どうせモテナイし小説家になろうぜ

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1恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ
小説家になれるまで
書きまくります
2('A`):04/04/02 00:15
氏ね
3('A`):04/04/02 00:15
氏ね
4('A`):04/04/02 00:16
俺出版社で編集してるからここで連載してくれ
良ければ採用するよ
5('A`):04/04/02 00:16
がんばれー。妄想ならお手のものだろう
6('A`):04/04/02 00:16
恋愛小説じゃないが小説は書いている。
7恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 00:17
実は俺文才0なんだ。
才能ある奴ここに書いてもいいよ。
8('A`):04/04/02 00:18
小さいころから自分を出せない子供だった









続きヨロ
9('A`):04/04/02 00:18
妄想力が超1流でも
文にするとなると話しが違ってくるからな。
がんがれ
10('A`):04/04/02 00:21
>>9
そんなもんなの?
11('A`):04/04/02 00:22
>>10
そんなもん。今思ってる妄想を文に変えて表すのは難しいと思うぞ
12('A`):04/04/02 00:23
ふーん。書いてみるか。
で、どんな話がいい?
13('A`):04/04/02 00:24
俺の仕事してる時に考えてるエロ妄想は半端じゃないぜ
14('A`):04/04/02 00:25
>>12
あんたの自叙伝
15('A`):04/04/02 00:25
>>9
禿同
妄想は得意なんで前に妄想を文字にしようと小説書こうとしたけど無理
16('A`):04/04/02 00:26
>>13
妄想がはっきりしてればしてるほどそれを言葉にしてどこからどこまでを伝えるか
というのが難しくなる。
17('A`):04/04/02 00:26
>>14
現在のところバットエンドだがw
18('A`):04/04/02 00:27
言葉だけで表現っていう分野は難しい
19('A`):04/04/02 00:28
超強い美形が超強い美形と殺しあうような話しか思い浮かばない
20('A`):04/04/02 00:28
自叙伝のエンド→死
バッドエンド→惨い死

お前がかく自叙伝に激しい期待。題名は霊界からの御案内か?
21('A`):04/04/02 00:29
それ嫌すぎw  恋愛関係ないしw
22('A`):04/04/02 00:29
>>19
お前は長者番付にのれるとおれがきめました
23('A`):04/04/02 00:29
創作文芸板でSSみたいのを書いて評価してもらったんだが
さんざんだった
24('A`):04/04/02 00:30
ssって何?
25('A`):04/04/02 00:30
我輩は童貞である職はまだない。
26('A`):04/04/02 00:30
>>23
勃起
27('A`):04/04/02 00:30
>>24
ショートストーリー
サイドストーリー
28('A`):04/04/02 00:30
>>24短編よりも短い話
29('A`):04/04/02 00:30
>>24
セガサターン
30('A`):04/04/02 00:31
>>22
ポスト菊池目指して頑張るわ
31('A`):04/04/02 00:31
これまで溜めた日記を繋いで小説ができないかと考えてる。
日記なんて断片の寄せ集めだけど、これがひとつの物語になれば楽しそう。
32('A`):04/04/02 00:31
>>23
まぁ、2chってそういうもんだよ。
貶してなんぼだから。
その晒したSSってのを、ここに書いてみてよ。
33('A`):04/04/02 00:32
なる。さんきゅ。
小説なんか小難しい言葉並べて表現すりゃいいと思ってた。
すごいな。なんか。
34('A`):04/04/02 00:32
二時創作を書いては消す生活してる
35('A`):04/04/02 00:32
>>34


ここは

匿名ですよb
36恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 00:33
色々書いてる奴いるみたいだな
オレはまだなんも書いてないから
書いてる奴なんか晒してみてよ
3733 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:34
よし。俺エントリー
38('A`):04/04/02 00:34
>>37
キタ―
3933 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:35
つっても小説なんか読まないし
どんな話がいい?ご希望は?
40('A`):04/04/02 00:35
>>32
今見るとダメだった理由がわかる作品だし、
あるスレの倉庫に収録してもらってて、
しかもそこじゃ初心者キャラで恥ずかしいから晒しません
41('A`):04/04/02 00:36
>>39
じゃあ怖い話でどうよ
42('A`):04/04/02 00:36
ここで連載すると、
著作権云々が問われないので、
お金は一切入ってきません。
43('A`):04/04/02 00:36
殺し屋をテーマにして欲しいな
44('A`):04/04/02 00:36
>>39
恋愛に偏ってばかりではいられんのでそれ以外。
ホラーとかやったら人の心の掴み方がわかるかもしれんぞ
45('A`):04/04/02 00:37
>>40
じゃあ、なんか新しく書こうぜ
46('A`):04/04/02 00:37
>>41とかぶた_| ̄|○
47恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 00:37
恥ずかしがるなよ
所詮は匿名だ
4833 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:37
怖い話いいね。
レットドラゴンとかボーンコレクターみたいなw
49('A`):04/04/02 00:38
恋愛を知らないからこそ、恋愛小説を書く意味があるんじゃね?
50('A`):04/04/02 00:38
>>45
思いついたら書いてみるわ
明け方まで暇だし
51('A`):04/04/02 00:38
>>47
おまいも怖い話を書く事
5233 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:39
恋愛からめた怖い話っていえばストーカー系だな。
うーん。怖い、、、
53('A`):04/04/02 00:40
>>52
リアルなのが書けそうだな・・・
54('A`):04/04/02 00:40
何か元ネタがあるとよいよね。メリーセレスト号とか。
船に乗ってた人が忽然と消えちまう奴。
5533 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:42
俺はオカルト系は駄目。現実に近い方が面白い。
56('A`):04/04/02 00:43
現実に近い怖い話を書いて
夏だし天気悪いし
57('A`):04/04/02 00:45
>>1
好きな作家は?
58恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 00:47
>>51
オレには無理だ
何も思いつかん!
>>57
小説は全然読まないです
5933 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:48
おっけーおっけー。
もう寝るが質問。
年齢は何歳ぐらいがいい?
あとどのくらいの字数がいいの?
60真希 ◆lWYtn5MZ2k :04/04/02 00:48
ゴミどもがクソ文か、おめでてーな
61('A`):04/04/02 00:48
レス数で凡そ50くらいがいい。
62('A`):04/04/02 00:51
>>23
あの板・・・っていうより2chで評価してもらわないほうがいいよ、彼ら見る目が無さすぎ
賞もらった作品を試しにうpしたんだが糞味噌に言われて終了だった

ってことを他板で書いたら同じ体験してる人が居たから間違いない
63('A`):04/04/02 00:52
>>58
小説読まないのに小説かけるわけねーじゃん・・・
64('A`):04/04/02 00:52
モテない男がくすぶってる話書いてよ。一番書きやすそうだし
6533 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 00:52
結構あるなw
ぼちぼち考える。
66どうせモテナイ小説家 ◆KHGlnmHvXU :04/04/02 00:54
参入して良いですか?
67('A`):04/04/02 00:55
>>62
そういう事もあるみたいだね
それを知ってから俺も晒さない事にしてる
まあ、叩かれたのは力量不足が理由だったってのは自覚してるけど
68('A`):04/04/02 00:55
>>66
参入しな
とりあえず一発短編でも書け
69恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 00:56
>>63
ああ、筆が進まないよ
>>66
いいよ、はよ書いて
70('A`):04/04/02 00:56
>>69
ワラタ
読まないのになんで小説書きたいの?
71('A`):04/04/02 00:57
やっぱり喪男には小説家志望の人がたくさんいたか
72('A`):04/04/02 00:57
>>71
俺もうすうす感ずいてた
7333 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 01:00
くすぶってるか、、

じゃあ出だしは
ワンルームの一室で学生がベットの上で寝そべっている。
部屋はパソコンの光だけがありたまに冷却用のファンの音だけがする。
男はうつろにカーテンの隙間の雨を見ていた。
いや、ただ目を開けているだけで眼球に雨が映っているだけにすぎなかった。
男の頭には視覚から入る情報は無くただ一人の女性のことだけを考えていた。

って感じで。w
うわ恥ずかしい。はい、批判忠告してくれ!
74('A`):04/04/02 01:01
>ワンルームの一室
 お前の感じて言える感情は精神的疾患の一種だ
 静める方法は俺が知っている俺に任せろ
75('A`):04/04/02 01:02
ファソのおとはたまにではないです。
76('A`):04/04/02 01:04
いい歳して恥ずかしいとか言わないで下さい
7733 ◆qQ6wK6czCM :04/04/02 01:04
ふむふむ。
とりあえず今日は寝る。思いっきり批判しといて。
78('A`):04/04/02 01:04
喪男は現実の世界ではのけ者にされっぱなしだから、せめて虚構の世界では王になって
君臨してやろうとバタバタもがいてるんだろうな。

漏れもそうなんだが
79('A`):04/04/02 01:05
もがいてもいない。この世にただ、いるだけ。
80('A`):04/04/02 01:06
ワンルームには一室しかないからな・・・
そういうアパートの一室、と書いたほうがいいんじゃないかね
81('A`):04/04/02 01:08
すごい官能小説読みたい
82('A`):04/04/02 01:10
>>73
その短い文章の中で2箇所も「の」が重複しているのは問題じゃないか?
83('A`):04/04/02 01:13
俺が昔某板で書いたヤツ

「……はぅっ……んッ」
 私に対する抗議。心緒の抑圧。忍辱。それらすべてを含んだ感情が吐息となってまりんの口から漏れる。
「どうしたんだい?」
 問うてはみたものの、答えは既に知っている。原因は私だ。だがしかしそんなことはお構い無しに私はまりんの胸に手を伸ばす。服の上からおおよその見当をつけ、先端と思われる場所を親指の腹で弾く。ビンゴ。
「あぅんっ……」
 身体を小さく震わせるまりん。
「駄目――だってばぁ……」
「なにが駄目なのかな?」
 問いながら、胸を揉む。揉むたびに、まりんの小さな乳首が固くなっていくのを感じる。
「……その、あの――色んなトコ……触るの……」
 す、とさりげなく右手を移動。まりんの太股――そして内腿へ。直接日に晒されることのない、その部位は肌理細やかさを保持し、程よい湿り気を帯び、掌に吸い付いてくる。
「……ひゃぅっ」
 愛嬌のある悲鳴に嗜虐心を掻き立てられる。
「辞めたほうが、良いのかな?」
 私は愛撫を止め、だがしかしその手は胸に添えたまま、問う。
「――ん、えーと――」
 照れたようにはにかみ、答えを濁すまりん。
「まりんが、本当にイヤなら、もう触らない」
 言いながら、彼女の胸を掌で覆う。しかしここは飽くまで紳士に、触れるか触れないかの位置を保持し――
「どうかな?」
 まりんの顔を覗く。彼女は、俯き加減に、頬を染め、瞳を潤め――こう答えた。

84恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 01:13
>>70
小説の中だけでも、恋愛してみたいんよ
85('A`):04/04/02 01:13
「……その、言い方は――ズルいよぅ……」
「OK! 続行承諾と認識した!」
 身長156a。その小さな身体を覆い――周囲の視線から隠すように、私はまりんを背後から抱き締る。首筋から胸元にかけ、うっすらと浮かぶ産毛。それを視認できるまでに顔を寄せる。
 微かに、香る。甘い、匂い。
 つ、とその香りの元に舌を寄せ、湿す。
「……ぅんッ……あ……っん」
 右手で胸を揉みしだき、左は乳房から肋骨を撫でるように脇腹へ、
「はぅ……」
 そして、シャツの裾に向かう。
「!」
 まりんも気がついたようだ。だが、もう遅い。シャツを捲り上げる手は止まらない。
「ダメ! やっぱダメ! ダメダメダメぇッ!」
「何が駄目――、ははぁ……」
 気がついた。彼女は素肌の上に直接シャツを纏っていたのだ。
「下着は、着けない趣味なのかな?」
「あ、いや……今日は、その――。えへへぇ」
 羞恥に顔を染めるまりん。何が『えへへ』なのかは判らないが、取り敢えず――
「お仕置きだ」
「ひゃぅんっ!」
 桜色の先端に軽く――舌を這わす。
86('A`):04/04/02 01:13
官能小説かよ
87('A`):04/04/02 01:18
童貞の官能小説
88('A`):04/04/02 01:19
じゃあ出だしは
アパートの一室で学生がベットの上に寝そべっている。
パソコンのモニターだけが薄暗い室内を照らし、
時折、冷却用のファンの音が鳴る。
男はうつろな表情でカーテンの隙間から灰色の空を見ていた。外は雨。
その目には雨が映っている。
しかし、男の頭には視覚から入る情報は無くただ一人の
女性のことだけを考えていた。

って感じで。w
うわ恥ずかしい。はい、批判忠告してちょんまげ!
89('A`):04/04/02 01:19
新鮮ですね
90('A`):04/04/02 01:21
「ベッドに寝そべっている」でいいんじゃないか
91('A`):04/04/02 01:25
俺が馬鹿なだけだったらスマソ

冷却ファンってときどき鳴るものなの?
おれのパソの冷却ファンはウィーンと持続してうなってるのだが・・・
92恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 01:26
官能小説書いてる奴ってすごい文才だな
93('A`):04/04/02 01:26
>>88
だから「の」が重複しすぎ
94('A`):04/04/02 01:27
>>92
まぁ、使うフレーズや言い回しはどれも似たようなもんだがな。
95('A`):04/04/02 01:27
じゃあ出だしは
アパートの一室で学生がベットの上に寝そべっている。
パソコンのモニターだけが薄暗い室内を照らし、
時折、冷却用のファンの音が鳴る。
男はうつろな表情でカーテンの隙間から灰色の空を見ていた。外は雨。
その瞳には雨が映っている。
しかし、男の頭には視覚から入る情報は無くただ一人の
女性のことだけを考えていた。

男はおもむろにイチモツを握り締めた。
「・・・・美紀ちゃん」
96('A`):04/04/02 01:27
官能小説のおかげで入り易い雰囲気になった
97('A`):04/04/02 01:28
>>96
どこに官能があった?
98('A`):04/04/02 01:29
>>97
あなたの心の中に・・・
99('A`):04/04/02 01:29
>男はおもむろにイチモツを握り締めた。
100('A`):04/04/02 01:30
>>95
と言うかなんでパソつけてんだ?
もったいねーじゃねーか
101('A`):04/04/02 01:34
そのまま男は全裸になった。
「ああっ!美紀ちゃん!美紀ちゃん!」
右手を激しく動かしながら男は天井へ向けて腰を突き出し、
ブリッジの体勢をとった。
「ああっ!いいよ!美紀ちゃん。いいっ!」
男の脳内にはまだ見ぬ美紀の裸体があった。
102('A`):04/04/02 01:34
ツッコミ入れまくってもキリがないから早くお話進めましょう
103('A`):04/04/02 01:40
一体どういうスレなんだよ!

一行小説リレーと何が違うんだよ!
104('A`):04/04/02 01:55
妄想力はあっても文章力ないから駄目だな
105('A`):04/04/02 02:07
まずプロットから考えていかないと、
ただ、書き連ねていくだけじゃ>>103の言う通り
ただのリレー小説と一緒だよな。
106('A`):04/04/02 02:09
>>104
マジレスすると今の文筆業界で文章力は必要ない
107恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 02:12
恐い話考えたぜ!!
108('A`):04/04/02 02:13
>>107
恋愛小説化の癖に!
109('A`):04/04/02 02:13
>>106
芥川賞が全てではない!
110恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 02:14
「今日は、ビデオを観ます」
そう韓国人講師のリー先生が言うと
クラスから歓声が沸きあがる。
そして、そのビデオの内容は、在日小学校に対する
日本人の嫌がらせについてだった。
うんざりした俺は、隣りの渡辺に小声で囁いた。
「こいつらって北朝鮮の国旗掲げてるんだぜ
差別されて当然だよな?それにコイツら犬食うし」
すると渡辺は
「いや、日本人もこんな事するんだな、ショックだよ」
と、まるで聞いてない。
そこで俺は、在日学校が北朝鮮に資金を送っている事などを
力説した。
しかし、渡辺は不快そうな表情まで浮かべた。
オレは、やっぱコイツ馬鹿だなと思った。
そのまま授業は無事終った。
翌日、電車の中でリー先生に会い、挨拶を交わした。
するとリー先生が、
「竹田君、今度うちに遊びに来ないか?」と言った。
「遊びに行って何するんすか〜?」と笑いながら聞くと
先生は、ニヤりと笑いながらこういった。
「君は、犬鍋が食べたいんだろ?」
111('A`):04/04/02 02:14
>>109
お前の言いまわしには正直感服するよ
112('A`):04/04/02 02:15
>>109
むしろ芥川賞は文章力のみを問われる。
ミステリ・SF・エッセイ・ファンタジー
少なくともこの分野で文章力は必要ない。
113恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 02:15
どうだ?俺って才能あるか?
114('A`):04/04/02 02:17
>>113
悪いが全然面白くない
115('A`):04/04/02 02:17
いまいちよくわからない
116恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 02:18
スマン、俺も自分で書いてて
つまんねえなぁと思ったよ。
明日はもっと面白いの書いてやるよ!あばよ!
117('A`):04/04/02 02:18
>>112
綿矢が通ったときどっかのお偉いさんが
評論家の布施英利がその荒唐無稽さが文学である。文学でなければ創れない、人間像である
とか意味のわからん文学の論じ方してんのに文章力も糞もねェよ芥川
118('A`):04/04/02 02:19
綿矢が通ったときどっかのお偉いさんが
評論家の布施英利
↑ミスた_| ̄|○どっかのお偉いさんがは消去の方向で。
119('A`):04/04/02 02:19
>>117
綿矢も金原も芥川賞じゃねぇよ!
アイドル作文大賞だ
120('A`):04/04/02 02:20
「君は、犬鍋が食べたいんだろ?」

そう言うと、先生はおもむろにイチモツを取り出した。
121('A`):04/04/02 02:21
>>119
すいません。アイドル作文大賞だったんですか。間違いました。ゴメンナサイ。
122('A`):04/04/02 02:21
芥川賞を語りたいなら文学板行きなよ
123('A`):04/04/02 02:25
まぁ、ミス作文大賞だよな
124('A`):04/04/02 02:28
このスレも駄目っぽいな
125('A`):04/04/02 02:29
>>120
違う意味で怖いな
126('A`):04/04/02 02:53
文章力いらないわけないじゃないの
オタク向けライトノベルならわかるが
127('A`):04/04/02 03:50
>>126
SFではむしろ文章力は邪魔
128('A`):04/04/02 03:50
そうか?
じゃあ何が必要?
129しにて:04/04/02 04:42
恋人同士は言葉を交わさずとも目と目で通じ合うことが出来る、という話を聞いたことが
ある。あいにく、異性と目を合わしたことなどほとんどない僕だが、先日,とある新古書店で
似たような体験をした。

暇を持て余す僕は、毎日のようにそこに通っている。特に目的の品があるわけではないけれど、
店員が無知なのかそれともサービスなのか、稀少本をタダ同然で並べていることがあるのだ。
これをキチンとした古書店に転売すれば、こづかい稼ぎ程度にはなる。実際、この「背取り」
と呼ばれる方法で糊口をしのいでる人を知っているし、僕自身、月5000円は稼いでいる。
130しにて:04/04/02 04:43
その日もなかなかの収穫があった。相原コージの「さるまん」。こいつは現在絶版で
ヤフオクで売れば2000円くらいにはなりそうだ。「ピエロ」とあだ名される所以となった
過剰すぎる笑顔を貼り付けながら次の獲物を物色する。
その時、微かな異臭を感じた。ほこりっぽい汗臭さ、掃除を怠けた僕の部屋と同じ臭いだ。
そうか、あいつだ。すぐに納得した。あいつが来てるんだ。

彼は店員達の間で「ヨークシャー」と呼ばれている。「ヨークシャー」とは豚の品種の
ひとつで、現在ではほとんど飼育されていない、脂肪の塊のようなやつ。
なるほど、彼はたしかに少々とは言えないような肥満であるし、濃い髭はヨークシャー種の
硬い産毛を連想させる。だが、お客につけるあだ名であっていいわけでは無い。
同じ疎外者どうし、店員に文句の一つでも言ってやりたかったが、命名主である金髪の青年
(狡猾そうな目をした嫌なやつだ。クソ)はきっとこう反論するだろう。
131しにて:04/04/02 04:43
「お客さま、彼を「ヨークシャー」と名付けたのは醜い肉玉だからでも嫌らしい青ひげ
だからでも、はたまたいつも着ている同じジャージのせいでもありません。
あのひどい臭い、あれが豚小屋そのものだからですよ。ここだけの話、
本当は「バークシャー種」でもよかったんですが、彼、肋骨が多そうには見えないでしょ?」

「ヨークシャー」は「アフタヌーン」のコーナーの前でその巨体をかすかに震わせている。
どうやら笑っているらしいその顔は脂肪に覆い尽くされているはずなのに、何本もの皺が
よっていて、まるでありの巣の断面図のようだ。いつもは客が二重に並ばなければならない
ほど込み合うその通路も、今は無人だ。鼻糞をほじり、あまつさえ食してしまうという彼の
悲しい癖が、トヘロスの役割をしたのだろう。

ふいに彼がいきおいよく振り向いた。繰り返すが、通路には僕と彼だけだ(他の客は立ち
読みに夢中だ)。しかるべくあるものがしかるべくあるようにしかるべくして、二人は
見詰め合った。
そして理解した。したくもなかったことだが、悲しいかなこれが現実だ。
132しにて:04/04/02 04:43
僕は「さるまん」を命名主に渡し勘定を済ませ、黄色い袋に入れられたそれを持って早足で
出口へ向かった。
自動販売機備え付けのゴミ箱にそのままそれをを放り込み、その足でハロワ行きのバスに
乗り込んだ。バスは入り組んだ町を縦横無尽に駆け回り、きっと僕を救いにやってきて
くれるのだ




おわり
133しにて:04/04/02 04:47
つかれた。読んでほしいから、ageる
134('A`):04/04/02 05:11
ごめん、高度すぎて意味が分からない
135('A`):04/04/02 06:48
まるでプログレのように難解だ
他の人も交え、この作品について語り合いたい
136('A`):04/04/02 06:52
>>しにて
面白い作品だと思いまつ。
俺はこういうの、好きだなぁ
137こけし ◆sujIKoKESI :04/04/02 07:09
|;´π`) ごめん、長文みただけであたまいたくなんねん
138('A`):04/04/02 07:49
雑談スレで紹介されてたからしにての小説見てみた
ヨークシャーと主人公との見つめあい
この時間が長そうだけど時間にしたら一瞬の事なんだろうなと
思ったり
家族も目で会話したりするときもあったり
無くはないかなと
あと理想な生活してるなとか
139('A`):04/04/02 07:53
>>137
氏ねよ^^
140('A`):04/04/02 08:15
いやぁ、なかなか面白かったよ
141('A`):04/04/02 08:29
なかなかいいね
難しくてよく分んなかったけど
143('A`):04/04/02 09:22
今日こそは何か書いてくれよ恋愛小説家
144シーゲル:04/04/02 09:58
およそ半年振りの外出。
自動式の扉がゆっくりと開くと、四月の風が僕の頬をなでた。
今の僕にとっては、こういった事さえもが喜びだった。
理不尽極まる理由によってここへ収容されて以来、僕はこうして
空を見ることさえ許されなかったのだから。

空があって、風が吹く。それはとても重要な事なんだ。
人間がどのように変わろうと、空はいつまでも空であり、
太陽は太陽であり続ける。
145('A`):04/04/02 12:13
まげ
146('A`):04/04/02 13:08
ちょっと書こうとしてみたが、だるいな…
最後まで書き終わらん
147('A`):04/04/02 13:16
>しにて
おもしろいけど
あの決心に至った人間が
「さるまん」買う必要ねぇじゃん
捨てる演出が欲しかったのかも知れんが
148('A`):04/04/02 14:30
漏れも書こうとしたがさっぱり・・・
二行目を書いた時点でもう疲労がピーク
149('A`):04/04/02 16:01
よしっ、書くぞ。
明日までに発表する。
150('A`):04/04/02 21:55
おもろい長文があったのでコピペするっす

エロ漫画が立ち読みできると、立ち読みでチンポを立てる奴はもちろん、
いきりたったチンポをズボンのポケットに突っ込んだ手で慰める奴まで
登場します。ここまではよく見る光景です。ところがそれ以上の光景を
目撃してしまいました。

それは2003年7月19日、秋葉原の某エロ漫画充実書店で、見るからに
知○遅れの男(目つきがキテる)が店内でズボンの前を開き、公開オナニーを
行なうという事件が発生しました。隅っこで黙ってしごいていれば気付かれ
なかったかもしれません。しかし、オウオウとくぐもった声を出し、よだれを
流しながら身体をくねらせているのですからバレないはずがありません。
店内は次第にざわつき始め、店員が異変に気付いたときには、立ち読みを
装いながら状況を注視する人垣の中で一人の男がヒートアップしていました
店にとっては大事件です。何人もの店員が、湿気と熱さですえた臭いを放つ
人垣をかき分け、男に近づきます。途中、汗でべしゃべしゃの野次馬に触れて
しまい、脱落してしまう店員もいます。何を考えているのか、人垣の構成員の
中には店員を押し留める者さえいます。なんとか止めさせなくては!店員達は
レジを放り出し、次々と突撃していきました。店内は大騒ぎになり、店長と思しき
人物が登場したときには、突撃する店員と、それをなぜか阻止する野次馬との
間に衝突が起きて怒鳴りあいに発展していました。その中央では見られる興奮と
周囲のテンションに暴走する男がフィニッシュを迎えようとしています。

ウオッウオーッ、イクゥ――――――――ッ

店内が一瞬にして静まり返り、中央の男に視線が集中しました。そこには至福の
表情で精液をぶちまける知○遅れがいました。男が手にしたエロ本に、平積みの
新刊に、本棚に、床に忌むべき遺伝子が降りかかります。店内はあまりの出来事に
時間が止まったような状態です。
「逃げろ!アウトブレイクだ!」

誰か叫ぶと、客が出口に殺到しました。肉と肉、脂と脂がぶつかり合い、汗が
飛び散ります。もみ合いは30秒ほど続いたでしょうか。しかしそれは1時間にも
感じました。客がほとんどいなくなった店内は暴動にでもあったような惨状を呈して
しました。出口近くの平積みは崩れて床に落ち、店員は呆然と立ち尽くしています。
余韻に浸る男と汚れてしまった店内を鬼のような表情で睨み付けた店長は側に
いた店員に、警察を呼んで処理しろ、そして店内を片づけろといい、奥に引っ込んで
行きました。その時の店員の顔は今思い出しても笑えます。

俺はその場を立ち去りましたが、10分後、パトカーが店の前に止まっていました。
ヤバ過ぎる体験でした。
151恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 23:22
途中まででいいから、発表しろよ
152('A`):04/04/02 23:24
自分はいつになったら書くんだ?
普通に考えるだけならいいけど、文にするのは大変だよな。
最近小説の真似事して思ったよ。
154恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/02 23:28
>>152
いま執筆中だ
>>153
そうだね、
自分で書いた文読むと痛々しいよね。
155('A`):04/04/02 23:38
156('A`):04/04/02 23:51
書いてる間は時間忘れられてヒキコモリにとってはいい暇つぶしになる
157('A`):04/04/02 23:53
だいたいおまえらの好きな作家って誰?
それによって傾向と対策も変わってくるな。
158('A`):04/04/02 23:55
>>157
安部公房と筒井かな。もろ影響されてて恥ずかしい。
159('A`):04/04/02 23:58
ディケンズ
160('A`):04/04/02 23:58
普通過ぎるが司馬。
161('A`):04/04/03 00:00
>>159
ディケンズってのは今の時代換骨奪胎すればおもしろいかもな
いい趣味してるよ
162('A`):04/04/03 00:01
ミーハーすぎるが綿矢
163('A`):04/04/03 00:02
>>162
俺が蹴ってあげようか?
164('A`):04/04/03 00:03
ミーハーだがリアル鬼ごっこの作者
165('A`):04/04/03 00:04
それはミーハーとは言わない
166('A`):04/04/03 00:04
なんかクリスマスに少女は環るというミステリーを少しだけ読んだ記憶があるが
中々面白いとおもた。最後まで読めなかったのが残念だ。
167('A`):04/04/03 00:07
村上春樹 町田康 京極夏彦 車谷長吉 笙野頼子 西澤保彦
コジンスキー ジュースキント マンディアルグ
白倉由美 星新一
169('A`):04/04/03 00:08
>>166
そのミステリ、最後の最後に驚愕の結末があるんじゃないか?
もう一回読み直せよ
170('A`):04/04/03 00:09
>>169
らしいね。感動の最後だってきいたから読んでたんだが図書館だったからな。
171('A`):04/04/03 00:18
チャック・パラニューク 江戸川乱歩 滝本竜彦
172恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/03 00:20
オレもここに載ってるの読んでみるよ
173('A`):04/04/03 01:26
>>171
滝本竜彦はお手つきだ・・・
174('A`):04/04/03 01:27
>>173
なんでだよ?
175('A`):04/04/03 01:30
>>174
この板にいるやつが滝本を読んでる姿は悲惨すぎるぞ
176('A`):04/04/03 01:32
まあ、オレも「超人計画」と「NHKにようこそ!」は読んでしまったけどな・・・
177('A`):04/04/03 01:42
──「あぁっ!今日はいい天気だ!!」
寝ぼけ眼を擦りながら、口癖のように毎朝こう叫ぶ。
「ちょっと、朝っぱらからうるさいって」
隣に住む美人OLの声が聞こえる。
これもまた、お約束だ。
「うっせーんだよマンカス!禿上司にでもセクハラされてろ!」
やばい、口が滑った。

やばい


やばい




178('A`):04/04/03 01:45
>>177
ワラタ
才能あるわ
179('A`):04/04/03 01:47
>>178
自演乙
180('A`):04/04/03 01:52
こんな分かりやすい自演するわけないでしょ
181('A`):04/04/03 01:57
そう思わせる自演だ
なんでこんなんで笑えるんだ?
182('A`):04/04/03 01:58
>>177-181
自演乙
183('A`):04/04/03 01:59
>>182
>>46ジエン乙
184('A`):04/04/03 02:00
>>184
自演乙
185('A`):04/04/03 02:00
いやなんか
みんなは否定するかもしれないけど
俺は177に朝のスピードを感じた
186('A`):04/04/03 02:00
>>183
>>83
187('A`):04/04/03 02:03
戯言シリーズみたいなのなら、ここの連中は得意じゃないか?
188('A`):04/04/03 02:03
そいつは傑作だな。
189('A`):04/04/03 02:04
>>187
黙れブタ
190('A`):04/04/03 02:04
>>188
痩せろデヴ
191('A`):04/04/03 02:05
>>187-190
自演乙
192('A`):04/04/03 02:06
>>191
>>85
193('A`):04/04/03 02:07
>>186=>>192=>>83
自分の作品に誘導か?
自 演 乙 
194('A`):04/04/03 02:08
みんな疑心暗鬼になってるな・・・
よしじゃあ俺が自演じゃないって証明してやる!!!

>>195
ワラタ
195('A`):04/04/03 02:09
>>193
自演乙
196('A`):04/04/03 02:09
______
\    /
 ( ´∀`) ザンギエフへ げんきですか。いまソニック溜めてます
       _ 
      i_iヽ
    (゚д゚,,;;) うるさい死ね 溜めるな殺すぞ
______
\    /
 ( ´д`) ごめんね。ガイルはじめて溜めたから、ごめんね
       _ 
      i_iヽ
    (゚Д゚;;;)うるさいくたばれ、溜めんな
______
\    /
 ( ´∀`) ソニック撃っておきました。ガードしてね 飛び込みはしますか?
       _ 
      i_iヽ
    (#)Д`;;) ごめんよ、ガイル、俺が悪かった
197196:04/04/03 02:10
ち、失敗した
198196:04/04/03 02:11
>>197
自演乙
199199:04/04/03 02:13
>>198
自演乙
200('A`):04/04/03 02:38
>>173
つうかこの板にいる20代くらいのやつはけっこう滝本読んでると思うが
201('A`):04/04/03 02:54
>>200
滝本乙
202('A`):04/04/03 03:39
滝本までモテナイ板に来ていたとはw
203('A`):04/04/03 09:28
毒女から天使が撲殺に来てやりましたよ ぴぴるぴしよ
204('A`):04/04/03 09:29
ごめん、誤爆した
205('A`):04/04/03 14:35
滝本は文庫化したら読むつもり
206('A`):04/04/03 14:37
自分みたいな29歳童貞恋愛経験ゼロ無職がモテまくる話を書きたいです。
男板ハーレクインロマンスというか。需要あるかな?
207('A`):04/04/03 14:40
>>206
頑張れ。
自分が読みたいと思うなら、十分需要がある証拠。
208('A`):04/04/03 14:44
>>205
漫画化してるからそれ読め
ディケンズのクリスマスキャロルを読んだよ。
小説家に一歩近づいた。
210恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/04 00:04
お前らそろそろ、できただろ?
下手でもいいんだよ
恥ずかしがらないで、見せてごらん?
211('A`):04/04/04 00:11
お前はどうなんだよ。
212恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/04 00:14
明日載せるよ
かなりの駄文だから覚悟しとけよ
213('A`):04/04/04 00:23
長編だと誰も読んでくれないような気がする
214('A`):04/04/04 00:26
>>213
少なくとも、俺が読む。
215('A`):04/04/04 00:30
俺も読む
216('A`):04/04/04 04:48
俺も読むが。みんなどういうのが、書きたいんだ?
217('A`):04/04/04 04:48
古典よむのがいいらしいね
文章力つけたかったら
218('A`):04/04/04 05:03
やんごとなき
219('A`):04/04/04 10:40
>>206に期待してageとく
220('A`):04/04/04 11:31
みんな、もっと書こうよ。切磋詫間してこうぜぃ
キャンパスを歩くと、サークルの勧誘が騒がしい。
新緑が繁り、晴れわたったうすい青空の下
うら若き男女が、次から次へと寄って来る。
「一年生ですか?サークルはもう決めましたか?」
咄嗟に声が出なくて、いつもの愛想笑いでごまかす。
へへへ、恥ずかしいのだ。
目の前には、洗練された女の子と活気に満ちたサークル。
憧れのキャンパスライフが現実味を帯びて迫っていた。
一週間が経った。
既にルーチンワークと化した大学と自宅との単純往復。
満開の桜並木を、一人とぼとぼと歩く。
そういえば、勧誘されなくなったな。
気づくとキャンパスは寂しく閑散としていた。
あの賑やかな雰囲気はどこに消えちゃったんだろう。
ちょっぴり不安な面持ちで、英語の授業に向かう。
少人数クラスなので、とってもアットホームな雰囲気だ。
性別なんて関係ない。明るく、元気に、楽しく!
でも、ちょっと待って。
よく見渡してみて。
その中に一人ぼっちの子がいない?
それがオレだった。
一人ぼっちで、そして、挙動不審者だった。
例えば、そうあれは、一団の笑い声がドッと響いた瞬間。
一団のマッタリした談笑が、愉快に弾けた瞬間。
まさしくその瞬間、オレは一人机に顔を伏せ呟いていた。
「オレの事じゃない、オレの事じゃない」と。
休憩時間には、携帯でメールをやり取りしていると見せかけ
こそこそと、2chを閲覧していた。
要するに、オレは乗り遅れたのだ。
サークルでも。クラスでも。
青春を謳歌する資格をとり損ねたのだ。
一体、これからどうすればいいんだろう・・。
思い悩んだ結果、
すがるように高校時代の友人である竹田にメールをした。
223('A`):04/04/04 11:52
おもしろい、共感できるぞ。続きはやく
224('A`):04/04/04 16:05
初々しいな。その調子でガンガン書きまくってください
「なぁ、どっかサークル入らないか?」
「ええよ。学食に来いや」

学食には、方々に若者がたむろしている。
夕暮れの日差しが、テーブルを橙に染めていた。

「やっぱ、文化系だよなぁ」
「まぁ、俺たちだしね。俺としては囲碁に興味があるんよ」竹田が答えた。
「ヒカルの碁の影響だろ?」
「ああ、サイタン萌えだ、囲碁部って女の子いるんかな、微妙やな」
「確かに、サイタンハァハァだが、どうせ女なんていないよ」
「取り合えず新入生歓迎コンパやな。ここで、全てが決まるんやから、
 絶対対人恐怖症治しておけよ。大学生活においてサークルって一番重要やから」

竹田オタクだったが、言ってる事は正しい。
サークルこそ、全ての救いなのだ。
サークルさえ、愉快だったら授業なんて糞喰らえだ。
新入生歓迎コンパ当日。
空は、今にも雨が降りそうな灰色だった。
立体的な構造の新宿駅を足早に行き交う人々。
そこで、オレは早くも帰りたかった。
囲碁部の連中に会うのが恐い。
オレはやっぱり対人恐怖症なんだろうか・・。
そんなオレの不安をよそに、竹田が集合場所を見ながら口を開いた。
「囲碁部なんやから、オタクっぽい奴を探せ」
無視して、現実逃避に他方の雑踏を眺めていると、竹田に腕を引っ張られる。
「あれじゃね?」

向かう先には、灰色っぽい服装の集団がいた。
オレは、ひきつった愛想笑いを浮かべながら彼らに近づいた。
「おっ、うちに来てくれたの〜?」
意外にも灰色集団から若い女の子の声があがった。
そこには、かなりチャーミングな顔で
ほっそりとした女の子が佇んでいた。
「は、はい。」
竹田が、気持ちの悪い声で答えた。
「それじゃあ、いこ〜」
彼女を先頭にして、オタク集団がゾロゾロ進みだす。
辿り着いた場所は、大衆居酒屋だ。洒落た感じに薄暗い。
コンパは乾杯の音頭とともに、のどやかにはじまった。
さっそく話し掛けられる。
「君、何学部?」
「あ、け、経済・・」
「へー。そうなんだぁ。」
「・・・」

「お酒強い?」
「い、いや、普通で・・」
「そっかぁ、じゃあ今日もほどほどにね」
「・・・」
話が続かず相手が離れていく度に、声が聞こえた。
「お前は最悪だ」
いや分っている。それは分っている。
君たちが、僕が人見知りをしているんだな、と察し
その緊張を解こうとしてくれてるのは分る。
だがしかし、どうしようもないのだ。
高校時代から分っていた事だ。
単に目を背けていただけで。
やっぱり無理なんだ。
そう悟り、暗澹たる表情を浮かべ、足元を見つめていると隣りから声がした。
「どうしたの?なんか静かだね!」
見ると、あのキュートでお洒落な女の子がちょこんと腰を下ろしていた。
ギョッとした。
全身の筋肉が強張り、脳細胞を活性化物質が駆け巡った。
その結果、キョドった。
薄ら笑いを浮かべて答える。
「い、い、いや、いつもこんな感じなんで」
「全然飲んでないじゃん。もっと飲む?」
彼女は笑顔でそう言って、お酌してくれた。
1時間後、オレと竹田はガラガラの電車の中にいた。
紅潮した頬をゆるませながら、竹田が口を開いた。

「あの女の子部長らしいんよ。理恵って言うんやって。
囲碁も強いらしいし優しいし、理恵タンマジ萌えだよ」

どうやら竹田はうまく溶け込めたらしい。
なんだか置いていかれた気がした。
「オレ全然駄目だったわ今日。もう死のうかな」
「ああ、お前全然喋れてないやん。死んだ方がいいかもね。
 理恵タンマジかわいかったー」

真夜中の電車に揺られながら、上気した頭でぼんやり考えた。
竹田にとって、オレはなんなのだろうか。
オレは、コイツのように根っからのオタクではない。
一度たりとも、オタクアニメやエロゲーに感動した事はない
結局の所、オレはオタクですらなかった。
コイツに合わせてなんとなく、やってただけだ。
そして今日、普通人として生きていく事も不可能だと悟った。
囲碁という地味な部で、親切に話し掛けられたのにも関わらず
それらの好意を無にしたのだ。一度など、投げかけられた言葉を
聞こえないふりをして、無視したのだ。
オレは決して彼らを拒みたくない。
寧ろ仲良くなりたい。
その思いから、オレは赤面し、うろたえ、忌避しようとする。
彼らは、親切心からオレの緊張をとこうとするだろう。
しかし、それは不可能なのだ。緊張は未来永劫とけない。
だから、彼らの親切心は、重荷以外の何者でもない。
どこにも馴染めない。そして、何者にもなれない。
女の子に話し掛けられても、吐き気がする。
終わってる。オレの人生は何もする前から終わっているのだ。
理恵ちゃんがぴかぴかと光り輝くほど、オレは黒く塗りつぶされる。
これはどこに行っても同じ事だ。
やはり、オレは喪に服して引き篭もってる他ない。
・・気づくと、電車を降り、乗り換えの駅のホームに立っていた。
暗闇の底に沈むレール。その先から轟音と共に、まばゆい光が迫ってくる。
そこに飛び込んだらどうなるだろうか。
レールと電車の車輪に挟まれ肢体が切断されバラバラになるのか。
その瞬間の痛みはどの程度──

その時だった。
女性の甘い声が薄暗いホームに響き、思考が停止した。
「お〜い!」
見ると、こちらを向いて垢抜けた女の子が手を振っている。
え?あれってオレに振ってるのか?
困惑していると、なおもこちらに、一生懸命手を振っている。笑っている。
あの美少女!あれは理恵ちゃんだ!
オレは精一杯の愛想笑いを返し、キョドって軽く頭を下げた。
彼女はオレの今日の醜態を気にもとめていない。
なんて、爽やかなんだろう。
理恵ちゃんの笑顔を見て思った。
あの理恵ちゃんのあの甘い口元を、
あのキュートな唇を光らせるために、ただ、それだけのために話し掛けたい。
そして、彼女の小さな顔をかたくこの胸に抱きしめたい。
オレにだってそうする権利はある!
心の中でそう叫んだ。胸の奥から春の気配を感じた。
終わりだ!
なんか鬱になって適当に書きまくった。
次はもっと、面白いの書くぜ!
すみません。
改めて、考えるとあまりに駄作でした。
いや、駄作というかこんなものはゴミ屑だと思います。
何が言いたいのかサッパリです。
そもそも、本を読むのが嫌いな馬鹿な男がこんな長ったらしい
ものを書くべきではありませんでした。
せめて、この痛々しい文章があることで
このスレの敷居が下がって、みんなもどんどん
薄ら寒い小説を載せてくれたらな、と思います。
232('A`):04/04/04 18:23
>>230
面白みは少ないけど、悪くないですよ。

と期待を込めて、age!!
233('A`):04/04/04 19:03
一つの恋の始まりの小説か
いいと思うよ
恋愛小説家ガンガレ
234或ル男ノ日記:04/04/04 19:21
特質的遺伝子異常の発現による弊害と考察


これは自己の遺伝子異常をテストケースとし、遺伝子異常の発現により起こる社会的害悪と
その傾向対策を考えるために記した報告書である。
実験期間は2002年12月から2003年7月までの実験結果を元に作成している。
235或ル男ノ日記2:04/04/04 19:22
1、自身が保有す特質的遺伝子異常について

第一の奇形として特質的運動性の異常である。
これは主に反射神経および運動能力が破壊される恐るべき欠落である。
私はこの事実を立証するためにおよそ200日間の筋力トレーニングおよび運動トレーニングを行った。
その結果筋力、心肺機能、反射速度あらゆる機能において向上は認められず、むしろ緩やかな低下を辿り
これが事実であることを確信するに至った。
さらに、精子が角張った形をしていることからもそれは確認できる。
第二の奇形として特質的思考能力の異常である。
知能テストに用いられる問いをおよそ150日間にわたり解きこなし得点率をグラフ化するものの
平均的小学校低学年程度の得点を上回ることは総数2354回のうち5回であった。
これはすなわち精子の尾が二つないしそれ以上に分かれていることが原因と考えられる。
精子を顕微鏡で確認すると尾は4本までに枝分かれし並々ならぬ異常であることが確認できた。
第三の奇形として特質的容姿異常である。
これは鏡を見れば確信にたる事であり、また他者からみても一目瞭然であるので詳細は割愛する。
なお、精子の運動力が平均とくらべ異常にすくないことが原因であると予想される。
第四の奇形として、特質的精神人格異常である。
これは周囲からの指摘により始めて認識できた隠蔽された遺伝異常である。
極度の劣等感、被害妄想、ロマンチスト幻想、二次元コンプレックスが主である。
自身では認知できなかったが、クラスメートである山本洋子氏の類まれなる観察力と精神分析力によるものであろう。
この異常に関しては発現頻度が非常に低く、実験開始から今だ一度も確認ができていない。
もっとも困難な異常であり、ついにその傾向と原因を突き止めることは叶わなかった。

以上が四つの特質的遺伝子異常の詳細である。
236或ル男ノ日記2:04/04/04 19:23
2、遺伝子異常による影響への打開策について

上記1、2項において述べてきたことを総括し考えた打開策は以下の2つである。

1、異常遺伝子の拡散の防止
2、異常遺伝子発現者の粛清

まず最も重要視するべきは異常遺伝子の拡散防止である。
異常遺伝子が劣性遺伝子として次世代に潜伏することは極めて危険であり、異常遺伝子保有者の隔離、去勢等を行うことが重要である。
しかるのちに確実な異常遺伝子隠滅を行うため保有者の粛清を行うことが肝要と考えられる。
1項で示した四つの異常のうち2つ以上のものを保有する者ははやはり粛清が妥当であろう。
特に特質的容姿異常は極めて社会的影響が高いので率先して粛清の対象とすべきである。



追記
以上の事から私は粛清されねばならぬ存在であると自認し、この旨を市保健所に訴えたが理解を得ることはできなかった。
ゆえにこの報告書を残し、自らの手で粛清を行う所存である。
生への執着が無い訳ではないが、それよりも今後の人類の発展と栄光のため自らの異常遺伝子を根絶することが社会への
貢献であり人としての義務であると私は確信している。
この勇気と業績はダーウィン賞として後世に残ることを期待する。
なお、私の遺伝子異常の発現により物質的、肉体的、精神的に激しい苦痛を味わったであろう父母と妹そして
クラスメート、教職員を含む社会の構成員の方々に深く謝罪したい。
237('A`):04/04/04 19:24
持てない男が発狂して自殺する寸前の狂気日記を小説として書いてみました。
238恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/04 20:02
>>232
>>233
ありがとう
>>237
あげ!
239('A`):04/04/04 21:03
主要キャラ11人(全員中学生)のうち、7人が女の長編小説書いたぜ。
もう彼女らが忘れられん。
240('A`) :04/04/04 21:07
up kibon
241('A`):04/04/04 22:08
>>234-237
日記というか、報告書形式?
もうちょっと長くてもいいと思った

なんか、暗い小説ばっかだな
242('A`):04/04/05 03:22
>>234-237
白い巨搭入ってるね
自己分析の結果自殺したのか
たんたんとしてるから
怖さは伝わらなかった
「発狂して自殺」と言われると
もう少し狂った所を見たかったなぁ
243しにて:04/04/06 04:42
もう寝る時間だと言うのに、まだ起きていたのかい?そうか、パパが帰って来るのを待っていて
くれたんだね。ありがとう。おまえはいい子だ。おっと、言い忘れていた、「ただいま」
いい子には神様がご褒美をくれるんだよ。ほら、この本
            
                 「Y君の一生」

え?パパが買ってきたじゃないかって?それは、、、神様が、パパにこの本を買って
帰るように命令したんだ。偉い子がいるから、買ってあげなさい、ってね。
ちょっと長いけど、おまえももうお兄さんなんだから、読めるよね。
だけど、今日はもう遅いから、パパと一緒に読もう。いくよ
「Y君の一生」はじまりはじまり
244しにて:04/04/06 04:43
Y君は心の優しい青年でした。人を傷つけるようなことは今まで一度もしたことが
なかったですし、花や草木を傷つけることもありませんでした。
彼は浪人生でした。それも二浪目。決して、頭が悪かったわけではありません。
少し運が悪かっただけなのです。だから、Y君は少々疲れていました。
だってそうでしょう。認められないはずがないのに、いつまでたってもそれが叶わない。
これでは、誰だって悲しくなってしまいますよね。

その日は模擬試験でした。試験まであと三ヶ月、大事な時期です。Y君はというと、
これは中々の出来であったようです。ついつい顔もほころびます。
昨日は心がモヤモヤムカムカして、家中のガラスを割ってしまいましたが、今日は
安心できそうです。
Y君は、家に帰るために駅で電車を待っていました。すると、少し離れたところで
とても綺麗な女の人と、とてもカッコの良い男の人が話をしています。
男の人は、なにやら難しい英文や記号の並んだ資料を広げて、女の人はそれを覗きながら、
とても難しい話を口にしあっています。
Y君は嫌な気分になりました。Y君は、花や草木は大好きなのですが、人間は大嫌い
だったのです。特に、頭のいい人間、顔のいい人間は、殺してしまいたいほどでした。
245しにて:04/04/06 04:43
顔をしかめながら背けたY君の目に、今度はかわいい女の子が映りました。年は7、8歳
でしょうか。とてもかわいい女の子です。
Y君は見とれてしまいましたが、少々心配でもありました。その女の子は、まるで
男の子のように元気一杯で、木立のよつにつらなった人の間を、縦横無尽に走り回って
いたからです。もし線路に落ちてしまったら、絶対に、たとえ電車が来ていようと
助け出そう。Y君は心に誓いました。人間は嫌いでしたが、小さな女の子だけは許せる
のです。Y君に言わせれば、「彼女たちは人間ではなく妖精」だそうですけど。

遠くから電車の警笛が聞こえます。Y君は、女の子を気にしながらも、模試の点数計算を
していました。女の子は黄色い線の辺りではしゃいでいます。お父さんかお母さんはいない
のでしょうか?電車が駅にやってきました。すごいスピードです。女の子はまだホームの
ふちにいます。あ!女の子がバランスを崩した。Y君は猛然とかけだします。
快速の電車がすぐそこまでせまっています。とても間に合いそうにありません。
Y君の目に涙が溢れ、構内には人々の悲鳴が響きました。
246しにて:04/04/06 04:43
電車は通過したようです。恐る恐る目を開けるY君。人だかりの中心に、あの女の子の姿が
見えました。やった、無事だったんだ。Y君は胸を撫で下ろし、もう一度女の子に目を向け
ました。女の子は、若い男に抱きついて泣いていました。さっきの、カッコいい男です。
女の人も一緒です。
その光景を見たとたん、Y君の心に、モヤモヤとした気持ちが蘇りました。
「ぼくがあの子を助けるはずだったんだ。それをなんだ、あの男は。よこ取りしてしまい
 やがって。きっと、カッコいい自分をアピールしたかったんだろうな。フン」

憤然としたまま次の電車に乗り、釈然としないまま電車を乗り換えます。Y君の家は遠いの
です。もう何度目の乗り換えでしょう。Y君はホームの壁にもたれかかりながら空を眺めます。
どんよりと空を覆った厚い雲に、きらめく町の光線が写しだされています。
酔っ払い、キャバ嬢、ドカタ。Y君はため息をつきましたが、少し安心もしていました。
なぜなら、彼らは仲間だったからです。Y君と同じ掃き溜めの汚物。錆付き磨耗しつくした
歯車。
247しにて:04/04/06 04:44
隣でふらついていた酔っ払いの顔が突然真っ青になったかと思うと、彼はそこに吐いてしまいました。
黄色いタイルに重なるようにして広がる汚物。ラーメンと安酒の組み合わせは、上等なカラスの
夜食を作り出します。それでも酔いが覚めないのでしょうか。酔っ払いはその場でフラフラと
ヘタなダンスを踊りだし、まばらな宵客の笑いを誘います。
大きな光がやってきまました。電車はだんだんおおきくなり、あと数秒でY君の前を駆けていく
はずです。これに乗れば、やっとY君の終点です。Y君は少々疲れていましたので、家に
帰ればさっさと眠ってしまうでしょう。割り尽くしたガラスも、きっと新しくなっている
ことでしょう。
顔をあげると、酔っ払いはまだ踊っていました。Y君の脳裏に先ほどの光景が浮かびあがります。
女の子を間一髪助けた優秀な男。妖精とナイト。
Y君は神に感謝しました。神様、あなたはなんとお優しいのでしょうか。こんなぼくに、
一日に二度もチャンスをくれるなんて!
248しにて:04/04/06 04:44
どうやらY君は頭を使いすぎて、疲れてしまっていたようです。酔っ払いと妖精を見間違えて
しまうなんて。Y君は駆け出しました。神様から頂いた幸運です。逃す手がありますか!
けれど、Y君は少々疲れていました。長年の浪人生活と肥満のおかげで、思うように動かない
両足は出来の悪い操り人形のようにもつれ、Y君を前のめりに倒れさせようとします。
なんとか体勢を立て直したその時、気持ちの良いそよ風が吹き付けました。冬の初めにしては
生暖かく、北風とは呼べそうもありません。
悲しいことですが、疲れきったY君の肩を押すには、十分でした。せっかくバランスを取り
直したその足は再びもつれ、酔っ払いの吐いたモノを踏みつけさせます。
縮れ麺が円滑油になったのでしょうか。Y君の体は一瞬中に浮き、やはり一瞬で地面に落ちました
。ホームの角に腰をぶつけたのでしょうか。とても痛みます。背中のゴツゴツした感触はなんでしょう?
それにとてもまぶしい。この耳をつんざく警笛と黄色い叫び声は?



