雑幼女w
それは、まだあどけなさの残る少女であった。ブラックは彼女の接近を
自分が探知できなかったことに驚いていた。気が弛んでいたのかもしれな
い。そう思った。
「ちょっと人捜しをね。無駄足になったみたいだけど」
「のんきだね。おじちゃんたちのじんせいもこれからむだになるのに」
ブラックはここでようやく強烈な違和感を感じた。なぜこんな子供が独
りでこんな場所にいるのか。――こいつ、ただの幼女ではない。本能がそ
う告げていた。
「何を言ってるんだ? それにパパやママは一緒じゃないのかい?」
「モバイラー! そいつに近づくな!」
ブラックが叫んだ時にはもう遅かった。モバイラーは幼女が右手から放
った光弾を正面から受けていた。
「ぐはっ!」
「無事か! モバイラー!」
慌てて駆け寄るスーパーモバイラーを幼女はあざ笑う。
「おじちゃんたち、ひっしだね」
雑幼女キタ!?
これは間違いなくザツダーン
「貴様っ!」
スーパーモバイラーの顔に怒りが浮かぶ。
「……スーパーモバイラー。ここは俺に任せろ。お前はモバイラーを連れて先へ進め」
「だがっ……!」
「誰の差し金かは知らないが、こいつの目的はおそらく俺達の足止めだ。
ならば全員で相手をしてやる必要はない」
「……任せたぞ」
スーパーモバイラー達が去るのを見届けると、ブラックはゆっくりと幼
女に向き直った。
「先程は不意をつかれたが、今度はこちらから攻めさせてもらう。俺がモ
バイラーの中でも“ブラック”と呼ばれる所以を見せてやろう。くらえっ!
最初の攻撃は
>>315だ!」
ksks
ksks
真・暗黒ウパ刻み!
真・暗黒ウパ刻み把握
ウパ太郎が仲間なのにウパ刻みですか!?
狙い撃ちじゃねえかwwwww
さよならウパ太郎ww
決まった! ブラックは勝利を確信した。
「真・暗黒ウパ刻み。アホロートル狩りの始祖アナリが開発した技だ。幼
形成熟個体に対して抜群の威力を誇る。お前がただの幼女でないことは分
かっている。その姿に沿わぬ内面、まさに真・暗黒ウパ刻みの餌食だ。も
はや生きてはおるまい」
ブラックはゆっくりと振り返った。が――
「どうしておじちゃんはじぶんからしぼうふらぐをたてるの?」
「なん……だと……」
全く効いていない! そんなはずはない! 「筆記者」の指示も確かに
あの技だった! ブラックは動揺していた。
「おしかったね。ろりばばぁがあいてだったらかっていたのに」
「違う……というのか……お前は……」
読みは外れていた。幼女はやはり幼女だった。
「じゃあ、おじちゃんにはそろそろしんでもらうよ」
「!!」
幼女が放った光段は先程のものとは全く異なっていた。スピードもパワ
ーも。そして、それは瞬時に無数に放たれた。攻撃は目前に迫っている。
一発でも当たれば命はない。ブラックは決断を迫られていた。
(どうやら使うしかないようだな。“あれ”を。スーパーモバイラー、モ
バイラー、ウパ太郎、後のことは頼んだぜ)
モバイラー最強にして禁断の攻撃。モバイルによって開かれた多次元世
界の通路を通して神格生物の獣性を直接自己に憑着させ、平行宇宙から呼
び寄せた膨大な熱エネルギーを制御、敵の眼前で収束させ大爆発を起こす。
この間10万分の1秒未満。そのようなことをすれば人の身であるブラッ
クは負荷に耐えきれず四散する。しかし、彼に迷いはなかった。
「今度こそ終わりだぜ……!」
ダマスカスは爆炎に包まれた。
スーパーモバイラー達はモバイルによって発生した超空間を経由して転
移することに成功した。しかし、緊急時であったため、移動先の座標を設
定する暇がなかった。
「ここは……どこだ?」「どこかの洞窟のようだが……く……」
「大丈夫か、モバイラー」
モバイラーの傷は予想より深い。とりあえず治療のため人がいる所に出
たい。
「スーパーモバイラー、向こうから何か物音がする」
「物音? 俺には聞こえ……」
その時である。何か得体の知れぬ巨大な生き物の鳴き声のようなものが
薄暗い洞窟内に轟いた。さらに――
「おい、気づいたか?」
「ああ。この洞窟内でモバイルに呼びかけた者がいる」
スーパーモバイラーはモバイラーを連れて先程の轟音が発せられた方向
へ急いだ。この洞窟では何かが起こっている。
そして一際開けた空間へ出た時、そこには――
ブラアアアアアアックウウウウウ!!
