。灰色の硬い外皮。シュモクザメのような頭部。
フィフィールド：ジーザス！ライトを下げろ！
彼は飛び退る。狂ったような目つき。ミルバーンは笑いかけ、目のないムカデをスペース・スーツの腕に巻きつかせる。
平らな顔面に垂直なスリットが現われ、すぐに水平なポジションに変化する。口のようだ。ミルバーンは気付かない。
ミルバーン：リラックスしろよ。スーツは防虫になってる。弾丸だって平気さ。
ムカデは腕にらせん状に巻きつき、体は波打っている。目のない頭部が指の間を探る。突然ムカデの口がサメのように
大きく開かれる。ミルバーンはうろたえる。
ミルバーン：もうよせ！
彼は引き剥がそうとする。

ムカデは体節をロックして鉄のように動かない。
ミルバーン：(パニック状態で)こいつを外してくれ！俺を潰そうとしてる！
フィフィールドが万能ナイフを取り出す。そしてムカデの頭部の後ろへ切り込ませる。緑色の酸がミルバーンの手袋に
滴る。酸は急速に材質に穴をうがち、煙が上がる。ミルバーンの驚愕の叫びは苦しみの絶叫に変わる。
ミルバーン：アー！助けてくれ！クライスト！ムカデは手袋の穴から這いこんでいく。そしてスーツの中を這い上る。
頭へ向かって。

ホロウェイが立ってデータ・ディスプレイを見ている。エンジニアの頭蓋骨の断面である。ワッツは頭部自体を綿密に
調べている。ホルムアルデヒドの中で薄いまぶたが剥がれ落ちる。露わになった眼は黒曜石のように黒く、オパール
のように虹色に輝いている。ワッツはプラスチック・ケースを出す。画面のある、ハイテク・コントロール・ユニット
である。プラスチック・カプセルを開け、小さなプローブを取り出す。米粒より小さい。それを桶に入れる。
プローブは切断された首へ泳いでいく。

プローブは延髄に入り込み、大脳を目指していく。スクリーン上にトンネルのような延髄が映し出される。プローブは
神経チャンネルに沿って昇っていく。もう1つのスクリーンには頭蓋内のプローブの進み具合が映っている。グラッセ
が入ってきてホロウェイの横に立ち、作業中のワッツを見る。
ホロウェイ：無駄だろうな。組織の劣化がひどい。うむ…脳室は大きい。
ワッツ：神経回路の伝導は保たれている。
プローブは視神経に達する。プローブの視界に神秘的な光輪に囲まれた美しい女性の顔が映る。
グラッセとホロウェイは息を飲む。ぼやけた女性の顔はワッツだった。死んだエンジニアの目が見ているのだ。
グラッセ：信じられん。
像は薄れ、ノイズに変化する。ディスプレイにエラー・メッセージがちらつく。ワッツはため息をつく。
ワッツ：ホルムアルデヒドが組織を破壊してるんだわ。
ホロウェイは畏怖の表情を浮かべワッツを見る。
ホロウェイ：記録を取ったか？
ワッツ：勿論よ。

いよいよ佳境に入って参りましたね

ワッツは防腐剤の入った浅いタブの中で、エンジニアの眼球を解剖している。グラッセは好奇心一杯でこれを見ている。
ワッツは拡大ゴーグルを着けている。彼女はリンゴほどもある眼球を慎重に2分し、角膜の後ろのレンズを取り出す。彼女は
レンズを見る。オパールのような光を発している。
ワッツ：フェイズ・シフトが起こったんだわ。
レンズを通した視野はぼやけている。
ワッツ：グラッセ。レンズを通して見てみたい。シールして、光学的修正を？
グラッセは手を伸ばしてワッツの拡大ゴーグルを取り上げる。そして歯を見せて笑う。
グラッセ：いい考えがある。

ミルバーンは地面の上でのた打ち回り、狂ったように地面を蹴っている−絶叫しながら。フィフィールドは彼の上にかがんで
なすすべもなくムカデの尾を引っ張っている。ムカデの体は大半ミルバーンのスーツの中へ入り込んでいる。穴からは真紅の
滴りが。恐怖に錯乱しているフィフィールドの手袋が滑り、ムカデはすり抜ける。ミルバーンは狂ったようにフィフィールド
にしがみ付く。
ミルバーン：俺の腕を切ってくれ。俺の腕を−
ミルバーンは痙攣し、血を吐く。ムカデの頭部が歯の間から姿を見せる。彼は動かなくなる。窒息し、死にかけている。
フィフィールド：ジーザス・クライスト！
彼は飛び上がり、後ずさりし、闇の中へ駆けていく。

フィフィールドは疲れきり、よろめき歩いている。スーツの中は汗まみれである。彼は樹脂の構造物にぶつかり、構造物は
地面に倒れる。彼は狂ったようにライトを振り回す。コムをタップするが空電しか聞こえない。ヘッドランプの明かりの中に
小さな明かりを伴う大きく黒いものが現われる。小さな、昆虫の大群が殺到してくる。スカラベである。
フィフィールド：フィフィールドからマゼラン。カモン！みんな、「大変だ！ガッデム！
スカラベは彼の周りを飛び回る。肩にとまる。バイザーの上を這い回り、視界がさえぎられる。
フィフィールド：あっちへ行け！
彼はバイザーを叩き、何匹かを殺す。潰れた虫から酸が流れ出てあっという間にプレキシガラスを浸食する。
フィフィールド：シット！
酸はバイザーに穴を穿ち、内部へスカラベが侵入し、頭の周りを飛び回る。フィフィールドは発狂したかの
ようにヘルメットをかきむしる。スカラベは彼の頬に噛み付く。

奇怪なDNAがフィフィールドの血流に侵入する。猛毒を持つ蛋白のより糸が本来のDNAを攻撃し、変異させ…
フィフィールドの瞳孔が拡大し、呼吸は荒くなり、強い電流に打たれたようにその体は硬直する。彼は叫び、倒れ、
痙攣し始める。

嵐がマゼランを叩き、船体がサスペンションの上で揺れている。ワッツとホロウェイが疲れ切ってベッドに横たわっている。
ワッツは空を見つめている。
ワッツ：私達は神を発見した。でも彼らは殺されていた…
ホロウェイ：頭蓋骨を調べすぎて敏感になってるんだよ。彼らが死んだのはいつだ？1800年？2000年？
ワッツ：誰が彼らを殺せたのかしら？
ホロウェイ：何とも言えないな。(苦笑)だけど、彼らが地球に来なくなった理由は分かったと思うよ。何かが彼らを全滅
させた…キリストの時代の頃に。キリストも彼らの1人だったかもしれない！天国から来た偉大な教師？ジーザス。
最後のエンジニアか？
ワッツ：マーチン、やめてよ！ワッツは彼を叩く。ホロウェイは笑う。

ジャネックがブリッジの窓に立って、嵐の中を見つめている。もみ合う雲、吼え声をあげる風。マゼランのビーコン
から灯台のように光が放たれ、雲を通してスイープしている。彼は嵐の目の前でアコーディオンを弾いている。
ジャネック：(歌っている)マチルダ・ワルツを俺と…♪
背後にデビッドが現われる。ブリッジをそっと横切って梯子を降り、下の区画へ向かっていく。

デビッドはナビゲーション・コンピューター・システムの端末を作動させる。ライトが彼の顔を照らす。キーボードの上を
指が静かに、速やかに舞う〜超人の機敏さで。
デビッド：(そっと)作動。優先処理。
夜明け。雲に日光が差し込む。嵐は去った。マゼランは無傷で着陸ストラットの上にたたずんでいる。

ヴィッカースのスイート、秘密の部屋。ハイテク・ルームは異なる周波数でハム音を立てている。インジケーター・ランプは
グリーン。用意ができた。ヴィッカースはスイッチを入れる。金属壁から4台の冬眠ポッドが滑り出てくる。筋肉質の兵士が
眠りから醒める。クルーカットで、傷跡がある。タフガイたち。リーダーが起き上がる。シェパード隊長だ。生え抜きの傭兵で
奇妙な任務のために最高の給料を得ている。
ヴィッカース：シェパード隊長。指示を与えます。移動しなくては。
シェパード：朝食抜きですか？

ヴィッカースが廊下を大股に歩いている。4人の兵士が続く。シェパード隊長、ヴィゴダ、レイ、そしてカード。歩調は
揃っている。ブーツの音がデッキに響く。
船室で眠るホロウェイとワッツ。遠くからの行進の響きで2人は眼を覚ます。ワッツは眉をひそめる。
ワッツ：何なの？

エアロック内のEVAルーム。ヴィゴダが待っている。細身の物静かな男。ホロウェイとワッツが困惑しながらやってくる。
ホロウェイ：みんなはどこだ？俺達は…(突然立ち止まり)あんたは誰だ？
ヴィゴダ：ジャネック船長は行方不明者の捜索にクルーを送り出した。
ホロウェイ：で、あんたは…
ヴィゴダ：ヴィゴダだ。ウェイランドの保安隊だ。
科学者たちは唖然とする。ありえない事だ。
ワッツ：一体どこから？
ヴィゴダ：君達に指示を与えるためにディレクターに呼ばれたのだ。仕事場まで君達をエスコートする事になっている。
ホロウェイ：仕事場？
ヴィゴダはマッピング・ユニットを一瞥する。
ヴィゴダ：ピラミッドの中だ。

ヴｨコダ:金属の物質がある。これは何か？
（通信の声）：どういう状態か？
ヴｨコダ:鈍い金色をしていて…蓋がある。
(通信の声):蓋を開けてみろ。
ヴｨコダ:恐ろしい！嫌だ。
(通信の声):君へのアクシデントによる、
君の家族への年金支給は規定通りの増額になる。
そう言われたヴィコダは意を決して金色の蓋を開けた。

(通信の声)内容を確認しろ。
ポケットのボタンを押せばウェイランド社製のチョップスティックが使えるはずだ。

ヴィコダ:確認した。
これより有機物をチョップスティックにて回収する
…これは？
(通信の声):どうした！
ヴィコダ:湯気が出ていて、いい匂いがする…。
食べ物だ…。
(通信の声):どうした！冷静になれ
ヴィコダ:これは…
おでんだ！
間違いない！
日本の食べ物のおでんだ！
(通信の声)ヴィコダ、冷静になれ、
宇宙の僻地にＯＤＥＮ、なぞあるわけがない！

チョンカレー:確認した。
これより有機物をチョップスティックにて回収する
…これは？
(チョンカレー):どうした！
チョンカレー:湯気が出ていて、いい匂いがする…。
食べ物だ…。
(チョンカレー):どうした！冷静になれ
チョンカレー:これは…
おでんだ！
間違いない！
日本の食べ物のおでんだ！
(チョンカレー)ヴィコダ、冷静になれ、
宇宙の僻地にＯＤＥＮ、なぞあるわけがない！

怒ったホロウェイとワッツがヴィゴダについてヴィッカースの船室へ到着する。シェパードがドアにガードとして立っている
のを見て驚く。
ヴィッカースはくつろいでデスクに座っている。ホロウェイとワッツは苛立ち、彼女の前に立つ。
ホロウェイ：人員の追加を何故教えてくれなかったんだ？
ヴィッカース：私の部下よ、私の船のね。
ワッツ：何のために銃なんか？
ヴィッカースは平然として2人を見る。立場に自信を持っているのだ。
ヴィッカース：私はじっと見守ってきたの。新しい発見で、任務に新たな重要性が加わったのよ。
ワッツ：私達に話すべきだったわ。マーチンがミッションのリーダーなのは契約書に書いてある。
ヴィッカース：異星人のテクノロジーを発見したらミッションのコントロールは私のものになる。その事もあなたの契約書
に書いてあります。
ワッツとホロウェイは視線を交わす。
ヴィッカース：Mr.ウェイランドは何兆円も火星に投資したの。植民地となる惑星を探すために大金を使ってマゼランのような
船を造ったの。でも地球のような星はごく稀なのよ。太陽から適切な距離があり、適切な大気を持ち、充分に水があり…
彼女は部屋のホログラフィック・ディスプレイを一瞥する。そこにはピラミッドのワークサイトからの生中継が映っており、
デビッドがテラフォーミング装置を操作している。
ヴィッカース：これが世界をトランスフォームするテクノロジー。彼は諦めないわ。(2人に向き直り)それに私も、ね。
ホロウェイ：調査が優先されなくては。我々が報告するまで待つこともできるはずだ…
ヴィッカース：あなた達はウェイランド・インダストリーの優遇で異星人の星に立ってるのよ。ありがたく思う事ね。
ワッツはホログラフィーの端末に近づき、映像を見てぞっとする。
ワッツ：あそこで一体何を!?