Y君にとって、それら全てはどうでもよいことであり、大事なことは、やはり模試の結果なの
でした。
249しにて:04/04/06 04:45
Y君は列車に轢かれて死んじゃったのかな?いやいや、この厚い本、「Y君の一生」は、まだ
始まったばかりだよ。これからも延々と続くのだから、やはりY君は助かったんじゃないかな。
試しに次の章を読んでみようか
「Y君は、奇跡的に無傷であり、それが正しかったのかどうかは〜」
ほら、やっぱり助かった。おっと、眠ってしまったのかい。。。。

では言ってしまおう。Y君は、これから約5000ページ、罰を受け続けるんだ。
列車に轢かれそうになりながらも無傷で生き残ったことすら罰なんだよ。
そうやって、もがき苦しみ、時に幸運が訪れるけれど、決して幸せにはなれない。
Y君の人生では償いきれない罪だろうけど、それもしかたない。
だって、今まで誰も償いきれなかったのだから。
250('A`):04/04/06 05:10
俺は煙草に火をつけて記憶をたぐった。

東大はいろうね会の広瀬君はどうしているだろうか。
一流企業かマスコミにでも就職して合コン三昧なのだろうか。

そう考えたら、純粋だったあのころの広瀬君が
なんだか遠いところに行ってしまったような気がした。
251('A`):04/04/06 06:38
「Y君の一生」
嘔吐した物の感じとかムカツク事だとか
理解しやすいんだけど、今時優しい青年はどうかと
あとの人生が罪を償う展開がよく解らなかった
モテない男性板的に理解するとなんとなく理解できるんだけど
モテない人達はマイナスを初めから背負っている感じがあるから

>>250
面白い
こうも考えられる
ダメ人間になり社会から孤立しているとか
時間が進み変化を感じるのはいいね
252しにて:04/04/06 13:41
>>251
>あとの人生が罪を償う展開がよく解らなかった
火の鳥の猿田見て考えた。顔が悪い頭が悪いはどう考えても自分のせいではない。
それで負い目しょってるのは、前世になんかやらかしたんじゃないかと。

ただ、今読み返すと破錠してる箇所けっこうあるね。童話風で行きたかったのに
途中から断定調になってたり、結末も甘いし。
253恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/06 22:48
しにて君!
俺の感想としては
文章力はすごいけど
なんか違和感を感じるよ!
254恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/06 22:52
33 ◆qQ6wK6czCM まだかよ
255('A`):04/04/06 23:05
自分がいままで書き込んだレスが全て
表示されるソフトなんてないよね?
3年もひきってたから膨大な量だと思う…
本何冊分だろう…
ieで書き込んでたからその頃のやつが欲しい。
256('A`):04/04/06 23:06
常に奇妙なコテハンで書き込んでればよかったかも…
ぐぐれたかもしれないもんねぇ…あーもったいねかった…
257('A`):04/04/07 03:46
>>255
2ch専用ブラウザだと自分の書き込みのlog全部残るよ
俺はかちゅ使ってるけど残ってる
ただ過去の事はあまり振り返らないたちなので
OS入れ替えで消えたりしてるけど
258('A`):04/04/07 10:13
おれも専用ブラウザ使っているけど、書き込みログは残してない
だってもし見られたら死ぬしかないもん
259恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/07 21:13
ある夕暮れ時、僕が居間に降りると
お母さんは、ソファーに寝そべっていた。
僕は、おもむろにお母さんのお腹を触った。
たっぷりとした肉感と、温かみを感じる。
そのまま、ソファーとお母さんの隙間に
倒れるように、体をねじり込んだ。
そして、右手を、お母さんの太ももに滑らせ、
撫でたり、ぎゅっと握ったりした。

すると、お母さんは、眠たげに起き
僕の、アゴを撫でるように触ってきた。
くすぐったい。僕もやり返し、二人でじゃれあった。
遊びつかれて、ふと、お母さんの横顔を見ると
何故か、おちんちんが硬くなった。
260('A`):04/04/07 21:16
キモイ
261('A`):04/04/07 23:47
小桜はもう着られません、あたしもう二十歳よ

おたえは言った

矢吉さんは二十五歳ね。

ああ

矢吉は小桜の着物を見た
着物を見ることでおたえの顔から視線をそらしていたのかもしれない

雨と三味線の音が鳴り響いていた


262('A`):04/04/08 00:03
>>259
家族愛?マザコン?かな
>僕は、おもむろにお母さんのお腹を触った。
>たっぷりとした肉感と、温かみを感じる
この文章だとデブっぽい感じを受けるのだが
もう少し華麗な部分を見せて欲しい

>>261
題名欲しいね
色々考える、兄妹なのか恋人なのか
親戚なのか。とか


個人的にショートショートストーリ好きなのかもしれない
俺も書いて見たいけトホホだからなぁ
263('A`):04/04/08 11:40
ちょっとだけ窓を開けて寝た。
こうすると5畳のこの部屋も風通りだけは一応いい。
畳のしけた臭いもいくらかは我慢できるという事もあった。
タクシーの仕事はといえば、あいも変わらず一日徹夜で客を拾っては
一日休むという、その繰り返しだった。ノルマみたいなものもあって、
時間働けばそれで万事お給料がもらえると、そういう甘いものでもなかった。
給料は一人身としては意外といい、16万円だ。
これでも実質働く日は半月だし、何にお金を使うということも無い暮らしで
まあ、こんなものだろと自分を納得させられるだけの金額である。
実際一人身だとは言っても、妻が居たがそのままアパートをほったらかしにして
出て行って、差出人不詳のまま離婚届の自分の欄だけ記入して送っていたわけだけれど。
離婚が正式に出来ていた事を役所に確認できたので、妻のアパートを見に行くと
レモン色のカーテンはすでにかかっておらず、茶色の縦じまのカーテンがかかっていた。
なんだか学生の若い男みたいで、妻の、元妻だが、姿はもうそこになく
実家も知らない私はもう妻とは完全にこの世の縁というか、そういうのは切れてしまったのだなと、
なんだかぼんやり感じた。
タクシーで来れる距離ではないので(来ようと思えば来れたが)、電車で帰りに
会社に寄った。茶封筒に入った給料を貰うと受け取り欄にサインをした。もうそのノートは大勢の
私みたいな道を外れた男達の手垢で、水色のノートが薄茶色に汚れているのだけれど、
汚いから替えませんか?と言える様な心境でもなかったし立場でもなかった。
風俗のオキニにはいると、あら、またきたのね、と別に迷惑というわけでも
だからといってうれしいという訳でもないような声音でともちゃんが迎え入れてくれた。
いつものようにお決まりのパターンで抜いてもらい、お決まりの、まあ
僕は小さなタクシー会社を経営しててね、そのうち保母さんになるつもり ほんとよ、
という様な会話をしつつシャワーを浴びて帰ってきた。本当に保母さんになるのかもしれないし
少なくとも収入はこちらより良いだろうから、タクシー会社を経営してるなんて嘘をつく人間よりは
まともな若い女なのだろう。何の理由も無いのかもしれないし、あるのかもしれない。
部屋につくと、先にも書いたが、まあ部屋というよりがらんとした5畳の和室で、どこか島か田舎の民宿の
仮眠部屋の赴きなのだけれど、もう午後3時を回っていたので目覚ましをセットしそのまま畳の上に横になった。
ああそうか、午後1時に入ったから2千円高かったわけだ、そんなことこ考えながら目を閉じ
遠くに聞こえる鉄工所の音が畳みの部屋にうっすらとやわらかく繰り返された。
午後6時半で目覚ましのチリリリという音で目が覚めると、部屋はもう暗くなっていて
鉄工所の音もやんでいた。今日は銭湯は休みか、でもさっきシャワーに入って洗ってもらったか。
少し石鹸の匂いをさせたまま、サンダルを履いてタクシーを洗いに行った。
264('A`):04/04/08 14:29
>>263
まとめた日記読んでるみたい
生活臭?人生臭?人間臭?なんかそんな臭いがする
265('A`):04/04/08 14:58
僕は一時間、そのゲーセンでグラディウスIIのモアイ永久パターンをぼんやりと続けていた。
ちょうど一時間後に菫色の制服を着た店員がやってきて、
閉店時間だと、遠慮がちに僕に言った。僕は肯いた。
さて、と僕は思った。
就職すべき時だった。
266恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/08 17:18
>>262
そうだね
>>265
お前から才能を感じるぞ!

お前らどんどんかけや
267('A`):04/04/08 19:37
長すぎ
268('A`):04/04/09 05:56
世界じゅうがだれもかも偉い奴に思えてきて
まるで自分ひとりだけがいらないような気がする時
突然おまえから電話がくる 突然おまえから電話がくる
あのぅ、そばでも食わないかあ、ってね

べつに今さらおまえの顔見てそばなど食っても仕方がないんだけれど
居留守つかうのもなんだかみたいでなんのかのと割り箸を折っている
どうでもいいけどとんがらし どうでもいいけどとんがらし
そんなにかけちゃよくないよ、ってね

風はのれんをばたばたなかせてラジオは知ったかぶりの大相撲中継
あいつの失敗話にけらけらわらって丼につかまりながら、おまえ
あのね、わかんない奴もいるさって あのね、わかんない奴もいるさって
あんまり突然云うから 泣きたくなるんだ

風はのれんをばたばたなかせて ラジオは知ったかぶりの大相撲中継
くやし涙を流しながらあたしたぬきうどんを食べている
おまえは丼に顔つっこんでおまえは丼に顔つっこんで
駄洒落話をせっせと咲かせる

風はのれんをばたばたなかせて ラジオは知ったかぶりの大相撲中継
269恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/09 19:01
安部工房の「箱男」読み始めたけど
全然意味わかんないよ
270恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:05
お前ら小説書けよ
魂を揺さぶるような感動巨編を書いてみろ!
271恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:08
俺しか小説家はいないのか?
俺は今、神の恋愛ストーリーを精鋭執筆中だ
そのために、2chで情報収集をしている
272恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:11
畜生。書いても誰も読まなさそうだな。
まあ、いい。なんかの賞もらえる奴に応募してやる!
273恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:14
しかし、もし長編を書いたとすると
400字詰で300枚くらいだよな?
ここに載せるとすると
一レスに400字載せるとして
300レス消費するわけだ
到底無理だな
274恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:17
実際、毒男板とかで見る
毒男の恋愛体験はかなり面白いよな
事実を淡々と書いてるだけだけど面白い
事実は小説より奇なりって感じだ
275('A`):04/04/10 01:19
ここに書き込むだけなの?
原稿とかに書いて投稿とかはすんの?
276('A`):04/04/10 01:19
いつもと変わりない昼休み。
いつもと変わりない三人で囲む昼飯の時間が、のんびりと過ぎていく。
食べ終えた弁当箱を収めようと僕が鞄に手を伸ばした時、リョウイチが言った。
「なあコウジ。お前と内田って結局、どういう関係なんだよ。」
「……はあ?」
いきなり何言ってんだ?
「どういう関係って、クラスメイトだろ?」
「それと家が隣同士でガキの頃からつるんどった、まあ幼なじみちゅう関係やな。」
すかさず、アツシがわざとらしいフォローをくれる。
僕の答えに満足するはずもないリョウイチは、違うちがーうと激しく首を振った。
「そんなこと知ってるさ。俺が聞いてるのは好きとかつきあってるとか、
そっち方面のことだよ。」
「…………。」
……やっぱりね。
……来ると思った。
僕はうんざりした。リョウイチとアツシは話のネタが切れたりした時、よくこの話題を持ち出してくる。
それで僕が困ったりすると、その姿をつまみに二人でニヤニヤと楽しんでいた。
ただ、そうはいってもこの二人と知り合ってから、もう1年と5ヶ月くらい経つ。
さすがに最近は僕の方も少しは慣れてきて、適当にあしらうスベというものを
身に付けつつあった。

277恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:21
モテナイ男性にオススメの小説って何かあるか?
前のほうに出てた、安部工房は難解過ぎたよ
分りやすくて面白いのないか?
278('A`):04/04/10 01:23
北杜夫の「どくとるマンボウ青春期」が読みやすくてお勧め
279恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:23
>>275
勿論、投稿してみたいが
俺はまだ素人だしな
小説の神が現れれば盛り上がるが
280恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 01:25
>>276
なんか読みやすくて良い
>>278
そうか、読んでみるよ!
281('A`):04/04/10 01:26
北杜夫の童貞喪失は確か25.6だったような
立派な喪男
282('A`):04/04/10 01:26
http://www.zavn.net/dlntop.html
こんな稚拙な文章でも映画化漫画化だぜ
283('A`):04/04/10 01:28
>>282
作者がイケメンだからな
284('A`):04/04/10 01:33
あっ…もう1時間はなめつづけている。
ハゲあがった頭を小刻みに揺らしてクチュクチュ音を立てて、オヤジがうれしそうに言った。
「オイしいねアユちゃんのは」
アユは、17の女子高生。かなりカワイイ。オヤジから5万くらいはとれる。
最後に口で出してやると喜ぶ!
「んっ」のどの奥までどろっとしたのが出たまあこれで5万ならいっかとアユは思う。



これでいくら稼いだんだ。
285276続き:04/04/10 02:02
「別に。そんなこと全然ないけど。」
ムキになったら二人の思うつぼ、僕は出来るだけ素っ気無く答えた。
「ホントかぁ?………なあ、コウジ。冗談抜きで聞くけど、内田のこと
本当に、何とも思ってないのか?」
リョウイチは一言一言区切って、確認するように聞いてきた。
その言葉につられて思わず顔を見ると、リョウイチはけっこうマジっぽい。
「……………何だよ、どうしてそんなこと聞くわけ?」
いつもと違ってふざけた様子が全然ない分、少し戸惑ってしまう。
とりあえず逆に聞き返すことで、リョウイチの出方をうかがおうと思った。
………が、それは間違いだったのかもしれない。
リョウイチが眼鏡のズレを直す仕種を取りながら、口元をニッと歪める瞬間を、僕は確かに見た。
「いやな、実は昨日3年の先輩からコウジと内田のこと聞かれたんだよ。どういう関係かって。
お前ら否定してるけど、周りから見たらつきあってるようにしか見えないからな。」
「ち、違うって言ってるだろ……」
「はいはい、まあ先に話聞けって。……それで本人に聞いてもし違うんだったらその先輩、内田に
告白するんだってさ。それでホントのところどうなのか、俺に調べてくれって頼んできたわけ。」
……ユウコに告白する?
どこのチャレンジャーだ?
命知らずなことを……。
「かーっ!あんな狂暴女のどこがええんや。誰や、その見る目ないアホは。」
アツシが、僕もほんのちょっとだけ思ったことを代弁してくれた。

286276続き:04/04/10 02:03
「そういうのは聞きっこなし。アツシだって自分が好きな女子のこと、
言いふらされたら嫌だろ?」
「む……………まあ、それもそやな。」
「でもまあ、そこそこイケてるとは思うぜ。実際女子の間でも
けっこう人気高いみたいだしな。」
僕は心当たりを想像してみた。
3年の、カッコ良くて、人気がある………。
……まったくわからない。
てゆーか、わかるわけがない。
元々部活もしていない僕には、3年の先輩に知り合いなんているはずない。
「中身はアレやから、ぱっと見で内田に騙された奴っちゅうことか……。
んで、どーするんやコウジ?」
とっても楽しそうにアツシが聞いてきた。
そのにこやかな笑顔がカンに障る。
「………別に。何で僕に聞くんだよ。」
「そら……なぁ、リョウイチ。」
アツシは鼻をピクつかせながら、リョウイチに同意を求めた。

287276続き:04/04/10 02:08
「ああ。内田とたまーに朝揃って学校来たり、たまーに放課後一緒に遊びに行ったりする
コウジとしては、心配でジュースも全部飲み切れないのではないかと思ったりするわけだよ。
……我々は。」
リョウイチは半分以上残っている僕のジュースを指差して言った。
「そらそうやわ。こんなピンチに呑気にジュースなんぞ飲んどれるかい。のお、コウジ?」
アツシがニヤニヤしながら絡んできた。
「ジュ、ジュースとユウコは関係ないだろ。」
「おっ?ちゅーことは、やっぱり内田が心配か?」
「…………。」
場は、完全に二人のペースだった。

288276続き:04/04/10 02:09
「まあ、待ちたまえアツシ君。もしかすると実は逆で、彼は心配のあまり喉がカラカラかも
しれない。そうだとすると彼はきっと残りのジュースに手をつけると見たね。
だから、飲んだ場合心配なのだよ。……どうかねコウジくん?」
「いや、そらないでリョウイチ。普通に考えてもこんな時に飲まへんやろ。
ちゅーか、飲めへんて。どうやろ、コウジ?」
「…………」
……くそう。
ジュース一つでここまでからかわれるとは思わなかった。
こんなことなら、さっさと全部飲んどけばよかった……。
もう何を言っても負けのような気がする。
こんな時は………。
ガタッ
「……おっ?コウジ、どこ行かはるんや?……ジュース手に持って。
……そうか、捨てに行くんやな?」
「いいや、それは違うなアツシ君。彼は一人でジュースを飲みたいに違いない。
誰も見てないところで名も知れぬ先輩に怯え、がっぷりごっぷり、喉の渇きを
癒したいのだよ、きっと。」
二人のいやらしい声を背に受け、僕は逃げるように教室を出た。
そのまま水道の前まで歩いてから、僕は持っていた残り半分のジュースを一気に飲み干した。
そして空になった紙コップを、脇にあったゴミ箱に投げつける。
……くそう。
喉の渇きは別として、結果はリョウイチの言う通りだった。
289276続き:04/04/10 03:09
キーン、コーン、カーン、コーン……………。
チャイムが鳴り、今日一日の授業が全て終了したことを告げる。
昼休みの後、掃除を挟んで午後の授業が2時間。
ぼーっとしていたせいか、いつもならじれったく感じる時間の流れを意識することもなく
気づいた時には放課後だった。
当然、その分授業の内容もほとんど憶えてなかったりする。
「コーウジっ!」
「わっ!」
帰り支度をしていると、突然横からユウコが現れた。
ビクッとしたはずみに、持っていた教科書が手から落ちる。
「ちょっと、そんなに驚かなくてもいいじゃない。」
「ユ、ユウコが急に出てくるからだろ。」
慌ててユウコから視線を逸らして、教科書を拾うふりをして動揺を誤魔化した。
「何よ、どうせあたしのことでも考えてたんでしょ。
ああ、なんて美しきユウコ様………てな感じかしら?」
「う、うるさいな。そんなわけないだろ。……自信過剰なんだよ。」
その通りです、と言えるはずもない。
「むう、コウジのくせに生意気ね………。ま、いいわ。今のは聞かなかったことにしてあげる。」
「…………」
むしろ聞いててくれよ、と思ったけど、それは心の中だけにしまっておいた。
290276続き:04/04/10 03:09
「それよりあんた、これから用事ないんでしょ?……ないわね。だったらショッピングに
行きたいからつきあって。お礼に荷物持たせてあげるから。」
腰に手を当てて偉そうなポーズを決め、勝手なことをぬかすユウコ。
今日も世界はユウコを中心に回っているらしく、当然こっちの都合なんか構うはずもない。
チャイムは鳴ったばかりなのに、ユウコはすでに鞄を抱えている。
その準備万端ぶりが、行く気満々をアピールしていた。
「……何故、どーして、お礼が荷物持ちなわけ?」
「あたしの荷物を持たせてやるって言ってんのよ?こ・の・あたしの。
もっと素直に喜びなさいよ。」
「……喜べない。そっちこそ素直に荷物持つの手伝って下さいって頼めばいいだろ。
持ってやるかは別だけど。」
「フン、あんたごときに下げる頭なんて持ってないわ。」
「ごときって…………あ。」
言い返そうとした時、ユウコの肩越しに、アツシとリョウイチがこっちを見ていることに気づいた。
さっきのように、ニヤニヤと不気味な笑みを貼り付けている。
ただひたすらねぶるようにこっち見つめる瞳は、何かの観察者を思わせた。
「……ん?何?」
ユウコが僕の視線の方向に気づいて、振り返った。
「あ。」
その先のモノを目にした途端、何を思ったかユウコは突然歩き出した。

291276続き:04/04/10 03:10
「あっ、ユウコ……」
うう……。
出来れば今、あの二人には近づきたくない。
でも昼休みのこともあるし、放っとくとユウコに何を吹き込むかわかったものじゃない。
僕は鞄を掴み、イヤイヤながらもユウコの後を追った。
ユウコは椅子に座っている二人の前で立ち止まった。
「……ちょっとあんた達、ゲーセンなら二人で行きなさいよね。コウジはダメよ。
今日はあたしの荷物持ちで忙しいんだから。」
勝手に僕の予定を組んでくれるユウコに、アツシが小指で耳をほじくりながら答えた。
「んあ?……おお、そうか。どーぞ行ってくりゃええがな。わしらに約束なんぞないしな。」
「そうなの?だったらいいけど…………何なのよ、そのムカつく笑いは。」
ユウコはアツシをじろりと睨み付けた。
「何でもあらへんがな。のお、コウジ?」
「ぐっ……」
アツシの視線から目を逸らす。
……が、逸らした先には、リョウイチの眼鏡が待ち構えていた。
心なしか、少し光っているように見える……。
「そういえばコウジ、昼休みにお前に話したこと内田にも聞いていいか?」
「え?いや、どうかな……。」
……思った通りの展開が始まろうとしている。
ユウコに知られるとなると気が重かった
292276続き:04/04/10 03:10
「何よ?何の話?」
興味を引かれたユウコが僕に聞いてくる。
どう言っていいものか迷っていると、焦れたユウコはリョウイチに向き直った。
「岡島、教えなさいよ。」
「ああ、いいぜ。コウジいいよな?」
「あ……うん。」
僕は仕方なく曖昧に頷いた。
駄目だと言っても話すに違いない……。
リョウイチは僕を見てニヤリと笑うと、こう言った。
「コウジと内田はつきあってるのかって話だよ。
ズバリ、コウジは内田のことどう思ってるのか聞いた。」
「……!!」
「……なっ!!」
ユウコがビックリしたような声を上げたが、僕はそれどころじゃない。
てっきり3年の先輩の話だとばかり思っていたから驚いた。

293恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 03:39
アユの物語 第一部読み終えたよ
確かに、稚拙な文章だった・・
ストーリーも微妙だったが
294恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 03:41
>>276
ちょっと面白い
295276続き:04/04/10 12:10
「リョ、リョウイチっ、何言ってんだよ!」
「あれ?コウジこそ何驚いてんだよ。話すって言ったろ?」
その落ち着いた受け答えが確信犯ぶりをうかがわせる。
「そうじゃなくて……!3年の人のことかと思ったから……」
そこまで言った時、僕はハッと気づいた。
慌ててユウコの顔を確認する。
俯いているせいで表情は見えないものの、さっきまでの白い肌は、今や真っ赤に変わっていた。
ヤ、ヤバい!
顔に集まっていた血の気が、サーッと引いていくのを感じた。
恐怖で、半歩ほど後ずさる。
視線を落とした先に、鞄の柄をグッと握り締めるユウコの右手が見えた。
アツシはすでに避難済みで、教室の隅っこでバケツを被ってブルブル震えていた。
リョウイチだけがのほほん、と呑気に構えている。
お、怒ってる……。
相当、かなりデンジャラス……!
バカリョウイチ!
ユウコにこの話題は禁句なの知ってるはずだろう!?
なのに、何故!?
鬼の矛先が向かう先、それは十中八九僕なのに……。
……例え僕が悪くなくても。リョウイチを激しく呪いつつ、ハラハラしながら身構えていると……
ポツリ、ユウコが呟いた。

296276続き:04/04/10 12:10
「……コウジは、何て答えた?」
「…………え?」
予想とは違う、ユウコの言葉。
僕は思わず顔をガードしていた鞄を下げ、ユウコを見返してしまった。
「コウジは、どう答えたの?」
もう一度、俯いたままのユウコが繰り返した。
いつもと違うユウコの反応に僕が戸惑っていると、代わりにリョウイチが答えた。
「ただのクラスメイトだってさ。………あ、それと幼なじみとも言ってたな。」
「そ、それはアツシが……。」
何故かどっちでも良いことを、ムキになって突っ込んでしまう。
「……他には?」
「え……?いや、別に。」
「ふうん…………そっか。」
リョウイチの答えを聞いて、ユウコが顔を上げた。
相変わらず真っ赤なままだけど、怒っている感じはしない。
ただ、視線はどこに向かっているのか、わからなかった。
するとそこに、自分の身の安全を確認したアツシが戻ってきた。

297276続き:04/04/10 12:11
「で、内田はコウジのことどうなんか、っちゅうことをな……」
「アツシ!そんなことは………!」
「おお、話してない。せやけどええやないか。で、どうなんや内田?」
アツシのアホー!
ユウコがおとなしいからって、調子に乗り過ぎだ!
これ以上下手に刺激を………
「………コウジがそう言ったんなら、そうなんじゃないの?」
……へ?
ユウコはそのまま、教室のドアに向かって静かに歩き出した。
……アレ?
その後ろ姿を見送りながら、僕の頭の中は徐々にクエスションマークで埋め尽くされていった。
今日は何で怒らないんだ……?
そして、ユウコの姿が教室から消えた。
「……何や?今のリアクション。」
「ありゃあ?……何でケンカにならないんだ?」
二人は不思議そうな表情で、教室のドアを見ていた。
僕もそのまま呆けていると、突然後ろから声が掛かった。
「前田君!追いかけなくていいの!?」
ビクッ!
驚いて振り返ると、そこにはユウコの親友石井さんが恐い顔で立っていた。

298276続き:04/04/10 12:12
「な、何だよ、石井さん……。」
「何でもいいわよ!早くしないとユウコ行っちゃうわよ!」
「………行くって…………どこへ?」
「どっ……!もうっ、馬鹿!!鈍感っ!知らないっ!」
言いたい放題言うと、石井さんはドスドスと足を踏み鳴らして自分の席へ戻り、勢い良く座った。
「…………」
「そ、そうだよ。おいコウジ、放っといていいのか?」
リョウイチが慌てたように言った。
自分の予想とは違う展開に、焦っているようだった。
「…………」
「なあコウジ、わしらが言うのもなんやけど……。内田追っかけてフォローしとった方が
ええんとちゃうか?」
黙ったままの僕に、アツシも言う。
「何かえらい落ち込んどったみたいやし……。」
「そ、そうだ、コウジ。買い物行くんじゃなかったのか?内田と一緒に。
早くしないと間に合わないかも……」
二人の無責任な言葉が耳に遠い。
……どーしろってんだよ。
自分達が煽ったくせに……。
その時。
いきなり背中をドン、と押された。

299276続き:04/04/10 12:13
「うわっ!?」
さらにぐいぐい押され、僕は前に進む以外出来なかった。
「いっ、石井さん!?」
またしても、いつの間に僕のバックを……?
「さっさと行きなさいっ!!ぐずぐずしてないでっ!!」
そのまま一気に、教室の外までがぶり寄られた。
慌てて振り返る僕を睨み付け、石井さんは言った。
「……行ってあげて。」
「で、でも……。僕が行っても…………それになんて言えばいいかわからないよ。」
「なんでもいいのよ!前田君が追いかけることに意味があるの!」
「どう……」
「うるさーい!四の五の言ってないで、さっさと走れーー!!」
「ひいっ!」
僕は一目散に転がり逃げた。
「しくじったら、一ヶ月ぶっ続けで日直の刑よー!!」
ありがたくない激励が、背中に突き刺さる。

300276続き:04/04/10 12:13
「………………」
言われなくてもユウコの様子が変だったことくらい、わかっている。
わからなかったのは、どうすればいいかということだ。
でも、石井さんのお陰で踏ん切りがついた。
……ありがとう。
石井さんへの感謝を胸に、僕は急いでユウコを追った。
階段を3段飛ばしで駆け降り、下校時間で込み合う廊下を、人をかわしながら駆け抜ける。
走りながらユウコの落ち込んだ理由、石井さんに言われた言葉の意味を考えた。
もしかしたらという思いが、僕の中に少し前からある。
授業中でも休憩時間でも、ふとユウコを見た時、目が合うことがよくあった。
そんな時はどっちが先にしろ、僕もユウコも慌てて目を逸らした。
『前田君が追いかけることに意味があるの!』
石井さんの言葉が、耳の奥にこだまする。
その言葉の意味は………。
僕たちのことを周りに囃したてられたりすると、ユウコは真っ赤になるくらいすごく怒った。
……でも、今までのあれは怒ってただけなんだろうか?
もし僕と同じように、ムキになってただけだとしたら……。
そうだとしたら……。
下足場にはユウコの姿はなかった
急いで上履きを下駄箱に突っ込むと、靴を履くのももどかしく走り出す。

301276続き:04/04/10 12:54
………10年。
ユウコと出逢って、もう10年にもなる。
その間、僕たちはいつも近くにいた。
最近ではそういうこともなくなったけど、昔はよくお互いの部屋で遊んだりもした。
ユウコのことなら、いろんなことを知っている。
中学に入ってからは多分、誰も見ていない泣き顔とか………その他いろいろ。
数えたりすると、結構きりがないのかもしれない。
そうして積み上がった10年間の壁は、限りなく厚い。
………少なくとも根性なしの僕にはそうなっている。
今現在として。
手紙にしろ直接にしろ、なりふり構わずユウコに告白してくる人達を
ジェラる一方で羨ましくもあった。
僕にはない勇気を持っているように思えたから。
でも、もしかしたら今日は、その壁に向き合うべき日なのかもしれない。
少しくらい勇気や根性、出すべき日なのかも知れない。
長時間のダッシュでハイになってきた頭を振り振り、ひたすら足を前に踏み出す。
そして人込みで溢れる校門を出たところで、ようやく見慣れた後ろ姿を見つけた。
「ユウコッ!ちょっと待って………。」
僕の大声にアスカが立ち止まり、こっちに振り向いた。
ついでに校門付近にいる、ほとんどの生徒の注目まで集めてしまっている。
302276続き:04/04/10 12:55
……し、しまった。
ちょっと恥ずかしいかも……。
追いついたのはいいけど、かなりの距離をダッシュして来たせいで、
僕の息は完全に上がっていた。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ………」
両膝に手をつき、ユウコの靴を見ながら息を整える。
「………どうしたのよ、そんなに急いで。」
顔だけ上げると、無表情のユウコが僕を見下ろしていた。
「はあっ、はあっ、…………………買い物。」
「え?」
「買い物行くんだろ?置いてかないでよ。」
「……いいわよ、もう。……何かそんな気分でもなくなったし。」
「待ってよ。ユウコがそうでも、僕が行きたくなったんだ。他に予定ないだろ?」
「……ない、けど……」
「だったら行こうよ。今日は何故か、どうしても、すごく荷物が持ちたくてさ……。」
「なによそれ……バカ。」
ほんの少し、ユウコが笑った。
それを見て、僕は一気に畳み掛けた。
「そ、そうだよバカだよ。でも、バカだからいちいち人の気分にまで構ってられないってことで、
頼むよ、一緒に行こうよ。」
「…………」
少し考えるような素振りの後、手を合わせる僕を見てユウコは言った。
303276続き:04/04/10 12:56
「……じゃあ、何かおごってくれる?」
「え?………う、うん。いいよ。」
「だったらいいわ。一緒に行ってあげる。お望み通り荷物も持たせてあげるわ。」
「ホント!?……ありがとう、よかったあ……。」
「フフフ………バカ。」
今度はいつもの笑顔を見せてくれた。
ああ、ホントによかった……。
ほっとするのと同時に、ちょっぴり不安が湧き上がる。
「あ、でも、あんまり高いのはちょっと……。」
「大丈夫よ。ビッグマック2個にポテトのL3つにサラダにアイスなんて安いものでしょ?」
「………へ?」
「あ、それとあとコーラもね。」
「…………それ、本気で言ってる?」
「当然。大マジよ。」
「…………」
……食いしん坊万歳。
ひょっとして僕は、とんでもない思い違いをしていただけなんだろうか……。
304276続き:04/04/10 12:56
とりあえず元気を取り戻してくれたユウコは、マックで宣言通りのモノを食い倒した。
その上でまだメニューをじっくり眺めるユウコに、僕は半分マジ泣きで許しを乞うた。
「冗談よ。いくらなんでも、これ以上はあたしも食べられないわ。」
「…………」
空になったポテトの袋の底をしつこく漁る指が、明らかに別の真実を物語っていた。

続いて今日のユウコのメインだった、服選びにブティックへと連行された。
「ど、どれくらい時間かかりそうなの?今日は……。」
「そうね。……ま、2・3時間てとこかしら?」
さらっ、と軽やかにのたまうユウコ。
喋りながらも、鷹のような視線は、常に服へと向かっている。
「そ、そうなんだ。あ、でもおばさんが心配するといけないから、
早めに切り上げないとね……。」
「ああ、それなら大丈夫。今日、ママ仕事で8時過ぎまで帰らないから。」
「………………へえ。」
305276続き:04/04/10 12:57
7時。
結局3時間、閉店ギリギリまで粘ったユウコは、最後まで悩んでいた三着から
二着に絞ってレジに向かった。
「…………」
何もしない、何もない時間がこんなに大変だとは思わなかった……。
嬉しそうに紙袋を受け取るユウコを眺めながら、改めて長い長い3時間を振り返った。
『ねえ、コウジ。これどうかな?』
『え?うん、いいんじゃないかな……。』
『えー、そうかなぁ。でもここの柄がちょっとねえ……。』
『……そ、そうかもね……。』
『あっ、コウジ。これは?』
『……そうだね。これなら柄もないし、シンプルでいいと思うよ。』
『うーん、でもやっぱり少し地味かしら……。』
『……………』
だったら聞くなよ!!
……なんて言えるはずもなく、凄まじいまでの時の流れの遅さと闘いながら
ひたすら耐えた。
よくやったよ、僕……。
独り寂しく、自分を賞賛してみたくもなる。
「お待たせ、コウジ。行きましょ?」
何時間か前の落ち込んだツラは一体何だったのか、と思えるほどの笑顔でユウコが言った。
やっぱりアレは思い過ごしに違いない……。
店を出ると当然のように太陽は沈んでいて、街はネオンや街灯の光に彩られていた。
306276続き:04/04/10 14:06
「んーーーーー………っ。」
ユウコが気持ち良さそうに身体を伸ばしている。
「あふぅ……。」
僕はその隙に、あくびを噛み殺した。
「それじゃあ、はい、荷物。持たせてあげる。」
「ど、どうも。……すごく持ちたかったんだ。ハハ……。」
乾いた笑い声を上げながら、ユウコの服が入った紙袋を受け取った。
「……フフ、バカ。」
楽しそうにアスカが笑った。
「なんだよそれ……。」
口を尖らせつつも、僕は安心した。
ユウコが元気であることに越したことはない。
……ま、これでいいかな?
放課後、ユウコを追いかけていた時の決意はどこへやら、まるでいつも通りの関係に
落ち着いている。
………だがしかし。
そう思っているのは僕だけだった。
それに気づかされるのが今からジャスト1分後だとは、まさか夢にも思わない。
人生平穏が一番、というMy座右の銘が、再びどっしりと僕の中に腰を落ち着けようとした
まさにその時。
「………ねえ、コウジ。どうしてさっきは追いかけて来てくれたの?」
不意にゴングは鳴らされた。
307276続き:04/04/10 14:07
「え?」
「コウジあの時、すごく息切らしてたじゃない。もしかして教室から全力で走ってきたの?」
「うん、そうだけど……。」
「……そう。……どうして?」
「い、いや。……どうしてって、ほら…………ちょっと、心配だったから……。」
……何だ?
この話の流れは、何なんだ?
「何で、心配だったの?」
「え?……あ、なんて言うか………ユウコが落ち込んでるみたいに見えたから、かな?」
「……そうかもね。あたし、落ち込んでたかも。」
「…………」
「どうしてだか、わかる?」
ドキリ、心臓が跳ねた。
その時にはもう、僕はリングの上に立たされていた。
反対側のコーナーに見えるのは、壁。
10年間という、そして幼なじみという厚く高い壁だった。
家が隣りで、昔よく遊んで、今はアツシやリョウイチに対するものと同じ感覚で街へ
遊びに行ったり、一緒に登下校したりする間柄。
それでも周りのみんなは、僕達がつきあっているんじゃないかと騒ぐ。
僕達にとっては意識することのない、ごく当たり前のことだったとしても……。
308276続き:04/04/10 14:07
『ところが』
というやつだった。
いつの間にか、周りのみんなが決め付けたデマが、悔しいことに僕の願いにも
なってしまっていた。
だから余計に壁は厚く、高い。
意地になって否定してきた分だけ。
それに失敗なんかした場合、この先ユウコにどういう顔していいのかわからなくなってしまう。
家、隣りだし、逃げるわけにもいかないし……。
尻込みするなと言う方が無理だ。
ドクン、ドクン……。
耳の奥に鼓動が響く。
続いて喉がカラカラになるのを感じた。
ユウコは……。
ユウコは、どういうつもりで…………?
もう頭の中は真っ白だった。
まるで全身あらゆる部分が耳になったような感覚で、ユウコの次の言葉を待った。
「……授業中にね、コウジとあたしってよく目が合ったりしない?…………それってね。
それってあたしの勘違い……?」
「!!」
やっぱり……。
やっぱりユウコもそうだったんだ……。
309276続き:04/04/10 14:08
「どうしてあたしは落ち込んで、どうしてコウジはそのあたしを心配して
追いかけてきてくれたんだろうね?」
「放課後から今まで、馴れないくせに気なんか遣って
あたしの我が侭にもイヤな顔一つしないでさ……」
「いつもだったら、30分も服見てたら文句言うくせに……」
壁は、……………壁はまだある。
でもそれは僕が根性出せば、超えられない高さでも厚さでもない。
ユウコがここまで低く、薄くしてくれた。
だから僕は、生まれて初めて心の底から勇気を振り絞った。
鞄を持つ右手を握り締め、意を決すると口を開いた。
「授業中とか………。授業中とか、休憩時間の時にユウコと目が合ったの、勘違いじゃないよ。
……よくユウコの方見るから。」
「ど、どうして……?」
ユウコが、バッと僕の顔を見た。
「……見てたいから。でもさ、ユウコに気付かれたりしたらすぐ目逸らしちゃうけどね。
……恥ずかしくて。」
「どうして見ていたいの?……その………あ、あたしのこと。」
……来た。
ついにこの時が、来た。
310276続き:04/04/10 14:09
よし……!
……と、ユウコの真っ赤に染まった顔を、一心に僕を見詰める潤む瞳を見た瞬間。
普段のへタレな僕が、ひょっこり顔を出した。
一瞬でユウコから顔を逸らしてしまう。
ダ、ダメだ………とても正視出来そうにない。
で、でも………。
でも、ここで逃げちゃダメだ!
どうする?……どうする?
頭の中の葛藤にケリをつけた結果、少しだけ遠回りを自分に許すことにした。
「そ、その前に…………ユ、ユウコを追いかけた訳から話すよ。」
説明口調がもどかしく、自分で自分が腹立たしい。
情けない自分自身を奮い立たせて、今度こそ想いを伝えるべく大きく息を吸い込むと、
僕は口を開いた。
「……………。」
ところが。
なーんにも言葉が出てこなかった。
お、落ち着け、僕!
えっと、ユウコを追いかけた理由は…………アレ?
焦れば焦るほど言葉が頭から逃げていく。
311276続き:04/04/10 15:23
「………コウジ?」
呆然と固まる僕に、ユウコが心細そうに声を掛けた。
「……だ、大丈夫。ちょ、ちょっと待っ………て。」
一旦身体を横に向けて、深呼吸した。
な、情けなさ過ぎる………。
ギュッと、固く目を閉じる。
「…………。」
しばらくそうしていると、雑踏の音や微かな風の音に気づいた。
……ああ、そうか…………そうなんだ。
間抜けでも何でも、仕方ない。
これが僕なんじゃないか。
なに慣れないことして、カッコつけようとしてたんだろう……。
ようやくここまできて、僕は簡単なことに気付いた。
それと同時に、身体中から余計な力が抜けていく気がした。
そして目を開いた。
……そうなんだ。
追いかけた訳だって、そんなもの最初から一つに決まってる。
遠回りなんか出来るはずもない。
いろいろ小さな理由をつけたって、本当の単純な気持ちの前には霞んでしまう。
いつもの勝ち気そうな瞳は影を潜め、どこか不安そうな表情を
浮かべているユウコに向かって僕は言った。
飾り気も何もない、殻を取り去った本当の自分の気持ちを。
312276続き:04/04/10 15:23
「………ユウコを見てたのも、ユウコを追いかけたのも、ユウコのこと、好きだからだよ。
友達とか、幼なじみとかそれ以上に。いつも一緒にいるけどさ、ホントはちょっと緊張したり
することだってあるんだ。結構前から、ユウコに肩叩かれたり、ユウコが笑顔見せてくれるだけで
ドキドキするようにもなったりしてさ。……何でもない顔するのにも苦労したり。
……ほら、そういうのユウコ鋭いよね。あんた今あたしのこと考えてたでしょう、とか言って。
あれってホントはさ、かなり当たってたよ。」
そこで言葉を区切ってユウコを見た。
途中から俯いてしまっていて、表情が見えない。
構わず僕は続けた。
「だから、………どう言えばいいかな。……とにかく、ユウコのことずっと好きだった。
髪も、目も、顔も、性格も、全部。……あ、愛……とか言うと何か変な感じがするから
だから、………好きって言葉じゃ足りないくらい、大好きだよ、ユウコ。」
………言った。
言ってしまった。
今年中には絶対言うことはないと思っていたこの言葉を。
不思議な気持ちだった。
まだ返事も聞いてないのに、何だか妙にすがすがしい気分。
今も心臓はバクバクいっていたが、気持ちは大分落ち着いている。
雑踏の音が、気のせいかさっきより大きく聞こえた。
ユウコは俯いたまま動かない。
……どうしよう?
何か言った方が良いだろうか?
でも言いたいことは全部言ったし……。
僕が迷っていると、ユウコが一歩、僕に向かって踏み出した。
313276続き:04/04/10 15:24
「あっ……。」
「…………。」
僕の肩に、ユウコが顔をうずめる。
「……ユ、ユウコ?」
「………いつから?」
「え?」
「いつからあたしのこと、好きだったの?」
「え…………えっと、小学校の……6年の時くらいから。」
「………それなら、あたしの勝ち。」
「勝ち?」
「そう、あたしの勝ち。あたしは4年生のときから、コウジのこと好きだったよ。
……友達以上に。」
「ユウコ……。」
「だから、あたしの勝ち。………あたしの方が愛は深いの。
コウジがあたしのこと好きって言った以上に、あたしがコウジを好きな気持ちの方が大きいの。
コウジが恥ずかしがって言えないことだってあたしには平気よ。
コウジのこと、愛してるよ。
愛してるって言葉じゃ全然足りないくらい、すごく愛してる。」
「……ユウコ……。」
胸が詰まった。
言葉に出来ない想いが、身体中を電気となって走るような感覚。
荷物と鞄が両手から滑り落ち、気づいた時にはユウコを力いっぱい抱きしめていた。
314276続き:04/04/10 15:24
「んっ…………コウジ、ちょっと痛い……。」
「……あっ!ごっ、ごめん!」
慌てて腕をほどこうとすると、逆にユウコの両腕が僕の背中に回された。
「ユ、ユウコ?」
「いいよ……。痛くても、嬉しいから……。」
顔を伏せたままでユウコは言った。
「……好き。大好き。」
「……………。」
少し迷った後、もう一度、今度は力が入り過ぎないようにユウコの背中に手を回した。
「ねえ、コウジは?……あたしのこと………どう?」
「い、今言ったじゃないか……。」
「いいじゃない。何度でも聞きたいの。……ねえ、コウジ?」
「………好きだよ。海の深さなんか目じゃないくらい、大好きだ。」
多分、さっきユウコが言った『愛の深さ』という言葉が頭に残っていたんだろう。
言ってる自分自身よくわからない例えだったけど、それでもユウコは嬉しそうに笑った。
「……嬉しい。でも、それならあたしは地球の大きさなんか目じゃないわ。
……言ったでしょ?あたしの方が、愛は上なの。」
地球とはまたスケールのデカイ愛に発展したもんだと思いながらも
ユウコの言葉が今この瞬間、死んでも後悔ないくらい嬉しい。
ああ、どうか夢じゃありませんように………。
「夢みたい……。」
僕が思っていたのと同じことを、ユウコが口に出して言った。
315276続き:04/04/10 15:25
「え?」
「夢みたい、って言ったのよ。」
「……………。」
「むう……何よ。……あたしが言ったらそんなに変?」
早合点するユウコに、僕は思わず首を振った。
「違うよ。ただ……」
「……ただ?」
「ユウコ………可愛いね。」
ピクッ、とユウコの身体が揺れた。
「と、当然じゃない……。今頃気づいたって、遅いわよ。」
少しだけ、普段の勝ち気な性格が顔を覗かせる。
「いや………別に今気づいたって訳じゃ……」
「だったら………………………も、もう一回、言ってよ。」
「ええ!?」
「な、何よ!良いじゃない、言いなさいよっ!」
「でも……恥ずかしいよ。」
「………嘘なんだ。コウジはあたしに嘘をつくのね……。」
この世の終わりのような声でユウコは言った。
316276続き:04/04/10 15:25
ズ、ズル過ぎる……。
「そ、そんなわけないだろ……。わかったよ。」
「じゃあ言って。」
「………ンンッ、ゴホン。」
「…………。」
「い、言うよ。」
「い、いいわよ。」
「………ユウコ、可愛いよ。」
「……もう一回。」
「可愛いよ、ユウコ。」
「どれくらい?」
「………プロ野球板の、山下大輔とともに苦難をのりこえてゆくスレの
住人のスピリットなんか目じゃないくらい可愛い。」
……ちょっとふざけ過ぎかな?
どうしても照れが入ってしまう。
でもそんな僕の心配をよそに、ユウコはうっとりした声で言った。
「………嬉しい。最高の例えだわ………。」
………じょ、冗談だよな……?
「そ、そう?……それはともかく…………そろそろ行こうか。もう7時……15分だよ。」
抱きしめたままで、ユウコの頭越しに腕時計を見る。
317276続き:04/04/10 16:10
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄

>>301-306のアスカはユウコに脳内変換してください。
ついでに主要人物の紹介します。
前田コウジ 岡島リョウイチ 小田アツシ
内田ユウコ 石井アスカ 武田クミ
318('A`):04/04/10 20:01
>>276
えーと、本当に自分で書いたんですか?
とメチャ失礼なことを聞きたくなるくらい、良く出来てます。(スマソ

ありがちといえば、ありがちなストーリーだけど、
ここまでちゃんと面白く、ドキドキさせられて、登場人物の心情の機微が
良く理解でき、しかもみんなキャラ立ってるんだから、
たいした問題ではないです。 GJ!!
あと最後のオチ、私は意味がわかんなかったです。
俺もよくできてるなぁと思いましたよ。
てか、まだ続きあるんでしょこれ?
320恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/10 21:15
agemasu
321('A`):04/04/10 22:08
ながいわ
322('A`):04/04/10 22:19
なんかちょくちょく作品出てて楽しい
いいスレだ
323276続き:04/04/11 01:18
店を出たのが7時。
つまり15分近くもの間、ここでユウコとラブシーンを演じていたことになる。
ユウコと抱き合っていること自体は最高に幸せだった。
出来ればいつまでもこうしていたい。
が、それ以上の問題も発生していた。
今の今まで忘れていたけど、ここは天下の往来。
こんな道のど真ん中で、制服を着た中学生が人目も憚らずに抱き合っていたら……。
そりゃ、誰だって何事かと思うだろう。
立ち止まってじろじろ見物する人がいたって、仕方がない。
文句を言える筋合いは、僕にはこれっぽっちもない。
間違いなく僕達の方が悪いんだろうから……。
「ヤダ。」
ユウコが僕の提案をあっさりと退けた。
「……ユウコ、周り見てみなよ。すっごい人だかり、出来てるよ……。」
僕達を中心に半径5メートルほど空間があり、そこから外にはかなりのギャラリーが
ひしめいていた。
彼らは物音一つ立てないで、固唾を飲むように僕達二人を見守っている。
………なんてマナーの良い観客なんだろう。
変なところに感心してしまう。
324276続き:04/04/11 01:18
ユウコは少しだけ顔を上げると、またすぐに僕の肩に顔をうずめた。
「ね、見えただろ?せめて、ここからは離れようよ。」
ボソボソとユウコに耳打ちする。
この状況で二人だけの世界に浸れるほど、僕は神経太くはなかった。
が、そうでない者が目の前に、厳密には腕の中に約一名。
「……イヤ。」
「そ、そんな………、ちょっと待ってよ、みんなに見られてるんだよ!?」
またしてもボソボソと、しかし今度は必死にユウコに訴えた。
そのみんなの視線に、ついさっきまで自分も気づいてなかったことは棚に上げておく。
「……そうね、ちょっと気になるわね。」
この人込みをちょっと、と言い切る度胸に呆れながらも、僕は内心ほっとした。
あとはどうやってこの輪の中から抜け出すか……。
きっかけを探す僕に、ユウコが言った。
「………ただし。」
「え?」
背中に回されているユウコの腕に、グッと力が込められた。
「ただし、せっかくコウジがあたしを抱きしめてくれたんだから、このまま離れるのは、イヤ。」
「ええ!?」
「だから最後に、コウジが言った言葉が嘘じゃない証拠……ちょうだい。」
「嘘じゃない証拠って、嘘なんか一つも言ってないって!」
「わかってるわよ。………だから、証拠。」
「証拠って?」
「……コウジが自分で考えて……。」
そ、そんな……。
325276続き:04/04/11 01:19
天国に閻魔。
地獄に仏の反対って言ったら、こう言えば良いのかな……。
そんな状況だ。
……わかってる。
いくら鈍感キングの称号を持つ僕にだって、ユウコが何を言いたいのかくらい、
わかってるさ……。
追い討ちをかけるようにユウコが言った。
「あたしはずっとこのままでもいいよ。……こうしてるだけで、すごく幸せ……。」
可愛らしい声が胸に刺さる。
ああ、こんな状況じゃなかったら僕だってもっと幸せに集中できたのに……。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
1分経った。
ギャラリーは減らない。
まったく動きのない僕達に飽きて立ち去る人もいたけど
新たに通りかかった人達がその穴を埋めていた。
多分ほとんどの人が僕達をただのカップルではなく、何かのパフォーマンスと
思い込んでいるんだろう。
326276続き:04/04/11 01:19
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
また1分経った。
ユウコは動かない。
時折、僕の肩に顔をすりつけるような動きをするだけだった。
………さっきの言葉に嘘はないらしい。
だんだん追いつめられていくのがわかる。
すでに身体中に緊張が行き渡っていた。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
さらに2分経過。
ギャラリーは減らず、当然ユウコも動かない。
だがしかし。
限界をとうに超えていた僕は、すでに腹をくくっていた。
あとは彼が…………そう彼次第だ。
僕はギャラリーの中にいた、一人のサラリーマンに運命の引き金を託していた。
サラリーマンが動いた時、僕も動く。
目の端に彼を捉えたまま、僕は待った。
「…………。」
「…………。」
そして、さらに1分が過ぎた時。
プルルルルル、プルルルルル………。
奇妙な静寂を打ち破る電子音が鳴り響いた。
と、運命のサラリーマンが慌てたように輪を出て行った。
う、運命が動いた……。
327276続き:04/04/11 01:20
よ、よし………今だ!!
抱きしめていた両手を離し、ガッ、とユウコの両肩を掴んだ。
「あっ……。」
はずみでユウコの両腕が僕の背中からほどける。
目の前に、ビックリしたようなユウコの顔があった。
オオッ……!?
ギャラリーからざわめきが起こる。
ひるみそうになる気持ちを奮い立たせて、僕はユウコに言った。
「……いくよ。」
少し遅れて、ユウコはビックリした顔のまま、
コクリ
頷いた。
それを合図に、肩を掴んでいた手を、今度はユウコの両の頬に添えた。
「あっ……」
小さな呟きを無視する。
そして、一気にユウコの唇を奪った。
「んっ……!!」
ウオオオオ……!!
さらに大きくなったギャラリーのどよめきを感じながら、僕は目を閉じ5秒数えた。
何故5秒なのかは、そんなこと知らない。
1……2……3……4……5!
5秒経った瞬間、僕は唇を離した。
「……はあっ。」
そして、キスする前と同じ表情で固まったままのユウコに言った。
「……これで信じてくれるだろ?」
地面に落ちた荷物を拾って右手にまとめ、ユウコの手を左手で掴むと、
僕は人込みの中に突入した。
驚いた人達が咄嗟によけて出来た穴を掻い潜り、ユウコを引っ張ってそのまま走り去った。
背後から聞こえる大きな歓声、鳴り響く拍手に恥ずかしさを噛み締めながら
僕はさらに足を速めた……。
328('A`):04/04/11 01:58
>>276
ここにのっけたら?
ttp://bbs.bookstudio.com/index.htm
オンライン小説投稿

そしたら通って読んでやるよ
329('A`):04/04/11 12:18
あんげ〜
330恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/11 21:28
続きマダ~?
331('A`):04/04/11 21:33
――見給え。

こんなにも髭を伸ばし、
こんなにも埃を溜めたこの部屋に住む、
こんなにも夢の詰まった、それだけの肉袋を。
彼の生涯その3年が言語を覚えるだけで
それから4年が仕組みを識ることだけで
それ以降の9年が義務と言う名の無駄に
そこから先の7年が惰性の結果に過ぎず
今に至りなおも徒に浪費されていく様を。

どうだい?

