スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています) 【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】 再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。 獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!! 怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!! 【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】 これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。 アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……! 人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー! 【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】 スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体! 異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。 変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝! 【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】 Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。 遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった! 軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ! 「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」 <イエス・マイマスター> 【ザ・シスターズ ◆klsLRI0upQ】 平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱 その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで――― 超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ! 【電光石火ゼノライファー ◆.dMD1axI32】 「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」 正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する! 少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ! 【Tueun ◆n41r8f8dTs】 全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす 荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!? 「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇! 【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】 「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。 兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る! 止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー! 【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】 ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ! 今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪! ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション! 【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 ◆gD1i1Jw3kk】 悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』 その力は二つの世界を交差させる! 海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】 80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」 異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」 陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる! 【スーパー創作ロボット大戦OP映像風 ◆gD1i1Jw3kk】 スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを ロボット物SS総合スレ作品で再現! 所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ! 【R,B&G ◆46YdzwwxxU】 Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU 巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、 同じ道を駆け抜ける!! 【仮想戦闘記録 ◆gD1i1Jw3kk】 海上都市姫路守備隊戦記・外伝 設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場! 果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!? 【ARTIFACT LEGACIAM あお ◆6k/dFp.sTw 】 突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム! レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる! 軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕! 【Diver's shell ◆a5iBSiEsUFpN氏】 人類共通の夢の一つに、「もっともっと遠く」というものがある―――― 表面の90%が海で覆われた星、ネオ・アース。黒服達の一件から時は過ぎ、ダイバー達は今日も、夢と浪漫を求めて海を往く。 物語は2ndシーズン突入し、新たな主人公、ジュリアとクラウディアの物語が幕を開けた。 男の娘も出てくる……かも? 【ヴィルティック・シャッフル ◆n41r8f8dTs氏】 普通の少年・鈴木隆昭の前に現れたのは、普通じゃない少女・メルフィーだった。 時を同じくして、平穏な日常に忍び寄る悪魔、オルトロック・ベイスン。 その「カード」を引く時、「未来」は訪れる。果たしてそれは「希望」か、「絶望」か―――― 【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs氏】 2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。 革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。 兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた―――― 【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1 】 近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。 主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な 少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。 戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、 互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。 やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも―― ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。 欝展開はないよ! 【剣神鋼王ミカズチ ◆YHSi90Gnr2】 其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。 剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―
【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】 荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。 人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」 アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ! 【GEARS ◆B21/XLSjhE】 近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける! 無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達! スポード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ! 【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】 紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。 雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!? ファンタジックロボットSS、ここに見参! 【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】 荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。 人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」 アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ! 【GEARS ◆B21/XLSjhE】 近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける! 無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達! スポード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ! 【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】 紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。 雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!? ファンタジックロボットSS、ここに見参! 【廻るセカイ ◆1m8GVnU0JM】 「もう少しでセカイが滅びる」 世界中にそんな噂が飛び交った。 そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった。 舞台は架空の都市“揺籃” 描かれるのはそこに住む彼らが繰り広げる他愛もない日常と、非日常。
【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】 CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。 少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。 戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か… あなたの護りたいモノはなんですか? 【シャドウミラージュ ◆klsLRI0upQ】 あの日、自分は前に進むことが出来たのだろうか? 心に傷を負った青年クーガは、その過去に囚われるように生きていた そんな青年がシャドウミラージュと呼ばれる特殊部隊に配属される事から物語は始まる 「人」「機」「妖」の三つが紡ぎだすグランドアースサーガ、再び開幕 【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】 因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。 混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。 測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。 【リベンジャー・レディ ◆9MC6FR8UMj7S】 彼女は全てを奪われた。地位を、居場所を、己の四肢すらも…… 最新兵器ダウンシューターに制御AIとして『組み込まれた』エムレイン・ブルーは自分から全てを奪ったブルーバレット社に復讐を決意する。 最後の飛翔を前に彼女は呟いた。「さぁ、最期の日を始めようか」 『見届け人』姉小路真澄シリーズ第一弾。 【ロボスレ学園】 ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ! 参加者募集中! ・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ! ・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ! ・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
※紹介文未定作品一覧※ 【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】 【英雄騎兵ミッドナイト ◆YHSi90Gnr2】 【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】 【機動修羅バイラム】 【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit ◆n41r8f8dTs】 【都道府県対抗機動兵器決選】 【資源転生サイクラスト】 ※紹介文候補※ 【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】 2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。 陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は? ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ! ――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。 上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。 紹介文はまだまだ募集中! 作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
以上がテンプレという訳だ、これがな
ここは!
スペシャルで!
新スレで!
>>1 乙なんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!
>>8 んっふっふ、wikiのテンプレをそのまま持ってきたから、文頭の「・」が「*」になってますよ奥さん!
あと作品紹介に廻セカDaZが入ってなかとです。
>>10 ぎゃあぁぁぁ!……orz
今日はROMってる事にしますwたまにやる気出すとこれだからw
>>1乙 突発的質問 ロボ物のなかで一番名台詞と思うものは?
紹介文の補足です 【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】 「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。 そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった 舞台は架空の都市“揺籃” 特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく 「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」 ……それは、似通っているようで……違う“セカイ”
>>13 覚えている限りの中で考えてみると
アニメ【ガン×ソード】よりガドヴェドの
「私が過ちなら倒してみろ! それが私の贖罪だ……
私が正義ならここで倒れろ! それが私の断罪だ!!」
でしょうか
単にガン×ソードが好きすぎるという可能性も否定しきれませんが
というかロボ関係あるかこれ……
やばい!自分のせいでなんだか流れが! 今のうちに唐突に思い浮かんだネタを 新任教師は身体の半分以上が機械だった! その左腕から飛び出すは、ミサイルレーザー実弾兵器に粒子砲!? 左目(サーチアイ)は不気味に蠢き、両足のバーニアは今日も吹き荒れる! 鋼の体と、熱い心(ハート)を持つ男がやってきた! 腐りきった学園を正すため、戦士は今起ち上がる! 「不良達? そんな奴らは鋼の拳で打ち砕く! 悪事に走る輩はこのオレが修正してやる!」 サイボーグ教師が巻き起こす波瀾万丈、愛と勇気と戦いの物語――! みたいな話が何となく思い浮かんだのですがこれは果たしてロボなのか
前スレ
>>759 面白い偶然ですよね。
世界観も似た感じですしクロスオーバーの相性は良いかと思います。
本編ではまだ語っていませんが、西暦1999年と統合歴107年に人類滅亡しかけてるので
割と他作品と合わせる事の出来る柔軟性はあるかも知れません。
GEARS自体が狭い世界のお話なので、細かい事は次回作以降になりそうですが
前スレ
>>760 お疲れ様です。
お楽しみ頂けて、とても嬉しい限りです。
偶に暴走して変態になる無敵超人、加賀谷の活躍にご期待下さい。
最低でも後一回は加賀谷が色んな意味で大暴れする予定が残っておりますので。
前スレ
>>762 イィィヤッホォォォォォォォゥ!!
いつの間にか、カルマたんがイラスト化されているでは無いか!
別にロリスキーと言うわけでは無いのですが、愛でたいのでお持ち帰りしても宜しいでしょうか?
前スレ
>>795 投下乙です。金髪の巨乳大好物です。
入浴後、ゆっくり読ませて頂きますね。
>>1 乙
凄いよ、この18号機!流石は17号機のお兄さん!
>>13 ソロモンよ!私は帰って来た!
一番を選ぶのは無理なので、頭の中ですぐに思い浮かんだ台詞を浮かべてみました。
>>16 サイボーグならば、このスレの趣旨に沿いますよね。
というわけで、作品の投下を心よりお待ちしております。
>>13 むしろこのスレで出てきた中での名台詞って方が気になる
作者としても読者としても
>>13 「世のため人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3! この日輪の輝きを恐れぬなら、かかって来い!」
万丈さん、素直にかっこいいです……。
あと、
「ムーンレイス全ての人々へ。我がホワイトドールの手には、黒歴史で封印された天を焼く剣がある。ミスルトゥの残骸が月に落下するのを防ぐために、この剣を抜く。この宙域にいる者は全て離れよ。灼熱の火に焼かれ、瓦礫に押し潰されない為に」
ああ、私のローラ……。
前スレ
>>759 最初に設定を投下したときは別な代物だったんですが、色々兼ね合いを考えた結果プラズマジェネレーターに修正しました。
他の方の設定確認してなかったので、GERARSさんとの一致はホントに偶然ですw
>>19 うpろだに名台詞を纏めた作品がありますよー
迷台詞の方と間違わないように注意、ですw
>>19 台詞じゃないけど、PBMのep10は鳥肌立ったな。ロリ師匠の三つ編みへの愛的な意味でw
ロボの動力についてのネタだが 動力部内に押し込めた鬼に豆を投げつけて 外に出ようとするパワーを使って動くロボとかどうだろうか? もしくは永遠に来年の話をし続けて その際の笑い声による呼気で動くロボ
>>19 やっぱりGEARSのきりちゃんの、「ヒーローの前には〜」がかっこいいと思いましたねー。ビビッときましたw
>>22 だって三つ編みとか好きだからー!
まあ、ハッタリってやつですw
>>23 動く……のか……!?
>>23 どちらにしても途中で鬼がダウンしそうだw
>>24 動かすんだよ!
……すまない……鬼の命をくれ
百鬼ブラァァァァイ!!
前スレ
>>795 改めまして、投下乙です。
相変わらず、バイラムの力は化物じみてますね。
絶望的な力に対し、黄竜は何処まで抗う事が出来るのか?
ところで、バイラムとの戦闘で死傷した人間っているのでしょうか?
一話で真っ二つにされたネルソンが何機か居たので、恐らく死んでいるとは思いますが
今の所、ネームドキャラは一人も殺されていませんよね?
コウシュンを追い詰めた際にバイラムがトドメを躊躇うという初めての人間味を見せたので、ふと気になった次第です。
いえ、現在対人戦をしたのはファル戦とコウシュンたちだけです 一話のネルソンは全部無人機です
>>29 おお。そうでしたか。回答、有難う御座います。
て事はバイラムの搭乗者は不殺の精神でもあるのでしょうか?
そろそろ、バイラムの搭乗者の意図が気になるところでもありますが…
今後の展開で語られる事でしょうし、次回以降の投下を楽しみにしております。
>>19 台詞ではありませんが、各章のネクソンクロガネの登場シーンの語りが好きです。
形式美って素敵やん?
dat落ちする前に、17号機の作品をwikiに収録してきたでござるのマキ。 >バイラム 改めまして投下乙です! やはりバイラムは圧倒的ですね……そのバイラムに荒鷹さんはどう出るのか! 黄龍……名前からして強そうですね。これは期待できそうだ! では、次回も楽しみに待ってますね! しかし非難所の盛り上がりが羨ましいのぅ。
おーい、誤字が大変な事になってるぞーw それとwiki更新乙!
ひ、非難所だなんて……酷い誤字を! 私は、私はぁ!
なんかWikiが更新ラッシュと化してるw これが……ロボスレの本気だとでも言うのか……ッ!?
>>31 wikiの更新に最大限の乙と感謝を。
先日の宣言通り、GEARS11話の投下を開始致します。
統合歴329年9月1日 最後の最後で大きな波紋を残した八坂州野宮地区スポーツギア高校大会も閉会後は静かなもので 特に大きな事件も起きず、心に残るような出来事も起きなかった。 要するに平穏無事と言えば平穏無事、そうで無いと言われればそうでも無い平凡な日常を そこはかと無く霧坂に粉砕されながら過ごし、恙無く夏休みを終え、自宅とギアスタジアムを往復する日々から 再び、校舎が中間地点として出現し極普通の高校生らしい日常が戻ってきた。 「あ゛〜…学校行きたくなぁ〜い…」 「新学期早々、憂鬱そうにするな。こっちまで気が滅入る。」 ガックリと肩を落として負のオーラを撒き散らし、今にも死にそうな声を出す霧坂に守屋は本当に鬱陶しそうに苦言を漏らす。 そもそも、夏休みだろうとそうで無かろうと同じ時間に起きて、制服に袖を通し二人並んで学校に向かう事に違いは無い筈なのだが。 (どうせ授業を受けるのが面倒臭いってだけだろ。) 失礼極まりないが、あながち的外れでも無い事を考えながら守屋は左隣を歩く霧坂に視線を向けるが 眺めていても何か面白い事があるわけでも無く、やがて興味を失い視線を真正面に向け、学び舎へと足を向けた。 八坂高校の付近を歩いていると、守屋を見て脅え恐れる生徒が二人の視野に入ってくる。 正門を潜り、グラウンドを抜け、廊下を通り、階段を上り、一年の教室棟へと歩を進める度に脅える生徒が加速的に増えていく。 夏休みのお陰で、すっかり忘れていたが転入初日に暴力事件のせいで自分が悪鬼羅刹、修羅、破壊神 そういった残念な何かのように恐れられていた事を思い出し、守屋は辟易しながら教室に入ると 騒々しかった教室が水を打ったように静かになり、これまた辟易する羽目に。 「これだから行きたくなかったのよ…」 霧坂はクラスメイト達のあからさまな拒絶の態度に苦虫を噛み潰したような表情でぼそりと呟いた。 だが、守屋は特に気にするわけでも無く自分の席に着き、泰然とした態度を崩さない。 怒り騒ごうが、嘆き悲しもうが事態が変わる筈も無く、暴力で物事を解決した報いと既に諦めている。 そんな守屋の態度に霧坂は半ば失望にも近い溜息を吐いて着席した。 (それで良いなら私が踏み込む事じゃないけど…苛々する。) その後の全校朝会で教師達が色々と如何でも良い事を喋っていたので右から左へと聞き流してやった。 そして、昼休みになると夏休み前と同様、守屋は人知れず何処かへと姿を消す。 人気の無い所に居ると言っていたが、詳しく聞いておくべきだったと霧坂は軽く後悔しながら校内を歩き回った。 「つーか、何処かに行くなら一声かけて行けっての…」 霧坂が不快感を露にしながら校舎を歩き回っている一方で守屋は校舎の屋上の日陰に寝そべり流れる雲を眺めていた。 屋上に出る扉には電磁ロックをかけられており、一般生徒が入って来る事はまず無い。 守屋が如何やって入ったかは一先ず捨て置こう。ただ高度化されたデジタル程、アナログに弱いとだけ述べておこう。 そんなわけで、八坂高校に転入して以来、人気の全く無い屋上は守屋の安息の地として愛用されている。 だが、この日の屋上は平穏な憩いの場にはならなかった。 屋上と廊下を繋ぐ開く筈の無い扉が、ゆっくりと音を立てて開いたのである。 生徒にとっては開かずの扉かも知れないが、八坂の職員のIDカードさえあれば誰でも開ける事が出来る。 そして、守屋は犯罪紛いの手段で立入禁止区画で寛いでいる。以上の2点を踏まえる事によって導き出される答えは何か? (見つかったら、夏休み延長だな…) 守屋は新学期早々停学になってたまるかと、慌てて影に身を潜め気配を消した。
きたあああああああああ 支援させていただきます!
「やっと見つけた…」 屋上に入ってきた人間は職員では無く八坂の女子生徒だった。 「全く…時間は限られていると言うのに、余計な手間をかけさせてくれる。」 栗毛のセミロングヘアの小柄な少女は屋上のフェンスに寄りかかり 探す素振一つ見せず、守屋が隠れている辺りに視線を移し悪態を吐いた。 八坂高校の生徒の大半は意味も無く守屋を恐れ怯えるのが常で辛辣な物言いに気分を害するどころか妙な新鮮味と 完全に気配を断っていたにも関わらず、一瞬で守屋の存在を看破した事に驚きを感じていた。 「人気の無い所でコソコソと…貴様は虐められっ子か? そこに居るのは分かっている。さっさと出て来い。」 新鮮味と驚きを感じはしたが辛辣極まる。その上、友好的な用件で無い事は確実だった。 何せ、少女の肩に担がれた白い包みの先端から、一般人が持つには相応しく無い白刃が顔を覗かせているのだから。 そんな物を持ち歩くような奴に追い掛け回されて前向きな発想が出来る筈も無く、守屋を辟易させるには充分過ぎた。 「真っ当な神経をしていれば長物担いで校舎を走り回るような奴から、逃げも隠れもするのは当然だろう?」 守屋は肩を竦めながら、影から姿を現し、軽口を叩く。 まるで数年来の悪友に接するかのような口振りだが、既に頭の中では逃げる算段を組み立てている。 「転入初日で50名の生徒を血の海に沈め、全校生徒を恐怖のどん底に陥れた奴が真っ当とは笑わせる。 未だに恐怖の化身扱いされている気分はどうだ?ええ?」 ご尤も過ぎて心が痛い。 「それで結局、何の用だ?」 守屋は折れそうになる心を半泣きで支えながら、本題に移る事にした。 大体の用件は想像が付くし、何よりもこの手の女と問答していても再起不能になるまで心を粉砕されるのは目に見えている。 「それ程、大層な用件では無い。」 そう言って、少女は包みを剥ぎ取り、薙刀の刃を守屋に突き付ける。 「手合わせ願おうか。拒否権は無いがな。」 「そんな物騒な物を振り回されては恐ろしくて敵わんな。」 概ね予想通り。そして、逃げ出す準備は既に整っており、何かの切欠があれば脱兎の如く駆け抜けるだけだ。 流石に職員棟まで逃げれば、この少女も薙刀を振り回すわけにもいくまい。…多分、恐らく。 全く持って、何が悲しくて校内で堂々と刃物を振り回すようなキチガイと戦わなければならないのか? 罰ゲームでやらされているのか、好き好んで薙刀なんて代物を振り回しているのかは知らないが古人曰く、逃げるが勝ちだ。 「あの娘…霧坂とか言ったか。お前を探して駆けずり回っていたので…な?」 しかし、少女の一言に守屋は両足を地に縫い付けられたかの如く、その身を硬直させ逃げる機会を逸してしまう。 そもそも、霧坂が巻き込まれているとなれば逃げるに逃げられない状況だ。守屋は忸怩たる思いで少女を叩き伏せる為に構えを取る。 「…霧坂に何をした?」 短く言を発するが、先程とは打って変わって明らかな狼狽の表情と、落ち着きの無い雰囲気。 それでいながら内に秘めた闘気と殺気が湧き出ているのを確信し、まずは満足と少女はサディスティックな笑みを浮かべた。 「さて…何をしたと思う?」
意外な展開に守屋は狼狽していたが、少女の読み通り内心で激情を燃やしていた。 それ故に思考の切替は一瞬。答える気が無いのであれば、答える気にさせてやれば良い。 少女がニヤケ面のまま、守屋から視線を外すと同時に距離を詰め、頭部に大穴を穿つ勢いで右腕を振るう。 「馬鹿正直なものだ。少し隙を見せれば必ず攻めて来ると確信していたよ。」 守屋の奇襲は既に予測済み。少女は焦る事無く薙刀の柄尻を支点に宙を舞い、着地と同時に薙刀を守屋の脳天に叩き落とす。 軽業師さながらの素早い回避から、一転して神速の剛撃。だが、得物が大きいが故に攻撃の軌道は至極、単純。 半歩程、身をずらし剣圧が守屋の頬を叩くと同時に少女の後頭部目掛けて肘を振り落とす。 「ッ!?」 少女の延髄に守屋の肘が突き刺さるよりも早く、薙刀が突如軌道を変え、横一文字に薙ぎ払われた。 非常識な斬り返しに守屋は驚いて目を見開く以上に反応する事も出来ないまま、まともに攻撃を喰らう。 とは言え、距離を詰めていた為、刃では無く柄で身を打ち付けられたのは不幸中の幸いと言うべきか。 それでも、打ち据えられた皮膚の繊維はブチブチと音を立てて裂け、骨が軋む不快な音が直接、耳朶を刺激する。 凄まじい剛撃の前に守屋は為す術も無く、フェンスに叩き付けられ肺に溜まった酸素を吐き出させられた。 「貴様…何者だ?」 あの小柄な体の何処にそんな膂力が秘められていると言うのだろうか? 不可解極まりない実力の持ち主を前に血の昇った頭が急速に醒めていく。 「女相手に良いようにされている貴様こそ何だ?ヘタレか?ゴミか?クズか?それとも、カスか?」 少女は矢継ぎ早に悪態を吐き続けるが、既に手遅れである。 今の守屋には恐れも焦りも怒りも無く、霧坂の事さえも思考の外へと追い出されている。 「態々、俺をキレさせようとして何を企んでいる?」 別に少女の口から、まともな返答が得られる事を期待していない。 そもそも、少女が口を開かずとも、少女が纏う雰囲気や表情が全ての答えを出しているも同然だ。 「思い上がるな。お前如きの短絡的な男を相手に企みなど不要だ。」 精神的な優位が既に覆されている事を自覚しているせいか表情も硬い。 守屋は機械化された狩猟者のように少女の一挙手一投足を目に焼きつけ、脳髄に刻み込む。 これでは、埒が明かないと少女は薙刀を構え直し、守屋をフェンス毎刺し貫こうと疾走する。 あの膂力から繰り出される一撃なら、その程度の事は容易かろう。 「だが…」 一陣の突風を伴った薙刀の刺突を左腕で打ち払い、フェンスの支柱に突き入れさせた。 薙刀の柄がミシミシと音を立て得物としての役割を終えようとしている。 狙い通りと守屋は口の端を歪め、少女が薙刀を引き戻すよりも早く肘を叩き落し薙刀を圧し折る。 「ッ!?」 確かに身体能力は守屋を遥かに凌駕しているのは紛れも無い事実だが、身体能力が必ずしも戦闘能力に直結するとは限らず 生まれながら優れた身体能力を持つ少女と、戦う為に優れた身体能力と思考能力を身に付けた守屋との差を明確に分けたのである。 「得物が無くてはまともに戦えまい!」 守屋は身を沈め拳を鉤爪のように開き、少女の両目を奪い取らんとするが少女は素早いバックステップで守屋の腕から逃れる。 「生憎とこの眼をくれてやるわけにはいかんのでな。」 そう言うと少女の瞳孔は縦に裂け瞳は紅に染まる。
「矢張り、紅眼か。少し目を狙えば本性を現すと思っていた。」 今更、驚きもしない。フェンスに叩き付けられた時点で予測していた。と言うよりも紅眼で無ければ不可能だ。 紅眼は総じて身体能力に優れているが、矢神玲のように卓越した戦士は極僅かだ。例外と言っても良い。 優れるが故に力任せの一撃でも一切合財にケリが付いてしまい、研鑽の機会が無く、その必要性を薄く感じがちになる。 だから、守屋のように多少なりとも戦い方を知っている者からすれば、紅眼など力が強いだけの戦い下手にしか映らないのだ。 「チッ…貴様の思惑通りと言うわけか。」 結局の所、紅眼を出したのでは無く出させられた事に気付かされ、少女は忌々しげに顔を歪めた。 「勝負あったな。」 守屋の最後通告である。少女の身体能力、反応速度は概ね把握している。 そして、それが守屋の戦闘能力ならば圧倒する事が出来る事も。 「残念な事にな…だが、まだ終われんな。」 少女は己の不利を素直に認めると、躊躇い一つ無く屋上から飛び降りた。 地面までの高さは40mあり、その間に植木のようなクッションになりそうな物は何一つとして無い。 「な…!?」 流石の守屋でも口から心臓が飛び出そうになる。目の前で投身自殺なんて夢見が悪過ぎる。 慌てて身を乗り出すと何事も無かったかのように走り去る少女の姿があった。 「なんて、出鱈目な…」 唖然とするのも一瞬。守屋は校舎に張り巡らされたパイプをつたって一気に下まで滑り降りる。 「普通の目で何の能力も無い癖に非常識な奴め…」 守屋が追って来る事は承知の上ではあったが、流石に自分と同じ方法で地に降り立つのは予想外だった。 だが、この程度の事であれば正規兵からすると、それ程難しい事では無い。 幼少期から訓練を受け、士官学校出立てのヒヨッコよりはマシなレベルの守屋ですら容易な芸当である。 流石に今の状態で、まともに守屋とやり合うのは不利だと少女は駆け出す。 (普通の人間では彼の相手は務まらないとは聞いていたが、此処までとはな…) 本来の目的を果たす為の布石のつもりだったが、色々と予定が狂ってしまった。 正直、制服の襟を引っ掴んで、地面に叩き付け引き摺り回し、顔の原型が無くなる程度に殴り潰されるのでは無いかと危惧している。 必要以上に挑発してしまった先程の自分を切り裂いてやりたい気分だ。 (どうも女が相手だとやり難いな…) 少女が危惧している通りの事をやってやりたい程度の怒りはあるのだが、流石に女子生徒に暴力を振るうのは躊躇われる。 最初の一発は顔面狙いで、次の一発が眼球狙いだったというのは怒り任せだったし避けられる事が前提だったので捨て置こう。 だが、何の為に守屋や霧坂を付け狙ったのか?誰かの差し金ならキッチリとケリを付けておきたい。 守屋は付かず離れずの距離を維持しながら少女を追った。 昼休みの真っ最中で人目があるにも関わらず、女子生徒を殴り倒したとあれば、どんな噂が流れるか分かったものでは無い。 そして、それが根も葉もない噂ならまだしも、紛れも無い事実なのだから尚更だ。 因みに、明日から守屋の噂の中に「守屋が空から降ってきた」という項目が追加されるのは最早、諦めた。 (リニアトレイン…拙い…) 距離を大きく離した状態で追っていたのが裏目になり、少女は出発直前のリニアトレインに駆け込んだ。
守屋の目の前でリニアトレインの扉が閉じ、少女を見送る格好になってしまった。 「逃がすかよ…」 守屋は半ば苛立ちながらモバイルシステムを起動、8枚の立体映像を呼び出し各駅の監視システムとリンクさせた。 大きく距離を離されてしまったが、少なくとも逃げた先の足取りを追う事は出来る。 守屋が一本遅れでリニアトレインに駆け込むと同時に、少女は守屋にとって見慣れた駅で降りる。 「ギアスタジアム…?」 嫌な予感を感じながら、各駅の降り口周辺の監視カメラとリンクさせていた立体映像を ギアスタジアム周辺の監視システムとリンクさせ映像を切り替えると嫌な予感が的中した。 ギアスタジアムの外れに見慣れないメーカーのロゴが入ったギアトレーラーが停車しており 先程の少女がトレーラーの中に入り込んで行く姿を監視システムの内の一つが捉えていた。 「この流れは違法ギアか…それとも、テロリストか…?」 違法ギアであれば恨みを買う心当たりが有り過ぎるが、あれ程の手練が違法ギアに身をやつすとは考え難い。 何よりも紅眼を持っている以上、華々しい活躍の場は多岐に渡り、テロもどきのような行為はリスクに見合わない。 となればテロリストの可能性…テロリストが何故、こんな回りくどい事をするのか?そもそも、何の因縁が有ると言うのか? (心当たりがあり過ぎて、どれの事か分からんな。) 八坂坂州に引っ越して来てからの事を思い返すのも馬鹿馬鹿しくなってくるが、 ギアまで持ち出して来るとなれば黙って捨て置くわけにもいかない。最初から捨て置くつもりすら無いわけだが。 モバイルシステムからアイリス・ジョーカーのシステムにアクセスし遠隔起動を要請。 夏休み中、霧坂の発案と整備担当部員の悪乗りによって搭載された新システムである。 ただ何と無く格好良さそうだからというだけの理由で。 「無意味な機能とばかり思っていたが、こんな形で役に立つとはな…来い、ジョーカー。」 流石に音声認証だからと言って、他の乗客が居るリニアトレインの中で大声で叫ぶ程の勇気も無ければ、恥知らずでも無い。 それに音声と命令内容さえ認識出来れば、声の大きさは無関係で叫ぶ必要性は全く無い。 程無くして、アイリス・ジョーカーは轟音を響かせながら守屋の下へ馳せ参じ、リニアトレインと並走する。 機体にかかる負担を一切考慮しない出鱈目な走り方に守屋は思わず顔を引き攣らせながら、コクピットブロックを展開させる。 既に勝手を知る愛機に飛び乗り、慣れた手つきでコンソールを叩き音声コントローラーに命令。 「モーションリンク開始。」 AI制御された鉄人形は支配権を主である守屋一刀に委ね、鋼鉄の巨人アイリス・ジョーカーとして立ち上がる。 こちらの準備が整うのを待つかのように、ゆっくりとした足取りで大鎌を携えた黒いギアが守屋機に対峙する。 「矢張り、見た事の無い機体だ…照合開始。」 違法ギアか、テロリストか、他校の生徒が潜り込んで来たのか判別が付かない上に 未知の機体に突撃する気になれず駄目元で機体情報を検索を開始する。 幸い、正体不明のギアというわけでは無く、検索命令と同時にアイリス・ジョーカーの サブモニタに少女の乗るギアの情報が次々に表示される。 トールド技研工業製MCI搭載型スポーツギア・ヴァイゼスト。アイリス・ジョーカーとほぼ同時期に開発された新型機である。 アイリス・ジョーカーと比べ若干、装甲強度・耐久性が優れ、機動力・反応速度が劣るが誤差の範囲でしか無い。 更に定格起動時のジェネレーター出力値は全くの互角で性能差は無いも同然である。 「ならば、後は搭乗者次第…か。」
「何時までも敵と見詰め合う趣味は無いぞ?」 ヴァイゼストは大鎌を振りかぶりながら間合いを詰め、アイリス・ジョーカーの上半身を刈り取るが如く、横薙ぎに振り抜く。 自身に迫る死神の鎌を受け流し、弾き上げ、無防備になった胴体に手刀を突き入れる。 「迂闊だな?」 だが、ヴァイゼストの胴にアイリス・ジョーカーの手刀が突き刺さるよりも早く、弾いた筈の大鎌が踊り狂う。 機体をバラバラにされては敵わぬと必死に距離を離すが、突然の攻撃に体勢を崩され追撃に備える事が出来るだけの余力は無い。 余力は無いが、それを自覚するだけの精神的余裕があったのがせめてもの救いか。 (法則性の無い理不尽な斬撃…ブースト付か!) 超重兵器でありながら、軽量兵器のような斬り返しが出来る武器など一つしか無い。 そして、三笠との対戦でブースト付の厄介さは嫌と言うほど、思い知らされている。 だからと言って事態はそれ程、好転に向かう事も無く、アイリス・ジョーカーの胸部装甲が縦一文字に切り裂かれる。 切裂かれた胸部装甲が紫電を噴いているが、何程の事も無い。 まともに受ければ、一撃で撃破される危険性すらあったのだから、被弾していないも同然だ。 (さて、どう対応したものか…?) 以前、三笠のブーストハルバードを無効化した時はMCI搭載機の出力、格闘戦能力の高さと 三笠の機体の性能を30%ダウンさせていたから出来た芸当…と言うよりも、力任せのゴリ押しに過ぎない。 機体性能は互角な上に三笠と違って、手心を加えてくれるような相手では無い。 (失敗は許されない…それ以上に…) 重く素早い斬撃。広い間合い。理不尽且つ、鋭い斬り返し。 「長考しながらの戦闘とは随分と舐められたものだな。」 言葉と共に大鎌がブースターから火を噴き大きく弧を描く。 まるで武術の型のように綺麗な姿勢で振り抜かれた斬撃はまさに疾風迅雷。 不覚にも対応する事が出来ず、無防備な姿を晒してしまう。 「次は首を落とすぞ?」 「もう一度言う。一体、何を企んでいる?何が目的だ?」 疾風迅雷の剛撃はアイリス・ジョーカーの胸部装甲を剥ぎ取るだけで 守屋とアイリス・ジョーカーにとって戦闘行動に支障をきたす程の損傷にはなっていない。 何よりも屋上で戦った時とは違い、攻撃に全く殺気が無く合理性が無い。 彼女がその気になれば最低でも二回は守屋を撃破出来ている。 だと言うのにも関わらず、この状況は一体どういう事なのだろうか? 「お前に余計な事を考える余裕は無い筈だが? お前が手間取れば、手間取る程…霧坂という娘が如何なるか…楽しみだな?」 ―刹那。守屋は思考を切り替えた。 彼女の目的など関係無い。テロリストだろうが、違法ギアだろうが関係無い。 そう。敵の信念、大義、理念、思想、その他諸々含めて何もかも知った事では無いし、聞く耳を持つ必要など無い。 そもそも、敵の事など何一つとして知る必要など無く、必要な事は眼前の敵を討ち滅ぼす事だけだ。 目の前に敵が居る。拳を振るう理由は唯それだけだが、それだけの理由があれば充分すぎる。 敵だというだけでも不快なのに、この少女は踏み込んではならない領域に踏み込んだ。 生かしておくのも不快な程に。そう思った時にはヴァイゼストの腹部に拳を突き刺していた。
「――早い」 正に刹那の瞬撃。気が付いた時にはアイリス・ジョーカーに間合いを詰められており、少女は感嘆交じりの溜息を吐いた。 しかし、不発は不発だ。守屋は忸怩たる思いでコクピットに肘打ちを叩き込むが、ヴァイゼストは被弾するよりも早く機体を密着させ 再び、打点をずらし守屋の攻撃を封殺。被弾した際に生じる衝撃が余りにも軽く、噴出す緩衝材の量も極僅か。 半ば苛立ちながら、得意気な面して肘打ちを受け止めた奴の横っ面を引っ叩く為、鋼拳を振り抜く。 今度は手応えがあった。但し、打ち付けたのはヴァイゼストの頭部では無く大鎌の柄尻だが。 スポーツギア随一と言われるアイリスタイプの脚力より生み出される渾身の膝蹴りで股関節を破壊し動きを封じる。 動きを封じる事が出来ないから良い様にされているわけで、これも思った通りにならない。 アイリス・ジョーカーの膝に片腕をつき膝を支点にひらりと飛び退き、再び大鎌の間合いにされてしまう。 「チャクラムッ!!」 何一つとして思い通りにならない戦況に苛立ち、怒鳴りながらシールドチャクラムに起動命令を発する。 守屋の苛立ちに呼応するかの如く、左腕のシールドからチャクラムが唸り声のような擦過音と火花を撒き散らしながら 嬉々として得物であるヴァイゼストの右肩に喰らいつく。 「必死になって、やっと一撃か?」 侮蔑を込めた皮肉を聞き流し、右腕のバックラーブレードの刀身を展開しながら再び距離を詰める。 此処まで必死になって、効果的なダメージを与えられたのはたったの一撃。言われるまでも無く自分の不甲斐なさに辟易する。 そして、冷静に対処しなければならない相手だという事は分かっているのに、上手く感情を抑制出来ない。何より… (――行動が思考に追い付かない。) 渾身の一撃、無心の一撃も有効打にならない。 守屋は苛立ちと己の無力さを斬り捨てるかのように力任せにブレードを振り抜くが、無造作に振るわれた大鎌に弾き返される。 機体の重量と出力が同等とは言え、大鎌の重量と推進システムによって得られる力の前では、必然的にパワー負けしてしまう。 「あああああッ!!!」 絶対的に不利な状況に対してでは無く、それを前にしても満足に対応出来ない自分自身の弱さにに対する怒りが爆発し 癇癪を起こした子供か何かの様に奇声にも近い叫び声をあげながら、出鱈目に剣を振り回す。 「やれやれ…堪え性の無い奴だ。」 少女の声色が一転して、まるで子供をあやす母親の様な優しさを湛えた声に変わるが 今の守屋がそんな事を気付けるだけの余裕がある筈も無く、ただ只管、闇雲に剣を振り回す。 そして、少女の声色が変わったとしても、その攻撃の苛烈さが変わるわけでも無く 大鎌に装備されたブースターを最大出力にして、守屋の剣速に対応し、あっさりと攻守が逆転する。 確かにヴァイゼストの大鎌―ブーストサイズが超重兵器としては破格の剣速を誇るのは事実だが それでも、人間特有の合理、非合理の入り混じった緩急の激しい長剣の剣速を持って対応するのは然程、困難では無い。 とは言え、この絶対的な力の差を覆す事が出来る程でも無い。 そして、ヴァイゼストにとって何気なく打ち払った斬撃でも、守屋の斬撃を防ぐ事も軌道を変える事も容易である事もまた事実だ。 武器がぶつかり合い爆音を辺りに撒き散らす度、守屋は必死に押し潰されそうな機体の体勢を取りながら大鎌の対応を優先する。 優先すると言っても大層な考えなど無く、攻撃速度任せに只管、剣閃を切り結ぶだけの力技の応酬。 否― 幾十程、斬り結んだ所でヴァイゼストの大鎌の柄は圧し折れ、刀身が宙を舞う。 「ほう?」 本来、この様な失態とは無縁なのだが、守屋が癇癪を起こしていたせいで逆に気付けなかったのだ。 互いの得物を切り結ぶ際、衝撃音だけで無く何かを削る擦過音が混じっていた事に。
少女は特に怯んだ様子も無く、感嘆し感心したかのように呟いた。 「ブーストサイズのウィークポイントに斬撃を集中し破壊…怒ってみせたり闇雲に剣を振るっていたのは、それを隠すためか? 直情的かと思えば、意外に小賢しいな?」 「黙れッ!!」 前言撤回。何も考えていないようで色々と企んでいる…と見せかけて、何も考えていない大馬鹿者の糞餓鬼だ。 少女は守屋一刀という男をそう評し、コクピット狙いの愚直な刺突を残った柄で受け流す。その顔には侮蔑も慈愛も無い。 「まだご機嫌斜めか?面倒臭い奴め。」 刺突を受け流され体勢を崩すアイリス・ジョーカーに追い討ちとばかりに足払いを仕掛け、大地に叩き付ける。 だが、地に伏せるよりも早くアイリス・ジョーカーから放たれた有線チャクラムが蛇の様にヴァイゼストの身体を戒める。 「チッ…本当に面倒な真似をしてくれるッ!!」 チャクラムによって繋がれたアイリス・ジョーカーとヴァイゼストは縺れ合いながら転倒し 少女の顔色が若干の焦りに染められるが、今更になって意識を切り替えても既に手遅れだ。 アイリス・ジョーカーの左腕はヴァイゼストの頭部を鷲掴みにし、右腕のブレードはコクピットに突き付けている。 「随分と手間取らせてくれたな。誰の差し金だ…答えろ!」 漸く、アドバンテージを手にする事が出来たものの既に心身共に満身創痍。 勝ち誇る余力など無いし、この少女は途中経過でしか無く一息つく余裕など許されてすらいない。 「それは勝者の台詞であって、敗者の言動では無いよ。守屋一刀。」 守屋には余裕も余力も残されていないというのにも関わらず、少女はこの状況に動じる事も無く 自分の絶対的有利を信じて疑っていない様子で、不遜な態度は健在だ。 「後遺症の一つや二つは覚悟するんだな。アイリス・ジョーカーフルドライブ…」 今の守屋に長々と問答するだけの余裕は無く、力尽くで口を割らせる為にアイリス・ジョーカーのリミッター解除をシステムに要請。 区大会の時のように自滅する程の出力アップでは無く、守屋の格闘戦能力に耐えられるだけの出力アップに留まっている。 それでも、スポーツギア程度であれば物の数秒で原型が残らない程の残骸に変える事の出来るだけのパワーはある。 「物を考えているようで何も考えていない。物が見えているようで全く見えていない。筋は良いが色々、残念だな?」 守屋がヴァイゼストを真ッ平らな鉄屑に変えるよりも早く、ブースターを吹かしながら宙を舞っていた大鎌の刀身が急降下し アイリス・ジョーカーの頭部に深々と突き刺さり、システムが完全に沈黙し、守屋の脳裏に敗北の二文字が突きつけられた。 そして、アイリス・ジョーカーは糸の切れた操り人形のように力無く倒れそうになるが、ヴァイゼストに抱き止められる。 「ふぅ…顔合わせの挨拶代わりにしては少しばかりハード過ぎたかな?」 少女は幾分か柔らかい声色で守屋に問いかけ、アイリス・ジョーカーを地に寝かせる。 「何故、トドメを刺さない?一体…何がどうなっている?」 少女の雰囲気の豹変と闘気の消失が逆に守屋をうろたえさせた。 「守屋。何故、お前が私に敗北したか分かるか?」 「……」 少女は守屋の狼狽など知った事では無いと言わんばかりに問いかけた。 自分が少女より弱いから負けた。それ以外に何があると言うのだろうか? 守屋は答えを見つける事が出来ず、押し黙った。
「紅眼と普通の人間。筋力と反応速度は紅眼の方が遥かに上だが、MCI搭載ギアに搭乗してしまえば搭乗者の能力に意味は無い。 スポーツギアの能力を引き出すのは搭乗者の役目だが、性能を決めるのは搭乗者では無い。」 どんなに非常識な腕力を持っていたとしても、それがギアに反映される事は無い。 飽くまで、搭乗者の動きをトレースするという入力方式であって、筋骨隆々だろうが貧相な身体をしていようが プラズマジェネレーターの規定出力を上回る事も無ければ、下回る事も無い。ある意味で平等だ。 「戦闘能力の優れるお前にとって種族として覆す事の出来ない力の差を容易に埋める事が出来、有利な状況を生み出せる。 だと言うのにも関わらず、お前は圧倒的に不利な生身での戦いで私を圧倒し、有利な筈のギア戦で私に敗北した。 原因は何だと思う?一応言っておくが生身で戦った時は本気だったが、ギア戦ではかなり手を抜いたぞ。」 守屋はヴァイゼストの搭乗者である少女が敵対者である事も忘れ、考え込んだ。 幼い頃から戦闘訓練を施され、高校生としては破格の戦闘能力を持ち異能の力を持つ紅眼相手ですら引けを取らない。 だと言うのにも関わらず、種族としての差が埋まった上で機体性能が全くの互角のギア戦で圧倒されたのか? 「今まで戦ってきた相手が雑魚ばかりだったのが、お前にとって最大の不幸だったな。 雑魚相手ならいざ知らず…今のお前では私は愚か、矢神玲に勝つ事など夢のまた夢だ。」 「貴女…一体、何者なんだ?」 「ん?ああ…自己紹介がまだだったな。二年の小野寺織(オノデラ シキ)明日から此処の生徒になる。 出身はお前と同じ砕牙高校だ。お前の練習相手にと理事長に半ば無理矢理拉致られてな…それなりに強くしてやるから宜しく頼む。」 ありがちな展開だが、守屋にとっては予想外の展開に唖然とする。頭痛もする。眩暈もした。辟易した。 守屋の区大会での成績は初出場としては上々。寧ろ、異常と言っても良い結果だったと言える。 優れた素質に整った設備、選手としての力を磨くには最適な環境にも関わらず、練習相手の欠如という前提条件の崩壊。 そんな本末転倒な状況を打破する為、理事長である八坂栄治が専属ギアと、レギュラーの地位を餌に釣り上げてきたのだ。 霧坂を男にして大金を持たせたようなダメな大人の典型のような人だ。守屋にとってはその光景をリアルに想像するのは容易い。 「霧坂が如何こうってのは?」 「あまりにも必死に探していたのでな、守屋が屋上に居る事を教えてやっただけだ。ついでにキーの外し方もな。 何処の棟の屋上かまでは教えていないが…守屋があまりにも上手く隠れるものだから、かなりのご立腹だったぞ?」 色々と眩暈がした。安息の地であった筈の屋上にまで霧坂の魔手が伸びる事になろうとは… 別に霧坂から逃れる為に屋上に居るわけでも無いし、聞かれたら答えるつもりではあったが。 「アイツでも怒る事があったのか…」 「どんな奴にでも感情はある。お前が何を仕出かしたかは知らんが、心当たりがあるのであれば謝罪しておけ。 そして、お前は他人に気をかけるだけの余裕は無いと言った筈だ。」 剣呑さは無いが何と無く聞き捨てならぬ小野寺の言葉に問い返すよりも早く答えが帰ってきた。 小野寺はモバイルシステムを起動し一枚の立体映像を守屋に投げ渡した 「な…」 「昼休み終了5分前。5分以内に大破したアイリス・ジョーカーを格納庫に戻してリニアトレインに乗って教室に戻る事が出来るかな?」 無理だ。 守屋は慌ててアイリス・ジョーカーのシステムを再起動し格納庫へ走り、リニアトレインに乗り 駅から教室まで全力で駆け抜けるが午後の授業に15分程遅刻してしまった。 気配を隠してクラスメイトと教師の目を欺き、自分の席まで後3歩というところで 霧坂にバレてしまい20分程、教室のど真中で教師から延々と説教を聞かされる羽目に陥ってしまった。 守屋は説教を右から左に聞き流しながら、霧坂と小野寺に何かしらの形でささやかな復讐を誓っていた。
以上、投下完了です。 投下中、投下直後は何かから逃げ出したい気分になりませんか? それでは、おやすみなさいませ。
>>46 投下乙でしたー!おやすみなさいませーw
今回も滅茶苦茶面白かったですw
一刀が実質的に本気のガチバトルで珍しく負けましたねw
そして織強いですねーw八坂高校にとっても即戦力ですね、この娘w薙刀使うってもまた良い……!
しかも栗毛のロング……良い、とてもグッドです、最高に可愛いです。
今回も面白かったですw次回も楽しみに待ってますねw
>>46 投下乙!小柄で腕っ節が強い女の子とか遥さんにライバル出現か!?ロリ師匠の暴走が目に見えるようだよママン
しかし八坂高校、大幅な戦力アップだな……これは次回以降も期待せざるを得ない
>>46 投下乙です! すみません、支援できませんでしたorz
新キャラに新学期……これはいい新展開ですね! それにしても、小柄な少女……小柄な少女ですか……フフ、フフフ、フ……!
我が世の春がきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
しかし守屋を負かすとは、織ちゃんってただ者じゃありませんね。同族のやがみんと戦ったらどうなるのか気になりますw
では、次回も楽しみに待ってますね!
さて、避難所を読んでて、スパロボの分岐っぽい何かを考えてみました。
日本へ行く→GEARS、廻セカDaZ、ヴィルシャ、レガシアム、ソルディアンルート。
海外へ行く→タウエルン、PBM、DS、マーナガルム、ザイフリードルート。
現在の戦力:スプリガン、ゼノライファー、ネクソンクロガネ、ミカズチ、ブルショル、主人公機。
みたいなー。
>>49 ほらいわんこっちゃない!
>分岐
ノリの違いが酷すぎるっつーか日本ルートがクライマックス過ぎだろwそして海外ルートは違う意味でハードだ……ある意味天国でもあるけど
でもネクソンとかGEARSとかレガシアムとか、鬱フラグクラッシャーがいるから日本ルートでも大丈夫か
>>50 ちなみに廻セカDaZではなく無印廻セカだった場合、鬱フラグクラッシャーがさらに増加します。だって作者がアレだから!
うん、ダブル守屋がやりたかっただけなんだ、すまない(´・ω・`)
原作者本人乙としか言いようがないw 言われてみればダブル守屋だな。千尋はきりちゃんと意気投合しそうだw ところで日本ルートにドラグリと荒野を、海外ルートに幻影とリベジ、サイクラストを入れたらさらに凄い事になるのではなかろうか つかカオス過ぎるぞ、ロボスレの日本w
宇宙は割と静かですけどねw シャドウミラージュとリベジオン……幻影はともかくリベジはDSとPBM、サイクラの変な人達とどう絡むのか想像がつかない……。 あと、結構同じ生身のキャラ多いですよね。
生身じゃない! 名前だ! 憑かれてるんでしょうか……。
あまりにも全然執筆が進まないのでうpろだにゲームの設定っぽい妄想テキストを投下。数値はかなり適当。
>>53-54 大丈夫ですか師匠www
多分潤也は華麗にスルーすると思うw
>同じ名前のキャラ
読みだけも含めると、ハルカが3人、ミナ、ユキト、モリヤが二人ずつかな?
>>56-57 投下乙!ハイブリッドがこんなところにまで……!
このすました感じが可愛すぎるw
>>56-57 遅ればせながら投下乙です!
くそっ、なんてクオリティだ……嫉妬! 嫉妬してしまう!
この嫉妬をクリエイティブな方向に生かさなければ……!
>華麗にスルー
ですよねw ボケ殺しになりそうw
しかし空前絶後のカルマ人気だな。うんうん、蜥蜴氏も草場の影で喜んでいる事だろう
>>60 大佐、蜥蜴氏別に死んでません。
それにしても、またみんな非難所暮らしですね。携帯も殆ど規制されてるし、これじゃあスレが機能しないよダディ……。
( 0M0)<度重なる規制のせいで、このスレッドは ボドボドダ!!
(;OwO)<この状態が続くなんてウソダドンドコドーン!
だが私は謝らない。
(;OwO)<プラズマチョチョン!!
剣AAは(0w0)であるべきで (OwO)みたいな亜流は認めない
つまり、 (;0w0)<ダリナンダアンタイッタイ…… という事ですね!
