マーサー王物語  第5章

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1外伝担当。。。
王の帰還・・・待ち
2外伝担当。。。:2007/12/12(水) 19:01:32.67 0
まとめサイト(保管庫様に感謝)
http://ookami-bc.hp.infoseek.co.jp/txt/kingdom.html

登場人物紹介 (ネタバレ満載なので初めての方は注意)
http://ookami-bc.hp.infoseek.co.jp/txt/kingdom/characters.html


過去ログ

マーサー王物語
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1181163425/

マーサー王物語 第2章
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1182866894/

マーサー王物語第2章第2部
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1184368437/

マーサー王物語第3章
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1187493007/

マーサー王物語第3章第2部
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1189409919/

マーサー王物語第3章第3部
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1191852777/

マーサー王物語 (第3章第4部扱い?)
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1192800561/

マーサー王物語 第4章
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1194114517/
3外伝担当。。。:2007/12/12(水) 19:02:47.43 0
作者さん規制中につき代理で立てました。
盛り上げて帰還を待ちましょう。
4名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 19:18:06.96 0
このあとすぐ!
5名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 19:32:57.94 O
外伝担当さん乙!
6作者(規制中):2007/12/12(水) 19:52:09.91 0
(再度レスの代行をお願いしてもらっています)
スレ立て有難うございます!規制されているので書けはしませんが毎日見ています
ちなみに保管庫さんのBBSにちょこちょこレスをしてますのでそちらも暇があればチェックをお願いします
誰にも気づかれないのは寂しい><
7外伝担当。。。:2007/12/12(水) 20:02:50.45 0
王からの伝言ですw

※まとめサイトに保管されていない過去ログ

モモコVSエリチン〜〜〜8期オーデ
http://www.23ch.info/test/read.cgi/morningcoffee/1189409919/
元帝王ぶん殴る〜〜〜マイマイ「計画通り」
http://mirror.s151.xrea.com/imona.php?url=http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1192800561/
はぶらレイニャ〜〜〜オカール吹っ飛ぶ
http://www.23ch.info/test/read.cgi/morningcoffee/1194114517/
8外伝担当。。。:2007/12/12(水) 20:25:35.37 0
メロニア国物語 第2章 甘くは無い修行の味 〜12〜

イナバコフは豊満ではないが形の整った乳房の間に走る傷跡を愛しそうに撫でる。
昔、何があったのだろうか。シバチャピンは聞きたいような、怖いような感情の中で迷う。
それは子供の頃の肝試しのような、初恋の時の告白のような不思議な感じだった。
それが表情に出たのだろう、イナバコフが語りかける。
「やっぱ気になるわな。これはある剣士と戦った時の傷でな。今、ウチがここにいる理由や。」
理解できないといった風情で聞いていたシバチャピンにイナバコフは続ける。
イナバコフは故郷で戦士段に入っていたものの、それほど有名な戦士団でなかったせいもあり大きな戦功を上げるまでには至っていなかった。
それどころか、鉄砲玉や捨て駒に使われるなど散々だったらしい
数年そこで闘い、戦士としての基礎を身につけたものの全国区の戦士になるため国を後にした。
仲間が次々に戦いで散り、自分の命も危うい生活の中ですっかりイナバコフはやさぐれてしまっていた。
そんな旅の中で出会った謎の赤と黒の鎧を纏い、双剣を操る女剣士。
酔ったイナバコフが方が触れた触れないで因縁をつけたのがきっかけだった。
酔っているとはいえ歴戦の兵士だったイナバコフ。そうそう負けるはずは無いと思っていた。
だが、斬激を繰り出しても繰り出しても、双剣を掻い潜る事は無かった。
数十合も打ち合ううちに疲れが見え始めた隙を剣士は見逃さなかった。
旅装の軽い鎧では合ったが、それごと袈裟懸けに両断された。
「気がついたときには病院におった。負けたのは悔しかったけど、驚きの方が大きかった。
なにしろ、当然死んだと思ったような傷が皮一枚斬っただけやッたんやからな。」
「そんな事が・・・」
信じられないと言った顔で見るシバチャピンに答える。
「ウチかてそんときはそんな事、出来るとは思わんかった。でも、傷跡見てわろたわ。
やろうと思えば殺せた。そうでなくても、狙わんかったらこんな軌道で斬れるもんやないで。
これは狙ってやったんや。女の大事なもんを奪わんと目を覚ましてくれたんや。」
そういったきり暫く無言が続く。シバチャピンも掛ける言葉が見つからない。

「そや、特訓はどないや。出来そうか?」
聞かれて俯くシバチャピンに軽く語りかける。
「そやろな。よっしゃ、一つだけヒントやるわ。」
9名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 21:38:46.27 0
>>1
投稿も乙
10名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 21:42:38.18 O
  ノノハヽ
 リl|*´∀`l| <もぅ止まらないゼ GoGo♪
 ( `つ¶o
 (  ヽ/
 ノ> ノ
 U U
ミ:ニ>
11名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 22:15:34.49 O
外伝さんご苦労様です!


それにしても、作者さんがマーサー王みたいになっちゃいましたね…
ホント、シャレにならないッスよ…
12名無し募集中。。。:2007/12/12(水) 23:55:02.51 0
おうさまあさ
13名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 01:58:03.72 0
あぶないよ
14名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 02:11:49.10 O
外伝さん乙

寝るからアゲ
15名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 05:51:23.58 0
起きた唐揚げ
16名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 09:21:55.98 0
17名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 10:32:18.36 0
●を買ってしまった・・・
書き込めるようにはなったが大事なものを失ったような空虚な気分だぜ
18名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 13:15:51.39 0
うんこ
19名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 14:21:43.63 0
ちんこ
20名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 15:43:51.14 0
まんこ
21名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 16:24:28.54 O
从o゚ー゚从<イカ飽きたエビくれとゆいたい
22名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 16:55:02.74 0
Ω
23名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 19:01:14.48 O
落ちますよ
24名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 19:42:43.22 O
从o゚ー゚从<わたし自ら保全とゆいたい くコ:彡
25名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 20:30:19.15 O
陛下のお手を煩わせてしまうとは…貴様ら何をしているかッ!
26外伝担当。。。:2007/12/13(木) 21:30:42.50 0
スイマセン!浦和の試合に夢中になって・・・
これから書きます!
27名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 21:34:42.74 O
.∠ ̄ハヽ
从o゚ー゚从 <吉野家牛行ってきます
/ y⊂)
し〉  ⌒l
. (__ノ ~U
28名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 22:32:14.08 0
いってら〜
29外伝担当。。。:2007/12/13(木) 22:34:11.59 0
メロニア国物語 第2章 甘くは無い修行の味 〜13〜

「乾いたタオルを持って来て。」
そういわれ脱衣所まで戻って言われたとおりタオルを持っていくシバチャピン。
「そのタオルでウチの事、叩いてみ。」
そういわれてタオルを伸ばして端を握ってみる。振ってみるがやはりヒラヒラと舞うばかりで叩くというところまではいかない。
「これじゃあ軽すぎて強く触れませんけど?」
「そう、その通り。でも、こうして濡らしてやれば、少しは振りやすくなるな。」
ビュッっと自分のタオルを振ってみせる。
「でも、竹はそうはいかん。で、込めるのが・・・」
乾いたタオルをシバチャピンから受け取り振る。ビュ・・・と音が鳴る。
「今込めたのは気ぃや。気迫、気持ち、気功。いろんな呼び方がある。でも、それは目に見えへん。
これを込めるにはコツがいる。それは流れを読むことや。力の流れ。空気の流れ。
それを感じて一番最適な軌道を掴む。それが気を込める言うことやとウチは思う。」
イナバコフの語ることをシバチャピンは静かに聞いていた。
「出来るんでしょうか。私に・・・」
「ああ、出来るで。誰にでも出来る。」
イナバコフは笑顔で軽く答える。だが、次の瞬間には戦士の顔になる。
「誰にでも出来る。鍛錬、言う言葉がある。知ってるな。鍛は一万回。錬は十万回。同じ事を繰り返してやる事や。
それだけ繰り返すだけで誰でも出来るようになる。技を鍛えるのは一万回。さらに強くしようとして技を練るのは十万回。」
シバチャピンは正直、リアクションに困る。確かにそうだろうが・・・
「いいか、シバチャピン。才能言うんは最初から出来る事やない。出来るようになるまで続ける事が出来るのが才能や。」
あくまでも軽く、普段のおしゃべりのように語るイナバコフの言葉には不思議な説得力があった。
少なくとも、シバチャピンの胸には響いてきた。
シバチャピンは思う。自分にはヒトミの力も、マサオの技も、ムメの知恵も無い。
だが、これなら・・・
シバチャピンの胸に小さな小さな火が灯った。
30名無し募集中。。。:2007/12/13(木) 23:54:25.73 0
くコ:彡
31名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 01:27:15.59 0
>>27
いいね
32名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 05:53:51.99 0
33名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 07:54:01.87 0
おはようございまあさ
34名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 10:29:59.58 O
从o゚ー゚从
35名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 11:36:06.48 O
∠ ̄ハヽ
从o゚ー゚从 <メガたまご食べてきます
/ y⊂)
し〉  ⌒l
. (__ノ ~U
36名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 12:59:40.26 0
はらへったに一万点
37名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 15:17:07.62 O
38名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 17:02:00.48 0
  ノノハヽ
 リl| ;´∀`;l| <君と好きな人が百年続きますように…
 ( `つ¶o
 (  ヽ/
 ノ> ノ
 U U
39名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 18:58:34.03 O
从o`д´从
40名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 20:29:27.24 0
くコ:彡
41名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 21:49:30.70 O
567
42名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 23:01:58.95 0
王様、烏賊です くコ:彡
43名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 23:14:02.43 O
陛下だけにな
44名無し募集中。。。:2007/12/14(金) 23:35:56.50 O
>>42
∠ ̄|ニ:彡
从o゚ー゚从 <烏賊も頂くがポテチ買ってきます
/ y⊂)
し〉  ⌒l
. (__ノ ~U
45名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 00:56:10.64 0
上げ
46名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 02:19:25.32 O
514
47名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 05:40:27.04 0
このあとすぐ
48名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 07:36:55.40 0
続きはWebで!
49名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 09:53:05.74 O
王様余裕で脱獄してますがな
50名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 11:11:15.88 O
从o゚ー゚从 <身代わりを置いているのでダイジャブです

