いてぃいさやか

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1まろん
よく晴れた日曜日だった。
朝食が終わると紗耶香はバットとグラブを出して、出かける用意をはじめた。
「あら、どこへ行くの?」
母が尋ねる。
「クラスの対抗試合なんだ」
紗耶香はちらっと時計を見ながら答えた。
「早くいかなくちゃ」
「勉強、したの?」
「紗耶香が自分で責任を持つさ」
奥の部屋で新聞をおり返しながら父がそう言った。
2まろん : 2001/01/11(木) 22:54 ID:aFpTSQsw
「こんな団地住まいじゃ、せいぜい運動でもしないと体がなまってしまうからな」
「行ってきます」
紗耶香は鉄のドアをバタンとならして廊下へ出た。廊下といっても、
ここはいわゆる市街地住宅という型で、左右にずっと通路がのび、ドアがいくつも並んでいる。
紗耶香はエレベーターに乗ろうとして歩き出しながら、何気なく隣室のドアを見た。
名札がかかっている!
3まろん : 2001/01/11(木) 23:08 ID:J8frjrFk
「保田」
「保田?あれ?うちの隣ってこんな名前の人だったっけ?」
奇妙に思いながらも試合が始まってしまうので紗耶香は急ぐ事にした。
4まろん : 2001/01/12(金) 22:12 ID:O.ayWubE
しかし、あまり長くは考えていられなかった。軽い足音がドアの内側へ近づいてきたからである。
次の瞬間、640号室のドアが開いた。
出てきたのは紗耶香と同じ年頃の少女であった。
それはどう見てもただの日本人ではなかった。
髪もひとみも黒かったが、整った顔立ちといい、ひきしまった筋肉といい・・・。
「何か用ですか?」
少女は言った。
「いや・・・、なんでもないんです」
5まろん : 2001/01/12(金) 22:21 ID:O.ayWubE
紗耶香は我に返ると、頭をひとつ下げて自動エレベーターの前へ行った。
ところが少女の方も何か用事でもあるのだろう。
紗耶香と同じエレベーターに乗りこんで来たのである。
なんだか変な具合だった。覗き見をしていた家の人と二人きりで、同じエレベーターに乗っているのだから無理もない。
二人は黙りこくったまま、体をエレベーターの降下の感覚にまかせていた。
突然ガタンと音がした。同時にエレベーターの中は真っ暗になったのだ。
停電らしい。
6まろん : 2001/01/12(金) 22:27 ID:1sMZWHLk
紗耶香は舌打ちした。急いでいるというのに不運な事だ。こうなればとにかく外へ出て、階段を降りるほかはない。
非常停止のボタンを手でさぐっていた紗耶香は、しかしぎょっとして振り返った。
パッと閃光がひらめいたからである。
それは少女のポケットライトらしかった。その光がしだいに収束し、小さな円光になると少女はライトをドアに向けた。
たちまち塗料のこげる匂いがした。続いてドアが赤くなり、ゆっくりと溶け始めたのである。
7borshch : 2001/01/13(土) 16:25 ID:.6Ay9Mow
ん?!なんだろう。。。
8のの : 2001/01/15(月) 00:52 ID:6vC565Vw
( ´D`)<まろんさんつづきはまだれすかぁ?
      ののはいてぃいさんのこともっとしりたいのれす。。。
9まろん : 2001/01/17(水) 04:04 ID:hHVdSYyc
明日にでも書きます。
少々お待ちを・・・
10小説ROM : 2001/01/17(水) 04:53 ID:CP5o2l62
おおー。続きが気になるけどマターリいこう。
見守ってますんで・・・
11まろん : 2001/01/17(水) 18:19 ID:hHVdSYyc
たちまち塗料のこげる匂いがした。
続いてドアが赤くなり、ゆっくりと溶け始めたのである。
「ちょっと・・・」
紗耶香は驚いて少女を制止した。
「その変なの、何か知らないけど、ドアに穴をあけることなんかないよ!!」
「ほっといてくれ!!」
少女は喘ぎながら、そのレーザーにも似た光の焦点をジリ、ジリと移動させている。
「やめろ!!」
紗耶香が怒鳴ったとき、パッとエレベーターの照明がともった。
それとともに、再び二人の体はゆっくりと降下し始めた。
ほんのわずかの間の停電だったのだ――――。
12まろん : 2001/01/17(水) 18:26 ID:hHVdSYyc
紗耶香はドアに目を近づけた。10cm平方くらいにわたって塗料がはげ、小さな穴が開いている。
「なんてことをするんだ。」
少女に目を転じた紗耶香は思わず口をつぐんだ。
少女の目は異様に大きく開かれている。その顔は何者に対してか、憎悪に醜く歪んでいた。
紗耶香の背をぞっとしたものが通りぬけて行った。
この少女は何者だろう・・・・・・。ほんのわずかの間閉じ込められただけで、
あんな物騒な物を持ち出す――――第一、あんな小さな物で金属を溶かせるような道具など、
紗耶香は今まで聞いた事も見た事も無かった。
ドアが開いた。1階についたのだ。壁に背中をくっつけて、まだ息を弾ませている少女をそのままに、
紗耶香はバットとグラブを持つと外へ飛び出した。
これ以上、変な少女などかまってはいられなかった。
だが、紗耶香とその少女の関係はそれだけではすまなかったのである。
その事は翌日の月曜日になってわかった。
13borshch : 2001/01/17(水) 21:47 ID:JHzr/PTw
お、きたね。
14保全 : 2001/01/20(土) 14:07 ID:GselnbkY
原因は全て( `.∀´)です。
15のの : 2001/01/20(土) 18:31 ID:fgipNHow
( ´D`)<ここはひつじいたらから、ほぜんしなくてもだいじょうぶなのれす。
      >>14はいってよっすぃ〜なのれす。
16名無し娘。 : 2001/01/23(火) 15:24 ID:/TBdFUBs
面白い小説だな。上げ荒らし中なだけに読んでないが。
17名無し娘。
不細工登場