1 :
創る名無しに見る名無し:
思いつきで書いていってみる
何を?
うん何を?
これから書いていこう
→これから海底行
つまり
>>1は海洋冒険譚を書く気だったんだよ!!
じゃあここから海底行スレ
あと俺は月に行ってくる
月行スレにもするわけか。
・・・ネオノーチラス?
スーパーモバイラーは平行宇宙からの侵略者たる異軸人の存在を現宇宙で知覚した。
異軸人が現れたのは本来なら地球から光速で何年もかかる位置なのだが、
モバイルが発生させる超空間を経由した観測によって、その何光年もの距離は即座にゼロとなる。
「ウパ太郎、頼む」
スーパーモバイラーは水槽に声を掛ける。
その底にへばり付いたウーパールーパーのウパ太郎は、まるで返事をするように口をパクつかせた。
ウパ太郎の意思を、モバイルの精神感応基(テレパススキャナ)が迅速に観測し、即座に超空間を発生させる。
鉄鋼弾すらひしゃげる水圧のマリアナ海溝深海1万メートルと、異軸人の宇宙探査艇の壁面そばが、
超空間によって5平行ミリメートルほどの接点を持った。
超空間がその接点を作り出した瞬間に、もう異軸人の宇宙探査艇は、即席の高水圧レーザーに射抜かれていた。
5平行ミリメートルの孔から吹き出す深海1万メートルの水圧線は、
ウパ太郎の意思を受けて異軸人の宇宙探査艇をことごとく膾斬りにして行った。
「おお、怖い怖い」
ブラックモバイラーは細切れになって行く宇宙探査艇を観測しながら嘆息した。
だがそれはウパ太郎の水圧レーザーの威力に対してでは無く、
異軸人の船舶から混乱に乗じて失敬した武器兵装についてだった。
宇宙探査艇から脱出したらしい球形の小型艇に向けて、ブラックは彼らの武器を使用した。
小型艇を飲み込むように、料理用のボウルを二つ合わせたような銀色掛かった巨大な球体が発生し、
その球が迅速に縮んだ。
ビー玉ほどのサイズにまで圧縮(多分もう異軸人は圧死しているだろう)されたのち、その銀色の球は弾けた。
原子半径を優に超えた圧迫された状態から急に開放され、核融合爆発を起こした。
スーパーモバイラーもウパ太郎もブラックモバイラーも観測を止めた。
ちょwwwww
まさかここで続きがwwwwww
しかも何かSFだwwwww
GJwwwww
スーパーモバイラーww
おれ、普通のモバイラー。
彼女? ふつうにいないし。
ちょっとホクロだらけでヲタ気味だから、ちょっとねー。
ザウルスでネットしてたらスイーツ記事で「結婚したい男性像」とか語ってるOLとか居て「ちょwwおまwww」ってーかー。
年収四百万の男性相手に「やっていける訳がないと思った」とか、どの面下げていってるのwwって感じ。
年収? おれ?
なんてーの、無職。普通に。
失業保険が切れるまでは、創作しちゃおうかなーとか。
尿意があったので公園のトイレに駆け込もうとしたら、ベンチの上にウーパールーパー。
もうね。ウーパールーパー流行ったのって何年前よっていう。
でも、この出会いが俺の人生を変えたんだ……。
三年後、俺は日本初のウーパールーパーチェーンを開いたんだ。
あっさりしてて高タンパク。ビタミン少なめ。ちょっと大人の食・事♪
あんま人気ないし、年収で言えばマイナスなんだけどね。
でもね、生き甲斐。テヘっ。
やっぱりスレが変わっても食われるのかよっ!ww
俺スーパーモバイラー
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1239426090/(削除されてます)
1 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2009/04/11(土) 14:01:30 ID:qU9v0F6z
俺スーパーモバイラー。よろしく。
2 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2009/04/11(土) 14:02:18 ID:NLsb9H+7
私ウーパールーパー。よろしく。
3 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/04/11(土) 14:36:07 ID:GPAfxsoS
僕ただのモバイラー。よろしく。
4 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/04/11(土) 17:41:28 ID:g8ArSCCq
漏れブラックモバイラー。よろしく。
5 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/04/11(土) 17:52:24 ID:GPAfxsoS
五人集まったら超無敵
でも四人しかいないので比較的普通です
6 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/04/11(土) 19:08:25 ID:Er9PLTWP
まって!ウーパールーパー混じってるから!
7 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/04/11(土) 20:28:54 ID:GPAfxsoS
かわいそう! 大事に育ててあげて><
――――――――――
続き→
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1229910131/363-364 サルベージされたのをサルベージ+α
サルベージ乙!
つーかウーパーwwwまた食われたwwwwww
「へい、おまち」
俺は困惑していた。
上司に寿司を奢ってやると言われ、本気で心を躍らせながらついて来てしまったのが事の発端だ。
大トロと生の蟹の握りは素晴らしかった。
蟹など茹でたものしか知らなかった小市民としては、ワサビが邪魔とさえ思えるほどのネタの食感を堪能してしまったのだ。
続いて出て来たのが、馬のタテガミである。珍味には違いないが……握りとしてどうかと言われれば反応に困る。なにせ、堅いのだ。
軽く湯がかれ、江戸前仕立ての飾り包丁が食感を和らげているが、俺が食いたい寿司のイメージとは掛け離れているのだ。
「……これが、アレですか」
「へい」
「旨いぞ。食ってみろって」
上司は明らかに楽しんでいる。
なぜ、仕事に疲れた空腹時に、俺はウーパールーパーなどを食さねばならんのかと。
あまり記憶にないが、けっこう可愛い生き物だったろう。
食用になるなんて、元スレで初めて知ったくらいだというのに。
帰れない雰囲気だ。
心なしか、店の主も修行中っぽい若い店員も上司も、罰ゲームを楽しんでいるかのように俺に顔を向けて苦笑いを浮かべている。
俺は、おそるおそる、それを口にした。
ゆっくりと咀嚼する。
生暖かい。これも軽く湯がかれているのだろう。
歯ごたえは悪くない。だが、舌の上でそいつの風味を感じる事は難しい――遠慮がちなわさびの風味が先に気になった。これは山ワサビか。
なるほど、変わり風味で特徴を出そうという訳だな。
「あまり特徴らしい特徴がないですね」
「そうかい」
俺は振り返って、のけぞった。
上司がいつのまにか、スーツを来た巨大なウーパールーパーになっていた。
店主を振り返ると、彼もまたウーパールーパーだった。
俺は叫んだ。そして。
「――そこで、目が醒めた訳です」
「遅刻の言い訳はそれだけか?」
上司は、不機嫌そうな顔で、いつもの倍の仕事を俺に指示したのである。
うさぎ「あなたのお名前は?」
「トラフサンショウウオ科の幼形成熟個体です」
うさぎ「ん? 学名とか一般的な呼称がないの?」
「さあ」
うさぎ「あのね、ここ動物国の市役所ね。人間と違ってね、科目まで判断できる種族名がないとね、いろいろ社会的にね。わかるでしょ?」
「なにぶん、初めて移住してきたものですから」
うさぎ「勝手に調べるけど、いいね?」
「えっと……その……」
うさぎ「あったあった。これね。アホロートルね」
「メキシコサラマンダーになりませんか。アホとかちょっと」
うさぎ「だってあんた、ウーパールーパーじゃないの。見た目的にどうみても」
「……はい」
うさぎ「最近乱獲されてるから気をつけてね。B区へどうぞ。はい、次の人」
「え、あの? 乱獲って?
ちょっと。なんで強制連行されてんですか? あの?
ちょっとおおおおおおお!」
うさぎ「体が痒い」
うさぎ「はらへたので ドッグフード 食た
おいし かたです」
うさぎ「いたい おれのからだ どうなて」
うさぎ「ウパ うま」
食わないで><
しかしこのスレはウーパールーパーを書くスレだったのか、そうだたのか
ウーパールーパー「君の事が好きだ」
ウーパールーパー「ええっ!? っそ、そんな……」
ウーパールーパー「君以外の事が考えられない」
ウーパールーパー「年の差が……ほら……」
ウーパールーパー「歳の差を超えた愛なんだ!」
ウーパールーパー「……ロリコン……」
ウーパールーパー「ロリコンがなんだ! 同じ幼形成熟同士じゃないか!」
ウーパールーパー「B校の受験勉強をあなたに相談した私が馬鹿でした。
あなたが『静かに勉強するにはラブホテルが丁度良い』っていう世迷い言を言い出した時点で金玉蹴って逃げ出すべきでした」
ウーパールーパー「え、俺らって金玉あるの?」
ウーパールーパー「いや、存じませんけど」
ウーパールーパー「ちょっとxxxxxxがXXXXXXだよ、試してみる?」
ウーパールーパー「やめてください。ですが私がxxxxxxでなかったと言えば嘘になります。どうかxxxxxx」
ウーパールーパー「物判りが良くて助かるぜ。いいか、xxxxxはxxxxだからな」
ウーパールーパー「ええ。存じております……っつっ!!」
ウーパールーパー「……ふう……」
ウーパールーパー「先生」
ウーパールーパー「ああ、なんだい」
ウーパールーパー「実は……音声を、クラスメイトにskypeで転送していたんです」
ウーパールーパー「!?」
:続かない
>>18 すっかりモバイラーを忘れていた……。
まことに申し訳ない次第でありません……。
りょ、両生類の癖にいいいいい
今日の異軸人との一戦に勝利し、スーパーモバイラーとブラックモバイラーとウパ太郎は、
一時の休息を楽しんでいた。
『
>>699 楽しみにしとるよ』
ブラックはPCで、何ごとかを掲示板らしきコミュニティに書き込んでいる。
スーパーモバイラーが声を掛けた。
「ほう、ブラックはPC使えるのか。一体なにを書いてるんだ」
ブラックは、さっ、と画面隠す。
「ちっちっちっ。親しき仲にも礼儀ありじゃ、スーパーよ。
儂がサルベージした熟女画像はタダでは見せてやらんぞ?ほっほっほっ」
「はは、ポルノか。ブラックはお盛んだな」
「お陰様での。ふぉふぉふぉ」
ブラックはとぼけてやり過ごしたが、彼が発信した通信は、
神格生物に近い存在──筆記者への許諾を記した重大なメッセージであった。
ブラックは、世界の核心の最奥を、少なからず握っているのだった。
一方、普通のモバイラーは月に向かっていた。
と言っても、それはスーパーモバイラー達同様に超空間を利用した移動であり、
宇宙服を用意する時間が多少かかったのみである。
普通のモバイラーが月に向かったのは、
太陽の中核に意識を蒸着させている“神格生物”(造物主、または神、もしくは彼=Heと呼ばれるもの)
の重力震言語による助言を受けてのことだった。
彼曰く“じゃあ俺は月へ行く”。
その言葉が意味するところはモバイラー達にも理解しかねるものであったが、
神格生物の言葉は、言ってみれば神が直々に下した至言である。
意味する内容如何よりも、それを受けて行動する事が最優先であった。
示された導きに従うならば、即ちそれは彼の意向に沿うということに他ならないからだ。
普通のモバイラーが月で何と出会うのか……
今だその全容は、神格生物のみが知っている。
なんか高スペックだなモバイラーたち
なんかいろいろすごいなw
男「閣下。ウーパールーパーでございます」
ハルトシュラー「ふぅむ……。」
倉刀「……閣下、これは……?」
ハルトシュラー「知らんのか?」
倉刀「存じてますけど。でも……」
ハルトシュラー「聞く所によると、食せるという話だ。だから取り寄せて、調理させた次第だ。が……」
倉刀「……姿煮て……」
ハルトシュラー「……ふむ。何事も経験ぞ」
倉刀「あ、食ってる」
ハルトシュラー「倉刀」
倉刀「はい」
ハルトシュラー「シェフを解雇するべきかどうか、悩んでおる訳だが」
倉刀「こんな特殊な食材に、創作料理命じたあなたの責任の方が大きいと思うんですが、どうでしょうか」
ハルトシュラー「食材に贖罪……」
倉刀「……笑えばいいですか?」
ハルトシュラー「いいから食え。別に食える。そこまで旨くはないが」
倉刀「はい」
26 :
普通の:2009/04/19(日) 23:07:17 ID:Am9qQZRh
姿煮やめて超やめて><
28 :
ブラック:2009/04/19(日) 23:31:51 ID:Zr+aWr0u
ジジイキャラになたwww
私はウーパールーパーである。名前はウパ太郎。つい先日
そう名づけられ、めでたく私の名前は決定した。少々不本意な
名前ではあるが、所詮ウーパールーパーの身である以上、
他人の庇護を受けなければ、この現代社会においては満足に
生きていく事もできない故、甘受するしかない。さらに言えば、
その名づけ親である三人は、悪意故にこのような名前をつけた
のではないのだから、その好意を無碍にする事は、私にはできない。
相変わらず我々モバイラーズは四人のままだ。他の三人は、
残り一人を探すつもりはあまり無いらしい。『比較的普通のまま
でも十分行けるじゃん?』という結論が、先日出た為だ。
実際、比較的普通と言いながら、その能力は際立っていると
言える。これもまた先日の話だが、私は自らの能力で、他次元の
住人を万単位で殺害した。無論、正当防衛なのだから責められる
謂れは無いが、他次元の存在であっても、この世界にやって来た
以上、その命はやはりこの世界における生である事に変わりは
無い。それを奪ってしまった事については、深く心に刻んで、私の
中に残しておきたいと思う。
閑話休題。
私だけに限らず、他の三人の能力もまた、常識とは少しどころ
ではなく外れた、超常の力であるといって差し支えないだろう。
今も普通のモバイラーは、その能力を用いて単身月に向かっている
所だし――何の為にかはよくわからない――、他の二人の能力も、
先日の殲滅戦において存分に発揮された。
だが、そんな私達であっても、世の中の何事をも自由にできる
わけではない。むしろ、そのような力があるからこそ、世の瑣末事
には、積極的に関われないのだ。
そんなわけで、今日も私はニュースを見ながら眉間――人間で
言えばそこにあたる部分――にしわを寄せて――そうしたつもりに
なって――うーむ、とうなり声をあげていた。
「どうした、ウパ太郎……って、これか」
スーパーモバイラーは、私に問うた疑問の答えをすぐにテレビの
画面上に見出していた。
「……いい気分しないよな、こういうの」
まったくだ。見ず知らずの他ウーパールーパーとは言え、同族で
ある事に変わりは無い。それが……そう、食材として用いられて
いるという、そんなニュースを見て、気分が良くなるはずがない。
しかも、一部で何故かウ−パールーパー食が流行っているのだという。
だが、その画面の中を流れるニュースをどうにかする権限は、
私達の手の中には存在しない。故に、私は唸る事しかできない。
「なんで流行ってんだろうな……?」
モバイラーであるスーパーモバイラー達とは、私はそれなりの
意思疎通も可能だし、その心情などを推察できるようにもなった。
だが、そうではない人間の意志や、その心情は、未だ私には
推し量りがたいものがある。
「消すか?」
スーパーモバイラーの気遣いに、だが私は首を横に振った。
わからないから知ろうとする。それは、人間であろうとウーパー
ルーパーであろうと、変わりの無い心情だ。だから私は、同族を
食して微妙な顔をしている人間を見続ける事を、続けたかった。
それで、少しでも人間のことが理解できるならば、この胸に渦巻く
感情を抑える事など、造作も無い事だから。
「……お前はすごいな、ウパ太郎」
そんな風に、穏やかな笑みを見せるスーパーモバイラーに、
私は首を横に振って答えた。そんなことはない、と。
それからしばらくテレビを見続け、私はひとつの事を学習した。
人間は、さして美味くも無いものを、珍味として好む性質を持つ、と。
――やはり、人間はよくわからない。
終わり
ここまで投下です。
乙ww
なにがなんだ、どこに向かうんだ、この物語はwwww
自分がうまくないってわかってるのか
あ、いやなんかずれてるぞウパ太郎
ウパ太郎w
ウパが不憫になってきたwww
ウパ「なにやら、今日は水槽に醤油が垂らされた」
ウパ「塩分は好きであり、水も40秒で入れ替わる。悪くはない」
ウパ「最近、主人がジャパニーズ・箸なるもので私を挟もうとする。
私は間一髪のところで逃げるのである。
この遊びは悪くない」
ウパ「今日、私は掴まれた。罰ゲームであろうか、醤油を体に直に垂らされたのである」
ウパ「えらに じかに やめて だれか」
ウパ「ああ かみさま」
ウパ「あwせdrftgyふじこlp;@」
:つづかない
ぎゃー><
山椒魚の事を、英国ではサラマンダーと言う。
なんでも山椒魚の赤茶けた溶岩の如き色彩を見て伝説の火竜の名を冠したらしいが、
元来水に親しむべき山椒魚を捕まえて火竜の名を付ける等は、
英国人の物事一般から本質を見抜く力の無さを言下に表しておる。
全くもって愚なることだ。
紹介が遅れた。
私は山椒魚のサラ万次郎だ。
この名に関しては英国人はなんの関与もしておらず、
私の前例として既に存在する高知能化に成功したウーパールーパーの名、ウパ太郎の次と言う事で、
サラマンダーとジョン万次郎を捩って付けられた仇名である。
これは日本人が付けたものであるが、やはりこのような安直で下賤なる名しか思い付かぬ日本人は、
コピーライトの技巧が著しく劣ると評せずにはおれまい。
喩え本質を見抜く力に劣るとしても、英国の者が付けた火竜の名のほうが幾分かはマシである。
少し私の話をしよう。
例に漏れず、私もウパ太郎先輩君同様、
脳天にずぶりとやられて天才になる薬のようなものをゴクゴク注がれた。
先達ての先輩君と同じく、私も幾許かは頭の軟らかい者になれはした。
なれはしたのだが、何処を如何に間違えたか、何故か私は図体まで巨大化してしまった。
ちゅら海水族館に在る莫迦でかい水槽の中の、これまた莫迦でかい斑模様の鱶を御存じだろうか。
丁度あれと同じほどの尺である。
食事は最初練り餌だったものが、やがて魚になり、肉になり、
足を滑らして落ちて着た飼育員を食べてしまってからは、
なぜか薄桃色をしたウーパー某とやらを与えられている。
先輩君と同種と在らばなんとも気が引けるが、腹が減って仕方ないのでやむを得ぬ。
このウーパー某と言うのが曲者で、幾ら喰っても腹の足しにならぬ上、
えも言われぬヌメリがいつまでも舌べろや口角に粘り付いて、なんとも旨くない。
だから私は時々、人間でも喰いたいな、と願う。
そう願うと何故か、突如として人間が目の前に現れる。
「お前はモバイル適性がある」と言われた様な気がせぬでもないが、
今のところモバイラーなどと時代錯誤的な俗称で纏められたいとは思っておらぬ。
今の願いはただ、餌をウーパールーパーから変えて欲しいという一点に限る。
ウーパー某SP「その願い、叶えてしんぜない」
私は天の声を聞いた。
その声は確かに波動として響き、
しかし音声ではないなんらかの
暖かく
優しく、
そして、
絶望的なホーリスティックに満たされていて――
- - -
若者「所長!イケますよ、これ」
所長「ううん。本当に旨い。本来こんなに芳醇な脂身を備える種ではなかったよな」
女性「……うん、……うん……この味覚は……すごい」
若者「臭みがなく、ただ咬んだ瞬間に満たされる味わいがある……」
女性「そう! それよ。この楽しみは、いったいなんなのかしら。クセはあるのだけど、これは受け入れられるクセだと思います」
所長「フォアグラなんかは、クセの強さが評価される珍味よの」
若者「僕には三大珍味なんかはわかんなくてぇ、でもアレです、納豆や和布蕪のクセとは違うんですよねぇ、この動物的なアレ!」
所長「ふふっ、君はどうも、表現に困ると『アレ』って言ってしまうようだな」
若者「あははっ、敵わないなぁー。語彙足りなくて、ほんっと、すんませんっ!」
女性「もぐもぐ」
- - -
ウーパールーパー「不幸を感じるかい?」
サラ万次郎「ぜんぜん」
ウーパールーパー「僕はね、来世では……人間を食ってから食われたいと思うかな」
サラ万次郎「ううん、大先輩には申し訳ないけど、正直わかんないですわ」
ウーパールーパー「そう?」
サラ万次郎「食われた事の価値を、こうね、閻魔様の前で確かめさせて頂いて、確かに俺の思いは変わった。でもね」
ウーパールーパー「うん。なんだい。言ってごらんよ」
サラ万次郎「……俺らより、食用に適してるモンがあると思うのよね。絶対」
ウーパールーパー「……まあなぁ……」
閻魔「はい、次の人ー。
……なんだ、今度はタイで唐揚げにされたオオクワガタご一行かいな……」
食われる以外に芸を身につけやがれwwwww
うまいのか、そうなのか
40 :
1:2009/04/26(日) 09:33:15 ID:DBEMT7z5
ぶはwスレ立てて放置してたらなんかおもろいことにwww
放置するからいけないのです^^
さあ一緒にウパろうぜ^^
いや強制はしないけどw
「マントヒヒって食えるのか」
俺は疑問符を浮かべざるを得ない。
マントヒヒって何科だ? サルだよな。
サルの脳味噌とか中国の宮廷料理にあるとか聞くな。
ていうか、なんでこんなの食わなきゃなんないんだよ。
「冷蔵庫に余ってたの」
余らせるなよ。てか食った覚えないよ。なんの料理に使ったんだよ。
「え、昨日のシチューにすこし」
やたら動物臭い肉混ざってたな。あんときお前、鯨肉使ってみたとか言ってなかったっけ?
