「ちょっとぉ、放っておいていいの……?」
依然として、微妙に膨れっ面な顔を浮かべて水銀燈がそう愚痴る。
内容は先程の一件について。
表情を見れば明らかに不満がある事は直ぐに判る。
また、今の彼女のデイバックには一枚のうちわ、“風神”が入っている。
それは元々ゼロが持っていた支給品の一つだが、ゼロとの交渉で手に入れた。
交渉といっても極簡単なものでしかないが。
そう。ゼロがヴァッシュを試すために使用した長メスとの交換による賜物だ。
風神の強力さは既に実感している。
よってその取引自体には不満はないが、疑問は消えたわけではない。
そのため水銀燈は口を開いたというわけであった。
「問題はないさ。
彼は殺し合いに乗った者を何としてでも止めるだろう。
彼が一人を止める度に、我々の障害はまた一人消える……まあ、精々頑張ってもらおうではないか」
「ふぅん……まあ、邪魔なヤツは居ない方がいいわよね。
もちろん、あんな足手まとい二人も要らないわねぇ」
「ふむ、わかっているではないか」
突如として聞こえたヴァッシュの大声。
少しだけ話し合い、結局は水銀燈が持ち前の飛行能力を駆使しての先行。
ゼロは一人、裏口に残り、その場で水銀燈とヴァッシュを待った。
目的はヴァッシュの品定めもとい人間定め。
ヴァッシュが自分達に害を為す存在であるかという事の判別。
その結果は――白、ヴァッシュはゼロ達にとって脅威ではなかった。
ならば、利用させてもらおう。
ゼロはそう考え、ヴァッシュに言葉を送っていた。
ヴァッシュのためではなく、あくまでも自分のために。
一人でも多くの人を守り、一人でも多く“引きつけてもらう”ために。
ゼロはヴァッシュに利用価値を見出し、罪悪感というものは感じていなかった。
「さて、色々とあったがそろそろ中心部を目指そう。
それに一応首輪のサンプルでも取っておきたい。
何かの役に立つかもしれないからな」
「そういうめんどうなコトは任せるわぁ。
わたしはお父様の元へ行く――それだけだよ」
そして漆黒の二人は共に歩きだす。
未だ仮初の同盟が切れる事はない。
このまま何も起こらなければ、案外と二人の結託は長く続くだろう。
しかし、それが許されるほど、この殺し合いという状況が優しいものとも思えない。
そう。この瞬間ですらも――二人は別の事を考えていたのだから。
(ヴァッシュ・ザ・スタンピード。
もし、ナナリーと出会う事になれば、必ず守ってくれ……これは本心からの願いだ)
愛すべき妹、ナナリー・ランぺルージの守護をゼロは密かに託す。
同盟関係を結んだとはいえ、水銀燈とはいつ手が切れても可笑しくはなく、彼の方にも躊躇はない。
故に水銀燈にナナリーの存在を知られれば、それは後々弱みにも繋がる恐れがあったためだ。
いささか神経質過ぎるかもしれないが失敗は許されない。
用心に越した事はなく、またナナリーはゼロにとって大きな意味がある。
もしナナリーが死んでしまうことになれば……
今後の行動に見直しを迫られる事は最早避けられないだろう。
(ばっかみたい……気安く守るだなんて、ほんとうにおばかさんだわ……)
そして水銀燈もヴァッシュについての感想を密かに漏らす。
守る、とヴァッシュは自分さえにもその言葉を言ってみせた。
心底馬鹿ばかしいとも思う。
此処は殺し合いの会場だ、そもそも一人も殺さないなど夢のまた夢のような話だ。
だから自分は嘲笑って見せというのに……
何故か水銀燈の気分は晴れる事なく、掴みどころのない感情がこびりついている。
水銀燈はそんな自分に一抹の疑問を抱くが、それが一向に消えることはなかった。
少なくともこの現時点では――ヴァッシュと再び出会うその時までは。
水銀燈は絶えず抱き続ける事になるだろう。
不思議な、それでいて然程不快ではない感覚に浸りながら、水銀燈は尚も歩き続ける。
【A-3 西部/1日目 午前】
【ゼロ@コードギアス ナイトメアオブナナリー】
【状態】:健康
【装備】:大戦槍@ワンピース
【道具】:基本支給品一式、MH5×4@ワンピース
【思考・状況】
1:ナナリーの捜索。そのために情報を集める。
2:ナナリーの害になる可能性のある者は目の届く範囲に置く、無理なら殺す。
