グリフィンて何ぞな

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1天之御名無主:2006/02/05(日) 16:53:41
これまでグリフィンは猛禽とライオンのキメラだと思っていました。
ところが、↓

ドラゴンと龍 Part2
http://academy4.2ch.net/test/read.cgi/min/1115005436/

343 名前:天之御名無主[sage] 投稿日:2005/12/08(木) 01:42:07
>>342
もしかしてグリフィンの絵、見たことない?
http://images.google.com/images?hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=griffin&num=50&sa=N&tab=wi
グリフィンって紀元前の昔から耳が生えてるよ。
耳がなくなったのは近代になってから。

・・・・・・・耳?なんじゃいグリフィンて?キメラちゃうのん?
2天之御名無主:2006/02/05(日) 17:29:10
アッシリアの有翼人面獣→小アジアを通してギリシアに伝播→グリュプスとキマイラが混同

でFA
3天之御名無主:2006/02/05(日) 18:46:38
そのグリュプスってのは?
4天之御名無主:2006/02/05(日) 18:59:31
鷲の頭と獅子の体を持つこういう怪物

http://www.sikyon.com/Olympia/Art/olymp_eg12.html

ギリシア世界で見つかる初期の事例(前7C頃)だけど
下のアッシリアの有翼獣(前13C頃)と似てるでしょ
http://oi.uchicago.edu/OI/MUS/GALLERY/EAST/New_East_Gallery.html

もっと遡るとアッカドの有翼人面獣とかエジプトのスフィンクスとかあの辺の
オリエント世界に広く信仰されてた半神半獣が原型
5天之御名無主:2006/02/05(日) 19:23:03
「耳」と「角」はなに?
6天之御名無主:2006/02/05(日) 19:46:10
上の図像の場合、アルカイック期の彫刻によく見られる鷲の耳が誇張された表現なだけ
特定の動物が加わったとか言うことではない
暗黒時代の壷絵なんかだと髭みたいな表現で耳が描かれてたりする
角も同様で特定の何かではなく神性を表現しただけのもの
生えてない場合もあるし>>4のように装飾化されてることもある
耳の表現は昔から存在するけど角は小アジア、とりわけリュディア以外ではあまり見ないな
7天之御名無主:2006/02/05(日) 20:11:56
ていうことはグリフィンは神なのか。ヘロドトスの伝えるグリフィンとは全然違うな。
というか図像のグリフィンと名前のグリュプスを最初に結びつけたのは誰?

そういえばクノッソスのグリフィンは翼がない。
8天之御名無主:2006/02/05(日) 20:21:22
グリフィンとは 横浜にタクサンあるマンションのナマエ
9天之御名無主:2006/02/05(日) 20:27:22
ギリシア世界のデミゴッドは神と同一ではないから純粋に神格とはいえないけどね
あくまで神性のある人や獣
古典史料にはグリュプスってあまり出てこないんだよな
一応ミケーネ時代から伝わってはいるしモチーフとしては一般的なんだけど
特別なテキストが存在しないせいか美術的なスタイルが安定しない
前7世紀オリュンピアに奉納されたコリント式兜に彫られたグリュプス像なんかも翼はついてないし
10天之御名無主:2006/02/05(日) 20:41:50
>>9
詳しそうだから聞きますけど、図像と名前を最初に結びつけたのはどの資料?または美術品なの?
それとグリュプスに神性があるという記述。
ほかのギリシア世界の神獣に、その神性の角は付いてる? なぜ2本ではなく1本?

それと、できれば「鷲の耳」とか「髭みたいな」とか、画像をupするかリンクしてほしい・・・
11天之御名無主:2006/02/05(日) 21:05:36
名前と図像が結びついた最初の史料ってのは寡聞にして知らない
鷲頭の獅子像はミケーネの壁画が最初でないかな

鷲の耳が誇張されてるのは>>4の上のリンク内の下の画像でわかるでしょ
似たような様式のグリュプス像や装飾把手を持つ青銅製の鼎が
前7世紀前後のサルディスやオリュンピアから見つかってる
グリュプスの図像解釈は水田徹だったかピエール・ドマルニュだったかの論文で読んだ
美術大全集シリーズのうちの一巻だったと思うけどうろ覚えでスマソ
青銅鼎とグリュプス像の伝播については
J.M.Cook“The Greeks in Ionia and the East”なんかでも扱われてるので参考にして

