多ジャンルバトルロワイアル Part6

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1創る名無しに見る名無し
ここは様々な作品のキャラを使ってバトルロワイアルの企画をリレー小説で行おうというスレです。
みんなでワイワイSSをつないで楽しみましょう。一見さんも、SSを書いたことのない人も大歓迎。
初投下で空気が読めないかもしれない? SS自体あまり書いたことがなくて不安?
気にせずにどうぞ! 投下しなくちゃ始まりません。
キン肉マンのラーメンマン先生曰く「最後に勝負を決めるのは技(SSの質)ではない! 精神力だ! 心だ!」

リレー小説バトルロワイアル企画とは……
原作バトルロワイアル同様にルールなし、特定会場で最後の一人が生き残るまで続くという企画です。
キャラをみんなでリレーし、交わらせ、最後の一人になるまでリレーを行う、みんなで物語を作るスレです。
ここしか書けない、このキャラしか書けないという人も分かる範囲で書けるし、
次どうなるかを期待して次の人にバトンを渡すこともできます。
全ての作品を知りつくてしなければ参加できない企画ではないので、興味が沸いたらぜひ参加を!

詳細ルールに関してはこちらを
ttp://www3.atwiki.jp/fullgenre/?page=%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB

〜予約、トリップについて〜

予約する際はトリップをつけてしたらばの予約スレに書き込んでおいてください。
トリップのつけかたは、名前欄に #の後に半角8文字以下、全角4文字以下の好きな言葉を打ち込んで書きこんで。
したらばに予約するのは、「他の人が書いてるから避けよう」という心理を利用し、予約だけして放置することで
企画を妨げる「予約荒らし」という行為を防ぐためです。予約期間は5日(120時間)ですが、
間に合わないからもうちょっと伸ばして!という報告があればさらに2日予約期間を追加(48時間)できます。

したらば(予約などいろいろな時にご利用を)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11918/
wiki(まとめサイトです)
http://www3.atwiki.jp/fullgenre/
2創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 00:47:40 ID:KWnx7U+H
★キャラクター能力制限★

・シャナ(@灼眼のシャナ)、C.C.(@コードギアス)は再生能力を落とす&急所(頭)ぶち抜かれたら即死。
・ルルーシュ・ランペルージ(@コードギアス)のギアス能力は、「死ね」「殺せ」など、
 直接相手や自分の生死に関わる命令は無効。 (「死ぬ気で頑張れ」とかならあり)
・らき☆すたキャラのオタ知識、ラノベ知識は制限。
・仮面ライダー龍騎キャラのミラーワールドへの侵入禁止。
・仮面ライダー龍騎キャラには、自分のカードデッキを支給。(ただし、支給品枠2つ分としてカウント)
・ローゼンメイデンキャラのnのフィールドへの侵入は禁止。
・泉新一(@寄生獣)はミギー付き。
・COMP(@真女神転生)は禁止。
・シャナ(@灼眼のシャナ)の「封絶」は禁止。

★支給品としてのアイテム制限★

・KMF(@コードギアス)などのロボ系は禁止。
・カードデッキ(@仮面ライダー龍騎)は、龍騎キャラには支給品として自分のものを支給。
 (龍騎キャラに支給される際は、支給品枠2つ分としてカウント。それ以外のキャラに支給される場合は支給品1つの扱い)
・デスノート(@DEATH NOTE)は禁止。
・サタンサーベル(@仮面ライダーBLACK)はシャドームーンから没収&世紀王の呼び寄せ禁止。

★その他★
・ひぐらしのなく頃にの雛見沢症候群は、まあ、空気読む方向で。
・カードデッキの変身は10分で解除。
・カードデッキは変身すれば1時間、ファイナルベントを使えば更に1時間使用不可となる。
3創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 00:50:46 ID:KWnx7U+H
5/6【コードギアス 反逆のルルーシュ@アニメ】
●ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○C.C./○ロロ・ランペルージ/○篠崎咲世子/○ジェレミア・ゴットバルト
5/6【ひぐらしのなく頃に@ゲーム】
○前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/●北条沙都子/○園崎詩音/●北条悟史
4/5【スクライド@アニメ】
○カズマ/●劉鳳/○由詑かなみ/○ストレイト・クーガー/●橘あすか
3/5【らき☆すた@漫画】
○泉こなた/○柊つかさ/●柊かがみ/●高良みゆき/○岩崎みなみ
4/5【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-@漫画】
●緋村剣心/●斎藤一/○志々雄真実/○瀬田宗次郎/○雪代縁
4/4【仮面ライダー龍騎@実写】
○城戸真司/○北岡秀一/○浅倉威/○東條悟
3/4【ルパン三世@アニメ】
○ルパン三世/○次元大介/○石川五ェ門/●銭形警部
3/4【ローゼンメイデン@アニメ】
●真紅/○水銀燈/○翠星石/○蒼星石
3/3【ガンソード@アニメ】
○ヴァン/○レイ・ラングレン/○ミハエル・ギャレット
3/3【寄生獣@漫画】
○泉新一/○田宮良子(田村玲子)/○後藤
2/3【ゼロの使い魔@小説】
●ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/●平賀才人/○タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
3/3【バトルロワイアル@小説】
○稲田瑞穂/○千草貴子/○三村信史
2/2【相棒@実写】
○杉下右京/●亀山薫
2/2【仮面ライダーBLACK@実写】
○南光太郎/○シャドームーン
2/2【真女神転生if@ゲーム】
○男主人公/○狭間偉出夫
2/2【DEATH NOTE@漫画】
○夜神月/○L
2/2【TRICK@実写】
○山田奈緒子/○上田次郎
2/2【バトルロワイアル@漫画】
●織田敏憲/○桐山和雄
1/1【ヴィオラートのアトリエ@ゲーム】
○アイゼル・ワイマール
1/1【灼眼のシャナ@小説】
○シャナ

 50/65
4 ◆6tU9OIbT/c :2010/01/30(土) 00:53:39 ID:KWnx7U+H
自分の無理な投下でスレを潰してしまってスイマセンorz

さるさんはいつの間にか解除されていましたので
新スレを立てておきました。
5創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 00:58:06 ID:eze/2uaF
スレ立て&投下乙です。
縁はどこまで姉のトラウマを引っ張るのか。
放送で剣心の死亡を聞いたらどうなるんだろうw
蒼嶋の独白と、彼の異常さに怖がりながらも助ける千草がカッコよかったです。
GJ!
6創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 00:58:44 ID:9y0+e+Kw
スレ立て乙だけど、一部の作品の死亡者の数がそのままになってる

5/6【コードギアス 反逆のルルーシュ@アニメ】
●ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○C.C./○ロロ・ランペルージ/○篠崎咲世子/○ジェレミア・ゴットバルト
3/6【ひぐらしのなく頃に@ゲーム】
○前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/●北条沙都子/○園崎詩音/●北条悟史
3/5【スクライド@アニメ】
○カズマ/●劉鳳/○由詑かなみ/○ストレイト・クーガー/●橘あすか
3/5【らき☆すた@漫画】
○泉こなた/○柊つかさ/●柊かがみ/●高良みゆき/○岩崎みなみ
3/5【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-@漫画】
●緋村剣心/●斎藤一/○志々雄真実/○瀬田宗次郎/○雪代縁
4/4【仮面ライダー龍騎@実写】
○城戸真司/○北岡秀一/○浅倉威/○東條悟
3/4【ルパン三世@アニメ】
○ルパン三世/○次元大介/○石川五ェ門/●銭形警部
3/4【ローゼンメイデン@アニメ】
●真紅/○水銀燈/○翠星石/○蒼星石
3/3【ガンソード@アニメ】
○ヴァン/○レイ・ラングレン/○ミハエル・ギャレット
3/3【寄生獣@漫画】
○泉新一/○田宮良子(田村玲子)/○後藤
1/3【ゼロの使い魔@小説】
●ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/●平賀才人/○タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
3/3【バトルロワイアル@小説】
○稲田瑞穂/○千草貴子/○三村信史
1/2【相棒@実写】
○杉下右京/●亀山薫
2/2【仮面ライダーBLACK@実写】
○南光太郎/○シャドームーン
2/2【真女神転生if@ゲーム】
○男主人公/○狭間偉出夫
2/2【DEATH NOTE@漫画】
○夜神月/○L
2/2【TRICK@実写】
○山田奈緒子/○上田次郎
1/2【バトルロワイアル@漫画】
●織田敏憲/○桐山和雄
1/1【ヴィオラートのアトリエ@ゲーム】
○アイゼル・ワイマール
1/1【灼眼のシャナ@小説】
○シャナ

 49/65

これで正しいと思う
7創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 01:20:42 ID:e7oVl7+A
投下乙!
一度は男主人公の力に異常さを感じながらも、
そんな自分を叱咤して助けに向かう千草
そしてボコボコにされても千草を守ろうとする男主人公と
二人とも輝いてたなぁ。男主人公は重症だけどお互い信頼が
一層深まったんじゃないだろうか…
特に原作通り千草は一般人ながら精神的な面ではかなり強いね
縁はかなり強いな…狂経脈で速いし力もあるから戦闘力は高そうだ
まあ今回は色々と運が悪かったけどw
しかし今回かなり吐いてたけど相手が戦える女性キャラだったらピンチになるぞw
あとスレ立ても乙です
8創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 02:06:35 ID:9y0+e+Kw
投下乙!
またしても縁は殺し損ねたかー
ヴァン&C.C.の進行方向次第ではぼっち化しそうだなww
毎回毎回いいところまで追い詰めるのに、最後の最後でとどめが刺せない
今はサラマンダーに甘んじてるけど、剣心死亡がどう影響するか楽しみだ

一方で蒼島&千草はなかなかいいコンビだ
戦闘力に関しては蒼島が申し分ないし、千草がかなりメンタル面で強いから蒼島の支えになってくれそう
なんというか理想的な主人公&ヒロインって感じがする
しかし織田といい千草といい、ロワ勢がシスコンって単語を口にしたのは偶然か
三村とかが言い出したら面白いかもしれないww

蒼島のガーディアンになったマサカドってどんな感じなの?
なんとなく強そうってのはわかるけど
9創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 14:24:05 ID:eze/2uaF
>>8
主人公の場合だと身体能力があがるくらい。
マサカドはパワータイプの男主人公専用ガーディアンで、上から二番目に強いガーディアンだったはず。
イメージとしてはデビル・メイ・クライ4のネロみたいな感じか?

パートナーなら魔法も使えるようになるんだがw
10創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 17:05:07 ID:quPjY5Rq
それパートナーの方が強いんじゃw
縁との戦闘で魔法も技も使えたら、かなり有利になった
かもなw
11創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 19:15:24 ID:Kwcb7Cf8
投下乙
白髪白髪ってwww
縁はトラウマが原因でそうなったんだから失礼だろwww
12創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 21:27:08 ID:XX9MXpdc
投下乙
主人公って死んだの一度や二度じゃないかもなw
13創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 01:04:13 ID:pX65VthB
昨日のwiki訪問者数600越えって一体なにがあったんだ
14創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 01:53:35 ID:OQo7Gtq3
新スレが立って、パロロワ事典@Wikiの記事が
更新されたからじゃないか?
それにしても600越えは結構いい数字だが。
15創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 14:53:47 ID:lD+97gzv
蒼島はパワーは凄そうだな。
ヒノカグツチを装備したらかなりの攻撃力になりそうだw
16創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 18:06:35 ID:VTCyWGM4
突然だがどこのロワのヴァンが真っ先に脱落するのかが気になった
17創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 18:17:17 ID:DUqcBqt9
今はアニ3、三次スパ、このロワの三つに出てるんだよな
個人的には三次スパのような気がする
18創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 19:15:45 ID:SZP04q23
こっちのヴァンはシャドームーンに会うか会わないかが安否を分けると思う
逆にそれさえクリアできれば当分は大丈夫
19創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 19:51:51 ID:lD+97gzv
シャドームーンは狭間や後藤ですら
まともに戦える気がしない
20創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 20:08:48 ID:rcQ5sQmA
狭間はまだ戦ってないから、どれくらいの強さかは分からないからな。

たしか自由の女神にはなれなかったか
21創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 21:20:38 ID:x93erz7s
このロワって対主催よりもマーダーの方が強い奴が多い気がする
22創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 22:02:57 ID:rcQ5sQmA
後藤、シャドームーン、浅倉、桐山、レイ、ミハエル、東條、水銀燈、スザク、縁、こなた、宗次郎。
はっきりマーダーと言えるヤツだけでこれだけ居るからな。
質も量もかなり充実してる。
23創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 22:09:31 ID:/PtHsIwH
なんかスザクだけくそ弱そうだな
24創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 22:24:07 ID:SZP04q23
その中に織田様の名前があったらさぞ浮いてただろうなぁ
25創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 22:54:16 ID:x93erz7s
それはきっと織田様が高貴過ぎるからだよw
26創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 01:41:57 ID:c2tAMSIH
逆に対主催は
新一、シャナ、真司、翠星石、咲世子、みなみ、L、右京、光太郎、月、ルパン、カズマ
五エ門、北岡、つかさ、蒼星石、レナ、C.C.、ヴァン、蒼島、貴子、かなみ、上田、稲田
アイゼル、ジェレミア、奈緒子、詩音、クーガー、志々雄、タバサ、三村、次元で

そのうち現状である程度の戦闘力を持ってるのが
新一、シャナ、真司、咲世子、L、右京、光太郎、ルパン、カズマ
五エ門、ヴァン、蒼島、貴子、アイゼル、ジェレミア、クーガー、志々雄、次元か

こう並べてみると悪くないと思うけど、シャドームーンや後藤の印象が強すぎるな
他にも浅倉や縁に桐山等、各々の作品でトップクラスの凶暴さの奴もわんさかいる
さらに有力対主催のジェレミアや咲世子に寝返りフラグと、先行き不安すぎる
27創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 02:05:30 ID:mSkzghmS
その中でもシャナと志々雄は危険対主催で前者はキルマーク付いてる
ある程度っていっても貴子あたりはちょっと微妙だし、クーガー蒼島は既にボロボロ
ついでに咲世子のマーダー化=玲子に食われるフラグ
ジェレミアマーダー化=対主催が一気に三人減るフラグ

…大丈夫なのか…?書いてて余計に不安になってきたぞ…
28創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 03:24:44 ID:c8dhHoOE
ホント、パロロワは地獄だぜ! フゥハハ(ry
29創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 05:54:04 ID:veGsm7kA
しかも狭間も蒼島が死んだらマーダー化しそうだしw
30創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 08:26:53 ID:5X3NEopy
カズマとてつをが組んだら百人力だが反りが合いそうにない
31創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 10:09:05 ID:N3rBSrf9
てつをは基本的に劉鳳の同類だよね
放送後はレナと詩音のダメージも大きい。特に詩音は支えが全部亡くなってる
32創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 10:32:57 ID:veGsm7kA
蒼星石もなかなか
同行者のあすかや真紅も死んでるし
33創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 10:49:07 ID:cyBqbYdg
蒼は基本的に翠さえ残ってれば大丈夫っぽい
でも翠が死ぬとヤバイ

てかジェレミアは主催がアレだし、スタンスかわらないんじゃない?
ルルーシュの敵討ち&帰ってナナリー守る
みたいになりそうだが
34創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 14:05:50 ID:BQEw85QH
詩音を狙い撃ちするかのごとくキーキャラが殆ど死んだからな
お前らそんなに詩音をマーダーにしたいのかwってくらい

ジェレミアは積極的なマーダーになる図があんま浮かばんな
35創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 19:06:04 ID:c2tAMSIH
ジェレミアはこれ以上自分の管轄内で皇族の死を見過ごすわけにはいかないと言ってたし
ルルーシュ復活の餌をチラつかされたら、マーダー化しそうな気がする

ただ悪役のジェレミアが活躍できるイメージは想像付かないww
36創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 23:40:51 ID:mSkzghmS
ナナリーは総督で安全圏にいるから守る必要ないんだよな、ついでにジェレミアの立場だと謁見すらできない可能性が
主催者と顔見知りだし「V.V.には死者復活はできない」って考えるかも、どっちもいける

悪役のジェレミア=一期=ヘタレ兼噛ませ犬ですね、分かります

そういえばアイゼルって結局杖無しで魔法使えるの?
37創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 11:28:55 ID:LPCuPA/B
ナナリーは総督で安全圏って、ルル居なくなったとはいえ黒の騎士団と衝突前じゃなかったか?
ルルいないと余計危ないし。

一期ジェレミアはもうそれだけで死亡フラグだなww
38創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 18:17:16 ID:e/WKC4cc
男主人公は他ロワではかなり外道な性格だったなあw
39創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 22:13:48 ID:aXt6iRlf
男主人公は今までの話とか見てると
大を助けるために、小を切り捨てるタイプのキャラな気がする
決して冷たいわけじゃないんだけど合理的な性格なのかな

そして破棄か、残念……
40創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 04:04:14 ID:+vad9sgi
バカ犬ってwwwwwwww
41創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 09:20:37 ID:idJIPnrf
>>36
普通に使える
42創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 09:23:57 ID:ocz4QU9K
魔法使える人物結構少ないな
狭間、タバサ、アイゼル、シャナぐらいか
43創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 14:41:07 ID:+vad9sgi
ヴァンも年齢次第では使える
44創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 14:43:59 ID:tA1sf5UA
さすがにまだ20代だろう
スパロボだとおっさんって言われてるけど
45創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 17:29:19 ID:ixp2XJgI
>>41
杖で殴った方が強いぐらいだけどなw
46創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 21:44:10 ID:p3y663og
>>45
それって普通に支給品使った方がいいんじゃw
それはそうと予約来てるね
47創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 23:43:46 ID:+vad9sgi
アイゼルはどんだけ怪力なんだww

>>46
レナと月&ルパングループって位置的に離れすぎじゃね?と思ったけど
月&ルパングループは展望台にいたんだったな
48創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 00:40:50 ID:tOrA4iPe
ふと気付いたけどこなたのデイパックの中身ってすごい豪華だな
全部当たりじゃないか
49創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 00:55:00 ID:OgYVR0/H
でも今こなたが持ってるのは才人に支給されてた
デイパックだからルイズの目玉と背骨が入ってるんだよな…
中身見たら腰抜かすんじゃないか?w
50創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 02:10:17 ID:Xi99SPNv
あっさり捨てそうな気もするw
51創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 03:46:32 ID:5Aj+iZ3Y
アイゼルやタバサの魔法は
人を即死させるほど強力ではなさそう
狭間はどうかわからんが
52創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 21:09:14 ID:q7H/trw/
支給品で思い出したけど、同じ支給品を二つ以上出すのはありかなぁ?
木刀とか、普通に2個あってもおかしくないし……
53創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 22:05:56 ID:dMkwrya7
現実出典ならありだと思うぜ
54創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 22:23:05 ID:slLkGWzJ
拡声器(現実)はすでに二つ出てるよ
55創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 23:35:24 ID:tOrA4iPe
出典元を変えるのも手かもしれない
例えばレナと上田先生にカメラが支給されてるけど
レナのは現実出典で、上田先生のはひぐらし出典のになってるし
他にも鉈がひぐらし出典とバトロワ出典の二種類ある

木刀なら現実出典のが既に登場してるけど、るろ剣辺りからなら出せると思う
56創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 00:26:08 ID:3uXaVF3H
木刀ではないけど、神谷道場の竹刀@るろうに剣心
なら出せると思う。
木刀出たっけ?
57創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 00:31:44 ID:WpdaRyuv
フライングボードを2個とかはありかね?
58創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 00:45:44 ID:2zascFpW
>>56
縁に支給されてた

>>57
それがありだとifとアトリエのアイテムは出し放題になるからなぁ
59創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 00:45:55 ID:KCkYc//Q
木刀なら薫が使っていたな
60創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 05:29:24 ID:sMuxKRIv
作品特有のアイテム二個以上は流石にダメなんじゃないかな

死亡者名鑑見てたら橘の名前が社長になってて吹いた
61創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 11:13:50 ID:NVXpMQQX
もうじき放送だけど、剣心や斉藤や劉鳳など、戦闘力の高い対主催が死んでるのに
マーダーはまだ織田様やサイトしか死んでないんだなww
62創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 12:59:51 ID:qUDQzmN+
>>61
それで残りの対主催は>>26とか>>27みたいな状況だからな
シャドームーンも後藤も自重する気配ないし、対主催涙目ww
63創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 18:49:36 ID:E79SeCIY
それでも……それでも影月と後藤と浅倉ならきっとなんとかしてくれる……
打算もなし、空気も読まずマーダーも余裕で殺してくれる
64創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 21:35:35 ID:ddntKISk
確かにそいつらは他のマーダーと組むとかはしなさそうだw
逆に銀様とかミハエル・東條とかはお互い利用し合うかもしれないな
あとステルスとかも出来そう
65創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 21:39:53 ID:sMuxKRIv
しかし最終的に全員裏切りそうなのが怖い
特に東條

ネタ抜きでもトップマーダー同士の戦いとかは面白そう
後藤vsシャドームーンとか
66創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 21:41:33 ID:lG/H6RWn
ボッチ皇も忘れないでやってくれよ…
67創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 13:59:02 ID:IE9zeEe5
>>65
東條は原作でも奇襲と裏切りの繰り返しだからな
北岡と浅倉には完敗してたし、真正面から戦うと弱いイメージがある
68創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 17:34:42 ID:TP2i7m7X
確かに東條は運動苦手そうだなー
キルスコアは高いけど、全部奇襲だったし
69創る名無しに見る名無し:2010/02/07(日) 20:26:30 ID:TP2i7m7X
レナを予約してる人が延長してるけど、まだ普通の期限も一日余ってるよ?
70創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 12:29:47 ID:gKsJ4d+O
ヘタに戦闘力の高い縁とかよりも
戦闘力はさほどでもないけど、何をするかわからない東條とかの方が怖いなw
71創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 16:57:11 ID:Kc3/mOg7
ふと疑問に思ったんだが、遊園地とか図書館のあるエリアの何も書いてないマスってなにがあるの?
たまに民家とか出てきてるけど、現実みたいな街並みでいいんだろうか
72創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 17:49:24 ID:i/SGV5Cz
普通に街があると思う
73創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 01:54:13 ID:x/0ri+af
予約ktkr
北岡先生がKOOL相手に口先で勝てるのかどうか見物だな
74創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 01:56:36 ID:1a4PLWz+
圭一はついに誰かと遭遇か
銃を持ってるのが不安だな
75創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 21:29:40 ID:XXQmhx7D
>>63を見て気付いたけど、今のところ死んだマーダーって二人ともマーダーにやられてるね
76創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 22:23:42 ID:wD83PvsF
つい最近Wiki見始めたけどこのロワ面白いね
特にアニロワとかで最強だったクーガーあたりが後藤にやられてるとか新鮮だw
77創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 23:47:59 ID:XHznc8f8
後藤は最終的にこうなるからな
ttp://blog-imgs-23-origin.fc2.com/k/a/k/kakopipe/k10_16.jpg
78創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 23:48:04 ID:fe16hT4e
シャドームーンや後藤に加えて、
狭間まで無差別マーダー化して暴れ回ったら、手が付けられない気がするww
79創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 23:54:31 ID:XXQmhx7D
なんだかんだで後藤は倒せそうな気がする
ただシャドームーンはどうにもならなそう
80創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 00:27:40 ID:nvI7yz6T
後藤は毒に弱いって弱点を持ってるからな
しっかり睡眠も取るし
影月は弱点らしいものが思いつかんw
81創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 01:05:22 ID:c894Gyb3
さじ加減を間違えると早期退場しかねないなw
82創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 01:10:13 ID:jyKwhAMk
それに炎も苦手らしいし、王蛇さんや志々雄さん辺りなら倒せるかもしれない
特に志々雄さんは近くにいるし、結構いい勝負できそうだな


ここまで書いて、無限刃持ってないことに気づいた
でもリュウガデッキあるし、相方が氷系の魔法を持ってるから
某究極生物みたいに考えるのをやめさせるとかでいけるかもしれんww
83創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 01:28:48 ID:GA+nU2m0
炎はこけるかも知れんレベルで、ミギーの推測だったのでは?
84創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 04:58:05 ID:zTkMlEYY
寄生生物はいきなり火を近づけられると
無意識に体が反応しちゃうんじゃなかったっけ?
それでバランスを崩している隙に胴と頭を切り離して
プロテクトを解除させる→ガードの弱くなった人間部分を攻撃して倒す
みたいな作戦だったかな?
85創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 05:20:14 ID:7/cO6FdU
シャドームーン以外の強マーダーは
なんとか倒せる可能性がある感じがする・・・
ただ影月が飛びぬけ過ぎw
86創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 13:18:12 ID:XWgUaJgs
てつをなめんな
87創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 23:18:09 ID:66c7MxH+
破棄か…、残念だなぁ…。
次を期待しています。
88創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 23:42:36 ID:jyKwhAMk
火でこけるかもレベルでも、リュウガに変身した志々雄さんなら十分対応出来る気がする
唯一剣心が倒せなかった相手だし、志々雄さんは実力も底がしれないんだよな
今は強敵とぶつかってないから目立たないけど、相当強い部類に入ってる
89創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:21:51 ID:3N7eHHxz
志々雄がヒノカグツチを手に入れれば後藤やシャドームーン
とも十分渡り合えそう
90創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:41:36 ID:YKuRi+B+
ただ志々雄も結局は悪役なんだよなー
逆にヒノカグツチ持ってマーダー化したら本当に詰む
91創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 00:44:30 ID:UEU+oCiI
予約ktkr
シャナと真司達が遭遇したらヤバイな
92創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 11:31:08 ID:q1fMtfc0
志々雄は強そうだけど、
互角ぐらいの強さの縁はそこまでじゃなさそうw
縁も強敵とあたってないからかもしれんが
93創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:18:32 ID:YKuRi+B+
縁の場合はスタンスと弱点が全く噛み合ってないからなぁ
勝てる試合を何度も逃してる
94創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 17:50:56 ID:qp4kaSJb
後藤+火=ひざカックン。

縁は弱点克服のための試練だと思ってるみたいだからな。そら、自分で弱点を突かないと意味ないべ
95創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 04:18:49 ID:+ZuHylv0
意外に縁に楽勝できる参加者少ないな
シャドームーンやてつお、カズマ、後藤
狭間ぐらいかw
96創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 20:05:59 ID:gHDSzW39
>>92
蒼崎とジェレミアだって十分人間離れしてるんだぞww
縁が志々雄に勝ってるところを想像できないのは確かだけどw

ジェレミアって本編中で脚力動体視力防御力は発揮されてたけど、それ以外は特に描写されてなかったから
戦力としてかなり微妙に見えてしまう
97創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 20:36:51 ID:+ZuHylv0
蒼崎は力以外にも防御力とか上がってるかな?
縁に斬られたり、殴られまくっても死ななかったぐらいだからw
98創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 22:28:11 ID:K81TUS1U
HPじゃね?
99創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 23:27:02 ID:QWnUOilE
縁は一度剣心に負けてるのが評価を下げる一因だと思う
100創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 23:35:10 ID:Eyjv9h32
ぶっちゃけ速度でいったら、そうじろうと2人だけで、DB世界に入ってるような奴だもんな
101創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 23:54:44 ID:qRv7Vs20
何か全然話題に挙がらないから疑問に思ったんだが
シャナってどの位強いんだ?
102創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 00:19:06 ID:5UgIEUL4
103創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 16:11:10 ID:i+/RrxOi
少なくともジェレミアや咲世子さんより強い
んじゃない
104創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 22:22:47 ID:/BzLFvyQ
105創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 22:29:46 ID:P6YIYojV
現在位置にある施設ってどう移動させるの?
106創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 23:35:31 ID:dipQQFw/
>>104
制限されてなかったら滅茶苦茶強いのなw
封絶とかいうのを制限したのは正解だったと思う
104を見る限り参加者の中では結構なスペックだな
107創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 00:00:14 ID:dB21iJOP
初期シャナだからまだマシ
108創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 00:39:58 ID:LFJN44xO
銃弾が大丈夫って、防御力がやば過ぎだな
盾を投げた新一くん涙目
そういえば初期シャナは炎を
自在に使えないって本当?
109 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 00:55:06 ID:WH3POt6n
本日が予約期限の終了日だったのですが、
既に完成済みなのですが、これから推敲したいので少し時間をください。
遅くとも三時までには、投下をするつもりです。
110創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 00:58:01 ID:E7uT6D+u
よし、支援の準備と全裸待機だ
111創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 01:06:06 ID:NCxpmeXO
よろしいならば全裸待機だ
といいつつ寝落ちたらすまぬw
限界まで支援させてもらうぜ
112創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 01:18:17 ID:q39PcoB1
>>108
銃弾も爆発も大丈夫なのにパッとしないジェレミア涙目…w

投下wktk、待機してるぜ!
113創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 01:50:20 ID:MLul/3Xe
支援準備おk
114創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 01:51:42 ID:wHTAlMoj
糞っ・・外は豪雪っ・・・・!
しかし・・今は・・全裸待機・・・・っ!!
115創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 02:00:24 ID:oVose1+3
早く投下してあげて!
>>114のライフはもう0よっ!
116創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 02:07:42 ID:MLul/3Xe
>>114
( ´・ω・`)_且~~ イカガ?
ただし全裸は続行な
117創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 02:48:43 ID:gMO+Azvb
みてるぜ・・・
118 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 02:59:57 ID:WH3POt6n
遅くなってすいません。
たくさんの全裸待機ありがとうございます。

それでは北岡秀一、石川五エ門、柊つかさ、前原圭一を投下します。
119 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:02:05 ID:WH3POt6n
前原圭一は地図でいうFー6の部分を歩いていた。
異常なほど周囲を警戒し、ベルトに差した拳銃を強く握り締めながら。
拳銃は拾ってから片時も手放していないため、汗がべっとりと滲んでいる。
手では拳銃の機械的な感触と汗の粘ついた感触が交わり、独特の不快感を生み出している。
それでも彼は拳銃を離そうとはしなかった。
何故なら彼は肉体的にも精神的にも、ただの男子学生だからだ。
彼にはアルターのような特異な能力もなければ、ライダーデッキなどの強力なアイテムが支給されたわけでもない。
身を守る手段は効力が不明のデスノートを除けば、鉄パイプと拳銃のみ。
故に臆病なほど慎重に行動しなければならないのである。

(次は何処へ行くか……)

支給された地図を眺めながら考える圭一。
彼は図書館を出た後、水族館に向かった。
そこにした理由は、単純に一番近い施設だったからである。
こんな時に呑気に魚を見に行く奴がいるのかと疑問を浮かべたが、派手に動きたくないためそこを目的地に定めた。
だが疑問通り水族館には悟史どころか人がいた形跡すら無かったため、無駄足を踏む結果となってしまった。

(水族館を出た後はずっと北に行ったから……一番近いのは公園か)

Fー6の周辺にある施設は公園、図書館、水族館。
後者の二つは既に訪れたため、残りは公園だけになる。
公園は市街地と小島を結ぶ架け橋にもなっているため、人が通りやすい。
そのため水族館よりは、訪れる価値があるように思えた。

(よし、次は公園に…………ッ!?)

目的地を決定し、いざそこへ向かおうとした瞬間。
彼の瞳には、信じられない物が映った。

彼が今まさに向かおうとしていた公園の上空から、緑色の光線が注がれたのだ。

それから数秒後。
激しい爆音が轟き、公園から煙が上がり始める。

「な、なんだよ、あれ!?」

先ほど遊園地の方角から起こったものに比べれば、ずっと小規模な爆発。
しかし爆発するまでの過程が異常であった。
彼が今まで身に付けてきた常識の中に、緑色の光線を放つものは存在しない。
そういった類が存在していいのは、アニメや漫画の中だけなのだ。

「ひぃっ!」

反射的に圭一は恐れを抱き、公園とは逆方向に逃げ出す。
あそこには危険が存在すると、直感で理解したのだ。

「ハァッ、ハァッ……」

先ほどの慎重さが嘘のように走り抜ける圭一。
コンクリートの地面に足音を立て、乱れた吐息は早朝の澄んだ空気の中に馴染んでいく。
理性や知性をかなぐり捨て、ただ危険から逃げ切るため。
彼はただひたすら走り続けた。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

120創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:02:56 ID:q39PcoB1
支援
121創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:02:58 ID:MLul/3Xe
支援
122創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:03:26 ID:E7uT6D+u
 
123 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:05:09 ID:WH3POt6n
世の中には才能など存在しないという人がいる。
でも俺――――北岡秀一は違うと思ってるんだ。
なんでだか分かる? うん、分からないよね。
しょうがないから特別に教えて上げるよ。
どうしてそう思ったかっていうと、俺自身が才能に恵まれたスーパー弁護士だからさ。
俺の才能の素晴らしさは、俺の普段の生活を見れば分かるかな。
弁護士としての腕前は、大手企業からも依頼が殺到するほど。
取材が来ることも珍しくなく、世間での認知度もかなり高い。
さらに自宅は小洒落た一戸建てで、高級車を三台も所持。
おまけにイケメンで、超一流の秘書の吾郎ちゃんまでいる。
これを勝ち組と言わないなら、なんて呼べばいいんだろうね。

でも神様は全ての才能を俺に与えてくれなかった。
確かに俺はスーパー弁護士であり、頭脳労働ならかなりの自信がある。
けど肉体労働に関しては、お世辞にも優秀と呼べるものじゃあない。
端から運動に関する才能がない上に、俺を取り巻く環境がそれに拍車を掛けていたんだ。
まず第一に職業、弁護士業はデスクワークが中心であり基本的に運動はしない。
移動も吾郎ちゃんが運転する車が中心であることが、さらに俺から運動との接点を遠ざけていた。
次に年齢、一般的に人間の体力は二十五歳を過ぎると低下していくと言われている。
俺の年齢は三十歳、俗にいう三十路だ。
最後に病気、俺は不治の病に侵されている。
この病気によりどんどん身体の機能は低下していき、最後はまともに歩けなかったほどだ。

はっきり言おう、俺は運動音痴だ。
だから――――

「そろそろ変わってくれない? 五エ門」

俺は背中で眠るつかさちゃんの顔を見て、五エ門に提案した。

「断る」

隣を歩く五エ門は、振り返らずにそう返す。
最初からこう返されるのは分かっていたものの、消沈せざるを得なかった。


浅倉から逃げ切った北岡達は、体勢を立て直すために森を出ることにした。
ゾルダのデッキを持っているであろう金髪の男からは、一度離れることになるだろう。
だが金髪の男を深追いすることは、北条悟史が作り出した危険地帯に残ることを意味する。
そこには浅倉のような危険人物が、大量に集合しているだろう。
命からがら逃げ出してきたのに、すぐ再会したら笑い話にもならない。
生身でライダーと互角に渡り合える五エ門でも、次は生き延びられる保証はないのだ。
故に一度体勢を立て直し、再び森に入る必要がある。
悟史を見捨てるのは五エ門にとって苦渋の決断だったようだが、了承してもらう他なかった。

そこで目的地に選択したのが、設備の整っている総合病院。
Hー4にわざわざ小病院と記述してあることから、ここはかなり設備が整っているのだろう。
到着したらまず負傷した五エ門とつかさを治療。
その後に院内を探索し、使えそうな道具を入手。
可能ならばデルフリンガーに変わる新たな刀剣類の確保も行う。
これが五エ門と相談した末、出した結論だった。
124創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:05:38 ID:wHTAlMoj
茶をいただきつつ支援 且~~
125創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:05:39 ID:q39PcoB1
支援
126創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:06:33 ID:wHTAlMoj
支援
127創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:06:36 ID:gMO+Azvb
C
128創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:07:18 ID:E7uT6D+u
 
129創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:07:38 ID:MLul/3Xe
支援
130 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:08:18 ID:WH3POt6n

そうして彼らは移動を始めたのだが、一つ問題があった。
それは浅倉との交戦の直前に保護した少女、柊つかさである。
彼女は現在熟睡中であり、当然のように歩くことはできない。
山中に放置していく訳にもいかず、交代でどちらかが背負って歩くことになった。
だが人を背負って歩くというのは、想像以上に辛い。
森林部は既に過ぎていたため、歩くこと自体は随分と楽になっている。
だがここで、北岡の運動不足が響いた。
五エ門と交代してから大分経過したが、足にかかる負担が非常に大きいのだ。
しかも五エ門は歩く速度を緩めないため、おちおち休憩することもできない。
一歩踏み出すたびに足に鈍痛が走り、ふくらはぎが張り詰めていく。
足が棒のようだとはこの事だと、痛感させられる北岡であった。

(ったく、これが城戸とかだったらとっくに置いてってるよ……)

背中で寝息を立てているつかさの顔を見ながら、心中で呟く北岡。
今の彼にとって、背中で眠っているのが美少女であることが唯一の救いだった。
彼だって男である。汗臭い男より可愛い少女の方が好みなのだ。
それに危険地帯であるD−7は、既に五エ門が背負って通過している。
だから危険人物に遭遇する可能性は低く、精神的な負担は五エ門よりもずっと軽い。
それでも辛いものは辛いのだ。

「ホントに頼むよ五エ門、もう足がパンパンでさ」
「最初に約束したであろう、交代して背負うと、それに……」
「それに?」
「もし拙者が背負っている時に、誰かに襲われたらどうする?」
「ぐっ……」

確かに五エ門の言う通りである。
北岡自身もブローニング・ハイパワーを所持しているため、戦えないわけではない。
しかし予備のマガジンはないうえに、残弾数も三発だけ。
これでは消耗戦になった場合、圧倒的不利に陥ってしまう。
そもそもライダーのような銃の効かない相手では、太刀打ちする事できないのだ。
従って事前の契約どおり戦闘では五エ門を頼ることになるが、つかさを背負っていては初動が遅れる。
その間にもし五エ門が倒された場合、北岡の命も無いのだ。

(五エ門の癖に……)

理路整然としていて、付け入る隙の無い理論だ。
己の生存確率を上げるにも、やはり自分がつかさを背負うしかないのである。

(こんなことならもう少し運動しとけばよかったよ、はぁ……)

自虐的に笑みを浮かべ、溜息をつく北岡。
その時同時につかさの位置がずれ、慌てて直した。

「すぅ……すぅ……」
「…………」

つかさは穏やかな寝顔を見せながら、規則正しく寝息を立てている。
その様子から彼女は当分目覚めないだろうと、北岡は推測した。
131創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:08:41 ID:wHTAlMoj
支援
132創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:09:45 ID:MLul/3Xe
支援
133創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:09:45 ID:E7uT6D+u
 
134 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:10:36 ID:WH3POt6n
(……そろそろあの事を言った方がいいかな)

北岡は五エ門とつかさの顔を何度も見比べた後、つかさが起きていないか再度確認する。
そして熟睡しているのを見て、五エ門に切り出した。

「なぁ、五エ門……」
「何度も言っているだろう、変わらぬと」
「いや、そのことじゃないんだ」

北岡がつかさを背負うのをまた変わってほしいと懇願すると思ったのだろう。
五エ門は切れ長の目をさらに細め、睨むように見つめてくる。

「では何用か?」
「その前に一つ約束してほしいんだが……これから言う事を聞いても冷静でいてほしいんだ」

突然北岡が態度を変えたからか、五エ門は首を傾げている。
だがそれでも、首を縦に振ってくれた。

「えっとさ、ほら、ルルーシュって奴を覚えてるか?」
「うむ、最初にあのV.V.とかいう輩に啖呵を切った男だな、あと……確かつかさ殿がその名前を口ずさんでたはずだ」
「そのことなんだけど……浅倉が襲ってきた時に俺はずっとつかさちゃんといただろ?
 その時に彼女から聞いたんだけど……」

そこまで言いかけ、北岡はまたつかさの顔を見る。
彼女は相変わらず気持ちよさそうに眠っていた。

「つかさちゃんがさ、ルルーシュを殺しちゃったって言ってたんだ」

刹那、風が吹き、五エ門の着物を揺らした。

「……それは真か?」
「ああ、本人が言ってたし間違いないよ」

信じられない言葉を聞かされ、思わず五エ門は足を止めてしまう。
彼自身最初につかさの姿を見た時、多少不自然さを感じていた。
しかし彼女が人を殺しているとは想像もしてなかったのだ。

(五エ門の奴……やっぱり動揺してるな)

神妙な顔で俯いている五エ門を見れば、誰でも分かるだろう。
五エ門は目に見えて動揺している。
こうなると分かっていたからこそ、北岡はずっとタイミングを測っていたのだ。
135創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:11:20 ID:E7uT6D+u
 
136創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:11:21 ID:wHTAlMoj
支援
137 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:12:18 ID:WH3POt6n
「それをどうして早く――――」
「これはさ、不幸な事故なんだよ」

早口で捲し立ててきた五エ門を遮る北岡。
その妙な迫力に押され、五エ門は閉口してしまう。

「つかさちゃんは元々ただ学生だったんだ、こんなところに連れてこられなければ血生臭いことには無縁だったはずなんだ」

北岡は僅かに明るみ始めた空を仰ぎ、ゆっくりと喋り続ける。

「悪いのはつかさちゃんじゃない、こんなところに彼女を連れてきたV.V.なんだ」

黙りこくる五エ門、つかさも北岡の背で眠り続けている。
だからこの場に響いているのは、北岡秀一の声だけだ。

「だからさ、五エ門、つかさちゃんを許してやってくれないかな?」
「……………………」

北岡の言葉が終わり、静寂に包まれる二人。
その間北岡は若干緊張した面持ちで、目を閉じた五エ門を見つめる。
そうして十数秒経った後、五エ門はゆっくりと口を開いた。

「……そもそも拙者には、つかさ殿をどうこうする気はない
 ただ北岡殿がそれを拙者に黙っていたことが、少々気に入らなかっただけだ」

そう言って、再び歩き始める五エ門。
前と変わらず北岡のことをまるで考慮しない素早い歩調で、つかつかと歩き出す。
その様子を見て、北岡はほっと胸を撫で下ろした。

若干の不安はあった。
五エ門は非常に正義感の強い性格である。
故に殺人という禁忌を犯したつかさに対して、どういったリアクションを取るか読めなかったのだ。
つかさを捨てていけと言うかもしれないし、契約を反故にされる可能性もあった。
五エ門に報告しないとのも考えたが、それではつかさが起きた時に面倒事が起きる可能性がある。
この件で揉め事を起こすのは、双方にとっていい方向へは働かない。
だったら先に自分が告げて、自分達だけで解決してしまえばいい。
それが北岡の考えだった。

「それは悪かったよ、でも走っている時にいきなり言われても迷惑だっただろ?」

数メートル先を歩く五エ門に追いつこうと、北岡は小走する。
心無しか先ほどまで重かった脚は、随分と軽く感じた。

「……確かに、北岡殿の言う通りだ」
「だろ? だからタイミングを測ってたんだよ」

浅倉から逃げた直後は、危険地帯から脱出するため小走りをしていた。
その時にこの件を告げても、まともな対応はできなかっただろう。

「そうか、それでは拙者の見当違いだったということだな」
「そういうこと、あともう一つ――――」
「つかさ殿にはこのことを言うな、か?」

今度は北岡の言葉を遮り、ふっと笑みを浮かべる五エ門。
してやったり、と言いたげな表情だ。
138創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:12:43 ID:MLul/3Xe
支援
139創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:12:58 ID:q39PcoB1
  
140創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:13:21 ID:E7uT6D+u
支援
141創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:13:29 ID:MLul/3Xe
支援
142 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:14:14 ID:WH3POt6n
「ああ、分かってるならそれでいいよ」

北岡がそう返すと、五エ門は前を向いてまた歩き出す。
その態度を見るからに、最初から五エ門は北岡と同じ考えだったようだ。
やはり五エ門は超が付くほどのお人好しらしい。

(あれ? でもそれじゃあ俺もお人好しってことになるんじゃないの?)

五エ門の考えをお人好しというのなら、同じ考えに至った自分もお人好しということになるのではないだろうか。

(いや、これはチーム内の空気が悪くなるのを防いだだけなんだ、だから城戸や五エ門みたいになったわけじゃ……)

「北岡殿」
「え? ……ん、な、なに?」

考え事をしていたため、北岡は僅かながら返事が遅れてしまう。

「あれは図書館ではないのか?」

五エ門が指さした先にあるのは、一際目立つ建造物。
彼らは方位磁石に従いずっと南下していたため、あれは図書館で間違いないだろう。

「お、本当だ、あそこで少し休憩にしない?」
「拙者達の目的地は総合病院だったはずだが……」
「少しくらいいいじゃない、つかさちゃん達の知り合いもいるかもしれないしさ」
「……仕方がない、ただし少しだけだ」
「さすが五エ門ちゃん! 話が分かって――――」

北岡が休憩したいと申し出て、渋々五エ門が了承する
そしてやっと休憩できることに、北岡が舞い上がった瞬間だった。

「伏せろッ!!」

五エ門が怒声を発すると同時に、ぱぁんと乾いた音が響く。
そして五エ門が鞘からデルフリンガーを抜きつつ、宙へと飛び上がり――――

「せぇいッ!」

迫ってきた弾丸を、たたき落とした。

「な……」

五エ門の言葉で咄嗟に伏せていた北岡が、この一瞬の出来事を理解するのには数秒を要した。
足元に真っ二つに切断された銃弾が無ければ、もっとかかったかもしれない。
簡単に説明しよう。
先ほど北岡が舞い上がった瞬間、彼の背後に一人の少年――――前原圭一が忍び寄り、
彼らを射殺しようと発砲した。
が、剥き出しの殺気を発砲直前に五エ門が気付き、即座に対応。
神風のような速度で北岡の背後に回り、銃弾を一刀両断したのだ。
143創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:14:39 ID:q39PcoB1
  
144創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:15:17 ID:E7uT6D+u
支援
145創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:16:09 ID:gMO+Azvb
C
146 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:16:47 ID:WH3POt6n
「貴様!」

銃弾を両断した勢いで、今度は圭一へと飛び掛る五エ門。
彼の鬼のような形相に驚き、圭一は二発目を発射する。
だが狙いもまともに定めていない上、手を震わせながら発射した銃弾など届くはずがない。
銃弾は空に消え、同時に彼と圭一の間にあった十数メートルの距離も無くなっていた。

「ひっ!」

急いで拳銃を構え直す圭一だが、あまりにも遅すぎる。
五エ門ーの一振りで、拳銃は背後へと弾け飛んでいった。

「せぇいっ!」

返す刀で今度は圭一のデイパックを切り裂く五エ門。
するとデイパックの一部分が裂けて、中身が散乱した。
次から次へと起こる出来事に、混乱する圭一。
それでも抵抗せんと手段を模索しようとするが、喉元に冷たい感触がそれを停止させた。

「次は斬るぞ」

ドスの利いた声を出し、五エ門は圭一を脅迫する。
錆びた剣を押し当て、圭一の柔らかい肉を圧迫する。
そのまま数秒、世界中の時が止まったかのような緊迫した時間が流れていた。

――――これだけすれば抵抗はしてこないだろう。

五エ門は刃物のように目を尖らせ、圭一を見下ろす。
殺気を隠せていないことに、拳銃を握った手が震えていたこと。
これらを考慮するからに、目の前の少年は戦い慣れていない。
おそらくこの場の空気に精神を蝕まれ、凶行に走ったのだろう。
五エ門は前原圭一について、このように考えていた。
無論彼を斬り殺すつもりはなく、交渉を請け負う北岡にその後の采配を委ねるつもりでいた。
だが――――

「うがあああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」

斬首された死体を見たばかりの圭一には、死を意識させるには十分過ぎたのだ。

「ッ!?」

腹の底から繰り出したかのような、低く大きな悲鳴。
底冷えするようなその声は、咆哮といったほうが適切だろうか。
圭一の予想外の行動に気圧され、一瞬だけ発生する五エ門の隙。
ただ生き残りたい。
生物の本能ともいえる行動原理は、その隙に圭一に行動を起こさせた。

「ちぃっ!」

穴の開いたデイパックに手を突っ込み、何かを取り出す圭一。
しかしそれを見逃す五エ門ではない。
すぐに自らのすべき事を思い出し、デルフリンガーを振るう。
それにより取り出された何かは弾き飛ばされ、宙へと舞い上がる。

それが、引き金となった。
147創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:16:54 ID:MLul/3Xe
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148創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:17:46 ID:MLul/3Xe
えっ ちょ ちょ
どうなるの
149創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:18:02 ID:E7uT6D+u
支援
150 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:20:15 ID:WH3POt6n
「なんだこの音は……?」

彼らを包み込むのは、澄んだ鐘の音。
緊迫した状況に似合わぬその音は、彼らの意識を奪い取ってしまう。
そう、圭一が咄嗟に取り出したのは、手の平ほどの大きさを持つ鐘であった。

「こりゃあ……まずいッ! この音を聞いちゃいけねぇ! すぐに耳を塞げ! このままじゃ……」
「だから戦ってる間くらいは静かにしていろ……と……」

突然声を上げるデルフリンガーに、露骨な嫌悪を示す五エ門。
しかしデルフリンガーは口を塞ごうとせず、必死に何かを伝えようとする。
そして異変はすぐに訪れた。

「ぐっ……なんだ……これは……?」
「だから言ったのによぉ……」

眼球の奥から急速に迫ってくる倦怠感。
頭に靄がかかり始め、やがて全身をそれが包んでいく。
首の力が抜け、肩の力が抜け、腕の力が抜け、ついには足の力が抜けて立てなくなる。

「おい、五エ門!」

急に膝を着き始めた五エ門の身を案じ、銃を構えながら接近する北岡。
だが彼の心配も虚しく、ついに五エ門はその場に倒れ込んでしまう。

「うわああぁぁぁっ!」

剣による脅迫がなくなったことで自由になり、脱兎のごとく逃げ出す圭一。

「お、おい、ま……なんだ……?」

逃げて行った圭一を目で追おうとするが、急に視界が歪んでいく。
スーツの裾で目を擦るが、歪みは止まらない。
やがて歪みは彼の全身を侵食し、ついには意識すらも歪めていく。
それでも気力を振り絞り、力の入らない手で銃を向けた時。

彼の意識は、歪みの中に墜ちていった。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ぜぇ……ぜぇ……」

圭一は五エ門達から逃げ出した後、彼らの姿が見えなくなっても走り続けていた。
どれだけ息が乱れても、足が痛くても止まらない。
ずっと五エ門が錆の浮いた剣を構え、自らを迫っているような気がしたのだ。

「うわぁっ!」

段差に足を引っ掛け、前のめりに倒れる圭一。
すぐに起き上がろうとするが、体に力が入らないため起き上がれない。
それでも起き上がろうと力を入れるが、体は言うことを聞いてくれない。
圭一は泥塗れの身体を草原に埋めながら、傷ができたばかりの足を擦りつけることになった。
151創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:20:41 ID:q39PcoB1
  
152創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:21:13 ID:gMO+Azvb
 
153創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:21:45 ID:E7uT6D+u
支援
154創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:21:51 ID:MLul/3Xe
支援
155 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:22:37 ID:WH3POt6n
「ちくしょぉ……ちくしょぉ……」

悔しくて、涙が止まらない。
無様な自分がが情けなくて、涙が止まらない。

震えていた。

北岡に銃を向けた時、手が震えていたのだ。
生き残るためなら、どんなことだってすると決めたのに。
ただ銃を向けただけで、手はどうしようもないほど震えていた。
彼は人を殺すことは初めてではない。
かつて親友だったレナと魅音を、金属バット撲殺した。
肉が千切れ、骨が砕けるまで、金属バットで殴り続けた。
なのに今更どうして、手が震えてしまうのか。

(あいつらも……レナや魅音と同じ――――)

――――人殺しのはずなのに。


公園から逆方向に逃げた圭一は、Dー7から南下してきた北岡達を発見した。
この会場で初めて遭遇した人間を警戒し、圭一は民家の影に身を潜める。
周囲は無音、少しでも音を立てれば見つかってしまう。
故に一切の音を遮断し、呼吸すらも最小限に抑えようとした。
だから彼の耳には、二人の会話がよく聞こえたのだ。

「えっとさ、ほら、ルルーシュって奴を覚えてるか?」
「うむ、最初にあのV.V.とかいう輩に啖呵を切った男だな、あと……確かつかさ殿がその名前を口ずさんでたはずだ」

会話の内容は当たり障りのない普通の内容。
なにか情報が引き出せるかもしれないと思い、圭一は会話を聞き続ける。

「その時に彼女から聞いたんだけど……」

一瞬だけ北岡と呼ばれた男が口籠もる。
そうして次に放たれた言葉は、彼に衝撃を与えた。

「つかさちゃんがさ、ルルーシュを殺しちゃったって言ってたんだ」

(なっ!?)

衝撃のあまり、圭一は声を出してしまいそうになる。
すぐさま口元を抑えたため、なんとかそれを防ぐことができた。

「……それは真か?」
「ああ、本人が言ってたし間違いないと思うよ」

呼吸が荒くなりそうになるのを必死で堪える圭一。
そんな彼を尻目に、北岡と五エ門は次々と言葉を交わしていく。
だが彼の耳には、もはや二人の会話は届いていなかった。
156創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:23:16 ID:q39PcoB1
  
157創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:24:10 ID:E7uT6D+u
支援
158 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:24:34 ID:WH3POt6n
(あんな子が……人を殺すなんて)

無防備に人の背中で眠っている少女が、既に人を一人殺している。
誰かに言われなければ、そんな発想に至ることすらなかっただろう。

(いや、そんなことをいったらレナや魅音だって……)

かつての彼が雛見沢に転校してきたばかりの頃、レナや魅音はとてもよく接してくれた。
登下校を共にし、放課後は部活に励み、休日は村中を駆け回った。
だがだんだんと彼女達は豹変していき、ついには彼を殺そうとしたのだ。
外見や表面の性格などまるでアテにならない。
つかさという少女もレナや魅音と同じ、本質は冷酷な殺人者に違いない。
そして殺人者を保護している北岡に五エ門も、その殺人者と同類だ。
いや、ひょっとしたら彼ら三人は徒党を組んで、参加者を殺しまわっているのかもしれない。
殺人者を保護するメリットなど、最初から無いのだから。
そうだ、そうに違いない。

(じゃあどうする!?)

あのままあの三人組を放置し、逃げるのは簡単だろう。
向こうはこちらに気付いていないのだから、足音を立てずに逃げればいい。
だが連中を放置すれば、確実に自分や悟史の障害になるのではないだろうか。
北条悟史はかつて彼と同じ末路を遂げたため、唯一敵ではないと分かる。
この場で唯一信頼できる人間を、安々と失うわけにはいかないのだ。
ならば、この場で抹殺するしかない。
幸い圭一は拳銃で狙撃するには最適の位置にいる。
絶好の機会とはこのことを言うのだろう、やるなら今しかない。

そう思い、圭一は拳銃を向けた。
結果は惨敗で、無様に逃走する羽目になったわけだが。

(くそ、くそぉッ!)

圭一は強く拳を握り締め、地面に叩きつける。
だが自分の想像以上に力が入ってないことに気付き、そのまま拳を地面に置いた。

「…………」

逃亡時に辛うじて回収したベレッタを、虚ろな目で見つめる圭一。
早朝の薄暗い配色の空が、薄い色の太陽と一緒に彼を見下ろす。
彼は五エ門が倒れたとき恐怖心から逃走したが、冷静に考えれば心当たりがあった。
あれは首を切断された男のデイパックから出てきた支給品の効果だ。
最初に説明書を見た時は半信半疑だったが、効力は本物だったらしい。
もし最初からあれを使っていれば、簡単に全員を殺すことができたのではないだろうか。
そう考えると、悔しさが蘇ってくる。
あれはあの場に落としてしまい、もう手元には残っていなかった。
159創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:25:26 ID:MLul/3Xe
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160創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:26:25 ID:E7uT6D+u
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161 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:26:50 ID:WH3POt6n
だがあそこで五エ門達から逃げたのは、間違った判断では無かっただろう。
声しか聞こえなかったが、彼らには四人目の仲間がいたのだ。
どこに隠れていたかは分からなかったが、北岡や五エ門とは違う男の声が確かに聞こえた。
あのまま油断して五エ門達を殺そうとしたら、その仲間に返り討ちにあっていたはずだ。
(……覚悟を決めろ、そしてクールになれ、前原圭一)

今回の件で学んだことが二つある。
一つ目は五エ門のような規格外の実力を持った者が、このゲームに参戦していること。
二つ目はデスノートのような超常的な道具が、各々に支給されていること。
いきなり人を眠らせる道具があるのだから、デスノートが本物でも決して不思議ではない。
おそらく主催者はこれらの道具を支給することで、弱者でも強者を蹴散らせる可能性を作ったのだろう。
だったら主催者の思惑通り、支給品を活用すればいい。
こちらには最強のカードがあるのだから。

どんな手段を駆使してでも、ここから生還する。
己の命を狙う者がいれば、容赦なく殺害する。
ただし無理はしない、五エ門のような実力者とは真正面から戦わない。
わざわざ自分が相手をしなくても、他の実力者同士で勝手に潰し合ってくれればいいのだから。
それに名前が分かれば、デスノートを使用することができる。
堅実に、そして確実に生き延びるのだ。

「絶対に……絶対に生き延びてやる!」

もうすぐ時計が六時を刻もうとしている頃。
一人の少年が偽物の力を信じ、自らの生を望んだ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

162創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:27:55 ID:MLul/3Xe
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163創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:27:56 ID:q39PcoB1
  
164創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:28:23 ID:E7uT6D+u
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165 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:28:35 ID:WH3POt6n
「……た……さん! ……たおかさん!」
「…………うぅ」

何かを叫ぶ声に頭を揺すられ、ゆっくりと覚醒し始める意識。
靄の掛かった視界がだんだんと晴れていき、身体の感覚が少しずつ戻り始める。
しばらくして北岡は、声の主が自分の名前を呼んでいることに気づいた。

「きたおかさん! きたおかさん!」
「つかさ……ちゃん?」

そうして完全に意識が覚醒した時。
初めて視界に映ったのは、今にも泣きそうな柊つかさの顔であった。

「あ、やっと起きた、よかったよぉ……」

瞳を潤ませながら、つかさは北岡を見下ろしている。
余程自分のことを心配してくれていたのだろう。
素直に感謝の意を示したい反面、どこか気恥ずかしさも感じてしまう。
いい大人が女子高生に心配されてしまったのだ、それも当然というものだ。

「心配してくれてたんだ、ありがとね、つかさちゃん」

簡単なな礼を述べ、北岡は体を起こす。
今の彼にとって、それが精一杯の照れ隠しだった。

「あれ、そういえばつかさちゃんいつの間に起きたの?」
「えーっと……さっき気が付いたらここに倒れてて……」
「ああ、そうか、背負ってた俺が倒れちゃったからそれで起きちゃったんだ、ごめんね」
「い、いえ! 大丈夫です……」

つかさがそう告げたきり、会話は途切れてしまう。
正確には北岡が会話を打ち切り、自分が突然倒れた原因を考察し始めたからだ
166創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:30:07 ID:E7uT6D+u
支援
167 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:30:29 ID:WH3POt6n
(一体俺は何をされたんだ……)

見たところ新しい傷が出来た訳でもなければ、身体に異常があるわけでもない。
強いて言うとすれば全身を気怠いことと、先ほどから欠伸が止まらないことくらいだ。
そこから北岡は自分が眠らされたと推測するが、一体何をされたのだろうか。
意識が途切れる直前の記憶を探り、原因を振り返る北岡。

(確かあいつが逃げる前に五エ門が倒れて……って)

ここに来て、ようやく五エ門のことを思い出す。
見ると十メートルほど奥の方で、五エ門がうつ伏せに突っ伏していた。

「五エ門!」

急いで北岡は五エ門に近寄る。
最初は死んでいないかと心配したが、どうやら杞憂に終わったようだ。
彼から少し離れた位置にいるデルフリンガーが、何度も叫んでいたのだから。

「おい、兄ちゃん! 起きろぉー……って、そっちの兄ちゃんは起きたのかい」
「ああ、ようやくな、五エ門はまだ起きないのか?」
「おうよ、そもそもあの音を聞いて簡単に起きれるはずがねぇんだ」
「あの音……って、そういやお前、さっきなんか言ってたよな、なんか知ってるのか?」

デルフリンガーは五エ門が倒れる直前、この音を聞くなと五エ門に忠告していた。
それを考慮するからに、デルフリンガーはなにか知っている可能性が高い。

「ああ、こいつは間違いねぇ、眠りの鐘の仕業だ」
「眠りの鐘だって? まさかその鐘の音を聞くと人が眠るとか言わないだろうな?」
「全くその通りだぜ、兄ちゃん」

思わず目眩がしそうになる。
喋る剣の次は、人を眠らせる鐘。
ライダーデッキも相当な代物だが、この二つはあまりにもファンタジック過ぎる。
自分は魔法の世界に来てしまったのではないだろうかと、北岡は本気で疑い始めていた。

「眠りの鐘って……これのことですか、デルフリンガーさん?」

北岡の背後からつかさがひょっこりと現れ、金色に光る鐘を差し出してくる。

「実際に見たこたぁねぇが、多分それで間違いないだろうよ」
「あとこんな物が落ちてましたよ」

そう言ってさらにつかさが差し出したのは一枚の紙。
北岡が受け取り中身を見ると、それは眠りの鐘の説明書だった。
168創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:31:35 ID:q39PcoB1
 
169創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:32:30 ID:E7uT6D+u
支援
170創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:32:32 ID:MLul/3Xe
支援
171 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:33:04 ID:WH3POt6n
「なになに……」

眠りの鐘。
この鐘を鳴らすことで、周辺にいる人間を浅い眠りの誘う。
ただし一度使ったら、二時間は使うことができない。
そんなあまりにも馬鹿げたことが、説明書には記されていた。

「こいつはおでれーた、眠りの鐘が弱くなってやがる!」
「え、どういうことですか?」
「眠りの鐘は本来もっと強力なマジックアイテムでな、一度使ったら数時間は絶対に起きねーはずなんだ」

デルフリンガーの説明が本当なら、北岡はまだ夢の中にいるだろう。
だが現実に北岡は起きていて、説明書にも浅い眠りに誘うと書いてある。

(デルフリンガーの言う通り、効果が弱くなってるのか?)

