ネイティヴアメリカン、いわゆるインディアン(アメリカ先住民)の
神話や民間伝承などについて語り合いましょうみたいな感じでお願い致しますです。
ケツアルコル(ヒゲずらの白人)が東の海から来て
現地人に文明を与えますた。
>2
インディオですか?
ケツァカトル?ケツアルコアトル?ケルツァコアトル?
どれが現地語に近いのだろう・・・。
羽毛のある蛇のことじゃなかったっけ>ケツァルカトル
最近の恐竜研究では恐竜には羽毛が生えてたらしいけど、
古代人は知ってたんだろうか。
知ってたとしても勿論特権階級だけだったと思うが。
海からマレビトがやって来て文明や滅びをもたらす神話は
シュメールとか世界中に多数あるようだけど
オリジナルにはどこが一番近いんだろう。
我々の先祖は、まだ海がなく世界が陸続きだった時代に、
遙か遠くの大陸から歩いてやってきました。
我々の先祖と一緒にワタリガラスもやってきました。
しかしワタリガラスは、この土地に元々住んでいたカワウソと
仲が悪く喧嘩ばかりしていました。
ある日、ワタリガラスと知恵比べをして騙されたカワウソは
煮えたぎる湯壺に飛び込んで死んでしまいます。
その時に溢れ出た水が、大きな大河となり、やがて海となり
世界を分け隔てましたとさ。
[ プエプロインディアン ホピ族の神話 ]
ホピ族の神話によれば、 人間に織ることを教えたのは、人間をこの世界に
案内してきた "蜘蛛の祖母"である。
創造主の太陽の力によって、最初に発生した生物は、 深い地下に生じた
虫たちだった。 太陽は彼らのもとに、彼らをよりよきものへと導く案内役として
"蜘蛛の祖母"を派遣した。
"蜘蛛の祖母"は、虫たちをその暗黒世界の上にある、 第2の世界に導いた。
その過程で、虫たちの一部は動物に変わったが、 それでも彼らはまだ、生の
意味を理解したようにみえなかった
そこで太陽は、もう一度"蜘蛛の祖母"を行かせ、 彼らをそこよりさらに上方
の、第3の世界に案内させた。 そして、その困難な過程で、動物たちの一部は
人間となった。
第3の世界に着くと "蜘蛛の祖母"は、人間たちに”土器を焼くこと”と、
”衣服を織ること”を教えた。 それによって、人間たちはやっと生の意味を知る
ことができた。
しかしその世界も安住の地ではなく、 人々はまたもや天の穴を通り、第4の
世界へと移動した。 そして彼らが天の穴を抜け、上の世界に達すると "蜘蛛の
祖母"は、一人一人に言葉と部族の名を与え、この時から、人々はそれぞれ
違う言葉と部族名を持つこととなった。
http://www.studio-tao.com/studio/library/native.htm
ネイティヴアメリカンの妖怪ってどんなのがいる?
ネイティヴアメリカンにとっての「妖怪」には「空飛ぶ首」とかあるみたいだけれど、最大の化け物は「白人」のことじゃないのかな。
10 :
天之御名無主:03/01/30 22:59
(ラコタ族の伝承)
グレート・スピリットであるワカンタンカは、六つの方角を決めた。
すなわち、東、南、西、北、上、下である。
しかし、まだひとつだけ、決められていない方角が残されていた。
この七番目の方角は、すべてのなかでもっとも力にあふれ、
もっとも偉大な知恵と強さを秘めている方角だったので、
グレート・スピリットであるワカンタンカは、
それをどこか簡単には見つからない場所に置こうと考えた。
そしてとうとうそれは、人間がものを探すときにいちばん最後になって
気がつく場所に隠される事になった。
それがどこであったかというと、ひとりひとりの心のなかだったという話だ。
11 :
天之御名無主:03/02/01 19:31
12 :
天之御名無主:03/02/01 19:59
13 :
◆sVVR0Q7eM2 :03/02/02 22:22
あげ
14 :
日本@名無史さん:03/02/04 12:49
>>6 ギルガメッシュ叙事詩だったら、シュメールでもOKじゃない?
ところで、1はわざわざ他人に請うてまでスレを立てたみたいだが、話題を提起
するなりすべきでは?
15 :
天之御名無主:03/02/04 13:17
北アメリカの遺跡写真きぼんぬ
16 :
天之御名無主:03/02/06 21:04
>>7 について亀レスですが
ここに三年あちこちで見かける「ドリームキャッチャー」
(ツタを編んだ丸いものの下に三枚の鳥の羽)
あれはこの種族がよい夢を捕まえ、悪い夢を追い出すお守り
だそうです。
ワッカの間に張られた紐は「蜘蛛の祖母」にあやかるものだとか。
(もちろん捕まえるという意味で)
17 :
天之御名無主:03/02/06 21:32
インディアンにとって
蜘蛛は神聖な生き物の一つらしいな。
個人的にはあまり好きになれないが。蜘蛛の色とか形て正直ちょとキモイ。
蛇の方がまだマシだ。インディアンとその文化は大概好きだが限度がある。
あと日本では不吉とされる数字の四もインディアンにとって重要な意味があるとか。
詳しくは忘れたが
聖なる東西南北四方向の力の象徴だったか。
18 :
天之御名無主:03/02/10 02:11
アルゴンキン族の神話が好き。
北米のネイティブアメリカンでもいいんでしょ?
というか、南米だとインカとアステカしか知らないや。
アマゾンの神話って面白そう。
あぼーん
(´`)
24 :
Las Casas:03/03/05 00:07
Native Americanの歴史は、白人による虐殺と侵略・裏切りで
埋め尽くされている。フロンティアを輝かしいものに仕立て上げたのは
新教徒の独善性以外のなにものでもない。コロンブスは、ジェノサイド
への引き金を引いたのだ。
25 :
Las Casas:03/03/05 00:21
「自分達の食用となる植物は、犠牲にされた神または先祖の、切り刻まれて
うめられた体から生えたものだというモチーフが、見られます。Nativeは、
主として狩猟民でしたが、同時にトウモロコシの栽培もしていました。」
(神話の力 より抜粋)
26 :
Las Casas:03/03/05 00:25
「この次には、おまえは私を殺さなくてはいけない。そして死骸を
土に埋め、埋めた場所によく気を配るように。」「少年はいわれたとおり
美しい若者を殺して、土に埋めた。しばらくたってそこには、とうもろ
こしが生えていた。」
あぼーん
28 :
Moyers&Campbell:03/03/06 00:59
農耕社会の物語で私が驚くのは、大地の子宮から生まれたという
ヒトが初めて登場することです。
「殊に南西部の伝説では、最初のヒトは地中から出てきたとされて
います。彼らは、出生の穴を通ってでてくる。その穴は、世界の
中心軸と考えられ、聖なる場所になる。ある特定の山と関係があります。
地面の下に、まだ本当にはヒトではない、自分がヒトであることすら
しらない者達がいた。そのうちの一人が、タブーを破ってしまった。
そのために洪水が押し寄せてきた。世界の天井の穴からロープを伝って
昇ると、別の世界に出ていた。また、一説では、太陽と月が消えて
しまい、暗闇に閉ざされてしまったというものです。」
29 :
天之御名無主:03/03/12 15:01
ネイティブアメリカンの世界。エスキモーやアメリカンインディアンの伝説の中に、
「ワタリガラス創世神話」の伝説がある。
動物写真家 星野道夫は、ネイティブアメリカン、クリニット族の語り部の青年から
聞いた、この物語をモンゴロイド伝説ではないかと考えた。
「世界は暗闇で、人々は途方にくれていた。ワタリガラスは、海の向こうに魂の象徴
である火の玉を見つける。鷹の長い嘴に枝をくくりつけ、火の玉を取ってくるように
命じる。鷹が火の玉を取ってきて、世界の全てに光と魂が宿った」
1996年7月7日、シベリアのノチコト半島で取材する星野に老婆が同じ話をした。
ttp://kinmirai.hp.infoseek.co.jp/chiiki-tanngo-syoutokutaisi.htm
あぼーん
あぼーん
あぼーん
33 :
天之御名無主:03/04/02 14:21
リトル・ピープルについて教えて
戦争で傷を負った時、傷を治してくれるらしいんだけど
よく知らない。
赤いマントか赤い帽子
カギ十字、生命を生み出す女性
太陽のシンボル、サイン 純粋を表す
太陽のシンボルってのは日本の事か?
カギ十字はナチスかフィンランドの空軍かなぁ?
35 :
天之御名無主:03/04/12 00:42
太陽はもちろんインドの日輪
鍵十字はもちろん卍のこと
よって(ry
えーー!どうせなら太陽は日本にしようよ。
それとナチスは逆カギ十字だったね。ゴメンちょ
あぼーん
40 :
ブーツカット:03/04/15 02:24
41 :
ブーツカット:03/04/15 02:27
読めば分かるけど別に米と日本の二つの国だけが戦う訳じゃないから
感想よろしく
42 :
kotosurenomi:03/04/16 13:37
>>41 「赤いマントと赤い帽子の人々は、膨大な人口をかかえている」
って言うのは中国のことですか?
43 :
ブーツカット:03/04/19 00:08
44 :
ブーツカット:03/04/22 01:20
45 :
ブーツカット:03/05/04 00:09
おいみんなホピの予言からするともうすぐ第三次世界大戦がはじまんだよ!
宇宙ステーションが落ちたらすぐにはじまんの!
ちんこ
ヒロシマ、ナガサキに投下された原子爆弾は、アメリカ・インディアン最古の民、
ホピ族の聖地から掘り出されたウランから造られたものだった。その彼らの間
には、数千年の昔から、偉大なる聖霊から与えられた謎の予言の石版がある。
そして、そこには驚くべきことに「灰のびっしりつまったヒョウタン」と呼ばれたヒロ
シマ、ナガサキの原爆投下を始め、第一次、第二次世界大戦、更には、来たる
べき人類とこの文明の破滅と再生が予言されているのだ。いま、彼らは、その
予言の中に告げられた人類存亡の最終的危機と、それを乗り越える道を、世界
の人達に映画を通して訴え始めたのだ。この映画は、監督の宮田雪が、ホピ族
を代表する予言のメッセンジャー、トーマス・バニヤッカに出会ったことによって
始まり、約七年の歳月を経て、完成した。第十二回のアメリカ・インディアン・フィ
ルム・フェスティバルで最優秀ドキュメンタリー大賞を受賞し、日本ばかりでなく、
アメリカ、ヨーロッパでも上映され大反響を呼んでいる。1986年作 75分
ビデオの解説より
ランド・アンド・ライフは「ホピの予言」というドキュメンタリー映画を1986年に制作しました。
ご希望の方はランド・アンド・ライフ事務局まで連絡してください。VTR「ホピの予言」73分
カラー 宮田雪監督 一本15450円(税込み)+送料390円。尚、このドキュメンタリーの
続編「ホピの預言・偉大なる浄化の日」を製作中の宮田氏は今病に倒れているが、一日も
早い回復を願い、この予言を通してあるべき未来の礎を築いてくださればと思います。
〒657-0817 神戸市灘区上野通1-2-35-312
TEL/FAX:078-881-8163
ランド・アンド・ライフ・ジャパン
(辰巳玲子さん宛)
ホピの長老の祈り(同映画より)
ホピの祈りが世界に届くことを
海をこえて たとえ自分たちを憎む人々のためにさえ
私たちは祈る
私たちが兄弟姉妹のように生きられる日が
いつの日にか来るように
世界のすべての人々に 私の愛と敬意が運ばれることを
ホピはその日のためにこそ
偉大なる精霊からホピというその名を与えられたのだ
ホピ それは平和という意味である
49 :
天之御名無主:03/05/09 18:54
激しくニューエイジによる捏造な予感
漏れじゃねーよ。濡れ衣だー!
51 :
ブーツカット:03/05/19 02:22
あぼーん
あぼーん
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
50逝かねーのにもうネタ切れかよ。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
57 :
ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :03/10/06 21:23
■民主連立の7つの政権公約■
1.自衛隊は公安に統合し、軍事力を核技術へ移行します。
海外の拉致被害者も、金正日に逮捕状を出して強制上陸します。
(失敗したときは、迷わず核兵器を使用します。)
2.国連を再建し、日米安保の一極集中的なリスクを分散します。かつ、自衛隊を統合
した公安がPKO活動に従事します。
3.国債赤字の解消のために、米国への依存型国家を脱却し、
沖縄政府に非天皇制の共産経済特区を認定し、沖縄の国会議席数を4倍に増やします。
4.思想の自由競走を保護し、計画的な国民性を育てるために民放規制法案を成立し、
有害なメディアの情報を法的に分類化し、放送時の情報危険度の明示を義務化します。
5.闇金・パチンコ等有害資本規制法案を成立し、過剰な広告や刺激から、精神的
道徳を尊重します。
6.自国民の死刑制度を廃止し、新たな犯罪者の創出を予防する手段として、
超法規的処置を審議する社会環境評議委員会を設置します。
7.義務教育における英語に、韓国語と中国語を加えて自由選択とし、海外で活躍する
将来の人材の活動範囲を広げます。
旧自由党党首だった小沢一郎氏は「いかなる手段を尽くしても政権交代を成し遂げる
ことを誓う。自民政権を倒し、本物の本当の改革を断行する以外にない」と述べた。
http://darkelf.dip.jp/img/yuta2.jpg
58 :
天之御名無主:03/10/07 02:49
脳内妄想激しい香具師ハケーンしました!
59 :
ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :03/10/07 10:42
■民主連立の7つの政権公約■
1.自衛隊は公安に統合し、軍事力を核技術へ移行します。
海外の拉致被害者も、金正日に逮捕状を出して強制上陸します。
(逮捕に失敗したときは、迷わず核兵器を使用します。)
2.治安重視型の国連を再建し、日米安保の一極集中的なリスクを分散します。かつ、自衛隊を統合
した公安が国連とPKO活動に従事します。
3.国債赤字の解消のために、赤字国債を発行限度額にまで達している米国への依存型国家を脱却し、
沖縄政府に非天皇制の共産経済特区を認定し、沖縄の国会議席数を4倍に増やします。
4.思想の自由競走を保護し、計画的な国民性を育てるために民放規制法案を成立し、
有害なメディアの情報を法的に分類化し、放送時の情報危険度の明示を義務化します。
A:国民の生命、および財産に直接的に関する、最低必要な事実だけを伝えるもの
B:多彩な出来事を元に、編集されているもの
C:様々な観点から、解説を織り込むもの
5.闇金・パチンコ等有害資本規制法案を成立し、過剰な広告や刺激から、精神的
道徳を尊重します。
6.自国民の死刑制度を廃止し、新たな犯罪者の創出を予防する手段として、
超法規的処置を審議する社会環境評議委員会を設置します。
7.義務教育における英語に、韓国語と中国語を加えて自由選択とし、海外で活躍する
将来の人材の活動範囲を広げます。
旧自由党党首だった小沢一郎氏は「日米安保にいつまでもしがみついているような自民党のやり方では、いつまでたっても日本は世界に認められない。
我々は本当に、独立国家なんだということを、沖縄と一緒に考えていきたいと思う。」と述べた。
写真:
http://darkelf.dip.jp/img/yuta2.jpg
60 :
天之御名無主:03/10/07 14:27
ウェンディゴってネイティヴアメリカンの神話だったかの〜?
62 :
天之御名無主:03/10/11 17:24
>>36 ホピの石板では卍ではなくナチスと同じ逆卍になっているよ。
63 :
天之御名無主:03/10/12 14:48
十月十二日はコロンブスがアメリカ大陸を発見した日。
64 :
天之御名無主:03/11/09 21:49
a
test
66 :
天之御名無主:04/08/02 23:09
┌――――――――┐
|.B1@ABCDE. |
|FGHIJKLM|
└――――――――┘
┌―――┬―――┐
| | |
| | |
| | |
age ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
▲C ( ´∀`)< あげとくか。
▽ \ ) \______
sage |O |_|_____|
(__(_)
このスレ、まだ誰かいますかね?
プレーリ−ドッグに関する神話や伝説等、誰か知ってたら教えて下さい。
おおっ人がいた!
ありがとう
>>68さん!早速見て来ます。
70 :
天之御名無主:04/09/16 12:04:55
太陽神の名前しりたいんですけど・・・・
知ってる方います??
71 :
天之御名無主:04/09/16 17:00:13
どの民族の?
72 :
天之御名無主:04/09/16 20:50:42
「僕の村では祭りの日にこれを食べるとその年を健康に暮らせるっていう言い伝えがあるんです。
でも、村の人はみんなアメリカ軍に殺されちゃいましたけどね・・・」
もょもとさんは悲しげな瞳で語った。(民明書房刊『ベトナムの英雄』より)
74 :
天之御名無主:04/09/17 12:08:53
shakura?
アステカでは、「Huitzilopochtli」 が太陽神の名前らしい。 ウイチロポチトリと読むのかな?
スー族では太陽の精霊は「ウィー」ですね。
76 :
天之御名無主:04/10/11 02:19:08
77 :
pil:04/10/13 22:21:25
漫画のSPRIGGANでもネイティブの神話が出てきます。
どなたかご存知の方教えてください。
タイオワならかなりメジャーな方だからぐぐれ
79 :
天之御名無主:04/10/16 06:38:26
インディアンてシャーマン文化あったの?
ありまくりだよ!
81 :
天之御名無主:04/10/16 11:51:12
イヌイットなど北方のは北アジアのシャーマニズムとの類似も多で
ネイティブアメリカンの言語とかのサイト知ってたら教えてください
83 :
天之御名無主:04/10/20 17:13:40
今TVにナヴァホの一家が出てたけど
名探偵コナンとか見てるんだなあ
日本アニメは、マイノリティーに支持が多い。
デゼニーのは白人臭が強すぎるのだそうだ。
ところで、何の番組だったん?
たしか、テレ朝の報道ステーションかなんかだったと思う
へえ、見たかったな。
今夜の「不思議発見!」はマヤの祭礼だね
蒸し風呂の儀式でも紹介するんかな
90 :
天之御名無主:05/01/02 01:19:44
あけおめ! むこうの新年の行事ってどんなものがあるのかな?
91 :
天之御名無主:05/02/02 13:30:31
アステカにはケツァルコアトルってのがいるけど、
インカにも竜や蛇の神はいたんですか?
92 :
天之御名無主:05/02/04 21:34:36
竜=ママパチャ・・・女神
蛇=ヴィラコチャ・・・・最高神。ケツアルコアトルと同じらしい。
93 :
天之御名無主:皇紀2665/04/01(金) 02:09:22
エイプリル・フールあげ
94 :
天之御名無主:2005/04/21(木) 00:45:39
age
95 :
天之御名無主:2005/06/14(火) 12:29:00
おお、無人の荒野だ!
96 :
旅人希望:2005/10/08(土) 06:04:41
前にナヴァホのリザベーションに2年住んだので、
結構神話とか聞いたし英語で出ている本とかもめを
通しました。このスレット終わっちゃったんですか?
終わってないよ。
しないけど、(大抵外国人は砂絵を始める時に。出て行ってくれと丁重に頼まれる
)何度か砂絵を儀式でするのに同席を許されることは、ありました。
おっと、ひどい打ち込みミス。ちょと今日仕事がきつくて今帰って来て、
しかも寝てないので、寝ます。(北米在住)
明日は、元気で続きはなせます。
Reichardの"Navaho Religion"って今どういう評価?
Reichardの本は随分前(リザベーションに行く前)に図書館でちょっと見ただけで記憶が定かではないけれど、
学校の教室では、かなり珍重されていて(特にフェミニスト的な意味で)、
ナバホのリザベーションでは、話にも出てきませんでした。彼女、何年か続けて夏を過ごしたらしいですよね?
彼らは、その程度じゃやはり昔の文化人類学者と同じように見るんじゃないかな?つまり
「ちょっと来て私たちの大切な文化を盗み見して本を書いて、自分だけ有名になる人たち」とか。
わたしの知り合ったインディアンたちは、そういう感じの人が調査研究に来ると、ところどころに嘘の情報を流す、
って言ってました。
日本ではつい先月にも、俳優の窪塚洋介がナバホの国へ行ったスペシャル番組を流してましたよ。
ロケもしやすいのか、そちらはよくTVが行ってますね。木村拓也やなんかもスェットロッジに参加したり。
どちらのテレビ番組も、人から聞いたけれどどう言う感じだったかは知りません。見ましたか?
サンタフェに若い子たちが来て、「ピンクのサンゴのチョーカーは、どこで買えますか?」とか、
聞かれたことはある。木村君が特注したらしいですね。伝統的にはそんなもの作らないです。
ナバホはそうは言っても他のネイティブに比べると、節操ないところあるし。テレビとか好きなのかも。
でも、だからこそ外国人が多少の経験はさせてもらえるかな。イエイビチェイとかは、結構行き応えあります。
夜1時2時になると、寒くなって来て。私は、南米のインディオのことなども知りたいんですが、
詳しい人いますか?
「癒しブーム」とやらで、ナバホを扱った本も出てるし、緒形拳なんかも娘とスペシャル番組やってたなあ。
本当の儀式とかは撮影できるわけも無いので、どの番組もパウワウの踊りがちょっと写るくらいです。
そういえば、何年か前に西田敏行がメキシコのウイチョール族だったっけ? に滞在して、
コヨーテの神話をちょっと紹介してましたね。 ウイチョールはNHKでもペヨーテ狩りを前にやってた。
ヘェ、結構いろんな人がいい思いしてるんですね。パウワウは、精神性はほとんどない。(楽しいけど)
ところで、先日友人がレイチャードの『ナバホ「射弓の歌」の砂絵』って本を貸してくれて(偶然)
よく読んだら、私レイチャードを見直しました。私は、砂絵ってやっぱり儀式が終わったら消すべきでは?
と思う反面、すごく参考になる。解説はあくまでも科学的というか学問的過ぎて、「お話」の要素が少ないけど。
ペヨーテがナバホ国で合法になったんです。まあ、メディスンパウチに入れて、結構なんかあるごとに舐めてるのは
見たから、何が変わるわけではないけど、こう言う凡例ができると他の部族でも後が出て来るんだろうな。
ウイチョールって、どんな部族でしたか?私オハカには行ったけど、そのころ北米ネイティブに絞っていたので、
おろかにも結構いい機会を逃したように思う。ナバホとプエブロは血はつながっていないけど、神話が似ているので
インディオの人たちはどんなんかな、って興味があります。
確かネイティブアメリカンは先祖を鳥だと信じていたのだよな
それで神話に出てくる彼らの先祖は鳥の姿をしている
それくらいしか神話に関する知識はないな
特に調べたことはないし
>>102 >そういう感じの人が調査研究に来ると、ところどころに嘘の情報を流す
そういうものだろうねぇ。ただでさえ「偉い先生が来た」ってんで現地の人が学者の期待するような話をしてしまうことが
民族誌で問題になってるのに、ナバホのように超有名な人々だとなおさらそのような観光客向けの対応ばかりになるんでしょう。
ま、普通の人類学者は学生時代からそのような情報の取捨選択を訓練されているのだが、それよりも
「自分だけ有名になる」欲を抑えられているのかどうか。
「あえて嘘情報を流す現地の人々」というのもすでに研究対象にはなっているのだけど。
>>108 「ネイティブアメリカン」と一口に言っても、その神話や文化はたとえば「アジア」と同じくらい、またはそれ以上バリエーションに富んでる。
110 :
?旅人希望:2005/10/12(水) 14:19:59
ナショナルジオグラフィックやスミソニアンだって、同じなんでしょうね?
(嘘とのイタチごっっこという意味で。)
確かに神話のバラエティーは、当然なのでしょう。小さな日本でさえ、いろいろなんだから。
ナバホでは、あまり「亀の島」の話とか聞かなかったな。
>>108 鳥はちょっとある。けど、先祖が鳥というのとは違うかな。
彼らの世界観は地下の世界から、
上へ上へと何段階もはしごで登って行く。で、今住んでいるのが上の世界。
(まあ、ホピなどの先祖らしいアナサジからの受け売りですが。)ナバホ、アパッチや
プエブロ以外の人たちで、同じようなの聞いたことありますか?
>>105 ところで「癒しブーム」って何ですか?癒す人を捜す?もしくは癒されたいと
世界を彷徨う?
仕事に疲れた日本人が多くて、(まあ過労死は国際語になってるくらいだけど)、10年位前から
「癒し」をキーワードにいろいろなものが紹介されてるわけ。で、一般の雑誌や週刊誌なんかでも、
「ナバホの地へ・・・(癒しを得に)」みたいな調子で採りあげられてたりしてるんす。
先祖が鳥というのは、カナダ西海岸のトーテムポール系の部族でしょう。
祖先がワタリガラスや鷲に導かれて、安住の地に着いたってのは多いけどね。
112 :
旅人希望:2005/10/13(木) 11:55:11
まあ、一昔前ニューエイジが「ヒーリング」と言っていたようなのが、一般に浸透したようなものかな。
そう言えば、うちの母でさえ何かの絵をみて「あれは癒し系の絵ね」なんて言っていました。
鳥が先祖はノースウェストの人たちか... あの人たちの美的感覚ってアイヌと似てますよね。
トーテムポールの一番上が、鳥でしたっけ?まん丸い目が特徴かな。
ちょっと、記憶が定かでないのですが、ナバホでは第一の世界から第二の世界へ登って行くと、
そこに鳥人間たちが住んでいていろいろ教えてくれてように覚えています。
ナバホは今居着いているところに、結構遅く来て(狩猟収集生活して、毛皮を来ているような状態で)
アナサジつまりホピやズニなどの祖先が、すでにあの辺ではかなり洗練された農耕生活をしていて、
親切にしてくれたとか。だから、鳥人間はアナサジなのだろう、ってのが一般説。
ま、もう少し調べてみます。
動物の種類で神話をひとつひとつ検証するのも、おもしろそうですね。鳥がトリックスターの
部族もあるだろうし。
でも、ナバホやプエブロは、あくまで地下から出てきた神話を大切にしたいので、
白人とかから、あんまり北から南下してきたって話を出されるのは嫌がるらしいね。
「考古学ではそうかもしれないが、スピリチュアルなレベルではそうではない」ってことで。
北西部部族は、頭蓋骨や陶器の模様が中国人と共通するらしい。
アラスカ部族は、アイヌと同じワタリガラス神話を持ってて、これはシベリアが起源らしい。
チェロキー族の神話では、ビーバーの神が世界を創ってますね。
114 :
旅人希望:2005/10/14(金) 02:03:06
確かに。でもその反面、私のことは他の白人より血のつながりがある、とかは言っていました。あと、
ある儀式で描く砂絵の風景が、チベットあたりの景色の再現だって言っている人もいました。(まあ、
それは、すごくトラディショナルなメディスンマンではないですね)
ただ、凄く印象に残っているのは、彼らは「神話」やシンボルの本質や機能みたいなのを普通の西洋人より
ずっと理解しているようだった。つまり、単細胞のキリスト教徒に会うと、マジで神が世界を一週間で
創ったと信じていて、ダーウィンの話とかできない雰囲気。そういう変な頑なさはなかったような。
気のせいかも知れませんけど。
後ね、ある時ナバホ国内を一人でドライブしていてとても不思議なお天気になって、雨上がりの午後。温暖前線
みたいのだったのかな?車の倍の高さぐらいまではくっきり晴れているのに、その上にかなり濃い霧が出て
わずかにある霧の隙間から、その上の太陽の光が見えた。その時、ああこれが上の世界へ行くという
インスピレーションの元かも、と思いました。
精霊に出会えたんだね。 おめでとう!
ところで、ナバホの砂絵は、ナバホ族以外に完全な形で見せたらいけないってのは、
大昔からのしきたりだから、どんな本に載ってる資料も、絵も、多かれ少なかれ位置や構図は
ずらしてあるらしい。 だから、別に白人だ外国人だ言わなくても、ナバホ以外の人には砂絵は
見せてくれないのが当たり前なんだろうね。
116 :
?旅人希望:2005/10/14(金) 04:46:32
精霊か...そう言っていただくと、何か急にうれしいです。
もう一カ所、チャコキャニオン辺りからキャニオンディシェイに戻るのに、チュスカという山並みを
超えて行くんですが、ある切り立った山の中でどんな天気でも急にスーッと空気が冷たくなるところがありました。
私は霊感のようなものが(信じているくせに)全くなくて、滅多にそういう経験はないのですが、あすこは
ただものではなかったですね。
砂絵は、おっしゃる通り。それに、色は絵で見るほど日本画顔料みたいに鮮やかなわけではないし、
メディスンマンがみんな器用でもないので、「はぁ、こんなもんか」って方が多かったです。それも、
計算済みとか?ま、日本の神社でも神々しいのもはもったいぶって日本人でも見せてもらえませんものね。
さて、私はヤボ用で明日から6日ほどでかけます。日本語でコンピュータ入力ができるかわからないので、
多分しばらく参加できませんが、せっくおもしろい掲示板を見つけてうれしいので、是非是非続けて下さい。
読むことはできるかも!
では。
117 :
旅人希望:2005/10/19(水) 14:04:41
いやぁ〜、お久しぶりです。帰って来ました。都会は、何でもあるし食べ物も選り取りみどり
でしたが、物欲と交通渋滞で汚染されておりました。
さて、アルバカーキでは飛行機の出発時間が、コヨーテが滑走路をうろうろしていたために遅れました。
さずが、ニューメキシコって感じです。
ナバホの人たちは、自分の前をコヨーテが横切ると不吉なしるしだと言ってました。スキンウォーカーとかと、
関係あるのでしょうか?(スキンウォーカーを信じている人は多いです。今だに。)
あしたはコヨーテの話を、探してみようかと思います。コヨーテは、北米南西部以外でも神話などに登場するのでしょうか?
北米中に生息していますよね。(もともとは北西部にいたらしいですが。)
118 :
苗木:2005/10/19(水) 20:32:34
皆さんに教えていただきたいことがあります!!
あの、よく「死者の魂は海に帰る」なんていう言葉があるんですが、それはどこかの民族の伝承なんでしょうか??
もし知ってましたら教えてください!!あと、できれば参考URLなんかも教えていただけましたら嬉しいです。
日本
>>117 おかえり〜
コヨーテは平原一般にも、ポピュラーな創造神としてカラスの神とセットでよく出てくるよ。
ちょっとずる賢くて、間抜けなところのある、トリックスター的な存在。
ところで、白人の農場なんかにコヨーテが迷い込むと、それは害獣ってことになって、わざわざ
専門のハンターがそれを捜して殺しちゃうんだよね。保護動物のはずのバッファローも例外じゃない・・・
インディアンにとっての神々にも、住み心地のよくない土地にされなっちゃたんだな
>>118 ああ、それから、マオリ族は死んだら海底の死の世界へ行くよ。
インディアンは大体、死んだら狩りの楽園へ行くことになってたんだよな。
来世の心配が無いから、この世の生活は楽しむためにあったわけ。
キリスト教がおかしくしちゃったけど。
122 :
旅人希望:2005/10/20(木) 13:59:06
「死んだらお星さんになって空へ行く」っていうのと、「死んだら海にかえる」
ってのは、文化によって別れる見解なのかな?それとも共存?私の個人的な意見を言うと、
(誰も知りたがっていないのかも知れませんが)哲学的に考えると前者で、動物的に感じると後者がしっくり来る。
肉体は朽ちて土にかえりますが。
>>120 そう、コヨーテは特にグループで狩りをするので、収穫があった時甲高い声で合図し合ったり、
えさを取り合ったりすごい騒ぎなんです。実はそれが気味悪いのもあるんではないかな。白人に対しても
人種差別はしたくないとは思いますが、彼らって例えば犬が本物の骨をかじって本能丸出しになるのを、
毛嫌いしたりする。(ワスプ "WASP"よりはユダヤ人に多いよう。ああ、こういう一般化はすべきじゃ
ないが、本当だったりする。)
ナバホは、死後の話や死んだ人の話をとことん嫌がってしません。死ぬのが怖いというのとは少し違う。
でも、誰かが死ぬと昔はその家をそのまま焼き払うか、放置して出て行ってしまったよう。で、その
魂はしばらくその辺りを彷徨う、と言っている人もいました。まるで、死んだ人の魂はエイリアン
(彼らの文化では、ナバホ以外はすべて「外部者」(エイリアン=アナサジ)なのです。)扱いですね。
近づくと罰当たりみたいな。
平原部族の大半は、死んだら布に包んで、空に近い木の上に乗せといたんだよね。
大地が自由だった時代には、平原のあちこちに、これが見られたとか。
また、北部のマンダン族なんかは、墓標に頭蓋骨を置いておいて、家族は寂しくなったり
相談事があると、墓地へ出かけて頭蓋骨と会話したそうだ。
白人がこれらの遺体や頭蓋骨を盗んで博物館や見世物に売り飛ばすもので、
そういうことは出来なくなった。
コロンブスの新大陸発見によって、南北アメリカ大陸で虐殺の犠牲となった先住民族は二億人に上るとされている。
アメリカ合衆国はチフスを塗った毛布を先住民族に贈るなどして計画的に彼らを減らしていった。
アメリカ大陸にあった多くの文明も悉く破壊され、その大地は失われてしまった。
125 :
?旅人希望:2005/10/21(金) 23:07:48
>>124 そして、アメリカの世界破壊は今も続いている。でも、アメリカ人や白人みんなが望んでいることでも、
みんなが悪い人でもないんです。それは、覚えておきたいですね。
>>120 コヨーテの話をいろいろ読んでいたら、コヨーテとイーグルが太陽と月の入った箱を運んでいて、
コヨーテが好奇心を抑えきれず、ふたを開けてしまって太陽の光が外にでてしまった、というのがありました。
トリックスターと言っても、日本のキツネやタヌキとちがって何かに化けたりはしませんね。口が達者みたい。
化けるというか、人々の想像の中では人間と動物の状態が重なり合ってる感じじゃないかな。。。
127 :
旅人希望:2005/10/22(土) 13:17:01
あ、そうか。いつもひとのふりして葉っぱのお金とか出して来るんですよね。
でも、神格化しているわけではないから、ちょっと違うのかな。イソップに近いのか、
神話というよりは。それともキツネにも、アニミズム的が役割もある?日本の神話で
トリックスターというのは、ウサギでしょうか?実はよく知りません。
ところで、#118に応えるべくURLを知っている方はいないのでしょうか?
スー族のトリックスターといえば、なんといってもイクトミがいるね。蜘蛛の精霊。
悪さの度が過ぎて嫌われてるけど、いろいろ知恵も授けてくれる。
プエブロ系ではコシャレかな。
ときに旅人希望さん、できればsage進行でお願いします。書き込み欄の最後に、半角小文字で
「sage」と入れとくれやす。
129 :
?旅人希望:2005/10/23(日) 04:00:37
コシャレも蜘蛛ですか?いいな、蜘蛛の精霊。
サゲ進行って何でしたっけ?あ、掲示板の上に上げず進行ってやつか。これでいいのかな?
sage
>>129 書き込みのときの「E-mail (省略可) 」の欄に「sage」って書くのです。
>>130 絶世の美女に化けるやつですね?妖怪の部類なのでしょうか?
>>131 ありがとうございます。新米なので。
>>128 コシャレはしましまのクラウンですね!プエブロのことは、あまりくわしくないので、
名前を知りませんでした。(コサと思っていました。)あしからず。プエブロのダンスに出てくる
クラウンは、ものすごく種類があるようです。仮面をつけるもの、裸のもの、カラフルなものなど。
私の個人的なお気に入りは、マッドヘッドと言われているので、埴輪みたいなお面をかぶっていて、動きがたどたどしいというか
不器用であぶなっかしい。ズニのシャラコを見に行った時出て来ました。観客にも悪さをします。
イクトミのこと少しだけわかってきました。ところで、どんな種類のクモなのか知ってますか?
タランチュラとダディロングレッグでは、随分頭に浮か図が違うので。それとも、
漠然しておくべきなのでしょうか?
イクトミの姿というと、顔を赤と黄色で塗り分けて、目の周りを黒く縁取っているらしい。
どういう蜘蛛なのかは、ここからイメージ沸くよね。
WOW! その顔でコヨーテに勝る好色男って、結構キョーレツですね。
イクトミが時と空間を作り出したと何かに書いてありましたが...。どうやって?
あと、儀式で使うガラガラはイクトミが入って来ないように鳴らすとか?
ヘビとクモは仲が悪いんですかねぇ?
イクトミの神話は、こんな感じっす。
イクトミは、最初の人間ワズィヤとワタンザ夫妻とその娘、イテに話を持ちかけて、イテに美を
与え、ある祝宴で太陽神ウィが、その妻である月の女神ハン=ウィを差し置いてイテをその横に
座らせ、遅れてやってきたハン=ウィに恥をかかせるよう仕向けた。(それから月は太陽の前で
顔を隠すようになった。) ワズィヤとワタンザは追放されて、イテは顔の半分を醜く変えられた。
イクトミもイテも地下世界に追放される。
イテはトカヘという青年(スーの祖先)たちが飢えているのを見て、イクトミに狼を使いにやらせて
トカヘを呼び、狩りの獲物を教え、ティピの建て方、衣服の作り方を教えた。
続きはまた明日書くよ。
ところで、検索エンジンのインクトミ(=イクトミ)ってあるけど、やっぱりwebからの発想かな。
イテが一番かわいそうですね。でも、半分醜くなったことで心がやさしくなり、トカヘを救うのかな?
太陽神の妻はどこでも嫉妬ぶかいようですね。続きをたのしみにしてます。
コンピュータの人たちって、結構詩心のあるひといるんですよね。名前の付け方とか凝っていて。
どんな人たちがやっているんでしょうか?話が合いそうですよね。日本のサーチエンジンですか?
イクトミ神話の続き
イクトミは、鹿、ヘラジカ、熊を狼に狩らせた。イテはそれらの肉、衣服、ティピを包みにし、
イクトミは狼達にその包みを、地下世界の出口である洞窟の入り口に運ばせた。狼達は
トカヘに衣服を着て、肉を食べるよう教え、トカヘは大変感謝しつつ仲間の許へと戻った。
仲間達は、トカヘ夫妻の格好を見て、食べ物を味わい、質問攻めにした。
長老は、トカヘの言が本当かどうか、3人の若者を彼につけ、洞窟へと向かわせた。
狼に導かれた彼らは洞窟の先の湖のそばの、イテの住むティピを訪れた。イクトミとイテは
美男美女の姿で彼らを迎えた。イクトミが狼と共に狩りで得た食べ物、そして美しい衣服を
イテは彼らにさらに与え、これらの食べ物が、彼らを若く美しく保ったのだと説明した。
だが、彼らの仲間は帰還した4人の言葉を疑い、イテが魔女ではないかと言い出す始末。
トカヘはついてくる者があれば案内するといったが、酋長はこれまで洞窟から戻ってきたものは
いないと言って警告した。それでも、六家族はトカヘと共に地下世界へと向かった。
トカヘが狼に導かれ、再び訪れた地下世界は一変していた。
獲物は何もなく、彼らは飢え、乾き、子供達は泣き叫んだ。
イテはそれを見て、子供達を慰めようとしたが、彼女の顔の醜い側を見て、人間達は
恐れおののいた。 そこへ本来の姿で現れたイクトミは彼らのそのざまを見て、大笑いした。
トカヘは、自分達の愚かさを大いに恥じた。 ・・・彼らは、スー族の祖先となった。
イクトミの神話はこんな感じ。 ちなみに、スー族には天照大神みたいなプテサン=ウィンという
女神もいて、やはりスー族に狩りや生活の知恵を授けている。旅人さんは現地にいて、なにか
彼らから神話を聞いたことはない?
おもしろかったです。でも、厳しい話ですね。イクトミの方がコヨーテより辛抱強いというか長期計画で
ワルサをするようですね。だから「タチが悪い」のか。やっぱりイテはイクトミに振り回されてますね。
私が2年住んでいたのはナバホ国で、ナバホ人のための部族経営の大学に行っていたので、いろんな意味で
おもしろかったです。神話は人からも聞きましたが、彼らは決して系統立ててものを考える人種では
ないので、切れ切れに聞く話を整理するのは無理です。でも、教室では本を読んでから詳しい説明など
ありました。ナバホの神話は、多分アナサジからの受け売りなので、ホピやズニと通じるものが
多いんじゃないかな。基本的には太陽神の息子の双子が、父探しをするのが大筋です。八岐大蛇っぽい所も
あります。その後は、人々の5つ(4つのことも)の世界の旅。記憶をたどって、近いうちにちびちびお話しします。
サンタフェに来てから、ちょっとこういうことから離れていて、最近プエブロ(特にリオグランデプエブロ)
の話にも興味を持ちはじめたので、この冬は期待してます。これからがお話の季節ですから。
ところで、サーチエンジンのインクトミはヤフーが買ったようですね。開発者のメールがわかったので
インクトミのいわれを尋ねてメールを出してみました。(バークレーの大学教授なのですぐ見つかりました。)
返事来るかな?
プロフェッサーから早速返事が来ました!
確かにラコタのイクトミなのだそうです。ちょっと「負け犬」的な「アンチヒーロー」の部分も
気に入っているそう。悪意が強すぎることとは、あんまり関わりたくないけど... とも言ってました。
色々な呼び方がある中から、一番気に入ったのを選んだそうです。
やっぱりいい人でしたね。
日本では昨日(土曜)、TV番組でカナダ西海岸部族を紹介してたよ。17年ぶりとかの、
近隣部族合同のトーテムポール建立の儀式をちょっと見せてくれてた。 かっこいいねー
トーテムポールの話を聞くと、自分の育った信州の「御柱まつり」をつい思い出してしまいます。
彫刻はしませんが、命がけで村の衆が力を合わせてやる神事は、ハクリョクありますよね。
観たかったな〜!