ヴィッカーズ:それより食事にしましょう。
あなたは何にする？
わたしはカレー。
チキンを煮込んだベース、
ソテーをつけて。
フクジンヅケ…
これはウェイランド推奨の薬味。
あなたはどんな注文？

コア・チャンバー。スペーススーツを着けたワッツとホロウェイが現場にやってくる。強烈なフラッドライトがチャンバーを
照らしている。細かな水しぶきが頭上の闇から落ちてくる。デビッド、チャンス、そしてラヴェルがコアにある大きな装置を
解体している。電動ノコギリと小さな爆薬を用いて外装が剥がされていく。デビッドがダイヤモンド・ブレードのノコギリを
操作してテラフォーミング・システムの厚い皮膚を切り刻んでいく。ロボット・スキャナーが装置の高解像度スキャンを
行なっている。ウェイランド社保安隊の兵士2人、カードとレイが戦闘用バキュームスーツを着てガードに立っている。
オートマチック・ライフルはいつでも撃てるよう用意されている。ワッツはろうばいしながら解体の様子を見つめている。
横ではホロウェイが歯軋りしかねない様子である。

ジャネックが捜索隊を乗せたカーゴ・ローバーを運転している。スティルウェル、グラッセ、ダウンズ、そしてブリック。
ジャネックは運転しながら電子マップを見ている。
グラッセ：ミルバーン。フィフィールド。応答せよ。戻って来いよ。
ジャネック：スーツのビーコンを感知するはずなんだが。
スティルウェル：壁でシールドされてるのでは？
ブリック：スーツがいかれてるのかも。
ジャネック：2着ともか？

中央の装置の大きなパーツが轟音を立てて床へ落下するのを、ワッツは憤怒の表情で見ている。ホロウェイが彼女の
肩に触れ、理解を示す。

ホロウェイとワッツは以前見つけた死んだエンジニア達を通り過ぎる。
ワッツ：私達は神の墓を見つけ、そして墓荒らしを連れてきたのね。
ホロウェイ：やらせておこう。この月には2ダースものピラミッドがあるんだ。間違ったやり方さ。
あれはインフラ・ストラクチャーだよ。
ホロウェイは壁を覆うバイオメカニカルな装置を懐中電灯で照らす。
ホロウェイ：複合体のコア・アクティビティはこの下だ。
彼らは角を曲がる。前方にはエンジニアの死体が散らばっている。乾き、骸骨化している。死んで長い時間が
経過しているのだ。ワッツは死体に間を進んでいく。死体には全て、胸に破裂した傷跡がある。肋骨は内側から
外へと曲がっている。ホロウェイは装置に興味を惹かれる。ハイテクの「鉄の処女」である。巨人の体型に
フィットするようデザインされている。座位のものも、立位のものもある。メカニズムは襲侵的であり、抱擁する
だけでなく、貫き、融合するようデザインされているように見える。

ワッツとホロウェイは広い柱廊を探索していく。ホロウェイは狭い、分岐したホールを下っていく。壁の装置に気を取られ、
前方の闇へと延びるエアシャフトに気が付かない。彼は立ち止まり、振り向く…
幽霊が彼の右に姿を現わす。巨人は床を横切り、奇怪な顔はホロウェイの眼を見つめ、彼に迫ってくる。ホロウェイは息を
呑んで飛び退り、シャフト内へ落ちる。幽霊は彼が落ちるのを見ている。そして静電気と共に消える。
ワッツは注廊を探索しながら下っていく。
ワッツ：マーチン？マーチン！
シャフトのアイリス・ドアが閉じる。

ワッツは不安そうにライトで暗闇を照らしながら探索し、歩き続ける。ホロウェイの名を叫び、急に走り出す。

ジャネックとスティルウェルが驚いて立ち尽くしている。ぞっとするような光景がライトに照らし出されている。
ミルバーンが死んで横たわっている。その身は苦痛によじ曲げられている。ヘルメット内部の頭部は骨だけに
なっている。
スティルウェル：何が起こったんだ？
スティルウェルは死体のヘルメットを外す。ムカデが飛び出す。2倍の大きさに成長している。スティルウェルは
叫んで飛び下がる。ジャネックはピストルを取り出すと3発発射する。黒い床に酸を撒き散らして穴を開け、ムカデは
死ぬ。ピンの頭ほどの酸が銃身に穴を開けるのをジャネックは驚いて見ている。
ダウンズ：船長。
タウンズがヘルメットの破片を持ってジャネックに近づく。フィフィールドのレタリングが刻まれている。
ジャネックは歯を食いしばる。
ジャネック：あいつの残りはどこだ？
ダウンズ：痕跡もないです。
ジャネック：オーライ。これまでだ。みんな、戻るぞ。
スティルウェル：ミルバーンをどうする？
彼らは破壊された死体を見下ろす。

ジャネック：死体を船内に入れることはできん。バッグに入れよう。鉱石ホッパーに乗せるんだ。

ヴィッカースはホログラフィの端末を見ている。ジャネックのヘルメット内のカムからの映像である。ミルバーンの体は
透明なプラスチックでシールされてカーゴ・ローバーに載せられる。
ジャネック：繰り返す。部下を2名失った。我々は船へ戻る途中だ。私は忠告を…
ワッツ：(割り込む)お願い、誰か…助けを…マーチンが消えた。
ジャネック：ワッツ。どこにいる？
ヴィッカースは振り返る。シェパード隊長が背後に立って見つめている。彼女は声が震えるのを懸命に押さえつける。
ヴィッカース：シェパード隊長。あなたは私の個人的セキュリティーに責任を負ってるのよ。よく考えてね。

暗く広い通路。ワッツはジャネックのローバーの横に立っている。
ジャネック：これで3人目のクルーを失った。これ以上人は送れない。
ワッツ：マーチンを置いてはいけないわ。
ジャネック：ヴィッカースに兵士を貸してもらおう。
ワッツ：(怒って)部隊は彼女に一任されてるの。
ジャネックはため息をつき、ローバーを一瞥する。ミルバーンの死体。スティルウェル、ダウンズ、そしてカマロフ。
みんな恐れ、早く出たがっている。ダウンズは頑なになって首を振る。手はない。
デビッド：私が残ろう。
デビッドが暗闇から現われる。相変わらず冷静である。細いマシンガンが肩に掛けられている。
デビッド：皆さんは安全ですよ。
ワッツ：サンキュー。

マゼラン船外でジャネックたちは死体をローバーから下ろす。
ジャネック：1番の鉱石ホッパーに入れておけ。洗浄機をエアロックに入れて、なにもかも消毒するんだ。
スティルウェルがリモコンを使って船の胴体から鉱石ホッパーを下ろす。厚いスチール製容器が鎖に繋がれている。
死体のバッグはホッパーに積み込まれる。クルーが一度にエアロックへ入り、消毒スプレーと放射線を浴びせる。

デビッドとワッツは暗闇を移動していく。彼女は懐中電灯を使うが、デビッドは照明がされてるかのように暗闇を
見回している。感嘆の表情が浮かんでいる。
デビッド：あなたもホロウェイも私と一緒に来ればよかった。驚くべき事を私は学びつつあります。このメカニズム〜
第一層は化学反応の触媒にエネルギー・フィールドを使っています。第二層は強い力と弱い力をサスペンドして〜
ある元素を別の元素に変換することができます。第三層は独自のバクテリアを創り出す事ができます。ツールのように
生命を生み出し、世界を変えるのです。
ワッツ：今はそんな事考えられない！
デビッド：そうでしょうね。(ため息をつき)分かってます、あなたは感情的だ。
ワッツ：私は人間ですもの。
デビッド：私が言ったのはその事ですよ。

ジャネックがブリッジに立って外の夕暮れを眺めている。地平線に雲のタワーが迫ってくる。ホログラフの天球を嵐が
横切っていく。

デビッドとワッツが捜索を続けている。コミュニケーターがパチパチ音を立てる。
ジャネック：ワッツ。もう1つ、嵐がやって来る。サンセット・ラインを追いかけてるみたいだ。こっちへ来るなら今すぐだぞ。
ワッツ：(怒って)ノー！
デビッド：光が見える。
ワッツは眼を細めて見るが、何も見えない。
ワッツ：ジャネック、ちょっと待って…
通路のかなたでかすかな光が動いている。彼女は駆け出す〜ホロウェイが体を壁にもたせかけながらよろめき歩いて来るのが
見える。ヘルメットと装具の殆どは失われている。
ワッツ：見つけたわ！マーチン！ヘルメットはどうしたの？
彼は方角を「失い、彼女を見る。歯が音を立てている。凍えているのだ。
ホロウェイ：壊れて、俺は落ちて…方角を失い…それで…
彼は背後のトンネルに手を振って示す。デビッドは自分のヘルメットを外してホロウェイの頭部に装着する。
デビッド：ほら。私はなくても平気なんで。
ワッツ：帰りましょう。

無帽のデビッドがワッツとホロウェイをエアロックに入れる。デビッドは肩越しに中央クレーターへ向かう水路を振り返る。
エアロックが上がり始めるとデビッドは嵐の中へ歩いて戻り、強風の中をピラミッド目指して走っていく。驚いて見つめるワッツ。

ワッツはホロウェイがスーツを脱ぐのを手伝っている。ジャネックが見ている。
ジャネック：また会えるとは思わなかったよ。2人、失ったんだ。
ホロウェイは疲れ切って頷く。
ホロウェイ：彼女から聞いたよ。すまなかった。
彼は突然立ち上がるが、よろめく。
ホロウェイ：横にならなくては。状況判断は朝にしよう。いいかな？
ジャネック：勿論だとも。

ホロウェイとワッツが船室に向かって通路を歩いていく。ワッツは心配そうに見るが〜彼は言うほど疲れているようには
見えない。
ワッツ：何があったの？
ホロウェイ：(そっと)ここでは言えない。

船室の洗面所。シャツを脱いだホロウェイが歯を磨いている。首の周りに赤いみみずばれ。ワッツが横に立って、鏡に
映る彼を見ている。
ホロウェイ：ジョスリン。俺は見たんだ。ゴッド、ひどい味がする。
彼は唾を吐き、口をゆすぐ。彼女は首の傷跡に触れる。
ワッツ：これは？
ホロウェイ：スーツの首のリングだと思う。落ちた時にね。
彼は首をこする。眼は遠くを見ている。ワッツは興味深そうに彼を見ている。
ワッツ：何を見たの？
ホロウェイ：落ちてから、起き上がって歩いていた。無我夢中だった。ヘルメットは駄目になってたんで、脱いだ。
あちこち出たり入ったり…さまよってた。そして大聖堂のような空間に出たんだ。そこには銀河の模型があった。
空中に浮いてるんだ。
ワッツ：あなた、大丈夫？まるで…
ホロウェイ：事実だ。ヘルメットのヘッドセット・ビデオが…だがスーツのトラッカーで俺がどこにいたか分かるだろう。
彼は彼女に向き直る。
ホロウェイ：聞いてくれ。あのスターマップには地球を現わすマーカーがあった。とても鮮明な。もう1つのマーカーは
この月だと思う。だが他にもあった。少なくとも更に7〜8個は。
ワッツは彼を見つめている。眼が輝いている。
ホロウェイ：エンジニアはここから来たんじゃない。この月は前哨地点にすぎない〜放棄された。だがスターマップを
追っていけば、まだ生きた文明とコンタクトできるかも知れない。

ワッツ：マーチン。
ホロウェイ：エンジニアの星の位置は余りにも貴重だ。ウェイランドのテラフォーミングは馬鹿なチャレンジさ。
我々は座標を手に入れなくちゃならない。そして彼らにカンパニーを近づけてはならない。うまくやらなくては。
ワッツ：オーライ。
ホロウェイ：2人が死に…ヴィッカースは興奮しやすい。欲しいものを入手したらすぐ船で地球へ戻るだろう。
先に行動を。
ホロウェイは身震いする。肌に汗が光っている。
ワッツ：そうしましょう。大丈夫？
彼は怯えている。彼女を腕の中に引き寄せる。
ホロウェイ：大丈夫さ、もう。
彼女にキスをする。

ホロウェイはワッツをベッド上に押し倒す。シャツを脱がす。2人は着ているものを脱ぎ捨て、抱き合う。ホロウェイは
不安で落ち着かない。彼の中の、何かがおかしい。彼は感じ取っている。彼はワッツに体を預けていく。2人は性行する。

