なんでしょうか…… ここ数年で例を見ない「ヤバいヤバいヤバいやb」感です……
2時間ちょっと前のオレをしばき倒したい。早く来てドラえもん。
マジな話…… 私、ある程度以上長いSSはちょっと前に言った「ベアトリーチェの出てくるSS」とゾイドスレで手一杯です……
で、考えたんですが、「ベアトリーチェの出てくるSS」って、
第一部(SF戦国時代もの)→第二部(ファンタジーもの)→第三部(第一部とはまた異なるSF戦国時代もの)→第一部´
という構成を考えてるんですね
(「適当に今考えやがったろ、こんな構成があるかい!」と思われるのはごもっともですが、実際こういうふうに考えてたんです。
というより、中学の時描いてたファンタジー系マンガをいじくり回す過程で第一部・第三部のひな型設定ができた、
っていうのがこのSSの始まりなんです…… ……改めて変な中学生だったんだなオレ)。
……そして、この第二部が、考えてるものだとロボットが出ないんですね(しかし戦車は出る…… ここは設定なんで……)。
そこで、第二部を
>>749のものと組み合わせる形で再構築する、っていうんで許して頂けないかと……
規制解除キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
新型ロールアウト後、GEARS11話投下致します。
>>758 投下ラッシュキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GEARSさん!GEARSさん!投下前にwiki読んで予習してて凄い事に気付いたよ!
アイリス・ジョーカーの動力源とフツヌシの補助動力が
プ ラ ズ マ ジ ェ ネ レ ー タ ー
偶然の一致なんだろうけど、設定がクロスしてるよ!!
リアル生活が修羅場入ってて一週間とちょっとぶりにこのスレに来れた・・・
しかし、一週間もするとかなりレスが進んでるw
かなりの亀レスになってしまいますが感想をば
>>627 投下乙ですw
たまちゃん無双すぎwだがそれがいい。
そして個人的にまどかがかわいすぎて生きてるのが辛い・・・ゲフンゲフン
Bパートでのお杉VSたまちゃんが楽しみすぎるw
次回をwktkして待ってますw
>>658 くぁいいのぅ。いつかオレも絶対に描こう。そうしよう。
ゴスロリって反則的に可愛いと思うんだ・・・!
>>713 投下乙ですーw
ライオネルが相変わらず格好良い・・・!
そして日常シーンは相変わらずの明るさが良いですねwキャラも魅力的ですけど、
そのキャラたちをああも上手く楽しく動かせるのが良いとともに羨ましいですw
自分日常シーンとかホント苦手なんです・・・;w;
しかしタカ坊に吹いたw某ギャルゲでよかった。某エロゲのタカ坊になるとただのクソになってしまうw
そして75753って・・・wなごなごって・・・w
次回も楽しみに待ってますw
>>758 GEARSをWikiで見て惚れてしまった。ヤバい、面白すぎるw
思わず全話一気に見てしまったw加賀谷さんがめっさ格好良い・・・wあーいうポジのキャラ本当大好きw
規制解除おめです!11話、楽しみにしてますw
そういえばなごみんまだ本編にチラッとしか出てきてないなw
よし、スレ立て行ってくる!
駄目だった……次誰か頼むorz
了解。では行って来ます
スレ立て初めてで不備があるかも知れませんが、挑戦してきますね
おっと、危ないw
>>768 スレ立て乙です! よくやった、使徒と生身で戦う権利をやろう。
久々過ぎてしくじったぜorz
ちょっと果物ナイフでラミエルに吶喊してくる(´ω`)ノシ
新型が立ったか……
>>762 投下乙!可愛くなってる、さらに可愛くなってるよカルマたん!