ドイツ、ミュンヘン。戦時には甚大な被害を受けたが、GGG主導の下
で復興が進み、今では世界中から労働者の集まる活気ある街となっている。
「なあ佐藤さん、田中さんに貸した金がさっぱり帰ってこないんだが、あ
んたからも何とか言ってやってくれないか」
「馬鹿やろう! あいつには金を貸すなって言っただろう! 諦めるんだ
な。もう絶対に返ってこねえよ」
男は嘆息した。これで六人目だ。誰に聞いても答えは同じ。絶対に返っ
てこない。あの田中という女はそんなに金に汚いのだろうか。まあ、いい。
今日は帰って酒でも飲もう。このことはまた後で考えればいい。
こうして男は家路についた。そのはずだった。
ブラック…そんな、嘘だろ?
男は、まるで状況が理解出来なかった。自分は家に帰る途中だったはず
だ。突然、周囲の景色が歪んで、立ち眩みかと思った次の瞬間にはこの洞
窟にいた。このような考えが何度も頭を回る。五感はいつにも増して冴え
渡っている。どこかで水滴が落ちる音もはっきりと聞こえる。しかし――
目の前で大口を開ける巨大な化け物を前にして、男に出来ることは何もな
かった。
「おい……嘘だろ……」
巨大で鋭い歯に五体を引き裂かれる激痛を最後に、男の意識は戻らなか
った。
嘘だと言ってよモヴァイラァアアア!
以上投下終了
一応酉付けとく
ブラック(´;ω;`)
「山椒魚?」
ソウの言葉に、大佐は怪訝そうな表情を浮かべた。
「ええ。数ヶ月前、とある施設で実験体となっていた個体が逃亡していま
す。多くの不可解な現象を起こした後に、絶対脱出不可能なはずの厳重な
警備を破って」
「それがモバイルによるものだと?」
「まず間違いないでしょう。後に現場を調査した結果、超空間発生の痕跡
が見られましたから」
大佐は納得したようだったが、同時に不安げな表情を見せた。
「ふむ。だが、逃亡したのなら結局行方は……」
「居場所に関しては有力な候補地があります。日本のとある山地に、最近
“人を喰う化け物”が出る洞窟があるという情報が入り、調査したところ、
モバイルによる空間歪曲に伴う微弱な電波の乱れが観測され……」
説明を続けようとするソウを制止すると、大佐は小声で問いかけてきた。
「このことを知っているのは?」
「政府でも上層部の少数だけです。SSSに伝わっているかは何とも」
「そうか。では信用できる者を数人連れて、一度現地に確認に向かった方
がいいようだな」
ソウは緊迫した面もちの大佐に向かってゆっくりと頷いた。
「ことは急を要します。今すぐ発ちましょう。サラ万次郎の洞窟へ」
以上投下終了
活躍を続けるスーパーモバイラー達
しかし世界にはもっと凄いモバイラーがいた!