「学も料理の才能もないあなたならわかんないと思って」
離婚届ってどこでもらうんだっけ。
嘘だよ泣くなよ。まあいいよ。食うよ。うん。
まっじ。
「ウーパールーパーも余ってるけど」
なんで余らせるんだよ。ていうかそれも食った覚えねえよ。なんに混ぜたんだよ。
「バターにしてみました」
してみるなよ。よかったよ食ってなくて。っていうかなんでバターにできるんだよ。
なんだよ近づくなよ。
なに、その包丁。
ねえ。
:続かない
:続かない
↑がミノムシに見えた俺は江角末期子
ミノムシ……だと……ッ
うわぁああああ
早く離婚した方がいい…って、遅かったか
>>42 一行目で吹いたwww
食う事から離れろwww
最後でなんかゾッとした・・・ギャップ怖え?
むしろどこでそんな肉手に入れたんだよ・・・ペットショップですかそうですか
某TRPGリプレイでは、一般家庭のお母さんが
フラミンゴの舌を買って余らせてたからきっと大丈夫!(何が
フラミンゴの舌ってw
ちなみに、食べると白兵の能力値が3アップする。
バランス感覚が鍛えられるんだろうか・・・。
まあローマでは孔雀の舌が高級食品だったし
(孔雀っていうイメージが高級っぽいからってだけで美味くなかったそうだが)
52 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 00:50:54 ID:kPZsO405
2009.21.7.24 「「 自由な人たち 」」 006+6
「お母さんは就きたい職業に就いたから若松さんと裸で遊べる訳」
「そういうなよ。色々成るんだろうね。お母さんは僕を好きに成ったと言っているよ。
好きだからあんな事も出来ると思う。僕もお母さんの事が好きだから、何でも
出来ると思う」
「私も若松さんの事が好きに成れば、若松さんのおちんちん見れます」
「困ったな、やっぱり摩耶ちゃんも女になったのかな、僕の事を好きになる筈が
ないよ。本当に好きなら見せてもいいよ。勉強の為に見たいものは見てもいいかも
知れないね」
「今、見たい」
「ここで、こんな所で」
「ここじゃ無くて、若松さんの車の中で」
「本当に見たいのか、止めよう、お母さんが知ったら大変な事に成るよ」
「今日、ここに来たのはどうしても見たくなったので来たの」
「摩耶ちゃんは13歳だろう。そんなことをすれば犯罪になるよ。止めよう」
「見るだけだから、それに誰にも言わないから、ドライブの途中で」
「なんだか変だな、摩耶ちゃんらしくないね。なんだか問題が起きそうだな、
でも、いいか、それじゃ、見せるだけだよ。じゃ、車を持ってくるから、待ってて」
若松は思った。一人の女が生きて行く上で、必要なものは沢山あり、そして、
男もその一つであり、その男の体がどう変化し、それを女がどう捉えなければ
成らないか。一人の若い女が一つでも何かを知りたいと思ったとき、それに答えて
遣るのも間違いではないかなと思った。所詮、男も女も他人から得た知識をその
まま自分の性格とするのではなく、一つの知識として如何に自分の生き方に
役に立たせるかと言うことである。男の性器が見たいという女は少女では在るが
それもその少女が天から授かった運命と思えば、自分もその運命の中で遭遇した
一人の男であり、その運命に付き合うほかはないと思った。単なる助平な男が
一人の女の生き方を変えてしまうかも知れないという心配はあるがそれも人生
と考えれば、仕方ないのかもしれない。
53 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/25(土) 15:38:20 ID:kPZsO405
2009.21.7.25 「「 自由な人たち 」」 004+2
「今度の出張は何日、誰と行くの」
「一泊だよ。一人で行く」
「一人なの、本当、怪しいわね」
「嬉ね、そんなに心配か」
「別に、心配じゃないけど、変な所には行かないでね」
「馬鹿な事を言うなよ。そんな筈ないだろう」
「いつ行くの」
「二日後に行く。宜しく頼むよ」
「じゃあ、今夜は焼肉にするわ。いいでしょう。ニンニクを利かした特性の肉に
するわ」
「それは嬉しいですね。子供たちも呼んだらどうだ」
「そうね、誘ってみる。多分、駄目と思うけど。いいじゃない。二人で、早く寝ましょ。
子供たちか来ると後片付けが大変なのよ」
「そうだな、どっちでもいいよ。煩いからな。少し寂しいけど」
「そんなことないわよ。今夜は一緒に風呂でも入りましょ」
「じゃ、行ってくるよ」
「気を付けてね。いつもの時間でしょう」
恵子は林を送り出し、朝食の片付けと家の掃除、洗濯と次々にこなし、好きな
手芸を始めた。手芸は最近始めたもので、退屈しのぎには一番いいと思っている。
何にでも刺繍をして、皆にプレゼントするのが今の楽しみで、若松にも枕カバーに
刺繍をして贈り、若松が思った異常に喜んだので、今度、タオルに刺繍をして
贈ろうと思っている。若松は夫の林と仲がよく、何回も遊びに来ている友達で
恵子は若松のことが好きになり、また、若松も恵子の態度に何となく、惹かれては
いるが、まだ、何も関係はないが恵子はいつか、思いを遂げようと思っていた。
「そうだ、若松君に電話でもしょうかな」
恵子は最近、良く若松に電話して若松と話す事が多く、それを夫の林が知って
何となく、何かを疑っているような感じで、電話をするのを注意はしているが
54 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 00:23:22 ID:owCpDa+Y
2009.21.7.25 「「 自由な人たち 」」 005+5
当分駄目だなということだった。若くして、夫を亡くした紀枝がその悲しさから
若松の体を求め、若松も何となく紀枝に従い、人助けというか、人助けとは
到底言えない行為では成るが遣り得なのか、いつか何かの撥が当たるのか、
男としては自分から見を引くには余りにももったいない関係に若松の心と下半身
の心は迷い苦しんではいるが正に抜くに抜けない蛸壺に嵌ったたこのように
居心地がいいこの関係はどうにも自分からは抜け出ることは出来そうも無い。
「のりちゃん、その辺で、止めないといっちゃうよ」
「いってもいい」
「待てよ」
若松はシャワーを取り、紀枝の体の石鹸を洗い流し、自分の体の石鹸も洗い
流した。
「のりちゃん、入れるよ」
紀枝のぬれた体を後ろから抱き、紀枝は少し、足を開き、前かがみになり、
若松が入れ易い体形を取った。
「のりちゃん、大丈夫」
「大丈夫」
「のりちゃんの役に立ったのかな」
「立っているでしょう。今も立っているのがよく分るもの」
男と女が一つの体になり、その接点が接合する事でお互いの心が一つになり
一方の傷付いた心は一方の心から安らぎと人生の喜びを得る事で傷付いた心を
癒し、明日への活力を得るとすれば、男と女が一つの体になる事によって得られる
大きな力は決して否定されるものではないのかもしれない。
「どうだ」
「何が」
「どうする」
「いって」
コメントした方が良いか?
56 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 18:02:08 ID:owCpDa+Y
2009.21.7.26 「「 自由な人たち 」」 007+5
二人の車は山間を抜け、農村地帯から市街地に差し掛かり、二人は早い昼食を
取る事にした。
「大分、早く着けそうね。運転疲れたでしょう」
「任せてください、まだまだです」
「そうね、良さんは確か私より10歳は若かったわね」
「15歳ですよ」
「え、そんなに、そうよね。まだまだね」
澄子は窓の外を見ながら、薄笑いを浮かべ、若松もお金の為には何でもするの
ねと思ったがそうは思いたくなかった。
「早めに食事にしましよう。何にする」
「社長に任せます。私は何でもいいです」
「この辺は蕎麦がおいしでしょうね」
「そうでしょうね、蕎麦にしますか」
「蕎麦だったらもっと山の方で食べればよかったかな、でも、早すぎたわね」
暫くすると適当な店が見つかり、二人は店に入り、二人ともてんぷら蕎麦を頼み、
顔を見合わせ、二人は笑った。
「迷惑だった。迷惑だったわね」
「そんな、そんなことはないですよ。声を掛けてもらうのを楽しみにしてました」
「無理な事は分ってるけど、良さんが時間が出来たらって」
「何言っています。気にするなんておかしいですよ。社長にはお世話になって
いるし、社長の魅力は最高ですよ。何も考えないでください」
「そう、そういうことにして、良さんも最高、蕎麦も最高、おかしわね」
「おかしいですか」
「おかしいわよ。誘って嬉しいの、それだけ、馬鹿みたいね。いいでしょう」
「いいですよ。そんなに喜んで貰えれば、幸せです」
>>55 汝の為したきようになすがよいよいよいよいいいい(残響音含む
58 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/26(日) 23:21:59 ID:owCpDa+Y
2009.21.7.26 「「 自由な人たち 」」 003+1
「そうね、開き直った方がいいよ。男と女か、あーあ、私も女なんなんだけどな」
「好きな人じゃなければ駄目よ。それに自分を大事にしてくれる人、そんなに
居ないよ、お母さんは好きに成ったの、だから、あんなことも出来た。だから、
摩耶ちゃんも大人になって、好きな人が出来たら、お母さんのようにしなさい」
「すごい、開き直りね。私にはあんな事は出来ない。でも、勉強にはなったわ」
「さすが頭のいい子は違うわね」
「もうどうでもいい。お母さんが幸せならそれでいい。でも、私も幸せに成りたい」
「幸せじゃないの」
「あんな事をして汚いと思わない。好きに成ったら出来る訳」
「あなたはどこから生まれたの、もう、知っているでしょう。お母さんのここからよ。
汚い筈が無いでしょう。不潔にすれば何でも汚いけど、清潔にすれば人間の体で
不潔な所はないと思わない」
「それで」
「あのようになる訳ね。人間の始まりはあそこなのよ。不潔なはずが無いでしょう。
大事な所、不潔じゃない。あなたももう、毛が生えたでしょう」
「なんで、見たの」
「下着に毛があった。いいじゃない。生理も在るんだし、女同士よ」
「分った、秘密は無しね」
「若松さんとは結婚はしない、多分。おとうさんとの約束もあるし、お母さんに
取って、摩耶ちゃんが一番だから、それにいつもあんな事をている訳じゃないし、
若松さんとは3回目よ」
「3回、それであれなの」
「なんで、いいでしょう」
「私に見せたかったの」
「そう言う訳じゃないけど、お母さんも実は見た事在るよ。子供の時、あなたの
おじいちゃんとおばあちゃんのしているところを、でも、二人は分らなかったと
思う。私が寝てからだったから」
59 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/27(月) 11:42:14 ID:faajuOPv
2009.21.7.27 「「 自由な人たち 」」 002+5
「わたしも、私が上になっていい」
美沙は自分もしたくなり、若松をまたぐようにして、若松とさかさまになり、また、
若松のものを手で握り、それを口にくわえた。この恰好は教養ある人間としては
あるまじき姿で愛と欲望が二人の人間としての恥じらいを全て奪った姿なのかも
しれない。若松の目の前には美沙の大きく開いた大きな尻があり、こんな近くで
見る隠された肉体はこの世のものとは思えない美しさで、愛と欲望だけが与えて
くれる素晴らしい心境だろう。正に心の目が全てを美しくさせていると言う訳だ。もし、
心無い女体であれば、今のこの状態は巨大な尻の中に今にも飲み込まれそうな、
恐怖感と、もし、この状態でオナラや脱糞でもされたら逃れるすべはなく、それは
今までに犯した数々の火遊びに対する拷問のようだ。しかし、愛と欲望が齎す心の
目はその人しか見えない心境を作り、今、目に見える光景はあばたもえくぼと言う
言葉で広く世の中では知られているもので人間が常に持っている感覚と言える。
美沙の隠された肉体をどのように味わえばいいのか迷う所だが。心の目に
よって愛と欲望の対象になったお尻が今、舌を伸ばせば届く所で、性獣と化した
男に取ってはよだれを流さんばかりの食材となり、その食材を細かく観察する事で
新たな発見をする楽しみがある、小さな穴とその穴から放射上に拡がる細かい
溝なのかそれとも皺なのか、どちらかと言えば皺なのかも知れない。一般名は
肛門の穴だ。この状態だと花びらのようなと表現すれば、その花びらは若松の
目の前で開き、してその下に僅かに多くの毛に守られているように縦長の肉の
割れ目、それは食材であるあわびを魚介類の店の店先で見かけると何故か
卑猥な想像をしてしまい、そんな時、買い物に来た主婦やその店の店主と目が
合うと何となく、心を見透かされているようで恥ずかしい時がある。実際はどうか
61 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 00:25:38 ID:GxmS3Chy
2009.21.7.27 「「 自由な人たち 」」 002+5
と言えばそうとは言えないがあばたもえくぼ的に見れば、それは十分に想像
できる食材なのかもしれない。あわびのようなひだを持った部分のある女体を
思い出させる街の店先を行き交う男も女も心の目はきっと卑猥な想像を浮かべ
頭の中で男と絡み合う女のある部分は店先でねじれ悶えるあわびそのもの。
目の前の美沙のその部分とそれを被う毛はなんともいえない図柄で愛と欲望が
なければ、到底美しいと思える部分ではないかも知れないが、しかし、愛と欲望が
見てはいけない部分をいとおしいと感じさせ、二人の愛を確かめるにはこの恰好が
最適と思った。若松は今の二人の姿が肉体の快楽を求める本当の姿と考えなが、
美沙と同じように唇を合わせ、舌を入れ、優しく、舐めたり、吸ったりしながら、
食材と化した女体の全てを知り尽くさんばかりに味わった。暫くすると美沙は
頭を上にして横たわり、仰向けになって、
「今よ」と言い、足を広げ若松の部分を受け入れる態勢を取り、二人の体は
一つになった。二人の絡み合いはそんなに長い時間ではないが二人の男と女が
裸で絡み合う姿を文字で表現すると何となく時間が掛かっているようだがそれ
ほど長い時間ではなく。二人はほんの僅かな時間では在るが人間の喜びを味わい
自由を十分に満喫し、最後に若松は二人の約束である避妊具を付けて、正に
動物の如く、美沙は四つんばいになり、若松は後ろから、美沙の体と合体して、
全身の力を込めて、二人の体は燃え尽きた。
「頑張ったわね。嬉しい。シャワーを浴びましょう」
「ふー、そうだね。驚きの時間だったな。なんだか夢中になった」
「私の体は痛いわ。強く掴むし、でも、許してやる。こんな喜びも有るのね。
ずっとこうしていたいけど」
「そうだね」
「なればいいけど」
62 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 14:05:10 ID:GxmS3Chy
2009.21.7.28 「「 自由な人たち 」」 006+7
若松は家に帰り、どうなるか分らないが下着を取り変えて、車に乗り、摩耶が待つ
公園の入り口に向かった。男性自身を見せると言ったものの相手は中学生そんな
子供に見せていいものか、いい筈はないけれど、どうしても見せて欲しいと言われ
ているのに見せないのもおかしいか。おかしいはずがなく。見せないのが当たり前
だ。自分の母親と関係を持った男のあれを見たという女の子に見せる馬鹿がいる
のか、況して、先日、母親の寝室で一緒にベットの上にいた男の何を見たいという
不自然さは何となく不安な気持にさせたが若松のスケベ根性は、求めているのは
摩耶で自分ではないという犯罪者によくある自己中心的な危険な考えになっていた。
10分ほどして、車は摩耶が待つ公園の入り口に着いたがそこには摩耶の姿は
なく、若松は車から降りて、辺りを見渡してみたが摩耶はいなかった。
「居ないか、やっばりな」
若松はほっとしたような気持とどうなるか分らない事が起こりそうな事態が無く
なった事に少しがっかりもした。馬鹿な大人が子供に騙されたような気持では
在るがもしも、状況が変わり肉体関係でも持ってしまったら、取り返しの付かない
事になる。どんなに相手が子供でも相手は女には違いなく、況して、男の何を
見たいといい、車の中で見せてと言っている中学生の子供の言う事を真に受け
本当に車に乗せ、見せるだけで終わるかと言えば、それは余りにも危険な事態を
想像できる。お互いが納得した関係であっても、守るべきものは守らなければ
世の中は上手く行かないし、自分自身も遣ってはいけない事をしてまで自分の
欲望を満たそうとは思ってはいない。しかし、どんなに守ろうとしても、舞台が
回りだしてしまったら、そこには単なる男と女の関係でしかなく、年齢や立場は
関係なく、肉体が求める欲望により、全ての約束ごとは無くなり、ただ、異性を
求める本能の芽生えを止めることは出来ないに違いなかった。
若松はもう一度公園の中を見回し、車に戻った。
「俺も馬鹿だな何処か期待をしていたな、子供とはいっても13歳だからな」
若松はひとり言を言いながら、車を出した。公園に沿った道は左に曲がり、
そこに一人の若い女が若松に向かって手を振っているように見えたので、車の
速度を落とし、その若い女の前で止まった、その女は笑っている。若松はそのとき
気付いた。先ほどまでは中学生らしい服装だったのが目の前に大人っぽい
服装で僅かに化粧をした摩耶が立っていた。
63 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 14:08:42 ID:mIyfDA3A
あちこちのスレを渡り歩いて投下してるみたいだが、こうなると荒らしとかわらんな
64 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 23:21:06 ID:GxmS3Chy
2009.21.7.28 「「 自由な人たち 」」 004+3
恵子は最近我慢強さが無くなってきた。歳のせいなのかも知れないがおばさんに
成りかけた45歳の塾女になった自分の何となく物足らない生活がいやで成らな
かった。そして、もう、おばさんかと思った。それがたまらなく、怖かった。
「もしもし、若さんですか。恵子です」
「恵子さん」
「今、大丈夫ですか」
「大丈夫ですよ。先日頂いた刺繍入りのまくらカバーに秘密がありましたね」
「何ですか」
「何か意味でもあるんですか。昨日の夜、気が付きました」
「どういうことです。よく分らないのですが」
「そうですか。あれは何の意味もないものですか。見るだけでは分らないけど
触ると何となく分るんですが」
「分った」
「ハートの刺繍がありましたよ」
「ごめんなさい」
「いいですよ。謝ることはないですよ。それにもう一つラブって小さくローマ字で
刺繍されていました。僕の為に作った物ですか」
「駄目、駄目よね、少しおかしいの最近、何となく詰まらなくて、若さんだったら
分って貰えるかなって思って」
「林さんと何か在りました」
「あの人とは関係ないの、仲はいい。満足もしているけど、私、病気かしら」
「そんな、それは無いですよ。僕は嬉しかったですよ」
「迷惑かけちゃったのかな」
「迷惑なんて、林さんは今度出張ですよね。そのとき、一度会いますか」
「会ったら、どうなるか分らない。会わない方がよさそう」
「そうですか、残念ですね。でも、会いたくなった連絡ください」
「私の気持は分っていると思うけど、好きに成ったみたいなの」
「僕なっか駄目ですよ」
「分っていたでしょう」
「恵子さんは少し気晴らしが必要なのかも知れませんね」
「恋の病よ。おばさんが恋をしたのよ」
65 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 15:11:59 ID:2jmBRg+A
2009.21.7.29 「「 自由な人たち 」」 005+6
若松はいつものように直接はできないので準備していたものを付け、捏ねるように
紀枝の体に体を押し付た。紀枝は押し付けられる若松の体の重さに堪えるように