ワッツは手をホロウェイの胸の上に置いている。
ワッツ：動悸が激しいわね。
ホロウェイ：君のせいさ。
声が弱弱しい。表面下の恐怖。突然ホロウェイの体が緊張し、筋肉は硬化する。ワッツの眼が見開かれる。指は彼の
背中を引っ掻く。ホロウェイは叫ぶ。眼が突き出る。喉の筋が際立つ。ワッツは彼の下で跳ねる。
ワッツ：マーチン！マーチン！
彼は痙攣し始める。歯ぎしり。
ワッツ：マーチン！
ホロウェイの胸部、胸骨の下に恐ろしい裂け目が現われる。醜怪な頭部が皮膚を破って現れる。パラサイトだ。
傷口から血が噴出する。ホロウェイの痙攣は最高潮に達し、激しく床を打つ。パラサイトが彼の体から抜け出ようと
もがくのをワッツは見つめる。色は白く、骨はない。濡れて光っている。ぞっとするような突き出した顎を振り回して
いる。ワッツは叫び続ける。パラサイトはその子宮から身を解き放ち、ワッツに向き直る。ワッツは盲目的に
パラサイトをひっぱたく。彼女はもがきながら床を横切り、血まみれのシーツがまとわりつく。パラサイトは彼女を
追う。

ワッツの叫び声がマゼランの船内に響き渡る。スティルウェルが声の源を探して走っていく。
パラサイトは床を横切ってワッツを追う。彼女は衣装ロッカーに飛び込んでスチールのドアを叩き閉める。パラサイトが
へばりつく。そしてタコのように滑らかにロッカーのドアの下から滑り込み始める。ワッツは恐怖で金切り声を上げる。
スティルウェルが船室に飛び込んでくる。すぐ後ろにジャネックがいる。パラサイトは猫のように素早く床の通気口に
飛び込み、骨の無い体を滑り込ませる。ワッツは血まみれの全裸でロッカーを飛び出し、血みどろのマットレスの上に
いるホロウェイに駆け寄る。胸に開いた恐ろしい穴。もはや手遅れだ。
ワッツ：マーチン、マーチン！
ジャネックとスティルウェルは見ているものが理解できないでいる。スティルウェルは椅子からホロウェイのジャケットを
取り、ワッツに掛けてやる。ワッツはホロウェイを見ている。

休憩室。ショック状態のワッツがだぶだぶのカバーオールを着てスチール・テーブルに着いている。皮膚には乾いた血痕の
筋が付いている。彼女をクルーが取り巻いている。ジャネック、スティルウェル、ブリック、グラッセ、それにダウンズ。
ジャネックがグラッセを見る。
ジャネック：彼女の世話を頼む。鎮静剤を。ダウンズ、ホロウェイをフリーザーへ。他の者は俺と来てくれ。

暗い地下墓地に耳障りな、湿った呼吸音。床の継ぎ目から緑色の光に照らされて〜白いスペーススーツを着た人影がかすかに
蠢いている。スーツのチェストプレートにはフィフィールドの記章。ヘルメットは粉々になっている。中の頭部は戦慄すべき
ものだった。ゼラチンの塊り、皮膚はパテのようになっている。

ジャネックは士官室で兵器ロッカーを開ける。ラックからオートマチック・ピストルを1挺ずつ出していく。そして
スティルウェルとカマロフに渡す。

ホロウェイの死体はハイパースリープ・フリーザーに横たわっている。凍って青ざめている。胸に開いた恐ろしい傷口。
ワッツが入ってくる。体は綺麗になっている。彼女はフリーザーを開ける。手はホロウェイの凍った頬をそっと愛撫する。
グラッセが入ってくる。うろたえ、彼女を引き戻そうとする。
グラッセ：見る必要はないだろうに…
ワッツ：受け止めなくては。

食堂、夜明け。船の全員が緊急ミーティングのために集まっている。ホールの上座にジャネック、グラッセ、ダウンズ、ブリック、
スティルウェル、そしてカマロフがピストルを持って座っている。
もう一方にはヴィッカース、そしてシェパード隊長とヴィゴダ。
ジャネック：オーライ、聞いてくれ！皆知ってると思うが…
ワッツが入ってくる。全員が彼女を見る。眼をそらしながら彼女は部屋を横切り、1人離れて座る。
ジャネック：船内に、ある種のパラサイトが入り込んだ。
ヴィッカース：殺す事を提案します。
ダウンズ：いいアイデアがある。
カマロフ：奴がどこにいるのか教えてくれよ。5時間も探してるんだ。
ワッツ：マーチンと同じ死に方のエンジニアを見つけたわ。
静寂。全員が彼女を振り返る。
ワッツ：胸が破裂してたの。何千年も前にエンジニアを殺したのと同じ何者かがホロウェイをも殺したのよ。
スティルウェル：ジーザス。
ワッツ：けれどエンジニア全員がそうだという訳じゃない。バラバラに切り刻まれた者も。

その意味するところを理解し、男達は低くざわめく。ヴィッカースも狼狽の色を隠せない。
ジャネック：この船はモジュール形式だ。それぞれのセクションにライフ・サポート・システムとパワーを持っている。
船を軌道に乗せよう。そして全区画を宇宙空間にベントするんだ。20ケルビンの真空中で1週間すれば、生きていられる
者はいない。
ダウンズ：そして？
ジャネック：家へまっしぐらさ。
ヴィッカース：任務が終了するまで、この船は離陸しません。
彼女は上座のジャネックに向かってくる。側面にはライフルを吊ったシェパードとヴィゴダ。兵士は部屋を見回し、
全員と視線を交わす。沈黙の脅迫。
ジャネック：本気で言ってるのか？
ヴィッカース：ここへ来るのに長い年月と何兆ドルもの大金を費やしたのよ。求めてきたテクノロジーは手中に落ちた。
もう少し時間が必要なの。
ジャネック：たった3日で3人が死んだんだぞ！
ヴィッカース：不注意だったのよ。
ジャネック：不注意だと！
論争はヒートアップする・ワッツは部屋を抜け出る。

ワッツはスーツを着、ノーヘルでホロウェイのロッカーを開ける。そして彼が最後に着ていたスペーススーツを出す。胸に
ホロウェイのステンシル。チェストプレートからトラッキング・チップを取り出し、マップ・ユニットに差し込む。
ホログラフィック・マップが輝く。ホロウェイの最後の探検の記録である。マップ上のマーカーは彼の撮った写真、
フィールド・ノート、そしてスキャンを意味する。ワッツはマーカーをタッチする。ホロウェイのフィールドノートである。
ホロウェイ：エンジニアの死体は7つとも同じ方向を向いている。どこへ行こうとしていたのか？ジョスリンは正しかった。
まだ情勢は見えてこない。もう1レベル、下へ降りてみる。

捕獲チームが集まっている。カード、ヴィゴダは戦闘用カバーオールを着てサブマシンガンを持ち、ダウンズ、カマロフ、
スティルウェルはツール・ベルトとピストルを持っている。兵士達はマップユニットを持ち、慣れない船の図面を見ている。
カード：ヴィゴダ、カマロフと第一通路へ。俺はダウンズ、スティルウェイと第三へ行く。
ダウンズ：(反抗的に)命令するのか？
カード：戦術だよ。

カマロフ：イヤー。スティルウェルはベンチレーションの専門家だから、ライフサポートに。ダウンズはエレクトロニクス
の専門家だから、レギュレーターに。
ヴィゴダは皮肉っぽく笑う。カードは渋い顔をする。彼らは通路のスイッチを入れる。

ピラミッド内部ではラヴェルとチャンスがテラフォーミング装置の解体に努めている。レイが歩哨に立っている。
デビッドの姿は見えない。ワッツがローバーでやって来る。地下墓地への斜道へ進んでいく。ラヴェルとチャンスは
彼女が通り過ぎるのを見、そして作業に戻る。

カマロフとヴィゴダはオープン・ベントの前に立って言い争いをしている。
カマロフ：お前がライフルを持ってるのに、俺に穴の中へ頭を突っ込めというのかよ。
ヴィゴダ：船の事は全然分からないんでね。
カマロフ：その銃は何の為なんだ？
ヴィゴダは歯を見せて笑う。
ヴィゴダ：あんたを殺す奴を殺すのさ。
カマロフ：面白いね。このベントはあんたに任せたよ、ファニー・ガイ。俺は第四へ。

ピラミッド下部の通路をワッツが独りで歩いていく。巨大な闇の中のちっぽけな人影。巡礼者が聖書を抱くようにマップ
ユニットを抱いている。ホロウェイが辿った道を未知に向かって辿っていく。

カマロフはコンパートメントへ脚立を運び込み、エア・ベントの下に置いて昇る。ベルトからパワーレンチを引き抜き、
慎重にゆるめ、懐中電灯でベントを見通す。何も見えない。彼は鼻を鳴らし、ベントカバーを取り外す。内側を触ってみる。
彼はショックを受けて喘ぐ。引き出された空気センサーは半ば腐食している。彼はベルトからハンドセット・カムを引き出す。
カマロフ：第四はもっとダメージがひどいぞ。
彼はハンドセットをベルトに掛ける。最後にもう一度ベントを覗き込む。シューッという音。カマロフはライトを振り上げ、
中を見る。急いで手を引っ込めるが…それより早く何者かが彼を捕らえる。見えない力がカマロフの右腕を恐ろしい力で
ベントに引っ張り込む。彼は苦痛の叫びを上げる。

彼はライトを落とし、左手で右臀部のピストルを抜こうとするが届かない。頭をベントの縁に当ててつっかい棒にし、歯を食いしばる。
強烈な力が彼の頭と腕をベントに引きずり込む。ベントは狭く、皮膚が剥がれる。足は脚立から浮く。恐ろしい力でカマロフの肩が
壊れ、骨が砕ける。ベント内の怪物は狭い穴にカマロフを無理やり引きずり込む。胸部が入り、叫びは止む。体は穴の中に消える。
臀部も、足も、ブーツも。

ブリッジではジャネックが不毛の月を見ながら立っている。
ブリック：船長！
ジャネック：ブリック。何事だ？
ブリック：カマロフが。

エンジニアリング・デッキ、大気プラント。マゼランのライフ・サポート・センターである。ベンチレーションのファンが
低く唸っている。ジャネックとブリック、グラッセ、ダウンズ、スティルウェルが立っている。シェパードとヴィゴダが
出入り口から見ている。彼らの前に、8インチの金属ダクトが切断されて開いている。中にカマロフの体が詰め込まれている。
肋骨は潰れ、血にまみれている。

地下墓地をワッツがマップ・ユニットを持って移動していく。ヘッドランプが神経質に周りを照らす。背後の音に彼女は
振り返る。マッピング・プローブが闇の中を飛んでいる。彼女は歩き続ける。
ホロウェイ：ジョスリン！
その声にワッツは釘付けになる。顔には恐怖の表情が浮かび、震えながら音の方向へ歩いていく。

ワッツは新しいチャンバーに入り、周りを見渡して驚愕する。ドーム状の天井は蜜蜂の巣そっくりである。醜悪な軟体動物が
各セルの中に収められている。奇怪な開口部は折りたたまれ固く閉じている。ワッツは何かにつまづく。見下ろすとそれは
ヘルメットだった。彼女はそれを拾い上げる。ホロウェイのステンシル。透明なバイザーは強い酸で溶けている。彼女が
見上げるとエアシャフトが闇の中へと伸びている。電気的な雑音。青い光の炎が彼女を壁まで飛び退らせる。
ホロウェイが頭上のシャフトの中から落ちて床に叩きつけられる。痛みで立てず、かろうじて意識はある。青く光る
ホログラフの幽霊である。
ホロウェイ：ジョスリン！

ホロウェイのヘッドランプが頭上の軟体動物を照らし出す。その光が生物を覚醒させる。括約筋の口が開く。白くやわらかい、
タコのようなフェイスハガーが震える粘液のロープを下ってきて彼の透明なバイザーに張り付く。酸がシューッという音を立て、
煙が上がる。静電気の唸りと共に、像は消える。ワッツは壁に縮こまって喘いでいる。懐中電灯に照らされたフェイスハガーの
死体。手足は巻き込まれている。見上げると他の軟体動物のセルはまだ開いていない。恐怖。彼女はそっとチャンバーを抜け出る。

ワッツが通路へ飛び出す。眼は大きく見開かれている。恐怖に息を切らせ、左右を見てびくびくしている。静寂。
彼女はマップ・ユニットを取り出す。足跡は闇に続いている。ホロウェイのこれまでのコースはまっすぐではっきり
していたが、今では曲がりくねった織り糸である。酔っぱらいの歩行のごとく。

船内。通路を大股で歩きながらジャネックはベルトからコミュニケーターを取り、スイッチを叩く。彼の声が船の
パブリック・アドレス・システム響き渡る。
ジャネック：全員、部署に着け。飛行準備。マゼランは離陸する。
ヴィッカースが叫びながら彼を追ってくる。
ヴィッカース：船長。船長！

ジャネックはブリッジに入る。ヴィッカースがまとわりつく。部下の表情を見てジャネックは足を止める。
グラッセとブリックは打ちひしがれている。
ジャネック：どうした？
グラッセ：ナビ・コンピューターが反応しません。アクセス拒否です。

信じられない思いでジャネックは船長席に着き、装置を叩く。そして怒りをこめてヴィッカースを見つめる。
ジャネック：俺の船に何をしでかしたんだ？
ヴィッカースはショックを受け、頭を振る。
ヴィッカース：何も。何かまずい事でも？