――ただ生きるのは、辛いだろう?
332('A`):04/04/11 23:47
すみません。小説家になるには
やっぱり文系の大学にすすんだほうが
良いですか?
自分は高3でゲームプログラマーにもなりたいので
理系にいます。
333('A`):04/04/12 00:14
理系のほうがいいと思う
だって、文型の小説家なんてめずらしくもない
安部公房、寺田虎彦、加藤周一、パラサイトイブの人
理系にしなさい
334恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/12 00:19
>>332
文系って言っても
経済、商学、法学は小説と全く関係ないぜ
俺も理系がいいと思う
後、取り合えず、何か書いてみろ!
335('A`):04/04/12 00:21
>>333
ありがとう!やっぱ文を書くんで文系かなって
思ったけどそーゆーの関係ない見たいですね。
よし!このままじゃ国公立の大学にいけないので勉強します!
336335:04/04/12 00:25
>>334
ありがとう!このままじゃ小説どころか大学いけないので
勉強します。受かったあかつきには書かせてもらいます!
337('A`):04/04/12 23:48
おれ二浪。趣味で小説書いてる
受かった暁には溜まりに溜まったスペルマを発表して、
芥川賞→綿谷と友達→ファースットキsっす
338恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/12 23:49
書いてるなら見せてくれよ
339('A`):04/04/13 00:11
340('A`):04/04/13 00:13
>>337
どんな内容?
341('A`):04/04/13 00:21
長編で書いてみたが、まったく構成も作れずバタンキュー。
20枚書いたけど、やっぱり面白くないわ、これ。
直木賞を目指した無駄な3ヶ月ですた。

だけど詩を書くセンスはあると自分でも思ったので
方向性をシフト。
これからは銀色夏生を目指します。
>>331
短いな
>>341
見たいなあ

今日は、綿矢リサの「インストール」を立ち読みしてきた。
2chでは評判悪いけど、17歳であんなの書けるって
やっぱ天才だなと思いましたよ。
343('A`):04/04/13 00:36
>>341
たしかに>>331の詩的センスはいい
今日は、
「どくとるマンボウ青春記」と
「ロードス島戦記」
を買ってきました。
345恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:01
なんかすごい鬱になってきた
誰かお話してよ
346恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:02
どくとるマンボウ読んだ。
小説っていうかエッセイだった。
青春は恥ずかしいものなんだって
お前らもせいぜいここで恥晒そうぜ
347恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:05
小説考えても、暗くて痛い小説しか思い浮かばない
もっと、軽くて楽しい小説書きたいのに
348恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:07
どくとるマンボウには
マンボウ氏の青春期の「恥ずかしい」日記やら詩やらが
載ってたけど、十分レベル高かった
というか、レベル高くてよく分らなかった
やっぱ頭がいいんだろうね
349恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:08
何かオススメの小説ないか?
ロードス島戦記つまんないよ
350恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:10
ズッコケ三人組って知ってるか?
あれ中学の頃読んでたけど面白かったよ
あれくらいだな、俺が読んだ小説って
351('A`):04/04/13 21:10
どんなのが読みたいの?
352恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:12
読みやすくて、暗い青年が共感できるようなの
それでいて、爽やかな後味もあるよなのがいいです
353('A`):04/04/13 21:12
コテからいうと恋愛小説読みたいのか
354恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:13
俺は、青春コンプレックスに陥ってる
自分で小説書いてそれで青春味わいたいと思っているのかもしれない
355恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:14
いや、そういうわけじゃないです。
ただ、あんまり難しいのは読みたくないです。
太宰治とかも読もうとしてみたけど
難しいっつーか文体が古いと読むのだるくないか?
356( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 21:15
俺もモテないから小説書いてるよ。
モロバトロワの影響受けてるから新鮮味無いけどね・・・
読みやすくて暗い青年が共感できる。。。村上春樹か?
同じ村上でも村上龍だと全然違うから要注意。
でもどっちかってと龍のほうが好き。5分後の世界とか、限りなく
透(以下略 とか。

あと個人的には藤原伊織とかすき。
358恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:16
バトルロワイヤルか・・
活劇だな
359('A`):04/04/13 21:17
太宰はだるかったか
360('A`):04/04/13 21:18
>>355
『NHKにようこそ』をおすすめします。探せば図書館にあると思うので
361( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 21:19
>>360
それの漫画版 オカズにした憶えがある
362恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:19
村上春樹か
彼の小説は、確かに読みやすい
けど、なんか妙な雰囲気があるよね
なんかすごい奥が深いっていうか
上辺だけしか、理解できない俺には・・
363恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:21
>>360
分りました。読んでみます。

村上龍はあれだろ
なんか、モテ男って感じだよね
描写がやたら細かくて都会的な感じがした
364恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:22
やっぱり、小説家といえば「罪と罰」くらい
読んどかなきゃ駄目かもしれんけど
やっぱりダル過ぎる
なんであんなに長いのか・・
365恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:23
書いてる奴は、ここにのせてくれよな
俺かなり暇してるから読むよ
そして、毒舌で批評してやろう
366('A`):04/04/13 21:23
俺もちょっと物書きとかしてみたいんだけど
今まで全然本とか読んだことないにょ
何読めばいいんだにょ
367('A`):04/04/13 21:24
俺推理小説しか読まないからあれなんだけどさ、
島田荘司の異邦の騎士はおすすめ。
恋愛ものに興味なかったのに間違って買っちゃったんだけど、
引き込まれてラストで泣いてしまった。
推理小説としてはいまいちだったけどね。
時間あったら立ち読みして、文章が合ったら読んでみて。
368恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:24
>>366
取り合えず、何か書いてみてにょ
369( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 21:25
評価して欲しい気分だ。
あとで書きこんでみるかな・・・
370('A`):04/04/13 21:25
自分を表現したい気持ちが強いんだろうな
小説家志望は
371('A`):04/04/13 21:26
藤原伊織がいいでつよ
372恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:26
>>367
見てみるよ
373恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:27
>>370
そうかもな
鬱屈としてるからな
でも、自分の悩み書き綴っても
全然面白くないんだよね・・
374('A`):04/04/13 21:27
純文には向いてないんだろ
エンタメ路線で書いていけばいいんじゃねえの
375恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:28
>>371
誰ですか、それは
調べときますね
376('A`):04/04/13 21:28
こんばんわ。そういうとタロウザエモンヌは勝手に寺岡さんの家に上がった。
「なんだテメェー」
そういうと寺岡はタロウザエモンヌに殴りかかった。
「ぐほっ」
腹にギャラクティカマグナムをモロに食らったタロウは、
「NHKの集金です・・ぐほぅ」
と呟いた。

「なんだ、そうかNHKの方ですか」
「そうですよ」
「でも何故、土足で我が家に入ったのですか?」
「それは私のポリシーですから」
「はぁ?あにいってんだコイツ」
「私は平気で他人の家を土足で上がる、ナイスガイを目指しています」
「あほかー!!」
寺岡さんはタロウにコブラツイストをしかけ、失神させた。



寺岡さんは満月の夜に、星を眺めていた。
「いい眺めだー」
しかし、ガサガサ隣で音がしていた。
「何奴じゃー」
寺岡さんが横をゆりむくと、
そこにはなんとタロウザエモンヌが小便をしていた。
「あぁ〜気持ちいい〜ウホッ」
「おいおい、こんな所で小便してんなよ。ムード最悪」
寺岡さんはタロウを一瞥して、また星を眺め始めた。
「寺岡さん、寺岡さん、寺岡さんの手にひっかけていいですか?」
「なにすんだこの野郎」
寺岡さんはさすがにブチ切れて、タロウに自分の大便をひっかけました。
さすがのタロウもそれには失神。
寺岡さんは自分の過ちを後悔し、懺悔し、翌日にはその事をすっかり忘れていました。



寺岡さんはタロウにパンチをしました。
「いってぇーー。何すんだこのハゲうんこ!」
「うるさい!お前、俺のアンパン黙って食っただろう。」
そういうと、二人はお互いの爪楊枝でフェンシングをしました。
ヒュッ
ヒュッ

「あたっ」
タロウの爪楊枝がヒット!
「ゆくぞ寺岡さん! 北斗爪楊枝蹂躙撲殺死闘拳!!!」
「ぎゃぁぁ〜〜〜バイバイキィ〜〜〜ん」
こうして寺岡さんは異国の地に飛ばされました。
そして、80年が過ぎ、
タロウは123歳になったとさ。おしまい。


※自分のHPの小説より
>>364
おもしろいよ。最初かったりいけど。
わけわかんねえのは戯曲。シェイクスピアとか。
そのまま読んでも全然たのしくない。
話の筋は楽しいんだけど。。。やっぱ文章のテンポって大事ぽい。
378('A`):04/04/13 21:28
生きる価値がないから死ぬまでに何でもいいから作品を残したいって気持ちがある
彼女もできない友達もできない結婚もできない俺の一生を無駄にしたくないからな
379恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:29
純文学って太宰とか芥川?
綿矢リサとかも純文学だよな?
あいつの小説は結構面白かったよ
380('A`):04/04/13 21:30
>>379
綿矢はエンタメじゃないかな
381('A`):04/04/13 21:31
純文学の定義は分からんが、なんとなく硬い感じか
夏目漱石とか太宰治とかなんかそのへん
382恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:32
>>376
素晴らしいですね
その荒唐無稽さは見習いたいです
383('A`):04/04/13 21:32
エンタメでもあれだったら、ライトノベルに行けばいいさ
384恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:33
>>377
ああ、シェイクスピアは駄目ですね
一ページ目で挫折しました。
385('A`):04/04/13 21:34
>>177が俺だなんて口が滑っても言えないな
あっ
386('A`):04/04/13 21:34
シェイクスピアは名言の宝庫って感じなんだけどね
純文学なら梶井基次郎とか堀辰雄とか言い感じ。
どうしようもないから自分の中でせめて精神的にどうにかしてしまおう
って辺りがどうしようもないダメな漏れにも光明を与えてくれる気が
した。
388('A`):04/04/13 21:35
久しぶりに読んでみる

>>265
無職・だめ板的な小説だね
店員が年下だと想像させられる
今プロジェクトXみてるからかもしれないが
少し似てると思った。

>>268
歌みたい。
個人的に思うのが今は詩が生かされる事ができるのは歌だと思う
いい友を持ってる感じがして羨ましい。友達欲しくなる
こういう強引さを持ってるいい友達欲しいな

>>276
うーん。読みやすいけれどどこかで読んだような気がする。
でも青春を感じられるいい小説。もう少し読んでみたい。
389('A`):04/04/13 21:35
>>385
おまいの文章にワラタら自演呼ばわりされたよ俺
ばか!
390('A`):04/04/13 21:36
にはは
391('A`):04/04/13 21:37
>>268は中島みゆきの「蕎麦屋」って歌の詞
あの人の詩は素晴らしいと思う
392恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:37
エンタメって推理小説とか活劇物ですか?
ラノベは簡単な文章で、若者向け?
393('A`):04/04/13 21:38
推理小説は違う気がするが・・・
394恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:39
>>268は、やっぱり歌の詩だったか・・
395('A`):04/04/13 21:47
>>285
ごめん続きがあったんだね
EVAのシンジとアスカの話みたい
あとのクラスメイトの名前は忘れたけど
なんとなく似てる
と書いたら、>>317で解説が…
はっきりとシンジ、アスカの同人誌みたいな感じのほうが
まだいいかもしれない。エロくないし、恋愛って感じでイイ!
最後の展開もEVAっぽくていい。
綾波がパンくわえて登校するシーンもあったし
396恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 21:48
>>386
そうなんですか、
>>387
見てみます
397( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 21:52
さて、初めての晒し。創作文芸もいいが、やっぱ喪男に見てもらうのが一番いいな。

[水曜日 同時刻]

普通、中学校からは男女別れた内容の体育を行う。
この学校も例外ではなかった。
この時期に行われているバスケットボールは、ほぼ五代真咲の独壇場だと言って良い。
ドリブル。シュート。ディフェンス。
どれを挙げても、彼女に敵うものは――上級生でさえ、ほとんどいなかった。

彼女の「完璧」は、何もバスケットボールに限った事ではない。
学力、運動、容姿。
五代真咲は、全てにおいて秀でた能力を持っていた。
勿論思春期の男がほおっておく訳もなく、彼女に愛を囁く者は星の数ほどいたし、それは今も後を絶たない。
が、真咲は誰として相手にする事はなかったし、
特に男などいらない、という気持ちが揺らぐような出会いもなかった、と本人は記憶する。
それどころか、彼女は友達というべき存在すら求めようとはしなかった。
真咲に言わせれば、馬鹿な事でキャアキャアはしゃいだり、ちょっとした事ですぐに感情をあらわにしたり、
そういう子供っぽさを持ったクラスメート達がたまらなく腹立だしかったのだ。

だから―――

あたしとあんた達が「同じ」?―――許せない。

「ふっ」真咲は短く息を切り、レイアップシュートを決めた。
―――時間切れ、90対0。

パーフェクトゲームだった。


マジ文才ないな…俺('A`)
運動ができなければ当然知識もない俺は、点数の当たりは適当。
どのへんが妥当なのか誰か教えてくれ。
そしてきびしい批評、頼む。

どこかでタイプミスしてるかも知らんが、それは見逃してくれ。


398('A`):04/04/13 21:52
>>331
23才かな?
肉袋ってのがちょっと自分を物にたとえ過ぎている
ような感じがする。無機質っていうか
「ただ生きるのは辛いだろう?」
これを訴えるのにはまだ力が弱いような
夢が詰ったって書いてあるからそれに向かうっていう手があるし

>>376
漫画かアニメみたいな小説と思った。
絵にすると笑いがより多く取れるかも
399('A`):04/04/13 21:53
>>391
トンクス
歌聞いてみたいな
文章(詩)としても読めるから良さそう
400('A`):04/04/13 21:55
×ほおっておく訳もなく
○放って(ほう)って置く訳もなく
401( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 21:58
>>400

dd  ノート修正しておく
402恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 22:00
>>397
バスケは5対5だから、パーフェクトは有りえなくないか?
続きキボン
403('A`):04/04/13 22:00
>>397
キャラクター作りとして解りやすい文章だと思う
分かり合える友達が出来るのか、恋人ができるのか
人とのぶつかり合いが生まれるのか解らないが
次はどうなるのか知りたくなる
あと90対0はないと思う。バスケットボールは団体戦だから
何点か相手に入れてもいいかと
404('A`):04/04/13 22:01
>>375
直木賞作家でつ 乱歩賞も貰いまつた 
「テロリストのパラソル」 ちなみに男性作家でつ・・
405( ´_ゝ`)what? ◆DIELQKvF7M :04/04/13 22:02
>>402
>>403

フム。じゃあどんなもんが妥当なんだろ。
50くらいか?

しかし俺、知識も無いくせに小説書こうとは甚だしいな
406('A`):04/04/13 22:04
>>405
2点と3点で点数入ると記憶してる
あと時間が解ればなんとなく点数でてくるかも
一人勝ちみたいな雰囲気だから
うーん解らない
407恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 22:06
>>404
男だったか!
見てみるぽ
テロリストのパラソルは素敵。。。団塊かつ学生闘争の話題含むなのに
極右の漏れですらのめり込んでしまた。
会話のテンポがいい感じ。
藤原伊織のほかの作品で、ビリヤードの話があったけど、なんだっけ。。。
あれもよかったなぁ。
409('A`):04/04/13 22:22
なんか盛り上がってるな
410('A`):04/04/13 22:26
>>408
おそらく短編集「雪が降る」の一番最初に入ってる話。
主人公の知り合いが殺人やっちゃう話かなと。
411恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 23:19
「帰りの会」が終わった。
子供達がランドセルを背負って、次々と教室を飛び出して行く。
ざわめきの中、アキラに陽子が近寄ってきて小声でそっと囁いた。
「ねぇ、このまえの約束・・」
「うん」
アキラは、大丈夫、というように小さく頷いた。
二人は、校舎を出ると、何も話さずに校庭へと向かった。

夕暮れのグラウンドでは、何人かの子供がサッカーをしている。
陽子とアキラは、校庭の右側にある登り棒へと向かった。

季節は秋。冷たい風がヒューヒューと校庭を吹き抜ける。
しかし、二人は不思議と寒さを感じなかった。

登り棒の前に着くと、二人は靴と靴下を脱ぎ、裸足になる。
そして、おもむろに、登り棒を登りはじめた。

絡みつくように、両足を棒に巻きつけ、器用に登って行く。
アキラが2メートルほど登った時、陽子は、もう一番上の部分に座っていた。

そして、もう始めていた。
棒の先端に両足の付け根を当て、小刻みに腰を動かしていた。

アキラもそれに気づくと、陽子の微かな吐息に耳を傾けた。
「はぁ、はぁ。。」
次第に大きくなっていく陽子の声。
アキラは勃起しないようにモノを鉄棒にぎゅっと押し付けた。

陽子の、吐息が洩れる度に
秋風が、冷たく吹き付ける度に
棒を握り締める手に、痺れを感じる度に

アキラの股間は、熱く、とろけた。
412恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/13 23:23
誰か読んどけよ!
413('A`):04/04/13 23:42
>>411
このシチュエーション俺は受け付けなかった
あとのぼり棒って一番上に先端はなかったと思う
414('A`):04/04/13 23:47
>>412
安心してくれ、読んどいたよ。

オチがないと、感想書きにくい。
二人の性格や関係がわからない(読み取れない)から、
一連の行動に対する印象がない。
ねらい、えーと、くさく言えば
何をうったえたいのか、伝えたいのか、どうしたいのか、わからない。

辛い評価でスマンがだめだめです。
開き直って、官能萌えエロ小説にしてみては?
415恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 00:02
>>413、414
はは
俺も改めて読んで意味が分らない
エロ小説にしたかったんだけど・・
何故かこんな風になっちまった
くそー!
416('A`):04/04/14 00:21
ワラタ
417('A`):04/04/14 05:04
 その日の帰り道は大通りをつかう事にした。
 自分にしては珍しい、ほんの気紛れである。
 見飽きたビル街に記憶をふりわける事なく歩いていくと、ほどなくして人が落ちてきた。
 あまり聞く機会のない、ぐしゃりという音。
 ビルから降ちて死んだのは明白だった。
 アスファルトには朱色が流れていく。
 その中で原型を留めるのは長い黒髪と。
 細く、白を連想させる脆い手足。
 そして貌の亡い、潰れた顔。
 その一連の映像は、古びた頁に挟まれ、書に取り込まれて平面となった押し花を幻想させた。
 それが誰であるか、自分は識っていた。
 眠り(ヒュピノス)は、やはり現実(タナトス)となる事で還る事になったのだろう。
 集まってくる人だかりを無視して歩きだすと、ぱたぱたと不思議な足音をたてて鮮花が追い付いてきた。
「橙子さん、今の飛び降り自殺でしたね」
「ああ、そのようだね」…曖昧に答える。
 正直、あまり興味はなかったからだ。
 その当事者の決意がどのようなものであれ、自殺はやはり自殺として扱われる。
 彼女の最後の意志は飛行でもなく浮遊でもなく、墜落という単語で纏められてしまう。
 そこにあるのは虚しさだけだ。興味が持てる筈もない。
「去年は多かったって聞いたけど、まだ流行しだしたんでしょうか。でもあたし、自分で死んじゃうヒトの気持ちって分かんないな。
―――橙子さんはわかります?」
 ああ、とまた曖昧な頷きをする。
 空を見上げ、本来ありえない幻像を眺めるように答えた。
「自殺に理由はない。たんに、今日は飛べなかっただけだろう」
418('A`):04/04/14 11:20
>>417
オリジナル出せよ馬鹿。
419('A`):04/04/14 13:38
オリジナルじゃねえの?
420('A`):04/04/14 14:13
>>417
ひとコマの部分って感じがする
長文でよみたい
421('A`):04/04/14 14:22
SSか
結構面白い
422('A`):04/04/14 14:28
423('A`):04/04/14 14:34
ライトノベルか
424恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 14:47
>>417
これって転載?
プロはやっぱすごいですね

>押し花を幻想させた。
これは連想じゃないのか?

>鮮花が追い付いてきた。
鮮花って何の事?
425恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 14:48
鮮花ってこの女の名前か
426('A`):04/04/14 14:48
>>424
よく分かんないけど、作品のきれっぱしみたいね
427恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 14:50
>>426
らしいな・・

俺はこれから「NHKへようこそ」を借りに図書館に行く
後、テロリストのパラソル
428('A`):04/04/14 14:51
いってら
429恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 14:53
後、島田荘司の異邦の騎士
430('A`):04/04/14 15:05
異邦の騎士か
渋いな
431('A`):04/04/14 15:35
>恋愛小説家


えらい
普通は本薦められてもめんどくさくて読まないだろうに
432('A`):04/04/14 15:39
普通は自分の好きな作者以外は食わず嫌いしたりするからな
433('A`):04/04/14 16:10
>>1
早く書いたのうpしるぅ
残念ながら
三つとも貸し出し中orなかった
仕方ないので、今日はテレビでも見ます・・
>>432
そういうもんか・・
>>433
お前も何か書いてくれよ
435('A`):04/04/14 21:38
ラノベ馬鹿にしてたけど、悔い改めます
ぼくには文才ありませんです
436('A`):04/04/14 21:44
書くぞお! 将来性のあるラノベ文庫はどこだあ?
437('A`):04/04/14 22:10
今書いてて解ったけど
ssは長編より、ずっと難しいな。
438恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 22:41
僕も、悔い改めます
書いてて分りましたが小説家になんてなれません
一行小説が僕にはお似合いです
439('A`):04/04/14 22:47
エンタメか純文か、むずかしい
440恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 22:52
ああ、こんなはずじゃなかった
小説で一発当てて、1000万くらい稼ごうと思ったのに
441('A`):04/04/14 22:53
SSの厄介な所は、自分にも書けるかもしれないと勘違いしやすいところらしいです。
442恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 22:54
http://www.zavn.net/dlntop.html
今、思うとこのアユの物語ですら
俺にはとても書けない
443('A`):04/04/14 22:54
とりあえずちょっとづつ書いていけば確実に文章力は上がるって
444('A`):04/04/14 22:55
>>442
おまい、いきなり書き出したのか?
プロットとか作った方が書きやすいと思うよ
445恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 22:55
そうかね
それじゃあ、毎日日記でも書くか
446恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 22:56
>>444
プロットか
そうだよな、やっぱ
447('A`):04/04/14 22:58
うん
漏れもいきなり書こうとして何度か挫折したが
ちゃんと構成を練って書き出せば、少なくとも少しは楽になる
448('A`):04/04/14 23:05
ラジオで「博士の愛した数式」の小川洋子が言ってた
「まず書きたいシーンがある。周辺や結末は勝手に沸いてくる」
449ロキュン ◆LQNdxEbQfc :04/04/14 23:07
ファンタジー小説て売れるかね。
面白いと思うんだけどドラマガとかの発行部数あんまり多くなさそうだし。
450('A`):04/04/14 23:12
>>448
カコイイな・・・
451恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/14 23:22
>>448
はぁ、なるほどね。。
452【夏の行事】1/2:04/04/15 02:10
 夏が来ると、僕の足は知らずとある場所に向かう。
 そこは僕にとって思い出の場所であり、夏にそこへ向かうのは行事のような

ものになっていた。
 
 展望台への道のりは、普段あまり運動をしない僕にとってはかなり険しい。

地面からむき出しになった木の根が、僕の足へ纏わり付くのに注意しながら
先へと進んでいく。腐りかけた木の足場は、いつ崩れてもおかしくないので危
なっかしい。そのくせ苔に覆われているので、つるつる滑って歩きにくいのだ。

転んだときに掴める物は手すりのみで、それさえも苔に覆われているのでどう

しようもない。修繕しろよ、と悪態を附きながらも歩き続ける。
 拭っても拭っても出てくる汗が気にならなくなり始めた頃、目的の場所が見

えてきた。

 いつ来てもここの景色はすばらしい。
 手すりに前かがみで寄りかかりながら、僕はこの自然が生んだすばらしい景

色を堪能する。島と本島を繋ぐ橋やゴミ貯めの様な住宅が目に入ってもこの美

しさだ。かつての人が手を加えていなかった頃を想像すると、ゾクゾクしてく

る。先ほどまで果敢に吹き出ていた汗も、いつの間にか引いていた。 
 ――綺麗ですね
 ふと女性の声が耳に入った。すーっと通るような綺麗な声。だが決して脆く

は無い、むしろ強さを携えた声。
 声のする方に目をやると、一人の女性が僕と同じような格好で景色を楽しん

でいた。

 
453【夏の行事】2/2:04/04/15 02:13
不思議な雰囲気を持った女性だった。今ではあまり見ることの無い、美しい
黒のロングヘアーをなびかせた細身の女性で、年は二十歳そこそこだろうか。
白のワンピースという涼しげでラフな格好が、地元の人であることを物語って
いた。
 彼女は人見知りをしない性格らしく、初対面の僕にもハキハキと話しかけて
きた。だがそれは決して慣れなれしいものではなく、話していて心地いいもの
だった。
 人との会話が得意ではない僕は、初めのうちはうんと頷くくらいしかできな
かったが、次第に打ち解けていった――彼女の雰囲気がそうさせたのだろう。
 小一時間程度の談笑だったが、僕には十分すぎるほどの満足感で満たさ
れていた。こんなに他人と打ち解けて話せたのは久しぶりだ。もっと話してい
たかったが、時間がそうはさせてくれない。
 彼女は腕をすっと上げると――すらっと伸びた、白く綺麗な腕だった――そ
れに巻かれた腕時計をちらっと見て、僕に談笑の終わりが来たことを告げた。
 それじゃあ、と最後まで笑顔を携えた彼女はすっと立ち上がり、僕に一礼し
た。僕も同じように頭を下げる。そしてそのまま、彼女は展望台の出口へと向
かっていった。
 その後ろ姿を見ていると、僕はあの夏の日を思い出す。あの日もこうして、
一人の女性見送った。そしてこれから僕がすることも、あの日と同じ。

 
 ――力強い緑の匂いと共に、人の死の臭いが充満する。二つは交じり合い、
僕の鼻腔を色っぽく刺激するのだ。ぴくりとも動かなくなった彼女の美しい髪
を優しくなでて、僕はゆっくりと立ち上がった。
 すーっと深呼吸をすると、何とも言えない香りが僕の中に広がっていく。そし
てそれは、夏の気候と相俟って僕を少しセンチメンタルな気分させる。この
瞬間が、僕には非常に心地よいのだ。
 

おわり
感想よろ
454('A`):04/04/15 02:19
昔の恋人の死に場所だろうか?
女が話しかけてくる必然性が無い。
455454:04/04/15 02:20
あ、違うか。殺しちゃったのか
難しくて分んない
なんでコイツは毎年女コロスの?
それはあえて語らないの?
文章力はすごいですね
458('A`):04/04/15 09:45
>>422
いらね
もう感想かくの止めた
あほくさ
459('A`):04/04/15 09:50
宇都宮はカラフルな町だ。
日が落ちるとそこここで餃子の焼ける匂いがする。
俺はこの町のアパートに住み、餃子を食べ続ける毎日だ。
たまに大宮に遊びに行ったりする。吉野家で豚丼を食べるためにだ。
餃子はたまに持ち帰るが、あわせる物は大概発泡酒ということになる。
情けない事だが、本当のことだ。
460('A`):04/04/15 09:55
>>457
ごめん、深く考えないで。
ただこういう不条理なの書きたかっただけ。
ssだから細部まで書けないしね。
461('A`):04/04/15 11:00
形容詞を極力少なくしたい
462('A`):04/04/15 11:26
長編なら、今までの設定や流れで形容詞を省いた描写ができるけど
SSでそれはむずかしい
463('A`):04/04/15 20:18
よし、なんか書いてみるか。

萌やせ、ココロノこすも
……というか妄想。
464('A`):04/04/15 21:20
転載禁止な
465('A`):04/04/15 22:02
書けそうかも
466('A`):04/04/15 22:34
俺もこのスレでSS書いてある程度文章力がついたら長編にチャレンジしてみようと思う
俺も毎日、日記書く事とする
小説風に

いつからだろうか。
遠くを見ることが億劫になったのは。

中学生の頃から徐々に、目が悪くなってきた。
成長と共に、急ぎ足で進む近視に、私は怯えた。
近視が、進むたびに私は焦り、虚しく喘いだ。
物の輪郭がモザイクをかけられた様に、
ぼやけて、薄まって、膨張していった。
世界が醜く膨張すると共に、全ての色が褪せた。
黒板の文字は読めないし、野球の球が取れない。
どこまでも、目の焦点が近くに移っていく恐怖。
眼鏡で矯正しても、矯正しても追いつけない。
レンズだけが厚みを増し、私の顔は無機質に歪んだ。
自分で自分の目の悪さに吐き気がする瞬間。
それは、眼鏡を新調する時だ。
双眼鏡のようなレンズがついた機械を覗き込むと
片目、5秒もかからず弾き出される私の視力。
それを見て、眼鏡屋の、眼鏡をかけた店員が嬉しそうに言った。
「うわ〜、だいぶ進んじゃってるねぇ」
うるさい。そんな事は分ってる。
視力は0.01以下だって。なにそれ、という感じ。
0.1になるのが恐くて仕方なった中学時代が懐かしい。
自分の目の悪さと、できあがった眼鏡の厚さと
眼鏡をかけた時の酩酊感に吐き気を覚える。
私クラスになると、正常値の視力に矯正する事すら
脳が拒否反応を起こす。自分の眼鏡に酔う。
だからわざと弱めの眼鏡を作る。
もう、幼い頃に見たような景色は味わえない。
そう思うと、切なくて、涙が出そうになって、軽く絶望した。
夏の入道雲も、展望台からの町並みも、
夜空に浮かぶ星空も、優しく光る満月も。
何もかもが、霞んで見えて、もう見たくなかった。
強い眼鏡をかけても、必ず僅かに光が滲み、歪んで見えた。
その僅かなズレは、余計私をイライラとさせる。
だから、私は近くしか見なくなり、生活習慣まで近視眼的になった。
そして、私は何時しかそれに慣れてしまった。
近視によって思春期に抱え込んだ、
劣等感や虚無感と私の強度近視は相性が良かった。
どちらも、部屋に閉じこもる事を望んだから。
こうして私は、身も心も近視になった。
やっぱり、長文はだるいね・・
読みにくいし、読んで意味を理解するのはやっぱ疲れる
疲れさせといて、つまんないんじゃ、単なる害虫だよな・・
471466:04/04/16 01:37
3時間かけてやっと完成した…
ちょっと長いかもしれないけど早速うpする
題名は「僕のいもうと」
472466:04/04/16 01:39
「僕のいもうと」
2年前に僕の妹は死んだ。妹は14才だった。
僕はその時、高校1年生だった。
その日もいつも通り授業を終えて、部活に入ってない僕はすぐに学校を出た。
そういえばその頃、僕には「友人」と呼べる人が全くいなかった。
授業中、僕の後ろの方から会話が聞こえてくることがあったけど僕はそれに参加することなんてなくってただ聞いているだけだった。
休み時間も話し相手がいない僕は、一人、自分の席で次の授業に備えて少しばかりの予習をしていた。
友人が居れば何かテキトウな部活に入っていたのかもしれない。
だから授業が終わると僕がすぐに帰宅する理由は正確には友達がいないからなんだ。
いつも妹は僕が学校から家に帰ってくると、二階から一階のリビングまで降りて来て制服を脱いで着替えている僕にむかって微笑みながら「おかえりなさい」と言ってくれた。
それが普通だと思っていた。
だけどその日は違っていた、僕が家につくと仕事でいないはずの母さんと父さんがそこに居た。
そしていつもの妹の微笑みと「おかえりなさい」という言葉の代わりに
母さんの悲しみで歪んだ表情と「死んだ…死んだ…」という黒魔術の呪文の様な言葉が発せられた。
そこにはいつも僕の孤独を消し去ってくれる微笑みも言葉もなかった。
僕はその時、すぐには母さんの言葉が理解できなかった。
もしかすると無意識の内に理解することを拒んでいたのかもしれない。
確かそれから2分くらいは沈黙が続いていたと思う。
その間、母さんは両手を顔に当ててうつむいていたし、父さんはそんな母さんの片に手をあてて母さんとほぼ同じ様にうつむいていた。
いつも通り僕は制服を脱ぎ着替えをはじめる。
何かが足りない…、何かがいつも違う…、妹がいない…、その代わりに両親がいる…。
妹は?妹はどこ?どこにいるんだろう?
母さんの「死んだ…死んだ…」という言葉が僕の脳内で再生された。
やはり僕はその時、理解することを拒んでいたんだと思う。
最初は無意識だったんだろうけど、僕だってバカじゃないんだ、その無意識的に拒んでいた事実に気付きはじめていた、でも2分間僕は意識的にそれを拒んでいたんだ。
でも、もう気付いてしまった。
死んだんだ、妹は死んだんだ。
その事実を理解した時、僕は泣かなかったと思う。
いや、でも泣いていたかもしれない、正直言うと制服を脱いだ後のことはよく覚えていない。
ただ妹が死んだという事実を受け入れることだけで、僕は精いっぱいだったんだと思う。
473466:04/04/16 01:40
続き

その次の日に通夜があった。
会ったこともない人が沢山いた。
その人達は妹の友達や親戚らしい。
僕は、その親戚の人達のことを知らなかったから変な気分になった。
多分その時、僕は怒っていたんだと思う、だってそうでしょ?
妹だって、知らない人達に自分の通夜に来られて嬉しいはずがないよ。
明日は葬式だ、明日もこの知らない親戚の人達が来るのかと思うと葬式を取り止めてほしくなった。
当然そんなことは無理だと分かっていた、だから余計に腹が立ったんだ。
葬式の日、やはりというか当然というか予想通り、知らない親戚の人達が居た。
でも、僕は昨日ほど怒りを感じなかった、そんなことよりも妹が今日、火葬されることが嫌だった、昨日はそんなことを考えてもなかった。
今日の朝、母さんに火葬のことを聞かされた。
僕はそのことで頭がいっぱいだった。
妹が焼かれるのと、知らない親戚が人達が居るのとは比較のしようがなかった。
知らない親戚の人達なんてどうでもいい、妹が焼かれるのは耐えられない。
昨日と同様、僕は葬式を取り止めてほしいと思った、昨日より何百倍も何千倍も強く思った。
でもやはり妹は焼かれるんだ。
お坊さんの長ったらしいお経が終わり、僕と両親は車に乗り火葬場へ向こう。
大勢の知らない親戚の人達はバスへ乗って火葬場へ行くらしい。
妹の友人や担任の先生は、火葬場へは行かずお経を聞いた後帰った。
僕は車の中でずっと憂鬱だったし頭痛もした。
それは両親も同じだったのかもしれない。
火葬場へつくと棺があった。
中には妹が居る。
今日で妹と会うのは最後になるだろう。
もう会えない…。
僕は棺に近付く、顔の部分だけ透明なガラスになっていてそこから雪女(実際に見たことないけど)の様に白い肌の妹が見えた。
僕は泣いた…。
学校では友人もいなくて毎日孤独だったけど僕は一度だってそのことで泣いたことはない。
だけどそんなことは無関係だ、何の関係もない。
僕は泣いている…、両親も…。
バスから降りてきた知らない親戚の人達の中で泣いている人はいない。
談笑している人さえいた、だけど怒る気になれない、妹のことを想うと…。
妹の居る棺を知らないおじさん二人が蒸気機関車の薪を入れる様な物の中へ入れる。
「ついに火葬が始まるんだ」
僕は無意識のうちのその言葉を口にしていた。
蒸気機関車に似たそれからゴォーという低い音が聞こえてくる。
おそらく火の音なんだろう。
その先は何も覚えていない…。
妹が死んだ時といい、今といい、僕は自分で思っていた以上に弱い人間(頭も心も)なんだと思う。
474466:04/04/16 01:42
続き

そして今、僕は高校3年生。
2年前のあの日より僕はずいぶんと強くなったと思う。
そう思っているだけで実際は2年前と同じなのかもしれないけど。
今日、妹の部屋を整理することになった。
妹が死んでから妹の部屋はずっとそのままになっていた。
母さんも父さんもどうしても片付けることができなかったらしい。
僕もその気持ちはよく分かる。
だけど片付けることに決まった。
うん、いいんだ、僕もそろそろ心の整理をつけたいと思っていたし。
妹の部屋を片付ければ僕の心も綺麗に整理されると思う、だから本当は嫌なんだけど片付けるんだ。
両親と僕、三人で、二階にある妹の部屋に入る。
2年間、誰も入らなかった部屋は時間が止まっていたかの様だった。
妹が使っていた勉強机にはホコリがたまっていた。
そのホコリを見て「この部屋の時間は止まってなんていないんだなぁ」と僕はあたりまえのことを思った。
時間が止まってなんていたらそれは超常現象だもん。
早速三人で部屋の整理をはじめることにした。
妹が使っていた教科書などは段ボールへ詰めた。
ペン、消しゴム、ペン入れは僕がこっそり貰った。
捨てるのはもったいないでしょ?
ベッドや勉強机は大きいからそのままにしておくことになった。
妹の服なんかは、母さんが全部整理していた。
実は、僕も手伝いたかったけど、そんなこと言って母さんと父さんになんて言われるか想像すると、とても言い出せなかった。
全部片付けるのに半日くらいかかったと思う。
でもずっと片づけや整理ばかりしていたわけじゃなくて半分以上は思い出話だった。
妹が大好きだったテディベアなどを見つけては母さんが色々話しだして僕と父さんは聞き役になった。
学校でクラスメイトの話を聞いているのは全然楽しくないし辛いものだったけど。
今日の聞き役は楽しい、妹が死んだ日あんなに悲しそうにしていた母さんなのに今はとても楽しそうに微笑んでいる。
僕はその微笑みを見て妹の微笑みを思い出した。
でもやっぱり母さんと妹では違う、母さんは顔がシワだらけだもん。
母さんの若い頃の微笑みは妹のと似ていたのかな、と僕は思った。
似ていると良いな。
母さんの話を聞いている父さんも楽しそう。
一週間前に、父さんと喧嘩してんだけど、楽しそうな姿を見て許すことにしたんだ。
僕って心が広いでしょ?
妹の部屋の整理が終わって、僕は自分の部屋へ戻った。
そして、妹の勉強机の上から取ってきたペン入れを見ていた。
ペンと消しゴムを入れようと思いペン入れを開ける…。
中には一枚の紙が入っていた。
その紙は二つ折りになっていた。
僕はその紙を開く。
475466:04/04/16 01:43
続き

「私の数学の教科書の中を見てください」
そう書いてあった、誰に当てたメッセージなのか分からない。
僕は早速、教科書を詰めた段ボールを自分の部屋にもってきて数学の教科書を探した。
見つけだすのに6分ほどかかった、カップラーメンが2つ作れる時間だ。
数学の教科書を下に向け、パラパラ漫画の要領で勢い良く順番に開いた。
白い手紙入れがフローリングの床に音もなく落ちる。
僕は瞬間的にそれを拾い上げ何も考えずそれを開く。
中には…。
小さい茶色の丸い物体と手紙が入っていた。
手紙には「大切に育ててください」と書いてあった。
育てる?何を育てればいいんだろう?この茶色の物?
僕はもう一度その茶色の物へ目やる。
それは種だった。
何の植物だろう?
僕は倉庫から、小学生の頃使っていた懐かしい昆虫箱をもってきて、その中に庭の土を入れ、妹の種を埋めた。
それと、その土の中に妹の骨も埋めておいた。
僕は妹の火葬が終わった後、焼け残った骨をこっそり取ってきたらしい。
勿論、僕はその時の記憶がないからこれは母さんから聞いた話だけど。
それとね、本で読んだんだけど、輪廻転生ってあるらしいよ。
だから妹の骨を埋めておけばもしかすると妹が花に生まれ変るかも、なんていう淡い期待を抱いて妹の骨を埋めたんだ。
僕は、その種を両親にばれないように自分の部屋で育てることにした。
476466:04/04/16 01:44
続き

2ヶ月後、その古びた昆虫箱に不釣り合いな奇麗な花が咲いた。
僕は植物のことなんて何もしらないけれど、その花の名前は知っていた。
妹と同じ名前だったからなんだ、蘭ていう名前なんだよ。
蘭は生まれ変わったんだ、そう思ったよ。
骨の効果だ、って思ったよ。
よく考えてみると全然関係ないことに気付いたけど。
僕はバカじゃないんもん、それくらい気付くよ、ただ人より気付くのが遅いだけなんだ。
そうそう、蘭がなぜ死んだのか書き忘れてた、事故とかじゃないんだよ。
蘭は「自殺」したんだ。
うん、なんで自殺なんてしたのか僕には分からないけど。
これは僕の想像だけどね。
蘭は何かとても辛いことがあったんだと思うよ。
僕には話してくれなかったけど、もしかすると母さんと父さんは知っているかもしれない。
蘭はとても辛くて生きていくのが嫌になって悩んだ末、自殺というものを選んだんだと思う。
多分、蘭が種を残していったのは私は死んでしまうから私の代わりに同じ名前の花の種を残していくからこれを私だと思って育ててほしいとう思いがあったんだと思う。
そう考えると、この種のことは両親に話しておくべきなのかもしれない。
でも僕は言わないよ。
僕は蘭が好き、大好きなんだ。
死んでしまったのは悲しいけど、気持ちは変わらないよ。
蘭は僕を孤独から救ってくれた唯一の人。
この花を蘭だと思って大切に育てようと思う。
僕のいもうと…。僕だけのいもうと…。
477466:04/04/16 01:48
以上です
いやいや、本当疲れた
文章書くのって大変だな
もし読んでくれた方がいたら評価お願いします
478恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/16 01:58
あくまで折れ個人の感想を言わせてもらえば
もっと具体的な描写が沢山あればはくりょくが出ると思うよ!
479恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/16 02:01
いや、やっぱ取り消し
意味深な内容だから漏れには難しくて分らん
480('A`):04/04/16 02:15
推敲はした?
妹の死を知らされた時の反応が、ちょっと不自然だと思った
もう少しやりとりがないと、あまりに時間が飛んでるかと
正午12:00。
六畳半ほどのマンションの一室に
春の柔らかな日差しが洩れ入っている。
木製の本棚が、学習机が、畳に敷かれた布団が
部屋全体が、青白く照らされ優しい影を落としている。
窓の外には、真昼間の陽光を浴びた白いマンションと
その上に広がる、薄い青空が見えた。
そよ風に新緑が揺れ、澄んだ空気が辺りを漂う。
そんな清新な春の一日。
平日だからか、人気は感じられなかった。
この青空の下、部屋の中に閉じこもっているのは
この団地中で、自分だけに思えた。
時折、かかってくる電話を無視する。
退屈なテレビを観賞する。
何もかもが虚しい。
僕の肩書きは、大学生だ。
しかし、もう一周間ほど行っていない。
しかし、とにかく行きたくなかった。
しかし、行かなければならなかった。
僕は、もうどうしようもなくなって
右足を細かく震わせて、苛立った。
苛立ちが頂点に達した時
僕は、おもむろにペニスをしごきはじめた。
というわけで、暇なのでラーメン食って本屋行ってきます。
「NHKへようこそ」買っちゃったよ
著者はヒキコモリらしいぜ
俺達にぴったりだな!
484466:04/04/16 16:11
>>478>>479
>もっと具体的な描写が沢山あればはくりょくが出ると思うよ!
ご指摘ありがとうございます
次回はもっと情景描写や心情描写等に留意して文章を書くようにしたいと思います

>>480
>推敲はした?
一度読み返しただけです、これは推敲とはいえないと思うので
推敲はしてません、もう一度読み返してみたところ誤字もありました
>妹の死を知らされた時の反応が、ちょっと不自然だと思った
ご指摘ありがとうございます
そうですか、文章力が乏しいのでダメダメですね
>もう少しやりとりがないと、あまりに時間が飛んでるかと
「僕のいもうと」は極力会話部分を書かないようにしてみました
妹を失った僕の気持ちを書いてみました
>あまりに時間が飛んでるかと
自分もそのとおりだと思います

二人とも長文なのに読んでくださってありがとうございました
「田中さん、ちょっといいですか?」
黒スーツの男に呼びかけられ、僕は戸惑いながら頷いた。
「な、なんでしょうか?」
「実は私たち、政府の秘密組織の者でして、
 今、日本は窮地に立たされています
 貴方の力が必要なんです。」
僕の職場に、ズカズカと入ってきた
黒ずくめの男達は、確かにそう言った。
486('A`):04/04/16 19:56
>>484
推敲すると、確実に文章のレベル上がるし、
書き上げたばっかりの興奮状態じゃ気づかないような粗にも気づけるから、
やったほうがいいね。
がんがってまた書いてください。
その日、俺達は秋の街に遊びに出かけた。
枯れた街路樹の落ち葉が、舗道に散っている。
道に沿って立ち並ぶ店を、彼女と一緒に見て周る。
夕焼けに染まった街を歩きつつ、思った。
キスしてみたいなぁ。
しかし、なんとなく時間は過ぎ去り
いつもと同じデートが終わろうとしていた。
そして帰り道、運命の歩道橋までやってきた。
毎回ここで少し会話し、俺達は別れるのだ。

マフラーに顎をすくめながら話す彼女を見ると
やけに緊張し、会話が途切れた。
焦って焦って、頭の中を同じ言葉が回っている
キスしたい。キスしたいよー。
でも、どうしてもタイミングがつかめなかった。
「じゃ、そろそろ帰るね」
無常にも、彼女からそう告げられた。
それでも、動けない自分。
ああ、情けない・・・・・・。

「○○君」
呼ばれて、ふと彼女の顔を見ると、笑顔で手を振ろうとしていた。
シャンプーの匂いが香った。
気がつくと、抱きしめていた。
腕の中で彼女は、一瞬固くなり
その後、ギュッと応えてくれた。
そして、キスをした。
二人とも全身が強ばった不恰好なキス。
抱きしめたまま、興奮と緊張の頂点で恥じらいもなく囁いた。
「愛してる」「ずっと一緒にいよう」
彼女は、「うん、うん」と何度も頷いた。
カプル板のコピペを元にして書きました。
でも、元の奴の方が良い気がする・・
489('A`):04/04/16 20:48
>>488
いやいやなかなか良いですよ。
SSでちゃんと起承転結してるし。(重要な事だと思う

ただ指摘するなら、
転結、つまりオチに行く部分が弱い事です。
しかしながら、逆に言えば、
淡い、純粋な心が表現されてるようにも感じられるので、
良いともいえます。

自分で言っておきながら言うのも何ですが、
気にするほどの事でもないと思います。

私的結論、イイ!