今まで繰り返した軽やかな腰の動きとは違い、お互いの体重を一転に集中させて、
若松を受け止た。
二人の動作は若松が果てることで停止し、二人の体は繋がった状態から動く事が
出来なかった。若松は立った状態で横の壁に付けられた鏡を見ると二人の姿が
その鏡によく映り、そんな姿は見たことが無かったので、若松は二人の姿を見て、
生物が営む原始的な行為をその鏡の中の男と女の姿から感じたのである。日ごろ、
何かと着飾り、姿形を気にしながら、作られた美しさを求めている人間が結局、自ら
の安らぎと欲望を満たす為に選ぶ手段は原始時代から続けられている種族存続の
為の行為と思うと二人の今の姿が人間に取って一番美しい姿ではないかと思った。
「どうしたの、何となく、大きくなったように感じるけど」
「ご免、今、のりちゃんの姿を見ていたんだ」
「私の」
「横を見て、こんな所に鏡があるんだ」
「なんだ、大きな鏡、二人の姿が見える」
若松はゆっくり、紀枝から離れた。
「また、大きくなったなったので、続けるのかと思った」
「鏡のせいだよ。のりちゃんの姿を見たら少し興奮した」
「そう。もっと早く気付けばよかった。そしたら、若さんの顔を見れたのに」
「そこからでは見えない。見なくていいよ。見たら出来ないよ。多分、アホ面だよ」
「そんなことはない、後ろのときの一生懸命な顔が見たいな」
「前と同じだよ」
紀枝はいつも冷静な若松に少し不満があった。
「若さんはこれ必ず、付けるね。一度ぐらい忘れてもいいのに」
「いいのか」
「いいと思うよ。私も計算はしているのよ。でも、どうかな」
「危険な事はするなよ。これでいいんだ」
66 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 10:08:13 ID:A1ZkVa6b
2009.21.7.30 「「 自由な人たち 」」 007+6
「仕事に行くの止めようかな、電話で済ませようかしら、でも、それは駄目ね」
「時間は十分ありますよ」
若松は安井社長の靴に靴の先を付けて押し、安井社長の手に指先をつけて、
優しく、摩った。
「こんな関係になっちゃって、おかしなものね。私が悪いのかしら、でも、良さんも
悪いわね。女も幾つに成っても駄目なのね。良さんはやじゃないの」
「僕の方が悪いと思っていますよ。社長は何も考えないほうが。好きなものは
好きと言える立場なんですよ。乙女心を大事にしないと」
「15歳か、ため息が出るわね。乙女心か。いつまでも消えないのね。ここまで
一緒に車に乗っているだけで楽しいの、もう、おばさんなのにね、良さんが好きって
言ったからね。真に受けちゃったのね」
「どうしたんです。暫くぶりに会ったのですから、楽しくしないと」
「そうね、いつかは終わるでしょう。それまでは年老いた乙女を宜しくね」
「年老いてはいません。素敵な乙女ですよ」
「その素敵な乙女が今夜は化け物になるかも知れないわよ」
「僕が退治しますよ。退治して、社長を乙女に戻して明日帰りましょう」
「化け物になって今日は良さんを食べなくっちゃ、覚悟、しててね。それより、
乙女を通そうかな、それこそ、化け物よね」
「化け物なんてよしましょう。社長の事が好きだから付いて来たんですよ。
今日は社長に喜んで貰えるよう。色々と仕組んで来たんですよ。もう、時間ですよ」
「そうね。行きましょう。それじゃ、会社の前に下ろして貰って、打ち合わせが
終わったら、電話するから、また、会社の前に向かいに来て、一緒に来て貰って
もいいんだけど、行かない方がいいわね。秘密よね」
「秘密にしましょう」
「良さんも顔が広くなったからね。仕事、広げない。力になるよ」
「お願いします。一人、優秀な奴がいるので、店を増やそうかと思っているんです」
「そう、また、後で教えて、でも、今日はこれで仕事の話は終わりにしましょう」
67 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 22:07:22 ID:A1ZkVa6b
2009.21.7.30 「「 自由な人たち 」」 003+2
「どんな事をしていたの」
「あの時は考えてみたら、いつでも見ようと思えば見れたかもしれないわね。
でもそのときだけだった。おじいさんの家は昔の家でしょう、少し、障子が開いて
いたのよ、お母さんが夜トイレに起きたのそのとき、私と両親の部屋は一つ隣の
部屋だったの私と両親の間の部屋を物置のように使っていて、トイレから帰って
来たら、隣の物置に使っている部屋からお母さんの声がしたのおばあさんよ」
「今も、二人が寝ている所の隣ね。今も同じよ。同じ家でしょう」
「そうね、今も同じだ。子供たちの部屋は今は使っていないわね」
「それで、どうしたの」
「えーと、待ってね」
美沙はまだ、7歳だった。トイレから帰ると隣の部屋から明かりが漏れ、母親の
かすかな声が聞こえた。まだ幼い美沙は何かなと思い、物置に入ってみると、
両親の部屋の明かりだった。美沙は部屋に入ったら、母親の声で、
「駄目よ、くすぐらないで、大きな声が出るから」
「出すなよ」
「そんなことをしたら出るの」
美沙は戸が少し開いた隙間から覗いて見た。そのとき、見た両親の姿は
お母さんの胸にお父さんが頭を埋めている姿だった。美沙は驚き、妹が寝て
いる子供の部屋に直に帰って、何でお父さんはお母さんの胸に顔を付けていた
のか。考えてみたがいつの間にか寝てしまった。
朝になったら、お母さんに聞こうと思ったが、朝になったら忘れてしまい。と言うより
朝は忙しく、忘れてしまった。それから、一年ほどは何も無く過ぎた夜、何となく、
両親の部屋から声が聞こえるので、前のことを思い出し、気付かれないように、
物置に入り、そのときは隙間が開いてなくて、声だけが聞こえてきた。
「あなたはどうするのよ、裏切ったの」
「何が」
「あの噂は何よ。あなたに女が居るって」
「そんな話、嘘に決まっている」
「私を裏切るなんて」
「そんなことは無いよ。これ見ろよ。こんなに張り切っている。お前だけだよ」
68 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 17:41:46 ID:XFiPWSud
2009.21.7.31 「「 自由な人たち 」」 003+3
美沙はよく分らなかったがお父さんが悪い事をして、お母さんを裏切ったので
お母さんが怒っているようだった。
「よしなさいよ。馬鹿ね。よしなさいよ」
「いいだろう。お前だけだよ」
美沙はどうしようかと思ったがこどもながら何が起こっているのか見たくなった。
でも、どうしょうも無い。しょうがないので、聞き耳を立てて、両親の話を聞いていた。
「お前だけだよ。いいだろう。お前だけなんだから」
「許さないから。何するのよ」
「いいだろう。お前だけという証拠だよ」
「やめてよ。汚いでしょう。汚いわよ」
「汚くない。いつもこうしたかった。汚くなんかないよ」
お父さんがお母さんの汚い所に何かしているようだった。美沙にはなんだか
分らなかったがお母さんはいやがっているようで、でも、いやがっていないような
ことを言い始めた。
「そんなことをして、許して貰えると思っているの」
「悪いことは何もしていない。これからはお前を抱くときはこれをするから」
「馬鹿ね、病気になっても知らないから、そこまでするの」
「お前の体だから、病気になってもいい。お前の体の中で汚い所なんてないよ」
「勝手にしなさい。死にはしないでしょう。私の方が恥ずかしく死にそうよ」
「気持いいだろう。これまではお前がやがったからしなかったんだ」
「これからはするの」
「するよ」
「私は何も言わない」
「お前だけだよ。分るだろう」
「分った。分ったから。もういいわ、そこはいいから、早く」
「好きだよ」
「私も、こんどするときは言って、綺麗にしておくから」
「分った。でも、綺麗だった」
「スケベなんだから」
70 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 10:01:49 ID:uoykrueS
2009.21.8.1 「「 自由な人たち 」」 002+6
「今の二人は現実の中の喜びの時間を過ごしているだけ」
「そうね、現実は喜びだけじゃないわね」
若松は美沙の体にシャワーを掛けながら、
「時間はあるよ」
「生きるって、喜びだけじゃないけど、喜びを共有できる二人が大事なのよ」
二人はぬれた体で抱き合い、唇を合わせ、暫く、ぬれた体の吸い付くような
感触とすべるような感触を味わうように、お互いの体を弄り合い再度の体の
復活を待った。
「もう、何時頃かな」
「まだ、大丈夫よ」
そのとき、美沙は何となく、人の気配を感じた。もしや、摩耶ちゃんが帰ったの
かしらと思い、寝室のドアを見たとき、それは確かに娘の摩耶の姿だった。
「濡れた肌は何か違うね。すべるようで、また、纏わり付くようで」
「そうね、私はいいわよ」
若松はぬれた美沙の足の間にそれを差込、美沙の体をねだるように前後に
動かした。
「出ましょう。寝室で」
二人は浴室から出て、お互いをタオルで拭き合い、隣の美沙の寝室に戻った。
「この物入れ、この部屋に合うね」
「5万円ね」
「貰えないな」
「駄目よ、私の体は5万円なの」
美沙はそう言って、若松の腹部に顔を埋めた。
「この次に考えます」
若松は摩耶が帰ってくる前にもう一度済ませる為に、美沙を寝かせ、美沙の
谷間に顔を埋め、美沙の状態を確かめ、美沙の上に覆い被さり、まだ、余韻の
残る美沙の中に入り込んだ。
71 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 10:53:39 ID:uoykrueS
2009.21.8.1 「「 自由な人たち 」」 002+7
摩耶の存在に気付いている美沙はどのように振舞うべきか迷ったが
ありのままの自分を見せる事に決め、摩耶の存在を無視して、若松の体の下で
若松を受け止めた。摩耶の存在によって思いもよらず、今までにない興奮と強い喜び
を伴ない、若松との体の結合部が若松自身を飲み込むように波立ち、奥へ奥へと
渦巻きが体の中の中まで吸い込んで行くように感じ、また、若松はその力に飲み
込まれまいと必至になって、美沙の体に立ち向かっていた、強く、接点では締める
ように筋肉が働き、痙攣するような感覚と共に、これまでにない体の未知なる力と
興奮を体と心に感じた。
若松も美沙の体に強い力を感じ、美沙の力が若松の体を支配し、その力から
逃れる為に必至に成らざるを得なかった。二人の接点は強い圧迫感が働き、
強い満ち潮と引潮により、若松を離さない強い力は、今までにない快楽を
二人に与えた。正に女体の満潮がもらす満足な時間を二人は味わっていた。
しかし、現実は厳しく、喜びと共に訪れる生命の誕生を断ち切らなければ成らない
為、若松は自らに網を掛けざるを得なかった。
「私が付けてやる。今、行きそうに成ったでしょう」
「成った。危なかった。美沙さんの力が強かった」
「私も驚いた。勝手に動いてた。付けるのね。こんなの付けなくてもいいけど」
美沙は手際よく、避妊具を付け、若松は再度、美沙に覆い被り、途中で美沙の
体から離れたもどかしさが網を被った魚のように荒れ狂い、美沙の頭がベットに
当たるのもかまわず強く体を動かし、そして、その最後は美沙の意味不明の
声と共に終わった。
快楽の中で娘、摩耶の姿を見たことを思い出していた美沙はベットに力なく
横たわり、若松のいたわりの愛撫を受けていたが摩耶の心を傷つけてしまった
のではないかという嫌悪感が全身を硬直させ、思わず若松にしがみ付いた。
「誰か見なかった」
「え」
「何でもない」
美沙は子供の頃のことを思い出していた。
「私小さい頃、両親の寝室を覗いたことがあるの」
「へー」
72 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 00:34:28 ID:bxzMQ0OP
2009.21.8.1 「「 自由な人たち 」」 006+8
「摩耶ちゃん、驚いたよ」
「帰ったと思ったでしょう」
「着替えたの」
「素敵でしょう。誰かに似てる」
「変わるものだね」
「お母さんが若いとき着ていたもの」
「どうするの、乗るの」
「そんな言い方、しなくても」
「へー、お嬢様、少しお待ちください」
若松は助手席のドアを開ける為に、車から降りた。そこには、たった15分程度で
13歳の子供から美しい女に変わった摩耶が微笑んで立っていた。若松は何となく
狐につままれたような感じがした。絶世の美女とは言わないがその容姿は触れる
事で何か壊れてしまうような脆さと息を吹きかけただけで消えてしまうような儚さを
感じた。子供でも無く、大人でもないその女体は若松にとって未知なる異性の存在
を感じざるを得なかった。
「お待たせしました。どうぞお乗りください」
「どうもありがとうございます」
「変わるものだね」
「大人の女の人に見える」
「見えないけど、子供にも見えない。何処でそんなに化けたの」
「公園のトイレ」
「トイレね、下着も変えたの」
「全て変えてきた」
「そー、何処に行こうか。希望があれば行きますよ」
「若松さんに任せます」
「海に行こうか」
若松は車を出した。隣りに座る、女に化けた少女をこれらどうすればいいのかと
思うと気が重くなった。
73 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 11:13:49 ID:sOCYuz8Q
2009.21.8.3 「「 自由な人たち 」」 004+4
若松は恋に歳は関係ないと思った。ただ、恋ならば両思いでなければその恋は
実らない。しかし、本当に恋を感じるのは多分、片思い、出来れば、両片思い、
お互いが好きになり、それを相手に言えない状態での片思いは人間の身体が
持っている異性に対する本能の存在を痛いほど感じる筈だ。
恵子は片思いから、自分の思いを若松に伝えた事で゛、愛の狩人になった。
愛する人にその愛を告げた事で相手の反応を期待し、自分の恋を実らせる
為の具体的な行動に出た、それがプレゼントされた愛のメッセージ入りの枕カバー
だ。枕カバーが愛する人に対する気持を表しているとすれば共に枕を使いたい
という気持だ、既に全てを与えたいというメッセージが込められていることになる。
さすが分り易く更に積極的である。本気という事だ。片思いの当てに自分の
気持を言うだけでは以前片思いの状態であり、思いは更に強くなり、告げた
相手に強く否定されなければその思いは募り、況して、異性が与えてくれる
肉体的と精神的な喜びを十分に味わっている中年のおばさんの思いを
想像すると堪え難い苦しみと欲望の中でのた打ち回る思い、とはいっても
人生経験を積んで、度重なる片思いを経験した中年のおばさんの思いを
簡単に純粋と思う事は大きな間違いという事も頭に置いておかなければ成らない。
どちらかと言えば中年になり、自分の肉体の限界を既に越えたと思う事で
昔のはちきれるような肉体の喜びを少しでも経験したという思いが行動を
大胆にさせ、若松への僅かな恋心が大胆な行動を起こさせているのかも
知れない。
恵子は友達の妻だ、友達の妻と恋に落ちるなんて、良くある話と言えば言え
るがその代償は非常に大きく。ただ、女としての恵子は嫌いでは無かった。
林の家に行ったとき、必ず、恵子の手料理をいただきながら、楽しく三人で話し
ている時に見せる女としての魅力は男が女に抱く下心を擽るものを沢山持っては
74 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 00:24:04 ID:G68rBcyd
2009.21.8.4 「「 自由な人たち 」」 005+7
紀枝は若松からそれを外して、そっと隠した。二人は体を流し、湯船に入った。
「また、大きくなった」
「しょうがないよ。大きくなったり、小さくなったり」
「のん気だな」
「のん気だね」
「重くない」
「水の中は軽くなるよ」
若松は紀枝の胸を後ろから包むように抑えて、先の粒を指の先で摘み、後ろの
首筋に唇を付けて、舌を当てて、体を密着させて、若い体のなんともいえない
ふくよかな感触を味わった。その感触は若松の気持をまた、紀枝の体に対する
興奮へと誘い、その結果、明らかにその思いを形として現した。
「お尻に何か当たっている。触っていい」
紀枝は体を少し横にして、狭い湯船の中で、若松のそれを触りながら、振り返り
若松の唇に自分の唇を合わせた。紀枝による刺激が若松の体に強い欲望を
呼び起こし、再度の結合を求めた。
「なんだか、また、したくなった」
「分った。ベットに行きましょう」
二人は風呂から出て、タオルで身を包み、ベットに倒れこみ、若松はたまらなく、
紀枝のタオルをはぎ、若い紀枝の体に頭を埋め、獣となって紀枝の若い体のエキス
を飲み干すように体の全てに纏わりつき、そして、紀枝の体の興奮を確かめ、若松は
受け入れを待つ、紀枝の体に吸い込まれるように入り込み、静かにその感触を
感じながら、紀枝の体を征服した。若松は波のように紀枝の体に体を合わせ、
自らの気持と紀枝の気持の高まりを同じリズムに合わせようと紀枝の顔を見ながら
紀枝の体の変化を確かめるように体の力を加減しながら体の力が一転に集まる
ような興奮とその押し寄せる興奮を感じ取り、そして、若松の興奮に合わせるように
75 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 14:22:43 ID:G68rBcyd
2009.21.8.5 「「 自由な人たち 」」 008+0
若松は富田文を呼び、吉原武雄の所に行くか。確かめた。
「文さん、吉原さんのところで見て欲しいものが出たので見ないかと言って来た
けど」
「吉原、あのすけべじじですか」
「止めますか。僕が行きますよ」
「行きますよ。こないだの仕返しをしますよ」
「午後の4時に来て欲しいそうです。山本と行きます。それとも、一人で行きます。
4時だから、そのまま帰っていいですよ」
「一人で行きます。車で行っていいですか」
「そうしてください。安くお願いします。別に今日値段を決めなくてもいいですから
あの家には幾らでも在りますから、文さんに任せます」
「じゃあ、済みませんがそのまま帰ります」
「連絡だけはしてください。何か在ったら直に行きますから」
「襲われないようにしないと何をするか分らないから」
「やっぱり、一人は心配だな」
「大丈夫ですよ。今度は私の方からやっけて遣ります」
「まあ、悪い人じゃないから」
「私は吉原さんを嫌いじゃないけど」
「好きなんだ。知らなかった」
「好き、そんなことはないですよ」
「歳は取っていますがあのじいさんも男だからな、でも、変なことはしないでしょう」
「しないですよ」
「それじゃ、早めに出てください」
「分りました」
富田文は骨董に詳しく、この店に来る前も長く骨董に関わっていたらしかった。
この店に来て3年あまりになるがよく働いてくれるので若松は安心して仕事を
任せる事が出来た。
76 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:14:08 ID:wTgAFSYx
2009.21.8.9 「「 自由な人たち 」」 007+7
車は安井社長の取引会社に着いた。
「それではお願いね。余り遠くに行かないでね。待つのはやだから、終わったら、
二人きりになれるし、早く来てね」
「分った。気を付けて」
安井澄子は手を振り、笑いながらビルに入って行った。若松はその後ろ姿を
見ながら、澄子から目をそらさなかった。澄子は必ず、姿が見えなくなるところで
若松の方を振り返り手を振った、今日も必ずそうする筈だ。そして、澄子は若松に
手を振り、微笑んでから姿が見えなくなった。若松も手を振った。
若松は暫く、時間を潰さなければならない。若松は車を出し、少し車を走らせて
休憩できる場所を探した。この街は初めてなので、余り遠くには行きたくなかった。
道路標識に神社の名前があり、その方向に曲がり、神社で休む為に神社に
向かった。神社は直にあり、駐車する場所を探す為、神社の中に入った所、神社の
庭が駐車場になっていた。境内は広く、静かな神社で由緒ある神社のようで観光客