1 いやあ名無しってほんとにいいもんですね@3ch 09/05/02 16:19 ID:Td+U8zjo
俺スーパーモバイラー。よろしく。
2 いやあ名無しってほんとにいいもんですね@3ch 09/05/03 01:47 ID:EL4vjZbI
じゃあ俺ハイパーモバイラー。
よし勝った。
3 いやあ名無しってほんとにいいもんですね@3ch 09/05/04 00:25 ID:9VL8ZxvM
ところが俺ウルトラモバイラー。
もはや敵なし。
4 いやあ名無しってほんとにいいもんですね@3ch 09/05/05 12:28 ID:Y23ysAH+
そして俺こそグレイテストモバイラー。
圧倒的だな。
5 かばとっと 09/05/10 19:14 ID:Zxl+tVZk
年賀状の配達は無事すんだかどうかわかりますでしょうか。
6 いやあ名無しってほんとにいいもんですね@3ch 09/05/15 20:03 ID:8X9Fb04M
スペースモバイラーの俺でも。さすがにわからんな。
不覚にも吹いたwww
島根県某所。その一帯には、近頃妙な噂が流れていた。曰わく、山中の
洞穴に足を踏み入れた者はことごとく「怪物」に捕食される。この風評の
せいで、山に立ち入る人間はほとんどいなくなったという。
間違いない。ここに奴がいる。ソウはほとんど確信に近いものを感じて
いた。
サラ万次郎は人肉を好む。その供給が困難である為、施設では代用品が
与えられていたが、しばしば与えたはずのない「生きた人間」が食われた
痕跡が見つかったという。モバイルが使用されたのだ。奴の能力があれば
他にいくらでもできることがある。しかし、力は食材の確保に使われた。
奴のカニバリズムの衝動は根深い。今でも、食人の何らかの痕跡を残して
いないはずはない。それがこの地域に広まった噂なのだ。
「ここが例の洞窟か。意外に小さいな」
俄に吹き始めた強風が木々をざわめかせる中、大佐は山の中腹にぽっか
りと開いた2メートルほどの縦穴を睨みつけていた。非常時に想定される
布陣を考えているのだろう。選りすぐったとはいえ、こちらの戦力は大佐
と自分を除いて僅か十人。誰一人として生きて帰れないという事態も十分
考えられる。
「入り口はこの通りですが、中は結構広くて入り組んでいるらしいですよ。
地下水脈も通っているそうですから、途中で水路にぶつかって先に進めな
くなるかもしれません」
「厄介だな」
いつしか風はぴたりと止んでいた。
陽の光の届かない暗闇の中は、時間の感覚を狂わせる。探索を始めてま
だ小一時間だが、ソウは既に半日は洞窟内をさまよっているように感じた。
整備された道などあるはずもない入り組んだ通路を、時に腰まで浸かるよ
うな深さの水も超えていくのは、激しく体力を消耗する。屈強な兵士達に
も疲れが見え始めていた。元気なのは大佐だけだ。
「まだ見つからんのか! 本当にここに居るんだろうな!」
水流て水滴以外の一切の音がない不気味な静寂は、一向の神経を確実に
すり減らしていた。大佐は苛立ちを露わにする。
「十中八九間違いないでしょう。この広さですから、そう簡単には見つか
ら……」
ソウの言葉はそこで途切れた。その時、これまでなかったような広い空
間に出たのである。そして――
「奴がサラ万次郎か……」
ぬめりのある黒光りした皮膚の奥から、二つの丸い眼がこちらに向けら
れている。体長は8メートル程であろうか。それは山椒魚というにはあま
りに大きすぎた。
「さて、見つけたはいいがこれからどうする?」
「そうですね。できるなら穏便に協力を仰ぎたいところですが、人語を解
するかは分かっていません。ですから……」
ソウの言葉は再び遮られることになった。先程まで隣に控えていた兵の
一人が突如として姿を消し、サラ万次郎の前に現れたのである。一同が気
付いた時には既に遅く、頭から飲まれた兵士の断末魔が響いていた。
――我々は重大な思い違いをしていた。奴は人の手に負える相手ではない。完全に「野生」の側の存在なのだ。
ソウは己の死を予感した。
「やむを得ん! 捕獲は断念する! 撃て! 撃ち殺せ!」
大佐の号令に、兵達は一斉に銃を構える。が――
「どうした! 早く撃たんか!」
「そ、それが……」
モバイルだ! 銃の機構に何らかの干渉をして、無効化してきている!
こちらに向かって歩き出した巨大山椒魚を前に、ソウは成す術もなかった。
「どうやらここまでらしいな。敵の戦力を甘く見すぎた」
「……」
あれからものの数十秒である。ソウと大佐を除いた兵士達は、既に全員
山椒魚の腹の中だ。GGGの精鋭も奴の前では無力だった。サラ万次郎。
血溜まりの中に立つ彼は、何かこの世のものではない禍禍しい存在に思え
た。山椒魚はゆっくりとこちらに歩みを進めてくる。全てを覚悟したソウ
はゆっくりと目を閉じた。
その直後である。何か金属音のような大きな音が聞こえたかと思うと、
それに続いてサラ万次郎のものと思われる甲高い悲鳴が洞穴の壁面に木霊
した。
――何かが起こった!
ソウは恐る恐る目を開いた。
以上投下終了
大分間が空いてしまって申し訳ない
某所でも早くしろとせっつかれました
本当すいません
二周年になっても完成さてなかったとか、みっともないことにならないよう頑張りますん
投下乙です!