あと、もし元ネタがあっても、
ちゃんと自分で消化できてるのならあえて言う必要は無いですよ。
490466:04/04/16 21:30
>>486
はい、分かりました
今日も短編を書いてみました
「僕のいもうと」は知恵遅れの高校が主人公だったんだですけど
今度は対照的に聡明な主人公を書いてみました
推敲もしたので「僕のいもうと」よりは読めるかと思います
時間があれば是非読んでいただきたいです

>>487
喪男には辛い内容ですねw
文章はすごく良いと思います
見習いたいくらいです
491466:04/04/16 21:32
ではうpさせていただきます
「理系の散歩」

真足(まだる)は8章まで読んだ本を閉じ、本棚へ戻す。
今日の間に231/277[p]、約83.393%読んだ。
本棚の表出面は光源から発せられた光を全て反射している。
真足は週に一度、土曜日に散歩をする、それは一般的な散歩とほぼ同じだが、相違点が一つだけある。
深夜に散歩をするのだ。([深夜]の厳密な定義など知らないが深夜と言ってさしつかえない時間帯だと思う
散歩を始めたのは健康のためだった、散歩を始めてから3ヶ月経つが以前より体の調子が良くなった気がする。
部屋の壁の上方にプロットされた赤色の正方形状の時計は長方形の部屋の一辺を1:3/2の比率で区切っている。
時計は2;29を示している。
「229…素数だな、時計は60進数だから現在の時刻を10進数に変換すると149か」
少し間をおき、また独り言を言う。
「149も素数か」
少し嬉しくなった、素敵スギル、と思った。
時計の時分のパターンは全部で720通りある、その中に素数がどれだけあるのか確認したくなった、
更に10進数に変換した際にも素数を示すものはどれだけあるのかも確認してみたい、と思った。
真足は財布から120円取り出し、散歩へ行くことにした。
手元にあるリモコンを操作し部屋の光源を消す。
白色だった本棚は光と共に明度を低下させる。
外へ出ると、真足は軽く膝を屈伸させる。
膝は0°から180°の間を振幅する。
20回屈伸したところで真足は屈伸を止め、近くの自動販売機へ向かう。
自動販売機は真足の家から80mほどの位置にある。
80mというのは直線距離だから実際には80m以上歩く必要がある、ベクトル量としては等価だ。
人間はz軸方向の移動が極端に苦手だ、つまり地面に垂直な方向の移動が苦手だ。
ある程度z軸方向の移動が可能ならば最短距離を移動できるから、遠回りしなくて良い。
ライト兄弟の貢献により今ではz軸方向の移動も可能だが金銭が必要なうえ、私用など中流階級以下の人間には無理だ。
真足はそういった不満を感じたが、今そんなことを考えても急に翼が生えてきて空を飛べる様になるわけでもないと思い、諦めて足を進める。
492466:04/04/16 21:33
続き

赤い自動販売機が見えてきた、自動販売機は白い光を発しており暗闇の中では存在感がある。
真足は120円で目的の缶コーヒーを買う。
幼い頃はコーヒーが嫌いだったが、今では毎日飲むほどコーヒーが好きだ。
人間の変化というものは面白い。
静粛な空間をガチャッという金属的な音が一時的に支配する。
自動販売機に手を入れ缶コーヒーを取る。
真足は缶コーヒーを上下に振幅させながら歩く。
足を上げるたび局所的なポテンシャルの上昇を感じる。
真足はいつも缶コーヒーを64回振ってから飲むことにしている。
その数字が特に好きなわけでもない、そもそも好きな数字なんて無いし、好きになって何か変わるわけでもない、と思っていた。
64は2^6と8*8と等価だ、ただそれだけだ、意味なんてない。
真足の住居地周辺は買物をするには非常に不便だ、店なんて数えるほどしかないし(有限個である以上数えれるのは当然だが
数えるほどしかない店の90%以上はPM7:00を過ぎると閉店してしまう。
深夜でも営業している店は公園の近くにあるコンビニエンスストアくらいだ。
白昼でさえ静かなのだから、深夜である今は更に静かだ。
真足が週に一度の散歩を初めてから3ヶ月経過するが今まで散歩中に人と遭遇したことは2回しかない、その2回とも新聞配達の人だった。
この周辺を深夜に徘徊してる人間がいれば誰でも怪しむと思う。
真足も散歩中に初めて人を見た時は少し驚いたし、警戒もした。
その人が郵便入に新聞を入れているのを見て不審人物ではないと分かり安心した。
新聞配達の人は自分を見てどう思ったのか気になった。
同業者だと思ったのだろうか、それとも警戒していたのか、何とも思ってなかったのか、考えてもキリがない、
考えれば考えるほど乱雑な方向へと思考が向かっていく、収束することがないのだ、だからこういった事は考えないのが一番だ。
真足は缶コーヒーを上下に振りながらいつものコースを歩く。
いつものコースとは自宅→武野さんの家→公園→保育園→自宅というコースだ。
それぞれを点パターン化し直線で結ぶと四角形になる。(当然だが
過去にその点パターンに素人ながらパターン理論を適用してみたところ、
真足の活動勢力域はバッファゾーンとほぼ合同関係にあった。
その時、真足は自分はよほぼ受動的かつ内向的な人間なんだなと妙に納得したものだ。
武野さんの家まであと少しだ。
「少し」というのが具体的にどれほどの数値を示すのか真足は分からないがそう思った。
493466:04/04/16 21:34
幾何学的連続体の中に多少の歪みや傾斜を持った平面が連続的に存在している。
真足はその平面を歩きながら途中まで読んだ本に書かれていた問題を思いだす。
「有利素数>3は、それが≡1(mod3)であるとき、かつそのときに限り、整数x,yを用いてx^2+xy+y^2と書くことができることを示せ.」
有理整数p>3に対してp=x^2+xy+y^2を満たすx,y∈Zを考え、
x,yをmod3で分類してx=y=0またはx=y=1またはx=y=2のとき3|pで矛盾を導くところまでは分かった。
後はこれ以外の場合も考えてp=1(mod3)を示してx^2を導きpがRの素数であると仮定して矛盾を示しノルムを取れば解けそうだ。
今は紙と筆記用具がないから具体的な計算はできないが、アルゴリズムは理解できた。
家に帰ったら早速計算してみようと思った。
問題に集中していたせいだろう、周囲への注意が減弱化していた、気がついたら武野さんの家を通過していた。
真足にはこういったことがよくあった、何かに集中するあまり、その他のことに全く注意が行き届かないのだ。
気がついたら真足はいつもの散歩コースを歩いていた、つまり無意識下でいつもの歩き慣れた散歩コースを歩いていたのだ、実に面白い。
人間の体はそういった具合にプログラムされているのだろうか。
だとしたら無意識下で食事も歯磨きも全て行ってくれれば良い、それなら存分に問題に集中出来る、と真足は思った。
数えるのを忘れていたが、既に64回以上振ったであろう缶コーヒーを開ける。
真足が歩くたびに靴とアスファルトが摩擦し音を発した、その音は缶コーヒーを開けた時の音と一瞬だけシンクロナイズした。
コーヒーの臭いがする、良い臭いだ…、昔は嫌いだったのに…。
自分はもう年だなぁ、と真足は感じる。
公園まであと何mほどだろうか、缶コーヒーを飲みながら真足は思う。
深夜の道…連続的な平面は地球上を覆っている、二次元の生物から観測すればそれは終わりがなく無限に続く道である。
連続した道…ファクターである合流点や分岐点を関数とした場合、何回微分出来るだろうか。
真足は自分のベクトルとは反対から逆ベクトルを持った人間が歩いていることに気付いた。
また新聞配達の人だろうか、だとしたらこれで3回目の遭遇になる、今日は挨拶でもしてみようか。
歩く…歩く…加速度運動…ベクトルは常に一定方向を指向している…。
真足のベクトルと、逆ベクトルを持った人間は平面上を近接していく。
真足と、逆ベクトルを持った人間との相間距離グラフは減漸化していく。
真足と、逆ベクトルを持った人間との距離が18mほどになった時、暗くてよく見えなかった逆ベクトルを持った人間の姿が明瞭になった。
黒い服を着ているのが確認できた。
ここで引き返すのは不自然だ、引き返せば呼び止められるだろう。
だがこのまま進んでも呼び止められるに違いない、こんな時間帯に外を徘徊しているなんて尋常じゃない客観的に見て怪し過ぎる。
ベクトル量は低下する、だが方向は変わらない。
真足と、逆ベクトルを持った人間はどんどん近付いていく。
15m…13m…11m…9m…7m…5m…3m…。
真足はカウントする、多少の誤差はあっただろう。
予想通り、黒い服装の人間が真足に話しかけてきた、ベクトル量はゼロだ。
494466:04/04/16 21:35
続き

「ちょっと君、こんな時間に何をしているんだ」
予想通りの質問。
「散歩です」
真足は答える。
「散歩って…君、こんな時間に散歩なんて不自然だよ」
ありきたりの台詞。
「そうですね、不自然かもしれません、ですが散歩は散歩です」
真足もありきたりな台詞で答える。
「まあ、分かったよ散歩なんだね、ところで君は何歳なの?」
そして少し間をおき、付け加えるかの様に言葉を発する。
「口調は随分大人びているけど、風体から察するにまだ学生さんだよね?」
嘘をついても意味はないか…、真足はそう思い、その質問に答える。
「はい、僕は中学生です、年齢は14歳です」
その後、僕は深夜の遭遇者と共に来た道をトレースし家路についた。
予想外の遭遇で散歩コースが完全に狂った。
深夜の黒い遭遇者は道中、真足に色々なことを言ったが、その言葉全てが予想できるもので非常に退屈だった。
そして黒い遭遇者は最後に、またありきたりな台詞を発した。
「散歩をするのは結構だけど、時間は選ぼうね」
僕はその言葉に、はい分かりました御迷惑をおかけしてすみません、と慇懃な口調で答えた。
自室へ戻り、リモコンを操作し光源をつける。
本棚の表出部分が光源から発せられた光を瞬時に反射する。
「まさか警察官がいるとは…、スリリングで楽しかったけど…、散歩は今日で最後だな」
壁の上方にある赤色の正方形状の時計は3:13を示している。
真足はそれを確認すると言った。
「素敵スギル」
495('A`):04/04/16 21:35
無     理     で     す
496('A`):04/04/16 21:50
>>467>>470

えおもしろかった、軽く。
マジで。

頭で作り上げた風景って、それこそすごいモンでないとつまんないけど
自分の痛みをさらしてるのってやっぱおもしろいのかも。
続きちょっと読みたかったよ。

フィクションならあさってな感想でごめんね。
497('A`):04/04/16 22:15
>>491
正直、495氏が無理ですと答えた事が。わかった気がします。
か、感想書きにくい。

無理して書くと、
あー、…スミマセン。カケマセン。
498('A`):04/04/16 22:23
>>466
自分の行動を数式に置き換えるなんてのは自分もよくやるけど
それを小説の題材にするのは目の付け所が結構面白いと思った。
話の運びもショートショートみたいでいいと思う。
499466:04/04/16 22:49
>>495>>497
長くて単調な文章ですみません_| ̄|◯
今度はもっと時間かけて書きたいと思います
ご指摘ありがとうございました
>>498
ありがとうございます
ちょっとやる気が湧いてきました


やはりこうやって皆さんから意見がもらえるとすごく参考になります
二日連続書いてちょっとネタギレ気味ですが次の題材考えたいと思います
500('A`):04/04/17 22:20
書いてるうちにどんどん長編になっていくーー。
SSにまとめられないよう……。
501('A`):04/04/17 22:22
あげたり、あげなかったり
>>489,490
>>496
感想どうもどうも
小説家の卵の皆さん
僕は、今日色々本を読みましたよ。
小説家になる練習として
短編をそのまま書き写したり
漫画とかを小説家してみるのがいいそうです
小説化ですね
短編というのは、勿論プロの書いた短編です
後、「NHKへようこそ」読み終えた。
とても面白かったです
僕も、幻覚剤やってみたくなりました
507恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/18 18:25
ブーッ。
とうとう試合終了の合図を告げるブザーが鳴り響いた。
20点差。バスケットでこの点差は完敗である。
俺は、なんとも言えず「あーぁ」という表情を浮かべていた。
汗だくのユニフォームが背中に冷たく張りついて気持ち悪い。
他校の相手チームと挨拶をし、適当に帰り支度。
なんだか皆気だるそうだ。
「これから、電車乗って一時間かぁ・・」
誰かが、呟いた。
壁に設置された時計を見上げると、もう5:00を過ぎ。
はるばる他校にまで遠征して惨敗とは。
ああ、惨めだ。
体育館から出ると、夕日が辺りを橙色に染めていた。
ぞろぞろと続く部員の先頭で、俺はマネージャーの陽子ちゃんと一緒だった。
俺達は、ついこの間付き合いはじめたばかり。
さらに見知らぬ土地での開放感で、俺は弾んでいた。
「なぁ、このまま先に帰っちまうか?」
「うん。逃げちゃえ、逃げちゃえ」
陽子はいらずらっぽい笑みを浮かべてそう答えた。
他の部員との距離を早歩きで離すと、
二人で手を繋いだまま駅の方に走った。
大丈夫かな?こんな事して。
ちょっと心配になったが、
その思いとは裏腹に俺の足取りは軽やかだ。
汗ばんだ手を繋いでスキップした。
駅前の商店街にたどり着くと香ばしい匂いが漂う。
彼女は、コロッケ屋の前で立ち止まり首をひねって言った。
「お腹すかない?」
二人で歩きながらコロッケを食べた。
西の空にはオレンジ色の夕日が浮かんでいた。
508('A`):04/04/19 22:23
>>507
きれいにまとまってます。
しかーし、おもしろいと思えるポイントが、
それほどありません。

フォローにならんかもしれませんが、
たびたび書かれる恋愛小説家さんには、
頭が下がる思いです。
マターリがんばってください。
509('A`):04/04/19 22:33
☆★☆パチンコ・パチスロ攻略情報掲示板☆★☆
無料で攻略情報を公開しています。
あの情報もここが発信源でした。
http://jbbs.shitaraba.com/game/6771
510恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/20 20:05
>>508
うん、そうですね・・

それにしても、人少ないですね
誰かが書いてくれるの期待age
511('A`):04/04/20 21:08
>>510
お前が書け
512('A`):04/04/21 05:11
引きこもりの気持ちはわかる人なんで、せっかくの機会なので、晒してみたいと思います

 秋晴れの午後3時、公園のベンチには月曜から金曜までの間、毎日少女が座っている。ベンチの背もたれにベッタリ背中を預け、蔦と羊歯に覆われた日よけをぼんやりと眺めながら、少女は小さなため息をつく。
このベンチに座っている間、戯言を幾度も夢想しながら少女の口から恒例の文句がついて出た。
「皆、ワタシより不幸になればいいのに。皆、ワタシより不幸になればいいのに」
 彼女が生まれた年にデビューしたアイドルの唯一のヒット曲。少女の恋の終わりを描いた名曲だ。アイドルはこの曲を歌ったのを境に、芸能界から姿を消しそれっきり。
 少女、藤村サヤカはFMから流れたコノ曲のサビの部分だけを覚えているに過ぎない。誰が歌ったのか、曲のタイトルはなんであるのか、そんなことは一切知らない。
 ただこのフレーズを延々と反芻しつづけるだけで、一切の詮索をしたりはしない。もとより、曲のタイトルを聞く相手だっていないのだから。
 パーカーのフードをジャケットの襟にのせ、底冷えする外気の中、手袋の上から息を吹きかけた。誰を待つでもなく、少女はベンチに居座りつづける。行く場所があるわけではないし、待ち人がいるわけでもない。
 ただ狭いワンルームに一人閉じこもっていられないだけだ。少女の孤独はあと120時間ほど続く。
 自分でもよくわからない疲労を抱えて、サヤカは部屋に戻った。サヤカにとって部屋の外は、毒で満ち足りた沼みたいなものだ。毒空気を吸いつづければ体力が減るのは当然。 コンビニでかった九日分の買いだめを小型の冷蔵庫に詰め込み、万年床にゴロリ。
 カップ麺が28食分。カップコーヒーが21杯分。チョコレートの袋が5袋。これが彼女の食生活の全て。 
 不健康そのものだが、日光を嫌うもやし人間は食生活に気を使わない。いかに人間と会わないか、そっちのほうがはるかに重要なのだから。
 「うわ〜、マジで死にたいわ〜。ダメだ〜」
 サヤカは朝から数えて13度目の「死にたい」を口走った。コンビニの店員が自分を笑った気がした。いや、笑ったに違いない。犬を連れていたおじさんが、サヤカをちらっとみた。きっとひきこもりキモイと思ったに違いない。その証拠に犬も笑っていた。
 「もういやだ〜、こんなワタシ。死にたい〜」
 サヤカは14度目の「死にたい」を口走った。特殊な用途で使用するために設置したロープが天井からたれていた。ちょうど女の肉体をぶら下げる程度の高さに輪っかを作ったソレを、サヤカはぼんやりと見上げた。
513('A`):04/04/21 05:13
ロープを見つめて、約1時間と30分、飛んで15秒ほどたっただろうか。宗教の勧誘と通販の荷物が届く時以外、鳴らない玄関のチャイムが鳴った。
 「誰だろう」
 おずおずしながら玄関を開いた。宗教然とした黒づくめの女性が一人。
 「しまった」とうっかり口に出したときには、既に女は部屋に侵入していた。
  へらへらとサヤカが後ずさる。女は一歩前に踏み出しながら、白目のない笑顔でサヤカの顔を覗き込む。
 「こんにちわ」
 「こっ、んにちわ」
 女はサヤカの退路をふさぐと、グイグイと天井から垂れたロープを引っ張った。
 「自殺は何も救いません」
 肩にかけた紙袋から、笑顔の会加入願いと小冊子を取り出しサヤカに手渡した。
 「笑顔は人生を楽しくします」
 女はサヤカの唇の端を左手で無理やり持ち上げた。右手の手鏡がサヤカの顔を映した。 ひどい顔が写っていた。バットマンに登場するジャックニコルソンの顔だった。
 「余計辛くなりました」
 サヤカはうつむいた。女は中傷の笑顔を浮かべながら、ポケットから名刺を取り出し、ピッとサヤカに放り投げて見せた。
 「吉谷キミカ・笑顔の友の会フリーエージェント勧誘員」と記載されていた。
 サヤカはなんでか、なきたくなった。
 「宗教の勧誘ですか?」
 サヤカは涙をこらえて、吉谷に聞いた。
 「ええっ、そういう仕事をしてます。何で知ってるんですか?」
 仰天しながら吉谷キミカは、ギロリとサヤカの顔を覗き込んだ。頬に張り付いた笑みを隠しもせず、サヤカの眼前2センチのところまで近寄った。
 吉谷の生暖かい息が、サヤカの首筋を湿らせた。身の毛が栗毛立つ。目をギッとつぶり、涙と鼻水がたれだしそうになるのを耐える。
 「前世からつながってました」
 サヤカは虚ろな目で床を見ながら、口をパクパクさせた。まさしく酸欠の金魚。苦し紛れにいってみるだけ言ってみたが、嘘を見透かされるのも時間の問題。サヤカはそう感じていた。
 「思いだした。前世からつながってたわ。ワタシが出会う人は皆、前世からつながってるわ。前世戦士ね」
 「そうなんです、不思議前世戦士。いずれ会えると思ってました。まさしく理想の前世戦士ですね」
 ゆっくり後ろ屈みになるサヤカの手を吉谷は取った。
 「前世から戦士として一緒に戦ってたから、また会えたわね」
 「間違いないです。ちょっと外に出て、他の前世戦士を探しませんか?」
 ええっ、素晴らしいわ。吉谷キミカがふわっとワンルームを飛び出し、素晴らしい素晴らしいと連呼しながら、部屋の前でサヤカを呼んでいた。
 サヤカは前世戦士の目の前でドアを閉めた。
 吉谷は獣のような叫び声で、サヤカを中傷した。5分ほど罵詈雑言を吐いた後、吉谷は帰っていった。
サヤカは5週間ぶりの人との交流がコレなんだ、と思うと死にたくなった。そうしてまた万年床に寝転がった。 
514('A`):04/04/21 05:20
 サヤカが晴れて、フリーターという名の引きこもりになったのには、理由がある。会話の輪に入っていけない、人ごみに入ると緊張してまっすぐ歩けなくなる。
 その他、さまざまなたいした事のない障害をその身に積み重ねた結果、彼女は人前に出る事が出来なくなった。仕事もしないし、人のいるところにも出ない。
 彼女の外出先は、アパートから徒歩5分の公園と徒歩8分のコンビニだけである。そんな生活を続けていった結果、彼女は生来のインドア傾向に拍車をかけ、それは見事なひきこもりの典型モデルになったのであった。
 「こんなんじゃダメだ。人生が終わってしまう」
 サヤカはこの状況から逃れる術を知らない。彼女は現役引きこもり。ここ5週間ほど吉谷としか喋っていない。彼女は、いまだぼやけた頭で、PCを起動させた。
 「まずは、ホームページから始めよう。世界とつながりを持たなければ」

 ここまでだけどね。病気世界です。
 NHKにようこそをちょっと意識してみました。
うーん、どうなんだろう
ヒキ系の話オレも好きで書こうと思うけど
滝本君の劣化コピーになっちゃう予感
まあ、オレはこういう話好きなんですけど
この後どういう展開なのかなぁって
517512:04/04/21 16:37
全然話の展開は決まってないんだけど、
原子爆弾で何もかもを燃やし尽くすのが夢の、ギャルソンでピエロ服を買う服オタクや
大学に友達がいないけど、親には友達いっぱいで楽しいと言う女子大生とともに、
自殺の名所である中央線にエクスカリバーをさがしに行く話にします

彼らはそこで、心の中が他人に聞こえるサトラレおじさん(42歳)に出会い
黄色い救急車と呼ばれている電車に乗って、秋葉原で真理にたどり着きます。
「このままじゃ、本当にだめになる」と
そこから彼らの快進撃が始まるのでした。って感じです

最近、滝本氏の小説はやけにぶっ飛んでるので、
コピるなら、このくらいやったほうがいいかなって思って
エンターテイメント色豊かですね
僕はちょっと考えてしまいますよ
どうやっても滝本みたいにユーモアに転化して
面白おかしくできるはずがないし
だからって私小説風に、
立派な文章で現実的にヒキ生活語るのも
荷が重過ぎるし
まあ、今日読んだ「早稲田小説塾」みたいな本に
「小説を、現実から逃避するためのシェルターとして
書くのは駄目だ。暗い人間なんて個性ではない。」
と書かれていて、まさに俺に当てはまっていて
あぁ、だめぽって感じになりました
519('A`):04/04/22 20:20
保守age
520('A`):04/04/22 22:28
>>518
シェルターになっても何になってもいいから、
とにかくおもしろいものが書ければいいのでは。
勝てば官軍ですよ。滝本を追い越すくらいの気概でいきましょう。
521('A`):04/04/22 23:30
漏れもそう思います。滝本だって、シェルターとして小説を書いて、
作家さんになったわけだし。それでもあの個性
がんばって書きつづけることが近道じゃないかな?

あと本を読むとか。読んでいれば何かわかる物があるかも
522恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/23 00:00
そうですね。
お前ら小説書け。
期待ageR
523('A`):04/04/24 01:04
age
524('A`):04/04/24 02:08
な〜、恋愛小説家よ。
とりあえずお題を出して、書きあったらいいんじゃないかしら?
御題「ラジオ」とか御題「鬱」とかそんな感じにしてさ。
どうよ?
525('A`):04/04/24 02:16
おまいら、書くのはいいけど、賞とかには出してますか? 俺はとりあえずサントリーミステリー大賞で1000万貰ってソープ行く予定です。 ドラマにもなるから、あわよくば女優食います。 ふはははは。
526('A`):04/04/24 02:50
>>517
なかなか面白そうだな
舞城王太郎の小説でありそう
527('A`):04/04/24 08:40
☆新一の文庫本が3冊100円だったから買った
面白い
528('A`):04/04/24 08:48
>>525
それいいな
女優食えるのか
529('A`):04/04/24 10:24
本日のお題


530('A`):04/04/24 10:25
おしわかった
531('A`):04/04/24 10:25
>>525
サントリーミステリー大賞ってなくなったぞ
532('A`):04/04/24 10:28
マジか
533('A`):04/04/24 10:29
去年で終了したはず
534('A`):04/04/24 10:29
おk。
妹が出てくれば何でもいいだろ?
書いてみよ。
535世界の王:04/04/24 10:29
もおしろい
536('A`):04/04/24 10:30
SSでいいんだよな?
537('A`):04/04/24 10:31
ttp://sb-p.jp/oishi/dowai/sanlist.html
>なお、「サントリーミステリー大賞」は第20回を迎える2003年、幕を閉じることが決定した。
>従って本スペシャルドラマも20作目がラスト作になる。

この程度の情報収集も出来ないやつがミステリー書くとは片腹痛い
538('A`):04/04/24 10:34
>>536
何でもおk。
539('A`):04/04/24 10:35
片腹いたいわー!ふはははは!
ふは、ふは、ふははhあぁ、いたいいあたいいたいってまじで
540恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/24 13:23
>>524
ナルホド
541恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/24 13:24
朝、一階のトイレに向かった。
トイレ横の洗面所では、女子高生の妹が鏡と格闘していた。
ふと、鼻腔を強烈な匂いが刺激する。
香水だった。
腹が立った。
幼い顔立ちに化粧をし、細いだけの体に匂いをつける妹。
ちぐはぐ過ぎて滑稽だ。
僕は、そそくさとトイレに入り、小便を済ます。
手を洗うため、洗面所に立つ妹の脇に入った。
「チッ」
妹の舌打ちが、短く瑞々しく響く。
僕は、何も言えずに軽く手を洗いその場を去った。
恥じらいに赤く染まった頬を隠すように俯きながら・・・。
542恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/24 13:26

と、なるはずだった。いつもなら。
しかし、今回は違った。
舌打ち。
反射的に見た妹の顔。
ふてぶてしく、気だるそうな表情。
瞬間、僕は妹の胸倉を掴み壁に叩き付けていた。
顔に血が上るのを感じながら、妹を睨んだ。
妹の目には、未だに反抗の色が見える。
しかしその中には明らかに戸惑いと怯えが入り混じっていた。
すると、不思議な事に妹のちぐはぐな化粧が愛しく思えた。
薄青いアイシャドーと極端に赤いルージュ。
僕は、胸倉を掴み上げられ爪先立ちしていた妹を離した。
妹の体はとても軽かった。
「妹」についてだけど
何か意味分んないな
まあ、お前らも書いてねって事だ
544('A`):04/04/24 13:48
>>543
文体が純文学っぽく(・∀・)イイ!!
545('A`):04/04/24 14:23
 書いてみた。妹 

 ただ見えるのだ。灰色の彼女が。過去に置き去りにされた彼女は白黒写真となって、わたしの前に現れた。
 ギギギと音を立てながら首を曲げ、潰れた顔を私に向ける。
 あるいは、あの濁った瞳でわたしを見つめていたのかもしれない。
 部屋に入って最初に感じるのは、鼻を突く悪臭。生ゴミと吐瀉物を放置したような饐えた臭いだ。日増しに臭いは強くなる。ワタシはもうたえる事ができそうにない。
 彼女は私の部屋の隅に留まり、膿に似た粘液をフローリングに残す。
雑巾でいくらその粘液をふき取ろうとも、悪臭と粘性は消えてはくれない。手についた粘液の臭いはいつまでも落ちない。
 それでも化粧棚に移った彼女の姿だけは、生前の姿を映すようで。
 剥がれ落ちる前の血色のいい肌も、均整の取れた肉体も健在だ。
ただ、鏡にうつる彼女の目だけは、相変わらず死者の世界から逃れる事はできないようだ。
 空気は粘土の重さを持っていた。岩戸を抜けた今も、塵芥に埋もれ、彼女は異界のうめきをあげる。
 妹は死んだ。なのに、何故この部屋にいる。彼女は妬んでいるのだろうか。
 死をまぬがれたワタシを。同じ顔を持つもう一人の自分を。
546('A`):04/04/24 15:05
前置き。書く人は書かずに批評する俺よりずっと偉い。
>>487
うまい。内容以前に文章がうまい。シンプルで洗練されてる。
無駄なくストレートに内容が読者に伝わる文章ですね。
そういった「人に読ませる文章」を書く技術はプロになるためには必須。
たいていの作家志望者は内容以前にここで脱落する。
これをクリアしてる恋愛小説家さんは内容とか文体というような
個性が問題になるのではないでしょうか。
547('A`):04/04/24 15:07
546つづき
>>466
ネタは面白いと思います。もっと面白くなりそう。
ただやはり読みにくい。もっと読ませる工夫が必要。
作者の主人公への共感が説明不足となっているのでは?
もっと客観視してある程度ツッコミをいれないとおかしみがでないのでは?
あるいはもっと強烈にボケっぱなしで逃げ切るか。
いずれにしろ読ませるという意識を持つことが必要です。
それだけでかなり良くなると思いますよ。
>>545
分りません・・
>>546
そんなに褒められるとは思わなかったな・・
549('A`):04/04/24 20:53
>>548
お前いつも解ろうとしてないだろw
550('A`):04/04/24 22:44
窓から差し込む月光を浴びて、麻衣子の美しさはより一層磨きがかかる。
肩にかからない程度に切りそろえられた黒髪。
掴めばそのまま折れてしいそうなほど白く細い腕。
そして、彼女に似つかわしくない無数の痣。
その全てがいとおしく、その全てが僕の怒りを誘う。
もちろん、怒りの対象は彼女ではない。
僕は麻衣子から目を離すと、床に視線を移す。
そこには深紅の絨毯が広がっていた。
「兄さん」
弾かれたかのように僕は顔を上げる。
そこには、僕の愛する妹の顔があった。
そう、しゃべるはずの無い麻衣子の顔が。
突然の事で、僕の頭は上手く回らない。
何を言えばいいのか、どうすればいいのか。
心を病み、言葉を失った麻衣子。その彼女が今しゃべっているのだ。
ただ口をぱくぱくさせているだけの頼りない僕などお構い無しに、
麻衣子は言葉を続けた。
「私ね、今とっても幸せよ」
満面の笑顔で、彼女は言う。
その笑顔があまりにも綺麗で、僕も自然と顔がほころびた。
僕はそっと麻衣子を抱き寄せると、その長くて美しい髪を指に絡める。
麻衣子は少しくすぐったそうな顔をして、僕を静かに抱き返した。
今日から僕たちは新しい道を歩みだす。
誰からも邪魔されることの無い、二人だけの道。
「――だから悪いけど、邪魔だよ」
そう言って僕は、足元に転がる二つの足枷を蹴り飛ばした。
551('A`):04/04/24 23:13
人間は恋と革命のために生まれてきたのです
552('A`):04/04/24 23:19
>>550
ちょっとホラーくるー
553恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/24 23:35
>>549
そうかな・・
>>550
良い
けど、落ちがよく分らない
足枷ってなんだろう・・
554234 キモ男小説「僕の恋人」:04/04/25 00:21


「あいつ、マジでキモイよね♪」

キモイ、不気味、気持ち悪い・・・空気のような言葉だ。
僕にとっては空気を吸うことと同じぐらい慣れ親しんだ言葉。
もう傷つきもしないし何も思わない、憎しみも涙も無い。
いや、厳密に言うならば心が痛みに麻痺しているのだろう、
交通事故であまりに酷い怪我を負うと逆に痛みを感じなくなると聞いた。
脳が感覚を麻痺させて、苦痛に対してブレーカーを落とすのだ。
僕の心にも同じような作用が働いているのかもしれない。
暴力を振るわれたり、物を壊されるわけではない。
あからさまに苛められるわけではない。
無視すればいいだけの話なのだ。
だが、相手が暴力を持って僕を否定しに来るならその時は
プライドを掛けて戦おうと決意をしている。
その為にいつもナイフを持っている。
ナイフは僕を裏切らない、いつも僕のプライドを守ってくれる。
555234 続き2:04/04/25 00:22
9月○日、学園祭についてのクラス会があった。
出し物は男女混合のダンス・・・憂鬱だ。
僕のペアは双子の妹、他の女子が嫌がってムリムリに押し付けたのだ。
もっとも妹すらも僕をキモがって相当嫌がっていたのだが。
そして僕は妹の携帯にメールを送った。
「安心しろ、当日俺休むから楽しんで来い」
僕は焼きそばやお好み焼きが安く食べられるから学園祭を楽しみに
していたのだが、妹の今にも泣き出しそうな顔を見ると
こうするしか選択肢は無いだろう、一応は兄貴なのだから。
556234 続き3:04/04/25 00:23
10月○日、学園祭当日・・・「いってきまーす♪」
妹の楽しそうな声が布団に包まっている僕にもはっきりと聞こえてきた。
ぼーっと色んな事を考えていた。
小学生の頃だったか、あの頃までは妹とも仲が良かった。
家族みんなでディズニーランドに行ったりして本当に楽しかった。
それから後の事はあまり憶えていない、いや思い出したくないと言うべきか。
「そろそろダンスが始まっている頃か」
涙が溢れてきた、久しぶりの涙が・・・。
思いっきり泣いた、泣いた、泣いた、泣いた、泣いた、泣いた、泣いた。
泣き疲れた後に清々しい虚無感が僕を包み込んだ。
「最期は君とがいいな」
ランドールのナイフ、一生懸命バイトして買った僕の恋人。
裏切らず何も言わず、いつでも僕の傍にいて僕を守り勇気付けてくれた。
覚悟は決まっていた。
彼女は僕の喉元を躊躇い無く優しく切り裂いてくれた、痛みは微塵も感じなかった。
血の海に沈んだ僕は薄れ行く意識の中、妹の事を考えていた。
「あいつ、喜ん・・でく・・れるかな・・・」
557234:04/04/25 00:24
小説というか、最期に自殺したところ以外は単なる自伝です。
558('A`):04/04/25 00:30
やっぱりお題を出すと伸びがいいな。

>>234
現実は物語より奇なり。
喪男ならではの私小説だな。涙を誘うよ('A`)
559('A`):04/04/25 08:14
>>553
いちおう
足枷=両親
とかいう設定。
560('A`):04/04/25 08:23
足枷自体は足を拘束する道具ね
手錠の足バージョン
自由を奪う的なニュアンスで使われる事が多い
561('A`):04/04/25 08:27
妹は出尽くしたか?
次のお題誰かだして。
562('A`):04/04/25 08:29
みんなうまいね
あー、足枷って両親て意味か
やばい。だとしたらうまい
びびった
564('A`):04/04/25 09:24
>>563
お前次のお題出せよ。
俺かよ・・
何も思いつかん・・
566('A`):04/04/25 11:49
早くお題だせよ〜
567('A`):04/04/25 11:50
お題で作品出るの良いな
つか書ける奴が意外と居るんだな
568('A`):04/04/25 12:23
お題は「ヒーロー」で。
ちょっとファンタジックな文章が読みたくなった。
ヒーローか
むずいな
今、日本は病んでいる。
お父さんはリストラされ、息子は引き篭り、
娘は援助交際し、お母さんは昼間から寝転がっている。
現実は、いつだって厳しい。
誰だって苦しい。
それでもそこそこやって行く。
それが人生だ。
そうだろう?

俺が問い掛けると、
空ろな目で窓の外を見ていたAは、
ニッコリと微笑みながらこっちを向いた。
「そいつは違うぜ。これを見てみろ」
(マーフィーの欲望が100%叶う方法)
表紙に見えた白く仰々しい題名。
その下には、金色の帯が怪しく光っている。
とても胡散臭かったので、何も見なかった事にした。
教室を見渡すと、男女が方々で歓談している。
彼女ってどうやって作るのかなあ。ハァ。
と、何気なく溜息をつくとAの目がキラリと光った。
「そいつは簡単だぜ。彼女をイメージすればいい。
イメージは脳の無意識部分に作用する。
この無意識というのは人間全体と繋がっていて
無限のパワーを持っている。だから・・・・・・」
サッパリ意味が分らなかった。
とにかく次の授業は、音楽なので教室を移動した。
「いいか?一番重要なのはイメージする事だ。」
Aは移動中も喋りまくった。
気が強そうな中年女性音楽教師は、開口一番こう言った。
「今日は一人一人歌ってもらいます。」
途端、クラス全体がどよめき反対の声があがる。
しかし、女教師は冷然と言い放った。
「それでは○○君から。ピアノの伴奏に合わせて、4小節目まで。」
静寂。反対の声が消えた。
・・・そりゃないよ。
逃げ場はなかった。
この女教師は、音痴が人前で歌う事の辛さを考えてない悪魔だ。
焦りと恐怖は、じわじわと迫ってくる。
嫌だ嫌だと言っても順番は回ってくる。
順番が近づくにつれて、動悸が激しくなる。
地味に嫌な事の繰り返し。それが人生なのか。
ヒーロー。悪魔を倒すヒーローはいないのか?
しかし、頼みの不良も顔を赤らめて普通に歌いAの順番になった。
「俺の無限のパワーを見せてやるぜ」
力強くそう言ったAだが、歌う姿なんて想像つかない。
ピアノの伴奏が始まり、途中で止んだ。
先生は当惑した表情を浮かべていた。
「歌わないの?」
Aはただこっくり頷いた。
あー、なんか意味わかんないね
すみませんね
574('A`):04/04/25 19:45
>>570
素人だから変な事言うかもしれないけど、
小説なのに人の名前をAだとか○○にするのはなぜ?
>>574
いや、俺も素人ですよ・・・・・・
それは、2chで書くときの癖と
面倒だったからです・・・・・
すみません
576('A`):04/04/25 21:52
――あそこには神がいる。
誰に教わるでもなく、それは生まれたときから知識としてあった。
そしてそこに辿り着く事が、私達生来の目的でもあったのだ。 

仲間は一人、また一人と戦域に倒れていく。
だが自分以外のことに気を回す余裕など無い。
次の瞬間には、私が彼らのようになるかもしれないのだ。
敵の防衛網は予想していたよりも遥かに厚い。
だが着実に私たちは目的の場所に近づいていた。
どれだけ走り続けただろうか。
すでに体力は尽きかけている。
諦めようか――そんな事を考え始めていた頃、目的の場所が見えてきた。

「降臨期」
私たちはこの時期をそう呼んでいる。
神が自らへの道を開く大事な期間。
この時期を逃すと、私たちは自らの天命を全うすることができない。
数億いた私たちの軍は、すでに数百にまで減らされていた。
私たちは城壁を取り囲む。
そして各々が自分たちが持つ唯一の武器を手に取った。
それを使い城壁に穴を開けるのだ。
城壁の厚さに四苦八苦しながら、私は何とか壁に穴を開ける。
城壁は破られた。
私はすかさず自分が開けた穴に入り込む。
577('A`):04/04/25 21:53
暖かな、それでいて安心感に満ちたこの場所は紛れも無い神の国だ。
無数の戦友たちの屍を超えて、今私はここにいる。
城壁の外を見ると、共にここへ辿り着いた戦友たちが私に笑顔を向けている。
この中へ入って来ようともせずに。
――そうか。
私は気がついた。
神の国へ行けるのはたった一人なのだ。
そして、今回の降臨期に選ばれたのは私。
私は彼らに笑顔を返し、そして先へと進む。
その先に何があるのか、私は知らない。
だがそんな事はどうでもいい。
私は確かに、神の国へ招かれたのだから
「男は顔よりもハートですよね♪優しい人が好きです」

ブラウン管の中のさとう玉緒ちゃんはそう言っていた。
「なるほど、女の子は優しい男が好きなのか」
俺は今まで勘違いをしていたようだ。
不細工だから、スポーツが出来ないから、根暗だから。
そういった理由で女性にモテないのだと思っていた。
しかし事実は違っていたのだ、俺に足りなかったのは
優しさ、思いやりだったのだ。
俺の卑屈な性格が女の子に嫌われていた原因だったのだ。
「よし、一念発起!!優しい男になるぞ」
単細胞で影響され易い中坊はすっかり意気込んでいた。
この瞬間、俺はヒーローに生まれかわったのだ。
やはり礼儀正しく爽やかに親切に振舞うべきだろう。
朝、クラスのみんなに挨拶をした。
みんな嫌がる掃除も率先してまじめにやった。
誰かが遣らねばいけないが、誰もが面倒臭がる作業を黙々とこなす。
花壇の手入れや窓の開け閉めetc・・・
「ふふふ、俺の豹変振りに皆驚いていたなw」
今までは面倒臭いと思っていた事も、自分を変える為の
修行の一環だと思うと結構楽しいものだ。
鬱屈を昇華させて一生懸命になるというのも悪くない。
そんな具合に一人で妄想に耽りながら3階へとつながる
階段を上っていた。
斜め前を香山さんが歩いていた、同じクラスの女子だ。
「キャぁ!!」
彼女が突然後ろに倒れこんだ、足を滑らせたか?
「危ないッ!!!」
俺は咄嗟に彼女の体を支えようとした。
ズザザザザ
俺が下敷きになる形で下の踊り場まで滑り落ちた。
角との摩擦で学ランが擦り切れていく。
背中に激しい痛みと衝撃が走る。
ゴン
踊り場のコンクリートに激しく腰と頭を打ち付けた。
ボーっとする、頭に霞が掛かっている。
体がうごかない、意識がドロドロだ。
女の子は大丈夫だろうか・・・
かろうじて首を上げ、目線を上に向ける。
どうやら、女の子は無事だったようだ。
怪我もなく、立ち上がって俺を見下ろしている。
「だひ、ひょ、れ?」
大丈夫と言ったつもりだったが、舌が回らない。
「うわ、イカ男じゃん、キモ〜」
まるで汚物を見るような目で見つめていた。
そして何事も無かったかのように、立ち去っていた。
「れ?」
イカ男ってなんだろう、俺の事だろうか?
彼女は怒っていた?少なくとも喜んではいなかった。
なぜだろう、彼女の危機を俺は助けたはずなのに。
悪い事はしてないのに、良い事をしたのに、なんで?
今のってひょっとしたら悪いことだったのかな?
大きなお世話だった?
薄れゆく意識のなか俺の頭の中は疑問符のみが駆け巡っていた。
それから、俺の永い障害者生活が始まった。
階段から落ちた時の衝撃で俺は脊椎を損傷していたのだった。
腰から下は思うように動かず、上半身もぎこちない。
リハビリを始めてから10年、何とか自力で車椅子での移動が
出来るようになった。
今は病院の近くの公園で木々や小鳥を見るのが一番の楽しみだ。
ここは犬の散歩コースとして有名で可愛い犬達と戯れることが出来る。
無邪気で人懐っこい動物たちとのふれあいは俺の心の傷を癒してくれる。
そんなある日、公園のベンチに見覚えのある女性が。
「あれ、ひょっとして香山さん?」
女性が驚いたような表情で顔を上げる。
「あ、イカ・・山本君?」
やはり彼女だった。
それから数分ほど雑談をした。
そして長年心に残っていた疑問を彼女に聞いてみる。
「あのさぁ、10年前の階段の事故のとき、俺のことイカ男って呼んでたよね?
イカ男ってあだ名の由来が知りたくてさぁ」
香山さんは気まずそうな表情で下を向いていた。
「うんとね・・・暗くていつもオナニーしてイカ臭そうだったから」
なるほど、そういう意味のイカだったか。
俺は今までの胸のつっかえが取れてスッキリとしていた。
「そっか、ありがとう」
そう言って俺はその場を後にした。
イカ男の謎が解けた以上、彼女と話すことはもう無い。
後悔は無い、恨みも無い、妬みも無い、悲しみも無い、何も無い。
見舞いに来たのは家族と教師だけだった。
それは分かっていた事だし、今となってはどうでも良い。
今日明日を生きるのが精一杯の俺には泣いている時間は無い。
「さて、そろそろリハビリトレーニングの時間だな」
俺は一人車椅子を漕いで病院へと向かった。
その帰路、俺はダンプに跳ねられて死んだ。



















だめだ、こりゃー グワグワグワん!!
582('A`):04/04/25 23:45
>>578-581
モ男っぽさがよくでてて面白いんだけど、くらいな〜w
確かに・・
584('A`):04/04/26 21:09
やっとアク禁解除されたので、
遅れてしまいましたが、
お題、妹のをはりたいと思います。
スレの流れにそむいてスマソ。
どうぞ。待ってます。
ヒーローって藻男には難しいお題だよな。
586お題、妹:04/04/26 21:25
 もう妹は何ヶ月も学校へ行ってない。
部屋から出る事もなく、顔を会わせたのは
いつの日だったか忘れてしまうくらいだ。
家族団欒の食事なんて、
もう夢のような出来事にすら、思える。

 そんな、妹の部屋へ食事を運ぶのは、僕の仕事だ。
部屋の前に立ち止まる。
足音で僕が来たのがわかったのであろう。
何とも言えない、微妙な緊張感が漂う。

 ヨシッ
萎えそうになる心を叱咤し、意を決する。
トントン
「夕御飯持ってきたよ。」
「…そこにおいといて。」
ここまではいつもどおりだ。
しかし、今日は。
「手渡ししたいんだ、両手ふさがってるから
開けてくれないかな。」
587586:04/04/26 21:27
 妹の部屋に限らず、この家に鍵のついた私室など無い。
開けようと思えば、こちらから開けられる。
けどそれは、妹の心を土足で踏みにじるように思えた。
向こうから開けてくれるのを、待つべきだろう。

「いやっ、そこにおいて。」
そう言いきられ、少し落胆する。
無理強いは良くない。
そう思い、夕御飯を静かに置く。
「うん、それじゃ置いとくよ。
あったかいうちに、食べるんだよ。」

 そっと手紙を添えて。
588587:04/04/26 21:31
 内容はなんて事のない、自分の心の内を形にした物だ。
『頑張らなくていいんだよ。
 無理しないで、
 ゆっくりやすんで。
 僕は、いつもとかわらない、
 君の笑顔を見れる日を、
 いつまでも待っているから。』

 次の日、食器を取りに行ったら、
手紙が添えてあった。
妹からの返信だ。

 僕は涙で視界がかすんだ。
たとえそこに書かれている文が、
罵りの言葉だとしても、

妹の表情に、違いないから。
ほー。分りやすい。
590586:04/04/26 22:22
>>589
レス、サンクス。

アク禁されてたせいで、
推敲しまくってたもんで、
そのおかげかも。
591('A`):04/04/27 00:03
感動した、あく禁に耐えてよく頑張った!!
暗くてもイイ話なのが良かった。
592('A`):04/04/27 14:26
age
593('A`):04/04/27 20:11
テーマ「鏡」でどうよ
渋いね
595('A`):04/04/29 01:46
書いてみようかな
596恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/29 17:20
omaera書けよ
597('A`):04/04/29 18:43
>>596
どうでも良い話だが、僕はグレープフルーツを食う時はいつも、
皿に砂糖をたっぷり入れ、1つずつ皮を剥いて皿の中に入れて行き、最後に手掴みで1つずつ食べる。
>>597
僕は、まず横に倒して包丁で半分に切って
皮と実を分けるように円形にそって包丁で切り込みを入れる。
その後皿に置いて、スプーンで果実をすくって食べる。
599鏡の中の私 1話:04/04/29 20:43
鏡を見る
鏡に映る顔
私の顔
醜い顔
そして、蘇る今でも耳に残るあの子の言葉。
「あなた位美人だったら私だって彼と付き合えたのに!!」
親友の、佳代子の悲痛な表情が目に焼きついている。