それにしても、何を食べてるのか非常に気になるでござる
>>768 スレ立て乙。よくやった、ズダでエンジン出力を限界まで上げる権利をやろう
773 :
バイラム:2010/02/03(水) 20:59:35 ID:CYk7Izu8
では予定通り
機動修羅バイラム第4話を投下いたします
容量オーバーになるかもしれませんけど…
774 :
バイラム:2010/02/03(水) 21:00:33 ID:CYk7Izu8
第4話「荒鷹」
外宇宙調査隊。それは火星以降の惑星を人の目で調査する特務宇宙船団である。
もともとの発足はNASAによる火星着陸に起因する。
この無謀だと思われていた火星着陸は人類の新たなステップとなった。
当時のNASA局長であるアーネトス・バイルは次のように話す。
「今こそ人類は宇宙という名のフロンティアへ旅立たなくてはならない。故郷を大事に思うなら我々は一人立
ちをし、地球という星を外から眺めるべきである!」
この演説をうけ、多くの技術者や宇宙飛行士候補がNASAに詰め掛けた。
無論、森宮一明もまたその宇宙飛行士候補の一人である。
そこから十年という月日が流れ、今度は火星以降の宇宙、すなわち木星などの外宇宙を目指す計画が発表さ
れた。
しかし当時の宇宙船やロケットでは火星以降の世界を進める船は未だに作られていなかった。
資金を費やされ、研究者達は様々な考えを出すが事態は膠着してしまう。
そんなときある技術者の一声で事態は新しい局面を迎える。
「エリュシニウムで宇宙船を作ろう」
誰もが驚いていた。電気を発生される金属エリュシニウム、只でさえ制御が難しいあの金属で宇宙船を作ろ
うというのだ。
誰もが失笑をする中、研究者達はこの馬鹿げた計画に乗る気でいた。
そして3年の月日を費やし、ついにエリュシニウムで作られた超高速宇宙艦『ADAM』が完成した。
これにより人類は火星を超え、木星、土星を様々な星を目指せる事を人々に見せた。
当然、人の目による他惑星探索ということで乗組員の人選も厳選かつ公平に行われた。
そしてついに、外宇宙探索チームが結成され宇宙艦ADAMは地球から旅立った。
だが、ADAMは天王星に近付いたところで突如消息を絶ってしまう。
当然のように政府は無人探査船を送るものの宇宙飛行士たちの遺品は何一つ見つからなかったと発表。
しかしこれに納得する者は少なく、疑念を拭えずに今日までに至った。
彼らに何があったのか。以前謎のままである。
「一明さん! 私、やりましたよ!」
奈央は大声で憧れの人の名前を呼びながら走っていく。手には丸めた紙を握り締めていおり歩調はかなり
軽快だ。
奈央は一明に近付くと大切な物、合格通知書を一明に見せた。
「見てください! 私、宇宙訓練高校に入学できたんです!」
宇宙訓練高校とは新たな宇宙飛行士を率先して育成する専門学校だ。無論この学校に入学するには学力だけ
ではなく、体力、判断力、適性検査などをパスしなくてはいけない。もちろん一明も宇宙訓練校を卒業した人
間である。
「すごいじゃないか! よくあの試験を突破できたね」
一明は奈央の頭を優しくなでる。手の平から暖かな体温が奈央の頭に広がる。
「はい! 私、目指します! 一明さんと同じ宇宙飛行士を!」
奈央は真っ直ぐな瞳で一明を見るが一明の様子が少しおかしい。
「一明さん?」
奈央は一明の手を握ろうとするがその前に遠くへ行ってしまう。
「なおちゃん・・・さよなら」
「待ってください! 一明さん! 一明さぁん!」
奈央は彼を追って走りだすが一明の影はどんどん小さくなっていき、消えていった。
「一明さん!」
奈央は大事な人の名を叫びながら飛び起きるが憧れの人はどこにもいない。
「夢・・・なの?」
寝ぼけた眼で自分の部屋を見渡す。薄暗い闇と静けさが先ほど見たものを夢だと教えてくる。そして時計を
見ると起床時間まではまだ三時間もあった。奈央は長い髪をかきあげながら軽くため息を付く。
「一明さん……」
彼女は窓の外を見つめると瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
水原奈央がここ、重慶基地で働くようになってから既に五日経とうとしていた。
彼女の仕事はAUA軍艦、伏儀の整備から始まり、搭載されているPMの整備、新型エンジンのテスト、そ
して・・・
「ナオ、お茶を入れてくれ」
「はい」
ナタリアのお茶酌みであった。
奈央はガスレンジの上にあるポットを暖めようとする。ポットはあっという間に熱い湯気を立たせるとゴポ
ゴポと空気の音を響かせてきた。
奈央は沸騰したお湯をカップに注ぎ、暖める。そしてカップのお湯を黒い箱に捨てるとお茶が入ったティー
ポットを注ぎ始めた。ほのかな香りと白い湯気が立ち上る。
「さすが奈央だな、私ではこうはいかん」
ナタリアは感心した面持ちで奈央を見る。一方、奈央のほうは顔を微動だにせず軽く会釈をして、部屋を出
て行った。
「ふぅ・・・」
奈央は廊下に備え付けられている椅子に座りながら天井を見つめ、ため息を付いた。
「私、何をしているんだろう?」
思わず愚痴がこぼれる。
無理もないだろう、彼女が目指しているのは『軍人』ではなかったのだから。
私がなりたかったのはもっと・・・大きい物のはずじゃ・・・一明さんみたいな夢を与える宇宙飛行士にな
りたかったのに・・・今の私は・・・いったいなんだろう?
