■スレを立てるまでもない質問@民俗・神話学板■

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48天之御名無主
>>39
[ 口ヒゲとあごヒゲ ]

 中東のアラブ諸国へ赴任する人びとがよく受けるアドバイスに、「向こうで仕事をうまくこなしたい
なら、ひげをはやし、太ること」というのがある。私たちにとっても、アラブの男のイメージは、ひげを
たくわえた、褐色の顔であろう。
 しかも、ひげがないのは女性と宦官だとされてきたところがあるので、ひげがあるだけで何となく
男らしさを表現することができる。また、太った人は、度量があるという印象を与えるものらしい。

 しかし、彼らがひげと立派な体格を重んじることには、もう一つの理由がある。彼らは、預言者
ムハンマドの言行を重んじ、彼の伝承を生きた手本とするのだが、ひげや立派な体格は、ムハンマドが
そうだったからだ、と言うのだ。

 太っていることはさておき、ひげについて、もう少し見てみよう。ただ、一口に「ひげ」と言っても、
ムハンマドがたくわえていたのはあごひげだったと言われている。
 彼は、その言行の記録「ハディース」のなかで、「口ひげは刈り、あごひげは伸ばせ」と語ったと
されている。しかし、あごひげのあるなしが、宗教上とくに大きな意味をもっているわけではないので、
どちらのひげを伸ばそうと、あまり問題にはされないようだ。イラクのフセイン大統領も、口ひげは
あっても、あごひげはない。

 だが、エジプトでは、ムハンマドにならって、あごひげをたくわえた人物には、イスラーム原理主義者が
多いとされている。革命時のイランでも、口ひげとあごひげの両方をたくわえるのが革命派のしるしだった。

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