愛に包まれて育ちました。
両親は元より周囲の人間から蝶よ華よ可愛られました。
人から愛されることは当然だと思い、だから私も皆を愛したのです。
男性を顔で差別する女性は最低だと思います。
男の人はみんな勇気があって優しいと思っていました。
「顔なんて関係ない、どうしてあの子達はあんな酷いことが言えるの?」
そう素直に思っていました。
ある日男性から告白され、付き合っていました。
彼は素敵な人でした。
いつも私に優しくしてくれる騎士だった。
いつも私を愛していると言ってくれた。
容姿端麗だった、最もそれが目当てで付き合ったわけじゃないけど・・
でも彼は私だけに・・いや美しい女に対してだけの騎士だった。
彼は私と付き合う前に佳代子に酷い仕打ちをしていた・・・
人としての尊厳を奪われる程の侮辱をした。
何も気が付いていなかった。
何も見抜けなかった。
何も察してあげることができなかった。
真実を知らなかった。
そして、佳代子は死を選びました。
私は彼女を救ってあげることはできなかった。
600鏡の中の私 第二話:04/04/29 20:45
それから私は周りの人間が恐ろしくなったのです。
彼らは私を本当に愛してくれているの?
私の容姿のみを愛しているのでは?
私は高校を卒業した後、私は自分を換えました。
美しい黒髪を切り、わざと癖をつける。
整った眉毛を剃り消す。
肌が汚く見えるように化粧をする。
それだけでなく、整形手術もした。
正確には整形とは呼べないかもしれません、醜くなる為の手術だから。
そしてそれからの4年間、私は生きることの辛さを身を持って味いました。
佳代子が感じていた苦しみの何分の一かの苦しみを。
人の恐ろしさ、哀しさ、やるせなさ・・・全て知りました。
でも私は絶望はしていません。
こんな容姿になっても両親は私を変わらずに無償に愛してくれます。
稀にですが容姿など気にしない本当に紳士な方と出会うこともありました。
こんな容姿だからこそ・・・こんな容姿になったからこそ
本当の愛を知ることが出来たと思っています。
いつか本当に愛し合える男性と出会えた時、
元の姿に戻ることを、佳代子に許してもらおうと思います。
601('A`):04/04/29 23:38
>>599
うん、悪くないけど、
つかみがよわい?
もう一捻りがほしいかな。
贅沢言ってすまんです。
602('A`):04/04/30 00:16
あー、まだ途中だけど、
はっちまおう。
最後まで書けんかったらホントにすまん。
603夢の鏡、君の瞳 1:04/04/30 00:19
 「うっ。」
そう言って僕は地面に倒れこんだ。
「けっ、今度やったらただじゃおかねえぞ。」
そんなつまらない台詞を聞き、
僕はため息を一つついた。

 ここは体育館の裏、
自分でも良く覚えてないような、
言いがかりともいえるような事で殴られていた。
俗に言うイジメである。

 相手が引き返して行くのを見て、
よろよろと立ち上がる。
すると物陰から、誰かがこちらに向かってくるのが見えた。
それが彼女と分かった瞬間、僕は長いため息をはいた。
「は――ぁ。」
よりにもよって、一番見られたくない人に見られ、
暗澹たる思いに駆られた。

 彼女は沢渡ヒカル、
家がご近所さん、というか隣同士であり、
しかも親同士が親友でもあったため、
子供の頃からよく遊んでいた間柄である。
昔は登下校も一緒で、よくからかわれていたが、
最近はお互いの部活や予定があり、
一緒に帰る事はなくなったが、
今でも登校は一緒だ。
なぜなら必ず迎えに来るからだ。
604夢の鏡、君の瞳 2:04/04/30 00:21
 正直に言うと、僕は彼女に引け目、を感じていた。
彼女は性格は明るく、誰からも好かれ、
スポーツが得意で、リーダーシップもあり、
容姿も人並み以上、背が高い事もあり、
すらりとした背格好には同姓からラブレターをもらうほどだ。

 それに引き換え、僕といったら、
性格は根暗でつまらなく、体を動かす事は苦手、
容姿も人並み以下、
何よりも、中学三年生になっても、
僕は彼女よりも背が低かった。
せいぜい誇れる物は、成績が多少良い事くらいだ。

 そんな訳だから、毎朝一緒に並ぶたびに、
分不相応な自分に引け目を感じていた。
もっと分相応な人と、一緒に並んでほしいとすら
思っていた。
605夢の鏡、君の瞳 3:04/04/30 00:23
 「もうヒロユキ、なにやってんのよ、
やられたらやり返しなさいよ。」
駆け寄った、彼女の開口一番の言葉がそれだった。
僕はブルーな気分に追い討ちをかけられ、
ほとんどダークな気分になっていった。
「まったくもー、あーゆー時は
ガツンとやらなきゃ。」
そう言いながらも、
ぬれたハンカチをそっと僕の顔にあてた。
殴られて赤くなった頬が徐々に冷えるのとは逆に、
僕は思わずカッとなった。
「ほっといてくれよ!
どうせ物陰から僕を笑っていたんだろ。
助けてくれればよかったんだよ。
今頃よけいなお世話だよ!」
そう言って邪険に彼女の手をはらった。
すると自覚はあったのだろう、
少しバツの悪そうな顔をした。
「あっ、う、うん、その、助けなくてあげなくてごめんね。
私、自力で何とかするって期待しちゃって…。
今度からちゃんと助けるから安心して。ね。
…さ、今日は一緒に帰ろ。」
僕をいたわる様な、優しい笑みでそう言った。
606夢の鏡、君の瞳 4:04/04/30 00:25
 違う、僕が聞きたかったのはそんな言葉じゃない。
いや、それも違う、そうではない、本当は分かっている。

 僕は慰めの言葉が欲しかった。

 だけどあまりにも理想的なその言葉。
すべてを理解してる彼女の言葉、その優しさ。
そして、その優しさを利用しようとした自分、
不甲斐ない自分、
彼女に甘える自分、
いつも彼女の期待に応えられない自分、
そしてなによりも、
彼女に分相応な人が隣にいてほしいと思いながらも、
心の奥底で、彼女の隣にいる事を望む分不相応な自分。
そんな自分が一番ゆるせなかった。

「うわああぁぁ―――。」
ごちゃ混ぜな感情、何も見えない色、雑音、心臓の音。
あぁ、あぁぁ、ああぁぁ。

 僕は走って逃げ出した。
607夢の鏡、君の瞳 5:04/04/30 00:27
 「はぁっ、はぁー。」
そろそろ疲れてきて、走るのをやめた。
汗をぬぐうと、冷たい感触が感じられた。
僕は涙を流している事に気づいた。
少し落ち着き、あたりを見回すと、
いつもと違う道のようだった。
「無意識に、いつもの帰り道を避けたのかな。」
涙をふき、僕は目が赤くなってないか、気になった。
このまま家に帰り、泣いてた事がばれたら、
親に根掘り葉掘り聞かれそうでまずい。

 そう思い、鏡がないかと周りを見ると、
突然呼び止められた。
「ちょいちょい、
そこのお兄さん、鏡を探しているんじゃろ。」
ビックリした。
突然呼び止められた事もそうだが、
自分の考えてる事がばれてる事もだ。
608夢の鏡、君の瞳 6:04/04/30 00:28
 「えっ、ええ、そうですが、
何で分かったんですか?」
「フフ、そんな事はどうでも良い。
ほれ、この鏡をあげよう。」
そう言われて、古ぼけた鏡を手渡された。
僕は急いで、涙の跡が残ってないか確認した。
よし、そんなに目もはれていない。
そう思い、渡された鏡を返そうとした。
「ありがとうございました。
お返しします。」
「いや、いいんじゃよ、君が持ってなさい。
この鏡の方が、君をよんでいるんじゃよ。」
「はあ?」
「この鏡は夢影鏡と言って、
自分を映したまま眠ると、自分が理想とする世界へつれて行ってくれる。
だが一つ注意する事があっての、
向こうの世界で、鏡に映った自分の姿を見ると、
元の世界へ戻されてしまうんじゃ。よいかな、若いの。」
「は、はぁ。」
「さあ持ってけ、もちろんお代はいらんぞ。」
正直、あんまり係わりたくないと思い、
さっさともらって逃げる事にした。
「はい、ありがとうございました。失礼します。」
そう言って、僕は帰路についた。
609夢の鏡、君の瞳 7:04/04/30 00:30
 僕は家に着き、夕食を食べ、風呂に入り、すぐ寝る事にした。
今日は色々あって、疲れてしまった。
床に就き、眠ろうとしたが、
そわそわしてなかなか眠れない。
あの鏡が気にかかっていた。
「信じてないけど、気になって眠れないから、
ためしてみるか。」
そう自分に言い聞かせ、自分が映るように鏡を立てかけた。
なぜか気持ちが落ち着くように感じられた。

 うとうとするなか、僕は考えていた。
理想の世界か。
ヒカルちゃんにふさわしい男になりたいな。
背が高くて、容姿端麗、
運動神経も良くて、みんなからも信望厚い、
そんな……。

 僕は眠りについた。
610('A`):04/04/30 00:32
続きます。
すいません、ねむいので落ちます。
オモチロイ
612('A`):04/04/30 08:02
age
613夢の鏡、君の瞳 8:04/04/30 09:28
 チュンチュン、
スズメが囀る。
「う…ん、朝か。」
僕は起きると異変に気づいた。
いつもより視線が高い。
「まさか、もしかしてっ?」
確認しようと、洗面所に向かった。
「いや、鏡を見るとダメなんだ。」
そう思い出し、デジカメで自分の姿をとってみた。

 「うわ、すごい、本当に…。」
まさにそこにいる自分は、
そう、寝る前に思っていた、
理想の自分の姿だった。
614夢の鏡、君の瞳 9:04/04/30 09:29
 「おはよーございまーす。
ヒロユキは居りますか。」
朝飯を食べて準備をしていると、
元気の良い声が聞こえてきた。
ヒカルちゃんが迎えにきたんだ。
僕は急いで玄関へ向かった。
「おはよヒカルちゃん、さあ行こうか。」
そう言って、僕はそっと手を出した。
「え、なに?」
「その…、手をつないで行きたいなって思って。」
「え、えー、そんな恥ずかしいよ。」
そう言いながら照れてる彼女は、
いつもとのギャップもあってか、
とても可愛らしかった。
「人が多くなる表道理までならいいよね。
それともダメかな?」
「う、ううん、いいよ。行こっか。」
彼女の手が、僕の手と重ねられた。

 彼女の隣にいる、分相応な人が自分であること。
その事が認められたようで、僕は嬉しかった。
ただひたすらに、嬉しかった
この時が永遠に続けと思った。
 それから数日が過ぎ、
一緒に登校して、僕が下駄箱を開けると、
パタパタと手紙が落ちてきた。
「まさか呼び出しじゃ、ないよな。」
そう言って差出人を確認すると、
すべて女の子からだった。
「ま、まさかラブレター?」
一枚や二枚ではない、
十数枚ある。
「ど、どうしようヒカルちゃん、
こんなに沢山もらっちゃったよ。」
「ふーん、そう、良かったわね。
まあ付き合うにしろ、断るにしろ、
ちゃんと誠意を持ってしなさいよ。
女の子泣かせるような事しちゃダメよ、わかった?」
「うん、分かってるけど、どうしたら…。」
「もー、直接会うなり返信するなりしなさいよ。」
少し呆れたような口調でそう言われた。
「うーん、手紙を書く事にするよ。」

 しかし全員に返事の手紙を書くのは、
想像以上に労力がいる。
書き始めてそう思った。
「まあ前に比べれば、
贅沢な悩みだよな。」
そう気を取り直して、書いていった。

 いかに相手を傷つけず、
断りの返事を書くか、
正直僕には検討もつかなかった。
「はぁ、憂鬱だなぁ。」
 なんとかすべて書き終え、手紙を渡していった。
なかにはその場で読んで、泣き出してしまう子もいて、
なだめるのに苦労する事もあった。
「はぁ、精神的に負担がかかるな。」
まだ全員に渡してはいない。
最後の一人、
井上ミキ、
この人が一番問題であった。

 彼女はヒカルと同じ陸上部で、
ヒカルの親友である。
確か、僕とも面識があり、
ヒカルちゃんと幼馴染の関係である事も
知っているはずだ。
「僕が告白を断ったら、
何かヒカルちゃんと井上さんの友情に、
ひびがはいりそうで怖いな。
変に邪推しなければいいんだけど…。」
なぜか自分の台詞に違和感を感じた。
だけどそれが何か、よく分からなかった。
 もう部活が始まる頃だろう。
とりあえずグラウンドへ向かった。

 幸いヒカルちゃんがもういたので、
井上さんを呼んでもらう事にした。
「あの、ヒカルちゃん。」
「あ、ヒロユキ、どうしたの?」
「井上さんいるかなぁ。」
「ミキの事?ミキがどうしたの?」
少し怪訝な表情をして、そう言った。
「う、うん、手紙を渡したくて。」
「ふーん、わかったわ。」
そう言って彼女は井上さんを呼んできた。

 「あ、手紙、読んでくれた?」
「うん、読んだよ。それで…これが返事。」

 ここは体育館の脇、さすがにグラウンドでは、
皆の注目を集めてまずいので、
場所を移動する事にしたのだ。

 「うん、早速読んでみる。」
そう言って井上さんは、その場で読み始めた。
「あ、家に帰ってから読んでよ。」
「ごめんね、でも気になって部活どころじゃなくなるよ。」
彼女は読み終えた後、落胆した声で言った。
「はぁ、やっぱりダメか……、
しかたないよね、麻生くんはヒカルがいるもん。」
「え、なんで?」
ちなみに麻生とは僕の名字だ。
「なんでって、そりゃ毎日一緒に登校してるじゃない。
最近なんて、手をつないでる所を見たって、
女子のあいだじゃ持ちきりよ。」
え、見た人がいたのか。
「おかげでヒカルは、
自分の立場を利用したって総スカンよ。」
「そんな…。」

 僕は愕然とした。
自分の考えなしの行動が、
そんな風にでるとは思いもしなかった。
そんな僕の顔を見て、彼女はこう言った。

 「一緒に登校するの、やめたら。」
「えっ。」
「ほら、だって今、最後の大会が近いしさ、
それにほとぼりを冷ますのにいいんじゃない?」
「そうかもしれないけど…。」
「それにヒカルって麻生くんのなに?」
「何って…幼馴染かな…」
「そうそれ、たまにはお互い離れて
見るといいと思うよ。」
少し長い沈黙。
僕は少し混乱している。
考えがどうしてもまとまらない。
「……うん、そうしてみる。」
「うん、そうしてみなって。
もう部活始まるから、私行くね。
それじゃ。」
「う、うん。」
そう言って彼女はグラウンドに戻っていった。

 今日の夜はよく眠れなかった。
 翌朝、僕は少し早めに起き、準備を終え、
玄関で待っていた。
「今日は雨か…。」
ボーっとしていると、
突然彼女の声が聞こえた。
「おはよ、ヒロユキ。
今日は早いわね。さあ行こっか。」
「ちょっと待ってヒカルちゃん、
その、話があるんだ。」
「え、話ってなに?」
少し何かを期待するような、
嬉しげな声でそう言った。
僕は答えた。
「その…いっしょに登校するの、
しばらくやめない?」
「えっ?」

 呆然とする彼女に僕は更に言った。
「毎日毎日迷惑かけてるみたいだしさ、
それに大会、近いんだろ。」
「そ、そんな、私、迷惑だなんて思ってないよ。
それに大会の事、ヒロユキには関係ないよ。」
「たまにはお互い離れてみるのもいいと思うんだ。」
「なに?なに言ってるの?
どうして今頃そんな事言うの?
わけわかんないよ!」
彼女は雨にぬれるのもかまわず、
傘を投げ捨て激昂した。
「なにって…本当にそう思ったんだ。
もうこれ以上ヒカルちゃんに迷惑かけるのやだよ…。」
「ばかっ!ヒロユキのばかっ!!
もう…ぅう、もう知らない!」
彼女は泣いて走り出した。
 「あっ。」
ヒカルちゃんが泣いて行くのを見て、
僕は重大な間違いを犯しているように感じた。
「とりあえず追いかけよう。」
彼女は陸上部、
前の僕なら無理だけど、
今の僕なら追いつけるはず。
僕は雨の中、何かにとり憑かれたように、
全力で走り出した。

 走れ、走れ、
 あと十歩、
 あと五歩、
 あと三歩、
 二歩、一歩

 僕は手を伸ばし、ヒカルちゃんの肩を掴む。
お互いバランスを崩し、転んだ。
「あ、ごめん、大丈夫!?」
近づいてそう言うと、
何事も無かったように立ち上がってきた。
「なによ、わざわざ追いかけてきて。
あんたなんかミキと仲良くやってればいいのよ!
私なんて必要ないんでしょ!」
「え、井上さんとはなんともないよ。」
「うそっ、き、昨日、あなたと話した後、
ミキ、嬉しそうにニコニコしてるんだもん!
それに私にごめんねなんて言うんだもん!
昨日はよく分からなかったけど、
こういう事だったんでしょ!!」
 今度は僕が呆然とする番だった。
彼女は畳み掛けるように言った。
「みんなも変よ!
最近やたらヒロユキはカッコ良くなったって今頃、
私は昔っからそんな事知ってたもん!
それに幼馴染だからって、
ヒロユキに手紙渡してくれって言われたり、
付き合ってるのかって訊かれたり、
そのたびに答える私の気持ちがわかる!?
ヒロユキは優しいから、断りきれなくて、
二股かけられてるよとか、
ヒカルは、ほ、本妻だから私は二号さんになろうとか、
そんな事言われる私の気持ちがわかる!?
もうやだよ、こんなの、前に戻りたいよ。」
「えっ。」

 「いまのヒロユキなんて大嫌い!!」
泣き崩れる彼女の顔を見て、
彼女の涙でぬれた瞳に映る、
自分の姿を見た時、
僕は気づいた、
間違いを、過ちを犯した事に。
彼女を傷つけた事に。

 「あぁ、あぁぁ、うわあああぁぁ。」
まるで空間が歪む様に感じた。
頭の中で嵐が吹き荒れ、
足元から崩れる感触、
体は動かず、
視界は闇に閉ざされ、
僕は意識を放り出した。
 ヒロユキ、ヒロユキ。
誰かが呼んでいる気がして、
僕は目を覚ました。
「あ、あ、ああ、目覚めた…。
ぅ、うう、グスン…。」
突然泣き出したヒカルちゃんに、僕は慌てた。
「ど、どうしたの。」
「ヒロユキ、ずーっと一週間起きなかったんだよ。」
「え、今日は何日?」
「えっと、×日よ、
覚えてる?その…
いじめられてて私が助けなかった日からね、
一週間ずーっと寝てたのよ。」
その時、僕はあの世界が、
夢の中の世界である事に気付いた。
もしあの世界で5年も10年もいたらと思うとゾッとした。
よく見ると、ここは病室だった。
 涙を流す、笑顔のヒカルちゃん。
その涙でぬれた瞳に映る、自分の姿を見た時、
僕は神様に感謝した。
もとの世界へ戻れた事、
夢の世界で学べた事、確信した事、
もう一度やり直せる事、
決意できた事。

 すべて話そう、夢の中の出来事を。
そして言おう、
僕は君を愛している事、
大切にする事、
そして彼女に相応しい自分になれるよう
頑張る事。
 「あのね、ヒカルちゃん。」
「なに?」
「僕、夢を見てたんだ。」
彼女は複雑な表情をして、こう言った。
「うんとね、…たぶん私も同じ夢を見たの。
ヒロユキがカッコよくなった夢でしょ。」
「え、そうだよ。ハハ、ハハハハ。」
僕は恥ずかしさもあってか、笑ってしまった。
「フフ、フフフ。」
ヒカルちゃんも同様らしい。
しばらく楽しい笑いが続いた。

 それなら前振りはいらない。
幕はもう切って落とされている。
勇気を振り絞って、自分の決意を告白した。
「僕はヒカルちゃんの事を愛してます。
僕はヒカルちゃんを大切にします。
そして、ヒカルちゃんにふさわしい人になれるよう、
僕は頑張るよ、努力するよ。」
「うん、ありがとう、嬉しいよ。
私もヒロユキの事、大好き、愛してるよ。」
ヒカルちゃんは涙をぬぐいながら、
そう言った。そしてその後。
「あとね、ヒロユキはいまでも十分ふさわしいよ。
だから無理しないで頑張ってね。
私はいつまでも、あなたのそばで支えになるから。」

 今度は僕が泣く番だった。

 これからがプロローグ。僕たちの物語の始まり。
  一緒に歩いて行こう、手をつないで……。
626('A`):04/04/30 10:15
長々と読んでくれたかた、ありがとうございました。
感想よろしくおねがいします。
627恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/04/30 15:40
読みやすくて良いし
ちゃんとストーリーになってるね。
628603:04/04/30 22:27
>>627
おお、レスサンクス。
正直、長すぎたと思ったから、
読みやすいと言ってくれると嬉しい。
629('A`):04/05/01 18:57
うあああぁぁぁぁ
ひ と い な さ す ぎ
あげ
630603:04/05/01 20:53
だれもいない&ネタないので、
一人語りします。
自分でもイタイ事してるなと思うので、
うざかったらスルーしてね。
さすがに、自分でテーマだして、
そのテーマで書くのは嫌だ…。
631603:04/05/01 21:01
今回の作品は、
プロットを最初に作ってから書いてみました。
最初にプロットを作るやり方は、今回が2回目なんだけど、
1回目の時は、あまりにも長くなりすぎて、投げてしまったんです。
で今作は…やっぱり長くなってしまいました。
うーん、そんなつもりはなかったのに。
632('A`):04/05/01 21:04
いや、一人語りとかやめてもらいたいから、書き込んでみた

書いてる途中のメモとか見せてヽ(´ー`)ノオクレヨ
人のメモって気になるんだよね
描き方もしりたいし
633603:04/05/01 21:07
SSの場合は、
最初から最後まで、ほぼすべて考えてから書いて、
その後に加筆修正します。

書き忘れましたけど、
あくまでも自分の場合です。
634603:04/05/01 21:30
>>632
あ、すみません。リロードしてませんでした。
メモというか、プロットの内容はこんな感じ。

主人公→喪男
幼馴染→完璧

話の流れ
喪男、幼馴染にコンプレックス感じる。
喪男、鏡の力でイケメンに。
得意になって幼馴染を傷つける。
喪男、元に戻る(偶然?自発的?
幼馴染は、元から喪男の事を受け入れている事に気付きハピエンド

これだけです、参考にならなそうでスマソ。
つまりほとんど後付け、あのアイデアも、登場人物も、伏線も。
行き当たりばったりで、つじつま合わせるのに苦労しました。
635603:04/05/01 21:51
あと、書き方といってもたいした事ないです。
普通にWindows付属のメモ帳を並べて書いてるだけです。

何か小説書くのに適したテキストエディターって、
あるんですかね?
636('A`):04/05/01 21:59
 世の中はゴールデンウィーク真っ只中。
何連休かは知らないが、無職歴5年の俺には敵わないだろう。
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
そうだ、俺は今喫茶店にいるんだ。
しかし、周りを見回せばどこもカップルばかりだ。
一体皆何をこぞってここに来ているんだ?
大人しくオサレなデザイナーズマンションでセックスでもしてろよカスども。
「あの…ご注文のほうは…」
「あ、はい 結構です」
自分の情けない返事に涙が出そうになった
637恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/02 18:07
>>636
え?分んない。
結構ですっていらないってこと?
情けないっていうか
意味不明な返事じゃないか・・
638('A`):04/05/02 18:11
既に注文は済んでる
639恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/02 19:41
>>635
OXテキストエディタって奴
プロの作家さんは使ってるらしいよ
「超人計画」に書いてあった。
640('A`):04/05/03 09:13
>>639
ごめん、みつからなかった。
あと、探してたらこんな物もあったので報告。

小説や論文などを系統立てて書きたいなら「eMemoPad」
ttp://www.forest.impress.co.jp/article/2001/01/16/texteditor.html
ttp://www.ememopad.net/version2x.html#top
a- すまん
QXエディタだった・・・・・
僕はただのメモ帳使ってます・・・。
642('A`):04/05/03 11:33
O's editor ってのも評判いいらしいよ。シェアウェアだけど
643('A`):04/05/03 14:00
同じくメモ帳使いの自分としては、シェアウェアはちょっとねw
上で紹介されてた、eMemoPadがフリーだったんで、
ためしに使ってみる事にしてみました。


で、だれか御題キボン。
644('A`):04/05/03 22:05
お題:
同人誌
645('A`):04/05/03 23:01
>>644
正直、難しいぞ、その御題。
うーん、なかなか話が思いつかない。
646('A`):04/05/03 23:06
じゃあ同人本屋ってのはどう?
647('A`):04/05/03 23:09
エロい同人本屋のバイト募集になぜか応募してきたミステリアス美少女とのココロの触れ合いか
648('A`):04/05/04 00:02
いやいやOKOK、
だんだんまとまってきた。
649('A`):04/05/04 08:00
>>647
そこまで妄想できたなら、
書くべし書くべし、書けば開かれん、妄想(理想)の世界へと。
650('A`):04/05/05 16:01
一応保守しておくけど
落としたほうがいいのかな?
恋愛小説家よ。
651恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/05 16:40
あげてください。
誰か書いてください。
652('A`):04/05/05 18:16
うお、いきなり上がっててビビタ。

>>651
そうは言っても恋愛小説家よ、
お前が書かなきゃ始まらんぞ。
ほれほれ、何か書いてみい。
653('A`):04/05/05 22:52
テーマがいるなら「水」でよろ。
別に自由に書いてもいいよ。
654('A`):04/05/05 22:59
>>653
テーマはありがたい。
しかし、書いてくれる人がいるともっと嬉しい。
655('A`):04/05/06 10:53
で、エディタのお勧めは何でFA? ところでおまいらは文芸創作板には行ってまつか?
656('A`):04/05/06 18:30
>>655
エディターねぇ、何がいいんでしょうかね?
金払ってまで使うほど、便利なのかねぇ、シェアウェアは。
メモ帳使ってたけど、少し不便だ程度にしか思わなかったし。

あと文芸創作版には、たまーにのぞきの行く。
でも作品に影響を受けるのは大なり小なりいいと思うけど、
人の意見に、と言うか意思? に影響を受けたくないんであまりよく見ない。

もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ【6】
http://book2.2ch.net/test/read.cgi/bun/1082614979/

このスレなんかは結構役に立った、かな?
ときどき脱線するけど、みなさん親切。
657656:04/05/06 19:23
言葉足らずでスマンです。感想は激うれしい。
意見、意思と言うか、思考? に影響を受けたくない。

書けば書くほどデムパっぽくなるな。
何が言いたいのか、自分でも良くわかんなくなってきたw
すみません。スルーしてください。
658('A`):04/05/06 23:18
感想が無いのが一番虚しいからねぇ。
メモ帳使ってるし、これで不自由するような長い話は飽きるから書かない。
変換の頭の悪さにイライラする
>>652
最近は、本読んでるよ。

ゲーテとか読んでみたけど
面倒臭くて挫折した。
660('A`):04/05/07 02:03
>>659
どこの出版社のでもいいから江戸川乱歩の傑作集がマジでおすすめ。
できれば角川ホラー文庫の鏡地獄ってのを読んで欲しい
661('A`):04/05/08 01:20
eMemoPad
いいかもしれない。
もうメモ帳に戻れない悪寒。

デフォルトだとレジストリいじらないし、
結構軽い、話の流れを確認しやすい、何文字書いたかわかる。
どうせフリーだし(ry
662恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/08 17:01
>>660
江戸川乱歩か
有名だよね、読んでみるよ
663('A`):04/05/08 22:30
書いても書いても終わらない。
しかも終盤でつまってしまった。

御題、同人誌のやつ、
一応、書いてますよとご報告です。
664('A`):04/05/09 14:58
保全(´∀`∩)↑age↑
665('A`):04/05/09 21:43
今日中に書き終わるかと思ったけど、ダメっぽい。
一度つまると、なかなか進まないです。
愚痴言うヘタレなやつですまん。
666('A`):04/05/09 22:02
>>665
まあまあ、しょうがねえさ、気にするな

>>655
文創板もいいけど、俺は創作系サイトにちょくちょく行ってるよ、刺激をもとめて。
たとえば、↓とか
ttp://uonome.omega-zz.com/
日記とか掲示板とかは突込みどころ満載ではあるが
667('A`):04/05/09 23:20
>>666
なぐさめ、アリガd

完成したけど、今読み返したら使ってない伏線がありました。
改稿しなければいかんです。ふぇ―――。
668603:04/05/10 21:53
完成しました。
悩みましたけど、
恥をしのんでさらします。
そういえば、前回は酒の力をかりましたw
御題、同人誌です。
669ふたりの絵本 1:04/05/10 21:57
 放課後、僕は美術室の片隅に座り、水と画材を取り出し、用意する。
自分の書いたストーリーを元に、場面を思い浮かべ、絵に起こす。
けどそれは、どこか子供じみた、すこし稚拙な絵。
僕、桧山勇樹は絵本を描いているのだ。

 僕は絵本を描く事が大好きだ。
それは今はもう忘れてしまった、子供の心、夢、純粋さを思い出させてくれる。
でも僕が絵本を描いている事は、誰にも内緒にしている。
恥ずかしいし、なによりも自分が幼稚に思われそうで嫌だった。
自分で言うのもなんだが、名前負けしてると思う。

 今、美術部の部員は3名しかおらず、その上、1名は幽霊部員、
もう1名は他の部活と掛け持ちしており、ほとんど顔を出す事はなかった。
よって僕は、美術室を一人で占有し、安心して創作できるのであった。
ところが突然、戸を開く音が聞こえた。
670 2 :04/05/10 22:00
「どうも、おひさしぶりです」
そう言って誰かが入ってきた。
僕は慌てて絵を隠そうとしたが、隠せそうな場所などなく、
あえなく見られてしまうはめになった。
「あれ、何描いてるんですか?」
慌てたのが、逆に目立ってしまった。
そう後悔した時、彼女は興味深そうにのぞいてきた。

 彼女の名前は森下小雪。
掛け持ちしてる部員で、文芸部にも所属している。
普段は文芸部中心で、美術部に顔を出す事はなかった。
何と言うか…すこし小悪魔っぽい雰囲気を持っているひとだ。
671 3 :04/05/10 22:03
「へぇー、ちょっと変わった絵を描いてますね。
どうしたんですか、これ?」
「あ、実はこれ、絵本を描いてるんだ」
僕はしどろもどろになりながら答えた。
「ふーん、おもしろそうですね。
よければ今までの、見せてくれませんか?」
「えっ」
「だめですか」
うーん、そんな懇願するような表情でいわないでよ。
「だめじゃないけど…、恥ずかしいな」
「大丈夫ですよ、絶対に笑ったりしません」
しかたがない。
そう思い、僕は不承不承見せる事にした。
美術準備室に隠して置いてある、今までの作品を持ってきた。
「はい、これがそう」
「結構たくさん描いてあるんですね」
「うん、部活動はほとんど絵本作りに費やしてるから…。
えーっと、悪いけど少し離れた所で読んでもらえるかな」
「ごめんごめん、気が散っちゃうよね」
そう言って彼女は、少し離れた所で読み始めた。
正直、美術室で読んでようが、地球の裏側で読んでようが、
気になってしかたがなかった。
672 4 :04/05/10 22:06
 そんな風に、気もそぞろに僕が描いてると、
彼女が突然、こちらに向かってきた。
「ど、どうしたの?」
「いいじゃないですか。私感動しちゃいましたよ。
物語はよく出来てますし、絵も場面を上手くとらえていて
とても分かりやすいです、すごく上手です」
彼女は熱っぽく、そう力説してくれた。
なんだかんだ言っても、褒められた事で少々、いや、とても嬉しかった。
「うん、ありがとう。そう言ってくれてすごく嬉しいよ」
「私、桧山君が絵本を描いてるって知らなかったですけど、
誰にも見せた事、なかったんですか?」
うわ、痛い所ついてきたよ。
「う、うん。今日、森下さんに見せたのが初めて」
「そんな、もったいないですよ。うーん……」
彼女は何か考え始め、そして名案を思いついたかのように話し始めた。
「私が文芸部にも所属してるって知ってます?」
「うん、知ってるよ」
僕は徐々に不安を感じながら言った。
「それで今度の文芸系の同人誌会、私ちょっとスランプ気味でなかなかいい作品が出来なくて困っていたんです」
「ふ、ふーん。それは大変だね」
僕はますます嫌な予感がした。
「それでね、よければ私と、絵本を共同制作しませんか?
それを同人誌会で発表したいな」
僕の嫌な予感は大的中。

「ええー、そんな恥ずかしいよ」
僕は思わず叫んでしまった。
「お願い。そこを何とか我慢して。それにこれくらい上手に描けるなら
全然恥ずかしくなんかないよ、大丈夫」
「そ、それにお金だっているんだろ、同人ってことは自費出版なんだから」
「それも大丈夫よ、文芸部って結構伝統あるから、予算からだせるんだよ。
知ってるでしょ? K作家、シナリオライターのT、脚本家のHとか。
みんなうちの文芸部の大先輩たちなんだよ。実績あるんだから」
「じ、時間、期限は間に合うの?」
「うーん、あと一ヶ月もないけど、充分間に合うわよ」
その根拠のない自信は、どこから出るのだろう。不思議だ。

 兎にも角にも、自分の押しに弱い性格が恨めしかった。
僕は巻き込まれるはめになった。
673 5 :04/05/10 22:08
 早速、翌日から僕らは制作に取り掛かった。
ここまで来たら、渋ってもしかたがない。
しかも今度は同人とは言え、お金を出して出版、販売するんだ。
恥ずかしいものを出せない。
僕は気を取り直し、全力で取り掛かった。

 まず何よりも物語が肝心だ。これがなければ始まらない。
最初にテーマを決め、二人とも物語を書いて持ってくる。
お互いに見せて、あらすじを決めて再び書き直す。
僕は絵を描く必要もあるため、
平行して決まった所までの物語を元に絵を起こす。
そうしている内に、自然と物語は森下さん、絵は僕という風に分担されてきた。
もちろん、僕は物語の方にも意見を言うし、
彼女の方も僕の絵に対して色々注文を出す。
時には対立したり、思いがけないアイデアが出てきたりと、
そうやって瞬く間に幾日が過ぎていった。
674 6 :04/05/10 22:11
 今日も放課後になったら、真っ先に美術室へ向かった。
「失礼しまーす」
戸を開けて中に入ると、案の定、森下さんが先に待っていた。
「遅いよ、桧山くん」
「寄り道しないで一直線で来たのに、
それより早く来ている森下さん方がおかしいと思うんだけど…」
そんな僕の言葉はあえなく無視され、森下さんは話し始めた。
「はい、ストーリーの方は完成したよ。昨日言われた事も、盛り込んであるから
確認とお墨付きをちょうだい」
「はいはい」
僕は苦笑しながら受け取り、読み始めた。
「あー、もう少しありがたみなさいよ」
そんな彼女の言葉を聞きながら、最後まで読み終えた。
「うん、問題ないよ。それじゃあこれでストーリーの方は完成だね」
後は絵の方だけか。そう思うと、なぜか僕は不安に駆られた。
自分の絵の技術に自信があってもだ。どうしてだろか。
675 7 :04/05/10 22:14
 少し釈然としないままそう考えていると、森下さんが話しかけてきた。
「あのね、桧山くん」
「なに?」
「私、絵の方も協力するから安心して。そんなに力になれないけど」
「え、いや、そんな事はないよ、嬉しいよ。
っていうか僕、不安そうにしてた?」
自分の心を読まれたようでドキッとした。
「フフフー、顔に出てたよ。
ああ、僕一人で自信ないよぉ不安だよぉ、ていう風にね」
大げさな動きをまじえ、僕の物まねをしてそう言った。
ひょっとして森下さんなりの気の使い方だろうか。
そう思い僕は、今日二度目の苦笑をした。
「ここまで来たら、最後まで手伝うわよ。
もともと頼んだのは私の方だしね。より良い作品が出来るならなおさらよ」
そう言われて、僕は根拠もなく自信がでてきた。不思議だ。

 さあ、最後の追い込みだ。しっかりやらなきゃ。
僕のためにも、森下さんのためにも。
いや、森下さんのための方が重要かな。
文芸部の予算で出すんだし、恥をかかせるわけにはいかない。
それに……


 それに、今、この時が楽しい。その恩だけでも返さなきゃ
676 8 :04/05/10 22:19
 もうそろそろ締め切りが近い事もあり、僕らは一生懸命絵を描いた。
森下さんは、絵を描く事では役に立たなかったけど、構図を考えたり、
資料を借りてきたり、出来上がりを見てもらったりと色々ありがたかった。

 そうしてすべての作業が終わった。

「よしっ、これで完成。終わったよ森下さん」
「うん、それじゃ先生の所にもっていくね」
「ふー、間に合って本当によかったよ」
「ほーら、がんばったーがんばったー。ご褒美だよ」
そう言って、椅子に座っている僕の頭をなでなでする。
心地よい満足感と疲労感があってか、とくに言い返す事もせず、
されるがままにしていた。

 そうしていると不思議な暖かい感触につつまれた。
一瞬混乱して、そのあと僕の顔が抱きしめられてる事に気付いた。
677 9 :04/05/10 22:22
「っえ?」
彼女の胸が顔にあたる。
彼女の顎や、頬の感触が頭から伝わる。
そっと耳元で囁かれる。
「本当にありがとう。でもここから先へ飛び出すには君の勇気が必要だよ」
謎掛けのような言葉、理解できない言葉。
「あっ……」
腕をほどき、出来上がった作品を持って、美術室を出て行こうとする。
「それじゃ先生の所に持っていくね」
そう言った時、僕は立ち上がって言った。
「あの、森下さん」
彼女は振り返る。
「あ、あの、同人誌会に僕も出ていいかな?」
「うん、もちろん。設営とか運搬とかあるし、人手が足りないくらいだよ」
「ありがとう」
「そ・れ・は、私の台詞だよ。ありがと。
今日の所はこれで、あとで細かい日程おしえるからね」
そう言って去って行った。
「あっ……」
もう一言、一緒に帰ろうと言いたかった。

 いや、言えなかった。僕には言う勇気がなかった。断られるのが怖かった。
678 10 :04/05/10 22:25
 僕は一人で帰りながら、考え事をしていた。
自分の気持ちを量りかねていたのだ。
彼女、森下さんの事を好きかどうか、どうして好感を持っているか。

 ――僕は森下さんの事が好き?
それは認めよう、今の気持ちは恋だろう。
僕は、森下さんと一緒に帰れなかった事を悔やんでる。
同人誌会が終わった後、縁が切れるのを恐れてる。
今、一緒に絵本制作をする部活動ほど、充実した時間はない。
だから認めよう、僕は森下小雪さんの事が好きだ、好きなんだ。

 ――でもどうして?
一緒にいて楽しいから、趣味が合うから。

 うん、そうだよな。当たり前だけど、大切な事だ。
結局、恩を感じてたなんて言い訳にしか過ぎない。
僕が絵本制作に一生懸命に取り組んだのは、森下さんに好かれたいから、
一緒に長くいたいから。

 ――下心があったのか?
あったさ、認めよう。でも最初からあった訳じゃない。
なくても僕は真面目に取り組んだはずだ。
お金を出して出版、販売するんだし、
買ってくれる人のためにも下手なものを出せない。

 ――いまだに君は森下さんの事を、良く知らないよね?
そうだね。まったくそのとおりだ。僕は森下さんのほんの一面しか知らないはずだ。
だけどそれだけで今は十分。

 なぜならこれから良く知るからさ。
 そのために必要なのは勇気。
 名前負けしてるなんて、もう自分で言わせない。
 好きだって告白するんだ。

 そう固く決意した。
679 11 :04/05/10 22:26
 同人誌即売会、当日。
 
「ふぁ〜、6時2分か」
目覚ましより早く起きてしまった。
今日は大事な日、さすがに二度寝する訳にはいかない。
もともと寝起きはいい方だ。
立ち上がり、朝飯を食べ、寝癖を直し、着替える。
「制服でよかった」
洒落た私服を着て、格好つけるのは似合わない事を、重々承知していた。
「出来れば似合うようになりたいな」
独り言はつまらない事と、相手のいる会話の重要さを再認識した。
気を取り直し、目的地へ向かう。
さあ、いこうか。
680 12 :04/05/10 22:29
 ―――うーん忙しい。
甘く見ていたようだ、こんなに準備が大変だとは思わなかった。
長机を並べ、売り出す本を運ぶ。たくさんある上に重い。
値札を作ったり、小銭の確認、用意。
看板や旗まである。
なんと言っても一番の問題は、男子が僕だけ…。
よく小説や漫画で、男手が必要、とかあるけどその意味が良くわかった。
もう少し体を鍛えようと思った。

 ついに開場だ。
体を動かしている時はそうでもなかったが、今ならハッキリと感じる。
緊張する。それに心配だ、買ってくれる人がいるかどうか。
たとえ買ってくれる人がいたとしても、その人は満足してくれるだろうか。

 午前中は、僕と森下さん、文芸部からもう一人と顧問の先生が店番だ。
ちなみに売りに出す本は全部で3種類。
文芸部の詩集、小説、そしてわれらが絵本だ。
値段はそれぞれ200円、300円、1000円。
さすがに絵本はカラーだけあって、値段が高くなってしまった。
それでも、たとえ全部売れても赤字になってしまうそうだ。
4時30分終了、後片付けで、それまで午後は自由に見て回ってよいそうだ。
できれば午後からは、森下さんと一緒に見て回りたいな。
681 13 :04/05/10 22:32
 僕と並んで森下さんが座る。そしてお茶を出された。
「ひとまずお疲れ様。色々助かったわ」
「いえいえ、どういたしまして。
女子しかいないと色々と大変だろうし、お役に立てて光栄だよ。
最初から誘ってくれれば、喜んで行ったよ」
僕はあの時、行くと言っておいて本当に良かったと思った。
「きゃー桧山くん、最初から誘ってくれだなんて、ハーレム状態に憧れていたのね。
それともお気に入りな彼女でも見つけたの? 積極的ねぇん。
あぁ、あのころの清純な桧山くんはどこへ行ったのかしら」
僕は危うくお茶をふき出しそうになった。
「ななな、何をおっしゃいますか、突然。
そんな事は無いよ、本当に、絶対、誓って、神にかけて」
「ホントに?」
「ホントに本当。そんな下心持ってないよ」
嘘である。しかしこれは方便だ。
そう思い力説すると、まるで興味を無くしたかのように、
森下さんは前に積まれてる絵本に視線を向けた。
「ふーん。そう…」
あれ? どうして残念そうな顔をするの? 何かまずい事でも言った?
少しの間考え、森下さんに話しかけようとした時、調度お客さんが来た。
しかたがない。今は店番に集中しよう。
682 14 :04/05/10 22:35
「いらっしゃいませ。暁青学園文芸部です」
「よければ見てってください」
僕にとって初めてのお客さんだ。緊張する。心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
『お願いです。見てって。買っていって』
これほど何かを願う事は今までなかっただろう。
絵本を手に取りめくる。
僕の心拍数は過去最高記録だろう。
「あの、この絵本のスト−リーってオリジナル?」
「は、はいそうです。一生懸命作りました」
記録更新中。
「ふーん、内容がもう少し子供向けだといいね」
う、ぢつはわたくしめもそうおもいました…、ちと、なんかいかなと。

 まだまだ記録は伸びそう。
「うん、でもいいよ。買っていこう。それじゃあこれとこれも、一冊ずつ」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
嬉しさのあまり、2回も言ってしまった。
「はい1500円調度いただきました。ありがとうございました」
あたりまえだけど、初めて売れた。幸先のいいスタートだ。
「やったね。売れたよ森下さん」
「うん、売れたね。しかも一人目で」
「やったねやったね、本当に嬉しいよ」
これほど嬉しい事だとは知らなかった。自分の作品が売れるなんて。
「はいはい。で、そろそろ手を離してくれるかな? ひ・や・ま・クン?
後ろの先生と後輩の目が痛いですわぁ」
「えっ」
今初めて、僕が森下さんの手を握って振り回している事に気付き、慌てて離した。

「先生、私肩身が狭いです」
「安心しなさい。先生もですよ。でも若いってすばらしいですねぇ。まさに青春です」
「はぁー、私も彼氏がほしいな」
「急ぐ事はありませんよ。西田さんならいつかいい人が見つかります」

 後ろの2人の冷やかしの言葉を聞き、僕は穴があったら入りたいと痛切に思った。
「ふふ、耳までまっかよ。桧山くん」
でも森下さんの笑顔が見れて良かった。

 その後、そこそこのペースで売れていき、午前の部が終了した。
このペースで売れ続ければ、終わる頃には完売するかもしれない。
683 15 :04/05/10 22:37
 午後からは予定通り、店番から解放され自由時間になった。
昼食を食べ、僕は森下さんと一緒に見て回ろうとした。
しかし思わぬおまけが付いてきてしまった。

「先輩、ほらほら、まだ有名になる前のK作家の作品が売ってますよ」
「あれ、『皇女グレンダ』って普通に市販されてなかったっけ?」
「ちっちっち、先輩甘いですよ。あれはまた色々改稿されてたりするんですよ。
こういったアマ時代の作品は、それはそれで価値が出ますし、
何よりもその作家の原点が見えますから、研究材料としては持ってこいですよ」
「ははー。なるほどね」

 そう、おまけとは文芸部で後輩の西田さんだ。
とにかく元気いっぱいで、文芸部らしからぬ娘だ。
初対面なのに人見知りをしないのは、少し見習いたいかも。

「こうやって回ると、いかに大きなイベントか実感するね」
「そうですよ先輩。漫画とかならともかく、文芸中心の同人即売会ですから
そんなに需要は大きくないんです。ですから年に1回、全国から集まってやるんです。
だから逆にこんなに大規模になるんですよ」
「え、全国からなの、これ」
「はいそうなんです。あんまり遠い所の場合、販売委託サービスとゆーのもあって、
作品だけ出しておくこともできるんです」
「ははぁ、なるほどね」

 親切にご解説、ありがとう。
だけど僕は森下さんと2人で見て回りたいな。
そう言えない僕は優しいと言うより、たんなる根性なしだろう。

 そうこうしてるうちに、閉会になってしまった。
684 16 :04/05/10 22:41
 詩集は売れ残ったが、なんと小説とわれらが絵本は完売した。
買ってくれた皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいだ。
喜びの余韻に浸りながら後片付けを始めた。

 片付けも終わり、現地解散となった。
今日こそは、今日こそは一緒に帰ろうと誘うんだ。
もしかしたら最後のチャンスかもしれない。
そう固く決意し、僕は森下さんに話しかけた。

「あの、森下さん」
「なに」
たかが一緒に帰ろうと誘うだけだ。おちつけ。
「あのね…」
「?」
「その…」
「……」
「その、ええっと…。もう暗くなるし、送っていくよ」
よし、言えた。
「ふふ…は、はは」
森下さんは突然笑い出した。
「え、なに?」
「ふふ、ごめんね。笑っちゃって。
うんありがと。それじゃあ一緒に帰ろっか」
よかった。少なくとも信用はされてるようだ。
「私の家は居和市の川沿いの方。確か桧山くんの家とは少し遠いよね」
「それくらい大丈夫。明日は休みだしね」
685 17 :04/05/10 22:44
 僕らは電車に乗り、今日の事、絵本を作っていた時の事、反省点などを話していた。
今まで話せなかった分、話題は尽きることなく続いた。
――次は居和東駅、居和東駅――
電車のアナウンスが聞こえた。
次の次の駅で降りないと。
そう思っていると、森下さんが話しかけてきた。
「次の駅で降りなきゃ」
「あれ? 居和東駅からの方が近いの?」
「うん、そうよ」
「ふーん」
そうこう言ってるうちに到着し、駅を降りた。

 普通なら次の居和中央駅で降りた方が近いはず。
ひょっとしたら、森下さんも名残惜しいのかな。
まあ僕の思いすごしだろうけど。
686 18 :04/05/10 22:46
 駅を降りて、川沿いの土手を歩く。
沈みかけた夕日を横目で見ながら、僕らは黙って歩く。
そこに会話はなかった。僕が彼女を意識しているせいだろうか。
この沈黙が不安へと変わり、心へしのび寄る。

 でも決めたんだ。決心したんだ。
勇気を持つ事。そして告白する事。

 僕は並んで歩く、森下さんの横顔を眺める。
夕日に照らされて紅くそまる顔は、ひどく美しく見えた。
僕の視線に気付いたのか、やわらかな笑みでこちらを向く。
「なに、私に見とれちゃったの」
なにげない、すこし冗談の利いたその口調。
いつもならそのまま流すけど。
687 19 :04/05/10 22:49
「うん、とても綺麗だよ、森下さん」
僕はなんの飾り気もなく、心に思ったことをそのまま答えた。
森下さんは少し驚いたみたいで、何か微笑ましく感じた。
話すきっかけができたせいだろうか。
そのまま僕は、心のおもむくままに話し始めた。
「あのね森下さん。僕は最初、一緒に絵本を作ろうと言われた時、本当は嫌だったんだ。
めんどくさいし、何よりも自分の描いた作品が、
いろんな人の目にふれられるのが恥ずかしかった」
森下さんは、何も言わず聞いてる。
「でも一緒に作っているうちに、僕は君に感謝するようになった。
ストーリーを練る事、意見を言い合う事、協力して作る事がとても楽しかった。
森下さんが、熱意を持って取り組んでるのが伝わったから、
僕もその熱意に応えようと一生懸命がんばれた。
そして、自画自賛かもしれないけど、とてもすばらしい作品ができたと思う。
それだけじゃなくて、同人誌としていろんな人に見てもらえた事、
その事がこんなに嬉しい事だとは思わなかった。
僕は本当に森下さんに感謝している」
何も言わず、だけど確かにうなずいてくれた。
「でも……」

 勇気、勇気を。
「でも、僕は同時に怖かったんだ」
感情が昂ぶり、少し涙が出てきて慌ててぬぐう。
泣き落としなんて卑怯なまねはしたくない。少し落ち着いた後、僕はそのまま続けた。
「怖かった、この楽しい時が終わるのが。君と一緒にいるのが終わるのが。
このまま同人誌会が終わった後、そのまま疎遠になってそまうのが」
もう迷う事も、恥ずかしがる事もない。
「それに何よりも、僕は君の事が好きになってしまった。好きなんだ。
だから、君がよければ、その、これからも、お付き合いしたいんだ」
688 20 :04/05/10 22:55
 言えた、告白できた。
あとは断られてもいいように心の準備をしようとした瞬間、森下さんは答えた。
「うん、いいよ」
「え……?」
言葉が意味となって頭に伝わらない。
「うふふ。ホントに嬉しいよ」
だめだ。頭が働かない。どうしたんだろうな、僕は。
「もしもーし。大丈夫ですかー」
何か目の前がひらひらしてる。
「うーんだめですね。応答なし。これからショック療法はじめまーす」
何かにふわりと包み込まれ、爽やかな人の匂いを感じた時、
僕の唇に感触が伝わった。
しだいに目の焦点が近くに結ばれていく。
目の前に森下さんがいる。
どうやら僕はキスをしたようだ。
「どう、目が覚めた?」
「うん、覚めたよ…」
僕はそのまま抱きしめ、もう一度唇を重ねる。
「う…ん…」
2人の呼吸が重なり、僕は涙を流した。
「ん…、もう、泣かないで」
「ごめん…、何か夢みたいで」

 でも夢じゃない事は、僕自身が一番よくわかっている。
勇気をだして掴み取った、僕たち2人の未来。
だけどそれは、本当は君が勇気をくれたという事。
僕はこれからその事を忘れずに生きていきたい。
2人の証である、絵本とともに。
689恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/10 23:28
乙&age
690エピローグ:04/05/10 23:40
 僕らは2人、星空の中を歩く、手をつないで。
「本当はね、私、桧山くんが絵本を描いてるって知ってたの」
僕は何も言わず、うなずく。
「文芸部に専念しようと思って、画材を準備室に片付けた時、
偶然見つけたの。
私ね、その絵本を見て感動したの。
こんなにたくさん、どれも素晴らしい作品。
だけど同時に寂しさ…かな、そんな事を思ったの」
「それはどうして?」
「ひとつは、作品が、絵本が泣いているって感じかな、
一生、陽の目を見ることなく終える、その事を嘆いている。
もうひとつは、それを望む桧山くんの考え、と言うより性格だったよね。
素晴らしい作品を、ううん、この場合はたとえ素晴らしくなくても、
自分の創った作品を人に見せたりせず、自分の世界で終わっている。
これが私には悲しく感じられてね。
それで一緒に創ってみないか、そして同人で出そう、と誘ったの」
僕は立ちすくんだ。
「まあその時は、そこまで深刻に考えてなかったけど、
今思うと本当に怖いよね、運命って。
ちょっと思って出た行動がここまで変わっちゃうんだもん、ふふ」
幸せそうに、森下さんがつないでいる手を持ち上げる。

 僕は森下さんに一生かかっても返せない、大きな恩を受けた事を感じた。
 でもそれは、僕らの幸せこそが、一番の恩返しにちがいない。

  END
691603:04/05/10 23:44
長々読んでくださったかた、本当にどうもありがとうございました。
よろしければ感想、批評など
よろしくおねがいします。
692('A`):04/05/10 23:46
オタク男にありがちなファンタジー系ののりじゃねえかよ。
もっと骨太なやつたのむわ。
693603:04/05/11 00:17
>>692
感想サンクス

今回の御題が同人誌ですからまあ。
次に書くときに、参考にさせてもらいます。
694('A`):04/05/11 00:46
少しむかつきました。喪男だからでしょう
小説中の人物に嫉妬してどうするorz
695('A`):04/05/11 00:52
和風ファンタジーってのはどう思う?
建物とか時代背景は日本の戦国時代なんだが、魔法とかが登場する小説。
地名も登場人物も漢字で統一。
しかも、地名は日本に実在する都市をもじった名前…

こんな小説ありですか?