3:中心部を目指す。
4:『○』に関しては……
5:ギラーミンを殺して、彼の持つ技術を手に入れる。
6:自分の身体に掛けられた制限を解く手段を見つける。
7:『○』対する検証を行うためにも、首輪のサンプルを手に入れる。
【備考】
※都合が悪くなれば水銀燈は殺すつもりです。(だがなるべく戦力として使用したい)
※ギラーミンにはタイムマシンのような技術(異なる世界や時代に介入出来るようなもの)があると思っています。
※水銀燈から真紅、ジュン、翠星石、蒼星石、彼女の世界の事についてある程度聞きました。
※ナナリーの存在は水銀燈に言っていません
※会場がループしていると確認。半ば確信しています
※古城内にあった『○』型のくぼみには首輪が当てはまると予想しています。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました
【水銀燈@ローゼンメイデン】
【状態】:健康、服に若干の乱れ
【装備】:卵型爆弾@バッカーノ、強力うちわ「風神」@ドラえもん、
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0〜1
【思考・状況】
1:優勝を狙う。
2:しばらくはゼロと組んで行動する。
3:『○』についてはどうしようかしら……。
4:守るべき者って……バカバカしい。
【備考】
※ナナリーの存在は知りません
※会場がループしていると確認。半ば確信しています
※古城内の大広間に『○』型のくぼみがあります。このくぼみに何が当てはまるかは不明です。
※ヴァッシュの声を一通り聞きました
投下終了しました。
長い間支援どうもありがとうございます。
何か疑問点や誤字脱字などがあれば指摘して貰えると嬉しいです。
投下乙です!
偽死亡はもう既にお約束になりつつあるなw
新庄に着実にダメージが蓄積されていくwバトルしてないのにw
ヴァッシュはちょっとだけ立ち直ったか
立ち直る理由がゼロというのは意外だったな
銀様がすんごいイヤミを言って更にヴァッシュ涙目になると予想してました、サーセンw
ラブアンドピース問答の最中のゼロ様がいかにも演説口調で素敵だ
流石魔王様!自分の思惑のためなら人一人立ち直らせるのも自由自在だぜ!
とはいえ信念の強度が脆かったり、主張を通せるだけの力を持っていなければ即座に殺したであろう事が
推察できるだけに、中々に綱渡りで緊張した
それにしてもいなみんw助けてもらった人にまで容赦なしw
緊迫した緊張感が一瞬で崩れ去る音が聞こえたw
ああもうwwいなみん最高だw
合理主義のゼロがヴァッシュを見逃すのはなんでだろうと思ったが、ナナリーか!
シスコンっぷりは健在!なんか安心するのは何故だろうw
しかしまあ冷静なキャラからは馬鹿にされて利用されることしか思われないヴァッシュ涙目w
不殺の信念持つヴァッシュは、ロワの中だと利用される運命か
ん?もしかして順調にヴァッシュがナナリー組と出会って保護したら、
ヴァッシュの周りがドキッ☆女だらけのハーレム状態に…?
そういやリヴィオが頑張ってるだろう的な発言をしてたが、
残念!リヴィオは改心前だ!ついでにほどんどラズロで方々に喧嘩うりまくってるw
誤解フラグばっかりたまっていくヴァッシュ、ガンバレw
なんかとりとめもなくなってしまったけど、とにかくGJです!
投下乙!
いなみんの男性恐怖病自重しろww
周りの味方がなにもしてないのにどんどんボロボロにw
ヴァッシュが立ち直ったようでよかった
周囲からは利用される事しか考えてないけどw
それにしても各自のラブアンドピースに対する反応がそれぞれで面白い
GJです!
753 :
創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 13:30:22 ID:7yPmlW5f
冷静に見ていれば、ヴァッシュの銃がヴァッシュの手に戻ることになるじゃん
Wiki修正してくれた方、サンクスです!助かりました。
細かいしどうでも良いミスだけど、誰か直せばその先誰かが間違えることもそうないしね。
さて作品の感想を、と。
投下乙です!