ナバホの神話
はじめ四方向で色が生まれた。そこには「風の精霊」と呼ばれる昆虫人がいた。
彼らは、姦通など罪を犯し諍いをおこしては、第一、第二、第三の世界にいられなくなる。
第四の世界に落ちつくと、「聖なる人々」が現れて、「初めの男」と「初めの女」を白と
黄色のトウモロコシから作った。人は子孫を増やし、畑を耕し猟をし8年間、問題なく過ごす。
ところがひょんなことから男たちと女たちはケンカをはじめ、川を挟んで分かれて暮らす。
その間男と女たちの犯した自慰行為の罪のため、怪物が生まれ始める。
人々が仲直りしたと思いきや、今度は「水の怪物」が悪さをしはじめ、第四の世界に大洪水が起こる。
命からがら彼らは第五の世界へと、のぼっていく。そこは島で、周りを湖に囲まれていた。湖の周りは
高い崖。「青い身体」の聖なる人が、下界から持参した4つの石を投げ入れ、「静かな風」が地面を
乾かした。あるものは家を建て始める。その間、みんな乾いた地面を向こう側まで歩いて行ったら、
それからどうなるのか知りたくなった。皮でできたへらを水の中に投げ入れて、浮けば永遠に生きる。
沈めば死ぬ。へらが浮いた所で、コヨーテは「オレにもやらせてくれ」と石を水に放り込み、石は
沈んでしまう。みんないまいましいと思いつつも、コヨーテの説得にまるめこまれて、人は生まれて
しばらくの間住み、だんだん年をとって死んで行く運命となった。
ーつづく
クモはあまり重要キャラクターじゃないですね。織物を教えたのはスパイダーウーマンですが。
ほうほう。おもしろいですね。
北ダコタのブラックフット族(シクシカ族)の神話では、創造神ナ・ピがこの世を創った後、口喧しい初めの女に
辟易させられていて、満足することのないこの女に「この世ってこれだけ? これで総てなの?」と詰め寄られる。
ナ・ピはもうこの女にうんざりしてたので、、「それじゃ人間の命について賭けてみようじゃないか」と言って、糞を取って、
「この糞が浮いたら四日間、総ての生き物は死ぬが、その後復活し、不死となる。そうなればお前は満足して喧しく
言う事もなくなるだろう。が、この糞がもし沈めば、生き物は総て、寿命がくれば死ぬ運命となる。」と女に提案する。
ナ・ピはそれを投げ、糞は浮いた。しかし、この世で最初の女はそれでも満足せず、自分でやりたがり、糞の代わりに
そこにあった石を投げ、石は沈んでしまい、生き物に寿命が運命付けられてしまう。
ナバホの神話とちょっと共通してますねえ。 糞というのはバッファローの糞じゃないかな。
バッファローの糞ねぇ。そりゃ浮きますね。ケッコー大きそうですが。
ナバホの話しはまだまだ続きます。お楽しみに。
「初めの男」と「初めの女」は、第五の世界を美しく住みやすい場所に変えはじめる。
まずは八つの方角に聖なる山を、次は、岩水晶で太陽、雲母で月を造る。
月だけでは夜の旅には心もとないというので、星もつくることになる。「初めの男」は、
綿密に空の設計図を地面に描くと、丁寧にひとつひとつ雲母のかけらを空に並べていった。
それを見ていたコヨーテは、じれったくなり「初めの男」の手から雲母を取り上げると、
フゥーッと息をかけてから空へ投げつけた。そう言うわけで、星空にはきれいに並んだ
星座とばらばらに散らばった星屑があるのだ。
しかし、その間にも恐ろしい怪物たちの襲撃は止む様子がなかった。すべてうまくいっていたと
思うと、怪物がやってきて人を殺してはむさぼり食う。人々は放浪を続ける。
博打打ちの「ついてる男」というのがいた。どんな賭けをしても、どんなゲームをしてもいつも
いつもついていて、負けることを知らなかった。彼はどんどん思い上がり、自分を「風の精」ではなく、
「聖なる人々」と同じ力があるように錯覚しはじめた。彼は、賭けで勝ち取った物と交換に、プエブロ
の人たちに立派な村を建てるよう命じた。今、ビラガアナ(白人)が「チャコキャニオン」と呼ぶ所だ。
それを見た「聖なる人々」は、相談して「ついてる男」を懲らしめる計画を企てる。「風」のニルチッイ
が、他の助けを借りて次々に勝ってゆく。「ついてる男」はすっからかんになったしまった。ニルチッイは
男を「暗黒の弓」につけて空の彼方へ打ち上げる。しかし「ついてる男」は、青い空の彼方で憐れみの強い
変わり者の神「胸を掴むもの」ベゴチジに助けられ、改心し、家畜と村人を与えられ、今で言う
リオグランデ河沿いに村を建ててった。
ーーーまだまだつづく
じゃあその合間に、スー族の女神プテサン=ウィンの神話でも・・・
古の頃、スー族は飢え、困り果てていた。 二人の若者が、獲物を探しに送り出された。
しかし、平原には何も獲物は見当たらなかった。 絶望した二人は、空腹のまま夜を迎えた。
その夜、彼らの夢に、美しい女神の到来が告げられた。
それから四日後の朝、彼らの前に、美しい女神プテサン=ウィン(白いバッファローの女)が現れた。
雲から丘に姿を変え、その丘から、白いバッファローの仔牛の姿でやってきた。
仔牛は、セージの葉と、聖なるパイプの贈り物を携え、白い鹿革をまとった乙女に姿を変えた。
彼女は二人に、野営に戻り、聖なるティピと、イニピ(発汗小屋)の儀式の用意、焚き火の用意をするように
命じ、四日後に彼らの元へ訪れると伝えた。
続きはまた明日書くよ
ティピとパイプが出てくると、まさに大平原インディアンの世界ですね。
こんな話がある。ある時コヨーテのマッイイは、身持ちがよくて働き者で気位が高くて評判の
美しい娘に恋をする。彼女は、4回死んで生き返るとか「灰色の巨人」を退治するなど難題を
持ちかけるが、彼はそれらを得意の魔法と悪知恵をつかってかなえてしまう。娘の12人の兄が
狩りに出かけている間、娘をたぶらかしてねんごろになり、ついに兄たちの反対をよそ目に
娘と結婚した。
それからというもの、マッイイは兄たちの狩りの足手まといになったり、娘を怠け者にしてしまう。
挙げ句の果てに魔法を手ほどきして、彼女は時々「熊女」に変身するようになる。
ある日、無理矢理狩りに同行した彼は、その帰り道忠告に反して「カワウソ人」の住む谷間へ
入り込んで行った。
彼らのゲームに夢中になったコヨーテは、しつこく何度も繰り返しをせがみ、カワウソ人たちはうんざりして
怒り、よってたかってマッイイを殺してしまう。
娘は怒り狂った。「熊女」へと化した彼女は次々に仇をうってゆき、ついには夫をよく思っていなかった
兄たちを襲い始める。一番末の兄は、この時急に震い立ち「聖なる人々」の力を借りて、電光矢を用いて
「熊女」をしとめる。
熊女の頭は切られ、本物の熊の姿になって森へ消えて行った。兄は女の乳首を切り取ると、「これからは
人の役に立つのだ」と言って近くの松の木に投げつけた。と、それはおいしいピニョンの実になって
それからずっと人々の糧となったという。
--- 次は双子の怪物退治です
>>150の続き
ところで、このあとの二人の狩人の行動については、二説ある。一般に知られたものを続けると・・・
神を忘れ、罰を受け、飢えに苦しむスー族は、二人の戦士を送り出した。
そして彼らは、美しい乙女、プテサン=ウィンに出会った。 一人はそのあまりに神々しくも美しい姿に
恐れおののき、ひれ伏してしまった。 だが、いま一人は彼女の美しさに、よこしまな思いを抱いた。
その途端、彼の身体を雲が包み、彼は骨と皮になり、蛆虫のたかる亡骸と化してしまった。
戦士は空腹だったが希望を抱き、村へと帰った。そして準備万端整えた夜明けに、女神は現れる。
この女神プテサン=ウィンと、スーの戦士たちの出会いを否定する伝統指導者もいる。
つまり、若者は二人ともプテサン=ウィンを恐れ敬っていたし、亡骸に変えたとかいうのは、
19世紀にスーの国にやってきた白人キリスト教宣教師たちによる改竄だというものですな。
まあ、キリスト教がよくやってることだから、あながち嘘でもないかも知れんけどね。
日の出とともに現れた女神は、右の髪をたらし、左の髪をバッファローの毛で結び、
左手で聖なるパイプの柄を持ち、右手で火皿を支え、歌を歌いながら歩いてきた。
「白い息を吐いて 私は歩く このくにに向かい 私は歩く」
彼女はほかに、七つの輪の刻まれた聖なる石、赤柳の皮のタバコも持ってきた。
彼女をティピに迎え入れたのは、バッファロー=スタンディング=アップワード酋長だった。
女神は酋長に、プテヒンカラ=フフ=カヌンパ(聖なるバッファローの子牛の骨のパイプ)の
使い方を教え、聖なる歌、七つの儀式、大精霊ワカン=タンカと聖なる道、様々な知恵を教えた。
これも続く
よこしまな思いを抱いたら罰に合うって、そう言われるとピューリタン的ですねえ。
「右の髪をたらし、左を結ぶ」ってのにはどんな意味があるのでしょうか?
これら総ての伝授を終え、女神は四年後の再来を約して去った。
はじめ、四段階の色の変化を見せながら、白いバッファローに姿を変えた。
次に、鹿の女に変わり、ヘラジカの女となり、雲になって空に消えていった。
プテサン=ウィンが去ると、スー族は「七つの会議の火」と呼ばれる七支族に分かれた。
そして、「メディスンマン」、「賢者」、「戦士」、「狩人」の四酋長がやってきて、スーに
女神の教えを伝え、大平原で生きる術を教えた。
この聖なるパイプという神器は、アップワード一族が絶えると、エルク=ヘッド酋長が
代々受け継いだ。同家は20世紀初頭に白人によってキリスト教化されて、継ぐ者がいなくなり、
現在はルッキング=ホース一族が受け継いでいる。だいぶ風化して、門外不出になってるけど、
それを触ったメディスンマンの人たちによると、ものすごいパワーが電撃のように伝わってくるらしい。
髪形を左右非対称にするのは、いろんな部族がやってたし、格別意味があるかはわからんね。
人々は怪物から逃れて彷徨い続けた。彼らは自分たちをハッアズアナニディネッエ(出現した人)と
呼ぶようになっていた。そしてとうとう生き残りは「初めの男」と「初めの女」の他4人だけだった。
ある日「初めの男」は聖なる山々が黒い雲でことごとく覆われているのに気づく。引き止める妻に彼は
「歌を歌って我が身を守るから大丈夫。自分を歌で包むから」と言い、チュッオオルッイッイッイ
「大松山」へ旅たった。
私はアルツェハスティン
白稲妻追いかけ 雷が打つ地面をめざす
長い虹追いかけ 虹が触れる地面をめざす
雲の流れ追いかけ 最も黒い地面をめざす
雨の匂い追いかけ 土砂降りの打つ地面をめざす。。。
。。。私は長寿と幸福に身を包む。。。
と、途端に雷光が走った。目のくらむような稲妻の後は、黒い雨で何も見えない。暗闇の中で、
赤ん坊の泣き声がした。見ると、赤ん坊位の大きさで体は成熟した女のような、トルコ石の像が
横たわっている。「初めの男」は、それを大切に抱き上げると家に帰っていった。
二日後、「話す神」が現れ、12日後に「大松山」へトルコ石の像を持って来るようにと言って去って行った。
山に着くと、「風」のニルチッイ、「熊女」の兄たち、「唸る神」などが「話す神」とともに彼らを
待っていた。「白い身体」が白い貝でできたトルコ石の像にそっくりの像を手にしている。聖なる人々は
トウモロコシをつかって、この2つの像に命を与え、二人は「変わる女」と「白い貝の女」になった。
明日へつづく---
>>153 じゃほんものの聖なるパイプというのは、スー族にひとつしかないんですね。
七氏族の名前はなんですか?
彼らの話には、トウモロコシなどの野菜や植物(セージ、タバコ以外で)出てきますか?
今の所、食べ物といったら狩りで得た獲物が主のようですね。スー族にとっての聖なる食べ物は、
何ですか?
スー族には、まず3大氏族があって、それらの支族を合わせ、「7つの会議の火」をともす。
ダコタ族(サンテ・スー、東のスー族) ムデワカントン族(スピリット湖畔に住むもの)
ワアペトン族 (葉っぱに住むもの)
シッセトン族 (魚のうろこに住むもの)
ワアペクテ族 (葉っぱを射るもの)
ナコタ族(真ん中のスー族) ヤンクトン族 (最果てに住むもの)
ヤンクトネイ族 (小さな果てに住むもの)
ラコタ族(西のスー族) テトン族 (平原に住むもの)
ラコタ(ヲラコタ)は、「仲間」の意味で、ダコタ族、ナコタ族はそれぞれ「ラ」行の発音を持たず、
かわりに「ダ」と「ナ」がそれに取って代わってこういう名前になってる。方言だ。
ラコタ族(テトン・スー)には、さらに7つの支族を擁していて、ここは名だたる戦士・酋長を輩出している。
白人が東部の侵略を始めると、やがてスー族はミネソタやウィスコンシンから西へと追いやられ、
大平原での移動生活になった。スー族の言い伝えによると、最初はコーンを持って西へ移動したが、
その途上で「コーンを失った」らしい。(この表現はシャイアン族なんかも使う。)
だからコーンは食生活に出てこない。
狩りの獲物以外というと、ベリーとか野生たまねぎとかいろいろあるよ。
バッファローの肉やベリーやイチゴを混ぜたペミカンという保存食料もある。
失せ物探しの儀式「ユイピ」は、別名「犬の祭」といって、これは犬を鍋で煮て、儀式のあと食べる。
これは今でもやってる。聖なる食べ物というのは聞いたことないな。
つぎは、これも平原部族のシャイアン族の言い伝えなんかを書いてみる
「コーンを失った」か。グサッときますね。私たちの「米を失った」と置き換えるとね。
支族の名前、いいですね。
ディネは、支族が多いので自己紹介をするとき、祖父母のクランを
全て名乗ります。母親(つまり母方の祖母)のクランが自分の所属になり、同じ氏族間では
結婚しません。また、祖母と同じクランの人は、年齢に関係なく「祖母」と呼びます。
で、母の姉妹はみんな「母」、その子供はみんな兄弟なので、(一緒に住んでいることも多い)
人に紹介されて関係を言われても、混乱状態がしばらく続く。
シャイアンは、一人パウワウで会って知り合った人がいました。楽しみでです。
ああ、ところで、「聖なるパイプ」は、大小二つあるそうです。
小さいほうはプテヒンカラ=フフ=カヌンパ、大きいほうは聖なる赤い石で作られた
パイプです。 ルッキングホース(タシュンケ=ワカタ)家の当代、アーボルさんは去年、
世界各地での平和祈祷で来日されて、そのときお顔を拝見したっす。
宗教的指導者ではあるけど、ちょっと娘のほうが問題抱えてるみたいで・・・
スーの宗教では、スー族とバッファローとパイプは血を共有する分けた同一体だそうで、
その辺のいわれもまた書きますわ。
シャイアン族は北の部族と南の部族に分かれてるけど、その方は南の部族かな?
現地でネイティブの人と話が出来るとはうらやましい・・・
モンタナの北シャイアン族は、バッファローの聖なる頭飾りというものがあって、一度、
その守護者が金に目がくらんだか、それを白人に売り飛ばそうとしたことがあるらしい。
部族民は必至のカーチェイスの末、それを取り戻したらしい・・・
シャイアン族の神器には、「4つの聖なる矢」というものがあるらしい。(今度その人に聞いてみて!)
その由来を、書いてみる。
その昔、シャイアン族は無知からくる恥ずべき生活を送っていた。 その中でもまともな感覚の人もいて、
妻と仲良く、勤勉に暮らしていた。一人っ子がいて、美しく控え目な娘だった。ある夜、娘の夢にお告げがあった。
「そなたは素敵で、強く、控え目で若い。よって、『甘い根っこ』がそなたの元を訪れるであろう。」
娘はただの夢と考えたが、次の夜も、再び男の声は夢に響いた。
「『甘い根っこ』は、乳の出がよくなるメディスンである。 それは男を引き寄せるだろう。」
さらに次の夜にも、それも今度ははっきりそばに男が立っているかのように、リアルな夢でお告げがあった。
「『甘い根っこは、もうまもなく、そなたの元へやって来る。」
さらに四日目も同じ夢を見て、娘は母親に話したが、母親は取り合わなかった。
だが、数ヵ月後に彼女は(処女であるのに)身ごもっていた。彼女は周りの目を気にして、野営地から
離れた場所にウィグワムを建ててそこで赤ん坊を産み、だれかがその子を見つけることを願いながら、
悲しみの中それを置き去りにした。
そこへ、一人の老女が野生の蕪を探しに現れ、赤ん坊を見つけた。小屋の周りに、乳の出がよくなる
甘い根っこが生えていて、老女は赤ん坊に、スイート=メディスンと名づけ、自分のみすぼらしいティピに
大喜びで連れ帰った。
赤ん坊はほかのこどもより早く成長し、10歳になる頃には、もうすでに一人前だった。
ずっとキャンプの端で暮らしていたので、誰も気に留めなかった。 その年は、例を見ない旱魃で、
人々は飢えていた。スイート=メディスンは、祖母にこう頼んだ。
「お祖母さん、あっちにうっちゃってある廃物の山から、バッファローの皮を見つけてきてくれませんか」
犬が噛んでいた切れ端を祖母が持ってくると、スイート=メディスンは
「野営地の外の川の流れで、これを洗って軟らかくして擦り、綺麗にしてください。」と言い、
さらに柳の棒を輪にし、聖なる顔料で赤く塗った。バッファローの皮を細長く切って輪っかに網を張り、
鋭く削った野生桜の棒を用意した。次の朝、彼は輪っかと棒でゲームをするから祖母について来るよう言い、
キャンプの中央で(平原インディアンは、ティピを円形に建てる)祖母に輪っかを転がすように頼んだ。
棒を見事に輪っかの中心に投げ込み、この遊びにみんなの目を釘付けにした。(この遊びは北部からアパッチまで、
いろんな部族に見られる。)そして、少年は叫んだ。
「お祖母さん、これをもう一回打ったら、この輪っかを肥ったバッファローの仔牛に変えて見せますよ!」
棒を投げると輪は肥った黄色い仔牛に変わり、それは心臓に刺さって、これをしとめた。
「さ、全員食べるぶんはあるはずです、みんなどうぞ」
肉はあぶられ、そしてそれは部族全員の分よりまだ多かった。こうして飢饉は去った。
そして、これは今でも続く、神聖な輪っかと棒のゲームの始まりだった。
続きはまた明日
>>160 ってことは去年富士山に行かれましたね?すごくよかったって聞いてます。いいな。
シャイアンの彼は、確かオクラホマかどこかへ帰って行きました。タオスプエブロは、かなり平原
インディアンとの共通点があるらしく、あそこのパウワウには平原の方達が結構来るようです。
インディアンの人と長く付き合うのは結構大変。電話とか手紙とかあまりしないし、こちらが
こまめに出かけて行って人に聞いて探す。もちろん全然出かけずいつも家にいる人もいて、
いつ行っても会える、迷惑がらない、って利点もありますが。スタンという名前でした。そのうち
会うかもしれません。
ナバホのお話-----
「変わる女」と「白い貝の女」は。大松山に残されあまりに淋しいので、山頂まで登って行くことにした。
それでも、聞こえるのは水と風の音だけ、見えるのは青い空と太陽だけだ。そうするうちに、二人はいつの間にか
身ごもって姉妹にはそれぞれ子供が生まれた。すると「話す神」と「水をふりかける雨の神」が、子供の面倒を
見にやって来た。四日後二人の神が戻ってくると、子供たちは丁度12才の少年になっていた。かけっこをするという。
さんざんはやし立て、少年たちをけしかけ、最後の最後にあっという間に神たちは少年たちを引き離してしまう。
風のニルチッイは少年たちをなぐさめた。それからまた4日が過ぎ、少年たちはまたのやレースに負けてしまう。
そうやって4回目のレースで、彼らははじめて立派な大人となって、レースに勝った。その晩、二人は
母たちふたりがひそひそ話をしているのを聞く。そして、とうとう兼ねてからの質問をした。
「僕たちの父親は誰ですか?」「変わる女」と「白い貝の女」は、知らないと言い張るだけだった。
二人の少年は、家の近くを歩き回り、辺りに住む怪物たちにその姿を見られてしまう。母たちは
それが原因で怪物たちが二人を殺しにくるのでは、と懸念する。それを聞いて、双子は自分たちの
してしまったことを悔やみ、父親を捜して旅に出る。
神々の道を通り、彼らは「蜘蛛女」ナアシュジェッイー アスジャッアに出会う。彼女は二人の
父親は「太陽」ジョオナ アッエイであること、彼は二人を歓迎しないだろうことを話し、お守り
(怪物鷲の命の羽からできた)を渡した。また、手強い敵に出会ったら使う魔法の歌を教えた。
お前の足を 花粉でこすって 休むがよい
お前の手を 花粉でこすって 休むがよい
体じゅう 花粉でこすって 休むがよい
お前の顔を 花粉でこすって 休むがよい
すると
お前の足が花粉になる
手が花粉になる
体が花粉になる
頭が花粉になる
魂が花粉になる
声が花粉になる 。。。
それを4度繰り返せという。双子は太陽の住処をめざして颯爽と歩いて行った。
注:少年たちは双子と呼ばれていますが、159で言ったように母が姉妹だからか、実は二人の女たちが
同一人物なのかは、2説聞きました。
注2:言うまでもなく「花粉」はトウモロコシの、です
>>163の続き
そもそもシャイアンには、男子が最初にしとめたバッファローの、毛皮を記念に得る権利があるのだが、
ある老酋長はこのしきたりを無視し、少年から肉だけでなく、毛皮までとろうとした。争いとなり、
スィート=メディスンは老酋長に鞭で打たれ、怒りのあまり、老酋長の頭をバッファローの大腿骨で殴った。
この老酋長が死んだのかどうかは定かでないが、このことで村人は怒り、少年の敵となった。
少年は急いで祖母の元へ戻り、事情を話し、戦士団が自分を殺しに来るだろうと告げ、祖母に感謝の
言を残して村を去った。戦士団はすぐに押しかけ、彼がいないと知ると怒り狂い、小屋に火をかけた。
次の朝、村人たちは「狐の戦士」の装束で丘の上に立つスイート=メディスンを見た。
しかし、そこはかなり離れた場所で、人々は彼の元へ行き着くまでに疲れ果て、戻らざるを得なかった。
その次の朝、今度は「鹿の戦士」の姿で、川獺の皮で包んだクー・スティックを持つ少年が丘の上に現れた。
今回も、村人達は彼を捕らえられなかった。
三日目の朝、赤い戦化粧をし、羽根を飾った「赤い盾の戦士」の姿のスイート=メディスンが現れた。
四日目の朝には、小さな赤いガラガラを持った「犬の兵士(ドッグ=ソルジャー)」の姿で現れた。
五日目の朝には、大酋長の格好で彼は現れた。村人はさらに怒り狂ったが、少年は捕らえられなかった。
そしてそれっきり、スイート=メディスンは姿を消した。
一人大草原を行く少年は、丘の多い美しく暗い森林に近づき、ひときわ高い「熊の丘」から呼ぶ声を聞いた。
彼には、普通の人間には見えない、山の中の秘密の閉じられた入り口が見えた。ティピのように中は空洞だった。
中にいた人々は、一見普通の人間に見えて、強い霊力に満たされていた。聖なる人々(精霊)は呼びかけた。
「孫息子よ、入りなさい。私達はお前が来るのを知っておったよ」
少年が席に着くと、彼らはスイート=メディスンにシャイアンの生きるべき道と知識を与え、村へ戻り、
それらを村の者たちに与えるように言い、神聖な四本の矢を彼に与えた。
「この素晴らしい贈り物を、お前に手渡そう。この素晴らしい矢で、部族は繁栄するであろう。
二本の矢は、戦のためのもの。そして、他の二本は狩りのためのものだ。だが、この四本の矢の他にも、
たくさんの矢はあるだろう。彼らは偉大な力を持っている。人が生きるべき規律というものを。」
聖なる人々は、この矢をどう保持し、祈ればいいか少年に教えた。「44人の酋長の賢き掟」を教え、
戦士社会のための規律を教えた。女達にとっての栄誉を教え、彼ら自身の経験からくる有用な知識を伝えた。
そして、聖なる矢を保存するための特別なティピの建て方も伝授し、スイート=メディスンはそれら総てを
謹んで聞き、学んだ。最後に長老が、少年と聖なる矢の包みを浄化するため、スイート=グラスの香を焚いた。
少年はこの包みを背負い、再び村への長旅に出た。
村は飢饉にあえぎ、村人たちの野放図な暮らしに腹を立てたバッファローたちは姿を隠してしまっていた。
あばら骨を浮かした子供達は、泥で作ったバッファローの人形で遊んでいた。スイート=メディスンは
その人形を、脂の乗った肥ったバッファローに変えてその肉を与え、子供達の一人にこう頼んだ。
「家族全員食べる分までたっぷりある。村に肉と脂、それに舌を持っていっておいで。
そして、元気で若い狩人に、朝になったらぼくに会いに来るよう言っておくれ。」
二人の若い狩人が翌日出かけ、スイート=メディスンを探し回ったが、彼はどこにもあらず、
ただ、彼らの頭の上を鷲が旋回していた。四日目の朝、彼らはあの少年が立っていた村を見晴らす
丘まで行き、そこでついに少年を見つけた。少年は二人にこう伝えた。
「ぼくは偉大な呪いの山から、創造主があなた達に送った、素晴らしい贈り物を持ってきた。
野営の中心に、大きなティピを建てるようみんなに言っておくれ。 セージを床に敷き詰め、
スイートグラスを燃やしてティピの中を清めておいておくれ。村の人は全員、ティピの中に
いなくてはいけない。ぼくがすることを、見てなくちゃいけないよ。」
総ての準備が整い、少年はゆっくり村へと入ってきた。そして四回大声で叫んだ。
「シャイアンの人たちよ。偉大な力とともに私はきた。喜びなさい。聖なる矢を私は運んできた。」
包みを持って少年は特別なティピに入った。
「あなた達はまだ生きるための正しい道を学んでいない。それがバッファローが腹を立て、隠れた理由です」
二人の狩人が火を起こし、少年は鹿の骨のパイプに神聖なタバコを詰めた。
そして、一晩かけて村人たちに、聖なる人々の教えを説いた。
これはズィツィスタス(シャイアン族)の正しい道の基となるものだった。
朝になり、少年は神聖な歌を4曲歌った。 歌と歌の合間にパイプを吹かし、その聖なる息は、
ティピの上にあけられた煙穴を通って「偉大なる神秘」の元へと昇っていった。
太陽が昇り、人々がティピから出てみると、草原はバッファローで覆われていた。飢饉は去った。
スイート=メディスンは長生きして尊敬を得、幾夜も幾夜も人々に聖なる教えを説き、それは
やがて平原じゅうの部族に広まっていった。
スイート=メディスンには4つの命が与えられていた。が、それは岩や山々のように不滅ではなかった。
死の近づいたことを悟った彼は人々に、自分を聖なる熊の丘へ運ばせ、ウィグワムを建てさせ、その床に
杉の葉や香草を敷き詰めさせた。その「死にふさわしき小屋」の前で、彼はこう演説した。
「わしは、わしが死んだ後のことをここに見ておる・・・ 長い時が経って・・・
火の爆ぜる棒を持って、白い肌のひげもじゃの男達がやってくる・・・
彼らはこの地を征服して、お前を追い払う。お前に肉を与え、命を与える動物を殺すだろう・・・
お前が食べたり乗ったり出来る、得体の知れん動物を連れてくるだろう・・・
彼らは戦と悪魔、奇妙な病、死をもたらすだろう・・・やつらはわしがお前に教えたものを、そして
創造神マヘオを忘れさせようとし、やつら自身の異質で邪悪な道を課してくるだろう・・・
何も残るものがなくなるまで、やつらはお前の土地を奪っていくだろう。これをお前に言うのはつらいが、
それを知らぬままでいるわけにはいかん。お前は悪い時代が来ても、強くなくてはいかん。
男も、特に女も、多くの信頼あればこそ、それは不朽のものじゃ。
それがなくなればシャイアンは絶えるじゃろう。 さて、わしは言うべきことは言うた・・・」
スイート=メディスンは小屋に入り、そこで死を迎えた。 (おわり)
このスイート=メディスンが聖なる人々に会った熊の丘(ベアビュット)は、南ダコタの
パハ=サバ(ブラックヒルズ)にある同盟の山のことで間違いだろうね。パハ=サバ一帯は
スーやシャイアンやカイオワが領土としてきたところで、霊山ベアビュットでは、今も絶えず
インディアンたちのハンブレチアや儀式の場になってる。
ところで、「スイート=メディスン」は、シャイアン語では「モツェエオエヴェ」っす。
最後の一節は、よく出来すぎていて、後年のつけたしかも知れんね。
ついでにシャイアン族の創造神話をひとつ。
太古の昔、世界はただ水一面だった。
創造神マヘオと、水鳥たちだけが水に浮かんでいた。
マヘオは陸を作りたいと考えていたので、白鳥にこう頼んだ。
「ひとつ水に潜っていって、水に底があるかどうか確かめてきてくれ。」
白鳥は潜っていったが、底へはたどり着けなかった。いろいろな鳥がそれに挑戦して、
ついに一羽のアヒルが底へたどり着いた。 アヒルはくちばしで、泥をさらってきた。
マヘオはその泥を手のひらに載せてこね、乾かすとそれを水面に置いた。
その泥の塊はどんどん拡がり、やがて陸地となり、世界が創造された。
明日は「黄色い髪の女」の神話を書いてみる
イヤァ〜、いい話しでした。確かによくできすぎてるかも。でも、時とともに「変わる」のが
口承伝説の運命ですよね。すごい指導者がいるもんですよね。
白鳥にできないことを、アヒルが成し遂げたのもおもしろいですね。
コヨーテとイーグルがカメを水底に送って、やっとのことでほんの少し泥をさらって出て来た。
それを使ってコヨーテが土を作った、っていうのは聞いたことあります。
半日後に太陽神と双子の出会い、続けます。
それはディネの神話?
>>173の神話は、他部族にも共通したモチーフで、ヒダーツァ族も
アヒルが大地創造の手助けをしてます。
チェロキー族の場合、海と空だけだった世界で、動物も鳥もみんな空にぎゅうぎゅうづめになっており、
創造神ダユンシはビーバーのように大洋に潜って泥を運び上げ、真昼の神に乾かせて大地を作る。
ダユンシはビーバー神なのかも。それと、これだとチェロキー族は海を見たことがあるということになるね。
ヘオバ=エ=エ(黄色い髪の女)の神話
太古の昔には、シャイアン族は大型の食用動物を知らず、魚やガチョウ、アヒルを
食べていた。 ひどい食糧不足になったとき、酋長達は二人の若者を選んで、食糧を
捜してくるよう命じた。
二人の若者はこの重大な使命を果たそうと、8日間飲まず食わずのぶっ通しで歩き続けたが、
獲物はなく、身体はどんどん衰弱していって、ついにはどこか死に場所を見つけようと思った。
遠くに高い峰が見えたので、あれだけの山ならちょうどよい墓標になると思い、二人はそこに
登って死ぬことにした。途中、流れを渡る際に大きな水蛇が現れ、若者の一人に巻きついた。
そこへ、峰のほうから大刀を持ち、コヨーテの皮を着た大男がやってきた。
(コヨーテの皮というのは、彼がコヨーテのように賢い実力者であることを示している)
男は川に飛び込み、水蛇の頭をはね、二人を高い峰にある彼の住まいに案内した。
男とその妻である老女は、二人の疲れを癒し、食べ物を与えた。
この夫婦にはヘオバ=エ=エという美しい神の娘がいた。
続きはまた明日書きまする
177 :
訂正:2005/11/11(金) 23:40:08
美しい神の娘→美しい髪の娘、ね
>>177 と思ってました。
双子は道中さまざまな怪物に行く手を阻まれ、襲われるが、「蜘蛛女」にもらったお守りと
魔法の歌で身を守る。トルコ石でできた太陽の家に着くと、彼は案の定歓迎してくれなかった。
太陽は二人をいきなり白い貝の並んでいる壁や、トルコ石の並んでいる壁、ミガイの壁、そして黒貝
の壁に投げつけたが、お守りのおかげでケガ一つしない。次に太陽は二人をスチームバスに閉じ込める。
この時は太陽がやけた丸石に水を振りかけ、シュシュと煮えたぎり小屋中に蒸気が充満する。と、
「風」が小さい穴をあけ、ふたりは蒸気が冷えるのを待って、小屋から出て行った。そこで太陽は
二人の話しを聞くことに同意。イッテイーツォー「大きな巨人」を倒すための武器を授ける。
火打石でつくった兜と鎧、「くさり稲妻の矢」、「膜状稲妻の矢」「太陽の光のや」そして「虹の矢」だ。
ト シドー「温かい泉」のほとりにある高い山に「大きな巨人」は住んでいた。彼らは4つの矢を使い、
巨人を倒す。そして「敵から命を切り取った男」と「怪物を滅ぼした男」と名前を変え、怪物の頭を
ツォオジイル「巨人の山」の向うへ放り投げた。
「話す神」「「雨の神」は祝福の歌を歌い、ふたりは母たちのもとへと帰って行った。
>>175 いやディネではなくヨクーツだったような。この辺のひとたちに聞いた話しではないですね。
兜や鎧が出てくるところが異色ですね。向こうさんの文化にはあんまり出てこないものだし。
ちょっと考えてましたが、
>>168でモツェエオエヴェが熊の丘で聖なる人々と会うくだりは、
そのままハンブレチアの暗喩なのかもしれないねえ。
もうひとつ、話は飛ぶのですが旅人さんは当地でお長いですか?
2002年の塩湖市冬季オリンピックで、正装したインディアンが聖火ランナーとして
渓谷を走る姿が、日本のTVでチラッと映ってたんですが、あれはユタの部族の人ですかね?
ご存じないですか?
>>176の続き
高い峰の夫婦には、「黄色い髪の女」という美しい髪をした娘がいた。
男は、この娘を妹にしてもよいし、妻にしてもよいと申し出たので、若者のうちの
一方が、彼女を妻にすることにした。
若者達は帰途につくことにしたが、コヨーテの皮の男は、シャイアンの若者たちに、
コーンの栽培法やバッファローの食べ方に関する知識など、たくさんの贈り物を与えた。
そして、娘に対しては、何があっても苦しんでいる動物に哀れみをかけてはならないと注意した。
二人が花嫁を連れ、村に戻ると、バッファローがまわりの平原にたくさん現れ、
シャイアン族は食べ物に不自由することがなくなった。
あるとき、村の子供たちが戯れにバッファローの仔牛をキャンプに引っ張ってきて、仔牛の目に
砂を投げつけた。 それを見て、「黄色い髪の女」は、思わず「かわいそうに・・・」とつぶやいた。
そして彼女は、すぐに父が与えたタブーを自分が破ってしまったことに気がついた。
バッファローの群れは姿を消した。彼女は両親の元へ戻るべきだと思った。その夫と、
もう一人の若者が彼女に付き添っていった。その後、3人の姿を再び見るものはいなかった・・・
シャイアン族は
>>158でも触れたけど、18世紀ごろに白人に平原へ追われたので、
コーンの栽培法をコヨーテの皮の男が教えたという一節は、それ以前に成立した物語と
いうことを示すものなのかもしれんね。
>>180 そう、何かエッ?こいつらはヴァイキングの血を引いてんのか?と思います。でも、英語で
helmet or armor って言ってましたから、鎧兜ですよねぇ。
ソルトレイクの時はいろんな部族が出ていたんではないかな。たしかあの辺て、パイユートとか
ウテ?とかショショーニの人がいたのでは?で、私の友人のナバホもあの時、公衆電話から興奮して
電話が来て、旦那がオーデュションに受かったとか。ナバホもモニュメントバレー近辺にいますので、
出てました。
あのオープニング、きちっと見ませんでしたが、確か「ライオンキング」のミュージカルでコス
チュームを担当した人がやったんですよね。ソルトレイクの古代からの歴史を、マンモスからインディアン
そしてミッショナリーへと、汚い部分には触れずに流していました。インディアンの数は結構壮大で、
祈りのようなセレモニーっぽいこともしましたし、見応えありました。パウワウ音楽みたいなのも、
よかったです。ま、日本からでも見れましたよね。一日かけてドライブしてまで、行く気はしなくて、
実際には経験しませんでした。
それから、戦士が一人前になるには、やはりイニシエーションが不可欠。で、ヴィジョンクゥエスト
的なことは、いろいろな文化で出てくるでしょう。賛成。
>>181 肉を食べるっていうのは、そういうことのような気がします。私は菜食主義ではないですが、
やぎをおろすのを(それもわたしのために)手伝って、ああ、何もかも無駄にせず
大切にいただく、ってのが正しいアプローチと実感しました。白人の人たちで、やぎの首を切って
その鳴き声を聞き、血が抜かれるのを見た後では、肉がのどを通らない人、いっぱいいましたね。
彼らは、それをある意味テストみたいにしていたかも。
ナバホの支族のいわれの話をはじめる前に、ちょっと二日ばかり出かけます。しばし、さらば。
今寝る前にテレビを見ていたら、バーンズと言う人が作った、テレビ映画「アメリカンストーリー」
とかいうので、ちょうどカスターがシャイアンのブラック ケトルやロック フォーヘッドとの
話をやっていました。憤りがおさまらず、明日早起きなのに、眠れそうにありません!困った!
白人が作るドラマはあつかましいね。 亀の島の借家人のくせに。
その人たちの名前は、シャイアン語では・・・
ブラックケトル → モ=ヒタヴィトオ=オー
ロックフォアヘッド → ホ=ホナー=オフタネヘ
おっと、怒りのあまり文章が乱れてしまった。失礼。
「カスターがシャイアンの。。を襲撃した時の話をやっていた。」です。
あ、ありがとう!じゃ。
「ある人が、ある行いをした結果、自分の部族が困窮する・助かった」
というようなインディアンの言い伝えや伝説に対し、ヨーロッパの言い伝えや伝説は
「ある人が、ある行いによって、自分が困窮する・幸福になる」
共同体ならではの大乗的なモチーフと、個人主義のヨーロッパの小乗的な思想が
よく出ていると思う。
このヨーロッパの思想の、最も歪んでいびつに膨らんだ体現国家がアメリカ。
彼らの思想の根本は、「勝者独り占め」。
インディアンの宗教では、自然は絶えず衰退し、動物も植物も減少し、人間は徐々に
飢えていくものとなっている。あちこちの神話や言い伝えでも、それが顕著に表れている。
インディアン部族は常に様々な儀式で、これを何とか防ごうとしてきた。
その一番有名なのが、平原部族の「サンダンス」で、この名称の由来はスー族の
「ウィワンヤンク=ワチピ(太陽を見つめながらの踊り)」からきたもの。
サンダンスは過酷な試練を強いるものが多くて、祭のハイライトにピアッシングを
用いるものもある。(マンダン族やラコタ=スー族) 自分の胸や腕に杭を突き刺し、
皮紐で御柱とつなぎ、それが引きちぎれるまで太陽を見つめながら踊る。
なんでこんなことをするかという理由は、「自分の身体は自分にとって一番大切なものだから、
その自分の肉体を大精霊に捧げるのだ」と彼らは言っている。
最近でも未だに「部族の中で男らしさを誇示するためのもの」と
されている出版物が多いが、これは完全な誤り。
このサンダンスの目的は「世界を作り直す」ことにある。サンダンスを終えれば、
大自然や超自然的な力は再びよみがえり、部族の幸福に力を貸してくれる。
流血の儀式を伴うサンダンスは、マンダン族の「オーキーパ」や
スー族の「ウィワンヤンク=ワチピ」など一部のもので、カイオワ族やシャイアン族は
ピアッシングをしない。が、白人はサンダンス自体を野蛮で残酷な儀式であるとして
徹底的に弾圧した。シャイアン族は「我々はスー族みたいにピアッシングはしないから」と
言って、やっとなんとか開催させてもらっていた(?)が、それでもある儀式は禁止され、
もう70年以上行われていない。
北ダコタのミズーリ上流のマンダン族の神話も、かつて世界は水しかなかった。
マンダン族のサンダンス「オーキーパ」は、水の精霊に捧げられる。体に杭を通す
「ピアッシング」は、マンダン族が始めたものらしい。 この「オーキーパ」の儀式も、永らく
白人によって弾圧禁止されてきたが、20年ほど前からインディアンの宗教が白人から
自由化されて、それと同時に復活したらしい。どの程度の復活なのかは知らんけど。
今回出かけた時に、唯一持って行った本に儀式というものについて書いてあって。祈りというのは、
祈りに供えて身を清め、こころからその大いなる力の助けを求め、捧げものをすること、と
まとめてありました。アメリカのいわゆるミッドランド(私は近しい人たちとは「ジーザスランド」
と呼んでいますが)は、本当の「祈り」の意味を知らない人たちで満ちている。そして、彼らの教えは
一生懸命働いたものが金持ちになる。だから、金持ちは偉くて尊敬されるべき人々だ、と真剣に信じている。
どこに行っても、「自分を売り込む」のが大切で、自分が利益を得たことで誰かが損をしている、というような
自然の絶対法、「お金や資源はふって湧くものではなく、有限でただ常に場所をかえているだけ」
ということに気づかない。
私はサンダンスのことをよく知りませんが、かなりハードな儀式だと聞いています。ああいった伝承、
つまり書いて残されることのない伝統は、こうも長く弾圧されると復活は難しいのでしょうね。
少し前に(ブッシュの戦争が始まった頃ですね。よく考えてみると。)ルーマニアやキューバから圧政を
免れて来たという設定の人たちがそろって「だから私はアメリカに来た。自由を求めてやってきた。」
といってニッコリ笑うコマーシャルをやっていました。今思い出しても胸が悪くなります。
西洋人や白人を一つにまとめてすべての罪をきせることはしたくないですが、アメリカのメインストリーム
は、ゴーマンでアサハカで無知な人たちでできています。ゆくゆくは自分の子孫も苦しむことになる、
ということになぜ気づかないのでしょうか?
ワシントン政府がコソボを爆撃したとき、欧州の人たちは心底驚いていた。
そして、「アメリカはインディアンから土地を盗んだんじゃないか。なのにどうして、
土地を盗んだといって俺達を殺すんだ」という、ラジカルな論議が巻き起こっていたっけ。
「個人が日本の一市町村と同等の面積の土地を所有する国」 こんなものは悪夢としか思えない。
テキサスからコマンチやカイオワやトンカワを追い出し、コアユルテカンを絶滅させたあと、白人は
馬競争をやった。一番遠くまで先に馬を走らせたら、そこまでの土地はそいつのものになる。
こんな狂った武勇伝の記念碑が、ご当地には誇らしげに建っているらしい。
アングロサクソンの宗教への介入は、占領下の日本もそうだったけど、
インディアンに対しては傲慢きわまるもので、未だにこの日本にまで、
一般新聞紙の記事になって、おかしな話が届いてるよ。
アパッチ族の、思春期を迎えた娘達のための儀式は、4日以上も続く
楽しく喜びに満ちた祝典らしいが、保留地時代に入って、白人監督官達は
これを無駄にだらだら続く祭と捉えた。そして、同じ年齢になった娘だけが揃って、
一年に一日だけ行えと強制した。それも、白人にとっての祝い日である7月4日の
「独立記念日」に。こんな権利がどこにあるのかと思うね
>>194 ナバホとスーは、70年代のレッド=パワー運動を経て、80年代に入ってから
部族交流が深まって、ついにはナバホ族も、ピアッシング儀式を伴うサンダンスを始めてますね。
とりわけ、オグララ族(
>>157のテトン傘下の七支族の一つ)の宗教指導者で、
もう亡くなったけどマシュー=キングというメディスンマンが、もう全米のインディアン部族に
サンダンスの儀式を指導し、広めたそうですよ。
マシュー=キング翁が言うには、「白人はわざと中途半端にわしらインディアンを
改宗した」らしい。そうして伝統派とキリスト教派とごっちゃにしておいて、たがいが
非難し合い、揉めさせるようにして、部族の結束を破壊するよう仕向けたものらしい。
この二十年ほどで、インディアンにかなり宗教が復活してると聞くけど、どんなもんでしょう?
199 :
天之御名無主:2005/11/15(火) 23:59:55
>>198 >この二十年ほどで、インディアンにかなり宗教が復活してると聞くけど、どんなもんでしょう?
復活しているというふうに見ることもできるが
新しく創られていると見ることもできる。
前のものと今のものが別物だと言える世代が激減したのがこの20年
ともいえるのではないか。
ですね。 「シティー・インディアン」と呼ばれる、もう部族の言葉も土地も失って、
白人の中に混じって暮らす人たちが、近年、そういう大きなサンダンスなどに続々
やってくるらしい。それと、やはりペヨーテ儀式(=アメリカ・インディアン教会)の普及が
かなり進んできたとは言うんですけどね。 向こうにおられる旅人さんの意見を聞いてみたいな
私は今現在あまりネイティブの友人がすぐまわりにいないので、ナバホ国にいた時のことしか
わからないんですが。。。ネイティブ アメリカン チャーチとトラディショナルな儀式は半々くらい
だったかな。いまだにクリスチャンもいますよ。本当に伝統に厳しいメディスンマンの家以外は、
大抵どっちもやってます。クリスチャンで伝統儀式に参加する人もいます。(日本で神事と仏事に
出るのと同じとか?)