从o゚⊇゚从 <影武者マサ夫です
51名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 11:14:36.35 0
( `_´)?
52名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 12:47:49.45 0
( `_´)
53名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 13:04:28.15 O
川o・ー・)ノ <マーサー王ごはんですよ

从o゚⊇゚从 <はーい!

…> 川o・ー・)       从゚⊆゚o从

誰だこいつ!?
川;・д・)       从゚⊆゚o从
54名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 14:42:51.80 O
511
55名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 16:04:03.93 O
コンコン王のいないうちにうまいものを独占しちまえ
56外伝担当。。。:2007/12/15(土) 18:03:22.21 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜1〜

シスコムーン国に来て早くも半年が過ぎようとしていた。
仲間と合うことはあまり出来なかった。朝から晩まで修行していたし、なによりも上官の許可がでなかった。
それでも顔を合わせることは合ったが、ただ一人ヒトミだけはそれもなかった。
寒い日の風呂での一件以来、シバチャピンに迷いは無くなった。来る日も来る日も寒風吹きすさぶ中、竹を振る。
心の迷いはのなくなったその軌道も鋭さを日に日に増していった。
(イナバさんの言ったことは本当だ。気持ちで技自体もこんなに違うなんて。)
シバチャピンは自分の進歩を肌で感じ今までにない充実感を味わっていた。
それから1ヶ月も経つと杭を折ることも出来るようになった。だが、それでもシバチャピンはつづけた。
鍛えた技を更に練り上げるために、振り続ける。そんな春も間近なある日。

「おい、シバ。これから作戦会議がある。お前も参加し。」
「えっ、作戦会議って・・・何かあったんですか?」
普通、上官に対して口答えは許されないが、傭兵であるイナバコフはその辺は鷹揚だ。
「知らん。ミワが何か掴んだらしい。それに、他の3人も来るで。」
その言葉にシバチャピンの顔がパっと明るくなる。
「そうですか!久しぶりだなぁ。みんな元気かな。」
わくわくしながらイナバコフについて作戦会議室に入る。そこには懐かしくも、変わった仲間の姿があった。
ムメは白衣姿でメガネをかけていた。
「ムメ、なにぃそのメガネぇ」
「ズバリ!博士と呼びたまえ、シバチャピン君。」
そう言って人差し指を真っ直ぐに突きつけ一点を凝視する。
「ふえぇ・・・」
それに若干の恐怖を感じて後ずさる。
57名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 20:08:55.57 O
58名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 20:54:50.43 0
CM後もまだまだつづくよ
59外伝担当。。。:2007/12/15(土) 21:06:06.28 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜2〜

「はは、そう脅かすなって。」
そう言ったのはマサオ。マサオは服装こそ変わっていないが髪型がすごいことになっていた。
赤く染めた髪、それだけで人目を引くことこの上ないが、それを何百本にも小さく編み込みそれをまとめていた。
「すごい頭だねマサオ・・・」
「ああ、これ。ドレッドヘアーっていうんだ。かっこいいだろう。」
シバチャピンは曖昧に、相づちを打ってごまかす。絶対に自分ではやらないと心に誓いながら。
「ヒトミも元気だった?」
「ああ」
ヒトミはぶっきらぼうに答える。
もともと愛想の良い方ではないがシバチャピンは何か違和感を感じる。
外見も変わった。長さは変わらないものの黒髪は金色に脱色され、前髪の所だけが茶色だ。
冬だというのに肌も小麦色に焼かれ、体つきも一回り大きくなった。
以前はふっくらとした感じもあったが、今は筋骨隆々とした鋼のような身体だ。
そしてその目。怒っているときも笑っているときも、輝きだけは失わなかったそれが、今は落ちくぼみ精気が感じられない。
「ヒトミ・・・大丈夫?」
おそるおそる声をかけても返事がない。そこへシノが割ってはいる。
「訓練が厳しくて疲れてるんだ。休めば直るさ。」
「そ、そうですか・・・」
60名無し募集中。。。:2007/12/15(土) 21:15:22.86 O
∠ ̄ハヽ
从o゚ー゚从 <ミヤのお見舞いにでも行ってみるかな?
/ y⊂)
し〉  ⌒l
. (__ノ ~U
61外伝担当。。。:2007/12/15(土) 22:32:30.53 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜3〜
「戦になる。相手はマーサー王国です。」
会議の冒頭ミワがそう告げた。マーサー王国はこの辺ではモーニング帝国と並ぶ大国だ。
「仕掛けるのはこちらだ。」
まともに戦ってはシスコムーン国など逆に痛い目に遭わされるだけだろう。
誰もが馬鹿げた話だと思った。少なくともシバチャピンはには考えらんない暴挙だ。
だが、四天王の誰一人としてそういった表情を面に出さない。シバチャピンは思わず声に出して言ってしまう。
「嘘ですよね・・・勝てっこ無いじゃないですか。」
その言葉にすら四天王は反応しない。その沈黙を破って話すのはイナバコフ。
「悲しいけどホントや。」
「でも!」
続けるシバチャピンは思わず声が大きくなる。
「そうカリカリすんな。忘れたか?俺たちは傭兵だ。この国には金で雇われてる。
その傭兵が国の中で信頼を得るようになったらどおだ?」
4人の副官はハッとする。
「そう、この国にとっちゃ勝てば儲けもん。負けても痛みは爪を切ったぐらいなもんや。」
シノに続いてイナバコフが続けた。
「だからこそ勝たなくては意味がないわ。」
普段もの静かなミワまでがしっかりとした強い口調で話す。
「カテバカングン」
ルルも意味が違うような違わないような事を言う。だが、意志だけはしっかりと伝わった。
そして、四天王は作戦を練りはじめる。その間にムメがシバチャピンに新しい武器を渡す。
「うふふふ、ルル先生に教わった大陸武器と下からある武器を組み合わせて私が作った傑作よ。」
そう言って渡したのは大きなフレイル「ミギウデノカンセツ」
「どお?気に入った。イナバコフさんに言われて作ったのよ。他の二人にはもう渡してあるわ。」
そういわれてみれば、マサオの腰には鋭い鎌に鎖のついた見慣れない武器。
ヒトミの腕にはナックルダスターが装備されていた。
「マサオのはカマキリサンノヒダリウデ。ヒトミのはクマノテって言う名前よ。」
62名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 00:09:12.60 0
 
63名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 01:09:26.25 0
くコ:彡
くコ:彡
64名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 06:12:23.17 O
くニ:彡
65名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 08:24:35.00 O
从o゚ー゚从<イカは飽きたとゆいたい
ゲソが食べたいとゆいたい