就職先がなかったからだなんて軍に入って、一明さん、怒ってるだろうな・・・
奈央は気分を変えるためにが窓の外を見るとコウシュンたちが基地の周りを走っていた。空陸大隊の午前の
訓練である。
「一、二、一、二!」
規則正しいリズムで声を出しながら歩調を合わせる第八大隊の軍人達。
奈央はその様子を暫く眺めていた。
隊員一同が滑走路前にやってくるとコウシュンがすかさず次の指示を出す。
「よし! 次は腕立て伏せと腹筋、腿上げを3セットだ!」
「了解!」
隊員達は敬礼をするとすかさず大地に手をつけて腕立て伏せの準備に入る。
「初め!」
「はっ!」
かけ声と共に腕立て伏せを始める大隊の面々。その中にリーシェンの姿も見える。
「頑張ってるな」
奈央は漠然とその様子を眺めている。
「よう、彼女。今暇なのかい?」
突然後ろから声をかけられる。
奈央が振り向くと後ろには一人の男性が立っていた。男は東南アジア出身らしく日に焼けた黒い肌と黒い髪。
堀の深い顔立ちで鼻も高く、顔はかなりよかった。だが洒落っ気なのかだらしないだけなのかAUAの制服を
軽く着崩していた。
「あの、あなたは…」
奈央が男の名前を尋ねると男は明るい笑みを浮かべながら言った。
「俺の名前は、パーチャイ、階級は少尉だ」
パーチャイは奈央に手を差し伸べるが奈央のほうは怪しげにパーチャイを見ている。
「あっ、別に俺は怪しいものじゃないよ」
奈央の警戒心を感じ取り取りつつもにこやかな笑顔を崩さなかった。
「そうですか、その少尉殿が私に何か御用でしょうか?」
奈央は警戒心を解くことなく目の前の男に対し冷たい声を浴びせる。
「おいおい、そうつんけんしないでくれよ。どうだい、これから一緒にランチでも…」
「結構です」
あまりの取り付く暇のなさにパーチャイの額には冷や汗が出ていた。
「せ、せめて名前くらい教えてくれよ、な?」
ガードが固い奈央に思わずうろたえつつもちゃっかりと名前を聞き出すパーチャイ。
「私は水原奈央伍長です」
奈央は観念したかのように軽くため息を付くと目の前の男に自分の名前をの名乗った。
「ナオか・・・いい名前だね」
やっと前進したかに思えたのか、パーチャイは思わず笑みがこぼれる。
だが、ここで二人の会話は途切れてしまう。
「すみませんがそろそろ仕事がに戻らないといけないので・・・」
奈央はパーチャイに頭を下げると早歩きで去って行った。
「うーん、失敗したか?・・・」
パーチャイは腕を組むと奈央が去っていったほうをじっと見送っていた。
「よし! 訓練、完了! 全員整列!」
コウシュンの声にならい手早く整列していく。
「これにて午前の訓練を終了する! 解散!」
この言葉を聴いた大体の面々はそれぞれに散っていく。
リーシェンが待機室に向かおうとすると一人の男が現れた。
「よう、みんな! 今日もご苦労さん」
「パーチャイ少尉!」
男が片手を挙げて挨拶をすると大隊の面々が男に集まっていく。
「誰なんですか?」
リーシェンがコウシュンに問う。
「うちの隊員だ、数ヶ月前に負傷し入院していたんだが・・・ ようやく戻ってきたか」
コウシュンが人の波を掻き分けてコウシュンの前に立つと隊員に見せていた軽薄そうな顔はせず引き締まった
顔で敬礼をした。
「報告します! 本日を持ってリコウ・パーチャイ、本隊に復帰します」
「よろしい、では早速だが彼と一緒に午後の飛行訓練をして欲しい」
コウシュンはリーシェンのほうに目配せをするが彼のほうは目の前の男といきなり組めと言われたことに戸
惑いを隠せなかった。
昼食を終えると今度はPMを使った飛行訓練、及び哨戒任務に入る。
隊員の整列が終わるとコウシュンが叫ぶ。
「よし、飛行訓練に移る。総員、搭乗!」
叫びと共にそれぞれが持ち場についていく、無論リーシェンやパーチャイも自分のPMに乗り込む。