( 0w0)<コウイウコトカ 最近の規制ラッシュがキツすぎる……orz
( 0M0)<ヤハリソウイウコトカ 携帯まで全規制とか鬼畜にも程があるだろ……
皆々様方、感想有難う御座います。
それではレス返しを―
>>47 物語も折り返しですし、そろそろ負けて敗北の原因究明と対策を考える機会を持たせる為に
強いロリ先輩の参戦が必要不可欠かと…いずれイラスト化出来たらと思ってます。
>>48 小野寺織も遙さん同様、身長140代前半のつるぺた幼女です。
決して、ロリ巨乳ではありません←超重要
>>49 とっても小柄です。平均的な成人男性であれば楽勝で高い高ーい出来ます。
落下と同時に頭をカチ割られますがw
作中の通り、種族としての優位こそあれど小野寺も普通の女の子ですので現在の力関係だと以下の通りです。
生身での戦闘
暴走加賀谷>悪ノリの壁>矢神≧守屋>小野寺
ギア戦
暴走加賀谷>乗り越えてはいけない壁>矢神>小野寺>乗り越えたい壁>守屋
とは言え、矢神も出し惜しみが好きな男なので公式戦以外で本気を出す事は無いので
練習試合に限れば、今の小野寺や守屋でも充分に勝ち目はあります。
>>49-53 この流れにクロスオーバーとか、SRCに興味が沸いて来た今日この頃w
MAPの作成と敵の配置考えるのが面倒なんですよね、アレ…
>>55 この設定でこのスレのロボとキャラをカード化してオンライン対戦やったら面白そうだと思って
軽く妄想していたら、世界に3枚しか存在しない遙さんのカードをPBM氏が独占していましたw
>>57 投下乙です。自分の車のバッテリーを食べさせてあげたいですw
廻セカDaZの投下、楽しみにしていますね。
それにしても、仮面ライダーブレイドが何故ロボスレに……はっ、ま さ か !
>>70 >小野寺織も遙さん同様、身長140代前半のつるぺた幼女
その言葉を聞いて安心したよ……。これでまた僕は、戦えうわ織さんなにをするやめ
>>70 そんな事言ったらPBM氏が暴走そ……既に鎮圧されている、だと……!?
あと暴走した部長の戦闘力が異常なのは何故www
>世界に3枚しか存在しない遙さんのカードをPBM氏が独占
なんだろう、さらに声優繋がりで「 や ら な い か 」とか言ってきそうなんですけど
ところでGEARS氏は何と何をクロスさせたいと思うんで?
>>71 ( ゜д゜ )彡そう!そのまさかよ!やはりディケイドは悪魔だ!
しかし、マキるに続いてシキる、か……
>>72 「おまえを殺す」じゃ駄目ですかね!
>シキる
なんかシケる、みたいな響きgうわ織さん薙刀振り回さないd
>>73 東映版かよ?
なんか織ちゃんはPBM世界でも生きてけそうだなぁw
自分の書くキャラはロリっとしたのがいないからなぁ 現在考えてるそれっぽいのは 今後出す予定の中国系双子姉妹くらいだ
>>74 地味に声優豪華ですよね、東映版w
街や村に篭ってれば基本安全だと胡散臭い事を言ってみるでござるのマキ。
>>75 >今後出す予定の中国系双子姉妹
kwsk
>>76 その割に誘拐とかあるけどね!
>>77 チェン・ハンア:近接戦の天才で姉。
チェン・チャンア:射撃戦の鬼で妹。
とかそんな程度しか決まってないですけどね〜
ちなみにチャンアは漢字で書くと「嫦娥」
ソレで元ネタをググれば、自分が誰かほぼ確実に分かると思う
何か一っ風呂浴びている間に小野寺が大暴れしとるやないですかwwwお父さん吃驚デスよ
>>72 厚かましい話ではありますが自分の作品をシカトして、
パラベラム、ザイフリ、タウエルン、DS、ドラグリでファンタジーロボット大戦とかやりたいですね。
そう言えば、ザイフリの作者様は何処へ…自分の好きなジャンルの作品なので楽しみにしているのですが。
>>77 ま、まあそのへんは今も昔も変わらないという事で。
発生率がダンチとか言わないで!
>>78 凸凹姉妹か……いいね!
>>79 某ロリ師匠に集中攻撃してますよw
>ファンタジーロボット大戦
実際PBMとタウエルンは設定もシンクロ率高いしね。そしてドラグリとPBMのせいで列車が襲われる事に定評のある作品になりそうだw
>>79 お宅の娘さんにフルボッコにさるたでござる。これは謝罪と賠償をうわ織さんなにをするやめ
ザイフリの人、どこに行ってしまったんでしょうねぇ……。
>>81 生身の戦闘が多い事に定評がある作品にもなりそうですねw
>>81 アイリス・ジョーカーの代わりに列車をボコボコにしてやんよ
>>82 紅眼種の愛情表現なので広い心で受け止めてあげて下さいw
>>83 >アイリス・ジョーカーの代わりに列車をボコボコにしてやんよ
やめて修理費全額負担させられちゃう!
>紅眼種の愛情表現
あ、赤髪のロリコンじゃないと身体が持たないです……。
さてさて、明日明後日にはBパート投下出来そうです。そしたら次はロリババァのターンだ!
>>83 ツンデレ……と言っていいのかこれはw
>>84 >赤髪のロリコン
あの紳士なら大丈夫だろうなw
楽しみに待ってるんだぜ!
>>84 >ロリババァのターンだ!
ィィヤッホオオオオゥ!!!
>>85 バイオレンスなデレ…バイデレです…かね?
聞き様によっちゃあ、両刀wちょお父さんに何をアーッ!!
>>86 父まで手に掛けるとは……って、冷静に考えたら遥さんもうわロリータさん達なにをするやめ
しかしこの板はロリババァ人気だなぁw
まあロリババァが出てくるだけで、大した活躍はしないかもしれませんが……。 とりあえず13話で遥さんとリヒターに変化が起こる、とだけ言っておきます。劇的な変化を起こさせるか否かはまだ検討中ですけどw
>>88 GEARSの空中戦といい、wktkせざるを得ない
>13話で遥さんとリヒターに変化が起こる
13話といったら、1クール目の最終話だもんなあ
>>89 ここまで来るのに1年掛かってますけどねw
でも作中だと1ヶ月くらいしか経ってないという……。
>>90 よくあるよくあるw
ダイの大冒険とか3ヶ月ちょいだし
>>89 避難所の件でしたら、誤解させてしまったようで申し訳御座いません。
本当にGEARSが完結出来てしまいそうな勢いなので、完結後の活動についての相談でした。
このスレならば、妄想設定のみの統合歴世界の根幹を成す100年代の話を形に出来るんじゃないかと思いまして。
>>92 ああ成る程、そういう事ねw
だが楽しみな事に変わりは無いッ!
>>91 あれは未だに信じられませんw
>>92 ナルホド了解合点承知、大体わかったヤハリソウイウコトカ。
GEARSも、その次回作も、楽しみに待ってますね!
DSの人のACのSSが熱すぎて熱暴走した……
DSの人のACのSSが熱すぎてメインブースターがイカれた……。
>>75 ロリ書くとヤンデレ化する俺はどうすれry
次書こうとノリノリで書いてるのは枯れ葉のような婆と心底外道な奴という…趣味爆発なニッチ路線…
>>97 むしろ読者を同じ世界に引き込むくらいの勢いでいっちゃいなよ!
数日ぶりに帰ってきましたー今回対応が異常に早くてホント助かった まさか誕生日(ボソッ)に規制解除とはホントに嬉しい……
>>100 おかえりなさいませ。
そして、誕生日おめでとう御座います!!
益々のご活躍、心よりお祈り致しております。
>>100 誕生日に規制解除で100getとはニクいね!
おめでとうございます!
なんかすみませんwモロ誕生日と書いておきながら、祝されると照れますw また何時規制されるか分かんないので、土日中に……ってもう三回くらい書いてるな俺……
私も今日明日には投下したいけど、予定の文字数を軽くオーバーしそうです。AとBに分けたので投下の時は大丈夫だと思いますが、wikiは大丈夫かな……。 wikiって1ページ何文字まででしたっけ?
1万字くらいまでなら大丈夫じゃないですかね・・…? 自分のはそれぐらいいってますが、収録されてますし
2万くらいだったような気が……超うろ覚えだけど
それにしても、スレが立ってたった2日で100レス越えとは……なんやかんやで潜在的な勢いは健在か
この勢いで行くと今回は500、600くらいで終わりそうですねw
それはそれで複雑な気分だw 確か2号機が500ジャストで容量オーバーになったんだっけw
……と思ったら記憶違いだった。500で終了は3号機かw
>>111 あの頃は新しい風が吹きまくってましたもんねw
もう少しであれから一年になるんですねー、そういえば。
早いもんですねー なんか無我夢中で書いてたから時間の感覚が無いw
私も朝からずっと書いてて、時計見たの14時以来ですよw もう19時だってのに、ようやくたまちゃんがキャストオフしたとこですよ……というか、戦闘があっさり終わっちゃいそうなんですけどどうしましょう。
てすと
あ、あれ? 解除されてるやん。俺なにやってるの。 あれからもうそんなに経ったのか〜〜と古参でもない自分が言ってみる。 明日からお出かけだぜ。
おお、変態紳士連合復活の兆しが!?
変態紳士連盟なんだぜ、いや、正式名称かどうかは知らないけど
ああ、変紳連だから連合だと思ってた。連盟なのねw
>>115 解除おめですーw規制ってホント怖いですね……
廻セカDaZ Episode3ですが、今回は余裕を持って21時30分前後くらいから上げようと思います
了解、支援は任せろ!
>>117 おめです。いってらっさい
>>121 了解ですー
皆ペース早くて凄いなぁ
全然書けない1字も進まね(´・ω・`)
>>121 了解しました! PBMはそのちょいと後ですかねー。
>>124 そっちも楽しみにしてるんだぜ!
さて、そろそろか……支援開始!
うへ、量が40KBとか半端ない量になってしまった…… では、廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode3 上げようと思います
支援します!
「……っ」 何か、夢を見ていた気がする。 夢の詳細は覚えてないのが普通だ。覚えている夢は明晰夢と言うらしい……って何を誰に説明しているんだオレは。 とりあえず体を起こし、部屋の窓を開け放ち空を見上げる。もはやオレの朝の日課となっている行為だ。 今日の天気は昨日とは打って変わって曇天。 いつも通り自転車で行くか…もしくは雨を懸念してバスで行くか。 とにかく、今すべきことはなにか。 「とっとと飯食ってアイツを迎えに行くことだな……」 素早く着替え、階段を降りて台所へ。 そう、台所。お世辞にもキッチンなんて洒落た言い方が出来る場所ではない。 そこで鼻歌を歌いながら弁当箱に無理矢理唐揚げを押し込んでいる我が母、安田美緒。 「あ、俊明起きたの?」 オレに気付いてもなお唐揚げを詰め込むことに必死な母。いい加減入らないと認めて幾つか昼のおかずとして残したほうがいいんじゃないだろうか。 「……おう」 「じゃあ俊明、お父さん呼んできて」 面倒臭ぇ…と思った瞬間に我が家の台所に響く声。 「おっはよう諸君!」 勢いよく挨拶をするなかなかガタイのいいナイスガイは、我が家の大黒柱の安田俊彦。…地味にナイスタイミングだった。 「おはよう、それより唐揚げ余ったから食べちゃってー」 微妙にマイペースな母。でも言い方がとても投げやりな母。 「もちろんだ、任せろ!」 「親父朝っぱらからテンション高すぎ…って、おいそこ、オレの分を取るなっ」 そんなこんなでバタバタと我が家の朝食は過ぎていき、あっという間に学校に行く時間になった。 「…つか、今更ながら朝に唐揚げはどうかと思うんだが」 「その発言は『弁当はいらない』と同義である、と受け取ってもいいわけね?」 笑顔で脅しにかかる我が母。 「いや、そういうことじゃない…っ、時間がないんだ、早く弁当をくれよっ」 「はい、どうぞ」 「お、おう、サンキュ」 …随分とあっさりでいらっしゃるんですねー。 と、その時。家のインターホンがピンポーンという軽快な音で鳴った。 「あら、誰かしら」 母がインターホンに気付き、受話器に手を取ろうとする。 「いいよ母さん。どうせ学校行くんだ。ついでに受け答えしてくる。……どうせ新聞の勧誘か千尋だろうから」 「そう?じゃあ、お願いするわ」 母のその言葉を聞き、オレは家を出る。 門の前には、赤銅色の短髪の青年が立っていた。年の頃は二十歳前後だろう。 「どなたですか?」 オレが声をかけると、青年は爽やかな笑顔で口を開いた。 「突然すみません、実は、迷子を探していましてね。親戚とここに旅行に来てたのですが…はぐれてしまって」 「そうですか…。どんな人ですか?特徴とか」 「十二歳の女の子で、髪は水色のポニーテールですね」 そう言いながら写真を渡してくる。そこに映ってた顔を見て、オレは一瞬声をあげそうななった。 「すみません…オレは見たことがないですね」 「そうですか…。いや、わざわざ朝からありがとうございました。では」 「いえ、こちらこそすみません」 互いに愛想笑いを浮かべながら、青年は立ち去っていった。 青年が立ち去っていったのを見届けると、オレはため息を吐くとともに壁に寄り掛かった。 …あの写真に映ってたの…シュタムファータァだったよなぁ。 んでアイツを探してたってことは…仲間なのか、違うのか…。髪もアイツと同じく変だったし、十中八九関係者の類ではあるだろう。 それ以前に今の季節、ここに旅行に来るなんてよっぽどの変人しかいないだろう。その時点で不信感を持って警戒していたおかげで声を上げずに済んだが…。
「(まぁ、バレてないだろう。こちとらポーカーフェイスは得意なんだ)」 無愛想なだけなんだけどな……と心の中で突っ込み、オレは息を整えると、バックを担ぎ直し、門を開けようとした…その瞬間。 守屋神社の石段を降りているさっきの男が目に入った。 オレは咄嗟に屈み塀の影に隠れる。 「(まずい、バレたか!?)」 いや、そんなことよりもこの島を消しに来たのに何もせず、あまつさえ島民の家に厄介になっているところとか見られて大丈夫なのだろうか。いや、普通駄目だよな…。 背筋を冷や汗が伝い、嫌なイメージが頭に浮かぶ。 ………“口封じ”………。 気付けばオレは守屋神社の石段を駈け登り、本殿の裏の千尋の家の玄関のドアを開け放っていた。 「千尋ッ!」 「うがぁあああっ、目が、目がぁあああっ」 ……茫然自失とはこのことか。ドアを開けた先には目を手で押さえながら洗面所に駆け込む千尋の姿が。そしてそれを見守る孝明さんにシュタムファータァ。 「やあ、おはよう俊明くん」 「おはようございます、ヤスっちさん」 「ああ、おはよう……」 いいさ、敢えてオレは突っ込まないし聞きもしないし首を突っ込むつもりもないさ。 どうせ“いつもの守屋一家でした☆”の一言で片が付く話だろう。 「はぁ……」 思わず安堵と呆れから深いため息を吐いてしまう。 そしていつの間にか洗面所から出てきたのか。千尋がオレの前に立っていた。 「お、ヤスっち…ため息を吐くと幸せが逃げるんだぜ…まぁヤスっちの普段の顔の方が薄幸そう…ってうがぁあああっぁあああっ!」 とりあえず何故か近くにあった塩を握り拳で掴み、千尋の瞳目掛けて全力で投擲しておいた。ああ…これでチャラだ。 再び洗面所に駆け込んでいった千尋を尻目にオレは孝明さんに声をかける。 「あ、そうだ孝明さん、赤色の髪の男が来たりしませんでしたか?こう、よくある赤色じゃなくてちょっとくすんだ感じの赤色の髪の男なんですけど」 来てた場合はとてもマズいだろう。今回は見逃したとしてもいつか口封じに来る確率はかなり高い。 「いや、来てないよ。大体、そんな髪の人が来たら不審に思ってまず家にはあげないよ」 「そうですか……って、アイツ髪蒼いんですけど」 「彼女は女の子だろう?僕は美少女に対しては皆平等さ。……それに、彼女は“あの人と同じ側”だから、ね」 最後に孝明さんが何か言ったように聞こえたが、声がそこだけ小さくて聞こえなかった。オレは聞き返そうとした…が、それが果たされることはなかった。 「おーいヤスっちー、拉致すっぞー」 いつの間にか復活していた千尋がオレの手首を掴み、ぐいぐいと引っ張られる。 「おい、千尋、そこは、遅刻、すっぞ、だろうが!」 「いってきまーすっ!」 オレの言葉を華麗にスルーしながら守屋家の玄関が遠のいてゆく。孝明さんとシュタムファータァがこちらを向いて手を振っている姿が最後に見えた。 「おい千尋、今日は何で学校行くんだ」 そうオレが聞くと、千尋は短いスカートを揺らせながら自転車な飛び乗る。 「チャリに決まってんしょ!」 「オッケー」 オレはそう返事すると、千尋の後を追うように自転車に乗って、ペダルを動かし始めた……。
「……ふう」 物凄い勢いで走り去って行く娘と、その幼馴染みを見送ってから一息吐いた。 今“俺”がいるのは、仏壇の前。 遺影に写っているのは、優しく微笑む、千尋によく似た一人の女性。 「孝明さん、何をしてるんですか?」 そう尋ねながら傍らに座る蒼い髪の少女。 「ああ、妻に……千里に朝の挨拶をしようと思ってね」 仏壇の上の遺影を見上げたまま質問に答えた。 「千里さん、ですか。……綺麗な人ですね」 「そう言ってくれると、アイツも喜ぶよ」 一時の静寂。まだ朝は早い。電線の上に止まった小鳥の囀りと、辺りの木々のざわめきの音だけがこだまする。 「彼女も……」 ゆっくり、ゆっくりと口を開く。 「千里も、運命から逃れる事は出来なかった。千歳さんも、千夏も」 死んで行った者たちとの思い出が、次々と浮かんでは…消える。まるで走馬灯のように。 「……まぁ、由紀や春みたいに巻き込まれなかっただけでも、ウチは幸せだったのかもしれないけどね」 何故か笑みが浮かぶ。これは苦笑か、それとも自分に対する嘲笑か。 「彼等を、恨んでいるんですか?」 少女が問う。視線を合わせず、ただ一点を見つめたまま。それを聞いて、今度こそ僕は苦笑した。 「彼等を、恨むことなんてするものか」 「え……?」 少女が、驚きに目を見開きながらこちらを見やる。 「恨んで皆が帰ってくるなら……、千里や由紀が帰ってくるなら、俺は彼等を恨もう。でも、違うだろう?」 そう、違うんだ。“彼等”を恨んだって仕方ない。それこそ…“彼等”と同じだ。 「それに、僕は“和平と仲裁”の守屋だ。そんな僕が彼等を恨んだら変な話だろう?」 「…………」 無言で呆けている彼女の頭を優しく撫でてやる。 「それに“十年前の事件”は、“君たち”は無関係だろ?君が、気にすることはないんだ」 「え……?」 ………まったく、この娘といい、娘たちといい、微笑ましいものだ。 「さ、僕は境内の掃除に行ってくるけど、ちゃんと留守番できるかい?」 「え…あ、はい、出来ますっ」 「よしよし。ありがとう」 頭をぽんぽんと優しく叩き、振り向いてから気付いた。 「って、その前にこの塩をなんとかしなくちゃね」 「あ…そうですねっ」 二人で顔を見合わせ、苦笑する。 そして二人で掃除をしていると…俺は昔をふと思い出した。 幼い千尋が、飲み物を床に零してしまい、俺と彼女が二人で床を掃除したことがあった。 『あらあら、千尋ったらまた汚しちゃったのね』 そう言いながら、笑って床を拭く千里の姿が、今でも眼に浮かぶ。 もし…千里や由紀が、今もまだ生きていてくれたら、どんな生活を送っていただろう? 先程は彼女にああ言ったが、未練は山程ある。 千里にここまで成長した千尋を一緒に見て欲しかった。一緒に授業参観だって、卒業式だって行きたかった。 それに千里が今の俊明くんを見たらどう思うだろうか?きっと、我が子のことのように喜んでくれるだろう。俺だってそうだったのだから。 「…ごめん、後は任せていいかい?」 「あ、はい」 彼女の姿を再び見ることなく、逃げるように外に出た。本殿に入り、その奥にある御神体に手を触れる。 「千里……千尋や春は、今も立派に生きていてくれている。そして俊明くんや孝一くんもいるんだ。心配は…することないんだよな?」 ふと朝の俊明くんの言葉が頭を過ぎる。そして…今家にいる彼女。 だが、大丈夫だろう。親が出ることではない気が、何故かするのだ。 俊明くんが朝尋ねて来たとき。彼は汗だくで俺の言葉を聞いたときひどく安堵したように見えた。 おそらく石段を駈け登って来てくれたのだろう。彼なりに、娘のことを心配して。 「今回は、大丈夫だよな?」 千里に語りかけるように、俺は優しく御神体に触りながら呟いた。 「さて、境内の掃除をしなくちゃね」 そう言って、僕は本殿の外に出て、ふと空を見上げる。 「そう…大丈夫だろう、きっと…」 誰に聞かせるわけでもないその言葉は、曇天の空に夏風と共に消えていった。
オレの家から学校まで、片道約45分。校門が閉まり、遅刻となる時間が8時35分。そして今は7時40分。予想より少し時間に余裕はあった。 「おい千尋、スピード落とせ…時間が5分余る。事故るぞ」 ペダルを漕ぎながら喋っているので言葉はぶつ切りになってしまうが、意味は伝わるだろう。 前を走っていた千尋が無言でブレーキを握り速度を緩める。オレも同じように速度を緩めた。 「……何? ヤスっち」 「……いや、今日お前テンション低くないか?」 ひょっとしたら塩をぶつけたのが原因なのか?と思ったがそこまで子供ではないだろう。 「……いや?そんな事ないぜ?!」 千尋は笑みを浮かべ必死に否定したが、無理に笑っているのは明らかだった。 「…そんなこと、あるだろ」 「無いって」 ムキになったように否定する千尋に対し、少し苛立ってくる。 「いや、あるだろ。人が心配してるのに何だよ…お前」 「うっさいなぁ馬鹿野郎!もう先に行く!」 突然怒ったように声を荒げ、スピードを上げオレとの距離がグングンと離れていく。 「なんなんだアイツ……」 オレ何か悪いこと言ったか?たしかにしつこかったとは思うが…。 そのまま特にスピードも上げずにチャリを走らせていると、目の前に知った顔が自転車を漕いでるのが見えた。 「おーい、椎名っ」 オレがそう呼び掛けると、前を走っていた椎名が後ろを一瞬だけ向き、オレに合わせるようにスピードを落とす。 「…一人とは、珍しいな」 椎名がいつもの声色で話し掛けてくる。千尋がいないのを不思議に思ったのだろう。 「置いて行かれた」 誤魔化すことでもないので、そのまま正直に伝える。すると椎名は軽く微笑すると口を開いた。 「さっき守屋がオレに気付かず通り過ぎていったからな。喧嘩でもしたんだろうとは思っていたが……今の安田の顔を見たら納得したよ」 「……なんだよそれ」 「わかりやすい、ということだ。……まぁそれはさておきオレもお前と同じようなものだ。松尾は課題が終わらないので朝イチで学校に向かったらしい」 …そこまでわかりやすい顔をしてるのか、オレは。 まぁそれはいいとして…松尾が朝イチで学校行ったところで終わるのかは甚だ疑問だった。 それからお互い特に会話もなく通学路を自転車で走る。元よりオレも椎名も自分から喋るタイプではない。 学校まで沈黙は続くと思っていたが、意外にもそれを破ったのは椎名からだった。 「なぁ安田。今のこの島をどう思う」 ふと真剣な表情で振られたので面食らうが、真面目に考えることにする。 「いや……“十年前の事件”から、特に何も変わってないんじゃないか。平和だしな」 「そういう意味ではなかったんだがな…。なぁ安田、オレはどうも“閉じ込められた”という感覚がするんだ。いや……この島だ。“牢”になったという表現の方が近いだろう」 「……牢?」 「考えてもみろ。安田…お前はこの島から出ようと考えたことがあるか?」 この島から出る……そんなこと、考えたことすらなかった。 「ないだろう?それはそうだ。オレも同じだからな。地下に幾層にも連なる食料プラントのお陰で食料には困らない。そして工業や商業も今の不況の世の中に比べ、不自然なくらいに就職先には困らない。 しかも元々の島の土地にはあまり手を付けてないから自然も豊富だ。正直一日に二回しか出ない定期船で島を出る必要はない。…というか、本土よりこの島で暮らした方が地価も収入も条件がいい」 椎名が一呼吸置き、再び口を開き始める。 「おかしくないか?まるでオレたちをこの島から出す気がないようだ。それに、第二次世界大戦で大きなダメージを受けた本土より、この島の発展を優先したという記録…。明らかに不可解だとは思わないか?」 正直…今のオレはこの話の30%も理解出来ていなかった。 だから、間の抜けた返事を返すことしか、オレには出来なかった。 「……なんだ。オレは椎名みたいにそこまで考えたことがなかったから上手く言えないけど……、運が、良かっただけなんじゃないか?」 オレがそう言うと、椎名は真剣な表情を崩し、いつもの顔に戻った。 「……運が良かった……か。まぁ、たかだかガキがあれこれ詮索したところで意味はないか」 「……なんか、悪いな」 きっとオレの答えは椎名の望むモノではなかったのだろう。そう感じた。 「いや、気にすることはない。オレも朝から変な話題を振ってすまなかったな」 どこか気まずい雰囲気のまま走っていると、前に千尋が自転車を漕いでいる姿が見えた。
「おいっ、千尋っ!」 とりあえず呼び掛けてみる。これで無視するなんて子供っぽい真似はさすがにないだろう。 「……何」 ぴったり並走したところで返事をする千尋。やはりどこか不機嫌そう……というか、心なしかスピード上げやがったコイツ。 「……あれだ、何でお前今日マウンテンなんだ?」 さっきの話題を繰り返すのも気まずかったので、とりあえず今思ってる最大の疑問を投げかけてみる。 「……へ?」 よほどオレの言葉が予想と違かったのか、疑問符が目に見えるような間の抜けた返事を返してくる。 「…だから、何故お前はママチャリじゃなくてマウ」 「あ、あーそゆ事ね!なるほど了解了解」 早口でオレの台詞を遮るようにまくし立てる千尋。 「それはね、アレさ。ついこの前までギアの調子が悪かったから、バラしてギア交換してたの。で、ついでにオーバーホールをね」 ピンっと人差し指を立てながら得意気に説明する千尋。……何を得意になっているんだ、と思いながらも一応相槌を打っておく。 「てかお前…恥ずかしくないのか?女子でマウンテンってお前くらいだぞ」 するとさらに得意気な顔になる。 「意外性って必要じゃない?」 「あ、そう」 オレでもマウンテンバイクに若干の抵抗を感じるというのに、なんというか……図太い神経してるな。 ……と、まぁそうこうしてる内に流れて行く風景が田畑から市街地に変わり、そして学校が見えてきた。 そのまま三人揃って駐輪場に到着する。 「あ、私職員室に用あっから先行ってて〜」 オレたちの返事を聞くこともなく、素早く面前から脱兎の如く去っていく千尋。 「……なんなんだアイツ。本日二度目」 「まぁ、気にしても理由は守屋にしかわからないさ。それより、早く教室に行くぞ」 どこか釈然としない気持ちを抱えながらも、椎名と一緒に教室へ向かう。 教室の中に入ると、時間も時間だったために知った顔はほとんど登校していた。そしてオレの席の近くで突っ伏していた男に話し掛ける。 「おはよう松尾。課題の調子はどうだ?」 するとのっそりと起き上がり、意気消沈したようにこちらに顔を向ける松尾。 「無理でした。馬鹿でした。自分の頭舐めてました」 「いいから涙拭けよ」 泣き付いてくる前に先手を打っておく。今のコイツなら飛び付いてくる可能性がかなり高い。 「クソ……、甘んじて課題を受けるしかないのか……」 「単純にお前がサボってたツケが回って来ただけだろ」 バッサリと切り捨てる。そしてそのまま撃沈した松尾をスルーして自分の席に着く。 隣りを横目で見ると、千尋はもう座っていた。おそらく松尾と喋っている内に教室に入って来たのだろう。 「おい、千尋…」 「朝のこと」 またもオレの言葉を遮るように口を開く千尋。 「私が悪かった…ゴメン。もう、気にしてないから」 そう言った千尋の顔は、いつも通りとはいかないまでも…もう不機嫌という表情ではなかった。 「えらく、唐突だな」 思わず苦笑が浮かぶ。すると千尋は自嘲気味に笑った。 「『言おう』って思った時に言わないと、タイミング以前に言う気になれないからね」 何かその言葉に深い意味を感じたように思ったが、始業のチャイムが鳴り、思考は中断を余儀なくされた。
…そしていつも通り何も変化なく一時現目が終了。同じように二、三、四時現目も終了。期末テストが終わった後の学校なんてこんなものだ。グダグタと時間が流れていくだけである。 そして昼休みになり、いつもの面子で集まる。 弁当を取り出し、広げたるは唐揚げ弁当。というか一面唐揚げ。 「うぉい、ヤスっち……ついにその貧弱な体に終止符を打とうとしたんだね……」 千尋がオレの弁当を見るなりいきなり感想を言い始める。 「貧弱って程貧弱じゃねぇ。大体別に体力つけるために唐揚げ弁当にしたわけじゃねぇよ。母さんが作りすぎただけだ」 オレがそう弁明している間にオレの弁当に箸が伸ばされ、あっけなく強奪されていくオレの唐揚げ。 「なら、戴いても構わないよな?」 「なんだよ…美味ぇじゃねぇか」 椎名と松尾がオレの唐揚げを頬張りながら悪びれもなく宣言する。こいつら、オレのを黙って取っていったという罪悪感はないのか? 「ったく…、仕方ねぇから松尾の弁当で許してやる」 負けじとオレも松尾の弁当からおかずを強奪する。……ふむ、美味い。 「やってくれるじゃねぇか安田……ついにオレとお前の間に決着をつける時が来たようだな…!」 椅子から立ち上がり、箸を構え不気味なポーズを取る松尾。そしてその変なポーズでオレを威嚇している最中にも椎名と千尋によって自分の弁当が殲滅の限りを受けていることに気付いていない。 「なんというか……哀れだな、お前。唐揚げもう一つやろうか?」 オレは自分の弁当を着々と消化しつつも、松尾に慈悲をくれてやる。 「ふん……!敵の施しは、受けぬわぁ!」 声高らかに誇り高く宣言する松尾が、深い悲しみの絶望の悲鳴を上げるのは昼休みが終了間際になってのことだった……。 それからは特に何も起こる事無く、午後の授業が終了。ちなみに松尾はもう指一本動かすことはなかった。 「うーっし、放課後だーっ」 ガッツポーズと共に勢いよく立ち上がる千尋。なんというか、ハイテンションだな。 「今日はどうするんだ?千尋」 とりあえず予定を伺っておく。 「久々にゲーセン行こうぜヤスっち!ゲーセン!」 「-ATT-(アームド・トルーパーズ・トラスト)か。いいな。最近やってなかったから、ちょうどいい」 -ATT-とは、ドームスクリーン型のアクションゲームで、プレイヤー同士自ら構築したロボットを操って戦闘する。ちなみに二回プレイ500円と少し学生には痛い出費だが、それを上回る感動がプレイにはある……と千尋の談。 伊崎と千尋がこういったロボットゲームのファンで、オレも二人に勧められるがままにハマってしまった…というわけだ。 千春が入院するようになってからはあまり行ってなかったから、腕を鈍らせないためにも丁度良かった。 「オレも繁華街に用があったんだ。途中まで一緒していいか?」 椎名が会話に入ってくる。…オレは別に構わないが、お前今日弓道部って休みだったっけか? そんな疑問を口に出そうとした時、一人の少女がオレたちの面前に躍り出た。 「……『オレも一緒していいか?』じゃないでしょ」 ぴょこんと揺れる腰くらいまでの伸びるお下げに、小柄な体躯の少女…“神守遙(かみもり はるか)”。一つ上の先輩であり、千尋の従姉妹でもある。 そして弓道部の主将だ。おそらく副主将である椎名に部活の連絡をしに来たところに、たまたま椎名の台詞を聞いてしまったのだろう。 「…悪いな、安田。コイツをあしらってる間、お前達を待たせるのも忍びない。先に行っててくれていい」 「もう!先輩には敬語を使いなさいっ!」 相変わらず椎名は遙先輩に対して特別冷たい。が、詮索することでもないだろう。そんな雰囲気を漂わせていた。 「…そうか。じゃあ先行ってるな。遙先輩も、また」 千尋は教室の外で待っている。これ以上待たせたら怒りそうだ。……オレはそそくさと教室を出た。
「はぁ……」 掃除が終わり、縁側でぼーっと空を見上げる。 揺籃を消すのが正しいのか、消さないのが正しいのか。私は、どうしたいのか。 「抗う……か」 今までそんなこと考えたこともなかった。常に受け身に回ってきた私。逃げ続けてきた…私。そんな私が、セカイの意志に抗うことなんて……。 「おっと、ここに居たのかい?」 障子が開き、顔を表す孝明さん。いつの間にか帰ってきたのか…、全然気付かなかった。 「掃除が終わったので、ずっとここで日向ぼっこしてました」 「曇りなのに?」 「……考え事、です」 そう言って、私はまた視線を空に戻す。 「そういえば、朝俊明くんが言っていたんだけど…、どうやら君達の本部からお客様が来てるようだよ」 その言葉を聞き、私は全身の神経が逆立つのを感じる。即座に立ち上がり、孝明さんに詰め寄る。 「その人は、今どこに!?」 「……さあ、どうだろう。もう午後だからね。でも待」 私は飛び出していた。もう孝明さんの声は、耳に入らない。 「(いくら何でも強行策には早すぎる、なら……!)」 その何者かのリーゼンゲシュレヒトにヤスっちさんが接触しているという事実が、一番マズい…! 「急がなきゃ……、急がなきゃ……!」 最悪、この島が地図上から消えて、陰惨な歴史に名を刻むことになる。 …そう、嫌だ。それだけは……、嫌だ。ヤスっちさん達とは知り合ってまだ一日しか経ってないけど、だけど、私はずっと見ていたんだ、この島を。ずっと見守っていたんだ、この場所を。 そう…、ここは私の担当地域だ。私の居場所だ。 私が守りたい場所。私だけが、守れる場所だったんだ。 この場所は、消せない。消させない…! 力いっぱい走る。息が切れる。それでも、ただひたすら。 「……ぃつ…!」 足が縺れて、私はアスファルトの地面に叩き付けられた。 『そう難しく考える必要はないぜ?シンプルに考えるんだ』 ふと昨日の千尋さんの言葉が、頭の中で残響する。 『納得いかないなら逆らっていいんだよ。逃げるのも大事だぜ』 ……私は、…… 地面に手を付き、息を整える。 膝小僧からは少し血が出ているが、それでも…立てる。 私は今、初めて自分の意思で動く。それも、抗うために。 セカイの意志ではなく、自分の意思だ。 私は今、吹っ切れた。 『まぁ、最終的な結論はお前次第だろ』 ヤスっちさん…千尋さん、私は決めました。 ……私はっ……!
「行っちゃったか。言い方が悪かったかな……」 縁側に一人残された俺は、一人苦笑した。 「まったく、微笑ましい」 ……だが、今回は微笑ましいとかそんな事を考える程の余裕はなさそうだ。 ピンポーン、と軽快な機械音と共にチャイムが鳴った。 …意外と律義なようだ。だが、あえてインターホンには出ずに直接外に出る。私服だが問題は無いはずだ。そもそも礼装やら正装に着替えている時間はない。 満面の笑みを張り付け、玄関の引き戸を開ける。 「いらっしゃいませ、遠路はるばるご苦労様です」 「いえ、こちらこそこのような時間にすみませんね」 そこには、爽やかな笑みを張り付けた、赤銅色の髪の男がいた。 そのまま男を家の中に招き入れ、リビングに案内する。 「それで、今日はどんな御用件で?」 麦茶を出しながら問う。 すると、彼はその爽やかな、それ故に不自然に感じる表情を崩す事なくこう言った。 「こちらに赴いている者に“期限”を伝えに来ました」 ……期限、か。つまり彼らはここを消しに来た来たという事になる。そして御三家の中で“外交”を担当していた“守屋”に報告がてら来たのだろう。まったく、外交を担当してたのだってもう昔の話だというのに。 そして話によると彼女に最初に接触したのは千尋達らしい。千尋達がこの事を知っている可能性は高い。 「そうですか。なら私が伝えておきましょう。何の期限なのかは知りませんが」 笑顔でプレッシャーをかけておく。しかし彼はその薄い唇を歪め、微笑みながら、 「いえ…、一応本人に伝えないといけない規則でして」 『一応』の部分を強調して、言った。 ……つまり自分が本人に伝えた後にいくらでも聞けという事か。 「そうですか。まぁ、彼女なら貴方を捜しについ先程出て行ったばかりなんですがね」 一瞬、男の顔が引きつった。 麦茶を一口飲んでから男が尋ねた。 「彼女はいつからここに?」 「昨日の夜から、ですね」 互いに気まずい沈黙になる。彼女のことをずっと探してたんだろう、この人は。 「……大変ですね」 ひとまず労いの証明として茶棚から出した来客用のカステラを乗せた皿を彼の目の前に置く。 「まぁ…仕事ですからねぇ」 その言葉に込められていたのは、哀愁とかそういう漠然とした感情ではなく、『いや、こーいうの本業じゃねーんだわ』というもっとはっきりした感情が感じられた。確かにこういう仕事よりも、傭兵の類でもやってそうな雰囲気が見え隠れする。というか笑顔が不自然過ぎる。 そして彼の笑顔の使い方は、自分と同じ匂いがする。 「まぁ、お仕事頑張って下さい」 「はい、ありがとうございます」 交わしたのは社交辞令。まぁ本心から何とも思ってないわけではないのだが。 最後にカステラを頬張り、残った麦茶を一気に飲み干してから、彼は立ち上がった。 「ではお邪魔しました。もし、また会う機会があったのなら…酒でも飲みませんか?」 それに対して、本心からの苦笑で返す。 「お酒は勘弁して下さい。私はあまりアルコールな強いタイプではないので」 互いに本心から苦笑した後、彼は玄関を開け出て行った。
「……襲われるんじゃないかと、ヒヤヒヤしたよ」 彼が見えなくなってから、伸びをしながら言う。 「くっくっく、心にも無い事を言うな」 聞こえたのは、嘲笑。 「いやいや、多少は思っているんだよ、これでも」 そう言いながら振り返ると、そこには銀色の長髪を靡かせながら笑う少女と、さっきの男とは違う、純粋な赤い髪をした長身の男が立っていた。 「ほら、多少だろう?」 「多少であっても感じたのは事実だよ」 「ふっ、屁理屈だな」 銀髪の少女は笑いながらリビングのソファに腰掛ける。 とりあえず茶でも出してやろうとキッチンから麦茶を二つ用意する。 「それにしても、今日は白衣じゃないんだね」 「この暑い中、わざわざ旧友宅まで遊びに来るのに白衣はないだろう?」 たしかに、今日の彼女は黒のノンスリーブにジーンズというラフな服装である。 「君も、座ったらどうだい?」 さっきからずっと立っているので、声をかけておく。 「…いえ、私は」 「許せよ孝明。イデアールはレンと違い堅物な男だからな」 「君が柔軟過ぎるんだよ、ハーゼ」 麦茶を豪快にグビグビと飲んでいる銀髪の少女…ハーゼ。彼女の態度も客人としてどうかと思うが。 「で、今日はどんな用件だい?」 「なに、この島が消えると聞いてな。消える前に旧友の顔でも見に来ただけさ」 彼女にしては殊勝な用件だった。だが、彼女らがここにいるということは予想外の幸運だった。 「ならハーゼ、冥土の土産に旧友の頼みを聞いてくれないか?」 「ほう…?お前が、私に頼み事とはな」 珍しい物を見る目でこちらを見る。 「彼女と…千尋達を守ってあげてくれないかい?」 俺がそう言うとハーゼは一瞬驚いた表情になり、呆れた表情に代わり…苦笑しながら口を開いた。 「……相変わらず、諦めの悪い男ね……。いいだろう、ただし一度だけだ。それ以降は私は関与しないぞ」 「それで充分さ」 これで、布石はほとんど置き終わった。 あとは、どうなるかは俺の運次第だろう。 「イデアール、先に行っていろ」 「わかりました」 私に一礼すると、イデアールと呼ばれた青年は玄関から外に出ていった。 「孝明、カステラは戴いていくぞ」 「相変わらず目敏いんだな」 俺の言葉を無視し、茶棚から勝手にカステラを取り出してバッグに入れるハーゼ。 「報酬を先にもらっただけだよ。……じゃあな。まぁ、ここが残っていればまた私が来るだろう。」 軽い嘲笑と共に、縁側から彼女は外に出て行った。 「せめて玄関から出て行こうな、ハーゼ」 空を見上げながら、俺は思わず苦笑を浮かべた。
結局椎名は途中で追い付くことはなく、俺と千尋だけでゲーセンに着いた。 そしてそのままATTの筐体の前に行き、受付を済ませると、後ろから誰かに呼び止められた。 「よう、俊明」 「伊崎…来てたのか」 伊崎がここにいるのは珍しくない。というより伊崎はATTのかなりの上級プレイヤーだ。オレから言えば廃人クラスだが。 「最近は来てなかったからな。どうだ俊明、久し振りに1vs1でもどうだ?」 「お前と?勘弁しろよ、勝てるはずないだろうが」 「よし、なら私がヤスっち側に着こうじゃないか」 たしかに、千尋がいれば勝機はあるかもしれないが…、まぁ、たまにはいいか。 「千尋がいるなら、まぁいいぜ」 「1vs2か。いいだろう、掛かって来い」 そう言いながら伊崎も受付を済ませに行った。 オレと千尋は先に筐体へと向かう。 相変わらずのドーム状の筐体。外から見てもこれは非常に目立つ。 だが、平日なのであまり人はおらず、伊崎が筐体に入るのを見計らって適当に空いている筐体に入る。 コインを投入し、ドーム状のスクリーンにお馴染みの画面が表示される。 店内対戦を選び、ロビー画面に移行すると、ロビーにいるのは勿論伊崎と千尋の二人のみ。チーム設定でオレと千尋が同じチームになるように設定する。 そして機体設定画面に移行する。もうすっかり馴染んだオレの機体が表示される。 右上に小さく表示される千尋の機体は遠距離戦に特化している援護向きの機体だった。…ということは、オレは前衛か。 オレの機体は言ってしまえば可も不可もない、バランス重視の機体だ。 近距離も遠距離もそれなりにしか出来ない機体。 まぁ、今回はいつもとは違く前衛なので、長距離兵装を外しておく。…ライフルも外した方がいいな。 両手にマシンガン、背中にはレーダーを装備し、機体自体を軽量の機体に変更する。 伊崎の機体は、変わっていなければガチガチの高速特化機体だったはずだ。 そして最大の特徴はまだATTに実装されたばかりの機体特性“可変機構”を搭載していることだろう。 可変機構は実装された当初の頃こそ流行ったが、複雑で難し過ぎる機体操作に加えて、様々な装備制限があることから、可変機構を好んで使うユーザーはほとんどいない。 だが、それを好んで使うのが伊崎という男…なのだが。 「ま、さすがに二対一だからな。手加減なしで飛ばせてもらうぜ」 「上等だぜこーちゃん、掛かってきな!」 ゲーム画面が広い住宅街に変わる。高低差が激しく、障害物が多いステージだ。 「って、伊崎にあまりに不利じゃねぇか?」 「ま、選んだのはこーちゃんだし。思う存分ボコってやろうじゃん」 …たしかに二対一でこの伊崎にとって不利なステージならば、いかに伊崎のプレイヤースキルが上でも勝機はあるだろう。 そしてビルの間から現われる白銀の機体。 「さぁ、始まるぜヤスっち!」 「おう」 そうしてオレは、レバーを握る手に力を込めた。
マシンガンを構え、白銀の機体に突貫する。当たる当たらないは意識しない。ただただ弾幕で圧倒するだけだ。 だが、伊崎はその弾幕を軽やかにビルをステップし回避し、オレに肉薄する。 オレは咄嗟にレバーを後ろに下げ、距離を取ろうとするが、機動性で上回ってる伊崎の機体から逃げられるわけもなく、レーザーブレードが眼前に迫るが、回避は不可能。 だが、その刃がオレの機体に届くことはなかった。 伊崎の機体がブレードモーションを変形で強制キャンセルし、非常に器用な動きでビルの壁にぶつかることなく上昇していった。 「さすがにそう簡単にやらせてはくれないか、千尋」 「私を舐めないでね、こーちゃん」 そしてビルの間を器用に変形状態で抜けていく伊崎の機体に対し、追随する千尋のライフルから放たれる弾丸。 「くっそー、可変機でどーしてビル壁に直撃しないなぁ。これじゃあヒット&ウェイ決められっ放しじゃんか」 千尋が接近されたらこちらの負けは確実だ。故に伊崎の的になるように動かなければならないのだが、伊崎の機体に搭載されている“レーザーブレード”は最上級の物じゃないにしろ、威力はオレの軽量機体ならば二発で落ちてしまうだろう。 レーザーブレードは異様に当たりにくく設定されているため、威力が凄まじいのだ。 「プレッシャーが、半端ないな…」 何しろ相手はビルの間を高速で縦横無尽に駆け巡る機体だ。平地ならまだマシンガンは当たるかもしれないが、こうも障害物を上手く使われては弾の無駄遣いになるだけだ。牽制にもなりはしない。 「どうする、千尋?」 「正直、わかんないや」と、ため息と共に言った千尋だったが、声色はまだ諦めているようには感じなかった。 「こっちの機体特性を考えずに、単純に相手が可変機だから市街地は有利じゃんって、油断してた私のミスだわ。痛ったいけど、負けるのは癪」 そう言って、千尋はオレにMAPを開くように指示した。 「この直線距離になる大通り。ここにこーちゃんを誘い込めれば、私の狙撃で撃ち抜くぜ…と言いたいんだけど、こーちゃんに当てるのは至難の技だろうなぁ」 勿論千尋と伊崎の技量差もある…が、市街地で大通りと言っても、何も馬鹿正直に真っ正面から来てくれるわけではない。市街地だから無論横道だってあるのだ。 「でもまぁ、やるしかないか」 「うん、やるしかない」 互いにこれに懸けるしかないことはわかってるのだ。二つ返事で互いに了承した。 「まぁ、ヤスっちが上手く撃墜されずにこーちゃんを誘い込めるかどうかが一番の問題だけどねー」 「いいや、お前が伊崎に射撃を当てられるか…が問題だろ」 問題というより、負担や重圧は千尋の方が遥かに大きいだろう。オレはただ適度に逃げ回って誘い込めばいいが、千尋の場合は射撃を実際に当てなければならないのだ。アンチマテリアルライフルによる狙撃モードで当てなければならない。 アンチマテリアルライフルとはこのゲームにおけるブレード級の威力がある銃なのだが、狙撃モードと呼ばれる自分自身がまったく無防備な状態になり、レバーで照準を動かして当てなければならないのだ。 勿論、機械によるロックオン補正は無い。連射も出来ないために事実上チャンスは一発だけだ。 「頼んだぜ、ヤスっち」 「出来るだけのことはやってみるさ。期待しないで待ってろ」 そう言ってオレはレバーを握る手に力を込め、いまだにこちらの動きを伺っているようにビルの間を蠢く伊崎の機体に突撃する。 両手のマシンガンをフルバーストで撃ち続ける。弾切れは気にしない。自棄になったと思わせ、油断させる算段もある。 伊崎の機体はオレの軽量機体の追撃を軽やかに躱し続ける。こちらもスピードは早いはずなのに、全然距離が縮まらない。 そして突如変形解除し、人型形態になりビルを蹴りこちらに反転してくる。 「流石に、二度も食らいたくはない!」 オレは反転した時点で反応し、横の細道にクイックブーストと呼ばれる高速移動で転がり込む。 そしてオレの居た場所に一瞬遅く襲いかかる光刃。だが、回避したことを喜んでいる余裕などなかった。 こちらにとって直線距離は射撃が当たりやすい立ち位置ではあるが、それは相手にとっても同じこと。ましてや、この近距離戦の状態ならばマシンガンの砲撃程度でブレードの突撃を防げるわけがない。 オレは危機を感じ、全力でブーストを後ろに吹す。一撃がデカい。当たるわけにはいかない……!