らしい人たちが何人かいた。若松は自販機で飲み物を買って安井社長の電話を
待つことにした。
若松は車の中でシートを倒し、休む事にした。こんなに長く車の運転をするのは
暫くぶりで少し、疲れた。若松はうたた寝を始めた。そして、夢を見た。
若松は息苦しさの中で目を醒まし、夢の中で真っ暗な山道を何かから逃れる
為に無我夢中で走り続けた。暫くぶりの運転が少し疲れたのかもしれない。しかし、
それだけではなく、最近になって、今の生活が少し、自分の思いと別な方向に
向かっているように感じるようになり、何となく、すっきりしない毎日を送っていた。
若松は小さいときから人に使われない人生を送ることを考えていた。それは多分、
両親の仕事を見て、使われる苦しさを感じ取ったのかもしれない。ただ、学校での
成績はそれほど良くはなく。優秀とは言えなかった。
77 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 15:36:55 ID:H1UYMJJX
2009.21.8.10 「「 自由な人たち 」」 003+4
「スケベなんだ、お前の前では、お前もこれからはスケベになれ」
何となく、仲直りしてしまった。暗い中で両親のささやくような言葉と何となく
動いているような音が大分、長く続いたようだった。何となく、どちらかが起きた
ようなので、静かに自分の部屋に戻った。暫くして、お母さんが子供の部屋を
のぞいてトイレに行ったようだった。
「お母さん、本当に、一回だけなの、一回でそんなに覚えているの、お母さんの
夢じゃないの」
「夢じゃないわよ。実は何回も見たの、私の両親は結構いい加減だったわね」
「それで」
「そうだな。何となく、性教育みたいな感じだった」
「本当でも、嘘でも、いいから、話して」
美沙は子供の頃、父親とよく、風呂に入って、父親のものが大きくなったの覚えて
いたそのとき、父親は「美沙、これを触ると大きくなるぞ」と言っていたことを思い出し
て、お母さんにもお父さんは大きくなったと言っていたので、何をしているのか。
いつか、両親の部屋を見たくてしょうがなかった。
美沙は何となく、両親が機嫌のいいとき、両親の隣の物置の戸を少し、開けて
おいて、その夜、見ようとした。でも、機嫌がいいときは何も無った。今度はお母さんが
お父さんに機嫌が悪いときにまた、物置の戸を少し、開けておいて、気配を伺った
ところ、両親の部屋から物音がしたので、こっそり見に行った。するとかすかに部屋
から声が聞こえて来た。戸もかすかに開いている。美沙は静かにその隙間から、
部屋の中を覗いた。照明は少し暗かったが二人の姿が見えた。二人は小さな声
で話していた。
「何で、怒っているんだよ」
「怒ってなんかいません」
「怒っているよ」
78 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 10:21:16 ID:tgmggSK9
2009.21.8.11 「「 自由な人たち 」」 002+8
「子供部屋と両親の部屋は物置に使っている部屋を挟んでいたの、物置に使って
いる部屋は両親の方からは開くのよ。その物置からよく両親の部屋を覗いたは」
「へー」
「それだけ、へーなの」
「何か見たの」
「見た」
「だから、強引なんだ」
「そうかしら、私、子供のころ、お父さんのあれを握ったことがあったの」
「なんで」
「コタツで寝ていたの、お父さんの横で寝ていたのね。いつの間にか、握って
いた」
「強引だ。お父さんは」
「気付かなかった」
「幾つ頃」
「小学か中学」
「小学だろう」
「良くある話かな」
「無いよ。そんなことはないと思うけど、聞いた事はない」
「あなたの握ったとき、思い出した。そのことは忘れていたけど、あの時なんで
あんな事をしたのか分らない」
「お父さん、分っていたかもよ」
「そんなことはない、そんなお父さんじゃない」
「でも、娘は立派に成長した」
「さっき、摩耶ちゃんを見た」
「夢で」
「私は寝てないわ。私たちを見てた。もう、居ないと思うけど」
「摩耶ちゃんの帰る時間だな。どうする」
「あなたはどうするの」
「摩耶ちゃん、見られたの気付いたかな」
「分らない」
「知らない振りをするほか無いと思うけど」
「そうね。それしかないわね」
そして和夫達は良子の運転するセダンに乗り、軽井沢の別荘へ向かった。
そこにはコンクリートジャングルから解放された自然の風景があり、
都会の生活に疲れた和夫達の心を癒すのに充分だった。
良子は慣れた口ぶりで彼らを別荘の中へ招待すると、彼らは荷物を
おのおのの部屋へ置き、リビングへ集合した。
肉や野菜を用意して、外へ出てバーベキューが始まった。
肉の焼ける臭いが香ばしく、皆の満腹中枢を刺激した。
良子の合図で皆一斉に食べ始め、それは終わった。
そして満腹になった武は、ドライブに行こうと言い出した。
良子は運転に疲れていたので部屋で休むと言い出したので、
武と、郁と、桂子の三人だけがドライブに行く事になった。
残された良子と和夫は、三人が出かけた後、二人で森林を歩く事にした。
二人で手を繋いで人気の無い森林を歩いていると、まるでカップルの
様だった。左手に湖が見える。あそこにはネッシーが出たと言われている。
良子は和夫の手を引いて湖へ走った。
秋の紅葉が美しい自然の中にたたずむ湖は、ことさら神秘的で、
そこにネッシーは居なかったものの、二人は白鳥が泳ぐのを見て、
しばし言葉を失った。二人はこの時間を大切に思った。
が、早一時間も過ぎていたので、別荘に帰る事にした。
別荘では既に三人が帰宅しており、良子と和夫は茶化された。
その夜、五人はリビングでラジオを聴きながらUNOを楽しんでいた。
四角いテーブルにビールとワインとツマミを用意し、三十分もやっていると
一同はすっかり上機嫌になっていた。
そんな時、別荘のドアを強く叩く音が聞こえた。
そんなスケジュールは聞いてなかったので、武と和夫は何事かと緊張した。
最年長の武が恐る恐るインターホンに出ると、返事は無かった。
仕方なく、武はドアを慎重に開けると、ドアの向こうには倒れた男が居た。
何事かと思い、男を屋内に運び込む一同。男は血だらけで、下に引いた
バスタオルが血と泥で汚れた。
武は警察と救急車を呼び、その間良子と郁が男の傷の手当てをし、
和夫は男に話しかけた。男は意識が途絶えており、虚ろな声しか出なかった。
男は見たところ後頭部を強く叩かれたようで、危険な様だった。
良子が男が微かに何かをつぶやくのを聞き取った。
「ジェイソンが……ジェイソンが……」
その名前に一同は旋律した。丁度、救急車が駆けつけたが、男は既に
絶命していた。やって来た警察に五人は色々質問されたが、大した事も
教えられず、警察は帰って行った。
残された五人は不吉な事件に、恐怖した。
81 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 15:26:52 ID:cn9+INyz
2009.21.10.16 「「 自由な人たち 」」 007+8
若松にとっては過去はどうでもよかった。今の自分がすべてであり、今を十分に
楽しむことを考えていた。木陰の向こうに見える空を見つめ、僅かに微笑み安井
澄子の事を思った。多分、澄子は仕事に手が付かず、いらいらしているに違いなく
仕事が済んだらすぐに連絡をする筈だ。若松はどんな夜になるのか楽しみに
思った。安井澄子は遊び相手としては申し分なく、全てに適当であり、全てに
気安く、かつ、信頼がおける女性だ。
久しぶりに夜を一緒に過ごすので、多分、眠れないかも知れないけど、それも
仕方ないと思った。目をつぶり安井澄子の顔を思い浮かべた。少し何処かが緊張
してきたので、そのあたりを摩り、僅かに腰を挙げ、座り心地を直した。
電話が鳴った。
「終わったわ。来てくれる」
「分った。すぐに」
「どれくらい」
「すぐに。近くだから」
「分ったわ」
こういうのって書き始めは良いけど終わらそうと思うと辛くなるな
83 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 23:30:51 ID:/YhcaiX1
2009.21.10.25 「「 自由な人たち 」」 007+9
若松は時間を言おうとしたが電話は切れた。時計を見ると50分程が過ぎていた。
車を始動し神社を出て、安井澄子の待つ場所に向かった。間もなくして車はその
場所に着き、路肩に車を止めて、当たりを見回したが姿は無かった。
「まだか」
若松はひとり言を言って、安井澄子が入って行ったビルの入り口を見ていた。ビル
の前は人通りが少なく、出てくれば直に分るところだったので、入り口を見つめて
いた。
ビルから男二人と女一人が話しながら出て来て、入り口の所で、女がこちらの方を
指差し、男もこちらの方に向かって頭を下げたので、こちらも僅かに釣られて頭を
下げてしまった。女は安井澄子で二人の男は商談相手なのだろう。お互い挨拶を
交わし、安井澄子だけがこちらに小走りで向かって来た。
やっぱりいい女だ。年は年なのだが女は年ではなく、好みとしか言いようがない。
今日はどのような仕事の内容なのか分らないが勝負服なのだろう。一緒のときとは
別人のような雰囲気で、身なりを整えた姿は改めて美しく見えた。
「お疲れ」
若松は車の外に出て、ドアを開け、労いの言葉を掛けた。
「ごめんね。待たせて」
「待ったけど気にならないよ」
「何処で待ってたの」
「近くに神社が在って、そこの境内で」
「そこどこ、言って見たい。行こう」
「いいよ」
84 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 14:47:23 ID:6JQs/l55
2009.21.10.26 「「 自由な人たち 」」 007+10
「退屈しなかった。悪いわね。何となく適当に仕上げて来た」
「そう」
「でも、いい結果は得られたわ」
「それは良かった。退屈はしなかった。少し寝たかな、覚えていないけど夢を見た」
「私の夢じゃないようね。だれのかな」
「人は出てこなかったと思う。ここなんだ」
「へー、よく分ったわね。こんな所があるんだ」
「標識があって。それに従って、いい所だね」
「何となく、いい気分ね。神社てロマンチックじゃない。お寺よりいいかな」
「ロマンチックって、そうかも、何かを祭るって、ロマンチックか」
「そうでしょう。全てがそうとは限らないけど、何かを神様にして、その神にお願い
をするなんて、ロマンチックよ」
「お願いしますか」
「そうしよう、早く」
安井澄子は嬉しかった。全てに開放され、全てが手に入ったような感じになり、
若松の手を取って、拝殿へ急いだ。
「細かいお金ある。自分のじゃなければいけないのよ」
「在ります」
「一緒に拝んでいい。恥ずかしいかな」
「誰もいないようですよ」
「あそこに人がいる」
「今日は気にしないでいいでしょう」
「そうか、これぐらいならいいわね」
二人は肩を並べて手を合わせ、二人揃ってお願いをした。
85 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 00:08:10 ID:fw4hqCDA
2009.21.10.26 「「 自由な人たち 」」 007+11
安井澄子はこんなお願いをした。
「神様、お願いします。私を今日は世界で一番幸せな女にしてください。身も心も
全てを捧げます。素粋な一日を過ごさせてください。隣の人を好きです。でも、二人
は結ばれる事は在りません。でも、好きなんです。私に幸せな夜をください。もし、
願いを聞いてくれたら、私も神様の願いを聞きます。だから、二人の幸せを祈って
ください。お願いします」
澄子は微笑んだ。そして、欲張りねと思った。一緒にいるだけでもいいのに幸せ
な夜なんて、こんな年になっても女は馬鹿ね。何が起こるのかと思うと体に何かが
入り込むような気持になり、神様の魂が降りて来たよな感じがした。
「何をお祈りした」
「秘密、分るでしょう」
「分った。私も秘密、分るでしょう」
「分った。同じ事をお願いしたことにしきすか」
「秘密よ」
「何となく、誰かの声が聞こえたな、うめくような、少し荒い息で」
「そこまで、神様が怒るわよ」
二人は笑いながら、礼拝を済ませ、境内を見る事にした。
「社長は神社には詳しいですか。僕は余り、でも、雰囲気は好きですよ」
「私は詳しくはないけど、家が神社の傍だったのだからよく遊んだわ。鬼ごっこ
したり」
「お医者ごっこしたり」
「それは無かった。残念ね。良さんはどうだったの」
「どちらがいいですか」
86 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 11:30:39 ID:fw4hqCDA
2009.21.10.27 「「 自由な人たち 」」 007+12
「何が」
「患者がいいか、先生がいいか。どちらです」
「あれ見て、綺麗ね、古いものって、何となく、魅力的で奥が深く神秘的ね」
「誰さんの体のような」
「待てないの、まったく、でも私も、でも、待つの今からでは早いでしょう」
「冗談ですよ」
「冗談なの、私は冗談ではないわよ、本気よ、良さんにはこの古くて神秘的な
肉体を復元して貰いたいの、だから全てをさらけ出すわよ。覚悟してよ」
「古いなんていいました。僕に任せてください。十分に拝ませていただきます」
「私も拝ませていただきます。なんだか、神様に叱られそうね」
「叱られないと思う。多分、神様は許しいくれますよ。安産の願いも聞いて
くれると思うけど」
「安産ね、そうなったらどうする。そう思うだけでも幸せね。私はいいわよ。
でも、この古い体では無理かな」
「僕はリサイクル屋ですよ」
「ここでリサイクルを持ち出すの、嬉しくない」
「許せ」
「許してやる」
二人は肩を抱き合って笑った。澄子は不倫なんだなと思った。それ以上でも
なくそれ以下でもない。そして、遅すぎたとも思った。そして、涙が目に溢れて
来た。幸せに成れない。幸せに成ってはいけない。涙で濡れた目で空を
見た。境内の大きな木のずっと高く青い空が遠い昔を思いださせ涙は目から
溢れ、頬を伝い首筋に落ちた。
87 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 23:04:01 ID:1NC4kU03
2009.21.10.28 「「 自由な人たち 」」 007+13
「涙が出ちゃった」
「涙が」
良は澄子の涙を指で拭いた。
「何でもないよ」
「目に何か入ったのかな」
「そうよ」
「泣きたくなった」
「泣きたくなんか無いよ。嬉しいのに」
「美味しい物食べて、ゆっくりしょう」
「そうね。泣いたんじゃないよ」
「分った。でも、目に何かが入ったのでもないね」
「どうしょうも無いよ。泣いてる場合じゃないでしょう」
「多分、答えはないと思う。それに答えを出したくない」
「そうよ、答えはない、答えはいらない」
「答えが出たら、終わってしまう」
「そんなこと言わないの、涙じゃないよ」
「でも、答えを見つけようとしたときもあった。二人の答えを、でも、出なかった」
「もういいよ。色々な答えがあると思うよ。今日は答えを出す日じゃないよ」
「好きな人が目の前に居ても、普通は何も出来ない。何もしないときは、ただ、
美しいとか、魅力的とか、話して見たいとかと思うだけで、それほど、感じる
事はないけど、話して見てその人の虜になったとき、そして、相手も何か感じて
いるということが分ったとき、人は変わってしまう。離れられなくなる」
「そうね、何かが起こってしまった訳ね」
88 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/04(水) 08:58:35 ID:H6IaeU9n
S
89 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/07(土) 10:08:17 ID:/hiWtfWE
2009.21.11.7 「「 自由な人たち 」」 007+14
良 「二人は変な関係ですね」
澄子 「そうかな、若い男と若くない女か、年も関係するね。私には時間が無い
:けど経験がある。良さんには時間があるし、経験もある」
良 「経験なんてないですよ。何かを好きになるという感情は誰でも持っている
でしょう。その中には手に入るものもあれば入らないものもある」
澄子 「どちらなの、私があなたを手に入れたの、それとも、あなたが私をなの」
良 「二人の場合は同じかな、お互いその気か有ったので、話すことで確かめる
事が出来た、それて結ばれた。そうでしょう」
澄子 「私は最初から、あなたには引かれた、だから、話したくなったし、話し続けた」
良 「僕は何かを見つけたと思った。でも、どのようにすけばいいのか迷った、
好きというのもどうかと思ったけど、言わなければ、何も始まらないと思った」
澄子 「私は第一印象かな、こんな事はほとんど無かったけど、何か引かれるもの
が在ったと思う」
良 「話す事で何かが生まれるのは確かかな。話すことでだんだん相手を知り
お互いが惹かれあうし、それによって身近に感じると、もっと知りたくなる」
澄子 「多分、話すだけでは駄目ね」
良 「心に感じるものが必要かな、単なる片思いでは堪えられなくなった。でも、
片思いでもよかったのかもしれない」
澄子 「片思いはやね、思われていても詰まらない、思われているからって何に
成るの」
良 「思われる側と思う側では違いますよ」
澄子 「二人がお互いに片思いだったら人生何となく損をしたような気持になる
と思う。好きと思う人がそこにいて、その人も好きと思っているのに何も
しないなんて、可笑しいわ」
90 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/09(月) 11:30:29 ID:z2ZFdPia
2009.21.11.9 「「 自由な人たち 」」 007+15
良 「片思いだったら、こうして手を握る事が出来ない」
澄子 「片思いだったら、こうして、あなたに笑い顔を見せることが出来ない」
良 「手の暖かさと血液の高鳴り、体全身に感じるときめき」
澄子 「何か変なことを考えているの、考えなくても感じる体のうずきね。じーんと
感じる不思議な感覚が体全体を支配するね」
良 「得したような感じ、好きなものが目の前にいる幸せかな」
澄子 「馬鹿ね、二人は馬鹿なのかな」
良 「馬鹿か」
澄子 「あなたも私も馬鹿なのよ。でも、馬鹿でいい、二人だけの秘密よ」
良 「そうですね、秘密ですね」
澄子 「あなたが私を好きなんて誰も思わない、だから秘密よ」
良 「分ってますよ」
澄子 「それしかないわね。あなたを守る為には秘密しかないわね」
良 「社長を守る為にも、二人の関係は秘密ですね」
澄子 「あなたは私から何も求めないわね」
良 「え、それはどういうことです」
澄子 「そう思ったの、私にはあなたに与えるもが沢山あると思ったの」
良 「僕はいつも不満はあるけど、生活には満足していますよ。こんな時間を
過ごせる事を感謝してます」
澄子 「そう、泣かせるわね、確かに貴重な時間ね、好きな二人がただ好きなだけで
会えるなんて、贅沢な時間ね」
良 「誰にも邪魔されない時間を過ごせればいいでしょう」
澄子 「騙さないでね。騙されたくない」
良 「騙すものなんて無いでしょう。好きなだけなんだから」
91 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/11(水) 23:28:01 ID:33Jp6VnT
A
92 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 14:15:49 ID:78mJVg0o
B
93 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 17:02:22 ID:nsubgniX
感情移入が出来ないのでキャラクター性を出すべき
94 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 13:12:39 ID:3gSIH7Uj
2009.21.11.26 「「 自由な人たち 」」 007+16