考えられない話でもない。
あまりにも強すぎる道具は、時にゲームのバランスを壊す。
数時間も人を眠らせる道具などは、その典型的な例だ。

「でも使えそうな道具だし拾っといて損はないよね、つかさちゃんのバッグに入れといてもいいかな?」
「は、はい、どうぞ」

北岡はつかさからデイパックを受け取り、眠りの鐘を収納する。
そうして地面を見下ろした時、他にもいくつかの道具が落ちていることに気付いた。

「落ちてるのは水と……予備のマガジンか、お、俺のと同じ弾だ」

マガジンに入っていたのは9mmパラベラム弾。
北岡のFNブローニング・ハイパワーも同じ銃弾を使用していたため、銃弾の補充が可能であった。
さらに北岡はデイパックを失っていたため、飲料水を入手できたことも嬉しい誤算である。

「っと、こんなことしてる前に五エ門を起こさないと」

五エ門が倒れていたことを、すっかり忘れていたことに気付く北岡。
五エ門は先ほどと変わらず、うつ伏せのまま眠りこけている。

「でもデルフリンガーさんが起こしても起きなかったのに、私達がやって起きるかなぁ」
「俺は兄ちゃんから少し遠いところに飛ばされたから、声が届かなかったのかもしれねぇ」

確かに五エ門とデルフリンガーの距離は、一メートルほど離れている。
おそらく五エ門が倒れた時に、滑り飛んでしまったのだろう。

「兄ちゃん! ちょっと俺をそっちの兄ちゃんに近づけてくれねぇか!」
「さっきから言おうと思ってたんだけどさぁ、兄ちゃん兄ちゃんって分かりづらいのよ
 俺には北岡秀一って名前があるし、そっちで呼んでくれないかな?」
「しょうがねーなぁ、じゃあ嬢ちゃん! 俺をそっちまで運んでくれ!」
「え? わ、私ですか!?」
「こら、お前、怪我してる子にそんな重いもの運ばせるな」
「じゃあ兄ちゃんが運んでくれればいいじゃねーか」
「こいつ……」

屁理屈をこねるのは俺の専売特許なのに。
そんな感情を視線に込め、北岡はデルフリンガーを見下ろす。
172創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:34:57 ID:q39PcoB1
  
173創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:35:30 ID:gMO+Azvb
 
174 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:35:38 ID:WH3POt6n
「あの……喧嘩する前に早く五エ門さんを起こさないと」
「もうとっくに起きたぞ」

突然の声に驚いたつかさが横を見ると、五エ門が仏頂面で立ち尽くしていた。

「い、いつの間に起きたんだ、五エ門?」
「あれだけ近くで騒がれれば、誰でも起きるに決まっておるだろう」
「はは、それもそうだ!」
「ところであの少年はどこに行った?」

あの少年というのは、銃で襲ってきた前原圭一のことだ。
北岡は意識が途切れる直前に、彼が背を向けて逃げて行くのを目撃していた。

「どうやら逃げちゃったみたいだ、追うのか?」
「いや、つかさ殿がいる以上、万が一のことがあったら申し訳が困る」
「私のことは別に気にしなくても……」
「同感だ、それに俺は浅倉と決着をつけなきゃならない、だから寄り道をしてる暇はないんだ」

北岡と五エ門の意見が一致したため、圭一を追うのは断念することにした。
つかさもそこまで圭一に執着する必要はなく、言葉を挟むのをやめる。

「では当初の予定通り、まずは図書館に向かうとするぞ」
「ああ、そうだな、五エ――――」

そう、北岡が言いかけた時だった。
彼らの背後にある森林の奥地、Cー7にて。
世界の終わりの引き金が引かれ、破壊の渦が発射された。

「きゃあ!」

つかさの発した悲鳴が、強大な爆音に飲み込まれる。
爆風と爆炎が内部の木々を包み込む光景を、二人の男は放心して見続ける。

「こりゃあ……おでれーた」

そう、デルフリンガーが呟いた時、ようやく衝撃は収まった。
炎は残り、木々を焼き尽くし始めていたが。

「これは酷い、こんな爆発があったら北条殿は……」

紅く燃え盛る炎を瞳に映し、五エ門は悔しげに表情を歪める。
あの方向は、ちょうど北条悟史が呼び掛けをしていた場所だ。
もし彼があの爆発に巻き込まれていたら、確実に命を落としているだろう。
175創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:36:41 ID:E7uT6D+u
 
176創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:36:44 ID:q39PcoB1
  
177創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:37:32 ID:MLul/3Xe
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178 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:37:57 ID:WH3POt6n
「北岡殿、もし拙者たちが向かっていれば――――」
「これは……俺の……ゾルダのデッキだ……」
「北岡殿?」

顔を落としながら北岡に話し掛けようとする五エ門。
だが北岡がそれよりも早く、独白のようにぽつりと呟き始めた。

「間違いないんだ……あれは絶対の俺のデッキの……」

爆発の際に感じた音、光、震え、感覚。
それはかつて北岡が何度も使用したゾルダのファイナルベント、エンド・オブ・ワールドのものであった。

「あれが……北岡殿が言っていた力なのか」

炎が周囲の木々を巻き込み、さらに強く轟々と燃え上がっていく。
破壊の力、そう比喩するに相応しい光景だ。

「ああ、間違いない」

その一言を簡潔に告げる北岡。
拳を強く、強く握り締めながら。

「これで確信したよ、俺のデイパックには絶対デッキが入ってた」

浅倉が王蛇のデッキを持っていたことからも間違いはないだろう。
金髪の男が北岡のデイパックを入手し、北条悟史の呼び掛けを聞く。
そこからCー7へと向かい、呼び掛けに集まった参加者にエンド・オブ・ワールドを使用。
辻褄もあっているし、納得もできる答えだ。

「俺は絶対にあいつからデッキを取り返す、そして浅倉と決着をつける」
「うむ、拙者も強力しよう、そういう契約だからな」
「私も……なにかお手伝いします」

北岡がそう決意すると同時に、五エ門とつかさが声を掛けてくる。
今の彼はライダーデッキが無いため、デッキを奪い返すのは困難を極めるだろう。
だがそれでも、なんとなく取り返せる気がした。

「おーい、兄ちゃん達、俺を忘れてねーか」

今まで口を挟む暇が無かったデルフリンガーが、寂しそうに言葉を発する。

「悪い悪い、お前のこともちゃんと覚えてるさ」

そんな様子のデルフリンガーを見て、北岡は思わず笑みを浮かべてしまった。
179創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:38:44 ID:MLul/3Xe
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180創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:38:55 ID:E7uT6D+u
支援
181創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:38:56 ID:q39PcoB1
  
182 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:41:14 ID:WH3POt6n
【一日目早朝/F−7 図書館周辺】
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]レイの靴@ガン×ソード 、FNブローニング・ハイパワー@現実(13/13)
[所持品]予備マガジン(5/15)
[状態]健康? 、疲労(大)、数か所の擦過傷
[思考・行動]
1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。
2:金髪の男(レイ)からデイパックを奪い返す。
3:2を達成し、もしデッキがあれば浅倉と決着をつける。
4:戦闘は五ェ門、交渉は自分が担当する。
5:デルフリンガーに兄ちゃんと呼ぶのを改めてほしい。
※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※ルパン勢について把握しました。

【石川五ェ門@ルパン三世】
[装備]デルフリンガー(錆び)@ゼロの使い魔
[支給品]支給品一式(水を消費)、確認済み支給品(0〜2)(剣・刀では無い)
[状態]疲労(中)、左手のひらに大きな傷、右肩に刀傷(共にサラシで止血済み)
   軽い裂傷が数か所、サラシ無しで腹が寒い…
[思考・行動]
0:北岡、つかさを護衛する。
1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。
2:浅倉と決着をつける気があるなら、北岡のカードデッキを奪い返す手伝いをしてもいい
3:早急に斬鉄剣、もしくは代わりの刀か剣を探す
4:ルパン、次元、銭形と合流し、脱出の手だてを探す
※錆びた剣であるデルフリンガーを折らないよう、加減して戦っています。
※龍騎シリーズライダーについてはほぼ正確に把握しました。

【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]なし
[支給品]支給品一式(水のみ二つ)、眠りの鐘@ゼロの使い魔、確認済み支給品(0〜2)
[状態]疲労(小)、腕と脚に数か所の擦過傷、左足首にねんざ(五エ門のサラシと木の枝で固定済み)
[思考・行動]
0:北岡、五ェ門と協力する。
1:図書館で休憩した後、総合病院で体勢を整える。
2:かがみ、こなた、みゆき、みなみに会いたい 。

【前原圭一@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:鉄パイプ@現実、ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)
[所持品]:支給品一式×2(水を一本紛失) デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発)
    雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0〜1(銭型に支給されたもの)
[状態]:健康、疲労(中)、右膝に擦り傷、雛見沢症候群L3
[思考・行動]
0:どんな手段を駆使してでもこのゲームを生き残る。
1:悟史に会う。
2:悟史以外のひぐらしメンバーを警戒、他の人間も信用ならない。
3:実力者相手には無理をしない。
4:デスノートを試したい。
[備考]
※破損したデイパックを捨て、銭形のデイパックに全ての荷物を入れ替えました。
※柊つかさ、北岡秀一、石川五エ門の三人をルルーシュ殺害の犯人だと認識し、
 さらにデルフリンガー(声だけしか知らない)を剣だと知らない上、四人目の仲間だと思っています。
183創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:41:16 ID:gMO+Azvb
 
184創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 03:42:47 ID:E7uT6D+u
支援
185 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 03:43:25 ID:WH3POt6n
以上です。
こんな遅い時間にたくさんの支援ありがとうございました。
待たせてしまって申し訳ありません。

誤字脱字等がありましたら、指摘お願いします。
あとタイトルはいいのが思いつかないので、もう少し考えさせてください。
186創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 04:02:20 ID:+mnO+jV0
投下乙!
あちゃー、圭一はとうとう悪い方向に覚悟を決めちゃったかw
でも悟史も死んじゃったしデスノートも偽者だから前途多難かも…
そして、五エ門は相変わらず弾丸斬るの好きだなぁw
北岡さんはいきなり自慢から始まって吹いたけど
つかさのことを庇おうとしてたし、割といい人なのかな?
そういえば図書館の近くってとっつぁんの死体があったけど
五エ門が気づいたらちゃんと埋めてくれそうだ
187創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 04:19:22 ID:MLul/3Xe
投下乙!!
かなりハラハラしながら読ませてもらいました!

北岡の台詞を予測してしたり顔な五右ェ門に吹いたw
北岡先生、確かラジオの時に「偽悪者」って言ってた人がいたけど、
俺もお人好し?って悩んだりと今回まさにそんな感じ。
それと、五右ェ門が元暗殺者って知ったらどんな顔するんだろうw
圭一の誤解と覚悟は、今後いろいろ面白い展開に持って行けそうなフラグだな

それにしても、つかさは起きちゃったか……
ロワ内と思えないほどほのぼのしてる4人だけど、放送後が怖い

とにかく乙でした!面白かったよ!
188創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 15:24:14 ID:0VSm1z/B
投下乙です。
さすが北岡さん。根が善人であることに定評があるw
五ェ門とのやりとりが妙に和む。
デルフリンガーが「知っているか!? 雷電!!」的扱いで笑えるw
圭一は不穏当な方に動いているが、鬼隠し編だししかたない。

面白かったです、GJ
189創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 19:36:44 ID:TfLxYpeR
予約またしても来たーーー
この予約ラッシュ…ゴルゴムの仕業か!
190創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 19:42:35 ID:q39PcoB1
投下乙!
五ェ門と北岡とデルフリンガーの関係のギスギスした部分がなくなってつかさも安定してて、
安心して見てられる対主催グループになったな
圭一は他参加者との接触で好転するかと思ったら症候群が更に悪化しそうな方向に行っちゃった…
弾はまだ残ってるし、近くにほぼ戦闘力皆無の対主催グループがいるし、かなり危ない
水族館は上田のせいでショーウインドウにひび入ってるから人がいた痕跡は一応あるけど、気付かなくても不思議じゃないかな

とにかく投下乙です!
191 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/14(日) 20:34:25 ID:WH3POt6n
たくさんの感想ありがとうございます。

>>190
指摘ありがとうございます。
では>>119
だが疑問通り水族館には悟史どころか人がいた形跡すら無かったため、無駄足を踏む結果となってしまった。

だが疑問通り水族館には悟史はおらず、ひび割れたショーケースがあったくらいであった。
に変更させてください。

あと圭一の状態表に【一日目早朝/E−7 最南端】を追加しておいてください。
何度も修正しちゃってすいません。

それでタイトルですが、寝・逃・げでリセット!でお願いします。
元ネタはつかさのキャラソンです。
192創る名無しに見る名無し:2010/02/15(月) 01:46:24 ID:H3bG0X0Z
◆ew5bR2RQj. 氏
寝・逃・げでリセット!が要領オーバーしたので分割点をおしえてください
193 ◆ew5bR2RQj. :2010/02/15(月) 02:52:08 ID:meYUZTSe
あれ、本当ですか?
一応容量オーバーしないように計算しといたはずだったのに……

ちょっと気になるので、自分で編集することにします。
せっかく途中まで更新していただいたのに申し訳ありません。
wikiへの収容ありがとうございました。
194創る名無しに見る名無し:2010/02/15(月) 03:13:57 ID:H3bG0X0Z
すいませんorz
要領オーバーは勘違いでした
間違って同じ箇所を何回かコピペしてしまってたようです
お手数おかけしました
195創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 00:18:45 ID:Av/Yst4i
そろそろ全裸待機の時間な訳だが
196創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 01:15:16 ID:2rWJeTEK
延長されてた
あと二日間全裸だな
197創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 01:39:41 ID:Av/Yst4i
全裸待機二日間くらい投下があると思えばなんともない

ところで現在地の施設って移動できないらしいけど、半壊したホテルって位置的に削除できなくね?
198創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 02:53:46 ID:C9gdB0iP
もしも管理人が見ているのなら、
http://www4.atpages.jp/fullgenre/facs.txt
の該当する箇所を削除してもらうしかないですね
199創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 03:18:28 ID:C9gdB0iP
と思ったが、何とか管理人抜きで直せた。
200創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 03:22:37 ID:Av/Yst4i
おお、乙
全然分からなかったから凄い
201創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 03:39:34 ID:wr0Kyh4m
しかし、予約されてる分が投下されたらいよいよ放送か
ロワ開始から1年5ヶ月も掛かったが辿り着きそうでよかった
202創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 20:16:02 ID:TOXJ+VNP
第一回放送を前後で、投票でもするか?
203創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 21:23:13 ID:fLlJmu7K
しようしよう!
するならベストバトル、好きな話、好きなキャラ、好きな死亡キャラかな
204創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 21:39:36 ID:2rWJeTEK
まだ第一放送前だけど
インパクトのある話も出たし
面白い展開になってるキャラもいる
投票楽しそうだな
205 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:41:44 ID:5Wqc8vYM
ヴァン、C.C.、竜宮レナ、ミハエル・ギャレット、東條悟 投下します
206創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 21:42:59 ID:fLlJmu7K
支援
207命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:43:00 ID:5Wqc8vYM

 フォークリフトの運転席で、黒いタキシードにテンガロンハットという珍妙な格好の男はボーッとしながら道なりに進んだ。
 夜明けが近づいてきたとはいえ、周囲はまだ暗い。ライトも点けず、スピードも出せずトロトロと進んでいた。
 そう運転しているヴァンに、後部座席から女性の声が響く。
「遅すぎる。もっとスピードを出せ」
 へいへい、とヴァンは適当に応えてアクセルを踏んだ。
 僅かにフォークリフトが加速するが、お姫様の期待には答えられなかったらしい。
 白い奇妙な形のドレスを纏い、偉そうにふんぞり返った女性だ。
 名前はC.C.と言うのだが、残念なことにヴァンは彼女の名前を覚えていない。
 この男、ある理由から女性の名前を覚えにくくなっているのだ。
「地図によれば別れ道だ。そうだな……東に曲がるか」
「なにか用があるのか?」
「いや。特にないが……このまま進んでも森しかないからな。ルルーシュがいつまでも森にいるとは思えない」
 C.C.が結論をつける。ヴァンにはどこかへ向かいたい、という欲求は今のところないために素直に従った。
 カギ爪の男がいると言うなら別だが、あの男の姿はない。
 ミハイルから搾り出せばつかめるかどうかすらも怪しい。
 ヴァンがとりあえず運転を続けることを決めたとき、それは聞こえた。


「う……あ……あぁ……」
 女の泣き声だ。ヴァンが気づかないはずがない、とC.C.はあたりをつけて見回す。
 フォークリフトが道なりに進み、前方数百メートル先にセーラー服に身を包んだ少女がうずくまっているのをC.C.は発見した。
 暗闇で街灯もないのに、よく気づいたと思う。このまま進めば遭遇するのだろう。
 C.C.はヴァンが車を進めて少女のところで止めるのだろう、と考えた。
 泣いている、というのは厄介だが情報は得れる。周囲に危険人物がいるか探った。
 邪魔なら捨てておけばいい。そう考えているC.C.の前で、
「おい、ヴァン!」
「あ?」
 ヴァンの運転するフォークリフトは少女をスルーして右へ曲がった。


「お前はなにを考えている」
「右に曲がれ、っていっただろう」
「バカ、状況を考えろ」
 C.C.が冷たい視線をヴァンに向ける。ヴァンはムスッ、としながらも止めたフォークリフトから離れ、先をいくC.C.の後を追った。
 C.C.が近づくと、ミディアムボブの髪型の少女が顔をあげる。
 丸い大きな瞳に涙を溜めた、幼い印象の少女だ。
 十代半ばの少女に相応の発育の身体はセーラー服に包まれている。
 C.C.を綺麗だと評するなら、彼女は可愛いと評されるのだろう。
 C.C.は彼女に近づく。泣いているのは厄介だが、情報は欲しいのだ。相手をしないわけにはいかない。
「ぅ……ぅ……あ、あなたは……?」
「警戒するな。ここでなにがあったか、教えて欲しい。私はC.C.だ。そこにいる男はヴァン」
 C.C.が説明すると、ヴァンは「どうも」とだけ言って頭を下げた。
 少女の瞳には僅かな警戒が浮かんでいるが、それも仕方がない。
 彼女は「私は竜宮レナです」とだけ小さくつぶやいた。
「それでは、レナ。私たちはライトを点けなくてもお前を見つけれた。こんな目立つところに長居してもいいことはない。
あの車で話を進めようか」
「え……? けど……」
 レナは名残惜しそうに人形の下半身を抱きしめる。
208命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:44:00 ID:5Wqc8vYM
 その行為には理解できないが、彼女にとっては大事な物なのだろうとC.C.は判断した。
 するとヴァンがなにかに気づいたように、C.C.を後ろから追い越す。
 C.C.とレナが顔を向けると、ヴァンが海の方向へ指を指した。
「なあ、あれはなんだ?」
 ヴァンの導き通り視線を向けると、海上に赤く輝いて浮かぶ宝石が存在してた。



 レナは後部座席で揺られながら、同行することになったヴァンとC.C.に今までの出来事を説明していた。
 真紅が残したと思われる赤い宝石は、ヴァンが鞭のような武器を使って回収してくれた。
 レナをすぐに殺さなかったことから、殺し合いには乗り気でないとレナは判断をする。
 真紅の形見と言うべき下半身と宝石を抱きながら、レナは現状を説明し終えた。
「これが、レナが今まで出会った出来事です」
 いつもの活発さはなりを潜め、C.C.たちに説明を終えた。
 C.C.の様子を伺うと、特に感情が浮かんではいない。話を聞いていたはずのヴァンも無反応だ。
「それで、後藤という奴で覚えていることはそれだけか?」
 C.C.の冷たささえ感じる声がレナに向けられる。
 綺麗な外見に伴い、鈴を転がすような声が余計冷たい印象をレナへもたらせた。
(真紅ちゃんが……人が死んだのに……)
 二人とも反応が薄すぎるのである。後藤というバケモノも理解できなかったが、目の前の二人の反応も理解ができない。
 レナは真紅と過ごしてきたため思い入れが強い、という部分を除いても人死に対する反応が二人はあまりにも平然としすぎている。
 死体を見ていないとはいえ、二人はあまりにもドライすぎた。まるで誰か殺したかのように。
 レナの警戒心が膨れ上がる。これは彼女の世界に起こっている奇病のせいではない。
 単純に平和な日常を過ごしてきた(と、いっても彼女たちの場合は特殊だが)レナの常識と、人死が珍しくない世界にいた二人では死に対する認識が違うのだ。
 さらにいうなら、レナの知るところではないがC.C.は悠久とも言える時を過ごし死による別離は珍しくなかったし、死が訪れない自身に死を望んでいることもある。
 ヴァンの方はもともと甘いところがあるとはいえ、復讐鬼だ。
 どうしても人死にに対する反応が違ってくる。
 だからだろう、どうしてもレナは問わずにいられなかった。
「……どうして……そんなに平然としていられるの……?」
 C.C.の顔に疑問符が浮かんでいる。ヴァンは相変わらず運転に集中していた。
 レナの瞳から涙がこぼれ落ち、スカートの裾を強く握る。
 そこで始めてヴァンがうろたえる様子を見せたが、レナの涙は止まらない。
「お、おい。なに泣かせてんだよ、お前」
「うるさい。静かにしろ、ヴァン」
 ヴァンの言葉をC.C.があっさり切り捨て、押し黙る。C.C.はそれ以上しゃべらない。
 レナの口が開き、想いを吐露した。

「おかしいよ! C.C.さんも、ヴァンさんも! 真紅ちゃんが死んじゃったのに、聞くのは後藤って奴のことばかり!
人が一人死んでいるんだよ……真紅ちゃんはさっきまでおしゃべりしてたのに……写真までとって……」

 レナの言葉がしゃっくりで中断され、嗚咽が漏れた。
 吐き出すものを吐き出さなければ頭がどうにかなりそうだった。
 C.C.はただその様子を黙って見届けている。ヴァンは気まずそうにしているがレナは気づかない。
 気まずい空気のまま、車内にはレナの泣き声だけが響いていた。
 

 最悪の雰囲気で進む車内の中、ヴァンは思わずため息をついた。
 腹が減っていたからC.C.のくれたピザに飛びついた。それは運の尽きだったかなあ、と現状を分析する。
 ヴァンにとってはC.C.は偉そうな女で、レナはいきなり泣き出して理解が追いつかない相手であった。
 正直逃げたくてたまらない。
209命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:45:50 ID:5Wqc8vYM
 基本適当なくせに、妙に律儀なヴァンはそれでもピザをもらったぶんは働こうと運転を続ける。
 C.C.の目的からすれば、ルルーシュに再会するまではこき使われる運命であろう。
 正直そんなのゴメンである。ヴァンの目的はあくまでカギ爪の男への復讐だ。
 確か衛星から降り立ち、地球へ落下したところまでは覚えている。その後カギ爪の男やレイはどうなったか。
 まあ、レイに関しては本人に再会したときにでも聞けばいい。素直に告げるとは思ってはいないが。
 肝心のカギ爪の男はミハイルか、自分を連れてきたV.V.という奴にでも尋ねるくらいしかないか。
 なんとも、復讐とはままならないものだ。
 ヴァンが天を仰いでテンガロンハットを深く被る。チリン、と鈴のような音をリングが鳴らし、横目でレナを見た。
 目を真っ赤に腫らしてそっぽを向いている。C.C.は特に気をかけるわけでもない。
 ヴァンははあ、ともう一度ため息を付いて口を開いた。
「えーと、お前さん……確か名前は……」
「レナだ、ヴァン」
「そうそう。あんた……なんで怒っているかわからないけど……その、すみません」
 妙なタイミングで謝るヴァンの行為は、レナの不信を加速させる行為以外なにものでもなかった。
 C.C.の絶対零度の視線がヴァンを貫いているが、なにを怒っているのかヴァンには心当たりがない。
 ただまあ、やることはやった。後は知るか、という気分である。
 ヴァンという男、一言で言えば「バカ」であった。
 

 最悪な雰囲気のまま、フォークリフトがいく。
 次々移り変わる風景も、肌を撫でる風の感触もこの空気を吹き飛ばすには足りない。
 ひとえに、三人はタイミングが悪かった。
 レナと出会うのが真紅が生きているときであれば、真紅の死に整理がついたときなら、また別の付き合いもあっただろう。
 C.C.はメンタルケアなど興味がないタイプだし、ヴァンはそういう他人の心理の機微に疎い。
 このチームが雰囲気最悪になるのは当然の流れだ。関係を修復もできない、する暇もなく招かねざる客は現れる。
 フォークリフトが動きを止めて、C.C.が怪訝な表情を浮かべた。レナも風景に向けていた視線をやめて、運転席を見る。
「見つけた……」
 ヴァンが静かにつぶやき、運転席から跳躍する。
 人間とは思えない脚力に感心しながらも、二人の女性はヴァンが降り立った先を見た。
 白と青の法衣に似た衣装を着る金髪の少年が、整った顔立ちを歪ませてヴァンを睨んでいる。
 隣にいる黒髪黒目の大人しそうな青年は黙って佇んでいた。
 ヴァンが刀を抜刀し、切っ先を金髪の青年へ向ける。

「バカ兄貴、カギ爪の男の居場所を知っているならとっとと吐きやがれ!」
「お前に兄といわれるいわれはないし、知っていても同志の居場所を教える気はない、ヴァン!」

 互いに苛立った視線を交わし罵り合う。
 C.C.はレナの不信感が増しているのを察しながら、ブリッツスタッフを取り出した。



「あのシャドームーン……もう追ってこないかも……」
「油断は禁物です。あと三十分ほどフライングボートで先に進んでから休みましょう、東條さん」
 ミハイルの言葉に東條は素直に頷いた。この殺し合いの現場に来ての始めての理解者だ。
 互いに互いを信頼し、同じ夢に向かう連帯感に包まれていた。
 もともと、ミハイルも東條も誰かに依存して生きてきた。
 育ちや生まれの不遇さも手伝ってか、強いカリスマ性をもつ誰かを指針に生きる二人はよく似ている。
 ゆえに二人が意気投合するのも無理からぬことであった。
「二時間変身はできない……か。変な制限が加えられているね」
210命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:47:10 ID:5Wqc8vYM
「正確には変身で一時間、ファイナルベントでもう一時間制限が加えられる。私に支給されたナイトのデッキには説明書が付随されていたが、東條さんにはその説明がないとは危うかった。
早く合流出きてよかったよ」
「それはこっちの台詞……」
 フフ、と二人が微笑みあう。その姿はまるで旧来の友のようだった。
 出会って数時間というのが信じられないくらいである。
「なら、変身できるまであと三十分くらいかな」
「放送を挟んでしまうか。東條さん、放送に流れる名前を決して忘れないようにしよう」
「うん。彼らはみんな、僕たちの心の中に生き続けるんだね」
 東條の言葉にミハイルは神妙に頷いた。死んでいった彼らは同じ夢をみる同志。
 心の中で生きる彼らを連れて、同志のもとへ帰ることこそ彼らに報いることだとミハイルは信じている。
 ゆえに、フライングボートを進ませていたミハイルの表情がより一層歪んだ。
 トロトロと走るフォークリフト。その運転席に座る黒いタキシードに、テンガロンハットを被る独特のファッションの男。
「あいつは……ッ!」
「どうしたの? ミハイルくん」
「ヴァン……東條さん、我々の夢を邪魔する敵ですッ!」
 東條が顔を引き締め、ミハイルはフライングボードを止めた。
 カードデッキはまだ使えない。仕込み杖の刃を剥き出しにして、ミハイルは跳躍する。
 刀に擬態した銃を東條が構えて援護する姿勢をみせてくれた。
 東條の行為に喜ばしいものを覚えながら、ミハイルは同じく跳躍してきたヴァンへ刃を向ける。
 シャドームーン戦の疲労と怪我があるため無理はしない。
 まずはカードデッキが使える時間をかせぐか、とミハイルは思考しながら言葉を荒くする。

「バカ兄貴、カギ爪の男の居場所を知っているならとっとと吐きやがれ!」
「お前に兄といわれるいわれはないし、知っていても同志の居場所を教える気はない、ヴァン!」

 放送も近いのに、とミハイルが奥歯を噛んだ。
 ヴァンの向ける怒りの視線を受け止めながら、ミハイルは嫌な奴に再会したと吐き捨てたくなった。
 

(自分から殺し合おうとしている……?)
 レナは眼前の光景にヴァンたちに対する不信を募らせていった。
 レナを殺さなかったことからヴァンたちは殺し合いに乗っていないと判断したのだが、それは間違いなのではないだろうか。
 現に今、ヴァンは刀を金髪の青年に向けて殺意を向けている。
 C.C.もそれを止めるわけでもなく、フォローするように動いていた。
 普通ならC.C.の動きは援護だと判断出来なかっただろう。レナたちの間には『部活』といった遊びがある。
 部活の内容はたいがい戦いとは無縁の遊びだが、サバイバルゲームのような種目だって存在する。
 そのときのレナが誰かを援護する動きに、今のC.C.の立ち回りは似ていたのだ。
「だいたい、アナタ方もなんでこんなバカで乱暴で無鉄砲な考えなしと行動をともにしているのですか!?」
「まあ、少なくともお前みたいな甘ちゃん坊やよりは使えそうだからな。死にたくなければ持っている情報を吐くといい」
「くっ……これだから……ッ!」
 C.C.がミハイルを煽るように杖を構えている。レナはますます嫌悪感をあらわにしてC.C.たちと距離をとった。
 C.C.はヴァンを止めることもなく、むしろ乗り気のように見える。
 真紅の命を奪った、この理不尽な殺し合いにだ。
(駄目だ、冷静にならなくちゃ……。圭一くんならこんなときどうするのかな……)
 レナはこみ上げる嫌悪感を飲み下し、真紅のローザミスティカを握って現状を冷静に見極めようと周囲を見渡す。
 再度繰り返すがレナがヴァンたちを信用しないのは、疑心暗鬼を加速する奇病が発生したためではない。
 ヴァンが元来の世界の敵で出会ったこと。C.C.が人死に対しドライであること。
 真紅という心を許した相手が死んだ直後と、最悪の条件が重なっただけだ。
 放送の時は迫る。あがる名前に彼女の知り合いは多くいた。
 今の余裕のない彼女は、その放送でどう動くのか。
211創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 21:47:23 ID:Av/Yst4i
元から全裸だが全裸支援
212命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:48:06 ID:5Wqc8vYM
 一触即発の状況が余計彼女を追い詰めていた。
 

「まあ、少なくともお前みたいな甘ちゃん坊やよりは使えそうだからな。死にたくなければ持っている情報を吐くといい」
「くっ……これだから……ッ!」
 C.C.は挑発的な物言いをしながらも、視線はミハイルに向けていなかった。
 この言葉を発したのは理由がある。後ろにいるレナであった。
 彼女はC.C.たちを信頼していない。そのことについてレナを責める気はC.C.にはなかった。
 だが、レナを保護する気もC.C.にはない。
 倫理観が強く殺人を忌避している状態では足手まといになる可能性が多い。
 C.C.たちを嫌っているなら早く離れて欲しい。彼女が心中を吐露したときなにもフォローしていなかったのは、レナの離脱を確定事項と決めたからだ。
 どの道、C.C.もルルーシュも血に染まった道をいかねばならない。ヴァンも似たようなものだろう。
 中途半端な倫理観を振りかざすなら、離れた方が互いのためだ。
 一人になったレナが殺人者に殺されるかも知れないが、そんなのは運だ。C.C.の責任ではない。
 C.C.はレナへの意識を離し、ミハイルの後方で銃を構えている黒髪青年を見つめる。
 刀に偽装しているが銃口があることをC.C.は目ざとく見つけていた。
 当面の相手はあいつか、と杖を構えてC.C.はため息をついた。
 C.C.とて殺し合うのは趣味じゃない。ヴァンにとって相手をしないとならないとは、厄介ごとを持ち込む男だ。
 放送を前にしながら、C.C.はただ目の前の敵から視線を外さずにいた。


 五人の思惑は交差する。
 それぞれ自分のために、あるいは他人のために殺し合いという場に立ち会っていた。
 そこにあるのは様々な欲望だ。
 欲望を欲望と気づかぬもの、欲望だと本能でさとるもの、欲望を冷たく突き放すもの、他者の欲望に理解が追いつかぬもの。
 渦巻く感情を前に、放送が訪れるのはあと――――。


【一日目 早朝/F−2 西部】

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
    空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、真紅の下半身@ローゼンメイデン、真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン
    フォークリフト@ガン×ソード(後部座席)
[状態]:健康、悲しみ
[思考・行動]
1:この場からどう動けばいいか考える。
2:圭一、魅音、詩音、沙都子、悟史と合流する。
3:翠星石と蒼星石も探す。
4:ヴァン、C.C.、ミハイル、東條、水銀燈、後藤を警戒。

[備考]
※この会場の西端と東端、北端と南端は繋がっています。
 どこかの端からエリア外に出ると、逆の端の対応する位置へとワープします。
213命の価値 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:48:50 ID:5Wqc8vYM

【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-、菊一文字則宗@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:健康
[思考・行動]
1:ミハイルをとっちめてカギ爪の男の居場所を吐かせる。
2:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
3:レイが気にならない事もない。
[備考]
※23話「みんなのうた」のミハエル戦終了後より参戦。
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。


【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】
[装備]:ブリッツスタッフ(アイテム効果:炎・中ダメージ、MP消費小 品質:最高魔力)@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、エアドロップ(アイテム効果:水中呼吸が出来る)×3@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2
[状態]:健康
[思考・行動]
1:生還し、不老不死のコードをルルーシュに譲渡することで自身の存在を永遠に終わらせる。
2:ルルーシュと合流する。
3:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
4:後でピザを食べる。
5:後藤は警戒する。
[備考]
※TURN11「想いの力」終了後、日本に戻る前から参戦。
※不死でなくなっていることに気付いていません。


【ミハエル・ギャレット@ガンソード】
[装備]:フライングボード@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、カギ爪@ガンソード、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、仕込み杖@るろうに剣心
[状態]:疲労(大)、全身打撲、三十分変身不可
[思考・行動]
1:カードデッキが使えるようになるまで時間を稼ぐ。
2:夢の障害となるヴァンを倒す。無理なら退く。
3:同志の下に帰る。
4:東條と共に1人でも多くの人を『救う』、だが無茶はしない。


【東條悟@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード
[支給品]:支給品一式×2(一つは沙都子の物)、タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎、予備弾倉、ランダム支給品(確認済み)(1〜3)
[状態]:疲労(大)、全身打撲、三十分変身不可
[思考・行動]
1:全ての人を『救う』ことにベストを尽くして英雄になる。
2:ミハイルの援護をする。
※TV本編死亡後よりの参戦です

214 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/16(火) 21:49:35 ID:5Wqc8vYM
以上で投下終了します。
誤字、矛盾がありましたら指摘お待ちしています。
失礼。
215創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 21:50:00 ID:Av/Yst4i
支援
216創る名無しに見る名無し:2010/02/16(火) 22:11:11 ID:Av/Yst4i
投下乙!
レナがなかなか複雑だな……
同行者を失った直後に出会ったのが、二人ともめんどくさがりやっていうのがね
突然の死ってどうしても受け入れられないものだし、それを否定されるのは辛い
どうしても感情的になっちゃうんだよな……
状況は二対二、実力的にもほぼ互角
レナがどう動くかで今後が決まりそうだな
後は東條、こいつは突然裏切るから全く油断できないww

レナの心理を深く掘り下げた話、投下乙でした。

誤字ですが、みぎゃーの名前が全部ミハイルになっています。

217創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 04:31:51 ID:qUEy3pXr
投下乙です!
五人の中じゃレナが一番浮いてるけど
普通に考えたらレナの考え方が一番普通なんだよな…
ちょっとかわいそうになってしまった…
C.C.とヴァンが空気読まないせいで(C.C.はわざとだけど)
悪くなっていく車内の雰囲気がよく出てたと思います

>>202
投票面白そうだね。やるのが楽しみだ
218創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 05:05:08 ID:YppjHdZT
投下乙
これは対照的な2組だな
世界観の違いとはいえ、ヴァン達の態度はレナからすれば腹が立って当たり前か
この後の放送で仲間の名前も呼ばれるし、下手したら暴走しかねないぞ
逆に東條達は仲良いのが不気味だw
2人の身体能力を考えればヴァン相手に30分持ち堪えるのは無理だけど、東條には不明支給品もあるからまだ分からないか
3人の仲が悪いから、ミハエルと東條の仲の良さが一層際立ってましたし、緊迫感漂う幕引きも良かったです

>>202
人気投票はやりたいな
やるならしたらばに投票スレ立ててやるか
219創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 22:11:51 ID:Wekty7sG
投票内容は>>203でいいとしても、いつ頃やるの?
放送がすぐだし、第一放送直前?
220創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 22:21:56 ID:8CvFjtTn
日曜がいいんじゃないかな?
まあ、何となくだけどね。
221創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 22:26:56 ID:Wekty7sG
それならせっかくだし土曜と日曜の二日間やるっていうのはどうだろう?

ところでもう24時間経ったし、命の価値をwikiに収容してもいいんだよね?
222創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 23:15:50 ID:bvHpLi6L
いいんじゃね?
223創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:31:37 ID:C/UMpUN1
緊張しすぎて腹痛い……
224 ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:32:49 ID:rbXwhhsd
投下します
225創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:33:02 ID:M6hbn61b
 
226創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:33:10 ID:eHYk+cjZ
よしきた支援
227創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:34:15 ID:C/UMpUN1
全力支援
腹痛くてトイレ行こうかと思ってたところだぜww
228果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:34:29 ID:rbXwhhsd
 その森の中は不規則に隆起する地面に、自生した木草が鬱蒼と生い茂っている。
 あきらかに人の手が入っていない、夜の未開の森の中。
 そこに生々しい破壊の跡があった。
 地面はえぐれ、木は倒されている。無秩序で大規模な破壊痕の散乱。
 すなわち強大な力による、戦闘の痕。
 そこで男が嘆いていた。
 殺し合いの中だというのにもかかわらず、慟哭を響き渡らせている。
 男の前には腹部に背中まで貫通した、無残な遺体があった。
 あまりに凄惨で、そして異様な光景。
 しかし慟哭している当人、城戸真司には自分の体面を気にする余裕はない。

 ただ目の前の劉鳳の死が哀しいだけではない。
 自分が劉鳳をライダーと勘違いしなければ、自分がもっと上手く立ち回っていればという後悔。
 そして何より劉鳳を殺したのは――――真司自身なのだ。

 他のライダーを倒す、つまり殺す覚悟を決めたはずだった。
 しかし殺したのは、ライダーだったのかどうも定かではない劉鳳。
 少女を庇っていたことからも、決して悪人ではなかったのだろう。
 こんな所で死んでいい人ではなかった。
 それが自分の不明で殺してしまった。
 覚悟を間違った相手に向け、死という取り返しのつかない結果を生んでしまった。
 真司が慙愧の念を幾ら嘆きとして吐き出しても、目の前の骸と化した劉鳳は何も答えない。
 だからそこには、真司が自身を責めつづける慟哭が響きつづける。

 いつまで、そうしていただろうか。
 相変わらず失意のうちに立ち上がれない真司に誰かの声が聞こえる。
229創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:34:58 ID:Uu6hJ12Y
 
230果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:35:14 ID:rbXwhhsd
 本当はつい先刻、戦っていた相手。でも、今は懐かしい相手。

 お前なのか、蓮?

 ――フッ、いい様だな城戸。

 なんだよ蓮。そんなこと言いにきたのかよ。

 ――お前も一応、ライダーの1人だからな。だがその腑抜けた様子じゃ、どうやらここでお前は脱落らしい。

 ……もう、俺のことはほっといてくれよ。

 ――放っておけ? 当たり前だ。ライダーの戦いに脱落した奴に用は無い。俺にとっては、敵が1人減るだけだ。

 ……………………

 ――どうせ、お前はもうここで死ぬんだ。……自分の果たすべきも果たさないままな。

 ……お、俺の果たすべきって、一体なんなんだよ!? …………これ以上、優衣ちゃんのために戦えってのかよ!?

 ――そんなことも分からないのか。馬鹿だとは知っていたが、ここまでとはな。これじゃ、お前に後を託した劉鳳とやらもざまぁないってところか。

 …………劉……鳳…………。

 ――もっとも、もうお前には関係ないことか?

 ……………………そうだ! 俺、劉鳳さんに頼まれたんだ! …………翠星石を護ってやってくれって!!

 ――……城戸、お前がどうなろうが俺の知ったことじゃない。だがな……………………。

 …………なんだよ蓮?

 ――死ぬなら…………俺に借金を返してからにしろ。

 ……………………プッ、ハハハハハ!! 何だそれ!!

 ――何がおかしい。お前の借金は15万もあるんだぞ。

 なっ、3万だろ! 3万!

 ――…………それに優衣も心配する。

 ……そうか、そうだよな。…………蓮。

 ――……何だ?

 ありがとう。……またな。





 いつの間にか蓮の声は聞こえなくなっていた。
 しかし意識は、先ほどまでより鮮明になっている。
231創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:35:17 ID:eHYk+cjZ
支援
232創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:35:29 ID:M6hbn61b
 
233創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:36:00 ID:C/UMpUN1
支援
234果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:36:08 ID:rbXwhhsd
 それと共に、蓮がこの場に居るはずがないことも思い出す。

(夢…………だったんだ)

 どうやら泣きつかれて、眠っていたらしい。
 不自然な体勢で寝ていたために、身体の節々に痛みはあるが
 立ち上がるのに問題はない。体力は回復したようだ。
 目の前には変わらず劉鳳の亡骸がある。
 いつまでも野晒しにはしておけない。

(劉鳳さん…………埋葬しないと)

 劉鳳の亡骸の近くには、ちょうど成人男性が収まるほどの大きさで地面にできた穴があった。
 真司は劉鳳の亡骸を抱きかかえる形で持ち上げる。
 命亡き人の身体の重みが、両手にかかった。
 己の罪の重さ。真司はそれを受け止める。
 穴の中に劉鳳を横たえる。
 そして先が割れた木片を見つけると
 それをスコップ代わりにして、劉鳳の亡骸に土をかけ始めた。

 劉鳳を埋葬し、スコップ代わりの木片を地面に突き立てる。
 一応墓代わりのつもりだ。
 もう少しちゃんとした埋葬法と墓が欲しかったが、あいにく現状ではそれを用意できそうにない。
 何より真司には、あまり時間がないのだ。
 真司は劉鳳の墓前で手を合わせ、黙祷する。

(劉鳳さん……俺、どう償っていいかなんて分からないけど…………せめて劉鳳さんに頼まれたことはやり遂げようと思います。
…………翠星石は、俺が護ります)

 真司は劉鳳に翠星石を護ると誓う。
 そこで真司は肝心の翠星石がどうしているか、把握していないことに気づいた。
 慌てて周囲を見回し、翠星石を捜す。
 
「……翠星石!」

 地に倒れ付している翠星石の姿を発見。
 慌てて駆け寄り、状態を確認する。
 どうやら先ほどまでの真司同様に、泣き疲れて眠っているだけらしい。
 翠星石の安全を確認し真司は安堵する。
 ややあって翠星石が、おもむろに眼を覚ましだした。

「翠星石! 大丈夫か?」

 真司が翠星石を気遣い声を掛ける。
 それを受けて翠星石は意識が完全に戻ったのか、はっきり眼を覚まし
 そしてその表情は驚愕と――恐怖に染まった。

「ひ、ひいいいぃぃぃっ!!!」
「ど、どうしたんだよ!?」
「お前は劉鳳を殺した人間!!」
「――――!」

 翠星石の明らかに拒絶の意を含んだ悲鳴。
 覚悟を決めていたはずの真司が、思わず動揺する。
235創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:36:15 ID:M6hbn61b
 
236創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:36:30 ID:eHYk+cjZ
 
237創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:36:47 ID:Uu6hJ12Y
  
238果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:37:03 ID:rbXwhhsd
 翠星石は両肩に置かれていた真司の手を振り払って、飛び退いた。

「待ってくれ、俺は君の敵じゃない!! って言うか、君を護るように言われたんだよ!」
「そ、そんな見え透いた嘘に騙される翆星石じゃねーですぅ!」
「いや、劉鳳さんが俺に頼んだの、君も聞いてただろ!?」
「そう言って油断したところを殺すつもりですね!」

 真司の説得も、翠星石は耳を貸さない。
 翠星石がもう少し冷静ならば、自分が寝ているあいだに手を出さなかった時点で
 少なくとも真司が単純に、翠星石を殺すつもりは無いことは分かったはずだ。
 しかし翠星石は、ただでさえ――アリスゲームより凄惨な色が濃い――殺し合いの空気に当てられ
 死の恐怖や姉妹の死の不安に、本人も知らないうちに憔悴していた。
 その上殺し合いの最初に出会った人物で、以来心の底では頼りにしていた劉鳳が殺されたのだ。
 今の翠星石は平静に状況を把握できる状態にない。
 心中に巻き起こる恐怖も悲しみも、全て歪んだ認識となって真司にぶつけていた。

「待てよ、1人になったら危ないって!」
「いやあっ!!! あっちへ行きやがれですぅ!! 寄らば、今度こそぶん殴るですぅっ!!!」

 寄りすがる真司を振り切って、翠星石は逃げ出した。
 しかしただでさえ動転している上、劉鳳から預かったデイパックも抱えているため
 足取りもおぼつかず、何度も転びそうになっている。
 真司はその翠星石を追って、背後から掴まえようとする。

「あんた、何やってんだ!」

 そこに男の声が掛かる。
 茂みから、まだ学生と思しき男が飛び出してきた。
 真司はまずいタイミングを目撃されたと動揺する。
 しかしそれ以上に驚いたのは、現れた男の容姿だった。

 突如現れた男。
 一見すると普通の学生に見える。
 だが男の右腕は、得体の知れない異形の怪物だったのだ。


     ◇


 ホテルの1階は、フロントからロビーそして外壁まで無残に破壊されていた。
 そこから泉新一は、粉々に割れたガラス製の自動ドアを身を低くして潜り抜け外に出る。
 心なしか夜の闇が薄まっていた。
 そうは言っても森に囲まれた周囲の景色は暗く、とても見通しがいいとはいえない。
 これではとても、逃亡した男の足取りを追うことはできない。

「どうやら、完全に見失ったな……」
「当たり前よ。罠でも張っていない限り、逃げた人間がいつまでも姿を見せているはずがない」

 新一の後から、長い黒髪のセーラー服を着込んだ少女が現れる。
239創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:37:05 ID:M6hbn61b
 
240創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:37:09 ID:C/UMpUN1
支援
241創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:37:24 ID:eHYk+cjZ
 
242創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:38:24 ID:M6hbn61b
 
243創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:38:49 ID:eHYk+cjZ
 
244創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:39:04 ID:JKqMe4lp

245果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:39:10 ID:rbXwhhsd
 いや、それは少女と表現するには不適当かもしれない。何しろ普通に年をとる人間ではない。
 紅世に身を置く討ち手、フレイムヘイズなのだ。
 こちらも身を低くして潜り抜けているが、そんな挙動ですら力強さからか威厳さえ漂っている。
 その凛とした声と幼女の姿からは想像もできない造作なく放たれる存在感に、さしもの新一も気圧される。

「でも、それじゃあこれからどこへ行くんだ?」

 新一の問いを受け、シャナはしばし考え込む。
 美しく整った顔が僅かに視線を鋭くして沈黙する様は、一層シャナの威圧感を際立たせ
 それ以上新一が喋りかけるのもはばからせた。
 ややあって、シャナが口を開く。

「あいつの逃げた方角は分からないけど、予測することはできるわ。北と西は地図の端。そして南は平地が広がっている。
消去法でいけば、身を隠しやすい森のある東の可能性が高い」

 シャナが流麗に説明の言葉をつむぐ。
 あまりに言葉が滑らかで、抑揚も少ないため
 新一は思わず聞き流しそうになり、内容を反芻するのに間があった。

「…………まあ、他に当ても無いし、とりあえずそれでいいか」
「じゃ、行くわよ。付いて来れないなら、置いていくから」
「って、ちょっと待てよ!」

 新一が喋り終わるか終わらないかのうちに、シャナは西へ向けて駆け出した。
 慌てて新一もそれを追う。
 一体何をそんなに焦っているのかと、心中で零しながら。

 実際のところシャナに焦燥はなくとも、急ぐ理由はあった。
 まず前提として、シャナはこの事態を解決して早急にフレイムヘイズ任務へ戻らなければならない。
 そのためには
 首輪の解除。
 現在位置の特定と帰還方法の割り出し。
 抑制された能力『封絶』を再び使用可能にする。
 など、やらなければならない課題は多い。
 そしてこの殺し合いの中で、他の参加者に支給されたと思われるコキュートスも探す必要がある。
 おまけに、ただ殺し合いから脱出すればいい訳ではない。
 主催者のV.V.を放置したら、また同じことをされる。
 V.V.はここで確実に殺す。
 要するにやらなければならないことが山積みなのだ。
 さらに言えば、あれだけ大規模な爆発を起こしたホテルでいつまでものんびりしていてはまた襲撃されかねない。

 だから、必要な交渉もホテルを離れてから行うことにしたのだ。

『シンイチ、今の内に聞いておきたいことがあるんだ』

 ホテルを出発して森を走り始めた新一に、声が掛かる。シャナのものではない。
 新一の服の下で細長い触手が伸び、その先が口を形作り耳元で喋る。
 それは新一の右腕から伸びていた。
 新一の右腕と言ってもそれは位置的な意味だ。
 その右腕は新一とは独立した意思を持ち、不定形に動く。
 ミギー。それが新一の右腕部分に寄生している生物の名だ。
246創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:40:00 ID:eHYk+cjZ
 
247果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:40:20 ID:rbXwhhsd
 シャナは新一より先を走っている。小声なら会話も聞かれないだろう。

「なんだミギー?」
『わたしが眠っている間何があったかを、できるだけ詳しく教えてくれ』
「それって今必要?」
『必要』
「やれやれ……」

 前を走るシャナは、鬱蒼とした森の中を苦も無く走り抜けていく。
 新一はこちらに振り返ることもなく走る、シャナの隙のない後姿を見ながら
 ミギーにホテルでの顛末を説明し出した。



「泉新一、話がある」

 しばらくの後、シャナは走りながらそう切り出してきた。
 後から追走する新一はすでにミギーとの話を終えていたが、それでも僅かに動揺する。
 何とかそれを押し隠し、返事を返した。

「ハッハッ……し、新一でいいよ。…………それより……話すなら休もう」

 新一の様子は息も絶え絶えで、体力的に限界が近いことが容易に見て取れる。
 森の中の少し開けた空間に出る。
 新一はとうとうそこで足を止めて、倒れていた木の上に座り込んだ。
 瞬発力には並外れている新一だが、持久力は比較的低いのだ。
 フレイムへイズとしての力を発揮せずとも、鍛え抜かれたシャナとは競争にならない。
 それにミギーと会話しながらもあって、慣れぬ山道ではここまでシャナに付いて行くのが精一杯だった。
 シャナはそんな新一に冷淡な視線を送りながらも、立ち止まる。

「……新一、支給品を交換して」

 息を整える新一に構わず、シャナは単刀直入に切り出す。
 新一としてはもう少しこっちに気を使って欲しいとは思うが、どうやらシャナは対人関係に無理解と言っていいほど疎いらしい。
 おまけにあの冷静さと貫録だ。はっきり言ってミギーより付き合いづらい。
 それでも自分から同行を言い出したのだ。こっちが大人になるしかないだろう。
 今更ながら、なんであんなことを言ったのかと心中で嘆息をつく。

「ふぅ…………交換? ……何と何を?」
「傷薬が後4つある。それと盾を交換して」

 ホテルで新一の治療に使われた傷薬のことだろう。
 傷薬と言えば普通は傷口の消毒などにより、傷の自然治癒を間接的に補助する物でしかない。
 しかしあの傷薬は傷口の治癒はおろか、塗られただけで若干の体力の回復まで為された。
 市販されているような傷薬ではない。もっと効果の高い物だ。
 そして盾、ビルテクターはシャナが捨てた物を新一が拾ってデイパックに入れていた。
 これは非常に頑強な代物だが、所詮は防具に過ぎない。
 イングラムならともかく、これならシャナの手に渡っても危険は薄いだろう。
 それならばシャナの手にあった方が都合がいいかもしれない。自分にはミギーが居ることだし。

「ああ、いいぜ」

 新一は盾を手渡し、短い円柱状のケースに入った薬を受け取る。

『シンイチ、今の交換は割りに合わないんじゃないか?』

 傷薬をデイパックに直し終え、1息ついてぺットボトルの水を軽く口に含んだ新一に、
 襟元からミギーが再び話し掛けた。
248創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:40:30 ID:Uu6hJ12Y
  
249創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:40:41 ID:C/UMpUN1
支援
250創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:40:55 ID:eHYk+cjZ
 
251創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:41:03 ID:M6hbn61b
 
252創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:41:52 ID:C/UMpUN1
支援
253果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:42:37 ID:rbXwhhsd
 シャナの様子を見ると盾の使い勝手と、もう片方の手での槍――ゲイボルグを扱い方を試しているようだ。
 シャナは槍も盾も、今初めて使う。しかしそうと知らぬ新一は使用に熟達していると錯覚するほど、扱いが様になっていた。
 新一はシャナに聞こえないように、小声で答える。

「そんなことないって。この傷薬は普通のより、効果が高いし
盾もあの子が持ってた方が、身を守るのに都合がいい」
『その言い方だと、きみは自分よりシャナの身の安全を優先しているように聞こえるが?』
「……ああ、そうかもな」
『……』
「ミギー、おまえが納得のいかないのは分かる……」
『納得どころか理解すらしていないよ。それより確認しておきたい。
きみは今危険人物を殺害するため、追跡しているんだな?』
「殺す気は無いよ。話を聞いて、場合によっては止めるだけだ」
『シャナの方は殺すつもりみたいだが』
「……そ、それも止めて見せるさ」
『で、今度こそ危険人物の男かシャナに殺されるつもりか?
ホテルできみは危うくシャナに殺されるところだった。次生き残れる保証も無い』
「それは……今度はミギー、おまえも最初から起きてるんだ。上手くいくさ」
『わたしが協力すればだろ』
「ミギー……………………」

 新一にはミギーの懸念も分かる。
 男にもシャナ相手にも、ろくに説得材料がない以上
 下手をすれば、いや高い確率でその両方を敵にまわす。
 無論、勝算などない。
 考えれば考えるほど、自分が引き合わないことをしていると実感する。
 自分の命はミギーの命でもある。無為に危険に晒せば怒るのもある意味当然だろう。
 しばらくして、重い沈黙を破りミギーが口を開いた。

『シンイチ、もう幾つか確認したい。きみは男とシャナの殺人を止めるために行動してるんだな』
「ああ。けどこんな状況じゃ、それも難しいかもな……」
『ふむ。シャナはたしか人間では無いんだな?』
「……うん、本人もそう言っていたし間違いないと思う。でも何でそんなことを……」
『シンイチ、後で話そう』

 唐突にミギーが話を打ち切る。
 ふと顔を上げてシャナの方を見ると、槍と盾の練習を終えていた。
 シャナの艶やかな長髪は、炎のごとき赤に染まっている。
 そうして静謐な森の中を凛として佇むシャナの様は、幻想的な美しささえたたえていた。
 そしてシャナはゆっくりと新一に近づいていき

 手にした槍の刃先を、新一の眼前に突きつけた。

「な、何の真似だ!?」

 思わず新一の声が上ずる。
254創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:43:21 ID:eHYk+cjZ
 
255果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:43:24 ID:rbXwhhsd
 槍は新一の目と鼻の先に突きつけられている。
 そしてそれ以上にシャナ自身の放つ威圧感は、刺すような鋭さすら帯びていてる。
 これは冗談でも虚勢でもない。ことによっては殺すと言外に告げていた。

「ホテルでの借りは傷薬で返した。もう、おまえに容赦する理由はない。
……おまえは何? その右手はどうなっている?」

 シャナはその険と裏腹に、相変わらずの事務的な口調で質問する。
 しかしその淡々とした態度が、より新一に圧力を与えていた。
 言外に黙秘や虚偽があれば殺すと言っている。
 場合によれば、この平静な調子のまま新一を殺すのだろう。

 その上先ほどと同じ核心を付いた質問。
 あわよくばミギーの存在はうやむやにしたかったが、流石にそれは調子がよかったか。
 シャナのこの様子では下手に誤魔化すこともできない。
 しかし果たしてそのまま話していいものか。
 逡巡する新一の右手が、突如目と口を開き
 異形に変形する。

『先手を打たれたか』
「い、いいのかミギー!?」
『ホテルですでに正体を見られたんだ。やはりごまかすのは無理がある。まさか本気で隠し通す気だったのか?』

 ミギーに指摘され、新一は自分の短慮を恥じ入る。
 何れにしろミギーが正体を表した以上、もう余計な隠しごとは必要なくなった。

『それにわたしからもシャナに話がある』

 ミギーがシャナに話?
 疑問はあるが、この場はミギーに任せよう。
 ミギーは自分よりずっと頭がいい。この場も上手く切り抜けるだろう。
 新一がそう考えていると、ミギーが触手を上方へ伸ばし始めた。

『わたしが何なのかは、口で説明するよりこれを見せた方が早い』

 ミギーの高さは軽く3mに達する。
 新一はミギーの意図が分からず、怪訝な表情で見上げる。
 シャナも目で天に伸びていくミギーを目で追った。
 ミギーは更に伸びた先から、裂けるように2股に分かれ
 その両方の先で口が開き、同時に喋り始める。

『『これはきみには理解しにくいだろうが、我々の安全にも関わる……』』

 そこまで喋った瞬間、ミギーの付け根の部分から
 先が刃と化した触手が、シャナの首へ伸びた。



「……!?」

 不意を衝かれ、迎撃も新一への攻撃も間に合わなかったシャナは
 何とかサイドステップしながら上体を捻り、触手を避ける。
256創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:43:38 ID:Uu6hJ12Y
   
257創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:43:51 ID:M6hbn61b
 
258果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:44:23 ID:rbXwhhsd
 ミギーの陽動に不意を衝かれたのではない。
 どれほど巧みに意識を誘導されても、警戒を解くシャナではない。
 そのシャナの不意を衝いたのは、ミギーの速さ。
 最短距離を、銃弾のごとき速度で衝いて来るのに加え
 不定形ゆえ余剰な動作のない高速の変形は、攻撃の起こりを予測できない。
 それゆえミギーの攻撃は、シャナの警戒をすら上回った。

 シャナの体勢が崩れたところに、上に伸びていたミギーが
 その身を刃に変え、シャナへ振り落ちる。
 これも自由落下では有り得ない速さ。
 体勢を立て直す暇もなく、シャナは地面に転がり込んで避ける。

「おい、ミギー!! 何をしてるんだ!?」
『決まってるだろう! シャナを殺す!』

 展開にやっと頭が追いついた新一は、半ば制止する気勢でミギーを問い詰める。
 しかしミギーの攻撃は止まらない。
 2本の触手がシャナを追う。
 シャナは脚力だけで、身体を起こして避ける。
 さらに触手を伸ばそうとするミギーの根元の部分を、新一が身体で留めようとしていた。

『シンイチ、じゃまするな!!』
「おまえこそ何やってんだ! なんでシャナを殺さなきゃいけないんだ!」
『”危険人物を排除する”ためだ。話を聞く限り、爆弾の男よりシャナの方が危険だ。早急に排除する必要がある』
「だからって、いきなり人を殺そうとすんな!!」
『シャナは人では無かったんじゃないのか?』
「……そ、それは……とにかく殺したらだめだ!」

 新一とミギーが何やら口論をしている。
 とにかく今が、反撃の好機だ。
 もう殺すのを躊躇する理由も、力を温存する理由もない。
 そう、シャナは今までの戦いにおいて戦力を極力温存していた。
 フレイムヘイズとしての長い訓練を受けてきたシャナは、自分の能力に対する内省に長ける。
 さらにこの場では封絶が使えない。
 シャナは殺し合いが始まってすぐ封絶を試みたが、何故かできなかった。
 もっとも可能性の高い原因は、おそらく主催者による能力の抑制。
 封絶が使えればそもそも殺し合いにならないので、当然の措置といえる。
 そして封絶が抑制されている以上、他の能力にも制限がされている可能性がある。
 事実自分の能力は全般的に落ちていた。
 殺し合いでは不測の長期戦を強いられる可能性もある。だからシャナは極力戦闘では、力の消耗を抑えようとしていた。
 だがこれまでの戦いで、制限の度合いは把握できた。
 持久力に関してはほとんど心配は要らないらしい。
 ならば全力で敵を排除しにかかる。

 制止する新一をかわして、襲い来るミギーの触手。
 しかしシャナは、それを悠々と盾で防ぎ
 更なる高速の動きで槍を横薙ぎに振るい、触手を切り落とす。

「なっ……!」

 シャナの技量に驚いたらしい新一が、驚嘆の声を上げる。
 ホテルで見せた戦力が上限だと思っていたらしい。
 その反応から新一には、隠している戦力はないことが伺える。
 驚く新一とは裏腹に、ミギーは先ほどまでと変わらない調子で追撃の触手を伸ばしてきた。
 盾で払い落としながら、シャナは敵戦力の考察を進める。
259創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:44:50 ID:Uu6hJ12Y
   
260創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:44:55 ID:eHYk+cjZ
 
261創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:44:56 ID:M6hbn61b
 
262創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:45:03 ID:C/UMpUN1
 
263創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:45:38 ID:JKqMe4lp
264創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:46:05 ID:Uu6hJ12Y
     
265創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:46:22 ID:M6hbn61b
 
266創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:46:37 ID:C/UMpUN1
 
267果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:46:52 ID:rbXwhhsd
 どうやら触手を切り落としただけでは、ダメージにはならないらしい。
 これまで見てきた限りでは、新一とミギーは別動体だ。
 そしてミギーは恐らく不定形で、物理的に損傷を与えられないと考えられる。
 しかしミギーの生死は、新一のそれに依存しているのだろう。
 でなければ、新一にだけ首輪を付けて済むはずがない。
 ならば狙うべきはミギーではなく、本体の新一だ。

 ミギーの触手を上手く往なし、シャナは腰だめに槍を構える。
 そして隙を見せた新一の胸に目掛け、槍を突いた。
 新一はまるで反応できていない。
 これで新一とミギーを殺した。
 予断が過ぎった瞬間、背中から胸に衝撃が来る。
 自分の背中から何かが刺さった。
 そう認識した刹那、瞬時に刺さったそれをつかむ。
 抜き取りながら、それが何かを確認する。
 それは切り落としたはずの”ミギー”が変形した刃。

(切断されても、独立して行動できたの!?)