とりあえず拡声器騒動は死者も出ず穏便(?)に幕を閉じたか。
ヴァッシュは新たな決意をして、落ち着いてくれたか。
ヴァッシュが側にいてくれるなら新庄達はしばらくは安心かな。
いや、むしろ伊波と一緒にいなければならない二人の方が心配かw
そしてヴァッシュにきっかけを与えたのがゼロとは意外だった。
やはりナナリーのためかwそんなに心配なら早く探してやれw
首輪を手に入れたいと言っているのが怖い…。
サカキもヴァッシュを捨て、利用することを考えてるのも怖いなw
緊張感のある会話、シリアス展開に伊波を使ったギャグを挟んだりと、
テンポよくだらけることなく最後まで読めました。GJ!
>>751のハーレムのくだりを見てふと思ったんだけど
ドキッ☆女だらけのハーレムはまだ無いのに
ウホッ☆男だらけのハーレムは2つもあるんだよね
○同盟のレナ視点(分断前)と佐山組の蒼星石視点の2箇所
女の人から見たらこういうのもハーレムになるのかな?
どっちも逆ハーレムになってる本人は嬉しくないとおもうな…
特に変態にたかられてる蒼い子
男だらけは果たしてハーレムと呼べるのかw
容量的にそろそろ次スレかな?
484KBか
たしかにそろそろだな
ちょうどkskも立てたとこだしついでに立てよっか?
>>761 乙です!
確かに長いw簡略化できないか考えたほうがいいよなー
>>761 お、乙です!
確かに他に比べれば長いっちゃ長いかな。
うんそうだなー
てかテンプレ改めて読んでみると、なんにもしらない新規の人が読むと引きそうだなーって思うんだ
別に細かいルールはwikiに用意しておけばそれでいい気もするんだが
荒れてた頃の負の遺産のようなものだからな
簡略化しても問題無いと思う
お待たせしました。ロベルタ投下します。
さほど広くないシャワーールームに湯気が立ち込める。
壁に張り付き、細かい水滴となって、やがて水滴同士がくっつき、大きな粒に変わって床に落ちる。
ざぁざぁとお湯が降り注ぐ音、その中心。
立ち尽くし濡れるに任せた一人の女は、眼を弓のように細め、頭上からほとばしるシャワーの熱と勢いを受け止める。
女は上体を折り曲げ、自らのくるぶしの辺りへと手を伸ばす。
上から下へと落ちていくお湯の流れに逆らうように、その手は上へと。
脛、ふくらはぎを経て、膝の表、それから裏側を這う。
白い肌は湯の熱でやがて薄紅色を帯びていた。
手は、指は太腿から足の付け根へと。
滑らかな曲線を描く腰周りのラインをなぞり、そして汚れの溜まりやすい谷間の部分をこすって洗い流す。
下腹部からへその上。
自らの身体を抱くように腕を交差させて腰に手を回した。
「……っ」
あばらに走る痛み。
女から思わず漏れたうめき声。
唇を噛むようにしてそれをこらえ、今度はもう一度、慎重に指を這わせる。
痛み、痺れ、そして熱さ。
心臓の鼓動にも似たずくん、ずくん、といううずき。
這う指は上へ。
脇の下から胸の双丘の下のラインを往復する。
指が行き来するたびに、やわらかな胸のふくらみがわずかに揺れ動く。
お湯の流れはざぁざぁと変わらず、上から下へ。
指は逆の腕――肩から二の腕、そして手の先までを何度かこすってから首筋をなぞり上げる。
「……」
先程よりも小さな、お湯の音に掻き消える極微の呻き。
僅かな火傷の熱さ。
その濡れた身体を這う指はそこから離れ、湯が自らの身体を這い回り、流れ往くままに任せて女は立ち尽くす。
腰まであるウェーブのついた黒髪が背中にぴったりと張り付いている。
女はしばらくそうしていたが、やがて元栓を締めた。
お湯は止まり、濡れそぼった肢体から垂れ落ちる水滴だけがシャワールームの床を打つ。
薄く白い肌の下に熱を持った桃色の体組織。
肌の白と、その下の桃色が重なり合って、結果として女の肉体は薄紅色に染まっていた。
だが、それによって浮かび上がるものがあった。
銃痕。直線的な裂傷のあと。引きつれ捩れたミミズが這うような傷跡。
身体の各部にわずかな薄紅色の痕跡を印す。
それはその女の人生を示す傷跡だった。
撃たれ、裂かれ、抉られ、だがその何倍も何十倍も何百倍も何千倍も撃ち、裂き、抉って獲物を仕留めてきた猟犬の証だ。
◇ ◇ ◇
D-8、キャンプ場のバンガローの一室。
ロベルタは洗い髪が張り付くのを防ぐための背中にかけたバスタオルとショーツのみでベッドの上に座り込んでいた。