澄子 「あなたが誰かと結婚するとき、多分、泣くわね。でも、許す、そして、
さようならね、そのときは祝福するわ」
良 「いつかは結婚するでしょうね。いつになるか」
澄子 「この話は止めましょう。でも、秘密だったら、会えるわね」
良 「会えますね。会うと思いますよ。多分」
澄子 「そんな事を言っていいの、忘れないわよ」
良 「好きなものは一つとは限らないでしょう」
澄子 「そうね。当然よ。でも、その人が許さなかったら」
良 「許すも許さないも秘密でしょう」
澄子 「危険よ。危ないでしょう」
良 「友達を忘れることが出来ます」
澄子 「友達じゃないと思うけど、どちらかと言えば恋人よ、違う」
良 「恋人なら、なお、忘れる事は出来ない」
澄子 「結婚よ、私よりずっと好きな人よ。たぶん」
良 「成り行きに任せますよ」
澄子 「それは駄目よ」
良 「別れるんですか」
澄子 「成り行きに任せる訳ね、それがいいわね」
良 「人生にどれだけ余裕があるか、それともどれほど自我を通せるか、
どれだけ、我侭になれるか」
澄子 「お金ね、金が全てよ」
良 「そんな事を言ってたね、時間も必要だね」
澄子 「結婚したら、会えないと思うけど」
95 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 15:23:53 ID:gnEKuPDz
2009.21.11.29 「「 自由な人たち 」」 007+17
良 「二人の問題でしょう。僕が結婚しても社長には関係ないと思うけど」
澄子 「何でよ、好きな人に好きな人が出来たら、問題でしょう」
良 「二人の時は好きですよ」
澄子 「他では誰かを好きで、私の前では私が好きと言う訳」
良 「そうですね。駄目ですか」
澄子 「駄目じゃないけど、それがいいわね。それしかないか」
良 「そしてくれると嬉しいけど」
澄子 「でも、人は嫉妬するけど、私には嫉妬する資格はないわね。炊事を
する訳でもないし、洗濯もしない、風呂掃除もしない、トイレ掃除もしない
子供も作らない。良さんに何が出来るかと言えば遊ぶことだけね」
良 「結局、二人の関係は好きという気持だけで結ばれているだけですよ」
澄子 「二人の時だけが二人に取って全ての時間と言う事ね。それがいいわね」
良 「駄目ですか」
澄子 「仕方ないわね。良さんの全てを奪う事は出来ないと言うことね」
良 「お互いさまでしょう。僕は社長の全てを奪う事は出来ない」
澄子 「それでいいの」
良 「仕方ないと思う」
澄子 「それでもいいわ、二人の時だけが二人の時間か、そのときだけが好きと
言える訳ね」
良 「やっばりおかしな関係ですね」
澄子 「おかしいかな、二人の時だけで満足するわ」
良 「そうですよ。二人の時は幸せに成れるし」
96 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/04(金) 00:04:25 ID:TZvL11HN
2009.21.12.3 「「 自由な人たち 」」 007+18
澄子 「少し疲れた。そこに座ろうか」
良 「大丈夫、疲れたんだ」
澄子 「疲れた。良さんは」
良 「疲れてないかな、早く座って」
澄子 「二人だけね、いつもは皆がいるれど、今日は二人きり、不思議よね、
でも、皆といるときはそれほど思い出さない、その方がいいから、でも、
今日は嬉しいわ、嬉しいね、嬉しいでしょう」
良 「手を触っていい」
澄子 「どうぞ」
良 「軟らかい手」
澄子 「ありがとう、よく洗ってクリーム塗るの、綺麗でしょう。良さんの為に、
自分の為かな、手入れは必要よ」
良 「暖かくて、綺麗な手だ、手だけじゃないけど」
澄子 「本当、良さんの手は私より硬いわね」
良 「汚いかな、でも、洗ってはいるけど」
澄子 「時間がなくなるね、時間が早い、二人でいても何も出来ないね、
寂しくない」
良 「どうして、寂しい訳」
澄子 「別に、嬉しいって言ったでしょう。私は強い人間よ。強くいたいし、強く
在りたい。良さんの為にも、そうでしょう」
良 「僕に何も望めないから、強くいたい訳」
澄子 「そうじゃない、何も望んではいない。会えればいいと思っている。会えない
でしょう。だから、強くいたいの、弱かったら会えないでしょう」
97 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/11(金) 11:26:20 ID:kut/U5K4
2009.21.12.11 「「 自由な人たち 」」 007+19
良 「好きという気持に答えてくれるんで嬉しいし感謝したい」
澄子 「私に何を望むの」
良 「そうだなー、存在ですよ。社長の体から感じる体感、存在感」
澄子 「何それ、臭い、何か臭う」
良 「臭いじゃない、臭いはいいですよ。香りがいいですよ。体感は僕が感じる
肉体的な喜びですかね。肉体と言っても、この肉体だけではないですよ」
澄子 「精神的でしょう。肉体的には無理よ、でも、肉体的にも感じる、どこ、
何処に何を感じる」
良 「肉体的にはどこかな」
澄子 「肉体的か、私を期待しないでね、もう無理だから、良さんの肉体には期待
するけど」
良 「それはどうかな、僕も余り期待されても困りますよ」
澄子 「何だか、夜が楽しみね、でも、少し怖いわね」
良 「気楽にいきましょうよ、僕も楽しみにしています」
澄子 「どうかしら、私はもう年よ、良さんと楽しむには体力がないわね」
良 「別に体力は必要ないですよ。まあ、存在することに意義がある」
澄子 「参加する事に意義がある。そんな言葉あったわね。でも、それって体力
いるでしょう」
良 「運動ですか、オリンピックですか。変な期待をしないように」
澄子 「そうね、でも、私に取ってはオリンピックのようよ」
良 「そうですか」
澄子 「そうよ。オリンピックのように開くかどうか分らないわよ」
良 「それは何とかします」
98 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/11(金) 21:48:29 ID:kut/U5K4
2009.21.12.11 「「 自由な人たち 」」 007+20
澄子 「無理しなくていいから、嫌われたくないし、適当でいい」
良 「難しいですね、自然に任せましょう。成り行きに、いつものように」
澄子 「そうね」
良 「歩きましょう」
澄子 「休んでよかった。少し休めたわ」
良 「向こうの方へ行きましょう。人がいないところに」
澄子 「何で、結構人はいるよ、いないところなんてないでしょう」
良 「ここは広そうだから何処かにありますよ」
澄子 「えー、何するつもり」
良 「ここはいない」
澄子 「そうね」
良 「ここなら人が来ても10秒ぐらいはかかるな」
澄子 「どうするつもり」
良 「こうします」
澄子 「びっくりした。やるわね。もう一度して」
良 「通路を見てから、えーと、大丈夫」
澄子 「10秒よ、もっと長く」
良 「かまないで」
澄子 「分ってる」
良 「それにしても、大きい神社は人がいないところもありますね」
澄子 「驚いたわ、誰かに見られた恥ずかしい」
良 「誰にも見られないよ、こういうことは任せてください」
澄子 「神様、怒るわよ、二度目、つい、触っちゃた。ごめんね」
良 「僕の気持分ったでしょう」
99 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 17:57:43 ID:N65+rE0n
C
100 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/14(月) 11:26:51 ID:1DSfTJ2J
2009.21.12.14 「「 自由な人たち 」」 007+21
澄子 「硬かった。私、手が早いね。恥ずかしい」
良 「いいですよ。まだ、ホテル、早いですよね」
澄子 「そうね、でも、早く行こうか。まあ、いいとこよ。泊るのは初めて、
食事で二回来ているの」
良 「食事も楽しみですね。なんだか、盛り上がって来たな」
澄子 「そうね、すごく楽しみ、もう何でもありでしょう」
良 「何でも在りですか」
澄子 「そうよ、でも、変な事は駄目よ、普通に何でもあり、そうでしょう」
良 「それはそうですよ、僕は曲芸のようなことは出来ませんよ」
澄子 「私、こう見えても、結構体軟らかいよ」
良 「そうですか、何となく、そんな感じですね、まあ、それも魅力ですよ。
纏わり付く感じがたまらないですね。そう言えばそうですね。体軟らかい」
澄子 「だから、軟らかいの」
良 「まっいたな、我慢できない」
澄子 「我慢しなさい、逃げないから、でも、感じるわね。普段は感じない何かを、
すけべーな感じ、変な感じ、でも、いい感じ、どうなの」
良 「そう言うこと、すけべーな感じですかね、言葉は悪いけど」
澄子 「ごめん、言葉、悪かった、でも、いいでしょう。そうなんだから、車に乗ったら
さわっちゅを」
良 「それは駄目でしょう。そんなことをされたら事故になりますよ」
澄子 「大丈夫よ。さわる。こんなときじゅないとそんなことできないもの」
良 「街中は止めましょう、また、機会はありますよ」
澄子 「冗談よ、馬鹿ね、でま、大丈夫よ」
101 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 16:09:22 ID:EB+583UF
2010.22.1.28 「「 自由な人たち 」」 007+22
良 「いや、危ないことは駄目ですよ」
澄子 「駄目か、大丈夫と思うけど、何かしたいのよ、心が高ぶると肉体的にも
感じるのね」
良 「当然ですよ、でも、運転中はども」
澄子 「少しならいいでしょう。やなの」
良 「そう言われるとどうかな、でも、見えますよ」
澄子 「見えないよ、見えないようにするから」
良 「僕は何も出来ませんよ。運転中なんだから」
澄子 「良さんに何かをしてって、言わないわよ。それは危険でしょう」
良 「何をしてもいいですよ。任せます。それが自然でしょう」
澄子 「私は好きな人には何でも出来るのよ。でも、好きでなければ駄目ね、
だから、何でも出来る」
良 「そうですね。何でも出来ますよ。したいことをするべきでしょうね。何しても
肉体的には大した事はない。ただ、変態的なことはどうかと思うけど」
澄子 「そうかな、好きだったらいいと思うけど、変態的ってどんな事、普通に
好き同士がすることで変態的なことってある」
良 「無いでしょう。何をしてもいいと思います。二人がよければいいでしょうね」
澄子 「それはそうよ。私は変態ではないし、普通よ」
良 「僕もそうですよ。おかしいですよ。変態なんて、もう、よしましょう」
澄子 「でも、したければしてもいいけど、すればいいわ、面白そうよ」
良 「おかしいですよ。変態ではないと言っておきなから、変態でもいいなんて」
澄子 「好きだから出来ることって在るでしょう。好きじゃなければしない事よ」
102 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/29(金) 23:35:28 ID:75JTsqZ4
2010.22.1.29 「「 自由な人たち 」」 003+5
母 「最近、してくれないじゃない」
父 「なんだ、そんなことか」
母 「今日はよく洗った」
父 「馬鹿だな、言えばいいのに」
母 「私は言わないって言ったでしょう。それにあなたはいつもするって」
美沙は何が起きるのか、心臓が鳴り出した。でも、何回も忍び込んでいるので
大体の見当は付いていた。前にこんなことが在った。お父さんと歩いているとき、
犬が交尾をしている所を見たことがあり、私が何してるのって聞いた事があった、
そのとき、お父さんは簡単にああすると子供が出来るんだと言ったことがあり、
お父さんもするのと聞いたら、お母さんとか、美沙ちゃんはお父さんとお母さんの
子供だからね、じゃあ、するのと言ったら、美沙も大きくなれば分るよって言った
のを覚えていた。それに友だがお父さんとお母さんが抱き合ってたとか、くっついて
いたとか、言っていたことがあり、何となく、夜になるとお父さんとお母さんか何か
していることは分っていた。
父 「欲しかったんだ」
母 「あなたったら」
父 「忙しかったからな、ごめん」
お母さんはパジャマのボタンを外し、布団の上に寝かされ、お父さんも
服を脱いで、お母さんの横に寄り添い、お父さんの手はお母さんの腰の方を触り、
二人は口を合わせているようだった。美沙は10歳ぐらいで、初めてだったので
両親の姿は衝撃が大きかった。美沙は両親の姿にくぎ付けになり、何となく、
体が冷たくなったり暖かくなったり、何だか子供ながら興奮してきた。
103 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 10:00:12 ID:r5QzrE6U
2010.22.1.30 「「 自由な人たち 」」 003+6
お父さんが少し、腰を上げお母さんの上になったとき、風呂で見たお父さんの
あのところが大きくなり、それをお母さんが手で触って、「大きくなっている」と言って
笑っているようだった。お父さんは膝を立てたお母さんの腰に顔を埋め、お母さん
はお父さんの頭を手でなぜているようだった。お母さんは何だか気持よさそうだ。
もう、美沙はたまらない。声が出そうに成ったが我慢をして、見つづけた。突然、
お母さんがお父さんに「あなた、立って」と言って、お父さんがお母さんと一緒に
立った。何が始まるのかと思っていたら、お母さんがお父さんの前に膝を付き、
お父さんの大きくなったものに顔を付けた。美沙はさすがに驚いて、声が出て
しまった。でも、その声は小さく、両親には気付かれなかった。お父さんの腰が
何となく、動いていたのを覚えている。それから、お母さんが横になり、
母 「よかったでしょう」
父 「そうだな、お前もやるな、驚いたよ。無理しなくても」
母 「やだった、おばさんがこんなことして、恥ずかしい」
父 「おばさんって誰だ、ここにおばさんなんて居ないだろう」
母 「もう、おばさんよ」
父 「そんな事なんよ、僕はおじさんだな、お前を喜ばせたいけど、体力は落ちたな」
なんだか、二人は何となく、自分たちの世界に入っているようで、父と母ではない
感じがしてきた。
父は再び母を上向きに寝せ、母の足の間に顔を埋め、母はのけぞったり、父の
方を見て笑ったり、嬉しそうだ、父は「もういい」というと母は手を差し伸べ、父の
顔を手で挟み、唇を合わせた。それと同時に二人の腰は一つになり、母に父は
覆い被さり、母の乳房を両手で覆い、裸の父の体は母の体に襲い掛かったように
腰を小刻みに動かしたり、ゆっくり動かしたり、何となく、見ていると疲れそうで、
必至になっている父は、いつもの父とは違う、別人を見いてるようだった。
104 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/30(土) 22:38:06 ID:r5QzrE6U
2010.22.1.30 「「 自由な人たち 」」 005+8
紀枝の体の締め付けが増し二人の接合部は今にも破裂しそうになり、紀枝の
強い締め付けは、一度、外れたら、入り込むことが出来ないのではないかという
力強さを感じ、それは二人の興奮の限界を示すもので、これ以上の刺激は
二人に取っては越えては成らない境界線であり、そこまでが二人の関係が
許す限界だった。
紀枝 「付けるの」
紀枝は若松に言って、それを若松は付け、紀枝に体を任せた。若松に取っては
これで満足だった。紀枝も二人の関係を十分に理解し、若松を受け入れた。
寂しい快感が二人の体に満ち、そして、終わった。
良 「のりちゃんは若いな、今こんな事を言うのはおかしいけど、早く結婚したら」
紀枝 「結婚したいけど」
紀枝は良から良の分身を見ながら、こんなに若さんの子供がいると思いながら、
良から、それを外した。
紀枝 「若さんの子供」
良はそれを見て、うなづいた。悪いなという気持も在るし、これも一つの男と女の
関係なのかなとも思った。
良 「それが子供になるなんて不思議だね。何万個もいる」
紀枝 「私の腹の中で私のと一緒になれば本当の子供になれるのに」
それを聞いて、余り長くこんな事は出来ないと思った。紀枝は良をじっと見て、
目をそらそうとしない。若松は目をそらした。
紀枝 「どうしたの、若さんとは結婚なんか望んでいない」
良 「そうだな、それはない、悪いけど、でも、こんな関係になった以上、他人じゃ
ないな」
紀枝 「何なの」
良 「何なのかな、それは他人じゃないという事だな」
105 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/31(日) 11:00:57 ID:Thbh1fdP
2010.22.1.31 「「 自由な人たち 」」 008+1
若松は文に吉原から指名で来た事を言わなかった。吉原に黙っていて欲しいと
頼まれたからだ、理由は分らないが吉原は文のことが好きらしかった。
吉原 「良さん、良い物が出たよ。見に来ないか。富田さんでもいいけど」
若松 「骨董ですか。富田を遣りますよ」
吉原 「富田さんにしてくれる。あの子は良く知っているからね。それに
好きなタイプだ」
若松 「そうですか。好きなタイプですか。吉原さんがそんなことを言うのは
珍しいですね」
吉原 「こないだは悪い事をしたけど、欲しい人がいたもので、約束を破ったんだ」
若松 「そのようですね。気にしないでください。また、宜しくお願いします」
吉原 「富田さんには私が名前を出した事を言わないで欲しい」
若松 「分りました」
吉原武雄は旧家の主人で旅行好きな婦人と二人で大きな家に住んでいて、
蔵に色々なものがあり、結構、儲けさせて貰っている。女癖が悪いとは聞いて
いないので、富田を好きなタイプというところを見ると結構、熱が上がっている
のかもしれないと思った。それに奥さんは旅行好きで一月に一回ぐらい泊りの
旅行に行っていると奥さんから聞いたことがあった。これまで好きなんて聞いた
事が無いので、真面目な人だけに少し心配に成った。
文 「おじゃまします。リサイクルジャンプの富田です」
吉原 「やー、富田さん。お久しぶり、どうぞ、先日はごめんね」
文は吉原の円満な笑みを浮かべた顔をに少し驚いた。嬉しさが込上げた老人の
顔は何となくやな感じだったがそれでも悪い気はしなかった。少し複雑な感じだ。
文 「一人ですか」
吉原 「そうなんだ。あいにく家内は旅行なんですよ」
文 「そうですか。何か、嬉しそうですね。変なことはしないでしょうね」
吉原 「ご想像に任せます。それより、これを食べてくださいよ。ケーキ好きでしょう」
文 「ケーキですか」
吉原 「こないだのお詫びに」
106 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/01(月) 10:46:21 ID:Vi7aACq+
2010.22.2.1 「「 自由な人たち 」」 008+2
文は何とも思わなかったが美味しそうなケーキと紅茶を見て、お礼を言った。
文 「ありがとうございます」
吉原 「ケーキは、甘いものは好きですか」
文 「好きです。骨董品の次に好きです」
吉原 「それは良かった。富田さんにそう言ってもらうとうれしいな」
文は吉原を見て、笑った。そして、辺りを見回して、それとなく品物を探した。
吉原 「ああ、品物はまだ、蔵の中なんです。いま、持ってきます」
文 「そうですか」
吉原 「富田さんも見ます。蔵の中は少し暗いけど、色々な物がありますよ。
良かったら、どうぞ」
吉原はそれとなく誘った。家には自分一つと言う事を伝えたので、文が誘いに
乗れば、面白いと思った。
文 「いいんですか。見ます。見せてください」
吉原 「でも、蔵の中は埃ぽいから、止めますか。服が汚れると悪いから」
文 「これですか、もう汚れてます。こんな仕事をしているとそんな事はいつもです。
汚れたら、洗濯すればいいです}
吉原 「そうですか、それなら、お願いします」
二人はケーキとお茶を飲みながら、それとなく、気持を確かめ合うように話した。