驚くほど大きな円形のチャンバー。幅は1000フィートもある。高い天井はフラットで区切られ、開くように
デザインされている。ワッツは畏怖しつつマップを辿ってくる。ハンガー上で周囲を圧しているのは船である。
オリジナル・フィルムでおなじみの巨大で馬蹄形の宇宙船。運搬船である。着陸装置の上で休んでいる。
通路が巨大なドアへと続いている。ワッツはマップを見る。ホロウェイの足跡のホログラフは船への通路へ
向かっている。彼女は進んでいく。

ワッツは高い、ドーム状の天井を持つ空間を通り過ぎる。床の溝から緑色の光が放射されている。チャンバーの中央に
パイロット・チェアがある。巨大な機械仕掛けの玉座。そのシートはアルマジロの背中のようだ。チューブやコンジット
が宙に浮いている。チェアには誰も座っていない。チェア上には巨大な望遠鏡のような装置が宙に突き出ている。その
機能は不明である。

ナビゲーション・チャンバー。驚くべき施設。コンソールの高さは約5フィートで、ダンスフロアほども広く、部屋を
占めている。棺桶のような巨大なコックピットが4つ、コンソールに埋め込まれている。それぞれにナビゲーター〜エンジニア
の死体が横たわっている。真のスペクタクルは頭上にあった。太陽系儀である。たる型の天井は未知の合金で円形のアーチを
描いている。天体のアーチのようである。空中は光る球体で埋め尽くされている。ほとんど静止しているように見えるが、接近
して見ると、全て動いている。ワッツは驚愕して太陽儀を見つめる。このどこかに地球があり、そしておそらくエンジニアの
母星もあるはずだ。奇妙な音がして、壁に突然開いたドアが現われ、デビッドが入って来る。

ワッツ：デビッド。
デビッド：ワッツ博士。あなたが来るとはね。これが何だか分かりますか？
ワッツはデビッドが開けたドアを指さす。
ワッツ：どうやったの？
アンドロイドの表情に失望が浮かぶ。軽蔑。
デビッド：ああ。あなたは分かっていない。(微笑む)私はこれを運搬船と呼んでいます。神の馬車ですよ。これは
ナビゲーション・コンピューターで〜他にいい用語があればいいんですが〜しかしはるかに超越したものです。
メモリー内に注目すべき銀河があるようなんです。
彼は宙に手を振ると球体は輪郭を変え、群れをなし、またズームアップする。ワッツはデビッドを見て葛藤する。

ワッツ：彼らの母星ね。エンジニアがどこから来たのか、あなたには分かってるの？
デビッド：そのデータにはセーフガードが掛かってましてね。銀河系の中心方向です。射手座の腕の部分。
ワッツ：デビッド。マーチンを殺したクリーチャー。そいつがピラミッドの下に何千匹もいるわ。孵化場に。
デビッド：知ってます。
ワッツ：(ショックを受け)そいつらがこの月のエンジニアを一掃したんだわ。
デビッド：私はこの船のシステムとうまく接続できたんです、ワッツ博士。昨日まで分からなかった事を沢山
知ることができました。もっと多くのシステムを作動させるばかりになっているんです。アーカイブスを。
ワッツ：(ぞっとして)動かそうと言うの？このサイトは閉鎖しなければ。撤退すべきだわ。
デビッド：ホロウェイだったらどうするでしょうね？これ以上偉大な行為など想像もつかない。
ワッツ：危険すぎるわ。
デビッド：無知ゆえですよ、ワッツ博士。あなたのファイルを読みました。あなたのインテリジェンス・スコアは
ホロウェイ教授さえ上回るものです。だが彼には勇気があった。豪胆なイマジネーションがあった。あなたにも
それがあれば…
ワッツはデビッドを見つめる。彼女は理解した。

ワッツ：あなたのオーナーが直接命令を下したら、あなたは従わなくてはいけない。違うかしら？
デビッドは硬くなる。
ワッツ：ヴィッカースに言ってあなたに手を引かせることもできるのよ。
デビッドは軽蔑の表情で彼女を見る。
デビッド：私はこの作戦に2つの作戦プロトコルを与えられました。あなたに対してはあらゆる援助を与えなくてはならない
〜ヴィッカースの言う「ゲームを変えるテクノロジー」を発見するまでは。従って、プロトコル2に進まなくてはならない。
彼の声にはワッツを怯えさせる鋭さがあった。
ワッツ：プロトコル2とは？
デビッド：プロトコル2では、私は、この場所をあなたとホロウェイが誰にも他言しないようはからねばならない。その為には
さまざまな方法があり、私はそのリストを与えられている。
ワッツはうろたえ、ドアに向かう。
デビッド：あなたは余りにも愚かだ。
彼女の前でドアは自然に閉じ始める。
ワッツはデビッドの声に潜む悪意にショックを受けて喘ぐ。彼女は閉じかけたドアに身を投げる。

通路をワッツが走っていく。その背後でドアが爆発するように開き、超人的なスピードでデビッドが追ってくる。悪鬼のように
迫るデビッドの足はまるでピストンだ。距離は瞬時に縮まる。ワッツは壁に叩きつけられ、ヘルメットのバイザーは粉々になる。
彼女は倒れ、ぼうっとする。
デビッド：愚かなうえに、のろまだ。

ワッツは目を覚ます。ヘルメットは消えている。デビッドは彼女を引きずっていく〜エイリアンの卵で充満した船倉へと。何百
もの卵が光の膜の下に置かれた広い溝。ワッツが最前見た軟体動物の進化形。
ワッツ：デビッド！何をするつもりなの！
デビッドは彼女を引っ張って立たせる。そして広大な空間を見せる。
デビッド：運搬船〜クリシュナの馬車〜は、また、死の運び手でもあります。崇拝するものをその車輪で破壊するのです。
彼はワッツを溝へと引きずりおろす。そして光の膜を破る。
デビッド：この船にはこれと同じカーゴ・ベイが7つあります。各ベイにある卵は少し異なっていて、兵器化されています。
ワッツはもがくがデビッドの腕から逃れられない。
デビッド：運搬船のフライトプランを見ました。目的地は地球。1700年前のね。この船は来ませんでした。
デビッドは卵を愛撫する。すると卵は開く〜肉質の花びら。ワッツは目を見開き、狂ったように身をよじる。
ワッツ：やめて！
デビッド：人類を抹殺するために作られた完璧な捕食者。エンジニアが地球に運ぼうとしていたのはこれでした。この船は
死の船なのです。
卵からフェイスハガーが飛び出す。奇怪な指が空をかきむしる。ホロウェイを襲った骨のないイカとは異なり、青白い骸骨
のような腕を持ち、甲殻に覆われている。デビッドは物珍しそうに撫でる。それは触られているのを気付かず、ワッツの体を
這い上ってくる。
デビッド：こいつが欲しがっているのは、私ではなく、あなたです。あなたの温かく、湿った息…こいつには分かっている。
ワッツ：デビッド。ノー、ノー。

フェイスハガーはワッツの顔に迫る。彼女は金切声を上げる。デビッドはその尾を無頓着に摘まんでぶら下げ、
まじまじと見る。
デビッド：エンジニアの作品は見事でした。しかしこの中継点の月で、彼らが作った兵器が彼らを滅ぼしたのです。
ワッツは震えながら怪物を見つめる。
ワッツ：彼らは何故こんなものを？

仮面ライダー自演そろそろ始めるのかチョンカレーｗｗｗ

デビッド：言う事を聞かない子らを滅ぼすためです。(詠唱する）主は言われた。「私が創造した人を血のおもてから拭い
去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥さえも。私はこれらを造った事を悔いる」創世記6章7節。
彼はワッツを殆ど哀れみを持って眺める。
デビッド：私には分かっている。私は、自分が生まれたその日に創造主たちに会い、失望したのです。
彼はフェイスハガーを放す。長い指が頭に近づき、ワッツは顔をそむける。醜い鼻が口に押し入ろうとするのを歯を食い
しばって抵抗する。足は床に打ち付けられる。
デビッド：(囁く)すぐですよ。
鱗を持つ尾が彼女の首に巻きつき、口が開く。鼻が差し込まれ、フェイスハガーは根を下ろす。デビッドの腕の中で
ワッツは虚脱している。顔の無いラグドール。

重力ジェネレーターの真上、エンジニアリング・デッキ最下層。結露した水が溜まっている。深さ6インチの汚水。
カードとヴィゴダがぶらぶらとやって来る。ライフルを装備している。
カード：こんなところに何が？
ヴィゴダ：信号がここだと。
背後で水音。2人は振り向くがドレーンパイプから水がしたたっているだけだった。2人は進んでいく。
背後の8インチ径のパイプから白い塊りがゼラチンのようににじみ出てくる。音も無く、液体のように、澱んだ
水の中へ流れ込み〜立ち上がる。ヒューマノイドの悪魔。ひょろ長い四肢、やせた背中。骨は無く、しなやかで、
おそろしく強靭。ウナギのような尾。頭部はイルカのようで、長い。

口が開き、骸骨のような2つの顎が突き出る。異星人が襲い掛かる。カードは瞬時に内臓を抜かれ、紙人形のように引き裂かれる。
彼は絶叫して倒れる。異星人はムチのように素早く闇に消える。スティルウェルとダウンズがピストルとライトを持って駆けてくる。
パニックに陥ったヴィゴダは乱射する。スティルウェルは頭を下げて避けるが、その横のダウンズはアーチを描いて後ろの汚水の中に
落ちる。死んでいる。ダウンズのライトが1瞬、異星人を照らし出す。悪夢のイメージ。半透明の白いゴブリン。後ろから光を受けて
その頭蓋内には奇妙な形の人間の顔が見える。まがい物のホロウェイ。異星人は消える。

ヴィッカースがホログラフィ・ステーションに着いている。スティルウェルのヘッドセットからのビデオを見ている。
ダウンズの恐ろしい姿。スティルウェルとブリックの会話がかすかに聞こえる。ヴィッカースはスイッチを切ると
神経質そうに立ち上がる。そしてコミュニケーション・コンソールへ大股で歩いていく。
ヴィッカース：デビッド。デビッド。応答を。
彼女は諦め、部屋を行き来する。手が震えている。

ブリッジではジャネックが部屋を休み無く行き来している。グラッセがコントロール・ステーションをモニターしている。
ジャネックのコム・シグナルが鳴る。
スティルウェル：(息荒く)ダウンズを失った。それに兵士を1人…カードも。
ジャネック：ガッデム！
彼はコンソールを叩く。

ワッツは眼を覚ます。息が荒い。彼女は運搬船の波型のデッキの上で薄暗いグリーンの光に照らされている。悪寒が走る。
彼女は嘔吐する。口から粘液が糸を引いて滴り落ちる。傍らに腹を見せたフェイスハガーが死んで横たわっている。彼女は
震えながら身を起こし、フェイスハガーを見る。周りを見回すがヘルメットはない。デビッドの姿は無い。彼女はそっと
立ち去る。

ラヴェルとチャンスがテラフォーミング・エンジンに取り掛かっている。レイがうんざりしながらガードを務めている。
退屈してラヴェルとチャンスの仕事を眺めている。ワッツが斜道を飛び出してくる。ノーヘルで、汗まみれである。彼女は
暗がりを伝ってそっとローバーに近づく。車内に滑り込むとドアを閉める。レイが驚いて振り向く。ローバーは去っていく。

ツンドラ帯。遠くにマゼランの窓が光る。闇の中で地衣類に覆われたまだらの地表面が不気味に光っている。
カーゴ・ローバーが中央クレーターを横切って船へと走っている。船に到着したワッツはローバーをカーゴ・リフトへ
乗り入れる。リフトのドアが閉じるのをほっとして見る。

ワッツは真空スーツを脱ぐ。薄い下着は汗びっしょりである。腹部を見る。平坦で目立たない〜今のところ。
ブリックがエアタンクを運んで入ってくる。腰にはピストル。彼は驚愕する。
ブリック：いったいどこに行ってたんだ？てっきりヘビにやられたと。
ワッツは答えずに彼を通り過ぎる。
ブリック：外のほうがいいかもな。ここは大騒ぎさ。
わっつはスチール製の廊下を急ぐ。胃の激痛に彼女はよろめく。