ニューメキシコ州だったら、ギャラップやアルバカーキ辺りで育ったナバホには、どん欲な人が
いましたね。結局、バックグラウンドがしっかりしていないと、自分を失う人が多く、そうなって初めて
自分がどこから来たのか知りたい、と伝統的な世界に入って行く人も多い。18、19でもとアルコール
中毒とかいますからね。
アメリカで、宗教が政治に介入すべきではない、というと理解できない人が多いです(もちろん白人)。
サンダンスもチラチラ話は聞きました。私は一度ファイアーダンスで、ダンサーをやらせてもらった
ことがあって、それはすごい光栄ですばらしい経験でしたが、後から干害が続いたとき、トラディショナルな
ネディスンマンで、わたしが踊ったせいだと言い出す人が出たんです。だから、それ以来はもう少し
尊敬を示す意味で遠慮しようと思い、軽く誘われても断りました。だから、ちょっと残念ではありますが
サンダンスもペヨーテミーティングも行ったことはないです。
それはいい体験しましたねえ。そうやって怒る人がいるというのは、それだけ
その人の信仰が篤いということでもありますね。
サンダンスが(金を取るとか)コマーシャリズムに走って良識的伝統派の
顰蹙を買った時代もあったらしいけど、近年はサンダンスが広まりすぎてる傾向も
あるらしい。南北ダコタでは、御柱にする綿の木が、将来足りなくなるかもしれないと
指摘する声もあるそうな。
また、数年前から女性で(女人禁制のはずの)ピアッシングに参加するものも現れて、
ついに数年前に死者がでてしまった。
まあしかしこういうことは理不尽な弾圧化の反動とも取れるし、沈滞してるよりはいいかも
インディアンは、白人から見ると驚くほど信仰に対して正直で、キリスト教も
伝統の宗教も同等に、熱心に信じるという話はよく聞くよ。
カイオワ族が白人キリスト教勢力と伝統と、両者の顔を立ててうまいこと
セレモニーをやりくりしてる話なんかおもしろい。 日本人と同じ多神教というのも
根底にあるでしょう。
スー族のインヤン=ホクシラ(石小僧)の神話を書いてみる。(結構長いよ)
四人の兄弟がいたが、女っ気がなく、女仕事を分担していた。
あるとき、一番上の兄が、日が暮れてから薪を集めに行き、そのとき何かが
足の親指に当たった。たいした痛さもなく、放っておいたら、次第にそれは腫れ、
頭ほどに膨らんだ。そこでそれを切り開くと、中から何か出てきた。兄弟達が
それを洗うと、それは女の赤ちゃんだった。
兄弟達は、この赤ん坊を大事に育て、やがて赤ん坊は美しい娘に育った。
彼女はばりばり女仕事をこなし、皮を白く柔らかく仕上げ、見事な服をこさえ、
何かしら意味のある飾りをそれに縫い付けた。
多くの若者が彼女を得たがったが、彼女は兄弟の元を離れようとしなかった。
「私は四人の兄さんの、妹であり続けるつもりです」と娘は言うのだった。
「石小僧」って名前がいいな。足の指から生まれた親指姫ですか。続きを楽しみにしてます。
明日仕事が落ち着いたら、私もなにか話をはじめます。
兄弟たちは、娘が彼らの妹であり続けられるようにすると娘に言い、
娘を喜ばせるためなら、なんでもするつもりだった。そして、一番上の兄が、
「妹がいい服を着られるように、俺は鹿を狩ってくるぞ」と言って出かけた。
そして彼は、それっきり戻ってこなかった。
次に、次男が「妹がローブをこさえられるように、俺はバッファローを狩ってきてやるぞ」
と言って出かけたが、彼もそれっきり戻らなかった。
次に、三男が「妹が肉を食えるように、俺はヘラジカを狩ってくるぞ」と言って
出かけたが、これもそれっきり戻ってこなかった。
末の弟は、「妹よ、俺達の兄はどこかへ言ってしまった。俺は兄達を捜してくるぞ」
と言って出かけた。そして、彼もまたそれっきり戻ってこなかった。
一番若い兄が消えて一月後、娘は悲しんでハンブレチアのために高い丘の頂上へ登った。
続きは明日書くよ
飲まず食わずの行の中、娘は乾きに耐え切れず、そこにあった滑らかで白い石を
口に含んだ。そして、そのまま眠りに落ち、娘は石を飲み込んでいた。
やがて、獣の姿で、ヴィジョンが降りてきた。獣は彼女に、四兄弟は石によって
守られており、やがて見つけ出され帰されるだろうと伝えた。
娘が、この夢の意味を呪い師に聞くと、それは彼女が結婚するべきで、
やがて生まれた子供に「インヤン=石」と名づけるべきだろうと言った。が、
彼女には兄達から離れて結婚することなど思いもよらぬことだった。
やがて彼女は身ごもり、石のように固い身体を持った男の子を産んだ。
彼女はこの赤ん坊が、あの口に含んだ石が元で生まれた、ワカン(神秘)な
子供だとすぐに理解した。そして彼女は息子に根野菜、植物、動物、鳥を
狩る方法、それらにまつわる歌など、生きる術をすべて教えた。
彼女が手塩にかけて育てた少年は、意志のように強く勇ましく育った。
そして、兄達の先例を恐れ、彼女は息子に狩りや戦に参加させなかった。
月が巡るごとに彼女は悲しみに暮れ、丘の頂上へと登った。
そして、息子が若者となったとき、彼女はそのわけを話して聞かせた。
「息子よ、もうお前は立派な男となった。私はお前に、なぜ私が
こうも悲しむのか、そのわけを話して聞かせよう」 と女は言った。
そして
>>207からの話を息子に話して聞かせ、歌を歌った。
私は 神秘なる女 私は 稀なる女 お前は 神秘なる男 お前の身体は 石のよう
お前は インヤン=ホクシラ お前は 偉大な獣が言った「インヤン」
息子は、母に合わせ歌った。
ぼくは インヤン=ホクシラ ぼくは あなたを 守る石
ぼくは あなたの兄を 取り返してみせる
わが母よ ぼくは あなたを 幸せにしてみせる
「母よ、ぼくはあなたの兄達を見つけ出し、連れ帰るつもりです。」
「私は、お前もまた帰ってこなくなるのではないかと心配なのだよ。」
「偉大な獣は、あなたになんと言いましたか? ぼくはインヤンなんです。」
「行きなさい、わが息子よ。しかしその前に、魔法の用意をしなければなりません。」
息子の決意に、母は豪華な祝宴の準備をし、呪い師、長老、偉大な戦士、
偉大な狩人、そして4人の少女を特賓として招き、さらに村人全員を一般客に招いた。
母子は客達をもてなし、彼らが満足したところで、彼女は息子の生い立ちと
四兄弟のことを話し、息子のワカンなこと確かめてほしいと頼んだ。
人々は彼を触って、彼の体が意思のように固いことを確かめ、
彼が神秘なるもの「ワカン」であり、「インヤン=ホクシラ」であると認めた。
次に母は息子の決意について話し、魔法の後ろ盾に協力して欲しいと頼んだ。
主賓たちは同意し、呪い師は少年に「ペジュタ=ワカン=レア」(防御のまじない)を
授けた。
女長老は、彼に、彼女が得た夢を描いたローブを与えた。それを着たものは
目に見えなくなるのだ。
偉大な戦士は、何でも貫く不思議な槍、何でもよける不思議な盾、何でも壊す
不思議な棍棒を与えた。 (↑ これは、矛盾と言うことわざを連想させる)
偉大な狩人は、狩りのノウハウを教えた。
4人の少女たちは、彼女らの服の飾りを取り、インヤンの母が鹿革で
作った服にそれを縫い付けた。その間、彼らは愛の歌を歌い、呪い師が
その飾りに「カ=キナ=ワカン=カガ」の呪いをかけた。
彼のモカシンの横側には、山の飾りが縫い付けられた。
これで彼は谷を飛び越え、丘から丘へとひとっ飛びできる。
彼のモカシンの先には、トンボ模様が縫い付けられた。
これで彼は危険を避けられる。
彼の伽半には、狼の足跡模様が縫い付けられた。
これで彼は、疲れることを知らない。
彼の上着には、ティピ模様が縫い付けられた。
これで彼は、どこであってもでも避難するところを得られる。
彼はそれらすべてを持ち、夜明けの太陽の前に立った。
その前に母が立っていた。その脇には呪い師、女長老、偉大な戦士、
偉大な狩人、そして4人の少女が立った。そしてインヤンは、
「ぼくはあなたに、4人の兄達を連れ帰ってみせます。」と母に言い、
「戻ってきたら、ぼくはあなたたちを妻に迎えるつもりです。」と四人の娘達に言い、
「あたたちがくれたものを、兄たちを連れ戻すために役立てます。」と男達に言い、
そして朝日に顔を向け、「では、行きます」と女長老に言った。
まだまだ続くけど、疲れたのでまた明日書く
これから彼の一人旅が始まるんですね。私も山の飾りがついたモカシン、欲しいです!
女長老は、魔法のローブを石小僧に投げかけたが、すぐにもう彼は見えなくなっていた。
あたかもワキンヤン(雷の鳥)が、落日に向かって飛ぶがごとく、風を巻いて。
インヤンの母は、うつぶせに倒れた。人々は松林の方角の上空から、鶴の一声のように
透き通って大きな声を聞いた。
「インヤンは四人の兄弟を解放してみせるだろう。」
流星のごとく、丘から丘へひとっ飛びに、石小僧は疾走し、丘の底、谷という谷を
しっかりと見て回ったが、落日の果ての高い丘へ来るまで、四兄弟の痕跡は無かった。
その丘の谷間には、多くの収穫があった。
そのひとつ、石のナイフは確かに一番上の兄の持ち物だった。
別の谷には、石の矢尻が見つかった。それは二番目の兄のものだった。
さらに次の谷には、石斧があり、それは3番目の兄のものだった。
そしてその次の谷には石製の骨砕きがあり、それは末の兄のものだった。
彼は、これらの谷のうち、どの谷が兄達の元へ続いているのか知っていた。
山の近くまで来ると、そこは不毛の地だった。だが、彼は小さな茶色い丘の向こうに
煙の上がるのを認めた。彼はこれをよく見ようと、ローブを脱いで腰をおろした。
すぐに丘から、バッファローよりも大きいコヨーテが現れ、飛び跳ね、大きく吠え出した。
石が転がりぶつかり合い、水溜りに落ち、木々がゆさゆさ揺れて動きまくった。
石小僧はなおも観察し続けた。
すぐに、丘の向こうから雷のような、ものすごい唸り声が聞こえてきた。
コヨーテはこれを聞いて、高く早く飛び跳ね、甲高く吠え、木々が動き回った。
そして、丘から小さな女が出てきたかと思うと、この騒ぎを前に、それを眺めているのだった。
すぐに丘の向こうから、雲のように大きな熊が、雷のように吼えながら、
両手に何人かの人間を抱え、後ろ足で立って歩いてきた。
熊は谷に分け入り、木々に人間達を引っ掛けた。
石小僧がよく見ると、木々の枝は蛇だった。それらが人間に噛み付き、
人間達は麻痺してしまうのだった。
死んだようになった人間を叩き落し、その上を石がごろごろ転がると、
それは乾いたバッファローの皮のようにぺちゃんこになった。
石小僧が見ていると、小さな年取った女は、小さな茶色い丘の上に
それらを置き、積み重ね始めた。
それが終わったとき、コヨーテが石小僧を嗅ぎつけ、ぴょんぴょん跳んで吼え始めた。
コヨーテはさらに嗅いで、もっと飛び跳ね、丘に向かってもっともっと吠え立てた。
小さな老女は石小僧のいる丘を示し、熊が唸り声を上げてこちらへ向かってきた。
石小僧はローブをまとい、別の丘へと飛び移った。熊はわけがわからず、
「これはワキンヤン(雷鳥の神)に違いない」と言った。
この調子でまだまだ続くけど、また明日書くよ
なおもコヨーテは嗅ぎまわり、さらに飛び跳ね、木々や石は這い回り、
雷のような唸り声を上げて、次第に石小僧の立つ丘へとにじり寄っていくのだが、
化け物たちがそばまで来るや、石小僧はぴょんと別の丘へと飛びのいてしまうのだった。
熊のほうはと言うと、石小僧をワキンヤンだと思い込んで、すっかり怖気づいて
おろおろしていた。あまりの騒ぎに、小人の老女はまた丘から出てきたのだが、
石小僧の姿は見えない。コヨーテはさらに甲高く吼え、もっともっと飛び跳ね、
走り回り、木々の枝はくねりながらしゅうしゅう言って舌なめずりをし、石は
どんどんと飛び跳ね、大地はそのたびに鳴動した。
同じモチーフの表現が何回も何回も繰り返されるが、これはインディアンの会話や
文学的な表現の特徴で、白人はこういうところでイライラさせられるんだろうね。
石小僧は立ち上がり、ローブを脱ぎ捨てて姿を現し、化け物たちを嘲り、
馬鹿にしてみせた。連中は石小僧を見つけ、老女は金切り声を上げた。
コヨーテはさらにこれまで以上に大きく甲高い声で吼えまくり、飛び跳ねた。
木々は石小僧に向かって這いより、枝々(蛇)はさらに大きくしゅうしゅう唸った。
石は回転し、ひっくり返りながら、雷雲のように唸り、これも石小僧に近づいてきた。
熊は雷のように唸りながら、石小僧にすばやく襲い掛かった。
石小僧は熊の心臓めがけて矢を打ち込み、熊はドウと倒れてそのまま死んだ。
次にコヨーテがぴょんぴょん飛び跳ねながら、襲い掛かってきた。
石小僧めがけて、高く飛び上がったその隙を狙って、彼は地面に槍を突き立てた。
コヨーテは見事槍に己が心臓を貫かせ、これも死んでしまった。
石はそこら辺のものを押しつぶしながら転がり、石小僧に向かってきた。
彼にのしかかり、これをぺちゃんこにしようとしたとき、彼の棍棒が石を
粉々に砕いた。
お化け木は丘を登れなかったので、石小僧は谷へ飛び降りた。
さっそく蛇が彼に襲い掛かったが、彼は偉大な戦士に貰った盾でこれを防いだ。
蛇枝の一匹がこれに喰らいついたが、そのキバは折れ、頭を叩き潰されてしまった。
石小僧は踊り、歌いながら蛇の枝すべてを盾で打ち据え、化け物木を倒した。
小さな老女は慌てて丘の中へと逃げ込んだ。石小僧は呼ばわった。
「HO! 婆さん、出て来いよ!」
「お友達、あたしゃか弱い女だよ。あたしに哀れみをかけておくれよ。
さあ、どうかあたしのティピに入ってきておくれ」
石小僧が見たところでは、その丘はちょっと変わったティピの一種であるらしかった。
彼は扉を見つけ、中に入った。老女は言った。
「お友達、あたしゃか弱い年寄りなんだよ、だけどあんたを歓迎するよ。
なにかあんたに食べ物と飲み物を持ってくるからね」
石小僧がよく見ると、老婆の舌は二股に分かれている。
そこで、彼は用心を心がけることにした。
妖怪婆さんの住む「ちょっと変わったティピ」というのは、アース・ロッジか、
ナバホのホーガンのようなものかもしれんね。
老婆は言った、「お友達よ、あんたは疲れているだろう?
あたしが食べものを持ってくるまでの間、そこに横になって休んでいておくれ。」
石小僧は横になり、老婆は出て行くときに、彼に言った。
「あんたの後ろに、肉が置いてあるよ。」
石小僧がそっちへ向くや否や、老婆は飛び掛り、彼の心臓めがけてぐさりとやった。
しかし、彼女の石のナイフは粉々に砕けてしまった。老婆は言った。
「お友達よ。うっかり躓いちまったんだよ。」 石小僧は答えた。
「今度はちゃんと座っとくから、あんたはもうぼくに躓かないだろうよ。」
「お友達、もうあたしが躓かないように、お前さん、
このティピの真ん中のところに座っておくれでないかえ?」
石小僧がそうすると、老婆は彼の周りを動き回った。
そばを通りざま、戦闘用の棍棒で頭を打ち据えたが、
それは跳ね返っただけだった。老婆は言った。
「お友達よ。お腹が空いているだろう? スープを作ってあげるよ」
老婆は悪いメディスンを混ぜたスープをこしらえ、石小僧に飲ませた。
「HO! お前さんは、あたしが嫌いなお一人だ。 あたしはイーヤー、悪霊なんだよ。
あたしは人間が大嫌いなんだ。 あんたにあげたそいつは、あんたを滅ぼすものだよ。
あんた、毒を飲んだんだよ。 あんた、これで死ぬね。「
「あたしはイーヤー、邪悪なるもの。 あたしはあんたの探しものを知ってるよ。
あんたはあんたの母君のご兄弟をお探しだね。そいつらなら、このティピの中にいるよ。
なめし皮みたいになってね。 お前さん、もうじき死ぬんだし、あたしゃお前さんの
なめし皮を作ってやるよ。」
「あんたをぺちゃんこに出来る、生きている石を見つけてこなきゃあ。
それはあたしのご主人様なのさ。それは、あたしが恐れる唯一のもの。
あたしに傷をつけることの出来た唯一のもの。それ以外のものは、
あたしにかすり傷だって負わせることは出来ないんだからね。」
「あたしと唯一つながりを持つもの、それがあの『生きた石』なんだよ。
今、あれだけがあたしの主人と呼べるものなのさ。だが、お前さんは
あたしの毒でもうまもなく死ぬ。お前さんに、死の歌を歌って進ぜようかね」
そして、彼女は歌いだした。
若き男は 賢明であろう 若き男は 勇敢であろう
彼は 住み慣れた処を離れた 彼は 奇妙な処へと来た
彼は 死の谷に来た 彼は イヤのティピへと来た
彼はイヤの息子 コヨーテを殺した 彼はイヤの娘 蛇の木を殺した
彼は 生ける石を壊した 彼は イヤの主人を壊した
イヤは 彼に 仇を討つだろう イヤは 彼の死を 見とどけるだろう
彼は 私の友人の熊を殺した イヤは 彼が死ぬのを 嘲笑うだろう!
石小僧は言った。
「ぼくが歌ってもいいものだろうかね?
イヤは言った。
「ho! いいとも、歌うがいいさ、そいつは死の歌だね。あたしを嬉しくさせる調べだね」
石小僧は歌いだした。
『生ける石』は イヤの主人 『生ける石』の血族、それは一つのみ。
彼には 小さな息子がいた 雪のごとく 白い小石
イヤは 小石を恐れ、それを盗んだ その白さゆえに それを恐れた
イヤは 遠い国までそれを運んだ イヤはそれを 丘の頂上に投げた
育てられるはずはなく 命の温かさを知るはずもなく
誰の目にも とまらず いつまでもそこにあるのだろう 彼は思った
神秘のなかに 生まれし女 この小石の神秘を見つけし
彼女は 命の温かみを それに与えた 『生ける石』の息子
最も賢き まじない師は 彼に知恵を授けた 最も勇敢な戦士は 勇気を彼に授けた
最も年取った女は ずるさを 彼に授けた 最も善き女は 親切を彼に授けた
人々は 正義を 彼に教えた 邪に対し 正を求めるちからを
彼は まじない師によって 邪に対し まじないを受け
彼は 戦士によって 邪に対し 防御を得た
そのローブの上には 年取った女の夢 その足の上には 若い女の魔法
そして彼は 死の谷に来た そして彼は イヤのティピに来た
彼はイヤの友人 熊を殺した なぜなら 彼が人々をさらったから
彼はイヤの息子 コヨーテを殺した なぜなら 彼が邪のみ行うから
彼はイヤの娘 蛇の木を殺した なぜなら 彼女は極悪すぎるから
イヤのナイフは 彼を害せまい イヤの棍棒は 彼を殺せまい
イヤの肉汁は 彼を殺せまい それで、彼を温め 強くするだけ
ぼくは お前を捨て去れる ぼくはインヤン=ホクシラ、お前の主
イヤは言った、
「あたしが、あんたがあたしの主だと知ったとして、あんたはどうするおつもりだえ?」
インヤン=ホクシラは言った、
「命令に従わせるか、あるいは罰するかだ」
イヤは言った、
「あたしはか弱い年寄り女だよ、哀れみをかけておくれ、罰すなんて言わないでおくれ!」
インヤン=ホクシラは言った、
「あんたの舌は二股だ。 あんたは本当のことなんか言うまい。 あんたは『女』なんかじゃない。
あんたは邪悪な年寄りだ。 あんたは誰も哀れまないし、あんたは皆に悪を行う。」
石小僧は言った、
「さあ、言ってもらおう、ぼくの母の兄弟をどこへやったかを。」
イヤは言った、
「あたしはそんなことは知らないよ。あたしはただ嘘をついてたんだよ。
哀れみをかけておくれ、罰しないでおくれ!」
石小僧は言った、
「お前を哀れむつもりはない。 さあ言え、ぼくの母の兄弟をどこへやったかを!」
「あたしゃ知らんよ!」 イヤは言った。
石小僧は、イヤの足を踏みつけ、それをぺちゃんこにした。痛みのあまり、
イヤはおいおい泣いた。石小僧は、母の兄弟の行方を言えとイヤに迫った。
イヤはなおも知らないと言い張るが、もう片方の足もぺちゃんこにされる。
痛みに泣きながら、イヤは石小僧を主人と認め、これ以上罰を加えないなら言う、
と告げる。彼は言った、
「大昔、わしはここの谷間に、とてもいい狩場を見つけたんじゃ。そしてあるとき、
腕のいい狩人や勇敢な男達が、ここへ狩りにやってきた。やつらが家にいる間は、
わしは悪さが出来ない。そこでわしは、熊と一緒にお前さんの父、「生ける石」と取引をして、
息子や娘を手に入れ、それ以来この谷に住んどるんじゃ。」
イヤと言うのはもともと巨人であったが、生ける石と戦って敗れ、石は彼の主人となった。
石は、巨人がやがて小さな爺さんになるまで、彼に食い物を与えなかった。
「その取り決めと言うのはこうだ。 まず、熊が誘い出しの役をする。
狩人たちが狩りに出ると、熊がその大きな身体を見せ、ここまで誘い込む。
するとわしの息子(コヨーテ)がドスンドスン飛び跳ねて、やつらを怖気づかせる。
そこで熊のヤツが人間どもを抱え込み、娘(蛇の木)に渡し、やつらを麻痺させる。
あとは、やつらをわしのティピの柱に積み上げられるよう、生ける石がぺちゃんこにしてくれる。
生殺しだから、やつらはずっと苦しむことになる。この方法で、わしは悪さ出来るってわけさ。」
「あるときわしらは、女っ気がなくて、女仕事を分担し、他人に迷惑もかけずに暮らしている
四人兄弟のことを耳にした。だがやつらは狩りに出ず、戦にも加わらん。そしてわしらの力の
及ぶところまで決してやって来ん。そこでわしは女を手に入れて、やつらのティピに、悪さを
仕掛けるために送り込んでやろうと思った。」
「だが、そんなおあつらえ向きの女は見つからなんだ。そこで、今度は
わしの娘の蛇枝を一本千切りとリ、やつらのティピに投げ入れたろうかと考えた。
だが、蛇枝は千切れなんだ。で、考え付いた唯一の方法は、娘の身体の一部を
抉り取りることじゃった。 兄弟のうち一人が薪を取りに出かけたとき、そのつま先に
取り付くことが出来るように、やつらのティピのそばに置いといたんじゃ。」
「生まれた娘を、やつらがまた面倒見よく育てて、いい女になったわけじゃが、
まあやつらはまったく善い人間達じゃよ。わしはそれを辛抱強く待っとったんじゃ。
そんなわけで、今までのようには行かず、娘のために狩りに出ねばならんようになって、
わしの目論みは成功したんじゃ。熊が誘い出し、捕まったやつらはぺちゃんこになって、
今ではわしのティピの柱に積み重なっておるってわけじゃ。」
「わしは白い小石を捨てたとき、それが人並みの人生を味わえんだろうことは
知っておった。お前の母親が成長して一人前の女になったとき、まさかそいつが
小石に人並みの人生を与えられる、ワカンな女になるだろうとは思っても見なかったよ。」
「積もる悪事が身に報いるときがきたようじゃ。お前さんは確かにわしの主じゃよ。
しかしまだ、柱の天辺じゃ積み重なって人間どもが苦しんどるが。」
石小僧は言った、
「言ってもらおう、どうすれば柱の上の人々を元に戻せるかを。」
イヤは言った、
「わしは元に戻したくない。」
石小僧は言った、
「ぼくはお前のご主人様だぞ?」
「さあ、ぼくにそれを教えるか? それとももっと罰されたいのか?」
イヤは言った、
「覚えとるか? わしはお前の祖父だ、お前はわしを罰せない。
石小僧は言った、
「ぼくは自分の父親を砕いたよ。 その邪悪さゆえに。 あんたはぼくが、
あんたを祖父だからと言って容赦すると思うのかい?」
イヤはなおも言った、
「言うつもりはないね。」
石小僧は言った、
「ちょっとお手を拝借。」
イヤは手を踏みつけられ、ぺちゃんこにされて、痛みのあまりにおいおい泣いた。
「もう一方の手も、同じようにしてやろうか?」 ついにイヤは承諾した。
「まず、熊とコヨーテの皮をはいで、柱の周りにそれを伸ばしつけ、
ぴっちりしたティピを作る。それからばらばらになった生ける石を集めて、
蛇の木で火を起こす。そして、その火に石をかけて温めるんじゃ。」
その熱い石をティピの中に置き、平らになった人間の一枚をはがして入れ、
石に水をかける。このときの蒸気で蒸されて、人間は元の姿に戻るだろう。」
↑
これは言うまでもなく、発汗小屋(イニピ)の儀式を表している。
石小僧はそうしたが、熊とコヨーテの皮ではティピ全体を覆うには足りなさそうなので、
天辺を丸く、低くこしらえた。蛇の木の枝はとても太く、一本で起こした火で、石は
真っ赤に焼けた。枝は、石をすべて熱するのに十分な量があった。
この蒸気小屋で蒸され、人々は熊に誘い込まれる前の姿に戻ることが出来た。
こうして書き込むのって疲れるねえ。 あとも少しだ。がんばんべえ。
当然だが石小僧は母の兄弟を見知らなかったので、先だって見つけた
矢尻を人々に見せて、これが誰のものか尋ね、やがて兄を見つけ、
脇に立ってもらった。 次に石のナイフを見せ、これも兄を見つけ、
脇に立ってもらった。こうして、四人の兄が、石小僧の脇に並んで
立つことになり、彼らは互いにしっかりと抱き合うのだった。
石小僧は、4人に母の生い立ちと、4人の失踪について話した。
彼らは、「俺たちは、その4人兄弟だ。」と認め、石小僧もそれを確信した。
さらに、自分自身の生い立ちについて、4人に話した。4人は言った。
「俺たちは、あんたのお母さんについて知っている。だからあんたも信じるよ。」
石小僧は、ここへ来るまでのさまざまな準備について、さらに熊、コヨーテ、蛇の木、
石との戦いについて話し、彼がどうイヤの主人であるかということについて話した。
「俺たちはまったくあんたを信じるよ。そうその通り、俺たちは熊に誘い出され、
コヨーテがぴょんぴょん跳ね上がって、蛇の木に噛み付かれ、石にぺちゃんこにされ、
婆さんにティピの上に拡げられて、それで苦しんでいたんだから。」
そして彼らは、イヤの処遇について相談された。イヤをぺちゃんこにしてしまうべきだろうとの
助言に、石小僧は「でも、彼に噛み付くべき蛇の木はもう滅んでしまいました。」と答えた。
そしてイヤのところへ行き、こう言った。
「あんたはとても邪悪だった。しかし、今はもうぼくがあんたの支配者だ。あんたのこれまでの
悪事についての罰として、あんたに苦しめられた人たちと同じ苦しみを味あわさせてみようと
思うんだが」
イヤはとても臆病者だったので、どうか罰するのはやめて許して欲しいと請うのだった。
しかし石小僧は言った、
「あんたを皮みたいにぺちゃんこに伸ばして、柱の上に拡げるつもりだよ」
イヤは言った、
「わしはイヤだ。巨人だ。わしが大きくなれば、お前はわしをぺちゃんこになぞ出来ぬ」
そして、イヤの身体はみるみる巨大化し始め、ものすごい巨人の姿となった。
しかし、かまわず石小僧はイヤを踏み潰し始めた。足元から始まって、膝を踏み潰し、
彼は跪いた。太ももを踏み潰すと、お尻から転んだ。お尻を踏み潰すと、水が洪水の
ように溢れ出した。苦くて塩辛いこの水は、地面に滲み込んでいった。
今でも、泉や湖で、苦く塩辛い水が溢れ出ているところがあるのはこのためだ。
次に、腹を踏みにじると、イヤは大量のさくらんぼの種を吐き出した。
「この『さくらんぼの種なんだい?」と石小僧が聞くと、イヤは答えた。
「わしが巨人の姿で大地を歩き回っておったころ、息と一緒に吸い込んだ人間どもさ」
「どうすれば、あんたが息と一緒に吸い込んだときの人間に戻せる?」
「それには、煙が出んように火を焚いてくれ」
石小僧は、とても乾いた綿の木(コットンウッド)を見つけ、それを燃やし炭にした。
「あの偉大な熊から、少しばかり毛を取ってきて、それを火の上に置いてくれ」
石小僧がそうすると、見事な白い煙が上がった。
それは、野生のセージの枝と葉を燃やすときの煙に似ていた。
「このさくらんぼの種に、その煙を吹きかけてくれ」
石小僧がそうすると、イヤは言った、
「この煙は、万人に害を及ぼすわしの力を追い払うことが出来る」
次にイヤは言った、
「女達の髪の毛を取ってきてくれ」
それを火にくべると、スイート・グラスを燃やすときに似た煙が上がった。
「それは、お前がその人間達にかなえたいと願っている力を与えてくれる」
石小僧は、種に言った、
「さあ、あんたたちが、イヤの息と一緒に吸い込まれる前の姿にお戻りなさい」
あらゆるさくらんぼの種が起き上がり、それらは女子供に姿を変えていった。
そこはたちまち、たくさんの人々で溢れかえった。 彼らはみな、空腹だった。
「この人たちに、何を食べさせてあげたらいいかな?」とイヤに聞くと、イヤは答えた。
「あの偉大な熊の肉を食べさせればよい」
石小僧が切り取った熊の肉は、女達の手に渡るごとに二つに切られたが、
その肉片はたちまち大きくなり、ずべての人たちの手に肉が行き渡るのだった。
火が起こされ、肉が焼かれ、みんなが満腹し、幸福になって歌が歌われた。
人々は、それぞれ違う言葉を話したので、お互いの言うことが理解できなかったが、
石小僧自身の言葉は誰とでも通じた。彼は人々に聞いた、
「あなたたちの故郷はどこですか?」
「山を越えたところです」
「では、そこへお戻りなさい」
これを全員に言って、熊から肉を切り取り、それぞれの部族の、一番年取った女性に
これを配った。彼らが故郷に着くまで、この肉片は十分それをまかなえるだろう。
石小僧は、4人の兄弟に言った。
「これからぼく達はあなたがたの妹、そしてぼくの母の元へ戻るわけですが、
その前に、もうこれ以上の悪さが出来ないように、もうこれ以上の人間を
傷つけないように、イヤを滅ぼしてしまうつもりです。」
彼がイヤの胸を踏みつけると、イヤの息はつむじを巻いた旋風となって、鼻や口から
飛び出し、木々をなぎ倒し、草を根こそぎにし、湖から水を追い出し、コヨーテと蛇の木を
土と岩で覆いつくした。
この騒ぎが何なのかを見に、ワキンヤンが現れ、上空で旋回しながら近づいた。
彼の目から稲光がはじけ光り、この旋風の中へ突進したワキンヤンは、これと組み合い、
やがてそれを空の彼方へ運び去った。
石小僧はイヤに言った、
「ぼくはあんたの頭と腕を踏んづけて、乾いた皮みたいにぺしゃんこにしてここに留める
ことにするよ。木も草も水も、生きてるものはあんたのそばでは住まないだろう。
太陽はあんたを灼き、寒さはあんたを凍らせるだろう。渇きと飢えをあんたは感じるだろうが、
もう何一つ、あんたに近寄るものはないだろう。」
イヤが非常に巨大化していたので、その身体は谷を横切る勢いだった。
彼の手は、石小僧が最初に彼を見つけた丘の上にあった。
石小僧がこうして彼の運命を告げているとき、イヤはその手に何かを掴んだように思った。
それは、あの魔法のローブだった。イヤはすばやくこれを奪って被り、その姿を消した。
しかし石小僧はそれを見ていて、彼の息の根を止めるためにすぐに跳び上がった。
イヤの口は大きく開けられていた。 石小僧の足が彼の上に乗る前に、イヤは頭に
ローブを被った。石小僧が彼を踏みにじったとき、イヤの口の中に踏み込んだので、
イヤは罠のように口を閉じ、石小僧の両足を歯と歯の間に挟んだ。
イヤは石小僧を痛めつけることは出来なかったが、口でしっかり挟み込み、やっとの思いで
石小僧が片足を抜いたときもまだ口を閉じたままでいて、やっと残りの足を抜くころには、
彼のモカシンを口の中に残し、もう見つからないように、その姿を消してしまっていた。
これにてスー族神話の英雄譚、インヤン=ホクシラ 一巻の終わり。
あー疲れた。 つぎはインカ帝国の神話でも書いてみる。
いやぁ〜、お疲れ様でした。寒い夜は、こう言うのをじっくり聞くのが一番ですね。
>>223 繰り返しは、どの部族でも共通ですね。ナバホもプエブロも大抵、重要なくだりや
歌の部分は4回繰り返しますね。口承ですからね、何回も繰り返し繰り返し聞いて、覚え、
伝わっていくんでしょうね。
>>226 ナバホの神話でも、双子が太陽の父神を訪ねた時テストの一つがスウェットでした。
その中で、どうやって小屋を作り石を熱くして蒸気を出すか、事細かに語られています。
古いお話は賢いですね。昔からの知恵であふれている。
ユタの話が出てたので、ユテ族の「ピューマと熊の話」を書いてみることにした。
あるとき、ピューマが息子と二人で狩りに出かけた。 その隙に、熊がやってきて、
ピューマのティピの中に座っている彼の妻を見て、一目惚れしてしまった。
「ああ、この女を俺の妻にしたいものだ」
熊はこう考え、ティピに入り込み、女の横に座った。
二人が意気投合するのに時間はかからなかった。彼らは駆け落ちを決めた。
ピューマが戻ってきたとき、ティピに妻はいなかった。
「これはどうも女房のやつ、熊の野郎と駆け落ちしたんじゃなかろうか」と、ピューマは言った。
彼と息子はなかなか熊の去った道を見つけられなかったが、やがてそれを見つけた。
道の半分ほど来た所で、強い風が吹き始め、その日は追跡が中断された。
次の日になって、ピューマはついに彼らの居場所を突き止めた。
「あの杉の木の中に、二人はいるに違いない。」
近づくと、中から熊と妻の話し声がする。彼は、息子に言って木の周りを回らせ、
熊が追い出されるように仕組んだ。
「ああ、ピューマはとても強いのよ!」と女は言った、
「だが、この俺はもっと強いさ」と熊は言って、杉の木を引き抜いて見せた。
ピューマの息子が攻撃してきたとき、熊はモカシンを脱いでいた。
しかし今、急いでモカシンを履いたとき、熊はそれを違う足に履いてしまった。
そして、後ろ側から来た息子に気をとられ、正面のピューマと出くわすことになった。
二人は取っ組み合い、ピューマは熊をねじ伏せたが、熊はそれを払いのけ、突進した。
激しい組み打ちの末、ピューマは熊を岩の上に投げつけ、ついに熊の背骨をへし折った。
そして、ピューマは妻を森の中に放してやった。
彼女の心が、もう離れてしまったのを知っていたからである。
ピューマは息子とともに、新しい家と妻を見つけるための、狩りの旅に出るのだった。
おわり
ナバホでも、熊がモカシンを反対にはいてしまう話があります。
モカシンゲーム
ある時地球上に住む生き物すべてが、モカシンゲームを始めたことがあった。その頃、それらの生き物は
今の人間と同じように話をすることができた。彼らは、何でも今の人間と同じようにしたものだ。
そして一度ゲームを始めると、あまりにもおもしろくて止めたくなくなってしまうのも同じだった。
「さあ、モカシンゲームをしよう。」「ユッカの数え棒を102本作ろう。」102本のユッカの
数え棒が作られ、ユッカのボールもできあがった。彼らは、ツェ ホディルヒルという近くの
ゴツゴツした岩の洞穴に集合した。洞穴の両端には浅い溝が掘られた。両方の溝には四足ずつの
モカシンが置かれ、その上に土がかぶせられた。「何を賭けようか?」昼行性のもの達は、「我々は
大地を賭けることにする。もし勝ったら、太陽はいつでも照って、ずうっと昼のままでいて欲しい。」
そうすると、夜行性のものたちも負けじと、「こちらは空を賭ける。オレたちが勝ったら、太陽はなし。
いつでも真っ暗なままになるのだ。』そうやって、彼らは暗闇と光を賭けてゲームを始めたのだった。
全てのものがどちらかについて、洞穴の両側に分かれて闘った。コヨーテは、一つの列の端っこに
ついて穴の入り口辺りにいた。しかし、どちらの組についたものか決めかねて、何度も両方を
行ったり来たりしていた。
勝負はなかなかつかず、みんな時間を忘れてゲームに没頭した。そうやって三日三晩経ってしまった。
一方が100本取る所まで行ったが、最後の2本を取る前に相手が盛り返し、この日も決着はつかず
終いになった。
第四日目、夜行性チームが勝ちはじめた。昼行性チームは「ボールはどこだ?」と夢中になって
探す。セミが「ジネズミをやって探そう!」と決めた。ジネズミはトンネルを掘ってモカシンの
ありかを探し当て、靴に穴をあけて玉があるかどうか試して歩いた。しかし、ひとつも見つから
なかった。
戻ってくると、ジネズミは「どのモカシンにもボールは入っていませんでしたよ。」と言った。
すぐさまみんな、どうやら何かがあやしいことに気づいた。「誰かが隠しているに違いない。誰だ
ろう?」
フクロウが一番の容疑人だ。その手を棒で叩くと、ボールが落ちた。たちまちボールは夜行性の
もの達の隠す番となり、あやうく負けそうだった昼行性動物は、やっと引き分けに追いついた。
コヨーテは、いまだにどちらとも決めかねていて「こっちにしてみようかな。」と勝ち始めるチームの列に
並び替えるのだった。
五日目の明け方、フクロウは「まだやっておるのか。家に帰るように言ってやろう。気違い沙汰だ。」
外に大きな平板の石が置かれ、様々な色の泥が水と混ぜられ、ゲーム参加者のためにしつらえられた。
「さあ散って散って。」とフクロウが叫ぶ。「決着がつかんのだから、もう終わりにして家に帰った
らどうだ。みんな靴をはいてとっとと出てゆけ!」
みんなは平板岩のところへ出て行き、体中に色の泥を塗った。あるものはただ全体に一色を、
あるものは丁寧に模様を描いた。
カラスも加わったのだが、他のものたちと仲良くできず、ふくれっつらを始めた。他のものは
笑って冷やかしながら、カラスに向かって炭を投げつけた。そのせいでカラスはそれから、ずっと
真っ黒の体になってしまった。
ヘビたちは手の込んだ模様を体に描いた。だから、今でもヘビはみなみごとな模様の服を着ているのだ。
クマはゲームの途中、飽きて居眠りを始めていた。みんなが外へ出て行った時、やっと目を覚ましたの
だった。半分寝ぼけて、モカシンを土から取り出そうとして引っ張ったところ、誤ってもう少しで
靴を火の中に投げ入れてしまいそうになった。あわてて拾って履いたものの、左右を反対に履いた
ことに気づかず、出て行ってしまった。それで、クマの足跡を見ると左右が逆に見えるのだ。
「どうしてみんなをこんなことに巻き込んだんだ?そして、どうしてそんなに遅れをとっているんだ?」
とフクロウはクマを叱った。「急ぐんだぞ。あの山まで急いで走るんだ!陽が上ってお前の背中の毛を
照らすことになる前に、山の中にはいりこむんだぞ。」クマは、急いで泥の絵の具を鼻にそって塗り、
あたふたと走りはじめた。しかし靴がきつくて、思うほど早く走れなかった。林の端っこに着く直前に、
太陽は山の向うから昇り、彼の背中を照らしてしまった。そういうわけで、熊の背中は、少しあせて
赤みのある色になってしまった。
みんなモカシンゲームを後にした時、ユッカの玉と数え棒がそのまま洞穴の窪みに残されたままだった。
洞穴の中には、すすの後とモカシンが引き出された後の穴がそのまま残っているそうだ。何もかも
みんなたった今までゲームをしていたように、そのまま残っている。つばを吐いた後、熊の足跡も
くっきりと見える。
ユッカのボールと数え棒は、今でも湿っていて、それが乾ききってしまうともう二度と雨が降らない
印だという。
昼行性チームも夜行性も、結局ゲームに勝たなかった。だからものごとは今もそのまま、昼と夜が
半々なのだ。
そういう話があったとさ。
(おわり)
ところでインヤンの話、なんでもすぐぺちゃんこにつぶされてしまうのが、現実離れしていて
漫画的というか、つい笑ってしまいました。この話、ファンタジーに満ちていますね。
そうそう。巨人イヤというと、何故かエンデ原作のドイツ映画の、
「終わりなき物語」に出てくる岩の巨人の顔を、頭に浮かべてしまうっす。
数え棒の遊びと言うと、ハンドゲームを連想させるね。 平原から西海岸にかけて、
これは今でもすごく盛大な行事ですな。観に行きたいな〜
ポーニー族のハンドゲーム歌はリズミカルで、すごく好きっす。
熊つながりで言うと、ユテ族のもっとも有名で盛大な伝統行事が「熊踊り」の儀式で、
毎年春になると行われる。 これはCDも発売されているので、音だけでも楽しむことが出来る。
ギコギコギコギコいう、籠と棒を擦り合わせる(ものすごく単調な)音を伴奏に、歌い、踊られる。
熊踊りの由来は、こんな物語らしい。
あるとき、森で二人の若い狩人が、狩をしていたら、一匹のメスの熊に出会った。
その牝熊は、まるで踊っているかのように見えた。木に登ろうとし、樹皮を引っかき、
また後戻りし、そのステップを何度も繰り返していた。
二人はそれをしばらく眺め、それから帰途についた。
その晩、若者の一人の夢に、先ほどの熊が現れた。
そして、若者に、踊りを教えようと申し出るのだった。
ひとしきりの模範演技のあと、彼女はこの踊りを、他の人々にも教え、
そして、それを春が来るごとに、踊るように言うのだった。
この踊りは、熊の精霊に敬意を示すものであり、また
熊の精霊に敬意を示すことが、人々を強くするのだと言うのだった。
それから、ユテの人々は、春になると熊の精霊にこの踊りを捧げるようになった。
さらに熊つながりで、カイオワ族のツォ=アイ(ベアー・ロッジ)の神話を書いてみる
むかし、カイオワ族の一行が、平原を横切る、川の流れのほとりに野営した。
そしてそのそばには、熊の人々も数多く住んでいた。 熊たちはカイオワの匂いを嗅ぎ、
熊たちの戦士団が、カイオワを捜しに出かけた。
七人の少女たちが野営を出て、流れに沿ってベリーを採集するうち、野営からかなり離れてしまった。
熊たちは、彼女らに出くわし、攻撃するために唸り声を上げた。
少女は広大な大草原を、ひた走りに走って逃げ、やがて大きな灰色の岩までたどり着いた。
彼女らは岩に登ったが、それを追って、熊たちも岩を登り始めた。
少女達は、熊から護ってくださいと一心に岩に祈りを捧げ、歌を歌った。
それまで祈られたことなどなかった岩は、この栄誉を受け入れ、
見る見る上空へと伸び始めた。
一方、熊たちも熊の神に祈りを捧げ、歌を歌い始め、やがて彼らの背は
ぐんぐんと伸び始め、巨大化していった。
巨大になった彼らは、ものすごい勢いで岩をよじ登り始めた。彼らの鉤爪は
岩肌を引っかき、傷をつけ、幾千のかけらが下へと転がり落ちた。
が、やがてついに彼らは狩りをあきらめ、もと来た場所へと戻っていった。熊たちの
身体は、大平原を横切るうちに次第に縮み、ゆっくりと、元の大きさに戻っていった。
カイオワの人々は熊たちを見て野営をたたんでいた。 彼らは恐れおののいていた。
そして、熊たちがそびえたつ岩山から帰っていくのを見た。
カイオワの人々は、あの岩山はきっと「ツェ=アイ」、熊たちの山小屋に違いないと
思った。そして、その岩山は今でもそう呼ばれている。
少女達もまた恐れおののいていた。高い岩山のうえから、カイオワの人たちが、
彼女らが熊に食われたと思って、野営をたたんで離れていくのが見えた。
少女達は、今度は星達に向かって祈りの歌を捧げた。
星達は、彼女らの歌で幸せな気分になり、少女達のところへ降りてきて、
大空へと彼女らを連れて行った。彼女らは星空の「七人の姉妹」になり、
今も毎晩、ツェ=アイの上を通過して、岩の精霊に感謝の笑みを捧げている。
この「七人の姉妹」というのは北斗七星のことかな?