せ、せっついた訳ではありませんよ?
それにしても相変わらず良いところで切れるので続きが気になります
続いた―っ!?
「あいつらの動きはどうだ?」
「シナイ半島を越えてシリア方面へと向かっているようです。居住者が極
端に少ないダマスカス付近で接触を図るとの報告がありました」
部下の言葉を耳にしつつも、裏刀は眼前の壁画から目を離すことをしな
かった。そこには古代の帝王の生涯が、複雑で幾何学的な意匠で描かれて
いる。もう位置を覚えてしまったその場所に掌を這わせると、ミミズの這
った跡のような奇怪な文字の凹凸を指の裏に感じた。
「丁度いい。連中を足止めしている間に、例の山椒魚を始末してしまおう」
「ほっほっほ、Gにはあれを捕獲しようという動きもあるようだぞ?」
突然背後から聞こえた声に振り返ると、そこには長い銀色の髪を照明の
光で濡らした小柄な少女が立っていた。
「なんだ。バンディッドのおばばか。なに、気にすることはない。どうせ
あの化け物は連中の手に負える相手じゃない。あれを葬るのは俺達SSS
を置いて他にないよ」
「大した自信だね。何ぞ策でもあるのかえ?」
「ああ。おい、そこのお前。照明を天井に向けろ」
____
| |
| |
ヽ〇ノ
ノ
ノ)
「……ほう。あそこにぶら下がっている妙ちきりんな人形は何だえ?」
「オートマタだよ。古代文明が生んだ超兵器だ。ようやく制御できる目処
が立ったところだが、早速実戦に投入することになりそうだ」
霧崎はそれに応えることなく、壁画へと目を向け、煙管を取り出し始め
た。苦労して見つけた隠し玉にもっと驚いてくれることを期待していた裏
刀は、若干の失望を感じつつ、彼女の視線の先へと目を移した。
それは、王の戦死の場面だった。圧倒的多数である王の軍勢を掻き分け
て、本陣へと突撃してくる敵軍が悪鬼羅刹のように描かれている。そして、
その中には一際異彩を放つ金髪の少女――S・ハルトシュラーがいた。
「……さて、奴がモバイラーをどれだけ足止めできるか分からない。そろ
そろ行かなければいけないな。日本へ」
スーパーモバイラーは混乱していた。負傷したモバイラーを引きずって、
やっとのことで問題の現場にたどり着いた。しかし、そこには血を流す巨
大な両生類と
ヽ○ノ
/
ノ)
飛び回る棒のような何かがいた。
「な、何が起こってやがるんだ……」
よく見れば他にもガタイのいいおっさんや、ガタガタ震えてるイケメン
の兄ちゃん、たった今反対側の入り口から入ってきたらしい帽子と眼鏡の
男なんかもいたのだが、ニ体のクリーチャーのインパクトがあまりに強す
ぎて目に入らなかった。
「ウラトゥ! 貴様、こんなところに何しに来た!」
「命を救ってもらったっていうのに大した言いぐさだな。もちろん、あの
山椒魚を始末しに来たんだよ。捕まえようなんて馬鹿なことは考えてない。
どうだ、俺達SSSが誇る古代兵器スティック・アーネンは!」
おっさんと眼鏡の会話からすると、あの棒人間は眼鏡の仲間らしい。そ
して忙しく動き回る棒に目を戻すと、
ヽ△ ∧、、 ギュルルルル
/ーl\\>
ノ) ∨´´
変形していた。
馬鹿デカい山椒魚の方は相変わらず悲鳴を甲高い悲鳴をあげながら血潮
を撒き散らしている。ありゃあ、もう駄目かもわからんね。そう思ったそ
の時だった。
ヽ○ノ 「GYAAAAAAA!」
/
ノ)
頭が割れそうになる金属音に思わず耳を覆う。棒人間は瞬時に数メート
ル吹っ飛んでいた。
「スーパーモバイラー、今のは!」
「ああ、間違いない。モバイルを使ってどこかと空間を繋げていた。今の
はその気圧の差を利用した攻撃だろう。あの山椒魚、五人目の適性者だ」
思いがけず当初の目的を見つけたことで、スーパーモバイラーの心は沸
き立っていた。
(待ってろよブラック! 邪魔な奴を蹴散らしたら、新しい仲間を連れてお
前を助けに行くぜ!)
