サスペンス小説「それいけミニモニ探偵団!!」

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81大河好き
>>69の続き

『モーニング娘。』の所属している事務所の社長からメンバーの住所を聞き出した刑事たちは、さっそく手分けして各メンバーの住んでいる場所へと向かった

後藤真希の家に辿りついたある刑事は、乗ってきた車から降りることなく後藤の家の見える位置に車を止めて、じっと家の様子を伺っていた

刑事たちの目的は『警護』などではない。それは建前で、真の目的はメンバーの『監視』である。

松浦亜弥の殺人が通報された時、実は最初は殺された被害者が松浦であるかどうかは判らなかった。

事件の通報はトラックの運転手からだった
「すいません! すぐ来てください人を牽いてしまいました! いや違うんです空から降ってきたんです ええ! 救急車ですか? いやもう全然ダメですよ・・・ええ」

死体はトラックに直撃された上に踏みつぶされていた為、身元の確認ができなかった

その死体が松浦である と確定されたのは、その死体が落ちてきたビルから『遺書』が出てきたからである

その『遺書』に松浦亜弥の名前はなかったが、聞き込みに急遽繰り出した警官たちが、この事件現場の近くにあるテレビ局に乗り込み、テレビ局の社員にこの『遺書』を見てもらったところ
「あっ! これもしかしたら松浦さんの文字じゃ・・・」
と一人のテレビ局の女性スタッフが答えた

「どうしてそう思うのですか?」
と刑事がそのスタッフに質問した
「ええ あの子はいつもアンケートに答えるときに『お母さん』という文字がよく出るのですが、その『お母さん』の『母』という字にクセがあるんですよ」
「この文字ですね?」
刑事は『遺書』に書かれている『母』という字を指差した
「ほら中にあるチョンチョンが繋がっているでしょう。これは『海』っていう文字と同じ書き方ですよね。アタシ憶えてるんです」

この証言から死体の身元が松浦亜弥である可能性が出てきたが、この時点で事件の現場を取り仕切っていた警察の責任者のカンが働いた
「これはもしかしたら自殺と見せかけた殺人なのでは?」
まだ死体が松浦亜弥であるかどうかも確認できてはいない時点での判断だった。