>>1からの続き
北京五輪惨敗。言い訳に選手への責任転嫁、回避…。あげく「この国の人たちはすぐにたたきにかかる」
と居直った行為。それらの総括と説明責任もなかった。監督ひとりの功名心が先だっての“リベンジ”
になっては選手は動かない。起用法をめぐって暗に辞退をほのめかすエース、その存在がゆえに
拒否をちらつかせた選手…。かなりの選手がアレルギーを持っていると聞く。イチロー発言は、
この辺りに起源する気がする。
求心力がある王顧問を頂点として、球界に全面協力を仰ぐのは是としてもそれを王顧問に預ける
環境がつらい。「必要とあらばイチローにも電話して説得するよ」ではあまりにもむなしい。
選手はグラウンドに立てば手抜きはしない。それが習性であるが、仮に上司が自らの功名心で
成果を横取りし、失敗を部下に押しつけたら兵は疲弊してしまう。北京の結果はソレを教えてくれた
気がする。今回のイチロー発言に王さんも「言ってることは理解できる」と話した。そう、社会常識から
乖離(かいり)した不透明さ。一刻も早く脱却しなければ、球界はファンを失う。(編集委員)
(了)