271 :
天之御名無主:2005/11/22(火) 10:00:04
>>270 >この「七人の姉妹」というのは北斗七星のことかな?
プレアデスじゃないだろうか? すばる。
ネイティブ・アメリカンの神話の世界では「セブン・ダンシング・スター」など「七つ星」の多くが「プレアデス」のことだから。
私もプレアデス説に賛成。5-7の星ということですが、ナバホでもプレアデスはいつでもセブン
シスターズです。今そのことを書こうと思って、戻って来たら、どなたかがご指摘下さっていて、
感激!
>>264 「ネバー エンディング。。。」の巨人って言えてる!あの映画のスペシャルイフェクト
よかったですよね。
ハンドゲームってどうやるのか、ご存知ですか?数え棒を使うんですね?
あと、ナバホはストリングゲームがあって(あやとりみたいなもの)、基本的には紐が光で星座を
作るということみたいです。これにも、プレアデスがありました。ンー、どう作るんだったか
忘れてしまった。。。多分、日本の「はしご」みたいだったかな。共通のものがありましたよ。
クマというと、ホピのでヘンテコなのがあります。
男の子の名前がプーコンなのかポーコンなのか、はっきりしません。あしからず。
ホピの真ん中のメサに、プーコンと言う名の少年が、おばあさんと一緒にカチナハウスで暮らしていた。
あるとき一匹の熊が、村を荒し回り人を殺して歩き人々を怖がらせていた。酋長はどうしたものか
思案に明け暮れた結果、プーコンをクマ退治に送り込むことを決めた。
彼は、固い木で弓と矢を作り、矢にはオウムの羽を付けた。一本の特別な矢には青い鳥の羽も飾った。
また、シカ皮を切って縫い合わせ中に綿を詰めて、ボールを作ると赤い絵の具をすりこんだ。少年の
祖母には祈りの杖を作った。
酋長はそれらができあがると、プーコンの家に持って行った。おばさんは心から喜んだ。プーコンに
弓矢と玉を渡すと、チーフは「お前はあのクマを、わしが作ったこれらの武器でしとめるのだ。」
と言った。
プーコンはうれしかった。そして、クマが次の獲物を物色して歩いているところに、出くわした。
カチンと出会うと、クマは立ちあがって大きなツメをむき出しにした。プーコンは、ひざまづくと
弓矢を構えた。矢はシュッと音を立てて、クマの喉に命中した。クマが地面に倒れると、プーコンは
すかさずボールを投げつけ、クマはひとたまりもなく死んでしまった。
プーコンはクマの皮をはぎにかかった。足の方から切り込みを入れ、腹の部分は傷つけずにおいて
毛皮の袋になるよう上手に剥いだ。それを自分の肩から引っ掛けた。また、足からは
クマのツメを切り取り、中には干し草を詰め込んだ。なんと!それはまるで、とても醜いクマにそっくり
だった。プーコンは、そのクマのぬいぐるみの首に毛糸の紐をかけ、反対の端を自分のからだに
結え付けた。ぬいぐるみを後ろに背負って、彼はこう叫びながらかけて行った「アァー、
クマが追ってくる〜!」
「ホントだぞ。」と人々も叫んだ。村人たちも急いでかけて行くと、プーコンの祖母に「あんたの
ところの孫が、熊に追いかけられているぞ!」と言った。老婆は家のキバに、泣きながら駆け込んだ。
するとプーコンは、家に帰りクマのぬいぐるみをおばあさんに向かって投げつけたのだ。彼女は
恐怖のあまり、あっと言う間に死んでしまった。プーコンは老婆をケラケラ笑うとけ飛ばした。
「起きなよ。」と命令口調で言う。祖母は目を覚ました。彼女は起き上がると、プーコンをつかまえ、
ムチで叩いてお仕置きした。「なんて悪い子だろう。私のことを驚かせて。」しかし、チーフは満足だった。
そして、その村は二度とクマに悩ませられることがなかったということだ。
>>265 よろしかったらそのCDの情報を下さい!よろしくなかったらいいです:)
>>274 たぶん、ポ=オコンだろうね。
>>271 >>272 ですか、ですか。 ギリシア神話にもよく似た話があって、
やっぱりそっちも7人姉妹で、しかも昴なんで、まさかこっちは違うだろと思ってたんす
>>273 ハンドゲームと言うのは、チーム対抗で、手の中に隠した骨か木の棒(大体7本)の、印の描かれた
「当たり」棒を当てっこする遊び。こと保留地時代に入ってからは、部族対抗とか、賭ける金品も
部族で積み立てたり、かなり盛大な規模になってるもので、かなり呪術的な色も濃い。
棒を隠す側のチームは、手持ち太鼓をドンドン鳴らし、大声でハンドゲームの歌を合唱して、
相手の気をそらそうとする。当てられると、棒と、棒を隠す権利を相手に渡す。相手が外すと、
棒と棒を隠す権利を相手から貰う。棒が全部なくなったチームが負け。パウワウで観たことない?
マンダン族(ヌマカキ族)の創世神話を書いてみる
マンダン族は、サンダンスの元祖オーキーパ
>>192で知られる。 このオーキーパは、
水の精霊に捧げられ、またバッファロー呼ぶ儀式でもあり、1983年に復活した。
>>175のヒダーツァ族とは近縁で、言語も近く、創世神話もほぼ同じもの。
ミズーリ川上流に、土饅頭家屋を作って、コーンを始めとする農耕と、交易で栄えた。
1830年代に白人がこの土地に天然痘を持ち込んで以来、壊滅状態になり、
それ以来、アリカラ族とヒダーツァ族とで提携を結び、「ミズーリ三大提携部族」となった。
白人の同化政策のために、純粋にマンダン後を話せるのは一人の長老のみで、現在、
彼を中心に言語復活プログラムが組まれている。この神話も、彼がいなければ残らなかった。
彼らの伝統的な領土は、1953年、白人が持ち込んだダム建設で、あらかた水没させられた。
つまり、神話で水没した世界は、もう一度白人によって水没させられたわけ。
原初の地球は、表面を水で覆われ、暗闇の中にあった。 その水の上を、
歩くものがあった。 「最初の創造者」と「独りの男」だった。
二人は、水面を泳ぐ、一羽の雌のアヒルに出会った。 彼らはアヒルに、
「お前さんは、どうやって生きてるんだね?」と尋ねた。 アヒルは言った、
「水の底に、土と食べ物があるんですよ」
「じゃあ、そこへいって、土をここまで持ってきてくれないか?」と「独りの男」は頼んだ。
アヒルは水底へ潜り、少しばかり土をすくって来てくれた。
「これじゃあ足りない。」 「独りの男」は、手の上に乗せられた土を見て言った。
アヒルは再び潜り、土を採ってきて、『独りの男』の手のひらに載せた。
「もう一度言ってくれないかな。もう少しいるんだ。」
アヒルは再び潜り、土を採ってきて、『独りの男』の手のひらに載せた。
「まあまあ足りるんだが、もう一度行ってくれないか?」
アヒルは最後にもう一度潜り、土を採ってきて、『独りの男』の手のひらに載せた。
「ああ、これでいい!」と『独りの男』は言った、土の半分は『最初の創造者』に渡し、
お互い大地を創って、出来上がったら比べっこしよう、ということになった。
『最初の創造者』は、南を受け持ち、川や丘、谷や山などの起伏たっぷりな地形を創った。
そして、バッファロー、鹿、カモシカなど、狩りの獲物で大地を満たした。
『独りの男』は、北部を受け持ち、湖や池がある平坦な地形だった。
そして、家畜や羊を創った。
さて、すべてが終わると、お互いがそれぞれの仕事を見る段になった。
が、『最初の創造者』は、『独りの男』の仕事に満足しなかった。
「こんなに平らな土地じゃ、隠れるところもないじゃないか。」
「そうかもしれないが、もう変えようったって、どうにもできないよ。」
大地には人間が住むことになったが、冬がやってくると、人々は苦しんでいた。
『独りの男』は、コーンの中に入り込んで、一人の少女がそれを食べることによって、
人間になってこの世に生まれ出た。
ところで、マンダン族とヒダーツァ族の創造神話は、よく似ているが、『最初の創造者』と
『独りの男』の立場が逆だったり、微妙に違う。これを全部書いたら、そっちも書いてみる。
で、おいらも明日は狩りに出ることにして、続きは多分あさってくらいに書くことにする
>>277 Indian Houseはタオスにあるんですね。(うちから1.5時間)聞いてみたら、ネットでの
販売はしないそうですが、ファックスでできるフォームがあって、クレジットカードかペイパル、
又は郵便為替を送れば、日本まで送ってくれるそうですよ。オーダーフォームはダウンロードできます。(PDF)
国際郵便で5ドルとリーズナブルです。いいサイトを教えていただきました。ありがとう!
すごいく真剣にレコーディングをやっている人たちのようです。お金のお世話は苦手ですが、
それ以外なら私でなにかお手伝いできれば、なんなりと言って下さい。(すぐメールに返事を
くれたので、質問にもすぐ応じてくれると思います。)
>>278 ポオコンですか。そうか。Pookongですから。プーとかポーってホピらしくないと思いました。
>>279 パウワウでは見たことないです。でも、この辺のパウワウはプレーンズの人たちと
ちょっと違うんですよね。ま、来年のギャザリング オブ ザ ネーションに期待します。
>>280 母国語で話す相手も、理解してくれる人もいない。というのは、想像を絶しますね。
私は、日本の家族とそれなりに連絡がありますが、それでも今のようにネットで毎日日本語を
使い始める前、日本語の本を読まなかったのもありますが、10年ほどの間にちょっとした
ウツ状態になっていました。(気づかぬうちに)ほんとうに怖いことですよ。
「最初の創造者」と「独りの男」は、何が違うのでしょうか?入れ替わることもあるってことは、
対等のようですね。はじめから二人だった?おもしろいですね。
追伸 道中お気をつけて。
>>290 どうも、おかげさまで無事帰ってきました。 日本海は波が高くて、
船酔いで目を回して、狩りどころじゃござんせんでした。 とほほ
>>286 実際、お世話になるかもしれません、よろしく・・・
アメリカでダム建設というと、たいていそれは、インディアンの保留地を沈める、
ということになる。 セネカ、キノールト、パイウテ、ユーマティラ、例を挙げるときりがない。
日本でも、アイヌの聖地ニプ谷が、必要のないダムの底に沈んだ。
計画を推進した女好きの政治屋は、その後逮捕された
では、マンダン族の創世神話の続き
『独りの男』は、少女の部族に、人間の男の子として生まれ出た。
彼は大変純粋で、よい人間だった。 口論があれば、必ず彼は
調停者の役を買って出た。
彼は終生独身だったが、子供達は彼を愛し、どこへ行くにも子供達が
ついてくるのだった。
彼は、たくさんの重要な事を人々に教えた。
しかし、ついには彼は人々のところから離れなければならない時が来た。
彼は杉の木を使ってトーテム=ポールを作り、それを赤く塗って村の中心に
建てさせ、香を焚くように命じた。
「この杉は、私の身体だ」と、彼は言うのだった。
「私が去ったあとも、この杉はあなた方をあらゆる害から護るだろう」
そして、彼は旅立っていった。
彼が去るというのが、あの世へ去るということなのか、
旅に出たということなのかはよくわからん。
それと、のちの伝承で、『最初の創造者』は、『コヨーテ』に替わっていった。
『トーテム=ポール』というのは、動物が重なってるアレではないと思う。
月と太陽の象徴をそれぞれ結わえ付けた二本柱に、マンダン族が祈る絵が
残ってるので、そういうやつのことではないかいなと思う
ヒダーツァ族の創世神話は、
>>283までは同じだが、そのあとはちょっと違う。
『独りの男』は、『最初の創造者』にの創ったものを見に行った。
それは木がまばらで、湖や池がある平坦な地形だった。
「これはあまりよくないな。こんなに平らな土地じゃ、人間はまともに平原渡りの
風を受けるし、それを避けるものもない。 冬に湖に氷が張っても水が得られる
泉や川もない。家を建てたり、火を起こすのに役立つ木も、全然少ないじゃないか」
そこで、『最初の創造者』は踵であちこち踏みつけて起伏を作り、
泉や川を作り、その周りに木を作った。
それから二人は、『独りの男』が創った動物を見に行った。
とても長い角をしたもの、斑模様のやつ、様々な色をしたやつらがいた。
これは、白人どもが家畜と呼んでいる連中だった。
「こいつらはあんまりよくない。 だがまあ、生き物には違いない」と『独りの男』は言った。
「こいつらを、この川の向こう側にやっておこう。 いつの日かこいつらは、
ここに戻ってくるかも知れん。我々は、こいつらを食べることになるかも知れん」
↑この『川』というのは、当然ミズーリ川だろう
つぎに、『独りの男』が創った土地を見に行った。
山や丘、森、泉や川があり、バッファローや鹿、ヘラジカ、ムースや熊がいた。
さらに歩いていくと、死んだ狼の死骸があり、頭が赤い蛆虫が全身にたかっていた。
「この蛆虫は、君が創ったのか?」と『独りの男』が聞いた、
「いいや、私ではない」と、『最初の創造者』は、きっぱり否定した。
『独りの男』は言うのだった、
「まあ、こいつらだって生き物には違いないんだし、この大河の向こう側に
やっとこう。 いつの日か、こいつらは肌の白い人間に成長するだろう。そして、
彼らはとても賢い人々で、我々のところに戻ってきて、いろいろ教えてくれるだろう。」
おわり
『独りの男』と言うのは「ローン・マン」という英名を、俺が勝手に訳したものなので、
ひょっとすると『孤独な男』というような名称のほうがふさわしいかもしれない。
最後の一節は、やっぱりちょっと出来すぎてるので、後世のつけたしかもしれない。
ところで、書き忘れたけど
>>297で、「こいつらを川の向こう側にやっておこう」とか
言ってるのは『最初の創造者』です。
>>291 無事お帰りなさい。海ですか。この前サンフランシスコでちょっと浜辺へ連れて行って
もらいましたが、泳いだり船酔いするような状況にあったのは、4-5年前でしょうか。お苦しみ
のところ申し訳ないが、羨ましいです。
>>294 じゃそれこそ御柱ですねぇ。
>>299 ローンウルフは「一匹オオカミ」。
ちょっと時間があるので、シチャング=スー族の、イクトミの話を書いてみる。
1969年に、松尾根保留地の採録されたものらしいです。
シチャング=スーは、
>>157のテトン=スーを構成する七支族の一つで、
「焼けた腿」の意。「バーント・サイ」と訳されている。昔、大草原が敵の放った火に
包まれ、彼らの伽半やモカシンが黒焦げになったため、この名がついた。
イクトミの話には、「艶笑小話」が多い。これもその手のもので、ちょっとHです。
「イクトミ、悪い夢を見る」
イクトミは、真夜中に悪夢を見て、冷や汗をかいて目を覚ました。
彼の友達のコヨーテが、ちょうど訪問中だったので、
「コラ(お友達)、何か悪い夢でも見たのかい?」と聞いた。
「ああ、ものすごく悪い夢、見ちまったよ」とイクトミは答えた。
「どんな夢だったんだ?」とコヨーテは聞いた。
「俺は夢の中で、流れで行水をしている、すごく綺麗なウィンチンチャラ(可愛い娘ちゃん)
を見てたんだよう」
「そりゃ、ものすごく悪い夢、ってふうには聞こえねえなあ」とコヨーテは答えた。
「その娘は服を全部脱いでて、おりゃあその娘の裸を見てたんだよ。
それがまた、すこぶるいい身体つきでなあ」
「コラ、そりゃあどう考えても悪い夢じゃないね」
「おりゃあ、彼女からちょっと離れた繁みに隠れてそれを見てたんさ。
そうすると、おいらのチン○コが、だんだんおっきくなってきたんだよ。
しまいにゃおめえ、蛇みたいに彼女に向かってにょろにょろ伸びてくんだよ」
「この夢に悪いとこなんかないな。俺はおめえに言うよ」
「おいらのチン○コは、まるで長い長いロープみたいだったよ。
それが娘のとこまで向かっていって、水に入っていって、娘に触れたね」
「カンジ(従兄弟よ)、俺はお前に言うよ。俺もそんな夢が見たいよ」
「それで、おいらのチン○コの先っぽが、娘の中に入ってよ、
しかも娘は、最初それに気づいてもいねえんだ」
「コラ、俺はお前に言うよ。 そりゃすばらしい夢じゃねえか」
「しまいにゃおいらのチン○コは、彼女に丸々入っちまった。
彼女はしかもそれが好きそうなんだよな」
「こりゃ、俺が今までに聞いた中で一番言い夢だな、コラ」
「ちょうどその瞬間に、おいらは大きな物音を聞いたのさ。
夢の中で、おいらはとても興奮してたから、馬どもがでけえ馬車を引いて
そこへやってきたってのに、気づいてなかったんだよ。
そいつは俺の右上にやってきて、しかもそいつは、ワシチュウ(白人)の馬車
だったんだが、ワシチュウのやつ、馬に鞭をくれて、どえらい勢いでやって来るんだよ。
その馬車はものすごく重たいやつでな、お友達、しかも重たい鉄の車輪をつけてやがる。
そいつはそのまま、おいらと娘っこの間に割り込んできやがって・・・・・・」
コヨーテは言った、
「お友達、お前さんは正しいよ! そいつは確かにめちゃくちゃ悪い夢に違えねえ!!」
というお話であったとさ。 ヘ、ヘッチェトゥ!
コヨーテとイクトミが、一緒になって勝利話や失敗話をしている図が、目に浮かびます。
蛇のように長くなったペニスが切れちゃったのか、つぶれちゃったのか知りませんが、どっちにしろ
たとえ夢であっても痛そうですね。ハハハ。。
ヘ、ヘッチェトゥとはどういう意味ですか?
コヨーテが痛い目にあう、こんな話がありました。(シャスタ族)
ある日コヨーテは、二人の女の子が話しながらやて来るのに気づいた。彼は、「フーン、あの子
たちをおれ様のものにしてやりたいな。どうしたらいいだろう?」と思った。と、道沿いに小さな
川が流れているのに気がついた。
「そうだ、川へ入って行って鮭になってやろう!」そう言うと、コヨーテは魚に姿を変えた。娘たちが
すぐその後、川縁にやって来た。ひとりの娘が鮭を見つけて「ほら、鮭がいるわ。捕まえましょう!」
二人は川の両岸に分かれてしゃがみ込むと、川に手を伸ばした。鮭はゆらゆらと川の中を泳ぎ回り、
娘たちの体に入り込んで行った。
「何か変な感じする?」と姉が尋ねると、「うん、なんだか気持ちがいいわ。」と妹。
そこで、コヨーテはもとの姿にもどると笑って娘たちにこう言った。「鮭だと思ったろう?
だが、本当はおれ様だったのさ。」娘たちはかんかんになって怒り、コヨーテをののしった。
コヨーテは、また歩き続けて行った。と、ちがう二人の娘が川の反対岸で、ヒナユリを掘っている。
彼はどうやったら、この二人を自分のものにできるか思案した。そこで、自分のペニスを長ーく
伸ばして、背の高い草の茂みを通って川底を抜け、反対側の岸に届かせた。それはまるでまわりの
草と見分けがつかなかった。娘たちがかがみ込んでユリの根を掘り返しているところへ、コヨーテの
草は長い茎をのばして忍び寄り、彼女たちの脚の間に入り込んで行った。
娘のひとりはふと、足もとになにかあやしげなものが、ごそごそしているのに気がついた。その
正体を確かめようと、見回すと長い茎が伸びている。彼女は、それをユリの根堀りで突き刺した。
たちまちコヨーテは、川の向う岸から大声で叫んだ。彼女の突き刺した草の茎は、彼の体の一部だったのだ。
彼はやっとの思いで、それを川向うから引きもどした。
娘たちはコヨーテの悪巧みを知り、「なんて奴でしょう。コヨーテだったのよ、私たちにいたずら
していたのは!」と怒ったそうだ。
「ヘ、ヘッチェトゥ」は、スー族の「どっとはらい」、「とっぴんぱらりのぷう」。
これをつけとくとスー族のお話らしくなるのでつけといた。しかし、コヨーテは人気者ですな〜
シャスタ族というと、「雨の石」という、水害を防ぐ力を持つ聖なる玉石を代々伝えていて、
これは4000ポンドもあるらしい。kgに直すとどれくらいかな。
200年ほど前に、呪い師が治水のためにそれを埋めていたのだが、1930年代に白人が道路建設で
掘り出して、それを博物館に入れてしまったらしい。ワシチュウはいらんことばっかりしますな。
ご当地で豪雨災害がある度に、この石の返還要求の声が、シャスタ、白人を問わず高まるって話です。
雨の石にまつわる話はないかと思ったけど見つからんね。
ヘ、ヘッチェトゥ気に入りました。昔話って、なんかそう言うのがついているとしっくりきますね。
4000ポンドなら、2000キロちょっとぐらいでしょうか。100ポンドが45キロぐらいですから。
雨の石か。シャスタって、ほとん絶滅状態と聞きましたが、まだ返還要求できる程の人口が
あるんでしょうか?それにしても、博物館にねぇ。
またもや、見なきゃいいのに、バーンズの「アメリカンストーリー」の続きを見てしまった。今日は、
オクラホマのホームステッド競争の醜さと、ウーンデッドニーあたり。他にも、チーフセントジョセフ、
チーフビッグフット、ウルフチーフなどが出てきたり、シャルロットブラクエルクさんのインタビュー
もありました。話が進むのが遅い理由は、同時進行で、白人の移民の「苦難と不運」の話をしているため。
「そんなもんはどーでもいいだよぉ!」とイライラしつつ、今日も最後まで見てしまいました。
何度きいても納得のいかない、不条理ばかりの話です。
ところで、ナバホでは白人をビラガアアナ、といいます。アアのところを中国語のように高いピッチ
から低く下げます、です。
雨の石のみならず、暴力的に奪われた土地を、平和的に返還させようとがんばってるよ。
ただでも生活の場をダムに沈められてるしね。絶滅したのなんのは白人政府が決めてること。
シャスタに怒られるよー
アメさんの映画やTVドラマって、人種差別をギャグにするよねえ。
ああいうの見てるとアホがうつりそうじゃ
ちなみに、その人たちの名前を本来の言葉で言うと・・・
ブラック=エルクさん → ヘハカ=サパ
ジョセフさん → ハィンマラァ=トーヤラケット(発音によるけど)
ビッグ=フットさん → シ=タンカ
ウルフチーフってどこの人? 「侍ジャイアンツ」を思い出した
ジョセフさんは、父子ともども勝手に白人がそう呼んでただけで、本人はそう自称していない。
キリスト教は嫌ってはいなかったが、いよいよ父祖の土地を強奪されたとき、
二代目ジョセフさんは聖書を引き裂いた。
>>312 絶滅って言い方もよくないですね。失礼しました。反省。
ウルフ チーフはヒダツアの人らしい。多分インディアンたちと、インディアンを愛する人たちからは
嫌われている。ミズーリ リバーというメディスン バンドル キーパーの孫で、白人も話せば
わかる人たちと信じて、英語を学びできる限り白人の社会で成功して、インディアンが野蛮人で
はないことを証明しようとした人。50余年に渡って何百通もの手紙をワシントンDCに書き続けた。
ということですが、多分白人が自分たちは情け深いと証明するのに、いいように利用されてしまった、
というほうが正しいんでしょうか。そう言った意味で、この番組にも取り上げられていたのでは?
この番組、少なくとも重要でかつ冷酷な事実を無視してない点はいいのですが、最後にみんな口を
そろえて「重要なのは今、みんなの傷が癒えて、なかよく未来の平和をめざしている」というような
ことを言うんです。「え?いつ傷が癒えたの?」って感じ。
それにしても、シッティング ブル 翁といい、みんないい顔してますよね。写真を撮る時
へらへら笑っていないのもいい。こっちに来て時々嫌なのが、お店のレジスターや免許の写真を
撮る時に、意味もなく「スマイル!」と言われること。にせものの幸せを押し売りする。その態度って
政治のアプローチやメディアにも通じているような気がします。
CDのアドレスありがとう!さっそく見てみます。
部族議長のジレットさんは、涙を流しながらこう言った、
「部族会議の面々は、重い心でこの条約にサインをする。今や、未来は我々には良いものには見えない。
1851年に結んだララミー条約、(三つの部族の結びつき)は、切れ切れに引き裂かれてしまった。
そして大地は・・・・ すべての良い、住みやすい、農業の出来る保留地の土地は、これで沈んでしまう!」
『最初の創造者』と『独りの男』はどんな気持ちだろうか。 彼らの傷も癒されてるんだろうか
そのバーンズとか言うおッさん、次はナバホのバルボンチートでも採りあげるんかいな。
知り合いに海兵隊上がりの日系人がいるが、いいヤツなんだが徹底的に「アメリカ人」だな。
「確かに昔ひどいことがあったが、今は違う、もうそういう悲劇はすんだことで、今はみんなが力を
合わせて世界中に出ていき、平和のために戦うんだ。それがアメリカという国の使命なんだ」
小学校レベルからこういう思想を叩き込まれてるんですな
>>316 いえいえ、「絶滅」といっても、たいていワシントン政府の「審査」ではねられた部族が、
連邦的に「絶滅部族」とされてしまってるんですよ。 物理的にインディアン狩りとかで絶滅させられた
部族もあるけどね。
で、実際メノミニー族とかピークォット族とか、一度「絶滅部族」にされたものを、再結成して「復活」した
ものも多いんですよ。もちろん混血度も高くなるわけだけど。
シャスタ族というと、シャスタ山ということで、
【シャスタ山はなんで噴火したか】
コヨーテの住むコヨーテ村には、小さな魚しかなかったが、お隣のシャスタの村には、
いつも彼らが食べるより多くのシャケがあった。
シャスタ族は、川に堰を作って罠を仕掛け、シャケを獲っていた。
彼らはそれを炭で炙ってたくさんの燻製にして、冬に備えていた。
よその部族は、このシャケを求めて、いろんなものを交換にやってくるのだった。
シャケはシャスタにとって、まったく富と敬意そのものだった。
ある日、コヨーテは、美味いシャケを食べている夢を見ていた。
汁っ気たっぷりなシャケの、おいしい料理で、口の中はよだれたっぷりだった。
「ああ、なんて腹ペコなんだ」と、コヨ−テは起き上がって言うのだった、
「シャスタの村へ行けば、もしかするとシャケのディナーにありつけるかもしれないな」
コヨーテはブラシで身体を綺麗に洗って、しゃんとした格好に整えた。
そして、新鮮なシャケが、目の前で泳いでいる幻を視ながら、シャスタ村へと向かった。
シャスタ族の罠漁では、シャケが大漁だった。彼らは、コヨーテを歓迎し、捕まえて
持っていけるだけの魚をあげるよと言ってくれた。
その気前のよさに感謝したあと、飢えと欲が手伝って、コヨーテは魚を獲りに獲った。
しまいに背中に一杯魚を担いで、彼は帰途についた。
背中にしょった荷物の重さと長い帰り道に、コヨーテはすぐに疲れ果ててしまった。
「しばらく休憩するか。 ちょいと眠ったら、また元気になるだろうな」
彼は荷物を腹の上に載せ、地面に身体を一杯に伸ばして横になった。
コヨーテが眠りに落ちると、スズメバチの群れが集まってきて、彼の荷物を食い荒らし始めた。
あとには、シャケの骨だけしか残っていなかった。
とても腹が減って、コヨーテは目を覚ました。最初考えたことは、
シャケの肉にかぶりついた瞬間が、どんなにいいものだろうということだった。
半分寝ぼけた頭で、彼は頭をひねり、がぶっと噛り付いた・・・・
コヨーテは、びっくり仰天し、怒り狂った、彼の口の中は、魚の骨で一杯だった!
シャケの肉はどこかへ行ってしまった、彼は地団太を踏み、怒り叫んだ。
「誰が俺のシャケを盗みやがったんだ! 誰だ、俺のシャケを盗んだのは!?」
コヨーテはあたりを調べたが、盗人のなんの痕跡も見つけられなかった。
彼はシャスタ村へ戻ってみて、良き友シャスタに会い、シャケをもうちょっと
分けてもらえないか聞いてみることにした。
彼らは、シャケの骨の飛び出したコヨーテの背嚢を見て言うのだった、
「お前さん、何があったんだね?」
「俺は、疲れて、ちょっとうたた寝してたんだよ。 俺が眠ってると、誰かが
あんたたちがくれたシャケの良い肉をすっかり盗んじまったんだよ。尋ねるのも
愚かとは思うけど、もう一度、あんたたちの堰で、シャケを獲らせてくれないかな?」
親切なシャスタ族は、一晩泊まっていって、明日の朝、もう一度シャケを獲っていきなと
言ってくれたのだった。 翌朝、二つめの背嚢にシャケを詰め、コヨーテは家路についた・・・・・
続きは明日書くことにする
>>317 直視できない光景ですね。
>>319 私は、白人の友人もいますので彼らのためにいいますが、本当に本当に白人の、アメリカ人の
全てがそう思っているわけではないです。イラクの時も、再選挙の時も、ものすごいデモンストレーション
がありましたし、今も自分がアメリカ人であることを呪いのように感じているひともかなり
いるんです。と言っても、私が仲良くなるのは結局、小さい頃海外に住んだ経験のある人や、
移民が多いのは、認めざるをえませんが。
私は、自分が日本が満州や朝鮮でしたことを知った時、幼いながら日本人であることを恨みました。ドイツ人で、苦しんでいる人とあったこともあります。
いまだ、どうやってこういうことを、消化していったらいいのかは、わかりません。
「絶滅寸前」など、連邦政府が決めることだとは知りませんでした。(情けない。。)
シャスタ山は美しい峰ですね。写真ではサケがいっぱい上ってきそうな、きれいな流れが
たくさんあるように見えました。コヨーテはいつも、疲れて昼寝をしては、ちいさい生き物に
ばかされてしまうようです。続きを楽しみに。
プエブロにも、コヨーテの昼寝とちっちゃい昆虫の話があります。
コヨーテの女房が近くのソルトレイクの谷で、ダンスがあると聞く。そこで、自分たちもあやかって
ご馳走を作りたいと思うが、塩がない。そこでコヨーテを湖にやって、塩を取って来欲しいと頼む。
コヨーテはいそいで湖に出かけるが、着いた途端眠くなってしまう。居眠りしているコヨーテをみつけた
蝶たちは、コヨーテをかついでやろうと、みんなでコヨーテを持ち上げて彼の家まで戻してしまう。
昼寝から覚めたコヨーテは、女房からこっぴどく叱られ、また塩を取りに。
ところが袋に塩をつめると、また眠気が襲って来た。コヨーテは「十分時間があるから。」と眠り
こけてしまう。そこで、蝶たちはまたもやいたずらして、コヨーテを運びもどす。女房に見つからぬうちに
また湖をめざしたコヨーテは、もうくたくただ。塩を袋に詰め、帰途についてすぐ倒れて眠りについてしまう。
可哀想に思った蝶たちは、今度は塩のたっぷり入った袋とコヨーテを家までとどけてやった。でも
蝶たちはコヨーテをまんまとだましたので、おかしくておかしくて宙を笑って舞い、
今でもまっすぐ飛ぶことができないそうだ。(おわり)
このソルトレイクは、ユタのではなくズニの守っている塩湖です。ここでも、つい最近まで、
アリゾナの電気会社が、銅の鉱山を建てようとプロジェクトを押していて、やっと却下された
ということです。ニューメキシコ州は、全体を含めると赤い州(共和党派)ですが、州知事は
リベラルなビル リチャードソンで、ネイティブの聖域を守るのに、かなり尽力している。でも、
恐ろしいことです。今でも尚、法廷騒ぎを起こしてやっとの思いで聖域を守らねばならないなんて。
>>325の続き
おかしなことに、前日と同じくらいの場所で、またコヨーテは疲れ果ててしまった。
再び彼は休憩を取ったが、今回はコヨーテは、絶対に眠らないぞと心に決めていた。
彼が目を見開いていると、蜂の群れがちょっかいをかけてきたが、まさか彼らが昨日の
シャケ泥棒とも思わず、コヨーテは何も手出ししなかった。
が、コヨーテがまばたきしたほんの一瞬、スズメバチはまたも、シャケの肉を
かっさらっていってしまい、すぐに彼らは見えなくなってしまった。
怒り狂ったコヨーテは、シャスタの村にとって返し、今見たことを友人達に話した。
彼らは、コヨーテが二番目のシャケまで奪われたのを、とても気の毒がってくれた。
そこで彼らは、こう提案した。
「それなら、この三番目のシャケを持っていって、もう一度、おんなじところで
休んでみな。俺たちはお前さんについて行って、そばの茂みにでも隠れて、
スズメバチがそれを盗もうとしたら護ってやるよ。」
コヨーテは早速シャケの山を持って出発し、計画通り、シャスタたちは茂みに隠れた。
ところが、彼らが待ち伏せているところへやってきたのは、一匹の「爺さん亀」だった。
「誰があんたに、ここに来るよう言ったかね?」
亀の闖入にイライラしながら、コヨーテは言った、
が、亀は何も言わず、そこに陣取っていた。
「あんたは何で俺達を苦しめにここへ来たんだ?」とコヨーテは言った、
「俺たちは、シャケのかたまりを二つも盗んだ、強盗野郎のスズメバチを
待ち伏せしてるとこなんだ。俺は今ここで、この周りにいてるシャスタの友達らと一緒に、
やつらを威して追っ払うつもりなんだ。 なあ、向こうへ行っててくれないか?」
しかし、亀はコヨーテの言うことにはお構い無しだった。
亀はそこに陣取り、休んだままだった。
コヨーテは、亀にあんまり気を取られすぎて、スズメバチがやってきたのに気づかず、
彼らはあっという間にコヨーテのシャケの肉を剥ぎ取って、飛んでいってしまった。
コヨーテとシャスタは、一瞬唖然としていたが、すぐさま猛烈に追跡を始めた。
走りに走って追いかけたが、やがて疲れて見失い、へとへとになってへたり込んでしまった。
が、亀のほうは、どっちへ追いかけていけばいいかを知っていて、ゆっくりした足取りで
着実に歩いていくのだった。
スズメバチたちもまた、どこへ行けばいいかを知っていた。彼らはまっすぐ、
シャスタ山のてっぺんへ飛んでいった。
彼らは、シャケを持ったまま、頂上の大穴に入っていった。
亀はそれを確認して、コヨーテや他の落伍者が、彼にようやく追いつくのを
我慢強く待っていた。
ようやく彼らが頂上へ着くと、亀はスズメバチが見えなくなった大穴を指し示すのだった。
続きはまた明日書くよん
亀っていつでも動きに無駄がないですね。続きを楽しみに。
おとといサンタフェに雪が降りました。例年より、一ヶ月遅れです。本格的なお話の季節
到来ですね。今日、インディアン ハウスのサイトで、試聴をしまくっていたらビデオを見れる
サイトがあったのを思い出しました。
ttp://parentseyes.arizona.edu/wordsandplace/index.html ナバホ語やホピ語で、歌やお話をするのを聞けて映像もちょこっとあります。ご存知かも
知れませんが、よかったら。一番最初の「私はこの歌とともに歩く」というのは、何度も
聞いたことがあって、歌詞を覚えようとしたくらい好きで、時々このサイトに行っては
懐かしく聞いています。
ナバホの歌は勇壮なものが多くていいですねえ。 ナバホでは「騎馬の歌」がすごく好きっす。
(ヤンガ〜、ヨヘヨヘヨヘヤ〜、ヨ〜オヘヤ〜ってやつ) ←これじゃわからんかな
>>333の続き
コヨーテは、シャスタ山の頂上で大きな焚き火をするよう、友人達に言った。
頂上の火口に煙を扇ぎこんで、スズメバチを燻し出す計画だった。
しかし、煙はみんな、山の端にある他の穴に流れ込んでしまって、うまくいかなかった。
コヨーテとシャスタたちは、山の中でスズメバチを窒息させようと、狂ったように走り回り、
穴という穴を塞ごうとした。
彼らがバタバタ走り回っている間に、「爺さん亀」は頂上の火口まで這い上がって行った。
ゆっくりと、彼は頂上の穴に身体を持ち上げ、あたかも母亀が巣の上に覆いかぶさるように、
火口をその巨大な甲羅ですっぽりと塞いでしまった。
今や亀によって火口は完全に塞がれ、もう煙はどこへも流れていくことはなかった。
残りのわずかな穴も、コヨーテと人間達によってすっかり塞がれてしまったのである。
とりあえず一休みすることにして、そこへ座ったコヨーテは言った、
「これでもう、スズメバチどもはすぐにでも死んでしまうさ」
するとまもなく、彼らは不気味な鳴動を耳にした。
シャスタ山の奥底から、ものすごい音が聞こえてきて、
頂上付近にどんどん轟音は近づいてきた。
亀はこの音に、そろそろその場所から退くべきだと決めた。
突然、いたる所から煙や炎、砂利を噴き上げて、シャスタ山はすさまじい爆発を起こした!
コヨーテにとって嬉しいことに、まるで奇跡のように火口から彼のシャケがぽんぽん飛び出してきて、
しかもそれは料理され燻されて、もう食べるだけの状態だった!
コヨーテ、シャスタの人たち、そして爺さん亀は座り、
早速そのおいしいシャケ料理に、舌鼓を打つのだった。
今日、シャスタ族はこれを、「シャスタ山は昔々、なんで噴火を始めたか?」という
お話として言い伝えている。
さて、
>>321のシャスタ族にとってのシャケ漁を始め、多くのインディアンは、狩猟・採集を
生活の糧としていた。が、20世紀に入ると、白人が「漁猟権・狩猟権」というものを持ち込んできた。
つまり、インディアンが狩り・漁をすることは「法律違反」であり、「密漁」である、ということになったわけ。
同じことは日本のアイヌにも言えるが、この理不尽な取り決めは、彼らの生活を壊滅させた。
1960年代後半に入り、全米でインディアンの狩猟と漁猟権の運動が激化した。
この運動は、続くアメリカインディアン運動(AIM)へと発展していった。
白人が山や海や川で狩りや釣りをしても、それは「スポーツ」であって、違法ではない。
だが、同じことをインディアンがすれば、それは「密漁」であり、「法律違反」になる。
60年代の、あえて白人どもの前で釣りをしてみせる「フィッシュ・イン」運動には、
俳優のマーロン=ブランドも参加した。(氏は終生、インディアンの協力者だった)
この白人の狂ったいじめが緩んだのも、この20年ほどの間のことに過ぎない。
数年前にも、鹿猟をして罰金刑を受けるインディアン男性のドキュメントをNHKでやってた。
裁判官は、よく越えた白人のババアだった。全然その男性は不退転だったけどね。
コヨーテもおちおち猟が出来ない、今のアメリカはそういう国らしい。
イロコイ連邦の「平和の女王」の話を書いてみる。
数百年前に、南部から北上してきた5つの部族は、ニューヨーク州近辺で連合を組み、
「イロコイ連邦」として恐れられた。のち、タスカローラ族を加え、6部族連合となった。
イロコイは、東部森林にやってきて、アルゴンキン語族と敵対した。
ある日、オナイダ族の戦士が森で狩をしていた。
赤い雄鹿が彼の前を跳ね、戦士はすばやく矢を放ち、これを仕留めた。
若者は、手にナイフを持ち、獲物の角を掴んで持ち上げたとき、その向こうに
怒りをあらわにしたオノンダーガ族の戦士が現れた。
↑
オナイダはアルゴンキン語族系の部族、
オノンダーガは、イロコイ連邦の構成部族。
オノンダーガの戦士は命令した、
「オナイダ、そいつを放してもらおうか。そいつは俺の矢が仕留めたものだ。
お前がそれを見つける前に、俺がすでに手負いにしていたんだ」
オナイダの戦士は笑ってこう言った、
「ご兄弟は、鹿を撃ったかもしれん。 しかしこれを殺せなかった、これはどう扱えばいいことかね?」
オノンダーガは怒り、叫んだ、
「こいつの権利は、森の掟によれば俺のほうにある!」
オノンダーガは言った、
「そいつをあきらめるか、それとも俺と戦うかだ!」
オナイダは誇らしげに胸を張り、オノンダーガを蔑むように見て、こういった、
「どうぞ、ご兄弟のご勝手に」
次の瞬間、二人は猛烈な死闘を始めた。
オノンダーガの男は、森の木のように背が高く、強かった。
オナイダの男は、豹のようにしなやかで、若い勇気を奮ってこれと戦った。
彼らは前に後ろにもみ合い、息遣いも荒く、汗は目に入って目をくらませた。
彼らの戦いは長くは続かず、やがて互いに反動で飛び退った。若い男は叫んだ、
「ho! オノンダーガ、この鹿のために、これほど争わないといけないものなのか?
あんたの村には肉が全然なくて、あんたらはまるでこうもクーガーみたいに戦わんといかんのか?」
「よし、平和にいこう、オナイダ。お前さんのきつい言い方がなければ、
俺はこうも怒らなかったし、この雄鹿のために戦うこともなかっただろう。
俺はお前さんよりも年上だし、知恵もある。この近くにある、「平和の女王」の小屋を見つけよう。
そうすれば、この獲物の権利がどっちにあるか、女王がはっきりさせてくれるさ。」
「そいつはいい」 オナイダは言って、二人は並んで女王の小屋を捜しに行った。
「五つの国(イロコイのこと)」の知恵として、彼らはセネカ族の少女を、
森の中に独り住まわせ、こういった戦士間の揉め事などを裁く役目を
担わせていた。
彼女は、すべての部族の男達から神聖視され、他の女とは別格に扱われていた。
彼女は、いかなる男との結婚も禁じられていた。
彼女は、二人の戦死の怒号を聞いて、表へ出ていた。彼女の聖なる
住まいの周辺がこのように汚されるのは、もってのほかだった。
↑ セネカ族というのは、現在もイロコイ連邦の「長」を務める部族。
彼女は叫んだ、
「お静かに! 苦情があるのなら、こちらへ入り、述べられよ。
そのような勇士がたが、平和の女王の住処で言い争うなど、どういう了見じゃ」
彼女の言葉に恥じ入って、二人は突っ立っていた、彼らは小屋に入り、
出会いと争いについて述べ立てた。
今日はこのへんで
>>336 フ〜ムちょっとわからん(笑)。英語では "Riding horse song" でしょうかね?