こちらがブーストを吹すよりも早く方向転換し、細道に入ってくる伊崎の機体。 伊崎の機体に搭載されている左右のブレードが光輝く。ブレードのモーションは普通のゲームと違い、ATTはただ真っ直ぐに突っ込んで斜めに切り払うだけだ。だが、両方の腕に装備されている場合は話は別だ。 ただ突っ込んで来るというのは変わらないが、二本のブレードを同時に斬る、連続で斬る、従来通り片手で斬るの三パターンが存在するのだ。 ここで問題になってくるのは二つ目の、連続で斬るモーションである。連続で斬るというのは二回突っ込んで来るということ。つまり、片方のみの時より二倍の直線リーチがあるというわけだ。 当たり前のことだろ、と言われればその通りであるしそれまでなのだが、さすがに千尋の期待を裏切りたくはなかった。 一撃目が放たれる。こちらに襲い来る黄色に輝く光刃。半円を描くように横凪ぎにされたブレードは、ギリギリオレの機体に当たることはなかった。 そして、問題の二発目。もう片方に搭載されている先程と同じ黄色の光刃がオレに襲いかかる…が、オレは機体を思い切り横に倒し全力で横に回避行動を取る。 一瞬、時が止まったような感覚。そして間髪を入れず鳴り響く激しい衝撃音と大ダメージを知らせるアラート・メッセージ。 だが、撃墜はしていないようだ。それを理解したオレはHPを確認する余裕もないため、全力で指定ポイントまで逃げる。 これで伊崎からは、ブレードから無様にも逃げているように見えるはずだ。そして伊崎としてはこの絶好のチャンスを逃したくないはすだ。つまり、ほぼ確実にオレを追ってくるはず…!。 「千尋、もうすぐ指定ポイントに着くぞっ!」 「りょーかいだぜヤスっち…、狙い撃ってやんよ…」 そして、伊崎の機体が変形し、オレの退路を阻むように前に立ちはだかるようにオレを飛び越えて移動する。 そして、着地した場所は…指定ポイント通り、大通りに伊崎の機体は立っていた。 「だからよぉ……狙い撃つぜぇぇぇぇッ!」 千尋の謎の掛け声と共に響き渡る銃声。今度こそ時が止まったような感覚。 そして、時は動き出す。 伊崎の機体は相変わらず健在で、そこに立っていた。光刃が煌めき、オレの機体の撃墜を知らせるアラートが鳴り響く。 そして画面が第三者視点に切り替わる。 「まぁ、今のはヒヤっとしたぜ、千尋」 「…ヤスっちの敵は私が討つぜ。本気モードで行くから気をつけな、こーちゃん」 千尋の機体に搭載されている武装が全て脱着(パージ)され、新たに千尋の機体の両腕に搭載されるレーザーブレード。 今のは格納といって、普通の武器スロットとは別に予備として装備出来るシステムだ。弾切れになった場合などに使われる。千尋はそこにブレードを二本隠し持っていたのだ。 「その重量機体でオレとブレ戦やんのか?」 「やってやんよ」 そうして千尋の機体が一気に伊崎の機体に肉薄する。その巨体から想像出来ない程のスピードで接近する……が、可変機にスピードで追い付けるわけがなかった。 即座に後ろに回られ、両腕のブレードで斬られる千尋の機体。重量機体故に装甲が厚かったために一撃で落ちなかったが、次に二本同時を直撃されたら、いかに硬い装甲でも落ちてしまうだろう。 「くっ…、速さが足りないッ!」 千尋が急旋回しようとするが、機影は既にそこになく、背後に回られてしまう。 「さっきの策が失敗した時点で、お前等の負けだったよ」 そうして、画面には『LOSE』と、こっちのチームの敗北を表示された。 戦闘が終了した証として、IDカードが返却される。ドアを開け、ドーム状の筐体から外に出る。 自分の額に手を当ててみる。汗をかいていた。いつの間にか…こんなにも熱中していたのか、と自分で意外に思う。 「ああ、くそ」 地味に悔しい気持ちが湧いてくる。そして悔しい…と思ったのも久し振りだということに気付いた。
ふと、汗が張り付く髪が地味に気になってくる。普段はあまり気にならないものだが、何故だか今は何故か外の空気を吸いたくて仕方が無かった。 そうしてゲーセンの出口に向かうと、オレが行くより一瞬早く、自動ドアが開いた。 そして中から出てきた小さな人影が、オレに突っ込んでくる。少しよろけながらも、衝撃で転ぶことはなかった。 「って、シュタムファータァじゃねぇか」 空色の髪のポニーテールで、さらに小柄な少女といえば、シュタムファータァくらいしかいないだろう。 「ヤスっちさん!?なんという幸運ですか!いや、セカイを追って来たんで当たり前といえば当たり前なんですけれども」 「便利なんだな、セカイってのは」 なんだかは知らないがどうせファンタジー用語の一つだろう。興味もなければ深入りする気もなかった。 「ヤスっちさん!この島が消えるかもしれないんです!」 「いや、お前が消すんだろ」 オレの記憶ではたしかそういう話だったはずだ。 「違います!組織から誰かが派遣されて来ているんです!」 朝会った赤髪の男が一発で脳裏に浮かぶ。 「……そいつなら朝会った」 「何で教えてくれなかったんですかっ!」 よくよく考えてみればたしかにそうだ。あの時は千尋の安否ばかり頭に入ってシュタムファータァに話そうと考えてる余裕がなかった。 「で、それをオレに話して……お前はなにがしたいんだ?」 疑問だった。要するに今朝の赤髪の男とシュタムファータァは同じ組織の人間だろう。組織の内情は知らないが、敵対しているという事はないだろう。 なのに、何故そんなに焦る? 「私は……」 口ごもるが、深呼吸して、また口を開く。 「……私は、この島を」 だが、その意を決して発した言葉は、何者かによって遮られた。 「やっと見つけましたよ…罪深き始祖」 振り返るとそこには、今朝会った赤髪の男が不敵な笑みを浮かべながら立っていた。 「……名を」 オレを守るようにシュタムファータァが前に出て、男に問う。 「“赤銅の狩人”のイェーガーです。島をなかなか消しそうにないので、催促しに来ました」 男は笑みを崩さず、ただ淡々と告げる。 「……期日は?」 「三日後の月曜日までにお願いしますね。では、私はこれで」 必要なことだけを伝えて、身を翻し男は悠々と立ち去っていく。 「………」 何か声をかけようと思った。だが、出来なかった。 話したところでオレに何が出来る?興味や同情で踏み込んでシュタムファータァが、この島が助かるとでも? 「……クソ」 やはりこういう状況はあまり得意じゃないというのを実感させられる。 「おーい、ヤスっちー?」 千尋の呼ぶ声が聞こえる。 その声にビクっと体を震わせたシュタムファータァの体が、 何故か、いつもよりとても小さく見えた。
考えてるみれば、それは簡単な事だったのかもしれない。 でも、思い付くのが簡単な事ほど、実行するのは難しい。 希望という名の、儚いユメ。 だから、端から諦めてしまう。 そして、いつか忘れてしまう。 盲点になる。 それが見えたとしても、見ない振りをしてきた。 決意を決めても、立ち向かう事は難しい。 立ち向かうのに必要なのは、実行するのに必要なのはほんの少しの勇気と、それを後押ししてくれる理解者。 今の私には…それがいる。 だから、戦える。 廻るセカイ-Die andere Zukunft- 第二章「非日常エンカウンター」
うっへ、半端なく長くなってしまった・・・ とりあえず第一章は終了です。こっから本編と言ってもいいかもです。 リーゼンゲシュレヒトVSリーゼンゲシュレヒトの戦闘がメインになっていきますw なにしろロボットSSスレですしねwロボットの戦闘がなくてナンボでしょう。 一応プロット通りに行けば全4章構成で行く予定ですw 支援してくれた皆さんありがとうございましたw これからも完結に向けて精進したいと思いますので、温かく見守っててくださいw
>>180 投下乙!後でゆっくり読ませて貰うぜ!
さて、次はPBM氏か……
すみません、プロ串規制喰らってましたorz それではこれより投下を開始します。支援よろしくお願いします!
オウサァ!
またプロ串規制というやつかな?
<……まったく、呆気なかったな> フリューゲルタイプのボディを貨物室に運びながら、たまが呟いた。ガシャンという音が響いて、次々と積み上げられていく、動かなくなった人形達。 「はい、すっごく気持ち良かったです」 キャリバーフィフティーを抱き抱えてうっとりするまどか。しかしこれは返事になっていない。 <そうか、良かったな。だがそいつとこの身体を早く仕舞ってくれ、もう出発する> 「わかりました!」 ……まあ、いいか。だって満面の笑みを浮かべるまどかが、凄く可愛いんだから。 主の喜ぶ顔を見られる事――――例え牙を抜かれた獣と罵られようと、神子の従者をやめられない理由のひとつだ。おそらくマナを貰える事よりも大きな理由だろう。 まどかが杖で機体に触れると、鋼の身体が光に消えて、獣の身体に心が宿る。同時に銃をくるりと回し、元の杖へと瞬時に戻す。この間たったの一秒ちょっと。 小さな狐がまどかのポケットから顔を出し、肩へと素早く這い上がった。 それを確認すると貨物車両に上がり、先頭車両に向かって叫ぶ。 「スティーヴさーん! 準備できましたー!」 手を振るスティーヴが見えた後に車両が揺れて走り出す。よろめいたまどかが近くの手摺りに寄り掛かった。 <……揺れる事くらい予想しておけ> 「すみません」 まどかがあははと苦笑した。 「そういえば、ここより後ろの車両は何があるんでしょう?」 この列車は機関車と客車、貨車とやたら大きな車両一両で構成されているが、その一両が何なのかがわからない。侵入は出来ないようだし、そもそも勝手に見るのは気が引ける。 <さあな。……まあ、そういうのはあまり触れん方がいいだろう> 「そうですね」 道程は残り半分。灰色の森を越えれば、神の門はもう目と鼻の先だ。上手くいけば明日には向こうに着くだろう。 意気揚々と鉄製の扉を開ける。まさかそこに信じられない光景が広がっていようとは、この時の二人には想像もつかなかったのであった―――― ♪ ♪ ♪
よしきた支援!
先回りをするためにお杉は走る。目指すはこの先にある灰色の森だ。 灰色の森――――古代の遺跡群だ。まるで群生する木々のような高層建築物群からそう言われている(……今、群って字何回使っただろう)。 隠れ場所が多いので、野良オートマタはおろか盗賊や猛獣が潜んでいる事もあるという非常に危険な場所だ。 しかし、野良が多いという事はその場で戦力を補充できるという考え方もある――――上手く釣る事ができれば、だが。 フリューゲルタイプ達の回収にはそれなりに時間が掛かるはずだ、その間に使えそうな連中をスカウトするとしよう。 <……と、この辺でいいか> ブースタを切って、着地。さあ、まずは釣りエサからだ。マナを迸らせる。鼻がいいオートマタならすぐに食いついてくるだろう……ほうら、来た来た。 <って、うぇ……。よりによってカーネタイプ……> 忌ま忌ましげにお杉が呟く。 細身だが力強いシルエットの脚部と、そこから生えた四本のアイゼン、頭部に備えられた耳のようなセンサーは、まさしくカーネタイプのものだった。 カーネは犬だから鼻がいいのは当然だが、狸であるお杉としてはあまり係わり合いになりたくない存在だ。 それに犬というのは人と仲がいいもの、ひょっとするとその首には首輪が巻かれているかもしれない。 <狸ガナンノ用ダ> ……と思ったが、それは杞憂だったようだ。片言はマナ不足の証明、それはつまり野良だということの証明にもなる。お杉はほっと胸を撫で下ろした。 <忠告ニ来タ、ココノヌシニ会ワセテモライタイ> とりあえず流暢に話すと怪しまれるので、話し方を相手に合わせる。 <忠告?> <ソウダ。四日前ニガサ入レガアッタダロウ? モウスグ神子共ガコノアタリ一帯ノ野良ヲ駆除シニヤッテ来ルラシイ> 四日前にこの辺りはこの領のオートマタ部隊――――ブラウニング機甲騎士団によるガサ入れがあったはずだ。目的はオートマタのディーラーの捜索・逮捕だったはずだがちょうどいい、利用させてもらおう。 <ソウカ……。見ナイ顔ダナ、貴様、名前ハ?> えぇー……面倒臭いな、もう。適当に名乗っておくか。 <クズノハ・ムジナ、ダ。時間ガナイ、ナルベク早ク頼ム> <アア、ワカッタ。ココデ待ッテイロ> そう言って、犬はビル群の中へと消えていく。思ったよりもすんなり理解してくれた――――ああ、馬鹿でよかった。 さて、まさかのぬし釣りに成功したわけだが、これはひょっとしてひょっとすると楽に勝てるのではなかろうか。 カーネタイプならフリューゲルよりも装甲は厚いし、何より統率が取れている。機動力や運動性だってそれなり以上だ。たかだか牛一頭仕留める事など造作もないだろう。 込み上げてくる変な笑いを抑えていると、しばらくしてここの主は現れた。
<クズノハ……ト、言ッタナ> 背後にぞろぞろと手下を連れて現れたそれは他のカーネよりも二回り程大きく、鋭角的なオートマタだった。犬というよりも、狼に近い印象を受けるイケメンだ。 <ハイ> <ソノ情報、確カナンダナ?> お杉は大きく頷き、先程の戦闘の記録映像を送る。当然だが、日付や地名はしっかり入力してある。 <先程コノ先ノ草原デ記録シタモノダ。モウスグ先マデ迫ッテイル> ぬしはしばし黙考して、 <情報ヲ改竄シタ形跡ハナイナ……ヨシ、ワカッタ。情報感謝スル> とだけ言ってその場を立ち去った。無論、部下達も一緒に、だ。見えなくなったのを確認してから、心の中でひとりごちる。 ――――ああ、馬鹿でよかった。 ♪ ♪ ♪ 重い鉄製の扉を両手で開けると、そこに広がっていた光景とは―――― 「おまえさん、相当粘ってるそうだな、あ?」 リタが片手をポケットに突っ込み、捕らえたフリューゲル達の本体である宝玉の回りをくるくる回る。 「ネタは上がってんだよ」 「そうやって、黙秘権を使うのは構わねぇよ?」 宝玉の前に座っているリヒト――――サングラスを掛けている――――が言った。いつの間に起きていたんだろう……。起きていたなら教えてほしかった、フリューゲルのボディーを運ぶのを手伝ってもらったのに。 なんてマイペースな事を考えているまどかをよそに、苛酷な取り調べは勢いを増していく。 「だがよ、警察を甘く見るなよ」 なんちゃってデカが顔の前で手を組んだ。サングラスがキラリと光る。 「おまえがやったってのは明白なんだよ、デコ助野郎!」 そりゃ現行犯だもの。 「おい、ナメてんのかこの野郎てめー!」 ビシッとでこぴん。しかしリタに脅されても迫力がないというか、むしろ可愛いというか。 「……おい珍獣、乱暴はよそうぜ」 部下の不祥事は上司の不祥事だ。赤髪サングラス団長が珍獣刑事を叱咤する。乱暴って程のものでもないような気がするのだが……。 それよりもルガー達はどこに行ったんだろう。遥は何故かそこでブラインドを持って苦笑いを浮かべているのだが。 「中々落ちないですね」 「ああ、そうだな……こうなりゃ泣き落とし作戦しか――――」 「だ、団長! 団……ちょ……重いなこの扉。団長!」 重い扉をがらりと開けて、どたばたとライ達が入ってきた。
「おう、何があった。メガネ、筋肉、ウサギ」 一応補足しておくが、メガネがライ、筋肉がルガー、ウサギがシロだ。 「三つ編みを殺った共犯が見つかりました、団長」 ……どうやら遥は死んだ事になっているらしい。だから苦笑いを浮かべていたのか。 「何!? それは本当か、筋肉!」 「はい、連中は――――」 いつまで続くんだろう、そう思っていた矢先の事だった。 「た、大変だ!」 スティーヴが客車に転がり込んできたのは……あれ? なんかデジャヴが……。 「どうした、イヌミミ」 どっしりとした余裕を持って構えるグラサン団長。 「また野良が来たんだ! カーネタイブが、たくさん!」 「はあ、またですか。もう振り切っちゃえばいいんじゃないかな」 もううんざりといった調子で、ライ。 「そうは言っても、速度を上げるには時間が掛かるし……」 速度を上げている間に取り付かれたら一巻の終わりだ。となると、ここはやっぱり―――― 「わかりました、私達が時間を稼ぎます」 「すみません、二回も……」 耳と尻尾をしゅんと垂らしながら言うスティーヴに、まどかは胸をぽんと叩きながら、言う。 「いいんですよ、好きでやってるんですから! ……出番ですよ、たまちゃん!」 <あ? ああ、いつでもいいぞ> 白けきった目で茶番劇を見ていたたまを正気に戻すと、杖で床を突いて言う。 「じゃあ、装備と一緒に上に直接送りますね」 <イエス・マイマスター> 「Exterminate……パラベラム!」 直後、頭上でズシンと重厚な音が響いた。それを確認してからまどかは杖をフィフティーキャリバーに持ち替えて、 「では、二次会といきましょうか!」 ♪ ♪ ♪
屋根の上に着地したたまは、まずは全身に備えられたカメラ・アイとレーダーで周囲の状況の確認を始めた。現在地は灰色の森の手前、どうやらあのカーネタイプ達は灰色の森の住人のようだ。 しかし解せないな、何故こうも頻繁に、積極的に襲い掛かってくる? ……まさか、もう賢者の石の情報が知れ渡っているのだろうか。だとしたら面倒な事になるが――――まあいい、とっちめて聞き出せばいいだけの事だ。 四方八方から接近するカーネ達に向かって機械的にトリガーを引く。回転する銃身から矢継ぎ早に弾丸が吐き出され、カーネ達の装甲を刳り、傷つけていく。だが有効打にはなっていない。 ――――ミサイルを使うしかないか。 光の軌跡を描いて、肩部からマジックミサイルが飛び出した。 それぞれの物体――――有機物、無機物に関わらず、だ――――が持つ固有のマナを探知して追尾するそれは、カーネに対して十分な威力を持っていたようだ。攻撃が命中した敵機は煙とマナの光を撒き散らしながら後方へ消えていった。 撃ち漏らしもまどかがしっかりキャリバーフィフティーで上手く牽制してくれるおかげで近付く事ができないようだ。 やがて車体が速度を増し、残ったカーネ達も地平線の向こうへ消えていく。どうやら役目は果たせたらしいが、油断は禁物だ。灰色の森はカーネ達の住み処なのだから。 <まどか、ライフルをくれ。ミサイルはマナを使いすぎるし、弾を無駄にバラ撒くような事はなるべくしたくない> 『楽しいけど、お金かかっちゃいますもんね……わかりました』 澄んだ音が響くと、両手に保持していたガトリングガンが光となって消え、代わりにごっついライフルが一梃と、右手にすっぽり収まった。おまけに高周波ブレードが左手に。 <ふふっ。ありがとう、感謝するよ、まどか。……さて> 戦場が灰色の森に移行する。途端、たまの前後から敵機が飛び掛かった。くるりと方向を修正し、発砲。右手側のカーネが視界から消え、左手側のカーネは高周波ブレードに裂かれ、そのままいなされ、地面に落ちていった。 <私を仕留めるには、まだまだ数が足りないな> まるで嘲笑するかのように、近づくカーネの手を撃ち、足を撃ち、頭を撃つ。その戦闘力、圧倒的。 が、 <――――なッ!?> 超高速で飛来した弾丸がたまの肩を掠めた。バランスを崩した重装甲が、そのまま列車の屋根から落ちる。 舌打ちをして、スラスターを全開。小さくなっていく列車に向かって彼女は叫ぶ。 <気にせず行け、すぐに追い付く!> ――――その声に、悲壮感はなかった。 ♪ ♪ ♪
「た、たまちゃんが!」 豆粒のように小さくなってしまったたまを見て、遥が涙声で叫ぶ。 「まどかさん、列車を止めましょう。彼女を助けないと……!」 スティーヴが努めて冷静に提案するが、まどかは首を縦に振ろうとはしなかった。 「せっかくたまちゃんが作ってくれたチャンスです、無駄にはできません。それに――――」 キャリバーフィフティーで床を突く。 「これくらいのピンチ、たまちゃんは慣れっこですから」 すると空中に無数のスクリーンが現れ、文字の羅列がまどかを包んだ。器用にスクリーンをタッチして、何かを解除していく。 <久々ですね、たま姉ぇ様の本気モード解禁> 「本気モード? あ……」 泣くもんか、と目尻に溜まった涙を拭っていた遥が声を上げた。そういえば以前、入社試験の後でまどかがこんな事を言っていた。 ――――そうですよ、私達まだ完全には負けてません。だってたまちゃん、まだキャストオフしてないですから。 「キャスト、オフ……」 「知っているのか雷電」 いや、雷電って誰? <装甲をパージする事だと聞きました> 代わりにリヒターが答えてくれた。 <しかし、装甲をパージしただけでは、劇的な戦闘力の上昇には繋がらないと思うのですが> 言われてみれば確かにそうだ。増加装甲を排して速く動けるようになったとしても、その分防御力は低下するだろうし、そもそもオートマタの装甲はそこまで重くないため、機動性の上昇もたかが知れている。 「ああ、あの装甲は……確かに防御力も上がるけど、装備してる目的は違うんだ。遥ちゃんは極東生まれの極東育ちだよね」 ルガーの質問に、遥がこくりと頷く。 「なら聞いた事ないかな、白面金毛九尾の狐、極東三大機械人形が一機、玉藻前の話」 「数百年前に暴れ回った末に退治されたっていう伝説の機械人形ですよね?」 たった一機で当時の軍隊や野良オートマタを蹂躙したという大妖狐――――結構有名な話だ。退治されてからも、近づく人間や動物達を殺す毒石、殺生石に姿を変え、復活の時を今か今かと待っているという。 「あのお話、本当は結末が違うんだよ。命からがら討伐部隊から逃げ延びた玉藻前は、ひとりの見目麗しい少女に惚れて、彼女の飯綱になったんだ」 まどかを横目でちらりと見る。まさか、まさか―――― 「それがまどかちゃんの御先祖様、初代ブラウニング領主夫人なんだ。つまりたまちゃんは、かつて極東を恐怖のズンドコに叩き落とした九尾の妖狐その人なんだよ」 てっきり同名の別人だと思っていたが、本物だったとは……。遥の頬に一筋の冷汗。 「え、じゃ、じゃあ、リヒターが借りてる、これは……」 「殺生石と呼べばいいのかな」 ――――なんて事だ、かつて極東を恐怖のズンドコに叩き落とした大妖狐を締め上げた上に謝らせてしまったではないか……二回くらい。 「まあ、そんな大妖狐も今じゃすっかり丸くなって、ただの不器用なお姉さんなんだけど……あれ? 遥ちゃん、具合でも悪い?」 <大丈夫ですか、マスター> 「いえ、なんでも、ないです……」 あ、後で謝っておこう……生きてたら。 「で、話を戻すけど、たまちゃんが装甲を纏ってるのは、有名人が変装をするのと同じ理屈なんだ」 その割に名前隠す気ゼロなのはなんでだろう、と思ったが、あまりに野暮なのでやめておいた。多分有名だから同じ名前を名乗る輩が多いんだろう、うん、納得しとこう。 「だから大妖狐最大の特徴も、増加装甲を着ていたら使えないんだ。誰だかわかっちゃうからね 「大妖狐最大の特徴……」 「そう、莫大な妖力の証明――――九本の尻尾さ」 ♪ ♪ ♪
滑るように着地したたまを、即座にカーネ達が取り囲む。素早い対応だ、さすがに統率が取れている。だが、たまが気掛かりなのは別の事。――――そう、先程たまを突き落としたあの一撃だ。あれは確かに対物狙撃銃によるもの……これは少々厄介な事になりそうだ。 思考をしている間にも、敵の数は増えていく。スナイパーがいる以上迂闊に立ち止まる事はできないが、これでは動く事もできない。一発なら大丈夫だが、そう何発も耐えられるものではない。 少しずつ、少しずつ。じりじりと擦り寄るように距離を詰められていく。接近戦が苦手なブルタイプではいささか不利だ。 空気を裂いて三発の弾丸が殺到する。だが、避けられない。一発は防壁で弾く事ができたが、残りの二発は右肩に命中。ミサイルポッドへの直撃は避けたが、たま自身は一回転して倒れ込む。 頭を使わなければいけないか……いや、待てよ。 ふと、流れ込んでくる情報に気付く。久方ぶりに感じるそれは、九本の尻尾が発する妖気。どうやらまどかが解禁してくれたらしい。 <……さすが私のマスターだな、いい判断だ> そりゃあもう、キスしてあげたいくらい。 <畳ミ掛ケロ、貪リ尽クセ!> リーダーらしき機体が命令すると、たまを囲んでいたカーネ達が一斉に飛び掛かった。が、 <Standby...> ブルタイプの装甲に亀裂が走り、そこから金色の光が零れる。目眩ましの閃光だ。 <Eject!> いくつにも分割された増加装甲が飛散し、目を潰されたカーネ達をその勢いでもって吹き飛ばす。光の中から現れたのは、黄金の鎧と、白いマスクのヴァルパイン。高貴な雰囲気と美しさは、その名を知らぬ者にも確かな畏れを抱かせた。 だが、今のままではただの狐でしかない。彼女が本当の力を発揮するためには、さる合言葉が必要なのだ。 足を広げ、見栄を切る。恥ずかしくても、言わねばなるまい決め台詞。 <我こそは、白面金毛九尾の妖狐、泣く子も黙る玉藻前! 奇術妖術恐れぬのなら、性根を据えてかかってこい……!> 背部で蕾が花開くが如く、九本の尻尾が現れる。 白面金毛九尾の狐、大妖狐・玉藻前、万を持して、ただいま見参! 獣が獲物を睨む時のような、射るような視線がたまに向かって殺到するが、一方たまはぴくりとも反応しない……いや、人差し指を相手に向けてクイクイと引く。挑発だ。そんな狐の挑発に、犬達は―――― <殺レ> ――――ひっかかった。
三機のカーネが真っ直ぐ襲い掛かってくる。たまは尻尾から両刃の長剣をずらりと引き抜き、流水のようなステップで迎え撃つ。 交錯。踊るような斬撃が、一瞬にして三機の身体をバラバラに切り裂いた。ついでに背後から飛来した弾丸も真っ二つにする。 だが余韻に浸る暇はない。続いて五機のカーネがたまを取り囲む。しかしたまはいたって冷静、平静そのもの。 まず背後の二機が爪を立てて飛び掛かるが、あっさりと切り払われる。 <コイツ、後ロニ目ガアルノカ!?> 次は四方八方から、タイミングをずらしての攻撃。これならば躱せまい、そんなカーネ達の考えが甘かった事を、次の瞬間思い知らされる。 <目だけじゃないな――――> 刹那、九本の尾のうち六本が展開し、それぞれ長剣を持った腕へと変貌する。 <――――手もあるぞ> 一閃、二閃、三閃、四閃――――各々の腕が、時折飛んでくるライフル弾も含めた各々の的を切り刻むその姿、まさに阿修羅そのもの。 ばたばたと犬達が地面に倒れ伏し、残った連中は及び腰。頃合いか、と大妖狐、群れの主を睨んで言った。 <死にたくなければとっとと失せろ> しばしの沈黙の後、これ以上の戦闘は無意味だと判断したのか、カーネ達は無言で遺跡の中へと去って行った。 ♪ ♪ ♪ <え、嘘、何アレ、本物……!?> 遠方で狙いを定めていたお杉が、驚きや憧れ、畏怖……その他諸々の複雑な感情を孕んだ声を上げた。それもそのはず、お杉こと寒戸・ムジナは元々極東の住人だからだ。玉藻前の恐ろしさは嫌というほど知っている。 ――――勝ち目はないかもしれない。 事実視線の先ではカーネ達が一方的に血祭りに上げられているし、場所を変えて撃った対物狙撃銃も全てバリアと剣の合わせ技で軽くあしらわれている。逃げる算段を整えておいたほうがいいかもしれない。
だが、今のお杉は不思議とそこまでの恐怖を感じずにいた。いやむしろ、先の名乗りを聞いてから身体が火照るというか動悸が止まらないというか……。 なるほど確かに、舞い踊るように戦うたまの姿は非常に美しかった。こうなってしまうのも、わからない話ではない程に。 ♪ ♪ ♪ <さて――――> 光学迷彩を使って辺りを捜し回り、ようやく今回の黒幕と思われるオートマタを――――思ったよりもすんなりと――――捕獲する事ができた。機体のタイプはムジナ型。なるほど、狸ならば回りくどい真似をしている事もある程度理解でき―――― <玉藻前様! 貴女は本当にあの玉藻前様なのですか!?> <はぁ? ああ、まあ、そうだが> ……本当に敵か? こいつは。何やら恋する乙女のオーラを感じるのだが。 <私、関の寒戸と申します!> <ああ、あの佐渡の貉神のお杉さん> それなりに名の知れたオートマタだった事に多少驚きつつも、淡々と対応する。なんせ狸だ、恋する乙女のオーラを纏っていても、腹の底では何を考えているかわかったものではない。 <ご存知だったんですか! 歓迎しました!> <まあ、な。それよりも、極東の住人の貴様が何故ここにいる> <まあ、ちょっとした仕事で……> <ちょっとした仕事で、犬コロ共に私を襲わせたわけか> ぎく、お杉がわざとらしく呟いた。 <いや、まあ、それは……申し訳ございませんでした> 平謝り。以前の玉藻なら無言で切り捨てていたところだが、今のたまは違う。 <いや、いいんだよ。おまえの裏にいるのが何なのかを教えてくれればな> するとお杉の身体から煙が立ち昇る。 <残念ですが、それについてはお答えする事はできません> <クソッ、ダミーか!> バルーンや人形をマナで細工した偽物だが、ここまで精巧なものは見た事がない。 煙を抜けると、そこには空中に身を投げ出す彼女の姿があった。 <ですが、こちらも貴女に惚れてしまった身。名前だけでもお教えしましょう> あたかもじわりと滲むように、お杉の姿が消えてゆく。 <謎の反動勢力、アンサラー。以後、お見知り置きを> ……さすが狸、まんまと逃げられた。 しかしアンサラーとは、聞いた事のない名前だ。というか、 <さりげなく告白されなかったか、今――――> 次回へ続きますとも!
すみません、三回もプロ串規制喰らってました……えぇい、間が悪い! 最後のほうは半ば突貫工事だったので色々と無理矢理感がありますが、そのへんはこの腹かっ捌いてぇぇぇ! それでは、ちょっと風呂に入ってきます。感想やレス返はその後という事で!
>>212 投下乙です!プロ串規制ドンマイですw
相変わらずのたまちゃん無双でしたね!たまちゃん、どこまで強くなるのか。
そして尻尾が腕になったという描写で黄金色で隠し腕・・・・・・ジ・Oを想像してしまった私は首吊ってきますねw
>>212 くはー、投下乙です
支援できずに申し訳ない……
つい最近ようやく戻って来れたので、ザイフリ執筆再開できそうです
とっとと三話終わらせねば
二人共投下乙!
>>180 目に塩とか、ヤスっちマジで鬼畜過ぎるwwwそういえば千尋のお父さんもタカ坊なのね。こっちのタカ坊は変な人だけどかっこいいのぅ
あと松尾哀れ、マジ哀れ。紫蘇頑張れ、マジ頑張れ
イデアールにレンにハーゼか……一体何者なんだろう
つか主将って遥さんの事だったのかw万能過ぎるよ遥さんw
>>212 流石は大妖狐、たまちゃんtueeeeeeeeeeee!!!
隠し腕とか素敵過ぎるにも程があるwwwなんかパージの時の台詞で555を思い出して、パージ後の台詞でダイターン思い出した
つかやおよろずの皆さん何刑事ドラマごっこやってんすかwww
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>214 復活乙!
>>180 投下乙です!
おお、色々と細かいところで拙作とは別物になってますね。こっちのほうが設定とかが洗練されてそうな予感が!
そしてDaZだとイデアールが仲間なんですね、これは展開が予測できなくてドキドキしましたw
でもね……ひとつだけ、原作者として言いたい事があるんだ……。
神守は“かみもり”じゃなくて“かもり”って読むんだ……。
まあこまけぇ事はいいんだよっ!
久々に廻セカ遥さん描いてみようかしら……。
では、次回も楽しみに待ってますね!
>>213 感想、ありがとうございます!
たまちゃんはちょっとチート機体にし過ぎた感がありますね……手数が多いし経験値が尋常じゃないから楽々無双できちゃう。
まあ展開次第でけっこうどうにでもなるんですけどね! ……今回は張り切り過ぎてこんなんなっちゃいましたけど。
ちなみに私はセラヴィーを想像しt(ry
ちょっと首吊ってきますね!
>>214 復活報告が聞けただけで幸せなので問題ありませんよw 頑張ってください!
>>215 感想、ありがとうございます!
あのシーン、カブト以外は特に意識しないで書いたんですけど、なんかモロ555とダイターンですねw 個人的にああいう名乗り大好きなんで、暴走してしまったようです。
やおよろず連中が刑事ドラマごっこやってるのは、たまたまその時西部警察見てたか(ry
>久々に廻セカ遥さん描いてみようかしら これは期待せざるを得ない >たまたまその時西部警察見てたか(ry 懐かしいなオイwww
>>180 投下乙!
いろいろと今後の伏線になってきそうな謎な展開が出てきて、また次回投下が待ち遠しくなりましたね。
それとやはり心理描写が上手いなあ。会話の「様子」から相手の意図や感情を推察しているところなんか特に。
実際にも結構そういうことしますしね。
>>212 投下乙!
たまちゃんつえぇw あとお杉さんがいいキャラしてるわw
お杉さんも「伝説の妖怪系統の人」かー。
余談ですが、今回、廻セカにもPBM!にも対物狙撃銃が登場してますねー。
>>214 生きていてくれたか!
さて……、wikiにオイラのSSが追加されてたんで考えたんですけど、俺も今まで投下したSS拾い上げて載せるべきなのかな?
他にもいくつか投下してるんですけど、俺以外の人には俺が書いたとわからないと思うんで。
>>217 なんていうか、ぶっとんででかっこいいじゃないですか、西部警察。
1話からVS装甲車とか目茶苦茶すぎてもうw
あれ、なんで避難所の方のトリになってるんだ?
>>218 感想、ありがとうございます!
お杉さんはそんなに有名じゃないんですけどねw というか狸は狐みたいに有名なのがいない……いても(当然と言えば当然ですけど)男ですし。
なのに綺麗なおなごに化けるとか、いい趣味してるじゃないですか団三郎さん。
>廻セカにもPBM!にも対物狙撃銃が登場してますねー。
ほんとですねw やっぱりあのゴツさは浪漫だと思うんですよ……。
それに、そう言う
>>882 氏も描いてますしね!
>今まで投下したSS拾い上げて載せるべきなのかな?
そうして頂けると助かりますw
>>221 >>今まで投下したSS拾い上げて載せるべきなのかな?
> そうして頂けると助かりますw
そいじゃ、編集方法を調べつつ各SSの題名でも考えますかなー(題名は…… つけるべきなんだろうか? まあいいや)。
あと、「下書きも何もなしにいきなり本文欄にSS書く」の作者が俺に変わりますけど、
実際アレ書いたのは俺なんで、誰かが間違えて編集してしまったわけではありませんと言っておこう。
>>222 お願いします。
下書き〜の作者さんは大体見当ついてましたw
>>223 初っ端から銀行強盗射殺したり、結構シュールでしたよね、あれw
>>216 セラヴィーwたしかにアイツも隠し腕ありましたなwジ・Oしか思いつかなかったw
いや、でもたまちゃんはあの強さだから余計に可愛いですぜ!
負けるところも見てみたくはありますがwそのときのリアクションが気になr
神守ってかもりって読むのでしたか!わからなかった……w
Wikiの方では修正しておきますねーw
原作とはちょこちょこ変えてるつもりです。展開上の都合上大関さんと小野さんとかがいなくなってるわけですがw
ハーゼとレンとかイデアール、白黒の関係は原作と大幅に変わってる部分だと思います。妄想による変化ともいいまs
そしてゲーセンの話がやっと来たので、こっからはほぼ完全にDaZオリジナル展開になりますねw
原作と相違する部分などがかなり増えると思いますので、不安と期待を織り交ぜていてくださいw(マテ
>>218 感想ありです!第2章に続くにあたってとりあえずいろいろ伏線ぶっ込んでみましたw
心理描写はオレ自身がこういう書き方が好きなのと、後は色々文章をつなげやすくなるからっていう理由がありますねw
その分話が固くなりがちというか、楽しげな雰囲気を出しづらくなってしまうんですよねー……
オレが日常シーンを書くのが苦手という理由の一つでもあるんですよねw
対物狙撃銃は浪漫でしょう。男の浪漫でしょおおおおっ。バレット愛してる。
重なったのは実はたまちゃんに向けて撃っていた射手は千尋だったという裏設定gggg
原作者同じだし、きっと出てきていてもおかしくないと思うんだ!w
>>225 ジ・0の隠し腕はスカート内にあったのでちょっと違うかな、と。セラヴィーなら背中にもありますし。
でも一番ピッタリなのは某スレで見た魔改造アヘッドなんだよナー。
>展開上の都合上大関さんと小野さんとかがいなくなってる
きゃつらは元々外伝からのゲストキャラなので、いなくなっても問題は(ry
>ゲーセンの話がやっと来たので、こっからはほぼ完全にDaZオリジナル展開になりますね
そうですねw 本当はその先もずっとあったんですけど、全部パァになっちゃいましたよHAHAHA!
オリジナルの展開、楽しみにしてますw
>実はたまちゃんに向けて撃っていた射手は千尋だったという裏設定
ちっひーは“何か”が起きる前のセカイの極東にかえれー!
千春さんは出す予定あるんですけど、千尋はどうだろう……同じポジションにはもう彼方が入っちゃってるんですよね。
ちなみにお杉さんの元ネタは廻セカのレンだったりします。
ああ、ちょっと間違えた。 お杉さんの“キャラクターの”元ネタでした。
やっと…… やっとwiki編集終わった……
>>224 >下書き〜の作者さんは大体見当ついてましたw
バレていたというのかッ!?
まぁあんな無謀な企画思いついても実際にやるのは俺くらいなもんだという話もあるが。
>>225 >こっからはほぼ完全にDaZオリジナル展開
ウホッ、それは楽しみだ
>>226 >魔改造アヘッド
気になって夜しか眠れない
>>228 いや、そんな話はねーよwww
ここのSSに刺激されてストーリーを思い付いたのですが、書けたら投下してもよろしいでしょうか。 スケスケの宇宙服を着た半裸の美女が出てきそうな、コテコテのスペオペなのですが。もしよければ、 皆さんの事前審査?もかねて設定等を1レスにまとめて書きこませて頂きたいです。
お二人とも、まずは投下お疲れ様です。
>>180 残り三日…物語が大きく動く予兆に期待も高まるばかりです。
ゲーセンの対戦が熱いですね。ふと、ACの対戦中に距離を詰められてブレードから必死に逃げる時の焦燥感を思い出して思わず共感を覚えましたw
次回はいよいよリーゼンゲシュレヒト同士の戦いですね。どんな戦いが繰り広げられるのか、今から楽しみです。
>>212 西部警察なやおよろずの面々に吹き出してしまいましたw
それにしても、ダイターンなたまちゃん攻守共に超強いですね。
何より、アーマーパージに尻尾の変形とギミックの豊富なたまちゃんに男の子心をくすぐられました。
ところで、黄金の鎧と聞いて真っ先にゴールドセイントが頭に思い浮かんだのはロボスレ的には異端なのでしょうかw
>>214 その言葉を待っていた!!
第三話の投下、心よりお待ちしております。
>>230 おおー、これは期待期待
書きたくなったら書いちゃう、みたいな勢いで良いんじゃないでしょうか?