吉原も富田の性格やしぐさを楽しみながら、楽しいひと時を過ごせることを感謝
した。文も何となく、下心がありそうな吉原を見て次の展開を想像した。
吉原 「富田さんはご家族は」
文 「家族ですか、なぜです。二人です。娘が居ます。今、中学2年です」
吉原 「何となく警戒してます。何もしませんよ。こないだも変な気持はなくて、
少しつまずいたら、文さんの腰に手が言ってしまい。驚きました」
文 「そうですか、気にしてませんから、よく触られるんです。いつも間違った
と言われてます。そんなときは社長に言うと我慢しろと言われてます」
吉原 「我慢しろ、それはないな、今度、社長に言っておきます。若松さんが」
文 「冗談ですよ。そんなことはほとんどないです。皆さん、紳士ですから」
107 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 10:53:19 ID:oMRXT7hZ
2010.22.2.2 「「 自由な人たち 」」 008+3
吉原 「富田さんは何か趣味でも、これ食べ終わるまで、少し話してもいいでしょう」
よく見ると文は美しく、好みの女だった。年老いた吉原はなぜか、うずくような
もれるような、もやもやとした体の変化を感じていた。
吉原 「文さんは旅行なんかします。内の家内は月に一回ぐらいは出かけて
いますよ。歳のくせによく行きますよ」
文 「一緒には行かないのですか。いけばいいでしょう。私には旅行なんて時間は
ないですね。行きたいと思うけど」
吉原 「僕も二回ぐらいは行きます。年にですよ。骨董品を見に行きます。一人で
行きます。一人は何となく、つまらないですが」
文 「私を誘っているのですか」
吉原 「そんな、そんなことは、そうですね、誘ったら、そんなことは無いですよね」
文 「行きたいけど、無理ですね。行ったら買うのですか」
吉原 「買う事は無いですね。家に腐るほど在りますよ。見るだけです。でも、
それを口実にしているかも知れませんね。出るのはあまり好きではない
けど、無性に行きたくなるときがありますよ」
文 「そうですか」
吉原 「よかったら、どうです。行きませんか。泊らないで日帰りでも、車で
行きましょう。娘さんも一緒にどうです。でも、そんな暇はないか。好きな
人でもいるのですか」
文 「吉原さんは、そんなことまで」
吉原 「何でも聞きたい質なんです。ごめんなさい」
文 「私がもてると思います」
吉原 「思いますね。美しいと思うけど」
文 「私が、美しいですか。そんな馬鹿な、それは嘘、嘘は嫌いですよ。何となく
毎日嘘のような生活を送っているので、嘘は嫌いです」
吉原は若い富田と話すことで、失われていく時間が少し長くなるようで、話せる
事は何でも話したかった。
108 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/03(水) 11:35:33 ID:imkEAJAP
2010.22.2.3 「「 自由な人たち 」」 008+4
歳を取ることへの気持の整理が中々つかない年齢なのか、まだ、夢を追い
続ける自分自身に対する欲望の存在がうっとうしくもあり、何となく嬉しくもある。
吉原 「嘘じゃないけど」
文 「そうですか。ありがとうございます。ケーキと紅茶美味しかったです」
吉原 「残念だな、返事がまだなんだけど」
文 「娘に聞いてみます」
吉原 「えー」
文 「えー、娘に聞いてから連絡します。それでいいですか」
吉原 「そお、それがいいね」
文 「だから、今日は変な事をしないでくださいね」
二人は笑った、そして、吉原は驚いた。思ってもいなかったことで、富田の答えに
興奮する体の変化を感じた。
文 「断るかも、そのときはどうします」
吉原 「諦めるのかな、そのときはそのとき」
文 「多分、行くと思います。私も娘も最近は何も無くて、ドライブは久しぶり」
吉原 「よかった、楽しみが増えた。娘さんは何が好きかな」
文 「まだ、期待しないでください」
吉原 「何かプレゼンを考えないと」
文 「品物を持って行きます。見せてください。その前に食器を片付けますね」
吉原 「それは悪いよ、後でするからいいですよ」
文 「大丈夫です、直に出来ます」
文は台所に行き、二人の食器を洗い始めた。
文 「綺麗になっていますね。素敵な食器がこんなに、これもお宝ですね」
文は吉原が後ろに近づく気配を感じたが振り向きもしないで食器を洗った。
吉原 「かえって、悪かったね。洗わせてしまって」
文 「いえ、当然ですよ。こんな綺麗な台所、初めてです」
吉原は文の真後ろに立ち、自分自身の限界と戦っていた。手を差し伸べれば
文の体の何処でも触る事が出来る。
吉原 「文さん」
文 「どうしました」
文は振り返り、吉原を見た。そこには明らかに老人である吉原が立ち、その目は
109 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/04(木) 11:37:51 ID:Mq+sVlK6
2010.22.2.4 「「 自由な人たち 」」 008+5
憧れと欲望とがいり交わった子供のような目で、しきりに自らの気持を訴え掛けて
てるようで、文の体は熱く反応し、この老人の思いを受け入れなければならない
という感覚が全身を走った。
文は吉原の目を見つめ、そっと瞳を閉じ、また、吉原に背を向けて立ち、大きく
深呼吸をした。
吉原は直に気付いた、文が何かを期待していることを、しかし、吉原はためらった。
今、文に手を差し伸べたら、自分の気持を抑える事が出来ないし、それでなくても
老いた体は若い女を満足させる事が出来るか不安で一杯になった。
吉原 「文さん」
文 「吉原さん」
吉原は文の声に釣られ、背を向けた文の脇の下から両手を差し込み、乳房に
軽く手のひらを添えた。
吉原 「文さん、ごめん、こんなことをするつもりはなかったんだ」
吉原の手は少し震えていた。そして、直に手を引いた。
文 「今日はここまで」
文は振り向き、吉原に軽くキスをした。そして、吉原の体に縋り、
文 「今日のことは誰にも言わないでください、私はこんな事をしたことは
ないんです」
吉原 「分った。勿論」
文 「電話をします。娘と行きます。多分、大丈夫ですよ」
文はまた、キスをした。吉原は呆然として、意外な展開に驚くばかりだった。
文のふくよかな胸の感覚は心のそこから吹き揚がるような喜びと神秘に満ちた
女の体の奥深さを感じさせ、時間が止まったように思えた。
再び、文は食器を洗い出し、それを終えると二人は品物を運び出す為に蔵の中に
入り、品物を車に運び、文は帰って行った。
110 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 14:47:33 ID:1uRXCDk5
2010.22.2.5 「「 自由な人たち 」」 008+6
吉原は富田文を笑いながら見送った。そして、思っていた通りの女だったと思った。
文は蔵の中では想像以上の態度で、吉原の秘めたる夢を実現させてくれる女と
感じた。
吉原 「二階なんだ、階段気を付けて」
文 「へえー、結構中は暖かいですね」
吉原 「寒いと思って暖房をつけたんだ。階段急だから先に行って」
文 「それに綺麗になってますね。掃除が行き届いている」
吉原 「そんなことはないよ」
吉原はそれとなく、ビデオのスイッチを確認した。階段を登る姿が分るように
ビデオを仕掛けていた。
文が登る後ろ姿をビデオは綺麗に写している筈だ。自分自身で何回も試し
取りして間違いなく写しているはずである。
吉原は文の後ろ姿を見あげ、淡い光の中に浮かぶ、作業着に包まれた肉体を
目を細めて眺めた。
そのとき、文も吉原の目線を感じ、それとなく、尻を振るように上がりなから、
突然、途中で止まった。吉原はビデオの事を考えて、文が登り切るまで、下で
待っていた。
文 「二階暗いですよ」
吉原 「そうだ、今行く」
これも、吉原の作戦だった。狭い梯子で二人はほぼ一緒に二階に上がった。
吉原は文の尻すれすれに顔を近づけ、すっと息を吸った。そして、それとなく、
その尻に手が触れないように手を近づけ、そのぬくもりを感じようとした。
吉原 「ごめん、明かりをつけるの忘れていた」
文 「わー、沢山ある。それに広い」
裸電球に照らされた部屋は綺麗に片付けられ、人が生活しているように整って
いた。
111 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/06(土) 10:10:43 ID:RpgFu4cz
2010.22.2.6 「「 自由な人たち 」」 008+7
吉原 「ここは時たま、私の書斎に使っているんだ」
文 「だから、蔵にしては整理されて、綺麗なんですね。自分で掃除するの
ですか」
吉原 「まあ、するときもあるけど、ほとんど、家内がするんだ」
吉原は嘘を言った。ここには妻はほとんど入らない。だから、掃除は自分で
している。吉原の秘密基地のような所だ。子供のころからここは遊び場であり、
勉強部屋として使っていた。一番好きなところだった。
吉原 「時間は大丈夫なんでしょう」
文 「あ、そろそろ、帰らないといけない」
吉原 「え、まだ、いいでしょう」
文 「でも、帰らないと」
吉原 「そうですか、残念だな、でも、必ず、電話ください。時間はいつでも
いいですから。えーと、品物はこれです」
文 「へーえ、食器ですか、いいですね、それと花瓶ですね」
吉原 「値段は任せます。邪魔なんです」
文 「社長と相談して、連絡します。でも、勿体無いですね」
吉原 「勿体無いことはないと思いますよ。誰かに使って貰うか、好きな人に
使って貰いたいですよ」
文 「そうですね。こんなに一杯在るし」
吉原 「そうですよ。ここで日の目を見ないよりいいと思いますよ」
吉原はそれとなく、機会を伺っているが中々、思うようには行かない。変な事は
出来ないし、したくもなかった。自然にその気にさせたいと思っているが切っ掛けが
掴めない。時間もないようで、今日は諦めなければならないと思った。
文は何もしない吉原に何となく、不満を感じていた。胸を触られ、少し、その気に
なっていた体は何となく、物足らなさを感じていた。
言ってみる
113 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 00:14:25 ID:slApmhSg
2010.22.2.7 「「 自由な人たち 」」 008+8
文 「少し、見てもいいですか」
吉原 「どうぞ、どこでも見てください。文さんならどこでも」
文は奥の方を見てみたかった。そして、吉原のことが知りたくなった。
文 「奥の方もいいですか。色々なものがあり、何だか帰りたくないですね」
吉原 「そうですよ。私が若松さんに言いましょうか」
文 「実は吉原さんのところから家に帰っていいことになっているんです。
でも、連絡はしないと、店にもう少したったら連絡します。もし、社長から
連絡があったら、4時に帰ったと言ってください」
吉原 「分った」
吉原は何となく、運が向いてきたと思った。
文 「ここが書斎ですか。いいですね。写真も在りますね」
吉原 「ええ、写真も自分で取ります。それは子供たちの家族と一緒に取った
ものです」
文 「へーえ、幸せそうですね」
吉原 「まあ、そうですね。子供たちは近くに住んでいるので、時たま泊って
行きますよ。そんなときは孫と一緒に風呂に入るのが楽しみですよ」
吉原はそれてなく、自分の体が健康で安全な体と言う事を文に分って貰いた
かった、孫と一緒に風呂に入ることでそれを分って欲しかった。
文も吉原の気持がよく分った。自分も吉原に、いたって健康体と言う事を
知らせたかった。
文 「いいな、私も娘と一緒に風呂に入るときがありますよ。中二ですから、
もう、私と変わらないので、最近は入りたがらないけど、まだ、入りますよ」
吉原 「それは、それは、文さんと娘さんが一緒に風呂ですか。そちらの方が
いいな」
二人はそれとなく、次の段階を見据えた会話を楽しんでいた。吉原は次の
仕掛けを試みる事にした。
吉原 「文さん、トイレに行ってきます」
114 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 10:43:47 ID:slApmhSg
2010.22.2.8 「「 自由な人たち 」」 008+9
文 「え、はい」
吉原は以前、骨董詐欺にあい、苦い思いであり、それから、色々な対策を
この蔵には施していた。階段のビデオもそのときの経験で、友達の進めで
買ったもので、そのほかにも何台かの盗難防止と自分の楽しみでビデオや録音機
が設置されている。
文は少し不安を感じていた。自分には経験がないがこのように主人が別の
部屋に行って帰って来たとき、何かの紛失に気付き、それの濡れ衣を掛けられて
大分悩んだという話を聞いたことが在ったからだ。
そんな事を考えながら、無造作に置かれた品物を見た。壁に掛けられた面が
何となく自分を見ているようで薄気味が悪い感じがするが年代ものの価値の
在る骨董品を見ると体の中にほのかな恋心に似たものを感じ、自分が古いもの
を好きな事を改めて感じた。
文 「へー、いいものがあるな、確かにここで眠っているのは勿体無いかな」
文はひとり言を言って、棚の隅を見ると金庫が置かれているのに気付いた。
そして、その扉が僅かに開いて、中が見えるようだった。文はその金庫に近づき
僅かに開いた扉から中を見ようとしたが薄暗い電球では中まで見ることが
出来ない、どうしようか開けてみたい衝動と開ける事で何かが起こる不安で
文は一瞬考えた。そのとき、思い出した、文はいつも、出かけるときは小さな
ペンライトを持つことにしていた、それを作業着の内ポケットに入れていたので
それを出し、金庫の僅かに開いた隙間から中を照らした。
文 「やばい」
文は声を出した。見ると札束が何個が見え、何となく、まだ、後ろにありそう
だった。
文 「よかった、開けたら大変だった」
文は直にそこから離れ、開けないでよかったと思った。暫くすると、飲み物と
菓子を持った吉原が帰って来た。
吉原 「ごめん、ひとりにさせて、大丈夫だった」
文 「大丈夫ではなかったですよ。これ分ります」
文はペンライトを吉原に見せた。
1:遭遇
折節加奈子が部屋に入ったとき、最初に目についたのは一枚の紙であった。
それは、コピー機の上にいかにも忘れていったかのように置かれてあり、
誰かに気づいて欲しげに、ひらひらと室内の風にゆれていた。
秘書の業務もこう見えて忙しい。
普段なら鼻息ひとつで脇にどかし、自分の仕事を済ませるのだが、今回は随分とわざとらしい。
だから、反応してあげることにした。
「わあ、これすごく可愛いですね。新作のキャラですか?」
紙を取り上げ、まるで学校の帰り道に綺麗な貝殻を拾った女子小学生のように嬌声をあげると、
予期したとおり、すぐににこやかな笑顔があらわれた。
「ハハ。よくわかったね、大正解。
今、僕が手がけている新作の主人公の少女だよ。名前は何だと思う?」
常に上から目線で、やたらと質問口調で語りかけるのが趣味のこの銀縁メガネの男の名は、志村靖。
加奈子が勤めるゲーム会社で新作ソフトのラインを統括する、開発ディレクターだ。
当然、かなり偉いということになる。加奈子は少し喉をととのえた。
「あ、志村さん。おはよう。とても可愛い女の子ですね。
・・・名前は、ちょっと見当がつかないわ。なんて子なのかしら」
「うーん、じゃ、ヒントをあげよう。最初の文字はス。さあ、当ててごらん」
加奈子は反応してしまったことを後悔した。
わざとらしく置かれてあった紙なのだ。わざとらしく払い落としてやればよかった。
しかし、加奈子が反応してからこの男が現れるまで随分と早かった。
まさか、物陰にずっと隠れていたのではあるまいか。志村ならやりかねない。
「え・・・ヒント、ですか?」
加奈子はとっさにスッパムーチョという言葉が思い浮かんだが、その答えは志村の望むものではないだろう。
何か最初がスではじまる可愛らしげな名前を考えないといけない。
ダメだ、スリッパしか頭にでてこない。そもそも、わかるわけのない質問なのだ。
名前を付けたのは恐らく志村本人であり、自分ではないのだ。
加奈子は頭の中に沸いてきたスリッパを掴みとり、志村の頭を叩きたい衝動にかられた。
「す、スキーかしら?もうすぐオリンピックもあることだし」
「・・・」
この場合の沈黙は、否定の意味だろうことはよくわかる。
気まずい空気が流れる。志村の目は、明らかに侮辱されたと感じているようだ。
なんとかこの場から抜け出したい・・・。
そう思うと、加奈子の持ち前の空想力が突然、
某クイズ番組の司会者をかたちどった像のように、ボッシュートされて
地面に消えていく志村の姿を描き出した。
クスッ。つい吹き出してしまう。
しまった、とあわてて手で口元を押さえた時には、すでに遅かった。
おそるおそる、志村の目を見上げる。
目の前の志村は、確かに加奈子の願いどおり消えていた。
そこにいたのは、一匹の魔物だった。
加奈子は、己の死を覚悟した。
(つづく)
117 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 20:55:15 ID:slApmhSg
2010.22.2.8 「「 自由な人たち 」」 008+10
吉原 「それどこに在りました」
吉原は少し驚いた。自分が持っているペンライトとよく似ているからだった。
ペンライトは余り使ったことはないがいつか使ってみたと思って、買って持って
いた。しかし、中々使う機会がなく、忘れていた。
文 「これは私のです。これではなく、これですよ」
文は金庫を指差し、少し困ったようなしぐさで、吉原の手を取り、吉原を金庫の
所に連れて行った。
文 「私は取ってませんよ。扉開いてます」
吉原 「え、本当だ、開いてる」
文 「困ります。一人にされて、無くなっていたら、私、困ります。中を調べて
ください。いくら入っていました」
吉原 「忘れたんだ、家内が旅行に行くというので、開けたと思うけど、その
ままだったんだ。大丈夫ですよ。文さんが取ったなんて思いませんから」
文 「でも、後で、言われても、困ります」
吉原の仕掛けはこれだった。文を陥れるつもりは無いがどのような態度を
取るか見たかった。文はいたって用心深い女ということが分った。
吉原は文の前で金庫の扉を開け、適当に中を見て、直に閉めた。文もそのとき
よく中が見え、相当な金額があるように見えた。
吉原 「大丈夫、文さんが取るとは思っていないし、私が悪かった。次は
気を付けます」
文 「随分、在りますね」
吉原 「欲しいですか」
吉原は次の手を考えていた。人間は欲により、変わるものだ、大金を見た文は
多分、頭の中は金欲で一杯になり、それを得るために何をすればいいか考えて
いる筈である。
118 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 21:43:18 ID:slApmhSg
文は何かが始まりそうな予感がしだした。こんなときは相手に合わせる方が
いいと思った。私の方が駒を出すより、楽と思った。ただ、余り時間を掛けたくは
無かった。吉原は頭の中では色々と考えているようだが実行力はそれほど
ないように思えた。主導権を握る方がいいのかもしれないと文は考えた。
部屋の隅に置かれた豪華な革張りの椅子が何かの本で見た椅子に似ていた。
文 「あの椅子は、どこかで見たような椅子で、思い出せない」
吉原 「これですか、これは少し、高いですよ。細工がいいでしょう。座って
みます。文さんに座って貰えれば嬉しいな、多分似合いますよ」
吉原はその椅子の埃を払い、よく見えるように照明をつけた。これも仕掛けの
一つで、置かれた場所は照明の明りによく照らされ、その椅子は更に不思議な
美しさをはらった。椅子の位置が大事だった、勿論、自分の立ち位置も何度も
何度も練習を積んだ位置だ。だから、椅子は塵一つなく綺麗で、吉原は埃を
払う真似をしただけだった。
文 「わー」
不思議な椅子だった。長椅子に肘掛のようなまたその肘掛に座れるような
不思議な形で、しっとりとした革張りで座り心地のよさそうな椅子だ。