髭耳グリュプスの画像はweb上で見つからんでした
後でperseusのギャラリーでもチェックしてみるけどレフカンディから出てるピュクシスの図像のことです
12天之御名無主:2006/02/05(日) 21:12:40
ありがとう。あとは自分で調べて見ますね。

なんか見つかったらどっかにupする
13天之御名無主:2006/02/16(木) 18:36:59
キリストの聖人の象徴にもされてなかったっけ?
14天之御名無主:2007/01/08(月) 04:52:06
当方、理科系の人間なんで、専門の方々にお尋ねしたいのだけど、たまにさ
「グリフィンがギリシア神話に登場するという認識は誤りである」っていう記述がネット上や書籍で見受けられるけど
この指摘自体が、誤りってことでいいんだよね?

自分の知っている範囲で、この指摘の古い出典は、光栄の出版部門が93年に出していた「爆笑ギリシア神話」っていう
ゲームファン向けの本なんだけど(この本はギリシア読みのグリュプスとグリフィンを別の怪物と考えるような本だった)

上のほうでもヘロドトスの記述について言及している人もいるし、確かにギリシアが起源の怪物ではないけど
少なくともギリシア人の間に伝わる伝説の中にも登場はしていたんだよね?

なんで急に尋ねたくなったかというと、Wikipediaの「グリフォン」の項目に、
>しばしばギリシア神話に登場するといわれることがあるが、これは誤りである。
と書いてある真下で、いきなり
>「復讐の女神」ネメシスの車を引くグリフォンは、ほかのグリフォンと違い身体も翼も漆黒である。
って書いてあって、なんじゃそりゃ! って混乱したからなんだけど・・・

それとも、自分は何か大きな勘違いをしているのでしょうか?
15天之御名無主:2007/01/10(水) 01:49:05
グリフィン・カーレンリース
アスラン・ジェイド・カーレンリース
16天之御名無主:2007/01/10(水) 16:38:56
>>14
神話は物語。で、物語のなかにグリフィンは登場しない。
ネメシスのくだりは、彫像や図像にあるグリフィン(のような動物)からの判断。
ヘロドトスのくだりは、スキタイ人の伝説を紹介しているだけでギリシア人の伝説を紹介してるわけじゃない。
17天之御名無主:2007/01/12(金) 19:17:40
なるほど、よくわかりました。ありがとうございます

そういえば、ギリシア以前のクレタ島の遺跡にもグリフィン(らしき物?)が描かれているのを見たことがありますが
図案はこんなによく見かけるのに、物語の中では語られていないって言うのも、面白い話ですね

グリフィンはすごく魅力的なテーマなので、このスレ、もっと盛り上がってくれると良いな
18天之御名無主:2007/01/13(土) 05:04:25
ヒポグリフは?
19天之御名無主:2007/01/13(土) 10:05:25
当然このスレで良いのじゃないでしょうか
ただ、グリフィンの起源がとても古くてミステリアスなのに比べると、だいぶ新しい時代に生まれた怪物のようです

グリフィンは詩人たちの間では、馬を食べると謳われていたので、「牝馬がグリフィンの子を産む」とは、元来
あり得ない出来事をたとえる表現だったそうです
グリフィンは好物の馬を見つけたら、むしゃむしゃ食べてしまうので、別の意味で食べちゃうなんてあり得ない!と
トンビがタカを産む・・・はちょっと違うか。瓢箪から独楽・・・これもちょっと違うなあ、とにかくそんな感じの例え話

それが、16世紀に「狂えるオルランド」(オルランドってのは、ローランの歌で知られるローランさんのこと)という
イタリア語の物語の中で、具体的にヒポグリフという生き物として登場
例え話の表現から、実際にイメージを膨らませたわけですね

相前後して、盾などに描く模様としてヒポグリフの図案が生まれ、この怪物に、名前と姿、そして物語が与えられた
という経緯のようです
20天之御名無主:2007/01/14(日) 08:03:54
逆に牝グリが馬の子を孕まされることはないのだろうか。

かけあわせの♂♀がかわったら名前もかわるんだよね。
グリフィポ?
21天之御名無主:2007/01/14(日) 21:42:54
ライオンと掛け合わせたのがレオグリフだっけ?
だけど、これはグリフィンとライオンの合いの子を指すよりも、東洋にある狛犬や獅子舞やシーサーみたいな感じの
獅子と何かをあわせた像をそう呼ぶことの方が多いらしいとも聞く
シュメールの遺跡とかにある、例のスフィンクスの元になった人頭獅子身の像は、どうなんだろ?