自分もそんな感じでしたし。
さて、と。ようやくザイフリ三話が投下できそうです
一体間にどれだけ開いているんだと言う話ですが……。
今回は一番登場させたかったキャラクタが登場します
ザイフリのストーリーを象徴するようなネタキャラになる悪寒
が、今よりは夜に投下の方がよさげですね。それまで四話書いてます
いや待てむしろ、 ダレモ イナイ イマノウチ というわけで機甲聖騎士ザイフリード第三話投下します
紫藤由希音の朝は早い。 それはやはり、両親を亡くしてから弟と二人きりで生活していたからだろうか。 弟は毎朝早くから新聞配達のバイトへと向かう。そんな彼に朝食を作るため、由希音は早起きの雪人よりも更に早く起きる必要があったのだ。 小さい頃は朝が苦手だった由希音も、愛する弟のために早起きを繰り返す度苦手意識は消えて行き、そしてそれが習慣づけられるようになった。 だから、紫藤由希音の朝は早い。 ――例え今は、自分の知らない不思議な世界に飛ばされていようとも、それは変わることはない。 「……」 また今日も、見える風景に変わりはなかった。 天蓋つきのベッド、高級そうな調度品、自分一人にはもったいないと思ってしまうほど広い部屋。 ここが、この世界における由希音の寝室であった。 弟と共に過ごしていた世界では、狭い布団に二人身を寄せ合い眠っていたが、今の自分は弟と並んでもまだスペースが余るほどに広いベッドで眠っている。 その事が少しだけ由希音に物足りなさを感じさせていた。同時に、寂しさをも。 人肌の温もりを感じることのないベッド。わけもわからず飛ばされてきたこの世界で、由希音は一人心細く過ごしている。 「雪人……」 愛する弟の名を呟き、由希音はシーツをぎゅっと強く握った。瞳を閉じ、そしてまた開けば元の世界に戻れるかも知れない。 そこでは弟がちゃぶ台に並んだ朝食を前に笑みを浮かべているはずだ。そして「今日も頑張ろう」と微笑んでくれるに違いない。 バイトへ向かう弟にエールを送り、自分は家事に勤しむのだろう。食器を洗い、掃除を済ませ、洗濯物を干しておく。 弟が戻る前に彼の制服の皺を伸ばし、自分の鞄に忘れ物はないかどうかをチェックする。 いつもと同じ。静かで、慎ましやかな、二人だけの生活。自分と雪人しかいない、だけどささやかな幸せで満ちあふれていた生活。 もう一度、戻りたいのに。 「……どうして、こんなことに……」 一筋の涙が、由希音の頬を伝った。あっちに残してきた雪人のことを考えるだけで、涙が溢れてくる。 いつも二人で一人だった自分たち。その片割れが急にいなくなってしまったのだから、彼の心情は考えるまでもない。 不出来な姉でごめんね、と、脳裏に浮かぶ雪人の姿に謝って、由希音はもう一度ベッドに身を預けた。 巨大な騎士が闊歩するこの世界にやってきてから、およそ一月以上の時間が流れようとしている。 それはつまり、一月の間ずっと、この屋敷にいると言うことだ。 不可思議な世界に投げ出されていた由希音を拾ったのは、バギンズと名乗る一人の青年だという。 それというのも、未だ彼女は件の彼と顔を合わせたことがないからだ。身分は貴族、フランツァ王国の中でもかなり高い地位にあるやり手で、良いものを持っている、と言う話だけなら、屋敷に務めているメイドから少しだけ伝え聞いている。 良いものとはどういうことなのか、由希音にはわからないが、それなりに高い地位の人物だと言うことだろう。 「どんな人なのかしら……」 自分を拾ってくれたのだから、悪い人でないと言うことはわかる。いや、もしやすると人身売買のために自分を拾ったのかも知れないが、それでも右も左もわからぬ世界に投げ出されたままでいるよりはマシだろう。 そもそも雪人がいない世界に、意味なんてないのだから。 「やあ、おはよう!」 「!?」 突然、寝室のドアが開いた。爽やかな声と共に姿を現したのは、今まで一度も目にしたことのない青年。 端整な顔立ちの青年で、煌めくような銀の髪が非常に印象的だ。華奢な体つきではあるがその肉体は引き締まっていて、きっと鍛錬を欠かしていないのだろうということが見て取れる。 ニコリと笑ったその顔はあっちの世界でならベストスマイル賞くらい余裕でかっさらえるほどに清々しいものであった。 由希音は思わず、言葉を失ってしまう。 突然の登場、爽やかな笑顔、美少年――もとい美青年。これだけの要素が揃えばまず誰でも言葉を失うだろうが、それよりも問題なのは――、
「――な、なんで裸……っ!」 「ん? ああ、ははは、すまないな」 その青年は、上半身だけでなく下半身にすら何も着けてはいなかったのだ。当然由希音には全てがクリーンヒット、どストライクで見えてしまったわけで。 沸騰するのではないかと思えるほどに顔を真っ赤に染めた由希音は、視線をその青年から逸らしつつ尋ねた。 「……あ、あの、あなたは……?」 「すまない、挨拶が遅れたな。私はファルバウト・バギンズ。君を拾った張本人さ」 「あ、あなたが……私を……?」 自信満々、笑顔で頷くファルバウトに、由希音は心の中で涙を流した。 ――ああ、天国のお父さんお母さん……。私を拾ってくれた人は、裸の変態露出狂でした……。 「……しかし君はさっきからどうして私を見ようとしないんだい?」 「見たくても見られないんです!」 心底不思議そうな声で首を傾げたファルバウトに対し、由希音は彼が恩人であると言うことも忘れて声を荒げた。 そもそも由希音にはそういうことに関しての耐性はない。雪人のものならいくら見たって問題はない(社会的に問題はある)が、他の男性のものとなると話は別だ。 「なに、気にすることはないさ。私も家の中でくらい何にも縛られないでいたいのでね」 「せめて社会的常識くらいには縛られて下さい!」 由希音の至極まともなツッコミが冴える。 だがファルバウトはそんな彼女の言葉を意にも介せず、一歩一歩こちらへと歩を進めてきた。 それはつまり、自らの全てをさらけ出しつつ由希音に近づいてくるということであり、由希音の視界にはファルバウトの何もかもが映ると言うことで……。 「い、いや……」 「なに、私は君のことをもう少し知りたいだけなのだ。歓談しようじゃないか、共に」 「い、いや、だから服を……」 「私は屋敷で服は着ない、いや、着たくない! あの束縛されるような感覚が私は大嫌――くはっ」 「――ファルバウト様、いい加減にして下さい」 拳を振りかざしながら服を着たくないと声高に叫ぶ変態露出狂の股間目掛けて蹴りを入れようかと迷っていたところに、何物かの攻撃が入った。股間に見事な蹴りを入れられたファルバウトは奇妙な声を漏らし、床に伏す。 怯える由希音を気遣うように彼の背後から顔を覗かせるのは、屋敷のメイドの一人であった。 「あ、オドレイさん……」 「ユキネ様、すみません……。ファルバウト様はいくらいくらいくら言っても、服を着ることはないのです。ああいえ、屋敷の中での話ですが」 「あ、はぁ……」 主人を気絶させたのにもかかわらず、全く悪びれることなく飄々と語るのは、この屋敷のメイドの中でも特に異質なメイド、オドレイであった。 急に主人に拾われ、共に暮らすことになった由希音に対しても敬意を払う良くできたメイドで、由希音自身彼女には信頼を寄せている。 今回も、迫り来る変態から自分を守ってくれたというわけだ。 「今日は無理でも、多分すぐに慣れますよ」 「あまり慣れたくないなぁ……」 「この屋敷で暮らす以上、避けては通れない道です。……ファルバウト様は、これさえなければ本当に最高の主人なのですから」 服さえ着てくれればどんな主人でも耐えられる気がするのは間違いなのだろうか。 「さて、朝食のご用意が出来ましたので、どうぞホールへいらして下さい。この変態主人も追って送り届けます」 「……あ、はい……」
機甲聖騎士ザイフリード 第3話 【紫藤由希音】 「……ふむ、流石オドレイの作る料理は美味いな」 「ありがとうございます」 「君も食べたらどうだい? 美味しいよ」 笑顔でそう言ってくれるファルバウトに、由希音は曖昧な笑みを返すほかなかった。 裸の上にナプキンを巻いているこの男に対し、どのような態度で接すればいいのか全くわからない。 自分を拾ってくれたことに対する感謝の念を伝えようとも思ったが、それ以前に裸族であるというインパクトがそれを躊躇させてしまう。 万事休す。こんなことなら一生会わなくても良かったのではないかと思ってしまう由希音であった。 「さて、と。色々と君に聞きたいことがあるんだが、良いかな?」 「……え、あ、はい」 「君は一体どこの国の人間かな? 見たところフランツァでもブルグントでも、帝国でもない」 「え、と……、その……」 実は違う世界から飛ばされてきました、などといって信じて貰えるだろうか。 そもそも自分ですら何故ここに飛ばされてきたかがわかっていないというのに。 「答えづらいなら無理に答えなくても構わない。私はただ話し相手が欲しかっただけだからね」 「……話し相手?」 「オドレイはいかんせん無愛想すぎてね。他のメイドは私を見ると即座に逃げてしまう。困ったものだよ」 それはおそらく服を着れば一発で解決すると思いますが。 そう思ったが、口には出さなかった。 「あの、ここは一体……、そして、あなたは?」 「……そう言えば詳しく説明していなかったね。改めて、私はファルバウト・バギンズ。誇り高きフランツァ王国の軍人さ」 「軍人、さん……。それじゃあ、あのロボットを動かしている……?」 「ろぼっと? なんだねそれは」 ファルバウトの言葉に、由希音は自分のミスを痛感した。ここは自分の元いた世界とは違うのだ。何故か言葉が通じているとはいえ、意味の通じない単語があって当然だろう。 「えっと……、あの、大きな騎士を……」 「ああ、機甲騎士のことか。いかにもその通り。私はフランツァの機甲騎士団長なのだよ」 「きこうきしだんちょう……?」 「他国で言う、将軍かな」 「しょ、将軍!?」 目の前に座っている、裸ナプキンの男が将軍! 将軍、将軍と言えば家康や義満のような……あの将軍か! 変態すれすれのこんな男が軍のトップにいるとは、世も末である。 「そう言えば君の名前を聞いていなかったね。教えてくれるかな」 「紫藤由希音です」 「しどー、ゆきね……?」 「ユキネ様です。ファルバウト様」 「そうか、ユキネか。よろしく頼むよ、ユキネ」 ファルバウトは笑顔で右手を差し出す。いくら成りがおかしくても、中身はやはり立派な人なのだろう。 見ず知らずの自分に、ここまでしてくれているのだから。 由希音は気持ち悪いなどと考えてしまっていた自分を恥じつつ、その手を取った。
◆ 紫藤雪人の朝は早い。それは姉と二人で暮らしていた時、毎朝朝刊配達のバイトをしていたからだ。 日が昇る前までには頭が勝手に覚醒する習慣がついている。体を寝床から半分起こして、部屋の中を見渡す。いつもの日課だ。 ある日突然、急に、元の世界に戻っているかも知れない。由希音が、台所で鼻歌を歌いながら朝食を作ってくれているかも知れない。 自分は後ろから近づいていって、彼女を抱きしめるのだ。いつもの日課、二人きりで暮らし始めてからずっと、自分たちはこうして互いの温もりを感じていた。 だが、今はそれも出来ない。六畳一間の小さな部屋は、何畳あるのかわからない豪奢な部屋へと様変わりしている。 由希音と二人でぎゅうぎゅう詰めだった薄布団も、今は五人くらいが横になってもまだ余りそうなベッドに変わった。 必要最小限しかなかった家具も、あってもなくても変わらないような調度品ばかりが部屋に並んでいる。 由希音と二人きりの、狭くとも楽しかった日々は、もはや過去のものだ。このだだっ広い部屋には、自分一人しかいない。 紫藤雪人の生活は、不可思議な世界に飛ばされてから大きく変わってしまった。 「……いつになれば戻れるんだ?」 自問して見るも、答えはわからない。全ては自分をここへ召喚した元凶、ミナ・エウリューデの腕にかかっている。 雪人はやれやれとため息を吐いて、ベッドを降りた。窓から覗く外の景色は、まだ暗い。日が昇っているような時間ではないのだ。 「……」 不思議な世界に飛ばされてきて、おおよそ三日が経った。 飛ばされてすぐ、ザイフリードなる謎のロボットを操縦させられ、エウリューデの屋敷を守るために相手方のロボットを跡形もなく消し去った。 その事にどうも実感が湧かない。召喚され、その先で美少女に出会って、ロボットを操縦することになるなんて、まるでファンタジー小説かアニメだ。 だが、これは現実。召喚された先で、雪人は召使いもとい下僕として、悪魔のような女――マナ・エウリューデ――にこき使われている。 家事は得意な分野なのでさほど問題はないのだが、「毎朝起こしに来い」と命令する癖に、部屋に入った時点で夜這い魔扱いされるのはどうにかして欲しい。 寝ぼけているにしても、いい加減自分の命令くらい覚えておけという話だ。 「朝食の仕込みしよ……」 とはいえ、相手はご主人、自分はたかだか知れている召使い。何を言っても意味のない話である。 これ以上マナについて考えていても仕方がないので、自分の仕事を始めることにしよう。 すぐ側に投げ捨てられていた服――黒い燕尾服だが、自分にはつくづく似合わないと思う――に着替え、雪人はあてがえられた自室を後にした。
◆ 朝食の仕込みも終わり、屋敷の掃除も半分以上終わった。 ここで残る雪人の仕事はただ一つ、マナとミナを夢の世界から連れ出すことである。 今までに二回挑戦しているが、そのどちらも夜這い魔の称号を頂くという結果に終わっている。 繰り返しになるが、起こせと言ったのはお前だろうというのに……。 「……あー、今日はミナから起こせばいいか」 マナとミナ、二人の姉妹を比べてみたところ、確実にミナの方が真面目でまともだと言うことは判明している。 きっと彼女なら、起こしに行く前に起きてくれているのではなかろうか。 「……よし」 うん、と頷いて、雪人は目の前の扉を見据えた。ミナの部屋に繋がるドアである。 こんこん、と軽くノック。返事はない。 寝ているのだろうか。まあ、寝ていたらばそれで仕方がない。雪人はドアノブに手を掛け、扉を開いた。 「おーい、ミナ?」 返事はない。 雪人が辺りを見回すと、部屋の中心に置かれているキングサイズのベッドの上に、白い塊が一つあった。 毛布を頭から被っているのかしらないが、どうやらミナは起きてはいるようだ。 雪人はのんびりとベッドの方へと近づき、白い塊をぽんぽんと叩いた。 「おい、ミナ。そろそろ起きたらどうだ」 「……ぅ、……、です……」 「はい?」 もごもごとミナが何かを呟いているが、毛布に阻まれ聞こえない。 雪人は心の中でミナに謝りつつ、毛布をはぎ取った。 「ひゃわあっ!」 「起きろよミナ……って、うわあああ! す、すまん!」 例によって、ミナは薄いネグリジェを身に纏っているだけであった。姉とは対照的な黒色の物だが、それが妙に大人びた演出をしているというか何というか、要はエロい。 そんなことを考えてしまう自分に軽く幻滅しつつ、雪人ははぎ取った毛布をミナにもう一度かぶせた。 そこから、ミナがぴょこんと顔を覗かせる。 「……あ、あのですね……」 「す、すまんミナ……。もしかして夜這い魔扱いされるのはこれが原因だったのか?」 「さ、さぁ……。そ、それよりですね、その……」 「ん?」 「……ゆ、夢にユキトが出てきて……それで、その……」 顔を真っ赤に染め、ミナはもごもごと呟く。 「あの、私も……っ、話、でしか、聞いたことなくて……、その、ユキトにはあったばかりなのに、それで、あの、色々恥ずかしいので……」 「はぁ……」 「出て行って貰えますか……」 「あ、はい……。すいません」 結局夢に自分がでてきて何なのか。答えはわからないままに、雪人はミナの部屋を追い出された。 首を捻りつつ、雪人は進路をマナの部屋へ取る。結局何と言われようと起こさなきゃいけないわけで。 「……あー……憂鬱だ」 とぼとぼと廊下を歩いていく雪人。どうやら今日は運が悪いということが、ミナとの対面で理解できた。 マナとの対面もまた面倒なことになりそうな予感がする。もとい、悪寒が。 「あー……そもそも何だって俺がこんな小間使いみたいな真似を……」 「下僕だからでしょ」 不機嫌そうな声が曲がり角の向こうから聞こえてくる。 「だからその下僕というのをやめろ……ってマナ? え、なんで? 何で起きてるんだ」 「私だってたまには早起きする時くらいあるわよ」 そこから姿を見せたのは、ミナの双子の姉、雪人の現ご主人、マナ・エウリューデであった。 黒を基調とした服を好むミナとは対照的に、純白の衣装を好む少女である。例によって白いドレスを着ている。 「朝食の準備は出来たから」 「ん、わかったわ」 「後、ミナがなんかおかしいから連れてきてくれ」 「……アンタ、ミナに何かしたわけ?」 「いや、なにも。……うん、多分」 自信なさそうに答え、雪人は朝食の用意をするべく広間へと向かった。
◆ 無言の朝食。雪人にとって、この時間は拷問にも近い。 何故ならば、元の世界ではこんな経験をしたことがなかったからだ。 愛する姉と共に笑いあう至福の一時。朝食とは、雪人にとってそういうものであったはずなのだが。 「……」 「……」 「……」 カチャカチャと、食器と皿がぶつかり合う音だけが虚しく響く。 誰も喋ろうとはしない。ちらりとミナを見てみるが、彼女の動きは止まり、ぽけーっと宙を見ているだけであった。 対するマナは、ミナから何かを聞いて怒っているのか何なのか、乱暴な手つきで雪人謹製の料理を平らげていく。 その姿は、まったくと言って良いほどお嬢様には見えない。 「……あのー、マナ?」 「何よ」 「もう少し丁寧に食べてはいかがでしょうか……」 「考えておくわ。変態」 「はぁ……。って変態ってなんだよ変態って!」 マナの失礼すぎる言葉に、雪人が反論する。今日の自分は何もしていないはずだ。 「ミナの夢の中であんなことやこんなことした癖に」 「それは俺が変態なのではなくて夢を見たミナが変態なんだろ」 「ひどいです、ユキト……。あんなことまでしたのに……」 「いやまて! これ以上はまずい、色々まずい」 何か危機感を覚えたのか、雪人が全員を制する。 皆が落ち着いたのを確認し、雪人は改めて口を開いた。 「あのさ、俺、まだこの世界のことについて何もわかってないんだけど、いい加減教えてくれないか」 「あら、説明してなかったかしら」 「してねえよ」 「そういえばそうかも。じゃあ、説明してあげるわ」 その豊満な胸を張り、マナが偉そうに答えた。 勝手に呼んどいてその態度は何なんだと言いたくなった雪人だが、口には出さなかった。代わりに胸を凝視しておこう。
「この世界はミッドガードと呼ばれている世界よ。巨大な大陸が一つだけ存在していて、そのには大小様々な国が並んでいる」 「……なるほどね」 「そしてその大陸の中でも最大の規模を誇るのが、帝国。続いて、我らがブルグント王国と、隣のフランツァ王国。今私たちは、フランツァと戦争のまっただ中なの」 マナが、声を落として言った。 「どっちの王国も、大陸を統一しようと考えている。帝国が目下最大の敵だけど、その前に隣の王国を支配すれば、帝国にも太刀打ちできるから」 「……協力すりゃいいのに」 「それが出来たら苦労しないのよ。誰だって、益は自分一人の物にしたいでしょう?」 自嘲するかのように、マナが乾いた笑みを見せる。 「そんなわけで、泥沼の状態なのよ。ここは国境にほど近いから、これから先も狙われるんじゃないかしら」 「おいおいおい……」 「でも、ここを落としても意味はないわ。……私たちエウリューデ家はもはや没落貴族。ブルグントにとって何の価値もない」 「……お父様もお母様もお亡くなりになって、領土のほとんどを失いましたから」 マナとミナが、共に沈んだ顔で言葉を紡ぐ。 「ご先祖様が必死に治めた地も、もはや手元にはないわ。王族やまわりの貴族が根こそぎ奪っていったから」 「私たちに残されたのは、この屋敷とまわりの平野を少しだけ」 「……マナ……、ミナも……」 雪人はどんな言葉を掛けて良いのか迷ってしまった。 何を言っても、結局は自分には何も関係のないことだし、どうしようも出来ないことなのだ。 「でもね、私たちにはまだ希望があるから。……それがアンタなの、ユキト」 「へ、俺?」 「……機甲聖騎士、白銀の聖騎士を駆れるのは、真に勇ましき者だけ。あなたは選ばれた人なの……、ユキト」 「どういう……」 「私たちはもう一度、エウリューデ家の栄光を取り戻す。そのためには、この戦争に勝たなくちゃいけない。それも、大きな戦功を挙げて」 「そのための、ザイフリード……、そして、そのためのあなたです。ユキト」 初めて告げられた事実に、雪人は開いた口が塞がらなかった。 自分が呼び出されたのは、戦争を終わらせ、エウリューデ家を復興させるためだというのか。 「そんな、勝手に言われてもだな……」 「……当然の反応ね。……でも、私たちにはこうするしかないから」 「私たちは弱いのです。現状に太刀打ちできる力――ザイフリードを手にしていたとしても、それを駆るほどの力は持たない」 「けど、アンタならやれる。だから私は、アンタにやってもらう」 そんな無茶苦茶な論理があって良いものか。雪人がマナに反論しようと思った瞬間、腰を下ろしていた彼女が急に起ち上がった。 「……そして私は、アンタにやってもらうための理由を作る」 「はい?」 一歩一歩、マナがこちらへと近づいてくる。妙な威圧感に、雪人は少し後ずさった。 「あの、マナさん?」 「……ユキト、動かないで。静かに目を瞑りなさい」 「あの、何するつもりですか……」 「理由を作るだけ。アンタが、私たちのためにザイフリードを駆るための」 ごくり、と渇いた喉が鳴った。これは色々と、何かが起こる気がする。 自分たちの関係を一気に変えてしまうほどの破壊力を持った何かが起こる。確実に。 「……目、閉じたわね……?」 「え、いや、はい……閉じましたけど……」 「……なら良いわ。ユキト、どうか私たちを――」 唇に触れる、柔らかい感触。 予想通りの結果、だが意味のわからない展開に、雪人の頭はついていかない。 何秒、いや、何分か。長い長い時間、そうしていた気がする。 ゆっくりと顔を離したマナは、上気した頬のまま、静かな笑みを見せた。 「――私の、はじめてよ」
◆ 「……え? 私をですか?」 食事を終えた後、オドレイからファルバウトの伝言を伝えられた由希音は、首を傾げた。 その内容というのも、自分を王都に連れて行きたいというものであったからだ。 確かに、この一月屋敷の中に籠もりっぱなしだったために、外に出たいという欲求は溜まっていたが。 「ファルバウト様は、ユキネ様にも騎士をお与えになると」 「え、私が……あのロボ――じゃなくて、機甲騎士を操縦するんですか?」 「はい。折角だし、良いんじゃないかなとのことですが」 「はぁ……」 やっぱり全然、あの将軍の考えていることはわからない。 「でも……、折角のご厚意ですし……、やらせて頂きます」 「きっとファルバウト様もお喜びになりますよ。整備は既に終わっていますので、こちらへどうぞ」 濃紺のスカートを翻し、オドレイが進んでいく。由希音はそんな彼女の後について、まだ足を踏み入れたことのない棟へと向かった。 そちらの棟へ向かうにつれ、内壁が無機質なものへと変貌していく。 同時に機械油の臭いや金属同士がぶつかり合うような音、低く唸る何かの駆動音などが耳に入ってきた。 きょろきょろと辺りを見回す由希音に、オドレイが「整備棟です」と伝えてくれる。なるほど、機甲騎士の整備をここで行なうわけだ。 整備棟は外観こそ普通の屋敷の一部だが、その中身はくり抜かれており、そこには三体の機甲騎士が立っている。 天井からは様々なパーツや武器、騎士の顔部分などが吊り下がっていた。妙に生々しくて、由希音はどこかいやな気分になる。 「整備は上々ですね」 「オドレイさん?」 普段冷静なメイドの中のメイド、とは思えないほどウキウキとした声を出すオドレイに、由希音はぎょっとした顔を向けた。 「私の本業は、これですので」 「……え?」 「機械油にまみれ、鉄の塊を愛撫する。なんて素晴らしいのでしょう。低く唸りを上げるエンジン音はさながら子守歌のようですし……あぁ……」 恍惚とした表情で、オドレイは語る。 「……」 「私は整備班と同じように、汗水垂らして騎士達の整備をしたいのですが、他の整備員達がもったいないだの、メイドになれだの五月蠅くて……」 それはまあ正論だろうな、と由希音は思った。オドレイは機械の整備をするよりも、メイドをしている方が似合うだろう。 「結局、仕方なくメイドになりましたが、今回は無理を言ってユキネ様の騎士はわたくしが整備させて頂くことになりましたので!」 「あ、そうなんですか……」 「精一杯、真心込めて整備します。よろしくお願いしますね」 「よ、よろしくです……」 ダメだ、ファルバウトだけでなくオドレイもわからなくなりそうである。 由希音が人知れずため息を吐いていると、背後から今朝聞いたばかりの爽やかな声が聞こえた。 「やあ、ユキネ。来てくれたんだね」 「あ、ファルバウト……将軍」 振り向いた先では、ファルバウトが爽やかな笑みを浮かべて立っていた。 服はちゃんと着ているようだ。銀色のロングコートの下に、黒い軍服を着込んでいる。 「ははは、正確には騎士団長だが……、まあいい。早速君の騎士を紹介しようじゃないか」 「ありがとうございます」 「オドレイ、頼めるかな」 「わかりました」 オドレイが頷き、嬉々とした表情で騎士の足下へと駆けていく。 数分して、並んでいた機甲騎士の内一体がその体を屈めた。 フランツァ王国の量産型機甲騎士、キルデベルタ。 通常ならば鈍色の機体であるが、由希音専用となるからか、この機体は赤いペイントが施されている。 「オドレイが操縦しているんだ」 ファルバウトの説明を受けつつ、由希音は騎士が動くことに感動を覚えた。 こんな巨大なロボットが、動くなんて。そしてそれを、自分が操縦できるなんて。 「……嬉しそうだね、ユキネ君」 「あ、あの、これは……」 「いや、君には立派な騎士の素質がありそうだ。どうか心ゆくまで騎士を駆ってくれ」 「は……はい」 由希音は少し恥ずかしそうに、頷いた。 つづく!
おまけ 【ざいふりラジオ】 ファル「というわけで帰ってきました」 雪人「機甲聖騎士ザイフリード、第三話です」 ファル「ようやく私の登場だね、ははは」 雪人「そうですね……。俺よりも先に設定が決まったとか」 ファル「困ったものだね、愛されるべき宿命にあるものは」 雪人「わかったから服着て下さいよ。放送禁止レベルですよ」 ファル「ラジオだから問題はないな」 雪人「いや、俺がもろに見てますから。って自己紹介してない! やばい、マナに殺される」 ファル「ふむ。……私はファルバウト・バギンズ。誇り高きフランツァ王国機甲騎士団長の――」 雪人「はいありがとうございました。パーソナリティはわたくし紫藤雪人と、そっちの変態とでお送りします」 ファル「誰が変態なのかな? 私と君の他には誰もいないが」 雪人「消去法でわかるでしょう」 ファル「なんと、君は変態だったのか」 雪人「……」 ファル「まあそんな冗談は良いとして、何か私に聞きたいことはあるかね」 雪人「何で裸なんですか」 ファル「インパクトのある登場人物を出したかったらしいが」 雪人「他に表現方法あるでしょう」 ファル「これ以上ないインパクトを求めていたらしいよ」 雪人「いろんな意味でインパクトありますけどね? 服着ないとかホントもう……」 ファル「私は束縛されたくないのだ。何物にも」 雪人「騎士団長とか普通に縛られるんじゃないですか」 ファル「ははは、こまけぇことはいいんだよ」 雪人「おい!」 ファル「おっとそろそろお別れの時間が近づいてきたようです。次はまた、四話のざいふりラジオでお会いしましょう」 雪人「俺は会いたくないぞ」 ファル「このツンデレさんめ、ははは」 雪人「誰がだ!」 ファル「それでは失礼!」 ◆ 由希音「……将軍から、雪人の匂いがします……。雪人、雪人雪人ゆきとユキトYU☆KI☆TO」 ファル「ゆ、ユキネ!?」 終われ
というわけでもの凄い連投失礼しました。 最後のは気の迷いです。wiki見てたらやりたくなったもので…… 相変わらずロボットの出てこない話で申し訳ない。次こそは……! てなわけで失礼しますー!
>>243 投下乙!支援できなくてスマンカッタ
露出狂……だと……!?なんてことだ!このスレの変態成分がまた増えてしまった!これはユキ姉ぇには同情せざるを得ない
それにオドレイさんも変態だなんて、たまげたなぁ。あと雪人羨ましい、羨ましいぞこんちくしょう!
次回も楽しみ待ってるんだぜ!
キルデベルタという名前の響きが良すぎて虜になってしまいそうだよママン
安易なロリキャラ化はいかんなと 某小説のリニューアル版を読んで思った まあアレよりもとっととフルメタの最終巻をだな
>>246 いや、フルメタの賀東招二センセが書いてた
レーベルが消滅して打ち切り食らった作品があったんだけど
それが去年の年末に別の出版社からリニューアルして発売されて
大量の加筆修正&イラストレーター変更ってんだったんだが
ヒロインだった巨乳のねーちゃんが
設定変更に伴い、この方が受けるだろうからって理由でロリキャラ化して
ストーリー基本的に変わらんから、リニューアル前読んでると違和感凄くて
自分は巨乳好きであると思い知ってしまったって話だ
>>247 なるほど、君は巨乳好きだったのか。というか、そういう事態って稀じゃないのか?w
>>248 そういうのを自分に当てはめた場合
まだ登場させてないが、設定や出番、どうやって活躍させるか決めてたキャラを
途中で「この方がウケる」とか「何かこういうキャラを書きたくなった!」みたいに
いきなり設定変更して、元のプロットに影響与えるような事やらかすと
話の流れが不自然になったり、後々になって修正に手間が掛かったりするから
「極力やらない」「やるにしてもよく考える」と心掛けようかなぁと思った次第で
ちなみに上記の小説は
元の奴が「巨乳っぷりを生かして、悪党が経営するクラブにセクシーな服着て潜入調査」ってのが
ロリ化したリニューアル版でもそのままやって
わざわざ潜入する仲間に「こういう成長してないのが趣味の客と待ち合わせしてる」みたいな
言い訳を言わせてる状態になってた
>>249 >元のプロットに影響与える
なるほどなー、そりゃ確かに大問題やね
>>243 投下お疲れ様です。
何と言うか、フランツァ王国側が露出狂、ブラコン、重度のメカフェチと凄い面子になってますねw
特にこれだけ変態の出揃っているロボスレにおいて、居そうで居なかった新手の変態の活躍に期待していますw
そして、ユキトがこの上無く羨ましかとです。この件、ミナはどう思ってるのかも気になりますねぇ
姉弟で対立する陣営に分かれてしまいましたが、この先の展開と結末を楽しみに次回投下をお待ちしております。
>>229 アヘッドの背中のスラスターの代わりにGN-XVとアヘッドの腕がずらーっと……。
>>230 遅ればせながらカモーン! ロボスレに新しい風を入れてやってくださいw
>>231 ※西部警察の取調べはもっとハードです。
たまちゃんのギミックは何も考えずに好きなのぶち込みましたからw
>黄金聖闘士
はっはっは、ギルガメッシュ通り越してカイが出てくる自分含めて全然普通だと思(ry
>>243 投下乙です! 早速wikiにまとめさせていただいた!
しかしこんなのが将軍でいいんでしょうかフランツァ王国wユキ姉ぇが不憫で仕方ありません……w
オドレイ女史はかなり個人的にストライクでしたw
あとマナ、ミナとの絡みは不覚にもかなりドキドキしてしまいました……雪人はお姉さんと違って恵まれてるなぁ(他人事)。
ラジオでもファルさん腹立つwww
では、次回も楽しみに待ってますね!
さて、宣言通り描きましたよダブル遥さん!
※クオリティは(ry
http://download4.getuploader.com/g/sousakurobo/267/Haruka_and_Haruka.jpg 左下がPBMの遥さん、右が廻セカの遥さんです。ちなみに身長が11cm違います。あと、なんでこんな構図になったのかは神の味噌汁です。
そして左上がペネ子、右上が紫蘇の巨人形態です、ポニテです。
廻セカ組を描くのが久々過ぎてなんかおかしい事になってますが、生暖かい目で見てやってください。
>>252 投下乙!
かわいいけど、何故マイクと鍵盤ハーモニカwww
うん、なんか姉妹に見えるね。というか主将がお姉さんに見えるね。一条さんのほうが年上なのnうわ遥さんなにをするやめ
紫蘇とペネ子は黒と白がいい対比じゃのう
しかし恐ろしい勢いだ……。これはひょっとすると本当に
>>500 ……とは言わないまでも
>>600 くらいで容量オーバーするんじゃなかろうか
>>252 おおー!W遙さん可愛いですねー!!
PBMの遙さんも2〜3年すれば廻セカの遙さんみたいなお姉さんになるんだろうなーと
ほのぼのした気分でいたら
>>253 の方のレスで気付いてしまった…廻セカの遙さんの方が若(メキャッ
>>253 容量オーバーのお手伝いが出来るように次回投下の準備を急ぎたいと思いますw
>>253-254 遥さん(18歳)と遥さん(17歳)ですね、一つ違いです。
まあどっちもすぐに19と18になるんですけどw
>何故マイクと鍵盤ハーモニカ
多分大魔法峠でも歌っt(ry
>PBMの遙さんも2〜3年すれば廻セカの遙さんみたいなお姉さんになるんだろう
え? むしろ主将が小さくなるんjうわ主将なにをするやめ
>次回作
楽しみに待ってますね!
>>255 既に磐梯の犬状態の私に隙は無かった。
>>256 >大魔法峠
おいwww
しかしヴァッドまで出すとかマジでどうしたんだバンダイ……
>>257 磐梯先生も変革しようとしているのよ……。
感想をありがとうございます。レス返信です
>>244 仰るとおり、露出狂でございますww
屋敷の中だけとは言え露出狂です。見られることに何ら抵抗のないお方です。
オドレイさんは変態にするつもりではなかったんですが、気がつけばこんなことに……ww
ユキ姉ぇという響きが良すぎて虜になっちゃいそうですwwそうか、ユキ姉ぇか……!
>>251 意図せぬうちにフランツァが変態だらけになるというとんでもない事態に……!
露出狂、ブラコン、メカフェチって確かに凄い面子ですね。何故こんなことに!
雪人は確かに羨ましい。実にうらやまけしからんと思います。
姉弟対立、はてさてどうなるのでしょうか……!
>>252 編集ありがとうございます!
そこはファルバウト将軍も巧みに自分の性癖を隠しているのでしょうww
果たして隠そうと考えるだけの思考を持っているのかはわかりませんがww
オドレイ女史はファルバウトへの応対に疲れたユキ姉ぇの清涼剤たり得るべき人なのですが……
こ ん な こ と に
なんだかブルグント陣営が食われかかっている気がしてなりませんww
しかしW遙さんかわゆい……!
って、廻セカ遙さんの方が若いだなん(以下略
>>249 元のプロットに影響を与えないというのは、確かにその通りですね……。
ただ自分のことを考えてみると直感で色々決める性質なので色々厳しいかも知れない……!
言い訳なんてしないよう、しっかりと考えて書きたいと思います。
>>255 月光蝶はふつくしい……
色々とそのラインナップには驚きですが、
ガン×ソードが入っているのを見て更に驚きましたww
この勢いでブラウニーやエルドラを……
何という新作ラッシュ……やべぇ追いつけねぇ 今日中に6話を上げますので、かなり待ってくだせぇ……感想もそんとき
今日中に6話うp……だと……!? なんだこのオラオラ並のラッシュは……!
スーパーロボット物を書こうとしたらウルトラマンになってしまったでござる!の巻き
>>263 全然アリだと思うよ!
そういや去年もこのくらいか、盛り上がり始めたの
>>259 ハル姉ぇ、たま姉ぇ、ユキ姉ぇの三代お姉ちゃんが……え? ひとりどう見ても小中学生だっtうわ遥さんなにをするやめ
ダンも嬉しいけど、地味にデスティニーも嬉しいんだ……。
す、ストフリ閣下はついでに買ってあげるだけなんだからね! 勘違いしないでよ!
>>261 了解しました!
>>263 それは一番最初にたろ氏が通った道ですねw
え、何この投下ラッシュw読みが追いつかないwww
ロボスレ、現在トランザム中につき
一話が短くて設定落としてけと言われるのも結構な人数が通る道だよね
272 :
263 :2010/02/06(土) 22:44:00 ID:0g+25sa+
鋼の救世主を聞きながら書いた。 酒も入ってるからかなり酔ってると思う。 西暦2XXX年、2月 東京湾に突如、謎の巨大怪獣が来襲した。 怪獣はそのまま街を破壊しながら北上していった。 政府は防衛隊に迎撃を要請、しかし・・・ 「第2防衛ライン、突破されました!」 「第八航空部隊、応答ありません!」 「第5戦車部隊、全滅!」 オペレーターが次々に絶望的な報告をしていく。 「くっ・・・これが人類の限界だというのか……」 司令官は力なくその場に力なくうなだれた。 「うわぁぁぁ!」 「だ、だれかたすけてぇ!」 「こわいよぉ!」 怪獣の猛威が街を焼き、ビルを壊し、火を生んでいく。 人々は恐怖に慄き、絶望に沈んでいく中、突如、空の彼方から眩い閃光が飛来した。 「お、おい!」 「な、何だあれは・・・」 すべての人々が閃光の方を見る。 閃光の正体は鋼鉄の巨人であった。巨人は蛍の光のような輝く粒子を周囲撒き散らし、辺りを照らしている。 そして巨人が大地に降り立つと手の平から雨を降らせ街の火をあっというまに消していった。 「メシアだ」 誰かがそう呟いた。誰もがそう思った、そう信じた。 怪獣が巨人のほうを向く。 「ガァァァァァァァ!」 怪獣が凄まじい雄たけびをあげるが巨人はビクともしない。 巨人の鋭い眼光が目の前の悪魔を睨みつける。 夕陽が空を包むとき、破壊の悪魔と鋼の救世主の戦いが始まろうとしていた。
……ん?
ごめん、これだけなんだ 支援してくれた人たち、本当にスマン
>>280 何、気にすることはない、よくある話だw
改めて投下乙!ベタベタなシチュエーションがたまらんね!
>>280 そういえばこれも誰もが通る道ですねw
投下乙です! ウルトラマンっぽく感じるのは、多分相手が怪獣だからだと思います。
では、次回を(あったら)楽しみに待ってますね!
>>282 なるほど。確かに相手がロボならそう感じないかも
しかし本当に読者殺しの投下ラッシュだな……
ある意味スレ殺しでもありますねw 容量的な意味で。
スレが往年の勢いを取り戻しつつあるというのに、自分は全く執筆が進まない。
>>285 逆に考えるんだ、第二波担当だと考えるんだ。
前期は、タ田植え→ロスガ→ヴィルシャ→DSと綺麗に繋がってたもんなあ。ヴィルシャとDSが完結したらちょっとグダっちゃった感はあるけど、いい波状攻撃だった
ふむ、先程読みが追いつかないととか弱音を吐いたけど、 俺もそろそろ続き(Aパート的な内容)投下出来そうかなー、なんてねw 見直ししてからなので、遅くなるようだったら明日になりますがw
>>287 まあ、あの時は規制ラッシュでしたから……。
>>288 了解しました! プロ串規制されてなければ支援します!
うわー深夜回っちゃうorz すんません、もうちょいまってくだせい
>>292 明日は休日だから問題ないさw
しかし、隣に比較対象がいると本当に遥さんが小さいんだという事を実感させられるな……
私のパソコンは、私の制御を離れ、この不可解な動作を行っていくのです…… くそったれ。パソコンが調子悪くて絵を描くどころか単にネットなんかを見るのだけにもストレスを感じる有様だぜ。 対物狙撃銃ネタロボ(?)描きたいのに。 ただでさえヘコんでるってのに追い打ちか畜生。
>>295 ダイジョブですか?
(;=ω=)っ旦~
温かいお茶でも飲んで一息入れましょう。リラックスリラックス
では先輩に先んじてミカズチ第二話Aパートを投下させていただきます。
インターミッション的な内容なので比較的短めですw
支援開始!
―――――――――――――――――――― 応接室を出て歩くこと数分、祈の後に続き廊下を歩いていると、すれ違う職員達の中に白衣姿の者が多くなってきた。 祈に尋ねると研究室や実験室が設置されているという区画に入ったのだという。 (……ロボットを所持している秘密組織で研究や実験……新兵器とか?) 等と緊張感の無い感想を抱く京介。 前を歩く、祈の形のいい小さな後頭部を見るともなしに見ながら、先程の桔梗から受けた説明を反芻する。 ―実在する幻想 ―自衛の為の特殊な人間が作った組織 ―神の力で動く巨大ロボット (……あれ?というか驚きすぎて肝心な事何一つ訊いてなかったな) 詳しいことを何一つ質問できていなかった事に漸く気づいた京介は右手で頭を掻く。 (どうするかな……後で改めて訊けばいいか……あ、そういえば) 自分の前を歩く人物も関係者だった事に思い至る。 先程の場に同席していたということは、少なくともフツヌシに関して重要な人物なのだろう。尋ねない手は無い。 (この子にも訊きたいことあったしな。……さて) 「春日さん、ちょっといいかな?」 京介は足を止めて祈に声をかけた。
―――――――――――――――――――― 「……何でしょうか?」 足を止めて振り返った祈に、京介は軽い調子のまま話を続ける。 「またちょっと質問があるんだけど」 その言葉に祈は軽く嘆息すると、 「今度は何ですか?私に分かる範囲でなら答えますから、質問は歩きながらでお願いします」 前方に向き直り、再び歩き出した。 「はいはい、っと。では先ず一つ目ソウマってミツルギの子会社みたいなもの、でいいのかな?」 京介は祈の後を追いながら一つ目の質問を口にする。 「……というよりも、御劔の世間向けの顔、といったところです。御劔は元々は国家の一機関でしたが、戦後に半官半民の形態になり、その後完全に国家とは距離を置く形になりました。……表向きは、ですが」 質問を受けた祈は、左手を持ち上げ、人差し指を立てながら淡々と説明をしていく。 「それによって、当然国家予算をそのまま使うことは出来なくなりましたが、元国家機関という縁で受け取ることが出来る少なくない補助金と、 一企業としての身軽さで魔術を始めとした特殊な技術を活用して、普通の企業より半歩進んだ業績を上げて来ることが出来ました」 「そして、この国を護るのに必要なだけの資金力、技術力、設備、人員……それらを揃え、維持する為に行ってきた企業活動の結果が現在のソウマグループという訳です」 立て板に水といった具合の祈の説明に、へー、と気の抜けた相槌を打つ京介。
「そういうことだったのか……有り難う。んじゃ二つ目、春日さんがあの手紙持ってきたけど、『鹿島』の人達とは知り合い?」 二番目の質問に、祈は訝しげな表情で一瞬振り返ったが、すぐに前に向き直る。 「え?えぇ、貴方のご実家である鹿島のお家も御劔の協力者の一つですので、御当主とは会談で何度かお会いしています。あのお手紙は今回の件で、若本とお願いに上がった際にお預かりしました」 それを聞いた京介の口角が、傍目には分からない程度に僅かに持ち上がる。 「……成る程」 (実家、ね) 京介の口調に何かを感じたのか、祈が振り返ってきたが、 「どうされました?」 その時には京介の表情は元に戻っていた。 「いやー、何て言うか、そちらと俺、お互いに知らないことが多そうだなー、と。では三つ目、フツヌシはいつ頃造られたのか?」 その質問を聞いた祈は立ち止まり、 「……何故、そんな事を?」 ハッキリと表情に不審の色を浮かべて首だけでなく身体ごと京介に向き直る。 (まぁ当然の反応だよなー。何の脈絡もない質問だし、不審に思われて当然だけど) 正面から向けられる強い視線に、京介は大げさに眉を立てて、 「いや、だって巨大ロボットだよ!?男としては詳しい話を色々知りたいんだよ!!」 大きく手を広げてオーバーアクションで力説する。 「………………」 「………………」 一瞬その場を沈黙が支配した。 余りにもわざとらしい京介の態度に毒気を抜かれたのか、祈は溜め息を吐きながら 「……フツヌシの建造開始が4年前、完成には半年ほど掛かりました」 呆れた様子で口にした。 それを聞いた京介は両手を広げた間抜けなポーズのまま、 (ふーん、成る程……これは当たったかな?) 自分の中の予想が間違っていないらしい、という感触を得ていた。 そこで京介は漸く体勢を戻し、殊更にのんびりとした声を出す。 「へー。それじゃつい最近なんだねー。じゃあ最後にもう一つだけ質問」 「……今度は何ですか?」 呆れた様子で京介を促す祈。 「春日さんってフツヌシ関係でどんな事してんの?あの場に居たんだから無関係ってことはないよね?」 京介の問いは、先程までとは違い、本当に何の意図もなくただ好奇心から出た物だったが、 「私は……、フツヌシの副操縦士です」 予想外な祈の答えに、京介は阿呆のように口を開けた驚きの表情を浮かべることになった。
―――――――――――――――――――― 「………………助!ちび助!聞いているのか!?」 「あ、え?……はい、聞いてませんでした」 先程の祈との会話を思い出していた京介は正直に答える。 「……そういう場合は、少しは申し訳なさそうにしろ。では、もう一度最初から説明するぞ?いいかちび助、コイツはシミュレーターと言っても少々変わっている」 京介はシミュレータールームの内部に並べられた筐体の一つに乗り込み、入り口から上体を突っ込んだ桔梗の説明を受けていた。 「シミュレーターなんて物は初めて見たので、他との違いが分かりませんが……、どうやって操縦するんですか?」 シートに座り、ベルトで身体を固定した京介が、結構な余裕のある筐体の内部を見回す。 大型のディスプレイや計器や、キーボード等が備わっているが、操作をするために必要と思われる操縦桿の類が見あたらない。 「先ずシートにしっかりと身体を預けろ。……いいか?では肘掛けに手を置いて……丁度親指の位置にボタンがあるだろう?それを左右同時に押し込め」 「……同時に、と」 カシュン。 「ん?」 空気が抜けるような軽い音と共に脛が円筒状らしい何かに覆われ、その何かに足を固定される感触。 再び同じ音がして、今度は肘掛けに置いた両方の下腕部が、迫り出してきた樹脂製らしいカバーに覆われ、これも固定される。 「頭を真っ直ぐにしておかないと危ないぞ?」 「え?あ、はい。……おお?」 京介が頭をヘッドレストに沿わせた瞬間、ヘッドレストの裏側から現れたHMDが京介の頭部の上半分をすっぽりと覆う。 今の京介の状況は椅子に両手足と頭を固定されており、その様子は 「……電気椅子、ですか?」 余り見た目がいい物ではない。
京介の呟きにくすくすと笑いながら桔梗が言葉を返す。 「私も最初に見たときはそう思ったよ」 HMDに覆われた京介の視界には、明滅しながら回転する三つの光点が見え、両耳と接しているヘッドホンらしき部分からは微かに波音に似た音が聞こえている。 「後は表示される手順通りに操作を進めれば手続きが終わるから、私は外で待っているぞ」 「……ぐるぐる回ってる光以外に何も見えませんよ?」 「初期設定に時間がかかっているのだろう。不自由だろうが、そのまま少し待っていろ。ではまた後でな」 「……はい先生」 そのまま入り口が閉じられた音がして、聞こえてくるのはヘッドホンからの波音だけになった。 「………………」 (うん、手持ち無沙汰だ) どうやって時間を潰そうかと考え始めたが、チャイムの様な軽い電子音と共に視界に文字が表示された。 ―虹彩パターン登録完了 「ん?」 ―幽精(アストラル)パターン登録完了 ―生命値(バイタル)正常 ―機体設定に移行します (何だ?) と思考している間に光点だけだった映像に変化が生じた。
―――――――――――――――――――― 今まで暗かった視界を慣らすように徐々に光量が上がっていき、光点が消えて、替わりに別なモノが表示された。 (ロボット……か。フツヌシとは随分違うな) 俯瞰した状態でロボットの3Dモデルがゆっくりと回転している。 西洋兜の目庇(まびさし)に似たゴーグルとフツヌシとはデザインが違うフェイスプレート。 流線型と曲線を多用したスマートな装甲。 フツヌシが力強さを感じさせるのに比べて、シンプルで細身なその外見は、敏捷性や器用さを感じさせる。 と、ロボットを観察しているとヘッドホンから桔梗の声が聞こえてきた。 《どうだ?時正を見た感想は》 「トキマサ、って名前なんですか?このロボット」 (あれ?さっき先生が話してたのってそんな名前だったかな?) 《そう。十九式魔導甲冑『時正』。御劔で所有している量産型魔導甲冑の次期主力機だ》 「へぇー、量産型の機体ですか。えーと、この画面から何をすれば?」 《時正は今は丸腰の状態だ。右上に『設定』のアイコンがあるだろう?先ずはそれを選べ》 「……手、使えないんですが。どうやって選べと」 《手は必要ないぞ。『このアイコンを選ぶ』そう考えるだけでいい》 「……考える、ですか」 (また非常識な……えーと、こうかな) 視界右上にあるアイコンに意識を向けた。 その瞬間画面が一瞬で切り替わり、京介は自分自身が白い空間に立っていることに気が付いた。
―――――――――――――――――――― 「……え?」 周囲を首を回して確認する。 濃い灰色の床は一面格子模様が刻まれ、それが地平線、というか消失点まで広がっている。 そしてそれ以外は左右も上方も全ての空間が白く、目に付く物は何もない。 (何か、距離感がおかしくなりそうだな……) 思わず目頭を押さえようとした京介は、そこで漸く、先程まで椅子に固定されていた自分が立っていることを訝しく思ったが、 「……何だこれ」 目に飛び込んできた『それ』に、完全に意識が奪われた。 『それ』を凝視しながら裏返し、表返し、また裏返す。 「ロボットの……手?」 金属で作られた五指と掌。 手掌側は滑り止めの為か所々が樹脂で覆われ、関節部は樹脂と金属製の繊維状皮膜で保護されている。 自分が手を動かすたびに金属製の手は同じ動きを取る。と言うより 「ロボットに……なってる……?」 混乱している間もなく、眼前に様々な武器が表示された無数の情報ウィンドウが展開される。 「うぉ!?……何だ?」 驚きから思わず声を上げた所に、再び桔梗の声が耳に入ってくる。 《武器は表示されたか?ちび助》 「……表示はされましたけど……これってどういう状況なんですか?」 《ふむ?何か問題でもあるのか?》 「ロボットに『乗ってる』んじゃなくて『なってる』っていうのは、俺の中ではかなりの問題なんですが」 《あぁ、憑依機構か。事前に説明はしなかったが、今お前が体験している通りの物だ。大雑把に言うと精神を身体から抜き出して機体に取り憑かせているのだよ》 「……ロボって操縦桿とかペダルで動かすイメージだったので、かなり驚きました」 そう告げると桔梗は、 《いきなり手動でこの手の物を動かせというのも無理な話だろう?それでは試験にならん》 笑みを含んだ口調でこう返してきた。 (……見透かされてるな、これは)
《試験を受けると言った以上、手を抜くことは許さん。全力で戦え》 「……了解しました、先生。……ところでこの後の操作は?」 《積載制限に気を付けて、好きな武器と防具を選べばいい。……あぁ、その前にこれをやっておかないとな》 「?……何ですか」 《何、時正の扱い方を『覚えて』貰うだけだ》 「マニュアルか何かですか?」 《それでは覚えるのにも馴れるのにも時間が掛かりすぎる。……余り気分が良い物ではないが、まぁ我慢するんだな》 「え?それって……」 ヴン! 「!?」 熱湯のような何かが勢いよく頭の中に入ってくる感覚。 (なんだ!?……うぁ) そのお湯から水分だけが急激に蒸発し、残った熱が『記憶』という形を取っていく。 「……成る程」 (確かにこれは『気分が良くない』、な。何だこの変な感じ……) 見てもいない、聞いてもいない記憶をただ『知っている』という感覚。 (……『学習する』っていう手順を踏んでいないだけで、こんなに変な感じがするモノなのか……) しかし『覚えた』記憶―スラスターに関する出力の調整や使用する場合の姿勢、通信に関しての対象の切り替えや公式周波への合わせ方等、時正の操縦に関する一切合切は、普通に覚えたその他の記憶となんら変わりなく自分の物として認識できている。 「……凄いですね、これ。これも魔術ってことですか?先生」 《というよりはそこから派生した技術だな。では、取り敢えず半刻(一時間)、機体操作と武装の習熟に時間を取る。その後は若本と試合ってもらうぞ?》 「一時間、ですか。……努力します」 《うむ、結構。では通信を切るぞ》 (適当に終わらせる訳にはいかなくなったか。……まぁ、精々励むとしますかね)
s
投下は以上です!支援に感謝をー! うむ、真剣に文才が欲しいw
出来ました……やべぇ、書いてる間に新作投下・・…だと!? ちょっと見直したら投下しますので、引き続き宜しくです
やおよろずの面々が各々の仕事を終え床に着き、ライオネルとリシェルがカルマスと対峙している頃―――――。 あの謎の老人が観察していた発掘現場から大分離れた、辺り一面が厚い雪で覆われた平地に、その建物はある。 ペンタゴンを思わせる五角形で、灰色の壁面が印象的なその建物は、高いフェンスに囲まれ、窓やその他一切の中の様子が伺える様子は無くまるで要塞の様だ。 銃火器を携帯し、ちょっとやそっとの攻撃ではビクともしない装甲服を着た男達が厳重に出入り口を警備している。 中では発掘品だろうか、50cm大の、氷漬けになっている数基のカプセル状の物体が、防寒服を着た人々によって慎重に運び込まれている。 カプセルの外面は凍結している為か、真っ白で何が入っているかさえ知る事が出来ない。ふと、カプセルの中から一瞬緑色の光が見えた気がするが、気のせいであろう。 ――――何故だ? 何故俺を生かす? 殺せ、俺を……殺せ! ――――お前に対して敬意を払うよ、ジャック・トライン。これはその分の報酬だ。好きに使え。 ――――イカれてやがる。テメェはイカれてるぜ、ジジィ……いや、レファロ・グレイ。 ――――その言葉は褒め言葉として受け取って置くぞ。 ――――必ず……必ず殺してやる。覚えてろ、ジジィ。 「む……」 待っている内に眠っていた様だ。老人はぼんやりとしていた目を開ける。 そして一息吐くと、何故か自嘲する様に小さく笑った。今になって奴に関する夢を見るとは。 本当に奴が私を殺しに来るのだろうか。そう考えると、老人は自然と小躍りしたい気分に駆られた。何て愉快な事だろうと。 高級素材で出来たデスクチェアーに身を任せ、うつらうつらと眠っていた老人がいるこの部屋は、何から何まで非常に高級感に溢れている。 黄金色とオレンジ色が入り混じった落ち着いた色調の壁には、金色の額縁に入れられた有名絵画のレプリカや、ミニチュア化された歴史的に貴重な彫刻が幾つも飾られている。 客人が来た際に使用するであろう、二組のソファーとテーブルも勿論高級志向だ。ある意味、老人のいる部屋その物が一つの財産と言っても過言では無い。 しかし老人はそれらに対して何ら興味など無い。 両手を組んで置いている世界有数なブランドが制作したデスクにも、更に言えば、デスクの上で光る総責任者というプレートにも。 と、固く閉じている両開きのドアをノックする音が聞こえる。老人はさぞめんどくさそうに、ノックする人物に対して声を掛けた。 「入れ」 老人の言葉に、ドアを開けて何者かが部屋に入って来た。老人に情報端末を見ながら何かを伝えていた黒服だ。 黒服は失礼しますとはっきりした声で言い老人に一礼すると、続けて用件を話しだした。 「レギアスの実験準備が整いました。何時でも始められます」 黒服が離した用件を聞いた途端、死んだ魚の様に沈んでいた老人の目が、発掘現場を見ていた時と同じようにギラギラと生気を帯びてきた。 聞くが早く、老人はデスクチェアーから立ち上がり、黒服の元へと歩む。防寒服の中に隠れていた老人の全身像が明らかになる。 身長は意外と高く、常備着ているのだろうか、薄汚れた白衣の下には人民服とスーツを足して2で割ったような独特のデザインの服を着ている。 しかし気になる点はそこではない。老人の手足から上へと伸びる様に、いくつものチューブが這っている。何のチューブかは、今は分からない。 黒服の元を通り過ぎる際、老人は口の端々に笑みを浮かべながら、黒服に言った。 「武装隊も招集しておけ。何が起こっても、対処できるようにな」
了解!
ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit リシェルが勢い良く杖を突き、その言葉――――パラべラムを言いきった瞬間、禍々しき赤紫の光が、杖に嵌められた球体から渦の様に放たれる。 その強烈な光はカルマスの視界を激しく遮り、カルマスは反射的に目元を両腕で覆った。このまま見続けていると目が潰れそうだ。 リシェルは別人の如き、不気味な笑みを浮かべながら、続けて杖を空中へと放り投げた。夜空を激しく照らす、毒々しき閃光。 「何がしたいかは知らんが……向かうなら女子供とて容赦はせんぞ!」 あくまで冷静を気取りつつも正直、怒り心頭なカルマスはそう言いながら銀色の球体が嵌めこまれたリストバンドを空中へと向け、その言葉を言い放った。 「パラべラム!」 すると、カルマスのリストバンドを固定した金属具が自ら外れ、リストバンドは杖の方向を向いた。瞬間、銀色の球体も共鳴するように激しく光り出した。 ほぼ同時に、杖とリストバンドをそれぞれの球体の色であるラインが大量に走りだし、輝きを増しながら覆い、やがて光と化して四散した。 四散した光は、地上で再構築され、本来の姿である――――オートマタへと形を変える。 銀色の関節色に所々に施された追加装甲、そして闘牛を彷彿とさせる二門のホーンとツインアイが特徴なカルマスのオートマタ、ガズム・レガシ―だ。 レガシ―は、召喚されるが早く、手元に持った、先端が鈍く鋭く光る、鉄球にびっしりと付いた棘が恐怖心を煽るチェーンハンマーを頭上で振り回した。だが……。 <……何処に行った?> レガシ―が首を傾げるのも無理はない。先程まで自分達を挑発していた二人の姿が、何処にも見えないからだ。高揚していた気分が萎え、レガシ―はハンマーを持ち直す。 「油断するな、レガシ―。奴らは必ずどこかに隠れている筈だ」 そう言いながらも、カルマスも二人が何処にいるのかが分からない。深夜である事もあり、闇に紛れてこちらを伺っているのだろうか? もしや奴らの持っているオートマタは遠距離戦主体なのか? なら少しばかり不利だ。いや……なら何故攻撃してこない? 様々な疑問がカルマスの中に浮かんだ――――その時。 <……貴様か> レガシ―がその気配に気づき、背後を振り向いた。レガシ―から数メートル離れた場所に――――そのオートマタは、いた。 柳の様にゆらりと佇むその姿は、遠目から見ると人間と間違えそうになるほど細い。しかし全長から言えば、絶対に人間では無い。 レガシ―に続く様にカルマスも背後を振り向く。街灯と月明かりに照らされ、そのオートマタが姿を現す。 オートマタの機体色は、赤紫でかつ、赤い部分が鮮血の様に鮮やかだ。しかしそれでいて美しい。 体型と言えばレガシ―は勿論、リヒタ―やヘ―シェンとは全く違う――――言うなれば細身である。それも異様に。 腕部と脚部はスラリとしており尚且つ長いが、軟弱な印象はない。むしろ強靭さを感じさせる。 手足と同じく細い胴体には、大極図の如き白黒で描かれた円形の塗装が施されており、目の様な赤と緑の穴がどちらもはっきりと発光している。 全身の排気口であろう部分から、赤い粒子が少量づつ排出しており、特徴的な頭部の排気口から排出されている赤い粒子は、髪の毛の様に夜風に靡く。 黒いツインアイから覗く、紅き光を放ちながらレガシ―を見据えるカメラアイ。 そして右手に持ちし、闇夜でありながら妖しき光沢を放つ、自らの全長の半分はあろうかという程に長き刃の日本刀。 そのオートマタを一言で言えば、武士。しかしながら正義の名の元に力を使う、品行方正な武士では無い。 人斬り――――対象を一片残さず斬り殺し、あまつさえ殺し合いを愉しむ、あまりにも危険かつ残酷な――――人斬りの雰囲気を感じる。
「貴様か……名は何と言う?」 カルマスが警戒しつつ、オートマタに向かって名前を聞いた。しかしオートマタはカルマスに対しても、レガシ―に対しても何ら反応を見せない。 否、下げていた右腕をゆっくりと上げて、レガシ―に向かいオートマタは日本刀を向けた。恐らく……いや、考えるまでも無い。 カルマスはオートマタのその行動に訝しげな表情になりながらも、不敵な笑みを浮かべながら言った。 「言葉は不要か……叩き潰せ、レガシ―!」 <了承した!> カルマスの合図とともに、レガシ―は再びハンマーを頭上で振り回しながらオートマタに向かって突進する。 しかしオートマタに反応は無い。ただ静かに、レガシ―に向かって日本刀を突きつけているだけだ。 距離が縮まってきた。カルマスは口元をニヤリとさせ、右手を思いっきり振り上げながら、叫んだ。 「潰れろぉ!」 カルマスの叫びと共に振り下ろされるチェーンハンマー。このまま落とされれば、間違いなくオートマタは一巻の――――。 <――――陽炎> オートマタが聞こえない程の小さな、しかし芯が通った低い声でそう呟いた。 <……何?> 目の前で起こった事に、レガシ―は驚嘆する。確かに今、ハンマーはオートマタに向かって振り下ろされ、次の瞬間棘と鉄球の重量によって、無残な姿を晒す、筈だった。 だがしかし、目の前にオートマタの姿は無い。そこに映るは、ハンマーによって貫かれてぽっかりと空いた穴と、激しくかつ深く凹んだ瓦礫のクレーターだけだ。 振り下ろした時の衝撃で、2メートル程のクレーターと大穴が出来る程の威力とスピードを持つこの攻撃を、寸前で交わしたというのか? ハンマーを持ちあげ直し、レガシ―は再びオートマタの姿を探す。今度こそ逃がさない、絶対に。 「奴め……一体何処へ……」 未だに姿の見えない二人と、姿を消したオートマタに辟易しながら、カルマスは周辺を注意深く探す。 と、カルマスは気付いた。レガシ―の背後で、日本刀を肩を回して構えている、オートマタの姿に。 「レガシ―! 背後だ!」 カルマスがそう叫んだ。レガシ―は反射的にハンマーを背後へと放る。その、刹那。 <なっ……!> 捉えた筈のオートマタの姿が、陽炎の様に薄くなって、煙の様に消えた。残像だというのか? ……違う。残像じゃない。これは――――レガシ―は焦りを覚えながら、上空へと頭部を向けた。 そしてハンマーを高速で回転させながら、上空より襲いくるオートマタに向かって、全力で放る。凄ましく回転しながら飛んでいく鉄球。 <――――三日月> 呟きながら、オートマタは日本刀をハンマーに向かって振り下ろした。 三日月の様に美しい軌跡を描きながら振り下ろされたその太刀により――――ハンマーは音も無く切断され、地上に叩き落ちた レガシ―は驚嘆しているのか、その場から動けない。動揺したカルマスが、必死に声を荒げてレガシ―に避ける様に叫ぶ。
>>320 投下乙! 読ませて頂いてから感想投下しますね。
>>296 >ヘコんでるって……どうしたん?
まあ原因は幾つかあって、それらが重なってるからこそヘコんでるわけですが……
端的に言うと、「自分の下手さ加減とか成長の無さ加減が嫌になった」ってとこです。
具体的なもので書けるのを書くと、
1.ちょっと中学時代のこと思い出したんですけど、
「俺が今SSに書いたりイラストやデザインに描いたりしてることって、
結局中学〜高校時代に考えたことを多少精度上げて仕上げてるだけじゃないか」
ってことを痛感した。
2.ちょっと「メルちゃん」番の町子さんを描いてみた。
出来が悪い。さらにそれのみならず、「『町子さんはギャグ顔しか描いてないから描いてみました』といえばみんな許してくれるだろう」
とか考えてた自分が許せない。というよりTロG氏に申し訳ない。
等。
<散れ、弱き者よ> 一瞬の閃光が両機の間を奔り、レガシ―の背後にオートマタが着地する。膝を付くレガシ―。 オートマタは日本刀を静かに振り下ろした。レガシ―は何故か、肩をユラユラさせて手元から落ちているチェーンハンマーを拾おうとしない。いや、拾えないようだ。 明らかに異常を感じ、カルマスが自分の中に湧きつつある恐れを押えながら、オートマタに聞いた。 「……レガシ―に何をした?」 <人間で例えれば腱の筋を切断した。破壊した訳ではないから安心しろ。再利用させてもらうからな> そしてオートマタはレガシ―に向き直ると、日本刀を向けた。レガシ―は肩が動かせず、ただ膝を付き最後の時を待つ――――訳ではない。 オートマタに気づかれぬ様、両方のつま先に収納されている隠しナイフを起こした。刃先がギザギザになっており、如何にも好戦的なデザインだ。 足裏にマナを収束させながら、レガシ―はカルマスのサインを待つ。カルマスがそれに気付き、レガシ―に小さく頷いた。 次の瞬間、レガシ―はその場から勢い良く飛び跳ねると、半回転しながらオートマタを捉え、隠しナイフを90度下ろした。 <我らに……敗北は無いのだ!> レガシ―が両足を揃えて、オートマタへと脚部を伸ばし、胴体を突き刺すべく飛び降りる。 カルマスも、レガシ―もこの時点で勝負の終わり――――自らの勝利を予感した。 かつて、数多のオートマタと戦ってきたが、レガシ―のこの意表を突いた攻撃を受け、立ち上がったオートマタはいないからだ。 例えバリアを張った所で、この攻撃は上空からの攻撃と、ナイフに収束されたマナによってバリアでさえ貫通するほどの衝撃力を持ち得る。決まった――――筈だった。 <――――所詮、弱者は弱者、か> <―――――空蝉> そう呟き、オートマタは日本刀を逆手持ちした。そして――――。 ――――カルマスにも、ましてやレガシ―にも、その瞬間を認識する事は出来なかった。しかし1つだけ、確かな事がある。 レガシ―の、敗北だ。そして同時に、カルマスの敗北でもある。 つま先の隠しナイフは、これ以上無い程綺麗な切断面を見せており、レガシ―の脚部は切れたゴムの様に伸びきっている。 手足の一切の自由を無くし、レガシ―はそのまま地上に墜落した。仰向けでレガシ―に、闘志はもう無い。 「ば……馬鹿な……そんな、馬鹿な……!」 カルマスはただただ、目の前の現実を許容できず、わなわなと肩と声を震えさせた。 それもそうだろう。今までどんなオートマタでさえ、その強さで圧倒してきたレガシ―が、どこの馬の骨かも分からないオートマタによって完膚なきまでに敗北を期したのだ。 戦意を喪失したのか、レガシ―は何も言わず、時折苦しそうに呻いている。オートマタは日本刀を持ちかえると、素早く振り下ろし、頭部を少しだけ、カルマスに向けた。 <失せろ。ライオネルが何も言わん内になら、怪我をしなくて済むぞ> 立ち尽くしているカルマスにそう言い、オートマタは呆然としているレガシ―の近くへと悠然と歩いていく。
<何を……する気……だ> <すぐ楽にしてやる> レガシ―に返答しながら、オートマタはしゃがんで、レガシ―の胸元に左手を当てた。 するとオートマタの左手に、レガシ―のマナであろう光を帯びたラインが各部から集束しだし、オートマタの左手をを淡くおぼろげに照らし出す。 <あ……うう……> <お前の――――命を貰う> そう言いながらオートマタが左手を握った途端、オートマタの大極図の黒に位置する赤き穴が一瞬眩しく光ると、すぐに元に戻った。 レガシ―のツインアイは真っ暗になっており、完全に事切れている。事切れているというより、マナが残らず吸収されたといっても良い。 「き……貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 オートマタがレガシ―に行った所業に、遂にカルマスの堪忍袋の緒が切れた。 腰元に備えた大型ナイフを取り出し、オートマタに少しでもダメージを与えようと走り出す――――その時。 「失せろっつったのが聞こえなかったか?」 背後から声が聞こえた途端、カルマスは肩を掴まれて無理やり振り返らされると、みぞおちに向かってライオネルによる強烈なアッパーを喰らった。 内臓を抉る様な激痛に、カルマスは持っていた大型ナイフを落として、膝を付き口から胃液らしき白い液体をぶちまける。 「帰るぞ、神威」 カルマスに対して何の反応も見せず、通り過ぎたライオネルが眠そうに髪の毛を掻きながら、オートマタに声を掛ける。 神威と呼ばれたオートマタは無言でレガシ―を左肩で担ぐと、その場を後にすべく、ライオネルと共に歩き出す。その後ろから追いかけるリシェル。 「ま……待て」 必死に激痛を抑え、薄れて行く意識を保ちながら、カルマスは去っていく二人と一機に声をかけた。しかし止まる気配はない。 どうにか立ち上がり、カルマスはふらついた足元を少しづつ動かしながら、近づいていく。 「レガシ―を……持っていく……な……俺に……は……そいつし……か……」 「……神威」 リシェルが立ち止まり、憐れんだ目をカルマスに向けると、オートマタに向かって囁くように呟いた。 神威と呼ばれたオートマタはリシェルの呼びかけに無言で頷くと、振り返り、カルマスの姿を見据えた。そして日本刀を構え――――言った。 <光陰> カルマスの背後で、神威が静かに、日本刀を振り払う。 カルマスは白目を剥くと、その場にゴロンと横たわった。その表情、状態から察するに気絶、もとい失神したのだろう。 「お疲れさま、神威」 戻って来た神威に、リシェルは装甲に優しく触れながら、労いの言葉を掛ける。 神威はリシェルに小さく頷くと、再び歩きはじめた。かなりの重量である筈のレガシ―を、その姿見に反して神威は軽々と担いでいる。 <しかし主、ライオネル。私には疑問がある> 神威の言葉に、リシェルは小さく首を傾けた。
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<ここに至るまで、我々の強奪計画は成功しているが、何故オートマタの持ち主を始末してはならぬのだ? 計画が知られぬとも> 「神威」 リシェルが少し困り顔を浮かべながら、神威にその訳を話す。 「良いんだよ、アレで。神威の峰打ちで立ち上がれる人なんている訳無いんだから。それに」 「人――――殺したくないから」 そう言って、リシェルは儚げな笑顔を見せた。 今にも消えてしまいそうなその笑顔は、さっきまで殺気立っていた、好戦的な笑顔を見せていた少女とは、まるで別人の様だ。 <主がそう言うなら……すまない> 再び歩き出す、2人と1機。と、ライオネルがあくび交じりに、リシェルを褒める。 「にしてもリシェル、毎回思うがお前の戦術は的確だな。大した奴だよ、お前は」 ライオネルのその言葉に、リシェルは首を振ると、至極当たり前な感じで答えた。 「簡単だよ。私見えるもん。戦う前から――――」 「その人の、未来が」 蛍光灯が照らす、無機質な長い廊下を老人と黒服、そして物々しい銃火器と装甲服に身を包んだ、数人の男達が歩く。 しばらく歩いていくと、鉄製の大きなドアが。老人達の前に現れた。黒服がドアの横に配置された電子機器に親指を当てる。 するとドアが音を立てて左右にスライドした。黒服が先導する様に中に入る。 中には、白衣を着た者達が各々の作業を行っていた。ある者は電子顕微鏡を観察しながらレポートを書き、またある者はパソコンに膨大なデータを打ち込む。 どうやらここは研究室の様だ。何の研究かは分からないが、大勢の研究者達がある研究について設備を使って励んでいる。 研究者たちは老人を見ると、深く一礼する。それほど、この老人の権威は高いようだ。と、その内の一人である太めの男(以下太め)が、老人達に近づいてきた。 「実験はどうなっている?」 「今すぐにでも始められます。こちらへどうぞ」 老人に答えるが早く、太めが老人達を先導すべく歩き出す。老人達はそれに続く。 研究室の奥、この部屋に入る時と同じく、鉄製のドア。男が黒服と同じ動作をし、ドアを開いた。太めから黒服、老人、男達と言った順序で、その部屋に入る。 その部屋は実に異様な形をしていた。 U字型に設計されており、真ん中には見るからに厚く施された防弾ガラスと、防弾ガラスの先には実験を行う為の真っ白い部屋が見える。 ドアを入るとすぐに、大きな機材を弄っているもう一人の眼鏡を掛けた男が見えた。男は驚いたのか、老人を見、慌てて一礼した。 ガラスの先に見える白い部屋には、解凍されたものの、未だに中身が見えない冒頭で運び込まれていたカプセル一基。 それとカプセルからまっすぐ、無造作に置かれた巨大な鉄塊が置かれている。
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「実験はロボットアームを使用して行います。また、このガラスは非常に高い強度を持っており」 「能書きは良い。さっさと始めてくれ」 男老人がそう言うと、太めは若干不満げな表情を浮かべそうになるが、黒服の視線に気づいてすぐに取り消し眼鏡に指示を出した。 眼鏡は頷くと、機材を動かし、天井からロボットアームという名が示す見ようによってユーモラスな機械が降りてくる。 ロボットアームはカプセルの蓋を掴み、くるくると回すとゆっくりと慎重に、カプセルの蓋を外した。 すると、カプセルの中身であろう6段に積み重ねられた円形ブロックの中から、謎の物体がぞろぞろとアリの行列の様に出てきた。 肉眼で確認できるものの、非常に小さいそれは異常な数で、白き床を真っ黒に染めていく。物体はまっすぐ、目の前に置かれている鉄塊へと向かう。 鉄塊に群がりだした物体は、瞬く間に鉄塊を覆い尽くしていく。その様子は、まるで鉄塊を捕食している様に見える。 と、物体に変化が生じ始めた。一部分の群がっている物体が、一つの平面的な五面体を創り出した。 その反応は連鎖的に起こっており、物体と物体同士が五面体となって合体し、一つの形となりながら成型し続け、やがて確固たる形へと姿を変えていく。 物体によって巣食われた鉄塊は既に原型が無い。物体は粘土の如くグニャグニャと変形しながら――――遂に一つの形になった。 それは人、だ。2メートル近くあるその人は、彫刻を思わせるがごとく、見事かつ美しき姿。しかし、顔は無い。 「やった……! 実験は成功だ!」 太めが興奮を押えきれない様に声を上げた。おなじく、ロボットアームを操っている眼鏡も歓喜の声を上げる。 黒服と男達は関心が無いのか、とくにリアクションが無い。リアクションが無いと言えば、この実験に喜々としていた老人も―――――否。 何故か老人の目は笑っていた。まるでこれから起こる、何かを心待ちにしている様に。 「よし、実験は成功だ。それじゃ……」 眼鏡にロボットアームを停止させるよう、太めは声を掛けようとした、が太めは一寸、声が出なくなる。 眼鏡の口を、先端が異常に尖った針が突き刺していた。眼鏡は喉から大量の血を流しながら仰向けに倒れた。 安全に問題が無い筈の防弾ガラスを、物体の針と化した指が穴を開けていた。物体は何がおかしいのか、首を傾けた。 「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」 太めが金切り声を上げると同時に、黒服が後ろの男達に鍵を渡した。隊長らしき男が、鍵を差して白き部屋へと突入する。 銃火器を構えて入って来た男達を、物体は不思議そうに眺めている。本当に状況が飲みこめていないのだろうか……それとも。 「撃て―!」 隊長が叫び、他の隊員達が隊長と共に銃火器を物体へと一点集中させて乱射する。部屋に響く耳を張り裂けそうな銃声音。 しかし、幾ら銃火器を乱射しても、物体は弾丸を吸収し、無に還す。物体の後ろで壁一面に大量の弾痕が出来る。 ごろんっと音がして、隊員達があっけに取られた。隊長の生首が、物体の近くをコロコロと転がっている。 続けて隊長の近くに居た隊員の脇腹が、血液を床に散らばしながら切断された。ぐちゃりと零れる、腹腸と臓物。 物体は自らの手足を鋭利な刃物に変化させて、男達を斬殺した。そこには、一切の情も無ければ、遠慮も無い。 「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 恐怖のあまり絶叫しながら、隊員の一人が物体に向けて再び銃火器の引き金を引いた――――途端、重火器を握っていた両腕が、宙を飛んだ、 トリガーを押しっぱなしであるそれは、弾丸を発射しながら残っていた二人の顔面をぶち抜く。弾ける、顔と顔。 一人両腕を切断された隊員が、恐怖におののいた表情で物体を見上げた――――途端、額を貫かれて、絶命した。ちなみに太めはガタガタを隅で震えて動く気配すらない。
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「私だ、いますぐ」 あまりの緊急事態に、黒服が備えられた電話を取った。が、その手を老人が制する。 「ここで起こった事は事故として処理しろ。外に絶対に漏らすな。良いな」 老人のその言葉に、黒服は少し俯くと、電話を戻した。と、老人が白い部屋の中へと入ろうと歩きだす。 「博士!」 黒服が呼びかけるが、老人は一切聞こうともせず、むしろ足を速めて、白い部屋に入った。 黒服は苦虫を潰した様な顔になると、ため息を付いてホルダーから拳銃を取り出し、太めの頭を撃ち抜いた。 白い部屋に入った老人を迎えたのは、この世のモノとは思えない地獄の様な光景だった。 辺りを染めるまだ温かい鮮血の色と匂い、散らばった臓器。だが、老人はそんな光景に、眉一つ動かさない。 物体は手足を元の状態に戻すと、老人に頭を向け――――無機質な声で、聞いた。 <――――オマエ、ナニモノ、ダ?> 老人はおもちゃを見つけた子供の様な、満面の笑みを浮かべたまま、答えた。 「私の名はレファロ。レファロ・グレイ」 「レギアス、お前のマスターだ」 やおよろず宅。各々の仕事が終わり、皆就寝した中、青年――――隆昭は壁に寄りかかり、座って窓から月を眺めていた。 どっと疲れが出ている筈なのに、何故だか眠れないのだ。理由は分からないが、目が覚めてしまって困る。 なので眠くなるまで月を眺めている。良絵う空には見事に程に真ん丸な月が浮かんでいる。 「鈴木君?」 ふと呼びかけられ、そちらに顔を向けた。髪を解いたロングヘア姿の遥が立っていた。 三つ編みの活発な時とは違い、落ちついているその雰囲気は、まるでお姉さんの様な感じだ。 「もう夜遅いけど……眠れないの?」 遥の質問に、隆昭は少し俯いて、遠慮がちに答えた。 「すみません、ちょっと目が覚めちゃってて……」 隆昭がそう言って頭を下げると、遥は隆昭の隣に座った。
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「明日、メルフィーちゃんと一緒に町に行こうよ。君達の生活用品、揃えなきゃね。それに」 遥の言葉に隆昭は一瞬目を丸くしたが、遥は柔らかい笑顔を浮かべて、続ける。 「この世界の事、もう少し知らないと」 月明かりのせいか、隆昭は遥の姿にやけに大人びて見えて、すこし照れる。 「……はい」 隆昭の返事に嬉しそうに頷き、遥は月に目を向ける。 「綺麗だね、お月さま」 「綺麗ですね……月」 第6話 神威
s
投下終了です。なんという支援数……! 心より感謝いたします。てか少し感動してます俺w なんか色んな意味でエグイ展開ですみません。とはいえ今回で大きく物語を動かせたかなと 最初隆昭と遥さんの会話は入れる予定は無かったんですが、このまま終わらしたらあんまりにもあんまりな気がするので急きょ 何気にこの神威(カムイ)とレギアスをどう絡ませようか凄くワクワクしてる俺 感想はちょっと待って下さい
368 :
>>332 :2010/02/07(日) 00:49:18 ID:ghYsidwn
>>367 投下乙! 割り込んでしまってすみませんでした。
こちらもまた読ませて頂いてから感想を投下させて頂きます。
>>332 マチコさんは見なきゃわからないから見なきゃ当たって砕けるんだ!
>>367 投下乙!さて、ゆっくり読ませて貰うぜメーン
>>367 投下乙です!感想は後ほどにー
更に読みが追いつかなくなってきたw嬉しい悲鳴あげちまうぜwww
どもです。にしても凄い勢いだなぁ……
>>180 投下乙です!千尋かーいいよ千尋。ヤスっちは主人公主人公しててホントに良キャラですぜ
にしても紫蘇の決断に椎名の疑問と、大きく物語が動き出しそうでとてもワクワクします
それと
>>882 氏もおっしゃっていましたが、凄く心理描写というか、キャラを描くのが上手いですよねw
俺よりずっと、日常描写が書けてると思いますよ。共感できますもん
>>212 師匠乙です!
……やっぱこのノリは勝てないわw何故刑事コントに走ったしww
にしてもマジになったたまちゃんのカッコよさと、その過去に痺れまくりですぜ
何気にアンサラ―による宣戦布告と、今後が楽しみでなりません
つかたまちゃん、もしやノリノリで……w
>>243 復帰おかえりなさい!&新作投下乙です!
新たなる変態か……新(ry惹かれ(ry
ちょっと意外というか意表を突かれたのはユキ姉もパイロットになるって事ですね
これは雪人とどう再会するかとてつもなく楽しみだ……!あとオドレイさんの今後と、ミナとマナとの関係もw
にしてもブランクを全然感じさせないテンポの良さ、見事です
>>280 新しい観点からの物語だと思いました
これは実に面白い……
さぁ、本編を書くんだ!
連投します、すみません
改めて投下乙!
>>320 京介は何か掴んでるみたいね。一体何を掴んでいるのか、とても気になるというかロリババァがコーチとか羨ましすぎるぞコンチクショー!
>>367 たまちゃんも強がったけど、カムイも強いなあ、装甲の厚さに定評のあるブルタイプを瞬殺とかハンパなパワーじゃねー!
そしてレギアスとグレイ……どう見ても危険人物だけど何者なんだろう
未来が見えるというリシェルの発言といい、気になって夜しか眠れない
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>252 これは実に良い共演
廻セカ版の方が微妙に大人っぽいですねw
この二人がである事はあるのだろうか
>>320 久々の投下乙です!
素晴らしくロボット物らしい展開じゃないですか……!
京介と祈のどうにも噛み合わない会話に笑わせてもらいながらも、後半の新型機「時正」に胸がときめきます!
こまかいインターフェイスと操作方法の描写がわかりやすく、なおかつ臨場感があってあぁロボット物って男の子だよなと感動しましたw
次回も楽しみにしています!
>>332 まぁそうお気になさらずに。自分が書きたい物を書ければ良いと俺は思いますよ
それにそのメルちゃん版町子さん、少し見てみたいしw
まぁ気軽にやりましょうぜ。互いにワイワイしながら
にしても皆凄くロボット物してるのに何で俺だけ変なのか居てんだろう……
巧みにレギアスはまんまガメラ2のアレが元ネタです
なんだこの速さ トランザムどころじゃねえ、バーストしてやがる 職人諸氏乙
今日の夕方頃に投下すると予告 スレが持つかが問題だ
突稲と休過疎あるからさすがに大丈夫だろうw
ええい、このスレは化け物か!?
これで化け物だったら去年の夏はどうなるんだw10日で1スレ消費してたぞw
お二人共、投下乙です!
>>320 自分がロボに“なる”という違和感がしっかり描写されてていい感じですね。しかし一発で覚えられるっていう技術はイイナー。学生さん大助かりですねw
>>367 赤マナに小型オートマタ……だと……!? 本編でまだ使ってない設定を使ってくるとは、これは一本取られましたw
レガシーのマナが無くなったのは(本来は機械人形殺ししか持っていないはずの)吸収能力を持っているせいか、あるいは赤マナと対消滅を起こさせたのか……どちらにせよ、神威は特別な機体みたいですね。
ガズム・レガシー……牛モチーフという事は、フルネームだとガズム・レガシー・ブルかガズム・ブル・レガシー……かしら。
そしてレギアスとは一体何なのか。なんか能力的にたまちゃんでも勝てるかわからなさそうなんですけど……もし戦ったとして、神威は勝てるんでしょうか。
しかし未来が見える……こういう能力の敵が出て来ると是が非でもぶちのめしたくなりますよね!
では、次回も楽しみに待ってますね!
レオン<凄く……乱入したいです……>
お杉さん<そういう事はスパロボ企画で好きなだけやっていいから今は自重しなさい>
>>322 はっはっは、私なんか昔から退化してますよ!
>>371 >>373 何故刑事コントに走ったかって……? そりゃ西部警察を(タ――――ン!!
ちなみに玉藻前からたまちゃんになるにあたってへたれ度が増加しております。
>つかたまちゃん、もしやノリノリで……w
たま<そんなわけあるかぁっ!>
>この二人がである事はあるのだろうか
廻セカvsPBM!とか銘打ってやってみるのも面白そうですねw ロボのサイズ同じですし。
そういえば、なんかワタルでそんな話があったような気が……。
あ、そういやカムイのマナは赤色だったな。もしかするとそれがカムイの強さの理由なのかもね
382 :
>>332 :2010/02/07(日) 02:10:37 ID:ghYsidwn
いまStory Editorでオリジナルロボアニメのプロットつくってるのですがある程度できたらあげるので ちょっとばかしみてください
>>382 けだるそうな感じがイエスだね!
というか普通に上手いじゃないですかw 自信持っていいと思います!
>>384 投下は新たな投下を呼ぶ、か……。いいでしょう、カモォン! レッツパァリィィィィィ!!
昨日今日だけでどれだけ投下されたんだろう
7作品くらいですかね。イラスト合わせると本スレだけで9作品になる……と思います。
なんと……たまげたなぁ
もう容量247kbですしねw なんという爆発力……これだからロボスレはやめられない。
391 :
230 :2010/02/07(日) 13:08:52 ID:cugIjfgH
有難うございます。設定等を書きこませて頂きます。ここはすごい勢いを持ったスレですね!頑張って ついていきたいと思います。よろしくお願いします。 【世界観】 恒星間航行テクノロジーが開発されて1000年以上が経過した遠未来。資源枯渇と人 口爆発による星系同士の大戦が1世紀もの間続けられ、人類は滅亡一歩手前で平和協定を 結ぶ。生き残った人々は自らの勢力を再構築したが、支配者層は資源と人口を囲い込むた めに恒星間航行技術を意図的に衰退させ、直径十数キロの巨大な転送装置『ゲート』を用 いる以外の長距離航行を事実上不可能にした。 ほぼ全ての星系でカースト制度のような階級システムが導入され、そこに属する人々は 中央政府によって生命と社会的地位を保証される。犯罪行為や許されざる出生などによっ てシステムから外れた人間は存在を認知されない。 【アルトラム】 大戦後、最も早く再構築された星系。大戦を生き抜いた軍の高官達が政治の中枢を担い、 帝政を敷いたが5年前に内紛が起こり、アルトラム帝国からアルトラム共和国へと改称さ れた。変わったのは未だ名前だけで、議会制は機能していない。物語のスタート地点。 【主人公】 ハロルド=ラング。26歳。くすんだ銀髪に鋼鉄色の瞳。身体のあちこちに古い傷跡を 持つ。5年前に最年少でアルトラム帝国軍の近衛兵に任ぜられたが、同じ年に内紛が起き て帝国が無くなってしまう。違法な人身売買組織に買い上げられた元奴隷で、帝国軍に救 助された過去を持つ。機動兵器の操縦技術は天賦のものを持っており、現在も近衛兵時代 の人型兵器を使って警備などの仕事で食いつないでいる。 共和国政府から『精霊』探索を命じられ、住んでいた星系を旅立つことになる。 【精霊】 電子媒体が失われているほどの古代から、形を変えて各星系に伝えられているお伽話に 登場する超存在。『精霊』に愛されたものはこの銀河を手にすると言われている。『精霊』 の力であると言われる大異変の痕跡は銀河のあちこちに残されており、その殆どが「数十 億が住んでいた惑星がある日を境に死の星と化した」「星系内に居住可能な惑星が突如とし て出現した」など、星と生命に関するものである。 『精霊』の存在を真に受ける人間はほぼいないが、それらの異変に対する科学的な説明 もなされていない。多くの科学者が謎に挑んでおり、自由な恒星間航行が望まれている。 【ランサー】 ハロルドの搭乗する機動兵器。正式名称は“IMP-X01 Honor Guard”。帝国軍のごく限 られたエースパイロットに与えられた高性能の少数量産機で、帝国軍の顔であり帝国滅亡 の象徴。全長6.2メートル。両手両足、頚部、頭部を持つ完全な人型兵器であり、単座 の兵器としては極めて珍しい。 帝国軍の兵器だった事を示す装飾は全て剥ぎ取られ、機体も鈍い灰色。頭部の大振りな ブレードアンテナが角のように伸び、カメラアイは人間と同じく2つ。大盾と機銃を内蔵 した突撃槍を装備し、戦陣の中核を担っていた。
そして容量は折り返し地点へ……
>>250 投下乙!勢いの差は激しいけどなw
おお、これは面白そうだ。目的は打倒ディストピアかな?ファンタジー要素も入ってて惹きつけられるなぁ
本編も楽しみに待ってるんだぜ!
wikiの更新を完了、と。すみません、ミカズチはサブタイがわからなかったので保留にしておきました。
>>391 投下乙です!
無限に広がるフロンティア! うーん、浪漫ですね! 太陽系から飛び出したのはこのスレ初でしょうか?
本編を楽しみに待ってますね!
>>392-393 さては容量と間違えましたね?w
というか、目的は精霊って書いてありますぜ旦那!
>>394 久々の投下だったのでいっぱいいっぱいになってて、サブタイ忘れてましたw
第一章 第二話 ―鋼と古兵―(はがねとふるつわもの)ですw
>>394 更新乙!最近wikiの更新が素早くて助かる
>さては容量と間違えましたね?w
Exactly(そのとおりでございます)
>>395 了解しました、更新しときますねー。
さて、そろそろ
>>375 氏が投下を始める頃でしょうか。
更新完了しました。サブタイ教えてくださってありがとうございますw
さすがに休日だと人いませんねー。
まあ休日だから仕方あるめぇ そういえば、ロボスレにおいてビーム兵器ってあんま目立ってないよね
ネクソンクロガネビームとかあるじゃないですか! そういえば2話で跳ね返されてましたね……。
ネクソンクロガネバルカンよりも活躍してるじゃないか! そういえばペネ子のとっつきってビームなん?
>>404 ビーム……になるんですかね? でもアレ、とっつきって名前だけどとっつきじゃないんですよねw
とっつきってパイルバンカーの事だもんな。ペネ子のとっつきはタンクとか四脚でブレード使った時のアレが近いかな
それが近い……というかまんまそれですねw 今のとっつきは偽とっつきとでも言うべきか。 さて、PBMの13話、なんとか来週あたりには投下できそうです。せめてクロスの予告だけでも17日に投下できるようにしなきゃ。
一応マナもエネルギーに分類されるモノだからとっつきもエネルギー兵器!(キリッ うん、ビームかどうかですよね失礼しましたw リベンジャー・レディのダウンシューターがビーム兵器持ちでしたねー
>>408 まあ、ビームだビームじゃないだ、リアルだスーパーだってのはある程度乱暴でも問題ないんじゃないですかねw
ダウンシューターのビームはかなり強力でしたね。
街ひとつ吹き飛ばしたんだっけ。あとDSの遺跡の機体も凄かったな ……あれ?実はビームって目立ってね?
>>409 wikiの編集有り難う御座いましたm(_ _)m
未だにwikiを使いこなせていないなのでホントに有り難いですw
>>410 タウエルンのソーラーキャノンもビームっぽい何かですよね!
>>411 いえいえ、暇だったからやっただけですよ!(キリッ
雑談ついでに以前ちょっとメモっていた小ネタを投下w ■緊急情報!第二次スーパーロボスレ大戦SS(Superior Strike)発売決定!! あの問題作にして話題作、スーパーロボスレ大戦SS(Sudden Strike)の続編が登場!! 前作から更に増えたユニット数! 小隊システムを始めとした様々な要素の追加! そして今回は複数の機体から選択出来るようになったロボスレオリジナル主人公機!! 熟練度や隠し機体等のやり込み要素満載で送る、文字通りの『更なる衝撃』!! 予約特典として文庫本並の熱さがある設定資料集(上中下巻)とヒロインキャラのねん○ろいど風フィギュア(8種類+αの中から何が当たるかはランダムです)を進呈!! さぁ!お店に急げ!! ……konozamaでもいいのよ? 値段は未定w
>ヒロインキャラのねん○ろいど風フィギュア kwsk教えてもらおうか!
>>414 >ヒロインキャラのねん○ろいど風フィギュア
遥さんがッ、出るまで買うのをやめない!
『更なる衝撃』→『更なる一撃』で修正をw頭の悪さが露呈しているw
つまり皆落ち着けという事だなw
誤射したお……。
>>414 プロローグはもう出来てるんだろ?
教えてよ!
どうやらスレ全域にミノ粉かGN粒子がバラ撒かれてるようですね……!
>>414 ティマ(ロスガ)、遥さん(PBM)、カルマ(ドラグ)、メルフィー(ヴィルシャ)、メリッサ(DS)、クローディア(ソルディ)、マナ(ザイフリ)、祈(ミカズチ)+シークレットのショタオルトロック
独断と偏見で選んだ、謝罪はこれからする。うん、悪乗りしたんだw
>>422 おいシークレットwww
しかし外れが無いなw
>>422 ショタオルトロック……だと……!?
DSはエリーじゃないんですねw
>>424 さんざん迷ったけど……俺、実はポニーテール萌えなんだ……w
一応メインヒロイン枠で纏めてみましたw
>>425 なるほど、メインヒロインか
個人的にはマチコさんのが欲しかったりw
ティマと遥さんとカルマを狙い撃つぜ!
あなたは欲望に忠実過ぎるw
>ヒロインキャラのねん○ろいど風フィギュア こっwwwれwwwはっwwww 買わないわけには行きますまいww ルートの分岐とか考えるとワクワクしますねww 日本ルートのシリアス加減とか。
敵が多すぎて絶望的ってレベルじゃねぇw それに比べて海外ルートの連中ときたら……
海外(もとい異世界)は結構お気楽ですからねww 変態も多いし(ボソッ
>>430 顔面兵器、ロリコン、引きこもり、シスコン、ツンデレ、珍獣、トリガーハッピー、露出狂 New!
おいツクヨミ先生を顔面兵器とか言うなよwww
顔面兵器wwwひどいww
あ、ブラコンのユキ姉ぇと純粋に変態なおやぢさん、自由人ニコラス、男の娘エリーもいましたねw なにこれ合流した時のノリの違いが怖い……。
>>435 こうも躁鬱ハッキリ分かれちゃうとねぇw
日本ルートで多大な犠牲を払いつつ勝利した時に 露出狂とか出てきたら色々終わるww
白ウ詐欺とかもいるからなぁ……
>>437 日本ルートの連中はブチギレるなw
なんかマッハで空中分解しそうな雰囲気ですよねw つまり日本ルートで鬱クラッシャー達がどれだけ頑張ってくれるかによる、と。
逆に考えて、先に海外ルートの鬱クラッシャーを送り込んでおけば……! 戦う前から瓦解する悪寒ww そういや母艦とかってあるんでしょーかね
まあ、あれだけ戦力があれば大東京消滅は無さそうだが……
一方海外ルートでは人としてのモラルが消滅していた
>>440 顔面兵器さんとこの実験艦とか?
分けます
ん?どゆ事?
っと、言葉が足りんかった。 二話が長くなりそうなので三話に分けます。 EとF分は三話冒頭に移して 今回更新分から「三話C」としてカウントする方向で……
おkわかった。支援すっべ
>>447 おお、乙!しかし3話の表記が2話になってるべ
「パイロットスーツを返してくれ」 ツクヨミは、一刻も早く身に付けた検査服を脱ぎたかった。彼にとってこのほのかに消毒液の匂いのする薄緑の服は、汚水に浸かったボロ布を 羽織る方がまだマシと思うほどに不快な代物でしかない。左手だけで器用に上着を脱ぎながら、ユノーに向かい右手を差し出す。 「無いですよ」 上半身裸になったツクヨミの眉が動く。検査服の上着はすでに遠くに投げ捨てられていた。 「先程、無理矢理脱がしたものがあるはずだが」 「焦げたり融けたり破けたりと、使い物にならなそうでしたので、検査中に廃棄しておきました。スーツはこちらで新品を用意しますし、 ポケットに入っていた物はその時に全部お返しますよ」 「そうか」 大型モニターの電源を切るユノーの背後で、ツクヨミは検索服のズボンにも手を掛けていた。 「ああ、ついでに軍服もここに持って来てもらうので、それまで待ってくれれば……って、何で脱いでんですか?」 振り返ったユノーの目の前にあったのは、何一つ身に付けていないツクヨミ。先程まで検査の為に見ていたものではあるので 赤面したりはしないが、予想外過ぎる状況に顔をひきつらせる。彼女の眼に映る。 「もう限界だ。これ以上この服だって着る事は出来ない。流石に退室する気は起きないが、服が届くまではこのままで待機させてもらう」 「それなら、せめてシーツで前を隠すくらいはしてください!! 恥ずかしくないんですか!?」 「己の肉体に恥じる部分など一つもない。不格好であっても、全てが俺が生きている証だからな」 「知りませんっ!! というか、こんな光景を見られたら、私が悪趣味な事やってると思われるじゃないですか! 早く隠して!!」 「断る」 自らシーツを持ち、ツクヨミの下半身を覆おうとするユノー。しかし、それを彼は拒絶する。医務室のシーツもまた、彼にとっては 触れるだけでも不快な物の一つに過ぎないのだ。 「ええい! こうなったら奥の手です!」 シーツを引き延ばしながら高く掲げるユノー。彼女の動きに合わせてツクヨミも構える。二人の間に奇妙な空気が流れ始め、それはやがて誰にも 見えない嵐を巻き起こす。部屋中に充満する互いの殺気が、倒れたハンディコンピューターの音で一瞬途切れる。その刹那、ツクヨミは目を見開き、 ユノーの義眼を輝かせ、そして…… 「入るぞ〜Dr.ハーディング〜 ツクヨミ、服届けに来てやっ……」 パッケージ詰めされた革命軍の軍服一式(下着込み)を抱えて医務室に入ってきたパーシヴァルが、目の前にあった光景を見て絶句する。 ツクヨミもユノーも、パーシヴァルへ顔を向けたまま硬直し、2人に見つけられるパーシヴァルも交互にそれぞれの顔を見るくらいしか出来なかった。
「ありがとうございます、プルートイド少将」 その沈黙を破ったのはツクヨミだった。パーシヴァルの持つ軍服を手で取ると、その場で開封して着始める。それから数秒後、ユノーが次に動き出す。 「違うんです、これは! その何というか……ああそう!医療行為でっ! けして変な趣味とかじゃなくて!!」 「わざわざ説明しなくても状況は理解できてるから、慌てて変な事口走る必要はねぇぞ……大方、コイツが医務室嫌いの発作起こして脱ぎ始めたんだろ?」 パーシヴァルは心底呆れた顔でツクヨミを指差す。 「で、お前はそれをどうにかしようとしてたと」 「…………よく分りましたね」 「アイツとは、付き合いだけは長いからな……まあ、コレでも前よかだいぶマシにはなってんで、勘弁してやってくれ」 二人の目線の先にいる問題の男は、あっという間に服を着込み終え、少しサイズの小さい軍服のキツさを腕を振って確認していた。 「検査と治療、新しい服を貰った事に感謝を。では失礼する」 二人に向かい一礼し、ツクヨミはドアへ向かう。 「オイオイ……何処行くんだよ」 「ここではない何処かだ」 「お前、長時間医務室閉じ込められると、いつも以上に思考力低下するよな……」 若干ふらつきながら医務室のドアを開けるツクヨミに、パーシヴァルは深くため息をつきながら続いて出る。 「俺は、とりあえずコイツを艦橋まで案内する……これ以上ここら辺に置いておくと、何をしでかすか分からんからな」 「ああ、なら私も行きますよ。あっちで、今後の事でいくつか説明したい事がありますし」 2人ともツクヨミを追って医務室を出る。無人になった部屋の電源が自動的に消えた。
実験艦フェンリルはとっくに北極圏を抜けたらしく、強化樹脂性の窓越しに波一つない静かな海が見える。狭い通路を歩きながら、ツクヨミは 奇妙な事に気付いていた。ここには人の気配が無いのだ。医務室に運ばれている間も、ユノーとパーシヴァル以外の人間を見てはいなかったが、 その時は単純に警戒されているだけだと考えていた。だが、ここまで来て誰とも遭遇しないというのは、明らかにおかしい。日光の反射で通路に うっすらと浮かぶ足跡も、ハイヒールと大きい革靴の二つしか確認できない……おそらくはユノーとパーシヴァルのであろう。それ以外にあるのは 数種類のタイヤ痕と、小型犬か猫程度のサイズの肉球の跡…… 「どうなってるんだ?」 「何がだよ」 ツクヨミが発した言葉に、前を歩いていたパーシヴァルが振り返った。ユノーもそれに続く。 「疑問があるなら早めに聞いてくださいね? 後でそんなこと聞いてないみたいな言い訳されても迷惑ですから」 「単刀直入に聞く。この艦には、俺を除けばお前達2人しか乗っていないのか?」 無人兵器は統合軍でも革命軍でも様々な物が造られているし、操縦に必要な最低限の人員を減らして動かし易くする技術が常に研究され発展してもいる。 だが、このサイズの艦をたった2人で動かすという技術を、ツクヨミは聞いた事がなかった。しかし、今彼が得られた情報から考えると、その可能性が 一番高いのだ。 「そうですよ。説明する手間が省けましたね」 「勘がいいのは相変わらずみてぇで何よりだ」 二人のあっさりとした肯定に、ツクヨミは眉を寄せる。2人しか乗っておらず、その2人も操縦に関わっていないのだ。自動航行モードにしたって、 見張りくらいは必要なはずだ。 「答えは分ったが、理解はできていないって所ですか? では、特別に説明してあげましょう」 ツクヨミの沈黙をそう判断し、ユノーが口を開く。 「この実験艦フェンリルは、私が開発に携わった第六世代型量子コンピューターを搭載する事で完璧な自律行動が可能なのです! こういった通常の航行 だけでなく、本来ならば各所と連絡を密にとりつつ、経験豊富な人間の判断が必要になる地球月間の超高速航行すらも、完全無人な上に通信すら行わず 実行する事が余裕で可能です! 更に、RSの組み立てや修理といった作業も簡単な指示を出すだけで、ほぼ完璧に仕上げることが可能で……」 彼女の解説好きと急激なテンションの上がり方はどうにかならないモノか。この実験艦フェンリルがどれだけ素晴らしいか、ユノーは専門的な用語も 交えながら語り続けている。 「とまあ、とにかくそんな感じで、この艦は俺達が乗っていなくても問題なく動くっつーシステムでな、Dr.ハーディングはは新型RSの開発設計や量子 コンピューターの調整だの何だのだけをやれば良くて、俺に至っては、エラトステネス社が革命軍内で動きやすいように、色々と話を付けるくらい しかやる事がねぇし」 見事なくらい窓際の仕事ですねプルートイド少将。喉まで出かかったその言葉をツクヨミは我慢して飲み込んだ。さすがに一日に二度も医務室に 送られたくはない。 ユノーの長い説明を纏めると、実験艦フェンリルは優秀なコンピューターが動かしてるから無人で航行可能で、更には、人手の要る作業のほとんどをも 機械が代行してくれるから、乗員は必要最低限で良いとの事だ。ユノーの研究に関しても、例の電波不要の特殊な通信方式『ワームホール型情報転送システム』 とやらで、月面都市にあるエラトステネス社の研究施設と大容量の通信が可能で、わざわざ実験場に出向くのはユノーひとりで十分なのだそうだ。 この艦のシステムが実用化・量産されれば戦争が大きく変わりそうではあるが、例え兵器であっても、人の技術や精神の方が重要と考えるツクヨミ としては、あまり歓迎したくはなかった。 と、そこまで理解した辺りで、新たな疑問が彼の脳内に浮かび上がった。 「もうひとつ、質問をしていいか?」 「構いませんよ」 「俺が交戦した奴はどこにいるんだ?」 ツクヨミの駆るスカンクエイプ高機動型と北極で戦ったライズガルムを遠隔操作していた者。そのRSの動きと戦い方から、10代半ば少年と予測した パイロットだ。
「……? ライスガルムなら貴方が乗り込んで、回収までしたじゃないですか。今はフェンリルの格納庫で修理中です」 「操縦者だ」 「無人機ですよ」 「遠くから動かしていた人間がいるだろう。この艦に乗っていると思ったが、月にいるのか?」 その言葉を聞いたパーシヴァルが、大声で笑い始めた。 「ハッハッハ! ツクヨミ、お前の勘も鈍り始めたようだな! こっから一気に自分の老いを感じ始めるぜ!」 もう40代に突入したというのに、筋肉質な身体を維持しているパーシヴァルに老いがどうのと言われても説得力はあまりない。 「それはどういう意味ですか、少将?」 「遠隔操作ではあるがな、アレは人が動かしちゃいないのさ。この艦を動かしてる第六世代型量子コンピューター様が、RSの操縦までやってくれてたんだ」 パーシヴァルの言葉にツクヨミは目を見開く。その答えが、心底予想外だったのだ。狙いが正確無比過ぎ、教本のように分かり易くパターン化された攻撃は、 コンピューターによるものという方が説得力はある。だが、それ以上にあのライズガルムからは人の感情というか、『魂』が伝わってきたのだ。 「馬鹿な……あれを動かしていたのが、機械であるはずが無い」 「……証拠を、見せましょうか」 ユノーが静かにつぶやき、指を鳴らした。 「ハティ、挨拶をしてあげなさい!」 通路の壁の扉が開き、何かが前に飛び出してきた。40cmくらいの白銀の毛に覆われた何か。両手足を伸ばして立ち上がると頭を数回振ってから ツクヨミの方を向いた。 「オレがこのフェンリルを動かシ、お前ト戦ったライズガルムを操作していタ第六世代型量子コンピューターである『ハティ』ダ。よろしく頼ム」 ハティと名乗ったソレは、見た感じはほとんど子犬だった。声は子供のようで、首から生えたロボットアームがクネクネと動く。動物のような足跡の 正体はコレか。こういったのが複数いて掃除や点検なども行っている、といった所だろうか。 「こんな感じデいいカ? マスター」 「十分でしょう」 「でハでハ、このボディは帰還させテ、オレは通常業務に戻ル。さらばダ!」 それだけ言うと、再び身体を丸めて壁の中に戻っていった。 「とまあ、こんな感じで、人を乗せた状態での完全自律航行の運用を想定し、音声によるマンマシンインタフェースを、まるで感情を持った 人間のように振舞う事で、極力ストレスを与えずにコミュニケーションを取る様な形で行えるようにプログラムされています」 ユノーは今までとは違い、まるで家電を売る店員のように、感情の感じられない営業スマイルで説明する。 「人間的過ぎないか」 「それは貴方の人間観でしょう? 他に質問はあります?」 「いや」 突っ込んで質問するような事でもなく、通路で長々と続ける事でもない。ツクヨミは口をつぐみ、先に歩き始めた2人の後を追い艦橋へと向かった。
艦橋で受けた説明は、えらく大雑把なものだった。 この後、12時間の休憩を挟んだのち、修復されたライズガルムにツクヨミが直接乗り込み、戦闘データを取るという内容で、誰とどこで戦うのかは 「やる時に分かりますから」と教えられず、手渡されたライズガルムのマニュアルデータも、詳細情報がほとんど消された物だ。ユノーがノリノリだった 解説にあった情報すら、表示されない。彼女が漏えいしていた事はともかくとして、この情報非開示具合から考えると数回データ取りをやった後は、 そのまま軍に戻るか、監視付きで月に戻されるといった所だろうか。用がすんだら始末する、という方針ならば、わざわざ秘密にする必要もない。 艦内の移動も制限され、指示があるまでは与えられた個室で待機し、艦橋か格納庫以外は出入り厳禁。食事はハティによって届けられるそうだが…… シャワー室とトイレが備え付けらているとはいえ狭い個室に案内されたツクヨミは、簡易ベッドに腰掛け、リモコンで壁と一体化したモニターの 電源を入れる。パーシヴァルに「暇なら映画でも観ておけ」と渡されたチップに収められた映像データを確認するが、全て頭を空っぽにして楽しむ類の アクション映画ばかりだ。前々から「近場に好きな作品を語らえる友が欲しい」などと言っていた事から考えて、これを機会に仲間を増やそうという 魂胆なのだろう。 モニターの電源を切ると、そのままベッドに倒れ込んだ。思った以上に疲労していたらしく、このまま目を閉じれば意識が落ちそうだ。寝巻は 用意されているとの事だが、この狭い部屋を探すのも面倒だったので、このまま寝てしまおうなどと考えるツクヨミの耳に、小さな音が入る。 音の位置を目で追うと、モニターのある壁と天井の間に、小型の監視カメラがあった。 「俺の監視か? ハティ」 呟いたツクヨミに応えるように、モニターが付いて犬をデフォルメしたようなCGが表示された。 「何で分かっタ?」 スピーカーから発せられた声は先程の子犬のようなモノと同じ子供染みたものだ。ツクヨミは監視カメラを見上げながら言葉をつづけた。 「カメラを動かす駆動音がした」 監視カメラを動かすのは、艦の全てを制御するハティの仕事だろう。無論、監視カメラを動かすだけならユノーでもパーシヴァルでも出来るが、 動く音のパターンが、最初に格納庫で観られていると感じた時と同じだったので、あの時すぐに格納庫に来た二人ではないと、割と当てずっぽうに 推理したのだが、どうやら当たったらしい。 「しかし、答えが来るのは意外だったな」 「……オマエにハ、個人的に言っておきたい事があったからナ! いイ機会だから言わせて貰ウ!オレが勝てなかっタのハ、最初は武器の使用制限ヲ 受けていタいたからダ! 最初から全力だったら一瞬で終わっタ!!」 モニターに映るCGが、声に合わせてコロコロと変わっていく。表情の変化は主人に似たのだろうか。よほど先程の戦闘の結果が悔しかったのか、 文句を言いたかったようだ。 「それニ、人の機体を奪うのは反則だろウ!!」 「悪かった。あの状況では他に手が思い浮かばなかった」 声やCGの変化から察するに、スカンクエイプ高機動型を消滅させるも無理矢理ライズガルムに乗りこまれて終わったのが、一番の不満のようだ。 その部分に関しては、ツクヨミ自身あまり気に入っていない。 「俺も出来るならな、一番慣れているスカンクエイプ改で戦いたかった。それなら、ああも無様な戦いはしなかったんだが」 「旧式で、オレのライズガルムに勝てると思うカ!?」 「ライズガルムの性能とお前の操縦技術を考えれば厳しいだろうが、勝てない事はない」 「もう一度戦ったなラ、オレは絶対負けなイ!」 「暇があったら再戦するとしよう。シミュレーターでだが」
ツクヨミと会話するうちに、CGの変化が減っていき、やがてハティが沈黙する。 「どうした?」 「いヤ……自分を殺そうとしタ相手に対しテ、聊か友好的過ぎないカ?」 「俺もお前を殺そうとした」 「オレは乗っていなかっタ」 「殺意と、実際に殺害可能かどうかは大して関係ないだろう。それに俺も死んでいない」 腕の一本でも持っていかれてたならば、愚痴の一つでも言ったんだろうが、かすり傷程度ならば、後に引く理由はない。そうツクヨミは考えていた。 「一歩間違えバ、死んでいたんだゾ? もっトこう、憎むなり恨むなりしてもいいだろうニ」 「その一歩を違えず、こうして俺は生きている。それだけが事実だ。仮定で人を憎む気はない」 「よく分らん思想ダ……人間は、皆そうなのカ?」 「いや、俺が変なだけだ」 そもそもツクヨミは、他人を憎んだり恨んだりすることがあまりない。それが己が善良なのではなく、多くの事に無関心であるからこそだと 自覚していたが改善する気は毛頭ない。 ツクヨミの反応に気が抜けたのか、ハティの映すCGの犬が落ち着いた表情に変化し、声のトーンも下がった。 「変な奴が相棒カ……だが、そこまデ悪い気はしないナ」 「相棒?」 「そういえバ、まダ説明されテなかったカ。本来、オレが担当するのはパイロットサポートシステムであっテ、全部動かスには向いてなイ。なので、 お前がライズガルムに乗るおかげデ、本職に戻される羽目になったんダ」 少し残念そうにハティが呟く。性格だけでなく口が軽い所も似ているらしい。 「いいのか? それを話して」 「どうセ、やる時に分かる事ダ」 「そうか……しかし、専門外であそこまでやれるとはな」 「だろウ? 人間なんかよリも、オレの方が優秀だというのニ」 自信溢れるハティの呟き。ツクヨミの負けず嫌いな心が動く。 「次の戦闘訓練で、お前の人間に対する評価を変えてみせよう」 「何だト?」 「本物のラビットソルジャーパイロット……いや、本物の兎乗りの技術でな」 「ほほウ……それは楽しみだナ」 ユノーは「感情を持った人間のように振舞うプログラム」と言っていたが、会話してみて、やはりそうではない事が分かった。ツクヨミにとって ハティは心がある存在だ。ならば、ひとりの対等な人間として扱おう。そんな事を考えた。 もう少し会話してみたかったが、急激な睡魔が襲ってきた。無論、精神力で眠気を抑え込む事は出来るが、今やる事ではない。 「もう寝る。7時間経ったら起こしてくれ」 「分かっタ。食事はその時に持っていけばいいカ?」 「ああ……ついでに、便箋とペンもあれば持ってきてくれ。手紙を書きたいんだ」 「探してみよウ」 「ありがとう……それではお休み」 ツクヨミはベッドに全身を倒し、そのまま目を閉じる。 「せめテ照明くらいハ自分で消セ、横着な人間メ」 ハティの声と共に部屋が暗くなったのを感じながら、眠りに落ちて行った。
という感じで、 人狼機兵マーナガルム 第3話「われは人狼」C 終了です。 それではスパロボトークの続きをどうぞ。
>>475 投下乙です。後でゆっくり読ませてもらいますー
かなり遅れてしまいましたが返レスの程を
>>475 投下乙!