吉原 「この椅子何処で見ました。実はこれ、拷問の椅子と言われています」
文は思い出した。確か、西洋で女性に対して、拷問というより、男が長い椅子で
女が肘掛けの部分に座っている絵で、結構危ない描写の絵だった。文は背中が
ぞくっとした。吉原の思いが強く感じられ、本気なんだなと思った。
文 「そうですね。古い本で、何となく、記憶に残っているだけで、はっきりとは
思い出せない。学生のときか、それとも何処かの図書館か本屋か、よく
覚えてないです。忘れました」
吉原 「拷問の椅子と名前が付いてますが、これラブチェアーですよ。どうです、
何となく、想像できません」
119 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 23:03:50 ID:slApmhSg
2010.22.2.8 「「 自由な人たち 」」 008+12
文 「そうですね、拷問って聞くと恐ろしいけど、男と女を想像すると何となく、
ロマンチックですね」
吉原 「確かに、色々な、想像を掻き立てる椅子ですね」
文 「使ったことあります。ありますよね」
吉原はそれとなく頷いた。ただ、使うのは夫婦だった、そのときだけは妻はここに
快く入ってきて、楽しそうに遊んで行くのである。
歳をとっても二人は二人の時間を大事にしていて、色々な楽しみを作りながら、
人生を歩んで行くことをいつも話していた。
吉原は下半身を鍛える事を日課にし、常に鍛錬を欠かさなかった。歳をとり、
全てが衰えた体をただ、何もしないでいるのは堪えられなかった。少しでも体力と
気力を維持するために色々試しては見たが中々、上手く行かないで、精神的に
辛い日々を送っていた事があったが、あるとき、人間の持つ欲を考え、一番身近な
欲である下半身の強化を試みた所、実際に効果が目で確かめられるので、この
身近にある下半身を強化する事を日課にしたのである。
歳は歳なので、それほど厳しい事はしないが腹筋やスクワットなど、下半身を
重点的に鍛えている。
妻とも、それなりに行く所まで行っているので、ある程度は満足しているが
それでも、機会があれば、別な人の肌に触れたいと常々思って日々の鍛錬を
重ねていた。
文 「座って見ましょうか、どうなのかな」
文は椅子に座り、色々なポーズを取り出した。
文 「どうです。吉原さんも座りましょうよ」
吉原は満面に笑みを浮かべ、文の横に座り、文を見た。文も笑った。文は
可笑しかった。なぜか、可笑しくて、笑った。
吉原 「どうしました。何が可笑しいの」
文 「可笑しくありません」
文の体臭が吉原の体に緊張感と本能を呼び起こし、吉原は頂点に達していた。
文 「わー、時間。帰らないと」
吉原 「文さん、見てもらいたいものがあるんだ」
吉原は立ち上がり、壁のお面を付け、文に背を向け、一気にズボンを下ろした。
120 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 09:30:47 ID:V0bEgiqX
2010.22.2.9 「「 自由な人たち 」」 008+13
これは計算に無かったが、なぜか、文が帰ると言った瞬間、一気に気持が高ぶり、
自分の文に対する気持を表す最もいい方法と思い、吉原は体で表現をしてしまった。
吉原 「文さん、こんな姿を見せて、申し訳ない。でも、そちらを向いていいですか」
文は口に手を当てて、驚いた。男の尻を見るのは久々で、年老いた男の下半身が
目の前にズボンを下ろした状態であるなんて、そして、吉原は自分の方を向いて
いいか聞いているのだ、どのような姿かは想像が付くが、何て答えればいいか
迷った。
文 「ごめんなさい、帰らないといけないんです。時間を忘れていて、今日は」
吉原 「それは分っています。でも」
吉原は焦った。時間が、今じゃないと、恰好がつかない。
文 「分りました。でも、帰らないと、見るだけなら」
吉原は文の許しを得たら直に全ての着ているものを脱ぎ捨て振り向いた。
その姿は自分でも想像が出来た。吉原は天狗の面を付けて、そして、下半身は
その面と同じように、男の象徴が天狗の面の鼻の如くそそり立っち、その姿は
人間であって、人間とは思えない世にも不思議な生物の出現であった。
文は振り返った吉原を見た瞬間、その姿に男の哀愁と威厳を感じ、その力強さと
何とも言えない、雰囲気で我を忘れるようだった。そして、文は気を持ち直し、
こんな場違いなことを口走っていた。
文 「吉原さん、風邪を引きます。早く、服を着てください」
文の言葉は吉原を現実の世の中に返してくれた。
文 「吉原さんって、面白い、見直しました。寒かったでしょう」
確かに寒かった。吉原の象徴はいつの間にか、頭をたれ、天狗の面とは
比較にならない、状態になり、吉原にも先ほどの元気は無くなった。
吉原は脱ぎ捨てた服を恥ずかしそうに着て、文に謝った。
吉原 「文さん、申し訳ない。自分でも何だか分らない内に脱いでました」
文 「今度、また、呼んでください。そのときはこの椅子で今のお面の殿方と
お会いしたいです。でも、その前に紳士な吉原さんとドライブを楽しみ
たいです。娘も喜ぶと思います」
121 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 10:31:35 ID:V0bEgiqX
2010.22.2.9 「「 自由な人たち 」」 008+14
文は何となく、盛り上がりが消えていくような雰囲気の中で、吉原の意気込みに
嬉しくもあり、骨董品の持つ渋い輝きが生き残りを掛けて、その存在価値を全身で
表す力強さを感じ得ないわけにはいかなかった。ただ、理解を越えた行動に。
文 「吉原さん、いいものを見せてもらいましたが、私にそんな価値があります、
それとも、吉原さんは変態ですか」
吉原 「変態ということが今分りました。申し訳ない。ただ、文さんに知って
欲しかった。ただそれだけなんです。私にもまだ、力があるということを
分って欲しかった。申し訳ない」
文 「私は嬉しいです。大事なことかも知れませんね。自分を表現することは
大事ですよ」
吉原 「人間として、生きていたのと、生き残りたい、この歳になると、人間と
して生きる理由が薄れるというか、全身の筋力が減少し、自分では
どうしようもない、でも、何とか、その力を持ちつづけたいと思う。文さん
にその力を見て欲しかった。身勝手な考え方かな、老兵は死あるのみ、
それが堪えられない。でも、受け入れなければ成らない、それに対する
ささやなかな抵抗を毎日、続けていて、文さんに会って、その力を
試したくなった、それは文さんが私の中の生きる欲を呼び起こしたからかな」
吉原は訳の分らないことを一気に話した。文は吉原に近づき、吉原の体に
抱きついた。
文 「私は今日は帰ります。また、電話します。何か在ったら電話ください」
吉原 「そうだね。そうだ、これ娘さんと美味しい物でも食べて」
文 「え、なんですか、お金ですか」
吉原 「大したことはないよ。これも私の力かな、特別な人に力を使っても
可笑しくないでしょう」
文 「私は特別な人ですか」
吉原 「勿論、今はそうだ。先のことは分らないけど」
文 「じゃあ、貰っていきます」
122 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 10:01:11 ID:YIIgss9N
2010.22.2.10 「「 自由な人たち 」」 008+15
吉原は品物を持ち、階段を下り、文が降りてくるのを階段の下から、大事な
人を見るように眺めた、作業着に隠された文の全てを見通すように見あげて
いた。
文は何となく、嬉しかった。満足はしなかったが、この勝負は自分の勝ちと思った。
骨董品好きな女が骨董品のような男に骨董品に囲まれて、花を開き、その花の
蜜の香りに魅せられ、その花の蜜を求めて舞い降りた年老いた蝶を手のひらの
中に捕らえ、握り潰す事も、その香しい花の蜜を思う存分、吸わせることも出来る。
文は階段の下で自分を見つめる吉原が自分の花の蜜の香りに連れられた
蝶のように見え、今にも花を開き蜜の香りを放出し蜜を吸ってもらいたい衝動
に駆られた。そして、階段を下りる自らの花がしっとりと蜜で濡れていることに
気付き、そっと手でそこを隠した。
文 「なにか、変なところがあります」
吉原 「いや、滑らないように見ていたんだ。怪我でもしたら大変だから」
文 「今日はごめんなさい」
吉原は品物を車に積み、文は運転席に座り、手を振って、車を発進させた。
吉原は自分の取った行動に我ながら驚いた。あそこまでしなくても良かったかな
と思ったが、何だか、すっきりしたような気持になった。それに人を好きに成り
自分を思う存分表現した快感は我ながら納得できるものだった。
日ごろの努力により、まだ、力はあることを証明する為にあんな事をしたけれど
何とも思わない自分がいることに何となく不思議に感じる。
確かに変態的ではあるが男と女としては当然と言えば言える、結局、男と女が
共に惹かれあいその感情を確かめる事はお互いの体を求める事が最も刺激的で
あり、最も感じたい事で、相手の体に接し五感で感じる感触は人間が持っている
最も大きな喜びと言える。男と女が肌を接する事は五感以上の刺激が伴い、男は
自分自身の分身を女に放出し、女は男の体の分身を自分の体の中へ貯蔵し、
女自身も自らの体の分身を自らの体の中に放出し、女の体の中で男が放出した
男の分身と女が放出した女の分身が合体し、それがいつか人間として成長する。
123 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 14:27:23 ID:MYQZviDp
2010.22.2.11 「「 自由な人たち 」」 008+16
一人の人間を作り出す為の壮大な生物の営みが男と女の交わりと考えるとその
大事な種の保存を途絶えさせない方法は男と女の交わりに最も大きい喜びを齎す
仕掛けが男と女の体に仕組まれたという事になる。
男と女が必至になって求めようとする喜びが結果として一人もしくは複数の
人間を誕生させ、人間と言う生物の生存を維持する。
このように考えると人間の欲望の中で男と女が求め合う事は決して不純でも
如何わしいことではなく、如何に重要なことであるかと言う事が理解出来る。
人は一人の人を愛し続ける事が理想という人もいるが現実には人は何人でも
愛する事ができる。ただ、男と女が愛する事で誕生する生命を人間はコントロール
することが非常に困難であり、男と女が交わる事で味わえる快楽は結果として
悲劇を齎すことがある。
快楽が齎す悲劇は快楽だけを目的とした男女の交わりであり、その結果である
生命の誕生を期待しないときにそれは悲劇に繋がる。現在では医学や人々の
知識が上達し、生命の誕生を望まない男女の交わりも可能になり、多くの悲劇を
回避できるようになったが未だに悲劇は無くなってはいない。
そして、誰でも快楽を得る事が出来るかどうかというとこれは非常に難しい問題
ではないか、一般的に人は感情により、自らの行動を制御し行動するが男と女の
関係はそればかりではなく、自分が望まなくても快楽は訪れるし、生命の誕生は
可能なのだ。
例えば、自分が望まない男女の関係でも生命の誕生は可能であり、それが
可能になる過程に於いて、自らが相手を嫌いであったとして、生命を誕生させる
為の機能は立派に働く、それは望まない相手に対して、何らかの刺激を与える
事で、感情とは裏腹に人の機能は役割を果たす、それは悲しい事ではなるが
種の存続は人の意思ではなく生命の運命であり自然の摂理なのだろう。
世の中の犯罪が起こる原因に男と女の肉体関係によるものが多いのは
人間の持つ欲望の中で最も大きい欲望の一つが生命誕生を促す行為である
人間の交わりということが言える。
124 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 11:36:58 ID:Sudr6rPU
2010.22.2.12 「「 自由な人たち 」」 009+0
富田文は車を路肩に止め、若松良に電話をした。
文 「電話は、遅れてすみません。これから、帰ります」
若松 「お疲れ、明日聞きます。ご苦労様」
文は簡単に電話を済ませ吉原のことを考えた。少し、不安を感じでいるが連絡は
しようと思っている。自分が吉原と付き合うことで、何を得るのか、何が目的なのか、
考えても、はっきりはしない。でも、会いたいという気持はある。多分、何かが
あるように感じるからだ。
ただ、会う事で必ず、関係を持つことは覚悟しなければ成らない。それも結構
きわどい関係を迫られるのは覚悟しなければならない。
文はこれまで、体を張った関係はほとんど無く、感情に赴くままに付き合い、その
結果、関係を持ったことはあったが、目的が感情ではなく、ただ、年老いた男の
快楽だけに付き合うことはなく、それは始めての経験であり、それによって自分が
どのように変わるのか不安でもあり、楽しみでもあった。
文は車を発進し、娘の待つレストランに急いだ。
友美 「遅い」
文 「どうして、時間通りでしょう。中で待っていればよかったのに」
文の中二の友美はレストランの入り口で待っていた。二人は月に一度は外食
することに決めていた。今日がその日だった。
友美 「何にする」
文 「そうね。高いものにしようかな」
友美 「私も、でも、なぜ、聞かないほうがいいか」
文 「友美にご馳走しなさいって言われたの」
友美 「へー、誰」
文 「秘密、後で分る」
友美 「そんなのやだな、気持悪い」
文 「何で、お金はみんな同じよ。悪いお金じゃないよ」
友美 「当然でしょう。もういい、高いものを頼むわ」
125 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 23:53:35 ID:Sudr6rPU
2010.22.2.12 「「 自由な人たち 」」 009+1
文 「ごめんね。知り合いに友美のことを話したら、美味しい物を食べてって」
友美 「もういいよ。美味しい物食べよ。肉にしよう。お母さんは」
文 「私は魚ね。健康にいいわ」
友美 「どうして、月に一回よ、贅沢するのは」
文 「そうね。家では贅沢はしてないわね。でも、友美は立派に育った」
友美 「これからでしょ、体は大きくなってもまだ、これから、世話になる」
文 「肉にする。肉食べて、頑張る」
友美 「お母さんは大変ね。でも、私にはお母さんしかいない」
文 「お父さんは、たまに会うのでしょう」
友美 「そうね。会わない方がいいかな」
文 「なんで、私は気にしない。お父さんも大事にして欲しい。でも、私は
会いたくない」
友美 「私もどっちでもいい。会わなくてもいい」
文 「友美は自由よ。私たちが悪い、まあ、お父さんが悪いけど」
友美 「友美もそう思う。お母さんは悪くない」
文 「お父さんの話は止めましょう。それより、学校はどうなの」
友美 「学校も止めましょう」
文 「そうね。友美の頭の良さには驚くわ、私の子とは思えない」
友美 「努力をしているからよ、負けたくない」
文 「上には上がいるんでしょう」
友美 「それはそうよ。でも、結構いい線いってる」
文 「それについては助かるわね。私にはどうにもならないから、塾も頑張って
いるし」
友美 「お金が掛かって、ごめんなさい」
文 「大学までにはまだまだね、お金はおじいちゃんに頼もう」
友美 「大丈夫よ。おじいちゃん任せろって言ってた」
126 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/17(水) 11:17:15 ID:S3TYZVM6
2010.22.2.16 「「 自由な人たち 」」 009+2
文 「今度、ドライブしたいね。どう行かない」
友美 「ドライブって、二人で、車は」
文 「誘われた、あなたも一緒にどうかって」
友美 「いいよ。誰、好きな人」
文 「違う、仕事で、ちょと」
友美 「だれ」
文 「骨董好きなおじいちゃん」
友美 「おじいちゃんと付き合っているわけ」
文 「付き合っているわけじゃない。ドライブしたいて言うので」
友美 「それ、誘いでしょう」
文 「そうじゃないよ。ただ、ドライブもいいかなって思って、いいって言った」
友美 「いつ」
文 「それはまだ」
友美 「早めに言って」
文 「行くんだ」
友美 「当たり前でしょう。怪しいし、ドライブもしたい」
文 「何となく、あなたの話になって、ドライブでも行かないって言ったら」
友美 「どんな人、お金持ち」
文 「そうね、相当なお金持ちよ」
友美 「だから、行くわけ」
文 「そうかもね。理由を付けるとすればそうよ」
友美 「それが理由で行く訳、可笑しくない」
文 「お金がないよりいいと思って」
友美 「怪しい、止めた方がいいと思うけど」
文 「そな人とは思えないけど。二人で行けば大丈夫よ」
127 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/07(水) 09:26:43 ID:oUQDG25j
「「 自由な人たち 」」 010+0 2010.22.4.7--001
** ガソリンスタンドの女 **
* 思い *
静かな木陰を探して、車を走らせながら、思い出していた。いつも行くガソリン
スタンドに最近見るようになった店員のことだ、最初から少し気にはなっていたが、
先日、行った時何となく、声を掛けたら感じが良くて、益々、気に掛かる存在に
なり、この思いをいつか遂げられる日を楽しみにしている。
「きょうは少し寒いね」
「そうですね、寒いですね」
「外で働くのは大変だね」
「きようはそうですね」
「でも、若いから大丈夫か」
「まあ、そうですね。好きだから」
そう言って微笑んだ顔が小さくて瞳が輝き、胸にふわっとするものを感じ、
そのときのあの目が忘れなれなくなってしまった。
「きょうは何の日ですか。車の中に花束がありますね」
「ああ、誕生日なんだ、家内の」
「そうですか、おめでとうございます。いいですね」
なんだか、言わなくていいこと言ってしまったように思えた。目に引かれた
アイシャドーが瞳をより美しく見せているその顔は小さいけどよく見ると
ふくよかな桃のようだった、桃のような顔ってあるのか、と思ったが第一印象が
全てと思っているいるので、桃のようなでいいと思った。作業服に包まれた体を
想像すると、自らの体に走るここちよいときめきがたまらない。満タンの合図が
鳴り、残念な事に時間はあっという間に過ぎ、自分の気持はまだ、話し足りな
かったが車のタンクは満タンに成ってしまった。
「残念、一杯だ、また」
「また、来てください。待ってます」
いつか名前を聞こうと思いながらスタンドを後にした。胸に名札があったかな、
何となく、顔や体を見るので夢中になり、名札のことを忘れていた。
128 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/07(水) 23:08:25 ID:oUQDG25j
* けちな趣味 *
車を走らせていると目の前に大きな樹木が見えて来た。神社のようだ、様子を
見ようと駐車場を見ると、ほとんど駐車している車は無く、少しここで休む事にした。
事務所にいても家にいても、自分ひとりになることは出来ない、仕事の合間に
休むこの時間が唯一の楽しみになっている。家族や仕事に不満がある訳では
ないが中々自分の時間と場所は持てないもので、こうして一人に成る為に休む
ことにしている。
シートを倒し、楽な姿勢になり、目を閉じた。閉じた目であの子を思いだそうと
眼球をしきりに回し、閉じたまぶたにあの子の残像を映し出そうとした。
頭で描いた妄想を目で見たい衝動はいつものことで好きに成った子を頭の中で
想像することが隠れた楽しみで趣味のような、生きがいのような金の掛からない
けちな趣味で、いつも妄想で逢引きを楽しみ、いつの間にか別な女に惹かれ、
忘れてしまう、単なる浮気者の楽しみでしかない。
勝手な妄想には色々な種類があり、そのとき好きに成った女の雰囲気と妄想
する場所によって、大分変わる。大体、頭で妄想して、下半身で表現する訳だが
そのときの頭の回転によって、頭と下半身の間に心が入り込み、頭で考えた
淫らな妄想が下半身に届く前に心との良心による葛藤があり、思いは届かない