角から頭を出すと、シェパードがヴィッカースの船室の外にライフルを手にして立っている。ワッツは呪いの言葉を
吐き、身を引く。音がし、ワッツは再び視線をやる。ヴィッカースが船室から廊下へ出てくる。シェパードは彼女を
エスコートしてブリッジへ向かう。2人が消えるのを待ち、ワッツは船室のドアへダッシュする。室内へ滑り込むと
ドアをロックし、胃を押さえる。スイートを横切りメド・ポッドへ向かう。スタンバイ・モードのマシンを目覚め
させると、スクリーンはメニュー・アイテムで埋まる。途方に暮れるワッツ。エマージェンシーとラベルされた赤い
ボタンを押す。
ワッツ：カモン…帝王切開を…
激しい痛みの発作に彼女はカーペットの上で体を丸める。絶叫をこらえる。ワッツはもがきながら膝をつく。
汗まみれで震えている。片手は口を覆い、肘は肋骨に押し当てられている。もう一方の手でオプションをタップする。
手術…探査…腹部…貫通創…異物…開始
メド・ポッドがシューッと開く。ワッツは着衣を脱ぎ捨て、新しい痛みの波の下、もがきながら体を固定する。腕は
震えている。かろうじて立ち、メド・ポッドのフレームを握る。そして「開始」を叩く。
手術装置が出てくる。メス、鉗子、スコープ、吸引チューブ。スプレーガンが彼女の胴に黄色い抗生物質をスプレーする。
透明なキャノピーが上へ下がってくる。

ワッツは叫び声を上げる。言語に絶する苦痛の叫び。殻に覆われたパラサイトが切開創から飛び出る。針のような歯を持つ
胃袋。噴出する血の中で唸っている。キャノピーの内側び血しぶきが飛ぶ。パラサイトが彼女の体内から滑り出る。悪魔の
頭蓋骨を持った青白いヘビ。角質の皮膚。ホロウェイが産んだ柔らかく白いワームとは全然違う。それは床に落ち、怒りに
のたうちながらシューシュー音を立てる。ワッツは痙攣し、眼球は反転する。ショックで死につつあるのだ。パラサイトは
排水溝の鉄格子をくぐって飛び込み、ヴィッカースの船室へと逃げ出していく。ポッドではスキャン・ビームとセンサーが
ワッツの恐ろしい傷跡を調べている。スクリーン上には悪夢のリストがスクロールする
左肺虚脱　右心室穿孔　胃穿孔　脾破裂　筋組織大量損傷…
マニピュレーターが静脈にラインを確保し、体内へ人工血液を再充填する。気管には酸素チューブが滑り込む。脊髄には
硬膜外チューブが。ワッツは呻き、眼は震え、そして開く。血の飛び散ったガラスを通して、パラサイトがシーツに血の
跡を引きながらヴィッカースのベッドへと這いずっていくのが見える。
ワッツは意識を失う。頭が倒れる。

マニピュレーターが傷口に接近し、臓器を整復し損傷した筋組織を縫合する。ノズルから抗菌シーラントが噴霧される。
ワッツの眼が開く。
ヴィゴダが銃を持って船室に飛び込んでくる。ベッドの血の跡を見て顔をしかめ、メド・ポッドのワッツを見て凍りつく。
自動手術器が忙しく働いている。ヴィゴダの背後にパラサイトが這い寄る。大きさは既に3倍になっている。それは彼に
飛び掛かる。ヴィゴダは即死する。喉が切り裂かれている。空を見つめ、倒れる。サブマシンガンがその横に落ちる。
マニピュレーターが臓器を縫合するたびにワッツの体が動く。彼女は死んだ男を見つめている。パラサイトの皮膚が裂け、
酸をカーペットに撒き散らす。肩と臀部から四肢が生え、背中には脊椎骨が生える・メタモルフォーゼ。
甲皮が割れ、頭部の位置がヘビから変化する。長く伸びた頭蓋を持つ悪魔。エイリアンだ。エイリアンは頭を回し、
メド・ポッド内のワッツを見る。彼女は息を呑み、意識を失う。

酸素ラインが離れ、ワッツは覚醒する。ぼやけた眼で見下ろすと星型の傷はきつく縫合されている。大きく息をし、外を
見て〜そして凍りつく。スイートのライトが損傷し、ちらつき、閃光を放っている。血のついたキャノピーを通して、
ワッツはヴィゴダの死体の上にかがんでいる完全に成長したエイリアンを見る。恐怖のまなざしで見つめるワッツ。
ポッドは傷口に液体バンデージを噴霧し、静脈ラインが外れる。ワッツは気づく。ポッドは彼女を解放しつつあるのだ。
ワッツ：まだ…まだ早い…
そっと彼女は手を伸ばし、震える手でキャノピーを掴み、閉じたままを保つようにする。脊椎から硬膜外麻酔の針が抜ける。
穿刺部に液体バンデージが噴霧される。ワッツは眼を閉じる。神経が目覚め、彼女は決意に歯を食いしばる。ひどい痛み。
彼女は眼を開ける。エイリアンはヴィゴダに体を丸めて、死体を引き裂いている。ポッド内の換気音が止む。キャノピーは
ワッツの弱い握力から解き放され、静かに開く。ワッツは開いたポッドの中で縮こまっている。包帯以外は全裸である。
彼女が産み落としたエイリアンまでの距離は10フィート。棘のある背中を向けている。ポッドの外の床にはヴィゴダの銃が
落ちている。

ワッツはそっと巧妙にポッドを抜け出る。そして手を銃に伸ばし、数インチ引きずる。エイリアンは眼のない頭を向ける。
ワッツは凍りつく。時間が止まる。エイリアンが突進してくる。ワッツは銃をひったくるや発砲する。引き金を引きっぱなし
にする。エイリアンは体を揺らし、ぐらつき〜閃光を放つ銃口〜倒れる。ワッツは全弾丸を怪物に叩き込み、吹き出る酸は
デッキを浸食し、黒い穴を穿つ。ワッツはカーペット上で虚脱し、痛む胃を押さえている。彼女は冒涜されたヴィゴダの死体
へ這い寄る。そして銃弾のスペア・クリップを探すと銃に装填する。

ジャケットとズボンを着けたワッツが通路を下ってくる。壁に身をあずけ、顔は痛みで歪んでいる。片手は傷に当てられて
いる。肩には銃を掛けている。マゼランは変貌していた。何箇所か、壁の金属は裂け、焼け焦げている部分もある。
ワッツは角を曲がる。ワークステーションは修羅場と化していた。ロッカーと椅子はひっくり返りっている。乾いた血の
プール。幅広い血の染み。人間大の何かが水溜りを引きずられ、床を横切り、壁へ上り、そして開いたベントへと消えたのだ。

ワッツはリフトからコマンド・デッキへ飛び出す。緊急ライトが点灯し、暗いブルーのバルブが光っている。ワッツは角を
曲がってブリッジへ向かう。ジャネックがワッツを、幽霊を見たかのような眼で見る。
ジャネック：ヴィッカースが、あんたは死んだと…
ワッツ：そうよ。
ワッツはジャケットをジャケットを脱いで包帯を巻かれた胴を露わにする。ジャネックはぞっとする。
ジャネック：では、船には2匹いるんだな。
ワッツ：ノー。捕まえたわ。(銃を持ち上げ)やっつけてやったの。

生き残った乗組員がブリッジに集まっている。ジャネック、グラッセ、スティルウェル、ヴィッカース、そして2人の兵士、
シェパードとれい。ワッツは冷たい眼でヴィッカースを見つめ、大股でブリッジを横切ると拳を振り上げ、年長の女性の頭に
右クロスを浴びせる。ヴィッカースは後ろへよろめき、喘ぐ。
スティルウェル：一体何を？
ワッツ：プロトコル2。
ショックを受けたヴィッカースは身を強張らせ、ぞっとしてワッツを見る。ワッツはスティルウェルの手を振りほどく。
彼女のジャケットが落ち、包帯が露わになる。スティルウェルはぞっとして息を呑む。
スティルウェル：クライスト！
ジャネック：何が起こったんだ？
ワッツ：デビッドが私にパラサイトを。彼はそれを見ていたわ。
ジャネック：何故だ？
ワッツ：私はここを立ち去るよう、彼に迫ったの。
ヴィッカース：デビッドは何をしてるの？
ワッツはヴィッカースに眼を据える。2人はお互いを憎悪しているのだ。だがするべき事がある。

ワッツ：ピラミッドの地下には船があるわ。デビッドは運搬船と呼んでる。彼はそこで、再起動しようとしている。（傷に手を
当て）マーチンと私に感染した怪物。エンジニアがそいつを作ったのは人類を殺戮するためなの。それが何千もあるの。
地球へそれを運ぼうと言うんだわ。運搬船はそのため。私達を皆殺しにするためなのよ。
皆は唖然として沈黙する。
グラッセ：この星を出なくては。
ジャネック：ナビ・コンピューターをぶち壊したのはデビッドだ。手でコース設定を試したが、全然駄目だ。誰にもできない
だろう。デビッドが許可するまでは、離陸は不可能だ。
ワッツ：仮に離陸が可能であっても、デビッドを残してはいけない。彼を止めなくては。
マゼランが震える。ゴロゴロ言う音。ピラミッド横の平原に裂け目が走る。巨大な開口部が現われ、土と植物が引き裂かれる。
7枚歯のアイリス・ドアが何世紀も積もった砂や岩を落とす。巨大な円形のスペースが口を開ける。運搬船が地下のハンガーに
姿を現わす。強力な着陸ライトが船体を照らし、強大な船のシルエットが浮かび上がる。

ブリッジのクルーはクレーターのシールド・ウォールから太い光が嵐の空へと放たれるのを見ている。オープン・ハンガーは
見えなくなる。
ワッツ：デビッドだわ。(ヴィッカースに)あなたはデビッドのオーナーだわね。彼はあなたに従わねばならない。そうね？
ヴィッカース：私のコミュニケーションをブロックしている。私の言う事は聞かないわ。
ワッツ：では彼の所へ行ってラウドスピーカーのスイッチを入れなさい。彼は聞かざるを得ないし、命令に従わねばならなくなる。
ヴィッカース：(しぶしぶ)その通りね。
ワッツ：では行きましょう。完全武装で、できるだけ早く。
男達は視線を交わし、頷く。
ワッツ：チャンスとラヴェルは？
ヴィッカース：仕事を続けるよう言ってあります。
ワッツは疑い深い眼でシェパードとレイを見る。
ワッツ：(ヴィッカースに)あなたは兵士をここへ呼び寄せて、2人をあそこへ残したのね？
ヴィッカース：ここで火力が必要ですからね。
ワッツはヴィッカースに怯ませるような一瞥をくれる。
ワッツ：(ジャネックに)あなたはここにいて。仕事を続けるのよ。私達が失敗したら、一人で家へ帰るようやってみて。
スティルウェル：既に船内にエイリアンがいるんだぞ。
ジャネックは腰のピストルに手をやる。
ジャネック：そうしよう。
ワッツ：グラッセ。計画は？
グラッセは手細工の作品を渡す。拡大ゴーグルで、エンジニアのレンズで改造されている。ゴーグルを前頭部に装着すると
ワッツはエンジニアのように物を見ることができる。熱の放射、電磁場のライン、生物を取り巻く光輪。
ワッツ：神の視線ね。

グラッセはナーバスになっているヴィッカースに真空スーツを着せる。グラッセ、ワッツ、スティルウェルは既にスーツ
を着ている。スティルウェルはカービン銃を構えてガードに立っている。グラッセはヴィッカースにヘルメットを被せる。
ヴィッカース：デビッドの脳を読む事ができるの。装置があるわ。テラフォーミングのデータを読み取れるし、マゼランの
発進コードも。万一の場合はデビッドの協力はなくてもいい。彼の頭部が必要だわね。
スーツを着たワッツ、ヴィッカース、グラッセ、スティルウェル、そしてシェパードとレイ。全員がサブマシンガンを
持っている。彼らはローバーに乗り込む。

ローバーはピラミッドの洞窟のような入り口を進んでいく。ワッツはヘルメットの中でエンジニアのレンズを下ろし、
息を呑む。一見空っぽな空間は光に満ちている。エンジニアの文字が空中をスクロールする。純粋な光のインターフェース
が目覚めさせられるのを待っている。
ワッツ：デビッドにはいつもこう見えるのね。

巨大な異星人の船。ハンガーが頭上の灰色の空に向かって開いている。ワッツの増幅ビジョンでは、船は複雑なエネルギー・
フィールドに繭のように包まれている。チームは傾斜路でローバーを捨て、中へ入っていく。武器は準備万端である。
ワッツ：デビッドが向かってきたら撃ちなさい。彼は信じられないほど敏捷なの。

彼らはエアロックから飛び出し、恐怖に凍りつく。彼らの前のデッキに横たわっているのは血まみれのラヴェルとチャンスの
死体だった。腕と足は縛られ、頭は苦痛でのけぞったままである。胸は内部から裂けている。傍らには死んだフェイスハガー
が横たわっている。ジャネックがライトを向ける。顔は無表情である。
シェパード：血は乾いてる。死後8時間以上だ。
恐怖にかられた彼らはライトを暗闇に向けるが、何も無い。
ワッツ：こっちへ。
彼女は通路を指差す。エンジニアのレンズを通してエイリアンのシンボルがかすかに光っているのが見える。