検索してもよくわからなかったので、お詳しい方、補足・訂正をお願いします
22天之御名無主:2007/01/15(月) 03:17:40
キメラとかスフィンクスとか中国のいろんな動物の特徴をもってる各種伝説獣とか鵺とかも
このスレ?
23天之御名無主:2007/01/15(月) 06:05:48
あえて新しいスレ建てるよりは、ここでいいんじゃないの?
該当する地域の神話や文化に即した流れで語るなら、それぞれの地域用のスレで
複数の動物を複合させた怪物について俯瞰的な話をするなら、ここ、っていう形でもいいと思うけど

そういえば、グリフィンと麒麟は関係があるかもしれないって話をどこかで読んだことがあるのだけど
24天之御名無主:2007/01/16(火) 05:12:17
スキタイの刺繍なんかに使われてるモチーフはグリフィンだっけ?
25天之御名無主:2007/01/16(火) 07:12:32
スキタイて何ぞな
26天之御名無主:2007/01/16(火) 09:12:55
>>25
それくらいは検索しないと
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%A4

>>24
スキタイか、さらにそれ以前のインドかってあたりが、現在知られているグリフィンの最も古い起源候補だっけ?
スキタイって、ドラゴンとかグリフィンとかの工芸品が多い上、軍隊の陣頭に、それらをかたどった像を
軍旗みたいに掲げていたんだっけ

実はドラゴンとグリフィンって、起原的には亜種みたいなもんだったのかね
グリフィンの謎を追うと、このタイプの怪物の起原そのものに迫れるようで、わくわくしますわ
27天之御名無主:2007/12/15(土) 14:58:54
広義的な合成魔獣全般と言う意味でのキメラなら
ドラゴンもグリフィンもスフィンクスもペガサスもみんなキメラだろ
ということでこのスレ終了な
28天之御名無主:2007/12/16(日) 06:35:16
スキタイの動物像の特徴にクチバシみたいにとがった口と四肢の付け根に付けられる渦巻き文がある
前脚の渦巻きが巨大化して羽根みたいになったライオンの像なんかもあるし
こういうイメージがどっかで分化してグリフォンに繋がってるんだろね
29天之御名無主:2007/12/16(日) 10:35:23
グリフォンってなんで「王」を象徴する怪物になったんだろうね
ドラゴンのほうがありそうなのに
30天之御名無主:2007/12/16(日) 18:08:48
っカコイイ!
から
31天之御名無主:2007/12/16(日) 18:33:29
鷲といえばローマ帝国の象徴、ライオンも(多分)アジア由来の王権の象徴だしね

ドラゴンといえばドラキュラの親父さんは神聖ローマ皇帝の設立したドラゴン騎士団に所属してたそうだけど
(ドラゴン公〜ドラクルの息子という事で小ドラゴン公〜ドラキュラと呼ばれたそうな)
32天之御名無主:2007/12/16(日) 22:59:01
ということはペンドラゴンとかと同じで栄誉ある称号だったのかな
いまじゃドラキュラというと完全にヴァンパイアのイメージだけど
33天之御名無主:2007/12/16(日) 23:42:46
本当はドラゴン騎士団公という意味です。ドラキュラ
34天之御名無主:2007/12/20(木) 15:58:17
胴体のライオンの部分はキリストを現している。ゆえに聖なる獣とされた。
35天之御名無主:2007/12/23(日) 07:59:48
オピニクスっていう尻尾が太くて短いだけの亜種が紋章用に作られたそうだけど
そんな微妙に違うだけの代物作って「これはグリフォンじゃないんです」と言い張らないといけないなんて
どんな事情があったんだ
36天之御名無主:2007/12/24(月) 14:30:17
パクリパクラレ論争は昔からあるってことかもね
37天之御名無主
グリフィン博士と911真相究明運動?