(;´Д`)
66名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 11:09:05.24 O
油断大敵
67名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 14:06:32.95 O
テスト
68外伝担当。。。:2007/12/16(日) 15:51:43.00 0
WCWほ
69外伝担当。。。:2007/12/16(日) 16:52:34.23 0
CWCだったほ
70名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 17:31:31.76 O
∠ ̄ハヽ
从o゚ー゚从 <わかっちゃいるけどやめられなぃ
/ y⊂)
し〉  ⌒l
. (__ノ ~U
71名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 18:31:31.52 O
从o゚ー゚从 <お話を書いてみるか
 つ Φ
72名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 18:47:13.31 0
移転のあとすぐ
73名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 19:19:53.73 O
びっくりした
スレ番がやっと見れるようになった
74名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 20:28:03.95 0
王様どこ行った
75名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 20:58:28.49 O
ETCでドライブかな
76名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 21:49:32.24 0
 ┌┐.┌i   ┌┐  __ ┌┐  | | [][]
 |└[][]L.ロロ | [][] | | ロロ |.[][] l└─┐
 |┌┤.r‐┘│┌┘ | └┐└─┐l ̄ ̄
 └┘..凵   └┘  ! l ̄__l ̄ ̄.┘
               └┘
             ☆ノノハヽ
            从o ゚ ー゚从  あうあー
    (  ;;     ⊂    )⊃ 
   ( (  ;( ;; ; 0爻爻爻0
            王様爆走中
77外伝担当。。。:2007/12/16(日) 21:55:23.72 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜4〜

国境を越えて布陣したのは周りを山と湖に囲まれた盆地のような所だった。
兵数で劣るシスコムーン国軍はマーサー王国の全軍が布陣できない場所を選んだ。
山道を行軍してきた事もあり騎馬は参加していないので徒歩での戦だ。
マーサー王国の軍は惰弱な指揮官に統率されているとの噂もあり、シスコムーン国の指揮は上がっていた。
案の定、マーサー軍は平野に入りきらず、後方に遊兵を作ってしまい効率のよい布陣を出来ないでいるようだ。
対する四天王軍はイナバコフとシバチャピンに指揮された先鋒隊が突出し、後方にルルの部隊が控える。
その兵たちに向かってイナバコフが叫ぶ。
「ええか、お前ら!数は多いが雑魚ばっかりや。勝つ算段はしてあるから黙って着いて来い!」
「へい!隊長!」
「それにこのシバチャピンはこの隊で初陣や!ええおもいさしたりや!」
「へい!隊長!」
シバチャピンはあきれる。隊長が親分に聞こえそうなノリだ。
「ほな、行くでー!」
イナバコフの声に呼応して敵の中央を目指して曇天の中を全軍が走り出す。
イナバコフは先頭を走り、疎らに飛んで来る矢を斬り飛ばしながら突き進む。
背中に背負った巨大なフレイル「ミギウデノカンセツ」を右手で押さえて、後ろに従うシバチャピン。
いよいよ戦塵が舞い上がり、イナバコフ部隊が的中に突っ込む。
78名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 22:17:09.75 0
ダボトールは引退してる?
79名無し募集中。。。:2007/12/16(日) 22:51:57.58 0
浮上
80外伝担当。。。:2007/12/16(日) 23:45:07.44 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜5〜

突っ込んだイナバコフが敵兵の首、脇などの急所を的確に捉えて倒していく。
「よし!やれ、シバチャピン!」
「うりゃあああ!」
裂ぱくの気合と共に飛び出したシバチャピンは10メートルほど味方から距離を置く。
行軍してくる間中、扱いの習熟をしてきたフレイル「ミギウデノカンセツ」を背中から外す。
まずは両手で水平に払う。先に鎖で繋がれた錘がうなりを上げて敵兵を打ち倒す。
「おおおぉぉぉ!」
兵士をなぎ倒したミギウデノカンセツを今度は上に振り上げ、体の反対側の兵士に向かって叩きつける。
このとき勢いが残るように垂直ではなく、斜めに振り下ろしバウンドした方向に更に払う。
これまでの訓練で習得した力の流れのコントロールする力を遺憾なく発揮している。

イナバコフはその様子を満足げに、しかし、注意深く見守っていた。
シバチャピンの活躍でイナバコフ隊はかなり深くまでマーサー軍を押し込んでいる。
だが、裏を返せば的中に孤立している事を意味している。
「よし、そろそろ引くで!」
イナバコフは敵が体勢を立て直し、反撃に出てくるタイミングを計っていた。
退路を断とうと殺到してくるのをイナバコフが切り開き退却を始める。
そう、今回の作戦はイナバコフが敵をおびき寄せ、それを伏兵で叩こうというものだ。
一見、単純な作戦だがこの作戦の恐ろしいところは、目前に逃げる敵がいるのを見過ごす事が出来ないところにある。
相当に高い戦術眼と判断力のある指揮官であれば気付くだろうが、一般兵士にそれは期待できない。
逃げる敵がいれば追ってしまう。それが、痛撃を受けた敵であれば憎悪と敵意が入り混じりなおさら止まる事は出来ない。
敵はまるで伸びる餅をちぎる様に本体から引き離されていく。
イナバコフの隊はシバチャピンがしんがりを務める事で被害を最小限に勤めている。
敵兵から見て本体だと思われたルル隊の前で急に山側に進路を変えるイナバコフ隊。
そこへ襲い掛かる2つの隊。ミワ隊とシノ隊。
ミワ隊はおびき寄せた敵部隊への横槍を、シノ隊は敵本体との間に割り込んだ。
81名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 00:32:42.62 O
ベルセルクの黄金期みたいだ
期待
82名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 02:05:14.06 0
今日はここまでかな
83名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 05:06:14.93 O
491
84名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 07:24:10.80 O
从o゚ー゚从
85名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 09:59:56.30 0
あふぅ
86名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 11:39:31.05 0
ぐへへへへへ
87名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 14:12:24.35 O
从o゚ー゚从
88ルート254:2007/12/17(月) 14:45:55.59 0
                                       。。 。 。 。
まーさー王さいきんお楽しみですね?                i人人人i
                                       l_。o。__l
      ノノハヽ                          Σ  从゚ー゚;从つ )) コッ、コンコンどの!?
      川o・ー⊆0___,,                     ( )‐' 二つ
      (つニ∩,---' ̄ ̄ ̄ ̄゜                ((   ̄⌒) )
      (__ノ"(__)                              (__ノ


舐めてたら許しませんよマーサー王?
      ___
      /:::::::::::::::::::ヽ             。。 。 。 。
      l/^_,ヽ,_:::::::::::)            i人人人i
     从#・д・) ̄´             l_。o。__l
     /~ヽ ; i )              从;゚ー゚;o从 ごめんなさい…
     (⌒'J⊂ノ⌒)              ∪∪ )
    (_)  (_)               (__(_つ
89ルート254:2007/12/17(月) 14:52:55.75 0
最近イカばかしなのAAネタを
外伝もそろそろ書こうかと思ってるんですが外伝担当さんガムバレ!
90ルート254(<ニ:彡):2007/12/17(月) 16:58:23.53 0
    ∋oノハヽ
     川o・ー・)っ<ニ:彡
     乙 、___)つ
    ⊂⌒ノノハヽ
     ⊂从;゚ー゚从つ アァン...
91名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 17:46:21.14 0
鯖移転したけど作者さんまだ規制されてるの?
92外伝担当。。。:2007/12/17(月) 19:50:28.15 0
王様、捕まったのかw

>>89
頑張って書いてますよ〜今日も少しあげます
そちらの外伝も楽しみにしてますよ〜
93外伝担当。。。:2007/12/17(月) 20:53:44.84 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜6〜

イナバコフのおびき出した敵をルルが受け止め、そこにミワの横槍をいれ、退路をシノが断つ。
さらに包囲された中心に各隊から火矢が打ち込まれる。この火矢と同時に油を仕込んだ矢も打ち込まれ一気に炎上を始めた。
マーサー軍は混乱のうちに壊滅し始める。
「シバチャピン、見ろ!これがウチら四天王の奥義。『真夏の蜃気楼』や!」
それはまるで、砂漠に迷い込んだ旅人のごとく、幻と消え熱さの中に死んでゆく。
助かる術はまず無い。
敵本体も指揮官を中心に救おうと殺到するが、防御力の高いシノ隊がこれを受け止めていた。