 油断を自覚し、シャナは歯噛みする。
 傷は心臓まで達している。
 が、動けないわけではない。
 ミギーが軟体化して手中から抜け出し、再度刃と化してシャナに向かう。
 シャナはそれを槍で殴り飛ばした。
 その槍が新一に掴まれる。

「もう止めろ、俺は君と戦うつもりはない! ミギーもこれ以上、シャナに手を出すな! ……って、だから止めろよ!!」

 新一の右腕のミギーが触手を伸ばし来る。新一はともかくミギーは戦意を持ったままだ。
 シャナは槍を、掴んでいる新一ごと片手で持ち上げる。
 そのまま大きく槍を振り回した。
 新一は触手を伸ばしていたミギーごと藪に投げ込まれた。
 そしてシャナはその勢いに体勢を崩し、膝をつく。
 どうやら胸に受けた負傷の影響は、思いの他大きいらしい。
 ミギーの切れ端がなおも飛び掛ってくるが、盾で払い落とす。
 切れ端は飛び跳ねながら、新一のもとに行った。
 敵からの追撃の気配はない。
 それならこちらから追撃する場面ではあるのだが、深手を負ったシャナも追撃できる状態ではなかった。
 負傷の回復が遅い。これも制限の影響か。
 無論、新一を見逃すつもりもない。
 シャナは追撃のための回復を待つ。



 投げ込まれた場所が藪だったため、新一の受けたダメージは予想より小さかった。
 立ち上がり、シャナの追撃に備える。
 しかしシャナの能力が新一より遥かに上回るのは、先ほどの交戦で痛感した。
 ミギーも戦う気になっている以上、平和的に事を収めるのは至難だ。
 それどころかホテルの時より、遥かに強い。あの時は本気ではなかったということか。
 その上シャナは、ホテルで受けた消耗や負傷ですら回復しているらしい。
 しかも明らかに心臓まで傷を受けたにもかかわらず、新一は投げ飛ばされた。
 どうやらシャナは、後藤にも比肩し得る怪物であるようだ。
 つまりまともに戦っては、確実に殺されるということだ。
268創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:47:29 ID:eHYk+cjZ
 
269果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:47:42 ID:rbXwhhsd
 切れ落ちたミギーが、新一の腕に戻る。

「ミギー、もうこれ以上……」
『逃げるぞ、新一』
「え……?」
『シャナはもう君を見逃すつもりはない。奇襲が失敗した今勝ち目はない。議論は後にして、今は逃げよう』
「……おまえは本当に、勝手なことばっかり…………!」

 ミギーの話は納得がいくはずもないが
 たしかにここは、シャナから逃げるほか選択肢はないだろう。
 新一はシャナに背を向けて走り出した。
 それでもミギーとは話を突けなければならない。
 木々の立ち並ぶ森を駆け抜けながら、新一はミギーに話しかける。

「ミギー、いくらシャナが危険だからってこっちから殺しに掛かってどうする!」
『シンイチ、人を殺したのはシャナの方が先だったはずだぞ』
「……………………」
『シャナと行動を共にするということは、邪魔や不要だと判断されれば、いつ後から殺されるか分からないということだ。
きみの命はわたしの命でもある。無断でそんな危険を冒されては困る。
だが人間ではないシャナを殺すのに、きみがあれほど拒否反応を示すとなるとな……』

 ミギーの指摘に新一は答えることができない。
 シャナが咎もない人間を殺したことを忘れていたわけじゃない。
 だから何とかシャナに同行して、これ以上の殺人が起きないようにしようと思っていた
 しかし現実はこれだ。今の自分は、当のシャナから逃げている始末だ。
 こんな中途半端なことでどうする。
 シャナは人を殺したことに反省もしていない。
 そのことを有耶無耶にしたまま、馴れ合いを続けるつもりだったのか?
 シャナは危険人物だ。それは間違いない。
 一体どんな態度で接するかはっきり決めないと、いけなかったのかも知れない。

「…………くそっ! やっぱり追ってきたか!」

 後方はるか遠くから、足音がする。
 森の中だというのに規則的で、凄まじい速さの足。
 シャナが追ってきている。
 新一は表情に焦りを見せる。
 シャナとの持久力の差は明白。このままでは追いつかれるのは時間の問題だ。

『よくこの森の中で分かるな。以前から思っていたが、わたしの細胞が混ざって
きみがわたし以上の知覚能力を得たというのは面白い』
「んなこと言ってる場合か!」
『まったくだ。シャナがこれほどの力を持っていたとは。しかも実際戦ってみるまで、まったく力が分からなかった。
どうやら一見して強弱を見抜けるその辺の動物と違って、普通の力を持っている訳ではないようだ。
何れにしろ、まともに戦って勝てる相手じゃない。何か対策を講じなければ……』
「……しっ!」
『どうしたシンイチ?』

 走りながらのミギーの話を制止して、耳を済ませる。
270創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:48:11 ID:Uu6hJ12Y
  
271創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:48:23 ID:eHYk+cjZ
 
272創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:48:39 ID:M6hbn61b
 
273創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:49:06 ID:C/UMpUN1
 
274創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:49:08 ID:Uu6hJ12Y
     
275果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:49:12 ID:rbXwhhsd
 微かだが、確かに聞こえたのだ。
 少女の叫び声のようなものが。

「お前は劉鳳を殺した人間!!」

 今度ははっきり聞こえる。
 事情はよく分からないが、どうやら少女の身に何かが起きているらしい。
 あれこれ考えるより先に、新一は声の方に向かい出した。

『シンイチ、何があった?』

 ミギーの疑問の言葉も新一の耳には入らない。
 少女が男と口論するような声に、完全に意識をとられている。
 どうやら事態は相当、切迫しているようだ。
 茂みの向こうに、暗いながらも少女の姿が見える。
 茶髪の男が、その少女に手をかけようとしていた。

「あんた、何やってんだ!」

 そう叫びながら、新一は茂みから飛び出した。



 ローゼンメイデンの第三ドール、翠星石。
 寄生生物をその身に宿した人間、泉新一。
 仮面ライダーへと変身する新聞記者、城戸真司。
 住む世界も在り方も異にする3人は出会った。
 そして出会ったまま、3人とも静止してしまった。

 真司にしてみれば突然現れた男にどう対処すればいいか分からない。
 翠星石にしても現れたのが普通の人間なら、助け求めるなりできたかもしれないが
 右腕に異形を持つ謎の存在では、対応に困る。
 真司に対してとは別の意味での恐怖も感じる。
 さらに声を掛けた新一ですら、ここからどう話を持っていけばいいか答えに窮していた。

『シンイチ、何をしたいのかは知らないが我々は追われている。早く済ませろよ』
「……あ、ああ分かってる!」

 ミギーから急かされて、新一は改めて迷っている時間は無いと自覚した。
 シャナに追いつかれる前に、全てを片付けなければならない。
276創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:49:24 ID:eHYk+cjZ
 
277創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:49:47 ID:M6hbn61b
 
278創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:50:22 ID:eHYk+cjZ
 
279果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:50:30 ID:rbXwhhsd
 事情を把握するため、新一は翠星石に話を聞く。

「きみ、何があったんだ!?」
「こ、この人間が劉鳳を殺したんです!!」
「ま、待てよ! それは……」

 翠星石の発言に、真司は思わず詰め寄ろうとする。
 それを間に入った新一に阻まれた。
 新一は敵意すら混じった眼で真司を見ている。

「あんたが人を殺したって言うのは、本当か?」
「いや、だからそれは……」
「……危ないっ!」

 真司が何かを言い終える前に、何かを察知した新一が翠星石の手を引く。
 直後、藪から飛び出てきたシャナが翠星石の居た場所を踏み込み
 新一へ槍をついた。
 ミギーがそれを触手で受け流し、新一は翠星石を引き寄せながらシャナと間合いを取る

「いきなり、何しやがるですぅ!!」
(くそっ、もう追いつかれたのか!)

 新一の予想より早くシャナに追いつかれた。
 新一がシャナの到着予測を誤認したのには理由がある。
 シャナの追跡は深い森の中で行われていた。
 そこでは当然、足取りを追うのも容易ではない。
 上手くすればシャナが勝手に迷って巻くこともできるという、期待すらしていた。
 しかしシャナは人間を超えた知覚能力を有し、注意力や洞察力も人並み外れている。
 ゆえに森の中だからこそ出来る、足跡や折れた草木など
 新一の通った痕跡を追うのは、シャナには容易だったのだ。

 再びシャナと対峙する新一。
 状況は以前より厄介になっている。
 シャナの他に真司にも警戒しなければならないし、翠星石も護る必要がある。
 ここはやはり翠星石を連れて逃げるのが賢明か。
 新一は少しづつだが後退し、シャナとの間合いを広げていく。

(なんだこの子? 今、凄い速さで動いてあの男を殺そうとしなかったか!?)

 真司は突然現れて、新一に槍を振るったシャナの存在に驚く。
 シャナはまだ11、2歳の少女に見える。
 それが、まるでライダーのごとき素早い動きを見せたのに加え
 明らかに何の躊躇もなく、人を殺そうとしていたのだ。
 違和感があるを通り越して、異常な光景だ。
 当のシャナはまるで真司など眼中にない様子で、新一と向かいあってる。
 その様に、真司は内心むっとする。しかしそれで、若干落ち着きも取り戻せた。
 とりあえず、シャナの事情を聞いてみることにした。

「お、おい! お前一体何やってんだよ!? 殺し合いに乗ってるのか!?」

 思わず語気を強める真司。
 しかしシャナはそれを気にも留めた様子はないどころか、相変わらず真司に一瞥もくれない。
280創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:50:33 ID:C/UMpUN1
これはまずいww
281創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:50:56 ID:Uu6hJ12Y
      
282創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:51:46 ID:eHYk+cjZ
 
283果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:51:48 ID:rbXwhhsd
 それでも一応、口で答えを返す。

「私は殺し合いに乗っていない」
「じゃあ、今のは何だ!? あいつを殺そうとしてただろ!」
「先に仕掛けてきたのは向こうよ」

 真司と翠星石が同時に新一に向け瞠目する。

「先に襲ったのは、お前の方かよ!」
「…………」

 新一は何も答えない。
 翠星石は睨みあう真司と新一から、後ずさるように離れていく。
 もう誰をどう信じればいいのかも分からないし、そもそも現状を自分の中でさえ整理することができない。
 ただ当惑して、2人から距離を取ることしかできなかった。

「黙ってるってことは、そうなんだな! こんな女の子を殺そうとするなんて……」
「……人を殺したのは、その”女の子”が先だ。それに、そいつは人間じゃない!」
「何だそれ、もっとましな嘘を付け! 大体、化け物はお前だろ」
「っ! …………だったらおまえはただの人殺しか」

 売り言葉に買い言葉から、稚拙な言い争いになる。
 普段の2人なら、それでももう少しは冷静にことを運べただろう。
 だが今の2人の間には、どうしようもない不信が横たわっていた。

「君さ…………あいつは俺に任せてよ」
「任せてとは、どういう意味?」
「俺があいつを取り押さえてやる!」

 シャナに短く告げ、真司は赤いカードデッキを取り出した。
 そして足元の水たまりに映す。真司の腰にVバックルが顕現。
 真司は右手を斜め上に指先まで真っ直ぐに伸ばした後、Vバックルにデッキを装填する。
 真司の全身を赤い装甲が被い、変身を果たした。
 無双龍ドラグレッダーと契約し、その力を得た仮面ライダー。
 仮面ライダー龍騎へと。

「よっしゃー!」
「……あれなんだ?」
『動くな! この人間を攻撃するのならおまえを殺す!』

 ミギーが真司に制止を掛ける。
 しかしそれは遅すぎた。
 真司は今や、無数のミラーモンスターを倒しライダーとの歴戦を潜り抜けた
 仮面ライダー龍騎に変身を果たしているのだ。
284創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:52:06 ID:M6hbn61b
真司逃げてー
285創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:52:38 ID:Uu6hJ12Y
     
286創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:52:43 ID:eHYk+cjZ
 
287創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:52:49 ID:C/UMpUN1
盛り上がってまいりました
288果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:52:57 ID:rbXwhhsd
 龍騎は新一との間合いを一挙に詰める。
 寄生生物と化した人間をも凌ぐ脚力。新一はほとんど反応もできない。
 風を切り、龍騎の右拳が繰り出される。
 200APの威力に、これまで龍騎が倒したミラーモンスターのエネルギーが上乗せされて込められた拳が。
 ミギーが触手で、その拳を受ける。
 しかし即座に左の拳が奔る。それは呆気なく、新一の腹に刺さった。
 列車に刎ねられたのかと有り得ない思い違いをしそうなほどに、凄まじい衝撃。
 新一が身体ごと根こそぎ、宙に舞った。
 地面を力なく転がる。

 勝負は一瞬、一撃で付いた。
 戦術を巡らす余地もないほどの戦力の差。
 新一はミギーが付いていても、やはりただの生物。しかも相当消耗している。
 歴戦に鍛え抜かれた仮面ライダー龍騎とは勝負にならない。

 倒れ付す新一の上から龍騎が見下ろす。

「もう終わりだ! 大人しく降服しろ!!」


     ◇


(うぅ〜、何でどいつこいつも戦うんですか? やっぱり人間なんて、どうしょうもねえ野蛮な動物ですぅ。
しかも皆してほったらかしにしやがって、一体翠星石にどうしろって言うんですか……)

 状況を知覚できても認識がままならない翠星石は、真司と新一の戦いからひたすら距離を取っていた。
 事情が上手く呑み込めないのもあるが、それ以上に恐怖もある。
 そもそも今は劉鳳の時と違って、まるで得体の知れない2人が戦っているのだ。
 今度こそ、自分から注意が逸れている内に逃げ出そうかと考えながら後ずさっていると
 その足下が誰かの足に引っかかり、翠星石は派手に転んだ。

「こ、こらー! どこ見てやがるんですか……………………!!!」

 そこにあった足は人間の物。
 しかし生きてはいない。
 それは最初に真司を見た時に一緒に居た、学生服と思しき物を身に付けた女の死体。
 気づかないうちに、こんな所に出ていたらしい。

「そう言えば、こいつのデイパックを回収し忘れていた」

 不意に背後から声がして、翠星石はビクリと身体を震わせて振り返った。
 そこにはいつの間にか接近していたシャナが居る。
 シャナは特に何の感慨も無さそうに死体から翠星石に視線を移した。
 傲然と翠星石を見下ろし、あからさまに値踏みしている。
 尊大とも言える態度。まるで自分がただの物体になったかのような錯覚すら覚えた。
289創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:53:03 ID:M6hbn61b
 
290創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:53:30 ID:eHYk+cjZ
 
291果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:53:55 ID:rbXwhhsd
 いやそれより――――この人間は今、何と言った?

「…………デイパックを回収し忘れたってどういう意味ですか!?」
「人形……。”徒”でも”燐子”でもないようだし、得体が知れないわね。
まあ細かいことはいいわ。おまえは首輪の解除方法に心当たりは有る?」
「お、お前がこの人間を殺したですね!?」

 互いの質問を無視しあう、シャナと翠星石。
 翠星石の表情は怯えに満ちていた。
 心の庭師でもある翠星石の直感が感じ取ったのだ。
 シャナの心の樹はおそらくどことも繋がっていない。
 それはどんな人間にも似ていない、異様な精神を持っていると。

 シャナはそんな翠星石を路傍の塵のごとくに見下している。
 質問に直接応えなくとも、シャナには答えとして充分だった。
 要するに翠星石は首輪の解除には役立たずということだ。
 シャナの怜悧な頭脳が、翠星石を生かしておくか殺して首輪を回収するか
 どちらがより賢明かを瞬時に計算する。
 首輪解除に使えなくとも、味方戦力として引き込むことくらいはできるかもしれない。
 しかしこの状況で戦いを傍観している様子を見ると、碌な戦力も持たないか積極的に使う気がないと見える。
 仮に強力な支給武器で武装して戦力になるとしても、それならその武器を戦闘に長ける者に回した方が戦力コストは高い。
 それより支給武器で武装した場合、それで首輪を解くことの出来る参加者が殺される危険性の方が高い。
 何より下手に生かしておく人員を増やしても足手まといが増えるだけ。
 シャナ自身はどうとでもなるが、それで新一のように感傷的な首輪解除要員が庇って死なれるなどされても不都合だ。
 つまり生かしておいても、デメリットの方が多い。
 それに今の内に数を減らしておけば、殺し合いに乗らなければならなくなった際の手間が省ける。
 役立たずは殺す方がメリットが大きい。ならば首輪だけを残してもらう。
 解除用のサンプルは、早い段階から多く確保するに越したことはない。
 そもそも翠星石は見た通りの人形なのだから、生かすだの殺すだのという考え自体が不適当なのではないか
 などと見当違いな方へ流れそうな思考を切り捨てて
 シャナは、ゲイボルグの刃を翠星石へ――――振るった。


     ◇


「「今の声!?」」

 真司と新一が同時に翠星石の声を聞き反応する。
 2人は目前のお互いが敵であることも忘れて、シャナと翠星石の会話に意識を奪われた。
 どうやらシャナが殺した者の死体があったらしい。
 新一は立ち上がり、真司は翠星石の方へ振り返る。
 そこには翠星石へ冷たい殺気を放つ、シャナが居た。
292創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:54:09 ID:M6hbn61b
 
293創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:54:15 ID:eHYk+cjZ
 
294果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:54:49 ID:rbXwhhsd
 2人はまるで示し合わせたように、同時に駆け出した。



「――――お前ら! …………翠星石を庇ってくれたんですか?」

 シャナの槍が翠星石に届く直前、真司が払い飛ばし
 新一が翠星石を抱いて地面に転がった。
 攻撃を阻まれてもなお、変わらぬ威厳を放つシャナに新一は問う。

「シャナ、何でこんなことを……!?」
「首輪のサンプル」
「……………………そうか、それがおまえの答えか……」

 シャナは相変わらず泰然と、何をわかりきったことを聞くのかと言わんばかりに
 侮蔑の色さえ浮かべて答える。
 それで新一は全てを理解した。
 シャナは寄生生物と同じく、自分の理解を超えた存在だと。
 そしてそれは当たっている。
 シャナはフレイムヘイズだ。
 フレイムヘイズの使命は、紅世の徒が存在の力を無秩序に喰らうことを防ぐことである。
 そして存在の力が喰われることと、死ぬこととは根本的に異なる現象だ。
 元々在った存在の力が喰われるということは、記録や記憶などの存在していた事実そのものの消滅を意味する。
 当然それは世界そのもの歪ませ、蓄積すれば世界そのものの決定的な破綻につながると予想される。
 だからフレイムヘイズは存在の力が喰らう、紅世の徒の討滅を使命としていた。
 しかし死ぬことは全く意味合いが異なる現象だ。
 例えば人が死んでも、存在した記録や記憶が亡くなるわけではない。
 死というのはどんな形であれ、全ての生物が最終的に辿り着くべき到達点にすぎないのだ。
 フレイムヘイズにとって『存在の力が喰われる』ことは、何としても阻止せねばならない事態だが
 『生物が死ぬ』ことは、特筆すべき事態ではない。
 シャナに無関係な者の死を阻止する理由は無いし、必要ならば自分がその現象を起こすことも辞さない。
 シャナは『存在を賭けた戦い』の世界に生きる者。
 それは新一や真司が潜り抜け、今やシャナも置かれている『命を賭けた戦い』とはまるで違う次元の問題。
 そして彼女は、フレイムヘイズになるために育ったその生い立ちゆえ
 あまりにこの世ならざる論理――倫理を深く身に付けていた。
 存在の外の世界の法と理に生きるシャナは、どんな死に対してもあらゆる意味で十字架を背負うことはない。

「ミギー、おまえが正しかったよ。シャナは…………殺しておくべきだったんだ」
『…………』

 ミギーはシャナを理由次第で人を殺すと評した。
 その意味が、新一には今になってやっと理解できる。
 シャナは人の命をメリットとデメリットで天秤にかけ
 僅かでも殺す方にメリットが傾けば、味方であろうと無関係な人間であろうと殺せるのだ。
 それがどれほど恐ろしくおぞましい存在であるか、新一は正に身にしみてよく分かった。

 シャナは頭がいい。
 その判断は殺し合いの打破や脱出を考えれば、合理的で確実性が高いのかもしれない。
 だがそれがどうした。そんな正解を受け入れられるか。
295創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:54:58 ID:Uu6hJ12Y
    
296創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:55:15 ID:eHYk+cjZ
 
297創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:55:28 ID:M6hbn61b
 
298果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:55:48 ID:rbXwhhsd
 新一は決意する。
 たとえ殺し合いを打破するのに、シャナの方法しかないとしても
 人の命を天秤にかけ、邪魔なら塵のように捨てるやり方は絶対にとらない。
 そして黙認もしない。

 シャナのやり方を否定する。

「何があってもおまえを見捨てたりしないと言った……。それは嘘になったな。
……だけど仕方ないよ。おまえからおれたちを…………他の人間を見捨てたんだぜ!」
『待てシンイチ、今のきみの状態ではシャナとは戦えない』

 ミギーの制止を無視してシャナに向かっていこうとする新一。
 それを真司が押し留める。

「……さっきは悪かったな。あいつの相手は…………俺がする」

 真司の様子からは、ライダーの仮面の上からでも分かるほどの怒りが感じ取れた。

「さっき、死んだ劉鳳をあそこに埋めた……。劉鳳を…………殺したのは、たしかに…………俺だ」

 劉鳳を埋葬した方向を指し、真司は静かに、しかしはっきりとシャナへ向け言葉をつむぐ。
 自分の罪を認める言葉を。
 そしてそれでもなお、許せぬ悪にたたきつける言葉を。

「だけどその原因になったのは……お前が殺したあの女の子の死体が誤解を生んだからだ!」
「自分の判断ミスを責任転嫁?」
「ああ、これは俺は責任だ……。だから俺が――――」

 劉鳳さん。気高く強く、最後まで翠星石を守りぬいた人。
 俺、上手くできるかどうか分からないけどあなたの意思を継ぎます。
 そして――――あなたの仇を取る。

「――――お前のしたことの重さを教えてやる!!」


299創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:56:19 ID:eHYk+cjZ
 
300果てしない炎の中へ ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:56:38 ID:rbXwhhsd



【一日目早朝/B-2 森】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン 、劉鳳のデイパック(支給品一式、不明支給品1〜3)
[支給品]支給品一式 確認済支給品(0〜2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いから脱出。
2:真紅、蒼星石、クーガー、あすか、かなみとの合流(蒼星石を最優先)、水銀燈は警戒。
3:劉鳳の死に対する深い悲しみ。
4:とりあえず現状の把握。。
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎、確認済み支給品(0〜1)
[状態]仮面ライダー龍騎に変身中。
[思考・行動]
1:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
2:翠星石のことは守り抜きたい。
3:シャナを倒す。
※翠星石、真司共にメイド服の女(咲世子)を危険人物だと思ってます。

【泉新一@寄生獣(漫画)】
[装備]無し
[所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実、イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル、傷薬×4@真・女神転生if...
[状態]ダメージ(大)、疲労(中) 、背中に火傷(処置済み)
[新一の思考・行動]
1:シャナを殺す。
2:生き残る。
[ミギーの思考・行動]
1:シャナを殺す。
2:出来る限り周りに存在を知られないようにする。
3:生き残る。

【シャナ@灼眼のシャナ】
[装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK
[所持品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(魅音)
[状態]:健康、力と運が上昇
[思考・行動]
1:真司への対処。
2:コキュートスを探す。
3:危険人物には容赦しない。
4:役に立たない人物からは首輪を回収する。
5:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。

※魅音の死体にデイパック(支給品一式、不明支給品1〜3)が放置されています。
301創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:57:12 ID:Uu6hJ12Y
  
302 ◆KKid85tGwY :2010/02/18(木) 00:58:04 ID:rbXwhhsd
投下完了しました。
多くの支援をありがとうございます。
問題点などがあれば、指摘をお願いします。
303創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 00:58:26 ID:M6hbn61b
 
304創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 01:19:11 ID:Bw0XtTvv
シャナの貫録にワロタ
投下乙
305創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 01:22:02 ID:Uu6hJ12Y
投下乙です。
成長していない時期のシャナが仇になったかw
戦闘力は地味にライダークラスはあるから厄介な相手だ。
頭もいいし。

新一と真司が翠星石の危機に同時に走ったのにはキター!って思ったw
似たもの同士の二人だから協力が映えるわ。

とにかく面白かった! GJ!!
306創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 01:39:23 ID:M6hbn61b
投下乙です
新一が悠二ポジになるかと思ったけどそんなことなかったぜ!
ヴァン達の話といい、世界観の違いはこうも大きいのか
というかシャナは本気だしてなかったのかwスペック考えれば納得だけどw
真司と新一は女の子の危機に駆け出すなんて王道だけど熱い展開だ
シャナは強いがこの主人公コンビには期待したいな

誤字は>>245
新一が喋り終わるか終わらないかのうちに、シャナは西へ向けて駆け出した。
西ではなく東ですね
307創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 01:45:24 ID:C/UMpUN1
投下乙!
シャナと新一は結局決裂しちゃったか
結構面白そうなグループになりそうだったけど、根本的に考え方が違うのが響いたんだな
シャナの世界では存在が消えるのが基本だから、まだなにか残る死の方がマシってことか
やっぱり一巻から参戦してるし、精神的にドライだな

一方で真司はまた乱闘に巻き込まれんのかww
今回は形式的には善悪の区別が付いてるけど、やっぱり不安が残るなー
意識して殺すことはできないだろうし、その甘さを突かれたらライダーといえどやられそう
新一もシャナを殺す覚悟はしているみたいだけど、姿が変わらない女の子にとどめを刺せるか

にしても今まで喧嘩してたのに突然翠星石の助けに入る二人がカッコ良すぎるww
これで翠星石との仲が改善されればいいけどなー
他にも夢の中で蓮と会話するシーンとか、いいシーン多いな

ミスになるかは分かりませんが、
劉鳳のデイパックは確か森に放置されていて、翠星石は持ってなかったと思います
308創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 02:50:41 ID:A5Gys9U8
投下乙!
シャナが一番危険人物でワロタw
寄生生物とも渡り合える新一が反応出来ないとか
ひょっとしてシャナは後藤・シャドームーン並の強さなんじゃないか?w
真司はライダーだけどシャナを倒すつもりなのか殺すつもりなのかが重要に
なりそうだな
それにしても新一の思考状態がとうとう「シャナを殺す」になったか…
でもまぁ、このシャナは寄生生物以上に物騒だし仕方のないこと
なのかもね。ミギーも容赦はしないだろうしこりゃ何人か死しにそうだ…
翠星石は殺されるところだったけど新一と真司の相撃ちっている最悪の
展開を回避させたのはGJだ!
309創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 22:46:43 ID:JKqMe4lp
投票は土曜にベストバトル、好きな話、
日曜に好きなキャラ、好きな死亡キャラっていうのはどうかな?
310創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 22:55:27 ID:ItkgLYUF
OK
311 ◆EboujAWlRA :2010/02/18(木) 23:17:57 ID:eHYk+cjZ
投下乙でした!
シャナはこの登場時期ならではの殺伐さを持ってるなw
新一と真司はどっちもまっすぐな奴だし面白い組み合わせになりそうだ
ミギーはやっぱり物騒な思考で新一とのギャップがたまらないw
新一も開き直りと言うか覚悟を決めたし、次の話が気になるぜ!

それと仮投下スレに放送案を投下してきました
指摘等ありましたらどうぞお願いします
312創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 23:22:51 ID:Uu6hJ12Y
>>311
投下乙。特に問題はないかと。

禁止エリアは特に自分は意見ないなー。
313創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 23:38:25 ID:C/UMpUN1
>>309
うん、いいんじゃないかな
投票すれは明日にでも立てればいいか

>>311
投下乙、こう並べて見ると結構死んでるんだなww
禁止エリアは何らかの施設がある場所や、施設に繋がる近道
配置的に人が集まりやすそうなエリアは避けた方がいいと思う
かといって四隅とかあまりにも影響の低い場所は避けるべきだし……

少し考えてみたけどGー7はどうだろう?
どこかへの入り口を潰すわけじゃないし、逆に一部の施設への近道を潰すこともできそうだし
他はC−2とかGー3とか、E−7、8辺りも面白そう
314創る名無しに見る名無し:2010/02/18(木) 23:38:30 ID:JKqMe4lp
投下乙!禁止エリアは橋はまだ避けた方がいいかもしれないね。
あと投票こんな感じ?

78話「果てしない炎の中へ」までの人気投票です。
好きな作品を1位から3位まで書いてください。
かんたんな感想を書いてくれてもよし!
1位[ 話 ]

2位[ 話 ]

3位[ 話 ]
315創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 00:09:33 ID:TPqlgmDy
>>311
投下乙
ただ個人的には放送するVVのアクションとかルル死亡に触れて触れて欲しいとは思うけど
316創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 00:10:27 ID:XZvg9kTn
一時は過疎でどうなる事かと思ったがついに放送か
これからもこの勢いが続くといいな
317315:2010/02/19(金) 00:13:11 ID:TPqlgmDy
ごめん、言葉が足りなかった
正確には放送前と放送後に少しだけアクションしてくれって意味です
放送内容そのものは問題ありません
318創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 00:26:25 ID:RujzpZHZ
仮投下乙
聞き逃さないようにアドバイスするとかV.V.割と親切だなw
文については特に問題はないかと…
個人的には315の言うようにもう少しリアクションがあってもいいかな
と思います
319 ◆KKid85tGwY :2010/02/19(金) 01:08:42 ID:fDxZL8DY
>>306>>307
指摘ありがとうございます。
内容を修正したものを、したらばの仮投下スレに投下しました。

>>311
放送案の投下乙でした。
内容に問題は無いと思います。
禁止エリアは私も最初の指定という事で、重要施設や人口密集地は避けたほうがいいと思います。
具体的な指定はお任せします。
320創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 01:30:25 ID:kf9vkjuN
◆KKid85tGwY氏
果てしない炎の中へが容量オーバーしました
分割点を教えてください
321 ◆KKid85tGwY :2010/02/19(金) 01:36:24 ID:fDxZL8DY
>>320
分割は>>275
> そう叫びながら、新一は茂みから飛び出した。
までを前編
> ローゼンメイデンの第三ドール、翠星石。
までを後編でお願いします。
322 ◆EboujAWlRA :2010/02/19(金) 02:54:38 ID:7o7bPaIm
反応を仮投下スレに投下しました、指摘等ありましたらお願いします
問題ないようでしたら、土曜に日付が変わったその時に本投下したいと思います
323創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 12:11:27 ID:z9+2nwen
仮投下乙です
個人的にはこれでいいと思います
禁止エリアは重要施設や人口密集地は避けたほうがいいと思いますが
ただ人口密集地の近くを封鎖するのが面白いかと
頭脳派とか興味を示すと思いますし
324創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 21:11:10 ID:oATfPsCX
もう投票スレ立てちゃってもいいよね?
325創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 23:06:38 ID:UEFNqQ8A
いいと思う。
点数は1位が3点、2位が2点、3位が1点でいいかな?
326創る名無しに見る名無し:2010/02/19(金) 23:25:57 ID:oATfPsCX
いいんじゃね?
じゃあ立ててくる
327創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:00:00 ID:fDxZL8DY
投票は「好きな話」だけでやるのか?
328創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:02:24 ID:oATfPsCX
>>309みたいな感じの日程だと思ってたが
つーか投稿時間すごいなww
329創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:23:40 ID:T7Rz/tvh
>>309でいいのか?
もう投票するぞ
330創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:28:04 ID:8E+04n0P
私は一向に構わんッ!!

というか他に意見出てないし、それでいいんじゃね?
投票の方式は>>325でいいんじゃないかな
三つもないって人は一位だけ投票すればいいし
331創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:49:13 ID:g5i9yMl0
相手の出方を伺う
332創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:52:45 ID:T7Rz/tvh
じゃあ、投票してくるぜ!
333創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 00:55:10 ID:8E+04n0P
と思ってたけど、順位つけると集計面倒くさいし
他にも色々とアレだから、一人三票で一票一点の方がいいんじゃないかな

そういや土曜になったら第一回放送投下するっていってたけどどうしたんだろう
334 ◆EboujAWlRA :2010/02/20(土) 01:08:11 ID:0/oOl6a3
問題はないようなので本投下します
禁止エリアについて感ずるところがありましたら指摘お願いします

>>333
ちょっと最後に念のため推敲を
335第一回放送 ◆EboujAWlRA :2010/02/20(土) 01:10:04 ID:0/oOl6a3

おはよう、皆。
夜が明けて陽も姿を出して、まず最初の定時放送の時間だよ。
定時放送、つまり入った瞬間に首輪が爆発する『禁止エリア』と新たな死亡者の発表の時間ってこと。
禁止エリアについては、最初に言ってなかったけど許してね。
何処かに身を隠している間に他の皆が死んで優勝って言うのは……やっぱりどこか違うと思うんだ。

ああ、そうだ。この放送を知ってる人も居るでしょ?
その人なら分かると思うけど、ここで僕が与えるのは『死者の発表』と『禁止エリアの発表』の二つだけだよ。
そして、それは嘘偽りのない確かな真実だから。
僕は誤報を絶対に流したりはしない、それが企画運営のルールだし僕は嘘が嫌いだからね。
……どう受け止めるかは君たち次第なんだから、僕がここで幾ら言ってもしょうがないけど。

さて、まず最初に禁止エリアの発表から行くよ。
死亡者の発表で唖然として聞き忘れた、なんてことがないためにね。
ちなみに禁止エリアの場所をメモ帳に書いておくか、地図へ直接に印をすることをおススメしようかな。
ああ、腕とかマジックで書いちゃうのも良いかもね。
じゃあ、行くよ。

ちょうど一時間後の7:00から【I−2】が禁止エリアになるよ。
その二時間後。今から三時間後の9:00に【G−7】。
で、その二時間後で今から五時間後の11:00に【J−8】。

僕が言った、この三つが『禁止エリア』だよ。
禁止エリアの数が多いと思った人も居るかな?
まあ、禁止エリアの増える数に関しては時間が経つにつれて増えたり減ったりするかもね。
そこはケースバイケース、進行状況次第さ。

じゃあ、次の『死亡者の発表』に行こうか。
自分が殺したい相手はちゃんと死んでいたか、自分の探し人は生きているか。
何人死んだか、それを確認する時間だよ。
これもメモ帳に書くか、名簿に直接線を引くかをした方が良いんじゃないか。
ゆっくり読むから落ち着いて聞いてね。

織田敏憲
亀山薫
斎藤一
真紅
銭形警部
園崎魅音
高良みゆき
橘あすか
柊かがみ
緋村剣心
平賀才人
北条沙都子
北条悟史
劉鳳
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
ルルーシュ・ランペルージ

この計十六人が六時間で死んだ人間。
『六時間でこれだけ』と思うのか、『六時間しか経っていないのにこんなに』と思うのか。
それは受け取る君たちに任せるよ。

それじゃあこれで終わりだよ、放送の大体の流れは分かったね。
まだまだ始まったばかりだから……君たちの健闘を祈るよ。
出来る事なら、もう一度こうやって僕の声を聞けるようにね。
336第一回放送 ◆EboujAWlRA :2010/02/20(土) 01:11:03 ID:0/oOl6a3


   ◆   ◆   ◆


時計の回る音が、カチコチと響きわたっている。
ゆったりと針の動く音を聞いている、薄い色素をした長髪の少年がそこにいた。
少年の名はV.V.、今からおよそ六時間前に参加者たちに殺し合いの開催を宣言したその人だ。

今は定時放送と言う作業を終えて一先ずの休息を取っている最中だ。

「時の流れ……か。僕もそういう物を感じる年なんだね」

止まることのない無情な時の流れを感じさせる、古い時計。
その時計をV.V.は何の脈絡もなくポツリと置かれた巨大な姿見越しに眺める。
遅々と回る短針と、その短針よりもさらに遅く思い出したように長針が回る。

死者の十六人の中にV.V.の甥にあたり、いの一番に反抗したルルーシュの名があった。
意外、と言うわけではない。
戦闘実験第六十八番プログラムを思い出させるこの殺し合いは、知恵や力『だけ』で確実に生き残れるようなものではないのだ。

「とは言え、マリアンヌの息子の死亡は予想よりも大分早かったかな」

姿見越しに動き始める時計を眺めながらV.V.はポツリと呟く。
外見は幼い少年そのものだが、V.V.は六四年の時を過ごしてきたのだ。
参加者の一人であるC.C.ほどではないが、近しいものとの別離も幾度となく経験している。

「シャルルに似た君のことは嫌いじゃなかったんだけどね」

まるで他人事のようにV.V.は軽く呟く。
少なくとも肉親の情を感じさせる色はない。
どちらかと言えば、その事実に暗い喜びを感じているように見える。
彼の内心を知るのは彼だけ、少なくとも今の世界に他人の心境を完全に悟れる人間は居ないのだ。

他人には知ることができない何かを抱いたまま、また六時間後にV.V.は放送を行う。
殺し合いが起こるまでV.V.は作業的にそれを行うだけだ。
これが終わるのはあの島に立っている人間が一人になった時だけ。

時計は、静かに動き続ける。
 
337 ◆EboujAWlRA :2010/02/20(土) 01:12:42 ID:0/oOl6a3
投下終了です
人口密集地の周辺に一つと、道路を防がないところを選びました
禁止エリアに関しては慣れないことで不安もあるので指摘ありましたらお願いします
338創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 01:21:09 ID:8E+04n0P
投下乙です
ついに第一放送まで来れたと思うと、なんか感慨深い
禁止エリアに関しては第一放送ですし、特に問題はないと思います
339創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 01:53:40 ID:zmLzl4Qm
投下乙!
とうとう放送超えか……
340創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 05:29:12 ID:cif5Nx9u
投下乙です
追加された時計の下り、意味深でいいな
V.V.の目的は…

さあ投票前にもう一回
好きな話を読み直してくるか
341創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 21:08:27 ID:g5i9yMl0
放送投下お疲れ様です。参加者の動揺が楽しみだな

それと、放送後の予約は?
342創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 22:01:55 ID:8E+04n0P
とくに制限するものでもないし、今から予約してもいいんじゃないかな

投票はやっぱりvs後藤やvsシャドームーンが人気だな
343創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 22:37:18 ID:4FDVv79c
さっき投票してきたけど今までで78話もあるから結構悩んだなぁw
ここまで来るのに結構時間かかったけど放送後もこのままの雰囲気
で進んで欲しいな
344創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 23:01:09 ID:fx4KY/qo
さて、投票の締め切りまであと1時間。まだの人は急げー
345創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 00:25:31 ID:uBffeB3b
とりあえず集計してみた。ポイントは>325方式で

まずはベストバトル

1位  ストレイト・クーガー・平賀才人・斎藤一vs後藤 12点

2位T 亀山薫vsシャドームーン 10点

2位T 劉鳳対城戸真司対篠崎咲世子 10点

4位  シャドームーンVSみんな(いっぱいも含む) 5点

5位  後藤対斎藤一 4点

6位T 橘あすかvs水銀燈 3点

6位T ストレイト・クーガーVS斎藤一 3点

8位T 石川五ェ門対浅倉威 2点

8位T 北岡秀一&石川五エ門&柊つかさvs浅倉威 2点

8位T 69話 出演キャラ全員 2点

8位T ジェレミア・ゴットバルトvs雪代縁 2点

8位T 泉新一対瀬田宗次朗 2点

13位T ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールvs三木 1点

13位T レイ・ラングレン対その他大勢 1点

13位T 泉新一vsシャナ 1点

ベストバトルは以上になります。まちがいなどありましたらご指摘ください。
346創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 00:47:24 ID:uBffeB3b
続いて好きな話。ポイントは同じく>>325方式で

好きな話

1位  70話 Blood bath 16点

2位  69話 BATTLE ROYALE 世界の終わりまで戦い続ける者たち 12点

3位  43話 Be Cool! 8点

4位  44話 幸せの星 4点

5位T 72話 Ultimate thing 3点

5位T 39話 うには美味いな、美味しいな 3点

5位T 36話 もりのようかん 3点

5位T 78話 果てしない炎の中へ 3点

9位T 40話 また逢いましょう 2点

9位T 55話 少女と獣 2点

9位T 67話 無知 2点

12位T 50話 男なら、ベストを尽くして強くなれ 1点

12位T 65話 目を開けながら見たい夢がある 1点

好きな話は以上になります。まちがいなどありましたらご指摘ください。
347創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 01:26:58 ID:2ZN6XBeD
自分も集計しましたが、同じ結果になりました
多分ミスはないと思います
やっぱり後藤やシャドームーンは人気だなー

今日は好きなキャラ、好きな死亡キャラか
348創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 21:11:44 ID:uBffeB3b
今のところ2票……もしかして昨日で投票終わったと思ってる人居る?
349創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 21:58:03 ID:vf0mFzRt
投票してきたよ
皆迷ってるんじゃないか?
350創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 01:52:32 ID:FogbcUZ/
そういやアニロワのヴァンが死んだね
351創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 02:14:00 ID:D+UP5KHd
アニロワはまだ見てないけど、ヴァン死んだか……
こっちのヴァンも結構トラブル抱えてるしなぁ

キャラ投票も終わったか、やっぱり後藤とシャドームーンは(ry
352創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 03:01:35 ID:M7lFUEp6
集計しました。まずは好きなキャラ。

1位 シャドームーン 11点

2位 ストレイト・クーガー 5点

3位 後藤 4点

4位T 東條悟 3点

   北岡秀一 3点

   ミハエル・ギャレット 3点

   泉新一 3点

   上田次郎 3点

9位T 稲田瑞穂 2点

   田村玲子 2点

   杉下右京 2点

   石川五ェ門 2点

13位T 志々雄真実 1点

   狭間偉出夫 1点

   雪代縁 1点

   三村信史 1点

   桐山和雄 1点

好きなキャラは以上になります。まちがいなどありましたらご指摘ください。
353創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 03:22:30 ID:M7lFUEp6
続いて好きな死亡キャラ。ポイントは>>325方式です

1位T 亀山薫 9点

   斎藤一 9点

3位T 劉鳳 7点

   ルルーシュ・ランペルージ 7点

5位 真紅 5点

6位T 泉新一 3点

   織田敏憲 3点

8位 橘あすか 2点

9位T 小早川ゆたか 1点

   柊かがみ 1点

   緋村剣心 1点

好きな死亡キャラは以上になります。まちがいなどありましたらご指摘ください。
ちなみに投票スレ25、26は0時を過ぎての投票のため無効票としました。
354修正版:2010/02/22(月) 03:26:16 ID:M7lFUEp6
すいません。才人と間違えて新一が入っていたため修正します

1位T 亀山薫 9点

   斎藤一 9点

3位T 劉鳳 7点

   ルルーシュ・ランペルージ 7点

5位 真紅 5点

6位T 織田敏憲 3点

   平賀才人 3点

8位 橘あすか 2点

9位T 小早川ゆたか 1点

   柊かがみ 1点

   緋村剣心 1点
355創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 14:04:45 ID:Q9t0LnxL
やっと狭間もボッチから解放されるなw

356創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 21:09:37 ID:D+UP5KHd
好きなキャラの方は生存キャラがまだたくさん残ってるから、結構票がバラけてるね
一方で死亡キャラは亀山は劉鳳辺りは予想してたけど、斎藤が意外だった
357創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 21:45:24 ID:D+UP5KHd
マイミクで毎回模擬戦やってくれる人がいるんだが、その人のレベルがすごい高いんだよな
絶対に勝てないから挑みたくないが、やっぱり失礼だから挑んでいるという

この時に総合が出ると泣ける
358創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 21:53:42 ID:D+UP5KHd
誤爆orz
失礼しました
359創る名無しに見る名無し:2010/02/23(火) 00:57:42 ID:4topC1fb
集計乙!後藤とシャドームーンはやはり自重しない…
確かに斎藤が亀山と並ぶとは思ってなかったな
360創る名無しに見る名無し:2010/02/23(火) 15:56:58 ID:7kPpBtpL
もう一つ予約が来たな。何気に浅倉がピンチだw
361 ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 18:59:54 ID:lGV8xWbG
狭間偉出夫、水銀燈、枢木スザク を投下します。
362今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:00:43 ID:lGV8xWbG


『出来る事なら、もう一度こうやって僕の声を聞けるようにね』
 魔神皇こと狭間偉出夫は天から降り注ぐ幼い声を聞いても足をとめることはなかった。
 メモをとらない理由はただ一つ。優れた頭脳をもつハザマは死者の名前も禁止エリアの位置もすべて脳内に収めたからだ。
 足首を覆う程度の雑草が生い茂る獣道を歩き、周囲を照らし始めた朝日に顔をしかめながらもハザマは進む。
 六時間で死者が十六人もいることは特に気を止める事項ではない。
 人間を超えて魔神皇となったハザマにとって、人間など唾棄すべき存在なのである。
 もっとも、それは彼がかつてクラスメイトに存在を無視され、イジメられていたことに起因するのだが。
 本人は決してそのことを認めはしない。
 屈辱に満ちた日々は忘れた。ここにいるのは神の力を得た存在なのだから。
 そのハザマを倒した憎い相手、蒼嶋以外の人間に気をかけることなどハザマにはない。
 もっともハザマが蒼嶋にこだわるのは、隠しておきたい自分の過去と弱さを知っていることが大きい。
 かつてアモンを封印したように、自分の心内を知るものは生かしておけない。ハザマの器の狭さの証明であった。
 ふと、力を手に入れた日に聞こえたあの声がハザマの脳裏に蘇る。
『そなたはなにもかも捨てて、無理矢理に冷酷さを装おうとしておるな。心の奥では、なにかを信じようと道を探しておるだけだ』
 くだらない。なぜいまさら思い出すのか、ハザマは見当もつかなかった。
 わけのわからない苛立ちに任せたまま足を進めるハザマは、偶然その存在を発見した。



「ジャンクは嫌よ……」
 涙を流しながら、叫ぶ力もなくつぶやくのは黒いゴシックロリータの服装に身を包んだ人形。
 銀色の腰まで届くロングヘアが背中の黒い翼と対になっている。
 整った顔立ちは完璧でなく、右眼を失っていた。欠けた眼球を右手の平に乗せて、水銀燈は身体を震わせていた。
『おはよう、皆』
 水銀燈の様子など構いはしない、とでも言いたげに放送は続く。
 余裕のない水銀燈は放送などを無視して、欠けた眼球を繋ぎ合わせようと必死である。
 右眼を喪失しジャンクになり、愛する父親(ローゼン)に嫌われるかもしれない、という恐怖心を抱えた水銀燈の哀れな行動。
 その水銀燈をあざ笑うかのように、疲労しきった心へ衝撃を放送は与えた。
『真紅』
「え――――?」
 告げられた名前に、薔薇のように赤い衣装を着る第五ドールの後ろ姿が水銀燈の脳裏に浮かんで消えた。
 腕が震えて先ほど告げられた名前をもう一度つぶやく。
 水銀燈は悲しみとも、怒りとも判断のつかない感情が表情に現れた。
 ジャンクになるという恐怖心が薄らいだのだが、水銀燈はそのことに気づかない。
「なん――で――ッ!」
 自分に断りもなく勝手に死んだのか、と理不尽な言葉を水銀燈は発した。
 水銀燈は真紅に対しては複雑な感情を抱いている。
 アリスゲームを教えなかった彼女に、歩き方を教えてくれた彼女に、愛を超えた憎しみが深く心にこびりついている。
 独占欲と似た感情が、真紅を壊すのは自分の役割だと水銀燈に刷り込ませていた。
 未来にて薔薇水晶の攻撃から真紅を庇ったように。
「真紅のローザミスティカ……誰にも渡すものですか」
 地獄の底から響くような声が、水銀燈から漏れ出した。
 それは真紅のローザミスティカを見るまでは死を信じない、という宣言に似ている。
 それにローザミスティカの力があれば、右眼を修復してアリスへの道を開けるかもしれない。
 僅かな希望と、胸の中で燃え上がるドス黒い感情に身を任せて水銀燈はユラリ、と幽鬼の如く立ち上がった。
 死体からデイパックを奪い瞳に力を取り戻す。
「なかなかいい覚悟だ」
 手の平を打ちあわす、拍手の音ともに水銀燈の耳朶を打つ陰鬱な声の主を前にして、水銀燈は己の迂闊さを呪う。
363今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:01:38 ID:lGV8xWbG
 振り向くと白い学生服に黒い髪の端正な少年が拍手の体勢で水銀燈を観察していた。
 

 ハザマは警戒をしながら後ずさり、構えをとろうとする水銀燈を前に右手を突き出す。
 離れきるのも、攻撃を仕掛けるのも間に合わない間合いだ。
 ハザマの端正な顔が口角をあげると同時に魔神皇としての力ではなく、自身が手に入れた魔法の名をつぶやいた。
「ディアラハン」
 ハザマの低くどこか鬱屈しているような声が響くと同時に、水銀燈の手の平の眼球がつながる。
 完璧といっていい少女の綺麗な顔たちの傷が僅かに修復され、ヒビが入っている紫水色の瞳は元の位置に収まっていた。
 戸惑う水銀燈の前に、ハザマはイタズラが成功した子供のような表情を浮かべた。
 同時に疑問も浮かぶ。
 ディアラハンはかけた相手を自分他人関わらず完治する強力な魔法である。
 かかりが中途半端な上、ハザマ自身の体にかかる負担が増していた。
 まあ、それは置いておきハザマは口を開く。
「ふむ、私の魔法でもここまで制限を加えられているのか。なるほどな」
「あなた……いったいどういうつもり?」
 警戒心をあらわに睨みつけてくる水銀燈を哀れに思う。
 ハザマは目の前の存在が人ならざる者だととっくに見抜いている。
 だからこそ久しぶりに、

「私は魔神皇、狭間偉出夫。魔界を支配するものだ。人ならざる者よ、私の力を体現したはずだ。
私と契約を結び力を貸すというのなら、さらなる奇跡をもってその傷を癒してやる。私に従え」

 傲慢で下手くそな悪魔交渉を行ってみることにした。
 

 ギリッ、と水銀燈は歯を鳴らしてすました顔のハザマを睨みつける。
 たった一人しか生き残れない殺し合いにて、仲間を増やそうとしているハザマの意図を掴めないのが一点。
 ハザマの傲慢な態度に無自覚な同族嫌悪をしているのがもう一点。
 以上二点が気に食わず、水銀燈は美しい顔を歪めて不機嫌を隠さない。
 水銀燈のように相手を絶対服従の状況に陥れるというならまだ理解ができるのだが。
 たまらず水銀燈は訊ねた。
「どういうつもり?」
「ただの気まぐれだ」
「気まぐれ……? 面白くない冗談ねぇ。この殺し合いで生き残れるのはたった一人なのよ、おバカさぁん」
 水銀燈の挑発を受けながらも、ハザマの表情は憎たらしい笑みをやめない。
 むしろ馬鹿にしたような感情が追加された気すらする。
 苛立つ水銀燈を前にハザマは続きを告げ始めた。
「殺し合いか、くだらないな」
「くだらない?」
「魂も輪廻も時間もすべて私のものだ。死などさして重要ではない。生きるも死ぬも私の手にかかれば自由自在」
 演技がかかった物言いがますます気に入らない。
 自分に酔ったような仕草でハザマは距離を詰めてきた。
「力を制限する結界など、この私には障害にもならない。邪魔するものはすべて排除すればいい。あのV.V.とかいう奴を含めてな。
それまでこの私に従えば君にもいい目をみせてやってもいい。どうする? 呪いの人形」
 最後まで尊大な態度を崩さず、水銀燈に言葉をかけ続けていた。
 ハザマの目を見つめて、水銀燈は一つ悟った。こいつは自分を見下している。
 水銀燈自身などどうとでもできると考えているのだ。だからこそ、組むことすら躊躇わない。
 水銀燈に自分を殺せると思っていないのだから。たいした自信だ。あの魔法とやらを考えると、相応の力があると考えるべきだ。
 普段の水銀燈なら、それでもハザマを拒絶しただろう。誇り高き「ローゼンメイデン」シリーズの第一ドールである。
364今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:03:12 ID:lGV8xWbG
 糧以外になりえない人間に見下され、呪いの人形などと暴言を吐かれるなど許せるはずがない。
 だが、水銀燈にはこの屈辱に耐えなければならない理由があった。そっと右眼周辺を白い手でなでる。
 ハザマによってある程度癒されたとはいえ、まだ傷は残っている。
 アリスは完璧な少女でなければならない。他のドールのローザミスティカを手に入れても修復される保証はない。
 逆にハザマが力を取り戻してもう一度先ほどの魔法をかけてもらえば、確実に傷は修復される。
 奥歯を強くかみしめ、水銀燈は返事をする。
「いいわぁ。アナタと手を組みましょう」
「賢い選択だ」
「けど、私はアナタをミーディアムにする気はない。そんなのごめんよ」
「ミーディアム……? まあ、構いはしない。今後ともよろしく」
「それと、二度と呪いの人形なんていわないで。……私はローゼンメイデンシリーズの第一ドール、水銀燈よ。ハザマ……」
 水銀燈が自分の名を明かしながら屈辱に耐える。ミーディアムにしないのは、せめてもの抵抗だ。
 ハザマは水銀燈の健気な様子を愉快そうに見ていた。
 ただし、

「水銀燈!!」

 スザクが現れた瞬間、ハザマの表情が少しだけうろたえる。
 その様子に疑問に思いながらも、ハザマの表情に水銀燈は僅かに溜飲を下げてスザクへ振り向いた。
 日本武者の鎧に金髪のかつらを着けたスザクの姿は、確かにうろたえるものがあったと後に水銀燈は語ることになる。



『ルルーシュ・ランペルージ』
「え――――?」
 水銀燈を探そうとはやる気持ちを抑えて、スザクがメモを取っていたときその名前は告げられた。
 そういうこともある、と覚悟しいたはずなのに名が呼ばれるとハンマーで殴られたような衝撃がスザクにはあった。
 高良みゆきの名が呼ばれたときはチクリ、と心が痛んだ。
 水銀燈への愛を持ってどうにか心の痛みを抑えれたところ、ルルーシュの名前が呼ばれたのである。
「ル――――」
 スザクはその名前を言葉にしようとして、途中で霧散する。
 感情が思考に追いついていない。
 スザクは自分の心を落ち着かせるように言い聞かせた。
 ルルーシュは裏切り者だ。スザクを騙し、ゼロとして人々を不幸に陥れ、ユフィとシャーリーを殺した。
 特に彼の妹であるナナリーすらに嘘をついていたことはもう二度と友と思うものか、と誓ったほどである。
 ルルーシュは絶縁を言い渡した裏切り者。大切な人たちを奪った罪人。だからスザクはあいつの死を悲しまない。
 そう必死で言い聞かせているのに、スザクは両の眼から溢れる涙を止めることができなかった。
「どう……して……俺は…………」
 涙が溢れるのだろう。その言葉は形にならず空へ消える。
 格好が鎧武者のなり損ないであっても、金髪のかつらをかぶっていても、今のスザクは痛々しさがあった。
(なんで死んだんだよ……)
 あのずるがしこいルルーシュが死を装ったのではないか、とも考えてみた。
 現実味が薄い。この殺し合いの手がかかりは0といっていい。
 いくらなんでもその状況で、ルルーシュが逆転の手を打てるはずがない。
 放送が偽りではないか、とも考えてみた。
 もっともくだらない考えとすぐに切って捨てる。なにせスザクが殺した高良みゆきはちゃんと呼ばれたのだ。
 偽りであるはずがない。
 スザクは声を押し殺して泣き続ける。ルルーシュを殺す決意すらしたのは一度や二度ではない。
 それでも、実際親友と心を許した相手の死はとても重い。
365今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:04:18 ID:lGV8xWbG
 それは今でもスザクが死んだユーフェミアに負けないくらい、ルルーシュが大切であったことの証であった。
 

 どれくらい泣いていただろうか。スザクは顔を上げて涙をぬぐった。
「俺には……僕には……やることがある……」
 悲しんではいられない。最愛の水銀燈は一人なのだ。
 彼女を守れるのは自分だけだ。もうユフィのように大切な人が死ぬのは嫌なのだ。
 スザクはしっかり地面を踏んで立ち上がる。
 水銀燈を守ると決意したさい、思い浮かんだのはユーフェミアだけでなくルルーシュの顔もあったが気づいていない。いや、気づかないふりをした。
 死んだとしても彼は許せないことをした。スザクはいまだ頑固にそう考えている。
 赤く腫れあがった両眼に水をかけて、スザクは走り出した。
 ショックが大きすぎて自分の奇妙な格好には気づけてはいない。
 加速を続けて風を切る感覚のままスザクは必死に水銀燈を探し出す。
 すでに朝日は昇り、周囲は光に満ちていた。その中、夜の漆黒をまとったような銀髪の少女を見つけ出す。
 スザクの胸に甘酸っぱい感情が満ちて、彼女の名前を呼んだ。
「水銀燈!!」
 

 スザクが現れたことにハザマが動揺しているのは、別に珍妙な格好だけが原因ではない。
 水銀燈が人間と組んでいたとは思っていなかった。
 ハザマは力を欲した経歴からわかるように、極度の人間嫌いである。
 むしろそれは他人に対する恐怖心があったのだが、自ら手に入れた魔神皇の力で傷つける側に反転している。
 とにかく極端な男だ。
「よかった、水銀燈が無事……その目は……」
「それよりもあなたの格好をどうにかした方がいいわ」
「あ、ごめん。水銀燈、君の……」
 ハザマは距離をとって見覚えのある鎧とかつらを脱ぎ捨てるスザクと呼ばれた少年を見つめていた。
 歳は自分と同じくらい。癖の強い茶に近い黒髪。意志の強そうな眉と瞳。
 線の細い身体だが程よく鍛えられている。ハザマが嫌うタイプである。
 同時になんらかのチャームを受けていることにも気づいた。
「この眼? そこの死んでいる男がやってくれたわ……忌々しいぃ」
「水銀燈……痛かったろう……」
「大丈夫よ。今手を組んだハザマが私の傷を癒してくれたわぁ。制限さえ解ければ完全に治してくれるそうよ。あなたも挨拶をして」
 そういってハザマに振られたが、ハザマ自身は嫌そうに顔を歪めた。
 水銀燈と組もうと気まぐれが働いたのは、彼女が彼の知る悪魔に近い存在だからに過ぎない。
 組む約束は破棄しよう。ハザマがそう結論着けたとき、スザクは目の前にいた。
 ハザマは驚愕する。視線を外したのは数瞬にも満たない。その隙に近づいたというのなら、驚異的な運動能力だ。
 スザクの手が動いた。ハザマが警戒していると、空いた右手の平をスザクの両手が握っていた。

「ありがとう! 君のおかげで水銀燈は助かった……本当にありがとう!」

 その熱烈な感謝にハザマは言葉を失った。強力なチャーム状態とはいえ、ここまで感謝を示す相手にハザマは今まで出会えなかった。
 ハザマが口下手なのもあったが、とにかく出会いに恵まれない男だったのだ。
 その彼が礼をいわれて固まるのも当然である。
「僕は枢木スザク。ハザマさん……だっけ? これからもよろしく」
「…………狭間偉出夫。呼び捨てでいい」
 ムスッとしたままのハザマに、スザクが握手を続けた。思わず魔神皇としてではなく、素で対応してしまう。
 スザクがいるから契約はここまでだ、と告げようとしたのに言葉にならない。
 ハザマが言葉にするより早く、スザクが好意をぶつけてきたからだ。
「それじゃあ、イデオ。君はこの殺し合いに知り合いはいるのか? さっきの放送で知り合いは呼ばれた?」
366今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:05:13 ID:lGV8xWbG
「いっぺんに質問するな。失礼な奴だ」
「ああ、確かに。ごめん」
 スザクが申し訳なさそうな顔をするが、ハザマの胸は少しだけもやもやした。
 別に他人に好かれる気はない。ならばスザクを利用してやってもいいか、とハザマが思いついたところでスザクがめげずに提案を始める。
「そういえばお腹すいてきたね。水銀燈、イデオ、いったん休もう。しっかり食べないとこれからがきつい。それでいいか?」
 水銀燈が頷くのが見える。ハザマが勝手に決めるな、と反抗しようとしたが、スザクが先を促す。
 毒気を抜かれ、まあ利用できるまで利用すればいい、とハザマは腹を決める。
 どうにもペースが崩されるのだが、ハザマが戸惑っているのもまもなく食事の場所を確保された。
 