パーチャイとリーシェンが乗り込むのはAUAの現行機『青龍』である。
リーシェンはコックピットに乗り込むと起動するためのカードキーを差し込む。
緑の発光と共に青龍が動き出す。
「バランサー・・・問題ないな。エンジン、及び燃料、弾薬、オールグリーン。青龍、発進します」
リーシェンは計器やシステム情報を見ながら最終チェックをするとオペレーターに呼びかける。
「了解、それでは発進どうぞ」
オペレーターの言葉を聴いて思いっきりペダルを踏み込む。計器が八十になると左の操縦桿を後ろに傾けた。
すると青龍は風に乗って大空を目指して飛び上がって行く。
これが青龍なのか・・・シミュレーターとは違う、これが実機なのか。
リーシェンは自身が乗る青龍の手応えに驚いていた。
「どうだい、ルーキー! 青龍の乗り心地は?」
後ろからパーチャイが声をかける。
「シミュレーションとは違いますね、風の影響をかなり受けます、それに操縦桿が思ったより固いです」
リーシェンは率直な感想を述べる。
「そうかい、じゃあまずはスロットルを上げてみな。限界を知らない奴とは組めないからな」
「了解」
二人はスロットルを限界まで上げ、大空を優々と駆け回る。
「いやぁほぉぉ!」
パーチャイの雄たけびをあげながら青龍を一回転させる。
「速度二百、もっと出せるのか?」
一方のパーチャイは計器と周囲に気を配りながら速度をどんどん上げていく。
「ルーキー! こいつが青龍だ! この感覚を覚えて置け!」
「了解!」
二匹の龍が大空を舞台にして華麗に舞っていた。
リーシェンとパーチャイが一通り機体性能を調べつくした時、通信が入った。
「二人とも、一通りの試験は終わったか?」
通信の送り主はコウシュンであった。後ろから銀のPMがリーシェンたちを追ってきている。
AUAの陸戦型PM、玄武である。玄武は青龍に比べ速度や武装面は貧弱であるものの防御に関しては他の
PMより遥かに高い。
「いいか、お前達の乗る青龍は攻撃性能が最も高い。だからと言ってそれに頼った攻撃はするなよ!」
「はっ!」
「了解、中佐」
空を駆ける青龍の後ろを玄武が激しいエンジン音を響かせ走っていく。速度は青龍に比べ明らかに遅いが足
に大地を踏みしめながら駆けて行った。
「うん? なんだ?」
突然、青龍のレーダーに何かが映る。データにはないパターン、アンノウンのようだ。
「隊長! レーダーに反応が!」
「何? 少尉、お前の方はどうだ?」
「こちらでも確認、もうすぐカメラに入ります」
雲の壁を突き破り二人の前に現れたのは漆黒のパンツァーモービルだった。
「あ、あれは・・・バイラムだ!」
「な、なんだと!」
何故、国際指名手配がこんな所に。
コウシュンは思考を切り替え、空かさず指示を出す。そして右にあるコンソールパネルを叩きながらカメラ
の記録を開始する。
「少尉、軍曹! 攻撃準備! 間違ってもこちらから手を出すなよ!」
「了解!」
二人は背面に備え付けてあるマシンガンに手を伸ばしバイラムに向ける。鋭い銃口が太陽の光に反射して今
にも火を吹きそうだった。
玄武の胸部に備え付けられている赤いランプをバイラムに向けて送信する。そしてマイクのスイッチを入れ
るとゆっくりと喋りだす。
「国際重要参考人、バイラムに告げる。貴殿はAUAの領内に不法侵入している――。」
コウシュンが喋り続けてる一方バイラムのほうは何もせず、ただコウシュンたちのほうを見つめている。
「――以上! 貴殿に五分間の猶予を与える。それを過ぎて回答が無い場合、こちらから威嚇攻撃させてもらう」
コウシュンが喋り終えるとバイラムの様子を観察するために別のレコーダーを立ち上げた。
四分ほど経過した頃だろうか、リーシェンはやたらと深呼吸をしている。
「……」
リーシェンの額に汗が流れた。
まだなのか? こんなにも長いのか?五分という時間は!?