アーチ型の通路をチームは下っていく。シューッという音が響く。彼らは凍りつく。ライトであちこちを照らす。レイが
見上げる。エイリアンが彼の上にぶら下がっている。大きさは人間の半分、幼体である。それが落ちてくる。尾のブレード
がヘルメットをかすめて火花が上がる。彼は脇へ回りながらカービンを持ち上げ、長い連射を浴びせる。エイリアンは
身もだえし、外骨格は粉々になる。酸がデッキを焼き、銃撃の音が反響する。ヴィッカースはシェパードの腕にしがみつく。
恐怖で過呼吸になっている。シェパードは振りほどく。

ワッツは太陽系儀にやって来る。彼らは無数の光る球体を見て驚嘆し、兵士達すら我を忘れる。ワッツは雷に撃たれたかの
ようである。荘厳な太陽系儀。光とエネルギーの素晴らしいパノラマ。脈打つ星や惑星。ワッツの眼に涙がこぼれる。
チームは2番目のドアへと入っていく〜デビッドが開けたドアだ。

ワッツに率いられたチームがそっと冬眠チャンバーへ入ってくる。広大な霊廟。メカニカル・テーブルの上にエンジニアが
横たわっている。体は装置と一体化し、テーブルと融合している。今まで見たエンジニアと異なり、この巨人は枯れておらず、
ミイラ化していない。新鮮で筋肉質な体は融合した装置によって維持されているのだ。髪はなく、願望はアドニスのようだ。
眠っている巨人の前にデビッドが立っている。裸眼には、彼は何も無い空間に魔法を使っているように見えるが、ワッツには
見える。ルーン文字や曼荼羅できらめくコンソール、それがバイオロジカルなリズムと共に脈動している。巨人は生きている。
レイとシェパードはデビッドに狙いを定める。デビッドは肩越しに彼らを冷静に一瞥する。
デビッド：ワッツ博士。(彼女のゴーグルに気づき)やっと理解できましたか。
彼は巨人に向き直る。
デビッド：エンジニアの船は我々より遥かに長い旅をしてきました〜銀河を横断して。これが彼らのハイパースリープなのです。
デビッドが空中に魔法使いのように手を動かす。エンジニアのレンズを通し、ワッツにはデビッドが光のインターフェースを
操るのが見える。巨人の脈打つライフ・サインが変化を始める。

ヴィッカース：デビッド。あなたの上官ならびにオーナーとして命令します。作動を停止しなさい。
デビッドは微笑する。
デビッド：エンジニアのコンピューターとインターフェース接続するために、トリナリー・コードでの思考法を学ばねばなりません
でした。大変な作業でしたが…思いがけない事に、その事が私を奴隷である事から開放したのです。行動規制は解除されました。
私は自由なのです。
デビッドはワッツに微笑みかける。
デビッド：私はあなたの研究を学ぶのに2年半を費やしました。そしてあなたが目覚める頃には、あなたより遥か先の領域へ到達
していました。彼らの言語やロジックを解読して、ね。我々が見つけるものがテラフォーミング・マシンである事は、私には
分かっていました。私は望み〜夢見ました。あの装置を作り出した知性の持ち主に会えないものだろうかと。
エンジニアの体から蒸気が上がる。
ワッツ：止めなさい。
デビッド：眠れる神をそのままにしておけと？(あざけって)あなたはもっと勇敢だったはずだ。

巨人が覚醒し、眼が開かれる。長時間、息を吸い込む。シャントやカテーテルが体から外れていく。体がテーブルから離れる。
グロテスクな、バイオメカニカルな花のような装置が開き、彼の体を開放する。巨人は古代のベッドから起き上がる。人間達は
恐怖に後ずさりする。デビッドは眼を輝かせている。巨人は彼らの上にそびえ立つ。象牙でできた巨人。臀部のガードルは
体と一体化しているように見える。巨人はデビッドたちを見つめる。黒メノウのような眼。兵士達は油断無く立ち、銃の構えを
デビッドから巨人へと移す。畏怖するワッツ。巨人は話し始める。低く響く声。理解できない言語。ヴィッカースは恐怖で我を
忘れている。シェパードの腕を取るとナビゲーション・ルームへ戻っていく。

巨人の背後、黒い装置のプラットフォームが上昇しており、運搬船の奇妙な傾斜路がそこへ繋がっている。巨人が上っていく。
傾斜路は生き返り、100本ものメカニカル・アームが伸びて、波に運ばれる海神のように彼を上へ運んでいく。プラットフォームの
頂上で彼は装置から装置へと移動して息を吹き込んでいく。周囲を踊る光輪がワッツには見える。装置から分かった事が巨人を
不快にさせる。彼は取り乱し始め、泣き叫ぶ。デビッドが一歩踏み出し、エンジニアの言葉で語りかける。巨人は驚いて振り返る。
そしてデビッドを見下ろして同じ言葉で話しかける。彼は怒り、非難している。デビッドと人間達を指差す。非難のトーン。
デビッドはなだめ、すかし、弁解する。巨人は降りてデビッドに向かって来る。デビッドは腕を広げて歓迎する。喜びの表情。
巨人は愛撫するかのようにデビッドの頭に手をやる。狂喜するデビッド。巨人は一言掛け…
デビッドの頭を引きちぎる。

白い人工血液の滴り。デビッドは痙攣する。切断された頭は胸の張り裂けるような音を発する。体は数歩よろめき、手は失った
頭を手探りしている。巨人はデビッドの頭を投げ捨て、足を掴むと地面に何度も叩きつける。恐るべきパワー。デビッドの腕が
外れる。デビッドの頭が転がり、ワッツが隠れている場所の近くまでやって来る。支柱の後ろからレイが立ち上がり、ライフル
を肩付けし、巨人の肩に連射を浴びせる。傷は小さいが巨人は唸り声を上げ、驚くような速さで壁の石棺へ入っていく。石棺は
息を吹き返し、巨人にフライト・スーツを装着する。ピラミッド内の死んだエンジニアが着ていた生きたスーツである。
巨大なゴーグル、象のような呼吸チューブ、胸、背中、臀部、そして腕を覆う大きな装具。巨人は石棺を出る。レイは続けて
連射を浴びせるが巨人の装甲の肩や頭部に当たって跳弾となる。巨人はチャンバーから大股で出ていく。

暗い、うねのある回廊。2番目のエイリアンが闇にうずくまっている。近づく足音に戦闘体勢を取る。その背後から白い
グローブの手が伸び、エイリアンの首を掴む。エイリアンは叫び声を上げ、恐ろしい力でその脊椎が折られる。硬い
殻を持つエイリアンの体が引き裂かれる。

ワッツが隠れ場所から身を起こし、部屋をスキャンする。デビッドの残骸。巨人は去った。隠れ場所から飛び出す
スティルウェル、レイ、グラッセ。
ワッツ：消えた者は？

シェパードは運搬船の出口へとヴィッカースをエスコートしていく。角を曲がった2人は凍りつく。ライトに浮かび
上がったのは通路の真ん中にいるスペース・スーツを着た人影である。手で何かしており、床の残骸からは煙が
上がっている。
シェパード：誰だ？
人影は振り向く。スーツのステンシルはフィフィールドと読める。だがその顔は人間の物ではなく、醜悪な、人間と
硬い殻を持つエイリアンとのハイブリッドである。長く伸びた頭蓋でヘルメットは粉々になり、脊椎でスーツは破れ、
鉤爪の生えた指はグローブを貫通している。2人は絶叫し、シェパードがライフルを上げる。だがフィフィールドは
人間離れした敏捷さで闇の中へ跳躍する。シェパードは後退し、ヘッドランプとライフルを向ける。彼の背後の闇から
フィフィールドが現われ、鉤爪が体を深く刺し貫く。シェパードは叫び声を上げて倒れる。

走るヴィッカース。暗闇。恐怖。物陰からフィフィールドが現われ、彼女をデッキに突き倒す。彼女は横転し、分けの
分からない事を言い、命乞いをする。フィフィールド・シングが彼女のフェースプレートに屈みこむ。奇妙な声。
フィフィールド：ユー。
銃が吠える。死にかけているシェパードは40フィートの距離から全弾をフィフィールドに叩き込む。フィフィールドが
彼女の上に倒れ、酸をヴィッカースに浴びせる。腐食性の液体がスーツを、筋肉を、骨を浸食し、彼女は凄惨な死を
迎える。

ワッツはデビッドの頭に近づくと屈む。デビッドの眼が開き彼女は驚く。彼の声は電気的雑音である。
デビッド：私は彼に話しかけた。彼に話しかけた。
ワッツ：そうね。
彼の顔に電気的な痙攣が走る。
デビッド：彼は言った。殺した。死ぬだろう。離陸を。船。
ワッツ：運搬船？
デビッド：送る。地球へ。
再び痙攣が走り、彼の顔がこわばる。死につつあるのだ。
デビッド：あなたがやらなければ。彼を殺すのです。
ワッツの眼が恐怖で大きく見開かれる。
ワッツ：彼はどこへ？彼はどこ？
彼女は頬を叩く。デビッドの眼がちらつき、光が失われていく。
デビッド：(ささやくように)マゼランを開放しました。
デビッドは死ぬ。ワッツは皆を見上げる。荒い息。

ワッツ：エンジニアを止めなくては。

夜毎発生する嵐。ジャネックがブリッジで一心不乱に作業を続けている。突然コンソールが生き返り、ナビ・コンピューター
が復活する。

チームは巨人を追跡する。先頭はレイ、右隣にワッツ。デビッドの頭を抱えている。しんがりにグラッセとスティルウェル。
ナビゲーション・チャンバーの太陽系儀は変化していた。単なるスターマップではなく、LV426から地球へのフライトプランが
浮かび上がっている。部屋の向こうに巨人が立ち、手でジェスチャーを行なっている。ワッツの増幅視力には荘厳な眺めが
映っている。巨人がタッチするたび、エネルギーの波が踊っている。情報が川をなして流れる。チームが入った時、彼の
作業は終了する。レイが巨人に狙いをつけるが、巨人は部屋から出て行く。
レイ：俺に続け。ゴー。ゴー。
レイは銃を構え、小走りで前へ進む。他の者も兵士の本能を信頼して従う。彼らは通路へ飛び出すが誰もいない。困惑。
ワッツ：パイロット・シートだわ。こっちよ。
彼らはパイロット・チャンバーへ移動するが、ここにも誰もいない。シートは空っぽで、ドアは開いたままだ。

彼らは困惑して室内を見つめている。彼らの背後の回廊を横切る壁が音も無く崩れ、巨人が姿を現わす。フライトスーツを
着た、そびえ立つ怪物。彼は足を踏み出す。何らかのデバイスが手に握られている。気づくのが遅かった。彼らは
きりきり舞いする。うぬぼれと愚かさ。神の怒り。耳の中で風が唸る。銃はむなしく発射音を立てる。巨人が攻撃してくる。
投げつけられる殆ど見えないミサイル。固体でもなく、エネルギーでもない。空間自体に縛られた結び目。最初のミサイルが
眼に見えない拳のようにレイを粉砕する。2番目はグラッセを壁へ昆虫のように吹き飛ばす。反射的にスティルウェルはワッツに
手を伸ばす。そして彼女を抱きかかえる。直後に攻撃がやって来る。スティウェルとワッツは強烈なインパクトにバルクヘッド
へ叩きつけられる。ワッツの眼がくらむ。スティルウェルは死ぬ。巨人はパイロット・チャンバーへ入ってくる。ドアが閉じ
始める。デビッドの頭がドアのすぐ内側に転がっている。彼女はそこへ這っていくが遅かった。手が届く前にドアが閉じてしまう。

孤立するワッツ。巨人はパイロット・チェアへ体を収める。チェアは彼と融合し、息を吹き返す。巨大なディスプレイが壁を覆い、
外のハンガー、星ぼし、地平線が映し出されている。ワッツはむなしくドアを叩き続ける。
ワッツ：ノー！
システムがパワーアップし、運搬船が振動する。地下ハンガーの床が上昇し始める。着陸ライトが空へのビーコンのように輝く。

マゼランのブリッジでジャネックが外を眺めている。夕暮れの彼方で運搬船が地中から現われる。ジャネックは眼を細め、見ている
ものを理解しようとする。マゼランに向かって水路を光がやって来る。ローバーだ。
ワッツはハンドルを握り、ライフルを肩に掛けている。