放送は12時におこわなれるはずなので、少なくともそれまではここが禁止エリアに指定されることはない。
それまでは休める。
いまだに誰も仕留めることができていない事実は彼女の心を苛立たせるが、闇雲に動き回って事態が好転するわけでもない。
それに肋骨のダメージは深刻だ。
骨折の痛みがあばらはもちろんのこと、連動して動く腕の振りすらも阻害する。
その痛みをかき消すための処置が必要だ。
――かりり。
錠剤を噛み砕く音。
水で流し込む。
――かりっ、がりがり、ぼりっ。
いくつかまとめて放り込んで噛み砕き、呑み込んでいく。
やがてすぅっと痛みが消えた。
身体が軽い。
血管に氷を入れたように清々しい気分になる。
感覚が変わる。
どろりと身体が溶けるように。
まどろみに包まれる。
意識が境目をなくす。
記憶の境目。
自我の境目。
感情の境目。
善悪の境目。
なにもかも。
◇ ◇ ◇
「出ておいでロザリタ。彼らは行ったよ」
かつて革命の志に燃えていた。
だが自らの全てを捧げたそれは幻想だと分かった。
だから抜けた。そして追われることとなった。
「……感謝します、セニョール・ディエゴ。でもこれ以上貴方に危険を負わせることは出来ません。
日が落ち次第、屋敷を出ます。本当にご迷惑を――」
「……待ちたまえ、ロザリタ。親友の娘御が遠路はるばる訪れてくれたというのに、夕食も出さずに返したのではラヴレス家の名誉に関わる」
ゲリラやカルテル、国家権力からも追われるこの身をかくまってくれたということが、どれほどのことか。
この紳士が自分のあずかり知らぬところで多大な労力と危険にまみれたことは想像に難くない。
だから身を粉にしてでも、その恩の数百分の一でも返したかった。
屋敷のメイドとして仕え、血に穢れた自分では得ることは出来ぬだろうと思っていた平穏を享受するだけで充分だった。
彼と彼の一人息子、ガルシアと。そして自分と。
やがて事業も軌道に乗り、わずかばかりでも使用人は増え、多少のトラブルはあったがその平和は続くと思っていた。
返せぬほどの大恩ある主人、ディエゴ・ホセ・サン・フェルナンド・ラブレスが爆破テロによって命を散らすまでは。
◇ ◇ ◇
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
天がその死を嘆いているのだろうか。
ならばなぜ、その死を回避する幸運をかの者に与えてはくれなかったのか。
「あまねくものの創造主――且つ購い主に召します天主、
主の僕、ディエゴ・ホセ・サン・フェルナンド・ラブレスの御霊に、全ての罪の赦しを与えたまえ。
願わくば、彼が絶えず望み奉りし赦しをば、我らの切なる祈りによってこうむらしめ給え」
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
大勢の者が泣いていた。
その死を悼んでいた。
彼の者はそれほどまでに慕われていた。
当然だ。
穢れきった猟犬にすら救いを与えたこの主人が、そうでないはずがない。
神父の祈り。
それは続く。
「主よ、永遠の安息を――彼に与え給え。
絶えざる光を彼の上に照らし給え。
彼の――――安らかに、憩わんことを――――神の御名に(エイメン)」
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
遺された一人の少年。
ディエゴの子息たるガルシアが、この腕の中で泣いている。
しがみついたその手に震え。
時折、しゃくりあげながら。
そして巨大な悲しみに打ちひしがれながら。
この腕の中で泣いている。
「……父さんは…………悪いことなんてしてないよ……そう……だろう?」
「……御当主様は――とても立派な方に……あらせられました。
天を仰ぎ、地に付して、我らが主の御前において――――なに一つ恥じることのないお方にございました」
「……それなら、どうして……神様は……父さんを天へお召しになられたんだろう……?」
「――主ではありません、若様。人を殺めるのはいつだって……必ず、人なのです」
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
そう。
神は人を殺さない。
そして少年はさらに問う。
「……じゃあ……その人は、何を思って――――父さんを殺したんだろう……?