その前にゆっくり読んで感想書かせて貰うぜメーン
今回こそ戦闘に持って行きたかったけど
突入寸前にキリが良い所になってしまったのが無念……
次の更新分ではライズガルムが暴れられるはず
>>476 ……返レス?
>>475 投下乙です!
ツクヨミ先生のスタンスがかなり格好良いと思います
正体を知っていても対等な立場で話そうとするとか、わかっててもそうそう出来ないことなんじゃないでしょうか
そしてユノーさんとのハプニングww顔面兵器(失礼)と揶揄されるツクヨミ先生が
全てをさらけ出したままこっちを見ていたらはたして正気を保てるかどうか……っww
ハティも負けず嫌いな性格が可愛いですwwしかしなんて高性能なんだ……!
次回の戦闘も楽しみにしております!
>>372 夜しか眠れないのは至って普通ですw
まぁレガシ―についてはちょっとかわいそうだけど、カムイの見せ場を作って貰ったという事で
グレイとリシェルはこれから深く関わっていくのでお楽しみに―
>>379 カムイについては凄く特殊な能力を持たせています。後々明らかになりますので期待しないで待ってて下せぇ
勿論レギアスの方もなるたけ驚かせるような事になりますので(多分)
そうそうリシェルも(ry
>>382 まさかカルマスについて感想を頂けるとは思いませんでしたwこれで彼も少しは報われると思います
後、月云々は本当に偶然ですw言われてみれば確かに……
下卑する必要無いと思います。町子は不敵可愛いし、代わりの黒髪美女も可愛いし
ただ作者としてわがままを言わせてもらうと、是非完成系を見せて欲しいなとw
余裕が出来たらまたチャレンジして下さい。何時でも待ってますから
>>384 >>391 新しい作者が生まれる事はとても喜ばしいです
お二方の投下、心よりお待ちしてます
>>478 言葉が足りなかったです、すみませんorz
それとVVfgJPC4さんのレス数を辿ると凄い事になってて吃驚です
スレを盛り上げて頂き有難う&乙です
>>475 投下乙です!
ちょっ、ツクヨミ先生迷惑千万過ぎるよ! これでだいぶマシとか昔はどんなだったんですかw
あとユノーさんはやっぱり可愛いですのぅ。やっぱり三つ編みって最高ね!
って以前貼られた画像はハティだったんですか! あれがライズガルムだというのはあながち間違ってなかったんですね……。それにしてもハティ有能やなぁ。
では、次回も楽しみに待ってますね!
>>481 はい、楽しみに待ってますね! 特にリシェ(ry
>>475 改めて投下乙!
って顔面兵器が全身兵器になっている、だと……!?どこまで自重しない人なんだ、ツクヨミ先生!
あとハティもふもふしたいです。たまちゃんのライバル出現ね!
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>481 話に乗ってくれたPBM氏達のおかげさ……って、もう
>>500 近いじゃまいか
>>483 >たまちゃんのライバル
ライバルが犬って……(猟犬的な意味で)たまちゃんに勝ち目ないじゃないですか!
追い詰められた狐は狼より凶暴だ!
追い詰められる→脱ぐ→大妖狐降臨 ……確かにw
まあハティは高性能(笑)って程度に頭悪いですから
>>475 投下乙です!
ツクヨミさんwwwそんなに医務室は嫌かwww
まさかの生身でキャストオフに吹いたw
ハティからお馬鹿っぽい匂いがするが気のせいだろうw
マスコットなロボットが増えて来ているのは良いことだw
さてさて、次回のライズガルム大暴れを待ってまーす
>>488 なん……だと……!?
それでいいのかフェンリルw
何だろう この土日で投下された他作者さんの力作読んでると自分の文章力の無さにガックリくる
>>490 ほら
頭良過ぎて人類に反逆とかでもアレじゃないですか
>>491 隣の芝は青いもんさ。案外他の作者さんも同じ事考えてるかもしれないぜ?
変なやり方してwikiの編集ミスったorz 管理人さんに修正して貰うまでこのままかと思うと(;´・ω・`)凹むぜ
そっすかねぇ…… 自分の勢い丸出しというか勢いしかない文見てたらどうも……
数日前に管理人さんにwikiからメール送ったけど返ってきませんねぇ……。
>>493 嫉妬で狂いそうですが何か!
>>495 皆の作品を読むたびに、自分の文章が回りくどいのをどうにかしたいと思っている俺が通りますよ、っと
>>498 >wikiからメール送った
そんな機能あったのか……知らなかった
>>499 昔(ロボスレに投下する前の)作品のほうが上手くて凹んでる私もおります。
>>500 ツールのとこにありますよー。
>>320 投下乙です。
シミュレーター導入部分や操縦系学習時の表現がリアルで凄くのめり込んでしまいました。
>そのお湯から水分だけが急激に蒸発し、残った熱が『記憶』という形を取っていく。
個人的にこの表現が凄く上手いと思いました。読んでいて、京介に感情移入出来ました。
次回はいよいよ、殺陣ですね。楽しみにしています。
>>367 投下乙です。
カムイの圧倒的な実力!やっぱ無双って良いですよね。レギアスから何と無く、サンタナの香りがしたのですが気のせいでしょうかw
色々ときな臭い雰囲気がしてきましたが、やおよろずの面々とどう交錯していくのか楽しみです。
>>391 本編の投下楽しみにしています。
皆でロボスレをガンガン盛り上げていきましょう!
>>414 コンプリートするまで買うのをやめないw
>>475 投下乙です。
ツクヨミ先生のストイックさって格好良いですよね。
何故か生身でキャストオフさえも格好良く感じる程にw
そして、ユノーさん…ツクヨミ先生に対して優位性を持ちたいんだろうけど
頑張れば頑張るほど、小者臭が…
ハティの負けず嫌いな性格が可愛らしいですね。これはAIじゃなくて心を持った生き物ですよ。
ツクヨミ先生が対等な人間として扱おうと考える気持ちも分かります。良いコンビになりそうだなぁ。
>>491 >>493 他の作者さんと比較して自分の文章力の無さにガックリくるのなんて、いつもですよ。
自分の作品なんて展開がワンパターンだし、文章読み難いし…
もう読者専門で良いんじゃないかと考えた回数なんてキリ無いですよw
それにしても凄い勢いですね。感想書いてる途中に新作が投下されたりと楽しい事、この上無いですw
>>501 投下乙です!
個人的には全然セーフだと思いますよー。
色々感想やらなんやら。1日とちょっとでこんな進むなんてさすがロボスレ
とりあえず改行制限食らったので二つに分けますw
>>226 なに、千春さんが出るだとっ!?これはwktkせざるを得ない
お杉さんの元ネタでしたのかwそういやヴィオ姉も狸でしたっけ……w
>>231 感想ありですw第一章は日常をベースに、第二章はリーゼ戦闘な感じの主題で書いておりますw
感覚的にはバルキリーVSネクストAC的な感じのイメージで書いてましたw
ブレオンは浪漫でしょう! まぁ、実際にFAで自分が使ってるのは遠距離機体なのですg
いつかACにも可変機が出てきてほしいですねw
>>243 なんという変態の集まりwwwだがそれがいいw
ユキネが不憫というより、オドレイさんの達観ぶりに吹いたwメイドの鏡ですわ……!
そして整備フェチという……かわいいのぅ、かわいいのぅ
赤いキルデベルタというなんという浪漫仕様。いいぞ、もっとやれ。
やっぱりワンオフ機より量産型の色違いが、最高に好きですw
まぁ、廻セカDaZにはワンオフしかいないわけですgggg
投下乙でしたw次回も楽しみに待っておりますw
>>253 うおおお、久々に廻セカのイラストを見た!オレ歓喜!
シュタのロボ形態いいですねぇ……。やはり白銀のボディに空色のポニテこそシュタムファータァ。
遥姉と遥の夢のコラボすぎる。萌死んだ。
さぁ、早くPBM!使用の千春さんを描く作業に戻るんだ!
>>501 投下乙です。
自分の小さな引き出しでは何に似ているのか分かりませんが
ネタ被りを気にしていては作れる物も作れなくなりますし、あまり気にされない方が宜しいかと。
>>320 投下乙ですw
やっぱり後半パートでの新型機ってのはロボット物の醍醐味であり、最高のシチュですよね!
「時正」の戦闘が今から楽しみですwこいつが量産された暁には(ry
しかし、操縦に関しての描写がとても上手くて羨ましいですw
次回も楽しみにしてますね!
>>367 投下乙でした!相変わらずの読みやすい文章でスラスラ読めましたw
そしてレガシーいいですねぇ、こういう武骨な感じの機体大好きですw
と、思ったらリシェルかっKEEEEEEEEEEEE
紅い機体色に日本刀なんて最高に格好いいじゃないっすか。誰か!誰かアニメ化を!
しかしカルマスさん死ななくてよかったぁ。とか思ったw
リシェルとライオネルが毎回毎回本当格好いい。それしか言いようがないくらい格好良い。
そして「レギアス」。楽しみ過ぎる……!
次回を今から全力で待ってます!w
>>371 感想ありです!w
千尋可愛いですよねー。一応ヒロインなんでその位置を崩さないように書いていきたいものですw
ヤスっちはぶっきらぼうなお節介というポジションなんで、主人公として動かしやすいんですよねw
主人公にお節介は必須属性となってきてますからねぇ。まぁ変に冷めた主人公も嫌ですけどw
日常描写書けていますか、そう言ってもらえると作者としては嬉しい限りですw
ですがそれに甘えることなく、これからも精進していきたいと思います!
書き手としては面白い話を書くのは当たり前として、読みやすい文章を書けるようにもしなくちゃですしね!
>>371 、
>>373 いつか本編とは別に外伝という形でやってみたくはありますねwなんせ原作者が同じなんですからw
外伝と言えばそろそろバレンタインですね。廻セカDaZでバレンタインネタSSでも書いてみようかしら。
>>413 え?いつ発売ですかそれ?予約しにいかなくちゃ!
ルート分岐、面白そうですねw日本ルートがハードモード、海外ルートがノーマルモード的な感じになるでしょうねw
>>478 ツクヨミさんの医務室嫌いっぷりに笑ったwwwふらつく程駄目なのかw
そして漢だなぁ、ツクヨミさん。発言が一々格好良すぎるぜ……!
次回ではライズガルムの戦闘ですか!wktkしながら待っているとします!投下乙でしたーw
>>491 自分も常々思いますよ……。マジオレ文章力ないくせに、読みにくいし原作レイプ乙だぜマジで、とかw
でも、書く度にこんな稚拙な文章でも感想を1つでも戴けるたびに感謝の極みで、
そのたびに書こうという意欲がかなり上がるもんです。
だから、とりあえず完結に向けてお互いに頑張っていきましょう!w
>>493 さんの言う通り、他人の芝は青く見えるってのはあると思いますw
書き手である限り、この悩みはたぶん消えてなくならないんでしょうね……と自分は思ってますw
ちょっと目を離したらこれかよwww
>>501 投下乙!アリだと思うんだなこれが
しかしなんだこの不気味な機体は……
次スレまで大体残り500レス、170kbですねw 早過ぎる……。
>>506 出ても随分後になりますけどねw<千春さん
ちなみに珍獣の元ネタが紫蘇だったりするわけですが……ええ、そうです、原作廻セカだと紫蘇はアホの子なんです。
>さぁ、早くPBM!使用の千春さんを描く作業に戻るんだ!
タウエルンとのクロスが書けてからそうさせてもらう!
あ、そうだ、ちょっとたろ氏に質問が。
ショウイチっていくつです?
>いつかACにも可変機が出てきてほしい
白栗「……え?」
>>510 >珍獣の元ネタが紫蘇
なん……だと……!?つまり原作版廻セカはPBMみたいなギャグ中心の作品だったのか……
>>511 あなたの変型は若干詐欺入っt(ry
>PBMみたいなギャグ中心の作品
いぐざくとりー。DaZ程シリアスじゃありませんでしたw
>>510 今から全裸待機してるからなっ!楽しみにしてるんだからねっ!
>>511 そうですねー。もう、全然雰囲気が違いますw DaZは原作ほど明るくはありませんw
そして、とりあえず第1章が終わったので座談会的な楽屋ネタを上げようと思います!
べ、べつにラジオ的なのがやりたくなったからとか、そんなんじゃないんだからねっ///
短いので、今回は支援なしで大丈夫ですよー
第一章「日常アウトブレイク」 Episode Symposium. 俊 「どうも、第一章を読んでくださった方、読んでない人はまとめWikiを読んでください。 始まりました座談会の司会を務める安田俊明です、こんにちは、よろしくお願いします」 シ「第一章を読んでくださった方々、ひとまず今までありがとうございました!これからもよろしくお願いします! 同じく座談会エピソードの司会を務めさせていただく、シュタムファータァです」 俊「今回は座談会という楽屋ネタ的エピソードです。作者に代わって自分たちが色々語ってしまおう。 という魂胆でこのお話は続きます」 シ「ぶっちゃけ一人で語られても痛い子ですしね。では、始めて行きましょう!」 ■第一章を終えて■ 俊「第一章は日常から非日常に、を主題として置いています」 シ「ヤスっちさんたち(日常)がリーゼンゲシュレヒト(非日常)に関わってしまう、ということですね」 俊「そういうこと。まぁ、大体廻セカDaZの導入部分ってことだな。……しっかし、原作と全然違うな」 シ「原作では私の性格はもうちょっと明るく、そしてアホな子でしたね」 俊「作者が暗い話しか書けないっていう理由から性格変更されたんだな。ちなみに千尋も若干原作の方が明るかったかもな」 シ「全体的に暗めになってるってことですね!」 俊「作者としてはPBM氏の作風が明るく楽しいものであるから、開き直って自分の作品は暗く重い作風にしちまえ、とのことだ。 対照的ってなんか良くね?とかボヤいてやがったな」 シ「苦し紛れの言い訳ですね……。そういえば、ヤスっちさん自身第一章にはどんな感想があるんでしょう?」 俊「オレか? そうだな……。とりあえずはちゃんと日常できたんじゃないか?」 シ「神崎さんと委員長の話、松尾さんと椎名さんという親友たち、千尋さんというヒロイン、伊崎さんと千春さんというスパイス、私という非日常。 第一章でとりあえずこれだけのポジションの人物に関わりましたもんね」 俊「ああ。リーゼンゲシュレヒトの話もそこまで出なかったしな。……ロボスレなのにいいのか」 シ「まぁ、それは第二章で挽回しましょう!……つまり、《第一章を終えて》を纏めると?」 俊「基本的な日常の登場人物は登場し、話も進み、2章に続く非日常と伏線もできた。 原作通りと言えばそれまでだが、まぁ及第点ギリギリって言ったところだな、以上!」 シ「以上《第一章を終えて》という名の作者の客観視でした!」 俊「……最後で台無しだ」
■第2章について■ シ「はい、続いては《第2章とこれからについて》、です!」 俊「と言ってもネタバレになるからあんま話しの大筋に関わることは言えないがな」 シ「わかりました。んじゃ、第2章はどういった感じの話になるんでしょうか?」 俊「第1章の主題が『日常から非日常へ』。第2章の主題は『非日常の世界』だな」 シ「非日常の世界……ですか。非日常の意味はリーゼンゲシュレヒトということですか?」 俊「そういうことだ。今回の話はあくまで導入部。第2章からは日常を守るための戦闘がメインになる。 新たなリーゼとセカイの意志。話の大筋が見えてくる章でもあるな」 シ「全部で第4章まででしたっけ?廻セカDaZは」 俊「あぁ。大きく分けると第一章と第二章で話の大筋と登場人物が出揃って、 第3章と第4章が作者の書きたい部分、伝えたい部分。廻セカDaZの核となる章になってるな」 シ「まぁ、それもプロット通りに進めば……の話ですけどね!」 俊「そういうことだ。あくまで予定ではあるけど、大幅な変更はまずないからそう進むだろうな。 余談ではあるが、作者は小説自体を携帯のメールを使って書いている」 シ「そうなんですか、それで?」 俊「大体第1章がメール12個くらいの長さなんだが、第2章は予定では20個分くらいの長さになるそうだ。 ちなみに第3章は30個くらいで、第4章は25個くらいらしい」 シ「大体スレッドに投稿する回数に表すとどのくらいなんでしょう?その方が重要だと思いますが」 俊「話の区切りとかもあるから一慨にこれ、とは言えないが、まぁ第2章は6、7回くらいじゃないのか? まだプロット段階だし、書いていかないと何とも言えないけどな」 シ「そうですか、では、以上《第2章とこれからについて》でしたー!」 ■座談会、閉幕■ 俊「短くはありますが、ここいらで座談会を締めさせてもらおうと思います」 シ「思ったより短かった気がします。まぁ、第2章の座談会ではもうちょっと長くなりますかね?」 俊「作者の文章力に期待しておこう、最後に、作者から第1章終えてのメッセージをオレが代理で読んで終わりだ」 シ「じゃあ、お願いします!」 俊「廻セカDaZを読んで下さった皆さん、原作者のPBM!氏、ロボット物SS総合スレの皆様、どうもありがとうございました。 ここまで書けたのも、一重に感想をくださった皆様と、場所をくださったスレッド、そして素敵な原作のおかげでございます。 これからも完結に向けて精進しますので、温かい目で見守っていただけると幸いです。 最後に、繰り返しにはなりますが、ロボット物SS総合スレの皆様と、原作者PBM!氏に最大級の感謝と敬意を。 DaZでした」 シ「では、この後は第2章の予告編ですね!」 俊「そうだな。んじゃ、また本編と第2章の座談会で会おう」 シ「それでは、また本編でー!ここまで読んでくださってありがとうございましたー!」
――――第2章――――予告編――――― 「貴方は、戦う意思がないのではないんですか?」 「失くしたくないモノのことだけは、絶対に忘れるな」 「お前は、もう必要ないんだよ」 「家族は大事だよ。家族ってのは、重荷を一緒に背負ってくれる人だから」 「お前にわかるかッ! あんな扱いを受けてきた日々が!親から受ける扱いじゃない、あれはッ!!」 「だから、私は――――!!」 「日常を守るってのは大事なんだよ。必死なんだよ。誰しもな」 「ただ―――それに気付かないだけで」 「お前の席はない。貴様はとっととご退場願おうか」 「界侵―――(オーバー・ドライブッ! 『廻るセカイ』 ヴェンデヴェルトッ!!!!」 それは、似通っているようで、違う、セカイ。 廻るセカイ-Die andere Zukunft- 第二章「非日常エンカウンター」
以上でしたw ちょっとしたものでしたが、本編の繋ぎになればいいな……とかw この流れだと、自分が次の話を上げるころには次のスレに行ってそうですしねw
>>501 しいて挙げるならアイアンマンに似てる気がする
でも今の時点で全く新しいデザインなんて無理に等しいから被りなんて気にしなくていいのよ!
…と元絵師が言ってみる
アイアンマンの映画かっこよかったなぁ、原作知らんけどww
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! 親戚を訪ねて京都の方に旅行して帰ってきたら怒涛の投下ラッシュで容量が消し飛んでた… な、何を(ry なんというロボスレ…!
亀にも程がありますが感想をば
前スレ
>>795 やはりバイラムは鬼性能ですなw
各国の現行主力兵器が軒並み歯が立たないんですからねぇw
しかし有人機との戦闘での不自然な行動は何らかの目的に添っているのか、それともパイロットの意志に因るものなのか……
>>46 まさかの一刀敗北に驚愕です
そしてロリな外見の先輩……しかも薙刀とか……ヴラーヴォ!
この修行フラグは実に楽しみですw
>>180 登場人物が揃って物語がいよいよ動き出すようですねー
そしてATTが熱い!すごくやってみたい!w
しかし守屋家……朝からすげぇなw
>>212 さすが九尾の狐様wなんという無双状態www
タマ姉ぇかっこいいよタマ姉ぇ
お杉さんが惚れるのも分かるwww
>>243 読んだ後『露出卿』という言葉が浮かんだぜw
隣国の将軍がHENTAI☆とかw自由すぎるだろwww
あとだだ甘なおねぇちゃんが出てきたのは個人的に喜ばしいw
戦場での再会にならないといいけど……
>>280 新しい切り口の始まり方ですねーw実に好みだw
本編の投下お待ちしてます
>>517 投下乙!
原作版も読みたくなったなぁ……消えてしまったのが残念でならない
次章で大きく話が動くみたいね
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>519 さあ、感想を書く作業に戻るんだ!
>>367 暗躍するジジィ!群体型オートマタ『レギオス』!
これらもインパクトありましたが……
一番はやっぱり『神威』でしょう!何この俺的どストライクなオートマタwww
殺陣が格好良すぎてニヤニヤが止まりませんでしたよ!w
やべー、神威とやおよろずの面々の対決が楽しみでwktkが止まらないwww
>>517 ほほぅ、至極真面目な座談会ですなwこのスレでは希少な感じがwww
予告編もカッコイイw……こう、色々と滾るね!w
次回も楽しみにしとります!
>>517 投下乙ですw
原作者なのに凄くwktkしてしまう……この作品、すんごぉい!
私も負けないように頑張らないと……!
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
ぬふぅ、今日は粒子切れのようだなw
しかし、なんか8000字程度で終わる計画で書いてたら既に1万5千字超えちゃってる件について(´;ω;`) このペースでたまに完結まで漕ぎ着けること出来るんだろうかとかちょっと不安になるぜ・・・
マイペースに行けばいいんじゃないかな。スレも冬眠から目覚めてきてる事だし
>>525 一方私は1万くらいで考えているのに2500しか進んでいなかった……。
これっぽっちも進まないジブンモイル(^p^)
>>529 >海に出る季節じゃない
そ れ だ !
つまり夏になった途端DS氏が真の姿を現すんですね
よし、南半球まで輸送しようか
自分は南国の怪獣ではないのですよー!
南海大決戦! 鋼の救世主VSDSUの人!
つまりDSの人はエビラと!
ゴジラ、モスラ、怪鳥 大コンドルは誰なんです?
ご、ゴジラだと!?
じゃあ俺、マグロ食ってる方のゴジラゲット!
>>536 まさに南海の大決戦w
とりあえずスレ住人は赤イ竹の皆さんで
>>539 DSの人に襲われて全滅する事になりますがw
それ以前に赤イ竹って犯罪組しk(ry ロボと怪獣はロマンだよねぇ
行くよ、機龍! あぁインファント美味しい美味しい
ところでキングシーサーはなんで沖縄の守護神なのに名前英語なんです?
皆の衆!管理人さんが帰ってきてたぞー!!
>>543 沖縄の表現全開だったら「日本語でおk」ってなるからシーサー!
>>543 あれな、正しい発音は「くぃんぐしーさー」って感じで
沖縄の方言で「巨大な獅子」って意味合いになる
でも、あえて英語っぽく「キングシーサー」って表記にしてるだけだよ
管理人が再来とな……よーし、お兄さんツクヨミさんの真似をして待機しちゃうぞ〜
>>367 直前の場面二つに対する最後がまさに嵐の前の静けさ。これからの展開が楽しみです。
個人的には喋る度に小物臭を露呈していくカルマスさんが人間くさくて感情移入してしまいました。
>>475 ツクヨミさんブレないなぁ。マッパでも格好いいから困る。
しかしキャラクターがどれも対照的で余計に魅力を感じますね。
>>517 予告カッコイイなぁ…台詞練り上げるだけで数日をロスする自分から見ればただただ感心。
引っかかってた部分は今思えばアイアンマン+ドミネーターだったんですが一応のお墨付きを頂いたので取り合えず基本はいじらずにカラーリング周りを調整しようかと思います。
貴重な意見ありがとうございました。
それでは引き続き月曜ロードショー「鋼獣vs害獣vs機械怪獣―ワルレックスの逆襲―」をお楽しみください。
>>544 よっしゃあああ!
この瞬間を待ってたぜ!!
>>548 * *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
>>551 ( ゚Д゚)
(゚Д゚ )
m9( ゚Д゚ )<オ・ノーレ!
まったく、管理人さんと
>>551 の人気にSHTしそうだぜ
スーパーヒーロータイムするだと……!?
ついだよ!わざとだよ!
>>557 【審議中】
♪ ∧,, ∧ ♪
♪ ∧,, ∧ ・ω・)
∧,, ∧ ・ω・) )
♪∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ ♪ ∧,, ∧
∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ(_/ 彡 .∧,, ∧ )
( ・ω・) )っ__フ(_/彡 ∧,, ∧ ) )
(っ )っ__フ(_/彡 .∧,, ∧ ) ) Οノ
( __フ(_/彡 ∧,, ∧ ) ) Οノ ヽ_)
(_/彡 ( ) ) Οノ 'ヽ_)
( ) Οノ 'ヽ_)
(ゝ. Οノ 'ヽ_) ♪
♪ ミ ヽ_
しかし投下ラッシュに管理人さん復活とはめでたいなw
ロボスレに春が来ましたねw あ、管理人さん。wikiのメンバー登録の承認お願いしますー。
編集しようとしたら出来なくて泣いた
ふぅ、いい湯だった……。 承認ありがとうございます! これで管理人への負担もちょっとは減る……はず!
ログインできるって事は画像もうpできるんだっけ?
確かそうだった……と記憶しています。
384ですがテンプレの紹介文を参考に自作の冒頭紹介文?のようなものを作成してみました とりあえず一話のプロットらしきものの形はできてきたので書いてみました *時のジグパルス 21世紀初頭―――― 人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。 14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。 そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた 人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが――
>>566 紹介文投下乙です! 主人公14かー、若いなー。
あ、そうだ。384氏は酉付けないんで?
>>566 紹介文投下乙!
そういえばロボスレの作品はけっこうな割合で人類滅亡寸前だなw
滅亡後もありますよw
地球終了後もあるでよ
PBM、タウエルンとDSですねわかります あれ?滅亡後のほうが平和じゃね?
>>566 紹介文投下乙です!
謎の生体兵器とかオラわくわくしてきたぞ!w
>>571 確かにw滅亡後の方が比較的穏やかwww
物騒といえば物騒ですけどね! ほら、変な人多いし……。
俺以外にもいたのか……>変な人
変態と聞いて色々な作品の人達が言いたいことがあるようです
あと200レスで人類滅亡だというのか…… いや、それまでに容量オーバーで次スレに移れればあるいは!
ついだよ!わざとだよ!
ちくしょう、ちくしょう……!
そういや、思い付いた設定・展開が既に他の作品でやってて 「ネタ被った!」って思った時、皆さんはどうします? 四聖獣モチーフのネタ考えてるんだけど そのままやっちゃうとなんかマズい気がして……
しかし我々は果たして
>>575 氏を弄ってるのか
>>774 氏を弄ってるのか……。
>>582 致命的だったら変更しますけど、問題なさそうだったらそのまんまですかねー。
584 :
バイラム :2010/02/09(火) 21:34:10 ID:og51M5LR
ここで四聖獣のネタを使っているのは・・・ 自分だぁ! 被るのは別に構いませんよ! ブリューナクとかいろいろ被ってる所は被ってますし そんな事を気にしてたら作品なんてかけませんよ
逆に考えるんだ。クロスのネタになるって考えるんだ
小道具とかギミックが被っても、魅せ方を変えればなんとかなったりしますしね。
気にしない気にしない 兄弟スレ(?)の方でも四神ネタはしょっちゅう出てるもの
というか四神ネタはよくあるしなw むしろ今まで被らなかった事を驚くべきではなかろうか
あと被りやすそうなネタは天使とかですかね?
四神というと、白虎とかですか?
Exactly(そのとおりでございます)
敵の四天王的ポジションの方々に それぞれ動物モチーフの機体を扱わせるってので 四聖獣ネタしかないかなぁと…… 四凶とかどうロボにしろってんだって状態だし 四霊だとメサイヤフィストとか付けたくなるし
あー、ヒョウと鳥と人間とか
あと四大精霊がありますよね。グレンラガンは両方をくっつけてましたっけ。
動物モチーフで四天王ですって!?
すみません、見事に寄せ集めのごった煮です。
>>596 ひとつ足りないというかそれバビルUせ……いやなんでもない。
>>598 お杉さん達は幹部であって四天王じゃないじゃまいかw
それに4人以上いるし
個人的に四天王もお勧めですよ 持国天、増長天、広目天、毘沙門天 誰だ、ゲッターと言った奴は
以前、銛之那鎌太刀(もりのなかまたち)という動物モチーフの敵四天王っぽいものを作った事があったので晒してみる。 頭領:ミッフィーマウス モチーフ:ミッ○ーマウス 外見:前歯の無い灰色のミッキ○マウス 属性:重力 パワータイプ:九魔惨(くまさん) 外見:無精ひげの生えたメタボの熊 属性:土 パワータイプ2:詫貫散(たぬきさん) 外見:八頭身の筋肉質たぬき。股間は葉っぱで隠れている 属性:炎 スピードタイプ:妬璃燦(とりさん) 外見:顔面の面積半分以上が眼球で出来ている 属性:雷 共通する特徴として全員、声が甲高い。 四天王とは言ったものの当初の予定では10人(匹?)の集団だったのですが 4人目辺りで正気に戻って無かった事にしました。 もういっその事、ゾウ、パンダ、キリン、その他で動物園の人気者4頭をモチーフで良いんじゃないかと思いましたw
>>599 お杉さん達はデルザー軍団的な……これも違いますねw
13話、ようやく半分書けた……。
605 :
創る名無しに見る名無し :2010/02/09(火) 22:52:05 ID:sxsCBPDH
>>602 途中で無かった事にしたのでだいじょ…あれ、こんな時間にお客さん?
>>604 当時は滑稽な呼び名でも珍走センスなDQNネームにしたら
新手の厨二的なハーモニーを奏でるのでは無いかと信じて疑わなかったのですが
色々と残念な結果になってしまったので凍結致しましたw
>>605 どうして、こうなったw
執筆が進まなすぎて笑えてきましたよ
>>582 何というか恥知らずな人間なのでそのままやってしまいそうです……ww
もしかすればそれがきっかけでクロスできるかも、という思いがあったりも
>>601 頭領がやばいwww
主人公の役が喰われかかっている気がして結構焦ります
主人公は「影が薄い」の代名詞だってばっちゃが言ってた
影が薄い影が薄い……うん。納得してしまった。自分のを見ていると特に。
>>608 隆昭「呼ばれた気がした」
一日見なかっただけで進み過ぎワロタ
ちょっとしたら色々返しまする
>>608 ツクヨミ先生とか遥さんとかはあんま空気じゃなくね?
変態の方が主人公よりも動かしていて楽しいとはこれいかに むしろ変態が主人公になれば万事解決……
全員変態の作品にすれば…! あるいば…!
>>611 遥さんはそこまで目立ってはいないような……。
それよりも問題は裏方の話ができないせいでライと珍獣が空気な事ですが。
>>612 その結果がツクヨミ先生だよ!
脱衣王ツクヨミ…! ツク…! ヨミ……! テンションががががggg
>>611 このスレ作品の主人公達には当てはまらなかったですなw
>>610 タカ坊はツッコミに定評があるじゃまいかw
>>611 ツクヨミに関しては、マーナガルムって作品が
「主人公は物語の中心であるべき」って考えで設定組んでってるので
今後、糞主人公になる事はあっても空気にはならないと思う
世界情勢的にはツクヨミとあんまり関係ない所でガンガン変わっていくけど
それに直接触れる話はほとんどやらず
変化する状況に対してどうツクヨミが対応するかって部分しかやらん予定
そもそも始めた時点のコンセプト的に
「地球と月の主戦力となってる奴らが全力で戦争してる本編があって、その外伝がマーナガルム」
みたいなノリだったし!
>>613 全員変態にすると
変態である事の珍しさが消えて
平均的変態になりやすい主人公が
やっぱり空気になると思う
むしろ変態に囲まれて唯一ノーマルの主人公とかのが
輝きやすい希ガス
某深宇宙神話ネタの俺、惨状 どうしよう、今年初めてここに書き込んだ気がする……
W E L C O M E !
ようこそ変態と男の子の楽園へ!
>>620 それに当てはめると我が主人公の雪人君は輝けるのか……っ!
しかし主人公陣営が確実に敵陣営に喰われているというか飲まれているというか
>>622 いらっしゃいませ! と、自分が言うのもおこがましい話ではありますが
>>619 あ、いいですねそのノリ。面白いと思いますw
>>620 というか、ツッコミや驚き役が主人公にしやすいですよね。で、ツッコミをするのって大体は常識人という。
>>622 歓迎しよう、盛大にな!
主人公…? ボルス:活躍はまだない 奈央:整備員だし… ファル:細かい描写が不足してるし… バイラム:謎 あれ、自分の作品にはこれという主人公がいなさ過ぎるような…
>>627 主人公がいっぱいいてもいい、自由とはそういうものですヨ。
リベジの潤也みたいにある程度話が進んでから活躍し始めるタイプもあるしね
めざせ主人公(笑)!
亀にも程がある&私用レスである事をお許しください
それとこの前、変にネガっちゃってすみませんでした。リアルで色々あって頭が回って無かったです……
>>475 投下乙です
まず一言に、ツクヨミさんがカッコ良すぎてクラクラしました
例え全裸だろうがハティがワンちゃんだろうが自らの信念の通りに動く。これを主人公と言わず何と言うか
ユノ―とパーシヴァルも人間味があって良いなぁとしみじみ思います。次回を楽しみしております
>>501 鋭角的でカッコいいなぁ……
これがどんな動き方をするのか、今から本編が待ち遠しいです
>>503 >>508 >>522 >>550 感想レスの程、誠に有難うございます。感謝感激であると共に、とても作品を書くにあたってのモチベーションになります
神威とレギアス、そしてなにより物語の展開についてはかなり緩やかになります。ちょっと溜めの時期というか
ただ10話で凄い事になるとだけ。色んな意味で。3月までにそこまで行きたいですね
>>517 投下乙です
こういう真面目な感じのノリも良いなぁと思いますw司会の二人のまぁしっかりしてる事
それと携帯で書いてらっしゃるのですか・・…いやはやPBM氏もですが凄いなぁと。自分はちょい無理っすねw指が攣っちゃってw
予告の台詞が凄く面白そうです。これは早く……早く二章を!
>>544 勢いが往年の時の様に戻って来た事に加えて嬉しいですね
おかえりレスを書いときました
>>566 14歳とはこれまた……
とてもワクワクするキーワードばかりで楽しくなってきました
本編投下を期待しながらお待ちしております
>>622 かなりお久しぶりですねw
本編投下を心待ちにしております
>>510 遅れてすみませんでした
ショウイチについては年齢はちょっと教えられないんですよ。物語の根幹に深く関わるので
ただ外見年齢は20代前半とだけ
それと明日明後日らへんに7話、もしかしたら投下出来るかもです
にしてもホントに凄い勢いですね。夏の頃を思い出しましたよ
他に14才のキャラはまどかだけだっけ? 外見14才以以下ならたくさんいるんだけd(ry
>>632 そうなんですか、回答ありがとうございます。了解しました、年齢については触れないでおきますねw
それともう一つ。ショウイチは酒はOKな人ですか?
ちょ、なぜ酒w
>>634 酒もたばこも大丈夫です
ただ本人があんまそう言うのは好まないとだけ
>>635 やおよろずは新入りが来るとパーティーとドッキリをしますので……ドッキリは省くかもしれませんけど。
>>636 了解しました! 無理矢理飲ませm(ry
どっちにしろ飲ますんかいw
>>637 マジっすかw果たしてPBM氏の世界で1人と1機がどうなるかが今から楽しみですw
そういや隆昭達にまだドッキリして無かったなと
まぁ異世界からやって来たなんて時点で最大のドッキリかもしれないけど
>>638 奴らは遠慮するタマじゃないですからw
>>639 珍獣の存在そのものがある意味ドッキリではないでしょうかw
そういやあと一週間でPBM1周年か、早いもんだなぁ
ほんとですねぇ。 それまでには、せめて予告篇だけでも投下できるようにしとかないと。
Tueun×PBM!楽しみしてるべ
期待しないで待っててね!
だが期待する
wktk
なんだこのプレッシャーは……!
期待して待ってますよ と作者元が言ってみるwまぁ一回書きはじめたら面白いから大丈夫ですよ、PBMさんw にしてもクロス元の作者さんが自作品をクロスしてくれるって競作してるって感じで良いですねww ふと思いましたが皆なら他作者さんのどんなクロスを読んでみたいかなと
>>647 それくらいクロス企画はwktkするという事さ!
>>648 ヴィルシャ×レガシアムで鬱クラッシュのハッピーエンドが見たい気もする
>>648 いやはや、スパロボ企画が立ち上がってからこっち、ずっとやりたかったクロスなので張り切らせていただきますw
しかし15スレも溜め込んでいたのか私は……。
クロスはシスターズとノリと勢いとロスガとかどうでしょうw
>>649 ※書く方はそこにgkbrが加わります。
ずっと、いつかクロスしたいって言ってたもんねw
楽しみですなぁ
そういや携帯また規制だっけ
654 :
創る名無しに見る名無し :2010/02/10(水) 16:57:20 ID:iN9ylsj5
誤爆した……罰としてツクヨミ先生を医務室に連れて行く係やるよ……
いかんそいつに手を出すな!
命を無駄にするんじゃあないッ!
よーし感想とかカイチャウゾー
>>57 こっ、こんなの保存なんてしてないんだからね! ね!
>>180 日常から非日常へ…。投下乙です。
「島」とはなんなのか、なぜ世界が消えなくてはならないのか、楽しみです。
>>212 本気モードキタコレw なんとなく来ると思ってました。だって九尾ですもんね。
って、あれ? たまちゃんが一番のバケモノじゃ(ry
>>180 まさか「ざいふり」で吹くとは思わなんだ…… これなんてギャルゲうわやめおれはm
そしてなんという全裸。最近の流行は全裸なのだろうか。うむ、自分も試さなくては。
敵対することになるなんて…
ううむ、解決策が浮かばない。兎に角投下乙っス!
>>252 これは! 某軽音楽部を思い出してしまったがそんなことはなかった。
鍵盤ハーモニカということは小学ちょっとまてそんなの入るわけddddddddddd
>>272 wktk
>>320 教育ですねわかります。
「なってる」ということは、ひょっとして痛覚とかも…。
次回も正座で待機してますね。
>>280 投下乙です。
カプセルだと……触らぬ神に祟り無し。どの世界も考えることは一緒のようで。
>>422 全部頂こうか
>>475 ツクヨミー! 服ー! 服ー!
とうとう全身凶器となるとは恐れ入った……さぞかし立派な(粛清されました…
>>517 本編が待ちきれないぜぇ……。
むしろ逆に―何故そうなったのか、何故それを認めているのかまったくわからないが―保健医がツクヨミ先生というのもアリかもと思ってしまった。 医務室に行くとストレスがマッハで有頂天なツクヨミ先生が出迎えてくれるという。
入る度に失神ですねわかります
保健室のデンジャーっぷりがまた上昇したんですけどw
>>657 待つんだ、身長的に主将は中二。小学生は遥sうわ遥さんなにをするやめ
>>658 ユノー先生とレイチェル先生だけでも十分恐ろしいのに全身兵器なんか加わったら……!
くそっ、ユノー先生に会いに保健室に行きたいのに、ツクヨミ先生とレイチェル先生がいたら怖くて前も通れないじゃないか!
こうなったら生徒会に頼むしかないな!
ルナ会長とタカ坊とマチコさん……二人はまだしも一人戦術核並の危険人物がいるような気がw
もう保健委員でいいじゃないですか! ……保健委員って誰だろう。
ツクヨミルート ナンデモナイヨアハハ
わぁ、保健室どころか保健委員の世話にもなれそうにないね!
保健委員に適任なのは誰なんだろうか。
逆にこの手の話で一般生徒代表って誰になるんだろ?
レガシアムの優作とか、ネクソンのカッコマンとか、DSのユトあたりじゃないんかな?
一般、一般、一般…? そうだタカ坊がいるジャマイカ!
あ、
>>671 は一般生徒の話ね
保健委員は誰だろう。遥さんはクラス委員長だから無理だし
タカ坊は書記という名の雑務係だからちょっと違うんじゃないですかね?
タカ坊は中二病代表じゃないかな!
出来た! 五話が出来たが……。ウーム。ロボが出てこないとはこれいかに。 マァいいや。さぁいくか。
『Diver's shellU』 第五話 「平穏」 オルカ=マクダウェルには施設に来る前の記憶がほぼ存在しない。 それもそうだろう。親も知らず、その辺を彷徨っていた時の記憶など、心が記憶として認識していたくはないだろうし、何より知りたくも無い。知ったところでどうなるというのか。その点においてオルカは割り切った大人であった。 しかし、オルカはまだ大人になりきれない部分だってある。などと書くと違う方面に想像もとい妄想を張り巡らす人種がいるかもしれないが、そうではない。 とある廃工場の中にて、タンクトップの上に黒のジャケット、下半身はホットパンツの軽装備が一人。ジャンバーにズボンが一人。合計して二人が、何をするでもなく、廃材の上に並んで腰掛けている。 「懐かしいなぁ」 「懐かしいですね」 旧市街の一角。 埃にまみれた窓ガラスが、海が運ぶ風に押されてやかましい音を立てる。壊れた天井の隅から覗く空は、大気が含む乳白色の霧のせいで、青を霞ませて。 時間が静かに流れる今日。海は数年に一度ともいえる規模と濃度の濃霧に覆われ、風もやや強いため、船で漕ぎ出す訳にも行かず、二人して街をぶらぶらと散策中。ちなみにオルカの仕事は今日は無い。 二人が少年少女だった頃、孤児院から少し離れた場所にあるこの廃工場は、世界の中心であった。秘密基地でもあり、かくれんぼの戦場でもあった。工場だったからには何かを作っていたのだろうが、詳細は知らない。 廃材、鉄骨、壊れた電子機器。ボロボロになったコンクリートの壁からは鉄骨が顔を覗かせている。 ジュリアは、記憶の糸を手繰り寄せるために視線を工場の隅へと彷徨わせつつ、両腕を膝に置くようにして体重をかける。オルカは彼女の細い体を見て、それを気がつかれないように眼を地面に向けた。 巣を作っていたのか、青い鳥が天井の穴から抜け出すと、空へと逃げ出す。 「久しぶりにかくれんぼをやってみない?」 「二人じゃ面白くないですよ」 「だよな……。うん。鬼ごっこ……鬼ごっこも二人じゃただの喧嘩っぽくなりそうだし、あー……折角来たのにノンビリするだけってのはなぁ……」 喋った言葉が反響し、徐々に吸収されて消えていく。 草木生い茂る小高い丘の上にあるこの場所。昔は子供が大勢居たものだが、今となっては誰一人立ち入ろうとしない孤高の廃墟となっており、獣道一つ無く、通路にゴミが散乱していたため、エラく時間がかかっていた。 元来た道を戻るのは死ぬほど面倒だと、ジュリアはうんざりした顔を浮かべて両腕を組む。それを見たオルカは苦笑して、伸びをしながら立ち上がった。背骨からぽきぽきと音がした。 「んで?」 たたんっ。使い込まれたシューズが機嫌良く、揃って地面に立つ。 ジュリアは、ガラにも無く「にへへ」と笑みを浮かべて工場の外にシューズを向けた。 「もうじきお昼だけど何処で奢ってくれんの?」 .