 水銀燈はスザクによってペースを崩されるハザマを見つめて、ほくそ笑む。
 溜まっていた苛立がスゥーッと解消されるのを感じていた。
 ハザマが水銀燈に向けていた絶対の自信は、スザクに対してはない。
 これは僥倖だ。スザクは水銀燈の言いなりだ。
 約束を反故にされる可能性を減らすように進める。
 スザクはこの期に及んで新しい利用方法を持ち出してくれた。
(そうよ、いつまでもあんな人間風情にいいようにさせるものですか……)
 暗い感情が水銀燈の胸に宿る。ハザマに主導権を譲る形になってしまったが、このままで終わる気はない。
 契約を結ぶことは避けた。ハザマもそのことは同意した。
 ハザマを屈服させる逆転の目はある。
(そのためにも真紅、アナタのローザミスティカを私が奪う。誰にもアナタのローザミスティカを渡さない!)
 愛にも似た執着と憎悪。水銀燈の暗い炎が燃え盛る。
 利用すべき人間二人を視界に、彼女は進んだ。
 

 空元気を水銀燈に悟られなくて、スザクはホッとした。
 水で顔を洗って顔は少しマシになったものの、心はいまだ晴れてはいない。
 裏切り者の元親友。保護すべきナナリーの兄。悪夢のテロリスト・ゼロ。ユーフェミアも含めて多くの人を殺した罪人。
 憎むべきだ。死をもってしてもルルーシュのもたらしたことは重すぎる。
 なのに悲しんでしまった。
 スザクはもうこれ以上ルルーシュのことで悲しまない、と決意する。
 水銀燈を助け、彼女を救ってくれるハザマを生かし、そして元の世界でナナリーを助ける。
 水銀燈と一緒になろうとは思わない。彼女を想うが、自分が報われるべきだと考えていないからだ。
 一緒になりたい相手と別れる。それは身を引き裂かれるような、己自身に対する罰だ。
 それはスザク自身の思考ではない。惚れ薬により、なにより恋を優先する思考にねじ曲げられているのだ。
(そして、誰もが笑い合える君の理想の世界を俺が作ってみせる。……ユフィ、ナナリー……ん?)
 ユフィの名前を心中で呟いたとき、僅かな違和感がスザクに宿った。
 この違和感はなんだろうか、と考えるが思いつかない。
 それでもスザクは振り返る。愛しい水銀燈と新たな仲間の狭間偉出夫。二人とともに生き延びる。
 スザクは違和感を心の底にしまい、足を進めた。
 

 こうして利用するものと、利用される者たちが出会う。
 彼らはそれぞれ似ている部分を持ち、そして明らかに反発する要素を持っていた。
 人の心を操ることを嫌悪するスザクの心を操る水銀燈。
 ジャンクを避けたいという水銀燈の心理を利用する狭間偉出夫。
 ルルーシュの死を誤魔化し、ハザマにストレートな好意を示して戸惑わせるスザク。
 三者三様。
 重なる部分も、異なる部分も飲み込んだ呉越同舟が始まった。
 
367今後ともよろしく ◆y6S7Lth9N6 :2010/02/23(火) 19:07:07 ID:lGV8xWbG

【一日目 朝/D−7 東部】

【水銀燈@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、メロンパン×5@灼眼のシャナ、
     農作業用の鎌@バトルロワイアル、不明支給品0〜3(確認済み、武器では無い)
     不明支給品0〜2(橘のもの。未確認)
[状態]:右目にヒビ割れ、右眼周辺に傷、深い悲しみと憎悪
[思考・行動]
1:真紅のローザミスティカを得る。
2:スザクを通してハザマを利用する。
[備考]
※参戦時期は蒼星石のローザミスティカを取り込む前です。
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。


【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]:ワルサーP−38(3/9)@ルパン三世、
[所持品]:支給品一式、ゼロの銃(弾丸を一発消費)@コードギアス 反逆のルルーシュ、
    ワルサーP−38の弾薬(11/20)@ルパン三世、日輪の鎧@真・女神転生if...、
    Kフロストヅーラ@真・女神転生if...
[状態]:健康、服が所々こげている、『生きろ』ギアスの効果継続中、惚れ薬の効果継続中
    ルルーシュの死が悲しいが、それを否定。
[思考・行動]
1:水銀燈に従う。
2:ハザマを生かす。
3:ルルーシュの死を悲しまない。
[備考]
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if…】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世
[所持品]:支給品一式、ニンテンドーDS型探知機
[状態]:疲労(小)、精神疲労(中)、人間形態
[思考・行動]
1:蒼嶋駿朔(男主人公)を殺す。
2:水銀燈とスザクを利用する。
3:スザクを相手にするのは勝手が違う。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。

368 ◆2Y1mqYSsQ. :2010/02/23(火) 19:07:43 ID:lGV8xWbG
投下終了します。
誤字や矛盾など、指摘がありましたらお願いします。
369創る名無しに見る名無し:2010/02/23(火) 21:49:52 ID:57sKzkJ1
投下乙!
傷の治りが中途半端だと、そのうちポロッと取れたりしないだろうかww
水銀燈の目は元通りになったけど、ハザマと組んだのが今後どう影響するか
スザクも惚れ薬の効果にルルーシュの死、ユフィのこととなんか痛々しいな……
本当に無理してる感が強い

にしても一瞬で完治ってハザマチートww
マーダーコンビと組んだけど、もしこいつがマーダーになったら完全に詰みじゃないか
370創る名無しに見る名無し:2010/02/23(火) 22:42:39 ID:noAjmyjq
投下乙です

やっぱり真紅死亡で動揺したか
憎んでるけど…みたいな関係だからなw
スザクは悪い出来事が重なるな…
狭間と組んでどうなるんだろう…
371創る名無しに見る名無し:2010/02/24(水) 01:19:02 ID:MY5vLQMw
投下乙!
ハザマの祝・脱ボッチ!とは思っていたが…結構いい雰囲気…だと…
ハザマがマーダー化したら対主催終了のお知らせとは言え、逆に対主催になったらすごく心強いな
スザクの惚れ薬の解除アイテムは登場してないけど、どっちにしろ先行き暗そうだ…
372創る名無しに見る名無し:2010/02/24(水) 01:23:08 ID:WPAUXzUq
スザクは惚れ薬解けても、みゆきさん殺した罪悪感に苦しむだけだからなー
スザクと銃口にも書いてあったけど、救いは残されてない
373創る名無しに見る名無し:2010/02/24(水) 13:16:33 ID:e7AKEQpC
投下乙です
水銀燈の右目をあっさり治すなんて、やっぱり公式チートは格が違ったw
スザクとも合流できたけど、それぞれ愛憎渦巻く存在を失ったのは大きいな
しかし、前衛のスザクに回復が使える狭間が加わるとかなり手強いぞ
この強力な集団がどう動くかも気になるけど、根っこが善人のスザクが狭間にどんな影響を与えるかにも注目だな
374創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 15:55:49 ID:j9KOHaaT
すごく今更なんだが
支給品一式の中の筆記用具には「普通の紙と鉛筆」としか書いてなかったけど、
放送で言ってたマジックも入ってるってことでおk?
375創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 21:30:45 ID:RqnJ9Qmb
V.V.はうっかりさんだったんだよ
多分次の放送で支給したのは鉛筆だったね、ごめんねとか言ってくれるさ
376創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 22:21:45 ID:WAlpphhI
近くにマジックがある人は、とか、どこかでマジックを拾った人は、って意味だったんじゃね?
377創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 22:57:58 ID:j9KOHaaT
>>376
そうか、そうとればよかったんだな、納得した
しかし>>375みたいなことを言っちゃうお茶目でうっかりなV.V.もちょっと見たい
378創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 00:00:20 ID:MEYJ9BaK
想像したらちょっと和んだ
379創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 00:41:39 ID:YFOduNhF
V.V.「年かな……」
380創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 00:56:09 ID:CqLFxGnf
>>379
この流れで放送読み返してた最中だから吹いたwww
381創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 23:28:52 ID:Odf6MqoZ
今日スクライドのDVD8巻を借りてきたんだが、この巻は見どころが多過ぎる
確か初めてアニメで泣いたのが、シェリスの死亡シーンだったなぁ
382創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 16:54:58 ID:R8UfIdHO
クーガーのファイナル・ブリットやジグマール隊長も良かった
そしてカズマの「お前は今、泣いていい!」は間違いなく名言
383創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 18:31:30 ID:nTByLTvQ
あまり語られないけどビフ君の死亡シーンも名シーン
384創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 21:15:57 ID:kCG0Vpnv
レンタルしてるのか……。
どこ行ってもレンタルしてないから買っちゃったよ。
385創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:27:13 ID:nTByLTvQ
なんか今売ってるDVDボックスはBGM変えられてるらしいからなー
スクライドはBGMも好きだったし購買意欲が湧かない
386 ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:32:26 ID:LH84fMOA
浅倉威、カズマ、桐山和雄、蒼星石、投下します
387光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:33:21 ID:LH84fMOA

蒼星石、という人形がある。
ローゼン伯爵なる謎に包まれた人物が作り上げた生きた人形だ。
ボーイッシュと言うべきか、短い髪と凛々しい顔つきをした少年のような少女。
ローゼン伯爵が完全な少女である『アリス』を目指し試行錯誤した結果か、彼女には七人の姉妹が居る。
蒼星石自身を含めた七人のローゼン伯爵の傑作である『ローゼンメイデン』。
人知を超える人形は、あらゆる意味で人を超えている。
耐久、知識、そして人が持たぬはずの異能。
その人形が、こうして息も絶え絶えに歩いていた。
彼女には深い焦りがある。

「真紅……橘くん……!」

一人は蒼星石の妹であり、姉妹の中でも最も思慮深いローゼンメイデンが第六ドール『真紅』。
一人は蒼星石がこの殺し合いの場で出会った優しく気高い青年『橘あすか』。
真紅は過激な一面もあるが、基本的には慈悲のある心を持った人形だ。
橘は自分の危機を助けた心優しい青年だ。
そして、その二人だけでなく自分を庇い死んでいった北条悟史もまた優しい少年だった。
友達と妹と出会いたくて使った拡声器は、最悪の結果を産んだ。
託された思いも、既に妹である北条沙都子は死んでいる。
さらに友人である園崎魅音も、死んでいる。
気高い心を持った真紅は死に、意志を貫ける強さを持った橘は死に、妹のために行動した北条悟史は死んだ。
生き残ったのは、その三人とは真逆の人物。
蛇のように気味が悪く、獣のように暴れまわる男だ。
やっていられない現実だが、救いもある。
橘と同じく蒼星石と共に行動をしていた少年、桐山和雄は生きているのだ。
何よりも心を共とする蒼星石の最愛の姉、翠星石の命も尽きてはいない。
だからまずは桐山と合流し、翠星石を始めとする信頼できる人物を探すべきだろう。
真紅や橘あすかや北条悟史を失った哀しみも確かにある。
だが、止まるわけにはいかないのだ。何よりも彼らのために。

「……?」

考えながら歩く一方で、蒼星石は何かが響く音を聞いた。
ズシン……と重いものが地面に打ち付けられる音。
彼女はその音を不信に思う。
もう一度、ズシン……と蒼星石の耳に響く。
これほどの轟音、そう簡単に出るものではない。
響く音と、今立つ山と、もたれ掛かるように手を添えた木を見てある考えが蒼星石の頭に一つの考えがよぎる。
まさか、と思うがそれ以外に考えが浮かばない。

(木を……倒している人が居るのか……?)

もう一度、ズシン……と音が響く。
三つ目、感覚が早すぎる。
あの仮面ライダーと同等の力を持った化け物が居るのだろう。
チェーンソーのような武器で切り落としてるのかもしれないが、ライダーと言う超常を見たあとではそちらの印象の方が強い。
蒼星石の武器は少なく、悟史の側に落ちていた人知を超える長さを持った一本の大太刀ぐらいなものだ。
持つことは出来るが、心得のない蒼星石では確実に手首を持っていかれるだろう。
コレを扱えるのはかなりの使い手ぐらいだ。
名は知らないが、かなりの業物であろう。
普通ならばここは迂回し避けるべきなのだろう。
だが、もしも唯一生存しており、志を共にする仲間である桐山和雄と戦っている人間だとすれば。
行くしかない、蒼星石自身見逃すわけにはいかない。

「おおおおぁああ!」

獣の咆哮が響く。
蒼星石は痛む身体と疲労を訴える頭に鞭を入れて、一歩だけ踏み出した。
388光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:34:35 ID:LH84fMOA


   ◆   ◆   ◆


茶色に染まった髪を逆立てた青年、シェルブリットのカズマは朝焼けに赤く輝くある場所へと向かっていた。
ルパンと夜神月がカズマに教えた、拡声器越しに伝わってきた話。
北条悟史なる少年が、ここから脱出するために集まってくれ、と呼びかけたらしい。
そこの近くに由詑かなみが居れば間違いなく近寄るだろう。
ならば、そこに行けばかなみと出会う可能性が高い。
居なくても、何かしらの情報を得ることが出来るかもしれない。
とにかく不利になるようなことは思い浮かばない、ならば持てる限りの速さで近寄るのが先決だ。

『おはよう、皆』

だからこそV.V.の放送が流れてもカズマ動き続けた。
途中で禁止エリアなる場所が流されたが、それも無視した。
カズマにとってはかなみとの合流は何よりも優先されるものだからだ。

だが、さすがに死人の発表となるとさすがのカズマも歩みを止める。
なんともいえない感情が胸に呼び起こされる。
万が一、万が一由詑かなみの名が呼ばれたら、そんな考えが頭によぎるのだ。
カズマは思い切り頭を振り、そんな弱い考えを追い出そうとする。
そんなわけがない。確かに確実に生きているなどと言う保証はないが、カズマにはそんな考えはない。
だからこそ、由詑かなみの名に警戒していたからこそ。

『橘あすか』

顔面を固めていたボクサーがボディに一撃を食らったように、カズマの頭に衝撃が走った。
橘あすかとカズマの間の交流は薄い、名すらはっきりと憶えていないほどに希薄だ。
精々が腹を割って殴り合った経験があるだけだ。
だが、それでもホーリーのアルター使いであった橘が簡単に死んでいるということは衝撃以外の何者でもない。
そして、その衝撃に追い打ちをかけるように。

『劉鳳』

まるで三本目の腕で顎を砕かれたかのような衝撃に。
カズマの頭から言葉が消えた。

嘘なのかもしれない、本当なのかもしれない。
抱いているものは怒りなのか、哀しみなのか。
そんなことはどうだって良い、ただ喪失感が胸へと広がっていくのだ。
カズマの胸から、無くなっていく。
いや、無くなると言うのは少し違う。
『刻んだ』その名が、過去のものになっていく。
今ある物が、過去のものになる。
目の前にある、高い高い見上げるほどの壁が、それでも気持ちの良い壁が。
目の前から、消えてなくなる。
389創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:35:07 ID:nTByLTvQ
支援
390光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:35:51 ID:LH84fMOA

震えた拳を固く握り締め、木々へと、一撃ぶつける。
背中の羽が、一本消える。

根元から折れた木を眺めながら、別の木へと拳をぶつける。
背中の羽が二本無くなっている。

後ろにある木々すらなぎ倒す威力、だがカズマはまだ拳を木へとぶつける。
背中の最後の羽が、消えてなくなる。

カズマのアルター、『シェルブリット』が消えていく。
砂のように溶けて、カズマの腕からすり抜けて行く。

震える身体と血がでるほど握りしめた拳、そして無残に薙ぎ倒された木々。
残ったものは、それだけだ。

頭に残るのは、劉鳳が死んでしまったらしいという事実だけ。


「……おおおおぁああ!!」


心中に霧のように渦巻く感情を振りほどくように、言葉にならない雄叫びを上げる。
危険だとかかなみを探さなければいけないだとか、そのことを考えるよりも叫びを上げる。

肩で息をしながら、カズマは考える。
いや、考えると言うよりも感じている。
既に劉鳳は死んでしまったと、ブイツーとか言うガキは笑うように言い切った。
劉鳳の死のイメージは容易に浮かぶ。
カズマの側にいた人間は死んでいった。
君島邦彦も、寺田あやせも、どいつもこいつも、死んでいった。
それにカズマは抗ってきたつもりだった。
気に入らないことを押し通す拳で、人に寄り添うことをしながらも抗ってきた。

それがまた、何処かで消えていった。

その事実が胸を空っぽにしていく。

「……おらぁあ!」

舌打ちをして、生身の拳を気にもう一度ぶつける。
次は僅かに木の瑣末な枝を揺らしただけで、倒れはしない。
そのことに僅かに舌打ちをする。
零れ落ちた名に虚しさと、どうしようもできない怒りを浮かべつつ、それでもカズマは歩き出そうとする。
これ以上こぼさないために、由詑かなみを探すために動き出す。
そんな時だった、カズマの目の前にボロボロの少年が現れたのは。

「……」

カズマは何も言わずに少年をチラリと一瞥する。
少年は濃い青を基調とした軽そうな服だ。
息も絶え絶えに、けれども死は感じさせない力強さを持ってカズマを伺うように見ている。

「僕は蒼星石。君は……誰だい?」

一向に口を開く様子のないカズマに、少年――――蒼星石が尋ねる。
傷は負っているが会話に問題はないらしい。
胸にもやもやとした物を抱いたままカズマは短く答える。
391光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:36:49 ID:LH84fMOA

「カズマ、シェルブリットのカズマだ。お前、かなみを……」
「カズマ……って、ひょっとして橘くんの知り合いの!?」

蒼星石は喜びのを示した声をカズマの言葉に被せる。
そのことに苛立ったように顔を歪めた後に、橘と言う名前に反応する。

「おい、アイツのこと知ってんのか」

妙に気取っていて鼻持ちならない男だが、カズマが刻んだ男だ。
反応をするには十分すぎる名前だった。
蒼星石は喜びと、哀しみを入り混ざった声色で話しだした。

「橘くんとは一緒に行動していました、短い間でしたけど」

そこで蒼星石は聞かれていないことすらしゃべり始める。

橘とあった後、水銀燈なる少年と敵対する人物と会ったこと。
そこで襲われていた桐山と言う少年と出会い、橘を含めた三人で殺し合いの脱出を目論んでいたこと。
そして、北条悟史なる少年が拡声器を使った呼び掛けに応えたこと。
そこでヘビ柄の服を着た男による襲撃を受け、多大なダメージを負ったこと。
緑色のスーツを着た男にキタオカ(名簿から見る限り北岡秀一だろうと少年は言った)にさらなる襲撃を受ける。
ヘビ柄の服の男と北岡秀一による攻撃で北条悟史と橘あすかが死んでしまった。

蒼星石は今までの行動を大きく省略して、それでも伝わりやすいようにと喋った。

「……そうか。で、お前はかなみって女の子を見なかった」

蒼星石の言葉にカズマは簡素な言葉で返した。
と言うよりも、乾いた言葉しか出なかったのだ。
蒼星石も僅かに顔をしかめたが、人の死が関わっているため普段のルールでは判断できない感情の起伏があるだろうと割り切る。
つまり、カズマは表面上何でもないように装っているのだろう、と思ったのだ。

「かなみ……すみません、分かりません」
「そうか、じゃあな」
「ちょ、ちょっと!」

そう言ってカズマは蒼星石に背中を見せて立ち去ろうとし、何かを思い出したように足を止める。

「お前も、その桐山とか言う奴と一緒に警察署に行きな。
 Lってのと杉下って奴、あとみなみってのが来るはずだ。
 ああ、そういやルパンと月ってあの二人には……まあ、とにかく警察署に行け。
 そこに行けば悪いようにはならねえからよ」
 
392創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:37:14 ID:nTByLTvQ
支援
393光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:37:58 ID:LH84fMOA

それは蒼星石の整った顔立ちと高い声にかなみが重なったからの言葉だったのかもしれない。
蒼星石の言葉に嘘がなければ、最終的な目標を共にする人間となる。
とにかくそのことを言った以上、既にカズマに蒼星石に話すことはなかった。
かなみを探さなければいけない気持ちと、どうしようもない気持ちが絶妙に絡み合っている。

今はかなみを探し出して、その後に考える。
それが一先ずの方針。
言ってしまえば先送りにする、ということになる。
そう考えると何かどうしようもないものを感じて歯軋りをしてしまう。

そのカズマの歯軋りに乗じるように、倒された木を踏む音が響く。
カズマと蒼星石が音に反応して振り返ると、『ヘビ柄の服』を着た男が立っていた。

「あん……祭りに乗り遅れた間抜けか」

そこで男は嘲るようにカズマに声を投げかける。
この木々が薙ぎ倒された空間がカズマによって作られたと察したのだろう。
そしてカズマの顔色を見て、ふん、と鼻を鳴らす。

「誰か死んだか」

その言葉にぴくりとカズマの拳が揺れ、それを目ざとく見つけたヘビ柄の服の男が笑う。

「図星か」

ヘビ柄の男は値踏みするような目を向けたまま、ふん、と鼻で笑う。

喧嘩を売られている、カズマはそれが直ぐに分かった。
元より売られた喧嘩を流せるほどカズマは出来た人間ではない。
ポキリ、と指を鳴らして、ちょうど先程なぎ倒した木々を分解する。
カズマのアルター能力、シェルブリットを構築しヘビ柄の服の男へと歩き出す。

「はっ!」

楽しそうにヘビ柄の服の男は笑う。
まどろっこしい話は苦手だ、と言わんばかりに大股でカズマへと向かって歩き出す。
お互いのリーチが届くまでに近づいたその瞬間。

カズマの拳が振り上げられた。


   ◆   ◆   ◆

 
394創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:39:02 ID:nTByLTvQ
支援
395光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:39:06 ID:LH84fMOA

学生服を肩にかけ、特徴的なオールバックの髪型をした桐山和雄は西に向かっていた。
僅かに火の手をあげる山を見ながら桐山は判断する。
この殺し合いは桐山が参加し、そして残り四名の時点で敗退した殺し合いよりもいささか『派手』である。
この時間制限など使い勝手に難がある『ライダーデッキ』により変身した身に纏う強化スーツがその最たるものだ。
個人が扱える銃器よりも明らかに火力が上であり、防弾チョッキとは比べ物にならない耐久力を持っている。
さらに桐山がこの殺し合いにて最初に出会った水銀燈なる少女は自由に空を舞い、鋭さの残した羽を飛ばしてきた。
殺傷力は銃器に劣るが、音が全く立たないことは殺し合いにおいてはかなり有利だ。
そして、橘あすかなる青年が扱った緑色に輝く宝玉。
『アルター』と称していたが詳細は不明、しかし応用性に優れている上にやはり無音。
正面からの襲撃に多大な効果をもたらすライダーデッキと、不意打ちに優れた二人の武器。
繰り返すが、桐山にこれらの詳細を察することはできない。
あるいはそれなりの材料があれば、その真意を探ることも出来るかもしれないが。

しかし桐山にとってそれはどうでもいいことだ。
たった今桐山の目の前で殴り合いを始めようとする二人の能力値を測ることこそが、重要なのだ。

「おらあ!」

叫びを上げながら髪を逆立てた男、カズマが装飾の施された右腕を振るう。
それを笑いながらヘビ柄の服の男、浅倉威が紙一重ながらも確かに避ける。
桐山が木々の倒れる音と、その直後に響いた雄叫びに導かれこの場所に辿りついたときには二人は殴り合いを始めていた。
この木々の影から撃ち殺してしまおうかと構えたときに、側に蒼星石の姿を見つけた。
蒼星石は疲労を抱えているようで安全だと判断した場所から動こうとしない。
位置関係から桐山はカズマと蒼星石が一先ずの友好関係を築いているのだろうと

戦況は髪を逆立てた男が明らかに押している。
浅倉は木々を利用してカズマの振るう拳を避けているが、逆に言ってしまえばそれだけだ。
不用意に近づいてしまい被弾することを嫌っている。
カズマの攻撃は突撃性に優れているが、逆に言えばこの木々が生い茂った場所では動きづらそうではある。
それに加えて浅倉の顔に張り付いた笑みに逆上している風に見える。
とは言え、カズマの優勢は変りない。
動きづらいと言うのは浅倉にも言えることだ。
攻撃の回避に務めているからこそ戦えているようだが、攻撃を仕掛ければその分だけ隙も生まれる。
ならば、カズマの木々を打ち砕く攻撃に被弾する恐れが高まるだろう。
このままでは浅倉の不利はゆるがない、そしてそれを浅倉も承知しているはずだ。
勝てないと判断したのなら逃げてしまえば良いのに、浅倉はそんな素振りも見せない。
つまりこの状況を打破出来うる何かを持っていると言うことだろう。
可能性としてはライダーデッキだが、使えるのなら既に使っているだろう。
だからもっと単純なもの、それでいて戦況を逆転もしくは決めれることが出来る物だ。

「拳銃、か」

桐山はかろうじて自分だけが聞き取れる程度の声量で呟く。
つかず離れずの位置を確保しつつ、カズマの攻撃を避けている。
カズマは逆上しているのか大振りが多い。
このことから銃での逆転を狙っている、と言ったところか。

桐山は、ならばどうすればいいかと考える。
浅倉が銃での攻撃を狙っているとは言え、その前にカズマの攻撃が決まり勝負が終わってしまう可能性もある。
ここで手を出さずに、勝負が終わった後にさも今現れたかのように
優勝を目指す以上、ここで浅倉が二人を殺してしまうのを容認するのもまたありだ。
二人を殺して息をついたときに後ろから殺せば良い。
だが、その場合は浅倉を取りのがす可能性もある。
そして、今ここで殺しておくべき、という優先順位が最も高いのは浅倉だろう。
カズマは蒼星石と何かしらの交流を結んでいる可能性が高く、そして蒼星石は桐山を仲間だと思っている。
つまりこの二人は背後からの攻撃によって何時でも殺すことが出来る。
 
396光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:39:56 ID:LH84fMOA

瞬時にそこまでを考え、桐山はコルトパイソンを構える。
障害物が多いが問題はないだろう。
まずは重さを確かめるように目の前へと持って行き、ゆっくりと両手で拳銃を前へと突き出す。
その瞬間だった、にやついた笑みを貼り付けた浅倉と目があってしまったのは。
恐らく目があったのはただの偶然だろう。
間が悪かったと言うか、浅倉の悪運が強かったと言うか。
とにかく、桐山の存在が浅倉に知れたのだ。
桐山はその瞬間にトリガーを引く、だが浅倉は僅かに顔を引くことでかろうじて避ける。
不恰好に転げる形になるが浅倉は確かに避けたのだ。
そして、桐山の方を見ながら懐に隠していたらしい拳銃を抜き取る。

「お前……あの時のか」

銃弾により命を奪われかけた後だというのに、鼻を鳴らし唇を僅かに上げて浅倉は笑う。
そして銃を持った手とは逆の手でライダーデッキをチラチラと振りながら見せつける、桐山は顔色ひとつ変えずに銃を構えている。
浅倉はそのつれない態度にふぅっとため息をつきながら位置取りを変えて、桐山たちへと向かって声をあげる。

「デザートだ……」
「あん?」
「北岡食った後に、お前らを食う」

その時にまた遊ぼうぜ、と軽薄な笑みを浮かべながら浅倉は森の奥へと消えていく。
桐山は追撃はせずに、一先ずは見送る。
ライダーデッキ、あれは鏡面があればどんなことでも出来る道具だ。
深追いをして手酷くやられるのは避けたいところだ。
それにまだ利用価値のある蒼星石と合流する道もある。

浅倉が立ち去ったのを見て、桐山はカズマと蒼星石へと向き直る。
蒼星石は身体が痛むのが顔をしかめており、カズマはまた別の理由で顔をしかめている。

「……」
「……」
「桐山くん!」

桐山は蝋で塗り固められたように表情を変えず、カズマは何かにイラつくように、蒼星石は素直に再開を喜ぶように。
僅かに嫌な雰囲気を感じつつも、蒼星石が桐山へと話しかける。

「えっと、桐山くん。この人は……」
「カズマだ」

カズマは蒼星石の言葉を区切り、苛立った様子を隠そうともせずにぶっきらぼうに言葉を返す。
桐山には知る由もないが、彼の心中はひどく複雑だった。
売られた喧嘩を買わなければいけない、だが下手に深追いをすればかなみの捜索時間も食う。
どちらも重要で、どちらもないがしろには出来ない。
ただ今この場では桐山がこちらを値踏みするように見ていることと、同じく桐山が追走経路を塞ぐように立っているため追わなかっただけだ。
逆に言えばそれ以上の理由はないし、向こうからこちらに再び喧嘩を仕掛けるつもりな以上追う理由もなくなったということだが。

「お前、かなみを知ってるか。これぐらいの小さい女の子なんだが」
「……知らないな」

カズマは一も二もなくかなみなる少女のことを尋ねる。
桐山は当然そのような少女を知らない。
嘘をつく必要もないし出し渋る必要もない、正直に知らないと首を振った。

「ちっ……そうかよ、じゃあな」

隠す様子もなくカズマは舌打ちをして背中を見せる。
無用心に見えるが、逆に自信があると言うことなのだろう。
 
397光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:40:54 ID:LH84fMOA

「かなみを探したら警察署ででも会おうぜ」

手を上げて軽く立ち去っていく。
桐山はまだ情報が絞りとれてないと足を踏み出そうとするが、蒼星石がそれを妨げるように口を開く。
蒼星石もカズマの早急な態度をそのガキ、つまり蒼星石から聞け、という風に受け取ったのだ。
警察署に向かう、蒼星石の言葉を聞きながら桐山は情報を整理する。
カズマとは橘あすかの知り合いで、殺し合いに乗るつもりはない。
そして、カズマは杉下右京、L、岩崎みなみなる三人組と警察署での合流を約束しているらしい。
つまり、警察署に行けば殺し合いに乗っていない集団が出来上がる、ということだ。

桐山は考える。
この殺し合いに乗っていて、なおかつ単純な殺しの能力に優れた人間は多い。
例えばライダーデッキを持った浅倉や、北岡なるライダーが同時に襲ってくれば三つ巴になろうとかなりの激戦になるはずだ。
そこに乗じて殺してしまうのも、またありだろう。
他人を利用するという方針を立てた桐山としては利用できるであろう人間が増えるのは幸いだろう。
そう判断して、蒼星石とともに桐山は一歩踏み出す。

桐山に情報を与えてしまった、目の前の出来事に頭が精一杯なカズマは知らなかったのだ。
目の前の生きた人形よりも表情を固めた少年が、明確な悪意を持って行動していることに。
カズマは知らなかったのだ。


【一日目朝/D−6】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[装備]なし
[所持品]支給品一式×2(浅倉とルルーシュ)、王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、
    FNブローニング・ハイパワーのマガジン×1(13発)、不明支給品(未確認)2〜3
[状態]疲労(大)、全身打撲、イライラ(中)
[思考・行動]
0:ゾルダを追う。
1:北岡秀一を殺す。
2:大剣の男(五ェ門)、茶髪の男(カズマ)、学生服の男(桐山)を後で殺す。
3:全員を殺す。
[備考]
※ゾルダの正体を北岡だと思っています。
※ライダーデッキに何らかの制限が掛けられているのに気付きました。


【一日目朝/D−6】
【カズマ@スクライド(アニメ)】
[装備]シェルブリット第一形態、暗視ゴーグル
[支給品]支給品一式、タバサの杖@ゼロの使い魔、おはぎ@ひぐらしのなく頃に、Lのメモ
[状態]健康
[思考・行動]
1:何が何でもかなみを見つけ出す。
2:『他』は……後で考える。
[備考]
※カズマは衝撃のファーストブリッドを撃った状態です。
※Lのメモには右京、みなみの知り合いの名前と簡単な特徴が書いてあります。夜神月について記述された部分は破られました。
※蒼星石とはほとんど情報を交換していません。
398創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:41:03 ID:nTByLTvQ
支援
399光を求めて影は ◆EboujAWlRA :2010/02/27(土) 23:41:37 ID:LH84fMOA

【一日目朝/D−6】
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[装備]コルトパイソン(5/6)@バトルロワイアル
[所持品]支給品一式、コルトパイソンの弾薬(22/24)、不明支給品0〜1(確認済み)
     オルタナティブゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不可)
[状態]疲労(中)、右上腕に刺し傷
[思考・行動]
1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。
2:蒼星石と共に警察署を一先ず目指す。
4:水銀燈、紫の戦士(浅倉)、騎士服の男(スザク)は次に出会えば殺す。
[備考]
※蒼星石、あすかとはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 ただし能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。

【蒼星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0〜2、贄殿遮那@灼眼のシャナ
[状態]疲労(中)、胸部に打撲
[思考・行動]
1:ここから離れる。
2:自分とあすかの仲間(カズマ、劉鳳、クーガー、かなみ、真紅、翠星石)を集めて脱出する。
  千草、三村、稲田は保留。織田、騎士服の男(スザク)、水銀燈は警戒。
3:あすかと桐山が心配。生きてるなら合流したい。
4:襲ってくる相手は容赦しない。
[備考]
※nのフィールドにいけない事に気づいていません。
※あすかと情報交換をしました。
※桐山とはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 ただし能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※カズマとはほとんど情報を交換していません。
400創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:43:22 ID:nTByLTvQ
支援
401創る名無しに見る名無し:2010/02/27(土) 23:50:09 ID:nTByLTvQ
もう投下終了でいいのかな?
402 ◆EboujAWlRA :2010/02/28(日) 00:04:17 ID:YZrS0pLp
投下終了です
誤字脱字などがあれば指摘お願いします

一応仮投下にも言いましたが最後の最後でさるさんをくらってしまいました……orz
403創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 00:17:42 ID:nwebC5Pf
投下乙!
確かさるさんって0時を跨ぐと一回解除されるんだよね

桐山がいちいち危険過ぎるww
こいつがマーダーだって気付いてる奴はまだ誰もいないんだよなー
警察署が大量に対主催が集まりそうなだけに怖い
何気に光の戦士も警察署に行く可能性あるし
そしてカズマはどんどんとかなみから離れてくなぁ
警察署に行くのが一番確実とはなんたる皮肉

指摘はまず作中に登場しているはずの浅倉の拳銃が、状態表に書いてないこと
後は細かいかもしれませんが、蒼星石の思考の2の欄から
死亡した劉鳳、真紅、織田は除外した方がいいのではないかと思います

最後にもう一度、投下乙でした
404 ◆EboujAWlRA :2010/02/28(日) 00:28:20 ID:YZrS0pLp
失礼しました
ブローニングハイパワーの弾装しか持っていない浅倉がブローニングハイパワーを持っていると勘違いしていましたorz

正しくは>>395の「拳銃か」からを下の物に差し替えます。



「ミラーモンスター、か」

桐山はかろうじて自分だけが聞き取れる程度の声量で呟く。
つかず離れずの位置を確保しつつ、カズマの攻撃を避けている。
カズマは逆上しているのか大振りが多い。
このことから浅倉はミラーモンスターでの逆転を狙っている、と言ったところか。
ミラーモンスターは鏡面を通じてカードを示すことで出入りが出来る。
ペットボトルを使い、そこにカードを移すことでミラーモンスターを出させるつもりなのだろう。
ミラーモンスターの膂力を不意打ちに使えばカズマも倒せるはずだ。

桐山は、ならばどうすればいいかと考える。
浅倉がミラーモンスターを利用した攻撃を狙っているとは言え、その前にカズマの攻撃が決まり勝負が終わってしまう可能性もある。
ここで手を出さずに、勝負が終わった後にさも今現れたかのように
優勝を目指す以上、ここで浅倉が二人を殺してしまうのを容認するのもまたありだ。
二人を殺して息をついたときに後ろから殺せば良い。
だが、その場合は浅倉を取りのがす可能性もある。
そして、今ここで殺しておくべき、という優先順位が最も高いのは浅倉だろう。
カズマは蒼星石と何かしらの交流を結んでいる可能性が高く、そして蒼星石は桐山を仲間だと思っている。
つまりこの二人は背後からの攻撃によって何時でも殺すことが出来る。


そして>>396の『 そして、桐山の方を見ながら懐に隠していたらしい拳銃を抜き取る。 』を消してその後の文章の

銃弾により命を奪われかけた後だというのに、鼻を鳴らし唇を僅かに上げて浅倉は笑う。
そしてライダーデッキをチラチラと振りながら見せつけるが、桐山は顔色ひとつ変えずに銃を構えている。

に変更します。

推敲不足で差し替えるのを忘れていました、本当に申し訳ありませんorz
そして指摘感謝、ありがとうございます
405創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 17:38:25 ID:ulRXS//0
投下乙です
決着つけたとはいえ宿敵を失ったカズマの喪失感は大きいよな。かなみは遠いが何とか見つけてほしいものだ
そのカズマと生身で戦う浅倉も凄いな。でもカズマも桐山もデザートってレベルじゃないぞw
桐山は警察署の情報を手に入れたか。唯一のステルスがどう動くか気になるところだ
そして北岡先生が知らないところで危険人物扱いされてるw

指摘は>>390でカズマが羽を3枚消費してますが前回の時点で2枚しかありません
>>391で蒼星石が北岡について話していますが蒼星石は気絶していたのでゾルダのことは知りません
違うかもしれませんが>>395の位置関係から桐山はカズマと蒼星石が一先ずの友好関係を築いているのだろうと とありますがこれは字が足らないのでは?
あとは細かいところですが蒼星石の状態表の3は要らないかと
406 ◆EboujAWlRA :2010/02/28(日) 21:00:27 ID:YZrS0pLp
>>405
指摘、ありがとうございます
仮投下スレに修正を落としました
407創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 22:25:08 ID:nwebC5Pf
修正乙です
さり気なく北岡先生に死亡フラグ立ってるなー
銀&スザク&狭間に、蒼&桐山、後は浅倉にカズマか
浅倉はつかさに嫌がらせがしたいのかwww
408創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 23:36:03 ID:jp9eQUWF
投下&修正乙です!
カズマにとって劉鳳はやっぱり大きいよなー…参戦時期的にも尚更
せめてかなみとは無事に合流して欲しい、今かなみのところ戦力0だし
そして北岡への誤解フラグ立ち過ぎててやばいwしかも当のレイ兄さんは存在すらほとんど知られてないとかww
相変わらず桐山も浅倉も自重しないし、対主催前途多難…!
409創る名無しに見る名無し:2010/03/02(火) 21:00:19 ID:RC+oFH9b
トップクラスの戦闘力を持つ奴と、トップクラスの頭脳を持つ奴二人が手を組んでるてつをチームって
普通ならすげー安心感があるだろうに、ロワだと不安でしょうがなくなるのがたまんないよな
410創る名無しに見る名無し:2010/03/02(火) 23:30:01 ID:9OB/gmwt
死亡フラグでしかないからな
それでも、てつをなら何とかしてしまいそうだがw
411創る名無しに見る名無し:2010/03/03(水) 00:47:31 ID:CDqLhxwQ
でもあのグループは結構バランスいいし、今のところ周辺にマーダーもいないから意外と大丈夫かもしれない
それに分散する可能性もあるし
412創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 00:13:26 ID:TsevheF8
今日の相棒が悲し過ぎて泣けた
413 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:26:39 ID:OOExrMzP
篠崎咲世子、田村玲子で投下します
414人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:28:05 ID:OOExrMzP
深い森の中で二人の女性が向かい合う。
白衣とメイド服という殺し合いの場にそぐわぬ格好の両者は共に二十代、黒髪の日本人。
共通点の多い二人だが、その間には『人』と『そうでないもの』という越え難い壁があった。

「そろそろ放送の時間よ?」

白衣を着た玲子は切れ長の眼でメイド服姿の咲世子を見据えた。
朝6時前、V.V.と名乗った少年が言った通りならば間もなく『放送』が入る。
玲子がそれに心を乱されることはないが、その時に少しだけ期待を寄せていた。
「この女は誰かが死んで絶望するのか、それとも生きている事で歓喜するのか」という疑問。
他人の行動に介入したがる変わり者、『お人好し』と呼ばれる類の人間がどんな反応をするのか。
「我々は何故生まれてきたのか」という問いへの答えに近付けるのか――玲子は観察を続ける。

「……そうですね」
返されたのは先のやり取りと同じ当たり障りのない言葉。
咲世子にとっても放送はさして重要ではない。
玲子に声を掛けた時のように「助けられるのなら助けたい」とは思うが死者は助けようがないのだ。
ルルーシュさえ生きていればいい。 そしてそのルルーシュは絶対尊守の力、ギアスを持っている。
ルルーシュが誰かを殺すことはあっても誰かに殺されることはないという信頼があった。
 ただ放送への関心の薄さは悪い印象に繋がりかねない、故に一応の肯定を示したまで。

玲子は咲世子の返答――否、『反応』に細い眼を更に細める。
玲子の所作に最大限の注意を払っていながら、わずかに視線を泳がせて紡いだ無難な答え。
 この会場内に生死を気に掛けている相手がいる。 玲子はそう判断した。
 抱く感情は愛情なのか友愛なのか敬愛なのか、憤怒なのか憎悪なのか。
 いずれにせよ有意義な観察となりそうだと、玲子は益々関心を強める。

『痛がり屋』の人間は社会を形成する。
何十 何百……何万 何十万と集まって一つの生き物となる。
自分の頭以外にもう一つ巨大な『脳」を持っている。
個体個体はひ弱でも、その社会性は寄生生物が持たない強さだ。
家族の繋がりというものは人間にとって特別なものらしいと『田宮良子』の母親から学んだ。
では知人友人、あるいはそれ以外の他人同士の繋がりはどうなのか?
 その答えは――



『おはよう、皆』

 6時間ぶりに聴くV.V.の声、6時の定時放送。
 死者の名はともかく禁止エリアというのはこの二人にも必要な情報だった。
 二人は放送に耳を傾ける。 ただし玲子の視線が向けられているのは名簿でも地図でもなく篠崎咲世子。
 禁止エリアと死者の名前を覚える程度、寄生生物の中でも特に優秀な知能を持つ玲子には容易い。
 重要なのはあくまで『観察』だ。

『――山薫、斎藤一――』
――身体は強張り緊張が窺えるが、違う。
『――柊かがみ、緋村――』
――違う。
『――劉鳳、ルイズ・フランソワーズ――』
415創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 00:28:33 ID:Tm5Wd14Z
sien
416人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:29:12 ID:OOExrMzP
――一瞬肩を震わせたがこれも違う。 似た名前だったのか?
『――ルルーシュ・ランペルージ』
――……………………。
 服の裾が汚れるのも構わず咲世子は膝を落とした。
 茶がかった目が映すのは絶望、目の前に玲子がいなければ声を上げていたかも知れない。
 篠崎咲世子がこの会場で気に掛けていた唯一の存在は既に死亡していたのだ。
 しかしその姿を見て玲子が抱くのは同情ではない。
 これからこの女はどうする?
 絶望のあまり自殺するか?
 主催者の言った「願いを叶える」とかいう言葉を信じて殺戮に身を投じるか?
 それともこのまま座り込んでいるつもりか?
 そんな純粋な好奇心だった。
(ああ……この殺し合いを始めた人間は、人間のこんな姿が見たかったのかも知れないな)

「……嘘です……ルルーシュ様が、亡くなられたなんて……」
 様付けということは恐らく家族や友人、恋人ではないだろうと、玲子は観察と考察を並行させる。
「恐らくあの放送は事実でしょうね」
「そんなはずがありません、ルルーシュ様は……!」
 既に16人の死者が出ていることには全く触れない。
 玲子にもそれだけその人物との繋がりが強かったのだろうと推測出来た。
 もしくは特定人物以外の死に抵抗が薄い……『一般人』の枠から外れた生活を送ってきたとも考えられる。
 ここまでの会話で玲子は完全に警戒されているので、詳しく経歴を尋ねる事は出来ない。
「あの放送は参加者全員に向けてのものよ。
死者を偽っても偽られた本人やその周囲の人間にはすぐに嘘と分かるわ」
 玲子は目の前の女の顔色を窺いながら言葉を紡ぐ。
 最初に殺した男の名を確認していない以上、玲子にも放送の真贋は分からない。
「放送は今後も行われるのに、一回目が嘘だと思われてしまっては後の放送の意味が薄れてしまうわ。
 ここで嘘を吐くのはデメリットが大き過ぎるんじゃないかしら?」
 しかし玲子がこの女に求めている『答え』に辿り着くには放送を信じてもらった方が都合が良い。
 故に咲世子が正常に思考出来ない状態になっているのを承知で追い打ちを掛けた。
 案の定咲世子の顔は益々青褪めていく。

「それでは……日本の解放は……」
「?」
言ってから咲世子はようやく我に返り、自らの失言に気付いた。
察しのいい玲子ならこの一言で、咲世子とルルーシュが『黒の騎士団』に関わっている事を読み取る。
 玲子は日本人のようだが名簿の中にはブリタニアやEU、他に中華連邦出身と思しき名前が散在していた。
 この会場内で広められてはまずい、黒の騎士団は他国からすればテロ組織に他ならないのだから。
 そう考え焦る咲世子を他所に、数秒考える素振りを見せていた玲子は口を開く。

「『何』から、日本を解放するのかしら?」

 それは聡い玲子のする問い掛けとしては不自然な物だった。



 日本とエリア11。
 アメリカと神聖ブリタニア帝国。
化石燃料とサクラダイト。
 「日本」という土壌は同じ、言語も同じ、共通事項は確かに多いが違いを列挙すればまたキリがない。
417創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 00:30:08 ID:XeAo427A
 
418人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:30:20 ID:OOExrMzP

 この篠崎咲世子という女はこんな出来過ぎた空事を言うには素直過ぎる。
私が最初に鎌を掛けた事もあって情報を出し渋っている様子はあるが、嘘を言っている気配はない。
 それに多少の錯乱はあっても狂ってはいない。
むしろ相手に説明するという行為を通して脳内の情報が自然と整理され、冷静さを取り戻しつつある。
 妄想や虚言でないとするならば現状では真実と見るしかない。
咲世子は私の知る日本とは根本的に異なる日本から来たのだ。

しかしこれ自体が興味深いのではない。 これはこれで面白いが違う。
この会場に残っているのは49人。 私と咲世子、新一と後藤を抜いて45人。
――後45人も人間がいる。
 それも私や私の知る者達とは全く異なる価値観で育った人間がだ。
 より多様な人間の観察が出来る――それは私が抱き続けてきた疑問への答えに繋がるかも知れない。

「仕えていた相手が亡くなって、あなたはこれからどうするの?」
「もし本当にルルーシュ様が亡くなられたのなら……私は、私に出来る事をします」
 義務感か。 そんな物にでも縋っていなければ立っている事も出来ない、といった所だろう。
「出来る事って?」

「私がゼロとなってルルーシュ様の意思を継ぎ、日本を奪還する事です」

成程、仮面の英雄――仮面は記号に過ぎず、仮面の下の顔に意味は無い。
ゼロの真贋は中身ではなく、その行動によって測られるという事か。
しかし確かにゼロ――ルルーシュは天才的な軍師で、失うには惜しいカリスマ性とやらもあったのだろう。
だが話を聞く限りでは騎士団にはゼロを継ぐような人材がいるようだし、影武者にはこの咲世子がいる。
彼がいれば日本を奪還出来る。 それは「彼がいなければ日本を奪還出来ない」とはならない。
騎士団へは日本の奪還の為に入団したと言うが、放送後の錯乱の理由は日本の為ではなく――

そしてナナリー様も取り返します。 ルルーシュ様の為に。
咲世子がそう続けるのを聞き、私は一つの仮説を立てた。

「あなたは日本とその兄妹、どちらが大切なの?」
「――それは……」

 咲世子は兄妹と疑似家族のような感覚を持った――「情が移った」、という事だろうか。
色々と人間の事を研究してきた。
 こういった不合理な行動や感情は――何となく理解出来る。



 咲世子がこのバトルロワイアルに参加させられていなければ訪れていた、そう遠くない先の話。
 咲世子は第一皇子シュナイゼル――及び黒の騎士団から離反し、皇帝となったルルーシュの下に参画する。ナナリーを利用してルルーシュを操ろうとするシュナイゼルに賛同出来なかった為。
 その為に彼女は日本人でありながら日本解放を目指す騎士団を離れ、ブリタニア側に付いたのだ。
 それは玲子にも、今の咲世子にも知る由も無い話。



 咲世子は玲子にとって実に観察し甲斐のある女だった。
 今は使命感や義務感によって哀しみという感情から目を逸らしている。
419人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:31:31 ID:OOExrMzP
 それが否が応でも直視せざるを得なくなった時、例えばルルーシュの死体を目にした時。
 その時どのように反応し変化するのか実に興味深く、今後も観察を続けるのが望ましい。
 しかし同行を求めても許可は得られそうに無いので、玲子は観察を一時中断する事にした。
「何処かに行く予定はある?」
「北の美術館に向かうつもりです。 あなたはあの青年を見に行くのですね」
「ええ」
 長時間舐めるように観察され、流石にもう止める気もなくなったようだ。
しかし、美術館――それは玲子にとって少々不都合があった。
美術館には死体が放置してある。 そして咲世子は玲子が美術館の方から来たのを知っている。
死体を見られれば「田村玲子は殺し合いに乗っている」と広まるのは必然。
普段と違い名簿がある以上、簡単に『田村玲子』ではない他人になる事も出来ないのだ。
そうなると今後の他の参加者達の観察にまで支障を来す。

 玲子の懸念事項はもう一つ。
 寄生生物には半径約300メートル以内にいる同類の脳波のようなものを感じ取る能力がある。
 放送直前頃から玲子は感じていた。
南西――咲世子が殺し合いに乗っている青年と会ったという方角の、他の寄生生物の気配を。
 新一なのか後藤なのか、それとも玲子の知らない寄生生物なのかは分からないが厄介な存在だ。
 どこかに身を隠した上でその青年を観察したかったのだが、同族が居ては見つかってしまう。
 しかも気配は激しく動き回っており、件の人物と同族がまさに交戦中という可能性がある。
 殺し合いに巻き込まれてしまっては観察どころでは無い。
 一応咲世子には肯定したが、向かわない方がいいだろう。

 この先どうするか――それは一先ずこの場で咲世子を殺してしまうのが一番効率が良い。
 そうすれば美術館の死体が玲子の手に依る物だと人に知れる事は無い。
 しかし玲子はそれをする気にならなかった。
(咲世子の方から仕掛けて来ない限り殺す事も無いか)
好奇心に負けた、という言葉がその理由として最も適切だ。
 次に会った時咲世子がどう変化しているのか、していないのかという興味。
 デメリットは多いが新一と同じ観察対象として残す事にした。
「じゃあ、私はこれで」
「はい、では――」

咲世子は玲子に明確な殺気を飛ばすと同時に、デイパックに素早く手を入れる。
 反射的に玲子は予め変形を済ませておいた刃で咲世子の首を薙ぐ



代わりに響いたのは金属音。

 硬質化した刃を受け止めていたのはライダーデッキ。
 弾丸に近い速度に加え、頭部の変形という特殊な攻撃。
 それに玲子は咲世子が何かを取り出す前に首を刎ねるつもりでいた。
 咲世子が行動に出ると思っていなかったので出遅れたとは言え、そう止められる物ではない。
 攻撃されると覚悟した上で常人離れした動体視力、受け止める技術を併せ持たねば対応出来ないはずだ。
 つまり、

「……驚いたな。私を試したのか?」
「ええ。あなたからは血の臭いがしましたから。
 まさか人間ではないとは思いませんでしたが」
420人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:32:29 ID:OOExrMzP

 それはこれまで散々観察され、試すような質問をされ続けた咲世子からのささやかな意趣返しとも言えた。

 社会に溶け込むのに不自由しない程度の僅かな臭いで、着替えもした。
しかし玲子が頭から血を被った事に変わりは無い。
初めは咲世子も自身の血の臭いが混じり確証は持てなかったが、長時間話していれば判る。
 それだけなら何らかの殺し合いに巻き込まれただけという事も考えられた――そんな経験をしていながら冷静でいられると言う時点で、それはそれで怪しいのだが。
だから試した。 田村玲子が危険人物か否か。
結果返って来たのは正当防衛と言うには過剰な一撃。
咲世子は玲子を他の参加者に危険を及ぼす人物と断定した。

 玲子は知能の高い寄生生物。 多くの人間を観察してきた。
だが一般人や同族を相手にする事はあっても、規格外の人間を遭遇するのは泉新一を除けばこれが初めて。
故に咲世子の本質を見誤る。 咲世子はただのお人好しのメイドではない。

 咲世子は枝葉の間をすり抜けるように跳び、数メートルほど後方の水溜まりに降りた。
 それは玲子との接触の前に見繕っておいた物。
 結構な高さからの着地だったにも関わらず音は無く、水面はほとんど揺れない。
 水面にデッキをかざし、現れたベルトのバックルにデッキを差す。
咲世子が仮面ライダーファムに変身するのは、二度目だった。

 玲子には変身の為の動作の間に咲世子を殺す事も出来た。
 それをしなかったのはデッキの正体が分からなかった為だ。
 もし爆発物なら火に弱い寄生生物としては不用意に手を出すべきではない。
 それに反射的に殺しかけたとは言え、出来れば殺さずに済ませたかったというのもあるかも知れない。

「最後に一つお尋ねします。
 ルルーシュ様を殺めたのはあなたですか?」
「さあ。 確認しなかったからな」
 当然玲子が殺した男とルルーシュの外見的特徴は全く一致しない。
 咲世子が逆上する所を見てみたくなり挑発しただけだ。
「そうですか。
どちらにせよ、あなたはここで討ちます」
だが咲世子は冷静だった。
 一刻も早く帰らねばならない。 ルルーシュの悲願、日本とナナリーの奪還の代行の為に。
 それに一人で帰るだけでは駄目だ。
 騎士団には藤堂や星刻が居るとは言え、それではブリタニアに対抗するには足りない。
 同じくこの場に連れて来られているC.C.、ロロ、ジェレミアの三人との合流と協力は必須。
 ルルーシュと関係の深かった彼らなら、きっと同じように考えているはず。
 その為にゼロとして、危険人物を排除する。 あの乱戦の時に見た少女のような弱者を守る。
 だから名乗る。 TVの前に堂々と現れたあのゼロのように。
 
「私は篠崎流三十――いえ、私はゼロ!
 力ある者への、反逆者です! とうっ!」

 掛け声と共に跳躍。
 本人がいれば『違う、間違っているぞ! ゼロはそんなキャラじゃない!』と非難していた事だろう。
 相変わらずゼロ、もといルルーシュのキャラを微妙に勘違いしたまま咲世子は駆ける。
421創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 00:33:25 ID:kP/Jbran
 
422人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:33:34 ID:OOExrMzP

【一日目朝/B−3 北西】
【田村玲子@寄生獣】
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2、白衣@現実、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒
[状態]健康
[思考・行動]
0:人間を、バトルロワイアルを観察する。
1:篠崎咲世子は出来れば殺さないようにする。
2:茶髪の男(真司)を実際に観察してみたい。
3:泉新一を危険視。
4:腹が減れば食事をする。
※コードギアスの世界に関する大雑把な知識を得ました。 知り合いに関する情報は得ていません。


【篠崎咲世子@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、双眼鏡@現実、ファムのデッキ@仮面ライダー龍騎、確認済支給品(0〜1)
[状態] 仮面ライダーファムに変身中、ダメージ(中)、疲労(中)
[思考・行動]
0:元の世界に帰還して『ゼロ』となり、日本とナナリーを奪還する。
1:田村玲子を殺す。
2:危険人物は殺し、弱者は守る。
3:C.C.、ロロ、ジェレミアと合流する。
[備考]
※赤髪の少女(シャナ)、茶髪の男(真司)を危険人物だと思っています。
※玲子の住む日本に関する大雑把な知識を得ました。 知り合いに関する情報は得ていません。
423人間考察 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 00:34:54 ID:OOExrMzP
投下終了です、支援ありがとうございます。誤字脱字や問題点等の指摘がありましたらお願い致します。
それから質問なのですが、
玲子の状態表の支給品欄に、剣心の支給品の「不明支給品0〜2」という記述は入れなくて良いのでしょうか?
424創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 00:58:37 ID:tnQFY4so
投下乙!
咲世子さんはゼロになる決意をしたのかー
マーダー化しなくて良かった気はするが、田村さん相手にどこまで戦えるか
何気に寄生生物とライダーが戦うのって今回が初めてなんだよな
にしても咲世子さん意外と冷静だなと思ってたら、いきなり攻撃を仕掛けたのはかっこいいww

>>423
確かに表記がないですね
おそらく前の話を書いた書き手さんが忘れてしまったと思うので、付け足しといてもいいかと
425 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 01:26:17 ID:OOExrMzP
ありがとうございます。
Wiki収録時に追加しておきます。
426創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 01:41:20 ID:XeAo427A
投下乙です。
ゼロという仮面をかぶる決意をして、仮面ライダーになる咲世子さんが印象的でした。
よくデッキで受け止めて砕けなかったなー、と思ったりw
決意とバトルの前振りと、今後が面白いふりだと思います。
GJ!
427創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 01:43:52 ID:kP/Jbran
投下乙です
咲世子さんは踏み止まったか
ルルーシュのキャラを勘違いしてるあたりは相変わらず天然だw
ライダーなら寄生獣相手でも戦えるけど、玲子は何するか分からないから厄介だな
でも、白いマスクの仮面ライダーがゼロと名乗っても違和感しかないぞw

指摘は>>419
美術館には死体が放置してある。
とありますが、剣心の死体は玲子が食べたのでありません
あるとしたら残骸と血だまりぐらいだと思います
428 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/03/04(木) 02:03:36 ID:OOExrMzP
>>427
orz直したつもりだったのに…

『美術館には死体が放置してある。 そして咲世子は玲子が美術館の方から来たのを知っている。
死体を見られれば「田村玲子は殺し合いに乗っている」と広まるのは必然。 』

『美術館には深夜に食った男の死体――残骸が放置してある。
そして咲世子は玲子が美術館の方から来たのを知っている。
あれを見られれば「田村玲子は殺し合いに乗っている」と広まるのは必然。』

に差し替えます。失礼しました、指摘ありがとうございます。
429創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 23:13:13 ID:tnQFY4so
田村さんの他にも何人かデイパックの不明支給品の表記が抜けてるキャラいるよね?
その辺も修正した方がいいかな
430創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 23:33:03 ID:PnnuebsD
そうか?気づかなかったけど……
431創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 00:28:16 ID:C4tMnzwC
ざっと確認したけどカズマ、みなみ、田村玲子、上田次郎、狭間偉出夫の五人の表記がない
432創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 01:26:06 ID:KY23fMdK
もしかして、支給品は必ず3個と勘違いしてないか?
その五人は1〜2個しか支給されてないだけだぞ
433創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 01:31:01 ID:KY23fMdK
ついでに剣心も前回までに表記されてないなら、白衣しか支給されてなかった可能性がある
434創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 02:22:12 ID:qj7OCtnZ
確かにそうだけど0〜2にしておいた方が、色々な可能性が残せるしよくね?