ときがあり、そんなときは楽しみが半減し、気分は乗らず、家に帰っても気が
進まないときがあり、妻の願いを受け入れられないときがあるが、愛している
妻には勝てず、そんなときでも結局、妻の体の隅々を味わいつつ、果てしない
妄想の旅を終え、結局、落ち着くとこに落ち着き、収まる事に収まり、満足する
ことに成る。
129 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 14:49:49 ID:JdjM7Oxi
* 準備 *
今日は眼がねをしていたな、前はしていなかった、いよいよ妄想列車の乗車
時間が来たようだ、そうだ、トイレ行ってからにしないと、この列車はトイレは
無いので、乗る前に準備として、いつもトイレに行くこっとにしている。
車を降り、トイレを探しに神社の境内を見渡し、社務所が在ったので、そちら
の方に歩いて行った。ここは立派そうな神社で拝殿には何人かのお参りする
人もいて、その歴史がありそうな豪華な拝殿で、帰りにお参りをしようと思った。
トイレは社務所の近くにあり、最近出来たようで綺麗に掃除され、感じもよく、
トイレが如何にその場所の雰囲気を左右する重要な所かよく分る。
白い便器に立ち、チャックを開けて、少し大きくなりかけた陰茎を取り出し、少し
摩ったら直に反応し、いきよいよく小水が出て、それを上から見て、既に、妄想
列車は走り出したようだった。陰毛から出た陰茎を軽く握り、その堅さを手で
感じ、これからの妄想列車の旅を如何に楽しもうかと考えるとその喜びは
果てしない宇宙旅行に行くかのような期待で一杯になった。
トイレの入り口の方を見て、誰も入ってこない事を確認し、陰茎を大きく振って
スボンに入れて、チャックを閉めた。大きくなった分、少しきつく感じた。頭を屈め、
ズボンが濡れていない事を確かめ、手を入念に洗い。何食わぬ顔でトイレから
出て、車に戻り、改めて、シートを倒し、目を閉じた。
乗車券のない妄想列車はときには暴走列車になり、訳の分らない結末に
至るときがあるが終着駅まで辿り就くことはない。少しづつ妄想を積み込んだ
妄想列車が欲望列車へと変わり車体の制御を失い暴走列車に成るときも在るが、
最後の楽しみは家に帰り、普通列車に乗って、乗り慣れた心地よい揺れの中で
普通列車を暴走させ欲望を果たし終着駅で静かに眠りに就く訳で、旅の終着は
何の事はない、愛する妻の体と言う事になり、これが一番安く、安全な旅であり、
それがまた妄想列車への憧れへ思いを募らせ、淡い欲望の旅が人生を生きて
いく楽しみを与えてくれるようで、この趣味は頭の体操でもあり心の旅として、
中々止められない。小説を読むのもいいが自分で作る物語もときには安らぎの
時間と生きがいを与えてくれるものだ。
130 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/09(金) 23:58:51 ID:1iFDj/hC
* 妄想画像の作成探求 *
目を閉じると暗い中に淡くまぶたに浮かぶ光の模様、まぶたの中に拡がる
空間に自分の思いを映し出そうと目の焦点を変化させる為に懸命に眼球を動かし、
頭の中に浮かんだ妄想を画像化する為にまぶたの裏側をスクリーンにし、妄想
画像の作成とそれを探す探求を開始した。
「私をどうするつもりですか」
何かが舞い降りた感じだ、妄想画像には言葉や音、感覚、臭い、全ての五感が
必要で視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚を頭の中で使いこなすことで、妄想は実感的
疑似空間へと導いてくれる。
視覚は瞼を閉じている訳だから、何も見えないけれど、妄想は確かに視覚で
見ているように感じ、それは十分満足できるものであり、それは生きているように
目の前で舞い踊り戯れる姿は妖精のようであり淡い光の中を舞い踊るニンフは
この世のものとは言えない美しさを醸し出している。
「どこを見ているいるの、なんだか恥ずかしい。そこは一番恥ずかしいとこ」
「綺麗だ。ここから見る君の顔は何とも言えない。こうして見ると、また、素晴らしい」
素肌に透き通った薄い布だけを纏い踊りつかれた妖精は横たわり、仰向けに
なり両足を投げ出しぎみに体を休めた。
その踊る姿を木陰で見ていた男がふと気付くとその仰向けに寝た妖精の足元に
うつ伏せになり、僅かに開いた両足の真中から頭の方を見ていることに気付き、
驚くと共に想像も付かない位置から目の中に入って来るその光景は正に目を
見張るものであり、得体の知れないときめきが体中を走り回り、異常な興奮を
感じ始めた。
既に踊る姿を見ているときから、その姿に気持は高揚し、体は今までに経験した
ことがないような興奮を覚え、最早、手におえない状態であり、体はもがき苦しむ
状態ではあるが、どうしても身動きが出来ず、その美しい姿を目の前に成す術が
無い状態で、どうして身動きすら出来無いのか分らなかった。
131 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 11:37:43 ID:grmrfFZt
* 風に吹かれて *
そのとき、スカートが捲くれるような風が吹きふわりと一枚の布が宙を飛んだ。
その瞬間、男の目は空を追った。布は太陽の強い光線を受け、光に包まれ
宝石のような輝きを放し、それは僅かな時間で空に消えた。
男は目を疑った。飛んだ布は男の目の前に横たわる妖精の体から、風が
脱ぎ取り吹き飛ばしたのだ。
「嘘だ」
「嘘じゃないわ、風の仕業よ」
「風がですか」
「見ないで、目を閉じて」
男は言われたままに目を閉じた。そして、今起こった不思議な光景を瞼に
焼き付けた。確か、踊り終わった妖精が纏っていた透き通るような薄い布が
妖精の体から離れ空高く舞い上がり、空に消えたのだ、と言う事は目の前の
妖精の体は、男は妖精の耳もとで囁くような声で言った「目を閉じて」という
声がまた聞こえたが、それを守るだけの意志もなく、義務もないと思い、瞼を
僅かに開き、妖精を見た。
男の瞼の隙間から光が眼球を通り、脳に伝達され、脳によってその姿は
分析され、男の体のどの部分が何をして、どうなって、と指示すべきことを纏め
脳は直に全身に伝達した。その瞬間、最初に動きだしたのは心臓で、それは
激しく鼓動を打ち男の胸は耳に響くような重い音を繰り返し打ち始めそれと共に
胸の筋肉が伸縮をするたびに胸は太鼓を打ち鳴らされているようで息をする
のもままならないほどの胸の高まりと息苦しささえ感じるようになった。
男は胸を手で鷲掴み。
「落ち着け」と声を出して言った。
「見てるの、見てはいけないと言ったのに」
132 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/23(金) 15:36:10 ID:urfdG1Bj
* 許しを請う *
男は妖精の声を聞き、一気に心臓の鼓動は早まり、心臓が送り出した血液が
動脈の血管に流れ出し、体に強い圧力を感じ、動脈の血管は大量の血液に
よって、その太さは最大限に太くなり血管を流れる血液の速度は増し、心臓の
左心室から流れ出した血液は大動脈から動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、
静脈、大静脈を経て心臓の右心房にたどり着き三尖弁を通り右心室に流れ肺に
向かう、肺動脈、肺静脈、心臓の左心房に戻り、僧帽弁を通り、再度、左心室に
よって大動脈へと送り出される。
男の体は流れ出した血液が体の血管をF1レースのコースに変え、猛スピード
で流れ出し、その血液の圧力は体の一部に集中し、大量の血液を送り込んだ。
「まずい」
男は血液が集中した部分が何処であるのか直に分った。当然では在るが目の
前の妖精の姿を見て、反応しない男はいない。反応したのは勿論、男性自身で
ある。
男の瞼の隙間から見える光景は纏った布は無く、妖精の白くこの世のものとは
言えない素肌の肉体で、男は仰向けに寝た妖精の少し開かれた両足の足元に
うつ伏せに寝転び、そこから、妖精の顔を見る状態であり、それは世にも不思議な
光景であり、妖精と男の体位は全く持って在り得ない体制であり、体位なのである。
妖精が聞いて来た。
「貴方は誰なの」
「私は、分らないのです。名前を忘れてしまいました」
「なぜ、貴方はそんなところに居るの」
男は何も言わずに居た。妖精も暫く黙っていたが、
「何か、言って」
「目を開けてもいいですか」
「目を開けたら駄目、私は何も着てないのよ」
「もう、限界です。開けます」
133 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 10:53:50 ID:LXkOtuFS
* 美しい足 *
男は妖精の返事を待たず、目を開けてしまった。
「貴方は薄目で見てたでしょう」
「いいえ、見ていません」
「見てた。それでどうなの」
「何がです」
「私はどう見えるの」
男は目を見開き、足からゆっくりと見ていった。足の裏は軟らかそうですべすべ
で、擽ろうとしたが手が動かない、足の裏にはツボがあり、押すことで健康状態が
分ると聞いているが見るからに健康そうな足の裏だ。裸足で踊っていたので汚れて
いるのかと思ったが綺麗な足の裏だ、爪先から足の甲も綺麗な皮膚で健康そうな
皮膚は皮膚色で暖かそうな色で少しうっすらと赤く染まった感じ、骨を感じさせない、
ふくよかな感じで、見るだけではなく、触れてみたいし、出来れば口を付けられれ
ばと思い、舌を伸ばしたが届かない。体は動かないが舌は動くようだ。
「足を見ているの」
「分ります」
「何となく、そんな感じがする。少しくすぐったい」
「擽ろうとしたけど、手が動かない」
足は足の裏、踵、足指、足背、足根の五つの呼び名があり、足の裏は足底、
足指は足の先、足背は足の表、足根は足首とも言われている。足の指は趾と
言うようで、第一趾(拇趾)、第二趾、第三、第四趾、第五(小趾)といい、拇趾は
オヤユビで小趾はコユビとも言っているようだ。
「足の指が美しい、なぜこんなに綺麗なんだろう」
「そう、足が綺麗」
「見るだけでしょうか。触ることは出来ないでしょうか」
「私を貴方が触る、なぜです」
「理由がないと言えばないかもしれませんが、男として」
「理由がなければ、それになぜ、貴方が私を見ているのか」
「足の裏にはツボがあり、それを揉むと体にいいようです」
134 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/28(水) 10:18:36 ID:Vo7k+H+4
* 名前は *
「足のツボ、それはなんですか」
「踊りに疲れたときに足のツボを揉み解すと疲れが取れるそうですよ」
「疲れたことはないわ」
「そうですよね、こんな綺麗な足の裏をしている人が疲れるなんて」
「貴方は疲れます」
「疲れます」
何だか詰まらない話だ、足のツボなんかどうでもいいけど、話を続けることで
今の不自由な状態から抜け出たいと思った。
「一度揉みましょうか。疲れていなくても気持がいいと思うけど」
今の動けない状況がどのような理由なのか知りたいし、出来れば妖精の体に
触れてみたい。
「何だか体が動かなくて、これはなんですか」
「私も動かない。さっきまで踊っていたのに」
妖精も生まれたままの姿で、仰向けに寝た状態で、動く事が出来ない。況して、
見知らぬ男が足の方から自分を見つめていると思うと居ても立っても居られない
けど、でも、何だかそれほど、困ったという気分ではないのが不思議だ。
「私も突然、このような状態になり、どうすればいいのか」
「貴方はなぜ、名前を忘れたの」
「解りません。名前は必要でしょうか」
「名前は必要よ。今は貴方でもいいけど、沢山の人が居れば、貴方では
貴方に話し掛けたとき、貴方には解らないでしょう」
「そうですね。でも、美しい貴方は名前があるのですか」
「私ですか、私にも無いわ、名前がない」
「お互い名前を付けましょうか」
「貴方が私の名前を付けて、私が貴方の名前を付ける訳」
「そうしましょうよ」
135 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/29(木) 11:59:21 ID:HJ1Y/iJz
* 心の中へ *
二人はお互いのことを考えた、そして、妖精は目を閉じ、男の事を考えた。
男も同じように目を閉じ、妖精がどのような生活を送って来たのか考えそれを
聞こうとした。
妖精は、男に聞こうとし、目を開けた。男もほぼ同時に目を開けたが、目の前に
広がる光景を見て驚いた。それは、今までとは違う光景が拡がり、その美しい
光景は男が見たことも無い光景であり、この世の物とは思えない光景だった。
そこは不思議な世界という感じで、自分が生きているのか死んでいるかも
解らないような感じで、自分の体が宙に浮いているような気分だった。
「貴方なのね」
妖精は聞いた。男は目を見開き、驚きを隠し切れず、妖精に聞いた。
「ここはどこですか。貴方が私の目の前にいた人ですか」
「どう綺麗でしょう」
妖精は今は裸ではなかった。薄い布で透けそうで透けて見えない布で体を
覆っている。先ほどは何も纏わない美しい体を見せていたが今は違う。
「嘘だ。なぜ」
男は何が起きたのか、理解が出来ない。そこには微笑む妖精が立ち、男を
優しい眼差しで、見ていた。
「貴方が私の心に入ったのよ。二人が同時に同じ事を考えたでしょう。その
ときから、貴方は私の心に入って来たの、どう、気に入った」
妖精は手を男に指し伸ばし、男はその手を取った。その瞬間、男が気付いた
とき、男の体は宙に浮き、妖精と一緒に空を飛んでいるた。
「うわー」
目に入る光景は鳥そのもの、男は鳥になったと思った。
136 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/30(金) 10:27:24 ID:8YpzLesQ
* 感じる事はないの *
「手を放したら駄目よ」
男は妖精の手を強く握り返した。
「ここは何処です」
男は鳥に成りたかった訳ではないので、目の前に広がる三次元の世界、それよりも
四次元かもしれない世界に圧倒されるだけで、それをどう感じていいか迷うばかり
だった。
「貴方の望む物は」
「別に」
「何もないの」
男は妖精を見つめ続けていた。
「私を見てばかりね」
飛ぶ事によって、人間に取って、目に見える全ての風景が時間を超越し、一瞬に
次の風景が視覚を通して脳に情報が送られ、それを理解することで、その存在価値を
理解し、そのものの良し悪しを理解するものだが、飛ぶ事によって、それは脳裏に
残る間もなく次の光景の情報が送り込まれ、男の脳はその情報を処理することが
出来ない。今、男の目に止まって見えるのは唯一妖精の姿だけだった。
「貴方を見ていると落ち着きます」
妖精は微笑み、男を見つめ、頷いた。
「貴方は人間だったわね。貴方に取って意味のないことは意味がないのかしら」
「いえ、そんな事はない、こんな経験は初めてで驚いている。ただ、余りにも
早く飛ぶので、何も理解できない。今、理解出来るのは貴方の手と貴方の姿、
そして、貴方の声」
「見る事で、感じる事はないの」
「それは感じます。でも、それを探すのは難しい。見れば何でも感じる訳では
ないし、多くを見たからいいかというとそうでもない、多くの中から捜すのも難しい」
137 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/01(土) 23:58:55 ID:dkxbejoP
* 細胞融合 *
「貴方は何かを知りたいのね」
「人はいつも何を知りたいと思っている。しかし、それを知るには限界がある」
「何を知りたいの,私も知りたい」
二人の心はそのとき再度一致し、二人の心が一体化することで、変化が始まった。
二人の体は何かに飲み込まれるように回転を始め、渦巻きの中に入り込んだ
ように体は捩れ、全てのものが見えなくなり、いつしか真っ暗な闇の中を猛スピード
で、何かに向かっているように感じ、そのとき体が細分され、細かい細胞に分かれ、
自分の肉体の存在感を失い、二人の体の全てが、混ざり合い融合されていくように
感じる。
「何が起きている」
「貴方と私が融合している」
それは肉体を持たない存在となり、凄まじい速度により、移動し、時間と空間を
超越したのかもしれない。
「多分、貴方の脳に向かっていると思う」
「脳に」
人間の脳は150億と言われている。180億それ以上かもしれない。その細胞に
よって人間の体は管理され、動かされているということだ。神経細胞(ニューロン)だ。
「貴方が何を知りたいか、貴方にも分らないのなら、貴方を知るほか無いわ」
「貴方は細胞になって、私の脳の全ての細胞と融合する訳か、そんな事が
可能なのか」
「貴方にも分るでしょう。貴方を知る為にはいうするより方法はない」
「貴方が150億の脳細胞に別れ、貴方が私の脳細胞と融合する」
「貴方と私は同じ存在に成るのよ。貴方が今考えようとしている事が私にも
分る」
「貴方の存在はどうなる訳、貴方自身の気持は」
138 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 14:00:22 ID:B8VhM++f
* 不必要な能力 *
「それは私にも分らない、私が貴方と融合する事で私がどうなるのか、分らない」
「そんな馬鹿な、貴方は貴方でいいでしょう。私の全てを知る必要はない。知らない
から、貴方に興味を持ち、知りたいと思うから、貴方と関わろうとする。貴方が
私のことを全て知ってしまったら」
「詰まらない訳ね」
「私は貴方を妖精と思っている。貴方が私と同じ事を考えても私に取って何も
興味が湧かない。貴方が私だったら、私はただ、嫌うだけかもしれない」
「貴方は自分の事が嫌いなの、そう考えている」
「自分のことを好きに成ったとしても、それは憧れとか、欲望とは違うでしよう。
自分と同じより、自分と違う所に興味を持ち、それを知りたいと思う。自分の
事を好きになっても、それはこのみでしかない、人に取って好きに成る事は
恋愛感情であったり、独占欲による強い闘争心などでしょう」
「でも、貴方を知ることで貴方のこのみを知ることが出来れば、私自身を貴方
ごのみに変えられる」
「それは一時的なもので、長くは続かない」
「先のことは分らないでしょう。どのように変わって行くか分らない」
「貴方は妖精でしょう。いつまでも妖精で居て欲しい。私の事など知って欲しくない。
それに私のことを知っても、全て同じに成れる訳ではないでしょう」
「多分、成れないと思う」
「妖精である貴方がなぜ、私を知る必要がある訳」
「それもそうね、知る必要は無い、ただ、私に能力があるだけ」
「でも、その能力は不必要な感じがする」
139 :
創る名無しに見る名無し:
* 望みを叶えて *
男に取っては妖精の踊る姿や横たわる体を眺め、その先を自らの行動で切り
開く事に喜びを感じ、喩えそこに挫折があっても、自分が抱いた欲望に向かう
事を望んでいる。
「私が貴方の望みを叶えて遣れるとすれば」
「それは快楽でしかないでしょう」
「快楽。それしかないの」
妖精は少し落胆した。男の脳細胞と融合し、全ての記憶を知った今、快楽だけが
求めるものなのかと思うと、目の前にいる男の脳細胞を知ったところで、それが
男の言うように不要な感じというのも頷ける。
「貴方の姿を見て、男が望む物はそれしかないと思う。貴方は私を見て、多分、
惨めな人間としか思わないから、貴方には私の気持が分らない」
「でも、貴方の脳には色々な情報が在るけど」
「快楽って、一言で言ったけど、異性に対して抱く望みとしては最も大事な事と
思うけど」
「快楽だけでは」
「快楽だけとは言っていない。貴方が私の望みを聞いたから、言っただけでしょう」
「それでは他に何かある訳」
「貴方の望みを私が叶えられるとすれば何を叶えて欲しい」
妖精は男を見つめ、考えた。
「貴方の生活が知りたい」
「それは可笑しい。貴方は透き通るような衣装で舞うように踊り、そして、私の
目の前で一糸纏わない姿を曝し、私はその姿を見る事で、堪えがたい欲望を
抱かされた。貴方の姿は私に取って欲望そのものだ」