「おうらぁ!甘いぜぇ!俺を倒したいんなら、大砲でも持ってこいってんだ。ははは!」
笑いながら敵を殴り倒すシノ。両手の鉄環手「丸い太陽」の重さで人間とは思えないほどの打撃を繰り出す。
それを受けた敵は攻城兵器にでも当たったようにひしゃげて吹っ飛ぶ。
同じようにヒトミも新たな武器「クマノテ」で敵兵を殴り倒していた。
どうやらシノはヒトミに自分と同じ戦闘スタイルの修行をさせたようだ。
こちらは重さよりも鋭さで敵兵を屠っていく。ヒトミは声も出さずにただただ敵兵を排除していく。
一人、また一人・・・敵を倒すたびにヒトミの息が荒くなる。
実はヒトミは精神的に追い詰められていた。シノの課した訓練はそれは厳しいものだった。
冬山に一人放り出され、三日三晩帰ってはいけないサバイバル。徒手空拳で獣と闘う訓練。
中でもヒトミを追い込んだのは剣闘士としての生活だった。
修行中シバチャピンが見なかったのも無理は無い。シノに連れられ剣闘士として実際に隣国で戦っていたのだ。
来る日も来る日も、命を掛けた戦いに明け暮れる。
強くなるのに最適な方法ではあったが、元々、見た目とは正反対に優しい性格のヒトミの精神を破壊するには十分すぎるストレスだった。
ヒトミの顔からはいつの間にか笑みは消え、ついには表情そのものが消えた。
更に、またこうして戦場で敵を屠ることでそれも限界に近づいていた。
94外伝担当。。。:2007/12/17(月) 21:34:04.56 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜7〜

「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ」
「ど、どうした、ヒトミ!」
急に人間とは思えない雄たけびを上げたヒトミにシノが駆け寄る。
ヒトミは憎悪に歪んだ瞳から涙を流していた。その尋常ならざる様子に流石のシノも一瞬ひるむ。
ヒトミは目の前にいるシノこそを憎んでいた。ヒトミは人殺しになりたかったわけではなかった。
強くなりたかったがそれは人を、大事な人を守りたかったのであって、殺したかったのではなかった。
悪いのはこいつだ。自分に殺させたのは目の前にいるこいつだ。ヒトミの敵意はシノ一人に向けられる。
まずは油断しているシノの肘に痛烈な拳の一撃を見舞う。
「うがあぁぁ・・・な、何しやがる、コイツ!俺は敵じゃねえだろうが!」
シノはそう言いながら肘を押さえるが、ヒトミの一撃で無残にも逆を向き使い物にならなくなっていた。
これも剣闘士生活で身に着けた戦闘術だ。ジワリジワリと戦闘力を奪っていく。
「お前は敵だ!いや、お前こそが敵だ!俺は・・おれはぁぁ!」
もう、ヒトミの言葉は意味を成さなくなっていた。だが、戦闘力が低くなったわけではない。
いや、逆にヒトミの優しさという枷が外れ、その力は増していると言っていい。残虐さを加えて。
シノも丸い太陽で反撃を試みるが、予想以上にヒトミの戦闘力は上がっていた。
右ひじに加えてヒトミの右フックを受け、左目を負傷してしまい戦闘を続行することが出来なくなってしまった。
それを見逃すマーサー軍ではなかった。見る見るうちにシノ隊は突破される。
最高の手際で発動された最高の戦術『真夏の蜃気楼』はたった一人の造反で、その成功を見ずに潰えたのだった。
95名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 22:46:39.17 O
いいね
96外伝担当。。。:2007/12/17(月) 22:54:02.63 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜8〜

敵の包囲殲滅戦を戦っていたミワはシノ隊が突破されるとは思っていなかった。
だが、ミワ自信、ヒトミの事を気にしてもいたのですぐに何が起こったかを悟った。
ミワはその技量もさることながらいつも冷静な判断力を発揮できるところが最大の武器だった。
半数の兵を連れてシノ隊の応援に向かい、副官のマサオに向かって叫んだ。
「マサオ!敵は私が食い止めるわ。あなたはヒトミを救って。多分、錯乱してるからあなたじゃないと、言うこと聞かないと思うの。」
その言葉を聞きマサオはヒトミの下へと急ぐ。
ミワがマーサー軍の本体との交戦地帯に着いたとき、ちょうど敵の指揮官らしき男が見えた。
「そこの男!指揮官とお見受けした。私はシスコムーン国四天王の一人、ミワ“ザ・マスター”プチポート。名乗っていただきましょう。」
「私はマーサー王国で所領を拝領するカッパー家の当主、トール・カッパー・トリトールだ。
高名なシスコムーンのマスターと手合わせできるのは、ありがたいが、何ゆえに無法にもわが国に攻め込んだのか?」
この問いにはミワも苦虫を噛み潰して言う。
「それは王に聞いて頂きましょう。我々は傭兵。敵といわれれば闘わなくてはならないのです。」
そう言って「月と太陽」のうち月刀を抜き打ちかかる。それをトールは棍棒「ソコラヘンノボウ」で受け止める。
激しい打ち合いになる。刀の命はそのスピードにある。左右上下から縦横に斬りつける。
その斬激で出来た隙を捉え、月刀を左手で逆手に持ち背負った太陽剣を上から叩きつける。
剣の命はその打撃力だ。その剣圧に推されてトールは吹っ飛ぶ。
ミワが圧倒的に押していた。
97名無し募集中。。。:2007/12/17(月) 23:27:38.82 O
とーる めぐめぐ したいんでしょ?
98名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 01:24:07.88 O
めぐ…
99名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 04:16:48.43 0
ワァオ
100名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 07:57:15.41 O
はるか昔強かったころの亨登場





・・・でもよく読むと無能設定
101名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 11:00:16.45 0
烏賊まだー
102名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 11:05:15.47 O
娘がはんぺんで親父はその上かw
103名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 13:35:55.69 0
<ニ:彡ほ温泉
104名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 15:14:18.20 0
トリ→トリプルボギー?
トリ→鳥→小鳥→バーディ?
105名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 17:06:07.64 O
586
106名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 17:16:41.65 0
そろそろ作者さんが帰ってくる予感
107 ◆dO/kErKplo :2007/12/18(火) 18:49:05.88 O
てすと
108 ◆dO/kErKplo :2007/12/18(火) 18:54:46.53 O
書けました!(携帯だけど)
設定変えるだけで携帯でも書けるなんて、、、不覚です
今まで保全してくださった方々、そして外伝さんには感謝してもしつくせません

携帯て書くのは不慣れですがなんとか連載再開したいと思います
109外伝担当。。。:2007/12/18(火) 19:01:11.29 0
おお!作者さんお帰りなさい!
みんな楽しみにしてますよ。
外伝の方ももう少しでひと段落しますのでゆっくり楽しませていただきます。

>>104
トリトールはトリプルボギーですw
110外伝担当。。。:2007/12/18(火) 19:08:52.88 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜9〜

ヒトミのところに着いたマサオは驚く。これがあのヒトミだろうか。
頬はげっそりとし、目は焦点を結ぶことなく虚ろ。まるで亡者のようだ。
「ヒトミ!おい、ヒトミってば!」
マサオが遠くから呼びかけるとゆっくりと幽鬼のように振り向く。思わずその顔に怖気が立つ。
血にまみれた顔で薄く笑い、瞳から流す涙は血の色だ。誰がこんなにもヒトミを追い詰めたのか。
正直、マサオはシノを呪いたい気分だった。造反者だからといってヒトミを攻める気には毛頭なれない。
「ヒトミ!」
ヒトミはその声に反応を示す。その表情は見る見る憎悪に彩られ、まるで悪鬼のようにマサオに向かってくる。
それに対しマサオは鎖鎌「カマキリサンノヒダリウデ」を腰から外し、分銅を投げつける。
ヒトミは悠々とそれを交わし、鎖を掴み力任せに引く。
マサオはそれを狙っていた。前につんのめる様に前に2、3歩たたらを踏むと同時に2度、手首を翻す。
鎖は大蛇のごとく身を翻し二つの螺旋を作って飛来する。
その2つの螺旋は胸の前に鎖を引いた腕ごと絡め取り、ヒトミの自由を奪い取る。
更に大きく2度手首を翻すと、大きな輪が獲物を狙う猛禽のごとく上空から襲う。
それはヒトミの太股と膝を縛り完全に自由を奪う。褐色の肌に鎖が食い込む。
「うぅ、がぁああぁ・・・」
獣のように雄たけびを上げ鎖を引きちぎろうとする。本人は無理だとも思っていないようだ。
普段のヒトミならば冷静に判断し外しにかかるだろうが、今は獣のようにただ抗うだけだ。
そこへ・・・
マーサー軍の兵士がヒトミの脇腹に剣を突き立てた。
「ヒトミイィィーー!」
あらん限りの声でマサオは叫ぶ。
曇天の空からは雨が降り出した。
111名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 19:21:20.60 O
ここで雨とは…ヤバいな
112 ◆dO/kErKplo :2007/12/18(火) 19:39:35.33 O
痛みで意識は朦朧とし、頭は壊滅的なほど混乱し、頼りの戦闘勘は鈍り、愛馬は爆撃に遭い
それらの欠落は戦士としては致命的、本来ならタカーシャイはこの場で戦線を離脱する事になっていただろう
だがタカーシャイには失われていないものがひとつだけ残されていた
そしてそれが戦況を大きく変えていく
いきなりシュパッという斬撃音が鳴り響き、それと同時にオカールは肩から大量の血を吹き出してしまう
「な・・・なんだ?・・・」
突然の鋭い痛みに驚いたオカールは動揺によりその次に襲い来るニ撃目、三撃目にも対処しきれなかった
さっきまでまったくの無気力に見えたタカーシャイからこうも鋭い反撃が来るなんて誰が予想できようか
113 ◆dO/kErKplo :2007/12/18(火) 19:40:52.62 O
オカールが、そして離れて見ていたウメサンとカンナが何も出来なかったのも無理は無い話だろう
そして誰よりもこの展開に驚いていたのは他でも無いタカーシャイだったのだ
タカーシャイは自分自身逆転は不可能だろうと諦めている節があったし、敗北を受け入れていた
しかしタカーシャイの胸の奥の奥にある生きたいという意志が自然に剣を持つ手を動かせたのだ
今のタカーシャイは現役の時と比較すれば確かに実力的に落ちるだろう
しかし昔取った杵柄、つまり死に物狂いに練習してきた礎だけは決して無くなりはしない
タカーシャイの身体はもはや夢から醒めている・・・そしてタカーシャイもそれを自覚し始めている!
今の全てを受け入れたタカーシャイはもう混乱する事は無いだろう、自分に出来る事を着実に披露するだけだ
114 ◆dO/kErKplo :2007/12/18(火) 19:48:40.43 O
携帯なので更新は今回のように短めになると思います
その代わり更新頻度は上がると思いますよ!