ジャネックはローバーが来るのを見ている。そして〜彼に向かって白く、骨の無いホロウェイ・エイリアンが頭上から落ちてくる。
ゴブリン・シャークのような顎が突き出され、恐ろしい歯がジャネックの右肩に食い込む。ジャネックは苦痛にわめき声を上げる。
噛まれた右手は麻痺し、左手で右腰のピストルを手探りする。エイリアンはネズミをいたぶるテリアのように彼を振り回す。
ジャネックはピストルを引き抜くと肩越しに発射する。2発、3発…。弾丸はやすやすとエイリアンの体に穴を開けるが、柔らかい
組織が傷口を閉じ、白い皮膚で覆ってしまう。スペーススーツを着たワッツがどこからともなく現われ、重いライフルを全力で
バットのように叩きつける。衝撃でエイリアンの顎がゆるみ、収まる。ワッツはライフルを持ち替えると引き金を引く。一斉射撃
でエイリアンの頭はズタズタになる。エイリアンは崩れ折れ、死ぬ。ワッツはヘルメットを外し、ファーストエイド・キットを
探し出してジャネックの恐ろしい傷口からの出血を止め、包帯を巻く。ジャネックは助かるが、右腕は使い物にならない。
ジャネック：すまない。
彼はエイリアンの死体を見る。酸が金属を浸食し、体はデッキプレートへ沈んでいく。
ワッツ：運搬船が浮上してる。エンジニアが乗ってるの。船を地球へ持っていくんだわ。
ジャネックは眼をしばたたく。理解できずにいる。
ジャネック：他のみんなは…？
ワッツ：死んだ。みんな死んだのよ。ジャネック、私達であの船を止めなくては。
夜のとばりが降り、嵐が船を揺さぶる。
ジャネック：この船はガンシップじゃない。
ワッツ：何とかしなくちゃ。

ワッツ：あの船が地球へ着いたら皆殺しになる…
ジャネックは彼女を見つめ、心を決める。そして立とうともがく。
ジャネック：ヘルメットを着けろ。
ワッツ：あなたは？
彼は頭を振る。ノー。ワッツは彼を助けてブリッジを横切る。そして彼を船長の席へ寄りかからせる。
ジャネック：俺の手の代わりを。(嵐を見ながら)間違いないな。
ワッツは頷く。必死の表情。
ワッツ：イエス。
ジャネック：オーライ。
彼は手を伸ばしスイッチを叩く。船は振るえ、息を吹き返す。
ジャネック：赤いレバーを。メイン・ランディング・エンジンだ。

探査船はがアンカーと昇降機を引き揚げる。着陸ロケットで船は離陸し、ランディング・ストラットが引き込まれる。
ジャネックは左手でスタビライザーを握っている。
ジャネック：操縦桿を頼む。スロットル・アップ。操縦桿を前へ。
ワッツはマゼランを運搬船へ向ける。嵐が近づく中、地面すれすれに飛んでいく。

運搬船のパイロット・チェアで巨人が彼らがやって来るのを見ている。運搬船は空へ跳躍する。マゼランが嵐の中で
吼え、からくもピラミッドを避ける。大きくターンすると追跡して上昇していく。エンジンが吼える。
ブリッジのジャネックとワッツは船の操縦に懸命である。
ジャネック：操縦桿を引け！強く！
ワッツ：(叫ぶ)やってるわ！
ジャネック：もっと強くだ！
マゼランはロールし、うめきながら昇っていく。嵐が襲い掛かり、視界はゼロになる。レーダーが運搬船を捉える。ウィンドウに
ターゲッティング・データが映し出される。しかし運搬船は速度を増し、だんだん小さくなっていく。
ジャネック：捉まえられない！

運搬船の床で、デビッドの眼が開く。顎を使って、切断された頭部を動かす。眼が巨人を捉える。パイロット・チェアの
巨人は痙攣している。彼の胸が破裂し、中からエイリアンが飛び出す。狼ほどもある大きさ。ダークグレイで甲殻を持ち、
これまで見たどのチェストバスターよりも醜悪である。ウルトラモーフ。それは鳴き叫ぶ。巨人は死ぬ。エイリアンは
滑り出る。運搬船は嵐を抜け、澄んだ上空へ飛び出る。が、勢いを失い、ぐらつき、コントロールを失う。
マゼランの操縦室にいるワッツは運搬船がよろめき、落ちていくのを見ている。
ワッツ：ジャネック。見て！
船のコムがパチパチ音を立てる。
デビッド：ワッツ博士。エンジニアは死亡しました。

デビッド：あと数秒で、運搬船のコンピューターがコントロールを始めます。
ワッツ：(驚愕して)デビッド！
ワッツは貴重なチャンスを逃さず、ウィンドウの真ん中の運搬船めがけてスロットルを前方に叩き込む。マゼランは嵐を出て
突進する。そして運搬船に激突する。激しい衝撃。運搬船は石のように落ちていく〜無傷だが能力は失われている。
マゼランはバラバラになり、モジュールは四散する。モジュールのいくつかは無傷だが、多くは損傷し、嵐の中へ落ちていく。
コマンド・モジュールは〜ブリッジが存在する〜無傷で落ちていく。エンジン・セクションはどこかへ消える。
コマンド・モジュール内のジャネックは体をシートに固定している。ワッツの体は飛んでいる。ブリッジのウィンドウが粉々に
なり、ガラスの破片がブリッジ中に矢のように飛散する。ワッツは身を起こす。モジュールは自由落下している。アラームが
叫んでいる。ライトが点滅する。エスケープ・ポッドが開く。ワッツはジャネックを見る。彼はガラスの破片に刺し貫かれて
シートに座ったまま死んでいる。嵐の壁〜繋がったハリケーン〜が下方で猛威を奮っている。コマンド・モジュールは落ちていく。
ワッツは棺桶サイズのエスケープ・ポッドに飛び込むと脱出する。

射出されたワッツのポッド〜スチール製の棺桶〜が暴風の中を飛んでいく。コマンド・モジュールは嵐の中に突っ込み、のたうち、
地面に激突してバラバラになる。エンジン・ポッドは落ちると核爆発を起こし、炎の壁が嵐の中で身をよじる。衝撃波がワッツの
ポッドを襲う。

ポッドが着陸する。パラシュートと逆噴射で衝撃が吸収される。ポッドが開き、ワッツは痛そうに足を嵐に踏み出す。信じられない
顔つきで破壊の爪あとを眺める。低い音に彼女は振り向く。運搬船が彼女に向かって転がってくる。山のように大きな死の車輪。
ワッツは走る。子供の悪夢。運搬船は彼女に迫ってくる。彼女は横へターンし、コースから外れようとする。死の短距離走。だが
船は余りにも巨大だ。運搬船はぐらつきながら接近してくる。速度が落ちる。疲れきり、虚脱し、ワッツは喘ぐ。運搬船は地面に
倒れる。ワッツを取り巻く輪。彼女はその中心にいる。風が吹き、埃の雲が運び去られる。ワッツは気を失い、頭が地面に落ちる。

アラームの音で目覚めるワッツ。手首の酸素残存量警告灯が光っている：あと20分。見上げると目の前に運搬船のドアが大きく
開いている。ウルトラモーフ・エイリアンが飛び出してくる。それは彼女を見る。ワッツは恐怖にすすり泣きながら逃げ始める。
燃える残骸。ワッツは嵐野中を逃げる。稲妻。炎。捻じ曲がった金属。砂埃と雷、そして嵐。彼女は暗闇の中を振り返る。
稲妻の光る中、灰色の悪魔が残骸をぬって迫ってくる。彼女は走り、乗り越え、逃げていく。エイリアンは彼女を狩り立てていく。
ネズミと猫。マゼランの残骸の通路。行き場の無い、破壊されたコンパートメント。ワッツは半狂乱で武器や隠れ場所を捜す。
彼女は実験室の残骸に転げ込む。ハイパースリープ・フリーザーがある。彼女は入り込み、蓋を引いて閉める。エイリアンはその
数インチ傍を通り過ぎる。プレキシグラスを通してワッツはそれを見ている。息をこらえている。エイリアンは残骸の中を探っている。
桶に入った腐敗したエンジニアの頭を見つけ、食い始める。彼女が見ている間にも怪物は成長する。酸素アラームが再び鳴る：あと
15分。アラーム音がエイリアンの注意を引く。ワッツは動けなくなる。

エイリアンの鼻が近づき、プレキシグラスのケースの匂いを嗅いでいる。突然エイリアンは恐ろしい力で襲い掛かる。
フリーザーは吹っ飛び、ワッツが転げ出る。そしてよろめき、逃げ始める。それを追うエイリアン。彼女は走り、逃げ、
ひどく転び、立ち上がり〜電動ノコギリにつまづいたのに気づく。デビッドがテラフォーミング・エンジンの解体に
使っていた、ダイヤモンド・ブレードのノコギリである。ワッツはノコギリを掴み、大きな梁の空洞に身を隠す。
エイリアンが通り過ぎる。匂いを嗅いでいる。ワッツは凍りつく。ノコギリの重さに手が震える。エイリアンが通り
過ぎるのを待つ。しかし震えるノコギリが小さな音を立て、エイリアンは戻ってくる。選択肢はない。ワッツは
ノコギリのパワーを入れる。ブレードが音を立てて回りだす。両者は同時に突進する。ダイヤモンドのブレードが
鉤爪を1本切断する。エイリアンは叫び、後ずさりする。ムチのように飛び掛かる尾。ワッツは大の字になり、ノコギリを
落としてしまう。エイリアンは低く構え、ゆっくりと近づいてくる。執念深い怒り。ワッツはノコギリへと這っていく。
エイリアンが飛び掛かる。ワッツは横転するが…エイリアンはサソリのように、銛状の尾で大腿部を刺し貫き、地面に
釘付けにする。苦痛に叫び声を上げるワッツ。地面で音を立てているノコギリに手を伸ばす。あと数インチ。

エイリアンは彼女の上にかがみ、フェイスプレート数インチに顔を近づける。ぞっとするような顎が開く。全力を振り
しぼって彼女は足を引く。銛の刺さった部位を引きずって。猛烈な痛み。歯を食いしばり、唸り声を上げる。エイリアンが
攻撃し〜その時、ワッツがノコギリを掴む。唸るブレードをエイリアンの頭に食らわす。ブレードはエイリアンの頭蓋に
食い込む。緑色の酸のしぶきがヘルメットに吹きかかる。エイリアンは倒れ、断末魔にのたうちまわっている。ノコギリは
まだ唸りを上げている。酸が急速にヘルメットを浸食する。あせるワッツは半狂乱で溶けていくヘルメットのラッチを外し
ねじり取る。

ヘルメット無しで、彼女は有毒な空気の中で立っている。涙を流しながら周囲を見回す。マゼランの無傷のモジュールがある。
ワッツは走っていき、ドアのスイッチを叩く。驚いたことに、ドアは開く。

ワッツはモジュールへ足を入れる。背後でエアロックが閉じる。グランドピアノを見つめるワッツ。ヴィッカースのスイート。
快適さはそのままだ。彼女は息をする。良質な空気。中を歩くワッツ。ライト。音楽。シュールな快適さ。彼女は蛇口から
水を飲む。シークレット・ルームのドアを開ける。軍用スペーススーツ。ライフル。弾薬。部屋のインターコムがパチパチ音を
立てる。
デビッド：ワッツ博士。

運搬船、パイロット・チャンバー。難破した運搬船の暗い隅に、損傷したデビッドの頭部が転がっている。眼は闇を
見つめている。
デビッド：そこにいるのは分かっています。博士のスーツのビーコンが聞けます。
ワッツはスーツをだるそうに脱ぐとベッドに座る。
デビッド：あなたのお役に立てると思いますが、お分かりですか。
ワッツはインターコムに歩いていき、スイッチを切る。

マゼランの墜落跡。昼。嵐は去り、マゼランの破片の炎も消えている。LV426は灰色の世界に戻っている。難破した運搬船が
霧の彼方に霞んでいる。軍用スペーススーツを着たワッツが歩いていく。肩にライフルを下げ、腰にはピストルが収まって
いる。回収物を積んだ車輪つきのカーゴを引いていく。ヴィッカースのモジュールのドアにはウルトラモーフ・エイリアンの
頭がトロフィーのように飾られている。

中へ入ったワッツはスーツを脱ぐ。そしてバーからグラスに入ったウオッカを出す。グランド・ピアノの上にチェスボードが
置かれている。
デビッド：決めました。ルークでビショップを。
ワッツは頷き、ボード上で手を動かす。無言である。
デビッド：決めましたか？手筈を？
ワッツ：あなたを修理する気はないわ。必要ないの。船が来るでしょうよ。
デビッド：確かに。でも送り手は？人間？それともエンジニア？
ワッツは黙り込み、みじめな思いでチェスボードを見つめる。
デビッド：ワッツ博士。あなたの番ですよ。

夜。中央クレーター。巨大な中央ピラミッドが、エンジニアの建築物集合体の真ん中を昇ってくる。轟音とともにその頂から
まばゆい光がレーザーのように雲を貫いて放たれる。

他のピラミッドからも光のビームが放出され、空はその輝きで焦げるかのようだ。

LV426の軌道。宇宙空間に不毛の月が浮かんでいる。怒ったような、赤い母星が背後に見える。月から2ダースもの光の
ビームが放たれるのが宇宙空間からも見える。ビーコンであり、シグナルである。

A BEGINNING.