696('A`):04/05/11 00:54
考証とかがしっかりしてればアリだと思う。
でもファンタジーは正直難しいよ。
世界を構築する作業をしなきゃいけないから
世界だよ?人物だけじゃなくて世界を構築しなきゃいけないんだよ?
697('A`):04/05/11 00:55
 私はベッドで目を開けた。梅雨にはまだ早い五月だ。
しかし、外では夜中から大雨がふりだしたようだ。
あまりにもうっとおしい雨音に目が覚めてしまった。
私はベッドから身体を起す、すっかり目がさえてしまった。
雨の音がうるさいのは一人暮らしのオンボロアパートでは
しょうがないか、私は水を飲もうとキッチンへ行った。
蛇口をひねる、おかしい、水が出ない。外は大雨だというのに
水道から水が出ないだけで私は水が飲めないのか、お笑いだな。
私は水を飲むのを諦め、再び眠る事にした。
698603:04/05/11 19:45
一日たつと冷静になれます。

>>694
うわわ、すみません。
本当は感動を狙ってただけに、
自分の力量の無さが恥ずかしい。

あと本当に、読んでくださった皆さんに感謝!
ではまた、名無しに戻ります。
699('A`):04/05/11 23:40
いや、ちゃんと書ききったのは偉いよ。
それにファンタジー路線として作品は成立していた。よかったよ。
次は、芥川賞路線であんたの作品を読みたいね。
俺もそう思うよ
こんだけ書けるってすごいよ
ただ、俺の好みを言えば
ちょっと、素直過ぎるっていうのかなぁ
701('A`):04/05/12 20:41
朝6時半・・・なぜか早くに彼は目が覚めた
十月の朝、少し肌寒くなってきた。
今日は土曜日だが、部活がある。しかし、早く起きてしまったためしばらく暇だ
・・・こんな朝は優雅にコーヒーでも入れて飲むとするかな・・・
そう思うと彼はやかんに火を書け、テレビをつけた

 今日のベストラッキーは乙女座のO型

いきなり目に飛び込んできた映像にかれは少し驚いた
まさに彼は乙女座のO型だった。・・・今日は何かよさそうだな・・・とりあえず

そのとき彼はベストラッキーということだけに気をとられて気づいていなかった。
そのなかでも恋愛運が飛びぬけて高かったことを・・・

湯が沸いたのでコーヒーをいれ、冷蔵庫の中からティラミスを取り出して
朝食を楽しんだのち、学校に向かった・・・

続く
>>697
おもしろいよ
>>701
続ききぼん
703701:04/05/13 20:31
部活が終わった。
急に涼しくなったせいか、休みが多かった。
「ああそういえば、ルイ」
彼・・・城里生 流一(きりう りゅういち)に話し掛けたのは同じポジション
センターを争っている麦野 昴(むぎのすばる)だった。
彼らは中学に入る前から少年野球団で同じチームで、
ハタからみるとライバルみたいに見えるが、
実際お互いライバル意識はなく、さほど仲がよいわけでもなかった。
ちなみにルイというあだ名は流一でルイとも読むのでルイ、だ。
「今日祭り行く?」
「え、なにそれ?」
「知らなかったのかよ!神社のほうで祭りあるからさ、野球部みんなで行こうって
 ことになってんのよ。行くよな?」
「ああ・・・いくかな・・・」
流一はさほど乗り気でなかったが、断れない性格だった。


704701:04/05/13 20:57
神社に着いた。かなり人が多い。つーか人大杉
祭りにきたのは流一と昴だけでなく、
キャプテン銃津 剣(つつつ つるぎ)やエースの郎、そのほか10人ほどで来た
「迷子になるなよ、てめーら。」剣が言った。
(アンタが一番心配だよ、キャプテン・・・)一同は心の中でつぶやいた
剣は他校に試合に行くとき、よく忘れ物をしたり
そのほかにも色々間抜けなことをするので、心の奥では不安だった
しばらく祭りを楽しんでいると、とんでもないことが起こった
「あれ一人足りなくね?・・・ルイがいねーじゃん。」
「あ、ホントだ、いつの間に、どうする?」
「別にいいんじゃね、探さなくても。」
「そうだな」
一同は流一を探すことなく、祭りを楽しんだ。
705701:04/05/13 21:29
一方その頃流一は・・・
(・・・やばい・・・はぐれた・・・迷子だよ・・・ってまあいいか
 一人のほうがたくさん回れるし) 
という具合にプラス思考で祭りを楽しみだした。

しばらく歩いていたら疲れたので、ちょうど近くにあったベンチに座った
すると、背向かいになっているベンチから、
「あれ・・・城里生くん・・・だよね?」と声がした
振り返ると、同じ中学なのはわかるが、今まで話したこともない
泣きぼクロがチャーミングなポニーテールの女子が座っていた
「確か・・・2組の成尾(なりお)さん・・・だっけ?」
なぜか流一は彼女の名前を知っていた。相手がそうであったように。
ちなみに、下の名前は麻夜(まや)
「そうだよぉ〜城里生くん一人?」
「いや・・・一人じゃないけど今は・・・」
「迷子なんだね?そうなんでしょ?・・・私もだよ」
「じゃあ一緒に行動しない?」
「え〜城里生くんナンパ?まぁいいよ。」
しばらく歩いてたら麻夜が一緒に行動してた友人を見つけたので、
別れることにした
「じゃあね城里生くん、楽しかったよ。」
流一もしばらくしてから帰った。

今朝の占いは、あっていた。
この日から、流一の心は、少しづつ変わっていった

706701:04/05/13 22:10
今日はここまでです
感想書いてくれるとうれしいです
707恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/13 22:20
ここまでで感想って難しいな
てか、今読んでるの俺だけか・・・・・・・
7081/3:04/05/13 22:39
ネット小説は供給過剰の感がありますしねぇ。。

最近ロボットモノの小説を考えてます。そのほんの触りの部分だけですが、
読んで評価してください。よろしくお願いします。




甲高い金属音が鳴り響くドック内の一角。
安全用のヘルメットをかぶった岸本が設計図と船を見比べて
うんうんと唸ったいた。
期限まで後1週間。現場の工員も含めてここ数日は徹夜の作業
が続いていた。
 午前12時、昼食の時間である。工員は食堂へとぞろぞろと歩いていく。
岸本はドッグ裏の駄菓子屋で買った揚げ物をしゃぶりながら
一人で作業を続けていた。ドッグの一隅、岸本が佇む暗闇からは
日の光に照らされて不規則に舞う埃の様子がはっきりと見えた。
 「お昼一緒に食べない?」
岸本の裏にある通路で音が共鳴している。宮島の声だ。
ほんの僅かな岸本の弛緩を引き裂く姿無き音に岸本は我を取り戻した。
 「返事しろよ。無愛想だなぁ。」
岸本が辺りを見回そうとするときには宮島は既に隣に座っていた。
 「弁当あるっすよ。一緒に食うっすよ。」
おどけた彼女に岸本はようやく返事をした。
 「コロッケちょうだい。」
 「駄目。野菜あげるよ、野菜。」
女性用にしては大きい弁当箱が細かい金属屑のまぶされた
椅子の上に広げられる。彼女はむしゃむしゃと小さな音を立てて、
少しずつ食べ物を口に運んでいる。
7092/3:04/05/13 22:39
岸本は彼女の弁当箱を一瞥すると、再び顔を上げて揚げ物をしゃぶり出した。
「おまえ、新聞にまた載ってたな。『今をときめく異色派アイドル』だって?」
宮島は無言で食べ物を口に運んでいる。
「凄い人気じゃん?」
宮島は口の中のモノを飲み込んでしまうとこう言った。
「やめよっかなぁ。」
岸本は彼女のつぶやきに反応しない。新しい揚げ物を袋から取り出している。
暫くの沈黙。ドッグ内のロボットが向こう側で作業をする音がよく聞こえる。
カーン、キーン、コーン、カーン、キーン・・・・・
宮島は静かに立ち上がると岸本と向かい合って地べたに座り込んだ。
「この仕事やめよっかなぁ。」
岸本は遠くでテキパキと動いているロボットをボーっと眺めたままだ。
「好きにすればいいじゃん。」
「あのさぁ、何でそんな人を突き放したような言い方しかできないの?
もっとこう、岸本の愛を感じたいよ?」
「無理。俺、おまえ、愛してない。で、何が不満なのよ?」
細い岸本の目の中で眼球だけが彼女を見つめる。
彼女は小さく笑った。
7103/3:04/05/13 22:40
「あんさ?みんな私のことさ、ちやほやしてくれるけどさ?
何かね、だーれも本当の私のこと見てくれないんだ?」
「ちやほやしてくれるんならいいじゃんか。」
「えー、イヤ。」
宮島はゆっくりと立ち上がると、岸本の後ろ側に回り込んだ。
「岸本だけだよ?昔から本当の私のこと見てくれるの?」
「そう?」
「ん。」
岸本は脂ぎった揚げ物を口の中でゴロゴロと転がしながら、
まだ遠くのロボットを眺めていた。
「優しくして。」
宮島は後ろからゆっくりと抱きついた。
自分の背中で柔らかく弾む乳房の感覚に岸本は揚げ物をしゃぶる手を止めた。
柔らかい宮島の体が触れたとたん、岸本は自分がこだわっていた何が
少しずつ欠けていく感覚に抗えない気持ちを感じていた。
「セクハラで訴える。」
「いい。」
宮島は岸本のかぶった安全ヘルメットを頭で数回、コツコツとたたいた。
鬱屈とした暗闇に座り込む汚れまみれのツナギの男は
午後の日差しに柔らかく切り取られた宮島の肘に目を細めた。
711708:04/05/13 22:44
以上っす。よろしくお願いします。
712('A`):04/05/13 23:14
>>701
>>708

>>707
禿同
ここまでで、感想書くのはつらいです。
やはりオチ、ついてから・・・・・・。
>>708
よくできてると思います
書きなれてそうです
714708:04/05/14 22:19
感想ありがとうございます。
715いつかの512:04/05/15 09:23
 このスレのレベルは変わらず高いままですね。
 雑談と感想くらいでしか書き込みできない小心者ですが、ちと書いてみたので、よかったら読んでくださいw
 こういう文体は微妙でしょうか?

 サヤカは望まない女性の肉体で生まれた。埃をかぶり、表面にサビが浮き始めた大鏡に、女性の物である胸のふくらみや体のラインがうつるたび、引田テンコウばりのロープマジックを試してみたくなるのだ。子供など作る予定はなく、作る気もない。
 誰かを愛する事もなければ、きっと愛される事もないだろう。だったら、こんな余分な機能は不要だ。 年金を払う年になった彼女であったが、今でも自分が女であるのだと実感がもてない。
 女として生まれたならば、誰もが経験するありとあらゆる利点から距離をおいているからだろうか。
 はたまた鏡に映る自分の容貌が気にいらないからだろうか。とにかくサヤカは女である自分を拒否していた。かといって男だと思っているわけではないけれど、女から距離をおいたあの肉体に少し憧れを抱いていた。
 「助けて、神様、体を男に変えて」
 月に一度の腹痛を中心とする諸症状が、お腹の奥にろうそくの火をともすたび、こう叫ぶのだった。
 「ああ、お腹痛い」
 買いだめした特殊な用途の布切れも、鎮痛剤もそこをついた。薬局に行かなければならない。でも嫌なのだ。薬局にいる美しいお姉さんと自分を誰かが比べている気がする。
 あのもさい女に比べて、薬局のお姉さんはなんて美しさだろう。薬局のお姉さんには、ブランド鞄だろうが車だろうが、望む物を与えてあげたい。でもあのモサ女には50円の価値もない。
 こう思われるのが嫌で嫌でしょうがないのだ。だからひきこもる事にした。
 「ああ、つらいな〜、つらいな〜」
 ポロポロとサヤカの大きな瞳から、大粒の涙がこぼれるのだった。ルサンチマン警報発令中。彼女の小さく薄い胸は今まさに黒いマグマで溶け始めていた。
 もう何もやる気がしないけれど、胸を締め付ける痛みは、けして酩酊の世界や、真っ暗な睡眠の揺りかごにいざなってはくれない。
 サヤカは「つらい、つらい、つらい」とベッドを転がりまわって、抱えた枕に涙を染み込ませる、ねじまき人形となりはててしまった。
716いつかの512:04/05/15 09:27
そんなサヤカを吉田は死んだ魚の目で見つめていた。サヤカの美しさに少しだけ瞳を奪われていた。大きな飴色の瞳から涙がこぼれるたび、彼女を救ってやりたい衝動にかられるのだった。
 恥も外聞もなく泣きじゃくる人間を「超キモイ」と思っていた。にもかかわらず、ゴロゴロとベッドを転がるサヤカに愛しさを感じ始めていた。一方で彼の胸から真っ黒な汚水があふれはじめていたのもまた事実。
 バッドトリップ中のサヤカを救う手立てはない。なにより吉田自身、サヤカの言動に当てられて、少しずつ沼に沈んでいく感触を味わっているのだから。
 ああ、服が泥で汚れてしまうな。吉田は天井に広がる沼を見つめながらそう考えていた。床や壁一面が泥と汚水にまみれた沼に変わる様子を見て、命よりも大事な服が泥に汚されるのではないかと思うと、気が気ではなかった。
 なんで、オレは服を買っているのだろう。バイト先のピエロ君という呼び名をしっていた。ポールスミスやコムデギャルソンの派手な彩色の服をきて町を歩けば、遠くから「芸人さん?」と自分を指差す女がいることも知っていた。
 それでも吉田が服を買いつづけたのは、理想の自分に近づくためだった。 誰かから認められたい。誰かにわかって欲しい。そんな思いが彼を消費に走らせた。
 でも、もう限界だ。きっと限界だ。間違いなく限界だ。どれだけ斬新な服を着ようとも、ちょっとオシャレなお兄さんが着ている服を着ようとも、もう自分は変われない。
 ただ消費する金額とタンスの肥やしが増えるだけだ。どれだけがんばろうと、オレはダメな奴なんだ。ダメな奴は何をやってもダメ。
 そうして吉田も、深い深い真っ黒な沼の中に吸い込まれていくのだった。
 息もできない。いっそ死にたい。っていうか、死んでるじゃないか。生まれた時からデッドマン。生きてるようでデッドマン。オレは吉田。吉田あたらめデッドマン。リアルリビングデッド吉田。
 そうして吉田は真理にたどり着いた。もしこの苦しみが続くなら、服と体を焼こうと決めた。灯油を巻いて、何もかもを焼き尽くしてしまうのだ。
 きっと世界を焼き尽くすよりもコッチの方がはるかに手っ取り早いのだから。
>>708とかかなりレベル高いよな・・
真面目な評価貰いたい人は
文芸創作かどっかに行った方がいいと思うよ
ここ、人少ないし俺
まったくの素人だからね

>>512
ピエロ君に共感しました
718いつかの512:04/05/15 13:19
>>717
でも、ま〜、恋愛小説家と駄弁りたくて書き込んでる節が少なからずあったりするからね
読んでくれてありがとうね

個人的にはさ、>>708と恋愛小説家の文章には無駄がない気がする
限界まで鍛えてあるのに、無駄のないボディビル文章
719('A`):04/05/15 17:18
>>512
こういう文体好きです。
おまけにマネできません。
720('A`):04/05/16 00:15
>>715
駄目なヤツは何をやっても駄目とか、
普段2chで聞きなれた言葉がでてくると、ちょっと引いてしまう。
721('A`):04/05/16 00:43
途中書きの奴も悪いとは言わないけど
どんな内容でも完結させる奴の方がやっぱ凄いと思う。
722('A`):04/05/16 00:44
このスレ意外と長く持ってるよね。
がんがって続けていこう。
723いつかの512:04/05/16 02:23
>>719
えへへ、感想ありがとうございます
感想が聞けるって、うれしい物ですね

>>720-721
今度から気をつけます。2チャン的表現は、ペケっぽいですね
それに途中書きの感想は書き辛いし、わけわかめかもしれない
次があったら、短篇とかショートショートで来まわすね
724('A`) :04/05/17 21:36
725('A`):04/05/18 07:33
次のお題はなにがいい?
726('A`):04/05/19 23:36
そろそろ保守しないとヤヴァイ
727('A`):04/05/19 23:49
書こうと思うのでお題ください
728('A`):04/05/20 00:12
0梅雨、1半袖シャツ、2レンタルショップ、3無職、4地下鉄、
5中学校、6年金、7ラジオ、8真夜中、9カレンダー

自分のケータイ番号の末尾3桁の数字でお題を選び、作品を書きなさい。
なお同じ数字が並んでる場合は任意で一つ選べるものとする。

というのでもいいの?
729('A`):04/05/21 01:28
体育館に同学年の生徒達が並んで体育座りしている。
1人の若い教師がステージの前に立ち、マイクを持って何か喋っている。
僕は一生徒として体育座りをしながら、じゃがりこを食べていた。
僕はいくつかのお菓子を持っていた。お菓子を持っているのは僕だけだった。
隣に座っている、ブラジル人らしき友達―生徒達の中でその人だけは中年だった―にじゃがりこを1本勧めた。

後ろから金持ちの田中がやってきて僕と目を合わせ、手を差し出して言った。
「ん、ん、ん」
僕は酷く腹が立ち、すぐに立ち上がって大声で言った。
「んってなんだよ。そんな目をして、ん、はないだろ。怒るよ。何者だよ」
田中が僕に何かを言っている途中、それは田中の声から、つけっ放しにしてしまっていたテレビの音声に変わっていた。
現実に帰ったことを実感した後、深呼吸して立ち上がり、デスクチェアーに腰掛け、ネットゲームでレベル上げを始めた。
730恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/05/22 14:08
以前、薦められた異邦の騎士読み終わりました。
読みやすかった。

あげ
731('A`):04/05/22 14:18
いきなり「異邦の騎士」かよ…
「占星術殺人事件」→「斜め屋敷の犯罪」の後に読んだ方が
感動できたのに。
732('A`):04/05/22 14:53
今、魔法とか出てくる小説書いてるんだけど、
地の分とかに魔法って書くと何か変な感じがするのです。
他に何かシックリくる言い方は無いですか?
733('A`):04/05/22 15:35
わかりやすい固有名詞をでっち上げる
734('A`):04/05/22 17:35
魔法なら捻らず魔法でいいんじゃないの
735('A`):04/05/22 17:56
術、フォース、秘技、秘法、○○式、とか
736('A`):04/05/23 01:54
>>732
それは定義がハッキリしないからですよ。
その世界では魔法はどういう扱いなのか、
どのような歴史をもっているのか、
魔法の意義はなにか、
世界を構築する上で、魔法がホントに必要かどうか考えてみてください。
>>731
そうなのか・・
記憶喪失から始まるのが良かった

最近書くやつ少ないな
このすれだめぽ。。
738('A`):04/05/23 21:51
>>737
そんなこたーない、と言いたい所だけど、
今は小休止してるんで、まあ適時保守の心なり。
739('A`):04/05/23 22:07
まあマターリ進行でいいんじゃないかな。
そもそも喪板でここまできたのは、たいしたものだと思うよ。
740('A`):04/05/24 21:45
ホシュ
741('A`):04/05/25 01:59
ageていい?
742('A`):04/05/25 12:34
あげ
743('A`):04/05/25 15:01
恋愛小説家よ、お前、小説家になるまで書きまくるんだろ?
煽るわけではないが、もっと書いたらどうだ。
無理矢理書いたとしても力にはなると思うぞ。
744('A`):04/05/25 15:50
さっき「カフカ短編集」っての読んで、このスレに似てるなあーと思った
長いのあり短いのあり、意味不明のものからちゃんとストーリー仕立ての
ものまで。
不条理の作家カフカと喪男はベースが同じなのかも
>>743
分った。
無理矢理でも書いてみようと思う。
746('A`):04/05/28 01:33
というわけで保守
747('A`):04/05/29 08:27
しかしまーなんですなぁー
748('A`):04/05/29 19:39
捕手なんですなー
749('A`):04/05/29 21:25
例えここが落ちても次スレ立てますよage
誰か藻男受けする話書いて!
751('A`):04/05/29 22:19
>>750
切羽詰ってる?
よくわからんけど、まあモチツケや。

○○受けなぞ考えんでもよい。
俺らは全員シロウトだ。 たぶん恋愛小説家もだぞ。
だから書きたいもの、書けそうなものを書くんだ。
漏れの場合は妄想(ry
752('A`):04/05/29 22:34
そういや毒男板の妄想スレがいつもどおりdat落ちした
753('A`):04/05/30 10:10
おし、活動開始。
はてさてどうなるか。
うんまあなんでもいいんだけど
そのほうが活気出るかなと思ってさ
755('A`):04/05/30 11:12
>>754
活気だすのなら、常時あげという手もあるよ。
喪板は荒らしがすくないから、弊害はないと思う。

とりあえず、独断でageます。
756('A`):04/05/30 15:57
やたー、一本書けたよー
757('A`):04/05/30 17:22
>>756
おめ。
758惚れ薬:04/05/30 18:34
「博士、ついに惚れ薬が完成しました」
 研究員のエス氏は興奮してエフ博士に話し掛けました
「本当か、ついに完成したんだな、モテナイ我々のための薬が」
 エフ博士も相当興奮しています。言葉の勢いが激しいのでそれがわかります。
「で、どんな物質なんだ?」
 エス氏は答えます。
「このカプセルがそうです。食事に混ぜて使えば大丈夫です、しかし副作用が…」
 エフ博士はがっくりしました。副作用があっては使い道がないではないか、
しかし、副作用の内容によってはもしかしたら使えるかもしれません。
博士は副作用の内容を聞いてみる事にしました。
「どんな、副作用なのかね」
 博士はどうしても、惚れ薬を完成させたかったのです。今まで一度も誰と付き合った事もありません。
女友達すら一人もいないのです。
「はい、実はこの薬は二人きりの時にしか使用できないのです、周りにたくさん人がいると
男も女も全員が飲ました相手に惚れてしまうのです…」
 
759758:04/05/30 18:40
続きはありませんよ、これで終わりですw
思いっきり星新一風味w
760('A`):04/05/30 20:22
久々の小説記念age
761('A`):04/05/30 21:10
>>758
つ・づ・き!
せめてオチだけでも。
762('A`):04/05/30 21:20
763('A`):04/05/30 21:24
いや、わかっているけど、
もし書くのがメンドクセなら、
あればオチの構想だけでも聞きたいな。
あわよくば再開(ry
と思ってね。
764('A`):04/05/30 21:45
いやオチは、博士は喪男なので
二人きりになる機会が無い→結局使えないというオチなんですが。
765('A`):04/05/30 22:14
>>764
まじでおどろいた。予想外だったよ。
俺が単純だというせいもあるけどw
てっきり使うけどボロがでて愛想つかされ、助手がモテモテとかだと思ってた。
そちらのオチの方が断然SS向きでイイね。

いやいや、なるほどなるほど。
結構良いセンスあるんじゃないかと、持ち上げてみたりして。
766闇夜のガラス1/4:04/05/31 15:00
 まるで暗闇の中でたった一つの光が世界の全てを照らすように、
 まるで乾いた砂漠の真ん中で一滴の水が大地を潤すように、
 彼女の言ったのその一言は俺の体の奥深くにある所に強烈な勢いで浸透していった。




 「ずっとあなたを探してました、あなたの力が必要なんです!」




767闇夜のガラス2/4:04/05/31 15:01
 その日の朝は暑かった。いつもどおり起きるとまずトイレバス共用のバスルームに入り、顔を洗う。そして歯を磨くため洗面台
のチューブと歯ブラシを持つ。
 鏡に映った醜い自分を見つめながら考える。今日こそは職安に行って仕事を探さなければ。しかし俺のような
引きこもりを雇ってくれる会社なぞあるだろうか、ならばいっそ近所のコンビニでバイトでもするか…しかしそろそろ
俺もいい年だし保険と年金くらいは払ってくれるところでないと厳しいなぁ…そうなるとやはり職安か…いやしかし…
 毎朝毎朝繰り返されるウダウダとしたループ思考を続けながら歯磨きを終えてバスルームから1Rの部屋に戻ると、
 「はじめまして」
 そこに彼女がいたのだ。
 まるでずっと前からここに居ましたと言いたげな自然さで。ブラウス+紺のベスト&グレイのプリーツスカートと言う
ものすごく日常的な姿で、ちょこんとベッドに座っていたのだ。
 「あ、驚かせましたか?ごめんなさい」
 長い髪を揺らせて頭を下げて謝る。
 「私はヘンリエッタ・アーヴェルクラインと申します。第三領域での名前はまだ考えてないのであなたから見たら
ちょっと違和感があるかも知れませんが」
 まっすぐに見つめられた。吸い込まれそうな茶色の瞳。
 「…良かった。ようやく見つけた。ずっとあなたを探してました、あなたの力が必要なんです」
 ヘンリエッタはそういうとオレをベッドの隣に座らせた。
 「第三領域に住む方々にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、この世界は8つの領域に分かれています。
それぞれが鏡のようにお互いを映しあい、影響を受け合ってそれぞれの領域を維持しています。あなたたちが住む
ここは第三領域、私たちは第五領域から来ました」
 顔が近くなって息遣いまで聞こえてしまう。
 「最近、第五領域では一つの深刻な問題が起こっています、魔獣と呼ばれるモンスターが出現し、次々に人を
襲いだしたのです。今も原因は不明ですが、我々はそれを退治する対魔師と呼ばれる存在によって自分たちの
領域を守ってきました。私も対魔師の一人です」
768闇夜のガラス3/4:04/05/31 15:02
 見た目に目立つ胸の隆起に視線が行ってしまう。
 「そして3日前です。コードネーム【フェンリル】と名づけられた一体の魔獣と私たちのチームは戦闘状態に突入しました。
追い詰めるところまでは上手く行きましたが反撃を浴び、私を除いてチーム全員が死亡、援護に来て下さった最強の
対魔師、キリト・ファーレンバウアーも重傷を負い、それでもフェンリルを仕留めることが出来なかった…」
 ミニスカートから伸びる健康的な肉付きのいい太ももの上で、ヘンリエッタはこぶしを握り締める。
 「そのフェンリルは障壁侵入の能力を使い、ここ第三領域に逃げ込んだところまでは確認しました。私はフェンリルを必ず
仕留めなければなりません。そのためにあなたに助けて欲しいんです。あなたはこの第三領域でキリト様と同じ位相に
ある方なのですから」
 彼女は俺の手を両手でしっかりと掴むとあの吸い込まれそうな瞳でまた真っ直ぐに見つめてきた。
 「8つの領域はお互いに写しあっています。特にその中で暮らす人間はまったく同じと言ってもいい存在です。つまり私にも
あなたにも、位相と呼ぶ固定識別が同じ人間がこの世界に8人、それぞれの領域に居るわけです。そしてあなたは最強の
対魔師キリト様と同じ位相にある方、その対魔力も同じはずです」
 さらりとしたちょっと冷たい肌触りの両手で俺の手をギュッと握ったまま一気にこちらに寄ってくるヘンリエッタ。髪がはらり
と肩から落ちていい匂いがした。
 「お願いです、私を助けてください!」


769闇夜のガラス4/4:04/05/31 15:03
 数日後。深夜2時54分。コンビニ。
 「ありあとございぁしたぁ」
 トランクスにTシャツ姿で食パンを買いに来たオッサンに頭を下げた。あいつらコンビニなんて部屋の延長線にあると
思ってるんじゃないだろうか。
 結局コンビニバイトに落ち着いた。仕事は退屈だし客はアホぞろいで不愉快極まりない。
 配送されてきた雑誌を整理すべくビニールを破る。大衆週刊誌には「大物芸能人M深夜の密会」「イケメン俳優Sの隠された
女性遍歴」「連続猟奇殺人9件目、今度の被害者は謎の女子高生!?」「癒し系女優の本音と建前」などなどいかにも気を引き
そうなフレーズが並んでる。
 …ヘンリエッタは結局追い返した。いきなり現れたデンパ女の言うこと真に受けるところまで狂ってはいないからだ。
 『……そうですか、いきなり巻き込んで申し訳ありませんでした、お元気で…』そう言って背中を丸めてドアから帰っていた彼女
には悪いことをしたかもしれないが、正直第三領域だの魔獣だの言われても何のことだがさっぱり分からない。どうせ新手
の空き巣か何かだ。見つかったから適当なこと言って煙に巻かれただけなのだ。信じてたら今頃ろくな目にあってないに違いな
いのだ。でも空き巣なら歩いて5分もいけばマンションがいくらでもあるんだからウチ見たいな1Rに来るわけが無い……、いやいや
100万歩譲って本当だったしても俺には魔獣なんて相手にする力は無いしな。もしもノコノコついていってたら魔獣とやらに八つ裂き
にされてるのがせいぜいだ。ほらみろどっちにしても彼女の話に乗る理由なんか一つも無いじゃないか……
 
 ──ずっとあなたを探してました、あなたの力が必要なんです──

 それでも。
 それでも、もしも、彼女の話を信じていたら、俺はどうなっていただろうか。やっぱりこうやって深夜のコンビニでやる気無く
働いていただろうか。もしかしたらもっと違う、もっと別の何かが始まっていたのではないだろうか。こことは違う何かが見れた
のではないだろうか…

 ──お願いです、私を助けてください──

 そして本当に彼女がその対魔師とかいう存在だったとしたら、彼女は魔獣を倒せただろうか。まだ今日もこの暗い闇夜の中
で魔獣との死闘を繰り返しているのだろうか、あるいはもしかしたらもうすでに……。

 俺は、そこに彼女がいるのではないかと顔をあげてガラスの向こうの静まり返った街を見た。
 狭いコンビニの中で、闇に染まったガラスに見えたのものは店内の明かりを反射して写りこむ、いつもと同じ、
 醜い自分の姿だけだった。

                                                         <続かない>
770('A`):04/05/31 15:16
ちょっと聞いてくださいよ、まぁあとがき代わりなんですがね、電話がかかってきたんですよ、珍しく。
【登場人物】
彼女 昔の知り合い。ここ1,2年連絡なし。当時は好きだった
('A`) オレ

彼女「もしもし〜ひさしぶり〜」
('A`) 「あー久し振り」
彼女「今私ちょっとしたセミナー受けてるの、楽しいから('A`)くんも来ない?」
('A`) (数年ぶりにかけてくる電話。セミナー。勧誘。これらが符合する事実はひとつ…!ザワザワ…)
彼女「どう?来たら絶対気に入ると思うよ?」
('A`) 「ごめーん、その日はムリ」
彼女「えー、なんで?まぁいいや。次があったらまた誘うよ」
('A`) 「うん、ゴメン」
プツ。ツーツー…

でも、もし彼女にまた会えるならセミナー受けて授業料払ったり謎の指輪のローンを組んでみたり
飾る気の無い絵画を押し付けられたりしても安い買い物だったんじゃないだろうか、などと女々しく考える自分が居るわけで…
電話かけてきてくれた人をハナから疑ってかかる自分が嫌いになったりもするわけで…

という気持ちの持っていきようがない経験をこねくり回して小説風味にして見ました。
771('A`):04/05/31 15:25
微妙に作品とリンクしているあとがきワロタ。

でも作品の設定はおもしろいと思うよ。
細かく練れば、ラノベ系の新人賞とれるかもよ?

772('A`):04/05/31 16:00
設定自体は実は書きながらその場で考えたので…w
どっかからカワイイ女の子が出てきて「あなたじゃなきゃダメなの」って言わせられれば
細かいディティールはどうでもよかったので…。
ガンパレとか月姫とかみたいな「裏設定膨大多層世界」系のお話を2,3しってりゃいくらでもデッチあげれるかと

でも言われてみれば細かく考えていけば色々面白くなるかもしれませんね
ラストが良かった

月姫ってエロゲー?
774('A`):04/05/31 20:25
自分はひたすら強い女に守られるだけの男ヒロインの話を書きたいと思ってるよ。
775('A`):04/05/31 20:43
>>766
結構おもしろかった。
文体も味があって良いですし、
オチもしっかりしてる。

あと、あとがきの判断は絶対正しいのでクヨクヨせんでね。
776('A`):04/05/31 22:31
>>773
同人エロゲ。普通に流通してたのとは違うからヤフオクでン万円ついてる。
だから作品自体はやったこと無いんだよねw
そのシナリオ書いた人の小説が今に月出るからそれは多分買うだろうけど

>>775
ありがとうございます。やはり怪しい女の言うことは聞いてはいけませんよねw


あのオチは嫌いな人は嫌いだろうと思ってましたが目に見えて叩かれることが無くて良かったッス
>>771さんの言うとおり細かく練ってみるのも面白そうですので色々考えてみます、ではでは。
777('A`):04/06/01 21:50
挫折、いちからやり直し。
778('A`):04/06/02 13:20
致命的に詰まったら別のこと始めた方が早いよな
HDDに眠らせておいてしばらくたって読み返してみるとかすると違う展開になったりするし
779('A`):04/06/02 15:58
もほー
780('A`):04/06/02 21:57
しかし、駄作erの意地にかけてがんばる。
781('A`):04/06/04 14:19
すぐに沈むから保守。恋愛小説家はまだ生きてるのか
782木村拓哉 ◆2arU.GvTMY :04/06/04 14:19
俺が好きな小説家聞きたい奴いるか?
教えてやってもいいが
783('A`):04/06/04 14:20
ポジが朝起きてから、その日のうちに自殺する小説を書いています。
784('A`):04/06/04 14:39
BR外伝

BATTLE ROYALE ―囁き―
 
杉江真耶が愛媛県私立琴海学院中等部3年D組に転入する半年前だ――――
“聞いてるかー?大沢、樫木、杉江、川上、残り4人だぞー、先生応援してるからなー”
そしてぷつっと放送は途絶えた。
杉江真耶は茂みの中で息を殺し、銃を構えていた。
プログラム、真耶達は選ばれてしまったのだ。
 
だが、真耶はこのプログラムを生き残る自信がある。
女子でトップを誇る運動神経。
小学一年生から剣道を初めた(親が剣道場の師範だ)真耶は今では剣道で全国大会に出、3位にまで上りつめていた。
小学一年生の時始めて着けた防具も今はなれ、竹刀を構えるのが日課と言ってもいいだろう。
学校では真耶の剣道の実力、顔を知らない人はいない。テレビや雑誌にも少なからず出ている。(ある某雑誌のあなたの街のカワイ子ちゃんなどと題した特集で真耶は出たことがあった)
剣道の家系で生まれた真耶は県外にいる親戚にも顔をはっきり覚えてもらっている。
 
それに、残り4人にまで真耶が生き残ってきたのはもう一つある。
その、独特の風貌を思わせる美しさと言ってもいいだろう。
こげ茶色に少し赤のまじったロング。今はうざいから高い位置でポニーテールにしている。
それに弓なりの細い眉にややつり目の円い目。赤毛に近い髪は父親似だろう。
かすれた、だがユーモアのある声も父親に似ている。そして母親に似ている所は背が高い所だろうか。
真耶は良い所ばかり遺伝でもらっている。父親が師範で母親が元モデル。何て家系だろうか、グレイト。
それに友達関係を大切にしてきた真耶は(まぁ、仲の良い友達はこのクラスにいないが、クラス替えの時に離れた。今は5月だ)男女問わず信頼を得ている。だからこのBRでは役に立った。
785('A`):04/06/04 14:48
小説ってワードで横書きで書いて応募してもいいの?
 応募先の規定により、指定されているはずです。
OKなところとだめなところがあると思われます。
生きてるぞ。

太宰の人間失格読んでる。
788('A`):04/06/06 12:22
hosyu
789('A`):04/06/06 17:32
恋愛小説家なんか書け
790恋愛小説家 ◆3HioLDbjnQ :04/06/07 01:22
まかせろage
791('A`):04/06/07 20:51
ageとくぞ。
誰か書いてください
793('A`):04/06/07 23:05
('A`)
794('A`):04/06/07 23:18
708っす。褒められたの真に受けて、今長編ロボットもの小説書いてます。
とりあえずご報告まで。
795('A`):04/06/07 23:35
うpまだ?
796('A`):04/06/07 23:38
>>792
まかせろとか言って書く気ないのかYO
そのままだとワナビになっちゃうぞ。

>>794
期待しております。でも長編は読むのが大変だなぁ。
最初の方読んで面白いと思ったら最後まで読むよ。
どっかに応募とかするならここに載せないほうがいいんじゃ?
797('A`):04/06/08 15:29
なんとなくあげますよ
>>796
そうですね
文章書くのうまくなりたいです
799('A`):04/06/09 08:50
短い話にしないと書いてて飽きるage
800('A`):04/06/09 10:21
創作文芸板いけば?
まぁ文学賞締め切り前でピリピリしてそうだけど
801('A`):04/06/09 10:58
創作文芸板はダメ。
ココの方が雰囲気いいよ。
あそこはちょっと…
802('A`):04/06/09 13:29
「OO君、今度の運動会のリレー頑張ってね。もし頑張ったら私、OO君とつきあってあげる、か・も・ね☆」
彼女はそういうと、俺の右手をつかみ、両手で包み込んだ。
俺の心臓は、端から見ても分かるほどにドキドキし始めた。
ああ・・・。小学生の頃から「キモイ」としか言われなかった俺。ばい菌のようにしか扱われなかった、俺・・・。
そんな俺の手を、クラス一かわいい彼女が握っている。
俺だって「世界にひとつだけの花」なんだ。
俺はその時、初めて希望という感情を生で体験した。
「彼女の期待に応えたい・・・!」そう思い、俺は全てを犠牲にしてトレーニングに励んだ。
ただひたすら走りこみを続けたんだ。

そして運動会当日のリレー、アンカーの俺には、ビリから3番目の状態でバトンが手渡された。
だが俺は、必死で特訓したんだ!
猛然とダッシュし、何と、トップにまで上り詰める俺・・・。そして、そのままゴールテープを切った・・・。

そして・・・。
息切れしているのもかまわず、俺は彼女に近づいていった。
だが、彼女の隣にはイケメンやクラスメート達が寄り添い、みんなで俺を指差して爆笑している。
「ハハハ! あいつ、マジで頑張ってやんの! キモメンのくせにダッセー!」
それは、確かに彼女の口から発せられた言葉だった。
・・・。
俺は、みんなに背を向けた。
そして、校舎の外に、一人走り出していった・・・。
803('A`):04/06/09 22:17
>>802
そこで影でOO君の努力を見守っていた幼馴染の出番です。
804('A`):04/06/09 23:45
自分に気合を入れなおすためにコテになろうかな…
無理矢理にでも書かないと…
805('A`):04/06/09 23:58
>>804
おう、イケイケ、やっちまえ。

漏れ? 挫折です・・・
806('A`):04/06/10 00:02
諦めたらそこで試合終了だよ。
807('A`):04/06/10 00:07
どーーーーしても、長くなるんです。

序盤だけで6000文字突破するし、
どん詰まりしたし、最近仕事が忙しいし、別の趣味もあるし、
何よりも読み返すとモウダメポ……。
808('A`):04/06/10 00:09
長編が書けるのは才能だよ。
完結させなきゃ意味無いけど。

俺は長編が書けない…
809('A`):04/06/10 00:16
そうかな?
筋書き考えたら、後は肉付けしていくと結構いくよ。
810('A`):04/06/11 00:03
よし!今月末までに長編一本書き上げて
どっかに応募するぞ!!
811('A`):04/06/11 18:50
二十日で長編一本か。
結構辛いと思うがガンガレ!
812('A`):04/06/13 20:01
一応保守
813('A`):04/06/14 11:18
誰も書いてないのか
814('A`):04/06/14 13:32
恋愛小説家はなにをやってるんだ?
815あるミステリ。:04/06/14 20:53
 捜査一課の大沢は事件現場に踏み込んだ。
被害者は柚木総一郎。ある大手食品メーカーの社長だ。
「やけに生臭いな」そう、現場には生臭い匂いが漂っていた。
死体特有の匂いではなく、そう食べ物の匂いだ。
後頭部を強打された被害者の頭には水が少しついていた。
死亡推定時刻は18:00〜19:00の間。
周りの住人の間の話によるとその時間帯に被害者の家から
「香ばしい匂いが漂っていた」そうだ。
 容疑者は3人。その発言はこうだ。
唐木大輔「確かにその時間帯に柚木さんの家に行きました。でもすぐに帰りましたよ」
山田幸助「僕は偶然、手に入れた食品を渡しに言ったのです」
佐藤瑞希「私は、何もしてないわ、すぐに帰ったもの」

 大沢は3人の発言を聞いて、違和感を覚えた部分をその人物に問いただしてみた。
すると容疑者は自白をした。これで事件は解決した。

 読者への挑戦状。 
 ヒントは2つ。凶器はなにか?その凶器をどのように処分したのか?
 それを根拠に犯人を推理して欲しい。
816('A`):04/06/14 21:04
凍らした魚で撲殺後焼いて喰う
817('A`):04/06/15 04:18
いや、こうばしい匂いがした、との証言があるから、冷凍肉ではないか。
玉葱は冷凍しないから違うだろうし。



したがって、犯人はヤス、お前だ。
818('A`):04/06/15 06:37
某ゲームのネタバレキター!!
819('A`):04/06/15 22:19
小説家になるための具体的かつ現実的な方法が知りたいなぁ。
820('A`):04/06/15 22:37
そんなんあったら俺が知りたいわ
そして夢のあぶく銭印税生活…フフフ…
821('A`):04/06/16 00:48
童貞狩りのスレが途中から小説スレになってるけど、あそこの作品、どう思う?
俺は結構好きだけど。
822('A`):04/06/16 23:26
hosyu
823('A`):04/06/16 23:56
なんだかまとまったような気がするけど文章にするとツマラなくなるのなんでだろ
824('A`):04/06/17 03:18
ageてやる
825('A`):04/06/17 03:48
はっは。俺って文才ねー…
826('A`):04/06/17 03:58
ワードって縦書き出来るの?小説以前の質問でごめん。
そんでなんか1枚あたり設定で原稿用紙と同じにすればいいんだよね?
827('A`):04/06/17 05:41
縦書きは出来るだろ。印刷の設定をいじるんだったかな
828('A`):04/06/17 15:21
俺は基本的に手書きだけどな〜。
後でワードに打ち込む。
829('A`):04/06/18 01:33
蝶保守
830('A`):04/06/18 02:13
出来た…、いや厳密には出来そうな気がする
831('A`):04/06/18 22:52
>>830
できるならうpきぼん
832('A`):04/06/19 00:26
喪男にはいい小説は書けないと俺は思う。
やっぱり恋愛小説や官能小説は恋愛経験なきゃ。

俺の知り合いのイケメンは豊富な恋愛経験を生かして、某アニメの
SS系の恋愛小説を書いてたな。ネットにUPすれば2chの某板では
神呼ばわりだし、それを同人誌にしたらコミケで1000部完売で数十万
儲けた。

喪男には小説書く権利はないってことさ_| ̄|●
833('A`):04/06/19 02:12
>>832
滝本竜彦は喪男ながらもデビューして活躍してるじゃないか。ガンガレ
834('A`):04/06/19 09:56
ミステリーを書くのに殺人事件の遭遇経験がいると思うか?
経験が(絶対に)必要なんて幻想だよ、幻想。
喪男でも面白い小説は書ける。
835('A`):04/06/19 12:46
いやー、いろんな経験の薄さはでちゃうと思うよ('A`)
836('A`):04/06/19 15:29
喪男には類稀な妄想の力がある。
ガンガレ。
837('A`):04/06/19 21:15
調子に乗って>>766-769の続き書いてみましたと言って見る…
しかも妄想炸裂恋愛モノだと言って見る…
838('A`) :04/06/19 21:43
読んでみたいと言ってみる。
839('A`):04/06/19 22:27
小説家になるために一番大事な経験は
小説を書くという経験だ!!
840('A`):04/06/20 00:01
>>838
ありがとうございます。正直そういってもらえなかったらどうしようかと…w

では行きます。>>766->>769の設定の続きです。
名前欄に入っている登場人物それぞれの一人称。少々長い
841ヘンリエッタ1/3:04/06/20 00:03



 死ぬべきは、私だったのだ


842ヘンリエッタ2/3:04/06/20 00:03
 夕方、そろそろ日も沈もうかという時間、立ち並ぶビルの裏手にチョークで魔方陣を描きその中心に魔硝石を置き、
呪文を唱えます。
 しばらくすると魔硝石は溶け、地面にしみこんでいきました。私は第五領域から持ってきた結晶化された魔力、魔硝
石14個のうち、12個分の魔力をつぎ込んで、この街全体を覆う【魔力探知】の結界を張り巡らしていました。それもよう
やく完成です。コレでフェンリルが次に動き出せば、その魔力の高まりを瞬時に関知することが出来るでしょう。幸い
この第三領域は魔力の反応がありませんからフェンリル以外の反応を拾う心配もありません。
 この第三領域が予想外に魔力が枯渇していたのはある意味幸いでした。魔硝石の魔力を引き出して使える私と違って、
使った魔力を補充できないフェンリルは弱っていく一方でしょう。もともと手負いでしたし、今なら私一人でも倒せるかも
しれません。キリト様の協力を断られたのは残念ですが、領域と同様に魔力を失ってしまったヒトを戦闘に巻き込もうと
するのは酷な話ですから、これで良かったのでしょう。
 同じ位相にいるからといって全てが同じというわけではない事も多いそうです。たとえば正反対の性格だったり、あるい
はずれたり歪んだりしていることがあると聞いたことがあります。事実、第三領域には私と同じ位相を持つ存在は確認
できませんでした。おそらく昔に死んだかなにかしたのでしょう。逆に第五領域で死んだはずの人がこちらでは生きてい
たりもするはずです。特に世界を形作る魔力の差が大きい第五領域と第三領域ではその歪みも大きいのかもしれません。
 はじめからこちらのヒトに期待していたのが筋違いでした。フェンリルとは私一人で決着をつけねばならなかったのです。
 既に第三領域にフェンリルを逃してから8人も犠牲者を出しています。それら全てがこの街で起こったことを知ることが
できたからこそ罠を仕掛けることが出来ますが、それにしても犠牲が多すぎました、これ以上フェンリルを放っておくこ
とは出来ません。
 何より、フェンリルは、アンジェリカを…、私の妹を殺したのですから。
843ヘンリエッタ3/3:04/06/20 00:04
 アンジェリカ・アーヴェルクラインは才能溢れる少女でした。それは姉の贔屓目だったのかもしれないけど、剣でも銃でも、
そして魔力でも、彼女に勝てる同期生はいませんでした。
 何事も積極的で勝気でカッコよくて。周囲の視線を一身に浴びて颯爽と歩くアンジェの後ろを私はとてもまぶしいものを
見るような気持ちで歩いたものでした。私たちは生まれてからずっと一緒に居たけど、だからこそ正反対に育っていったの
かもしれません。
 成長して正式に対魔師となった私たちは、もう一人フリッツ・カーレンという青年と3人でチームを組むことになりました。
 フリッツは見た目は線の細い穏やかな青年でしたが負け無しだったアンジェに唯一人勝つだけの戦闘能力を持つ
槍の名手で、それでも物腰は柔らかく気配りも聞いて周囲の人望も厚い、アンジェリカとは別の意味で周囲の関心を
集めずにはいられない、そんな人でした。
 そんなフリッツと、アンジェリカは最初そりが合わないのかよく衝突していました。というよりアンジェの方が一方的に
フリッツに食って掛かってるだけでしたが。そのたびに私はとりなし役をすることになるわけですが、何があっても
「アンジェリカはしょうがないなぁ」と屈託無く笑うフリッツの笑顔に、私は何度も助けられたものでした。
 激しい性格のアンジェリカと、それを包むようなフリッツ。
 数十回のケンカと数回の対魔獣戦の末、2人が惹かれあっていったのはある意味当然の成り行きだったのでしょう。
 私の前で照れ隠しに不機嫌そうな顔をして、真っ赤になりながら白状した時の、あの幸せそうなアンジェリカと
「しょうがないなぁ」と笑うフリッツの笑顔を私は忘れることが出来ません。
 だってその笑顔が、最後の記憶なのですから。
 翌日、私たちのチームはフェンリルと接触、そして私をかばって二人は死にました。
 死ぬべきは私だったのに。
 あの2人はまだまだ素敵な未来が一杯一杯あったはずなのに。どうして私なんかを守るために2人が死ななければならな
かったのでしょう。私は私が死んだって良かったのに。2人に生き残って欲しかったのに。
 私は大事な人も、妹も、一度に失ってしまいました。いや、フェンリルに奪われたのです。私の大切だったものも、2人の
未来も全てあの爪で奪われたのです。
 だから残った私はたとえこの命に代えてもフェンリルをしとめなければなりません、2人のために。復讐のために。
 残った魔硝石は2つ。戦闘を考えると帰るのに必要なギリギリですがたとえ帰れなくても、刺し違えて死んだとしても、
私はフェンリルを許すつもりはありません。
 夜がすぐそこまで迫っている街の中、残った2つの魔硝石を握り締め、私は最後の戦いに向かう。
844荒井イツキ1/7:04/06/20 00:10