>>外伝さん
正直外伝さんの外伝が盛り上がってるのでここで投下して良いのか悩みましたw
雨が降るという事はトールちゃん強くなっちゃいますね
メロンVSマーサー王国がこんなにも前に実現してたとなると今後のネタに使えるかも・・・
115名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/12/18(火) 19:57:33.32 O
>>112


お帰りなさい!待ちわびておりましたよ!

しばらくの間は携帯で不便でしょうが、頑張ってください!
116名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/12/18(火) 20:16:08.31 O
>>114


携帯で書いてるワタシから差し出がましいようですが…
だいたい1000文字〜1500文字までなら文字数オーバーにならないようです
あまり改行すると、エラーが出ます…この作品なら心配はないと思いますが…

参考になれば幸いです
117名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 20:38:22.07 O
本編再開キテタ――(゚∀゚)――!!
118外伝担当。。。:2007/12/18(火) 21:59:48.21 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜10〜

振り出した雨は激しさを増し、打ち込んだ火矢の勢いを殺していった。
全てがシスコムーン四天王にとって不利に動いていた。
マーサー王国軍は一部合流しつつあり、シノは戦闘不能。
ミワは一刻も早く敵の指揮官、トール・カッパー・トリトールを倒し戦局を打開しなければならないと焦った。
元々、数の少ないシスコムーン国の兵士達は徐々に押され始めていた。
「さあ、もう諦めなさい。これで決めます。」
ミワは月刀を構え再び連撃を加える。だが、ココで驚く事がおきる。
さっきまでは圧倒的に押されていたはずのトールが互角に打ち合い始める。
それも雨に濡れた棍棒「ソコラヘンノボウ」が剣を受けると同時に、剣の刃を滑らせ、いなしてきたのだ。
受け止められた刀はすぐに引けるが、いなされればその勢いを自分で引き戻さねばならないので、自ずと出来る隙は大きくなる。
「ははは、雨が降るとは運が悪かったな。我がカッパー家では雨は幸運のしるしだ。
これであなたに勝ち目は無い。早々に引き取られるがよい。」
先ほどとは打って変わって自信に満ちたトールの声にミワはいらだつ。
「猪口才な!」
焦るミワは太陽剣を抜き棍棒ごとへし折ろうと、大きく振りかぶった。
「そこだ。」
トールは冷静に一言いい、両手でその辺の棒の端を持ち、半身に構えた体勢から地面を叩き、そのまま振り上げる。
打たれた地面から、卵の黄身ほどの大きさの石が勢い良く飛び、ミワの鳩尾にヒットする。
一瞬息がつまり太陽剣を取り落とそうになったところに、トールの一撃が同じフォームから踝にヒットする。
「うがぁ!」
激痛にうめき倒れるミワ。完全に足を折られてしまった。
四天王のうち二人までが倒され、少数のシスコムーン軍の勝機はこの瞬間に消えたといっていいだろう。
119外伝担当。。。:2007/12/18(火) 22:18:50.69 0
>>作者さん
アイリの戦いの時に紹介されてた父親の話はいつか出したいと思ってたんです。
メロンも8年という歳月がありますからいろいろ書けますね。
外伝書いてて本編に影響があるのは、外伝冥利につきますw
120名無し募集中。。。:2007/12/18(火) 23:11:21.42 0
シンボルちゃん様様だぜ
121名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 01:09:13.13 O
期待や
122名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 04:24:12.22 O
そういえば小湊って当時子供いたっけ?
結婚してただけだっけ?
123名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 05:27:00.45 O
その頃オオヤマダはカニを求めて…
124名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 07:27:19.01 O
从o゚ー゚从
125名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 09:13:02.87 O
川o・ー・)ノ ヘイヘイカモンヨー

从o゚ー゚)ノ ステキナキブンヨー
126名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 12:23:51.27 O
570
127名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 13:57:29.02 O
从ヽ゚ー゚从
128 ◆dO/kErKplo :2007/12/19(水) 15:34:26.68 O
タカーシャイが我を取り戻してからは全てが終わるまであっという間だった
オカールにさらなる追撃を加えた後におもむろに立ち上がり残り二人のもとへと走りにかかる
当然ウメサンとカンナから弾丸が自分めがけ飛んでくるがタカーシャイは持ち前の眼力と技術でそれを弾き飛ばす
この時すでにタカーシャイは自身に最も合った戦闘スタイルに気づき始めていたのだった
自分には「チェリーブロッサム」のような派手な必殺技なんて必要ない
その代わり血の滲むような特訓で勝ち得た技術がある、地味だがこれも立派な「技」なのだ
この技術さえあれば弾丸を軽く弾き飛ばす事が出来る
気さえしっかり持てば手負いの相手なら臆せず仕留める事が出来る
自分に出来る事を正しく理解し、その場にあったパフォーマンスをしっかりと決めて戦況に貢献する
それこそがかつてミキティでさえ得られなかった「黄金剣士に最も近い剣士」という称号の理由
力衰えようがその根源は決して揺るぎはしない、タカーシャイは今なお強大な威圧感を放ちウメサンとカンナに立ちはだかるのだ
(と・・・止められない!)
人が変わったようなタカーシャイの猛進にウメサンは焦り始めてしまう
このまま散弾を撃ち続けても埒が明かないと思ったのかウメサンは最後の手段を使用する事を決意する
かつてタカーシャイを倒し、さっきもまたミウナを爆撃したウメサンのとっておき「炎離華」をだ
129 ◆dO/kErKplo :2007/12/19(水) 15:38:49.94 O
確かに1000文字以内なら全然エラーになりませんね
この分だと20行や25行くらいならいけるかも・・・
手探りでやってみます
130名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 15:52:35.89 O
州´・ v ・)<ぐわんばれぇ〜
131名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 16:03:22.39 0
            パシ   パシ  ☆
               パシ ☆ パシ ☆
           _,ハ,_≡つ      ノノハヽ
         从o゚ー゚)≡⊃≡⊃⊂(・-・o川
         /  ≡⊃≡⊃    ノ ⊂ ノ