そうまでして父さんを殺さなければならなかった理由は……いったい何なの…………かな……っ……」
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
自分はその答えを知っている。
いいや、知りすぎている。
だからこそ――この少年にとってあまりに残酷すぎるその真実を伝えることができなかった。
「ロベルタ…………泣いて…………いるの……?」
葬送の鐘が鳴る。
雨が降っている。
◇ ◇ ◇
主は我が弱きを知り給う。
聖寵によらざれば、何事も叶わざるがゆえに、必要に応じてこれを施し給え。
主の戒め給う全ての悪を避け、命じ給う善を行い、御摂理にて、我に与え給う数々の苦しみを、甘んじて耐え忍ぶ力を授け給え。
――君は……あの屋敷に帰るつもりはないのかい。蘭の咲き乱れるあの荘園へ。
――君は彼を愛している。彼も君を愛している。
――本当の家族のように君達は愛し合っている。
――ならば何故、その暮らしを大事にしない?
「………………私の罪は私だけが負うべきもの。
当主様も、若様も、天に祝福されるべき方々だった…………だから…………私が…………!」
――復讐ではなく、責任か。
――いや……贖罪といったほうが正しいかもしれないな。
――だが、もし君が負うべき責任があるとするならば、それは何をもってしても購うことは叶わない。
――復讐も祈りも忘却も、そして死すらも、だ。
――今の君に、本当に必要な行いは、それは……
「黙れ」
――『僕 を 殺 し た』あの時にも、君の中に良心という名の種は、わずかにあった。
――君が大正電工マグダレナ営業所を襲い、日本人技師二名を撃ち殺したのは――もう七年も前だったね。
――処刑の前に、君は僕の家族の写真を破り捨てた。君としては些細なことだったに違いない。
――だが、それは『多くの』小さな傷となって君に残った。
――暴力の中では痛みを感じることのなかったその傷が、穏やかな平和の中でどのように膿んで爛れていくかを、若い君は気付けなかった。
「……いつまで……私に付きまとうの?」
――付きまとう? 君が忘れないだけだよ。
――わかっているはずだ。君が私の写真を破り捨てたように、君の敵がディエゴ・ラブレスにそうしただけだ。
――あの少年の問いかけ……分かっているだろう?
――殺す理由などなにもない。
――ただ、『いるよりもいないほうが都合がいい』。
――私や君の主人が殺された理由など、それだけのことだと。
「……じゃあ、私は! どうやったら赦された!? それとも永遠に赦されないのなら、どんな顔をして若様のそばにいれば良かった!?
あんたはそうやって! ずっと追いかけてきたじゃない! 私に忘れさせないために! 絶対に、忘れさせないために……ッ!!」
主は我が弱きを知り給う。
聖寵によらざれば、何事も叶わざるがゆえに、必要に応じてこれを施し給え。
主の戒め給う全ての悪を避け、命じ給う善を行い、御摂理にて、我に与え給う数々の苦しみを、甘んじて耐え忍ぶ力を授け給え。
◇ ◇ ◇
おおっと支援
「…………!!」
ロベルタはベッドから猛烈な勢いで跳ね起きた。
その身体は汗で濡れている。
だがお湯で濡れていた時とは違い、肌は青ざめるほどに冷たく白くなっていた。
がたごとと乱雑に自分の荷物を漁る。
銃が床に落ちてごとりと音を立てるが、気にも留めない。
錠剤を取り出して数錠まとめて口内に放り込んだ。
がり、がりがりり。
噛み砕く。
水を飲み干す。
「……っはぁ……はぁ……」
大きく息をつき、そしてベッドから這いずるように降りて、床をおぼつかない足取りで歩く。
そして部屋の壁に立てかけてあった十字架――パニッシャーに身を寄せた。
まるで救いを求める教徒のようにその十字架にすがりつく。
「あー…………あぁ」
呻き声。
薬物が精神に影響を及ぼし、変調をきたしている。
「あ……あぁ」
その十字架を前にして両手を組み、ひざまずいて祈った。
その十字架はウルフウッドやリヴィオを刃に変えた暗殺組織の象徴であることをロベルタは知らない。
裸身が床に這い蹲り、ただ救いを求めて許しを乞う。
十字架は何も答えない。
――神よ、願わくばこの魂に哀れみを。
【D-8 キャンプ場内/一日目 昼】
【ロベルタ@BLACK LAGOON】