「何で私がこんなことを……」 と、ポニーテールを解いたメリッサが不満を濃縮した声を漏らせば、 「えぇっと、お使いでしたよね」 女性もののツバ付き帽子を頭に乗せたエリアーヌが答える。 廃工場から出てきた二人を、メリッサとエリアーヌが少し離れた場所にあるドラム缶の後ろから見つめている。傍から見たら――否、そうでなくても変人の類にしか見えまい。会話の内容から本人の意思でやっているわけではないのは明白であった。 メリッサとて暇ではない。とある事情で、あと数ヶ月したら仕事を休まないといけなくなるかもしれないが、今現在はバリバリの現役ダイバーであり、町外れの廃工場でウロウロしていれるわけもないのだ。 エリアーヌだって暇じゃない。オヤジさんの元で働いているのだ。 では二人が居る理由はと言ったら、『お使い』ということになる。別名パシリとも言える。 昨日、某巨乳アホ姉キャラがメリッサとエリアーヌを集めてこう言った。 『ジュリちゃんとオルカ君の後をつけて、報告してね(はぁと)』 勿論、二人は断ろうとした。したが、某巨(略)はニヤリと笑ってメリッサの耳元に口を寄せて何かを囁き、続いてエリアーヌの耳元に何事かを囁いた。次の瞬間、二人の顔色は真っ青になり、頭を縦に振っていた。 底の知れない女だと二人して思いつつ、止むを得ず今日ここでストーカーまがいのことをしているということだ。 ポニーテールを解いて髪を腰まで垂らし、いつもより女性寄り(と言ったら怒るだろうが)の格好をしたメリッサは、ジュリアとオルカに感づかれないようにドラム缶の後ろに顔を引っ込め、今日の相棒の方に顔を向ける。 一方エリアーヌは、女性モノの帽子の位置を直して、ドラム缶の端っこから目元を出して追跡対象を見ていて。
「ところでエリアーヌ君はクラウディアに何を言われたの?」 メリッサは、ふと浮かんだ質問をエリアーヌにぶつけてみた。 エリアーヌは一瞬顔を強張らせ、慎重な風に口を開く。 「…………き、聞きたいですか?」 「………遠慮しておくわ」 奇妙な緊張の中で質問は終了する。 今度は女の子風貌な彼がおずおずと質問をせんと、小さな唇を動かして。 「メリッサさんは、……その、……何を?」 「…………聞きたい?」 「いえ! いいですやっぱりいいです!」 ゴゴゴゴゴゴ。メリッサの背後から襲来する効果音。顔を暗くした彼女を前に、エリアーヌはぶんぶんと頭を大きく振った。 聞きたいような、聞きたくないような、あの囁き声。本人達のためにも内容は割愛させて頂く。乙女と雄女(ヲトメ)の秘密はかくも深いのだ。 二人は、ジュリアとオルカが工場から出、旧市街の中心に続く道を歩き始めたのを見計らって、ドラム缶の裏から姿を現して追跡を再開した。 .
黒い前髪を手櫛で整えた後、ついさっき食べたご飯を脳裏に浮かべてみる。無国籍料理。海鮮類をたっぷりと使ったスープ。甘い味のご飯。塩気の利いた肉を焼いたもの。オルカが連れて行った店は、ジュリアの味覚を的確に刺激した。つまり美味しかった。 ジュリアとオルカは、昼下がりの街をのんびりとぶらつきながら、世間話をしていた。霧は現在進行形で濃くて、旧都市特有のどんよりとした空気に一つまみよどみを加えているようであった。 店がごちゃごちゃ乱立し、道のド真ん中に鉄柱がそびえ立っている場所すらある。空を見れば右に左にケーブルやら旗やら洗濯物が目に付く。男女子供から老人まで、様々な人間が住む街。迷路のようなその場所を、ボーイッシュな外見な彼女と、柔らかい印象の彼が歩いていく。 今日、二人がこうして一緒に居るのは、某(略)の策略だったりするのだが、当の二人はそんなことはどうでもいいようである。もっとも、二人の間にある『認識』には微妙な誤差が生じているが。 ジュリアは気がついた。視界の端っこに、不審な動きをする何かが映りこんだ。通路を右に曲がったところで、空を見上げる振りをして眼球のみを背後の方向に向けた。 平常を装った声がオルカの耳に発せられる。 「つけられてる」 「えっ?」 「誰だか知らないけど、居る。オルカってば借金取りと友達だなんて」 「居ませんよ、そんなの。借金取りに追われるようなヘマはしません」 「知ってるよ。からかっただけ」 ポンポンと紡がれる言の葉。前を向いたままで意思疎通。感覚を使って、追跡者が危険かどうかを計測するが、よく分からない。ひょっとして友人か誰かかも知れないのだ。 今度は七方向に分かれた道の一つを選んで進む。 やっぱり、誰かがつけてきているようにも思える。 ジュリアの右手がポケットに入れられ、銀色の携帯電話を取り出した。手早くボタンを操作して、とある人物に電話を繋ぐ。耳に携帯電話を宛てたその瞬間に、目的の人物と電話が繋がった。早すぎて一瞬驚いた。 『遅かったじゃないか……』 重苦しい声が向こう側から響いてきた。ジュリアは、人ごみをオルカと越えながら電話の向こうに声をかける。 『どーせ暇なんでしょ? ストーカーっぽいの居るからヨロシク』 『承ったぁあああああああああああああああ!』 『いちいち叫ぶな』 咆哮する相手を軽くあしらって、通話を切り、ポケットに携帯電話を滑り込ませる。 数秒後、どこからか声が響いてきた。 くわんくわん反響して耳に悪い。 「俺を呼ぶ声が聞こえる!」 道を行く人々が怪訝な顔で立ち止まり、きょろきょろと辺りを見回して、音源を探ろうとする。ジュリアが指を上に向けると、人々が反射的に空を見上げた。 建物の上を駆け抜ける一つの影。それは、忍者を彷彿とさせる身体能力にて壁を駆け、人の少ない場所目掛けて跳躍した。間延びした滞空時間。着地するや、前転を決めて、両手を斜めに突き出し、腰を落としたポーズを決めた。 あれはなんだ? 鳥か? 飛行機か? いや、そんな生やさしいものではない――。 「ニコラス=シーゼンコード参上!!!!! フゥハァーハァー!!」 ただの変態だ。 エナメル生地のロングコートを羽織り、金色の髪をオールバック。電飾のついたサングラスを装備。ズボンだけは普通であったが、暑さ対策なんだよと表現したいのか、コートの下にシャツすら着ていない。胸元は全開。筋肉は凄かった。 世界一自由な漢(オトコ)、ニコラス此処ニアリ。 効果音をつけましょう。何がいいかな。『ぎゅぴーん☆』かな。
「Hey!!!」 ヘンタ……ニコラスは、物陰で様子を窺っていたメリッサとエリアーヌに向けて大声を張り上げると、一般の人たちの痛い視線を銀河の外まで反射するような怪しいダッシュで駆け寄っていき、傍で静止して、じりじりと接近し始める。 街中でポーズを決めて誇らしげ。もう、なんでもいいから彼を止めるべきである。止めないのなら正々堂々背後から致命的な一撃を加えて天誅すべきである。 追跡者が知り合いだとは露とも知らぬジュリアとオルカは、好機と考えて人ごみの奥へと逃げていった。 メリッサとエリアーヌは、知り合いと思われたく無いと、穴があったら入りたくなった。だが世の中そう上手くはいかない。穴なんてない。隠れようにも難しい。 「ちょ!? またアンタかー!」 「アイ! ラヴ! ユーゥゥゥゥ!」 「来るなー!」 喉も枯れんとばかりの告白と拒絶。 中腰でじりじりと距離を詰めてくる変態に、メリッサは隠れることを忘れて大声を上げつつ後ずさる。表情は恐怖やら怒りやら羞恥やら、なんとも言えぬ。 いつにも増して酷い格好。サングラスの電飾がデコトラよろしく光を放っている。電力はどこから来ているのだろう。きっと電池だ。体内電池。ついでにどこかにスピーカーを仕込んでいるらしく、みょんみょん奇妙な音が聞こえる。 他の人の視線が痛いとメリッサとエリアーヌは思った。 ニコラスは思わなかった。 変態は、徐々に距離を取る二人に、眼を輝かせて迫る。両手はウナギなんだと言われても「そうなのか」と納得してしまう滑らかな動きで、指がわきわきと動いている。 「結婚してもお綺麗だ……。エリアーヌ君も可愛いZE!」 メリッサは、エリアーヌの小さい手を握って、一歩下がり。 人ごみが彼女と彼を通すべく縮小する。 メリッサは、髪型を動きやすいポニーテールにしておけばよかったと後悔しつつ、変態から眼を逸らさずに足の位置を修正した。一方のエリアーヌは、恐竜に襲撃された小動物のように身をびくびくとさせていて。 「……エリアーヌ君」 「はい」 「逃げるわよ!!」 「はい〜〜ッ!!」 くるりと方向転換、メリッサとエリアーヌが逃走を開始した。 周囲の人がドッと謎の応援を送る。助けようとはしないが、理由も分かる気がする。何せ相手がニコラスなのだ。関わったら負けというか、そんな感じ。触るな危険。 獲物を逃すかと、ニコラスが疾走する。速度は紫電の如く。電飾がぱらりらぱらりら。 「ヒャッハー!!」 意味不明な鬼ごっこが此処に開始した。 悪意は無い。 目立つのが好きなだけなのだ、彼は。 ……そう言い切れるのが悲しい。 .
「まいたかな?」 「うーん、多分逃げ切れたと思います」 一方その頃、変態が時間を稼いでいる間に、人気の少ない港に到着した二人は、放置されていたボートの内側に腰掛けていた。海は白髪の色で染まっていて、船どころか地平線すら見えない有様であった。 潮風に体を撫でられながら、『月光』の箱を取り出し、一本指で抜き取って、ライターで着火。箱をポケットにねじ込みながら口に咥え、ニコチンを摂取。熱い紫煙が狼煙のように立ち昇る。 熱い煙が肺を犯し、脳細胞を活性化させていくよう。 一連の動作を見遣ったオルカは、諦めの溜息をつきつつ頭を振った。男性のそれにしては柔らかい髪の毛が揺れて。 「禁煙はどうしたんですか?」 「してるよ。何百回も」 にぃ、と口元を上げて笑み、赤い瞳でオルカを見遣る。毎度お決まりのパターンだ。禁煙は何度始めても続かない。 カモメがきぃきぃ鳴きながら頭上を横切った。 ジュリアが口から煙草を外し、一指し指と中指に挟んでオルカの方に向ければ、蚤より小さい火の粉が一瞬だけ生まれて消える。ほっそりとした首筋を傾け、問いかける。 「吸ってみる?」 「…………」 目の前で揺れる煙草を見つめ、喉から声を上げるオルカ。吸ったことが無いし、吸うつもりもない彼にとってその誘いは、嫌なものなのだが、『間接』が出来る魅力がある。 馬鹿か自分はと思い直し、首を振ると、彼女は残念そうに煙草を咥えなおしてしまった。 ジュリアは煙を目一杯吸い込み、天空目掛けて吐き出した。ボッ。煙草の先端で赤が強まって、徐々に元通りになる。 「美味いのになぁ……」 「体に良くないですから」 「でも酒は呑むくせに」 「いや、それは……」 会話が途切れた。コンクリートを叩く波の音や、海鳥、風の音をBGMに、それぞれが好きな場所を見て、時間を消費する。秋の気配を抱いた風が鼻腔の奥を懐かしさに似た刺激を与えて。 空を見て、海を見て、指の隙間で煙を生ずる煙草にピントを合わせる。 海を見て、空を見て、港に停泊して煙を吐いている船の煙突にピントを合わせる。 見つめる先が、自然に相手の瞳へと移った。 「昔もこんなことあったなぁ」 「ですねぇ。船に忍び込んだりして」 「あー、それで船員につまみ出されて海に突き落とされたり」 「……あの時も僕が助けたような」 ぱくりと煙草を咥え吸い込み歯で固定、隙間から放出。 息を吸い込んだ瞬間を狙っての攻撃に、思わず咳き込み、片手で煙を払おうとした。 「けほっ……、ぁー、けむい。……何をするんですか」 「吐息を味わいなと。美味しい?」 「美味しくないです」 「…………」 「…………」 また、会話が無くなる。 それは宴会の最中、皆が酒を呑んでいるのに訪れる静寂にも似ていて、心地よさがあった。 煙草『月光』を口にしたままでボートの縁に寄りかかって、何気なく港の一角を見た。
「お?」 思わず短い言葉を発する。港の一角、魚を獲るための網がある場所に、人影がある。それが漁師やツナギ姿の作業員だったら疑問には思わなかった。何故眼を止めたかと言えば、その場所に居たのがまだ幼い少女だったからだ。 縁に頭を乗せ、じっくりと観察。一点を見つめ始めたジュリアの様子に気がついたオルカが、無言で同じ方向を見遣る。 少女はしゃがみこんで網を見ているだけではなく、蟻を潰すように人差し指で突いている。髪型は、あまり見ない、三つ編みにお下げ。艶を完全に失った髪と、泥に汚れた頬、そして所々が破れた服が彼女の状況を示している。孤児か、それに順ずる待遇なのだろう。 ジュリアとオルカは目配せした。ジュリアの口にあった煙草は既に携帯灰皿の中にある。 「オルカ、あれは……」 「放っておくわけに行きませんよ」 「同意。行こう」 二人の人間が降りた反動でボートが揺れた。 フワリと着地した二人は、横に並んで少女の方に歩いていく。少女はこれこそ一番の楽しみとでも言わんばかりに、ただ無心に網を突いて遊んでいる状況。何が面白いのかは分からない。 港の造りの粗いコンクリート製の地面の上を歩いていって、少女の傍で止まる。少女は顔を傾けるように二人を仰ぎ見た。 ジュリアとオルカが口を開かんとする前に、少女が口を開く。青い眼がぱちりと瞬きをした。 「………夫婦?」 「違うから」 「……違いますよ」 間髪無く答えたジュリアに対して、オルカの答えはやや遅かった。
少女の名前は、『クー』と言った。 本人の言うことが正しければ、旧都市区のとある場所にある、既に使われていない倉庫に住み着いており、もう数年はそこに居るのだという。家族は居ないが、多くの猫と共に暮らしているらしい。 それで、その猫のオヤツかなにかとして魚を探しに港に来たということらしい。 「普段は何を食べてるの?」 先ほどのボートの傍に腰掛けたジュリアが、ボートの前で体育座りをしているクーに尋ねれば、 「たまに人が来て、食べ物をくれる」 と、それこそお前はどこの捨て犬だというセリフを、クーは淡々と答える。 「孤児院には行きたくないの?」 と、クーの傍に座ったオルカが質問すると、 「嫌。猫と一緒がいい」 クーは質問という名の提案をにべもなく跳ね返した。 どこからか入手した白い石で地面に『∞』を描き続けるクー。∞を見つめ続けるオルカ。ジュリアは、何をしようかと思考を張り巡らせている真っ最中。 この三つ編みお下げの少女を見ていると、猫にエサを上げたくなるのと同じような感覚が込み上げてくる。背中を丸めているとなおさらだ。猫が人に化けたように見えて仕方なかった。 煙草の匂い漂うジュリアが、クーの横顔を見ながら喋りかける。 「ところで帰り道は分かる?」 「分からない」 「え?」 「分からない」 「なんだそりゃ」 自分の意思で来て帰れるものだと思っていた二人だったが、違うらしい。詳しい話を聞こうと、ジュリアとオルカはクーの顔を覗き込んだ。クーの青い瞳が地面から離れて二人の顔を順番に見遣る。朝露のように光る瞳だった。 風で揺れる三つ編みを、クーの手が押さえ込む。近場で見るとボサボサの髪を無理矢理編んでいることが分かった。きっと、彼女しか分からないこだわりがあるのだろう。もしくは、語りたくない思い出があるのか。 「ミーが迷子になって、見つけて帰るように言って、そのついでに港に寄ったら帰り道忘れた」 「ミー?」 「ミー?」 「猫の名前」 恐らく同居している猫なんだろうと思いつつも、二人して声に出してしまう。『帰るように言って』の部分に突っ込みを入れなかったのは、聞くと常識が瓦解しそうだったからだったりする。 クーの放置しておくと夜が明けるまで『∞』を描き続けそうな感じに、二人は行動を起こそうと決心した。最初にオルカが口火を切る。 「クーちゃん。僕たちが家を一緒に探してあげるよ」
クーの家を探すのは、昔訪れた場所を探すよりも遥かに難易度が高かった。 彼女の口から語られるのは、お世辞にも分かりやすい手がかりではなく、『あっち』『こっち』が大量で、二人がふと気がついた時には日はすっかりと暮れていた。 クーの家、倉庫の中には光る眼が大量にこっちを見つめていたことは言うまでも無い。
疲労は、程よくあると睡眠の助けになり、また寝転んだ際に心地よさを感じさせてくれる。 倉庫を探してずっと歩き回った所為か、足の筋肉や腰などが疲れを訴えてきているのだが、一般人よりかは鍛えているジュリアにとって余り苦にはならない。どちらかと言えばオルカの方が疲れている。 『家まで送ります』『いらない』『送りますってば』『一人で帰れるよ』の応酬を一通り繰り返した後、結局折れたのはジュリアの方だった。空に黒が混じり始める頃、ジュリアは自宅の前に到着することが出来た。 島の環境を覆っていた濃霧も今は無く、上を見れば、暗い群青と鮮やかな朱色と、波間に白や赤の星が見える。かつての地球と違って厳しい制限があるネオ・アースでは、環境は極めて良好なので、星がくっきりと見えるのだ。 空気が生ぬるい。ハァ、などと溜息にも似た呼吸をしたジュリアは、玄関前に歩み寄り、上半身だけを捻って、立ち尽くしているようにも見えるオルカの方に手を振った。 「じゃあな。おやすみ」 「はい、お休みなさい」 特に何かあるわけでもなく、扉の向こうに彼女が消えていった。がちゃん。ドアが閉まって、今日一日が終わったのだと聴覚が告げる。ドアの向こうでがさごそ音がしたのち、静かになった。 溜息をつく。そして、また溜息をつく。薄手のジャンバーの左右ポケットに両手を突っ込んで、孤児院へと足を向ける。 期待したことは無く、自分がしたいことも出来ず。 頭を掻き、一人夜の街並みに消えて行った。 【終】
これで今回は終了です。 探険パートとか日常パートとかって分けるなら、日常パートでした。にしてもグダグダだったなぁ。 クーの髪型は某お方を参考にしました。特に意味はない(キリッ
>>709 投下乙!これはPBM氏暴走確定かw
さて、ゆっくり読ませて貰うぜメーン
>>709 投下乙です!
三つ編み……三つ編みか……! フフフ、フ、フフ……!
では、じっくり読ませていただきますよ!
>>712 ほらいわんこっちゃない!
>>709 改めて投下乙!日常は和むなぁ、投下ラッシュで戦闘多めだったからなおさらw
相変わらず潮の薫りを感じる素敵な話でござった。つかメリッサ、もしかして……
ニコラスは……うん、そうだね、手遅れだね
次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>711 そう、その通り。
↓
>>712 三つ編みフェチとはまさに――!w
>>713 感想ありがとうございます。
ニコラスの変態度は既に有頂天です。アレがノーマルなのですw
日常の描写って、戦闘とは違った難しさがあります。勉強しなくては。
あー お気づきになりましたか。
匂わせただけなのに鋭い。正解はそのうちあるかも分からんですね。
次回も頑張りますぜ!
あるぇ〜? まとめwikiに入れないよ〜。 神様、自分は何かをしましたか?
俺は入れたけど……
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↑これが出てしまう。メールを送らないといかんのかな(´・ω・`)
ってか、イカン。うっかり別の場所からコピーしたのをまんま載せてしまった…。
三つ編みって最高ね! イィィヤッホォォォォゥ!!
>>709 改めまして投下乙ですイィィヤッホォォォォゥ!!
まったりした雰囲気が素敵ですねイィィヤッホォォォォゥ!! 私も日常を書きたくなりましたイィィヤッホォォォォゥ!!
しかしオルカとジュリアは相変わらずもどかしいですねイィィヤッホォォォォゥ!! 二人の関係はどう落ち着くのか非常に気になりますイィィヤッホォォォォゥ!!
あとメリッサは……ユトの奴、やる事はきっちりやってるんですねイィィヤッホォォォォゥ!!
ニコラスはあれでいい、あれでいいんだ……イィィヤッホォォォォゥ!!
いや、そんな事より。
クーちゃんを僕にくだs(ry
では、時間も楽しみに待ってまイィィヤッホォォォォゥ!!
すまん、勢い余って途中送信した
>>717 IP変えるってのは?俺は方法知らないけど……
>>719 うるせぇwwwwww
>>709 投下乙です。
ニコは相変わらずですねw
メリッサは来年が楽しみですねw
クーちゃんは…このスレから逃げるべきだw
>>719 『9』イィィヤッホォォォォゥ!! 頂きましたー!!
そのクーちゃんですが、残念ながら、差し上げられませんのでご了承下さい。
>>721 ハッハッハ。メールで送信してみました。なんでこんなことに…。
>>722 クー「なにあれ怖い」
ちなみに1イィィヤッホォォォォゥ!!につき1億ジンバブエドルとなっております
× 時間
○ 次回
ちょっとツクヨミさんとニコラスとオルトロックと一緒に忌む室行ってきます……。
>>717 なんてこった、これは面倒な事になりましたね……。
しかしこういう時にどうしたらいいのか、私は知らない……orz
>>723 なん……だと……!?
>忌む室 誤字だろうが、あながち間違ってないから困るw
>>709 投下乙です!
感想は後ほど……
……筆が進まないぃぃぁぁぁぁっ!
730 :
遅筆 :2010/02/10(水) 21:57:10 ID:1C7qYStl
マスター、俺の席まだ空いてる?
ちょっと待って下せえ……
>>730 貴方の席はいつでも空いてますよ
おいwwwめでたいにも程があるぞwww
>>730 お か え り !
今更だけど、釣りじゃないよね、釣りじゃないんだよね!?
かなり忙殺されてまして、作業が遅々として進まないんですが、一応生存報告(?)を 投げてはないですよ、ちゃんとやっておりますとも!! あと前よりはだいぶ不定期にはなりますが顔ぐらいは出せるように…なるかも? 2ヶ月間ガチで来てないので流れは全く分からないんですがww 今!全力のおぉぉぉぉぉ!! 今・北・産・業!!
>>736 去年と同じような時期にトランザムバースト発動
一週間後にPBM一周年&タウエルンとのクロス予告投下予定
管理人さんとざいふり氏復活
>>736 うわーマジで遅筆復活ですかい!
管理人さん復活と良いこのスレで凄い事が立て続けに起こりますね
自分に関してだと
パラべラムさんと
クロスを
組ませて貰いました
>>736 遅筆氏が
帰ってきた
こんなに嬉しい
事はない
>>739 3行に纏めてください師匠w
あと細かい事言うなら
たまちゃん本気モード
wiki若干模様替え&大量更新
露 出 狂 出 現
>>567 つけたほうがよさそうだな
もう設定とプロットだけに集中してるわ
ここは設定の絵とかもあげていいの?
絵といってもメモみたいな程度の低いやつしかかけないけど
>>709 投下乙です!
ニwコwラwスwww久々の登場がアレとはwwwいいぞもっとやれ!
メリッサは……( 0M0)<ナルホドソウイウコトカ
ジュリアとオルカの距離感が……こう、もどかしくてくすぐったい感じだね!いいね!
次回も潮の響きを楽しみにしとります〜w
>>730 空いてるかって?勿論さ!
さぁこれは俺の奢りだ( =ω=)っ【トム&ジェリー】
ホットカクテルだから暖まるぜ?
>>741 カモン! レッツパーリィィィィィィ!!
745 :
遅筆 :2010/02/10(水) 22:35:56 ID:1C7qYStl
>>745 おぉぉぉぉぉぉ!遅筆さんのリべジオンとネクソンだぁぁぁぁぁ!
……真ん中の女の子は一体
>>745 まだ信じられねーなー
新作を描いてもらわねーと
お願いします先生!
>>745 イィィヤッホォォォォォォォォォゥ!! 完全復帰を楽しみに待ってますねっ!
>>745 ―搭乗者本人と確認。
―スリープモード解除。
―主機関機動。
―『王の帰還に祝福を』
>>736 おお!それは喜ばしい!!
と、静養中ですが同業者としてレスさせていただきやす
誤字とか締まらんなぁ俺w
>>746 拙作のヒロイン(狐耳ver)ですよーw
>>730 おかえりなさい!
皆があなたを待っていた!
加速しすぎてレス数が容量に追いついているwww
まったく、遅筆氏といい管理人さんといいざいふり氏といい愛されてますなぁ!
>>755 あんたもな!
基本的に皆愛されてると思うよw
ロボスレは愛に溢れたスレッドです。 ロリ方向に偏っていますけどね!
しかし18スレでこれなら、20スレで何が起こるのかと
レガシアムのあおさんやゼノライの作者さん等、何処か遠くに行かれた方々が戻って来られると良いんですが……
>>750 >>752 これはとんだ失礼をorz
そういや俺の席も空いてるのだろうか…
ロボとロリは一文字しか違わないから問題あるめぇよw しかし十日持つのか18号機……
760 :
遅筆 :2010/02/10(水) 22:53:01 ID:1C7qYStl
>>746 祈りさん(趣味Ver)ですw
>>747 全速力執筆中です、冬の亀並みに遅いですが…
>>748 パソコンの前に来れるくらいにはなりました、完全封印状態でしたのでw
>>749 誰あろうマスター・オブ・オネーサンスキーとは私のことDA!
>>751 自分もまだ完全復活まではまだ時間がかかりそうです('A`;
>>753 ありがたいお言葉、感謝します!
>>755 ありがてぇ、ありがてぇ!!
>>756 だから戻ってくる気になるんですね、わかります
>>757 私が巻き返す!
久々に返レスすると凄い疲れますねw
久々のジンクス発動ですね!
>>758 ガラガラなんで大丈夫ですよw
なんと、ロリコンでないのはわしだけであったかい
>>758 あるよ!
てか姿を現せい!
>>760 >だから戻ってくる気になるんですね
なんかよくわからんけど涙出てきた
自分の作品も今の所ロリ率ほぼゼロだけどな! そして脱ぐのは顔の怖い兄ちゃんくらいだ! どうしてこうなった!
あと10レスで人類が滅びます
>>758 当たり前だろう?まぁ座りな。
( =ω=)っ『ホット・バダード・ラム・カウ』
ホットカクテル第二弾だ。まぁ暖まってくれ。
この早さならいえる 去年の暮れに逐電したロボ描きでございますが、一応生きてます
雪解けの季節か……
だから誤字……落ち着いて書き込まないからorz
>>709 久々の投下、乙でした
相変わらず描写力というか作品の空気感を出すのが凄く上手いですよね。感服します
にしてもメリッサとエリア―ヌのコンビと良い、ジュリアとオルカといい、会話の間が良い。とても良い
そしてニコラス兄さんwwwその格好は犯罪ですよwww
次回も楽しみにしてます!
投下ラッシュの次は生存報告ラッシュですかw
>>770 生存報告、ありがとうございます!
作品の投下を楽しみに待ってますね!
>>760 重ね重ね失礼しますorz
にしてもお元気そうで、何より
>>770 お久しぶりです!
前線復帰する日を楽しみにしていますぜ!
とりあえず新酉を搭載!
あ、あとこれからは自分の投下する絵はwikiに収録して頂けると助かります
さっきのは除きますがw
>>762 俺がいるぜ兄弟!
>>773 おひさしゅう…ロボスレよ、私は帰ってきた!!
>>776 18号機にオラオラスレとかそんな感じのペットネームつけるかw
>>779 >これからは自分の投下する絵はwikiに収録して頂けると助かります
了解しました!
>>780 アリアリとかボラボラとかじゃ駄目ですかね?w
>>781 あなたの席が無いわけなかろうw
ゆっくり書けばいいのよ?
>>782 アリアリだけにアリじゃね?
これで規制さえ……いや言うまい
おい今日100以上スレ進んでるぞwww
>>786 スレ……だと……?
臨界突破過ぎる……!
冷静になると全然おかしいことはなかったでござるの巻 ちょっとツクヨミ先生が脱いでると噂の保健室で身体測定してきます
ついだよ!わざとだよ!「が」が抜けたんだよ 最近こういうミス多いなあ……
投下ラッシュだったから割と早く埋まるかなぁ、とか思ってたけども意外と800まで進んだのね 作品もラッシュだけど、普通の会話もラッシュしてるから進みが早いこと早いことw これで生存報告ラッシュが来たから、19スレ目は一体どうなることやら…… ロボスレに軽く嵐が到来してますねw
とりあえずwiki読みまくらないといけませんね
というかwikiデザイン変わってるしww
ロダ見たら
>>882 氏と師匠だらけだったでゴザルの巻( ´・ω・)サムネで吹きだし余裕でした
あ〜…色々変わってるなぁ
そして俺の絵もこの二ヶ月でだいぶ技術的に降下しまくって…orz
時間見つけて描くしかないけどその時間が無いというジレンマw
とりあえず目下の目標は完全復活か…絵の練習からやり直しだよママン
>>792 夏と同じダブルラッシュ状態だなw
しかしこういう展開はモチベーションの上昇に繋がるからいいねぇ
>>789 ムチャシヤガッテ……AA略
んでは小ネタでも
ちょっと前にロボスレ大戦の嘘広告投下したのに関連して
「ロボスレ大戦各話のタイトル」
例えば
スーパーロボスレ大戦SS第十三話「双龍共闘」(共通ルート)
ソルディアンとドラグリヲ登場
〈ゲニウス〉からの情報で新たなアバドンの下に急行したソルディアン。
そこには無数の害獣を取り込み、とてつもない再生力を身につけたアバドンが!
苦戦する隆一郎の前に、害獣を屠る銀色の龍が現れる!
と、勢いで書いてみるw
>>792 一方あるロボ描きは隣人たちの住処の芝生の青さに目を焼かれていた
いやあ己の浅学非才ぶりがもうね
>>793 師匠が凄い勢いで改装してったからw
メンバーにもなったし、実質副管理人状態かな
>>795 これは流行りそうな予感がw
遅筆氏が返ってきたと聞いて よしなんかやる気がわいてきたし頑張るか!!!
>>795 おお、面白いですねこういうのw
でも寄り道をしている暇はまだないんだ……!
>>801 大丈夫ですか? シャレにならない場合があるので注意してくださいね。
>>802-803 心配して下さってありがとうございますww
何か膝小僧から血が止まらないけど私は元気ですww
>>804 傷口から黴菌が入る恐れもあるので早急に手当てして下さいね。絆創膏張るなり
そういや容量は大丈夫ですかな。自分、スレ立ては規制になっちゃてるんで……
役立たずすんません
>>804 塩沢兼人氏みたいにならないとも限らな……(´;ω;`) ウウッ
キズパ○ーパッドを渡せないのがもどかしい(´・ω・`)
>>806 ( ´;ω;`)っ「ハンカチ」
>>805 現在394kbですねー。残りレス数的にあと1本くらいが限界かしら。
なんにせよ、久々に
>>1000 を拝めそうですねw
>>806 (´;ω;`) ウウッ
>>805 絆創膏貼っておきました。
アドバイスありがとうございます。
>>806 寂しいですよね……
個人的には郷里さんが……
郷里さんといい鈴置さんといい塩沢さんといい、まだ若かったのに……(´;ω;`) ウウッ そういえば絆創膏は貼らないほうがいいって聞いたけど本当かね
>>811 傷の状態と場所による
極力露出させて乾かした方がいいのと
絆創膏で傷口押えたり、覆って防いだりする方がいいのがあるから
切れ味のいい刃物による切り傷には瞬間接着剤代わりと便利だな
813 :
創る名無しに見る名無し :2010/02/11(木) 00:15:47 ID:y+2+Ofkq
>>812 へえ、そうなのか。サンクス、勉強になったよ
>>808 あと一本っていうと、このまま誰も上げなきゃ流れ的に土日くらいにTロG氏が上げて次スレかなー
DaZは文章仕上がってるんだけど、挿絵を描こうと思ってるから次スレだなぁ
>>814 >挿絵を描こうと思ってる
wktkが止まらない!
投下します。短いので支援は結構。
※ 田所正男はロボヶ丘市街を歩く。感覚のない左足を引きずり、引きずり。 虫の這うような移動で、傍から見ていて焦れったいほどに遅かった。 そこは、彼が毎日通ってきた道だ。迷いなく進む者は間もなく、正義の味方を標榜する組織・E自警団が極東 に構えた拠点のひとつ、セイギベース3へと至るだろう。 『ヘイそこのキミ! 巨大ロボットのパイロット、やるよね?』 はぐれ研究員・龍聖寺院光に街角でスカウトされてから、操縦訓練は倦まず弛まず行ってきた。 まとまった時間がとれる度に、田所正男はセイギベース3地下の訓練所へと足を運んでは、操縦桿に手垢を擦 り込んできたのだ。 巨大ロボットを支えなしで直立させるのに丸四日、歩行に三ヶ月と三週間、走行に二ヶ月と少し、それと併行 しての基礎的戦闘動作習得にもう一ヶ月を要した。それら途方もない積み重ねこそが、最強無敵ロボ・ネクソン クロガネ専属の天才高校生パイロット・田所カッコマンである。 (そう。ずっと眺めた道だ……。それが今や、どうだ) 通りに面するさまざまの店舗の並び、街路樹一本一本の間隔すら、瞼の裏に焼きついている。 もっとも今のロボヶ丘市の景観は、田所正男の記憶するところとは違っていた。 叩き割られたショーウインドウ。捻じ切られた木。罅割れた舗装道路。そして、姿を消した人びと。 (まるでゴーストタウンじゃないか) 戦いに倒れた自分を匿ってくれていた謎の人物の書置きを思い出す。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは、田所カッコマンは、つまり正義なるものは、このロボヶ丘において敗北 したのだ。……誰に? 決まっている。 「……真最強無敵ロボ・ネクソンシロガネ……!」 敵意を丸めて口にした。 突如として日本を強襲した巨悪の刺客。 悪の総本山・ワルサシンジケートが送り込んだ、シロガネ四天王。そのそれぞれが駆る超級巨大ロボット四機 が合体した姿こそが、真最強無敵ロボ・ネクソンシロガネだ。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを蹴落とし、真なる最強無敵ロボの座に君臨した、白銀の大巨人。 (そうだ。俺は。何も、何も出来なかった) 田所正男は弱々しく唇を噛んだ。 今なら、はっきりと思い出せる。その圧倒的な威容を。強大さを。 そして、未だ心に染みついた恐怖と絶望を。 ※ 『真最強無敵ロボ・ネクソンシロガネ、だとっ!?』 「これもネクソンタイプなのか……!!」 龍聖寺院光琉と田所カッコマンから、相次いで発せられる驚愕の声。 『はぐれネットワークで噂を聞いたことがある! インテツ、スチール、オリハルコン、アダマンタイト、ダマ スカス、ミスリル、ソードメタル、ガンメタル、コガネ、アカガネ、クロガネ、サビドウに続く、十三番目のネ クソンと、それに付き纏う恐怖の噂!』 「それが、真最強無敵ロボ!」 「『ネクソンシロガネッ!!」』 忌むべき名を、示し合わせたかのように同時に叫ぶ。それだけで、その凄まじい力までをも認めさせられてし まったような感覚に陥る。ちらちらと視界が攪拌される。
「その通り」 「こうなったが最後」 「誰も生き延びることはできないわ」 「とくと味わうがいい、我らが超・筋肉を」 若干一名が浮きながらも、シロガネ四天王は確かにひとつになっていた。 これまでのような出来の悪い波状攻撃のような雑な連携はもはや期待できないということ! (しかし、これはむしろ、チャンスだッ! 四体もいたのが、すっきり一体になったんだから) 少年は、ズタズタになった体に鞭打った。黒の鋼が、それに付き合って軋む。彼らもまたひとつ。掛け替えの ない絆で結ばれた、最強無敵の巨大ロボットだった。 田所カッコマン、これが最後と決めて息を吸った。深く、長く。しかし腹いっぱいはいけない。芯に渡るだけ あればそれでいい。 この正念場に、エネルギーはおよそ一発分。 ――行くぞ、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが、“灰”色の光を帯びる。 終ぞ未完のままに必殺技が発動する。隕石に立ち返って、巨人が駆ける。想いのすべてをぶつけなくては、誰 をも止められはしない。 「迸る勇気! ネクソンクロガネアニヒレイターッ!!」 迎え撃つは―― 「ネクソンシロガネ――クラッシャー」 ――白に輝く牙。怪物の顎門。 「馬鹿な、男だ」 カッコマンエビルが、いつもの物々しい調子で呟いた。いや、わずかに得意気であっただろうか。 「せめて“annihilator”を、“アナイアレイター”と発音していれば勝負は分からなかった……」 真最強無敵ロボ・ネクソンシロガネが、袈裟・逆袈裟・右斬上・左斬上の四方向からネクソンクロガネを挟撃 し、その両腕両脚を引き裂いていた。いとも容易く。何かの冗談のような光景。 黒の四肢が、黒の胴体が、地に堕ちる。超ネクソン黒鋼製の四肢がだ、最強無敵の胴体がだ。 ここに、正義は敗北した。 ヒーローモノの導入で街を襲った謎の敵機に、通常戦力が力及ばず蹴散らされるように。 想いなど届きはしなかった。田所カッコマンの記憶はそれきり途絶えている。脱出装置が作動したような音だ けを、しこりのように耳の奥に残して。 そうして、悪の時代がやって来る。 ※ 『ワルキューレは、既に前期比600パーセント以上と売上快調です。武器弾薬やアタッチメントなど関連商品 なども飛ぶように売れています。これは、春先の中東での損失を補って余りある成果と、悪鬼山悪鬼子(あきや ま あきこ)最上級エージェントも絶賛しておられました」 「ふむ」 ワルサシンジケートの最上級エージェントであるイッツァ・ミラクルは、魔窟Mk−Uの最奥にて秘書からの 定期報告を受けていた。 “ワルキューレ”とは、ワルサじるしの犯罪用ロボット兵器の総称である。 ネーミングから優美で女性的に思われるかもしれないが、その実態は武骨なものから変態的なものまで多岐に 渡っている。 「ロボヶ丘市は、念願のオモチャを手に入れて箍の外れた犯罪者達の天国となっています。犯罪者同士の抗争も 頻発しており、更なる収益が期待できるかと」 「そうですか」 イッツァ・ミラクルは面白くもなさそうに相槌を打つ。 ここまでは、概ね計画通りである。 今回のE自警団強襲作戦には、幾つもの目的があった。 内外には“敵対するE自警団への牽制”ばかりを強調しているが、イッツァ・ミラクルにとってそれは心底ど うでもいいことだった。
(これまで、ロボット犯罪はハイコスト・ローリターンだといわれてきましたが) ワルキューレそれじたいが極めて高価であり、操縦にもあるていどの習熟が必要となる上、整備・修理・補給 や保管場所の確保など維持費も馬鹿にならない。 警察のごときは力押しでねじ伏せて、田舎で裸の王様になるくらいは楽にできる強大な兵器なのだが、それも E自警団が出張ってくれば一巻の終わりではあった。 (そんな有様でまともに商売が成立すると思うほうがミラクルですよ。しかし、抑止力となっていたE自警団の 勢力を弱体化させることで、犯罪者達が安心してワルキューレで暴れられる環境を整えれば……。あとは神の見 えざるミラクルによってうへへお金ガッポガッポ!!とまあ、こういう寸法です) ほかに、ワルサシンジケート保有技術のイメージ戦略を含む、シロガネ四天王のコマーシャル。真最強無敵ロ ボ・ネクソンシロガネの実戦テストなどもそこそこ重要な部類に入る。 そしてもうひとつ。ワルサシンジケート大首魁、ドン・ヨコシマにすら秘匿している目的が存在する。 (くれぐれも、よろしくお願いしますよ――) イッツァ・ミラクルは、ある大火山の山麓へと赴いた狂博士に思いを馳せた。 それは巨大頭脳。 何者のかと問われれば、“悪”の。 すなわち“悪の巨大頭脳”! あらゆる生物あらゆる機械を死に至らしめる情報の猛毒を、一夜にして精製するという男だ。 全世界の古代言語を独学で修めてみせた偽ヘルマヌスや、暗号解読の専門家サイファーABC(アビス)らと 共に、伝説のワルヤマ理論の謎を解き明かし、ワルキューレの量産において多大な貢献をした狂博士。世界で十 六番目の狂える叡智か。 (――悪の巨大頭脳・ドクトルポイズン!) ああ、何を企むイッツァ・ミラクル! ワルサシンジケートを動かす最上級エージェントよ! 全世界を戦慄させるその計画の全貌が明らかになるのは、まだもう少し先のようだった。 「ところでレディ」 「はっ」 「悪山悪男博士に動きはないのですか? 果たしてあの方が“縄張り”を有象無象に食い荒らされるままにして おくものか、気になっていましてね」 かつて、ロボヶ丘市を恐怖のズンドコに陥れた悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男。 彼自ら手掛けたワンオフの巨大恐竜メカは、量産型のワルキューレなど爪先ひとつで鉄屑に変えてしまうほど のパワーを誇る。 大儲けのチャンスが到来するかもしれないが、正義の味方に代わる抑止力となってしまっては元の木阿弥だ。 匙加減の難しい問題は情報の確度と鮮度が命。 有能なる秘書レディ・ビジョンは淀みなく答える。 「“ドローン”を十機ばかり飛ばして、情報収集やお孫さんの護衛に当たらせてはいるようですが、スタンスと しては静観といったところでしょうか」 四天王いちのスナイパー・スナイパーガマンがいなければ、ワルサシンジケートがその“空からの眼”に気づ くことはなかっただろう。イッツァ・ミラクルも喉から手が出るほど欲しがる隠密飛行能力。 “プテラノドローン”という名を、製造者悪山悪男と彼の愛孫だけが知る。悪の天才の生み出した傑作のひと つ、超高性能小型メカ翼竜。 迷彩をほどけば、斧のような頭部が特徴的なステルンベルギ属をモチーフとした、機械仕掛けの羽歯竜(プテ ラノドン)であることが分かろう。 「特定できた抜け道には監視を置いていますが、本人が研究所を出た事実はありません。……お孫さんは相変わ らず通っているようですが」 「ふむ」 「工作機械の音がしていることから、既存のメカ恐竜を改造中、あるいは新たなメカ恐竜を製造中ではないかと 報告が上がっています」 「……“第四のワルレックス”ですか」 「いえ、必ずしもワルレックス系列とは……」 確かにワルレックス系列とは限らないが、イッツァ・ミラクルの見たところ、恐竜特にティーレックスに関す る悪山悪男のこだわりは偏執狂じみている。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネにリベンジするならば尚更、ワルレックス以外の選択肢など有り得ない。 「それがオトコのコの意地というものです」 理解者ぶった顔で断じるイッツァ・ミラクルだった。 もっとも、その最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは、既にネクソニウムを抽出された鉄屑となっていた。E自 警団の技術レベルじたいは低かったこともあり、既にワルキューレの鋼材として処分された後だった。
「さておき、レディ。何かと忙しい時期でしょうが、そろそろ、かねてより頼んでいた悪山博士ハンティングの 件に、本気で取り掛かっていただきたいものです」 予定よりずいぶん遅れてしまっているが、そのことについて咎める響きはなかった。 イッツァ・ミラクルは部下に甘い。多少の失敗には寛大になることができる。 ただし、それは、この最上級エージェントがもともと“手駒を厳選している”ことを前提にしたものだった。 「……はっ。必ずや」 レディ・ビジョンは姿勢を正した。 尊敬するイッツァ・ミラクルのためならば、命を捨てても惜しくないと思っている女だ。その機会を与えられ る限り、彼女は全力をもってその期待に応えようとするだろう。
ロボヶ丘の正義と悪を取り巻く状況が加速していく。何もかもが順調だ。 そう遠くない未来に起こる“奇跡”の予感に、イッツァ・ミラクルはひとり、含み笑いを漏らした。 『イッツァミラクル!−ギラつく野望と甘いマスク−』 作詞・作曲/ドクトルポイズン 編曲/偽ヘルマヌス&サイファーABC 歌/イッツァ・ミラクル&レディ・ビジョン ああ なんて素敵なディスティニ― 魔法の時間 それは奇跡のように… 月夜に散歩を していたら(フー) きらきらキラめく 人工衛星−ナガレボシ−(オー) 気づいていたけど 唱えるさ(カネ・カネ・カネ) もひとつ おまけに(アイ・アイ・アイ) 確率じゃない 神様はいない それは夢さ 噛み締めるさ 刻みこむさ 心の中に ギラつく野望! 甘いマスク! 奇跡を呼ぶその男、イッツァ・ミラクル! ああ どうしてあなたとエンカウント 幻想世界 それは奇跡のように… 困った時だけ 神頼み(ヤー) そゆのよくない 虫よすぎ(ノー) 分かっちゃいるけど 呟くさ(マネ・マネ・マネ) 英語じゃ ダメかな(ラブ・ラブ・ラブ) 幸運じゃない 偶然じゃあない それは嘘さ 噛み締めろよ 刻みこめよ 心の奥に 射てつく視線! 氷の微笑! 奇跡を知るその男、イッツァ・ミラクル! ――忘れないで ――空がこんなに青いってこと ――そしてきみがいることそれが大宇宙の奇跡だということ! 確率じゃない 神様はいない それは夢さ 噛み締めるさ 刻みこむさ 心の中に ギラつく野望! 甘いマスク! 奇跡を呼ぶその男、イッツァ・ミラクル! ギラつく野望! 甘いマスク! 奇跡を呼ぶその男、イッツァ・ミラクル! イッツァミラクル!(つづく!)
以上!!!!!! なんだかえらいお待たせしました。六話からそのまま続きです。これっぽっちも話進んでないケドw ちょっとずつでも頑張る……つもり……。 そのうち改訂ついでに台詞前後で行を空けたりしたいな。ほら、読みにくいし。 思ったよりワルサに行をとられたので、もろもろは七話に持ち越すことにしました。 基本は携帯からなので話題に混じれないけど勘弁してください。 ではまたそのうちに。
>>822 投下乙!明日の皆の驚きのレスが見えるようだw
とりあえず皆より一足先におかえりなさいと言わせていただく!
プテラノドローンは
>>882 氏の落書きから生まれたメカだっけ、懐かしいw
そしてネクソンタイプは全部で13機いたのか……他の機体の活躍も是非見てみたいのぅ。しかしネクソンクロガネが鉄屑になってしまうとは……これからの展開が楽しみでならない!
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
キタ━(゚∀゚)━!!!!! 相変わらず王道とメタの取り合わせがたまらんっ! そしてイッツァミラクルの振りはもしかしてもしかするのか… wktkが止まらないぜ!!
なんだこの加速度は…これがロボスレの本気だと言うか……!
ロボスレ「春が来たから本気出す」
うわっはぁ! おかえりカッコマン!
>>822 投下乙です! ネクソンクロガネをいとも簡単に屠るだなんて、ネクソンシロガネはなんて強力な機体なんだ……!
共に戦ってきた相棒を失ったカッコマンはどうするのか、そして悪爺は何を作っているのか! 燃え上がってきたぁぁぁ!
次回も楽しみに待ってますね!
>>825 -=≡ _A_
-=≡ ( ●) さあ、振り切るぜ!
-=≡ /⌒⌒ヽ/⌒ヽ/\
-=≡ ./⌒ヽ, /  ̄ \\ ヽ/⌒ヽ,
-=≡ / |_/__i.ノ ,へ _ _/ \\/ | /ii
-=≡ ノ⌒二__ノ__ノ  ̄ ̄ \ヽ |./ |i
-=≡ ()二二)― ||二) ()二 し二) ― ||二)
-=≡ し| | \.|| .| .|\ ||
-=≡ i .| ii i | .ii
-=≡ ゙、_ ノ .゙、 _ノ
照井刑事こんなとこで何やってんすか
創発板wikiのロボスレの項目を更新してきたでござるのマキ まさか3号機で止まっていたとは思わなんだ
wiki更新完了! ネクソンクロガネが容量オーバー起こしたので前・後編で分けときましたー。
それにしても、ログインできるようになると更新作業が一気に楽になるなぁ。
>>828 ドーパント追いかけてきたんじゃないですかね?