             ビュン!! ピタッ
         ノノハヽ    ノノハヽ
.        从o>ー<)⊂≡(・-・o川
         \つ つ    \ と

         チックショー
.          ノハヽ        ノノハヽ
         从;゚ー゚) =3     (・∀・*川 <イカは私のものです
          ( つ つ      <ニ:彡とノ
132名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 18:06:25.28 0
このあとすぐ
133 ◆dO/kErKplo :2007/12/19(水) 18:28:34.70 O
薬莢のたっぷり入った袋を投げつけ。それを撃とうとするウメサンだった
ひとたび撃ち抜けばその瞬間大爆発が起きタカーシャイの突進を止める事が出来るはず
しかし今のタカーシャイがそんな大技をやすやす喰らうはずもない
ウメサンが袋を投げ、そしてそれを射抜くまでには必ずタイムラグが生じるわけであり
いくら早く銃を構えたとしても袋がタカーシャイの所に届くまでは撃つ事が出来ないのだ
そこでタカーシャイはその時間差に着眼し打開を始める
自分の所へ袋が飛んできた瞬間にサーベル「ゴボウ」の柄の部分で右っ側にバシッとはたき落とす
刃で迎撃すればあたり一帯に薬莢が飛び散るため爆撃から逃れられない、しかしこうすれば袋を破らずに済むのだ
この方法こそが「炎離華」の唯一の対処法、タカーシャイは咄嗟にそれを判断し行動に移したのだった
そして次に襲い掛かるウメサンとカンナの銃弾をいつもの通り冷静に捌ききり接近を続ける
とっておきの決め手をあっさりと回避されてしまったウメサンの面食らい様は尋常では無かった
場を弁えているためにさほど動揺せずに次の狙撃に移行できたが正直言って次の対策など何も浮かびはしない
方法があるとしたら数年前の大戦にてタカーシャイを倒した時のように己を犠牲にした爆撃を起こすくらいか・・・
しかし今はすぐ隣にカンナがいるのでそのような方法を取るわけにもいかない
深く傷を負っているカンナに爆撃を与えたら命まで落としかねないからだ
タカーシャイが自分達の所にまで接近するまで2秒とかからない、こんな短期間でカンナに何を伝えられるだろうか
無論伝える暇など微塵もなし
そのままタカーシャイのテリトリに入ってしまったウメサンとカンナはあっという間に斬られてしまう
134名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 20:00:14.27 0
まだまだつづくよ
135外伝担当。。。:2007/12/19(水) 20:53:43.94 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜11〜

「ヒトミ造反、シノ戦闘不能、ミワ敗退。」
伝令からイナバコフにもたらされる情報は信じられ無いものばかりだった。
これが本当ならば由々しき事だ。四天王の二人までが倒れたとなれば作戦を立て直さなければ勝てない。
いや、兵数を考えれば帰還する事も難しいだろう。
振り出した雨の中で敵兵を苦しめていた火計もすっかり効果はなくなっている。
「シバチャピン、頼みがある。私はルルと一緒に退却の用意をするさかいに、シノとミワ、それにお前の仲間達を救出しとくれ。
危険な任務やけど頼める奴がおれへんねん。」
「わかりました隊長。任せてください。」
そう言って、走り出すシバチャピン。それを見届けてイナバコフはゆっくりと部隊を移動させていった。

シバチャピンが激戦区に到着して最初に見つけたのはミワだった。
指揮官らしき男は見当たらず、兵士達に捕虜として連行されているようだった。
シバチャピンはミギウデノカンセツを大きく振り回し敵を排除しながら進む。
「ミワたいちょおー!」
「何だお前は!く、来るな!近寄ったらコイツの命は無いぞ。」
そう言って迫り来る迫力に気圧されてひるむ兵士が、ミワの首筋に剣を突きつける。
シバチャピンは構わず上段からミギウデノカンセツを叩きつける。
先端の打撃部で一人を屠り、そのまま竿を立て、支点にしてもう一人に飛び蹴りをかます。
「大丈夫ですか?」
「不覚だ。足をやられてしまった。敵の指揮官は相当の手練れだぞ。このままでは、我が軍は・・・」
「その事ですが、イナバコフ隊長は退却の準備を始めるようです。二人までがやられてはもうだめだと。」
「そうか・・・ならば、早く陣に戻ろう。ヒトミとシノのところにはマサオを向かわせた。彼女なら何とかすると思うが。」
ミワを馬に乗せ戦場を探し回るが3人の姿は一向に見つからなかった。
「私の薫陶を得て、そう簡単にやられるはずは無いが・・・」
「ヒトミでしょうか?」
そう呟くシバチャピンにミワはかける言葉を見つけられなかった。
136名無し募集中。。。:2007/12/19(水) 22:16:33.98 O
川σ_σlly-~~
137外伝担当。。。:2007/12/19(水) 23:13:30.76 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜12〜

結局、シバチャピンは仲間達を見つけられずにルルたちの本陣まで戻ってきていた。
兵たちは既に半数まで減っており、マーサー軍との比較では4分の1まで兵力差が開いてしまっていた。
これではどうやっても勝ち目は薄い。下手をすれば全滅の可能性もある。
「退却しよう。この戦は負けだ。このままでは全滅する。」
「でも、ヒトミ達が!」
その言葉にいつに無く厳しい口調でイナバコフがたしなめる。
「戦場で指揮官が情に流されれば多くの仲間が死ぬんだ!たとえ仲間だろうが、救えない者だっている!」
「そんな!イナバさんがそんな薄情な人だなんて・・・」
パン・・・
乾いた音が響く。今まで黙っていたルルがシバチャピンの頬を張った音だ。
「私タチガシノヲミステルノガ辛く無いとオモウカ。平気でイナバコフが決断したと?」
シバチャピンはその言葉を聞いても気持ちの整理をつけられない。
「シバチャピン。お前は才能のある戦士だが、これ以上の作戦への異論は許さん。ここでお前を解任する。何処へでも行け。」
これがあの優しいイナバコフだろうか。従えないならクビだと情け無用のこの指揮官が。
シバチャピンはそう思い、涙を浮かべながら背を向ける。
「もういいです。ムメ、行こう!早くマサオとヒトミを探しにいかないと・・・」
「私は行かないわ。」
「行かないって・・・見捨てるの、仲間を?早くしないと死んじゃうかも知れないんだよ!」
「冷たいって思うかもしれないけど、今のあなたは間違ってる。ここは退却するべきよ。」
ムメの冷たいその言葉にシバチャピンは思わず怒りがこみ上げる。拳はわなわなと震え、かみ締めた唇から血が滲む。
シバチャピンはそのまま軍靴を鳴らし陣営を退出する。
「いいのか?」
ルルがムメに一言だけ聞く。
「しょうがないです・・・だって、そうしないともっと多くの兵が・・・
仲間の命だからって・・引き換えに・・しちゃ・・・」
冷徹を装っていたムメの瞳から大粒の涙があふれ、言葉も最後の方は聞き取れないほどの涙声になっていた。
「ソレジャ、これだけ持ってってヤレ。」
ルルが手渡したのは皮袋と羊皮紙の手紙。
138名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 00:37:44.57 O
どきどき
139名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 01:13:04.99 O
川;σ_σll <三錠の風邪薬だったミュン
140外伝担当。。。:2007/12/20(木) 01:14:18.21 0
んなこたぁないww
141名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 04:54:07.91 0
王様、朝です
142名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 05:58:42.77 O
从o゚ー゚从<おはようとゆいたい メシくれ
143名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 07:23:38.74 O
从ヽ゚ー゚从<メシ〜
144名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 07:53:59.32 O
>>143


つ【ホタルイカの沖漬け】【イカリングフライ】【イカ飯】【イカ墨パスタ】
145名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 10:32:53.81 O
从#゚ー゚从
146名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 12:40:32.70 O
从o゚ー゚从<オセチ食わせろと強くゆいたい!…です

从o゚ー゚从<くコ:彡はもうイカん
147名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 12:45:21.75 O
千奈美より寒いです王様
148名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 14:47:39.26 O
从#゚ー゚从
149名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 16:39:22.78 O
くコ:彡
150名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 16:39:32.38 O
从o゚ー゚从<なら私をイカしてみろ!とゆいたい ポッ
151名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 18:30:01.52 0
今夜怒濤の新展開
152名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 19:53:29.73 0
このあとすぐ
153外伝担当。。。:2007/12/20(木) 20:33:21.05 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜13〜

それを見たムメはハッとする。引っ手繰る様に受け取りシバチャピンの後を追う。
「ミュン!」
走り去ろうとするシバチャピンの背中に大声で呼びかけるムメ。シバチャピンはその声に期待を込めて振り向く。
「やっぱり一緒に言ってくれるの?」
「ううん、今は一緒に行けない。隊長たちからこれを・・・」
手渡された皮袋と羊皮紙を受け取ると、中身は金だとわかる。
「何よこれ!こんな時にお金なんか要らないわ。馬鹿にしないで!」
ムメは両肩を掴んで真っ直ぐに目を見て言う。
「今は行けないけど信じて。これは絶対に必要になるから。お願い・・・」
仮にも生死を友にしようと誓った仲間の願いを無下に断る事も出来ずにそれらを受け取る。
無造作に懐にそれを突っ込み別れを言う。
「さよなら・・今までありがとう・・・」
そう言ってシバチャピンは戦場へ走り出す。