>>340 噴火の轟音はススメバチの羽音ですか。読み進んでいく時、ポーンと亀が飛ばされて
しまうのではないかと、ヒヤヒヤしました。さすが、彼は立ち退くタイミングまでわかって
いたんですね。サケの薫製おいしそうです。
彼らが諍いをどう沈めるのか、興味深いです。私たちはそれから、学ぶことができるかも。
>>310 ところで、山形の昔話を読んでいたら、「ドンピンカラリン、スッカラリン」で
終わっていました。意味がないながら、「からっぽでもう何もでないよ」って感じですよね。
ヘ、ヘッチェトゥの他にどんなのがあるのか、知りたくなりました。
彼らの申し立てが終わると、ピース・クイーンは、軽蔑するかのように微笑んだ。
「そなた達のような勇士二人が、たかが鹿一頭のために諍いを起こせるものかえ?
オノンダーガ、行くが良い、年長者として。 行って獲物の半分を取り、
そなたの妻子のために持ち帰るが良い」
しかし、オノンダーガはそこから動かなかった。
「オ、女王よ、私の妻は精霊の地におりまする。 疱瘡神が連れ去ったのでございます。
しかし、私の小屋に食べ物は事欠きません。 ・・・私は再婚することでしょう。
あなたの目は、森の闇を貫き通す太陽のごとく、私の心を見抜いてございます。
どうか、私の小屋へ来て、あの鹿の肉を料理してはいただけませぬか?」
女王は首を横に振った、
「そなたは知らぬのか? 五つの国が、和平の女王として、ゲネタスカ(平和の女王)を
隔離し置いたことを? その誓いを破ることは出来ぬ。さあ、もう行きなさい」
オノンダーガは言った、ゲネタスカをしっかりと見つめながら。
その眼差しに、彼女の目は伏せられた。
「オ、平和の女王よ、私は、あなたが五つの国によって隔離されているのを知っております。
しかしこれは、私の住まいへあなたをお連れしたいと願うことは、私の真心からのものでございます。
私があなたを愛するがゆえに。 ゲネタスカ、なんと仰せになりましょう?」
平和の女王は、顔を赤らめてこう言った、
「私は、もう一度言います。 さ、もう行きなさい」
しかし、彼女のささやき声は、押し殺したすすり泣きで終わった。
二人の戦士は去った。今や、良き友人として共に嘆きあいながら。
しかし、平和の娘は、平和を失ってしまった。 背が高く、強く優しげな
若きオナイダの戦士を、忘れることが出来なかったのだ。
夏は秋の暗がりに消え、秋は冬の白さに消えた。
たくさんの戦士が、諍いごとの解決を求めて平和の小屋へやってきた。
ゲネタスカは、表向きは穏やかで、安らかだった。
だがしかし、他人を元気づけはしても、彼女自身の胸は空虚だった。
ある日、彼女は囲炉裏のそばに座った。炎は勢いよく燃えていた。
若いオナイダを夢見て、彼女は考えに沈んでいた。
太陽を探して、南へ飛ぶ鳥のように、彼女の思いは彼の元へ向かっていた。
突然、小枝を踏むバリバリいう音に、彼女の思いは破られた。
すぐに彼女は顔を上げた。 そこに彼女が夢見た若者は立っていた、青くやつれた顔で
彼は静かに言うのだった、
「平和の女王よ、あなたはオナイダの魂を闇の中へ運び去ってしまった。
もはや、彼が狩りに出ることはありませぬ。もう鹿は彼を恐れる必要はなく、
彼が弓を反らせたり、トマホーク投げを競うことも、長い夜にかがり火を囲んで、
物語を聞くことも、もうないのです。
あなたは、私の心を捉えておしまいです。あなたは私に、何も与えるおつもりはありませんか?」
ゲネタスカは静かに言った、
「そのつもりでおります」
手に手をとり、喜びに満ちた子供のように、二人は彼のカヌーを探しに行った。
そして、カヌーは足取りも速く、二人を西へと運んでいった。
彼女の誓いは愛の力で破られてしまった。もはや彼女はゲネタスカではなかった。
二人は幸せだった。
しかし、五つの国の男たちはそうではなかった。彼らは、平和の女王が誓いを
破ったことに腹を立てていた。
そして、若く美しい女性の神託を当てにすることが、どれほど愚かしいことかを
思い知ったのだった。
声をそろえて、彼らはゲネタスカの廃止を決めた。
人々を再び、戦と混乱が覆っていった。
このゲネタスカの制度が、実際にあったかどうかよく知らない。
しかし、ゲネタスカはイロコイの神話となって、現在もこの物語は語り継がれている。
国家間の和平はもろく、しかも恋愛に理屈はない、ということなのか
うわあ、とんでもねえ間違いを・・・ これじゃ意味が通じないな
>>354の訂正
オナイダは言った、ゲネタスカをしっかりと見つめながら。
その眼差しに、彼女の目は伏せられた。
「オ、平和の女王よ、私は、あなたが五つの国によって隔離されているのを知っております。
しかしこれは、私の住まいへあなたをお連れしたいと願うことは、私の真心からのものでございます。
私があなたを愛するがゆえに。 ゲネタスカ、なんと仰せになりましょう?」
>>357の訂正
「あなたは、私の心を捉えておしまいです。私にあなたを、お与えになるおつもりはありませんか?」
自分が幸せでなかったら、人に平和をもたらすことはできないという教え、というのは
どうでしょうか?(若くて美しい女の子が、あてにならんのは事実でしょうが。。。)
ところで、オノンダーガが女王と話をしたのに、女王はオナイダに恋をして、(ということは
オノンダーガは身を引いた?)結局オナイダとかけおちしたんでしょか?
(くだらない質問ですいません。)
近隣部族同士の、諍いはたまに話に出ていますね。何か探してみます。
>>350 手元にCDそのものがないけど、そういう題名です。
コーンの粉挽き歌もいいですよねえ
>>362 眠い中書いてたらとんだ書き損じを・・・
つまり、それぞれは申し立てそっちのけで口説きにかかり、
オノンダーガが黙ったあとは、オナイダが愛の告白をしたわけです。
オナイダの若者とゲネタスカは手に手をとって愛の道中へ、ってことです。
アルゴンキン語族の創造神話を書いてみる
アルゴンキン(と白人が名づけた部族)は、北東部森林に分布していた人たちで、
英仏入植者と最初期に出会い、翻弄された部族で、平原のスー族なんかもここに
属する。西へ西へと膨張する白人勢力に追われて、中にはメキシコ国境まで逃げ延びて、
今もそこに暮らすキカプー族なんてのもいてる。
男どもは、弓を射やすいように頭の側面を剃って、いわゆるモヒカン刈りというのをしていた。
上のゲネタスカが一目惚れしたオナイダの若者も、ひょっとしてああいう髪型だったのかな?
彼らの神話には、自然と環境の守護神であるグルースカップと、邪悪の神マルスムが登場する。
ワバナキ族の神話では、この二人は創造神タバルダック(男)が土から大地を創造したあと、
手についた土をこすり落としたその中から生まれ出たことになってる。
が、ここでは、一般的なアルゴンキンの創造神話を紹介してみることにしてみる。
偉大なる大地母神には、二人の息子がいた。 グルースカップとマルスムだった。
グルースカップは善にして賢明、そして創造者。
マルスムは邪悪にして利己的、そして破壊者。
彼らの母が死んだとき、グルースカップは、彼女の身体から植物、動物、及び人間を創った。
対してマルスムは、毒や棘のある植物や虫、蛇を創った。
グルースカップが善き仕事に邁進する様に飽き飽きしていたマルスムは、
ついには彼に殺意を抱くようになった。
冗談で、よくマルスムは自分が無敵であると自慢していた。
しかし実際は、ただひとつ、羊歯の根っこだけが彼を殺すことが出来たのである。
マルスムは、何日もかけて、彼の善き兄弟の弱点を聞き出そうとした。
しまいには、グルースカップは嘘をつけず、梟の羽だけが彼を殺せることを
明かしてしまった。
マルスムは早速、梟の羽根で矢を作り、グルースカップを殺してしまった。
しかし、善の力はとても強かった。 グルースカップは仕返しの準備をして蘇った。
また、彼はマルスムが,彼に対し、企み続けるだろうことを知っていた。
グルースカップは、このまま善なるものが残り、創造物たちが生き続けるには
マルスムを滅ぼすしかないことを悟った。
グルースカップは羊歯を引っこ抜き、その根っこをマルスムに投げつけた。
マルスムは大地に倒れ、死んだ。
マルスムの霊は地下世界へ行き、狼の悪霊となり、今なお人間や動物を
苦しめる。 しかし、それは日の光を嫌うのである。
おわり
どこの神話の世界にも、スサノオノ命みたいなのはいるんですね。
ナバホは、周辺の部族にしょっちゅうちょっかいを出して、盗みを働いてばかりなので
いろいろ話はありました。プエブロはもちろんコマンチとも諍いがあったようです。
今日は結構有名なユート族との話。(多分事実に基づいている。)
注:地名など原語から訳せない所があります。失礼。
昔、ナバホとユートは戦さをすることがあった。ある時ナバホは夜のうちにユートの国へ
行き、羊と馬を盗んだ。ノーダイ(ユート族のこと)ハナサーニを越えて、家畜を自分たち
の土地まで追い、連れて来たしまったのだ。ユートは事の次第をさとると、ナバホの
後を追った。
彼らのリーダーにノーダイ ツィイスガイ(動きの速いユート)という名の賢人がいた。
彼には何でもわかってしまう、という能力があり、いつもナバホを出し抜いていた。彼は
差が高く、がっちりとして、ナバホ語も知っていた。
ナバホたちはユートがやって来るのが、遠くからも見た。あちこちに散らばって、この
戦さの知らせと準備を呼びかけている様子だった。ユートは、大きな集団をなして、
砂煙りが大きな雲に見えるほどの、すさまじい勢いで動いている。ユートの戦士は、天まで
届くかと思われる頭飾りをふりかざし、顔には戦いのペイントをして、それはそれは
恐ろしい出で立ちである。
彼らが近づいて来ると、馬につけた鈴の音も聞こえて来た。ユートはいつでもこのように
勇ましく闘いに挑んで来るのである。あまりの怖さにおののいて、その場に凍りついて
しまい、いとも簡単に彼らのヤリの的になってしまう者も、珍しくはなかった。
ちょうどこの時ナバホの若いカップルが、赤ん坊を連れてセイビト(砂の泉)から歩いて
来た。林を抜けてきたので、二人はユートが迫っていることなど思いも寄らなかった。
他のナバホは、彼らがユートの戦士たちの方角へ歩いていくのを見つけ、死角に入った所で
注意を引こうと大声で叫んだが、無駄だった。
ユートが谷間へさしかかった途端、ナバホの夫婦とはち合わせになった。夫婦だけでなく、
驚いたのはユートも同様であった。
と、ナバホの妻は、なんの前触れもなしに赤ん坊を小さな木下に投げ込むと、自分も
メサの下方にあった小石の山に駆け込み、身を隠した。男は反対方向に走り、ユートの
気を妻と子からそらそうとした。丘を駆け上がる男に、ユートの戦士たちは呼びかけ
続けたが、彼は足を止めなかった。そこで、ノーダイ ツィイスガイは、ライフルに
手をかけた。
男はそれでも走り続け、ノーダイツィイスガイは銃を撃ち、銃弾は男の頭の後ろに命中して
男は即死だった。ユートは女と子供を探して回ったが見つけることができず、諦めて
男の屍の方へ戻っていった。二人の男は死体を調べ、引きずって杉の木の下におろし、
他の者たちを待った。
(つづく)
息詰まる臨場感がいいですな。 続きが楽しみですね
Ute族は、
>>256なんかでは「ユテ族」と表記しましたが、実際のところ
向こうの人たちはどう発音してますか?
日本では「ユテ」表記のもの、「ウテ」表記のもの、「ユート」表記のものとバラバラですが
一説によれば「Ute」は、ナバホ語で「上の人々=高地に住まう者たち」との
ことですが
「ナバホ」はテワ=プエブロの言葉で「涸れ谷の農地」の意味、
「アパッチ」はズニ族の言葉で「敵」の意味。
で、「ナバホ」も「アパッチ」も同じアサバスカ語系で、どっちも「ディネ」が自称なので、
「ディネ族」と呼ぶとするとナバホもアパッチも一緒になってしまう。
白人も歴史的に両者を混同していたし。
で、それぞれ「ナバホ」、「アパッチ」と呼んだほうが良いのかと思ってそう書いとるんですが
アルバカーキそばのサンディア=プエブロ族は、定住農耕民の弱みで、
常々アパッチやナバホやコマンチに食いものにされていた。
で、18世紀末ごろ? 19世紀初頭? に、「友好の枯れ谷」というところで、
アパッチ、ナバホ、コマンチ、トゥフ=シュルン=ティア(サンディア)の
四者は和平の儀式を行った。
まず肘の高さまで穴が掘られ、四部族の代表者がそれぞれ、半分まで吸った
タバコをこの穴に埋めて、お互いが今後一切、争わないことを誓った。
「友好の枯れ谷」というのはプラチタス区にある「ポイ=パ=フス」というとこだそうです
>>371 ユートもウテも両方聞きます。英語だとユートでスペイン語だとウテという程度の
違いかと思っていましたが、証拠はありません。(ユテも聞いたことあります。)
私も両方使ってしまいます。ナバホと言ったりディネと言ったりするのと、同じで。
ナバホ語でユートはノーダッイ。
「ディネ」はもちろん「人々」なわけで昔は他の部族や人種も関わりが強ければ
氏族として扱われていたみたい。つまり、「ノーダッイ ディネッエ」がユートの
ナバホでの正式名称です。ナバホはあまりスペイン人と仲良くなかったので、英語で
発音する人が多く、ユート族と言ってました。
>>372 「ジェロニモ」の映画をナバホの学生たちと一緒に見ましたが、何となく何を言ってるか
ぐらいはわかる、と言っていました。ナバホを知っていれば支障なく会話ができる、というわけ
ではなさそうだしたが。お母さんがナバホなので、ナバホとして育っていた男の子は
じぶんがジェロニモと同じ氏族の父を持つ、というのをえらく自慢にしていましたっけ。
ジェロニモは、確実に彼らのヒーローでした。
ところで、映画やテレビでナバホ語を使っているのを聞くと、すごくゆっくり言っていて、
「あ、このネイティブはナバホじゃないな。」と思うことがあります。日本人として
二世を使っていて、日本語がたどたどしいのと同じですが。昔やっていた「Xファイル」で、
アリゾナに行く場面があったり、「ナチュラリー ボーン キラーズ」という映画でも
ナバホの土地を訪ねるところがでてきたり、結構楽しいです。(エンターテイメントに
信憑性を求めても仕方ないので、楽しむことにしています。)
なるほど、勉強になりますね。
ユテ族のナバホ名に、「Nota-a」表記ってのがあるけど、これがノーダッイのことだな。
ジェロニモ役のウェス=スチュウデイさんは、今一番有名なインディアン俳優の一人ですね。
このひとはチェロキー族だそうで。
むかしのアホアホ西部劇で、インディアン役をよく演じたアンソニー=クインさんは、生前に
インタビュー番組で言ってたけど、母親がたしかアステカ系のインディオだそうです。
そのクインさん、「平原児」でシャイアン族の役が決まったとき、デミル監督に
「お前、シャイアン語は話せるか?」と聞かれたそーな
Nota-aなら絶対そうですね。ほら、彼らの発音って口をはっきり開けないので、濁ったり
濁らなかったりは区別がなかったりします。ナバホも、スペイン語発音ではナヴァホだすが、
ナバホではナベーホでした。ベーソが「お金』でこれはペソからきている。
ハリウッドの話は、とんでもないのがありますね。白人でも黒いアイライナーを入れれば
東洋人、とか。
なんにせよ、夜更かしして風邪をひかぬように。。。
ノーダッイのアルファベット表記は Nooda'i でoo とiの上に左下がりのアクセントが付きます。
(どうもアクセント付きのタイプがうまくできませんでした。あしからず。)
参考までに。
>>370 つづきは、実はあまりおもしろくない。多分事実の記録であって、神代の話じゃない
からでしょうか。とりあえず。
二人のユートは、その杉の木のそばにまだ置き去りにされている赤ん坊のことを、すっかり
忘れていた。しかし、すぐに「そういえば」と思い出し、馬から降りると赤ん坊を取り上げ、
交代で抱きかかえた。どうしたものか思案しかね、彼らは赤ん坊を揺り板につけたまま
ピニョンの木の枝に、逆さまに吊るしてしまった。それはまるで、ヤギをおろした時に
するようだった。ユートは馬に乗ると、赤ん坊を置いてその場を去っていった。
まもなくもう二人のユートが、やってきた。赤ん坊を見つけると連れて行きたいと思ったが、
その時隊長が馬を翻し、他に続くよう叫んでいるのが聞こえたので、後に続いて行って
しまった。彼らはもう女を探すのもやめて、北へと枯れ谷を上って行った。彼らは、
ホピの土地を抜け、アスザア チョイ イルキディそれからベーアキド ホツァアーニへと
向かった。彼らは盗まれた家畜を探して歩いた。
いやいや、どこでもお目にかかれないお話、とてもありがたい
ニッポンでは昨日(日曜日)、世界遺産を紹介する番組で、
グランド=キャニオンが採りあげられて、ハバスパイ族の生活と
歴史、神話(ハバスパイの運命を握る双子の奇岩ウィーグリーバの話)を、
ちょこっとだけ観ることが出来た。
>>105の緒形拳は、グランドキャニオン公園で化石の土産物売りをしてる
ナバホ男性と仲良くなる、と言う筋立てだった。ヒゲを生やした中年男性で、
男の子がいる。大学を出たが、故郷に戻ってきた。お婆さんはナバホラグを
編んでいる。 ・・・旅人さんに心当たりがあったりしたら面白いな
この間ナバホは、ずっとユートの動きを見張っていた。高いメサの上から見張りのふたりが
降りて来ると、他もこれで安心と後に付いた。彼らは男の死体と、今では大泣きしている
赤ん坊のところへ行った。逆さに吊るされて何とも居心地が悪く、母親がこいしくてわんわん
泣くのだった。ナバホはその赤ん坊を木からおろすと、あやしはじめた。
その間、他の者たちは女を呼んだ。もう大丈夫だから出て来なさい、と叫んでいると、
彼女はやっと姿を現し、そこで悲しい夫の最期の知らせを聞かされた。
四人の男を残し、あとのナバホはみんなメサから降りて行った。残った男たちは、夫の
遺体を埋め、祈りを口ずさんだ。一行は谷に住む氏族を訪ね、そこで何日か女と子供に
休息を取らせ、清めの儀式をとり行った。
二人のナバホは、ユートの後を追いにつかわされた。そのふたりが戻らなかったので、
もう三人がつかわされた。かれらは、ユートに追いつき、その動きを見張った。ユートは
山から谷へ、そして平坦な野原へと家畜の捜索を続けた。ナバホの追跡隊は、つかずはなれず
ユートの後を追って行った。必死になって歩き回ったものの、何一つ見つけることなく
ユートはト ディネエ シュジヘー(キエンタ)まで来ると、ついに諦めて自分たちの
国へ帰って行った。ついにナバホがユートを出し抜いたのだ。
(おわり)
出て来る地名は多分、ホピの土地から北の一帯だと思うのですが、ローカル過ぎて調べが
付きませんでした。機会があったら、ちゃんと誰かに聞きたいと思ってます。
ナバホは確かに、プエブロの人たちから嫌われていることが多い。ディネの話の中にも、
たくさん「どこここへ行って、羊やトウモロコシを盗んで来たが、つかまらなかったぜ」
見たいのがあります。今でも、ちょっと気を抜くと「小銭ちょうだい」とか、たかってきます。
なぜか憎めないのですが。
「友好の枯れ谷」が実際どこなのか、調べたのですがプラチタスから詳しくわかりませんでした。
サンディアに行って聞けば教えてくれるでしょう。彼らはかなり苦労した様子ですね。
白人にもインディアンにもいじめられて、どうりでプエブロの人たちは静かにひっそりと
暮らしているわけです。ナバホは観光客がいるとすぐ寄って行きますが(メキシコ人みたいに)
プエブロは絶対近よって行きません。
グランドキャニオンですか。ハバスパイの話、聞いてみたいです。
モニュメントバレーやフォーコーナーズ辺りで、何か売ったり観光客をジープに乗せて
歩く人たちは何人か知っていますが。。。
ナバホはまだ恵まれてる? のかもねー
パッサマクオッディ族のレポートをどっかで見てたら、
「ナバホやスーは有名だし、観光名所も多くてうらやましい。
ここなんて、何にもない。 こんな辺鄙なとこからは出て行きたいよ」
なんて現地の子供の言葉が出てたよ
アラパホー族の創造神話を書いてみる
アラパホーは、スー、シャイアンと連合してカスターを地獄へ送ったことで有名な
山岳・平原部族。
アラパホー族には、「平たいパイプ」という神器があって、これはサンダンスの際に
御神体になるもので、北のバンドで大切に保持されている。
白い石で象嵌された、まっすぐな黒い凍石の筒状の火皿が、
ニ尺ほどの木の柄で出来ている。むかしはティピの円陣の中心に
神聖な小屋があり、四本の棒の支えにぶら下げられていた。
神聖な儀式用のパイプが、地面に垂直な姿勢で保持する作法は、
他の部族にもみられる。
アラパホーのハンブレチアは、他部族と違い、延々と断食を要求される。
七日七晩は断食し、その頂点としてサンダンスの儀式が行われる。
かつて、世界はあまねく水に覆われていた。
が、その水原を、一人の男が「平らなパイプ」を持って歩いていた。
「平らなパイプ」は彼の助言者であり、仲間だった。
男は、水原を四日かかって横切っていったのである
男は六日間考え、このパイプを扱うための、最も良い方法を求め、熟考を続けていた。
しまいに、彼は大地と、この世の生き物たちの良き友たる、このパイプにふさわしい家を
供給しようと決めた。
七日かけて、男はあまねく水原から陸を見つけ出そうとし、
行った先々で四つの呼びかけを行った。
これに応じて、たくさんの動物達が助っ人にやってきた。
彼らの助けで、男は家となるべき大地を見つけた。
男は、風を制御するために、それぞれ四つの方角に、
「四人の年取った男達」を据えた。
今、この大地では毎年、感謝とサンダンスの儀式が行われている。
一匹のガーターヘビが、男の許へとやってきた。男は言った、
「おお、お前は(この大地をとり囲む水を表す)聖なる輪となり、
サンダンスにすばらしい場所を与え、人々に偉大な安らぎをもたらすだろう。
男は再び、彼を助けにやって来た、たくさんの者たちを見まわした。
長い棒(柔軟な枝と暗い色の樹皮をした低木だった)が、やって来て言った。
「私は、すべての善きことのための輪っかを作るために、私自身を提供します」
みんなが承認したので、長い棒は、「聖なる輪」のリングになり、それは日輪を示す
象徴となった。
一羽の鷲が舞い上がり、言った、
「私の力は、私を大地と水の上へ運び上げるほど強い。
『四つの指示』の風に乗って。どうぞ私の羽根をとり、
四人の年寄り達の象徴としてください」
男は喜び、この鷲の四束の羽根が、いつまでも栄誉ある贈り物として、
聖なる輪に結び付けられるだろうと言った。
男は、長い棒で聖なる輪を作り、ガーター蛇のイメージでもって色を塗り、
四人の年寄り達の方向(北西、北東、南西、南東)の位置に鷲の羽根を置いた。
それは、四つの指示による風の統治と、雨をもたらす「いかずちの鳥」 ←スー族のワキンヤン
を表すものだった。
さらに力を増すために、男は星たちをこれに加えた。 太陽、月、天の川の、
特別なイメージがこれに塗られた。
これにくくりつけられた青いビーズは、大空を表すものだった。
すべてが終わったとき、この万物を象徴する聖なる輪を、人々に与えるきっかけとなった
ガーター蛇に、感謝の意を告げるのだった。
おわり
わぁーい!やっと蛇が登場して来ました。蜘蛛と並んで、大好きな生き物です。インディアン
のシンボルの中にも、美しいものが多いですよね。うちの周りにも、ガーターヘビは結構
います。数ヶ月前、キッチンの床に来ていました。大歓迎です。
ナバホ氏族のはじまりについて
二人の勇士が、怪物退治を終えた後、母の一人アスジャア ナドレエエ「変わる女」は、ひとり
西へ行って住んでいた。彼女の住処は四つの聖なる山に囲まれていた。彼女はキラキラ光る
水に浮かぶその家が気に入っていた。はじめの頃は、うれしくてその山々の方角を向いて
踊ったものだった。
東へ向かって踊り、雲を作った。南の山では装飾品を作った。西では植物を、北では
トオモロコシと動物を作った。しかし次第に、踊りを終えて西の家に戻ると、仲間が
いないのでとても淋しくなって来た。
ある日、「変わる女」はもしかしたらニホオカア ディネッエ「地表に住む人々」が仲間に
なってくれはしまいか、と考えはじめた。彼らは妹のヨルガイ アスジャア「白い貝の女」の
仲間になってくれた。そこである日、山をおどりなからひと巡りした後、彼女は東の山に戻った。
「変わる女」は山の東斜面に座り込むと、右手で左の脇の下の皮膚をはぎ取った。そして
その皮膚をしばらくの間手のひらにのせていた。すると、それは二組の男女になった。この
二組の夫婦から、子孫が増えることになる。
次に彼女は左手で右の脇の下の皮膚をはぎ取った。その皮膚をしばらくの間手のひらにのせて
いた。すると、それもまた、二組の男女になった。この二組の夫婦かの子孫たちがもう
一つの氏族を成すことになる。
同様に「変わる女」は右手で左の乳房の下の皮膚をはぎ取った。その皮膚をしばらく手の
ひらにのせていた。すると、それもまた、二組の男女になった。この二組の夫婦の子孫が
いずれ一つの氏族を成すことになる。
また、彼女は左手で右の乳房の下の皮膚をはぎ取った。その皮膚をしばらく手のひらに
のせておいた。すると、それもまた、二組の男女になった。この二組の夫婦の子孫が
もう一つの氏族を成すことになる。
同じように彼女は胸の真ん中辺りから、皮膚をはぎ取った。その皮膚をしばらく手のひらに
のせておいた。すると、それも二組の男女になった。この二組の夫婦の子孫が、また一つの
氏族を成すことになる。
最後に彼女は背中の真ん中、肩甲骨の間の皮膚を、はぎ取った。そしてその皮膚をしばらく
手のひらにのせておいた。すると、それも二組の男女になった。この二組の夫婦の子孫が
六番目の氏族を成すことになる。
こうして生まれた12組の夫婦を集めると、アスジャア アドレエエはこう言った。
「私は、一緒に暮らすためにお前たちを創ったのだよ。」
「一緒に住んで、喜びを分かち合う仲間がほしかったのさ。でもね、私の妹は、東の向うに
住んでいて、彼女も私同様「地表に住む人々」をこしらえた。」
「つまりお前たちには、遠い親戚が東のはるかかなたにいるんだよ。」
「いつの日か、お前たちの誰かがその親戚たちに会いに行こうと、言い出すかも知れないね。
その時は、私は反対しない。気持がよくわかるからね。」
そう言い終わると、「変わる女」は、12組の夫婦を彼女の住処である水に浮かぶ西の家、
そのはしっこにいい土地を見つけると、彼らをそこでおろし住まわせた。そこで彼らは
30年間結婚し、子供を産み、繁栄していった。
(続きはまた後で)
>>395 いつも思うのですが、どうしてナバホには神器のようなものがあまりないのでしょう。
遊牧民だったのもあって、砂絵にしてもすぐ消してしまうし、よく言えば刹那的というか。
タバコもトオモロコシの葉に包むタイプでした。
スーやシャイアン他は、パイプとかあるし、近くのズニなどでも祈りの杖は代々守る
氏族が決まっていて、それの扱いに伴って重々しい儀式がありますよね。
>>388 7日7晩の飲まず食わずでのハンブレチアって、きつそうですね。段々減らして
3日までならやったことありますが。(山の中でのクエストじゃないですが。)それでも
十分キツかったもの。今でも、サンダンスの時などにするんですか?殺気だってそうですね。
他の部族は、何日くらいするものですか?
そりゃ神聖なる「四」の数ですよ。 スー族他たいていの部族が、
四日四晩やるそうです。 女性はその半分の二日間。よう三日もがんばりましたなあ
スー族の場合、しきたり通りにハンブレチアをまず始めるには、
その男の肉親である女性が、腕から薄く皮膚を剥ぎ取って、
細かく五十辺に分け、柔らかい瓢箪のガラガラに入れる。
この瓢箪が鳴らす音は、暗闇の中で彼とつながるものを
思い出させ、勇気付けてくれる。
イニピの儀式(発汗小屋)で身を清めると、付き添いとともに
山へと登り、断食をし、独りっきりで苦行を始める。。
木の下などで、毛布に包まり、あるいは腰布一つの姿で、
岩や木に寄りかかり、ひたすらにヴィジョンが降りるのを待つ
タ=シュンカワカン=ウィトコ(クレイジーホース)は、12歳のときに
この方法でヴィジョンを得た。
この苦行のための専用の穴を持っている人たちもいて、垂直な穴の底が
横に伸びた、鉤型になっている。
この場合、持ち込むのは、
>>402の瓢箪と、聖なるパイプと、タバコを入れた
小さな袋のみで、探求者が穴にもぐりこんだら、毛皮や防水シートでふさがれ、
土が被せられる。 探求者はいわば「埋葬」される。
アフリカの土着信仰でも、成人の通過儀礼として↑こういう擬似埋葬の
儀式があるというのを見たことがある。
最近のインディアン部族も、こういう通過儀礼的に、十代に入った若者が、
この断食苦行を経て、初めて白人の名前ではない聖なる名前を得て、
部族民としての自覚を持つ、という形態が一般的らしい。
この場合、探求者が得たヴィジョンを元にして、付添い人のまじない師が
彼にインディアン・ネームをつける。
パハ=サバの熊の丘へ行くと、そこらじゅうにハンブレチアの跡があるそうな。
ただ、インディアンのヴィジョン・クエストは、個人ではどうにもならない悩み事や
問題の解決方法でもあり、叡智を求めるものであって、べつに成人の儀式で
行うものでもない。
>>197のマシュー=キングさんが言うには、糖尿病を直すメディスンを得ようと、
ハンブレチアを行ったとき、女神プテサン=ウィンが現れ、彼に黒いベリーの実を
教えてくれた。が、ヴィジョンの中で、ベリーを受け取る前に女神は消えてしまった。
のちに彼は糖尿病にかかって入院までして、このことを思い出し、黒いベリーを
煎じて飲んだ。それはもうメチャクチャに苦くて、すっかり病気が治ってしまって、
白人の医者はびっくりしたそうな。
こういうインディアンだけが知っているメディスンは、絶対白人には教えないと、
いろんなメディスンマンが言っている。また「盗まれて」、金儲けに使われるからだ
>>401 そりゃそうですね。肉親女性の腕の皮膚をはぎ取って、というのがナバホの「地表に
住む人々」と創るのとダブっておもしろいなと思いました。それでガラガラですか。穴に
入るのは子宮っぽいのかなあ。(ちょっとフロイド的すぎる解釈か。。。)
先日友人がインドのクバメラという、精神世界のお祭りのドキュメンタリーを作ったのですが、
その中に一人日本人のおばさんヨギがいて、地下に何日も埋まってから平気な顔して出て来てました。
白人に教えなくてもいいから、私たちには教えてくれないでしょうかね?メディスン。
甘いか。。。
>>400 ナバホには、確かに神器めいたものはないようですね。
でも、ナバホやアパッチには仮面の儀式があるでしょう。 これは平原部族にはないからねえ
なんか19世紀末に、こっそり白人が見せてもらったっていう、
アパッチのメディスンの儀式の記録があるんだけど、
長いし、その気になったらまた明日以降に出来れば書いてみるよ
あ、仮面はないんですか。
実は私がファアーダンスで踊った時も、仮面をつけました。
仮面をつけるのは、神になるんですよね。だから、着替えている所は他の人には絶対に
見せない。で、つける時も、取る時も(特に外す時)ものすごく注深くことが進みました。
煙、ハーブ、祈り、などなど。
儀式の記録、楽しみにしてます。でも、聞くからには私たちも気をつけた方がいいでしょう。
パワフルですからね。
>>399 よりの続き
30年経ったある日、はじめの12組の夫婦の生き残りと子孫たちは、一斉に集まって
話をした。この頃までには彼らは。ディネッエ ナアキツアアダア「12組の人々」と呼ばれていた。
彼らは、子供たちにこう言った。「私たちは、もうずいぶん年老いてしまった。はじめの12人のうち
二人はもう死んでしまった。むなしいことだ。
私たちには故郷がない。だから、年をとっても帰るところがないのだよ。今日ここに
集まってもらったのは、海の向うのお前たちのおばあさんである、アスジャア ナドレエが
住んでいる所を見せたいと思ったからだ。
そして、お婆さんが昔私たちに話してくれたことを、お前たちに話しておこうと思った
からでもある。」
「私たちの祖母アスジャア ナドレエには、妹がいる。彼女もやはり遠い昔私たちのような
人間をお造りになったことがあるそうだ。お前たちは若くて健康だ。今のうちに
出かけて行けば、きっと遠くに住む親戚たちと会い、そこで一緒に家を造り暮らせる
のではないかと思う。どうだ、彼らを探しに行ってみる気はないか?」
「12組の人々」は、そう話したのが正しかったのかどうか、アスジャアナドレエの意見を
伺った。すると、やさしい女雨が降って来て、空いっぱいに大きな虹の橋がかかった。
その虹の橋は、こちら側の大地から彼女のいる家まで海を越えてのびて行った。
「変わる女」は、懐かしそうにかれらを見つめ、あいさつした。二人死んでしまったのを
知ると、トルコ石でかわりの二人を創った。彼女は年老いた「12組の人々」は、ここに
残って彼女と暮らすがよい。子孫たちは、希望通り東の国へ行って、遠い親戚を探すのが
よいだろう、と言った。「人間がたくさんいる方が、きっと暮らしやすいに決まっている。」
と口々に言うと、彼らは東へ旅立つことに決心した。
アスジャアナドレエは、彼らの出発を見送りに出て、次の動物を与えた。
ビイフ 「おとなしいシカ」
ダフサニ 「立ち上がるヤマアラシ」
ナシュドイツォ 「強いピューマ」
シャシュ 「恐れを知らぬクマ」
トリイスオソ 「大きなヘビ」
「よく世話をしてやれば、きっと彼らは親切に、お前たちを守ってくれます。クマや
ヘビの前では悪いことは言わないこと。悪いことをそのままマネして、やってしまうから。
シカやヤマアラシは悪さをしたりはしないから、何を言っても大丈夫。」
これらの動物の他に、彼女は魔法の杖を5本彼らに与えた。それらは、トルコ石、白貝、
アワビ貝、黒石、赤石でできていた。
これらのお守りを持って、彼らの厳しく長い度は始まった。
こんな話が伝えられている。
長い厳しい旅の途中、彼らは4日ほど水なしで歩いていた。子供たちは喉が渇いて弱っていた。
大人たちの中にも、もうこれ以上水なしでは歩けないと、悲鳴を上げるものが出て来た。
五日目の正午、彼らは休みを取り、どうしたものか相談をした。ある者が、「お婆さんが
くれた杖を試したらどうか?」と提案した。
そこで、トルコ石の杖をもらった男は、
自分の足もとに、それを突き刺してみた。杖を前後左右にぐるぐる動かしていると、
穴はどんどん大きくなって、回りに水がにじんで来た。そのうち水は、泉のように
わき出してきた。それを見ていた一人の年上の女は、思わず水を手ですくって飲んだ。
「おお、苦い!」そう叫んだが、それは驚喜の叫びであった。「苦いけれど、乾きを
あっという間に癒してくれる。なんてありがたいのでしょう!」みんな「苦い、苦い」
と言いながら、感謝で一杯だった。こうして、その男の一族はト ディチイニイ
「苦い水」氏族と呼ばれるようになった。
なんかバルボンチート達のロング・ウォークを連想させて、切なくなるねえ・・・
総てのアパッチが保留地に封印された直後の、1898年の8月〜9月にかけて、
白人の人類学者ラッセルは、ヒカリヤ=アパッチ族において行われた、治癒の祈祷、
メディスン=ダンスを書き残している。
ラッセルは、仲のいいアパッチ戦士グンシ(結構有名)に頼んで、こっそり物陰からこれを
覗いた。白人なら見えないふりをしていれば、ホントに見えなくなるだけの力があると
思っていたらしい。
当時でもヒカリヤ=アパッチでは、メディスン=ダンスが出来るほどの実力者の
呪い師はそうおらず、そのときでも、数年来行われていなかった。
この祈祷を行ったのは、サン・イルデフォンソ=プエブロの村に住んでいた、
年取ったアパッチ女性のソトリン(ソチイ表記もある)さんだった。
彼女はヒカリヤの地まで、はるばる100マイルをロバに乗ってやってきたそうな。 ←何qくらいか?
1898年というから、明治三十年のことですな
チャマ川が増水して、彼女の到着は数週間遅れた。
ヒカリヤは保留地の監督官を通じて、肉や小麦粉やなんかを
祝宴のために、なけなしの部族資金をつぎ込んで買い入れようとした。
↑
もうこのころは保留地時代になっていて、どんなインディアン部族も
衣食住の自由を総て白人の監督官に握られていた。
祝宴の準備のための狩りも出来なかった。
しかし彼女の到着が遅れて、この段取りが狂って一時は祝宴差し止めか?
というとこまで行ったらしいが、とにかくソトリさんは期日中に到着して事なきを得た。
先立っての準備は、患者ケスノスウンダさんの夫であるサトル(サチ表記もあり)さんに
よって行われていた。サトルさんはソトリさんに、短い粘土の古式パイプ、何枚かの
鷲の羽根と、新品の籠を用意していた。
うっとうしいので以後、敬称略
ヒカリヤが住まわされている保留地には、プエブロが宗教儀式に使う広場のような
いい集合場所がなかったので、ソトリはその場所にラ・ジャラ峡谷を選んだ。
サトルと友人達は、松の藪で囲まれた場所に儀式用の小屋を建てた。
これは8月23日の朝始められ、昼ごろ完成した。サトルの家族の女性達によって、
彼らに食事が振舞われた。
↑ 8月23日を、8月22日に訂正
22日の昼(つまり初日)、年かさの男達が12人、呪い小屋に集まった。
この男達は、砂絵を描くための手伝いとしてソトリによって選ばれた。
↑
呪い小屋にはもちろん、アパッチしか入れないから、
ラッセルはこの説明をグンシから受けている。
「小屋の後ろ側から、焚き火と西側の壁の間、およそ直径6尺ほどの地面は、
清潔な灰色の砂で綺麗に均されていた。」
夜も更けてきたので、続きはまた明日くらいに
キャニオンの名前は、ラ ハラかも知れません。
サン イルデフォンゾは、ここ(サンタフェ)からそう遠くないですね。ヒアリヤ アパッチ
の土地はチャマの辺りだったと思いますが、そのキャニオンは北側のようですね。この辺は、
もう砂漠とは言えないロッキーの足もとで、緑の多い所です。
何だか、キャンプしたことのある地域の話で、ワクワクします。(そのキャンプは、
ナバホとヒカリヤ アパッチの共同キャンプでした。)あの山道を彼女はロバに乗って
行ったのか、とか。結構ありますよ。100マイルって160キロですよね?
>>416 よりの続き
十分乾きを癒した旅人たちは、そこで料理をして食べた。再び力を取り戻し、彼らは
夜が来る前に、東に見える山のふもとまで行ってみることにした。まだ日の光が眩しいうちに
山のふもとに到着すると、どうやらモカシンの足跡らしきものを発見した。
ポプラの木があったので、泉はないかと近よってゆくと見知らぬ人たちに囲まれてしまった。
その人たちは、穏やかで彼らを暖かく迎えてくれた。話をするうちに、彼らはポプラの森の中で
創られ、以来ずっとこのマッイイ ト「コヨーテの泉」に住んでいると言う。自分たちを
マッイイ ディネッエと呼んで欲しいと頼んだが、ナバホたちはマッイイ ト ディネッエ
「コヨーテの泉の人々」の方がよいだろうと決めてしまった。
四日間彼らは一緒に過ごし、休息した。そして、別れ難く思い一緒に東へ旅をしようと
切り出した。彼らは同意したが、「どっちの方向へ行くにしろ、このあたり2日行程で
水のあるのはここだけだ。」と心配した。そこで、「12組の人々」の子孫一行は、
「水を出す魔法の杖をもっているから、大丈夫。」と「コヨーテの泉の人々」をなだめた。
灼熱の不毛の大地を、二つのグループの一行は旅して行った。たどり着ける所まで行き、
夜が来ると、乾いた地面で野宿した。二日目には持ち水がつきて、一滴もなしで旅を続けることを
強いられた。そのうち子供たちは疲れ果て、大人も文句を言う者が出てきた。
そこで彼らは、今度は白貝でできた杖を、試してみることにした。杖を持っていた男が、それを
足もとに突き刺した。彼はそれをぐるぐる回し、何度も前後左右に動かしていると、穴はみるみる
うちに大きくなって行った。穴の回りには次第にみずが沸き上がり、泉となって吹き出し
はじめた。「ちょっと待って。」とある母親が言った。「この水は濁っている。子供に
飲ませたら、病気になってしまう。」
しかし、ある年老いた女は耐えきれず、泉の中に飛び込んだ。そして両手に水をすくうと
口に含んだ。「濁っていたって、喉の乾きを助けてくれる。ありがたいことじゃないか。」
と言うと、他の者も安心して我先に水を飲んだ。「濁っているからって、何のこと
ない!」とみんな叫んでいた。
そこで、この杖をアスジャア ナドレエエから授かった一族は、ハシュトス イシュニイ
「苦い水」氏族という名をもらうことになった。
同様にまた旅を続け、また同様にのどが乾くと彼らはアワビの杖を試すことにした。その杖を
もらった一族の者が、井戸を掘ると、すぐ同様に水は穴から湧き出てきた。しかし、今度は
とても塩辛い水であった。しかし、人々はまたもや同様に「塩辛くたっていい。喉の乾きは
癒される。」とその水に感謝して、大いに飲んだ。
そうして、アワビの杖を持ったト デコズヒ「塩辛い水」氏族ができた。
こうして、すくわれた人々は東へと旅路を急ぐ。が、熱く乾いた土地での旅はとても
辛かった。また、二日もすると子供たちは喉を渇かして泣いていた。そこで、今度は
黒石の杖を試す番であった。杖を前後左右に動かすと、きれいに澄んだよい泉がわいてきて、
みんなは存分にそれを飲んだが、その杖を持っていた一族の少年と少女が二人、ただ
眺めているだけで、水を飲もうとしない。「どうして、水を飲まないのだ?」と聞いても
返事もしない。少女は黙って、両腕を服の下にいれ、その中でぎゅっと腕を組んで体に
ぴったりくっつけている。そういうわけで、この一族はビタニイ「女の体にくっついた」
氏族という名をもらうはめになった。
更に東を急ぐ人々。彼らはまた、水のない所で野宿し、翌日苦しみはじめた。杖の使い方を
心得てきた彼らは、赤い石でできた杖を使い水を出した。おいしい水で水筒をいっぱいにした
彼らは、もう大げさに叫んだりすることはなかった。そして、赤い石の杖を授かった
一族に名前を付けるもの忘れて、先を急いだ。
「泥の水」は後に「高い塔の家」氏族、「女の身体に。。」は「大きい水」氏族と
名前を変えるが、この4氏族がディネのオリジナル クランとされている。
杖のアイテムがおもろいね。 ナバホ語でコヨーテは、「マッイイ」ですか?