にしても白衣だけで殺しあいに放り込むとかV.V.鬼畜www
435創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 02:28:52 ID:d8HHPSev
いわゆるハズレ支給品かw
とりあえず当たりの支給品っていえばライダーデッキかなぁ…
あと1話で死亡したけどルイズはかなり支給品に恵まれてたよな
436創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 03:55:25 ID:KY23fMdK
>>434
それは書き手が決めること
437創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 08:56:22 ID:qj7OCtnZ
確かにそうだな、失礼した
438創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 12:52:09 ID:N+C0/OA2
>>435
秘密バックはともかく完全回復アイテム×2とロケットランチャーだっけ?確かに大当たりだな
439創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 19:06:51 ID:3FBD04ZQ
完全回復アイテムはちょっとw
そういえばイデオがこのロワ一の治癒者だな
440創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 22:39:18 ID:+lxD6c1b
使い果たしたがなw
エリキシル剤はイベントアイテムだからもうちょっと貴重な使い方もあったと思うが
441創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 01:39:26 ID:bMpy9oMT
ルイズもそうだけど、こなたも相当デイパック豪華だよね
女神の剣にヒノカグツチ、そして高威力の爆弾だぜ?
442創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 02:52:54 ID:SIxvJ3Q+
ヒノカグツチは地面にぶっ刺さってなかったっけ
こなたが抜けるとは流石に思えん
443創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 02:54:50 ID:SIxvJ3Q+
初期支給品の話だなスマン
444創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 14:16:14 ID:TTshhe+z
そういえばコキュートスってまだ出てないな
あれってしゃべる支給品だったけ?
445創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 15:25:09 ID:RM3SvPwG
普通にしゃべる
ちなみにコキュートスはアラストールと話す通信機みたいなもので、アラストール本体はシャナの体内に居る
446創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:27:11 ID:SIxvJ3Q+
そういえば、アラストールは炎なのに通信機はコキュートスなのは何故だろう
コキュートスって氷結地獄みたいな意味じゃなかったっけ
447創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:44:38 ID:zsKmX/ao
冥界の入り口にある二つの川のうちの一つという意味もあったはず
これか凍結地獄のどっちかが元ネタだと思う
448創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:26:23 ID:RrTsP0LF
つまり、荒素徹さんは最初から支給されているようなもので、あとは通信機さえあれば徹さんと話できるわけだな
449創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 04:52:45 ID:3yBL8PXy
何気に縁はマーダーの中でも
結構ピンチかもなw
支給品は奪わてるし、付近にシャドームーンもいるし
450創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 09:49:23 ID:3QT0au+h
そして復讐相手は死亡。ひどいコンボだw
451創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:41:37 ID:RBuankvQ
シャドームーンは実力者が束になってやっと勝てるかってレベルだしなぁ
単体で遭遇とか死亡フラグ過ぎる
452創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:59:20 ID:3yBL8PXy
てつお以外だったら
カズマ、シャナ、狭間あたりが束になって
やっと勝負になるぐらいかな
453創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:19:57 ID:I+FnRdHl
揃いも揃って「協力?なにそれ、食べれるの?」って連中だなw
454創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:59:47 ID:jju3ciYf
本来はまともに戦って絶対に勝てないような格上の相手に勝利するのもパロロワの醍醐味だよね

非力な一般人が原作ラスボスキャラを策で討ち破る展開は好きだ
455創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:02:41 ID:LEDn7MQM
せめて油断や慢心をしてくれてたら付け入る隙はあるんだけど、亀山さんが頑張ったからな
456創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:55:38 ID:W7YWy+mA
亀山さんは非常にかっこよかったけど、影月を本気にさせてしまったからなw
457創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 03:41:56 ID:5N/qlYer
逆に考えるんだ
後藤と相打ちにさせちゃえばいいんだ、と考えるんだ
458創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 05:50:40 ID:0UG93mgk
縁程度じゃ無理だろうな

459創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 11:29:17 ID:SoC8aNPL
>>454
毎回思うんだが策でラスボスクラスを倒せるような奴はもう精神面や頭脳面で逸般人になってる
気が
460創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 14:12:54 ID:XgZMvhX/
蒼嶋のガーディアンである将門は、漫画版真・女神転生の主人公の前世なのか
強力なガーディアンから適当に選んだと思ってたけど、ちゃんと関係あったんだな
461創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 14:48:47 ID:WkiUL7KM
>>457
そもそも後藤で相打ちまでいけるかどうか
462創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:09:24 ID:MyzbJMWO
ある程度か火力がないとダメージにならなさそうだがw
463創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:40:31 ID:wAN53OJj
後藤で相打ちにできないってシャドームーンはどんだけチートなんだwww
一対一じゃ無敵ってことか
464創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:59:58 ID:tveyVB0y
ロロのザ・ワールド中に首輪破壊、
上田が押さえている間にドゥームズデイ、エンド・オブ・ワールドを打ち込めば死ぬか
465創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 01:02:31 ID:e1KQE9ZW
上田先生じゃシャドームーンは押さえられない
466創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 01:58:22 ID:1iKwMpDs
影月とてつをの世紀王の時間つーチート設定がこのロワで有効なら時間系も効かないぜ。
まあ、そういう細かいとこは書き手の裁量だな。
467創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 11:57:25 ID:PsloxVAp
ロワ的にはマーダーの影月が無効、対主催のてつをが有効だろうか
468創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 22:28:26 ID:e1KQE9ZW
破棄か……残念
469創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:32:14 ID:QkTg4OEf
>>464
今更だけど抑える役目が上田さんである必要ないだろwww
470創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:25:56 ID:sTpjPYGi
ドゥームズデイはともかく、エンドオブワールドは攻撃範囲が広いだけで殺傷力に欠けるイメージ
471創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:00:36 ID:IRaHSiiR
原作だと重症は負わせても誰も殺してないからな
まあ、それはライダースーツが丈夫なだけかもしれないがw
472創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:53:27 ID:QkTg4OEf
見た目は派手だし、好きなFVではある
ガイ死亡回とか映画の最初の方とかでも締めに使われてるし
473創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:54:04 ID:eVZdZO9F
ルイズのエクスプロージョンの方が殺傷力は高そうだな
474創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:31:40 ID:QkTg4OEf
大爆発に巻き込まれるより、心臓をナイフで一突きする方が創作では致死率高い
475創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 08:17:09 ID:j1t8/z8m
ギアス勢戦闘力は他と比べて霞むけど
ロロの能力は強力だなw
476創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 09:01:35 ID:W3dvpiTG
APは最高クラスなんだけどな
477創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:03:43 ID:sH7WDGUC
いくらシャドームーンが強くても通りすがりの乱入者に
パンチ一発でKOされる可能性があるよね
478創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:17:01 ID:3EiEaZ0h
またしても世界を破壊する気か
479創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:17:27 ID:kabJ7kd2
>>477
劇場版のアレは子供向け作品特有の次作品アピールの結果なんでw
480創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:32:04 ID:rjIRtIBh
おのれディケイド!多ジャンルロワの世界もお前のせいで破壊されてしまった
481創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:47:19 ID:rUEdkzRo
鳴滝さん乙w
482創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:02:39 ID:S3MT/k+F
いやシャドームーンKOにディケイド関係ないだろw
Wだよ
483創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 09:12:03 ID:guOzlu42
カズマ「ラスボスは一発でぶっ飛ばすもの」
484創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 23:15:38 ID:FsE1qH4v
てかシャドーさん中の人違うし
流星群のごとくキック受けて退場なんて豪華なもんだ
485創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 02:19:47 ID:NEed/QOw
今更龍騎見たけどインペラーの死に方が怖すぎる
これ絶対に子供向けじゃないって
486創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 03:52:46 ID:2pjyHrtF
巨根
487創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 06:28:02 ID:AhFccjzA
>>485
龍騎はストーリー自体が子供向けじゃない
でも作品としての出来は良いし、賛否両論あったけど人気はある
488創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 08:37:29 ID:bO5gO8M4
けど、龍騎は子供にも受けているんだよなw
ディケイドを除けば平成ライダーで売上が一位だし
489創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 10:18:50 ID:W4VPNNC3
まぁ子供はストーリーとかあんまりわかんないからな
ライダー同士が戦うとか、カードバトルとか、キャッチーな要素も多い
490創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 14:27:23 ID:GSxTxLo7
真司の性格は子供受けよかったね。子供心にカッコよくて面白いヤツだと感じた。
当時幼稚園児だったから、ナイトとかも好きだった。
ライダー同士の戦いも多くて好きだった。カッコいいヤツとカッコいいヤツの戦いを見るのは好きだったし。
491創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 15:53:52 ID:W4VPNNC3
え、龍騎って7年前だよな
当時幼稚園って…今小学生?
うはぁ、ヤックデカルチャ
492創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 16:00:40 ID:f04cfoQ5
Wはどこまでいけるかな。売り上げ的な意味で。
ベルトの売れ行き凄まじかったんだよな
493創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 16:36:50 ID:NEed/QOw
でも一部のライダーの死に様が怖い
シザースは喰われる時の効果音がリアルだし、インペラーに至っては上げ落とし……
ただガイはざまぁwwとしか思わなかった
494創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 20:07:29 ID:zti87NIH
龍騎か・・・電王の始まった年に生まれた俺がこの世にいなかった時の作品なんだな・・・
495創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 20:22:07 ID:kKMA/p2m
俺なんてまだベビーベッドから出られないぜ…
やれやれだぜ…
496創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 22:17:25 ID:XgSw4hPP
そんな子供がパロロワ読んでるようじゃ世も末だw
497創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 01:41:49 ID:1BFa5cGw
てか乳児が読んでたら神童ってレベルじゃねーぞw
498創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 03:26:33 ID:lZB2XbDZ
前にシャルルボイスでサングラス掛けながらカードゲームやってる赤ん坊がいたなぁ
499創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 11:18:12 ID:nQUek+9r
今年生まれた俺だけど、龍騎はテレビ未放映のエンディングが怖かった
小学生のときにみてトラウマになった
500創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 11:23:37 ID:nQUek+9r
補足:
>>490が年長のとき見てたなら
年長⇒龍騎
翔一⇒アギトじゃなくて555
小二⇒剣
小三⇒響鬼
小四⇒カブト
省吾⇒シャンゼリオンじゃなくて電王
小六⇒キバ
中一⇒ディケイド、w
だからギリギリ小学生じゃないと思うけど。
501創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 12:46:52 ID:VucLs15c
>>488
カードを使った戦術バトルやライダー同士の対決が多い作品が売れて
怪人との取っ組み合いがメインの作品は受けが悪いと言う事か
もう怪人いらないんじゃないかな
502創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 12:50:31 ID:2OvCMctj
怪人がガンガン表に出てくるファイズも売れてたんだぜ
503創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 15:28:39 ID:o23h8Pil
しかしこのロワって主催っぽい奴いねえなぁ…
ギアス勢と神崎さんぐらいか?
504創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 15:31:20 ID:K9d3/TSj
あと創世王くらい?
505創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 17:06:30 ID:d6rENDBs
ギアス勢(VVシャルル)とガンソの鉤爪は目的が近いから相性良いかも
スクライドの無常はロワの主催者としては微妙か
後はひぐらしの三四、寄生獣の広川
後者二人は普通の人間だが

506創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 17:11:30 ID:5utK+ixM
ルパンの魔毛は主催というより技術協力の方が似合ってるか
タイムマシン作れるなら平行世界の移動手段開発してもおかしくない
507創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 17:40:54 ID:2VVNLL9g
るろ剣はまともな奴が早々に死んで
残ってるのはろくな連中しかいないなww
ししおに宗に縁なんて
508創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 19:22:27 ID:9MLh45D5
主催者になりそうなキャラは……
ギアス:シャルル
ひぐらし:鷹野三四
スクライド:無常
龍騎:神崎
ルパン:マモー辺りか?
寄生獣:市長
バトロワ:坂持
BLACK:創世王
if...:悪魔が一杯……でもラスボスのハザマが出てるからなぁ
思いついたのでこれ位。ゼロ魔、ヴィオ、シャナは把握してないけどなんとなく候補はいそう。
後カギ爪はやってる事はともかく、一応平和主義者だからなぁ……。
509創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 19:43:48 ID:4sDPvubW
CCが参加者にいるからシャルルはないな
510創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 22:33:27 ID:lZB2XbDZ
坂持は出すならV.V.ポジションの方が良かった気がする
一番無難なのはやっぱり神崎じゃね?
主催者やったことあるし、技術的にもなんとかなる
511創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 22:55:01 ID:9MLh45D5
ちなみに鷹野三四はGR1、神崎はライダー1ですでに主催者をやっている。
個人的には創世王が1番無難だと思っている。
原作でも世紀王の殺し合いの主催者ともいえるし
能力的にも、複数の世界から集めて殺し合い開くのも何とかなりそう。
512創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 13:16:37 ID:yYBQ/vrr
シャナはヘカテーたち三人(バルマスケだっけ?)とか
513創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 21:47:38 ID:vTJW0Iy8
バルマスケの事を、バルマス家だと思ってたやつは俺だけじゃない。
514創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 21:49:52 ID:v2HLShhM
ベルオペルをペルオペルと読んでいたのは俺だけじゃないはず
515創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 23:23:20 ID:09xH6kow
シャナは原作買ったのに読んでないという
この機会に読んでみようかな
516創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 13:41:33 ID:NveI0VIc
そういやミラーワールドとnのフィールドって入り方同じだよね
両方とも侵入は禁止されてるけど、なにかに使えないかな
517創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 15:42:15 ID:5+zLAXDm
逆に考えるんだ、会場がミうわぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ
518創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 17:46:14 ID:JvPVUfLW
アイゼルって何気に強いな
杖なしで三種類の魔法使えるし。
519創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 20:47:00 ID:HkMks+97
そういや、タバサは魔法使えるんだっけか?
たしか原作だと、ミノタウロスが作り替えた杖で魔法を使ってたから、杖っぽいのがあれば大丈夫?
520創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 23:37:17 ID:D8Gz+jqf
タバサもアイゼルもまだ魔法使った戦闘してないな
521創る名無しに見る名無し:2010/03/17(水) 23:44:55 ID:RiFDwoyU
AT-Xでゼロの使い魔放送決定か
いろんなロワに出てるけど、ようやく見る機会が巡ってきたわ
522創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 00:07:45 ID:Q5DLz7pX
>>514
あれ、ベルペオルじゃなかったっけ?
523創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 00:36:51 ID:SO6kTuzK
>>520
タバサは今までに5回ロワに出てるけど、アニ1st以外で魔法使ったことないな
そのアニ1stでも1話死亡だったし
524創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 03:15:47 ID:Yf/xLLCM
タバサの魔法って強いのかな
ゼロの使い魔って戦闘に重点を置いてないから
イマイチな印象が
525創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 12:48:45 ID:NZ5OqbI5
タバサにとって一番幸運なのは
このロワにアーカードが参戦しなかった事だろうな
526創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 16:11:28 ID:FqLe37Ek
1994年生まれの人集まれ!☆2
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/nendai/1266477523/
527創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 18:19:05 ID:sFWl27zt
>>525
それはなぜですか先生
528創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 19:05:50 ID:kQ4l7Evj
アニ1stと漫画ロワでタバサはアーカードに殺されてるから
529創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 19:06:09 ID:d0GLfYc7
死体を食われるから
530創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 20:06:57 ID:Q5DLz7pX
後藤「死体を食うと聞いて飛んできました」
531創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 21:42:12 ID:33Nz0+gW
ハルヒ「死体を食うと聞いて(ry
532創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 23:07:17 ID:SO6kTuzK
世界「死体を食うと(ry」
533創る名無しに見る名無し:2010/03/18(木) 23:33:55 ID:TEE74h0P
お前ら元のロワに帰れwww
534創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 00:31:54 ID:TdPnl5Di
浅倉「ライダーロワで怪人を食った俺に隙は無かった」
535創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 12:16:23 ID:yWBODsUl
劇場版の桐山は性格もビジュアルも浅倉とかなり被ってるな
中の人同じかと思ってしまったよ
536創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 18:25:13 ID:26I50Z3L
浅倉威15歳です!
537創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 19:32:32 ID:w7Ln35Ct
俺はシャンゼリオンの暁と浅倉が同じ人だというのが信じられん
538創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 21:47:35 ID:eJyX3ndk
>>535
性格も被ってるうえ、殺害数トップで印象さえ同じだものな

539創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 22:00:53 ID:5efAMpQi
龍騎自体がバトロワをモチーフにしてて
浅倉はバトロワでの桐山のポジションとして設定されたキャラだよな多分
540創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 22:13:00 ID:RZ8a6Sot
桐山と浅倉はなんか違う気がするなぁ
桐山は浅倉みたいに一人に執着したりはしないだろうし
541創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 22:24:09 ID:23Ev40Bn
でも、映画版の三村に目ん玉潰されたあとの桐山は何故か被って見えるんだよなー
狂気に殉じたというか何というか
542創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 22:43:21 ID:RZ8a6Sot
映画のは小説とは大分違うよね
確かバトロワに志願して参加してたし、あっちとは似てる気がする
543創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 17:05:06 ID:3+W+ZtGP
タバサって体術もそこそこらしいけど
ジェレミアやスザクには遠く及ばないのか・・
一応タバサだって危険な任務をこなしてきたのに
544創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 18:09:47 ID:w84AwKfy
ロワ中でも志々雄には遠く及ばなかったな>タバサの体術
545創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 23:21:56 ID:wbvCUN35
ジェレミアは改造人間だし、スザクも銃弾回避余裕でしたレベル
志々雄も手負いの状態でも左之助より強いし、比べる対象が悪いんじゃ……
546創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 02:49:00 ID:wHwaSit1
どいつも地味にスペック高いなw
超人とは言わなくても達人以上の奴は結構多そう
547創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 03:44:10 ID:jaNcAiFz
そもそもタバサは女の子だぞ
男より体術が弱くても当然じゃないか
548創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 08:50:20 ID:+kWV9bhT
タバサはメイジだし魔法で補うこともできるな
ジェレミアやスザクは体術しかないのが逆に心ともない気がする
549創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 15:21:49 ID:FyeIEe1/
身体能力・体術だけなら
志々雄、ジェレミア、スザクは準超人
タバサは準達人てとこか


超人や超々人の見境無しマーダーがいるのが恐ろしいな
550創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 16:53:08 ID:+kWV9bhT
蒼嶋や縁は超人に入ってるか
551創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 17:14:00 ID:d9Y/diP+
ジェレミアは身体能力と体術は準超人でも、爆発で無傷なあたり頑丈さだけは超人級だと思う
アイゼル・ジェレミア、狭間・スザク、タバサ・志々雄で前衛後衛のバランスは取れてるっぽいな、スザクの所は銀様もいるし

>>550
蒼嶋はともかく縁は準超人の方じゃないか?
狂経脈含めても志々雄より上とは思えないんだが
552創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 21:41:17 ID:jaNcAiFz
唯一剣心が勝てなかった志々雄と、実質的ラスボスだった縁
どっちが強いかは、るろ剣ファンの間では話題の一つだなぁ

蒼島が超人級なのはマサカドの影響?
553創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 09:28:26 ID:P3AZ62Tt
蒼嶋はマサカドの力を持ってしても、
縁に勝てないとは
554創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 11:34:27 ID:6VBRz3b2
武器や防具がない、素の状態だとかなり弱いからな>蒼嶋、というかif主人公
性能のいい武器さえ手に入ればいい線行くと思うのだが。
555創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 16:17:43 ID:etbNDgq7
ただですら大暴れのシャドームーンだけど、サタンサーベルを手にしたら更に強力になるんだよな

もともとシャドームーンって基本能力はBLACKより上なんだっけ?
光太郎の出典がRXだったらよかったのに
556創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 16:57:26 ID:3IU8NUwx
そしたら光太郎の一人勝ち
参加者が50億人いようとぶっちぎる
557創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 17:27:05 ID:qlcS7Rmo
ライダーロワでも最終回まで生き残ったからな
最後はマグナギガと一緒に消滅したけど
558創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 19:30:53 ID:juvydqV0
RX出すとなると
フォームチェンジ禁止、キングストーンフラッシュ禁止、太陽光で回復禁止
と制限の重ね掛けが必須になるよな
参戦時期も第1話時点にするとか
559創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 20:27:19 ID:nG7eC8bw
このままシャドームーンが西に進むとまたまた乱戦に乱入&サタンサーベルとご対面
560創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 00:07:06 ID:MbARDQhc
レナにサタンサーベルが支給されたのを見た時は、当分大丈夫だろうなと思ってたのに
まさかワープで移動してくるなんてww

まさか◆U1w5FvVRgk氏はここまで考えて……
561創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 07:48:16 ID:IyR4OjzP
サタンサーベル自体は、例えばゲイボルグやヒノカグツチみたいに
装備した者の能力を上げる効果は無いからな。

そういやサタンサーベルとヒノカグツチなら、どっちが強力なんだろうな?
562創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 10:43:17 ID:7DnhpSoo
>>560
そういえば、シャドームーンを西に向かわせたのもあの人だ
563創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 13:51:34 ID:9OQWP4OU
>>561
「厚さ30cmの鉄板を蹴り破るライダーキックを弾き返すビルテクターを一刀で切り裂く」

「ゲームシステム上の攻撃力255」
をどう比較したものか…
564創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 14:00:24 ID:uvNf/7Mg
まぁ結局は書き手補正次第
565創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 18:28:44 ID:ZT2v+0FE
シャドームーンはラノロワの魔界都市勢並にチート
そうだな
566創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 23:03:48 ID:Z78BZYZr
後にも先にも美しさに制限が掛かったのはあいつらぐらいだろうなw
567創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 23:24:39 ID:uvNf/7Mg
美しさで人を殺せるくらいのキャラはあいつらくらいしか知り申さぬ
568創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 01:31:32 ID:MGIP5CnK
誰だよwww
569創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 08:24:06 ID:cJ8du1AE
志々雄は安定してるな
情報も仲間も
ヒノカグツチも近くにあるし
縁はそれに比べて酷いなw
武器も貧弱だし、近くにシャドームーンがw 
570創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 11:36:40 ID:9sQk3mkV
そういえば、「果てしない炎の中で」の後編の最初に真司が新聞記者だって書かれてたけど新聞は書いてたっけ?
俺ジャーナルって新聞社だっけ?
571創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 11:45:06 ID:aplmfL0q
モバイルニュースの配信サイトっぽいね
でも似たようなものだし、無理に修正しなくてもいいんじゃないかな
572創る名無しに見る名無し:2010/03/25(木) 08:36:01 ID:Y4lntOWG
予約ktkr
573創る名無しに見る名無し:2010/03/25(木) 14:19:44 ID:oZlbKNHM
予約ラッシュだと……ッ!?
574創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 00:36:10 ID:1y1Xp/+X
どっちもいいところで終わってたし楽しみだ
575創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 03:10:37 ID:8Pmcrb4z
ふと気付いたんだが、ここのロワはキャラの連続死亡率が高い
剣心→ルイズ→銭形や、ルルーシュ→かがみ、劉鳳→真紅に、悟史、社長、織田→亀山

それで今回は二つとも戦闘物だろうし、この法則が存在するなら誰か死ぬんじゃね?
576 ◆gry038wOvE :2010/03/26(金) 16:21:27 ID:BmeHSdFs
ただいまより、泉新一、城戸真司、シャナ、翠星石を投下します。
 許せない……。
 許せないじゃないかよ、こんな事!!
 人を殺したのに、その事実さえ間接的に人を死に至らしめたのに……悪びれる様子一つ見せないなんて……!! どうかしてるよ……!!
 結果的に劉鳳さんを殺したのは俺だけど……でも、こいつだって罪悪感や後悔の念にかられてもおかしくないはずだろ!!
 どうしてこんな冷淡に構えて、どうしてこんなに冷徹な瞳をしてるんだよ!!
 自分の罪を理解していないんじゃない。理解したうえで、こんな態度をとっているんだ。だから戦ってる……。自分のために。
 戦わなければ生き残れないからって、この子は人を殺す。
 楽しんで人を殺す浅倉よりはましかもしれない。……だけど、それならわかってくれるかもしれないんだ……。


 真司はアドベントカードを使わなかった。
 使うことに躊躇がある。モンスターでもない、ライダーでもない。人間の姿をしている。それも、年端もいかない少女の姿を。
 龍騎はただでさえ戦闘力の強い存在である。パンチ力、キック力はいずれも人を一瞬で気絶させるには充分なパワーを持っている。


「はああああぁぁぁぁぁっ!!!」


 だが、手加減で通用する相手でないことは理解している。シャナに対する龍騎のパンチは、全て「剛拳」と呼ぶに値する凄まじい威力のものであった。
 真司が睨んだとおり、シャナはそれを全て避けきっている。少女、女、人間。そのどれもが避けきることができないであろうパンチが全て紙一重でかわされていくのだ。
 自分の真横。一ミリほどしか間のない位置に攻撃を受けてもシャナは余裕で避けきっている。通常なら怯えるようなギリギリの位置だというのに。


「あなた何? 徒っていうわけでもなさそうだけど」


 シャナにはこうして戦闘中に無駄口を叩く余裕まであるのだ。
 真司も龍騎の力によって、疲労は最小限で息切れも少ないため、それに答える。


「俺はライダーだ!!」
「ライダー? 見た感じ、馬には乗っていないようだけど」


 何故、ライダーが「仮面ライダー」という名前なのかは真司も知らない。
 ライドシューターやドラグランザーは確かに騎馬ともいえるが、それは戦闘のメインとなるものではないからだ。
 そこにどんな意味があるのかなど詳しく考えたことはない。


「あんたは!?」
「?」
「あんたはどうして、そんな力が出せるのかって」
「それを聞いてどうするの?」


 シャナは避けるだけでなく、龍騎の腹部をゲイボルグで突く。
 避けていたのは「遊んでいたから」だった。必死でパンチを突く龍騎を、余裕でかわしていくシャナ。龍騎にプライドがあったなら、これほど腹立たしいことはないだろう。
 それを攻撃に切り替える。タイミングよくプライドを崩す戦法だ。シャナは挑発しているつもりだが、どうやら真司はそれを理解していない。「別の部分」での怒りが挑発など押し殺している。
 シャナにしてみれば、目の前の男が気に入らない存在であるのは言うまでもない。正義のようなことを語った挙句、やっていることは自分のミスによる殺人の責任転嫁。救えぬ偽善者だ。
 その偽善者に、シャナが与えた傷は小さかったらしく、龍騎は問題なくシャナの質問に答えた。


「知りたいんだよ……。俺があんたに、あんたの罪をわかってほしいから……。俺はあんたをわかりたいんだ!!」
 自分の腹に刺さるような形で突いてあるゲイボルグを両手で押さえながら、龍騎は言う。
 幸い急所は外しているものの、ゲイボルグの威力とシャナの戦闘力が重なったダメージを龍騎のスーツは完全に吸収することができなかった。


「はああああぁぁぁぁっ!!!」


 龍騎はゲイボルグを抜く。ダメージは大きいが、スーツが攻撃を吸収してくれたお陰で内部で出血には至っていない。棒で突かれたダメージとさして変わらないのだろう。
 通常ならば抜いてはいけないが、龍騎であったためにそれは免れた。


「教えないと言ったら?」
「戦いで知る。俺はわからせるために戦うことを選んだ。だから、知ってもらう代わりに戦いであんたを知る!」


 シャナがフレイムヘイズであるということは明かされない。別に隠すことではない。
 だが、こうして熱血教師のような事を言われてもシャナの胸には響かなかった。響かなければ、説教など「うざいだけ」に過ぎない。
 龍騎が知りたくても、シャナはただ真司が気に入らないから、真司が求めるものに逆らう。
戦いの中で、会話の中でシャナは城戸真司という男を嫌いになっていく。腹が立っていく。その結果──


「やめた」
「え?」
「戦闘をやめる。急に面倒になったの」


 シャナは龍騎に背を向けて、すたすたと歩いていく。
 それは、龍騎が戦いを望んだから。シャナは首輪の回収をしたいという気持ちよりも、この男の性格や態度に対する苛立ちが強かった。だから、シャナはたとえこの戦闘が有利に運ばれていたとしても戦闘を休止する。
 その場にいた者は皆、シャナのあまりの気まぐれぶりに呆気にとられた。


「お……おい、待てよ!」


 シャナは真司の言葉を無視する。振り向きもしない。たとえ不意打ちされたとしてもシャナはそれに気付くことが出来るのだから。
 龍騎が早歩きのシャナを走って追う。が、自分の体がミラーワールドのタイムアップのように消えかかっていることに気付き、それをやめる。制限が発動したのだ。龍騎は仕方なく変身を解く。
 あのまま戦っていれば危険だった。この首がなくなるのもおかしくないことだっただろう。真司の首に巻かれた鉄の金具も、おそらく翠星石のものも、泉新一のものもなくなっていた。
 真司は龍騎の変身が解けたことを悟られないよう、ここで黙っているしかない。でなければ、このままシャナに勝機を狙われて、力ない翠星石や傷を負った新一まで危険に晒すことになるのだ。
 竜のフリをする。ただのちっぽけな人間に過ぎない真司は、黙って龍のフリをしていなければならなかった。


『シンイチ、これで良い。とりあえずヤツは退却した』


 黙っていたミギーが急に喋りだす。
 龍騎とシャナの戦闘力に驚愕していた新一は我を取り戻し、ミギーの言葉に否定をかける。フレイムヘイズとライダー。パラサイトと充分に渡り合えるであろう存在。もし、こんな人物たちが「後藤」の打倒に協力してくれればどんなに嬉しいことか。
 巨大なダメージを理由にして、新一はその戦闘を黙って見ていた。そして、シャナを殺さなければならないというのに、こうして黙ってその背中を見送ることしかできなかった。


「ミギー。それじゃあ駄目なんだ。駄目なんだよ……!」
 新一は深いダメージを負っている体を震わせて、パラサイトの寄生のお陰で身に付いた驚異的な身体能力でシャナに向かって走る。
 そうして新一が必死で振っている右手がシャナに向かって伸びていく。


『見てろ、シンイチ。不意打ちをしても無駄だ』


 シャナはミギーの不意打ちに気がつき、咄嗟に振り向いてビルテクターを構えた。先ほどの戦闘では使う必要がなかったために使わなかったが、避けるという行為そのものが面倒である今は手軽にビルテクターを使いたい。
 だが、シャナを防いだのはビルテクターじゃなかった。三重の盾が存在している、そのうちの一つだった。
 城戸真司。その体の前に構えられたデイパック。体を盾に庇ったわけじゃない。偶然にも転がっていたデイパックを盾にすることができたので、真司自身も血を流さずにシャナを庇うことが出来たのだ。
 無論、ビルテクターを構えたシャナは彼がいなくても平気だったし、ミギーもシャナを殺すつもりで襲ったわけではないのだから、真司が盾になった行為はまるっきり無意味といえる。


「おい、何も殺そうとしなくたっていいだろ!!」
「どいてくれ……!! 人間は殺したくない!!」
「俺は人間じゃなくても殺したくない!! たとえ相手が誰だって、そいつを殺したら『殺し合いに乗った』ことになるんじゃないかよ!!」
「犠牲者が減るんだ……。そいつを殺せばきっと!!」
「でも、殺したくないんだよ!! 俺は殺したくない!! 誰にも殺してほしくない!!そう思う心が人間に残された宝なんじゃないか!!」
「うっ……」
「俺はわからせたいだけなんだ!! 人間は獣(モンスター)じゃない!! 言葉が通じるなら、同じように心を持っているなら……わかってもらえるはずなんだよ!! 俺は確かに劉鳳さんを殺してしまったけど、戦いを止めたい!!」


 前に、真司は浅倉の存在について悩んだ事がある。
 蓮は浅倉をモンスターと喩えた。だが、彼を支えに生きた少女の存在を知った。
 そう、誰だって生きていれば誰かの支えになっているはずなのだ。人間一人が死ぬということは、何人もの人間に影響を与えることになるのだ。
 それがわかった。
 やはり、真司はライダーバトルを止めようと思っていたように、このバトルロワイアルを止めたいのだ。殺したくないだけじゃない。誰かが誰かを殺す醜い部分を見たくないのだ。


『シンイチ、この人間のいうことは理解したがいが、今は殺すのはやめておこう』
「でも……放っておけば次から次へと犠牲者が……!」
『私の知ったことではない。私は私の身が大切だ。次にシンイチの身が大切だ。他は知った事ではない』
「あのなぁ! 俺の身を案じてくれるのはありがたいが、どうしてそんな考え方しかできないんだよ!」
『それも私自身のためだ。感謝されることはしていない』
「あのなぁ……感謝してやってるんだから少しくらい喜べよ」
『感謝されて喜ぶほど、私の心は余裕(ヒマ)じゃないぞ』


 一人の高校生の右手との喧嘩や、無用な正義感を見せた「うざったい」男に呆れと苛立ちを感じたシャナはそのままその場にいる全員に背を向けて去っていく。
 本当に腹が立つ。そう、まるで目の前で善意を見せ付けられたような。
 まるでこれからシャナが深く関わることになるはずだった「あるミステス」が自分の存在と引き換えに学校を直した時と似ている。……このシャナがそんなことを知る由もないが。


「……あ。あのチビ人間、逃げやがったですぅー」


 翠星石は振り向いているのをいいことに舌を出す。が、その瞬間にシャナにギロッと睨まれて顔が青ざめる。そして、怯えて真司の背中に隠れた。
 真司は翠星石のそんな態度が嬉しかった。先ほどまで、劉鳳を殺した仇としてキツい言葉を浴びせられ続けたのにも関わらず、こうして信じて頼ってくれることに、思わず微笑んでしまう。
「何笑っていやがるですか!! この真っ赤っか人間!! 気持ち悪いですぅー!! 近寄るなですぅー!!」


 などと言いつつ、翠星石は真司のズボンを掴んでいた。
 シャナの姿がまだ見えているから仕方ないかもしれないが、そうして口の悪さを発揮するからには少しでも離れるくらいの意地は見せて欲しい。
 しかし、口は悪いが何と微笑ましい女の子だろう。


「そうだ、言いたいことがあるから真っ赤っか人間も、ゴムゴム人間も……一応ついでに右手人間(?)も耳かっぽじってよく聞きやがれですぅー」


 シャナの姿が完全に見えなくなった辺りで、未だに右手と喧嘩している新一を、翠星石は呼びかけた。


「……さっきはありがとう……ですぅ」
「え?」
「さっき、二人とも翠星石を庇ってくれたですぅ。よ……用はそれだけですぅ。わかったらとっとと『どういたしまして』と言いやがれですぅ!!」


 新一と真司は顔を見合わせた。素直に感謝の言葉が言えないあたり、子供っぽさを感じる。……にしては口が悪すぎる。
 とりあえず、二人はやや頬の綻びを直せないまま、「どういたしまして」と言った。


『ところでシンイチ』
「なんだ?」
『ああいうのを何というか知ってるか?』
「何だ?」
『ツンデレというらしい』
「……なんでそんな事知ってるんだ?」
『どこかの村では昭和五十八年の時点で存在していた言葉らしいぞ』
「へぇー。特にためにならない話だな」
『しかしシンイチ。心に余裕(ヒマ)を持つのもたまにはいいかもしれないな……。君に感謝されても嬉しくないが、今感謝されたのは少し嬉しかったぞ』
「このやろ!」


 新一は頬を歪ませながら、口が悪い右手を軽く叩く。
 そんなふざけた心情の中で、新一は思う。
 ミギーにも何か……人の心が生まれたのだろうか? 感謝されて嬉しいなんて、まるで人間のようではないか。単なるツンデレパワーではないだろう。


(寄生生物の発情期か……?)


『シンイチ、君が今考えていたことはなんとなくわかったぞ』
「え……?」
『今、君はこう思っていた。「俺はツンデレに発情する。口が悪いと嬉しい。人間を生まれさせたい」と……』
「思ってねぇ!!」


「死にやがれゴムゴム人間ですぅーーー!!!!」


 新一に対する翠星石のパンチは、「剛拳」と呼ぶに値する凄まじい威力のものであった。
─────


 シャナに死亡者の羅列は不要であった。
 知り合いの名前はなく、先ほど交戦した人間たちもこんな短時間で死ぬはずがない。残り人数はしっかりと耳に入れて記憶した。
 禁止エリアも地図に書き込むことなく記憶したが、シャナのいる地点ではしばらく気にする必要もなかった。
 それらを記憶しながらも、シャナの頭は苛立ちでいっぱいだった。


「本当に、なんて変な、じゃない、妙な、違う、嫌な、そう、嫌な奴!」


 シャナは思った。
 真司が戦いを望まなくなった時、その時にシャナは真司と戦う。
 真司が人の死を望まないなら、首輪のサンプルをいくつでも増やしてやる。


 シャナはつまり、極端な反抗期なのであった。


─────


 改めて聞く劉鳳の名は一瞬にして空気を破壊した。
 放送が始まってしまったのだ。
 長い間止まる時間。なんてタイミングの悪い放送だろう。殺し合いにつかの間の休息かと思いきや、その空気をぶち壊すかのような死亡者の羅列。


「し……真紅?」


 ドール仲間の真紅が。死んだ。ジュンとの契約以前とはいえ、姉妹の死には心が強い衝撃を受けた。……やはり共に紅茶を飲んだ時間は忘れられない。
 後で呼ばれた劉鳳の名も、翠星石の心を痛める。


「翠星石……」
「あのチビ人間……翠星石に適当な情報を教えやがってるんですぅ!!」


 そんなはずがないということはわかっている。死んだ劉鳳の名が呼ばれているにも関わらず、死んでない人間の名前が呼ばれるはずがない。
 知り合いの死という悲劇的な事実で頭が混乱しているとはいえ、その程度の計算はできている。
 認めたくないだけだ。


『諦めるべきだ。「真紅」とかいう人間は死んだと考えた方がいい』
「ばか!」


 パラサイトにデリカシーはない。こうして事実から遠ざかり可能性に甘える人間がミギーは嫌悪さえ覚えた。
 突発的に、「ばか!」とミギーに怒鳴った新一もまた、「何も言うことが出来ない雰囲気」に言葉を発してしまったことを後悔した。
 新一は大切なものを失ったことがある。だが、その時は妙に落ち着いていた。かけがえのない存在が消えてしまったことに、涙は出なかった。
 そんな自分が悲しかった。
 音を発するもの、声を発するもの、全てが五月蝿い雑音に聞えるだけの怒りはあった。だから、新一はミギーと、自分自身に腹を立てた。
「生きてる…………そう信じたっていい。いや、裏切られるまで信じ続けるべきなんだ。誰だって自分の身内が死んだなんて考えていいことなんて何もない。そうだろ? ミギー」
『君は何度か経験しているからな。無理もない。だが、シンイチ。あの時……自分に接近するパラサイトの正体が自分の母親だと気づいた時の君は、とても見てはいられなかったぞ』
「君、こんなヤツの言うことなんて聞かなくていいんだ。真紅……だっけ? その人が生きてると思ったって……」
「黙りやがれです」


 拒絶。新一に何も喋らせたくないという翠星石の強い意思の感じさせられる、暴力のような言葉。
 新一とミギーが喋れば喋るほど、翠星石は自分が哀れになっていく。翠星石は真紅が生きている可能性を信じられなくなっていく。


『シンイチ、君のお陰で彼女はわかることができた』
「わかりたくない現実だってあるだろ!!」
『私は思うぞ。その現実を受け止めなければ、死者の意思は無駄になると。その死を受け止めて、そいつの意思を受け継がなければ、その死もただの犬死だ』


 新一に言い返す言葉はなかった。
 新一は思ったのだ。もし、母親がパラサイトであることを受け止めきれずに、あのまま殺されていたら、きっと死んだ母親の意思を溝に捨てる事になったのだろうと。息子の死を望む母親などいるはずがないと。


「行くですぅ……」


 翠星石は暗い表情のまま呟いた。


「真紅が何を望んでいたのか、真紅が何を言い残して死んだのか、それを知ってるやつを捜しに行くですぅ。……それに、真紅にステッキを返してやりたいですし」


 たとえ真紅が誰とも会わず、簡単に死んでいたとしても翠星石は捜したい。真紅に会っていた人間をただひたすら。
 真紅の死を無駄にはさせたくなかった。ミギーの言うことは尤もだ。
 真紅が死んでいない可能性を探すんじゃない。真紅の意思が誰かに伝わっている可能性を探すのだ。
 翠星石にはまだはっきりとはわからない。具体的に、彼女が何を考えていたのかはわからない。
 ただ、殺し合いには乗っていないはずだった。それは可能性じゃない。「真紅が死んだ」という事実と同じくらいに──真実だ。そう確信できる。姉妹なのだから。


「そうだな、行くか」


 先ほど盾にした園崎魅音のデイパックは一直線に破れ、中から支給品を覗かせている。
 これもまた死んだ人間から受け継がれるものの一つであった。近くには劉鳳のデイパックも転がっている。
 魅音のものは破れているので、真司のデイパックにそれを全て入れ替えた。
「俺たちはどうする?」
『アテはない。……だが、ライダーというものにも興味がある。できるなら同行したい』
「ということだけど?」
「勝手にしやがれですぅー。翠星石は何も言わないですぅー」
「俺も、もう誰も殺そうとしないと約束するなら、あんたたちを迎え入れる」
『難しい注文だな』
「でもミギー。やっぱり俺は思ったよ。この人の言っていることは正しい。殺したくないって思う心が、人間に残された最後の宝なんだよ……だから……」
『わかった、シンイチ。手加減するよう努力はしよう。ところで一つ気になることがあるのだが』


 また何か「発見してはいけないもの」を発見してしまったのかと新一は背筋を凍らせた。
 ミギーがこんなことを言い出すときは大抵ろくなことがない。


『君の名前は何だ? ライダーの青年』


 新一は少し拍子抜けしてしまう。
 何かと思えば、単なる自己紹介だ。自分たちの身に危険が迫ってると勘違いした自分が少し恥ずかしい。


「あ、言ってなかったな。俺は城戸真司。お前らはミギー新一? なんか手品師みたいな名前だったな」
「違うって……。俺は泉新一で、この右腕がミギー」
『よろしく』
「よろしくって……」


 目がついた親指がにょろーっと伸びて挨拶してきたのはとてもシュールな光景だった。
 得体の知れない生物であるうえ、明らかに新一とは意思が共通していない。
 それも、良いんだか悪いんだかわからない性格をしている。


「ミギーのことはなるべく内緒でお願いします」
『私からも頼む』
「ああ。わかった」


 パラサイト、ライダー、ドール。
 過去に命の殺り合いを経験したものたちが、今、徒党を組んだ。
【一日目早朝/B-2 森】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式 確認済支給品(0〜2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、あすか、かなみ、「この殺し合いで真紅と会った者」との合流(蒼星石を最優先)、水銀燈は警戒。真紅と会った者からは真紅の意思を聞き出す。
3:真紅にステッキを返す。
4:真紅、劉鳳の死に対する深い悲しみ。
5:真司と新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不能)、確認済み支給品(0〜1) 、劉鳳の不明支給品(1〜3)、魅音の確認済み支給品(1〜3・真司のデイパックの中に移しかえられてます)
[状態]ダメージ(大)。
[思考・行動]
1:やっぱり戦いを止めたい。
2:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
3:翠星石のことは守り抜きたい。
4:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。
5:翠星石、新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※翠星石、真司共にメイド服の女(咲世子)を危険人物だと思ってます。

【泉新一@寄生獣(漫画)】
[装備]無し
[所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実、イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル、傷薬×4@真・女神転生if...
[状態]ダメージ(大)、疲労(中) 、背中に火傷(処置済み)
[新一の思考・行動]
1:シャナを倒す。殺すのはやめる。
2:生き残る。
3:ミギーの行動や言動の変化に疑問。
4:真司、翠星石と行動する。
[ミギーの思考・行動]
1:シャナを倒す。
2:出来る限り周りに存在を知られないようにする。
3:生き残る。
4:感謝されると嬉しい……?

【シャナ@灼眼のシャナ】
[装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK
[所持品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(魅音)
[状態]:健康、力と運が上昇、極度のイライラ
[思考・行動]
1:コキュートスを探す。
2:危険人物には容赦しない。
3:役に立たない人物からは首輪を回収する。
4:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。
5:真司に対する苛立ち。彼が戦いを望まなくなった時に殺す。
585 ◆gry038wOvE :2010/03/26(金) 16:36:28 ID:BmeHSdFs
以上、投下完了です。
指摘、感想、修正点、問題点などありましたらご意見お寄せください。
タイトルで一回ミスったorz
586創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 17:57:24 ID:k+pZUvNa
なんだこの話www
誰か死ぬのかと思わせといて、半分はネタですか
まあ、真司が結構かっこいいからいいか…
あと、ミギーはなぜ雛見沢を知っている
587創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 19:29:19 ID:+9Wdc8hQ
投下乙
地味にミギーが俗に塗れているw
死人が出ないとは意外でした。
真司がいい感じにキャラ再現されている。
GJ!
588創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 20:20:57 ID:3PRR5nPV
ツンデレ入ってる翠星石とシャナがやたら可愛くていい…!
いやツンデレの向かう先が首輪回収なのは困るけどww
ミギーの好奇心はついにサウンドノベルに手を出すまでに至ったんだな!w
真司と新一の今後にも期待。
投下乙でした!

指摘としては、翠星石の状態表2の欄のあすかは放送で死亡が確認できたはずなので外した方がいいと思います。

ここから関係ない話
この話を読んでそんなにネタが多いとは思わなかったんだけど
まじめな話、ネタが多いって駄目な事なのか?
589創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 20:45:35 ID:+9Wdc8hQ
いや、別に?
ミギーは好奇心強いヤツだし、俺は問題ないと思うぞ
590 ◆gry038wOvE :2010/03/26(金) 21:13:05 ID:BmeHSdFs
>>588
指摘ありがとうございます。
すっかり抜くの忘れてました。
翠星石にとっては思い入れのない人物とはいえ、少し本編中でも触れておくべきだったか……。

個人的には、ネタとして入れたのは雛見沢と手品師だけで他は和解したから平和的な描写でも入れておこうかと思ったんですが。
「寄生獣」本編にもこうしたシュールなギャグはところどころありましたし、その辺も意識したつもりです。
591創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 21:30:04 ID:8Pmcrb4z
投下乙!
ミギー新一wwww
そりゃあ確かに似てるけど、よく思い付いたなwww
ミギーがツンデレとかいうと、なんか違和感あるなぁ
キャラもそうだけど、時代背景が違うからかな

三人の勝負の決着は結局付かなかったか
シャナはマーダーじゃないけど、思考が危険すぎる
真司に見せつけたいから殺し回るって、反抗期ってレベルじゃねぇ
でも翠星石と真司は和解したか
ミギー新一がいるのも心強いし、支給品もほくほくしてるから安定したグループになるのかな
真司と新一はよく悩むキャラ同士で、対比してみると面白い
592創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 22:24:09 ID:3PRR5nPV
>>589>>590
すまん、>>588下段はこのSSに限らず、SSにネタってどこまで入れていいものなのかなーって疑問
その時の状況と登場キャラ次第?

誤解させてしまってすみません、今回のSSは全然問題ないと思います
むしろこのミギーは好きなのでGJだと思います
593創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 22:44:03 ID:eLWbYzKP
空気を読む力が大事だと思う。
人にもよると思うけど、一気に作中の空気から現実に引き戻されるから。
やるなら、ネタ語りしてもおかしくないキャラに、関連性のあるネタで攻めるのがいいと思う。
594創る名無しに見る名無し:2010/03/27(土) 00:21:19 ID:uyrUQ2AR
投下乙!
色々と予想外の展開で面白かった
真司はまさにライダーって感じでかっこ良かったね
ミギーがツンデレとか口走った時には笑ったけど知識量はかなり
あるだろうし、知っててもおかしくないかも
ていうかミギー自身原作でツンデレっぽい台詞とかあったしなw
シャナは反抗期が可愛かったけど怖すぎるwあとわりと気分屋だよね
595創る名無しに見る名無し:2010/03/27(土) 17:38:55 ID:sH1ij2G4
投下乙。
真司の熱さや寄生獣の名言の流用が胸に響きました。
マーダーでも殺したらゲームに乗ったことになるという考え方も漫画版本家にあったような。
タイトルもストーリーに合ってるけど、ガタックがwwwほんとにミス?
キャラは全員際立っていたし、シナの今後が楽しみです。
ミギーの知識は時空を越えたか。
なんかこの人はギャグ方面でいいSSを書くな
GJ!
596創る名無しに見る名無し:2010/03/27(土) 19:21:08 ID:TsxlA/Wu
Wiki収録後で申し訳ないのですが、時間帯は「一日目朝」でなくていいのでしょうか?
597 ◆gry038wOvE :2010/03/27(土) 22:43:52 ID:1TYO4FbY
あ。すみません。
これでは放送前になってしまいますね。
直してもらったようで助かります。
598創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 19:56:49 ID:J1xpsvfJ
真司新一翠星石は和解したけど
シャナはあれだし近くでサヨコと玲子は交戦中だし
ライダー二人と寄生獣勢二人とシャナとドールの乱戦フラグはそのままなんだな
599創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 23:41:34 ID:lGcmizsH
田村さんと咲世子さんのどちらか脱落する可能性もあるんじゃね?
つーかその面子だと翠星石浮いてるな
決して弱いキャラじゃないんだが、ローゼン勢は武器使いか否かで大分変わってる
600創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 02:10:51 ID:DAbwCd9i
デッキについてちょっと聞きたいんだけど
例えば……デッキ二つ持ってる奴が、ナイトの変身→10分経って変身解除→直後にライアに変身
コレってありなの?
601創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 02:11:34 ID:DAbwCd9i
ナイトの→ナイトにですorz
602創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 02:27:28 ID:sWgpjqiB
『カードデッキの変身は10分で解除。
カードデッキは変身すれば1時間、ファイナルベントを使えば更に1時間使用不可となる。』

このルールは「支給品としてのアイテム制限」だからデッキに掛かった制限って事だよな
変身する側に掛かった制限じゃないから一応あり……かな?
でも個人的な意見だと、全体のバランス的に「なしの方がよくね?」とも思う
603創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 03:07:29 ID:DAbwCd9i
>>602
なるほど…とりあえず空気を読んでって事ですかね
ありがとうございました!
604創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 12:23:48 ID:EWfrhykU
ライダーロワなら有りだな
605創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 14:00:23 ID:00tZet8W
ライダーロワとは制限の内容が違うな
ライダーロワは変身者に制限がかかってたから龍騎のデッキをAが変身した後、Bにパスして変身できたけど今回はそれができないわけか

ところで、もう一つ気になったけど、何かに変身した状態で別のライダーに変身ってできるのかな。
606創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 23:31:43 ID:sWgpjqiB
>>605
それってつまりてつをがBLACKに変身した後とか、影月とかがライダーデッキ使用って事か?
それともライダーデッキで変身中に重ねて別のデッキ使用って意味?
どっちにしろルールでは禁止になってないと思うけど、>>603にある通り「空気を読んで」って事なんじゃないかな。

俺は田村さんとか後藤の首輪がどうやって付いてるのかが気になる。
普通の首輪じゃ簡単に取れてしまう。
607創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 23:47:50 ID:blo1yHno
田村さんはわからないけど後藤は体に首輪と
同じ機能のが埋め込まれてるんじゃなかったっけ?
608 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/29(月) 23:54:33 ID:/ys9u+3g
ヴァン、C.C.、竜宮レナ、ミハエル・ギャレット、東條悟を投下します。
609価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/29(月) 23:56:09 ID:/ys9u+3g
烈風を纏った日本刀が、上空から振り下ろされる。
それを横に傾けられた西洋刀が受け止め、そのまま剣先へと流す。
が、その斬撃は簡単に受け流せるほど軽くはなく、勢いを完全に殺すことはできない。
西洋刀の使い手――――ミハエル・ギャレットは僅かに押され、何歩か後ずさった。

「オラ、どうした! ヨロイがなければそんなもんかよ、てめぇは!」
「うるさい、ヴァン! 貴様のような奴がいるから暴力が無くならないんだ!」
「ああ、そうかい、だったらてめぇも同類だな!」

後退したミハエルに追撃を加えるため、右足を軸に加速するヴァン。
そのまま日本刀の柄を握り締め、横薙ぎの一撃を繰り出す。

「ぐぅっ……」

今度は西洋刀を縦に構え、繰り出される斬撃を受け止める。
だがやはり全てを受け止めることはできない。
ヴァンの一撃を受け止めた瞬間、仕込み杖を握り締める両腕に電流が走った。

(このままでは……まずい!)

ミハエルは額から汗を垂らしつつ、表情を歪めるヴァンを見つめる。
戦況はヴァンの一方的な展開であり、ミハエルは剣戟を始まってから一度も攻勢に移れていない。
理由は一目瞭然だろう、彼らの間には拭い切れない実力差があるからだ。
ヴァンはカギ爪の男に婚約者を殺されて以来、ずっと復讐の炎に身を焦がしていた。
そのために元々優れていた身体能力をさらに鍛え、戦闘経験も数えきれないほど積んでいた。
一方でミハエルはヨロイ乗りの適性があるとはいえ、少し前までは一般人だった少年。
いくら才能があるとはいえ、根底に存在する実力差を覆すことはできないのだ。
さらに彼には、直前の戦闘で負わされた傷や疲労がある。
これが初戦闘であるヴァンとは、コンディションにも大きな差があるのだ。
挙句の果てに彼の得物は、強度が玩具同然の仕込み杖。
ヴァンに支給された菊一文字則宗とは、天と地ほどの差があった。

「チィ……さっきからちょこまかと、守ることしかできねぇのか!」
「くそっ……こんな奴に……」

これだけの劣勢を強いられながらも致命傷を避けていられるのは、偏に才能のおかげだろう。
彼の類まれなる才能は、ヨロイやライダーで培った技術を早くも吸収していた。
そのため実力的に差のあるヴァンの猛撃を、寸でのところで堪えているのである。

「ただ守ってるだけなら、とっととくたばりやがれ!」

とはいえ、守っているだけでは勝つことはできない。
ヴァンの猛撃を捌ききれず、致命傷を負う可能性がある。
かといって捌ききれたところで、攻撃に移れなければ意味はない。
体力の差から先に倒れるのはミハエルである。
このまま防戦一方の状況が続けば、彼のますます不利になっていくだろう。
610創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 23:56:55 ID:qNt77mXN
 
611価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/29(月) 23:57:05 ID:/ys9u+3g
だが彼とて無策で挑んだわけではない。
確実な勝算を持って、戦いを仕掛けたのだ。
それこそが神崎士郎が開発したライダーデッキの一つ、ナイトのデッキ。
二重の時間制限を課せられているとはいえ、一度変身すれば使用者に圧倒的な力を齎す。
これさえ使用できれば、生身のヴァンを撃破するのは容易いだろう。
が、ナイトのデッキは最後の変身から二時間経過していないため、まだ使用することはできない。
故に彼の考え抜いた作戦は、制限が解除されるまでの時間を稼ぐことだった。

「くっ……せめて東條さんの力を借りれれば……」

理想としては実力者であるヴァンに対し、自分と東條の二人で挑むことだった。
しかし東條は緑髪の女と睨み合いを続け、援護が不可能な状態にある。
結果的にミハエルは孤立し、実力的に数段上であるヴァンに一人で対抗する羽目になってしまった。

「カギ爪の次はあいつかよ、人頼りもいい加減にしろぉ!」

罵声と共に、右斜め上からの袈裟斬りが襲いかかる。
ミハエルは背後に退き、それを回避。
返す刀で繰り出された斬撃を、今度は西洋刀を傾けて受け止める。

「仲間と協力することの何が悪いというのだ!」
「てめぇのは協力とは言わねぇんだよ! 自分じゃ何も出来ないから人を頼ってるだけだ!」
「それの何が悪いというのだ! 人々は協力することで互いの欠点を補い合う、そういうものだろう!」
「何度も言わせんな! てめぇのは協力じゃねぇんだよ! 人の話はしっかり聞きやがれ、甘ったれたクソガキがよ!」
「甘ったれたクソガキだと!? 訂正しろ! ヴァン!」

宇宙空間で戦闘していた時のように、お互いを罵倒する二人。
あの時と違うのは、互いの武器がヨロイから刀に変わったことくらいだろうか。
罵倒の最中にも二人は剣を交え、己の信念を叩き付けている。
金属音が響き、汗が滴り、土煙が舞い、そして火花が散る。
打ち合った回数は三十を越え、ミハエルはその全てを捌ききっている。
膠着状態、そう呼んでも差し支えない状況だ。
そしてその状況を打破すべく、ヴァンが行動を起こした。

「ぐはぁっ!」

脇腹に衝撃を受け、数メートルほど吹き飛ばされるミハエル。
そのまま地面を数度転がり、やがて停止する。
最初は何をされたのか分からなかったが、ヴァンの体勢を見てすぐに理解することができた。

「蹴りを入れるとは……卑怯者め」
「はん、勝負に卑怯もなにもねぇんだよ」

振り上げた脚を戻しながら、ヴァンはミハエルを見下す。
彼は斬撃にミハエルの意識を裂かせた後、死角から蹴撃を叩き込んだのだ。

「だからてめぇは甘ちゃんなんだよ、バカ兄貴が……」

日本刀を構えながら、ゆっくりとした歩調で近付いてくるヴァン。
仕込み杖は蹴り飛ばされた時に、手の届かない位置に落としてしまった。
得物がない状態では、ヴァンを退けることはできない。
この場から逃げようとしても、ヴァンとの距離が近すぎる。
ヴァンとミハエルの運動能力の差では、間違いなく逃げることは不可能であろう。

――――しかしそれは関係のない話であった。
何故ならミハエルには、逃げる気など最初から無いのだから。
612価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/29(月) 23:57:53 ID:/ys9u+3g

「訂正しろと……言っているだろ!」

ミハエルがそう叫ぶと同時に、伸ばした右手から棒状の物が伸びる。
咄嗟の一撃に虚を突かれ、ヴァンは捌くことができない。
直進する棒は彼の腹部を穿ち、そのまま彼を空中に弾き飛ばした。

「がはっ……てめぇ……」

腹部を抑えながら、ミハエルを睨み付けるヴァン。
当のミハエルは服の汚れを払いながら、落とした仕込み杖を拾い上げていた。

「それは……あの女の……」
「そうだ、これはファサリナさんの三節棍だ」

ミハエルは右腕の服の裾から三節棍を取り出し、ヴァンに突き付ける。
それはミハエルと同様、オリジナル7に属する一人のファサリナが所持する三節棍。
普段は布のような形状のため、非常に携帯性と奇襲性に長けている。
元々これは沙都子に支給された物であり、シャドームーン戦後は東條が所持していた。
二人が彼女のデイパックを開封している時にこれを発見。
ミハエルはそれを譲り受け、万が一の時のために右腕の部分に巻き付けておいたのだ。

「苦しいだろう、ヴァン! 私は的確に急所を突いたからな」

ミハエルが三節棍で突いたのは、人体急所の一つでもある鳩尾。
一度ここを突かれると、数分間は呼吸ができなくなる。
その状態では十分に戦えないどころか、意識を保つことすら難しい。
まさに決定打とも呼べる一撃であった。

「私は同志の夢の妨げになる貴様の存在を許容するわけにはいかない、ここで死ね!」

ミハエルは仕込み杖を振り上げ、動けないヴァンを一瞥する。
そして首元に目掛けて、仕込み杖の刃を振り下ろした。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「ッ!?」

が、ヴァンは菊一文字則宗を構え、首を狙ったミハエルの攻撃を弾く。
意識も朦朧としているはずなのに、彼の一太刀を的確に防いたのだ。

「何故だ……何故意識を保っていられる!」
「残念だったな、俺はカギ爪を殺すまでは寝てなんかいられねぇんだよ!」

続いて、強靭な踏み込みを利用した一閃。
ミハエルは紙一重で回避するが、纏った烈風が彼の肌を切り裂く。
その鋭い痛みに一瞬だけ意識を奪われるが、すぐにまた次の斬撃が迫っていた。
613創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 23:58:39 ID:qNt77mXN
 
614価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/29(月) 23:58:47 ID:/ys9u+3g

(くっ……やはりファサリナさんのようには上手く扱えなかったか……)

ヴァンの猛攻を回避しながら、ミハエルは思案する。
確かに手応えはあったが、致命傷を与えられるレベルではなかったのか。
それとも僅かに鳩尾から逸れていたのか。
どちらにせよヴァンを戦闘不能にすることはできず、今も剣戟は続いている。
しかし若干ではあるがヴァンの動きも鈍くなっているため、先ほどよりも防御は容易い。
相変わらず防戦一方ではあるものの、本来の目的へは確実に近づいていた。
時間制限を課せられたナイトのデッキ。
その時間制限の解除へと。

残り時間、二十分。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


舞台は移り変わり、フォークリフト周辺。
ここでC.C.と東條悟が、ヴァンとミハエルの剣戟を背景に睨み合いを続けていた。

「………………」

二人の間にある距離は、およそ十メートル。
互いの持つ武器から目を離さず、一歩も動こうとはしない。
C.C.が握るのは、振るうことで火球を発射する杖。
東條が持つのは、一見すると日本刀に見間違える銃。
どちらの武器も威力は十分であり、だからこそ下手に動くことはできない。
ヴァンとミハエルの戦闘を動とするなら、こちらは間違いなく静。
隙を見せれば、すぐさま攻撃される。
故に下手な攻撃は、自らを破滅へと誘う引き金と化すのだ。

(………………)

行動という形では表れていないものの、彼らの間では既に数多くのやり取りが行われている。
視線を交わし、牽制をし合い、相手の心理を読む。
言葉にすれば簡単だが、それは非常に高度な技術である。
数百年の人生経験を持つC.C.と、何度も死線をくぐり抜けてきた東條。
この二人だからこそ、行えるやり取りなのだ。

(……やっぱり……おかしいよ……)

そんな彼らのやり取りを。近くから眺める者がいた。
二人が対峙している位置から、僅かに左に逸れた位置に停車されたフォークリフト。
その荷台の上で、竜宮レナは彼らのやり取りを観戦していた。
彼女は成り行き上、この場に立ち会うことになった一般人だ。
そしてこの場において、唯一の一般人でもある。
だからこそ彼らが行っているやり取りに、強い嫌悪感を抱いていた。
615創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 23:59:20 ID:qNt77mXN
 
616価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:00:14 ID:khm6rOOm

(なんで……みんな戦い合うの……?)

ヴァンとミハエルは剣を交わし合い、相手の命を奪おうとする。
C.C.と東條も物理的な攻撃は行っていないとはいえ、やっていることは同じだ。
彼らは四人とも戦禍の中心を渡り歩いてきたため、人の死は珍しい事ではない。
だがその常識は、平和な日常を送っていたレナとは決して相容れぬものなのである。

(真紅ちゃんが死んじゃったのに……また誰か死んじゃうの?)

