宇宙の戦士 パワードスーツ総合スレ2 WAVE

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408冨士俊雄
>>405
そのレベルの「3Dとしての整合性」だったら、ロダンもミケランジェロもスタジオぬえもやっています。
問題は、そのレベルの「3Dとしての整合性」ではPSを始めとする複雑なぬえメカを3D化できない、という点にあります。

例えば「等力車」という機械要素を知っていますか。もし知らないのであれば、3Dとしての整合性を持ったPSの図面を引くのは無理です。
そして、おそらくロダンもミケランジェロもスタジオぬえも等力車を理解していないはずです。

ロダンもミケランジェロもスタジオぬえも「力」についてはよく理解しています。
それは絵を描くために重要なことだからです。
しかし、「その力がどこから来るのか」とか、「関節の角度によってどう変化するのか」ということまでは考えていません。
絵を描くために必要ないからです。

等力車というのは、力が変位に比例するバネ性の部品が生じる力を、変位に関係なく一定の力に変換するための部品で、
17世紀に時計の動力用として実用化されました。しかしレオナルドは15世紀にすでに等力車の図面を描いています。
レオナルド以前に等力車の図面を描いた人を私は知りませんが、簡単かつ必然的な部品なんで、
「関節の角度によって力がどう変化するのか」ということを真剣に考えれば自ずと考えつくはずです。
私もPSを設計する過程で同じものを考えつきました。

しかしながら、等力車自身は機械の外から見えないし、絵にも描かれません。
だから単に「外観が3Dとしての整合性」を保っていればいい、と考えていたロダンやミケランジェロやスタジオぬえには不要な概念なのです。

そして、「3Dとしての整合性を完ぺきにするには、絵には見えない内部の構造や機能まで理解しなければならない」
と考えた例外的な画家であるレオナルドと、内部の構造や機能を理解しない限り動くPSを作れない模型屋さんだけが等力車の図面を描くのです。
こうした隠れた作業を積み重ねることによって、「3Dとしての整合性」はより完ぺきに近づきますが、99.9%の人間にはその違いがわかりません。

このように、「ロダンやミケランジェロやスタジオぬえ」と「レオナルド・ダ・ビンチや模型屋さん」の間には埋めがたい溝があります。
それは「考え方」の違いであって、「うまい下手」の違いではありません。