スー語では、コヨーテは「シュンカ=マニトゥ」。
「シュンカ」は犬。
「マニトゥ」はたぶん、アルゴンキン語族の大精霊の「マニトゥ」で、
コヨーテは、犬よりも霊的な存在と捉えられていたんでせう。
犬よりさらに偉大な狼は、「シュンカ=マニトゥ=タンカ」。
「タンカ」は「ワカン=タンカ」のタンカで、「偉大な」という意味。
「偉大な霊的な犬」というような意味なのか
メキシコ経由で大平原に馬が現れると、インディアンはみんな、その力に驚嘆した。
で、馬の名前を「魔法の犬」とか「大きな犬」とか「七匹の犬」とか呼んだ。
スー族は「シュンカ=ワカン」 ←「偉大な犬」と呼んだ。
訂正、「シュンカ=ワカン」 ←「神秘の犬」
>>424のつづき
小屋の後ろ側から、焚き火と西側の壁の間、およそ直径6尺ほどの地面は、
清潔な灰色の砂で綺麗に均されていた。
初日は、砂絵は太陽の象徴を除き、蛇の像のみが描かれた。
それらは西の方角に頭を向けていた。
>>426 ジカリラをヒカリヤと書くなら、ラ・ジャラはラ・ハラですね。まあどっちしろ
イスパニヤの言葉か。もともとの名前は何だろうね。
それらは毎日、儀式の間、直径6〜8インチの浅い窪みに描かれた。
太陽は、その窪みのふちの周りに、白い砂でもって表現された。
次には黒い輪、そして白い光線を伴った赤い輪が描かれた。
絵が完成したのち、患者の女性は(特別な衣服ではなく平服だったが)、
囲みの中へ入ってきて、傍らに自分の毛布を置き、小屋の中へと入った。
中にはすでに、四つの熊の足跡が描かれていた。
なんとなれば、彼女は恐らく蛇と熊の病に罹っていたのである。
患者は砂絵に足跡をつけ、カトウチン(蒲の穂の花粉)、
キエトルミラカホアイ(神聖な粉)を撒いた。
そして東に顔を向けて砂絵の上に座り、歌を歌い、太陽に祈りを捧げた。
そのあと、患者の女性は野営から持ち込んだ食べ物を、小屋に運び込んだ。
また夜が更けた。続きは明日くらいに書くと思う
>>430 そう、コヨーテはマッイイです。
マッイイ ドートシイジは 銀キツネ. (シの音はl + / で、英語のTHの濁らない音に
似ています。)「空色のコヨーテ」。
マッイイ ツォーは狼で、「大きいコヨーテ」ですね。
犬はあまり重要ではなく、家畜の種類に入って、セエエチャアッイ(セは上のシと同様)。
スー語は、建設的ですね。思い込みでしょうが、なんだか凛としているような気がします。
ナバホの「聖なる」という言葉は知りません。あまり言わないのかな。
ニジョーニが「よい」という意味で、ホジョーニが英語のBlessingなので、「聖なる」
と言えるかも知れません。
スーは犬を食べますが
ナバホは犬を食べたりするのでしょうか?
私の知っている限りでは、習慣として犬を食べる話は聞いたことがないです。
でも、どこでも田舎ではそうなのでしょうが、何も食べるものがなくて困った時は、食べたことも
あるんじゃないでしょうか?アメリカでは「ロード キル」という表現があって、それは
道で引かれてしまった動物のことで、それを食べる人がいるってことです。
ナバホは自分でおろしたものは別として、死んでしまったもののそばに寄るのは
嫌うので、何度か死んでしまった牛や馬が、そのまま道ばたに放置されるのを見たことも
あります。白人のひとたちが大抵、保健所みたいなところに必死で電話していました。
(ま、これは関係ないか?)
話は変わりますが、今日インディーズの映画でナバホのブラックホース ロウという若い監督が
作った「第五の世界」という映画を観てきました。
ナバホの若いカップルがヒッチハイクをする話だと聞いたので、正直いってあまり
期待はせずに、ひたすらリザベーションの風景を見たくて行きました。
が。結構よかったです。テンポの具合がなんかジム ジャームッシュ的で、ナレーションや
会話はナバホと英語のごちゃ混ぜで、風景も風の音も満喫できました。話は、ふたりが
ヒッチハイクを通してお互いの絆を深めるのですが、実は同じクランだと発覚。女の子は
ナバホ語も話さぬくらいで、あまり伝統的ではないのですが、男の子の方は気になる。
彼女が氏族システムで妹に当たると知って、冷たくして気まずいままシップロックに到着。
これと同時上映で、セミノールの人が作った短編もよかったです。救急医療センターで
青年二人と老婆「アイリーン」が出会う。待ち合いで一日を過ごすうちに、仲良く話を
始めるのだが、夫が亡くなってから母国語で話す相手がいなくなって、寂しいという
アイリーン。最後は、青年の一人が「じゃ、また。」と言うと、彼女がセミノール語で、
「また、はあり得ないんだよ。」と静かに言って、杖をつきながら去って行く。
インディアンの身分証明所、って言うのがあるんですよね。アイリーンが「私はとっくに
自分のを焼いてしまった。だから、私は存在しないんだよ。」というのに反応して、
若い方のエイズの検査に、ガールフレンドに言われて来ていた青年は、はさみを取って
そのカードを切ってしまう。ほんわり心の温まる中に、そういう部分もあって、考えさせられました。
またもや、全然関係ないのですが、前に
>>259 から
>>261で私がお話ししたのとは違う
「モカシンゲーム」の話を知っている方はいますか? ちょっと調査しております。
>>435 事細かに記録してありますね。ものすごく興味深いです。
>>439 >私の知っている限りでは、習慣として犬を食べる話は聞いたことがないです。
>
>でも、どこでも田舎ではそうなのでしょうが、何も食べるものがなくて困った時は、食べたことも
>あるんじゃないでしょうか?アメリカでは「ロード キル」という表現があって、それは
>道で引かれてしまった動物のことで、それを食べる人がいるってことです。
つまりスーの人たちのように「いっしょに犬の肉を食べる」ことに特別な意味も感情もないっていうことね。サンクス
ナバホは早い時期から羊の遊牧を取り入れてたから、
ある意味食べるものには困ってなかったってのもあるでしょ。
アパッチ族なんか、馬が現れても、どちらかというと食い物として
捉えていた。岩山を根城にすることが多かったから、あんまり
馬に重要性はなかったからね。
スーの国に嫁いだ人だが、「ロード・キルで牛(バッファローにあらず)が
死んだのを捌くから、あんたもおいで」、と言われて出かけていったら、
女達が実に手際よく解体作業中だった。 (やっぱり内臓から
頂いてく感じで)。
という話を前にしていたのを聞いたな。
>>441 アパッチにも似たようなのがあるけど、メディスン・ダンスの話が終わったら
書いてみよか?
とりあえず今夜半にまた・・・・・
食べ物の禁忌では、カイオワ族は熊の肉はタブーだった。
コマンチ族は、犬を食うことは「自分の祖母を食べるようなもの」として
口にしなかった。
30年ほど前、R=アードスという有名な人のニューヨークの自宅マンションの仕事場で、
スー族の友人達がユイピの儀式を行おうということになった。
ユイピの儀式に参加するものは犬の肉を一口は必ず口にしないといけないのだが、
あいにく犬はいなかった。
すると、有名なメディスンマンのターカ=イシテ翁が、窓の下の通行人の飼い犬を
指差して、「あれなんかどうだ?」なんて言うらしい。
それはまずかろうということになり、結局牛肉で代用したそうな
>>435の続き
小屋の中の人たちは、壁際にぐるりと座っていて、扉の見張り番によって
供された食事が、左から順番に手渡されていった。
総てを配り終えると、扉番は一人一人の食事から
一口分ずつを取って、藪の囲みの外へ放った。 ←太陽への捧げ物である
次に扉番は、小屋に入り、彼らと一緒に食事を取った。
他のものも全員、囲みの中で食事を取り、残った食べ物は
次の食事のために集められた。
男達は食器を集め、小屋から出し、女達が囲みの外へ運び出した。
日が暮れ、暗くなると、助手の男達は再び呪い小屋の中で
蛇を描き始めた。 中では、火が焚かれていた。
松の若木が砂絵の右に置かれ、他の物は左に置かれた。
子供達は、囲みの外へ追いやられた。
朝と同じように患者ケスノスウンダは小屋に入り、花粉と粉を奉納し、砂絵の上に座った。
そのとき、小屋の薄暗がりに、ぞっとするような人影が突進して、病人に向かって
突っ込んでいった。 だが、彼女に触れることは出来なかった様子だった。
熊が叫んでいるとしか思えないような吼え声が2、3回して、それは出て行ったようだった。
グンシは、彼自身が怯えていることを認めた。それが炭で黒く塗り、
松の枝を覆って変装した男達のうちの一人であるとは知っていたが。
(それが誰なのかは言わなかった) 彼は仮面はつけていなかった。
患者は蛇と熊の病、「カクコウンクルニ」に罹っているのであり、
花粉や挽き割り粉を奉納しての砂絵は、蛇と熊に病気を追い払うことを
要求しているのである。
熊が小屋にいる間、男達は熊が怖がるように声を張り上げ、大声で歌っている・・・
続きはまた明日くらいに
>>449 セミノールの人は、制作が間に合わなくて(というよりお金が間に合わなくて)
サンダンスには出品できなかったけれど、若い二人の俳優やスタッフは多くがサンダンスで
会ったようなことを言ってました。
ナバホの人はサンダンスのことは、何も言っていなかったのでわかりません。ナショナル
ジオグラフィックも、独自の映画祭をロスとワシントンDCでやったようです。サンタフェ
映画祭とは提携。で、来年はそれだけで映画祭の予定みたいです。
>>447 ナバホのタブーはシーフードです。特にカニやロブスターは、動物になるはずが
海に住んでいるので、いけないようなことを言っていました。中華のエビぐらいは食べていましたが。
(手足があるから)
>>435 蒲の穂に花粉なんてあるんですね。この辺の人たちは、何でもトウモロコシなので、
花粉もトウモロコシのでした。集める時の歌が美しいです。後は、杉の葉ですね。
細かくして、ザラザラの顆粒状で持ち歩きます。ホワイトセージも使いますが、それは
この辺のセージとは違うので、他の部族から習ったのかな?
>>453 凄まじいものを見たんですね。ヘビだけでなくクマもというのが、コワイ!
早く、続きを!
へ〜い。
熊が出ていったあと、別の歌が歌われ、その間、患者ケスノスウンダは震えながら
地面を転げまわっていた。
彼女が震え慄き、どたんばたんと転げまわり、叫んでいる間、鷲の羽根が
素早く彼女の頭のあちこちの上で振られた。
グンシは言った、
「俺は、彼女が死んだと思ったよ」
ソトリは、青コーンの挽き割り粉の入った皿に炭火を入れ、
病人が煙を吸うよう促した。
これで患者はいくらか落ち着いて、まっすぐ座った。
グンシは目を丸くして言った、
「まるで酔っ払いじゃないか」
ソトリは彼女に、「メキシコの」煙草をつめたメディスン=パイプを渡した。
これを吸って、患者ケスノスウンダは我に返ったようだった。
2つか3つの歌が、この日の儀式の重大な部分を締めくくった。
ケスノスウンダは小屋の北側へ移動した。 その晩はそこにとどまるのだった。
そして、古いバッファローの皮が、砂絵の上に拡げられた。
砂絵の中心のくぼみにバッファローの皮が敷かれた上に、
ソトリに贈られたあの神聖な籠が、逆さに置かれた。
皮は籠の上で折りたたまれ、その縁は、周りを囲んで
座っている男達の足で押さえられた。
つづく
北に行ったというのは、一度死んで再生するような意味なんでしょうかね。
急に思い出したのですが、私たちは「北枕」がいけないでしょう?
チベットの人は、「南枕」がいけないのだそうです。極楽浄土は、やはりインドにあるので
しょうか?(笑)
>>449 説明不足で失礼しました。
今、サンタフェ映画祭というのをやっていて、インディーズものを60本余、9カ所で
上映しているんです。そのうちの何本かがナショナル ジオグラフィックの提携作品です。
「オール ローズ(Roads) フィルム プロジェクト」というのに選ばれて、サポートを
得ての、制作らしい。このプロジェクトは、北アメリカだけでなく世界の土着民の映画
制作者たちに、自分たちの物語を、自分たちのやり方とボイスを使って表現する場を提供
するのが目的とか。
>>459 続きを楽しみに。
北枕というのは、御釈迦さんが入滅したときの姿勢がそうだったってことで、
恐れ多いとか言うような意味で言ってるだけでしょ。
友人のメディスンマン(日本人)によると、寝るときの方向は北枕が最高、
次が西枕、東、南はあんまり良くないそうな。
おいらも寝覚めが良いから、よく北枕で寝てるよ。
サンタフェは昔からの交易の町なんだよね。
いろいろインディアン系の面白い店が多いそうで、うらやましいなあ。
>>448のアードスって作家さんも、サンタフェに住んでる。
「小屋の北側」というのは、ウィキアップの中部の北側ってことだと思う
>>459のつづき
ケスノスウンダは、モカシンを脱いで、きつい皮ひもを結んだものを太鼓バチの
代わりにして、籠を四連打して、囲みに集まっている者たちに、踊りの合図を送った。
ぎざぎざの白黒の棒が籠の上(黒いほうは東側、白いほうは西側に)置かれた。
それぞれの棒の片端は籠に寄りかかり、片端は地面に着いている。
鹿の大腿骨がこの棒のぎざぎざにこすり付けられ、その音でもって、
若い女性が踊り始めた。
女達は囲み(小屋の外の松の繁み)の南側を占領し、男達は
向かい合う囲みの際に位置を取った。
ナイントルデジェ(呪い小屋)は、囲みを取り囲むかがり火の
光で、鮮やかに浮かび上がった。
女達の踊りは、最初4連打の合図で始まったのと同じように、
これも同じ合図で終わった。
またまたつづく
>>462 >サンタフェは昔からの交易の町なんだよね。
スペイン人がホピ・インディアンの女性や子供たちを奴隷として売買をした町だろ。
それもあるし、18世紀には馬の普及・交易の一大基地になった。
もちろん供給元はメキシコ。
コマンチ族は、さんざ略奪しまくったあと、しれっとして捕虜や
スペイン人の焼印がついた馬をサンタフェやタオスの市に売りに来たりしてた。
あと、アパッチがカドー族の子供を数人、スペイン人相手に売りに来たが、
誰も買わないので、その場で全員の喉笛を掻き切って殺してしまった、ってな
話が残ってる。
>>465のつづき
太鼓が再び鳴ったとき、いろんな病気で苦しんでいる人たちが、
手を自分の悪いところに当てて、病を追い払う仕草をした。
ぎざぎざの棒がまた擦られ始めたとき、女達は、男達や少年達の中から
パートナーを選び、全員が一緒に踊り始めた。
これは、この儀式の中でももっとも明るい場面だった。
神をなだめようという願い、女呪い師によって霊感を与えられた
畏敬の念、そして「熊」の形で象徴された神、そういった重苦しい考えが、
すべて陽気なお祭騒ぎに屈してしまった。
真夜中になって太鼓の音は止み、小屋の中から、長老達のうちの一人の
指示があって、集会が解散されたが、彼ら自身は疲れている様子はなかった。
二日目の儀式は、熊と狐、及び他の動物達、それと蛇が砂絵に描かれた
ことを覗けば、初日のものと類似していた。
ケスノスウンダはトランス状態にはならず、病を追い払う一般的な儀式は
行われなかった。
三日目は砂絵のキャラクターが違っていただけで、
それも前日のものとはだいぶ違っていた。
ソトリは、いつも馬、鹿を描くのを禁じていた。
またまたまたつづく
じゃあ患者でなくても、ご利益があるんですね。その後、みんなで踊る騒ぎになったのは、
偶然で期待されていなかったことなのでしょうか?それとも、それが当然でその後の日もまた
同じようにして終わったんでしょうかね?またまた また続きを楽しみに。(無理せずに)
>>467 ナバホの記録にもたくさん、ほかの村を荒らしに行く記述が出て来ます。実際
他の部族から捕虜(または奴隷)として連れて来て、そのうち解放されナバホと結婚して
「いいナバホとして、暮らし死んで行った」人も少なからずだったようです。その中の
いくつかのケースは、新しい氏族形成につながっている。
サンタフェから南に伸びる旧街道は「トルコ石街道」と呼ばれ、昔交易に使われていた道です。
アードスさんがいらっしゃるんですか。有名人はひっそりと暮らしているので、
どこにいるのか、話を聞いたこともありません。会ってみたいですね。
四日目、
二つの神像、カイヒカイエが描かれ、一緒に他の総ての種類の動物達も描かれた。
図像の外縁には、大洋を象徴する黒い輪が描きこまれた。
晩のプログラムは、二組の男達によって彩り鮮やかなものとなった。
彼らはヒカリヤの伝統作法にのっとって、
身体に色を塗り、頭に冠飾りをつけていた。
↑
アパッチ伝統のガン・ダンスのあの格好ですな
途中書き込みしちゃった
六人が一組となって、ツァンクジンニ=道化を務めた。
身体と腕には、白と黒の平たい輪が描かれていた。
古毛布のぼろきれが腰布として役立っていた。
彼らの首や肩には、首飾りやパンで出来た花綱が見受けられた。
パンは小さく、奇妙な形に焼かれていた。
四人は古いバッファローの皮で出来た帽子を被っており、
角に似せた形に、皮を縫ったものがついていた。
角は帽子の横に、後ろ向きと下向きについていて、
さらに片方には鷲の羽根、もう片方には七面鳥の羽根がついていた。
男達のうち二人は、髪型を角のようにしていた。 ←彼らの帽子はもう使い古してしまっていた
他のグループ、「ツォンウンダチ」は、十二人から成っていて、
彼らは白く塗られ、目頭から下向きに伸びた黒い斜線が描かれていた。
彼らは貝殻の首飾りを着け、それぞれ鷲の羽根を頭に挿していた。
松の藪の帯が、腰、腕、及び足首に巻かれていた。
先の晩のごとく、男達からパートナーを選んでの、女達の一般的な踊りが始められ、
そのあと、「ツァンクジンニ」と「ツォンウンダチ」の出番となった。
彼らは囲みに入場してきて、そのまま呪い小屋へと行進し、右回りに四周した。
そして十二人は、小屋の出入り口からの通り道の南側に陣取った。
道化師は、群衆の中を走り回った。
ツォンウンダチンの一列の左側の二人が、歌を率い、
彼らは退出してもなお、呪い小屋を通り抜けては戻ってきた。
ツァンクジンニはおどけた仕草や身振り手振りで大いに沸かせ、
それはしばしば下品で猥らなものだった。
彼らは夜の間、4回現れた。踊りは日の出まで続いた・・・・
さらにつづく
いやぁ〜! こんなに細かくて、行き届いた儀式の記録はなかなかありませんよ。
おもしろ過ぎます。よく見つけられましたね。感動です。
基本的にこの踊りの部分は、小屋の外でも囲みの内側で起こっていることなんですね?
で、患者は中にいて砂絵も小屋の中なんですよね?で、ダンサーたちが、時々小屋に入って
は、出て来る。道化が出て来るのは、私が経験したことのあるナバホとは、ちがいますね。
プエブロに近いと言うか。
お疲れ様ですが、続き楽しみにしています!
そうそう。こんな感じでしょう。 あとでまた来ますわ
松 松 松 藪 松
松 |||||||||||||||||||| 松
藪 |||||||||||||||||||||||||| 茂
松 |||||||..呪 患..|||||||| 松
松 ||||||||||..師 者..||||||||||||| 藪
松 松
茂 ↑ 松 藪の
松 小屋と砂絵 松 ←囲み
松 松
木 .+ /■\ /■\ /■\ + 松
松 .( ´∀`∩(´∀`∩)( ´∀`) .松
藪 .+ (( (つ ノ(つ 丿(つ つ )) + 松
松 .ヽ ( ノ ( ヽノ ) ) ) 松
松 .(_)し' し(_) (_)_) .松
藪 ↑ 藪
松 「ツァンクジンニ」と「ツォンウンダチ」 藪
茂 ∧_∧ ∧∧ ∧∧ 藪
松 ( ´∀`) (,,゚ー゚) (・д・) 松
↑ ヒカリアの皆の衆
日輪は山々の上に昇り、あまねく人々ーーー踊りに参加していた男達、女達、
そして子供達の上に昇って、儀式は再び厳粛な状態になった。
そして、希薄で乾燥した大気の中、太陽の澄み切って輝かしい光は、
すでに谷を明るく照らし、その中、ヒカリヤの全バンドは囲みを抜け出て
その太陽に向かって行進をしていたのである。
ソトリンは先頭に立ち、砂絵を描いたときの松の若木を二本
>>451と、
粉を入れた神聖な籠を運んだ。
人々は各々、この年取ったメディスン=ウーマンを追い越して行進し、
籠の粉を一掴み取って、松の木々にふりかけた。
こうした一連の改善が終わると、ナイントルデジェ(呪い小屋)に相対して
長老の一人が前へ踏み出し、毛布を四回振るった。
これを見て、全員が毛布を振るってーーー恐らくは、最終的に
病から逃れるためにーーー、囲みの中へ走り込んだ。
儀式は終わった。 すぐに、近辺のあらゆるティピを動かさねばならなかった。
ケスノスウンダは回復した。 しかし、ソトリンは警告した、
縄や糸紐の上で寝てはいけない、さもないと病が再発する。
誰もしばらくは呪い歌を歌うべきでない、違反すると熊に殺されるだろう、と。
もうちょっと続くが、また明日
長い物の上に寝てはいけない、というのがおもしろいですね。そういうタイプの予防対策
を授けるのは、初めて聞きました。この後があるんですか?
そういうことを忘れて、また、土器のほうに頭を向けて眠ったとしても、
大病がツォンウンダチの誰か一人を襲うことになる。
ソトリンは、その奉仕の行いの報酬として、食べ物だけを受け取った。
儀式のしょっぱなから、このことは取り決められていたことなので、
かなりの量の食べ物が彼女のために取り置かれていたのである。
食べ物に関して、儀式の行われた四日間で唯一のタブーといえば、
灰で焼かれたパンだけだった。
↑ 丸いかまどで焼く、インディアン・ブレッドね
ヒカリアではもう前から、このパン焼きは古風なやり方になっていて、
この禁止令はたいしてそう禁欲的なものでもなかった。
私(ラッセル)は、この祝宴のあと、ケスノスウンダを見かけなかった。
しかし、三週間後に保留地を離れたとき、私が彼女のことにについて
尋ねてみたインディアンたちは、みんな口をそろえ、彼女は全快したよと
主張していた。
あ〜、終わった、終わった。
以上、ヒカリア=アパッチのメディスンダンスの記録ですた。
ところで、ガテマラのマヤの遺跡で、二千百年前のコーン神の息子の、
彩り超美麗な壁画が発見されたね。今日、報じられてた。
え、知りませんでした。(マヤの遺跡)教えていただいてありがとう!
古風なパンの焼き方っていうのは、どういう焼き方ですか?焼いた石にのせるとか?
お疲れ様でした。どういう歌や踊りなのか、見てみたいですね。
先日話した映画祭で、もうひとつナバホ国の(こちらはオムニバス短編4本)映画を
やっていて、残念ながら見れなかったのですが、ヒカリアネイションがスポンサーだった
ようでした。ちょっと、おもしろいなと思った。
古風(時代遅れの)パンの焼き方というのは、「灰の中で焼くパン」とあるので、
丸いかまどで焼くインディアン・ブレッドと書いたけど、ちょっと違うかもね。
焼き芋のような焼き方かもしれん。
夜と昼を巡っての動物のモカシン・ゲームの話の、ヒカリア=アパッチ版は
>259とちょっと違ってて、これもおもろいよ。
余裕があったら明日かあさってくらいに書いてみようか?
はあ、確かにかまどが使えない時や、ナバホの場合皆がプエブロのようにかまどをもっている
わけではないので、そういう時は穴を掘ってその中に焼け石、そしてパンの生地やコーン
を投げ込んで、うえから草や焼き石、灰でふたをして蒸し焼き風にしていたのを見たことがあります。
そんな感じなのかな?
壁画を早速見てみます。
では、のちほど。
すごいですね。ペンの先で描いたような黒い輪郭と鮮やかな赤が、印象的です。相当大きいようですが
この一枚に、説明にあるだけの神話が網羅されている、というのも驚きですね。近くでも
古墳の発掘を盛んにしているようですが、掘り返すのはちょっと気が引けるような気が
引けるような気もします。
もちろん私たちは、だからこそこうやってあんなすばらしい物を、拝めるわけですが、
記録が澄んだらきちんともとのままに返して欲しいですね。
西洋人が、急にミケランジェロを発見したのに匹敵する発見、とありましたが、ほんと
すばらしいです。たまげました!!これを、ブログに紹介してもいいでしょうか?
受け売りの情報は、すぐ紹介するのにちょっとためらいがあるのですが、この壁画を
見せたい友人が何人かいます。
ブログというのはどちらのですか? まあ全世界に報じられてることだから
全然かまわんと思いますが
コーン王の息子の足首を鳥が支えてますが、これはハチドリかな?
そのマヤにちなんで、マヤの話を書いてみる
【鳥の王様はどうやって選ばれたか?】
昔、マヤの国では、花も鳥も木も動物も、今とは色も形も違っていた。
大精霊ハラチ=ウイニクが、この世のことどもを護っていた。
彼の意思は法であった。ある日、鳥どもの間で争いがあり、
そのとめどない鳴き声にうんざりした彼は、森の中心で、
平和を保つために「鳥の王」を決めねばならぬ、と宣言した。
もちろん、鳥たちは各々が、それにふさわしい資格を持っていると思った。
コル=ポル=チェ(猩猩紅冠鳥)は歌った、
「私を見てください、誰も私ほどに輝く美しい赤色をしていない、
誰もが私を賞賛します、私こそが王。」
そして、とさか羽を立て、翼をはためかせ、感動している鳥たちの前を
横切ってみせた。
X-col-col-chek(熱帯マネシツグミ)はさえずった、
「私こそはいとも麗しき声を持つただひとりの鳥、
誰しもが私のさえずりに耳を傾ける」
彼は喉を震わせ、魅惑的かつ複雑なメロディーを短く演じてみせた。
これは、鳥たちに深い感銘を与え、マネシツグミこそ王にふさわしいと納得させた。
X-col-col-chek ← これはどう読めばいいのか?
マヤの話楽しみです。私も、何かはじめます。クリスマスにはプエブロ(多分ピクリス)
に行こうと思っているので、多分リオグランデのプエブロの話かな?
ブログは私のやっているものです。静かにやっていますので、そんなに大げさではないです。
ありがとう。確実にあのすばらしさをわかる人が、2、3人いるんです。
あの足首の鳥がいいですよね。うーん何とも言えません。腰にぶら下がっている鳥よりは
はるかに小さいですが、くちばしが見えない。ハチドリってほとんどがくちばし、という
印象があります。羽の感じは、忙しい動きのようなものを感じますが。それについては
説明もないですね。それにしても、何度見てもすばらしい。
クッツ(野生七面鳥)は、鳥たちの円の中をノシノシ大股で歩き回って言った、
「私ほどの大きく強い鳥が、王たることに疑問があろうか?
このタッパと力で、私は争いを止め、いかなる鳥も護ることができる。
強力な王こそ必要なものだ、それは私だ!」
こうして、一日中、鳥たちは己が力を見せ合った。
静観しているのはただひとり、ククル(ケツァール)だけだった。
彼はたいへん野心満々で、誇り高かった。
彼は上品な物腰と優雅な体型をしていたが、その羽毛はみすぼらしかった。
そのため、彼は王に選ばれるのは無理だろうと考えていた。
慎重に考えた末、彼は友人のXtuntun-kinil(ミチバシリ)の元へ飛んだ。
「親愛なる友よ、私は頼みがあってここへ来た。
あなたの羽は、いろんな鳥たちの中でもより素敵なものです。
だが、あなたは王になるには、神の伝令者として忙しすぎる。
センスの良さとか洗練さというものは、その仕事にあまり必要でも
ばいでしょう。
すまないが、私にはそういう質の高いものを貸すことは出来ないが、
あなたは私に今、その羽を貸すことが出来るんです。
王に選ばれたのちには、私はあなたに富と名誉を分かち合うつもりです」
Xtuntun-kinil ←これはどう読むのか?
つづきはまた
ところで、よかったらどんなブログかアドレス教えてけれ
>>495 そのままエクス コル コル チェクで、はじめのコルにはアクセントでしょうか?
エックスは英語だとズもあり得ますが。すみません、あまり役に立てず。。。
発音はもともとアルファベットで書いていないものの、音を移しているはずなので、そのまま
が原則でしょうか?ひとりメゾアメリカ系の文化人類学者(といっても、どちらかというと
熱帯雨林を守るために、土地の人が違う産業を開発して生活を成り立たせる手助けをしている
ので、古代文化の専門ではないのですが)を知っているので、彼にに聞いてみます。(返事が
すぐ来るか保証はありませんが。)
ネイティブの神話に関しては、私のブログよりここの掲示板のほうがずっと充実していますよ。
まあ、この辺りの写真が見れるというのが利点ぐらいで。でも、GOO ブログで「サンタフェ
より」というタイトルでやっています。たどり着ければご縁があったということでしょう。
どなたでも、お気軽にどうぞ。できたらコメントをよろしく。
うまい話ではあったが、ミチバシリはなかなか首を縦に振らなかった。
ククルは説得を続け、甘い話でついには友人を納得させた。
ミチバシリの身体から少しづつ抜き取った羽で、野心家のククルの
見栄えはたいそう良くなった。
その尻尾は、翡翠色で見事なカーブを描き、その身体は柔らかく輝き、
マヤの空と密林のごとく虹色にきらめいた。
その胸は、熱帯の日没のごとく燃え上がり、そのくちばしはコーンのように黄色くなった。
美しく四フィートの弧を描いた尾を揺らし、マヤの国の鳥たちが集まる
円の中を、この大胆な鳥は散歩してみせた。
彼の登場に群集はしんとなり、たちまち「素晴らしい!」だの「万歳!」だの
オーだのアーだのいう歓声に、森が沸きかえった。
ハラチ=ウイニクは、彼の眼前で静かにたたずむ、地味な風采から
輝くばかりの奇跡の変身を遂げたこの堂々たる生き物に、とても満足していた。
群集に静粛にするよう命じ、大精霊は宣言した、
「余は、ケツァールを鳥の王と命名する!」
大喝采がこの発表を迎え、鳥たちはククルを飛び越えて祝辞を送った。
事が終わると、鳥たちは各々家路へ向かった。ククルは新しい王の任務に
忙しなり、羽を返す暇もなく、ミチバシリとの約束をすっかり忘れ去っていた。
ある日、鳥たちはミチバシリが数日来現れていないことに気づいた。
実際、あの選挙以来、誰も彼を見ていなかった。
彼らはククルに関して、何らかの裏工作を察知し、捜索隊を出した。
やがて森の奥深く、低木の陰に、全裸のXtuntun-kinilが、飢えと寒さで
半死状態になっているのを発見した。
↑ここ、なんか笑える
彼らは直ちに、黒い蜂蜜飲料を与え、その回復を助けた。
息を吹き返したミチバシリは、ケツァールによる残酷な詐欺行為について
述べ立てた。「プフーイ? プフーイ?」と、彼は繰り返すのだった。
※「プフーイ」=マヤ語で「彼はどこにいる?」
総ての鳥たちが彼を哀れに思い、彼の身体を覆うだけの羽を、
各々がいくらか提供することを決めた。
マネシツグミは、この当惑している鳥を元気付けようと、陽気な歌を歌いさえした。
それは、今日、ミチバシリの羽がなぜああもごちゃごちゃした色合いなのか、
そしていつもマヤの道のほうを向いているのか、という理由である。
彼はいまも、彼の羽を持ち去ったケツァールを捜し求めていて、
旅人の前を走っては、「プフーイ?」「プフーイ?」と尋ねているのだ。
おわり
人間世界のカリカチュアっぽくて、おもしろいですね。
七面鳥が王様になれると自信たっぷりなのにも、結構笑えました。ミチバシリって
ロードランナーでしょうか?時々見かけますが、ケツァールを探してあんなに急いで
いたんですか。
いかにも、ミチバシリはロードランナーです。実物見られるとは、やっぱりうらやましい・・・
マヤの民話には、ツヌウム(ハチドリ)の、とても美しいお話もありますよ。
『なんで昼と夜が出来たのか?』
この話の出だしのアナグマの袋をコヨーテが開けるくだりは、そのまま独立して
『アナグマが暗闇を運んだ話』として、ホワイトマウンテン=アパッチに伝わっている。
原初の世界では、絶えず太陽が光り輝き、夜や闇は一切なかった。
創造神である大精霊ユーセンは、暗闇を袋に閉じ込め、アナグマに
護らせていた。
ある日、アナグマが袋を抱え旅路にあるのを、トリックスターのコヨーテは目にした。
いつも食い物のことばかり頭にあるコヨーテは、てっきり袋の中身は食べ物と心得て、
アナグマと一緒に歩き始めた。やがて彼はこう持ちかけた、
「ご老体、アナグマどん、あんたはたいそう疲れておいでだね。
どうかね、俺がその袋を代わりにしばらく背負ってあげようか?」
アナグマは悪戯者のコヨーテを知っていたから、こう答えた、
「わしゃ、この袋の保護者じゃけえ、誰にもこれを渡せんし、
開けたり中身を見せたりは出来んのじゃい」
「わしゃお前を知っとるぞ、コヨーテよ。 お前はただ食いもんが欲しいんじゃろう。
こん中には食いもんなんぞ入っとりゃあせんぞい。」
コヨーテは、アナグマがこれだけ否定するんだから、
よほど美味いものが入ってるんだろうと考え、こう言った、
「いんや、ご老体、おりゃあただ、あんたが旅に疲れておいでのようだから、
その重たそうなものを運んであげようかと、そう言ってるだけのこった。
そん中に食いもんなんぞ入ってねえなんてことはちょっと考えりゃわかるこった。
あんたはホントに疲れて見えるよ。 休息ってものが必要なんだ。」
コヨーテの言はもちろん、とても誠実そうなもので、しばらくはお互い旅を共にした。
彼らは歩を早めるために、旅の歌を歌った。
おりゃあ生きてる おめえも生きてる
おれちゃみんな いい人生を生きてるのさ
やがて、太陽が最も暑く輝くころとなって、しまいにアナグマはこう言った、
「ええじゃろう。 コヨーテよ、お前が見たとこ、このわしがたいそう疲れてるってのは
ホントのこった。 気をつけてこいつを見張っててくれ。誰にも開けさせるんでねえぞ。
わしはちょっとあの木陰で横になって、休むことにするけえの。」
アナグマは早速、藪のあたりをうろついて日陰を見つけ、
そこでぐっすりと眠り込んでしまった。
すぐに彼がいびきをかき始めたのを聞いて、コヨーテは座って、こう言った、
「さてと、アナグマの野郎が独り占めしてた美味い食い物に、
これでようやくありつけるってわけだな。」
コヨーテはいつでも腹ペコなんである。
さて、コヨーテは袋を開けた、そして「夜」は逃げ出した。
こうしていたるところに暗闇というものが出来た。
コヨーテは腹ペコなのも忘れ、尻に帆立ててすたこらさっさと逃げ出した。
いくつかの生き物達は、地球を完全に包んだこの暗闇を喜んだ。
それは四つ足の連中で、獲物を捕らえるために、こっそり近づけるほうが
都合がいい手合いだった。
そういう不吉な力を持つ、蛇、梟、そしてその他の怪物たちは、
夜がもたらす利点を喜んだのである。
一方、鳥とか虫といった連中は、夜と闇が新たに引き起こす危険、」
暗闇の生き物によって命を奪われることを怖れていて、結局のところ、
どうやって「光」を取り返すかを協議した。
総ての生き物が会議のために呼び集められ、昼派のものたちが夜派のものたちに言った、
「あんたたちは夜を欲するが、俺たちは昼を欲する。 そこでだが、
モカシンゲームをして、どっちが勝つが見てみようじゃないか。
俺達が勝てば、この世はいつまでも昼だ。 だがあんたたちが勝ったら、夜はあんたたちのものだ。」
おいらは昼派なので、そろそろ寝るよ
つづく
なんか、広島辺りの方言っぽくて(?)妙にトーンが気に入りました。続きを楽しみに。
始まりのアマグマの袋に似た話が、ズニでもあります。鷹が太陽と月の入っている箱を持って
いて、コヨーテがそれを開けて光を逃がしてしまう。でも、この話は闇が逃げ出す所が
ユニークですね。
昼と夜のはじまりの話で、コチティ プエブロにこんな話がありました。
パッァ フレエ オー(月の乙女)は、この世で一番美しかった。彼女には父も母もいなかった。
兄弟も姉妹もいなかった。しかし、彼女は命と愛と善という人間のすばらしさを全てその
美しさの中にまとっていた。父なる太陽を創った精霊たちは、太陽がひとりぼっちで
淋しいので、月の乙女を彼の妻にして、二人は全てのものの父母となった。その子供たちは
健康ですくすくと育った。太陽は昼の間みんなを守り、夜は母なる月がみなを守った。
しかし、その頃は月にも目がふたつあり夜も明るかった。鳥は一日中飛び続け、花は閉じる
ことがなく、人々は一日中歌を歌い、踊りを踊り、休むということを知らなかった。
まもなく世界は疲れ切ってしまった。精霊たちは、考えに考えた末「太陽と月がそっくり
似た者同士だからいけないのだ。太陽の目をひとつ取って、半日は暗くなるようにしたら
よい。」と取り決めた。太陽と月を呼ぶと、精霊たちはどうすることになったかを、
二人に話して聞かせた。
母なる月はそれを聞いて、逞しくハンサムな夫を想って泣き崩れると、「どうぞ、どうぞ
子供たちのためにも、太陽の目を取らないで下さい。私の目をお取りください。彼は
世界を災難から守り、狩りをして食べ物を与えてくれます。めくらになったら、みなが
困ります。」と懇願した。
「よいだろう。」精霊たちはそう言うと、月の目をひとつ抜き取った。すると、世の中に
闇夜がやってきて、花も鳥も人々も生まれて初めて眠りについた。それは、すばらしいこと
であった。月は子供たちのために、どんな母もがするように自分の身を犠牲にした。しかし
片目がなくても、彼女の美しさにかわりはなかった。いや、その心の美しさでかえって
輝いて見えた。
今でも、プエブロのほとんどのセレモニーで、月を讃えるのはそういうわけだ。メディスン
マンの一番重要な道具は、月にちなんでいる。マー パー ロオ(母)と呼ばれ、
プエブロたちが使う道具の中で、最も美しい。それは、白いトウモロコシに、雪のように白い
羽が無数に飾られ、銀や赤サンゴやトルコ石の飾りがさがっているものだ。
そうして 青白い母なる月は 私たちの
頭上をつつんで 見守って下さる
その視覚とひきかえに 夜の暗闇を手に入れた
子供たちが 安らかに眠りにつくために
アパッチのモカシンゲームの話だけど、ちょいと用事で江戸へ下らんといかんので、
週末くらいにまた書きますわ。 雪が怖いなあ・・・
お江戸は雪景色ですか。
白い富士が見れると、いいですね。
いやあ、日本中がどえらいドカ雪で、往生こいてるのに
行ってみたら、江戸はどこ吹く風の晴天でしたわー
>>517のつづき
総ての動物・鳥たちがこれに同意して、今も行われているのと
同じモカシンゲーム、最初のモカシンゲームが開催される運びとなった。
そしてそれは、冬の夜に開かれた。 ←コヨーテのせいで夜が世界を覆っている。
そんなもんで、以来モカシンゲームは夜行われる
ユッカで点棒を作り、それぞれ四足モカシンを埋め、そのうちひとつに棒を入れておく。
相手チームが棒の入ってるモカシンを当てたら得点、外したら隠した側のチームが得点。
真ん中に土を持った山を作って棒を刺しておいて、順番に取っていき、一方の棒が
なくなったら試合終了。
試合は始まり、なかなか勝負はつかず、隠した側のチームは
相手側の気をそらそうと、大声で歌を歌った。 (
>>279と同じようなもの)
お互いが相手チームを騙しまくって、試合はすぐに緊迫してきた。
動物側が当てる番になったとき、ジネズミは穴を掘り、棒がどのモカシンに
あるか見に行くのだが、鳥側は毎回うまいこと棒を動かして外れさせるのだった。
要するに鳥たちは、何本も予備の棒を用意していて、七面鳥がそれを脚に隠していた。
動物達は、ジネズミの報告で勝ったも同然と油断しているから、その隙にこの棒を出して
ごまかしていたのである。
まあこういうわけで、七面鳥の脚は今でもあんなに何本も棒がついてるみたいにぶっとい。
ミチバシリは鳥・虫さんチーム全員の中でも、一番のプレイヤーだったが、
眠ってばかりいた。鳥と虫達は彼を起こし、動物さんチームの運を帳消しにする
歌を歌わせた。
彼らの強力な歌の力で、ジネズミはめくらになり、動物さんチームを
助けることはもう出来なかった。
こういうわけで、ジネズミの目は今でもあんなにちいさい。
ゲームがさらに緊迫する中、コヨーテは起き上がって動物さんチームから
離れたところで焚き火のそばに立ち、思案していた。
(コヨーテはこの騒ぎがなんなのか様子を見に来ていたのである、
もちろん、何かいい食い物にありつけるかと思ってだが)
「まあ、勝ってるほうにつきゃあいいんだろうが、どっちにしろたいしたこっちゃねえさ。」
コヨーテはこういうやつなんである
動物さんチームの負けが込んでどんどん分が悪くなったところで、
怪物ふくろう男は起き上がって逃げ出した。
↑
原初の世界の話なので、動物も鳥も虫も怪物扱いですな
「おりゃああんまり速く走れねえ、鳥どもはやつらが勝ったあと、俺を殺すだろう」
鳥さんチームの破竹の連勝に、太陽は昇り始め、「昼」が現れてきた。
いくつかの目ざとい鳥たちが、ふくろう男の逃走に気づき、それを追いかけ始めた。
チョルラ仙人掌の棘で彼は捕らえられ、引っ立てられてきた。
そのあと、他の動物や怪物たちもそれに続いて捕らえられていった。
鳥たちは総ての邪悪な動物や怪物を殺していったが、その中でもいくつか
逃げ出したものがいる。
今でもふくろうや蛇を見ることが出来るのはそのためである。
ゲームは完全に終了することはなく、またこのようにいくつかの動物が逃げ出したので、
夜はやはり一日の間に存在していて、昼鳥とか、よき生き物にとっては危険が一杯である。
おわり
>>523 ワーイ!お帰りなさい。あ、雪じゃなかったんですか。名古屋はすごかったと聞きましたが。
お話は、キーになる生き物がちょっと似てますね。おもしろかったです。
今夜はクリスマスイブで、ピクリスプエブロに行ってきました。もちろん教会でやったの
ですが、幾つもの文化や宗教の混ざり方が、何とも興味深かったです。もう夜中の2時
になってしまったので、明日ゆっくりお話しします。明日の午後は、できたらヘメスプエブロ
のダンスに行こうと思いますが、もし今夜聞いた話が本当なら、かなりハードコアな
ネイティブ色の濃いダンスのようです。
セミノールの話が出てたので、彼らの神話を書いてみる
この世が始まった頃、五人のセミノールの男達が、天空を尋ね、
大精霊に会いたいと願っていた。
彼らは東へと旅をし、およそ一ヶ月歩いて、ついに地の果てにたどり着いた。
そこへ彼らは手荷物を投げ込み、続いて自分達も大地の縁から飛び降りた。
どんどんどんどん彼らは落ちていって、しまいに西へ向かって上昇していった。
そして彼らは、古い小屋に住む老女のもとへとやって来た。
老女は力なく言った、
「言ってごらん、お前達は誰に会おうというのかね?」
彼らは言った、
「私達は、天上におわす大精霊に会いにいく途中なのです」
「今はそれは無理だよ、お前達はしばらくここに滞在してないといけないね」
その夜、五人は小屋の周りをぶらついていた。すると、白いローブを着て
翼の生えた天使達に出会った。天使達は球技に打ち興じており、それは
セミノール族の遊戯の一つだということが分かった。
セミノールのうち二人が、ここに残って天使になろうと決めた。
他の三人は、出来れば地上へ戻りたいと思った。
驚いたことに、大精霊が現れた。 そして、「そうさせてやろう!」と言うのだった。
巨大な料理鍋が火にかけられ、残りたがっていた二人が、ぐつぐつと煮られた。
彼らは骨だけになってしまい、大精霊はそれを白い布で覆い、魔法の杖でそれに
触れた。 すると、彼らは生き返った! 美しい白い翼をして、天使の姿になっていた。
大精霊は残りの三人に尋ねた、
「お前たち三人はどうしたいのかね?」
三人は答えた、
「そうさせていただけるのなら、私達は地上の、セミノールの村に戻りとう存じます」
大精霊は言った、
「手荷物をまとめ、すぐに眠るが良かろう」
三人が目覚めると、彼らはセミノールの村の我が家にいるのだった。
彼らは、酋長にこう報告した。
「私達は、地の果てから戻ってきて幸せです。 もう二度と、他の神秘を求めて
空に冒険しようなんて望みませんよ」
「白いローブを着て翼の生えた天使」というのは、どうも白人のキリスト教の
影響っぽいが、どうだろ。フロリダ領土のセミノールではなく、オクラホマのセミノールの
神話かな
「精霊たちに肉を奪われ、身体を骨だけにされたあと、再び肉体を再生される」というのは、
各国のシャーマンたちがヴィジョンで得る体験と共通していて、とても面白い。
どこの部族のものか分からんけど、「色」の話を書いてみる
むかしむかし、世界中の色が、口論を始めた。
それぞれが、自分が最も役に立ち、重要な良い色だと主張した。
「緑」は言った、
「俺が一番重要なのは、わかりきったこった 俺は人生と、希望のサインだ。
俺は草や、木、葉に選ばれとる。 俺がなけりゃあ、総ての動物は死ぬだろう。
田舎へ行って見てみろ、どこにもかしこにも俺がいるのが分かるだろうさ。
「青」が、話をさえぎった、
「おめえさんは大地にだけ限って考えとるが、空や海も考えてみい。
水っちゅうのは命の基礎じゃ。そいつは深い海から雲が描き上げるもんじゃろうが。
空っちゅうのは、空間や平和や静穏ちゅうものを与えてくれるもんじゃけえ。
このわしの平和っちゅうもんが無かったら、なんもありゃせんぞい。
「黄」が、くすくす笑って言った、
「おまはん、えらい真剣やな。 わたいはな、笑い、快活さ、
ほんで温かさちゅうものを世界中にもたらしますのや。
お日さんは黄色いやろ、お月さんも黄色やし、お星さんも黄色うおまっしゃろ。
いつなとおまはん、向日葵見てみなはれ。 世界中が微笑みだすちゅうもんや。
わたいなしでは、誰も楽しみちゅうもんがおまへんで。
「だいだい色」が、次にけたたましく彼女のラッパを吹き鳴らし始めた、
「あたくしは健康と強さの色なんですのよ、十分とは申しませんけどね、
あたくしは人間の人生というものに必要でございますし、なんといっても
役に立ちますし、貴重なものでございますわ。
あたくしは最も重要なビタミンというものを運びますことよ。
人参、かぼちゃ、オレンジ、マンゴ、それにパパイヤ、考えてもみてごらんあそばせ、
あたくしはいつもそこらじゅうにいるとは申しませんけど、日の出、日の入りでは、
空を一杯にいたしますですわよ。
あたくしの美しさときたら、そりゃあ衝撃的なものざあますから、
誰もほかの事なんて考えられないざんしょ。
「赤」は、もうこらえきれなくなって、大声で叫んだ、
「おいどんは、みなさんすべての支配者たい、おどま血液たい、命の血たい!