ついに殺し合いを見ているが嫌になり、レナは視線を逸らす。
逸らした先には、紅の輝きを放つ宝石が握り締められていた。
その宝石は先ほどまで同行していた少女、真紅のローザミスティカだ。
彼女は後藤との戦闘で致命傷を負い、レナを逃がした後で絶命した。
その光景はレナも見ており、彼女に深い悲しみと絶望を与えた。
だからこそ後藤と同じように、平然と他者の命を奪おうとする四人に強い嫌悪感を抱いたのだ。

(この雰囲気に呑まれちゃ駄目だ……冷静になろう)

湧き上がる嫌悪感をなんとか抑え込み、レナは冷静であろうとする。
そうして数秒、彼女はこの場でどう動くべきかを思考し始めた。

(戦闘に参加する? ううん、ダメだ、そんなことをしても意味はない)

最初に考えたのは、戦闘に参加すること。
だが彼女は、すぐにその選択肢を切り捨てた。
まず第一に彼女は一般人であり、実力は四人と比べて大幅に劣る。
部活でサバイバルゲームなどをしているとはいえ、所詮はお遊戯なのだ。
仮に戦闘に参加するにしても、彼女はどちらの勢力にも加勢する気になれない。
ミハエルや東條側は論外だが、かといってヴァンやC.C.も信用できない。
そもそもこの戦闘に参加する目的もないため、彼女は戦う必要がないのだ。
しかし一番の理由は別にある。

(もう、誰かが死ぬのは嫌だよ……)

真紅が死んだ悲しみから、未だ抜け出すことができない。
そんな状態でまた誰かが死んでしまったら、もう耐えることができない。
もう彼女は、誰かが死んでいく姿を見たくない。
だから彼女の精神は、戦闘に参加することを拒絶しているのだ。

(……ここから逃げよう)

戦うのが嫌なら、逃げるしかない。
誰かが死ぬのが嫌とはいえ、自分の命だって惜しい。
この場で何もせずに流れ弾でも当たったら、死んでも死に切れないだろう。
だったらこの場から逃げればいい。
失敗する可能性もあるが、何もしないよりはマシだ。
そう思い、彼女が逃亡するための策を練り始めた時だった。

「ねえ」

C.C.と対峙する青年――――東條悟が口を開く。

「君はどうすれば英雄になれると思う?」

抑揚のない声で、唐突に問い掛けてきた。
617価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:02:06 ID:khm6rOOm

「……それは私に聞いているのか?」

怪訝な瞳を東條に送るC.C.。
彼女の質問に対し、東條は言葉にでは表さず首を縦に振った。

「……そうだな、世界のために自らの命を犠牲にでもできたら、間違いなく英雄になれるだろうよ」
「へぇ……君は?」
「……ッ!」

C.C.の解答に満足したのか、東條の視線が今度はレナに向けられる。
彼の死んだ魚のような目に自らの顔が映り、思わず彼女は震えてしまった。
英雄になる方法。
自分なりの答えを模索するが、すぐに一つの結論に至った。
そんなものは存在しない、と。
英雄とは偉業を成し遂げた者が他者から呼ばれる名称であり、なろうと思ってなれるものではない。
故に英雄になる明確な方法など、最初から存在しないのだ。
だからレナは答えあぐねていた。
相手の気を引くために、何らかの解答を示さなければならないとは分かっている。
が、どうしても最初の結論を頭から切り離すことができないのだ。

「それか」

レナが黙りこくっているのを見かねてか、C.C.が再び口を開く。

「私をこのふざけたゲームから解放してくれたら、私はお前のことを英雄と呼んでやろう」

相手を挑発するように、ニヤリと笑みを浮かべるC.C.。
東條もその意図が読めたのか、能面のような顔を歪ませていく。

「君達は……英雄になるのに相応しくない」
「当然だろう、私は英雄になる気などないのだからな」

C.C.はあくまで相手を挑発することを止めようとしない。
しかし決して銃口から目を離さず、相手の一挙手一投足を見逃さない。
張り詰めた空気が辺りを支配し、数秒が経過する。

そこで――――東條が動いた。

「……?」

だが引き金を絞ったわけではない。
C.C.に定めていたはずの銃口を、彼女から逸らしたのだ。
彼女よりも、僅かに左側へと。
停車されたフォークリフトに荷台に座る、竜宮レナへと。

「ッ!? レナ! そこから降りろ!」

C.C.が叫び声を上げると同時に、引き金を絞る東條。
刹那、銃から弾丸が迸った。
618創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:04:26 ID:rsjHuiRR
 
619価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:04:31 ID:khm6rOOm

「あぅっ……」

呻き声を上げるレナ。
彼女は地面に激突し、身体を強く打ち付けてしまったのだ。
しかしそれ以外には目立った外傷もなく、銃創も見当たらない。
C.C.の警告が功を奏し、間一髪のところでフォークリフトから飛び降りることに成功したのだ。

「このっ!」

C.C.はブリッツスタッフを横薙ぎに振るい、先端から火球を発射する。
が、狙った先に東條の姿はなく、火球はそのまま遠方に消えていった。

「……逃げられたか」

自分達に背中を向け、走り去っていく東條。
向かう先は、ヴァンとミハエルが戦っている場所。
おそらくは援護に向かうためだろう。
C.C.も彼と同じように援護に向かおうとするが、すぐに足を止めた。
彼女は戦闘を請け負うことはあるものの、基本的に得意ではない。
無闇に乱入し、人質にでもされたら最悪だろう。
見たところヴァンの方が優勢のようだし、東條も銃だけで援護するのは難しいはずだ。
故に、自分が行っても無駄だと彼女は判断した。

(私を助けてくれた……?)

一方でレナは、先ほどのC.C.の行動に疑問を抱いていた。
C.C.が自分のことを疎ましく思っていることに、レナは薄々気づいていた。
なのに何故、彼女は自分を助けてくれたのだろうか。
あそこで声を掛けてくれなければ、回避が遅れて間違いなく死んでいただろう。
レナのことを疎ましいと思っているのなら、あそこで見捨てればいいはずなのに。

(さっき言ってたみたいに……情報が欲しいのかな)

ヴァンやC.C.は情報を欲しがっていたから、足手まといのレナを生かした。
そう考えれば、C.C.の行動にも納得がいく。
最も有用そうな情報は、既に話してあるのだが。

憂鬱そうな瞳で、虚空を仰ぐC.C.。
その姿を、小難しい顔で眺めるレナ。
彼女たちがそれぞれの思惑を交差させている時。

「おはよう、皆」

聞き覚えのある幼い声が、彼女たちの耳朶に触れた。
そう、六時間に一度の定時放送。
それを行う、V.V.の声だ。

「V.V.……ッ!」

C.C.の憂鬱そうな顔が、怒りの篭った顔へと変貌する。
だがV.V.は彼女のことなど意に介することもなく、淡々と放送を行っていく。
冗長すぎる挨拶に、禁止エリアの発表。
前者は彼女たちの苛立ちを助長させるだけだが、後者は有益な情報である。
が、一番知りたい情報はそれではなかった。
死亡者の発表。
彼女たちにとって、一番気がかりだったのがこれだった。
620創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:05:08 ID:sWgpjqiB
支援
621価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:06:28 ID:/ys9u+3g

「じゃあ、次の死亡者の発表に行こうか。」

V.V.がそう言うと同時に、レナは祈りを捧げる。
仲間の名が誰一人呼ばれぬように、と。
そして時を同じくして、東條悟がヴァンとミハエルのところに辿りついた。

「織田敏憲」

東條が銃を構えながら、ミハエルの名を叫ぶ。

「亀山薫」

その声を聞き、ミハエルがヴァンから離れる。

「斎藤一」

東條の持つ銃から、銃弾が発射される。

「真紅」

自らに迫る銃弾を、ヴァンは見切って回避する。

「銭形警部」

その隙を突いて、ミハエルがヴァンに斬りかかる。

「園崎魅音」

ヴァンは紙一重で回避しようとするが、避けきれずに腕を掠める。

「高良みゆき」

鋭痛の走る腕で日本刀を振り上げ、東條に襲いかかる。

「橘あすか」

ミハエルが東條を庇うように立ち塞がり、ヴァンの斬撃を受け止める。

「柊かがみ」

日本刀と西洋刀、二つの刀が拮抗を開始する。

「緋村剣心」

ミハエルの腕が震えると同時に、仕込み杖の刀身に亀裂が走り始める。
622創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:07:35 ID:rsjHuiRR
 
623創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:08:16 ID:rsjHuiRR
624価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:09:23 ID:khm6rOOm

「平賀才人」

――――彼らはここに来るまで、百を超える打ち合いをしていた。

「北条沙都子」

その度に刀は衝撃を吸収し、傷を負っていく。

「北条悟史」

限度を越えれば、次第に朽ちていく。

「劉鳳」

耐久力が玩具同然の仕込み杖は、ここにきて限界が訪れたのだ。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

亀裂が入ってから数秒、音を立てながら仕込み杖が砕け散る。

「ルルーシュ・ランペルージ」

ヴァンの日本刀が、ミハエルの身体に一閃を加える。
そして、血飛沫が舞った。

「ルルー……シュ?」

口をぽかんと開けながら、空を眺めるC.C.。
今の放送の内容は、この会場で死んだ人間の名を伝えるもの。
その放送で、ルルーシュ・ランペルージの名が呼ばれた。
つまり、それの意味するものはルルーシュの死。
彼女の共犯者にして絶対服従のギアスを持つルルーシュが死んだというのだ。

「そんな……」

真紅、園崎魅音、北条沙都子、北条悟史。
レナの仲間の名は、合計で四人呼ばれた。
そして直後に見たものは、一人の少年が血飛沫を上げながら倒れる光景。
あまりに凄惨なその光景は、死という概念を忌避してきたレナの正気を奪うには十分過ぎた。

「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

悲鳴を上げると同時に、レナは走り出す。
この狂った殺し合いから逃げ出すため、ただひたすらに走り抜ける。
戦場の中心で、大きな悲鳴を上げながら。
そんな目立つ行為をした彼女を、敵方が見逃すわけもない。
ぱらら、とタイプライターが点火するような音と共に、東條の銃から大量の銃弾が放射される。
気が付くと彼女は、大量の銃弾の元に晒されていた。

「あ……」

彼女が横を向くと、そこには大量の銃弾がある。
C.C.はルルーシュの死に動揺していたため、援護は間に合わない。
途方もない恐怖がレナを支配した時には、既に銃弾は彼女の身体を貫いていた。

「おおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

はずだった。
625価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:11:16 ID:khm6rOOm

「これ以上、カギ爪の野郎の好きにはやらせはしねぇ!」

銃弾が彼女の身体を貫く直前、彼女と銃弾の間に割り込むヴァン。
刀を回転させ円状の盾のように扱い、飛来する銃弾を叩き落す。
幾度も刀と銃弾の衝突音が響き、十数秒が経過。
大量の銃弾が叩き落とされ、地面に転がっていた。

「ヴァン……さん?」
「大丈夫か? えーと……」

安心して力が抜けたのか、へなへなとその場に座り込むレナ。
彼女の身体に銃創は一つもなく、ヴァンもその姿を見てほっと胸を撫で下ろした。

「ぐっ……」
「ヴァンさん!?」

ヴァンがくぐもった声を出すと同時に、握っていた刀を落としてしまう。
その音でレナが顔を上げると、右肩を抑えるヴァンがいる。
鮮血の吹き出る肩を、苦しげに抑えるヴァンが。

「まさか……!?」

レナの顔面が、見る見るうちに青白く染まっていく。
東條が彼女に照準を定めているのを見て、彼は急いで救援に駆けつけた。
しかし彼とて万能ではなく、速さと丁寧さを両立させることはできない。
つまり駆け付けることには成功したものの、全ての銃弾を叩き落すことはできなかったのだ。
叩き落とせなかった銃弾は、そのまま彼の身体を通過する。
腹部に二発、右肩に一発。
彼は被弾していた。

「…………」

無言の東條によって、再び構えられる銃。
照準は負傷しているヴァン、刀を落としてしまったため防御する術はない。
いくら頑丈な彼でも、無数の銃弾を浴びれば死は免れないだろう。
レナが顔を覆い、ヴァンが東條を睨みつけた時だった。

「ヴァン! レナ!」

フォークリフトを走らせながら、C.C.がやってきたのは。
轟々と音を立て、最高速度を出しながら進むフォークリフト。
タイヤが転がる小石を跳ね除け、緑の装甲がそれを砕く。
その進行方向にいるのは、銃を構える東條悟。

「ッ!?」

フォークリフトの猛進を、東條は寸前のところで回避する。
だが不完全な姿勢のまま避けたため、地面に転倒してしまう。
626創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:11:52 ID:rsjHuiRR
627価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:14:23 ID:khm6rOOm

「今のうちに逃げるぞ、早くしろ!」

フォークリフトを降り、ヴァンとレナに逃亡を促すC.C.。
彼女の背後を見ると、また立ち上がろうする東條の姿がある。
それを見て、ヴァンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
この会場において、カギ爪の男に繋がる唯一の手掛かりはミハエルだ。
しかし今のヴァンは右肩を負傷し、著しく戦力が低下している。
先ほどの追撃は辛うじて逃れられたが、次も逃れられる保障はない。
東條が所持するレイ・ラングレンの銃の恐ろしさは、彼が一番良く理解している。
この場の支配権を持っているのは、間違いなく東條だ。

「チィッ……すぐにまたぶっ倒してやる!」

ここに残るのは危険と判断し、結局ヴァンは逃走を選択する。
追随するようにレナも彼の背中を追いかけ、C.C.はブリッツスタッフを振るう。

「さらばだ、もう会うこともないだろうな」

ブリッツスタッフの先端から発射された火球は、フォークリフトのエンジン部分に命中。
数秒後、炎はガソリンへと点火し――――

爆発を起こした。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「はぁ……はぁ……ここまで来ればあいつらも追ってこないか」

肩で息をしながら、C.C.は背後を見る。
彼女から数百メートル先の地点では、爆炎と黒煙が立ち昇っていた。

「……あいつら生きてるだろうな? 俺はあいつらにカギ爪の野郎のことを……」
「心配ない。銃の男の方は分からないが、少なくともあの甘ちゃん坊やは生きてるだろうよ」
「そうか、ならいい」

ヴァンも右肩を抑えながら、爆心地を眺める。
少し前に西や北の方角で発生した爆発よりは小規模だが、それでも爆発には変わりない。
爆心地から離れていたミハエルはともかく、東條の方は一溜まりもないだろう。
だがヴァンとしては、ミハエルさえ生き残っていればそれで良かった。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」

それよりも今の彼にとって、一番の問題はレナの方だった。
先ほどから彼女はずっとこの調子なのだ。
目尻に涙を溜めながら、延々と謝罪の言葉を述べ続ける。
自分の代わりに負傷したヴァンへの罪悪感があるからこそ、彼女はずっとこうしているのだろう。
だが基本的に女性が苦手な彼としては、彼女の行動は堪ったものではなかった。

「あの……自分は本当に大丈夫ですから……」

ヴァンは渋い顔をしながらレナを宥めるが、それでも謝罪を止めない。
虚ろな表情で俯き、まるで彼の声が聞こえていない様子。
壊れた目覚まし時計のように、ずっとごめんなさいと繰り返していた。
628創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:14:36 ID:rsjHuiRR
629価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:17:25 ID:khm6rOOm

「だあぁぁっ! もういい加減やめろって! 本当に俺は大丈夫だから!」

ついに痺れを切らし、大声を上げるヴァン。
彼の大声にレナは肩を震わし、涙で汚れた顔を上げる。

「でも……ヴァンさんは銃で撃たれて……」
「はぁ……えーと……なんて言ったっけ、お前?」
「レナだ、いい加減覚えろ、これで二度目だ」

何時までも人の名前を覚えられないヴァンに、C.C.が呆れながら補足を入れる。

「そうそう、確かに俺は銃で撃たれた、でも死ぬほどの傷じゃない、それに……」

そう言うと、ヴァンは黒いタキシードの脱ぎ始める。
突然脱ぎ出した理由が分からず、混乱するレナ。
そんな彼女を尻目に、彼は黙々とタキシードを脱いでいく。
しばらくして彼がタキシードを脱ぎ終えると、そこに現れるのは鍛え抜かれた肉体。
そしてその肉体には、鋼色の布のような物が巻き付けられていた。

「俺はこの刀を腹に巻いてたんだ、だからほとんど痛くはない」

彼が腹部に巻き付けていたのは、新井赤空の作った殺人奇剣の一つ、薄刃乃太刀。
刃の強度を保ったまま可能な限り薄く鍛え、布のように拵えた代物だ。
彼はこれを腹部に巻き付けることによって、防弾チョッキ代わりに利用したのだ。
ファサリナの三節棍での不意打ちが完全に決まらなかったのも、これが原因である。
偶然にもこの刀は、彼が愛用する蛮刀と機能が似ていた。
しかしこの刀は彼の蛮刀とは違い、本物の布のようにまでは変化してくれなかった。
数メートルにも及ぶ長さの奇剣を持ち歩く方法を彼は悩み、そこで思い付いたのが腹部に巻き付けておくことだった。
奇しくもそれは、この刀の本来の使い手である沢下条張がとった方法と同じである。
彼も剣心との戦闘でこの刀を防具代わりに使用し、致命傷を防いでいた。

「でも肩の方は……」
「レナ、ヴァンがいいと言っているのだ。謝罪の言葉もあまりしつこいと鬱陶しいだけだぞ」

未だ食い下がろうとしないレナを、溜息をつきながら宥めるC.C.。
レナは不安そうにC.C.の顔を眺めるが、彼女の視線が痛々しいほど突き刺さる。
それからしばらく二人は視線を交わしていたが、やがて観念したようにレナが項垂れた。

「…………」

三人の間で会話が止み、居心地の悪い空気が漂い始める。
彼らは元々友好的な関係でもなかったため、それも仕方のない話なのかもしれない。

(魅ぃちゃん……沙都子ちゃん……悟史くん……真紅ちゃん……)

そんな中でレナは、放送で呼ばれた四人のことを思い出していた。
ゲームが始まってからたったの六時間で、四人もの仲間が死んでしまった。
魅音は唯一無二の親友であり、いつも一緒に行動していた仲だ。
沙都子は妹のような存在であり、彼女のトラップにはいつも手を焼かされた。
悟史とは長い間会っていなかったが、だからこそ会いたいと強く思っていた。
真紅の死は知っていたが、放送によって改めて認識させられた。
四人とも素晴らしい仲間であったが、もう二度と会うことはできないのだ。
そう思うと胸が張り裂け、どうしようもないほどの悲しみに襲われてしまう。
630創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:17:44 ID:7/3NjRBi
  
631価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:20:44 ID:khm6rOOm

「うっ……ぐずっ……」

目尻に溜まった涙を、手で拭き取る。
真紅のローザミスティカは、いつの間にか無くなっていた。
おそらく逃げる際に、落としてしまったのだろう。
大事な真紅の形見を失った悲しみで、また涙が流れる。
だがいくら拭き取っても、涙が乾くことはない。
目の奥から、洪水のように溢れてきていた。

「お前も……誰かを失ったのか」

そんな時、C.C.が彼女の元へと歩いてくる。
ゆっくりとした歩調で、悲しげな表情を浮かべながら。

「ひょっとして……C.C.さんも……」
「ああ、大事な共犯者を失ってしまったよ」

空を仰ぎ、独白のように語るC.C.。
その表情はどこまでも悲しげで、そして寂しげだ。

「死による別離など、なんともないと思っていたのだがな」

彼女は悠久とも呼べる時の中で、何度も死別を体験していた。
その度に彼女の心は擦り切れ、摩耗していった。
そのうち人の死にも慣れ、彼女自身も死という概念に対してドライになっていた。
そう、自らに言い聞かせていた。
本当は誰かが死んでいくことが、とてつもなく悲しかった。
もう死別を経験したくないからこそ、彼女は自らの死を望んでいたのだ。

「ヴァンさん、C.C.さん」

瞼に涙を浮かべたまま、レナは二人の名を呼ぶ。

「なんであの時に、二人とも私を助けてくれたんですか?」

ずっと不思議でならなかった。
二人が自分の存在は明らかに足手まといであり、場の雰囲気も悪くしていた。
あそこで殺されていれば、二人にとっても都合が良かっただろう。
なのに何故、二人はレナを助けてくれたのだろうか。

「俺はその……これ以上カギ爪の野郎に好き勝手されるのが嫌だったから」

ヴァンが頭を掻きながら、照れ臭そうに答える。

「どうしてだろうな、私にもよく分からないんだ」

C.C.は答えると同時に、皮肉げに笑む。
それは今までレナに見せたことのない顔であった。
632創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:21:35 ID:7/3NjRBi
  
633創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:21:51 ID:rsjHuiRR
 
634創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:22:44 ID:rsjHuiRR
 
635創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:23:17 ID:WRnJynHU
しえn
636価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:24:39 ID:khm6rOOm

(ああ、そっか)

今の今まで二人のことを、冷淡な人間だと思っていた。
だけど違う、二人はただ不器用なだけなのだ。
決して彼らは、人の死に関して冷淡な人間ではない。
むしろ死に関わる機会が多いからこそ、命の価値を痛いほどに理解しているのだ。

「ごめんなさい、私……あの時、二人のことを悪く言って……」
「気にするな、大事な者が死んだ直後は誰でも冷静ではいられないんだ」

そう言って、C.C.は今度は自嘲するように笑みを浮かべる。

「なぁ、えーと……俺はそういうことはしなかったけど……」

ヴァンが帽子で目線を隠しながら、言葉を紡ぎ始める。

「本当に悲しい時は……思いっきり泣いてもいいと思うんだ」

(みんな……みんな……)

ヴァンの言葉で、レナの心に閊えていた何かが解け始める。
それからゆっくりと、胸の奥から沸き上がってくるように。

「あ……あ……」

一滴、一滴と――――

「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

――――彼女の瞳から大粒の涙が零れ始めた。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

大声を上げながら、慟哭するレナ。
仲間の死をひたすらに悲しみ、ただ泣き続ける。

(…………)

そんな風に一途に泣き続ける姿は、C.C.にとってどこか羨ましかった。
悠久の時の中で幾度も死を経験するうちに、彼女の涙は枯れ果てていた。
死別に逢遇したくないがために、無意識に他者との接触を避けていた。
そうして幾年の時が過ぎ、久々に巡り会ったのがルルーシュだった。

それは魔女の気まぐれか。
彼女はレナの離脱を確定事項だと思っていたし、早く別れたいと思っていた。
だが、今は何故かそんな気が起こらない。
仲間の死に悲しむレナに、深い共感を覚えていた。

"大事な者が死んだ直後は誰でも冷静ではいられないんだ"

先ほどレナに投げ掛けた言葉。
それがそのまま自分にも当て嵌ることに気付き、C.C.は自嘲する。
637創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:25:22 ID:7/3NjRBi
  
638価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:27:58 ID:khm6rOOm
(なぁ、ルルーシュ?)

もうこの世にはいない共犯者に向けて、C.C.は語りかける。

(私も……泣いていいのだろうか……)

そう、天に問うC.C.。
彼女の頬には、一筋の涙が伝っていた。

【一日目 朝/G−1 道】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
    空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、真紅の下半身@ローゼンメイデン
[状態]:疲労(小)、悲しみ
[思考・行動]
1:泣く。
2:圭一、詩音と合流する。
3:翠星石と蒼星石も探す。
4:ミハエル、東條、水銀燈、後藤を警戒。

[備考]
※この会場の西端と東端、北端と南端は繋がっています。
 どこかの端からエリア外に出ると、逆の端の対応する位置へとワープします。

【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:疲労(小)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
1:体勢を整え、ミハエルをぶっ倒しに行く。
2:レイが気にならない事もない。
[備考]
※23話「みんなのうた」のミハエル戦終了後より参戦。
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。

【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】
[装備]:ブリッツスタッフ(二回使用)@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、エアドロップ×3@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2
[状態]:疲労(小)
[思考・行動]
1:今後どうするかを考える。
2:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
3:後でピザを食べる……つもりだったが、今はそんな気分ではない。
4:後藤は警戒する。
[備考]
※TURN11「想いの力」終了後、日本に戻る前から参戦。
※不死でなくなっていることに気付いていません。

※真紅のローザミスティカは、F-1の辺りを浮遊しています。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

639創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:27:59 ID:WRnJynHU
 
640価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:31:29 ID:khm6rOOm
「……私は」

轟くような爆発音が耳を貫き、ミハエルの意識は覚醒した。
靄の掛かった頭で音源を探ると、焦げ臭い匂いと熱が伝わってくる。
そこから推測する限り、付近で何かが炎上しているのが分かった。

「一体なにが……ぐうっ!」

身体を起き上がらせようとすると、激痛が彼を苛み始める。
激痛が走っているのは、左肩から腰までの箇所。
同志から賜った服が、鮮血で真っ赤に汚れていた。

(確か、私は……)

気絶する直前のことを思い出す。
そうして最初に思い出したのは、鬼のような形相のヴァンに自らが斬られる映像。
負傷した部分が、疼いたような気がした。
それを皮切りにして、気絶する直前の記憶が蘇り始める。
そして数秒もしないうちに、全ての記憶を取り戻した。

(ヴァン……ッ!)

仇敵の顔を連想し、ミハエルの内に怒りが篭る。
同志の崇高な理想を、まるで理解しようとしない愚かな人間。
そんな男に負傷させられた事を考えると、嫌悪感で首を掻き毟りたくなる。

(次は絶対に負けない!)

先ほどは身体能力の差で不覚を取った。
だがあと数分もすれば、ナイトのデッキの時間制限が解除される。
ライダーにさえ変身できれば、あの程度の男に不覚をとることはない。
負わされた傷も出血量や外見こそ派手だが、致命傷というわけではない。
適切な治療を施し、休養をとればすぐに復帰できるだろう。

(そういえば東條さんは? まさかあの爆発に巻き込まれて……)

東條の安否が気になり、周囲を見渡すミハエル。
すると爆発が起こった方向から、東條が歩いてくるのが見えた。
顔は煤で汚れているが、目立った外傷は無い。
大切な友人が無事であったことに、ミハエルは安堵する。
自分の身が危険に晒されようと、自分を救ってくれた東條。
ヴァンの剣先が彼に向けられた時、銃を持つ彼を失いたくないという打算もあった。
だがそれ以上に、友人としての彼を失いたくない気持ちも強かったのだ。
結果的にミハエルは負傷してしまったが、それでも後悔はしていなかった。

「東條さん……無事だったんですね」
「うん、この刀のおかげで助かったよ」

ミハエルが笑みを漏らすと、東條も笑顔を返してくる。
彼の腕には、ヴァンが使っていた菊一文字則宗が握られていた。

「……そういうことですか」

日本刀の刀身に映る自身の顔を見て、ミハエルは東條の発言の意図を理解する。
一流の日本刀の刀身は、鏡面のように全ての物を映す。
鏡面とは、つまりミラーワールドの入り口。
東條は爆発の直前に刀身にカードを掲げ、デストワイルダーを召喚することで難を逃れたのだろう。
641創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:32:09 ID:rsjHuiRR
 
642価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:34:36 ID:khm6rOOm
「とりあえず無事でいてくれて安心しました」
「ありがとう、ミハエルくん」

まるでお茶会のような雰囲気で談笑する二人。
東條は顔や服が煤だらけで、ミハエルに至っては血塗れ。
外部の人間が見れば明らかに異質な状況だが、彼らには関係の無い話である。

「あの……すいません、東條さん、ひとつお願いしてもいいですか?」
「なにかな?」
「見ての通り、私は負傷してしまった」

彼の状態を改めて確認するが、見るに耐えない状態だ。
服の切断面からは赤黒い傷口が見え隠れし、吹き出した血液が地面へと染み込んでいる。
こうして会話が出来ているのが、不思議なくらいであろう。

「だから治療をお願いしたいのですが……」

現状でミハエルが唯一頼れる存在は、目の前にいる東條だけだ。
友好的な関係を築いているから、快く治療を請け負ってくれる。
そんな思惑が彼にはあった。

「東條さん?」

だが先ほどから、東條の様子がおかしいのだ。
正確にはミハエルが負傷したことを告げ、東條がその傷を見た時から。
ミハエルと視線を合わそうとせず、口を開こうとしない。
纏っている陰気な雰囲気は、言いようのない不気味さを漂わせていた。

「あの、東條さ――――」
「ごめん、ミハエルくん」

返答がないことを不審に感じ、首を傾げるミハエル。
その瞬間、東條が何故か謝罪の言葉を告げたのだ。

――――ミハエルに向けて銃を構えながら。

「東條さん、何を……」
「ごめん、本当にごめん。でも君は大切な人だから、僕がこの手でとどめを刺さなきゃいけないんだ」

絶句するミハエル。
最初は冗談だと思った。
しかし言葉と共に近付いてくる銃口を見て、次第にそう思えなくなってくる。
東條が本気で自分を殺すつもりだと気づいた時には、悪寒が止まらなくなっていた。

「や、やめてください、東條さん!」

銃口を向ける東條に抵抗を試みるが、ヴァンに負わされた傷に遮られる。
身体を起き上がらせようとするが、全身に力が入らなかった。

「そんな傷で誰かに会ったら今度は殺されちゃうよ、それじゃ駄目なんだ
 君は僕がとどめを刺さないと。そうしなきゃ僕は英雄になれないから……」

唯一動かせる右腕を伸ばすが、東條に容易く弾かれてしまう。
そのまま片手で地面に押さえつけられ、ミハエルの抵抗は呆気なく終わる。
かつて東條は大切な人間の一人であった佐野満に、とどめを刺せず逃してしまった経験があった。
故に彼は、大切な人間にとどめを刺すことに固執しているのだ。
最もミハエルには関係のない話だし、知る由もないのだが。
643創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:36:50 ID:MfmKAgRv
支援
644価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:37:52 ID:khm6rOOm
「まだ私は動ける! だから殺さないでください!」
「違うよ、ミハエルくん。殺すんじゃなくて救うんだ、君が言ったんじゃないか」

確かにミハエルの傷は浅く、治療をすればまた活動を再開できる。
だが、今は動くことができなかった。

「君のおかげで、僕は香川先生の言葉の真の意味を理解することができた」
「そんなことをしたら、私が死んでしまう!」
「君がいたから、僕はやっと英雄になる本当の方法が分かったんだ」
「東條さん! 東條さん!」

会話がまるで通じていない。
一方的に喋る東條と、必死で説得しようとするミハエル。
先ほどまで同じ道を歩いていた二人が、道をすれ違えている。

(どうすれば……私は一体どうすれば……)

自分にはまだ、大勢の人間を救う義務がある。
だからここで殺されるわけにはいかない。
恐怖に支配されつつある頭を回転させ、この窮地を脱する方法を考える。
ナイトのデッキは、変身制限で使えない。
仕込み杖は、東條を庇う際に折れてしまった。

(ファサリナさん!)

ファサリナの三節棍は、手の届かない場所に落ちている。

(同志!)

同志のカギ爪は、デイパックの中。

ミハエルに、抵抗手段は残されていなかった。

「ありがとう、ミハエルくん」

ついに銃口が眉間に合わさり、冷たい感触が彼を襲う。
恐怖から瞳孔が見開き、拒否しようとしても銃が視界に入ってくる。
間近で見て、銃口と弾装に血液が付着しているのが分かった。
付着してから大分経過しているのか、血液は黒に変色しどす黒い。
この血液は東條が最初に救った少女、北条沙都子のものだ。

「僕は君のことを絶対に忘れない、だから君は僕の中で永遠に生き続けるんだ」

途中から東條は涙を流し始め、声も涙声になってくる。
彼の流した涙が、ミハエルの頬に零れ落ちた。

「皆と一緒に同じ夢を見よう、僕が英雄になって、他の人達を救う夢を!」
「まだ、私にはやることがあるんだ! だからやめ――――」

そう、彼が言い切る直前。
ぱぁん、と火薬の弾ける音が響き渡る。

次の瞬間、ミハエルの視界は急速に色褪せ、そして何も映らなくなっていた。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

645創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:39:27 ID:7/3NjRBi
  
646創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:39:53 ID:rsjHuiRR
 
647価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:41:37 ID:khm6rOOm
「ミハエルくん! ミハエルくん!」

東條は号泣しながら、ミハエルの身体を抱きしめる。
だがその身体に、もう魂は宿っていない。
彼の額には穴が開き、そこからドロドロと真っ赤な液体が流れ落ちている。
流れ落ちた液体は水溜りのようになり、そこには血液以外の固形物も沈んでいた。
正常な人間であれば、嘔吐すらしかねない光景。
だが東條はそれを愛しそうに抱きしめ、穏やかな笑みを浮かべていた。

「これで君も救われた、これから君は僕の中で生きていくんだ」

ミハエルの死体を地面に降ろし、胸の前で手を合わせる東條。
ミハエル・ギャレットという人間は、肉体的には死んでしまった。
だがその魂は彼の中で永遠に生き続け、英雄である彼を支え続けるのだ。
彼だけではない、彼の胸の中には北条沙都子やその兄である北条悟史。
インペラーに変身していた男性に、ミハエルが出会った柊かがみという少女。
他にも大勢の人間が彼を支えているのだ。

「先生、僕はまた英雄に近付きました」

彼は胸の中にいる香川へと語りかける。
その口調や態度に、迷いは一欠片も存在しない。
瞳には強い意志が宿り、煌々と輝く朝日を見つめていた。
崇高な理想を、英雄になるという夢を胸に抱き。

東條悟は、道を踏み違え続ける。


【ミハエル・ギャレット@ガン×ソード 死亡】

【一日目 朝/F−2 道】
【東條悟@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]:レイ・ラングレンの銃(70/100)@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心
[支給品]:支給品一式×3、タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎
     フライングボード@ヴィオラートのアトリエ、ファサリナの三節棍@ガン×ソード
     カギ爪@ガン×ソード、予備弾倉(60/60)、確認済み支給品(0〜2)
[状態]:疲労(大)、全身打撲
[思考・行動]
0:全ての人を『救う』ことにベストを尽くして英雄になる。
※TV本編死亡後よりの参戦です

【ファサリナの三節棍@ガン×ソード】
ファサリナが愛用している三節棍。
ヴァンの蛮刀と同様の素材を使用しているため、布のような形状にもなれる。
648創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:45:14 ID:rsjHuiRR
 
649創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:47:17 ID:MfmKAgRv
支援
650価値ある命 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 00:48:30 ID:khm6rOOm
以上です、たくさんの支援をありがとうございました。
誤字脱字などがありましたら、遠慮なくお願いします。

今回は量的に分割しないといけないのですが、
ヴァン、C.C.、レナの状態表を分割点とし、その後を新しいタイトルを付けて後編とするのは可能でしょうか?
その場合に付けようと思っているタイトルが「ガラスの友情」なのですが、
元ネタが龍騎44話の「ガラスの幸福」からで、タイトルからネタバレしてしまわないでしょうか?
ご意見をいただけるとありがたいです。
651創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 00:58:31 ID:MfmKAgRv
>>650
投下乙です!
いやぁ…こんなに仲間死にまくりでレナもキツイよな…
とか思いつつヴァンやC.Cの不器用ながらも温かい言葉にジンときてたら最後のC.Cの涙に思わず泣きそうになった
そうだよな…いくらC.Cでもキツイよな…
でもって東條が怖ェェェェエ!!?
何が怖いって全く話が通じないんだもんな
 

それと前編後編でタイトルを変更するのは大丈夫だと思いますよー
タイトル名についてもネタバレしてしまうほどではないですし、大丈夫だと思います
 
改めて投下乙でした! 
652創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 01:02:01 ID:WRnJynHU
投下乙です
戦ってる本人たちは聞いてるどころじゃないだろうけど
戦闘中に放送が流れた時の演出が良かった
さてヴァン、C.C.、レナの3人はこれからどうなるのかな?前とは色々状況が違うだろうけど

死人が出るとしたら普通に戦闘中かと思ったけどまさかこんな死に方するなんて
ミハエルも思ってなかっただろうな
そして東條は立派にミハエルの思想を継い…って東條怖すぎるぞw
653創る名無しに見る名無し:2010/03/30(火) 01:17:54 ID:7/3NjRBi
投下乙!
ヴァンの初戦闘、さすがヴァン!馬鹿かっこいい!
東條の弾丸がレナに迫った時は読みながら真剣にはらはらしてしまった…
しかしこのロワ内で組んでる三人組ってどこも好き過ぎて困る。
この三人もこれから頑張ってほしい、さらに言うならシャドームーンの活動圏内から頑張って離れてほしいw
そして東條……正直、ミハエルが負傷したあたりで殺るような気はしてたww
カギ爪に信奉してるミハエルよりも東條の方がカギ爪に似てるってどういうことだ…!

タイトルについてはそれで問題ないと思います。
読んでてすごく楽しかったです、乙でした!
654 ◆ew5bR2RQj. :2010/03/30(火) 02:09:12 ID:khm6rOOm
感想ありがとうございます。
特に問題がないようなので、お手数おかけしますがwikiに収録する際は>>650の形でお願いします。
655創る名無しに見る名無し:2010/03/31(水) 23:43:16 ID:+JNxi1Ra
クーガーって出会ったキャラのほとんどが死んでね?
656創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 00:18:03 ID:3T6zB9V6
生き残ってるのマーダーと詩音だけだな
まぁ会った人間自体少ないんだと思えば…

それにしてもフライングボード怖ぇぇぇええ!!
657創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 01:31:26 ID:XBMNbkfL
本当に持ち主が次々と死んでるなw
もう用語集に登録してもいいぐらいだ
658創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 02:50:09 ID:IZCLJNJr
しかも死んだ三人って全員信頼してた奴に殺されてるんだよね……
偶然なんだろうけど偶然とは思えない
659創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 12:25:51 ID:143BKUka
呪いのフライングボードだな
660創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 14:31:29 ID:TNO43dso
でも東條が裏切られて殺される光景は想像出来ないw
661創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 18:00:00 ID:DMHU2kAa
人を裏切るやつはいつか裏切られる
なんかそんな台詞が何かにあったような気がする
662創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 19:08:59 ID:rECJuLjN
本人は裏切ってるつもりはないけどな
それどころか、恐ろしいことに100%善意という
663創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 20:22:14 ID:igqDoeGp
善意で殺そうとするのが一番危ないよなw
説得の余地がない上、何気にライダーデッキ二つ持ってて戦闘力高いし
664創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 21:04:50 ID:DMHU2kAa
説得できなくても北岡さんなら弱体化させられる
665創る名無しに見る名無し:2010/04/01(木) 21:39:58 ID:jY5Z6nFz
ここでは正規ライダーが東篠の天敵になっとるな
666創る名無しに見る名無し:2010/04/02(金) 03:13:32 ID:LCLBUpVk
ドラゴンナイトでテンション上がってきた
667創る名無しに見る名無し:2010/04/02(金) 20:28:12 ID:uAbVEr2B
ドラゴンナイトかぁ
深夜帯だから見てないな
668創る名無しに見る名無し:2010/04/05(月) 18:44:52 ID:qHcejzH6
録画消しちゃった…
669創る名無しに見る名無し:2010/04/07(水) 15:18:13 ID:6u+W0gbl
ライダーって飛行とかはできないんだっけ?
670 ◆.u...s..r. :2010/04/08(木) 13:33:22 ID:twtKNmOk
a
671創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 13:40:31 ID:twtKNmOk
誤爆
672創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 15:53:27 ID:NAuNe6KF
ナイトがマントで空を飛んでたような
673創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 18:06:49 ID:zGb44Kmz
>>670
すごいトリだなw
674創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 23:54:04 ID:2Ak6RSGU
一週間ぶりに書きこむぜ!

龍騎シリーズのライダーは基本的には飛べなかったと思う
675創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 13:35:13 ID:wzCVR/EP
TRICK劇場版3の予告編見たけど、上田と山田はもし生還しても別の殺し合いに巻き込まれるんだなw
676創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 18:41:50 ID:tTVcGEcF
ライダー全体でもスカイライダー、サイガ、キバ飛翔体、ディケイドの一部ライダー(クウガゴウラムとか)くらいだもんな
V3も設定上は一応飛べるらしい

>>675
山田だけが生き残ったら行かないんじゃない?
なんか予告見たとき、上田に巻き込まれてたような気がしたんだけど
677創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 23:10:20 ID:TRiPWCEw
上田が生き残った場合でも、もうバトロワは懲り懲りだ!とか言ってそう
でもここで上田が生き残れる未来がまるで想像できないwww
678創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 23:31:35 ID:l3QHIHrZ
空中を自由に移動するってのならバイオライダーもできるぜ
679創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 23:42:11 ID:Q1wOecyt
アドベントすれば、龍騎ライダーの何人かは飛べる。
龍騎、ナイト、ファム、王蛇(エビルダイバー)、オーディーンあたりかな。
680創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 09:06:17 ID:LUh/nSMB
劇場版の最後でサバイブになって飛んでたな

>>676
公式サイトのストーリーによると、今回は家賃を稼ぐために自分から行くらしい
681創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 09:52:27 ID:B96RVwhS
ヴィオラートのアトリエだけど、
主人公のヴィオよりアイゼルの方が強いのかな
682創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 12:27:40 ID:dBHMxu4o
矢部主役のドラマやってたけどあれ何?
683創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 14:31:43 ID:0RsP+neC
トリックのスピンオフ的な感じのドラマだと思う
とりあえず矢部さんの最低過ぎるww
684創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 22:01:30 ID:PRQpJ5NY
>>681
そりゃ、ドラクエで僧侶と魔法使いどっちが強いって聞いてるようなもの
685創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 23:22:54 ID:Hq6CF2Kg
ようやく規制も解除されたのかな

今のところ火種になりそうなのって警察署の大集合フラグ?
686創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 03:02:31 ID:8fbSnhw8
北岡の誤解フラグも地味に広がっていきそうだ
特に詩音あたりに伝わったらヤバい
687創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 03:55:54 ID:0g6uOUW+
北岡先生が一体何をしたって言うんだ!
688創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 12:07:32 ID:7x2Lof4F
カードデッキを置き忘れた
689創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 15:12:22 ID:j4uCtq3+
次にシャドームーンの餌食になるのは誰かな
縁や男主人公たちもやばいかも
690創る名無しに見る名無し:2010/04/13(火) 23:08:41 ID:3hh/ACaD
上田達を追うかもしれんぞ。ターミネーター並みにしつこく
691創る名無しに見る名無し:2010/04/14(水) 21:18:41 ID:HtBZU/eD
今の影月ならわさわざ弱い上田達を追う価値はないってなりそうな気もする

まあかなみがいろいろと言っちゃったから、かなみ目当てで来そうな気もするが
692創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 02:27:37 ID:d2hoi7n+
でもシャドームーンにとって、手応えのある敵って誰がいるの?
龍騎ライダー二体を圧倒したわけだし、トップクラスの連中が集団で戦うくらいしないとダメな気がする
693創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 07:03:08 ID:1BzgwqvT
てつをぶつけるのが1番なんだよな
694創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 12:26:01 ID:mpZ/fLSR
今回てつをさんギャグにもネタにも走ってないけど大丈夫かな
695創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 12:39:21 ID:rZ6T3xZy
狭間は影月並のチートだと思ってたんだけど…
696創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 12:45:41 ID:6U4yoQ4E
イデヲ、てつを、後藤辺りならいけるんじゃねーのー
しかしああいう恐ろしいマーダーは素敵だ
697創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 14:33:10 ID:0oH5qoAN
スペックでは影月に劣るけど、イデオにはランダマイザ(全能力ダウン)という地味に利く魔法がある
698創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 15:19:02 ID:5OriBFiu
能力の多彩さならイデオがダントツ
699創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 20:41:02 ID:waNrJqFM
影月に全能力ダウン魔法とか効きそうにないから困る


L達は亀山死んじゃったけどやっぱり警察署行くのかな
700創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 22:22:07 ID:UlpgAmSX
つっても、イデヲもイデヲで半端ねーからなー
……まあ、こういう勝てる勝てないみたいな話はやめといた方がいいかもねw
701創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 22:36:41 ID:NqdDNZ/Q
てつをRXさえいてくれれば!
702創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 23:03:24 ID:xBResTn6
イデヲはまだ圧倒的な強さの描写が無いからなあ。
影月の方が今は強く見える。実際の所は書き手次第だけど。
703創る名無しに見る名無し:2010/04/15(木) 23:21:13 ID:6QsJWj/i
影月はいざとなったらバトルホッパーとロードセクターに自爆してもらえば何とかなる
てつを涙目というレベルじゃないがw
704創る名無しに見る名無し:2010/04/16(金) 01:56:57 ID:f+ReXuTy
シャドームーンは愛されてるなぁ

>>699
そうなると別の場所行くかもな
展望台にでも行ったら最高に面白そう
705創る名無しに見る名無し:2010/04/16(金) 10:42:05 ID:wrNMnOq5
影月の第一目標はてつをに変わりないんだし、わざわざ来た道バックはしないと思うけど

展望台はまだ後に取っておいた方が…っていうのはメタ視点過ぎるかな
706創る名無しに見る名無し:2010/04/16(金) 10:51:46 ID:BIXmsFdQ
その辺は次を書く人に任せようぜー
いろいろ話してると、逆に書きづらそうだw
707創る名無しに見る名無し:2010/04/17(土) 01:08:51 ID:qDhL1/6K
予約来たあああああああああああああああああ!!
708創る名無しに見る名無し:2010/04/17(土) 22:34:35 ID:n5NgalXd
ここでの死亡フラグって
・シャドームーンor後藤と一緒に予約される
・フライングボードを拾う
・クーガーに会う

以外になんかある?
709創る名無しに見る名無し:2010/04/18(日) 03:06:21 ID:C9+DZHXP
うっかり東條と行動しちゃう
710創る名無しに見る名無し:2010/04/18(日) 17:41:32 ID:TL30S5tw
こなたと遭遇する も地味にフラグじゃね?
711創る名無しに見る名無し:2010/04/18(日) 18:40:10 ID:wpe+vXtW
じゃあ両方と遭遇してる詩音は…
712創る名無しに見る名無し:2010/04/18(日) 19:15:07 ID:tcgn+WED
詩音はロワに出るたびに生き残ってほしいと思うが、
原作が原作なだけにあれなんだよなぁ・・・今回も既に大事な人が逝っちゃったしw
まぁぐぎゃるのも印象に残るからいいんだけどなw
713創る名無しに見る名無し:2010/04/18(日) 21:23:54 ID:wpe+vXtW
今回も皆殺し編からの参戦だから、仮に生還しても死んじゃうんだよな
714創る名無しに見る名無し:2010/04/19(月) 01:13:16 ID:oVlG5fVd
ひぐらし勢の中でも特に関係の深い連中が全滅、本人自体も暴走しやすい、そしてクーガーと一緒
もう悲惨な結末しか見えてこない
715創る名無しに見る名無し:2010/04/19(月) 19:48:55 ID:r/a/fEwc
ここまで悲惨だと逆に……と思わないでもない
716創る名無しに見る名無し:2010/04/20(火) 02:05:22 ID:WSxRkdkT
本人は頑張ってるのに死亡フラグ扱いされるクーガーさんカワイソス
七原もこんな感じだったんだろうか
717創る名無しに見る名無し:2010/04/21(水) 00:41:41 ID:xYxtMiYr
>>713
完結したロワだと一応後日談での選択肢が用意されているから、
生還した場合は別の道を歩む可能性はある
ギャルゲ1の梨花とかニコのレナとか

でも正直生還する可能性は低そうだな…
圭一も同じことがいえるけど
718創る名無しに見る名無し:2010/04/21(水) 21:59:34 ID:FwObBh0k
久々のZE☆N☆RA待機
719創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 00:23:27 ID:knYLFkzz
投下ってもうすぐだよな?
720創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 01:28:56 ID:Zupac2Pd
2時ぐらいに仮投下するらしい
規制中なんで代理投下も頼むとのことだ
721創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 02:47:48 ID:Zupac2Pd
代理投下を始めます
722RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:48:30 ID:Zupac2Pd
 あの胸の痛みは今でも覚えている。
 二度と繰り返すまいと堅く心に誓ったはずだった。
――ならば私は、今まで一体何の為に……



 電信柱のてっぺんに遠方の光景を眺める人影が一つ。
 ジェレミア・ゴットバルト。
 貴族服の男が立つ場所としては実に不釣り合いだが、この男とて伊達や酔狂で立っている訳ではない。
 視線を遠方から己の周囲に移して見回すと不意に動きを止め、飛び降りた。
「奈緒子!」
 特に苦も無く着地し、車の脇で待たせていた人物に声を掛ける。
「わ、びっくりした。 何か見つかったんですか?」
 ジェレミアがモールで調達したベーグルを頬張りつつ、奈緒子が振り返った。
 紙の袋に初め8個入っていたが今現在残りは1個。
 調達した本人曰く「飽くまで非常用食糧なので少しは残すように」との事だったので特に問題無い。
 なお支給品の食糧の方はと言えば、奈緒子に全体の1/3ほど食された上「まずい」と一蹴された。
「立ったまま物を食べるんじゃない、非常識な!」
「あ、歩く非常識のお前が言うな!」
 ジェレミアの説教じみた台詞に対して奈緒子もつい素の口調で返してしまう。
「……二人とも非常識なのは分かったから、奈緒子は座って食べなさい」
 殺し合いの行われている空間から大きく逸脱した会話にアイゼルも口を挟んだ。
 電柱の上に助走も付けずに跳び乗った事は二人から『非常識』と認定されたらしい。

 ジェレミアがわざわざそんな非常識な真似をした理由は各地で起きた爆発にある。
 車がH−7に辿り着いた頃にほぼ同時期に起きたC―7、F−5での爆発。
 どちらも遠目でも普通の爆薬に因る物でないと分かる物だった。
 前者に至っては爆発をある程度見慣れているジェレミアでも“世界の終り”を想起する威力だ。
 C―7での爆発に気付いて直ぐに電柱に上がったジェレミアは、一部始終を見ていた。
 C―7で燃え広がる炎も、F−5の上空から光線が落ちる瞬間も。
 それらを見届けた後周囲の索敵を済ませ、二人に状況を報せるべく電柱を降りたという次第だった。

 ほんの少し前までこの三人の行き先の候補として挙がっていたのはG―10の遊園地。
 理由はシンプルで、爆発が起きたからルルーシュが居るかも知れないからという事だった。
 しかし各地の爆発により遊園地に向かう理由は殆ど無くなり、かと言って他に行く充ても無く――
――話し合った結果三人はその場、H−7の静謐な市街地にて放送を待つ事になった。
 V.V.の言葉を信じるなら放送内容は犠牲者の数だけだが、それはつまり会場全体に関わる情報。
 少なくとも目的地を決めるに当たって参考にしても良いと判断されたのだ。

 定刻を待つ間、三人は相変わらずの気が抜けるような会話を続けた。
 他の参加者との接触が少なかった故に殺し合いを実感出来ていないから、というわけではない。
 ここが戦場で今も参加者同士が殺し合っている事を重々承知した上でのやり取りだ。
 それは三人に余裕があるからでも危機感が足りないからでも無く、恐らく――



 パキャ

 五十音順で並べられた内の最後の名前が読み上げられた時、ジェレミアの手の中で鉛筆が砕け散る。
 静寂――より正しくは無音のその場所で、誰も身動き一つ取れずに唯立ち尽くした。

723RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:49:30 ID:Zupac2Pd




 アイゼル・ワイマールは車内で、最後の1個のベーグルを齧りながら考える。
 逃がしてしまったあの白髪の男は今頃どうしているだろうかと。

 あの男が危険人物だと知りながら野放しにした。
 亡くなった16人の中にはあの男に殺された人も居るのかも知れない。
 ルルーシュがそうだという可能性も――低いが、考えずには居られなかった。
 そして仮にルルーシュが関係していなかった所でアイゼルの過失は変わらない。
 あの男は今も他の参加者を襲っているのだろう。
 分かっていた事ではあっても、放送で読み上げられた名前1つ1つが重かった。

 それに、アイゼルが後悔している事はもう1つ。
 ジェレミアと奈緒子の抱く焦燥や不安に気付かなかった事だ。
 下らないとも言える会話にうんざりしながらもアイゼルは心根では楽しんでいた。
 だがあの二人にとっては不安を紛らわす為の物で、それどころでは無かったのかも知れない。
 ジェレミアは言わずもがな奈緒子も上田という人物を、口では色々言っていたが心配していた。
 知り合って数時間の相手では心の機微が分からなくても無理は無い。
 それでもアイゼルは二人の姿を見て、もう少し早く気付けなかったのかと考えてしまう。

 後悔するだけ後悔した後、アイゼルは気持ちを切り替えた。
 今は自分がしっかりしなければならない。
 二人に対し「協力を惜しまない」と言ってしまったのだから。
 ルルーシュを亡くしたばかりのジェレミアと未だ上田を探している奈緒子。
 自分は知人の心配をしないで良い分だけ気楽なのだから、せめて暗い表情にならないようにしよう。
 あの食い意地の張った奈緒子がベーグルをくれたという事は、表情に出ていたに違い無いのだ。
 それに奈緒子に弱った顔を見られるのは嫌だった。
 それは多分奈緒子がエルフィールやアイゼルと近い年頃で、彼女を思い起こさせるせいだろう。
 だから初対面でさん付けで呼ばれているのに、奈緒子の事を呼び捨てにしてしまうのかも知れない。

 考えている内にベーグルを食べ終わる。
 それなりに美味しかったが、ヴィオラートの作った(成功した時の)チーズケーキには及ばなかった。
――エルフィールとヴィオラートを逢わせたら、二人ともどんな顔をするかしら。
 エルフィールには数年来会って居ないが、きっと彼女は変わっていないだろう。
 アカデミーの泥棒騒動や夏祭りの見物。
 学生だった頃の楽しかった思い出が蘇って来るが、直ぐに振り払う。
 全部此処から帰ってから。
 その後でなら――久しぶりに会いに帰ってもいいかも知れない。



 ジェレミア卿も奈緒子もちょっと危なっかしいけど、仕方無いわね。
 三人旅は慣れているし……いいわ、私が面倒を見てあげるから安心しなさい。

――それにしてもあのベーグル、ジェレミアさんに無断で食べて良かったのかしら?




724RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:50:40 ID:Zupac2Pd
「ブイツーって子が本当の事を言ってるとは限りませんよね?」
 恐る恐る奈緒子が沈黙を破る。
 放送が真実かどうか判断するには情報が少な過ぎる。
 しかし真偽に関わらず各地で起こる爆発を見れば殺し合いが行われているのは明らかだった。
 そんな中で戦闘手段皆無の奈緒子と戦いを好んでいないアイゼルだけでは生き残るのは不可能だ。
 故にジェレミアには冷静で居て貰わねばならない。
 そう考えた上での発言だったが、ジェレミアは首を横に振った。
「V.V.は嘘を嫌う。 本人が言っていた通り、あの放送に嘘は無い」

 ジェレミアはV.V.の「最後の一人は無事に帰す」という言葉を信用出来なかった。
 殺し合い等という物を開催した張本人の言葉なのだから当然だ。
 しかしジェレミアはV.V.率いる嚮団の下で1年過ごしており、V.V.が嘘を嫌うのを知っている。
 更にV.V.はその信条をわざわざ放送の中で口にした。
 V.V.がそれを破ってまで放送を偽る程のメリットは見付けられない。
 それに「ルルーシュは絶対に死なない」と言い切れるかと言えば、……無理だった。
 詰めが甘い。見通しが甘い。身内に甘い。イレギュラーな事態に弱く体力が無い。
 幾ら優秀な頭脳とギアスを持ち合わせていても常に死線と隣り合わせ。
 それらを承知していたからこそジェレミアは合流を急いでいたのだ。

 ジェレミアは放送の真偽を考察出来る程度に冷静だった。
 それはナリタ、そしてブラックリベリオンで激情に身を任せた事でかなり痛い目を見た為に。
 人が生涯をかけて経験するであろう成功と挫折、アップダウンを僅か1年の内に味わった為に。
 だがそれらはこの場に於いてプラスに働いているとは言えない。
 いっそ逆上していれば「それでもあの御方が亡くなられるはずが無い」と現実逃避出来たのだから。

「そうか。 ルルーシュ様は、亡くなられたのだな」
 改めて言葉にするとそれは心に重く響き、低い声には自然と諦めの色が滲んだ。
 アイゼルは「先にクルマに戻っています」と奈緒子の手を引いてその場を離れる。
 奈緒子はジェレミアに何か問いたげに視線を送っていたがそのまま引きずられていった。
 俯いたジェレミアの目は虚ろで、恐らくアイゼルの声も奈緒子の視線も届いていない。
 ジェレミアは暫くの間茫然としていた。 茫然としている事しか出来なかった。

 ジェレミアの運の悪さは筋金入りだった。

 敬愛した主君マリアンヌはジェレミアが上からの命令で警備から離れている間に。
 エリア11で仕えていたクロヴィスはジェレミアが当人の命令で前線に出ている間に。
 そして今回、ルルーシュはジェレミアが捜索に奔走している間に。
 護りたいと思っていた相手は悉く手のジェレミアの手の届かない場所で命を落とした。
 死を看取る事さえ許されない。

 ここまで、余りに多くの事があった。
 屈辱を知り、死の淵に立たされ、傀儡となり。
 だが結果は9年前と何も変わらない。
 純血派、代理執政官、機械の身体、ギアスキャンセラー……何の役にも立たなかった。
 変わった事と言えば涙を流す眼が片方だけになった事だけだ。

 あの胸の痛みは今でも覚えている。
 二度と繰り返すまいと堅く心に誓ったはずだった。
――ならば私は、今まで一体何の為に戦って来たのだ……!


725RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:51:50 ID:Zupac2Pd
「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 努力が足りなかった訳では無い。
 覚悟が足りなかった訳でも無い。
 ただ決定的に、この男には運が無かった。




 山田奈緒子はアイゼルの隣で、デイパックを覗き込みながら考える。
 超能力も超常現象もあるはずが無いと。

 自称超実力派天才マジシャンの奈緒子は幼少時から笑うのも冗談を言うのも苦手だった。
 飼っている亀と鼠しか友達が居ないのも笑い方が奇妙なのも、そこに原因があるのかも知れない。
 その奈緒子がデイパック――本来の持ち主に断り無く自分の物にしてしまった――を観察している。
 奈緒子は霊能力も超常現象も信じない、正しくは「信じたくない」。
 それは奈緒子が幼い頃に亡くした、大好きだった父の遺志を継ぐ為に他ならない。
 例え売れなくてもしつこく手品師を生業にしているのもその為だ。
 故に容量の明らかにおかしいデイパックも奇術を使っているだけに違いないと考えていた。

 しかし困った事に幾ら覗けどデイパックの構造はさっぱり分からない。
 そればかりでなく、ジェレミアの言うKMFだとかアイゼルの言う錬金術だとか――
 普段耳にしたら間違いなく出来過ぎた嘘だと判断しているような話ばかりが車内に飛び交っていた。
 しかも「嘘くせーのが嫌い」と自負する奈緒子だが、二人が言う事は全く嘘臭く無かったのだ。
 もしデイパックに何のトリックも使われていなかったら。
 もしジェレミアとアイゼルが嘘を吐いていなかったら。
 もし、自分がその事を認めてしまったら。
 それは父を否定する事になるのではないだろうか。
 黒門島の出身だと言う連中を相手にする時と同じ不安が過る。

 そこで奈緒子は、改めてデイパックの構造や諸々の問題を考えるのを後回しにした。
 考えていても結論は出そうに無い。
 それに、こんな時は案外上田が物理や化学を使ってすんなり解決してしまっているかも知れないのだ。
 取り敢えず生きては居るようなので、その辺りは任せる事にしよう。

 隣に座るアイゼルは、理由は分からないが放送以降沈んでいた。
 何とか慰めようと最後の1個のベーグルをあげてみると少し落ち着いたようだった。
 奈緒子のその行動には勿論、恩を売ってうにをゲットするという下心が満ちている。
 その為ならジェレミアに「少しは残すように」と言われたベーグルの消費も厭わない。
 それがジェレミアが密かに楽しみにしていた物だとは知る由も無いとは言え、奈緒子は無責任だ。
 しかしアイゼルの感想は「まあまあね」という程度で奈緒子の試みは空振りに終わった。

 アイゼルはうにをホムンクルスだと思っているのだから食べさせてくれる訳が無い。
 だがそれでも奈緒子は諦めず、放送前からしつこくせがんだ。
 その執念にはアイゼルもジェレミアも「何故そこまで食べ物に拘るのか分からない」と引いていた。
 貴族二人には多分、パンの耳にドレッシングを掛けて食い繋ぐ気持ちは説明しても伝わらないだろう。
 その辺りに関しては、アイゼルとは和解出来そうにない。
 ただ友達が一人も居ない奈緒子にとって――アイゼルとの会話は新鮮だった。

 そして外で背を向けて立って居るジェレミアの方を見やる。


726RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:52:43 ID:Zupac2Pd
 具体的に何を考えているのかまでは分からないが、前向きな事を考えているとは思えない。
 インチキ超能力者の奇術を推理で暴いても何の解決にもならない――
 そんな後味の悪い事件に何度も出遭って来たからか何となく嫌な予感がした。
 ジェレミアもアイゼルもここから脱出してしまえば何の縁も無い他人に過ぎなくなる。
 だけど多分一人で助かっても良い気分じゃないだろうなと、ぼんやり考えた。
 ジェレミアには確認する事が出来てしまった事もあって、しっかりして欲しいと奈緒子は思う。

 そのジェレミアを見ていてつい、上田の姿を思い出した。
 多分身長が同じぐらいだからだろう。 ついでに尊大な態度。 大人げない、理屈っぽい。
 その辺りで、幾らジェレミア相手でも上田と一緒にしたら失礼だと思い直す。
 そして先程からちょくちょく上田の事を考えている事に気付き、何となく嫌な気分になった。



 それでも上田さん、どこに居るんだろう。
 上田さん――あんまり心配させないで下さい。
 私……上田さんの為なら何だって――

――とでも言うと思ったか、馬鹿上田!
 どうせ今頃、怖い目にでも遭って私の事なんてすりっと忘れてるんだろ!
 この臆病者! 巨根! 童貞!