>>829 創発wikiの更新乙でした!
3号機で止まっていたとは恐ろしい。テンプレも随分変わりましたよねw
さて、次スレまで残り120レスか58kb。それまでに投下はあるのでしょうか!
wikiにメールしたけど変事がない。一週間ほど時間が要るのだろうか……。
作品を読めないまま過ごすのは嫌です……。
>>822 ええい正義はまだか正義はー! クロガネかむばぁぁっく!
博士よ、さぁ早くッ!
投下乙!
そういえば、募集してた「みんなのかんがえたろぼ」が次のクロガネで出る可能性があるのかw
>>830 更新乙!
「みんなが考えたRS募集」とか思い付いたが 今やるとネタ切れを疑われそうなので止めておく
ネタ切れだなんて思わないと思うけどねぇ むしろいいぞもっとやれ!
その手があったかと思ったが、登場機会が少なそうだからイカン
みんなが考えたオートマタ募集! とか。 ……この場合個体なのか機種なのかで色々変わってきますねw
個体だったら性格云々も考えなきゃならんな
>>835 登場はさせられるけど、上手く扱えるかが若干心配でござる……。
ま〜真面目に、次回冒頭で出す味方レギュラーキャラ用のRSの設定で迷ってんですけどね 通常のとは違う、カスタムRSに乗ってるって辺りまでは考えてるんだけど、その先がまとまらないので…… 本気で募集するとしたら 既に設定は出来てる追加キャラ達の設定公開した上で ・ベース機体(スカンクエイプ系かライオンイーター) ・モチーフ動物(基本である兎に+αする部分) ・武装やその他の特徴 って感じになるんでしょうが
一撃は凄い砲を担いでるけど機動力なにそれおいしいの機体とか、ガチ装甲機とか、そんな機体が大好きです。 さぁーてちょっと考えてくる。
>>839 むしろ追加キャラが気になる私がいるッ!
あぁぁぁぁぁ……考えようとwikiをあばばばばばば
>>839 男か女か…!
まずは落ち着けw プロバイダに問い合わせてIP変えてもらうとかは?
IPの変更……? うーむ。それは大丈夫なのか…。アハハ。wikiで編集のやり方を勘違いしまくってた自分を殴りたい。 こんな時は書くしかないな!(飲酒的なニュアンスで
面白そうだから便乗しようかなー……とか思ったり、思わなかったり。
>>845 IPが問題なら、IPを変えればいいんじゃないの?
>>847 「串」を使うとかですかね? 自分恥ずかしながらその手の話が苦手でして。問い合わせるにしてもどこのプロバイダなのかすら。とほほ。
>>848 なるほど。俺もトーシロだからあんま力になれんなあ……
私も詳しくないから力になれんとです……すみません。
>>849 じゃあ、クロスが終わるちょっと前くらいにやりましょうかねw
謎のおねえさん妖精、ゆきねぇに、魔法のアイテム『ラジカルスパナ』をもらった、 機械とか鉄の塊とかを見るのが好きなだけの、ただの女の子オドレイちゃん! 彼女はラジカルスパナのマジカルパワーで、何と魔法少女に変身できることが出来るように!? 「大気を裂き、大地を割り、悪を喰らうは我がスパナ! 鋼鉄魔法少女ラジカルオドレイただ今参上!」 変態を量産してしまう謎の特殊能力を持った最大の敵、『露出郷ファルバウト』との戦いに終わりは来るのか――! 「私を見ろ! ゴールデンスフィアーキャノン!」 「姑息な! こうなったら……丸ごと葬り去ってあげます!」 機甲聖騎士ザイフリード・パラレルスピンオフ 【剛腕粉砕ラジカルオドレイ】はっじまーるよー! いやまあ当然嘘なんですけど、まあ嘘予告がやりたくてですね。 もう少し考えたものにした方が良いですね。 というわけで、機甲聖騎士ザイフリード第四話のAパート(フランツァメイン)を投下します。 宜しければ支援をお願いいたしますー
「それでは、機甲騎士についての講義を行います。耳をかっぽじってよく聞いて下さいね」 「は、はい」 「返事はイエスマイマムです」 「イエスマイマム!」 キルデベルタ内コクピット。操縦席に座った由希音は、前方のモニターに映るオドレイの言葉に耳を傾けた。 モニターの端では、デフォルメされたオドレイが指揮棒片手にこちらを見据えている。由希音専用キルデベルタにのみ搭載された補助AI、【オドレイmk-U】だ。 初めて騎士を駆る由希音のため、オドレイが超速度で取り付けたらしい。改めてオドレイの熱意を感じ取ると共に、由希音は彼女への感謝の念で一杯になった。 ここまでしてくれているのだから、自分もその熱意に答えるほかあるまい。 「まず基礎知識から入りましょう。機甲騎士とはどのような存在でしょうか」 「……巨大な騎士、鋼鉄の騎士……ですか?」 「模範的な回答ですね。しかしそれでは不十分です」 「そ、そうなんですか」 普段もそれなりに厳しいオドレイだが、このオドレイmk-U、本人よりも更に厳しくなっている気がする。 それもそのはず、元は整備士であり機甲騎士を弄くることを生き甲斐としてきたオドレイにとってこの講義は譲れないものなのだ。自身の分身でもあるmk-Uには持てる限りの知識と情報を突っ込んだに違いない。 「良いですか、機甲騎士とは芸術なのです。完成されたフォルムは言わずもがな、兵装やその挙動、全てにおいて美しいもの、それが騎士! 騎士とはまさに芸術なのです!」 「はぁ……」 「あなたは芸術品を動かしている。それを忘れてはいけません。絶対に」 「機甲騎士は……芸術品……と」 自分に言い聞かせるように呟く由希音に、mk-Uは優しい笑みを向けた。 「ですが芸術であると同時に騎士は人殺しの道具でもあります。戦争に使われている以上、避けては通れぬ評価です」 「……」 「使い方を間違ってはいけません。自分の得ている力を見誤れば、必ず良くないことが起こります」 「……イエス、マイマム」
「よろしい。では機甲騎士の簡単な仕組みについてご説明しましょう」 モニター上をぴょんぴょんと駆け回り、mk-Uが説明を開始した。 「まずは動力源のお話です。何をするにも、ここでエネルギーを作り出さねば騎士は動いてくれません。故に! 動力部は騎士の命綱! ぶっ壊したらきつい折檻が待っているのでご注意を」 「え……」 「大丈夫、普通に使っているだけなら壊れはしません。……さて、機甲騎士は動力として輝素と呼ばれる物質を使います」 「輝素?」 由希音の言葉に呼応して、モニター上に輝素の説明が表示される。 大気中に存在する分子の割合を示した円グラフが映し出され、その隣に輝素の基本説明が並ぶ。 「輝素とは、空気中に存在する小さな分子であり、それ単体では何の力も持ちません」 由希音がその説明を読み上げた。 「一説には世界を作り上げたものとも言われますが、詳しいことは定かではありません」 「そう。謎が多い物質なのです、輝素は」 「……機甲騎士は、その輝素を濃縮したものをジェネレーターで爆発させ、そこから得たエネルギーを利用することで駆動します」 由希音の声に相槌を打ち、mk-Uが指揮棒を振るった。 モニターにウィンドウが一つ出来、そこに機甲騎士のスカート部分が映し出される。 「ここが機甲騎士の動力部。輝素ジェネレーターと呼ばれるものですね」 「ここから輝素を取り込んで爆発させるんですか?」 「……それが出来ればいいのですが、我々の技術力では騎士に搭載できるほど小型の濃縮装置つきのジェネレーターは開発できていません」 至極残念そうに、画面上のオドレイが肩を落とした。技術屋の彼女にとって、結構深刻な問題なのだろう。 「ですので、騎士は一定間隔で濃縮輝素を供給しなければなりません。濃縮輝素が空になると問答無用で機能停止するのでご注意を」 「イエス、マイマム」 「空気中の輝素からそのまま濃縮輝素を作り上げ、半永久的な活動を可能にする騎士も存在すると言われていますが真相は定かではありません」 もしあったら是非ともこの目で見て触ってそして愛でたいものです、とmk-Uが呟いた。 流石は分身、とことんまでに機械好きである。
「輝素に関連して機甲騎士の成り立ちもお話ししましょう」 「はい、教官!」 「今現在、この大陸に存在する機甲騎士は大きく二つ。我がフランツァの誇る量産機キルデベルタと、隣のブルグントの量産機、クローヴェンです。さらにエース用の機体などを含めますが、それでも大分すれば二つだけです」 ぴん、と指を二本立てつつモニターのオドレイが説明する。 「ではいつ頃から、かのような騎士は運用されはじめていたのでしょう。……正直なところ、詳しいところはわかっていないのですが」 「え? じゃあ、勝手に自然発生でもしたってことに……」 「いえ……キルデベルタやクローヴェン自体は、人の造りし騎士なのです。伝承では、つがいの機甲騎士が全ての騎士の始まりとも言われますが……、まあ、戯れ言ですね」 ふっ、と小馬鹿にしたようにオドレイが笑う。 「いつキルデベルタが造られたとかはわからないんですか?」 「詳しいことはわかりません。……さて、昔話をしましょう。騎士を発見し、騎士を駆ることを知った人々は、まず農作業など生活のために役立てはじめました。 時が経つにつれ、輝素が動力源と知った人々は研究を始め、我々の生活レベルは飛躍的に上昇しました。しかし、そこで人々は現状に満足できなくなりました。 豊かになれば成程、人は更に豊かさを求めます。いつからか、騎士を使って人々は争うようになってしまいました。自分たちには争いに打ち勝つだけの力があると知ってしまったためですね。 ……つまり、ユキネ様、ご自身の力を見誤らないよう、それだけはお願いします」 「……オドレイさん……。はい、わかりました!」 「良い返事です。……それでは、操縦方法の確認へと移りましょう――」 mk-Uの指揮棒がまた振るわれ、新しいウィンドウが姿を現せる――。 機甲聖騎士ザイフリード 第4話【トライアングル】Aパート
『一歩、右、左、右……』 『良い具合です。素晴らしい上達具合です』 フランツァ王国、王都から少し離れた平地に、バギンズ邸はあった。 機甲騎士の整備棟が存在することからわかるように、バギンズの敷地はかなり広い。 それもそのはず、バギンズ家と言えばフランツァの名門貴族。当然屋敷の敷地が広ければ、治める土地も広く、国王からの信頼も厚い。 そんなバギンズの敷地内。整備棟と面する、大きく開けた機甲騎士教練場に、紅い塗装を施された機甲騎士が屹立していた。その動きは非常にゆっくりで、その足取りも少し危なっかしい。大地を揺らし、土埃を巻き上げながら、紅い騎士は進んでいく。 搭乗者は紫藤由希音、一月前、バギンズ家が当主ファルバウト・バギンズに拾われた少女である。 「なかなかセンスがあるようじゃないか」 「ええ、そうですね」 由希音が動かす紅い機甲騎士――由希音専用キルデベルタ――の動きを目で追いつつ、整備棟の側に立っていたファルバウトが嬉しそうに傍らのメイド、オドレイに呟いた。彼の言葉に、オドレイは静かに応対する。 「やはり私の目に狂いはなかった。彼女は素晴らしい騎士になるよ」 「そうですね……。しかし、まさか戦場に駆り出すわけじゃないでしょう?」 ファルバウトの言葉に同意しつつも、オドレイは少し不安そうな声音で彼に尋ねた。今の時代、騎士を駆ると言うことはすなわち戦争の駒となることである。 まだ自分とそう年も変わらないであろうユキネが戦場に駆り出される姿なんて見たくない。そもそも彼女は、争い事には向いていないだろう。 「さて、どうだろうな。私個人としては、彼女を是非とも我が騎士団に迎え入れたいのだけれどね」 「何故です」 強い口調で、オドレイが訊いた。 「兵の士気が上がるだろう。彼女なら姫騎士、あるいは戦場の女神にだってなれると思うのだが」 「彼女がそれを望んでいるとでも?」 「望む望まないにせよ、騎士を駆るとはそう言う事じゃないのか」 ファルバウトの突き放したような言葉にオドレイはその端正な顔を少し歪め、彼に向き直って言った。 「彼女を騙したのですか……? よくもそんな卑劣な真似を」 「……生憎、綺麗事を言ってはいられない状況なものでね。我が軍が負けるとは露程も思わないが、勝てるかどうかと問われればそれは厳しい」 「だからと言って……」 「私は彼女を気に入ったのさ。彼女は可愛らしい少女だし、騎士の素質もあると来た。……引き入れない理由はない」 「彼女は、まだ身元も知れぬ人物なのですよ」 「ならば今日からここが、彼女の家となるまでさ」 ファルバウトに何を言っても無駄だと察したのか、オドレイは口をつぐんだ。 自分の決めたことをとことん貫き通す男だと言うことは知っていたが、いくら何でもこれは酷すぎる。 ユキネはまだ、年端もいかない少女だ。自分と変わらない――17か18そこらで、戦場に駆り出されるなんて……。 「……」 「心配するな。私は何も彼女に殺しをさせるつもりではない。そんな汚れ役は全て私が背負う。彼女が背負うものは、人々からの希望と女神の名、それだけだ」 「……それは、彼女の肩には重すぎます」 「無論彼女のことは全力で守る。彼女には我が騎士団の象徴になってもらわねばならんのだ」 憮然とした顔を崩さないオドレイは、満足そうに微笑むファルバウトの足を蹴り抜いた。 『ユキネ様、順調ですよ!』 『ありがとう、オドレイさん……じゃなくて、mk-U!』 外部スピーカーから、コクピット内の彼女たちの会話が聞こえてくる。 ユキネのその楽しそうな声を聞いていると、やっぱりファルバウトの選択は間違っている――、そう、思う。 「……ユキネ様……」 これから先、彼女の身に起こるであろう事を考えたオドレイの声は、少し震えた。 それは無力な自分に絶望したかのような、か細い、声だった。
◆ 「そろそろ良いだろう、ユキネ! 君はもう立派に騎士を動かせる!」 『ファルバウト将軍……。本当ですか!?』 「もちろんさ!」 一通りの訓練を終え、膝を屈めたキルデベルタに向かってファルバウトが声を出した。 声を返すユキネの声は喜色に彩られており、彼女がいかに機甲騎士の操縦を楽しんでいたかを物語っている。 「ユキネ、降りてきてくれないか」 『あ、は、はい!』 慌てたような声の後、由希音専用キルデベルタのコクピットハッチが開く。人と同じく、心臓の位置する左胸のアーマープレートが左右に展開、そこからぴょこりと由希音が顔を覗かせた。 だが勢いよく動いたせいか、お下げが彼女の動きを追従するように跳ね、彼女の顔を打つ。 「いたっ……えへへ……」 「……素晴らしい。あの髪型は何というのかね」 「おさげ、らしいです。しかし……たまには自重して下さい」 照れ隠しに舌をちょっと出し、はにかんだように笑う由希音の姿にファルバウトがうっとりとした声を出す。 側に控えるオドレイは、冷たい声で、しかし呆れたように言った。 「おさげか。ふむ、オドレイ、君もどうだ」 「私はこの髪型が一番好きなので」 アッシュグレーのショートカット。 オドレイは静かに、しかしどこか絶対的な自信を持った声で告げた。 「遅くなりました……将軍」 「いや、構わないさユキネ。……しかしその将軍というのは……正確には誇り高きフランツァ王国が機甲騎士団長なのだが……」 キルデベルタを降りたユキネの言葉に対し、残念そうな声でファルバウトが訂正を入れる。 将軍というのも正しいが、正確には誇り高きフランツァ王国の機甲騎士団長なのだ。 「あ、ごめんなさい……将軍」 「……構わないよ、ははは」 (ファルバウト様が折れた) 珍しくファルバウトの負けである。オドレイは驚いた顔で二人のやりとりを見つめていた。 「……おっと、本題に入り損なった。ユキネ、これから王都へ向かおう」 「王都……」 「フランツァの中心、人や物が盛んに行き交う活気溢れる都市だ。きっと君の気に入る」 (そして騎士団本部もある) 笑顔で語るファルバウトの横で、オドレイはファルバウトの言葉に付け足す。 彼の思惑を聞いた時から、オドレイは心の中に暗雲が立ちこめるのを感じていた。 抱いている感情は不安、恐怖、焦燥……そのどれもが当てはまるような気もする。 由希音に何かがあったらと考えると、非常に怖い。まだ会ってから一月しか経っていないというのに、既に由希音はオドレイにとって大事な人物の一人になっていたのだ。 「……」 「どうしたんですか、オドレイさん」 「いえ……。我ながら、不思議なものだと」 「?」 なんでもありませんよ、と由希音に笑い返し、オドレイは地に膝をつけている由希音専用キルデベルタの元へと向かった。最終調整を行おう。そうすれば、きっと少しは気も晴れる。 大好きな機械に囲まれて、スパナ片手に汗を流して、機械油にツナギを汚し、ジェネレーターの奏でる重低音のハーモニーを心ゆくまで楽しもう。 「……」 でもやっぱり、心の中のもやもやは晴れそうになかった。
◆ オドレイが無表情かつもの凄い勢いで握ってくれた両手がまだ痛む。 絶対を十回ほど繰り返し、「必ず無事で戻って下さい」と懇願するように言った彼女の真意は全く読めないのだが、多分騎士のことだろうな、と由希音はぼんやりと考えていた。 現在、由希音とファルバウトはフランツァ王国の王都へと歩を進めていた。正確に言うと、歩いているのは騎士なのだが。 「……それにしても格好良いなあ」 フットペダルを軽快に操作しながら、由希音は正面モニターに映る騎士を見つめた。姿形は、ほとんど普通のキルデベルタと変わりはしないが、その色は、全てを飲み込むような艶のある黒色で、本来は丸みを帯びているはずのヘッドパーツ部分が流線型の兜型をしていた。 「あれはファルバウト様専用の、キルデベルタのカスタム機です」 由希音の呟きに反応し、オドレイmk-Uが解説を始める。 「名前はなんて言うんですか?」 「騎士団長専用機は、代々キルデベルガンの名を冠します」 『私の機体が気になるのかな、ユキネ』 「あっ、将軍!」 モニターの端に、ファルバウトの顔が映ったウィンドウが表示される。どうやら通信が入ったようだ。 『騎士はどうだい?』 「すごいです! 自分がこんなに大きな騎士を動かしているかと思うと、凄く興奮します!」 『ははは、君に騎士を与えたのは正解だったようだね。喜んでくれて何よりだよ」 腹の底で何を考えているかはともかく、爽やかな笑みを浮かべたファルバウトは王都までは後数分で到着することを由希音に告げた。 空は快晴、絶好の散歩日和となりそうだ。 『と、思ったのだがそうでもないらしいな』 「へ?」 先ほどとは打って変わって、真剣な表情のファルバウトがモニターに映る。 目の前のキルデベルガンも、その動きを止めていた。何があるのだろうか、由希音は当りに視線を彷徨わせた。 ここは王都へと続く街道であり、ファルバウトと由希音、二体の機甲騎士は舗装された道ではなくその傍らの平野を歩いている。視界を遮るものがまったくないため、何かがあれば必ずわかるはずなのだが……。 「……ユキネ様! 騎士です!」 mk-Uが鋭く叫ぶ。由希音は、騎士が接近していることを知らせるモニターの指示に従い、機体のカメラアイを右方向へと向ける。 一体、二体、三体。独特のカラーリングを施された機甲騎士が、こちらへ向かい歩いてきている。 姿形から判断するに、キルデベルタだろう。しかし彼らが纏う雰囲気は、到底騎士とは思えないようなものであった。 言うなれば堕落した騎士……、墜ちた者たち……、あるいは―― 『――盗賊共、だな』 「盗賊……」 『たまにいるのさ。機甲騎士の持つ圧倒的な力に溺れる馬鹿たちが』 呆れたようなため息を漏らし、ファルバウトがキルデベルガンを臨戦態勢に入らせる。 どうすればいいのかわからないでいる由希音に対し、ファルバウトは動かないで、待っているようにと告げた。 『すぐに終わる。騎士団長の名は伊達ではない』 「将軍……」 『……将軍……いや、もう良い……』 もう二度と訂正する気はないのだろうかと軽くへこみつつ、ファルバウトは目前の敵の挙動に集中した。
◆ 余程のことがない限りは三分ほどで片がつくだろう。 ファルバウトは既に得物を抜きはなっている敵を前に、そんなことを考えていた。 敵は、キルデベルタの基本兵装の一つである貫通レイピアを手にしているのが二体、そしてもう一体が長距離支援用なのか、これまた基本兵装の一つであるカノンマスケットを装備していた。 何というか、敵ながら情けない兵装だ。 「……全く。騎士団長に挑むのであればそれなりの得物を用意すべきだと思うのだがね」 そもそも相手が自分のことを騎士団長であるとわかっていない、などという可能性は捨て置きつつ、ファルバウトは操縦席脇のコンソールを手早く操作した。 キルデベルガンの背中に交叉するよう収まっていた二振りの剣が、圧縮空気の力で跳ね上がる。 「私を相手に回したこと、存分に後悔してもらおうじゃないか」 後ろ手に柄を握りしめ、漆黒の騎士キルデベルガンは盗賊相手に相対した。 交戦の意思表示。一体だけで何を粋がっているのかと、盗賊達はせせら笑う。 「俺たちに勝つつもりか!? この状況で!」 「無論だよ。雑魚に興味はないが、たまにはこの剣も斬る相手がいなければな」 「……てめえ……!」 安い挑発にまんまと乗っかってきてくれる盗賊共だ。 余りにもコテコテの小物臭に辟易しつつも、ファルバウトはキルデベルガンのフットペダルを踏み抜いた。 瞬間、ブースターが全開となり、漆黒の騎士は先頭でレイピアを構えていたキルデベルタに肉薄する。 「……レイピアの使い方をわかっているのか、お前は」 「何を!」 「レイピアは刺突武器だ。振りかぶるような得物じゃない」 諭すように呟いて、ファルバウトは機体上半身を捻りつつ左手の剣で、相手の、レイピアを握っていた右手を切り落とす。 そのままの勢いで、斬撃。右手の剣が敵の下半身部分を切断した。 「うわあああっ!?」 下半身と右腕を失った騎士が、バランスを崩して地に伏せようとする。 すんでの所でそれを拾い上げたファルバウトは、腰部バーニアを利用して体を半回転。 直後、前方からカノンマスケットの弾が飛んできた。それを拾い上げた騎士の体で受け止めた後、ファルバウトはバーニアを噴かし後方へと飛び退く。 それからワンテンポ遅れて、先ほどまでキルデベルガンが立っていた場所を、レイピアを突き出したキルデベルタが通り過ぎていった。 「なにっ!?」 急に攻撃を避けられた敵パイロットが狼狽えた声を出す。 「流石に、ブースト全開になっていれば嫌でも気付く」 「くそったれ!」 吐き捨て、敵機体は連続刺突を繰り出してきた。 貫通レイピアは、その名の通り敵の機体を貫通し、機能停止、あるいはコクピットブロックを貫き搭乗者の命をも停止させるのが目的の武器である。 先ほど斬り捨てた盗賊はそれを理解していなかったようだが、この相手はそこのところ、しっかりと理解しているらしい。 鋭い突きが、キルデベルガンを捉えようと迫ってくる。 この武器を扱う時には、どこを攻撃すればいいか、などといったことは問題にならない。 必要なのはただただ手数。下手な刺突も数打ちゃ当たるなどとは言わないが、手数で相手を圧倒すればいずれ勝機は見えてくるのだ。 (よくわかっているじゃないか。騎士崩れか?) 狙撃手からの攻撃のことも考えて、ファルバウトはレイピア使いを軸に機体を動かし攻撃を避け続ける。
それにしてもレイピアという武器は敵に回すと面倒なものだ。 突き攻撃のリーチが長いのはさることながら、その切っ先は決して正確に突き出されるものでないということが問題である。 剣を突き出している内に、その切っ先がぶれてきてしまうのだ。これは防御側にとって面倒なことこの上ない。 いかに集中していても、下手をすれば予期せぬところに攻撃を受けるかも知れないからだ。 そもそも視認できる部分が小さく細いと言うこともあって、相手に回すのは嫌な武器である。 「が、余り関係はないな」 いい加減攻撃を避けるのにも飽きたのか、面倒になったのか、ファルバウトはレイピアが突き出されるタイミングと同時に右手の剣を振るった。 剣と剣とがぶつかり合い、激しく重い振動音が大気を揺らす。レイピアの切っ先は見当違いの方向にずれた。 まだ振動している剣を握りしめていても隙を見せるだけなので潔く打ち捨てて、動きを止めた敵機体にタックルを決める。 「ぐおっ!」 コクピットブロックを揺らされ呻き声を上げる盗賊は気にしないことにし、ファルバウトは右拳のフック、右脚でロー、その勢いを利用して一回転後に左手の剣で敵を斬り捨てた。 「……初めからとっとと決めていれば良かったか」 残るはカノンマスケット装備の騎士だけである。 カノンマスケットは砲撃用キルデベルタに基本搭載される兵装の一つだ。 内部機構で濃縮輝素を爆発、その反動で弾丸を発射するという仕組みの武器で、その威力はなかなかに高い。 流石にキルデベルガンの装甲を貫くとは思わないが、コクピットブロックに食らえば内容物が逆流するくらい体を揺らされるのは必至だろう。 「手早く決めよう」 敵のミスは、遮蔽物も何もないところで、得物にカノンマスケットを選択してしまったことだ。 予備動作が長いこの兵装は、遮蔽物や味方の陽動があって、初めて高い効果を得る。 こんなだだっ広い平原で、敵を狙撃しようだなんて阿呆にも程があるというものだ。ましてや機甲騎士を駆ることにかけては大陸の中でも五本の指に入るようなファルバウトを敵に回してしまうとは。 ファルバウトは、少し遠くに立ってカノンマスケットを構える騎士に向かいあった。既に敵は弾丸の装填を終え、射出モーションに入ってしまっている。 途中からの制御変更は効かないのがカノンマスケットの短所であり、そしてそれはどう考えても致命的なまでの隙であった。 「動けない的ほど狙いやすいものはない」 ファルバウトはコクピットの中で獰猛な笑みを浮かべ、機体の両手に剣を握った。そこから、両腕を袈裟斬りのように振るう。 風を斬り裂き、鋭い音を立てながら、二振りの剣は敵の機甲騎士を喰らわんと疾駆する。 「う、うわあああああっ!?」 「場所を選ばなかったのがいけなかったようだな。諦めろ」 剣の一つはカノンマスケットを。もう一つは上半身と下半身の接合部分を断ち斬って、戦闘は終了した。 ファルバウトの勝利である。盗賊退治に要した時間はおよそ三分。予定通り、といったところか。 「……ざっとこんなものかな?」 モニターの端に表示されたウィンドウから見える、ユキネの尊敬の眼差しにファルバウトは笑みを返した。
◆ 機甲騎士を王都のすぐ側にある騎士団整備棟に預けた二人は、その横にある騎士団本部に足を運んだ。 その佇まいは立派なもので、貴族の屋敷と同じか、それ以上の大きさを誇っている。 当然内部の装いも見事なもので、広い廊下には赤い絨毯、壁には機甲騎士を描いた絵画などが飾ってある。 由希音はその出来の素晴らしさに目を奪われ、きょろきょろと辺りを見回した。 「ははは、気になるかい」 「凄く豪華ですね……」 「我がフランツァが誇る騎士団の本部だからね。当然と言えば当然さ」 端正な顔に笑みを浮かべ、ファルバウトは廊下を進んでいく。その後ろに、由希音もついた。 「これから、騎士団のみんなに君を紹介したいと思うんだ」 「私をですか?」 「そうさ。きっと歓迎してくれるに違いないよ」 そう言って笑うファルバウトに由希音は笑みを返したが、実際、何が起ころうとしているのかはわからなかった。 自分は単なる異邦人。騎士団に自分を紹介したところで何かがあるわけでもないし――。 「ユキネ、これから時々、私の仕事を手伝ってくれないかな」 「へ?」 「書類整理や視察等々、私には色々仕事があるのだが、補佐官的な役割の人物がいなかったのさ」 屋敷に籠もっているよりはずっと良いと思うのだけれど、というファルバウトの言葉に、由希音は先ほどの彼の言葉の意味を理解した。 ――これから私は、騎士団の一員になるんだ。騎士を駆る、誇り高き機甲騎士団の一員に。 「――やらせて下さい、将軍」 「そう言ってくれると思っていたよ。初めはデスクワークがメインだろうけれど、慣れてくれば君にも騎士を動かしてもらうことになると思う」 「はい、頑張ります!」 「ははは、頼もしいね」 言いながら、ファルバウトは非常に豪奢な作りの扉の前で歩みを止めた。 おそらくここが、彼の仕事場、騎士団長室なのだろう。由希音は少し緊張して唾を飲み込んだ。
「さ、私の仕事場へようこそ」 「はい、将軍――?」 「どうした、ユキネ……。ん? バレル! そこで何をしている!」 由希音に続いて部屋に入ったファルバウトが、声を荒げた。 二人の視線の先には、騎士団長専用であるはずの椅子にどっかりと腰を下ろし、机に脚を投げ出す、礼儀知らずな男がいる。 やる気のなさそうな垂れ目と、口元にうっすらと浮かべている挑発的な笑みは、由希音に「この人は絶対好きになれない」と感じさせるのに十分であった。 名をバレル・ブラウン。機甲騎士団副団長、つまりはファルバウトの次位に位置するほどの実力を持った男である。 「おやおや、これは団長サマのお帰りですか」 「バレル。君は自分のしていることがわかっているのか?」 「いやぁ? ただただ、団長サマのために椅子を暖めておいただけですとも」 「ふん、足を投げ出しふんぞり返る椅子の暖め方があるとはな。恐れ入ったよ」 ファルバウトの皮肉もどこ吹く風。バレルはよっ、と体を起こし、わざとらしく腰を曲げて礼をした。 「どうぞお座り下さいませ、団長サマ?」 「君がこの部屋を出て行ってからにさせてもらおう」 「言われなくともそのつもりでしたよ、ええ勿論ね。……おやぁ? 団長、この少女は?」 つかつかと由希音の方に歩み寄ったバレルが、品定めするかのような、居心地の悪い視線を由希音に投げかける。 「彼女はユキネ。新たな騎士団の仲間だ」 「ほぅ、ほぅほぅほぅ。……団長にはもう抱かれたのか? ハハッ、せいぜいヨロシクやってくれよな? んん?」 「……あなた……」 バレルの下卑た物言いに、由希音が眉を潜める。この男は、おそらく由希音が最も嫌う人種の一人だ。 「冗談だっての、そう怖い顔するなよな、ユキネちゃん。ハハッ」 「……」 「まぁまぁ、ヨロシク頼むぜ」 ずい、とバレルが右手を差し出す。由希音は、その手を取るか取るまいか逡巡し、ファルバウトに視線で助けを求めた。 彼女の救難信号を受け取ったファルバウトが、口を開く。 「バレル、一つ訊きたいことがあるのだが」 「なんですかね、団長サマ」 「道中、盗賊共に襲われたのだが。心当たりはあるか?」 「おやおやおや、そいつは何とも運の悪い。そんな奴らは捨て置けませんねぇ?」 「無力化して打ち捨ててある。回収しておいてくれ」 「承りましたとも、団長サマ。ご命令通り回収してきます。……ええ、勿論、命ももろもろね」 にやり、と不気味なまでに口の端を吊り上げたバレルが、団長室を後にする。 ファルバウトはつまらなそうに鼻を鳴らし、呟いた。 「やはり裏で後を引いていたようだな……あの男」 「……将軍……」 団長室には、何とも言えない嫌な空気だけが残った。 Bパートへ続く!
というわけで投下終了です! 支援ありがとうございました! ……支援が必要な量だったのかどうかと言われると厳しいですが また後ほど顔を出します〜。
しえn この静寂…遅かったというのか
>>892 >剛腕粉砕ラジカルオドレイ
ラジカルはるか「……。」
何はともあれ投下乙!ではゆっくり読ませて貰うぜメーン
>>892 乙です
由希音かわいいよ由希音……ヘェハァ
しかし気が付けば、もう900付近とは……また加速してきましたね
埋めネタも兼ねて
>>839 の「みんなの考えたRS」を実際にやってみようかと思います
●登場予定のキャラ達の大まかな仮設定(注:まだ仮なので予告も無く変更される可能性があります) ・新星部隊 「若い子達が頑張ってんだからお前らも頑張れよ」という感じのプロパガンダを目的として作られたRS部隊。 ラビットソルジャーパイロット達は全て、訓練学校でRSの操縦において優秀な成績を収めていた十代後半の青年達。 故に操縦技術は折紙付きではあるが、若さ故の経験不足と精神的未熟さという問題も抱えている。 何の因果かフェンリルやライズガルム、そしてツクヨミと関わる事となるが…… ・ジェフ・T(トート)・コンス エジプト系月面人。16歳。男性。過去に事故で家族を失いストレートチルドレンとなっていたが、その頃に窃盗にRWを使用して補導され、 操縦の才能を買われて訓練学校に特別編入した。過去の経歴から月の待遇改善についての想いは人一倍強く、今回の戦争についても肯定的で、 新星部隊の話が出た時には、自ら志願したほどである。 RS戦では、どんな武器でも扱えるが、大型の武装による一撃必殺戦法が好き。 ツクヨミに関しては「操縦技術は本物だが、どうも信用できない」と割と胡散臭がっている。 ・チェン・ハンア 中国系月面人。16歳。女性。チェン・チャンアとは双子の姉妹で、姉。両親が革命軍(月面警備隊)の偉いさんであった為に、訓練学校に 入学していた割と金持ちのお嬢様。入学後はずっとRSの操縦にのめり込んでいた為に、社交的な妹と違って友達がほとんど出来ず、 「RSの操縦が一番である」という部分に存在理由を見出すようになっていたが、自分以上の技術を持つジェフ(学校が違った)やトンデモ レベルのツクヨミとの出会いによって、そのアイデンティティは揺らぎまくっている。 RS戦では、高速戦闘、近接戦闘を得意とする。単純な回避能力ならツクヨミに迫る勢い。 ツクヨミに関しては「ジェフも含めて、いつか超えるべき壁」と一方的にライバル視。 ・チェン・チャンア 中国系月面人。16歳。女性。チェン・ハンアとは双子の姉妹で、妹。訓練学校に入ってた敬意は姉と同じ。明るく人懐っこい性格で、 無愛想な姉のフォローに回る事が多い。新星部隊でもムードメーカであり交友関係も広い。優秀な姉のオマケではないかと少し悩んでいる。 RS戦では、操縦技術そのものは並より上程度だが射撃の腕が脅威的である為、それを活かした武装や戦い方を好む。 ツクヨミに関しては「強いし優しいし、顔も割と好み」と認識くらい、美的センスは微妙。 ・マイケル・オルドリン アメリカ系月面人。17歳。男性。農学者である両親に反発して訓練学校に入学した。「凡人の中では天才的だが、天才の中では凡人でしかない」 という、割と微妙な操縦技術を持つ。長身でいかつい顔だが、小心者で押しに弱く(両親への反抗が精一杯)「敵前逃亡したいが、後で怒られるから 逃げられない」という残念な思考パターンのままで戦い続けている。最近ストレスで出来た円形脱毛症を随時帽子をかぶって隠している。 RS戦では、ジェフと同じく大概の武器は扱えるが、その性能をフルに発揮させられない器用貧乏。 ツクヨミに関しては「頼れる上官」という程度で、むしろユノーの事が気になっている。年上好きだが女を見る目はあまり無い可哀想な青年。
●募集する内容 ・ペットネーム 機体の名称というかあだ名。 ・パイロット 上記の四人の中から選んでください。 ・ベース機体 スカンクエイプ高機動型、スカンクエイプ武装強化型、ライオンイーターの中から選んでください。 ・モチーフ動物 基本である兎に+αする部分です。まんま兎でも可。 ・武装やその他の特徴 ライズガルムが使うようなプラズマ兵器はエネルギー食い過ぎるんで基本的に不可。それ以外なら大よそ何でもアリ? まあ、既存の武器を大型化させたのを「超震動○○」とか「RS○○」とかやる方が手っ取り早いですが。 その他、質問がある方はどうぞ。 ちなみに締め切りは次スレが埋まった辺り(その頃まで四話に突入しないだろうし)
>>892 投下乙です!ゆっくり読ませていただきますね!
>>892 流石は騎士…剣で魅せる見事な殺陣ですね。新キャラにも期待。
>>899 これは…漲ってきたっ!!
さて、遅筆氏が仰っていたのが気になったのでざっとロダの統計を取ってしまう。(数値はおよそ)
現在の画像190点、うちPBM氏が20%を占め882氏は22%
二人合わさると全体の4割超、伝説のバッタークラスとなる。
この時点で驚嘆ものだが折角なので禁断のジャンル分け。
メカ35%
女性40%
男性15%
メカ以外の人外3%
ロゴなどその他7%
※ティマとカルマは女性カウント
さらにおまけ
女性のうち60%がロリ、すなわち全体の25%を占める。
さらにロリのうち60%が遥さんとなる。この数値は男性陣とほぼ同等。
これをどう取るかは…君達次第だ。
なんだかやる気がでてきた〜
>>892 ラジカルオドレイ……確かにラジカルはるかさんと被ってますねw
さて、改めまして投下乙です!
露出狂もやっぱり軍人なんですねぇ……これからどうなっていくのか楽しみですw
というか露出狂強い、強いよ! 流石は将軍!
そしてバレルは非常に腹の立つ素敵なキャラですねw こういうキャラ出したいなぁ。
しかし輝素……輝素か……なんてクロスオーバーしたくなる設定なんだ!
では、次回も楽しみに待ってますね!
>>901 HAHAHA!
>>822 お久しぶり&投下乙であります!
……ネ、ネクソンクロガネェェェェェェェェェェ!!
傷ついた田所カッコマン、新たな力を作り上げている悪山じいさん、
そして組織にも秘密にして暗躍するイッツァ・ミラクルの目的とは!?
あぁ!気になることが多すぎる!w次回も楽しみにしてますよー!!
>>892 投下乙です!
嘘予告お見事ですw物騒な魔法少女と露出卿の戦いに吹いたw
うーむ、ファルバウトが親切過ぎるとは思ってたけど、軍のプロパガンダの為でしたかー
清濁併せのむ本物ということなのかー……露出狂だけど
騎士としての実力も相当なのですねー……露出k(ry
そしていい感じに黒い素敵な副官が!一流の策謀家なのかはたまた小物に落ちるのか?
次回も楽しみにしてます!
>>899 ほほぅ、ちょっと興味がw合間に考えてみようかな?w
>>901 メカと女性の比率www
遥さん無双とは……さすが師匠だw
>>892 改めて投下乙!お下げは師匠暴走コースか否か……
オドレイMk-Uwwwこんなの作っちゃうなんてオドレイさん何気にレベル高いよwww
露出狂は何だかんだ言って強いね。というか変態って強いね
では、次回も楽しみに待ってるんだぜ!
>>899 おk、考えてみるぜ!
>>900 もう、すげぇの一言に尽きる。師匠頑張り過ぎだろうJKwwwww
と、どうやらお下げでは暴走しないみたいね。ツインテールも含むからかしら
ロリではなくおねぇさんだからかもしれん
>>906 いぐざくとりー、その通りでございます。
確かに私は遥さんを描き過ぎたかもしれない。だが私は謝らない!
ところがPBM氏はお姉さんも好きなのだ……確か
いぐざくt(ry あと最近はなまる幼稚園のおかげで巨乳も好みになりましt(ry ただ悪食なだけなのではないかと自分でも思います。
何でもバランス良く食べるのがいいってばっちゃが言ってた
す、ストライクゾーンが広いだけだよ!
暴飲暴食ですね
やはり我なら丸ごと喰らうな!
ネクソンさん帰還乙です&作品投下乙です
それとざいふりさんも。後ほど
どうやら自分のは新型機に投下って事になりそうで何より
って全然進んでないんですけどねw
>>899 エキサイティングな企画、乙です
早速考えてみました。例によってグダってるので駄目だこりゃって思われたら没っておkです
・ペットネーム
ラジカルヘッジホッグ
・パイロット
マイケル・オルドリン君
・ベース機体
スカンクエイプ武装強化型
・モチーフ動物
ハリネズミ
・武装やその他の特徴
全身武器庫と言わんばかりに武器で固めた機体で、近距離から長距離まで対応できる
また、仲間が弾切れを起こした際に補給させる事も視野に入れており、必然的に強化装甲によって高い防御力を持つ
反面、機動性が低い為三人のサポートを受け持つ事になる
こんな感じでどうですやろ
個人的にマイケル君に凄く共感したので、彼にしたのですがw
よーし、俺も考えてみっかね! ・ペットネーム バーサークキトゥン ・パイロット チェン・ハンア ・ベース機体 スカンクエイプ高機動型×ライオンイーター ・モチーフ動物 猫 ・武装やその他の特徴 かなりの軽量化を施した機体。一部にライオンイーターのパーツを使用しているせいでコスパはあまりよろしくないが機動性は高い。近〜中距離は強いが、遠距離は弱い 固定武装は超振動ネイル
この静寂……皆考えているのか
おお、早速ふたつも! 考えたいけど、13話まだ半分しか書けてないお……。
進んでるだけマシって誰かが言ってた
>>918 自分は全然進んでないから心配ないですよ
新型機に間に合うか心配になってきた……
まあ容量的にも残レス的にも
みす まあ容量的にも残レス的にも新型は確実だし、1機使い潰すのに一週間以上は掛かるから大丈夫さ
18号機はこのスピードだと10日持ちませんけどね……恐ろしいスピードだ。
久々のトランザムだったなw
>>920 まあまあ、そう気負わずに。マイペースにいけばよかですヨ。
私は17日までに間に合わせなければいけないんだけどね!
あと6日だね! バカはプレッシャーをあたえた!
ヴァーストですねわかります
エクステッド・ヴァーストはどうなるんだ……
気付いたらスレがなくなってるとか。
自分のカード ・ポニーテール ・乳 ・スク水 うむ、今日も(ry
2号機の終盤ですねわかります
>>930 あんたって人はw
師匠は三つ編みとロリと何だろう
>>932 ノリの良さ、とかテンポの良さが浮かびますね
俺のカードを見てみた
・鬱
・乙女
・
後一つが分かんね
ならば私のカードはこうだ! ・三つ編み ・三つ編み ・三つ編み ふっふっふ、今日も(ry
>>935 待 て や コ ラ w w w
三つ編みしか無いのかあんたにはwww
三枚のカードねぇ…… ・フュージョンジャック ・フュージョンジャック ・フロート
九つ編み……だと……!?
カードだけでなんとなく分かってしまう件wwww
>>938 もうレンゲルは許してやれよ
>>934 >>937 やっぱそうなりますか……w
まぁ悪役に関しては譲れない部分もあるので嬉しい気もしますがw
許してやれといえば戦いの神(笑) 最強クラスって設定だったのに爆死だなんて……
だって三つ編みとか好きだからー!
>>938 ムッキーをあまり虐めてあげないでください……。
最終回をイミフで終わらせて劇場に持ち込む手法ですね
あのどうしてこうなった!感は異常でした しかし翌週にあまり気にならなくなりました
とりあえず海東のキャラのブレっぷりが異常でしたねw しかしユウスケはもう少しなんとかならなかったのか……。
よし、行ってくる 我のビームフラッグへ続け!
無理だた……orz 次誰か頼む。テンプレ修正忘れずに
よし自分が
俺のカードは ・動かない主役機 ・説明 ・ロリババァ だな。……早く続き書かないとw
重複…だと…
て、テンプレを途中でしくじってるよ兄貴! テレビ見ながらコピペなんてしてるから! ちょっとツクヨミたんとチュッチュしてくる
重複……… ナンテコッタイ
まあこの調子だとすぐ埋まるだろうから、 どっちを先に使うかだろう
じゃあ
>>954 氏のは再利用……できる程早くはないしなぁ。
>>961 早けりゃ一週間くらいだろうし、再利用できない事も無い
問題はそれが記念すべき20号機という部分だ
レスが
>>10 いってないほうを放置して落とせばいいんでない?
20号機はやっぱ新規でたてたいし
すまぬ、本当にスマヌ。 記念すべき20号機がお古では締まらない。 じぶんはもうだめかもわからんです。
>>964 気にするこった無いですよ。失敗は誰にでもありんす
まぁ今回はちょっとタイミングが悪かったって事でw
でもどうしましょうか……自分は特に20号機は重複スレでも構わないんですが
なんだか落とすのはしのびないなあ 両方使ってから20号機じゃダメなのかな、こう増刊号的なノリで
>>968 この板はレスが10ついたらもう落ちないはず
>>967 面白いっすね。どっちにしろどちらも使うに越した事は無いし良いんじゃないですか
にしても突然人増えた気がw
建ててしまった奴が何を言うかと思われるかもしれませんが、個人的には過去ログの並び順とかが気になってしまうので落としてもらえればと。
……ハッ! 両方を500で終わらせられればそれも不可能ではないか!
……さて、どうするよ?
スレ立て主さんが落としたいというなら落とした方が良いのかな まぁ幸い10行ってないみたいだし、20号機を新しく建てたいって人もいますし 重複記念かつ20号機寸前記念でロスガ短編書くって事で手を打ってもらってよかですか?
両方使って増刊号20スレ……ってのがやっぱ個人的には良いかと 最初の方は10スレいってないとはいえテンプレとして完成してますしね……
よりによってこういう時に長時間のプロ串規制とか、真面目に腹が立つんですけど……。 しかし、まさか危惧していた事がこんな時に起きるなんて。 とりあえず、まだレスが10ついてない方は放置で個人的にはいきたいです。だって20機目ですし……ねぇ?
……俺もどっちかといったら放置派かな
テンプレに関しては結局のところ*印直すの忘れてたり紹介文の順序間違えたりしてるんですけどね。 増刊号という考え自体は良いとは思うんですが避難所がありますんで難しいのではないでしょうか。
じゃあ放置でFA?
んじゃ放置って事で自分に異論は無いっす
まぁ
>>974 のはバレンタイン用のなんすけどね
意義なーし!
異議だw夜中だから頭が回ってないw
異議なし!
梅ついでに おまえらスレの女キャラで付き合いたいOR姉妹にしたいキャラって誰?
あと14レスしかないということはあと14人しかこの気持ちを告げられないのだな!? っと、次スレがあるとかいう野暮なツッコミはなしだ やっぱPBM!のまどかかなぁ…… どの作品も可愛い子そろいで迷うけれどもね!
遥さんを嫁か姉にしたいでs(ry ユキ姉ぇを姉に(ry ティmうわ極細なにをするやめ
これはまどかを妹にせざるを得ない!……妹依存症になりそうだがw あるいは遥さんを嫁にせざるを得ない!……嫁依存症になりそうだがw きりちゃんはどっちかというと友達に欲しいタイプだな というわけでメルフィーを嫁にしたいです
>>988 ティマに手を出すなとあれほど……
ではカルマたんは俺が貰っt(防衛機構が作動しました
991 :
説明は後 :2010/02/12(金) 01:27:51 ID:x6bH/Ejb
待てよ、メカもアリならヘーシェンがいるじゃないか!
>>991 ちょwwwおまwww
あ、そうだ!
>>948 今更ですが投下乙です! なにこれキモカッコイイ……惚れてしまいます。
>>991 右端wwwwww
板全体で考えれば削除依頼出すほうが良いような気もしますがどうなんでしょう? さて、私の心は未だ首領に掴まれたままなのですが姉妹にはできませんねこれは。
いやー、すみません、
>>991 の事情を話せば長くなるんですが。
上の方でも書きました通り、今現在ワタクシの糞パソコンは糞みたいに調子が糞悪い状態でして。
んでま、「むかつくなあむかつくなあ」と思いながらスレを見てたら、ねんどろいどねた発見したと(月曜日のことである)。
そこで、まあ前の「町子さん絵納得いってない」っていうのもあって(詳細はまたの機会に)
さらに水曜日の夜からパソコンがやや調子が良くなったこともあり、
「ワイはネタ絵師や、ロボスレネタ絵師や!」と
>>991 で貼ったもの描き始めたわけです。
しかしパソコンの調子には波があることを
>>882 はパソコンで絵を描く経験が少な過ぎてまだ知らなかったのである。
描き上がったのが今の今。ホントに出来上がったばっかり。
……で、この手のネタは時宜を外すとつらい上(既に外してんだが)、スレまたいじゃったら目も当てられません。
それゆえ「間に合ぇぇぇぇえええええ!」な勢いで何とか完成させて貼ったと。説明打ってる暇なかったと。
流れぶった切ってすみませんでした。
イラストの内容については、皆さんお分かりだと思いますので、特に細かく言及はしません。シークレットアイテムです。
……しかし、これがあの変態へと変態するのか…… 胸が熱くなるな……
>>1000 ならロボスレの女性キャラがみんな三つ編みになる。
1001 :
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