「焦るなよ、ルーキー。我慢も軍人の務めだぜ」
パーチャイの言葉の耳に入れるが頭では緊張感でいっぱいになっていた。
コウシュンが時計を見るとすでに五分が経過している。
「返答は無し・・・か」
コウシュンは左手を上げ二人に発砲の合図を出す。
「撃っても良いってさ!」
「喰らえ!」
パーチャイの言葉に堰を切ったかのようにバイラムに向けて引き金を引く。
だがバイラムは稲妻の様な機動性で青龍に向かってきた。
「は、速い!」
リーシェンが体勢を整えようとするが既にバイラムは後ろに回りこんでいた。
「しまっ・・・」
振り向こうとした瞬間、背面を切りつけられる。
「うあぁぁぁぁ!」
背面のウイングとバーニアを破壊されリーシェンの青龍はそのまま大地に叩きつけられた。
「リーシェン!」
パーチャイはリーシェンの元へ駆けつけようとするが目の前にはあの悪魔が立っている。
そしてバイラムは無慈悲に剣を振るった。
パーチャイは思わず仰け反ってかわそうとレバーを倒す。
「うぉ!」
寸前でかわしたつもりだったが脚部の装甲に亀裂が入っており配線などが露出していた。
「マジかよ…」
一撃で装甲を持っていかれるなんて・・・マジモンの化け物か・・・
パーチャイの気持ちを知るわけもなく再び剣を振るってきた。
「んなろぉ!」
青龍のマシンガンがバイラムに向けて連射されるがバイラムはそれを難なくかわして行く。
そして青龍の目の前に来ると今度は思いっきり横一文字に剣を振るった。
「くそぉ!」
パーチャイはシートについている銀色の取っ手を思いっきり引くとシートごとコックピットの外へ放り出さ
れる。
それと同時に爆発が起こり青龍が無残な姿を曝した。
パラシュートに揺られながらゆっくりと大地降り立つとリーシェンの青龍へと急ぐ。
一方のバイラムはスピードを殺さずそのままコウシュンの玄武に接近する。
玄武がバイラムに照準を合わせるもののバイラムのほうが速く玄武の砲筒を切り裂いた。
「くぅ!」
あまりの速さにコウシュンはただ驚くだけであった。だがだからと言って何もしないわけではない。
玄武は間合いを取る為にバックダッシュし、バイラムを観察し始めた。
一方のバイラムは青龍のほうばかり見ていた。動かなくなったのをきちんと確認するかのように。
「おい、軍曹! しっかりしろ!」
パーチャイはコックピットのハッチを無理矢理こじ開ける。
「うう・・・」
中ではリーシェンがうめき声を上げたままピクリとも動かない。手が足を守るように置かれていることから
足に何らかのダメージを受けたようだ。
「命は別状がないみたいだな」」
パーチャイは手持ちのメディカルキットから添え木を取り出し、リーシェンの足に当てる。そして医療テー
プをきつめに巻いた。
「リーシェン軍曹! パーチャイ少尉! 早く離脱をしろ!」
コウシュンがマイクに向かって大声で叫ぶ。
「すみません、後はお願いしますね。隊長」
リーシェンはパーチャイの肩に捕まると多少よろめきながら駆け足でその場から去っていく。
バイラムは追撃する様子もなくただその様子を呆然と見送っているようだった。
「来い! 貴様に戦いのなんたるかを教えてやる!」
コウシュンは思いっきりペダルを踏み込み、バイラムに接近する。
バイラムは玄武のほうに身体を向かせると剣を構え、攻撃に備えた。
「そこだ!」
玄武は頭部に備え付けられている機関砲でバイラムの頭部を攻撃するがバランスを崩した様子もセンサーが
ぶれた様子も見られない。
これがバイラムか・・・
コウシュンの焦りを笑うかのようにバイラムは玄武の顔を目掛け剣を思い切り突き出してくる。
玄武は間一髪というところで避けるがバイラムはそのまま縦に振り下ろす。しかしそれも紙一重でかわし、
腰に備え付けてある長棒を掴み無造作にバイラムの足を払う。だがバイラムはそれを跳んでかわしそのまま
玄武の頭部に蹴りを喰らわせようとする。玄武は身をかがめてかわすと今度は胸に向かって突こうとするが
バイラムは軽々とそれを受け止めた。
正に一進一退の攻防が続いている。
「すごい・・・あれが・・・」
リーシェンは見惚れていた。
動きに全く無駄が無い。それだけじゃない、確実にPMの弱点を的確についている。一体どれだけの修練を
積めばあそこまでいけるんだ?