 車に戻ったジェレミアは遅れた事を謝罪すると直ぐに今後の方針について切り出した。
 ……その平然とした態度が、逆に二人の不安を煽るのだが。
 ともかく三人はまず共通の目的――生存と脱出を確認し合い、単独行動は絶対に避ける事を決めた。
 後者はジェレミアが強く主張した事だ。
 恐らく合流を待たずに命を落とした主君あっての主張なのだろうと二人は察し、素直に頷く。
 そして上田を探す為目的地は展望台になった。
 この会場内で最も目立つ建物の一つでもあり人探しをするには都合が良いという判断だ。
 進路は9時から禁止エリアとなるG―7は避け代わりにG―8の病院を通る事にした。
 なるべく地図上の施設を経由した方が上田と接触出来る可能性も上がるだろう。
 そうして一通り決めるべき事を決めると車は走り出す。

 車が徐々に速度を上げる中、奈緒子は気に掛かっていた事を確かめる事にした。
「そう言えばジェレミアさん、ブイツーと知り合いだったんですね」
 少し間を置いて「ああ」とジェレミアの生返事があった。
 ジェレミアは放送の後に失言をしていた事を思い出し、思索する。
 今後もこの二人と同行すると決めた以上どの道話す必要のある案件だったので焦る事は無い。
 問題はどこまで話すかだが、余計な疑心を抱かれては困るので同じ組織に居た事は伏せ

「もしかして同じ組織の人だったりします?」

 悲鳴のような甲高い摩擦音で車に急ブレーキが掛かった。
 運転席から振り返ったジェレミアのみならず奈緒子の隣に座っていたアイゼルも目を丸くしている。
「エヘヘヘヘヘ」
 二人の反応に満足したように、奈緒子はいつも通りの不自然な笑いを零した。

 ルルーシュとV.V.が知り合いで、ジェレミアとルルーシュが知り合い。


727RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:53:41 ID:Zupac2Pd
 この時点でジェレミアとV.V.が知り合いでもおかしく無かった。
 そして知り合いというだけでなく『同じ組織』という可能性を考えたきっかけは、服だった。
 V.V.による殺し合いの宣言の直後、豪奢なホテルで奈緒子はジェレミアに出会う。
 だからこそ気付いたと言える部分もあるかも知れない。
 白、それに青紫を基調にした金の縁取りの服。 首にはスカーフ。
 ジェレミアとV.V.の服は似ていた。
 アイゼルと会った時もジェレミアの時と同様に「劇団の人」と称してしまったが、方向性が違う。
 ルルーシュやC.C. が全く違う服を着ていた以上、同じ世界に住んでいたからという理由でも無い。
 加えてV.V.の服の両袖には『V』の字を膨らませたような模様が付いていた。
 それを逆さまにするとジェレミアのコートの背の意匠と一致する。
 そこへ放送後のジェレミアの言葉があり、ジェレミアとV.V.の関連に確信を抱き確認に至ったのだ。

 そこまで説明すると、奈緒子はジェレミアを真っ直ぐ指差す。

「ジェレミアさんの考えは、全部まるっとお見通しだ!」

 ジェレミアとて悪戯にこの事を黙っていた訳では無く相応の理由があった。
 しかし伏せていた事が知られてしまった以上、今二人からは不信感を抱かれているはずだ。
 ここでV.V.と仲間では無いと証明出来なければこの二人からの信用は

「でも今は仲間じゃないんですよね」
「確かにジェレミア卿とV.V.が仲間なら、ルルーシュさんが参加している訳が無いわね。
 私達に黙っていたのはV.V.の仲間だと思われると困るからかしら?」
「ルルーシュさんと合流出来たら私達と別行動するつもりだったから、必要無いと思っていたとか」

 度肝を抜かれた。
 どうやら最低限の信用は得られていたらしいが、驚きの理由はそちらではなく。
 奈緒子の推理に対しジェレミアと同様に驚愕していたはずのアイゼルまで一緒になって考察が進む。
 しかもどれも正解だった。
 ただし、付け加えるなら――
「ジェレミア卿の表情からすると、大体合ってるみたいね」
「じゃあブイツーについて知ってる事を教えて貰いましょうか……
 あ、でも別に今説明してくれなくても良いです。 もっと落ち着いてからで。
 ミレニアムをあげます」
「モラトリアムだろう」
「……それだ!」
「全然違うじゃない」
――今まで二人にV.V.に関する情報を伏せていた最大の要因は、首輪。
 放送で死者の名を読み上げるという事は参加者の動向を把握しているという事だろう。
 嚮団の技術ならこのサイズの首輪に盗聴器を仕掛けるのは容易い。
 筆談という手もあるが視覚情報まで筒抜けという可能性も拭えない。
 ともすれば首輪を爆破され兼ねない状態でV.V.本人の情報を他人に渡しても良いのか。
 ジェレミアはまだ決め兼ねている。
 よって奈緒子の申し出――『猶予期間』の内に決める事にした。

 ジェレミアは既に奈緒子の推理力もアイゼルの柔軟性も知っていた。
 特に奈緒子に関しては初めに抱いた『民間人』という評価は大いに間違っていたと思っている。
 だがそれでもまだ彼女達を過小評価していたらしいと、ジェレミアは反省した。
 この二人は守られるだけの一般人ではなく、ここを脱出する為に協力する相手だと認識を新たにする。


728RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:54:30 ID:Zupac2Pd
 同時に二人からの信用に応えるべく、無事元の生活に帰す決意を固めて再びアクセルを踏み込んだ。

 不安を、後悔を、絶望をそれぞれが抱えながら、何事も無かったかのように車内は元の空気に戻る。
 心の内の後ろ暗い感情を知られずに済めば良いと、それぞれが思っていた。




 ジェレミア・ゴットバルトは一頻り泣いた後、涙を拭って考えた。
 命を落とした主君の為に、自分に何が出来るのかと。

 まず湧き上がった感情は、憎悪だった。
 年若くまだ成すべき事が残っていた主君の無念を想い血が滲む程拳を握り締める。
 ルルーシュの命を奪った参加者を見つけ出し、殺す。
 それはかつての恩人であるV.V.も変わらない。
 マリアンヌの事件に関わりが無かったとしても最早生かしておけるはずが無かった。
 コードを奪うのは骨だが――奪えなくとも手足を縛って海に沈めてやるだけだ。

 次いで気に掛かったのはナナリーの安否だった。
 ナナリー・ヴィ・ブリタニア――マリアンヌの第二子。
 ブラックリベリオンの最中にV.V.に連れ去られたルルーシュの実妹。
 現在はエリア11の総督の地位に就き、『ゼロ』であるルルーシュとは対立する位置に居る。

 ジェレミアがこれから参戦しようとしていた『第二次東京決戦』の目的は彼女の確保だった。
 だが今は指揮官のゼロも前線に出るジェレミアも、総督確保に向かうロロも咲世子も居ない。
 ブリタニア軍主戦力たるスザクも居ないとは言え騎士団の敗色は濃厚だ。
 恐らくナナリー奪還は失敗し、彼女は安全の為ブリタニア本国に帰されるだろう。
 それなら心配は要らないが、もし騎士団がナナリー確保に成功したら――
 日本解放の交渉材料に使われるのだろうが、それが決裂した場合ナナリーにその価値は無くなる。
 そうなればゼロが居ない騎士団に身を置くのは危険だ。
 万一ではあるが、その時の為に一刻も早くこの殺し合いの場から帰還せねばならない。
 そして出来る事ならルルーシュの遺体を回収し、彼女の下に届けてやりたかった。
 東京決戦の後、1年振りの再会をするはずだった兄妹――だがそれはもう叶わない。
 ならばせめてと、ジェレミアは思う。

 その先は――何も無い。

 どの道騎士団に帰るつもりは無かった。
 もしルルーシュが騎士団を離れる事があればジェレミアも離脱する、その程度の場所だ。
 そしてジェレミアは1年前死亡した事になっている為ブリタニア軍やゴットバルト家には戻れない。
 嚮団等以ての外だ。
 ナナリーもジェレミアにとっては本来謁見すら叶わぬ相手であり、彼女に仕えるのも不可能だ。
 第一母も兄も守れなかった男がナナリーの傍に立つ事を許されるはずが無い。
 つまりナナリーの件さえ済めば、ジェレミアには他に何も残っていなかった。
 自分の生きる意味も価値も、ジェレミアは見失った。


729RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:55:26 ID:Zupac2Pd
 ルルーシュの死によってジェレミアが生きる理由を失うのは無理からぬ事だ。
 そもそもイケブクロでルルーシュの真意を確認した時点で、思い残す事は無かったのだ。
 だが今後生きる理由が無い事はこの場に於いて必ずしもマイナスに働いているとは言えない。

――それは即ち全て終わらせた後、何の躊躇も無く主君の後を追えるという事なのだから。

 前向きか後ろ向きかはともかく一通りの気持ちの整理は付けた。
 呼吸を整えて表情を作り、いつの間にか居なくなっていた二人を追う形でジェレミアも車に向かう。
 その時ふとV.V.の「何か願いを叶えてあげる」という言葉を思い出した。
 「何か」に死者の蘇生は含まれているだろうかと一瞬だけ考えを巡らすが直ぐに否定する。
 幾ら嚮団の技術が後ろ盾にあってもそれは不可能だ。
 それにV.V.に頭を垂れる事をジェレミアが構わなくとも、ルルーシュ自身が許さないだろう。
 しかも最後の一人になるという事は、と車の後部座席の方を見やる。
 ルルーシュを「甘い」と称したジェレミアだが、この点に関しては人の事を言えなかった。

 改めて車に戻る。
 戻りながら――ジェレミアに信仰する宗教は無いが――祈らずにはいられなかった。



 今はただ、マリアンヌ様を亡くされたあの日から茨の道を進んで来たあの御方に――
――どうか安らかな眠りを。


730RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 02:56:08 ID:Zupac2Pd
【一日目朝/ H−7 市街地】

【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ】
[装備]:無限刃@るろうに剣心
[所持品]:支給品一式、うに(現地調達)、不明支給品(0〜2)
[状態]:軽傷
[思考・行動]
1:うに、ジェレミア、奈緒子と一緒に脱出!
2:ジェレミアと奈緒子に協力を惜しまない。
3:次に白髪の男(雪代縁)に会うことがあったら見逃さない。
4:奈緒子にうには渡さない。
[備考]
※自分たちが連れてこられた技術にヘルミーナから聞かされた竜の砂時計と同種のものが使われていると考えています。
※うにのことをホムンクルスだと思っていますが、もちろん唯のウニです。
※ジェレミアの説明で、電気や電化製品について一定の理解を得ました。
※白髪の男(雪代縁)を危険人物と認識しています。
※ジェレミアと奈緒子の知り合いに関する情報を聞きました。

【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]ミニクーパー@ルパン三世
[所持品] なし
[状態]右半身に中ダメージ、疲労(中)、精神的疲労(特大)、左腕の剣が折られたため使用不能
[思考・行動]
1:アイゼル、奈緒子と協力して元の世界に帰還する。
2:ルルーシュを殺した参加者とV.V.を殺す。
3:アイゼルと奈緒子にV.V.の情報どの程度伝えるか決める。
4:V.V.に9年前の事件について聞く。
5:アイゼルが住んでいた世界について聞く。
6:ルルーシュの遺体を探し、ナナリーの下に送り届ける。
7:全て済ませた後、ルルーシュの後を追う。
[備考]
※参戦時期はR2、18話直前から。ルルーシュの配下になっている時期です。
※奈緒子とアイゼルに知り合いについて簡単に説明しました。
※白髪の男(雪代縁)を危険人物と認識しています。
※ギアス能力以外の特殊能力の存在を疑っています。


731RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 03:00:24 ID:Zupac2Pd
【山田奈緒子@TRICK】
[装備]なし
[所持品] 支給品一式(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×3@コードギアス 反逆のルルーシュ、こなたのスク水@らき☆すた
[状態]健康
[思考・行動]
1:とりあえず上田を探す。デイパックの構造については上田に任せる。
2:ジェレミアとアイゼルにしばらく同行。危なくなったら逃げる。
3:もう危険な目に遭いたくない。
4:今は腹八分目。でもアイゼルのうにを食べる。
5:ジェレミアにお礼を言いそびれた。……まあいいか。
[備考]
※ジェレミアとアイゼルに知り合いについて簡単に説明しました。
※ジェレミアを(色々な意味で)凄く変で非常識な人物と認識しています。いい人なんだけど……。
※白髪の男(雪代縁)を危険人物と認識しています。
※ジェレミアのデイパックを本人に無断で私物化しました。
※ジェレミアがモール内でベーグル@現実を補充していたようです。他にも何かあるかも知れません。


【ベーグル@現実】
 外側はカリッと、内側はもっちりとした歯触りの普通のベーグル。
 8個入りだったが奈緒子とアイゼルが完食。


732RIP ◇.WX8NmkbZ6 代理投下:2010/04/22(木) 03:01:21 ID:Zupac2Pd
投下終了です。
誤字脱字や問題点があれば指摘して戴ければ幸いです。
投下が遅れこんな時間になってしまい本当に申し訳ございません。
どなたか代理投下をお願い致します。

代理投下を終了します
733創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 04:50:02 ID:Zupac2Pd
投下乙です
ジェレミアは踏み止まったか
それでも死ぬために生きるというのは物悲しいな
生きる目的を失ったから仕方ないのかもしれないけど
山田は推理の手際は良かったが、その食い意地は自重しろw
でも、いざ本物の超能力を目にしたらどんな反応するのかは気になるな。ちょうど病院にはクーガーが居るだろうし
アイゼルは集団の纏め役になるのはいいが、まずは山田からうにを守ろうw
3人の結束が強まったのはよかったけど、図らずもつかさ達の目的地である病院に向かうことになったか
ルルーシュの死の原因がギアスだと知ったらジェレミアはどうするんだろう
734創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 14:44:13 ID:1GeIyQaj
投下乙です
ジェレミアはどうするかと思ったが…哀しいな…
奈緒子とアイゼルもいいなぁ
しかしうにがw
そして病院だと? これは…
735創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 23:17:06 ID:bhtpQmt6
遅くなったが投下乙です!

この期に及んでwwうにwww自重しろ山田www

三人のキャラに対する解釈が、それぞれ深くてちょっと感動した
ジェレミアの昏い決意とかアイゼルの郷愁とか、
描き方がすごく鮮やかだと思う
736創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 23:59:54 ID:knYLFkzz
投下&代理投下乙!
ジェレミアからは抜け殻みたいな印象を感じる、死ぬために生きるって悲しいな……
でも暴走してマーダー化しなかったのはすごい立派なことだと思う
死んだルルーシュの考えを汲んでいるわけだし
ルルーシュは本当にいい部下を持った
他の二人の心理描写もすごい深くていい、綺麗な感じ
つか上田ってあの年齢で未だに童貞だったのかww
もう魔法使いなんじゃね?

それにしてもまた北岡グループは敵が増えたなー
対主催で本人たちもいい人なのに、対主催からもマーダーからも狙われてる
奇しくも目的地は同じ病院だし、また一波乱ありそうだ
こう見ると改めてルルーシュの影響って大きかったんだなぁ
737創る名無しに見る名無し:2010/04/23(金) 21:33:27 ID:/RdG0ThX
北岡先生の不運まとめ
・ゲーム開始早々マーダー(レイ)とニアミス
・デイパック紛失
・契約者=バカ生真面目お人好し
・錯乱つかさに遭遇/(^o^)\
・と思った浅倉にも遭遇\(^o^)/
・レイがエンドオブワールド発動、誤解フラグいっぱい
・L3圭一と遭遇でさらに拡がるフラグ
・病院…だと…?! ←今ここ
738創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 00:06:03 ID:yELefH6k
まだ終わらんよ
739創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 11:54:09 ID:VdPeaK/I
詩音と北岡はまだ用語集に入らないのか
740創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 14:36:21 ID:A/pCNkiS
ロロもルルーシュ殺したのがつかさだとわかったら、
狙ってきそうだしな
741創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 22:22:14 ID:5OgFuqM6
>>739
まだだ、真のバトロワ不幸はこんなもんじゃない
北岡と詩音はまだまだ不幸になれる素質がある
742創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 22:46:41 ID:gI+hN6vh
不幸を期待される北岡先生と詩音カワイソスww
743創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 23:21:08 ID:7SzIjOHF
というか、別に北岡不幸でもないんじゃね?
744創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 23:47:08 ID:5OgFuqM6
不幸というより危険か
エンド・オブ・ワールドと、ルルーシュ死亡の原因
その両方の犯人扱いされ、情報はどんどんと広がる可能性がある

現状ですら水銀燈、スザク、狭間、桐山、蒼星石、カズマ、浅倉、レイ、圭一に誤解され、
今後の展開次第ではジェレミア組や他のギアス勢、ひぐらし勢とも敵対しかねない
745創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 19:30:57 ID:DFIilqp/
>>736
上田に限らず、このロワ童貞のヤツ多いよな
童貞というか童帝なやつが二人ほどいるし
746創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 20:59:34 ID:o/yhhLfK
童帝ww
とりあえず一人はイデヲ?
もう一人は誰のことだろう
747創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 21:18:11 ID:iGTCdx9x
ヴァンとルルーシュだろ
748創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 21:47:46 ID:ZdayQZdh
逆に経験豊富なのは三村とルパンだろうな
749創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 22:14:50 ID:nOEe/an7
白昼堂々ファサリナさんとセクロスしてたミハエルのことを俺は忘れない
750創る名無しに見る名無し:2010/04/26(月) 17:10:26 ID:Mc+2pUy6
サイトもそうだったよね
何回か未遂あったけど
北岡も誘い口調から多少はありそうだけど
751創る名無しに見る名無し:2010/04/26(月) 17:44:13 ID:m1lqcd8C
参加者内で既婚者もしくは結婚経験ありなのは右京さん、亀山さん、レイ兄さん、剣心、斎藤の5人か
既に3人がお亡くなりになってるな
752創る名無しに見る名無し:2010/04/26(月) 19:15:09 ID:Mc+2pUy6
北岡「私と、男と女の時間を過ごしませんか?」
……龍騎、子供番組じゃねえよww
753創る名無しに見る名無し:2010/04/26(月) 22:19:21 ID:qpjM3XuP
そういや支給品でベルデのデッキがまだ登場していないな。
754創る名無しに見る名無し:2010/04/27(火) 00:57:11 ID:dTBLri9E
おいおい、童貞といったら織田様だろ
まぁでも他の連中と違って、織田様の崇高な思考に他の連中が付いてこれないだけだが
755創る名無しに見る名無し:2010/04/27(火) 07:30:47 ID:rJRlf/62
タカビー女の貴子、ぶっちゃけ障害者の桐山と違って織田様こそ真の孤高の男
756創る名無しに見る名無し:2010/04/27(火) 17:45:34 ID:G39/rmdF
そう、織田様は孤高の男。だから死んでも誰にも影響を与えないぜ!
蒼星石にもスルーされたし・・・・・・織田様(´;ω;`)ブワッ
757創る名無しに見る名無し:2010/04/27(火) 20:00:26 ID:V0aXM4Kg
高貴な男は欲に溺れないのか
758創る名無しに見る名無し:2010/04/28(水) 01:20:50 ID:9ox0DyRT
>>754-757
死者スレから出張ご苦労様です、織田様
759創る名無しに見る名無し:2010/04/28(水) 05:41:14 ID:NKiOiT/Q
北岡先生とクーガーが用語集に追加されてるw
書いた人GJ
760創る名無しに見る名無し:2010/04/28(水) 17:36:34 ID:YprVcahu
本屋に有ったドンと来い超常現象2010を初めて見たけど
上田の大学時代さわやかすぎワロタwww
これで童貞とかねーよw
761創る名無しに見る名無し:2010/04/29(木) 01:52:29 ID:GxhGHWHX
ドン超が売ってることすら知らなかったww
2010ってことは最低でも二冊以上あるのか
762創る名無しに見る名無し:2010/04/29(木) 04:58:03 ID:KGuJFm24
>>760
上田「大きすぎるのが悪いんだ……」
763創る名無しに見る名無し:2010/04/29(木) 12:10:30 ID:PCYmpKYh
きっと小心者すぎたんだ
764創る名無しに見る名無し:2010/05/01(土) 00:27:33 ID:TdOxsO/T
来週の矢部刑事のスピンオフドラマに山田が出るので今からwktk

山田のトランプとか縁の倭刀も支給品に出てないな
あとはDS関連
765創る名無しに見る名無し:2010/05/01(土) 01:52:36 ID:0YRl9avy
今までで出たのは詳細名簿に探知機か
他に出せそうなのといったら、支給品探知機とか?
766創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 04:50:44 ID:qCsu9cly
ここで一番悲惨な死に方したのって誰だろう
767創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 05:03:50 ID:dJ1cKDvo
銭形
768創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 08:06:24 ID:oOonh0iT
ルルーシュ
769創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 09:59:21 ID:9qeXh1X2
織田様
770創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 15:16:12 ID:Wwcw6MIy
剣心
771創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 19:22:45 ID:qCsu9cly
銭形と剣心はほとんど抵抗できずにズガン
ルルーシュは洗脳相手に殺されて、織田様は同じ相手に二度殺される、か
772創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 01:24:09 ID:u2HCbGS7
才人も悲惨じゃね?
773創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 09:36:47 ID:ZswZ+4wI
剣心はバトロワではあんまり活躍できないだな
頭脳もそこまでじゃないし
774創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 11:17:30 ID:ENN/7p0S
原作で頭の回転は速いとは言われてるんだけどな
775創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 15:01:17 ID:K+njFL9m
一定以上の実力が有れば、誰を活躍させるかなんて作者補正次第だ
776創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 21:20:18 ID:u2HCbGS7
剣心は相手と支給品が悪かった、それに尽きると思う
777創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 00:11:44 ID:cpPbHsYG
書き手的には、扱うのを避けたい何かがあるんだろうなぁ>剣心
778創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 00:33:00 ID:DhPVCG9S
他者を殺せるだけの実力はあるのに、剣心自身は不殺を貫く
キャラ的には最高だけど、だからこそ扱いにくいのかもしれないな
でも剣心死亡で少なからず他のるろ剣勢に影響あるわけだし、いい仕事してくれたと思う
779創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 01:13:39 ID:VoKJYkW6
ここの面子ならジャンプレーベルみたいに抜刀斎時代から参戦も面白かったかも
780創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 11:37:01 ID:YLOcCctQ
剣心は強対主催だけど弱点沢山で殺しやすいから動かしにくくなる後半より最初に殺しといた方がいい
781創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 17:40:19 ID:odFi0qjv
>>777
別にジャンプ1stで普通に残ってたから、そんなものはないんだろ。偶然だよ偶然
782創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:15:27 ID:zb0aEpTy
剣心は犠牲になったのだ……
783創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 07:47:20 ID:HqlZZbpu
るろ剣勢の犠牲で達人と超人の間に超えられない壁が出来たなw
クーガーはどっちなんだろ
脚部限定だと達人領域っぽいが
784創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 21:59:39 ID:6axMDlP/
ロワだと実力よりも迷いや容赦が無く
弱者とかマーダーを簡単に切り捨てられるような
情に流されない判断が出来る精神を持つ者が生き残りやすそうだよね
785創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 22:21:58 ID:acftmqxo
つまり、そういう精神と戦闘力を合わせ持っている後藤とか影月はヤバイと…
786創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:10:38 ID:2hmFzrnA
原作でもそんな感じだったしなぁ
滝口辺りは相馬を見限っていれば、もう少し生き残れたと思う
どっちにしろ桐山にやられてただろうけど
787創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 18:44:22 ID:oXkxBRi9
だが、三村は原作で飯島を撃ったのが死に繋がった
788創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:34:45 ID:CtGo2a2q
>>784
優勝というか全滅させたENDかました冥王とかまさにそのタイプだな
789創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:42:08 ID:4RA+14Hy
>>784
怪魔界50億人の民全滅ENDかました仮面ライダーとかまさに……
790創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:22:21 ID:tbICh05e
>>787
結論 桐山最強
791創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 17:33:08 ID:8AfYLovF
ところで多ロワのラジオとか予定あった?
792創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 18:16:26 ID:+wPzMn8e
ラジオなら去年の9月にやった
793創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 19:44:22 ID:xGwwIStS
みんなで無念に過去ログが残ってる。
DSの応用案とか出て結構盛り上がったよな
794創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 15:35:36 ID:16g54a9V
トリックの映画見てきた
馬wwwwwww
795創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 15:47:59 ID:p8iLiMDX
お前、ネタバレすんなよ!
ネタバレしたらお前の家にシャドームーン向かわせるぞ!
796創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 21:44:13 ID:16g54a9V
スマソ
でも、まさか一文字でネタバレに抵触するとは思わなかった
797創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:36:17 ID:16g54a9V
一文字でもネタバレがあるぞ

「仮面ライダーTHE NEXT」
一文字は最後にリジェクションで死ぬ
798創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:19:16 ID:+N6E88BK
誰が上手いこと言えとwww
799創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:33:37 ID:oPBBMdyi
いや、こっちこそすまなかった
ちょっと王蛇さんのガードベントになってくる
800創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 17:57:59 ID:fRWe/5dT
いいな
俺もガイに変身したい
801創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:29:20 ID:+N6E88BK
予約ktkr
802創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:41:03 ID:wfbE9cfp
剣心死亡で一番影響受ける人がきたw
803 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:24:50 ID:U+ktyfSC
雪代縁を投下します。
804 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:26:05 ID:U+ktyfSC
 道の真ん中に、白髪の青年は突っ立っていた。
 その年齢に見合わない色の髪は先の戦闘で乱れたままだが、青年――雪代縁が気に掛ける様子は無い。

「そうか……そういう事なんだネ、姉さん。
 緋村剣心はもう死んダ……」

 縁はただ道の先の虚空に向かって淡々と言う。
 話し掛けるというより呟くといった方が近い、そんな小さな声だった。
 俯き加減の表情は前髪と黒眼鏡に隠れ、口元以外うかがえない。

 その奥の虚ろな瞳が映すのは、在りし日の姉の姿だった。



 縁が姉の緋村巴を亡くしたのは十五年前、雪が降りしきる年の瀬の寒い日の事だった。
 前後に姉と緋村剣心の間で行われたやり取りを縁は知らず、ただその死の瞬間だけを目撃する。
 早くに他界した母に代わって縁に愛情を注ぎ育てた、縁の最愛の姉。
 彼女の鮮血が雪景色の中を舞う光景は、まだ少年だった縁の脳裏に深く深く刻み込まれた。
 それは髪が真っ白く染まるほどの衝撃であり。
 若い女性に対し無意識のうちに姉の面影を見、殺せなくなるほどの傷であり。
 その傷によってもたらされた結果が現状――

「クソォッ!!」

 時間の経過と共に緩んだいきてるナワを振りほどき、地面に落ちたそれを何度も踏みつける。
――抜刀斎の『不殺』の象徴とも言える逆刃刀で女を殺して回り、最後に本人に血刀を投げ渡す。
 縁の決意と裏腹に女性は誰も殺せず、その上手痛い反撃を受けるという不本意な結果に終わった。
 毎回あと少しのところで対象を逃がし、或いは対象からの逃走を余儀なくされ、縁は苛立ち、焦る。

 復讐の為だけに縁はこの十五年間を生きてきた。
 日本語の発音を忘れるほどの期間を上海で過ごし、闇社会の頭目にまで登りつめた。
 そして剣心と再会してから更に九日、人誅の日を待っていた。
 その間ずっと、姉を待たせ続けているのだ。
 九日前に抜刀斎に宣戦布告をした直後、姉――の幻影――も縁に言った。
 「もっと早く」と。
 十五年も待たされた上での言葉なのだから、それはもっともな言い分に聞こえた。
 姉も人誅の時を待っている。
 少なくとも縁はそう解釈した。
 だからこそ姉をいつまでも待たせておくわけにはいかず、焦りがつのるのだ。

 縁のその解釈は、姉の望みから自ら遠ざかるような大きな勘違いだと言っていいだろう。
 だが縁本人にとっては紛れもない真実だ。
 焦燥、そして弱点を克服出来ない己への怒りで、脇にあった道路標識に拳を打ちつける。
「殺してやル……次は、必ず……!!」



 そうしているうちに流れ出したV.V.による定時放送を、縁は無視した。
 禁止エリアでさえ「関係ない」と言わんばかりに聞き流す。
 縁にとって自分をこの会場に連れてきた主催者は姉なのだから、当然と言えば当然だ。
805 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:26:52 ID:U+ktyfSC
 抜刀斎以外の誰が死のうが生きようが、それらの情報は縁には何の意味も成さなかった。
――故に縁は己の耳を疑う。
「何だと……?」
 しばしの間、縁は呆気に取られる事になった。
 宿敵、仇敵、怨敵。
 そのどれもが当てはまる敵の名が、死者の名として読み上げられてしまった。



 縁には姉の意図が分からなくなった。

 まだ人誅は終わっていない。
 むしろこれからが人誅の完成の始まりで、今までの襲撃はあくまで下準備に過ぎない。
 そんな時期に姉が抜刀斎ごと自分をこの場に誘った理由――それは自分の弱点の克服の為。
 縁はそう捉えていた。
 だというのに肝心の抜刀斎が死んだとあっては、全てが水泡に帰してしまう。
「どういう事なんだ、姉さん……!?
 抜刀斎への復讐はまだ……!」
 姉が間違いを犯すわけがない、ならば自分が何か大きな勘違いをしているのかも知れない。
 抜刀斎が苦しみもがく様を、姉も見たがっているはずだ。
 では姉が連れてきたこの場で何故抜刀斎が死ぬのか――何か重大な見落としをしているのではないか。
 縁は熟考し、そして時間を掛けて結論を導き出す。

「そうか……そういう事なんだネ、姉さん。
 緋村剣心はもう死んダ……」

 縁はただ道の先の虚空に向かって淡々と言う。
 話し掛けるというより呟くという方が近い、そんな小さな声だった。
 俯き加減の表情は前髪と黒眼鏡に隠れ、口元以外うかがえない。

 だが「破顔ィィ」とその口の端を吊り上げると、それまでの静かな様子から一変した。

「つまり、後は『人斬り抜刀斎』に人誅を下せばいいという事だネ!?」

 “六人の同志”と最初に一堂に会した場での己の発言を思い出す。
――このまま抜刀斎に「あくまで自分は剣心だ」と開き直られたままでは
――例えどんな圧倒的な力でブチ殺したところでのれんに腕押し
――復讐は達成出来ません
 そう、彼らを集めたのは抜刀斎を追い詰め、過去の罪を再び認識させる為だった。
 だが「『緋村剣心』が死んだ」という事は、つまり抜刀斎が「自分は抜刀斎だ」と自覚したという事。
 緋村剣心は己の罪を認め、『剣心』などという名を捨てて『人斬り抜刀斎』に立ち返ったのだ。

 同志達の力を借りるまでも無く目的は成った。
 逆刃刀を手にした時点で既に同志に頼る気は無くなっていたが、喜ばしい事に変わりは無い。
 後は弱点さえ克服出来れば、抜刀斎を生き地獄に叩き込んでやれる。
 これはきっと姉が計らってくれた結果に違いない、そう納得して縁は幻影に声を掛けた。
「ありがとう姉さん、次はきっと成功させるからネ」
 縁は今もこれからも、常に共にいると信じてやまない姉の姿を凝視する。

 その口に、眼に、笑みは無かった。
806 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:27:43 ID:U+ktyfSC

 静寂な一時を愛した彼女は、元々喜怒哀楽を余り表に出さない女性だ。
 縁にはそう見えていただけの話ではあるが――それでも今までは確かに微笑んでいた。
 しかし縁がこの場に連れて来られてからは、一度も笑顔を見せていない。

 そして姉は目を伏せた。
 深い漆黒の眼は瞼に隠れ、より哀しげな様相になる。

「……姉さん」
 長らく待たせてしまった。
 人誅を半端に済まそうとしてしまった。
 失敗を重ねてしまった。
 いくら姉が穏やかとは言え、怒るのも無理は無い。
「次に会った女は必ず殺すヨ。
 抜刀斎への復讐だって果たしてみせる」
 心優しい姉は全てを終わらせればきっと許してくれる、きっと今まで通り微笑い掛けてくれる。
 縁はそう信じた。
 縁には信じる以外に選択肢が無かったと、そう言ってもいいかも知れない。

 踏みしめる地面の固さ。
 首に嵌められた金属の冷たさ。
 心の奥底で僅かな違和感を覚えながら――縁はそれに蓋をする。
「……そうすれば、また微笑ってくれるよネ?」
 全ての現実から眼を逸らし、肯定の言葉を求めて縋るように問う。

「……そうだと言ってくれよ、姉さん……」

 しかし縁の問いに、姉は答えなかった。



 バトルロワイアルが始まってから六時間。
 連戦が途切れ、縁には振り返り考える機会が与えられた。
 だが姉が微笑わない理由――己の犯している根本的な間違いに気付くには至らない。

 痛みも疲労も感じずに、縁は道なりに進む。
 方角は北、装備は逆刃刀一つ。
 夢と現、現と幻の区別も付かぬまま、その先に姉の笑顔があると信じて。

807 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:29:20 ID:U+ktyfSC
【一日目朝/H−2 道】
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:無し
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症
[思考・行動]
1:逆刃刀を使って、女を殺しまわる。
2:抜刀斎に会ったら、血塗れの刀を投げつける。
[備考]
※殺し合いを姉が仕掛けた夢だと思っています。
※ぶっちゃけ、姉と抜刀斎以外のことはあまり考えていません。抜刀斎も人誅まで殺すつもりはありません。
※『人斬り抜刀斎』がまだ生きていると思っています。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。

※H―2にいきてるナワが放置されています。
808 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 00:31:09 ID:U+ktyfSC
投下終了です。
誤字脱字や問題点があれば、指摘をお願い致します。
809創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 00:34:00 ID:ZSxA7T23
投下乙!
810創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 00:55:45 ID:OPLtawt+
投下乙です。
縁は持ち直したか……ものすごい危ういけどw
心理描写がうまかったです。
GJ
811 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/05/13(木) 01:15:30 ID:U+ktyfSC
タイトルを付け忘れていました…
「夢と現と幻」でお願いします。
812創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 01:16:46 ID:WCFgR85J
投下乙です
縁は空回りしてるなw
813創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 22:48:07 ID:64zgGhbP
投下乙です
原作で薫はよく何もされなかったなw
814創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 00:05:56 ID:4XI4c7J3
投下乙!
縁の狂気がスゲェー伝わってきた!
815創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 00:22:04 ID:soycuutv
やっべーーwww
縁が空回りしすぎてワロス。そして、狂気に走った縁がどう出るか楽しみだ
816創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 04:38:22 ID:xvoPZXqc
投下乙!
縁は間違ってるって分かってても、もう進んでいくしかないんだなぁ
なんていうか痛々しいな……
原作でも結構外道なことやってるけど、どうも嫌いになれない
誰か縁に真実を教えてやってくれ

ジェレミアの話もそうだったけど、◆.WX8NmkbZ6氏は心理描写がすごい綺麗だ
817創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 18:55:11 ID:gZeFQNnE
レナ達は頭おかしい人二人に挟まれた位置にいるなw
818創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 01:05:29 ID:03cr+J1H
>>817
C.C.「おい」
ヴァン「デュエルしろよ」
819創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 19:05:35 ID:nxnjdg8R
支援MAD作りたくても、ジャンルが広すぎて作れないww
820創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:29:02 ID:pEEBDUvl
あるある
残りの48人で何か描こうと思っても、実写組が描けなくて一瞬で詰むんだよ
821創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:44:47 ID:WTPvAFlJ
なに?素材が足りなくて支援ができないって?
逆に考えるんだ、素材が無いキャラはしょうがないからはしょっちゃおう、と、そう考えるんだ
822創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 23:09:24 ID:nxnjdg8R
それはただ開き直ってるだけだろ
823創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 00:49:49 ID:A9awr2oP
MADだと映像のあるアニメや実写はともかく、小説やゲームは鬼門っぽいね
小説は一応全部映像化されてるけど、ゲームだけはどうしようもなさそう
824創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 14:04:46 ID:Jgbun6iT
できれば指定されてるほう(シャナ⇒小説とか)にしてみたい気もするけど、
やっぱり映像作品のほうが楽だしな
825創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:00:37 ID:5YlFCRO/
出展通りの素材使うとしたら、静止画MADにするとか?
しかしどうやっても男主人公の扱いに困るという…
826創る名無しに見る名無し:2010/05/18(火) 18:17:57 ID:kTmoTaRW
逆に考えるんだ
男主人公=俺たち
つまり俺たちの映像を使えば、素材には困らないんだよ!
827創る名無しに見る名無し:2010/05/18(火) 23:04:43 ID:AFSy88EQ
なるほど。つまり男主人公のコスプレ写真を使えばいいんだな
828創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 16:59:45 ID:Fqbrwhlz
結論から言おう
絶対浮く
829創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 18:02:47 ID:Rp4aOLyA
さらに逆に考えるんだ
……全部コスプレで賄えばいいんじゃね?
830創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 21:41:52 ID:OsbROAHJ
参考資料:ひぐらしがなく頃に
831創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 23:06:25 ID:fx4JpxGR
実写版か……嫌な事件だったね
832創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 23:17:45 ID:405sW+Vq
ああ・・・次はデビルマンだ・・・
833創る名無しに見る名無し:2010/05/20(木) 01:00:10 ID:1fKya/XI
漏電迷伝を思い出して吐いた
834創る名無しに見る名無し:2010/05/20(木) 09:34:50 ID:29MZ/5so
参加者はアニメ化してるキャラの割合が多いから
実写勢はのいぢ絵辺りに変換させれば
他作品と一緒でも違和感減るか
835創る名無しに見る名無し:2010/05/20(木) 22:34:55 ID:RF2IS/pn
寄生獣の実写版も嫌な事件確定
836創る名無しに見る名無し:2010/05/21(金) 23:50:32 ID:Dm5AC+I2
顔に関してはのいぢ絵変換で……似るかどうかはともかく他との調和は取れそう
ただ真面目に考え始めると等身の問題もあったり(主にギアスとらきすたのせいだけど)
例えば身長190ぐらいで10等身のジェレミアと、身長160ぐらいで6〜7等身(?)のアイゼル奈緒子とか
ジェレミアの方が小顔っていう女性陣にとって屈辱の事態が

その辺りを厳密に考えないでアバウトに描いていくか、全員を3〜4等身でデフォルメした方が楽かな…
837創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 00:34:58 ID:oXQfDGUq
のいぢ絵のシャドームーン……
838創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 01:17:32 ID:44fWhNs7
のいぢ絵のてつを……
839創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 02:58:11 ID:2EsMIOjO
のいぢ絵の織田様……
840創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 04:01:49 ID:xf56NysH
ライダー勢は変身済みならアニメ絵でも違和感は少なくなるな
841創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 17:23:07 ID:sYHeyc+K
のいぢ絵の右京さん……
842創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:21:19 ID:ry8SJzGz
こういうことですか
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0407.jpg

誰か俺を罵ってくれ
843創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:23:21 ID:aibPSe1d
シャドームーンwwwwwwwwwwwでも普通に上手いwwwwww
844創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:35:00 ID:Su3TApMx
>>842
てめえwww さいこうだwww
845創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:36:21 ID:4MBV5BK5
てめええアホだろwwwww
なんだ、この才能の無駄遣いはwww
はらいてええ!w
846創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:39:24 ID:AXa0P2+2
ダメだ、影月のインパクト強すぎて思考回路がショート寸前wwwww
847創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 21:42:14 ID:zFj5rWXN
ちょっと待てww
凄く期待通りなことしてくれるじゃないかwwwwwwwww

しかし、MADの話からだんだんとアニメ絵、のいぢ絵、実写化の話へと空回りしてるな
848創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 22:12:44 ID:2EsMIOjO
織田様がイケメンに見える日が来るとは思わなかった
この絵の中にいるのって
織田様、シャドームーン、右京さん、生首は分かるけどあとの二人が分からねぇ
レナとスザク?

にしてもアホ過ぎるwwww
849創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 22:15:20 ID:44fWhNs7
下はてつをじゃね?
等身とかデフォルメについて真剣に考えていた全俺が泣いた…!ww
850創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 22:21:08 ID:UPa57fVt
本当に支援絵が来るとは思ってなかったw
とにかくGJだw
真ん中左は真司か北岡かな?
851842:2010/05/22(土) 22:44:27 ID:ry8SJzGz
上から順に織田様、シャドームーン、右京さん、
北岡、生首、てつをです
分かりにくくてすんません

え、これ支援になるの?
852創る名無しに見る名無し:2010/05/22(土) 22:55:26 ID:2EsMIOjO
北岡先生だったのか、失礼
最高の支援でした、乙です!
853創る名無しに見る名無し:2010/05/24(月) 03:03:42 ID:+FFg0w44
ミハエルのAAがないのか調べてみたけど、本当にないんだな
カイジには三つもあるのに

あとレイ兄さん死亡後のシーンがAA化されてて泣いた
あそこで初めてカギ爪は動揺したんだっけか?
854創る名無しに見る名無し:2010/05/27(木) 22:23:15 ID:XP2TeJUs
この支援画像いつまで残ってるんだろう?
ロダにもよるけど、いつまでも見れるわけじゃないでしょ?
855創る名無しに見る名無し:2010/05/29(土) 13:40:46 ID:VRayDkYy
ロワ用のろだみたいなもんだからそう簡単には流れないけど、まあwikiにうpした方がいいと思う。
856創る名無しに見る名無し:2010/05/31(月) 01:14:35 ID:bamEEsaX
確かwikiって管理人じゃないとうpできなかったような……
前に管理人に連絡してみたけど、返事来なかったんだよな
857創る名無しに見る名無し:2010/06/02(水) 22:27:54 ID:EHB6YnH7
wikiって画像のアップロードはログインしないとできないのか
ロゴ作りたい願望があるんだが、
管理人さんと連絡つくまで待ったほうがいい?
858創る名無しに見る名無し:2010/06/02(水) 23:30:51 ID:uLUvQ+pN
こう言っちゃアレだが……多分連絡がつくことはないと思う
一応試してみる価値はあるかもしれないけど
859創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 04:48:18 ID:1ESnxk2J
予約ktkr
こなたはデザート代わりに喰われてしまうのか…
860創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 08:44:10 ID:uB5DwYpI
フラグが立ったと聞いて
861857:2010/06/03(木) 23:22:13 ID:r9YyWxjA
>>858
そうですか……
wikiに載せられないのにロゴ作ってもあんまり意味ないよな

また支援絵でも描きにくるよ
答えてくれてありがとう
862創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 00:55:55 ID:PS8UEK95
非常に惜しい話だけど、
863創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 00:57:07 ID:PS8UEK95
途中で途切れた

非常に惜しい話だけど、wikiに使えないんじゃ仕方ないか
また支援絵を投下してくれるならめちゃくちゃ嬉しいです
864創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 19:17:49 ID:ZKHMCSKZ
もう一方の歩く死亡フラグにも期待
865創る名無しに見る名無し:2010/06/06(日) 14:21:33 ID:hykz3QfA
そろそろこなたのAAを探しておかないとな
866創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 22:53:18 ID:XEzdEG+u
久々の全裸待機
867創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:02:28 ID:/s0HryFI
まだか……まだか……
868創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:16:32 ID:0Et641GM
代理投下を始めます
869がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:17:26 ID:0Et641GM
 教会の中で、後藤は二人分の死体を食らっていた。

 装飾と彫刻が施された祭壇。
 その奥にはきらびやかなステンドグラス。
 背もたれの付いた木製の長椅子が整然と並び、その席数は参加者全員を座らせても埋まらない程だ。
 どれを取っても『立派な教会』と呼ぶに相応しい。
 しかし今は、この後藤というパラサイトの食堂として機能している。
 祭壇に捧げられるのは収穫された穀物や果物ではなく、食い散らかされた血と肉だった。

 闘争本能のままに暴れ、動き回った分の食事を採り。
 数匹の人間ごときに手こずった事に対し少々の苛立ちを感じつつも、一定の充足感は味わった。
 会場内に欲を満たすだけの相手がいる事に対し、後藤は喜びに近い感情を抱く。
 しかし満足には遠い。

 まずは休憩が必要だったが、未だ満たされない後藤は参加者の訪れを待った。
 首を刈り取った状態の死体を担いで移動したので遊園地方面からは血痕が点々と続いている。
 人が走る以上の速さで走った為その間隔は広いが追跡は難しくない。
 後から遊園地に辿り着いた誰かが血の跡に気付いたら――
 恐怖で逃げ出すか、好奇心のままに追ってくるか。
 出来れば後者であって欲しかった。
 それに教会が地図に掲載されている以上『餌』が自ら通りかかる事もあるだろう。
 どちらにせよ運任せになるが、広過ぎる会場の中で参加者を探して動き回るよりは効率的だ。
 そんな事を、後藤は残りの肉を咀嚼しながら淡々と思う。



――こなた……母さんいなくて、さみしいか?

――別に。
――お父さん一人で二人分賑やかだし、今はゆーちゃんもいるし。

――こなた……、ゆーちゃんって、誰だ?

――は?

 泉こなたは市街地にある民家に入り、茶を啜りながら流れてくる放送の内容をメモしていた。
 呼ばれた死者のうち知り合いは四人。
 斎藤一。
 柊かがみ。
 平賀才人。
 高良めぐみ。
 そのうちの二人は親友だった。
 残る二人はその死の瞬間を直接見ていた。
 しかし悲しみは無い。
 こなたはこの殺し合いをゲームだと認識しているからだ。
 加えて言うならば、かがみを死に至らしめたのは他でもないこのこなたである。
(かがみんも協力してくれれば心強かったのになー。
 めぐみさんも脱落かー)
 ゆたかを生き返らせるのに必要なリセットボタン。
 それを主催者V.V.から受け取る為に、こなたはこの会場に残る最後の一人になろうとしている。

870がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:18:07 ID:0Et641GM
 この考えに賛同してくれそうになかったから――その程度の理由でこなたはかがみを殺した。
 楽しかった日常に帰る為に、全てを無かった事にする為に、こなたは狂ってしまったのだ。

 地図に載っていない、数ある民家のうちの一つ――この場所は安全圏だとこなたは思う。
 大魔王・後藤やクーガーも家を一軒一軒回るような真似は恐らくしない。
 幸い禁止エリアにも含まれなかった。
 落ち着いて休憩出来るこの環境に感謝しながら、こなたはゆっくりと優勝の為の道筋を探す。



 そのこなたが安全地帯から抜け出して教会を訪れたのは、危険と言えば危険な行為だ。
 せっかく後藤やクーガーから逃げ切ったというのに、危険地帯寄りの施設に戻って来た事になる。
 それにはこなたなりの理由があった。
 まず、本当は武器屋に行きたかったが地図上にそれらしいものが無かったのだ。
 教会の神父に頼んで死んだ仲間を生き返らせる、そんなゲームの事を思い出したという事もある。
 もっともそれには大金が必要だったし、今はRPGではなく『殺し合い』というゲームの最中。
 そう簡単に人が生き返る事は無いだろうが、何か大事なイベントが発生する事も考えられる。
 それに民家を渡り歩いて家捜ししたところで手に入るのは安い武器防具ぐらいだ。
 後藤のようなモンスターを倒すにはそれでは足りず、ある程度の危険を冒す事に必要性を感じた。
(まぁ、大魔王が教会になんて来るわけないしね)
 バトルロワイアルにゲーム感覚で参加しているこなたは、こうして教会の敷地内に足を踏み入れる。

 正面の扉をいきなり開けるような事はせず、まずは脇に廻り込んで窓からこっそりと中を覗く。
 最初に目に入ったのは赤い床だった。
 真っ赤な絨毯などという意味では当然無く、文字通り血で床が赤黒く染まっているのだ。
 更にその血の海の中には食い散らかされた手足や目や内臓が無造作に投げ出されていた。
 正常な精神の人間が見ればそれだけで発狂出来る、異常な光景。
 しかし幸いにして、それを覗いた少女は既に精神を壊している。
(結構リアルだなー。
 このゲームって一般に発売するなら間違いなく十八禁だよね)
 そんな普段通りの感想しか抱かなかった。
 多分ここで参加者同士の戦いがあり、誰かが脱落したのだろう――こなたはそう結論付ける。

 視線を動かして行くと、祭壇の前に肌色の塊が鎮座していた。
 一瞬人間かと思ったが、遠目では「人間のような何か」という事しか分からない。
(まぁ、中に入って調べてみれば分かるでしょ)
 後藤やクーガーの姿は見えない。
 物音もせず、人の気配自体が無い。
 それらからこなたはこの教会を「血だらけなだけで安全」と判断した。
 念の為女神の剣を手にしながら、安易な気持ちで重厚な扉に手を掛ける。



 後藤は、五頭。
 文字通り五体のパラサイトが同居し、寄生生物の先天的な闘争本能はその数の分だけ倍増している。
 後藤が戦闘に存在意義を見出すのはその為だ。

 しかしだからこそ後藤は、窓の外の気配に気付きながら先手を打たなかった。

 こなたが教会内を窺っていた頃、後藤はこれまでとは大きく異なる容姿になっていた。
871がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:18:50 ID:0Et641GM
 耳は鋭く尖り、裂けた頬の合間からは新たに二つの眼が覗く。
 唇の無い口から歯が剥きなり、両腕は根元から二つずつに枝分かれしていた。
 更に手足の先を鉤型に変えたその外見は、もはや人間とは呼び難い。
 後藤がこうして人の形態を捨てたのは、この会場では人の群に紛れ込む必要は無いと判断した為だ。

 その姿のまま後藤は座り込み、頭を両腕で抱え込むようにして休息を取り始める。
 だが完全に意識を手放したわけではなく、頭部の裂け目から覗いた眼が周囲を警戒していた。
 故に、窓の外でピンと立った青い髪が揺れていれば気付くのは当然の事だ。

 その気になれば即座に窓を叩き割って殺す事も出来た。
 それをしなかったのは後藤が少なからず人間に『期待』していたからだ。

 この会場に来て最初に食った、三木に相手をさせた少女は思わぬ反撃をしてきた。
 初めから後藤が戦っていればあの適度な緊張感のある戦闘は生まれなかっただろう。
 ただ空腹を満たすだけなら後藤が直接戦う必要は無いが、後藤が求めているのは戦闘。
 一瞬で勝負がついてしまっては戦闘欲求が満たされないのだ。
 生存している参加者が五十人未満となった今、無防備な相手を即死させる事に抵抗があった。
 残り全員を餌に出来るならともかく、人間同士でも勝手に殺し合っているのだ。
 人間の言葉を借りるなら「勿体ない」といったところか。

 よって後藤は、外にいる人間が扉を開けてから殺すと決めた。
 あの少女のように抵抗して楽しませてくれる事を期待しながら。
 縮めていた手足を伸ばし、扉が開いた瞬間に相手の首を切り落とせるよう腕の先端を刃に変える。
 扉の反対側まで気配が移動した。

 そして後藤は扉を見詰めて――






――扉は開かなかった。
 後藤の気配に気付いたようだ。

 少し拍子抜けするが、追い掛けて行って殺す事はしなかった。
 二人分の食事で空腹はある程度収まっており、更に一人食ってもせいぜい『デザート』止まりだ。
 今はそれよりも疲労の回復に専念すべきと判断する。

 加えて、ここで見逃す事によって生まれるメリットもある。
 遊園地から残してきた血痕を辿らせる――参加者をこの教会に呼び寄せる種は既に蒔いた。
 しかしそれだけでは確実性に欠ける。
 この人間を逃がす事で、人間同士で徒党を組んで改めてここを訪れるかも知れない。
 そうなればもっと楽しめるだろう。
 逆にこの場所に近寄らないよう広められる事も考えられたが、大した問題ではない。
 誰も来なければ自ら餌を探しに赴き、食う。
 単に面倒が増えるだけで最終的に辿り着く結果は何も変わらないのだ。

 もはや祈るという本来の目的には到底使えそうにない、血染めの教会で改めて後藤は眠りにつく。
 人に擬態する事をやめたその姿は、次なる戦闘の時を待つ獣のようだった。
872創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:18:57 ID:/s0HryFI
支援
873創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:19:47 ID:09GH+W04
支援
874がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:20:25 ID:0Et641GM


【一日目朝/F−9 教会】
【後藤@寄生獣】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、不明支給品0〜2(未確認)、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[状態]疲労(大)、空腹(小)
[思考・行動]
1:少し休憩。
2:強い奴とは戦いたい。
3:泉新一を殺す。
4:田村玲子が本物なら戦ってみたい。
5:しばらく他の参加者が来るのを待つ。
[備考]
※参戦時期は市役所戦後。
※後藤は腕を振るう速度が若干、足を硬質化させて走った際の速度が大幅に制限されています。



875がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:21:35 ID:0Et641GM
 こなたは民家で茶を啜っていた。
 放送を聞いていた時と同じ家だ。
 
 とんぼ返りである。

(いやー、参ったね。
 まさかあんな所にいるとは思わなかったよ)

 こなたは扉に手を掛けた時、足下に血痕が落ちている事に気付く。
 血なら教会内に溢れているが、振り返るとその血痕は広い間隔で長く続いているようだった。
 少しその血の跡を辿ってみると、向かう先は……遊園地の方角。

 遊園地方面から止まる事無く流れていたなら、専門知識の無いこなたでも致死量と分かる出血だ。
 まだ乾き切っていない事から先程の戦闘が関わっていると考えていい。
 つまりこの血はサイトと斎藤の両者、或いはどちらかの血。
 そして間隔の広さからかなりのスピードで運んだと想像出来る。
 安易に扉を開けようとしていたこなたは立ち止まり、真剣に状況を見詰め直す事にした。

 こなたに考えられた可能性は二つ。
 一つはクーガーが遊園地から二人の死体を運んできたという可能性だ。
 ここはゲームの世界だというのに、クーガーは人間の死を真剣に悲しんでいるようだった。
 弔いの為に教会まで来ていても不自然ではない。
(あの人ってあれだよ、ゲームキャラに感情移入し過ぎちゃうタイプだね)
 しかしクーガーにはわざわざ死体を損壊する理由が無く、教会内の惨状が説明出来ない。
 教会の中の血肉がこの件とは別の物だとも考えられるが、可能性は低かった。

 もう一つは、後藤が何らかの理由で二人の死体をここに運んで来た可能性。
 理由は分からない。
 もしかしたら死体をバラバラにするのが好きだというスプラッタな趣味でもあるのかも知れない。
 大魔王なのだからあり得る。
 クーガー達との戦いぶりから、死体を頭からバリバリと食べている光景も目に浮かんだ。
 理由はどうあれ、こちらの方がまだ信憑性があった。
 そしてこの考えに至ってすぐに、こなたの脳裏に嫌な予感が過ぎる。

(あれ?
 もしかしてさっきの肌色、後藤の第二形態とか?)

 せっかく苦労して与えたダメージを全回復して更にパワーアップする、プレイヤー泣かせのアレ。
 ゲームのボスクラスの敵の定番。

 気付いた時には来た道を全速力で逆走していた。
 女神の剣によって上昇した身体能力を余す事無く使い、脱兎の如く逃げ出したのだ。

「全く、早く気付いて良かったよ。
 あのまま鉢合わせてたらゲームオーバーだったね」
 間一髪、最強の寄生生物との再会を免れたこなたは独り言と共に安堵の溜息を漏らす。
 そして思考を切り替え、後藤を倒す為の方策を考え始めた。
 武器依存、能力固定で立ち回りが問われるゲームだという判断は間違っていないはずだ。
 だが武器屋が無い以上やはり他の参加者から武器を奪う事や協力関係を結ぶ必要がありそうだった。
876創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:22:05 ID:/s0HryFI
支援
877がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:22:59 ID:0Et641GM
 そのうちに一つの方策を思い付いた。

(そうだ、他の人達と戦わせてもっと弱ったところを倒せばいいんだ)

 勇者として最後の一撃さえ自分で入れられれば、弱らせる方法は問われないだろう。
 パーティーを組むにしても、味方と共に前線に出て命を張る必要は無い。
 「友達が教会にいる化け物に捕まった」。
 小学六年生の頃からほとんど変化していない体格と外見を活かし、子供らしく。
 お人好しの参加者相手なら騙せる自信がある。 
 後藤と戦えば大抵の人間は無事では済まないので、他の参加者も減らせて一石二鳥だ。
 力が無い分を武器で補い、容姿を活用し、頭を使い、他人を利用する。
 序盤でラスボスに遭ってしまうゲームである以上、使えるものは全て使うべきだ。

 出来る限り大勢の参加者を連れて来よう。
 こなたは奮起した。
 それこそ後藤の思惑通り、期待通りの策だったのだが、こなたには知る由も無い。



 放送の中に小早川ゆたかの名前が無かった事に、こなたは複雑な感情を覚えた。
 悲しかったわけではない。
 ゆたかは死んだわけではないからだ。
 ただ、ゆたかも他の参加者のように脱落したのに名前が呼ばれない――
――いつか皆がゆたかの事を忘れてしまう。
 それだけが、何にも動じなくなったこなたの壊れた心に微かなさざ波を作る。

――こなたお姉ちゃんは、私のこと、忘れないでね。

(ゆーちゃん、私が忘れるわけないでしょ。
 お父さんは忘れちゃったしかがみんはすぐに諦めちゃったけど、私は忘れないし諦めないよ。
 それに歩く萌えキャラの二人にツンデレかがみんが死んじゃうなんて、人類の損失だよ)

 クーガーは「これはゲームではない」としつこく言ってきた。
――ゲームじゃないなら、なんでゆーちゃんが死んでるの?
 クーガーが言っている事は間違っている。
 いや、むしろゲーム中のトラップだと考えるのが妥当だ。
 ラスボスの「仲間にならないか」という問いに「はい」と答えればゲームオーバーになるように。
 クーガーの言う事を聞いたらゲームオーバーなのだ。
 何を言われても聞く耳を持つまいと、こなたはクーガーに対して一層心を頑なにした。

 他の参加者に助けを求めるついでに彼を悪人と広めておけば、勝手に殺し合ってくれるだろうか。
 打倒後藤を志しながら、こなたはクーガー排除も視野に入れた。

 ゲーム開始から六時間で四人に一人が死亡。
 単純計算をするならあと十八時間程で終わる。
(なーんだ、結構すぐじゃん。
 待っててねゆーちゃん、かがみん、めぐみさん。
 こんなゲーム、私がちょちょいっとクリアしてあげるからさ)
 昏く澱んだ眼を除いて、普段と何も変わらない。
 親しい友人達や家族への思いも変わらない。
878がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 01:23:49 ID:0Et641GM
 ただ――このゲームで勝ち残る為なら、その友人達や家族を殺す事さえ厭わない。
 いかに普段通りであっても、普段通りであるが故にこなたは壊れていた。

 壊れたこなたは他の参加者を探す。

 未だ何の怪我もしておらず、さして痛い目にも遭っていない。
 恵まれた支給品。
 頼りなかったとはいえ助けに現れた少年。
 後藤との二度目の遭遇の回避。

 <幸運の星(ラッキー・スター)>は確実に、泉こなたに味方していた。


【F−8 民家】
【泉こなた@らき☆すた】
[装備]:女神の剣@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、確認済み支給品0〜2個、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ)
[状態]:健康
[思考・行動]
1:優勝して、ブイツーからリセットボタンをもらう。
2:他の参加者を教会に向かわせて後藤と戦わせる。後藤が弱ったら後藤を倒す。
3:クーガーの悪評を流す。
879創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:25:06 ID:/s0HryFI
支援
880創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:31:20 ID:/s0HryFI
支援
881がるぐる! ◇.WX8NmkbZ6:2010/06/08(火) 02:00:14 ID:0Et641GM
投下終了です。
誤字脱字、問題点等がありましたらご指摘下さい。
本スレで規制されてしまったので、申し訳ございませんが代理投下をお願い致します。

代理投下を終了します
882創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 02:17:08 ID:0Et641GM
投下乙です
こなたは何とか危険を回避したかw
でも、こんな調子だと近いうちに痛い目に遭いそうだな
近くにつかさたちが居るけど、こなたの様子を見たらすんなりと仲間になってくれるとは思えないし
最終形態になった後藤は原作同様の絶望感を醸し出してるな
近くで対抗できそうなのは志々雄ぐらいだけどどうなるか
883創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 02:27:53 ID:/s0HryFI
投下乙!
ついに後藤さんの一話一殺伝説が途切れたかー
こなたのゲームのセンスに、後藤が一歩だけ遅れを取った形か
でも結局見逃してもらったわけだし、殺そうと思えばすぐに殺せたんだよなぁ
こなたの言う第二形態っていうのは、すごい適切な表現だなwww
果たしてこいつを満足させられる奴は存在するのか

そしてみゆきさんの名前を間違えたのは、原作で影が薄いから(ry
884創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 05:36:56 ID:0s0MPSz/
めぐみさんじゃなくみゆきさんね。
885創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 08:18:40 ID:8BGmsZPT
投下乙です
886創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 19:16:33 ID:Vefo+Cpq
投下乙です

こなたは狂ってるが頭回ってて油断できないな
後藤はわざと見逃したがこちらも思惑どおりか
第二形態は確かにすごい適切な表現wwwww
887創る名無しに見る名無し:2010/06/09(水) 01:20:13 ID:El0Y0FaS
予約きてたーー!!wktk!!!
888創る名無しに見る名無し:2010/06/09(水) 01:33:38 ID:c/bCBjjf
予約ktkr!
889創る名無しに見る名無し:2010/06/09(水) 18:01:43 ID:UHoCP/Bj
予約ktkr
890創る名無しに見る名無し:2010/06/10(木) 21:06:32 ID:EhqFtV1g
正確には
第一形態:三木
第二形態:後藤
第三(最終)形態:超後藤←今ココ
だよね
891創る名無しに見る名無し:2010/06/11(金) 00:54:13 ID:3pgQhwCV
ミギーを完全に取り込み自在に扱えるようになれば
究極形態後藤へと進化します
892創る名無しに見る名無し:2010/06/11(金) 09:07:05 ID:vNa+VFpI
そうなったら後藤じゃないんだし改名しないとな
893創る名無しに見る名無し:2010/06/11(金) 19:30:42 ID:v2hzSnjF
じゃあ六藤さんか武藤さん
894創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 00:02:15 ID:qq/v6Txy
武藤さんになったら、きっとシャドームーンでも倒せるはず
895創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 01:21:16 ID:YdF3TU1J
名前なんてどうでもいいだろ
896創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 09:08:24 ID:4ZDX45vL
第一形態:ヤクザ戦のアレ
第二形態:三木
第三形態:後藤
第四形態:獣バージョン
第五形態:ミギー吸収バージョン
第六形態:内蔵
897創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 13:06:06 ID:8ZMWJNRY
第六形態弱点むき出しww
898創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 13:21:44 ID:4PLMfXJ5
むき出しと言えば脳みそむき出しのマモー思い出した
899創る名無しに見る名無し:2010/06/12(土) 17:12:49 ID:V88hl/r1
ルパンのゲームブックで、ラスボスを前にマモーのことを引き合いに出して

「そういや前にも、お前さんみたいな頭でっかちがいたよ」
「ほう、それは世界を手中にしたかね」
「いんや、脳死したよ」

っていう小粋なやり取りがあったなあと思い出した。
900 ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:34:17 ID:L3EKtYLk
レイ・ラングレンを投下します。
901創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:34:57 ID:kGPvc961
支援
902創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:36:16 ID:kLhMYVT2
紫煙
903Avenger ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:36:19 ID:L3EKtYLk
「くっ……」

レイ・ラングレン口から溜息が漏れる。
表情は憂いを帯びているが、同時に苛立ちも見て取れる。
早く進みたいのに、何かに妨害されて進めない。
そんな表情を浮かべているのだ。
彼がそんな表情を浮かべている原因。
それはつい先ほど行われた、第一回目の定時放送にあった。

彼はあの場から離脱して以降、ただひたすらに移動を続けていた。
カードデッキで強化された身体能力を、ただ移動のためだけに生かす。
その甲斐あってか、変身が解除されてからすぐに隣のCー8に移動することができた。
それからしばらくもしないうちに、彼の耳に聞き覚えのある声が届く。
それがV.V.の行う第一回目の定時放送だったのだ。
放送の内容を聞き漏らすわけにもいかず、休憩も兼ねて近くの木陰に身を預けるレイ。
デイパックから名簿や地図を取り出し、放送に耳を傾ける。
そして今に至るのだ。

「チィッ……!」

舌打ちをし、鬼のような形相で前方を睨みつける。
普段あまり感情を表に出さない彼にとっては、珍しい光景であった。
しかし他の参加者達のように、誰かの死に悲しんでいるわけではない。
そもそも彼は妻を殺されて以降、他者との接点を殆ど捨てている。
残されているのは唯一の肉親であるジョシュアとの物だけであり、それすらも希薄。
そのジョシュアもこの場にいないため、誰が死んでも悲しむことはない。
彼が憤っている原因は、別にあった。

(十六人……もう少し減っていると思っていたが)

そう、彼が気にしているのは死者の数。
V.V.が告げた人数は、彼が予測していた数を大きく下回っていたのだ。

(あの場にいた連中はほとんど逃げたということか……)

彼がエンド・オブ・ワールドを発動した時、少なくとも七人があの場にいた。
もし全員の抹殺に成功していたのなら、死者の数がもっと増えていてもおかしくないだろう。
だが実際の人数は、予測を遥かに下回る十六人。
数人は始末できていたのかもしれないが、攻撃の規模ほどの成果は上げていなかったようだ。

(俺は……早くカギ爪を殺さなければならないというのにッ!)