その頃、陣営の中には敗残兵に混じって退却してきたシノが到着していた。
「ヒトミの野郎!とッ捕まえて俺が息の根止めてやる!不意さえ疲れ無きゃあんな奴・・」
「何言ってんねん。お前が悪いんやないか。あんなんしちまいやがって。」
そう言ってイナバコフがシノを叱りつける。
「そうよ、有望な新人だったのに。あれさえなきゃ、この闘いだって勝てたのよ。」
温厚なミワまでもが容赦なく突っ込む。
「イイシオドキかもしれん。」
「そうだね、私も旦那と子供の顔も見たくなってきたし。シスコムーン国でも疎まれてきてるし、解散するにはいい時期かもね。」
「そうと決まれば、一刻も早く退却だ。まあ、今までたんまり稼いだし、少し欲を出しすぎたかもな。」
あくまでもビジネス、何処までもドライな傭兵達。イナバコフはシバチャピン達にこの姿を見せたくなかったのかも知れない。
あの熱い心を持った4人は実は四天王にとっては眩しい存在だったのだ。
そんな4人に夢を失って欲しくない。志を捨てないで欲しい。最後の親心だった。
「やけど、あのトールとか言うおっさんは厄介やな。」
「ワタシがやる。勝たなくていいなら手はアル。」
ルルが不適に笑って立ち上がる。
154 ◆dO/kErKplo :2007/12/20(木) 21:28:24.78 O
「はぁ・・・はぁ・・・重いがし・・・」
気を失ってしまったウメサンをテントの外へと出すためにずっぺずっぺと引き摺り歩くタカーシャイ
ウメサンの爆撃によりあちこち燃えてしまったので中に居る者全員を外に出さねばならなかったのだ
食卓の騎士はタカーシャイら帝国剣士からしてみれば敵ではある、しかしだからと言って何も殺す必要など無い
周囲の兵士は全員自分が斬り倒してしまったのでタカーシャイ自ら救出したのだった
ウメサンにカンナにオカール、体を休めていたモモコとマイマイ、そして愛馬であるミウナ
その全てを救出し終えた後にタカーシャイは一息つきながらぺたんと地べたに座り始める
(戦況はどうなってるんやろ・・・副団長の二人を倒せたのは大きいけどいかんせん他がわからんがし)
飛び入り参加といった形で戦場にやってきたのでタカーシャイは戦況をまるで掴めていなかった
分かる事と言えば目の前にいる5人の食卓の騎士が倒れている事、そしてロッキー三銃士が捕虜になっている事のみ
ガキはどうなっているのか、新人の4人は無事なのか、敵の主力であるシミハムやマイミの状況などがどうしても気になる
もし戦況が芳しくないとしたらその時はまたタカーシャイ自ら立ち向かわねばならないとも覚悟していた
刺された傷が痛むが戦闘に支障を与えるほどでも無い、冷静さを取り戻した今なら食卓の騎士の1人や2人なんてことは無いのだ
「相手が複数なら厳しいけど1対1ならなんとか・・・いや、絶対勝たんといけないんやよ」
情報こそは入ってきていないがタカーシャイ自身帝国軍の戦況がよくはない事は肌で感じていた
味方が不甲斐ないと言いたいわけではないが自分が力を貸すべき事はわかっていたのだった
そのためにはここでしっかりと休み、今後の戦いに備えなければならない
だがここにきてそれを邪魔する相手が現れてしまう事となる
「あーーーーー!!いた!タカーシャイ帝王見つけた!!」
「!?」
いきなり大声で呼びかけられ驚いたタカーシャイはその方へと首を向ける
しかし声の主はどうもタカーシャイには心当たりの無い小柄な少女だったのだ
「帝王さん、お気の毒ですけどこの場で死んでもらいます!」
「誰・・・や?」
155名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 21:43:15.73 O
寝る前あげ
156外伝担当。。。:2007/12/20(木) 21:54:04.35 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜14〜

シスコムーン軍はイナバコフが指揮して退却を始めた。マーサー軍もそれに追い討ちをかけるべくトールが先頭になって進軍する。
雨の中のトールは文字通り神がかり的な強さを見せ、兵士達では足止めをする事も出来ないでいた。
そこへ立ちはだかったのはルル・ムゲン・ヨッコイ。手には九節鞭「ヘビノオモチャ」。
「そこにいるのは四天王の一人か。既に勝負は決した。降伏されよ。命は補償するぞ。」
トールの自信に満ちた言葉など意に介せずルルは攻撃を始める。
まずは真っ直ぐに刃の突いた九節鞭の先端を繰り出す。体躯を捻って避けるトール。
体の後ろまで真っ直ぐに引き、今度は回して上から叩きつける。
地面に落ちたヘビノオモチャをしならせながら上に振り上げ肘に巻きつけて再度打ち出す。
止まる事の無い、流れる様な連激に、流石のトールも反撃できない。
棍棒ソコラヘンノボウで打ち落とし間合いを詰めようとしたが、ルルは足の裏で踏みつけたかと思うと蹴りの要領ですかさず打ち出す。
ルルの息も尽かさぬ連続技にトールの鉄壁の防御術。膠着状態に陥った。
このままでは追撃のチャンスを失ってしまうトールは無理をして間合いを詰める。
頬を刃が掠めたが構わず接近する。近距離になれば九節鞭は不利だ。
トールの必殺の間合いになった瞬間、逆にルルがトールの身体にしがみ付き身体を反転させる。
それを狙っていたのはムメ・アラドーテ・コマリマス。
自分で作った連射式ボウガン「ヤガモ」。引き金を絞ると同時に3本の矢を水平に打ち出す。
3本のうち1本はルルの太股に、1本はトールの脹脛に突き刺さる。
「ぐぅ・・・」
「ハァう!」
二人はもんどりうって倒れる。ムメは剣を抜きトールに止めを刺そうとするがそれはルルが止める。
「ヤメロ。怪我をしててもお前の適う相手じゃない。ここは退却だ。」
ムメはその指示に素直に従う。ルルを担いで退却する自軍へと戻る。
トールは追撃は危ういと判断して追撃を止めさせた。
相打ちを狙ってまで退却をする敵だ。深追いすれば逆激を被るだろう。
名だたるシスコムーン四天王を破り王国の安寧を勝ち取った救国の名将が誕生した瞬間だ。
157名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 22:09:04.16 O
>>154
ん?
158名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 22:09:23.08 0
梅しかったの?
159157です:2007/12/20(木) 22:23:21.71 O
>>154
失礼しました自己解決しました
160名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 23:06:26.68 O
目が離せんな
161外伝担当。。。:2007/12/20(木) 23:08:43.57 0
メロニア国物語 第3章 This is 運命 〜15〜

無事、退却する事が出来た四天王は王に対して負け戦を復命する。ムメの末席に控えている。
王からは激しい叱責と聞くに堪えない罵詈雑言を浴びせかけられたが、四天王の態度は敗軍の将とは思えないほど堂々としていた。
「王に申し上げます。此度の敗戦の原因は出兵した事、それ自体にあります。
すなわち、天の時、地の利、人の和のうち二つまでをを欠いておりました。」
言上したイナバコフはここで一旦言葉を切り、伏せていた視線を上げてギロリと王を睨む。
「幸いにも四天王に死者が出なかった事は幸運でした。そうなれば私は陛下を許す事が出来なかったでしょう。
これまでお世話になった誼です。此度の戦を最後に目障りな我らはこの国を出ます。
この先、関る事も無いでしょう。」
王はこの時気付いた。自分の地位を保証していた最大の駒が無くなる事に。だが既に遅い。
シスコムーン四天王。数々の伝説を作ったユニットの解散の瞬間だった。

時を同じくして戦勝を報告していたのはトール・カッパー・トリトール。
名だたるシスコムーン四天王の二人までを倒し、3人目で相打ち。無敵を誇ったシスコムーン軍の傭兵軍団を退け、国を守った英雄。
王はその戦果を大いに喜び手をとってそれを称えた。
「カッパー卿、よくやってくれた。今までの風聞に耐え、よくぞ国を守ってくれた。それに報いるには、何をしたらいい。」
王はトール望むもの全てを与えるつもりであった。だが、トールは清々しい表情でこれを固辞する。
「陛下申し訳ありませんが、私は今日を最後に退役しようと思います。」
これには王も驚く。
「どうしても退役するというのか?カッパー卿ならもっと上を狙えたというのに・・・」
「いえ私はこれで十分満足です」
「そうか・・・しかし指揮官が居なくなると一気に戦力が落ちるかもしれないな・・・」
「王、あと8年お待ちください。私の可愛い娘を必ずやこの素晴らしい王国軍に加入させたいと思っていますので。」
あくまでも静かにトールは続ける。
「それにわが娘だけでなく、バカダナー家、ソイビーン家、タラステル家でも有望な子息がいると聞きます。
それに陛下のご子息もおられますので、マーサー王国の次代は隆盛の時となるかも知れません。楽しみではありませんか。」
王はそれを聞き満足そうにトールと頷きあうのだった。
162名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 23:13:09.55 0
マーサー王が男だったという衝撃の事実
163名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 23:13:38.57 O
>>157


ボクにはわかる…
164外伝担当。。。:2007/12/20(木) 23:14:05.54 0
第3章はここまでです。
散り散りになった4人はどうなるのか
ヒトミとマサオはどうなったのか?
助けに行ったシバチャピンは?
ムメはこの先どうするのか?