おいどんは、危険さと勇気の色たい、おいどんは、大儀を護るために戦うたい。
おいどんは炎を血に注ぎ込むたい、おいどんがおらんこつなれば、
地球は月のごと空っぽたい。
おいどんは情熱と、愛の色たい。 赤い薔薇、ポインセチア、芥子の花たい!
「紫」が、絶頂に達して、とても高く素晴らしい、華麗な声で話した、
「私は王者、そして力の色。 王たる者たち、酋長たち、そして司教たちは、
私が権威と知恵のサインゆえに、常に私を選んできたのです。
人々は私に質問したりしません、ただ聞いて、従うのです
「藍」は静観していたが、最後に意を決して話し出した、
「私のことを考えてください、私は沈黙の色です。あなたたちにとっては、
私は目立たないものでしょうが、私無しでは何もかもが薄っぺらいものになるでしょう。
私は思慮、熟考、薄暮、そして深い水を表します。
あなたがたはバランスやコントラストとして、また祈りや内的な平和のために
私を必要とするでしょう
つづく
>>536 白い翼の天使、きっとキリスト教の影響でしょうね。白=光で受け入れるのが
容易だったようですし。フロリダのセミノールの方が、キリスト教の影響が薄いのですか?
帰って来たのとそうでない人たちがいるのが、おもしろいです。特に自分の希望で。
色については様々ば話を聞きましたが、そのものが主張している、というのは初めてです。
私は、ひまわりの黄色派ですが、藍色の「沈黙の色」というのが気に入りました。
ピクリスプエブロの踊りは、シンプルに見えてものすごく色々な文化が混ざっていて、
興味深かったです。基本的には、中世のキリスト教とネイティブの儀式の合わさった
悪霊払いとお清めのようでした。ギター、バイオリンとガラガラという楽器の組み合わせ
も、今まで経験したことがありません。そして、クリスマスの踊りなのにキリストが
全くでてこなかったのもおもしろいと思いました。この辺りは、カソリックで処女グアダルーペ
(リオグランデの守り神でもある)というマリア系の信仰が強く、その影響でしょうが・・・
ヘメスプエブロには、鹿踊りを見に行きました。これは完全にネイティブの踊りでした。
人に生の鹿肉を食べると聞いていましたが、それは見かけませんでした。でも久しぶりに
腹に響く太鼓の音を体で感じることができて、よかったです!
ところで質問。
6人の太鼓を抱えたシンガーの後ろに、50人ぐらい頬に赤い線を入れた男性軍が立っていました。
歌を一緒に歌っている様子はなく、ただ立っている。前にもたまに見かけたことがあるんですが、
あれは他の地域の部族も、するものでしょうか。どちらかと言うと、戦士といった風格
に見えました。
骸骨の話が出たので、プエブロの「魔法の狩人」の話を書いてみます。
雲母を入れた焼き物が出て来るのですが、それで有名なのはピクリスの人たちです。話を
集めた人は、サン ファンとナンベ(どちらもリオ グランデ プエブロ)ですが。
ラブハラという平原の近くには、ちいさな森がある。そこはハコヤナギの木がうっそうと
茂っていて、川の近くの地面には日の光が入り込んで照りつけることもできないほどで、
いつも冷んやりとしているのだった。
ある夜一人の娘が、この森を足取り軽く走り抜けて行った。ある青年に会うために、心
踊らせて走って行ったのだが、青年は現れなかった。15才ぐらいであろうか、その娘は
青年を呼んでみた。が、茂みの中でカサカサと音がする他こたえはない。彼女は勇気を出して
茂みをかき分けてみた。すると、骨ばかりの白い手が伸びて来た。彼女は、はっとしたが
すぐに聞き覚えのある声が呼びかけた。
「待って。」長い骨の指が、彼女に触れた。「どうか、日が沈むまで待っておくれ。暗闇が
空を覆うまで。それまで我慢して。」
娘は声のする方から顔をそむけた。目は涙でいっぱいだ。
「夕べ会った時、あなたはとても背が高くて、ハンサムでした。死んでしまったなんて
思ってもいなかったわ。」
「そう簡単に決めてしまわないでおくれ。日が地平線に触れたようだ。兄さん月がもうすぐ
昇る。」空の真っ赤な日の玉が、地平線の寝床へと入り込んだ。「ほら、もういなくなった。
こっちを向いても大丈夫だよ。僕の顔を見て。」
「でも、あんな白い頭蓋骨の姿を見て、怖くなってしまいました。死と友達になることは
できません。」娘は黒紫の美しい髪を引っ張って、手首に巻き付けながら言った。
「うちに帰ります。どうぞ行かせて下さい。」こたえはなかった。耳をよくすませてみたが、
それでもしんと静まり返っている。我慢しきれなくなり、彼女は振り返った。そこには
凛々しい若い青年が立っていた。「あ、あなたは夕べの?」
(つづく)
>>545 オクラホマのセミノールのほうが、好むと好まざるとに関わらず
開化を強制されたし、ニュアンス的にそっちかとオモタんです
>>546 バイオリンというのは、アパッチも早くから自分達の楽器に取り入れてた
平原部族は移動するのに邪魔だから、大きな楽器は普及しなかったね
プエプロが胴付の太鼓なら、平原部族は団扇太鼓やからねえ
インディアンは母系社会が多いし、ガリガリに痩せたオッサンを
拝むより、マリアさんを拝むほうが馴染みやすかったかもね
>>547 よそでどうかなあ、儀式や祭の護衛役は当然いるもんだけど、
何もしないで立ってるだけってのはどうなんでしょうね
なんにせよ、ようけ儀式が見られてよかったっすね、ウラヤマシス・・・
>>544のつづき
自惚れ一杯の色たちの口論は激しさを増し、侃々諤々の騒ぎとなっていった。
突如として稲光が辺りを覆い、雷鳴が轟き、土砂降りの雨が襲った。
色たちは恐ろしさに縮み上がり、お互いに寄り添った。
騒ぎのど真ん中で、雨が話し始めた、
「愚かな色たちよ、お互い上に立とうと仲間割れをしおって。
お前達は特別な目的を持って、それぞれが独自に作られているのを知らんのか?
さあ、手を握り合うが良い、そして私とともに来るのだ
言われるがままに、色たちはお互いに手を握り合った。
雨は続けた、
「これから先、雨が降れば、お前達は大いなる色の弓となり、
総てのものが平和に生きていけるということを思い出させるよう、
空を横切って伸びることになるだろう。
「虹」は、明日のための希望のサインとなるのだ。」
そんなわけで、良き雨が世界を洗って、虹が空に現れた時には、
忘れずにお互いを感謝しなければいけないよ。
おわり
大いなる色の弓ってのがいいですね。
まあ文面から見ると、比較的最近のお話でしょうね。
セミノール族のお話は他にないかなあ。
なんといっても「インディアンのヴェトナム戦争」=「セミノール戦争」の主役だし
セミノール戦争の英雄オセオーラ(アシーヘホラー)は、
儀式に使う黒い飲み物「アシー」から由来しているそうな。
このアシーは、フロリダ近辺に生えるヤウポン柊の葉茎を炙って煎じた
カフェイン主体の飲み物で、セミノールやムスコギーなど、
南東部族の儀式や行事の節目に欠かせない。
セミノール、チョクトー、チェロキー、クリーク、チカソーの五大南東部族の大半が
19世紀初頭にアンドリュー・ジャクソンによってオクラホマへ強制移住させられると、
この「黒い飲み物」を飲む儀式も途絶えざるをえなかった。
向こうにはヤウポン柊が自生していなかったから。
日本列島を縦断するのと同じくらいの距離を、無理やりに強制移住させるって、
どんな無茶苦茶な話だろうねえ
で、インディアンは白人がやってきてから、絶えずひどい目に合うわけですが、
ここで「混血」という問題が起こってくる。これを足をすくって、
>>320みたいに
ワシントン政府によって絶滅判定させられるインディアン国家も多い。
で、クリーク族(ムスコギー族)にも、そういう問題が大きくのしかかってきた。
【白い馬鈴薯支族の話】
よそ者(白人)が、ムスコギーの人たちの土地に侵入してきて、
住み着き、家を作り、農作を始めた。
最初、彼らは平和な姿で現れたので、この出会いは和やかなものだった。
その後何年も、よそ者とムスコギーの人々とは平和に暮らし、
友情が生まれ、互いに恋に落ちるものもあり、いくつかの
人々は、よそ者を妻に娶った。
これらの結婚で子供達が生まれ、すぐに問題が起こった。
ムスコギーの伝統では、母系が主体であって、「よそもの」が
ムスコギーでない以上、この子供達は「支族を持たないものたち」だった。
これは人々にとっては大問題だった。「クランレス」というのは悪いことなので、
今後、彼らが結婚するとなったとき、どう扱えばよいか分からない。
親は変わらず子供を愛するが、共同体は完全にそれを受け入れるというわけではない。
この「支族無し」の母親はとても悲しみ、長老たちのもとへ助言を求めに行った。
長老たちは、一緒に想像主のもとへ祈りに行こうと言った。
彼らの心が純粋なら、創造主は彼らの祈りを聞きとげるだろう。
母親は村を出発して祈りの場所へ行き、懇願して祈った。
何日もそれが続けられた。 創造主は彼らの祈りを聞き、彼らの心の中の誠意を見た。
創造主は彼女らに、軟らかい地面と黒い水のある場所へ行き、
そこにとどまり、地面の下から叫び声をあげる植物を見つけるよう言った。
創造主は、もし彼らがその植物を見つけたら、その植物は、彼女らの子供達に
支族名を見つけるだけでなく、人々がいつまでも食うに困らない食べ物を
贈り物にもらえるだろうと言った。
>>557 そうですね。ナバホの人たちも、ボスケに行かされた時のことなど結構話してくれ
ました。徒歩の長い旅はもちろん、故郷を離れた心痛で死んでしまう人もいたようねすよね。
考えられないですね。
映画で観たセミノールのお婆さんの、覚悟を決めたような芯の強さを秘めた、悲しい
まなざしが忘れられません。
>>560 ナバホにも混血クランはいくつもあります。クランなしは身分証明がないような
ものですからね。
>>549 続き
「そう、全くおなじだろう?」日焼けした笑い顔を輝かせて、彼は言った。「昼と夜では
違って見えるけれど、心の中はいつでも同じだ。」
「昼間には、何が起きるの?さっき来たときは、小さな弱弱しい指がついた頭蓋骨
だった。でも、今またもとにもどって。どうして?」少女は青年の美しい顔を、しげじげ
眺めて尋ねた。
「家族から許しをもらわずにここへ来たね。それは、よくない。次にここへ来る時は
ご両親と一緒にこなければいけないよ。僕はご両親に、僕らが結婚してもよいか、聞きたい。
ちゃんと義理をたてなくちゃ。一緒に頼んでみよう。」そう言うと、青年は振り返り
木々の向うへ消えて行った。
「待って。行かないで下さい。これだけは、どうしてもお聞きしておかないと・・・」
しかし彼女は口ごもってしまった。彼は、結婚の申し出をした。もちろん自分は、この
ハンサムな青年に恋をしている。でも、頭蓋骨を愛することはできない。村への帰り道、
少女は疑問で胸をいっぱいにしながら、先を急いだ。
村では多くの青年が、挨拶の声をかけたが、彼女は急いで家に帰った。彼女と
結婚したい者は何人もいたのだが、彼女の心はもうある一人のものと決まっていた。問題は
どうやって他の者たちに、そのことを切り出すかだった。
「ムヌ、こんな遅くまで一人で外を歩き回るものじゃないよ。父さんは、お前を探しに
出て行った。そろそろお前はいったい誰と一緒になるつもりか、決めなくては行けないよ。」
ムヌの母は、娘を部屋に招き入れると、「お前は部族の掟を破っているんだよ。わかって
いるのかい?朝になったら、父さんに誰と結婚したいのか、きちんと話さなきゃいけない。
わかってるね?」
ムヌは指で長い髪をすきながら、「結婚のセレモニーは、夜にできるのかしら?」と言った。
「え?夜に儀式だって?太陽の祝福を得ずに、結婚しようっていうのかい?ムヌ、どうして
お前はこうも姉さんたちと、違っているんだろうね。お前はいつでも、わたしたちが
お前にやろうとするもの全てを嫌がる。結婚のご馳走と踊りは、太陽が一番高い時、
と決まっているんだから、お前もそれに従うのさ。さあ、とにかくお眠り。朝になったら
父さんとゆっくり話せばいい。」
ムヌの母は、ため息をついた。母が部屋を出て行った後、ムヌには父親が戸口から入ってくる
のが聞こえた。もう一人の男と一緒の様子であった。彼らは、ムヌの求婚者たちの話をして
笑っていた。
スッ ツッアアと結婚すれば、あの子も金持ちだ。この土地の全ての贅沢だできる、というものだ。
パッアセンは、すばらしい籠を作る。しかし、奴はちょっと変わり者だがな。村の
長老たちと口を聞いたことがない。アホヨ オヴィンは、メディスンと治療に長けているが
ちと年がなぁ。子供が授からないかも知れんよ。カアン ツアイなら、生気に満ちあふれて
おる。話もうまいが猟もうまい。あいつを選ぶべきだ。」
(年内もう一回と新年まで つづく)
>>562のつづき
女は祈りの場を去り、村に戻って夫と子供に暇乞いをし、
軟らかい地面と黒い水のあるところへ向かった。
それは、刺す虫、蛇、茨、泥、蜘蛛、腹をすかせた丸太、そして異様な精霊で
一杯のところだった。 これはつまり、女の心を試す場所なのだった。
何日もかけて彼らは、地面の下から呼びかけるという植物を探し、
その声を聞こうとした。
ちょうど、女達がこの植物への望みをあきらめかけ、再び彼らが祈りを捧げたとき、
どこからか彼らを呼ぶ植物の声が聞こえてきたのである。
目に見えないところにあるため、それを見つけるのは難しかったが、しまいには彼らは
それを見つけて掘り出した。
その植物は、自分が創造主によって、一度に四方八方のことを知る能力を
与えられているのだ、と言うのだった。
これが、女達が果たすべきことだったのである。彼らはそれを、
村の人々のところへ持ってかえった。
彼らはナイフで持って、その植物の目を切り取った。 ←「芽」じゃなくて「目」
目は、小さな畝に植えられることになっていた。女達がこの指示通りにすれば
どんどん生長するだろう、そして、それはいつまでも、人々に食べ物をもたらすだろうと
植物は彼らに約束するのだった。
女達は、植物の指示に従った。そして、やがてクラン無しの子供達は
「ホワイト=ポテト=クラン」、「白いジャガイモの氏族」として知られるようになった。
そして、その植物(じゃがいも)は、まさに今日まで、人々を食べさせ続けている。
おわり
>>566 つづき
ムヌの母が口をはさむ。「シッ!ムヌがまた遅く帰ってきました。森の中を歩き回って
いたらしいんだよ。何か隠しているようすでね。森に何かがあるのさ。」
父親と話していた男が、声をしずめて言った。「森には骸骨がすんでいるっていう噂だよ。
ある時娘が二人森で、木の実をつみながら男たちの話をしていたんだそうだ。そして
何か熱いものを感じた。二人は布団のまわりをうろつている、小柄な少年を見つけた。
夜になって、彼に食べ物をやり、いいように言うことを聞かせようと手を伸ばすと、
ものすごく冷たい。何度試しても同じなので、諦めて、朝になってみると布団の下には
頭蓋骨が横たわっているだけだったそうだ。娘たちは急いで逃げて行った。後で
そこに戻ってみると、頭蓋骨も少年も後も形もなかったそうだ。誰も彼を見たこともないし、
声を聞いたこともない。私もこの話をきいただけだ。」
父親は軽く笑って、「で、あんたは信じるのかい?」
男は静かに言った。「ああ、信じるね。骸骨男がプエブロを救ってくれるという話が
あるじゃないか。さて、そろそろ行くとするか。誰にもムヌの森の話はしないから、心配
しないでくれ。冬に備えて肉が必要だからなぁ。」
父は男を戸口まで送り、「狩りにもう一行送ることにしよう。山に何かいるはずだ。
三回の旅で、何も動物の足跡が見つからないなんて、ひどいこった。冬が思いやられるな。」
父親と母親は、男が帰った後も森の話を続けた。ムヌは目を閉じた。彼女が恋している
人は、この男なのかも知れない。もしかしたら、ムヌがその男をプエブロに連れて来る
運命なのかも知れない。彼女は、とにかく自分を導いてくれる精霊に忠実を誓うしかなかった。
翌朝ムヌの父は、はやく身支度をするようムヌを起こした。求婚者たちが、みんな外で
彼女のこたえを待ちわびているのだ。ムヌは静かに時間をかけて身支度をした。父親は
いらいらして待っていた。彼は、一番下の娘に、結婚して落ち着いて、自分の生活をはじめて
欲しかったのだ。
ムヌは母のそばに駆け寄った。「お母さん、精霊が導かれる人と一緒になるのはいけないこと
なのかしら?」「さあさあ、お父さんにどの方がお前の心をとらえたのか、言いなさい。」
「お母さん、あの中の誰にも興味はありません。でも、ここにはいらっしゃらないある人と
人生を共にしたいと、願っております。」
父はムヌの方に向くと、「何だって?皆から贈り物をもらっておいて、誰とも結婚しない
なんて、言い出すのか?」
(つづく)
旅人さんのおかげで、このスレも彩りにぎやかになったねえ。
おいらは来年しょっぱなは、動物のハンドゲームの話でも紹介すっかな。
ではみなさん、良いお年を〜
そちらは「明けましておめでとう!」ですね。
わたしもこの掲示板のお陰で、毎日の楽しみがひとつ増えて、とても充実した年になりました。
色んなお話をありがとう!自分がどれだけ恵まれた所にいるのか、すっかり忘れており
ました。
新年早々は、コーンダンスとストーリーテリングです。初詣のつもりで行ってきます。
報告お楽しみにぃ〜。
久々です。こんにちは。
元旦は、風が強過ぎてお供の子が風邪気味だったのでダンスはやめにして、室内の儀式に参加して
来ました。アニシナベのメディスンマンと、その友人がウィスコンシンから来ていて、何人か
集まった人のために、パイプと儀式とタバコタイを作りながら、お話を聞く会でした。
(儀式と言っても、真剣勝負の患者を治したり、雨乞いをするようなのではありませんが)
東ウッドランドの知り合いの人は今までに一人もいず、あまり知らなかったので行く前に
ちょっと調べていったのですが、彼らってインディアンに嫌われているんですか?
ラコタとはずっとライバルだったようですが、日本の百科事典のサイトでものすごく
ひどい書き方をしているところなどあり、びっくりでした。
まあ、彼らも冗談でラコタをからかってはいましたが。(すぐ痛くて辛い思いをしたがる
とか言っていました。自分たちのセレモニーは、感謝が多いとか・・・)
彼はパイプキャリアーの家族の出なので、1mぐらいのパイプをもって来てくれました。
きれいでした。それをする前に、サージでスマッジをして、それからパイプの儀式を
各方向に向かって祈ることではじめました。それぞれの方向から、先祖を呼び集め、
新年の祝いに備えました。アニシナベの言葉をいくつか教えてもらったのですが、
祈りの中に、ミグウェジ(ありがとう)がものすごく多いのが、目立ちました。
ナバホの祈りはコッ(火)などエレメントの神への呼びかけが、何度も繰り返されるのが
一般的です。ニジョーニ(美しい)も多いですね。
あと教えてもらった言葉は、ブジュー(こんにちは)とマニドゥー(大精霊)です。
パイプを手前に出して、水平に向きをかえるしぐさがおもしろかったです。
その後、皆のご先祖様が来てくれて見守る中、タバコタイなるものを作りました。スウェット
などを平原インディアンたちとした経験のある人は、よく知っているようでしたが、
私は今まで人から実際に見たことがなく、よい体験でした。小さいバスケットに
入ったキザミタバコをひと掴みもらい、左手に持ち、祈ったあとでちいさなテルテル坊主みたいに
四角い布切れに包んで紐で口をしばり、幾つも繋げて行く。ノットを作らない結び方で、
どんどんつなげて、四方向と天地の象徴となる6つをつくりました。千羽鶴じゃないですが、
これが何百も作られることもあるそうです。(多分みなさんのほうが詳しいでしょう?)
いくつか物語もしてくれて、
ある男がカメを捕まえた。家にもって帰って母親に料理してもらおう、と意気込んでいたのだが
母親の姿が見えない。しばらく待ったが、帰って来なくて、どうも待ちきれそうにない。
「カメのスープぐらい自分で作れるぞ。よしやってみるか。」
と、カメを水の入ったボウルにのせ、電子レンジに入れた。チンッと鳴って、あけてみると
カメが真っ赤な顔をして出て来て、「ホ!いやぁ、いい火加減のスェットだった。」
と言ったそうな。
その話し方の不思議な魔法にかかり、私たちはそのメディスンマンと共に大笑いしました。
明日は「王様の日」(何の王様なのか知りません。白人の王様でしょうが。)というので、
ほとんどのプエブロがご馳走とダンスをする日です。ヘメスかサントドミンゴに行ってこよう
かと思っています。今まであまり出かけなかったので、ここへ来てどん欲になりました。
報告する人たちがいるのも、励みですよ。話し手も興味を持ってくれる人ばかりでは
ないですから。では。
おめっとさんです〜
>>575 >>ラコタとはずっとライバル
なにせ「スー」の語源は、アニシナアベ族が「あの蛇野郎ども」と
呼んだのが起こりやもんね。
百科事典とか、けっこう出鱈目な記述多いよねえ。
どんなんか見たいのでどこのサイトか教えてちょ。
>>573で言った動物のハンドゲームの話、どこに言ったかわからんようになった。
見つかったらまた書いてみべえ。
アニシナアベの亀の話を書いてみる。 主役の「ナナボーゾー」は、アニシナアベのトリックスター。
【亀、甲羅を得る】
それはまったく、ナナボーゾーには妙な気分の一日だった。 青カケスの喧しいさえずりで、
彼は深い眠りから覚めたところで、少し怒りっぽかった。それにもまして腹が減っていて、
ナナボーゾーはまず、村へ行って食い物を貰おうと思った。
村へ行くと、水辺に野営して、魚を料理している男達がいて、ナナボーゾーは
たくさんの魚が火で焼かれるのを嗅ぎまわった。なにしろ腹が減ってペコペコだった。
男達は、彼に魚をくれて、熱いから気をつけなよ、と注意したが、ナナボーゾーは
うっかり手で魚を掴んでしまい、彼は大急ぎで手を冷やそうと、湖へ飛んで走った。
ところがまだ半分寝ぼけ眼のナナボーゾーは石につまずき、水辺で日向ぼっこをしている
ミシェカエ(亀)の上にそのままドボンと落っこちてしまった。
この頃の亀というのは、今のように甲羅をまったく持たず、その身体は柔らかい肌と骨で
出来ていた。ミシェカエは、行こうとするナナボーゾーに大声で文句を言った。ナナボーゾーは
自分のうっかり加減に恥じ入って、彼女に謝った。
「何か彼女にしてあげられることってあるかな?」
彼は、友達の助けになる何かはないかと、自分のウィグワムに戻って熟考することにした。
しばらくして、ナナボーゾーは亀に会いに戻ってきた。ミシェカエは浜辺の泥から顔を出した。
ナナボーゾーは、大きな貝殻を二つ取り、それを合わせ、亀をその真ん中に置いた。
ナナボーゾーは、大きく息を吸って、話し始めた。
「これでもう、あんたはそんな風に怪我をすることもないよ」 彼はゆっくり言った、
「危なくなったら、あんたはいつでもその殻に、頭と足を引っ込めて護ることが出来るんだよ」
彼は亀の隣に座って、考えを述べた。
「この殻は、そう、母なる大地と同じように丸いんだ。それは、丘と山みたいな
こぶになってる。それは節々で分かれてて、別々になってるけど、あんたにくっついてるんだよ」
ミシェカエはとても嬉しく思って、熱心にそれを聞いた。
「あんたは四本の足を持ってる。 それぞれは東西南北の方角を示してる。
足を全部引っ込めたとき、四つの方角は全部消えうせる。
あんたの尾は、アニシナアベが行ったいろんな土地を示すし、あんたの頭はその方向をたどる
ポイントになるだろう。あんたは、アニシナアベにとって価値あるものになるんだ。」
彼は続けた、
「あんたは水にも陸にも住める。そして、その住処にいつもいられるだろう」
ミシェカエは新しい自分の姿に喜び、ナナボーゾーの智慧に感謝した。
厚い甲羅に入った彼女は、岸辺から離れ、水の中に姿を消した。
そんなわけでその事件以来、アニシナアベと亀は特別な仲だ。
こんにちも彼女は誇らしげに二枚の殻を身にまとい、母なる大地に
感謝を捧げ続けている。
おわり
>>582 子供が書いたんか? とも思えるようなウィトコな文ですねえ
向こうのサイトの直訳なんですかね
ウィキペディアから取ったように見受けますが、日本版にも英語版にもあのような解説は
出ていません。どういうんでしょうね。
亀の話は、微笑ましいだけではなく、色々な教えが凝縮されてるかんじですね。
>>578 「王様」は、イエスの誕生を祝いに来た三人の賢人/博士のことでした。
キリスト教のお祝いということでしたが、踊りは「バッファローダンス」でした。さすが!
コーンとチリが中心のご馳走も、頂いて来ました。今まで見たことのない、とても薄く焼いた
ブルーコーンのトルティヤが、とてもおいしかったです。
>>572 ムヌと骸骨のお話の続き
母は立ち上がり、こう言った。「お父さん、贈り物を受け取ったのはあなたです。ムヌでは
ありませんよ。返せばいいじゃないか。贈り物をさせようというのも、ムヌではなくて、
あなたの考えじゃないですか。」そしてムヌの方を向くと、「さあ、それじゃ誰を選んだのか
話してもらおうかね。」
「彼は夜の間は、とてもハンサムで強い人です。とても礼儀正しくてステキな人で、
森の中に住んでいます。」ムヌは声を低くして答えた。
「夜の間はというのは、どういう意味なんだ?昼は何だっていうんだ?」と父親はどなった。
「昼の間何をしているのかは、知らないわ。名前も知らないんです、」ムヌの顔は、
真っ赤になった。「名前も知らないだって?昼間に何をしているのかも知らない。それでも
この男と一緒になろうと言うのか?そいつに結婚しようと、きちんと申し込まれたのか?」
ムヌはうなづいた。「じゃあその青年に会ってみようじゃないか。そいつは人間の男なん
だろうな、え?」父はムヌを他の部屋に連れて行くと、「今すぐそいつに会おう。奴は
お前と結婚したいのなら、きちんと両親の承諾をもらいに姿を見せるのが筋というものだろう。
自分で私たちに聞きに来るべきだぞ。」
ムヌは平静を保つと、こう言った。「暗くなるまで待たないといけません。そうしたら
話ができるから。」父親は頭を振った。怒りで目が真っ赤になっていた。母親は、彼をムヌから
引き離した。
<どこでも父親って同じですねぇ。うちの父を思い出しました。>
ムヌは仕事用のエプロンを引き寄せると、姉たちのいる外へ出た。みんな土窯や火のそばで
粘土をいじっていたる。ムヌも重なっているエプロンの一枚を、頭の上にたくし上げると、
仕事に取りかかった。今夜あの人に会いに行く時、美しい壺をいくつか持っていくのだ。
そう思うと、手にも力が入った。
ムヌは動物の脂をつまみ上げ、手に馴染ませた。そして、粘土の塊を取り上から水をかけ、
粘土を練り始めた。姉たちは、こそこそ内緒話をしている。ムヌは聞こえぬふりをした。
粘土が、いくつかの塊に分かれた。彼女は、それらをパンパンと粉になるまで叩いた。それから、
白い木綿の布を取り出すと、細かい粘土と小石や砂利を分けるための木の枝の近くに置いた。
陽が照り始め、彼女の長い腕を温めた。「精霊よ、強くいられるようお助け下さい。」と、そっと
囁いた。
「あなたが選んだ男の人とプエブロを歩いている所を、見かけたことがないわね?」
姉の一人がムヌのところへやってきて、隣にひざまづくとそう尋ねた。
「誰にするかまだ決めていないの?」ムヌは関係ないわと言うように、頭を振った。
「ムヌ、お母さんが心配していたわよ。あちらの家に住み着いて、帰って来ないんじゃないかって。
あなたは、私たちの妹なんだから力になりたいのよ。助けさせてちょうだい。」
<間違い>
あちらの家に住み着いて帰って来ないんじゃないかって → 行けず後家になるんじゃないかって。
ムヌは粘土つちを空中に放り投げた。重い粉は地面に落ち、軽いのはムヌの白い木綿の切れ
の中におさまった。「私は大丈夫。それに母さんたちの所に、ずっと居座ったりはしないから。
私にはとても好きな人がいるんです、でもお父さんは、私のことを信じてくれていないみたい。
でも、今夜会いに行けばわかることよ。」
姉はクスクスと笑った。「その気持ちよくわかるわ。私だって、バアタと一緒になろう
と思ったとき、とても怖かった。父さんはもう、何人も結婚するのによい人たちの名前を
並べていて、バアタの名前はその中に含まれていなかったの。いく晩も夜通し、家出しよう
かとか、自分の気持を諦めて父さんの言いなりになろうかと、思案に明け暮れたものだわ。
そんなときお母さんがね、ある晩私の部屋にやって来て、本当は誰が好きなのか尋ねたの。
私が白状すると、お父さんの所へ行って、きちんと本心を話すようにって言われたわ。
ムヌ、お前の人生はお前のものなんだから、自分の気持に正直にいきなきゃだめ。
私たちはお前のことが大切なの。幸せになって、いっぱい子供に恵まれて欲しいのよ。」
(長くなってしまいましたが、まだまだつづく)
父親の態度がいかにも定住農耕民らしくておもしろいね。
あの変なサイトでオジブワと一緒くたに悪党呼ばわりされてるクリー族の
お話でも紹介してみようかな。 結構長いので、ちょっと端折るかも。
よくある民話のパターンが出てくるよ
≪チチピスチクワンの話≫
むかし、「タワハム」という腕のよい若い狩人と、その妻「白い羽根」が、二人の息子と
美しい湖のほとりにティピーを張って、明るく暮らしていた。
長男の名前は「ウィサケカーク」といった。
※「チチピスチクワン」=「白い羽根」だとたぶん思う
タワハムは毎日狩りに精を出し、獲物を腑分けしたり運んだり、衣服を作るため
皮を剥ぐのは妻の役目だったが、こういうことに白い羽根はとても優れていた。
あるとき、タワハムは狩りの遠征に出かけ、しばらく留守となった。
白い羽根はとても忙しく家事を切り回していた。
薪を取りに森に入るのも彼女の仕事だった。
楽しみは、自分用の鹿革のドレスを縫うことだった。
貝殻や、ヤマアラシの染めた針で飾られ、それは彼女が縫った中で、
これまでにない美しいドレスだった。しかし、これ以上縫うには皮が足りなかった。
彼女は夫の帰りを心待ちにしていた。
晩になると、彼女は美しいドレスを着て、長い髪を梳った。
夫にこの姿を見てもらいたがったのだが叶わず、ため息をつき床に入るのだった。
朝早くに彼女は森に入り、薪を探した。そのうち、あのドレスを着て行くようになった。
少年にとって、美しく優しい母だった。 が、なぜ母は晴れ着を着て働くのだろう?
だんだん母の持ち帰る薪は少なくなり、髪は乱れ、ドレスは薄汚れてきた。
どうも母親は、森の中に秘密を持っているらしいことが、少年にも分かってきた。
少年は当惑した。 母は毎日どこへ行くのか? 母は、もう以前のような優しい
思いやりのある人ではなくなっていた。ウィサケカークは弟の世話に忙しくなり、
母親の仕事だったものが、どんどんウィサケカークの仕事になっていった。
しまいにウィサケカークは母親の奇妙な振る舞いの原因を突き止められずにはおられなくなり、
ある日、そっと母親のあとをついていくことにした。
驚いたことに、母親は湖のほうへの路を歩いていく・・・
つづく
「白い羽」は何をしているのでしょうか?続きが楽しみですね。
>>592 のつづき
ムヌの姉たちは笑った。実はみんな「ご馳走の日」のあった月に、一斉に子供を授かって
いたからだ。四人とももうすぐ、子宝に恵まれる。
ムヌは粘土の土をかき集めると、もう一度粉を丁寧に挽いた。水を少しずつ混ぜて
土を練り上げて行く。べたべたとくっつく部分もあった。彼女は細いコイルを作ると、
きれいにならべて、結婚式用の壺を作った。作り終えると、他の壺のとなりに置いた。
全部できたら、一度に窯で焼くのだ。ムヌはまた、新たな粘土土を取り出すと、空中に
放り投げ、重い粉は地面に落ちた。そうやって、また新しい壺へと取りかかった。
ムヌは、乾いた壺をいぶし窯の中に入れて行った。どれかが熱で破裂した時、他のものが
割れたりしないよう、気をつけて十分間隔をおいて並べて行く。全部入ると、鹿の糞で
ふたをした。後は待つのみだ。それから、森で待つあのステキな人の所へ持って行くための、
特別な器を作りにかかった。
と、焼き上がった壺を窯から出そうとしていた姉たちが、口々に叫んだ。壺は全て割れて
しまっていた。あとの二つの窯はまだ、火がついている。何事かと、ムヌは急いで駆け寄った。
「何かよくないことを考えていたんでしょう?窯が熱くなり過ぎたんだわ。ちがう?フウ
ツサイ(黄色い杉の樹皮)?雲母を入れ忘れたの?それともきちんと乾かさなかったんでしょう?」
「よくもこんな失敗ができたわね。どうしたって言うの?」姉たちはこわれた壺のかけらを
窯から取り出しながら、そう言った。
フウツサイは、顔をそむけた。「土がよくなかったのよ。あの人が急げと言うから。
彼の狩りの方が私の土探しより大切だからって。」
>>596からのつづき
母親「白い羽根」の様子がおかしいのに気づいたウィサケカーク少年は、
森へ薪を採りに行く母親のあとをこっそりつけてみる事にした・・・・
路からさほど外れてもないところに、古株が一本立っていた。
白い羽根は、それを三回叩いた。 すると、古株の穴から蛇が次々に這い出してきた。
彼女は丸太に座り、彼女の周りを這い回る蛇たちを愛撫するのだった。
母親と愛人達を見たとき、彼は仰天し、恐怖のあまりしばらくの間、気絶してしまった。
そして、きびすを返して一目散に家へと走って行った。
少年の見たものは、彼の若い心を重たくさせ、それからはもうウィサケカークは
毎日ぼんやりしてしまっているのだった。 このことは父親に知らせないわけにはいかない・・・
↑ 「毎日ぼんやり」を「終日ぼんやり」に訂正
どう考えても母親は邪悪な力に憑りつかれている。ちょうど夜分に母が帰宅すると
同じくして、父も帰宅した。 しとめた獲物を家まで運んでくるのは白い羽根の仕事だったので、
彼女は獲物を取りに行き、その間にウィサケカークは、父に森で見た一部始終を話した。
タワハムは驚き、言った、
「息子よ、これは俺達家族にとってとんでもない災いだ。 もしお前が勇敢で、
俺の言うことを勇敢に行えるなら、お前と、お前の弟は助かるかもしれん。
さあ、俺の言うことをよく聞くんだぞ。 お前の母さんは、多分、明日の昼ごろまでは戻らん。
俺が蛇どもを滅ぼせば、お前の母さんもまた滅ぼさざるを得ないかもしれん。
俺がしくじったときのために、お前とお前の弟は逃げる準備をしておかないといかん・・・」
「お前を護ってくれるものを四つ、渡しておこう。命が危なくなったときには、
このなかの一つを、お前と危険なものとの間に投げるんだ。」
タワハムは、ウィサケカークに呪い袋を手渡した。
中には骨で出来た錐、
火打石のかけら、
樺の皮のプサカン(火打石で火をつける火口)、
アーピート(火打石で叩くと火花を出す平たい石)が入っていた・・・・
またつづく
嫉妬に狂ったりせず、冷静に子供に指示を与えるお父さんが、立派ですねぇ。
>>598 の続き
「冬が来るというのに、ほとんど肉もなくなってしまって。どうしたらいいの?」と言うと
ムヌは、涙を見せぬよう必死でこらえた。
姉たちは舌打ちして、「あんたの抱えている問題なんて、聞きたくないよ。私たちだって
みんな何かしら、困っていることがあるんだから。私たちはこれから子供が生まれる
というのに、冬を越すのに十分な食べ物もないんだよ。でもね、悪いことを考えていちゃ
自体が悪くなるだけよ。」
みんな口々にまくしたてていた。そよ風に頬を撫でられ、フウ ツサイははっと我に返り、
家にまだもう一つ残っている大仕事のことを思い出した。ムヌは前掛けをはずすと、
家路を急いだ。家では、彼女の両親が首を長くして、待っていた。陽が傾いてきた。
青年に会いに、森へ入ってゆく時がやってきた。
>>601のつづき
次の朝早く、白い羽根の鹿革のドレスで変装し、タワハムは切り株を三回叩き、
にょろにょろ這い出した蛇たちの頭を全部刎ね、その血を器に入れて持ち帰り、
スープを作ってその中に入れた。タワハムはウィサケカークに言った、
「お前の母さんが、このスープを飲み干したら、邪悪な魔力から母さんは解放されるだろう。
もしこれを飲むのを拒んだら、お前の母さんを殺さないといけない。
苦しいだろが、お前は弟を連れて逃げないといかん。
母さんが何を言ったとしても、お前はそれをしたり、耳を貸してはならんぞ。」
タワハムのいうとおり、正午ごろに白い羽根は帰宅した。
彼女はもううっとりした様子で、蛇たちとの密会に気もそぞろだった。
鹿革のドレスを着て、それは輝くばかりの様子で、黒髪を編んだ。
いそいそと出かけようとする彼女が出入り口をまたごうとしたときに、タワハムは呼びかけた。
「待った! お前はまず一番に、おまえの恋人の血を飲まなけりゃならんぞ!」
ものすごい叫び声を上げ、彼女は古株のところまで飛んでいった。
タワハムは悲しげに息子たちに別れを告げ、決してやつらに騙されるなよと念押しした。
弟の手を引いて、ウィサケカークは急いで外へ出た。
タワハムはティピーの跳ね上げの後ろで待ち、斧を構えて、
白い羽根が入ってきた瞬間に一撃を食らわせる用意をした。
彼の狙いは正確で、間違いなかった。
腹を立てた女が入ってくるとすぐに、彼の斧の一撃が下った。
彼女は地面に倒れ、その頭は首から切り離された。それが地面に触れるや否や、
身体のほうが猛然とタワハムと戦い始めた。その戦いはいつ果てるとも知れず続き、
しまいにタワハムは足首で身体を捕らえ、ぶんぶん振り回した。
彼はそれを離すことが出来なかった。彼らは回転しながら次第に上昇して行き、
それは天空に達した・・・・
(今日でも、晴れた夜空に我々は、北極星となったタワハムと、
北斗七星となった白い羽根の身体を見ることが出来る。
誰もタワハムが、いつまで白い羽根の身体を振り回し続けるのか分からない)
そうこうするうち、白い羽根の頭は地面をくるくる回り始め、少年達を追跡し始めた・・・・・・
またまたつづく
ヒェ〜!頭を切り落とすだけじゃ、だめなんですか。
北斗七星がぐるぐる回っている理由を説いた話ははじめて聞きました。おもしろい。
>>602 のつづき
ムヌは両親を森へといざなった。彼女はハコヤナギの幹に抱きつくと、こう言った。
「昼の間、彼の姿は見えないの。あの人は夜になると、ここへやって来るのよ。」
母が近寄ってきた。「何を言っているの?私たちは、お前に幸せになってもらいたいんだよ。
たくさん子供を産んで、栄えて欲しい。村の人からはずれて欲しくもない。どういう
人なんだい?人間じゃないのかい?」
ムヌは頭を振って、「わからないんです。彼はとてもやさしくて、私が話をしている時は、
じっと耳を傾けてくれる。私たちはとても気が合うし、悪いことが起こるようには
思われないんです。ただ、彼が何をして生活を立てているのか、私にはわからない。そして、
昼間の間は、頭骸骨と指だけになってしまうのよ。」
父は何も言わなかった。母はムヌの腕を掴むと、「とにかくその人を呼んでごらんよ。
私たちに会わせておくれ。どういう人か知る権利ぐらいは、わたしたちにもあるって
もんだろう?」
ムヌは昼間彼を見つけた茂みの方へ、静かに歩いて行った。彼女がそっと声をかけると、
茂みから頭蓋骨の指が出てきた。
「怖くないのかい?」
「いいえ、両親を連れてきました。会ってちょうだい。」
「もう少し、暗くなるまで待とう。」
日が丘の向うへ傾き、凛々しい青年が茂みの中から姿を現した。「さあ、やっとお会いできます。」
母親はこちらへ向かって来る青年を、じっと見つめた。父はこれはすばらしい魔法だと
すぐに悟った。彼の娘は、精霊にこの青年と一緒になるよう選ばれたのだ。自分には
何故かと問う権利などない。
二人の結婚は、両親に快く承諾された。プエブロで、夜の儀式となる。プラザでは、
明るい松明はなし、と取り決められた。青年は、結婚式の日までムヌとは会わない
と約束した。両親は、ムヌと帰途についた。父は二人を家に送り届けると、村の年寄り
衆に会いに行った。
彼らは「天におわす大精霊」に理解を求めて祈りの歌を捧げた。それから、もしこれが
邪悪な霊の仕業であるなら、闘うだけの力を与えて下さるよう、祈り続けた。
母はムヌを連れて結婚の儀式へと、やってきた。太鼓が鳴り響き始めた。みんなムヌをとり
まいて円になり、彼女が結婚する青年を見ようと心待ちにした。祈りの歌は続く。しかし
夫となる青年が、あらわれない。ムヌは涙を見せまいと、うつむきひとりで踊った。
火が燃え尽きてしまった。そよ風が通り抜けた。と、踊りの輪の中で彼女の足取りに、
もうひとつモカシンが加わった。彼女の愛する人が、グインウェンディエ(立ち踊り)
にやってきたのだ。
ハンサムなムヌの将来の夫が、腰まである長い髪をなびかせ、白いシャツが日に焼けた凛々しい
顔をひときわ引き立たせ、青と緑でみごとに刺繍された腱巻きとズボンを纏い、そこにいた。
彼は、ムヌの腕に触れ、腰巻きを引き寄せ、向きを変える度に猫鳴きをしながら、ムヌの周りで
踊った。村人たちは、彼と一緒に笑った。みんな彼がとても楽しい人だと思った。踊りが
終わる頃には、みんな彼のことをとても気に入ったようだった。
ムヌの両親は踊りの後二人に会うと、ムヌにはトウモロコシの粉、小麦粉、松の実、
とトウモロコシを与えた。夫には、狩猟用ナイフ、キツネの毛皮、とよく研いだ矢尻が
渡された。夜明け前に、二人は森へと旅立った。
夫がもらったものを担ぎ、ムヌは敷き布団と自分の身の回りのものを、脇の下に
抱えて歩いた。泉の近くを通りながら、ムヌはふと考えた。自分はこれからどこに住む
ことになるのだろう。頭蓋骨の夫は、昼間は茂みの中に隠れていて、夜は外を歩き
回るのだ。彼女は振り向いて彼に尋ねようとした、がもうすでに太陽が顔を出していて、
夫の姿はなかった。彼が運んで来た荷物も、一緒に消えてしまった。
まだまだ続く
>>605の続き
父の警告に従って、走りに端って逃げるウィサケカークだったが、
金切り声を上げて追ってくるチチピスチクワンはどんどん近づいてくる。
「ウィサケカーク、わが息子よ待て〜 お前の弟はおなかを空かせてるんだよ〜〜〜
私がみてやらなくちゃぁ〜〜 」
しかも弟は、すすり泣きながら、聞き覚えのある母親の声のほうへ行こうともがく。
ウィサケカークの足取りは次第に遅くなってきた。
震える手で、彼は父のくれた呪い袋の中を探り、手に触れた骨の錐を後ろに投げつけた。
たちまち茨の壁がそこに出現した。 足を止めて休むわけにいかず、すばやく飲食物を
弟に与え、兄はさらに先へと進んだ。
チチピスチクワンは行く手をさえぎる茨の壁に怒り狂い、くるくる回転し、上下に跳ねた。
しかしすぐに、大きな虫が茨を食い進んでいるのに気がついた。
「親愛なる、素敵な虫さんや、もし私のためにこの茨を切り開いてくれたら、
私の手をあんたと結婚させてやると約束するよ」
「あんたの手をかい? 頭しかないあんたが、俺のために何をくれるって言うんだい?」
虫は茨を食い続け、苛立つチチピスチクワンは回転し、急降下した。虫は茨の向こうまで
達していたが、そのときに哀れな虫を押し潰してしまった。
「はははは、誰が虫なんかと結婚したいなんて思うものかね!」
ウィサケカークたちは丘の上までやってきて振り返った。 首が丘の下をくるくる回って
上下しているのを見て、彼は吐き気を催すのだった。
彼は袋に手を入れ、プサカンを用意し、弟を抱えて走った。
振り返るたびに、頭はどんどんと近づいてきている・・・
彼がプサカンを投げると、炎の渦が出現した。 炎の壁は頭の進行を止め、
ウィサケカークは再び走った。が、チチピスチクワンはまた、罪のない犠牲者を騙して
炎をかいくぐってきた。彼女はさらに近づいてくる・・・
またまたまたつづく
確か、前にもこわい頭が追いかけて来る話、ありましたね。
自分の母親が、こんなんになってしまうなんて!