[状態]:薬物依存。ショーツのみ。 右腕に切り傷(応急処置済み) 、肋骨にヒビ、腹部にダメージ小、眼鏡なし
[装備]:パ二ッシャー@トライガン・マキシマム(弾丸数60% ロケットランチャーの弾丸数2/2) コルト・ローマン(6/6)@トライガン・マキシマム
投擲剣・黒鍵×5@Fate/zero
[道具]:支給品一式×2(水1/4消費)、メイド服、コルト・ローマンの予備弾35 グロック26(弾、0/10発)@現実世界
謎の錠剤入りの瓶@BLACK LAGOON(残量 65%)
パ二ッシャーの予備弾丸 2回分、ロケットランチャーの予備弾頭2個、キュプリオトの剣@Fate/Zero
[思考・状況]
0:放送まで休む。
1:サカキとのゲームに乗り、殺し合いに優勝する。
2:園崎魅音(詩音)を見つけたら必ず殺す。
3:必ず生きて帰り、復讐を果たす。
【備考】
※原作6巻終了後より参加
※康一、ヴァッシュの名前はまだ知りません。(よって康一が死んだことも未把握)
※詩音を『園崎魅音』として認識しています。
※ギラーミンの上に黒幕が居ると推測しています、よって優勝の褒美は有効であると考えています。
※錠剤を服用しました。幻覚症状などが現れています。
※ループに気付きました。
※ロベルタの眼鏡は戦闘中に何処へ飛んでいきました。本人は気付いてません
投下終了です。
支援していただき、ありがとうございました。
ご意見ご感想お待ちしています。
投下乙!
まさかのシャワーシーンktkr
ロベルタがめちゃくちゃロベルタだなぁ
そうだよこいつはこういうキャラだよ
でも壊れるギリギリでバランスとってるロベルタはこれからどうなっちゃうんだろ
あ、あざとい…
薬物中毒ってのもまた唐突だな
ロベルタがロリッてるw
×ロベルタがロリッてるw
○ロベルタがラリッてるw
薬物中毒になったキャラはロクな最期を遂げないと相場が決まっていてな
某時空剣士然り
ロベルタは最初から薬中なんだよなぁ…
ところで新予約来てるよ!
来た!7人予約来た!
8人予約じゃね?
数えなおしたら8人だったw
よっしゃ収録完了。
心置きなく埋めるがいいさ!
__
/`ヽ/ ο `ヽ、
/⌒ヽ/ i
/,ニユ、{ ,r''{下、'ー-、,__
{( {ヽヽ /^'イ:」ヾ',ィー-、ゝ、
` い ヽ, ム、 /::/ ̄`ヾー--.、
`ゝ (__}__, /`⌒ヽ;::::::::::::\;:::::`ヽ、
`ー ' `{::::::::::::::::::::::_;_:;;;;:::::::::::;ノ`ヽ,
ヽ、:::::::;r''´ \ ̄ ̄  ̄
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'イ ト、 '/'>、-ュキ=ゝ、
{ ,!ノ,. -'´ </~!|」:i__\
_,. -',.-イ´ ,r:';ニ-‐=‐::`ヽ、
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`ー-( ヽ─'`ー─ '
`ー-‐′
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/'´ ̄ ヽヽ 、ヾァ_
〃 / v ヽ \ Yj
/' // /, / 、\. \.ミiヽ
l| l |i /〈 〈 iv,,rl=iミ,l l.トミK
l || |レ-_、,V {fひl| l.トリノ
レ \ll〃iぃ. 、てノl ljク、
/ ハ 、tリ, ⊂⊃ ./イ \
// / ⊃ - / /.;l|ヽ.;.;ヽ
|.| / `_ァ‐ ィl /」_:li.;.い.;.;.>
|| j /タ\lリリ-:´::r`-イ.;.l
レ >/|<:. Y :::::l.;.;l む? 埋めるのですか?
<_/: L >:. ::l. :: ::l.;.l
〈___...:::::l::. :: ::l_.l
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ヽ、_ , r‐ t¬:: ::::::l
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