「当たり前だ、隊長は無意味な訓練を一切しない」
パーチャイはコウシュンの動きに見とれているリーシェンを下ろすと通信機の電源を入れる。
「こちら空陸第八大隊所属、第一小隊、重慶基地、応答を願います」
酷いノイズ音が数十秒響くと明るい女性の声が聞こえてきた。
「こちら重慶基地、定時連絡が途絶えましたが何かありましたか?」
「おっ、その声はマリアちゃんだね? どうだい、今晩食事でも」
「やだ、少尉ったら」
「少尉! 無駄話をしてないで下さい!」
「はいよ、悪いけど司令に伝えてくれない。国際指名手配のバイラムと交戦中、援軍を求める。」
「了解、では十分ほど持ちこたえてください」
通信が切られるとパーチャイはバイラムたちのほうを向く。
「隊長! 十分後に増援が来ます! それまで耐えてください!」
「わかった、お前達はなるべくその場から離れていろ。巻き添えを食っても責任は取れんからな!」
コウシュンはバイラムを睨みつけたまま再び操縦桿を握りなおした。
「了解」
二人は玄武からどんどん離れていく。
コウシュンはバイラムから一旦、離れ間合いを調整しようと後退した。
だがバイラムはステップを踏み再び近距離の間合いへ持っていく。
しかし、それを見据えていたコウシュンは玄武の最も固い場所である拳をバイラムの顔面に叩きつける。
バイラムはそれを首を動かすだけで避けるが今度は足を払おうとする。金属と金属がぶつかり合う音が響き
渡るがバイラムはバランスを崩さない。
再び両者は火花を散らし始めた。
パーチャイの通信を受けて八分経過した。
ここでコウシュンにミスが生じた。
無理もないだろうすり減らす戦いは必ずミスを招く。
「ちぃ!」
コウシュンの動きをカバーしようと体制を整えようとする。しかし、それを見逃すバイラムではない。
バイラムの剣が玄武の右肩部を貫く。だが・・・
「貴様を倒すのに無傷でなどという事は考えてはいない!」
左腕に備え付けてあった短剣を取り出しバイラムの首元を切り裂こうとする。しかし短剣は凄まじい金属音
を立てて二つに割れてしまった。
「何だと!?」
ほとんどのPMの弱点は首のはず!?
だがこのショックを受けることなく次の行動に移る。
「ここはどうだ!?」
今度は手足を使い見事なアームロックをかけた。
しかしバイラムは力技でそれを振りほどこうとする。
「完全に決まっている! これ以上動けばこのまま腕をへし折るぞ!」
コウシュンの注意を全く聞くわけでもなくバイラムはそのまま力を入れ続ける。
「仕方が無い! 折らせてもらう!」
玄武の腕にさらに力をいれると凄まじい金属の亀裂音が響く。しかしバイラムは構わず力を入れ続ける。
「無駄だ! そんな事では脱出する事は出来ん!」
玄武もまた力を入れ返す。そしてついに激しい亀裂音が目の前に響き渡った。
「そんな馬鹿な・・・」
コウシュンは目の前の出来事が信じられなかった。
「こんなことがあって良いのか?」
リーシェンは思わず呟く。
信じられなかった。誰もが腕がへし折れたと思った。いや、確かに折れた。
だが折れたのはバイラムの腕ではなく玄武の腕であった。
バイラムは自分の腕についている玄武の腕を掴み無造作に辺りに放り投げる。
「くぅ・・・」
腕を失った玄武はよろよろと後ずさりをする。
その隙を見逃すはずがなく、バイラムは持っていた剣を躊躇することなく思いっきり縦に振り下ろした。
「ちぃ!」
コンマ数秒であった。玄武がバイラムの攻撃を見てからバックステップを踏むまでの間。
「そ、そんな・・・」
玄武の頭部装甲が真っ二つにされ丸裸になる。カメラや配線が剥き出しとなり攻撃を受ければ玄武のセンサー
類は全て使用不可能になるだろう。
だが突如バイラムは止めを刺すのをためらった。
「どうした、何故止めを刺さない!」
バイラムはコウシュンをしばらく見つめると背面のバーニアを輝かせ、天高く上っていった。
「待て! バイラム!」
コウシュンは叫ぶがバイラムはすこしもこちらを見ようとしなかった。まるで何かから目をそらすかのように。
それと同じタイミングで多数の通信が入ってきた。
「コウシュン中佐! 応答を願います!」
「隊長! 応援に来ました!」
多くのPMが玄武の元へと急ぐ。
コウシュンは悪魔が去った空を睨みつけた。
「バイラム・・・また手合わせする日が来るだろう」
その時は私の全てをかけて貴様を討つ!