日本の民話にも、旅の途中で鬼に胴体を喰われた女房が妖怪化して
旦那が困らされるってのがあるね。
ウィサケカークは三番目の贈り物、アーピートを投げ、それは山のバーリアとなった。
もうへとへとで足が動かなかったが、歯を食いしばって必死に進んだ。
弟は、おいら母さんのところに行きたいよう。 おなかペコペコだよう! 寝床に行きたいよう!と
泣き叫び、それを励ましながら兄は進むうちに、弟は泣き疲れて眠ってしまった。
しかし、とうとう兄も疲れのあまりその場に転んてしまった。
その拍子に、父の贈り物の最後の、火打石が転がり出た。
彼の前に、突然川の流れが現れた。
↑ 後ろに投げないで、前に転がしたので、こうなったということかな
どうにか逃げようと、ウィサケカークは川岸を上下に走り、
やけくそで川に飛び込んだ彼の前に、白鳥がいて、こう聞いてきた。
「ご兄弟、どこへ行こうってんだい?」
「お願いだ、俺達を乗っけて、川を渡らせてくれないか、
そうしないとチチピスチクワンに俺達は殺される!」
「私の首を締め付けないように気をつけて座るんなら、そうしてあげるよ」
兄弟が川を渡ると、チチピスチクワンもやってきて言った、
「お前さんがあたしを川向こうまで渡してくれたら、お前さんをあの青空に浮かぶ
雲のように真っ白にしてあげるよ」
白鳥は答えた、
「お安い御用さ、しかしその前に、その約束を果たしてもらわなくっちゃいけないね」
チチピスチクワンは約束どおり、白鳥を真っ白く優雅な姿に変え、
それ以来、白鳥は長く優雅な首をした白い鳥である。
チチピスチクワンは苛立って、白鳥の背中へぽんと飛んだが、
警告を忘れ、白鳥の首にどんとぶつかった。白鳥はチチピスチクワンを
川の真ん中に投げ落とした。
川向こうでこれを見ていたウィサケカークは、チチピスチクワンめがけて
弓矢を射こみ、最初の一矢が命中した。すると、頭は大きなチョウザメに変わった。
太陽の光で閃いた尾が、ウィサケカークが見たチチピスチクワンの最後の姿だった。
おわり
618 :
旅人希望:2006/01/23(月) 01:06:18
チョウザメというのは、意外な展開でした。
>> 609 の続き
「旦那さん、ねぇあなた、どこにいるの?」しかし答えはなかった。「私は
どこへ行ったらいいの?」尋ねてみたものの、静かな風がそよいでいるだけ
だった。ムヌはもっていたものを地面に下ろした。プエブロへ帰るべきなの
だろうか。気位は置いておいて、村へ戻るべきか。足は棒のようにくたびれて
いた。背中は、一晩中の踊りのせいで、どしんと痛んだ。彼女の頭の中は
またもや疑問でいっぱいになった。でも、そこには誰も答えてくれる人はいない。
619 :
旅人希望:2006/01/23(月) 01:20:30
ムヌは、荷物をきちんと重ねると、藪の中に入って行った。「ねぇ、私たちはこれから
どこに住むんですか?」茂みは、ひっそりと静まりかえっている。ムヌは
茂みの隣に膝まづいて尋ねた。「そこにいるんですか?これからどこに住むん
ですか?」答えはない。小鳥さえもさえずってはいない。ムヌは、見捨てられた
ような気がしたが、父は信じ続けろと言った。だから、信じなければ。彼女は
森の中をさまよった。大きなハコヤナギの木だけが、彼女の友達だ。ムヌは、花の
咲き乱れる丘の上へやってきた。ウサギが何羽かクローバーを、もぐもぐやって
いるだけだった。振り返ると、地面からはしごが突き出ている。地面に穴が
あいていて、そこから出ているようだ。ムヌは静かに歩み寄ると、穴をのぞき
込んだ。
621 :
旅人希望:2006/01/23(月) 06:56:00
飛行機から撃つというのが、何だか特に納得いきませんね。
「そこに、いるんですか?」ヌムは穴に向かってというよりは、自分に話し
かけるかのように言った。
「ああいるよ。持ち物をおろしてごらん。」
ムヌは、喜びで胸がいっぱいになった。転げるかと思うほど大急ぎで荷物を
取りに戻ると、はしごのところまで走って来た。荷物を穴の中に落とすと、
自分も後を追った。穴の中はとても暗くて、目が慣れるまでにしばらくかかった。
土間はヤギの血で固めてあった。壁にはあらゆる動物の皮という皮がかけてある。
床には羽の詰まったかごが、ところ狭しと並んでいた。かごのひとつには、頭蓋が
おさまっていた。ムヌは布団の包みをとくと、棚に荷物を収めた。調理用具は
何もない。多分、森の中で見つけられるものを使うことになるのだろう。
「あなたは何も食べないんですか?」と頭蓋骨に尋ねる。
「ああ、食べない。昼は絶対に何も口にしないし、夜は動き回るけれど
滅多に腹がへるということはないんだ。」
ムヌは顔をしかめた。「じゃあ、あなたは狩人ではないのね。」
「ちがう。」
ムヌは壁にかかっている動物の皮を数えた。「じゃ、どうやってこんなに
たくさんの皮を集めたんですか?」
頭蓋骨はこう答えた。「それは父が獲ったんだよ。皮を使ってひとが空腹で苦しむこと
がないようにとね。でもみんないらないと返してきた。もう亡くなってしまって、
形見はその皮だけなんだ。」
ムヌは肩掛けをはずして脱いだ。ブラウスをめくり、エプロンをかけると
新しい住処の掃除にとりかかった。
「お母さんのことは、何も知らないの?」
頭蓋は黙っていた。太陽は高くのぼり、地下のこの家さえ暖かくなってきた。
ムヌは頭蓋の入っているかごの横に座った。彼はそっと囁いた。「ぼくはね
こんな姿の間は、あまり長い時間話をすることができないんだ。精霊が
黙って人の話をよく聞くように、ぼくをこんな姿にかえたんだよ。時には
この頭にくっついている耳を使って、時には心の耳を傾けて話を聞く。僕は
母なる大地と、動物たちへの尊敬の念から、沈黙を保つのを覚えた。殺されるものの
考えを考慮に入れず狩りをするのは、間違ったことだ。だから、僕は他の人間が
忙しく狩をしている昼の間、動物の話を聞き気持ちを聞くために、こんな
頭蓋骨の姿に変わるというわけだ。よく目を見張って観察したら、僕の役目が
わかったのさ。」
ムヌはかごの中にいる頭蓋骨の夫を、しげじげと眺めた。かごに手を触れてみると
それはとても柔らかだった。かごの色は、夫が夜人の姿に戻ったときの、髪の色と
同じだった。頭蓋が座っている羽は、鷹の羽だった。ムヌは頭蓋にも触れてみた。
それはじっとしていた。
ムヌは泉まで何度か足を運び、敷き布団を作る柳やお皿にする木の皮などを
取ってきた。毎日忙しく、何でも森にあるものを使って生活を成り立たせるか
探して歩いた。動物の皮が穴から出入りするたびに、ぼうっと壁に浮き上がる。どれも、
古くて埃まみれだ。皮の頭は、彼女の動きを一部始終眺めているようだった。
彼女は最後に、壷つくりのための粘土を運び込んだ。薄めの皮を選んで粘土を
くるんだ時は、すこし気がひけたが、せっかくあるのだから無駄なく使おうと
気を取り直した。
(何だかまだつづきます。失礼。)
625 :
天之御名無主:2006/01/26(木) 12:16:08
地面の穴に梯子で降りてくって、そのまんまキヴァのイメージですねえ
マヒカンとかトンカワとか、「狼」が部族名になってる人たちの話って見つからんな
カナダ西海岸のハイダ族に、こんな話がある
【狼と海】
ある日、一人の男が、浜辺で狼の子を二頭拾い、家につれて帰った。
やがて二匹は成長すると、海に泳いで出て鯨を殺し、
男が食うに困らない肉を運んでくるようになった。
毎日、彼らはこれを続け、喰い切れないほどのたくさんの肉を獲り、
やがて鯨は激減した。
偉大な天上の人々は、彼らが作った鯨の残骸の山を見て、
霧で二匹が鯨を見つけられないようにした。
そして、彼らの帰るべき岸辺も見えなくしてしまった。
彼らは海に残らざるをえなかった。 やがて彼らは「海の狼」、すなわちシャチになった。
おわり
いろいろ動物の話も書いてきたが、ここらで犬の話でも書いてみる
以下は、19世紀に南東部からオクラホマへ強制移住させられた五大部族の一つ、
チカソー族のもので、この部族からは、数年前、宇宙連絡船のエンデバー号に
乗組員として参加したインディアン初の宇宙飛行士が輩出している。
【白い大犬と聖なる柱】の話
昔、インディアン部族は永らく戦で疲れきっていて、ついには神に救いを求めた。
そしてついに賢者が創造神ウバネレリの託宣を受けた。
それは、一本のコータ=ファラヤ(長い柱)が、平和な土地へ人々をいざなうというものだった。
彼らは旅に出て、毎日神聖な柱を地面に垂直に立てる。
柱は傾くことで、彼らに行くべき方向を教えてくれる。
そして賢者はこう人々に言った、
部族は旅をより安全で易くするために二つに分かれる。
勇敢で若い酋長チカソーの率いる部族、
そして同じく勇敢で若い、彼の兄弟チョクトーの率いる部族、の二つである。
会議の後、この賢者の言に勇気付けられ、人々は朝まで歌い熱狂した。
そして、出発の前夜となった。 賢者は地面に柱を垂直に立てた。
つづくぞい
お久しぶりです。
>>627 シャチってどんなんだっけ?と調べたら、「クジラやアザラシを鋭い歯でおそう」と
ありました。すごいんですね。知りませんでした。「海の狼」か・・・
>>629 聖なる柱はどちらに倒れるのでしょうか?楽しみです。
私のムヌの話も、いい加減キリをつけないと、もう2月になってしまいますねぇ。
次の朝、聖なる柱は東に傾いていた。 チカソー酋長とチョクトー酋長が
それぞれの先頭に立ち、部族の残りに別れを告げ、老若男女、赤ん坊取り混ぜて、
インディアンの大集団は栄光の方角へと旅立った。
この赤き人々の大集団の先頭に、大きな白い犬がいて、右に左に駆け回り、
人々に代わって警戒していた。 人々ばこの大きな生き物を、とても愛していた。
彼は忠実な警備兵であり、斥候だった。敵が来れば知らせるのが彼の役目だった。
他の部族の土地の中を進むこの旅は困難を極め、たいていは見逃してくれても、
やはり時には戦いを交えなければならなかった。
病も常に付きまとい、呪い師は大忙しだった。 シンティ(蛇)に噛まれたときは、
白犬がすぐに呼ばれ、患部を舐めて治すのだった。
しかし、呪い師の並外れた治癒力と、愛すべき犬の助力をもってしてもなお、
死の魔の手は二大集団から自在に人々を連れ去った。
何日も、何週間も、何ヶ月も、そして何年もが過ぎたある日没時に、
彼らに大集団の前に大河が現れ驚かせた。
それは彼らにとって前代未聞のものだった。
人々は畏敬の念でこれを眺め、飽きることがなかった。
彼らはこれを「ミシャ=シポコーニ」、つまり「総ての時代を超えたもの」と呼んだ。
すなわち現在、白人が「ミシシッピー川」と呼んでいるそのものである。
その夜、人々は焚き火を囲んで嬉々として話しこんだ。
いよいよ夜明けには、神聖なる柱がお告げを下されるだろうことをみんな確信していた。
もうちょいつづくど
大河を時間ととらえているのが、興味深いですね。
>>624 の続き
ムヌはひとりぼっちだった。穴からは、柔らかい夕べのひかりが静かに注いでいる。
姉たちは、家庭を切り盛りし夫の世話で大変かも知れないが、少なくとも彼女らの夫たちは
たいてい家にいる。ムヌは柳の小枝を集めると束にした。彼女はそれを使って、今では
自分の住み家となった、その穴を掃いた。埃が舞う。涙が出た。彼女は疲れ果てていた。
彼女は、新しい家を自分で用意し、ひとりで住み着き、夫はいつ現れるのか定かでは
なかった。
小鳥がさえずり、はしごの近くで羽ばたいていた。ムヌは、トウモロコシの粉を投げた。
鳥達は、よろこんでそれをつついた。子供のことだって、考えなくてはならない。もし、
彼女の子供たちがみな、夫のような姿で生まれて来たら?ああ、こんなことばかり考えるのは
うんざり!自分で決めたことなのだから、自分で道を切り開いていかなくちゃ。私は
健康だし、勇気だってある。私の人生は、価値のあるもの。最後まで見届けてやるんだから。
太陽が、地平線にごろんと転がった。ムヌは、はしごをのぼり、紫の夕焼け雲を眺めた。
美しい色だ。父なる太陽は、精霊の道を信じているに違いない。でなかったら、こんな
美しい光をみせびらかすはずがない。
ムヌは、はしごを降りて穴に戻った。暖かい壁に寄りかかり、怒濤のように湧き出る様々な
考えを、しばしとどめることができた。目を閉じる。背中をさする。はっと目が覚めた。
辺りは真っ暗である。隣にいるのが何ものか目をこらしてみたが、よく見えない。
「僕だよ。泉まで行かないか?」
ムヌは、手探りで布団を引き寄せると、「いいえ、とても疲れて行けないわ。しばらく
寝かせてちょうだい。日の出前に起こしてくれたら、起きますから。」彼女は、布団にもぐると
眠りについた。
月日が経った。ムヌは、少しずつ生活習慣を変え、今では昼間に寝て、夜に起きて
いられるようになって来た。時には、儀式や集まり、そして壺を他の品物に交換するため、
村へ行かねばならなかった。夫は、彼女の知る限り何一つ、交換するものなど持ち合わせなかった。
ちょいと忙しくて、聖なる柱の続きがなかなか書き込めないや。
ここはインディアンタイムでまたーり行くよ。
私もここのところ、予想以上に忙しくなってしまって、インディアンタイムです。でも、
暖かくなる前の、お話の季節を無駄にしたくないので、お話続けます。読むだけでも
たまに寄って下さい。
他にも、神話を語存じんお方、どしどし参加しましょう!春が過ぎたら、お話はおやすみで
パウワウが始まりますからねぇ。
だがしかし、翌日の朝、人たちはコータ=ファラヤがまたも東に傾いているのを見た。
つまり、彼らの「家」は、大河のまださらに先にあるらしかった。
彼らは急いで筏を組み、この大河の横断に挑んだ。
そして大河の中ほどで悲劇は起きた。筏が壊れ、人たちは河へ投げ出された。
人たちは救い出されたものの、あの愛すべき大犬は、丸太につかまったまま、
下流へと流されていった。 人々はなすすべもなく、これが忠実な警備兵にして斥候の
最後の姿となったのである。
総ての人たちと荷物を渡らせるのには、何日もかかった。
さらに数日の休息のあと、彼らはなおも東を目指した。
数週間後、彼らの野営した場所、「ナニー=ワヤ」は、
現在はミシシッピー州、ウィンストンカウンティーとかいう名で白人に呼ばれている。
次の日の夜明け、人たちは聖なる柱が、ぐらぐらと揺れ、あちこちを向いて傾いているのを見た。
これはまったく初めてのことで、人たちは興奮し、不安がった。
やがてコータ=ファラヤは静かになって、まっすぐに立った。
ここで二つのグループ、チカソーとチョクトーの兄弟酋長の意見が分かれた。
チョクトーたちは、これを創造神ウバネレリによる新天地到達のサインととらえた。
一方チカソーたちは、あのぐらつきはまだ示し終えていないしるしだとして満足しなかった。
数時間にわたる協議も解決を見ず、ついにチカソー酋長は聖なる柱を引き抜き、
彼らのグループにさらに東へと向かうと号令をかけた。
これが今日まで続く、チョクトー族とチカソー族のそれぞれの国家の始まりである。
チョクトーに従った者たちに比べると、チカソーに従った員数はわずかに少なかった。
こんにちアラバマとかジョージアとか呼ばれている土地が、彼らの土地だった。
コータ=ファラヤは今で言うミシシッピのポントトック市とチューペロ市のあたりで
西に方向を変え、チョクトーが住み着いた土地から100マイルほど北に
彼らを誘導してまっすぐに立った。
チカソーはついに彼らの安住の地を見つけたのである。
おわり
ところで、チョクトーもチカソーも安住の地に安住していられたのはわずかの間だった。
1830年に大統領ジャクソンが、彼らのほとんどをオクラホマへ強制移住させたから。
ようするに聖なる柱で指し示された彼らの「約束の地」は、むしろ白人にとっての「約束の地」だった
またまたお久振りです。ムヌの話の続きが見つからなくて、探しています。取りあえず
忘れることにします。
今デニスバンクスがニューメキシコに「聖なる走り」で来ています。今日、スウェットをやっていて
行ってきました。40人近くが二重の輪にならないと入れないくらいで、熱やスチームより
窮屈で辛かったです。が、アニシナベ語でのスェットは初めてだったので、とても
おもしろかったです。デニスバンクスも随分年をとりましたが、元気そうです。日本人が
何人かいるので、「ダイジョーブ?」「マタアシタ」とか言っていました。
明日から二日間、一緒に歩いてきます。帰ったら、また報告します。
インディアンと安住の土地の闘いは、考えただけで怒りに震えてしまいます。
柱が色々な方向に倒れるとは。今日スウェットの後に、その後の日程や明日の集合場所
を決める話し合いを見ていて、白人と決定的に違うと実感しました。皆が賛成するまで
デニスは「こうするのだ」と決定を下しません。だれか何か言いたいことがある間は、
みな黙って聞き続けます。皆が賛成するまで、とことん話し合う。先を急ぐ現代社会では
合理的でないと言うかも知れないけれど、心から納得して賛成するので、約束を簡単に
破る人はいないのかな、と思いました。
ほうほう、聖なる走りに参加なさるか。 あんまり無茶しないようにね。 ホッカヘイ!
今日は。行ってきました「聖なる走り」。とてもよかったです。
デニスは、ものすごくフツウのおじさんで、気さくだけれどまだまだカリスマに溢れていて、
エネルギーをあげるどころか、いただいてきました。日本人も何人かいました。
ランナー/ウォーカーの中には、こう言うのだけを何年もしているひとなどいて、いろいろ
考えさせられました。が、私には私の参加の仕方があるし、それを100%受け入れてくれる
温かさがただようグループでした。
毎日歩いたり走ったりした後、少し休憩すると誰かしら太鼓を取り出して歌い始め、それに
誰かが加わる。デニスの声の張りには、感動しました。
歩く人たちは、ずっと「南無妙法蓮華経」を唱えて、インディアンの皮で作る太鼓の
小さいのを鳴らしながら歩いていました。25キロほど毎日歩きます。私も一日目は歩き、
二日目には13キロほど走って来ました。
クレイジーホースの妹の血を引くタコタ・スーの男の子でアルバカーキの学校に行っている人や、
お母さんがオットー/ミズーリだけれど、父さんの家族の方が肌が合うのでこの旅の途中
オクラホマについたら南方シャイアンに登録を変えたい、と言っている人にも会いました。
他には、アボリジニーと住んでいたことからネイティブの世界に入って、何年も走っている
オーストラリア人も。
日本人の含め、いろいろつながりができて、もうひとつ新しい窓が開いたような気がします。
六月にひとつサンダンスの大きなのだあり、八月の初めにもラコタの居留地で大きいのがあって、
見学は許されるらしいです。
毎日かなりひどいものを食べて暮らしているので、できたら皆さんに寄付をお願いしたいです。
ttp://www.sacredrun.org ホッ!
あ、もうひとつ。前に話したプエブロインディアンの聖地となる塩湖ですが、ズニの近くに
あるのだけと思っていたら、もうひとつニューメキシコの中部にアコマやほかの人たちが行った
のがあることを知りました。実は私が走り始めたのはその辺りからで、すばらしい不思議な
塩湖でした。
いい記事でした。ブルーベリーやラズベリーも食べて育ったとは、思いもよりませんでした。
ミネソタの友人は、アニシナベの人たちと親しいのですが、これから
メープルシロップ作りを手伝うのだと言っていましたよ。
13年前、水木しげる先生が宮田雪氏に誘われてホピ族のところを尋ねたが、そのまえに
宮田氏のたっての推薦でヨロク族(ユロク族)のマジシャンに会いに行った。
マジシャンはビッグフットがいる森の中の一軒家に住んでいて、鮭を獲って一年分油に浸し、
顔みたいな大きさのリンゴが簡単にとれるので、彼らはそれを食べて暮らしていた。
水木先生はそこに一晩泊まって、寝てる間に小人の訪問をうけたそうな。
で、ユロク族の話はないかと思ったら、こんなのがあった
【狐と太陽】
昔、狐達は太陽に腹を立てていて、会議の末、勇敢な狐を12匹選び、
彼を捕らえるために腱の縄を綯い、太陽の討伐に向かわせた。
太陽が降りてくる道筋を見計らい、ある丘の頂上まで来たときに、狐達は
太陽を捕らえ、丘に繋いだ。
しかし、インディアンたちはこれを見て、12匹を矢で射殺し、腱の縄を切った。
が、太陽は地面を燃やし、ものすごい穴をそのときに開けた。
インディアンたちはこの話がホントのことだと知っている、なぜなら太陽が燃やした
穴を、今でも見ることが出来るからだ。
この話に出てくる「燃えた巨大な穴」とは何のことじゃろね。
大き目の隕石が落ちたクレーターとかでは
ある程度の大きさなら、昼間でもかなり強い光を発するし、
太陽と表現されてもおかしくないと思う。
656 :
651:2006/03/05(日) 00:59:41
ユロク族はカナダに近いカリフォルニヤ北端に住んでるので、
すろと、そのへんに有名なクレーターでもあるのかな?
セント・ヘレンズじゃないの。
火山の。
北カリフォルニアからオレゴンでしょ。
北カリフォルニアのマウント・シャスタ(シャスタ山)がユーロックの人たちの聖山だつたんじゃないかな。セントヘレンズは、オレゴンだし。
元ネタにそれが書いてないのでよくわからんね。
ところでユロク族はカヌー文化を持っていて、言い伝えでは昔、海を渡ってあちこちと交易していた。
縄文人もそういう形跡があるから、なんか交流があったんだとするとおもしろいね。
ユロク族の女シャーマンのもとで修行したハリーという白人のシャーマンがいて、
そのハリーさんの兄弟子みたいなロバートというシャーマンは、アイルランド人との混血だった。
ヨロクのシャーマニズムを会得したものは、人種の違いは問題でないらしい。
ロバートさんはヨロク族の最後の大酋長で、修行の内容はこういうものだった
まず、第一に、「岩と話をする」 岩は物知りで、太古の知恵を持っている。
次は「マハ」の巨大な試練、これは水か海の試練で、「水のメディスン」を得る
神聖なクラマス河口の湾内で、半マイル以上沖合いの岩の向こう側まで泳いで、
この岩にタッチしてくる命懸けのもの。
つづきはまた今度書くっす
>>659 本当に縄文人と交流があったら、おもしろいですね。
>>660 「岩と話をする」って座禅みたい。どうやって、試練が叶えられた、と判断するのかな?
(ところで、お久しぶりです。)
ho! 寒うおますなあ
ロバート酋長(1888-1953)の指導の下、ハリー少年のレッスンは続けられた。
(だいたい1920年代頃のことと思う)
「マハ」の試練の次の段階は、「大地のメディスン」を得ることで、これは真夜中に
引き紐と呪い袋だけを身につけた格好で、大森林を走り抜けるというもの。
夜明けごろにはハリーは足を痛めてへたり込んだが、「スピリット・メディスン」を得た。
これを三日間、次の「スピリット・トライアル」に備えて走り続けた。
次に、師匠ロバートが崖裾に見つけた洞窟(ペンデジョ洞窟といって、今でも見られる)で、
夜の間中、詠唱と祈りを続けるよう指示した。
そして、持ってきた呪い袋から材料を出してメディスンを作り、
また以前に同じ修行を行った者が、洞窟の中の岩の出っ張りに残しておいた
メディスンを探せと命じた。
↑
実際のところ洞窟は真っ暗で「地獄のようで」、どこに岩棚があるかもわからない
こうしてハリーは試練を終えて、ユロク族のシャーマンとして認められ、
ロバート酋長はハリーを次期酋長に推しさえした。
残りはちょっとハリーさんについて書いておこう
アイルランドの血が騒ぎ、ハリーはだんだん酒とタバコにおぼれていった。
ユロクは何百年も前から恐竜が鳥の一種だと考えていたが、ハリーは、部族に代々伝わる
神聖な石を首から下げていて、これは恐竜の「crop」石だと言っていた。あるとき、
ハリーはこの石をシャツの下から引っ張り出して言った、
「この石は、偉大な癒しと予言の力を持つが、シャーマンによって使われなくなれば、
マナを失ってしまう、が、もう今はこの石には力がほとんど残っていない・・・」
80年代に亡くなったが
いろいろこのあと逸話があるけどまあこのへんで。 ハリーさんは1980年代に亡くなったそうな。
北西部部族には女のシャーマンが多くて、また森林を何日もかけてさまよう修行がどの部族にも見られる。
>>659 ところで今読み返したら、これ間違えてるな。以下訂正
ハリーというアイルランド白人のシャーマンがいて、そのハリーさんの師匠は、
ロバートというシャーマンで、ユロク族の最後の全権酋長だった。
ハリーを、ロバートは次期酋長に推薦した。
ヨロクのシャーマニズムを会得したものは、人種の違いは問題でないらしい。
水木センセはビッグフットに会えなかったが、ビッグフットの伝説は全米の部族に分布している
やっぱり何かしらのものは存在してるんでしょうかね。
パイウテ族(パイユート族)では、ビッグフットはツェ=ナハハという名の巨人として出てくる
今度ヒマがあったら、この話を紹介してみる
ナバホでも巨人退治は、やはり神話のクライマックスです。
パイユートの話、楽しみにしております。
巨人楽しみデス
【女と巨人】
むかし、ツェ=ナハハという巨人がいて、人間を睨み殺すことが出来た。
いつも茨の籠を背負っており、ここに殺した人間を投げ込んだ。
インディアンたちがある家でハンドゲームに興じていて、ツェ=ナハハが来たときの用心に、
女を一人、外に立たせておいた。
しばらくすると、女はツェ=ナハハがやってくるのが聞こえた。
巨人は独り言を言いながら歌を歌っていた。女は警告を発したが中の人たちには聞こえない。
女は怯え始め、小さな穴に飛び込み、籠で覆って隠れた。
女は、ツェ=ナハハが戸口までやってきたのを聞いた。
ツェ=ナハハはかがみこんで家の中を見回し、ちゅうちゅうと二度唇を鳴らした。
そして家の中のだれかを見たとき、その人はすぐに死んでしまった。
他のものたちはそれを見て、目を見張った、一体何を見たというのか?
だがもうすぐに彼らもツェ=ナハハを見て、あっという間にみんな死んでしまった、
眠っている赤ん坊一人を残して。 そしてツェ=ナハハは行ってしまった。
気がつくともう日が昇っていて、赤ん坊は泣き叫び、死体の山の上を這い回っていた。
女は穴から這い出して戸内に入ったが、死体を直視できなかった。
女は家に火をつけ、赤ん坊を抱いて逃げ出した。 穴掘り棒を持っていたので
それでkani’d を掘って赤ん坊に食わせ、寝かした。
↑ カブかなにかそんなものか
まあそんな暮らしをしているところへ別の巨人、プ=ウィヒがやってきた。
プ=ウィヒは赤ん坊の頭を指でつまみ上げ、女に言った、
「わりゃあどっから来たんぞ?」
女は言った、「私はあそこのほれ、あの家から来たんでございます。煙が上がってございましょう?」
「あそこには、たくさんの男どもがおりますんでございますよ」
巨人はそっちへ向かい、女は怯えあがって何とか隠れようと試み、
穴掘り棒を使い、出来るだけ遠くへ飛べるように野生のカラスムギの藪でアーチを作った。
戻ってくると女がいないので、巨人は怒り狂い、鼻をねじり、カラスムギの藪と
女の棒の細工を見つけた。それは彼女がどっちの方角へ飛んだかを示していて、
やがて巨人は大きな平岩の下で泣いている女を見つけた。
巨人は女を覆っている平岩をどけた。 そのころにはもうあたりは暗くなっていた。
プ=ウィヒは言った、
「おりゃあ明日の朝におめえを喰うつもりだ。
今はひとまず火を起こして、この赤ん坊をすりつぶすことにすっかの」
彼は大きな平岩を見つけて、それでそういうことをしてそれを食べ、
もうご機嫌で横になり、歌なぞ歌ううちに眠ってしまった。
女は起き上がり、今度は叔母の家のある東の方向へジャンプした。
叔母の家まで来て、ようやく彼女は安全になった。
今回は岩からジャンプしたので、巨人は彼女がどっちの方向へ跳んだか分からなかったのである。
パイウテ族は、この女から始まったものである。
おわり
この「ジャンプする」というのがよくわからんが、気にせんでくれ
聞こえるのはただ平原を渡る風の音ばかり このスレも仕舞い時かもな
>>676 こ、怖っ。巨人怖っ。
ビッグフットって時々足跡出たとかビデオとったとか言われてますね。
まだ巨人の生き残りがいるんでしょうか。
あ、レスがついた。 ビッグフットはいるでしょうね。
それにしても、旅人さんは旅に出たようだし、独りで書いてても空しっす
681 :
679:2006/03/31(金) 23:58:00
残念ながらお話できるようなお話を思い出せません。浅学で申し訳ない(涙
トランス状態でよく得られるイメージに、飛翔体験というのがあるそうですが、
ジャンプと聞いてそれを思い出しました。
彼女はある種のシャーマンだったのかも、なんて憶測してみたり。
まあ気を取り直してもう少し続けますかね。
「ジャンプする」というのは、単純に投石器の原理みたいなもので飛んでるんだと思うんだけどね。
カナダ西海岸の部族の間では、ビッグフットは「サスカッチ」と呼ばれる。 ←かなり有名でない?
両目が落ち窪んだ、出歯の怪物としての仮面も数多く作られてます。
つぎは、クワクワカワク族の(むかしはクワキウトル族といった)、
ビッグフットの話を書いてみようかなと思うので、近日また・・・
「ジャンプする」
馬鹿な読者に迎合すること
そんなボケはいいから、なんか語ってよ
>>682 > 「ジャンプする」というのは、単純に投石器の原理みたいなもので飛んでるんだと思うんだけどね。
え、それはつまり、棒をしならせてそれが戻る勢いで飛ぶと…?
なかなかスリリングな移動方法ですね(汗
カナダのほうでもビッグフットは籠を背負ってるんだよねー
あと、平岩の上でどうこうするって描写もビッグフット譚に共通するアイテムなんだよー
来週の世界不思議発見はホピ族でつね
690 :
天之御名無主:2006/05/25(木) 00:25:06
一般の人でも買えるオススメのネイティブアメリカンの神話集
といったらどんなものがあるでしょうか?
>両目が落ち窪んだ、出歯の怪物としての仮面も数多く作られてます。
このあたりの分析については、レヴィ=ストロースの『仮面の道』おすすめ。
693 :
天之御名無主:2006/05/26(金) 21:23:47
>>691 ありがとうございます。
同じ出版社でアメリカ先住民の神話伝説というのもあるのですがこちらも良さそうですね。
買った人いらっしゃいますか?
そっちも紹介しようかと思ったけど、上下巻揃えると値段がお高くなるのでどうかとオモタんす。
タタンカ・イヨタケの愛馬が、主人の死後に踊りを踊ったとか、実話も入ってて面白いよ。
著者は「インディアン魂」のアードスさんだ。
>>692 ありがとう、一回読んでみます。 ってもう売ってないのかな。図書館で探すか。
なんだかまたにぎわってきたような気もするので、ここらでネタ投下してみる。
【最初のトーテムポール】
これは、カナダ西海岸のクワクワカワク族(クワキウトル族)の神話
まだ一度も自分の踊りを持ったことのない酋長がいた。 他の酋長はみんな
自分の踊りを持っているというのに、ワキアッシュ酋長は不幸せだった。
彼は踊りについて考え続け、4日間のハンブレチアを始めた。
断食して4日目、彼は眠りに落ちた。 と、何かが彼の胸に落ちた。
それは一匹のミドリガエルだった。
「目を覚ましなさい」 と蛙は言った、
ワキアッシュは目を覚まし、ここがどこなのか知ろうとした。
「お前はワタリガラスの背中に乗っているのだよ。
ワタリガラスは、お前と世界を一周して見せるだろう。」
カラスは世界中を飛び回り、ワキアッシュに世界の総てを見せた。
4日目にカラスは、トーテムポールが戸口に立っている家の前まで飛んできた。
そして、その家の中からは歌が聞こえてくるのだった。
ワキアッシュは、どうにかしてこの家とトーテムポールを持ち帰れないものかと心の中で願った。
蛙はそんなワキアッシュの心を知っていて、カラスに命じて家に降り、
ワキアッシュに扉の陰に隠れるように言った。
「彼らが踊りだしたら、部屋へ飛び込むんだよ」と蛙は言った、
家の中の人たちは踊りはじめた。 彼らは、動物の人々だった。
が、彼らは歌うことも踊ることも出来なかった。 彼らは口々に言った、
「なにかおかしい。」 「誰かが近くにいるみたいだ。」
その中の酋長が言った、
「誰か一人、炎みたいにすばしこいやつが、家の外をちょっくら見てきてくれないか。」
そこで鼠が様子を見に行くことになった。 動物の服を脱ぐと、それは女の姿になった。
彼女は外にでたが、ワキアッシュに捕まった。
「待ってください、何かあなたに差し上げたいです」
ワキアッシュは言って、山ヤギの脂のかけらを差し出した。
「私は、トーテムポールと、この家が欲しいのです」とワキアッシュは言った、
「私は、あの踊りと歌が欲しいのです」
「では、私がもう一度出てくるまで、待っていなさい」と鼠は答えた。
つづく
>>693 ところでsage進行で願います。
____ ________ _______
|書き込む| 名前:| | E-mail(省略可): |sage |
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑
ここに半角小文字でsageと書いてちょ
>>694 サンクスです。バイトの給料はいったら買ってみま。
>>699 すいませ。ageるほうが意見聞きやすいかなぁ〜とか思ったもので。
>>698 おしまい? ちょっと残念。。。
年に1〜2回しか見に来てないけど
続き待ってるよん
702 :
天之御名無主:2007/04/06(金) 22:20:43
あげ
703 :
天之御名無主:2008/03/29(土) 23:34:43
あげ
オ・キーパを詳しく解説したサイト
なかなか見つからないなあ
705 :
天之御名無主:2008/09/03(水) 23:34:54
かなりドスケベなキモイおっさんたちAv出すのやめて。ところでハイダ族が住む地域に鮑 烏 人が出る神話があるようですがどんな話ですか。
706 :
天之御名無主:2008/09/22(月) 19:47:09
質問です。
アンデス山脈の西側はインカ神話がありますが、東側に神話はないのですか?
(土着の神がいるかでなくて神話があるかということです)
久しぶりに見た
708 :
天之御名無主:2008/11/29(土) 01:14:37
アメリカ先住民には「ベルダーシュ」と呼ばれる人々が居たから、
男色関係の神話も色々とあった筈です。
知っている人がいたら教えて下さ〜い。
709 :
天之御名無主:2009/06/14(日) 06:27:29
昭和の半ばに出た『シートン全集』に昔話が出ている。
興味があったら図書館などで探してみるとよい。
710 :
天之御名無主:2010/06/02(水) 23:09:06
ソース元があれな上にうろ覚えなんだが教えてもらいたい
12〜13年ほど前にサスペリアって言う女性向けホラー漫画雑誌に
幻獣大図鑑っていうコーナーが有って恐らくはネイティブアメリカン発の
こんな精霊だか妖怪みたいなのが紹介されてたんだ
・人間の脳味噌が好物
・妻と召使いの女の他にクマとカラスとフクロウの使い魔がいる
・人間の襲い方は、まず女房が人間の前に姿を現して森の奥へと誘う
次にクマが人間を押さえつけ鳥達がつつき殺し最後に召使いの女がそいつに人間の脳を供する
・実体が無いので人間の脳を食らう時は別の人間に乗り移る
・ビジュアルは人間がトーテムポールに描かれている様な紋様の仮面をかぶっている感じ
書き忘れた、こいつの名前知っていたら教えてくれ
ネイティブカナディアンのほうの妖怪じゃねえの?
713 :
天之御名無主:
あえてage
>旅人希望さん
ムヌのお話続きが知りたいです、その後見つかりましたか?
ネイティブ・アメリカンの伝承で有翼人についての詳しい文献ご存知の方がいたら
教えてください。部族は特に問いません。