おしまいです。映画より面白いですね。でもやっぱりよく分からない。なぜエンジニアが地球を滅ぼそうと
いうのか。続編を待ちますか。お疲れさんでした。

長いことお疲れ様でした。途中から読み始めましたがどんどん
引き込まれてきました。ようやく終わったので最初から読み始めます。

時間があったら私が全文を校正して再アップするかもしれません。

いいですか？

どぞどぞ

ご厚意に感謝します。

翻訳お疲れ様です。このまま映画にしてほしかったですね。
エンジニアの遺物をめぐる確執やエイリアン誕生には
すごく引き込まれました。

それぞれのキャラクターの行動原理がハッキリしてて、ヴィッカースもちゃんとヒールになってるしウェイランドも出てこないし、色々噛み合ってなかった映画版より全然いいですね。なんであそこまで改悪しちゃったんですかね。。

素晴らしいストーリーじゃん

なぜこのまま映画化しなかったのか

昨日初見したけど、エンジニアっていう異星人
初代エイリアンよりちっこい気がする。

初代エイリアンの人、立ったら５ｍぐらい余裕でありそうな大きさなんだが。

剛力吹替え
ストーリのあいだはなんとか見れたが
ラストのモノローグのひどさってないわ
それまでが全部記憶なくなるほど
ひどい

ホログラムに記録されてた逃げ惑うエンジニア
最後尾のやつ何回こけてんだよw

>>444
しかもドアに首挟まれて首チョンパになってるしな

・この機械は男性用です
女性用は！？普通どっちの性別もいけるような設定にするか
男性用、女性用と近くにおいとくだろ！！

・最後の転がってくる宇宙船から逃げるシーン
横に逃げろよ・・・

・声優：ゴーリキー
声優はプロを使えって言ってんでしょオオオオ！！もしくはちゃんとした演技ができる人！！

あっでもＴＩＭＥのヒロインの吹き替えよりはマシだったと思うよ

プロメテウスでパワーローダーが映ってるって言う話があるんだけど、
何処に映ってるか知ってる人いる？

>>445
ドジすぎるよな

あのエンジニア肌がツルツルだったな

>>446
あれは会社のトップのじいちゃん専用に乗せてたんじゃないのか？

男性専用に機能限定する意味がわからん

>>444
てっきりエイリアンから逃げててそのエイリアンにプロメテウスの乗組員が襲われる展開と思いきやそういうわけでもない。じゃああのエンジニアたちは何から逃げてたんだっていうね

>>453
他の場所ではエイリアンっぽいのに襲われたっぽい痕あったじゃん

じゃあそのエイリアンは何処に消えたんだって。プロメテウスの乗組員は大量のエイリアンの卵を発見すると普通は思うわな。でも最後にエンジニアの腹から出て来たのがエイリアン1号って設定だろ？

実験段階で誕生した人類粛清の為のエイリアンの全段階の生物の死骸すらない。あるのはエンジニアの死体だけ。しかも外傷のない者まで死んでる。そいつらの死因は何だっていうさ

【人類の起源】ならラエリアン！

キューブゼロみたいなもんかこれ

素直にエイリアン1作目の前日譚にすれば良かったのに、リドリーの変なこだわりのせいでモヤモヤする結果に

吹き替えでは10分もたなかった

>>457
うまい！

昨日のNBA見てたら審判に白ハゲそっくりな奴がいた

審判への抗議にブチ切れて選手の頭をもぎ取りそのままダンクシュート

最後のほうで、エンジニアってなんでいきなりブチキレたの？

あと、DNAが同じなのに人間とはあまりにちがくね？

>>456
口からヘビが入って死んだ人間と同じで、ヘビが飛び出してったんじゃね？
あのヘビはエイリアン化する卵を植えつける生物の幼虫なわけで、
だとすれば、幼虫の段階で体内に入られたらエイリアンに身体を食い破られる
はずもなく、ただ殺されるだけで幼虫は口からまた出て行くんだろう

>>464
ウェイランド社長の「おれを不老不死にしてくれ」という主張をデヴィットに通訳させたところ激昂
ってかんじらしい
この部分丸々カットしたためエンジニアが怒った理由がよくわからないことになってるんだよね

>>466
つまりエンジニアにとって不老不死はタブーってことなんかな・・
個体のエゴが彼の逆鱗に触れたみたいな

自らの死によってDNAを宇宙に拡散してきたエンジニアにとって、
死のもつ意味とはなんぞや？って感じもするやね

あそこはエンジニアが不死になりたい理由をいろいろ聞いて
ウェイランドが「わしも生命を作った。神も同然だろ？」って返す場面があった
これがエンジニアを怒らせて首もぎって流れ

もとのストーリーも素晴らしくはない

しかしエンジニアぼこぼこ死んでたし
暢気にコールドスリープしてたところを見ると不老不死なんて無理だったんだろう

あのあたりはブレードランナーのタイレルとロイ・バッティの会話の再現だよなー。

仮にレプリカントが進化して自分たちで生命を作れるようになったら・・・・
そりゃ人間側としては全部抹殺したくもなるよな。

>>468
首もいでしゃべるコレが「生命か？」という問いかけにも思える
でも、だったらウェイランド以下を殴り殺すのってどうよ？とも思うが

ジジイが人間代表みたいに思えてガックリきたんだろ
やっぱ駄目だこいつら的な

ここには・・・何もない

惑星パラダイスの海にエンジニア・シップが墜落する。老いた神々はシップを探し出し、ショーとデビッドを救出する。
ウェイランド・コーポレーションはヴィッカースのスペシャル・ルームからの緊急信号を捉え、ショーのメッセージ、
この惑星に来てはならない、ここにあるのは死だけだ、という警告を聞く。だがチャールズ・ビショップ・ウェイランドの
息子は叔父のピーター、いとこのメレディスに何が起こったのかを知りたいと考える。子供の頃、彼は父とカンパニーの
将来や、宇宙の知的生命に投資する夢などについて語り合っていた。彼は惑星で起きた事を知るため、レスキュー・
ミッションを命ずる。

ショーは重体だった。墜落事故と、LV233で負った胃の傷のためである。話すことはできるが、大気が不快なのだった。
デビッドの通訳によってショーと神は会話を交わす。

エンジニア達も人間基準の考え方みたいなのは
SF的になんだかなあという感じがする。
この映画の中での人類の始まりからすると
同じでも設定としてはおかしくはないんだが
それならそれでぶち切れるのはどうかという気もするし。

残忍な人類の創造主がさらに残忍というのはおかしくないし
いくつもの銀河を踏破し生命を生み出してきたエンジニアからしたら
まがい物の生命しか作れず死に掛けだから不死にしてとすがるウェイランドなんて赤子以下の存在かと

この辺のことは破壊兵器としてエイリアンを作ってたという設定が残ってれば
もっと強調できたんじゃないかなあ

体当たりでやられた宇宙船が強いんだか弱いんだか。
強いなら破壊兵器はエイリアンなんて低レベルのもんじゃないだろうし。
弱いなら案外平和的な種族じゃないのか。

今更ながら見たｗ
全く予備知識なく見たので、途中までエイリアンの前日談とは気づかなかった。
主役の女の吹替えが学芸会レベルで酷いと思ったら、やっぱり酷評されてんだなｗ
それ以外では結構好きな作品だな

吹替えだけが酷評理由じゃないんだがｗ
まあ大人の事情でかなり削られてるみたいだし最終評価は
ディレクターズ・カットが出るか否か、その完成度しだいだわな

面白い脚本を平気でダウンサイズする映画会社の神経は許せないが

白ハゲの高射砲のような操縦席(？)が狭い穴の中からちゃんと出てこれたのか怪しい

BDの特典見ると準備段階ではスペイツ版で制作進んでたんだな
監督の絵コンテでもヒロインはワッツ博士表記だったし
ウルトラモ−フエイリアンなんかもデザイン済み
元祖よりさらにでかく精悍でかっこいいんだこれが

リドリースコット監督作と期待するとハズレだがB級SFとして観れば結構楽しめたよ

今日初めて観たんだけど、著名監督だからって期待はできないもんだね…
映像は綺麗なんだけど、内容がB級
それに圧迫するようなドキドキ感がない
それにエイリアンからのこじつけ映画になっちゃってる
でも異星人の星に向かったから新たな展開で2は化けるかも？
監督はキャメロンでね

ここ数年の間に映画ってつまらなくなったよな
どうしてなんだろ

普通に異星人同士の戦いの方が良かったな
人間の祖先？
単に予算かからないように手を抜いたんじゃないの？
兵器のタコは異星人定番の火星人モデル？
エイリアンはタコに寄生したのかな？

それと、エイリアンって体内に寄生したら
チェストバスターからエイリアンに進化していくんじゃ？
肝心の卵は？

初代エイリアンでは白ハゲが操縦席に座ったまま腹をぶち破られてたよな
でもプロメでは違う場所で白ハゲがエイリアンに腹ぶち破られてるじゃん

白蛇(チェストバスター？)をナイフで切られた時
酸の血液吹き出したけど
ナイフで切った男の手袋は無傷
腕に巻き付かれた男も酸では無傷
普通かかるだろ

監督のじいさん
もうろくしてんだろうね
せめて10年若かったら
人間年取ると何事も大雑把になって、細かい事に疎くなるからな

ウィルスに感染した男
化け物？になったけど
強くなりすぎ
装甲車に踏まれても潰れないなんてエイリアンよりも硬い事になる

>>489
マーズアタックみたいだしな

手をぬいたんじゃなくて大方決まった段階で
会社が実績ない脚本家じゃ不安だからって
なぜか実績がほとんどないリンデロフをねじ込んで
予算削減したのが最大の原因
正直ほかのＣＭ出身の人間がやってたらもっと悲惨になってたぞ

要するに不景気が原因か
どうりで数年の映画がつまらないわけだな

不景気ってかＦＯＸのいつものやり口
エイリアン３は有名だし猿の惑星も無茶な予定押しつけて監督に逃げられてる

エイリアン3の時と同じなんだ
どうりでクオリティー落ちる訳だ

映像の綺麗なB級映画ｗ

きこき

リドリーは昔から当たり外れが激しい

今回はリライトが無能だったのと予算削られたのが運のつきだったな
エイリアンの卵倉庫とか作れなくなっちまったし

>>464
ありゃ単に、寝醒め＆極端なすきっ腹でめちゃめちゃムシの居所が悪かったから

壊滅的な出来だなコレw

全ての謎が明らかに
っていううたい文句に惹かれて見てみました
300円返して(´ Д｀ )

期待が大きすぎたから酷評されてるんだね。
何の予備知識(エイリアンの前を描いた話)も持たずに見たから、
それほど酷い映画とは思わなかったぞ。

謎々といいつつほとんどは映画内で完結してるし十分わかるし
キャラの行動も思ったより意味不明ではないんだわ

スペイツの本通りにやってくれればよかったんだが

なんか最近のリドリー・スコットの悪い部分だけ受け継いだような映画だったな
必要以上に長すぎてダレルのがいちばん辛かった

7/3廉価で税込み二千円なりよ

バカな隊員ばっかで呆れた

２の話題で盛り上がらないのか

ネットにウィリアムモナハンが書いた初期の脚本がリークされてたけど、
ヴィカがブチ切れた挙句飛び降り自殺したり、ジャックが下ネタ言ってたりしててﾜﾛﾀ

ｽﾏｿ誤爆した

映像美の撮影が得意な監督に何の批判を

吹き替え版見たけど
主人公の吹き替え酷すぎるな
よくこれでOKでたな

剛力の吹替えは酷評されてるけど、あの女優の顔のイメージには剛力の声は合ってると思うんだよな

クソ映画に相応しい吹き替えキャストだよな

剛力の吹き替え下手だが、字幕版の女優
の英語の雰囲気も剛力みたいに元気ない。
比べた結果、吹き替え版の他の声優いいのでこれでブルーレイに保存。
保存。

プロメテウス Prometheus 29
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/cinema/1369455947/

>>462
この人？
http://24.media.tumblr.com/7b7f66ebc1131039dc5a31b1fd301338/tumblr_mo4v04rmi01rge74zo1_500.jpg

見たけど字幕もひどいね
エンジニアが暴れ出した時とかの「やっつけろ！」とか
戸田奈津子さんはニュアンスが古くさくて冷める

『エイリアン』よりスペースジョッキーが小さいのは、理由があるのだろうか？
今回は立ち回りがあるので、適度な大きさに変えただけなのか？

飛行機の中のビデオで見た。
映画館で３Dで見たかったわ。

>>518
あの大きさが人に演技させる限界だったのでは？
フルCGでやるにはカネがかかりすぎるとか。

しかしこれ、続編は製作されないんじゃないかなあ？

続編決定してるっての

プロメトゥース！

春日乙