俺の3年は、結局無駄だったんだろうか



845荒井イツキ2/7:04/06/20 00:11
┌───────────┐  ←コレは我が学び舎、西新館3階の見取り図だ。昔一時的に
│     廊下        . │ 生徒が増えた時に余ってた土地にムリヤリ立てたので教室が
├────┬────┐  │ 二つと階段が並ぶだけの小さな校舎。ちなみに2階には3-2と3-1
│      │      │階.│ の教室、一階には音漏れの激しい音楽室と用途不明の物置場
│ 3-4  . │ 3-3   │段│ が並ぶ。
│      │      │  │  この見取り図を見てくれればわかるとおり、この西新館は致命的
└────┴────┴─┘ な構造的欠陥を抱えており、ホームルームが終わり、掃除を手抜きし
ながらさっさと済まし、教室の後ろにあるロッカーに妙に柄が長くてチャンバラして下さいといわんば
かりの箒を片付け、素早く帰ろうとしても、
 「ちょっと、どこ行くのよ?」
 この目の前の彼女がしているように竹刀を手に仁王立ちで階段の踊り場を押さえられてしまうと、校舎
から出ることが出来ないわけである。
 「今日は3年で剣道場の大掃除よ。引退した3年は最後に必ずコレしないといけないの、アンタ
だって知ってるでしょ」
 紹介すると彼女はクラスメートで、引退した剣道部元部長の井上美雪。そして俺は同じく引退した
元剣道部員の荒井イツキ。
 「知ってるけどさー。今日はパス」
 「掃除は今日なの!明日は無いの!」
846荒井イツキ3/7:04/06/20 00:12
 ポニーテールを振り乱して怒る元部長は幼馴染の贔屓目だとしても結構かわいい。クラスでも人気は
高い。部長だけに運動神経は学内でもトップレベル、特に反射神経がバケモノじみていて竹刀を喰らうこ
とがまず無い。それ以上に成績も良くて、意外に繊細なことピアノやら芸術系もお手の物だ。
 そんな完璧美少女戦士美雪はついに手に持ってた竹刀をこっちに構えると顎を引いて戦闘体制に入る。
 「帰さないからね」
 こうなった美雪は容赦なく打ってくるのは長年の経験から実証済み。危険を察知した俺は身を翻し、
教室にとって帰そうと──
 「あまいっ!」すぱーーーんっっ!!
 一瞬で視界が爆発し、暗転する。俺が後ろを向いた瞬間にミニスカートのプリーツひらめかせて飛び出し
た美雪の竹刀をモロに後頭部に受けて、そのままぶっ倒れる「あーあー美雪またやったの」「荒井君相変
わらずヨワーイ」「これで一年から通算で33戦33敗」「あらいー生きてるかー?」「アンタちょっとは避けるとか
守るとかしなさいよ!大丈夫!?、ねぇ!?ちょっと!?」「後ろから打っといてひでぇ言い草」「これがいつも通りよ」
 好き勝手に言い放つギャラリーと美雪に囲まれながら、オレはジンジンくる痛みに耐えながら頭を抱え
てうずくまっていた。……カッコ悪……

847荒井イツキ4/7:04/06/20 00:13

 30分後。東館剣道場。
 「ねぇ、ホントに大丈夫?」
 いまさらしおらしい顔して心配してくれる幼馴染。
 「大丈夫だよ、なにせ33回目だし。もう慣れた」
 痛みも大分引いてきている。心配するようなことにはならないだろう。
 「今度はちゃんと守るか避けるかしてよ、怪我したら大変だわ」
 お前が打ってくるからだろうがっ、とツッコんでやろうと思ったが、「ホントにしょうがないなァ」と言いたげな
顔をしてる美雪のを見てしまって、なんだか何もいえなくなってしまった。美雪は168センチもあり、身長では
ほぼ差が無い俺たちは自然と同じ高さに顔がくるのである。
 掃除してるのはオレたち2人だけ。もともと部員が少なかったこともあるが3年になったころになると受験だな
んだとみんな辞めだしてきちんと引退したのは俺と美雪だけだったのだ。
 「…しかし2人でやるとなるとキツいよなぁ。やっぱり」
 「…そうね」
848荒井イツキ5/7:04/06/20 00:14
 そしてその2人もどうにも身が入らなくて掃除にならない。いつの間に2人で剣道場のど真ん中に座り込んで喋っ
てる。今日は練習がないので下級生もいないし、気が抜けてしまうのかもしれない。それに3年間も通った道場だ。
それがもうここで練習することも、タコ殴りにあうことも無いのかと思うと感傷が先にたつ。
 「アンタさ、3年の頭あたりからイマイチやる気無かったよね。昔は部で一番頑張ってたのに」
 「んー…まぁねぇ…」
 「打たれて打たれて、それでも頑張ってるアンタを見てるのは、結構好きだったんだけどね。…なんかあったの?」
 ………いや、ただ単純に、
 「別に。理由なんかないよ。強いて言うなら、飽きたとかそんな感じ」
 「飽きた、か。んじゃもう剣道はしないんだ」
 「そうだな、もうやらない」
 「そっかー……」
 沈黙。
 そう、ただ単純に気付いてしまったのだ。どう足掻いてみても、強くなんかなれないって事に。
 三年間、努力すればなにかが変わるような気がした。努力に努力を重ね、人より劣る部分があったとしても諦めずに
自分を鍛え続ければ「なりたい自分」になれるのではないかと、そう思っていた。
 結局3年経って、幼馴染の女の子にすら勝てない自分がいる。部の男子なんか言わずもがなだ。結局俺の3年はただ
向いてないことに時間を浪費しだだけのまったくのムダだったのかなぁと、最近いつも思うのだ。こんなことだったら部な
んか入らずきちんと勉強していい成績とっておけば今さら受験でひーひー言わずに済んだしもっといい学校だって狙えた
わけで、当然遊ぶ時間だってもっともっと一杯あったし、その方が絶対に楽しかったに違いない、と
 そんなことに気付いてしまったのだ。それだけだ……。
 「掃除しようぜ」
 俺はポツリと呟き、掃除に没頭することにした。
849荒井イツキ6/7:04/06/20 00:15
 掃除というものは一度ノリだすと止まらないもので、アレもコレもアッチもコッチもと磨き上げていたらとうに日が暮れ
て9時を過ぎていた。先生達も帰ったみたいだし、学校に残ってるのは2人だけだ。
 俺を連行してきた当の美雪は疲れたのか途中から寝転がってうたた寝してるし…、と、その美雪がガバッと勢いよく
起きた。
 「アンタをかばって死ぬ夢見た」
 なんだそりゃ。
 「終わった?そろそろ帰ろ」
 そうだな。と、その前にこれをもって帰らねば。修学旅行の土産物屋に並んでいそうな木刀一振り。
 「それ、まだ置いてたの?」
 ていうか修学旅行で調子に乗って3本も買った木刀の一振りだ。家に3本もあってもしょうがないので部室においてた
わけだ。
 真っ暗になった校舎を2人で歩く。校門は閉まってるので西新館の前を通って、くたびれたまま修理されてないフェンス
をよじ登って帰るルートだ。昔は練習でこの時間になるのも、2人だけでコッソリ帰るのもいつものことだった。
 いつしかオレは練習を切り上げてさっさと帰るようになり、美雪も部長としての雑用が多くなり、こうやって夜の校舎を
歩くことも無くなった。
 一歩先を美雪が歩く。ポニーテールに結んだうなじや半袖からスラリと伸びた腕が、夜の中で白く浮かんで見える。
 「ねぇ…」
 「な、なに?」
 一瞬で我に返る。
 「この時間にこうやって帰るの、これが最後なんだね」
 「あぁ、そうだな。そうなるな」
 表情は後ろからはよく見えない。そうだ、こうやって二人で帰るこの時間はこれで最後なんだ。
 「こうやってさ、接点が無くなっていくんだね。卒業して、剣道もやらなくなって、ちょっとづつちょっとづつ離れていって、
ものすごく自然に会わなくなって、それすらもなんにも感じなくなっちゃうんだろうね、いつか」
 表情は分からない。歩く歩調はいつもどおりで、東館を出て、暗い夜のなか西新館の前にさしかかる。
 「…いつか私たちは、会わないことが自然になるんだね」
 何かを言うべきだと思った。何を言うかはわかっていた。
 それが自分達の関係にとって決定的なモノになるだろうが、それはとても怖かったが、言うなら今だと思った。
 「……あれ……」
 そんなことを考えていたからそれに気付くのが一瞬遅れた。美雪が指差す西新館屋上。
 そこに立つ、人影。
 「誰?なに?ちょっと!そこの人!危ないよ!」
 そしてその人影が何のためらいも無く飛び降りるのを、半ば呆然と見つめていた。
850フェンリル1/3:04/06/20 00:19



 最近いつも考える。
 私は何のために生まれてきたのか、と──



851フェンリル2/3:04/06/20 00:20
 星も見えない第三領域の夜に沈む学校を屋上から黙って見下ろす。風にスカートが揺れた。この世界の人間はどう
してこんなペラペラの布を腰に巻きたがるのだろう。
 この「女子高生」という格好は色々便利だと気がついたのは第三領域に紛れ込んで2日目だ。どこに行っても何も
注目されることは無く、そして獲物は相手のほうから勝手にやってきてくれる。
 だが同時に第三領域の魔力の無さは私を容赦なく苛んだ。ここに逃げ込むまでの戦闘で疲弊していた私は、魔力の
回復のためのエサ─つまり生身の人間の持つ魔力そのもの─を喰らう必要があったがこの第三領域の魔力は既に
枯渇しきっており私の腹を満たすほどの魔力を持った人間もまったくいなかった。今まで8人ほど喰らったがこちらが
ムダに疲れただけで、8人が8人とも味の無いスカスカしたヤツラばかりで空腹を満たすには遠かった。このままでは
遠からず自分自身を維持できなくなってしまうだろう。彼らが「魔獣」と呼ぶわれわれが存在し続けるために魔力を
消費し続けなければならないのに。
 この世界には8つの領域があり、お互いを写しあって存在している。この説には大きな間違いというか、見落としが
ある。
 少し考えれば分かることだ。8つの領域がお互いを写しあっているというのなら、その8つの領域全てが存在する
ための場所、それらを同一の場所に留めて8つの領域全てを内包する「9つめの領域」が存在しなければならない
からだ。我らはその9つ目の領域から生まれ出た存在。ゆえに8つの領域を自由に行きかうことができる。だかその
存在は常にイレギュラーであり、存在その物に常に魔力の消費が必要なのだ。我らが第五領域を主な侵攻場所と
するのは単純に第五領域が8つの中で一番魔力が高い領域であるからだ。あそこにいる限り魔力の補充には事欠
かない。しかしここではそういうわけにはいかないらしい。かと言ってもう一度障壁侵入するだけの力ももう残っては
いない。
 夜空を見上げる。
 視力の限りに見回してみても、夜独特の紫がかった黒が広がるだけで星は見えない。確かにこんな世界では魔力
など望むべくもない。
852フェンリル3/3:04/06/20 00:21
 何もせず、この屋上でじっとしていればもうしばらくは永らえるだろう。
 だが、私はそれを望まない。何もしない事を望まないのではない。「殺さないこと」を望むことが出来ないのだ。いま
こうして弱った体を引きずって、それでもなお胸の中の破壊衝動だけが私を私たらしめている。殺せころせコロセとこ
の体を動かしている。だから私は止まれない。この世界の全てを内包する第九領域からは敵意しか生まれない。世界
を包むのは悪意を血潮とし殺人衝動をもって呼吸する、「魔獣」……。
 だから私は生きるために殺し続ける。
 魔力を求めて、血を求めて、生きるために、殺すために殺し続ける。それこそが私の意味。
 いまこの学校にいる人間は2人。ちょうど眼下にその姿を捉えている。私の力は相当弱まっているが、たいした対魔力
も持たぬ第三領域の人間なら2人が3人だったところでコロスくらい簡単なはずだ。
 魔力を右手に集中する。さっきまで「手」だったものは変貌し3倍近くに膨張、「爪」へと変化する。この爪で今まであ
らゆるものを叩き潰してきたのだ。
 私はためらい無く屋上の床を蹴って飛翔する。
 魔力のために、生きるために、私が私であり続けるたった一つの欲望のために
 私は殺し続ける。
 「────────────!!!!!」
 4階からの落下速度と残った魔力を乗せた爪をまず女の方に向けて振り下ろす!
 だが、 
 「きゃああああ! !」
 その女はなんとこちらの一撃をかわしたのだ。狙いの外れた爪がコンクリートで舗装された地面を叩き割る。
 「な、な、なに!?、なんなの!?」
 へたり込んだ女がヒステリックにわめく。うるさい。しばらくは立つことは出来ないようだ。さっきの一撃をかわされた
のは計算外だったがすこし寿命が延びただけ、あと一振りすれば終わる。
 私はもはや残されていない力を使いきるように、爪を振り下ろした。 
853荒井イツキ7/7:04/06/20 00:24
 「だぁああああぁあぁあぁあーーー!!!」
 どうにか反応した俺の体が美雪を守るために割ってはいる
 衝撃をまともに受けながら、土産物の木刀はその巨大な爪を受け流した。
 大丈夫、さっき地面を叩き割ったほどの力は感じない、これならなんとかなる。

 三年間、努力すればなにかが変わるような気がした。努力に努力を重ね、人より劣る部分があったとしても諦めずに
自分を鍛え続ければ「なりたい自分」になれるのではないかと、そう思っていた。
 結局3年経って、幼馴染の女の子にすら勝てない自分がいる。部の男子なんか言わずもがなだ。結局俺の3年はただ
向いてないことに時間を浪費しだだけのまったくのムダだったのかなぁと、最近いつも思うのだ。こんなことだったら部な
んか入らずきちんと勉強していい成績とっておけば今さら受験でひーひー言わずに済んだしもっといい学校だって狙えた
わけで、当然遊ぶ時間だってもっともっと一杯あったし、その方が絶対に楽しかったに違いない。
 だが、それでも。

 ──間髪いれず来た二撃目も必死に受け流す、それで木刀は耐え切れずに折れた。

 だがそれでも今ここで小さく震える彼女を守ることが出来たなら、きっとそれはムダではなかったのだ。
 そのために俺の3年はあったのだと、そう言って胸を張ることが出来るような気がするのだ。
 
 ──相手は一旦爪を引くと、後ろに飛んで間合いを取る。決着をつける気だ。

 だからといって逃げるわけにはいかない。臆するな、俺の3年は…

 ──ヤツは体勢を沈めるとそれをバネに一気に襲い掛かってくる

   サンネン           コ コ
 俺の誇りは、今も変わらず俺の中にある──!
854井上美雪1/7:04/06/20 00:28

 

 気がつけば、いつでも隣にいる。でもそれは永遠じゃない。だから──

 
855井上美雪2/7:04/06/20 00:30
 私はまったく力が抜けてしまった足腰を立たせようとした。これじゃさっき見た夢と逆じゃないか。
 折れた木刀なんか捨ててさっさと逃げればいいのだアイツは。さっさと逃げればアイツ一人なら助かるのに…。
 だが意に反して体が言うことを聞いてくれない。屋上からあのバケモノが降って来たとき、一歩間違っていれば
私は死んでいた。死の恐怖は私から力の全てを奪ってしまっているようだった。
 このままではイツキが
 バケモノがイツキに爪を振り落とす。
         イツキが殺されてしまう
 「ダメーーーー!!!!」
 叫ぶことしか出来ない私の隣を、光の刃が駆け抜けた。今まさにイツキに向かって振り下ろされようとしたバケモノ
の爪を切り落とす。血は思ったより飛び散らず、切断された爪が派手に地面に転がって、まるで砂場の砂のように
崩れていった。
 「見つけた」
 光が飛んできた先を振り返ると、そこにはまるでテレポーテーションでもしたかのように唐突に、女子高生が立っ
ている。その女子高生は右手に光で出来た槍を構えていた。
 きっと彼女は、あのバケモノを狩る存在。
 「フェンリルーー!!」
 彼女は全ての感情を叩きつけるような声でそう叫ぶと、その手にした槍を一気に心臓に突き立てた。
 光の槍に貫かれたバケモノは、まるで普通の少女のようなその顔で、ゆっくりと自分の胸を見て、そしてそのまま
崩れ落ちた。
 泣くことも叫ぶことも無く、ただ黙って、切り落とされた腕のようにさらさらと、砂のように消えて、着ていた制服だけ
が残されていた。
856井上美雪3/7:04/06/20 00:31
 「大丈夫!?」
 敵の死を確認した彼女が振り返る。
 その顔は、
 確かに初めて見る顔なのに、
 瞬間的に、思ってしまった
 「良かったわ、怪我が無くて」
 どうしてそう思ったんだろう。
 でも確かに、
 この人は私の、
 「良かったわ、本当に。…あなたたちを守れて」
 「…おねえちゃ…」
 「じゃあ、元気でね」
 微笑む彼女がスカートの右ポケットから取り出したガラスの水晶のようなものがストロボを焚いたように光った。
 その一瞬の光が収まった時には、もう彼女の姿は無かった。
 出てきたときのように唐突に彼女は帰っていったのだと思った。
 後に残ったのは貫かれ穴の開いた制服と、叩き壊されクレーター化した地面だけ。
 私たちは生き残り、そしてなにかとても重大なことが終わったのだと、そう思った。
857井上美雪3/5:04/06/20 00:32
 …思ったのは甘かった。
 翌日、学校は休校になった。朝、登校して見ると血痕のついた制服とクレーターが視界に飛び込んできたのだ、
そりゃあ驚くことだろう。
 連続猟奇殺人事件との関係が疑われ、警察がゾロゾロやってきて朝から大騒ぎだったらしい。
 それだけなら関係ないと思っていい話だったのだが、公然の秘密として昨日最後まで学校に残っていた私と
イツキは昼ごろに学校に呼び出され、教師と警察からしつこくしつこくしつこくひつこく質問攻めを喰らったのだった。
正直に言うわけにもいかずで2人で必死に知らぬ存ぜぬを押し通し、それがようやく終わったと思ったら担任と生活
指導の2人に挟まれてお説教タイムに突入、今まで管理が甘過ぎたのはそっちだって責任あるだろうと思うのだが、
だからといって勝手に遅くまで残っていい話でも無いと思ったので黙って聞くこと小一時間、夕方近くになってようやく
開放されたのだった。世の中悪意に満ちてるわ…。
 「ハァー、大変だったわね」
 イツキと2人、並んで帰る。外は妙にまぶしい夕焼けだった。もうすぐ日が暮れて夜になりそうだ。
 ……アレは姉、だったのだろうか?私はもともと双子だった。だけど一緒に生まれてきたはずの姉の方は1歳になる
より先に死んでしまって、そして私は一人元気でのうのうと生きてきたわけだ。それに後ろめたい気持ちが無いと言え
ば嘘になる。
 でも彼女はやさしい顔で「元気でね」と言ってくれた。だから、あれは姉だったのだ。どこか遠い世界から私を助けに
来てくれたのだ。そう思うことにする。私は生きていていいのだ。幸せになっていいのだ。姉はそれを言いに来てくれ
たに違いない。
 「──オイ、聞いてるか?」
 「え?あ、ゴメン。なに?」
 「まぁ、いいけどさ」
 イツキは何も聞かなかった。こいつはそういうヤツなのだ。ツッコんできたら姉の話でも聞いてもらおうかと思った
のに…。
858井上美雪5/5:04/06/20 00:33
 「なぁ、お前昨日言ったよな。『いつか私たちは会わないことが自然になる』って」
 「…そうね、言った」
 イツキと一緒にいられるのはあとわずかだろうと思う。タダでさえ接点が減っていっている。これから受験もある。今ま
でこうやって一緒にいたことがとてもとても貴重なことだと思う。いつか私はイツキにとって「会わなくなった友人」の一人
になってしまうんじゃないだろうか。それが怖かった……。
 「オレ、昨日分かったんだよ。たとえその時間が過ぎても、過去に戻れなくても、なんにも報われなかったとしても、
それでも積み重ねたものは変わらず自分の中にあって、それは失うことは無いんだ、って」
 「どうしたの?何の話?」
 こんな真剣なイツキの顔を見るのはいつ以来だろう、私はこの真剣なまなざしが好きだった。ずっと見ていたいと
思ったんだ。
 「だからオレは、もう剣道はやらないけど、卒業したら学校は別々になるかもしれないけど、それでも絶対この気持ち
は無くならないと思う。……いつだって、美雪に会いたいと思う」
 2人が立ち止まった。お互いの真っ赤に染まった顔を見る。
 私は、出来るだけの笑顔を作ると、並んだイツキの左手に私の右手を重ねた。
 「そうね、きっと私も、毎日イツキと一緒にいたいって思うわ」
 もう日が沈もうかと言う時間、私たちはしっかりと手を握り合い、そして照れ隠しに精一杯の笑顔を浮かべる。
 
 この世界は悪意の塊なのかもしれない。私たちの知らない色んな嫌なことや怖いことが一杯あって、それはいつ
自分達に向かってくるかも分からない。でもその悪意に対峙するのはこの世界に生きてる確かな証なのだろう。
 この世界のどこかには姉が生きてる世界があって、私たちが生きてる世界があって、それら全ては悪意に晒されな
がらも精一杯に存在している。
 だから、どんなことがあっても負けないように、この手に握った互いの暖かさを離さないように、これからも必死に毎日
を積み重ねていくのだ。
 私たちは生き残り、とても重大な何かが、今、ここから始まる。
859あとがき:04/06/20 00:40
お粗末さまでした。長々お付き合いいただきありがとうございます。
学園パートは昔書きっぱなしで完結しなかったのをひっぱってきたので空気が違う気もする
(AAはその名残。殺人犯に階段を押さえられ屋上に追い詰められるお話だった)
オモろくなったらゴメンナサイ

参考文献
ブギーポップは笑わない、Fate、ガンスリンガーガール、ジャングルはいつもハレのちグゥ
えーと後なんだ?とりあえずほか一杯。

860('A`) :04/06/20 01:52
ちゃんと小説の形になってて
構成とか細かい設定とか見た目は立派
だからこそ、内容が物足りなく感じるが
861('A`):04/06/20 09:49
戦闘と振り仮名がfateっぽいと思ったのが俺だけの妄想じゃなくてよかった
862('A`):04/06/21 19:09
漏れは良かったと思うね、内容も。
素直に物語りに入り込めて、しっかり面白味を感じたよ。
もう少し戦闘シーンに一捻りあれば、なお良し。
863('A`):04/06/21 23:55
保守あげ
864('A`):04/06/23 12:23
hosyu
865('A`):04/06/23 18:09
誰かまとめサイト作らないか?
866('A`) :04/06/23 19:41
もっと面白いもん書いてくれたら作る
867('A`):04/06/23 20:51
次スレ行くかどうかすら怪しいのに。
>>1ドコー
868('A`) :04/06/23 22:32
誰か書け
869('A`):04/06/24 01:41
スレ存続の危機なので書いたほうがいいよなぁ
喪男がやる気のねー奴らと思われるのも嫌だし。

てゆーかもっと>>841からの大作に反応してもいいんじゃないか?
870('A`):04/06/24 01:42
あ、でもそもそもこのスレ自体が
少ない人数で回ってるのか?それならしょうがないかも。
871('A`):04/06/25 04:25
俺も小説家になるよう努力しようかな。 小説家になれば純文学好きの眼鏡っ娘と知り合えそうだし、 ふつうの友達とかもできそうだ。
872('A`):04/06/25 10:44
作品出ないなら、本とか映画の情報交換とかすりゃいいんじゃね? ただ闇雲に書いてるだけでなく、吸収もしようぜ。
873('A`):04/06/25 12:13
最近読んだ本でおもしろかったのは
「エマ」かな、これは漫画だけど。
英国の貴族とメイドを舞台にした。ロマンチックなラブストーリーだ。
874('A`):04/06/26 02:24
男は夕日を背に浴び、哀愁をまとう。
「あのメロディーが聴こえるぜ」
決意。相棒にまたがり、手綱を握り締める。
蹄(ひづめ)がbeatを刻み出す。それだけが、
この果てのない枯れた大地の向こう側に響き渡る。
そんな空間をどこまでも彷徨った。いつまでも走り続けた。
男の心は静かだった。

「もう誰も愛したくない」
女は無力な自分を呪い、涙する。弦を力なく引いたような、
彼女のすすり泣く声は部屋の中でいくらか留まり、
すぐに窓の外の闇に吸い込まれていった。
隙間から差し込む月明かりだけが彼女の白い頬を撫でてくれた。

一日の始まり。夢の終わり。いつもと変わらない。
まちを満たしてゆく光だけが、その存在を証明しようとする。
壁に乱雑に貼られた顔たち。wanted。その中の一枚が、
風に煽られバタバタと音を立てる。傍らにそれと同じ顔をした男。
男は肺に溜め込んだ煙を一気に吐きだした。
「オレは誰にも止められねえ」
遠くからかすかに蹄の音。男は音のする方に歩き出した。

向かい合う影。見守る影。bpmは120手前。
3つの影が交錯し、織りなすin harmony。
二人の男は腰に手をやる。時間が止まった。

bang bang

コンマ1秒もしないその瞬間にすべては凝縮された。
二つの銃声、わずかばかりのdelay line。
875('A`) :04/06/26 02:40
カコイイ
876喪男の優雅な昼休み:04/06/26 03:00
午前の講義が早めに終わったおかげで食堂は空いていた。不規則な生活のせいか、
最近あまり食欲がわかないらしい。一日朝夜か昼夜の二食になることも多い。
でも今日は何故か少し食欲があったので、いつもより1個多めにパンを2個購入。
チーズ入りのフランスパン(100円)とデニッシュドーナッツ(80円)。コーヒーは香味焙煎(70円)、
ミルクと砂糖を少なめに。これで優雅なひと(りの)ときを過ごす支度が整った。
まあ、留年を何度も重ねるとこんな感じで、一緒に昼食をとる友人もほぼいなくなるわけだ。

火曜のこの時間はいつも晴れているような気がする。左手にさっきの
コーヒーのカップ、右手にパンを入れた袋を下げ、そのままグラウンド脇のベンチへと向かう。
いつもの指定席の右サイドはすでに先客がいるようなので、少し距離をとって中央より少し左よりの
木陰を陣取る。糞が落ちてくると大変なので、まず上方確認。鳥はいないようだ。
私は安心してベンチに腰を下ろした。

チーズとドーナッツ、どっちが先か。一寸真剣に迷ったが、塩気のあるものから
先に食べるのが常識だろうと思ったので、チーズパンから先に食べることに決めた。
実はいつも、チーズの入っていない小分けのフランスパン(80円)だけで昼食を済ますことも
多いくらい、それくらい私はフランスパン愛好家なのである。今日チーズ入りは初めて口にしたが、
これもなかなかいける。しかし20円割高は少々財布にひびく。とりあえずあっさりと一個目を完食。
コーヒーをすする、ポケットからタバコを一本取り出し、バッグから本を取り出す。一区切り。

本のページは順調にめくられる。本を読むことよりも、本を読んでいる自分が好きだ。
「あの先輩ってなんか知的な空気持ってるよねー。」とか言われはしないが、一度くらい言われてみたい。
そんな架空の視線を背中に浴びながら、インテリ気取りのちょっとしたナルチシズムに浸る。
しかも読んでいるのは、九鬼周造『偶然性の問題』だったりする。日本古典文学からの引用が、
西欧哲学にはない(当たり前だが)新鮮さを与えてくれる。一区切りついたので、もう一服。

今度はドーナッツに手をかけた。コーヒーと一緒に半分ほど食べたところで、私は背に視線を感じた。
後ろを振り返る。「あの先輩って・・」ではなかったが、それはうちの大学に10匹ほどは同じ柄がいるだろう
と思われるトラ猫のうちの一匹だった。私はドーナッツをちらつかせ、彼をおびき寄せようと試みた。
没個性な野郎同士で慰め合って、寂しさを紛らわそうと私が一方的に彼を誘ったわけだ。
彼は素知らぬ顔で、しかしやはり近づいてきた。ベンチの上まで抱え上げ、ドーナッツを細かくちぎってやる。
数きれほどお召し上がりになると、どうやら彼は満足したらしく、そそくさとベンチから飛び降りて
あっちのほうに行った。そしてまた一服した。今日は少し吸い過ぎかもしれない。

ドーナッツを一口分残してバッグにしまった。また本読みを再開した。しばらくすると今度は、
5号館校舎裏のドアの開く音がした。コッ、コッとヒールの音がする。女だなと私は直観した。
しかもその足音は私の方へ近づいてくる。「あの・・」これは架空の声などではない、
まさに現実に女性の声である。何かを期待していたわけではないが、私は即座に後ろを振り向いた。

「あの・・しょくどは、どちーですか?」
「・・・あ。ああ、食堂ならそこをまっすぐ行くとすぐ左手の方に見えますよ。」
「すません。ありがとござます。」
「いいえ」

どうやら学内食堂を探していたらしい、ベッコウ縁メガネをかけた、少しカタコトの日本語を
話す中国人女性だった。この学校にはいろんな生きものが棲息しているんだなあ、と
そんな感慨にふけっていたら、もう午後の講義が始まる時刻になっていたのに気付いた。
877874=876:04/06/26 03:12
>>875
ありがとござます。上のやつは西部劇風恋愛モノで、C級狙いです。
音が聞こえてくるような文を書いてみたいなと思い立って、だいぶ昔に書いたものです。
小説とは呼べないものばかりですが、勝手に置かせてもらいました。
拙い文章ばかりですが・・。

あ、あと最近作ったネタモノ置かせてもらって寝ます。失礼しました。
878('A`):04/06/26 03:22
Fly me to the moon
And let me play among the stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and Mars
In other words hold my hand
In other words darling kiss me

Fill my life with song
And let me sing forevermore
You are all I hope for
All I worship and adore
In other words please be true
In other words I love you.
−−

「あたし、この曲大好きなの。」
「僕も大好きだよ。」
「ほんと?じゃあ、あたしとどっちが好き?」
「そんなの決まってるじゃないか。オレは・・んぁ」

男の言葉を遮るように、女は強引なkissをした。

「それ以上は言わないで。なんだか・・胸が締め付けられて苦しいの。」
「優美・・」「和彦さん・・」

二人はしばしの間無言で見つめ合い、そしてどちらともなく、
そして、二人の息づかいは共鳴するように荒くなり、薄れ行く理性の中、
彼らはお互いの身体をm(ry


・・タバコをくわえ、宙の一点を見つめる和彦の横顔に、
優美は唐突にこんな質問を投げかけた。

「ねえ一彦さん、どうしてあんなに月は輝いて見えるの?」
「はは。それはね・・」
879('A`) :04/06/26 10:44
これ見たことあるな
880874=876=879:04/06/26 18:31
>>879
推敲がてらに、ちょくちょく名前や展開を少し変えたりしながら
いろんな糞スレに書いてきたんで、見たことがあるのかも。
まともに批評されるのが怖いんで、どこからか糞スレを見つけてきては
他にもいろいろ書き殴ってます。ほとんど毎回スルーされてますが・・。

文学板や創作文芸置くような度胸はないんですが
たまにはダメ出しされてみたいなと思っておいてみました。

できれば>>874>>876の評価お願いしたいと思いますage。
881('A`):04/06/27 22:26
hosyu
882('A`):04/06/28 03:36
保守age
883('A`):04/06/28 04:00
>>874>>876はなんだかCMっぽいというかワンシーンを切り取ってる感じで、
簡潔で良いと思う。今度は5レス分くらいのが読みたい
884('A`):04/06/28 15:29
>>883
CM的かあ、なるほど。ありがとうございます。
今回もスルーかと思った・・。

>>874はある曲を聴いて浮かんだイメージの断片を
文章に綴ってみた感じのものです。

>>876はモロに自分の日記です。

短時間で書き上げた、ごく短い文章を長時間かけて
推敲することが多いもんで…。
次はできたら、少し長めのヤツを書いてみます。
885('A`):04/06/29 09:23
保守あげします
886('A`):04/06/29 09:53
保守
オレが作った短編の文章を
泣いたコピペスレに貼り付けたら見事にスルーされた件について
888('A`):04/06/30 22:35
hoshu
889('A`):04/06/30 23:30
1000までは行きたいな、もう弾切れかなぁ。オレはもう尽きた。
890('A`):04/07/01 00:43
設定だけがどんどん充実していく……
891('A`):04/07/01 16:30
891get
892('A`):04/07/02 22:42
そろそろ保守の時間です。

恋愛小説家、出てきてYO
893('A`) :04/07/02 23:33
誰か最後に書いたらどうだ?
894('A`):04/07/02 23:46
スレ住人て3人くらいじゃないの。やっぱ恋愛小説家が出てきて締めるという劇的な展開を妄想してみる
895('A`):04/07/03 03:51
気だるい気持ちで生きてきたら、もう、いま何歳なのかということも
もはや無意味に思えるもんなんだ。時間は勝手に過ぎ去るばかりで
人を待っていてはくれない。それを嘆くのはたぶん、普通の人間の
反応なんだろうけど、周りが一様に試行錯誤で大きくなっていくのを
ただ見ているだけの傍観者には、それを観察する楽しみもあるわけで。
もちろん自分だけが特別だなんていうんじゃない。ありふれた人間
だからこそ、そこでどう妥協するのか探った結果が今の立場なのさ。

女いないんだろって?いるよ。いるけど、だけどそれが一体何だっていうんだよ。
言ったろ。気だるい人間なんだって。曖昧に生きてるんだって。それでいいんだって。
・・そりゃあ、無関心な男だって、一端の自尊心はあるさ。いや、あったさ。
みんな自分がかわいいからな。自分のためにバイトして金ためていい服着てやった。
美容院にも行った。本も少しは読んでるし、音楽も聴いたし、画や演劇にも興味が湧いてきた。
でも・・それでも何かが足りなかった。穴は埋まらなかった。俺はますます気力を欠いていく気がした。

理由は最初からわかっていたんだ。「それ」なしに自足しようとしても無駄だったんだな。
「それ」って・・・うん、自分らしさを脅かすものの筈なのに自分らしさにどうしても必要なもの、「女」が「それ」だ。


896('A`):04/07/03 04:13
>>2
ワラタ
897('A`):04/07/03 05:09
年上と年下の女。この二人に好意らしきものをを感じたのは、バイトはじめて数ヶ月の頃だ。
はっきり言って会話が下手な人間にどうしてこうも話しかけるのか・・・不思議だった。
年下の女は高校生で、少し太めだが、明るくて選り好みをしない女、要するに可愛い子だ。
誰にでも話しかけるし、誰の話も一生懸命聞く様は、好意というより羨ましかった。
ただ気になったのは、その女の髪。趣味なんかはごく普通の女の子だし、だから話が弾むことも
ないんだが、ただ一つ、その子の黒い髪の毛だけは動揺をまさぐらずにはいなかった。

初対面の開口一番

「髪の毛、きれいですね・・・」

彼女は
「ええ〜?何ですかそれ〜?はは」

苦笑だった・・・当然だよな。けど、その瞬間の彼女の表情に軽蔑の眼差しは感じられなかった。
触ることを決して知らない、でこぼこした肌面に、触られることしか知らない毛筆が筋をつくって
微かに覆いかぶさるとき、そのとき顔は触覚を獲得するのだろうか。
彼女には軽蔑する気持ちもあったかも知れない。でも、そのときの表情はそれを超えた何かをいっていたはずだ。
金や茶じゃ駄目なんだ。黒くある髪が面白い。いづれにしても俺にとってハゲは終わってることになるな。親父を殴っとくか。


898自転車チューブ:04/07/04 02:52
 目の前に女性の死体が転がっている。
 生前の面影が何一つ感じられないほど苦悶に歪んだ表情は、
死にいたるまでの道のりがいかに過酷で長いものだったのかを
無言のうちに伝えていた。
 僕は彼女の希望通り、遺体に触れることなく、
自分なりに可能な限り悲しむことなく、彼女の遺体に背を向け歩き始める。
公園内に設置されている街灯の一つがきれかかって
いていつまでも目障りな明滅を繰り返している様子がなぜか印象に残った。
 深夜ともなれば人っ子一人通らないうら寂しいこの場所も、
日が昇ればそれなりに人の往来がある。きっと誰かが見つけてくれるだろう。
冥福を祈ることすら許されない、遺体をこの目に焼き付けるだけのひどく生々しい、
二人だけの葬儀はこうしてあっけなく幕を閉じた。


 あの日、僕は古い仲間に連れ出されてしこたま酒を飲まさせられた。
お開きになった頃にはすっかり正体を失っていて、まっすぐ歩くことすら困難になり、
記憶も所々で本のページを途中何枚か破り捨てたかのように途切れていた。
 肩を貸してくれると申し出てくれた仲間の申し出を断って
徒歩10分ほどの場所にある自宅へと歩き始めたまでは記憶があるのだが、
何処をどう歩いたのか、
いつのまにか僕は自宅近くの自然公園へとやってきてしまっていた。
 そう。そこで初めて彼女と出会ったのだ。
 そこでそうしているのが当たり前のように、
ペンキが剥げかかった汚い木製のベンチに二人で並んで座っていた。
彼女はけして僕に顔を向けることなく、まっすぐに前を見て、何か難しい、
宗教家の説法のような話をしていて、僕は彼女の整った横顔をじっと見詰めながら
その話を聞いているのだ。いったい何を言っているのか、
酒の回った頭では2割も理解できなかったけど。

※気が向いたら続き書きます
899('A`):04/07/05 19:18
900('A`) :04/07/05 20:13
お前ら、感想くらい書こうぜ
901('A`):04/07/05 20:28
ちょ、ちょっと待ってくれ。
筆者が感想ヨロ とか言ってないのに感想書くと、
まだ続くなら逆に失礼な気がしたし、
今後の作品にへたな影響が出てはまずいと思ったんだが。
902('A`):04/07/06 00:48
でも確かに、最近の投稿に感想レスがあまり入らないのは寂しい状況だな。
ROMってる人数すら一桁内なんじゃないのか?ココって。
903('A`):04/07/06 00:58
よそならともかく2chで長文読む習慣なんてないからなぁ
やっぱエロに走らないとw
904('A`):04/07/06 01:02
とりあえず、>>895>>897>>898
その文章を読むだけでは「おもしろくない」
すまんが、正直に答えさせてもらった。
905('A`):04/07/06 01:08
>>904
オレだったら、そういう正直な意見もらえるとうれしい。
ちなみにおれは>>874,>>876の人です。

オレは最初の方の“しにて”さんの文が好きだったなあ。
しにてさん見てたらまた書いてくださいな。
906('A`):04/07/06 01:25
>>874は話の内容とは関係なくおもしろい。リズムが良いのがいいね。
しかし、この文体で長編が書けるかは疑問。

>>876は文章にセンスというか、感じさせるものが無くは無いけど(あくまで素人としては)
導入部分が学校という誰もが体験してるものなのでインパクトが薄い。

匿名なのに、偉そうだな俺。
907('A`):04/07/06 01:38
 「せんせい、死んでもいいでしょうか」
 彼女はそういって笑った。
 彼女は窓際に座り、ゆっくりと半身を曲げた。
 時間は静止していたし、誰も動かなかった。
 ほんの一瞬、彼女とワタシの視線は交差した。
 彼女は蓮っ葉な娼婦の笑みを浮かべていた。ワタシが一番嫌いなあの瞬間の表情。
 ワタシを、嘲う笑みだ。
 同い年の彼女は、ひどく大人びているように見えた。
 彼女は窓際から姿を消した。
 
 数週間前、私たちは抱き合ったのだ。
 彼女を送る帰り道、彼女が猫を好きであることをしった
 猫を抱き、キャッキャッと笑うあの憎たらしさ。
 ワタシは無垢な彼女と、キラキラと月を二重に映す猫の瞳をかすかに呪った。
 彼女は猫が好きだった
 だから、わたしは猫を屋上から落とした
 紙袋に詰め、落下する猫は土塊のように砕けた
 
 猫は彼女に抱かれた瞬間、既に死んでいたのだ。
 ワタシと彼女が二人、猫を見つけたその瞬間、ネコの命の灯火は消え、
 ワタシの悪意によって、ネコは屋上から落下した 
 
 鈍い音がした。彼女の体がコンクリートに打ちつけられた音だろうか。
 ワタシは他の生徒が一切動かない中、一人席を立ち、窓の外を見下ろした。
 彼女はネコの死んだあの場所に落ちたようだ
 彼女は消え、私は意志をもたない土塊となり、倒れて砕けた。

 どうだろう?
908('A`) :04/07/06 02:02
なんかぎこちないな
文章の繋がりが
909あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/06 02:06
うんこしたんです、うんこ。
でもその日はどうも便秘気味でね、出すのにずいぶん苦労したんですよ。
だから私便器覗いてみたんです、どんなのでたかなぁって。
そしたらね、人形が浮かんでるじゃないですか。
うんこじゃなくて人形。
驚きました。でもね、拾い上げて良く見てみるとニコッと笑ったんですよ。
だから私その子を育てることにしたんです。

はじめはキューピー人形のようだったそれも徐々に人間らしくなっていきました。
だから私も洋服作ったり喋りかけたり本当に愛情注ぎました。
信じられないことに数ヵ月後には10歳くらいの子供と同じでした。
日本語喋るし、字の読み書きもできる。ただし外には出しませんでした。
突然子供ができたんだから変に思われますから。

事件は突然起こりました。えぇ、私が悪かったんです。
その日はずいぶんと酔っ払っていて家に着いた時には2時を回っていました。
それで、私、単刀直入にいうと欲情しちゃったんです。
えぇ、私が馬鹿でした。でも、本当に酔っていたんです。
かなり抵抗されてね、結局出て行っちゃった。
それきり会ってないです。

え、寂しくないかって?ははは、最初のうちは寂しかったですよ。
でもね、最近はちっとも寂しくないんです。
私の子供ね、どこぞの芸能プロに拾ってもらったみたいで。
今芸能界にいるんですよ。
あ、ほら、今映ってるこの子です。
笑顔がかわいいでしょう・・・?

end
910('A`):04/07/06 02:16
ときどきROMってます。
みんな独特なものをもってるなあと思うのですが、
もう少し推敲した方がいいと思う文章も結構あります。
誤字脱字、句読点抜け、てにをはのミスのほか、
ひとつのセンテンスが長過ぎる……など。
こういうのを直すだけで随分と印象が変わると思います。

>>909
書き慣れてる感じがしました。もうひとひねりあったらよかったかも。

偉そうでごめんなさい
911あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/06 02:21
いや、初書きなんで嬉しいっす
駄文読んでくれてサンクスでした。
912('A`):04/07/06 02:23
>>906
感想もらえてうれしいです。

>>874はママゴトチックな恋愛西部劇の体裁ですが
「読むより聞いてくれ」って意図が伝わってるのが分かって
僕としてはうれしい限りです。

>>876の2段落目は“左右下右中左上下”という…。
ってこれマジ日記なんで、センスとか言われると気恥ずかしいです。。

>>907
>「せんせい、死んでもいいでしょうか」

この出だしはすごくインパクトありますね。やられました。
短いだけに、裏にあるものを色々想像しちゃいます。

あえて難を言わせてもらうと、ワタシの立ち位置がよく
分からないところと、3段落目がちょっとクドいかも。

僕が書くとしたらだけど、彼女の命の重みを
猫とほとんど同等に扱うような書き方をしたかも。
なんていうんだろう。例えば、死んだのは彼女だったのか
それとも猫だったのかわからない感じに重ねてみたい。

って偉そうに言っちゃってごめんなさい。
それにしても、ひらがなの「せんせい」っていいなあ・・。

913('A`):04/07/06 02:24
>>908
確かにそうかも
サンクスベリーマッチ
914('A`):04/07/06 02:38
>>909
荒唐無稽なストーリーを淡々とした独白形式で
というのには、かなりドキっとしました。

いっそのこともっとバカバカしくして笑わせちゃうくらいの勢いでいくか
それとも、バカバカしいけどあながちバカにもできないような
立ち止まって考えさせてくれるような内容だったらよかった気がします。

オレはこういうの好きです。次回作期待してます。
915('A`):04/07/06 18:50
恋愛小説家はどうした?
916('A`):04/07/06 19:37
4 :('A`) :04/04/02 00:16
俺出版社で編集してるからここで連載してくれ
良ければ採用するよ
917('A`):04/07/07 00:34
age
918('A`) :04/07/07 00:36
夏だし恐い話かけや
919('A`):04/07/07 00:39
子どもの頃、先輩は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ〜ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ〜い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ〜い」。
自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ〜い」と声がする。
奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、
奥の部屋へゆっくりと近づいていく。
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて
帰ってきた。「しゅんすけ、帰ってる〜?」明るい声で先輩を呼んでいる。
先輩はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
先輩は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。
こっちを見ている白い人間の顔だった。
920('A`):04/07/07 00:39
誰か出た話まとめてくれない?
レベル別に
921('A`) :04/07/07 00:40
>>920
いいよ、そんなの。
失礼だよ。
922('A`):04/07/07 00:43
じゃあ おもしろいのを教えれ
全読みはきつい
923('A`) :04/07/07 00:45
>>922
微妙。
どれも完成された話とは言えない。
読むより、書くためのスレだと思う。
924('A`):04/07/07 00:51
というか最近盛り上がらないな
925('A`):04/07/07 00:54
最初から盛り上がってないよ、900までよく来たもんだ
926('A`) :04/07/07 00:55
次スレ立つのかな
927('A`):04/07/07 00:58
1000行くかも微妙な情勢です
9281/4:04/07/07 02:13
最近ちょっと書き込みが増えたのに触発されて書いてみました。
5枚くらいの予定が7枚くらいになってしまった上、スレの傾向に
合ってない感じですが、良かったら読んでみてください。
感想くれたらありがたいです。

--

 ネクタイが首を締め付け、上着が肩を締め付けている。このスーツという
服装は、一体、人を締め付けるために出来ているのだろうか。
 スーツを着るようになってから幾度となく考えたことをまた考えながら、
俺は自宅へと続く坂道を上がっていた。身体が重い。
 今日も酷く暑かった。まだ七月のはじめだというのに。そんな暑さの中、
外回りを続けていたのだから、身体が重たいのも当然だ。救いといえば、
取引先から直帰だったために普段より少し早く帰途につくことが出来たこと
くらいだった。時期も時期だし、辺りはまだ明るい。
 こんな疲れた日は、愚痴めいたことが次々と頭をよぎっては消える。毎日
続く同じような仕事。行きたくもないのに連れていかれる飲み会。安い月給。
恋人もいない。それどころか気安い女友達すらいない……
 いけない。俺は軽く頭を振って、浮かんできた愚痴どもをかき消す。せっ
かく早く帰れるのだ。酒でも喰らって、ゆっくり身体を休めるに限る。
 坂道がもう終わる。高台に立つクスノキが見えてくる。夕方のやけに明る
い光に照らされて、クスノキは黄色く輝いていた。
 クスノキといっても、物語に登場するような大クスでは全くない。小クス
か、よくて中クスだろう。けれど、昔からこの辺りに住んでいるやつなら
必ず知っているお馴染みの木だった。俺も昔はよく登ったものだ。
 そんな他愛もないことを考えながら、クスノキの側を通り過ぎようとした
その時だった。
9292/4:04/07/07 02:14
 上着の裾が軽く引っ張られているのに、俺は気付いた。見ると、小さな
女の子が俺のすぐ側に立っている。真っ白なワンピースを着、後ろ髪を二つに
分けてしばった姿。ごく普通の女の子に見える。顔立ちもなかなか可愛らしい。
ただ、普通と違っているのは、今にも泣き出しそうな表情をしていることだ。
 女の子はちょいちょいと上着の裾を引っ張りながら、しきりにクスノキを
見上げる。俺もクスノキを見上げた。
 女の子の泣き顔の意味を、俺は即座に理解した。クスノキのてっぺん近く
―といってもせいぜい五メートルくらいの高さ―に、赤い風船がひっかかって
いる。この子は、俺にあれを取って欲しいのだ。
 なんたるありがちなシチュエーション。まるで映画かドラマのようだ。俺は
笑い出しそうになるのを必死に堪えた。だが、こんな小さな女の子とはいえ、
頼られて悪い気はしない。俺は言った。
「わかった。取ってきてあげるよ。これでも俺、小さい頃は木登りをよくやっ
たんだ」
 まるで雲間から光が差し込んだように、女の子の表情がぱっと明るくなる。
「待ってな」
 俺は上着を地面に投げ捨て、ネクタイを緩める。もちろん重たい革靴も脱ぎ
捨て、薄っぺらな靴下も脱ぐ。たまに靴のまま木に登ろうとするやつがいるが、
あれは邪道というものだ。木を傷つけるし、何より脚の裏で幹を掴むことがで
きないから、スムーズに登ってゆけないのだ。
 ぺっぺっと両掌に唾を吐きかけ、俺はクスノキの前に立った。女の子は期待
に満ちた目で俺を見つめている。
 この木を征服するには、まず二メートルほどの高さにある第一の枝に手をか
けねばならない。と、言うよりほとんどそこまでが勝負なのだ。第一の枝に到
達しさえすれば、あとは自然とてっぺんに着く。
9303/4:04/07/07 02:15
 しかし、さあ登るぞと意気込んだ途端、俺はすぐに拍子抜けしてしまった。
昔は遠かったはずの第一の枝に、手が届くのだ。考えてみれば、この木に最後
に登ってから、もう十数年経つ。無理もないことだった。これでは楽しみも半
減だな、と思いながら、俺は自分の身体を上へと引き上げようとする。
 が、上がらない。何ということ。第一の枝には手が届いても、自分の身体を
簡単に引き上げるだけの体力がなくなっているのだ。少々ショックを受けたも
のの、俺は別の攻略法を探った。
 左手を第一の枝にかけ、右手を幹にまわす。それから脚の裏で幹を掴んで身
体を押し上げつつ、俺は左右の手に目一杯の力をこめた。
 よし。うまくいった。何とか第一の枝に脚をかけると、そのままそこに立つ。
さあ、もうこの木は征服したようなものだ。ワイシャツのところどころが擦れた
ように汚れているが、構うものか。俺は幹を抱え、枝に次々と脚をかけてゆく。
大汗をかき、顔を真っ黒にしながら、俺は登った。やがてクスノキのてっぺんに
立った俺は、思わず目を見張った。
 目前に拡がるのは、光のパノラマ。高台に立つクスノキから見た光景は、驚
くほど美しかった。見下ろす街は夕暮れに赤く染まり、遠くにやはり赤く染まっ
た海。昔、何度も見たはずなのに、俺は思わず見とれていた。
 こんなに綺麗だったろうか?十数年を経て、景色が変わったのか?
 ……きっと違う。あの頃は気付いていなかっただけなのだ。ここから見る街
の、海の美しさに。あの頃は、時間そのものが煌めいていたから、気付いてい
なかったのかもしれない。
 そして俺ははっと我に帰る。風船を取りに来たのだった。女の子が待ちくた
びれているはずだと思い、俺は風船を探す。
9314/4:04/07/07 02:16
 だが、ない。どこにもない。赤い風船が、確かに引っ掛かっていたはずなの
に。景色に見とれている内に、どこかへ飛んでいってしまったのだろうか。そ
れなら女の子が声をかけてくれそうなものだったが……
 しかし、ないものは仕方が無い。釈然としないまま、俺はクスノキから降り
た。
「ごめんな、飛んでっちゃったみたい……」
 女の子に向かって言おうとした言葉が、途中で途切れる。
 女の子もいないのだ。クスノキをもう一度見上げる。風船はない。辺りをも
う一度見回す。女の子はいない。
 あの女の子の様子が心の中に浮かぶ。真っ白なワンピース。整った顔立ち。
どことなく神秘的な雰囲気だった。そういえばあの子、ひとことも喋らなかっ
た。……もしかしたら……
 もしかしたらあの子は、このクスノキの精だったのかもしれない。俺が昔見
たはずのあの景色をもう一度見せたくて、俺の前に現れた……
 そこまで考えて、俺はくすりと笑った。馬鹿馬鹿しい。近所の女の子に決ま
ってる。俺があんまりもたもたしているから帰っちまったんだ。
 俺は靴下の詰まった靴に、真っ黒になった脚を突っ込んだ。投げ出しておい
た上着を担ぎ、ネクタイを緩めたまま、ゆっくりと歩き出す。歩きながら、俺
は一言だけ呟いた。
「でも、ありがとな」