「珍しいね、君が負けるなんて」
ヨウシンが男の顔を舐めるように眺める。
「申し訳ありません」
コウシュンはただ頭を下げるしかなかった。
「私が聞きたいのはそんな言葉はじゃない、報告書と君による口答による報告だ」
ヨウシンは湯飲みを手に取り入っているお茶を啜った。
コウシュンはゴホンと軽く咳払いをすると口火を切ったかのように報告を始める。
「本日、統一時間午後一時一八分、重慶の南部にある久仰にて国際テロリストであるバイラムが出現」
「バイラムが?」
ヨウシンの眉が動く。
なにか目的があるのだろうか?
コウシュンの報告を聴くたびにヨウシンの顔が引き締まり、彼を『荒鷹』にしていく。
「はい、当然のように我々はバイラムに対し警告と国際軍事法第一条を口頭と電子文章で発信し返答を待ちま
した」
「記録は?」
「無論、録ってあります。もちろん改竄や編集は一切しておりません」
コウシュンは彼の目の前に黒いディスクを置く。
ヨウシンはディスクを手に取り自身のコンピュータに入れる。
バイラムの動画を見ながら手を口元へ持って行き脳を動かしていく。
「続けて」
「五分間待機しましたがバイラム側からは返答は無し」
「それで威嚇をしたんだね」
「はい、しかし・・・」
コウシュンは軽く口ごもる。
「しかし?」
「撃つ前に砲口を切り裂かれました、一撃で」
「その時の被害を教えてくれないかな」
「青龍は二機撃墜され、指揮官用玄武は大破しました」
コウシュンの報告にヨウシンは目を丸くした。
「そんなに強いの?」
ヨウシンは疑問を口にする。
目の前の男は自分が出会った中でかなり高水準の実力の持ち主だ。例え小隊であっても慌てることなく確実
に任務をこなす。それがコウシュンの評価だ。しかし、彼をここまでコケにする存在とは一体どんな敵なのだ
ろう?
「はい、居合い切りの要領でしょうか、一気に接近され真っ二つにされかけました」
アジア統連が所有するPMで最も装甲が厚い玄武、その装甲がまるで紙切れのようにあっさりと切り裂かれ
たのだ。
コウシュンはあの時の恐怖を振り払うかのように強く拳を握り締める。
「死者は?」
「いません、しかしチャウ・リーシェン軍曹が軽傷を負いました」
新任早々、こんな事に巻き込まれるとは不幸な奴だ。
コウシュンは医務室のベットで唸っているリーシェンに心の中で同情する。
「そう、軽傷で済んで良かったよ。所でバイラムと戦ってどうだったの?」
ヨウシンが質問するとコウシュンは少しの間を開け、ゆっくりと口を開く。
「……こんなことは申し上げたくは無いのですが、今の軍事兵器ではバイラムに太刀打ちできません」
「”AUA”の軍事力不足ってこと?」
ヨウシンはコウシュンの言葉に首をかしげる。
「いえ、そうではありません。喩え”ユニオン”でも”ステイツ”でもバイラムに対抗できる兵器は無いでしょう」
「つまり、今の”人類”じゃ勝てないってことかな?」
「はい・・・」
これは戦士としての感でありコウシュンなりの結論であった。
アレに勝つには人類の持つ全ての技術を投入したPMを作るしかない。
「そうか、ありがとう」
「いえ・・・それでは失礼します」
コウシュンは敬礼をすると踵を返し部屋を出て行った。
コウシュンが出て行った後ヨウシンはバイラムのデータを眺めながら不敵な笑みを浮かべる。
「バイラムか・・・久々に骨のある相手と出会えたよ」
湯飲みに入っていたお茶を一気に飲み干す。
荒ぶる鷹の目がバイラムという獲物を捉えた瞬間でもあった。
「くぅぅ・・・バイラムめ」