次章に乞うご期待!
165名無し募集中。。。:2007/12/20(木) 23:15:09.60 0
乙であります
166外伝担当。。。:2007/12/20(木) 23:19:09.46 0
>>162
子息=男の子 だったんですね

ここでは「子供」を敬った言い方だと脳内変換して下さい
まだまだ、修行が足りんなぁ・・・
167名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 00:30:31.04 O
期待しながら寝る
168名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 01:03:54.43 O
その場合は息女だね外伝さんとにかくお疲れちゃーん
169名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 03:08:20.78 0
ねる
170名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 06:17:03.08 0
おは ほ
171 ◆dO/kErKplo :2007/12/21(金) 06:34:55.04 O
>>外伝さん
章完結お疲れ様です、本編のトールちゃんの回想とリンクしてますね
本編書いてる時はそれなりの相手を想定してましたがまさかシスコムーンになるとはw
そりゃ英雄扱いもなるわなぁ

>>157 >>163
!?
私なんかやっちゃいましたか?・・・><;
172名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 09:55:15.72 0
ボクにはわからない…
173名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 11:45:43.42 O
从o゚д゚从
174名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 14:16:24.64 O
おうさまあとでネタ書くから怒らないでよ
175名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 14:35:33.20 O
从o゚ー゚从∩<よきにはからえ
176名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 16:59:36.47 O
595
177ルート254:2007/12/21(金) 17:01:30.30 0
            バシ   バシ  ☆
               バシ ☆ バシ ☆
         ノノハヽ ⊂ミ⊂ミ  ノハヽ
      クッ 川;・-・)つ⊂≡⊂≡(゚ー゚o从 <フハハハハどうですコンコン殿!
         / つ ⊂彡⊂彡⊂彡   ヽ


            バシ   バシ  ☆
               バシ ☆ バシ ☆
         ノノハヽ ⊂ミ⊂ミ  ノハヽ
      クッ 川;・-・)つ⊂≡⊂≡(゚ー゚o从 <今日のイカは私が貰うとゆいたいです
         / つ ⊂彡⊂彡⊂彡   ヽ
こうなったらあの手を使うしかないか…


        ノノハヽ          _,ハ,_ヽ
    ハッ! c川o・-・)っ        (゚ー゚o从 <コンコン殿みょうな動きをするんじゃないぜ!
.         `(_,) ノ          ミつ )
          (__)           (__(____)
178ルート254:2007/12/21(金) 17:03:01.55 0
   |:::|:::|   \ , , / ヽ:::::::::∧∧∧∧∧∧∧:::::::::::::::.:::...
   |:::|:::|   ●    ● | ::< 紺野圓明流奥義 >:::::::::.::.::...
.  ノ:::|:::| ○   ̄ ̄   ノ:::::::::∨∨∨∨∨∨∨:::::::::::::::::::.::.::....


    ∋o、、 ノノ   ドン!!
無     γノノ ヽ
空    川o・`。´・)  M   \ ノハヽ ))
波     /  つ)) ・、'>  \ (゚ー゚;从 ハゥァ…
!     (  ノ   ,W      ノ  ∪ノ  ))
      |_/)_)       (( ⊂⊂_ノ


      ノノハヽ
     川*・∀・)っ<ニ:彡
     乙 、___)つ
    ⊂⌒ノノハヽ
     ⊂从;゚ー゚从つ アァン...
179名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 17:20:05.99 O
王様弱いなぁw
180名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 19:10:57.11 0
まだまだつづくよ
181名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 20:27:18.68 0
このあとすぐ
182名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 21:47:17.79 0
さらに待つ
183 ◆dO/kErKplo :2007/12/21(金) 21:55:45.07 O
左手に装着されている武器を見るに殺意は感じられるのだがどうも冗談のような状況に真剣に取り込む事が出来ない
しかしアスナの次の発言によってタカーシャイは事態に直面せざるを得ない状況に追い込まれてしまう
「あなたをちゃんと殺さないとミキティ様に見捨てられちゃうので・・・痛いけどガマンしてくださいね」
「!?」
ミキティという名を聞いた途端背筋が凍りつくような感覚に駆られてしまう
タカーシャイはさっきまでアスナの事を王国兵の端くれだと思っていたのだがその一言で全てを理解し始める
アスナはミキティの部下・・・それもタカーシャイを殺せる技能を持ち合わせたと見込まれたであろう戦士だ
そこいらの雑兵を帝王の暗殺に駆り出す訳など無い、すなわちアスナは見た目からは想像つかないほどの強さを持つはず
そう悟ると同時にタカーシャイはサーベルを抜き構え始めていた
得体の知れぬ存在であるアスナ・ブラウンコッチェビを迎撃するために全身の神経を集中させながら
184 ◆dO/kErKplo :2007/12/21(金) 21:57:03.21 O
投稿ミスしちゃいました!
正しいのを下に書きます
185 ◆dO/kErKplo :2007/12/21(金) 21:59:38.45 O
「私はアスナと言います、タカーシャイさんを暗殺しに来ました!」
いきなり突拍子も無い事を言い出す少女にタカーシャイは茫然自失としてしまう
まさか自分の半分ほどしか生きてないような子に殺人宣告を受けるなんて誰が思うだろうか
そもそも暗殺の対象を目の前に堂々と殺しを宣言する暗殺者なんて聞いた事も無い
「暗殺?・・・っていつに?」
「今です!」
「今やったら暗殺じゃないがし・・・それはただの殺しって言うんやよ?」
「あ!・・・じゃあただの殺しをします」
いまいち話の噛みあわない相手を前にタカーシャイはテンポを掴めずにいた
もともと食卓の騎士には幼い戦士が多数居るわけだがこのアスナという子はそれより更に幼く見える
そんな幼い子が一国の帝王に対して暗殺だなんて・・・どこまで本気なのだろうか
左手に装着されている武器を見るに殺意は感じられるのだがどうも冗談のような状況に真剣に取り込む事が出来ない
しかしアスナの次の発言によってタカーシャイは事態に直面せざるを得ない状況に追い込まれてしまう
「あなたをちゃんと殺さないとミキティ様に見捨てられちゃうので・・・痛いけどガマンしてくださいね」
「!?」
ミキティという名を聞いた途端背筋が凍りつくような感覚に駆られてしまう
タカーシャイはさっきまでアスナの事を王国兵の端くれだと思っていたのだがその一言で全てを理解し始める
アスナはミキティの部下・・・それもタカーシャイを殺せる技能を持ち合わせたと見込まれたであろう戦士だ
そこいらの雑兵を帝王の暗殺に駆り出す訳など無い、すなわちアスナは見た目からは想像つかないほどの強さを持つはず
そう悟ると同時にタカーシャイはサーベルを抜き構え始めていた
得体の知れぬ存在であるアスナ・ブラウンコッチェビを迎撃するために全身の神経を集中させながら
186名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 22:30:37.54 O
悲しい戦いが始まる…のか?
187名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2007/12/21(金) 22:47:08.27 O
>>184


ドンマイ経済!
188名無し募集中。。。:2007/12/21(金) 23:42:27.70 0
来てたか乙
189外伝担当。。。:2007/12/22(土) 00:42:23.43 0
メロン紺に行くため週末は休載です
って、まだ続編書いてません。

本編があるので気にならないでしょうがw
190名無し募集中。。。:2007/12/22(土) 00:54:37.57 O
気にはなるょ。。。
袋の中身が本当に風邪薬じゃないのかとか手紙の内容が風邪にはキヲツケロなのかとか
191名無し募集中。。。
なにげにAAネタ待ち