強く拳を握り締めることで、掌に爪が食い込む。
鋭い痛みが掌に走るが、彼が力を緩めることはない
それほどまでに、苛立ちは募っているのだ。
904創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:36:54 ID:kGPvc961
支援
905Avenger ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:38:08 ID:L3EKtYLk

彼はここに連れ去られるまで、カギ爪の男を探し回っていた。
手掛かりは皆無に近く、砂漠に落ちた一粒の砂を探すかのような作業。
僅かな情報を頼りに、あらゆる場所を駆け巡る。
何度も危険と相対し、生死の境をさまよったこともあった。
それでも挫けなかったのは、彼の中にある復讐心の強さが尋常ではなかったからだろう。
愛する妻を殺害し、彼から夢を奪ったカギ爪の男。
今のレイ・ラングレンという男を動かしているのは、カギ爪の男への復讐心だけだった。

そう、彼にとって永遠の仇敵であるカギ爪の男。
そんな男が、今は手を伸ばした先にいるのだ。
今までのような、闇雲な作業ではない。
他の参加者を抹殺し、最後まで生き残る。
そうして生き残ったただ一人の願いを叶える。
過酷ではあるが、明確な条件が提示されているのだ。
他人の力を借りるのは癪だが、背に腹は代えられない。
やっと、あのカギ爪の男を殺せる。
そう思うと、多少の不愉快さには目を瞑ることができた。

V.V.が実際に願いを叶えるかは分からないが、これだけの人数を攫ってきたのだ。
それをもう一人増やすくらい、容易いことだろう。
仮にV.V.が首を横に振ったとしても構わない。
脅迫でもして、強制的に行わせればいい話である。
それにV.V.は最後の一人以外は元の世界に戻れないと言った。
どちらにしろカギ爪の男への復讐を果たすには、最後の一人になる必要があるのだ。

(とりあえず……今後の方針を固めるか)

復讐心の滾った頭を切り替え、今後の方針を考え始めるレイ。
カギ爪の男に対する憎悪が消えた訳ではないが、沸騰した頭では生き残ることができない。
それを判断できないほど、彼は愚かな人間ではなかった。

とりあえず当初の目的通り、常時使える銃を探すこと。
ゾルダのデッキはまだ時間制限で使えない。
仮に解除されたとしても、変身すればまた制限が掛けられる。
常に襲撃される危険に晒されてる以上、やはり銃を入手しておきたかった。
それにゾルダのデッキはその高火力故に、相手の支給品まで燃やし尽くしてしまう。
このゲームは性質上、後半になるにつれ一人一人が所持する支給品は増えていく。
ゾルダのデッキが封印されている間に、強力な支給品で襲撃を受けたら笑い話にもならない。
それを考慮すると、なるべく多くの支給品を集めておきたかった。

(強力すぎる力には、リスクが伴なう、か)

やはり気軽に使用できる銃を入手しておくべきだろう。
愛用の銃を見つけられるのが最善だが、そう簡単に見つかるとも思えない。
だが鉈だけの現状に比べれば、随分とマシになるはずだ。
906創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:39:23 ID:kGPvc961
支援
907Avenger ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:40:34 ID:L3EKtYLk

(ならばどうやって手に入れる)

方針を決めたのなら、次はその方法。
銃を入手するのが目的なのだから、どうしても他の参加者と接触する必要が出てくる。

(いざとなったら誰かと交渉する必要が出てくるかもな……)

他の参加者から強奪するのが一番単純だが、鉈だけでは返り討ちにあうかもしれない。
この場には、自力であの爆発から脱出できる者が何人もいるのだ。
慢心や油断を捨て、確実な作戦を取っていくべきだろう。
死体を漁って入手するのも考えたが、銃を持つ死体に遭遇する可能性は決して高くない。
そうなると他の参加者と交渉し、銃を譲り受ける。
この方法を視野に入れていく必要が出てくる。
もちろん強奪という選択肢も捨てたわけではないが、交渉できるのならそれに越したことはない。
復讐の過程で何度か交渉する機会もあったため、ある程度の自信はあった。

それに彼自身、交渉を行うには絶妙の立場にいる。
仮面ライダーゾルダに変身して、あの場に居合わせたのが上手く作用していた。
あの場にいた危険人物の容姿は把握しているため、不用意に接触することはない。
逆に彼自身は変身した状態でいたため、爆発の下手人の正体が彼だと知る者は誰もいないのだ。
さらに山小屋で遭遇した野獣のような男が、彼を別人だと勘違いしたことも追い風である。
あの男は彼に向かって、大声で「キタオカ」と叫んだのだ。
「キタオカ」というのは、おそらく名簿に掲載されている北岡秀一のことだろう。
ゾルダのデッキの本来の持ち主なのか、あのデイパックの持ち主かは分からない。
だがそれは、どうでもいい話である。
少なくともあの場にいた連中は、仮面ライダーゾルダの正体を北岡秀一だと考えているはずだ。
連中の注意は北岡に向くため、彼に危険が及ぶこともない。
同時に危険人物扱いされることもないため、交渉相手には事欠かないのだ。

万全を尽くすなら誰かと接触した際に、ゾルダの正体が北岡秀一という情報を流しておけばいい。
これだけでは信用しない者もいるだろうが、情報はどんどんと広まっていく。
あの場にいた連中がこれから他の参加者と情報交換をする度に、この嘘の信憑性は上がっていく。
蔓延しすぎた嘘は、時として真実に変わる。
たったこれだけで、全ての矛先は自分から背けられるのだ。

(よし、今後の方針は決まった、ならば次は目的地だ)

方針の次は目的地。
だがこれに関して、それほど迷うことはなかった。
その大きな要因としては、Dー7にて発生した火災である。
炎は木々を巻き込みながら、刻々と陣地を広げつついる。
何時までも森林部に残っていれば、あっという間に巻き込まれてしまうだろう。
だから一刻も早く、森林地帯から脱出する必要があった。
同時に他の参加者が火災から逃れるため、市街地に避難することは容易に想像できる。
多くの参加者が集まるのならば、それだけで銃を入手できる確率も上がる。
また森林地帯にいた参加者は、多少の差はあれど負傷している者が多い。
交渉するにしても強奪するにしても、負傷している方が優位に立てる。
弱っていれば強奪も容易いし、交渉の際にも相手は弱気になりやすい。
出し抜かれないように、怪我人を狙うのが最善手なのだ。

今すぐに森を抜け、多くの参加者が集まり、怪我人が多い。
幸いにも森林地帯を出てすぐのところに、全ての条件を満たす施設がそびえ立っていた。

総合病院。
これがレイ・ラングレンが次なる目的地に定めた場所だった。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
908創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:40:55 ID:kGPvc961
支援
909Avenger ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:42:18 ID:L3EKtYLk
弱者や怪我人を利用し、見知らぬ者に自らの悪行を押し付ける。
それらが最低の手段であることくらい、レイは重々承知していた。
だが彼はもう、止まることはできないのだ。

愛する妻を奪われた彼の心は、もうどうにもならない。
埋まることのない苦しみに、怒りに、悲しさに心と体を苛まれ続ける。
それを少しでも晴らすために、彼はカギ爪の男への復讐を目指すのだ。
カギ爪の男への復讐を果たせるのなら、彼は殺人鬼にすら身を落とす。
既に妹や仲間の身を案じる優しい少年や、正義感に溢れる青年を手に掛けた。
そしてこれからも彼は、幾人もの人間を手に掛けるのだろう。

外道と罵られても構わない。
畜生と蔑まれても受け入れよう。

もう彼には復讐を成し遂げる以外に、残された道はないのだから。


【一日目/朝/C−8 南部】
【レイ・ラングレン@ガン×ソード】
[装備]ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間半変身不可)
[所持品]支給品一式×2(食料と水を一つずつ消費)、鉈@バトルロワイアル、確認済み支給品0〜2(銃器類は入ってません)
[状態]健康
[思考・行動]
1:優勝を目指す。
2:銃を入手する。
3:即急に森林地帯を抜け、総合病院を目指す。
4:デッキの力はいざという時に使う。銃が手に入るまで無理はしない。
5:北岡秀一の存在を最大限に利用する。
6:願いを叶える権利が本当なら、カギ爪の男を連れて来させる。

[備考]
※参戦時期は5話終了時。
※デルフリンガーが喋ることに気付いていません。
※カードデッキの使い方を理解しました。

※Dー7 北部にて発生した火災は中央部まで延焼しました。今後も燃え広がる可能性があります。
910 ◆ew5bR2RQj. :2010/06/13(日) 01:44:09 ID:L3EKtYLk
以上です。
誤字脱字等がありましたら、遠慮なくお願いします。
911創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 01:45:42 ID:kLhMYVT2
投下乙
北岡先生ェ…
フラグがまた…
912創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 02:13:56 ID:kGPvc961
投下乙!
縁もそうだけど、復讐者系の人達は後戻りできないところまで行ってて切なくなるな…
そして北岡乙wこれはもう仕方ないなww
しかもレイ兄さんの行き先がまさかの病院とか…!
ただでさえジェレミア組と衝突しそうなのに誤解フラグ蔓延って、病院修羅場過ぎるww
913創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 08:51:58 ID:yt5/5R65
投下乙です
レイ兄さんまで病院にw
距離的に他の連中より遅れてきそうだけど、それはそれで不味いかw
914創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 11:47:16 ID:lvbw2/yp
乙です
915創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 15:17:04 ID:IPLehmrF
投下乙です
北岡先生と病院にフラグが……w
レイ兄さんはまた一人だけ遅れてやってきてファイナルベントぶっ放すのだろうかw
916創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 17:31:54 ID:kLhMYVT2
予約ktkr
917創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 23:34:14 ID:XJAXyGLG
急に予約が増えたなwいいことだ
918創る名無しに見る名無し:2010/06/14(月) 00:01:34 ID:le3KCEeU
北岡先生の用語集追加されたな。
フラグ的に奪い返せなさそうだw
919創る名無しに見る名無し:2010/06/14(月) 17:41:55 ID:KVHKb2qR
あり得るから困る>一人だけ遅れてやってきてファイナルベント
920創る名無しに見る名無し:2010/06/15(火) 13:26:59 ID:Pw+G1naM
900越えたけど、次の投下まではもつかな
921創る名無しに見る名無し:2010/06/15(火) 13:39:03 ID:PviGH8X+
容量的にはまだ余裕
922嗚呼、青春の日々 ◇EboujAWlRA:2010/06/17(木) 20:24:36 ID:AMMhL9On
代理投下します
923嗚呼、青春の日々 ◇EboujAWlRA:2010/06/17(木) 20:25:17 ID:AMMhL9On
『出来る事なら、もう一度こうやって僕の声を聞けるようにね』
「十六人……織田……」

ちぃちゃんの声に、オレは目を覚ました。
いつの間にか眠っていたみたいだ。
確か、白髪の兄ちゃんに変な剣術っぽいのでぶっ飛ばされて、ちぃちゃんが戻ってきて。
んで……変なアイテムがあのターミネーターもびっくりのタフネス兄ちゃんを縛ったんだよな。

そこからか、眠っちまったのは。
ってことはだ、あの白髪の兄ちゃんと戦ったときには四時は回ってたから……
二時間ちょい寝てたってことか、寝すぎだろオレ。
畳の上で眠ってる、ってことは居酒屋かなんかか。
白髪と戦ったところからの距離的に考えて、ショッピングモールってところか?
しっかし、あそこからショッピングモールまで結構距離あったのに引っ張ってくれてたのかよ。
やっぱ見た目に似合わずいいヤツだなちぃちゃんは。
って、勿体ねえことやっちまったな。
おぶられてたってことは、合法的にちぃちゃんの中坊っぽくねえ身体を触りまくりのチャンスだったのに。
……ま、今はそんな状況じゃねえんだけどな。

「なぁ、ちぃちゃん」
「起きたの、シュン」
「ちょーど今、な。んで、放送ってのはどうだった?」

ちぃちゃんのクールな顔に影が刺した、ように見えた。
嫌な予感がする。
ちぃちゃんが作った表情は狼狽しているわけではないが、確かに悪いことが起こったときにする顔だ。
仲のいいツレが死んだ時の顔というよりは、前日に徹夜して作ったカンペが川に落ちたときのような、そんな顔。
だいたい放送で呼ばれた死者の名前に判断はついたが、ちぃちゃんの言葉を待つ。

「十六人、死んだ。ルルーシュって男も死んだみたい。あと、クラスメイトの織田ってのも」

……やっぱり、ルルーシュって兄ちゃんが死んだか。
っていうか、もう十六人も死んでるのかよ。これって多いのか?
ったく、頭の天辺から爪先まで痛ぇ痛ぇ呻いてやがるし、肝心のルルーシュって兄ちゃんは死んでやがるし、ろくな事がありゃしねえ。
六時間で十六人だから、一時間で二人と四分の一が死んでやがるのか。
二十五分もあれば一人は死ぬほど治安の悪い島です。
旅行者はそれ相応の武器と知識を身につけた上で、旅行会社の案内をよく聞いて行動しましょう。
クソ、洒落にもなってやがらねえ。

「ハザマは、死んでねえんだな」
「ええ、呼ばれていないわ。禁止エリアも合わせてメモを取っておいたから読めば?」
「あいよ……」

まさに、憎まれっ子世に憚るってヤツだな。
あのガキに、白髪の兄ちゃん、ハザマの野郎といい、しっかし、白いヤツはなんでこうむかつくのかね。
見た目は真っ白なくせに腹の中はドロドロの真っ黒なんだ、わかりずらいから見た目も黒くしやがれってんだ。
そもそもオレはロウの悪魔が嫌いなんだよ、上から見下してきやがるから。

「動ける?」
「……んー、ちょっとなら」

いや、正直きついけどな。
ディアラマ頼むわ、ディアラマ。もしくは回復の泉に連れてって。
924嗚呼、青春の日々 ◇EboujAWlRA:2010/06/17(木) 20:25:59 ID:AMMhL9On
「シュンはもうここで寝てなよ。C.C.っていう女は一人で捜すよ」
「おいおい馬鹿いうなよ、ちぃちゃん。元気モリモリだぜぇ……オレは」
「そうやって刀を杖代わりにしなきゃいけない男がなに言ってるんだか」

プルプルと震える両脚の代わりに、逆刃刀で身体を支える。
すげえ、今なら生まれたての子馬のモノマネが自然に出来るぜ。

「無理無理。ほら、これとそれを早く交換して」
「あん? どれとどれを?」
「このボーガンと、その刀」
「なっ!?」

思わず驚きの声を上げてしまう。
一応ではあるが目上として、リラックスさせるためにふざけた感じで通してたつもりなのに、不覚である。
もちろん賢いオレは一瞬でちぃちゃんの言うことは理解できた。
オレがここで寝るにしても護身用の武器は必要、探索に行くちぃちゃんにも武器は必要。
今の身体も満足に動かないオレにはより強い武器を与え、五体満足なちぃちゃんは弱いほうの武器を持っていく。

「ちぃちゃんをそんな命知らずに育てた覚えお兄ちゃんはありませんよ!」
「あたしに兄貴なんていないよ」
「偶然だな、オレにも妹はいねえ」

アホなやり取りをしてる場合じゃない、さっさと言うこと言っちまわないと。

「あのなぁ、ちぃちゃんは刀なんて使えないだろ。しかも、これは逆刃刀で使いにくいんだぞ?」
「今のシュンよりはずっとマシだよ。どっちも生きる、っていう方針ならそれほど悪くもないと思うけど?」
「はん。どっちも生き残るためならもっと楽な方法があるぜ、オレも一緒に行けばいい。
 ちぃちゃんも知ってるとは思うが、オレは普通のヤツよりは頑丈さには自信があるんだ」

そう言いながら、オレは逆刃刀を杖代わりにゆっくりとだが確かに脚を進めていく。
身体が上手く動かないとは言え、一般人のちぃちゃんとガーディアンが憑いているオレとじゃ元のパワーが違いすぎる。
全くの役立たずにはならないはずだ。

「小病院に行こうぜ、確か近くにあったよな?」
「そこで治療?」
「それが出来りゃ一番いいけど……まあ、本格的な杖とか欲しいな。頑丈で体重を預けやすいヤツ」

『よっ、と』、なんて年寄りくさい掛け声を上げながらオレは歩く。
痛みが残っているが、無茶できないほど辛いわけではない。
かなりきついのには違いないが、無理をすればいけないこともないってレベルの痛みだな。

「んじゃ、行くか」
「ホントに大丈夫なの?」
「大丈夫だー。さっきの見ての通り、オレ普通じゃありませんから」
「……そ」

オレはノロノロとしか動けないので、自然とちぃちゃんのスマートな後姿を見ることになる。
この光景はこの光景で悪くない、むしろ女の後姿ってのはなんかクルものがある。
925嗚呼、青春の日々 ◇EboujAWlRA:2010/06/17(木) 20:26:40 ID:AMMhL9On
しかし、ここって居酒屋なんだよなぁ。
酒も飲みてえな、さすがにこの状況でアルコールを摂取するわけにはいかないが。
ほほぉ、おでんが並んでやがる。さすが居酒屋だな。
機械を動かして入れてちょっと待つだけで、おでんが出来上がるって寸法ですかい。

つうか、こんな状況で呑気におでんを食うような馬鹿とか居るのか?
いや、オレとちぃちゃんも呑気にデイパックの中のスイカとか食ってましたけどね。
ただ、あのびっくり剣法が使えるターミネーターとかがおでん食ってたら超笑えるよな。

「オデンデンデン……オデンデンデン……ってか」
「なに、お腹空いたの? スイカあれだけ食べたのに?」

ちぃちゃんは振り返って不思議そうに逆刃刀を杖にヒィーコラしながら歩いているオレを見てきた。
なんか珍獣を見るみたいな目だな、おい。
しかし、腹が減ったか、か。
別に空腹なわけじゃないけど、なんか無性に人間の食べるものってヤツを食べたいだけで。
そう言えば、魔界から帰ってきたときは食えるものを食いまくったなぁ。
自棄食いっつうか、人間の料理を食べたかったつうか。

「なあ、ちぃちゃん」
「ん、どっか痛むところがあるの?」
「焼肉、食いてえなあ」
「……はぁ?」

あは、やっぱ呆れてやがる。
こんな状況でこんなこと言ったから仕方ないよな。
っていうか、今の雰囲気ってオレが死にそうな雰囲気じゃねえか?

「こう、皆で鉄板を囲んでよ。
 肉が焼けてない、焼きすぎだ、野菜も入れろ、焼肉なんだから肉が優先だ……そういう感じでよ」
「……」
「焼肉、食いてえなあ」

ちぃちゃんは一瞬、悲しそうな表情を見せて直ぐに顔を引き締めた。
ちょっとミスったかな。

「シュン」
「あん?」
「ここはもう非日常なの。それぐらい分かってるでしょ?」

ちぃちゃんは冷たい言葉ばっかり言うね、中学生だって言うのに現実を受け入れすぎでしょ。
もちろん、オレが甘すぎたって言うのはあるけどよ。
まあ、しょうがねえじゃん。人間ならちょっと逃げたくなるときだってあるんだし。

もっとも、尻尾巻いて一人だけで逃げるような気はないけどな。
逃げるなら皆で、だ。

「ごめんなあ、ちぃちゃん。ちょっと痛みで弱気になってたわ」
「……」

ちぃちゃんの返事はなし、か。
へっ、どう足掻いたってもう焼肉は食えねえってことかよ。
まあ、そんなことはとそんなことは分かってるんだけどな。
オレだってそこまで頭がハッピーなヤツじゃねえよ。
ただ、ただちょっと考えてみただけだっつうの。

チクショウめ。
926嗚呼、青春の日々 ◇EboujAWlRA:2010/06/17(木) 20:27:22 ID:AMMhL9On
【一日目朝/ H−3 ショッピングモール内部】
【蒼嶋駿朔(男主人公)@真女神転生if…】
[装備]:逆刃刀@るろうに剣心
[支給品]:支給品一式、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@TRICK、スイカ(残り4玉)@スクライド
[状態]:重傷(杖があれば歩ける程度には回復)
[思考・行動]
基本:ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。
0:本格的な杖を探すために、小病院に行く。
1:千草と行動。セクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。
2:狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。
3:一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。


【千草貴子@バトルロワイアル(小説)】
[装備]:ブラフマーストラ@真女神転生if、鉈@ひぐらしのなく頃に
[支給品]:支給品一式×2、織田のバイオリン@バトルロワイアル、
     庭師の鋏@ローゼンメイデン、未確認支給品(0〜1)
[状態]:健康
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗るつもりはない……?
0:シュンの治療をするために、小病院へ移動する。
1:シュンとひとまず行動。蒼嶋の言うセクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。
2:三村と合流するべきか?
[備考]
※本編死亡後より参戦。
927創る名無しに見る名無し:2010/06/17(木) 20:28:45 ID:AMMhL9On
代理投下終了です。
ただ避難所に宣言したかったんですがプロキシ規制されてまして
やむなく無断で代理投下してしまいました…申し訳ありませんorz
928創る名無しに見る名無し:2010/06/17(木) 21:09:56 ID:2Jpmf/cJ
投下乙です!

分かってても言わずにいられない男主人公が切ねぇ
でも、下手に同意してくれるような相手よりも、
しっかり現実が見えてる貴子がパートナーでよかったのかも知れないな
929創る名無しに見る名無し:2010/06/17(木) 21:43:49 ID:Wb96pjDe
投下乙!
男主人公は歩ける程度には回復したとはいえ
この状態でマーダーに会うとかなりヤバイな…
殺し合いに巻き込まれたんだから当たり前だけど雰囲気が重いw
930創る名無しに見る名無し:2010/06/17(木) 22:25:40 ID:RspMgg0Z
投下&代理投下乙!
雰囲気が重くて切ないのは分かってても、つい和んでしまった…いいな、この二人
素直に応援したくなる
一応周りにマーダーいないし(影月いるけど)ゆっくり回復して欲しい
931創る名無しに見る名無し:2010/06/18(金) 01:12:54 ID:4aItJR8B
投下&代理投下乙!

なんか哀愁漂ってるなぁ
未だに日常を捨てきれない男主人公に、現状を受け入れっちゃった貴子
それがただただ悲しく感じる

そして織田様は初めてその死を誰かに悲しんでもらえたのか……
932創る名無しに見る名無し:2010/06/18(金) 23:44:55 ID:kxp9SSR8
悲しんでもらえたというか、ようやく反応してもらえたというか…
933創る名無しに見る名無し:2010/06/19(土) 00:16:51 ID:jPaxW8fW
まだプリーシアと三村が放送来てないけど
織田への反応は変わらないなw
934創る名無しに見る名無し:2010/06/19(土) 01:34:35 ID:s/3JrZ5f
普段はおとなしい奴で通してたらしいからなw
「ああ、あいつ死んだんだ」ぐらいの反応だろう
935創る名無しに見る名無し:2010/06/20(日) 20:34:09 ID:wsx57mqe
スローペースだが適度に予約が着ていいな…
書き難いキャラも多いのにちゃんと書かれてるな
936創る名無しに見る名無し:2010/06/21(月) 01:28:44 ID:N3BGeUaS
各地にフラグが累積してて、今後の展開を想像しただけでテンション上がる
937創る名無しに見る名無し:2010/06/23(水) 22:44:20 ID:Mzt7gh67
ふと気づいたけど、寄生生物に首輪って効果あるの?
あいつらなら一時的に胴体と首を分離→首輪を外して戻るで首輪を外せる気がする
938創る名無しに見る名無し:2010/06/23(水) 23:04:16 ID:EFffS1JE
後藤は体のどこかに首輪と同等の物が装着されてるらしい
玲子は分からないけど、こっちも似たようなものだと思う
939創る名無しに見る名無し:2010/06/23(水) 23:07:08 ID:eswcAaNC
そんなに便利な構造じゃなかったような気がする
寄生獣ってくらいだからな
ミギーが分離出来るのは特別扱いじゃなかったっけ
940創る名無しに見る名無し:2010/06/23(水) 23:24:39 ID:Mzt7gh67
あれ? 
二巻で交通事故にあった寄生生物が、運転席にいる男に分離した状態で襲いかかってたような
僅かな時間なら分離も可能なんじゃね?

どっちにしてもこれで首輪外すっていうのは無理っぽいけど
941創る名無しに見る名無し:2010/06/24(木) 01:12:50 ID:R1YxNu8i
三木とか玲子の一部も独立行動してるし、短時間なら分離は可能
でも首輪の構造にもよるけど、首輪がただ嵌まってるだけなら別に分離しなくても
首と頭を細長く変形させれば抜けちゃうんじゃね?
だから玲子も後藤みたいに首輪に準ずる物を装着されてることにした方がいいと思う
942創る名無しに見る名無し:2010/06/25(金) 02:07:38 ID:zKn68elM
しかし考えてみたら、首輪付けてなかったら他の参加者からは一目で異質って分かってしまうな
943創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 00:13:13 ID:a2KUGyl/
誰も通らない研究所…
944創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 00:15:55 ID:OI7Ovuxy
病院「研究所さんチィーっすwwwまだ先がありますよwwwww」
945創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 00:23:08 ID:a2KUGyl/
牧場「…。」
946創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 01:17:59 ID:CfPL2CAy
調子に乗らない方がいいぞ病院…消し飛ぶかも知れないんだから
947創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 03:08:56 ID:ixXOpjNn
恐竜の化石「自分の存在意義が分からない……」
948創る名無しに見る名無し:2010/06/28(月) 23:22:49 ID:tVixamHX
遊園地「オデノカラダハボドボドダ!」
949創る名無しに見る名無し:2010/06/29(火) 00:45:12 ID:sbFRDHcg
教会は後藤さんのせいでボタボタです、本当にry
950創る名無しに見る名無し:2010/06/29(火) 00:49:27 ID:IKBaBcYV
公園レイプの影月さん
951創る名無しに見る名無し:2010/06/30(水) 02:02:02 ID:PEUJN0AP
D−7「俺が……ゲームを面白くしてやったのに」
952創る名無しに見る名無し:2010/06/30(水) 20:35:08 ID:FG7HQslT
炎上乙ww
953創る名無しに見る名無し:2010/06/30(水) 21:03:36 ID:wp3V/zzo
近くにいた…悟史が悪い…
954創る名無しに見る名無し:2010/06/30(水) 23:25:47 ID:FG7HQslT
逆に考えるんだ
拡声器を使った悟史の近くにいたD-7が悪い
955創る名無しに見る名無し:2010/07/02(金) 22:19:36 ID:Fn7d/T3Y
しかし浅倉、東條と同じぐらい進んでいるのに、成果は蟹だけって…
956創る名無しに見る名無し:2010/07/03(土) 00:44:18 ID:E3jxwESM
サラマンダーですね、分かります
でも後藤さんと影月さんのお陰で、対主催はまだまだ涙目です
957創る名無しに見る名無し:2010/07/03(土) 08:08:33 ID:y6mDY6nO
いや、待て
東條が殺したのはロリと怪我人だが、浅倉は敗北フラグの代名詞とはいえライダーの一人
実力的には大分違うじゃないか
958創る名無しに見る名無し:2010/07/03(土) 13:52:49 ID:v4aj6i4h
東條はライダーロワNEXTでは4人殺しているけど…関係ないか…。
959創る名無しに見る名無し:2010/07/03(土) 23:13:40 ID:LWshJG/y
あれも4人中3人は不意打ちで殺してるからなぁ
東條らしいといえばらしいけど
960創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 00:51:53 ID:n61ASUVA
フライングボード「東條が点数稼げてるのは俺のおかげ」
961創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 00:57:34 ID:BqHCAqiP
予約キテタ━━━━━━━━!!
962創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 00:58:32 ID:ZhJUv3Ta
予約か…胸が熱くなるな…
963創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 01:02:54 ID:n61ASUVA
バカなレスをしてる場合じゃなかった
964創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 01:02:58 ID:ZhJUv3Ta
続いてキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
965創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 01:22:40 ID:n61ASUVA
予約ラッシュってやつか
投下が始まる前にこっちのスレは埋めちゃう?
966 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:00:31 ID:/ghLRfYZ
瀬田宗次郎を投下します。
967Innocence ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:01:16 ID:/ghLRfYZ
「なんだ、緋村さんは結局死んじゃったのか」

 青を基調にした着物に身を包んだ青年が、柔和な笑みを絶やす事無く呟く。
 内容はともかくとしてその口調は柔らかく、『優男』と称された顔には子供らしい幼さが残っていた。
 青年、瀬田宗次郎は書き込みを終えた名簿を改めて眺める。
「それに斎藤さんも……。
 なんだか拍子抜けだなァ」
 放送で呼ばれた知り合い、緋村剣心と斎藤一。
 前者は元伝説の人斬りの流浪人、後者は元新撰組の警視庁密偵だ。
 志々雄の話と新月村での接触から、両名が実力者だという事を宗次郎は知っている。
 その二人が命を落とした事を受けて僅かに驚くが、それ以上の衝撃は無かった。
「でも当然だよね。
 緋村さんの不殺なんて殺し合いの場では通じない。
 斎藤さんだって、志々雄さんの国盗りに賛同出来ない時点で甘い。
 だから生き残れない……僕や志々雄さんにかなわない」
 地図と名簿をゆっくりとした動作でデイパックにしまう。
 仕草の一つ一つが緩慢で、見る者に緊張感を感じさせない――実際宗次郎は緊張していなかった。
 明治という時代、志々雄真実の下で片腕として働いていた身にはこの状況は緊張に値しない。
――それ以前に、宗次郎の性格は『緊張』という言葉と無縁だった。

 突然放り込まれた殺し合いの場。
 初めて見る道具、初めて見る建物。
 主催者の目的、動機、参加者の人選の意図。 
 疑問に思うべき事は幾らでもあるが、宗次郎はそれら全てを「ま、いいや」の一言で済ませた。
 脇に置いていた剣を拾い上げて一つ伸びをすると、再び歩き出す。

 『弱肉強食』。
 志々雄が宗次郎に教えたこの世の理だ。
 国盗りに反発した剣心と斎藤の死。
 そして志々雄と宗次郎の生存によって、それは宗次郎の中でより確固たるものとなった。
 強ければ生き、弱ければ死ぬ。
 剣心と斎藤は弱く、志々雄と宗次郎は強かった。
 予め分かっていた事――それだけの事だと、宗次郎はすぐに考えを打ち切る。
 『楽』以外の感情が欠落している宗次郎には喜びも怒りも哀しみも無い。
 加えて幼少時に「志々雄が正しい」という考えに行き着いた時点で思考停止していた。
 だから深く考えない。
 少なくとも、普段は。

「イライラするなァ……」

 感情は欠落している――正確には封印しているのだが、今は苛立ちという形で洩れ出していた。
 独り言も自然と増える。
「おかしいなァ……緋村さんは死んだのに、どうしてこう……イライラするんだろう」
 口元の笑いはそのままだが、眼はそれまでの柔らかさを失くし剣呑な光を帯びていた。
 語調の緩さに対して声質には冷たさが混じる。
 そもそもの苛立ちの原因は、不殺を掲げる剣心との対峙にあった。
 ここに連れて来られた直後の宗次郎なら、剣心が死ねばそれで不機嫌は収まっていたかも知れない。
 しかし現在の苛立ちには別の要因が関わっている。

「泉新一、か」
968Innocence ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:02:46 ID:/ghLRfYZ
 「シンイチ」と、彼の喋る右手は彼自身に呼び掛けていた。
 恐らく名簿にある『泉新一』が彼の名なのだろう。
 そして放送にその名前は含まれていなかった。
「無理してでもちゃんと殺しておくべきだったかな……」
 ラジコンカーによる爆発はそれなりの規模があったが、あくまで自身の逃走の為のものだ。
 「縁があったらまた会いましょう」という言葉の通り、本気で殺そうとしていた訳ではない。
 だが沸々と湧き上がる不快感は他でもない新一の言葉から来ている。
 思い返し、新一の言葉を咀嚼するごとに宗次郎の神経は逆撫でされた。
 明確に生存という事実が示された為に、それは余計に助長される。
「意味が分からない事ばかり言ってきて、本当に……イライラする……」

『当たりめぇだろ! 人の命ってのは尊いんだよ!』

――だったら何であの時、誰も助けてくれなかったんですか?



 義理の家族との生活の中で、毎日毎日飽きる事無く続けられる執拗な虐めにずっと耐えていた。
 酷い仕打ちを受けるのは自分が妾の子供だから仕方ないと諦めながら。
 諦めて、怒る事も泣く事もやめて笑っていた。
 政府に追われ全身に火傷を負った志々雄を匿ったのはそんな頃の話だ。
 そしてそれが発覚してしまった日、宗次郎は家族に殺されかけた。
 政府に楯突いた事に怒り狂って。
 政府からの報酬を期待して笑って。
 殺人への好奇心に目を輝かせて。
 剣を振るう事に興奮して。
 家族の中に味方は一人もおらず、宗次郎はただひたすら逃げた。

 宗次郎の命を救ったのは、志々雄から貰った言葉と一振りの脇差だった。
 その二つで宗次郎は家族を皆殺しにし、志々雄の理念を真に理解する。
 強い者が生き、弱い者が死ぬ。
 自分が弱かったから虐められた。
 彼らが弱かったから殺された。
 自分が強くなったから生き残った。
 それは分かりやすい、疑いようも抗いようも無い摂理の結果なのだと。

 少年は何も知らず、縋るものを何も持たず、無垢だった。
 故に志々雄の言葉は容易に「刷り込まれ」る。

 しかし剣心も新一もそれを理解しようとはしなかった。
 剣心は幕末の動乱を生き抜いた上でなお不殺を唱える。
 新一は何も知らない癖に知った風な口を開く。
 どちらも宗次郎には理解出来ず考えれば考えるだけ苛立ちが募り、堪らなく不快だった。

――不殺とか、弱い者を守るとか、そんなものは間違っているんだ。


 「助けて」と、心の中であんなに叫んでいたのに誰も助けてくれなかったじゃないか。
 縁の下に逃げ込んで、脇差を握ってあんなに震えていたのに誰も助けてくれなかったじゃないか。
 下の兄に脇差の鞘を抜かれた時、あんなに怯えていたのに誰も助けてくれなかったじゃないか。
969Innocence ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:03:50 ID:/ghLRfYZ
 あの時すぐ近くにいた志々雄さんだって、助けてくれなかったじゃないか。


 結果として宗次郎は今も生きている。
 だから志々雄は正しい。
 『弱肉強食』こそがこの世の理であり、摂理。
 そこで停止した思考のまま、宗次郎は何年も過ごしてきた。
 もし考えたら、疑ったら、何かが壊れてしまう事を無意識のうちに理解していたのかも知れない。

『自分を騙して、人を傷つける。それで弱肉強食? 笑わせんなよ』

 誰も助けてくれなかったから――僕ハ彼ラヲ全員殺シタ。
 デモ――
 デモ弱イッテコトハソンナニ悪イコトナノ?

――――雨の中泣いている子供が居た。
――――子供は泣いているのかと尋ねられる。
――――でもその子供は笑いながらいいえと答えるんだ。
――――そうだ……この子供は僕だったんだ。

 本当ハ、初メカラ気付イテイル。
 アノ時僕ハ志々雄サンニ嘘ヲ吐イタ。

――やっぱりこれは志々雄さんに返そう
――僕は志々雄さんみたいに強い剣客にはなれないよ
――弱くても僕は今まで通りでいいや

 誰モ殺シタクナンテナカッタ。
 強クナレナクテモ良カッタ。

『お前は弱肉強食に、本当には納得してないって事だろ?』

 本当ハアノ時、アノ雨ノ中、僕ハ泣イテ――



「……あれ?」

 叫び出しそうな程に思考と感情が高ぶった時、宗次郎ははたと立ち止まった。
 歩いているうちに橋に辿り着き、そこで道が二つに分かれていたのだ。
「そっか、もうそんなに歩いてたんだ」
 地図を思い出しながらポンと手を打つ。
 縮地を使えば島の縦断も容易かったが、特に焦る理由も目的地も無く宗次郎は徒歩で進んでいた。
 しかしここで選択の必要が生まれる。
 現在の差し当たっての目的は、刀。
 そして沸騰寸前だった脳は一時的に冷めたが苛立ちは消えていない。
 憂さを晴らす為に手頃な相手が必要だった。

 様子を見ているうちに橋の向こう――E―2で爆発が起きた。
 しかし宗次郎に驚きは無い。
970Innocence ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:05:32 ID:/ghLRfYZ
 爆発は宗次郎自身も起こしているし、東の方角では複数箇所で黒煙が上がっている。
 ただ、この世こそが地獄だと語る志々雄の姿を思い出した。
 修羅に慣れ親しんだ男は今頃、この状況を存分に楽しんでいる事だろう。
「さて、どっちに行こうかな……?」
 たった今爆発が起きたE―2か、大規模な殺し合いが行われていると思われる東か。
 縮地を前にすれば、どちらも距離は同じと言ってもいい。
 どちらに進んでも退屈する事は無さそうだと、宗次郎は再び顔に笑みを貼り付ける。


 刃を握ったままの両手では、何をも掴めない。
 例え縮地で駆けても、何にも届かない。
 人に与えられた答えだけでは、本当の自分にはなれない。
 それを宗次郎に諭すはずだった男――志々雄の信条を否定した男はもういない。
 皮肉にも否定した言葉、『弱肉強食』の文字の通り強者の糧となった。
 その皮肉は宗次郎の行く末を如何に変えるのか、今はまだ分からない。

 少なくとも。
 殴られただけで痛いのだから、刀で斬られて痛いのは当然だと――
 人の痛みを知っていた優しい少年の面影は、今は遠い。


【一日目朝/D−1 道】
【瀬田宗次郎@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]黄金の剣(折れている)@ゼロの使い魔
[所持品]ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュ、基本支給品
[状態]全身打撲、精神不安定
[思考・行動]
1:獲物と得物を求めて徘徊。
2:弱肉強食に乗っ取り参加者を殺す。志々雄に関しては保留。
3:どちらに進むか決める。
971 ◆.WX8NmkbZ6 :2010/07/06(火) 01:07:46 ID:/ghLRfYZ
投下終了です。
問題点、誤字脱字等がございましたらご指摘下さい。
972創る名無しに見る名無し:2010/07/06(火) 01:38:42 ID:mCGWD21F
投下乙!
やっぱり剣心の死の影響も大きいけど、何気に新一も色んな奴に突っかかってるなぁ
今の宗次郎は情緒不安定だし、進行方向的に東條と会うかもしれないから不安だ
そして宗次郎の浅倉化が激しいww
もうイライラするんだよ……とか言いながら、誰かに襲いかかっても不思議じゃない
973創る名無しに見る名無し:2010/07/06(火) 02:06:10 ID:s45Q1L1e
投下乙です

揺らいでるけど改心する程ではない。誰かが負かして改心させるのはロワでは原作より難しいしな
東條と会うかもしれないのか…嫌な予感しかしねえw
974創る名無しに見る名無し:2010/07/06(火) 16:20:27 ID:kIUOIQuU
投下乙です
975創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 02:08:54 ID:ZUCvO0x2
投下乙です
宗次郎は少しづつだけど追い詰められてるなー
南に行けば菊一文字を持つ東條、街に行けば上田たちと遭遇しそうだけどどっちにいくのか
どっちにしろ火種になるのは間違いないw
976創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 03:23:34 ID:S6pWa1QA
やっぱりるろ剣勢は面白いな
志々雄さんを書いてみたいけど、結構難しいという……
977創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:10:05 ID:5uzPA1GM
ちょっと質問なんだが、展望台から見えるのってどの辺くらいまでだろうか?
美術館やホテルなんかは見える?
978創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:15:07 ID:v5PbbysJ
◆KKid85tGwY氏が規制中とのことなので、代理投下を行ないます
979次元大介の憂鬱 ◇KKid85tGwY:2010/07/08(木) 23:15:59 ID:v5PbbysJ
『六時間でこれだけと思うのか、六時間しか経っていないのにこんなにと思うのか。それは受け取る君たちに任せるよ』

 V.V.のまだ幼さの残る声が、どこからとも無く――強いて言えば天空から周囲一体に響き渡る。
 ダークスーツを身に纏いつばの広いソフト帽を目深に被った痩身の男、次元大介は
 半分以上が灰になったタバコを咥え、自宅の廊下を進んでいるような弛緩した足取りで朝焼けの町を歩いていたが
 放送が聞こえてくると足を止め、しばらくはいかにも茫洋とした様子で天を仰いだ。
 そしてコンクリート製のビルの壁を背に座り、大儀そうに地図と名簿を取り出した。

 一見した次元の様子は、まるで今そこが殺し合いの最中である事を忘れたかのように隙だらけに見えるが
 実際は周囲への警戒を全く怠っていない。
 もっとも周囲に人の気配は無いことは察知しているため、すぐに襲撃をされる懸念は少ないが
 それでもどんな罠があるかは分からない。
 それに何より傭兵として、あるいはルパンの相棒として数え切れないほどの修羅場を潜ってきた次元は
 戦場において『絶対』は無い、何が起こるかわからないことを誰よりも熟知している。
 いつでも胸元に差し込んだデリンジャーを抜ける態勢を維持していた。
 弛緩しながら日常的な動きを行いつつ、警戒態勢を保つ。
 修羅場を日常とする者だけが持ち得る所作を、次元は身に付けている。
 しかもそれは、世界最高レベルと言っていいほどの水準でだ。
 世界を股にかけ、あらゆる種類の悪党と戦い泥棒稼業を続けてきたルパン一味。
 危機的状況からの『逃走』と『生存』のスキルに掛けては、恐らく並ぶ者は存在しないであろう。
 だから日常的な何気ない所作でも、警戒態勢を取っていられるのだ。
 そしてそれは今に始めたことではない。
 次元は殺し合いの最初から、食事をしていようと交渉をしていようと1度たりとも周囲への警戒を緩めてはいなかった。
 詩音とロロを相手に交渉をしている時もそうである。
 次元があの時2人の間に入ろうとしたのは、実はそれが最も安全な位置だと判断したからだ。
 まずあの状況でロロ自身がそのまま次元に襲い掛かる懸念は少なかったと言える。
 何故なら詩音のAK−47で牽制されていた、つまりAK−47を恐れていたからだ。
 あの場でロロが下手に次元に仕掛ければ、詩音を刺激する可能性も充分にあった。ロロもそれは避けたかったはずだ。
 そして詩音に殺意が無かった以上、あの状況で最も怖いのは、次の3つのケースである。
 1つはロロが詩音のAK−47を奪い、自分もそのAK−47で撃たれること。
 1つはロロが詩音を襲い、詩音がAK−47で反撃してその流れ弾に当たること。
 もう1つが第三者(あの場合は第四者と言うべきか)から急襲を受けること。
 しかし次元が2人の間に立てば、最初の2つのケースは防ぐことが出来るし
 最後のケースで考えても最も安全な位置と言える。何しろ前後を2人が盾になっている形だからだ。
 つまり次元はいかなる状況でも、『生き残る為のスキル』発揮できる人間なのである。
 当然それはルパンなどにも言えることだ。
 だから次元としては、実はルパンたちの心配はほとんどしていなかったのだが……。

 次元は禁止エリアを告げられると、地図上の該当箇所に指定時間を書き込み
 死亡者を告げられると名簿上の該当者の名前の上から線を引いた。
 やがて放送が終わると、次元は根元まで吸い切ったメンソールをアスファルトの上に投げ捨てた。

「…………16人か……。またずいぶん、派手に死んだもんだな……」

 ソフト帽を頭の上から押し付けるようにしてさらに深く被り、押し殺すような声でごちる。
 6時間で16人。
980次元大介の憂鬱 ◇KKid85tGwY:2010/07/08(木) 23:17:09 ID:v5PbbysJ
 こういった形式の殺し合いを他に知らない次元には、このペースが早いのか遅いのか判断のしようが無いが
 単純計算すれば、誰かの優勝にせよ全滅にせよ殺し合いが終わるまでに1日とかからないペースになる。
 幸いルパンと五ェ門は無事だったが、V.V.への手がかりとして目星をつけていたルルーシュは死んでしまった。
 そのルパン達も、今の状況では安泰であるとは到底いえない。
 何しろ、あの銭形が早々に死んでしまったのだ。

 常にルパンを取り逃がしている印象が強い銭形だが、彼は紛れも無く優秀な警察官である。
 そうでなければそもそも、ICPOの中でもルパン専属の捜査官と言っていい立場に居られない。
 仮に双方が正面から本気で命を奪い合うような戦闘となればルパン、次元、五ェ門の何れでも危うい。
 3人がかりでも勝利は難しいほどの相手なのだ。
 ルパンたちが常に逃げ果せるのは、銭形が無能だからではない。ルパン一味の逃走技術が、あらゆる局面で卓越しているからだ。
 その銭形が殺された。
 銭形は自殺をするような人間ではない。事故で死ぬような間抜けでもない。
 あの銭形の命を奪うほどの者が、ここには居るのだ。

 次元は新たなメンソールを咥え、火を点けた。
 発生した煙を、肺まで吸い込む。
 美味い、がやはり物足りない。

「やはり俺にしちゃ、ちょっとばかり甘すぎたぜ……」

 次元は殺し合いが始まってから6時間の、自分の行動を振り返る。
 殺る気のないガキに銃を向けられ主導権を握られて、状況に流され立ち話をしていた。
 その後、違うガキと下らない口げんかをした。
 そしてタバコを探して、カップ焼きそばを賞味していた。
 何とも呑気な話だ。事態は、切迫していたと言うのに。

 必要な作業を終えた次元は、手早く荷物をまとめ立ち上がる。
 もっとも、どれだけ急いだ所でこれからどこに向かえばいいのかの当てなど無いのだが。
 とりあえず、じっとしていても始まらないと歩み出す。
 6時間もあって、碌に情報も集められなかったのだ。
 やはり、これまでのやり方が温過ぎたと言わざるを得ない。
 例えば交渉の場面でも、上手く主導権を握る方法は幾らでもあった。
 銃を向けてきた詩音が相手なら、取り押さえても構わなかったはずだ。
 そしてもし詩音が下手に抵抗してきたのなら、殺すことになっても仕方ない場面ですらあった。
 この殺し合いの場では殺人が必要な場面が出てくるだろう。
 少なくとも次元は必要な殺しを躊躇する人間ではない。

 次元はルパンと五ェ門のことを考える。
 2人は確かに、生存と逃走に類稀なスキルを持っている。
 だが2人とも多分に甘い部分も持っている人間だ。
 2人とも特に女には甘くて弱い。ルパンなど毎度同じ女に騙されているような始末だ。
 だが自分ならば、2人ができない仕事もできるのではないか。
 女子供が相手でも、危険人物なら牽制しあるいは制圧し――あるいは始末する。

 無論、自分から無用な揉め事を起こすつもりは毛頭無い。
 下手に強硬な真似ばかりを繰り返して、周囲に自分が危険人物だと見られては笑い話にもならない。
 誰が危険人物かを判断するのも慎重に行わなければならないだろう。
 ここでは善良な人間を装って背後から襲うような者も、当然現れるだろうから。
 それにロロからスザクは危険人物だと教えられていたりするが、ロロ自身の信用し切れない以上
 この場合、やはり自分でスザクを見極める必要がある。
 ここでは情報が錯綜や虚報が極めて起こり易い上、1度の判断ミスが命取りになる。
 そもそも焦ったために犯したミスで自分が死んでは、本末転倒もいい所だ。
 やはり慎重になるに越したことは無い。
981次元大介の憂鬱 ◇KKid85tGwY:2010/07/08(木) 23:17:49 ID:v5PbbysJ
 当座の行動方針は固まった。
 慎重に、しかし早く確実に危険を排除しルパンたちと合流する。
 たとえ血塗られた道を行くことになろうと。

「ルパンのついでに、違うタバコも探すとするか……」

 次元は思う。
 今から進む道はルパン一味の流儀に反することかもしれない。
 それでも自分の信じるやり方でやらして貰う。
 それがお前と、袂を分かつ結果になろうとだ。
 何せ生きて帰らなきゃ、後悔も出来やしないんだからな。
 俺も、お前も。
 そうだろ――――ルパン。

【一日目朝/G−8 北部】
【次元大介@ルパン三世(アニメ)】
[装備]レミントン・デリンジャー(2/2)@バトルロワイアル
[支給品]支給品一式×2、水鉄砲@ひぐらしのなく頃に、庭師の如雨露@ローゼンメイデン、レイピア@現実、
    前原圭一のメモのコピー@ひぐらしのなく頃に、知り合い順名簿のコピー、
    バージニア・メンソール×五箱(六本消費)@バトルロワイアル、
    北条悟史の金属バット@ひぐらしのなく頃に、確認済み支給品0〜1個
[状態]健康、満腹
[思考・行動]
1:V.V.を殺して、殺し合いを止める。
2:ルパン達を探す。
3:ロロを完全には信用しないため、ロロから与えられた情報も半信半疑。
4:危険人物には容赦しない。
[備考]
※庭師の如雨露をただの如雨露だと思っています。
※ギアス世界の情勢を知りました(ただしギアスについては知りません)
※ギアス勢の情報を入手しました、スザクのみ危険人物だと教えられています。
982創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:18:42 ID:JRfqKeTK
 
983次元大介の憂鬱 ◇KKid85tGwY:2010/07/08(木) 23:19:00 ID:v5PbbysJ
427 名前: ◆KKid85tGwY[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 23:07:19 ID:gikp4Vvg0 [5/5]
投下完了しました。
問題点等があれば、指摘をお願いします。


投下乙でしたー!
次元は落ち着いててカッコいいなぁ
対主催グループに行っても緩衝材になりそうだし、マーダーと相対しても出し抜けそうだ
やっぱりルパンの相棒として活躍し続けただはあるぜ
984創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:22:08 ID:JRfqKeTK
次元かっこいい!
短い話なのに、次元のよさが溢れてました!
985創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:36:32 ID:S6pWa1QA
投下乙!
次元もいざとなったら殺す覚悟をしたのか……
これが吉と出るか凶と出るかはわからないけど、多分凶と出るんだろうなぁ
詩音もロロも復讐に走りそうだし、本当に血塗れになりそうだ
傭兵らしいシビアな考え方だと思う
986創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 23:59:50 ID:Jouhfm3J
透過乙です

次元かっこいいな!
ルパンにだって非情な面は多々あるけど、
いざとなったら一番容赦がないのは次元なんだろうな
今後の動向に期待したいキャラがまた増えたよ
とにかく乙でした!
987創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 00:49:40 ID:9e6RGPxt
そろそろ新スレか
テンプレは>>1-2には変更ないと思うから、>>3だけ

5/6【コードギアス 反逆のルルーシュ@アニメ】
●ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○C.C./○ロロ・ランペルージ/○篠崎咲世子/○ジェレミア・ゴットバルト
3/6【ひぐらしのなく頃に@ゲーム】
○前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/●北条沙都子/○園崎詩音/●北条悟史
3/5【スクライド@アニメ】
○カズマ/●劉鳳/○由詑かなみ/○ストレイト・クーガー/●橘あすか
3/5【らき☆すた@漫画】
○泉こなた/○柊つかさ/●柊かがみ/●高良みゆき/○岩崎みなみ
3/5【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-@漫画】
●緋村剣心/●斎藤一/○志々雄真実/○瀬田宗次郎/○雪代縁
4/4【仮面ライダー龍騎@実写】
○城戸真司/○北岡秀一/○浅倉威/○東條悟
3/4【ルパン三世@アニメ】
○ルパン三世/○次元大介/○石川五ェ門/●銭形警部
3/4【ローゼンメイデン@アニメ】
●真紅/○水銀燈/○翠星石/○蒼星石
2/3【ガンソード@アニメ】
○ヴァン/○レイ・ラングレン/●ミハエル・ギャレット
3/3【寄生獣@漫画】
○泉新一/○田宮良子(田村玲子)/○後藤
1/3【ゼロの使い魔@小説】
●ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/●平賀才人/○タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
3/3【バトルロワイアル@小説】
○稲田瑞穂/○千草貴子/○三村信史
1/2【相棒@実写】
○杉下右京/●亀山薫
2/2【仮面ライダーBLACK@実写】
○南光太郎/○シャドームーン
2/2【真女神転生if@ゲーム】
○男主人公/○狭間偉出夫
2/2【DEATH NOTE@漫画】
○夜神月/○L
2/2【TRICK@実写】
○山田奈緒子/○上田次郎
1/2【バトルロワイアル@漫画】
●織田敏憲/○桐山和雄
1/1【ヴィオラートのアトリエ@ゲーム】
○アイゼル・ワイマール
1/1【灼眼のシャナ@小説】
○シャナ

 48/65
988創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 00:51:59 ID:sjE1nJpO
犠牲者はミハエルだけか…
989創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 01:32:45 ID:tTc3DIvR
寄生獣とライダー勢強えなw
990創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 01:37:15 ID:sjE1nJpO
次スレ立ててきましょうか?
991創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 01:47:45 ID:sjE1nJpO
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1278607486/
とりあえず立てておきました。
992創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 08:44:50 ID:KAxQQ9nT
>>991
スレ立て乙です
993創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 09:56:40 ID:OMDGATCe
スレ立て乙
こっちは埋め立てるか
994創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 19:37:19 ID:sjE1nJpO
北岡ァァァ!
995創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 23:43:57 ID:XSm9qpE+
          /___
    (__人_/ { く l  \  )ノ)
  ノ⌒`  /ノ{/)ノ从(ゝく∨  ⌒ヽ
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 __ノ l  {/| O      O | | ハ (_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ̄{/ノノ人|⊂⊃    ⊂⊃|ノヽl }Τ< 呼んだ?
  人( (___{   (_人_ノ  リ__ノノ八(  \__________
    r─ 、ゝ  _   _   ィ─ 、
   {、__ノc}  /i ̄ iヽ  {b、__ノ)
    ヽ  <  /∧ ∧ヽ >  /
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996創る名無しに見る名無し:2010/07/09(金) 23:50:07 ID:iI2GsSdM
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997創る名無しに見る名無し:2010/07/10(土) 00:14:57 ID:SE+Vfhyb
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                      !{ ,    ',l|´`ー.'l!
                      l .,.     l|   l!
998創る名無しに見る名無し:2010/07/10(土) 00:15:56 ID:SE+Vfhyb
        __             __
      ∠       ̄`ーァ.,ィ个ー、ァ'´     ̄`ヽ、
     r┴―- 、_.    r' r.、 }= ,ィ { ______ヽ
    ゝ、       ̄ ̄「「,r―〈〉r―ォ)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }
      >、ヽ、 ̄ ̄ ̄ l l!: : :ム オ: : :!l:ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノ
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            ヽ:.:.:.:.:.l `、: ::!!: : :ノ.j: :.:.:.:.:.:.:.:/
             `ヽ:.:!ハヽ、j_,、/ レ:.:.:.:.:../
               ヽ ト _ イ、:.:.:.:./
                _rイ「  「`ヽヽ/
        _     ,r‐=.}、〈〉 〈〉 アォ┬┬ァ
    ,rァ―ケr_ヘー‐ヘ  「ヘ个ミ」彡イr、! l. l/‐ァー-‐rォ、_
. ,イ三´ }{__r'`ーヘ_、`ヘ ヘ{`ヽr===ォムイノ/,r={__}{イー' ノ }'{`ー、
〈/´ ̄}ノ´    ̄     〉 `ー{三三}= ォ       ̄ ̄`ヽ「ヽ,}
               込ー 、 _ rォ={
               {:.:.:`、個片{r'´::}
                !:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:{
                l:.:.:.:.:.:l. ヘ:.:.:.:.:.!
                l:.:.:.:.:.:} ヘ:.:.:.:ノ

                                   ノ ̄ ̄ア
.          /ア                      /  rイ
        〈. {                   , -一'ー-、/
        | ̄}      r―- 、___    ∠       ヽ
        ,r==ォ      ヽ、フー―-、!. ` 、´ , -―― 、   ヽー-―
        !:.:.:.:.{        ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.{   `く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ   ヽr‐-
.        j:.:.:.:.:.!      >==、==ァイ___,ィ、 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ   }
       ト、:.:.:.:.j         `tォ、 ̄  ,r勿ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l   !
.      爪し:.:.(         / !:.:ヽ、rく彡イ ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.l.   l`ー
      L、: 「二`{!        」  l:.:.:.:.ヽ ヽ. r=={=ヘ:.:.:.:.:.:.:.l   !ー、_
     氏〉イ 、:.:..:|`      rイ. {:  l:.:.:.:.:.:.:ヽrケ   l.  l:.:.:.:.:.:.l  ノ
     }‐7、ゝj`ヽ、!      レ-'´ヽ  !:.:.:.:.:.:.:.ヘ l   !  !:.:.:.:./  ∧
.    ハ{`ー===ヲ           > ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.}'´ ̄``ト、.」:.:./ /ヽ、!
  爪ム`ーォ一'           イ ゝ、ヽ:.:.:.:.:.:.!      /ン/
  弋」rォソ´              レ´  ヾ、:.:.:.:.:}__    //
                         ∨>´ケイ`ト、イ
                          ムイ ノノ}ー1
                          ムイ ,イム{∨
                          ケ // {::}`'

                ト、{ { !      }   l
                「`.}、!r{      l __」
               イl:.:.:.「`ヘ      !.Y三!
              ム/ ト、弋rへ     ト 二ノ
              `ヽYフlア二ィ彳,rァくフ,r{ハノ
f⌒ヽfj            }く〉:.:.:.:.:.:.:レヘヽ、ケァ.「
ヽ:.:.,rァ        r'´ ̄イ)ノ}:.:.:.:.:.:.:「ヽ、_} r'. _
 弋 /ヽ      _}==ル、l:.:.:.:.:.:.:.ト::::::_」rォ{´ ̄`ヘ
   ゝ、 `ォー―,イ三}  〈  j:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、  /:.:.:.:./ ∧
    ヽ.∧_r:.:.:.:弋ノ   」. l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:,イ   ヘ
       ̄ ̄ ̄  `ヽ、{  l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ `ヽ   ヘ
               ̄ゝ、 _:.:.:.:.:.:.:.:_,r-―'´    ト、  {
                   ̄ ̄            ー'
999創る名無しに見る名無し:2010/07/10(土) 00:17:40 ID:SE+Vfhyb
           _
          :i'´::::゙''i
          :ヽ::::::::.!
          :|:::::::, ミ
           `|~_, ‐''<
            `┬'''´\  ,
             ヽ:::::::::ヽ_`'ー、
                 !:::::::: |_゙'ァ''゙ヽ
         , 、____   :.!/, -∨  /
   _  ,_    |''''' 、 `!ニて:::::::::ヽ /
  :く,\'´.ト、  ! _-‐ゝ 、二ッ:::::::::了‐--、
   \_/ ノ'''r'´:::::::::::::!   ヽ::::::::::ヽ ̄, -ミL
      `'ヽ-` ーy-/ ,_,- 、_|、:::::::::::`|_,|、.∨
          :|  r/, --/‐ト、:::::::::::::.!::ヽ|;
           `t l´|:::i-二!'ゝ::::::::::::::: !::ヽ
            '|丿,!′ l'::::ヽ::::::::::::::: !:::::ヽ
             :!/, /´:::::::::|:::::::::::::::ト、::, '´7ッ、
              |`゙─ー-、::\  /  ゙く_r'´::〉 `\
              ;/  ̄'、:::::' 、::ヽ-'´    `ヽ、__ l ̄‐'!
              !:::::::::::ヽ:::::i'´              \ ,,ノ
               :!、:::::::::::`'|
               /  ̄'!:::,}
               :ヽ -'´:::\
                ヽ::::::::::ヽ
                 T. ̄'´ト、
                  ヽ  /:::ヽ
                   \ ヽ--コ
                    ヽ   `=、
                     :ゝ/シ::\
                       ヽ:::::::::ヽ
                        ヽ:::::::ヽ
                        ヽ_, ,,/
1000創る名無しに見る名無し:2010/07/10(土) 00:17:45 ID:tsc0NZ+l
1000なら北岡死亡フラグ回避
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
        ∩ヽヽ∩ヽXXXXXXXX/ .∩
        i||i ∩i||i:||::::¥_][_¥::::||. i||i
         †人=†††¶┌┐¶††††              このスレッドは1000を超えた!
  /■/■\[/■ /■\/■\]  /■\■\     今度は新しいスレッドで
 (´∀(匚二二( ´∀( ´∀( ´∀`).□´∀` )Д´)□           レッツ 創作発表!!
  |_ | | ノつつ|創)~| |創) ̄||創) ̄|つ ⊂|_((|創)~ノ
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