そしてスーパーモバイラーは、山椒魚の攻撃を受けて隙を見せている棒
人間に、「筆記者」の導き出した最適の先制攻撃、
>>346を浴びせかけた。
以上投下終了
安価が遠すぎたかも
しいたけ
乙 おもすれー
棒姉wつええ
そしてしいたけ…これは…
投下乙
ここにもしいたけがw
モバイルと接続。目標の座標を割り出す。大分県の山中、肉眼では視認出来な
い小さな一点――椎茸の胞子を構成する物質界の要素を総て解析し、蓄積する。
それを原子レベルから再構築し、自身の右腕に着床させる。さらに、最適な湿度、
気温等を割り出し再現。標的部位の時の流れを周囲の空間から隔絶、加速。瞬時
に右腕に椎茸を育成する。
この間僅か0.87秒。無論、広い椎茸の世界でも右に出る者はいない。
椎茸とは本来、死遺茸と表記される。かつて椎茸を用いた暗殺術が広く用いら
れていた頃、椎茸使いの暗殺者に狙われた者は悉く死を覚悟して遺書をしたため
たということからついた名であるという。
その恐るべき戦闘能力に加えて、籠城時には椎茸を非常食にすることもできる
という柔軟性から、椎茸を右腕に宿す能力者達は軍事の要として裏の世界を牛耳
っていた。
今、この暗殺術を実戦レベルで行使できる者はほとんどいない。その中でもス
ーパーモバイラーは最も熟達した技術を有している。
オートマタが右腕の椎茸を察知した時、既に事は終わっていた。空中に散布さ
れた胞子は正確に目標へと収束し、硬い装甲の内側へと入り込んでいる。
「――弾けろ!」
スーパーモバイラーの声と時を同じくして、胞子は一斉に爆炎へと姿を変えた。
――終わった。スーパーモバイラーは炎と黒煙に包まれたオートマタに
背を向け、急いで負傷したモバイラーの下へと向かった。
案外早くけりをつけられた。早いとこ、あのデカいのを連れてブラック
の所へ行こう。そう言おうと口を開こうとした、その時だった。
「スーパーモバイラー! 危ない! 後ろだ!」
一瞬、世界が暗転した。強い衝撃だけが辛うじて知覚できた。
腹から生暖かい液体が溢れているのを感じながら、ゆっくりと振り向くと、
そこには
ヽ△ ∧、、 GYAAAAN!!!!
/ーl\\>
ノ) ∨´´
自分の背中をえぐる機械人形の姿があった。
「馬鹿め。スティック・アーネンがそう簡単に倒れると思ったか。お前らの命もここまでだな」
眼鏡め! 勝手なことを言いやがって! モバイラーズはそんなにヤワ
じゃないぜ!
そう言って棒野郎を弾き飛ばしてやろうとしたが、どうしても腕が上が
らない。スーパーモバイラーはいつしかヒューヒューと浅い呼吸を繰り返
していた。
「スーパーモバイラー、ここは俺にまかせろ」
いつになく真剣なモバイラーの声に、スーパーモバイラーの遠のきかけ
ていた意識は呼び戻された。
「お前……怪我を……」
「お前に比べればマシだ。ここは俺が何とかするからお前は一時離脱しろ」
こいつ……あの時のブラックと同じ顔をしてやがる。その一瞬の動揺の
間に全ては決していた。
スーパーモバイラーの周囲の空間が、転移時特有の歪みを見せ始めた。
敵は異変を察知するや、すぐに大きく距離をとった。モバイラーがスーパ
ーモバイラーに強制転移を行ったのだ。
「……モバイラー!」
モバイラーはもう振り返らなかった。再び山椒魚の絶叫が響く中、傷だ
らけの体で凶悪な機械人形と対峙していた。
閉じていく視界の中で、最後にモバイラーが
>>353の攻撃を仕掛けてい
るのが見えた。
以上投下終了
一応スパロボの形式にのっとって主人公格のオリキャラを出してはみたが、この空気っぷりは既に主人公じゃないな
ソウルオブ雑幼女
把握
先月の某板での投下でにより黒歴史がまたひとつ出来上がった
とはいえ台詞系の、新ジャンルなんだよな
えらく不評だったので黒歴史には違いないが、ここで投下するのはスレチかね?