 見上げれば薄暮。薄藍の空に、ひときわ明るい星がひとつ、瞬いている。
932('A`):04/07/07 02:39
>>928-931
正直な感想を書きます。
 主語述語、指示代名詞、比喩がやたら多く読むのに疲れる。ストーリー的には
 三分の一に圧縮できる。
やっぱり、読み手を意識して書いてほしいです。

作品のさわやかな雰囲気はすごく良いと思いました
933('A`):04/07/07 03:03
>>932
なるほど。確かにあまり必要のないことをくどくど書いてしまう
ような面が、俺にはあるようです。
今後その辺りを意識して、ちょうどいいバランスを探していきたいと
思います。
ご感想ありがとうございました。
934('A`):04/07/07 06:04
>>928-931
オレも>>932氏とほぼ同意見です。
不必要に感じる記述が多い印象がありました。

それと、“ありがちなシチュエーション”と文中にあるので
「ということは、これはありがちでない物語なのか?」と
読者に期待を持たせてしまうのではと思います。
よほどこの作品のオリジナリティに自信がない限り
こういった言葉は用いない方がよいのではないでしょうか。
正直、私にはラストが予想できてしまうような展開でした。

でも、こういう純朴な雰囲気はすごく好きです。
自分も、子供の頃に昔よく見てたような風景を
改めてもう一度眺めに戻りたいなと思えました。

よかったらまた書きに来てください。
935('A`):04/07/07 19:42
中盤ですこし中だるみを感じた以外は、
おおむね良かったと思います。
素直に楽しめましたよ。
936('A`):04/07/07 21:47
お題を決めて書きましょうよ

例えば・・・文中に「肉」と「お湯」をつかうとか
937928:04/07/08 00:35
>>934
やはり文章(&文)のクドさについては一考の余地がありそうですね。
ただ、それが俺の欠点であると同時に持ち味であるという
思いもあります。あまり軽やかな文章にするのもどうかとは
思うので、今の雰囲気を消さず、かつ読みやすく...
というのが理想形かな...
>ありがちな
ああ、そうか。そういうことを考えさせてしまうんですね。
ありがちだなあ、と思って「ありがち」と書いたのですが、
甘かったorz

雰囲気は気に入ってくだすったとのこと。嬉しいです。
ご感想ありがとうございました。

>>935
ご感想ありがとうございます。今後も精進いたしますです。
中だるみ...気をつけよう(´∀`;)

いつかはわかりませんが、
また機会があったら書いて貼らせてもらいますねノシ
938('A`):04/07/08 14:29
吸い込まれそうな青空。僕らはへこんだガードレールに腰掛けている。
僕は隣で空を見上げてるミカを見つめた。
ミカ。
僕が殺した女だ。

「ん、何?」
僕の視線に気付いたミカが問いかける。彼女は俗に言う幽霊である。
「いや、別に・・・」
ミカは少し淋しそうな目をして、また空を見上げた。
ミカはつくづく変わっている。人殺しの僕が言うのだから間違いない。
どうして僕のことを憎まないのか。同情?軽蔑?僕には分からない。

ふと気配を感じたので顔を上げると、近所に住んでいた老婆が花を手に立っている。
「あの世でも仲良く暮らすんだよ・・」
老婆は一言呟くと、僕らに花をささげて帰っていった。
「私、あなたのこと、愛してるから」
ミカが微笑んだ。
空は相変わらず雲一つない。

明日も晴れるといいなぁ。

end
939あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 14:31
思いついたので書いてみました。
感想よろしくお願いします
940('A`):04/07/08 16:48
これだけ短いと何とも言えないです・・。

短い文の場合はインパクトが重要だと思うんですが、これは正直
何か衝撃を受けたかというと特に何も残らなかったような感じがします。

素人見解で申し訳ないですが、もっと細部までの描写を丁寧にして
ミカを殺した僕と、空みたいに透き通った気持ちを持った(?)ミカとの
コントラストをくっきりつけてみると、空の青さがもっと鮮明に
浮かび上がってくるんじゃないでしょうか。

最後のセリフも効いてくると思います。
941あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 19:07
僕→事故を起こしてミカと共に死亡、ミカを自分が殺してしまったという
  自責の念にさいなまれている。
ミカ→僕の彼女。虚無感に捉われつつも主人公を許している。

ってことでした。まだまだ文章力足りないっすね。
942('A`):04/07/08 20:43
それは「凹んだガードレール」と「老婆の花」で十分伝わってたと思うよ。
943あほ ◆sZMOg20d0E :04/07/08 21:55
>>940
感想サンクスです
>>942
良かったです。以後精進します
944('A`):04/07/09 01:31
>>938
さわやかホラー(?)というか、そんな感じがよく伝わってきたです。
結構いい雰囲気だと思います。後半など特に。

細かいところですが、ちょっと思ったことを。
「僕」「ミカ」が死んでるのは分かったんですけど、
「へこんだガードレール」という記述が目立ってない
ような気がするんです。「捩じれた」「歪んだ」とか、もっと
事故を示唆するきつめの表現でもいいのではないでしょうか。
お前の読解力不足と言われたらそれまでですが...

あと、「彼女は俗に言う幽霊である」はいらないかな、と。
直接的すぎて雰囲気が壊れるように思います。
945('A`):04/07/10 09:17
たまにみるけど結構おもしろいな
946('A`):04/07/10 22:40
このスレの初期からいたけど、
改めて色々読んでみると910氏の言うとおり、
本当にみんな個性的で独特なものがあるね。
内容もみんなバラバラだし、味があっておもしろいですよと
応援age!
947独りぼっちの戦争:04/07/11 03:28

醜い男が居た。

右手は名も知らぬ女を救う為失った。

左足は名も知らぬ男を救う為失った。

両目は名も知らぬ子供を救う為失った。

そして男は彼らから嘲笑と侮蔑の言葉を貰った。

理由は一つ、男が醜く弱いから。

それでも男は人を救おうとし続ける。

なぜなら、それが世間への挑戦だったからだ。

「醜くても美しい心が大切と世の人間達は言う、それを俺の人生を持って否定する!!」

そう叫び、男は救済の為に次の町へと向かうのだった。







 そして男は名も知らぬ女を救う為、首を失った。
 
 しかし、男は侮蔑を受けることは無かった。
 
 替わりに無視という名の優しさを得る事が出来た。

 それが、男が出会った最初で最期の優しさだった。
948吉岡電気:04/07/11 22:35
はじめましてこんにちはぼくの書いた小説読んでくれませんか?
949吉岡電気:04/07/11 22:39
○月×日 二時限目 体育 カキモトの頭


可笑しくないか?一回も二回も変わんないよ、ってのはさ。
ハヤシダはヨーヨーのようにボールをバウンドさせながら走っている。二人の人間がハヤシダの前に立ちふさがった。ハヤシダは脚を止めた。ボールを両手でがっちりと抱え、辺りをきょろきょろと見回した。
それにさ、それはあんたの言う台詞じゃないだろ?どっちかっていうと僕が言う台詞だ。それを何であんたが?
二人の人間。一人は腰を低くさせ両手を広げハヤシダの前に立つ。一人はハヤシダからボールを奪おうと手を出してくる。
つまりさぁ、あんたが言いたいのは、一回ヤるのも二回ヤるのも罪は変わらないってことだろ?そんな事は僕にだってわかってる。
ハヤシダはボールを上下左右に振り回す。目を動かす。一人、二人、三人、四人、一瞬のうちに四人の人間を見回す。
でも、なんでそれをあんたに言われなきゃならないんだよ。……むかつく。次の休み時間も絶対呼び出してやる。
ハヤシダは一人の人間に目を止めた。
あ。……やべぇ。
950吉岡電気:04/07/11 22:41
カキモトはハヤシダから目を逸らした。
なんだよ、こっちにくるなよ、投げるなら他のやつに投げろ。
カキモトは目を伏せて走った。
「カキモト!」
ハヤシダはカキモトめがけて勢い良くボールを投げた。
あ。やめろ、僕に投げるんじゃあない。
カキモトは走った。走りながらハヤシダが投げたボールを両手で受け取る。そしてさらに走った。
畜生。なんで僕に投げるんだよ、ハヤシダのくせに。
ピ―!ピ―ピィ―――!
甲高く笛の音が響いた。
なんだよ、うるさい。
教師が両手を回しながら笛を吹いている。カキモトを指さした。
「トラベリング!」
はぁ、何それ?
教師はカキモトからボールを取り上げ、相手のチームにボールを渡す。笛の音。カキモト以外の九人の人間が動き出す。
ピ―ピ―ピ―ピ―うるさいな、こっちはそれどころじゃないんだ。
「カキモト?大丈夫か?」
ハヤシダがカキモトに近寄る。
「大丈夫、少し焦っただけだよ」
うるさいんだよ。お前のせいだ。
「そうか?」
「うん、ほら早く自分のポジションに戻って」
「ああ、そうだな。わかった」
ハヤシダは走って自分の持ち場についた。
畜生。忘れてた。なんでボールを持って走っちゃいけないんだよ、そんなルール関係ないだろ、知らないよ。こんなものお前らで勝手にやっていればいいじゃないか、僕は忙しいんだ。あー……むかつく。
「カキモト!止めろ」
いちいち名前を呼ぶな、うるさいって言ってるだろ。
一人の人間がボールを床にバウンドさせながら走っている。
こいつを止めろっていうのか?面倒臭い。
カキモトはボールを持った人間の前に立ち、手を伸ばした。
よこせ、そのボールをよこせ。
ボールを持った人間はカキモトの手をひらりひらりと避けていく。
あー……さっさとボールを渡せよばかやろう。
カキモトは教師の方を見た。教師に背を向けて、大きく手を伸ばして肘を突き出す。カキモトの肘はボールを持った人間の首と顎に当たった。ボールが落ちた。カキモトはそれを拾った。
951吉岡電気:04/07/11 22:41
あーすっきりした。さっさと渡せばいいんだよばかやろう。
カキモトは素早く適当にボールを近くにいた同じチームの人間に投げる。笛は鳴らなかった。振り返り人間に小声で話しかける。
「ごめん、今肘当たらなかった?」
「痛ってー、当たったよ」
人間が自分の顎に手を伸ばす。カキモトはその手を素早く掴んだ。
「うそ!ごめん!大丈夫?」
「ああ、別に。大した事ねぇよ」
うそ。強がってるんだろ?目に涙が溜まっているよ?
カキモトは人間の手を離し、両手の掌を合わせた。
「ごめん、今のファールだよね?それより怪我してない?一応先生に言って保健室に行った方が……」
「いいって、大丈夫大丈夫。わざとじゃないんだろ?だったらいいよ、笛も鳴ってないしさ」
「本当?でも……」
「いいって」
「そう、本当ごめんね」
「ああ」
人間は走って自分の持ち場に戻る。カキモトは走っていく人間の後ろ姿を見て口元を緩ませた。
ばーか、わざとだよ。ケケケ。
952吉岡電気:04/07/11 22:49
カキモトからボールを受け取った人間、ハヤシダは膝を曲げた。辺りを見回す、すぐ近くに人間はいない。
ハヤシダは膝を伸ばしつま先で床を蹴る。ハヤシダの体が浮いた。同時に左手を軽く添えて右手で押し出すようにボールを投げる。
ボールは放物線を描き飛んでいく。ボールはくるくるとリングの上を踊り、輪の中を通って、落ちた。歓声があがる。
ハヤシダは小走りでカキモトの側に来て、カキモトの首に腕を回した。
「やったなカキモト、スゲ―よ、よくあんな体勢でパス出来たよな」
なんだこいつは馴れ馴れしいんだよ離れろばかやろう。殺すぞ?
「ううん、おれはすごくないよ、ハヤシダがすごいんだよ。さすがバスケ部のエースだね」
「はは、よせよ、まぁこの調子で頑張ろうぜ」
軽くカキモトの肩を叩くハヤシダ。
「うん、そうだね頑張ろう」
ハヤシダは走ってカキモトから離れて行く。カキモトはハヤシダの背中を見て肩に手を伸ばした。
ばっかじゃねーの、お前一人で頑張ってろ。お前は入れて当たり前なんだよ、お前はバスケ部だろ?お前一人で頑張ってろ。
一体何のつもりだ?汚い腕を僕に回してきて。自意識過剰なんじゃないの?男の友情でもアピールしようって腹なんだろ?お前が目立つのは勝手だけどな、僕を巻き込むんじゃあない。
笛の音が鳴りカキモト以外の九人の人間が動き出す。
……こんな事を考える僕がおかしいのか?……そんなわけない。僕は知っている。お前が一瞬ちらりと女子の方を見たのを。満足そうな顔で見たのを。キミヅカを見たのを。とりあえずお前目障りだから死んでくれないか?
カキモトはギャラリーの人間を見回した。一人の人間に目を止める。その群集の中で誰よりも髪の丈が長い人間の女。その群集の中で誰よりもスカートの丈が短い人間の女。

「あと一分!」
教師がストップウォッチを見る。
髪の長いスカートの短い人間、キミヅカは退屈そうにゲームを見ていた。ボールの行方は見てはいない。キミヅカは退屈そうにカキモトを見ていた。ハヤシダは暇さえあればちらりちらりとキミヅカを見ていた。カキモトはボールを投げた。
953吉岡電気:04/07/11 23:10
読んでくださった方ありがとうございます。続きは明日書きます。
この文をここに載せる事にとても迷いましたが頑張って載せてみました。
丁寧に作ってはいますが 素人の手作り品であることをご理解の上宜しくお願い致します。
954('A`):04/07/12 06:21
>>947
こういうの結構好きです。ニーチェみたいな力強さを感じます。
この醜い男にとって、唯一優しさを与えてくれたのは
『死』だけだったのかなと。深読みしすぎかな・・。

話がだいぶ抽象化されてるので、実体験がデフォルメ
されたものなのかなとも思えました。

>>953
すみません、私にはあまりよく話が飲み込めませんでした。
『人間』という表現は何か意図があってのことでしょうか。
妙に気になりました。少々読みづらい気がします。

えらく酷評になってしまいました・・。
955('A`):04/07/12 21:30
>>953
真っ先に思った事は、読みづらいという事です。
内容に関しては、続きがあるようですので、とりあえず割愛。
これからの展開に期待age
956吉岡電気:04/07/12 22:12
○月×日 二時限目終了 休み時間 カキモトの屋上


カキモトはポケットの中に手を入れた。ポケットの中で携帯端末のボタンを押す。1523320485*13522512。そのまま階段を昇り重い扉を開く。辺りをきょろきょろと眺めポケットから手を出す。梯子に手をかけ、カキモトは給水棟の上にあがった。人間がいた。
「やあ、早いね」
「呼ばれるのなんとなくわかってたから、先に来た」
三角座りをしている人間がいる。髪の長いスカートの短い人間。女。カキモトは目線を落とし女の三角に曲げた脚を見た。
「そっか、キミヅカさんはいい子だね」
「そう?」
カキモトは女の下着を見ている。
「ねぇ、どこ見てるの?」
「ああ、まぁその位の長さが丁度いいね」
カキモトは目線を上げ女の顔を見た。そして唾を吐いた。女の顔にかかった。
「キミヅカさんこそどこ見てるの?人と話す時はその人の顔を見て話さないと」
カキモトはポケットからハンカチを取り出して女の顔を拭いた。
「ところでキミヅカさんは次の授業は何?」
「……数学、カキモト君も数学でしょ?」
「なんで?」
「だって私たち同じクラス」
「ああ、そうだね、でも僕、次の授業は自習にしようかと思ってるんだ」
カキモトは丁寧にハンカチを畳むとそれをポケットにしまった。
「それは次の授業をサボるって事?」
「うーん、まぁそういう事かな、どう?キミヅカさんも一緒に自習しない?ほら天気もいい事だし、たまにはいいんじゃない?自習も」
カキモトは空を指さした。太陽は見えない。雨は見えない。雲が沢山見える。
「それはいいつけ?」
「別に、嫌ならいいよ」
「そう、きみのいいつけなら自習?するけど」
カキモトは口元を緩ませた。
「じゃあいいつけ」
「そう、それじゃあ、あと86回ね」
「そうだね」
カキモトはかちゃかちゃとベルトを外した。隣の棟のスピーカーから音が鳴った。
「予鈴だね」
「そうね」
「うるさいね」
「そう?」
カキモトは外したベルトを締め梯子に脚をかけた。
「どこ行くの?」
「トイレ、ここで待ってて」
「そう」
カキモトは梯子を降りた。カキモトは階段を降りる。カキモトは一階に降り廊下を歩く。保健室のドアノブに手をかける。
「先生?」
中には誰もいない。カキモトは階段を昇り二階の教室に入った。
957('A`):04/07/12 22:17
個人的にですが…なんか少々奥深そうな内容ぽいけど表現サバサバしすぎてるかなて思った。想像が途切れる。
読みづらい≧つまられない
958吉岡電気:04/07/12 22:17
モテナイから小説家になろうぜ。って、小説家になればモテルのですか?やっぱり¥の力?でも本が売れなきゃお金入らないよね、今日はなんだかやる気がなくなっていく
959吉岡電気:04/07/12 22:18
○月×日 三時限目 数学 カキモトの頭


「女子三番キミヅカ」
キミヅカはいませんよ、先生。
「キミヅカ、キミヅカ、休みか?」
カキモトは右手を挙げた。
「先生、キミヅカさんはさっき保健室に行くと言ってました。顔色が悪かったので具合が悪いんじゃないでしょうか」
「そうか、わかった。女子四番……」
ケケケ。キミヅカは今頃屋上の上でパンツ丸出しだよ。
960吉岡電気:04/07/12 22:20

○月×日 三時限目終了 休み時間 カキモトの頭


「カキモト君」
カキモトは階段の手前で脚を止めた。昇り階段に伸ばした足を戻して振り返る。人間がいる。
「ねぇ、保健室行くの?」
なに言ってんだこいつ、僕は屋上に行くんだよ。
カキモトは黙って人間を見つめた。髪の丈は肩位。スカートの丈は膝位。人間。女。
「ミツキ保健室行ったんでしょ?」
ああ、そういえばそうだった。
「うん、すごく顔色が悪かったから保健室に行ったらって勧めたんだ」
「そう、また貧血かなぁ」
「貧血?」
そんな話僕は聞いた事がない。
「うん、ミツキ最近貧血気味でふらふらするって言ってたから」
カキモトは顎を手で擦り、首を傾げた。
「そう?じゃあさっきもそうだったのかな?心配だから僕は保健室に行って見てくるよ」
「あ、私も行くよ」
はぁ?ついてくるなよ、僕は屋上に行きたいんだ。
「いいよ、ナラさんは教室にいなよ。僕が見てくるから」
「ううん私も気になるから行くよ」
カキモトは下唇を噛んだ。
豚。来るなって言ってるんだ。お前は教室で鳴いてればいいんだ。
「……そっか……ナラさんは、友達想いの優しい子だね」
「え、そんな事ないよ」
当たり前だ、お前は豚なんだよ、家畜なんだよ。
カキモトは階段を降りて廊下を歩いた。
961吉岡電気:04/07/12 22:20
「ねぇねぇカキモト君、さっきはすごかったねー」
うるさい。僕に話しかけるんじゃあない。目障りだからついて来るな。
「すごいってなにが?」
「バスケ。あんな所からシュート入れるんだもん」
はぁ?こいつばかにしてるのか?お前の穴にも入れてやろうかブー?
「ああ、あれはまぐれだよ、時間が無くて投げたらたまたま入っただけだよ」
「ほんとにー?」
本当は狙って入れたんだよ。すごいだろ。ってそんなわけないブー。センターラインからだブ?狙って入れられるわけがないだろ。
「でもすごいよねー。かっこよかったよ?カキモト君の事みんな見てたよ」
「そうなんだ、なんか恥かしいな……」
畜生。なんで僕が目立ってるんだよ。ハヤシダのせいだ。ハヤシダが僕にパスするから。ハヤシダが目立てばよかったんだ。畜生。
「でも惜しかったね、もう少しで逆転だったのに」
「そうだね、惜しかった。残念だなあ」
別にどうでもいいけど、そんな事。それよりとにかく黙ってくれないか?豚。

962吉岡電気:04/07/12 22:22
「ねぇカキモト君、ミツキ大丈夫かなぁ?」
「だといいんだけど。取り敢えず見てみないとわかんないよ」
カキモトはドアをノックした。
どうせこの中にはいないけど。
「はーい」
ドアが開いて一人の人間が顔を出す。人間。女。白衣を着た人間。
なんでお前がいるんだよ。さっきはいなかったじゃないか。
カキモトの横から女が顔を出す。
「先生、ミツ…キミヅカさんの具合はどうですか?」
「キミヅカさん?今は誰も保健室にはいないけど」
「え?そうですか?」
そうだよ子豚ちゃん。キミヅカはまだ屋上にいるんじゃないの。
カキモトはカーテンをくぐりベッドを見渡す。そして白衣に向き直る。
「あの、先生。さっきキミヅカさん来ませんでしたか?」
「さっきっていつ?」
「はい、二限目が終わった休み時間です」
本当は来てないけど。
「えーと、その頃先生は保健室にいなかったのよ。どうかしたの?」
キミヅカさんは授業をサボって屋上でパンツ丸出しで膝を抱えて丸まっています。
カキモトは白衣の白いスカートを一瞬だけ見ると、白衣の目に顔に向けた。
「はい、キミヅカさんが具合が悪くて保健室に来ているはずなんですけど」
白衣は頬に手を当てた。天井を見上げる。
「そうかしら?私が戻って来た時には誰もいなかったけど」
「カキモト君、もしかして入れ違いになったんじゃない?」
「ああ、そうかもね」
そんなわけないけど。
「先生、キミヅカさんきっと教室に戻ったんだと思います」
「そう?」
「はい、お騒がせしました。それでは失礼します」
「あ、失礼します」
カキモトと女は保健室を出た。廊下を歩く。二階の階段を昇った所で脚を止め、カキモトは女の方を向いた。
963('A`):04/07/12 22:23
>>958
どうせモテナイんだったら女じゃなくて何か別のものに打ち込もうぜ
って意味合いだと思う。どうせ(ry系のスレタイの意図はね。
964吉岡電気:04/07/12 22:25
「あ、ナラさん、僕トイレに行くから先に教室見てきてくれないかな」
「あ、うん。わかった」
「じゃあお願いね」
女は左側の廊下に歩き出した。カキモトは右の廊下を歩く。
キミヅカ、まだ屋上にいるのかな。いい子だな。ご褒美をあげないとな。
カキモトはトイレの前で脚を止めた。
でもそんなことしたら調子に乗らないだろうか? いや、大丈夫だ。アメとムチをちゃんと使い分ければ。
……でもムチだけってのも悪くはないな。
カキモトは振り返り廊下を見る。
豚。教室に戻ったか。
カキモトはそのまま来た道を戻った。階段で脚を止め、昇り階段に足を伸ばす。
「カキモト君!」
カキモトは声の方を向いた。女が走って来る。
……豚。しつこい。
「カキモト君、ミツキ教室にもいないよ?」
当たり前だ、いるわけないだろ。それがどうした?
カキモトは下唇を噛み、顎を手で擦り、首を傾げた。
「教室にもいないって事は……じゃあどこに行ったんだろう?」
「うん、おかしいよね、私探してみる」
あー……うるさいうるさい。面倒臭い。いいから早く僕を屋上に行かせろ、時間がなくなるだろ。
「あ、もしかして早退したのかな、僕先生に聞いてくるよ」
「え、うん。じゃあ私一応学校の中探してみる」
音が鳴った。校内の所々に配置されたスピーカーから。
畜生。豚。お前のせいで時間がなくなっただろ。
「予鈴だね。あのさ、もう時間ないから取り敢えずナラさんは教室に戻ってなよ。僕は急いで職員室に行ってくるから」
女は首を回し一瞬教室の方を見る、首を戻しカキモトの方を向く。
「そうだね、うん。わかった」
カキモトは昇り階段を見る。そして女の方を向いて下唇を噛んだ。
豚……早く小屋に帰れよ。
女は立ち止まったままカキモトを見ている。
「ナラさん?どうかしたの?」
「ううん、別に……」
「なに?言ってみなよ」
「うん、あのね、カキモト君って偉いなぁーって思って」
うるさい、豚。早く帰れって言ってるんだよ。畜生。面倒臭い。もういいや。
「ナラさん、言い忘れてたけど、廊下は走っちゃだめだよ」
カキモトは早歩きで階段を降りて行った。
あー、面倒臭い。なにやってるんだ、僕。
カキモトは職員室のドアを開けた。
「失礼します、ササガワ先生はいらっしゃいますか」
965吉岡電気:04/07/12 22:25
椅子に座って煙草を吸っている人間が席を立った。人間。男。髪がまだらな人間。
「おおカキモト、どうした?」
面倒臭いな。
「あの、キミヅカさん早退届出していませんか?」
「早退?……いや知らんな。どうかしたのか?」
「あの、イケウチ先生から聞いてませんか?キミヅカさん二限が終わった時に具合が悪いって保健室に行ったんです。
それで三限はお休みしたんです。でも三限が終わっても教室に戻ってこないので、心配になって保健室を見に行ったんです。
けどいなくて、もしかして早退したんじゃないかと思って」
「そうか」
腕を組み考えるような仕草をする教師。
「先生の所にも来てないな」
そんな事はわかっている。じゃあなハゲ。
「そうですか、わかりました、失礼します」
「あ、待てカキモト。…お前、キミヅカと仲いいのか?」
「……いえ、良くも悪くもありません。キミヅカさんはクラスメイトです」
「そうか、でもどうしてお前がキミヅカを探しているんだ?」
「はい、これも学級委員の仕事ですから」
「そうか、お前は偉いな。キミヅカは勝手に帰ったんだろう、放っておけ。いいかカキモト、お前はあんなのと関わるんじゃないぞ?」
カキモトは教師に背を向けた。
「……失礼します」
966吉岡電気:04/07/12 22:26
○月×日 四時限目 歴史 カキモトの占い


ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。
カキモトはシャーペンをかちかちとノックしている。
気分が悪い。嫌な感じ。何だこれ? 悲しい、のか?そんなわけない。違う。ただむかつくだけだ。
ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。
畜生。どうして僕が悲しくならなきゃいけないんだ?むかつく。殺す。
ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。ハゲ。ハヤシダ。
シャーペンの先から芯が落ちた。
ハヤシダか……今回のターゲットはハヤシダ……。
カキモトは机に落ちた芯をシャーペンの中に戻した。
ハゲ。むかつく。ハゲ。殺す。ハゲ。むかつく。ハゲ。殺す。ハゲ。殺す。ハゲ。殺す。殺す。殺す。
カキモトはシャーペンをかちかちとノックしている。
ハゲ。ハゲ。ハゲ。ハゲ。死ね。ササガワ。死ね。ササガワ。死ね。死ね。ササガワ。ササガワ。ササガワ。ササガワ。
シャーペンの先から芯が落ちた。
……やっぱりササガワだな。ササガワにしよう。ササガワに決めた。うん。ササガワに決定。あいつは許されない。僕が許さない。
967吉岡電気:04/07/12 22:27
○月×日 四時限目終了 昼休み カキモトの計画


授業が終わるとハヤシダは素早くカキモトの席に近づいてきた。
「カキモト購買行こうぜ?」
だれがお前なんかと行くか。
「ごめん、今日はおれ弁当なんだ」
「そっか、じゃあおれ急ぐから、また後でな」
「うん、ごめん、また誘って」
「ああ」
ハヤシダは急いで教室を出て行く。カキモトはハヤシダの後ろ姿を眺めながら鞄に手をかけた。
……早く屋上に行かないと。
「ねぇ、カキモト君」
カキモトは下唇を噛んだ。女がカキモトの席に近づいてくる。カキモトは鞄から小さい鞄を取り出した。
「あ、ねぇねぇカキモト君」
カキモトは席を立ち、教室の扉に手をかけた。
「ちょっと、カキモト君ってば」
女はカキモトの腕を掴んだ。カキモトは振り返り女を見る。
「あ、ナラさん」
「もー、さっきから呼んでるのに」
うるさい。僕は人間の言葉しか判らないんだ。
「あ、ごめん、気が付かなかった、少し考え事してたんだ」
女はカキモトの顔を覗き込む。
「なに考えてたの?」
「え?……あぁそれよりどうかしたの?」
「あ、そうだ。どうだった?ミツキ?」
キミヅカ?だったら早く僕を屋上に行かせろ。
「あのね、ササガワ先生も知らないって。早退届は出してないみたいだけど」
「えー?じゃあどこ行ったのかな」
屋上。
「……先生はサボって帰ったんじゃないかって」
「えーそうかなぁ?あ、私電話してみるよ」
女はスカートのポケットから携帯電話を取り出す。
おい、待て。
968吉岡電気:04/07/12 22:28
「ナラさんはキミヅカさんになにか用があるの?」
キミヅカはなんて言う?あいつ、察して話を合わせられるか?
「え?別にないけど、でもサボるなら私に言ってくれてもいいのに……」
どこにいるの?屋上。保健室?知らない。……さらっと言いそうだ。
「なに?もしかしてナラさんも一緒にサボるつもりだったの?」
ダメだ、あいつはきっと言う。……電話はまずい。
「違うよ、止めるよ。もー、だってあの子出席日数危ないでしょ?」
「そっか、そうだね。じゃあ僕が電話するよ」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。ボタンを押す。
「ねぇ、カキモト君?ミツキの番号知ってるの?」
知ってるよ、それがどうした。あ。
「……そうだね。知らない。ナラさん教えて?」
「え、いいのかな?」
「どうして?」
「だって勝手に教えて」
うるさい、いいんだよ。
「……でも、そんな頻繁にかけるわけじゃないし」
「うん、そうだけどさぁ……」
「それに一応…緊急事態、だし」
「うん、まぁそうなんだけど」
勿体ぶるな、早く教えろ。
「やっぱり私がかけるよ」
豚。おまえ本当邪魔だから。帰れ。畜生。なんで僕がこいつに振り回されなきゃいけないんだ。
「わかった。じゃあ校内は携帯禁止だから外に行って……そうだ、ナラさんはお昼お弁当?」
「うん、お弁当だよ」
「そう、じゃあ外に行くなら一緒に食べようか?今日は天気いいから外で食べようと思ってたんだ」
「え……うん。わかった、ちょっと待ってて」
女は自分の席に戻り、鞄の中から小さい鞄を取り出す。カキモトは教室の入り口近くからそれを眺める。
鞄。そういえば……。
カキモトは窓際の一つの席を見る。
鞄。サボって帰ったキミヅカの鞄?それが席に掛かってる?それはおかしいだろ?
「お待たせ」
畜生。あれはまずい、鞄はまずい。ここにあってはいけない、キミヅカの鞄はここに存在してはいけない。
「カキモト君?」
女はカキモトの顔を覗き込む。
あ……やべぇ。顔に出てた、か?
女は振り向いてカキモトの視線の先を見る。
あ、おい、
「ねぇカキモト君」
どうして鞄があるの?なんて答える?忘れた?いや帰るのに忘れないだろう?鞄を持っているとサボるのばればれだから置いて帰っ
「なんかあんまり天気よくないね」
……は?
「……そう、だね、さっきまでは天気よかったんだけど。残念だな」
「そっか、」
「まぁいいよ。それじゃ行こうか」
こいつ馬鹿だ。目が悪いんだな。
カキモトと女は教室を出て行く。
969吉岡電気:04/07/12 22:29
「ねぇねぇ、カキモト君ってお昼休みいつもなにしてるの?たまにハヤシダ君といるとこ見かけるけど、あんまり見ないよね?」
こいつにかけさせて僕が代わる。いや、出来ればキミヅカに電話する事自体避けたい。
「僕は基本的には弁当なんだ、それがない時はハヤシダとかと購買で買って食べてる」
メールするか?こいつにばれないように。
「じゃあお弁当の時は?」
なんていれる?ナラさんから電話がいくから話を合わせろ。キミヅカさんはサボって帰っている事になってるから。これはいいつけだから必ず守る事。
「……秘密。ナラさん。一人の時間も大切だよ」
僕に保健室に行くと言って行かなかった事、教室に鞄を忘れた事、これも必要だな。長い。面倒臭い。どうする?
「へぇーなんかそれちょっと暗いよー」
「あはは、そうかもね」
ダメだな時間がない。
「うそうそ、冗談。あ、それじゃさ、今度一緒に、」
お前とは食べないよ。不味くなる。それより、
「……ナラさん、中庭じゃなくて屋上行ってみようか」

カキモトは重い扉を開いた。給水棟を見上げる。
大丈夫。ここからじゃ見えない。
カキモトはポケットに手を入れた。
「へぇー、いい眺めだね。でも誰もいないね」
女が辺りを見回す。
どうする?突き落とすか?
カキモトは口元を緩ませた。
「……そうだね、二人きりだね」
「え?……うん。はは、ここは穴場だね!中庭みたいに混んでないしさ!」
「ナラさん、あれ知ってる?」
カキモトが大きな建物を指さし、フェンスに近づく。
「どれ?」
女もフェンスに近づき外を眺める。
ダメだな、これが邪魔だ。
カキモトはフェンスを掴んだ。大きな建物を指さす。
「ほら、あのビル。今はまだ建設中だけど、でも、もしかしたら完成しないかもしれないんだ、あれ」
女は首を傾げる。
「どうして?」
「……あそこの屋上から人が落ちたから」
「え?」
970吉岡電気:04/07/12 22:30
「聞いたことない?まぁ噂だけどね。けど噂って結構怖いから、ほら、悪い噂がたっちゃうとあーいう所って終わりだから。まぁ噂は噂。けど一人じゃないんだって、何人もあそこから落ちてるみたい。流行ってるのかな、自殺」
「……そう、なの」
「うん。それでね、夜中にあそこの下を通ると上から声が聞こえてくるんだって、それで上を見ると……」
「も〜やめてよ」
「あ、ナラさんこういう話嫌い?」
「うん、まぁ……それよりお昼食べよ?あ、その前にミツキに電話しないと……」
女はスカートのポケットに手を入れた。カキモトはフェンスをよじ登る。
「え?ちょっと!カキモト君?」
カキモトは飛び降りた。フェンス越しに女を見つめる。
「どうしてここは誰も来ないか知ってる?」
「……え?」
「実はね、本当はここにも噂があるんだ」
出来るか?演技。
カキモトは下を覗き込む。ポケットに手を入れた。
「……ナラさんもこっちに来なよ?」
「え?……カキモト、君?」
女は怪訝そうな顔でカキモトを見る。カキモトは笑顔で女を見た。
「あはは、冗談。びっくりした?」
大丈夫。きっと出来る。
カキモトはポケットの中で携帯端末のボタンを押す。
「……も〜、カキモト君」
音。間の抜けたメロディー。カキモトのポケットから鳴っている。
「あ、ちょっと待って」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。
「もしもし、はい。……うん。どうしたの?学校は?……え?病院?……うん……うん……そうなんだ。うん……分かった、うん。じゃあ先生には僕から言っておくよ、うん……あ、別にいいよ、うん。それじゃお大事に」
971吉岡電気:04/07/12 22:31
カキモトは女に顔を向けた。
「ナラさん。キミヅカさん病院に行っていたみたい」
「え?今の、ミツキ?」
「うん。それで今病院から帰って来たみたい、だいぶ辛そうだったよ」
カキモトは携帯端末をポケットに入れた。
「……そっか」
「うん。サボりじゃなかったね、先生に言うの忘れてたみたい」
「そう」
「うん。先生には僕が言っておくよ」
カキモトはフェンスをよじ登る。
あとはこいつをどうやって撒くか。
カキモトは給水棟を一瞬見た。
「あ、ねぇ、なんでミツキ、カキモト君の携帯にかけてきたんだろう?」
「先生に言いづらかったんじゃない?」
カキモトはフェンスから飛び降りた。手に付いた埃を払う。
「うん、でもどうして私じゃないんだろう」
当たり前だ、おまえとは友達でも何でもないってキミヅカは言ってたよ。多分。
「ナラさんに迷惑かけたくなかったんじゃないの、僕なら学級委員だし番号もみんな知ってるから、かけやすかったんじゃないのかな」
「そうなのかなぁ」
面倒臭い。嘘の話なんだからいちいち気にするなよ。話変えるか。
「たぶんそうだよ。あ、ナラさんは僕の番号知らないの?」
「え、あ、知ってるけど……」
「そっか、じゃあ僕がナラさんの番号知らないのも不公平だね」
「え?……え?」
カキモトはポケットから携帯端末を取り出す。
「教えてくれる?ナラさんの番号」
「え、う、うん」
女は携帯電話を取り出しカキモトに見せた。カキモトはそれを見ながら自分の携帯端末のボタンを押す。
「ありがと、暇な時電話するね」
そんな暇ないけど。
「え、あ、うん。待ってる」
「……じゃあ僕先生に報告してくるから」
カキモトは振り向いて歩き出す。
「え?あ、私も行くよ」
そうだな、ついて来い
972吉岡電気:04/07/12 22:32
カキモトは職員室の前で脚を止めた。
あとはこいつをどうやって撒くか。
「ナラさんはここで待ってて」
「どうして?」
女はカキモトを見る。
どうして?なんで?……っていちいちいちいち、本当むかつくなこいつ。いいからおまえは僕の言うことを聞いていればいいんだよ。
カキモトはため息を吐いた。
「うーん、なんとなく、ほらササガワ先生って……ね?」
いやらしい目つきで危ないだろ?あのハゲ。
「あ、そうだね、うん。わかった」
「じゃあ少し待ってて」
カキモトは職員室のドアを開けた。中に入る。ドアを閉める。
「失礼します、ササガワ先生はいらっしゃいますか」
ササガワが席を立った。カキモトはササガワに近づく。
「カキモトか、どうした?」
「あのキミヅカさんから電話が……あの、先程キミヅカさん家に電話してみたんです。それでキミヅカさん、無事に家に帰っていました。病院に行っていたそうです。具合が悪くて早退届を出す余裕もなかったみたいです」
「そうか」
「はい」
「わかった」
は?
カキモトはササガワを見つめた。
「どうした?わかったからもう行っていいぞ」
それだけか?サボりじゃなかっただろ。謝れよ。
カキモトはササガワを見つめる。ササガワはポケットから煙草を取り出し火を点ける。
「……失礼します」
カキモトは職員室を出た。女が声をかける。
「どうだった?」
あのハゲ、絶対……。
「……うん、報告したよ。大丈夫、サボりじゃないってわかったら先生も怒ってなかったよ」
「そっか、よかった。じゃあお昼食べよっか」
「あ、そっか、まだ食べてなかったよね」
「うん」
カキモトは両手の掌を合わせた。
「ごめん、実は今ササガワ先生に頼まれ事されたんだ」
「え〜!本当?」
「うん、ごめん。だから今日は先に食べてて」
「え〜、お昼食べてからじゃダメなの?私も手伝うよ?」
嫌だ。一分一秒でもおまえとは一緒にいたくない。
「ありがと、でも女の子がやる仕事じゃないし、ごめんね、また今度一緒に、ね?」
「え〜……うん、わかった……」
「じゃあ、またね」
カキモトは廊下を早足で歩いていく。限りなく早足で、歩く。
973吉岡電気:04/07/12 23:53
別にもてなくてもいいからさ、せめて友達くらいは欲しいよ。100人とは言わない、
せめてこの両手の指を一杯にしたい。

名前がないと誰が誰だかわからないです。
↓僕の友達になった人。
963はくろさん。957はスパナ。955はいちごちゃん。954はぬり絵。
あと6人……。
これからは名乗って下さいね。宜しくお願い致します。
感想もそうですが、ノークレーム・ノーリターンでお願いします。
974('A`) :04/07/13 19:01
なんか恐いです
975吉岡電気:04/07/13 21:06
凸と凹
僕はこれを何かの記号だと思っていました。漢字だという事を知ったのはつい最近の事です。
磁石でもいいです。S極とN極。
みんなの大好きな男のあれと女のあれでもいいです。

やっぱり、合う合わない、
そういう相性みたいなものって本当にあるのかなって最近は思います。

これからは傾向と対策を考えたいと思います。
感想を頂けると嬉しいです。

976吉岡電気:04/07/13 21:07
『一流』

 今現在の僕は、いわゆる浪人生というやつです。 
毎日毎日、机に向かって、勉強!勉強!
いいかげん嫌になります。
しかし僕には夢があるのです。だから諦めません。絶対に。
夢というのは一流の大学に入って、一流の会社に入って、一流の女と結婚して、一流の子供を育てて、一流の暮らしをして・・一流の一生を終える。という夢です。もちろん死んでからも、僕は一流の墓に入りたいと思います。
こんな夢を語ったところで所詮僕は、今現在の僕は、やっぱり浪人生なわけで……
こんな僕に母はよく小言を言うのです。『一流は諦めて三流にしたら』と。
自分でも、その辺の大学なら簡単に入れるとは思うのです。でも、それでは負け犬です。僕が目指すのは、あくまで一流です。

一流一流、と言っている間にも、月日はあっという間に流れていくのです。時の流れは早いものですね。気が付けば今年で、もう三年目になります。
あと幾つの年が流れれば、僕は一流の大学に入れるのでしょうか。
一つ、あと一つ年が流れるまでに、僕は一流の大学に入りたいと思います。必ず。
977吉岡電気:04/07/13 21:08
僕は今日も、机に向かって勉強をしています。息抜きついでに手紙を書こうと思います。

『一年後の自分へ』

未来の自分に、手紙を書こうと思って今、筆を走らせている。

未来の僕は もちろん今頃 一流の大学に入っていますよね?

今の僕は とても頑張っていますよ 最近は気合を入れるために鉢巻を巻いて机に向かっています その鉢巻にはマジックの太ペンで 忍耐 と書かれています 忍び難きに忍び耐え難きに耐え うん とてもいい言葉ですね
でも     僕はもう限界です 耐えられません 
激しいストレスと共にアレも溜まり ナニ袋はぱんぱんなのです
毎日机に向かい 鉛筆を握り ナニを握る暇さえありません 
もう限界です ごめんなさい

すっきりしました 
やっぱり僕はビデオよりも本です 
未来の僕はどうですか?まだ本派ですか?
さて 気持ちを切り替えて これから勉強を頑張りたいと思います この今の僕の頑張りが 未来の僕の為になるのですよね

未来の僕は もちろん今頃 一流の大学に入っていますよね?

もしそうだと 今の僕はとても嬉しいです
そんな未来の僕に 今の僕から ささやかなプレゼントがあります
先程お世話になった本の袋とじ 今の僕はまだ開けてません 未来の僕の為に取って置きます 今の僕からの入学祝いです
978吉岡電気:04/07/13 21:09
テレビを見ていると、様々なニュ―スが目に飛び込んできます。例えば・・。

『オセロ』

その番組では、政治家さんの横領事件をとり上げ、各界の著名人達が様々な論争を繰り広げています。
論争といってもほとんどが、政治家さんに対する一方的なわるくちです。
最初は横領事件の話だった筈なのに、いつの間にか問題は日本経済にすり替わっていきます。不況から始まり、リストラ問題、年々増加する失業率。そして教育問題にまで発展していき、挙句の果てには少年犯罪。その全てが政治家の所為です。
『今の日本が悪いのは、全部政治家の所為だ』とみなさん口を揃えてよく言います。政治の事をよく知っているのか、知らないのか、若者までもがそう言います。『政治家は腹黒い』と。

ではあなたが白で、政治家が黒だとします。あなたは愚痴を言うのをやめて、『頑張って、努力をして』政治家になります。『日本を変えるぞ!』と意気込んで。

そんな白いあなたは、黒い政治家に囲まれて生きていけるのでしょうか。黒はあなたに言います。『郷に入らば郷に従え』と。
きっと『様々な誘惑』があるでしょう。そんな中、あなたは誘惑に勝ち、白のままでいられるのでしょうか。オセロの様に裏返って黒になるのではないでしょうか。


オセロは、数か多い方が勝ち、というル―ルです。
黒い駒がひしめく盤面の中、たった一つの白い駒で、果たしてあなたは勝てるのでしょうか。沢山の黒い駒を裏返す事が出切るのでしょうか。
……難しいですね。最低でも白は二つ必要ですね、それと角を取った方が断然有利ですね、周りから囲んでいくと更に良いかもしれません。
しかし、既に勝負が終盤にさしかかっていて、盤面に黒がほとんど埋まり、既に白を置くスペ―スが無かったとしたら……
だめですね、いくら頭を使っても勝てません。
話が長くなって来ました。それにいつの間にかオセロの話にすり替わっています。面倒くさくなって来ましたね。

オセロは所詮ゲ―ムです、負けそうになったら盤面ごと引っくり返して知らんぷりしましょう。
979吉岡電気:04/07/13 21:11
『振動』
 が響く。微かに、揺れる、揺れる、揺れる、頭が揺れる。鼓膜を通らず頭蓋骨に直接響く。
ド、恐い、レ、悲しい、ミ、怖い、ファ、嫌、ソ、嫌、ラ、嫌、シ、嫌、ド、絶、レ、望、ミ、痛い、ファ、痛い、ソ、痛い、ラ、痛い、シ、痛い、ド、失、レ、嫌、ミ、嫌。
何度も、激しく、揺れる、揺れる、揺れる、頭が揺れる。首を横に振り、拒絶の言葉を発する。その声、声にならない声。嗚咽混じりの悲鳴。耳を塞いでも、聞こえる、揺れる、その振動、頭蓋骨に直接響くその振動。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
何かを振り回し必死に抗う。様々な物が辺りに散らばっていく。ペットボトル、ノ―ト、小さな袋、ペン、お菓子の袋。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
ミ、ファ、レ、ミ、ファ、ソ、ミ、ファ、ラ・・・レ、いたい、いたい、いたい、いたい。音階がずれた。
ドクン、ドクン、ドックン、ドクン、ドク、ドク、ドクンドク、ドクン、ドク、ドクドク、ドドクドク。
その振動、心臓が激しく波打つ振動、血と共に体中に流れる嫌悪感。流れる冷たい汗、流れる汚れた血液、流れる意識、洗い流すように溢れ出る涙、溢れ出る感情、溢れ出しこぼれる感情、こぼれる涙。
揺れる、揺れる、揺れる、体が揺れる。
何かの液体が顔にかかった。口に入り、鉄の様な嫌な味がした。
揺れる、揺れる、揺れる。
振動、大きな振動。崩れ落ちる体、すぐ近くに。投げ出されたその手は何も無い空間を這い回る。何かを探すように、何かを求める様に、助けを求める様に

手を伸ばした。微かに指先が触れた。冷たかった。ゆっくりと指を一本一本絡ませ、その手を強く握った。
980吉岡電気:04/07/13 21:14
以上、読んで頂けたら幸いです。
今日は疲れたので糞して寝ようと思います
981('A`)ヴァー
――どうしてもメンツが足りないんだ、頼むよ。
鎌田から合コンの誘いを受け、深く考えずにOKした俺が馬鹿だったのだ。
合コンの真っ最中なのに、この疎外感は何だろう?
自己紹介は華麗にスルー、はしゃぐ女たちの視界には俺は入っていない。
乾杯でグラスを合わせることも無く、隅でイカのあぶりを噛み締める。
口の中に香ばしさと敗北者の味が広がる。
俺の席の隣には誰も座らない。
人ごみの中でふと感じた疎外感のような、なんともやるせない気持ちで胸が締め付けられる。
「えーっと、毒男君だったよね?」
そんな中、俺に声をかける女が一人。
思いもよらない出来事に少し慌てるが、落ち着いて当たり障りの無い会話をする。
だが、貴様の狙いはとうの昔にお見通しだ。
こんなドクオにも優しい私を見て、だろ?
俺は利口な狼だ、もう毒餌は食わねえ。
もう一度イカを噛み締める。
少ししょっぱかった。