ベットの上でリーシェンが苦々しい顔をしながら呻く。足にはギブスが巻かれていることから骨折ですんだ
ようだ。
「大丈夫なの?」
奈央はリーシェンの顔を覗き込む。
「ああ、だがこのままでは俺の面子は丸つぶれだ。何とか・・・あのバイラムとかいうパンツァーモービルを
叩かないと・・・」
リーシェンは身体を起こしイラだった顔を見せる。
「ちょっと、無理しないでよ! 只でさえ腕の骨にひびが入ってるんだから!」
奈央は動こうとするリーシェンを手で制す。
「そうだ、無茶しすぎだぜ。新人さんよ」
奈央の後ろから低い声が聞こえてきた。奈央が振り向くと後ろにいたのはパーチャイ少尉だった。
「よう、伍長。相変わらず美人だね、どうだい俺と食事でも・・・」
パーチャイが奈央の方に手を置こうとすると奈央はその手を叩き落す。
「気安く触らないで下さい」
「つれないの……」
奈央の冷たい言葉にパーチャイは肩を竦めてリーシェンのほうを向く。
「さて、ルーキー。どうだ? 何も出来なかった気分は」
下卑た笑みを浮かべながらパーチャイはリーシェンを見る。
「悔しいに決まっています、たった一機、しかも隊長に頼りっぱなし! これでは無能を証明しているような
ものだ!」
「なら、朗報だ。水原、お前にも協力してもらうぞ」
「え? 何をですか?」
「ユニオンのビスマルク、ステイツのナイツ、そして俺たちAUAにもついに新型が配備される」
「新型・・・ですか?」
奈央は初めて聞く言葉にと疑問を覚えた。
そんな奈央を尻目にパーチャイは続ける。
「ああ、玄武、朱雀、白虎、青龍の特性を生かした統合戦術機動兵器だと聞いている」
リーシェンは興奮した顔でパーチャイに聞く。
「名は? その新型の名前はなんという名前なんですか?」
「黄龍だ。北の玄武、南の朱雀、東の青龍、西の白虎、そられを全て統括するという意味でこの名をとった」
「黄龍・・・なんて相応しい名だ。」
リーシェンは立ち上がり医務室を出て行こうとする。
「どこへ行くの?」
「決まっている、訓練にだ。その黄龍、必ず使いこなして見せる!では・・・」
リーシェンは奈央とパーチャイを一瞥すると勢い良く医務室から出て行った。
「おいおい、配備はまだまだ先だぜ…… 全く、気が早いな、アイツは。じゃあな、水原伍長。もしデートし
てくれるなら俺のアドレスによろしくな」
パーチャイは奈央にウィンクすると医務室を出て行った。
「ふぅ、リーシェン軍曹もパーチャイ少尉も言いたい事だけ言って出てちゃった。あっ、そういえば私の力を
貸してもらうって言ってたけど何をするんだろ?」
奈央の頭に再び疑問が浮んでいった。
そして舞台は強国、ステイツに移ろうとしていた。
第五話「強国の驕り」につづく
以上です
ようやくボルスとケントたちにスポット当ります
いやぁ、長かった…
あと、何故自分はアメリカ人女性のイメージを膨らませると
巨乳で金髪になってしまうのでしょうか?
巨乳…好きですか?
投下乙!
もう容量が無いから、感想は次スレかな?
は、早い。そうですね、感想は次スレという事でw
唐突に浮かんだネタは……
次スレに投下しよう
すみません、お礼をいうのをすっかり忘れていました。
支援していただいてありがとうございます。
いっぱいいっぱいで申しわけありません
じゃあ埋めって事で叫んでみよう
ティマー!sうわ極細なにをするやめ
叫ばせてもらえない……だと……!?
またマキられたのか……
そういえば、もう少しで20スレいきますねー。
考えてみれば凄いですよねw当座は28号までを目標にしますかw
早いもんだねぇ